(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137887
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】製品の1つまたは複数の広範な特性を測定するための電磁測定装置およびその測定方法
(51)【国際特許分類】
G01G 9/00 20060101AFI20240927BHJP
G01G 17/04 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G01G9/00
G01G17/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024045847
(22)【出願日】2024-03-22
(31)【優先権主張番号】102023000005631
(32)【優先日】2023-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(72)【発明者】
【氏名】ディオニージ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】フラッソン,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】トリヴィゾーノ,エウラ
(57)【要約】
【課題】既知のタイプの電磁測定装置は、搬送経路に沿って配置されるので、その形状および配置に関して、使用される搬送コンベアのタイプおよび製品のタイプに直接制約される。
【解決手段】製品の1つまたは複数の広範な特性を測定するための電磁測定装置であって、内部が中空である本体であって、製品を受け入れるように構成された内部空洞を画定する導電材料で作られた壁を備える本体と、内部空洞(302;302’)に電磁場を生成し、内部空洞に存在する製品によって乱された電磁場を受信するように構成された結合部品と、を備える電磁測定装置が提示される。本体は、壁の1つに形成された積載開口部を有する。測定装置はさらに、積載要素および移動装置を備え、移動装置は、本体に対して積載要素を移動させることができ、積載要素を、製品を受け入れるように構成された外部位置から、製品が内部空洞にあり且つ測定位置に配置される内部位置まで、積載開口部を通して本体内に挿入するように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品(201、202)の1つまたは複数の広範な特性を測定するための電磁測定装置(1;1’)であって、
-内部が中空である本体(3;3’)であって、前記製品(201、202)を受け入れるように構成された内部空洞(302;302’)を画定する導電材料で作られた壁(301;301’)を備える本体(3;3’)と、
-前記内部空洞(302;302’)に電磁場を生成し、前記内部空洞(302;302’)に存在する前記製品(201、202)によって乱された前記電磁場を受信するように構成された結合部品(4)と、を備え、
-前記本体(3;3’)は、前記壁(301;301’)の1つに形成された積載開口部(303;303’)を有し、当該測定装置(1;1’)はまた、
-積載要素(6;6’)および移動装置(7)を備え、前記移動装置(7)は、前記本体(3;3’)に対して前記積載要素(6;6’)を移動させることができ、前記積載要素(6;6’)を、前記製品(201、202)を受け入れるように構成された外部位置から、前記製品(201、202)が前記内部空洞(302;302’)にあり且つ測定位置に配置される内部位置まで、前記積載開口部(303;303’)を通して前記本体(3;3’)内に挿入するように構成される、電磁測定装置(1;1’)。
【請求項2】
前記積載要素(6;6’)は、前記積載要素(6;6’)が前記内部位置にあるときに、前記積載開口部(303;303’)を閉じるように形作られており、誘電材料で作られた支持部(601;601’)を備え、前記支持部は、前記積載要素(6;6’)の上に載っている製品(201、202)を受け入れるように構成され、前記積載要素(6;6’)が前記内部位置にあるときに、前記内部空洞(302、302’)を少なくとも部分的に区切る、請求項1に記載の電磁測定装置(1;1’)。
【請求項3】
前記移動装置(7)は、同一の前記積載開口部(303;303’)を通して前記製品(202、202)を取り出すように、前記積載要素(6;6’)を前記内部位置から前記外部位置に戻すように構成される、請求項1または2に記載の電磁測定装置(1;1’)。
【請求項4】
前記内部空洞(302;302’)は、前記積載開口部(303;303’)と連通する積載空間(304;304’)を有し、前記積載要素(6;6’)は、前記積載空間(304;304’)内で移動可能であり、前記測定装置(1)は、前記内部空洞(302;302’)を少なくとも部分的に充填する固体状態の材料で作られた誘電部品(5)を備え、前記積載空間(304)は、前記誘電部品(5)によって区切られる、請求項1から3のいずれか一項に記載の電磁測定装置(1;1’)。
【請求項5】
前記製品(201、202)は、流動材料(202)を収容するように構成された中空容器(201)であり、前記内部空洞(302;302’)は、前記積載開口部(303;303’)と連通する積載空間(304;304’)を有し、前記積載要素(6;6’)は、前記積載空間(304;304’)内で移動可能であり、前記本体(3;3’)は、前記壁(301;301’)の1つに形成された少なくとも1つの充填開口部(305;305’)を備え、前記内部空洞(302;302’)は、前記充填開口部(305;305’)と連通する充填空間(306;306’)を有し、前記充填空間(306;306’)は、前記積載要素(6;6’)が前記内部位置にあり且つ前記容器(201)が前記測定位置にあるときに、前記容器(201)を前記流動材料(202)で充填するのに適したノズル(8)を受け入れるように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の電磁測定装置(1;1’)。
【請求項6】
前記充填空間(306)は前記誘電部品(5)によって区切られる、請求項4に従属する場合の、請求項5に記載の電磁測定装置(1;1’)。
【請求項7】
前記積載空間(304;304’)および前記充填空間(306;306’)は、前記積載開口部(303;303’)から前記充填開口部(305;305’)まで延びる、2つの側面で開いたチャネルを規定し、前記測定位置は、前記積載空間(304;304’)と前記充填空間(306;306’)との間の前記チャネル内に配置され、両方に接続される、請求項6に記載の電磁測定装置(1;1')。
【請求項8】
前記積載開口部(303)および前記充填開口部(305)は互いに対向しており、前記チャネルは単一の長手方向軸に沿って延びており、前記積載空間(304)、前記充填空間(306)および前記測定位置は前記チャネルの同一の前記長手方向軸に沿って延び且つ互いに一直線上に位置合わせされており、前記本体(3)は平行六面体の形状を有し、前記積載開口部(303)および前記積載開口部(305)は前記本体(3)の対向する壁(301)に形成される、請求項7に記載の電磁測定装置(1)。
【請求項9】
前記チャネルの軸は垂直であり、前記移動装置(7)は、前記容器(201)が前記積載開口部(303)の下方で受け入れられる外部位置と前記内部位置との間で前記積載要素(6)を垂直に持ち上げるように構成される、または、前記移動装置(7)は、前記容器(201)が前記積載開口部(303)の下方で受け入れられる前記外部位置と、前記ノズル(8)を前記容器(201)内に挿入することを可能にするように構成された挿入位置と、の間で前記積載要素(6)を垂直に持ち上げ、その後、前記挿入位置から前記内部位置まで前記積載要素(6)を下ろすように構成される、請求項8に記載の電磁測定装置(1)。
【請求項10】
前記内部空洞(302)は、前記積載開口部(303)と連通する積載空間(304)を有し、前記積載要素(6)は、前記積載空間(304)内で積載ラインに沿って移動可能であり、前記結合部品(4)は、前記内部空洞(302)に生成される電磁場が前記積載ラインに垂直な平面内に広がる電界分布を有するように、前記壁(301)の1つに方向付けられ且つ配置される、請求項1から9のいずれか一項に記載の電磁測定装置(1)。
【請求項11】
前記積載空間(304’)および前記充填空間(306’)は、互いに異なるそれぞれの軸に沿って延び、前記測定位置で収束する前記チャネルのそれぞれの区画を規定し、前記積載空間および前記充填空間の前記軸は、互いに収束し且つ互いに垂直であり、前記本体(3’)は平行六面体の形状を有し、前記積載開口部(303’)および前記充填開口部(305’)は、前記本体(3’)の隣接する壁(301’)に形成される、請求項7に記載の電磁測定装置(1’)。
【請求項12】
前記結合部品(4)は、前記充填空間(306’)の長手方向軸に垂直な平面に広がる電界分布を有する電磁場を生成するように、前記壁(301’)の1つに方向付けられ且つ配置される、請求項11に記載の電磁測定装置(1’)。
【請求項13】
前記結合部品(4)は、前記測定位置以外の位置で最大強度を有する電界分布を有する電磁場を生成するように、前記壁(301;301’)の1つに方向付けられ且つ配置される、請求項1から12のいずれか一項に記載の電磁測定装置(1;1’)。
【請求項14】
製品の1つまたは複数の広範な特性を測定するための方法であって、請求項1から13のいずれか一項または複数に記載の電磁測定装置(1;1’)を準備することを含み、また、
-前記積載要素(6;6’)が前記外部位置にあるときに、前記積載要素(6;6’)上の前記製品(201、202)を受け入れるステップと、
-前記製品(201、202)を前記内部空洞(302;302’)の前記測定位置に配置するために前記積載要素(6;6’)を前記外部位置から前記内部位置に移動させることによって、前記積載開口部(303;303’)を通して前記本体(3;3’)内に前記積載要素(6;6’)を挿入するステップと、
-前記内部空洞(302;302’)内に電磁場を生成し、前記内部空洞(302;302’)に存在する前記製品(201、202)によって乱された前記電磁場を受信して、前記製品(201、202)の前記1つまたは複数の広範な特性を測定するステップと、を含む方法。
【請求項15】
同一の前記積載開口部(303;303’)を通して前記製品(201、202)を取り出すために前記積載要素(6;6’)を前記内部位置から前記外部位置に戻すステップを含む、請求項14に記載の測定方法。
【請求項16】
流動材料(202)を収容するように構成された中空容器(201)を前記製品(201、202)として準備するステップと、前記内部空洞(302;302’)の充填空間(306;306’)に受け入れられたノズル(8)によって前記容器(201)を前記流動材料(202)で充填するさらなるステップとを含み、前記充填するステップは、前記内部空洞(302;302’)内に前記積載要素(6;6’)を挿入する前記ステップの後に行われる、請求項14または15に記載の測定方法。
【請求項17】
前記積載要素(6)を前記積載開口部(303)の下方に配置するステップを含み、前記方法は、前記外部位置と内部位置との間で前記積載要素(6)を垂直に持ち上げるステップ、または、任意付加的に、前記ノズル(8)を前記容器(201)に挿入することを可能にするように、前記外部位置から挿入位置まで持ち上げるステップ、および、その後、前記積載要素(6)を前記挿入位置から前記内部位置まで下ろすステップを含む、請求項16に記載の測定方法。
【請求項18】
前記方法は、前記空の容器(201)が前記測定位置にあるときに、基準測定値を取得し、その後、その基準測定値に対する前記流動材料(202)の前記広範な特性の測定値を取得し、前記基準測定値を使用して前記測定装置(1;1’)の測定条件をゼロにするステップを含む、請求項16または17に記載の測定方法。
【請求項19】
前記充填の終了時に前記流動材料(202)の前記広範な特性を測定するステップを含み、任意付加的に、前記方法は、前記充填中に前記流動材料(202)の前記広範な特性を測定し、測定された前記流動材料(202)の前記広範な特性が所定の値に等しい場合に、前記測定装置(1;1’)が挿入された自動機械が前記容器(201)の充填を中断することを可能にするように、その広範な特性に関するデータを前記自動機械と交換する別のステップを含む、請求項16から18のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項20】
電界分布を、それが、前記積載要素(6)が移動する前記内部空洞(302)の積載空間(303)の長手方向軸に垂直な平面に広がるように、方向付けるステップを含む、請求項14から19のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項21】
前記内部空洞(302;302’)の電界分布を、それが前記測定位置以外の位置で最大強度を持つように、方向付けるステップを含む、請求項14から20のいずれか一項に記載の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の1つまたは複数の広範な特性を測定するための電磁測定装置およびその測定方法に関する。
【0002】
特に、本発明は、製品の広範な特性、例えば重量または体積を測定するための電磁測定装置に関するが、一般性を制限することなく、本発明の電磁測定装置は、有利なことに、重量または体積とは異なる、製品の他の広範な特性を測定するために使用され得ることを知るべきである。
【0003】
製品の広範な特性とは、製品自体の材料の量または寸法に応じた物理的な量を意味する。言い換えれば、広範な特性は、製品を形成する材料の量、またはその空間的な広がりに比例して増加または減少する。
【背景技術】
【0004】
製品の搬送を行う自動機械であって、搬送経路を画定する搬送コンベアと、搬送経路に沿って配置された測定ステーション、例えば製品の重量を測定するためのステーションとを備える、自動機械が知られている。
【0005】
製品が液体または粉末などの流動材料を収容するように形作られた容器である場合、自動機械は、測定ステーションに加えて、搬送経路に沿って測定ステーションの上流に配置された充填ステーションを備えることができ、当該充填ステーションに向かって空の容器は搬送され、所定量の流動材料で充填される。
【0006】
空の容器の重量を知り、計量ステーションで充填された各容器の重量を測定することにより、各容器に収容された流動材料の重量を特定することが可能である。
【0007】
製薬業界の製品の場合、容器は、液状または粉末の薬剤を充填するためのボトルまたはバイアルであり得る。これらの製品にとって、医薬品の有効性を確保するために、充填流動材料の特に正確なドージング制御が重要であり、不適合製品、すなわち、その中に不十分または過剰量の充填製品を収容する製品の販売は、防止されなければならない。この目的のために、流動材料で充填された各容器は個別に計量され、計量ステーションの下流で、充填された容器は密封され、流動材料が所定の重量であれば市場に投入されるよう準備され、適合しなければ破棄される。
【0008】
最近では、電子タバコ用のシングルユースの(すなわち、使い捨ての)カートリッジも提案されており、当該カートリッジは、マイクロ穿孔された底壁を有する管状形状のプラスチック材料で作られたケーシングであって、ある量の粉末タバコを収容するケーシングを備える。
【0009】
このようなカートリッジの製造では、各ケーシングは計量された1回分の粉末タバコで充填され、所望の密度を得るためにケーシング内の充填製品はわずかに圧縮される。
【0010】
この場合も、カートリッジは別々に計量され、内部に不十分または過剰量のタバコを収容するカートリッジを破棄することが可能である。所定の重量のタバコを収容するカートリッジのみがキャップされ、市場に投入されるように準備される。
【0011】
流動材料のドージングの正確さを高めるために、製薬業界用およびタバコ業界用の両方に対して、空の容器の重量を測定するための、充填ステーションの上流に配置された第1の測定ステーションの第1のロードセルによる第1の重量測定と、流動材料で充填された満杯の容器の重量を測定するための、下流の第2の測定ステーションの、または充填ステーションの、更なるロードセルによる第2の重量測定とが提供され、充填された容器と空の容器との差によって流動材料の重量が得られる。実際、各空の容器の重量を測定することにより、所定の公称重量に対する容器の変化を考慮することが可能である。
【0012】
ロードセルによる各重量測定は、測定の継続時間に等しい休止時間をもたらし、充填製品の量が少ないために充填が速ければ、充填の継続時間は重量測定の継続時間よりも短くなる。実際、これでは各容器ごとに2回の休止が発生し、自動機械のサイクルタイムが遅くなる。
【0013】
電磁マイクロ波測定装置は、製薬業界の自動機械用とタバコ業界の自動機械用の両方で知られており、製品の広範な特性、例えば製品の重量および/または体積、を測定することができる。電磁測定装置の使用は、同一条件で、ロードセルによる同一の測定よりも迅速に広範な特性を測定できるので、有利である。
【0014】
このような既知のタイプの電磁測定装置は、搬送経路に沿って配置されるので、その形状および配置に関して、使用される搬送コンベアのタイプおよび製品のタイプに直接制約される。
【0015】
例えば、「C」字型のマイクロ波測定装置が知られており、これは3つの側面で開いており、側面に入口を持ち、搬送コンベア上で片持ち梁式に垂直に保持された製品によって横切られるように構成され、製品のみが測定装置内に受け入れられ、搬送コンベアは受け入れられず、このことは製品の広範な特性の測定を変え得る。
【0016】
この場合、製品の搬送は、特に複雑であり、流動製品を収容する開いた容器に適さない。
【0017】
逆に、後者に関して、搬送コンベアは、垂直に保持された開いた容器および水平移動のために配置された搬送コンベアの両方が「C」字型のマイクロ波測定装置に受け入れられるように適切に設計することができる。これにより、容器は常に垂直に運ばれ、マイクロ波検出器を通過する搬送中も搬送コンベアによってしっかりと保持される。しかしながら、充填製品で充填された容器と搬送コンベアの両方の同時測定を考慮して、広範な特性の測定の補正が必要である。
【0018】
さらに、隣接する製品の測定における相互干渉により測定補正が必要になり得る。
【発明の概要】
【0019】
これに関連して、本発明の基礎となる技術的課題は、前述の従来技術の欠点を克服する、製品の1つまたは複数の広範な特性を測定するための電磁測定装置およびその測定方法を提案することである。
【0020】
特に、本発明の目的は、簡単且つ効率的な態様で製品の1つまたは複数の広範な特性の正確且つ効率的な測定を保証することができる電磁測定装置およびその測定方法を提供することである。
【0021】
本発明のさらなる目的は、1つまたは複数の広範な特性を測定するために必要な時間を最大限に短縮し、同時に、搬送コンベアなどの製品以外の要素または当該製品に隣接する製品の影響による、測定を補正する必要を低減する電磁測定装置およびその測定方法を提供することである。
【0022】
本発明の他の目的は、現在知られているものに対する代替として、1つまたは複数の広範な特性を測定するのに特に効率的であり且つ製造が容易なコンパクトな測定装置を得ることを可能にする電磁測定装置およびその測定方法を提供することである。
【0023】
本発明のさらなる目的は、製品が流動充填材料を収容するように構成された容器である場合、流動材料の1つまたは複数の広範な特性を測定するのに特に効果的であり且つそのような広範な特性またはそのような広範な複数の特性を測定するために必要な滞留時間を短縮する電磁測定装置およびその測定方法を提供することである。
【0024】
技術的課題および特定された目的は、添付の特許請求の範囲の請求項の1つまたは複数に記載された技術的特徴を備える電磁測定装置およびその測定方法によって実質的に達成される。
【0025】
参照により本明細書に組み込まれる従属請求項は、本発明の種々の実施形態に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付図面に示される、電磁測定装置の好ましいが排他的ではない実施形態の以下の例示的な、したがって、非限定的な説明からより明らかになるであろう。
【
図1】本発明による、製品の1つまたは複数の広範な特性を測定するための電磁測定装置であって、内部が中空で且つ内部空洞を規定する壁を有する本体と、本体に対して移動可能であり、製品が載置され、静止している積載要素とを備え、積載要素が、製品が測定位置にある内部位置にある、電磁測定装置の斜視図を示す。
【
図2】明瞭化のために部品を取り除いた
図1の測定装置であって、空気である、本体の内部空洞を充填するための誘電部品を備える、測定装置の斜視図である。
【
図3】
図1の電磁測定装置の変形例の斜視図であり、ここでは、積載要素が、製品が測定位置にある内部位置にあり、製品が、上部で開口した、流動材料を収容するための容器であり、ノズルが本体内部の充填空間に受け入れられ且つ容器を充填するために容器内に挿入されている。
【
図4】明瞭化のために部品を取り除いた
図3の測定装置の斜視図である。
【
図5】内部空洞を充填するための固体状態の誘電部品を備えた、
図1の測定装置の別の変形例の斜視図である。
【
図6】明瞭化のために部品を取り除いた
図5の測定装置の斜視図である。
【
図7】内部空洞を充填するための固体状態の誘電部品を備えた、
図3の測定装置のさらなる変形例の斜視図である。
【
図8】明瞭化のために部品を取り除いた
図7の測定装置の斜視図である。
【
図9】
図7の測定装置の断面図であり、ここでは、積載要素が、空の容器を受け入れた外部位置にあり、測定装置の移動装置によって内部空洞に、本体の壁に形成された積載開口部を通して、挿入可能である。
【
図10】
図7の測定装置の断面図であり、ここでは、積載要素が内部位置に移動装置によって移動され、内部位置では、容器が測定位置にあり、容器が、ノズルのその中への挿入後、充填ステップにある。
【
図11】
図7の測定装置の断面図であり、ここでは、積載要素が内部位置にあり、充填ステップが完了し、容器が充填されている。
【
図12】
図7の測定装置の断面図であり、ここでは、充填ステップ後に積載要素が同一の充填開口部を通して内部位置から取り外され、内部位置から外部位置に移動装置によって移動されている。
【
図13】
図7の測定装置の変形例の断面図であり、ここでは、充填ステップに先立つ挿入ステップにおいて、空の容器をノズルに結合することを可能にするように積載要素が外部位置から挿入位置に移動装置によって移動されており、積載要素は次に、ノズルが容器内に挿入されたときに、移動装置によって内部位置に移動されている。
【
図14】
図7の電磁測定装置および移動装置の1つのバージョンの断面図であり、ここでは、積載要素は空の容器を受け入れた外部位置にあり、ノズルは充填空間に受け入れられ、移動装置は充填空間に垂直な積載空間内に水平に積載要素を移動するように構成される。
【
図15】充填ステップの終了時における
図14の電磁測定装置の断面図であり、ここでは、積載要素は、積載開口部を通して本体内に挿入されており、容器が測定位置にある内部位置にあり、ノズルは流動材料で容器を充填し終えている。
【
図16】使用時における
図1の測定装置の上面図であり、ここでは、本体の壁の少なくとも1つに方向付けられおよび配置された結合部品によって生成された電磁場は、積載空間の長手方向軸に垂直な平面に広がる電界分布を有し、電磁場の最大強度は測定位置以外の位置にある。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、同一の要素は同一の参照番号で種々の図において示される。
【0028】
図1から16は、製品の1つまたは複数の広範な特性を測定するための電磁測定装置1を示し、当該装置は以下、より簡単に測定装置1と称される。
【0029】
上述のように、製品の「広範な特性」という用語は、製品の材料の量または寸法に依存する物理的な量を意味するものと理解される。言い換えれば、広範な特徴は、製品を形成する材料の量、またはその空間的な広がりに比例して増加または減少する。
【0030】
以下、例として、製品の体積などの広範な特性の測定について言及がなされるが、有利なことに、一般性を制限することなく、本発明の電磁測定装置は、他の広範な特性、例えば重量、を測定するのに使用され得ることを知るべきである。
【0031】
さらに、製品の1つまたは複数の広範な特性を測定することにより、例えば湿度などのさらなる製品特性、および、場合によっては製品の組成(すなわち、材料のタイプ)を収集することが可能である。
【0032】
明細書および図面は、容器201であって、例えば、液体タイプまたは粉末の流動材料などの充填材料202を収容するように構成された容器201であり得る製品を参照する。容器201は上部で開いており、上方から流動材料202で充填されることに留意すべきである。
【0033】
容器201は、例えば、ガラスまたはプラスチック材料で作られ得るボトル、またはバイアルであり得る。
【0034】
液体タイプの流動材料202は、例えば、油性または水性エマルジョンを含む薬剤であり得る。
【0035】
粉末の流動材料202は、例えば、薬剤、または医薬品用途の市販製剤、例えばサプリメント、であり得る。代替的に、粉末の流動材料202はタバコ粉末であり得る。
【0036】
測定装置1は、容器201が空の場合でも、容器201が流動材料202で充填されている場合でも、製品の1つまたは複数の広範な特性を測定するように構成される。
【0037】
任意付加的に流動材料202で充填される容器201などの製品を示し、参照するにもかかわらず、本明細書で説明される本発明は、製品が一般に1つまたは複数の誘電材料で作られている場合、1つまたは複数の広範な特性を測定する必要がある別のタイプの製品にも適用されることを知るべきである。
【0038】
ここで、容器201などの製品のための搬送コンベアと、充填ステーションであって、そこに運ばれた各空の容器201を流動材料202で充填するように構成された充填ステーションと、を備えたタバコ業界における自動機械、または図示されていない製薬業界の自動機械を考えると、有利なことに、本発明の測定装置1は、容器201の体積だけでなく、容器201に充填された流動材料202の体積も測定するように、充填ステーションで使用され得る。
【0039】
流動材料202の体積を測定することにより、そこから流動材料202の重量を算出し、その密度を知ることが可能であることに留意すべきである。
【0040】
測定装置1は、内部が中空であり且つ製品を受け入れるように構成された内部空洞302を規定する導電材料で作られた壁301を備えた本体3を備える。
【0041】
測定装置1は、内部空洞302に電磁場を生成し、製品が内部空洞302に存在する場合に当該製品によって乱された前記電磁場を受信するように構成された結合部品4を備える。
【0042】
このような乱れは、共振器の主要な特性を識別することによって測定することができ、これらの主要な特性から、連続的な処理によって、関心のある1つまたは複数の広範な特性を特定することが可能である。
【0043】
測定装置1は、内部空洞302を完全にまたは部分的に充填するために設けられた誘電部品5を備えることに留意すべきである。
【0044】
非導電材料で作られた誘電部品5は、
図1から4に示されるように、気体状態、すなわち空気であり得、この場合、それは内部空洞302を完全に充填するために設けられる。
【0045】
代替的に、
図5から15に示されるように、誘電部品5は固体状態の材料で作られ得、この後者の場合には、それは内部空洞302を少なくとも部分的にまたは完全に充填するように設けられる。
図5から15では、誘電部品5が固体状態で且つ内部空洞302を完全に充填できる形状で示されているが、内部空洞が固体状態の誘電部品5で部分的にのみ充填される他の形状も可能であってもよいことを知るべきである。
【0046】
固体状態の誘電部品5は、食品と接触することが意図されているものの中で許容される不活性材料、例えばプラスチックタイプの材料、またはセラミックタイプの材料、であり得る。
【0047】
例えば、不活性プラスチックタイプの材料は、高密度ポリエチレン(HDPEと略称される)、ポリスチレン(PSと略称される)、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標)の商品名で知られるPFCと略称されるパーフルオロカーボンのクラスに属するポリマー)、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。実際、上でリストアップされたプラスチック材料は、消費者の健康に悪影響を与えず、接触する可能性のある製品の品質に影響を与えないと知られているので、消費を目的とした製品に特に使用される。
【0048】
本体3は、壁301の1つに形成された積載開口部303を有する。
【0049】
測定装置1は、積載要素6と移動装置7とをさらに備え、移動装置7は、積載要素6を本体3に対して移動させることができる。
【0050】
移動装置7は、積載要素6を移動させることができ且つ積載要素6に接続された空気圧式、機械式または電子式の作動装置であり得る。
【0051】
移動装置7は、実際には、製品を受け入れるように構成された外部位置から、製品が内部空洞302にあり且つ測定位置に配置された内部位置まで、積載開口部303を通して本体3内に積載要素6を挿入するように構成される。
【0052】
測定装置1が可動の積載要素6と移動装置7とを備えるという事実により、製品は測定装置1の外部から測定位置に移送され、そこで、簡単な態様で且つ製品が自動機械内で搬送コンベアによって測定装置1に運ばれる方法に関係なく、関心のある1つまたは複数の広範な特性が測定される。実際、測定位置と搬送コンベアの間に相互作用がなくなるので、搬送される製品のために自動機械の最も適切な搬送コンベアを選択することが可能となり、したがって、搬送コンベアの構造、結果として測定装置1を挿入できる自動機械の構造が簡素化される。同時に、製品は測定装置1の内部空洞302内に挿入され、測定装置1の一部であり且つ最大の測定効率を保証する積載要素6によって移動されながら積載開口部303を通過するので、製品品質の測定も最適に保証される。さらに、各製品が測定装置1内に個別に挿入されるという事実は、製品の品質の各測定が当該製品に隣接する他の製品による影響を受け得ないことを保証する。
【0053】
積載要素6は、内部位置にあるときに、積載開口部303を閉じるように形作られていることに留意すべきである。言い換えれば、積載開口部303は積載要素6によって塞がれており、そのため、積載要素6および製品のみが内部空洞302にアクセスすることを許容されるが、いかなる異物もアクセスすることを許容されない。
【0054】
さらに、積載要素6は支持部601を備え、支持部601は積載要素6の上に載っており且つ固体状態の誘電材料で作られた製品を受け入れるように構成されており、この誘電材料は、誘電部品5が空気でない場合、誘電部品5が作られる誘電材料、例えば固体状態の誘電材料、と同一の材料であり得る。代替的に、支持部601が作られる誘電材料は、誘電部品5に対して具体的に且つ独立して選択され得る。
【0055】
支持部601は、積載要素6が内部位置にあるときに、内部空洞302を少なくとも部分的に区切り、測定装置1の品質係数を高く保つことに寄与する。
【0056】
積載要素6全体は、
図1から13に示されるように、支持部601が支持面を形成する単一部品として形成され得る。しかしながら、積載要素6は、測定装置1とは異なるバージョンの測定装置1’であって、後でより詳細に説明される測定装置1’を参照する、
図14および15に示されるものと同様に、本体3が作られる同一の金属材料で作られた外側部を持つこともできる。
【0057】
積載要素6の金属の外側部が存在する場合、当該外側部は、電磁場を本体3に、したがって内部空洞302に完全に封じ込めることを可能にする。
【0058】
このことは、測定装置1の高い品質係数を保つことにも寄与し、そうでなければ、品質係数は、積載開口部303を通して外部に電磁場を放射することにより、悪化し得る。
【0059】
品質係数は、測定装置1の測定感度を表し、したがって、そこに収容される製品の広範な特性を正確に特定する測定装置1の能力を表す。
【0060】
測定装置1の品質係数は、積載開口部303の存在のために実質的に変化しないままであり、製品が内部空洞302にある場合、電磁場は依然として専ら製品によって乱される。
【0061】
移動装置7は、同一の積載開口部303を通して内部空洞302から製品を取り出すように、積載要素6を内部位置から外部位置へ戻すように構成される。
【0062】
これにより、1つまたは複数の広範な特性を測定する前と後に製品を受け入れることができる積載要素6の位置を1つにすることが可能となり、これにより、搬送コンベアから電磁測定装置1への製品の搬送が簡素化される。
【0063】
内部空洞302は、積載要素6が積載ラインに沿って移動可能である積載開口部303と連通する積載空間304を有する。
【0064】
図1、2、5、6に示されるように、積載開口部302は、本体3の壁301に形成された唯一の開口部である。
【0065】
内部空洞302が固体状態の誘電部品5によって少なくとも部分的に充填されている場合、積載空間304は誘電部品5によって区切られ、
図5、6に示されるように、積載開口部303の側でのみ開いたブラインドチャネルを規定する。積載要素6は、製品を内部空洞302に挿入するためにこのブラインドチャネルで移動可能である。
【0066】
結合部品4は、内部空洞302に生成される電磁場が積載ラインに垂直な平面に広がる電界分布を有するように、前記壁301の1つに方向付けら且つ配置されることに留意すべきである。
【0067】
実際、電磁測定装置1は、好ましくは、1GHz以上3GHz以下、好ましくは、1GHz以上2GHz以下の周波数で動作するマイクロ波共振器である。実際、内部空洞302は共振空洞である。
【0068】
電界分布が積載ラインに対して垂直であるという事実により、電界分布は乱されず、製品が内部空洞302にあるときに、それは製品によってのみ乱される。実際、これにより、電流は内部空洞302の壁301を流れるが、積載開口部303がある壁を流れないので、積載開口部303は外側に放射することを防止される。
【0069】
この場合も、これは測定装置1の品質係数を高く保つことに寄与する。
【0070】
積載ラインを横切る電界分布は、測定位置以外の位置で最大強度を持つことに留意すべきである。
【0071】
このおかげで、実際、製品の広範な特性、例えば体積、の測定は、積載ラインが公称位置に対してずれても、潜在的な誤差の影響を受けにくくなる。
【0072】
言い換えれば、結合部品4によって生成される電界分布の強度は、
図12に示されるように、測定装置1の中心対称軸で最大であるが、積載開口部303および積載ラインは、そのような対称軸に対してずれている。
【0073】
少なくとも
図3、4、7、8に示される測定装置1のバージョンによれば、製品が流動材料などの充填材料202を収容するように構成された中空容器201である場合、本体3は、壁301の1つに形成された少なくとも1つの充填開口部305を備えることができる。充填開口部305は、積載開口部303とは異なり、別個のものである。
【0074】
内部空洞302は充填開口部305と連通する充填空間306を有し、充填空間306は、積載要素6が内部位置にあり且つ容器201が測定位置にあるときに、流動材料202で容器201を充填するように適合されたノズル8を受け入れるように構成される。
【0075】
ノズル8は、必ずしもそうではないが、自動機械の充填ステーションに備えられる。実際、特定の用途のために、ノズル8を測定装置1の一部とし、所定の位置で測定装置1に固定することもできる。この場合、充填ステーションは、流動材料202をノズル8に供給するための別の装置を備える。
【0076】
図示されていない測定装置1のバージョンによれば、積載開口部303と充填開口部305は一致しており、本体3の壁301には単一の開口部が形成され、この開口部を通して積載要素6が積載ラインにおいて外部位置から外部位置まで移動可能である。ノズル8は積載要素6に固定され、積載要素6と一体的に移動可能であるので、積載要素6が外部位置にあり容器2を受け入れるとき、容器2が充填ノズル8を受け入れる。例えば、ノズル8が容器2に対して上部で再び固定されるように、積載要素6の外部位置を測定装置1の上方に配置することができる。
【0077】
測定装置1がノズル8を受け入れることができ、製品が充填されるように構成されるという事実により、容器201の充填と、流動材料202で充填された容器201の、または流動材料202のみの、1つまたは複数の広範な特性の測定との統合を得ることが可能である。
【0078】
詳細には、充填が徐々に行われるときに充填自体を制御するために、充填後だけでなく充填中にも流動材料202の体積の測定が可能である。
【0079】
充填前に、空の容器201が測定位置にあるとき、基準測定が、その後に当該基準測定に対する流動材料202の関心のある広範な特性の測定を実現するために、行われることに留意すべきである。言い換えれば、空の容器201の測定は、流動材料202の広範な特性、例えば体積、の次の測定前に、測定装置1の測定条件をゼロにするものとして使用される。
【0080】
これにより、流動材料202の広範な特性の特に正確な測定が保証される。このような測定は、同一の測定装置1の基準測定に対して行われ、したがって、同一の測定条件で行われるからである。
【0081】
言い換えれば、流動材料202の体積の測定は、容器201のばらつきと測定装置1の外部の条件のばらつきの両方を無視する。例えば、測定装置1が自動機械の動作領域内に挿入される場合、空の容器201の基準測定と充填された容器201の広範な特性は、動作領域の温度によって同様に影響され、したがって、温度は、基準測定に対して得られる流動材料202の体積とは無関係である。
【0082】
さらに、有利なことに、充填機能のための容器201の滞留時間は最適化される。というのも、停止中に1つまたは複数の広範な特性の測定も行われるからである。
【0083】
測定装置1は、最小寸法の単一のコンパクトなステーションを規定する。実際、測定装置1の大きさは、内部空洞302に受け入れられる必要がある容器201の大きさによってのみ決定され、したがって、測定装置1は、縮小された寸法を有することができる。
【0084】
さらに、測定装置1を挿入可能な自動機械のサイクルタイムも、容器201の搬送経路に沿って互いに異なる充填ステーションと測定ステーションを必要とすることなく、加速させることができる。
【0085】
測定装置1は、自動機械の制御ユニットまたは充填ステーションの制御ユニットと通信するように構成された図示されていない制御要素を備えることができ、制御要素は、製品の1つまたは複数の広範な特性(測定装置1が積載開口部303のみを備える場合、製品の広範な特性を測定するように構成される)、および/または容器201が流動材料202で充填されている場合の容器201の1つまたは複数の広範な特性(測定装置1が積載開口部303および充填開口部305を備える場合で、さらに測定装置1が流動材料202の広範な特性を測定するように構成される場合)に関するデータを交換するのに適している。
【0086】
この最後のケースでは、容器201の体積の測定は充填中にも行うことができるので、容器201の体積が所定の体積に等しい場合、自動機械または充填ステーションは、容器201の充填の中断を命令することができる。
【0087】
図5から15のように、内部空洞302が固体状態の誘電部品5によって少なくとも部分的に充填されている場合、積載空間304と充填空間306の両方が誘電部品5によって区切られることに留意すべきである。
【0088】
これにより、積載空間304と充填空間306は、積載開口部303から充填開口部305まで延びる、二つの側面で開口したチャネルを規定する。測定位置は、積載空間304と充填空間306との間のチャネルに配置され、両方に接続されている。
【0089】
図5から13に示されるように、チャネルは単一の長手方向軸に沿って延びることができる。積載開口部303と充填開口部305は互いに対向して配置することができ、この場合、積載空間304、充填空間306および測定位置を一直線上に位置合わせすることができる。
【0090】
チャネルは、例えば、誘電部品5内に設けられた、積載開口部303から充填開口部305まで延びる円筒チャネルとして形作られ得、当該チャネルでは、第1の部分は積載空間304によって与えられ、第2の部分は充填空間306によって与えられる。チャネルは、積載空間304と充填空間306の両方で、1つの同一断面を有するように描かれているが、積載空間304は、容器2を収容するように形作られた断面を有する必要がある一方、充填空間306は、縮小された断面を通常有する充填ノズル8を受け入れるように形作られた別の断面を有することができるので、これは明らかに必要ではないことを知るべきである。
【0091】
したがって、チャネルを誘電部品5の内部に簡単且つ安価に形成することができる。
【0092】
添付図面に示されるように、本体3が平行六面体の形状を有する場合、充填開口部303および積載開口部305は、本体3の対向する壁301に形成される。
【0093】
この場合も、これは、特に、本体3が2つのシェル(図示せず)を接合することによって形成できるという事実を考慮すると、測定装置1を非常に安価且つ製造容易にさせる。
【0094】
好ましくは、積載ラインは、積載ラインに対する電界分布の垂直性を確保するために、積載開口部303が形成された壁301に対して垂直である。
【0095】
結合部品4は、少なくとも1つの発信源と受信源とを備える。
【0096】
発信源と受信源は、本体3の対向する壁301に配置することができ、これらは、積載開口部303および/または充填開口部305が存在する壁301とは異なる。
【0097】
本体3の平行六面体の形状を考慮し、積載開口部303および/または充填開口部305が本体3のヘッド壁に配置されていることを考慮する場合、発信源と受信源は、本体3のそれぞれの大きな側壁に固定され、これらの側壁は、相互に対向し、同一の大きな側壁に垂直であり且つ本体3の小さな側壁に平行に、直線的に延びる。
【0098】
これにより、積載ラインが、積載開口部303が位置するヘッド壁に対して垂直である場合、積載ラインと電界分布との間の前述の垂直性が保証される。
【0099】
代替的に、図示されていない変形例によれば、発信源および受信源を同一の壁301に固定することもできる。
【0100】
図示されていないさらなる変形例によれば、電磁測定装置が反射機能を有する場合、結合部品4は単一の発信および受信源を備えることができる。
【0101】
ただし、積載ラインに対する電界分布の垂直性、および、より大きな側壁の1つへの唯一の発信および受信源の固定に関しては、上記は依然として有効である。
【0102】
図1から13に示される測定装置のバージョンによれば、チャネルは垂直軸を有する。言い換えれば、積載ラインは垂直である。
【0103】
したがって、最初に、移動装置7は、容器2が積載開口部303の下方で受け入れられる外部位置から、容器201が測定位置にある内部位置まで、垂直に積載要素6(
図5)を持ち上げて、積載開口部303を通して本体3に積載要素6を挿入するように構成される。次に、移動装置7は、同一の積載開口部303を通して内部空洞302から容器を取り出すように、内部位置から外部位置に積載要素6(
図8)を下ろすように構成される。
【0104】
チャネルが垂直である必要はないことは強調されるべきである。実際、積載開口部303および/または充填開口部305は、例えば、測定装置1の本体3に斜めのチャネルがある場合、対向して向かい合うことができる。しかしながら、積載要素6が下方の外部位置と上方の内部位置との間を直線的にスライドできるという事実により、電磁測定装置1を搬送コンベアの上方に配置し、簡単な態様で測定位置に目的の製品を移送することが可能になる。
【0105】
チャネルが垂直であり得るという事実は、ブラインドチャネルにも当てはまる。
【0106】
しかしながら、充填開口部305がある場合、
図10のように、積載要素6が内部位置にあり、容器201が測定位置にあるとき、ノズル8はすでに容器201内に収容され得、したがって、容器201は充填の準備ができている。
【0107】
図13に示される変形例によれば、容器201とノズル8との間に、容器201がその中にノズルを受け入れるという意味での結合が設けられる挿入位置を設けることができる。この場合、移動装置7は、
図9の外部位置から
図13の挿入位置まで積載要素6を移動させるように構成される。
【0108】
内部位置は挿入位置と外部位置との間に配置されており、したがって、ノズルとの結合後、移動装置7は、
図10において、挿入位置から内部位置へ積載要素6をさらに移動させ、容器201を測定位置に運び、そこで容器201がまた充填され得るように、構成される。
図13に描かれているようにチャネルの垂直軸を考慮すると、移動装置7は、積載要素6を移動させることができ、容器201が積載開口部303に対して下方で受け入れられる外部位置と挿入位置との間で積載要素6を垂直に持ち上げ、次いで、ノズル8が容器201内に挿入された後、挿入位置から内部位置に下ろす。任意付加的に、積載要素6が挿入位置から内部位置に移動されるときに、ノズル8も容器201と一体的に下ろすことができる。
【0109】
任意付加的に、流動材料202の充填中に、容器201が徐々に充填されるにつれてノズル8が容器201の底部から離れることができるという意味で、ノズル8は後退することができることに留意すべきである。実際、充填中にノズル8が流動材料202の上面に可能な限り接近したままである場合、特に液体材料の場合、流動材料202自体の乱れを避けることができる。
【0110】
電界分布が積載ラインに対して垂直であるという事実は依然として有効であり、それは現在、ノズル8が収容される充填空間306の充填方向とも一致している。電流は、積載開口部303および充填開口部305がある壁を流れず、したがって、外部に放射されない。有利なことに、電界がノズル8の存在により乱されることがないので、金属のノズル8を選択することもできる。
【0111】
積載空間304と測定空間306により規定されるチャネルの軸は、測定位置が上述のように電界の最大軸と一致しないように、電界分布が最大強度を有する測定装置1の中心対称軸に対してずれていることに留意すべきである。
【0112】
図14および15は、固体状態の誘電部品5によって区切られた積載空間304’および充填空間306’があり、これらが、上記で詳述したように、積載開口部303’から充填開口部305’まで延びる、2つの側面で開いたチャネルを規定する点で、測定装置1とは異なる測定装置1’を示す。しかしながら、積載空間304’と充填空間306’は、互いに異なるそれぞれの軸に沿って延び、測定位置で収束するチャネルのそれぞれの区間を規定する。
【0113】
実際、積載空間304’の積載ラインの軸と積載空間306’の軸を考慮すると、それらは垂直であり、相互に収束している。測定装置1’が平行六面体のように形作られた本体3’を有する場合、充填開口部304’および積載開口部306’は、互いに隣接する、本体3’の壁301’に形成される。
【0114】
したがって、移動装置7は、外部位置と内部位置との間で水平に積載要素6’を移動させるように構成されており、積載要素が外部位置にあるとき、積載要素は本体3’に対して横方向に配置される(
図14)。
【0115】
この場合、結合部品4は、充填空間306’の長手方向軸に垂直な平面に広がる電界分布を有する電磁場を生成するように壁301に方向付けられ且つ固定され、電界がノズル8の存在によって乱されないことが保証される。
【0116】
したがって、容器201が測定位置にあり、積載要素6’が内部位置にある場合、電界が積載要素6’に載っている容器201によってのみ乱されるということは依然として有効である。
【0117】
積載要素6’は、内部空洞302’を内部で区切るために、積載要素6’に載っており且つ固体状態の誘電材料で作られた製品を受け入れるように構成された支持部601’と、本体3と同一の金属材料で作られた外側部602’とを備えることに留意すべきである。実際、外側部602’は、積載要素6’が内部位置にあるとき、本体3’の分配開口部303’が形成された壁301’と整列されている、または当該壁と同一平面上にある。
【0118】
ここでも依然として有効な、先に示されたすべての利点に加えて、この変形例により、測定装置1が挿入される自動機械に必要な場合、水平の積載ラインを備えた測定装置1を得ることが可能である。
【0119】
固体状態の誘電部品5によって区切られたチャネルの形状および積載ラインに関係なく、測定装置1のコンパクトなサイズおよび最小の体積を考慮すると、自動機械は、同時に複数の並列測定を実行するように、各々がそれぞれの製品の1つまたは複数の広範な特性を測定するように構成された複数の電磁測定装置1を備えることができることが強調される。
【0120】
さらに、自動機械は、加圧された空気をチャネルに吹き込み、チャネル内の異物を排出するための図示しない洗浄ジェットを備えることもできる。
【0121】
使用時には、製品の1つまたは複数の広範な特性を測定するための方法が提供され、本方法は、上記のような電磁測定装置1または1’を準備することを含む。本方法は、
-積載要素6または6’が外部位置にあるときに積載要素6または6’上で製品を受け入れるステップと、
-製品を内部空洞302、302’の測定位置に配置するように外部位置から内部位置に積載要素6または6’を移動させることによって、積載開口部303または303’を通して本体3または3’内に積載要素6または6’を挿入するステップと、
-内部空洞302または302’に電磁場を生成し、内部空洞302または302’に存在する製品によって乱された電磁場を受信して、製品の前述の1つまたは複数の広範な特性を測定するステップと、をさらに含む。
【0122】
このような測定方法により、すでに上述したように、製品の広範な特性の測定と製品が積載要素6または6’に搬送される方法との間の独立性が確保される。内部空洞302または302’内への製品の挿入が同一の測定方法の一部であるからである。
【0123】
これにより、広範な特性の最適な測定と自動機械における製品の搬送方法の簡略化との両方が可能になる。
【0124】
本方法はさらに、同一の積載開口部303または303’を通して製品を取り出すように、内部位置から外部位置に積載要素6または6’を戻すステップを含む。
【0125】
この戻すステップにより、広範な特性を測定した後、製品は同一の初期位置に戻されるので、積載要素6または6’での製品の受け入れのための位置と、自動機械の搬送コンベアへの製品の解放のための位置とが一つだけからなる。
【0126】
流動材料202を収容するように構成された中空容器201を製品として準備するステップが提供される場合、本方法は、内部空洞302または302’内に積載要素6または6’を挿入するステップを有し、次いで、流動材料202で容器201を充填するステップを有する。このような充填ステップでは、自動機械に属する充填ノズル8が内部空洞302または302’の充填空間306または306’に受け入れられる。
【0127】
充填ステップは、ノズル8が容器201内に正確に挿入されたときに行うことができる。
【0128】
測定装置1を準備するステップは、積載開口部303と充填開口部305との間に規定され、固体状態の誘電部品5によって区切られたチャネルの長手方向軸を垂直に位置決めするステップを含むことができる。この場合、積載開口部303を通して本体3の内部に積載要素6を挿入するステップは、積載要素6を積載開口部303の下方に配置された外部位置から持ち上げることによって行われる。
【0129】
この場合、容器201をノズル8に結合するステップをさらに改善するために、任意付加的に、容器201を外部位置で受け入れた後、容器201内にノズル8を挿入するための挿入位置まで積載要素6を垂直に持ち上げる垂直持ち上げステップを設けてもよい。本方法はまた、容器201の充填ステップの前に、積載要素6を挿入位置から内部位置まで下ろすステップを有することもできる。
【0130】
言い換えれば、容器201は、充填を可能にするのに必要なものよりも大きいノズル8の一部を受け入れるまで持ち上げられ、その後、測定位置まで下げられる。
【0131】
代替的に、容器201が測定位置に到達するまで、容器201とノズル8を同時に一体的に下ろすステップを設けることもできる。
【0132】
有利なことに、本方法は、空の容器201が測定位置にあるときに基準測定値を取得し、その後、その基準測定値に対する流動材料202の広範な特性の現在の測定値を取得することを提供する。これにより、充填中および充填後に流動材料202の広範な特性を測定する前に、空の容器201の測定値を基準測定値として使用して、測定装置1または1’の測定条件をゼロにすることが可能である。
【0133】
言い換えれば、空の容器201の測定値は、流動材料202の広範な特性、例えば体積、の次の測定の前に、測定装置1、1’の測定条件をゼロにするものとして使用される。
【0134】
これにより、流動材料202に専ら関連する広範な特性を特定することが可能である。例えば、容器201の体積のばらつきを無視し、また、測定装置1、1’における測定精度に影響を与える可能性のある測定装置1の外部の測定条件を無視するので、流動材料202の体積を正確に特定することができる。
【0135】
充填の終了時に、流動材料202の広範な特性を測定するステップを設けてもよい。しかしながら、任意付加的に、本方法は、充填中に、流動材料202の広範な特性を測定するさらなるステップを提供することもできる。実際、測定装置1または1’が挿入される自動機械には、このような広範な特性に関するデータを交換するステップが存在する場合がある。
【0136】
このようなデータ交換のステップは、測定装置1または1’によって測定された流動材料202の広範な特性の測定値に基づいて、流動材料202での容器201の充填を制御するために、測定された製品の1つまたは複数の広範な特性、および/または空の、および/または流動材料202で充填された容器201の広範な特性に関するデータを交換するために、測定装置1を制御するための制御要素と、自動機械の制御ユニットまたは充填ステーションの制御ユニットとの間の通信ステップを提供することができる。
【0137】
これにより、自動機械は、測定された流動材料202の広範な特性が所定の値と等しい場合、容器201の充填を中断することが可能である。
【0138】
例えば、自動機械または充填ステーションは、流動材料202が所定の容量に達した時点で、容器201の充填を中断することができる。
【0139】
本測定方法はさらに、充填開口部305が存在しない場合、または充填開口部305が存在し、積載空間304および充填空間406が一直線上に位置合わせされ、例えば、固体状態の誘電部品5によって区切られたチャネルを特定する場合、内部空洞302内の電界分布を、それが積載空間304の長手方向軸に垂直な平面に広がるように、方向付けるステップを含む。
【0140】
これにより、容器201の広範な特性の測定を、公称測定位置に対する容器201の変位に関して無関係にすること、および/または、ノズル8が充填空間306に挿入されたときに、ノズル8に関して無関係にすることが可能である。したがって、ノズル8は金属材料で形成され得る。
【0141】
一方、積載空間304’と充填空間306’が相互に接している場合、本測定方法は、内部空洞302’内の電界分布を、それが充填空間306’の長手方向軸に垂直な平面に広がるように、方向付けるステップを含む。
【0142】
同様に、これにより、ノズルが充填空間306’に挿入されたとき、製品の1つまたは複数の広範な特性の測定は、ノズル8に関しては無関係であり、したがって、ノズルも金属材料で形成され得る。
【0143】
また、本測定方法は、測定位置以外の位置で最大強度を有するように、内部空洞302または302’内の電界分布を方向付けるステップを含み、これは、積載ラインが公称位置に対してずれた場合に、本測定方法を誤差の影響を受けにくくするためである。
【外国語明細書】