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特開2024-137902温度依存型スイッチ用のケーシング及び封止されたスイッチングデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137902
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】温度依存型スイッチ用のケーシング及び封止されたスイッチングデバイス
(51)【国際特許分類】
   H01H 37/74 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
H01H37/74 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024046355
(22)【出願日】2024-03-22
(31)【優先権主張番号】10 2023 107 383.4
(32)【優先日】2023-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】523245171
【氏名又は名称】ホフセス, マルセル ペー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホフセス, マルセル ペー.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】気密に封止された方法で、温度依存型スイッチを受け入れる改良されたケーシングを提供する。
【解決手段】スイッチ(10)は、第1の外部端子(48)と第2の外部端子(50)の間に導電性接続を確立する閉塞状態と遮断する開放状態を切り替え、ケーシングは金属製の第1のケーシング部分(52)と絶縁された接続材料部(64)を含む材料ロック接続により第1のケーシング部分に対して接続された金属製の第2のケーシング部分(54)と、部分的に第1のケーシング部分及び第2のケーシング部分によって囲まれる受け部と、絶縁された接続材料部(64)を貫通し、受け部内に配置された第1の接続面(68)を一端部に備え、第1の外部端子(48)に接続される、第1の接続リード(72)と、第2の接続面(70)を一端部に備え、温度依存型スイッチの第2の外部端子(50)に接続される、第2の接続リード(74)とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度依存型スイッチ(10)用のケーシング(100)であって、該温度依存型スイッチ(10)は温度に依存するような方法で、閉塞状態と開放状態を切り替えるように構成され、閉塞状態では温度依存型スイッチ(10)は第1の外部端子(48)と第2の外部端子(50)の間に導電性接続を確立し、開放状態では温度依存型スイッチ(10)は導電性接続を遮断し、ケーシング(100)は、
金属製の第1のケーシング部分(52)と、
電気的に絶縁された接続材料部(64)を含む気密に封止された接続部により、前記第1のケーシング部分(52)に対して接続される、金属製の第2のケーシング部分(54)と、
気密に封止された方法で、温度依存型スイッチ(10)を受け入れ、少なくとも部分的に、第1のケーシング部分(52)及び第2のケーシング部分(54)によって囲まれている受け部(66)と、
電気的に絶縁された接続材料部(64)を貫通して導かれ、受け部(66)内に配置された第1の接続面(68)を一端部に備えて、温度依存型スイッチ(10)の第1の外部端子(48)に電気的に接続される、第1の接続リード(72)と、
電気的に絶縁された接続材料部(64)を貫通して導かれ、受け部(66)内に配置された第2の接続面(70)を一端部に備えて、温度依存型スイッチの第2の外部端子(50)に電気的に接続される、第2の接続リード(74)とを備えることを特徴とするケーシング(100)。
【請求項2】
電気的に絶縁された接続材料部(64)がガラスを含む、請求項1に記載のケーシング。
【請求項3】
第1のケーシング部分(52)と第1の接続リード(72)との間に配置され、電気的に絶縁された材料からなる第3のケーシング部分(56)をさらに備える、請求項1に記載のケーシング。
【請求項4】
第2のケーシング部分(54)と第1の接続リード(72)との間に配置され、電気的に絶縁された材料からなる第4のケーシング部分(58)をさらに備える、請求項1に記載のケーシング。
【請求項5】
さらに、前記第1のケーシング部分(52)と前記第1の接続リード(72)との間に配置されて、電気的に絶縁された材料からなる第3のケーシング部分(56)と、前記第2のケーシング部分(54)と前記第1の接続リード(72)との間に配置されて、電気的に絶縁された材料からなる第4のケーシング部分(58)とを備え、電気的に絶縁された接続材料部(64)は、第1のケーシング部分(52)、第2のケーシング部分(54)、第3のケーシング部分(56)及び第4のケーシング部分(58)を相互に接続する、請求項1に記載のケーシング。
【請求項6】
さらに、前記第1のケーシング部分(52)と前記第1の接続リード(72)との間に配置されて、電気的に絶縁された材料からなる第3のケーシング部分(56)と、前記第2のケーシング部分(54)と前記第1の接続リード(72)との間に配置されて、電気的に絶縁された材料からなる第4のケーシング部分(58)とを備え、前記第3のケーシング部分(56)は、前記第1の接続リード(72)の第1の側部(80)と接触し、前記第4のケーシング部分(58)は、前記第1の側部(80)に対向する第1の接続リード(72)の第2の側部(82)に接触する、請求項1に記載のケーシング。
【請求項7】
前記第1のケーシング部分(52)が、前記第2のケーシング部分(54)を少なくとも部分的に取り囲む、請求項1に記載のケーシング。
【請求項8】
第1の接続面(68)と第2の接続面(70)は共通の接続面(E)に位置する、請求項1に記載のケーシング。
【請求項9】
前記第1のケーシング部分(52)がほぼポット形状であり、前記第2のケーシング部分(54)がリング形状である、請求項1に記載のケーシング。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載のケーシング(100)と、温度に依存するような方法で、閉塞状態と開放状態を切り替えるように構成された温度依存型スイッチ(10)であって、閉塞状態では温度依存型スイッチ(10)は第1の外部端子(48)と第2の外部端子(50)の間に導電性接続を確立し、開放状態では温度依存型スイッチ(10)は導電性接続を遮断する温度依存型スイッチ(10)とを備え、該温度依存型スイッチ(10)はケーシング(100)内の受け部(66)に配置された、封止されたスイッチングデバイス。
【請求項11】
前記温度依存型スイッチ(10)は、温度依存型スイッチング機構(14)及び該温度依存型スイッチング機構(14)が配置されるスイッチハウジング(12)を含み、前記第1の外部端子(48)及び前記第2の外部端子(50)が、前記スイッチハウジング(12)上に配置される、請求項10に記載の封止されたスイッチングデバイス。
【請求項12】
前記スイッチハウジング(12)は、導電性材料からなる下部(16)と、前記下部(16)を閉塞する電気的に絶縁された材料からなるカバー部(18)とを備え、前記第1の外部端子(48)及び前記第2の外部端子(50)が前記カバー部(18)上に配置される、請求項11に記載の封止されたスイッチングデバイス。
【請求項13】
前記ケーシング(100)は、電気的に絶縁された材料からなる第4のケーシング部分(58)をさらに備え、前記第4のケーシング部分(58)は、前記スイッチハウジング(12)の周囲に環状に配置され、前記第1の接続リード(72)を前記下部(16)から電気的に絶縁する、請求項12に記載の封止されたスイッチングデバイス。
【請求項14】
前記スイッチハウジング(12)は、材料ロック方式で前記第2のケーシング部分(54)に接続される、請求項11に記載の封止されたスイッチングデバイス。
【請求項15】
前記ケーシング(100)は、金属製の第5のケーシング部分(92)をさらに備え、該第5のケーシング部分(92)は前記第2のケーシング部分(54)を少なくとも一側部に閉じ、前記第2のケーシング部分(54)に材料ロック方式で固定される、請求項10に記載の封止されたスイッチングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度依存型スイッチを気密に封止するケーシングに関する。本発明は、さらに、このケーシングと、その中に配置された温度依存型スイッチとを備える封止されたスイッチングデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
例示的な温度依存型スイッチは、ドイツ特許公開公報37 33 693号に開示されている。これはまた、気密に封止された方法で温度依存型スイッチを受け入れるためのケーシングを開示する。
【0003】
このような温度依存型スイッチは、デバイスの温度を監視するために主に公知の方法で使用される。そのため、保護されるべきデバイスと直接的または間接的に熱的に接触させ、保護されるべきデバイスの温度が、スイッチ内部に配置されたスイッチング機構の温度に影響を与えるようにする。
【0004】
スイッチは、典型的には、接続ケーブルを介して保護されるべきデバイスの供給回路に電気的に直列に接続され、その結果、保護されるデバイスの供給電流は、スイッチング機構の応答温度未満で、スイッチを通って流れる。
【0005】
このような温度依存型スイッチは、温度依存型スイッチング機構を含み、該温度依存型スイッチング機構はスイッチハウジングに封入され、その温度に応じて、スイッチの2つの外部端子間の導電性接続を開閉する。より正確には、温度依存型スイッチング機構は、温度に依存するような方法で、閉塞状態と開放状態を切り替えるように構成され、閉塞状態では温度依存型スイッチング機構は応答温度未満が想定されて、2つの外部端子の間に導電性接続を確立し、開放状態では温度依存型スイッチング機構は応答温度以上が想定されて、導電性接続を遮断する。
【0006】
上記の温度依存型スイッチング機能を可能にするために、スイッチハウジングの内側に配置された温度依存型スイッチング機構は、通常、バイメタル部分を備え、該バイメタル部分は応答温度に達するとその低温状態からその高温状態に急激に変形し、それによって固定の接触部からスイッチハウジングに対して移動可能にデバイス上に配置された可動の接触部を持ち上げて外す。固定の接触部は、通常、スイッチハウジング内部の固定位置に配置され、スイッチの2つの外部端子のうちの1つに電気的に接続され、一方、可動の接触部は、バイメタル部分またはバイメタル部分に関連するばね部分の何れかを介して相互に作用する。
【0007】
例えば、ドイツ特許公開公報198 27 113号に開示されているような温度依存型スイッチでは、バイメタル部分はバイメタルディスクとして設けられており、バイメタルディスクは、電流伝送要素と結合されており、スイッチング機構の閉塞状態では、スイッチハウジングのカバー部上に配置された2つの固定の接触部を互いに電気的に接続し、スイッチング機構の開放状態では、2つの固定の接触部から電流伝送要素を持ち上げて外し、これらの間の導電性接続を遮断する。
【0008】
特定の用途のためには、そのようなスイッチは特別な封止部を備えていなければならず、これは通常、スイッチの従来のスイッチハウジングに加えて備えられなければならない。これは、例えば、そのような温度依存型スイッチが腐食性または爆発性環境で適用される場合に必要である。温度依存型スイッチが、スイッチが比較的高い外部圧力にさらされる環境に挿入される場合も同様である。
【0009】
上述の用途では、温度依存型スイッチが気密に気体が漏れないようにされているか、または気密に気体が漏れないように封止されていることが、安全上の理由から必要とされることがある。
【0010】
先に述べたドイツ特許公開公報37 33 693号に開示されたスイッチでは、これは、スイッチを更なる金属ハウジングに挿入することにより解決される。更なる金属ハウジングには、別体のカバーが設けられ、これも金属製であり、スイッチが挿入された後に金属ハウジングに溶接される。このカバーにはガラス製の耐圧ガラスフィードスルーが設けられており、スイッチの接続ケーブルは該フィードスルーを通って内部から外部へ配線されている。金属ハウジングが気密に封止される前であるが、スイッチが挿入された後、金属ハウジングは、不活性ガス、好ましくはヘリウムまたは窒素で洗い流され、必要であればこのガスで充填される。通常、接続ケーブルはレーザ溶接されており、耐圧ガラスのフィードスルーは金属製のハウジングと溶融されている。
【0011】
このように、気密に封止された温度スイッチは、極端に耐圧性があり、かつ、腐食性のある、潜在的に爆発性のある環境で使用することができるように構成され得る。
【0012】
しかしながら、ドイツ特許公開公報37 33 693号に開示されている封止された温度スイッチの製造方法には、種々の不利点がある。第1に、その中で説明されている気密に封止されたスイッチの製造は、高いレベルの手作業を必要とする。さらに、スイッチハウジングの内側に配置された温度依存型スイッチ機構は、金属製のハウジングを閉じたり、ガラス製の圧力ガラスフィードスルーを取り付ける際に損傷を受ける可能性がある。このようなガラス溶融は、その製造中に極端に高い温度をもたらす。しかしながら、スイッチ内部に挿入される一般的な温度依存型スイッチング機構は、典型的には、その中に挿入されるバイメタル部分に損傷を与えることなく、最大200℃から500℃に曝され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、気密に封止された方法で、温度依存型スイッチを受け入れるための改良されたケーシングを提供することである。このケーシングは、製造ができるだけ単純であり、自動化された取り扱いが可能であり、スイッチを封止するために、スイッチング機構と共に、臨界(高い)温度に曝されることを必要としないのが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、この目的は、次の構成要素を含む請求項1に記載のケーシングにより解決される。
金属製の第1のケーシング部分と、
電気的に絶縁された接続材料部を含む気密に封止された、材料ロック接続部により第1のケーシング部分に対して接続される、金属製の第2のケーシング部分と、
気密に封止された方法で、温度依存型スイッチを受け入れ、少なくとも部分的に、第1のケーシング部分及び第2のケーシング部分によって囲まれている受け部と、
電気的に絶縁された接続材料部を貫通して導かれ、受け部内に配置された第1の接続面を一端部に備えて、温度依存型スイッチの第1の外部端子に電気的に接続される、第1の接続リードと、
電気的に絶縁された接続材料部を貫通して導かれ、受け部内に配置された第2の接続面を一端部に備えて、温度依存型スイッチの第2の外部端子(50)に電気的に接続される、第2の接続リードとを備える。
【0015】
このように本発明に係るケーシングは、金属製の第1のケーシング部分と、金属製の第2のケーシング部分と、2つのケーシング部分同士を材料ロック及び気密に封止された方法で接続する電気的に絶縁された接続材料部とを有する多部品構造を有する。ドイツ特許公開公報37 33 693号に開示されている封入された温度依存型スイッチとは対照的に、2つのケーシング部分は互いに溶接されておらず、電気的に絶縁された接続材料部によって互いに接続されており、この接続材料部を貫通して2つの接続リードも通されている。したがって、本発明によれば、電気的に絶縁された接続材料部は、2つの接続リードを通して導き、2つの接続リードを互いに電気的に絶縁するだけでなく、2つの金属ケーシング部分間の気密に封止された接続を生成する働きをする。これは様々な利点がある。
【0016】
本発明によるケーシングの1つの利点は、その2つのケーシング部分を備えたケーシングを、半完成品として、すなわちスイッチがケーシングに挿入される前に、予め製造することができることである。これにより、最終作業工程でスイッチを予め製造されたケーシングに挿入し、封止するだけで済むため、最終的な完成が大幅に簡素化される。この最終工程は、溶接、溶融またははんだ付けによる接続の生産を含めることができ、これらは容易に自動化することができる。
【0017】
特に、第1のケーシング部分と第2のケーシング部分との間を気密に封止された、材料ロック方式で、電気的に絶縁する接続材料部が予め確立されること、すなわちスイッチが挿入される前に確立されると有利である。したがって、このために一般的に必要とされる溶融工程は非常に高い温度を発生させるが、スイッチは溶融工程の後にのみケーシングに挿入されるので、スイッチ自体に影響を及ぼさない。したがって、スイッチのスイッチング機構は損傷を受けない。これは、例えば、ホットガラスで作られた加圧ガラスシールが、スイッチが金属ハウジングに挿入された後にのみ生成される、ドイツ特許公開公報37 33 693号との大きな違いである。
【0018】
しかし、本発明によるデバイスでは、2つの接続リードが内側から外側へと同じ電気的に絶縁された接続材料部を通って導かれ、これによって2つのケーシング部分同士が材料ロックされた方式で接続されるので、この溶融処理は既に予め行うことができる。これらの事前に一体化された2つの接続リードの夫々は、受け部に配置された接続面(この場合では第1の接続面および第2の接続面と呼ぶ)内の第1の端部で終端し、この接続面は、温度依存型スイッチの2つの外部端子への電気的な接続に使用される。
【0019】
受け部は、その中に温度依存型スイッチを挿入することができる凹部を含むのが好ましい。2つの接続面はこの凹部内に配置されて、温度依存型スイッチが、凹部/受け部に挿入されると、自動的にその2つの外部端子と共に2つの接続面上に静止する。これは、ケーシング内へのスイッチの挿入にもかかわらず、スイッチの電気的接続を、非常に簡単、好ましくは自動化され、コスト効率の良いものにする。
【0020】
電気的に絶縁された接続材料部を通って導かれ、ケーシングに一体化された2つの接続リードは、夫々受け部の外側に配置される、すなわち外側に導かれる第2の端部を備えることが好ましい。対応するラインを、この2つの接続リード夫々の第2の端部に非常に簡単に接続することができ、ケーシング、ひいてはその中に配置された温度依存型スイッチを、保護されるべきデバイスと対応する方法で接続することができる。
【0021】
改良例において、前記電気的に絶縁された接続材料部はガラスを含む。この改良例によれば、第1のケーシング部分と第2のケーシング部分との間を気密に封止し、材料ロック方式で電気的に絶縁する接続部は、ガラス金属シールを含む。
【0022】
このようなガラス金属のシールは、一方では2つのケーシング部分間の電気的に絶縁された接続を、他方ではこれらの2つのケーシング部分間の気密に封止された接続を可能にする。
【0023】
このようなガラス金属シールにより、DIN EN(ドイツ国家規格)60079-15の要件を満たす気密に封止された接続が可能になる。これによれば、気密に封止された接続又は気密封止されたデバイスは、それが開けることができないように構成され、かつ、外部の大気の進入が防止されるように溶融することによって効果的に封止される接続/デバイスを意味すると理解される。好ましくは、このような気密に封止された接続は、第1のケーシング部分と第2のケーシング部分との間の真空で気体が漏れない接続を可能にする。
【0024】
本明細書における「気密」又は「気密に封止」という用語は、内側から外側へ、及び外側から内側への物質の交換を防止する気密な接続又は気密な封止を意味する。一般的には、このような気密な閉塞は、ヘリウム漏れ検出器によって決定される1e-7mbar・l/s未満の漏れ率を有する。DIN EN60079-15に従ったこのような気密に封止されたデバイス/接続を実現することは、一般に金属と金属、またはガラスと金属を溶融することによってのみ可能である。
【0025】
したがって、好ましい改良点として、第1のケーシング部分と第2のケーシング部分との間のガラス金属接続部は、第1のケーシング部分及び第2のケーシング部分に融着されたガラスを含む。この融着された接続部は、閉鎖された輪郭、例えば、環状の輪郭に沿って延びる融着された接続部であることが好ましい。したがって、気密に封止された空間をケーシングの内部に作ることができる。
【0026】
更なる改良例では、前記ケーシングは、前記第1のケーシング部分と前記第1の接続リードとの間に配置される電気的に絶縁された材料からなる第3のケーシング部分を更に含む。
【0027】
好ましくは、この第3のケーシング部分は、第1のケーシング部分と第2の接続リードとの間にも配置される。第3のケーシング部分は、2つの接続リードと第1のケーシング部分との間に電気的な絶縁を提供し、第1のケーシング部分はまた、その金属の性質により導電性である。
【0028】
好ましくは、この第3のケーシング部分は、セラミックで作られている。
【0029】
第3のケーシング部分は、特に第1のケーシング部分に挿入されることが望ましい。
【0030】
更なる改良例では、ケーシングは、第2のケーシング部分と第1の接続リードとの間に配置される電気的に絶縁された材料からなる第4のケーシング部分を更に含む。
【0031】
この第4のケーシング部分は、第2のケーシング部分と第2の接続リードとの間にも配置されることが好ましい。第4のケーシング部分は、2つの接続リードから第2のケーシング部分を電気的に絶縁するように働くのが好ましい。特に、この第4のケーシング部分は、受け部に挿入される温度依存型スイッチのスイッチハウジングの導電性部分から2つの接続リードを電気的に絶縁する役割も果たすのが好ましい。第3のケーシング部分と同様に、第4のケーシング部分もまたセラミックスで構成されることが好ましい。
【0032】
第4のケーシング部では、電気的に絶縁された接続材料部は、第1のケーシング部分、第2のケーシング部分、第3のケーシング部分及び第4のケーシング部分を互いに接続することが提供される。
【0033】
この改良例に係る4つのケーシング部分は、好ましくはガラスからなる電気的に絶縁された接続材料部によって互いに対して固定されるのが好ましい。言い換えれば、第1のケーシング部分及び第2のケーシング部分の材料接続に使用される接続材料部はまた、第3のケーシング部分及び第4のケーシング部分をケーシング内に同時に固定する。したがって、ケーシングの4つのケーシング部分すべてを、接続材料によって、すなわちスイッチがケーシングの受け部に挿入される前に、互いに対して固定することができる。
【0034】
更なる改良例では、第3のケーシング部分は、第1の接続リードの第1の側部と接触し、第4のケーシング部分は、第1の接続リードの第2の側部と接触する。
【0035】
この改良例によれば、第3のケーシング部分が第2の接続リードの第1の側部と接触し、第4のケーシング部分が第1の側部と反対側の第2の接続リードの第2の側部と接触することも好ましい。
【0036】
本願明細書において、第3のケーシング部分および第4のケーシング部分と称される電気的に絶縁された材料で作られた2つのケーシング部分は、ケーシングに一体化された2つの接続リードに両側面から接しているのが好ましい。
このように、これらの2つのケーシング部分は、一方で、他方の金属製のケーシング部分(第1のケーシング部分および第2のケーシング部分と称する)を電気的に絶縁し、2つの接続リードを電気的に絶縁し、ケーシングを静的に支持する部分としても機能し、ケーシングの機械的安定性を高める。セラミックは理想的な電気的に絶縁体であり、機械的にも高強度な材料であるため、セラミックからなる第3のケーシング部分および第4のケーシング部分の改良例もこの理由から有利である。
【0037】
更なる改良例では、第1のケーシング部分は、第2のケーシング部分を少なくとも部分的に取り囲む。特に、第1のケーシング部分は、第2のケーシング部分、第3のケーシング部分及び第4のケーシング部分を少なくとも部分的に包囲するのが好ましい。
【0038】
第1のケーシング部分は、いわば、ケーシングの最も外側の殻を形成する。第1のケーシング部分は、実質的にポット状であることが望ましい。第2のケーシング部分及び第4のケーシング部分は夫々リング状であるのが好ましい。また、第3のケーシング部分は、実質的に板状であって第1のケーシング部分に挿入されていることが好ましい。
【0039】
第2のケーシング部分及び/又は第4のケーシング部分の環状の構成により、本発明に係るケーシングの省スペースの配置を可能とすることができる。ここでの意味での「環状」は、必ずしも円形を意味するわけではなく、円形、角形、またはプリズム状の閉じた輪郭であってもよい。
【0040】
更なる改良例において、2つの接続面は、共通の接続面内に存在する。
【0041】
従って、本発明によるケーシングは、特に、外部端子が1つの面内にある温度依存型スイッチを受け入れて気密に封止するのに適している。この改良例によれば、このようなスイッチは、それらの2つの外部端子を接続面内に配置することによって、本発明によるケーシングの2つの接続リードに非常に容易に電気的に接続することができる。
【0042】
既に述べたように、本発明は、ケーシング自体(内部に温度依存型スイッチが挿入されていない)だけでなく、内部に温度依存型スイッチが配置されたケーシングに関する。その中に挿入されるスイッチを含むケーシングは、本明細書では、「封止されたスイッチングデバイス」と示される。
【0043】
好ましい改良例において、前記温度依存型スイッチは、温度依存型スイッチング機構と、前記スイッチング機構が配置されたスイッチハウジングとを有し、前記第1の外部端子および前記第2の外部端子は、前記スイッチハウジング上に配置されることを特徴とする。
【0044】
前記スイッチハウジングは、導電性材料からなる下部と、前記下部を閉塞する電気的に絶縁性の材料からなるカバー部とからなり、前記第1の外部端子及び前記第2の外部端子が前記カバー部上に配置されていることが好ましい。
【0045】
更なる改良例では、前記ケーシングは、電気的に絶縁性の材料からなる第4のケーシング部分を含み、前記第4のケーシング部分は、前記スイッチハウジングの周囲に環状に配置され、前記第1の接続リードを前記下部から電気的に絶縁することが提供される。
【0046】
好ましくは、第4のケーシング部分は、スイッチハウジングの下部の円周に対して位置することにより、スイッチハウジングが中心に配置されることを確実にする。
【0047】
更なる改良例では、スイッチハウジングは、第2のケーシング部分に材料ロック方式で接続される。
【0048】
この材料ロック方式の接続はまた、金属溶融を含む気密に封止された接続として実施され、例えば溶接または半田付けによって製造されるのが好ましい。しかし、この材料ロック方式の接続は、スイッチハウジング上で直接行われるため、スイッチをケーシングに挿入した後でのみ行うことができる。したがって、スイッチハウジング内部に配置されたスイッチング機構の損傷を防止するためには、これによってできるだけ少ない熱が発生することを確保することが重要である。
【0049】
代替的な改良例として、前記ケーシングは、金属製の第5のケーシング部分をさらに備えることができ、これは、少なくとも一方の側で前記第2のケーシング部分を閉じ、材料ロック方式で前記第2のケーシング部分に固定される。
【0050】
また、この材料ロック接続は、上述の意味で気密に封止する接続としても構成されることが好ましい。上記スイッチハウジングと第2のケーシング部分との直接の材料ロック方式の接続に比べて、この改良例はスイッチハウジング自体に直接に材料ロック方式の接続がなされていない利点がある。このことは、さらに、スイッチハウジングの内側に配置されたスイッチング機構に特に優しい効果を与える。
【0051】
なお、上記の特徴及び後述する特徴は、本発明の範囲を離れることなく、各場合で示される組合せのみならず、他の組合せにおいても、単独でも使用することができるものと理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
本発明の実施形態は、図面に例示されており、以下の説明においてより詳細に説明される。
図1】本発明によるケーシング内に取り付けることができる例示的な温度依存型スイッチの概略断面図であり、スイッチはその低温状態にある。
図2図1に示すスイッチ概略断面図であり、スイッチはその高温状態にある。
図3】本発明に係るケーシングの第1の実施形態の概略断面図であり、スイッチは挿入されていない。
図4図3のケーシングの概略断面図であり、スイッチが挿入されている。
図5】本発明に係るケーシングの第2の実施形態の概略断面図であり、中にスイッチが挿入されている。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1及び図2は、本発明に従ったケーシング内に挿入することができ、ケーシングによって気密に封止され得る、例示的な温度依存型スイッチを示す。このスイッチは、全体として符号10で表される。
【0054】
図1にスイッチ10の低温状態を示す。図2にスイッチ10の高温状態を示す。
【0055】
図1及び図2に示されたスイッチ10は、本発明に従ったケーシング内に挿入することができ、本デバイスによって気体が漏れないように気密に封止される、様々な可能な温度依存型スイッチの一例にすぎないことが理解されたい。特に図3-図5から分かるように、本発明のケーシングは、原則として、異なる構成のスイッチを受け入れるのにも適している。しかしながら、図1及び図2に示されるスイッチ10は、このような温度依存型スイッチの基本的な構造及び機能を説明するために、可能な温度依存型スイッチの例として以下で説明される。
【0056】
スイッチ10はスイッチハウジング12を備え、その内部には温度依存型スイッチング機構14が配置されている。スイッチハウジング12は、ポット状の下部16とカバー部18とを含み、このカバー部は、下部16の折り曲げられた、またはフランジを付けられた上縁20によって下部16に保持されている。図1及び図2に示すスイッチ10の例では、下部16は、導電性材料、好ましくは金属で作られている。カバー部18は、電気的に絶縁性の材料、例えば、プラスチックまたはセラミックで作られる。
【0057】
下部16とカバー部18との間には、リング22が配置されており、このリングは、下部16の肩部24に支持されている。また、リング22は、例えば、プラスチックまたはセラミックなどの電気的絶縁材料から作られていることが望ましい。
【0058】
スイッチング機構14は、温度に依存しないばねディスク26を備え、その外周縁は、下部16の肩部24とリング22との間に配置される。ばねディスク26に加えて、スイッチング機構14は、バイメタルディスクとして構成される温度依存型のバイメタル部分28を備え、このバイメタル部分28は、ばねディスク26と共にピン状リベット30によって中央に係合され、このリベットによって、ばねディスク26およびバイメタルディスク28は、接触板32の形態の電流伝達部材に機械的に接続される。
【0059】
リベット30は、バイメタルディスク28がその内縁と一緒に着座する第1の肩部34を備えている。バイメタルディスク28の内縁は、リベット30のこの第1の肩部34の上に、半径方向および軸方向の遊びをもって位置することが好ましい。リベットはさらに、第2の肩部36を含み、この肩部上には、ばねディスク26が配置され、より望ましくは、半径方向および軸方向の遊びを持って配置されている。
【0060】
カバー部18に対向するその上面側では、電流伝達部材32は、リベット44、46の内側ヘッドである固定の接触部40、42と相互作用する2つの相互接続された接触面38a、38bを備え、固定の接触部40、42はカバー部18を通って係合し、かつその外側ヘッドがスイッチ10の外部端子48、50を形成する。
【0061】
図1に示すスイッチ10の閉塞状態では、ばねディスク26およびバイメタルディスク28は、電流伝達部材32を、その2つの接触面38a、38bを、固定された接触部40、42に対して押し付ける。スイッチ10のこの切替状態において、スイッチング機構14は、このように第1の外部端子48と第2の外部端子50との間に導電性接続を確立する。
【0062】
図1に示されたスイッチ10の閉鎖状態から開始して、スイッチ10の温度が上昇し、それによってバイメタルディスク28の温度が上昇した場合、バイメタルディスク28は、図1に示されたその凸状位置から図2に示されたその凹状位置へとスナップし、それによって、バイメタルディスク28はばねディスクの底側26または下部16の肩部24の領域におけるその外側の周縁に位置し、それによって、電流伝達部材32をばねディスク26の力に対してその中心とともに下方に引っ張る。これにより、電流伝達部材32の接触面38a、38bが2つの固定の接触部40、42から持ち上げられ、スイッチ10が開く。図2に示すスイッチ10の開放状態において、スイッチ10の2つの外部端子48、50間の導電性接続は、このように遮断される。
【0063】
このように、スイッチ10の温度依存型スイッチング機構14は、温度に依存するような方法で、2つの外部端子48、50間の導電性接続を確立し、切断するように構成される。
バイメタルディスク28の応答温度未満では、スイッチング機構14は、図1に示されるその低温状態にあり、この状態では、2つの外部端子48、50の間の導電性接続を確立する。バイメタルディスク28の応答温度を超えるとすぐに、バイメタルディスク28は、スイッチング機構14を図2に示される高温状態にする。この状態では、2つの外部端子48、50間の導電性接続が遮断される。バイメタルディスク28がその応答温度を下回るその後の新たな冷却によって、スイッチング機構14は再び、図1に示されている低温状態になる。この状態で、スイッチ10は再び閉じられる。
【0064】
図3は、本発明によるケーシングの第1の実施形態を、概略断面図で示し、スイッチは挿入されていない。ケーシングは、全体として符号100で示される。
【0065】
ケーシング100は、スイッチ10を受け入れる働きをし、スイッチ10のスイッチハウジング12を更に囲む一種の囲みとして作用する。挿入されたスイッチ10を含むケーシング100は、本明細書では「封止されたスイッチイング装置」と表記される。ケーシング100は、実質的にポット形状の第1のケーシング部分52を備える。この第1のケーシング部分52には第2のケーシング部分54、第3のケーシング部分56及び第4のケーシング部分58が配置される。第1のケーシング部分52及び第2のケーシング部分54は金属製であるのが好ましい。第3のケーシング部分56及び第4のケーシング部分58は、電気的に絶縁性の材料、好ましくはセラミックスからなる。
【0066】
第3のケーシング部分56および第4のケーシング部分58は電気的な絶縁のために用いられる。
【0067】
2つのケーシング部分54、58は、本質的にリング形状である。それゆえ、それらは、円周方向に閉鎖された輪郭を形成する。2つのケーシング部分54、56はそれぞれ一種のプロファイルリングとして構成される。第2のケーシング部分54は、第4のケーシング部分58によって担持され、第4のケーシング部分58に直接配置されることが望ましい。第3のケーシング部分56は、第1のケーシング部分52の内側ベース60に載置される。第3のケーシング部分56の外径は、第1のケーシング部分52の内径にほぼ対応するので、第3のケーシング部分56は、第1のケーシング部分52に精密に嵌合して挿入されることが好ましい。第3のケーシング部分56の上側には、少なくとも2つの凹部62a、62bを備える外形がある。
【0068】
2つの金属製のケーシング部分52、54は、気体が漏れないように電気的に絶縁された接続材料部64によって互いに接続されている。この接続材料部64は、2つのケーシング部分52、54間に気密に封止され材料ロック方式で電気的に絶縁された接続を提供するガラスを含むことが好ましい。この気密に封止され材料ロック方式の接続部は、ガラスからなる溶融接続部として構成されている。この溶融接続部はDIN EN60079-15に規定されている気密の要件を満たす気密に封止するガラス金属シールである。
【0069】
2つのケーシング部分52、54間の気密に封止された接続部は、レーザ溶接によって製造されるのが好ましい。気密に封止された接続部は、閉じた環状輪郭に沿って延びており、従って、全周に沿って2つのケーシング部分52、54の間の空間を気密に封止している。同時に、第3のケーシング部分56及び第4のケーシング部分58もこのガラス接続によって2つの金属製ケーシング部分52、54に接続される。したがって、ケーシング100の4つのケーシング部分52、54、56、58は、分離不能に接続されたユニットを形成する。
【0070】
ケーシング100の内側では、ケーシング部分52、54、56、58は一緒になって、空洞を形成する凹部を形成し、該空洞はその中に挿入される温度依存型スイッチ10のための受け部66として適している。この受け部66には2つの接続面68、70が設けられており、これらはスイッチ10の電気的接続に役立つ。スイッチ10が挿入された状態では、2つの接続面68,70が2つの外部端子48,50に接触している。第1の接続面68はスイッチ10の第1の外部端子48と接触している。第2の接続面70は、スイッチ10の第2の外部端子50と接している。このように、挿入された状態では、スイッチ10は、受け部66に「逆さ」に差し込まれる(図4参照)。電気的接触を改善し、スイッチ10を所定の位置に固定するために、2つの接続面68、70は、好ましくは、(例えば、半田付けまたは溶接によって)材料ロック方式でそれぞれの外部端子48、50に接続される。
【0071】
受け部66に配置された2つの接続面68、70は、それぞれの接続リード72、74を介して、ケーシング100の夫々の外部端子76、78に電気的に接続される。2つの接続リード72、74は、2つの金属製のケーシング部分52、54を材料ロック方式で互いに接続する電気的に絶縁された接続材料部(ガラス)64を貫通して延在する。換言すれば、2つの接続リード72、74は、この接続材料部64によって外部に引き回される。
【0072】
2つの接続リード72、74の各々は、2つの電気的に絶縁されたケーシング部分56、58の間で夫々の接続面68、70に隣接する部分に配置される。第3のケーシング部分56は、接続リード72、74のそれぞれの底面に接触する。第4のケーシング部分58は、反対の上側82から2つの接続リード72、74に接触する。
【0073】
しかし、電気的に絶縁された材料から作られた2つのケーシング部分56、58は、ケーシング100の構造に必ずしも必要ではないことが理解される。特に、これら2つのケーシング部分56、58は、もし2つの接続リード72、74が電気的に絶縁された材料で覆われていれば、無しで済ますことができる。しかし、2つのケーシング部分56、58を設けることは、ケーシング100の機械的安定性を高めるという利点がある。特に、2つの接続リード72、74が第3のケーシング部分56に設けられた凹部62a、62bを通過し、その中に第4のケーシング部分58も配置されることは、ケーシング100の安定化に積極的に寄与する。第4のケーシング部分58は、環状の構成要素であることが望ましいので、2つの凹部62a,62bが互いに接続されていることが望ましい。このように2つの凹部62a、62bは、形状が環状であることが望ましい。しかしながら、2つの接続リード72、74は、形状が環状ではなく、また、互いに接触していないことが理解される。
【0074】
図4は、如何にスイッチ10をケーシング100の受け部66に挿入できるかを概略的に示している。スイッチ10は、受け部66に「逆さ」で挿入される。これは、スイッチ10の下部16が上方を指し、スイッチ10のカバー部18が下方を指し、受け部66の底部に向くことを意味する。
【0075】
受け部66内に挿入されると、スイッチ10は、その第1の外部端子48が第1の接続面68に対して接し、その第2の外部端子50が第2の接続面70に対して接する。既に述べたように、2つの外部端子48、50は、夫々の接続面68、70に材料ロック方式で固定されていることが好ましい。
【0076】
スイッチ10をケーシング100によって気体が漏れないように気密に封止するために、スイッチ10は、好ましくは金属製であるその下部16が受け部66に挿入された後に、第2のケーシング部分54に融着される。図4に示された実施形態によれば、これは、溶接または半田付けによって作製された溶融接合84によって行われ、この溶融接合はスイッチ10の下部16を、閉じた円周方向の輪郭に沿って材料ロック方式で第2のケーシング部分54に接続する。また、金属製の第2のケーシング部分54とスイッチ10の金属製の下部16との間のこの材料ロック接続は、この時点で気体が漏れない気密な封止接続を形成する。したがって、スイッチの内部とケーシング100を囲む外部大気との間で大気の交換が行われ得る全ての地点が、気体が漏れないように気密に封止される。
【0077】
第2のケーシング部分54は、スイッチ10に直接溶融され、2つの金属製のケーシング部分52、54は、接続材料部64の助けを借りて気体が漏れないように気密に封止される。したがって、大気は、スイッチ10の内部から逃げることができず、また、外部からスイッチ10の内部に大気が侵入することもできない。2つの接続リード72、74は、接続材料部64によって外部に導かれるので、スイッチ10は、ケーシング100に挿入された後でも、簡単な方法で保護されるべきデバイスに電気的に接続され得る。このためには、対応する接続ライン86、88のみが、ケーシング100の2つの外部端子76、78に接続されしなければならない。
【0078】
更なる封止及び機械的安定化のために、ケーシング100内に固定されたスイッチ10は、さらに、樹脂カバー90でカバーされ得る。
【0079】
図5はケーシング100の第2の実施形態を示す。ケーシング100の基本構造は、図4に示した第1の実施形態と異なるものではない。しかし、ここでは、第2のケーシング部分54は、スイッチ10の挿入された状態ではスイッチ10の下部16にはもはや直接接続されない。
【0080】
図5に示す第2の実施形態において、ケーシング100は、第5のケーシング部分92をさらに備え、該第5のケーシング部分92は第2のケーシング部分54を閉塞するカバー部の一種として機能する。第5のケーシング部分92も金属製である。第5のケーシング部分92は、その上部側で第2のケーシング部分54を閉じ、材料結合によって第2のケーシング部分54に接続される。この目的のために、好ましくは円周方向の溶接継手として構成される溶着接合94が設けられている。このように、本実施形態では、スイッチ10の受け部66として機能するケーシング100の内部も気密に封止される。
【0081】
この場合も、樹脂キャップ90が追加の封止を提供する。
【0082】
ここに示されているケーシング100の両方の実施形態は、スイッチ10の気密な封止または封入を確実にし、これによって、スイッチハウジング12の内部に配置されたスイッチング機構14は外部に向かって気体が漏れないように封入される。個々のケーシング部分52、54、及び54、92間のインターフェースと、第2のケーシング部分54とスイッチ下部16との間のインターフェースは、夫々標準的に、封止された溶融接続によって実現されており、この溶融接続は、金属と金属の溶融接続、またはガラスと金属の溶融接続として構成されている。ケーシング100内の気密な封止にもかかわらず、スイッチ10は依然として簡単な方法で電気的に接続することができる。
【0083】
ケーシング100のモジュール構成故に、様々な構成の温度依存型スイッチの気密な封入に好適である。しかし、本発明によるケーシング100は、好ましくは、その外部端子48、50が共通の接続面E内に存在するスイッチを封入するために使用される。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】