(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137907
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】組成物、それを含む発光素子、及び前記発光素子を含む電子装置
(51)【国際特許分類】
H10K 50/12 20230101AFI20240927BHJP
H10K 85/60 20230101ALI20240927BHJP
H10K 85/30 20230101ALI20240927BHJP
H10K 59/12 20230101ALI20240927BHJP
C09K 11/06 20060101ALI20240927BHJP
H10K 101/20 20230101ALN20240927BHJP
H10K 101/30 20230101ALN20240927BHJP
H10K 101/10 20230101ALN20240927BHJP
【FI】
H10K50/12
H10K85/60
H10K85/30
H10K59/12
C09K11/06 690
H10K101:20
H10K101:30
H10K101:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024046482
(22)【出願日】2024-03-22
(31)【優先権主張番号】10-2023-0038987
(32)【優先日】2023-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0124994
(32)【優先日】2023-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】シン ヒョソプ
(72)【発明者】
【氏名】山本 真人
(72)【発明者】
【氏名】内城 ▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】松浦 利幸
(72)【発明者】
【氏名】ベ ソンス
(72)【発明者】
【氏名】シン ホジョン
(72)【発明者】
【氏名】アン ヒチュン
(72)【発明者】
【氏名】イ ジヨン
(72)【発明者】
【氏名】チュ チャンウォン
【テーマコード(参考)】
3K107
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107BB04
3K107BB06
3K107BB08
3K107CC04
3K107CC21
3K107DD53
3K107DD59
3K107DD64
3K107DD66
3K107DD67
3K107DD68
3K107DD69
3K107EE03
3K107FF00
3K107FF12
3K107FF13
3K107FF14
3K107FF20
(57)【要約】
【課題】組成物、それを含む発光素子、及び前記発光素子を含む電子装置を提供する。
【解決手段】第1化合物及び前記第1化合物と異なる第2化合物を含み、下記数式1及び2を満たす、組成物である:
[数式1] PLQY(E)>70%
[数式2] τ<10μs
前記数式1及び2において、
PLQY(E)は、第1フィルムに対して測定された発光量子収率であり、
τは、第2フィルムに対して測定された減衰時間であり、
前記第1フィルムは、前記第1化合物を含むフィルムであり、
前記第2フィルムは、前記第1化合物及び前記第2化合物を含むフィルムである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1化合物及び前記第1化合物と異なる第2化合物を含み、
下記数式1及び2を満たす、組成物:
[数式1]
PLQY(E)>70%
[数式2]
τ<10μs
前記数式1及び2において、
PLQY(E)は、第1フィルムに対して測定された発光量子収率(photoluminescence quantum yield)であり、
τは、第2フィルムに対して測定された減衰時間(decay time)であり、
前記第1フィルムは、前記第1化合物を含むフィルムであり、
前記第2フィルムは、前記第1化合物及び前記第2化合物を含むフィルムである。
【請求項2】
前記第1フィルムは、前記第1化合物からなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
下記数式3をさらに満たす、請求項1に記載の組成物:
[数式3]
T2(E)-T1(E)<0.2eV
前記数式3において、
T1(E)は、前記第1化合物のT1三重項エネルギーレベルであり、
T2(E)は、前記第1化合物のT2三重項エネルギーレベルである。
【請求項4】
下記数式4をさらに満たす、請求項1に記載の組成物:
[数式4]
HOMO(H)-HOMO(E)<0.2eV
前記数式4において、
HOMO(E)は、前記第1化合物の最高被占軌道エネルギーレベルであり、
HOMO(H)は、前記第2化合物の最高被占軌道エネルギーレベルである。
【請求項5】
前記第1化合物と前記第2化合物は互いにエキシプレックスを形成しない、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物に含まれた前記第1化合物の重量が、前記組成物に含まれた前記第2化合物の重量より小さい、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記第1化合物は、下記化学式1で表される、請求項1に記載の組成物:
【化1】
前記化学式1において、
X
14はNまたはC(R
14)であり、X
15はNまたはC(R
15)であり、X
16はNまたはC(R
16)であり、X
14~X
16のうち少なくとも1つはNであり、
L
11~L
13は、互いに独立して、単結合、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
3-C
60炭素環基、または少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基であり、
a11~a13は、互いに独立して、1~5の整数のうち1つであり、
R
11~R
16は、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
1-C
60アルキル基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
2-C
60アルケニル基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
2-C
60アルキニル基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
1-C
60アルコキシ基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
3-C
60炭素環基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールオキシ基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールチオ基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
7-C
60アリールアルキル基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
2-C
60ヘテロアリールアルキル基、-C(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-N(Q
1)(Q
2)、-B(Q
1)(Q
2)、-C(=O)(Q
1)、-S(=O)
2(Q
1)または-P(=O)(Q
1)(Q
2)であり、
R
10aは、
重水素(-D)、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、またはニトロ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
7-C
60アリールアルキル基、C
2-C
60ヘテロアリールアルキル基、-Si(Q
11)(Q
12)(Q
13)、-N(Q
11)(Q
12)、-B(Q
11)(Q
12)、-C(=O)(Q
11)、-S(=O)
2(Q
11)、-P(=O)(Q
11)(Q
12)、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、またはC
1-C
60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
7-C
60アリールアルキル基、C
2-C
60ヘテロアリールアルキル基、-Si(Q
21)(Q
22)(Q
23)、-N(Q
21)(Q
22)、-B(Q
21)(Q
22)、-C(=O)(Q
21)、-S(=O)
2(Q
21)、-P(=O)(Q
21)(Q
22)、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
7-C
60アリールアルキル基、またはC
2-C
60ヘテロアリールアルキル基;あるいは
-Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)、-B(Q
31)(Q
32)、-C(=O)(Q
31)、-S(=O)
2(Q
31)または-P(=O)(Q
31)(Q
32);であり、
Q
1~Q
3、Q
11~Q
13、Q
21~Q
23及びQ
31~Q
33は、互いに独立して、
水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;あるいは重水素、-F、シアノ基、C
1-C
60アルキル基、C
1-C
60アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
7-C
60アリールアルキル基、またはC
2-C
60ヘテロアリールアルキル基である。
【請求項8】
前記化学式1において、
R11~R13のうち少なくとも1つは、重水素、C1-C60アルキル基、フェニル基、ビフェニル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C1-C60アルキル基;ベンゼン基;カルバゾール基;あるいは-Si(Q1)(Q2)(Q3)である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記第2化合物は、下記化学式2-1~2-3のうちいずれか1つで表される、請求項1に記載の組成物:
【化2】
【化3】
【化4】
前記化学式2-1~2-3において、
環CY
21~環CY
24は、互いに独立して、π電子過剰C
3-C
60環基またはピリジン基であり、
X
25は、単結合、O、S、N-[(L
25)
a25-R
25]、C(R
25a)(R
25b)またはSi(R
25a)(R
25b)であり、
X
26は、単結合、O、S、N-[(L
26)
a26-R
26]、C(R
26a)(R
26b)またはSi(R
26a)(R
26b)であり、
L
21~L
25は、互いに独立して、単結合、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のπ電子過剰C
3-C
60環基、または少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のピリジン基であり、
a21~a23、a25~a26は、互いに独立して、1~5の整数のうち1つであり、
b21~b24は、互いに独立して、1~10の整数のうち1つであり、
R
21~R
28、R
25a、R
25b、R
26a及びR
26bは、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
1-C
60アルキル基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
2-C
60アルケニル基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
2-C
60アルキニル基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
1-C
60アルコキシ基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
3-C
60炭素環基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールオキシ基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールチオ基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
7-C
60アリールアルキル基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
2-C
60ヘテロアリールアルキル基、-C(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-N(Q
1)(Q
2)、-B(Q
1)(Q
2)、-C(=O)(Q
1)、-S(=O)
2(Q
1)または-P(=O)(Q
1)(Q
2)であり、
R
10aは、
重水素(-D)、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、またはニトロ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
7-C
60アリールアルキル基、C
2-C
60ヘテロアリールアルキル基、-Si(Q
11)(Q
12)(Q
13)、-N(Q
11)(Q
12)、-B(Q
11)(Q
12)、-C(=O)(Q
11)、-S(=O)
2(Q
11)、-P(=O)(Q
11)(Q
12)、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、またはC
1-C
60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
7-C
60アリールアルキル基、C
2-C
60ヘテロアリールアルキル基、-Si(Q
21)(Q
22)(Q
23)、-N(Q
21)(Q
22)、-B(Q
21)(Q
22)、-C(=O)(Q
21)、-S(=O)
2(Q
21)、-P(=O)(Q
21)(Q
22)、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
7-C
60アリールアルキル基、またはC
2-C
60ヘテロアリールアルキル基;あるいは
-Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)、-B(Q
31)(Q
32)、-C(=O)(Q
31)、-S(=O)
2(Q
31)または-P(=O)(Q
31)(Q
32);であり、
Q
1~Q
3、Q
11~Q
13、Q
21~Q
23及びQ
31~Q
33は、互いに独立して、
水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;あるいは重水素、-F、シアノ基、C
1-C
60アルキル基、C
1-C
60アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
7-C
60アリールアルキル基、またはC
2-C
60ヘテロアリールアルキル基である。
【請求項10】
遷移金属を含む第3化合物をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記第3化合物は、下記化学式3で表される、請求項10に記載の組成物:
【化5】
前記化学式3において、
Mは、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)またはオスミウム(Os)であり、
X
31~X
34は、互いに独立して、炭素原子(C)または窒素原子(N)であり、
環CY
31~環CY
34は、互いに独立して、C
3-C
60炭素環基またはC
1-C
60ヘテロ環基であり、
L
31~L
34は、互いに独立して、単結合、*-O-*’、*-S-*’、*-C(R
30a)(R
30b)-*’、*-C(R
30a)=*’、*=C(R
30a)-*’、*-C(R
30a)=C(R
30b)-*’、*-C(=O)-*’、*-C(=S)-*’、*-C≡C-*’、*-B(R
30a)-*’、*-N(R
30a)-*’、*-P(R
30a)-*’、*-Si(R
30a)(R
30b)-*’、*-P(R
30a)(R
30b)-*’、*-Ge(R
30a)(R
30b)-*’、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
3-C
60炭素環基、または少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基であり、
a31~a34は、互いに独立して、0~3の整数のうち1つであり、
a31が0である場合、CY
31及びCY
32は(L
31)
a31を介して互いに連結されず、a31が2または3である場合、複数のL
31は、互いに同一であっても、異なっていてもよく、
a32が0である場合、CY
32及びCY
33は(L
32)
a32を介して互いに連結されず、a32が2または3である場合、複数のL
32は、互いに同一であっても、異なっていてもよく、
a33が0である場合、CY
33及びCY
34は(L
33)
a33を介して互いに連結されず、a33が2または3である場合、複数のL
33は、互いに同一であっても、異なっていてもよく、
a34が0である場合、CY
34及びCY
31は(L
34)
a34を介して互いに連結されず、a34が2または3である場合、複数のL
34は、互いに同一であっても、異なっていてもよく、
R
30a、R
30b、R
31~R
34は、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
1-C
60アルキル基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
2-C
60アルケニル基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
2-C
60アルキニル基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
1-C
60アルコキシ基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
3-C
60炭素環基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールオキシ基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールチオ基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
7-C
60アリールアルキル基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
2-C
60ヘテロアリールアルキル基、-C(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-N(Q
1)(Q
2)、-B(Q
1)(Q
2)、-C(=O)(Q
1)、-S(=O)
2(Q
1)または-P(=O)(Q
1)(Q
2)であり、
選択的に、R
30a及びR
30bは互いに結合して環を形成し、
選択的に、b31個のR
31のうち2つ以上は互いに結合して環を形成し、
選択的に、b32個のR
32のうち2つ以上は互いに結合して環を形成し、
選択的に、b33個のR
33のうち2つ以上は互いに結合して環を形成し、
選択的に、b34個のR
34のうち2つ以上は互いに結合して環を形成し、
R
10aは、
重水素(-D)、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、またはニトロ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
7-C
60アリールアルキル基、C
2-C
60ヘテロアリールアルキル基、-Si(Q
11)(Q
12)(Q
13)、-N(Q
11)(Q
12)、-B(Q
11)(Q
12)、-C(=O)(Q
11)、-S(=O)
2(Q
11)、-P(=O)(Q
11)(Q
12)、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、またはC
1-C
60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
7-C
60アリールアルキル基、C
2-C
60ヘテロアリールアルキル基、-Si(Q
21)(Q
22)(Q
23)、-N(Q
21)(Q
22)、-B(Q
21)(Q
22)、-C(=O)(Q
21)、-S(=O)
2(Q
21)、-P(=O)(Q
21)(Q
22)、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
7-C
60アリールアルキル基、またはC
2-C
60ヘテロアリールアルキル基;あるいは
-Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)、-B(Q
31)(Q
32)、-C(=O)(Q
31)、-S(=O)
2(Q
31)または-P(=O)(Q
31)(Q
32);であり、
Q
1~Q
3、Q
11~Q
13、Q
21~Q
23及びQ
31~Q
33は、互いに独立して、
水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;あるいは重水素、-F、シアノ基、C
1-C
60アルキル基、C
1-C
60アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
7-C
60アリールアルキル基、またはC
2-C
60ヘテロアリールアルキル基である。
【請求項12】
前記組成物の総100重量部に対し、前記第3化合物の重量は5重量部~20重量部である、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
蛍光ドーパントまたは遅延蛍光ドーパントである第4化合物をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記第4化合物は、下記化学式4で表される、請求項13に記載の組成物:
【化6】
前記化学式4において、
X
41~X
43は、互いに独立して、NまたはBであり、
R
41~R
45は、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
1-C
60アルキル基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
2-C
60アルケニル基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
2-C
60アルキニル基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
1-C
60アルコキシ基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
3-C
60炭素環基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールオキシ基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールチオ基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
7-C
60アリールアルキル基、少なくとも1つのR
10aで置換もしくは非置換のC
2-C
60ヘテロアリールアルキル基、-C(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-N(Q
1)(Q
2)、-B(Q
1)(Q
2)、-C(=O)(Q
1)、-S(=O)
2(Q
1)または-P(=O)(Q
1)(Q
2)であり、
b43及びb44は、互いに独立して、0~4の整数のうち1つであり、
b45は、0~3の整数のうち1つであり、
選択的に、R
41及びR
43は互いに結合して環を形成し、
選択的に、R
41及びR
45は互いに結合して環を形成し、
選択的に、R
42及びR
44は互いに結合して環を形成し、
選択的に、R
42及びR
45は互いに結合して環を形成し、
選択的に、R
43及びR
44は互いに結合して環を形成し、
選択的に、b43個のR
43のうち2つ以上は互いに結合して環を形成し、
選択的に、b44個のR
44のうち2つ以上は互いに結合して環を形成し、
選択的に、b45個のR
45のうち2つ以上は互いに結合して環を形成し、
R
10aは、
重水素(-D)、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、またはニトロ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
7-C
60アリールアルキル基、C
2-C
60ヘテロアリールアルキル基、-Si(Q
11)(Q
12)(Q
13)、-N(Q
11)(Q
12)、-B(Q
11)(Q
12)、-C(=O)(Q
11)、-S(=O)
2(Q
11)、-P(=O)(Q
11)(Q
12)、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、またはC
1-C
60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
7-C
60アリールアルキル基、C
2-C
60ヘテロアリールアルキル基、-Si(Q
21)(Q
22)(Q
23)、-N(Q
21)(Q
22)、-B(Q
21)(Q
22)、-C(=O)(Q
21)、-S(=O)
2(Q
21)、-P(=O)(Q
21)(Q
22)、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
7-C
60アリールアルキル基、またはC
2-C
60ヘテロアリールアルキル基;あるいは
-Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)、-B(Q
31)(Q
32)、-C(=O)(Q
31)、-S(=O)
2(Q
31)または-P(=O)(Q
31)(Q
32);であり、
Q
1~Q
3、Q
11~Q
13、Q
21~Q
23及びQ
31~Q
33は、互いに独立して、
水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;あるいは重水素、-F、シアノ基、C
1-C
60アルキル基、C
1-C
60アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
7-C
60アリールアルキル基、またはC
2-C
60ヘテロアリールアルキル基である。
【請求項15】
前記組成物の総100重量部に対し、前記第4化合物の重量は0.1重量部~5重量部である、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
第1電極と、
前記第1電極に対向する第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、発光層を含む中間層と、を含み、
前記中間層は、請求項1ないし15のうちいずれか一項に記載の組成物を含む、発光素子。
【請求項17】
前記発光層は、前記組成物を含む、請求項16に記載の発光素子。
【請求項18】
前記発光層は、青色光を放出する、請求項16に記載の発光素子。
【請求項19】
請求項16に記載の発光素子と、
前記発光素子に電気的に連結された薄膜トランジスタと、を含む、電子装置。
【請求項20】
請求項16に記載の発光素子を含み、
フラットパネルディスプレイ、曲面ディスプレイ、コンピュータモニタ、医療用モニタ、テレビジョン、広告板、室内または室外照明及び/または信号用ライト、ヘッドアップディスプレイ、完全または部分透明ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、ローラブル(rollable)ディスプレイ、フォルダブル(foldable)ディスプレイ、ストレッチャブル(stretchable)ディスプレイ、レーザプリンタ、電話機、携帯電話、タブレット、ファブレット、PDA(personal digital assistant)、ウェアラブルデバイス、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、カムコーダ、ビューファインダー、マイクロディスプレイ、3Dディスプレイ、仮想現実または拡張現実ディスプレイ、車両、タイル状に並べられた(tiled)多重ディスプレイを含むビデオウォール、劇場またはスタジアムスクリーン、光線療法デバイス、及び看板のうち1つである、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物、それを含む発光素子、及び前記発光素子を含む電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子は、順次に配置された第1電極、正孔輸送領域、発光層、電子輸送領域及び第2電極を含む。前記第1電極から注入された正孔は、前記正孔輸送領域を介して前記発光層に移動する。前記第2電極から注入された電子は、前記電子輸送領域を介して前記発光層に移動する。前記正孔及び前記電子のようなキャリアが前記発光層で結合し、励起子が生成される。前記励起子が励起状態から基底状態に移動するにつれて、光が生成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、蛍光を放出しながら、改善された外部量子効率及び改善された寿命を有する発光素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一側面によれば、第1化合物及び前記第1化合物と異なる第2化合物を含み、
下記数式1及び2を満たす、組成物が提供される:
[数式1]
PLQY(E)>70%
[数式2]
τ<10μs
【0005】
前記数式1及び2において、
PLQY(E)は、第1フィルムに対して測定された発光量子収率(photoluminescence quantum yield)であり、
τは、第2フィルムに対して測定された減衰時間(decay time)であり、
前記第1フィルムは、前記第1化合物を含むフィルムであり、
前記第2フィルムは、前記第1化合物及び前記第2化合物を含むフィルムである。
【0006】
一実施形態によれば、下記数式3をさらに満たす、組成物が提供される:
[数式3]
T2(E)-T1(E)<0.2eV
【0007】
前記数式3において、
T1(E)は、前記第1化合物のT1三重項エネルギーレベルであり、
T2(E)は、前記第1化合物のT2三重項エネルギーレベルである。
【0008】
一実施形態によれば、下記数式4をさらに満たす、組成物が提供される:
[数式4]
HOMO(H)-HOMO(E)<0.2eV
【0009】
前記数式4において、
HOMO(E)は、前記第1化合物の最高被占軌道(highest occupied molecular orbital)エネルギーレベルであり、
HOMO(H)は、前記第2化合物の最高被占軌道エネルギーレベルである。
【0010】
他の側面によれば、第1電極と、前記第1電極に対向する第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、発光層を含む中間層と、を含み、前記中間層は、前記組成物を含む、発光素子が提供される。
【0011】
さらに他の側面によれば、前記発光素子と、前記発光素子に電気的に連結された薄膜トランジスタと、を含む、電子装置が提供される。
【0012】
さらに他の側面によれば、前記発光素子を含み、
フラットパネルディスプレイ、曲面ディスプレイ、コンピュータモニタ、医療用モニタ、テレビジョン、広告板、室内または室外照明及び/または信号用ライト、ヘッドアップディスプレイ、完全または部分透明ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、ローラブル(rollable)ディスプレイ、フォルダブル(foldable)ディスプレイ、ストレッチャブル(stretchable)ディスプレイ、レーザプリンタ、電話機、携帯電話、タブレット、ファブレット、PDA(personal digital assistant)、ウェアラブルデバイス、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、カムコーダ、ビューファインダー、マイクロディスプレイ、3Dディスプレイ、仮想現実または拡張現実ディスプレイ、車両、タイル状に並べられた(tiled)多重ディスプレイを含むビデオウォール、劇場またはスタジアムスクリーン、光線療法デバイス、及び看板のうち1つである、電子機器が提供される。
【発明の効果】
【0013】
前記数式1~4を満たす場合、電子輸送性ホストと正孔輸送性ホストは、エキシプレックスを形成せず、電子輸送性ホストは、三重項励起子を収穫するセンシタイザーの役割を行うことができる。これにより、発光素子は、改善された外部量子効率及び/または改善された寿命を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態による発光素子を概略的に示す図面である。
【
図2】本発明の一実施形態による電子装置を概略的に示す図面である。
【
図3】本発明の他の実施形態による電子装置を概略的に示す図面である。
【
図4】本発明の一実施形態による発光素子を含む電子機器を概略的に示す斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態による発光素子を含む電子機器として車両の外部を概略的に示す図面である。
【
図6A】
図5の車両の内部を概略的に示す図面である。
【
図6B】
図5の車両の内部を概略的に示す図面である。
【
図6C】
図5の車両の内部を概略的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
一側面によれば、第1電極と、前記第1電極に対向する第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、発光層を含む中間層と、を含み、前記中間層は組成物を含む、発光素子が提供される。前記中間層は、前記組成物が真空蒸着されて形成されうる。前記発光素子は有機発光素子でもある。
【0016】
前記中間層は、前記第1電極と前記発光層との間に配置された正孔輸送領域、及び前記発光層と前記第2電極との間に配置された電子輸送領域を含む。
【0017】
一実施形態によれば、前記組成物は、第1化合物、第2化合物、第3化合物、第4化合物、またはその任意の組み合わせを含みうる。前記第1化合物、前記第2化合物、前記第3化合物及び前記第4化合物は、互いに異なっている。例えば、前記組成物は、前記第1化合物及び前記第2化合物を含んでもよく、前記第1化合物、前記第2化合物及び前記第3化合物を含んでもよく、前記第1化合物、前記第2化合物及び前記第4化合物を含んでもよく、前記第1化合物ないし第4化合物をいずれも含んでもよい。
【0018】
前記第1化合物は、電子輸送性ホストであってもよい。
【0019】
前記第2化合物は、正孔輸送性ホストであってもよい。
【0020】
前記第3化合物は、遷移金属を含むセンシタイザーであってもよい。例えば、前記第3化合物は白金錯体である。
【0021】
前記第4化合物は、蛍光ドーパントまたは遅延蛍光ドーパントであってもよい。例えば、前記第4化合物は熱活性遅延蛍光ドーパントである。前記第4化合物はホウ素を含有しうる。
【0022】
一実施形態によれば、前記発光層は、前記組成物を含んでもよい。すなわち、前記発光層は、前記組成物が真空蒸着されて形成されうる。
【0023】
一実施形態によれば、前記発光層は青色光を放出することができるが、これに限定されない。
【0024】
一側面によれば、第1化合物及び前記第1化合物と異なる第2化合物を含み、
下記数式1及び2を満たす、組成物が提供される:
[数式1]
PLQY(E)>70%
[数式2]
τ<10μs
【0025】
前記数式1及び2において、
PLQY(E)は、第1フィルムに対して測定された発光量子収率であり、
τは、第2フィルムに対して測定された減衰時間であり、
前記第1フィルムは、前記第1化合物を含むフィルムであり、
前記第2フィルムは、前記第1化合物及び前記第2化合物を含むフィルムである。
【0026】
前記第1フィルムは、前記第2化合物を含まない。例えば、前記第1フィルムは、前記第1化合物からなる。
【0027】
前記第2フィルムは、前記第1化合物と前記第2化合物との混合物からなる。
【0028】
一実施形態によれば、前記数式1において、PLQY(E)は約71%以上でもある。例えば、前記数式1において、PLQY(E)は、約72%以上、好ましくは、約75%以上、より好ましくは、約80%以上、よりさらに好ましくは、約85%以上である。
【0029】
一実施形態によれば、前記数式2において、τは、約9μs以下、好ましくは、約7μs以下、より好ましくは、約6μs以下、よりさらに好ましくは、約5μs以下である。
【0030】
一実施形態によれば、前記組成物は、下記数式3をさらに満たすことができる:
[数式3]
T2(E)-T1(E)<0.2eV
【0031】
前記数式3において、
T1(E)は、前記第1化合物のT1三重項(triplet)エネルギーレベルであり、
T2(E)は、前記第1化合物のT2三重項エネルギーレベルである。
【0032】
前記「T1三重項エネルギーレベル」とは、最低励起三重項エネルギーレベルを意味する。
【0033】
前記「T2三重項エネルギーレベル」とは、二番目の励起三重項エネルギーレベルを意味する。すなわち、T2三重項エネルギーレベルは、T1三重項エネルギーレベルを除いた励起三重項エネルギーレベルのうち最も低い励起三重項エネルギーレベルである。
【0034】
T1(E)及びT2(E)は、B3LYP/6-31G(d,p)のレベルで構造的に最適化したガウシアンプログラムの密度汎関数理論(density functional theory; DFT)を利用して量子化学計算を通じて評価した。
【0035】
一実施形態によれば、前記数式3において、「T2(E)-T1(E)」は、約0.19eV以下、好ましくは、約0.15eV以下、より好ましくは、約0.12eV以下である。
【0036】
一実施形態によれば、前記組成物は、下記数式4をさらに満たすことができる:
[数式4]
HOMO(H)-HOMO(E)<0.2eV
【0037】
前記数式4において、
HOMO(E)は、前記第1化合物の最高被占軌道エネルギーレベルであり、
HOMO(H)は、前記第2化合物の最高被占軌道エネルギーレベルである。
【0038】
一実施形態によれば、前記数式4において、「HOMO(H)-HOMO(E)」は、約0.19eV以下、好ましくは、約0.18eV以下、より好ましくは、約0.17eV以下である。
【0039】
一実施形態によれば、前記第1化合物と前記第2化合物は、互いにエキシプレックスを形成しない。
【0040】
一実施形態によれば、前記組成物に含まれた前記第1化合物の重量が、前記組成物に含まれた前記第2化合物の重量よりも小さい。例えば、前記組成物中の前記第1化合物の重量に対する前記組成物中の前記第2化合物の重量は、1:9~7:3であり、好ましくは、3:7である。
【0041】
一実施形態によれば、前記第1化合物は、下記化学式1で表される:
【0042】
【0043】
前記化学式1において、
X14はNまたはC(R14)であり、X15はNまたはC(R15)であり、X16はNまたはC(R16)であり、X14~X16のうち少なくとも1つはNであり、
L11~L13は、互いに独立して、単結合、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
a11~a13は、互いに独立して、1~5の整数のうち1つであり、
R11~R16は、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60アルキル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC2-C60アルケニル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC2-C60アルキニル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60アルコキシ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC3-C60炭素環基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC6-C60アリールオキシ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC6-C60アリールチオ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC7-C60アリールアルキル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC2-C60ヘテロアリールアルキル基、-C(Q1)(Q2)(Q3)、-Si(Q1)(Q2)(Q3)、-N(Q1)(Q2)、-B(Q1)(Q2)、-C(=O)(Q1)、-S(=O)2(Q1)または-P(=O)(Q1)(Q2)である。
【0044】
R10aは、
重水素(-D)、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、またはニトロ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C3-C60炭素環基、C1-C60ヘテロ環基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C7-C60アリールアルキル基、C2-C60ヘテロアリールアルキル基、-Si(Q11)(Q12)(Q13)、-N(Q11)(Q12)、-B(Q11)(Q12)、-C(=O)(Q11)、-S(=O)2(Q11)、-P(=O)(Q11)(Q12)、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、またはC1-C60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C60炭素環基、C1-C60ヘテロ環基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C7-C60アリールアルキル基、C2-C60ヘテロアリールアルキル基、-Si(Q21)(Q22)(Q23)、-N(Q21)(Q22)、-B(Q21)(Q22)、-C(=O)(Q21)、-S(=O)2(Q21)、-P(=O)(Q21)(Q22)、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C3-C60炭素環基、C1-C60ヘテロ環基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C7-C60アリールアルキル基、またはC2-C60ヘテロアリールアルキル基;あるいは
-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)または-P(=O)(Q31)(Q32);であり、
Q1~Q3、Q11~Q13、Q21~Q23及びQ31~Q33は、互いに独立して、
水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;あるいは重水素、-F、シアノ基、C1-C60アルキル基、C1-C60アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C60炭素環基、C1-C60ヘテロ環基、C7-C60アリールアルキル基、またはC2-C60ヘテロアリールアルキル基である。
【0045】
前記第1化合物は、少なくとも1つの重水素を含んでもよい。
【0046】
前記化学式1において、L11~L13は、互いに独立して、単結合、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のベンゼン基、または少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のカルバゾール基でもある。
【0047】
一実施形態によれば、前記化学式1において、R11~R13のうち少なくとも1つは、重水素、C1-C60アルキル基、フェニル基、ビフェニル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C1-C60アルキル基;ベンゼン基;カルバゾール基;あるいは-Si(Q1)(Q2)(Q3)でもある。例えば、R11~R13のうち少なくとも1つは、フェニル基で置換されたメチル基(例えば、-C(Ph)(Ph)(Ph))、重水素で置換もしくは非置換のカルバゾール基、あるいは-Si(Q1)(Q2)(Q3)であり、ここで、Q1~Q3は、互いに独立して、重水素で置換もしくは非置換のフェニル基でもある。
【0048】
一実施形態によれば、前記第2化合物は、下記化学式2-1~2-3のうちいずれか1つで表される:
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
前記化学式2-1~2-3において、
環CY21~環CY24は、互いに独立して、π電子過剰C3-C60環基またはピリジン基であり、
X25は、単結合、O、S、N-[(L25)a25-R25]、C(R25a)(R25b)またはSi(R25a)(R25b)であり、
X26は、単結合、O、S、N-[(L26)a26-R26]、C(R26a)(R26b)またはSi(R26a)(R26b)であり、
L21~L25は、互いに独立して、単結合、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のπ電子過剰C3-C60環基、または少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のピリジン基であり、
a21~a23、a25~a26は、互いに独立して、1~5の整数のうち1つであり、
b21~b24は、互いに独立して、1~10の整数のうち1つであり、
R21~R28、R25a、R25b、R26a及びR26bは、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60アルキル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC2-C60アルケニル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC2-C60アルキニル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60アルコキシ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC3-C60炭素環基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC6-C60アリールオキシ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC6-C60アリールチオ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC7-C60アリールアルキル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC2-C60ヘテロアリールアルキル基、-C(Q1)(Q2)(Q3)、-Si(Q1)(Q2)(Q3)、-N(Q1)(Q2)、-B(Q1)(Q2)、-C(=O)(Q1)、-S(=O)2(Q1)または-P(=O)(Q1)(Q2)であり、
R10a、Q1~Q3、Q11~Q13、Q21~Q23及びQ31~Q33は、本明細書に記載されたところと同様である。
【0053】
一実施形態によれば、前記化学式2-1~2-3において、環CY21~環CY24のうち少なくとも1つはベンゼン基でもある。
【0054】
一実施形態によれば、前記化学式2-1~2-3において、X25及びX26のうち少なくとも1つは単結合でもある。
【0055】
一実施形態によれば、前記化学式2-1~2-3において、a21個のL21のうち少なくとも1つはベンゼン基でもある。
【0056】
例えば、前記第2化合物は、a21個のベンゼン基を介して連結された少なくとも2つのカルバゾール基を含む。
【0057】
一実施形態によれば、前記組成物は、遷移金属を含む第3化合物をさらに含んでもよい。前記遷移金属は、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)またはオスミウム(Os)でもある。
【0058】
一実施形態によれば、前記第3化合物は、下記化学式3で表される:
【0059】
【0060】
前記化学式3において、
Mは、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)またはオスミウム(Os)であり、
X31~X34は、互いに独立して、炭素原子(C)または窒素原子(N)であり、
環CY31~環CY34は、互いに独立して、C3-C60炭素環基またはC1-C60ヘテロ環基であり、
L31~L34は、互いに独立して、単結合、*-O-*’、*-S-*’、*-C(R30a)(R30b)-*’、*-C(R30a)=*’、*=C(R30a)-*’、*-C(R30a)=C(R30b)-*’、*-C(=O)-*’、*-C(=S)-*’、*-C≡C-*’、*-B(R30a)-*’、*-N(R30a)-*’、*-P(R30a)-*’、*-Si(R30a)(R30b)-*’、*-P(R30a)(R30b)-*’、*-Ge(R30a)(R30b)-*’、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
a31~a34は、互いに独立して、0~3の整数のうち1つであり、
a31が0である場合、CY31及びCY32は(L31)a31を介して互いに連結されず、a31が2または3である場合、複数のL31は、互いに同一であっても、異なっていてもよく、
a32が0である場合、CY32及びCY33は(L32)a32を介して互いに連結されず、a32が2または3である場合、複数のL32は、互いに同一であっても、異なっていてもよく、
a33が0である場合、CY33及びCY34は(L33)a33を介して互いに連結されず、a33が2または3である場合、複数のL33は、互いに同一であっても、異なっていてもよく、
a34が0である場合、CY34及びCY31は(L34)a34を介して互いに連結されず、a34が2または3である場合、複数のL34は、互いに同一であっても、異なっていてもよく、
R30a、R30b、R31~R34は、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60アルキル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC2-C60アルケニル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC2-C60アルキニル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60アルコキシ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC3-C60炭素環基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC6-C60アリールオキシ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC6-C60アリールチオ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC7-C60アリールアルキル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC2-C60ヘテロアリールアルキル基、-C(Q1)(Q2)(Q3)、-Si(Q1)(Q2)(Q3)、-N(Q1)(Q2)、-B(Q1)(Q2)、-C(=O)(Q1)、-S(=O)2(Q1)または-P(=O)(Q1)(Q2)であり、
選択的に、R30a及びR30bは互いに結合して環を形成し、
選択的に、b31個のR31のうち2つ以上は互いに結合して環を形成し、
選択的に、b32個のR32のうち2つ以上は互いに結合して環を形成し、
選択的に、b33個のR33のうち2つ以上は互いに結合して環を形成し、
選択的に、b34個のR34のうち2つ以上は互いに結合して環を形成し、
R10a、Q1~Q3、Q11~Q13、Q21~Q23及びQ31~Q33は、本明細書に記載されたところと同様である。
【0061】
一実施形態によれば、前記化学式3において、MはPtでもある。
【0062】
一実施形態によれば、前記環CY31~環CY34のうち少なくとも1つは、カルベン(carbene)モイエティを含んでもよい。MとX31との結合、MとX32との結合、MとX33との結合、及びMとX34との結合のうち少なくとも1つは共有結合であり、少なくとも1つは配位結合である。一例として、MとX31との結合、MとX32との結合、MとX33との結合、及びMとX34との結合のうち少なくとも2つは共有結合でもある。他の例として、MとX31との結合、MとX32との結合、MとX33との結合、及びMとX34との結合のうち少なくとも2つは配位結合でもある。
【0063】
一実施形態によれば、前記環CY31~環CY34のうち少なくとも1つは、五員環を含んでもよい。
【0064】
一実施形態によれば、前記化学式3において、a31~a34のうち少なくとも1つは0でもある。
【0065】
一実施形態によれば、前記化学式3において、L31~L34のうち少なくとも1つは、*-O-*’、*-S-*’、*-C(R30a)(R30b)-*’または*-Si(R30a)(R30b)-*’であり、ここで、R30a及びR30bは、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60アルキル基、または少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のフェニル基でもある。ここで、選択的に、R30a及びR30bは互いに結合して環を形成することができる。
【0066】
一実施形態によれば、前記組成物の総100重量部に対し、前記第3化合物の重量は、約5重量部~約20重量部、約10重量部~約15重量部、または約12重量部~約14重量部である。
【0067】
一実施形態によれば、前記組成物は、蛍光ドーパントまたは遅延蛍光ドーパントである第4化合物をさらに含んでもよい。例えば、前記第4化合物は、即時(prompt)蛍光ドーパントまたは熱活性化遅延蛍光(thermally activated delayed fluorescence)ドーパントでもある。前記第4化合物は、ホウ素(B)及び/または窒素(N)を含んでもよい。
【0068】
一実施形態によれば、前記第4化合物は、下記化学式4で表される:
【0069】
【0070】
前記化学式4において、
X41~X43は、互いに独立して、NまたはBであり、
R41~R45は、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60アルキル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC2-C60アルケニル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC2-C60アルキニル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60アルコキシ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC3-C60炭素環基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC6-C60アリールオキシ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC6-C60アリールチオ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC7-C60アリールアルキル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC2-C60ヘテロアリールアルキル基、-C(Q1)(Q2)(Q3)、-Si(Q1)(Q2)(Q3)、-N(Q1)(Q2)、-B(Q1)(Q2)、-C(=O)(Q1)、-S(=O)2(Q1)または-P(=O)(Q1)(Q2)であり、
b43及びb44は、互いに独立して、0~4の整数のうち1つであり、
b45は、0~3の整数のうち1つであり、
選択的に、R41及びR43は互いに結合して環を形成し、
選択的に、R41及びR45は互いに結合して環を形成し、
選択的に、R42及びR44は互いに結合して環を形成し、
選択的に、R42及びR45は互いに結合して環を形成し、
選択的に、R43及びR44は互いに結合して環を形成し、
選択的に、b43個のR43のうち2つ以上は互いに結合して環を形成し、
選択的に、b44個のR44のうち2つ以上は互いに結合して環を形成し、
選択的に、b45個のR45のうち2つ以上は互いに結合して環を形成し、
R10a、Q1~Q3、Q11~Q13、Q21~Q23及びQ31~Q33は、本明細書に記載されたところと同様である。
【0071】
一実施形態によれば、X41及びX42それぞれはNであり、X43はBでもある。
【0072】
一実施形態によれば、R41及びR42は、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のフェニル基でもある。
【0073】
一実施形態によれば、R43及びR44は、互いに独立して、水素、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60アルキル基、または少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のフェニル基でもある。
【0074】
一実施形態によれば、R45は、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のフェニル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のカルバゾール基、または-N(Q1)(Q2)であり、ここで、Q1及びQ2は、互いに独立して、メチル基で置換もしくは非置換のフェニル基でもある。
【0075】
一実施形態によれば、前記組成物の総100重量部に対し、前記第4化合物の重量は、約0.1重量部~約5重量部、約0.5重量部~約2重量部、または約1重量部である。
【0076】
他の側面によれば、前記発光素子と、前記発光素子に電気的に連結された薄膜トランジスタと、を含む、電子装置が提供される。
【0077】
さらに他の側面によれば、前記発光素子を含み、
フラットパネルディスプレイ、曲面ディスプレイ、コンピュータモニタ、医療用モニタ、テレビジョン、広告板、室内または室外照明及び/または信号用ライト、ヘッドアップディスプレイ、完全または部分透明ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、ローラブル(rollable)ディスプレイ、フォルダブル(foldable)ディスプレイ、ストレッチャブル(stretchable)ディスプレイ、レーザプリンタ、電話機、携帯電話、タブレット、ファブレット、PDA(personal digital assistant)、ウェアラブルデバイス、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、カムコーダ、ビューファインダー、マイクロディスプレイ、3Dディスプレイ、仮想現実または拡張現実ディスプレイ、車両、タイル状に並べられた(tiled)多重ディスプレイを含むビデオウォール、劇場またはスタジアムスクリーン、光線療法デバイス、及び看板のうち1つである、電子機器が提供される。
【0078】
[第1化合物の具体例]
一実施形態によれば、前記第1化合物は、下記化合物E1~E16のうち1つであるか、または下記化合物E1~E16から選択された1つの化合物において少なくとも1つの水素が重水素で置換された化合物であるが、これらに限定されない:
【0079】
【0080】
例えば、前記第1化合物は、下記化合物E14(1)またはE15(1)である:
【0081】
【0082】
[第2化合物の具体例]
一実施形態によれば、前記第2化合物は、下記化合物HH1~HH9のうち1つであるが、これらに限定されない:
【0083】
【0084】
[第3化合物の具体例]
一実施形態によれば、前記第3化合物は、下記化合物S1~S16のうち1つであるか、下記化合物S1~S16から選択された1つの化合物において少なくとも1つの水素がアルキル基またはアリール基で置換された化合物であるか、あるいは下記化合物S1~S16から選択された1つの化合物において少なくとも1つの水素がアルキル基またはアリール基で置換され、前記アルキル基またはアリール基が互いに結合して環を形成した化合物であるが、これらに限定されない:
【0085】
【0086】
例えば、前記第3化合物は、下記化合物S17またはS18である:
【0087】
【0088】
[第4化合物の具体例]
一実施形態によれば、前記第4化合物は、下記化合物D1~D12のうち1つであるが、これらに限定されない:
【0089】
【0090】
特定理論に限定しようとするものではないが、少なくとも前記数式1及び2を満たす場合、電子輸送性ホストである第1化合物と正孔輸送性ホストである第2化合物はエキシプレックスを形成せず、前記第1化合物は、三重項励起子を収穫するセンシタイザーの役割を行うことができ、前記数式1ないし4を満たす場合、前記第1化合物のセンシタイザーの役割がさらに強化されうる。これにより、前記組成物を含む発光素子は、改善された外部量子効率及び/または改善された寿命を有することができる。
【0091】
[
図1に係わる説明]
図1は、本発明の一実施形態による発光素子10の断面図を概略的に示すものである。前記発光素子10は、第1電極110、中間層及び第2電極150を含む。前記中間層は、正孔輸送領域120、発光層130及び電子輸送領域140を含む。
【0092】
以下、
図1を参照して、本発明の一実施形態による発光素子10の構造及び製造方法を説明すれば、以下の通りである。
【0093】
[第1電極110]
図1の第1電極110の下部、または第2電極150の上部には、基板がさらに配置されうる。前記基板としては、ガラス基板またはプラスチック基板を使用することができる。前記基板は可撓性基板でもある。例えば、前記基板は、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルイミド、またはその任意の組み合わせといった、耐熱性及び耐久性に優れるプラスチックを含んでもよい。
【0094】
前記基板の上部に、第1電極用物質を、蒸着法またはスパッタリング法などを利用して提供することにより、第1電極110が形成される。第1電極110がアノードである場合、前記第1電極用物質として、正孔注入が容易な高仕事関数物質を利用することができる。
【0095】
第1電極110は、反射型電極、半透過型電極または透過型電極でもある。透過型電極である第1電極110を形成するために、第1電極用物質として、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、またはその任意の組み合わせを利用することができる。半透過型電極または反射型電極である第1電極110を形成するために、第1電極用物質として、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、アルミニウム・リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム・インジウム(Mg-In)、マグネシウム・銀(Mg-Ag)、またはその任意の組み合わせを利用することができる。
【0096】
第1電極110は、単一層からなる単層構造、または複数の層を含む多層構造を有することができる。例えば、前記第1電極110は、ITO/Ag/ITOの3層構造を有することができる。
【0097】
[中間層]
前記第1電極110の上部には、中間層が配置される。前記中間層は、正孔輸送領域120、発光層130及び電子輸送領域140を含む。
【0098】
前記中間層は、各種有機物、有機金属化合物のような金属含有化合物、量子ドットのような無機物などを含んでもよい。
【0099】
一方、前記中間層は、i)前記第1電極110と前記第2電極150との間に順次に積層されている2つ以上の発光単位(emitting unit)、及びii)前記2つの発光単位の間に配置された電荷生成層(chrge generation layer)を含んでもよい。前記中間層が前述のような発光単位及び電荷生成層を含む場合、前記発光素子10はタンデム(tandem)発光素子でもある。
【0100】
[正孔輸送領域120]
正孔輸送領域120は、i)単一物質からなる単一層からなる単層構造、ii)複数の互いに異なる物質を含む単一層からなる単層構造、またはiii)複数の互いに異なる物質を含む複数の層を含む多層構造を有することができる。
【0101】
正孔輸送領域120は、正孔注入層、正孔輸送層、発光補助層、電子阻止層、またはその任意の組み合わせを含んでもよい。
【0102】
例えば、正孔輸送領域120は、第1電極110から順に積層された正孔注入層/正孔輸送層、正孔注入層/正孔輸送層/発光補助層、正孔注入層/発光補助層、正孔輸送層/発光補助層、または正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層の多層構造を有することができる。
【0103】
前記正孔輸送領域は、下記化学式201で表される化合物、下記化学式202で表される化合物、またはその任意の組み合わせ(any combination thereof)を含んでもよい:
【0104】
【0105】
【0106】
前記化学式201及び202において、
L201~L204は、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
L205は、*-O-*’、*-S-*’、*-N(Q201)-*’、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C20アルキレン基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC2-C20アルケニレン基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
xa1~xa4は、互いに独立して、0~5の整数のうち1つであり、
xa5は、1~10の整数のうち1つであり、
R201~R204及びQ201は、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
R201とR202は、選択的に、単結合、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C5アルキレン基、または少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC2-C5アルケニレン基を介して互いに連結され、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC8-C60多環基(例えば、カルバゾール基など)を形成することができ(例えば、下記化合物HT16などを参照する)、
R203とR204は、選択的に、単結合、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C5アルキレン基、または少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC2-C5アルケニレン基を介して互いに連結され、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC8-C60多環基を形成することができ、
na1は、1~4の整数のうち1つである。
【0107】
例えば、前記化学式201及び202それぞれは、下記化学式CY201~CY217で表された基のうち少なくとも1つを含んでもよい:
【0108】
【0109】
前記化学式CY201~CY217において、R10b及びR10cに係わる説明は、それぞれ本明細書内のR10aに係わる説明を参照し、環CY201~環CY204は、互いに独立して、C3-C20炭素環基またはC1-C20ヘテロ環基であり、前記化学式CY201~CY217において、少なくとも1つの水素は、本明細書に記載されているようなR10aで置換もしくは置換されない。
【0110】
一実施形態によれば、前記化学式CY201~CY217において、環CY201~環CY204は、互いに独立して、ベンゼン基、ナフタレン基、フェナントレン基、またはアントラセン基であってもよい。
【0111】
他の実施形態によれば、前記化学式201及び202それぞれは、前記化学式CY201~CY203で表された基のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0112】
さらに他の実施形態によれば、前記化学式201は、前記化学式CY201~CY203で表された基のうち少なくとも1つ、及び前記化学式CY204~CY217で表された基のうち少なくとも1つをそれぞれ含んでもよい。
【0113】
さらに他の実施形態によれば、前記化学式201において、xa1は1であり、R201は、前記化学式CY201~CY203のうち1つで表された基であり、xa2は0であり、R202は、前記化学式CY204~CY207のうち1つで表された基であってもよい。
【0114】
さらに他の実施形態によれば、前記化学式201及び202それぞれは、前記化学式CY201~CY203で表された基を含まなくてもよい。
【0115】
さらに他の実施形態によれば、前記化学式201及び202それぞれは、前記化学式CY201~CY203で表された基を含まず、前記化学式CY204~CY217で表された基のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0116】
さらに他の例として、前記化学式201及び202それぞれは、前記化学式CY201~CY217で表された基を含まなくてもよい。
【0117】
例えば、前記正孔輸送領域は、下記化合物HT1~HT46のうち1つ、m-MTDATA、TDATA、2-TNATA、NPB(NPD)、β-NPB、TPD、Spiro-TPD、Spiro-NPB、メチル化されたNPB、TAPC、HMTPD、4,4’,4”-トリス(N-カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(PANI/DBSA)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(PANI/CSA)、ポリアニリン/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PANI/PSS)、またはその任意の組み合わせを含んでもよい:
【0118】
【0119】
前記正孔輸送領域の厚さは、約50Å~約10000Å、例えば、約100Å~約4000Åである。前記正孔輸送領域が正孔注入層、正孔輸送層、またはその任意の組み合わせを含む場合、前記正孔注入層の厚さは、約100Å~約9000Å、例えば、約100Å~約1000Åであり、前記正孔輸送層の厚さは、約50Å~約2000Å、例えば、約100Å~約1500Åである。前記正孔輸送領域、正孔注入層及び正孔輸送層の厚さが前述のような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満たすべき正孔輸送特性が得られる。
【0120】
前記発光補助層は、発光層から放出される光の波長による光学的共振距離を補償して光放出効率を増大させる役割を行う層である。前記電子阻止層は、発光層から正孔輸送領域への電子リークを防止する役割を行う層である。前述の正孔輸送領域に含まれる物質が発光補助層及び電子阻止層にも含まれる。
【0121】
[p型ドーパント]
正孔輸送領域120は、前述のような物質以外に、導電性向上のために電荷生成物質を含んでもよい。前記電荷生成物質は、前記正孔輸送領域内に均一にまたは不均一に分散(例えば、電荷生成物質からなる単一層の形態)されている。
【0122】
前記電荷生成物質は、例えば、p型ドーパントでもある。
【0123】
例えば、前記p型ドーパントのLUMOエネルギーレベルは約-3.5eV以下でもある。
【0124】
一実施形態によれば、前記p型ドーパントは、キノン誘導体、シアノ基含有化合物、元素EL1及び元素EL2含有化合物、またはその任意の組み合わせを含んでもよい。
【0125】
前記キノン誘導体の例は、TCNQ、F4-TCNQなどを含んでもよい。
【0126】
前記シアノ基含有化合物の例は、HAT-CN、下記化学式221で表された化合物などを含んでもよい。
【0127】
【0128】
【0129】
前記化学式221において、
R221~R223は、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
前記R221~R223のうち少なくとも1つは、互いに独立して、シアノ基;-F;-Cl;-Br;-I;シアノ基、-F、-Cl、-Br、-I、またはその任意の組み合わせで置換されたC1-C20アルキル基;あるいはその任意の組み合わせ;で置換された、C3-C60炭素環基またはC1-C60ヘテロ環基でもある。
【0130】
前記元素EL1及び元素EL2含有化合物において、元素EL1は、金属、半金属、またはその組み合わせであり、元素EL2は、非金属、半金属、またはその組み合わせである。
【0131】
前記金属の例は、アルカリ金属(例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)など);アルカリ土類金属(例えば、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)など);遷移金属(例えば、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、テクネチウム(Tc)、レニウム(Re)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)など);遷移後金属(例えば、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、スズ(Sn)など);ランタニド金属(例えば、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテニウム(Lu)など);などを含んでもよい。
【0132】
前記半金属の例は、シリコン(Si)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)などを含んでもよい。
【0133】
前記非金属の例は、酸素(O)、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、Iなど)などを含んでもよい。
【0134】
例えば、前記元素EL1及び元素EL2含有化合物は、金属酸化物、金属ハロゲン化物(例えば、金属フッ化物、金属塩化物、金属臭化物、金属ヨウ化物など)、半金属ハロゲン化物(例えば、半金属フッ化物、半金属塩化物、半金属臭化物、半金属ヨウ化物など)、金属テルリド、またはその任意の組み合わせを含んでもよい。
【0135】
前記金属酸化物の例は、タングステン酸化物(例えば、WO、W2O3、WO2、WO3、W2O5など)、バナジウム酸化物(例えば、VO、V2O3、VO2、V2O5など)、モリブデン酸化物(MoO、Mo2O3、MoO2、MoO3、Mo2O5など)、レニウム酸化物(例えば、ReO3など)などを含んでもよい。
【0136】
前記金属ハロゲン化物の例は、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、遷移金属ハロゲン化物、遷移後金属ハロゲン化物、ランタニド金属ハロゲン化物などを含んでもよい。
【0137】
前記アルカリ金属ハロゲン化物の例は、LiF、NaF、KF、RbF、CsF、LiCl、NaCl、KCl、RbCl、CsCl、LiBr、NaBr、KBr、RbBr、CsBr、LiI、NaI、KI、RbI、CsIなどを含んでもよい。
【0138】
前記アルカリ土類金属ハロゲン化物の例は、BeF2、MgF2、CaF2、SrF2、BaF2、BeCl2、MgCl2、CaCl2、SrCl2、BaCl2、BeBr2、MgBr2、CaBr2、SrBr2、BaBr2、BeI2、MgI2、CaI2、SrI2、BaI2などを含んでもよい。
【0139】
前記遷移金属ハロゲン化物の例は、チタンハロゲン化物(例えば、TiF4、TiCl4、TiBr4、TiI4など)、ジルコニウムハロゲン化物(例えば、ZrF4、ZrCl4、ZrBr4、ZrI4など)、ハフニウムハロゲン化物(例えば、HfF4、HfCl4、HfBr4、HfI4など)、バナジウムハロゲン化物(例えば、VF3、VCl3、VBr3、VI3など)、ニオブハロゲン化物(例えば、NbF3、NbCl3、NbBr3、NbI3など)、タンタルハロゲン化物(例えば、TaF3、TaCl3、TaBr3、TaI3など)、クロムハロゲン化物(例えば、CrF3、CrCl3、CrBr3、CrI3など)、モリブデンハロゲン化物(例えば、MoF3、MoCl3、MoBr3、MoI3など)、タングステンハロゲン化物(例えば、WF3、WCl3、WBr3、WI3など)、マンガンハロゲン化物(例えば、MnF2、MnCl2、MnBr2、MnI2など)、テクネチウムハロゲン化物(例えば、TcF2、TcCl2、TcBr2、TcI2など)、レニウムハロゲン化物(例えば、ReF2、ReCl2、ReBr2、ReI2など)、鉄ハロゲン化物(例えば、FeF2、FeCl2、FeBr2、FeI2など)、ルテニウムハロゲン化物(例えば、RuF2、RuCl2、RuBr2、RuI2など)、オスミウムハロゲン化物(例えば、OsF2、OsCl2、OsBr2、OsI2など)、コバルトハロゲン化物(例えば、CoF2、CoCl2、CoBr2、CoI2など)、ロジウムハロゲン化物(例えば、RhF2、RhCl2、RhBr2、RhI2など)、イリジウムハロゲン化物(例えば、IrF2、IrCl2、IrBr2、IrI2など)、ニッケルハロゲン化物(例えば、NiF2、NiCl2、NiBr2、NiI2など)、パラジウムハロゲン化物(例えば、PdF2、PdCl2、PdBr2、PdI2など)、白金ハロゲン化物(例えば、PtF2、PtCl2、PtBr2、PtI2など)、銅ハロゲン化物(例えば、CuF、CuCl、CuBr、CuIなど)、銀ハロゲン化物(例えば、AgF、AgCl、AgBr、AgIなど)、金ハロゲン化物(例えば、AuF、AuCl、AuBr、AuIなど)などを含んでもよい。
【0140】
前記遷移後金属ハロゲン化物の例は、亜鉛ハロゲン化物(例えば、ZnF2、ZnCl2、ZnBr2、ZnI2など)、インジウムハロゲン化物(例えば、InI3など)、スズハロゲン化物(例えば、SnI2など)などを含んでもよい。
【0141】
前記ランタニド金属ハロゲン化物の例は、YbF、YbF2、YbF3、SmF3、YbCl、YbCl2、YbCl3、SmCl3、YbBr、YbBr2、YbBr3、SmBr3、YbI、YbI2、YbI3、SmI3などを含んでもよい。
【0142】
前記半金属ハロゲン化物の例は、アンチモンハロゲン化物(例えば、SbCl5など)などを含んでもよい。
【0143】
前記金属テルリドの例は、アルカリ金属テルリド(例えば、Li2Te、Na2Te、K2Te、Rb2Te、Cs2Teなど)、アルカリ土類金属テルリド(例えば、BeTe、MgTe、CaTe、SrTe、BaTeなど)、遷移金属テルリド(例えば、TiTe2、ZrTe2、HfTe2、V2Te3、Nb2Te3、Ta2Te3、Cr2Te3、Mo2Te3、W2Te3、MnTe、TcTe、ReTe、FeTe、RuTe、OsTe、CoTe、RhTe、IrTe、NiTe、PdTe、PtTe、Cu2Te、CuTe、Ag2Te、AgTe、Au2Teなど)、遷移後金属テルリド(例えば、ZnTeなど)、ランタニド金属テルリド(例えば、LaTe、CeTe、PrTe、NdTe、PmTe、EuTe、GdTe、TbTe、DyTe、HoTe、ErTe、TmTe、YbTe、LuTeなど)などを含んでもよい。
【0144】
[発光層130]
前記発光素子10がフルカラー発光素子である場合、発光層は、個々の副画素別に、赤色発光層、緑色発光層及び/または青色発光層にパターニングされる。または、前記発光層は、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層のうち2以上の層が接触または離隔されて積層された構造を有するか、あるいは赤色光放出物質、緑色光放出物質及び青色光放出物質のうち2以上の物質が層区分なしに混合した構造を有し、白色光を放出することができる。
【0145】
前記発光層は、ホスト及びドーパントを含んでもよい。前記ドーパントは、燐光ドーパント、蛍光ドーパント、またはその任意の組み合わせを含んでもよい。
【0146】
前記発光層中のドーパントの含量は、ホスト100重量部に対し、約0.01~約15重量部でもある。
【0147】
あるいは、前記発光層は、量子ドットを含んでもよい。
【0148】
一方、前記発光層は、遅延蛍光物質を含んでもよい。前記遅延蛍光物質は、発光層中のホストまたはドーパントの役割を行うことができる。
【0149】
前記発光層の厚さは、約100Å~約1000Å、例えば、約200Å~約600Åである。前記発光層の厚さが前述のような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、優秀な発光特性を表すことができる。
【0150】
[ホスト]
前記ホストは、下記化学式301で表される化合物を含んでもよい:
化学式301
[Ar301]xb11-[(L301)xb1-R301]xb21
【0151】
前記化学式301において、
Ar301及びL301は、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
xb11は、1、2または3であり、
xb1は、0~5の整数のうち1つであり、
R301は、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60アルキル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC2-C60アルケニル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC2-C60アルキニル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60アルコキシ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC3-C60炭素環基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基、-Si(Q301)(Q302)(Q303)、-N(Q301)(Q302)、-B(Q301)(Q302)、-C(=O)(Q301)、-S(=O)2(Q301)、または-P(=O)(Q301)(Q302)であり、
xb21は、1~5の整数のうち1つであり、
Q301~Q303に係わる説明は、それぞれ本明細書中のQ1に係わる説明を参照する。
【0152】
例えば、前記化学式301において、xb11が2以上である場合、2以上のAr301は、単結合を介して互いに連結されうる。
【0153】
他の例として、前記ホストは、下記化学式301-1で表された化合物、下記化学式301-2で表された化合物、またはその任意の組み合わせを含んでもよい:
【0154】
【0155】
【0156】
前記化学式301-1及び301-2において、
環A301~環A304は、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
X301は、O、S、N[(L304)xb4-R304]、C(R304)(R305)、またはSi(R304)(R305)であり、
xb22及びxb23は、互いに独立して、0、1または2であり、
L301、xb1及びR301に係わる説明は、それぞれ本明細書に記載されたところを参照し、
L302~L304に係わる説明は、互いに独立して、前記L301に係わる説明を参照し、
xb2~xb4に係わる説明は、互いに独立して、前記xb1に係わる説明を参照し、
R302~R305及びR311~R314に係わる説明は、それぞれ前記R301に係わる説明を参照する。
【0157】
さらに他の例として、前記ホストは、アルカリ土類金属錯体、遷移後金属錯体、またはその任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、前記ホストは、Be錯体(例えば、下記化合物H55)、Mg錯体、Zn錯体、またはその任意の組み合わせを含んでもよい。
【0158】
さらに他の例として、前記ホストは、下記化合物H1~H128のうち1つ、9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(ADN)、2-メチル-9,10-ビス(ナフタレン-2-イル)アントラセン(MADN)、9,10-ジ-(2-ナフチル)-2-t-ブチル-アントラセン(TBADN)、4,4’-ビス(N-カルバゾリル)-1,1’-ビフェニル(CBP)、1,3-ジ(カルバゾール-9-イル)ベンゼン(mCP)、1,3,5-トリ(カルバゾール-9-イル)ベンゼン(TCP)、またはその任意の組み合わせを含んでもよい:
【0159】
【0160】
[燐光ドーパント]
前記燐光ドーパントは、中心金属として、少なくとも1つの遷移金属を含んでもよい。
【0161】
前記燐光ドーパントは、一座(monodenate)リガンド、二座リガンド、三座リガンド、四座リガンド、五座リガンド、六座リガンド、またはその任意の組み合わせを含んでもよい。
【0162】
前記燐光ドーパントは、電気的に中性(neutral)でもある。
【0163】
例えば、前記燐光ドーパントは、下記化学式401で表される有機金属化合物を含んでもよい:
【0164】
化学式401
M(L401)xc1(L402)xc2
【0165】
【0166】
前記化学式401及び402において、
Mは、遷移金属(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、チタン(Ti)、金(Au)、ハフニウム(Hf)、ユウロピウム(Eu)、テルビウム(Tb)、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)、またはツリウム(Tm))であり、
L401は前記化学式402で表されるリガンドであり、xc1は1、2または3であり、xc1が2以上である場合、2以上のL401は、互いに同一であっても、異なっていてもよく、
L402は有機リガンドであり、xc2は0、1、2、3または4であり、xc2が2以上である場合、2以上のL402は、互いに同一であっても、異なっていてもよく、
X401及びX402は、互いに独立して、窒素または炭素であり、
環A401及び環A402は、互いに独立して、C3-C60炭素環基またはC1-C60ヘテロ環基であり、
T401は、単結合、*-O-*’、*-S-*’、*-C(=O)-*’、*-N(Q411)-*’、*-C(Q411)(Q412)-*’、*-C(Q411)=C(Q412)-*’、*-C(Q411)=*’または*=C=*’であり、
X403及びX404は、互いに独立して、化学結合(例えば、共有結合または配位結合)、O、S、N(Q413)、B(Q413)、P(Q413)、C(Q413)(Q414)またはSi(Q413)(Q414)であり、
前記Q411~Q414に係わる説明は、それぞれ本明細書中のQ1に係わる説明を参照し、
R401及びR402は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C20アルキル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C20アルコキシ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC3-C60炭素環基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基、-Si(Q401)(Q402)(Q403)、-N(Q401)(Q402)、-B(Q401)(Q402)、-C(=O)(Q401)、-S(=O)2(Q401)、または-P(=O)(Q401)(Q402)であり、
前記Q401~Q403に係わる説明は、それぞれ本明細書中のQ1に係わる説明を参照し、
xc11及びxc12は、互いに独立して、0~10の整数のうち1つであり、
前記化学式402において、*及び*’は、それぞれ前記化学式401中のMとの結合サイトである。
【0167】
例えば、前記化学式402において、i)X401は窒素であり、X402は炭素であるか、あるいはii)X401とX402の両方が窒素である。
【0168】
他の例として、前記化学式401において、xc1が2以上である場合、2以上のL401のうち、2つの環A401は、選択的に、連結基であるT402を介して互いに連結されるか、2つの環A402は、選択的に、連結基であるT403を介して互いに連結されうる(下記化合物PD1~PD4及びPD7参照)。前記T402及びT403に係わる説明は、それぞれ本明細書中のT401に係わる説明を参照する。
【0169】
前記化学式401において、L402は任意の有機リガンドでもある。例えば、前記L402は、ハロゲン基、ジケトン基(例えば、アセチルアセトネート基)、カルボン酸基(例えば、ピコリネート基)、-C(=O)、イソニトリル基、-CN基、ホスファラス基(例えば、ホスフィン基、ホスファイト基など)、またはその任意の組み合わせを含んでもよい。
【0170】
前記燐光ドーパントは、例えば、下記化合物PD1~PD39のうち1つ、またはその任意の組み合わせを含んでもよい:
【0171】
【0172】
[蛍光ドーパント]
前記蛍光ドーパントは、アミン基含有化合物、スチリル基含有化合物、またはその任意の組み合わせを含んでもよい。
【0173】
例えば、前記蛍光ドーパントは、下記化学式501で表される化合物を含んでもよい:
【0174】
【0175】
前記化学式501において、
Ar501、L501~L503、R501及びR502は、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
xd1~xd3は、互いに独立して、0、1、2または3であり、
xd4は、1、2、3、4、5または6である。
【0176】
例えば、前記化学式501において、Ar501は、3つ以上の単環基が互いに縮合された縮合環基(例えば、アントラセン基、クリセン基、ピレン基など)を含んでもよい。
【0177】
他の例として、前記化学式501において、xd4は2でもある。
【0178】
例えば、前記蛍光ドーパントは、下記化合物FD1~FD37のうち1つ、DPVBi、DPAVBi、またはその任意の組み合わせを含んでもよい:
【0179】
【0180】
[遅延蛍光物質]
前記発光層は、遅延蛍光物質を含んでもよい。
【0181】
本明細書において、遅延蛍光物質は、遅延蛍光放出メカニズムによって遅延蛍光を放出することができる任意の化合物から選択されうる。
【0182】
前記発光層に含まれた遅延蛍光物質は、前記発光層に含まれた他の物質の種類によって、ホストまたはドーパントの役割を行うことができる。
【0183】
一実施形態によれば、前記遅延蛍光物質の三重項エネルギーレベル(eV)と、前記遅延蛍光物質の一重項エネルギーレベル(eV)との差は、約0eV以上かつ約0.5eV以下である。前記遅延蛍光物質の三重項エネルギーレベル(eV)と、前記遅延蛍光物質の一重項エネルギーレベル(eV)との差が前述のような範囲を満たすことで、前記遅延蛍光物質内の三重項状態から一重項状態への逆エネルギー移動(up-conversion)が効果的に行われ、前記発光素子10の発光効率などが向上しうる。
【0184】
例えば、前記遅延蛍光物質は、i)少なくとも1つの電子ドナー(例えば、カルバゾール基のようなπ電子過剰C3-C60環基など)、及び少なくとも1つの電子アクセプター(例えば、スルホキシド基、シアノ基、π電子欠乏性含窒素C1-C60環基など)を含む物質、ii)ホウ素(B)を共有しつつ縮合された2以上の環基を含むC8-C60多環基を含む物質などを含んでもよい。
【0185】
前記遅延蛍光物質の例は、下記化合物DF1~DF14のうち少なくとも1つを含んでもよい:
【0186】
【0187】
[量子ドット]
前記発光層は、量子ドットを含んでもよい。
【0188】
本明細書において、量子ドットは、半導体化合物の結晶を意味する。量子ドットは、結晶のサイズによって多様な発光波長の光を放出することができる。量子ドットは、前記量子ドットを構成する元素比を調節することで、多様な発光波長の光を放出することもできる。
【0189】
前記量子ドットの直径は、例えば、約1nm~約10nmである。
【0190】
前記量子ドットは、湿式化学工程、有機金属化学蒸着工程、分子線エピタキシー工程、またはそれと類似の工程などによって合成される。
【0191】
前記湿式化学工程は、有機溶媒と前駆体物質を混合した後、量子ドット粒子結晶を成長させる方法である。前記結晶が成長するとき、有機溶媒が自然に量子ドット結晶の表面に配位された分散剤の役割を行い、前記結晶の成長を調節するため、有機金属化学蒸着(MOCVD: Metal Organic Chemical Vapor Deposition)や分子線エピタキシー(MBE: Molecular Beam Epitaxy)などの気相蒸着法よりさらに容易であり、低コストの工程を介して、量子ドット粒子の成長を制御することができる。
【0192】
前記量子ドットは、II-VI族半導体化合物;III-V族半導体化合物;III-VI族半導体化合物;I-III-VI族半導体化合物;IV-VI族半導体化合物;IV族元素または化合物;あるいはその任意の組み合わせ;を含んでもよい。
【0193】
前記II-VI族半導体化合物の例は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、MgSe、MgSなどの二元素化合物;CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、MgZnSe、MgZnSなどの三元素化合物;CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTeなどの四元素化合物;あるいはその任意の組み合わせ;を含んでもよい。
【0194】
前記III-V族半導体化合物の例は、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSbなどの二元素化合物;GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InGaP、InNP、InAlP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSbなどの三元素化合物;GaAlNP、GaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSbなどの四元素化合物;あるいはその任意の組み合わせ;を含んでもよい。一方、前記III-V族半導体化合物は、II族元素をさらに含んでもよい。II族元素をさらに含むIII-V族半導体化合物の例は、InZnP、InGaZnP、InAlZnPなどを含んでもよい。
【0195】
前記III-VI族半導体化合物の例は、GaS、Ga2S3、GaSe、Ga2Se3、GaTe、InS、InSe、In2S3、In2Se3、InTeなどの二元素化合物;InGaS3、InGaSe3などの三元素化合物;あるいはその任意の組み合わせ;を含んでもよい。
【0196】
前記I-III-VI族半導体化合物の例は、AgInS、AgInS2、AgInSe2、AgGaS、AgGaS2、AgGaSe2、CuInS、CuInS2、CuInSe2、CuGaS2、CuGaSe2、CuGaO2、AgGaO2、AgAlO2などの三元素化合物;AgInGaS2、AgInGaSe2などの四元素化合物;あるいはその任意の組み合わせ;を含んでもよい。
【0197】
前記IV-VI族半導体化合物の例は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTeなどの二元素化合物;SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTeなどの三元素化合物;SnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTeなどの四元素化合物;あるいはその任意の組み合わせ;を含んでもよい。
【0198】
前記IV族元素または化合物は、Si、Geなどの単一元素;SiC、SiGeなどの二元素化合物;あるいはその任意の組み合わせ;を含んでもよい。
【0199】
前記二元素化合物、三元素化合物及び四元素化合物のような多元素化合物に含まれたそれぞれの元素は、均一な濃度または不均一な濃度で粒子内に存在しうる。すなわち、前記化学式は、化合物に含まれる元素の種類を意味し、化合物内の元素比は互いに異なっている。例えば、AgInGaS2は、AgInxGa1-xS2(xは0~1の実数である)を意味する。
【0200】
一方、前記量子ドットは、当該量子ドットに含まれたそれぞれの元素の濃度が均一な単一構造、またはコア・シェルの二重構造を有することができる。例えば、前記コアに含まれた物質と前記シェルに含まれた物質は互いに異なっている。
【0201】
前記量子ドットのシェルは、前記コアの化学的変性を防止して半導体特性を維持するための保護層の役割、及び/または量子ドットに電気泳動特性を付与するためのチャージング層(charging layer)の役割を行うことができる。前記シェルは、単層または多重層である。コアとシェルとの界面は、シェルに存在する元素の濃度が中心へ行くほど低くなる濃度勾配(gradient)を有することができる。
【0202】
前記量子ドットのシェルの例としては、金属または非金属の酸化物、半導体化合物あるいはそれらの組み合わせなどが挙げられる。前記金属または非金属の酸化物の例は、SiO2、Al2O3、TiO2、ZnO、MnO、Mn2O3、Mn3O4、CuO、FeO、Fe2O3、Fe3O4、CoO、Co3O4、NiOなどの二元素化合物;MgAl2O4、CoFe2O4、NiFe2O4、CoMn2O4などの三元素化合物;あるいはその任意の組み合わせ;を含んでもよい。前記半導体化合物の例は、本明細書に記載されているような、III-VI族半導体化合物;II-VI族半導体化合物;III-V族半導体化合物;III-VI族半導体化合物;I-III-VI族半導体化合物;IV-VI族半導体化合物;あるいはその任意の組み合わせ;を含んでもよい。例えば、前記半導体化合物は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnSeS、ZnTeS、GaAs、GaP、GaS、GaSe、AgGaS、AgGaS2、GaSb、HgS、HgSe、HgTe、InAs、InP、InGaP、InSb、AlAs、AlP、AlSb、またはその任意の組み合わせを含んでもよい。
【0203】
前記二元素化合物、三元素化合物のような多元素化合物に含まれたそれぞれの元素は、均一な濃度または不均一な濃度で粒子内に存在しうる。すなわち、前記化学式は、化合物に含まれる元素の種類を意味し、化合物内の元素比は互いに異なっている。
【0204】
量子ドットは、約45nm以下、具体的には、約40nm以下、より具体的には、約30nm以下の発光波長スペクトルの半値幅(full width of half maximum: FWHM)を有することができ、当該範囲で色純度や色再現性を向上させることができる。また、そのような量子ドットを介して発光される光は全方向に放出されるところ、広視野角が向上しうる。
【0205】
また、量子ドットの形態は、具体的には、球状粒子、ピラミッド状粒子、多重枝状(multi-arm)粒子、立方体(cubic)ナノ粒子、ナノチューブ粒子、ナノワイヤ粒子、ナノファイバ粒子、ナノプレート粒子などの形態である。
【0206】
前記量子ドットのサイズを調節するか、量子ドット化合物内の元素比を調節することにより、エネルギーバンドギャップの調節が可能であるので、量子ドット発光層から多様な波長帯の光が得られる。したがって、前記のような(互いに異なるサイズの量子ドットを使用するか、量子ドット化合物内の元素比を異ならせる)量子ドットを使用することで、複数の波長の光を放出する発光素子を具現することができる。具体的には、前記量子ドットのサイズや量子ドット化合物内の元素比の調節は、赤色光、緑色光及び/または青色光が放出されるように選択されうる。また、前記量子ドットは、多様な色の光が結合され、白色光を放出するように構成されうる。
【0207】
[電子輸送領域140]
前記電子輸送領域は、i)単一物質からなる単一層からなる単層構造、ii)複数の互いに異なる物質を含む単一層からなる単層構造、またはiii)複数の互いに異なる物質を含む複数の層を含む多層構造を有することができる。
【0208】
前記電子輸送領域は、バッファ層、正孔阻止層、電子調節層、電子輸送層、電子注入層、またはその任意の組み合わせを含む。
【0209】
例えば、前記電子輸送領域は、発光層から順に積層された電子輸送層/電子注入層、正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層、電子調節層/電子輸送層/電子注入層、またはバッファ層/電子輸送層/電子注入層などの構造を有することができる。
【0210】
前記電子輸送領域(例えば、前記電子輸送領域内のバッファ層、正孔阻止層、電子調節層、または電子輸送層)は、少なくとも1つのπ電子欠乏性含窒素C1-C60環基を含む金属非含有(metal-free)化合物を含んでもよい。
【0211】
例えば、前記電子輸送領域は、下記化学式601で表された化合物を含んでもよい。
【0212】
化学式601
[Ar601]xe11-[(L601)xe1-R601]xe21
【0213】
前記化学式601において、
Ar601及びL601は、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
xe11は、1、2または3であり、
xe1は、0、1、2、3、4または5であり、
R601は、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC3-C60炭素環基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基、-Si(Q601)(Q602)(Q603)、-C(=O)(Q601)、-S(=O)2(Q601)、または-P(=O)(Q601)(Q602)であり、
前記Q601~Q603に係わる説明は、それぞれ本明細書中のQ1に係わる説明を参照し、
xe21は、1、2、3、4または5であり、
前記Ar601、L601及びR601のうち少なくとも1つは、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のπ電子欠乏性含窒素C1-C60環基でもある。
【0214】
例えば、前記化学式601において、xe11が2以上である場合、2以上のAr601は、単結合を介して互いに連結されうる。
【0215】
他の例として、前記化学式601において、Ar601は、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のアントラセン基であってもよい。
【0216】
さらに他の例として、前記電子輸送領域は、下記化学式601-1で表された化合物を含んでもよい:
【0217】
【0218】
前記化学式601-1において、
X614はNまたはC(R614)であり、X615はNまたはC(R615)であり、X616はNまたはC(R616)であり、X614~X616のうち少なくとも1つはNであり、
L611~L613に係わる説明は、それぞれ前記L601に係わる説明を参照し、
xe611~xe613に係わる説明は、それぞれ前記xe1に係わる説明を参照し、
R611~R613に係わる説明は、それぞれ前記R601に係わる説明を参照し、
R614~R616は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基でもある。
【0219】
例えば、前記化学式601及び601-1において、xe1及びxe611~xe613は、互いに独立して、0、1または2である。
【0220】
前記電子輸送領域は、下記化合物ET1~ET45のうち1つ、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(BCP)、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(Bphen)、Alq3、BAlq、TAZ、NTAZ、またはその任意の組み合わせを含んでもよい:
【0221】
【0222】
前記電子輸送領域の厚さは、約100Å~約5000Å、例えば、約160Å~約4000Åである。前記電子輸送領域がバッファ層、正孔阻止層、電子調節層、電子輸送層、またはその任意の組み合わせを含む場合、前記バッファ層、正孔阻止層、または電子調節層の厚さは、互いに独立して、約20Å~約1000Å、例えば、約30Å~約300Åであり、前記電子輸送層の厚さは、約100Å~約1000Å、例えば、約150Å~約500Åである。前記バッファ層、正孔阻止層、電子調節層、電子輸送層及び/または電子輸送領域の厚さが前述のような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満たすべき電子輸送特性が得られる。
【0223】
前記電子輸送領域(例えば、前記電子輸送領域内の電子輸送層)は、前述のような物質以外に、金属含有物質をさらに含んでもよい。
【0224】
前記金属含有物質は、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、またはその任意の組み合わせを含んでもよい。前記アルカリ金属錯体の金属イオンは、Liイオン、Naイオン、Kイオン、Rbイオン、またはCsイオンであってもよく、前記アルカリ土類金属錯体の金属イオンは、Beイオン、Mgイオン、Caイオン、Srイオン、またはBaイオンであってもよい。前記アルカリ金属錯体及びアルカリ土類金属錯体の金属イオンに配位されたリガンドは、互いに独立して、ヒドロキシキノリン、ヒドロキシイソキノリン、ヒドロキシベンゾキノリン、ヒドロキシアクリジン、ヒドロキシフェナントリジン、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシフェニルオキサジアゾール、ヒドロキシフェニルチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンゾチアゾール、ビピリジン、フェナントロリン、シクロペンタジエン、またはその任意の組み合わせを含んでもよい。
【0225】
例えば、前記金属含有物質は、Li錯体を含んでもよい。前記Li錯体は、例えば、下記化合物ET-D1(LiQ)またはET-D2を含んでもよい:
【0226】
【0227】
前記電子輸送領域は、第2電極150からの電子の注入を容易にする電子注入層を含んでもよい。前記電子注入層は、前記第2電極150と直接に接触することができる。
【0228】
前記電子注入層は、i)単一物質からなる単一層からなる単層構造、ii)複数の互いに異なる物質を含む単一層からなる単層構造、またはiii)複数の互いに異なる物質を含む複数の層を有する多層構造を有することができる。
【0229】
前記電子注入層は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属含有化合物、アルカリ土類金属含有化合物、希土類金属含有化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはその任意の組み合わせを含んでもよい。
【0230】
前記アルカリ金属は、Li、Na、K、Rb、Csまたはその任意の組み合わせを含んでもよい。前記アルカリ土類金属は、Mg、Ca、Sr、Baまたはその任意の組み合わせを含んでもよい。前記希土類金属は、Sc、Y、Ce、Tb、Yb、Gdまたはその任意の組み合わせを含んでもよい。
【0231】
前記アルカリ金属含有化合物、前記アルカリ土類金属含有化合物及び前記希土類金属含有化合物は、前記アルカリ金属、前記アルカリ土類金属及び前記希土類金属それぞれの、酸化物、ハロゲン化物(例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物など)、テルリド、またはその任意の組み合わせを含んでもよい。
【0232】
前記アルカリ金属含有化合物は、Li2O、Cs2O、K2Oなどのアルカリ金属酸化物、LiF、NaF、CsF、KF、LiI、NaI、CsI、KIなどのアルカリ金属ハロゲン化物、またはその任意の組み合わせを含んでもよい。前記アルカリ土類金属含有化合物は、BaO、SrO、CaO、BaxSr1-xO(xは、0<x<1を満たす実数である)、BaxCa1-xO(xは、0<x<1を満たす実数である)などのアルカリ土類金属化合物を含んでもよい。前記希土類金属含有化合物は、YbF3、ScF3、Sc2O3、Y2O3、Ce2O3、GdF3、TbF3、YbI3、ScI3、TbI3またはその任意の組み合わせを含んでもよい。あるいは、前記希土類金属含有化合物は、ランタニド金属テルリドを含んでもよい。前記ランタニド金属テルリドの例は、LaTe、CeTe、PrTe、NdTe、PmTe、SmTe、EuTe、GdTe、TbTe、DyTe、HoTe、ErTe、TmTe、YbTe、LuTe、La2Te3、Ce2Te3、Pr2Te3、Nd2Te3、Pm2Te3、Sm2Te3、Eu2Te3、Gd2Te3、Tb2Te3、Dy2Te3、Ho2Te3、Er2Te3、Tm2Te3、Yb2Te3、Lu2Te3などを含んでもよい。
【0233】
前記アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体及び希土類金属錯体は、i)前述のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属の金属イオンのうち1つ、及びii)前記金属イオンと結合したリガンド、例えば、ヒドロキシキノリン、ヒドロキシイソキノリン、ヒドロキシベンゾキノリン、ヒドロキシアクリジン、ヒドロキシフェナントリジン、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシフェニルオキサジアゾール、ヒドロキシフェニルチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンゾチアゾール、ビピリジン、フェナントロリン、シクロペンタジエン、またはその任意の組み合わせを含んでもよい。
【0234】
前記電子注入層は、前述のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属含有化合物、アルカリ土類金属含有化合物、希土類金属含有化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはその任意の組み合わせのみからなってもよく、有機物(例えば、前記化学式601で表された化合物)をさらに含んでもよい。
【0235】
一実施形態によれば、前記電子注入層は、i)アルカリ金属含有化合物(例えば、アルカリ金属ハロゲン化物)からなるか、ii)a)アルカリ金属含有化合物(例えば、アルカリ金属ハロゲン化物)、及びb)アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、またはその任意の組み合わせからなる。例えば、前記電子注入層は、KI:Yb共蒸着層、RbI:Yb共蒸着層、LiF:Yb共蒸着層などである。
【0236】
前記電子注入層が有機物をさらに含む場合、前記アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属含有化合物、アルカリ土類金属含有化合物、希土類金属含有化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはその任意の組み合わせは、前記有機物を含むマトリックスに均一にまたは不均一に分散されている。
【0237】
前記電子注入層の厚さは、約1Å~約100Å、約3Å~約90Åである。前記電子注入層の厚さが前述のような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満たすべき電子注入特性が得られる。
【0238】
[第2電極150]
電子輸送領域140の上部には、第2電極150が配置される。第2電極150は、電子注入電極であるカソードであってもよいが、このとき、前記第2電極150用物質としては、低い仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物、またはその任意の組み合わせを使用することができる。
【0239】
第2電極150は、リチウム(Li)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム・リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム・インジウム(Mg-In)、マグネシウム・銀(Mg-Ag)、イッテルビウム(Yb)、銀・イッテルビウム(Ag-Yb)、ITO、IZO、またはその任意の組み合わせを含んでもよい。第2電極150は、透過型電極、半透過型電極または反射型電極でもある。
【0240】
第2電極150は、単一層である単層構造、または複数の層を有する多層構造を有することができる。
【0241】
[キャッピング層]
第1電極110の外側には、第1キャッピング層が配置されるか、及び/または第2電極150の外側には、第2キャッピング層が配置される。具体的には、前記発光素子10は、第1キャッピング層、第1電極110、前記中間層及び第2電極150が順に積層された構造、第1電極110、前記中間層、第2電極150及び第2キャッピング層が順に積層された構造、または第1キャッピング層、第1電極110、前記中間層、第2電極150及び第2キャッピング層が順に積層された構造を有することができる。
【0242】
発光素子10の発光層130で生成された光は、半透過型電極または透過型電極である第1電極110及び第1キャッピング層を経て外部に取り出され、発光素子10の発光層130で生成された光は、半透過型電極または透過型電極である第2電極150及び第2キャッピング層を経て外部に取り出される。
【0243】
前記第1キャッピング層及び第2キャッピング層は、補強干渉の原理により外部発光効率を向上させる役割を行うことができる。これにより、前記発光素子10の光抽出効率が向上し、前記発光素子10の発光効率が向上しうる。
【0244】
前記第1キャッピング層及び第2キャッピング層それぞれは、約1.2以上の屈折率(at 460nm)を有する物質を含んでもよい。
【0245】
前記第1キャッピング層及び第2キャッピング層は、互いに独立して、有機物を含む有機キャッピング層、無機物を含む無機キャッピング層、または有機物及び無機物を含む有無機複合キャッピング層であってもよい。
【0246】
前記第1キャッピング層及び第2キャッピング層のうち少なくとも1層は、互いに独立して、炭素環化合物、ヘテロ環化合物、アミン基含有化合物、ポルフィン誘導体、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、またはその任意の組み合わせを含んでもよい。前記炭素環化合物、ヘテロ環化合物及びアミン基含有化合物は、選択的に、O、N、S、Se、Si、F、Cl、Br、Iまたはその任意の組み合わせを含む置換基でも置換される。一実施形態によれば、前記第1キャッピング層及び第2キャッピング層のうち少なくとも1層は、互いに独立して、アミン基含有化合物を含んでもよい。
【0247】
例えば、前記第1キャッピング層及び第2キャッピング層のうち少なくとも1層は、互いに独立して、前記化学式201で表された化合物、前記化学式202で表された化合物、またはその任意の組み合わせを含んでもよい。
【0248】
さらに他の実施形態によれば、前記第1キャッピング層及び第2キャッピング層のうち少なくとも1層は、互いに独立して、前記化合物HT28~HT33のうち1つ、下記化合物CP1~CP6のうち1つ、β-NPB、またはその任意の化合物を含んでもよい:
【0249】
【0250】
[フィルム]
前記電子装置は、フィルムをさらに含んでもよい。前記フィルムは、例えば、光学部材(または、光制御手段)(例えば、カラーフィルタ、色変換部材、キャッピング層、光取り出し効率向上層、選択的光吸収層、偏光層、量子ドット含有層など)、遮光部材(例えば、光反射層、光吸収層など)、保護部材(例えば、絶縁層、誘電体層など)などである。
【0251】
[電子装置]
前記発光素子は、各種電子装置にも含まれる。例えば、前記発光素子を含む電子装置は、表示装置、認証装置などである。
【0252】
前記電子装置(例えば、表示装置)は、前記発光素子以外に、i)カラーフィルタ、ii)色変換層、またはiii)カラーフィルタ及び色変換層をさらに含んでもよい。 前記カラーフィルタ及び/または色変換層は、発光素子から放出される光の少なくとも1つの進行方向上に配置されうる。例えば、前記発光素子から放出される光は、青色光または白色光であってもよい。前記発光素子に係わる説明は、前述のところを参照する。一実施形態によれば、前記色変換層は、量子ドットを含んでもよい。前記量子ドットは、例えば、本明細書に記載されているような量子ドットである。
【0253】
前記電子装置は、第1基板を含む。前記第1基板は、複数の副画素領域を含み、前記カラーフィルタは、前記複数の副画素領域それぞれに対応する複数のカラーフィルタ領域を含み、前記色変換層は、前記複数の副画素領域それぞれに対応する複数の色変換領域を含む。
【0254】
前記複数の副画素領域間に画素定義膜が配置され、それぞれの副画素領域が定義される。
【0255】
前記カラーフィルタは、複数のカラーフィルタ領域、及び複数のカラーフィルタ領域間に配置された遮光パターンをさらに含んでもよく、前記色変換層は、複数の色変換領域、及び複数の色変換領域間に配置された遮光パターンをさらに含んでもよい。
【0256】
前記複数のカラーフィルタ領域(または、複数の色変換領域)は、第1色光を放出する第1領域、第2色光を放出する第2領域、及び/または第3色光を放出する第3領域を含み、前記第1色光、前記第2色光及び/または前記第3色光は、互いに異なる最大発光波長を有することができる。例えば、前記第1色光は赤色光であり、前記第2色光は緑色光であり、前記第3色光は青色光である。例えば、前記複数のカラーフィルタ領域(または、複数の色変換領域)は、量子ドットを含んでもよい。具体的には、前記第1領域は赤色量子ドットを含み、前記第2領域は緑色量子ドットを含み、前記第3領域は量子ドットを含まない。量子ドットに係わる説明は、本明細書に記載されているところを参照する。前記第1領域、前記第2領域及び/または前記第3領域は、それぞれ散乱体をさらに含んでもよい。
【0257】
例えば、前記発光素子は、第1光を放出し、前記第1領域は、前記第1光を吸収して、第1-1色光を放出し、前記第2領域は、前記第1光を吸収して、第2-1色光を放出し、前記第3領域は、前記第1光を吸収して、第3-1色光を放出することができる。このとき、前記第1-1色光、前記第2-1色光及び前記第3-1色光は、互いに異なる最大発光波長を有することができる。具体的には、前記第1光は青色光であり、前記第1-1色光は赤色光であり、前記第2-1色光は緑色光であり、前記第3-1色光は青色光である。
【0258】
前記電子装置は、前述のような発光素子以外に、薄膜トランジスタをさらに含んでもよい。前記薄膜トランジスタは、ソース電極、ドレイン電極及び活性層を含み、前記ソース電極及びドレイン電極のうちいずれか1つと、前記発光素子の第1電極及び第2電極のうちいずれか1つとは、電気的に接続されうる。
【0259】
前記薄膜トランジスタは、ゲート電極、ゲート絶縁膜などをさらに含んでもよい。
【0260】
前記活性層は、結晶質シリコン、非晶質シリコン、有機半導体、酸化物半導体などを含んでもよい。
【0261】
前記電子装置は、発光素子を密封する密封部をさらに含んでもよい。前記密封部は、前記カラーフィルタ及び/または色変換層と前記発光素子との間に配置される。前記密封部は、前記発光素子からの光が外部に取り出されるようにしつつ、同時に前記発光素子への外気及び水分の浸透を遮断する。前記密封部は、透明なガラス基板またはプラスチック基板を含む密封基板であってもよい。前記密封部は、有機層及び/または無機層を1層以上含む薄膜封止層であってもよい。前記密封部が薄膜封止層である場合、前記電子装置はフレキシブルである。
【0262】
前記密封部上には、前記カラーフィルタ及び/または色変換層以外に、前記電子装置の用途によって多様な機能層がさらに配置されてもよい。前記機能層の例は、タッチスクリーン層、偏光層などを含んでもよい。前記タッチスクリーン層は、減圧式タッチスクリーン層、静電式タッチスクリーン層または赤外線式タッチスクリーン層である。前記認証装置は、例えば、生体(例えば、指先、瞳など)の生体情報を利用して個人を認証する生体認証装置である。
【0263】
前記認証装置は、前述のような発光素子以外に、生体情報収集手段をさらに含んでもよい。
【0264】
前記電子装置は、各種ディスプレイ、光源、照明、パーソナルコンピュータ(例えば、モバイル型パーソナルコンピュータ)、携帯電話、デジタル写真機、電子手帳、電子辞書、電子ゲーム機、医療機器(例えば、電子体温計、血圧計、血糖計、脈拍計測装置、脈波計測装置、心電図表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、プロジェクタなどに応用可能である。
【0265】
[電子機器]
前記発光素子は、各種電子機器にも含まれる。
【0266】
例えば、前記発光素子を含む電子機器は、フラットパネルディスプレイ、曲面ディスプレイ、コンピュータモニタ、医療用モニタ、テレビジョン、広告板、室内または室外照明及び/または信号用ライト、ヘッドアップディスプレイ、完全または部分透明ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、ローラブル(rollable)ディスプレイ、フォルダブル(foldable)ディスプレイ、ストレッチャブル(stretchable)ディスプレイ、レーザプリンタ、電話機、携帯電話、タブレット、ファブレット、PDA(personal digital assistant)、ウェアラブルデバイス、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、カムコーダ、ビューファインダー、マイクロディスプレイ、3Dディスプレイ、仮想現実または拡張現実ディスプレイ、車両、タイル状に並べられた(tiled)多重ディスプレイを含むビデオウォール、劇場またはスタジアムスクリーン、光線療法デバイス、及び看板のうち1つであってもよい。
【0267】
前記発光素子が改善された駆動電圧、優秀な発光効率、長寿命効果などを有するので、前記発光素子を含む前記電子機器は、高輝度、高解像度、低消費電力などの特性を有することができる。
【0268】
[
図2及び
図3に係わる説明]
図2は、本発明の一実施形態による電子装置の断面図である。
【0269】
図2の電子装置は、基板100、薄膜トランジスタ(TFT)、発光素子及び封止部300を含む。
【0270】
前記基板100は、可撓性基板、ガラス基板、または金属基板であってもよい。前記基板100上には、バッファ層210が配置されうる。前記バッファ層210は、基板100を介しての不純物の浸透を防止し、基板100の上部に平坦な面を提供する役割を行うことができる。
【0271】
前記バッファ層210上には、薄膜トランジスタ(TFT)が配置されうる。前記薄膜トランジスタ(TFT)は、活性層220、ゲート電極240、ソース電極260及びドレイン電極270を含む。
【0272】
前記活性層220は、シリコンまたはポリシリコンのような無機半導体、有機半導体または酸化物半導体を含んでもよく、ソース領域、ドレイン領域及びチャネル領域を含む。
【0273】
前記活性層220の上部には、活性層220とゲート電極240とを絶縁するためのゲート絶縁膜230が配置され、ゲート絶縁膜230の上部には、ゲート電極240が配置されうる。
【0274】
前記ゲート電極240の上部には、層間絶縁膜250が配置されうる。前記層間絶縁膜250は、ゲート電極240とソース電極260との間、及びゲート電極240とドレイン電極270との間に配置され、それらを絶縁する役割を行う。
【0275】
前記層間絶縁膜250上には、ソース電極260及びドレイン電極270が配置されうる。層間絶縁膜250及びゲート絶縁膜230は、活性層220のソース領域及びドレイン領域が露出するように形成され、そのような活性層220の露出されたソース領域及びドレイン領域と接するように、ソース電極260及びドレイン電極270が配置されうる。
【0276】
当該薄膜トランジスタ(TFT)は、発光素子に電気的に接続され、発光素子を駆動させることができ、パッシベーション層280で覆われて保護される。パッシベーション層280は、無機絶縁膜、有機絶縁膜、またはその組み合わせを含んでもよい。パッシベーション層280上には、発光素子が具備される。前記発光素子は、第1電極110、前記中間層及び第2電極150を含む。
【0277】
前記第1電極110は、パッシベーション層280上に配置されうる。パッシベーション層280は、ドレイン電極270の全体を覆わずに所定の領域を露出させるように配置され、露出されたドレイン電極270と接続されるように第1電極110が配置されうる。
【0278】
前記第1電極110上に、絶縁物を含む画素定義膜290が配置されうる。画素定義膜290は、第1電極110の所定の領域を露出させ、露出された領域に中間層130が形成されうる。画素定義膜290は、ポリイミドまたはポリアクリル系の有機膜であってもよい。
図2に示されていないが、前記中間層のうち一部以上の層は、画素定義膜290の上部まで延びて共通層の形態にも配置される。
【0279】
前記中間層上には、第2電極150が配置され、第2電極150上には、キャッピング層170がさらに形成されうる。キャッピング層170は、第2電極150を覆うように形成される。
【0280】
前記キャッピング層170上には、封止部300が配置されうる。封止部300は、発光素子上に配置され、水分や酸素から発光素子を保護する役割を行うことができる。封止部300は、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸化物(SiOx)、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、またはその任意の組み合わせを含む無機膜、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチレンスルホネート、ポリオキシメチレン、ポリアリレート、ヘキサメチルジシロキサン、アクリル系樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸など)、エポキシ系樹脂(例えば、脂肪族グリシジルエーテル(AGE)など)、またはその任意の組み合わせを含む有機膜、あるいは無機膜と有機膜との組み合わせを含んでもよい。
【0281】
図3は、本発明の他の実施形態による電子装置の断面図である。
【0282】
図3の電子装置は、封止部300の上部に遮光パターン500及び機能性領域400がさらに配置されているという点を除いては、
図2の電子装置と同様の電子装置である。前記機能性領域400は、i)カラーフィルタ領域、ii)色変換領域、またはiii)カラーフィルタ領域と色変換領域との組み合わせであってもよい。一実施形態によれば、
図3の電子装置に含まれた発光素子はタンデム発光素子であってもよい。
【0283】
[
図4に係わる説明]
図4は、本発明の一実施形態による発光素子を含む電子機器1を概略的に示す斜視図である。前記電子機器1は、動画や静止画を表示する装置として、モバイルフォン、スマートフォン、タブレットPC(personal computer)、移動通信端末機、電子手帳、電子本、PMP(portable multimedia player)、ナビゲーションまたはUMPC(Ultra Mobile PC)のような携帯用電子機器だけでなく、テレビジョン、ラップトップ、モニタ、広告板または事物インターネット(internet of things: IOT)などの多様な製品であるか、あるいはその一部であってもよい。また、前記電子機器1は、スマートワッチ、ワッチフォン、メガネ型ディスプレイまたはヘッドマウントディスプレイ(head mounted display: HMD)のようなウェアラブル装置であるか、あるいはその一部であってもよい。もちろん、本発明がそれらに限定されるものではない。例えば、前記電子機器1は、自動車の計器盤、自動車のセンターフェイシア(center fascia)、ダッシュボードに配置されたCID(Center Information Display)、自動車のサイドミラーを代替するルームミラーディスプレイ、自動車の後座席用エンターテインメントディスプレイまたは前座席の背面に配置されるディスプレイ、車両の前方に設置されるか、フロントウィンドウガラスに投影されるヘッドアップディスプレイ(Head Up Display: HUD)、ホログラム拡張現実ヘッドアップディスプレイ(Computer Generated Hologram Augmented Reality Head Up Display: CGH AR HUD)であってもよい。
図4は、説明の便宜上、前記電子機器1がスマートフォンである場合を示している。
【0284】
前記電子機器1は、表示領域DAと、表示領域DAの外側の非表示領域NDAとを含む。電子機器1は、表示領域DAに二次元的に配列された複数の画素のアレイを介してイメージを具現することができる。
【0285】
非表示領域NDAは、イメージをディスプレイしない領域であって、表示領域DAを全体的に取り囲むことができる。非表示領域NDAには、表示領域DAに配置されたディスプレイ素子に電気的信号や電源を提供するためのドライバなどが配置されうる。非表示領域NDAには、電子素子や印刷回路基板などが電気的に接続可能な領域であるパッドが配置されうる。
【0286】
前記電子機器1は、x軸方向の長さとy軸方向の長さとが互いに異なっている。例えば、
図4に示されたように、前記x軸方向の長さがy軸方向の長さよりも短い。他の例として、前記x軸方向の長さとy軸方向の長さとが同一である。さらに他の例として、前記x軸方向の長さがy軸方向の長さよりも長い。
【0287】
[
図5及び
図6A~
図6Cに係わる説明]
図5は、本発明の一実施形態による発光素子を含む電子機器として、車両1000の外部を概略的に示す図面である。
図6A~
図6Cは、本発明の多様な実施形態による車両1000の内部を概略的に示す図面である。
【0288】
図5、
図6A、
図6B及び
図6Cを参照すれば、車両1000は、人間、品物または動物のような被運送体を出発地から目的地に移動させる多様な装置を意味する。車両1000は、道路または線路を走行する車両、海や川上に移動する船舶、及び空気の作用を利用して青空を飛行する飛行機などを含む。
【0289】
車両1000は、道路または線路を走行することができる。車両1000は、少なくとも1つの車両の回転によって所定の方向に移動することができる。例えば、車両1000は、三輪または四輪自動車、建設機械、二輪自動車、原動機装置、自転車、及び線路を走行する列車を含む。
【0290】
車両1000は、内装と外装を有する車体(body)と、車体を除いた残り部分として、走行に必要な機械装置が設置される車台(chassis)とを含む。車体の外装は、フロントパネル、ボンネット、ルーフパネル、リアパネル、トランク、ドア間の境界に設けられたフィラーを含む。車両1000の車台は、動力発生装置、動力伝達装置、走行装置、操向装置、制動装置、懸架装置、変速装置、燃料装置、前後左右車輪などを含む。
【0291】
車両1000は、サイドウィンドウガラス1100、フロントウィンドウガラス1200、サイドミラー1300、クラスタ1400、センターフェイシア1500、助手席ダッシュボード1600及び表示装置2を含む。
【0292】
サイドウィンドウガラス1100及びフロントウィンドウガラス1200は、サイドウィンドウガラス1100とフロントウィンドウガラス1200との間に配置されたフィラーによっても区画される。
【0293】
サイドウィンドウガラス1100は、車両1000の側面に設置されうる。一実施形態において、サイドウィンドウガラス1100は、車両1000のドアに設置される。サイドウィンドウガラス1100は、複数個具備され、互いに対向している。一実施形態において、サイドウィンドウガラス1100は、第1サイドウィンドウガラス1110及び第2サイドウィンドウガラス1120を含む。一実施形態において、第1サイドウィンドウガラス1110は、クラスタ1400に隣接して配置される。第2サイドウィンドウガラス1120は、助手席ダッシュボード1600に隣接して配置される。
【0294】
一実施形態において、サイドウィンドウガラス1100は、x方向または-x方向に互いに離隔されうる。例えば、第1サイドウィンドウガラス1110及び第2サイドウィンドウガラス1120は、x方向または-x方向に互いに離隔されうる。すなわち、サイドウィンドウガラス1100を連結する仮想の直線Lは、x方向または-x方向に延びる。例えば、第1サイドウィンドウガラス1110及び第2サイドウィンドウガラス1120を互いに連結する仮想の直線Lは、x方向または-x方向に延びる。
【0295】
フロントウィンドウガラス1200は、車両1000の前方に設置されうる。フロントウィンドウガラス1200は、互いに対向するサイドウィンドウガラス1100間に配置されうる。
【0296】
サイドミラー1300は、車両1000の後方の視野を提供することができる。サイドミラー1300は、車体の外装に設置されうる。一実施形態において、サイドミラー1300は、複数個具備される。複数のサイドミラー1300のうちいずれか1つは、第1サイドウィンドウガラス1110の外側に配置される。複数のサイドミラー1300のうち他の1つは、第2サイドウィンドウガラス1120の外側に配置される。
【0297】
クラスタ1400は、ステアリングホイールの前方に位置しうる。クラスタ1400は、タコメータ、速度計、冷却水温度計、燃料計、方向指示器、上向き表示灯、警告灯、シートベルト警告灯、走行距離計、走行記録計、自動変速選択レバー表示灯、半ドア警告灯、エンジンオイル警告灯、及び/または燃料残量警告灯が配置される。
【0298】
センターフェイシア1500は、オーディオ装置、空調装置、及びシートのヒータを調整するための複数のボタンが配置されたコントロールパネルを含む。センターフェイシア1500は、クラスタ1400の一側に配置される。
【0299】
助手席ダッシュボード1600は、センターフェイシア1500を挟んでクラスタ1400と離隔されうる。一実施形態において、クラスタ1400は、運転席(図示せず)に対応して配置され、助手席ダッシュボード1600は、助手席(図示せず)に対応して配置される。一実施形態において、クラスタ1400は、第1サイドウィンドウガラス1110に隣接し、助手席ダッシュボード1600は、第2サイドウィンドウガラス1120に隣接する。
【0300】
一実施形態において、表示装置2は、表示パネル3を含み、前記表示パネル3は、映像を表示することができる。表示装置2は、車両1000の内部に配置されうる。一実施形態において、表示装置2は、互いに対向するサイドウィンドウガラス1100間に配置される。表示装置2は、クラスタ1400、センターフェイシア1500及び助手席ダッシュボード1600のうち少なくともいずれか1つに配置される。
【0301】
表示装置2は、有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display)、無機発光表示装置(Inorganic Light Emitting Display)、量子ドット表示装置(Quantum dot display)などを含む。以下、本発明の一実施形態による表示装置2として、本発明による発光素子を含む有機発光表示装置を例として説明するが、本発明の実施形態は、前述のような多様な方式の表示装置が使用可能である。
【0302】
図6Aを参照すれば、表示装置2は、センターフェイシア1500に配置されうる。一実施形態において、表示装置2は、ナビゲーション情報を表示することができる。一実施形態において、表示装置2は、オーディオ、ビデオ、または車両設定に係わる情報を表示することができる。
【0303】
図6Bを参照すれば、表示装置2は、クラスタ1400に配置されうる。その場合、クラスタ1400は、表示装置2により運行情報などを表すことができる。すなわち、クラスタ1400は、デジタル方式にも具現される。デジタル方式のクラスタ1400は、車両情報及び走行情報を映像として表示することができる。例えば、タコメータの針及びゲージ、各種警告灯アイコンは、デジタル信号によっても表示される。
【0304】
図6Cを参照すれば、表示装置2は、助手席ダッシュボード1600に配置されうる。表示装置2は、助手席ダッシュボード1600に埋め込まれるか、助手席ダッシュボード1600上に位置する。一実施形態において、助手席ダッシュボード1600に配置された表示装置2は、クラスタ1400に表示された情報及び/またはセンターフェイシア1500に表示された情報に係わる映像を表示することができる。他の実施形態において、助手席ダッシュボード1600に配置された表示装置2は、クラスタ1400に表示された情報及び/またはセンターフェイシア1500に表示された情報と異なる情報を表示することができる。
【0305】
[製造方法]
前記正孔輸送領域120に含まれた各層、発光層130、及び電子輸送領域140に含まれた各層は、それぞれ真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB(Langmuir-Blodgett)法、インクジェットプリンティング法、レーザプリンティング法、レーザ熱転写(Laser Induced Thermal Imaging: LITI)法のような多様な方法を利用して、所定の領域に形成されうる。
【0306】
真空蒸着法により、前記正孔輸送領域120に含まれた各層、発光層130、及び電子輸送領域140に含まれた各層をそれぞれ形成する場合、蒸着条件は、例えば、約100~約500℃の蒸着温度、約10-8~約10-3torrの真空度、及び約0.01~約100Å/secの蒸着速度の範囲内において、形成しようとする層に含まれる材料及び形成しようとする層の構造を考慮して選択可能である。
【0307】
[用語の定義]
本明細書において、C3-C60炭素環基は、環形成原子として炭素のみからなる炭素数3~60の環基を意味する。
【0308】
C1-C60ヘテロ環基は、炭素以外に、環形成原子としてヘテロ原子をさらに含む炭素数1~60の環基を意味する。
【0309】
前記C3-C60炭素環基及びC1-C60ヘテロ環基それぞれは、1つの環からなる単環基、または2以上の環が互いに縮合されている多環基であってもよい。例えば、前記C1-C60ヘテロ環基の環形成原子数は3~61個である。
【0310】
本明細書において、環基は、前記C3-C60炭素環基及びC1-C60ヘテロ環基をいずれも含む。
【0311】
本明細書において、π電子過剰C3-C60環基は、環形成モイエティとして*-N=*’を含まない炭素数3~60の環基を意味する。
【0312】
本明細書において、π電子欠乏性含窒素C1-C60環基は、環形成モイエティとして*-N=*’を含む炭素数1~60のヘテロ環基を意味する。
【0313】
例えば、
前記C3-C60炭素環基は、i)基T1、またはii)2以上の基T1が互いに縮合された縮合環基(例えば、シクロペンタジエン基、アダマンタン基、ノルボルナン基、ベンゼン基、ペンタレン基、ナフタレン基、アズレン基、インダセン基、アセナフチレン基、フェナレン基、フェナントレン基、アントラセン基、フルオランテン基、トリフェニレン基、ピレン基、クリセン基、ペリレン基、ペンタフェン基、ヘプタレン基、ナフタセン基、ピセン基、ヘキサセン基、ペンタセン基、ルビセン基、コロネン基、オバレン基、インデン基、フルオレン基、スピロ-ビフルオレン基、ベンゾフルオレン基、インデノフェナントレン基、またはインデノアントラセン基)であり、
前記C1-C60ヘテロ環基は、i)基T2、ii)2以上の基T2が互いに縮合された縮合環基、またはiii)1以上の基T2と1以上の基T1とが互いに縮合された縮合環基(例えば、ピロール基、チオフェン基、フラン基、インドール基、ベンゾインドール基、ナフトインドール基、イソインドール基、ベンゾイソインドール基、ナフトイソインドール基、ベンゾシロール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾフラン基、カルバゾール基、ジベンゾシロール基、ジベンゾチオフェン基、ジベンゾフラン基、インデノカルバゾール基、インドロカルバゾール基、ベンゾフロカルバゾール基、ベンゾチエノカルバゾール基、ベンゾシロロカルバゾール基、ベンゾインドロカルバゾール基、ベンゾカルバゾール基、ベンゾナフトフラン基、ベンゾナフトチオフェン基、ベンゾナフトシロール基、ベンゾフロジベンゾフラン基、ベンゾフロジベンゾチオフェン基、ベンゾチエノジベンゾチオフェン基、ピラゾール基、イミダゾール基、トリアゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、オキサジアゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、チアジアゾール基、ベンゾピラゾール基、ベンズイミダゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイソオキサゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾイソチアゾール基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ピリダジン基、トリアジン基、キノリン基、イソキノリン基、ベンゾキノリン基、ベンゾイソキノリン基、キノキサリン基、ベンゾキノキサリン基、キナゾリン基、ベンゾキナゾリン基、フェナントロリン基、シノリン基、フタラジン基、ナフチリジン基、イミダゾピリジン基、イミダゾピリミジン基、イミダゾトリアジン基、イミダゾピラジン基、イミダゾピリダジン基、アザカルバゾール基、アザフルオレン基、アザジベンゾシロール基、アザジベンゾチオフェン基、アザジベンゾフラン基、キサンテン基など)であってもよい。
【0314】
前記π電子過剰C3-C60環基は、i)基T1、ii)2以上の基T1が互いに縮合された縮合環基、iii)基T3、iv)2以上の基T3が互いに縮合された縮合環基、またはv)1以上の基T3と1以上の基T1とが互いに縮合された縮合環基(例えば、前記C3-C60炭素環基、1H-ピロール基、シロール基、ボロール基、2H-ピロール基、3H-ピロール基、チオフェン基、フラン基、インドール基、ベンゾインドール基、ナフトインドール基、イソインドール基、ベンゾイソインドール基、ナフトイソインドール基、ベンゾシロール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾフラン基、カルバゾール基、ジベンゾシロール基、ジベンゾチオフェン基、ジベンゾフラン基、インデノカルバゾール基、インドロカルバゾール基、ベンゾフロカルバゾール基、ベンゾチエノカルバゾール基、ベンゾシロロカルバゾール基、ベンゾインドロカルバゾール基、ベンゾカルバゾール基、ベンゾナフトフラン基、ベンゾナフトチオフェン基、ベンゾナフトシロール基、ベンゾフロジベンゾフラン基、ベンゾフロジベンゾチオフェン基、ベンゾチエノジベンゾチオフェン基など)であってもよい。
【0315】
前記π電子欠乏性含窒素C1-C60環基は、i)基T4、ii)2以上の基T4が互いに縮合された縮合環基、iii)1以上の基T4と1以上の基T1とが互いに縮合された縮合環基、iv)1以上の基T4と1以上の基T3とが互いに縮合された縮合環基、またはv)1以上の基T4、1以上の基T1及び1以上の基T3が互いに縮合された縮合環基(例えば、ピラゾール基、イミダゾール基、トリアゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、オキサジアゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、チアジアゾール基、ベンゾピラゾール基、ベンズイミダゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイソオキサゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾイソチアゾール基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ピリダジン基、トリアジン基、キノリン基、イソキノリン基、ベンゾキノリン基、ベンゾイソキノリン基、キノキサリン基、ベンゾキノキサリン基、キナゾリン基、ベンゾキナゾリン基、フェナントロリン基、シノリン基、フタラジン基、ナフチリジン基、イミダゾピリジン基、イミダゾピリミジン基、イミダゾトリアジン基、イミダゾピラジン基、イミダゾピリダジン基、アザカルバゾール基、アザフルオレン基、アザジベンゾシロール基、アザジベンゾチオフェン基、アザジベンゾフラン基など)であってもよい。
【0316】
前記基T1は、シクロプロパン基、シクロブタン基、シクロペンタン基、シクロヘキサン基、シクロヘプタン基、シクロオクタン基、シクロブテン基、シクロペンテン基、シクロペンタジエン基、シクロヘキセン基、シクロヘキサジエン基、シクロへプテン基、アダマンタン基、ノルボルナン(または、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン)基、ノルボルネン基、ビシクロ[1.1.1]ペンタン基、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン基、ビシクロ[2.2.2]オクタン基、またはベンゼン基であってもよい。
【0317】
前記基T2は、フラン基、チオフェン基、1H-ピロール基、シロール基、ボロール基、2H-ピロール基、3H-ピロール基、イミダゾール基、ピラゾール基、トリアゾール基、テトラゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、オキサジアゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、チアジアゾール基、アザシロール基、アザボロール基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ピリダジン基、トリアジン基、テトラジン基、ピロリジン基、イミダゾリジン基、ジヒドロピロール基、ピペリジン基、テトラヒドロピリジン基、ジヒドロピリジン基、ヘキサヒドロピリミジン基、テトラヒドロピリミジン基、ジヒドロピリミジン基、ピペラジン基、テトラヒドロピラジン基、ジヒドロピラジン基、テトラヒドロピリダジン基、またはジヒドロピリダジン基であってもよい。
【0318】
前記基T3は、フラン基、チオフェン基、1H-ピロール基、シロール基、またはボロール基であってもよい。
【0319】
前記基T4は、2H-ピロール基、3H-ピロール基、イミダゾール基、ピラゾール基、トリアゾール基、テトラゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、オキサジアゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、チアジアゾール基、アザシロール基、アザボロール基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ピリダジン基、トリアジン基、またはテトラジン基であってもよい。
【0320】
本明細書において、環基、C3-C60炭素環基、C1-C60ヘテロ環基、π電子過剰C3-C60環基、またはπ電子欠乏性含窒素C1-C60環基という用語は、当該用語が使用された化学式の構造によって、i)任意の環基に縮合されている基、ii)一価基、またはiii)多価基(例えば、二価基、三価基、四価基など)であってもよい。
【0321】
例えば、「ベンゼン基」は、ベンゾ基、フェニル基、フェニレン基などであるが、これは、「ベンゼン基」が含まれた化学式の構造によって、当業者が容易に理解できるものである。
【0322】
例えば、一価C3-C60炭素環基及び一価C1-C60ヘテロ環基の例は、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環基 を含んでもよい。
【0323】
二価C3-C60炭素環基及び二価C1-C60ヘテロ環基の例は、C3-C10シクロアルキレン基、C1-C10ヘテロシクロアルキレン基、C3-C10シクロアルケニレン基、C1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、C6-C60アリーレン基、C1-C60ヘテロアリーレン基、二価非芳香族縮合多環基、及び二価非芳香族ヘテロ縮合多環基を含んでもよい。
【0324】
本明細書において、C1-C60アルキル基は、炭素数1~60の直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素一価基を意味し、その具体例には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、3-ペンチル基、sec-イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基などが含まれる。
【0325】
本明細書において、C1-C60アルキレン基は、前記C1-C60アルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0326】
本明細書において、C2-C60アルケニル基は、C2-C60アルキル基の中間または末端に1以上の炭素-炭素二重結合を含む一価炭化水素基を意味し、その具体例には、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基などが含まれる。
【0327】
本明細書において、C2-C60アルケニレン基は、前記C2-C60アルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0328】
本明細書において、C2-C60アルキニル基は、C2-C60アルキル基の中間または末端に1以上の炭素-炭素三重結合を含む一価炭化水素基を意味し、その具体例には、エチニル基、プロピニル基などが含まれる。
【0329】
本明細書において、C2-C60アルキニレン基は、前記C2-C60アルキニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0330】
本明細書において、C1-C60アルコキシ基は、-OA101(ここで、A101は前記C1-C60アルキル基である)の化学式を有する一価基を意味し、その具体例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基などが含まれる。
【0331】
本明細書において、C3-C10シクロアルキル基は、炭素数3~10の一価飽和炭化水素環基を意味し、その具体例には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基(または、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基)、ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基などが含まれる。
【0332】
本明細書において、C3-C10シクロアルキレン基は、前記C3-C10シクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0333】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルキル基は、炭素原子以外に、少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子としてさらに含む炭素数1~10の一価環基を意味し、その具体例には、1,2,3,4-オキサトリアゾリジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフェニル基などが含まれる。
【0334】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルキレン基は、前記C1-C10ヘテロシクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0335】
本明細書において、C3-C10シクロアルケニル基は、炭素数3~10の一価環基であって、環内に少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有するが、芳香族性(aromaticity)を有しない基を意味し、その具体例には、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基などが含まれる。
【0336】
本明細書において、C3-C10シクロアルケニレン基は、前記C3-C10シクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0337】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基は、炭素原子以外に、少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子としてさらに含む炭素数1~10の一価環基であって、環内に少なくとも1つの二重結合を有する。前記C1-C10ヘテロシクロアルケニル基の具体例には、4,5-ジヒドロ-1,2,3,4-オキサトリアゾリル基、2,3-ジヒドロフラニル基、2,3-ジヒドロチオフェニル基などが含まれる。
【0338】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルケニレン基は、前記C1-C10ヘテロシクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0339】
本明細書において、C6-C60アリール基は、炭素数6~60の炭素環芳香族系を有する一価基を意味する。
【0340】
C6-C60アリーレン基は、炭素数6~60の炭素環芳香族系を有する二価基を意味する。
【0341】
前記C6-C60アリール基の具体例には、フェニル基、ペンタレニル基、ナフチル基、アズレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、へプタレニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基などが含まれる。
【0342】
前記C6-C60アリール基及びC6-C60アリーレン基が2以上の環を含む場合、前記2以上の環は互いに縮合される。
【0343】
本明細書において、C1-C60ヘテロアリール基は、炭素原子以外に、少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子としてさらに含み、炭素数1~60のヘテロ環芳香族系を有する一価基を意味する。
【0344】
C1-C60ヘテロアリーレン基は、炭素原子以外に、少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子としてさらに含み、炭素数1~60のヘテロ環芳香族系を有する二価基を意味する。
【0345】
前記C1-C60ヘテロアリール基の具体例には、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、ベンゾキノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、キノキサリニル基、ベンゾキノキサリニル基、キナゾリニル基、ベンゾキナゾリニル基、シノリニル基、フェナントロリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基などが含まれる。
【0346】
前記C1-C60ヘテロアリール基及びC1-C60ヘテロアリーレン基が2以上の環を含む場合、2以上の環は互いに縮合される。
【0347】
本明細書において、一価非芳香族縮合多環基は、2以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として炭素のみを含み、分子の全体が非芳香族性(non-aromaticity)を有する一価基(例えば、炭素数8~60を有する)を意味する。前記一価非芳香族縮合多環基の具体例には、インデニル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、インデノフェナントレニル基、インデノアントラセニル基などが含まれる。
【0348】
本明細書において、二価非芳香族縮合多環基は、前記一価非芳香族縮合多環基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0349】
本明細書において、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、2以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として炭素原子以外に少なくとも1つのヘテロ原子をさらに含み、分子の全体が非芳香族性を有する一価基(例えば、炭素数1~60を有する)を意味する。前記一価非芳香族ヘテロ縮合多環基の具体例には、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、インドリル基、ベンゾインドリル基、ナフトインドリル基、イソインドリル基、ベンゾイソインドリル基、ナフトイソインドリル基、ベンゾシロリル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、アザカルバゾリル基、アザフルオレニル基、アザジベンゾシロリル基、アザジベンゾチオフェニル基、アザジベンゾフラニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、イミダゾトリアジニル基、イミダゾピラジニル基、イミダゾピリダジニル基、インデノカルバゾリル基、インドロカルバゾリル基、ベンゾフロカルバゾリル基、ベンゾチエノカルバゾリル基、ベンゾシロロカルバゾリル基、ベンゾインドロカルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、ベンゾナフトフラニル基、ベンゾナフトチオフェニル基、ベンゾナフトシロリル基、ベンゾフロジベンゾフラニル基、ベンゾフロジベンゾチオフェニル基、ベンゾチエノジベンゾチオフェニル基などが含まれる。
【0350】
本明細書において、二価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、前記一価非芳香族ヘテロ縮合多環基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0351】
本明細書において、C6-C60アリールオキシ基は、-OA102(ここで、A102は前記C6-C60アリール基である)を示す。
【0352】
前記C6-C60アリールチオ基は、-SA103(ここで、A103は前記C6-C60アリール基である)を示す。
【0353】
本明細書において、C7-C60アリールアルキル基は、-A104A105(ここで、A104はC1-C54アルキレン基であり、A105はC6-C59アリール基である)を示す。
【0354】
本明細書において、C2-C60ヘテロアリールアルキル基は、-A106A107(ここで、A106はC1-C59アルキレン基であり、A107はC1-C59ヘテロアリール基である)を示す。
【0355】
本明細書において、「R10a」は、
重水素(-D)、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、またはニトロ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C3-C60炭素環基、C1-C60ヘテロ環基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C7-C60アリールアルキル基、C2-C60ヘテロアリールアルキル基、-Si(Q11)(Q12)(Q13)、-N(Q11)(Q12)、-B(Q11)(Q12)、-C(=O)(Q11)、-S(=O)2(Q11)、-P(=O)(Q11)(Q12)、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、またはC1-C60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C60炭素環基、C1-C60ヘテロ環基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C7-C60アリールアルキル基、C2-C60ヘテロアリールアルキル基、-Si(Q21)(Q22)(Q23)、-N(Q21)(Q22)、-B(Q21)(Q22)、-C(=O)(Q21)、-S(=O)2(Q21)、-P(=O)(Q21)(Q22)、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C3-C60炭素環基、C1-C60ヘテロ環基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C7-C60アリールアルキル基、またはC2-C60ヘテロアリールアルキル基;あるいは
-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)、または-P(=O)(Q31)(Q32);であってもよい。
【0356】
本明細書において、Q1~Q3、Q11~Q13、Q21~Q23及びQ31~Q33は、互いに独立して、水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;あるいは重水素、-F、シアノ基、C1-C60アルキル基、C1-C60アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C60炭素環基、C1-C60ヘテロ環基、C7-C60アリールアルキル基、またはC2-C60ヘテロアリールアルキル基;であってもよい。
【0357】
本明細書において、ヘテロ原子は、炭素原子を除いた任意の原子を意味する。前記ヘテロ原子の例は、O、S、N、P、Si、B、Ge、Seまたはその任意の組み合わせを含む。
【0358】
本明細書において、第三列遷移金属は、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)及び金(Au)などを含む。
【0359】
本明細書において、「D」は重水素を意味し、「Ph」はフェニル基を意味し、「Me」はメチル基を意味し、「Et」はエチル基を意味し、「tert-Bu」、「tBu」または「But」は、tert-ブチル基を意味し、「OMe」はメトキシ基を意味する。
【0360】
本明細書において、「ビフェニル基」は、「フェニル基で置換されたフェニル基」を意味する。前記「ビフェニル基」は、置換基が「C6-C60アリール基」である「置換されたフェニル基」に属する。
【0361】
本明細書において、「ターフェニル基」は、「ビフェニル基で置換されたフェニル基」を意味する。前記「ターフェニル基」は、i)置換基が「C6-C60アリール基で置換されたC6-C60アリール基」である「置換されたフェニル基」に属し、ii)置換基が2つであり、それぞれの置換基が「C6-C60アリール基」である「置換されたフェニル基」に属する。
【0362】
本明細書において、*及び*’は、他の定義がない限り、当該化学式またはモイエティ内の隣接した原子との結合サイトを意味する。
【0363】
本明細書において、x軸、y軸及びz軸は、直交座標系上の三軸に限定されず、それを含む広い意味としても解釈される。例えば、x軸、y軸及びz軸は、互いに直交するが、互いに直交しない互いに異なる方向を称することもできる。
【0364】
以下、合成例及び実施例を挙げて、本発明の一実施形態による化合物及び発光素子についてより具体的に説明する。下記合成例中の「Aの代わりにBを使用した」という表現において、Aのモル当量とBのモル当量とは互いに同一である。
【0365】
評価例1(第1フィルム評価)
第1化合物E6を石英基板上に真空蒸着し、40nm厚の第1フィルムEF6を製造した。第1化合物E6の代わりに、第1化合物E2、E9、E13、E16、E12、E14及びE15それぞれを使用したという点を除いては、前記第1フィルムEF6の製造方法と同様の方法を利用して、第1フィルムEF2、EF9、EF13、EF16、EF12、EF14及びEF15を製造した。
【0366】
前記第1フィルムEF6、EF2、EF9、EF13、EF16、EF12、EF14及びEF15それぞれの発光量子収率(photoluminescence quantum yield; PLQY)を、浜松社製のQuantaurus-QY Absolute PL量子収率分光計を利用して励起波長を300nmから380nmまで10nmの間隔にスキャンして測定した後、330nmの励起波長で測定された発光量子収率を取り、これから各第1フィルムの発光量子収率を求めて表1に示している。
【0367】
また、前記第1化合物E6、E2、E9、E13、E16、E12、E14及びE15それぞれのT1(E)及びT2(E)は、B3LYP/6-31G(d,p)のレベルで構造的に最適化したガウシアンプログラムの密度汎関数理論(DFT)を利用して、量子化学計算を介して評価し、その差を計算して下記表1に共に示している。
【0368】
【0369】
前記表1から、化合物E2、E13及びE12それぞれを採用した場合に下記数式1を満たし、化合物E16、E14及びE15それぞれを採用した場合に下記数式1及び3をいずれも満たすことを確認することができる:
[数式1]
PLQY(E)>70%
[数式3]
T2(E)-T1(E)<0.2eV。
【0370】
評価例2(HOMO評価)
下記表2の方法によって、第1化合物E6、E2、E9、E13、E16、E12、E14及びE15と第2化合物HH8それぞれのHOMOエネルギーレベルを評価し、その結果を下記表3に示している。
【0371】
【0372】
評価例3(第2フィルム評価)
CH2Cl2溶液内で、PMMA、第1化合物E6(PMMAに対して3wt%)及び第2化合物HH8(PMMAに対して7wt%)を混合した組成物を石英基板上に真空蒸着し、40nm厚の第2フィルムEHF6を製造した。第1化合物E6の代わりに、第1化合物E2、E9、E13、E16、E12、E14及びE15それぞれを使用したという点を除いては、前記第2フィルムEHF6の製造方法と同様の方法を利用して、第2フィルムEHF2、EHF9、EHF13、EHF16、EHF12、EHF14及びEHF15を製造した。
【0373】
前記第2フィルムEHF6、EHF2、EHF9、EHF13、EHF16、EHF12、EHF14及びEHF15それぞれに対し、PicoQuant社製のTRPL(time-resolved photoluminescence)測定システムであるFluoTime 300と、PicoQuant社製のポンピングソースであるPLS340(励起波長=340nm、スペクトル幅=20nm)を利用して、PL(photoluminescence)スペクトルを常温で評価した後、前記スペクトルの主ピークの波長を決定し、PLS340が前記それぞれの第2フィルムに加える光子パルス(パルス幅=500ピコ秒)によって、前記それぞれの第2フィルムから主ピークの波長で放出される光子の個数をTCSPC(Time-Correlated Single Photon Counting)に基づいて経時的に測定することを反復し、フィッティングに適したTRPLカーブを求めた。これから得られた結果に1つ以上の指数関数的減衰をフィッティングして、第2フィルムEHF6、EHF2、EHF9、EHF13、EHF16、EHF12、EHF14及びEHF15それぞれの減衰時間(τ)を求め、その結果を表4に示している。フィッティングに使用される関数は、下記数式30の通りであり、フィッティングに使用された各指数関数的減衰から得られたTdecayのうち最大値をτとして取った。このとき、TRPLカーブを求めるための測定時間と同一の測定時間の間、同一の測定をダーク状態(前記所定の第2フィルムに入射されるポンピング信号を遮断した状態)でもう一度反復し、ベースラインあるいはバックグラウンド信号カーブを得て、フィッティングにベースラインとして使用した。
【0374】
【0375】
また、前記評価例2による結果を利用して、それぞれの第2フィルムに含まれた第2化合物のHOMOエネルギーレベルと、第1化合物のHOMOエネルギーレベルとの差を計算し、下記表4に共に示している。
【0376】
【0377】
前記表4から、第2化合物HH8は、第1化合物E6、E16及びE12それぞれと組み合わせられて採用した場合に数式2を満たし、第1化合物E13、E14及びE15それぞれと組み合わせられて採用した場合に数式2及び4をいずれも満たすことを確認することができる:
[数式2]
τ<10μs
[数式4]
HOMO(H)-HOMO(E)<0.2eV。
【0378】
比較例1
アノードとして、15Ω/cm2(1200Å)ITOが形成されたガラス基板(コーニング社製)を50mm×50mm×0.7mmのサイズにカットし、イソプロピルアルコールと純水を利用して各5分間超音波洗浄した後、30分間紫外線を照射し、オゾンに露出させて洗浄し、真空蒸着装置に設置した。
【0379】
前記アノード上に2-TNATAを真空蒸着し、600Å厚の正孔注入層を形成した。前記正孔注入層上に4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)を真空蒸着し、300Å厚の正孔輸送層を形成した。
【0380】
前記正孔輸送層上に、化合物E6(第1化合物)、化合物HH8(第2化合物)、化合物S13(第3化合物)及び化合物D11(第4化合物)を含む組成物を真空蒸着し、350Å厚の発光層を形成した。ここで、前記化合物E6と化合物HH8との重量比は3:7であり、前記化合物S13の含量は、発光層の総重量(100wt%)に対して13wt%であり、化合物D11の含量は、発光層の総重量(100wt%)に対して1wt%である。
【0381】
前記発光層上に化合物ETH34を真空蒸着し、50Å厚の正孔阻止層を形成した。前記正孔阻止層上にET46及びLiQを4:6の重量比で真空蒸着し、310Å厚の電子輸送層を形成した。前記電子輸送層上にYbを真空蒸着して15Å厚の電子注入層を形成した後、Mgを真空蒸着して800Å厚のカソードを形成することにより、発光素子を製造した。
【0382】
【0383】
比較例2~3及び実施例1~5
発光層の形成時、第1化合物、第2化合物、第3化合物及び/または第4化合物それぞれを下記表5に示されたように変更したという点を除いては、前記比較例1と同様の方法を利用して発光素子を製造した。
【0384】
【0385】
評価例4(発光素子評価)
前記比較例1~3及び実施例1~5それぞれに採用された第1化合物及び第2化合物に対して前記評価例1~3を遂行した結果に基づいて、下記表6に、前記数式1~4それぞれを満たす場合に「〇」で表示し、前記数式1~4それぞれを満たしていない場合に「×」で表示し、各数式に該当する値は括弧内に示している。
【0386】
前記比較例1~3及び実施例1~5で製造された発光素子それぞれの外部量子効率(external quantum efficiency; EQE)及び寿命(T95)を測定し、下記表6に示している。
【0387】
前記それぞれの発光素子にキセノンランプ装置を使用して光を照射した。電流計(Keithley、Tektronix、米国)を利用して、光照射時に最大吸光波長を測定し、変換された電流を測定した。前記照射された光及び前記測定された電流を利用して、前記外部量子効率(EQE)を計算した。
【0388】
寿命(T95)は、Keithley MU 236及び輝度計PR650を利用して、初期輝度に対して95%の輝度となるのにかかる時間(Hr)で測定した。表6に示された相対寿命は、比較例1の寿命に対する相対割合を示す。
【0389】
【0390】
前記表6から、前記数式1~4のうち少なくとも数式1及び2を満たす組成物から形成された発光層を含む発光素子は、前記数式1及び/または2を満たしていない組成物から形成された発光層を含む発光素子に比べて、改善された外部量子効率及び/または改善された寿命を有することを確認することができる。
【符号の説明】
【0391】
10 発光素子
110 第1電極
120 正孔輸送領域
130 発光層
140 電子輸送領域
150 第2電極