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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137939
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】磁気コンポーネント
(51)【国際特許分類】
   H01F 30/10 20060101AFI20240927BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20240927BHJP
   H01F 27/22 20060101ALI20240927BHJP
   H01F 27/32 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01F30/10 S
H01F30/10 C
H01F30/10 A
H01F30/10 G
H01F30/10 J
H01F30/10 F
H01F27/28 K
H01F27/28 176
H01F27/22
H01F27/32 130
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024048499
(22)【出願日】2024-03-25
(31)【優先権主張番号】63/454623
(32)【優先日】2023-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/613126
(32)【優先日】2024-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501231543
【氏名又は名称】乾坤科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】徐 永壽
(72)【発明者】
【氏名】陳 建霖
(72)【発明者】
【氏名】張 韶▲うえい▼
(72)【発明者】
【氏名】廖 俊穎
(72)【発明者】
【氏名】謝 協伸
(72)【発明者】
【氏名】張 櫻騰
(72)【発明者】
【氏名】楊 家豪
【テーマコード(参考)】
5E043
5E044
5E050
【Fターム(参考)】
5E043BA01
5E043BA02
5E043DA02
5E043DA06
5E044CA06
5E044CA08
5E044CB09
5E050JA01
5E050JA02
(57)【要約】
【課題】本発明は、磁気コンポーネントを提供する。
【解決手段】かかる磁気コンポーネントは磁気コア、少なくとも1つのコイル、第一放熱部及び第二放熱部を含む。磁気コアは少なくとも1つの外側柱及び内側柱を含む。少なくとも1つのコイルは内側柱の周りに巻かれている。第一放熱部は磁気コアの第一側及び頂側に設置されている。第一放熱部は第一側から頂側に延伸している。第二放熱部は磁気コアの第二側及び頂側に設置されている。第二放熱部は第二側から頂側に延伸している。第一放熱部及び第二放熱部は第一側と第二側との間の頂側に第一接合領域、第二接合領域及び第三接合領域を有する。第三接合領域は第一接合領域と第二接合領域との間に位置する。第一接合領域及び第二接合領域の投影は内側柱とオーバーラップしない。第一放熱部及び第二放熱部のうちの少なくとも1つの投影は内側柱とオーバーラップしている。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気コンポーネントであって、
少なくとも1つの外側柱、及び内側柱を含む磁気コア;
前記内側柱の周りに巻かれている少なくとも1つのコイル;
前記磁気コアの第一側及び頂側に設置されており、かつ前記第一側から前記頂側に延伸している第一放熱部;及び
前記磁気コアの第二側及び前記頂側に設置されている第二放熱部であって、前記第一側は前記第二側に相対し、前記第二放熱部は前記第二側から前記頂側に延伸している、第二放熱部を含み、
前記第一放熱部及び前記第二放熱部は前記第一側と前記第二側との間の前記頂側に第一接合領域、第二接合領域及び第三接合領域を有し、前記第三接合領域は前記第一接合領域と前記第二接合領域との間に位置し、前記第一接合領域及び前記第二接合領域の投影は前記内側柱とオーバーラップせず、前記第一放熱部及び前記第二放熱部のうちの少なくとも1つの投影は前記内側柱とオーバーラップしている、磁気コンポーネント。
【請求項2】
請求項1記載の磁気コンポーネントであって、
前記第三接合領域の投影は前記内側柱とオーバーラップしている、磁気コンポーネント。
【請求項3】
請求項1記載の磁気コンポーネントであって、
前記第一接合領域及び前記第二接合領域の接合ピッチは前記第三接合領域の接合ピッチよりも大きい、磁気コンポーネント。
【請求項4】
請求項1記載の磁気コンポーネントであって、
前記第三接合領域の接合ピッチは0から3ミリメートルの間にある、磁気コンポーネント。
【請求項5】
請求項1記載の磁気コンポーネントであって、
前記磁気コアの下部を包み覆っており、かつ前記下部の下方の放熱面に熱的に結合されている熱伝導性フィラーをさらに含む、磁気コンポーネント。
【請求項6】
請求項1記載の磁気コンポーネントであって、
前記第一放熱部と前記第二放熱部は対称構造である、磁気コンポーネント。
【請求項7】
請求項1記載の磁気コンポーネントであって、
前記第一放熱部と前記第二放熱部は前記第三接合領域で互いに接触している、磁気コンポーネント。
【請求項8】
請求項1記載の磁気コンポーネントであって、
前記内側柱は前記磁気コアの上側内表面から分離しており、前記内側柱は前記内側柱の長さ方向に沿って少なくとも部分的に複数の分離部に分割されている、磁気コンポーネント。
【請求項9】
請求項8記載の磁気コンポーネントであって、
前記内側柱の少なくとも1つの個別部が前記磁気コアの下側内表面から分離しており、これによって、前記内側柱の前記個別部は前記上側内表面と前記下側内表面との間でサスペンド又は分離している、磁気コンポーネント。
【請求項10】
請求項8記載の磁気コンポーネントであって、
前記複数の分離部の長さは前記内側柱の長さの1/3よりも大きい、磁気コンポーネント。
【請求項11】
請求項8記載の磁気コンポーネントであって、
前記内側柱は中心から切断されており、前記複数の分離部の体積は互いに同じである、磁気コンポーネント。
【請求項12】
請求項8記載の磁気コンポーネントであって、
前記複数の分離部の間には熱伝導率が熱伝導性フィラーよりも大きい熱伝導性シートが設置されており、前記熱伝導性シートは前記内側柱を包み覆っている前記熱伝導性フィラーと協働する、磁気コンポーネント。
【請求項13】
請求項1記載の磁気コンポーネントであって、
前記少なくとも1つのコイルは上側第一コイル、下側第一コイル及び第二コイルを含み、前記上側第一コイル及び前記下側第一コイルの断面積は前記第二コイルの断面積よりも大きく、前記上側第一コイルは前記磁気コアの上側内表面に対して設置されおり、前記下側第一コイルは前記磁気コアの下側内表面に対して設置されており、前記第二コイルは前記上側第一コイルと前記下側第一コイルとの間に設置されており、前記下側第一コイル、前記第二コイル及び前記上側第一コイルは下から上にスタックされており、前記磁気コアの前記上側内表面と前記上側第一コイルとの間には間隙が存在し、前記磁気コンポーネントは熱伝導性材料をさらに含み、前記熱伝導性材料は前記間隙内に部分的に設置されており、かつ前記上側第一コイル及び前記磁気コアの前記上側内表面に接触しており、前記磁気コアの前記下側内表面と前記下側第一コイルとの間には間隙が無く、前記下側第一コイルは前記磁気コアの前記下側内表面に熱的に結合されており、前記第二コイルは前記熱伝導性材料に接触しない、磁気コンポーネント。
【請求項14】
請求項13記載の磁気コンポーネントであって、
前記熱伝導性材料の面積と、前記磁気コアにより覆われている前記上側第一コイルの面積との比は30%から50%の間にある、磁気コンポーネント。
【請求項15】
請求項13記載の磁気コンポーネントであって、
前記上側第一コイル及び前記下側第一コイルは平板構造であり、前記第二コイルは丸線をマルチターンスタックすることで形成されている、磁気コンポーネント。
【請求項16】
請求項13記載の磁気コンポーネントであって、
前記内側柱に套設されているブラケットをさらに含み、
前記ブラケットは上側凸台及び下側凸台を有し、前記上側凸台及び前記下側凸台はそれぞれ、前記上側内表面及び前記下側内表面に対応し、前記上側第一コイルは前記上側凸台の上側に設置されており、前記下側第一コイルは前記下側凸台の下側に設置されており、前記第二コイルは前記上側凸台と前記下側凸台との間に位置し、前記第二コイルと前記磁気コア又は前記ブラケットとの間には放熱間隙が存在する、ブラケット。
【請求項17】
請求項1記載の磁気コンポーネントであって、
プラスチックシェル、絶縁熱伝導性基板及び熱伝導性フィラーをさらに含み、
前記プラスチックシェルは前記絶縁熱伝導性基板上に設置されており、前記磁気コアは前記プラスチックシェル内に設置されており、かつ前記絶縁熱伝導性基板上に位置し、前記熱伝導性フィラーは前記プラスチックシェル内に充填されている、磁気コンポーネント。
【請求項18】
請求項17記載の磁気コンポーネントであって、
前記プラスチックシェルは窪み構造及び導流開口を有し、前記熱伝導性フィラーは前記窪み構造及び前記導流開口を包み覆っている、磁気コンポーネント。
【請求項19】
請求項1記載の磁気コンポーネントであって、
シェルをさらに含み、
前記シェルは支持構造を有し、前記支持構造上には端子が設置されており、前記少なくとも1つのコイルの端部は前記支持構造上の前記端子に接合されており、前記支持構造は前記端子から下に前記シェルの所在する支持面に延伸している、磁気コンポーネント。
【請求項20】
請求項1記載の磁気コンポーネントであって、
前記少なくとも1つのコイルは互いにスタックされている少なくとも1つの一次コイル及び少なくとも1つの二次コイルを含み、前記少なくとも1つの一次コイルは丸線をマルチターンスタックすることで形成されており、前記少なくとも1つの二次コイルは箔片構造であり、前記少なくとも1つの二次コイルは前記磁気コアから突出している放熱部を有し、前記少なくとも1つの一次コイルは前記少なくとも1つの二次コイルの間に引き込まれており、前記少なくとも1つの二次コイルの前記放熱部に延伸せず、前記磁気コンポーネントは熱伝導性フィラーをさらに含み、前記熱伝導性フィラーは前記少なくとも1つの一次コイルと前記少なくとも1つの二次コイルとの間に部分的に充填されている、磁気コンポーネント。
【請求項21】
請求項20記載の磁気コンポーネントであって、
前記少なくとも1つの一次コイルのターン数は前記少なくとも1つの二次コイルのターン数よりも大きい、磁気コンポーネント。
【請求項22】
請求項20記載の磁気コンポーネントであって、
前記少なくとも1つの一次コイルと前記少なくとも1つの二次コイルとの間に設置されている少なくとも1つの絶縁ガスケットをさらに含む、磁気コンポーネント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気コンポーネントに関し、特に、放熱効率を効果的に向上させることができる磁気コンポーネント(MAGNETIC COMPONENT)に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車の急速充電のニーズに応じて、動作のパワーが益々大きくなるため、電子素子自体の発熱量も益々高くなる。車載充電器(on-board charger、OBC)の磁気コンポーネント、例えば、変圧器は、動作中に損失により熱を発することができ、熱の不均一により、変圧器の磁気コアに追加の熱応力をもたらすことがあり、熱応力により、変圧器の磁気コアの損失が増加し、持続的循環のときに熱が収束できなくなるため、温度及び損失は高すぎるようになり、ひどい場合には磁気コアの不可逆的な損傷及び破壊が発生する恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願第18/613,093号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の問題を解決するために、本発明の目的は放熱効率を効果的に向上させることができる磁気コンポーネントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施例によれば、本発明の磁気コンポーネントは磁気コア、少なくとも1つのコイル、第一放熱部及び第二放熱部を含む。磁気コアは少なくとも1つの外側柱、及び内側柱を含む。少なくとも1つのコイルは内側柱の周りに巻かれている。第一放熱部は磁気コアの第一側及び頂側に設置されている。第一放熱部は第一側から頂側に延伸している。第二放熱部は磁気コアの第二側及び頂側に設置されている。第一側は第二側に相対(対向)する。第二放熱部は第二側から頂側に延伸している。第一放熱部及び第二放熱部は第一側と第二側との間の頂側に第一接合領域、第二接合領域及び第三接合領域を有する。第三接合領域は第一接合領域と第二接合領域との間に位置する。第一接合領域及び第二接合領域の投影は内側柱とオーバーラップ(重畳)しない。第一放熱部及び第二放熱部のうちの少なくとも1つの投影は内側柱とオーバーラップしている。
【0006】
本実施例では、第一放熱部及び第二放熱部のうちの少なくとも1つの投影が内側柱とオーバーラップしているため、内側柱の熱は第一放熱部及び第二放熱部のうちの少なくとも1つを経由して側辺又は下方の熱伝導性フィラーに伝達され、さらに下方の放熱面に伝達され得る。また、第一接合領域及び第二接合領域の投影が内側柱とオーバーラップしないため、第一接合領域及び第二接合領域の接合ピッチ(間隔)は第三接合領域の接合ピッチよりも大きくなり、これによって、第一放熱部又は第二放熱部の磁気コアの水平方向における比較的大きいな長さ公差を吸収し、放熱効率に影響を及ぼすことがない。
【0007】
一実施例において、内側柱は磁気コアの上側内表面から分離しており、かつ内側柱は内側柱の長さ方向に沿って少なくとも部分的に複数の分離部に分割されている。
【0008】
本実施例では、内側柱は磁気コアの上側内表面から分離しており、かつ内側柱の長さ方向に沿って少なくとも部分的に複数の分離部に分割されている。内側柱の温度が最も高く、かつ熱が内側柱から逃げにくいため、内側柱を内側柱の長さ方向に沿って少なくとも部分的に複数の分離部に分割することで、磁束方向に垂直な内側柱の断面積を減少させ、これによって、磁気コアの渦電流損失を減少させることができる。
【0009】
一実施例において、少なくとも1つのコイルは上側第一コイル、下側第一コイル及び第二コイルを含む。上側第一コイル及び下側第一コイルの断面積は第二コイルの断面積よりも大きい。上側第一コイルは磁気コアの上側内表面に対して設置されている。下側第一コイルは磁気コアの下側内表面に対して設置されている。第二コイルは上側第一コイルと下側第一コイルとの間に設置されている。下側第一コイル、第二コイル及び上側第一コイルは下から上にスタックされている。磁気コアの上側内表面と上側第一コイルとの間には間隙が存在する。磁気コンポーネントは熱伝導性材料をさらに含む。熱伝導性材料は間隙に部分的設置されており、かつ上側第一コイル及び磁気コアの上側内表面に接触している。磁気コアの下側内表面と下側第一コイルとの間には間隙がない。下側第一コイルは磁気コアの下側内表面に熱的に結合されている。第二コイルは熱伝導性材料に接触しない。
【0010】
本実施例では、熱伝導性材料が磁気コアの上側内表面と上側第一コイルとの間の間隙に部分的に設置されているため、上側第一コイルの熱を、熱伝導性材料を経由して磁気コアの上部に伝達させることで、上側第一コイルの熱を放散できる。
【0011】
一実施例において、磁気コンポーネントはプラスチックシェル、絶縁熱伝導性基板及び熱伝導性フィラーをさらに含む。プラスチックシェルは絶縁熱伝導性基板上に設置されている。磁気コアはプラスチックシェル内に設置されており、かつ絶縁熱伝導性基板上に位置する。熱伝導性フィラーはプラスチックシェルの中に充填されている。
【0012】
アルミニウム製のシェルを有する磁気コンポーネントが高圧装置(例えば、67Vよりも大きい)に適用されるときに、シェルの内部に絶縁層を設置する必要があり、そのコストが高く、かつ絶縁性が悪い。対して、本実施例では、プラスチック製の磁気コンポーネントのシェルはより良い絶縁性を有するだけでなく、熱の大部分を集中させて底部の絶縁熱伝導性基板に伝達させることもできる。また、熱伝導性フィラーを充填するときに、プラスチックシェルは熱伝導性フィラーを包み覆うために用いられ得る。
【0013】
一実施例において、磁気コンポーネントはシェルをさらに含む。シェルは支持構造を有する。支持構造上には端子が設置されている。少なくとも1つのコイルの端部は支持構造上の端子に接合されている。支持構造は端子から下にシェルの所在する支持面に延伸している。
【0014】
本実施例では、支持構造が端子から下にシェルの所在する支持面に延伸しているため、コイルの端部と端子とを接合するための接合力を、支持構造を経由して支持面に直接伝達させることで、支持構造が例えば650トンの接合力に耐えるようにさせることができる。
【0015】
一実施例において、少なくとも1つのコイルは互いにスタックされている少なくとも1つの一次コイル及び少なくとも1つの二次コイルを含む。少なくとも1つの一次コイルは丸線をマルチターンスタックすることで形成されている。少なくとも1つの二次コイルは箔片構造である。少なくとも1つの二次コイルは磁気コアから突出している放熱部を有する。少なくとも1つの一次コイルは少なくとも1つの二次コイルの間に引き込まれており、少なくともなくとも1つの二次コイルの放熱部に延伸しない。磁気コンポーネントは熱伝導性フィラーをさらに含む。熱伝導性フィラーは少なくとも1つの一次コイルと少なくとも1つの二次コイルとの間に部分的に充填されている。
【0016】
本実施例では、少なくとも1つの二次コイルの放熱部は放熱器の放熱面に接触していることで、磁気コンポーネントの放熱面積を増加させることができる。また、引き込まれている一次コイルの熱を、熱伝導性フィラー及び二次コイルを経由して外部放熱界面に伝達させることで、より経済的(低コスト)でより良い放熱効率を達成できる。
【0017】
本発明の利点及び思想は、以下の本発明の詳細な説明及び添付の図面を通じてさらに理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1図は本発明の一実施例による磁気コンポーネントの立体図である。
図2】第2図は第1図における磁気コンポーネントの断面図である。
図3】第3図は第2図における内側柱の上面図である。
図4】第4図は本発明のもう1つの実施例による磁気コンポーネントの断面図である。
図5】第5図は本発明のもう1つの実施例による磁気コンポーネントの断面図である。
図6】第6図は本発明のもう1つの実施例による磁気コンポーネントの立体図である。
図7】第7図は第6図における磁気コンポーネントの部分分解図である。
図8】第8図は熱伝導性フィラーがコイルの全体でなく一部を包み覆っている立体図である。
図9】第9図は第6図における磁気コンポーネントの断面図である。
図10】第10図は本発明のもう1つの実施例による磁気コンポーネントの立体図である。
図11】第11図は第10図における磁気コンポーネントの部分分解図である。
図12】第12図は第10図における磁気コンポーネントの断面図である。
図13】第13図は本発明のもう1つの実施例による磁気コンポーネントの立体図である。
図14】第14図は第13図における磁気コンポーネントの部分分解図である。
図15】第15図は第13図における磁気コンポーネントのX-X線に沿った断面図である。
図16】第16図は第13図における磁気コンポーネントのY-Y線に沿った断面図である。
図17】第17図は本発明のもう1つの実施例による磁気コンポーネントの上面図である。
図18】第18図は本発明のもう1つの実施例による磁気コンポーネントの上面図である。
図19】第19図は本発明のもう1つの実施例による磁気コンポーネントの立体図である。
図20】第20図は第19図における磁気コンポーネントの分解図である。
図21】第21図は第19図における磁気コンポーネントの断面図である。
図22】第22図は本発明のもう1つの実施例による磁気コンポーネントの立体図である。
図23】第23図は第22図における磁気コンポーネントの断面図である。
図24】第24図は本発明のもう1つの実施例による磁気コンポーネントの立体図である。
図25】第25図は第24図における磁気コンポーネントの分解図である。
図26】第26図は第25図における二次コイル及び絶縁ガスケットの分解図である。
図27】第27図は第24図における磁気コンポーネントの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
第1図乃至第3図を参照し、第1図は本発明の一実施例による磁気コンポーネント1の立体図であり、第2図は第1図における磁気コンポーネント1の断面図であり、第3図は第2図における内側柱100の上面図である。
【0020】
本発明の磁気コンポーネント1は例えば、リアクトル、変圧器、インダクタ又は他の磁気コンポーネントであり得る。第1図及び第2図に示すように、磁気コンポーネント1は磁気コア10、少なくとも1つのコイル12及びブラケット13を含む。磁気コア10は内側柱100及び少なくとも1つの外側柱102を含む。本実施例では、磁気コア10は第一コア10a及び第一コア10a上に設置されている第二コア10bを含んでも良く、そのうち、内側柱100は第一コア10aと第二コア10bとの間に設置されている中柱であっても良く、かつ2つの外側柱102は第一コア10aの周りから延伸している側柱であっても良い。なお、第一コア10a及び第二コア10bの類型は実際の適用に応じて決定されても良く、本発明は図に描かれている実施例に限定されない。
【0021】
本実施例では、少なくとも1つのコイル12は内側柱100の周りに巻かれており、外側柱102にはコイルが巻かれない。コイル12の類型は丸線、矩形線又は多撚線であっても良い。内側柱100は磁気コア10の上側内表面104から分離している。本実施例では、内側柱100(内側柱100の少なくとも1つの個別部)はさらに磁気コア10の下側内表面106から分離しても良く、これによって、内側柱100の個別部が上側内表面104と下側内表面106との間でサスペンド(suspend)し又は分離するようにさせることができる。上側内表面104は第二コア10bにより提供されても良く、かつ下側内表面106は第一コア10aにより提供されても良い。ブラケット13は、サスペンドする内側柱100を支持するよう、第一コア10aと第二コア10bとの間に設置されている。少なくとも1つのコイル12はブラケット13及び内側柱100の周りに巻かれている。また、ガスケット11は内側柱100と磁気コア10の上側内表面104との間に設置でき、かつもう1つのガスケット11は内側柱100と磁気コア10の下側内表面106との間に設置できる。
【0022】
第3図に示すように、内側柱100は内側柱100の長さ方向に沿って少なくとも部分的に複数の分離部1000に分割されている。好ましくは、複数の分離部1000の長さL2は、磁気コア10の上側内表面104と磁気コア10の下側内表面106との間の内側柱100全体の長さL1の1/3よりも大きくても良い。本実施例では、複数の分離部1000の長さL2は内側柱100全体の長さL1に等しくても良く、例えば、第2図に示すように、内側柱100を長さ方向に沿って完全に切断することで複数の分離部1000を形成してもい。また、内側柱100は中心から切断でき、かつ複数の分離部1000の体積は互いに同じであっても良い。第3図に示すように、内側柱100は内側柱100の長さ方向に沿って4つの分離部1000に等分割できるが、これに限られない。分離部1000の数、体積及び長さは実際の適用に応じて決定され得る。また、第2図に示すように、分離部1000の間に熱伝導性フィラー16を充填することで、放熱効率を向上させることができる。熱伝導性フィラー16の熱伝導率は0.3W/mkよりも大きくても良く、かつ熱伝導性フィラー16の材料はエポキシ(epoxy)、シリコーン(silicone)、ポリウレタン(polyurethane、PU)、フェノール樹脂(phenolic resins)、可塑性ポリエチレンテレフタレート(thermoplastic polyethylene terephthalate、PET)、ポリアミド(polyamide、PA)、ポリフェニレンサルファイド(polyphenylene sulfide、PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketone、PEEK)などを含んでも良い。また、幾つかの実施例において、複数の分離部1000の間に熱伝導率が熱伝導性フィラー16よりも大きい熱伝導性シート17(例えば、金属材質又はセラミック材質)を設置でき、かつ熱伝導性シート17は内側柱100を包み覆っている熱伝導性フィラー16と協働して、磁気コアの損失、内側柱の温度及び磁気コアの応力を減少させることができる。
【0023】
第4図を参照し、第4図は本発明のもう1つの実施例による磁気コンポーネント1の断面図である。第4図に示すように、複数の分離部1000の長さL2は内側柱100全体の長さL1の1/2に等しくても良い。
【0024】
第5図を参照し、第5図は本発明のもう1つの実施例による磁気コンポーネント1の断面図である。第5図に示すように、内側柱100は第一コア10aに接続されても良く、かつ内側柱100の上方にはサスペンドしている(又は分離している)内側柱100’があっても良く、複数の分離部1000の長さL2は内側柱100全体の長さL1の1/2に等しくても良い。第4図に示す実施例と同様に、第5図に示す複数の分離部1000の長さL2も内側柱100全体の長さL1の1/2に等しくても良い。また、ガスケット11は内側柱100’と磁気コア10の上側内表面104との間に設置されても良く、かつもう1つのガスケット11は内側柱100と内側柱100’との間に設置されても良い。
【0025】
上述のように、内側柱100は磁気コア10の上側内表面104から分離しており、かつ内側柱10の長さ方向に沿って少なくとも部分的に複数の分離部1000に分割されている。内側柱100の温度が最も高く、かつ熱が内側柱100から放散されにくいため、内側柱100を内側柱100の長さ方向に沿って少なくとも部分的に複数の分離部1000に分割することで、磁束方向に垂直な内側柱100の断面積を減少させ、これによって、磁気コア10の渦電流損失を減少させることができる。また、本発明では、内側柱100のみを切断しており、第一コア10a及/又は第二コア10bを切断しない。よって、本発明の構造は組み立てが容易であり、かつ組み立て公差が小さい。
【0026】
第6図乃至第9図を参照し、第6図は本発明のもう1つの実施例による磁気コンポーネント2の立体図であり、第7図は第6図における磁気コンポーネント2の部分分解図であり、第8図は熱伝導性フィラー16がコイル12全体でなく一部を包み覆っている立体図であり、第9図は第6図における磁気コンポーネント2の断面図である。
【0027】
本実施例では、第6図乃至第9図に示するように、磁気コンポーネント2は放熱部14、熱伝導性フィラー16及び絶縁部18をさらに含む。放熱部14は磁気コア10上に設置されており、そのうち、放熱部14は磁気コア10の頂面108及び側面110に接触している。側面110は開口1100を有し、かつ放熱部14は開口1100を覆っている。熱伝導性フィラー16は側面110の開口1100の処に充填されている。第8図に示すように、熱伝導性フィラー16は少なくとも1つのコイル12の全体でなく、少なくとも1つのコイル12の一部を包み覆っている。このときに、開口1100の処の熱伝導性フィラー16の形状は放熱部14により覆われている開口1100の形状と同じである。また、少なくとも1つのコイル12の端部120は磁気コア10から突出しても良く、かつ放熱部14は突出部140を有しても良く、突出部140は少なくとも1つのコイル12の端部120に熱的に結合され得る。
【0028】
さらに、放熱部14が開口1100を覆った後に、熱伝導性フィラー16が開口1100に相対するもう1つの開口から磁気コア10に充填されており、これによって、熱伝導性フィラー16は開口1100の処に充填されており、かつ開口1100に近い少なくとも1つのコイル12の一部を包み覆っているが、開口1100に遠い少なくとも1つのコイル12の他の部分を包み覆わない。これにより、熱伝導性フィラー16の使用量を節約できる。また、温度のバランスをとるために、熱伝導性フィラー16により包み覆われないコイル12は放熱部14の突出部140に熱的に結合され得る。
【0029】
本実施例では、少なくとも1つのコイル12の端部120と放熱部14の突出部140との間には絶縁部18を設置できる。絶縁部18は突出部140がコイル12の2つの端部に同時に接触していることによる短絡の発生を防止できる。幾つかの実施例において、放熱部14の外表面に比較的厚い電気の絶縁層を持たせることで、絶縁部18の設置を省略しても良い。
【0030】
第10図乃至第12図を参照し、第10図は本発明のもう1つの実施例による磁気コンポーネント3の立体図であり、第11図は第10図における磁気コンポーネント3の部分分解図であり、第12図は第10図における磁気コンポーネント3の断面図である。
【0031】
本実施例では、第12図に示すように、少なくとも1つのコイル12は上側第一コイル12a、下側第一コイル12b及び第二コイル12cを含み得る。上側第一コイル12a及び下側第一コイル12bは平板構造であっても良く、かつ第二コイル12cは丸線をマルチターンスタックすることで形成されても良く、これによって、上側第一コイル12a及び下側第一コイル12bの断面積を第二コイル12cの断面積よりも大きくすることができるが、これに限られない。上側第一コイル12aは磁気コア10の上側内表面104に対して設置されており、下側第一コイル12bは磁気コア10の下側内表面106に対して設置されており、かつ第二コイル12cは上側第一コイル12aと下側第一コイル12bとの間に設置されている。下側第一コイル12b、第二コイル12c及び上側第一コイル12aは下から上にスタックされており、かつ磁気コア10の上側内表面104と上側第一コイル12aとの間には間隙Gがあり、これによって、組み立て公差を吸収できる。
【0032】
本実施例では、磁気コンポーネント3は熱伝導性材料30をさらに含み、熱伝導性材料30は間隙Gに部分的に設置されており、かつ上側第一コイル12a及び磁気コア10の上側内表面104に接触しており、これによって、上側第一コイル12aの熱を、熱伝導性材料30を介して磁気コア10の上部に伝達させることで、上側第一コイル12aの熱を放散できる。熱伝導性材料30は間隙充填物、熱伝導性パッド又は他の熱界面材料であっても良いが、これらに限定されない。また、磁気コア10の下側内表面106と下側第一コイル12bとの間には間隙が無く、下側第一コイル12bは磁気コア10の下側内表面106に熱的に結合されており、かつ第二コイル12bは熱伝導性材料30に接触しない。
【0033】
本実施例では、第11図に示すように、熱伝導性材料30の面積A1と、磁気コア10により覆われている上側第一コイル12aの面積A2との比は30%から50%の間にあっても良い。
【0034】
本実施例では、磁気コンポーネント3は内側柱100に套設されているブラケット32をさらに含み、そのうち、ブラケット32は上側凸台320及び下側凸台322を含み、上側凸台320及び下側凸台322はそれぞれ、上側内表面104及び下側内表面106に対応する。上側第一コイル12aは上側凸台320の上側に設置されており、かつ下側第一コイル12bは下側凸台322の下側に設置されており、これによって、上側第一コイル12aは磁気コア10の上側内表面104に対して設置されており、かつ下側第一コイル12bは磁気コア10の下側内表面106に対して設置されている。第二コイル12cは上側凸台320と下側凸台322との間に位置し、かつ第二コイル12cと磁気コア10又はブラケット32との間には放熱間隙が存在する。
【0035】
本実施例では、上側第一コイル12aの電流値及び熱エネルギーは第二コイル12cの電流値及び熱エネルギーよりも大きく、上述のような構造と協働して、熱伝導性材料30の使用量を94%減少させることができる。
【0036】
第13図乃至第16図を参照し、第13図は本発明のもう1つの実施例による磁気コンポーネント4の立体図であり、第14図は第13図における磁気コンポーネント4の部分分解図であり、第15図は第13図における磁気コンポーネント4のX-X線に沿った断面図であり、第16図は第13図における磁気コンポーネント4のY-Y線に沿った断面図である。
【0037】
一実施例において、第13図乃至第16図に示すように、磁気コンポーネント4は第一放熱部40及び第二放熱部42をさらに含む。本実施例では、3つの磁気コンポーネント4をシングルシェル44に設置できるが、これに限られない。1つの磁気コンポーネント4では、第一放熱部40は磁気コア10の第一側112及び頂側114に設置されても良く、かつ第二放熱部42は磁気コア10の第二側116及び頂側114に設置されても良く、そのうち、第一側112は第二側116に相対する。さらに、第一放熱部40は第一側112から頂側114に延伸しており、かつ第二放熱部42は第二側116から頂側114に延伸している。
【0038】
本実施例では、第一放熱部40及び第二放熱部42は第一側112と第二側116との間の頂側114に第一接合領域R1、第二接合領域R2及び第三接合領域R3を有する。第三接合領域R3は第一接合領域R1と第二接合領域R2との間に位置する。本実施例では、第三接合領域R3の延伸方向は第一接合領域R1及び第二接合領域R2の延伸方向に垂直であるが、これに限られない。また、第13図、第15図及び第16図に示すように、第一接合領域R1及び第二接合領域R2の投影は内側柱100とオーバーラップせず、かつ第一放熱部40及び第二放熱部42のうちの少なくとも1つの投影は内側柱100とオーバーラップしている。
【0039】
本実施例では、磁気コンポーネント4は熱伝導性フィラー46をさらに含み、それは磁気コア10の下部を包み覆っており、かつ下部の下方の放熱面48に熱的に結合されている。
【0040】
内側柱100の放熱径路を増加させるために、第一放熱部40及び第二放熱部42のうちの少なくとも1つの投影が内側柱100とオーバーラップしているため、内側柱100の熱は第一放熱部40及び第二放熱部42のうちの少なくとも1つを経由して側辺又は下方の熱伝導性フィラー46に伝達され、そして、下方の放熱面48に伝達され得る。また、第一接合領域R1及び第二接合領域R2の投影が内側柱100とオーバーラップしないため、第一接合領域R1及び第二接合領域R2の接合ピッチD1、D2を第三接合領域R3の接合ピッチD3よりも大きくしても良く、これによって、第一放熱部40又は第二放熱部42の、磁気コア40の水平方向における比較的大きいな長さ公差を吸収でき、放熱効率に影響を与えることがない。
【0041】
好ましくは、第一放熱部40及び第二放熱部42の投影は同時に内側柱100とオーバーラップしても良く(即ち、第三接合領域R3の投影は内側柱100とオーバーラップしても良い)、かつ第三接合領域R3の接合ピッチD3は0から3ミリメートルの間にあっても良い。好ましくは、第三接合領域R3の接合ピッチD3は0であっても良く、即ち、第一放熱部40と第二放熱部42は第三接合領域R3で互いに接触しており、かつ第一放熱部40と第二放熱部42は対称構造であっても良く、これによって、内側柱100から第一放熱部40を経由して第一側112の底部に伝達される熱が、内側柱100から第二放熱部42を経由して第二側116の底部に伝達される熱にほぼ等しくなうようにすることで、放熱効率の最適化を達成し、かつ製造コストを削減できる。
【0042】
第17図を参照し、第17図は本発明のもう1つの実施例による磁気コンポーネント4の上面図である。第17図に示すように、第一放熱部40の投影は内側柱100とオーバーラップしており、第二放熱部42は内側柱100とオーバーラップしない(即ち、第三接合領域R3の投影は内側柱100とオーバーラップしない)。
【0043】
第18図を参照し、第18図は本発明のもう1つの実施例による磁気コンポーネント4の上面図である。第18図に示すように、第三接合領域R3の延伸方向は第一接合領域R1及び第二接合領域R2の延伸方向に対して傾斜している。
【0044】
第19図乃至第21図を参照し、第19図は本発明のもう1つの実施例による磁気コンポーネント5の立体図であり、第20図は第19図における磁気コンポーネント5の分解図であり、第21図は第19図における磁気コンポーネント5の断面図である。
【0045】
一実施例において、第19図乃至第21図に示すように、磁気コンポーネント5はプラスチックシェル50、絶縁熱伝導性基板52及び熱伝導性フィラー54をさらに含む。本実施例では、3つの磁気コンポーネント5をシングルプラスチックシェル50に設置できるが、これに限られない。プラスチックシェル50は絶縁熱伝導性基板52上に設置されており、磁気コンポーネント5の磁気コア10はプラスチックシェル50の中に設置されており、かつ絶縁熱伝導性基板52上に位置し、また、熱伝導性フィラー54はプラスチックシェル50に充填されている。
【0046】
アルミニウム製のシェルを有する磁気コンポーネントが高圧装置(例えば、67Vよりも大きい)に適用されるときに、シェルの内部に絶縁層を設置する必要があり、そのコストが高く、かつ絶縁性が悪い。対して、本実施例では、プラスチック製の磁気コンポーネント5のシェル50はより良い絶縁性を有するだけでなく、熱の大部分を集中させて底部の絶縁熱伝導性基板52に伝達させることもできる。また、熱伝導性フィラー54を充填するときに、プラスチックシェル50は熱伝導性フィラー54を包み覆うために用いられ得る。本実施例では、絶縁熱伝導性基板52は、高熱伝導性及び高絶縁性を同時に有するメタルコアプリント回路基板(metal core printed circuit board、MCPCB)、セラミックプリント回路基板又は絶縁層付きアルミニウム板であっても良い。
【0047】
第20図及び第21図に示すように、プラスチックシェル50は窪み構造500及び導流開口502を有しても良く、かつ熱伝導性フィラー54は窪み構造500及び導流開口502を包み覆うことができる。さらに言えば、磁気コンポーネント5の間の側壁には導流開口502があり、これによって、熱伝導性フィラー54は充填時に導流開口502を経由して複数の磁気コンポーネント5の間で流れ得る。また、プラスチックシェル50の底部には窪み構造500がさらあっても良く、これによって、熱伝導性フィラー54は窪み構造500及び導流開口502を包み覆うことができるため、低熱伝導性フィラー54の使用量を減少させることができる。
【0048】
第22図及び第23図を参照し、第22図は本発明のもう1つの実施例による磁気コンポーネント6の立体図であり、第23図は第22図における磁気コンポーネント6の断面図である。
【0049】
一実施例において、第22図及び23図に示するように、磁気コンポーネント6はシェル60をさらに含む。シェル60は支持構造600を有する。端子62は支持構造600上に設置されている。少なくとも1つのコイル12の端部120は支持構造600上の端子62に接合されている。支持構造600は端子62から下にシェル60の所在する支持面Pに延伸している。
【0050】
本実施例では、支持構造600が端子62から下にシェル60の所在する支持面Pに延伸しているため、コイル12の端部120と端子62とを接合するための接合力Fを、支持構造600を介して支持面Pに直接伝達させることができ、これによって、支持構造600が例えば650トンの接合力Fに耐えるようにさせることができる。なお、支持構造600の形状は実際の適用に応じて決定されても良く、図に描かれている実施例に限定されない。
【0051】
第24図乃至第27図を参照し、第24図は本発明のもう1つの実施例による磁気コンポーネント7の立体図であり、第25図は第24図における磁気コンポーネント7の分解図であり、第26図は第25図における二次コイル12e及び絶縁ガスケット70の分解図であり、第27図は第24図における磁気コンポーネント7の断面図である。
【0052】
一実施例において、第24図乃至第27図に示すように、少なくとも1つのコイル12は互いにスタックされている少なくとも1つの一次コイル12d及び少なくとも1つの二次コイル12eを含む。少なくとも1つの一次コイル12dは丸線をマルチターンスタックすることで形成され得る。少なくとも1つの二次コイル12eは箔片構造であっても良い。第27図に示すように、少なくとも1つの二次コイル12eは磁気コア10から突出している放熱部122を有し、かつ少なくとも1つの一次コイル12dは少なくとも1つの二次コイル12eの間に引き込まれており、少なくともなくとも1つの二次コイル12eの放熱部122に延伸しない。一次コイル12d及び二次コイル12eの数は実際の適用に応じて決定されても良い。本実施例では、磁気コンポーネント7は熱伝導性フィラー16をさらに含む。熱伝導性フィラー16は少なくとも1つの一次コイル12dと少なくとも1つの二次コイル12eとの間に部分的に充填される。
【0053】
本実施例では、少なくとも1つの一次コイル12dのターン数は少なくとも1つの二次コイル12eのターン数よりも大きくても良い。また、二次コイル12eの断面積、電流及び熱エネルギーは一次コイル12dの断面積、電流及び熱エネルギーよりも大きくても良い。よって、二次コイル12eの放熱部122は放熱器の放熱面(図示せず)に接触可能であり、これによって、磁気コンポーネント7の放熱面積を増加させることができる。また、引き込まれている一次コイル12dの熱を、熱伝導性フィラー16及び二次コイル12eを経由して外部放熱界面に伝達させることができるため、より経済的(低コスト)でより良い放熱効率を達成できる。
【0054】
また、磁気コンポーネント7は少なくとも1つの絶縁ガスケット70をさらに含んでも良く、それは少なくとも1つの一次コイル12dと少なくとも1つの二次コイル12eとの間に設置されていることで、一次コイル12dと二次コイル12eとの間の絶縁性を向上させることができる。絶縁ガスケット70の厚さは50ミクロン(マイクロメートル)から100ミクロンの間にあっても良いが、これに限定されない。
【0055】
なお、少なくとも部分的に複数の分離部1000に分割されている内側柱100は(第2図乃至第5図に示すとおりである)、上述のすべての磁気コンポーネント2-7に適用することができる。
【0056】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこの実施形態に限定されず、本発明の趣旨を離脱しない限り、本発明に対するあらゆる変更は本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0057】
1、2、3、4、5、6、7:磁気コンポーネント
10:磁気コア
10a:第一コア
10b:第二コア
11:ガスケット
12:コイル
12a:上側第一コイル
12b:下側第一コイル
12c:第二コイル
12d:一次コイル
12e:二次コイル
13、32:ブラケット
14:放熱部
16、46、54:熱伝導性フィラー
17:熱伝導性シート
18:絶縁部
30:熱伝導性材料
40:第一放熱部
42:第二放熱部
44、60:シェル
48:放熱面
50:プラスチックシェル
52:絶縁熱伝導性基板
62:端子
70:絶縁ガスケット
100、100’:内側柱
102:外側柱
104:上側内表面
106:下側内表面
108:頂面
110:側面
112:第一側
114:頂側
116:第二側
120:端部
122:放熱部
140:突出部
320:上側凸台
322:下側凸台
500:窪み構造
502:導流開口
600:支持構造
1000:分離部
1100:開口
A1、A2:面積
D1、D2、D3:接合ピッチ
F:接合力
G:間隙
L1、L2:長さ
P:支持面
R1:第一接合領域
R2:第二接合領域
R3:第三接合領域
X、Y:切断線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
【外国語明細書】