(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137968
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】表示方法、表示端末、及び表示プログラム
(51)【国際特許分類】
A01B 69/00 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
A01B69/00 301
A01B69/00 303M
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024113158
(22)【出願日】2024-07-16
(62)【分割の表示】P 2021022415の分割
【原出願日】2021-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 葵
(72)【発明者】
【氏名】村山 昌章
(57)【要約】
【課題】ユーザーに適した表示項目に対応する作業情報を表示端末に表示させることが可能な表示方法、表示端末、及び表示プログラムを提供すること。
【解決手段】表示方法は、表示部のうち予め設定された第1表示領域に、少なくとも作業車両の現在位置を含む地図情報を表示させることと、前記表示部のうち予め設定された第2表示領域に、前記作業車両の現在の作業状況を表す表示項目を表示させることと、前記第2表示領域に表示されている第1作業状況を表す第1表示項目を、第2作業状況を表す第2表示項目に切り替えることと、を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車両による作業に関する情報を表示端末の表示部に表示させる表示方法であって、
前記表示部のうち予め設定された第1表示領域に、少なくとも前記作業車両の現在位置を含む地図情報を表示させることと、
前記表示部のうち予め設定された第2表示領域に、前記作業車両の現在の作業状況を表す表示項目を表示させることと、
前記第2表示領域に表示されている第1作業状況を表す第1表示項目を、第2作業状況を表す第2表示項目に切り替えることと、
を実行する表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両による作業に関する情報を表示端末の表示部に表示させる表示方法、表示端末、及び表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圃場内を自律走行する作業車両の作業状況を、ユーザーが表示端末により把握することが可能なシステムが知られている。例えば特許文献1には、表示端末に、予め設定された作業車両の走行経路(目標経路)と走行中の作業車両の現在位置とを地図上に重畳して表示させたり、当該走行経路と当該現在位置との偏差量を表示させたりすることが可能なシステムが開示されている。このように、表示端末は、作業車両の現在の作業状況を表す様々な表示項目を表示させることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、表示端末は、例えばトラクタ、コンバイン、田植機など種類の異なる複数の作業車両において共通に利用される場合がある。この場合において、例えば表示端末に表示される表示項目が一律に設定されていると、作業車両の種類によってはユーザーにとって不要な表示項目になり得る。また、表示端末の表示部の表示領域(大きさ)は有限であり表示可能な表示項目の数には限界があるため、全ての種類の作業車両に対応する全ての表示項目を表示部に一覧表示させることも困難である。このように、従来の技術では、ユーザーに適した表示項目に対応する作業情報を表示端末に表示させることが困難である。
【0005】
本発明の目的は、ユーザーに適した表示項目に対応する作業情報を表示端末に表示させることが可能な表示方法、表示端末、及び表示プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示方法は、作業車両による作業に関する情報を表示端末の表示部に表示させる表示方法である。前記表示方法は、前記表示部のうち予め設定された第1表示領域に、少なくとも前記作業車両の現在位置を含む地図情報を表示させることと、前記表示部のうち予め設定された第2表示領域に、前記作業車両の現在の作業状況を表す表示項目を表示させることと、前記第2表示領域に表示されている第1作業状況を表す第1表示項目を、第2作業状況を表す第2表示項目に切り替えることと、を実行する方法である。
【0007】
本発明に係る表示端末は、作業車両による作業に関する情報を表示部に表示させる表示端末である。前記表示端末は、第1表示処理部と第2表示処理部と切替処理部とを備える。前記第1表示処理部は、前記表示部のうち予め設定された第1表示領域に、少なくとも前記作業車両の現在位置を含む地図情報を表示させる。前記第2表示処理部は、前記表示部のうち予め設定された第2表示領域に、前記作業車両の現在の作業状況を表す表示項目を表示させる。前記切替処理部は、前記第2表示領域に表示されている第1作業状況を表す第1表示項目を、第2作業状況を表す第2表示項目に切り替える。
【0008】
本発明に係る表示プログラムは、作業車両による作業に関する情報を表示端末の表示部に表示させる表示プログラムである。前記表示プログラムは、前記表示部のうち予め設定された第1表示領域に、少なくとも前記作業車両の現在位置を含む地図情報を表示させることと、前記表示部のうち予め設定された第2表示領域に、前記作業車両の現在の作業状況を表す表示項目を表示させることと、前記第2表示領域に表示されている第1作業状況を表す第1表示項目を、第2作業状況を表す第2表示項目に切り替えることと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザーに適した表示項目に対応する作業情報を表示端末に表示させることが可能な表示方法、表示端末、及び表示プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る自動走行システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る作業車両(トラクタ)の一例を示す外観図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る作業車両の走行経路の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る操作端末において利用される、トラクタに対応する表示項目情報の一例を示す図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される操作画面の一例を示す図である。
【
図6B】
図6Bは、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される操作画面の一例を示す図である。
【
図6C】
図6Cは、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される操作画面の一例を示す図である。
【
図6D】
図6Dは、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される操作画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される表示項目の画面遷移の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される操作画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る操作端末によって実行される表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図10A】
図10Aは、本発明の実施形態に係る操作端末において利用される、コンバインに対応する表示項目情報の一例を示す図である。
【
図10B】
図10Bは、本発明の実施形態に係る操作端末において利用される、田植機に対応する表示項目情報の一例を示す図である。
【
図11A】
図11Aは、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される操作画面の一例を示す図である。
【
図11B】
図11Bは、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される操作画面の一例を示す図である。
【
図12A】
図12Aは、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される操作画面の一例を示す図である。
【
図12B】
図12Bは、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される操作画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される選択画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
図1及び
図2に示されるように、本発明の実施形態に係る自動走行システム1は、作業車両10と操作端末20とを含んでいる。作業車両10及び操作端末20は、通信網N1を介して通信可能である。例えば、作業車両10及び操作端末20は、携帯電話回線網、パケット回線網、又は無線LANを介して通信可能である。自動走行システム1は、作業領域(例えば
図3の圃場F)内において作業車両10を自動走行させるシステムである。
【0013】
本発明の作業車両は、トラクタ、コンバイン、田植機など、作業領域(圃場F)で特定の作業を行う車両である。本実施形態では、作業車両10がトラクタである場合を例に挙げて説明する。以下では、作業車両10を「トラクタ10」と称する。また、作業車両10がコンバイン、田植機である場合の例については後述する。
【0014】
トラクタ10は、圃場F(
図3参照)内を予め設定された走行経路R(内周経路Ra及び外周経路Rb)に沿って自動走行(自律走行)可能な構成を備える、所謂ロボットトラクタである。例えば、トラクタ10は、測位装置16により測位されるトラクタ10の現在位置の位置情報に基づいて、圃場Fに対して予め生成された走行経路Rに沿って自動走行することが可能である。
【0015】
例えば、トラクタ10は、
図3に示す圃場Fの作業領域において、内周経路Raを作業開始位置Sから平行に往復走行し、外周経路Rbを作業終了位置Gに向けて渦巻き状に走行する。走行経路Rは、
図3に示す経路に限定されず、作業内容に応じて適宜設定される。
【0016】
操作端末20は、トラクタ10による作業に関する各種情報を表示部に表示させたり、ユーザー(オペレータ)の操作を受け付けて当該操作に応じた処理を実行したりする。例えばユーザーは、操作端末20を操作して、自動走行に必要な情報を設定したり、トラクタ10に自動走行開始指示を出力したりする。また、操作端末20は、自動走行中のトラクタ10の作業状況、走行状況などの情報を操作表示部23(本発明の表示部)に表示させる。ユーザーは、操作端末20において作業状況、走行状況を把握することが可能である。操作端末20は、本発明の表示端末の一例である。
【0017】
[トラクタ10]
図1及び
図2に示すように、トラクタ10は、車両制御装置11、記憶部12、走行装置13、作業機14、通信部15、測位装置16などを備える。車両制御装置11は、記憶部12、走行装置13、作業機14、測位装置16などに電気的に接続されている。なお、車両制御装置11及び測位装置16は、無線通信可能であってもよい。
【0018】
通信部15は、トラクタ10を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して操作端末20などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0019】
記憶部12は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部である。記憶部12には、車両制御装置11に自動走行処理を実行させるための自動走行プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記自動走行プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、所定の読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。なお、前記自動走行プログラムは、サーバー(不図示)から通信網N1を介してトラクタ10にダウンロードされて記憶部12に記憶されてもよい。また、記憶部12には、操作端末20において生成される走行経路Rのデータ(経路データ)が記憶される。
【0020】
走行装置13は、トラクタ10を走行させる駆動部である。
図2に示すように、走行装置13は、エンジン131、前輪132、後輪133、トランスミッション134、フロントアクスル135、リアアクスル136、ハンドル137などを備える。なお、前輪132及び後輪133は、トラクタ10の左右にそれぞれ設けられている。また、走行装置13は、前輪132及び後輪133を備えるホイールタイプに限らず、トラクタ10の左右に設けられるクローラを備えるクローラタイプであってもよい。
【0021】
エンジン131は、不図示の燃料タンクに補給される燃料を用いて駆動するディーゼルエンジン又はガソリンエンジンなどの駆動源である。走行装置13は、エンジン131とともに、又はエンジン131に代えて、電気モーターを駆動源として備えてもよい。なお、エンジン131には、不図示の発電機が接続されており、当該発電機からトラクタ10に設けられた車両制御装置11等の電気部品及びバッテリー等に電力が供給される。なお、前記バッテリーは、前記発電機から供給される電力によって充電される。そして、トラクタ10に設けられている車両制御装置11及び測位装置16等の電気部品は、エンジン131の停止後も前記バッテリーから供給される電力により駆動可能である。
【0022】
エンジン131の駆動力は、トランスミッション134及びフロントアクスル135を介して前輪132に伝達され、トランスミッション134及びリアアクスル136を介して後輪133に伝達される。また、エンジン131の駆動力は、PTO軸19を介して作業機14にも伝達される。トラクタ10が自動走行を行う場合、走行装置13は、車両制御装置11の命令に従って走行動作を行う。
【0023】
作業機14は、例えば耕耘機、播種機、草刈機、プラウ、又は施肥機などであって、トラクタ10に着脱可能である。これにより、トラクタ10は、作業機14各々を用いて各種の作業を行うことが可能である。
図2には、作業機14が耕耘機である場合の例を示している。
【0024】
ハンドル137は、オペレータ又は車両制御装置11によって操作される操作部である。例えば走行装置13では、車両制御装置11によるハンドル137の操作に応じて、不図示の油圧式パワーステアリング機構などによって前輪132の角度が変更され、トラクタ10の進行方向が変更される。
【0025】
また、走行装置13は、ハンドル137の他に、車両制御装置11によって操作される不図示のシフトレバー、アクセル、ブレーキ等を備える。そして、走行装置13では、車両制御装置11による前記シフトレバーの操作に応じて、トランスミッション134のギアが前進ギア又はバックギアなどに切り替えられ、トラクタ10の走行態様が前進又は後進などに切り替えられる。また、車両制御装置11は、前記アクセルを操作してエンジン131の回転数を制御する。また、車両制御装置11は、前記ブレーキを操作して電磁ブレーキを用いて前輪132及び後輪133の回転を制動する。
【0026】
測位装置16は、測位制御部161、記憶部162、通信部163、及び測位用アンテナ164などを備える通信機器である。例えば、測位装置16は、
図2に示すように、オペレータが搭乗するキャビン18の上部に設けられている。また、測位装置16の設置場所はキャビン18に限らない。さらに、測位装置16の測位制御部161、記憶部162、通信部163、及び測位用アンテナ164は、トラクタ10において異なる位置に分散して配置されていてもよい。なお、前述したように測位装置16には前記バッテリーが接続されており、当該測位装置16は、エンジン131の停止中も稼働可能である。また、測位装置16として、例えば携帯電話端末、スマートフォン、又はタブレット端末などが代用されてもよい。
【0027】
通信部163は、測位装置16を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して基地局サーバーなどの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0028】
測位用アンテナ164は、衛星から発信される電波(GNSS信号)を受信するアンテナである。
【0029】
測位制御部161は、一又は複数のプロセッサーと、不揮発性メモリ及びRAMなどの記憶メモリとを備えるコンピュータシステムである。記憶部162は、測位制御部161に測位処理を実行させるための制御プログラム、及び測位情報、移動情報などのデータを記憶する不揮発性メモリなどである。例えば、前記制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、所定の読取装置(不図示)で読み取られて記憶部162に記憶される。なお、前記制御プログラムは、サーバー(不図示)から通信網N1を介して測位装置16にダウンロードされて記憶部162に記憶されてもよい。
【0030】
測位制御部161は、測位用アンテナ164が衛星から受信するGNSS信号に基づいてトラクタ10の位置(現在位置)を算出する。例えば、トラクタ10が圃場F内を自動走行する場合に、測位用アンテナ164が複数の衛星のそれぞれから発信される電波(発信時刻、軌道情報など)を受信すると、測位制御部161は、測位用アンテナ164と各衛星との距離を算出し、算出した距離に基づいてトラクタ10の現在位置(緯度及び経度)を算出する。また、測位制御部161は、トラクタ10に近い基地局(基準局)に対応する補正情報を利用してトラクタ10の現在位置を算出する、リアルタイムキネマティック方式(RTK-GPS測位方式(RTK方式))による測位を行ってもよい。このように、トラクタ10は、例えばRTK方式による測位情報を利用して自動走行を行う。
【0031】
車両制御装置11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、車両制御装置11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することによりトラクタ10を制御する。
【0032】
具体的には、車両制御装置11は、測位制御部161により測位されるトラクタ10の位置を示す位置情報に基づいてトラクタ10を自動走行させる。例えば、前記測位状態がRTK測位可能な高精度状態(高精度測位完了)になって、ユーザーが操作端末20においてスタートボタンを押下すると、操作端末20は作業開始指示をトラクタ10に出力する。車両制御装置11は、操作端末20から作業開始指示を取得すると、測位制御部161により測位されるトラクタ10の位置を示す位置情報に基づいてトラクタ10の自動走行を開始させる。これにより、トラクタ10は、走行経路R(
図3参照)に従って自動走行を開始し、作業機14による作業を開始する。なお、トラクタ10が走行する走行経路Rは、例えば操作端末20により生成される。トラクタ10は、操作端末20から走行経路Rの経路データを取得して、走行経路Rに従って圃場F内を自動走行する。
【0033】
また、車両制御装置11は、操作端末20から走行停止指示を取得するとトラクタ10の自動走行を停止させる。例えば、ユーザーが操作端末20においてストップボタンを押下すると、操作端末20は走行停止指示をトラクタ10に出力する。車両制御装置11は、操作端末20から走行停止指示を取得すると、トラクタ10の自動走行を停止させる。これにより、トラクタ10は、自動走行を停止して作業機14による作業を停止する。
【0034】
なお、図示は省略するが、トラクタ10は、さらに障害物センサ、カメラを備えてもよい。前記障害物センサは、赤外線、超音波などを利用して所定の検出エリアの障害物を検出するセンサである。例えば、前記障害物センサは、レーザを用いて測定対象物(障害物)までの距離を3次元で測定可能なライダーセンサ(距離センサ)であってもよいし、超音波を用いて測定対象物までの距離を測定可能な複数のソナーを有するソナーセンサであってもよい。前記障害物センサは、トラクタ10の機体の前部に設置され、トラクタ10の前方の障害物を検出する。前記障害物センサは、測定情報(測定距離)を車両制御装置11に送信する。
【0035】
また、前記カメラは、被写体の画像を撮像してデジタル画像データとして出力するデジタルカメラである。前記カメラは、被写体を所定のフレームレートで連続して撮像し、所定の解像度のフレーム画像を生成して車両制御装置11に送信する。
【0036】
車両制御装置11は、前記障害物センサから測定情報を取得し、前記カメラから撮像画像を取得する。車両制御装置11は、障害物が検出された場合にトラクタ10を障害物に接触しないように回避走行させたり停止させたりする。また、車両制御装置11は、前記カメラから取得した前記撮像画像の画像データを操作端末20に出力する。操作端末20は、前記画像データを取得すると、前記撮像画像を操作画面に表示させる。
【0037】
[操作端末20]
図1に示すように、操作端末20は、操作制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信部24などを備える情報処理装置である。操作端末20は、タブレット端末、スマートフォンなどの携帯端末で構成されてもよい。
【0038】
通信部24は、操作端末20を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して一又は複数のトラクタ10などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0039】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネル、マウス、又はキーボードのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。オペレータは、前記表示部に表示される操作画面において、前記操作部を操作して各種情報(後述の作業車両情報、圃場情報、作業情報など)を設定登録する操作を行うことが可能である。また、ユーザーは、前記操作部を操作してトラクタ10に対する作業開始指示、走行停止指示などを行うことが可能である。さらに、ユーザーは、トラクタ10から離れた場所において、操作端末20に表示される情報により、圃場F内を走行経路Rに従って自動走行するトラクタ10の走行状況、作業状況などを確認することが可能である。操作表示部23は、本発明の表示部の一例である。
【0040】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD又はSSDなどの不揮発性の記憶部である。記憶部22には、操作制御部21に後述の表示処理(
図9参照)を実行させるための表示プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記表示プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、所定の読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。なお、前記表示プログラムは、サーバー(不図示)から通信網N1を介して操作端末20にダウンロードされて記憶部22に記憶されてもよい。
【0041】
操作制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、操作制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより操作端末20を制御する。
【0042】
ところで、操作端末20は、例えばトラクタ、コンバイン、田植機など種類の異なる複数の作業車両10において共通に利用される場合がある。従来、このような場合において、例えば操作端末20に表示される表示項目が一律に設定されていると、作業車両10の種類によってはユーザーにとって不要な表示項目になり得る。また、操作端末20の表示部の表示領域(大きさ)は有限であり表示可能な表示項目の数には限界があるため、全ての種類の作業車両に対応する全ての表示項目を表示部に一覧表示させることも困難である。このように、従来の技術では、ユーザーに適した表示項目に対応する作業情報を操作端末20に表示させることが困難である。これに対して、本実施形態に係る操作端末20では、ユーザーに適した表示項目に対応する作業情報を表示させることが可能である。
【0043】
具体的には、操作制御部21は、
図1に示すように、車両設定処理部211、圃場設定処理部212、作業設定処理部213、経路生成処理部214、出力処理部215、第1表示処理部216、第2表示処理部217、受付処理部218、切替処理部219などの各種の処理部を含む。なお、操作制御部21は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0044】
車両設定処理部211は、トラクタ10に関する情報(以下、作業車両情報という。)を設定する。車両設定処理部211は、トラクタ10の種類(機種)、トラクタ10において測位用アンテナ164が取り付けられている位置、作業機14の種類、作業機14のサイズ及び形状、作業機14のトラクタ10に対する位置、トラクタ10の作業中の車速及びエンジン回転数、トラクタ10の旋回中の車速及びエンジン回転数等の情報について、ユーザーが操作端末20において登録する操作を行うことにより当該情報を設定する。
【0045】
例えば、ユーザーは、トラクタ10のエンジン131を始動して、操作端末20の電源を入れると、第1表示処理部216は、操作表示部23に
図4に示すメニュー画面D1を表示させる。ユーザーは、例えば「作業機登録」を選択して作業機14に関する作業機情報を登録する。
【0046】
圃場設定処理部212は、圃場Fに関する情報(以下、圃場情報という。)を設定する。圃場設定処理部212は、圃場Fの位置及び形状、作業を開始する作業開始位置S及び作業を終了する作業終了位置G(
図3参照)、作業方向等の情報について、操作端末20において登録する操作を行うことにより当該情報を設定する。なお、作業方向とは、圃場Fから枕地、非耕作地等の非作業領域を除いた領域である作業領域において、作業機14で作業を行いながらトラクタ10を走行させる方向を意味する。例えば、ユーザーは、メニュー画面D1の「圃場登録」を選択して圃場情報を登録する。
【0047】
圃場Fの位置及び形状の情報は、例えばユーザーがトラクタ10に搭乗して圃場Fの外周に沿って一回り周回するように運転し、そのときの測位用アンテナ164の位置情報の推移を記録することで、自動的に取得することができる。また、圃場Fの位置及び形状は、操作端末20に地図を表示させた状態でユーザーが操作端末20を操作して当該地図上の複数の点を指定することで得られた多角形に基づいて取得することもできる。取得された圃場Fの位置及び形状により特定される領域は、トラクタ10を走行させることが可能な領域(走行領域)である。
【0048】
作業設定処理部213は、作業を具体的にどのように行うかに関する情報(以下、作業情報という。)を設定する。作業設定処理部213は、作業情報として、トラクタ10(無人トラクタ)と有人のトラクタ10の協調作業の有無、トラクタ10が枕地において旋回する場合にスキップする作業経路の数であるスキップ数、枕地の幅、及び非耕作地の幅等を設定可能に構成されている。例えば、ユーザーは、メニュー画面D1の「作業領域登録」を選択して作業情報を登録する。
【0049】
経路生成処理部214は、前記各設定情報に基づいて、トラクタ10を自動走行させる経路である走行経路Rを生成する。走行経路Rは、例えば作業開始位置Sから作業終了位置Gまでの作業経路である(
図3参照)。
図3に示す走行経路Rは、圃場F内の内側領域においてトラクタ10を平行に往復走行させる内周経路Raと、圃場F内の外側領域においてトラクタ10を渦巻き状に旋回走行させる外周経路Rbとを含む。経路生成処理部214は、車両設定処理部211、圃場設定処理部212及び作業設定処理部213で設定された前記各設定情報に基づいて、トラクタ10の走行経路Rを生成して記憶することができる。例えば、ユーザーは、メニュー画面D1の「経路生成」を選択して走行経路Rの生成指示を行う。
【0050】
経路生成処理部214は、圃場設定で登録した作業開始位置S及び作業終了位置Gに基づいて走行経路R(
図3参照)を生成する。走行経路Rは、
図3に示す経路に限定されない。経路生成処理部214が走行経路Rを生成すると、出力処理部215は、走行経路Rの経路データをトラクタ10に転送する。
【0051】
操作端末20から転送された経路データは、トラクタ10の記憶部12に記憶される。これにより、トラクタ10は、測位装置16によりトラクタ10の現在位置を測位しつつ、走行経路Rに沿って自動走行を行うことが可能になる。なお、トラクタ10の現在位置は、通常は測位用アンテナ164の位置と一致している。
【0052】
なお、本実施形態に係るトラクタ10は、
図3に示すような略長方形状の圃場Fを走行する。トラクタ10は、現在位置が圃場F内に位置している場合に自動走行できるように構成されており、現在位置が圃場F外(公道等)に位置している場合には自動走行できないように構成されている。また、トラクタ10は、例えば現在位置が作業開始位置Sと一致していることを条件として、自動走行できるように構成されている。
【0053】
トラクタ10は、現在位置が作業開始位置Sと一致している場合に、ユーザーにより操作端末20においてスタートボタンが押されて作業開始指示が与えられると、車両制御装置11によって、自動走行を開始し、作業機14(
図2参照)による作業(例えば耕耘作業)を開始する。すなわち、トラクタ10は、現在位置が作業開始位置Sと一致していることを条件に自動走行を許可する。なお、トラクタ10の自動走行を許可する条件は、前記条件に限定されない。
【0054】
トラクタ10の自動走行が許可されると、車両制御装置11は、走行経路Rに基づいて、トラクタ10を作業開始位置Sから作業終了位置Gまで自動走行させる。また、車両制御装置11は、トラクタ10が作業を終了すると、作業終了位置Gから圃場Fの出口まで自動走行させてもよい。また、車両制御装置11は、トラクタ10が自動走行している間、各種測定値(PTO回転速度、車速、位置情報など)を操作端末20に定期的に出力する。
【0055】
ここで、トラクタ10が自動走行している場合、操作制御部21は、操作画面D2(
図6A等参照)を操作端末20の操作表示部23に表示させる。具体的には、前記経路データが操作端末20からトラクタ10に正常に転送されると、操作制御部21は操作画面D2を操作表示部23に表示させる。また、操作画面D2において、第1表示処理部216は、操作表示部23のうち予め設定された第1表示領域A1に、少なくともトラクタ10の現在位置を含む地図情報を表示させる。
図6Aに示す操作画面D2には、圃場F、走行経路R、作業開始位置S、作業終了位置G、トラクタ10の現在位置を含む地図情報が表示されている。第1表示処理部216は、操作画面D2において、前記地図情報に加えて、地図の表示倍率を変更する倍率アイコン、地図の方位を変更する方位アイコンなどの機能アイコンを表示させてもよい。
【0056】
また、操作画面D2において、第2表示処理部217は、操作表示部23のうち予め設定された第2表示領域A2に、トラクタ10の現在の作業状況を表す表示項目を表示させる。前記表示項目は、トラクタ10の駆動状況、車速状況、位置状況などの項目に対応し、各項目の現状(測定値など)を表示する表示アイコン(通知アイコン)である。例えば
図6Aに示す操作画面D2には、トラクタ10のPTO(Power Take Off)の回転速度を表す表示項目T1、トラクタ10の車速を表す表示項目T2、トラクタ10のエンジン131の回転速度を表す表示項目T3、作業機14の高さを表す表示項目T4が表示されている。第2表示処理部217は、操作画面D2の所定の位置に第2表示領域A2を設定し、第2表示領域A2内に配置可能な数の表示項目を表示させる。例えば、第2表示処理部217は、操作画面D2において、第2表示領域A2の位置を第1表示領域A1の上方に設定する。また、第2表示処理部217は、第2表示領域A2内に幅W1(
図7参照)の4個の表示項目T1~T4を並べて表示させる。なお、操作制御部21は、各表示項目に表示する測定値をトラクタ10の車両制御装置11から取得する。
【0057】
切替処理部219は、第2表示領域A2に表示されている第1作業状況を表す第1表示項目を、第2作業状況を表す第2表示項目に切り替える。具体的には、切替処理部219は、操作表示部23の操作画面D2における第2表示領域A2に対応する位置に、ユーザーから第2表示領域A2に表示されている(表示中の)表示項目を切り替える切替操作を受け付ける切替アイコンK1を表示させる。例えば
図6Aに示すように、切替処理部219は、第2表示領域A2の左端部に隣接する位置に、表示ページを戻す際に指示する左側切替アイコンK1と、第2表示領域A2の右端部に隣接する位置に、表示ページを先に進める際に指示する右側切替アイコンK1とを表示させる。切替アイコンK1は、ユーザーから切替操作を受け付けて所定の処理を実行させるための機能アイコンである。操作画面D2における第2表示領域A2及び切替アイコンK1の位置は、
図6Aに示す位置に限定されない。切替アイコンK1(右側切替アイコンK1、左側切替アイコンK1)は、本発明の切替部の一例である。
【0058】
例えば
図6Aに示すように、操作画面D2においてユーザーが右側切替アイコンK1を押下すると、受付処理部218が前記切替操作を受け付ける。受付処理部218が前記切替操作を受け付けると、切替処理部219は、第2表示領域A2に表示されている表示項目を切り替える。例えば、切替処理部219は、第2表示領域A2において、表示項目T1~T4から表示項目T5、T6に切り替えて表示させる(
図6B参照)。切替処理部219は、第2表示領域A2内に幅W1(
図7参照)の2個の表示項目T5、T6を並べて表示させる。表示項目T5は、トラクタ10のエンジン131の負荷率を表す表示アイコンであり、表示項目T6は、トラクタ10の現在位置から枕地までの距離を表す表示アイコンである。なお、
図6Bに示す操作画面D2においてユーザーが左側切替アイコンK1を押下すると、切替処理部219は、第2表示領域A2に表示されている表示項目T5、T6を元の表示項目T1~T4(
図6A参照)に切り替える。
【0059】
さらに、
図6Bに示す操作画面D2においてユーザーが右側切替アイコンK1を押下すると、切替処理部219は、第2表示領域A2において、表示項目T5、T6から表示項目T7に切り替えて表示させる(
図6C参照)。切替処理部219は、第2表示領域A2内に幅W3(
図7参照)の1個の表示項目T7を表示させる。表示項目T7は、予め設定された走行経路R(本発明の目標経路)とトラクタ10が現在走行している走行経路(現在位置)との位置ズレ量(偏差量)を表す表示アイコンである。なお、
図6Cに示す操作画面D2においてユーザーが左側切替アイコンK1を押下すると、切替処理部219は、第2表示領域A2に表示されている表示項目T7を元の表示項目T5、T6(
図6B参照)に切り替える。
【0060】
さらに、
図6Cに示す操作画面D2においてユーザーが右側切替アイコンK1を押下すると、切替処理部219は、第2表示領域A2において、表示項目T7から表示項目T8に切り替えて表示させる(
図6D参照)。切替処理部219は、第2表示領域A2内に幅W4(
図7参照)の1個の表示項目T8を表示させる。表示項目T8は、トラクタ10が現在走行している走行経路を補正するための設定アイコンである。ユーザーは、表示項目T8を操作することにより補正量を設定することができる。なお、
図6Dに示す操作画面D2においてユーザーが左側切替アイコンK1を押下すると、切替処理部219は、第2表示領域A2に表示されている表示項目T8を元の表示項目T7(
図6C参照)に切り替える。また、
図6Dに示す操作画面D2においてユーザーが右側切替アイコンK1を押下すると、切替処理部219は、第2表示領域A2に表示されている表示項目T8を最初の表示項目T1~T4(
図6A参照)に切り替える。
【0061】
このように、ユーザーは、操作画面D2において、切替アイコンK1を選択することにより、第2表示領域A2の表示内容をページを捲るように切り替えることができる。すなわち、
図7に示すように、操作端末20は、表示項目T1~T4を含むページP1と、表示項目T5、T6を含むページP2と、表示項目T7を含むページP3と、表示項目T8を含むページP4とを有し、ユーザーの切替アイコンK1(ここでは右側切替アイコンK1)の選択操作に応じて、ページP1~P4を順次切り替える。これにより、ユーザーは、操作端末20に、所望の表示項目の作業情報を表示させることが可能になる。
【0062】
なお、切替処理部219は、ユーザーが右側切替アイコンK1を押下するごとにページP1、P2、P3、P4、P1、…の順に表示項目を切り替え(
図7参照)、ユーザーが左側切替アイコンK1を押下するごとにページP1、P4、P3、P2、P1、…の順に表示項目を切り替える。他の実施形態として、切替処理部219は、全ての表示項目T1~T8を、第2表示領域A2内において幅方向にスクロール表示するように切り替えてもよい。上述の実施形態では、切替処理部219は、ページP4が表示されている状態でユーザーが右側切替アイコンK1を押下した場合にページP4をページP1に切り替え、ページP1の表示項目が表示されている状態でユーザーが左側切替アイコンK1を押下した場合にページP1をページP4に切り替えているが、他の実施形態として、切替処理部219は、ページP4が表示されている状態でユーザーが右側切替アイコンK1を押下した場合にページP4を切り替えず、ページP1が表示されている状態でユーザーが左側切替アイコンK1を押下した場合にページP1を切り替えない構成としてもよい。すなわち、切替処理部219は、先頭ページP1から最終ページP4までの間でページP1~P4を往復するように切り替える構成であってもよい。
【0063】
このような表示切替処理を可能とするために、記憶部22には、表示項目情報Dtのデータが記憶されている。
図5には、表示項目情報Dtの一例を示している。
【0064】
図5に示すように、表示項目情報Dtには、表示項目ごとに、「表示項目ID」、「表示項目名」、「幅」、「ページ」などの情報が含まれる。前記表示項目IDは、表示項目の識別情報であり、前記表示項目名は、表示項目の名称である。前記幅は、表示項目に対応する表示アイコン画像の幅である。前記ページは、表示項目を表示するページの識別情報である。表示項目に対応する表示アイコン画像の画像データは、前記表示項目IDに対応付けて記憶部22に記憶されている。
【0065】
図5に示す例では、表示項目ID「T001」~「T008」のそれぞれは、表示項目T1~T8のそれぞれに対応する。表示項目ID「T001」~「T004」にはページP1が関連付けられているため、表示項目T1~T4は、第2表示領域A2において同一ページP1に表示される(
図6A参照)。また表示項目ID「T005」、「T006」にはページP2が関連付けられているため、表示項目T5、T6は、第2表示領域A2において同一ページP2に表示される(
図6B参照)。また表示項目ID「T007」にはページP3が関連付けられているため、表示項目T7は、第2表示領域A2においてページP3に表示され(
図6C参照)、表示項目ID「T008」にはページP4が関連付けられているため、表示項目T8は、第2表示領域A2においてページP4に表示される(
図6D参照)。なお、表示項目情報Dtに登録される表示項目の数は限定されず、8個未満であってもよいし8個以上であってもよい。
【0066】
また、例えば、表示項目ID「T001」~「T006」に対応する表示項目T1~T6は、作業車両や作業機等の作業状態(作業状況)を表示するものであり、表示項目ID「T0007」に対応する表示項目T7は、走行経路と作業車両との関係を表示するものであり、表示項目ID「T0008」に対応する表示項目T8は、ユーザーが操作可能な項目(設定項目)を表示するものである。本発明の表示項目は、上述の例に限定されず、作業車両10の種類に応じて適宜設定することができる。
【0067】
ここで、各表示項目には幅が設定されている。例えば、表示項目ID「T001」~「T006」には幅W1が設定され、表示項目ID「T007」には幅W3が設定され、表示項目ID「T008」には幅W4が設定されている。また、第2表示領域A2には、予め幅W0(
図7参照)が設定されている。ここでは、幅W1<幅W3<幅W4<幅W0の関係を満たす。操作制御部21は、例えば幅W1の表示項目T1~T4を第2表示領域A2に並べて配置した場合において全体の幅(≒W1×4)が幅W0よりも小さい場合に、表示項目T1~T4に同一のページを関連付ける。また、操作制御部21は、幅W1の表示項目T5、T6を第2表示領域A2に並べて配置した場合において幅W2(≒W1×2)に相当する余白領域AS2(
図7参照)が生じる場合には、幅W1又は幅W2の表示項目を追加して、表示項目T5、T6と同じページを関連付けてもよい。同様に、操作制御部21は、幅W3の表示項目T7を第2表示領域A2に配置した場合において幅W1に相当する余白領域AS1(
図7参照)が生じる場合には、幅W1の表示項目を追加して、表示項目T7と同じページを関連付けてもよい。
【0068】
第2表示処理部217は、記憶部22に記憶された表示項目情報Dtを参照して、ページP1が関連付けられた表示項目ID「T001」~「T004」の表示項目T1~T4を第2表示領域A2に表示させる(
図6A参照)。このように、第2表示処理部217は、第2表示領域A2において、幅方向に配置可能な数の表示項目を表示させる。
【0069】
また、ユーザーが操作画面D2(
図6A参照)において右側切替アイコンK1を押下すると、切替処理部219は、記憶部22に記憶された表示項目情報Dtを参照して、ページP2が関連付けられた表示項目ID「T005」、「T006」の表示項目T5、T6を第2表示領域A2に表示させる(
図6B参照)。このようにして、切替処理部219は、表示項目情報Dtを参照して、ページP1~P4の順に繰り返し表示項目を切り替える(
図7参照)。このように、切替処理部219は、第2表示領域A2に表示中の表示項目から、幅方向に配置可能な数の表示項目に切り替えて表示させる。
【0070】
表示項目情報Dtは、ユーザーにより予め設定されて記憶部22に記憶される。なお、ユーザーは、表示項目情報Dtを適宜変更することが可能である。例えば、操作制御部21は、ユーザーが各ページ(例えばページP1~P4)に表示させる表示項目を選択する操作を行った場合に、当該選択操作に応じて表示項目情報Dtを設定して記憶部22に記憶させてもよい。またユーザーは、各ページの表示項目を入れ替えたり、余白領域AS1、AS2に所望の表示項目を割り当てたりすることができる。なお、トラクタ10に対応する表示項目情報Dtには、少なくともPTOに関する測定値(例えば回転速度)を表す表示項目(ここでは表示項目T1)が含まれる。
【0071】
このように、操作制御部21は、ユーザーにより選択された表示項目に関する情報を記憶部22に記憶させ、トラクタ10の作業状況を表示させる際に、記憶部22を参照して、所定の表示項目(例えばページP1の表示項目T1~T4)を第2表示領域A2に表示させる。これにより、第2表示処理部217は、第2表示領域A2に、ユーザーにより選択された表示項目を表示させることが可能である。また、切替処理部219は、第2表示領域A2の表示項目を、ユーザーにより選択された表示項目に切り替えることが可能である。
【0072】
他の実施形態として、記憶部22に、トラクタ10の作業内容に応じた複数の表示項目情報Dtが記憶されてもよい。例えば、操作制御部21は、作業機14の種類(耕耘機、播種機、草刈機、プラウ、施肥機など)ごとに表示項目情報Dtを設定して記憶部22に記憶してもよい。この場合、操作制御部21は、作業機情報の登録処理(
図4の「作業機登録」)においてユーザーにより選択された作業機14の種類に対応する表示項目情報Dtを参照して、第2表示領域A2に表示項目を表示させたり、当該表示項目を切り替えたりする。例えば、操作制御部21は、トラクタ10が草刈機を装着して草刈作業を行う場合に、草刈作業(本発明の第1作業内容の一例)に応じた表示項目を第2表示領域A2に表示させる。このように、本発明の表示項目は、作業車両(例えばトラクタ10)による作業内容に応じた複数の表示項目を含み、操作制御部21は、第2表示領域A2に、作業車両による作業内容に対応する表示項目を表示させる。
【0073】
また他の実施形態として、切替アイコンK1は、
図8に示すように、1つだけ設けられてもよい。例えば、切替処理部219は、第2表示領域A2の右端部に隣接する位置に「表示切替」がテキスト表示された切替アイコンK1を表示させる。そして、切替処理部219は、ユーザーが切替アイコンK1を押下するごとに、第2表示領域A2に表示されている表示項目を切り替える。例えば切替処理部219は、ユーザーが切替アイコンK1を押下するごとに、ページP1~P4の順に繰り返し表示項目を切り替える(
図7参照)。
【0074】
なお、上述したように、トラクタ10に対応する操作画面D2の第2表示領域A2に表示される表示項目には、トラクタ10の作業内容に応じた表示項目(例えば表示項目T1~T4)だけでなく、他の作業車両10(例えばコンバイン、田植機など)にも共通する作業内容に応じた表示項目(例えば表示項目T5~T8)が含まれてもよい。また複数種類の作業車両10に共通する表示項目には、少なくとも前記偏差量を表す表示項目が含まれる。
【0075】
以上のように、操作制御部21は、トラクタ10の走行状況、作業状況などの情報をトラクタ10から受信して操作表示部23に表示させることが可能である。
【0076】
操作制御部21は、上記の処理に加えて以下の処理を実行する。例えば、第1表示処理部216は、メニュー画面D1(
図4参照)、作業車両情報、圃場情報、作業情報などを登録する登録画面(不図示)、自動走行の走行状態を表す操作画面D2(
図6A等参照)などを操作表示部23に表示させる。
【0077】
また、受付処理部218は、ユーザーからトラクタ10に作業を開始させる作業開始指示、自動走行中のトラクタ10の走行を停止させる走行停止指示を受け付ける。受付処理部218が前記各指示を受け付けると、出力処理部215は、前記各指示をトラクタ10に出力する。
【0078】
トラクタ10の車両制御装置11は、操作端末20から作業開始指示を取得すると、トラクタ10の走行及び作業を開始させる。また、車両制御装置11は、操作端末20から走行停止指示を取得すると、トラクタ10の走行及び作業を停止させる。
【0079】
なお、操作端末20は、サーバー(不図示)が提供する農業支援サービスのウェブサイト(農業支援サイト)に通信網N1を介してアクセス可能であってもよい。この場合、操作端末20は、操作制御部21によってブラウザプログラムが実行されることにより、前記サーバーの操作用端末として機能することが可能である。そして、前記サーバーは、上述の各処理部を備え、各処理を実行する。
【0080】
[表示処理]
以下、
図9を参照しつつ、操作端末20の操作制御部21によって実行される前記表示処理の一例について説明する。例えば、前記表示処理は、トラクタ10のエンジン131が始動し、操作端末20の電源がONされた場合に操作制御部21によって開始される。
【0081】
なお、本発明は、操作制御部21が前記表示処理の一部又は全部を実行する表示方法の発明、又は、当該表示方法の一部又は全部を操作制御部21に実行させるための表示プログラムの発明として捉えてもよい。また、本発明は、一又は複数のプロセッサーが前記表示処理を実行する表示方法の発明であってもよい。
【0082】
ステップS1において、トラクタ10の車両制御装置11は、ユーザーによるエンジン始動操作に応じてトラクタ10のエンジン131を始動させる。エンジン131が始動すると、測位制御部161は、方位認識処理(イニシャライズ)を実行する。また、操作端末20の操作制御部21は、ユーザーによる電源ON操作に応じて操作端末20の電源をONしてメニュー画面D1(
図4参照)を操作端末20の操作表示部23に表示させる。
【0083】
次にステップS2において、操作制御部21は、各種設定情報を登録する。具体的には、操作制御部21は、ユーザーによる設定操作(
図4参照)に基づいて、前記作業車両情報、前記圃場情報、前記作業情報、前記走行経路情報(走行経路R)を登録する。
【0084】
次にステップS3において、操作制御部21は、生成された走行経路Rの経路データをトラクタ10に転送する。トラクタ10の車両制御装置11は、操作端末20から取得した前記経路データを記憶部12に記憶する。
【0085】
次にステップS4において、操作制御部21は、作業情報などを表示する操作画面D2(
図6A参照)を操作端末20の操作表示部23に表示させる。また、操作制御部21は、操作画面D2の第1表示領域A1に、トラクタ10の現在位置を含む地図情報を表示させ、第2表示領域A2に、トラクタ10の現在の作業状況を表す表示項目を表示させる。例えば、操作制御部21は、記憶部22の表示項目情報Dt(
図5参照)を参照して、ページP1に関連付けられた表示項目T1~T4を第2表示領域A2に表示させる(
図6A参照)。
【0086】
なお、
図6Aに示す操作画面D2は、便宜上、自動走行開始後(自動走行中)の状態を例示しているが、ステップS4で表示される操作画面D2では、自動走行開始前の状態、例えば各表示項目の測定値が初期値の状態となる。
【0087】
次にステップS5において、操作制御部21は、ユーザーから自動走行を開始する操作を受け付けたか否かを判定する。例えば、トラクタ10の現在位置が作業開始位置Sと一致している場合に、操作制御部21は、操作画面D2においてユーザーから自動走行を開始させる操作(スタートボタンの押下)を受け付ける。操作制御部21は、自動走行開始操作を受け付けると(S5:Yes)、作業開始指示をトラクタ10に出力する。その後、処理はステップS6に移行する。一方、自動走行開始操作を受け付けない場合、操作制御部21は、自動走行開始操作を受け付けるまで待機する(S5:No)。
【0088】
ステップS6において、トラクタ10の車両制御装置11は、RTK方式により測位する前記位置情報に基づいて、走行経路Rに沿ってトラクタ10を自動走行させる。また、車両制御装置11は、自動走行中に測定する各種測定値の情報(PTO回転速度、車速、エンジン回転速度など)を操作端末20に出力する。
【0089】
次にステップS7において、操作制御部21は、ユーザーから操作画面D2の第2表示領域A2に表示されている表示項目を切り替える切替操作を受け付けたか否かを判定する。例えばユーザーは、トラクタ10の現在のエンジン負荷率を確認したい場合、トラクタ10の現在位置から枕地までの距離を確認したい場合などに、操作画面D2の切替アイコンK1(右側切替アイコンK1)を押下する(
図6A参照)。操作制御部21がユーザーの切替操作を受け付けた場合(S7:Yes)、処理はステップS71に移行する。一方、操作制御部21がユーザーの切替操作を受け付けない場合(S7:No)、処理はステップS8に移行する。
【0090】
ステップS8では、車両制御装置11は、トラクタ10が作業を終了したか否かを判定する。トラクタ10が作業を終了した場合(S8:Yes)、前記表示処理は終了する。一方、トラクタ10が作業を終了していない場合(S8:No)、処理はステップS6に戻り、トラクタ10は自動走行を継続する。
【0091】
ステップS71では、操作制御部21は、操作画面D2の第2表示領域A2に表示されている表示項目を切り替える。例えばユーザーが操作画面D2(
図6A参照)の切替アイコンK1(右側切替アイコンK1)を押下すると、操作制御部21は、第2表示領域A2に表示中のページP1に対応する表示項目T1~T4から、ページP2(
図5参照)に対応する表示項目T5、T6に切り替えて表示させる(
図6B参照)。なお、例えばユーザーが操作画面D2(
図6A参照)の左側切替アイコンK1を押下した場合は、操作制御部21は、第2表示領域A2に表示中のページP1に対応する表示項目T1~T4から、ページP4に対応する表示項目T8に切り替えて表示させる(
図6D参照)。その後、処理はステップS7に戻る。
【0092】
ステップS7に戻り、ユーザーが再度、右側切替アイコンK1を押下すると(S7:Yes)、操作制御部21は、第2表示領域A2に表示中のページP2に対応する表示項目T5、T6から、ページP3(
図5参照)に対応する表示項目T7に切り替えて表示させる(
図6C参照)(S71)。またユーザーが左側切替アイコンK1を押下すると(S7:Yes)、操作制御部21は、第2表示領域A2に表示中のページP2に対応する表示項目T5、T6から、元のページP1に対応する表示項目T1~T4に切り替えて表示させる(
図6A参照)(S71)。このようにして、ユーザーは、トラクタ10が自動走行を開始してから作業を終了するまで、操作端末20の操作画面D2において表示項目を切り替えることにより、所望の表示項目を表示させて作業状況、走行状況などを確認することができる。操作制御部21は、以上のようにして前記表示処理を実行する。
【0093】
以上説明したように、本実施形態に係る操作端末20は、トラクタ10による作業に関する情報を操作端末20の操作表示部23に表示させる。また、操作端末20は、操作表示部23のうち予め設定された第1表示領域A1に、少なくともトラクタ10の現在位置を含む地図情報を表示させ、操作表示部23のうち予め設定された第2表示領域A2に、トラクタ10の現在の作業状況を表す表示項目を表示させる。また、操作端末20は、第2表示領域A2に表示されている第1作業状況を表す第1表示項目を、第2作業状況を表す第2表示項目に切り替える。
【0094】
例えば、操作端末20は、第1作業状況(例えばPTO回転速度)を表す第1表示項目を第2表示領域A2に表示している場合において、ユーザーによる表示項目を切り替える切替操作を受け付けた場合に、前記第1表示項目を、第2作業状況(例えばエンジン負荷率)を表す第2表示項目に切り替える。なお、操作端末20は、ユーザーの前記切替操作を受け付ける切替アイコンK1(切替部)を操作表示部23に表示させる。
【0095】
上述の構成によれば、ユーザーは、操作端末20において、トラクタ10が自動走行中に所望の表示項目を表示させて作業状況、走行状況などを確認することができる。また、ユーザーは操作端末20の操作画面D2に表示される切替アイコンK1を選択するだけで表示項目を切り替えることができるため、操作端末20の操作性及び利便性を向上させることができる。
【0096】
さらに、ユーザーは、自動走行開始時に第2表示領域A2に表示させる表示項目(デフォルトの表示項目)、第2表示領域A2に表示させる表示項目の表示順(切替順)、第2表示領域A2内に複数個をまとめて表示する場合の表示項目の組み合わせ、などを予め設定して、設定した情報(表示項目情報Dt(
図5参照))を記憶部22に記憶させておくことができる。また、ユーザーは、表示項目情報Dtを適宜更新することもできる。そして、操作制御部21は、表示項目情報Dtを参照して、第2表示領域A2に表示させる表示項目を特定することができる。
【0097】
[他の実施形態]
本発明は上述の実施形態に限定されず、以下に示す実施形態であってもよい。
【0098】
上述の実施形態では、操作端末20の操作制御部21は、ユーザーの切替操作を受け付けたことを条件として、第2表示領域A2に表示中の表示項目を切り替えている。他の実施形態として、操作制御部21は、第2表示領域A2に第1作業状況に対応する第1表示項目が表示されている場合において、第2作業状況に対応する測定値が許容範囲外になった場合に、第1表示項目を2表示項目に切り替えてもよい。例えば、操作制御部21は、第2表示領域A2に表示項目T1~T4が表示されている場合において、トラクタ10の目標経路と現在の走行経路との偏差量が予め設定された許容範囲から外れた場合(閾値を超えた場合)に、表示項目T1~T4を、偏差量を表す表示項目T7に切り替える。このように、操作制御部21は、第2表示領域A2に表示されていない表示項目の測定値が許容範囲外になった場合に、第2表示領域A2に表示中の表示項目を測定値が許容範囲外になった表示項目に自動的に切り替えてもよい。これにより、ユーザーに注意喚起することができる。
【0099】
また、操作制御部21は、表示項目の測定値が許容範囲外になった場合に、操作画面D2において、当該表示項目の表示態様を変化させてもよい。例えば、操作制御部21は、操作画面D2において、表示項目の測定値が許容範囲外になった当該表示項目の表示アイコン画像を点灯又は点滅させてもよい。
【0100】
上述の実施形態では、作業車両10がトラクタである場合を例に挙げたが、作業車両10は、コンバイン、田植機などであってもよい。
【0101】
例えば作業車両10がコンバインである場合、操作制御部21は、コンバインに対応する表示項目情報Dcを参照して、第2表示領域A2に表示項目を表示させる。
図10Aには、表示項目情報Dcの一例を示している。表示項目情報Dcには、コンバインの作業内容(例えば収穫作業)に応じた複数の表示項目の情報が含まれる。例えば、コンバインは、収穫した作物をコンバインに搭載されたタンクに一時的に収容する。前記タンクの収容量が閾値を超えると、コンバインは収穫作業を継続することができなくなる。このため、ユーザーは、前記タンク内の現在の収容量(又はタンクの空き容量)、刈取り走行可能距離などの作業状況を確認する必要がある。そこで、表示項目情報Dcには、コンバインの作業内容に応じた表示項目として、現在の収容量を表す表示項目C1(表示項目ID「C001」)、現時点における刈取り走行可能距離を表す表示項目C2(表示項目ID「C002」)が登録される。
【0102】
また、表示項目情報Dcには、他の作業車両10(例えばトラクタ、田植機など)にも共通する作業内容に応じた表示項目(例えば表示項目C3~C6)が含まれてもよい。
【0103】
作業車両10がコンバインである場合の操作画面D2の表示例を
図11に示す。コンバインは、収穫物を収容する収容部を備える。例えば、コンバインの自動走行用の経路データが操作端末20からコンバインに正常に転送されると、第2表示処理部217は、記憶部22に記憶された表示項目情報Dc(
図10A参照)を参照して、ページP1が関連付けられた表示項目ID「C001」、「C005」の表示項目C1、C5を第2表示領域A2に表示させる(
図11A参照)。
【0104】
ユーザーが操作画面D2(
図11A参照)において右側切替アイコンK1を押下すると、切替処理部219は、表示項目情報Dcを参照して、ページP2が関連付けられた表示項目ID「C002」、「C005」の表示項目C2、C5を第2表示領域A2に表示させる(
図11B参照)。このようにして、切替処理部219は、表示項目情報Dcを参照して、ページP1~P4の順に繰り返し表示項目を切り替える。ここで、表示項目C5のように、一つの表示項目に対して複数の「ページ」が関連付けられてもよい(
図11A参照)。これにより、ページを切り替えても特定の表示項目(ここでは表示項目C5)を継続して表示させることができる。なお、コンバインに対応する表示項目情報Dcには、少なくとも前記収容部の収容状況(収容量)を表す表示項目(ここでは表示項目C1)が含まれる。また、
図11A及び
図11Bでは、便宜上、第1表示領域A1に表示される地図情報を
図6に示す地図情報と同じ状態を示しているが、実際には、コンバインに対応する地図情報が表示される。
【0105】
例えば作業車両10が田植機である場合、操作制御部21は、田植機に対応する表示項目情報Drを参照して、第2表示領域A2に表示項目を表示させる。
図10Bには、表示項目情報Drの一例を示している。表示項目情報Drには、田植機の作業内容(例えば田植作業)に応じた複数の表示項目の情報が含まれる。例えば、表示項目情報Dcには、作業領域のうち残りの作業面積を表す表示項目R1(表示項目ID「R001」)が登録される。
【0106】
作業車両10が田植機である場合の操作画面D2の表示例を
図12に示す。田植機は、苗を植え付ける植付部を備える。例えば、田植機の自動走行用の経路データが操作端末20から田植機に正常に転送されると、第2表示処理部217は、記憶部22に記憶された表示項目情報Dr(
図10B参照)を参照して、ページP1が関連付けられた表示項目ID「R001」、「R004」の表示項目R1、R4を第2表示領域A2に表示させる(
図12A参照)。
【0107】
ユーザーが操作画面D2(
図12A参照)において右側切替アイコンK1を押下すると、切替処理部219は、表示項目情報Drを参照して、ページP2が関連付けられた表示項目ID「R002」、「R003」の表示項目R2、R3を第2表示領域A2に表示させる(
図12B参照)。このようにして、切替処理部219は、表示項目情報Drを参照して、ページP1~P3の順に繰り返し表示項目を切り替える。なお、田植機に対応する表示項目情報Drには、少なくとも作業領域のうち残りの作業面積を表す表示項目(ここでは表示項目R1)が含まれる。また、
図12では、便宜上、第1表示領域A1に表示される地図情報を
図6に示す地図情報と同じ状態を示しているが、実際には、田植機に対応する地図情報が表示される。
【0108】
以上のように、一つの操作端末20は、複数種類の作業車両10に共通に利用することができる。例えば、操作端末20をトラクタに利用する場合には、トラクタに対応する管理アプリケーションを操作端末20に記憶させることにより、操作端末20によってトラクタの操作及び管理が可能になる。また例えば、操作端末20をコンバインに利用する場合には、コンバインに対応する管理アプリケーションを操作端末20に記憶させることにより、操作端末20によってコンバインの操作及び管理が可能になる。また例えば、操作端末20を田植機に利用する場合には、田植機に対応する管理アプリケーションを操作端末20に記憶させることにより、操作端末20によって田植機の操作及び管理が可能になる。
【0109】
他の実施形態として、操作端末20の記憶部22が、複数の種類の作業車両10のそれぞれに対応する管理アプリケーションを記憶してもよい。例えば、操作端末20の記憶部22は、トラクタに対応する管理アプリケーションと、コンバインに対応する管理アプリケーションと、田植機に対応する管理アプリケーションとを記憶する。この場合、ユーザーは、例えば
図13に示す選択画面D3において、使用する作業車両10の種類を選択する。選択画面D3においてユーザーが例えば「トラクタ」を選択すると、操作制御部21は、記憶部22に記憶されたトラクタに対応する管理アプリケーションを起動させる。これにより、操作制御部21は、
図6A~
図6Dなどのトラクタ用の操作画面D2を操作表示部23に表示させる。また選択画面D3においてユーザーが例えば「コンバイン」を選択すると、操作制御部21は、記憶部22に記憶されたコンバインに対応する管理アプリケーションを起動させる。これにより、操作制御部21は、
図11A及び
図11Bなどのコンバイン用の操作画面D2を操作表示部23に表示させる。また選択画面D3においてユーザーが例えば「田植機」を選択すると、操作制御部21は、記憶部22に記憶された田植機に対応する管理アプリケーションを起動させる。これにより、操作制御部21は、
図12A及び
図12Bなどの田植機用の操作画面D2を操作表示部23に表示させる。
【0110】
この構成によれば、ユーザーは、単一の操作端末20により、様々な作業車両10を容易に操作及び管理することができる。このため、ユーザーは異なる種類の作業車両10を導入した場合であっても容易に操作端末20により当該作業車両10を操作及び管理することができる。なお、操作端末20は、作業車両10の管理アプリケーションをウェブサイトからダウンロード可能であってもよい。また、前記各管理アプリケーションはウェブサーバー(クラウドサーバー)に格納され、操作端末20は、ウェブサーバーにアクセスして前記管理アプリケーションを実行してもよい。
【0111】
また他の実施形態として、記憶部22に、作業車両10(トラクタ、コンバイン、田植機など)の走行モードに応じた複数の表示項目情報が記憶されてもよい。前記走行モードには、有人の自動運転で走行する走行モードと、無人の自動運転で走行する走行モードと、直線を自動操舵して走行する走行モードとが含まれる。例えば、操作制御部21は、前記各走行モードの種類ごとに表示項目情報を設定して記憶部22に記憶してもよい。この場合、操作制御部21は、経路生成処理(
図4の「経路生成」)においてユーザーにより選択された走行モードの種類に対応する表示項目情報を参照して、第2表示領域A2に表示項目を表示させたり、当該表示項目を切り替えたりする。
【0112】
[発明の付記]
<付記1>
作業車両による作業に関する情報を表示端末の表示部に表示させる表示方法であって、
前記表示部のうち予め設定された第1表示領域に、少なくとも前記作業車両の現在位置を含む地図情報を表示させることと、
前記表示部のうち予め設定された第2表示領域に、前記作業車両の現在の作業状況を表す表示項目を表示させることと、
前記第2表示領域に表示されている第1作業状況を表す第1表示項目を、第2作業状況を表す第2表示項目に切り替えることと、
を実行する表示方法。
【0113】
<付記2>
前記表示部における前記第2表示領域に対応する位置に、ユーザーから前記第1表示項目を前記第2表示項目に切り替える切替操作を受け付ける切替部を表示させる、
付記1に記載の表示方法。
【0114】
<付記3>
前記第2表示領域に前記第1表示項目が表示されている場合において、前記第2作業状況に対応する測定値が許容範囲外になった場合に、前記第1表示項目を前記第2表示項目に切り替える、
付記1に記載の表示方法。
【0115】
<付記4>
前記表示項目は、前記作業車両による作業内容に応じた複数の表示項目を含み、
前記第2表示領域に、前記作業車両による第1作業内容に対応する前記第1表示項目を表示させる、
付記1~3のいずれかに記載の表示方法。
【0116】
<付記5>
前記第2表示領域に、ユーザーにより選択された前記第1表示項目を表示させる、
付記1~4のいずれかに記載の表示方法。
【0117】
<付記6>
前記ユーザーにより選択された前記第1表示項目に関する情報を記憶部に記憶させ、
前記作業車両の作業状況を表示させる際に、前記記憶部を参照して、前記第1表示項目を前記第2表示領域に表示させる、
付記5に記載の表示方法。
【0118】
<付記7>
前記第2表示領域は幅は予め設定されており、
前記第2表示領域において、幅方向に配置可能な数の前記第1表示項目を表示させ、
前記第2表示領域において、幅方向に配置可能な数の前記第2表示項目を、前記第1表示項目から切り替えて表示させる、
付記1~6のいずれかに記載の表示方法。
【0119】
<付記8>
前記作業車両が作業機を装着可能な作業車両である場合に、
前記第1表示項目及び前記第2表示項目のうち少なくともいずれかは、PTOに関する測定値を表す表示項目である、
付記1~7のいずれかに記載の表示方法。
【0120】
<付記9>
前記作業車両が苗を植え付ける植付部を備える作業車両である場合に、
前記第1表示項目及び前記第2表示項目のうち少なくともいずれかは、作業領域のうち残りの作業面積を表す表示項目である、
付記1~7のいずれかに記載の表示方法。
【0121】
<付記10>
前記作業車両が収穫物を収容する収容部を備える作業車両である場合に、
前記第1表示項目及び前記第2表示項目のうち少なくともいずれかは、前記収容部の収容状況を表す表示項目である、
付記1~7のいずれかに記載の表示方法。
【0122】
<付記11>
前記第1表示項目及び前記第2表示項目のうち少なくともいずれかは、前記作業車両の目標経路と現在の走行経路との偏差量を表す表示項目であり、
前記偏差量を表す表示項目は、複数種類の前記作業車両に共通する表示項目である、
付記1~7のいずれかに記載の表示方法。
【0123】
<付記12>
作業車両による作業に関する情報を表示部に表示させる表示端末であって、
前記表示部のうち予め設定された第1表示領域に、少なくとも前記作業車両の現在位置を含む地図情報を表示させる第1表示処理部と、
前記表示部のうち予め設定された第2表示領域に、前記作業車両の現在の作業状況を表す表示項目を表示させる第2表示処理部と、
前記第2表示領域に表示されている第1作業状況を表す第1表示項目を、第2作業状況を表す第2表示項目に切り替える切替処理部と、
を備える表示端末。
【0124】
<付記13>
作業車両による作業に関する情報を表示端末の表示部に表示させる表示プログラムであって、
前記表示部のうち予め設定された第1表示領域に、少なくとも前記作業車両の現在位置を含む地図情報を表示させることと、
前記表示部のうち予め設定された第2表示領域に、前記作業車両の現在の作業状況を表す表示項目を表示させることと、
前記第2表示領域に表示されている第1作業状況を表す第1表示項目を、第2作業状況を表す第2表示項目に切り替えることと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための表示プログラム。
【符号の説明】
【0125】
1 :自動走行システム
10 :作業車両(トラクタ、コンバイン、田植機)
14 :作業機
19 :PTO軸
20 :操作端末(表示端末)
21 :操作制御部
22 :記憶部
23 :操作表示部(表示部)
211 :車両設定処理部
212 :圃場設定処理部
213 :作業設定処理部
214 :経路生成処理部
215 :出力処理部
216 :第1表示処理部
217 :第2表示処理部
218 :受付処理部
219 :切替処理部
R :走行経路(目標経路)
A1 :第1表示領域
A2 :第2表示領域
K1 :切替アイコン(切替部)
C1~C6:表示項目
R1~R4:表示項目
T1~T8:表示項目