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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137982
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】システム、プログラム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20240101AFI20240927BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240927BHJP
【FI】
G06Q50/16
G06T7/00 350B
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024113695
(22)【出願日】2024-07-16
(62)【分割の表示】P 2024500434の分割
【原出願日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】P 2022167215
(32)【優先日】2022-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】524269516
【氏名又は名称】株式会社Penetrator
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】弁理士法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿久津 岳生
(57)【要約】
【課題】
所定の属性を有する不動産を特定することのできるシステムを提供する。
【解決手段】
少なくとも1のコンピュータ装置を含むシステムであって、地上を上空から撮影した撮影画像から、所定の属性を有する不動産に対応する領域を特定する領域特定手段と、特定した領域に対応する不動産の住所を特定する住所特定手段とを備える、システム。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1のコンピュータ装置を含むシステムであって、
地上を上空から撮影した撮影画像から、遊休地に対応する領域を特定する領域特定手段と、
特定した領域に対応する遊休地の住所を特定する住所特定手段と
を備え、
領域特定手段が、地上を上空から撮影した撮影画像の少なくとも一部の領域の画像データを入力データとし、該領域が遊休地であることに関する情報を出力データとして機械学習された予測モデルを用いて、遊休地に対応する領域を特定する、システム。
【請求項2】
住所特定手段が、特定した領域の少なくとも1の位置に対応する緯度及び経度を特定し、特定した緯度及び経度に対応する遊休地の住所を特定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
住所と、該住所に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、住所特定手段により特定した住所に対応する遊休地の所有者を特定する所有者特定手段と
を備える、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
所有者特定手段が、住所と、該住所に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先との対応関係をもとに、住所特定手段により特定した住所に対応する遊休地の所有者及び所有者の連絡先を特定する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
住所特定手段により特定される住所が地番であり、
所有者特定手段が、地番と、地番に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、特定した地番に対応する遊休地の所有者を特定する、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
所有者特定手段により特定した所有者へ所定の情報を送信する第1情報送信手段、及び/又は、
特定した所有者へ所定の情報を送信するための送信情報を他のコンピュータ装置へ送信する第2情報送信手段と
を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
所有者特定手段により特定した所有者へ送付物を送付するための送付情報を他のコンピュータ装置へ送信する第3情報送信手段、
前記送付情報を媒体に印刷するよう制御する印刷手段、及び/又は、
前記送付情報を記憶媒体に記憶する記憶手段と
を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
送信情報又は送付情報が、特定した所有者の氏名及び連絡先、並びに、特定した遊休地の住所を含む、請求項6又は7に記載のシステム。
【請求項9】
所定の情報又は送付物が、特定した遊休地についての売却又は賃貸の提案をするための情報を含む、請求項6又は7に記載のシステム。
【請求項10】
1の表示画面において、住所特定手段により特定した複数の住所を一覧で表示する一覧表示手段
を備える、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項11】
1の表示画面において、所有者特定手段により特定した複数の住所に対応する遊休地の所有者を一覧で表示する一覧表示手段
を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項12】
コンピュータ装置を、
地上を上空から撮影した撮影画像から、遊休地に対応する領域を特定する領域特定手段と、
特定した領域に対応する遊休地の住所を特定する住所特定手段
として機能させ、
領域特定手段が、地上を上空から撮影した撮影画像の少なくとも一部の領域の画像データを入力データとし、該領域が遊休地であることに関する情報を出力データとして機械学習された予測モデルを用いて、遊休地に対応する領域を特定する、プログラム。
【請求項13】
少なくとも1のコンピュータ装置を含むシステムにおいて実行される方法であって、
地上を上空から撮影した撮影画像から、遊休地に対応する領域を特定する領域特定ステップと、
特定した領域に対応する遊休地の住所を特定する住所特定ステップと
を有し、
領域特定ステップが、地上を上空から撮影した撮影画像の少なくとも一部の領域の画像データを入力データとし、該領域が遊休地であることに関する情報を出力データとして機械学習された予測モデルを用いて、遊休地に対応する領域を特定する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、プログラム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空き家の敷地の画素情報に基づいて生成された画像中の空き家を推定する機械学習データをもとに、航空写真や衛星画像中の家が空き家であるか否かを判定することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/225597号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、例えば、以下のいずれかの課題を解決することができる。
【0005】
本発明の第1の課題は、所定の属性を有する不動産を特定することのできるシステムを提供することである。本発明の第2の課題は、撮影画像上又は撮影画像に対応する地図画像上の複数の地点又は複数の領域に対応する不動産の所有者を特定することのできるシステムを提供することである。本発明の第3の課題は、所定の属性を有する不動産の所有者、又は、店舗や施設の所有者若しくは店舗や施設のある土地の所有者を特定することのできるシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題は、
[1]少なくとも1のコンピュータ装置を含むシステムであって、地上を上空から撮影した撮影画像から、所定の属性を有する不動産に対応する領域を特定する領域特定手段と、特定した領域に対応する不動産の住所を特定する住所特定手段とを備える、システム;
[2]住所特定手段が、特定した領域の少なくとも1の位置に対応する緯度及び経度を特定し、特定した緯度及び経度に対応する不動産の住所を特定する、前記[1]に記載のシステム;
[3]住所と、該住所に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、住所特定手段により特定した住所に対応する不動産の所有者を特定する所有者特定手段とを備える、前記[1]又は[2]に記載のシステム;
[4]所有者特定手段が、住所と、該住所に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先との対応関係をもとに、住所特定手段により特定した住所に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先を特定する、前記[3]に記載のシステム;
[5]住所特定手段により特定される住所が地番であり、所有者特定手段が、地番と、地番に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、特定した地番に対応する不動産の所有者を特定する、前記[3]に記載のシステム;
[6]所有者特定手段により特定した所有者へ所定の情報を送信する第1情報送信手段、特定した所有者へ、所定の情報を送信するための送信情報又は送付物を送付するための送付情報を他のコンピュータ装置へ送信する第2情報送信手段、前記送付情報を媒体に印刷するよう制御する印刷手段、及び/又は、前記送付情報を記憶媒体に記憶する記憶手段とを備える、前記[3]~[5]のいずれかに記載のシステム;
[7]領域特定手段が、地上を上空から撮影した撮影画像の少なくとも一部の領域の画像データを入力データとし、該領域に対応する不動産の属性に関する情報を出力データとして機械学習された予測モデルを用いて、所定の属性を有する不動産に対応する領域を特定する、前記[1]~[6]のいずれかに記載のシステム;
[8]所定の属性が、空き家、遊休地、駐車場、農業地又は所定の建物である、前記[1]~[7]のいずれかに記載のシステム;
[9]コンピュータ装置を、地上を上空から撮影した撮影画像から、所定の属性を有する不動産に対応する領域を特定する領域特定手段と、特定した領域に対応する不動産の住所を特定する住所特定手段として機能させる、プログラム;
[10]少なくとも1のコンピュータ装置を含むシステムにおいて実行される方法であって、地上を上空から撮影した撮影画像から、所定の属性を有する不動産に対応する領域を特定する領域特定ステップと、特定した領域に対応する不動産の住所を特定する住所特定ステップとを有する、方法;
[11]少なくとも1のコンピュータ装置を含むシステムであって、撮影画像上又は撮影画像に対応する地図画像上における複数の地点又は複数の領域の位置をもとに、前記複数の地点又は複数の領域に対応する不動産の住所をそれぞれ特定する住所特定手段と、住所と、該住所に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、住所特定手段により特定した複数の住所に対応する不動産の所有者をそれぞれ特定する所有者特定手段とを備える、システム;
[12]1の表示画面において、住所特定手段により特定した複数の住所を一覧で表示する、及び/又は、1の表示画面において、所有者特定手段により特定した複数の住所に対応する不動産の所有者を一覧で表示する一覧表示手段とを備える、前記[11]に記載のシステム;
[13]コンピュータ装置を、撮影画像上又は撮影画像に対応する地図画像上における複数の地点又は複数の領域の位置をもとに、前記複数の地点又は複数の領域に対応する不動産の住所をそれぞれ特定する住所特定手段と、住所と、該住所に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、住所特定手段により特定した複数の住所に対応する不動産の所有者を特定する所有者特定手段として機能させる、プログラム;
[14]少なくとも1のコンピュータ装置を含むシステムにおいて実行される方法であって、撮影画像上又は撮影画像に対応する地図画像上における複数の地点又は複数の領域の位置をもとに、前記複数の地点又は複数の領域に対応する不動産の住所をそれぞれ特定する住所特定ステップと、住所と、該住所に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、住所特定ステップにより特定した複数の住所に対応する不動産の所有者を特定する所有者特定ステップとを有する、方法;
[15]少なくとも1のコンピュータ装置を含むシステムであって、住所と、該住所に対応する不動産、店舗又は施設の属性情報との対応関係をもとに、所定の条件を満たす不動産、店舗又は施設に対応する住所を特定する住所特定手段と、特定した住所に対応する不動産、店舗又は施設の所有者を特定する所有者特定手段とを備える、システム;
[16]文字列の入力を受け付ける文字列受付手段とを備え、住所特定手段が、受け付けた文字列を含む不動産、店舗又は施設の名称に対応する住所を特定する、前記[15]に記載のシステム;
[17]所有者特定手段により特定した所有者へ所定の情報を送信する第1情報送信手段、特定した所有者へ、所定の情報を送信するための送信情報又は送付物を送付するための送付情報を他のコンピュータ装置へ送信する第2情報送信手段、前記送付情報を媒体に印刷するよう制御する印刷手段、及び/又は、前記送付情報を記憶媒体に記憶する記憶手段とを備える、前記[15]又は[16]に記載のシステム;
[18]コンピュータ装置を、住所と、該住所に対応する不動産、店舗又は施設の属性情報との対応関係をもとに、所定の条件を満たす不動産、店舗又は施設に対応する住所を特定する住所特定手段と、特定した住所に対応する不動産、店舗又は施設の所有者を特定する所有者特定手段として機能させる、プログラム;
[19]少なくとも1のコンピュータ装置を含むシステムにおいて実行される方法であって、住所と、該住所に対応する不動産、店舗又は施設の属性情報との対応関係をもとに、所定の条件を満たす不動産、店舗又は施設に対応する住所を特定する住所特定ステップと、特定した住所に対応する不動産、店舗又は施設の所有者を特定する所有者特定ステップとを有する、方法;
により解決することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、所定の属性を有する不動産を特定するシステムを提供することができる。また、本発明によれば、撮影画像上又は撮影画像に対応する地図画像上の複数の地点又は複数の領域に対応する不動産の所有者を特定するシステムを提供することができる。本発明によれば、所定の属性を有する不動産の所有者、又は、店舗や施設の所有者若しくは店舗や施設のある土地の所有者を特定するシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態に係る不動産及び所有者特定処理のフローチャートを示す図である。
図3】本発明の実施の形態に係る住所を特定する処理を説明するための図である。
図4】本発明の実施の形態に係る第2の不動産及び所有者特定処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について説明をするが、本発明の趣旨に反しない限り、本発明は、以下の実施の形態に限定されない。以下で説明するフローチャートを構成する各処理の順序は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で順不同であり、また、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で、フローチャートを構成する各処理の一部を省略することや、フローチャートを構成する各処理に新たな処理を追加することも可能である。また、フローチャートを構成する各処理を実行する主体となる装置は、本発明の趣旨に反しない限り、他の装置へ変更することが可能である。その際、処理内容に矛盾や不整合が生じないように、処理内容を変更することが可能である。
【0010】
本発明の実施の形態に係るシステムは、例えば、1のコンピュータ装置から構成されていてもよく(スタンドアローン型)、1又は複数のサーバ装置と1又は複数の端末装置から構成されていてもよく(クライアントサーバ型)、ホスト装置と1又は複数のゲスト装置から構成されていてもよい(ピア・ツー・ピア型)。また、サーバ装置は、複数のコンピュータ装置に分散して機能するものであってもよい。例えば、サーバ装置に代えて、ブロックチェーンなどの分散型台帳技術を利用してもよい。以下では、例えば、本発明の実施の形態に係るシステムが1のコンピュータ装置(以下、情報処理装置という)から構成されている場合について、説明をする。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、制御部11、RAM12、ストレージ部13、入力部14、表示部15及び通信インタフェース16を備え、それぞれバスにより接続されている。
【0012】
制御部11は、CPUやROMから構成される。制御部11は、ストレージ部13に格納されたプログラムを実行し、情報処理装置1の制御を行なう。RAM12は、制御部11のワークエリアである。ストレージ部13は、プログラムやデータを保存するための記憶媒体である。制御部11は、RAM12から読みだしたプログラム及びデータ、並びに、入力部14にて入力されたデータをもとに、演算処理を行なう。
【0013】
表示部15は表示画面を有している。制御部11は、演算処理の結果に応じて、表示画面に画像を表示するためのビデオ信号を出力する。ここで、表示部15の表示画面はタッチセンサを備えるタッチパネルであってもよい。この場合、タッチパネルが入力部14として機能する。
【0014】
通信インタフェース16は無線又は有線により通信ネットワーク4に接続が可能であり、通信ネットワーク4を介して、他のコンピュータ装置とデータを送受信することが可能である。通信インタフェース16を介して受信したデータは、RAM12にロードされ、制御部11により演算処理が行われる。
【0015】
なお、プログラムは、CD-ROMなどの記録媒体に記憶されていてもよい。この場合、記録媒体に記憶されたプログラムが、情報処理装置1にインストールされて、所定の機能を実行することとしてもよい。或いは、プログラムは、システム外部のコンピュータ装置から配信されてもよい。この場合、システム外部のコンピュータ装置から配信されたプログラムが、情報処理装置1にインストールされて、所定の機能を実行することとしてもよい。
【0016】
次に、本発明の実施の形態に係るシステムにおける不動産及び所有者特定処理について説明する。図2は、本発明の実施の形態に係る不動産及び所有者特定処理のフローチャートを示す図である。なお、不動産は、土地、建物をいずれも含む概念である。ユーザは、情報処理装置1の入力部14を操作して、不動産及び所有者特定処理(以下、不動産及び所有者特定処理を「特定処理」という)を実行するための専用のアプリケーションソフトウェアを起動する。ユーザは、情報処理装置1の入力部14を操作して、地上を上空から撮影した撮影画像から、所定の属性を有する不動産に対応する領域を特定し、特定した領域に対応する不動産の所有者を特定するための特定処理を開始する。
【0017】
まず、ユーザは、情報処理装置1の入力部14を操作して特定処理の対象となる撮影画像又は地域を選択する(ステップS1)。地域を選択した場合は、その地域に対応する撮影画像が選択される。撮影画像は、情報処理装置1のストレージ部13に予め記憶されていてもよく、撮影画像を記憶した外部記憶装置から情報処理装置1にて読み出してもよい。撮影画像は、地上を上空から撮影した画像であれば、特に限定されないが、例えば、航空写真や衛星画像をあげることができる。航空写真は、航空機に搭載したカメラにより地上を撮影した写真である。衛星画像は、人工衛星に搭載されたセンサーで取得された画像データである。撮影画像は、複数の画像を組み合わせて、1の画像としたものであってもよい。
【0018】
次に、情報処理装置1の制御部11は、撮影画像から、所定の属性を有する不動産に対応する領域を特定する(ステップS2)。属性は、不動産がどのような状態であるか、どのような用途に用いられているか、又は、どのような建物や設備が存在するか等を特定するものである。
【0019】
所定の属性としては、特に限定されないが、例えば、空き家、遊休地、駐車場、農業地又は資材置き場をあげることができる。空き家は、人が住んでいない建物を意味し、遊休地は、利用されていない土地を意味する。駐車場は、車両を停めておくための場所として利用されている土地である。農業地は、農業に利用されている土地であり、例えば、田や畑をあげることができる。資材置き場は、建築資材などの資材の置き場として利用されている土地である。
【0020】
また、所定の属性としては、所定の建物が存在することをあげることができる。所定の建物としては、特に限定されないが、例えば、マンション、アパート、一軒家又はオフィスビルをあげることができる。また、所定の建物としては、築年数が所定の年数以上の建物、又は、築年数が所定の年数以下の建物をあげることができる。
【0021】
ステップS2は、撮影画像から、所定の属性を有する不動産に対応する領域を特定するものであるが、ユーザは情報処理装置1の入力部14を操作して、例えば、空き家、遊休地、駐車場、農業地などの選択肢から、所定の属性を選択することも可能である。ユーザは、どのような属性の不動産の所有者とその連絡先を特定したいのかに応じて、これらの選択肢のうち1の属性を選択する。
【0022】
撮影画像において、情報処理装置1が所定の属性を有する不動産に対応する領域を特定する方法は、特に限定されない。情報処理装置1は、撮影画像を構成する画素に関する情報(RGBに関する情報)をもとに、撮影画像の各領域に対応する不動産の属性を特定することで、所定の属性を有する不動産に対応する領域を特定することができる。
【0023】
例えば、情報処理装置1は、基準(サンプル)となる撮影画像のうち、不動産の属性(例えば、空き家、遊休地、駐車場、農業地又は資材置き場)が明らかとなっている画像データ(画像を構成する各画素のRGB等の情報)を入力データとし、この画像データに対応する不動産の属性に関する情報を出力データとして機械学習された予測モデルを利用して、ステップS1において選択した撮影画像の中から、所定の属性を有する不動産に対応する領域を特定する。ここで、ステップS2において特定する所定の属性と同じ属性を有する画像データが、入力データとして用いられる。このようにすることで、情報処理装置1は、撮影画像から、所定の属性を有する不動産に対応する領域を特定することができる。
【0024】
情報処理装置1が所定の属性を有する不動産として空き家となっている土地を特定する場合、つまり、空き家となっている土地に対応する撮影画像上の領域を特定する場合、情報処理装置1は、上空から撮影した空き家についての複数の画像データを入力データとした予測モデルを用いる。なお、雪が積雪するエリアでは、情報処理装置1は、撮影画像上の家や敷地内に積もった雪の状況を、空き家であるか否かの判定の材料とすることもできる。
【0025】
また、情報処理装置1が所定の属性を有する不動産として空き家となっている土地を特定する場合に、以下の方法を採用することもできる。情報処理装置1は、不動産の属性として、一軒家等の建物であることが明らかとなっている画像データ(画像を構成する各画素のRGB等の情報)を入力データとし、この画像データに対応する不動産の属性に関する情報、つまり一軒家等の建物であることの情報を出力データとして機械学習された予測モデルを利用して、ステップS1において選択した撮影画像の中から、建物に対応する領域を特定する。そして、情報処理装置1は、地上を上空から撮影した熱赤外線画像であって、前記撮影画像と同じ地域を撮影した熱性外線画像を用いて、建物の利用頻度が低い、又は、空き状況にある建物を特定することで、空き家の可能性の高い建物に対応する領域を特定することができる。より具体的には、情報処理装置1は、撮影画像から特定された建物に対応する領域の緯度経度をもとに、該緯度経度における熱赤外線画像の画素情報をもとに、建物が空き状況にあるか否かを判定する。例えば、情報処理装置1は、該緯度経度における熱赤外線画像から、周辺の建物よりも閾値以上に温度が低ければ、空き状況にあると判定することができる。
【0026】
また、情報処理装置1が遊休地、駐車場又は農業地となっている土地に対応する撮影画像上の領域を特定する場合、情報処理装置1は、上空から撮影した遊休地、駐車場又は農業地のそれぞれについての複数の画像データを入力データとした予測モデルを用いる。
【0027】
機械学習のアルゴリズムは、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができるが、多層ニューラルネットワークを用いた深層学習を用いることが好ましい。多層ニューラルネットワークは、入力層、出力層、複数の中間層を有している。各層のノードとノードとを結ぶエッジには、重みが設定されている。エッジには、ノードへの各入力に対応する重みが設定されており、ノードへの各入力に対応する重みを乗じて、これらの重みを乗じて得られた値とバイアスを加算する。加算されて得られた値を、活性化関数を用いて非線形変換を行い、活性値を算出する。算出された活性値は、次の層のノードに渡される入力の値となる。中間層の数は、適宜設計することができる。
【0028】
また、制御部11は、ステップS1にて選択した撮影画像をもとに、公知の方法で輪郭を抽出する処理を実行し、撮影画像を輪郭で区切られた複数の領域に分けることができる。そして、制御部11は、これらの複数の領域ごとに、前記予測モデルを用いて、所定の属性を有する不動産に対応する領域であるか否かを判定することができる。
【0029】
なお、ステップS2にて、制御部11は、所定の属性を有する不動産に対応する領域を特定するだけでなく、特定した領域に対応する不動産の面積や、不動産の外形を構成する辺の長さや接道の長さ等を算定してもよい。不動産の面積等は、撮影画像の縮尺をもとに算定できる。不動産の面積等は、例えば、撮像画像と、国土交通省の提供する測量データとを利用して算定されてもよい。不動産の面積等の算定に、AI解析が用いられてもよい。
【0030】
次に、制御部11は、所定の属性を有するとして特定された領域の撮影画像における位置をもとに、特定した領域の少なくとも1の位置に対応する緯度及び経度(以下、緯度経度という)を特定する(ステップS3)。次に、制御部11は、所定の属性を有するとして特定された領域の撮影画像における位置をもとに、特定した領域に対応する不動産の住所を特定する(ステップS4)。ステップS4では、制御部11は、ステップS3にて特定した緯度経度に対応する不動産の住所を特定してもよい。ここで、「住所」は、住居表示、地番のいずれも含む概念である。住居表示は、「住居表示に関する法律(昭和三十七年法律第百十九号)」に基づいて市町村が定めた住所であり、地番は、法務局により不動産ごとに付された番号である。
【0031】
ステップS3及びS4の処理について、説明する。情報処理装置1のストレージ部13には、撮影画像が撮影された地域と同じ地域の地図データが予め登録されている。また、ステップS1にて選択される撮影画像は、撮影画像中の各地点又は各領域の、緯度経度を特定することが可能な画像データが用いられる。画像データとしては、各画像データ中における点と、緯度経度とが、関連付けられて記憶されたものを利用する。地図データでは、地図上の各領域又は各地点の緯度経度と関連付けて、各領域又は各地点の住所(地番又は住居表示)が記憶されている。
【0032】
そのため、ステップS2において、撮影画像中の所定の属性を有する不動産に対応する領域が特定されると、情報処理装置1は、領域の撮像画像における位置をもとに、該領域の少なくとも1の位置に対応する緯度経度を特定することができる。領域の少なくとも1の位置は、撮像画像における領域に含まれる所定の地点であればよい。情報処理装置1は、特定された領域に含まれる所定の地点の緯度経度を特定できる。所定の地点は、特定された領域内の中心地点としてもよい。情報処理装置1は、地図上の各領域又は各地点の緯度経度と関連付けて、各領域又は各地点の住所が記憶された地図データを参照し、特定された領域の少なくとも1の位置に対応する緯度経度に対応する住所(地番又は住居表示)を特定することができる。
【0033】
ステップS4では、情報処理装置1は、緯度経度を利用して、特定した領域に対応する不動産の住所を特定する方法以外に、平面上の直交座標系を利用して、特定した領域に対応する不動産の住所を特定することもできる。この場合、ステップS3は、省略されてもよい。図3は、本発明の実施の形態に係る住所を特定する処理を説明するための図である。情報処理装置1のストレージ部13には、撮影画像22が撮影された地域と同じ地域の地図データ21が予め登録されている。
【0034】
地図データ21では、平面上の直交座標系(XY座標系)のXY座標と関連付けて、この地域における各不動産の住所が登録されている。この地域のある特定の地点が、原点Oとして設定されている。南北方向をY軸として、北側を第1象限・第2象限、南側を第3象限・第4象限とすることができ、東西方向をX軸として、東側を第1象限・第4象限、西側を第2象限・第3象限とすることができる。原点Oの座標(X、Y)は(0、0)で表すことができ、図3では、原点Oの住所は、住所Eであると登録されている。
【0035】
ステップS2において、撮影画像22のうちの一部の領域が、所定の属性を有する不動産に対応する領域23a、領域23bとして特定されている。地図データ21の縮尺を撮影画像22の縮尺と同じ縮尺とし、撮影画像22中の地図データ21の特定の地点に対応する地点を、地図データ21の原点Oと同一の点となるように、且つ、撮影画像22の方角と地図データ21の方角が同一となるように重ね合わせることで、撮影画像22の各領域の住所を特定することができる。つまり、地図データ21には、XY座標と関連付けて住所が登録されており、この対応関係にしたがって、撮影画像22中の領域のXY座標をもとに、該領域の住所を特定することができる。ここでは、領域23aの住所は、住所Dであり、領域23bの住所は、住所Iである。
【0036】
ステップS4で特定される住所が住居表示である場合に、制御部11は、住居表示と地番の対応関係をもとに、ステップS3にて特定された住居表示に対応する地番を特定する(ステップS5)。情報処理装置1のストレージ部13には、住居表示と関連付けて地番が記憶された住所マスターテーブルが登録されており、住所マスターテーブルを参照することで、ステップS4にて特定した住居表示に対応する地番を特定することができる。
【0037】
なお、地番と住居表示が同じであるような地域の撮影画像をもとに特定処理を実行する場合は、ステップS5の処理を省略することができる。ステップS4又はS5にて特定された地番は、後述するステップS6において、所定の属性を有する不動産の所有者を特定するのに用いられる。ステップS4で特定される住所が地番である場合は、ステップS5は省略され、ステップS4からステップS6へ移行する。
【0038】
次に、制御部11は、住所と、該住所に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、特定した住所に対応する不動産の所有者を特定する(ステップS6)。ステップS6では、住所と、該住所に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先との対応関係をもとに、特定した住所に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先を特定してもよい。ステップS4又はS5において、制御部11が地番を特定した場合は、制御部11は、地番と、地番に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、特定した地番に対応する不動産の所有者及びその連絡先を特定する。
【0039】
住所に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先を特定する方法は、特に限定されないが、制御部11は、住所と、該住所に対応する不動産の所有者が関連付けて記憶されたデータを用いて、不動産の所有者及びその連絡先を特定することが好ましい。例えば、情報処理装置1のストレージ部13には、住所(地番)と関連付けて、住所(地番)に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先が記憶された所有者マスターテーブルが登録されており、制御部11は、所有者マスターテーブルを参照することで、ステップS4にて特定した住所又はステップS4又はS5にて特定した地番に対応する所有者及びその連絡先を特定することができる。
【0040】
その他、情報処理装置1が、他のコンピュータ装置から構成されるシステムと連携して、ステップS4又はS5にて特定した地番に対応する所有者及びその連絡先を特定してもよい。この場合、情報処理装置1は、例えば、法務省が提供する登記・供託オンライン申請システムと連携して、ステップS4にて特定した住所又はステップS4又はS5にて特定した地番に対応する所有者及びその連絡先を特定することができる。情報処理装置1は、登記・供託オンライン申請システムから地番に対応する所有者及びその連絡先が記録された登記簿データを受信することができる。
【0041】
ステップS6にて特定される「所有者」とは、所有者の氏名である。また、ステップS6にて特定される所有者の連絡先としては、特に限定されないが、固定の電話番号、携帯電話の電話番号、メールアドレス、ファクシミリ番号、住所(住居表示)、郵便番号等をあげることができる。特定された所有者の氏名及び連絡先を情報処理装置1の表示部15に表示する等の出力をすることで、ユーザは、所定の属性を有する不動産の所有者に対して、電話、eメール、ファクシミリ、郵便物等により連絡をとることが可能となる。これらのいずれの連絡方法を採用するかについては、その目的によって、適宜変更することができる。
【0042】
次に、情報処理装置1は、ステップS6にて特定した所有者の連絡先を利用して、特定した所有者、つまり所定の属性を有する不動産の所有者へ所定の情報を送信する(ステップS7)。ステップS7にて送信される所定の情報は、特に限定されない。所定の情報は、ユーザが情報処理装置1の入力部14を送信して、ストレージ部13に記憶しておくことができる。ストレージ部13に記憶された所定の情報は、ステップS7を実行するにあたり読み出される。
【0043】
ステップS7にて不動産の所有者へ送信される所定の情報は、所定の属性の種類や、ユーザの目的に応じて適宜変更することができる。例えば、所定の属性が、遊休地や空き家である場合は、情報処理装置1は、不動産の売却や貸地の提案をするためのメッセージや提案文を、不動産の所有者へ送信することができる。また、所定の情報には、宛名として所有者の氏名や、どの不動産に関する提案であるかを特定するための不動産の住所(地番、住居表示)に関する情報が含まれていてもよい。
【0044】
ステップS7において、所定の情報を送信する方法も特に限定されない。例えば、eメールやファクシミリにて、情報処理装置1から所定の情報が、特定された所有者へ送信される。所定の情報を送信する方法は、ユーザが情報処理装置1の入力部14を操作して、選択できるようにしてもよい。
【0045】
また、ステップS7の不動産の所有者へ所定の情報を送信する処理に代えて、或いは、不動産の所有者へ所定の情報を送信する処理に加えて、ステップS6にて特定した所有者へ、所定の情報を送信するための送信情報又は送付物を送付するための送付情報を他のコンピュータ装置へ送信する処理、前記送付情報を媒体に印刷するよう制御する処理、及び/又は、前記送付情報を記憶媒体に記憶する処理等が実行されてもよい。情報処理装置1がステップS6を実行した後に、これらのいずれの処理を実行するかについては、適宜設計することが可能である。ユーザが情報処理装置1の入力部14を操作することで、これらのいずれの処理を実行するかを選択できるようにすることも可能である。
【0046】
情報処理装置1は、ステップS6にて特定した所有者へ、所定の情報を送信するための送信情報を、他のコンピュータ装置へ送信する処理を実行することで、他のコンピュータ装置は、他のコンピュータ装置から、所有者へ、eメールやファクシミリで所定の情報を送信することが可能となる。送信情報には、所有者の氏名、メールアドレス又はファクシミリ番号等の連絡先、特定された不動産の住所(地番、住居表示)が含まれる。ここで、他のコンピュータ装置は、ユーザとは異なる他の事業者等が運営するものであってもよい。
【0047】
また、情報処理装置1は、ステップS6にて特定した所有者へ、送付物を送付するための送付情報を、他の事業者等が運営する他のコンピュータ装置へ送信する処理を実行することで、他の事業者等から、所有者へ送付物を宅配や郵便により送付することができる。送付情報には、所有者の氏名、住所(住居表示)及び電話番号等の連絡先、特定された不動産の住所(地番、住居表示)が含まれる。送付物の内容は、不動産の所定の属性やその目的に応じて適宜変更することができる。例えば、所定の属性が、遊休地や空き家である場合は、不動産の売却や賃貸や活用の提案をするためのメッセージや提案文を、不動産の所有者へ送信することができる。
【0048】
情報処理装置1は、ステップS6にて特定した所有者へ、送付物を送付するための送付情報(所有者の氏名と住所)を媒体に印刷するよう制御する処理を実行することで、例えば、所有者の氏名と住所が表示された紙等の媒体を印刷することができる。所有者の氏名と住所を紙等の媒体に印刷し、これを送付物に貼付することで、所有者へ送付物を送付することが可能となる。ここで、使用する媒体は、印刷面の裏面に粘着剤が塗工され、剥離紙をはがすことで利用可能なシール状のものを用いることができる。送付物の内容は、不動産の所定の属性やその目的に応じて適宜変更することができる。
【0049】
情報処理装置1は、ステップS6にて特定した所有者へ、送付物を送付するための送付情報(所有者の氏名とその連絡先、特定された不動産の住所(地番))を外部記憶媒体(例えば、光ディスク、フラッシュメモリー、ハードディスク)に記憶する処理等を実行することもできる。送付情報を記憶した外部記憶媒体を、ユーザとは異なる他の事業者等に引き渡すことで、他の事業者から所有者へ送付物を宅配や郵便により送付することが可能となる。送付物の内容は、不動産の所定の属性やその目的に応じて適宜変更することができる。
【0050】
ステップS1~S7を実行することにより、特定処理は終了する。特定処理において、1の撮影画像から特定される、所定の属性を有する不動産と、その不動産の所有者及びその連絡先は、1又は複数であってもよい。
【0051】
なお、ステップS1~S3の処理を実行後、情報処理装置1への操作入力に応じて、又は、情報処理装置1にて選択を受け付けた領域について、ステップS4~S7の処理が実行されてもよい。或いは、ステップS1~S4の処理を実行後、情報処理装置1の操作入力に応じて、又は、情報処理装置1にて選択を受け付けた領域について、ステップS5~S7の処理が実行されてもよい。
【0052】
ステップS1~S7の特定処理を実行することにより特定された、所定の属性を有する不動産の住所(住居表示及び/又は地番)、その不動産の所有者、及び、その所有者の連絡先は、情報処理装置1のストレージ部13に記憶されてもよい。
【0053】
ユーザは、以下に示すように、本発明の実施の形態に係るシステムを利用して、所定の属性を有する不動産の所有者とその連絡先を特定し、所有者に対して種々の提案をすることができる。例えば、ユーザは、システムを利用することで、撮影画像から空き家や遊休地を特定し、それらの不動産の所有者に、上記の連絡方法を利用して、不動産の売却や貸地の提案をすることができる。また、撮影画像から空き家や遊休地を特定し、それらの不動産の所有者に、上記の連絡方法を利用して、不動産活用の提案をすることができる。不動産活用の方法としては、アパート若しくはマンションの建築、店舗若しくは倉庫の建築、又は、月極駐車場若しくはコインパーキングの設置などがあげられる。
【0054】
また、ユーザはシステムを利用して、撮影画像から築年数の古い建物を特定し、それら古い建物の所有者に、建物の修繕、リフォーム、又は、建て替えの提案をすることができる。さらに、システムを利用して、撮影画像からアパートやマンション(分譲を除く)等の賃貸物件を特定し、それらの不動産の所有者に賃貸物件の管理サービス、清掃サービス、看板の設置、自動販売機の設置、アンテナの設置等を提案することができる。
【0055】
ユーザはシステムを利用して、撮影画像と、撮影画像に対応する地域の植生に関する情報をもとに、田畑で耕作している農作物の種別を特定し、それらの不動産の所有者に、どのような作物を育てた方がいいかを提案することができる。また、ユーザはシステムを利用して、通常の撮影画像と、地上を上空から撮影した熱赤外線画像とを用いて、建物の利用頻度が低い、又は、空き状況にある建物を特定し、それらの土地又は建物の所有者に、売却や賃貸を提案することができる。さらには、撮影画像と、人流データとをもとに、どの地域に人が集まっているのかを特定し、人が集まっている地域において、店舗の出店が可能な土地や建物を特定して、その土地や建物の所有者に、貸地、建貸又は売却の相談をすることができる。
【0056】
ユーザはシステムを利用して、撮影画像から、大きな屋根がある建物や広大な土地を特定し、特定した建物や土地の所有者に太陽光発電設置の提案をすることができる。また、道路を新設する場合に、自治体や行政機関が収容する土地の状況を把握するために、システムを利用することができる。この場合、撮影画像から空き家や遊休地の所有者を特定して、それらの所有者と交渉することができる。
【0057】
上述した実施の形態では、ユーザが情報処理装置1を操作して、特定処理を実行することについて述べたが、例えば、ユーザがユーザ端末を操作して、ユーザ端末と通信接続が可能なサーバ装置において、ステップS1~S7の特定処理を実行することとしてもよい。この場合、サーバ装置が、上述した実施の形態における情報処理装置1として機能する。サーバ装置は、必要に応じて、ユーザ端末と情報の送受信を実行する。特定処理を実行した結果として得られた、所定の属性を有する不動産の住所、その不動産の所有者と所有者の連絡先は、サーバ装置からユーザ端末に送信され、ユーザ端末の表示画面に表示される。なお、ユーザ端末の数は、1以上であれば、特に限定されない。
【0058】
上述した実施の形態では、主に、地上を上空から撮影した撮影画像から、所定の属性を有する不動産に対応する領域を特定し、特定した領域の撮影画像における位置をもとに、特定した領域に対応する不動産の住所を特定することについて述べたが、例えば、本発明の実施の形態に係るシステムでは、撮影画像又は地図画像における1若しくは複数の地点又は1若しくは複数の領域について、その地点又は領域に対応する不動産の住所を特定し、特定した住所に対応する不動産の所有者を特定することができる。
【0059】
ここで地図画像は、必ずしも地上を上空から撮影した撮影画像である必要はなく、地図が表示された画像であればよい。地図画像は、地図の表示された撮影画像(撮影画像に対応する地図画像という)であってもよい。表示される地図画像の範囲の変更、拡大、縮小、又は、表示態様(例えば、撮影画像又は地図イラスト)の変更が、ユーザの操作入力により可能である。まず、ユーザが情報処理装置1の入力部14を操作して、撮影画像又は地図画像における1の地点又は領域を選択し、選択した地点又は領域に対応する不動産の住所を特定する。選択した地点又は領域に対応する不動産の住所の特定は、上述した実施の形態のステップS3及びS4、又は、ステップS4と同様の処理が実行される。
【0060】
具体的には、情報処理装置1は、撮影画像又は地図画像における選択された地点又は領域をもとに、選択された領域に対応する不動産の住所を特定する。情報処理装置1は、選択された地点又は領域の撮影画像又は地図画像における位置をもとに、選択された領域の少なくとも1の位置に対応する緯度経度を特定し、特定した緯度経度に対応する不動産の住所を特定してもよい。
【0061】
情報処理装置1のストレージ部13には、撮影画像が撮影された地域と同じ地域の地図データが予め登録されている。また、選択する際に利用される撮影画像は、撮影画像中の各地点又は各領域の、緯度経度を特定することが可能な画像データが用いられる。地図データでは、地図上の各領域又は各地点の緯度経度と関連付けて、各領域又は各地点の住所(地番又は住居表示)が記憶されている。また、地図画像では、地図上の各領域又は各地点と関連付けて、各領域又は各地点の緯度経度及び住所(地番又は住居表示)が記憶されている。
【0062】
そのため、撮像画像において地点又は領域が選択されると、情報処理装置1は、撮像画像における地点又は領域をもとに、該地点又は該領域の少なくとも1の位置に対応する緯度経度を特定することができる。情報処理装置1は、地図上の各領域又は各地点の緯度経度と関連付けて、各領域又は各地点の住所が記憶された地図データを参照し、特定された領域の少なくとも1の位置に対応する緯度経度に対応する住所(地番又は住居表示)を特定することができる。なお、情報処理装置1は、緯度経度を特定することなく、地図画像における地点又は領域をもとに、該地点又は領域に対応する不動産の住所を特定してもよい。或いは、情報処理装置1は、地図画像における地点又は領域をもとに、該地点又は領域に対応する緯度経度及び不動産の住所を特定してもよい。情報処理装置1は、平面上の直交座標系を利用して、特定した領域に対応する不動産の住所を特定してもよい。
【0063】
選択した地点又は領域に対応する不動産の住所を特定すると、住所と、該住所に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、特定した住所に対応する不動産の所有者の氏名とその連絡先を特定することができる。選択した地点又は領域に対応する不動産の所有者の氏名とその連絡先の特定は、上述した実施の形態のステップS6と同様の処理が実行される。
【0064】
具体的には、情報処理装置1は、住所と、該住所に対応する不動産の所有者が関連付けて記憶されたデータを用いて、不動産の所有者及びその連絡先を特定することができる。例えば、情報処理装置1のストレージ部13には、住所(地番)と関連付けて、住所(地番)に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先が記憶された所有者マスターテーブルが登録されており、情報処理装置1は、所有者マスターテーブルを参照することで、特定した住所又は特定した地番に対応する所有者及びその連絡先を特定することができる。その他、情報処理装置1が、他のコンピュータ装置から構成されるシステムと連携して、特定した地番に対応する所有者及びその連絡先を特定してもよい。
【0065】
或いは、ユーザが情報処理装置1の入力部14を操作して、撮影画像又は地図画像における複数の地点又は複数の領域を選択し、選択した複数の地点又は複数の領域に対応する不動産の住所をそれぞれ特定することとしてもよい。選択した複数の地点又は複数の領域に対応する不動産の住所の特定は、それぞれの地点又は領域について、上述した実施の形態のステップS3及びS4、又は、ステップS4と同様の処理が実行される。そして、住所と、該住所に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、特定した複数の住所に対応する不動産の所有者の氏名とその連絡先をそれぞれ特定することができる。選択した地点又は領域に対応する不動産の所有者の氏名とその連絡先の特定は、上述した実施の形態のステップS6と同様の処理が実行される。
【0066】
ユーザが情報処理装置1の入力部14を操作して、撮影画像又は地図画像における複数の地点又は複数の領域を選択する場合、情報処理装置1は、撮影画像又は地図画像とともに、撮影画像上又は地図画像上に、選択された地点又は領域の少なくとも1の位置に、標識を表示する。標識上又は標識近傍には、所定の記号が表示されてもよい。所定の記号は、数字であってもよく、文字であってもよく、イラストであってもよい。所定の記号は、地点又は領域に応じて異なる記号が付与される。例えば、地図画像において選択した地点又は領域の順番に応じて、それぞれの地点又は領域に対応する所定の記号は「1」、「2」等と連続する数字で表されてもよい。
【0067】
また、ユーザが情報処理装置1の入力部14を操作して、撮影画像又は地図画像における複数の地点又は複数の領域を選択する場合、情報処理装置1は、1の表示画面において、特定した複数の住所を一覧で表示してもよく、1の表示画面において、特定した複数の住所に対応する不動産の所有者とその連絡先を一覧で表示してもよい。また、情報処理装置1は、選択した地点又は領域と、住所と、該住所に対応する不動産の所有者とその連絡先を、関連付けて表示する。「関連付けて表示する」とは、例えば、選択した地点又は領域に対応する所定の記号を地図画像上に表示し、選択した地点又は領域に対応する住所と、該住所に対応する不動産の所有者とその連絡先を、該所定の記号と同じ記号と共に、同じ行で表示することがあげられる。
【0068】
なお、ユーザは、撮影画像又は地図画像における複数の地点又は複数の領域を選択した後、さらに、不動産の住所を特定することに関する選択情報又は特定しないことに関する選択情報の入力を受け付けてもよい。情報処理装置1は、不動産の住所を特定することに関する選択情報の入力を受け付けた領域に対応する不動産の住所を特定する、又は、不動産の住所を特定しないことに関する選択情報の入力を受け付けた領域以外の領域に対応する不動産の住所を特定することとしてもよい。
【0069】
特定処理は、本発明の実施の形態に係るシステムを利用して、以下のようなプロセスを経て実施することができる。ここでは、ユーザ端末とサーバ装置とを備えるシステムにおいて、サーバ装置が、上記の情報処理装置1として機能する場合について、説明をする。まず、ユーザは、ユーザ端末にて専用のアプリケーションソフトウェアを起動し、ユーザを識別するユーザID及びユーザIDごとに設定されたパスワードを入力する。サーバ装置では、ユーザ端末にて入力されたユーザID、パスワードを受信し、ユーザの認証を行い、ユーザのシステムへのログインを許可する。
【0070】
システムへログインをすると、ユーザは、ユーザ端末に、特定処理の対象となる地域を入力することができる(ステップS1に相当)。例えば、ユーザは、ユーザ端末に、地域として「東京都千代田区霞が関」といったように、町名までを入力する。
【0071】
なお、ユーザは、ユーザ端末に、地名を入力するのではなく、特定の場所を入力してもよく、特定の建物名を入力してもよく、特定の座標(例えば緯度経度や住所)を入力してもよい。この場合、ユーザは、ユーザ端末に、入力された場所から、特定処理の対象となる地域の範囲を特定するための距離(半径)を入力する。ユーザは、距離を数値で入力してもよく、距離を時間で入力してもよい。距離を時間で入力する場合、距離と該距離を移動するための時間の対応関係より、入力された時間から距離が算出される。ユーザ端末に、距離を数値で入力する場合、距離と該距離を移動するための時間の対応関係に関する情報が表示されてもよい。例えば、ユーザ端末にて、「徒歩1分=約80m、車1分=約400m」という表示がされてもよい。
【0072】
また、ユーザは、特定処理にて特定しようとする不動産の属性を入力することができる。例えば、不動産の属性(不動産の種別)を入力するための選択肢として、空き家、古家、駐車場、古店舗、田畑、アパートなどの不動産の属性についての選択肢が用意されており、ユーザは、ユーザ端末を操作して、これらのいずれかを選択することができる。
【0073】
ユーザが、ユーザ端末にて、特定処理の対象となる地域、特定を希望する不動産の属性を入力すると、サーバ装置においてステップS2~S4の処理が実行され、入力した属性に対応する不動産が存在する住所が特定される。サーバ装置では、特定された不動産の数又は住所の数が集計される。集計された不動産の数又は住所の数は、ユーザ端末に送信され、表示画面に表示される。ユーザは、ユーザ端末を操作して、特定された不動産の住所一覧の表示画面への表示要求をすることができる。この場合、特定された不動産の住所一覧の表示を実行すると、ユーザに対して課金することとしてもよい。
【0074】
ユーザがユーザ端末の表示画面中の、特定された不動産の住所一覧の表示要求をするためのボタンを選択すると、ユーザ端末の表示画面に不動産の住所一覧が表示される。表示画面の不動産の表示一覧には、不動産の属性(例えば、遊休地)と関連付けて、住所が表示される。また、不動産ごとにチェックボックスが設けられており、チェックボックスにチェックを入れた不動産について、リスト登録をしておくことができる。リスト登録をした不動産については、アプリケーションを一度終了して、再度起動した場合でも、ユーザ端末にて、住所等を表示させて確認することができる。
【0075】
或いは、ユーザが、ユーザ端末にて、特定処理の対象となる地域、特定を希望する不動産の属性を入力すると、サーバ装置においてステップS2~S4の処理が実行され、入力した属性に対応する不動産が存在する緯度経度、及び/又は、住所が特定される。特定された情報は、ユーザ端末に送信され、表示画面に表示される。また、サーバ装置では、特定された不動産の数又は住所の数が集計される。集計された不動産の数又は住所の数は、ユーザ端末に送信され、表示画面に表示される。或いは、ユーザが、ユーザ端末にて、特定処理の対象となる地域、特定を希望する不動産の属性を入力すると、サーバ装置においてステップS2及びS3の処理が実行され、入力した属性に対応する不動産が存在する緯度経度が特定されることとしてもよい。特定された情報は、ユーザ端末に送信され、表示画面に表示される。
【0076】
ユーザは、ユーザ端末を操作して、ステップS6又はS7の処理を実行するための要求をすることができる。例えば、ステップS6又はS7の処理を実行する場合に、ユーザに対して課金をするようにすることもできる。ユーザが、ユーザ端末の表示画面に表示された、ステップS6の処理を実行するための要求ボタンを選択すると、ステップS5及びS6又はステップS4~S6の処理が実行されてもよい。この場合、ステップS5及びS6又はステップS4~S6の処理を実行すると、ユーザに対して課金することとしてもよい。或いは、ユーザが、ユーザ端末の表示画面に表示された、ステップS7の処理を実行するための要求ボタンを選択すると、ステップS5~S7又はステップS4~S7の処理が実行されてもよい。この場合、ステップS5~S7又はステップS4~S7の処理を実行すると、ユーザに対して課金することとしてもよい。
【0077】
次に、本発明の実施の形態に係るシステムによる第2の不動産及び所有者特定処理について説明をする。図4は、本発明の実施の形態に係る第2の不動産及び所有者特定処理のフローチャートを示す図である。ユーザは、情報処理装置1の入力部14を操作して、第2の不動産及び所有者特定処理(以下、第2の不動産及び所有者特定処理を「第2特定処理」という)を実行するための専用のアプリケーションソフトウェアを起動する。ユーザは、情報処理装置1の入力部14を操作して、所定の条件を満たす不動産の所有者を特定するための第2特定処理を開始する。
【0078】
ユーザが情報処理装置1の入力部14を操作して、第2特定処理の対象となる不動産、店舗又は施設のキーワード(属性情報ともいう)を入力すると、情報処理装置1は、入力されたキーワードを受け付ける(ステップS11)。ここで、不動産等のキーワード(属性情報)は、地域、レストランや材木屋等の不動産等の種類、閉店等の営業状況、不動産等の名称のいずれであってもよい。ステップS11では、ユーザは、地域とその他の情報とを入力する。不動産のキーワードの入力には、地名等の文字列をキーボードやソフトウェアキーボード等により入力する場合や、あらかじめ設けられた地域ごとの選択肢を選択する場合を含む。ステップS11では、ユーザが、文字列を入力すると、情報処理装置1は、入力された文字列を受け付ける。
【0079】
次に、情報処理装置1は、受け付けたキーワードをもとに、所定の条件を満たす不動産、店舗又は施設が特定される(ステップS12)。ステップS12では、受け付けたキーワードをもとに、所定の条件を満たす不動産、店舗又は施設や、不動産、店舗又は施設の名称が特定されてもよい。
【0080】
次に、情報処理装置1は、予め設定された、住所と、該住所に対応する不動産、店舗又は施設との対応関係をもとに、ステップS12にて特定された不動産、店舗又は施設に対応する住所(住居表示又は地番)を特定する(ステップS13)。ステップS13では、予め設定された、住所と、該住所に対応する不動産、店舗又は施設の名称との対応関係をもとに、ステップS12にて特定された不動産、店舗又は施設の名称に対応する住所を特定してもよい。
【0081】
ステップS12及びステップS13にて利用される、住所と、該住所に対応する不動産、店舗又は施設の属性情報との対応関係に関するデータは、情報処理装置1のストレージ部13において予め記憶されていてもよい。また、住所と、該住所に対応する不動産、店舗又は施設の属性情報との対応関係に関するデータとして、インターネット上で提供されている地図データを活用してもよい。地図データには、住所と、該住所に対応する不動産、店舗又は施設の属性情報との対応関係が記憶されている。インターネット上で提供されている地図データを活用する場合、情報処理装置1は、他のコンピュータ装置から、これらの地図データにおける住所と、該住所に対応する不動産、店舗又は施設の属性情報との対応関係に関するデータを取得する。
【0082】
例えば、ステップS11にて「荘」という文字列を受け付けた場合、ステップS12及びS13では、「○○荘」というような和風のアパートで、築年数が経過した建物の名称と、その建物の住所を特定することができる。また、ステップS11にて「レストラン」という文字列を受け付けた場合、ステップS12及びS13では、「○○レストラン」というような洋食店の名称と、その洋食店の住所を特定することができる。
【0083】
例えば、ステップS11にて「レストラン」及び「閉業」という文字列を受け付けた場合、ステップS12及びS13では、「レストラン」であって、「閉業」した建物と、その建物の住所を特定することができる。情報処理装置1は、「レストラン」という文字列を受け付けた場合、「レストラン」という文字列を含む店舗だけでなく、飲食店の属性情報が登録された店舗を特定してもよい。また、情報処理装置1は、「閉業」という文字列を受け付けた場合、「閉店」「休業」「閉業予定」等といった類似する属性情報が登録された店舗を特定してもよい。
【0084】
ステップS11にて受け付けた文字列が地域の場合、情報処理装置1は、文字列と完全一致又は部分一致する属性情報を有する不動産、店舗又は施設を特定できる。また、ステップS11にて受け付けた文字列が不動産等の種類、営業状況、又は、不動産等の名称の場合、情報処理装置1は、文字列と完全一致、部分一致、又は類似する属性情報を有する不動産、店舗又は施設を特定できる。このように、所定の属性情報を有する不動産や店舗について用いられる文字列を、ステップS11にて入力することで、所定の属性情報を有する不動産を特定することが可能となる。
【0085】
次に、住所と、該住所に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、特定した住所に対応する不動産の所有者を特定する(ステップS14)。ステップS14では、住所と、住所に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先との対応関係をもとに、特定した住所に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先を特定してもよい。ステップS13において地番を特定した場合は、地番と、地番に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、特定した地番に対応する不動産の所有者及びその連絡先を特定する。なお、不動産の所有者は、店舗、施設、又は、店舗若しくは施設のある土地の所有者も含む。
【0086】
特定した住所に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先を特定する方法は、特に限定されないが、住所と、住所に対応する不動産の所有者が関連付けて記憶されたデータを用いて、不動産の所有者及びその連絡先を特定することが好ましい。例えば、情報処理装置1のストレージ部13には、住所(地番)と関連付けて、住所(地番)に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先が記憶された所有者マスターテーブルが登録されており、所有者マスターテーブルを参照することで、ステップS13にて特定した住所に対応する所有者及びその連絡先を特定することができる。その他、情報処理装置1が、他のコンピュータ装置から構成されるシステムと連携して、ステップS13にて特定した地番に対応する所有者及びその連絡先を特定してもよい。
【0087】
ステップS14にて特定される「所有者」とは、所有者の氏名である。また、ステップS14にて特定される所有者の連絡先としては、特に限定されないが、固定の電話番号、携帯電話の電話番号、メールアドレス、ファクシミリ番号、住所(住居表示)、郵便番号等をあげることができる。特定された所有者の氏名及び連絡先を情報処理装置1の表示部15に表示する等の出力をすることで、ユーザは、不動産の所有者に対して、電話、eメール、ファクシミリ、郵便物等により連絡をとることが可能となる。
【0088】
次に、情報処理装置1は、ステップS14にて特定した所有者の連絡先を利用して、特定した所有者、つまり所定の属性情報を有する不動産の所有者へ所定の情報を送信する(ステップS15)。ステップS15にて送信される所定の情報は、特に限定されない。所定の情報は、ユーザが情報処理装置1の入力部14を送信して、ストレージ部13に記憶しておくことができる。ストレージ部13に記憶された所定の情報は、ステップS15を実行するにあたり読み出される。
【0089】
ステップS15にて不動産の所有者へ送信される所定の情報は、所定の属性情報の種類や、ユーザの目的に応じて適宜変更することができる。ステップS15において、所定の情報を送信する方法も特に限定されない。所定の情報を送信する方法は、ユーザが情報処理装置1の入力部14を操作して、選択できるようにしてもよい。
【0090】
また、ステップS15の不動産の所有者へ所定の情報を送信する処理に代えて、或いは、不動産の所有者へ所定の情報を送信する処理に加えて、ステップS14にて特定した不動産の所有者へ、所定の情報を送信するための送信情報又は送付物を送付するための送付情報を他のコンピュータ装置へ送信する処理、前記送付情報を媒体に印刷するよう制御する処理、及び/又は、前記送付情報を記憶媒体に記憶する処理等を実行することもできる。ステップS14を実行した後に、これらのいずれの処理を実行するかについては、適宜設計することが可能である。ユーザが情報処理装置1の入力部14を操作することで、これらのいずれの処理を実行するかを選択できるようにすることも可能である。
【0091】
ステップS14にて特定した所有者へ、所定の情報を送信するための送信情報を、他のコンピュータ装置へ送信する処理を実行することで、他のコンピュータ装置から、所有者へ、eメールやファクシミリで所定の情報を送信することが可能となる。また、ステップS14にて特定した所有者へ、送付物を送付するための送付情報を、他の事業者等が運営する他のコンピュータ装置へ送信する処理を実行することで、他の事業者等から、所有者へ送付物を宅配や郵便により送付することができる。ステップS14にて特定した所有者へ、送付物を送付するための送付情報(所有者の氏名と住所)を媒体に印刷するよう制御する処理を実行することで、さらには、ステップS14にて特定した所有者へ、送付物を送付するための送付情報(所有者の氏名とその連絡先、特定された不動産の住所(地番))を外部記憶媒体に記憶する処理等を実行することもできる。
【0092】
ステップS11~S15を実行することにより、第2特定処理は終了する。ステップS11~S15の第2特定処理を実行することにより特定された不動産の住所(住居表示及び地番)、その不動産の所有者、及び、その所有者の連絡先は、情報処理装置1のストレージ部13に記憶されてもよい。
【0093】
上述した実施の形態では、ユーザが情報処理装置1を操作して、第2特定処理を実行することについて述べたが、例えば、ユーザがユーザ端末を操作して、ユーザ端末と通信接続が可能なサーバ装置において、ステップS11~S15の第2特定処理を実行することとしてもよい。この場合、サーバ装置が、上述した実施の形態における情報処理装置1として機能する。サーバ装置は、必要に応じて、ユーザ端末と情報の送受信を実行する。第2特定処理を実行した結果として得られた、所定の属性情報を有する不動産の住所、その不動産の所有者と所有者の連絡先は、サーバ装置からユーザ端末に送信され、ユーザ端末の表示画面に表示される。なお、ユーザ端末の数は、1以上であれば、特に限定されない。
【0094】
本発明の実施の形態に係るシステムは、国、自治体、民間企業等により公表されているオープンデータを活用することも可能である。本発明の実施の形態に係るシステムにおいて活用できるオープンデータとしては特に限定されないが、人口あたりの犯罪件数、人口あたりの交通事故件数、人口あたりの病院数、人口あたりのコミュニティーセンター数、人口あたりの図書館数、人口あたりの介護老人福祉施設数、人口あたりのレストラン数、人口あたりの小売店数、人口あたりの大型スーパー数、人口あたりのデパート数、人口あたりの児童福祉施設数、緑地の密度、夏季又は冬季の気温、人口密度、地域の税収、医療費の補助額、子育て世代数、地表面温度、エアロゾルの光学的厚さ(ウィルス感染リスク)、大気汚染、不浸透性指数、気候(温度、湿度、風向き、風速、降水量、積雪、日照時間、日射量、露点、可視性、気圧)、空気清浄度、転出入人口比率、道路密度、交通量、汚水処理人口普及率、水道料金、騒音、地震(活断層)、治水(ハザードマップ)、放射量、カフェの密度、電車の駅からの距離、バス停からの距離、平均住宅地地価、財政力指数、住民税、平均所得額、平均住宅延べ床面積、都市計画区域(用途地域)、公示価格、基準地価、路線価、ハザード情報(土砂災害、津波、洪水)などを活用することができる。これらのデータは、例えば、地域、住所又は緯度経度と関連づけて、記憶されている。
【0095】
これらのオープンデータの活用方法としては特に限定されないが、ステップS7及び/又はステップS15等において、不動産の所有者に対して送信する情報又は送付する送付物の内容を、上記のオープンデータに応じて変更することもできる。例えば、不動産の所有者に対して送信する情報又は送付する送付物にて、空き家の所有者へ不動産活用の提案をする場合であっても、空き家の住所が人口密度の高い地域(人口密度が閾値以上の地域)にある場合は、マンションやアパートなどの住宅として活用することを提案し、空き家の住所が人口密度の低い地域にある場合は、住宅以外の施設として活用することを提案することができる。
【0096】
本発明の実施の形態によれば、地上を上空から撮影した撮影画像から、所定の属性を有する不動産に対応する領域を特定し、特定した領域に対応する不動産の住所を特定することで、撮影画像から所定の属性を有する不動産の住所を特定することができる。また、本発明の実施の形態によれば、特定した領域の少なくとも1の位置に対応する緯度及び経度を特定し、特定した緯度及び経度に対応する不動産の住所を特定することができる。
【0097】
本発明の実施の形態によれば、住所と、該住所に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、所定の属性を有する不動産の所有者を特定することができる。
【0098】
本発明の実施の形態によれば、住所と、該住所に対応する不動産の所有者及び所有者の連絡先との対応関係をもとに、所定の属性を有する不動産の所有者及び所有者の連絡先を特定することができる。本発明の実施の形態によれば、地番と、地番に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、特定した地番に対応する不動産の所有者を特定することができる。
【0099】
本発明の実施の形態によれば、所定の属性を有する不動産を所有する所有者を特定し、所有者へ所定の情報を送信する、所有者へ所定の情報を送信するための送信情報又は送付物を送付するための送付情報を他のコンピュータ装置へ送信する、前記送付情報を媒体に印刷するよう制御する、及び/又は、前記送付情報を記憶媒体に記憶することができる。
【0100】
本発明の実施の形態によれば、複数の地点又は複数の領域の地図画像における位置をもとに、前記複数の地点又は複数の領域に対応する不動産の住所をそれぞれ特定し、住所と、該住所に対応する不動産の所有者との対応関係をもとに、特定した複数の住所に対応する不動産の所有者を特定することができる。
【0101】
本発明の実施の形態によれば、住所と、該住所に対応する不動産、店舗又は施設の属性情報との対応関係をもとに、所定の条件を満たす不動産、店舗又は施設の名称に対応する住所を特定し、特定した住所に対応する不動産の所有者を特定することができる。
【0102】
本発明の実施の形態によれば、文字列の入力を受け付け、受け付けた文字列を含む不動産、店舗又は施設の名称に対応する住所を特定することができる。
【0103】
1 情報処理装置、 11 制御部、 12 RAM、 13 ストレージ部、
14 入力部、 15 表示部、 16 通信インタフェース、
21 地図データ、 22 撮影画像、 23 領域
図1
図2
図3
図4