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特開2024-138106流路形成板、これを備える翼及びガスタービン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138106
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】流路形成板、これを備える翼及びガスタービン
(51)【国際特許分類】
   F01D 9/02 20060101AFI20240927BHJP
   F01D 25/12 20060101ALI20240927BHJP
   F02C 7/18 20060101ALI20240927BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
F01D9/02 102
F01D25/12 E
F02C7/18 E
F02C7/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024120889
(22)【出願日】2024-07-26
(62)【分割の表示】P 2021008642の分割
【原出願日】2021-01-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】坂本 輝矢
(72)【発明者】
【氏名】福井 嘉夫
(57)【要約】
【課題】流路形成板での冷却空気の使用量を抑える。
【解決手段】流路形成板は、燃焼ガスに接するガスパス面と、ガスパス面に対して反対側を向く反ガスパス面と、ガスパス面の周縁に形成されている端面と、ガスパス面と反ガスパス面との間に形成され、冷却空気が流れる側通路と、を有する。前記端面は、後端面と、前端面と、側端面と、を有する。側通路は、ガスパス面と側端面に沿って、側端面が延びている方向に延びる主通路部と、主通路部の下流側の端から後端面に向かって延びて後端面で開口する少なくとも一の絞り通路部と、を有する。少なくとも一の絞り通路部における後端面での開口の面積は、主通路部の断面積より小さい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンで燃焼ガスが流れる燃焼ガス流路を画定する流路形成板において、
前記燃焼ガスに接するガスパス面と、
前記ガスパス面に対して反対側を向く反ガスパス面と、
前記ガスパス面の周縁に形成されている端面と、
前記ガスパス面と前記反ガスパス面との間に形成され、冷却空気が流れる少なくとも一の側通路と、
を有し、
前記端面は、前記燃焼ガスが流れる下流側を向く後端面と、前記下流側とは反対側の上流側を向き且つ前記後端面と背合わせの関係にある前端面と、前記後端面と前記前端面とが並ぶガス流れ方向に対して垂直な側方向を向く側端面と、を有し、
前記少なくとも一の側通路は、前記ガスパス面と前記側端面に沿って、前記側端面が延びている方向に延びる主通路部と、前記主通路部の前記下流側の端から前記後端面に向かって延びて前記後端面で開口する少なくとも一の絞り通路部と、を有し、
前記少なくとも一の絞り通路部における前記後端面での開口の面積は、前記主通路部の断面積より小さい、
流路形成板。
【請求項2】
請求項1に記載の流路形成板において、
前記側端面は、前記側方向における一方の側である側方第一側と他方の側である側方第二側とのうち、前記側方第一側を向く第一側端面と、前記側方第二側を向く第二側端面と、を有し、
前記少なくとも一の側通路は、第一側通路と第二側通路とを有し、
前記第一側通路は、前記第一側端面に沿い、
前記第二側通路は、前記第二側端面に沿う、
流路形成板。
【請求項3】
請求項2に記載の流路形成板において、
さらに、前記端面に沿って設けられている周壁と、
複数の後端噴出通路と、
を有し、
前記周壁は、前記反ガスパス面に対して前記ガスパス面が存在する側であるガスパス側と、前記ガスパス面に対して前記反ガスパス面が存在する反ガスパス側とのうち、前記反ガスパス側に前記反ガスパス面から突出し、
前記反ガスパス面と前記周壁とで、前記ガスパス側に凹み、冷却空気が流入する凹部が形成され、
前記複数の後端噴出通路は、いずれも、前記後端面から前記凹部を画定する面に貫通し、
前記複数の後端噴出通路は、前記第一側通路と前記第二側通路との間で、前記側方向に並んでいる、
流路形成板。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の流路形成板において、
前記少なくとも一の絞り通路部は、複数の絞り通路部を有し、
前記複数の絞り通路部は、前記ガスパス面と平行な方向に並ぶ、
流路形成板。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の流路形成板において、
前記少なくとも一の絞り通路部は、前記主通路部が延びる通路延在方向と同じ方向に延びる、
流路形成板。
【請求項6】
ガスタービンで燃焼ガスが流れる燃焼ガス流路を画定する流路形成板において、
前記燃焼ガスに接するガスパス面と、
前記ガスパス面に対して反対側を向く反ガスパス面と、
前記ガスパス面の周縁に形成されている端面と、
前記ガスパス面と前記反ガスパス面との間に形成されている少なくとも一の側通路と、
を有し、
前記少なくとも一の側通路は、前記ガスパス面に沿って前記端面の一部に向かって延びる主通路部と、前記主通路部の端から前記端面の一部に延びて前記端面の一部で開口する複数の絞り通路部と、を有し、
前記複数の絞り通路部は、いずれも、前記主通路部が延びる通路延在方向に延び、
前記複数の絞り通路部は、前記ガスパス面と平行な方向に並び、
前記複数の絞り通路部毎の前記端面の一部での開口の合計面積は、前記主通路部の断面積より小さい、
流路形成板。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の流路形成板において、
前記通路延在方向に対して垂直で且つ前記ガスパス面に平行な方向における前記主通路部の幅は、前記通路延在方向に対して垂直で且つ前記ガスパス面に垂直な方向における前記主通路部の幅より広い、
流路形成板。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか一項に記載の流路形成板において、
前記主通路部で、前記主通路部内の空間を画定する面のうち、前記ガスパス面と反対側を向く面は、前記通路延在方向に凹凸が繰り返される凹凸面である、
流路形成板。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の流路形成板において、
前記少なくとも一の側通路は、前記少なくとも一の側通路を流れた冷却空気の出口として、前記少なくとも一の絞り通路部における前記開口のみを有する、
流路形成板。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の流路形成板と、
前記ガスパス面から、前記ガスパス面に対して垂直な方向成分を有する翼高さ方向に延び、前記翼高さ方向に対して垂直な断面形状が翼形を成す翼体と、
を備える翼。
【請求項11】
燃焼ガスを生成する燃焼器と、
燃焼ガスで駆動するタービンと、
を備え、
前記タービンは、請求項1から9のいずれか一項に記載の流路形成板を有する、
ガスタービン。
【請求項12】
ガスタービンで燃焼ガスが流れる燃焼ガス流路を画定する流路形成板の製造方法において、
中間品形成工程と、溝形成工程と、蓋配置工程と、通路形成工程と、を実行し、
前記中間品形成工程では、前記燃焼ガスに接するガスパス面と、前記ガスパス面に対して反対側を向く反ガスパス面と、前記ガスパス面の周縁に形成されている端面と、を有する中間品を形成し、
前記端面は、前記燃焼ガスが流れる下流側を向く後端面と、前記下流側とは反対側の上流側を向き且つ前記後端面と背合わせの関係にある前端面と、前記後端面と前記前端面とが並ぶガス流れ方向に対して垂直な側方向を向く側端面と、を有し、
前記溝形成工程では、前記中間品の前記側端面中で、前記上流側の部分及び前記下流側の部分を残し、前記側端面から前記側端面に対して垂直な方向に凹み且つ前記側端面が延びている方向に延びる溝を形成し、
前記蓋配置工程では、前記溝の開口を蓋部材で塞ぎ、前記溝と前記蓋部材とで、前記側端面に沿って、前記側端面が延びている方向に延びる主通路部を形成し、
前記通路形成工程では、前記後端面から前記主通路部内に貫通する少なくとも一の絞り通路部を形成し、
前記少なくとも一の絞り通路部における前記後端面での開口の面積は、前記主通路部の断面積より小さい、
流路形成板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼ガスが流れる燃焼ガス流路を画定する流路形成板、これを備える翼及びガスタービン、並びに、流路形成板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンは、空気を圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機と、圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、燃焼ガスにより駆動するタービンと、を備える。タービンは、燃焼ガスが流れる燃焼ガス流路を画定する流路形成板を有する。この流路形成板は、燃焼ガスに晒されるため、冷却する必要がある。このため、流路形成板には、冷却空気が流れる冷却空気通路が形成されている。
【0003】
例えば、以下の特許文献1に記載の流路形成板は、燃焼ガスに接するガスパス面と、ガスパス面に対して反対側を向く反ガスパス面と、ガスパス面の周縁に形成されている端面と、ガスパス面と反ガスパス面との間に形成されている複数の冷却空気通路と、を有する。端面は、後端面と、前端面と、側端面と、を有する。複数の冷却空気通路のうち、一つの冷却空気通路は、側端面に沿って延び、後端面で開口している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-035239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の技術では、ガスタービンの圧縮機で生成された圧縮空気の一部が、流路形成板の複数の冷却空気通路を流れる冷却空気として用いられる。すなわち、圧縮機で生成された圧縮空気は、一部が流路形成板に送られ、残りが燃焼器に送られることになる。このため、流路形成板に送られる圧縮空気の流量が多くなると、燃焼器に送られる圧縮空気の流量が少なくなり、ガスタービンの効率が低下する。よって、流路形成板での冷却空気の使用量を抑えることが望まれる。
【0006】
そこで、本発明は、冷却空気の使用量を抑えることができる流路形成板、これを備える翼、これを備えているガスタービン、及び流路形成板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための発明に係る一態様としての流路形成板は、
ガスタービンで燃焼ガスが流れる燃焼ガス流路を画定する流路形成板において、前記燃焼ガスに接するガスパス面と、前記ガスパス面に対して反対側を向く反ガスパス面と、前記ガスパス面の周縁に形成されている端面と、前記ガスパス面と前記反ガスパス面との間に形成され、冷却空気が流れる少なくとも一の側通路と、を有する。前記端面は、前記燃焼ガスが流れる下流側を向く後端面と、前記下流側とは反対側の上流側を向き且つ前記後端面と背合わせの関係にある前端面と、前記後端面と前記前端面とが並ぶガス流れ方向に対して垂直な側方向を向く側端面と、を有する。前記少なくとも一の側通路は、前記ガスパス面と前記側端面に沿って、前記側端面が延びている方向に延びる主通路部と、前記主通路部の前記下流側の端から前記後端面に向かって延びて前記後端面で開口する少なくとも一の絞り通路部と、を有する。前記少なくとも一の絞り通路部における前記後端面での開口の面積は、前記主通路部の断面積より小さい。
【0008】
本態様では、側通路が少なくとも一つの絞り通路部を有しているので、絞り通路部がない場合よりも、この側通路を通る冷却空気の流量を抑えることができる。また、本態様では、側通路における冷却空気の入口から冷却空気の出口までの間の各位置での断面積が同じ場合と比べて、主通路部における断面積を大きくすることができる。このため、側通路を反ガスパス側からガスパス面に投影した場合、ガスパス面中における側通路の投影面積を広くすることが可能で、ガスパス面を広域にわたって冷却することができる。
【0009】
前記目的を達成するための他の態様としての流路形成板は、
ガスタービンで燃焼ガスが流れる燃焼ガス流路を画定する流路形成板において、前記燃焼ガスに接するガスパス面と、前記ガスパス面に対して反対側を向く反ガスパス面と、前記ガスパス面の周縁に形成されている端面と、前記ガスパス面と前記反ガスパス面との間に形成されている少なくとも一の側通路と、を有する。前記少なくとも一の側通路は、前記ガスパス面に沿って前記端面の一部に向かって延びる主通路部と、前記主通路部の端から前記端面の一部に延びて前記端面の一部で開口する複数の絞り通路部と、を有する。前記複数の絞り通路部は、いずれも、前記主通路部が延びる通路延在方向に延びる。前記複数の絞り通路部は、前記ガスパス面と平行な方向に並ぶ。前記複数の絞り通路部毎の前記端面の一部での開口の合計面積は、前記主通路部の断面積より小さい。
【0010】
本態様では、側通路が複数の絞り通路部を有しているので、絞り通路部がない場合よりも、この側通路を通る冷却空気の流量を抑えることができる。また、本態様では、側通路における冷却空気の入口から冷却空気の出口までの間の各位置での断面積が同じ場合と比べて、主通路部における断面積を大きくすることができる。このため、側通路を反ガスパス側からガスパス面に投影した場合、ガスパス面中における側通路の投影面積を広くすることが可能である。さらに、本態様では、複数の絞り通路部がガスパス面と平行な方向に並んでいる。よって、本態様の側通路により、ガスパス面を広範囲にわたって冷却することができる。
【0011】
前記目的を達成するための一態様としての翼は、
いずれかの前記態様における流路形成板と、前記ガスパス面から、前記ガスパス面に対して垂直な方向成分を有する翼高さ方向に延び、前記翼高さ方向に対して垂直な断面形状が翼形を成す翼体と、を備える。
【0012】
以上の実施形態におけるガスタービンは、例えば、以下のように把握される。
【0013】
前記目的を達成するための一態様としてのガスタービンは、
燃焼ガスを生成する燃焼器と、燃焼ガスで駆動するタービンと、を備える。前記タービンは、いずれかの前記態様における流路形成板を有する。
【0014】
前記目的を達成するための一態様としての製造方法は、
ガスタービンで燃焼ガスが流れる燃焼ガス流路を画定する流路形成板の製造方法において、中間品形成工程と、溝形成工程と、蓋配置工程と、通路形成工程と、を実行する。前記中間品形成工程では、前記燃焼ガスに接するガスパス面と、前記ガスパス面に対して反対側を向く反ガスパス面と、前記ガスパス面の周縁に形成されている端面と、を有する中間品を形成する。前記端面は、前記燃焼ガスが流れる下流側を向く後端面と、前記下流側とは反対側の上流側を向き且つ前記後端面と背合わせの関係にある前端面と、前記後端面と前記前端面とが並ぶガス流れ方向に対して垂直な側方向を向く側端面と、を有する。前記溝形成工程では、前記中間品の前記側端面中で、前記上流側の部分及び前記下流側の部分を残し、前記側端面から前記側端面に対して垂直な方向に凹み且つ前記側端面が延びている方向に延びる溝を形成する。前記蓋配置工程では、前記溝の開口を蓋部材で塞ぎ、前記溝と前記蓋部材とで、前記側端面に沿って、前記側端面が延びている方向に延びる主通路部を形成する。前記通路形成工程では、前記後端面から前記主通路部内に貫通する少なくとも一の絞り通路部を形成する。前記少なくとも一の絞り通路部における前記後端面での開口の面積は、前記主通路部の断面積より小さい。
【0015】
本態様で製造された流路形成板では、前記態様の流路形成板と同様、側通路を通る冷却空気の流量を抑えることができる。また、本態様で製造された流路形成板では、前記態様の流路形成板と同様、ガスパス面を広域にわたって冷却することができる。
【発明の効果】
【0016】
本開示の一態様によれば、冷却空気の使用量を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示に係る一実施形態におけるガスタービンの模式的な断面図である。
図2】本開示に係る一実施形態におけるガスタービンの要部断面図である。
図3】本開示に係る一実施形態における静翼の斜視図である。
図4図3におけるIV-IV線断面図である。
図5図4におけるV-V線断面図である。
図6】本開示に係る一実施形態における側通路の要部斜視図である。
図7】本開示に係る一実施形態における流路形成板の製造手順を示すフローチャートである。
図8】本開示に係る一実施形態における中間品形成工程及び溝形成工程を示す説明図である。
図9】本開示に係る一実施形態における蓋配置工程を示す説明図である。
図10】本開示に係る一実施形態における通路形成工程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
「ガスタービンの実施形態」
図1に示すように、本開示に係る一実施形態としてのガスタービンは、空気Aを圧縮して圧縮空気Acomを生成する圧縮機20と、圧縮空気Acom中で燃料Fを燃焼させて燃焼ガスGを生成する燃焼器30と、燃焼ガスGにより駆動するタービン40と、を備えている。
【0020】
圧縮機20は、軸線Arを中心として回転する圧縮機ロータ21と、圧縮機ロータ21を覆う圧縮機ケーシング25と、複数の静翼列26と、を有する。タービン40は、軸線Arを中心として回転するタービンロータ41と、タービンロータ41を覆うタービンケーシング45と、複数の静翼列46と、を有する。なお、以下では、軸線Arが延びる方向を軸線方向Da、この軸線Arを中心とした周方向を単に周方向Dcとし、軸線Arに対して垂直な方向を径方向Drとする。また、軸線方向Daの一方側を軸線上流側Dau、その反対側を軸線下流側Dadとする。また、径方向Drで軸線Arに近づく側を径方向内側Dri、その反対側を径方向外側Droとする。
【0021】
本実施形態のガスタービンは、さらに、中間ケーシング14を備えている。圧縮機20は、タービン40に対して軸線上流側Dauに配置されている。中間ケーシング14は、軸線方向Daで、圧縮機ケーシング25とタービンケーシング45との間に配置されている。圧縮機ケーシング25と中間ケーシング14とタービンケーシング45とは、互いに接続されてガスタービンケーシング15を成す。燃焼器30は、この中間ケーシング14に取り付けられている。圧縮機ロータ21とタービンロータ41とは、同一軸線Ar上に位置し、互いに接続されてガスタービンロータ11を成す。このガスタービンロータ11には、例えば、発電機GENのロータが接続されている。
【0022】
圧縮機ロータ21は、軸線Arを中心として軸線方向Daに延びるロータ軸22と、このロータ軸22に取り付けられている複数の動翼列23と、を有する。複数の動翼列23は、軸線方向Daに並んでいる。各動翼列23は、いずれも、周方向Dcに並んでいる複数の動翼23aで構成される。複数の動翼列23の各軸線上流側Dauには、複数の静翼列26のうちのいずれか一の静翼列26が配置されている。各静翼列26は、圧縮機ケーシング25の内側に設けられている。各静翼列26は、いずれも、周方向Dcに並んでいる複数の静翼26aで構成される。
【0023】
タービンロータ41は、軸線Arを中心として軸線方向Daに延びるロータ軸42と、このロータ軸42に取り付けられている複数の動翼列43と、を有する。複数の動翼列43は、軸線方向Daに並んでいる。各動翼列43は、いずれも、周方向Dcに並んでいる複数の動翼43aで構成される。複数の動翼列43の各軸線上流側Dauには、複数の静翼列46のうちのいずれか一の静翼列46が配置されている。各静翼列46は、タービンケーシング45の内側に設けられている。各静翼列46は、いずれも、周方向Dcに並んでいる複数の静翼46aで構成される。
【0024】
タービンケーシング45は、図2に示すように、その外殻を構成する筒状の外側ケーシング45aと、外側ケーシング45aの内側に固定されている内側ケーシング45bと、内側ケーシング45bの内側に固定されている複数の分割環45dと、静翼46a及び分割環45dを内側ケーシング45bに接続する遮熱環45cとを有する。複数の分割環45dは、いずれも、複数の静翼列46の相互の間の位置に設けられている。従って、各分割環45dの径方向内側Driには、動翼列43が配置されている。
【0025】
ロータ軸42の外周側とタービンケーシング45の内周側との間であって、軸線方向Daで静翼46a及び動翼43aが配置されている環状の空間は、燃焼器30からの燃焼ガスGが流れる燃焼ガス流路49を成す。この燃焼ガス流路49は、軸線Arを中心として環状を成し、軸線方向Daに長い。燃焼ガスGは、この燃焼ガス流路49内を基本的に軸線方向Daに流れる。このため、この軸線方向Daは、ガス流れ方向でもある。タービンケーシング45の内側ケーシング45bには、径方向外側Droから径方向内側Driに貫通する冷却空気通路(不図示)が形成されている。この冷却空気通路を通った冷却空気は、静翼50内及び分割環45dに導入されて、静翼50及び分割環45dの冷却に利用される。なお、静翼列46によっては、ガスタービンケーシング15内の空気が、冷却空気として、タービンケーシング45の冷却空気通路を経ずにこの静翼列46を構成する静翼50に供給される場合もある。
【0026】
以下、複数の静翼列46のうち、初段静翼列46を構成する静翼50に関する実施形態について説明する。
【0027】
「静翼の実施形態」
以下、本発明に係る静翼の一実施形態について、図3図10を参照して説明する。
【0028】
図3に示すように、本実施形態の静翼50は、翼体51と、内側シュラウド60iと、外側シュラウド60oと、リテーナ59と、を有する。翼体51は、断面形状が翼形を成し、この断面に対して垂直な方向成分を有する翼高さ方向Dhに延びている。内側シュラウド60iは、翼体51における翼高さ方向Dhの一方側の端に設けられている。外側シュラウド60oは、翼体51における翼高さ方向Dhの他方側の端に設けられている。翼体51と、内側シュラウド60iと、外側シュラウド60oとは、鋳物等で一体形成されている。
【0029】
静翼50がタービンケーシング45に取り付けられた状態(図2及び図3参照)では、翼高さ方向Dhが実質的に径方向Drになる。また、翼高さ方向Dhの一方側は、径方向内側Driになり、翼高さ方向Dhの他方側は、径方向外側Droになる。このため、内側シュラウド60iは、翼体51の径方向内側Driに設けられ、外側シュラウド60oは、翼体51の径方向外側Droに設けられることになる。
【0030】
翼体51の外面である翼面は、図3及び図4に示すように、前縁52と、後縁53と、凸状の面である負圧面54と、凹状の面である正圧面55と、を有する。前縁52及び後縁53は、負圧面54と正圧面55とのつながり部分に存在する。前縁52、後縁53、負圧面54及び正圧面55は、いずれも、翼高さ方向Dhである径方向Drに延びている。静翼50がタービンケーシング45に取り付けられた状態で、前縁52は、後縁53に対して軸線上流側Dauに位置する。また、静翼50がタービンケーシング45に取り付けられた状態で、負圧面54は、周方向(側方向)Dcの一方側である周方向負圧側(側方向第二側)Dcnを向き、正圧面55は、周方向Dcの他方側である周方向正圧側(側方向第一側)Dcpを向く。
【0031】
内側シュラウド60iは、環状の燃焼ガス流路49の径方向内側Driの縁を画定する。また、外側シュラウド60oは、環状の燃焼ガス流路49の径方向外側Droの縁を画定する。よって、静翼50の内側シュラウド60i及び外側シュラウド60oは、いずれも、流路形成板を構成する。
【0032】
流路形成板である外側シュラウド60o及び内側シュラウド60iは、図3に示すように、いずれも、シュラウド本体61と、周壁65と、を有する。シュラウド本体61は、軸線上流側Dauの端面である前端面62fと、軸線下流側Dadの端面である後端面62bと、周方向Dcで互いに相反する側を向いている一対の側端面63と、燃焼ガスGに接するガスパス面64pと、ガスパス面64pに対して反対側を向く反ガスパス面64oと、が形成されている。一対の側端面63のうち、周方向正圧側(側方向第一側)Dcpの端面は正圧側端面(第一側端面)63pを成し、周方向負圧側(側方向第二側)Dcnの端面は負圧側端面(第一側端面)63nを成す。前端面62fと後端面62bとは、ほぼ平行である。また、正圧側端面63pと負圧側端面63nとは、ほぼ平行である。よって、シュラウド本体61は、径方向Dcから見た場合、図4に示すように、平行四辺形状を成している。
【0033】
ここで、反ガスパス面64oに対してガスパス面64pが存在する側をガスパス側Drpとし、ガスパス面64pに対して反ガスパス面64oが存在する側を反ガスパス側Draとする。なお、外側シュラウド60oの反ガスパス側Draは、径方向外側Droであり、外側シュラウド60oのガスパス側Drpは、径方向内側Driである。また、内側シュラウド60iの反ガスパス側Draは、径方向内側Driであり、内側シュラウド60iのガスパス側Drpは、径方向外側Droである。
【0034】
周壁65は、反ガスパス面64oから反ガスパス側Draに突出している。この周壁65は、軸線方向Daで互いに対向する前壁65f及び後壁65bと、周方向Dcで互いに対向する一対の側壁65p,65nと、を有する。一対の側壁65p,65nのうち、周方向正圧側Dcpの側壁は正圧側壁65pを成し、周方向負圧側Dcnの側壁は負圧側壁65nを成す。前壁65f及び後壁65bは、いずれも、シュラウド本体61に対して、一対の側壁65p,65nよりも反ガスパス側Draに突出している。外側シュラウド60o及び内側シュラウド60iには、シュラウド本体61と周壁65とにより、ガスパス側Drpに向かって凹む凹部66が形成されている。なお、正圧側壁65pの周方向正圧側Dcpの面とシュラウド本体61の周方向正圧側Dcpの面とは面一である。また、負圧側壁65nの周方向負圧側Dcnの面とシュラウド本体61の周方向負圧側Dcnの面とは面一である。
【0035】
リテーナ59は、内側シュラウド60iの一対の側壁65p,65nから反ガスパス側Dra(径方向内側Dri)に突出している。このリテーナ59は、軸線方向Daにおいて前壁65fと後壁65bとの間に位置し、正圧側端面63pから負圧側端面63nにかけて形成されている。リテーナ59の正圧側端面は、内側シュラウド本体61iの正圧側端面63pと面一である。また、図示されていないが、リテーナ59の負圧側端面は、内側シュラウド本体61iの負圧側端面63nと面一である。このリテーナ59は、図2に示すように、ガスタービンケーシング15に固定されている内側カバー17の軸線下流側Dadの径方向外側端17aに接し、静翼50の径方向内側Driの部分を内側カバー17の径方向外側端17aに支持させるための役目を担う。
【0036】
外側シュラウド60o及び内側シュラウド60iは、さらに、図4に示すように、ガスパス面64pと反ガスパス面64oとの間に形成され、冷却空気が流れる一対の側通路70及び複数の後端噴出通路79を有する。ところで、前述したように、内側シュラウド60iには前述したリテーナ59が設けられ、外側シュラウド60oにはリテーナ59に相当する部材が設けられていない点で、内側シュラウド60iと外側シュラウド60oとは異なる。しかしながら、内側シュラウド60iと外側シュラウド60oとは、その他の構成が基本的に同じである。このため、以下では、外側シュラウド60oに関して説明する。
【0037】
一対の側通路70のうちの一方の側通路70は、正圧側通路(第一側通路)70pを成し、他方の側通路70は、負圧側通路(第二側通路)70nを成す。正圧側通路70pは、正圧側端面(第一側端面)63pに沿い、負圧側通路70nは、負圧側端面(第一側端面)63nに沿う。
【0038】
複数の後端噴出通路79は、いずれも、凹部66を画定する面から後端面62bに貫通している。複数の後端噴出通路79は、正圧側通路70pと負圧側通路70nとの間で、周方向(側方向)Dcに並んでいる。
【0039】
正圧側通路70p及び負圧側通路70nは、いずれも、図3図5に示すように、入口通路部71と、主通路部72と、二つの絞り通路部73と、を有する。
【0040】
正圧側通路70pの主通路部72は、ガスパス面64pと正圧側端面63pとに沿って、正圧側端面63pが延びている方向に延びている。正圧側通路70pの入口通路部71は、主通路部72の軸線上流側Dauの端から反ガスパス側Draに延び、正圧側壁65pの反ガスパス側Draを向く面で開口している。この開口は、正圧側通路70pの冷却空気の入口74である。二つの絞り通路部73は、いずれも、主通路部72の軸線下流側Dadの端から後端面62bに向かって延びて後端面62bで開口している。この開口は、正圧側通路70pの冷却空気の出口75である。正圧側通路70pにおける冷却空気の出口75は、この開口のみである。入口通路部71の開口、つまり入口74の面積は、主通路部72の断面積と実質的に同じである。また、二つの絞り通路部73の開口の合計面積、つまり出口75の合計面積は、主通路部72の断面積より小さい。
【0041】
負圧側通路70nの主通路部72は、ガスパス面64pと負圧側端面63nとに沿って、負圧側端面63nが延びている方向に延びている。負圧側通路70nの入口通路部71は、主通路部72の軸線上流側Dauの端から反ガスパス側Draに延び、負圧側壁65nの反ガスパス側Draを向く面で開口している。この開口は、負圧側通路70nの冷却空気の入口74である。二つの絞り通路部73は、いずれも、主通路部72の軸線下流側Dadの端から後端面62bに向かって延びて後端面62bで開口している。この開口は、負圧側通路70nの冷却空気の出口75である。負圧側通路70nにおける冷却空気の出口75は、この開口のみである。入口通路部71の開口、つまり入口74の面積は、主通路部72の断面積と実質的に同じである。また、二つの絞り通路部73の開口の合計面積、つまり出口75の合計面積は、主通路部72の断面積より小さい。
【0042】
正圧側通路70pの二つの絞り通路部73は、正圧側通路70pの主通路部72が延びている通路延在方向Dpに延びている。また、負圧側通路70nの二つの主通路部72も、負圧側通路70nの主通路部72が延びている通路延在方向Dpに延びている。なお、本実施形態では、正圧側通路70pの主通路部72が延びている通路延在方向Dpと負圧側通路70nの主通路部72が延びている通路延在方向Dpとは、同じ方向である。また、この通路延在方向Dpと側端面63が延びている方向とは、同じ方向である。
【0043】
図6に示すように、正圧側通路70p及び負圧側通路70nの各主通路部72の横幅Whは、正圧側通路70p及び負圧側通路70nの各主通路部72の縦幅Wvより広い。ここで、横幅Whとは、通路延在方向Dpに対して垂直で且つガスパス面64pに平行な方向における幅である。また、縦幅Wvとは、通路延在方向Dpに対して垂直で且つガスパス面64pに垂直な方向における幅である。
【0044】
正圧側通路70p及び負圧側通路70nの各主通路部72で、主通路部72内の空間を画定する面のうち、反ガスパス側Draを向く面は、通路延在方向Dpに凹凸が繰り返される凹凸面76である。よって、この凹凸面76は、主通路部72を流れる冷却空気のタービュレータとして機能する。
【0045】
次に、図7に示すフローチャートに従って、以上で説明した流路形成板(外側シュラウド60o又は内側シュラウド60i)の製造手順について説明する。
【0046】
まず、図8に示すように、流路形成板の外形状にあった中間品80を形成する(S1:中間品形成工程)。この中間品形成工程(S1)では、まず、流路形成板の外形状に合った内部空間が形成されている鋳型を形成する。鋳型は、例えば、ロストワックス法で形成する。次に、鋳型内に溶融金属を流し込む。この際、中間品80の内部に空間を形成する必要がある場合には、鋳型内にこの空間の形状に合った中子をセットしてから、溶融金属を流し込む。溶融金属が硬化すると中間品80が出来上がる。なお、鋳型内に中子をセットした場合には、溶融金属が硬化した後、この中子を化学薬品で溶解させる。この中間品80には、ガスパス面64pa、反ガスパス面64oa及び各種端面62fa,62ba,63a(63pa,63na)、さらに周壁65aの外面等が形成されている。但し、この中間品80におけるガスパス面64pa、反ガスパス面64oa及び各種端面62fa,62ba,63a(63pa,63na)、さらに周壁65aの外面等は、後述するように、完成品として流路形成板におけるガスパス面64p、反ガスパス面64o及び各種端面62f,62b,63(63p,63n)、さらに周壁65の外面等とは異なる。また、この中間品形成工程(S1)で形成される中間品80は、流路形成板と、この流路形成板と一体的な翼体とを有する。
【0047】
次に、図8及び図9に示すように、中間品80の正圧側端面(第一側端面)63pa及び負圧側端面(第二側端面)63naのそれぞれに、電解加工で溝81を形成する(S2: 溝形成工程)。この電解加工では、目的の溝の形状に合った第一電極85aを準備する。そして、この第一電極85aを正圧側端面63pから負圧側端面63nの側に移動させて、正圧側端面63pの側の溝81を形成すると共に、この第一電極85aを負圧側端面63nから正圧側端面63pの側に移動させて、負圧側端面63nの溝81を形成する。これらの溝81は、いずれも、各側端面63aの軸線上流側Dauの部分及び軸線下流側Dadの部分には形成されていない。つまり、この溝形成工程(S2)では、側端面63a中で、軸線上流側Dauの部分及び軸線下流側Dadの部分を残し、側端面63aからこの側端面63aに対して垂直な方向に凹み且つ側端面63aが延びている方向(通路延在方向Dp)に延びる溝81を形成する。この溝81を画定する面のうち、反ガスパス側Draを向く面は、通路延在方向Dpに凹凸が繰り返される凹凸面76になっている。なお、この溝81内の空間は、主通路部72を形成する。
【0048】
次に、図9に示すように、溝81の開口を蓋部材82で塞ぎ、溝81と蓋部材82とで、側端面63aに沿って、側端面63aが延びている方向(通路延在方向Dp)に延びる主通路部72を形成する(S3:蓋配置工程)。
【0049】
次に、図10に示すように、中間品80の後端面62baから主通路部72内に貫通する二つの絞り通路部73、中間品80の側壁65pa,65naで反ガスパス側Draを向く面から主通路部72内に貫通する入口通路部71、及び、後端面62baから中間品80の凹部66a内に貫通する複数の後端噴出通路79を形成する(S4: 通路形成工程)。この溝形成工程(S4)では、二つの絞り通路部73の形状に合った第二電極85bを用いて、電解加工により、二つの絞り通路部73を形成する。また、入口通路部71の形状に合った第三電極85cを用いて、入口通路部71を電解加工で形成する。さらに、複数の後端噴出通路79の形状に合った第四電極85dを用いて、複数の後端噴出通路79を電解加工で形成する。この通路形成工程(S4)の実行で、一対の側通路70及び複数の後端噴出通路79が形成される。
【0050】
最後に、中間品80の外面を機械加工等で研磨する。また、必要に応じて、中間品80の外面に耐熱コーティングを施す(S5:仕上げ工程)。この仕上げ工程(S5)の実行で、流路形成板のガスパス面64p、反ガスパス面64o、及び各種端面62f,62b,63(63p,63n)、さらに周壁65の外面等が最終的に形成され、この流路形成板が完成する。
【0051】
以上では、蓋配置工程(S3)の実行後に、二つの絞り通路部73、入口通路部71、及び複数の後端噴出通路79を形成する。しかしながら、蓋配置工程(S3)の実行前に、二つの絞り通路部73、入口通路部71、及び複数の後端噴出通路79を形成してもよい。また、以上では、溝81、各通路部71,73、及び後端噴出通路79を電解加工で形成したが、機械加工や放電加工等の他の加工方法で加工してもよい。
【0052】
本実施形態の流路形成板には、圧縮機20で生成された圧縮空気Acomの一部が冷却空気Acとして供給される。本実施形態の流路形成板は、この冷却空気Acにより冷却される。
【0053】
本実施形態の側通路70は、少なくとも一つの絞り通路部73を有しているので、絞り通路部73がない場合よりも、この側通路70を通る冷却空気Acの流量を抑えることができる。
【0054】
また、本実施形態では、側通路70における冷却空気Acの入口74から冷却空気Acの出口75までの間の各位置での断面積が同じ場合と比べて、主通路部72における断面積を大きくすることができる。このため、側通路70を反ガスパス側Draからガスパス面64pに投影した場合、ガスパス面64p中における側通路70の投影面積を広くすることが可能である。さらに、本実施形態では、主通路部72の横幅Whが主通路部72の縦幅Whより広い上に、複数の絞り通路部73がガスパス面64pと平行な方向に並んでいる。よって、本実施形態では、側通路70により、ガスパス面64pを広範囲にわたって冷却することができる。
【0055】
本実施形態では、主通路部72の凹凸面76が主通路部72を流れる冷却空気Acに対するタービュレータとして機能する。このため、本実施形態では、主通路部72内で凹凸面76に沿った領域で、冷却空気Acの乱流が発生し、冷却空気Acと流路形成板との間の熱交換性を高めることができる。
【0056】
「変形例」
図2に示すように、第二段静翼列以降の静翼列46を構成する静翼46aは、第一段静翼列を構成する静翼50と同様、翼体46b、内側シュラウド46i及び外側シュラウド46oを有する。よって、第二段静翼列以降の静翼列46を構成する静翼46aの内側シュラウド46i及び外側シュラウド46oにも、以上と同様に、側通路を形成してもよい。
【0057】
図2に示すように、タービン40の動翼43aは、径方向Drに延びる翼体43bと、翼体の径方向内側Driに形成されているプラットフォーム43pと、を有する。この翼体43bは、燃焼ガスGが通る燃焼ガス流路49内に配置されている。プラットフォーム43pは、環状の燃焼ガス流路49の径方向内側Driの位置を画定する。また、この動翼43aの径方向外側Droに配置されている分割環45dは、環状の燃焼ガス流路49の径方向外側Droの位置を画定する。よって、動翼43aのプラットフォーム43p及び分割環45dは、いずれも、流路形成板を構成する。そこで、これら流路形成板を成すプラットフォーム43pや分割環45dに、以上と同様に、側通路を形成してもよい。
【0058】
以上の実施形態では、一つの主通路部72に対して、二つの絞り通路部73を設けている。しかしながら、一つの主通路部72に対して、一つのみの絞り通路部73を設けても、三以上の絞り通路部73を設けてもよい。
【0059】
以上の実施形態では、側壁65p,65nで反ガスパス側Draを向く面に側通路70の入口74を形成している。しかしながら、凹部66を画定する面に開口を形成し、この開口を側通路70の入口74としてもよい。
【0060】
「付記」
以上の実施形態における流路形成板は、例えば、以下のように把握される。
【0061】
(1)第一態様における流路形成板は、
ガスタービンで燃焼ガスGが流れる燃焼ガス流路49を画定する流路形成板において、前記燃焼ガスGに接するガスパス面64pと、前記ガスパス面64pに対して反対側を向く反ガスパス面64oと、前記ガスパス面64pの周縁に形成されている端面と、前記ガスパス面64pと前記反ガスパス面64oとの間に形成され、冷却空気Acが流れる少なくとも一の側通路70と、を有する。前記端面は、前記燃焼ガスGが流れる下流側Dadを向く後端面62bと、前記下流側Dadとは反対側の上流側Dauを向き且つ前記後端面62bと背合わせの関係にある前端面62fと、前記後端面62bと前記前端面62fとが並ぶガス流れ方向Daに対して垂直な側方向Dcを向く側端面63と、を有する。前記少なくとも一の側通路70は、前記ガスパス面64pと前記側端面63とに沿って、前記側端面63が延びている方向に延びる主通路部72と、前記主通路部72の前記下流側Dadの端から前記後端面62bに向かって延びて前記後端面62bで開口する少なくとも一の絞り通路部73と、を有する。前記少なくとも一の絞り通路部73における前記後端面62bでの開口の面積は、前記主通路部の断面積より小さい。
【0062】
本態様では、側通路70が少なくとも一つの絞り通路部73を有しているので、絞り通路部73がない場合よりも、この側通路70を通る冷却空気Acの流量を抑えることができる。また、本態様では、側通路70における冷却空気Acの入口74から冷却空気Acの出口75までの間の各位置での断面積が同じ場合と比べて、主通路部72における断面積を大きくすることができる。このため、側通路70を反ガスパス側Draからガスパス面64pに投影した場合、ガスパス面64p中における側通路70の投影面積を広くすることが可能で、ガスパス面64pを広域にわたって冷却することができる。
【0063】
(2)第二態様における流路形成板は、
前記第一態様における流路形成板において、前記側端面63は、前記側方向Dcにおける一方の側である側方第一側Dcpと他方の側である側方第二側Dcnとのうち、前記側方第一側Dcpを向く第一側端面63pと、前記側方第二側Dcnを向く第二側端面63nと、を有する。前記少なくとも一の側通路70は、第一側通路70pと第二側通路70nとを有する。前記第一側通路70pは、前記第一側端面63pに沿う。前記第二側通路70nは、前記第二側端面63nに沿う。
【0064】
(3)第三態様における流路形成板は、
前記第二態様における流路形成板において、さらに、前記端面に沿って設けられている周壁65と、複数の後端噴出通路79と、を有する。前記周壁65は、前記反ガスパス面64oに対して前記ガスパス面64pが存在する側であるガスパス側Drpと、前記ガスパス面64pに対して前記反ガスパス面64oが存在する反ガスパス側Draとのうち、前記反ガスパス側Draに前記反ガスパス面64oから突出する。前記反ガスパス面64oと前記周壁65とで、前記ガスパス側Drpに凹み、冷却空気Acが流入する凹部66が形成される。前記複数の後端噴出通路79は、いずれも、前記後端面62bから前記凹部66を画定する面に貫通する。前記複数の後端噴出通路79は、前記第一側通路70pと前記第二側通路70nとの間で、前記側方向Dcに並んでいる。
【0065】
流路形成板のガスパス面64p中で、凹部66よりも下流側Dadであって、側方向Dcで第一側通路70pと第二側通路70nとの間を複数の後端噴出通路79を流れる冷却空気Acで冷却することができる。
【0066】
(4)第四態様における流路形成板は、
前記第一態様から前記第三態様のいずれか一態様における流路形成板において、前記少なくとも一の絞り通路部73は、複数の絞り通路部73を有する。前記複数の絞り通路部73は、前記ガスパス面64pと平行な方向に並ぶ。
【0067】
本態様では、主通路部72の下流側Dadには、複数の絞り通路部73がガスパス面64pと平行な方向に並んでいるので、ガスパス面64p中であって主通路部72の下流側Dadの部分を広範囲にわたって冷却することができる。
【0068】
(5)第五態様における流路形成板は、
前記第一態様から前記第四態様のいずれか一態様における流路形成板において、前記少なくとも一の絞り通路部73は、前記主通路部72が延びる通路延在方向Dpと同じ方向に延びる。
【0069】
(6)第六態様における流路形成板は、
ガスタービンで燃焼ガスGが流れる燃焼ガス流路を画定する流路形成板において、前記燃焼ガスGに接するガスパス面64pと、前記ガスパス面64pに対して反対側を向く反ガスパス面64oと、前記ガスパス面64pの周縁に形成されている端面と、前記ガスパス面64pと前記反ガスパス面64oとの間に形成されている少なくとも一の側通路70と、を有する。前記少なくとも一の側通路70は、前記ガスパス面64pに沿って前記端面の一部に向かって延びる主通路部72と、前記主通路部72の端から前記端面の一部に延びて前記端面の一部で開口する複数の絞り通路部73と、を有する。前記複数の絞り通路部73は、いずれも、前記主通路部72が延びる通路延在方向Dpに延びる。前記複数の絞り通路部73は、前記ガスパス面64pと平行な方向に並ぶ。前記複数の絞り通路部73毎の前記端面の一部での開口の合計面積は、前記主通路部72の断面積より小さい。
【0070】
本態様では、側通路70が複数の絞り通路部73を有しているので、絞り通路部73がない場合よりも、この側通路70を通る冷却空気Acの流量を抑えることができる。また、本態様では、側通路70における冷却空気Acの入口74から冷却空気Acの出口75までの間の各位置での断面積が同じ場合と比べて、主通路部72における断面積を大きくすることができる。このため、側通路70を反ガスパス側Draからガスパス面64pに投影した場合、ガスパス面64p中における側通路70の投影面積を広くすることが可能である。さらに、本態様では、複数の絞り通路部73がガスパス面64pと平行な方向に並んでいる。よって、本態様の側通路70により、ガスパス面64pを広範囲にわたって冷却することができる。
【0071】
(7)第七態様における流路形成板は、
前記第五態様又は前記第六態様における流路形成板において、前記通路延在方向Dpに対して垂直で且つ前記ガスパス面64pに平行な方向における前記主通路部72の幅Whは、前記通路延在方向Dpに対して垂直で且つ前記ガスパス面64pに垂直な方向における前記主通路部72の幅Whより広い。
【0072】
本態様では、側通路70を反ガスパス側Draからガスパス面64pに投影した際、ガスパス面64p中における側通路70の投影面積を広くすることができる。
【0073】
(8)第八態様における流路形成板は、
前記第五態様から前記第七態様のいずれか一態様における流路形成板において、前記主通路部72で、前記主通路部72内の空間を画定する面のうち、前記ガスパス面64pと反対側を向く面は、前記通路延在方向Dpに凹凸が繰り返される凹凸面76である。
【0074】
本態様では、主通路部72の凹凸面76が主通路部72を流れる冷却空気Acに対するタービュレータとして機能する。このため、本態様では、主通路部72内で凹凸面76に沿った領域で、冷却空気Acの乱流が発生し、冷却空気Acと流路形成板との間の熱交換性を高めることができる。
【0075】
(9)第九態様における流路形成板は、
前記第一態様から前記第八態様のいずれか一態様における流路形成板において、前記少なくとも一の側通路70は、前記少なくとも一の側通路70を流れた冷却空気Acの出口として、前記少なくとも一の絞り通路部73における前記開口のみを有する。
【0076】
以上の実施形態における翼は、例えば、以下のように把握される。
(10)第十態様における翼は、
前記第一態様から前記第九態様のいずれか一態様における流路形成板と、前記ガスパス面64pから、前記ガスパス面64pに対して垂直な方向成分を有する翼高さ方向Dhに延び、前記翼高さ方向Dhに対して垂直な断面形状が翼形を成す翼体51と、を備える。
【0077】
以上の実施形態におけるガスタービンは、例えば、以下のように把握される。
(11)第十一態様におけるガスタービンは、
燃焼ガスGを生成する燃焼器30と、燃焼ガスGで駆動するタービン40と、を備える。前記タービン40は、前記第一態様から前記第九態様のいずれか一態様における流路形成板を有する。
【0078】
以上の実施形態における流路形成板の製造方法は、例えば、以下のように把握される。
(12)第十二態様における流路形成板の製造方法は、
ガスタービンで燃焼ガスGが流れる燃焼ガス流路を画定する流路形成板の製造方法において、中間品形成工程S1と、溝形成工程S2と、蓋配置工程S3と、通路形成工程S4と、を実行する。前記中間品形成工程S1では、前記燃焼ガスGに接するガスパス面64paと、前記ガスパス面64paに対して反対側を向く反ガスパス面64oaと、前記ガスパス面64paの周縁に形成されている端面と、を有する中間品80を形成する。前記端面は、前記燃焼ガスGが流れる下流側Dadを向く後端面62baと、前記下流側Dadとは反対側の上流側Dauを向き且つ前記後端面62baと背合わせの関係にある前端面62faと、前記後端面62bと前記前端面62faとが並ぶガス流れ方向Daに対して垂直な側方向Dcを向く側端面63aと、を有する。前記溝形成工程S2では、前記中間品80の前記側端面63中で、前記上流側Dauの部分及び前記下流側Dadの部分を残し、前記側端面63から前記側端面63に対して垂直な方向に凹み且つ前記側端面63が延びている方向に延びる溝81を形成する。前記蓋配置工程S3では、前記溝81の開口を蓋部材82で塞ぎ、前記溝81と前記蓋部材82とで、前記側端面63に沿って、前記側端面63が延びている方向に延びる主通路部72を形成する。前記通路形成工程S4では、前記後端面62bから前記主通路部72内に貫通する少なくとも一の絞り通路部73を形成する。前記少なくとも一の絞り通路部73における前記後端面62bでの開口の面積は、前記主通路部の断面積より小さい。
【0079】
本態様で製造された流路形成板の側通路70が少なくとも一つの絞り通路部73を有しているので、絞り通路部73がない場合よりも、この側通路70を通る冷却空気Acの流量を抑えることができる。また、本態様では、側通路70における冷却空気Acの入口74から冷却空気Acの出口75までの間の各位置での断面積が同じ場合と比べて、主通路部72における断面積を大きくすることができる。このため、側通路70を反ガスパス側Draからガスパス面64pに投影した場合、ガスパス面64p中における側通路70の投影面積を広くすることが可能で、ガスパス面64pを広域にわたって冷却することができる。
【符号の説明】
【0080】
11:ガスタービンロータ
14:中間ケーシング
15:ガスタービンケーシング
17:内側カバー
17a:径方向外側端
20:圧縮機
21:圧縮機ロータ
22:ロータ軸
23:動翼列
23a:動翼
25:圧縮機ケーシング
26:静翼列
26a:静翼
30:燃焼器
40:タービン
41:タービンロータ
42:ロータ軸
43:動翼列
43a:動翼
43b:翼体
43p:プラットフォーム
45:タービンケーシング
45a:外側ケーシング
45b:内側ケーシング
45c:遮熱環
45d:分割環
46:静翼列
46a:静翼
46b:翼体
46i:内側シュラウド
46o:外側シュラウド
49:燃焼ガス流路
50:静翼
51:翼体
52:前縁
53:後縁
54:負圧面
55:正圧面
59:リテーナ
60i:内側シュラウド
60o:外側シュラウド
61:シュラウド本体
62f,62fa:前端面
62b,62ba:後端面
63,63a:側端面
63n,63na:負圧側端面(又は第二側端面)
63p,63pa:正圧側端面(又は第一側端面)
64o,64oa:反ガスパス面
64p,64pa:ガスパス面
65,65a:周壁
65f,65fa:前壁
65b,65ba:後壁
65n,65na:負圧側壁(又は側壁)
65p,65pa:正圧側壁(又は側壁)
66,66a:凹部
70:側通路
70n:負圧側通路(又は第二側通路)
70p:正圧側通路(又は第一側通路)
71:入口通路部
72:主通路部
73:絞り通路部
74:入口
75:出口
76:凹凸面
79:後端噴出通路
80:中間品
81:溝
82:蓋部材
85a:第一電極
85b:第二電極
85c:第三電極
85d:第四電極
Da:軸線方向(ガス流れ方向)
Dau:軸線上流側(又は、上流側)
Dad:軸線下流側(叉は、下流側)
Dc:周方向(又は、側方向)
Dcp:周方向正圧側(又は、側方第一側)
Dcn:周方向負圧側(又は、側方第二側)
Dh:翼高さ方向
Dr:径方向
Dri:径方向内側
Dro:径方向外側
Drp:ガスパス側
Dra:反ガスパス側
Dp:通路延在方向
A:空気
Acom:圧縮空気
Ac:冷却空気
G:燃焼ガス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンで燃焼ガスが流れる燃焼ガス流路を画定する流路形成板において、
本体と、
周壁と、
冷却空気が流れる少なくとも一の側通路と、
を有し、
前記本体は、前記燃焼ガスに接するガスパス面と、前記ガスパス面に対して反対側を向く反ガスパス面と、前記ガスパス面の周縁に形成されている端面と、を有し、
前記端面は、前記燃焼ガスが流れる下流側を向く後端面と、前記下流側とは反対側の上流側を向き且つ前記後端面と背合わせの関係にある前端面と、前記後端面と前記前端面とが並ぶガス流れ方向に対して垂直な側方向を向く側端面と、を有し、
前記周壁は、前記本体の前記端面に沿って設けられ、前記反ガスパス面に対して前記ガスパス面が存在する側であるガスパス側と、前記ガスパス面に対して前記反ガスパス面が存在する反ガスパス側とのうち、前記反ガスパス側に前記反ガスパス面から突出し、
前記周壁は、前記本体の側端面に連なる側端面と、前記反ガスパス側を向く面と、を有し、
前記少なくとも一の側通路は、入口通路部と、前記ガスパス面と前記側端面に沿って、前記側端面が延びている方向に延びる主通路部と、前記主通路部の前記下流側の端から前記後端面に向かって延びて前記後端面で開口する少なくとも一の絞り通路部と、を有し、
前記入口通路部は、前記周壁の前記反ガスパス側を向く前記面で開口している入口を有し、前記入口から前記ガスパス側に延びて、前記主通路部に直接接続されて、前記主通路部と連通し、
前記少なくとも一の絞り通路部における前記後端面での開口の面積は、前記主通路部の断面積より小さい、
流路形成板。
【請求項2】
前記側端面は、前記側方向における一方の側である側方第一側と他方の側である側方第二側とのうち、前記側方第一側を向く第一側端面と、前記側方第二側を向く第二側端面と、を有し、
前記少なくとも一の側通路は、第一側通路と第二側通路とを有し、
前記第一側通路は、前記第一側端面に沿い、
前記第二側通路は、前記第二側端面に沿う、
流路形成板。
【請求項3】
請求項2に記載の流路形成板において、
さらに、複数の後端噴出通路を有し、
前記反ガスパス面と前記周壁とで、前記ガスパス側に凹み、冷却空気が流入する凹部が形成され、
前記複数の後端噴出通路は、いずれも、前記後端面から前記凹部を画定する面に貫通し、
前記複数の後端噴出通路は、前記第一側通路と前記第二側通路との間で、前記側方向に並んでいる、
流路形成板。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の流路形成板において、
前記少なくとも一の絞り通路部は、前記主通路部が延びる通路延在方向と同じ方向に延びる、
流路形成板。
【請求項5】
請求項4に記載の流路形成板において、
前記通路延在方向に対して垂直で且つ前記ガスパス面に平行な方向における前記主通路部の幅は、前記通路延在方向に対して垂直で且つ前記ガスパス面に垂直な方向における前記主通路部の幅より広い、
流路形成板。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の流路形成板において、
前記入口の開口の面積は、前記主通路部の断面積と同じである、
流路形成板。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項に記載の流路形成板において、
前記主通路部で、前記主通路部内の空間を画定する面のうち、前記ガスパス面と反対側を向く面は、前記主通路部が延びる通路延在方向に凹凸が繰り返される凹凸面である、
流路形成板。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の流路形成板において、
前記少なくとも一の側通路は、前記少なくとも一の側通路を流れた冷却空気の出口として、前記少なくとも一の絞り通路部における前記開口のみを有する、
流路形成板。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の流路形成板において、
前記少なくとも一の絞り通路部は、一つのみである、
流路形成板。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の流路形成板と、
前記ガスパス面から、前記ガスパス面に対して垂直な方向成分を有する翼高さ方向に延び、前記翼高さ方向に対して垂直な断面形状が翼形を成す翼体と、
を備える翼。
【請求項11】
燃焼ガスを生成する燃焼器と、
燃焼ガスで駆動するタービンと、
を備え、
前記タービンは、請求項1から9のいずれか一項に記載の流路形成板を有する、
ガスタービン。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、燃焼ガスが流れる燃焼ガス流路を画定する流路形成板、これを備える翼及びガスタービンに関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
そこで、本発明は、冷却空気の使用量を抑えることができる流路形成板、これを備える翼、これを備えているガスタービンを提供することを目的とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
前記目的を達成するための発明に係る一態様としての流路形成板は、
ガスタービンで燃焼ガスが流れる燃焼ガス流路を画定する流路形成板において、本体と、周壁と、冷却空気が流れる少なくとも一の側通路と、を有する。前記本体は、前記燃焼ガスに接するガスパス面と、前記ガスパス面に対して反対側を向く反ガスパス面と、前記ガスパス面の周縁に形成されている端面と、を有する。前記端面は、前記燃焼ガスが流れる下流側を向く後端面と、前記下流側とは反対側の上流側を向き且つ前記後端面と背合わせの関係にある前端面と、前記後端面と前記前端面とが並ぶガス流れ方向に対して垂直な側方向を向く側端面と、を有する。前記周壁は、前記本体の前記端面に沿って設けられ、前記反ガスパス面に対して前記ガスパス面が存在する側であるガスパス側と、前記ガスパス面に対して前記反ガスパス面が存在する反ガスパス側とのうち、前記反ガスパス側に前記反ガスパス面から突出する。前記周壁は、前記本体の側端面に連なる側端面と、前記反ガスパス側を向く面と、を有する。前記少なくとも一の側通路は、入口通路部と、前記ガスパス面と前記側端面に沿って、前記側端面が延びている方向に延びる主通路部と、前記主通路部の前記下流側の端から前記後端面に向かって延びて前記後端面で開口する少なくとも一の絞り通路部と、を有する。前記入口通路部は、前記周壁の前記反ガスパス側を向く前記面で開口している入口を有し、前記入口から前記ガスパス側に延びて、前記主通路部に直接接続されて、前記主通路部と連通している。前記少なくとも一の絞り通路部における前記後端面での開口の面積は、前記主通路部の断面積より小さい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
流路形成板である外側シュラウド60o及び内側シュラウド60iは、図3に示すように、いずれも、シュラウド本体61と、周壁65と、を有する。シュラウド本体61は、軸線上流側Dauの端面である前端面62fと、軸線下流側Dadの端面である後端面62bと、周方向Dcで互いに相反する側を向いている一対の側端面63と、燃焼ガスGに接するガスパス面64pと、ガスパス面64pに対して反対側を向く反ガスパス面64oと、が形成されている。一対の側端面63のうち、周方向正圧側(側方向第一側)Dcpの端面は正圧側端面(第一側端面)63pを成し、周方向負圧側(側方向第二側)Dcnの端面は負圧側端面(第一側端面)63nを成す。前端面62fと後端面62bとは、ほぼ平行である。また、正圧側端面63pと負圧側端面63nとは、ほぼ平行である。よって、シュラウド本体61は、径方向Drから見た場合、図4に示すように、平行四辺形状を成している。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
正圧側通路70pの二つの絞り通路部73は、正圧側通路70pの主通路部72が延びている通路延在方向Dpに延びている。また、負圧側通路70nの二つの絞り通路部73も、負圧側通路70nの主通路部72が延びている通路延在方向Dpに延びている。なお、本実施形態では、正圧側通路70pの主通路部72が延びている通路延在方向Dpと負圧側通路70nの主通路部72が延びている通路延在方向Dpとは、同じ方向である。また、この通路延在方向Dpと側端面63が延びている方向とは、同じ方向である。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
また、本実施形態では、側通路70における冷却空気Acの入口74から冷却空気Acの出口75までの間の各位置での断面積が同じ場合と比べて、主通路部72における断面積を大きくすることができる。このため、側通路70を反ガスパス側Draからガスパス面64pに投影した場合、ガスパス面64p中における側通路70の投影面積を広くすることが可能である。さらに、本実施形態では、主通路部72の横幅Whが主通路部72の縦幅Wvより広い上に、複数の絞り通路部73がガスパス面64pと平行な方向に並んでいる。よって、本実施形態では、側通路70により、ガスパス面64pを広範囲にわたって冷却することができる。