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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138120
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】圧入装置及び圧入方法
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/02 20060101AFI20240927BHJP
   B23P 21/00 20060101ALI20240927BHJP
   F01N 3/28 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B23P19/02 B
B23P21/00 303C
F01N3/28 311S
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024122023
(22)【出願日】2024-07-29
(62)【分割の表示】P 2020177949の分割
【原出願日】2020-10-23
(71)【出願人】
【識別番号】390010227
【氏名又は名称】株式会社三五
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】弁理士法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩本 紘和
(72)【発明者】
【氏名】早川 尚志
(72)【発明者】
【氏名】木村 恒彦
(72)【発明者】
【氏名】菅原 佑介
(57)【要約】
【課題】外側面に緩衝部材が配設された柱体を筒状部材の内部に圧入する際に、これらの部材の間の摩擦係数の大小に拘わらず、これらを確実に所期の位置関係となるようにマウントする。
【解決手段】外側面に緩衝部材が配設された柱体の軸が鉛直方向となる姿勢にて柱体を下方から支持する第1支持部と柱体の上方において柱体と同軸状となるように筒状部材を支持する第2支持部と柱体及び筒状部材を鉛直方向に近付けて柱体と緩衝部材との組を筒状部材の内部に圧入する圧入部とを備える圧入装置において、筒状部材の内周面と柱体の外側面との間において緩衝部材の下端面と鉛直方向に対向する当接面を有し且つ圧入の開始から終了までは筒状部材及び第2支持部の何れとも干渉しないように構成された当接治具を圧入前の緩衝部材の下端面の鉛直方向における位置から柱体の下端面の鉛直方向における位置までの範囲に含まれる所定の位置に当接面が位置するように設ける。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側面に緩衝部材が配設された柱体の軸方向が鉛直方向に対して平行となる姿勢にて前記柱体を下方から支持する支持台を有する第1支持部と、
前記第1支持部によって支持された前記柱体の上方において前記柱体と同軸状となる姿勢にて筒状部材を支持する第2支持部と、
前記第1支持部によって支持された前記柱体と前記第2支持部によって支持された前記筒状部材とを鉛直方向において相互に近接するように駆動して前記柱体と前記緩衝部材との組の前記筒状部材の内部への圧入を実行する圧入部と、
を備える圧入装置であって、
前記圧入装置は、水平面への垂直投影における前記筒状部材の内周面と前記柱体の外側面との間の領域内において前記緩衝部材の下端面と鉛直方向において対向する面である当接面を有し且つ前記第1支持部とは別体の部材である当接治具を更に備え、
前記当接治具は、前記圧入の開始から終了までの期間において前記筒状部材及び前記第2支持部の何れとも干渉しないように構成されており且つ前記圧入が実行される前の前記緩衝部材の下端面の鉛直方向における位置である第1位置から前記第1位置よりも鉛直方向において下方に位置する前記柱体の下端面の鉛直方向における位置である第2位置までの範囲である第1範囲に含まれる所定の位置に前記当接面が固定されているか或いは前記第1範囲に含まれる所定の範囲に亘って鉛直方向において前記当接面が進退自在であり且つ前記第2位置よりも下方に前記当接面が位置することが無いように配設されている、
ことを特徴とする、
圧入装置。
【請求項2】
請求項1に記載された圧入装置であって、
前記当接治具は、前記圧入の開始から終了までの期間において前記第1範囲に含まれる所定の位置である第3位置に前記当接面が固定されるように配設されている、
ことを特徴とする、
圧入装置。
【請求項3】
請求項1に記載された圧入装置であって、
前記当接治具は、
前記第1範囲に含まれる所定の位置である第3位置から前記第1範囲に含まれ且つ前記第3位置よりも下方に位置する第4位置までの範囲である第2範囲に亘って前記当接面が鉛直方向において進退自在であるように構成されており、且つ
前記圧入が開始される時点においては前記第3位置に前記当接面が位置するように配設されており、
前記圧入装置は、前記当接面が上向きに付勢されるように前記当接治具を駆動する付勢部を更に備え、且つ
前記付勢部は、前記緩衝部材の下端面と前記当接面とが当接する時点から前記圧入が終了する時点までの期間のうちの少なくとも一部の期間において、前記付勢部によって前記当接面に上向きに付与される力である付勢力が、前記緩衝部材の下端面が前記当接面を下向きに押圧する力である押圧力よりも小さいように構成されている、
ことを特徴とする、
圧入装置。
【請求項4】
請求項1に記載された圧入装置であって、
前記当接治具は、
前記第1範囲に含まれる所定の位置である第3位置から前記第1範囲に含まれ且つ前記第3位置よりも下方に位置する第4位置までの範囲である第2範囲に亘って前記当接面が鉛直方向において進退自在であるように構成されており、且つ
前記圧入が開始される時点においては前記第3位置に前記当接面が位置するように配設されており、
前記圧入装置は、前記第2範囲に亘って所定の速度にて前記当接面が移動するように前記当接治具を駆動する駆動部を更に備える、
ことを特徴とする、
圧入装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載された圧入装置であって、
前記支持台は、前記支持台の頂面である支持面が水平面に対して所定の角度範囲において傾動自在となるように構成されている、
ことを特徴とする、
圧入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧入装置及び圧入方法に関する。具体的には、本発明は、外側面に緩衝部材が配設された柱体を筒状部材の内部に圧入して筒状部材の内部における所期の位置に柱体及び緩衝部材を保持するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
かねてより地球環境保護の観点から内燃機関を動力源とする車両には触媒コンバータの搭載が必須要件となっている。触媒コンバータの製造方法としては、図15に示すように、柱状の触媒担体(柱体)200の外周に緩衝部材としてセラミック製の緩衝マット300を巻回し、これらを筒状部材400内に収容する方法が知られている。この場合、緩衝マット300を圧縮しながら筒状部材400の一方の開口から圧入する方法(圧入方式)が一般的である。より詳しくは、筒状部材400の一方の開口に環状の案内治具600が嵌合され、案内治具600を介して触媒担体200及び緩衝マット300が押圧部材500によって筒状部材400の中空部へと圧入される。斯かる方法によれば、触媒担体200と筒状部材400との間に圧縮・挟持された緩衝マット300の復元力により、筒状部材400の内部における所定の位置に触媒担体が保持される。
【0003】
ところで、上記のような製造方法においては、例えば触媒担体200の圧入時に触媒担体200の軸芯が筒状部材400の軸芯に対して傾斜していたり或いは触媒担体200の軸芯が筒状部材400の軸芯に対して平行であっても筒状部材400の軸芯に対して偏芯して(図15の左右方向においてズレが生じて)いたりする場合がある。このような場合、触媒担体200や緩衝マット300の角部が損傷したり、緩衝マット300の剥がれが生じたり、最悪の場合、触媒担体200及び/又は緩衝マット300が破損したりする虞がある。このように、上記のような製造方法において適切な圧入(内装)状態を得るためには、筒状部材400、押圧部材500及び触媒担体200の全てが同軸状に配置された状態において圧入を行う必要がある。
【0004】
しかしながら、筒状部材400、押圧部材500及び触媒担体200の全てを同軸状に確実に配置するためには、従前の人手による配置作業に代えて特別な装置や治具、更には計測システム等が必要になるので、コスト及びサイクルタイムの増大に繋がる虞がある。また、上記のような配置を一旦は達成しても、圧入過程において触媒担体200の自重による緩衝マット300の偏圧縮により上記配置が崩れる場合もある。
【0005】
そこで、当該技術分野においては、図16に示すように、緩衝マット300が外側面に巻回された柱状の触媒担体200をその軸が鉛直線VL上に位置し且つ水平方向に移動可能に支持治具700上に載置しておき、中空案内部の断面積が下方に向かって漸次拡大するテーパ部600aを有する案内治具600上に載置した筒状部材400を案内治具600と共に上方から触媒担体200に外嵌することにより、案内治具600のテーパ部によって緩衝マット300を圧縮させながら触媒担体200及び緩衝マット300を筒状部材400内に圧入する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0006】
上記方法によれば、触媒担体200が筒状部材400内に圧入される過程において、案内治具600のテーパ部によって緩衝マット300が軸方向に圧縮されるので、触媒担体200、筒状部材400及び案内治具600の全てを同軸状の配置に維持することができる。従って、特別な装置や治具及び計測システム等を必要とすること無く、触媒担体200及び緩衝マット300を筒状部材400内に円滑且つ適切に圧入することができ、所期の圧入状態を確実に達成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4363814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述したような従来技術に係る圧入装置及び当該圧入装置を使用する圧入方法(以降、それぞれ「従来装置」及び「従来方法」と称呼される場合がある。)においては、筒状部材、緩衝部材及び柱体が軸方向において所望の位置関係となるようにはマウントされない場合がある。具体的には、例えば、図17に示すように、緩衝マット300が外側面に巻回された柱体200を図面に向かって下側から上側に向かって筒状部材400の内部へと圧入して(a)に例示するような位置関係とすべきところ、筒状部材400の内周面との摩擦により(b)に例示するように緩衝マット300がずれて柱体200の下端面よりも更に下側にはみ出してしまう場合がある。このように緩衝マット300が柱体200の下端面よりも下側にはみ出してしまうと、例えば緩衝マット300の復元力による筒状部材400の内部における柱体200の保持力の低下及び外側面に緩衝マット300が配設された柱体200が筒状部材400の内部へと圧入されてなる集成体を備える装置における緩衝マット300の下端部による意図せぬ干渉等の問題に繋がる虞がある。
【0009】
上記のような現象は、柱体200と緩衝部材300との間(図17の(a)において破線によって囲まれた部分αを参照)の摩擦係数(静止摩擦係数及び/又は動摩擦係数)の方が緩衝部材300と筒状部材400との間(図17の(a)において破線によって囲まれた部分βを参照)の摩擦係数よりも低い場合に起こり易い。
【0010】
以上のように、当該技術分野においては、外側面に緩衝部材が配設された柱体を筒状部材の内部に圧入する際に、柱体、緩衝部材及び筒状部材の間の摩擦係数の大小関係に拘わらず、これらを確実に所期の位置関係となるようにマウントすることが可能な技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、鋭意研究の結果、圧入工程において柱体の外側面に配設された緩衝部材と当接する当接治具を設けることにより、圧入に伴う緩衝部材のずれを低減して、上記課題を解決することができることを見出した。
【0012】
具体的には、本発明に係る圧入装置(以降、「本発明装置」と称呼される場合がある。)は、第1支持部と、第2支持部と、圧入部と、を備える圧入装置である。第1支持部は、外側面に緩衝部材が配設された柱体の軸方向が鉛直方向に対して平行となる姿勢にて柱体を下方から支持する支持台を有する。第2支持部は、第1支持部によって支持された柱体の上方において柱体と同軸状となる姿勢にて筒状部材を支持する。圧入部は、第1支持部によって支持された柱体と第2支持部によって支持された筒状部材とを鉛直方向において相互に近接するように駆動して柱体と緩衝部材との組の筒状部材の内部への圧入を実行する。
【0013】
本発明装置は、当接治具を更に備える。当接治具は、水平面への垂直投影における筒状部材の内周面と柱体の外側面との間の領域内において緩衝部材の下端面と鉛直方向において対向する面である当接面を有する部材である。当接治具は、少なくとも圧入の開始から終了までの期間においては筒状部材及び第2支持部の何れとも干渉しないように構成されており且つ第1範囲に含まれる所定の位置に当接面が位置するように配設されている。第1範囲とは、圧入が実行される前の緩衝部材の下端面の鉛直方向における位置である第1位置から柱体の下端面の鉛直方向における位置である第2位置までの範囲である。
【0014】
当接治具は、第1範囲に含まれる所定の位置である第3位置に当接面が固定されるように配設されていてもよい。逆に、当接治具は、第3位置から第4位置までの範囲である第2範囲に亘って当接面が鉛直方向において進退自在であるように構成されており且つ圧入が開始される時点においては第3位置に当接面が位置するように配設されていてもよい。第4位置とは、第1範囲に含まれ且つ第3位置よりも下方に位置する位置である。後者の場合、本発明装置は、当接面が上向きに付勢されるように当接治具を駆動する付勢部を更に備え且つ緩衝部材の下端面と当接面とが当接する時点から圧入が終了する時点までの期間のうちの少なくとも一部の期間において付勢力が押圧力よりも小さいように付勢部が構成されていてもよい。ここで、付勢力とは付勢部によって当接面に上向きに付与される力であり、押圧力とは緩衝部材の下端面が当接面を下向きに押圧する力である。或いは、本発明装置は、第2範囲に亘って所定の速度にて当接面が移動するように当接治具を駆動する駆動部を更に備えていてもよい。上記に加えて、支持台は、支持台の頂面である支持面が水平面に対して所定の角度範囲において傾動自在となるように構成されていてもよい。
【0015】
一方、本発明に係る圧入方法(以降、「本発明方法」と称呼される場合がある。)は、外側面に緩衝部材が配設された柱体を筒状部材の内部へ圧入装置を用いて圧入する圧入方法である。本発明方法において用いられる圧入装置は、上述した本発明に係る圧入装置(本発明装置)である。本発明方法は、以下に列挙する第1工程乃至第4工程を含む。
【0016】
第1工程:柱体の外側面に緩衝部材を配設する。
第2工程:外側面に緩衝部材が配設された柱体を柱体の軸方向が鉛直方向に対して平行となる姿勢にて第1支持部によって支持する。
第3工程:第1支持部によって支持された柱体の上方において柱体と同軸状となる姿勢にて筒状部材を第2支持部によって支持する。
第4工程:第1支持部によって支持された柱体と第2支持部によって支持された筒状部材とを鉛直方向において相互に近接するように圧入部によって駆動して柱体と緩衝部材との組を筒状部材の内部へ圧入する。
【0017】
更に、本発明方法においては、圧入の実行に伴って緩衝部材が柱体に対して下方へ移動する場合であっても、緩衝部材の下端面と当接面との当接により、緩衝部材の下端面が当接面よりも下方へ移動することが阻止される。
【発明の効果】
【0018】
上述したように、本発明装置においては、圧入が実行される前の緩衝部材の下端面の鉛直方向における位置(第1位置)から柱体の下端面の鉛直方向における位置(第2位置)までの範囲(第1範囲)に含まれる位置に当接面が位置するように当接治具が配設されている。従って、圧入に伴って緩衝部材が柱体に対して下方へと移動する場合、第1範囲に含まれる位置において、緩衝部材の下端面が当接面に当接することができる。
【0019】
当接面は、第1範囲に含まれる所定の位置である第3位置に固定されていてもよい。この場合、当接面の鉛直方向における位置である第3位置は、柱体、緩衝部材及び筒状部材が所期の位置関係となるように定めることができる。或いは、当接面は、第3位置から第1範囲に含まれ且つ第3位置よりも下方に位置する第4位置までの範囲(第2範囲)に亘って鉛直方向において進退自在であってもよい。この場合、当接面は、第1範囲の下限である第2位置よりも下方に位置することは無く、当接面が最も下方に位置するときの当接面の鉛直方向における位置である第4位置は、柱体、緩衝部材及び筒状部材が所期の位置関係となるように定めることができる。
【0020】
以上のように、本発明装置においては、圧入に伴って緩衝部材が柱体に対して下方へ移動する場合であっても、緩衝部材の下端面と当接治具の当接面との当接により緩衝部材の下方への移動を阻止又は低減することができる。その結果、第1範囲に含まれる所望の位置よりも下方へと緩衝部材の下端面が移動することを確実に防止することができる。
【0021】
即ち、本発明装置によれば、外側面に緩衝部材が配設された柱体を筒状部材の内部に圧入する際に、柱体、緩衝部材及び筒状部材の間の摩擦係数の大小関係に拘わらず、これらを確実に所期の位置関係となるようにマウントして、筒状部材の内部の所定の位置に柱体を保持することができる。
【0022】
更に、本発明装置においては、上述したように、支持台の頂面である支持面が水平面に対して所定の角度範囲において傾動自在となるように支持台が構成されていてもよい。この場合、柱体の下端面が水平ではない(柱体の軸に対して垂直ではない)場合においても、柱体の下端面の角度に応じて支持面が傾斜して、柱体の下端面と面接触することができる。従って、柱体の下端面と支持面とが局所的に接触して応力集中等に起因する柱体の破損等の問題に繋がる虞を低減することができる。
【0023】
以上のような効果を達成することができる本発明装置を用いる圧入方法である本発明方法によっても上記と同様の効果を達成することが可能であることは言うまでも無い。
【0024】
本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の各実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1実施態様に係る圧入装置(第1装置)の構成の一例を示す模式図である。
図2】第1装置を用いて実行される圧入過程の1つの例を示す模式的な断面図である。
図3】第1装置を用いて実行される圧入過程のもう1つの例を示す模式的な断面図である。
図4】本発明の第3実施態様に係る圧入装置(第3装置)の構成及び第3装置を用いて実行される圧入過程の1つの例を示す模式的な断面図である。
図5】本発明の第4実施態様に係る圧入装置(第4装置)の構成及び第4装置を用いて実行される圧入過程の1つの例を示す模式的な断面図である。
図6】本発明の第5実施態様に係る圧入装置(第5装置)の構成及び第5装置を用いて実行される圧入過程の1つの例を示す模式的な断面図である。
図7】本発明の第6実施態様に係る圧入方法(第1方法)において実行される各工程を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施例に係る圧入装置(実施例装置)の構成及び実施例装置を用いて実行される圧入過程を示す模式的な断面図である。
図9】実施例装置を用いて実行される圧入過程のステップ1(圧入開始時点)を示す模式的な断面図である。
図10】実施例装置を用いて実行される圧入過程のステップ2(圧入開始後であり緩衝部材の移動開始前の時点)を示す模式的な断面図である。
図11】実施例装置を用いて実行される圧入過程のステップ3(緩衝部材の移動開始後の時点)を示す模式的な断面図である。
図12】実施例装置を用いて実行される圧入過程のステップ4(緩衝部材の下端面が当接治具の当接面に当接している時点)を示す模式的な断面図である。
図13】実施例装置を用いて実行される圧入過程のステップ5(当接治具が下限位置である第4位置に到達して緩衝部材の移動が停止した時点)を示す模式的な断面図である。
図14】実施例装置を用いて実行される圧入過程のステップ6(筒状部材が更に下方へ移動し圧入が完了した時点)を示す模式的な断面図である。
図15】1つの従来技術に係る触媒コンバータの製造方法において緩衝マットを巻回した触媒担体を筒状部材内に圧入する工程を示す模式図である。
図16】もう1つの従来技術に係る触媒コンバータの製造方法において緩衝マットを巻回した触媒担体を筒状部材内に圧入する前の状態を示す模式的な断面図である。
図17】従来技術に係る圧入装置及び圧入方法によって緩衝マットが外側面に巻回された柱体を筒状部材の内部へと圧入する様子を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
《第1実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第1実施形態に係る圧入装置(以降、「第1装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
【0027】
〈構成〉
第1装置は、第1支持部と、第2支持部と、圧入部と、を備える圧入装置である。第1支持部は、外側面に緩衝部材が配設された柱体の軸方向が鉛直方向に対して平行となる姿勢にて柱体を下方から支持する支持台を有する。典型的には、支持台は、柱体の下端面に対応する頂面を有する台座状の部材である。第2支持部は、第1支持部によって支持された柱体の上方において柱体と同軸状となる姿勢にて筒状部材を支持する。当然のことながら、第2支持部は、筒状部材の下側の開口部を柱体と緩衝部材との組に向けて保持することが可能であり且つ柱体と緩衝部材との組の筒状部材の内部への圧入を妨げないように構成されている必要がある。第2支持部の具体例としては、例えば、前述した特許文献1に記載された圧入装置(以降、「従来装置1」と称呼される場合がある。)が備える案内治具等を挙げることができる。
【0028】
圧入部は、第1支持部によって支持された柱体と第2支持部によって支持された筒状部材とを鉛直方向において相互に近接するように駆動して柱体と緩衝部材との組の筒状部材の内部への圧入を実行する。圧入部の構成は、第1支持部によって支持された柱体と第2支持部によって支持された筒状部材とを駆動して鉛直方向において相互に近接させて柱体と緩衝部材との組を筒状部材の内部へと圧入することが可能である限り、特に限定されない。典型的には、圧入部は、例えば油圧シリンダ等のアクチュエータによって駆動される押圧部材によって筒状部材の上方側(柱体とは反対側)から筒状部材を下向きに押圧することにより、第1支持部によって支持された柱体と第2支持部によって支持された筒状部材とを鉛直方向において相互に近接させることができる。或いは、圧入部は、例えば油圧シリンダ等のアクチュエータによって駆動される押圧部材によって支持台の下方側(柱体とは反対側)から第1支持部を上向きに押圧することにより、第1支持部によって支持された柱体と第2支持部によって支持された筒状部材とを鉛直方向において相互に近接させることができる。
【0029】
上記のように外側面に緩衝部材が配設された柱体が筒状部材の内部へと圧入されてなる集成体を備える装置の具体例としては、例えば、触媒コンバータ及びディーゼル排気処理装置等の排気処理装置を挙げることができる。
【0030】
触媒コンバータの場合、柱体は、例えばセラミック製ハニカム構造体等からなる触媒担体に対応する。また、触媒コンバータは一対の電極を介して通電することによって発熱して排気浄化触媒を加熱する発熱体を備える浄化部材である電気加熱式触媒(EHC:Electrically Heated Catalyst)であってもよく、この場合、柱体は当該発熱体であってもよい。一方、ディーゼル排気処理装置の場合、柱体は、ディーゼル・パティキュレート・フィルタ(DPF)に対応する。これらの柱体の形状は、一般的には円柱状又は円筒状であるが、例えば楕円柱状又は角柱状等であってもよい。
【0031】
緩衝部材は、「緩衝マット」又は「保持部材」とも称呼される。緩衝部材を形成する材料の具体例としては、例えば、アルミナ系繊維及びアルミナ-シリカ系繊維等の無機繊維並びにこのような無機繊維にバインダとしての樹脂を加えたものを挙げることができる。バインダとして使用される樹脂の具体例としては、例えば、アクリルゴム、ニトリルゴム、ポリビニルアルコール及びアクリル樹脂等を挙げることができる。また、熱膨張型のバーミキュライトを緩衝部材として使用することもできる。或いは、上記集成体の用途によっては、金属細線を編成してなるワイヤメッシュ等を緩衝部材として使用することもできる。更に、異なる材料からなる複数種の緩衝部材を組み合わせて使用してもよく、例えば円環状のリテーナ等を緩衝部材と組み合わせて使用してもよい。
【0032】
筒状部材は、「外筒」又は「ハウジング」又は「ケース」とも称呼され、典型的には、例えばステンレス鋼等の金属によって形成される。筒状部材の形状(例えば、内径、外径、長さ及び管壁の厚さ等)は、外側面に緩衝部材が配設された柱体を内部に収容し、筒状部材の内周面と柱体の外側面との間に緩衝部材を挟持することが可能であるように定められる。
【0033】
但し、柱体、緩衝部材及び筒状部材の構成は上記に限定されるものではなく、これらからなる集成体の用途における使用環境及び使用条件等に応じた好適な構成(例えば、材料及び形状等)を有するものが選択される。
【0034】
第1装置は、当接治具を更に備える。当接治具は、水平面への垂直投影における筒状部材の内周面と柱体の外側面との間の領域内において緩衝部材の下端面と鉛直方向において対向する面である当接面を有する部材である。換言すれば、当接治具は、筒状部材の内周面及び当該内周面を下向きに延長してなる仮想的な面である仮想内周面と柱体の外側面との間の空間において緩衝部材の下端面に対して当接面が上向きに対向するように構成されている。
【0035】
当接治具を構成する材料は、圧入に伴って下方へ移動する緩衝部材の下端面と当接する当接面に作用する応力に耐えることが可能である限り、特に限定されない。また、当接面の形状は、緩衝部材の下端面と当接治具の当接面との当接により緩衝部材の下方への移動を阻止又は低減することが可能である限り、特に限定されない。緩衝部材の下端面と当接治具の当接面との当接による緩衝部材の変形等の問題を低減する観点からは、緩衝部材の下端面と当接治具の当接面との当接時において両者が可能な限り大きい面積にて面接触することが望ましい。典型的には、当接面は、緩衝部材の下端面の形状に対応する環状の平面である。
【0036】
ところで、図16に示したように、前述した特許文献1に記載された圧入装置(以降、「従来装置1」と称呼される場合がある。)においては、緩衝マット300が外側面に巻回された柱状の触媒担体200が支持治具700上に載置される。支持治具700の内側面には2段の環状段部700a及び700bが形成されており、環状段部700aは触媒担体200の外径よりも若干大径に設定され、環状段部700bはこれより大径で、圧入前の緩衝マット300の外径よりも若干大径に設定されている。即ち、支持治具700の上方から緩衝マット300が外側面に巻回された柱状の触媒担体200が挿入されると、触媒担体200が環状段部700aに嵌合すると共に、緩衝マット300が環状段部700bに嵌合するように構成されている。
【0037】
以上のように、従来装置1においては、筒状部材400の内周面及び当該内周面を下向きに延長してなる仮想的な面である仮想内周面と柱体(触媒担体200)の外側面との間の空間において緩衝マット300の下端面と環状段部700bとが鉛直方向において対向している。この点において、従来装置1における環状段部700bは、第1装置における当接面に相当すると言うことができる。また、従来装置1における案内治具600は、第1装置における第2支持部に相当すると言うことができる。
【0038】
しかしながら、従来装置1においては、圧入過程において緩衝部材300と筒状部材400との間(図17の(a)において破線によって囲まれた部分βを参照)に作用する摩擦力が最大となる、緩衝部材300の全体が筒状部材400の内部に圧入される時点よりも前に、案内治具600が支持治具700に接触して支持治具700が下方へ退避してしまう。その結果、緩衝マット300の下端面から環状段部700bが離隔してしまうので、圧入に伴って緩衝部材300が柱体(触媒担体200)に対して下方へ移動することを阻止することができない場合がある。
【0039】
そこで、第1装置においては、少なくとも圧入の開始から終了までの期間においては筒状部材及び第2支持部の何れとも干渉しないように当接治具が構成されている。従って、上記のように圧入過程の途中の時点において筒状部材及び/又は第2支持部が当接治具に接触して当接面が下方へ移動することは無い。
【0040】
更に、第1装置においては、第1範囲に含まれる所定の位置に当接面が位置するように当接治具が配設されている。第1範囲とは、圧入が実行される前の緩衝部材の下端面の鉛直方向における位置である第1位置から柱体の下端面の鉛直方向における位置である第2位置までの範囲である。従って、圧入に伴って緩衝部材が柱体に対して下方へと移動する場合、緩衝部材の下端面が当接面に当接することができる。
【0041】
尚、詳しくは後述するように、当接面は、第1範囲に含まれる所定の位置に固定されていてもよい。この場合、当接面の鉛直方向における位置は、柱体、緩衝部材及び筒状部材が所期の位置関係となるように定めることができる。或いは、当接面は、第1範囲に含まれる所定の範囲に亘って鉛直方向において進退自在であってもよい。この場合、当接面は、第1範囲の下限である第2位置よりも下方に位置することは無く、当接面が最も下方に位置するときの当接面の鉛直方向における位置は、柱体、緩衝部材及び筒状部材が所期の位置関係となるように定めることができる。
【0042】
図1は、第1装置の構成の一例を示す模式図であり、(a)及び(b)はそれぞれ正面図及び右側面図である。図1に例示する第1装置101は、第1支持部110と、第2支持部120と、圧入部130と、を備える圧入装置である。第1装置101の構成につき以下に詳細に説明するが、以下の説明及び対応する図面に記載される構成はあくまでも第1装置の構成の一例に過ぎず、第1装置の構成はこれらに限定されない。
【0043】
第1支持部110は、支持台111、支持台112及び支持柱113からなる。支持台111は、柱体200の下端面に対応する頂面を有する台座状の部材である。当該頂面上に、柱体200の軸方向が鉛直方向に対して平行となる姿勢にて柱体200が載置される。即ち、支持台111は、柱体200の軸方向が鉛直方向に対して平行となる姿勢にて柱体200を下方から支持する。支持台111は支持台112によって下方から支持されており、支持台112は支持柱113によって下方から支持されている。尚、柱体200の外側面には緩衝部材300が巻回されている。
【0044】
図1に示す例においては、第2支持部120は、鉛直線VLに平行となるように立設された一対のガイドレールLM(所謂LMガイド)によって摺動自在に支持され且つガイドレールLMに固定されたエアシリンダCLによって上向きに付勢されてフローティング支持されている。
【0045】
第2支持部120は、第1支持部110によって支持された柱体200の上方において柱体200と同軸状となる姿勢にて筒状部材400を支持する。図1に示す例に第2支持部120は、前述した特許文献1に記載された圧入装置(従来装置1)が備える案内治具600と同様の構成を有する。即ち、第2支持部120は環状の形状を有し、その中空部の断面積が下方に向かって漸次拡大するテーパ部を有し、筒状部材400は第2支持部120上に載置され、この状態において第2支持部120の中空部と筒状部材400の中空部とが互いに連通している。
【0046】
圧入部130は、第1支持部110によって支持された柱体200と第2支持部120によって支持された筒状部材400とを鉛直方向において相互に近接するように駆動して柱体200と緩衝部材300との組の筒状部材400の内部への圧入を実行する。図1に例示する圧入部130は、押圧部材131、押圧柱132及びアクチュエータ133からなる。
【0047】
押圧部材131は、ガイドレールLMの上方に固定されたアクチュエータ133によって駆動される押圧柱132の先端に接続されて、ガイドレールLM上を鉛直方向に進退可能に支持されている。押圧部材131の下端面は筒状部材400の上端の開口に嵌合することが可能な形状に成形されており、アクチュエータ133の動作により、柱体200を下方へ押圧して、柱体200と緩衝部材300との組を筒状部材400の内部に圧入することができる。
【0048】
第1装置101は、当接治具140を更に備える。当接治具140は、水平面への垂直投影における筒状部材400の内周面と柱体200の外側面との間の領域内において緩衝部材300の下端面と鉛直方向において対向する環状の平面である当接面を有する部材である。また、当接治具140は、少なくとも圧入の開始から終了までの期間においては筒状部材400及び第2支持部120の何れとも干渉しないように構成されている。従って、前述した従来装置1のように圧入過程の途中の時点において筒状部材400及び/又は第2支持部120が当接治具140に接触して当接面が下方へ移動することは無い。
【0049】
更に、当接治具140は、第1範囲に含まれる所定の位置に当接面が位置するように配設されている。第1範囲とは、圧入が実行される前の緩衝部材300の下端面の鉛直方向における位置である第1位置から柱体200の下端面の鉛直方向における位置である第2位置までの範囲である。これにより、上述したように、圧入に伴って緩衝部材300が柱体200に対して下方へと移動する場合であっても、緩衝部材300の下端面に当接面が当接して、緩衝部材の下方への移動を阻止又は低減することができる。
【0050】
図2は、第1装置101を用いて実行される圧入過程の1つの例を示す模式的な断面図である。より詳しくは、図2は、緩衝部材が配設された柱体及び筒状部材が装填された第1装置の第1支持部、第2支持部及び当接治具を含む部分の模式図であり、柱体の軸AXを含む平面による断面図である。尚、図2においては、圧入過程についての理解を容易なものとすることを目的として、柱体200、緩衝部材300、筒状部材400、第1支持部110、第2支持部120及び当接治具140のみが描かれており、圧入部130及びその他の部材は省略されている。
【0051】
先ず、図2の(a)は、外側面に緩衝部材300が巻回された柱体200が第1支持部110によって支持され、筒状部材400が第2支持部120によって支持されているものの、圧入は未だ開始されていない状態を表す。尚、この例においては、柱体200の外側面の所期の位置に緩衝部材300が巻回されている。そして、この例に示す第1装置101は、第1支持部110が備える支持台111に柱体200と緩衝部材300との組が載置された状態において当接治具140の当接面140aと緩衝部材300の下端面とが当接するように構成されている。即ち、この例においては、当接治具140は、圧入が実行される前の緩衝部材300の下端面の鉛直方向における位置である第1位置に当接面140aが位置するように配設されている。従って、当接面140aの位置は上述した第1範囲に含まれている。
【0052】
一方、図2の(b)は図示しない圧入部によって柱体200と筒状部材400とが鉛直方向において相互に近接するように駆動されて(黒塗りの矢印を参照)柱体200と緩衝部材300との組の筒状部材400の内部への圧入が完了した状態を表す。図2の(a)を参照しながら上述したように、第1装置101は、第1支持部110が備える支持台111に柱体200と緩衝部材300との組が載置された状態において当接治具140の当接面140aと緩衝部材300の下端面とが当接するように構成されている。
【0053】
従って、例えば柱体200と緩衝部材300との間の摩擦係数(静止摩擦係数及び/又は動摩擦係数)の方が緩衝部材300と筒状部材400との間の摩擦係数よりも低い場合等、圧入に伴って緩衝部材300が柱体200に対して下方へと移動する可能性が高い場合においても、緩衝部材300の下端面と当接面140aとの当接により、緩衝部材300の下端面が下方へと移動することを確実に阻止又は低減することができる。
【0054】
ところで、図2に示した例においては、上述したように、柱体200の外側面の所期の位置に緩衝部材300が巻回されていた。しかしながら、圧入に伴って緩衝部材300が柱体200に対して下方へと移動することを予め見込んで、柱体200の外側面の所期の位置よりも所定の長さだけ上方の位置に緩衝部材300が巻回されていてもよい。図3の(a)は、上述した図2の(a)と同様に、外側面に緩衝部材300が巻回された柱体200が第1支持部110によって支持され、筒状部材400が第2支持部120によって支持されているものの、圧入は未だ開始されていない状態を表す。但し、この例においては、柱体200の外側面の所期の位置よりも所定の長さだけ上方の位置に緩衝部材300が巻回されている。
【0055】
そして、この例に示す第1装置101においては、第1支持部110が備える支持台111に柱体200と緩衝部材300との組が載置された状態において当接治具140の当接面140aと緩衝部材300の下端面とは当接していない。より具体的には、当接面140aは、緩衝部材300の下端面よりも下方であり且つ柱体200の下端面よりも上方の位置において緩衝部材300の下端面から離隔するように配置されている。即ち、この例においてもまた、当接面140aの位置は上述した第1範囲に含まれている。
【0056】
一方、図3の(b)は図示しない圧入部によって柱体200と筒状部材400とが鉛直方向において相互に近接するように駆動されて(黒塗りの矢印を参照)柱体200と緩衝部材300との組の筒状部材400の内部への圧入が完了した状態を表す。図3の(a)を参照しながら上述したように、この例においては、圧入に伴って緩衝部材300が柱体200に対して下方へと移動することを予め見込んで柱体200の外側面の所期の位置よりも所定の長さだけ上方の位置に緩衝部材300が巻回されており、第1支持部110が備える支持台111に柱体200と緩衝部材300との組が載置された状態において当接治具140の当接面140aと緩衝部材300の下端面とは当接していない。
【0057】
ところで、前述したように、例えば柱体200と緩衝部材300との間の摩擦係数(静止摩擦係数及び/又は動摩擦係数)の方が緩衝部材300と筒状部材400との間の摩擦係数よりも低い場合等において圧入に伴って緩衝部材300が柱体200に対して下方へと移動し始める虞がある。このようにして圧入に伴って緩衝部材300が柱体200に対して下方へと移動し始めても、例えば柱体200の外側面の表面性状、緩衝部材300の嵩密度、筒状部材400の内周面の表面性状、及び柱体200の外側面と筒状部材400の内周面との間の間隔の鉛直方向における変化等に起因して、緩衝部材300の下端面が当接面140aに到達する前に、緩衝部材300の下方への移動が停止する場合もあり得る。しかしながら、一般的には動摩擦係数は静止摩擦係数よりも小さいので、圧入に伴って緩衝部材300が下方へと一旦移動し始めた後は、緩衝部材300の下端面が当接面140aに到達する前に緩衝部材300の下方への移動が停止する可能性は低い。
【0058】
即ち、圧入に伴って緩衝部材300が下方へと一旦移動し始めた後は、少なくとも緩衝部材300の下端面が当接面140aに到達するまでは、緩衝部材300が下方へ移動し続ける場合が多い。このような場合においても、図3に例示する第1装置101においては、緩衝部材300の下端面と当接面140aとがやがて当接することにより、緩衝部材300の下端面が更に下方へと移動することを確実に阻止又は低減することができる。
【0059】
尚、図2及び図3を参照しながら上述したようにして圧入に伴う緩衝部材300の下方への移動が緩衝部材300の下端面と当接面140aとの当接により阻止又は低減される結果として緩衝部材300の変形が生ずる場合がある。この緩衝部材300の変形の程度は、例えば圧入に伴って緩衝部材300に対して下向きに作用する力の大きさと緩衝部材300の剛性及び/又は弾性率との関係によって異なる。例えば、圧入に伴って緩衝部材300に対して下向きに作用する力の大きさに対して緩衝部材300の剛性及び/又は弾性率が小さいほど、圧入に伴う緩衝部材300の鉛直方向における収縮率が大きくなる。逆に、圧入に伴って緩衝部材300に対して下向きに作用する力の大きさに対して緩衝部材300の剛性及び/又は弾性率が大きいほど、圧入に伴う緩衝部材300の鉛直方向における収縮率が小さくなる。
【0060】
また、圧入に伴う緩衝部材300の鉛直方向における収縮率は、圧入過程において緩衝部材300の下端面が当接面140aを押圧している期間の長さ及び当該期間において緩衝部材300の下端面が当接面140aから受ける力の大きさによっても異なる。例えば、圧入に伴って緩衝部材が柱体に対して下方へと移動する場合、図2に示すように圧入の開始から終了までの期間の全体に亘って緩衝部材300の下端面と当接面140aとが当接している状況における緩衝部材300の収縮率は、図3に示すように圧入の開始から終了までの期間の一部の(後半の)期間に亘ってのみ緩衝部材300の下端面と当接面140aとが当接している状況における緩衝部材300の収縮率よりも大きい。
【0061】
ところで、図2及び図3並びに上記説明においては第1範囲に含まれる所定の位置に当接面が固定されている場合について述べたが、前述したように、当接面は第1範囲に含まれる所定の範囲に亘って鉛直方向において進退自在であってもよい。何れの場合においても、当接面が最も下方に位置するときの当接面の鉛直方向における位置は、柱体、緩衝部材及び筒状部材が所期の位置関係となるように定めることができる。
【0062】
〈効果〉
以上のように、第1装置においては、圧入に伴って緩衝部材が柱体に対して下方へ移動する場合であっても、緩衝部材の下端面と当接治具の当接面との当接により緩衝部材の下方への移動を阻止又は低減することができる。その結果、第1範囲に含まれる所望の位置よりも下方へと緩衝部材の下端面が移動することを確実に防止することができる。即ち、第1装置によれば、外側面に緩衝部材が配設された柱体を筒状部材の内部に圧入する際に、柱体、緩衝部材及び筒状部材の間の摩擦係数の大小関係に拘わらず、これらを確実に所期の位置関係となるようにマウントして、筒状部材の内部の所定の位置に柱体を保持することができる。
【0063】
《第2実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第2実施形態に係る圧入装置(以降、「第2装置」と称呼される場合がある。)について説明する。第1装置に関する説明において述べたように、当接面は、第1範囲に含まれる所定の位置に固定されていてもよい。
【0064】
〈構成〉
そこで、第2装置は、上述した第1装置であって、第1範囲に含まれる所定の位置である第3位置に当接面が固定されるように当接治具が配設されていることを特徴とする圧入装置である。
【0065】
前述したように、第1装置に関する説明において参照した図2及び図3並びにこれらの図に対応する説明においては、第1範囲に含まれる所定の位置に当接面が固定されている場合について述べた。即ち、図2及び図3に例示した第1装置101は、第2装置にも該当する。図2の(a)及び図3の(a)においては、圧入が実行される前の緩衝部材300の下端面の鉛直方向における位置である第1位置が破線の矢印P1によって示されており、柱体200の下端面の鉛直方向における位置である第2位置が破線の矢印P2によって示されている。従って、第1位置P1から第2位置P2までの範囲が第1範囲である。
【0066】
図2に示した例においては、前述したように、柱体200の外側面の所期の位置に緩衝部材300が巻回されている。そして、第1支持部110が備える支持台111に柱体200と緩衝部材300との組が載置された状態において当接治具140の当接面140aと緩衝部材300の下端面とが当接している。即ち、この例においては、圧入が実行される前の緩衝部材300の下端面の鉛直方向における位置である第1位置に当接面140aが位置するように当接治具140が固定されている。従って、この例においては、第3位置P3は第1位置P1に一致している。
【0067】
一方、図3に示した例においては、前述したように、圧入に伴って緩衝部材300が柱体200に対して下方へと移動することを予め見込んで、柱体200の外側面の所期の位置よりも所定の長さだけ上方の位置に緩衝部材300が巻回されている。そして、第1支持部110が備える支持台111に柱体200と緩衝部材300との組が載置された状態において当接治具140の当接面140aは、緩衝部材300の下端面よりも下方であり且つ柱体200の下端面よりも上方の位置において緩衝部材300の下端面から離隔した位置に固定されている。即ち、この例においては、第3位置P3は第1位置P1よりも下方であり且つ第2位置P2よりも上方である位置である(図中に示す破線の矢印P3を参照)。
【0068】
〈効果〉
以上のように、第2装置においては、圧入が実行される前の緩衝部材の下端面の鉛直方向における位置である第1位置から柱体の下端面の鉛直方向における位置である第2位置までの範囲である第1範囲に含まれる所定の位置である第3位置に当接面が固定されるように当接治具が配設されている。このため、圧入に伴って緩衝部材の下端面が第3位置よりも下方へと移動することを確実に防止することができる。従って、第2装置において柱体、緩衝部材及び筒状部材が所期の位置関係となるように第3位置を定めることにより、外側面に緩衝部材が配設された柱体を筒状部材の内部に圧入する際に、柱体、緩衝部材及び筒状部材の間の摩擦係数の大小関係に拘わらず、これらをより確実に所期の位置関係となるようにマウントして、筒状部材の内部の所定の位置に柱体を保持することができる。
【0069】
《第3実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第3実施形態に係る圧入装置(以降、「第3装置」と称呼される場合がある。)について説明する。第1装置に関する説明において述べたように、当接面は、第1範囲に含まれる所定の範囲に亘って鉛直方向において進退自在であってもよい。
【0070】
〈構成〉
そこで、第3装置は、上述した第1装置であって、第3位置から第4位置までの範囲である第2範囲に亘って当接面が鉛直方向において進退自在であるように当接治具が構成されており且つ圧入が開始される時点においては第3位置に当接面が位置するように当接治具が配設されている圧入装置である。第3位置は第1範囲に含まれる所定の位置であり、第4位置は第1範囲に含まれ且つ第3位置よりも下方に位置する位置である。換言すれば、鉛直方向において進退自在である当接面の可動範囲の上限位置は第3位置であり、当該可動範囲の下限位置は第4位置である。第2範囲に亘って鉛直方向において当接面を進退自在とするため構成は特に限定されず、例えば、支持台に形成された孔に鉛直方向に摺動可能に嵌合又は挿通された支持柱によって当接治具の当接面を有する部分が支持されていてもよい。
【0071】
更に、第3装置は、当接面が上向きに付勢されるように当接治具を駆動する付勢部を更に備える。付勢部の構成は、当接面が上向きに付勢されるように当接治具を駆動することが可能である限り、特に限定されない。付勢部の構成の具体例としては、例えば、当接面を上向きに付勢するように構成された弾性部材(例えば、各種バネ及びゴム等の弾性材料等)を備える機構及び何らかの気圧又は液圧によって当接面を上向きに付勢するように構成された圧力駆動システム(例えば、油圧シリンダ等)を備える機構等を挙げることができる。
【0072】
第3装置においては、上記構成により、第2範囲に亘って進退自在である当接面が、圧入が開始される時点においては、第3位置に位置するように当接治具が構成されている。
【0073】
加えて、付勢部は、緩衝部材の下端面と当接面とが当接する時点から圧入が終了する時点までの期間のうちの少なくとも一部の期間において付勢力が押圧力よりも小さいように構成されている。ここで、付勢力とは付勢部によって当接面に上向きに付与される力であり、押圧力とは緩衝部材の下端面が当接面を下向きに押圧する力である。
【0074】
上記のように付勢力を設定するための手段は特に限定されない。例えば、当接面を上向きに付勢するように構成された弾性部材(例えば、各種バネ及びゴム等の弾性材料等)を備える機構によって付勢部が構成されている場合は、付勢部を構成する弾性部材を換装することにより、付勢部を構成する弾性部材の弾性率を変化させてもよい。或いは、当該弾性部材の鉛直方向における初期長さを増減させる機構を付勢部が備えていてもよい。一方、上述したような圧力駆動システムを備える機構によって付勢部が構成されている場合は、当該圧力駆動システムによって当接治具を駆動する原動力を発揮する流体(気体又は液体)の圧力を増減させる機構を当該圧力駆動システムが備えていてもよい。
【0075】
図4は、上述した第1装置及び第2装置に関する説明において参照された図3に対応する図面であり、緩衝部材が配設された柱体及び筒状部材が装填された第3装置の第1支持部、第2支持部及び当接治具を含む部分の柱体の軸AXを含む平面による模式的な断面図である。図4においても、図3と同様に、圧入過程についての理解を容易なものとすることを目的として、柱体200、緩衝部材300、筒状部材400、第1支持部110、第2支持部120及び当接治具140のみが描かれており、圧入部130及びその他の部材は省略されている。
【0076】
図4の(a)は、図3の(a)と同様に、外側面に緩衝部材300が巻回された柱体200が第1支持部110によって支持され、筒状部材400が第2支持部120によって支持されているものの、圧入は未だ開始されていない状態を表す。また、圧入に伴って緩衝部材300が柱体200に対して下方へと移動することを予め見込んで、柱体200の外側面の所期の位置よりも所定の長さだけ上方の位置に緩衝部材300が巻回されている。
【0077】
更に、圧入が実行される前の緩衝部材300の下端面の鉛直方向における位置である第1位置が破線の矢印P1によって示されており、柱体200の下端面の鉛直方向における位置である第2位置が破線の矢印P2によって示されている。従って、第1位置P1から第2位置P2までの範囲が第1範囲である。そして、第1支持部110が備える支持台111に柱体200と緩衝部材300との組が載置された状態において当接治具140の当接面140aと緩衝部材300の下端面とは当接していない。より具体的には、当接面140aは、緩衝部材300の下端面(第1位置P1)よりも下方であり且つ柱体200の下端面(第2位置P2)よりも上方の位置において緩衝部材300の下端面から離隔するように配置されている。即ち、圧入が開始される時点において、当接面140aは第1範囲に含まれる所定の位置にあり、この位置が第3位置P3に該当する。
【0078】
但し、上述したように、第3装置103においては、第3位置P3から第1範囲に含まれ且つ第3位置P3よりも下方に位置する第4位置(図4の(b)に示す破線の矢印P4を参照)までの範囲である第2範囲に亘って当接面が鉛直方向において進退自在であるように当接治具140が構成されている。より詳しくは、第3装置103が備える当接治具140は、当接部141と、支持柱142と、ストッパ143と、付勢部144と、を備える。
【0079】
当接部141は、当接治具140の当接面140aを有する部材である。支持柱142は、第1支持部110を構成する支持台112に鉛直方向に形成された貫通孔に摺動可能に挿通され且つ当接部141を下方から支持する部材である。ストッパ143は、支持台112の下端面と当接することにより当接面140aが第3位置P3よりも上方へ移動することを阻止するように構成された部材である。付勢部144は、当接部141を上向きに付勢する弾性部材としてのバネを備える機構である。当接部141は、その下端面が支持台112の上端面と当接することにより当接面140aが第4位置P4よりも下方へ移動することを阻止するように構成されている。斯かる観点からは、当接部141の下端面は、当接面140aが第4位置P4よりも下方へ移動することを阻止するように構成されたストッパであると言うことができる。
【0080】
第3装置103においては、上記構成により、第3位置P3から第4位置P4までの範囲である第2範囲に亘って当接面140aが鉛直方向において進退自在であり且つ圧入が開始される時点においては第3位置P3に当接面140aが位置するように当接治具140が構成されている。
【0081】
一方、図4の(b)は図示しない圧入部によって柱体200と筒状部材400とが鉛直方向において相互に近接するように駆動されて(黒塗りの矢印を参照)柱体200と緩衝部材300との組の筒状部材400の内部への圧入が完了した状態を表す。前述したように、例えば柱体200と緩衝部材300との間の摩擦係数(静止摩擦係数及び/又は動摩擦係数)の方が緩衝部材300と筒状部材400との間の摩擦係数よりも低い場合等において圧入に伴って緩衝部材300が柱体200に対して下方へと移動する場合、一般的には、第3位置P3に位置する当接面140aに緩衝部材300の下端面がやがて当接する。
【0082】
緩衝部材300の下端面が当接面140aに当接した以降は、緩衝部材300の下端面によって当接面140aが押圧されることにより、付勢部144が備えるバネを押し縮めながら当接治具140が下方へ移動する(図4の(b)に示す細い実線の矢印を参照)。やがて、当接部141の下端面が支持台112の上端面と当接することにより当接治具140の下降が停止し、当接面140aが第4位置P4において固定される。そして、上記のように当接面140aが第4位置P4において固定される時点又は当該時点以降の所定の時点において筒状部材400が所期の位置まで下降し、圧入が完了する。
【0083】
ところで、上記のように圧入に伴って緩衝部材300が柱体200に対して下方へと移動して緩衝部材300の下端面が当接面140aに当接した後の緩衝部材300の下方への移動距離の大きさは、付勢部144によって当接面140aに上向きに付与される力である付勢力の大きさと緩衝部材300の下端面が当接面140aを下向きに押圧する力である押圧力の大きさとの関係によって定まる。
【0084】
例えば、緩衝部材300の下端面と当接面140aとが当接する時点から圧入が終了する時点までの期間の全体に亘って付勢力が押圧力よりも大きい場合は、第3位置P3において緩衝部材300の下端面が当接面140aに当接した後も、当接面140aは第3位置P3に留まり、緩衝部材300の下端面が更に下方へと移動することが阻止される。即ち、この場合は、第3位置P3に当接面140aが実質的に固定されているので、当該圧入装置は前述した第2装置に相当する。
【0085】
しかしながら、第3装置103においては、上述したように、緩衝部材300の下端面と当接面140aとが当接する時点から圧入が終了する時点までの期間のうちの少なくとも一部の期間において付勢力が押圧力よりも小さいように構成されている。このように付勢力を設定するための手段の具体的な構成については、図4には描かれていないが、既に上述した通りであるので、ここでの説明は省略する。
【0086】
上記構成により、第3装置103においては、緩衝部材300の下端面と当接面140aとが当接する時点から圧入が終了する時点までの期間のうちの少なくとも一部の期間において、緩衝部材300の下端面によって当接面140aが下向きに押圧されて当接治具140が下方へ移動する。しかしながら、上述したように当接部141の下端面が支持台112の上端面と当接することにより当接面140aが第4位置P4よりも下方へ移動することが阻止されるので、緩衝部材300の下端面が第4位置P4よりも下方へ移動することは無い。
【0087】
〈効果〉
以上のように、第3装置においては、第1範囲に含まれる所定の位置である第3位置から第1範囲に含まれ且つ第3位置よりも下方に位置する第4位置までの範囲である第2範囲に亘って当接面が鉛直方向において進退自在であるように当接治具が構成されている。また、圧入が開始される時点においては第3位置に当接面が位置するように当接治具が配設されている。更に、第3装置は、当接面が上向きに付勢されるように当接治具を駆動する付勢部を更に備える。加えて、付勢部は、緩衝部材の下端面と当接面とが当接する時点から圧入が終了する時点までの期間のうちの少なくとも一部の期間において付勢力が押圧力よりも小さいように構成されている。
【0088】
上記構成により、第3装置においては、緩衝部材の下端面と当接面とが当接する時点から圧入が終了する時点までの期間のうちの少なくとも一部の期間において、緩衝部材の下端面によって当接面が下向きに押圧されて当接治具が下方へ移動する。しかしながら、上述したように当接面が第4位置よりも下方へ移動することは無く、緩衝部材の下端面もまた第4位置よりも下方へ移動することは無い。このため、圧入に伴って緩衝部材の下端面が第4位置よりも下方へと移動することを確実に防止することができる。従って、第3装置において柱体、緩衝部材及び筒状部材が所期の位置関係となるように第4位置を定めることにより、外側面に緩衝部材が配設された柱体を筒状部材の内部に圧入する際に、柱体、緩衝部材及び筒状部材の間の摩擦係数の大小関係に拘わらず、これらをより確実に所期の位置関係となるようにマウントして、筒状部材の内部の所定の位置に柱体を保持することができる。
【0089】
また、圧入に伴う緩衝部材の下方への移動が緩衝部材の下端面と当接面との当接により阻止又は低減される結果として生じ得る緩衝部材の変形の程度は、前述したように、圧入過程において緩衝部材の下端面が当接面を押圧している期間の時間的な長さ及び当該期間において緩衝部材の下端面が当接面から受ける力の大きさによっても異なる。図3に例示した第2装置に該当する第1装置101と図4に例示した第3装置103とでは、圧入過程において緩衝部材300の下端面が当接面140aを押圧している期間の時間的な長さは同じである。
【0090】
しかしながら、第3装置103が備える付勢部144は、緩衝部材300の下端面と当接面140aとが当接する時点から圧入が終了する時点までの期間のうちの少なくとも一部の期間において付勢力が押圧力よりも小さいように構成されている。従って、第3装置103においては、緩衝部材300の下端面によって押圧される当接面140aが第3位置P3から第4位置P4まで下降する期間のうちの少なくとも一部の期間において緩衝部材300の下端面が当接面140aから受ける力が、第2装置に該当する第1装置101に比較して、より小さい。従って、圧入に伴う緩衝部材300の下方への移動が緩衝部材300の下端面と当接面140aとの当接により阻止又は低減される結果として生じ得る緩衝部材300の変形の程度(緩衝部材300の鉛直方向における収縮率)は、第2装置に該当する第1装置101に比較して、第3装置103の方がより小さい。
【0091】
以上のように、第3装置においては、圧入に伴う緩衝部材の鉛直方向における収縮率を低減することができる。従って、第3装置によれば、外側面に緩衝部材が配設された柱体が筒状部材の内部へと圧入されてなる集成体が例えば圧入に伴う緩衝部材の嵩密度の増大等が望ましくない用途等において使用される場合においても、柱体、緩衝部材及び筒状部材の間の摩擦係数の大小関係に拘わらず、これらをより確実に所期の位置関係にマウントして当該集成体を製造することができる。
【0092】
《第4実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第4実施形態に係る圧入装置(以降、「第4装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
【0093】
前述したように、第3装置は、当接面が第1範囲に含まれる所定の範囲に亘って鉛直方向において進退自在であり且つ緩衝部材の下端面と当接面とが当接する時点から圧入が終了する時点までの期間のうちの少なくとも一部の期間において付勢力が押圧力よりも小さいように構成されている。その結果、第3装置によれば、圧入に伴う緩衝部材の鉛直方向における収縮率を低減しつつ、柱体、緩衝部材及び筒状部材の間の摩擦係数の大小関係に拘わらず、これらをより確実に所期の位置関係となるようにマウントして、筒状部材の内部の所定の位置に柱体を保持することができる。
【0094】
しかしながら、外側面に緩衝部材が配設された柱体が筒状部材の内部へと圧入されてなる集成体の用途によっては、圧入過程の進行に伴って緩衝部材の(特に下端面近傍の)嵩密度が所期の値となるように調整することが望ましい場合もある。
【0095】
〈構成〉
そこで、第4装置は、上述した第1装置であって、第3位置から第4位置までの範囲である第2範囲に亘って当接面が鉛直方向において進退自在であるように当接治具が構成されており且つ圧入が開始される時点においては第3位置に当接面が位置するように当接治具が配設されている圧入装置である。第3位置は第1範囲に含まれる所定の位置であり、第4位置は第1範囲に含まれ且つ第3位置よりも下方に位置する位置である。前述したように、鉛直方向において進退自在である当接面の可動範囲の上限位置が第3位置であり、当該可動範囲の下限位置が第4位置である。第2範囲に亘って鉛直方向において当接面を進退自在とするため構成は特に限定されず、例えば、支持台に形成された孔に鉛直方向に摺動可能に嵌合又は挿通された支持柱によって当接治具の当接面を有する部分が支持されていてもよい。
【0096】
加えて、第4装置は、第2範囲に亘って所定の速度にて当接面が移動するように当接治具を駆動する駆動部を更に備える。駆動部の構成は、第2範囲に亘って所定の速度にて当接面が移動するように当接治具を駆動することが可能である限り、特に限定されない。駆動部の構成の具体例としては、例えば、何らかの気圧又は液圧によって当接面を上向きに付勢するように構成された圧力駆動システム(例えば、油圧シリンダ等)を備える機構及び通電により作動する電動機(モータ)を備える機構等を挙げることができる。
【0097】
第4装置においては、駆動部によって当接面の位置を制御することができるので、鉛直方向に進退自在な当接面の可動範囲である第2範囲の上限位置である第3位置及び下限位置である第4位置を駆動部によって定めることができる。但し、第4装置において、第3装置が備えるストッパ及び当接部の下端面等のような部材を備える機構によって第2範囲の上限位置及び/又は下限位置をそれぞれ第3位置及び/又は第4位置に定めてもよい。更に、第4装置が、第3装置が備える付勢部を更に備えていてもよい。
【0098】
図5は、上述した第1装置及び第2装置に関する説明において参照された図3に対応する図面であり、緩衝部材が配設された柱体及び筒状部材が装填された第4装置の第1支持部、第2支持部及び当接治具を含む部分の柱体の軸AXを含む平面による模式的な断面図である。図5においては、圧入過程についての理解を容易なものとすることを目的として、柱体200、緩衝部材300、筒状部材400、第1支持部110、第2支持部120、当接治具140及び駆動部150のみが描かれており、圧入部130及びその他の部材は省略されている。
【0099】
図5の(a)は、図3の(a)と同様に、外側面に緩衝部材300が巻回された柱体200が第1支持部110によって支持され、筒状部材400が第2支持部120によって支持されているものの、圧入は未だ開始されていない状態を表す。また、圧入に伴って緩衝部材300が柱体200に対して下方へと移動することを予め見込んで、柱体200の外側面の所期の位置よりも所定の長さだけ上方の位置に緩衝部材300が巻回されている。
【0100】
更に、圧入が実行される前の緩衝部材300の下端面の鉛直方向における位置である第1位置が破線の矢印P1によって示されており、柱体200の下端面の鉛直方向における位置である第2位置が破線の矢印P2によって示されている。従って、第1位置P1から第2位置P2までの範囲が第1範囲である。圧入が開始される時点において、当接面140aは、緩衝部材300の下端面(第1位置P1)よりも下方であり且つ柱体200の下端面(第2位置P2)よりも上方の位置において緩衝部材300の下端面から離隔するように配置されている。即ち、当接面140aは第1範囲に含まれる所定の位置にあり、この位置が第3位置P3に該当する。
【0101】
第4装置104が備える当接治具140は、当接部141及び支持柱142を備える。当接部141は当接治具140の当接面140aを有する部材であり、支持柱142は第1支持部110を構成する支持台112に鉛直方向に形成された貫通孔に摺動可能に挿通され且つ当接部141を下方から支持する部材である。
【0102】
第4装置104は、駆動部150を更に備える。図5に例示する駆動部150は、当接治具140が備える支持柱142を鉛直方向に駆動するアクチュエータとしてステッピングモータを備える機構である。第4装置104においては、駆動部150によって当接面の位置を精密に制御することができる。従って、駆動部150は、第2範囲に亘って所定の速度にて当接面140aが移動するように当接治具を駆動することができる。また、鉛直方向に進退自在な当接面の可動範囲である第2範囲の上限位置である第3位置P3及び下限位置である第4位置P4もまた、駆動部によって支持柱142を駆動する範囲を設定することにより適宜定めることができる。更に、駆動部150により、圧入が開始される時点においては第3位置P3に当接面140aが位置するように当接治具140を駆動することができる。
【0103】
一方、図5の(b)は図示しない圧入部によって柱体200と筒状部材400とが鉛直方向において相互に近接するように駆動されて(黒塗りの矢印を参照)柱体200と緩衝部材300との組の筒状部材400の内部への圧入が完了した状態を表す。前述したように、例えば柱体200と緩衝部材300との間の摩擦係数(静止摩擦係数及び/又は動摩擦係数)の方が緩衝部材300と筒状部材400との間の摩擦係数よりも低い場合等において圧入に伴って緩衝部材300が柱体200に対して下方へと移動する場合、一般的には、第3位置P3に位置する当接面140aに緩衝部材300の下端面がやがて当接する。
【0104】
緩衝部材300の下端面が当接面140aに当接した以降は、緩衝部材300の下端面によって当接面140aが押圧される。やがて、当接面140aが第3位置P3から第4位置P4まで下降すると、駆動部150による当接治具140の駆動(移動)が停止し、当接面140aが第4位置P4において固定される。そして、上記のように当接面140aが第4位置P4において固定される時点又は当該時点以降の所定の時点において筒状部材400が所期の位置まで下降し、圧入が完了する。
【0105】
上記のような圧入過程において緩衝部材300の下端面が当接面140aから受ける力の大きさは、圧入部130によって駆動される筒状部材400の下降速度と、駆動部150によって駆動される当接治具140(の当接面140a)の下降速度の差異の大きさによって異なる。具体的には、筒状部材400の下降速度に対して当接面140aの下降速度が低い(遅い)ほど、緩衝部材300の下端面が当接面140aから受ける力が大きくなり、緩衝部材300の鉛直方向における収縮率が大きくなり、緩衝部材300の(特に下端面近傍の)嵩密度が大きくなる。
【0106】
従って、当接治具140(の当接面140a)の下降速度を駆動部150によって制御することにより、圧入過程における緩衝部材300の(特に下端面近傍の)嵩密度の変化(増大)の大きさを制御して、圧入完了時の緩衝部材300の嵩密度を所期の値とすることができる。
【0107】
〈効果〉
以上のように、第4装置においては、上述した第2範囲における当接面の移動速度を駆動部よって制御することにより、圧入に伴う緩衝部材の鉛直方向における収縮率を制御して、圧入の完了時における緩衝部材の(特に下端面近傍の)嵩密度を容易に所期の値とすることができる。
【0108】
更に、上述したように、駆動部によって支持柱を駆動する範囲を適宜設定することにより、鉛直方向に進退自在な当接面の可動範囲である第2範囲の上限位置である第3位置及び下限位置である第4位置を変更することができる。従って、例えば銘柄変更等により、第4装置を用いる圧入によって集成される集成体を構成する柱体、緩衝部材及び筒状部材の何れかかが変更される場合においても、第3位置及び第4位置を駆動部の設定によって容易に変更することができる。その結果、例えば銘柄変更等に伴う製造条件の変更に要する労力、時間及びコストを低減することができる。
【0109】
《第5実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第5実施形態に係る圧入装置(以降、「第5装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
【0110】
ところで、前述したように、柱体の具体例としては、例えば触媒コンバータを構成する触媒担体及び電気加熱式触媒(EHC)を構成する発熱体としてのセラミック製ハニカム構造体等を挙げることができる。このような柱体の下端面は本来であれば柱体の軸に直交する平面である筈である。しかしながら、実際には、柱体の下端面が柱体の軸に対して垂直ではない場合がある。この場合、軸方向が鉛直方向に対して平行となる姿勢にて柱体を第1支持部が有する支持台上に載置する際に柱体の下端面と支持台とが局所的に接触して応力集中等に起因する柱体の破損等の問題に繋がる虞がある。
【0111】
〈構成〉
そこで、第5装置は、上述した第1装置乃至第4装置の何れかであって、支持台の頂面である支持面が水平面に対して所定の角度範囲において傾動自在となるように支持台が構成されていることを特徴とする圧入装置である。
【0112】
上記のように、支持面は、支持台の頂面であり、第1支持部によって柱体を下方から支持している状態において柱体の下端面と当接する面である。支持面を水平面に対して所定の角度範囲において傾動自在とするための構成は特に限定されない。例えば、柱体が載置される頂面(即ち、支持面)を有する部材である載置部と載置部を下方から支持する支持部とに支持台を分割し、載置部と支持部とを球面軸受のような傾動可能な接続機構によって接続することによって、支持面を水平面に対して傾動自在とすることができる。また、例えば、所定の間隔を空けて載置部の底面に対向する複数の部材の配設等により、支持面の傾動可能な角度を所定の範囲に規制することができる。更に、例えば、載置部を下方から上向きに付勢する部材の配設等により、外力が作用しない状態における支持面の角度を水平に維持することもできる。
【0113】
図6は、上述した第1装置及び第2装置に関する説明において参照された図3に対応する図面であり、緩衝部材が配設された柱体及び筒状部材が装填された第5装置の第1支持部、第2支持部及び当接治具を含む部分の柱体の軸AXを含む平面による模式的な断面図である。図6においても、図3と同様に、圧入過程についての理解を容易なものとすることを目的として、柱体200、緩衝部材300、筒状部材400、第1支持部110、第2支持部120及び当接治具140のみが描かれており、圧入部130及びその他の部材は省略されている。
【0114】
図6の(a)は、図3の(a)と同様に、圧入が未だ開始されていない状態を表す。柱体200、緩衝部材300及び筒状部材400並びに第1支持部110及び第2支持部120の位置関係もまた図3の(a)と同様であり、第1位置、第2位置及び第3位置が破線の矢印P1、P2及びP3によってそれぞれ示されている。第1位置P1から第2位置P2までの範囲が第1範囲である。
【0115】
第5装置105が備える第1支持部110を構成する支持台111は、載置部111aと支持部111bとに分割されている。支持部111bの頂面の中央には上向きに凸状の球面を有する球面部111cが設けられている。一方、載置部111aの底面の中央には球面部111cの球面に対応する下向きに凹状の球面を有する穴が設けられている。球面部111cの球面が載置部111aの当該穴に摺動可能に嵌合することにより、載置部111aと支持部111bとが球面軸受のように接続されている。斯かる構成により、支持台111(を構成する載置部111a)の頂面である支持面が水平面に対して傾動自在となるように支持台111が構成されている。
【0116】
尚、図6に例示する第5装置105は、複数の傾動規制部114及び複数の水平維持部115を更に備える。傾動規制部114は、所定の間隔を空けて載置部111aの底面に対向する部材である。水平維持部115は、載置部111aを下方から上向きに付勢する部材としてのバネを備える機構である。第5装置105においては、複数の傾動規制部114と複数の水平維持部115とが球面部111cの周りに交互に等間隔に配置されている。これにより、支持台111(を構成する載置部111a)の頂面である支持面の傾動可能な角度が所定の範囲(例えば、水平面に対して±1°等)に規制されると共に外力が作用しない状態における支持面が水平に維持される。但し、傾動規制部114及び水平維持部115は、第5装置の必須の構成要素ではなく、必要に応じて設けることができる。
【0117】
一方、図6の(b)は図示しない圧入部によって柱体200と筒状部材400とが鉛直方向において相互に近接するように駆動されて(黒塗りの矢印を参照)柱体200と緩衝部材300との組の筒状部材400の内部への圧入が完了した状態を表す。上述したような構成を有する第5装置105によれば、柱体200の下端面が水平ではない(柱体200の軸に対して垂直ではない)場合においても、載置部111aが傾斜して柱体200の下端面と支持面とが面接触することができる。従って、圧入過程においても柱体200の下端面と支持面とが局所的に接触して応力集中等に起因する柱体200の破損等の問題に繋がる虞を低減することができる。
【0118】
〈効果〉
以上のように、第5装置においては、支持台の頂面である支持面が水平面に対して所定の角度範囲において傾動自在となるように支持台が構成されている。従って、柱体の下端面が水平ではない(柱体の軸に対して垂直ではない)場合においても、柱体の下端面の角度に応じて支持面が傾斜して、柱体の下端面と支持面とが面接触することができる。その結果、柱体の下端面と支持面とが局所的に接触することによる応力集中等に起因する柱体の破損等の問題に繋がる虞を低減することができる。
【0119】
《第6実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第6実施形態に係る圧入方法(以降、「第1方法」と称呼される場合がある。)について説明する。
【0120】
本明細書の冒頭において述べたように、本発明は、前述したような圧入装置のみならず、本発明に係る圧入装置を用いる圧入方法にも関する。
【0121】
〈構成〉
上記の通り、第1方法は、外側面に緩衝部材が配設された柱体を筒状部材の内部へ圧入装置を用いて圧入する圧入方法である。第1方法において用いられる圧入装置は、上述した本発明の第1実施形態に係る圧入装置(第1装置)である。第1装置の構成及び動作については、第1装置に関する説明において既に詳細に述べたので、ここでの説明は省略する。更に、第1方法は、以下に列挙する第1工程乃至第4工程を含む。
【0122】
第1工程:柱体の外側面に緩衝部材を配設する。
第2工程:外側面に緩衝部材が配設された柱体を柱体の軸方向が鉛直方向に対して平行となる姿勢にて第1支持部によって支持する。
第3工程:第1支持部によって支持された柱体の上方において柱体と同軸状となる姿勢にて筒状部材を第2支持部によって支持する。
第4工程:第1支持部によって支持された柱体と第2支持部によって支持された筒状部材とを鉛直方向において相互に近接するように圧入部によって駆動して柱体と緩衝部材との組を筒状部材の内部へ圧入する。
【0123】
更に、第1方法においては、圧入の実行に伴って緩衝部材が柱体に対して下方へ移動する場合であっても、緩衝部材の下端面と当接面との当接により、緩衝部材の下端面が当接面よりも下方へ移動することが阻止される。
【0124】
但し、第1装置に関する説明において述べたように、当接面は、第1範囲に含まれる所定の位置に固定されていてもよく、或いは、第1範囲に含まれる所定の範囲に亘って鉛直方向において進退自在であってもよい。前者の場合、当接面の鉛直方向における位置は、柱体、緩衝部材及び筒状部材が所期の位置関係となるように定めることができ、当接面が固定されている位置よりも下方へと緩衝部材の下端面が移動することが阻止される。一方、後者の場合、当接面の進退可能な範囲の下限位置は、柱体、緩衝部材及び筒状部材が所期の位置関係となるように定めることができ、当接面の下限位置よりも下方へと緩衝部材の下端面が移動することが阻止される。
【0125】
図7は、第1方法において実行される各工程を示すフローチャートである。第1方法が開始されると、先ずステップS10において上述した第1工程が実行され、柱体の外側面に緩衝部材が配設される。例えば、シート状の緩衝マット等の緩衝部材が柱状の触媒担体等の柱体の外側面に巻回される。必要に応じて、例えば可燃性テープ等によって緩衝部材が固定されていてもよい。更に、例えばワイヤネットリング(金属細線製の網によって構成されるリング状の部材)が緩衝部材に隣接して装着されていてもよい。
【0126】
次に、ステップS20へと進み、上述した第2工程が実施され、上述した第1工程において外側面に緩衝部材が配設された柱体が、柱体の軸方向が鉛直方向に対して平行となる姿勢にて、第1支持部によって支持される。典型的には、第1支持部が有する支持台の頂面に柱体の下端面が当接するように、第1支持部の上に柱体が載置される。
【0127】
次に、ステップS30へと進み、上述した第3工程が実施され、上述した第1工程において第1支持部によって支持された柱体の上方において柱体と同軸状となる姿勢にて筒状部材が第2支持部によって支持される。例えば、前述した特許文献1に記載された圧入装置(従来装置1)が備える案内治具と同様の構成を有する第2支持部が柱体の上方において柱体と同軸状となるように配置され、この第2支持部の上に筒状部材が載置される。
【0128】
次に、ステップS40へと進み、上述した第4工程が実施され、第1支持部によって支持された柱体と第2支持部によって支持された筒状部材とが鉛直方向において相互に近接するように圧入部によって駆動され、柱体と緩衝部材との組が筒状部材の内部へと圧入される。
【0129】
第1方法においては、上記のような第4工程において実行される圧入に伴って緩衝部材が柱体に対して下方へ移動する場合であっても、緩衝部材の下端面と当接面との当接により、緩衝部材の下端面が当接面よりも下方へ移動することが阻止される。
【0130】
〈効果〉
以上のように、第1方法においては、圧入に伴って緩衝部材が柱体に対して下方へ移動する場合であっても、緩衝部材の下端面と当接治具の当接面との当接により、緩衝部材の下方への移動を阻止又は低減することができる。その結果、第1範囲に含まれる所望の位置よりも下方へと緩衝部材の下端面が移動することを確実に防止することができる。即ち、第1方法によれば、外側面に緩衝部材が配設された柱体を筒状部材の内部に圧入する際に、柱体、緩衝部材及び筒状部材の間の摩擦係数の大小関係に拘わらず、これらを確実に所期の位置関係となるようにマウントして、筒状部材の内部の所定の位置に柱体を保持することができる。
【0131】
《第7実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第7実施形態に係る圧入方法(以降、「第2方法」と称呼される場合がある。)について説明する。第1装置に関する説明において述べたように、当接面は、第1範囲に含まれる所定の位置に固定されていてもよい。
【0132】
〈構成〉
そこで、第2方法は、上述した第1方法であって、上述した本発明の第2実施形態に係る圧入装置(第2装置)を用いる圧入方法である。第2装置は、前述した第1装置であって、第1範囲に含まれる所定の位置である第3位置に当接面が固定されるように当接治具が配設されていることを特徴とする圧入装置である。第2装置の構成及び動作については、第2装置に関する説明において既に詳細に述べたので、ここでの説明は省略する。
【0133】
〈効果〉
上記のような構成を有する第2装置を用いて圧入が実行される第2方法においては、圧入に伴って緩衝部材の下端面が第3位置よりも下方へと移動することを確実に防止することができる。従って、第2方法によれば、柱体、緩衝部材及び筒状部材が所期の位置関係となるように第3位置を定めることにより、外側面に緩衝部材が配設された柱体を筒状部材の内部に圧入する際に、柱体、緩衝部材及び筒状部材の間の摩擦係数の大小関係に拘わらず、これらをより確実に所期の位置関係となるようにマウントして、筒状部材の内部の所定の位置に柱体を保持することができる。
【0134】
《第8実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第8実施形態に係る圧入方法(以降、「第3方法」と称呼される場合がある。)について説明する。第1装置に関する説明において述べたように、当接面は、第1範囲に含まれる所定の範囲に亘って鉛直方向において進退自在であってもよい。
【0135】
〈構成〉
そこで、第3方法は、上述した第1方法であって、上述した本発明の第3実施形態に係る圧入装置(第3装置)を用いる圧入方法である。第3装置は、前述した第1装置であって、第3位置から第4位置までの範囲である第2範囲に亘って当接面が鉛直方向において進退自在であるように当接治具が構成されており且つ圧入が開始される時点においては第3位置に当接面が位置するように当接治具が配設されている圧入装置である。第3位置は第1範囲に含まれる所定の位置であり、第4位置は第1範囲に含まれ且つ第3位置よりも下方に位置する位置である。更に、第3装置は、当接面が上向きに付勢されるように当接治具を駆動する付勢部を更に備える。加えて、付勢部は、緩衝部材の下端面と当接面とが当接する時点から圧入が終了する時点までの期間のうちの少なくとも一部の期間において付勢力が押圧力よりも小さいように構成されている。ここで、付勢力とは付勢部によって当接面に上向きに付与される力であり、押圧力とは緩衝部材の下端面が当接面を下向きに押圧する力である。第3装置の構成及び動作については、第3装置に関する説明において既に詳細に述べたので、ここでの説明は省略する。
【0136】
〈効果〉
上記のような構成を有する第3装置を用いて圧入が実行される第3方法においては、緩衝部材の下端面と当接面とが当接する時点から圧入が終了する時点までの期間のうちの少なくとも一部の期間において、緩衝部材の下端面によって当接面が下向きに押圧されて当接治具が下方へ移動する。しかしながら、上述したように当接面が第4位置よりも下方へ移動することは無く、緩衝部材の下端面もまた第4位置よりも下方へ移動することは無い。このため、圧入に伴って緩衝部材の下端面が第4位置よりも下方へと移動することを確実に防止することができる。従って、第3方法によれば、柱体、緩衝部材及び筒状部材が所期の位置関係となるように第4位置を定めることにより、外側面に緩衝部材が配設された柱体を筒状部材の内部に圧入する際に、柱体、緩衝部材及び筒状部材の間の摩擦係数の大小関係に拘わらず、これらをより確実に所期の位置関係となるようにマウントして、筒状部材の内部の所定の位置に柱体を保持することができる。
【0137】
また、第3装置に関する説明において述べたように、第3装置においては、圧入に伴う緩衝部材の鉛直方向における収縮率を低減することができる。従って、第3装置を用いて圧入が実行される第3方法によれば、外側面に緩衝部材が配設された柱体が筒状部材の内部へと圧入されてなる集成体が例えば圧入に伴う緩衝部材の嵩密度の増大等が望ましくない用途等において使用される場合においても、柱体、緩衝部材及び筒状部材の間の摩擦係数の大小関係に拘わらず、これらをより確実に所期の位置関係にマウントして当該集成体を製造することができる。
【0138】
《第9実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第9実施形態に係る圧入方法(以降、「第4方法」と称呼される場合がある。)について説明する。第4装置に関する説明において述べたように、外側面に緩衝部材が配設された柱体が筒状部材の内部へと圧入されてなる集成体の用途によっては、圧入過程の進行に伴って緩衝部材の(特に下端面近傍の)嵩密度が所期の値となるように調整することが望ましい場合がある。
【0139】
〈構成〉
そこで、第4方法は、上述した第1方法であって、上述した本発明の第4実施形態に係る圧入装置(第4装置)を用いる圧入方法である。第4装置は、前述した第1装置であって、第3位置から第4位置までの範囲である第2範囲に亘って当接面が鉛直方向において進退自在であるように当接治具が構成されており且つ圧入が開始される時点においては第3位置に当接面が位置するように当接治具が配設されている圧入装置である。第3位置は第1範囲に含まれる所定の位置であり、第4位置は第1範囲に含まれ且つ第3位置よりも下方に位置する位置である。加えて、第4装置は、第2範囲に亘って所定の速度にて当接面が移動するように当接治具を駆動する駆動部を更に備える。第4装置の構成及び動作については、第4装置に関する説明において既に詳細に述べたので、ここでの説明は省略する。
【0140】
〈効果〉
上記のような構成を有する第4装置を用いて圧入が実行される第4方法においては、上述した第2範囲における当接面の移動速度を駆動部よって制御することにより、圧入に伴う緩衝部材の鉛直方向における収縮率を制御して、圧入の完了時における緩衝部材の(特に下端面近傍の)嵩密度を容易に所期の値とすることができる。
【0141】
更に、上述したように、駆動部によって支持柱を駆動する範囲を適宜設定することにより、鉛直方向に進退自在な当接面の可動範囲である第2範囲の上限位置である第3位置及び下限位置である第4位置を変更することができる。従って、例えば銘柄変更等により、第4装置を用いる圧入によって集成される集成体を構成する柱体、緩衝部材及び筒状部材の何れかかが変更される場合においても、第3位置及び第4位置を駆動部の設定によって容易に変更することができる。その結果、第4方法によれば、例えば銘柄変更等に伴う製造条件の変更に要する労力、時間及びコストを低減することができる。
【0142】
《第10実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第10実施形態に係る圧入方法(以降、「第5方法」と称呼される場合がある。)について説明する。第5装置に関する説明において述べたように、外側面に緩衝部材が配設された柱体が筒状部材の内部へと圧入されてなる集成体の用途によっては、圧入過程の進行に伴って緩衝部材の(特に下端面近傍の)嵩密度が所期の値となるように調整することが望ましい場合がある。
【0143】
〈構成〉
そこで、第5方法は、上述した第1方法乃至第4方法の何れかであって、上述した本発明の第5実施形態に係る圧入装置(第5装置)を用いる圧入方法である。第5装置は、前述した第1装置乃至第4装置の何れかであって、支持台の頂面である支持面が水平面に対して所定の角度範囲において傾動自在となるように支持台が構成されていることを特徴とする圧入装置である。第5装置の構成及び動作については、第5装置に関する説明において既に詳細に述べたので、ここでの説明は省略する。
【0144】
〈効果〉
上記のような構成を有する第5装置を用いて圧入が実行される第5方法においては、柱体の下端面が水平ではない(柱体の軸に対して垂直ではない)場合においても、柱体の下端面の角度に応じて支持面が傾斜して、柱体の下端面と支持面とが面接触することができる。その結果、第5方法によれば、柱体の下端面と支持面とが局所的に接触して応力集中等に起因する柱体の破損等の問題に繋がる虞を低減することができる。
【実施例0145】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例に係る圧入装置及び圧入方法(以降、それぞれ「実施例装置」及び「実施例方法」と称呼される場合がある。)につき、図面を参照しながら、以下に詳しく説明する。
【0146】
図8は、実施例装置の構成及び実施例装置を用いて実行される圧入過程を示す模式的な断面図である。尚、図8においては、実施例装置の構成並びに柱体、緩衝部材及び筒状部材の位置関係を詳細に示すことを目的として、柱体の下端面の近傍のみが拡大されて描かれている。また、図8に向かって柱体の軸AXよりも左側は緩衝部材の下端面が当接治具の当接面に当接する前の時点を表し、柱体の軸AXよりも右側は圧入が完了し緩衝部材が所期の位置にマウントされた時点を表す。
【0147】
図8を参照しながら実施例装置の構成につき以下に詳細に説明する。図示しない基台の上部に実施例装置106を構成する第1支持部110がセットされている。具体的には、第1支持部110を構成する支持台112から下方へ膨出する係合部116(チャックを構成する部材)が基台に形成された穴の内部においてチャックされることにより、支持台112が基台上に強固に固定されている。更に、支持台112上に支持台111が載置され、中央の貫通ボルト117によって強固に固定されている。
【0148】
そして、筒状の部材である(当接治具140を構成する)当接部141が、付勢部144を構成するスプリングbを介して、支持台112上にフローティングマウントされている。柱体200の軸AXよりも左側に示すように、緩衝部材300の下端面が当接部141の頂面である当接面140aに当接する前の時点においては、当接治具140はスプリングbの反発力により上方に押圧されると共に当接面140aが上限位置である第3位置P3よりも上方へ移動することがストッパ143としてのボルト頭によって阻止されている。即ち、圧入が開始される時点において第3位置P3に当接面140aが位置するように当接治具140が構成されている。
【0149】
また、支持部111bの頂面の中央には上向きに凸状の球面部111cが設けられており、この球面部111cは上方に位置する載置部111a(ベース)の底面の中央に形成された穴に嵌合している。これにより、載置部111aと支持部111bとが球面軸受のように接続されて支持台111を構成している。従って、載置部111aは球面部111cを支点として傾動可能に構成されている。即ち、支持台111を構成する載置部111aの頂面である支持面が水平面に対して傾動自在となるように支持台111が構成されている。
【0150】
上記傾動の範囲は、支持部111bの上面に円周状に立設された複数のストッパによって規制されている。具体的には、載置部111aの底面とストッパの上端との間の隙間の大きさによって上記傾動が所定の範囲(例えば、水平面に対して±1°等)に規制されている。即ち、当該ストッパは前述した傾動規制部114を構成している。更に、支持台111bの上面には、スプリングaと貫通ボルトとの複数の組が複数のストッパと交互に円周状に配設されており、載置部111aの傾動を抑制すると共に載置部111aの頂面である支持面を水平に維持する役目を担っている。即ち、スプリングaと貫通ボルトとの組は前述した水平維持部115を構成している。
【0151】
上記のように、傾動規制部114及び水平維持部115によれば、柱体200の下端面が柱体の軸に対して垂直ではなく水平に対して傾斜している場合においても、柱体200の下端面の角度に応じて載置部111aの支持面が傾斜して、柱体200の下端面と支持面とが面接触することができる。その結果、柱体200の下端面と支持面とが局所的に接触することによる応力集中等に起因する柱体の破損等の問題に繋がる虞を低減することができる。
【0152】
一方、実施例装置106が備える第2支持部120は、前述した特許文献1に記載された圧入装置(従来装置1)が備える案内治具と同様の構成を有する。具体的には、実施例装置106が備える第2支持部120は、中空案内部の断面積が下方に向かって漸次拡大するテーパ部を有する筒状の部材である。第2支持部120は、第1支持部110によって支持された柱体200の上方において柱体200と同軸状となる姿勢にて筒状部材400を支持する。
【0153】
実施例方法は、上記のような構成を有する実施例装置106を用いて、外側面に緩衝部材300が巻回された柱体200を筒状部材400の内部へ圧入する方法である。具体的には、図7に例示したフローチャートに従って、柱体200の外側面に緩衝マット300を巻回し(ステップS10)、第1支持部110の頂面(載置部111aの支持面)に柱体200を載置する(ステップS20)。そして、第1支持部110によって支持された柱体200の上方において柱体200と同軸状となる姿勢にて筒状部材400を第2支持部120によって支持し(ステップS30)、柱体200の上方から第2支持部120に載置された筒状部材400を図示しない圧入部によって下降させることにより、第2支持部120のテーパ部によって緩衝部材300を圧縮しながら柱体200と緩衝部材300との組を筒状部材400の内部に圧入する(ステップS40)。
【0154】
図9乃至図14は、実施例装置106を用いて実行される圧入過程(上記ステップS40)に含まれる各ステップにおける柱体200、第1支持部110、第2支持部120、及び当接治具140、並びに緩衝部材300及び筒状部材400の位置関係を示す模式的な断面図である。
【0155】
先ず、図9は、実施例装置106を用いて実行される圧入過程のステップ1(圧入開始時点)を示す模式的な断面図である。図9においては、上述したステップS30において第1支持部110によって支持された柱体200の上方に柱体200と同軸状となる姿勢にて筒状部材400が第2支持部120によって支持され、上述したステップS40が開始される時点における各構成部材の位置関係が示されている。図9に示すように、ステップ1においては、筒状部材の下端が柱体の上端に未だ到達していない。
【0156】
次に、図10は、圧入過程のステップ2(圧入開始後であり緩衝部材の移動開始前の時点)を示す模式的な断面図である。図10に示すステップ2においては、第2支持部120に載置された筒状部材400が図示しない圧入部によって下降され、緩衝部材300が外側面に巻回された柱体200の上端部近傍が筒状部材400の下端部に圧入されているものの、圧入に伴う緩衝部材300の下方への移動は未だ始まっていない。
【0157】
次に、図11は、圧入過程のステップ3(緩衝部材の移動開始後の時点)を示す模式的な断面図である。図11に示すステップ3においては、圧入に伴う緩衝部材300の下方への移動(ズレ)が始まってはいるものの、緩衝部材300の下端面が当接治具140の当接面140aに未だ当接していない。
【0158】
更に圧入過程が進行すると、やがて緩衝部材300の下端面が当接治具140の当接面140a(即ち、当接治具140を構成する当接部141の頂面)に当接する。図12は、圧入過程のステップ4(緩衝部材の下端面が当接治具の当接面に当接している時点)を示す模式的な断面図である。図12に示すステップ4においては、緩衝部材300の下端面が当接面140aに当接して押圧することにより、当緩衝部材300と当接部141とが一緒に下方へと移動している。
【0159】
更に圧入過程が進行すると、図8の柱体200の軸AXよりも右側に示すように、当接部141の下端面が支持台112の上端面と当接する。これにより、当接部141の更なる下方への移動は阻止されるので、当接部141の頂面である当接面140aが第4位置P4よりも下方へ移動することもまた阻止される。図13は、圧入過程のステップ5(当緩衝部材300及び当接部141の下方への移動が停止した時点)を示す模式的な断面図である。当接面140aは、この時点における位置(即ち、第4位置P4)よりも更に下方へは移動することができないので、緩衝部材300の下端面もまた第4位置P4よりも更に下方へと移動することができない。
【0160】
最後に、図14は、圧入過程のステップ6(筒状部材400が更に下方へ移動し圧入が完了した時点)を示す模式的な断面図である。ステップ5について上述したように、この時点においては当接部141の下端面が支持台112の上端面と既に当接しており、当接部141の頂面である当接面140aが第4位置P4よりも下方へ移動することが既に阻止されている。従って、ステップ5からステップ6へと圧入過程が進行して筒状部材400が所期の位置まで下降する期間においても、緩衝部材300の下端面は第4位置P4よりも更に下方へと移動することができない。即ち、緩衝部材300の下端面が第4位置P4に位置する状態にて柱体200、緩衝部材300及び筒状部材400の位置関係が固定され、柱体200と筒状部材400との間における所期の位置に緩衝部材300が挟持された状態にて、これらの部材の圧入によるマウントが完了する。
【0161】
以上のように、実施例装置を用いる圧入方法である実施例方法においては、柱体、緩衝部材及び筒状部材が所期の位置関係となるように第4位置を定めることにより、外側面に緩衝部材が配設された柱体を筒状部材の内部に圧入する際に、柱体、緩衝部材及び筒状部材の間の摩擦係数の大小関係に拘わらず、これらを確実に所期の位置関係となるようにマウントして、筒状部材の内部の所定の位置に柱体を保持することができる。
【0162】
以上、本発明を説明することを目的として、特定の構成を有する幾つかの実施形態及び実施例につき、時に添付図面を参照しながら説明してきたが、本発明の範囲は、これらの例示的な実施形態及び実施例に限定されると解釈されるべきではなく、特許請求の範囲及び明細書に記載された事項の範囲内で、適宜修正を加えることが可能であることは言うまでも無い。
【符号の説明】
【0163】
101,102,103,104,105,106…圧入装置、110…第1支持部、111…支持台、111a…載置部、111b…支持部、111c…球面部、112…支持台、113…支持柱、114…傾動規制部、115…水平維持部、116…係合部、117…貫通ボルト、120…第2支持部、130…圧入部、131…押圧部材、132…押圧柱、133…アクチュエータ、140…当接治具、140a…当接面、141…当接部、142…支持部、143…ストッパ、144…付勢部、150…駆動部、200…柱体、300…緩衝部材、400…筒状部材、500…押圧部材、600…案内治具、600a…テーパ部、700…支持治具、700a及び700b…環状段部、AX…柱体の軸、P1…第1位置、P2…第2位置、P3…第3位置、P4…第4位置、並びにa及びb…スプリング。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17