(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138146
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】店舗管理システム、店舗管理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240927BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024122497
(22)【出願日】2024-07-29
(62)【分割の表示】P 2021528116の分割
【原出願日】2020-06-09
(31)【優先権主張番号】P 2019113479
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】森崎 充敬
(72)【発明者】
【氏名】清水 元
(72)【発明者】
【氏名】田辺 正道
(57)【要約】
【課題】店舗における顧客の入店等を好適に管理する。
【解決手段】店舗管理システムは、店舗における顧客による入店、会計、及び退店の少なくとも1つが行われようとするタイミングで、顧客の顔画像を撮像する撮像装置から前記顔画像を取得する取得手段と、取得手段により顧客を認識可能な顔画像を取得することを顧客に通知する通知手段と、取得手段による顧客を認識可能な顔画像の取得、及び通知手段による顧客への通知が行われたことを条件に、顧客に対して店舗における入店、会計、及び退店の少なくとも一つを許可する許可手段とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗における顧客による入店、会計、及び退店の少なくとも1つが行われようとするタイミングで前記顧客の顔画像を撮像する撮像装置から前記顔画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により前記顧客を認識可能な顔画像を取得することを前記顧客に通知する通知手段と、
前記取得手段による前記顧客を認識可能な顔画像の取得、及び前記通知手段による前記顧客への通知が行われたことを条件に、前記顧客に対して前記店舗における入店、会計、及び退店の少なくとも一つを許可する許可手段と
を備えることを特徴とする店舗管理システム。
【請求項2】
前記許可手段は、前記取得手段により取得された前記顧客を認識可能な顔画像が、事前に取得された前記顧客のものと一致するか否かを判定することなく、前記顧客に対して前記店舗における前記入店、前記会計、及び前記退店の少なくとも一つを許可することを特徴とする請求項1に記載の店舗管理システム。
【請求項3】
前記通知手段は、前記顧客に対して所定の画像を表示する、又は前記顧客に対して所定の音声を発することで、前記顧客を認識可能な顔画像を取得したことを前記顧客に通知することを特徴とする請求項1又は2に記載の店舗管理システム。
【請求項4】
前記通知手段による通知に対して、前記顧客が同意したことを判定する判定手段を更に備え、
前記許可手段は、前記取得手段による前記顧客を認識可能な顔画像の取得、及び前記通知手段による前記顧客への通知が行われたことに加えて、前記判定手段により前記顧客が同意したと判定されたことを条件に、前記顧客に対して前記店舗における前記入店、前記会計、及び前記退店の少なくとも一つを許可する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の店舗管理システム。
【請求項5】
前記判定手段は、前記通知手段による通知後に前記顧客が所定の行動をとった場合に、前記顧客が前記通知手段による通知に同意したと判定することを特徴とする請求項4に記載の店舗管理システム。
【請求項6】
前記顧客に関する削除トリガが検出された場合に、前記取得手段により取得した前記顧客を認識可能な顔画像を消去する消去手段を更に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の店舗管理システム。
【請求項7】
少なくとも1つのコンピュータによって実行される店舗管理方法であって、
店舗における顧客による入店、会計、及び退店の少なくとも1つが行われようとするタイミングで前記顧客の顔画像を撮像する撮像装置から前記顔画像を取得し、
前記顧客を認識可能な顔画像を取得することを前記顧客に通知し、
前記顧客を認識可能な顔画像の取得、及び前記顧客への通知が行われたことを条件に、前記顧客に対して前記店舗における入店、会計、及び退店の少なくとも一つを許可する
ことを特徴とする店舗管理方法。
【請求項8】
店舗における顧客による入店、会計、及び退店の少なくとも1つが行われようとするタイミングで前記顧客の顔画像を撮像する撮像装置から前記顔画像を取得し、
前記顧客を認識可能な顔画像を取得することを前記顧客に通知し、
前記顧客を認識可能な顔画像の取得、及び前記顧客への通知が行われたことを条件に、前記顧客に対して前記店舗における入店、会計、及び退店の少なくとも一つを許可する
店舗管理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のコンピュータプログラムが記録されたことを特徴とする記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客の店舗への入店等を管理する店舗管理システム、店舗管理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシステムとして、顧客の顔認証を行うことで無人店舗における入店等を許可するものが知られている。例えば特許文献1では、店舗の入店者や退店者の顔画像を撮影し、撮影した顔データが予め記憶されたものと照合できた場合に、その顧客の入店や退店を許可するという技術が開示されている。
【0003】
その他、特許文献2では、ユーザの顔画像と認証用の顔画像とが一致しない場合に、ユーザを不審者等として登録し、入退場口のロックを解除しないようにする技術が開示されている。特許文献3では、来店者の顔画像が予め記憶された要注意客のデータと一致する場合に、要注意客が来店したことを示す情報を出力する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-009231号公報
【特許文献2】特開2017-215737号公報
【特許文献3】特開2010-136898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載されているような技術では、例えば無人店舗におけるセキュリティを高めることを目的として、顔認証(即ち、撮影した顔画像と登録されている顔画像の照合)が行われる。しかしながら、顔認証を実行するためには、事前に照合用の顔データを準備しておくことが必要となるため、例えばユーザに顔画像の撮影を伴う会員登録手続き等が要求されてしまう。このような手続きは、多くのユーザにとって非常に大きな手間となる。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、店舗における顧客の入店等を好適に管理することが可能な店舗管理システム、店舗管理方法及びコンピュータプログラム及び記録媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の店舗管理システムの一の態様は、店舗における顧客による入店、会計、及び退店の少なくとも1つが行われようとするタイミングで前記顧客の顔画像を撮像する撮像装置から前記顔画像を取得する取得手段と、前記取得手段により前記顧客を認識可能な顔画像を取得することを前記顧客に通知する通知手段と、前記取得手段による前記顧客を認識可能な顔画像の取得、及び前記通知手段による前記顧客への通知が行われたことを条件に、前記顧客に対して前記店舗における入店、会計、及び退店の少なくとも一つを許可する許可手段とを備える。
【0008】
本発明の店舗管理方法の一の態様は、少なくとも1つのコンピュータによって実行される店舗管理方法であって、店舗における顧客による入店、会計、及び退店の少なくとも1つが行われようとするタイミングで前記顧客の顔画像を撮像する撮像装置から前記顔画像を取得し、前記顧客を認識可能な顔画像を取得することを前記顧客に通知し、前記顧客を認識可能な顔画像の取得、及び前記顧客への通知が行われたことを条件に、前記顧客に対して前記店舗における入店、会計、及び退店の少なくとも一つを許可する。
【0009】
本発明のコンピュータプログラムの一の態様は、店舗における顧客による入店、会計、及び退店の少なくとも1つが行われようとするタイミングで前記顧客の顔画像を撮像する撮像装置から前記顔画像を取得し、前記顧客を認識可能な顔画像を取得することを前記顧客に通知し、前記顧客を認識可能な顔画像の取得、及び前記顧客への通知が行われたことを条件に、前記顧客に対して前記店舗における入店、会計、及び退店の少なくとも一つを許可する店舗管理方法をコンピュータに実行させる。
【0010】
本発明の記録媒体の一の態様は、上述したコンピュータプログラムの一の態様が記録された記録媒体である。
【発明の効果】
【0011】
上述した店舗管理システム、店舗管理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体のそれぞれの一の態様によれば、店舗における顧客の入店等を好適に管理することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態に係る店舗管理システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る店舗管理システムが適用される店舗レイアウトの一例を示す平面図である。
【
図3】第1実施形態に係る店舗管理装置が備える機能ブロックを示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係る店舗管理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図5】第2実施形態に係る店舗管理装置が備える機能ブロックを示すブロック図である。
【
図6】第2実施形態に係る店舗管理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図7】第3実施形態に係る店舗管理装置が備える機能ブロックを示すブロック図である。
【
図8】第3実施形態に係る店舗管理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、店舗管理システム、店舗管理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体の実施形態について説明する。
【0014】
<第1実施形態>
まず、第1実施形態に係る店舗管理システムについて、
図1から
図4を参照して説明する。なお、店舗管理システムにおいて管理される店舗の形態については特に限定されないが、本実施形態の技術的効果は、例えば無人(夜間)のコンビニエンスストア等において顕著に発揮される。
【0015】
(ハードウェア構成)
はじめに、
図1を参照しながら、実施形態に係る店舗管理システムのハードウェア構成について説明する。
図1は、第1実施形態に係る店舗管理システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係る店舗管理システム1は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、記憶装置14と、入力装置15と、出力装置16とを備えている。CPU11と、RAM12と、ROM13と、記憶装置14と、入力装置15と、出力装置16とは、データバス17を介して接続されている。
【0017】
CPU11は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、CPU11は、RAM12、ROM13及び記憶装置14のうちの少なくとも一つが記憶しているコンピュータプログラムを読み込んでもよい。例えば、CPU11は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。CPU11は、ネットワークインタフェースを介して、店舗管理システム1の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、読み込んでもよい)。CPU11は、読み込んだコンピュータプログラムを実行することで、RAM12、記憶装置14、入力装置15及び出力装置16を制御する。本実施形態では特に、CPU11が読み込んだコンピュータプログラムを実行すると、CPU11内には、店舗管理を行うための機能ブロックが実現される。つまり、CPU11は、店舗管理を実行するためのコントローラとして機能可能である。
【0018】
RAM12は、CPU11が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶する。RAM12は、CPU11がコンピュータプログラムを実行している際にCPU11が一時的に使用するデータを一時的に記憶する。RAM12は、例えば、D-RAM(Dynamic RAM)であってもよい。
【0019】
ROM13は、CPU11が実行するコンピュータプログラムを記憶する。ROM13は、その他に固定的なデータを記憶していてもよい。ROM13は、例えば、P-ROM(Programmable ROM)であってもよい。
【0020】
記憶装置14は、店舗管理システム1が長期的に保存するデータを記憶する。記憶装置14は、CPU11の一時記憶装置として動作してもよい。記憶装置14は、例えば、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0021】
入力装置15は、店舗管理システム1のユーザからの入力指示を受け取る装置である。入力装置15は、例えば、キーボード、マウス及びタッチパネルのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0022】
出力装置16は、店舗管理システム1に関する情報を外部に対して出力する装置である。例えば、出力装置16は、店舗管理システム1に関する情報を表示可能な表示装置であってもよい。
【0023】
(システム構成)
続いて、
図2及び
図3を参照しながら、第1実施形態に係る店舗管理システム1の構成について説明する。
図2は、第1実施形態に係る店舗管理システムが適用される店舗レイアウトの一例を示す平面図である。
図3は、第1実施形態に係る店舗管理装置が備える機能ブロックを示すブロック図である。
【0024】
図2に示すように、第1実施形態に係る店舗管理システム1は、例えばコンビニエンスストアのような店舗に適用される。店舗管理システム1は、システム全体をコントロールする店舗管理サーバとして構成される店舗管理装置10と、店舗入口側に設置されたカメラ20a及びタブレット30aと、レジカウンター付近に設置されたカメラ20b及びレジ端末40と、店舗出口側に設置されたカメラ20c及びタブレット30bとを備えて構成されている。
【0025】
図3に示すように、店舗管理装置10は、顔画像取得部100と、撮像通知部200と、動作許可部300とを備えて構成されている。これらの機能ブロックは、例えばCPU11(
図1参照)において実現される。
【0026】
顔画像取得部100は、例えば店舗に配置された少なくとも一つのカメラ20(即ち、
図2におけるカメラ20a、20b、及び20c)に接続されている。カメラ20は、ユーザの顔画像を撮像可能に構成されており、顔画像取得部100は、各カメラ20が撮像した画像(つまり、ユーザの顔画像)を取得可能に構成されている。より具体的には、顔画像取得部100は、ユーザが店舗に入店しようとする際、入店しようとするユーザの顔画像を、店舗入口付近に設置されたカメラ20aから取得可能とされている。顔画像取得部100は、ユーザが店舗内で会計しようとする際、会計しようとするユーザの顔画像を、レジ端末40付近に設置されたカメラ20bから取得可能とされている。顔画像取得部100は、ユーザが店舗から退店しようとする際、退店しようとするユーザの顔画像を、店舗出口付近に設置されたカメラ20cから取得可能とされている。顔画像取得部100で取得されたユーザの顔画像は、例えば店舗管理システム1が備える記憶装置14等において記憶される。顔画像取得部100は、後述する付記における「取得手段」の一具体例である。
【0027】
撮像通知部200は、例えば店舗に配置されたタブレット30(即ち、
図2におけるタブレット30a及び30b)やレジ端末40、或いは、その他任意のHMI(Human Machine Interface)等に接続されており、カメラ20によってユーザの顔画像を撮像すること又は撮像したこと(つまり、顔画像取得部100によってユーザの顔画像を取得すること又は取得したこと)を、該ユーザに通知することが可能に構成されている。より具体的には、撮像通知部200は、店舗に入店しようとするユーザに対して、カメラ20aによって顔画像が撮像されること又は撮像されたことを、店舗入口付近に設置されたタブレット30aを介して通知可能とされている。撮像通知部200は、店舗で会計しようとするユーザに対して、カメラ20bによって顔画像が撮像されること又は撮像されたことを、レジ端末40を介して通知可能とされている。撮像通知部200は、店舗から退店しようとするユーザに対して、カメラ20cによって顔画像が撮像されること又は撮像されたことを、店舗出口付近に設置されたタブレット30bを介して通知可能とされている。例えば、撮像通知部200は、タブレット30やレジ端末40が備えるディスプレイの画面に所定の画像(例えば、顔画像を撮像する又は撮像した旨の文言を示す画像)を表示させることで、ユーザに対し顔画像を撮像すること又は撮像したことを通知する。或いは、撮像通知部200は、スピーカから所定の音声(例えば、顔画像を撮像する又は撮像した旨を伝える音声)を流すことで、ユーザに対し顔画像を撮像すること又は撮像したことを通知する。なお、撮像通知部200による通知は、顔画像を撮像することを認識できるような通知であればよく、顔画像を撮像することを直接的に通知するものだけでなく、顔画像を撮像することを暗に示すものであってもよい。撮像通知部200は、後述する付記における「通知手段」の一具体例である。
【0028】
動作許可部300は、顔画像取得部100によってユーザの顔画像が取得されたこと、及び撮像通知部200によってユーザに撮像が通知されたことを条件に、該ユーザに対して店舗における入店、会計、及び退店の少なくとも1つ(具体的には、顔画像の撮像時に実行しようとしていた動作)を許可することが可能に構成されている。動作許可部300は、例えば店舗入口の自動ドア50の開閉を制御することで、ユーザの入店や退店を許可する。また、動作許可部300は、例えば店舗のレジ端末40の動作を制御することで、ユーザの会計を許可する。動作許可部300は、後述する付記における「許可手段」の一具体例である。
【0029】
(動作説明)
次に、
図4を参照しながら、第1実施形態に係る店舗管理システム1の動作の流れについて説明する。
図4は、第1実施形態に係る店舗管理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【0030】
図4に示すように、第1実施形態に係る店舗管理システム1は、まず店舗における入店、会計、又は退店を実行しようとしているユーザの存在を検出する(ステップS101)。このようなユーザの存在は、例えば店舗の出入口付近又はレジ付近に設置されたセンサ等を用いて検出できる。或いは、ユーザによる端末操作等から、ユーザの存在を検出するようにしてもよい。なお、ユーザの存在が検出されていない場合(ステップS101:NO)、以降の処理は実行されない。この場合、所定期間後に再びステップS101の処理が開始されるようにしてもよい。
【0031】
ユーザの存在が検出されると(ステップS101:YES)、撮像通知部200が、ユーザに対して顔画像を撮像する旨を通知する(ステップS102)。つまり、
図4に示すフローチャートは、撮像通知部200が、顔画像を実際に撮像する前に顔画像を撮像する旨をユーザに対して通知する動作を示している。ユーザに対する通知には、ユーザに対して顔画像が正常に撮像できるように、ユーザの立ち位置を調整する(例えば、カメラ20の撮像範囲内に移動させる)ための指示や、カメラ20に顔を向けさせるような指示が含まれていてもよい。
【0032】
続いて、カメラ20によるユーザの撮像が実行され、顔画像取得部100がユーザの顔画像を取得する(ステップS103)。顔画像の撮像タイミングは、ユーザが決められる(例えば、ユーザがボタンを操作したタイミングで撮像を実行する)ようにしてもよい。また、撮像した顔画像は、ユーザ自身が確認できるようにタブレット30やレジ端末40等に表示されてもよい。なお、撮像通知部200がこれから顔画像を撮像する旨を通知するのではなく、すでに顔画像を撮像した旨を通知する場合には、まずステップS103を実行した後に、ステップS102を実行するようにすればよい。
【0033】
その後、顔画像取得部100は、顔画像が正常に取得できているかを確認する(ステップS104)。例えば、顔画像取得部100は、撮像された顔画像が人間の顔として正常に認識できる程度のものであるか否かを判定する。顔画像が正常に取得できていないと判定された場合(ステップS104:NO)、再びカメラによるユーザの撮像が実行され、顔画像取得部100によって顔画像の取得が再度試みられる(ステップS103)。なお、所定回数以上撮像を実行しても、正常に顔画像を取得できなかった場合には、カメラに対して顔を露出させる(例えば、サングラスやマスクを外すように促す)ような指示を出力してもよい。
【0034】
顔画像が正常に取得できていると判定された場合(ステップS104:NO)、動作許可部300が、顔画像を撮像したユーザに対して店舗における入店、会計、又は退店の動作を許可する(ステップS105)。なお、動作許可部300は、ユーザに対して、店舗における入店、会計、又は退店を許可したことを通知するようにしてもよい。
【0035】
(技術的効果)
次に、第1実施形態に係る店舗管理システム1によって得られる技術的効果について説明する。
【0036】
図1から
図4で説明したように、第1実施形態に係る店舗管理システム1によれば、顔画像を撮像したユーザに対して、店舗における入店、会計、及び退店の動作が許可される(言い換えれば、店舗の利用が許可される)。一方で、顔画像が撮像されていないユーザに対しては、入店、会計及び退店の動作は許可されない(言い換えれば、店舗の利用が許可されない)。このように、予めユーザの顔画像を取得してから店舗の利用を許可するようにすれば、店舗(特に、夜間における無人店舗等)におけるセキュリティを高めることができる。具体的には、誰でも自由に店舗を利用できる場合と比較して、セキュリティをより強固なものにすることができる。
【0037】
また、本実施形態では特に、入店、会計、及び退店の動作が許可される前に、予め顔画像を撮像すること又はすでに顔画像を撮像したことがユーザに通知されるため、店舗側が自分の存在を認識していることを、ユーザが確実に意識することになる。例えば、ユーザは、顔画像を用いて個人を特定できるような状態になっているはずだと認識する。よって、店舗においてユーザが不適切な行為に及んでしまうことを効果的に抑制できる。
【0038】
なお、本実施形態では、顔画像を撮像するのみで、事前に登録された顔画像との照合(いわゆる、顔認証)は実行していない。このため、ユーザに対して、来店前の会員登録手続き(具体的には、顔画像とユーザアカウントとを紐づけする作業)等を強制することなく、好適に店舗の利用を許可することが可能となる。
【0039】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る店舗管理システム1について、
図5及び
図6を参照して説明する。なお、第2実施形態は、上述した第1実施形態と比べて一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については概ね同様である。このため、以下では第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0040】
(システム構成)
まず、
図5を参照しながら、第2実施形態に係る店舗管理装置10が備える機能ブロックの構成について説明する。
図5は、第2実施形態に係る店舗管理装置が備える機能ブロックを示すブロック図である。
【0041】
図5に示すように、第2実施形態に係る店舗管理装置10は、
図3に示した第1実施形態の機能ブロックに加えて、同意確認部400を更に備えて構成されている。
【0042】
同意確認部400は、撮像通知部200による通知(即ち、顔画像を撮像する又は撮像した旨を伝える通知)に対して、ユーザが同意したか否かを確認できるように構成されている。同意確認部400は、例えばユーザによるタブレット30やレジ端末40等の端末操作によって、ユーザの同意が得られたと判定する。或いは、同意確認部400は、例えばユーザが撮像に同意するような動作(典型的には、ジェスチャー)をした場合に、ユーザの同意が得られたと判定するようにしてもよい。或いは、撮像通知部200による通知に対して、ユーザが撮像を拒否するような動作を行わなかった場合に、ユーザの同意が得られたと判定するようにしてもよい。このようなユーザの動作に基づいてユーザの同意が得られたと判定する場合には、同意確認部400は、カメラ20(或いは、ユーザの動作を検出可能な任意のセンサ)を介して、ユーザの動作がどのような動作であるかを判定してもよい。また、同意確認部400は、ユーザに対して個人情報保護法に基づく表示(例えば、撮像した顔画像を、店舗における入店、会計、及び退店を許可する処理にのみ用いることを示す表示)を行ってもよい。同意確認部400は、後述する付記における「判定手段」の一具体例である。
【0043】
(動作説明)
次に、
図6を参照しながら、第2実施形態に係る店舗管理システム1の動作の流れについて説明する。
図6は、第2実施形態に係る店舗管理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【0044】
図6に示すように、第2実施形態に係る店舗管理システム1の動作時には、撮像通知部200による通知(ステップS102)が実行された後、同意確認部400が、通知に対するユーザの同意があったか否かを判定する(ステップS201)。
【0045】
ユーザの同意があったと判定された場合(ステップS201:YES)、第1実施形態と同様にステップS103以降の処理が実行される(即ち、ユーザに対して適宜店舗の利用が許可される)。一方で、ユーザの同意がなかったと判定された場合(ステップS201:NO)、ステップS103以降の処理は実行されない(即ち、ユーザに対して店舗の利用は許可されない)。
【0046】
(技術的効果)
次に、第2実施形態に係る店舗管理システム1によって得られる技術的効果について説明する。
【0047】
図5及び
図6で説明したように、第2実施形態に係る店舗管理システム1によれば、顔画像の撮像に同意したユーザに対してのみ、適宜店舗の利用(即ち、入店、会計、及び退店)が許可される。よって、顔画像の撮像を拒むユーザが店舗を利用可能な状態となってしまうことを回避できる。また、ユーザの同意を得ずに、店舗側で顔画像が利用されてしまうことを確実に防止することが可能である。
【0048】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る店舗管理システム1について、
図7及び
図8を参照して説明する。なお、第3実施形態は、上述した第1及び第2実施形態と比べて一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については概ね同様である。このため、以下では第1及び第2実施形態と異なる部分について詳細に説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0049】
(システム構成)
まず、
図7を参照しながら、第3実施形態に係る店舗管理装置10が備える機能ブロックの構成について説明する。
図7は、第3実施形態に係る店舗管理装置が備える機能ブロックを示すブロック図である。
【0050】
図7に示すように、第3実施形態に係る店舗管理装置10は、
図2に示した第1実施形態の機能ブロックに加えて、顔画像消去部500を更に備えて構成されている。
【0051】
顔画像消去部500は、店舗における入店、会計、及び退店を許可したユーザに関して削除トリガが検出された場合に、顔画像取得部100で取得した顔画像を消去する(言い換えれば、それまで記憶していたユーザの顔画像データを削除する)ことが可能に構成されている。なお、「削除トリガ」とは、記憶した顔画像を消去すべきか否かを判定するための条件として予め設定されるものであり、顔画像が不要になるタイミング(具体的には、店舗における入店、会計、退店を許可するために顔画像を利用する機会がなくなるタイミング)を判定できるような条件を設定すればよい。削除トリガの一例としては、「ユーザの退店」や、「入店から一定時間が経過」等の条件が挙げられる。ユーザの退店を削除トリガとして利用する場合、顔画像消去部500が顔画像を消去するタイミングは、ユーザが退店した直後であってもよいし、退店してからある程度の期間が経過してからであってもよい。なお、顔画像消去部500は、動作許可部300によってユーザの退店が許可された場合に、ユーザが退店したと判定してもよい。また、ユーザが退店したことを直接的に検出できていない場合であっても、ユーザが確実に退店していると判定できるような状況(例えば、来店から極めて長い時間が経過した場合など)には、ユーザがすでに退店したと判定して、顔画像を消去するようにしてもよい。顔画像消去部500は、後述する付記における「消去手段」の一具体例である。
【0052】
(動作説明)
次に、
図8を参照しながら、第3実施形態に係る店舗管理システム1の動作の流れについて説明する。
図8は、第3実施形態に係る店舗管理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【0053】
図8に示すように、第3実施形態に係る店舗管理システム1の動作時には、動作許可部300によって店舗における入店、会計、及び退店の許可(ステップS105)が行われた後、顔画像消去部500が、削除トリガが検出されているか否かを判定する(ステップS301)。なお、削除トリガが検出されていないと判定された場合には(ステップS301:NO)、顔画像が削除されないまま一連の処理が終了することになるが、その場合、所定期間後に再びステップS301の処理を実行するようにすればよい。
【0054】
削除トリガが検出されたと判定された場合には(ステップS301:YES)、顔画像消去部500が削除トリガの検出されたユーザの顔画像を消去する(ステップS302)。よって、第3実施形態に係る店舗管理システム1は、削除トリガが検出された後には、ユーザの顔画像を記憶していない状態となる。言い換えれば、第3実施形態に係る店舗管理システム1は、削除トリガが検出されていないユーザの顔画像のみを記憶するように構成されている。
【0055】
(技術的効果)
次に、第3実施形態に係る店舗管理システム1によって得られる技術的効果について説明する。
【0056】
図7及び
図8で説明したように、第3実施形態に係る店舗管理システム1によれば、削除トリガが検出されたユーザの顔画像が消去されるため、例えば同じユーザが再度来店するような場合であっても、その都度、新しい顔画像が取得される。このため、店舗管理システム1が膨大な数の顔画像データを記憶する必要がなくなる。また、個人情報としての顔画像を適切に管理することができるようになる。
【0057】
<変形例>
次に、上述した第1から第3実施形態に係る店舗管理システム1の変形例について説明する。
【0058】
すでに説明したように、第1から第3実施形態に係る店舗管理システム1は、ユーザの顔画像の撮像及び通知を条件にして店舗の利用を許可するものであり、顔画像の照合(いわゆる「顔認証」)を必要とするものではない。しかしながら、これらの動作とは別に、一旦取得した顔画像を利用してユーザの顔認証を行ってもよい。例えば、会計時には、入店時に撮像したユーザの顔画像と、会計しようとしているユーザの顔画像とが一致するか否かを判定するようにしてもよい。同様に、退店時には、入店時又は会計時に撮像したユーザの顔画像と、退店しようとしているユーザの顔画像とが一致するか否かを判定するようにしてもよい。なお、顔認証を行う場合には、上述した第3実施形態のように顔画像を消去する(即ち、都度撮像する)構成を採用することで、顔認証をより好適に実行できるようになる。例えば、顔画像を撮像した際の明るさの違いに起因して、昼間に撮像した顔画像が夜間の顔認証に利用できない、逆に夜間に撮像した顔画像が昼間の顔認証に利用できないという状況を回避することができる。また、常に最新の顔画像を利用でき、不要な顔画像を削除することができる(言い換えれば、照合する顔画像を限定できる)ため、顔認証の精度を向上させることができる。
【0059】
また、予め記憶している入店を許可すべきでないユーザの顔画像(例えば、要注意人物の顔画像リスト)とのみ照合を行って、顔画像が一致する場合に、入店、会計、又は退店を許可しないようにしてもよい。この場合、バックルームやオペレーションセンターに、予め記憶したユーザの来店を通知するようにしてもよい。或いは、インターホン等で店舗側の人間が対応し、手動で店舗の利用を許可するようにしてもよい。
【0060】
また、入店時、会計時、及び退店時に撮像した画像と、いつ入店して、何を買って、いつ退店したか等の顧客情報とを紐づけて、容易に閲覧可能な状態としてもよい。
【0061】
また、入店から所定時間(例えば、10分程度)経過しても、会計又は退店が検出されない場合、バックルームやオペレーションセンターに通知し、店内を確認するように促してもよい。
【0062】
また、顔画像を撮像して入店、会計、及び退店を許可するモード(即ち、第1から第3実施形態で説明した動作を行うモード)と、誰でも自由に入店、会計、及び退店を許可するモードとを適宜切替可能にしてもよい。この場合、店員の操作でモードが切り替わるようにしてもよいし、時間(例えば、無人営業が開始される時間)によって自動的にモードが切り替わるようにしてもよい。
【0063】
<付記>
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
【0064】
(付記1)
付記1に記載の店舗管理システムは、店舗における顧客による入店、会計、及び退店の少なくとも1つが行われようとするタイミングで前記顧客の顔画像を撮像する撮像装置から前記顔画像を取得する取得手段と、前記取得手段により前記顔画像を取得すること又は取得したことを前記顧客に通知する通知手段と、前記取得手段による前記顔画像の取得、及び前記通知手段による前記顧客への通知が行われたことを条件に、前記顧客に対して前記店舗における入店、会計、及び退店の少なくとも一つを許可する許可手段とを備えることを特徴とする店舗管理システムである。
【0065】
(付記2)
付記2に記載の店舗管理システムは、前記許可手段は、前記取得手段により取得された前記顔画像が、事前に取得された前記顧客のものと一致するか否かを判定することなく、前記顧客に対して前記店舗における前記入店、前記会計、及び前記退店の少なくとも一つを許可することを特徴とする付記1に記載の店舗管理システムである。
【0066】
(付記3)
付記3に記載の店舗管理システムは、前記通知手段は、前記顧客に対して所定の画像を表示する、又は前記顧客に対して所定の音声を発することで、前記顔画像を取得すること又は取得したことを前記顧客に通知することを特徴とする付記1又は2に記載の店舗管理システムである。
【0067】
(付記4)
付記4に記載の店舗管理システムは、前記通知手段による通知に対して、前記顧客が同意したことを判定する判定手段を更に備え、前記許可手段は、前記取得手段による前記顔画像の取得、及び前記通知手段による前記顧客への通知が行われたことに加えて、前記判定手段により前記顧客が同意したと判定されたことを条件に、前記顧客に対して前記店舗における前記入店、前記会計、及び前記退店の少なくとも一つを許可することを特徴とする付記1から3のいずれか一項に記載の店舗管理システムである。
【0068】
(付記5)
付記5に記載の店舗管理システムは、前記判定手段は、前記通知手段による通知後に前記顧客が所定の行動をとった場合に、前記顧客が前記通知手段による通知に同意したと判定することを特徴とする付記4に記載の店舗管理システムである。
【0069】
(付記6)
付記6に記載の店舗管理システムは、前記顧客に関する削除トリガが検出された場合に、前記取得手段により取得した前記顧客の前記顔画像を消去する消去手段を更に備えることを特徴とする付記1から5のいずれか一項に記載の店舗管理システム。
【0070】
(付記7)
付記7に記載の店舗管理方法は、店舗における顧客による入店、会計、及び退店の少なくとも1つが行われようとするタイミングで前記顧客の顔画像を撮像する撮像装置から前記顔画像を取得する取得工程と、前記取得工程において前記顔画像を取得すること又は取得したことを前記顧客に通知する通知工程と、前記取得工程における前記顔画像の取得、及び前記通知工程における前記顧客への通知が行われたことを条件に、前記顧客に対して前記店舗における入店、会計、及び退店の少なくとも一つを許可する許可工程とを含むことを特徴とする店舗管理方法である。
【0071】
(付記8)
付記8に記載のコンピュータプログラムは、店舗における顧客による入店、会計、及び退店の少なくとも1つが行われようとするタイミングで前記顧客の顔画像を撮像する撮像装置から前記顔画像を取得する取得工程と、前記取得工程において前記顔画像を取得すること又は取得したことを前記顧客に通知する通知工程と、前記取得工程における前記顔画像の取得、及び前記通知工程における前記顧客への通知が行われたことを条件に、前記顧客に対して前記店舗における入店、会計、及び退店の少なくとも一つを許可する許可工程とをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラムである。
【0072】
(付記9)
付記9に記載の記録媒体は、付記8に記載のコンピュータプログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体である。
【0073】
本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う店舗管理システム、店舗管理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体もまた本発明の技術思想に含まれる。
【0074】
法令で許容される限りにおいて、この出願は、2019年6月19日に出願された日本出願特願2019-113479を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。また、法令で許容される限りにおいて、本願明細書に記載された全ての公開公報及び論文をここに取り込む。
【符号の説明】
【0075】
1 店舗管理システム
10 店舗管理装置
11 CPU
15 入力装置
16 出力装置
20 カメラ
30 タブレット
40 レジ端末
50 自動ドア
100 顔画像取得部
200 撮像通知部
300 動作許可部
400 同意確認部
500 顔画像消去部