(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013815
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】縫製キット製造システム及び縫製キット製造方法
(51)【国際特許分類】
A41H 43/00 20060101AFI20240125BHJP
A41H 43/04 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
A41H43/00 C
A41H43/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116190
(22)【出願日】2022-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】522107854
【氏名又は名称】JUKIプロサーブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】安納 佳奈
(72)【発明者】
【氏名】本水 紀恵
(72)【発明者】
【氏名】青山 玲理
(57)【要約】
【課題】ユーザの要望に応じた縫製キット製造システム及び縫製キット製造方法を提供する。
【解決手段】縫製キット製造システム100は、ユーザ端末UTと、ベンダ端末VTと、CADCAMソフトウェアAと、裁断装置Cと、を備えている。ユーザ端末UTは、縫製品10の定型サイズのバリエーションを表示して指定定型サイズをユーザUに選択可能にさせる選択画面M1と、指定定型サイズに基づくカスタムサイズをユーザUによって編集可能にさせるカスタム画面M2と、を表示し、カスタムサイズをベンダ端末VTに送信する。ベンダ端末VTは、カスタムサイズをCADCAMソフトウェアAに送信する。CADCAMソフトウェアAは、カスタムサイズに基づいて裁断データを生成する。裁断装置Cは、裁断データに基づいて生地を裁断して縫製品10を構成する複数種類の部品群bを取得する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末と、ベンダ端末と、CADCAMソフトウェアと、裁断装置と、を備え、
前記ユーザ端末と、前記ベンダ端末と、前記CADCAMソフトウェアと、前記裁断装置とは、共通の通信ネットワークに接続されており、
前記ユーザ端末は、縫製品の定型サイズのバリエーションを表示して指定定型サイズをユーザに選択可能にさせる選択画面と、前記指定定型サイズに基づくカスタムサイズをユーザによって編集可能にさせるカスタム画面と、を表示し、前記カスタムサイズを前記ベンダ端末に送信し、
前記ベンダ端末は、前記カスタムサイズを前記CADCAMソフトウェアに送信し、
前記CADCAMソフトウェアは、前記カスタムサイズに基づいて裁断データを生成し、
前記裁断装置は、前記裁断データに基づいて生地を裁断して前記縫製品を構成する複数種類の部品群を取得する
ことを特徴とする縫製キット製造システム。
【請求項2】
前記縫製キット製造システムは、包装装置を備え、
前記包装装置は、前記縫製品を構成する前記部品群の一式をまとめて包装する
ことを特徴とする請求項1に記載の縫製キット製造システム。
【請求項3】
縫製品の定型サイズのバリエーションから指定定型サイズを選択する選択工程と、
前記指定定型サイズに基づいてカスタムサイズを編集する編集工程と、
前記カスタムサイズに基づいて裁断データを生成する裁断データ生成工程と、
前記裁断データに基づいて生地を裁断して前記縫製品を構成する複数種類の部品群を取得する裁断工程と、を含む
ことを特徴とする縫製キット製造方法。
【請求項4】
前記裁断工程の後に、前記縫製品を構成する前記部品群の一式をまとめて包装する包装工程を含む
ことを特徴とする請求項3に記載の縫製キット製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縫製キット製造システム及び縫製キット製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの体形を測定し、測定されたユーザの体形に基づいて完成させる衣服の部品形状をデザインし、CAD/CAMによりシート状の生地を裁断し、得られた部品(パーツ)を縫製して衣服を完成させる製造方法があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-41805号公報
【特許文献2】特許第3388269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の衣服の製造方法は、ユーザの体形を測定する必要があった。そのため、測定器を用意して測定するという負担がユーザに課されていた。また、測定されたユーザの体形に基づく形状と、ユーザの好みの形状とは、必ずしも合致するものではなかった。また、従来の衣服の製造方法は、ベンダ側で生地を裁断して、得られた部品を縫製して衣服を完成させるものであった。そのため、例えば、趣味のために縫製の工程を自ら行いたいといった、ユーザの要望に応じたものではなかった。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、ユーザの要望に応じた縫製キット製造システム及び縫製キット製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決する手段は、次のとおりである。
(1)本発明の一態様に係る縫製キット製造システムは、ユーザ端末と、ベンダ端末と、CADCAMソフトウェアと、裁断装置と、を備え、前記ユーザ端末と、前記ベンダ端末と、前記CADCAMソフトウェアと、前記裁断装置とは、共通の通信ネットワークに接続されており、前記ユーザ端末は、縫製品の定型サイズのバリエーションを表示して指定定型サイズをユーザに選択可能にさせる選択画面と、前記指定定型サイズに基づくカスタムサイズをユーザによって編集可能にさせるカスタム画面と、を表示し、前記カスタムサイズを前記ベンダ端末に送信し、前記ベンダ端末は、前記カスタムサイズを前記CADCAMソフトウェアに送信し、前記CADCAMソフトウェアは、前記カスタムサイズに基づいて裁断データを生成し、前記裁断装置は、前記裁断データに基づいて生地を裁断して前記縫製品を構成する複数種類の部品群を取得することを特徴とする。
(2)上記(1)において、前記縫製キット製造システムは、包装装置を備え、前記包装装置は、前記縫製品を構成する前記部品群の一式をまとめて包装してよい。
(3)本発明の一態様に係る縫製キット製造方法は、縫製品の定型サイズのバリエーションから指定定型サイズを選択する選択工程と、前記指定定型サイズに基づいてカスタムサイズを編集する編集工程と、前記カスタムサイズに基づいて裁断データを生成する裁断データ生成工程と、前記裁断データに基づいて生地を裁断して前記縫製品を構成する複数種類の部品群を取得する裁断工程と、を含む。
(4)上記(3)において、前記裁断工程の後に、前記縫製品を構成する前記部品群の一式をまとめて包装する包装工程を含んでよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの要望に応じた縫製キット製造システム及び縫製キット製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】縫製キット製造システムの全体概要図である。
【
図2】縫製キット製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
以下、図面を参照し、実施形態に係る縫製キット製造システム100を縫製キット製造方法に沿って説明する。
図1は、縫製キット製造システム100の全体概要図である。
図2は、縫製キット製造方法のフローチャートである。
【0010】
(縫製キット製造システム)
図1に示すように縫製キット製造システム100は、ユーザ端末UTと、ベンダ端末VTと、CADCAMソフトウェアAと、裁断装置Cと、を備えている。縫製キット製造システム100は、包装装置Pを更に備えていてよい。
【0011】
ユーザ端末UTと、ベンダ端末VTと、CADCAMソフトウェアAと、裁断装置Cとは、共通の通信ネットワークNに接続されている。
通信ネットワークNは、例えば、インターネットである。
【0012】
(ユーザ端末)
ユーザ端末UTは、縫製品10(例えば、衣服、バッグ等)の定型サイズ(例えば、Sサイズ、Mサイズ又はLサイズ)のバリエーションを表示して指定定型サイズ(例えば、Mサイズ)をユーザUに選択可能にさせる選択画面M1と、指定定型サイズに基づくカスタムサイズ(例えば、胸ポケットの有無、袖、ウェスト等の部分別に、長め、短め、ゆったりめ、きつめ、又はそれらの組み合わせ等)をユーザUによって編集可能にさせるカスタム画面M2と、を表示し、カスタムサイズをベンダ端末VTに送信する。ここで、定型サイズとは、共通する形状に対して段階的に複数用意された基準となる大きさの型である。定型サイズとは、例えば、縫製品10が衣服の場合、比較的小さいSサイズ、標準的な大きさのMサイズ又は比較的大きいLサイズの3つである。指定定型サイズとは、複数の定型サイズの中から選択された一つのサイズ、例えば、Mサイズ、である。
【0013】
ユーザ端末UTは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等の情報処理装置である。ユーザ端末UTは、通信部、入力部、出力部、記憶部及び制御部を備えている。通信部は、通信ネットワークNを介してベンダ端末VTとデータ通信する。入力部は、ユーザUの入力を受け付ける。入力部は、例えば、ボタン、キーボード、ポインティングデバイスを用いたものであってよい。出力部は、画像又は動画を表示する。出力部は、モニタであってよい。出力部は、振動又は音を出力してよい。出力部は、バイブレータやスピーカ等の装置を含んでいてよい。記憶部は、ユーザ端末UTの駆動に必要なオペレーションシステム等のソフトウェア、適宜インストールされたアプリケーション、その他のデータを記憶する。記憶部は、磁気ハードディスク装置、半導体記憶装置等のメモリであってよい。制御部は、ユーザ端末UTを構成する他の機能部(通信部、入力部、出力部及び記憶部)と連携して情報処理を行う。制御部は、プロセッサであってよい。
【0014】
通信部は、通信機器である。通信部は、例えば、ネットワークインターフェースであってよい。通信部は、例えば、通信ネットワークNに接続された他の端末又は装置等とデータ通信する。通信部は、例えば、通信ネットワークNを介してベンダ端末VTとデータ通信する。通信部は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0015】
記憶部は、磁気ハードディスク装置、半導体記憶装置等のメモリである。記憶部は、制御部が動作する際に使用されるプログラムやデータを記憶する。
【0016】
制御部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部は、プロセッサがプログラムを実行することによって機能する。制御部の機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えば、SSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク、半導体記憶装置等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。プログラムは、縫製キット製造システム100を用いた縫製キット製造方法をコンピュータに実行させるプログラムを含んでよい。
【0017】
(ベンダ端末)
ベンダ端末VTは、カスタムサイズをCADCAMソフトウェアAに送信する。ベンダ端末VTは、サービス提供者が管理するサーバ端末であってよい。なお、CADCAMソフトウェアAは、ベンダ端末VTにインストールされたものであってよく、ベンダ端末VTとは異なる他の端末にインストールされたものであってもよい。
【0018】
ベンダ端末VTは、パーソナルコンピュータ、サーバ等の情報処理装置である。ベンダ端末VTは、ユーザ端末UTと同様に、通信部、入力部、出力部、記憶部及び制御部を備えている。通信部は、通信ネットワークNを介してユーザ端末UTとデータ通信する。
【0019】
(CADCAMソフトウェア)
CADCAMソフトウェアAは、ユーザ端末UTから直接的又はベンダ端末VTを介して間接的に提供された形状データであるカスタムサイズに基づいて、後述の裁断装置Cの動作の基礎となる加工データである裁断データを生成する。CADCAMソフトウェアAは、ユーザUから提供されたカスタムサイズに基づく形状データを生成するCADソフトウェアと、その形状データに基づいて後述の裁断装置Cの動作の基礎となる裁断データをつくるためのCAMソフトウェアと、を統合したシステムであってよい。CADCAMソフトウェアAは、CADソフトウェアとCAMソフトウェアとに別れたものであってよく、それらを一つにまとめたものであってもよい。CADCAMソフトウェアAは、いわゆるクラウド上で動作するアプリケーションであってよい。CADCAMソフトウェアAは、ベンダ端末VTにインストールされたものであってよく、ベンダ端末VTに接続されたオフラインの端末であってよく、インターネット上に接続された不図示のサーバ端末にインストールされたものであってもよい。
【0020】
裁断装置Cは、CADCAMソフトウェアAにて生成された裁断データに基づいて生地を裁断して縫製品10を構成する複数種類の部品群bを取得する。部品は、例えば、完成した状態の縫製品10がシャツである場合、前身頃、後身頃、前立て、袖、衿、衿台、カフス、ヨーク、ポケット等である。部品群bは、例えば、完成した状態の縫製品10がシャツである場合、前身頃、後身頃、前立て、袖、衿、衿台、カフス、ヨーク、ポケット等の一式である。
【0021】
包装装置Pは、縫製品10を構成する部品群bの一式をまとめて包装する。このように、縫製キット製造システム100は、包装装置Pを備えていてよい。そして、包装装置Pは、縫製品10を構成する複数種類の部品群bの一式をまとめて包装してよい。包装装置Pにより、裁断データに基づいて生地を裁断装置Cにて裁断して取得した、縫製品10を構成する部品群bの一式を、まとめて包装してキット化できる。これにより、ユーザUは、体形を特別な測定装置で測定しなくても、ユーザ端末UTから、要望する縫製品10の指定定型サイズ又はカスタムサイズを選択することにより、
図1に示すように、縫製品10を構成する部品群bの一式(b1,b2,b3)をまとめてパック20で包装してキット化された縫製キット30を入手でき、適宜、縫製キット30を使用して縫製工程S9を実施し、縫製品10を仕上げることができる。ベンダVは、裁断工程S6の後の縫製工程S9を省略でき、縫製品10を構成する部品群bの一式をまとめた状態でユーザUに提供でき、ユーザUの要望に応じることができる。よって、ユーザUの要望に応じた縫製キット製造システム100を提供できる。
【0022】
(縫製キット製造方法)
次に、実施形態に係る縫製キット製造方法について説明する。
図2は、実施形態に係る縫製キット製造方法のフローチャートである。
図3は、選択画面M1を示す図である。
図4は、カスタム画面M2を示す図である。
図2に示すように、縫製キット製造方法は、ユーザU(ユーザ端末UT)とベンダV(ベンダ端末VT)との間でやり取りされる、一連の工程のフローで実施される。
【0023】
図2に示すように、縫製キット製造方法は、縫製品10の定型サイズのバリエーションから指定定型サイズを選択する選択工程S2と、指定定型サイズに基づいてカスタムサイズを編集する編集工程S3と、カスタムサイズに基づいて裁断データを生成する裁断データ生成工程S5と、裁断データに基づいて生地を裁断して縫製品10を構成する複数種類の部品群bを取得する裁断工程S6と、縫製品10を構成する部品群bの一式をまとめて包装する包装工程S7と、を含んでいる。このように、縫製キット製造方法は、選択工程S2と、編集工程S3と、裁断データ生成工程S5と、裁断工程S6と、包装工程S7と、含んでいるので、ユーザUは、体形を特別な測定装置で測定しなくても、ユーザ端末UTから、要望する縫製品10の指定定型サイズ又はカスタムサイズを選択することにより、
図1に示すように、縫製品10を構成する部品群bの一式(b1,b2,b3)をまとめてパック20で包装してキット化された縫製キット30を入手でき、適宜、縫製キット30を使用して縫製工程を実施し、縫製品10を仕上げることができる。また、ベンダVは、裁断工程S6の後の縫製工程を省略でき、縫製品10を構成する部品群bの一式をまとめた状態でユーザUに提供でき、ユーザUの要望に応じることができる。よって、ユーザUの要望に応じた縫製キット製造システム100を提供できる。
【0024】
以下、ベンダVから供給された縫製キット30を利用して、縫製品10となる胸ポケット付きのMサイズのTシャツを、ユーザUが自ら縫製して製作する状況を想定し、ユーザUが定型サイズを選んでから縫製品10を完成させるまでの工程を例にとって、縫製キット製造方法のフローに沿って説明する。
なお、縫製品10は、縫製して完成させる物であればよく、Tシャツに限らず、衣服に限らず、例えば、鞄であってもよい。
【0025】
(画面提供工程S1)
画面提供工程S1では、まず、ベンダVは、ユーザUからの要求(ここでは、縫製品10として、きつめなシルエットで胸ポケット付のMサイズのTシャツの要求)に基づき、縫製品10に係る定型サイズのバリエーションの情報をユーザUに送信する。
具体的には、ベンダVは、ベンダ端末VTを利用して、あらかじめユーザ端末UTにインストールされたアプリケーションソフトウェア(いわゆるアプリ)、又は、ベンダVによって管理されるWEBサイトを閲覧可能なブラウザ等を通じて、ユーザ端末UTを用いてユーザUが、定型サイズのバリエーションの情報が表示された選択画面M1を閲覧できるようにする。
選択画面M1は、例えば、
図3に示すように、定型サイズのバリエーションの情報としてSサイズのTシャツを示す画像GSと、MサイズのTシャツを示す画像GMと、LサイズのTシャツを示す画像GLと、を表示する。
また、ベンダVは、ベンダ端末VTを利用して、あらかじめユーザ端末UTにインストールされたアプリケーションソフトウェア、又は、ベンダVによって管理されるWEBサイトを閲覧可能なブラウザ等を通じて、ユーザ端末UTを用いてユーザUが、選択画面M1から定型サイズを選択した後に、カスタマイズサイズのバリエーションの情報が表示されたカスタム画面M2を閲覧できるようにする。
カスタム画面M2は、例えば、
図4に示すように、カスタマイズサイズのバリエーションの情報として、標準的なシルエットで胸ポケット無しのMサイズのTシャツを示す画像GM10と、きつめなシルエットで胸ポケット無しのMサイズのTシャツを示す画像GM11と、ゆったりめなシルエットで胸ポケット無しのMサイズのTシャツを示す画像GM12と、標準的なシルエットで胸ポケット付きのMサイズのTシャツを示す画像GM20と、きつめなシルエットで胸ポケット付きのMサイズのTシャツを示す画像GM21と、ゆったりめなシルエットで胸ポケット無しのMサイズのTシャツを示す画像GM22と、を表示する。
【0026】
(選択工程S2)
次に、選択工程S2では、ユーザUは、縫製品10の定型サイズのバリエーションから指定定型サイズを選択する。ベンダVは、ユーザUからの要求(ここでは、縫製品10としてTシャツの要求)に基づき、縫製品10に係る定型サイズのバリエーションの情報をユーザUに送信する。
具体的には、ユーザUは、ユーザ端末UTに表示された選択画面M1においてMサイズのTシャツを表す画像GMを直接的にタップする等することにより、ユーザ端末UTに表示された選択画面M1に示された定型サイズのバリエーションの中から、指定定型サイズとなるMサイズを選択する。
【0027】
選択画面M1において指定定型サイズが選択されると、ユーザ端末UTは、
図4に示すような、カスタム画面M2を表示する。
【0028】
(編集工程S3)
次に、編集工程S3では、ユーザUは、指定定型サイズに基づいてカスタムサイズを編集する。
具体的には、ユーザUは、ユーザ端末UTに表示されたカスタム画面M2において表示された画像の中から、画像GM21を直接的にタップする等することにより、指定定型サイズとなるMサイズのTシャツ(画像GM)をベースに、部分的に編集されたカスタムサイズ(画像GM21)を選択する。
【0029】
(サイズ送信工程S4)
次に、サイズ送信工程S4では、ユーザ端末UTは、ユーザUによって選択されたカスタムサイズをベンダ端末VTに送信する。
【0030】
(裁断データ生成工程S5)
次に、裁断データ生成工程S5では、ベンダ端末VTは、連携する(インストールされた)CADCAMソフトウェアAにより、ユーザ端末UTから提供(送信)されたカスタムサイズに基づいて、裁断装置Cの動作の基礎となる加工データである裁断データを生成する。
【0031】
(裁断工程S6)
次に、裁断工程S6では、裁断装置Cにより、CADCAMソフトウェアAで生成された裁断データに基づいて生地を裁断して縫製品10(きつめなシルエットで胸ポケット付きのMサイズのTシャツ)を構成する複数種類の部品群b(後身頃b1、胸ポケットb2、前身頃b3)を取得する。
【0032】
(包装工程S7)
次に、包装工程S7では、包装装置Pにより、縫製品10を構成する部品群bの一式をまとめて包装する。具体的には、包装装置Pにより、例えば、部品群b(後身頃b1、胸ポケットb2、前身頃b3)の一式を、一つのパック20で包装して、縫製キット30を製造する。なお、縫製キット30には、縫製品10を構成する生地の部品の他に、適宜、ミシン糸、後述の縫製工程S9を具体的に説明する媒体等、が含まれていてもよい。このようにして、ユーザUが要望する縫製品10の部品群bをパック20で包装してキット化された縫製キット30を製造できる。
【0033】
(郵送工程S8)
次に、郵送工程S8では、ベンダVは、縫製キット30をユーザUに郵送する。
【0034】
(縫製工程S9)
次に、縫製工程S9では、ユーザUは、縫製キット30に含まれる部品群bである後身頃b1、胸ポケットb2及び前身頃b3を取得し、それらを自ら縫製して、ユーザUが要望する縫製品10(きつめなシルエットで胸ポケット付きのMサイズのTシャツ)を完成させる。
【0035】
以上説明したように、実施形態に係る縫製キット製造システム100は、ユーザ端末UTと、ベンダ端末VTと、CADCAMソフトウェアAと、裁断装置Cと、を備えている。ユーザ端末UTと、ベンダ端末VTと、CADCAMソフトウェアAと、裁断装置Cとは、共通の通信ネットワークNに接続されている。ユーザ端末UTは、縫製品10の定型サイズのバリエーションを表示して指定定型サイズをユーザUに選択可能にさせる選択画面M1と、指定定型サイズに基づくカスタムサイズをユーザUによって編集可能にさせるカスタム画面M2と、を表示し、カスタムサイズをベンダ端末VTに送信する。ベンダ端末VTは、カスタムサイズをCADCAMソフトウェアAに送信する。CADCAMソフトウェアAは、カスタムサイズに基づいて裁断データを生成する。裁断装置Cは、裁断データに基づいて生地を裁断して縫製品10を構成する複数種類の部品群bを取得する。これにより、ユーザUは、体形を特別な測定装置で測定しなくても、ユーザ端末UTで、要望する縫製品10の指定定型サイズ又はカスタムサイズを選択することにより、簡単に、ユーザUが好む形状の縫製品10を構成する部品群bの一式をまとめてパック20で包装してキット化された縫製キット30を入手できる。また、ユーザUは、縫製キット30を使用して自ら縫製工程を実施し、縫製品10を仕上げることができるので、型紙を使用して生地を裁断する手間を省略でき、気軽に又は趣味として、縫製のトレーニング、手芸ができる。ベンダVは、裁断工程S6の後の縫製工程を省略でき、低コストかつ早期に、縫製品10を構成する部品群bの一式をまとめた状態でユーザUに提供でき、ユーザUの要望に応じることができる。よって、ユーザUの要望に応じた縫製キット製造システム100を提供できる。
【0036】
実施形態に係る縫製キット製造方法は、縫製品10の定型サイズのバリエーションから指定定型サイズを選択する選択工程S2と、指定定型サイズに基づいてカスタムサイズを編集する編集工程S3と、カスタムサイズに基づいて裁断データを生成する裁断データ生成工程S5と、裁断データに基づいて生地を裁断して縫製品10を構成する複数種類の部品群bを取得する裁断工程S6と、を含んでいる。これにより、ユーザUは、体形を特別な測定装置で測定しなくても、ユーザ端末UTで、要望する縫製品10の指定定型サイズ又はカスタムサイズを選択することにより、簡単に、ユーザUが好む形状の縫製品10を構成する部品群bの一式をまとめてパック20で包装してキット化された縫製キット30を入手できる。また、ユーザUは、縫製キット30を使用して自ら縫製工程S9を実施し、縫製品10を仕上げることができるので、型紙を使用して生地を裁断する手間を省略でき、気軽に又は趣味として、縫製のトレーニング、手芸ができる。ベンダVは、裁断工程S6の後の縫製工程S9を省略でき、低コストかつ早期に、縫製品10を構成する部品群bの一式をまとめた状態でユーザUに提供でき、ユーザUの要望に応じることができる。よって、ユーザUの要望に応じた縫製キット製造システム100を提供できる。
【0037】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0038】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0039】
100 縫製キット製造システム
10 縫製品
20 パック
30 縫製キット
A CADCAMソフトウェア
C 裁断装置
M1 選択画面
M2 カスタム画面
N 通信ネットワーク
P 包装装置
U ユーザ
UT ユーザ端末
V ベンダ
VT ベンダ端末
b 部品群
b1 後身頃
b2 胸ポケット
b3 前身頃