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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138151
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/705 20060101AFI20240927BHJP
   H01H 13/7065 20060101ALI20240927BHJP
   H01H 13/52 20060101ALI20240927BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01H13/705
H01H13/7065
H01H13/52 F
G06F3/02 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024122931
(22)【出願日】2024-07-30
(62)【分割の表示】P 2023111820の分割
【原出願日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】木村 加奈子
(57)【要約】
【課題】高さがそれぞれ異なっていても操作性の違いが低減されている複数の操作部を有した電子機器を提供すること。
【解決手段】本実施形態における電子機器は、筐体の第1端側から第2端側にかけて配置され、操作面を有するキートップ部材を含む複数の操作部を備え、前記キートップ部材の下端部から前記操作面までの高さは、前記第1端側に配置された第1操作部の方が、前記第2端側に配置された第2操作部よりも高い。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の第1端側から第2端側にかけて配置され、操作面を有するキートップ部材を含む複数の操作部を備え、
前記キートップ部材の下端部から前記操作面までの高さは、前記第1端側に配置された第1操作部の方が、前記第2端側に配置された第2操作部よりも高い、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記操作部は、さらに前記キートップ部材を支持するラバー部材を含み、
前記ラバー部材の形状及び寸法及び素材は、前記第1操作部と前記第2操作部とで共通化されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1端側から前記第2端側の方向に、筐体天面が載置面に対して所定角度で傾斜するように形成され、
前記筐体天面に前記キートップ部材を前記載置面に対して鉛直方向に摺動可能に貫通させる開口部が形成され、
前記筐体天面の前記開口部から前記キートップ部材の摺動方向に、前記キートップ部材が当該摺動方向とは異なる方向に摺動することを防止するための摺動補助部材が形成され、
前記摺動補助部材の前記摺動方向の長さは、前記第1操作部と前記第2操作部のそれぞれに対応する前記キートップ部材の高さに応じて異なるように形成されている、
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1操作部の前記キートップ部材の中抜き量が前記第2操作部の前記キートップ部材よりも大きくなるように形成されている、
ことを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の電子機器。
【請求項5】
前記複数の操作部における前記キートップ部材の内側で且つ前記ラバー部材の側面となる位置に、前記キートップ部材の摺動方向に伸びる支持部材が形成され、
前記支持部材の長さは、前記第1操作部と前記第2操作部のそれぞれに対応する前記キートップ部材の高さに応じて異なるように形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第1端側から前記第2端側の方向に、筐体天面が所定角度で載置面に対して傾斜するように形成され、
前記筐体天面に前記キートップ部材を前記載置面に対して鉛直方向に摺動可能に貫通させる開口部が形成され、
前記第1操作部と前記第2操作部のそれぞれに対応する前記キートップ部材の一部が前記筐体天面の筐体内側と相対するように形成され、
前記第1操作部と前記第2操作部の前記キートップ部材の前記下端部から前記筐体天面の筐体内側と相対する位置までの高さが異なるように形成されている、
ことを特徴とする請求項1、請求項2あるいは請求項4の何れかに記載の電子機器。
【請求項7】
前記キートップ部材は、スペーサを含み、
前記スペーサの厚さが、前記第2操作部よりも前記第1操作部の方が厚く形成されることで、前記キートップ部材の下端部から前記操作面までの高さが、第2操作部よりも前記第1操作部の方が高く形成される、
ことを特徴とする請求項1~6の何れかに記載の電子機器。
【請求項8】
筐体の第1端側から第2端側にかけて配置され、操作面を有するキートップ部材を含む複数の操作部と、
前記複数の操作部が配置される基板と、
を備え、
前記キートップ部材の下端部から操作面までの高さは、前記第1端側に配置された第1操作部と前記第2端側に配置された第2操作部とで略等しくなるよう形成されており、
前記第1操作部は、前記基板の第1領域に配置されており、
前記第2操作部は、前記基板の第2領域に配置されており、
筐体底面から前記基板までの高さは、前記第1領域の方が前記第2領域よりも高くなるよう形成されている、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
前記操作部は、さらに前記キートップ部材を支持するラバー部材を含み、
前記ラバー部材の形状及び寸法及び素材は、前記第1操作部と前記第2操作部とで共通化されている、
ことを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記基板は、湾曲させることが可能なフレキシブル基板で形成されている、
ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電卓と称される電子機器には、筐体天面にディスプレイとキー入力部が設けられている。キー入力部には、複数のキーが行列(マトリクス)状に配設されている。例えば、キー入力部には、それぞれ複数のキーを含む数値キー、演算キー、機能キーなどが設けられる。
【0003】
通常、電卓のように小形の電子機器の場合、ディスプレイに表示されるキー入力に応じた処理結果を視認しながら、キー入力部の複数のキーに対して片手で操作が行われる。
【0004】
電子機器においては、キー入力部に配設されたキーに対して、正確に早く打て、長時間の使用でも疲れにくいことが望まれている。従来では、身体的負担を軽減するため、複数のキーを階段状にしたキーボード構造(ステップスカルプチャー)が知られている。例えば、従来では、キーが段差を持つように構成する場合、キー(押釦スイッチ)を支持する弾性シートの形状をキーの位置に応じて変形(屈曲)させる構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭60-141035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、キーを支持する弾性シートの構成をキー毎に変形させると、キー毎に操作性(クリック感)が異なってしまうため、キーの押下時にユーザが違和感を覚えることがある。
【0007】
本発明は、前記のような課題に考慮してなされたもので、高さがそれぞれ異なっていても操作性の違いが低減されている複数の操作部を有した電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本実施形態における電子機器は、筐体の第1端側から第2端側にかけて配置され、操作面を有するキートップ部材を含む複数の操作部を備え、前記キートップ部材の下端部から前記操作面までの高さは、前記第1端側に配置された第1操作部の方が、前記第2端側に配置された第2操作部よりも高い。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高さがそれぞれ異なっていても操作性の違いが低減されている複数の操作部を有した電子機器を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態における電子機器の平面図。
図2】本実施形態における電子機器の下側面側から見た図。
図3】本実施形態における電子機器の斜視図。
図4】本実施形態における電子機器の右側面側から見た図。
図5】本実施形態における図1に示すA-A線における断面図の第1構成例を示す図。
図6】本実施形態におけるラバーキーの一例を示す平面図。
図7】本実施形態における図1に示すA-A線における断面図の第2構成例を示す図。
図8】本実施形態における図1に示すA-A線における断面図の第3構成例を示す図。
図9】本実施形態における図1に示すA-A線における断面図の第4構成例を示す図。
図10】本実施形態における図1に示すA-A線における断面図の第5構成例を示す図。
図11】本実施形態における図1に示すA-A線における断面図の第6構成例を示す図。
図12】本実施形態における図1に示すA-A線における断面図の第7構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
図1図2図3及び図4は、本実施形態における電子機器10の外観構成を示す図である。図1は、本実施形態における電子機器10の平面図、図2は、本実施形態における電子機器10の下側面側から見た図、図3は、本実施形態における電子機器10の斜視図、図4は、本実施形態における電子機器10の右側面側から見た図である。
【0013】
図1に示すように、電子機器10の筐体天面には、キー入力部11と表示部12が設けられる。キー入力部11には、複数のキー14、セレクタスイッチ15などが設けられる。
【0014】
複数のキー14には、例えば、数値キー、演算キー、機能キーなどが含まれる。数値キーには、例えば[00][0]~[9]のそれぞれに対応する複数のキーを含む。演算キーには、四則演算による通常計算に使用する、例えば[+](加算)キー、[-](減算)キー、[×](乗算)キー、[÷](除算)キー、[=](演算実行)のそれぞれに対応するキーがある。機能キーには、例えばオールクリアキー([AC]キー)、クリアキー([C]キー)、複数のメモリキー([MRC][M-][M+])、ルートキー([√]キー)、[%]キーなどがある。
【0015】
セレクタスイッチ15には、例えばラウンドセレクタ、小数点セレクタなどが含まれる。
【0016】
図1に示すように、電子機器10の筐体天面の外形は、ほぼ矩形状に形成されている。筐体天面には、上部側(筐体天面の上辺側)に表示部12が設けられ、下部側(筐体天面の下辺側)にはキー入力部11が設けられる。
【0017】
表示部12は、筐体天面の第1領域(上部側)である第1筐体面12aにディスプレイ16が配置される。ディスプレイ16は、例えば横長方向の矩形状の表示面を有し、筐体の第1端側(図1における左辺側)から第1端側に対向する第2端側(図1における右辺側)にかけて配置される。
【0018】
キー入力部11は、筐体天面の第2領域(下部側)の第2筐体面11aに複数のキー14(操作部)が、筐体の第1端側から第2端側にかけて配置される。複数のキー14は、それぞれのキートップに操作面14tを有する。複数のキー14は、例えば筐体天面の上辺/下辺と平行な方向を行方向、筐体天面の左辺/右辺と平行な方向を列方向として、それぞれ所定の間隔(キーピッチ)を設けて配設される。
【0019】
本実施形態における電子機器10では、キー入力部11の第2筐体面11aは、第1端側から第2端側の方向、すなわち複数のキー14の配列された行方向に、載置面(筐体底面)となす傾斜角度が第1傾斜角度(角度θ)となるように形成される。また、表示部12の第1筐体面12aは、載置面(筐体底面)に対して略平行(あるいは略水平)となるように形成されている、又は、第1端側から第2端側の方向、すなわち複数のキー14の配列された行方向における筐体底面となす傾斜角度が、第1傾斜角度(角度θ)とは異なる第2傾斜角度となるように形成される。
【0020】
図2及び図4に示すように、電子機器10の第2筐体面11aは、筐体の底面13に対して、キー14の配列された行方向に角度θで傾斜されて形成される。角度θは、例えば1°~9°の範囲とすることが好ましい。さらに、角度θは、例えば1°~3°の範囲とすることが好ましい(詳細については後述する)。
【0021】
図1図4に示す電子機器10の構成は、図2及び図4に示すように、キー入力部11の第2筐体面11aが右傾斜(左辺側が右辺側よりも高い)させた例を示している。すなわち、第1端側(左辺側)に配置されたキー14(第1操作部)における操作面14tの少なくとも一部は、第2端側(右辺側)に配置されたキー14(第2操作部)における操作面14tの少なくとも一部よりも、載置面(筐体底面)からの高さが高くなるように形成されている。例えば、第1端側に配置されたキー14における操作面14tの中心部(第1中心部)は、第2端側に配置されたキー14における操作面14tの中心部(第2中心部)よりも、載置面(筐体底面)からの高さが高くなるように形成されている。
【0022】
これにより、電子機器10の使用者が右手によって操作する(右利きの使用者)場合に、複数のキー14に対して操作性が良く、使用者が疲れにくい構成としている。
【0023】
なお、電子機器10の使用者が左手によって操作すること(左利きの使用者)を想定して、キー入力部11の第2筐体面11aを左傾斜させた構成とすることも可能である。すなわち、第2端側(右辺側)に配置されたキー14における操作面14tの少なくとも一部は、第1端側(左辺側)に配置されたキー14における操作面14tの少なくとも一部よりも、載置面(筐体底面)からの高さが高くなるように形成する。
【0024】
一方、表示部12の表示面は、第1端側が第2端側よりも、載置面(筐体底面)からの高さが高くならないように形成されている。図2及び図4に示す例では、表示部12の第1端(左辺)と第2端(右辺)とを同じ高さとし、筐体天面の上辺側をキー入力部11と表示部12の境界部分よりも高くになるようにして、複数のキー14が配列された列方向(前後方向)に傾斜させて形成される。
【0025】
図4に示すように、電子機器10の筐体は、キー入力部11と表示部12の境界部分で屈曲させ、筐体天面の上辺側の位置を高くしている。これにより、表示部12の第1筐体面12aが複数のキー14が配列された列方向に傾斜され、ディスプレイ16の表示面の視認性を向上させている。
【0026】
次に、本実施形態における複数のキー14(操作部)の構成例(第1~第7構成例)について、図5図12を参照しながら説明する。
【0027】
(1)第1構成例
図5は、図1に示すA-A線における断面図の一例を示す図である。図5では、A-A線上に配列された複数のキー14のうち隣接する2つのキー14のみを示す。以下、図7図12も同様である。
【0028】
なお、以下に説明する図5図7図12は、電子機器10に設けられた複数のキー14(操作部)の構成を分かり易くするため変形して記載しているため、図1図4に記載した構成と完全に一致していない。
【0029】
図5に示すように、第1構成例では、電子機器10の筐体内の底部において、基板22が筐体底面13と平行となるように設けられる。基板22は、複数のキー14を筐体内部で支持する。
【0030】
キー14は、例えばラバーキー21aとキートップ14a1,14a2(キートップ部材)とを含んで構成される。キートップ14a1,14a2(キートップ部材)は、例えば樹脂によって形成される。基板22の上面にはラバーキー21aが配置される。ラバーキー21aは、例えばゴムなどの弾性部材により形成される。ラバーキー21aには、複数のキー14のキートップ14a1,14a2のそれぞれに対応する位置に、ドーム形状のラバーキートップ21a1,21a2(ラバー部材)が形成される。
【0031】
ラバーキートップ21a1,21a2は、それぞれキートップ14a1,14a2の下端部が装着される装着部21a11,21a22と、装着部21a11,21a21と基板24とを離間させた状態で支持する支持部21a12,21a22で形成されている。
【0032】
装着部21a11,21a22は、それぞれの上部に装着されたキートップ14a1,14a2が押下された際に操作性を持たせるため、通常時には支持部21a12,21a22により基板24と離間されて支持され、押下された際に、基板24と接触されるまで押し込まれる。
【0033】
ラバーキートップ21a1,21a2は、キートップ14a1,14a2が押下された際の操作性(クリック感)が同じとなるように共通化される。すなわち、ラバーキートップ21a1,21a2は、同一材料(素材)、同一形状、同一寸法で形成され、質量等が略等しくなるように形成される。
【0034】
ここでいうクリック感とは、ユーザがキートップ14a1,14a2を押下し、ラバーキートップ21a1,21a2が押しつぶされた際に発生する反発力(弾性力)をユーザが認識したときに覚える感覚を示している。
【0035】
図6は、本実施形態におけるラバーキー21aの一例を示す平面図である。
【0036】
図6に示すように、ラバーキー21aには、図1に示すキー入力部11の第2筐体面11aに配列された複数のキー14に合わせた位置に、複数のラバーキートップが設けられている。図6には、A-A線上に配列された2つのキー14のキートップ14a1,14a2が装着されるラバーキートップ21a1,21a2を含む。
【0037】
ラバーキートップ21a1,21a2は、装着部21a11,21a22を介して、それぞれに対応するキートップ14a1,14a2が、キーストローク方向(摺動方向)が筐体底面13(筐体載置面)に対して鉛直方向となるように装着される。
【0038】
ラバーキートップ21a1,21a2(装着部21a11,21a22)の底部には導電性部材が設けられ、キートップ14a1,14a2の押下によりラバーキートップ21a1,21a2が押し込まれた時に、キー押下を検出させるために基板22に配線された電極と接触される。
【0039】
キートップ14a1,14a2は、第1端(キートップ14a1側)から第2端(キートップ14a2側)の範囲で配置される位置に応じて、底面(下端部)から操作面までの高さが異なるように形成される。図5では、キー入力部11の第2筐体面11aが右傾斜しているため、第1端側に配置されたキートップ14a1の底面から操作面14ta1までの高さTa1は、第2端側に配置されたキートップ14a2の底面から操作面14ta2までの高さTa2よりも高く構成される。
【0040】
これにより、第2筐体面11aから操作面14ta1,14ta2までの高さを同じにして、筐体底面13(筐体載置面)から操作面14ta1,14ta2までの高さを、第2筐体面11aの傾斜角度θに応じて階段状になるように構成できる。
【0041】
図5では、2つのキートップ14a1,14a2のみを示しているが、第1端側から第2端側にかけて配置される複数のキートップをキートップ14a1,14a2と同様にして構成することで、複数のキートップの操作面が傾斜角度θに応じて階段状に構成される。基本的に、隣接する複数のキートップの操作面の高さの差は一定とする。
【0042】
第2筐体面11a(筐体天面)には、複数のキー14にそれぞれ対応する開口部が形成されている。開口部は、開口面が筐体底面13(筐体載置面)に対して略垂直(鉛直方向)に形成される。キートップ14a1,14a2は、それぞれに対応する開口部を摺動可能に貫通して、通常時には、それぞれの操作面14ta1,14ta2が第2筐体面11aよりも高い位置となるように支持される。従って、キートップ14a1,14a2の側面と開口部の開口面とは、略平行に僅かな隙間を設けて相対する。
【0043】
また、第2筐体面11a(筐体天面)の開口部からキートップ14a1,14a2の摺動方向、すなわち筐体底面13(筐体載置面)に対して鉛直方向にリブ31a1,31a2(摺動補助部材)が形成される。リブ31a1,31a2のキートップ14a1,14a2と相対する側面とキートップ14a1,14a2とは、略平行に僅かな隙間を設けて相対する。リブ31a1,31a2は、開口部からキートップ14a1,14a2の摺動方向に伸びているため、キートップ14a1,14a2の摺動時に、僅かな隙間の範囲でキートップ14a1,14a2のぐらつきを抑制する。
【0044】
第2筐体面11a(筐体天面)が角度θで傾斜され、装着部21a11,21a22の筐体底面13からの高さが同じ(水平)である。このため、リブ31a1,31a2は、第2筐体面11aの裏面側(筐体内側)からキートップ14a1,14a2の底部に形成されたつば部に近接する位置(あるいは非操作時に接触する位置)までの長さが、第1端側(キートップ14a1側)の方が第2端側(キートップ14a2側)よりも長く形成される。すなわち、リブ31a1,31a2の長さは、キートップ14a1,14a2が摺動する方向(筐体底面13に対して鉛直方向)に、キートップ14a1,14a2の高さに応じて異なるように形成されている。
【0045】
これにより、キートップ14a1,14a2は、それぞれのリブ31a1,31a2によってぐらつきが抑制される。
【0046】
図5に示すように、キートップ14a1,14a2の操作面14ta1,14ta2(上面)は、それぞれ底面13と並行となるように形成される。すなわち、電子機器10が水平な場所に載置された場合、キートップ14a1,14a2の操作面14ta1,14ta2はそれぞれ水平となる。また、第1端側のキートップ14a1から第2端側方向のキートップ14a2の順番でそれぞれの高さL1,L2が順に低くなる。
【0047】
キートップ14a1,14a2は、同一形状に形成され、ラバーキートップ21a1,21a2の可動範囲により規定されるストローク長が同じであるため、底面13に対する高さL1,L2が、図2及び図3に示すように、第2筐体面11aの傾斜角度θに応じて階段状になる。
【0048】
図2及び図4に示すように、本実施形態における電子機器1は、キー入力部11の第2筐体面11aを底面13に対して、キー14の行方向に角度θで傾斜させ、第1端側に配置されたキー14における操作面14tを、第2端側に配置されたキー14における操作面14tよりも高くなるように形成することで、キー14に対して操作性が良く、使用者が疲れにくいようにしている。
【0049】
また、複数のキー14においてラバーキー21a(ラバーキートップ21a1,21a2)の構成(材質/形状(質量))を共通化し、キートップ14a1,14a2の底面から操作面14ta1,14ta2までの高さを変えることで、筐体底面13からキートップ14a1,14a2の操作面14ta1,14ta2までの高さを変えながら、操作性の違いを低減することが可能となる。
【0050】
(2)第2構成例
図7は、図1に示すA-A線における断面図の一例を示す図である。
【0051】
第2構成例は、基本的に第1構成例と同様に形成される。すなわち、キー14は、例えばラバーキー21bとキートップ14b1,14b2(キートップ部材)とを含んで構成される。キートップ14b1,14b2(キートップ部材)は、例えば樹脂によって形成される。基板22の上面にはラバーキー21bが配置される。ラバーキー21bは、前述したラバーキー21aと同様にして、例えばゴムなどの弾性部材により形成される。ラバーキー21bには、複数のキー14のキートップ14b1,14b2のそれぞれに対応する位置に、ドーム形状のラバーキートップ21b1,21b2(ラバー部材)が形成される。
【0052】
ラバーキートップ21b1,21b2は、第1構成例(図5)のラバーキートップ21a1,21a2と同様に構成される。また、リブ31b1,31b2についても、第1構成例(図5)のリブ31a1,31a2と同様に構成される。
【0053】
キートップ14b1,14b2は、第1構成例と同様に、第1端側に配置されたキートップ14b1の底面から操作面14tb1までの高さTb1が、第2端側に配置されたキートップ14b2の底面から操作面14tb2までの高さTb2よりも高く構成される。
【0054】
第2構成例のキートップ14b1,14b2は、部材の中抜き量をキー毎に変えて形成される。キートップ14b1,14b2は、第1構成例と同様にして、第1端(キートップ14a1側)から第2端(キートップ14a2側)の範囲で配置される位置に応じて、底面から操作面までの高さが異なるように形成され、第1端側のキートップ14b1の方がキートップ14b2よりも高い。従って、部材の中抜きがなければ、キートップ14b1の方が、質量が大きくなる。
【0055】
第2構成例では、底面から操作面までの高さに応じて、高いほど部材の中抜き量を大きくすることで、第1端から第2端の範囲で配置された複数のキートップの質量を略同じにする。図7に示す例では、例えばキートップ14b1では、内部の支持部材41b1を残して中抜きされ、キートップ14b2では、キートップ14b1よりも多い支持部材41b2を残して中抜きされている。
【0056】
これにより、複数のキー14においてラバーキー21bの構成(材質/形状(質量))を共通化することで複数のキー14に対する操作性の一定化を図ることができるとともに、キートップ14b1,14b2の中抜きを調整することでキートップ自体の質量をキートップ14b1とキートップ14b2とで略等しくすることができ、ラバーキー21b(ラバーキートップ21b1,21b2)への負荷を軽減させて、耐久性の向上を図ることができる。
【0057】
(3)第3構成例
図8は、図1に示すA-A線における断面図の一例を示す図である。
【0058】
第3構成例は、基本的に第1構成例と同様に形成される。すなわち、キー14は、第1構成例と同様に、例えばラバーキー21dとキートップ14d1,14d2(キートップ部材)とを含んで構成される。キートップ14d1,14d2(キートップ部材)は、例えば樹脂によって形成される。基板22の上面にはラバーキー21d(ラバー部材)が配置される。ラバーキー21dは、例えばゴムなどの弾性部材により形成される。ラバーキー21dには、複数のキー14のキートップ14d1,14d2のそれぞれに対応する位置に、ドーム形状のラバーキートップ21d1,21d2(ラバー部材)が形成される。
【0059】
ラバーキートップ21d1,21d2は、第1構成例(図5)のラバーキートップ21a1,21a2と同様に構成される。
【0060】
キートップ14d1,14d2は、第1構成例と同様に、第1端側に配置されたキートップ14d1の底面から操作面14td1までの高さTd1は、第2端側に配置されたキートップ14d2の底面から操作面14td2までの高さTd2よりも高く構成される。
【0061】
なお、第3構成例の第2筐体面11bには、第1構成例のようなリブが形成されていない。
【0062】
第3構成例では、複数のキー14におけるキートップ14d1,14d2の内側で且つラバーキートップ21d1,21d2(ラバー部材)の側面となる位置に、キートップ14d1,14d2の摺動方向に伸びる支持部材34d1,34d2が形成される。支持部材34d1,34d2は、例えば筐体と一体化して形成されており、例えばラバーキー21dの上から筐体底面13に対して鉛直方向に形成される。
【0063】
キートップ14d1,14d2の内側には、支持部材34d1,34d2を摺動可能に保持する支持部材受け43d1,43d2を形成する空間を設けている。支持部材受け43d1,43d2は、例えば、キートップ14d1,14d2の外周部と、キートップ14d1,14d2の軸との間に空間を設け、支持部材34d1,34d2を空間内で支持する。キートップ14d1,14d2の軸は、例えば円筒形に形成され、円筒形部分の下端部(底面)にバーキートップ21d1,21d2(ラバー部材)が装着される。
【0064】
キートップ14d1,14d2の外周部下端には、つば部42d1,42d2が形成される。キートップ14d1,14d2の外周部の操作面14td1,14td2からの長さは、つば部42d1,42d2が第2筐体面11aの裏面(筐体内側)に近接する位置(あるいは非操作時に接触する位置)となるように形成される。
【0065】
支持部材受け43d1,43d2(空間)の長さは、キートップ14d1,14d2の高さTd1,Td2に応じて、例えば最大限の長さ(操作面14td1までの近く)で形成される。また、支持部材34d1,34d2の長さも、キートップ14d1,14d2の高さTd1,Td2に応じて、キートップ14d1,14d2が支持部材受け43d1,43d2(空間)において摺動可能な範囲で、例えば最大限の長さで形成される。すなわち、図8に示す構成では、支持部材受け43d1の方が支持部材受け43d2よりも長く、また支持部材34d1の方が支持部材34d2よりも長く形成される。
【0066】
これにより、支持部材受け43d1,43d2と支持部材34d1,34d2とにより、キートップ14d1,14d2が摺動(押下によるストローク)される際に、最大限長くキートップ14d1,14d2を支持することができる。従って、キートップ14d1,14d2のぐらつきを最小限にすることができる。
【0067】
(4)第4構成例
図9は、図1に示すA-A線における断面図の一例を示す図である。
【0068】
第4構成例は、基本的に第1構成例と同様に形成される。すなわち、キー14は、第1構成例と同様に、例えばラバーキー21eとキートップ14e1,14e2(キートップ部材)とを含んで構成される。キートップ14e1,14e2(キートップ部材)は、例えば樹脂によって形成される。基板22の上面にはラバーキー21eが配置される。ラバーキー21eは、例えばゴムなどの弾性部材により形成される。ラバーキー21eには、複数のキー14のキートップ14e1,14e2のそれぞれに対応する位置に、ドーム形状のラバーキートップ21e1,21e2(ラバー部材)が形成される。
【0069】
ラバーキートップ21e1,21e2は、第1構成例(図5)のラバーキートップ21a1,21a2と同様に構成される。
【0070】
キートップ14e1,14e2は、第1構成例と同様に、第1端側に配置されたキートップ14d1の底面から操作面14te1までの高さTe1は、第2端側に配置されたキートップ14e2の底面から操作面14te2までの高さTe2よりも高く構成される。
【0071】
第4構成例の第2筐体面11bには、第1構成例のようなリブが形成されていない(第3構成例と同じ)。第4構成例では、キートップ14e1,14e2の底部に、キートップ14e1,14e2のそれぞれで高さ(厚さ)が異なるつば部45e1,45e2が形成される。
【0072】
すなわち、第2筐体面11b(筐体天面)が角度θで傾斜されているため、キートップ14e1,14e2の底面から第2筐体面11bの裏面(筐体内側)までの高さが異なっている。つば部45e1,45e2の厚さは、キートップ14e1,14e2の底面から第2筐体面11bの裏面(筐体内側)までの高さに応じて、つば部45e1,45e2の上面が第2筐体面11bの裏面(筐体内側)と相対する位置、すなわち近接する位置あるいは非操作時に接触する位置までの高さとなるように形成される。従って、キートップ14e1に形成されたつば部45e1の高さTe11の方がキートップ14e2に形成されたつば部45e2の高さTe21よりも高く(厚く)形成される。
【0073】
これにより、第1構成例のように、第2筐体面11a(筐体天面)の開口部にリブを形成しなくてもキートップ14e1,14e2を第2筐体面11bによって安定して保持して、ぐらつきを抑制することができる。
【0074】
(5)第5構成例
第1構成例~第4構成例では、複数のキー14においてラバーキー(ラバーキートップ)の構成(材質/形状(質量))を共通化し、キートップの底面から操作面までの高さを変えることで、筐体底面13からキートップの操作面までの高さを変えているが、第5構成例~第7構成例では、スペーサを配置することで、筐体底面13からキートップの操作面までの高さを変える。
【0075】
図10は、図1に示すA-A線における断面図の一例を示す図である。
【0076】
第5構成例は、基本的に第4構成例と同様に形成される。すなわち、キー14は、第4構成例と同様に、例えばラバーキー21fとキートップ14f1,14f2(キートップ部材)とを含んで構成される。キートップ14f1,14f2(キートップ部材)は、例えば樹脂によって形成される。基板22の上面にはラバーキー21fが配置される。ラバーキー21fは、例えばゴムなどの弾性部材により形成される。ラバーキー21fには、複数のキー14のキートップ14f1,14f2のそれぞれに対応する位置に、ドーム形状のラバーキートップ21f1,21f2(ラバー部材)が形成される。
【0077】
ラバーキートップ21f1,21f2は、第1構成例(図5)のラバーキートップ21a1,21a2と同様に構成される。
【0078】
第5構成例では、筐体底面13からキートップ14f1,14f2の操作面までの高さL1,L2を第1構成例と同じように階段状にするため、キートップ14f1,14f2は、それぞれ高さの異なるスペーサ51f1,52f2を含めて形成される。キートップ14f1,14f2のスペーサ51f1,52f2を含まない高さTf1,Tf2は同じであるが、スペーサ51f1,52f2の高さTf11,Tf21は、高さL1,L2の差に応じた高さの差が設けられる。
【0079】
従って、キートップ14f1の下端部から操作面14f1までの高さは、(Tf1+Tf11)となり、キートップ14f2の下端部から操作面14f2までの高さは、(Tf2+Tf12)となり、第1端側に配置されたキートップ14f21方が、第2端側に配置されたキートップ14f2容量も高くなる。つまり、第5構成例では、キー14(操作部)の下端部はスペーサ51f1,52f2の下端部を示している。
【0080】
スペーサ51f1,52f2は、例えば弾力性のない部材、例えば樹脂などにより形成される。従って、キートップ14f1,14f2が押下され、ラバーキートップ21f1,21f2の底面が基板22に接触した時の操作性に、キートップ14f1とキートップ14f2との間で相違が生じない。
【0081】
このように、複数のキー14において、キートップ14f1,14f2をそれぞれ高さの異なるスペーサ51f1,52f2を含めて形成することで、筐体底面13からキートップ14f1,14f2の操作面までの高さを変えながら、ラバーキー21fとキートップ14f1,14f2を共通化して部品の生産コストを抑えるとともに、操作性の違いを低減することができる。
【0082】
なお、第5構成例では、前述した第1構成例~第4構成例に適用することも可能である。すなわち、第5構成例と同様にしてキートップをそれぞれ高さの異なるスペーサを含めて形成することで、操作面までの高さが異なるようにすれば良い。
【0083】
(6)第6構成例
図11は、図1に示すA-A線における断面図の一例を示す図である。
【0084】
第6構成例は、基本的に第4構成例と同様に形成される。すなわち、キー14は、第4構成例と同様に、例えばラバーキー21gとキートップ14g1,14g2(キートップ部材)とを含んで構成される。キートップ14g1,14g2(キートップ部材)は、例えば樹脂によって形成される。基板22の上面にはラバーキー21gが配置される。ラバーキー21gは、例えばゴムなどの弾性部材により形成される。ラバーキー21gには、複数のキー14のキートップ14g1,14g2のそれぞれに対応する位置に、ドーム形状のラバーキートップ21g1,21g2(ラバー部材)が形成される。
【0085】
第6構成例のラバーキートップ21g1,21g2は、装着部21g11,21g21にスペーサ52g1,52g2が内包されるように形成される。スペーサ52g1,52g2は、ラバーキー21gと個別に形成して接着等をするものではなく、ラバーキー21gの成形時に内包される。
【0086】
ラバーキートップ21g1,21g2は、スペーサ52g1,52g2を除けば、第1構成例(図5)のラバーキートップ21a1,21a2と質量が略等しくなるように形成される。
【0087】
ここで、スペーサ52g1,52g2はそれぞれキートップ14g1,14g2の構成に含まれるものとする。つまり、第6構成例では、操作部14の下端部はスペーサ52g1,52g2の下端部を示している。
【0088】
第6構成例では、筐体底面13からキートップ14g1,14g2の操作面までの高さL1,L2を第1構成例と同じように階段状にするため、スペーサ52g1の高さTg11とスペーサ52g2の高さTg21は、高さL1,L2の差に応じた高さの差が設けられる。
【0089】
スペーサ51g1,52g2は、例えば弾力性のない部材、例えば樹脂などにより形成され、スペーサ52g1,52g2を除くラバーキー21g(ラバーキートップ21g1,21g2)の構成を共通化している。従って、キートップ14g1,14g2が押下され、ラバーキートップ21g1,21g2の底面が基板22に接触した時の操作性に、キートップ14g1とキートップ14g2との間で相違が生じない。
【0090】
このように、複数のキー14において、ラバーキートップ21g1,21g2に、それぞれ高さが異なるスペーサ51g1,52g2を内包させることで、筐体底面13からキートップ14g1,14g2の操作面までの高さを変えながら、スペーサ52g1,52g2を除くラバーキー21gとキートップ14g1,14g2を共通化して部品の生産コストを抑えるとともに、操作性の違いを低減することができる。
【0091】
(7)第7構成例
図12は、図1に示すA-A線における断面図の一例を示す図である。
【0092】
第7構成例は、基本的に第5構成例と同様に形成される。すなわち、キー14は、例えばラバーキー21hとキートップ14h1,14h2(キートップ部材)とを含んで構成される。キートップ14h1,14h2(キートップ部材)は、例えば樹脂によって形成される。
【0093】
第7構成例では、第1端側に配置されたキートップ14h1の底面から操作面までの高さTh1と、第2端側に配置されたキートップ14h2の底面から操作面までの高さTh2が略等しくなるように形成される。すなわち、第7構成例では、ラバーキー21h(ラバーキートップ21h1,21h2)の構成(材質/形状(質量))を共通化するだけでなく、キートップ14h1,14h2を共通化する。
【0094】
第7構成例では、電子機器10の筐体内の底部において、例えばフレキシブル基板によって形成される基板220が設けられる。基板220は、複数のキー14を筐体内部で支持する。
【0095】
筐体内の底部は、第1端側から第2端側の方向に、複数のキー14が配置される領域に合わせて階段状、すなわち第1端側の領域(第1領域)の方が第2端側の領域(第2領域)よりも筐体底面からの高さが高くなるように形成されている。
【0096】
第7構成例では、筐体底面13からキートップ14h1,14h2の操作面までの高さL1,L2を第1構成例と同じように階段状にするため、筐体内の底部を階段状にしている。筐体底面13からの第1領域と第2領域の高さは、高さL1,L2の差に応じた高さの差が設けられる。
【0097】
基板220は、フレキシブル基板によって形成されることで、階段状に形成された筐体内の底部に、底部の形状に合わせて配置される。従って、筐体底面から基板220までの高さは、第1端側の領域220h1(高さLh1)の方が第2端側の領域220h2(高さLh2)よりも高くなる(Lh1>Lh2)。
【0098】
基板220の上面にはラバーキー21hが配置される。ラバーキー21hは、例えばゴムなどの弾性部材により形成される。ラバーキー21hには、複数のキー14のキートップ14h1,14h2のそれぞれに対応する位置に、ドーム形状のラバーキートップ21h1,21h2(ラバー部材)が形成される。すなわち、ラバーキートップ21h1(キートップ14h1)は、第1端側の領域(第1領域)220h1に配置され、ラバーキートップ21h2(キートップ14h2)は、第2端側の第1領域よりも低い領域(第2領域)220h2に配置される。
【0099】
ラバーキートップ21h1,21h2は、第1構成例(図5)のラバーキートップ21h1,21h2と同様に構成される。
【0100】
このように、ラバーキー21h(ラバーキートップ21h1,21h2)とキートップ14h1,14h2の構成を共通化することで、操作性の違いが発生しないようにすると共に、筐体内の底部を、キー14を配置する領域毎に階段状に形成することで、筐体底面13からキートップ14h1,14h2の操作面までの高さを変えることができる。
【0101】
なお、第7構成例では、第5構成例または第6構成例のラバーキー(ラバーキートップ)とキートップの構成を適用して実施することも可能である。
【0102】
なお、本願発明は、実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【0103】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
筐体の第1端側から第2端側にかけて配置され、操作面を有するキートップ部材を含む複数の操作部を備え、
前記キートップ部材の下端部から前記操作面までの高さは、前記第1端側に配置された第1操作部の方が、前記第2端側に配置された第2操作部よりも高い、ことを特徴とする電子機器。
[2]
前記操作部は、さらに前記キートップ部材を支持するラバー部材を含み、
前記ラバー部材の形状及び寸法及び素材は、前記第1操作部と前記第2操作部とで共通化されている、ことを特徴とする[1]に記載の電子機器。
[3]
前記第1端側から前記第2端側の方向に、筐体天面が載置面に対して所定角度で傾斜するように形成され、
前記筐体天面に前記キートップ部材を前記載置面に対して鉛直方向に摺動可能に貫通させる開口部が形成され、
前記筐体天面の前記開口部から前記キートップ部材の摺動方向に、前記キートップ部材が当該摺動方向とは異なる方向に摺動することを防止するための摺動補助部材が形成され、
前記摺動補助部材の前記摺動方向の長さは、前記第1操作部と前記第2操作部のそれぞれに対応する前記キートップ部材の高さに応じて異なるように形成されている、ことを特徴とする[1]または[2]記載の電子機器。
[4]
前記第1操作部の前記キートップ部材の中抜き量が前記第2操作部の前記キートップ部材よりも大きくなるように形成されている、ことを特徴とする[1]~[3]の何れかに記載の電子機器。
[5]
前記複数の操作部における前記キートップ部材の内側で且つ前記ラバー部材の側面となる位置に、前記キートップ部材の摺動方向に伸びる支持部材が形成され、
前記支持部材の長さは、前記第1操作部と前記第2操作部のそれぞれに対応する前記キートップ部材の高さに応じて異なるように形成されている、ことを特徴とする[2]に記載の電子機器。
[6]
前記第1端側から前記第2端側の方向に、筐体天面が所定角度で載置面に対して傾斜するように形成され、
前記筐体天面に前記キートップ部材を前記載置面に対して鉛直方向に摺動可能に貫通させる開口部が形成され、
前記第1操作部と前記第2操作部のそれぞれに対応する前記キートップ部材の一部が前記筐体天面の筐体内側と相対するように形成され、
前記第1操作部と前記第2操作部の前記キートップ部材の前記下端部から前記筐体天面の筐体内側と相対する位置までの高さが異なるように形成されている、ことを特徴とする[1]、[2]あるいは[4]の何れかに記載の電子機器。
[7]
前記キートップ部材は、スペーサを含み、
前記スペーサの厚さが、前記第2操作部よりも前記第1操作部の方が厚く形成されることで、前記キートップ部材の下端部から前記操作面までの高さが、第2操作部よりも前記第1操作部の方が高く形成される、ことを特徴とする[1]~[6]の何れかに記載の電子機器。
[8]
筐体の第1端側から第2端側にかけて配置され、操作面を有するキートップ部材を含む複数の操作部と、
前記複数の操作部が配置される基板と、
を備え、
前記キートップ部材の下端部から操作面までの高さは、前記第1端側に配置された第1操作部と前記第2端側に配置された第2操作部とで略等しくなるよう形成されており、
前記第1操作部は、前記基板の第1領域に配置されており、
前記第2操作部は、前記基板の第2領域に配置されており、
筐体底面から前記基板までの高さは、前記第1領域の方が前記第2領域よりも高くなるよう形成されている、ことを特徴とする電子機器。
[9]
前記操作部は、さらに前記キートップ部材を支持するラバー部材を含み、
前記ラバー部材の形状及び寸法及び素材は、前記第1操作部と前記第2操作部とで共通化されている、ことを特徴とする[8]に記載の電子機器。
[10]
前記基板は、湾曲させることが可能なフレキシブル基板で形成されている、ことを特徴とする[8]または[9]に記載の電子機器。
【符号の説明】
【0104】
10…電子機器、11…キー入力部、12…表示部、13…底面、14…キー、16…ディスプレイ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12