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特開2024-138191試験システム、サーバおよび試験方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138191
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】試験システム、サーバおよび試験方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240927BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024124494
(22)【出願日】2024-07-31
(62)【分割の表示】P 2020163499の分割
【原出願日】2020-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】507141251
【氏名又は名称】株式会社サーティファイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀧澤 茂
(72)【発明者】
【氏名】蛭子 拓夫
(57)【要約】
【課題】受験者の不正行為を監視しやすい試験システム、サーバおよび試験方法を提供する。
【解決手段】試験システムは、試験端末20と、補助端末30と、試験端末20および補助端末30と通信可能なサーバ10と、を備える。試験端末20は、サーバ10から受信した試験問題を表示するディスプレイ207と、試験中の様子を撮影するカメラ206と、カメラ206によって撮影された第1の画像をサーバ10に送信する通信モジュール204と、を含む。補助端末30は、試験中の様子を撮影するカメラ306と、カメラ306によって撮影された第2の画像をサーバ10に送信する通信モジュール304と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端末と、
第2の端末と、
前記第1の端末および前記第2の端末と通信可能なサーバと、を備える試験システムであって、
前記第1の端末は、
前記サーバから受信した、受験者を試験するための画面を表示する第1のディスプレイと、
試験中の様子を撮影する第1のカメラと、
前記第1のカメラによって撮影された第1の画像を前記サーバに送信する第1の通信モジュールと、を含み、
前記第2の端末は、
第2のディスプレイと、
前記試験中の様子を撮影する第2のカメラと、
前記第2のカメラによって撮影された第2の画像を前記サーバに送信する第2の通信モジュールと、を含み、
前記サーバは、前記第2のカメラの視野の調整が必要な場合、前記第1のディスプレイに前記第2の端末の位置調整を促す通知を行なう、試験システム。
【請求項2】
第1の端末および第2の端末と通信可能なサーバであって、
前記第1の端末は、第1のディスプレイと、第1のカメラと、を含み、
前記第2の端末は、第2のディスプレイと、第2のカメラと、を含み、
前記サーバは、
前記第1のディスプレイに表示される、受験者を試験するための画面を前記第1の端末に提供し、
前記第1のカメラによって撮影された、試験中の様子の写る第1の画像を取得し、
前記第2のカメラによって撮影された、前記試験中の様子の写る第2の画像を取得し、
前記第2のカメラの視野の調整が必要な場合、前記第1のディスプレイに前記第2の端末の位置調整を促す通知を行なう、サーバ。
【請求項3】
前記画面を提供した後において、前記第1のディスプレイに前記通知を行ない、前記画面を提供する前において、前記第2のディスプレイに前記通知を行なう、請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
サーバと、第1の端末および第2の端末とを用いた試験方法であって、
前記第1の端末は、第1のディスプレイと、第1のカメラと、を含み、
前記第2の端末は、第2のディスプレイと、第2のカメラと、を含み、
前記サーバが、前記第1のディスプレイに表示される、受験者を試験するための画面を前記第1の端末に提供するステップと、
前記サーバが、前記第1の端末と通信することにより、前記第1のカメラによって撮影された、試験中の様子の写る第1の画像を取得するステップと、
前記サーバが、前記第2の端末と通信することにより、前記第2のカメラによって撮影された、前記試験中の様子の写る第2の画像を取得するステップと、
前記サーバが、前記第2のカメラの視野の調整が必要な場合、前記第1のディスプレイに前記第2の端末の位置調整を促す通知を行なうステップと、を備える試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、試験システム、サーバおよび試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、遠隔地から通信ネットワークを介して試験を受ける試験システムが知られている。たとえば、特開2001-290412号公報には、無人ブースに設置された試験端末と、無人ブース内の環境を撮影する監視カメラと、試験端末と通信ネットワークを介して接続される管理端末と、を備える試験システムが開示されている。監視カメラは試験端末に接続される。監視カメラによって撮影された画像は、試験端末に送信される。試験端末は、受験者の上半身を撮影する人物カメラを含む。試験端末は、監視カメラによって撮影された画像とともに、人物カメラによって撮影された画像を管理端末に送信する。これにより、管理端末のオペレータは、2つのカメラの画像を確認することで、受験者の不正行為を監視できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-290412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2001-290412号公報に開示される試験システムでは、試験端末と管理端末との通信が途切れた場合、管理端末は、監視カメラおよび人物カメラの両方の画像を取得できない。そのため、通信が途切れている期間の不正行為を監視できない。
【0005】
本開示の目的は、受験者の不正行為を監視しやすい試験システム、サーバおよび試験方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面に従った試験システムは、第1の端末と、第2の端末と、第1の端末および第2の端末と通信可能なサーバと、を備える。第1の端末は、サーバから受信した試験問題を表示するディスプレイと、試験中の様子を撮影する第1のカメラと、第1のカメラによって撮影された第1の画像をサーバに送信する第1の通信モジュールと、を含む。第2の端末は、試験中の様子を撮影する第2のカメラと、第2のカメラによって撮影された第2の画像をサーバに送信する第2の通信モジュールと、を含む。
【0007】
本開示の一局面に従ったサーバは、第1の端末および第2の端末と通信可能である。第1の端末は、ディスプレイと、第1のカメラと、を含む。第2の端末は、第2のカメラを含む。サーバは、提供部と、第1の取得部と、第2の取得部と、を備える。サーバは、ディスプレイに表示される試験問題を第1の端末に提供する。サーバは、第1のカメラによって撮影された、試験中の様子の写る第1の画像を取得し、第2のカメラによって撮影された、試験中の様子の写る第2の画像を取得する。
【0008】
本開示の一局面に従った試験方法は、第1の端末および第2の端末を用いた試験方法である。試験方法は、ディスプレイに表示される試験問題を第1の端末に提供するステップと、第1の端末と通信することにより、第1のカメラによって撮影された、試験中の様子の写る第1の画像を取得するステップと、第2の端末と通信することにより、第2のカメラによって撮影された、試験中の様子の写る第2の画像を取得するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、受験者の不正行為を監視しやすい試験システム、サーバおよび試験方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係る試験システムの全体構成を模式的に示す図である。
図2】サーバ、試験端末および補助端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】サーバ、試験端末および補助端末の機能構成の一例を示す図である。
図4】試験方法のステップS1~S11の処理の流れを示す図である。
図5】試験方法のステップS12~S22の処理の流れを示す図である。
図6】試験方法のステップS23~S33の処理の流れを示す図である。
図7】サーバの記憶部に保存される認証情報の一例を示す図である。
図8】2次元コードを含むWebページの一例を示す図である。
図9】関連付け情報の一例を示す図である。
図10】補助端末のカメラによって撮影された第2の画像の一例を示す図である。
図11】試験端末のカメラによって撮影された第1の画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。以下で説明する実施の形態および変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0012】
(試験システムの全体構成)
図1は、実施の形態に係る試験システム1の全体構成を模式的に示す図である。図1に示されるように、試験システム1は、サーバ10と、試験端末20と、補助端末30と、を備える。なお、図1に示す例では、試験システム1は、1台のサーバ10を備える。しかしながら、試験システム1は、互いに通信可能な複数台のサーバを備えてもよい。この場合、複数台のサーバが協働して、以下に説明するサーバ10の機能が提供される。
【0013】
試験端末20は、たとえばデスクトップパソコン、ノートパソコンなどで構成され、Webページを閲覧可能である。試験端末20は、サーバ10から受信した試験問題を表示し、受験者によって入力された解答をサーバ10に送信する。
【0014】
試験端末20は、カメラ206を有している。カメラ206は、受験者の試験中の様子を撮影する。試験端末20は、カメラ206の撮影により得られた第1の画像をサーバ10に送信する。
【0015】
補助端末30は、例えばスマートフォン、タブレットなどである。補助端末30は、カメラ306を有している。補助端末30は、カメラ306が受験者の試験中の様子を撮影可能なように、スタンド40に立てかけられる。補助端末30は、カメラ306の撮影により得られた第2の画像をサーバ10に送信する。
【0016】
第1の画像および第2の画像に写る試験中の様子には、受験者の身体の様子、受験者の周囲(机全体、部屋など)の様子が含まれる。すなわち、第1の画像および第2の画像には、受験者の身体の少なくとも一部が写っていてもよいし、受験者の身体が写っていなくてもよい。受験者の身体が写っていない場合、第1の画像および第2の画像には、受験者の周囲の様子が写っていればよい。第1の画像および第2の画像は、動画であってもよいし、所定のタイミング(間隔)で撮影される静止画であってもよい。
【0017】
サーバ10は、試験端末20および補助端末30と個別に通信可能である。サーバ10は、Webサーバとして動作して、試験端末20に試験問題を送信し、試験端末20から解答を受信する。サーバ10は、受信した解答を保存する。保存された解答を確認することにより、点数、合否などの試験結果が得られる。
【0018】
サーバ10は、試験端末20と通信することにより、試験端末20のカメラ206によって撮影された第1の画像を取得する。さらに、サーバ10は、補助端末30と通信することにより、補助端末30のカメラ306によって撮影された第2の画像を取得する。サーバ10は、試験中の期間に取得した第1の画像および第2の画像を保存する。サーバ10に保存された第1の画像および第2の画像を確認することにより、監視者は、受験者の不正行為を監視できる。
【0019】
さらに、サーバ10とそれぞれ通信可能な試験端末20および補助端末30から第1の画像および第2の画像がそれぞれ取得されるため、試験端末20とサーバ10との通信が途切れたとしても、補助端末30から取得された第2の画像を確認することにより、当該通信が途切れた期間の不正行為を監視できる。同様に、補助端末30とサーバ10との通信が途切れたとしても、試験端末20から取得された第1の画像を確認することにより、当該通信が途切れた期間の不正行為を監視できる。試験端末20および補助端末30がそれぞれサーバ10と通信可能であるため、試験端末20および補助端末30とサーバ10との通信が同時に途切れる可能性は低く、試験中の不正行為を効果的に監視できる。
【0020】
(ハードウェア構成)
図2は、サーバ10、試験端末20および補助端末30のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示されるように、サーバ10は、プロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、通信モジュール104と、を含む。これらのコンポーネントは、内部バス111を介して互いにデータ通信可能に接続されている。
【0021】
プロセッサ101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)などで構成される。プロセッサ101は、ストレージ103に保存された各種プログラムを読み出して、メモリ102に展開して実行する。メモリ102は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性記憶装置で構成される。
【0022】
ストレージ103は、例えば、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性記憶装置で構成される。ストレージ103には、試験システム1を管理するための管理プログラム105が保存される。さらに、ストレージ103には、プログラムの実行に関連する各種の情報が保存される。
【0023】
通信モジュール104は、通信ネットワークを介して、試験端末20および補助端末30と通信する。
【0024】
試験端末20は、プロセッサ201と、メモリ202と、ストレージ203と、通信モジュール204と、カメラ206と、ディスプレイ207と、入力装置208と、スピーカ209と、マイク210と、を含む。これらのコンポーネントは、内部バス211を介して互いにデータ通信可能に接続されている。入力装置208は、例えばキーボード、マウス、タッチパネルなどを含む。
【0025】
プロセッサ201は、例えば、CPU、MPUなどで構成される。プロセッサ201は、ストレージ203に保存された各種プログラムを読み出して、メモリ202に展開して実行する。メモリ202は、例えば、DRAM、SRAMなどの揮発性記憶装置で構成される。ストレージ203は、例えば、SSD、HDDなどの不揮発性記憶装置で構成される。ストレージ203には、Webサーバに接続するソフトウェアであるブラウザ205が保存される。
【0026】
通信モジュール204は、例えばイーサネット(登録商標)、WiFi(登録商標)などの通信プロトコルに従って通信を行なう。
【0027】
補助端末30は、プロセッサ301と、メモリ302と、ストレージ303と、通信モジュール304と、カメラ306と、ディスプレイ307と、入力装置308と、スピーカ309と、マイク310と、を含む。これらのコンポーネントは、内部バス311を介して互いにデータ通信可能に接続されている。入力装置208は、例えばタッチパネルなどを含む。
【0028】
プロセッサ301は、例えば、CPU、MPUなどで構成される。プロセッサ301は、ストレージ303に保存された各種プログラムを読み出して、メモリ302に展開して実行する。メモリ302は、例えば、DRAM、SRAMなどの揮発性記憶装置で構成される。ストレージ303は、例えば、SSD、HDDなどの不揮発性記憶装置で構成される。ストレージ303には、試験を補助するための試験補助アプリケーション305が格納される。
【0029】
通信モジュール304は、例えば、複数の通信プロトコルの中から優先度に従って選択された1つの通信プロトコルに従った無線通信を行なう。複数の通信プロトコルには、例えば、WiFi(登録商標)、4G/LTEなどが含まれる。通信モジュール304は、優先度の最も高いWiFi(登録商標)に従った無線通信を行なっているときに当該通信が途切れると、4G/LTEに従った無線通信を開始する。
【0030】
(機能構成)
図3は、サーバ10、試験端末20および補助端末30の機能構成の一例を示す図である。図3に示されるように、サーバ10は、提供部11と、生成部12と、取得部13,14と、判断部15と、記憶部16と、を含む。提供部11、生成部12と、取得部13,14および判断部15は、図2に示すプロセッサ101が管理プログラム105を実行することにより実現される。記憶部16は、図2に示すメモリ102およびストレージ103によって実現される。
【0031】
提供部11は、試験端末20からの要求に応じたWebページを提供する。例えば、提供部11は、記憶部16に保存されている問題情報161に基づいて、試験問題を示すWebページを生成し、生成したWebページを提供する。
【0032】
生成部12は、試験端末20および補助端末30からそれぞれ受信した第1および第2の認証用信号と、記憶部16に保存されている認証情報162によって示される第1および第2の認証データとがそれぞれ一致することに応じて、受験者と試験端末20と補助端末30とを関連付ける。典型的には、生成部12は、受験者と試験端末20と補助端末30とを関連付ける関連付け情報163を生成する。生成部12は、生成した関連付け情報163を記憶部16に保存する。
【0033】
認証情報162によって示される第1の認証データは、例えば、受験者ごとに付与される受験者IDおよびパスワードである。第1の認証データは、例えば、受験者が試験の申し込みを行なう際に付与される。
【0034】
認証情報162によって示される第2の認証データは、例えば、受験者ごとに付与される2次元コードである。第2の認証データは、受験者が試験の申し込みを行なってから試験開始前までの任意のタイミングで付与される。
【0035】
取得部13は、試験端末20と通信することにより、試験端末20のカメラ206によって撮影された、受験者の写る第1の画像を取得する。取得部13は、試験の開始から終了までの期間に取得された第1の画像を示す画像データ164を記憶部16に保存する。取得部13は、受験者ごとに画像データ164を保存する。
【0036】
取得部14は、補助端末30と通信することにより、補助端末30のカメラ306によって撮影された、受験者の写る第2の画像を取得する。取得部14は、試験の開始から終了までの期間に取得された第2の画像を示す画像データ165を記憶部16に保存する。取得部14は、受験者ごとに画像データ165を保存する。
【0037】
判断部15は、画像データ164および画像データ165の少なくとも1つに基づいて、カメラ306の視野の調整の要否を判断する。
【0038】
試験端末20は、要求部21と、表示処理部22と、画像送信部23と、を含む。要求部21、表示処理部22および画像送信部23は、図2に示すプロセッサ201がブラウザ205を実行することにより実現される。
【0039】
要求部21は、入力装置208(図2参照)への入力に応じたWebページをサーバ10に要求する。例えば、要求部21は、受験者IDおよびパスワードの入力を促すログイン画面を示すWebページをサーバ10に要求する。要求部21は、入力された受験者IDおよびパスワードを示す第1の認証用信号をサーバ10に送信する。さらに、要求部21は、試験問題を示すWebページをサーバ10に要求する。なお、サーバ10の提供部11から提供されるWebページが更新される可能性があるため、要求部21は、入力装置208へ入力されたタイミングだけでなく、定期的に(例えば30秒ごとに)Webページをリロードする。
【0040】
表示処理部22は、サーバ10から受信したWebページをディスプレイ207(図2参照)に表示させる処理を行なう。
【0041】
画像送信部23は、カメラ206(図2参照)によって撮影された第1の画像をサーバ10に送信する。画像送信部23は、画像の送信を許可する旨の指示が入力装置208に入力されたことに応じて、カメラ206の撮影および撮影によって得られる第1の画像の送信を開始する。
【0042】
補助端末30は、初期設定部31と、画像送信部32と、を含む。初期設定部31および画像送信部32は、図2に示すプロセッサ301が試験補助アプリケーション305を実行することにより実現される。
【0043】
初期設定部31は、試験開始のために必要な設定を行なう。具体的には、初期設定部31は、入力された2次元コードを示す第2の認証用信号を生成し、生成した第2の認証用信号をサーバ10に送信する。さらに、初期設定部31は、補助端末30の位置調整を促すガイダンスをディスプレイ307(図2参照)に表示する。
【0044】
画像送信部32は、カメラ306(図2参照)によって撮影された第2の画像をサーバ10に送信する。画像送信部32は、画像の送信を許可する旨の指示が入力装置308に入力されたことに応じて、カメラ306の撮影および撮影によって得られる第2の画像の送信を開始する。
【0045】
なお、画像送信部32は、カメラ306(図2参照)によって撮影された第2の画像を加工することなく、当該第2の画像をサーバ10に送信する。言い換えると、試験補助アプリケーション305は、画像の編集機能を有しない。そのため、受験者による第2の画像の改竄を防止できる。
【0046】
(処理の流れ)
図4図11を参照して、試験システム1における試験方法の処理の流れの一例について説明する。図4は、試験方法のステップS1~S11の処理の流れを示す図である。図5は、試験方法のステップS12~S22の処理の流れを示す図である。図6は、試験方法のステップS23~S33の処理の流れを示す図である。図4のステップS1の前に、試験端末20のブラウザ205が起動されている。
【0047】
図4に示されるように、試験端末20の要求部21は、受験者の入力に応じて、サーバ10にアクセスし、ログインページを要求する(ステップS1)。サーバ10の提供部11は、要求に応じて、ログインページを試験端末20に提供する(ステップS2)。試験端末20の表示処理部22は、ログインページをディスプレイ207に表示する。ログインページは、例えば受験者の受験者IDおよびパスワードの入力を促す画面である。
【0048】
要求部21は、ログインページに入力された受験者IDおよびパスワードを示す第1の認証用信号を生成し、生成した第1に認証用信号をサーバ10に送信する(ステップS3)。
【0049】
サーバ10の生成部12は、受信した第1の認証用信号と認証情報162とを用いて、第1の認証処理を実行する(ステップS4)。
【0050】
図7は、サーバ10の記憶部16に保存される認証情報162の一例を示す図である。図7に示されるように、認証情報162は、例えば、受験者ごとに、第1の認証データと第2の認証データとを対応付けたレコードを含む。第1の認証データは、受験者IDとパスワードとを示す。第2の認証データは、2次元コードを示す。
【0051】
受験者IDおよびパスワードは、受験者が試験を申し込む際にユニークに付与される。2次元コードは、例えばQRコード(登録商標)であり、受験者に対してユニークに付与される。2次元コードは、ステップS4の前に付与されてもよいし、ステップS4において認証成功と判断された後に付与されてもよい。
【0052】
第1の認証処理において、生成部12は、第1の認証用信号が認証情報162に含まれるいずれかのレコードの第1の認証データに一致するか否かを判断する。生成部12は、第1の認証用信号がいずれかのレコードの第1の認証データに一致する場合に認証成功と決定する。生成部12は、第1の認証用信号がいずれのレコードの第1の認証データにも一致しない場合に認証失敗と決定する。サーバ10は、試験端末20から第1の認証用信号を受信した場合に、試験端末20との通信が確立したと判断する。
【0053】
認証に失敗した場合(ステップS4でNO)、処理はステップS2に戻る。認証に成功した場合(ステップS4でYES)、生成部12は、第1の認証用信号と一致する第1の認証データを含むレコードを特定する(ステップS5)。
【0054】
提供部11は、特定されたレコードの第2の認証データを試験端末20に送信する(ステップS6)。具体的には、提供部11は、第2の認証データである2次元コードを含むWebページを試験端末20に提供する。
【0055】
次に、試験端末20は、サーバ10から受けた第2の認証データを出力する(ステップS7)。具体的には、試験端末20の表示処理部22は、2次元コードを含むWebページをディスプレイ207に表示する。
【0056】
図8は、2次元コードを含むWebページ50の一例を示す図である。Webページ50は、試験補助アプリケーション305のインストールされた端末で2次元コードを読み込ませるメッセージ51と、2次元コード52と、試験補助アプリケーション305の初期設定が完了したときに操作されるボタン53と、を含む。なお、ステップS7において、ボタン53はグレーアウトで表示されている。
【0057】
受験者は、メッセージ51に従い、補助端末30を操作し、試験補助アプリケーション305を起動する(ステップS8)。これにより、補助端末30の初期設定部31は、試験補助アプリケーション305に従った処理を開始する。
【0058】
初期設定部31は、第2の認証データの入力を促すメッセージをディスプレイ307に表示させる(ステップS9)。具体的には、初期設定部31は、カメラ306の撮影を開始させ、2次元コードをカメラ306で撮影させるメッセージを表示させる。このとき、初期設定部31は、カメラ306の撮影によって得られる画像をディスプレイ307に表示させる。これにより、受験者は、カメラ306の視野内に試験端末20に表示された2次元コードが含まれるように補助端末30を動かすことができる。
【0059】
初期設定部31は、入力された情報を示す第2の認証用信号をサーバ10に送信する(ステップS10)。サーバ10の生成部12は、補助端末30から受信した第2の認証用信号とステップS5において送信した第2の認証データとを用いて、第2の認証処理を実行する(ステップS11)。すなわち、生成部12は、第2の認証用信号と第2の認証データとが一致する場合に認証成功と決定し、第2の認証用信号と第2の認証データとが一致しない場合に認証失敗と決定する。サーバ10は、補助端末30から第2の認証用信号を受信した場合に、補助端末30との通信が確立したと判断する。
【0060】
例えば、初期設定部31は、カメラ306によって撮影された画像(2次元コードの写る画像)をサーバ10に送信してもよい。この場合、生成部12は、受信した画像に写る2次元コードと、ステップS6において送信した2次元コードとが一致する場合に認証成功と決定し、一致しない場合に認証失敗と決定する。
【0061】
あるいは、初期設定部31は、カメラ306によって撮影された2次元コードによって示される情報をサーバ10に送信してもよい。この場合、生成部12は、受信した情報と、ステップS6において送信した2次元コードによって示される情報とが一致する場合に認証成功と決定し、一致しない場合に認証失敗と決定する。
【0062】
あるいは、2次元コードがURL(Uniform Resource Locator)を示す場合、初期設定部31は、カメラ306によって撮影された2次元コードによって示されるURLにアクセスしてもよい。生成部12は、規定時間(例えば3分)内に、ステップS6において送信した2次元コードによって示されるURLへのアクセスがあった場合に認証成功と決定し、規定時間内にアクセスがない場合に認証失敗と決定する。
【0063】
認証に失敗した場合(ステップS11でNO)、処理はステップS6に戻る。認証に成功した場合(ステップS11でYES)、図5に示されるように、生成部12は、関連付け情報163を生成し、生成した関連付け情報163を記憶部16に保存する(ステップS12)。関連付け情報163は、ステップS5において特定したレコードの第1の認証データと一致する第1の認証用信号の送信元である試験端末20と、当該レコードの第2の認証データと一致する第2の認証用信号の送信元である補助端末30とを関連付ける。
【0064】
図9は、関連付け情報163の一例を示す図である。関連付け情報163は、受験者IDと、試験端末20のIPアドレスと、第1の画像を示す画像データ164を識別する情報と、補助端末30のIPアドレスと、第2の画像を示す画像データ165を識別する情報とを関連付ける。画像データ164,165を識別する情報は、例えば、画像データ164,165が保存されるフォルダ名、画像データ164,165のファイル名などを含む。
【0065】
生成部12は、関連付け情報163の生成および保存を完了すると、当該関連付け情報163に含まれる補助端末30のIPアドレスに基づいて、当該補助端末30に位置調整の指示を送信する(ステップS13)。
【0066】
補助端末30の初期設定部31は、当該指示に応じて、補助端末30の位置の調整を促すガイダンスをディスプレイ307に表示する(ステップS14)。ガイダンスは、例えば、補助端末30のカメラ306の視野に、受験者の試験中の様子(例えば、試験端末20を操作するときの受験者の手、試験端末20のディスプレイ207の画面、ディスプレイ207の周囲)が含まれるように、補助端末30の位置の調整を促す。さらに、ガイダンスは、カメラ306の画像をサーバ10に送信することの許可を求める。
【0067】
次に、補助端末30の画像送信部32は、受験者の許可を受けて、カメラ306の撮影および撮影により得られる第2の画像のサーバ10への送信を開始する(ステップS15)。このとき、画像送信部32は、第2の画像をディスプレイ307に表示させてもよい。これにより、受験者は、ガイダンスに従って、補助端末30の位置を調整しやすくなる。
【0068】
なお、補助端末30がスマートフォンで構成される場合、補助端末30は、カメラ306として、インカメラおよびアウトカメラとを有する。画像送信部32は、インカメラおよびアウトカメラのいずれか一方のカメラによって撮影された画像を送信すればよい。ただし、画像送信部32は、インカメラによって撮影された画像を送信することが好ましい。これにより、受験者は、補助端末30の位置を調整しやすくなる。
【0069】
サーバ10の取得部14は、補助端末30から第2の画像を取得する。判断部15は、取得された第2の画像に基づいて、補助端末30のカメラ306の視野の調整の要否を判断する(ステップS16)。
【0070】
図10は、補助端末30のカメラ306によって撮影された第2の画像の一例を示す図である。例えば、判断部15は、公知の物体認識技術を用いて、第2の画像にディスプレイおよび人の手が写っているか判断する。なお、本明細書において、「手」は、手首から指先までの部位を表す。あるいは、判断部15は、ディスプレイの前に入力装置(例えばキーボード)が写っていることや、ディスプレイの後方が写っているかを判断してもよい。さらに、判断部15は、ディスプレイと認識された領域内に、補助端末30に対応する第2の認証データで示される2次元コードが写っているか判断してもよい。
【0071】
判断部15は、例えば、ディスプレイ、人の手および2次元コードが第2の画像に写っていることに応じて、カメラ306の視野の調整が不要であると判断する。
【0072】
あるいは、判断部15は、第2の画像に2次元コードが写っており、第2の画像における2次元コードの位置およびサイズが予め定められた基準を満たすことに応じて、カメラ306の視野の調整が不要であると判断してもよい。基準は、試験端末20のディスプレイ207、試験端末20を操作する受験者の手、ディスプレイ207の周囲が画像内に含まれるときの、画像における2次元コードの位置およびサイズが取り得る範囲に応じて予め定められる。
【0073】
カメラ306の視野の調整が必要である場合(ステップS16でYES)、処理はステップS16に戻る。なお、ステップS16でYESの場合、判断部15は、判断結果に応じた通知を補助端末30に送信してもよい。例えば、人の手が第2の画像に写っていないことに応じて、判断部15は、受験者の手が写るように補助端末30の位置調整を指示する通知を送信する。あるいは、ディスプレイが第2の画像に写っていないことに応じて、判断部15は、試験端末20のディスプレイ207の画面が写るように補助端末30の位置調整を指示する通知を送信する。
【0074】
カメラ306の視野の調整が不要である場合(ステップS16でNO)、判断部15は、初期設定が完了した旨を補助端末30に通知する(ステップS17)。ステップS17において、提供部11は、ボタン53への操作を受け付け可能なようにWebページ50(図8参照)を更新する。
【0075】
補助端末30の初期設定部31は、初期設定の完了の通知を受けると、試験端末20に表示されているWebページ50(図8参照)のボタン53の操作を促すメッセージをディスプレイ307に表示させる(ステップS18)。当該メッセージを確認することにより、受験者は、ボタン53をクリックする。
【0076】
ボタン53の操作に応じて、試験端末20の要求部21は、次のWebページをサーバ10に要求する(ステップS19)。サーバ10の提供部11は、要求に応じて、画像送信を許可するボタン(画像送信許可ボタン)を含むWebページを試験端末20に提供する(ステップS20)。試験端末20の画像送信部23は、画像送信許可ボタンの操作を受けて、カメラ206の撮影および撮影により得られる動画像(第1の画像)のサーバ10への送信を開始する(ステップS21)。
【0077】
図11は、試験端末20のカメラ206によって撮影された第1の画像の一例を示す図である。図11に示されるように、第1の画像には、受験者の顔が写る。
【0078】
ステップS22において、サーバ10の取得部13は、試験端末20から取得した第1の画像を示す画像データ164の記憶部16への保存を開始する。さらに、取得部14は、補助端末30から取得した第2の画像を示す画像データ165の記憶部16への保存を開始する。取得部13,14は、関連付け情報163に従って、画像データ164,165の保存先のフォルダおよびファイル名をそれぞれ設定する。
【0079】
サーバ10は、試験端末20および補助端末30から第1の画像および第2の画像をそれぞれ取得する。そのため、試験端末20および補助端末30の一方との通信が途切れたとしても、他方からの画像が保存される。例えば、試験端末20および補助端末30がWiFi(登録商標)を用いてサーバ10と通信しているときにWiFi(登録商標)自体に通信障害が生じた場合、補助端末30の通信モジュール304は、4G/LTEに切り替えて、サーバ10との通信を継続させる。そのため、サーバ10は、試験端末20から第1の画像を取得できないが、補助端末30からの第2の画像を保存し続けることができる。あるいは、試験端末20とWiFi(登録商標)との間に通信障害が起きた場合や、補助端末30とWiFi(登録商標)との間に通信障害が起きた場合であっても、試験端末20および補助端末30の少なくとも一方は、サーバ10との通信を継続し、受験者の試験中の様子を取得することができる。
【0080】
次に、図6に示されるように、ステップS23~S26の処理と、ステップS27~S29の処理と、が並行して実施される。
【0081】
上記のように、サーバ10は、試験端末20から第1の認証用信号を受信し、補助端末30から第2の認証用信号を受信したことを受け、試験端末20および補助端末30との通信が確立したと判断している。ステップS23において、サーバ10の提供部11は、試験端末20および補助端末30との通信が確立していることを確認した後、記憶部16に保存された問題情報161に基づいて、試験問題を含むWebページを試験端末20に提供する。なお、ステップS22の試験問題を含むWebページの提供は、ステップS20において提供されたWebページにおける画像送信許可ボタンの押下に応じて実施される。
【0082】
試験端末20の表示処理部22は、試験問題を含むWebページをディスプレイ207に表示する(ステップS24)。次に、要求部21は、受験者の入力に応じて、解答をサーバ10に送信する(ステップS25)。サーバ10の提供部11は、受信した解答を示す解答情報を記憶部16に保存する(ステップS26)。
【0083】
ステップS27において、サーバ10の判断部15は、カメラ306の視野の調整の要否を判断する。ステップS27の判断の手法については後述する。
【0084】
カメラ306の視野の調整が必要である場合(ステップS27でYES)、提供部11は、補助端末30の位置調整を促す通知を含むようにWebページを更新する(ステップS28)。上述したように、試験端末20の要求部21は、定期的にWebページをリロードする。そのため、リロードされたタイミングで、試験端末20の表示処理部22は、補助端末30の位置調整を促す通知をディスプレイ207に表示させる(ステップS29)。これにより、受験者は、補助端末30の位置調整が必要であるとことを認識し、補助端末30の位置を調整する。カメラ306の視野の調整が不要である場合(ステップS27でNO)、ステップS28,S29が省略される。
【0085】
次に、サーバ10の提供部11は、試験が終了したか否かを判断する(ステップS30)。例えば、提供部11は、試験問題を含むWebページの提供を開始してからの経過時間が規定時間に到達したことに応じて、試験が終了したと判断する。あるいは、提供部11は、全ての試験問題に対する解答を保存したことに応じて、試験が終了したと判断してもよい。あるいは、提供部11は、受験者が試験を終了する意思を、Webページに表示された試験終了ボタンによりサーバ10に送信したことに応じて、試験が終了したと判断してもよい。
【0086】
試験が終了していない場合(ステップS30でNo)、ステップS23~S26の処理と、ステップS27~S29の処理と、が再度並行して実施される。
【0087】
試験が終了した場合(ステップS30でYes)、試験端末の取得部13,14は、画像データ164,165の保存をそれぞれ終了する(ステップS31)。その後、試験端末20の画像送信部23は、カメラ206の撮影を終了する(ステップS32)。さらに、補助端末30の画像送信部32は、カメラ306の撮影を終了する(ステップS33)。なお、ステップS32は、サーバ10から試験終了を示す画面の提供を受け、当該画面に含まれる、画像送信を終了するためのボタンの押下に応じて実施される。ステップS33は、サーバ10からの終了指示に応じて実施される。このようにして、試験方法の処理が終了する。
【0088】
(不正行為の監視)
記憶部16に保存された画像データ164,165は、受験者の不正行為の監視のために利用される。図11に示されるように、画像データ164によって示される第1の画像には、受験者の顔が写る。図10に示されるように、画像データ165によって示される第2の画像には、試験端末20のディスプレイ207の画面、ディスプレイ207の周囲、受験者の手などが写る。
【0089】
例えば、監視者は、関連付け情報163に基づいて、各受験者について、当該受験者の受験者IDに対応する試験端末20および補助端末30からそれぞれ取得した画像データ164,165を特定する。監視者は、特定した画像データ164,165を確認することにより、受験者の不正行為を監視すればよい。
【0090】
受験者の人数が多い場合、あるいは、試験時間が長い場合、画像データ164,165の目視でのチェックには手間がかかる。そのため、画像データ164,165を画像処理することにより、不正行為に関する評価値が算出されもよい。
【0091】
例えば、画像データ164に基づいて、受験者の視線方向が検知されてもよい。顔画像から視線方向を検知する方法として、例えば特開2020-126573号公報に開示されているような公知の方法が採用され得る。すなわち、プロセッサ101は、画像データ164によって示される各フレームの画像の全体から目の位置を表す複数の特徴点を検出する。プロセッサ101は、検出された複数の特徴点の位置を含んで設定される目周辺領域の情報を用いて、画像中の目の視線方向を検出する。
【0092】
受験者は、通常、試験端末20のディスプレイ207または試験問題を解くために準備した用紙を見る。用紙は、通常、試験端末20の手前に置かれる。そのため、受験者の視線は、通常、試験端末20のディスプレイ207または試験端末20と胴体との間の下方に向けられる。一方、不正行為を行なう受験者の視線は、例えば、試験端末20の横に置かれた電子辞書などに向けられる。
【0093】
そのため、例えば、試験端末20の横方向に視線が向けられている時間に比例する評価値が算出されてもよい。具体的には、プロセッサ101は、画像データ164によって示される動画像を構成する複数のフレームのうちの、試験端末20の横方向に視線が向けられているフレームの個数に比例する評価値を算出する。監視者は、評価値の高い受験者について、不正行為が行なわれた可能性が高いと判断してもよい。あるいは、監視者は、評価値の高い受験者について、画像データ164,165を確認してもよい。
【0094】
(ステップS27の判断の手法)
次に、ステップS27の判断の手法の具体例について説明する。
【0095】
(具体例1)
試験中において、何らかの原因により、補助端末30の位置または姿勢が変わり得る。例えば、受験者の手または腕が補助端末30に接触することにより、補助端末30が倒れ、補助端末30の姿勢が変化する。
【0096】
補助端末30の位置または姿勢が変わると、第2の画像に、試験端末20のディスプレイ207の画面および受験者の手が写らなくなる可能性がある。そこで、判断部15は、取得部14によって取得される第2の画像を常時あるいは定期的に確認し、公知の物体認識技術を用いて、第2の画像にディスプレイおよび人の手が写っているか判断する。
【0097】
例えば、第2の画像にディスプレイが写っていないことに応じて、判断部15は、カメラ306の視野の調整が必要であると判断し、補助端末30の位置調整を促す通知を生成する。
【0098】
受験者の手は、常に第2の画像に写るとは限らない。例えば、腕を組んだ場合、第2の画像には受験者の手が写らない可能性がある。そのため、判断部15は、第2の画像に人の手が写っていない期間が規定時間連続したこと、すなわち、位置調整を必要とする期間が規定時間継続したことに応じて、カメラ306の視野の調整が必要であると判断し、補助端末30の位置調整を促す通知を生成してもよい。
【0099】
あるいは、サーバ10から受験者に提供されるWebページの全てに、受験者に対応する第2の認証データによって示される2次元コードが含まれていてもよい。この場合、判断部15は、公知の画像認識技術を用いて、第2の画像に当該2次元コードが写っているか否かを判断し、2次元コードが写っていないことに応じて、カメラ306の視野の調整が必要であると判断してもよい。
【0100】
(具体例2)
上述したように、不正行為を行なう受験者の視線は、例えば、試験端末20の横に置かれた電子辞書などに向けられる。そのため、判断部15は、例えば特開2020-126573号公報に開示されているような公知の方法を用いて、試験端末20から取得された第1の画像から受験者の視線方向を検知してもよい。
【0101】
判断部15は、受験者の視線が試験端末20の右側に向いている第1時間を算出する。例えば、判断部15は、画像データ164によって示される動画像を構成する複数のフレームのうちの、試験端末20の右側に視線が向けられているフレームの個数とフレーム間の時間との積を第1時間として算出する。同様にして、判断部15は、受験者の視線が試験端末20のディスプレイ207の左側に向いている第2時間を算出する。判断部15は、第1時間および第2時間の各々と予め定められた閾値とを比較する。
【0102】
判断部15は、第1時間が閾値を超えたことに応じて、カメラ306の視野の調整が必要であると判断し、カメラ306の視野をディスプレイ207の右側にずらすように補助端末30の位置調整を促す通知を生成すればよい。判断部15は、第2時間が閾値を超えたことに応じて、カメラ306の視野の調整が必要であると判断し、カメラ306の視野をディスプレイ207の左側にずらすように補助端末30の位置調整を促す通知を生成すればよい。
【0103】
(変形例1)
上記の説明では、第2の画像に受験者の手、試験端末20のディスプレイ207の画面およびディスプレイ207の周囲が写るように、補助端末30の位置調整が行なわれる。しかしながら、第2の画像に受験者の手が写るように、補助端末30の位置調整が行なわれてもよい。受験者の手の様子を確認することにより、不正行為を監視できる。
【0104】
あるいは、第2の画像に受験者の上半身の右側面または左側面が写るように、補助端末30の位置調整が行なわれてもよい。上半身の動きを確認することによっても、受験者の不審な行動の有無を判断できる。その結果、不正行為を監視できる。
【0105】
あるいは、第2の画像に受験者の上半身の背面、すなわち、受験者の後頭部および背中とその周囲とが写るように、補助端末30の位置調整が行なわれてもよい。頭の動きを確認することによっても、受験者の不審な行動の有無を判断できる。その結果、不正行為を監視できる。
【0106】
(変形例2)
上記の説明では、第2の認証データが2次元コードを示すものとした。しかしながら、第2の認証データはこれに限定されない。例えば、第2の認証データは、文字列であってもよい。この場合、受験者は、ステップS9の表示に応じて、試験端末20に表示された文字列を補助端末30に入力すればよい。
【0107】
あるいは、第2の認証データは、音声を示してもよい。この場合、ステップS7において、試験端末20のプロセッサ201は、第2の認証データで示される音声をスピーカ209から出力する。ステップS10において、初期設定部31は、マイク310に入力された音声を示す第2の認証用信号を生成すればよい。
【0108】
(変形例3)
補助端末30において、スリープ機能が有効に設定されている場合、試験中に補助端末30がスリープ状態に遷移し、カメラ306の撮影が自動的に中止され得る。そのため、判断部15は、補助端末30からの第2の画像の取得が途切れたことに応じて、補助端末30をスリープ状態から復帰させる旨の通知を生成してもよい。当該通知を含むWebページが試験端末20に表示されることにより、受験者は、補助端末30がスリープ状態に遷移したことに気付き、補助端末30をスリープ状態から復帰させることができる。
【0109】
さらに、試験中に補助端末30のバッテリが切れることにより、補助端末30とサーバ10との通信が途切れ得る。そのため、判断部15は、補助端末30との通信が途切れたことに応じて、補助端末30の充電容量を確認する旨の通知を生成してもよい。当該通知を含むWebページが試験端末20に表示されることにより、受験者は、補助端末30のバッテリが切れたことに気付き、補助端末30のバッテリを充電させ、補助端末30とサーバ10との通信を復帰させることができる。
【0110】
(変形例4)
試験システム1の試験方法の流れは、図4図6に示すフローチャートに限定されない。例えば、ステップS8の試験補助アプリケーション305の起動処理は、ステップS7よりも前の任意のタイミングで行なわれてもよい。さらに、ステップS12の関連付け情報163の生成処理は、ステップS16においてカメラ306の視野の調整が不要と判断された後に行なわれてもよい。さらに、ステップS22の画像の保存の開始処理は、最初の試験問題の提供の開始後に行なわれてもよい。
【0111】
(変形例5)
試験端末20の表示処理部22は、Webページをディスプレイ207に表示するとともに、Webページに埋め込まれた音声をスピーカ209から再生してもよい。これにより、ヒアリング試験を実施できる。さらに、試験端末20は、マイク210に入力された音声を解答として取得してもよい。
【0112】
(変形例6)
サーバ10は、受験者ごとに、受験者によって使用される試験端末20および補助端末30を予め登録しておいてもよい。この場合、サーバ10は、予め登録された試験端末20および補助端末30からそれぞれ第1の信号および第2の信号を受信したことを受け、試験端末20および補助端末30との通信が確立したと判断してもよい。第1,第2の信号の種類は、特に限定されず、例えば通信接続を要求する信号であってもよい。そして、サーバ10は、試験端末20および補助端末30からそれぞれ第1の信号および第2の信号を受信した後に、試験端末20への試験問題の提供を開始すればよい。
【0113】
(作用・効果)
以上のように、本開示の試験システム1は、試験端末20と、補助端末30と、試験端末20および補助端末30と通信可能なサーバ10と、を備える。試験端末20は、サーバ10から受信した試験問題を表示するディスプレイ207と、試験中の様子を撮影するカメラ206と、カメラ206によって撮影された第1の画像をサーバ10に送信する通信モジュール204と、を含む。補助端末30は、試験中の様子を撮影するカメラ306と、カメラ306によって撮影された第2の画像をサーバ10に送信する通信モジュール304と、を含む。
【0114】
試験端末20および補助端末30と通信可能なサーバ10は、ディスプレイ207に表示される試験問題を試験端末20に提供する。サーバ10は、カメラ206によって撮影された、試験中の様子の写る第1の画像を取得し、カメラ306によって撮影された、試験中の様子の写る第2の画像を取得する。
【0115】
上記の構成によれば、第1の画像および第2の画像が試験端末20および補助端末30からそれぞれ取得される。試験端末20および補助端末30がそれぞれサーバ10と通信可能であるため、試験端末20および補助端末30とサーバ10との通信が同時に途切れる可能性は低く、試験中の不正行為を効果的に監視することができる。このように、受験者の不正行為を監視しやすい試験システム1、サーバ10および試験方法を提供できる。
【0116】
さらに、特開2001-290412号公報に開示される試験システムでは、試験端末と監視カメラとを配線で接続する手間が必要であった。しかしながら、上記の構成によれば、試験端末20と補助端末30とを接続する必要がないため、配線の手間を省略できる。
【0117】
さらに、特開2001-290412号公報に開示される試験システムにおいて、試験端末は、監視カメラの画像とともに、人物カメラの画像を管理端末に送信する。すなわち、試験端末は、2つの画像を送信する処理を行なう。そのため、試験端末として、処理速度の速い高性能の端末を準備する必要がある。また、試験端末と管理端末との間の通信量が大きくなるため、通信障害が起りやすい。しかしながら、上記の構成によれば、第1の画像および第2の画像が試験端末20および補助端末30からそれぞれ取得されるため、試験端末20として高性能の端末を準備する必要がなく、試験端末20とサーバ10との間の通信障害の発生を抑制できる。
【0118】
サーバ10は、試験端末20から第1の信号(例えば第1の認証用信号)を受信し、補助端末30から第2の信号(例えば第2の認証用信号)を受信した後に、試験問題を試験端末20に提供することが好ましい。
【0119】
上記の構成によれば、カメラ206,306からの第1の画像および第2の画像の取得の準備ができた受験者、すなわちサーバ10と試験端末20および補助端末30との通信が確立した受験者に対してのみ試験問題を提供できる。これにより、全ての受験者の不正行為を監視でき、公正が担保される。
【0120】
サーバ10は、試験端末20および補助端末30からそれぞれ受信した第1の認証用信号および第2の認証用信号が、受験者に対応する第1の認証データおよび第2の認証データとそれぞれ一致することに応じて、受験者と試験端末20と補助端末30とを関連付けることが好ましい。
【0121】
上記の構成によれば、複数の受験者が同時にサーバ10にアクセスしたとしても、各受験者について、当該受験者の使用している試験端末20と補助端末30とを関連付けることができる。これにより、監視者は、受験者ごとに、当該受験者に対応する試験端末20から取得した第1の画像と、当該受験者に対応する補助端末30から取得した第2の画像と、を確認することにより、当該受験者の不正行為を監視できる。
【0122】
サーバ10は、カメラ306の視野の調整が必要な場合、ディスプレイ207に補助端末30の位置調整を促す通知を行なうことが好ましい。
【0123】
上記の構成によれば、例えば、補助端末30の位置および姿勢が何らかの原因により変化したとしても、受験者は、試験端末20のディスプレイ207を確認することにより、補助端末30の位置調整が必要であることを認識できる。受験者は、試験端末20のディスプレイ207に表示される試験問題を注視している。そのため、補助端末30に位置調整が必要であることを通知しても気が付かない可能性があるが、試験問題が表示されている試験端末20のディスプレイ207に通知を行うことで、受験者は、補助端末30の位置調整が必要であることを認識できる。
【0124】
第2の画像には、ディスプレイ207の画面がさらに写ることが好ましい。不正行為として、第2の画像に受験者の一部(例えば手)のみが写る場合、受験者とは異なるダミーの人物と、試験端末20とは異なるダミーの端末とを撮影するように補助端末30を設置するような行為が考えられる。しかしながら、上記の構成によれば、第2の画像には、サーバ10から提供される試験問題が写ることになる。そのため、上記のような不正行為を防止できる。
【0125】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0126】
1 試験システム、10 サーバ、11 提供部、12 生成部、13,14 取得部、15 判断部、16 記憶部、20 試験端末、21 要求部、22 表示処理部、23,32 画像送信部、30 補助端末、31 初期設定部、40 スタンド、50 Webページ、51 メッセージ、52 2次元コード、53 ボタン、101,201,301 プロセッサ、102,202,302 メモリ、103,203,303 ストレージ、104,204,304 通信モジュール、105 管理プログラム、111,211,311 内部バス、161 問題情報、162 認証情報、163 関連付け情報、164,165 画像データ、205 ブラウザ、206,306 カメラ、207,307 ディスプレイ、208,308 入力装置、209,309 スピーカ、210,310 マイク、305 試験補助アプリケーション。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11