IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハーの特許一覧

特開2024-138216初期耐雨性が改善された水性コーティング組成物を製造するための、少なくとも1つの水性疎水化剤を含む水性配合物
<>
  • 特開-初期耐雨性が改善された水性コーティング組成物を製造するための、少なくとも1つの水性疎水化剤を含む水性配合物 図1
  • 特開-初期耐雨性が改善された水性コーティング組成物を製造するための、少なくとも1つの水性疎水化剤を含む水性配合物 図2
  • 特開-初期耐雨性が改善された水性コーティング組成物を製造するための、少なくとも1つの水性疎水化剤を含む水性配合物 図3
  • 特開-初期耐雨性が改善された水性コーティング組成物を製造するための、少なくとも1つの水性疎水化剤を含む水性配合物 図4
  • 特開-初期耐雨性が改善された水性コーティング組成物を製造するための、少なくとも1つの水性疎水化剤を含む水性配合物 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138216
(43)【公開日】2024-10-08
(54)【発明の名称】初期耐雨性が改善された水性コーティング組成物を製造するための、少なくとも1つの水性疎水化剤を含む水性配合物
(51)【国際特許分類】
   C08L 39/00 20060101AFI20241001BHJP
   C09D 5/02 20060101ALI20241001BHJP
   C09D 7/40 20180101ALI20241001BHJP
   C09D 101/00 20060101ALI20241001BHJP
   C09D 183/04 20060101ALI20241001BHJP
   C09D 179/04 20060101ALI20241001BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
C08L39/00
C09D5/02
C09D7/40
C09D101/00
C09D183/04
C09D179/04
C09D201/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024019124
(22)【出願日】2024-02-13
(31)【優先権主張番号】23158689.2
(32)【優先日】2023-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】519414848
【氏名又は名称】エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Evonik Operations GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1-11, 45128 Essen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】弁理士法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベレンド ジャン ドゥ ギャン
(72)【発明者】
【氏名】オリバー ピーターズ
(72)【発明者】
【氏名】ギュセッペ ギュッフレ
(72)【発明者】
【氏名】ローラ ハブナー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ファブレッセー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア ソワ
(72)【発明者】
【氏名】ジョナス ニエドバラ
(72)【発明者】
【氏名】ジャスミン ブロカンプ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】早期耐水性を有するコーティング組成物を製造するための水性配合物、製造されたコーティング組成物および製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの水性疎水化剤と、少なくとも1つの水溶性カチオン性ポリマーとを含む水性配合物が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの水性疎水化剤と、少なくとも1つの水溶性カチオン性ポリマーとを含む水性配合物。
【請求項2】
前記カチオン性ポリマーが第四級アンモニウム基を有する、請求項1記載の水性配合物。
【請求項3】
前記カチオン性ポリマーがアミノ基を有する、請求項1記載の水性配合物。
【請求項4】
前記カチオン性ポリマーが、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、四級化ヒドロキシエチルセルロース、およびポリエチレンイミンから選択される、請求項2または請求項3記載の水性配合物。
【請求項5】
前記水溶性ポリマーの重量平均分子量が、10000g/モル~2000000g/モルの範囲内、より好ましくは20000g/モル~1000000g/モルの範囲内、最も好ましくは30000g/モル~500000g/モルの範囲内である、請求項1~請求項4のいずれか一項記載の水性配合物。
【請求項6】
前記配合物に対し、0.05重量%~5.0重量%、好ましくは0.1重量%~3.0重量%、より好ましくは0.2重量%~2.0重量%の前記カチオン性ポリマーを含む、請求項1~請求項5のいずれか一項記載の水性配合物。
【請求項7】
前記疎水化剤が、水性シリコーン樹脂エマルション、シリコーン油エマルション、アミノ官能性シリコーン油のエマルションもしくはマイクロエマルション、シランエマルション、またはそれらの混合物である、請求項1~請求項6のいずれか一項記載の水性配合物。
【請求項8】
初期耐雨性を有する水性コーティング組成物を製造するための添加剤としての、請求項1~請求項7のいずれか一項記載の水性配合物の使用。
【請求項9】
請求項1~請求項7のいずれか一項記載の水性配合物を含むコーティング組成物。
【請求項10】
外装用の下塗り、塗料、プライマーまたは木工塗料である、請求項9記載のコーティング組成物。
【請求項11】
(a)最初に、少なくとも1つの水性疎水化剤と少なくとも1つのカチオン性ポリマー水溶液とを含み、重量平均分子量が10000g/モル~1000000g/モルの範囲内である水性配合物を製造し、
(b)次いで、少なくとも1つの水性結合剤を、前記(a)に従って得られた前記配合物に添加し、
(c)必要に応じて、乳化剤もしくは乳化剤混合物、膜形成助剤、顔料、充填剤、増粘剤、レベリング剤、保護コロイド、分散剤、湿潤剤、防腐剤および/または消泡剤を添加する、
初期耐雨性を有するコーティング組成物の製造方法。
【請求項12】
前記コーティング組成物中の乾燥材料の重量に対する結合剤の重量割合が、1.0~50.0重量%、好ましくは3.0~25.0重量%である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記水性配合物が、その配合物に対し、0.05重量%~5.0重量%、好ましくは0.1重量%~3.0重量%、より好ましくは0.2重量%~2.0重量%の前記カチオン性ポリマーを含む、請求項11または請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記カチオン性ポリマーが第四級アンモニウム基またはアミノ基を有する、請求項11~請求項13のいずれか一項記載の方法。
【請求項15】
前記カチオン性ポリマーが、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、四級化ヒドロキシエチルセルロース、およびポリエチレンイミンから選択される、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記結合剤が、ホモポリマーおよび/またはコポリマーをベースとする水性ポリマー分散液である、請求項11~請求項15のいずれか一項記載の方法。
【請求項17】
前記ホモポリマーおよびコポリマーが、モノマー単位として、少なくとも1つのオレフィン性不飽和モノマーを含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
乳化剤もしくは乳化剤混合物、膜形成助剤、顔料、充填剤、増粘剤、レベリング剤、保護コロイド、分散剤、湿潤剤、防腐剤および/または消泡剤を使用する場合、前記水性結合剤を最後の成分として混合物に添加する、請求項11~請求項17のいずれか一項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐雨性が改善された水性コーティング組成物を製造するための、少なくとも1つの水性疎水化剤を含む水性配合物を提供する。
【背景技術】
【0002】
水性コーティング組成物の乾燥速度は、温度と湿度に左右される。湿度が低い場合、乾燥速度は速いことが多く、場合によっては、溶媒系コーティング組成物の場合よりもさらに速くなる。しかし、朝夕や降雨前、降雨中、降雨後などの高湿度かつ低温では、水分の蒸発が遅れるため、乾燥速度が明らかに遅くなる。このようなコーティングは、非常に長い乾燥時間を経た後しか耐雨性を発揮しない。水性コーティング組成物が完全に乾燥する前のそれらの特定の初期耐雨性または防雨性は、特に外装用途、例えば建物、橋、船舶および道路標示用の塗料、および外装用下塗りに望ましい。
【0003】
このような初期耐雨性または防雨性を達成するには、実際に関連するさまざまな原理が存在する。
【0004】
いわゆる軟凝集原理の一変形例では、コーティング組成物には、アニオン的に安定化された結合剤と、ポリアミンと、コーティング組成物の適用後に蒸発する揮発性塩基としてのアンモニアとが含まれており、その結果、乾燥中に結合剤が軟凝集する(米国特許第5527853号明細書、欧州特許第0594321号明細書、欧州特許第0728822号明細書、欧州特許第0409459号明細書)。別の変形例では、コーティング組成物は同様にイオン的に安定化された結合剤を含む。その軟凝集は、酸溶液または塩溶液をコーティング組成物と同時に噴霧することによって行われる(国際公開第94/29391号パンフレット、欧州特許第0200249号明細書、米国特許第4571415号明細書、米国特許第5403393号明細書)。コーティング組成物の表面における粘度の変化は、例えば欧州特許第0721003号明細書に開示されているように、増粘剤を新鮮なコーティングに適用し、粘度を上げることによって、あるいは増粘剤を含む基剤を新鮮なコーティングに適用することによって、達成することができる。しかし、pHが低くなるため、増粘剤は活性化されない。
【0005】
欧州特許第0804514号明細書には、アニオン的に安定化された水性エマルションとポリイミンとを含む速乾性水性コーティング組成物が記載されている。アニオン的に安定化された水性エマルションをベースとするコーティング組成物にポリイミンを添加すると、その混合物が乾燥するとすぐに黄色くなる傾向があるという欠点がある。これは、酢酸ビニルコポリマーをベースとするエマルションを使用する場合に特に当てはまる。装飾的な外装用途の場合、このコーティングの黄変は、色合いの望ましくない変化を引き起こす。
【0006】
さらに、ポリイミンの電荷、つまり軟凝集は、pHに依存する。pH値がより高い場合、ポリイミンの電荷平衡は、カチオン領域から中性領域へ次第にシフトし、有効性の喪失につながる。しかし、現代のコーティング組成物は、殺生物剤の使用量を抑えながら微生物の繁殖を減らすことができるように、比較的高いpHに設定されていることが多い。
【0007】
また、欧州特許第1250388号明細書も知られており、それには、少なくとも1つの水性結合剤を含む速乾性水性コーティング組成物が記載されている。その速乾性水性コーティング組成物はさらに、少なくとも1つの水溶性第四級ポリ(アリルアミン)と非イオン性界面活性剤とを含んでいる。しかし、欠点は、保管中に粘度が上昇することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5527853号明細書
【特許文献2】欧州特許第0594321号明細書
【特許文献3】欧州特許第0728822号明細書
【特許文献4】欧州特許第0409459号明細書
【特許文献5】国際公開第94/29391号パンフレット
【特許文献6】欧州特許第0200249号明細書
【特許文献7】米国特許第4571415号明細書
【特許文献8】米国特許第5403393号明細書
【特許文献9】欧州特許第0721003号明細書
【特許文献10】欧州特許第0804514号明細書
【特許文献11】欧州特許第1250388号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、従来技術で知られている欠点を持たない早期耐水性を有するコーティング組成物を製造するための、水性配合物を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この問題を解決するために、少なくとも1つの疎水化剤と少なくとも1つの水溶性カチオン性ポリマーとを含む水性配合物が提案されている。
【0011】
全く予期せぬことに、疎水化剤と水溶性カチオン性ポリマーとの併用により、初期耐雨性が向上することがわかった。本発明による水性配合物を用いて製造されたコーティングは、従来のコーティングよりも改善された初期耐雨性を有していた。有利なことに、本発明による水性コーティング組成物はさらに、保管中の粘度上昇がより少ないことを示した。
【0012】
当業者は、疎水化剤の添加により、コーティングの疎水性を増加させられることを知っている。このようにして、コーティング、ひいては基材を水の浸透から保護することができる。疎水性コーティングまたは表面は、水滴の接触角を測定することにより特徴付けることができ、接触角は90度~180度でなければならない(「ファサード用水性シリコーン樹脂コーティング系:基礎、配合、実用化、問題の解決策」、Wolfgang Schultze、第2版、expert-verlag2002年、18頁)。例えば、接触角は、DIN55660に準ずる輪郭分析系と組み合わせた光学式接触角測定装置を利用して測定できる。
【0013】
典型的には、疎水化剤は、乳化剤を用いて作製された水性エマルションの形で、ミルベースの完成分散液に導入され、その後、その完成分散液中に結合剤がさらに撹拌される。このような塗料および下塗りは、適用後、最初は、一定期間(「洗い流し期間」)にわたって依然として比較的高い吸水能力を有しており、そのため、早期耐水性は限定的である。
【0014】
ほとんどの疎水化剤は、有機ケイ素化合物をベースにしており、個別にまたは組み合わせて使用される。例としては、アルコキシシラン、シリコーン油、シリコーン樹脂、およびシリコネートが挙げられる(Wassrige Siliconharz-Beschichtungssysteme fur Fassaden:Grundlagen、Formulierungen、Anwendung in der Praxis、Problemlosungen、Wolfgang Schultze、第2版、expert-verlag2002年、69~74頁も参照)。
【0015】
アルコキシシランは、好ましくは、式(I)の化合物である。
Si(OR 式(I)
(式中、aは0以上2以下、bは2以上4以下、a+bの合計は4であり、
は1~8個の炭素原子を有する飽和または不飽和アルキル基、または1~8個の炭素原子と1~2個の窒素原子または酸素原子とを有する有機部分、または6~20個の炭素原子を有する芳香族部分であり、
は1~8個の炭素原子を有するアルキル基またはアシル基である。)
【0016】
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、およびt-ブチル基が好ましい。芳香族部分としては、フェニル部分が好ましい。好ましい置換基Rは、メチル基もしくはフェニル基、あるいはメチル基とフェニル基の混合物である。R基として好ましいアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、またはt-ブチル基である。アルコキシシランとしては、オクチルトリエトキシシランが好ましい。
【0017】
シリコーン油は、好ましくは、式(II)の化合物である。
O(Si(RO) 式(II)
【0018】
式中、Rは、独立して、水素原子、またはトリメチルシリル基もしくはアルキル基、例えばメチル基もしくはエチル基である。Rは、独立して、1~20個の炭素原子を有する同一のまたは異なる直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和もしくは一価不飽和もしくは多価不飽和のアルキル基、または1~8個の炭素原子と1~2個の窒素原子もしくは酸素原子とを有する有機部分、または1個のケイ素原子と1~15個の炭素原子と1~4個の酸素原子とを有する有機ケイ素部分、または6~20個の炭素原子を有する芳香族部分である。Rとしては、メチル基、3-アミノプロピル基、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピル基、2-(トリメトキシシリル)エチル基、2-(トリエトキシシリル)エチル基、またはフェニル基が好ましい。重合度nは、1~10000、好ましくは3~1000、最も好ましくは5~300である。
【0019】
シリコーン樹脂は、好ましくは、式(III)のポリマー化合物である。
Si(OR(4-c-d)/2 式(III)
(式中、cは0以上2以下、dは0以上4以下、c+dの合計が4未満である。Rは、独立して、同一のまたは異なる直鎖状または分岐鎖状の飽和もしくは一価不飽和もしくは多価不飽和の芳香族ヒドロカルビル基、または1~8個の炭素原子と1~2個の窒素原子または酸素原子とを有する有機部分である。Rは、水素原子、または1~8個の炭素原子を有するアルキル基である。Rは、好ましくは、メチル基、プロピル基、フェニル基、3-アミノプロピル基、またはオクチル基である。Rは、好ましくは、水素原子、またはメチル基もしくはエチル基である。
【0020】
式(III)は、シリコーン樹脂の平均構造式の最小単位である。
【0021】
疎水化剤は、好ましくは、水性シリコーン樹脂エマルション、シリコーン油エマルション、アミノ官能性シリコーン油のエマルションもしくはマイクロエマルション、シランエマルション、またはそれらの混合物である。
【0022】
疎水化剤は、好ましくは、2つ以上の有機ケイ素化合物をベースとする水性エマルションであり得る。
【0023】
一般に、水性コーティング組成物に使用できる限り、すべての市販の疎水化剤が有用である。言及すべき市販の疎水化剤には、Evonik社のTego Phobe(登録商標)1401、1409、1650、1659、6510 および6600、Wacker社のSilres(登録商標)BS45、BS54、BS60、BS6042、BS1001およびBS1306、Dow社のDowsil(登録商標)IE2404、IE6683、IE6694およびZ-70エマルション、CHT社のVariphob(登録商標)SR550、SR580、HP105、HP120、Elkem Silicones社のBluesil BP9710、BP9878、BP9800、BP9821、BP9900、BP9705、PB9920、ならびにGraf Chemicals社のSilsan(登録商標)CC55、HSB、DSH、WS1800、1300および1350が含まれる。
【0024】
水溶性カチオン性ポリマーは、好ましくは、第四級アンモニウム基を有する。
【0025】
適切な水溶性カチオン性ポリマーは、好ましくは、ポリ[(ジメチルイミノ)-2-ブテン-1,4-ジイル]クロリド(ポリクオタニウム-1)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)(ポリクオタニウム-6)、アクリルアミドと四級化ジメチルアンモニウムエチルメタクリレートとのコポリマー、ポリ{ビス(2-クロロエチル)エーテル-alt-1,3-ビス[3(ジメチルアミノ)プロピル]尿素}(ポリクオタニウム-2)、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドコポリマー(ポリクオタニウム-4)、ポリ(アクリルアミド-メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチル硫酸塩)(ポリクオタニウム-5)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド-co-アクリルアミド)(ポリクオタニウム-7)、四級化ヒドロキシエチルセルロース(ポリクオタニウム-10)、硫酸ジメチルで四級化されたメチル-およびステアリルジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(ポリクオタニウム-8)、 ブロモエタンで四級化されたポリ-N,N-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(ポリクオタニウム-9)、ポリ(ビニルピロリドン-co-ジメチルアミノエチルメタクリレート、四級化)(ポリクオタニウム-11)、硫酸ジメチルで四級化されたポリ(エチルメタクリレート-co-アビエチルメタクリレート-co-ジエチルアミノエチルメタクリレート)(ポリクオタニウム-12)、硫酸ジメチルで四級化されたポリ(エチルメタクリレート-co-オレイルメタクリレート-co-ジエチルアミノエチルメタクリレート)(ポリクオタニウム-13)、ポリ(2-メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチル硫酸塩)(ポリクオタニウム-14)、ポリ(アクリルアミド-co-トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)(ポリクオタニウム-15)、3-メチル-1-ビニルイミダゾリウムクロリド-N-ビニルピロリドンコポリマー(ポリクオタニウム-16)、ポリ[オキシ-1,2-エタンジイル(ジメチルイミニオ)-1,3-プロパンジイミノ(1,6-ジオキソ-1,6-ヘキサンジイル)イミノ-1,3-プロパンジイル(ジメチルイミニオ)-1,2-エタンジイルジクロリド](ポリクオタニウム-17)、ポリ[オキシ-1,2-エタンジイル(ジメチルイミニオ)-1,3-プロパンジイミノ(1,9-ジオキソ-1,9-ノナンジイル)イミノ-1,3-プロパンジイル(ジメチルイミニオ)-1,2-エタンジイルクロリド(ポリクオタニウム-18)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド-アクリル酸)(ポリクオタニウム-22)、セルロール、α-[3-(ドデシルジメチルアンモニオ)-2-ヒドロキシプロピル]-ω-ヒドロキシポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)クロリドを有するエーテル(ポリクオタニウム-24)、N-ビニル-2-ピロリドン-3-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマー(ポリクオタニウム-28)、2-プロペン酸、2-メチル-、メチルエステル、N-(カルボキシメチル)-N,N-ジメチル-2-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]エタンアミニウム両性イオンを有するポリマー(ポリクオタニウム-30)、2-アクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド-アクリルアミドコポリマー(ポリクオタニウム-33)、2-プロペン酸、2-メチル-、メチルエステル、2-(ジメチルアミノ)エチル-2-メチル-2-プロペノエートのポリマー、硫酸ジメチルとの化合物(ポリクオタニウム-36)、ポリ(2-メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)(ポリクオタニウム-37)、アクリル酸-アクリルアミド-ジメチルジアリルアンモニウムクロリドコポリマー(ポリクオタニウム-39)、ポリ[オキシエチレン(ジメチルアミノ)エチレン(ジメチルアミノ)エチレンジクロリド](ポリクオタニウム-42)、3-メチル-1-ビニルイミダゾリウムメチル硫酸塩-N-ビニルピロリドンコポリマー(ポリクオタニウム-44)、3-メチル-N-ビニルイミダゾリウムメチル硫酸塩-N-ビニルカプロラクタム-N-ビニル-2-ピロリドンコポリマー(ポリクオタニウム-46)、アクリル酸-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド-メチルアクリレートコポリマー(ポリクオタニウム-47)、N-メタクリロイルオキシエチル-N,N-ジメチルアンモニウム- α-N-メチルカルボキシベタインポリマー(ポリクオタニウム-50)、ブチルメタクリレート-2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンコポリマー(ポリクオタニウム-51)、N,N-ジメチルアクリルアミド-ジメチルアミノエチルメタクリレート-ジエチル硫酸-ポリエチレングリコール-ジメタクリレートコポリマー(ポリクオタニウム-52)、ポリ(アクリルアミド-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド-アクリル酸)(ポリクオタニウム-53)、1-ドデカンアミニウム、N,N-ジメチル-N-[3-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]プロピル]-、塩化物、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-2-メチル-2-プロペンアミドと1-エテニル-2-ピロリジノンとを有するポリマー(ポリクオタニウム-55)、2-(メタクリロイルオキシ)エチル-2-(トリメチルアンモニウム)エチルホスフェート-ステアリルメタクリレートコポリマー(ポリクオタニウム-61)、ポリ(アクリルアミド-アクリル酸-アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)(ポリクオタニウム-63)、2-ヒドロキシ-3-メタクリロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド-2-メタクリロキシエチルホスホリルコリンコポリマー(ポリクオタニウム-64)、セルロース、2-[3-(ドデシルジメチルアンモニオ)-2-ヒドロキシプロポキシ]エチル-3-(ドデシルジメチルアンモニオ)-2-ヒドロキシプロピル-2-ヒドロキシエチル-2-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロポキシ]エチル-2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピルエーテル、塩化物(ポリクオタニウム-67)、メタクリルアミド-N-ビニルイミダゾール-N-ビニルイミダゾール-メト硫酸塩-N-ビニル-2-ピロリドンコポリマー(ポリクオタニウム-68)、1-ドデカンアミニウム、N,N-ジメチル-N-[3-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]プロピル]-、塩化物、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-2-メチル-2-プロペンアミドと1-エテニルヘキサヒドロ-2H-アゼピン-2-オンと1-エテニル-2-ピロリジノンとを有するポリマー(ポリクオタニウム-69)、1-プロパンアミニウム、N,N,N-トリメチル-3-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-、塩化物(1:1)、N,N-ジメチル-2-プロペンアミドと2-ヒドロキシエチル-2-メチル-2-プロペノエートとN,N,N-トリメチル-2-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペン-1-イル)オキシ]エタンアミニウムクロリド(1:1)とを有するポリマー(ポリクオタニウム-84)、1H-イミダゾリウム、1-エテニル-3-メチル-、塩化物(1:1)、1-エテニル-1H-イミダゾールと1-エテニル-2-ピロリジノンと2-メチル-2-プロペン酸とを有するポリマー(ポリクオタニウム-86)、アクリル酸-エチルアクリレート-(3-メタクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドコポリマー(ポリクオタニウム-98)、エタンアミニウム、N,N,N-トリメチル-2-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペン-1-イル)オキシ]-、塩化物(1:1)、ブチル-2-メチル-2-プロペノエートと2-エトキシエチル-2-メチル-2-プロペノエートとを有するポリマー(ポリクオタニウム-99)、ポリ[(ジメチルイミニオ)(2-ヒドロキシ-1,3-プロパンジイル)(ジメチルイミニオ)-1,6-ヘキサンジイルジクロリド](ポリクオタニウム-100)、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン-3-N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド-ステアリルメタクリレートコポリマー(ポリクオタニウム-107)、2-プロペン-1-アミニウム、N,N-ジメチル-N-2-プロペン-1-イル-、塩化物(1:1)、2-ヒドロキシ-1-メチルエチル-2-プロペノエートと2-プロペン酸とを有するポリマー(ポリクオタニウム-111)、四級化多糖類および多糖類誘導体、例えば、グァーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドおよびヒドロキシプロピルグァーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、キトサンヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、デンプン3-(ドデシルジメチルアンモニオ)-2-ヒドロキシプロピル2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピルエーテルクロリド(ポリクオタニウム-75)およびヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドデンプンから選択される化合物である。
【0026】
ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)および四級化ヒドロキシエチルセルロースが特に好ましい。最も好ましいのは、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)である。
【0027】
水溶性カチオン性ポリマーは、アミノ基を有することが好ましい。ポリエチレンイミンが特に好ましい。
【0028】
水溶性カチオン性ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは10000g/モル~2000000g/モルの範囲、より好ましくは20000g/モル~1000000g/モルの範囲、最も好ましくは30000g/モル~500000g/モルの範囲である。
【0029】
水性配合物は、当該配合物に対し、0.05重量%~5.0重量%、好ましくは0.1重量%~3.0重量%、より好ましくは0.2重量%~2.0重量%のカチオン性ポリマーを含むことが好ましい。
【0030】
さらなる発明は、初期耐雨性が向上した水性コーティング組成物を製造するための添加剤としての、本発明の水性配合物の使用である。
【0031】
本発明はまた、本発明による水性配合物を含むコーティング組成物も提供する。
【0032】
コーティング組成物、ならびに本発明による水性配合物は、必要に応じて、膜形成助剤、顔料、充填剤、増粘剤、レベリング剤、分散剤、湿潤剤、防腐剤、乳化剤、保護コロイド、および/または消泡剤も含む。
【0033】
本発明によるコーティング組成物は、好ましくは、外装用の下塗り、塗料、プライマーまたは木工塗料である。本発明によるコーティング組成物は、より好ましくは、合成樹脂下塗り、ファサード塗料、道路標識塗料、または木材保護塗料である。
【0034】
本発明はまた、
(a)最初に、少なくとも1つの水性疎水化剤と少なくとも1つのカチオン性ポリマー水溶液とを含み、重量平均分子量が10000g/モル~1000000g/モルの範囲内である水性配合物を製造し、
(b)次いで、少なくとも1つの水性結合剤を、(a)に従って得られた配合物に添加し、
(c)必要に応じて、乳化剤もしくは乳化剤混合物、膜形成助剤、顔料、充填剤、増粘剤、レベリング剤、保護コロイド、分散剤、湿潤剤、防腐剤および/または消泡剤を添加する、
初期耐雨性を有するコーティング組成物の製造方法も提供する。
【0035】
驚くべきことに、本発明による方法によって製造されたコーティングは、従来のコーティングと比較して、初期耐雨性が向上していることがわかった。
【0036】
結合剤は、もちろん、さまざまな結合剤の混合物であってもよい。
【0037】
コーティング組成物中の結合剤(固体形態)の重量割合は、コーティング組成物中の乾燥材料の重量に対し、好ましくは1.0~50.0重量%、より好ましくは3.0~25.0重量%である。
【0038】
水性結合剤は、好ましくは、乳化剤または乳化剤混合物、膜形成助剤、顔料、充填剤、増粘剤、レベリング剤、保護コロイド、分散剤、湿潤剤、防腐剤、および/または消泡剤が使用される場合には、最後の成分として混合物に添加される。
【0039】
結合剤は、ホモポリマーおよび/またはコポリマーをベースとする水性ポリマー分散液であることが好ましい。
【0040】
特に好ましいホモポリマーおよびコポリマーは、モノマー単位として、少なくとも1つのオレフィン性不飽和モノマーを含む。
【0041】
(C1~C12)モノアルコール、好ましくは(C1~C8)モノアルコールのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、n-ブタノール、2-エチルヘキシルアルコール、ビニル芳香族モノマー、例えばスチレン、(C1~C12)-アルカンモノカルボン酸のビニルエステル、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n-酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、VeoVa(登録商標)9およびVeoVa(登録商標)10、ハロゲン化ビニル、例えば塩化ビニルおよび塩化ビニリデン、α-およびβ-モノオレフィン性不飽和ニトリル、例えばアクリロニトリルおよびメタクリロニトリル、モノオレフィン性不飽和ジカルボン酸のアルキルエステル、例えばマレイン酸ジ-n-ブチルおよびフマル酸ジ-n-ブチルの群からのフリーラジカル重合可能なオレフィン性不飽和化合物を、モノマーの総量に対し、70重量%~99.7重量%含むコポリマーが特に好ましい。コポリマーは、好ましくは、モノマーの総量に対し、0.3~10重量%、より好ましくは0.5~5重量%のα-およびβ-モノオレフィン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸およびフマル酸、ならびに必要に応じて窒素原子に置換基を有するそれらのアミド、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-ブトキシメタクリルアミドも含む。
【0042】
さらに、モノマーの総量に対し、0重量%~20重量%、好ましくは0.5重量%~5重量%の官能性モノマーがコポリマー中に存在することが可能である。官能性モノマーは、例えばアクリル酸ヒドロキシアルキルおよびメタクリル酸ヒドロキシアルキルなどの水酸基含有モノマー、特にメタクリル酸ヒドロキシエチルおよびメタクリル酸ヒドロキシプロピル、および/または湿潤密着性を向上させるアセチルアセトキシ基含有モノマー、特にアセト酢酸アリル、メタクリル酸アセチルアセトキシエチルおよびメタクリル酸アセチルアセトキシブチル、および/またはエポキシ基およびシラン基を有するモノマーなどの架橋モノマー、特にアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、ビニルトリメトキシシランおよびメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、および/またはアミノ基、ウレイド基またはN-複素環式基を有する重合性モノマーの群からの窒素含有モノマー、例えばアクリル酸ジメチルアミノエチルおよびメタクリル酸ジメチルアミノエチル、N-(2-メタクリロイルエチル)エチレン尿素、および/またはケト基含有モノマー、例えばジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、アクロレインおよびメタクリル酸2-ブタノンである。
【0043】
自己架橋性分散液中、ケト基含有ポリマーは、モノマー、または二官能性もしくは多官能性カルボン酸ヒドラジド、例えばアジピン酸ヒドラジドの総量に対し、最大で5重量%存在することが可能である。
【0044】
結合剤として使用されるポリマー分散液は、好ましくは、アニオン的に安定化されたポリマー分散液、または非イオン性安定剤とアニオン性安定剤との混合物、または非イオン性乳化剤とアニオン性乳化剤と保護コロイドとの混合物によって安定化されたポリマー分散液である。
【0045】
適切な非イオン性乳化剤は、例えば、アルキルポリグリコールエーテルまたはポリプロピレンオキシドのアルコキシル化生成物である。有用なアニオン性乳化剤は、主に、アルキルスルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩もしくはホスホン酸塩、アリールスルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩もしくはホスホン酸塩、またはアルキルアリールスルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩もしくはホスホン酸塩のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩である。
【0046】
適切な保護コロイドは、天然物、例えばアラビアゴム、デンプンおよびアルギン酸塩、変性天然物、例えばセルロース誘導体、または合成ポリマー、例えばポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン、またはそれらの混合物である。
【0047】
乳化剤および保護コロイドと同様に、ポリマー分散液は、必要に応じて、添加剤、助剤および/または非共重合性架橋剤も含み得る。
【0048】
本発明による方法の配合物に対し、0.05重量%~5.0重量%、好ましくは0.1重量%~3.0重量%、より好ましくは0.2重量%~2.0重量%のカチオン性ポリマーを含む水性配合物を使用することが好ましい。
【0049】
カチオン性ポリマーは、第四級アンモニウム基を有することが好ましい。
【0050】
適切な水溶性カチオン性ポリマーは、好ましくは、ポリ[(ジメチルイミノ)-2-ブテン-1,4-ジイル]クロリド(ポリクオタニウム-1)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)(ポリクオタニウム-6)、アクリルアミドと四級化ジメチルアンモニウムエチルメタクリレートのコポリマー、ポリ{ビス(2-クロロエチル)エーテル-alt-1,3-ビス[3(ジメチルアミノ)プロピル]尿素}(ポリクオタニウム-2)、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドコポリマー(ポリクオタニウム-4)、ポリ(アクリルアミド-メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチル硫酸塩)(ポリクオタニウム-5)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド-co-アクリルアミド)(ポリクオタニウム-7)、四級化ヒドロキシエチルセルロース(ポリクオタニウム-10)、硫酸ジメチルで四級化されたメチル-およびステアリルジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(ポリクオタニウム-8)、ブロモエタンで四級化されたポリ-N,N-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(ポリクオタニウム-9)、ポリ(ビニルピロリドン-co-ジメチルアミノエチルメタクリレート、四級化)(ポリクオタニウム-11)、硫酸ジメチルで四級化されたポリ(エチルメタクリレート-co-アビエチルメタクリレート-co-ジエチルアミノエチルメタクリレート)(ポリクオタニウム-12)、硫酸ジメチルで四級化されたポリ(エチルメタクリレート-co-オレイルメタクリレート-co-ジエチルアミノエチルメタクリレート)(ポリクオタニウム-13)、ポリ(2-メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチル硫酸塩)(ポリクオタニウム-14)、ポリ(アクリルアミド-co-トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)(ポリクオタニウム-15)、3-メチル-1-ビニルイミダゾリウムクロリド-N-ビニルピロリドンコポリマー(ポリクオタニウム-16)、ポリ[オキシ-1,2-エタンジイル(ジメチルイミニオ)-1,3-プロパンジイミノ(1,6-ジオキソ-1,6-ヘキサンジイル)イミノ-1,3-プロパンジイル(ジメチルイミニオ)-1,2-エタンジイルジクロリド](ポリクオタニウム-17)、ポリ[オキシ-1,2-エタンジイル(ジメチルイミニオ)-1,3-プロパンジイミノ(1,9-ジオキソ-1,9-ノナンジイル)イミノ-1,3-プロパンジイル(ジメチルイミニオ)-1,2-エタンジイルクロリド(ポリクオタニウム-18)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド-アクリル酸)(ポリクオタニウム-22)、セルロース、α-[3-(ドデシルジメチルアンモニオ)-2-ヒドロキシプロピル]-ω-ヒドロキシポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)を有するエーテル、塩化物(ポリクオタニウム-24)、N-ビニル-2-ピロリドン-3-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマー(ポリクオタニウム-28)、2-プロペン酸、2-メチル-、メチルエステル、N-(カルボキシメチル)-N,N-ジメチル-2-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]エタンアミニウム両性イオンを有するポリマー(ポリクオタニウム-30)、2-アクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド-アクリルアミドコポリマー(ポリクオタニウム-33)、2-プロペン酸、2-メチル-、メチルエステル、2-(ジメチルアミノ)エチル-2-メチル-2-プロペノエートのポリマー、硫酸ジメチルとの化合物(ポリクオタニウム-36)、ポリ(2-メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)(ポリクオタニウム-37)、アクリル酸-アクリルアミド-ジメチルジアリルアンモニウムクロリドコポリマー(ポリクオタニウム-39)、ポリ[オキシエチレン(ジメチルアミノ)エチレン(ジメチルアミノ)エチレンジクロリド](ポリクオタニウム-42)、3-メチル-1-ビニルイミダゾリウムメチル硫酸塩-N-ビニルピロリドンコポリマー(ポリクオタニウム-44)、3-メチル-N-ビニルイミダゾリウムメチル硫酸塩-N-ビニルカプロラクタム-N-ビニル-2-ピロリドンコポリマー(ポリクオタニウム-46)、アクリル酸-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド-メチルアクリレートコポリマー(ポリクオタニウム-47)、N-メタクリロイルオキシエチル-N,N-ジメチルアンモニウム-α-N-メチルカルボキシベタインポリマー(ポリクオタニウム-50)、ブチルメタクリレート-2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンコポリマー(ポリクオタニウム-51)、N,N-ジメチルアクリルアミド-ジメチルアミノエチルメタクリレートジエチル硫酸塩-ポリエチレングリコールジメタクリレートコポリマー(ポリクオタニウム-52)、ポリ(アクリルアミド-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド-アクリル酸)(ポリクオタニウム-53)、1-ドデカンアミニウム、N,N-ジメチル-N-[3-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]プロピル]-、塩化物、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-2-メチル-2-プロペンアミドと1-エテニル-2-ピロリジノンとを有するポリマー(ポリクオタニウム-55)、2-(メタクリロイルオキシ)エチル-2-(トリメチルアンモニウム)エチルホスフェート-ステアリルメタクリレートコポリマー(ポリクオタニウム-61)、ポリ(アクリルアミド-アクリル酸-アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)(ポリクオタニウム-63)、2-ヒドロキシ-3-メタクリロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド-2-メタクリロキシエチルホスホリルコリンコポリマー(ポリクオタニウム-64)、セルロース、2-[3-(ドデシルジメチルアンモニオ)-2-ヒドロキシプロポキシ]エチル-3-(ドデシルジメチルアンモニオ)-2-ヒドロキシプロピル-2-ヒドロキシエチル-2-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロポキシ]エチル-2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピルエーテル、塩化物(ポリクオタニウム-67)、メタクリルアミド-N-ビニルイミダゾール-N-ビニルイミダゾールメト硫酸塩-N-ビニル-2-ピロリドンコポリマー(ポリクオタニウム-68)、1-ドデカンアミニウム、N,N-ジメチル-N-[3-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]プロピル]-、塩化物、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-2-メチル-2-プロペンアミドと1-エテニルヘキサヒドロ-2H-アゼピン-2-オンと1-エテニル-2-ピロリジノンとを有するポリマー(ポリクオタニウム-69)、1-プロパンアミニウム、N,N,N-トリメチル-3-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-、塩化物(1:1)、N,N-ジメチル-2-プロペンアミドと2-ヒドロキシエチル-2-メチル-2-プロペノエートとN,N,N-トリメチル-2-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペン-1-イル)オキシ]エタンアミニウムクロリド(1:1)とを有するポリマー(ポリクオタニウム-84)、1H-イミダゾリウム、1-エテニル-3-メチル-、塩化物(1:1)、1-エテニル-1H-イミダゾールと1-エテニル-2-ピロリジノンと2-メチル-2-プロペン酸とを有するポリマー(ポリクオタニウム-86)、アクリル酸-エチルアクリレート-(3-メタクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドコポリマー(ポリクオタニウム-98)、エタンアミニウム、N,N,N-トリメチル-2-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペン-1-イル)オキシ]-、塩化物(1:1)、ブチル-2-メチル-2-プロペノエートと2-エトキシエチル-2-メチル-2-プロペノエートとを有するポリマー(ポリクオタニウム-99)、ポリ[(ジメチルイミニオ)(2-ヒドロキシ-1,3-プロパンジイル)(ジメチルイミニオ)-1,6-ヘキサンジイルジクロリド] (ポリクオタニウム-100)、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン-3-N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド-ステアリルメタクリレートコポリマー(ポリクオタニウム-107)、2-プロペン-1-アミニウム、N,N-ジメチル-N-2-プロペン-1-イル-、塩化物(1:1)、2-ヒドロキシ-1-メチルエチル-2-プロペノエートと2-プロペン酸とを有するポリマー(ポリクオタニウム-111)、四級化多糖類および多糖類誘導体、例えばグァーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドおよびヒドロキシプロピルグァーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、キトサンヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、デンプン3-(ドデシルジメチルアンモニオ)-2-ヒドロキシプロピル2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピルエーテルクロリド(ポリクオタニウム-75)ならびにヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドデンプンから選択される化合物である。
【0051】
カチオン性ポリマーは、好ましくは、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)および四級化ヒドロキシエチルセルロースから選択される。最も好ましいのは、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)である。
【0052】
本発明による方法では、アミノ基を含む水溶性カチオン性ポリマー、より好ましくはポリエチレンイミンを使用することが好ましい。
【0053】
水性結合剤は、好ましくは、最後の成分として混合物に添加される。
【0054】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1図1は、ファサード塗料の表面写真の例である。
図2図2は、ファサード塗料の表面写真の例である。
図3図3は、ファサード塗料の表面写真の例である。
図4図4は、ファサード塗料の表面写真の例である。
図5図5は、ファサード塗料の表面写真の例である。
【実施例0056】
方法
ゲル浸透クロマトグラフィー (GPC)
記載される方法は、絶対的な方法ではない。代わりに、キャリブレーションが必要である。そのキャリブレーションは、直線構造を有する市販のポリ-2-ビニルピリジン標準を使用して実施され、独立した絶対法によって特徴付けられる。装置:Agilent Technologies社のAgilent 1100、プレカラム:PSS NOVEMA Max、10μm、ガード、ID8.00mm×50.00mm、カラム:PSS NOVEMA Max Ultrahigh、10μm、ID8.00mm×300.00mm、温度35℃、溶離液:0.1MのNaCl、0.1体積%TFA(水溶液)、流速1mL/分、試料濃度3g/L。RI検出器、モル質量範囲620~2,890,000g/モル-1のポリ-2-ビニルピリジン標準に対する評価。
【0057】
粘度の測定
粘度は、DIN53019-1に従って、コーン/プレート形状を有するAnton Paar社のMR301レオメーターを使用し、100秒-1のせん断速度で測定し
【0058】
追加条件
本明細書の文脈において値が%で報告される場合、これらは、特に明記しない限り、重量%値である。組成物の場合、パーセンテージは、別段の定義がない限り、組成物全体に対する割合である。以下の実施例で平均値が記載されている場合、特に明記しない限り、これらは数値平均である。以下でコーティングを乾燥させる場合、特に明記しない限り、これは同様に、圧力:101325Pa、温度:20℃、かつ周囲相対湿度:約40%で行われる。
【0059】
材料および設備
‐RM10Wローラーミキサー、CAT社製
‐黒色PVCフィルム(Leneta)
‐コートマスター509MCフィルムアプリケーター、Erichsen社製
‐ZAF2010ボックス型コーティングバー、Zehntner社製
‐HPP110eco環境制御キャビネット、Memmert社製
‐シグマ・シロキサン・オールシーズン・インク、PPG社製
‐ポンプアトマイザー付きスプレーボトル、Technical Treatments社
‐30mm分散ディスク付きディスパーマット、VMA Getzmann社製
‐TEGO Phobe(登録商標)1650、Evonik社製
‐TEGO Phobe(登録商標)1409、Evonik社製
【0060】
実験例
1.本発明による水性配合物の製造
1.1 カチオン性ポリマー溶液
表1に、使用した市販のカチオン性ポリマー水溶液と、GPCにより測定したそれらの重量平均分子量Mw(項目P1~P4)を示す。四級化ヒドロキシエチルセルロースは、粉末状で入手できるため、ポリマー水溶液を製造する必要があった。この目的のために、粉末状の100%ポリマーを、スパチュラを使用して、50mLねじ口ボトル中の脱塩水と手動で混合し、RM10Wローラーミキサー上に24時間置いた。結果として、20重量%のカチオン性ポリマー(項目P5)を含有する均一で透明な溶液が得られた。
表1:使用したカチオン性ポリマー溶液
【0061】
【表1】
【0062】
1.2 使用した疎水化剤
以下の市販の疎水化剤を使用した。
‐TEGO Phobe(登録商標)1650、Evonik社製→(H1)
‐TEGO Phobe(登録商標)1409、Evonik社製→(H2)
【0063】
本発明による水性配合物を製造するために、100gのH1を180mLポリエチレンカップに秤量した。続いて、表1のカチオン性ポリマー溶液を、表2の濃度に従って、ディスパーマットを用いて500rpmで撹拌しながら、滴下した。
表2:H1を含む本発明の配合物のレシピ
【0064】
【表2】
【0065】
2.ファサード塗料の初期耐雨性の測定
2.1 ファサード塗料の製造
表3の項目1および2を180mLポリエチレンカップに入れ、30mmの分散ディスクを備えたディスパーマットを用いて800rpmで5分間均質化した。続いて、撹拌しながら項目3~7を添加し、10分間混合した。その途中で速度を1500rpmに上げた。次に、一連の項目8~13を添加し、2500rpmで分散させた。30分後、分散ディスクをパドルスターラーと交換した。速度を800rpmに下げ、項目14および15を添加して混合した。最後に、結合剤(項目16)と増粘剤(項目17)を撹拌しながら添加した。その混合物を1000rpmでさらに10分間撹拌した。24時間後、初期耐雨性を測定した。
表3:ファサード塗料のレシピ
【0066】
【表3】
【0067】
2.2 初期耐雨性の測定
200μmスリットを備えたボックス型コーティングバーとコートマスター509MCフィルムアプリケーターとを使用して、ファサード塗料のフィルムと、比較ファサード塗料のフィルムとを、15mm/秒の速度で、黒色のLenetaフィルム上に適用した。次に、被覆フィルムを、事前に温度8℃、湿度80%に調整した環境制御キャビネット内に置いた。フィルムをキャビネット内で20分間乾燥させた。その直後、フィルムを45°の角度で固定し、スプレーボトルを用いて、毎回5.0mLの脱塩水を5回噴霧した。水が完全に流出するまで待機した。適用物を標準的な実験室条件下で24時間乾燥させた後、目視で評価した。
【0068】
使用した比較例は、比較ファサード塗料VF1、VF2およびVF3であった。
【0069】
VF1は、表3のレシピに従って、疎水化剤も項目15のカチオン性ポリマーも使用せずに製造した。
【0070】
VF2は、表3のレシピに従って、4.8重量%のH1のみを使用し、項目15のカチオン性ポリマーは使用せずに製造した。
【0071】
VF3は、表3のレシピに従って、さらに0.10gのカチオン性ポリマー溶液P4を使用して製造した。続いて、欧州特許第1250388号明細書の実施例1のプロセスレジームに従って、撹拌しながら比較ファサード塗料にP4を添加した。
【0072】
VF1の表面は不均質であり、多数の亀裂があることがわかった。さらに、表面には、Lenetaフィルムの下端にまで達する多数の厚い白い流出跡が見られた(図1を参照)。VF1の初期耐雨性は非常に悪いと評価した。
【0073】
VF2の表面も同様に不均質であり、わずかな亀裂があることがわかった。さらに、表面には、Lenetaフィルムの下端にまで達する多数の厚い白い流出跡が見られた(図2を参照)。VF2の初期耐雨性は悪いと評価した。
【0074】
VF3の表面は滑らかで均質であり、亀裂がないことがわかった。さらに、表面には、下端まで到達しない厚い白い流出跡がわずかに見られた(図3を参照)。VF3の初期耐雨性は中程度であると評価した。
【0075】
本発明によるファサード塗料の初期耐雨性を、比較ファサード塗料VF1、VF2およびVF3と比較した。よりわかりやすく表すために、VF1=1(非常に悪い)、VF2=2(悪い)、VF3=3(中程度)と設定した。
【0076】
表4は、本発明によるファサード塗料の初期耐雨性の結果を示す。本発明のファサード塗料F1~F3は、亀裂のない滑らかで均質な表面を有し、下端まで達していない個々の薄い白色の流出跡があることがわかった。F4およびF5は、亀裂のない滑らかで均質な表面を示し、下端まで達していない個々の薄い漏斗状のわずかに乳白色/混濁状~半透明の流出跡が見られた。この目的のために、一例として図4および図5を参照する。
【0077】
ファサード塗料の表面写真の例を図1図5に示す。
表4:初期耐雨性の目視評価
【0078】
【表4】
【0079】
したがって、疎水化剤と水溶性カチオン性ポリマーの組み合わせにより、初期耐雨性が向上することが示された。本発明による水性配合物を用いて製造されたコーティングは、疎水化剤および水溶性カチオン性ポリマーを含まないコーティング、疎水化剤のみを含むコーティング、そして水溶性カチオン性ポリマーのみを含む従来の方法で製造されたコーティングと比較して、初期耐雨性が向上していた。
【0080】
2.3 別の本発明の配合物の初期耐雨性
1.2と同様に、P4を含むH2に基づく本発明の配合物を、2つの濃度で製造した。表5を参照。その後、2.1と同様に、表3に従って、対応するファサード塗料を製造した。初期耐雨性の測定結果を表6に示す。
表5:H2およびP4を含む本発明の配合物のレシピ
【0081】
【表5】
【0082】
表6:別の疎水化剤での初期耐雨性
【0083】
【表6】
【0084】
相乗効果が他の疎水化剤でも起こることが示された。
【0085】
2.4 保管時の粘度の測定
貯蔵安定性を評価するために、ファサード塗料の粘度を測定した。この目的のために、本発明のファサード塗料F4、ならびに比較例としてVF3およびVF4を使用して粘度を測定した。VF4は、H1を使用せずに製造し、欧州特許第1250388号明細書の実施例1に従って、P4を比較ファサード塗料に添加した。
【0086】
ファサード塗料を50℃で保管し、24時間後、1週間後、および2週間後に、室温で粘度を測定した。結果を表7に示す。
表7:保管時粘度
【0087】
【表7】
【0088】
本発明による配合物を用いて製造された本発明によるファサード塗料の粘度は、比較例よりも、保管中に上昇する程度がはるかに低いことがわかった。したがって、ファサード塗料の貯蔵安定性に関して肯定的な意見を述べることが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】