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特開2024-138236エンハンスト画像センサのタイミングのための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138236
(43)【公開日】2024-10-08
(54)【発明の名称】エンハンスト画像センサのタイミングのための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/04 20060101AFI20241001BHJP
   H04N 25/76 20230101ALI20241001BHJP
   H04N 25/46 20230101ALI20241001BHJP
   H04N 13/296 20180101ALI20241001BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20241001BHJP
   G03B 35/08 20210101ALI20241001BHJP
   G03B 11/00 20210101ALI20241001BHJP
   G03B 15/14 20210101ALI20241001BHJP
【FI】
A61B1/04 531
H04N25/76
H04N25/46
H04N13/296
A61B1/045 611
A61B1/045 632
G03B35/08
G03B11/00
G03B15/14
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024083943
(22)【出願日】2024-05-23
(62)【分割の表示】P 2021539489の分割
【原出願日】2019-09-17
(31)【優先権主張番号】62/732,718
(32)【優先日】2018-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シャファー,デーヴィッド シー.
(72)【発明者】
【氏名】ディカルロ,ジェフリー エム.
(72)【発明者】
【氏名】マクドウォール,イアン イー.
(72)【発明者】
【氏名】トレジョ,マックス ジェイ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】医療装置の通常のイメージングと高度なイメージングとの組み合わせを提供する。
【解決手段】立体画像取込み装置は、第1の画像センサ321L、第2の画像センサ321R、第1のフレームタイマ325L、及び第2のフレームタイマ325Rを含む。第1及び第2のフレームタイマは異なるフレームタイマである。第1の画像センサは第1の複数のピクセル行を含む。第2の画像センサは第2の複数のピクセル行を含む。第1及び第2の画像センサは、別個の装置又は集積回路内のセンサ領域の異なる領域であり得る。第1のフレームタイマは、第1の画像センサに結合され、画像取込みタイミング信号を第1の画像センサに提供する。第2のフレームタイマは、第2の画像センサに結合され、画像取込みタイミング信号を第2の画像センサに提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像取込み装置であって、当該画像取込み装置は、
第1のピクセル・セルと、該第1のピクセル・セルに隣接する第2のピクセル・セルとを含む画像センサと、
非可視光をフィルタ処理するように構成された複数の個別の代替光フィルタであって、該複数の個別の代替光フィルタのうちの1つの個別の代替光フィルタが、前記第1のピクセル・セルの第1のピクセルのセットと、前記第2のピクセル・セルの第2のピクセルのセットとの両方を覆う、前記複数の個別の代替光フィルタと、
前記第1及び第2のピクセル・セルのピクセルを覆う複数の個別の可視光カラーフィルタであって、該個別の可視光カラーフィルタによって覆われる前記第1及び第2のピクセル・セルのピクセルは、前記個別の代替光フィルタによって覆われる前記第1及び第2のピクセルのセットとは異なる、前記複数の個別の可視光カラーフィルタと、を含む、
画像取込み装置。
【請求項2】
前記第1のピクセル・セルは、第1の2×2ピクセルアレイに配置された第1のピクセル、第2のピクセル、第3のピクセル、及び第4のピクセルを含み、前記第1のピクセル・セルの前記第3及び第4のピクセルは、前記第1の2×2ピクセルアレイの再下行にあり、
前記第2のピクセル・セルは、第2の2×2のピクセルアレイに配置された第1のピクセル、第2のピクセル、第3のピクセル、及び第4のピクセルを含み、前記第2のピクセル・セルの前記第1及び第2のピクセルは、前記第2の2×2のピクセルアレイの最上行にあり、
前記1つの個別の代替光フィルタによって覆われる前記第1及び第2のピクセルのセットには、前記第1のピクセル・セルの前記第3及び第4のピクセルと、前記第2のピクセル・セルの前記第1及び第2のピクセルのみが含まれ、
前記個別の可視光カラーフィルタによって覆われるピクセルには、前記第1のピクセル・セルの前記第1及び第2のピクセルと、前記第2のピクセル・セルの前記第3及び第4のピクセルのみが含まれる、請求項1に記載の画像取込み装置。
【請求項3】
前記個別の可視光カラーフィルタは、
前記第1のピクセル・セルの前記第1のピクセルを覆う赤色カラーフィルタと、
前記第1のピクセル・セルの前記第2のピクセルを覆う第1の緑色カラーフィルタと、
前記第2のピクセル・セルの前記第3のピクセルを覆う第2の緑色カラーフィルタと、
前記第2のピクセル・セルの前記第4のピクセルを覆う青色カラーフィルタと、を含む、請求項2に記載の画像取込み装置。
【請求項4】
前記画像センサに結合され、画像取込みタイミング信号を前記画像センサに提供して、該画像センサに、第1のフレームレートで第1の複数のフレームのピクセルデータを取り込ませるようにする第1のフレームタイマと、
追加の画像センサと、
該追加の画像センサに結合され、追加の画像取込みタイミング信号を前記追加の画像センサに提供して、該追加の画像センサに、前記第1のフレームレートとは異なる第2のフレームレートで第2の複数のフレームのピクセルデータを取り込ませるようにする第2のフレームタイマと、をさらに含む、請求項1に記載の画像取込み装置。
【請求項5】
前記第1のフレームタイマによって提供される前記画像取込みタイミング信号は、前記画像センサに、N個のフレームのピクセルデータを取り込ませるように構成され、Nは1より大きく、
前記第2のフレームタイマによって提供される前記画像取込みタイミング信号は、前記画像センサが前記N個のフレームを取り込んでいる間に、前記追加の画像センサに、単一のフレームのピクセルデータのみを取り込ませるように構成される、請求項4に記載の画像取込み装置。
【請求項6】
前記第1のフレームタイマは、前記画像センサのピクセルを第1の露光時間に亘って露光するように構成され、
前記第2のフレームタイマは、前記追加の画像センサのピクセルを第2の露光時間に亘って露光するように構成され、
前記第1の露光時間は前記第2の露光時間とは異なる、請求項4に記載の画像取込み装置。
【請求項7】
前記第1のフレームタイマは、前記複数の個別の可視光カラーフィルタのうちの1つの個別の可視光カラーフィルタによって覆われた前記第1及び第2のピクセル・セル内のピクセルを同時にリセットするように構成される、請求項4に記載の画像取込み装置。
【請求項8】
前記第1のフレームタイマは、前記第1のピクセルのセット内の第1のピクセルと前記第2のピクセルのセット内の第2のピクセルとを同時に読み取るように構成される、請求項4に記載の画像取込み装置。
【請求項9】
当該画像取込み装置は、前記第1のフレームタイマによって読み取られた前記第1のピクセルと、前記第1のフレームタイマによって読み取られた前記第2のピクセルとをビニングするように構成される、請求項8に記載の画像取込み装置。
【請求項10】
前記画像センサは、複数の代替光フィルタ処理ピクセル・セルと交互に配置された複数の可視光カラーフィルタ処理ピクセル・セルをさらに含む、請求項1に記載の画像取込み装置。
【請求項11】
前記画像センサは、ベイヤーカラーフィルタアレイを含む、請求項1に記載の画像取込み装置。
【請求項12】
方法であって、当該方法は、
第1のピクセル・セルと、該第1のピクセル・セルに隣接する第2のピクセル・セルとを含む画像センサを提供するステップと、
複数の個別の代替光フィルタに非可視光をフィルタ処理させるステップであって、前記複数の個別の代替光フィルタのうちの1つの個別の代替光フィルタが、前記第1のピクセル・セルの第1のピクセルのセットと前記第2のピクセル・セルの第2のピクセルのセットとの両方を覆う、ステップと、
複数の個別の可視光カラーフィルタに可視光をフィルタ処理させるステップであって、前記複数の個別の可視光カラーフィルタは前記第1及び第2のピクセル・セルのピクセルを覆い、前記個別の可視光カラーフィルタによって覆われた前記第1及び第2のピクセル・セルのピクセルは、前記個別の代替光フィルタによって覆われた前記第1及び第2のピクセルのセットとは異なる、ステップと、を含む、
方法。
【請求項13】
前記第1のピクセル・セルは、第1の2×2ピクセルアレイに配置された第1のピクセル、第2のピクセル、第3のピクセル、及び第4のピクセルを含み、前記第1のピクセル・セルの前記第3及び第4のピクセルは、前記第1の2×2ピクセルアレイの最下行にあり、
前記第2のピクセル・セルは、第2の2×2ピクセルアレイに配置された第1のピクセル、第2のピクセル、第3のピクセル、及び第4のピクセルを含み、前記第2のピクセル・セルの前記第1及び第2のピクセルは、前記第2の2×2ピクセルアレイの最上行にあり、
前記1つの個別の代替光フィルタによって覆われる前記第1及び第2のピクセルのセットには、前記第1のピクセル・セルの前記第3及び第4のピクセルと、前記第2のピクセル・セルの前記第1及び第2のピクセルのみが含まれ、
前記個別の可視光カラーフィルタによって覆われるピクセルには、前記第1のピクセル・セルの前記第1及び第2のピクセルと、前記第2のピクセル・セルの前記第3及び第4のピクセルのみが含まれる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記個別の可視光カラーフィルタは、
前記第1のピクセル・セルの前記第1のピクセルを覆う赤色カラーフィルタと、
前記第1のピクセル・セルの前記第2のピクセルを覆う第1の緑色カラーフィルタと、
前記第2のピクセル・セルの前記第3のピクセルを覆う第2の緑色カラーフィルタと、
前記第2のピクセル・セルの前記第4のピクセルを覆う青色カラーフィルタと、を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記画像センサに結合された第1のフレームタイマに、画像取込みタイミング信号を前記画像センサに提供させて、該画像センサに、第1のフレームレートで第1の複数のフレームのピクセルデータを取り込ませるステップと、
追加の画像センサに結合された第2のフレームタイマに、追加の画像取込みタイミング信号を前記追加の画像センサに提供させて、該追加の画像センサに、前記第1のフレームレートとは異なる第2のフレームレートで第2の複数のフレームのピクセルデータを取り込ませるステップと、をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2018年9月18日に出願された、“METHOD AND SYSTEM FOR ENHANCED IMAGE SENSOR
TIMING”という表題の米国仮特許出願第62/732,718号に対する優先権を主張するものであり、この文献の内容は、その全体が参照により組み込まれる。
【0002】
本発明の態様は、医療装置のイメージング(imaging:画像化)、より具体的には、通常のイメージングと高度なイメージングとの組合せに関連する。
【背景技術】
【0003】
画像取込み装置が、低侵襲性手術で使用される。様々なイメージングモダリティ(可視シーン、蛍光シーン、赤外線シーン、ハイパースペクトルシーン)が、画像取込み装置を用いて実施される。しかしながら、各イメージングモダリティは、他のイメージングモダリティの対応する1つ又は複数のパラメータとは異なる1つ又は複数のパラメータ、例えば露光時間を利用する。これにより、あるイメージングモダリティ用に構成された画像(image)センサを異なるイメージングモダリティに使用することが困難になる。
【0004】
立体画像取込みシステムが使用され、画像センサが可視カラーシーンを取り込むように最適化される場合に、異なるイメージングモダリティに単一の画像センサを使用する問題はさらに複雑になる。知られているように、画像センサは、時間の経過とともに光を取り込んで統合(integrate:積分)するピクセルを含む。ピクセルに利用可能なチップの面積を最大化するために、画像センサ上の他の回路は最小限に抑えられている。
【0005】
例えば、立体視の相補型金属-酸化物-半導体(CMOS)センサ集積回路では、センサ領域は2つの領域に分割され、第1の領域は左のシーンを取り込むピクセルを含み、第2の領域は右のシーンを取り込むピクセルを含む。センサ領域の両方の領域には、行及び列に配置されたピクセルがある。センサ領域の各行に関連付けられたリセットライン及び行選択ライン、及びセンサ領域の各行の各ピクセルに関連付けられた読み取りラインがある。集積回路に必要なロジックを最小限に抑えるために、共通のフレームタイマ論理回路を使用して、両方のセンサ領域のリセットライン及び行選択ラインを駆動する。
【0006】
図1は、ローリングシャッターを利用してピクセルデータのフレームを取り込むCMOSセンサ集積回路のタイミング図である。タイミング図は、立体画像取込み装置の両方のチャネルについて同じである。図1では、N番目のフレーム101が取り込まれ、続いてN+1(番目の)フレーム102、及びN+2(番目の)フレーム103が取り込まれる。N+1フレーム102は、フレーム102と呼ばれることもある。
【0007】
この例では、N+1フレーム102のラインゼロの取込みが考慮される。(ピクセルのライン及びピクセルの行は同じものである。)フレーム102のピクセルの各ラインの取込みは、ライン0の取込みと同じである。同様に、各フレームは、フレーム102と同じ方法で取り込まれる。全てのラインが同時に取り込まれるわけではなく、例えば、画像取込み装置は、所定の時間後に光がピクセルに到達するのを阻止するメカニカルシャッターを有していない。むしろ、各ピクセル行が順次読み取られる。これは、フレーム102の対角線102_Sで示される。各水平線の右端にある丸い点(ドット)は、行選択ラインがアクティブになり、行の各ピクセルの値をその行の読取りラインで読み取ることができることを示す。
【0008】
ピクセルが既知の時間間隔に亘って電荷を再び蓄積するのを可能にするために、行0の各ピクセルのリセットライン上の信号がアクティブになり、各ピクセルを既知の状態に設定する。
【0009】
アクティブなリセット信号に続いて、ピクセルは、行ゼロ選択ライン上の信号がアクティブになるまで、ピクセルに入射する光に対応する電荷を蓄積し、次に、ピクセルに蓄積された電荷は、行に関連する読取りラインで利用可能になる。フレーム内の各行は同じ方法に読み取られる。全ての行が読み取られると、フレームを規定できるように空白(blank: BLNK)の行が読み取られる。空白の行は、電源の負荷が一定に保たれることを保証するので、取り込まれたフレームのノイズを低減する。
【発明の概要】
【0010】
装置のビデオ視聴能力は、エンハンスト(enhanced:強化された)フレームタイマを装置に組み込み、可視シーンと代替モダリティシーンとの両方の感度を高めることによって強化される。例えば、立体画像取込み装置は、第1の画像センサ、第2の画像センサ、第1のフレームタイマ、及び第2のフレームタイマを含む。第1及び第2のフレームタイマは異なるフレームタイマである。第1の画像センサは、第1の複数のピクセル行を含む。第2の画像センサは、第2の複数のピクセル行を含む。第1及び第2の画像センサは、別個の装置又は集積回路内のセンサ領域の異なる領域であり得る。第1のフレームタイマは、第1の画像センサに結合され、画像取込みタイミング信号を第1の画像センサに提供する。第2のフレームタイマは、第2の画像センサに結合され、画像取込みタイミング信号を第2の画像センサに提供する。
【0011】
デュアルフレームタイマは多くの利点を提供する。例えば、画像センサのうちの1つに信号を提供するように一方のフレームタイマを構成し、それによって、この画像センサが通常のビデオレートでフレームを取り込むことができる。他の画像センサに信号を提供するように他方のフレームタイマを構成し、それによって、他の画像センサが通常のビデオレートよりも遅いレートでシーンを取り込むことができる。これにより、他の画像センサが利用可能な光をより長期間に亘って統合できるため、信号対雑音比が向上する。具体的には、一態様では、第1のフレームタイマは、第1の画像センサにおいてN個のフレームを順次取り込むための画像取込みタイミング信号を提供するように構成される。第2のフレームタイマは、第1の画像センサにおいて取り込まれるN個のフレーム毎に、第2の画像センサにおいて1つのフレームを取り込むための画像取込みタイミング信号を提供するように構成される。こうして、第2の画像センサによって取り込まれた各フレームは、第1の画像センサよりも長い期間に亘って入射光を統合する。これは、第1のフレームタイマが、第1の露光時間に亘って、第1の複数のピクセル行の各行を露光するように構成され、且つ第2のフレームタイマが、第2の露光時間に亘って、第2の複数のアクティブなピクセルの各行を露光するように構成される場合にも達成でき、ここで、第1の露光時間は、第2の露光時間とは異なる。
【0012】
改善した信号対雑音比は、複数のピクセルビニングでも得ることができる。この態様では、立体画像取込み装置の第1の画像センサは、例えば、第1の複数のピクセル行に亘るベイヤー(Bayer)カラーフィルタアレイを含む。第1の画像センサの第1の複数のピクセル行の各位置には、ベイヤーピクセルのセットが含まれる。第1のフレームタイマ回路は、ベイヤーピクセルの各セットを一行に組み合わせて単一の出力ピクセルを形成するように構成される。
【0013】
一態様では、複数ピクセルビニングは、画像センサと呼ばれることもある画像取込みセンサのうちの1つのセンサについてより長い露光時間で組み合わされて使用される。例えば、立体画像取込み装置の第1の画像センサは、第1の複数のピクセル行に亘ってベイヤーカラーフィルタアレイを含む。第1の画像センサの第1の複数のピクセル行の各位置には、ベイヤーピクセルのセットが含まれる。第1のフレームタイマ回路は、ベイヤーピクセルの各セットを一行に組み合わせて単一の出力ピクセルを形成するように構成される。第1のフレームタイマは、第1の露光時間に亘って、第1の複数のアクティブなピクセル行の各行を露光するようにも構成される。第2のフレームタイマは、第2の露光時間に亘って、第2の複数のピクセル行の各行を露光するように構成される。第1の露光時間は第2の露光時間とは異なる。これは、例えば、手術部位のモノクロシーンに蛍光シーン等の増強された(augmented)シーンを重ね合わせたい場合に有利である。
【0014】
一態様では、第1の複数のピクセル行は、複数のピクセル・セルを含む。複数のピクセル・セルのそれぞれが、複数のピクセルを含む。この態様では、第1の画像センサはまた、複数の異なる個別の可視光カラーフィルタを含む可視光カラーフィルタアレイと、複数の個別の代替光フィルタを含む代替光フィルタアレイとを含む。複数の個別の代替光フィルタのうちの1つの個別の代替光フィルタは、複数のピクセル・セルのうちの第1のピクセル・セル内の複数のピクセルのうちの第1のピクセルのセットと、複数のピクセル・セルのうちの第2のピクセル・セル内の複数のピクセルのうちの第2のピクセルのセットとの両方を覆う(cover:カバーする)。第1のピクセル・セルは第2のピクセル・セルに隣接している。複数の異なる個別の可視光カラーフィルタのそれぞれは、第1及び第2のピクセルのセット内の異なるピクセルを覆う。複数の異なる個別のカラーフィルタの個々の可視光カラーフィルタによって覆われるピクセルは、個別の代替光フィルタによって覆われるピクセルとは異なる。
【0015】
この態様では、第1のフレームタイマは、異なる個別の可視光カラーフィルタのうちの1つによって覆われる第1及び第2のピクセル・セル内のピクセルを同時にリセットするように構成される。フレームタイマはまた、複数の異なる個別の可視光カラーフィルタのうちの1つによって覆われる第1のピクセル・セルの第1のピクセルと、複数の異なる個別の可視光カラーフィルタのうちの1つによって覆われる第2のピクセル・セルの第2のピクセルとを同時に読み取るように構成される。
【0016】
第1のフレームタイマはまた、複数のピクセル・セルのうちの第1のピクセル・セル内の複数のピクセルのうちの第1のピクセルのセット内の第1のピクセルと、複数のピクセル・セルのうちの第2のピクセル・セル内の複数のピクセルのうちの第2のピクセルのセットの第2のピクセルとを同時に読み取るように構成される。この態様では、画像取込み装置は、読み取った第1のピクセル及び読み取った第2のピクセルをビニングするように構成される。
【0017】
別の態様では、第1の画像センサは、複数の代替光フィルタ処理ピクセル・セルとインターリーブされた複数の可視光カラーフィルタ処理セルをさらに含む。
【0018】
さらに別の態様では、画像取込み装置は、画像センサを含む。画像センサは、複数のピクセル行と可視光カラーフィルタアレイとを含む。可視光カラーフィルタアレイは、複数の異なる個別の可視光カラーフィルタを含む。複数のピクセル行は、複数のピクセル・セルを含む。複数のピクセル・セルのそれぞれが、複数のピクセルを含む。ピクセル・セルの複数のピクセルの各ピクセルが、複数の異なる個別の可視光カラーフィルタのうちの異なるカラーフィルタによってカバーされる。フレームタイマは、画像センサに結合され、画像取込みタイミング信号を画像センサに提供する。フレームタイマは、ピクセル・セルの複数のピクセルを組み合わせて単一の出力ピクセルを形成するように構成される。
【0019】
更なる態様では、画像取込み装置は、複数のピクセル行、可視光カラーフィルタアレイ、及び代替光フィルタアレイを有する画像センサを含む。複数のピクセル行は、複数のピクセル・セルを含む。複数のピクセル・セルのそれぞれが、複数のピクセルを含む。可視光カラーフィルタアレイは、複数の異なる個別の可視光カラーフィルタを含む。代替光フィルタアレイは、複数の個別の代替光フィルタを含む。複数の個別の代替光フィルタのうちの1つの個別の代替光フィルタは、複数のピクセル・セルのうちの第1のピクセル・セル内の複数のピクセルのうちの第1のピクセルのセットと、複数のピクセル・セルの第2のピクセル・セル内の複数のピクセルのうちの第2のピクセルのセットとの両方を覆う。第1のピクセル・セルは第2のピクセル・セルに隣接している。複数の異なる個別の可視光カラーフィルタのそれぞれは、第1及び第2のピクセルのセット内の異なるピクセルを覆う。複数の個別の可視光カラーフィルタの個々の可視光カラーフィルタによって覆われるピクセルは、個々の代替光フィルタによって覆われるピクセルとは異なる。
【0020】
画像取込み装置は、画像センサに結合され、画像取込みタイミング信号を画像センサに提供するフレームタイマも含む。例えば、フレームタイマは、複数の異なる個別の可視光カラーフィルタのうちの1つによって覆われる第1及び第2のピクセル・セル内のピクセルを同時にリセットするように構成される。フレームタイマはまた、複数の異なる個別の可視光カラーフィルタのうちの1つによって覆われる第1のピクセル・セルの第1のピクセルと、複数の異なる個別の可視光カラーフィルタのうちの1つによって覆われる第2のピクセル・セルの第2のピクセルとを同時に読み取るように構成される。
【0021】
第1の方法は、第1のフレームタイマからの信号を用いて、第1の露光時間に亘って、立体画像取込み装置の第1の画像センサの第1の複数のピクセル行の各行を露光するステップを含む。この方法はまた、第2のフレームタイマからの信号を用いて、第2の露光時間に亘って、立体画像取込み装置の第2の画像センサの第2の複数のピクセル行の各行を露光するステップを含み、第1の露光時間は第2の露光時間とは異なる。
【0022】
別の方法は、複数のベイヤーピクセルを含む画像センサ内の位置から単一の出力ピクセルを出力するステップを含む。出力するステップは、フレームタイマによって、信号を用いてその位置で複数のベイヤーピクセルを組み合わせて単一の出力ピクセルを形成するステップである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】ローリングシャッターを用いてシーンを取り込むためのタイミング図である。
図2】代替のローリングシャッター画像取込みシーケンスの実施を可能にするエンハンスト・フレームタイマを含むコンピュータ支援手術システムの図である。
図3】立体画像取込み装置を含むコンピュータ支援手術システムの一部のより詳細な図であり、立体画像取込み装置の各チャネルがそれ自体のフレームタイマを有する。
図4図3の立体画像取込み装置においてローリングシャッターを用いて、異なる露光時間でシーンを取り込む一態様のタイミング図である。
図5図3の立体画像取込み装置においてローリングシャッターを用いて、異なる露光時間でシーンを取り込む一態様のより詳細なタイミング図である。
図6図3の立体画像取込み装置の一方のチャネルでN個のフレームが取り込まれる一方、図3の立体画像取込み装置の他方のチャネルで単一のフレームのみが取り込まれることを示す一般化された図である。
図7】単一の画像センサ及び単一のフレームタイマを有する画像取込み装置を含むコンピュータ支援手術システムの一部のより詳細な図である。
図8A】フレームタイマと、画像センサのピクセルアレイの一部との図であり、画像センサは、ピクセルアレイの各位置に複数のベイヤーピクセルと呼ばれることもあるベイヤーピクセルのセットを含むベイヤーカラーフィルタアレイを含む。
図8B】フレームタイマと、画像センサのピクセルアレイの一部との図であり、画像センサは、可視光カラーフィルタアレイ及び代替光フィルタアレイを含む。
図8C】フレームタイマと、画像センサのピクセルアレイの一部との別の例の図であり、画像センサは、可視光カラーフィルタアレイ及び代替光フィルタアレイを含む。
図9A図8Aのピクセルアレイの位置での複数のピクセルビニングのタイミング図である。
図9B図8Bの画像取込み装置のタイミング図である。
図9C図8Cの画像取込み装置の行0及び1のビニングされていないピクセルの読み取り及びリセットシーケンスのタイミング図である。
図9D図8Cの画像取込み装置の行0及び1の4方向にビニングされたハイパースペクトルピクセルの読み取り及びリセットシーケンスのタイミング図である。
図9E図8Cの画像取込み装置の行2及び3のビニングされていないピクセルの読み取り及びリセットシーケンスのタイミング図である。
図9F図8Cの画像取込み装置の行2及び3の4方向にビニングされたハイパースペクトルピクセルの読み取り及びリセットシーケンスのタイミング図である。
図10】デュアルフレームタイマ論理回路及び様々なタイミングシーケンスを含む、図3の立体画像取込み装置を用いて得ることができるいくつかの組合せを示す図である。
図11図7の画像取込み装置を用いて実施することができるフレームタイマのタイミングシーケンスの様々な組合せを示す図である。 図面において、要素の参照符号の最初の桁は、その要素が最初に現れるその1桁の図番の図を示す。要素の参照符号の最初の2桁は、その要素が最初に現れる2桁の図番の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の態様は、手術装置、例えば、カリフォルニア州サニーベールのIntuitive Surgical, Inc.によって商品化されるda Vinci(登録商標)手術システム等のコンピュータ支援手術システムのビデオ取込み機能及びビデオ視聴機能を、エンハンスト・フレームタイマを組み込み、手術中に臨床的に関心のある組織又は他の態様を識別するために使用される可視シーンと代替モダリティシーンとの両方の感度を高めることによって、増強する。(da Vinci(登録商標)は、カリフォルニア州サニーベールのIntuitive
Surgical, Inc.の登録商標である。)本明細書では、コンピュータ支援手術システムを例として使用するが、本発明の態様は、代替イメージングモダリティを利用する任意の装置又はシステムで使用できる。
【0025】
エンハンスト・フレームタイマ122(図2)は、新しいタイプのピクセル制御シーケンスを利用し、これは、一態様では、デジタル論理において低オーバーヘッドで実現される。これらの制御シーケンスは、代替イメージングモード(ハイパースペクトル、蛍光、高ダイナミックレンジ等)の感度を強調するように設計される。
【0026】
画像取込みシステムの典型的な相補型金属-酸化物-半導体(CMOS)センサフレームタイマは、一組のステートマシンを使用して、画像センサピクセルアレイのリセット、転送、及び行選択ラインに対する信号を制御していた。これらのステートマシンは、典型的に、単純な一連のパルスを出力し、シャッター幅の調整及びシーンフリップ等を可能にする。典型的なフレームタイム回路は、使用される特定のピクセル・セル(例えば、4方向(four-way)共有ピクセル・セル)を中心に設計されるが、従来のイメージング用途では、低レベルのタイミング信号へのアクセスは許可されていない。典型的なフレームタイマ回路では、ユーザが、シャッター時間及び行時間又はフレームレートの設定、特定の高ダイナミックレンジ(HDR)モードのタイミングの変更等、限られたパラメーターセットからしか値を選択できない。ここで参照される4方向共有ピクセル・セルでは、多くの代替タイミングシーケンスが可能であるが、典型的な消費者向けに設計された従来のフレームタイマは、これらの共有ピクセル・セルを非共有アレイとして扱い、行毎及び列毎にピクセルをスキャンするだけである。一態様では、画像取込みシステム220のエンハンスト・フレームタイマ222は、以前のCMOSセンサフレームタイマで可能であったよりも多くのパルスのシーケンスを、画像センサ221のリセット、転送、及び行選択ラインで生成するのを可能にする強化された固定論理を含む。
【0027】
別の態様では、エンハンスト・フレームタイマ222は、ソフトフレームタイマで実現され、パルスシーケンスが、メモリ、例えばRAMブロックにダウンロードされ、エンハンスト・フレームタイマ222が、パルスシーケンスを読み取って、画像センサ221のリセット、転送、及び行選択ラインに対して信号を生成する。これは、フレームタイマ222を含む画像センサ221用のシリコンをリリースした後に、新しいシーケンスを追加できるという利点を有する。
【0028】
このため、本発明の態様は、画像センサ221に関連するエンハンスト・フレームタイマ222に新しい柔軟性を提供する。この柔軟性により、高度なイメージングモード(ハイパースペクトル、蛍光等)の露光を、画像センサ221での可視光イメージングに使用される露光から分離することができる。これにより、高度なイメージングデータのフレームレートを遅くする等、様々なトレードオフを行って感度を向上させることができる。
【0029】
エンハンスト・フレームタイマ122が高度なイメージング性能を改善する別の方法は、単一のフィルタ要素によって覆われるピクセルのオンチップビニング(binning)によるものである。オンチップビニングは、デジタル領域での個別のサンプリング及びビニングと比較してノイズ減少を提供する。典型的な画像センサは、モノクロセンサ又はベイヤーパターンのいずれかのピクセルをビニングする。しかしながら、画像センサ221に装着するために利用可能なハイパースペクトルフィルタは、典型的な画像センサのピクセルサイズよりも大きい。その結果、エンハンスト・フレームタイマ222により、ピクセル・セルは、画像センサ221のピクセルサイズだけでなく、所望のフィルタピクセルサイズに合わせて調整されたビニングを可能にするように選択される。
【0030】
ステレオ画像センサでは、画像センサ221上の2つのアクティブ領域は、通常、同期して読み取られ、これは、表示される3次元ビデオのアーチファクトを最小限に抑える。しかしながら、ステレオ画像センサが白色光イメージングと高度なイメージングとの組合せに使用される場合に、エンハンスト・フレームタイマ222は、取り込んだピクセルデータを送信のために単一のストリームに結合しながら、2つのアクティブ領域で異なる露光を可能にする。
【0031】
エンハンスト・フレームタイマ122はまた、画像センサ221のアクティブ領域の異なるライン、又はステレオ画像センサのアクティブ領域のうちの1つを異なるフィルタ材料で覆うことによって、より感度の高い高度なイメージングを可能にする。例えば、一方のアクティブ領域は可視イメージング用に設定され、他方のアクティブ領域はフィルタなしで蛍光イメージング用に設定される。
【0032】
大抵の場合に、可視光シーンとともに高度なイメージングデータを同時に取得することが望ましい。エンハンスト・フレームタイマ222は、1つの画像センサの色毎又は行毎に異なる露光設定を従来のビデオ画像とインターレースするための方法を利用する。高度なイメージングモードに使用される代替ピクセルタイミングシーケンスは、例えば、典型的なベイヤーパターンの緑色のピクセルを異なるように露光することによって、高ダイナミックレンジの可視光イメージングにも使用できる。
【0033】
最後に、高度なイメージングを有効にするために使用される同じフレームタイマの強化は、従来のイメージングにおいてノイズ性能を改善するために、異なる色を異なる量だけ露光する簡単な手段を可能にする4方向共有ピクセル・セルを用いて、標準のベイヤーパターンに適用することができる。
【0034】
図2は、コンピュータ支援手術システム200、例えばda Vinci(登録商標)手術システムの高レベルの概略図である。この例では、外科医コンソール210を使用する外科医は、ロボットマニピュレータアーム213を用いて内視鏡201を遠隔操作する。外科医は、他のロボットマニピュレータアームに取り付けられた手術器具を操作することもできる。コンピュータ支援手術システム200に関連する他の部品、ケーブル等が存在するが、これらは、本開示を損なうことを避けるために、図2には示していない。コンピュータ支援手術システムに関する更なる情報は、例えば、米国特許出願公開第2008-0065105号(2007年6月13日に出願;“Minimally Invasive Surgical System”を開示)、及び米国特許第6,331,181号(2001年12月18日に出願;“Surgical Robotic Tools, Data Architecture,
and Use”を開示)に見出すことができ、これらの文献は両方とも参照により本明細書に組み込まれる。
【0035】
照明システム(図示せず)が、内視鏡201に結合されるか、代替的に内視鏡201内に含まれる。一態様では、照明システムは、白色光照明、又は白色光照明と代替のイメージングモード照明、例えばハイパースペクトル照明との組合せを提供する。一態様では、この光の全部又は一部は、内視鏡201内の少なくとも1つの照明経路に結合される。別の態様では、照明源は、内視鏡201の先端チップに又はその近くに配置される。一態様では、可視白色光照明と代替イメージングモード照明との両方は、外科的処置の間一定である。別の態様では、可視照明は時間的に一定であるが、代替イメージングモード照明のスペクトルは時間とともに変化する。
【0036】
この態様では、内視鏡201からの光は、患者211の組織203を照らす。内視鏡201は、一態様では、組織203からの光を画像センサ221に渡す2つの光チャネル、例えば左光チャネル及び右光チャネルを含む立体内視鏡であり、この画像センサ221は、一方が左のシーンを取り込み、他方が右のシーンを取り込む2つの感知領域を含む。別の態様では、内視鏡201は、組織からの光を画像センサ221に渡すための単一の光チャネルを含むモノスコピック内視鏡であり、この場合に、画像センサ221は単一の感知領域を含む。
【0037】
以下により完全に説明するように、両方のタイプの内視鏡について、反射された白色光は、画像取込みシステム220によって可視光フレームとして取り込まれる。可視光フレームは、例えば組織のシーンを含む可視シーンを含み、可視光フレームは、可視フレームと呼ばれることもある。組織から反射された非可視光及び/又は放出光は、画像取込みシステム220によって光増強(augmented light)フレームとして取り込まれる。光増強フレームには、例えば、組織203のハイパースペクトルシーン又は内視鏡201の視野内の他の特徴、又は組織203からの蛍光が含まれる。別の態様では、光増強フレームは、異なって露光されるピクセルを含み、これは、高ダイナミックレンジシーンを生成する際に使用することができる。光増強フレームは、増強フレームと呼ばれることもある。
【0038】
一態様では、画像取込みシステム220のカメラは、内視鏡201の基端部に取り付けられる。別の態様では、カメラは、内視鏡201の先端部に取り付けられる。ここで、カメラは、少なくともフレームタイマ及び画像センサを含む。ここで、先端とは手術部位に近いことを意味し、基端とは手術部位から遠いことを意味する。カメラは、一態様では、同じフロントエンド(front end)光学系を介して可視フレーム及び増強フレームを取り込む。これは、例えばハイパースペクトルフレームを取り込むために特別なフロントエンド光学系を利用するシステムとは対照的である。
【0039】
図3は、図2のコンピュータ支援手術システム200の一例の態様のより詳細な図である。図3の実施形態では、コンピュータ支援手術システム200は、組合せ光源310である照明器を含む。組合せ光源310は、可視光照明器311、例えば白色光源と、光増強照明器312を含む。組合せ光源310が以下でより完全に説明する能力を有する限り、照明器311及び312の特定の実施態様は重要ではない。
【0040】
この態様では、組合せ光源310は、組織203を照明するために、立体視内視鏡201内の少なくとも1つの照明経路と併せて使用される。一態様では、組合せ光源310は、少なくとも2つの動作モード:通常の観察モード及び増強された観察モードを有する。
【0041】
通常の観察モードでは、可視光照明器311は、組織203を白色光で照明する照明を提供する。光増強照明器312は、通常の観察モードでは使用されない。
【0042】
増強された観察モードでは、可視光照明器311は、組織203を白色光で照明する照明を提供する。一態様では、光増強照明器312は、ハイパースペクトル光、例えば近赤外スペクトルの光、或いは蛍光を励起する光で組織203を照明する照明を提供する。
【0043】
ハイパースペクトル照明の例としての近赤外光の使用は、例示に過ぎず、この特定の態様に限定することを意図するものではない。本開示を考慮して、この分野に精通している者は、取り込まれた可視フレームの非顕著な特徴を、取り込まれた増強フレームにおいて顕著にするハイパースペクトル照明を選択することができる。
【0044】
一態様では、可視光照明器311は、異なる可視色照明成分のそれぞれに関する光源を含む。赤-緑-青の実施態様の場合に、一例では、光源は、レーザ:赤レーザ、2つの緑レーザ及び青レーザである。一態様では、可視光照明器311からの光は、光が人間の目に紫色の色合いで見えるように形成されたそのスペクトルを有する。国際公開第2015/142800号を参照されたい。この文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0045】
可視光照明器311におけるレーザの使用は、例示に過ぎず、限定することを意図するものではない。可視光照明器311は、例えば、レーザの代わりに複数の発光ダイオード(LED)源を用いて実現することもできる。あるいはまた、可視光照明器311は、楕円形の後方反射器及びバンドパスフィルタコーティングを含むキセノンランプを使用して、可視シーンのための広帯域白色照明光を形成することができる。キセノンランプの使用も例示に過ぎず、限定することを意図するものではない。例えば、高圧水銀アークランプ、他のアークランプ、又は他の広帯域光源を使用してもよい。
【0046】
光増強照明器312の実施態様は、関心のある光スペクトルに依存する。典型的には、1つ又は複数のレーザモジュール、1つ又は複数の発光ダイオードが、光増強照明器312として使用される。
【0047】
通常の及び増強された観察モードでは、可視光照明器311からの光、又は可視光照明器311からの光及び光増強照明器312からの光は、コネクタ316に向けられる。コネクタ316は、光を立体内視鏡201の照明経路に提供し、次に、この光を組織203に向ける。コネクタ316及び立体内視鏡201の照明経路のそれぞれは、例えば、光ファイバ束、単一の剛性又は可撓性ロッド、又は光ファイバを用いて実現することができる。
【0048】
手術部位203からの光(図3)は、内視鏡201内の立体視光チャネル、例えば左光チャネル及び右光チャネル、或いは第1の光チャネル及び第2の光チャネルによって、カメラ320L、320Rに渡される。2台の分離したカメラ320L及び320Rの使用は、説明及び議論を容易にするためのものであり、2台の分離したカメラ又は2台の分離した画像取込みユニットが必要であると解釈すべきではない。カメラ320L及び320Rの構成要素を1つのユニットに組み合わせることができる。
【0049】
以下により完全に説明するように、左カメラ320Lは、左画像センサ321Lを含む。左画像センサ321Lは、立体内視鏡302の左チャネルから受け取った光を左フレーム322Lとして取り込む。同様に、右カメラ320Rは、右画像センサ321Rを含む。右画像センサ321Rは、立体内視鏡302の右チャネルから受け取った光を右フレーム322Rとして取り込む。左画像センサ321L及び右画像センサ321Rは、別個のセンサ又は単一のセンサの異なるアクティブ領域であり得る。また、左及び右の使用は、第1のセンサと第2のセンサとの区別を容易にすることを目的としている。
【0050】
カメラ320Lは、フレームタイマ325Lと呼ばれることもある第1のフレームタイマ回路325Lを含み、このフレームタイマ325Lは、この態様では、左カメラ制御ユニット330L及び左画像センサ321Lに結合される。カメラ320Rは、フレームタイマ325Rと呼ばれることもある第2のフレームタイマ回路325Rを含み、このフレームタイマ325Rは、この態様では、右カメラ制御ユニット330R及び右画像センサ321Rに結合される。各画像センサに個々のフレームタイマを使用すると、全ての画像センサに共通のフレームタイマを使用した構成と比較して、イメージング能力が強化される。個別のフレームタイマ325L、325Rを使用すると、一方の画像センサによって取り込まれる高度なイメージングモード(ハイパースペクトル、蛍光等)の露光を、他方の画像センサの可視光イメージングで使用される露光から分離できる。これにより、高度な画像(イメージング)データのフレームレートを遅くする等、様々なトレードオフを行って感度を向上させることができる。個別のフレームタイマを使用して高度なイメージング性能を向上させるもう1つの方法は、単一のフィルタ要素で覆われるピクセルをオンチップでビニングすることである。オンチップビニングは、デジタル領域での個別のサンプリング及びビニングと比較してノイズを減少させる。
【0051】
カメラ320Lは、左カメラ制御ユニット330L及び画像処理モジュール340によって、外科医コンソール210の立体視ディスプレイ351に結合される。画像処理モジュール340は、画像処理システム130の一部である。カメラ320Rは、右カメラ制御ユニット330R及び画像処理モジュール340によって、外科医コンソール210の立体視ディスプレイ351に結合される。カメラ制御ユニット330L、330Rは、システム処理制御モジュール362から信号を受信する。システム処理制御モジュール362は、システム300内の様々なコントローラを表す。
【0052】
表示モード選択スイッチ352は、ユーザインターフェイス361に信号を提供し、ユーザインターフェイス361は、次に、選択された表示モードをシステム処理制御モジュール362に渡す。システム処理制御モジュール362内の様々なコントローラは、照明コントローラ315を構成し、左右のカメラ制御ユニット330L及び330Rを構成して所望のシーンを取得し、取得したシーンを処理するために必要な画像処理モジュール340内の他の要素を構成し、それによって、外科医が要求したシーンを立体視ディスプレイ351に提示するようにする。画像処理モジュール340は、既知の画像処理パイプラインと同等の画像処理パイプラインを実現する。
【0053】
立体視ディスプレイ351上のビデオ出力は、例えば、フットスイッチ、手術器具を制御するために使用されるマスターグリップのダブルクリック、音声制御、及び他のスイッチング方法を使用することによって、通常の観察モードと増強された観察モードとの間でトグルされ(切り替えられ)得る。観察モードを切り替えるためのトグルは、図3において、表示モード選択スイッチ352として表される。
【0054】
中央コントローラ360及びシステム処理制御モジュール362は、以下により完全に説明する態様を除いて、従来のシステムと同様である。中央コントローラ360として説明されるが、中央コントローラ360は、実際には、任意の数のモジュールによって実装され得、各モジュールは、構成要素の任意の組合せを含み得ることを理解すべきである。各モジュール及び各構成要素は、ハードウェア、プロセッサ上で実行されるソフトウェア、ファームウェア、又はこれら3つの任意の組合せを含み得る。
【0055】
また、本明細書で説明するように、中央コントローラ360及びシステム処理制御モジュール362の機能及び動作は、1つのモジュールによって実行され得るか、又は異なるモジュール間で又はモジュールの異なる構成要素の間でさえ分割され得る。異なるモジュール又は構成要素の間で分割される場合に、モジュール又は構成要素は、1つの位置に集中化されるか、又は分散処理の目的でシステム200全体に分散され得る。こうして、中央コントローラ360及びシステム処理制御モジュール362は、いくつかの態様では両方がシステム200全体に分散されるので、単一の物理的エンティティを必要とするものとして解釈すべきではない。
【0056】
コンピュータ支援手術システムに関する更なる情報は、例えば、米国特許出願第11/762,165号(2007年6月23日に出願;“Minimally Invasive Surgical System”を開示)、米国特許第6,837,883号(2001年10月5日に出願;“Arm Cart for Telerobotic Surgical System”を開示)、及び米国特許第6,331,181号(2001年12月28日に出願;“Surgical Robotic Tools, Data Architecture, and Use”を開示)に見出すことができ、これらの文献は全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0057】
図3では、カメラ320L、320R、及び組合せ光源310は、内視鏡201の外部にあるものとして示される。しかしながら、一態様では、カメラ320L、320R、及び光源310は、内視鏡201の先端チップに含まれており、組織203に隣接している。また、左画像センサ321L及び右画像センサ321Rは、左フレームタイマ回路325L及び右フレームタイマ回路325Rを含む集積回路チップのセンサ領域の異なるアクティブ領域であり得る。
【0058】
システムコントローラ320(図3)は、例示及び理解を容易にするために統一された構造として示される。これは単なる例示であり、限定することを意図するものではない。システムコントローラ320の様々な構成要素は、離れて配置しても、依然として説明した機能を実行することができる。
【0059】
代替フレームタイミングによる立体画像取込み
いくつかの態様では、左画像センサ321Lによって取り込まれた第1のシーンは、立体視ディスプレイ351の左眼ビューアに提示され、右画像センサ321Rによって取り込まれた第2のシーンは、立体視ディスプレイ351の右眼ビューアに提示される。例えば、手術部位の通常のカラーシーンがユーザの左眼に提示され、手術部位の増強されたシーンがユーザの右眼に提示される。
【0060】
典型的には、一方の画像センサによって取り込まれた増強されたシーンは、他方の画像センサによって取り込まれたカラーシーンの強度よりも著しく強度が低い。以前は、強度の違いは、取り込んだシーンをデジタル処理することによって補償していた。残念ながら、これは、例えば、低い信号レベルを増幅することによって生じるノイズを導入する可能性がある。
【0061】
この態様では、フレームタイマ325L及び325Rは、左画像センサ321Lからのデータ及び右画像センサ321Rからのデータを異なるレートで読み取るように構成される。例えば、図4に示されるように、可視カラーシーン、すなわち、反射後の白色光シーンは、左画像センサ321Lによって通常のレート、例えば毎秒60フレームで取り込まれる。増強されたシーン、例えば蛍光シーン又はハイパースペクトルシーンは、右画像センサ321Rによって通常のレートよりも遅いレート、例えば毎秒30フレームで取り込まれる。図4は、左画像センサ321Lに対するフレームタイマ325Lによるローリングシャッターの実施態様と、右画像センサ321Rに対するフレームタイマ325Rによるローリングシャッターの実施態様とを示している。
【0062】
この例では、左画像センサ321L及び右画像センサ321Rのそれぞれは、(m+2)行のピクセル、つまり(m+1)アクティブ行及びダミー行を有すると想定される。こうして、アクティブ行には0~mまでの番号が付けられる。
【0063】
フレームタイマ325Lは、送信、リセット、及び選択ライン上で信号を繰り返し提供し、画像センサ321Lが、フレーム401L、402L、403L、404L、及び405Lのそれぞれを同じ方法で同じタイミングで取り込む。この例では、フレーム402L、特にフレーム402Lの行ゼロ(0)の取込みが考慮される。フレーム402Lにおける各ピクセル行の取込みは、行ゼロと同じである。
【0064】
前に指摘したように、ローリングシャッターでは、画像センサ321Lの全てのアクティブ行が同時に取り込まれるわけではない。例えば、カメラ320Lは、所定の時間後に光がピクセルに到達するのを阻止する機械的シャッターを有さない。むしろ、各ピクセル行が順次読み取られる。これは、フレーム402Lの対角線402L-Sによって示される。対角線402L-Sは、画像センサ321Lによるフレーム402Lの取込みのためのローリングシャッターを表す。フレーム401L、403L、404L、及び405Lには、それぞれ同等のローリングシャッター401L-S、403L-S、404L-S、及び405L-Sがある。
【0065】
行内の各ピクセルが電荷を再び蓄積できるようにするために、行のリセットライン上の信号がアクティブになる。図4の各水平線の左端にある四角は、その行のリセットライン上の信号がアクティブになることを表している。こうして、正方形402L-0-RSTは、フレーム402L内の行0のリセット信号がアクティブになることを表し、それによって、行0の各ピクセルが既知の状態に設定され、そのピクセルに入射する光に対応する電荷の蓄積を開始する。
【0066】
図4の各水平線の右端の丸いドット(点)は、その行の行選択ライン上の信号がアクティブになり、その行の各ピクセルの値が読み取られることを示す。行の各ピクセルが読み取られると、その行のシャッターが事実上閉じられる。こうして、ドット402L-0-SLCTは、フレーム402L内の行ゼロの行選択信号がアクティブになり、それによって、行ゼロの各ピクセルの値が読み取られることを表す。
【0067】
フレーム402L内の行0のピクセルが既知の状態に設定されてから、行0の行選択ラインがアクティブになり、行0のピクセル値が読み取られるまでの時間402L-0-EXPは、その行の露光時間である。こうして、フレームタイマ325Lは、前のフレーム内の行の行選択信号がアクティブにされてから、現在のフレーム内の行のリセット信号がアクティブになるまでの時間間隔を制御することによって、フレーム内の行の露光時間を制御することができる。
【0068】
フレーム内の全てのアクティブ行が読み取られると、画像センサ321Lのダミー行が読み取られる。ダミー行の読み取りに使用される時間間隔は、フレーム401Lについて時間間隔401L-BLNK、フレーム402Lについて時間間隔402L-BLNK、フレーム403Lについて時間間隔403L-BLNK、フレーム404Lについて時間間隔404L-BLNK、及びフレーム405について時間間隔405L-BLNKである。ブランキング(blanking)はビデオタイミングの典型的な特徴であるが、ブランキングは処理及び表示に役立ち、ここで説明するピクセルタイミングシーケンスのいずれかを使用するために任意のブランキング及びダミー行の読み出しを行う必要はない。
【0069】
ピクセルの行をリセットし、ピクセルの行を読み取ることに関するフレームタイマ325Rの動作は、フレームタイマ325Lについて今説明したものと同等であるが、様々な信号がより遅いレートでアクティブ化される。フレーム401Rは、フレーム402L及び403Lが取り込まれるのと同じ時間間隔で取り込まれる一方、フレーム402Rは、フレーム404L及び405Lが取り込まれるのと同じ時間間隔で取り込まれる。
【0070】
ライン401R-Sは、フレーム401Rのローリングシャッターを表す。正方形402R-0-RSTは、フレーム401R内の行0のリセット信号がアクティブになることを表し、それによって、行0の各ピクセルが既知の状態に設定され、そのピクセルに入射する光に対応する電荷の蓄積を開始する。ドット402R-0-SLCTは、フレーム401R内の行0の行選択信号がアクティブになることを表し、それによって、行0の各ピクセルの値が読み取られる。フレーム401R内の行0のピクセルが既知の状態に設定されてから、行0の行選択ラインがアクティブになり、行0のピクセル値が読み取られるまでの時間401R-0-EXPが、その行の露光時間である。
【0071】
フレーム401R内の全てのアクティブ行が読み取られると、画像センサ321Lのダミー行が読み取られる。ダミー行の読み取りに使用される時間間隔は、フレーム401Rについて時間間隔401R-BLNKである。
【0072】
こうして、図4は、左画像センサ321Lのフレームが通常のレートで読み取られる一方で、右画像センサ321Rのフレームが半分のレートで読み取られることを示している。これにより、右画像センサ321Rは、より長い期間に亘った入射光を統合することができ、これは、右画像センサ321Rで通常のレートでフレームを取り込み、次に取り込んだ信号をデジタル増幅する場合と比較して、信号対雑音比を改善する。
【0073】
図5は、フレームタイマ325L及び325Rによって生成されたリセット信号及び選択信号のより詳細なタイミング図である。タイミング図は、2つの画像センサの異なる露光時間を示すための関心対象フレーム用であることに注意されたい。図5には、図4のフレームの全ての信号が含まれているわけではない。
【0074】
図5のパルスの参照符号は、図4の対応する参照符号と同じである。しかしながら、図5には、いくつかの追加の参照符号がある。図4及び図5の参照符号に関するキー(重要なこと)は次のとおりである。
xxxy-s-名前、
ここで、xxxは図4のフレームの参照符号であり、
yは、この例では、そのチャネル(右又は左)を表し、
sは、行番号、アクティブ行の場合には0~m、ダミー行の場合にはDである。
そして、名前、RST=行のリセット、SLCT=行の選択、EXP=露光時間である。
【0075】
フレームタイマ325Lは、画像センサ321Lの0~mの各行に対して、アクティブ行リセット信号401L-0-RST~401L-m-RSTを時間的に順次に生成する。各行の露光時間に続いて、フレームタイマ325Lは、画像センサ321Lの0~mの各行に対して、アクティブ行選択信号401L-0-SLCT~401L-m-SLCTを時間的に順次に生成する。
【0076】
各アクティブ行がリセットされた後に、フレームタイマ325Lは、画像センサ321Lのダミー行に対してアクティブダミー行リセット信号401L-D-RSTを生成し、露光時間後に、フレームタイマ325Lは、画像センサ321Lのダミー行に対してアクティブ行選択信号401L-D-SLCTを生成する。ダミー行信号を生成した後に、フレームタイマ325Lは、画像センサ321Lによって取り込まれた後続のフレームのそれぞれについて、行リセット信号及び行選択信号を生成し続ける。
【0077】
フレームタイマ325Rの動作は、フレームタイマ325Lの動作とは異なる。フレームタイマ325Lは、画像センサ321Rの0~mの各行に対して、アクティブ行リセット信号401R-0-RST~401L-m-RSTを時間的に順次に生成するが、その後、フレームタイマ325Rは、アクティブ行リセット信号の生成を停止するか、又は次のフレームの取込みを開始する時間になるまで、ダミー行にアクティブリセット信号を生成する。
【0078】
画像センサ321Rにおける先行フレームの取込みが完了した後に、フレームタイマ325Rは、画像センサ321Rにおける0番目の行の露光時間401R-0-EXPが経過するまでダミー行選択信号401R-D-SLCTを生成し、その後フレームタイマ325Rは、画像センサ321Rの0~mの各行について、アクティブ行選択信号401R-0-SLCT~401L-m-SLCTを時間的に順次に生成する。
【0079】
この例では、画像センサ321Rによって取り込まれたフレームの露光時間は、画像センサ321Lによって取り込まれたフレームの露光時間の2倍長い。ただし、2つの画像センサを使用して露光の異なるシーンを取り込むこのアプローチは、図6に示されるように一般化できる。
【0080】
図6では、フレームタイマ325Lは、画像センサ321LにおいてN個のフレーム(フレーム0からフレーム(N-1))を順次に取り込むように構成される一方、フレームタイマ325Rは、画像センサ321Rにおいて1つのフレーム(フレーム0)を取り込む。ここで、Nは、一態様では、ゼロより大きい正の数である。こうして、画像センサ321Rに取り込まれたフレームの露光時間は、画像センサに取り込まれたフレームの露光時間のN倍である。図5はNが2の場合である。
【0081】
ピクセルビニング
以下により完全に説明するピクセルビニングの態様は、図3の立体視コンピュータ支援手術システム200又は図7の単視(monoscopic)システム700で実施することができる。図7では、画像センサ321、画像322、及びカメラ制御ユニット330は、画像センサ321R、321L、フレーム322R、322L、及びカメラ制御ユニット330R、330Lと同等であるため、これらの要素の説明はここでは繰り返さない。同様に、画像処理モジュール740、ディスプレイ751を含む外科医コンソール714、中央コントローラ760、及びシステム処理制御モジュール762は、図3の左又は右チャネルのいずれかについて、図3の対応する要素と同等である。内視鏡701が組織203からカメラ720に光を伝達する単一の光チャネルのみを有することを除いて、内視鏡302と同様である。こうして、単視システム700は、図3の左右のチャネルの一方が除去された図3のシステムと同等である。そのため、説明は図3の要素の説明の繰返しになるため、さらに詳細には説明しない。
【0082】
ベイヤーカラーフィルタアレイによる複数ピクセルビニング
図8Aは、新規のフレームタイマ825A及び4方向共有ピクセル・セルを含むCMOS画像センサ上のベイヤーカラーフィルタの代表的な部分の図である。こうして、図8Aは、ベイヤーカラーフィルタアレイ及びフレームタイマ825Aを含む画像センサ821Aを有する画像取込みユニットの一部の例である。画像センサ821A及びフレームタイマ825Aは、画像センサ321L及びフレームタイマ325L、画像センサ321R及びフレームタイマ325R、又は画像センサ321及びフレームタイマ325の例である。
【0083】
画像センサ内の各位置には、複数のピクセルが含まれる。図8では、4つの位置(0,0)、(0,1)、(1,0)、及び(1,1)のみが示される。各位置には、共有列ラインに接続された4つのピクセルが含まれており、これは4方向共有ピクセル・セルである。図示していない画像センサ821Aの他の位置は、対応する方法で配置される。
【0084】
この例では、各ピクセルは、ベイヤーカラーフィルタアレイのフィルタによって覆われる。知られているように、ベイヤーカラーフィルタアレイでは、フィルタの50%が緑色フィルタ、25%が赤色フィルタR、25%が青色フィルタBである。この例では、議論を容易にするために、緑色フィルタが、第1の緑色フィルタGr及び第2の緑色フィルタGbに分割される。この例では、2つの緑色フィルタは同じフィルタ染料(dye)を使用し、同じ波長範囲を通過させる。ベイヤーカラーフィルタアレイのフィルタと画像センサ821Aのピクセルとの間には1対1の対応関係があり、この態様では、画像センサ821Aの各ピクセルがベイヤーカラーフィルタアレイの異なるフィルタによって覆われることを意味する。ベイヤーカラーフィルタアレイを例として使用するが、カラーフィルタアレイがこの特定の構成である必要はない。異なる色又は異なる色の異なる比率を有するカラーフィルタアレイも、本明細書で説明する用途で使用することができる。
【0085】
赤色フィルタRで覆われたピクセルは、赤色ピクセルRと呼ばれる。第1の緑色フィルタGrで覆われたピクセルは、第1の緑色ピクセルGrと呼ばれる。第2の緑色フィルタGbによって覆われたピクセルは、第2の緑色ピクセルGbと呼ばれる。青フィルタBで覆われたピクセルは、青ピクセルBと呼ばれる。こうして、図8Aでは、各位置は、赤ピクセル、第1及び第2の緑ピクセル、及び青ピクセルを含む。また、図8A及び図8Bでは、行は垂直方向に延びるものとして示され、列は水平方向に延びるものとして示される。これは、説明を簡単にするためのものであり、画像センサの行及び列を特定の方向に制限するものと解釈すべきではない。以下でより完全に説明する構成は、行及び列の方向に関係なく同じように動作する。
【0086】
画像センサ821Aの各行ドライバは、異なる複数のピクセル行に接続される。第1の送信ラインTx_1は、行ドライバを、行ドライバに接続された第2行の各赤いピクセルに接続する。第2の送信ラインTx_2は、行ドライバを、行ドライバに接続された第2行の各第2の緑色ピクセルに接続する。第3の送信ラインTx_3は、行ドライバを、行ドライバに接続された第1行の各第1の緑色ピクセルに接続する。第4の送信ラインTx_4は、行ドライバを、行ドライバに接続された第1行の各青色ピクセルに接続する。
【0087】
リセットラインRESETは、行ドライバに関連付けられた2つの行の各位置で、行ドライバを、共有列ドライバSHAREDに接続する。選択ラインSELECTは、行ドライバに関連付けられた2つの行の各位置で、行ドライバを共有列ドライバSHAREDに接続する。一態様では、各共有列ドライバSHAREDは、単一のフローティング拡散電荷蓄積ノードである。
【0088】
フレームタイマ825Aは、複数のラインによって、画像センサ821Aの各行ドライバに接続される。この例では、複数のラインは21本のラインを含む。
【0089】
21本のラインのうちの10本のラインは、行アドレスラインROW_ADDR<9,0>である。行アドレスラインROW_ADDR<9,0>は、フレームタイマ825Aによってアクセスされている行のアドレスを伝送する。
【0090】
21本のラインのうちの3本のラインは、行選択ラインROW_SELECT、リセットセットラインRST_SET、及びリセットクリアラインRST_CLRである。行選択ラインROW_SELECT上のアクティブ信号により、行アドレスラインROW_ADDR<9,0>のアドレスによってアドレス指定された行ドライバに、選択ラインSELECT上でアクティブ信号を駆動させる。リセットセットラインRST_SET上のアクティブ信号により、行アドレスラインROW_ADDR<9,0>のアドレスによってアドレス指定された行ドライバに、リセットラインRESET上でアクティブ信号を駆動させる。
【0091】
リセットクリアラインRST_CLR上のアクティブ信号により、行アドレスラインROW_ADDR<9,0>のアドレスによってアドレス指定された行ドライバに、リセットラインRESET上で非アクティブ信号を駆動させる。
【0092】
21本のラインのうちの4本のラインは送信セットラインTX_SET<4,1>であり、21本のラインのうちの別の4本のラインは送信クリアラインTX_CLR<4,1>である。送信セットラインTX_SET<4,1>のそれぞれは、行ドライバを介して、第1の送信ラインTx_1、第2の送信ラインTx_2、第3の送信ラインTx_3、及び第4の送信ラインTx_4の異なる1つに結合される。例えば、送信セットラインTX_SET(1)は第1の送信ラインTx_1に結合され、送信セットラインTX_SET(2)は第2の送信ラインTx_2に結合される等される。同様に、送信セットラインTX_CLR<4,1>のそれぞれは、行ドライバを介して、第1の送信ラインTx_1、第2の送信ラインTx_2、第3の送信ラインTx_3、及び第4の送信ラインTx_4の異なる1つに結合される。例えば、送信クリアラインTX_CLR(1)は第1の送信ラインTx_1に結合され、送信クリアラインTX_CLR(2)は第2の送信ラインTx_2に結合される等される。
【0093】
送信セットラインTX_SET(1)上のアクティブ信号により、行アドレスラインROW_ADDR<9,0>のアドレスによってアドレス指定された行ドライバに、第1の送信ラインTx_1上でアクティブ信号を駆動させ、他の送信セットラインについても同様に駆動させる。送信クリアラインTX_CLR(1)上のアクティブ信号により、行アドレスラインROW_ADDR<9,0>のアドレスによってアドレス指定された行ドライバに、第1の送信ラインTx_1上で非アクティブ信号を駆動させ、他の送信ラインでも同様に駆動させる。
【0094】
リセットセットラインRST_SET、リセットクリアラインRST_CLR、送信セットラインTX_SET<4,1>、及び送信クリアラインTX_CLR<4,1>を使用すると、単一の行時間中にパルスを異なる行に送信することができ、それらのパルスの長さは、それら(パルス同士)の間の時間より長くなる可能性がある。送信セットラインTX_SET1がアクティブになると、行アドレスが一致する特定の第1の送信ラインTx_1ラインがアクティブになり、同じ第1の送信ラインTx_1が再びアドレス指定され、送信クリアラインTX_CLR1がアクティブになるまでハイ(high:高)のままになる。ラインTX_SETxとTX_CLRx、及びRST_SETとRST_CLRは、ラインTx_1等の長いパルスのエッジのタイミングを制御する短いパルスで駆動される。こうして、これらのラインを使用すると、単一の行時間中にパルスを異なる行に送信でき、それらのパルスの長さは、それら(パルス同士)の間の時間より長くなる可能性がある。
【0095】
この例では、タイミング(制御)は、特定のタイプの行ドライバ回路を使用し、各行をアドレス指定し、各行信号にラッチを使用してピクセル行制御ラインTXn、SEL、及びRESETに行くパルスを生成する。このロジックを実現する方法は他にもある。具体的には、ピクセル制御ラインの同じタイミングを他のタイプのロジックで生成でき、同じ概念が適用される。
【0096】
また、これらの例では、4方向共有ピクセル・セルが使用され、4方向共有ピクセル・セルの出力部分は、ベイヤーグループ内の4つのピクセルの間で共有される。これは、代替フレームタイミングに特に役立つが、ここに示す例は、他のピクセル共有構成にも適用できる。
【0097】
画像センサ821Aのピクセルアレイ、行ドライバ、行ドライバへの入力ライン、及び行ドライバの出力ラインのレイアウトは既知であり、そのため、本明細書ではより詳細に説明していない。新規の態様は、強化された画像センサタイミングを提供し、結果として強化されたイメージング能力を提供する、フレームタイマ825Aによって画像センサ821Aへの入力ライン上に提供される信号のシーケンスである。
【0098】
図8Aは、フレームタイマに結合された画像センサを含む画像取込み装置を表す。画像センサは、複数のピクセル行と可視光カラーフィルタアレイとを含む。可視光カラーフィルタアレイは、複数の異なる可視光カラーフィルタを含み、これらは、図8Aにおいて、赤、2つの緑、及び青の可視光カラーフィルタによって表される。複数のピクセル行は、複数のピクセル・セルを含み、複数のピクセル・セルのそれぞれが、複数のピクセルを含む。図8Aの例では、ピクセル・セルは、位置(0,0)、(0,1)、(1,0)、及び(1,1)によって特定される。ピクセル・セルの複数のピクセルの各ピクセルは、複数の異なる可視光カラーフィルタのうちの異なる1つによって覆われる。図8Aの例では、位置(0,0)の位置にあるピクセル・セルの複数のピクセルのそれぞれは、赤、2つの緑、及び青の可視光カラーフィルタのうちの1つによって覆われる。フレームタイマは、画像センサに結合され、画像取込みタイミング信号を画像センサに提供する。
【0099】
図9Aは、ローリングシャッターの一部としての図8Aの行の位置における4つのピクセルのピクセルビニングのタイミング図を示す。この態様では、フレームタイマ825Aは、各送信セットラインTX_SET<4,1>上のアクティブ信号及びリセットセットラインRST_SET上のアクティブ信号を同時に送信する。これらの信号に応答して、図9Aに示されるように、アドレス指定された行ドライバは、第1の送信ラインTx_1、第2の送信ラインTx_2、第3の送信ラインTx_3、及び第4の送信ラインTx_4のそれぞれのアクティブ送信信号と、ラインRESET上のアクティブリセット信号とを同時に駆動する。
【0100】
ピクセルを読み取るために、適切な露光時間の後に、フレームタイマ825Aは、各送信セットラインTX_SET<4,1>上のアクティブ信号と、行選択ラインROW_SELECT上のアクティブ信号とを同時に送信する。これらの信号に応答して、図9Aに示されるように、アドレス指定された行ドライバは、第1の送信ラインTx_1、第2の送信ラインTx_2、第3の送信ラインTx_3、及び第4の送信ラインTx_4のそれぞれのアクティブ送信信号と、行選択ラインSELECT上のアクティブ信号とを同時に駆動する。
【0101】
ある位置の4つのピクセル全てが共有列ラインに同時に接続され、例えば同時に読み取られるので、これは、アナログ段階で4つのピクセルを統合し、デジタル処理段階中に同じ統合を行うことに比べて信号対雑音レベルを改善する。このようにピクセルを組み合わせると、トレードオフが発生する。ノイズレベルを50%削減する代わりに、一部の空間解像度と同様に、全ての色情報が失われる。
【0102】
図7のように単一の画像センサが使用される場合に、このピクセルビニングを使用して、取り込んだシーンの信号対雑音比を改善することができる。図3のように立体画像センサを使用している場合に、一方の画像センサを使用して通常のフレームレートでカラーシーンを取り込み、他方のセンサを使用してピクセルビニングとともに低速のフレームレートでシーンを取り込むことができる。例えば図5に示されるように、フレームレートが低速のセンサのリセット及び選択信号は、より低速のフレームレート及びピクセルビニングが組み合わされるように、図9Aに関して説明されるように各行に対して生成される。あるいはまた、立体画像センサが使用される場合に、一態様では、両方の画像センサは、同じフレームレート、例えば通常のフレームレートでフレームを取り込むが、画像センサの一方は、ピクセルビニングを使用する。そのため、フレーム時間間隔毎に、完全な空間解像度のカラーフレームが、ノイズレベルの低い単色フレームとともに取り込まれる。両方のフレームには同じシーンが含まれており、2つのフレームの間の空間的な関係が既知である。
【0103】
可視光カラーフィルタアレイ及び代替光フィルタアレイによる複数ピクセルビニング
他の態様では、新規のフレームタイマ及び4方向共有ピクセル・セルを含むCMOS画像センサ上の可視光カラーフィルタ及び代替光(ハイパースペクトル又は他の波長帯域)フィルタのインターリーブアレイが使用される。
【0104】
本明細書では、代替光フィルタは、可視光以外をフィルタリングするフィルタを指す。代替光フィルタは、複数の個別の代替光フィルタを含み、各代替光フィルタは、1つ又は複数の画像センサピクセルを覆うように構成され、典型的に、複数の画像センサピクセルを覆うように構成される。個々の代替光フィルタは、代替光フィルタのピクセルと呼ばれることもある。同様に、可視光カラーフィルタアレイは、複数の異なる個別の可視光カラーフィルタを含む。
【0105】
有機染料を使用する可視カラーフィルタアレイ、例えばベイヤーカラーフィルタアレイは、よく知られており、小さい(<2μm)ピクセルに適用することができる。他の波長、波長の狭い帯域、又は光の偏光を選択できる他のフィルタ技術もよく知られているが、これらの代替フィルタに必要な製造プロセスのため、画像センサのピクセルサイズに匹敵するフィルタピクセルサイズを生成できないため、現在、典型的な画像センサに見られる小さなピクセル構造には適用できない。典型的に、代替フィルタのピクセルサイズは、画像センサのピクセルサイズの倍数である。
【0106】
内視鏡で使用される画像センサのこの問題を克服するために、単一の画像センサを使用して、図9Bに示されるようなフィルタ構造を用いて、従来のカラー画像と他の波長帯域の画像との両方を取り込む。代替光フィルタのより大きなピクセルサイズを補償するために、単一ピクセルの赤-緑-青(RGB)フィルタは、個々の代替光フィルタのアレイとインターリーブされ、この例では、個々の代替光フィルタは、画像センサの2×2ピクセル・セルを覆う。
【0107】
4方向共有ピクセル・セルを有する画像センサの特定の構造、フィルタアレイのマッチング構成(配置)、及びセンサのフレームタイマにおける特定のタイミングシーケンスの使用により、画像センサレイのRGBピクセルのノイズ又はフレームレートを犠牲にすることなく、代替フィルタ信号のノイズの利点を得ることができる。この操作では、4方向共有ピクセル接続を利用する。図8Aに関して上で述べたように、4方向共有ピクセル・セルは、4つのピクセルのグループの間で単一のフローティング拡散電荷蓄積ノードを共有する。
【0108】
フローティング拡散電荷蓄積ノードSHAREDは、共有列ドライバSHAREDと呼ばれることもあり、リセットラインRESETをパルシング(pulsing)することによってリセットすることができ、選択ラインSELECTをパルシングすることによってバッファリングして列出力ラインに接続することができる。フローティング拡散電荷蓄積ノードSHAREDは、1つ又は複数の対応する送信ラインをパルシングすることにより、周囲の4つのピクセルのいずれか又は全てに接続することもできる。
【0109】
4方向共有ピクセル・セルが、周囲の4つのピクセルのいずれかをフローティング拡散電荷蓄積ノードSHAREDに(そのため、リセット及び/又は出力に)接続する柔軟性を有するので、接続は、フレームタイマ825Bからのパルスを使用する送信ライン上のピクセルで行うことができ、それによって、1つのピクセル行に接続された各送信ラインがパルスされるときに、フローティング拡散電荷蓄積ノードSHAREDに接続された行のピクセルがパターンで接続されるようにする。
TX_1: 1 - - 1 1 - - 1 1 - - … - - 1
TX_2: - 2 2 - - 2 2 - - 2 2 … 2 2 -
ここで、TX_1は、複数の4方向共有ピクセル・セルの一方の行への送信ラインを指し、TX_2は、複数の4方向共有ピクセル・セルの他方の行への送信ラインを指す。こうして、図8Bに示されるように、フィルタは、次に、千鳥状パターンで配置され、それによって、ベイヤーアレイ内の4つの色は、2つの異なるピクセル共有セルの間で分割される。各行の2つのカラーピクセルは、異なるフローティング拡散電荷蓄積ノードSHAREDに接続されるため、適切なタイミングシーケンスを使用して、2つのカラーピクセルを同時に読み取ることができる。
【0110】
2つの異なるピクセル共有セルの間でのベイヤーアレイの4つのカラーの分割は、代替フィルタピクセルも分割することを強制するが、列に接続された2つのピクセルの電荷は、余分なノイズを追加することなく、読み出し中にフローティング拡散電荷蓄積ノードSHAREDにおいて組み合わせることができる。単一のフィルタ位置に対応する列のペアは、(信号がデジタル化される前に)列増幅器の出力で電圧として組み合わせることができる。最終的な結果は、アレイ内の他のピクセルの空間的又は時間的解像度を失うことなく、代替フィルタピクセルの読み出しを低ノイズにする。そのため、この例では、ハイパースペクトルフィルタアレイを構成する個々のハイパースペクトルフィルタは、カラーアレイフィルタの個々の部分に対して千鳥状にされる(ずらされる)ため、1つの行が読み取られると、ハイパースペクトルピクセルの2行分の電荷をビニングできるが、カラーピクセルは、個別に読み取ることができず、ビニングされない。
【0111】
上記の電荷領域の選択的ピクセルビニングに加えて、個々の代替光フィルタを含むピクセルに向かう送信ラインTX_xの特定のリセット及び読み取りシーケンスを省略する、送信ラインTX_xの同様のパルスシーケンスによって、露光時間を選択的に延長することも可能である。
【0112】
こうして、図8Bは、新規のフレームタイマ825B及び4方向共有ピクセル・セルを含むCMOS画像センサ上のベイヤーカラーフィルタアレイ及び代替光フィルタアレイ、例えばハイパースペクトルフィルタアレイの代表的な部分の図である。この例では、フレームタイマ825Bは、図9Bに示されるパルスシーケンスを生成するように構成される。
【0113】
図8Bは、ベイヤーカラーフィルタアレイ及び代替光フィルタアレイを含む画像センサ821Bとフレームタイマ825Bとを有する画像取込みユニットの一部の例である。画像センサ821B及びフレームタイマ825Bもまた、画像センサ321L及びフレームタイマ325L、画像センサ321R及びフレームタイマ325R、又は画像センサ321及びフレームタイマ325の例である。
【0114】
画像センサ821B内の各位置には、複数のピクセルが含まれる。図8Bでは、6つの位置(0,0)、(0,1)、(0,2)、(1,0)、(1,1)、(1,2)のみが示され、ここで、各位置には、共有列ラインに接続された4つのピクセルが含まれており、これは4方向共有ピクセル・セルである。図示していない画像センサ821Bの他の位置は、対応する方法で配置される。
【0115】
この例では、4方向共有ピクセル・セル内のいくつかのピクセルは、ベイヤーカラーフィルタアレイのフィルタによって覆われる一方、4方向共有ピクセル・セル内の他のピクセルは、代替光フィルタアレイのフィルタによって覆われる。上述したように、ベイヤーカラーフィルタアレイの赤色フィルタRによって覆われるピクセルは、赤色ピクセルRと呼ばれる。ベイヤーカラーフィルタアレイの第1の緑色フィルタGrによって覆われるピクセルは、第1の緑色ピクセルGrと呼ばれる。ベイヤーカラーフィルタアレイの第2の緑色フィルタGbによって覆われるピクセルは、第2の緑色ピクセルGbと呼ばれる。ベイヤーカラーフィルタアレイの青色フィルタBで覆われるピクセルは、青色ピクセルBと呼ばれる。
【0116】
代替光フィルタアレイの個別の代替光フィルタによって覆われるピクセルのグループ内のピクセルは、同じ参照符号Pjによって表され、ここで、jは整数であり、代替光フィルタ処理ピクセル(alternative light filtered pixels:代替光フィルタによってフィルタ処理されたピクセル)と呼ばれる。上に示したように、この例では、個々の代替光フィルタは、画像センサ821Bの2×2ピクセル・セルを占めるが、ピクセルPjは、隣接する4方向共有ピクセル・セルの間で分割される。こうして、画像センサ821Bでは、位置(0,0)、(0,1)、(0,2)、(1,0)、(1,1)、(1,2)の各4方向共有ピクセル・セルは、複数の可視光カラーフィルタ処理ピクセル(visible light color filtered pixels)及び複数の代替光フィルタ処理ピクセルを含む。
【0117】
特に、位置(0,0)の4方向共有ピクセル・セルは、赤色ピクセルR、第1の緑色ピクセルGr、及び2つの代替光フィルタ処理ピクセルP1、P1を含む。位置(0,1)の4方向共有ピクセル・セルは、青色ピクセルB、第2の緑色ピクセルGb、及び2つの代替光フィルタ処理ピクセルP1、P1を含む。こうして、上述したように、4つのベイヤーフィルタ処理ピクセル、赤ピクセルR、第1の緑ピクセルGr、第2の緑ピクセルGb、及び青ピクセルBは、2つの隣接する4方向共有ピクセル・セルの間で分割される。同様に、単一の代替光フィルタアレイピクセルによって覆われる2つのピクセルP1、P1は、2つの隣接する4方向共有ピクセル・セルのそれぞれにある。
【0118】
画像センサ821Bの各行ドライバは、複数のピクセル行に接続される。第1のカラー送信ラインCOLOR_Tx0は、行ドライバ0を、画像センサ821Bの第1行(行0)の各青色ピクセルB及び各第1の緑ピクセルGrに接続する。第1の代替フィルタ送信ラインHYP_Tx0は、行ドライバ0を第1行の各代替光フィルタ処理ピクセルに接続する。第2のカラー送信ラインCOLOR_Tx1は、行ドライバ0を、画像センサ821Bの第2行(行1)の各赤色ピクセルR及び各第2の緑ピクセルGbに接続する。第2の代替フィルタ送信ラインHYP_Tx1は、行ドライバ0を第2行の各代替光フィルタ処理ピクセルに接続する。
【0119】
第3のカラー送信ラインCOLOR_Tx2は、行ドライバ1を、画像センサ821Bの第3行(行2)の各青色ピクセルB及び各第1の緑ピクセルGrに接続する。第3の代替フィルタ送信ラインHYP_Tx2は、行ドライバ1を第3行の各代替光フィルタ処理ピクセルに接続する。第4のカラー送信ラインCOLOR_Tx3は、行ドライバ1を、画像センサ821Bの第4行(行3)の各赤色ピクセルR及び各第2の緑ピクセルGbに接続する。第4の代替フィルタ送信ラインHYP_Tx3は、行ドライバ1を第4行の各代替光フィルタ処理ピクセルに接続する。行ドライバ0及び1をピクセル行に接続するライン配置は、画像センサ821Bの列の下で繰り返される。
【0120】
こうして、送信ラインは、上述したように、適切なパルスを提供するフレーム時間825Bによるパターンで、隣接するピクセル行のピクセルに接続される。すなわち、
COLOR_Tx0 1 - - 1 1 - - 1 1 - - … - - 1
HYP_Tx0 - 2 2 - - 2 2 - - 2 2 … 2 2 -
COLOR_Tx1 1 - - 1 1 - - 1 1 - - … - - 1
HYP_Tx1 - 2 2 - - 2 2 - - 2 2 … 2 2 -
COLOR_Tx2 - 2 2 - - 2 2 - - 2 2 … 2 2 -
HYP_Tx2 1 - - 1 1 - - 1 1 - - … - - 1
COLOR_Tx3 - 2 2 - - 2 2 - - 2 2 … 2 2 -
HYP_Tx3 1 - - 1 1 - - 1 1 - - … - - 1である。
【0121】
第1のリセットラインRESET_01は、第1及び第2のピクセル行の各位置で、行ドライバ0を共有列ドライバSHAREDに接続する。第1の選択ラインSELECT_01は、第1及び第2のピクセル行の各位置で、行ドライバ0を共有列ドライバSHAREDに接続する。上で説明したように、一態様では、各共有列ドライバSHAREDは、単一のフローティング拡散電荷蓄積ノードである。
【0122】
第2のリセットラインRESETは、第3及び第4のピクセル行の各位置で、行ドライバ1を共有列ドライバSHAREDに接続する。第2の選択ラインSELECTは、第3及び第4のピクセル行の各位置で、行ドライバ1を共有列ドライバSHAREDに接続する。
【0123】
フレームタイマ825Bは、複数のラインによって画像センサ821Aの各行ドライバに接続される。この例では、複数のラインは21本のラインを含む。
【0124】
21本のラインのうちの10本のラインは、行アドレスラインROW_ADDR<9,0>である。行アドレスラインROW_ADDR<9,0>は、フレームタイマ825Bによってアクセスされている行のアドレスを伝送する。
【0125】
21本のラインのうちの3本のラインは、行選択ラインROW_SELECT、リセットセットラインRST_SET、及びリセットクリアラインRST_CLRである。行選択ラインROW_SELECT上のアクティブ信号により、行アドレスラインROW_ADDR<9,0>のアドレスによってアドレス指定された行ドライバに、選択ライン上でアクティブ信号を駆動させる。リセットセットラインRST_SET上のアクティブ信号により、行アドレスラインROW_ADDR<9,0>のアドレスによってアドレス指定された行ドライバに、リセットライン上でアクティブ信号を駆動させる。
【0126】
リセットクリアラインRST_CLR上のアクティブ信号により、行アドレスラインROW_ADDR<9,0>のアドレスによってアドレス指定された行ドライバに、リセットライン上で非アクティブ信号を駆動させる。
【0127】
21本のラインのうちの4本のラインは送信セットラインTX_SET<4,1>であり、21本のラインのうちの別の4本のラインは送信クリアラインTX_CLR<4,1>である。送信セットラインTX_SET<4,1>のそれぞれは、行ドライバを介して、アドレス指定された行ドライバに接続された第1の送信ライン、第2の送信ライン、第3の送信ライン、及び第4の送信ラインの異なる1つに結合される。
【0128】
送信セットラインTX_SET(1)上のアクティブ信号により、行アドレスラインROW_ADDR<9,0>のアドレスによってアドレス指定された行ドライバに、第1の送信ライン上でアクティブ信号を駆動させ、他の送信セットラインについても同様に駆動させる。送信クリアラインTX_CLR(1)上のアクティブ信号により、行アドレスラインROW_ADDR<9,0>のアドレスによってアドレス指定された行ドライバに、第1の送信ライン上で非アクティブ信号を駆動させ、他の送信ラインについても同様に駆動させる。
【0129】
こうして、画像センサ821Bでは、図8Aに示されるように、対になった送信ラインの各行のピクセルへの通常の接続が並べ替えられるので、同様のフィルタタイプ(通常の可視光カラーフィルタアレイ又は代替光フィルタアレイ)のピクセルは、各行の個別の列ドライバ及び読み出し回路に接続される。この接続により、通常の光フィルタアレイと代替光フィルタアレイの別々のタイミング制御が得られる。図9Bは、画像センサ821Bの動作を示すタイミング図である。
【0130】
フレームタイマ825Bからの図9Bに示される例示的なパルスシーケンスは、ピクセル行0及び1上のピクセルのリセットと、それに続くそれらのピクセルの読み出しを示す。ピクセル行0及び1は、行ドライバ0に接続された行である。送信パルスがリセットパルスと一致する場合に、アクティブ送信パルスによって、フローティング拡散電荷蓄積ノードSHAREDと、フローティング拡散電荷蓄積ノードSHAREDに接続されたフォトダイオードとの両方がリセットされる。リセットパルスが単独で発生すると、リセットパルスは、フローティング拡散電荷蓄積ノードSHAREDのみをリセットし、これは、相関ダブルサンプリング(CDS)が読み出しノイズを低減するために必要である。
【0131】
図9Bの例示的なパルスシーケンス:
1. 行0のカラーピクセルをリセットする。
2. 行1のカラーピクセルをリセットする。
3. 行0及び行1の代替フィルタピクセルを一緒にリセットする。
4. 後で、行0のカラーピクセルを読み取る。
5. 行1のカラーピクセルを読み取る。
6. 行0及び行1の代替フィルタピクセルを読み取り、一緒にビニングする。
他の露光は、リセットシーケンスと読取りシーケンスとの間の遅延を調整し、いくつかのピクセルタイプのリセット/読取りシーケンスを選択的に省略することで取得できる。
【0132】
こうして、図8B及び図9Bは、フレームタイマに結合された画像センサを含む画像取込み装置の例示である。画像センサは、複数のピクセル行、可視光カラーフィルタアレイ、及び代替光フィルタアレイを含む。複数のピクセル行は、複数のピクセル・セルを含む。例えば、図8Bの位置(0,0)、(0,1)、(0,2)、(1,0)、(1,1)、及び(1,2)に複数のピクセル・セルがある。複数のピクセル・セルのそれぞれが、複数のピクセル(図8Bの例では4つのピクセルである)を含む。
【0133】
可視光カラーフィルタアレイは、複数の異なる可視光カラーフィルタを含み、これらは、図8Aにおいて、赤、2つの緑、及び青の可視光カラーフィルタによって表される。代替光フィルタアレイは、複数の個別の代替光フィルタを含む。複数の個別の代替光フィルタのうちの1つの個別の代替光フィルタは、複数のピクセル・セルのうちの第1のピクセル・セル内の複数のピクセルのうちの第1のピクセルのセットと、複数のピクセル・セルのうちの第2のピクセル・セル内の複数のピクセルのうちの第2のピクセルのセットとの両方を覆う。第1のピクセル・セルは第2のピクセル・セルに隣接している。個々の代替光フィルタの例については、位置(0,0)、(0,1)のピクセル・セルを参照されたい。複数の異なる個別の可視光カラーフィルタのそれぞれは、第1及び第2のピクセルのセットの異なるピクセルを覆う。複数の個別の可視光カラーフィルタのうちの個々の可視光カラーフィルタによって覆われるピクセルは、個々の代替光フィルタによって覆われるピクセルとは異なる。
【0134】
フレームタイマは、画像センサに結合され、画像取込みタイミング信号を画像センサに提供する。例えば、フレームタイマは、複数の異なる個別の可視光カラーフィルタのうちの1つによって覆われる第1及び第2のピクセル・セル内のピクセルを同時にリセットするように構成される。
【0135】
上に示したように、データのビニング、及び可視光カラーフィルタアレイと代替光フィルタアレイとの組合せの使用も、共有ピクセル・セルを用いて他の方法で実施することができる。例えば、図8Cは、新規のフレームタイマ825C及び4方向共有ピクセル・セルを含むCMOS画像センサ上のベイヤーカラーフィルタアレイ及び代替光フィルタアレイ、例えばハイパースペクトルフィルタアレイの代表的な部分の図である。前述のように、ベイヤーカラーフィルタアレイは可視光カラーフィルタアレイの一例であり、ベイヤーカラーフィルタアレイの使用は、可視光カラーフィルタアレイを説明したカラーフィルタの特定の組合せに限定することを意図するものではない。また、図8Cは、ベイヤーカラーフィルタアレイ及び代替光フィルタアレイを含む画像センサ821Cとフレームタイマ825Cとを有する画像取込みユニットの部分の例である。画像センサ821C及びフレームタイマ825Cもまた、画像センサ321L及びフレームタイマ325L、画像センサ321R及びフレームタイマ325R、又は画像センサ321及びフレームタイマ325の例である。
【0136】
画像センサ821C内の各位置には、複数のピクセルが含まれる。図8Cでは、6つの位置(0,0)、(0,1)、(0,2)、(1,0)、(1,1)、(1,2)のみが示され、ここで、各位置には、共有列ラインに接続された4つのピクセルが含まれており、これは4方向共有ピクセル・セルである。図示していない画像センサ821Cの他の位置は、対応する方法で配置される。
【0137】
この例では、行のペアにおいて、交互の4方向共有ピクセル・セルは、可視光カラーフィルタアレイの一部によって覆われ、交互の4方向共有ピクセル・セルは、代替光フィルタアレイの個別の代替光フィルタによって覆われる。上述したように、可視光カラーフィルタアレイがベイヤーカラーフィルタアレイである場合に、4方向共有ピクセル・セル内のピクセルは、ベイヤーカラーフィルタアレイの一部によって覆われる。具体的には、ベイヤーカラーフィルタアレイの赤色フィルタRで覆われるピクセルは、赤色ピクセルRと呼ばれる。ベイヤーカラーフィルタアレイの第1の緑色フィルタGrで覆われるピクセルは、第1の緑色ピクセルGrと呼ばれる。ベイヤーカラーフィルタアレイの第2の緑色フィルタGbによって覆われるピクセルは、第2の緑色ピクセルGbと呼ばれる。ベイヤーカラーフィルタアレイの青色フィルタBで覆われるピクセルは、青色ピクセルBと呼ばれる。4方向共有ピクセル・セル内の全てのピクセルが可視光カラーフィルタアレイの一部によって覆われる場合に、ピクセルは、可視光カラーフィルタ処理ピクセル・セルと呼ばれる。
【0138】
代替光フィルタアレイの個別の代替光フィルタセルの一部によって覆われる4方向共有ピクセル・セル内のピクセルは、同じ参照符号Pjによって表され、ここで、jは整数であり、代替光フィルタ処理ピクセル・セルと呼ばれる。上に示したように、この例では、個々の代替光フィルタは、画像センサ821Bの4方向共有ピクセル・セルの全てのピクセルを覆っている。こうして、この例では、位置(0,0)、(1,1)、(0,2)には可視光カラーフィルタ処理ピクセル・セルがある一方、位置(0,1)、(1,0)、及び(1,2)には代替光フィルタ処理ピクセル・セルがある。
【0139】
画像センサ821Cの各行ドライバは、複数のピクセル行に接続される。以前の例では、各行ドライバには、ピクセル行に接続される2つの送信ラインがあった。この例では、各行ドライバには、ピクセル行に接続される4本の送信ラインがある。そのため、この例では、以前の例の行ドライバ0及び行ドライバ1が単一の行ドライバ0/1等に結合される。
【0140】
第1の送信ラインTXA_0は、行ドライバ0/1を、画像センサ821Cの第1行(行0)の各第1の緑色ピクセルGrに、例えば第1のピクセルから始まる第1行の4つおきのピクセルに接続する。第2の送信ラインTXB_0は、行ドライバ0/1を、画像センサ821Cの第1行の各青色ピクセルBに、例えば第2のピクセルから始まる第1行の4つおきのピクセルに接続する。第3の送信ラインTXC_0は、行ドライバ0/1を、画像センサ821Cの第1行の各代替光フィルタ処理ピクセル・セルの各第1の代替光フィルタ処理ピクセルPx-1(ここで、xは図8Cにおいて1~3に等しい)に、例えば第3のピクセルから始まる第1行の4つおきのピクセルに接続する。第4の送信ラインTXD_0は、行ドライバ0/1を、画像センサ821Cの第1行の各代替光フィルタ処理ピクセル・セルの各第2の代替光フィルタ処理ピクセルPx-2に、例えば第4のピクセルから始まる第1行の4つおきのピクセルに接続する。
【0141】
第5の送信ラインTXA_1は、行ドライバ0/1を、画像センサ821Cの第2行(行1)の各赤色ピクセルRに、例えば第1のピクセルから始まる第2行の4つおきのピクセルに接続する。第6の送信ラインTXB_1は、行ドライバ0/1を、画像センサ821Cの第2行の各第2の緑色ピクセルGbに、例えば第2のピクセルから始まる第2行の4つおきのピクセルに接続する。第7の送信ラインTXC_1は、行ドライバ0/1を、画像センサ821Cの第2行の各代替光フィルタ処理ピクセル・セルの各第3の代替光フィルタ処理ピクセルPx-3(ここで、xは図8Cにおいて1~3に等しい)に、例えば第3のピクセルから始まる第2行の4つおきのピクセルに接続する。第8の送信ラインTXD_1は、行ドライバ0/1を、画像センサ821Cの第2行の各代替光フィルタ処理ピクセル・セルの各第4の代替光フィルタ処理ピクセルPx-4に、例えば第4のピクセルから始まる第2行の4つおきのピクセルに接続する。
【0142】
第1のリセットラインRESET_01は、第1及び第2のピクセル行の各位置で、行ドライバ0/1を共有列ドライバSHAREDに接続する。第1の選択ラインSELECT_01は、第1及び第2のピクセル行の各位置で、行ドライバ0/1を共有列ドライバSHAREDに接続する。上で説明したように、一態様では、各共有列ドライバSHAREDは、単一のフローティング拡散電荷蓄積ノードである。
【0143】
行ドライバ2/3に関して、第1の送信ラインTXA_2は、行ドライバ2/3を、画像センサ821Cの第3行(行2)の各第1の代替光フィルタ処理ピクセルPx-1(ここで、xは図8Cにおいて1~3に等しい)に、例えば第1のピクセルから始まる第3行の4つおきのピクセルに接続する。第2の送信ラインTXB_2は、行ドライバ2/3を、画像センサ821Cの第3行の各代替光フィルタ処理ピクセル・セルの各第2の代替光フィルタ処理ピクセルPx-2に、例えば第2のピクセルから始まる第3行の4つおきのピクセルに接続する。第3の送信ラインTXC_2は、行ドライバ2/3を、画像センサ821Cの第3行の各可視光カラーフィルタ処理ピクセル・セルの各第1の緑色ピクセルGrに、例えば第3のピクセルから始まる第3行の4つおきのピクセルに接続する。第4の送信ラインTXD_2は、行ドライバ2/3を、画像センサ821Cの第3行の各可視光色フィルタ処理ピクセル・セルの各青色ピクセルBに、例えば第4のピクセルか始まる第3行の4つおきのピクセルに接続する。
【0144】
行ドライバ2/3に関して継続して、第5の送信ラインTXA_3は、行ドライバ2/3を、画像センサ821Cの第4行(行3)の各第3の代替光フィルタ処理ピクセルPx-3(ここで、xは図8Cにおいて1~3に等しい)に、例えば第1のピクセルから始まる第4行の4つおきのピクセルに接続する。第6の送信ラインTXB_3は、行ドライバ2/3を、画像センサ821Cの第4行の各代替光フィルタ処理ピクセル・セルの各第4の代替光フィルタ処理ピクセルPx-4に、例えば第2のピクセルから始まる第4行の4つおきのピクセルに接続する。第7の送信ラインTXC_3は、行ドライバ2/3を、画像センサ821Cの第4行の各可視光色フィルタ処理ピクセル・セルの各赤色ピクセルRに、例えば第3のピクセルから始まる第4行の4つおきのピクセルに接続する。第8の送信ラインTXD_3は、行ドライバ2/3を、画像センサ821Cの第4行の各可視光カラーフィルタ処理ピクセル・セルの各第2の緑色ピクセルGbに、例えば第4のピクセルから始まる第4行の4つおきのピクセルに接続する。
【0145】
第2のリセットラインRESET_23は、第3及び第4のピクセル行の各位置で、行ドライバ2/3を共有列ドライバSHAREDに接続する。第2の選択ラインSELECT_23は、第3及び第4のピクセル行の各位置で、行ドライバ2/3を共有列ドライバに接続する。行ドライバ0/1及び2/3の構成は列の下で繰り返されるため、追加の行ドライバは図8Cに示していない。
【0146】
フレームタイマ825Cは、複数のラインによって画像センサ821Aの各行ドライバに接続される。この例では、複数のラインは21本のラインを含む。
【0147】
21本のラインのうちの10本のラインは、行アドレスラインROW_ADDR<9,0>である。行アドレスラインROW_ADDR<9,0>は、フレームタイマ825Cによってアクセスされている行のアドレスを伝送する。
【0148】
21本のラインのうちの3本のラインは、行選択ラインROW_SELECT、リセットセットラインRST_SET、及びリセットクリアラインRST_CLRである。行選択ラインROW_SELECT上のアクティブ信号により、行アドレスラインROW_ADDR<9,0>のアドレスによってアドレス指定された行ドライバに、選択ライン上でアクティブ信号を駆動させる。リセットセットラインRST_SET上のアクティブ信号により、行アドレスラインROW_ADDR<9,0>のアドレスによってアドレス指定された行ドライバに、リセットライン上でアクティブ信号を駆動させる。
【0149】
リセットクリアラインRST_CLR上のアクティブ信号により、行アドレスラインROW_ADDR<9,0>のアドレスによってアドレス指定された行ドライバに、リセットライン上の非アクティブ信号を駆動させる。
【0150】
21本のラインのうちの4本のラインは送信セットラインTX_SET<4,1>であり、21本のラインのうちの別の4本のラインは送信クリアラインTX_CLR<4,1>である。送信セットラインTX_SET<4,1>のそれぞれは、行ドライバを介して、アドレス指定された行ドライバに接続された第1の送信ライン、第2の送信ライン、第3の送信ライン、及び第4の送信ラインの異なる1つに結合される。
【0151】
送信セットラインTX_SET(1)のアクティブ信号により、行アドレスラインROW_ADDR<9,0>のアドレスによってアドレス指定された行ドライバに、第1の送信ライン上でアクティブ信号を駆動させ、他の送信セットラインについても同様に駆動させる。送信クリアラインTX_CLR(1)のアクティブ信号により、行アドレスラインROW_ADDR<9,0>のアドレスによってアドレス指定された行ドライバに、第1の送信ライン上で非アクティブ信号を駆動させ、他の送信ラインについても同様に駆動させる。
【0152】
画像センサ821Cでは、電荷領域で代替光フィルタ処理ピクセル2×2をビニングし(ノイズを追加することなく信号を4倍提供する)、全ての可視光カラーフィルタ処理ピクセルを完全な解像度(ビニングされていない)にサンプリングするために4つの透過ゲート段階が必要である。図8Cに示されるように、これを達成するために、ピクセルアレイを通る各送信ゲートに対して重複した行ラインを実行する必要がある。重複する行ラインを区別しやすくするために、図8Cでは、行にTXA_<row#>及びTXB_<row#>のラベルが付けられる。上述したように、段階A(ラベルTXA_<row#>で示される)は、第1のピクセルから始まる行の4つおきのピクセルに進み、段階B(ラベルTXB_<row#>で示される)は、第2のピクセルから始まる行の4つおきのピクセルに進む等する。図8Aの4方向共有ピクセル・セルでは、2つの段階のみがあり、各段階の行ラインは代替ピクセルに接続している。
【0153】
代替光フィルタ処理ピクセル・セルが、図8Cに示されるように、カラーピクセルの2列セット、ハイパースペクトルピクセルの2列セット、カラーピクセルの2列セット等として配置される代わりに、可視光カラーフィルタ処理セルの中で対角線上にインターリーブされる場合に、図8Bに示されるように、ビニングされた場合のパルスシーケンスは、奇数行のペアと偶数行のペアで異なる。こうして、図9C図9Fの異なるタイミング図が提示され、1つはビニングされていない場合(図9C及び図9E)、及び1つは色情報がフル解像度であるがハイパースペクトルが2×2にビニングされる場合(図9D及び図9F)である。図9C及び図9Dは、偶数行ペア(0/1、4/5、8/9、…)のタイミングシーケンスを示しており、図9E及び図9Fは、奇数行ペア(2/3、6/7、10/11、…)のタイミングシーケンスを示している。ビニングされていない場合(図9C及び図9E)のパルスタイミングは、偶数行のペアと奇数行のペアで同じであるが、ビニングされた場合に(図9D及び図9F)、パルスタイミングは偶数行ペアと奇数行のペアで異なる。
【0154】
ビニングされた場合に、4方向共有セル内の4つの代替光フィルタ処理ピクセル全てが共有列ラインに同時に接続され、カラーピクセルは、図9D及び図9Fのタイミング図に基づいてフル解像度で読み取られる。ビニングされない場合に、各ピクセルは個別に読み取られる。
【0155】
図10及び図11は、デュアルフレームタイマ論理回路を含む図3の立体画像取込み装置及び上述した様々なタイミングシーケンスを使用して得ることができるいくつかの組合せを示している。上述したように、立体画像取込み装置は2つの画像センサを含み、各画像センサがフレームを取り込み、各フレームがシーンを含む。
【0156】
第1に、通常の立体視シーン1001は、各フレームタイマが、画像センサの列毎に同じ露光時間でローリングシャッターを実施するときに得られる。あるいはまた、左右のシーン1002は、異なる露光時間を有してもよい。この態様では、図6に示されるように、一方のフレームタイマが、第1の露光時間でローリングシャッターを実施し、他方のフレームタイマは、第2の異なる露光時間でローリングシャッターを実施する。
【0157】
複数ピクセルビニングでは、生成される2つのシーンのうちの1つは、モノクロシーン1003である。ベイヤーカラーフィルタアレイを含む画像センサ用の1つのフレームタイマは、ローリングシャッターを使用し、画像センサの行の各位置に対して単一のピクセルを出力する。各位置は、複数のベイヤーピクセルを含む行である。例えば、図8A及び図9Aを参照されたい。
【0158】
異なる露光時間及び複数のピクセルビニングを組み合わせて、異なる露光時間のシーンを生成することができ、シーンのうちの1つはモノクロシーン1104である。
【0159】
図10の例では、立体画像取込み装置が使用された。しかしながら、図11に示されるように、上記のフレームタイマタイミングシーケンスの様々な組合せは、単一のフレームタイマ論理回路及び単一の画像センサを有する図7の画像取込み装置を用いて実施することもできる。第1に、フレームタイマが画像センサの行毎に同じ露光時間でローリングシャッターを実施するときに、通常のシーン1101が得られる。
【0160】
複数ピクセルビニングでは、生成されるシーンはモノクロシーン1102である。ベイヤーカラーフィルタアレイを含む画像センサのフレームタイマは、ローリングシャッターを使用し、画像センサの行の各位置に対して単一のピクセルを出力する。各位置は、複数のベイヤーピクセルを含む行である。例えば、図8A及び図9Aを参照されたい。
【0161】
本明細書において、コンピュータプログラム製品は、本明細書で説明した方法のいずれか1つ又は任意の組合せに必要なコンピュータ可読コードを記憶するように構成された、又は方法のいずれか1つ又は任意の組合せのコンピュータ可読コードを記憶する媒体を含む。コンピュータプログラム製品の例としては、CD-ROMディスク、DVDディスク、フラッシュメモリ、ROMカード、フロッピーディスク、磁気テープ、コンピュータハードドライブ、ネットワーク上のサーバ、及びコンピュータ可読プログラムコードを表すネットワーク経由で送信される信号がある。有形の非一時的なコンピュータプログラム製品は、本明細書で説明した方法のいずれか1つ又は任意の組合せに対するコンピュータ可読命令を記憶するように構成された媒体、又は方法のいずれか1つ又は任意の組合せに対するコンピュータ可読命令を記憶する媒体を含む。有形の非一時的なコンピュータプログラム製品は、CD-ROMディスク、DVDディスク、フラッシュメモリ、ROMカード、フロッピーディスク、磁気テープ、コンピュータハードドライブ、及び他の物理記憶媒体である。
【0162】
本開示を考慮して、本明細書で説明した方法のいずれか1つ又は任意の組合せで使用される命令は、ユーザが関心のあるオペレーティングシステム及びコンピュータプログラミング言語を使用して、多種多様なコンピュータシステム構成で実現することができる。
【0163】
本明細書で使用される場合に、「第1」、「第2」、「第3」等は、異なる構成要素又は要素を区別するために使用される形容詞である。こうして、「第1」、「第2」、及び「第3」は、構成要素又は要素の順序を意味すること、又は構成要素又は要素の総数を意味することを意図するものではない。
【0164】
本発明の態様及び実施形態を説明する上記の説明及び添付の図面は、限定として解釈すべきではなく、特許請求の範囲は、保護される発明を規定する。この明細書及び特許請求の範囲の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な機械的、組成的、構造的、電気的、及び操作上の変更を行うことができる。場合によっては、本発明を曖昧にすることを回避するために、周知の回路、構造、及び技法について詳細に示していないか、又は説明していない。
【0165】
さらに、この明細書の用語は、本発明を限定することを意図するものではない。例えば、「の下(beneath)」、「より下(below)」、「下の(lower)」、「より上(above)」、「上の(upper)」、「基端(proximal)」、「先端(distal)」等の空間的に相対的な用語は、図に示されるように、別の要素又は特徴に対する1つの要素又は特徴の関係を説明するために使用できる。これらの空間的に相対的な用語は、図に示される位置及び向きに加えて、使用中又は動作中の装置の異なる位置(すなわち、配置)及び向き(すなわち、回転配置)を包含することを意図している。例えば、図の装置がひっくり返される場合に、他の要素又は特徴「より下」又は「の下」として記述される要素は、他の要素又は特徴「より上」又は「の上」になる。こうして、「より下」という例示的な用語は、上及び下の位置と向きとの両方を包含することができる。装置は、他の方法で向き合わせられ(90度又は他の向きに回転され)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子がそれに応じて解釈され得る。同様に、様々な軸線に沿った、及びその周りの動きの説明には、装置の様々な特別な位置及び向きが含まれる。
【0166】
単数形「1つの(a, an)」、及び「その(the)」は、文脈が別段の指示をしない限り、複数形も含むことを意図している。「備える、有する、含む(comprises, comprising)」、「含む、有する(includes)」等の用語は、記載された特徴、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はグループの存在又は追加を排除するものではない。結合されると説明した構成要素は、電気的又は機械的に直接結合される場合もあれば、1つ又は複数の中間構成要素を介して間接的に結合される場合もある。
【0167】
全ての例及び例示的な参照は非限定的であり、特許請求の範囲を本明細書に記載の特定の実施態様及び実施形態並びにそれらの同等物に限定するために使用すべきではない。1つの見出しの下のテキストは相互参照したり、1つ又は複数の見出しの下のテキストに適用されたりする可能性があるため、見出しはフォーマットのみを目的としており、主題を制限するために使用すべきではない。最後に、本開示を考慮して、1つの態様又は実施形態に関連して説明した特定の特徴は、他の開示されたものに適用され得る。
【0168】
以下に、出願当初の特許請求の範囲の内容を実施例として記載しておく。
[実施例1]
画像取込み装置であって、当該画像取込み装置は、
第1の複数のピクセル行を含む第1の画像センサと、
第2の複数のピクセル行を含む第2の画像センサと、
前記第1の画像センサに結合され、画像取込みタイミング信号を前記第1の画像センサに提供する第1のフレームタイマと、
前記第2の画像センサに結合され、画像取込みタイミング信号を前記第2の画像センサに提供する第2のフレームタイマと、を含み、
前記第1及び第2のフレームタイマは異なるフレームタイマである、
画像取込み装置。
[実施例2]
前記第1のフレームタイマは、前記第1の画像センサにおいてN個のフレームを順次取り込むための画像取込みタイミング信号を提供するように構成され、
前記第2のフレームタイマは、前記第1の画像センサにおいて順次取り込まれるN個のフレーム毎に、前記第2の画像センサにおいて1つのフレームを取り込むための画像取込みタイミング信号を提供するように構成される、実施例1に記載の画像取込み装置。
[実施例3]
前記第1のフレームタイマは、第1の露光時間に亘って、前記第1の複数のピクセル行の各行を露光するように構成され、
前記第2のフレームタイマは、第2の露光時間に亘って、前記第2の複数のピクセル行の各行を露光するように構成され、
前記第1の露光時間は前記第2の露光時間とは異なる、実施例1に記載の画像取込み装置。
[実施例4]
前記第1の画像センサはベイヤーカラーフィルタアレイを含み、前記第1の画像センサの前記第1の複数のピクセル行の各位置には、ベイヤーピクセルのセットが含まれており、前記第1のフレームタイマは、ベイヤーピクセルの各セットを1行に組み合わせて単一の出力ピクセルを形成するように構成される、実施例1に記載の画像取込み装置。
[実施例5]
前記第1のフレームタイマは、第1の露光時間に亘って、前記第1の複数のピクセル行の各行を露光するように構成され、
前記第2のフレームタイマは、第2の露光時間に亘って、前記第2の複数のピクセル行の各行を露光するように構成され、
前記第1の露光時間は前記第2の露光時間とは異なる、実施例4に記載の画像取込み装置。
[実施例6]
前記第1の複数のピクセル行には複数のピクセル・セルが含まれ、該複数のピクセル・セルのそれぞれが、複数のピクセルを含み、前記第1の画像センサは、
複数の異なる個別の可視光カラーフィルタを含む可視光カラーフィルタアレイと、
複数の個別の代替光フィルタを含む代替光フィルタアレイと、をさらに含み、前記複数の個別の代替光フィルタのうちの1つの個別の代替光フィルタが、前記複数のピクセル・セルのうちの第1のピクセル・セル内の複数のピクセルのうちの第1のピクセルのセットと、前記複数のピクセル・セルのうちの第2のピクセル・セル内の複数のピクセルのうちの第2のピクセルのセットとの両方を覆い、前記第1のピクセル・セルは前記第2のピクセル・セルに隣接しており、
前記複数の異なる個別の可視光カラーフィルタのそれぞれは、前記第1及び第2のピクセルのセット内の異なるピクセルを覆い、前記複数の異なる個別のカラーフィルタの個々の可視光カラーフィルタによって覆われる前記ピクセルは、前記個別の代替光フィルタによって覆われるピクセルとは異なる、実施例1に記載の画像取込み装置。
[実施例7]
前記第1のフレームタイマは、前記異なる個別の可視光カラーフィルタのうちの1つによって覆われる前記第1及び第2のピクセル・セル内のピクセルを同時にリセットするように構成される、実施例6に記載の画像取込み装置。
[実施例8]
前記第1のフレームタイマは、前記複数の異なる個別の可視光カラーフィルタのうちの1つによって覆われる前記第1のピクセル・セルの第1のピクセルと、前記複数の異なる個別の可視光カラーフィルタのうちの1つによって覆われる前記第2のピクセル・セルの第2のピクセルとを同時に読み取るように構成される、実施例6に記載の画像取込み装置。
[実施例9]
前記第1のフレームタイマは、前記複数のピクセル・セルのうちの第1のピクセル・セル内の前記複数のピクセルのうちの第1のピクセルのセット内の第1のピクセルと、前記複数のピクセルのうちの第2のピクセル・セル内の複数のピクセルのうちの第2のピクセルのセット内の第2のピクセルとを同時に読み取るように構成される、実施例6に記載の画像取込み装置。
[実施例10]
前記画像取込み装置は、前記読み取った第1のピクセル及び前記読み取った第2のピクセルをビニングするように構成される、実施例9に記載の画像取込み装置。
[実施例11]
前記第1の画像センサは、複数の代替光フィルタ処理ピクセル・セルとインターリーブされた複数の可視光カラーフィルタ処理セルをさらに含む、実施例1に記載の画像取込み装置。
[実施例12]
画像取込み装置であって、当該画像取込み装置は、
複数のピクセル行と可視光カラーフィルタアレイとを含む画像センサであって、
前記可視光カラーフィルタアレイは複数の異なる個別の可視光カラーフィルタを含み、
前記複数のピクセル行は複数のピクセル・セルを含み、該複数のピクセル・セルのそれぞれが、複数のピクセルを含み、
ピクセル・セルの前記複数のピクセルの各ピクセルが、前記複数の異なる個別の可視光カラーフィルタのうちの異なるカラーフィルタによって覆われる、画像センサと、
該画像センサに結合され、画像取込みタイミング信号を前記画像センサに提供するフレームタイマであって、ピクセル・セルの前記複数のピクセルを組み合わせて単一の出力ピクセルを形成するように構成されるフレームタイマと、を含む、
画像取込み装置。
[実施例13]
画像取込み装置であって、当該画像取込み装置は、
複数のピクセル行、可視光カラーフィルタアレイ、及び代替光フィルタアレイを含む画像センサを有しており、
前記複数のピクセル行には複数のピクセル・セルが含まれ、該複数のピクセル・セルのそれぞれが、複数のピクセルを含み、
前記可視光カラーフィルタアレイは複数の異なる個別の可視光カラーフィルタを含み、
前記代替光フィルタアレイは複数の個別の代替光フィルタを含み、前記複数の個別の代替光フィルタのうちの1つの個別の代替光フィルタは、前記複数のピクセル・セルのうちの第1のピクセル・セル内の複数のピクセルのうちの第1のピクセルのセットと、前記複数のピクセル・セルのうちの第2のピクセル・セル内の複数のピクセルのうちの第2のピクセルのセットとの両方を覆い、前記第1のピクセル・セルは前記第2のピクセル・セルに隣接しており、
前記複数の異なる個別の可視光カラーフィルタのそれぞれは、前記第1及び第2のピクセルのセット内の異なるピクセルを覆い、前記複数の個別の可視光カラーフィルタの個々の可視光カラーフィルタによって覆われる前記ピクセルは、前記個別の代替光フィルタによって覆われるピクセルとは異なる、
画像取込み装置。
[実施例14]
前記画像センサに結合され、画像取込みタイミング信号を前記画像センサに提供するフレームタイマをさらに含む、実施例13に記載の画像取込み装置。
[実施例15]
前記フレームタイマは、前記複数の異なる個別の可視光カラーフィルタのうちの1つによって覆われる前記第1及び第2のピクセル・セル内のピクセルを同時にリセットするように構成される、実施例14に記載の画像取込み装置。
[実施例16]
前記フレームタイマは、前記複数の異なる個別の可視光カラーフィルタのうちの1つによって覆われる前記第1のピクセル・セルの第1のピクセルと、前記複数の異なる個別の可視光カラーフィルタのうちの1つによって覆われる前記第2のピクセル・セルの第2のピクセルとを同時に読み取るように構成される、実施例14に記載の画像取込み装置。
[実施例17]
前記フレームタイマは、前記複数のピクセル・セルのうちの第1のピクセル・セル内の前記複数のピクセルのうちの第1のピクセルのセット内の第1のピクセルと、前記複数のピクセル・セルのうちの第2のピクセル・セル内の複数のピクセルのうちの第2のピクセルのセット内の第2のピクセルとを同時に読み取るように構成される、実施例14に記載の画像取込み装置。
[実施例18]
前記画像取込み装置は、前記読み取った第1のピクセル及び前記読み取った第2のピクセルをビニングするように構成される、実施例17に記載の画像取込み装置。
[実施例19]
方法であって、当該方法は、
第1のフレームタイマからの信号を用いて、第1の露光時間に亘って、立体画像取込み装置の第1の画像センサの第1の複数のピクセル行の各行を露光するステップと、
第2のフレームタイマからの信号を用いて、第2の露光時間に亘って、前記立体画像取込み装置の第2の画像センサの第2の複数のピクセル行の各行を露光するステップと、を含み、
前記第1の露光時間は前記第2の露光時間とは異なる、
方法。
[実施例20]
方法であって、当該方法は、
複数のピクセルを含む画像センサ内の位置から単一の出力ピクセルを出力するステップを含み、該出力するステップは、フレームタイマにより、信号を用いて複数のピクセルを前記位置で組み合わせて前記単一の出力ピクセルを形成するステップである、
方法。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図10
図11
【外国語明細書】