(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138281
(43)【公開日】2024-10-08
(54)【発明の名称】光源
(51)【国際特許分類】
H01S 5/0225 20210101AFI20241001BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20241001BHJP
H01L 33/60 20100101ALI20241001BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20241001BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20241001BHJP
H01S 5/02255 20210101ALI20241001BHJP
H01S 5/02253 20210101ALI20241001BHJP
F21S 2/00 20160101ALN20241001BHJP
F21V 9/30 20180101ALN20241001BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20241001BHJP
【FI】
H01S5/0225
H01L33/50
H01L33/60
H01L33/58
H01L33/00 L
H01S5/02255
H01S5/02253
F21S2/00 100
F21V9/30
F21Y115:30
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024097799
(22)【出願日】2024-06-18
(62)【分割の表示】P 2023010547の分割
【原出願日】2016-08-17
(31)【優先権主張番号】62/255,825
(32)【優先日】2015-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/205,978
(32)【優先日】2015-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518054261
【氏名又は名称】ラズライト ホールディングス エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Lazurite Holdings LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マリンスキー, ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】マリンスキー, イリヤ
(72)【発明者】
【氏名】ダドリー, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】フェイン, ハワード
(57)【要約】 (修正有)
【課題】極めて高い動作および変換効率を有し、複数の環境での使用のために安全な、改善された固体光源を提供する。
【解決手段】集積化光源は、第1のスペクトルを有する放出性放射源と、放出性放射源からの放出を方向付けるように位置付けられた光学要素と、放出性放射源から方向付けられた放出を、第1のスペクトルとは異なる第2のスペクトルを有する放出に変換するように位置付けられたボリューメトリックスペクトル変換器と、変換器の周りに位置付けられた光反射器と、出力フィルタであって、反射器は、変換器の放出を出力フィルタに向かって反射するように位置付けられる、出力フィルタと、放出性放射源、光学要素、変換器、反射器、およびフィルタを含んだ内部空洞を有するパッケージ本体であって、所望の光が空洞からフィルタを通って放射する、パッケージ本体とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積化光源であって、
第1のスペクトルを有する放出性放射源と、
前記放出性放射源からの放出を方向付けるように位置付けられた光学要素と、
ボリューメトリックスペクトル変換器であって、前記放出性放射源から方向付けられた放出を、前記第1のスペクトルとは異なる第2のスペクトルを有する放出に変換するように位置付けられた、ボリューメトリックスペクトル変換器と、
前記変換器の周りに位置付けられた光反射器と、
出力フィルタであって、前記反射器は、前記変換器の放出を前記出力フィルタに向かって反射するように位置付けられる、出力フィルタと、
内部空洞を有するパッケージ本体であって、前記空洞は、前記放出性放射源、光学要素、変換器、反射器、およびフィルタを含み、所望の光が前記空洞から前記フィルタを通って放射する、パッケージ本体と
を備えた集積化光源。
【請求項2】
前記放射源は、400nmから480nmの範囲で動作する、請求項1に記載の光源。
【請求項3】
前記放射源は、430nmから470nmの範囲で動作する、請求項2に記載の光源。
【請求項4】
前記光学要素は、前記放出性放射源の放出を前記変換器上に、平行化する、収束的に焦点を合わせる、または発散的に焦点を合わせることができる、請求項1に記載の光源。
【請求項5】
前記光反射器は、全方向性の光の方向を所望の光経路へと変える、請求項1に記載の光源。
【請求項6】
前記光反射器は、光の方向を変える前記光反射器の能力を強化する反射性材料の層を含む、請求項5に記載の光源。
【請求項7】
前記変換器は、前記放出性放射源からの前記放出を、異なる波長の、より狭いスペクトルの、またはより広いスペクトルの非コヒーレント放射の放出に変換する、請求項1に記載の光源。
【請求項8】
前記変換器は、一様な複合材を形成するように、非変換材料の基板内にボリューメトリック的に配置された変換材料から構成される、請求項7に記載の光源。
【請求項9】
前記変換器は、押し出し、被覆、積層、ブレンディング、混合、または懸濁の少なくとも1つを含むプロセスを用いて作成される、請求項8に記載の光源。
【請求項10】
前記変換器を作成する前記プロセスは、ブレンドされたまたは多層の固体複合材として前記変換材料を用いた前記基板の押し出しである、請求項9に記載の光源。
【請求項11】
前記固体複合材は、2~500,000の間の数の層を有する、請求項9に記載の光源。
【請求項12】
前記変換器は、1ミクロンより大きい、ボイド、閉じ込められた気体、気泡、意図的に要求される材料以外のいずれの材料の不純物粒子、気相または液相のいずれの種類の閉じ込められた液体を含むいずれの欠陥も有しない、請求項8に記載の光源。
【請求項13】
前記変換器は1つまたは複数の燐光体を含み、前記燐光体はそれぞれ、安定した波長または可変の波長の放射の放出をもたらす特定の粒子サイズを有する、請求項8に記載の光源。
【請求項14】
前記変換器は、指定された最終用途の性能指標を得るために調整されることができる1つまたは複数の変換材料を、前記基板に対してある比で有する、請求項8に記載の光源。
【請求項15】
前記変換器は、前記基板に対して体積で5%と15%の間の比の変換材料を有する、請求項14に記載の光源。
【請求項16】
前記変換器は、指定された最終用途の性能指標を得るために調整されることができる、厚さおよび直径が変化することのできる寸法を有する、請求項8に記載の光源。
【請求項17】
前記変換器は、0.5mmと5mmの間の厚さ、および0.5mmと5mmの間の半径を有する、請求項16に記載の光源。
【請求項18】
前記フィルタは、前記変換器によって変換されなかった前記放出性放射源からのいずれの放出も除去すると共に、任意選択で、前記放出された光をさらに状態調節する、請求項1に記載の光源。
【請求項19】
前記デバイスからの前記放出された放射スペクトルの放出幾何形状は、適切な光構成部品を含めることにより、さらに状態調節され、方向付けされ、焦点合わせされ、平行化され、反射され、屈折され、回折され、または他のやり方で変更されることができる、請求項1に記載の光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は固体発光デバイスに関し、具体的には、指定された光経路および波長出力を有するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の固体照明デバイスは通常、初期の放出された放射の一部分を使用可能なスペクトルに変換する1つまたは複数の遠隔の燐光体と組み合わされた遠隔燐光体システムの一部として、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、またはレーザダイオード(LD)を用いる。遠隔燐光体システムは、その表面に燐光性粉末が堆積されたプラスチック、アクリル、ガラスなどの、反射性または透明な基板の組み合わせである。次いでこの基板は、初期の放出された光、通常は青色または青紫色コヒーレント光を、広スペクトルの非コヒーレント光に変換することができ、これは最も一般的には白色光である。
【0003】
これらのデバイスは、より長い寿命、省エネルギー、およびより明るい光出力を含む利点のために、すでに白熱および蛍光光源より性能が優れている。しかし、上述されたものと同様なシステムは、ここしばらくの間使用されてきたが、依然として技術を妨げる問題を有する。これらの問題には、レーザ光の変換効率の低さ、レーザ光の一部または大部分が変換されないこと、危険なコヒーレント光の放出、ならびに放出される変換された光の方向および光経路を制御することの難しさが含まれる。
【0004】
これらの理由により、現存の設計の総合的効率は、LDベースのデバイス(最も効率的な設計)が分析されたときでも比較的低いままである。さらにLDを用いて一次光入力をもたらす従来の設計は、遠隔の燐光体要素を完全に飽和させる。この過飽和は、コヒーレントレーザ光の不注意な放出に繋がる可能性があり、これは敏感な電子回路、材料、眼、および皮膚に損傷を引き起こし得る。
【0005】
したがって、当技術分野において、極めて高い動作および変換効率を有し、複数の環境での使用のために安全な、改善された固体光源の必要性がある。
【発明の概要】
【0006】
集積化光源は、第1のスペクトルを有する放出性放射源と、放出性放射源からの放出を方向付けるように位置付けられた光学要素と、放出性放射源から方向付けられた放出を、第1のスペクトルとは異なる第2のスペクトルを有する放出に変換するように位置付けられた体積型スペクトル(volumetric spectrum)変換器と、変換器の周りに位置付けられた光反射器と、出力フィルタであって、反射器は、変換器の放出を出力フィルタに向かって反射するように位置付けられる、出力フィルタと、放出性放射源、光学要素、変換器、反射器、およびフィルタを含んだ内部空洞を有するパッケージ本体であって、所望の光が空洞からフィルタを通って放射する、パッケージ本体とを含む。
【0007】
次に図面を参照する。図面中、類似の参照番号は全体にわたって対応する部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明による基本の固体光源システムの概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、光源の効率および安全性を強化するために複数の部分を利用する、他の集積化光源の概略図である。
【
図3】本発明の実施形態による、システム内の光に対する可能なビーム経路を示す、
図2の集積化光源を利用した概略図である。
【
図4】従来技術の燐光体被覆変換器の動作の概略図である。
【
図5】本発明の態様による例示の体積型スペクトル変換器の動作の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
上述の限界を克服するとともに、本書において明らかにされる他の限界を克服するために、本開示の光源にあっては、固体発光デバイスによりポンピングされる媒体として、燐光体が体積内に分散した媒体を使用する。発光デバイスからの光のビームが燐光体上に方向付けられ、その後、所望の波長の広または狭スペクトル光に変換される。体積内に分散した燐光体を利用することによって、より高い割合の入射光が変換されることができ、したがってシステムの効率および安全性を向上させる。次いで、この変換された光は、最終光出力を正確に制御するように、所望の光経路を通して送られることができる。
【0010】
概観
これらの問題に対処するために、基板内に燐光性材料を体積内に分散配置する方法が発明された。薄い被覆を用いる現在のシステムと比べた、体積内に分散配置された基板の利点は数多くあり、本明細書で述べられる。利点の1つは、非コヒーレント光へのレーザ光の変換が増大することであり、これは光変換のために使用可能な燐光体の量から生じる。現在の薄い燐光体の表面被覆は、変換前の光ですぐに飽和され、一度に少ない量の光しか変換することができず、システム効率を非常に減少させる。現在の技術を用いて光変換燐光体の量を増加させることを試みることは極めて困難となり、なぜなら、コヒーレント光は一方向にのみ進み、したがって、燐光体の層の厚さを増加させることを必要とする(これは透過およびしたがって有効性を妨げる)か、または燐光体の層を極端に大きな領域にわたって分散させることを必要とするからである。体積型堆積方法を用いることは、コヒーレント光のより大きな放出ビームの必要性を生じることなく、コヒーレント光の変換において、より大きな量の燐光体が利用されることを可能にする。変換のために利用される燐光体の量における増加は、同じ入力を用いて、より多くの非コヒーレント光が発生されることを意味し、したがってシステムはより効率的となる。さらに、より多くのコヒーレント光が非コヒーレント光に変換されるので、最終の光源システムから発散する危険なコヒーレントレーザ光が存在する可能性が低下する。
【0011】
本発明の有利な実施形態は、システムの総合的効率を増加し、有害なコヒーレント光放出の可能性を低減するように、特定の配置に置かれた1つまたは複数の光学要素を含むことができる。これらの要素は、フィルタ、レンズ、幾何学的光反射器、およびハウジングを含むが、それらに限定されない。上述の光学要素の1つまたは複数を含めることで、特定の事例および使用ケースに対する固体照明システムの変更および専用化を可能にする。
【0012】
詳細な説明
図1を参照すると、固体光源100が示される。光源100は、標準の電子構成部品パッケージの内側に配置された半導体レーザの形態であるレーザダイオード101を含む。レーザダイオード101は、パッケージから出る電源ピン102を有する。レーザダイオード101は、例えば400~480nm、好ましくは430~470nmの範囲内のコヒーレント光をもたらす。ビーム103は、レーザダイオード101が発生するレーザ光のコヒーレントビームである。ビーム103は、体積型スペクトル変換器104(例えばPMMAであり、これには燐光体の粒子が体積内に分散配置される)に突き当たり、相互作用する。変換器104はしたがって、入射コヒーレントレーザビーム103を出射広スペクトル光105に変換する。光105は、非限定的に白色などの任意の指定の色とすることができ、媒体104内に配置された燐光体の化学組成によって決まる。
【0013】
図2を参照すると、集積化光源200の可能な設計が示される。光源200は、例えば標準の電子構成部品パッケージの内側に配置された半導体レーザダイオードの形態である、第1の出力スペクトルを有する放出性放射源202を含む。レーザダイオードは、パッケージから出る電源ピン203を有する。放出性放射源202の放出側の正面に位置するのは、レーザダイオード202から放出されたコヒーレントレーザ光を、特定の領域上に方向付ける、例えばレンズまたはレンズのシステムから構成された光学要素204である。光学要素204は例えば、体積型スペクトル変換器205による変換のために、放出性放射源202の放出を平行化する、収束的に焦点を合わせる、または発散的に焦点を合わせることができる。体積型スペクトル変換器205は、放出性放射源202からの放出を、第1のスペクトルとは異なる第2のスペクトルを有する放出に変換する。体積型スペクトル変換器205は、この実施形態では非限定的に、変換器205によって変換された光を、このケースでは前方へ出力フィルタ207に向かう、指定の方向に向かって方向付ける放物線状立体である、幾何学的光反射器206の内側に配置される。光が光反射器206によって前方へ方向付けられた後、光はフィルタ207と相互作用し、これにより、変換媒体205によって非コヒーレント光に変換されなかったコヒーレント光を取り除く。この後、フィルタされた非コヒーレント光のみが光源200から出ることができ、放出される光を、複数の環境で使用するのに安全にする。光源200を参照すると、すべての上述の構成部品は、例えば非限定的にアルミニウム、鋼、または銅などの1つの中実な材料とすることができるパッケージ本体201から切除された、内部空洞208内に位置する。
【0014】
図3を参照すると、
図2に見られる光源を利用した可能な光路が示される。
図2の光源200と同等な光源300は、
図2のパッケージ本体201と同等なパッケージ本体301を含む。光源300内に、標準の電子構成部品パッケージの内側に配置された半導体レーザの形態であるレーザダイオード302が位置する。レーザダイオード302はコヒーレント光のビーム307を放出し、これは進行して光学要素303と相互作用する。光学要素303はコヒーレントビーム307の方向をより正確な経路308へと変え、これはコヒーレントビーム307が体積型スペクトル変換器304と、より効率的に相互作用することを可能にする。変換器304は、コヒーレント光307と、変換器304の体積内に分散した燐光体との間の内部物理的相互作用を通じて、コヒーレント光307を非コヒーレント光309に変換する。その後、非コヒーレント光309は、変換器304から複数の方向に放出される。非コヒーレント光309は、次いで幾何学的光反射器305と相互作用する。この光反射器305は、非コヒーレントの多方向性の光309を反射し、前方310に方向を変える。方向を変えられた光310の大部分はフィルタ306を通過し、光源300を出る(311)。方向を変えられた光310の一部は、フィルタ306と相互作用し、設計および安全性仕様などの理由により、デバイスから出ることが防止される(312)。
【0015】
図4は燐光体被覆変換器を示す。部分401は、基板400上の薄く堆積された燐光体被覆である。薄い燐光体被覆401は、被覆内に配置された燐光体の粒子402を有する。粒子402は、右側403から入射する光を、異なる波長の光404に変換する。被覆層401は薄いので、入射光403を変換することができる限られた量の燐光体粒子402が存在する。したがって、入射光403の多くの部分は変換されず、影響を受けずに基板を出る405。
【0016】
図5は、
図4での被覆とは対照的な体積型スペクトル変換器を示す。このケースにおいて燐光体501は、基板500の体積内に分散配置される。これは入射光503と相互作用することができ、したがって光変換に関与する、より多くの燐光体の粒子502をもたらす。このように、所望の波長504に変換されるはるかに大きな量の入射光503が存在する。体積型スペクトル変換器の使用は、従来技術の燐光体被覆変換器より性能が優れている。
【0017】
これは分かりやすくするための簡略化であることが留意されるべきである。放出された光は、必ずしも一緒に前面から出ない。光は一般に全方向に散乱され、光源の反射放物面(例えば206、305)が、光を同じ方向に進ませる。
【0018】
光反射器は例えば、PMMA、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、共重合体、または上述の材料の組み合わせのブレンドなどの、成形、機械加工、3D印刷、または他の方法で製作された1つの光学材料とすることができる。光反射器は全方向性の光の方向を、所望の光経路へと変えるように設計される。例えば中実な幾何学形状、中空な幾何学形状、または幾何学面の他の組み合わせとすることができる。また、光の方向を変える能力を強化する反射性材料の層を含むことが有利となり得る。この層は、例えば外面、内面、または表面の組み合わせとすることができる。
【0019】
変換器(例えば205、304)は、放出性放射源からの放出(例えば青色、または紫色光)を、他の波長の放射、例えば狭または広スペクトル、非コヒーレント放射に変換するように選択されることができる。これは、例えば燐光性材料、蛍光性材料、他の放射変換材料、またはこれらの材料の組み合わせを含み得る変換材料を用いて作製されることができる。変換材料は、例えばPMMA、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、共重合体、または有効に一様な複合材を作成するための上述の材料の組み合わせのブレンドを含み得る基板の体積内に分散配置される。このプロセスは、例えば押し出し、被覆、積層、ブレンディング、混合、または懸濁を含むことができる。
【0020】
変換器を作製する特定の例は、ブレンドされたおよび/または多層固体複合材として、変換材料によって基板を押し出すことである。具体的には固体複合材は、2~500,000個の間の層によって作製されることができ、これは指定された最終用途の性能指標を得るために調整されることができる。変換器は、例えば1ミクロンより大きい、ボイド、閉じ込められた気体、気泡、意図的に要求される材料以外のいずれの材料の不純物粒子、気相または液相のいずれの種類の閉じ込められた液体などの欠陥を有しないことが望ましい。
【0021】
変換器は、基板に対して変換材料または複数の材料の組み合わせをある比で有することができ、これは指定された最終用途の性能指標を得るために調整されることができる。
【0022】
好ましい実施形態において変換材料は、特定の粒子サイズを有する単一の燐光体、または安定なおよび/または可変の波長の放射の放出をもたらす同様なもしくは異なる粒子サイズを有する燐光体粉末の混合とすることができる。放出される放射は、例えば白色光とすることができる。
【0023】
他の好ましい実施形態において、変換器は、基板に対して5%と15%の間の比の変換材料を有する。
【0024】
また変換器の厚さおよび直径を変化させることによって、変換器を指定された最終用途の性能指標を得るために調整することが可能である。例えば好ましい実施形態は、0.5mmと5mmの間の厚さ、および0.5mmと5mmの間の半径を有する変換器を含む。
【0025】
出力フィルタ(例えば207、306)は、例えば光学的に透明なウィンドウとすることができるが、好ましい実施形態では、これは、変換器によって変換されなかった放出性放射源からの放出された放射を除去する。これはまた例えば、放出された光をさらに状態調節するために、放射の波長をさらに通過させるまたは遮断するように、広帯域、狭帯域、帯域通過、または帯域阻止フィルタとすることができる。
【0026】
デバイスからの放出された放射スペクトルの放出幾何形状は、適切な光構成部品を含めることによりさらに状態調節され、方向付けされ、焦点合わせされ、平行化され、反射され、屈折され、回折され、または他のやり方で変更され得ることがさらに留意されるべきである。
【0027】
以下は、集積化光源の例示的実施形態である。
【0028】
実施形態1 集積化光源であって、
第1のスペクトルを有する放出性放射源と、
放出性放射源からの放出を方向付けるように位置付けられた光学要素と、
体積型スペクトル変換器であって、放出性放射源から方向付けられた放出を、第1のスペクトルとは異なる第2のスペクトルを有する放出に変換するように位置付けられた、体積型スペクトル変換器と、
変換器の周りに位置付けられた光反射器と、
出力フィルタであって、反射器は、変換器の放出を出力フィルタに向かって反射するように位置付けられる、出力フィルタと、
内部空洞を有するパッケージ本体であって、空洞は、放出性放射源、光学要素、変換器、反射器、およびフィルタを含み、所望の光が空洞からフィルタを通って放射する、パッケージ本体と
を備えた集積化光源。
【0029】
実施形態2 放射源は、400nmから480nmの範囲で動作する、実施形態1による光源。
【0030】
実施形態3 放射源は、430nmから470nmの範囲で動作する、実施形態1または2による光源。
【0031】
実施形態4 光学要素は、放出性放射源の放出を変換器上に、平行化する、収束的に焦点を合わせる、または発散的に焦点を合わせることができる、実施形態1から3のいずれかによる光源。
【0032】
実施形態5 光反射器は、全方向性の光の方向を所望の光経路へと変える、実施形態1から4のいずれかによる光源。
【0033】
実施形態6 光反射器は、光の方向を変える光反射器の能力を強化する反射性材料の層を含む、実施形態1から5のいずれかによる光源。
【0034】
実施形態7 変換器は、放出性放射源からの放出を、異なる波長の、より狭いスペクトルの、またはより広いスペクトルの非コヒーレント放射の放出に変換する、実施形態1から6のいずれかによる光源。
【0035】
実施形態8 変換器は、非変換材料の基板と、一様な複合材を形成するように、基板の体積内に分散した変換材料とから構成される、実施形態1から7のいずれかによる光源。
【0036】
実施形態9 変換器は、押し出し、被覆、積層、ブレンディング、混合、または懸濁の少なくとも1つを含むプロセスを用いて作成される、実施形態1から8のいずれかによる光源。
【0037】
実施形態10 変換器を作成するプロセスは、ブレンドされたまたは多層の固体複合材として変換材料を用いた基板の押し出しである、実施形態1から9のいずれかによる光源。
【0038】
実施形態11 固体複合材は、2~500,000の間の数の層を有する、実施形態9による光源。
【0039】
実施形態12 変換器は、1ミクロンより大きい、ボイド、閉じ込められた気体、気泡、意図的に要求される材料以外のいずれの材料の不純物粒子、気相または液相のいずれの種類の閉じ込められた液体を含むいずれの欠陥も有しない、実施形態1から11のいずれかによる光源。
【0040】
実施形態13 変換器は1つまたは複数の燐光体を含み、燐光体はそれぞれ、安定した波長または可変の波長の放射の放出をもたらす特定の粒子サイズを有する、実施形態1から12のいずれかによる光源。
【0041】
実施形態14 変換器は、指定された最終用途の性能指標を得るために調整されることができる1つまたは複数の変換材料を、基板に対してある比で有する、実施形態1から13のいずれかによる光源。
【0042】
実施形態15 変換器は、基板に対して体積で5%と15%の間の比の変換材料を有する、実施形態1から14のいずれかによる光源。
【0043】
実施形態16 変換器は、指定された最終用途の性能指標を得るために調整されることができる、厚さおよび直径が変化することのできる寸法を有する、実施形態1から15のいずれかによる光源。
【0044】
実施形態17 変換器は、0.5mmと5mmの間の厚さ、および0.5mmと5mmの間の半径を有する、実施形態1から16のいずれかによる光源。
【0045】
実施形態18 フィルタは、変換器によって変換されなかった放出性放射源からのいずれの放出も除去すると共に、任意選択で、放出された光をさらに状態調節する、実施形態1から17のいずれかによる光源。
【0046】
実施形態19 デバイスからの放出された放射スペクトルの放出幾何形状は、適切な光構成部品を含めることにより、さらに状態調節され、方向付けされ、焦点合わせされ、平行化され、反射され、屈折され、回折され、または他のやり方で変更されることができる、実施形態1から18のいずれかによる光源。
【0047】
本開示は例示であり、本開示に含まれる教示の公正な範囲から逸脱せずに追加する、修正する、または詳細を除去することによって、様々な変更がなされ得ることが明白であるべきである。したがって本発明は、添付の特許請求の範囲が必然的にそのように限定される範囲を除いて、本開示の特定の詳細に限定されない。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光変換器であって、
入力光を放出する光源、
前記光源から放出された前記入力光を受け取り且つ状態調節された入力光を出力するように位置付けられた光学要素、
前記光学要素に光学的に結合された一様な複合基板、ここで当該一様な複合基板の体積内に分散配置された複数の粒子を含み、当該複数の粒子のそれぞれは前記光源からの前記状態調節された入力光を出力光に変換するように構成されており、前記状態調節された入力光は第1の波長を有し、前記出力光は当該第1の波長と異なる第2の波長を有し、前記光学要素は前記光源と前記一様な複合基板の間に配置され、
内部空洞を有するパッケージ本体であって、ここで当該内部空洞は当該パッケージ本体の遠位端から当該パッケージ本体の近位端まで貫通して延在し、前記光源、前記光学要素、及び前記一様な複合基板が前記内部空洞内に配置されており、並びに
前記パッケージ本体の前記遠位端を覆うウィンドウ
を備え、当該ウィンドウは、前記出力光が、前記パッケージ本体の前記遠位端で前記光変換器から放出されることを可能にするように構成され、前記光源、前記光学要素、前記一様な複合基板、及び当該ウィンドウが光学的に直列に結合されている、光変換器。
【請求項2】
前記一様な複合基板を収容するように構成された光反射器をさらに備え、当該光反射器は、前記入力光、前記状態調節された入力光、及び前記出力光のうちの1つまたは複数を反射し、当該光反射器は前記内部空洞内に配置されている、請求項1に記載の光変換器。
【請求項3】
前記光反射器が、前記入力光、前記状態調節された入力光、及び前記出力光のうちの1つまたは複数を反射し且つ光の方向を変えるように構成された反射性材料の層を含む、請求項2に記載の光変換器。
【請求項4】
前記光反射器が、全方向性の光の方向を所望の光経路へと変える、請求項2に記載の光変換器。
【請求項5】
前記一様な複合基板が複数の層から形成される、請求項1に記載の光変換器。
【請求項6】
前記複数の粒子が、前記一様な複合基板の前記複数の層のそれぞれの体積内に分散配置された複数の懸濁粒子である、請求項5に記載の光変換器。
【請求項7】
前記一様な複合基板に光学的に結合され且つ前記出力光を受けるように位置づけされた出力フィルタをさらに備え、
当該出力フィルタは、前記一様な複合基板によって変換されなかった前記光源からの前記入力光及び前記状態調節された入力光を除去すると共に、任意選択で、前記出力光をさらに状態調節するように構成されている、請求項1に記載の光変換器。
【請求項8】
前記光源、前記光学要素、前記一様な複合基板、及び前記ウィンドウが光経路を形成する、請求項1に記載の光変換器。
【請求項9】
前記光学要素が、前記入力光を前記一様な複合基板上に平行化するか、収束的に焦点を合わせるか、または発散的に焦点を合わせるように構成されている、請求項1に記載の光変換器。
【請求項10】
前記入力光が、400nmから480nmの範囲を有する、請求項1に記載の光変換器。
【請求項11】
前記入力光が、430nmから470nmの範囲を有する、請求項1に記載の光変換器。
【請求項12】
前記一様な複合基板が、押し出し、被覆、積層、ブレンディング、混合、または懸濁のうちの少なくとも1つを含むプロセスを用いて作製される、請求項1に記載の光変換器。
【請求項13】
前記一様な複合基板に対する前記複数の粒子の比が、5体積%と15体積%の間である、請求項1に記載の光変換器。
【請求項14】
前記出力光が、前記入力光または前記状態調節された入力光と比べて、異なる波長、より狭いスペクトル、より広いスペクトル、または非コヒーレント放射である、請求項1に記載の光変換器。
【請求項15】
前記複数の粒子が、前記状態調節された入力光を前記出力光に変換するように構成された変換材料からなり、前記一様な複合基板が、非変換材料からなる、請求項1に記載の光変換器。
【請求項16】
前記一様な複合基板が、1ミクロンより大きい、ボイド、閉じ込められた気体、気泡、意図的に要求される材料以外のいずれの材料の不純物粒子、気相または液相のいずれの種類の閉じ込められた液体を含むいずれの欠陥も有しない、請求項1に記載の光変換器。
【請求項17】
前記複数の粒子が、1つまたは複数の燐光体を含み、燐光体はそれぞれ、安定した波長または可変の波長の出力光を放出するように構成された特定の粒子サイズを有する、請求項1に記載の光変換器。
【請求項18】
前記出力光の放出幾何形状は、適切な光構成部品を含めることにより、状態調節され、方向付けされ、焦点合わせされ、平行化され、反射され、屈折され、回折され、または他のやり方で変更されるように構成されている、請求項1に記載の光変換器。
【請求項19】
前記一様な複合基板が、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、共重合体、またはそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の光変換器。
【請求項20】
前記ウィンドウが平面状である、請求項1に記載の光変換器。
【外国語明細書】