(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138316
(43)【公開日】2024-10-08
(54)【発明の名称】マルチリンク通信方法および関連装置
(51)【国際特許分類】
H04W 8/24 20090101AFI20241001BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20241001BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20241001BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20241001BHJP
H04W 76/15 20180101ALI20241001BHJP
【FI】
H04W8/24
H04W84/12
H04W72/0457 110
H04W72/0453
H04W76/15
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024104695
(22)【出願日】2024-06-28
(62)【分割の表示】P 2023173771の分割
【原出願日】2020-07-06
(31)【優先権主張番号】201910634696.6
(32)【優先日】2019-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,イーファン
(72)【発明者】
【氏名】グオ,ユイチェン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ユインボー
(72)【発明者】
【氏名】ガン,ミーン
(57)【要約】
【課題】
本出願の実施形態は、マルチリンク通信方法および関連装置を開示する。
【解決手段】
第1局は、無線フレームを生成する。ここで、第1局は、第1マルチリンク装置に含まれる複数の局の1つである。第1マルチリンク装置は、第1リンク上で動作する第1局および第2リンク上で動作する第2局を含む。第1局は、第1リンク上で無線フレームを送信する。ここで、無線フレームは、能力指示情報を含み、そして、能力指示情報は、第1局および第2局が同時送受信動作をサポートしているか否かを指示するために使用される。本願の実施形態に従って、通信品質を確保することができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチリンク通信方法であって、
第1マルチリンク装置によって、無線フレームを生成するステップであり、
前記第1マルチリンク装置は、第1リンクにおいて動作する第1局、および、第2リンクにおいて動作する第2局を含む、
ステップと、
前記第1マルチリンク装置によって、前記第1リンクにおいて前記無線フレームを送信するステップであり、
前記無線フレームは、情報要素を含み、
前記情報要素は、第2指示情報を含み、
前記第2指示情報は、閾値を含み、かつ、
前記閾値は、同時送受信動作をサポートしている2つのリンクの動作周波数間の差異の最小値を示すために使用される、
ステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
マルチリンク通信方法であって、
第3局によって、第1マルチリンク装置により送信された無線フレームを受信するステップであり、
前記第1マルチリンク装置は、第1リンクにおいて動作する第1局、および、第2リンクにおいて動作する第2局を含み、
前記無線フレームは、情報要素を含み、
前記情報要素は、第2表示情報を含み、
前記第2表示情報は、閾値を含み、かつ、
前記閾値は、同時送受信動作をサポートしている2つのリンクの動作周波数間の差差異の最小値を示すために使用される、
ステップと、
前記第3局によって、前記無線フレームから前記閾値を取得するステップと、
を含む、方法。
【請求項3】
前記情報要素は、第1表示情報を含み、かつ、
前記第1表示情報は、前記第1局および前記第2局が同時送受信動作をサポートしているか否かを示すために使用される、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記同時送受信動作は、第1動作および第2動作を含み、
前記第1動作は、前記第1局が送信動作を実行している間に、前記第2局が受信動作を実行することであり、かつ、
前記第2動作は、前記第1局が受信動作を実行している間に、前記第2局が送信動作を実行することである、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1表示情報は、1ビット情報を含み、かつ、
前記1ビット情報は、前記第1局および前記第2局の両方が、前記第1動作および前記第2動作をサポートしているか否かを示すために使用される、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1表示情報は、2ビット情報であり、
前記2ビット情報における第1ビット情報は、前記第1局および前記第2局が、前記第1動作をサポートしているか否かを示すために使用され、かつ、
前記2ビット情報における第2ビット情報は、前記第1局および前記第2局が、前記第2動作をサポートしているか否かを示すために使用される、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1表示情報は、1ビット情報の複数ピース、または、2ビット情報の複数ピースを含み、かつ、
第1帯域幅を使用する前記第1局、および、第2帯域幅を使用する前記第2局が、同時送受信動作をサポートしているか否かを指示するために、1ビット情報の1ピース、または、2ビット情報の1ピースが使用される、
請求項3乃至6いずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1マルチリンク装置は、少なくとも1つのマルチリンク論理エンティティを含み、
前記マルチリンク論理エンティティは、少なくとも1つの局を含み、
前記情報要素は、第3指示情報を含み、かつ、
前記第3指示情報は、前記第1局および前記第2局が、同じマルチリンク論理エンティティ内に置かれているか否かを指示するために使用される、
請求項1乃至7いずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記情報要素は、前記第2リンクの識別情報を含み、かつ、
前記情報要素は、マルチバンド要素、縮小近隣レポート要素、または、近隣レポート要素を含む、
請求項1乃至7いずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記無線フレームは、送受信能力情報要素を含み、
前記送受信能力情報要素は、要素ID、要素長、および、能力指示情報を含み、かつ、
前記能力指示情報は、前記第1リンクのリンク識別子、および、前記第2リンクのリンク識別子を含む、
請求項1乃至9いずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
コンピュータで読取り可能な記憶媒体であって、
命令を保管するように構成されており、かつ、
前記命令がコンピュータ上で実行されると、前記コンピュータが、請求項1乃至10いずれか一項に記載の方法を実行することを可能にする、
コンピュータで読取り可能な記憶媒体。
【請求項12】
請求項1乃至10いずれか一項に記載の方法を実施するように構成されている、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、通信技術の分野に関する。そして、特には、マルチリンク通信方法および関連装置に関する。
【0002】
本出願は、2019年7月12日に中国特許庁に出願され、タイトルが“MULTI-LINK COMMUNICATION METHOD AND RELATED APPARATUS”である中国特許出願第201910634696.6号に対する優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
無線技術の発展により、マルチリンク装置(multi-link device)は、例えば、2.4GHz周波数帯、5GHz周波数帯、および60GHz周波数帯で同時に通信を行うマルチリンク通信をサポートすることができる。マルチリンク装置は、通信品質を確保するように最適な周波数帯を選択するために、限られた数のアンテナが存在する場合でも、異なる周波数帯間のスイッチングを実行することができる。より多くのアプリケーショントラフィックがワイヤレスネットワークによって搬送されるので、ワイヤレス・フィディリティ(wireless-fidelity、Wi-Fi(登録商標))システムは高速化の目標に向かって進化している。マルチリンク装置において局(station)のピークレートを増加させるために、マルチリンクアグリゲーション通信は、次世代無線ローカルエリアネットワーク(wireless local networks、WLAN)技術の追加的な機能になった。マルチリンクアグリゲーション通信は、複数のリンク間の協調を伴うが、複数のリンクは相互に制限されてしまう。例えば、無線トランシーバユニットが全二重(full-duplex)動作をサポートすることは困難である。同時送信をサポートしていない2つのリンクにおいて、データが同時に送信され/受信される場合、通信品質を確保することができない。
要約
【発明の概要】
【0004】
この出願の実施形態は、通信品質を確保するために、マルチリンク通信方法および関連装置を提供する。
【0005】
第1態様に従って、本出願の実施形態は、マルチリンク通信方法を提供する。本方法は、以下を含む。第1局が無線フレームを生成する。ここで、第1局は第1マルチリンク装置に含まれる複数の局のうちの1つであり、第1マルチリンク装置は第1リンク上で動作する第1局および第2リンク上で動作する第2局を含む。そして、第1局は第1リンク上で無線フレームを送信し、ここで、無線フレームは能力指示情報を含み、そして、能力指示情報は第1局および第2局が同時送受信動作(simultaneous transmitting/receiving operations)をサポートしているか否かを指示するために使用される。能力指示情報は、第1リンク上で動作している第1局および第2リンク上で動作している第2局が、第1マルチリンク装置の同時送受信動作をサポートしているか否かを指示するために、無線フレームにおいて搬送される。性能指示情報を受信する別の局は、第1マルチリンク装置における第1局および第2局が、データの同時送受信をサポートすることができるか否かを判断することができる。第1局および第2局がデータの同時送受信をサポートしている場合に、他局は、第1局および第2局との同時送受信を実行し、それにより、通信効率を向上させることができる。第1局および第2局がデータの同時送受信をサポートしていない場合に、他局は、第1局および第2局との同時送受信を回避し、通信品質を確保することができる。
【0006】
第1局および第2局が同時送受信動作をサポートしているか否かについては、また、マルチリンク装置が第1リンクおよび第2リンクとの同時送受信動作をサポートしていないとも理解することができる。マルチリンク装置が第1リンクおよび第2リンク上での同時送受信動作をサポートしないことは、マルチリンク装置は、第1局が第1リンク上で第1バンド幅物理層プロトコルデータユニットPPDUを送信し、一方で、第2局が第2リンク上で第2バンド幅物理層プロトコルデータユニットPPDUを受信すること、または、第1局が第1リンク上で第1バンド幅物理層プロトコルデータユニットを受信し、一方で、第2局が第2リンク上で第2バンド幅物理層プロトコルデータユニットを送信すること、をサポートしないことを含む。本出願のこの実施形態において、「同時送受信(“simultaneous transmitting/receiving”)」または「同時(“simultaneous”)」は、送信データの開始時点および終了時点が、受信データの開始時点および終了時点とそれぞれ厳密に同一であることを意味するものではなく、そして、時間に関して第1帯域幅PPDUと第2帯域幅PPDUとの間に空でない(non-empty)交点が存在することを意味し得る。
【0007】
第2態様に従って、本出願の実施形態は、マルチリンク通信方法を提供する。本方法は、以下を含む。第3局が、第1マルチリンク装置に含まれる複数の局において第1局によって送信された無線フレームを受信する。」ここで、第1マルチリンク装置は、第1リンク上で動作する第1局および第2リンク上で動作する第2局を含み、無線フレームは、能力指示情報を含み、そして、能力指示情報は、第1局および第2局が同時送受信動作をサポートしているか否かを指示するために使用される。そして、第3局は、能力指示情報に基づいて、第1局および第2局が同時送受信動作をサポートしているか否かを判断する。性能指示情報を受信した第3局は、第1マルチリンク装置における第1局および第2局がデータの同時送受信に対応できるか否かを判断することができる。第1局および第2局がデータの同時送受信をサポートしている場合に、第3局は、第1局および第2局との同時送受信を実行し、それにより、通信効率を向上させることができる。第1局および第2局がデータの同時送受信をサポートしていない場合に、別の局は、第1局と第2局との同時送受信を回避し、それにより、通信品質を確保することができる。してもよい。
【0008】
第1態様の可能な設計または第2態様の可能な設計において、能力指示情報は、第1指示情報を含み、そして、第1指示情報は、第1局および第2局が同時送受信動作をサポートしているか否かを指示するために使用される。
【0009】
第1態様の別の可能な設計または第2態様の別の可能な設計において、同時送受信動作は、第1動作および第2動作を含む。第1動作は、第1局が送信動作を実行する間に、第2局が受信動作を実行することであり、そして、第2動作は、第1局が受信動作を実行する間に、第2局が送信動作を実行することである。第1指示情報は1ビット情報を含み、1ビット情報は、第1局および第2局の両方が第1動作および第2動作をサポートしているか否かを指示するために使用される。
【0010】
第1態様の別の可能な設計または第2態様の別の可能な設計において、同時送受信動作は、第1動作および第2動作を含む。第1動作は、第1局が送信動作を実行する間に、第2局が受信動作を行うことであり、第2動作は、第1局が受信動作を実行する間に、第2局が送信動作を行うことである。第1指示情報は2ビット情報を含んでいる。2ビット情報における第1ビット情報は、第1局および第2局が第1動作をサポートしているか否かを指示するために使用され、かつ、2ビット情報の第2ビット情報は、第1局および第2局が第2動作をサポートしているか否かを指示するために使用される。
【0011】
第1態様の別の可能な設計または第2態様の別の可能な設計において、第1指示情報は、1ビット情報の複数ピースまたは2ビット情報の複数ピースを含む。1ビット情報の1ピースまたは2ビット情報の1ピースは、第1帯域幅を使用する第1局および第2帯域幅を使用する第2局が、同時送受信動作をサポートしているか否かを指示するために使用される。これは、同時送受信動作を行うために、第1局および第2局が異なる帯域幅を使用することを実装する。
【0012】
第1態様の別の可能な設計または第2態様の別の可能な設計において、能力指示情報は、第2指示情報を含む。第2指示情報は閾値を含み、そして、閾値は、同時送受信動作をサポートする2つのリンクの動作周波数間の差の最小値を指示するために使用される。第3局は、閾値に基づいて、第1局および第2局が同時送受信動作をサポートしているか否かを判断することができる。
【0013】
第1態様の別の可能な設計または第2態様の別の可能な設計において、能力指示情報は、第1指示情報および第2指示情報を含む。第2指示情報は閾値を含む。第1指示情報は、第1局の動作周波数と第2局の動作周波数との間の差が閾値よりも大きい場合に、第1局および第2局が同時送受信動作をサポートしているか否かを指示するために使用される。第1指示情報と第2指示情報との結合指示(joint indication)に基づいて、第1指示情報および第2指示情報の両方が合致した場合に、同時送受信が実行される。
【0014】
第1態様の別の可能な設計または第2態様の別の可能な設計において、第1マルチリンク装置は、少なくとも1つのマルチリンク論理エンティティを含む。マルチリンク論理エンティティは、少なくとも1つの局(station)を含む。能力指示情報は、第3指示情報を含み、第3指示情報は、第1局および第2局が、同じマルチリンク論理エンティティ内に配置されているか否かを指示するために使用される。第1局および第2局が同じマルチリンク論理エンティティ内に配置されている場合、同じサービスタイプのデータフレームをマルチリンクアグリゲーション通信方式で送信され得る。
【0015】
第1態様の別の可能な設計または第2態様の別の可能な設計において、無線フレームは情報要素を含む。能力指示情報は、情報要素において搬送される。情報要素は、第2リンクの識別情報を含む。情報エレメントは、マルチバンド要素、縮小近隣レポート要素、または近隣レポート要素を含む。
【0016】
第1態様の別の可能な設計または第2態様の別の可能な設計において、無線フレームは、送受信(transmitting/receiving)能力情報要素を含む。送受信能力情報要素は、要素ID、要素長、および能力指示情報を含む。能力指示情報は、第1リンクのリンク識別子および第2リンクのリンク識別子を含む。
第1リンク上で動作している第1局、および、第1マルチリンク装置において他のリンク上で動作している任意の局が同時送受信をサポートしているか否かは、送受信能力情報要素を使用することにより指示することができ、情報要素を一つ一つ用いて表示する必要がない。このことは、信号オーバーヘッドを減少させる。
【0017】
第3態様に従って、本出願の実施形態は、マルチリンク通信方法を提供する。本方法は、以下を含む。第1マルチリンク装置がプライマリリンク上で、第2マルチリンク装置によって送信された物理プロトコルデータユニットPPDUを受信する。第1マルチリンク装置と第2マルチリンク装置との間には複数のリンクが存在し、そして、複数のリンクは、プライマリリンク、および、プライマリリンクに隣接するセカンダリリンクを含む。第1マルチリンク装置セットは、送信禁止時間を送信する。ここで、送信禁止時間は、第1マルチリンク装置のセカンダリリンク上で動作する局がデータの送信を禁止される時間を指示するために使用される。マルチリンクアグリゲーション(プライマリリンクおよびセカンダリリンクのアグリゲーション)通信では、送信禁止時間を設定することにより、セカンダリリンク上のデータの送信が禁止され、隣接リンク上のデータの同時送受信を回避する。これにより、プライマリリンクの干渉と競合対立が軽減される。
【0018】
可能な設計において、送信禁止時間は、開始時点および終了時点を含む。
【0019】
別の可能な設計において、送信禁止時間は、開始時点および時間長を含む。
【0020】
別の可能な設計において、開始時点は、物理層プリアンブル内の信号フィールドが得られる時点、PPDU内のメディアアクセス制御MACフレームヘッダ内の受信アドレスがプライマリリンク上で動作する局のアドレスと一致する時点が決定される時点、または、フレームチェックシーケンスFCSが受信され、データパケットが正しく受信される時点である。任意的に、「獲得すること(“obtaining”)」は、また、受信すること、検出すること、または、構文解析すること、として解釈され得る。終了時点は、PPDUの終了時点、PPDUに応答するブロック確認応答BAの終了時点、PPDUに加えて短いフレーム間スペースSIFSに応答するBAの時点、または、PPDUが属する送信機会TXOPの終了時点である。任意的に、ある時点は、また、モーメントと呼ぶこともできる。別の可能な設計において、セカンダリリンクが複数のプライマリリンクに隣接している場合、開始時点は、複数のプライマリリンクに対応する複数の送信禁止時間の最小の開始値であり、そして、終了時点は、複数のプライマリリンクに対応する複数の送信禁止時間の最大の終了値である。従って、セカンダリリンクに設定された送信禁止時間は、複数のプライマリリンクの要件を満たすことができること、そして、全てのプライマリリンクに干渉または競合対立が生じないことが保証される。
【0021】
別の可能な設計において、セカンダリリンクが複数のプライマリリンクに隣接している場合、時間長は、複数のプライマリリンクに対応する複数の時間長の最大値である。従って、セカンダリリンクに設定された送信禁止時間は、複数のプライマリリンクの要件を満たすことができること、全てのプライマリリンクに干渉または競合対立が生じないことが保証される。
【0022】
別の可能な設計において、セカンダリリンクが複数のプライマリリンクに隣接している場合、送信禁止時間は、開始時点および終了時点を設定する前述の方法において、各プライマリリンクに対して設定され、そして、複数の送信禁止時間は、セカンダリリンクにおいて記録される。
【0023】
第4態様に従って、本出願の実施形態は、第1マルチリンク装置を提供する。第1マルチリンク装置は、第1態様および第3態様において第1マルチリンク装置によって実行される方法および機能を実現するように構成されており、そして、ハードウェア/ソフトウェアによって実装される。ハードウェア/ソフトウェアは、前述の機能に対応するモジュールを含む。
【0024】
第5態様に従って、本出願の実施形態は、第2マルチリンク装置を提供する。第2マルチリンク装置は、第2態様において第2マルチリンク装置によって実行される方法および機能を実現するように構成されており、そして、ハードウェア/ソフトウェアによって実装される。ハードウェア/ソフトウェアは、前述の機能に対応するモジュールを含む。
【0025】
第6態様に従って、本出願の実施形態は、プロセッサ、メモリ、および通信バスを含む、第1マルチリンク装置を提供する。通信バスは、プロセッサとメモリとの間の接続および通信を実施するように構成されている。プロセッサは、メモリに保管されたプログラムを実行して、第1態様および第3態様におけるステップを実施する。
【0026】
可能な設計において、本出願において提供される第1マルチリンク装置は、前述の方法設計における第1エンティティの動作を実行するように構成された対応するモジュールを含むことができる。モジュールは、ソフトウェア及び/又はハードウェアであり得る。
【0027】
第7の態様に従って、本出願の実施形態は、プロセッサ、メモリ、および通信バスを含む第2マルチリンク装置を提供する。通信バスは、プロセッサとメモリとの間の接続および通信を実施するように構成されている。プロセッサは、メモリに保管されたプログラムを実行して、第2態様のステップを実施する。
【0028】
可能な設計において、本出願に提供される第2マルチリンク装置は、前述の方法設計における第1マルチリンク装置の動作を実行するように構成された対応するモジュールを含むことができる。モジュールは、ソフトウェア及び/又はハードウェアであり得る。
【0029】
第8態様に従って、本出願は、コンピュータで読取り可能な記憶媒体を提供する。そして、コンピュータで読取り可能な記憶媒体は、命令を保管する。命令がコンピュータ上で実行されるとき、コンピュータは、上記の態様のいずれか1つにおける方法を実行することが可能である。
【0030】
第9態様に従って、本出願は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるとき、コンピュータは、上記の態様のいずれか1つにおける方法を実行することが可能である。
【0031】
第10態様に従って、プロセッサを含むチップが提供される。チップは、メモリから命令を呼び出し、そして、メモリに保管された命令を実行するように構成されている。そうして、チップがインストールされた通信装置は、上記の態様のいずれか1つにおける方法を実行する。
【0032】
第11態様に従って、本出願の実施形態は、さらに別のチップを提供する。チップは、第1マルチリンク装置内のチップ、または、第2マルチリンク装置内のチップであり得る。チップは、入力インターフェイス、出力インターフェイス、および処理回路を含む。入力インターフェイス、出力インターフェイス、および回路は、内部接続パスを介して接続されている。処理回路は、上記の態様のいずれか1つにおける方法を実行するように構成されている。
【0033】
第12態様に従って、入力インターフェイス、出力インターフェイス、およびプロセッサを含む別のチップが提供される。任意的に、チップは、さらに、メモリを含む。入力インターフェイス、出力インターフェイス、プロセッサ、およびメモリは、内部接続パスを介して接続されている。プロセッサは、メモリ内のコードを実行するように構成されている。コードが実行されると、プロセッサは、上記の態様のいずれか1つにおける方法を実行するように構成されている。
【0034】
第13態様に従って、装置が提供される。装置は、上記の態様のいずれか1つにおける方法を実行するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本出願または背景技術での実施態様における技術的ソリューションをより明確に説明するために、以下は、本出願または背景技術の実施態様を説明する添付の図面を説明している。
【
図1】
図1は、本出願の一つの実施形態に従った、通信システムの概略アーキテクチャ図である。
【
図2】
図2は、本出願の一つの実施形態に従った、マルチリンク装置間の関連関係の概略図である。
【
図3】
図3は、本出願の一つの実施形態に従った、マルチリンク通信方法の概略フローチャートである。
【
図4】
図4は、本出願の一つの実施形態に従った、マルチバンド要素の概略図である。
【
図5】
図5は、本出願の一つの実施形態に従った、マルチリンク要素に含まれる他のフィールドの概略図である。
【
図6】
図6は、本出願の一つの実施形態に従った、縮小近隣レポート(reduced neighbor report)要素の概略図である。
【
図7】
図7は、本出願の一つの実施形態に従った、縮小近隣レポート要素に含まれる他のフィールドの概略図である。
【
図8】
図8は、本出願の一つの実施形態に従った、近隣レポート要素の概略図である。
【
図9】
図9は、本出願の一つの実施形態に従った、近隣レポート要素に含まれる他のフィールドの概略図である。
【
図10】
図10は、本出願の一つの実施形態に従った、送信/受信能力情報要素の概略図である。
【
図11】
図11は、本出願の一つの実施形態に従った、別のマルチリンク通信方法の概略フローチャートである。
【
図12】
図12は、本出願の一つの実施形態に従った、データ伝送の概略図である。
【
図13】
図13は、本出願の一つの実施形態に従った、第1マルチリンク装置の構造を示す概略図である。
【
図14】
図14は、本出願の一つの実施形態に従った、第2マルチリンク装置の構造を示す概略図である。
【
図15】
図15は、本出願の一つの実施形態に従った、第1マルチリンク装置の構造を示す概略図である。
【
図16】
図16は、本出願の一つの実施形態に従った、第2マルチリンク装置の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下は、本出願の実施態様における添付図面を参照して、本出願の実施態様を説明している。
【0037】
図1は、本出願の一つの実施形態に従った通信システムの概略アーキテクチャ図である。通信システムは、アクセスポイント装置および局(station)装置を含む。本出願のこの実施形態におけるマルチリンク装置は、ステーション装置であってよく、または、アクセスポイント装置であり得る。マルチリンク装置がアクセスポイント装置である場合、マルチリンク装置は、1つ以上のアクセスポイント(access point、AP)を含む。マルチリンク装置がステーションデバイスである場合、マルチリンク装置は、1つ以上の局(station、STA)を含む。アーキテクチャは、また、基地局(base station、BS)および端末装置(user equipment、UE)が含まれるアプリケーションシナリオにおいても広く使用され得る。APは、モバイルユーザ(mobile user)が有線ネットワークにアクセスするために使用されるアクセスポイントであり得る。APは主に、家、ビル、キャンパスの中に配置されており、一般的なカバレッジ半径は数十メートルから数百メートルである。確かに、APは、代替的に、屋外で展開され得る。APは、有線ネットワークと無線ネットワークとを接続するブリッジに相当する。APは、主に無線ネットワーククライアント同士を接続し、そして、次いで、無線ネットワークをイーサネットに接続するために使用される。具体的に、APは、Wi-Fiチップを搭載した端末装置またはネットワーク装置であってよい。APは、802.11ax標準をサポートする装置であり得る。代替的に、APは、802.11ac、802.11n、802.11g、802.11b、および802.11aといった複数の無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)標準をサポートするデバイスであり得る。STAは、無線通信チップ、無線センサ、または無線通信端末であり得る。例えば、STAは、Wi-Fi通信機能をサポートする移動電話(mobile phone)、Wi-Fi通信機能をサポートするタブレットコンピュータ、Wi-Fi通信機能をサポートするセットトップボックス、Wi-Fi通信機能をサポートするスマートテレビ、Wi-Fi通信機能をサポートするスマートウェアラブルデバイス、Wi-Fi通信機能をサポートする車載通信デバイス、または、Wi-Fi通信機能をサポートするコンピュータ、であり得る。任意的に、STAは、802.11ax標準をサポートすることができる。STAは、また、802.11ac、802.11n、802.11g、802.11b、および802.11aといった複数の無線LAN標準をサポートすることができる。
【0038】
図2は、本出願の一つの実施形態に従った、マルチリンク装置間の関連関係(association relationships)の概略図である。
図2に示すマルチリンク装置は、第1マルチリンク装置および第2マルチリンク装置を含んでいる。第1マルチリンク装置または第2マルチリンク装置は、それぞれ、少なくとも1つのマルチリンク論理エンティティを含み得る。1つのマルチリンク論理エンティティは、1つ以上のステーションを含むことができ、そして、全てのステーションは、異なるリンク上で動作する。第1マルチリンク装置のSTA 1およびSTA 2は、マルチリンク論理エンティティに属しており、そして、第1マルチリンク装置のSTA nは、別のマルチリンク論理エンティティに属している。第2マルチリンク装置におけるSTA 1およびSTA 2は、マルチリンク論理エンティティに属しており、そして、第2マルチリンク装置におけるSTA nは、他のマルチリンク論理エンティティに属している。第1マルチリンク装置が第2マルチリンク装置と通信する必要がある場合、第1マルチリンク装置内の各ステーションは、第2マルチリンク装置内の対応するステーションと関連付けられる必要がある。
図2に示すように、第1マルチリンク装置内のSTA 1は、第2マルチリンク装置内のSTA 1と関連付けられ、そして、リンク1上で動作する。第1マルチリンク装置内のSTA 2は、第2マルチリンク装置内のSTA 2と関連付けられ、そして、リンク2上で動作する。第1マルチリンク装置におけるSTA nは、第2マルチリンク装置におけるSTA と関連付けられ、リンクn上で動作する。このようにして、第1マルチリンク装置内の各局は、それぞれのリンク上の第2マルチリンク装置内の対応する局との接続を確立することができ、それによって、2つのマルチリンク装置間のマルチリンク通信を実装している。
【0039】
より多くのアプリケーショントラフィックが無線ネットワークによって搬送されるので、Wi-Fiシステムは高速化の目標に向けて進化している。マルチリンクアグリゲーション通信は、マルチリンク装置における局のピークレート(peak rate)を増加させるために、次世代無線LAN技術の代替的な機能となった。マルチリンクアグリゲーション通信は、複数のリンク間の協調作業を含むが、リンク間には相互的な制限が存在している。例えば、無線トランシーバユニットにつて、全二重動作をサポートすることは、現在、困難である。相互に近接した2つのリンクは、同時送受信動作(simultaneous transmitting/receiving)ができないが、一方で、相互に遠く離れた2つのリンクは、同時送受信が可能である。しかしながら、各リンクの同時送受信能力は、従来のソリューションにおいては示されていない。このことは、通信効率に影響を与える。データが、同時送受信に対応していない2つのリンクにおいて、同時に送信され、かつ、受信される、通信品質を確保することができない。加えて、マルチリンク伝送(transmission)においては、プライマリリンクとセカンダリリンクが存在している。プライマリリンクおよびセカンダリリンクが同時送受信動作をサポートしない場合、プライマリリンクがデータパケットを受信している間は、セカンダリリンクがデータを送信できない。しかしながら、セカンダリリンク自体はバックオフ(backoff)を実行しないので、セカンダリリンクは別のプライマリリンクと共にのみ送信される。このことは、プライマリリンクにおけるデータ送信に対して、干渉(interference)および競合対立(contention conflict)を生じさせ得る。前述の技術的問題を解決するために、本出願の実施形態は、以下のソリューションを提供する。
【0040】
図3は、本出願の一つの実施形態に従ったマルチリンク通信方法の概略フローチャートである。本方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されるものではない
【0041】
S301:第1局(first station)は、無線フレームを生成し、ここで、第1局は、第1マルチリンク装置に含まれる複数の局のうち1つである。そして、第1マルチリンク装置は、第1リンク上で動作する第1局、および、第2リンク上で動作する第2局を含んでいる。
【0042】
リンクは、局の動作周波数帯、または、局の動作周波数帯およびチャ0109ネルに基づいて決定されることが留意されるべきである。周波数帯は、複数のチャネルを含み得る。複数の局が異なる周波数帯域で動作する場合に、複数の局は、異なるリンクで動作する。代替的に、複数の局が同じ周波数帯域であるが、異なるチャネル上で動作する場合には、複数の局も、また、異なるリンク上で動作する。
【0043】
第1局および第2局は、それぞれ、非AP STAであってよく、または、AP STAであってよい。第1局および第2局の両方が、非AP STAである場合、無線フレームは、プローブ要求フレーム、認証フレーム、アソシエーション要求フレーム、または、再アソシエーション要求フレームであり得る。第1局および第2局の両方がAP STAである場合、無線フレームは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、認証フレーム、または、再アソシエーション応答フレームであり得る。
【0044】
S302:第1局は、第1リンク上で無線フレーム(radio frame)を送信し、そして、第2マルチリンク装置の第3局は、第1リンク装置に含まれる複数の局における第1局によって送信された無線フレームを受信し、ここで、無線フレームは、能力指示情報(capability indication information)を含む。能力指示情報は、第1局および第2局が同時送受信動作をサポートしているか否かを指示するために使用され、第2マルチリンク装置における第3局は、能力指示情報に基づいて、第1局および第2局が同時送受信動作をサポートしているか否かを判断することができる。
【0045】
第3局は、マルチリンク装置内における局ではなく、単一のリンク上で動作し得ることに留意されたい。例えば、第3局は、第1リンク上で動作している局である。
【0046】
任意的に、能力指示情報は、第1指示情報を含み、そして、第1指示情報は、第1局および第2局が同時送受信動作をサポートしているか否か指示するために使用される。
【0047】
同時送動作は、第1動作および第2動作を含み、ここで、第1動作は、第1局が送信動作を実行する間に、第2局が受信動作を行うことであり、そして、第2動作は、第1局が受信動作を実行する間に、第2局が送信動作を行うことである。第1動作は、代替的に、第1局が受信動作を実行する間に第2局が送信動作を行うことであってよく、そして、第2動作は、第1局が送信動作を実行する間に第2局が受信動作を行うことであってよい。このことは、ここにおいて限定されない。第1指示情報は1ビットの情報を含み、そして、1ビットの情報は、第1局および第2局の両方が第1動作および第2動作をサポートしているか否かを指示するために使用される。
【0048】
例えば、第1指示情報における1ビット情報は、0または1であり得る。1ビット情報が1の場合には、第1局および第2局の両方が第1動作および第2動作をサポートしていることを指示し得る。1ビット情報が0の場合は、第1局および第2局のいずれも第1動作および第2動作をサポートしていないことを指示する。0および1で示される関数は、代替的に、置き換え可能であり得る。このことは、ここにおいて限定されない。
【0049】
同時送受信動作は、第1動作および第2動作を含む。第1動作は、第1局が送信動作を実行する間に、第2局が受信動作を行うことであり、そして、第2動作は、第1局が受信動作を実行する間に、第2局が送信動作を行うことである。代替的に、第1動作は、第1局が受信動作を実行する間に、第2局が送信動作を行うことであり、そして、第2動作は、第1局が送信動作を実行する間に、第2局が受信動作を行うことであってよい。このことは、ここにおいて限定されない。第1指示情報は2ビット情報を含み、2ビット情報の第1ビット情報は、第1局および第2局が第1動作をサポートしているか否かを指示するために使用され、そして、2ビット情報の第2ビット情報は、第1局および第2局が第2動作をサポートしているか否かを指示するために使用され得る。
【0050】
例えば、2ビット情報は、00、10、01、または11を含んでよい。00は、第1局および第2局が、第1動作および第2動作をサポートしないことを指示し得る。10は、第1局および第2局が、第1動作をサポートするが、第2動作をサポートしないことを指示し得る。01は、第1局および第2局が、第1動作をサポートしていないが、第2動作をサポートすることを指示し得る。11は、第1局および第2局の両方が、第1動作をサポートし、かつ、第2動作をサポートすることを指示し得る。0と1で示される関数は、代替的に、置き換えることもできる。このことは、ここにおいて限定されない。
【0051】
任意的に、第1指示情報は、1ビット情報の複数ピース(piece)、または2ビット情報の複数ピースを含んでいる。1ビット情報のうち1ピース、または、2ビット情報のうち1ピースは、第1帯域幅を使用する第1局および第2帯域幅を使用する第2局が、同時送受信動作をサポートしているか否かを指示するために使用される。第1帯域幅は、第1局がデータを送信する帯域幅であり、そして、これらに限定されるわけではないが、20MHz、40MHz、80MHz、160MHz、または320MHzを含み得る。第2帯域幅は、第2局がデータを送信する帯域幅であり、これらに限定されるわけではないが、20MHz、40MHz、80MHz、160MHz、または320MHzを含み得る。
【0052】
例えば、第1局は20MHz、40MHz、または80MHzの帯域幅でデータを送信することができ、第2局は80MHzまたは160MHzの帯域幅でデータを送信することができる。第1局と第2局には、次の6つのチャネル帯域幅設定が存在する。第1局は20MHzの帯域幅でデータを送信し、そして、第2局は80MHzの帯域幅でデータを送信する。代替的に、第1局は20MHzの帯域幅でデータを送信し、そして、第2局は160MHzの帯域幅でデータを送信する。代替的に、第1局は40MHzの帯域幅でデータを送信し、そして、第2局は80MHzの帯域幅でデータを送信する。代替的に、第1局は40MHzの帯域幅でデータを送信し、そして、第2局は160MHzの帯域幅でデータを送信する。代替的に、第1局は80MHzの帯域幅でデータを送信し、そして、第2局は80MHzの帯域幅でデータを送信する。代替的に、第1局は80MHzの帯域幅でデータを送信し、そして、第2局は160MHzの帯域幅でデータを送信する。前述の6つのチャネル帯域幅構成は、6つの1ビットまたは6つの2ビットを使用することによって指示され得る。例えば、前述の6つのチャネル帯域幅構成は、6つの1ビットを使用することによって指示され得る。第1指示情報が100000である場合、第1チャネル帯域幅構成を使用して実行される同時送受信動作がサポートされることを指示することができる。具体的には、第1局が20MHzの帯域幅を使用してデータを受信(または送信)し、第2局が80MHzの帯域幅を使用してデータを送信(または受信)することがサポートされている。第1指示情報が0001000である場合、第3チャネル帯域幅構成を使用することによって実行される同時送受信動作がサポートされることを示してもよい。具体的には、第1局が40MHzの帯域幅を使用してデータを受信(または送信)し、そして、第2局が80MHzの帯域幅を使用してデータを送信(または受信)することがサポートされる。他のチャネル帯域幅構成も同様である。本出願のこの実施態様には、詳細が説明されていない。
【0053】
任意的に、能力指示情報は、第2指示情報を含み得る。第2指示情報は、閾値を含んでいる。閾値は、同時送受信動作をサポートする2つのリンクの動作周波数間の差の最小値を指示するために使用される。具体的に、第2マルチリンク装置の第3局は、無線フレームを受信した後で、無線フレームにおける情報要素(information element)を取得する。ここで、情報要素は、第2リンクの識別情報を含む。第3ノードは、第2リンクの識別情報に基づいて、第1マルチリンク装置の第2リンク上で動作する第2局の動作周波数を決定することができる。第3ノードは、第2局の動作周波数を、無線フレームを送信する第1局の動作周波数と比較して、第1局の動作周波数と第2局の動作周波数との間の差を決定する。第1局の動作周波数と第2局の動作周波数との間の差が閾値より大きい(または、等しいか大きい)場合に、第2マルチリンク装置内の第3局は、第1マルチリンク装置における第1局および第2局が同時送受信動作をサポートすると判断することができる。第1局の動作周波数と第2局の動作周波数との間の差が閾値以下である(または、より小さい)場合に、第2マルチリンク装置内の第3局は、第1マルチリンク装置における第1局および第2局が同時送受信動作をサポートしないと判断することができる。閾値は、帯域幅、例えば、5MHzまたは20MHzで測定され得る。
【0054】
任意的に、能力指示情報は、第1指示情報および第2指示情報を含み得る。第2指示情報は閾値を含んでいる。第1指示情報は、第1局の動作周波数と第2局の動作周波数との間の差が閾値よりも大きい場合に、第1局および第2局が同時送受信動作をサポートしているか否かを指示するために使用される。さらに、無線フレームの受信後に、第2マルチリンク装置の第3局が、第1局の動作周波数と第2局の動作周波数との間の差が閾値より大きい(または、等しいか大きい)と判断し、かつ、第1指示情報に基づいて、第1局および第2局が同時送受信動作をサポートすると判断する場合には、第1局および第2局が同時送受信動作をサポートしていると判断することができる。代替的に、第3局が第1局の動作周波数と第2局の動作周波数との間の差が閾値より大きい(または、等しいか大きい)と判断したが、第1指示情報に基づいて、第1局および第2局が同時送受信動作をサポートしないと判断した場合に、第3局は、第1局および第2局が同時送受信動作をサポートしないと判断することができる。第3局は、第1局の動作周波数と第2局の動作周波数の差が閾値以下であると判断した場合は、第1指示情報が同時送受信動作を指示するか否かにかかわらず、第1局および第2局が同時送受信動作をサポートしないと判断する。任意的に、第1指示情報が予約値に設定される。
【0055】
任意的に、第1マルチリンク装置は、少なくとも1つのマルチリンク論理エンティティ(multi-link logical entity、MLO entity)を含む。マルチリンク論理エンティティは、少なくとも1つのステーションを含む。機能指示情報は、第3指示情報を含む。第3指示情報は、第1局および第2局が同じマルチリンク論理エンティティ内にあるか否かを指示するために使用される。さらに、第1局および第2局が同一のMLOエンティティ内に置かれている場合、第1局および第2局は、同一のサービスタイプ(トラフィックID、TID)のデータフレームを、マルチリンク集約通信方式で送信し得る。第1局および第2局が異なるMLOエンティティ内に配置されている場合、第1局および第2局は、マルチリンク集約通信方式でデータフレームを送信し得る。ここで、データフレームは、異なるサービスタイプのデータフレームである。
【0056】
任意的に、無線フレームは情報要素を含む。能力指示情報は、情報要素において搬送される。情報要素は、第2リンクの識別情報を含む。情報エレメントは、マルチバンド要素(multi-band element)、縮小近隣レポート要素(reduced neighbor report element、RNR element)、または、近隣レポート要素(neighbor report element)であり得る。マルチバンド要素は、第2局が動作するリンクを指示するために使用され得る。RNR要素および近隣レポート要素は、第1局によってプローブされた近隣ノードを指示するために使用され、かつ、プローブされた近隣ノードに関する情報を搬送するために使用される。近隣ノードは、第1マルチリンク装置の第1局、すなわち、第2局以外の局であり得る。第1指示情報、第2指示情報、および第3指示情報のうち1つ以上は、マルチバンド要素、RNR要素、または近隣レポート要素において搬送され得る。
【0057】
例えば、
図4は、本出願の一つの実施形態に従った、マルチバンド要素の概略図である。マルチバンド要素は、第1指示情報フィールド、第2指示情報フィールド、および第3指示情報フィールドのうち1つ以上を含み得る。第1指示情報フィールド、第2指示情報フィールド、および第3指示情報フィールドのビットの量は限定されず、そして、第1指示情報フィールド、第2指示情報フィールド、および第3指示情報フィールドの位置も限定されない。ビットの量は、1または2であり得る。任意的に、マルチバンド要素は、さらに、他のフィールドを含んでよい。任意的に、
図4において楕円で表される部分は、
図5に示される複数のフィールドを含んでよい。複数のフィールドは、バンドID(band ID)フィールド、チャネル番号(channel number)フィールド、および動作クラス(operating class)フィールドを含んでよい。バンドIDフィールド、チャネル番号フィールド、および動作クラスフィールドは、第2局が動作する第2リンクを指示するために使用され得る。任意的に、複数のフィールドは、さらに、要素ID(element ID)フィールド、長さ(length)フィールド、マルチバンド制御(multi-band control)フィールド、ビーコン間隔(beacon interval)フィールド、マルチバンド接続能力(multi-band connection capability)フィールド、STA MACアドレス(STA MAC address)フィールド、等を含んでよい。第1指示情報フィールド、第2指示情報フィールド、第3指示情報フィールド、およびマルチバンド要素における
図5に示される複数のフィールドの位置は、限定されない。
【0058】
図6は、本出願の一つの実施形態に従った、縮小近隣レポート要素、RNR要素の概略図である。RNR要素は、第1指示情報フィールド、第2指示情報フィールド、および第3指示情報フィールドのうち1つ以上を含み得る。第1指示情報フィールド、第2指示情報フィールド、および第3指示情報フィールドのビットの量は限定されず、第1指示情報フィールド、第2指示情報フィールド、および第3指示情報フィールドの位置も限定されない。ビットの量は、1または2であり得る。任意的に、RNR要素は、さらに他のフィールドを含み得る。任意的に、
図6において楕円で表される部分は、
図7に示される複数のフィールドを含んでよい。複数のフィールドは、近隣AP情報(neighbor AP information)フィールドを含んでよく、近隣AP情報フィールドは、さらに、チャネル番号(channel number)フィールドおよび動作クラス(operating class)フィールドを含んでよい。任意的に、複数のフィールドは、さらに、要素ID(element ID)フィールド、長さ(length)フィールド、等を含んでよい。RNR要素における第1指示情報フィールド、第2指示情報フィールド、第3指示情報フィールド、および
図7に示される複数のフィールドの位置は、限定されない。
【0059】
図8は、本出願の一つの実施形態に従った、近隣レポート要素に係る近隣レポート要素の概略図である。近隣レポート要素は、第1指示情報フィールド、第2指示情報フィールド、および第3指示情報フィールドのうち1つ以上を含み得る。第1指示情報フィールド、第2指示情報フィールド、および第3指示情報フィールドのビットの量は限定されず、第1指示情報フィールド、第2指示情報フィールド、および第3指示情報フィールドの位置も限定されない。ビットの量は、1または2であり得る。近隣レポート要素は、さらに、他のフィールドを含んでよい。任意的に、
図8において楕円で表される部分は、
図9に示される複数のフィールドを含んでよい。複数のフィールドは、チャネル番号(channel number)フィールドおよび動作クラス(operating class)フィールドを含んでよい。任意的に、複数のフィールドは、要素ID(element ID)フィールド、長さ(length)フィールド、および基本サービスセットID(basic service set ID、BSSID)フィールド、BSSID情報(BSSID information)フィールド、任意的サブ要素(optional subelement)フィールド、等、をさらに含んでよい。第1指示情報フィールド、第2指示情報フィールド、第3指示情報フィールド、および、近隣レポート要素において
図9に示される複数のフィールドの位置は、限定されない。
【0060】
マルチバンド要素(またはRNRエレメント、もしくは近隣レポート要素)は、第1リンクで送信される無線フレームにおいて搬送され、そして、第2リンクの識別子を搬送する。第1リンク上のマルチバンド要素を受信する第3局は、マルチバンド要素によって指示される第2リンクに基づいて、第1リンク上の第1局および第2リンク上の第2局が同時送受信動作をサポートしているか否かを、第1指示情報及び/又は第2指示情報に基づいて、決定することができる。このようにして、第1リンクのマルチバンド要素(またはRNR要素、もしくは近隣レポート要素)は搬送されなくてよい。これにより、シグナリング(signaling)のオーバーヘッドを低減することができる。
【0061】
任意的に、無線フレームは、新しく定義された送受信能力情報要素を含む。送受信能力情報要素は、要素IDフィールド、長さフィールド、および能力指示情報フィールドを含む。能力指示情報は、第1リンクのリンク識別子および第2リンクのリンク識別子を含む。送受信能力情報要素は、第1局および第2局が同時に送受信を行うことができるか否かを指示するために使用され得る。その結果、第1リンク上で動作している第1局、および、第1マルチリンク装置において他のリンク上で動作している任意の局が同時送受信をサポートしているか否かは、送受信能力情報要素を使用することにより指示することができ、情報要素を一つ一つ用いて表示する必要がない。このことは、信号オーバーヘッドを減少させる。
【0062】
例えば、
図10は、本出願の一つの実施形態に従った、送受信能力情報要素の概略図である。送受信能力情報要素は、要素IDフィールド、要素長フィールド、および能力指示情報フィールドを含んでよい。能力指示情報フィールドは、さらに、N個の能力指示ユニットを含んでよく、ここで、Nは1以上の整数である。能力指示ユニットは、第1マルチリンク装置に対して指示されることを要する2つのリンク識別子を含んでよい。例えば、能力指示ユニット#1は、リンク1のリンク識別子およびリンク2のリンク識別子を含んでよく、これは、リンク1上で動作する局および第1マルチリンク装置におけるリンク2上で動作する局が、同時送受信動作をサポートできることを指示している。能力指示ユニット#2は、リンク3のリンク識別子およびリンク4のリンク識別子を含んでもよく、これは、リンク3上で動作する局および第1マルチリンク装置におけるリンク4上で動作する局が、同時送受信動作をサポートできることを指示している。他の能力指示ユニットの機能は類似している。この出願のこの実施態様において、詳細は再度説明されない。リンク識別子は、バンドID(band ID)、動作クラス(operating class)、チャネル番号(channel number)、等を含んでよい。任意的に、能力指示ユニットは、第1指示情報、第2指示情報、第3指示情報、等のうち1つ以上をさらに含んでよい。第1指示情報、第2指示情報、および第3指示情報の機能について、上記に詳しく説明された。この出願のこの実施態様において、詳細は再度説明されない。
【0063】
第1マルチリンク装置によって送信される無線フレームに含まれる能力指示情報は、第1リンク上で動作する第1局および第2リンク上で動作する第2局が同時に送受信動作をサポートしているか否かを指示するために使用され得ることに留意されたい。性能指示情報はまた、第1リンク上で動作する第1局と、第1マルチリンク装置内の複数の他のリンク上で動作する複数の局とが、同時に送信/受信動作をサポートしているか否かを指示するために使用されてもよい。
【0064】
この出願のこの実施形態において、能力指示情報は、第1リンク上で動作する第1局および第2リンク上で動作する第2局が第1マルチリンク装置の同時送受信動作をサポートしているか否かを指示するために、無線フレームにおいて搬送される。性能指示情報を受信する別の局は、第1マルチリンク装置における第1局および第2局がデータの同時送受信をサポートすることができるか否かを判断することができる。第1局および第2局がデータの同時送受信をサポートしている場合には、他局が、第1局および第2局との同時送受信を実行することができ、それにより、通信効率を改善している。第1局および第2局がデータの同時送受信をサポートしていない場合に、他局は、第1局および第2局との同時送受信の実行を回避することができ、それにより、通信品質を確保している。
【0065】
図11は、本出願の一つの実施形態に従った、別のマルチリンク通信方法の概略フローチャートである。本方法は、これらに限定されるわけではないが、以下のステップを含む。
【0066】
S1101:第2マルチリンク装置は、物理プロトコルデータユニット(PHY protocol data unit、PPDU)をプライマリリンク(primary link)上の第1マルチリンク装置に対して送信し、そして、第1マルチリンク装置は、プライマリリンク上で、第2マルチリンク装置によって送信されたPPDUを受信する。ここで、第1マルチリンク装置と第2マルチリンク装置との間に複数のリンクが存在し、そして、複数のリンクは、プライマリリンク、および、プライマリリンクに隣接するセカンダリリンクを含む。
【0067】
図11において、第1マルチリンク装置は、第1局および第2局を含み、そして、第2マルチリンク装置は、第3局および第4局を含む。第1局と第3局との間のリンクをプライマリリンク、第2局と第4局との間のリンクをセカンダリリンクとする。プライマリリンクとセカンダリリンクが互いに近接しているときに、第1マルチリンク装置の第1局および第2局が同時にデータを送信し、かつ、受信する場合に、セカンダリリンクは、プライマリリンク上のデータの送受信に対して干渉と競合を引き起こす。第2マルチリンク装置は、マルチリンク上で動作する装置ではなく、単一リンク、例えば、プライマリリンク上で動作する装置であり得ることが理解されよう。
【0068】
S1102:第1マルチリンク装置が、送信禁止時間を設定する。ここで、送信禁止時間は、第1マルチリンク装置におけるセカンダリリンク上で動作する局がデータ送信を禁止される時間を指示するために使用される。
【0069】
任意的に、第1マルチリンク装置に対してPPDUが送信されることを決定するとき、第1マルチリンク装置は、送信禁止時間を設定することができる。
【0070】
具体的には、第1マルチリンク装置における第1局は、送信禁止時間を決定した後で、送信禁止時間を含む通知メッセージを第2局に対して送信することができる。通知メッセージを受信した後で、第2局は、セカンダリリンクに送信禁止時間を設定する。送信禁止時間は、代替的に、第1マルチリンク装置内のモジュールによって決定され、そして、設定されてよい。このことは、ここにおいて限定されるものではない。送信禁止時間は、開始時点および終了時点を含む。代替的に、送信禁止時間は、開始時点および時間長を含む。時間長は、送信禁止時間の終了時点から開始時点を引き算することによって算出できる。任意的に、時間長は、タイマを設定するために使用される。例えば、第2局は、時間長に基づいてタイマを設定してよく、そして、タイマの値が0まで減少する前に、第2局は、データを送信しない。換言すれば、第1マルチリンク装置の第1局がデータを受信したときに、第1マルチリンク装置の第2局は、送信禁止時間によって指示される時間枠内でデータ送信することを禁止される。
【0071】
別の可能な実装において、セカンダリリンク上の送信禁止時間は、1つの時間長のみを含み、そして、セカンダリリンクは、時間長の中ではデータを送信することができない。送信禁止時間の終了点から開始点を引き算することによって時間長が算出され、そして、タイマを設定するために時間長が使用される。
【0072】
開始時点は、物理層プリアンブル内の時点(time point)、例えば、物理層プリアンブル内の信号フィールドが獲得される時点であり得る。また、「獲得すること(“obtaining”)」は、また、受信すること、構文解析すること、または検出すること、として解釈され得る。開始時点は、代替的に、PPDU内のメディアアクセス制御MACヘッダ内の受信アドレス(receive address、RA)が、プライマリリンク上で動作する局のアドレスと一致することが決定される時点であり得る。開始時点は、代替的に、フレームチェックシーケンス(frame check sequence、FCS)が受信され、かつ、データパケットが正しく受信される時点であり得る。
【0073】
終了時点はPPDUの終了時点であり得る。代替的に、終了時点は、第1マルチリンク装置におけるプライマリリンク上で動作する局がPPDUのブロック確認応答(block acknowledgement、BA)に応答する終了時点であり得る。終了時点は、代替的に、第1マルチリンク装置におけるプライマリリンク上で動作する局が、PPDUのBAに加えて短いフレーム間スペース(short interframe space、SIFS)に応答する時点であり得る。終了点は、代替的に、PPDUが属する送信機会(transmission opportunity、TXOP)の終了時点であり得る。
【0074】
図12は、本出願の一つの実施形態に従った、データ伝送の概略図である。第1マルチリンク装置は、プライマリリンク上で、第2マルチリンク装置によって送信されたPPDUを受信する。PPDUを受信するプロセスには、左から右へ、3つの時点が存在する(図中の垂直実線で表されている)。すなわち、物理層プリアンブル内の時点、PPDUにおけるMACヘッダ内のRAがプライマリリンク上で動作する局のアドレスと一致することが決定される時点、および、FCSが受信されて、データパケットが正しく受信される時点、である。いずれかの時点を送信禁止時間の開始時点として使用することができる。PPDUを受信した後で、第1マルチリンク装置は、プライマリリンク上で、第2マルチリンク装置に対してブロック確認応答BAを返す。PPDUの受信完了からTXOPの終了まで、左から右へ4つの時点が存在する(図中の垂直実線で表されている)。すなわち、PPDUの終了時点、PPDUに応答するブロック確認BAの終了時点、PPDUに加えて短いフレーム間空間SIFSに応答するBAの時点、および、PPDUが属する送信機会TXOPの終了時点、である。いずれの時点も終了時点として使用され得る。例えば、
図12に示す送信禁止時間において、PPDUにおけるMACヘッダ内のRAがプライマリリンク上で動作している局のアドレスと一致することが決定される時点が開始時点とし使用され、そして、PPDUに応答するブロック確認BAの時点が終了時点として使用される。
【0075】
任意的に、セカンダリリンクが複数のプライマリリンクに隣接しているときに、複数のプライマリリンクは、セカンダリリンクの送信禁止時間の設定に関与し得る。1つのプライマリリンクは、1つの送信禁止時間に対応している。開始時点は、複数のプライマリリンクに対応する複数の送信禁止時間のうち最小の開始値である。終了時点は、複数のプライマリリンクに対応する複数の送信禁止時間のうち、最大の終了値である。時間長は、複数のプライマリリンクに対応する複数の時間長のうち最大値である。従って、セカンダリリンクについて設定される送信禁止時間は、複数のプライマリリンクの要件を満たすことができ、そして、全てのプライマリリンクに対して干渉または競合が生じないことが確保される。
【0076】
任意的に、セカンダリリンクが複数のプライマリリンクに隣接しているときに、送信禁止時間は、開始時点と終了時点を設定する前述の方法で各プライマリリンクに対して設定され、そして、複数の送信禁止時間がセカンダリリンクにおいて記録される。プライマリリンク上で受信が実行されるときに、第1マルチリンク局は、セカンダリリンク上で、プライマリリンクに対応する送信禁止時間を設定し、その結果、送信禁止時間が、各プライマリリンクに対してより正確に設定される。
【0077】
この出願のこの実施形態において、マルチリンクアグリゲーション(プライマリリンクとセカンダリリンクとの間のアグリゲーション)通信では、送信禁止時間を設定することによって、データのセカンダリリンク上での送信を禁止し、隣接するリンク上でのデータの同時送受信を回避する。このことは、プライマリリンクについて干渉および競合対立が軽減される。
【0078】
上記は、この出願の実施態様における方法の詳細を説明している。以下は、この出願の実施形態における装置を提供する。
【0079】
図13は、本出願の一つの実施形態に従った、第1マルチリンク装置の構造を示す概略図である。第1マルチリンク装置は、前述の実施形態のいずれかにおいて、第1マルチリンク装置に関連する任意の方法および機能を実施するように構成され得る。第1マルチリンク装置は、処理モジュール1301、送信モジュール1302、および受信モジュール1303を含み得る。任意的に、送信モジュール1302および受信モジュール1303は、それぞれに、第1マルチリンク装置に含まれるベースバンド回路および無線周波数回路に対応している。各モジュールの詳細は、以下のとおりである。
【0080】
一つの実施形態において、
処理モジュール1301は、第1局を使用することによって、無線フレームを生成するように構成されており、ここで、第1局は、第1マルチリンク装置に含まれる複数の局のうち1つであり、かつ、第1マルチリンク装置は、第1リンク上で動作する第1局、および、第2リンク上で動作する第2局を含む。
送信モジュール1302は、第1局を使用することによって、第1リンク上で無線フレームを送信するように構成されており、ここで、無線フレームは、能力指示情報を含み、かつ、能力指示情報は、第1局および第2局が同時送受信動作をサポートしているか否かを指示するために使用される。
処理モジュール1301および送信モジュール1302は、前述の第1局におけるモジュールであり得る。無線フレームに含まれる要素またはフィールドのコンテンツおよび機能については、前述の方法の実施形態における説明を参照のこと。詳細は、ここにおいて再度説明されない。
【0081】
別の実施形態において、
受信モジュール1303は、プライマリリンク上で、第2マルチリンク装置によって送信される物理プロトコルデータユニットPPDUを受信するように構成されており、ここで、第1マルチリンク装置と第2マルチリンク装置との間には複数のリンクが存在しており、かつ、複数のリンクは、プライマリリンク、および、プライマリリンクに隣接するセカンダリリンクを含む。
処理モジュール1301は、送信禁止時間を設定するように構成されており、ここで、送信禁止時間は、第1マルチリンク装置におけるセカンダリリンク上で動作している局がデータを送信することを禁止される期間を指示するために使用される。
【0082】
送信禁止時間の決定および設定方法については、前述の方法の実施形態の説明を参照のこと。詳細は、ここにおいて再度説明されない。
【0083】
モジュールの実装については、
図3および
図11に示す方法の実施形態の対応する説明を参照するように留意されたい。モジュールは、前述の実施形態において第1マルチリンク装置によって実行される方法および機能を実行するように構成されている。
【0084】
図14は、本出願の一つの実施形態に従った、第2マルチリンク装置の構造を示す概略図である。第2マルチリンク装置は、前述の実施形態のいずれかにおいける第2マルチリンク装置に関連する任意の方法および機能を実施するように構成され得る。第2マルチリンク装置は、受信モジュール1401および処理モジュール1402を含み得る。任意的に、受信モジュール1401および処理モジュール1402は、前述の第3局に含まれるモジュールであってよく、そして、受信モジュール1401は、第3局に含まれるベースバンド回路に対応している。各モジュールの詳細は、以下のとおりである。
【0085】
受信モジュール1401は、第3局を使用することによって、第1マルチリンク装置に含まれる複数の局における第1局によって送信された無線フレームを受信するように構成されている。第1マルチリンク装置は、第1リンク上で動作する第1局、および、第2リンク上で動作する第2局を含む。
【0086】
無線フレームは、能力指示情報を含み、そして、能力指示情報は、第1局および第2局が同時送受信動作をサポートしているか否かを指示するために使用される。
【0087】
処理モジュール1402は、能力指示情報に基づいて第3局を使用することによって、第1局および第2局が同時送受信動作をサポートしているか否かを判断するように構成されている。
【0088】
無線フレームに含まれる要素またはフィールドの内容および機能については、前述の方法の実施形態の説明を参照のこと。詳細は、ここにおいて再度説明されない。
【0089】
モジュールの実装については、
図3および
図11に示す方法の実施形態の対応する説明を参照するように留意されたい。モジュールは、前述の実施形態において、第2マルチリンク装置によって実行される方法および機能を実行するように構成されている。
【0090】
図15は、本出願の一つの実施形態に従った、第1マルチリンク装置の構造を示す概略図である。
図15に示すように、第1マルチリンク装置は、少なくとも1つのプロセッサ1501、少なくとも1つの通信インターフェイス1502、少なくとも1つのメモリ1503、および、少なくとも1つの通信バス1504を含み得る。
【0091】
プロセッサ1501は、中央処理装置、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ、または、他のプログラマブル論理デバイス、トランジスタ論理デバイス、ハードウェアコンポーネント、もしくは、それらの任意の組み合わせであり得る。プロセッサは、本出願に開示された内容に関連して説明された論理ブロック、モジュール、および回路の種々の例を実装または実行することができる。代替的に、プロセッサは、演算機能を実施するプロセッサの組み合わせ、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサの組み合わせ、または、デジタルシグナルプロセッサとマイクロプロセッサの組み合わせであり得る。通信バス1504は、ペリフェラルコンポーネント相互接続PCIバス、拡張産業標準アーキテクチャEISAバス、等であり得る。バスは、アドレスバス、データバス、制御バス、等に分類することができる。表現を容易にするために、
図15のバスを表すのに太線が1本のみが使用されているが、これは、バスが1本だけ、または、バスのタイプが1本だけであることを意味するものではない。通信バス1504は、これらの構成要素間の接続および通信を実施するように構成されている。この出願のこの実施形態における装置内の通信インターフェイス1502は、他のノード装置との信号通信(signaling)またはデータ通信を実行するように構成されている。メモリ1503は、揮発性メモリ、例えば、不揮発性ランダムアクセスメモリ(nonvolatile random-access memory、NVRAM)、相変化ランダムアクセスメモリ(phase-change RAM、PRAM)、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(magnetoresistive RAM、MRAM)、等を含んでよい。メモリ1503は、さらに、不揮発性メモリ、例えば、少なくとも1つの磁気ディスク記憶装置、電気的に消去可能なプログラマブル読出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、NORフラッシュメモリ(NORフラッシュメモリ)またはNANDフラッシュメモリ(NAND flash memory)といったフラッシュストレージ装置、または、ソリッドステートディスク(solid state disk、SSD)といった半導体装置を含んでよい。任意的に、メモリ1503は、プロセッサ1501から遠く離れた少なくとも1つのストレージ装置であり得る。任意的に、メモリ1503は、プログラムコードのグループをさらに保管することができる。任意的に、プロセッサ1501は、メモリ1503に保管されたプログラムをさらに実行することができる。
【0092】
一つの実施形態において、プロセッサ1501は、以下の動作を実行するように構成されている。
第1局を使用することによって無線フレームを生成することであり、ここで、第1局は第1マルチリンク装置に含まれる複数の局のうち1つであり、かつ、第1マルチリンク装置は第1リンク上で動作する第1局および第2リンク上で動作する第2局を含む、こと、および、
第1局を使用して第1リンク上で無線フレームを送信することであり、ここで、無線フレームは、第1局および第2局が同時送受信をサポートしている否かを指示するために使用される能力指示情報を含む、こと。
【0093】
無線フレームに含まれる要素またはフィールドのコンテンツおよび機能については、前述の方法の実施形態における説明を参照のこと。詳細は、ここにおいて再度説明されない。
【0094】
別の実施形態において、プロセッサ1501は、さらに、以下の動作を実行するように構成されている。
プライマリリンク上で、第2マルチリンク装置によって送信される物理プロトコルデータユニットPPDUを受信することであり、ここで、第1マルチリンク装置と第2マルチリンク装置との間に複数のリンクが存在し、かつ、複数のリンクは、プライマリリンクおよびプライマリリンクに隣接するセカンダリリンクを含む、こと、および、
送信禁止時間の設定することであり、ここで、送信禁止時間は、第1マルチリンク装置のセカンダリリンク上で動作している局がデータを送信することを禁止する期間を指示するために使用される、こと。
【0095】
送信禁止時間の決定および設定方法については、前述の方法の実施形態における説明を参照のこと。詳細は、ここにおいて再度説明されない。
【0096】
さらに、プロセッサは、メモリおよび通信インターフェイスと協働することによって、本出願の前述の実施形態における第1マルチリンク装置の動作をさらに実行し得る。
【0097】
図16は、本出願の一つの実施形態に従った、第2マルチリンク装置の構造を示す概略図である。図に示すように、第2マルチリンク装置は、少なくとも1つのプロセッサ1601、少なくとも1つの通信インターフェイス1602、少なくとも1つのメモリ1603、および、少なくとも1つの通信バス1604を含み得る。
【0098】
プロセッサ1601は、上述の種々のタイプのプロセッサであり得る。通信バス1604は、ペリフェラルコンポーネント相互接続PCIバス、拡張産業標準アーキテクチャEISAバス、等であり得る。バスは、アドレスバス、データバス、制御バス、等に分類することができる。表現を容易にするために、
図16のバスを表すのに太線が1本のみが使用されているが、これは、バスが1本だけ、または、バスのタイプが1本だけであることを意味するものではない。通信バス1604は、これらのコンポーネント間の接続および通信を実施するように構成されている。この出願のこの実施形態の装置における通信インターフェイス1602は、他のノード装置と信号通信またはデータ通信を実行するように構成されている。メモリ1603は、上述の種々のタイプのメモリであり得る。任意的に、メモリ1603は、プロセッサ1601から遠く離れた少なくとも1つのストレージ装置であり得る。メモリ1603は、プログラムコードのグループを保管し、そして、プロセッサ1601は、メモリ1603内でプログラムを実行する。
【0099】
プロセッサ1601は、第3局を使用することによって、第1マルチリンク装置に含まれる複数の局内の第1局によって送信された無線フレームを受信する。第1マルチリンク装置は、第1リンク上で動作する第1局および第2リンク上で動作する第2局を含む。
【0100】
無線フレームは、能力指示情報を含み、そして、能力指示情報は、第1局および第2局が同時送受信動作をサポートしているか否かを指示するために使用される。
【0101】
プロセッサ1601は、能力指示情報に基づいて第3局を使用することによって、第1局および第2局が同時送受信動作をサポートしているか否かを判断する。
【0102】
無線フレームに含まれる要素またはフィールドのコンテンツおよび機能については、前述の方法の実施形態における説明を参照のこと。詳細は、ここにおいて再度説明されない。
【0103】
さらに、プロセッサは、メモリおよび通信インターフェイスと協働することによって、本出願の前述の実施形態における第2マルチリンク装置の動作をさらに実行し得る。
【0104】
この出願の一つの実施形態は、さらに、チップシステムを提供する。チップシステムは、第1マルチリンク装置または第2マルチリンク装置をサポートするように構成されたプロセッサを含み、前述の実施形態のいずれかの機能を実現する。例えば、前述の方法におけるデータ及び/又は情報を生成または処理する。可能な設計において、チップシステムは、さらに、メモリを含むことができる。メモリは、第1マルチリンク装置または第2マルチリンク装置に必要な保管プログラム命令およびデータを使用する。チップシステムは、一つのチップを含んでよく、または、チップおよび別の個別コンポーネントを含んでもよい。
【0105】
この出願の一つの実施形態は、さらに、メモリに結合されたプロセッサを提供する。プロセッサは、前述の実施形態のいずれかにおいて、第1マルチリンク装置または第2マルチリンク装置に関連する任意の方法および機能を実行するように構成されている。
【0106】
この出願の一つの実施形態は、さらに、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるとき、コンピュータは、前述の実施形態のいずれかにおいて、第1マルチリンク装置または第2マルチリンク装置に関連する任意の方法および機能を実行する。
【0107】
この出願の一つの実施形態は、さらに、装置を提供する。装置は、前述の実施形態のいずれかにおいて、第1マルチリンク装置または第2マルチリンク装置に関連する任意の方法および機能を実行するように構成されている。
【0108】
この出願の一つの実施形態は、さらに、無線通信システムを提供する。システムは、少なくとも1つの第1マルチリンク装置、および、前述の実施形態のうちいずれか1つにおける少なくとも1つの第2マルチリンク装置を含む。
【0109】
前述の実施形態の全部または一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、または、それらの任意の組み合わせを使用することによって実施することができる。本実施形態を実施するためにソフトウェアを使用する場合、実施形態の全部または一部は、コンピュータプログラム製品の形態で実施することができる。コンピュータプログラム製品は、1つ以上のコンピュータ命令を含む。コンピュータ・ログラム命令が、ロードされて、コンピュータ上で実行されるとき、本出願の実施形態に従った、プロシージャまたは機能の全部または一部が生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または、他のプログラム可能な装置であり得る。コンピュータ命令は、コンピュータで読取り可能な記憶媒体に保管されてよく、または、あるコンピュータで読取り可能な記憶媒体から別のコンピュータで読取り可能な記憶媒体に送信されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、あるウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタから、別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタへ、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、またはデジタル加入者線)もしくは無線(例えば、赤外線、無線、またはマイクロ波)方式で送信され得る。コンピュータで読取り可能な記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の使用可能な媒体、もしくは、1つ以上の使用可能な媒体を統合する、サーバまたはデータセンタといったデータストレージ装置であり得る。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、磁気テープ)、光媒体(例えば、DVD)、半導体媒体(例えば、ソリッドステートディスク(SSD))、等であり得る。
【0110】
この出願の目的、技術的ソリューション、および有益な効果は、前述の具体的な実施において、さらに詳細に説明されている。本出願の精神および原理から逸脱することなくなされた修正、均等な置換、または改良は、本出願の保護範囲に含まれるべきものである。
【外国語明細書】