(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138341
(43)【公開日】2024-10-08
(54)【発明の名称】格子を有するゴルフクラブヘッドフェースプレート
(51)【国際特許分類】
A63B 53/04 20150101AFI20241001BHJP
【FI】
A63B53/04 A
A63B53/04 F
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024107240
(22)【出願日】2024-07-03
(62)【分割の表示】P 2023520256の分割
【原出願日】2021-10-04
(31)【優先権主張番号】63/198,218
(32)【優先日】2020-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/190,693
(32)【優先日】2021-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クレイソン シー. スパックマン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ダブリュ. シモーネ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】エネルギ蓄積能力を改善し、応力集中を最小限に抑えるための格子を備えるゴルフクラブヘッドフェースプレートを提供する。
【解決手段】格子1340は、フェースプレートの屈曲を容易にする複数の屈曲形状1368を備えることができる。格子の屈曲形状は、リエントラント形状、凹形状、または非凸形状を備えることができる。格子は、相互接続可能なまたは離間可能な屈曲形状の少なくとも1つの繰り返しパターンを備えることができる。ゴルフボールのインパクトの間、屈曲形状は屈曲して、線形曲げおよびねじれ曲げを通じてエネルギを蓄積する。
【選択図】
図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウンと、
ソールと、
トウと、
ヒールと、
格子を備えるフェースプレートであって、前記格子は複数の屈曲形状リセスを形成する複数のランド部を備える、前記フェースプレートと、
を備えるゴルフクラブヘッドであって、
屈曲形状リセスの各々は、
主端部ノジュールと、
副端部ノジュールと、
前記主端部ノジュールと前記副端部ノジュールとを接続する狭窄部と、
を備え、
前記主端部ノジュールは、主直径を有する円形形状を備えており、
前記副端部ノジュールは、副直径を有する円形形状を備えており、
前記主直径は前記副直径よりも大きく、
前記複数の屈曲形状リセスは別々であり、互いに接続していない、ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記複数の屈曲形状リセスは、複数の直線状の列に配向されている、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記複数の直線状の列が、ロー・トウからハイ・ヒール方向、ロー・ヒールからハイ・トウ方向、ヒールからトウ方向、およびクラウンからソール方向からなるグループから選択される方向に配向されている、請求項2に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
屈曲形状リセスの各々の周囲が、前記屈曲形状リセスの中心に対して、複数の凹状縁部および凸状縁部を備えている、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記主端部ノジュールは、凸状縁部を備えており、
前記副端部ノジュールは、凸状縁部を備えており、
前記狭窄部は、少なくとも1つの凹状縁部を備えている、請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記複数の屈曲形状リセスは、中央領域、トウ領域、ヒール領域、トップ領域、ボトム領域、ハイ・トウ領域、ロー・トウ領域、ハイ・ヒール領域、およびロー・ヒール領域からなるグループから選択されるフェースプレート領域上に位置している、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記フェースプレートは前記複数のランド部を備えており、
前記複数の屈曲形状リセスは、鍛造プロセスによって形成されている、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
クラウンと、
ソールと、
トウと、
ヒールと、
格子を備えるフェースプレートであって、前記格子は複数の屈曲形状リセスを形成する複数のランド部を備える、前記フェースプレートと、
を備えるゴルフクラブヘッドであって、
屈曲形状リセスの各々は、
主端部ノジュールと、
副端部ノジュールと、
前記主端部ノジュールと前記副端部ノジュールとを接続する狭窄部と、
を備え、
前記主端部ノジュールは、主直径を有する円形形状を備えており、
前記副端部ノジュールは、副直径を有する円形形状を備えており、
前記主直径は前記副直径よりも大きく、
中心線が、前記主端部ノジュールと前記副端部ノジュールとに交差する前記屈曲形状リセスを通って延在しており、
前記狭窄部は、前記中心線に対して、前記屈曲形状リセスの凹部を画定しており、
前記複数の屈曲形状リセスは別々であり、互いに接続していない、ゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記複数の屈曲形状リセスは、複数の直線状の列に配向されている、請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記複数の直線状の列が、ロー・トウからハイ・ヒール方向、ロー・ヒールからハイ・トウ方向、ヒールからトウ方向、およびクラウンからソール方向からなるグループから選択される方向に配向されている、請求項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
屈曲形状リセスの各々の周囲が、前記屈曲形状リセスの中心に対して、複数の凹状縁部および凸状縁部を備えている、請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記主端部ノジュールは、凸状縁部を備えており、
前記副端部ノジュールは、凸状縁部を備えており、
前記狭窄部は、少なくとも1つの凹状縁部を備えている、請求項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記複数の屈曲形状リセスは、中央領域、トウ領域、ヒール領域、トップ領域、ボトム領域、ハイ・トウ領域、ロー・トウ領域、ハイ・ヒール領域、およびロー・ヒール領域からなるグループから選択されるフェースプレート領域上に位置している、請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記フェースプレートは前記複数のランド部を備えており、
前記複数の屈曲形状リセスは、鍛造工程によって形成されている、請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
クラウンと、
ソールと、
トウと、
ヒールと、
格子を備えるフェースプレートであって、前記格子は複数の屈曲形状リセスを形成する複数のランド部を備える、前記フェースプレートと、
を備えるゴルフクラブヘッドであって、
屈曲形状リセスの各々は、
主端部ノジュールと、
副端部ノジュールと、
前記主端部ノジュールと前記副端部ノジュールとを接続する狭窄部と、
を備え、
前記主端部ノジュールは、主直径を有する円形形状を備えており、
前記副端部ノジュールは、副直径を有する円形形状を備えており、
前記主直径は前記副直径よりも大きく、
前記主端部ノジュールは、主端部頂点を備えており、
前記副端部ノジュールは、副端部頂点を備えており、
中心線が、前記主端部ノジュールと前記副端部ノジュールとに交差する前記屈曲形状リセスを通って延在しており、
前記狭窄端部ノジュールは、少なくとも1つの最下頂点を備えており、
前記最下頂点は、前記中心線に最も近く位置する頂点として画定されており、
前記複数の屈曲形状リセスは別々であり、互いに接続していない、ゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
前記複数の屈曲形状リセスは、複数の直線状の列に配向されている、請求項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記複数の直線状の列が、ロー・トウからハイ・ヒール方向、ロー・ヒールからハイ・トウ方向、ヒールからトウ方向、およびクラウンからソール方向からなるグループから選択される方向に配向されている、請求項16に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
前記複数の屈曲形状リセスは、中央領域、トウ領域、ヒール領域、トップ領域、ボトム領域、ハイ・トウ領域、ロー・トウ領域、ハイ・ヒール領域、およびロー・ヒール領域からなるグループから選択されるフェースプレート領域上に位置している、請求項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
前記狭窄部は、前記中心線に対して凹部を画定しており、
前記主端部ノジュールおよび前記副端部ノジュールは、前記中心線に対して凸部を画定している、請求項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
前記フェースプレートは前記複数のランド部を備えており、
前記複数の屈曲形状リセスは、鍛造プロセスによって形成されている、請求項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2021年5月19日に出願された米国仮特許第63/190,693号、2020年10月2日に出願された米国仮特許第63/198,218号、の利益を主張する。本出願は、2021年7月12日に出願された米国特許出願第17/373,603号の一部継続出願である。米国特許出願第17/373,603号は、2020年5月21日に出願された米国特許出願第16/880,865号の継続出願であり、2021年7月13日に米国特許第11,058,929号として発行されている。米国特許出願第16/880,865号は、2019年7月12日に出願された米国特許出願第16/510,737号の継続出願であり、2020年6月9日に米国特許第10,675,517号として発行されており、2018年7月12日に出願された米国仮特許第62/697,304号の利益を主張している。上記の開示の全ての内容は、その全体が参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、格子を有するゴルフクラブヘッドフェースプレートに関する。
【背景技術】
【0003】
ゴルフクラブの設計は、ボール速度のような、いくつかの性能特性を考慮に入れている。典型的には、ゴルフクラブ設計は、フェースプレートのたわみまたは屈曲性の能力を増加させることによって、ボール速度を増加させることを目的とする。しかしながら、現在の設計は、製造または構造上の考慮事項のために制限される。したがって、応力集中を最小限に抑えながらボール速度をさらに増大させるフェースプレートを有するクラブヘッドが、当技術分野で必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】一実施形態によるゴルフクラブヘッドフェースプレートの正面図を示す。
【0005】
【0006】
【
図3】異なるフェースプレート領域に細分されたゴルフクラブヘッドフェースプレートの正面図を示す。
【0007】
【
図4】異なるフェースプレート領域に細分されたゴルフクラブヘッドフェースプレートの正面図を示す。
【0008】
【
図5】異なるフェースプレート領域に細分されたゴルフクラブヘッドフェースプレートの正面図を示す。
【0009】
【
図6】異なるフェースプレート領域に細分されたゴルフクラブヘッドフェースプレートの正面図を示す。
【0010】
【
図7】サンバースト溝フェースプレート格子の一部を示す図である。
【0011】
【
図8】キラル溝フェースプレート格子の一部を示す図である。
【0012】
【
図9】風車溝フェースプレート格子の一部を示す図である。
【0013】
【
図10】エバン屈曲形状リセスフェースプレート格子の一部を示す図である。
【0014】
【
図11】矢じり屈曲形状リセスフェースプレート格子の一部を示す図である。
【0015】
【
図12】4点星形屈曲形状リセスフェースプレート格子の一部を示す図である。
【0016】
【
図13】6点星形屈曲形状リセスフェースプレート格子の一部を示す図である。
【0017】
【
図14】3点星形屈曲形状リセスフェースプレート格子の一部を示す図である。
【0018】
【
図15】三角形形状を形成するランド部分を備えたフェースプレート格子の一部を示す図である。
【0019】
【
図16】三角形形状を形成するランド部分を備えたフェースプレート格子の一部を示す図である。
【0020】
【
図17】六角形形状を形成するランド部分を備えたフェースプレート格子の一部を示す図である。
【0021】
【
図18】一実施形態による、サンバースト溝フェースプレート格子を備えるゴルフクラブヘッドフェースプレートの後面を示す図である。
【0022】
【
図19】骨屈曲形状リセスフェースプレート格子の一部を示す図である。
【0023】
【
図20】
図19の骨屈曲形状リセスフェースプレート格子の詳細図を示す図である。
【0024】
【
図21】一実施形態による、骨屈曲形状リセスフェースプレート格子を備えるゴルフクラブフェースプレートの後面を示す図である。
【0025】
【
図22】アイアンゴルフクラブヘッドの正面斜視図を示す図である。
【0026】
【
図23】
図22のアイアンゴルフクラブヘッドのトウ図を示す図である。
【0027】
【
図24】骨屈曲形状リセスフェースプレート格子を備えるアイアンゴルフクラブヘッドフェースプレートの後面を示す図である。
【0028】
説明を簡潔かつ明瞭にするために、図面は、構造を包括的に示しており、ゴルフクラブおよびその製造方法を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の特徴及び技術については、説明及び詳細を省略する場合がある。更に、図面の要素は、必ずしも実際の縮尺を反映していない。例えば、図面の幾つかの要素の寸法は、ゴルフクラブおよびその製造方法の実施形態を明瞭にするために、他の要素に対して誇張して示している場合がある。異なる図面における同じ参照符号は、同じ要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に説明する本実施形態は、格子を含むゴルフクラブヘッドフェースプレートを対象とする。格子は、フェースプレートの曲げを容易にする複数の屈曲形状を含む。格子の屈曲形状は、内側にへこんだ形状(すなわち、内側を向いた形状)、凹形状、または非凸形状を含む。格子は、屈曲形状の繰り返しパターンを備える。屈曲形状は、互いに接続された形状や、互いに離れた形状とすることができる。格子の寸法、形状、およびパターンは、ゴルフボールインパクト時のフェースプレートの屈曲に影響する。ゴルフボールの衝突時に、格子の屈曲形状は、線形曲げおよびねじれ曲げを通じてエネルギを蓄積する小さなバネとして機能する。2つの曲げモードを通じてエネルギを蓄積することにより、フェースプレート内により大きなエネルギ蓄積が得られる。これにより、ゴルフボールのインパクトの間に、より大きなボール速度とすることが可能になる。さらに、格子の屈曲形状は、フェースプレート材料のより大きな体積にわたって、減少した応力の位置をずらすことによって、フェースプレート材料の小さな体積(すなわち、フェースプレートのインパクト面積)に集中する最大応力を減少させる。これにより、フェースプレートのインパクト領域から最大応力を遠ざけることができるため、フェースプレートの耐久性を高めることができる。フェースプレート材料のより大きな体積にわたって応力を広げることと、曲げの2つのモードとの組み合わせは、ボール速度の時速1~3マイルの増加につながる。
【0030】
さらに、複数の屈曲形状を含む格子は、フェースプレートの特性時間(CT)を調整することができる。本開示に記載される格子は、米国ゴルフ協会(USGA)規則内のCT変動を制御するか、またはCT変動を低減する。一例では、ロー・ヒールからハイ・トウ方向、またはロー・トウからハイ・ヒール方向に配向された屈曲形状を有するフェースプレート格子を設計することによって、CTの制御を達成することができる。屈曲形状を有する格子を備えるフェースプレートは、屈曲形状を有する格子を欠く同様のフェースプレートと比較して、同様のボール速度性能を維持しながら、特性時間を低減する。いくつかの例では、屈曲形状を有する格子を備えるフェースプレートが、屈曲形状を有する格子を欠く同様のフェースプレートと比較した場合、中心CTを約1~10μs、または1~5μs減少させる。屈曲形状を有する格子を備えるフェースプレートは、屈曲形状を有する格子を欠く同様のフェースプレートと比較して、同様のボール速度性能を維持する。屈曲形状を有する格子を含むフェースプレートは、高いボール速度性能を犠牲にすることなく、望ましい、より低い特性時間値を提供する。
【0031】
明細書及び特許請求の範囲における「第1」、「第2」、「第3」、及び「第4」等の用語は、類似の要素を区別するために使用しており、必ずしも特定の順序又は時系列を示すものではない。このように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、例えば、本明細書に記載する実施形態は、本明細書に図示し又は他の手法で記載している順序以外の順序で実行してもよい。更に、「含む」、「有する」及びこの活用形は、非排他的な包含を意図しており、要素のリストを備えるプロセス、方法、システム、物品、装置、又は機器は、必ずしもこれらの要素に限定されるものではなく、明示的に列挙されていない要素又はこのようなプロセス、方法、システム、物品、装置、又は機器に固有の他の要素を含むことができる。
【0032】
明細書及び特許請求の範囲における「左」、「右」、「前」、「後」、「頂部」、「底部」、「上」、「下」等の用語は、説明を目的とし、必ずしも恒久的な相対位置を記述するものではない。これらの用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書に記載する装置、方法、及び/又は物品の実施形態は、例えば、本明細書に例示又は記載した向きとは異なる向きで動作することができる。
【0033】
本明細書では、特性時間「CT(characteristic time)」という用語は、ゴルフボールがインパクトの瞬間にクラブフェースに接触する、マイクロ秒(μs)で測定される時間量を決定するために使用される測定値を意味するために使用される。特性時間は、小さなスチール振り子を用いて打撃表面上の特定のスポットに数回衝突させることによって測定される。CT測定は、ドライバー、フェアウェイウッド、またはハイブリッドなどのウッドタイプのクラブヘッドのためのものである。コンピュータプログラムは、インパクトの瞬間にスチール振り子がクラブフェースに接触する時間を測定する。CT値は、USGAのゴルフクラブヘッドの柔軟性測定手順に概説されている方法に基づいていた。例えば、USGAのゴルフクラブヘッドの柔軟性測定手順(USGA-TPX3004, Rev. 2.0, April 9, 2019)のセクション2(「ゴルフクラブヘッドの柔軟性測定プロトコル」)。
【0034】
本明細書に記載されるように、ゴルフクラブの「ロフト」または「ロフト角」という用語は、任意の適切なロフトおよびライ機械(loft and lie machine)によって測定される、クラブフェースとシャフトとの間に形成される角度を指す。
【0035】
本明細書で用いられる「ドライバーゴルフクラブヘッド」は、約16°未満、約15°未満、約14°未満、約13°未満、約12°未満、約11°未満、または約10°未満のロフト角を備える。本明細書で用いられる「ドライバーゴルフクラブヘッド」は、約400ccより大きく、約425ccより大きく、約445ccより大きく、約450ccより大きく、約455ccより大きく、約460ccより大きく、約475ccより大きく、約500ccより大きく、約525ccより大きく、約550ccより大きく、約575ccより大きく、約600ccより大きく、約625ccより大きく、約650ccより大きく、約675ccより大きく、または約700ccより大きい容積を備える。他の実施形態では、ドライバーの容積は、約400cc~600cc、425cc~500cc、約500cc~600cc、約500cc~650cc、約550cc~700cc、約600cc~650cc、約600cc~700cc、または約600cc~800ccとすることができる。
【0036】
本明細書で用いられる「フェアウェイゴルフクラブヘッド」は、約35度未満、約34度未満、約33度未満、約32度未満、約31度未満、または約30度未満のロフト角を備える。さらに、他の実施形態では、フェアウェイウッドのロフト角は、約12度よりも大きく、約13度よりも大きく、約14度よりも大きく、約15度よりも大きく、約16度よりも大きく、約17度よりも大きく、約18度よりも大きく、約19度よりも大きく、または約20度よりも大きい。他の実施形態では、フェアウェイウッドのロフト角は、12度~35度、15度~35度、20度~35度、または12度~30度であり得る。
【0037】
さらに、本明細書で用いられる「フェアウェイゴルフクラブヘッド」は、約400cc未満、約375cc未満、約350cc未満、約325cc未満、約300cc未満、約275cc未満、約250cc未満、約225cc未満、または約200cc未満の容積を備える。他の実施形態では、フェアウェイウッドの容積は、約150cc~200cc、約150cc~250cc、約150cc~300cc、約150cc~350cc、約150cc~400cc、約300cc~400cc、約325cc~400cc、約350cc~400cc、約250cc~400cc、約250~350cc、または約275~375ccとすることができる。
【0038】
本明細書で用いられる「ハイブリッドゴルフクラブヘッド」は、約40度未満、約39度未満、約38度未満、約37度未満、約36度未満、約35度未満、約34度未満、約33度未満、約32度未満、約31度未満、または約30度未満のロフト角を備える。さらに、他の実施形態では、ハイブリッドのロフト角は、約16度よりも大きく、約17度よりも大きく、約18度よりも大きく、約19度よりも大きく、約20度よりも大きく、約21度よりも大きく、約22度よりも大きく、約23度よりも大きく、約24度よりも大きく、または約25度よりも大きい。
【0039】
さらに、本明細書で用いられる「ハイブリッドゴルフクラブヘッド」は、約200cc未満、約175cc未満、約150cc未満、約125cc未満、約100cc未満、または約75cc未満の容積を備える。いくつかの実施形態では、ハイブリッドタイプクラブヘッドの容積は、約100cc~150cc、約75cc~150cc、約100cc~125cc、または約75cc~125ccとすることができる。
【0040】
本明細書で使用される「アイアンゴルフクラブヘッド」が備えるロフト角は、およそ17度より大きい、およそ18度より大きい、およそ19度より大きい、およそ20度より大きい、およそ20度より大きい、およそ21度より大きい、およそ22度より大きい、およそ23度より大きい、およそ24度より大きい、およそ25度より大きい、およそ26度より大きい、およそ27度より大きい、およそ28度より大きい、およそ29度より大きい、およそ30度より大きい、およそ31度より大きい、およそ32度より大きい、およそ32度より大きい、およそ33度より大きい、およそ34度より大きい、およそ35度より大きい、およそ36度より大きい、およそ37度より大きい、およそ38度より大きい、およそ39度より大きい、およそ40度より大きい、およそ41度より大きい、およそ42度より大きい、およそ43度より大きい、およそ44度より大きい、およそ45度より約48度よりも大きく、約49度よりも大きく、約50度よりも大きく、約51度よりも大きく、約52度よりも大きく、約53度よりも大きく、約54度よりも大きく、約55度よりも大きく、約56度よりも大きく、約57度よりも大きく、約58度よりも大きく、約59度よりも大きく、又は約60度よりも大きい。
【0041】
他の実施形態では、アイアンのロフト角が17度~60度の範囲であり得る。さらに他の実施形態では、アイアンのロフト角が17度~50度、または17度~40度の範囲であり得る。例えば、アイアンのロフト角は、60度、59度、58度、57度、56度、55度、54度、53度、52度、51度、50度、49度、48度、47度、46度、45度、46度、45度、44度、43度、42度、41度、40度、39度、38度、37度、36度、35度、34度、33度、32度、31度、30度、29度、28度、27度、26度、25度、24度、23度、22度、21度、20度、19度、18度、または17度とすることができる。
【0042】
議論および理解を容易にするために、および説明のみを目的として、以下の詳細な説明は、ドライバーとしてのゴルフクラブヘッドを示す。ボール速度を上げるためのフェースプレート格子の図示を目的として、ドライバーが提供されていることが理解されるべきである。上述のように、開示の格子を有するフェースプレートは、一般に、任意の所望のドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッド、アイアン、ウッド一般またはアイアン一般に関連して使用することができる。
【0043】
他の特徴および態様は、以下の詳細な説明および添付の図面を考慮することによって明らかになるであろう。本開示の任意の実施形態が詳細に説明される前に、本開示は、その適用において、以下の説明に記載されるような、または図面に示されるような、詳細または実施形態、および構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態をサポートすることができ、様々な方法で実施または実行することができる。特定の実施形態の説明は、本開示の精神および範囲内にあるすべての修正、均等物、および代替物を網羅することから、本開示を制限することを意図していないことを理解されたい。また、本明細書で使用される語法および用語は、説明の目的のためのものであり、限定とみなされるべきではないことを理解されたい。
【0044】
<格子付きゴルフクラブヘッドフェースプレート>
本明細書に記載されているゴルフクラブヘッドフェースプレートは、格子を含んでいる。格子は、フェースプレートの屈曲を容易にする、複数の屈曲形状を含む。ゴルフボールのインパクトの間、フェースプレート格子の屈曲形状は、線形曲げおよびねじれ曲げを通じてエネルギを蓄積する小さなバネとして作用する。2つの曲げモードを通じてエネルギを蓄積することにより、より大きなフェースプレートエネルギ蓄積が可能となり、ゴルフボールのインパクト中により大きなボール速度が得られる。更に、格子の屈曲形状は、フェースプレート材料の小さな体積にわたって生じる最大の応力を減少させ、フェースプレート材料のより大きな体積にわたって、減少された応力の位置をずらす。
【0045】
図面を参照すると、
図1は、ゴルフクラブヘッド100の正面図を概略的に示している。同様の参照番号は、様々な図において同様または同一の構成要素を識別するために使用されている。ゴルフクラブヘッド100は、実質的に閉じた/中空の内部容積を画定するように互いに固定された、フェースプレート130および本体110を含んでいる。クラブヘッド100は、クラウン114と、クラウン114の反対側のソール118と、ヒール122と、ヒール122の反対側のトウ126と、を含む。
【0046】
図1及び
図2に示すように、フェースプレート100は、ゴルフボールを打撃することを意図した打撃フェース134と、打撃フェース134の反対側の背面138とを含む。フェースプレート130は、フェースプレート130の幾何学的中心に位置する中心132と、周辺部136と、をさらに備えている。周辺部136は、クラウン114、トウ126、ソール118、およびクラブヘッド100のヒール122の近くのフェースプレート130の周囲に全体的に延在している。
【0047】
クラブヘッド100がゴルフボールを打撃したときに生じるインパクト応力に耐えるために、フェースプレート130は、金属、または金属合金、および好ましくは軽量金属合金で形成される。例えば、ステンレス鋼または鋼合金(例えばこれらに限定されないが、C300、C350、Ni(ニッケル)-Co(コバルト)-Cr(クロム)-鋼合金、565鋼、AISIタイプ304またはAISIタイプ630ステンレス鋼)、チタン合金(例えばこれらに限定されないが、Ti-6-4、Ti-3-8-6-4-4、Ti-10-2-3、Ti 15-3-3-3、Ti 15-5-3、Ti185、Ti 6-6-2、Ti-7s、Ti-9s、Ti-92、またはTi-8-1-1チタン合金)、アモルファス金属合金、または他の同様の金属などである。
【0048】
クラブヘッド100のフェースプレートは、フェースプレート130内に窪んだ複数の屈曲形状を有する、格子140をさらに含む。格子140は、フェースプレート130の背面138内に窪ませることができる。格子140は、クラブヘッド100の閉じた/中空の内部容積内に配置することができる。格子140は、クラブヘッド100の外部表面に露出されていないか、または外部表面には見えない。
【0049】
図3~
図5に示すように、格子140は、フェースプレート130の領域に配置することができる。フェースプレート130は、フェースプレート130のフェースプレート中心132付近に位置する中央領域150と、クラブヘッド100のトウ126付近に位置するトウ領域158と、クラブヘッド100のヒール122付近に位置するヒール領域162と、クラブヘッド100のソール118付近に位置するボトム領域166と、クラブヘッド100のクラウン114付近に位置するトップ領域170と、を含むことができる。格子140は、中央領域150、トウ領域158、ヒール領域162、ボトム領域166、トップ領域170、またはこれらの任意の組み合わせに配置することができる。
【0050】
他の実施形態では、
図6に示されるように、フェースプレート130は、さらに、ハイ・トウ領域174、ロー・トウ領域178、ハイ・ヒール領域182、ロー・ヒール領域186を構成することができる。格子140は、ハイ・トウ領域174、ロー・トウ領域178、ハイ・ヒール領域182、ロー・ヒール領域186、またはこれらの任意の組合せ上に配置することができる。いくつかの実施形態では、格子140が、フェースプレートの幾何学的中心を中心とする円形領域、楕円形領域、またはそれらの組み合わせをカバーすることができる。いくつかの例では、楕円領域が、ロー・ヒールからハイ・トウに向かって整列される。例えば、先に進むと、
図18および
図21は、ロー・ヒールからハイ・トウに向かってほぼ整列された格子パターンを示している。
図18及び
図21に示す格子は、円形領域及び楕円形領域の両方をカバーしている。フェースプレート130上の格子140の位置は、ゴルフボールのインパクト中にフェースプレート130がどのように屈曲するかに影響を与え得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、格子140は、ドロー、フェード、またはストレートなどの異なるゴルフボールショットシェイプを達成するために、非対称曲げを有するフェースプレート130を提供することができる。一実施形態では、格子140は、ハイ・トウ領域174およびロー・ヒール領域186に配置されて、ドローがかかったショットシェイプ(すなわち、右から左へのボール飛行)を提供することができる。別の例では、格子140は、フェードがかかったショットシェイプ(すなわち、左から右へのボール飛行)を提供するために、ハイ・ヒール領域182およびロー・トウ領域178に配置することができる。
【0052】
他の実施形態では、格子140は、クラブヘッド100の外面、または、閉鎖容積/内容積に隣接して配置された、クラブヘッド100の内面に配置することができる。より具体的には、格子140は、クラウン114、ソール118、トウ126、ヒール122、またはそれらの任意の組み合わせに配置することができる。さらに他の実施形態では、格子140は、フェースプレート130、およびクラウン114、ソール118、トウ126、またはヒール122のうちの少なくとも1つに配置することができる。他の実施形態では、クラウン114またはソール118の一部は、クラブヘッド100に取り付けることができるインサートとして形成することができ、格子140はインサート上に形成される。さらに他の実施形態では、クラブヘッド100は、1つの構成要素またはピースとして一体的に形成することができる。ここで格子140は、クラウン114、ソール118、トウ126、またはヒール122のうちの少なくとも1つにおいて、クラブヘッド100と一体的に形成することができる。クラウン114またはソール118の少なくとも1つに配置された格子140は、応力集中を最小限に抑え、最大応力集中をクラウン114またはソール118の最も薄い部分から離れるように移動させることができる。
【0053】
格子140は、背面の表面積に占める割合を構成することができる。いくつかの実施形態では、格子140は、背面表面積の40%超、45%超、50%超、55%超、60%超、65%超、70%超、または75%超を構成することができる。他の実施形態では、格子140は、背面表面積の10%~100%を構成することができる。いくつかの実施形態では、格子140は、背面表面積の10%~95%、10%~90%、10%~85%、10%~80%、10%~75%、10%~70%、10%~65%、10%~60%、10%~55%、または10%~50%を構成することができる。いくつかの実施形態では、格子140は、背面表面積の10%~25%、25%~40%、40%~55%、55%~70%、70%~85%、または85%~100%を構成することができる。例えば、格子140は、背面表面積の10%、20%、30%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%を構成することができる。
【0054】
格子140は、少なくとも1つの繰り返しパターンを含むことができる。いくつかの実施形態では、格子140は、複数の繰り返しパターンを含むことができる。例えば、格子140は、1つ、2つ、3つ、4つ、または5つの繰り返しパターンを含むことができる。他の実施形態では、少なくとも1つの繰り返しパターンは、半径方向パターンとすることができる。ここで、パターンは、半径方向(すなわち、フェースプレート中心からフェースプレート周囲まで)に繰り返される。
【0055】
いくつかの実施形態では、格子140が複数の列を含むことができる。隣接する列は、食い違い状にしたりオフセットしたりすることができる。複数の列は、直線状、半径方向、曲線状、または円弧状に整列することができる。複数の列は、ロー・ヒールからハイ・トウ方向、ロー・トウからハイ・ヒール方向、水平方向、垂直方向、またはそれらの任意の組合せで角度を付けることができる。
【0056】
格子140の屈曲形状の数は、格子140がフェースプレートにエネルギを蓄積する方法に影響を与えることができる。いくつかの実施形態では、屈曲形状の数は、中央領域150、トウ領域158、ヒール領域162、ボトム領域166、トップ領域170、ハイ・トウ領域174、ロー・トウ領域178、ハイ・ヒール領域182、またはロー・ヒール領域186に向かって、増加し、減少し、または一定のままとすることができる。例えば、屈曲形状の数は、フェースプレート130のトウ領域158に向かって減少することができる。別の例では、屈曲形状の数は、フェースプレート130のボトム領域166に向かって減少することができる。他の例では、屈曲形状の数は、フェースプレート130のヒール領域162に向かって減少することができる。別の例では、屈曲形状の数は、フェースプレート130のトップ領域170に向かって減少することができる。
【0057】
格子140の屈曲形状の大きさ(すなわち体積)は、格子140がフェースプレートにエネルギを蓄積する方法に影響を与えることができる。いくつかの実施形態では、屈曲形状のサイズは、中央領域150、トウ領域158、ヒール領域162、ボトム領域166、トップ領域170、ハイ・トウ領域174、ロー・トウ領域178、ハイ・ヒール領域182、またはロー・ヒール領域186に向かって、増加し、減少し、または一定のままとすることができる。例えば、屈曲形状のサイズは、フェースプレート130のトウ曲げを容易にするために、トウ領域158においてヒール領域162よりも大きくすることができる。別の例では、屈曲形状のサイズは、フェースプレート130のソール曲げを容易にするために、ボトム領域166においてトップ領域170よりも大きくすることができる。別の例では、屈曲形状のサイズは、フェースプレート130のヒール曲げを容易にするために、ヒール領域162においてトウ領域158よりも大きくすることができる。別の例では、屈曲形状のサイズは、フェースプレート130のクラウン曲げを容易にするために、トップ領域170において、ボトム領域166よりも大きくすることができる。
【0058】
屈曲形状の数は、屈曲形状のサイズに対応することができる。屈曲形状の数は、屈曲形状のサイズと逆の関係を有することができる。屈曲形状のサイズが増加するにつれて、屈曲形状の数は減少する。別の言い方をすれば、屈曲形状のサイズが減少するにつれて、屈曲形状の数が増加する。フェースプレート130上の屈曲形状の位置決めと共に、屈曲形状のサイズおよび数は、ドロー、フェード、またはストレートなどの望ましいゴルフボールショットシェイプをさらに強化することができる。
【0059】
複数の格子140の屈曲形状は、フェースプレートの曲げを容易にする。格子140の屈曲形状は、リエントラント(reentrant)(すなわち、内側を向いた形状)、凹形、または非凸形を含むことができる。
図7~9に図示されるように、格子140の屈曲形状は、一連の相互接続された溝で構成することができる。一連の相互接続された溝は、ベース溝と、ベース溝に接続された複数のリガメント(ligament)溝と、によって構成することができる。一連の相互接続された溝は、ベース溝の反復パターン、およびリガメント溝の反復パターンで構成することができる。ベース溝およびリガメント溝の反復パターンが相互接続することで、屈曲形状が形成される。屈曲形状は、ベース溝およびリガメント溝の一部から形成することができる。屈曲形状の部分は、屈曲形状の中心に対して凹状または凸状のいずれかである。以下により詳細に記載されるように、一連の相互接続された溝は、サンバーストパターン、キラル(chiral)パターン、または風車パターンで配置することができる。
【0060】
いくつかの実施態様において、
図10~14に示されるように、格子140の屈曲形状は、複数のランド部分から形成することができる。複数のランド部分は、複数の屈曲形状リセスを形成する。屈曲形状リセスは、鋭角の内角を画定する少なくとも2つの頂点と、屈曲形状リセスの周囲に優角を画定する少なくとも1つの頂点と、を備えることができる。少なくとも1つの優角頂点は、少なくとも2つの鋭角内角頂点の間に配置される。少なくとも1つの優角頂点は、鋭角内角を画定しない。鋭角内角は、90度未満の角度を画定することができ、優角は、180度を超え360度未満の角度を画定することができる。屈曲形状リセスの少なくとも1つの優角頂点は、屈曲形状リセスのリエントラント(reentrant)、凹形、または非凸形を画定することができる。以下により詳細に記載されるように、ランド部分から形成される屈曲形状リセスは、複数のエバン(Evan)、矢じり、4点星形、6点星形、3点星形、または骨屈曲形状リセスを備えることができる。
【0061】
他の実施形態では、
図15~
図17に示すように、屈曲形状は、複数のランド部分から形成することができる。複数のランド部分は、複数の屈曲形状リセスを形成する。これらの実施形態では、ランド部分は、隣接する屈曲形状リセスの間に幾何学的形状を備えることができる。ランド部分の幾何学的形状は、三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、または六角形を備えることができる。複数のランド部分は、複数の相互接続された形状を備えることができ、各ランド部分の幾何学的形状は、1つまたは複数の屈曲形状リセスの一部を画定することができる。以下により詳細に記載されるように、幾何学的形状を有するランド部分から形成される屈曲形状リセスは、複数のトライアド、ダイヤモンド、またはスロット屈曲形状リセスを備えることができる。
【0062】
さらに、いくつかの実施形態では、フェースプレート格子140は、オーキセティック挙動(auxetic behavior)を示すことができる。オーセティック挙動は、ほぼゼロまたは負のポアソン比を有する構造として定義することができる。言い換えると、オーキセティック構造が伸張されるかまたは引張力が加えられるにつれて、オーキセティック構造は、加えられた力に垂直な方向に厚くなるか(より薄くなる場合とは対照的に)、または膨張する傾向がある。対照的に、ゼロに近くない正のポアソン比を有する材料は、加えられた力に対して垂直な方向に収縮する。オーキセティック構造は、張力で伸張されたときのオーキセティック構造の膨張特性が、フェースプレートの柔軟性およびフェースプレートエネルギ蓄積量を増加させるので、クラブヘッドフェースプレートにとって有利である。フェースプレートのエネルギ蓄積量を増やすと、ゴルフボールのインパクト時にボール速度が増加する。
【0063】
ゴルフボールインパクト時のフェースプレート130の内部エネルギを測定する有限要素シミュレーションに基づくと、格子140を含むフェースプレート130は、格子140を欠いたフェースプレートと比較して、内部エネルギ蓄積量を10%から20%増加させる。いくつかの実施形態では、内部エネルギ蓄積量を、10%~15%、または15%~20%増加させることができる。内部エネルギ蓄積量のこの増加は、格子140がないフェースプレートと比較して、ボール速度のおよそ1.0~3.0mphの増加に等しい。いくつかの実施形態では、ボール速度は、1.0~2.0mph、または2.0~3.0mph増加する。いくつかの実施形態では、ボール速度は、1.0~1.5mph、1.5~2.0mph、2.0~2.5mph、または2.5~3.0mph増加する。このボール速度の増加は、格子140を欠くフェースプレートと比較して、ボール距離のおよそ5~15ヤードの増加に等しい。いくつかの実施形態では、ボール距離は、5~10ヤード、または10~15ヤード増加する。いくつかの実施形態では、ボール距離は、5~7ヤード、7~9ヤード、9~11ヤード、11~13ヤード、または13~15ヤード増加する。格子140を含むフェースプレート130の利点は、以下により詳細に説明される。
【0064】
ゴルフボールのインパクト中にフェースプレート130を測定する反発係数(COR)フェースプレート試験に基づくと、格子140を含むフェースプレート130は、格子140を欠いたフェースプレートと比較して、CORを2%から10%増加させる。いくつかの実施形態では、格子140を有さないフェースプレートと比較して、CORを2%~5%、または5%~10%増加させることができる。例えば、格子140を有するフェースプレート130のCORは、格子140を欠くフェースプレートと比較して、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%増加させることができる。
【0065】
格子140の寸法は、格子がエネルギをフェースプレートに蓄積する方法に影響を与え得る。例えば、格子140は、背面138から背面138に垂直な方向の格子140の底面までの距離として測定される、深さを含むことができる。格子140の深さは、0.025インチ~0.075インチの範囲とすることができる。格子140の深さは、0.025インチ~0.05インチ、または0.05インチ~0.075インチの範囲とすることができる。例えば、格子140の深さは、0.025、0.03、0.035、0.04、0.045、0.05、0.055、0.06、0.065、0.07、または0.075インチとすることができる。一例では、格子140の深さは0.05インチとすることができる。
【0066】
他の実施形態では、格子140の深さは、0.005インチ~0.025インチの範囲であり得る。他の実施形態では、格子140の深さは、0.005インチ~0.015インチ、または0.015~0.025インチの範囲であり得る。他の実施形態では、格子140の深さは、0.005インチ~0.01インチ、0.01インチ~0.015インチ、0.015インチ~0.020インチ、または0.020~0.025インチの範囲であり得る。他の実施形態では、格子140の深さは、0.006インチ~0.011インチ、0.007インチ~0.012インチ、0.008インチ~0.013インチ、0.009インチ~0.014インチ、0.01インチ~0.015インチ、0.011インチ~0.016インチ、0.012~0.017インチ、0.013~0.018インチ、0.014インチ~0.019インチ、または0.015インチ~0.02インチの範囲とすることができる。例えば、格子140の深さは、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.011、0.012、0.013、0.014、0.015、0.016、0.017、0.018、0.019、0.02、0.021、0.022、0.023、0.024、または0.025インチとすることができる。
【0067】
フェースプレート130の寸法は、格子がエネルギをフェースプレートに蓄積する方法に影響を与え得る。例えば、フェースプレート130は、打撃フェース134に対して垂直な方向において打撃フェース134から背面138まで測定された、厚さを含む。フェースプレート130は、フェースプレート中心132とフェースプレート周辺部136との間に延在する可変厚さプロファイルを備える。フェースプレート130の厚さは、フェースプレート中心132からフェースプレート周辺部136まで変化する。可変厚さプロファイルは、フェースプレート中心132を包含する厚くされた中央領域と、フェースプレート周辺部136に隣接する薄くされた外周領域と、厚くされた中央領域と薄くされた外周領域との間でフェースプレート厚さを変化させる移行領域と、を含むことができる。フェースプレートの厚さは、フェースプレートの重量を低減することを容易にするとともに、重心位置または慣性モーメントを容易にするために、クラブヘッドの他の部分(例えば、ソール)に重量を移動させることを可能にすることができる。
【0068】
厚いフェースプレート130は、フェースプレート130の屈曲を制限することによって、格子140のエネルギ蓄積能力を最小化することができる。より薄いフェースプレート130は、フェースプレート130が自由に屈曲することを可能にすることで、格子140のエネルギ蓄積能力を増大させることができる。例えば、フェースプレート中央132付近のフェースプレートの厚さは、0.075インチから0.2インチの範囲にすることができる。例えば、フェースプレート中心132付近の面厚は、0.10インチから0.20インチ、又は0.10インチから0.15インチの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、フェースプレート中央132付近のフェースプレートの厚さは、0.075インチから0.175インチ、または0.075インチから0.15インチの範囲とすることができる。他の実施形態では、フェースプレート中央132付近のフェースプレートの厚さは、0.08インチから0.175インチ、0.08インチから0.15インチ、0.09インチから0.175インチ、0.09インチから0.15インチの範囲とすることができる。例えば、フェースプレート中心132付近のフェースプレート厚さは、0.075、0.08、0.085、0.09、0.095、0.097、0.10、0.102、0.11、0.12、0.13、0.135、0.137、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、または0.20インチとすることができる。
【0069】
別の例では、フェースプレート周辺部136付近のフェースプレート厚さは、0.06インチ~0.14インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、フェースプレート周辺部136付近のフェースプレート厚さは、0.06インチ~0.10インチ、0.06インチ~0.12インチ、0.07インチ~0.10インチ、または0.07インチ~0.12インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、フェースプレート周辺部136付近のフェースプレート厚さは、0.06インチ~0.08インチ、0.08インチ~0.10インチ、0.10インチ~0.12インチ、または0.12インチ~0.14インチの範囲であり得る。例えば、フェースプレート周辺部136付近のフェースプレート厚さは、0.06、0.07、0.075、0.077、0.08、0.085、0.09、0.095、0.10、0.11、0.12、0.13、または0.14インチとすることができる。
【0070】
<一連の相互接続溝を有する格子>
上述のように、格子は、複数の屈曲形状を備えることができる。これらの屈曲形状は、一連の相互接続された溝をさらに備えることができる。一連の相互接続された溝は、ベース溝と、ベース溝から外側に延びる複数のリガメント溝とを備えることができる。複数のリガメント溝は、ベース溝と接続されるか、または一体化されることができる。複数のリガメント溝は、ベース溝に沿って等間隔に配置されてもよく、または不等間隔に配置されてもよい。一連の相互接続された溝は、ベース溝の反復パターン、およびリガメント溝の反復パターンを備えることができる。ベース溝およびリガメント溝の反復パターンは、屈曲形状から相互接続される。屈曲形状は、ベース溝およびリガメント溝の一部から形成することができる。屈曲形状の一部は、屈曲形状の中心に対して凹状または凸状のいずれかである。一連の相互接続された溝から形成された屈曲形状を有する格子は、フェースプレート内により大きなエネルギを蓄積することを容易にし、ゴルフボールのインパクト中により大きなボール速度を可能にする。以下に、相互接続されたベース溝およびリガメント溝を備える格子の、3つの例を記載する。
【0071】
<サンバースト溝>
一例では、
図7に示すように、フェースプレート130は格子240を備えることができる。格子240は、上述した格子140に類似することができるが、サイズ、形状、または寸法が異なることがある。格子240は、複数のサンバースト溝を備えることができる。別の言い方をすれば、格子240は、サンバーストパターンで配置された複数の溝を備えることができる。各サンバースト溝は、ベース溝244と、ベース溝244から延びる6つのリガメント溝248と、を備えることができる。ベース溝244は円形状とすることができ、リガメント溝248は湾曲させることができる。リガメント溝248は、ベース溝244から非直線的に外向きに、または離れるように延びることができる。
【0072】
リガメント溝248は、第1の曲線252と、第2の曲線256と、第1の曲線252と第2の曲線256との間に配置された変曲点260と、を含むことができる。変曲点260の位置は、リガメント溝248の曲率の方向の変化を示している。いくつかの実施形態では、リガメント溝248の第1の曲線252および第2の曲線256は、同様の幅を備えることができる。他の実施形態では、リガメント溝248の第1の曲線252および第2の曲線256は、異なる幅を備えることができる。
【0073】
第1の曲線252及び第2の曲線256は、外半径を備えることができる。第1の曲線252及び第2の曲線256の外半径は、類似又は異なるものとすることができる。第1の曲線252及び第2の曲線256の外半径は、0.08~0.16インチの範囲とすることができる。いくつかの実施態様において、第1の曲線252及び第2の曲線256の外半径は、0.08~0.12インチ、又は0.12~0.16インチの範囲であり得る。いくつかの実施態様において、第1の曲線252及び第2の曲線256の外半径は、0.08~0.1インチ、0.1~0.12インチ、0.12~0.14インチ、又は0.14~0.16インチの範囲であり得る。例えば、第1の曲線252および第2の曲線256の外半径は、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、または0.15インチとすることができる。
【0074】
第1の曲線252及び第2の曲線256は、内半径を含むことができる。内半径は外半径より小さくなる。別の方法で言えば、外半径は内半径よりも大きくなる。第1の曲線252及び第2の曲線256の内半径は、類似又は異なるものとすることができる。第1の曲線252および第2の曲線256の内半径は、0.03~0.09インチの範囲であり得る。いくつかの実施態様において、第1の曲線252及び第2の曲線256の内半径は、0.03から0.06インチ、又は0.06から0.09インチの範囲であり得る。例えば、第1の曲線252および第2の曲線256の内半径は、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.075、0.08、または0.09インチであり得る。
【0075】
図7に示すように、少なくとも3つのサンバースト溝が屈曲形状268を形成する。屈曲形状268は、少なくとも3つのベース溝244および少なくとも3つのリガメント溝248の一部を備えることができる。円形ベース溝244の一部および湾曲リガメント溝248は、屈曲形状268の凹形状を形成する。屈曲形状268の一部は、屈曲形状268の中心に対して凹または凸である。さらに、隣接する屈曲形状268は、少なくとも1つのリガメント溝248を共有することができる。共有リガメント溝248は、2つの屈曲形状268の一部を形成する。
【0076】
図7に示されるように、格子240は、サンバースト溝の繰り返しパターンを備えることができる。屈曲形状268は、円形の形状(すなわち、ベース溝244)で散在する。別の言い方をすれば、格子240は、屈曲形状268の第1の繰り返しパターンと、円形形状の第2の繰り返しパターンとを備えることができ、第1の繰り返しパターンは、第2の繰り返しパターン内に散在する。さらに、別の言い方をすれば、格子240は、相互接続された屈曲形状268の繰り返しパターンを備えることができる。
【0077】
格子240の寸法は、格子がフェースプレート130にエネルギを蓄積する方法に影響を与え得る。例えば、ベース溝244は、外径を有することができる。ベース溝244の外径は、0.1~0.3インチの範囲とすることができる。いくつかの実施態様において、ベース溝244の外径は、0.1~0.2インチ、又は0.2~0.3インチの範囲であり得る。例えば、ベース溝244の外径は、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.25、または0.30インチとすることができる。
【0078】
ベース溝244は、内径を備えることができる。ベース溝244の内径は、0.05~0.2インチの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、ベース溝244の内径は、0.05~0.125インチ、または0.125~0.2インチの範囲とすることができる。例えば、ベース溝244の内径は、0.05、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、または0.2インチとすることができる。
【0079】
図18を参照すると、格子240は、ロー・トウ~ハイ・ヒール方向、ロー・ヒール~ハイ・トウ方向、水平方向、垂直方向、またはそれらの任意の組合せで整列させることができる。
図18に示すように、格子240は、ロー・ヒールからハイ・トウ方向に整列または配向することができる。格子240の整列方向は、中央領域150、周辺領域154、トウ領域158、ヒール領域162、ボトム領域166、トップ領域170、ハイ・トウ領域174、ロー・トウ領域178、ハイ・ヒール領域182、および/またはロー・ヒール領域186内において、フェースの特性時間に影響を与えることができる。さらに、いくつかの実施形態では、フェースプレートにわたる平均ショット分散に一致するように、格子240が整列される。格子240の位置は、最も多くのインパクトに耐えるフェースの領域に対応することができる。応力を分散させる格子の能力は特に、最大数の打撃を経験する領域内で、より大きな耐久性をもたらすことができる。したがって、フェース130にわたる特性時間応答の均一性を増加させ、耐久性を増加させるように、格子整列方向を選択することができる。
【0080】
図18に示すように、いくつかの実施形態では、フェースプレート130の幾何学的中心132を中心とする円形領域、楕円形領域、またはそれらの組み合わせとして、格子240を形成することができる。
図18に示すように、格子240は、ロー・ヒールからハイ・トウ方向に整列した楕円領域として形成することもできる。さらに、格子240は、ロー・ヒールからハイ・トウ方向に整列された、円形および楕円形領域として形成することができる。
【0081】
格子240を含むフェースプレート130は、USGA規制内で特性時間を調整することができる。格子240を含むフェースプレート130は、格子240を欠く同様のフェースプレートと比較して、同様のボール速度性能を維持しながら、特性時間を低減する。いくつかの例では、格子240を含むフェースプレート130が格子240を欠く同様のフェースプレートと比較して、中心CTを約1~10μs、または1~5μs減少させる。格子240を含むフェースプレート130は、格子240を欠く同様のフェースプレートと比較して、同様のボール性能を維持する。格子240を含むフェースプレート130は、高いボール速度性能を犠牲にすることなく、望ましい、より低い特性時間値を提供する。
【0082】
<キラル溝>
別の例では、
図8に示すように、フェースプレート130は格子340を備えることができる。格子340は、上述した格子140に類似することができるが、サイズ、形状、または寸法が異なることがある。格子340は、複数のキラル溝を備えることができる。別の言い方をすれば、格子340は、キラルパターンで配置された複数の溝を備えることができる。各キラル溝は、ベース溝344と、ベース溝344から延びる6つのリガメント溝348と、を備えることができる。格子340は、格子240と同様であるが、リガメント溝の幾何学的形状が異なる。ベース溝344は円形状とすることができ、リガメント溝348は直線とすることができる。リガメント溝348は、ベース溝344から直線的に外向きに延びることができる。リガメント溝348は、円形ベース溝344に接することができる。
【0083】
図8に示すように、3つのキラル(chiral)溝が、屈曲形状368を形成する。屈曲形状368は、少なくとも3つのベース溝344および少なくとも3つのリガメント溝348の一部を備えることができる。円形ベース溝344の一部は、屈曲形状368のリエントラント形状を形成する。屈曲形状368の一部は、屈曲形状368の中心に対して凹状である。さらに、隣接する屈曲形状368は、少なくとも1つのリガメント溝348を共有することができる。共有リガメント溝348は、2つの屈曲形状368の一部を形成する。
【0084】
格子340の寸法は、格子がフェースプレート130にエネルギを蓄積する方法に影響を与え得る。例えば、ベース溝344は、外径を含むことができる。ベース溝344の外径は、0.1~0.3インチの範囲であり得る。いくつかの実施態様において、ベース溝344の外径は、0.1から0.2インチ、又は0.2から0.3インチの範囲であり得る。例えば、ベース溝344の外径は、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.25、または0.30インチとすることができる。
【0085】
ベース溝344は、内径を備えることができる。ベース溝344の内径は、0.05~0.2インチの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、ベース溝344の内径は、0.05~0.125インチ、または0.125~0.2インチの範囲とすることができる。例えば、ベース溝344の内径は、0.05、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、または0.2インチとすることができる。
【0086】
<風車溝>
別の例では、
図9に示すように、フェースプレート130は格子440を備えることができる。格子440は、上述した格子140に類似することができるが、サイズ、形状、または寸法が異なることがある。格子440は、複数の風車溝を備えることができる。別の言い方をすれば、格子440は、風車パターンに配置された複数の溝を備えることができる。各風車溝は、基点444で合流または収束する4つのリガメント溝448を備えることができる。リガメント溝448は、基点444から離れて延びることができる。ここで、隣接するリガメント溝448の間に直角(すなわち、約90度)が形成される。各リガメント溝448は、基点444から変曲点460まで延在する。各リガメント溝448は、変曲点460で方向を変える。
【0087】
各リガメント溝448は、第1のセグメント452と、第2のセグメント456と、第1のセグメント452と第2のセグメント456との間に配置された変曲点460と、を備えることができる。変曲点460の位置は、リガメント溝448の方向の変化を示す。変曲点460は、リガメント溝448の第1のセグメント452と第2のセグメント456との間に直角(すなわち、約90度)を画定することができる。いくつかの実施形態では、リガメント溝448の第1のセグメント452および第2のセグメント456は、同様の幅を備えることができる。他の実施形態では、リガメント溝448の第1のセグメント452および第2のセグメント456は、異なる幅を備えることができる。
【0088】
図9に示すように、4つの風車溝が屈曲形状468を形成することができる。屈曲形状468は、8つのリガメント溝448を備えることができる。リガメント溝448は、屈曲形状468のリエントラント形状を形成する。屈曲形状468の部分は、屈曲形状468の中心に対して凹状または凸状である。さらに、隣接する屈曲形状468は、少なくとも2つのリガメント溝448を共有することができる。共有リガメント溝448は、2つの屈曲形状468の一部を形成する。
【0089】
格子240、340、および440の寸法は、格子がフェースプレート130にエネルギを蓄積する方法に影響を与え得る。例えば、
図7および
図8に図示されるように、ベース溝244および344は、幅(以下、「ベース溝幅」という)を備えることができる。ベース溝幅は、0.01インチから0.1インチの範囲である。いくつかの実施態様において、ベース溝幅は、0.01インチから0.05インチ、又は0.05インチから0.1インチの範囲であり得る。いくつかの実施態様において、ベース溝幅は、0.01から0.03インチ、0.01から0.04インチ、0.01から0.05インチ、0.01から0.06インチ、0.01から0.07インチ、0.01から0.08インチ、又は0.01から0.09インチの範囲であり得る。例えば、ベース溝幅は、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、または0.1インチとすることができる。
【0090】
別の例では、
図7~9に示すように、リガメント溝248、348、および448は、幅(以下、「リガメント溝幅」)を含むことができる。リガメント溝幅は、ベース溝幅と同じであっても異なっていてもよい。例えば、リガメント溝幅は、ベース溝幅よりも大きくすることができる。別の例では、リガメント溝幅は、ベース溝幅よりも小さくすることができる。いくつかの実施態様において、ベース溝幅は、0.01インチから0.05インチ、又は0.05インチから0.1インチの範囲であり得る。いくつかの実施態様において、リガメント溝幅は、0.01~0.03インチ、0.01~0.04インチ、0.01~0.05インチ、0.01~0.06インチ、0.01~0.07インチ、0.01~0.08インチ、又は0.01~0.09インチの範囲であり得る。例えば、リガメント溝幅は、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、または0.1インチとすることができる。
【0091】
一連の相互接続された溝から形成される格子240、340、および440(以下、「格子」という)の寸法、形状、およびパターンは、ゴルフボールのインパクトの際のフェースプレートの屈曲に影響を及ぼす。ゴルフボールのインパクトの間、格子の屈曲形状は、引張り荷重およびねじり荷重を介してエネルギを蓄積するバネに似ている。ゴルフボールがフェースプレートに衝突すると、打撃フェースは圧縮状態にあり、背面は引張り状態となる。背面に張力がかかると、屈曲形状のリガメント溝の凸曲線と凹曲線は屈曲し、線形曲げおよびねじれ曲げを介してフェースプレートにエネルギを蓄積するバネとして作用する(すなわち、張力とねじりを通してエネルギを蓄積するバネに類似する)。2つの曲げモードを通してエネルギを蓄積することは、1つの曲げモード(すなわち、線形曲げ)を通してエネルギを蓄積する従来のクラブヘッドフェースプレートよりも有利である。2つの曲げモードでエネルギを蓄積することにより、ゴルフボールのインパクトの間にボール速度を上げることができる。
【0092】
さらに、格子の屈曲形状は、フェースプレート材料のより大きな体積にわたって、減少した応力の位置をずらすことによって、フェースプレート材料の小さな体積(すなわち、フェースプレートのインパクト面積)に集中する最大応力を減少させる。例えば、低減された応力は、フェースプレート中心132の近くからフェースプレート周辺部136の近くまでの方向へ、格子240、340、または440内の3~8個のベース溝またはリガメント溝にわたって移すことができる。いくつかの実施形態では、低減された応力は、フェースプレート中心132付近からフェースプレート周辺部136付近までの方向に、3~5、4~6、5~7、または6~8のベース溝またはリガメント溝にわたって移すことができる。この応力の低減は、格子240、340又は440がないフェースプレートでは起こらない。
【0093】
<屈曲形状リセスを有する格子>
<屈曲形状リセスと頂点>
上述のように、格子は、複数のランド部分から形成される複数の屈曲形状を備えることができる。複数のランド部分は、複数の屈曲形状リセスを形成することができる。ランド部分は、屈曲形状リセスを分離する。ランド部分は互いに相互接続され、クラブヘッド100の屈曲形状リセスがない部分を画定する。ランド部分は、屈曲形状リセスの周囲を形成する。
【0094】
ランド部分は、隣接する屈曲形状リセス間の幅を備えることができる。ランド部分幅は、屈曲形状リセスの周囲から、隣接する屈曲形状リセスの周囲までによって、測定することができる。ランド部分幅は、隣接する屈曲形状リセスの間で変化してもよいし、または一定のままであってもよい。隣接するランド部分幅は、互いに類似していてもよいし、異なっていてもよい。例えば、ランド部分幅は、屈曲形状リセス周辺の1つの部分に沿って一定に保つことができる。ランド部分幅は、屈曲形状リセス周辺の別の部分に沿って変化することができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、ランド部分幅は、0.02インチよりも大きく、0.05インチよりも大きく、0.1インチよりも大きく、0.15インチよりも大きく、または0.2インチよりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、ランド部分幅は、0.02~0.2インチの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、ランド部分幅は、0.02~0.1インチ、すなわち0.1~0.2インチの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、ランド部分幅は、0.02~0.05インチ、0.05~0.08インチ、0.08~0.11インチ、0.11~0.14インチ、0.14~0.17インチ、又は0.17~0.2インチの範囲とすることができる。例えば、ランド部分幅は、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、または0.2インチとすることができる。
【0096】
屈曲形状リセスは、幅を備えることができる。屈曲形状リセス幅は、0.08インチより大きく、0.1インチより大きく、0.12インチより大きく、0.14インチより大きく、0.16インチより大きく、0.18インチより大きく、または0.2インチより大きくすることができる。いくつかの実施形態では、屈曲形状リセス幅は、0.1から0.3インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、屈曲形状リセス幅は、0.1~0.2インチ、または0.2~0.3インチの範囲とすることができる。例えば、屈曲形状リセス幅は、0.1、0.11、0.12、0.125、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.25、または0.3インチとすることができる。
【0097】
屈曲形状リセスの周囲は、鋭角の内角を画定する少なくとも2つの頂点と、優角を画定する少なくとも1つの頂点とを含むことができる。少なくとも1つの優角頂点は、少なくとも2つの鋭角内角頂点の間に配置される。少なくとも1つの優角頂点は、鋭角内角を画定しない。鋭角内角は、90度未満の角度を画定することができ、優角は、180度を超え360度未満の角度を画定することができる。いくつかの実施形態では、優角は、180度より大きく270度未満、または270度より大きく360度未満の角度を画定することができる。他の実施形態では、優角は、180度より大きく225度未満、225度より大きく270度未満、270度より大きく315度未満、または315度より大きく360度未満の角度を画定することができる。屈曲形状リセス周辺部上の少なくとも1つの優角頂点は、凹形、凹形、または非凸形を画定することができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、屈曲形状リセスは、180度より大きく360度未満の優角を画定する1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つの頂点を含むことができる。優角頂点の数は、屈曲形状リセスの凹部に対応することができる。例えば、2つの優角頂点を備える屈曲形状リセスは、屈曲形状リセス周囲に沿って2つの凹部を備えることができる。別の例では、1つの優角頂点を備える屈曲形状リセスは、屈曲形状リセス周囲に沿って1つの凹部を備えることができる。別の例では、3つの優角頂点を備える屈曲形状リセスは、屈曲形状リセス周囲に沿って3つの凹部を備えることができる。別の例では、4つの優角頂点を備える屈曲形状リセスは、屈曲形状リセス周囲に沿って4つの凹部を備えることができる。さらに、別の例では、6つの優角頂点を備える屈曲形状リセスは、屈曲形状リセス周囲に沿って6つの凹部を備えることができる。
【0099】
複数のランド部分から形成された屈曲形状リセスを含む格子は、フェースプレート内により大きなエネルギを蓄積することを容易にし、ゴルフボールインパクト時のボール速度をより大きくすることを可能にする。以下に、ランド部と屈曲形状リセスと備えた格子のいくつかの例を示す。以下に説明する屈曲形状リセスの例は、1つの向きを参照するが、ゴルフボールのインパクト中により大きなフェースプレートエネルギ蓄積およびより大きなボール速度を達成するために、屈曲形状リセスを幾つかの異なる構成での向きとすることができることが理解されよう。さらに、フェースプレート130内の応力集中を最小化するために、屈曲形状リセス周辺上の頂点を丸めるか小さな半径を備えることで、屈曲形状リセス周辺上の任意の鋭いエッジを丸めることができる。
【0100】
<エバン屈曲形状リセス>
一例では、
図10に示すように、フェースプレート130は格子540を含むことができる。格子540は、上述したように格子140に類似し得るが、サイズ、形状、または寸法が異なっていてもよい。複数のランド部分564は、複数のエバン屈曲形状リセス568を形成することができる。各エバン屈曲形状リセス568は、鋭角内角を画定する4つの頂点552と、優角を画定する2つの頂点556と、を備えることができる。
【0101】
図10に示すように、エバン屈曲形状リセス568は、エバン屈曲形状リセス568の幅が鋭角内角頂点552から優角頂点556に向かって減少する蝶ネクタイ形状(bow tie shape)を備えることができる。別の言い方をすれば、エバン屈曲形状リセス568の幅は、対向する鋭角内角頂点552の間の幅の方が、優角頂点556の間の幅よりも大きい。エバン屈曲形状リセス568の最小幅は、向かい合う優角頂点556を横切って測定することができる。上述のように、エバン屈曲形状リセス568の幅は、0.08インチよりも大きく、0.1インチよりも大きく、0.12インチよりも大きく、0.14インチよりも大きく、0.16インチよりも大きく、0.18インチよりも大きく、または0.2インチよりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、上述のように、エバン屈曲形状リセス568の幅は、0.1~0.3インチの範囲とすることができる。一例では、エバン屈曲形状リセス568の幅は、0.125インチとすることができる。
【0102】
ランド部分564の幅は、エバン屈曲形状リセス568の幅に対応することができる。この例では、ランド部分564の幅は、エバン屈曲形状リセス568の周囲の一部に沿って変化し得る。より具体的には、隣接するエバン屈曲形状リセス568間のランド部分564の幅は、鋭角内角頂点552から優角頂点556まで増加する。別の言い方をすれば、隣接するエバン屈曲形状リセス568の間のランド部分564の幅は、鋭角内角頂点552におけるよりも優角頂点556において大きい。さらに、別の言い方をすれば、隣接するエバン屈曲形状リセス568の間のランド部分564の幅は、優角頂点556におけるよりも鋭角内角頂点552における方が小さい。この例では、エバン屈曲形状リセス568の周囲の別の部分に沿ったランド部分564の幅は、一定のままであり得る。
【0103】
さらに、上述のように、ランド部分564の幅は、0.02インチよりも大きく、0.05インチよりも大きく、0.1インチよりも大きく、0.15インチよりも大きく、または0.2インチよりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、上述のように、ランド部分564の幅は、0.02~0.2インチの範囲とすることができる。
【0104】
<矢じり(Arrowhead)屈曲形状リセス>
別の例では、
図11に示すように、フェースプレート130は格子640を含むことができる。格子640は、上述したように、格子140に類似し得るが、サイズ、形状、または寸法が異なっていてもよい。複数のランド部分664は、複数の矢じり屈曲形状リセス668からなり得る。各矢じり屈曲形状リセス668は、鋭角内角を画定する3つの頂点652と、優角を画定する1つの頂点656と、を備えることができる。
【0105】
図11に示すように、矢じり屈曲形状リセス668は、実質的に三角形状または矢じり形状を備えることができる。矢じり屈曲形状リセス668の最小幅は、優角頂点656と、優角頂点656に直接対向する鋭角内角頂点652(すなわち、優角頂点656に隣接しない鋭角内角頂点652)と、の間で測定することができる。上述のように、矢じり屈曲形状リセス668の幅は、0.08インチよりも大きく、0.1インチよりも大きく、0.12インチよりも大きく、0.14インチよりも大きく、0.16インチよりも大きく、0.18インチよりも大きく、または0.2インチよりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、上述のように、矢じり屈曲形状リセス668の幅は、0.1~0.3インチの範囲とすることができる。一例では、矢じり屈曲形状リセス668の幅は、0.125インチとすることができる。
【0106】
ランド部分664の幅は、矢じり屈曲形状リセス668の幅に対応することができる。この例では、ランド部分664の幅は、矢じり屈曲形状リセス668の周囲の一部に沿って一定のままであり得る。ランド部分664の幅は、矢じり屈曲形状リセス668の周囲の別の部分に沿って変化し得る。
【0107】
さらに、上述のように、ランド部分664の幅は、0.02インチよりも大きく、0.05インチよりも大きく、0.1インチよりも大きく、0.15インチよりも大きく、または0.2インチよりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、上述のように、ランド部分664の幅は、0.02~0.2インチの範囲とすることができる。
【0108】
<4点星形(Four-Pointed Star)屈曲形状リセス>
別の例では、
図12に示すように、フェースプレート130は格子740を備えることができる。格子740は、上述したように格子140に類似し得るが、サイズ、形状、または寸法が異なっていてもよい。複数のランド部分764は、複数の4点星形屈曲形状リセス768を形成することができる。4点星形屈曲形状リセス768の各々は、鋭角内角を画定する4つの頂点752と、優角を画定する4つの頂点756と、を備えることができる。
【0109】
図12に示すように、4点星形屈曲形状リセス768は、星形または凹状の正方形を備えることができる。4点星形屈曲形状リセス768の最小幅は、対向する優角頂点756の間で測定することができる。4点星形屈曲形状リセス768の最大幅は、対向する鋭角内角頂点752(すなわち、それらの間にリセスまたは空隙を有する鋭角内角頂点752)の間で測定することができる。上述したように、4点星形屈曲形状リセス768の幅は、0.08インチよりも大きく、0.1インチよりも大きく、0.12インチよりも大きく、0.14インチよりも大きく、0.16インチよりも大きく、0.18インチよりも大きく、または0.2インチよりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、上述のように、4点星形屈曲形状リセス768の幅は、0.1~0.3インチの範囲とすることができる。一例では、4点星形屈曲形状リセス768の幅は、0.125インチとすることができる。
【0110】
ランド部分764の幅は、4点星形屈曲形状リセス768の幅に対応することができる。この例では、ランド部分764の幅は、4点星形屈曲形状リセス768の周囲の一部に沿って変化させることができる。より具体的には、隣接する4点星形屈曲形状リセス768の間のランド部分764の幅は、鋭角内角頂点752から優角頂点756まで増加する。別の言い方をすれば、ランド部分764の幅は、鋭角内角頂点752におけるものよりも優角頂点756におけるものの方が大きい。さらに、別の言い方をすれば、ランド部分764の幅は、優角頂点756におけるよりも鋭角内角頂点752において小さい。
【0111】
さらに、上述のように、ランド部分764の幅は、0.02インチよりも大きく、0.05インチよりも大きく、0.1インチよりも大きく、0.15インチよりも大きく、または0.2インチよりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、上述のように、ランド部分764の幅は、0.02~0.2インチの範囲とすることができる。
【0112】
<6点星形(Six-Pointed Star)屈曲形状リセス>
別の例では、
図13に示すように、フェースプレート130は格子840を含むことができる。格子840は、上述したように、格子140に類似し得るが、サイズ、形状、または寸法が異なっていてもよい。複数のランド部分864は、複数の6点星形屈曲形状リセス868を形成することができる。6点星形屈曲形状リセス768の各々は、鋭角内角を画定する6つの頂点852と、優角を画定する6つの頂点856とを備えることができる。
【0113】
図13に示すように、6点星形屈曲形状リセス868は、星形を備えることができる。6点星形屈曲形状リセス868の最小幅は、対向する優角頂点856(すなわち、それらの間にリセスまたは空隙を有する優角頂点856)の間で測定することができる。6点星形屈曲形状リセス868の最大幅は、対向する鋭角内角頂点852(すなわち、それらの間にリセスまたは空隙を有する鋭角内角頂点852)の間で測定することができる。上述のように、6点星形屈曲形状リセス868の幅は、0.08インチより大きく、0.1インチより大きく、0.12インチより大きく、0.14インチより大きく、0.16インチより大きく、0.18インチより大きく、または0.2インチより大きくなり得る。いくつかの実施形態では、上述のように、6点星形屈曲形状リセス868の幅は、0.1~0.3インチの範囲とすることができる。一例では、6点星状屈曲形状リセス868の幅は、0.125インチであり得る。
【0114】
ランド部分864の幅は、6点星形屈曲形状リセス868の幅に対応することができる。この例では、ランド部分864の幅は、6点星形屈曲形状リセス868の周囲の一部に沿って変化させることができる。より具体的には、隣接する6点星形屈曲形状リセス868の間のランド部分864の幅は、鋭角内角頂点852から優角頂点856まで増加する。別の言い方をすれば、隣接する6点星形屈曲形状リセス868の間のランド部分864の幅は、鋭角内角頂点852におけるものよりも優角頂点856におけるものの方が大きい。さらに、別の言い方をすれば、隣接する6点星形屈曲形状リセス868の間のランド部分864の幅は、優角頂点856におけるよりも鋭角内角頂点852において小さい。
【0115】
さらに、上述のように、ランド部分864の幅は、0.02インチよりも大きく、0.05インチよりも大きく、0.1インチよりも大きく、0.15インチよりも大きく、または0.2インチよりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、上述のように、ランド部分864の幅は、0.02~0.2インチの範囲とすることができる。
【0116】
<三点星形(Three-Pointed Star)屈曲形状リセス>
別の例では、
図14に示すように、フェースプレート130は格子940を備えることができる。格子940は、上述した格子140に類似することができるが、サイズ、形状、または寸法が異なっていてもよい。複数のランド部分964は、複数の3点星形屈曲形状リセス968を形成することができる。3点星形屈曲形状リセス968の各々は、鋭角内角を画定する3つの頂点952と、優角を画定する3つの頂点956と、を備えることができる。
【0117】
図14に図示されるように、3点星形屈曲形状リセス968は、実質的に三角形の形状、星形、またはY字形を備えることができる。3点星形屈曲形状リセス968の最小幅は、対向する優角頂点956(すなわち、それらの間にリセスまたは空隙を有する優角頂点956)の間で測定することができる。3点星形屈曲形状リセス968の最大幅は、鋭角内角頂点952と優角頂点956との間(すなわち、鋭角内角頂点952と、それらの間にリセスまたは空隙を有する優角頂点956との間)で測定することができる。上述のように、3点星形屈曲形状リセス968の幅は、0.08インチよりも大きく、0.1インチよりも大きく、0.12インチよりも大きく、0.14インチよりも大きく、0.16インチよりも大きく、0.18インチよりも大きく、または0.2インチよりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、上述したように、3点屈曲形状リセス968の幅は、0.1~0.3インチの範囲とすることができる。一例では、3点屈曲形状リセス968の幅は、0.125インチとすることができる。
【0118】
ランド部分964の幅は、3点星形屈曲形状リセス968の幅に対応することができる。この例では、ランド部分964の幅は、3点星形屈曲形状リセス968の周囲の一部に沿って変化させることができる。より具体的には、ランド部分964の最小幅は、屈曲形状リセス968上の優角頂点956と、隣接する屈曲形状リセス968上の鋭角内角頂点952と、の間で測定することができる。
【0119】
さらに、上述のように、ランド部分964の幅は、0.02インチよりも大きく、0.05インチよりも大きく、0.1インチよりも大きく、0.15インチよりも大きく、または0.2インチよりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、上述のように、ランド部分964の幅は、0.02~0.2インチの範囲とすることができる。
【0120】
<骨屈曲形状リセス>
別の例では、
図19~
図21に示すように、フェースプレート130は格子1340を含むことができる。格子1340は、上述の格子140と同様であり得るが、サイズ、形状、または寸法が異なり得る。複数のランド部分1364は、複数の骨屈曲形状リセス1368を形成することができる。複数の骨屈曲形状リセス1368は別個であり、隣接する骨屈曲形状リセス1368と接続されていない。骨屈曲形状リセス1368の各々は、骨屈曲形状リセス1368の中心に対して複数の凹状縁部および凸状縁部を有する周囲縁部を備えることができる。さらに、骨屈曲形状リセス1368の各々は、中心線1342に対して複数の凹状縁部および凸状縁部を備えることができる。中心線1342は、骨屈曲形状リセス1368の中心を通って延びるか、または骨屈曲形状リセス1368の2つの中心頂点間に延びるものとして定義される。
【0121】
図19および
図20を参照すると、骨屈曲形状リセス1368は、骨屈曲形状リセス1368の周縁に沿って複数の頂点を備えることができる。一例では、骨屈曲形状リセス1368の各々が、2つの凹状縁部の最下点を画定する2つの頂点1352と、2つの凸状縁部の頂点を画定する2つの頂点1356と、を備えることができる。別の方法で説明すると、2つの頂点1356は、骨屈曲形状リセス1368の端点を画定することができる。そして中心線1342は、2つの端部頂点1356と交差する。多くの実施形態では、少なくとも1つの頂点1352が、中心線1342の最も近くに位置することができる。他の実施形態では、2つの頂点1352が、中心線1342に最も近接して位置することができる。骨屈曲形状リセス1368の各々は、凹状縁部と凸状縁部との間の移行部に位置する4つの屈曲頂点1360、1362をさらに備えることができる。
【0122】
図19および
図20に示すように、骨屈曲形状リセス1368は、実質的に骨、バーベル、ドラムスティック、または拡張水滴形状を含むことができる。骨屈曲形状リセス1368の各々は、主端部ノジュール1370、副端部ノジュール1376、および峡部1382を備えることができる。峡部1382は、主端部ノジュール1370を副端部ノジュール1376に接続する。主端部ノジュール1370は、凸状縁部を備えることができる。副端部ノジュール1376は、凸状縁部を備えることができる。峡部1382は少なくとも1つの凹状縁部を備えることができる。峡部1382の少なくとも1つの凹状縁部は、主端部ノジュール1370の凸状縁部および副端部ノジュール1370の凸状縁部に接続する。峡部1382は2つの凹状縁部を備えることができる。峡部1382の凹状縁部は、主端部ノジュール1370の凸状縁部および副端部ノジュール1370の凸状縁部に接続する。主端部ノジュール1370は、副端部ノジュール1376よりも大きくすることができる。主端部ノジュール1370は主直径を備えることができ、副端部ノジュール1376は副直径を備えることができる。主直径は、副直径よりも大きくすることができる。主副の端部ノジュールは、陥凹、陥凹プール、骨端、ノブ、またはノットとも呼ばれ得る。峡部1382はまた、海峡、運河、シャフト、チャネル、ブリッジ、または狭窄部と呼ぶこともできる。
【0123】
図20を参照すると、骨屈曲形状リセス1368は、中心線1342に関して対称であり得る。中心線1342の両側の骨屈曲形状リセス1368の縁部は、互いに鏡像とすることができる。さらに、垂直軸(図示せず)は、最下頂点1352と交差することができる。骨屈曲形状リセス1368は、最下頂点1352と交差する垂直軸に関して対称でなくてもよい。
【0124】
骨屈曲形状リセス1368はさらに、峡部、ブリッジ、または狭窄部1382によって接続される2つの円形形状を有するものとして説明することができる。骨屈曲形状リセス1368の円形形状は、主基準円および副基準円に関して説明することができる。主基準円1372は、副基準円1378よりも大きくすることができる。骨屈曲形状リセス1368は、狭窄部1382によって接続された主基準円1372および副基準円1378を有するものとして説明することができる。主基準円1372は、約0.025インチ~約0.06インチを含む半径を有することができる。副基準円1378は、約0.02インチ~0.05インチを含む半径を有することができる。一例では、主基準円1372の半径は0.04インチであり得、副基準円1378の半径は0.03インチであり得る。さらに、狭窄部1382の凹状縁部は、0.10インチ~0.25インチの範囲の半径を含むことができる。一例では、狭窄部1382の凸状縁部半径を0.15インチとすることができる。
【0125】
主基準円1372は、主端部ノジュール1370の境界を少なくとも部分的に画定することができる。例えば、主基準円1372は、骨屈曲形状リセス1368の凸状縁部と一致することができる。言い換えると、主基準円1372は、主端部ノジュール1370上に位置する2つの主端部変曲頂点1360の間の骨屈曲形状リセス1368の縁部と一致することができる。主端部ノジュール1370は主端部頂点1356を備えることができ、主基準円1372は、主端部頂点1356と一致する。主ノジュール角1374は、主端部ノジュール1370の周りの2つの主端部変曲頂点1360の間に画定され得る。主ノジュール角1374は包括的に、135度~180度、180度~225度、または225度~270度の範囲であり得る。
【0126】
副基準円1378は、副端部ノジュール1376の境界を少なくとも部分的に画定することができる。例えば、副基準円1378は、骨屈曲形状リセス1368の凸状縁部と一致することができる。言い換えれば、副基準円1378は、副端部ノジュール1376上に位置する2つの副端部屈曲頂点1362の間の骨屈曲形状リセス1368の縁部と一致することができる。副端部ノジュール1376は、副端部頂点1356を備えることができる。ここで副基準円1378は、副端部頂点1356と一致する。副ノジュール角1380は、副端部ノジュール1376の周りの2つの副端部変曲頂点1362の間で測定することができる。副ノジュール角1380は包括的に、135度~180度、180度~225度、または225度~270度の範囲であり得る。
【0127】
峡部1382は、2つの主端部変曲頂点1360と2つの副端部変曲頂点1362との間に延在することができる。峡部1382は、2つの凹状縁部を備えることができる。2つの頂点1352は、峡部1382の凹状縁部上に位置することができる。頂点1352は、中心線1342に最も近く位置する最下点または点上に位置することができる。峡部1382の端部は、主及び副端部ノジュール1370、1376に接続する。峡部1382と端部ノジュール1370、1376との間の移行部は、峡部1382と端部ノジュール1370、1376との間に鋭い縁部が形成されないように、滑らかであり得る。言い換えれば、骨屈曲形状リセス1368の外周縁は、端部ノジュール1370、1376と峡部1382との間で滑らかにまたは継ぎ目なく移行することができる。骨屈曲形状リセス1368の周囲縁部は、フェースプレート内の応力上昇部を最小限に抑えるために、鋭い縁部または点に収束する縁部を欠いている。
【0128】
骨屈曲形状リセス1368の最小幅は、骨屈曲形状リセス1368の凹状縁部上の対向する頂点1352間で測定することができる。骨屈曲形状リセス1368の最小幅は、峡部または狭窄部1382にわたって測定することができる。骨屈曲形状リセス1368の最小幅は、0.02インチと0.03インチとの間、0.03インチと0.04インチとの間、0.04インチと0.05インチとの間、または0.05インチと0.06インチとの間を含むことができる。いくつかの実施形態では、骨屈曲形状リセス1368の最小幅が、約0.02インチ、0.025インチ、0.03インチ、0.035インチ、0.04インチ、0.045インチ、または0.05インチであり得る。
【0129】
骨屈曲形状リセス1368の最大長さは、骨屈曲形状リセス1368の凸状縁部の対向する頂点1356間で測定することができる。骨屈曲形状リセス1368の最大長さは、中心線1342に平行な頂点1356間で測定することができる。最大長は、0.25インチと0.50インチとの間を含むことができる。いくつかの実施形態では、最大長さは、0.25インチ~0.30インチ、0.30インチ~0.35インチ、0.35インチ~0.40インチ、0.40インチ~0.45インチ、または0.45インチ~0.50インチを含むことができる。峡部1382は、骨屈曲形状リセス1368の長さの40%~80%に及ぶことができる。
【0130】
図19~
図21を参照すると、いくつかの実施形態では、格子1340は、骨屈曲形状リセス1368の直線状の列を備えることができる。骨屈曲形状リセス1368の隣接する列は、異なる方向に配向することができる。骨屈曲形状リセス1368の第1の列の主端部ノジュール1370は第1の方向を向いており、骨屈曲形状リセス1368の第2の列の主端部ノジュール1370は、第1の方向とは反対の第2の方向を向いている。他の実施形態では、隣接する骨屈曲形状リセス1368の列が同じ方向に配向することができる。ここで骨屈曲形状リセス1368の各列は、主端部ノジュール1370が同じ方向を指すように配向することができる。さらに、同じ方向に延在する骨屈曲形状リセス1368の隣接する列は、互い違いにされ得るか、または互いにオフセットされ得る。同じ方向に延在する骨屈曲形状リセス1368の隣接する列を比較するとき、隣接する骨屈曲形状リセス1368の主端部ノジュール1370および副端部ノジュール1376は、互いにオフセットすることもできるし、互いに位置合わせされないこともできる。
【0131】
格子1340は、ロー・トウ~ハイ・ヒール方向、ロー・ヒール~ハイ・トウ方向、ヒール~トウ方向、クラウン~ソール方向、水平方向、垂直方向、またはそれらの任意の組合せで整列させることができる。例えば、
図21に示すように、格子1340は、ロー・ヒールからハイ・トウ方向に整列させることができる。ここで、複数の第1の骨屈曲形状リセス1368列は、ハイ・トウに向かう主端部ノジュール1370を有し、複数の第2の骨屈曲形状リセス1368列は、ロー・ヒールに向かう主端部ノジュール1370を有する。別の例では
図24に示すように、格子1340は、ロー・トウからハイ・ヒール方向に整列させることができる。ここで、複数の第1の骨屈曲形状リセス1368列は、ロー・トウに向かう主端部ノジュール1370を有し、複数の第2の骨屈曲形状リセス1368列は、ハイ・ヒールに向かう主端部ノジュール1370を有する。
【0132】
格子1340の整列方向は、中央領域150、周辺領域154、トウ領域158、ヒール領域162、ボトム領域166、トップ領域170、ハイ・トウ領域174、ロー・トウ領域178、ハイ・ヒール領域182、および/またはロー・ヒール領域186内のフェースプレートの特性時間に影響を与えることができる。さらに、いくつかの実施形態では、格子1340がフェースプレートにわたる平均ショット分散に一致するように整列される。格子1340の位置は、最も多くのインパクトに耐えるフェースの領域に対応することができる。応力を分散させる格子1340の能力は、特に最大数の打撃を経験する領域内で、より大きな耐久性をもたらすことができる。したがって、格子1340の配列方向は、フェースプレート130にわたる特性時間応答の均一性を増加させ、耐久性を増加させるように選択することができる。
【0133】
格子1340を含むフェースプレート130は、USGA規制内で特性時間を調整することができる。格子1340を含むフェースプレート130は、格子1340を欠く同様のフェースプレートと比較して、同様のボール速度性能を維持しながら、特性時間を低減する。いくつかの例では、格子1340を含むフェースプレート130は、格子1340を欠く同様のフェースプレートと比較して、中心CTを約1~10μs、または1~5μs減少させる。他の例では、格子1340を含むフェースプレート130は、格子1340がない同様のフェースプレートと比較して、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10μsだけ中心CTを減少させる。格子1340を含むフェースプレート130は、格子1340を欠く同様のフェースプレートと比較して、同様のボール性能を維持する。格子1340を含むフェースプレート130は、高いボール速度性能を犠牲にすることなく、望ましい、より低い特性時間値を提供する。
【0134】
図21に示すように、格子1340は、基準方向1384に沿って整列させることができる。屈曲形状リセス1368の各列は、端部頂点1356を通って延びる中心線1342を備えることができる。各屈曲形状リセス1368は、中心線1342に沿って整列される。屈曲形状リセス1368の各列の中心線1342は、基準方向1384と平行であり得る。格子1340は、基準方向1384が、接地面105から0度~179度の間の角度1346だけオフセットされるように整列され得る。いくつかの実施形態では、角度1346は、0度~30度、30度~60度、60度~90度、90度~120度、120度~150度、または150度~179度の間を含むことができる。格子1340がロー・ヒールからハイ・トウ方向に配向される実施形態では、角度1346は、90度未満、80度未満、70度未満、60度未満、50度未満、40度未満、30度未満、または20度未満であり得る。格子1340がロー・ヒール~ハイ・トウ方向に配向される実施形態では、角度1346は、5度~60度、10度~70度、15度~80度、または20度~85度の範囲であり得る。例えば、格子1340がロー・ヒールからハイ・トウ方向に配向され得る実施形態では、角度1346は、約5度、10度、15度、20度、25度、30度、35度、40度、45度、50度、55度、60度、65度、70度、75度、80度、または85度であり得る。
【0135】
さらに、格子140と同様に、格子1340は、中央領域150、ハイ・トウ領域174、ロー・トウ領域178、ハイ・ヒール領域182、ロー・ヒール領域178、またはそれらの任意の組合せ上に配置することができる。格子1340は、フェースプレートの幾何学的中心を中心とする円形領域、楕円形領域、又はこれらの組み合わせとして形成することができる。
図21に示すように、格子1340は、ロー・ヒール~ハイ・トウ方向に並ぶ楕円領域として形成することができる。また、格子1340は、ロー・ヒール~ハイ・トウ方向に並ぶ円形領域と楕円形領域とを組み合わせて形成することができる。
【0136】
複数のランド部分から形成される格子540、640、740、840、940および1340(以下、「格子」という)の複数の屈曲形状リセスは、ゴルフボールのインパクト時にフェースプレートの屈曲に影響を及ぼす。ゴルフボールのインパクトの間、格子の屈曲形状リセスは、引張り荷重およびねじり荷重を介してエネルギを蓄積するバネに似ている。ゴルフボールがフェースプレートに衝突すると、打撃フェースは圧縮状態にあり、背面は引張り状態となる。張力が背面に加えられると、屈曲形状リセスは、優角頂点で拡張する(すなわち、屈曲形状リセスは、サイズまたは体積が増大する)。この拡張により、屈曲形状リセスは、線形曲げおよびねじり曲げを介して(すなわち、張力およびねじりを通してエネルギを蓄積するバネに類似して)、フェースプレートにエネルギを蓄積することができる。2つの曲げモードを通してエネルギを蓄積することは、1つの曲げモード(すなわち、線形曲げ)を通してエネルギを蓄積する従来のクラブヘッドフェースプレートよりも有利である。2つの曲げモードでエネルギを蓄積することにより、ゴルフボールのインパクト時にボール速度を上げることができる。
【0137】
さらに、格子の屈曲形状は、フェースプレート材料のより大きな体積にわたって、減少した応力の位置をずらすことによって、フェースプレート材料の小さな体積(すなわち、フェースプレートのインパクト面積)に集中する最大の応力を減少させる。例えば、低減された応力は、フェースプレート中心132の近くから、格子540、640、740、840、または940内のフェースプレート周辺部136の近くまでの方向に、3~8個の屈曲形状リセスにわたって移すことができる。いくつかの実施形態では、低減された応力は、フェースプレート中心132の近くからフェースプレート周辺部136の近くまでの方向に、3から5、4から6、5から7、または6から8の屈曲形状リセスにわたって移すことができる。この応力の低減は、格子540、640、740、840、940または1340がないフェースプレートでは生じない。
【0138】
加えて、フェースプレートの裏面上に格子を含めることにより、フェースにわたってより均一な特性時間応答をもたらすことができる。格子540、640、740、840、940、1040、1140、1240、または1340を含むフェースプレートは、USGA規制内で特性時間を維持することができる。いくつかの実施形態では、格子540、640、740、840、940、1040、1140、1240、または1340を含むフェースプレートは、格子540、640、740、840、940、1040、1140、1240、または1340を欠く同様のフェースプレートと比較して、同様のボール速度性能を維持しながら、中心特性時間を低減することができる。中心特性時間の短縮は、USGAの規制に適合することが望ましい。
【0139】
<幾何学的形状を持つランド部分によって定義される屈曲形状リセス>
上述のように、格子は、複数のランド部分から形成される複数の屈曲形状を備えることができる。複数のランド部分は、複数の屈曲形状リセスを形成することができる。複数のランド部分は、複数の屈曲形状リセスを分離する。ランド部分は、互いに相互接続され、クラブヘッド100の屈曲形状リセスがない部分を画定する。ランド部分は、屈曲形状リセスの周囲を形成する。いくつかの実施形態では、屈曲形状リセスの周囲は、リエントラント形状、凹形状、または非凸形状を備えることができる。他の実施形態では、屈曲形状リセスの周囲は、リエントラント、凹状、非凸形状を欠くことができる。
【0140】
ランド部分は、隣接する屈曲形状リセスの間の幾何学的形状を備えることができる。ランド部分の幾何学的形状は、三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、四角形、多角形、または六角形を備えることができる。ランド部分の幾何学的形状は、互いに相互接続することができる。そしてランド部分は、屈曲形状リセスの間に、一連の相互接続された幾何学的形状を形成する。
【0141】
ランド部分の幾何学的形状は、1つ以上の屈曲形状リセスの一部を形成することができる。例えば、ランド部分は、3つの屈曲形状リセスの一部を形成する三角形状を備えることができる。別の例では、ランド部分は、4つの屈曲形状リセスの一部を形成する四角形形状を備えることができる。
【0142】
ランド部分は、隣接する屈曲形状リセス間の幅を備えることができる。ランド部分幅は、屈曲形状リセスの周囲から、隣接する屈曲形状リセスの周囲までによって、測定することができる。ランド部分幅は、隣接する屈曲形状リセスの間で変化してもよいし、または一定のままであってもよい。隣接するランド部分幅は、互いに類似していてもよいし、異なっていてもよい。例えば、ランド部分幅は、屈曲形状リセス周辺の1つの部分に沿って一定に保つことができる。ランド部分幅は、屈曲形状リセス周辺の別の部分に沿って変化することができる。
【0143】
いくつかの実施形態では、ランド部分幅は、0.02インチよりも大きく、0.05インチよりも大きく、0.1インチよりも大きく、0.15インチよりも大きく、または0.2インチよりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、ランド部分幅は、0.02~0.2インチの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、ランド部分幅は、0.02~0.1インチ、すなわち0.1~0.2インチの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、ランド部分幅は、0.02~0.05インチ、0.05~0.08インチ、0.08~0.11インチ、0.11~0.14インチ、0.14~0.17インチ、又は0.17~0.2インチの範囲とすることができる。例えば、ランド部分幅は、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、または0.2インチとすることができる。
【0144】
屈曲形状リセスは、幅を備えることができる。屈曲形状リセス幅は、0.08インチより大きく、0.1インチより大きく、0.12インチより大きく、0.14インチより大きく、0.16インチより大きく、0.18インチより大きく、または0.2インチより大きくすることができる。いくつかの実施形態では、屈曲形状リセス幅は、0.1から0.3インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、屈曲形状リセス幅は、0.1~0.2インチ、または0.2~0.3インチの範囲とすることができる。例えば、屈曲形状リセス幅は、0.1、0.11、0.12、0.125、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.25、または0.3インチとすることができる。
【0145】
複数のランド部分から形成された屈曲形状リセスを含む格子は、フェースプレート内により大きなエネルギを蓄積することを容易にし、ゴルフボールインパクト時のボール速度をより大きくすることを可能にする。以下に、幾何学的形状および屈曲形状リセスを有するランド部を備える格子の、4つの例を説明する。以下に説明する屈曲形状リセスの例は、1つの向きを参照するものであるが、ゴルフボールのインパクト時により大きなフェースプレートエネルギ蓄積およびより大きなボール速度を達成するために、屈曲形状リセスを幾つかの異なる構成での向きとすることができることが理解されよう。
【0146】
<三角形の形状を持つランド部分>
一例では、
図14に示すように、また上述したように、フェースプレート130は格子940を備えることができる。格子940は、上述した格子140に類似することができるが、サイズ、形状、または寸法が異なっていてもよい。複数のランド部分964は、複数の3点星状屈曲形状リセス968を形成することができる。3点星形屈曲形状リセス968は、リエントラント、凹形、または非凸形を含むことができる。ランド部分964は、三角形の形状を備えることができる。この例では、三角形状を有する6つのランド部分964が、1つの屈曲形状リセス968を形成することができる。ランド部分964は、一連の相互接続された三角形の形状を含むことができる。
【0147】
別の例では、
図15に示すように、フェースプレート130は格子1040を備えることができる。格子1040は、上述した格子140に類似し得るが、サイズ、形状、または寸法が異なっていてもよい。格子1040は、上述の格子940に類似してもよいが、形状の幾何学的形状が異なる。複数のランド部分1064は、複数のトライアド(triad)屈曲形状リセス1068を形成することができる。トライアド屈曲形状リセス1068は、リエントラント形状、凹形状、または非凸形状を含んでもよい。トライアド屈曲形状リセス1068は、丸みを有する実質的に三角形の形状を備えることができる(すなわち、トライアド屈曲形状リセス1068の周囲は、屈曲形状リセス968よりも丸みがある)。
【0148】
ランド部分1064は、実質的に三角形の形状を備えることができる。この例では、実質的に三角形の形状を有する6つのランド部分1064が、1つの屈曲形状リセス1068を形成することができる。ランド部分1064は、上述の格子940と同様に、一連の相互接続された三角形形状を備えることができる。上述のように、ランド部分1064の幅は、0.02インチよりも大きく、0.05インチよりも大きく、0.1インチよりも大きく、0.15インチよりも大きく、または0.2インチよりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、上述のように、ランド部分1064の幅は、0.02~0.2インチの範囲とすることができる。
【0149】
上述のように、トライアド屈曲形状リセス1068の幅は、0.08インチより大きく、0.1インチより大きく、0.12インチより大きく、0.14インチより大きく、0.16インチより大きく、0.18インチより大きく、又は0.2インチより大きくすることができる。いくつかの実施形態では、上述したように、トライアド屈曲形状リセス1068の幅は、0.1~0.3インチの範囲とすることができる。一例では、トライアド屈曲形状リセス1068の幅は、0.125インチとすることができる。
【0150】
トライアド屈曲形状リセス1068は、半径を備えることができる。トライアド屈曲形状リセス1068の半径は、0.01~0.05インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、トライアド屈曲形状リセス1068の半径は、0.01~0.025インチ、または0.025~0.05インチの範囲とすることができる。例えば、トライアド屈曲形状リセス1068の半径は、0.01、0.011、0.02、0.03、0.04、または0.05インチとすることができる。一例では、トライアド屈曲形状リセス1068は、0.011インチの値を有する3つの半径を備えることができる。
【0151】
<四辺形状のランド部分>
別の例では、
図16に示すように、フェースプレート130は格子1140を備えることができる。格子1140は、上述の格子140に類似し得るが、サイズ、形状、または寸法が異なっていてもよい。複数のランド部分1164は、複数のダイヤモンド屈曲形状リセス1168を形成し得る。ダイヤモンド屈曲形状リセス1168は、凸形状を有することができる。より具体的には、ダイヤモンド屈曲形状リセス1168は、ダイヤモンド、長方形、菱形、平行四辺形、または任意の四辺形形状を備えることができる。ランド部分1164は、正方形の形状を備えることができる。他の実施形態では、ランド部分1164は、長方形、菱形、平行四辺形、または任意の四辺形を備えることができる。
【0152】
この例では、正方形の形状を有する4つのランド部分1164が、1つの屈曲形状リセス1168を形成することができる。ランド部分1164は、一連の相互接続された略正方形状を備えることができる。
【0153】
ランド部分1164の幅は、ダイヤモンド屈曲形状リセス1168の幅に対応し得る。ランド部分1164の幅は、隣接するダイヤモンド屈曲形状リセス1168間で一定のままであり得る。上述のように、ランド部分1164の幅は、0.02インチよりも大きく、0.05インチよりも大きく、0.1インチよりも大きく、0.15インチよりも大きく、または0.2インチよりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、上述のように、ランド部分1164の幅は、0.02~0.2インチの範囲とすることができる。
【0154】
上述のように、ダイヤモンド屈曲形状リセス1168の幅は、0.08インチより大きく、0.1インチより大きく、0.12インチより大きく、0.14インチより大きく、0.16インチより大きく、0.18インチより大きく、または0.2インチより大きくすることができる。いくつかの実施態様において、上述のように、ダイヤモンド屈曲形状リセス1168の幅は、0.1~0.3インチの範囲であり得る。一例では、ダイヤモンド屈曲形状リセス1168の幅は、0.125インチであり得る。
【0155】
<六角形のランド部分>
別の例では、
図17に示すように、フェースプレート130は格子1240を備えることができる。格子1240は、上述の格子140に類似することができるが、サイズ、形状、または寸法が異なっていてもよい。複数のランド部分1264は、複数のスロット屈曲形状リセス1268を形成し得る。スロット屈曲形状リセス1268は、スロットに似た形状、または丸い端部を有する長方形を備えることができる。スロット屈曲形状リセス1268は、凸形状を含んでもよい。ランド部分1264は、六角形の形状を備えることができる。
【0156】
この例では、5つのスロット屈曲形状リセス1268を配置して、六角形の1つのランド部分1264を形成することができる。スロット屈曲形状リセス1268は、六角形状を有する複数の相互接続されたランド部分1264を形成するように配列され得る。
【0157】
上述のように、ランド部分1264の幅は、0.02インチよりも大きく、0.05インチよりも大きく、0.1インチよりも大きく、0.15インチよりも大きく、または0.2インチよりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、上述のように、ランド部分1264の幅は、0.02~0.2インチの範囲とすることができる。
【0158】
上述のように、スロット屈曲形状リセス1268の幅は、0.08インチよりも大きく、0.1インチよりも大きく、0.12インチよりも大きく、0.14インチよりも大きく、0.16インチよりも大きく、0.18インチよりも大きく、または0.2インチよりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、上述のように、スロット屈曲形状リセス1268の幅は、0.1~0.3インチの範囲とすることができる。一例では、スロット屈曲形状リセス1268の幅は、0.125インチとすることができる。
【0159】
幾何学的形状を有する複数のランド部分から形成された格子940、1040、1140、または1240(以下、「格子」という)の複数の屈曲形状リセスは、ゴルフボールのインパクト中のフェースプレートの屈曲に影響を及ぼす。ゴルフボールのインパクトの間、格子のランド部分は、引張り荷重およびねじり荷重を介してエネルギを蓄積するバネに似ている。ゴルフボールがフェースプレート130に衝突すると、打撃フェース134は圧縮状態にあり、背面138は引張り状態にある。背面138に張力が加えられると、ランド部分は直線的かつ回転的にゆがむ。この直線的かつ回転的な動きにより、ランド部分は、線形曲げおよびねじれ曲げを介して、フェースプレート130内にエネルギを蓄積することができる(すなわち、張力およびねじりを通じてエネルギを蓄積するバネに類似する)。2つの曲げモードを通してエネルギを蓄積することは、1つの曲げモード(すなわち、線形曲げ)を通してエネルギを蓄積する従来のクラブヘッドフェースプレートよりも有利である。2つの曲げモードでエネルギを蓄積することにより、ゴルフボールのインパクト時にボール速度を上げることができる。
【0160】
さらに、格子の屈曲形状は、フェースプレート材料のより大きな体積にわたって、減少した応力の位置をずらすことによって、フェースプレート材料の小さな体積(すなわち、フェースプレートのインパクト面積)に集中する最大の応力を減少させる。例えば、低減された応力は、フェースプレート中心132の近くから、格子1040、1140、又は1240内のフェースプレート周辺部136の近くまでの方向に、3~8個のランド部分にわたって移すことができる。いくつかの実施形態では、低減された応力は、フェースプレート中心132付近からフェースプレート周辺部136付近までの方向に、3~5、4~6、5~7、または6~8個のランド部分にわたって移すことができる。この応力の低減は、格子1040、1140、または1240がないフェースプレートでは生じない。
【0161】
<アイアンゴルフクラブヘッド>
図22~24を参照すると、
図22は、アイアンゴルフクラブヘッド1400の正面斜視図を示している。ここで様々な図において、同様の参照番号が、同様のまたは同一の構成要素を識別するために使用される。アイアンクラブヘッド1400は、実質的に閉じた/中空の内部容積を画定するように一緒に固定されたフェースプレート1430および本体1410を含む。クラブヘッド1400は、トップレール1414と、トップレール1414に対向するソール1418と、ヒール1422と、ヒール1422に対向するトウ1426と、を含む。
【0162】
図22~
図24に示すように、フェースプレート1430は、ゴルフボールにインパクトするように意図された打撃フェース1434と、打撃フェース1434の反対側の背面1438と、を含む。打撃フェース1434は、クラブヘッド100について上述したように、可変厚さプロファイルを備えることができる。クラブヘッド1400は、クラブヘッド100について上述したのと同様のフェースプレート領域を含むことができる。クラブヘッド1400は、上述のクラブヘッド100と同様であり得るが、体積、サイズ、およびフェースプレート寸法が異なる。クラブヘッド1400は、ウッド型クラブヘッド100と比較した場合、より小さいクラブヘッドであり、体積、クラブヘッド寸法、およびフェースプレート寸法について、より小さいまたはより低い数値を含むことができる。
【0163】
クラブヘッド1400のフェースプレート1430は、フェースプレート1430内に凹んだ複数の屈曲形状を有する格子1440をさらに含む。格子1440は、フェースプレート1430の背面1438内に凹むことができる。格子1440は、クラブヘッド1400の閉じた/中空の内部容積内に配置することができる。ここで、格子1440は、クラブヘッド1400の外面に露出されないか、または見えない。格子1440は、本開示に記載されるようなフェースプレート格子を含むことができる。クラブヘッド1400の格子1440は、クラブヘッド1400のより小さいフェースプレート1430の寸法に適合するように、サイズ、形状、および/または数に関して修正することができることが理解されよう。
【0164】
図24に示すように、一例では、フェースプレート1430は、上述のような複数の骨屈曲形状リセス1368を有する格子1340を備えることができる。
図24に示されるように、骨屈曲形状リセス1368は、列に整列することができる。ここで、骨屈曲形状リセス1368の各列は、ロー・トウからハイ・ヒール方向に整列される。複数の骨屈曲形状リセス1368の列は、ロー・トウに向いている主端部ノジュール1370を有することができ、また複数の骨屈曲形状リセス1368の列は、ハイ・ヒールに向いている主端部ノジュール1370を有することができる。さらに、骨屈曲形状リセス1368は、列に並べることができる。骨屈曲形状リセス1368の各列は、ハイ・トウからロー・ヒール方向に整列される。ロー・トウ方向からハイ・ヒール方向に延在する骨屈曲形状リセス1368の隣接する列を比較するとき、第1の列の主端部ノジュール1370は、第2の列の副端部ノジュール1376と整列させることができる。骨屈曲形状リセス1368の列の整列方向は、フェースプレートの屈曲を改善し、それによって、オフセンター打撃のためのボール性能を改善する。
【0165】
<格子を有するゴルフクラブヘッドフェースプレートの製造方法>
本明細書に記載される格子を有するフェースプレート130を有するクラブヘッド100を製造する方法が提供される。この方法は、本体110およびフェースプレート130を提供することを含む。フェースプレート130は、実質的に中空/閉鎖構造を画定するように本体110に結合される。本体110は、鋳造、鍛造、機械加工、アディティブ製造(additive manufacturing)、3D印刷、または任意の適切な方法またはそれらの組み合わせによって作製または形成することができる。いくつかの実施形態では、放電加工(EDM)または化学エッチングによって、本体110を改造することができる。同様に、フェースプレート130は、鋳造、鍛造、機械加工、付加製造、3D印刷、または任意の適切な方法もしくはそれらの組み合わせによって、作製または形成することができる。そしてフェースプレート130は、放電機械加工(EDM)または化学エッチングによって改造することができる。いくつかの実施形態では、フェースプレート130は、本体110上に溶接することができる。他の実施形態では、フェースプレート130および本体110は、一体部品として一緒に形成することができる。
【0166】
一実施形態では、フェースプレート130は、粉末金属焼結などのアディティブ製造方法から形成することができる。粉末金属焼結システムは、レーザのような加熱源によって層毎に焼結又は溶融される、金属粉末の層を含む。積層技術(layer by layer technique)は、層状金属から格子を有する三次元フェースプレート130を形成する。格子540、640、740、840、940、1040、1140、1240、または1340は、粉末金属焼結プロセス中にフェースプレート130に一体的に形成することができる。
【0167】
別の実施形態では、フェースプレート130を鍛造プロセスによって形成することができる。本方法のいくつかの反復では、格子540、640、740、840、940、1040、1140、1240、または1340を、初期鍛造プロセス中にフェースプレート130に一体的に形成することができる。本方法の他の反復では、格子540、640、740、840、940、1040、1140、1240、または1340を、二次鍛造ステップ中にフェースプレート130に形成することができる。いくつかの実施形態では、鍛造プロセスが完了した後に、フェースプレート130がさらに熱処理される。
【0168】
フェースプレート130の格子を形成するためにこれらの方法を使用することの利点は、ゴルフボールのインパクト中にフェースプレート130における大きな応力集中を最小限に抑えることである。特に、これらの方法は、正方形または鋭いエッジではなく、格子のエッジ上に小さな隅肉(fillets)(例えば0.015~0.05インチ)を提供する。フライス加工またはエンドミル加工のような方法は、格子を形成する際に有利ではない。何故ならば、これらの方法は、正方形または鋭いエッジを形成し、格子内に高程度の応力集中を生じさせ、ゴルフボールのインパクト中にフェースプレート130の故障をもたらすからである。
【0169】
<例>
<例1-反発係数(COR)フェースプレート試験>
格子および可変面厚さを備える代表的なフェースプレート130を、格子が欠けている類似の照査フェースプレートと比較した。代表的なフェースプレート130は、0.09インチのフェースプレート周囲厚さ、0.20インチのフェースプレート中心厚さ、0.05インチの格子深さ、およびトライアド屈曲形状リセス1068を有する格子1040、を含む可変フェースプレート厚さを備える。照査フェースプレートは、0.09インチのフェースプレート周囲厚さ、0.20インチのフェースプレート中心厚さ、を含む可変フェースプレート厚さを備える。代表的なフェースプレート130および照査フェースプレートは、チタン合金(すなわち、Ti-6-4)を備える。
【0170】
代表的なフェースプレート130と照査フェースプレートとの間の反発係数(COR)を比較するために試験を行った。反発係数(COR)は、ゴルフボールとフェースプレートの衝突の間の、最終速度と初速度の比である。試験は、各フェースプレートで、ゴルフボールを発射するエアキャノンを使用した。各フェースプレートから空気キャノンの配置位置までの距離を一定に保ち、各フェースプレートを固定位置に保持した。試験の結果、代表的なフェースプレート130は0.827のCOR値の平均値であり、照査フェースプレートは0.795のCOR値の平均値であった。結果は、代表的なフェースプレート130が、照査フェースプレートに対して平均3.54%のCORの増加を有したことを示す。代表的なフェースプレート130の格子は、2つの曲げモード(すなわち、線形およびねじり)を通してエネルギ蓄積を可能にする。それによって、ゴルフボールインパクトの間、より大きなボール速度を提供するためにCORを増加させる。
【0171】
<例2-内部エネルギフェースプレート試験>
サンバースト溝を備えた格子240および可変面厚さを含む代表的なフェースプレート130を、格子および可変面厚さが欠けている類似の照査フェースプレートと比較した。代表的なフェースプレート130は、0.09インチのフェースプレート周囲厚さ、0.20インチのフェースプレート中心厚さ、0.05インチの格子深さ、を含む可変フェースプレート厚さを備える。照査フェースプレートは、0.115インチ(USGA標準フェースプレート)の一定のフェースプレート厚さを備えている。
【0172】
テストは、代表的なフェースプレート130と照査フェースプレートとの間の内部エネルギを比較するために実施された。この試験では、ボール速度が時速90~115マイルの範囲で、打撃フェース上のゴルフボールのインパクトをモデル化した、有限要素シミュレーションを使用した。内部エネルギはポンド・インチ(lbf-inch)で測定される。試験の結果、代表的なフェースプレート130は80~82ポンド・インチの内部エネルギを有し、照査フェースプレートは71ポンド・インチの内部エネルギを有していた。結果は、サンバースト溝を備えた代表的なフェースプレート130が、内部エネルギの10%~15%の増加を有したことを示す。この内部エネルギ増加は、およそ時速1マイルから3マイルのボール速度増加に等しい。代表的なフェースプレート130の格子240は、2つの曲げモード(すなわち、線形およびねじり)を通してエネルギを蓄積することによって、より大きなエネルギ蓄積を可能にし、これにより、ゴルフボールインパクト中のより大きなボール速度を可能にする。
【0173】
<例3-COR(Coefficient of Restitution)フェースプレートテスト>
第1の格子を含む第1の例示的なフェースプレート130と、第2の格子を含む第2の例示的なフェースプレート130と、照査フェースプレートとの間で比較が行われた。照査フェースプレートは格子を欠いていたが、第1および第2の例示的フェースプレートと同様であった。全ての3つのフェースプレートは同様の可変面厚を有し、同じ金属材料から形成されていた。第1及び第2の例示的なフェースプレート130の格子は、放電加工(EDM)によって形成された。
【0174】
第1の例示的なフェースプレート130は、サンバースト溝を有する格子240を備えていた。第2の例示的なフェースプレート130は、トライアド屈曲形状リセス1068を有する格子1040を備えていた。照査フェースプレートは格子を欠いていた。格子240、1040は、約0.05インチの均一な深さを測定し、約0.04インチの溝幅を有した。
【0175】
例示的なフェースプレート130と照査フェースプレートとの間の反発係数(COR)を比較するための試験が実施された。試験は、各フェースプレートでゴルフボールを発射したエアキャノンを使用した。各フェースプレートからエアキャノンが位置決めされる距離を一定に保持し、各フェースプレートを固定位置に保持した。試験の結果、サンバースト溝を有する格子240を備える、第1の例示的なフェースプレート130は、平均で0.761のCOR値であった。トライアド屈曲形状リセス1068を有する、第2の例示的なフェースプレート130は、平均で0.765のCOR値であった。照査フェースプレートは、平均で0.758のCOR値であった。結果は、第1の例示的なフェースプレート130は、照査フェースプレートに対して平均で0.4%のCOR増加を有し、第2の例示的なフェースプレート130は、照査フェースプレートに対して平均で0.9%のCOR増加を有することを示している。
【0176】
第1および第2の例示的なフェースプレート130の格子は、2つの曲げモード(すなわち、線形およびねじれ)を介してエネルギー貯蔵を可能にし、それによって、ゴルフボールインパクト中のより大きいボール速度を提供するためにCORを増加させる。
【0177】
<例4-スタットエリアテスト>
骨屈曲形状リセス1368を有する格子1340を備える例示的なフェースプレート130を、格子特徴を欠く同様の照査フェースプレートと比較した。例示的なフェースプレート130は、鍛造されたフェースプレートと、骨形状リセス1368と、0.01インチの格子深さと、を備えていた。照査フェースプレート130は、例示的なフェースプレート130と同様のフェースプレート寸法(すなわち、厚さ、高さ、および幅、材料)を含んでいたが、格子特徴を欠いていた。
【0178】
例示的なフェースプレート130と照査フェースプレートとの間のスタット面積(すなわち、ゴルフボールキャリー距離の集合の標準偏差にゴルフボールオフライン距離の集合の標準偏差を乗じたもの)を比較するために、試験が行われた。ゴルフボールキャリー距離は、ゴルフボールが空中を移動する距離である。ゴルフボールオフライン距離は、ゴルフボールがプレーヤから所望のターゲットまで延在するラインからオフセットされる距離である。ゴルフボールオフライン距離は、プレーヤから所望のターゲットまで延在するラインに対して垂直に測定される。スタット領域は、ゴルフボールショットの集合のグループ化または分散の精度を決定する。ここで、より狭い分散はより低いスタット領域を示し、より大きい分散はより高いスタット領域を示す。試験の結果、例示的なフェースプレート130は、照査フェースプレートと比較して、スタット面積の平均約33%の減少(すなわち、より少ないボール分散)をもたらした。骨形状リセス1368を有する格子1340を備える例示的なフェースプレート130は、中心打撃と中心外打撃との間のボールキャリー距離の差を低減するか、または、中心打撃と中心外打撃とに対して同様のボールキャリー距離を提供する。骨形状リセス1368を有する格子1340を含む例示的なフェースプレート130は、所望のより低いスタット領域を提供し、格子特徴を欠くクラブヘッドと比較してゴルフボールショット分散のより高い精度を可能にする。
【0179】
<実施例5-ゴルフボールオフライン距離試験>
骨屈曲形状リセス1368を有する格子1340を備える例示的なフェースプレート130を、格子特徴を欠く同様の照査フェースプレートと比較した。例示的なフェースプレート130は、鍛造されたフェースプレートと、骨形状リセス1368と、0.01インチの格子深さと、を備えていた。照査フェースプレート130は、例示的なフェースプレート130と同様のフェースプレート寸法(すなわち、厚さ、高さ、および幅、材料)を備えていたが、格子特徴を欠いていた。
【0180】
試験は、フェースプレートを横切る様々な打撃に対して、ゴルフボールが移動したオフライン距離の量を比較するために実施された。様々な打撃を、フェースプレートの中心で測定するとともに、フェースプレートの中心からヒール、トウ、クラウン、およびソールに向かって延在する方向に1インチずれた範囲内で測定した。ゴルフボールオフライン距離は、ゴルフボールがプレーヤから所望のターゲットまで延在するラインからオフセットされる距離である。プレーヤから所望のターゲットまで延在する線は、プレーヤが達成したいゴルフ飛行経路である。ゴルフボールオフライン距離は、プレーヤから所望のターゲットまで延在するラインに対して垂直に測定される。試験の結果、例示的なフェースプレート130は、フェースプレート中心から0.5インチ以内の打撃に対して、平均10ヤード未満のオフライン距離であった。照査フェースプレートは、フェースプレート中心から0.5インチ以内の打撃に対して、プレーヤの左方向に平均10ヤード以上であった。いくつかの例では、例示的なフェースプレート130は平均で約8ヤードのオフライン距離であり、照査フェースプレートはは平均で11ヤードのオフライン距離であった。これらの例では、例示的なフェースプレート130が、オフライン距離の4ヤードの減少、またはオフライン距離の約30%の減少を提供する。
【0181】
骨形状リセス1368を有する格子1340を備える例示的なフェースプレート130は、中心でのインパクト、および、中心から全方向に0.5インチ以内のインパクトに対し、一貫したボール飛行を提供した。骨形状リセス1368を有する格子1340を備える例示的なフェースプレート130は、センター打撃、ロー・ヒール打撃、およびハイ・トウ打撃(すなわち、ロー・ヒールおよびハイ・トウ打撃は、ショット形状において最大の曲がりを見る)について、同様の真っ直ぐなボール飛行を提供する。照査フェースプレート130は、より真っ直ぐなゴルフボール経路を達成するために、フェースプレート上でより低く打つことを必要とする。これは、より高い精度を必要とし、達成するのがより困難である。例示的なフェースプレート130は、フェースプレート130上でより高い打撃のための改善されたボール飛行を達成する。これは、より低い精度を必要とし、達成することがより容易である。
【0182】
<例6-特性時間テスト>
骨屈曲形状リセス1368を有する格子1340を備える例示的なフェースプレート130を、格子特徴を欠く同様の照査フェースプレートと比較した。例示的なフェースプレート130は、鍛造されたフェースプレートと、ロー・ヒールからハイ・トウ方向に配置された骨屈曲形状リセス1368と、を備える。照査フェースプレート130は、例示的なフェースプレート130と同様のフェースプレート寸法(すなわち、厚さ、高さ、および幅、材料)を備えていたが、格子特徴を欠いていた。
【0183】
例示的なフェースプレート130と照査フェースプレートとの間の、特性時間およびボール速度を測定する試験が実施された。特性時間は、本開示に記載の標準的なUSGA試験を用いて測定した。ボール速度測定値は、ゴルファーのショットのコレクションから収集した。試験の結果、例示的なフェースプレート130では、フェースプレート中心での228μsの特性時間、および、約160.1mphの平均ボール速度が得られた。試験の結果、照査フェースプレートでは、フェースプレート中心で237μsの特性時間、および、約160.7mphの平均ボール速度が得られた。試験の結果、例示的フェースプレート130は、照査フェースプレートの中心特性時間よりも9μs小さい中心特性時間を有した。他の実施形態では、例示的なフェースプレート130の中心特性時間を、照査フェースプレートの中心特性時間よりも、1~10μs、または1~5μs短くすることができる。さらに、例示的なフェースプレート130は、照査フェースプレートと同様のボール速度を有する試験結果となった。骨屈曲形状リセス1368を有する格子1340を備える例示的なフェースプレート130は、高いボール速度性能を犠牲にすることなく、望ましいより低い中心特性時間値を提供した。
【0184】
1つまたは複数の列挙される要素の置換は、再構築を構成するものとなり、修復とはならない。さらに、利益、他の利点、および問題の解決策を、具体的な実施形態に関連して説明した。しかし、これらの利益、利点、問題の解決策、ならびに、任意の利益、利点、もしくは解決策を行い得るまたはより顕著なものにさせ得る任意の1つまたは複数の要素は、特許請求の範囲のいずれかまたは全ての重要な、必要な、もしくは必須の特徴または要素として見なすべきではない。
【0185】
ゴルフのルールが、時折変更され得る(例えば全米ゴルフ協会(USGA)、英国ゴルフ協会(R&A)、等々のゴルフ基準決定機関および/または監督機関により、新たなレギュレーションが採用される場合がある、または旧式ルールが排除されるもしくは変更される場合がある、など)ため、本明細書において説明される装置、方法、および製造物品に関連するゴルフ用具が、任意の特定の時代におけるゴルフのルールに準拠するまたは準拠しない場合がある。したがって、本明細書において説明される装置、方法、および製造物品に関連するゴルフ用具は、準拠するまたは準拠しないゴルフ用具として、宣伝、売出し、および/または販売される場合がある。本明細書において説明される装置、方法、および製造物品は、この点に関して限定されない。
【0186】
さらに、本明細書において説明される実施形態および限定は、それらの実施形態および/または限定が、(1)特許請求の範囲において明確には特許請求されないが、(2)均等論の下では特許請求の範囲に明言された要素および/または限定の均等物であるかあるいは潜在的均等物である場合には、共有の原則の下で公有に属するものにはならない。
【0187】
条項1:格子を備えたフェースプレートを備えたゴルフクラブヘッドであって、前記格子は、サンバーストパターンで配列された複数の溝を備えており、サンバースト溝の各々は、ベース溝と、複数のリガメント溝であって、前記ベース溝に接続されるとともに前記ベース溝から外向きに延びている前記複数のリガメント溝と、を備え、前記ベース溝は、円形の形状を備えており、前記リガメント溝は、少なくとも1つの曲線を備えており、少なくとも3つのサンバースト溝は、屈曲形状を形成しており、前記屈曲形状は、前記屈曲形状の中心に対して一連の凸曲線および凹曲線を形成している少なくとも3つのベース溝および少なくとも3つのリガメント溝の一部を備えており、前記屈曲形状の前記一連の凸曲線および凹曲線は、線形曲げおよびねじれ曲げによってエネルギを蓄積するために、ゴルフボールインパクト中に屈曲する、ゴルフクラブヘッド。
【0188】
条項2:前記複数のサンバースト溝は、円形の繰り返しパターン内に点在している屈曲形状の繰り返しパターンを備える、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0189】
条項3:前記屈曲形状は、内側にへこんだ形状を備えている、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0190】
条項4:前記複数の屈曲形状は、中央領域、トウ領域、ヒール領域、トップ領域、ボトム領域、ハイ・トウ領域、ロー・トウ領域、ハイ・ヒール領域、およびロー・ヒール領域からなるグループから選択されるフェースプレート領域上に位置している、条項2に記載のゴルフクラブヘッド。
【0191】
条項5:前記複数のリガメント溝は、前記ベース溝に沿って等間隔に配置されている、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0192】
条項6:前記ベース溝は、0.01インチから0.05インチの範囲の幅を備える、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0193】
条項7:前記リガメント溝は、0.01インチから0.05インチの範囲の幅を備える、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0194】
条項8:前記複数の溝の深さは、0.025インチから0.075インチの範囲である、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0195】
条項9:格子を備えたフェースプレートを備えたゴルフクラブヘッドであって、前記格子は、サンバーストパターンで配列された複数の溝を備えており、サンバースト溝の各々は、ベース溝と、複数のリガメント溝であって、前記ベース溝に接続されるとともに前記ベース溝から外向きに延びている前記複数のリガメント溝と、を備え、前記ベース溝は、円形の形状を備えており、前記リガメント溝は、少なくとも1つの曲線を備えており、少なくとも3つのサンバースト溝は、屈曲形状を形成しており、前記屈曲形状は、前記屈曲形状の中心に対して一連の凸曲線および凹曲線を形成している少なくとも3つのベース溝および少なくとも3つのリガメント溝の一部を備えており、前記複数のサンバースト溝は、相互接続された屈曲形状の繰り返しパターンを備えており、前記屈曲形状の前記一連の凸曲線および凹曲線は、線形曲げおよびねじれ曲げによってエネルギを蓄積するために、ゴルフボールインパクト中に屈曲する、ゴルフクラブヘッド。
【0196】
条項10:前記複数の屈曲形状は、中央領域、トウ領域、ヒール領域、トップ領域、ボトム領域、ハイ・トウ領域、ロー・トウ領域、ハイ・ヒール領域、およびロー・ヒール領域からなるグループから選択されるフェースプレート領域上に位置している、条項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【0197】
条項11:前記屈曲形状は、内側にへこんだ形状を備えている、条項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【0198】
条項12:隣接する屈曲形状が少なくとも1つのリガメント溝を共有している、条項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【0199】
条項13:前記リガメント溝は、0.01インチから0.05インチの範囲の幅を備える、条項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【0200】
条項14:前記複数の溝の深さは、0.025インチから0.075インチの範囲である、条項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【0201】
条項15:格子を備えたフェースプレートを備えたゴルフクラブヘッドであって、前記格子は、サンバーストパターンで配列された複数の溝を備えており、サンバースト溝の各々は、ベース溝と、複数のリガメント溝であって、前記ベース溝に接続されるとともに前記ベース溝から外向きに延びている前記複数のリガメント溝と、を備え、前記ベース溝は、円形の形状を備えており、前記リガメント溝は、第1の曲線と、第2の曲線と、前記第1の曲線と前記第2の曲線との間に位置する変曲点と、を備えており、少なくとも3つのサンバースト溝は、屈曲形状を形成しており、前記屈曲形状は、前記屈曲形状の中心に対して一連の凸曲線および凹曲線を形成している少なくとも3つのベース溝および少なくとも3つのリガメント溝の一部を備えており、前記屈曲形状は、内側にへこんだ形状を備えており、前記屈曲形状の前記一連の凸曲線および凹曲線は、線形曲げおよびねじれ曲げによってエネルギを蓄積するために、ゴルフボールインパクト中に屈曲する、ゴルフクラブヘッド。
【0202】
条項16:前記複数のサンバースト溝は、円形の繰り返しパターン内に点在している屈曲形状の繰り返しパターンを備える、条項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【0203】
条項17:前記複数の屈曲形状は、中央領域、トウ領域、ヒール領域、トップ領域、ボトム領域、ハイ・トウ領域、ロー・トウ領域、ハイ・ヒール領域、およびロー・ヒール領域からなるグループから選択されるフェースプレート領域上に位置している、条項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【0204】
条項18:前記リガメント溝は、0.01インチから0.05インチの範囲の幅を備える、条項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【0205】
条項19:前記リガメント溝の前記第1の曲線および前記第2の曲線は、同様の幅を備えている、条項18に記載のゴルフクラブヘッド。
【0206】
条項20:前記複数の溝の深さは、0.025インチから0.075インチの範囲である、条項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【0207】
条項21:前記複数の屈曲形状は、中央領域、トウ領域、ヒール領域、トップ領域、ボトム領域、ハイ・トウ領域、ロー・トウ領域、ハイ・ヒール領域、およびロー・ヒール領域からなるグループから選択されるフェースプレート領域に向かってサイズが増大する、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0208】
条項22:前記屈曲形状の数は、中央領域、トウ領域、ヒール領域、トップ領域、ボトム領域、ハイ・トウ領域、ロー・トウ領域、ハイ・ヒール領域、およびロー・ヒール領域からなるグループから選択されるフェースプレート領域に向かって増加する、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0209】
条項23:格子を備えるフェースプレートを備えたゴルフクラブヘッドであって、前記格子は、複数の屈曲形状リセスを形成する複数のランド部分を備えており、前記複数の屈曲形状リセスは、鋭角内角を画定する少なくとも2つの頂点と、優角を画定する少なくとも1つの頂点と、を備えており、前記ランド部分は互いに相互接続されているとともに前記屈曲形状リセスを欠いているクラブヘッドの一部を画定しており、前記ランド部分は前記屈曲形状リセスを分離している、ゴルフクラブヘッド。
【0210】
条項24:前記優角は、前記屈曲形状リセス上に少なくとも1つの凹部を画定している、条項23に記載のゴルフクラブヘッド。
【0211】
条項25:前記屈曲形状リセスは、優角を画定する2つの頂点を備えており、前記2つの優角は、前記屈曲形状リセス上の2つの凹部を画定している、条項23に記載のゴルフクラブヘッド。
【0212】
条項26:前記鋭角内角は90度未満の角度を規定し、前記優角は180度超360度未満の角度を規定している、条項23に記載のゴルフクラブヘッド。
【0213】
条項26:格子を備えるフェースプレートを備えたゴルフクラブヘッドであって、前記格子は、複数の屈曲形状リセスを形成する複数のランド部分を備えており、前記複数の屈曲形状リセスは、幾何学的形状を備えており、前記ランド部分は互いに相互接続されており、前記ランド部分は前記屈曲形状リセスを分離しており、前記ランド部分は、前記屈曲形状リセスの間に一連の相互接続された幾何学的形状を備えている、ゴルフクラブヘッド。
【0214】
条項27:前記ランド部分の幾何学的形状は、三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、四角形、多角形、および六角形からなるグループから選択される、条項26に記載のゴルフクラブヘッド。
【0215】
条項28:格子、ヒール端部、トウ端部、および基準方向を備えるフェースプレートを備えたゴルフクラブヘッドであって、前記格子は反復パターンで配列された複数のリセスを備えており、前記複数のリセスの各々は骨形状を備えており、前記骨形状は中心に対して複数の凹状縁部および凸状縁部を備えている、ゴルフクラブヘッド。
【0216】
条項29:前記複数のリセスの各々は、2つの凸状縁部の頂点を画定する2つの頂点を備えており、前記複数のリセスの各々は、前記2つの頂点間に延びる中心線を備えており、前記基準方向は、ハイ・ヒール端部からロー・トウ端部方向に延びており、前記複数のリセスの各々は、その中心線が前記基準方向に平行になるように整列している、条項28に記載のゴルフクラブヘッド。
【0217】
条項30:前記複数のリセスの各々は別々であり、隣接するリセスに接続されていない、条項29に記載のゴルフクラブヘッド。
【0218】
条項31:前記複数のリセスは列をなして配向されており、前記複数のリセスの隣接する列は互いに対して互い違いに配置されている、条項29に記載のゴルフクラブヘッド。
【0219】
条項32:格子を備えるフェースプレートを備えたゴルフクラブヘッドであって、前記格子は繰り返しパターンで配置された複数のリセスを備えており、前記複数のリセスの各々は骨形状を備えており、前記骨形状は、主端部ノジュールと、副端部ノジュールと、前記主端部ノジュールを前記副端部ノジュールに接続する峡部と、備えており、前記主端部ノジュールは前記副端部ノジュールよりも大きく、前記複数のリセスの各々は別々であるとともに隣接するリセスに接続されていない、ゴルフクラブヘッド。
【0220】
条項33:クラウンと、ソールと、トウと、ヒールと、格子を備えるフェースプレートであって、前記格子は複数の屈曲形状リセスを形成する複数のランド部を備える、前記フェースプレートと、を備えるゴルフクラブヘッドであって、屈曲形状リセスの各々は、主端部ノジュールと、副端部ノジュールと、前記主端部ノジュールと前記副端部ノジュールとを接続する狭窄部と、を備え、前記主端部ノジュールは、主直径を有する円形形状を備えており、前記副端部ノジュールは、副直径を有する円形形状を備えており、前記主直径は前記副直径よりも大きく、前記複数の屈曲形状リセスは別々であり、互いに接続していない、ゴルフクラブヘッド。
【0221】
条項34:前記複数の屈曲形状リセスは、複数の直線状の列に配向されている、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0222】
条項35:前記複数の直線状の列が、ロー・トウからハイ・ヒール方向、ロー・ヒールからハイ・トウ方向、ヒールからトウ方向、およびクラウンからソール方向からなるグループから選択される方向に配向されている、条項2に記載のゴルフクラブヘッド。
【0223】
条項36:屈曲形状リセスの各々の周囲が、前記屈曲形状リセスの中心に対して、複数の凹状縁部および凸状縁部を備えている、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0224】
条項37:前記主端部ノジュールは、凸状縁部を備えており、前記副端部ノジュールは、凸状縁部を備えており、前記狭窄部は、少なくとも1つの凹状縁部を備えている、条項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【0225】
条項38:前記複数の屈曲形状リセスは、中央領域、トウ領域、ヒール領域、トップ領域、ボトム領域、ハイ・トウ領域、ロー・トウ領域、ハイ・ヒール領域、およびロー・ヒール領域からなるグループから選択されるフェースプレート領域上に位置している、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0226】
条項39:前記フェースプレートは前記複数のランド部を備えており、前記複数の屈曲形状リセスは、鍛造プロセスによって形成されている、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0227】
条項40:クラウンと、ソールと、トウと、ヒールと、格子を備えるフェースプレートであって、前記格子は複数の屈曲形状リセスを形成する複数のランド部を備える、前記フェースプレートと、を備えるゴルフクラブヘッドであって、屈曲形状リセスの各々は、主端部ノジュールと、副端部ノジュールと、前記主端部ノジュールと前記副端部ノジュールとを接続する狭窄部と、を備え、前記主端部ノジュールは、主直径を有する円形形状を備えており、前記副端部ノジュールは、副直径を有する円形形状を備えており、前記主直径は前記副直径よりも大きく、中心線が、前記主端部ノジュールと前記副端部ノジュールとに交差する前記屈曲形状リセスを通って延在しており、前記狭窄部は、前記中心線に対して、前記屈曲形状リセスの凹部を画定しており、前記複数の屈曲形状リセスは別々であり、互いに接続していない、ゴルフクラブヘッド。
【0228】
条項41:前記複数の屈曲形状リセスは、複数の直線状の列に配向されている、条項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【0229】
条項42:前記複数の直線状の列が、ロー・トウからハイ・ヒール方向、ロー・ヒールからハイ・トウ方向、ヒールからトウ方向、およびクラウンからソール方向からなるグループから選択される方向に配向されている、条項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【0230】
条項43:屈曲形状リセスの各々の周囲が、前記屈曲形状リセスの中心に対して、複数の凹状縁部および凸状縁部を備えている、条項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【0231】
条項44:前記主端部ノジュールは、凸状縁部を備えており、前記副端部ノジュールは、凸状縁部を備えており、前記狭窄部は、少なくとも1つの凹状縁部を備えている、条項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【0232】
条項45:前記複数の屈曲形状リセスは、中央領域、トウ領域、ヒール領域、トップ領域、ボトム領域、ハイ・トウ領域、ロー・トウ領域、ハイ・ヒール領域、およびロー・ヒール領域からなるグループから選択されるフェースプレート領域上に位置している、条項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【0233】
条項46:前記フェースプレートは前記複数のランド部を備えており、前記複数の屈曲形状リセスは、鍛造工程によって形成されている、条項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【0234】
条項47:クラウンと、ソールと、トウと、ヒールと、格子を備えるフェースプレートであって、前記格子は複数の屈曲形状リセスを形成する複数のランド部を備える、前記フェースプレートと、を備えるゴルフクラブヘッドであって、屈曲形状リセスの各々は、主端部ノジュールと、副端部ノジュールと、前記主端部ノジュールと前記副端部ノジュールとを接続する狭窄部と、を備え、前記主端部ノジュールは、主直径を有する円形形状を備えており、前記副端部ノジュールは、副直径を有する円形形状を備えており、前記主直径は前記副直径よりも大きく、前記主端部ノジュールは、主端部頂点を備えており、前記副端部ノジュールは、副端部頂点を備えており、中心線が、前記主端部ノジュールと前記副端部ノジュールとに交差する前記屈曲形状リセスを通って延在しており、前記狭窄端部ノジュールは、少なくとも1つの最下頂点を備えており、前記最下頂点は、前記中心線に最も近く位置する頂点として画定されており、前記複数の屈曲形状リセスは別々であり、互いに接続していない、ゴルフクラブヘッド。
【0235】
条項48:前記複数の屈曲形状リセスは、複数の直線状の列に配向されている、条項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【0236】
条項49:前記複数の直線状の列が、ロー・トウからハイ・ヒール方向、ロー・ヒールからハイ・トウ方向、ヒールからトウ方向、およびクラウンからソール方向からなるグループから選択される方向に配向されている、条項16に記載のゴルフクラブヘッド。
【0237】
条項50:前記複数の屈曲形状リセスは、中央領域、トウ領域、ヒール領域、トップ領域、ボトム領域、ハイ・トウ領域、ロー・トウ領域、ハイ・ヒール領域、およびロー・ヒール領域からなるグループから選択されるフェースプレート領域上に位置している、条項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【0238】
条項51:前記狭窄部は、前記中心線に対して凹部を画定しており、前記主端部ノジュールおよび前記副端部ノジュールは、前記中心線に対して凸部を画定している、条項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【0239】
条項52:前記フェースプレートは前記複数のランド部を備えており、前記複数の屈曲形状リセスは、鍛造プロセスによって形成されている、条項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【0240】
本開示の様々な特徴および利点は、以下の特許請求の範囲に記載される。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子を備えるフェースプレートであって、前記格子は複数の屈曲形状リセスを形成する複数のランド部を備える、前記フェースプレートを備えるゴルフクラブヘッドであって、
前記複数のランド部の各々は、互いに接続されており、前記複数の屈曲形状リセスがない前記フェースプレートの部分を画定し、
前記複数の屈曲形状リセスの各々は、
鋭角の内角を画定する少なくとも2つの鋭角内角頂点と、
優角を画定する少なくとも1つの優角頂点、を備えており、
前記優角は、180度を超え360度未満の角度を画定し、
前記少なくとも1つの優角頂点は、鋭角内角を画定せず、
前記複数の屈曲形状リセスの各々は、深さが0.025インチから0.075インチの範囲である、
ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記複数の屈曲形状リセスは、中央領域、トウ領域、ヒール領域、トップ領域、ボトム領域、ハイ・トウ領域、ロー・トウ領域、ハイ・ヒール領域、およびロー・ヒール領域からなるグループから選択されるフェースプレート領域上に位置している、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記複数の屈曲形状リセスの各々の周囲は、前記複数の屈曲形状リセスの各々の中心に対して、凹状部を備えている、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記複数の屈曲形状リセスの各々は、前記優角を画定する2つの優角頂点を備えている、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記2つの優角頂点は、鋭角内角を画定しない、請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記複数の屈曲形状リセスの各々は、最小幅が前記2つの優角頂点の間で測定される、請求項5に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記複数の屈曲形状リセスの各々は、内側にへこんだ形状を備えている、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
格子を備えるフェースプレートであって、前記格子は複数の屈曲形状リセスを形成する複数のランド部を備える、前記フェースプレートを備えるゴルフクラブヘッドであって、
前記複数のランド部の各々は、互いに接続されており、前記複数の屈曲形状リセスがない前記フェースプレートの部分を画定し、
前記複数の屈曲形状リセスの各々は、優角を画定する2つの優角頂点を備えており、
前記優角は、180度を超え360度未満の角度を画定し、
前記2つの優角頂点は、鋭角内角を画定せず、
前記複数の屈曲形状リセスの各々の周囲は、前記複数の屈曲形状リセスの各々の中心に対して、2つの凹状部を備えており、
前記複数の屈曲形状リセスの各々は、深さが0.025インチから0.075インチの範囲である、
ゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記複数の屈曲形状リセスは、中央領域、トウ領域、ヒール領域、トップ領域、ボトム領域、ハイ・トウ領域、ロー・トウ領域、ハイ・ヒール領域、およびロー・ヒール領域からなるグループから選択されるフェースプレート領域上に位置している、請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記複数の屈曲形状リセスの各々は、前記2つの優角頂点の位置において、半径を有する丸みのある縁部を備えている、請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記複数の屈曲形状リセスの各々は、最小幅が前記2つの優角頂点の間で測定される、請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記複数の屈曲形状リセスの各々は、内側にへこんだ形状を備えている、請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
格子を備えるフェースプレートであって、前記格子は複数の屈曲形状リセスを形成する複数のランド部を備える、前記フェースプレートを備えるゴルフクラブヘッドであって、
前記複数のランド部の各々は、互いに接続されており、前記複数の屈曲形状リセスがない前記フェースプレートの部分を画定し、
前記複数の屈曲形状リセスの各々は、優角を画定する2つの優角頂点を備えており、
前記優角は、180度を超え360度未満の角度を画定し、
前記2つの優角頂点は、鋭角内角を画定せず、
前記複数の屈曲形状リセスの各々は、最小幅が前記2つの優角頂点の間で測定され、
前記複数の屈曲形状リセスの各々は、深さが0.025インチから0.075インチの範囲である、
ゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記複数の屈曲形状リセスは、中央領域、トウ領域、ヒール領域、トップ領域、ボトム領域、ハイ・トウ領域、ロー・トウ領域、ハイ・ヒール領域、およびロー・ヒール領域からなるグループから選択されるフェースプレート領域上に位置している、請求項13に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
前記複数の屈曲形状リセスの各々の周囲は、前記複数の屈曲形状リセスの各々の中心に対して、2つの凹状部を備えている、請求項13に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
前記複数の屈曲形状リセスの各々は、前記2つの優角頂点の位置において、半径を有する丸みのある縁部を備えている、請求項13に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記複数の屈曲形状リセスの各々は、内側にへこんだ形状を備えている、請求項13に記載のゴルフクラブヘッド。
【外国語明細書】