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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138355
(43)【公開日】2024-10-08
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/27 20230101AFI20241001BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20241001BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20241001BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20241001BHJP
   H10B 12/00 20230101ALI20241001BHJP
   H10B 41/27 20230101ALI20241001BHJP
【FI】
H10B43/27
H01L29/78 613B
H01L29/78 617U
H01L29/78 618C
H01L29/78 626A
H01L29/78 371
H01L27/088 E
H10B12/00 801
H10B41/27
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024108193
(22)【出願日】2024-07-04
(62)【分割の表示】P 2023016592の分割
【原出願日】2018-07-20
(31)【優先権主張番号】P 2017141515
(32)【優先日】2017-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】木村 肇
(72)【発明者】
【氏名】井上 達則
(57)【要約】      (修正有)
【課題】記憶容量の大きい半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、絶縁体101A~101C,102、104、105、109a、109b、111と、導電体132A、132B、134と、半導体151と、該半導体と接する不純物を含む導電体と、化合物161A~161Cと、不純物領域162A~162Cと、領域181A、181Bと、を含む。導電体134は、導電体132A、132Bに適用できる材料を用い、被覆性の高い成膜方法を用いる。絶縁体105は、複数の絶縁体からなる積層の構成を有する。半導体151は、金属酸化物を含む材料を有する。導電体132A、132Bは、セルトランジスタのゲート電極及び配線として機能し、領域181A、181Bにおいて、セルトランジスタを形成する。半導体151と不純物を含む導電体とが接することで、その界面及び界面近傍に不純物が拡散し、不純物領域162A~162Cを形成する。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1乃至第7絶縁体と、第1導電体と、第1半導体と、を有する半導体装置であり、
前記第1導電体は、前記第1絶縁体の第1上面に位置し、
前記第1導電体は、前記第2絶縁体の第1下面に位置し、
前記第3絶縁体は、前記第1絶縁体の側面と、前記第1絶縁体の第2上面と、前記第1導電体の側面と、前記第2絶縁体の第2下面と、前記第2絶縁体の側面と、を含む領域に位置し、
前記第4絶縁体は、前記第3絶縁体の形成面に位置し、
前記第5絶縁体は、前記第4絶縁体の形成面に位置し、
前記第1半導体は、前記第5絶縁体の形成面に位置し、
前記第6絶縁体は、前記第1半導体の形成面のうち、前記第3乃至第5絶縁体を介して、前記第1導電体と重畳する領域に位置し、
前記第7絶縁体は、
前記第1絶縁体と重畳する、前記第1半導体の形成面と、
前記第2絶縁体と重畳する、前記第1半導体の形成面と、
前記第6絶縁体の形成面と、を含む領域に位置することを特徴とする半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、半導体装置、半導体ウェハ、記憶装置、及び電子機器に関する。
【0002】
なお本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の
技術分野は、物、方法、又は、製造方法に関するものである。又は、本発明の一態様は、
プロセス、マシン、マニュファクチャ、又は、組成物(コンポジション・オブ・マター)
に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術
分野としては、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、蓄電装置、撮像装置、
記憶装置、プロセッサ、電子機器、それらの駆動方法、それらの製造方法、それらの検査
方法、又はそれらの少なくとも一を有するシステムを一例として挙げることができる。
【背景技術】
【0003】
近年、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、デジタルカメラなどさまざまな電子
機器に、セントラルプロセシングユニット(CPU)、グラフィクスプロセシングユニッ
ト(GPU)、記憶装置、センサなどの電子部品が用いられており、当該電子部品は、微
細化、及び低消費電力など様々な面で改良が進んでいる。
【0004】
特に、上述した電子機器などにおいて扱われているデータ量は増加しており、記憶容量
の大きい記憶装置が求められている。記憶容量を大きくする手段として、例えば、特許文
献1では、チャネル形成領域として金属酸化物を用いた3次元構造のNANDメモリ素子
が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第9634097号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
3次元構造のNANDメモリ素子を作製する場合、当該メモリ素子に適用される半導体
層は、チャネル形成領域と、低抵抗領域と、に分けられる。特に、半導体層として金属酸
化物を用いる場合、当該金属酸化物の低抵抗領域を如何に形成するかが重要となっている
。金属酸化物を半導体層とするトランジスタは、キャリア濃度が低い(又は、本明細書等
では、真性、実質的に真性などと言い換えて記載する場合がある。)領域がチャネル形成
領域として機能し、キャリア濃度が高い領域が低抵抗領域として機能する。そのため、半
導体層として金属酸化物を用いた3次元構造のNANDメモリ素子の作製では、チャネル
形成領域と低抵抗領域との作り分けが課題となる。
【0007】
本発明の一態様は、チャネル形成領域と低抵抗領域とが作り分けされた半導体層を有す
る、新規な半導体装置を提供することを課題の一つとする。又は、本発明の一態様は、当
該半導体装置を有する記憶装置を提供することを課題の一とする。又は、本発明の一態様
は、当該半導体装置を有する記憶装置を使用した電子機器を提供することを課題の一とす
る。又は、本発明の一態様は、データ容量の大きい記憶装置を提供することを課題の一と
する。又は、本発明の一態様は、信頼性の高い記憶装置を提供することを課題の一とする
【0008】
なお本発明の一態様の課題は、上記列挙した課題に限定されない。上記列挙した課題は
、他の課題の存在を妨げるものではない。なお他の課題は、以下の記載で述べる、本項目
で言及していない課題である。本項目で言及していない課題は、当業者であれば明細書又
は図面等の記載から導き出せるものであり、これらの記載から適宜抽出することができる
。なお、本発明の一態様は、上記列挙した課題、及び他の課題のうち、少なくとも一つの
課題を解決するものである。なお、本発明の一態様は、上記列挙した課題、及び他の課題
の全てを解決する必要はない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)
本発明の一態様は、第1乃至第7絶縁体と、第1導電体と、第1半導体と、を有する半
導体装置であり、第1導電体は、第1絶縁体の第1上面に位置し、第1導電体は、第2絶
縁体の第1下面に位置し、第3絶縁体は、第1絶縁体の側面と、第1絶縁体の第2上面と
、第1導電体の側面と、第2絶縁体の第2下面と、第2絶縁体の側面と、を含む領域に位
置し、第4絶縁体は、第3絶縁体の形成面に位置し、第5絶縁体は、第4絶縁体の形成面
に位置し、第1半導体は、第5絶縁体の形成面に位置し、第6絶縁体は、第1半導体の形
成面のうち、第3乃至第5絶縁体を介して、第1導電体と重畳する領域に位置し、第7絶
縁体は、第1絶縁体と重畳する、第1半導体の形成面と、第2絶縁体と重畳する、第1半
導体の形成面と、第6絶縁体の形成面と、を含む領域に位置することを特徴とする半導体
装置である。
【0010】
(2)
又は、本発明の一態様は、第1乃至第7絶縁体と、第1導電体と、第1半導体と、を有
する半導体装置であり、第1導電体は、第1絶縁体の第1上面に位置し、第1導電体は、
第2絶縁体の第1下面に位置し、第3絶縁体は、第1絶縁体の第2上面と、第1導電体の
側面と、第2絶縁体の第2下面と、を含む領域に位置し、第4絶縁体は、第3絶縁体の形
成面のうち、第1導電体と重畳する領域と、第1絶縁体の第2上面と重畳する領域と、第
2絶縁体の第2下面と重畳する領域と、を含む領域に位置し、第5絶縁体は、第4絶縁体
の形成面と、第1絶縁体の側面と重畳する領域と、第2絶縁体の側面と重畳する領域と、
を含む領域に位置し、第1半導体は、第5絶縁体の形成面に位置し、第6絶縁体は、第1
半導体の形成面のうち、第3乃至第5絶縁体を介して、第1導電体と重畳する領域に位置
し、第7絶縁体は、第1絶縁体と重畳する、第1半導体の形成面と、第2絶縁体と重畳す
る、第1半導体の形成面と、第6絶縁体の形成面と、を含む領域に位置することを特徴と
する半導体装置である。
【0011】
(3)
又は、本発明の一態様は、第1乃至第7絶縁体と、第1導電体と、第1半導体と、第2
半導体と、を有する半導体装置であり、第1導電体は、第1絶縁体の第1上面に位置し、
第1導電体は、第2絶縁体の第1下面に位置し、第2半導体は、第1導電体の側面に位置
し、第3絶縁体は、第1絶縁体の第2上面と、第2半導体の側面と、第2絶縁体の第2下
面と、を含む領域に位置し、第4絶縁体は、第3絶縁体の形成面のうち、第1導電体と重
畳する領域と、第1絶縁体の第2上面と重畳する領域と、第2絶縁体の第2下面と重畳す
る領域と、を含む領域に位置し、第5絶縁体は、第4絶縁体の形成面と、第1絶縁体の第
2上面と重畳する領域と、第2絶縁体の第2下面と重畳する領域と、を含む領域に位置し
、第1半導体は、第5絶縁体の形成面と、第1絶縁体の側面と重畳する領域と、第2絶縁
体の側面と重畳する領域と、を含む領域に位置し、第6絶縁体は、第1半導体の形成面の
うち、第2半導体と第3乃至第5絶縁体を介して、第1導電体と重畳する領域に位置し、
第7絶縁体は、第1絶縁体と重畳する、第1半導体の形成面と、第2絶縁体と重畳する、
第1半導体の形成面と、第6絶縁体の形成面と、を含む領域に位置することを特徴とする
半導体装置である。
【0012】
(4)
又は、本発明の一態様は、前記(1)乃至(3)において、第4絶縁体は、電荷を蓄積
する機能を有し、第1導電体に電位を与えることによって、第1半導体に含まれる電荷が
、第4絶縁体に蓄積されることを特徴とする半導体装置。
【0013】
(5)
又は、本発明の一態様は、第1乃至第3絶縁体と、第5乃至第7絶縁体と、第1導電体
と、第2導電体と、第1半導体と、を有する半導体装置であり、第1導電体は、第1絶縁
体の第1上面に位置し、第1導電体は、第2絶縁体の第1下面に位置し、第3絶縁体は、
第1絶縁体の第2上面と、第1導電体の側面と、第2絶縁体の第2下面と、を含む領域に
位置し、第2導電体は、第3絶縁体の形成面のうち、第1導電体と重畳する領域に位置し
、第5絶縁体は、第3絶縁体の形成面のうち、第1絶縁体の第2上面と重畳する領域、及
び第2絶縁体の第2下面と重畳する領域と、第2導電体の形成面と、を含む領域に位置し
、第1半導体は、第5絶縁体の形成面と、第1絶縁体の側面と重畳する領域と、第2絶縁
体の側面と重畳する領域と、を含む領域に位置し、第6絶縁体は、第1半導体の形成面の
うち、第3絶縁体、第2導電体、第5絶縁体を介して、第1導電体と重畳する領域に位置
し、第7絶縁体は、第1絶縁体と重畳する、第1半導体の形成面と、第2絶縁体と重畳す
る、第1半導体の形成面と、第6絶縁体の形成面と、を含む領域に位置することを特徴と
する半導体装置である。
【0014】
(6)
又は、本発明の一態様は、前記(5)において、第2導電体は、電荷を蓄積する機能を
有し、第1導電体に電位を与えることによって、第1半導体に含まれる電荷が、第2導電
体に蓄積されることを特徴とする半導体装置である。
【0015】
(7)
又は、本発明の一態様は、前記(1)乃至(6)のいずれか一において、第3導電体を
有し、第3導電体は、第7絶縁体の形成面に位置することを特徴とする半導体装置である
【0016】
(8)
又は、本発明の一態様は、前記(1)乃至(7)のいずれか一において、第1半導体は
、第7絶縁体との界面及び界面近傍において、低抵抗領域を有し、第1半導体は、第1導
電体と重畳する領域において、チャネル形成領域を有することを特徴とする半導体装置で
ある。
【0017】
(9)
又は、本発明の一態様は、前記(8)において、第1半導体は、金属酸化物を有し、低
抵抗領域は、導電性を有する化合物を有し、化合物は、金属酸化物に含まれる成分と、第
7絶縁体に含まれる成分と、を有することを特徴とする半導体装置である。
【0018】
(10)
又は、本発明の一態様は、前記(8)において、第1半導体は、金属酸化物を有し、低
抵抗領域は、導電性を有する化合物を有し、化合物は、金属酸化物に含まれる成分と、金
属元素と、を有することを特徴とする半導体装置である。
【0019】
(11)
又は、本発明の一態様は、第1乃至第7絶縁体と、第1導電体と、第2導電体と、第1
半導体と、第2半導体と、を有する半導体装置であり、第1導電体は、第1絶縁体の第1
上面に位置し、第1導電体は、第2絶縁体の第1下面に位置し、第2導電体は、第2絶縁
体の上面に位置し、第2導電体は、第3絶縁体の下面に位置し、第4絶縁体は、第1絶縁
体の側面と、第1絶縁体の第2上面と、第1導電体の側面と、第2絶縁体の第2下面と、
第2絶縁体の側面と、第2導電体の側面と、第3絶縁体の側面と、を含む領域に位置し、
第1半導体は、第4絶縁体の形成面に位置し、第5絶縁体は、第1半導体の形成面のうち
、第4絶縁体を介して、第1導電体と重畳する領域に位置し、第6絶縁体は、第1絶縁体
と重畳する、第1半導体の形成面と、第2絶縁体と重畳する、第1半導体の形成面と、第
2導電体と重畳する、第1半導体の形成面と、第3絶縁体と重畳する、第1半導体の形成
面と、第5絶縁体の形成面と、を含む領域に位置し、第2半導体は、第6絶縁体の形成面
に位置し、第7絶縁体は、第2半導体の形成面に位置することを特徴とする半導体装置で
ある。
【0020】
(12)
又は、本発明の一態様は、第1乃至第7絶縁体と、第1導電体と、第2導電体と、第1
乃至第3半導体と、を有する半導体装置であり、第1導電体は、第1絶縁体の第1上面に
位置し、第1導電体は、第2絶縁体の第1下面に位置し、第2導電体は、第2絶縁体の上
面に位置し、第2導電体は、第3絶縁体の下面に位置し、第3半導体は、第1導電体の側
面に位置し、第4絶縁体は、第1絶縁体の側面と、第1絶縁体の第2上面と、第3半導体
の形成面と、第2絶縁体の第2下面と、第2絶縁体の側面と、第2導電体の側面と、第3
絶縁体の側面と、を含む領域に位置し、第1半導体は、第4絶縁体の形成面に位置し、第
5絶縁体は、第1半導体の形成面のうち、第4絶縁体と前記第3半導体を介して、第1導
電体と重畳する領域に位置し、第6絶縁体は、第1絶縁体と重畳する、第1半導体の形成
面と、第2絶縁体と重畳する、第1半導体の形成面と、第2導電体と重畳する、第1半導
体の形成面と、第3絶縁体と重畳する、第1半導体の形成面と、第5絶縁体の形成面と、
を含む領域に位置し、第2半導体は、第6絶縁体の形成面に位置し、第7絶縁体は、第2
半導体の形成面に位置することを特徴とする半導体装置である。
【0021】
(13)
又は、本発明の一態様は、前記(11)、又は前記(12)において、第3導電体を有
し、第3導電体は、第7絶縁体の形成面に位置することを特徴とする半導体装置である。
【0022】
(14)
又は、本発明の一態様は、前記(11)乃至前記(13)のいずれか一において、第1
半導体は、第6絶縁体との界面及び界面近傍において、低抵抗領域を有し、第1半導体は
、第1導電体と重畳する領域において、チャネル形成領域を有することを特徴とする半導
体装置である。
【0023】
(15)
又は、本発明の一態様は、前記(14)において、第1半導体は、金属酸化物を有し、
低抵抗領域は、導電性を有する化合物を有し、化合物は、金属酸化物に含まれる成分と、
第6絶縁体に含まれる成分と、を有することを特徴とする半導体装置である。
【0024】
(16)
又は、本発明の一態様は、前記(14)において、第1半導体は、金属酸化物を有し、
低抵抗領域は、化合物を有し、化合物は、金属酸化物に含まれる成分と、金属元素と、を
有することを特徴とする半導体装置である。
【0025】
(17)
又は、本発明の一態様は、前記(1)乃至(16)のいずれか一に記載の半導体装置を
複数個有し、ダイシング用の領域を有する半導体ウェハである。
【0026】
(18)
又は、本発明の一態様は、前記(1)乃至(16)のいずれか一に記載の半導体装置と
、周辺回路と、を有する記憶装置である。
【0027】
(19)
又は、本発明の一態様は、前記(18)に記載の記憶装置と、筐体と、を有する電子機
器である。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一態様によって、チャネル形成領域と低抵抗領域とが作り分けされた半導体層
を有する、新規な半導体装置を提供することができる。又は、本発明の一態様によって、
当該半導体装置を有する記憶装置を提供することができる。又は、本発明の一態様によっ
て、当該半導体装置を有する記憶装置を使用した電子機器を提供することができる。又は
、本発明の一態様によって、データ容量の大きい記憶装置を提供することができる。又は
、本発明の一態様によって、信頼性の高い記憶装置を提供することができる。
【0029】
なお本発明の一態様の効果は、上記列挙した効果に限定されない。上記列挙した効果は
、他の効果の存在を妨げるものではない。なお他の効果は、以下の記載で述べる、本項目
で言及していない効果である。本項目で言及していない効果は、当業者であれば明細書又
は図面等の記載から導き出せるものであり、これらの記載から適宜抽出することができる
。なお、本発明の一態様は、上記列挙した効果、及び他の効果のうち、少なくとも一つの
効果を有するものである。従って本発明の一態様は、場合によっては、上記列挙した効果
を有さない場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】半導体装置の構成例を示す回路図。
図2】半導体装置の構成例を示す回路図。
図3】半導体装置の構成例を示す回路図。
図4】半導体装置の動作例を示すタイミングチャート。
図5】半導体装置の動作例を示すタイミングチャート。
図6】半導体装置の構成例を説明するための斜視図、上面図、及び断面図。
図7】半導体装置の構成例を説明するための斜視図、上面図、及び断面図。
図8】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図9】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図10】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図11】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図12】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図13】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図14】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図15】半導体装置の作製例を説明するための上面図。
図16】半導体装置の作製例を説明するための上面図。
図17】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図18】半導体装置の作製例を説明するための上面図。
図19】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図20】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図21】半導体装置の作製例を説明するための上面図。
図22】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図23】半導体装置の作製例を説明するための上面図。
図24】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図25】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図26】半導体装置の作製例を説明するための上面図。
図27】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図28】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図29】半導体装置の作製例を説明するための上面図。
図30】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図31】半導体装置の作製例を説明するための上面図。
図32】半導体装置の構成例を示す回路図。
図33】半導体装置の構成例を示す回路図。
図34】半導体装置の構成例を示す回路図。
図35】半導体装置の動作例を示すタイミングチャート。
図36】半導体装置の構成例を説明するための斜視図、上面図、及び断面図。
図37】半導体装置の構成例を説明するための斜視図、上面図、及び断面図。
図38】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図39】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図40】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図41】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図42】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図43】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図44】半導体装置の作製例を説明するための上面図。
図45】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図46】半導体装置の作製例を説明するための上面図。
図47】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図48】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図49】半導体装置の作製例を説明するための上面図。
図50】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図51】半導体装置の作製例を説明するための上面図。
図52】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図53】半導体装置の作製例を説明するための断面図。
図54】半導体装置の作製例を説明するための上面図。
図55】半導体装置を説明するための断面図。
図56】半導体装置を説明するための断面図。
図57】半導体装置を説明するための断面図。
図58】半導体装置を説明するための断面図。
図59】記憶装置の一例を示すブロック図。
図60】電子部品の作製例を示すフローチャート、電子部品の斜視図、及び半導体ウェハの斜視図。
図61】金属酸化物の原子数比の範囲を説明する図。
図62】CPUを説明するブロック図。
図63】電子機器の例を示す斜視図。
図64】電子機器の例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い意味での金属
の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む
)、酸化物半導体(Oxide Semiconductorまたは単にOSともいう)
などに分類される。例えば、トランジスタの活性層に金属酸化物を用いた場合、当該金属
酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用
、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有するトランジスタのチャネル形成領域を構
成し得る場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide sem
iconductor)、略してOSと呼ぶことができる。また、OS FETと記載す
る場合においては、金属酸化物または酸化物半導体を有するトランジスタと換言すること
ができる。
【0032】
また、本明細書等において、チャネル形成領域にシリコンを有するトランジスタをSi
トランジスタと記載する場合がある。
【0033】
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal ox
ide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(me
tal oxynitride)と呼称してもよい。
【0034】
(実施の形態1)
本実施の形態では、開示する発明の一態様に係る半導体装置の回路構成、動作方法、及
び作製方法について、説明する。なお、以下の記載において、例えば、“[x,y]”は
第x行第y列の要素を意味し、“[z]”は、第z行あるいは第z列の要素を意味する。
特に行や列を指定する必要がないときは、これらの表記は省略される。
【0035】
<回路構成例1>
はじめに、半導体装置の一例であるNANDメモリ素子の回路構成について、図1(A
)を参照して、説明する。図1(A)には、1ページのNANDメモリ素子の回路図を示
している。1ページのNANDメモリ素子は、メモリセルMC[1]乃至メモリセルMC
[n]のn個(nは1以上の整数である。)のメモリセルと、それらを制御するための配
線WL[1]乃至配線WL[n]と、配線BL及び配線SLと、そのページを選択するた
めのトランジスタSTr及びトランジスタBTrと、トランジスタSTrを制御するため
の配線SSLと、トランジスタBTrを制御するための配線BSLと、を有する。なお、
配線WLは後述するメモリセルMCのセルトランジスタの制御ゲート(本明細書等では、
単にゲートと言い換える場合がある。)に電位を与える配線として機能し、配線SL及び
配線BLはメモリセルMCのセルトランジスタの第1端子及び/又は第2端子に電位を与
える配線として機能する。
【0036】
それぞれのメモリセルMCは、セルトランジスタCTrを有する。一般的には、セルト
ランジスタは、ノーマリーオン特性で動作するトランジスタであり、制御ゲートと、電荷
蓄積層と、を有する。電荷蓄積層は、トンネル絶縁膜を介して、チャネル形成領域と重畳
する領域に位置し、制御ゲートは、ブロッキング膜を介して、電荷蓄積層と重畳する領域
に位置する。セルトランジスタは、制御ゲートに書き込み電位を印加し、かつセルトラン
ジスタの第1端子、又は第2端子の一方に所定の電位を与えることによってトンネル電流
が発生して、当該セルトランジスタのチャネル形成領域から電荷蓄積層に電子が注入され
る。これにより、電荷蓄積層に電子が注入されたセルトランジスタでは、しきい値電圧が
高くなる。なお、電荷蓄積層としては、絶縁体、又は導電体(浮遊ゲート)を用いること
ができる。なお、図1(A)に示す半導体装置の詳細な動作原理については後述する。
【0037】
セルトランジスタCTrの第1端子は、隣接するメモリセルMCのセルトランジスタC
Trの第2端子と直列に、電気的に接続されている。つまり、図1(A)に示す回路構成
は、セルトランジスタCTrがn個、直列に電気的に接続された構成となっている。加え
て、メモリセルMC[1]のセルトランジスタCTrの第2端子は、トランジスタSTr
の第1端子と電気的に接続され、メモリセルMC[n]のセルトランジスタCTrの第1
端子は、トランジスタBTrの第1端子と電気的に接続されている。そして、メモリセル
MC[1]乃至メモリセルMC[n]のそれぞれのセルトランジスタCTrの制御ゲート
は、配線WL[1]乃至配線WL[n]の各々と電気的に接続されている。トランジスタ
STrの第2端子は、配線SLと電気的に接続され、トランジスタSTrのゲートは、配
線SSLと電気的に接続されている。トランジスタBTrの第2端子は、配線BLと電気
的に接続され、トランジスタBTrのゲートは、配線BSLと電気的に接続されている。
【0038】
セルトランジスタCTrのチャネル形成領域は、シリコン、又は実施の形態4で説明す
る金属酸化物を有することが好ましい。特に、当該チャネル形成領域において、インジウ
ム、元素M(元素Mとしては、例えば、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、錫など
)、亜鉛から一、又は複数選ばれた元素を有する金属酸化物が含まれる場合、当該金属酸
化物は、ワイドギャップ半導体として機能するため、当該金属酸化物がチャネル形成領域
に含まれているセルトランジスタは、オフ電流が非常に低い特性を有する。つまり、オフ
状態となっているセルトランジスタCTrにおけるリーク電流を低くすることができるた
め、本発明の一態様の半導体装置の消費電力を低減することができる。また、トランジス
タSTr、トランジスタBTrのそれぞれのチャネル形成領域も、上述の金属酸化物を有
することができる。
【0039】
また、トランジスタSTr及び/又はトランジスタBTrのチャネル形成領域は、セル
トランジスタCTrのチャネル形成領域と異なる構成にすることができる。例えば、セル
トランジスタCTrのチャネル形成領域に前述した金属酸化物が含まれる材料を適用し、
トランジスタSTr及び/又はトランジスタBTrのチャネル形成領域にシリコンが含ま
れる材料を適用することができる。
【0040】
なお、本発明の一態様は、図1(A)に示す半導体装置に限定されない。本発明の一態
様は、図1(A)に示す半導体装置を適宜変更した回路構成とすることができる。例えば
、本発明の一態様は、図1(B)に示すとおり、セルトランジスタCTrにバックゲート
を設けた半導体装置としてもよい。なお、図1(B)に図示している半導体装置は、図1
(A)に図示している半導体装置の構成に加え、メモリセルMC[1]乃至メモリセルM
C[n]が有するセルトランジスタCTrにバックゲートを設けて、当該バックゲートの
それぞれが配線BGLと電気的に接続された構成となっている。図1(B)に示す半導体
装置は、配線BGLがメモリセルMC[1]乃至メモリセルMC[n]が有するセルトラ
ンジスタCTrのバックゲートのそれぞれと電気的に接続されている構成でなく、当該バ
ックゲートに対してそれぞれ独立に電気的に接続して、それぞれ互いに異なった電位を供
給する構成としてもよい。なお、図1(B)に示す半導体装置の動作例については、後述
する。
【0041】
ところで、図1(A)、(B)に示す半導体装置の記憶容量を更に増やしたい場合、図
1(A)、(B)に示すメモリセルMCをマトリクス状となるように並べて配置すればよ
い。例えば、図1(A)に示すメモリセルMCをマトリクス状となるように並べて配置し
た場合、その回路構成は、図2に示す構成となる。なお、本明細書等において、図2に示
す複数のページのNANDメモリ素子を1ブロックのNANDメモリ素子と記載する。
【0042】
図2に示す半導体装置は、図1(A)に示した半導体装置(1ページのNANDメモリ
素子)を1列としてm列(mは1以上の整数である。)並べて配置したもので、配線WL
を同じ行のメモリセルMCと共有するように電気的に接続した構成となっている。つまり
図2に示す半導体装置は、n行m列のマトリクス状の半導体装置であり、メモリセルM
C[1,1]乃至メモリセルMC[n,m]を有する。そのため、図2に示す半導体装置
は、配線WL[1]乃至配線WL[n]と、配線BL[1]乃至配線BL[m]と、配線
BSL[1]乃至配線BSL[m]と、配線SL[1]乃至配線SL[m]と、配線SS
L[1]乃至配線SSL[m]と、によって、電気的に接続されている。具体的には、メ
モリセルMC[j,i](jは1以上n以下の整数であり、iは1以上m以下の整数であ
る。)のセルトランジスタCTrの制御ゲートは、配線WL[j]と電気的に接続されて
いる。配線SL[i]はトランジスタSTr[i]の第2端子と電気的に接続され、配線
BL[i]はトランジスタBTr[i]の第2端子と電気的に接続されている。
【0043】
なお、図2は、メモリセルMC[1,1]、メモリセルMC[1,i]、メモリセルM
C[1,m]、メモリセルMC[j,1]、メモリセルMC[j,i]、メモリセルMC
[j,m]、メモリセルMC[n,1]、メモリセルMC[n,i]、メモリセルMC[
n,m]、配線WL[1]、配線WL[j]、配線WL[n]、配線BL[1]、配線B
L[i]、配線BL[m]、配線BSL[1]、配線BSL[i]、配線BSL[m]、
配線SL[1]、配線SL[i]、配線SL[m]、配線SSL[1]、配線SSL[i
]、配線SSL[m]、セルトランジスタCTr、トランジスタBTr[1]、トランジ
スタBTr[i]、トランジスタBTr[m]、トランジスタSTr[1]、トランジス
タSTr[i]、トランジスタSTr[m]のみ図示しており、それ以外の配線、素子、
記号、及び符号は省略している。
【0044】
また、図1(B)に示した半導体装置を1列としてm列(mは1以上の整数である。)
並べて配置したものを、図3に示す。なお、図3に示す半導体装置は、全てのメモリセル
MCが有するそれぞれのトランジスタにバックゲートを設けた構成となっており、そのた
め、図3に示す半導体装置は、それぞれのバックゲートと電気的に接続するための配線B
GL[1]乃至配線BGL[m]を有する。なお、図3に示す半導体装置については、図
2に示す半導体装置の説明の記載を参酌する。
【0045】
図2図3に示した半導体装置は、それぞれ図1(A)、(B)の半導体装置をマトリ
クス状に並べて配置した構成となっているが、本発明の一態様は、これに限定されない。
本発明の一態様は、図2図3に示した半導体装置を適宜変更した回路構成とすることが
できる。例えば、図2図3では、トランジスタBTr[1]乃至トランジスタBTr[
m]を制御するための配線として、それぞれ配線BSL[1]乃至配線BSL[m]を図
示したが、1本の配線としてトランジスタBTr[1]乃至トランジスタBTr[m]の
ゲートと電気的に接続する構成としてもよい。同様に、トランジスタSTr[1]乃至ト
ランジスタSTr[m]を制御するための配線も、配線SSL[1]乃至配線SSL[m
]でなく、1本の配線としてトランジスタSTr[1]乃至トランジスタSTr[m]の
ゲートと電気的に接続する構成としてもよい。
【0046】
<動作方法例1>
次に、図1(A)、(B)に示した半導体装置の動作方法の一例について、図4(A)
(B)、図5(A)(B)を用いて、説明する。なお、以下の説明で用いられる低レベル
電位、高レベル電位は、特定の電位を意味するものではなく、配線が異なれば、具体的な
電位も異なる場合がある。例えば、配線BSLに印加される低レベル電位、高レベル電位
のそれぞれは、配線BLに印加される低レベル電位、高レベル電位と異なる電位であって
もよい。
【0047】
電位VPGMは、セルトランジスタCTrの制御ゲートに印加することでセルトランジ
スタCTrの電荷蓄積層に電子を注入することができる電位であり、電位VPSは、セル
トランジスタCTrの制御ゲートに印加することでセルトランジスタCTrをオン状態に
することができる電位である。配線SLには、適切な電位が印加されているものとする。
【0048】
また、本動作方法例において、図1(B)に示した配線BGLには、特に断らない限り
、セルトランジスタCTrが正常に動作する範囲内の電位があらかじめ印加されているも
のとする。そのため、図1(A)、(B)に示す半導体装置の動作は、互いに同様に考え
ることができる。
【0049】
<<書き込み動作>>
図4(A)は、半導体装置にデータを書き込む動作例を示したタイミングチャートであ
る。図4(A)のタイミングチャートは、配線WL[p](pは1以上n以下の整数であ
る。)、配線WL[j](ここでのjは、1以上n以下であり、かつpでない整数である
。)、配線BSL、配線SSL、及び配線BLの電位の大きさの変化を示している。なお
図4(A)のタイミングチャートは、メモリセルMC[p]にデータを書き込む動作例
を示している。
【0050】
時刻T10以前において、配線BLには、低レベル電位が供給されている。
【0051】
また、時刻T10から時刻T13までの間において、配線SSLには、常に低レベル電
位が供給されている。これにより、トランジスタSTrのゲートに低レベル電位が印加さ
れるため、トランジスタSTrがオフ状態となる。
【0052】
時刻T10から時刻T11までの間において、配線BSLには高レベル電位の印加が開
始される。これにより、時刻T10から時刻T11までの間に、トランジスタBTrのゲ
ートの電位が高レベル電位に達するため、トランジスタBTrがオン状態となる。また、
トランジスタBTrがオン状態となることによって、メモリセルMC[n]のセルトラン
ジスタCTrの第1端子に、配線BLから供給された低レベル電位が印加される。
【0053】
時刻T11から時刻T12までの間において、配線WL[j]には電位VPSの印加が
開始される。これにより、時刻T11から時刻T12までの間に、メモリセルMC[j]
が有するセルトランジスタCTrの制御ゲートの電位が電位VPSに達する。このとき、
メモリセルMC[n]において、セルトランジスタCTrの第1端子に、配線BLから供
給された低レベル電位が印加されているため、メモリセルMC[n]が有するセルトラン
ジスタCTrがオン状態となる。また、これにより、メモリセルMC[n-1]のセルト
ランジスタCTrの第1端子に、配線BLから供給された低レベル電位が印加されること
になる。つまり、メモリセルMC[j]が有するセルトランジスタCTrが順次オン状態
となる。
【0054】
また、時刻T11から時刻T12までの間において、配線WL[p]には、電位VPG
の印加が開始される。これにより、時刻T11から時刻T12までの間に、メモリセル
MC[p]が有するセルトランジスタCTrの制御ゲートの電位が電位VPGMに達する
。また、前述の動作により、メモリセルMC[p]が有するセルトランジスタCTrの第
1端子に配線BLから供給された低レベル電位が印加されているため、メモリセルMC[
p]が有するセルトランジスタCTrのチャネル形成領域から電荷蓄積層に電子が注入さ
れる。これにより、メモリセルMC[p]へのデータの書き込みが行われる。なお、メモ
リセルMC[p]が有するセルトランジスタCTrのチャネル形成領域から電荷蓄積層に
電子が注入されることによって、セルトランジスタCTrのしきい値電圧が上昇する。
【0055】
時刻T12までにおいて、配線BLから供給された低レベル電位が、トランジスタST
rの第1端子にまで印加されたものとする。時刻T12から時刻T13までの間では、配
線WL[j]、及び配線WL[p]に低レベル電位の印加が開始され、時刻T12から時
刻T13までの間に、配線WL[j]、及び配線WL[p]のそれぞれの電位が低レベル
電位となる。
【0056】
時刻T13以降において、配線BSLに低レベル電位の印加が開始される。これにより
、時刻T13以降に、トランジスタBTrのゲートの電位が低レベル電位となるため、ト
ランジスタBTrがオフ状態となる。また、図4(A)のタイミングチャートには図示し
ていないが、このとき、配線BSLに低レベル電位を供給せず、配線BLの電位を高レベ
ル電位とすることによって、トランジスタBTrをオフ状態にすることができる。
【0057】
以上の動作により、図1(A)、(B)に示した半導体装置に対して、データを書き込
むことができる。
【0058】
<<読み出し動作>>
図4(B)は、半導体装置からデータを読み出す動作例を示したタイミングチャートで
ある。図4(B)のタイミングチャートは、配線WL[p]、配線WL[q](qは、1
以上n以下であり、かつpでない整数である。)、配線WL[j](ここでのjは、1以
上n以下であり、かつp及びqでない整数である。)、配線BSL、配線SSL、配線S
Lの電位の大きさの変化を示し、配線SL‐配線BL間に流れる電流としてIREAD
大きさの変化を示している。なお、図4(B)のタイミングチャートは、メモリセルMC
[p]及びメモリセルMC[q]からデータを読み出す動作例を示している。そして、メ
モリセルMC[p]のセルトランジスタCTrの電荷蓄積層には電子が注入されており、
メモリセルMC[q]のセルトランジスタCTrの電荷蓄積層には電子が注入されていな
いものとする。
【0059】
時刻T20以前において、配線SLには、低レベル電位が供給されている。
【0060】
時刻T20から時刻T21までの間において、配線BSL及び配線SSLに高レベル電
位の印加が開始される。これにより、時刻T20から時刻T21までの間に、トランジス
タBTr及びトランジスタSTrのゲートの電位が高レベル電位に達するため、トランジ
スタBTr及びトランジスタSTrがオン状態となる。また、トランジスタSTrがオン
状態となることによって、メモリセルMC[1]のセルトランジスタCTrの第2端子に
配線SLから供給された低レベル電位が印加される。
【0061】
時刻T21から時刻T22までの間において、配線WL[q]及び配線WL[j]には
電位VPSの印加が開始される。これにより、時刻T21から時刻T22までの間に、メ
モリセルMC[q]及びメモリセルMC[j]が有するセルトランジスタCTrの制御ゲ
ートの電位が電位VPSに達する。このとき、メモリセルMC[q]及びメモリセルMC
[j]のセルトランジスタCTrの第2端子に、配線SLから供給された低レベル電位が
印加されている場合、そのセルトランジスタCTrはオン状態となる。
【0062】
一方、時刻T21から時刻T22までの間において、配線WL[p]には、低レベル電
位が印加される。これにより、時刻T21から時刻T22までの間に、メモリセルMC[
p]が有するセルトランジスタCTrの制御ゲートの電位が低レベル電位となる。ところ
で、メモリセルMC[p]のセルトランジスタCTrの電荷蓄積層には電子が注入されて
いるため、メモリセルMC[p]のセルトランジスタCTrのしきい値電圧が上昇してい
る。以上の理由により、メモリセルMC[p]のセルトランジスタCTrはオフ状態とな
り、配線SL‐配線BL間に電流は流れない。つまり、このとき、配線BLに流れる電流
量を計測して、配線SL‐配線BL間に電流が流れないことを示すことによって、メモリ
セルMC[p]のセルトランジスタCTrの電荷蓄積層には電子が注入されていることが
いえる。
【0063】
時刻T22から時刻T23までの間において、配線WL[p]、配線WL[q]、配線
WL[j]のそれぞれに低レベル電位の供給が開始される。これにより、時刻T22から
時刻T23までの間に、メモリセルMC[1]乃至メモリセルMC[n]が有するそれぞ
れのセルトランジスタCTrの制御ゲートの電位が低レベル電位となる。
【0064】
時刻T23から時刻T24までの間において、配線WL[j]に電位VPSの供給が開
始される。これにより、時刻T23から時刻T24までの間に、メモリセルMC[j]が
有するセルトランジスタCTrの制御ゲートの電位が電位VPSに達する。このとき、メ
モリセルMC[j]のセルトランジスタCTrの第1端子に、配線SLから供給された低
レベル電位が印加されている場合、そのセルトランジスタCTrはオン状態となる。
【0065】
また、時刻T23から時刻T24までの間において、配線WL[p]に電位VPSの供
給が開始される。これにより、時刻T23から時刻T24までの間に、メモリセルMC[
p]が有するセルトランジスタCTrの制御ゲートが電位VPSに達する。ところで、メ
モリセルMC[p]のセルトランジスタCTrの電荷蓄積層には電子が注入されているた
め、メモリセルMC[p]のセルトランジスタCTrのしきい値電圧が上昇しているが、
セルトランジスタCTrの制御ゲートには電位VPSが印加されているため、本動作例で
は、セルトランジスタCTrは実質的にオン状態となるものとする。
【0066】
そして、時刻T23から時刻T24までの間において、配線WL[q]には低レベル電
位が印加されている。これにより、時刻T23から時刻T24までの間に、メモリセルM
C[q]が有するセルトランジスタCTrの制御ゲートの電位が低レベル電位となる。な
お、メモリセルMCが有するセルトランジスタCTrは、ノーマリーオン特性で動作する
。そのため、メモリセルMC[q]のセルトランジスタCTrの第1端子に、配線SLか
ら供給された低レベル電位が印加されていても、そのセルトランジスタCTrはオン状態
となる。
【0067】
つまり、メモリセルMC[1]乃至メモリセルMC[n]が有するそれぞれのセルトラ
ンジスタCTrがオン状態となっているため、それぞれのソース‐ドレイン間に電流が流
れる。つまり、このとき、配線BLに流れる電流量を計測して、配線SL‐配線BL間に
電流が流れていることを示すことによって、メモリセルMC[q]のセルトランジスタC
Trの電荷蓄積層には電子が注入されていないことがいえる。
【0068】
時刻T24から時刻T25までの間において、配線WL[p]、配線WL[q]、配線
WL[j]のそれぞれに低レベル電位の供給が開始される。これにより、時刻T24から
時刻T25までの間に、メモリセルMC[1]乃至メモリセルMC[n]が有するそれぞ
れのセルトランジスタCTrの制御ゲートの電位が低レベル電位となる。
【0069】
時刻T25以降において、配線BSL及び配線SSLに低レベル電位の印加が開始され
る。これにより、時刻T25から時刻T26までの間に、トランジスタBTr及びトラン
ジスタSTrのそれぞれのゲートの電位が低レベル電位となるため、トランジスタBTr
及びトランジスタSTrがオフ状態となる。
【0070】
つまり、メモリセルMCからデータを読み出す場合、当該メモリセルMCのセルトラン
ジスタCTrの制御ゲートに低レベル電位を印加し、それ以外のメモリセルMCのセルト
ランジスタCTrの制御ゲートに高レベル電位を印加して、配線SL‐配線BL間に流れ
る電流量を計測することによって、メモリセルMCに保持されているデータを読み出すこ
とができる。
【0071】
以上の動作により、図1(A)、(B)に示した半導体装置から、データの書き込み、
及びデータの読み出しを行うことができる。
【0072】
<<消去動作>>
図5(A)は、半導体装置に保持されたデータを消去する動作例を示したタイミングチ
ャートである。図5(A)のタイミングチャートは、配線WL[j](ここでのjは、1
以上n以下の整数である。)、配線BSL、配線SSL、配線BL、及び配線SLの電位
の大きさの変化を示している。なお、NANDメモリ素子に対する消去動作は1ページ単
位で行われるものとする。
【0073】
時刻T30以前において、配線BL及び配線SLには、低レベル電位が供給されている
【0074】
また、時刻T30から時刻T33までの間において、配線WL[j]には、常に低レベ
ル電位が供給されている。
【0075】
時刻T30から時刻T31までの間において、配線BSL及び配線SSLに高レベル電
位の印加が開始される。これにより、時刻T30から時刻T31までの間に、トランジス
タBTr及びトランジスタSTrのそれぞれのゲートの電位が高レベル電位に達するため
、トランジスタBTr及びトランジスタSTrがオン状態となる。また、トランジスタB
Tr及びトランジスタSTrがオン状態となることによって、メモリセルMC[1]が有
するセルトランジスタCTrの第2端子に、配線SLから供給された低レベル電位が印加
され、メモリセルMC[n]が有するセルトランジスタCTrの第1端子に、配線BLか
ら供給された低レベル電位が印加される。
【0076】
時刻T31から時刻T32までの間において、配線BL及び配線SLに電位VERの印
加が開始される。なお、電位VERは、配線BL及び配線SLに流れる高レベル電位より
も高い電位としている。これにより、時刻T31から時刻T32までの間において、メモ
リセルMC[1]乃至メモリセルMC[n]が有する全てのセルトランジスタCTrのチ
ャネル形成領域の電位が上昇するため、各セルトランジスタCTrの電荷蓄積層に注入さ
れている電子が、チャネル形成領域側に引き抜かれる。
【0077】
時刻T32から時刻T33までの間において、配線BL及び配線SLに低レベル電位の
印加が開始される。
【0078】
時刻T33以降において、配線BSL及び配線SSLに低レベル電位の印加が開始され
る。これにより、時刻T33から時刻T34までの間に、トランジスタBTr及びトラン
ジスタSTrのそれぞれのゲートの電位が低レベル電位となるため、トランジスタBTr
及びトランジスタSTrがオフ状態となる。
【0079】
以上の動作により、図1(A)、(B)に示した半導体装置から、データを消去するこ
とができる。
【0080】
また、図1(B)に示す半導体装置において、配線BGLを用いることによって、上述
した消去動作とは別の消去動作を行うことができる。その動作例について図5(B)に示
す。
【0081】
時刻T40以前において、配線BL及び配線SLには、低レベル電位が供給されている
【0082】
また、時刻T40から時刻T45までの間において、配線WL[j]には、常に低レベ
ル電位が供給される。
【0083】
時刻T40から時刻T41までの間において、配線BSL及び配線SSLに低レベル電
位の印加が開始される。これにより、時刻T40から時刻T41までの間に、トランジス
タBTr及びトランジスタSTrのそれぞれのゲートの電位が低レベル電位となるため、
トランジスタBTr及びトランジスタSTrがオフ状態となる。このため、トランジスタ
STrの第1端子とトランジスタBTrの第1端子との間は、フローティング状態となる
【0084】
また、時刻T40から時刻T41までの間において、配線BGLに電位VBGERの印
加が開始される。なお、電位VBGERは、非常に高い電位とする。トランジスタSTr
の第1端子とトランジスタBTrの第1端子との間はフローティング状態であり、時刻T
40から時刻T41までの間で配線BGLの電位がVBGERとなることによって、メモ
リセルMC[1]乃至メモリセルMC[n]が有する全てのセルトランジスタCTrのチ
ャネル形成領域の電位が容量結合によって昇圧される。そのため、各セルトランジスタC
Trの電荷蓄積層に注入されている電子が、チャネル形成領域側に引き抜かれる。
【0085】
時刻T41から時刻T42までの間において、配線BSL及び配線SSLに高レベル電
位の印加が開始される。これにより、時刻T41から時刻T42までの間に、トランジス
タBTr及びトランジスタSTrのそれぞれのゲートの電位が高レベル電位に達するため
、トランジスタBTr及びトランジスタSTrがオン状態となる。
【0086】
時刻T42から時刻T43までの間において、配線BLに高レベル電位の印加が開始さ
れる。これにより、時刻T42から時刻T43までの間において、セルトランジスタCT
rの電荷蓄積層から引き抜いた電子を、配線BLに流すことができる。
【0087】
時刻T43から時刻T44までの間において、配線BLに低レベル電位の印加が開始さ
れる。続いて、時刻T44において、配線BSL及び配線SSLに低レベル電位の印加が
開始される。これにより、トランジスタBTr及びトランジスタSTrのそれぞれのゲー
トの電位が低レベル電位となるため、トランジスタBTr及びトランジスタSTrがオフ
状態となる。最後に、時刻T45以降において、配線BGLには、低レベル電位が供給さ
れる。
【0088】
以上の動作のとおり、配線BGLを用いることでも、図1(B)に示した半導体装置か
ら、データを消去することができる。
【0089】
<構造例と作製方法例1>
以下、上記で説明した図1乃至図3の回路構成を有する半導体装置の構造の理解を助け
るため、その作製方法について説明する。
【0090】
図6(A)、(B)、(C)は、図2又は図3の半導体装置を示した模式図の一例であ
る。図6(A)は当該半導体装置の斜視図を示しており、図6(B)は、図6(A)の上
面図を示している。更に、図6(C)は、図6(B)の一点鎖線A1‐A2に対応する断
面図を示している。
【0091】
当該半導体装置は、配線WLと、絶縁体(図6ではハッチングを図示していない領域)
と、が積層された構造体を有する。
【0092】
加えて、当該構造体に対して、絶縁体と、配線WLと、を一括で貫通するような開口部
が形成されている。そして、配線WLが貫通された領域ARにメモリセルMCを設けるた
めに、当該開口部に絶縁体と、導電体と、半導体と、が形成されている。なお、当該導電
体は、メモリセルMCのセルトランジスタCTrのソース電極、又はドレイン電極として
機能し、当該半導体は、セルトランジスタCTrのチャネル形成領域として機能する。ま
た、当該導電体を形成せず、当該半導体においてチャネル形成領域と低抵抗領域を形成し
て、当該低抵抗領域をセルトランジスタCTrのソース電極、又はドレイン電極として適
用してもよい。図6(A)、(B)、(C)では、該開口部に絶縁体と、導電体と、半導
体と、が形成されている領域を、領域HLとして図示している。特に、図6(A)におい
て、構造体の内部に含まれる領域HLを破線で図示している。なお、メモリセルMCが有
するトランジスタにバックゲートが設けられている場合、領域HLが有する当該導電体は
、当該バックゲートと電気的に接続するための配線BGLとしても機能してよい。
【0093】
つまり、図6において、図1(A)、(B)のいずれかに示した半導体装置は領域SD
1に形成され、図2、又は図3に示した半導体装置は領域SD2に形成されていることを
示している。
【0094】
ところで、配線WLが露出している領域TMは、配線WLに電位を与えるための接続端
子として機能する。つまり、領域TMに配線を電気的に接続することによって、セルトラ
ンジスタCTrのゲートに電位を与えることができる。
【0095】
なお、領域TMの形状は、図6に示した構成例に限定されない。本発明の一態様の半導
体装置の構成は、例えば、図6に示す領域TM上に絶縁体が形成され、当該絶縁体に開口
部が設けられ、当該開口部を埋めるように導電体PGが形成された構成としてもよい(図
7(A)、(B)、(C))。なお、導電体PG上には、配線ERが形成されており、こ
れによって、配線ERと、配線WLと、が電気的に接続される。なお、図7(A)におい
て、構造体の内部に含まれる導電体PGを破線で図示しており、領域HLの破線を省略し
ている。
【0096】
以下の作製方法例1では、領域ARに、図1乃至図3に示したメモリセルMCを形成す
るための方法について説明する。
【0097】
<<作製方法例1>>
図8乃至図14は、図1(A)に示す半導体装置の作製例を説明するための断面図であ
り、特に、セルトランジスタCTrのチャネル長方向の断面図を示している。また、図8
乃至図14の断面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
【0098】
図8(A)に示すように、図1(A)の半導体装置は、基板(図示しない。)の上方に
配置された絶縁体101Aと、絶縁体101A上に配置された導電体132Aと、導電体
132A上に配置された絶縁体101Bと、絶縁体101B上に配置された導電体132
Bと、導電体132B上に配置された絶縁体101Cと、を有する。なお、以後、これら
の複数の導電体及び複数の絶縁体を有する積層体(以後の工程によっては、これら以外の
絶縁体、導電体等も含まれる。)を、積層体100と記載する。
【0099】
なお、当該基板としては、例えば、絶縁体基板、半導体基板または導電体基板を用いれ
ばよい。絶縁体基板としては、例えば、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、安定化
ジルコニア基板(イットリア安定化ジルコニア基板など)、樹脂基板などがある。また、
半導体基板としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの半導体基板、または炭化シ
リコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリ
ウムからなる化合物半導体基板などがある。さらには、前述の半導体基板内部に絶縁体領
域が含まれる半導体基板、例えばSOI(Silicon On Insulator)
基板などがある。導電体基板としては、黒鉛基板、金属基板、合金基板、導電性樹脂基板
などがある。または、金属の窒化物を有する基板、金属の酸化物を有する基板などがある
。さらには、絶縁体基板に導電体または半導体が設けられた基板、半導体基板に導電体ま
たは絶縁体が設けられた基板、導電体基板に半導体または絶縁体が設けられた基板などが
ある。または、これらの基板に素子が設けられたものを用いてもよい。基板に設けられる
素子としては、容量素子、抵抗素子、スイッチ素子、発光素子、記憶素子などがある。
【0100】
また、基板として、可とう性基板を用いてもよい。なお、可とう性基板上にトランジス
タを設ける方法としては、非可とう性の基板上にトランジスタを作製した後、トランジス
タを剥離し、可とう性基板に転置する方法もある。その場合には、非可とう性基板とトラ
ンジスタとの間に剥離層を設けるとよい。なお、基板として、繊維を編みこんだシート、
フィルムまたは箔などを用いてもよい。また、基板が伸縮性を有してもよい。また、基板
は、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有してもよい。または、元
の形状に戻らない性質を有してもよい。基板は、例えば、5μm以上700μm以下、好
ましくは10μm以上500μm以下、さらに好ましくは15μm以上300μm以下の
厚さとなる領域を有する。基板を薄くすると、トランジスタを有する半導体装置を軽量化
することができる。また、基板を薄くすることで、ガラスなどを用いた場合にも伸縮性が
含まれる場合や、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質が含まれる場合
がある。そのため、落下などによって基板上の半導体装置に加わる衝撃などを緩和するこ
とができる。即ち、丈夫な半導体装置を提供することができる。
【0101】
可とう性基板としては、例えば、金属、合金、樹脂もしくはガラス、またはそれらの繊
維などを用いることができる。可とう性基板は、線膨張率が低いほど環境による変形が抑
制されて好ましい。可とう性基板としては、例えば、線膨張率が1×10-3/K以下、
5×10-5/K以下、または1×10-5/K以下である材質を用いればよい。樹脂と
しては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど
)、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリルなどがある。特に、アラミドは、線膨張率
が低いため、可とう性基板として好適である。
【0102】
本実施の形態で説明する作製例では、その工程中に加熱処理が含まれるため、基板とし
ては、耐熱性の高い、且つ熱膨張率の低い材料を用いることが好ましい。
【0103】
導電体132A(導電体132B)は、図1(A)に示す配線WLとして機能する。
【0104】
導電体132A、導電体132Bとしては、例えば、アルミニウム、クロム、銅、銀、
金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナ
ジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ル
テニウムなどから選ばれた金属元素を1種以上含む材料を用いることができる。また、リ
ン等の不純物元素を含有させた多結晶シリコンに代表される、電気伝導度が高い半導体、
ニッケルシリサイドなどのシリサイドを用いてもよい。
【0105】
また、導電体132A、導電体132Bとしては、後述する半導体151に適用可能な
金属酸化物に含まれる金属元素及び酸素を含む導電性材料を用いてもよい。また、前述し
た金属元素及び窒素を含む導電性材料を用いてもよい。例えば、窒化チタン、窒化タンタ
ルなどの窒素を含む導電性材料を用いてもよい。また、例えば、インジウム錫酸化物、酸
化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物
、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウ
ム亜鉛酸化物、シリコンを添加したインジウム錫酸化物などを用いてもよい。また、例え
ば、窒素を含むインジウムガリウム亜鉛酸化物などを用いてもよい。このような材料を用
いることで、周辺の絶縁体などから混入する水素、又は水を捕獲することができる場合が
ある。
【0106】
また、導電体132A、導電体132Bとして、水または水素などの不純物の透過を抑
制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。例えば、タンタル、窒化タンタ
ル、チタン、窒化チタン、ルテニウムまたは酸化ルテニウムなどを用いることが好ましく
、単層または積層とすればよい。
【0107】
また、上記の材料で形成される導電体を複数積層して用いてもよい。例えば、前述した
金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい
。また、例えば、前述した金属元素を含む材料と、窒素を含む導電性材料と、を組み合わ
せた積層構造としてもよい。また、例えば、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む
導電性材料と、窒素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。また、
導電体に接する絶縁体として過剰酸素領域を有する絶縁体を適用することで、導電体の絶
縁体と接する領域において、酸素が拡散する場合がある。これにより、金属元素を含む材
料と、酸素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造を形成してもよい。また、同様
に、導電体に接する絶縁体として過剰窒素領域を有する絶縁体を適用することで、導電体
の絶縁体と接する領域において、窒素が拡散する場合がある。これにより、金属元素を含
む材料と、窒素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造を形成してもよい。
【0108】
なお、導電体132A、導電体132Bのそれぞれは、互いに同一の材料であってもよ
いし、互いに異なる材料であってもよい。つまり、本発明の一態様の半導体装置を構成す
る導電体132A、導電体132Bに適用する材料をそれぞれ適宜選択して用いることが
できる。
【0109】
導電体132A、導電体132Bの形成方法に特に限定は無い。例えば、スパッタリン
グ法、CVD法(熱CVD法、MOCVD法、PECVD法等を含む)、MBE(Mol
ecular Beam Epitaxy)法、ALD(Atomic Layer D
eposition)法、PLD(Pulsed Laser Deposition)
法などによって成膜することができる。
【0110】
絶縁体101A乃至絶縁体101Cとしては、例えば、水、又は水素などの不純物濃度
が低減されている材料であることが好ましい。例えば、絶縁体101A乃至絶縁体101
Cの水素の脱離量は、昇温脱離ガス分析法(TDS(Thermal Desorpti
on Spectroscopy))において、絶縁体の膜の表面温度が50℃以上50
0℃以下までの範囲において、水素分子に換算した脱離量が、絶縁体101A乃至絶縁体
101Cのいずれか一の面積当たりに換算して、2×1015molecules/cm
以下、好ましくは1×1015molecules/cm以下、より好ましくは5×
1014molecules/cm以下であればよい。また、絶縁体101A乃至絶縁
体101Cは、加熱により酸素が放出される絶縁体を用いて形成してもよい。
【0111】
絶縁体101A乃至絶縁体101Cとしては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フ
ッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲル
マニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタ
ルを含む絶縁体を、単層で、又は積層で用いることができる。また、例えば、酸化シリコ
ン又は酸化窒化シリコンを含む材料を用いることができる。
【0112】
なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として窒素よりも酸素の
含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含
有量が多い材料を示す。また、本明細書中において、酸化窒化アルミニウムとは、その組
成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化アルミニウムとは、その組
成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
【0113】
絶縁体101A乃至絶縁体101Cの形成方法に特に限定は無い。例えば、スパッタリ
ング法、CVD法(熱CVD法、MOCVD法、PECVD法等を含む)、MBE法、A
LD法、PLD法などによって成膜することができる。
【0114】
次の工程では、図8(B)に示すとおり、レジストマスク形成とエッチング処理などに
よって、図8(A)に示す積層体100に対して、開口部191が形成される。
【0115】
レジストマスクの形成は、例えば、リソグラフィ法、印刷法、インクジェット法等を適
宜用いて行うことができる。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマス
クを使用しないため、製造コストを低減できる。また、エッチング処理については、ドラ
イエッチング法でもウェットエッチング法でもよく、両方を用いてもよい。
【0116】
そして、図9(A)に示すとおり、エッチング処理などを用いて、開口部191の側面
に位置する導電体132A、導電体132Bのそれぞれ一部が除去されて、当該側面部に
凹部192A、凹部192Bが形成される。ここでは、導電体132A、導電体132B
としては、積層体100のうち、導電体132A、導電体132Bが選択的に除去される
ような材料(例えば、絶縁体101A、絶縁体101B、絶縁体101Cよりもエッチン
グレートが高い材料など)が適用されているものとする。
【0117】
次の工程では、図9(B)に示すとおり、図9(A)に示す開口部191の側面、及び
凹部192A、凹部192Bに、絶縁体102が成膜される。
【0118】
絶縁体102は、セルトランジスタCTrのゲート絶縁膜として機能する。
【0119】
絶縁体102としては、例えば、酸化シリコンや、酸化窒化シリコンを用いることが好
ましい。また、絶縁体102としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、ま
たはアルミニウムおよびハフニウムを有する酸化物などを用いることができる。また、絶
縁体102としては、これらを積層した絶縁体としてもよい。
【0120】
絶縁体102の形成方法としては、被覆性の高い成膜方法を用いるのが好ましい。被膜
性の高い成膜方法としては、例えば、ALD法を用いるのが好ましい。また、例えば、C
VD法(LPCVD(Low Pressure CVD)法、PCVD(Plasma
CVD)法など)などを用いてもよい。また、別の成膜方法としては、例えば、スパッ
タリング法などを用いることができる場合がある。
【0121】
次の工程では、図10(A)に示すとおり、図9(B)に示す開口部191の側面、及
び形成されている凹部に、絶縁体111が成膜される。つまり、絶縁体102の形成面に
絶縁体111が形成される。
【0122】
絶縁体111が形成された領域のうち、後述する絶縁体104を介して、後述する半導
体151の領域151aと重畳する領域は、セルトランジスタCTrの電荷蓄積層として
機能する。
【0123】
絶縁体111としては、例えば、窒化シリコンや、窒化酸化シリコンを用いることが好
ましい。
【0124】
絶縁体111の形成方法としては、絶縁体102の形成方法の記載を参酌する。
【0125】
次の工程では、図10(B)に示すとおり、図10(A)に示す開口部191の側面、
及び形成されている凹部に、絶縁体104が成膜される。つまり、絶縁体111の形成面
に絶縁体104が形成される。
【0126】
絶縁体104は、セルトランジスタCTrのトンネル絶縁膜として機能する。
【0127】
絶縁体104としては、例えば、酸化シリコンや、酸化窒化シリコンを用いることが好
ましい。また、絶縁体104としては、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、またはアル
ミニウムおよびハフニウムを有する酸化物を用いてもよい。また、絶縁体104としては
、これらを積層した絶縁体としてもよい。そして、絶縁体104は、絶縁体102よりも
薄いことが好ましい。絶縁体104を絶縁体102よりも薄くすることで、後述する半導
体151から、絶縁体104を介して、絶縁体111にトンネル効果による電荷の移動を
行うことができる。
【0128】
絶縁体104の形成方法としては、絶縁体102の形成方法の記載を参酌する。
【0129】
次に、図11(A)に示すとおり、図10(B)に示す開口部191の側面、及び形成
されている凹部に、半導体151が成膜される。つまり、絶縁体104の形成面に半導体
151が形成される。
【0130】
半導体151としては、例えば、実施の形態4で説明する金属酸化物が含まれている材
料を適用することができる。また、例えば、シリコンが含まれている材料を適用すること
ができる。特に、当該シリコンは、多結晶であることが好ましい。
【0131】
ところで、半導体151に金属酸化物が含まれている場合、半導体151に接する絶縁
体104は、酸素だけでなく、水又は水素などの不純物の透過を抑制する機能を有する絶
縁性材料を用いることが好ましい。そのような絶縁体104を形成することで、絶縁体1
04を透過して水又は水素などの不純物が進入して、半導体151に含まれる酸素と反応
して水となるのを防ぐことができる場合がある。半導体151内で水が生成されると、半
導体151内で酸素欠損が形成される場合がある。当該酸素欠損に、水素などの不純物が
入ることにより、キャリアとなる電子が生成される場合がある。そのため、半導体151
内において、水素が多く含まれている領域が存在する場合、当該領域がチャネル形成領域
に含まれるトランジスタは、ノーマリーオン特性となりやすい。これを防ぐため、絶縁体
104として、酸素だけでなく、水又は水素などの不純物の透過を抑制する機能を有する
絶縁性材料を用いることが望まれる。
【0132】
次に、図11(B)に示す工程について説明する。
【0133】
半導体151として金属酸化物を有する材料を適用している場合、開口部191の側面
に位置する半導体151の形成面に対して、酸素を供給する処理を行ってもよい。この場
合、図11(B)に示す供給処理10は、酸素を供給する工程として考える。酸素を供給
する処理としては、例えば、減圧状態で酸素を含むプラズマ処理、酸素雰囲気下における
熱処理などが挙げられる。特に、酸素を含むプラズマ処理としては、例えばマイクロ波を
用いた高密度プラズマを発生させる電源を有する装置を用いることが好ましい。なお、こ
こで説明する供給処理10は、必ずしも行わなくてもよい場合がある。
【0134】
また、半導体151としてシリコンを有する材料を適用している場合、開口部191の
側面に位置する半導体151の形成面に対して、不純物を供給する処理を行ってもよい。
この場合、図11(B)に示す供給処理10は、不純物を供給する工程として考える。な
お、供給処理10を行っている最中は、半導体装置に対して熱処理を行うのが好ましい。
例えば、不純物としてp型不純物(アクセプタ)を用いることができる。p型不純物とし
ては、ボロン、アルミニウム、ガリウムなどを用いることができる。また、例えば、不純
物としては、n型不純物(ドナー)を用いることができる。n型不純物としては、リン、
ヒ素などを用いることができる。なお、ここで説明する供給処理10は、必ずしも行わな
くてもよい場合がある。
【0135】
半導体151の形成方法としては、被覆性の高い成膜方法を用いるのが好ましい。被膜
性の高い成膜方法としては、例えば、ALD法を用いるのが好ましい。また、例えば、C
VD法などを用いてもよい。また、別の成膜方法としては、例えば、スパッタリング法、
ゾルゲル法、電気泳動法、スプレー法などを用いることができる場合がある。
【0136】
次の工程では、図12(A)に示すとおり、図11(B)に示す開口部191の側面、
及び形成されている凹部に、絶縁体109が成膜される。つまり、半導体151の形成面
に絶縁体109が形成される。
【0137】
絶縁体109に含まれる成分としては、先に形成した半導体151との界面、及び界面
近傍において、半導体151に含まれる成分と化合物を形成する成分でないことが好まし
い。又は、仮に当該化合物が形成されたとしても、当該化合物が絶縁体であることが好ま
しい。又は、仮に当該化合物が形成されたとしても、当該化合物は、半導体151におい
て、キャリアとして寄与しない化合物であることが好ましい。
【0138】
絶縁体109としては、例えば、酸化シリコンを用いることができる。
【0139】
絶縁体109の形成方法としては、絶縁体102の形成方法の記載を参酌する。
【0140】
次の工程では、図12(B)に示すとおり、レジストマスク形成とエッチング処理など
によって、前述した凹部のみに絶縁体109が残るように、開口部191に含まれる絶縁
体109の一部が除去される。これによって、絶縁体109a、絶縁体109bが形成さ
れる。なお、このとき、絶縁体104が開口部191に露出しない程度であれば、半導体
151の一部が除去されていてもよい。
【0141】
なお、レジストマスクの形成とエッチング処理と、については、図8(B)の説明を参
酌する。
【0142】
ところで、半導体151として金属酸化物を有する材料を適用している場合、形成され
ている開口部191の側面に対して、水素などの不純物を供給する処理を行ってもよい。
なお、この場合、水素などの不純物を供給する処理については、図13に示す供給処理1
1を水素などの不純物を供給する工程として考える。図13における供給処理11は、絶
縁体109a、絶縁体109b、半導体151の領域151bに対して行っている。なお
図13では、半導体151に含まれる成分と、供給処理11によって供給された不純物
と、を含む化合物として、化合物161A(化合物161B、化合物161C)を記載し
ている。この工程を行うことにより、半導体151の領域151bを低抵抗化することが
できる。なお、ここで説明する供給処理11は、必ずしも行わなくてもよい場合がある。
【0143】
また、半導体151としてシリコンを有する材料を適用している場合、形成されている
開口部191の側面に対して、不純物を供給する処理を行ってもよい。なお、この場合、
不純物を供給する処理については、図13に示す供給処理11を、不純物を供給する工程
として考える。図13における供給処理11は、絶縁体109a、絶縁体109b、半導
体151の領域151bに対して行っている。なお、供給処理11を行っている最中は、
積層体100に対して熱処理を行うのが好ましい。なお、不純物としては、例えば、リン
、ヒ素などのn型不純物(ドナー)を用いることができる。また、例えば、不純物として
は、ボロン、アルミニウム、ガリウムなどのp型不純物(アクセプタ)を用いることがで
きる。この工程を行うことにより、半導体151の領域151bに対して、半導体151
の表面、及び表面近傍に不純物領域162A(不純物領域162B、不純物領域162C
)を形成することができ、半導体151の領域151bを低抵抗化することができる。な
お、先に説明した図11(B)の供給処理10を行っている場合、ここで説明する供給処
理11は、必ずしも行わなくてもよい。
【0144】
なお、半導体151としてシリコン、又は金属酸化物のどちらか一方を有する材料を適
用した場合において、半導体151の形成面に絶縁体109a及び絶縁体109bが形成
された領域151aでは、絶縁体109a及び絶縁体109bがマスクとして不純物を遮
蔽する役割を有するため、半導体151の領域151aには不純物が供給されない。
【0145】
次の工程では、図14(A)に示すとおり、図13に示す開口部191の側面に、絶縁
体105が成膜される。
【0146】
半導体151が金属酸化物を含む材料である場合、絶縁体105としては、例えば、窒
化シリコンが含まれていることが好ましい。半導体151は絶縁体105に接することで
、絶縁体105に含まれる窒素、窒化物、その他の成分などが半導体151に拡散する場
合がある。また、このとき、積層体100に対して熱処理を行ってもよいし行わなくても
よい。これにより、図14(A)において、半導体151は、絶縁体105との界面、及
び界面近傍において、絶縁体105から拡散される窒素、窒化物、その他の成分などによ
って、化合物161A(化合物161B、化合物161C)が形成される場合がある。こ
れにより、半導体151の領域151bが低抵抗化される。つまり、隣り合うセルトラン
ジスタCTrの電気的接続において、抵抗を下げることができる場合がある。
【0147】
また、半導体151がシリコンを含む材料である場合、絶縁体105としては、例えば
、半導体151に拡散させるための不純物(元素、又はイオン)が含まれていることが好
ましい。例えば、当該不純物としては、リン、ヒ素などのn型不純物(ドナー)を用いる
ことができる。また、例えば、当該不純物としては、ボロン、アルミニウム、ガリウムな
どのp型不純物(アクセプタ)を用いることができる。
【0148】
半導体151は絶縁体105に接することで、絶縁体105に含まれる不純物(元素、
又はイオン)が半導体151に拡散する場合がある。また、このとき、積層体100に対
して熱処理を行ってもよいし行わなくてもよい。これにより、半導体151の、絶縁体1
05に接する界面、及び界面近傍に不純物領域162A(不純物領域162B、不純物領
域162C)が形成されて、半導体151の領域151bが低抵抗化される場合がある。
【0149】
絶縁体105の形成方法としては、絶縁体102の形成方法の記載を参酌する。
【0150】
図13、及び図14(A)は、それぞれ半導体151の領域151bを低抵抗化するた
めの工程を示している。換言すれば、図13、及び図14(A)は、半導体151の領域
151bに化合物161A(化合物161B、化合物161C)、又は不純物領域162
A(不純物領域162B、不純物領域162C)を形成する工程を示している。そのため
、半導体装置を作製する工程では、図13、及び図14(A)は、どちらか一方の工程の
み行えばよい。また、両方の工程を行ってもよい場合がある。
【0151】
次の工程では、図14(B)に示すとおり、残りの開口部191が埋まるように、絶縁
体105の形成面に絶縁体106が成膜される。
【0152】
絶縁体106としては、例えば、水、水素などの不純物などの透過を抑制する機能を有
する絶縁性材料を用いることが好ましい。例えば、絶縁体106として、酸化アルミニウ
ムなどを用いることができる。ただし、絶縁体106に適用できる材料は上述に限定せず
、絶縁体106としては、例えば、水、水素などの不純物濃度が低減された膜として、上
述した絶縁体101A乃至絶縁体101Cに適用できる材料を用いることができる。
【0153】
また、絶縁体106としては、一例としては、酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁
性材料を用いることが好ましい。例えば、絶縁体106として、窒化シリコン、窒化酸化
シリコン、酸化窒化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウムなどを用いるこ
とが好ましい。このような絶縁体106を形成することで、半導体151が金属酸化物を
含む材料を有する場合において、半導体151に含まれる酸素が脱離して、絶縁体105
、及び/又は絶縁体109a(絶縁体109b)を介して、当該酸素が絶縁体106に拡
散するのを防ぐことができる場合がある。これにより、半導体151の酸素濃度の低減を
防ぐことができる場合がある。
【0154】
また、絶縁体106としては、一例としては、酸素を透過する機能を有する絶縁性材料
を用いることが好ましい。例えば、絶縁体106に酸素をドーピングし、絶縁体105、
及び/又は絶縁体109a(絶縁体109b)を介して、酸素を拡散させることにより、
半導体151に酸素を供給することができる場合がある。これにより、半導体151の酸
素濃度を高くすることができる場合がある。
【0155】
絶縁体106としては、例えば、酸化アルミニウムを用いることができる。酸化アルミ
ニウムをスパッタ法により成膜した場合、酸素が絶縁体105、及び/又は絶縁体109
a(絶縁体109b)に供給される。絶縁体105、及び/又は絶縁体109a(絶縁体
109b)に供給された酸素は、半導体151に供給される。その結果、半導体151の
酸素濃度を高くすることができる場合がある。
【0156】
絶縁体106の形成方法としては、絶縁体102の形成方法の記載を参酌する。
【0157】
ところで、導電体132A(導電体132B)は、図1(A)(B)に示すセルトラン
ジスタCTrのゲート電極、及び配線WLとして機能する。つまり、図14(B)に示す
領域181A(領域181B)において、セルトランジスタCTrが形成されている。
【0158】
以上のとおり、図8(A)から図14(B)までの工程を行うことにより、図1(A)
に示した半導体装置を作製することができる。
【0159】
図15(A)(B)には、それぞれ図14(B)に示す半導体装置の一点鎖線B1-B
2、一点鎖線B3-B4における上面図を示している。また、図16には、図6に示す構
成例のように、複数の開口部191を設けた場合の半導体装置の上面図を示している。な
お、当該上面図は、図14(B)に示す半導体装置の一点鎖線B1-B2における上面図
で、開口部191を複数設けた場合に展開した図となっている。なお、開口部191の位
置は、図16に示す位置に限定されず、回路設計の段階で自由に決めてもよい。
【0160】
本発明の一態様は、図14(B)に示した半導体装置の構成例に限定されない。本発明
の一態様は、図14(B)に示す半導体装置を適宜変更した構成とすることができる。
【0161】
例えば、本発明の一態様の半導体装置は、セルトランジスタに対してバックゲートを設
けた構成としてもよい。当該セルトランジスタにバックゲートを設ける場合、図14(B
)において絶縁体106を成膜するのではなく、開口部191が埋まるように、導電体1
34を成膜すればよい。このように工程を変更することによって、図17に示す半導体装
置を構成することができる。
【0162】
このとき、導電体134は、図1(B)、図3に示す配線BGLとして機能する。
【0163】
導電体134としては、上述した導電体132A(導電体132B)に適用できる材料
を用いることができる。
【0164】
導電体134の形成方法としては、被覆性の高い成膜方法を用いるのが好ましい。被膜
性の高い成膜方法としては、例えば、ALD法を用いるのが好ましい。また、例えば、C
VD法などを用いてもよい。また、別の成膜方法としては、例えば、スパッタリング法、
ゾルゲル法、電気泳動法、スプレー法などを用いることができる場合がある。
【0165】
なお、図18(A)(B)には、それぞれ図17に示す半導体装置の一点鎖線B1-B
2、一点鎖線B3-B4における上面図を示している。図17に示す半導体装置は、導電
体134を形成した構成例となっているため、図18(A)(B)に示す上面図は、図1
5(A)(B)に示す絶縁体106の代わりに導電体134が形成された構成となってい
る。
【0166】
なお、図17に示す絶縁体105は、複数の絶縁体からなる積層の構成としてもよい。
複数の絶縁体からなる積層の構成としては、例えば、図14(B)の説明で述べた絶縁体
105、絶縁体106の積層の構成としてもよい(図示しない。)。
【0167】
また、例えば、本発明の一態様の半導体装置は、一部の作製工程を変更してもよい。図
19(A)、(B)、図20は、図13とは異なる、半導体151の領域151bに対し
て低抵抗領域を形成する工程を示している。図19(A)に示す工程は、図12(B)に
示した工程の後に、開口部191の側面に対して、導電体139を形成する工程を示して
いる。つまり、絶縁体109a(絶縁体109b)、半導体151の領域151bの形成
面に導電体139が形成される。
【0168】
また、半導体151が金属酸化物を含む材料を有する場合、導電体139としては、例
えば、導電体139と接する半導体151の領域151bを低抵抗化させる役割を有する
材料であることが好ましい。導電体139としては、抵抗値が、2.4×10[Ω/s
q]以下、好ましくは1.0×10[Ω/sq]以下である金属、金属元素を有する窒
化物、または金属元素を有する酸化物を用いる。導電体139として、例えば、アルミニ
ウム、ルテニウム、チタン、タンタル、タングステン、クロムなどの金属膜、Al-Ti
窒化物、窒化チタンなどの金属元素を有する窒化膜、またはインジウム錫酸化物、In-
Ga-Zn酸化物などの金属元素を有する酸化膜を用いることができる。
【0169】
半導体151が金属酸化物を含む材料を有する場合、半導体151は導電体139に接
することで、熱処理を行うことで、導電体139に含まれる成分と半導体151に含まれ
る成分とによって、化合物161A(化合物161B、化合物161C)が形成されて、
半導体151の領域151bが低抵抗化される場合がある。なお、少なくとも半導体15
1の、導電体139に接する界面、及び界面近傍が低抵抗化されていればよい。これは、
半導体151と導電体139の界面、又は当該界面近傍に位置する半導体151中の酸素
の一部が導電体139に吸収され、半導体151に酸素欠損が形成されて、領域151b
が低抵抗化されるからと考えられる。
【0170】
又は、上記に加えて、半導体151と、導電体139と、が接した状態で、窒素を含む
雰囲気下において熱処理を行ってもよい。当該熱処理により、導電体139から、導電体
139の成分である金属元素が半導体151へ、または半導体151の成分である金属元
素が導電体139へと、拡散し、半導体151と、導電体139とが金属化合物を形成す
る場合がある。なお、その際、半導体151の金属元素と、導電体139の金属元素とが
、合金化してもよい。半導体151の金属元素と、導電体139の金属元素とが、合金化
することで、金属元素は、比較的安定な状態となるため、信頼性の高い半導体装置を提供
することができる。
【0171】
ところで、半導体151に含まれる水素は、半導体151の領域151bに存在する酸
素欠損に入ることによって、比較的安定な状態となる。また、領域151aに存在する酸
素欠損中の水素は、250℃以上の熱処理によって、酸素欠損から抜け出し、領域151
bに拡散し、領域151bに存在する酸素欠損の中に入ることで、比較的安定な状態とな
る。従って、熱処理によって、領域151bはより低抵抗化され、領域151aは高純度
化(水、水素などの不純物の低減)されて、より高抵抗化される。
【0172】
また、半導体151がシリコンを含む材料である場合、導電体139としては、例えば
、導電体132A(導電体132B)に適用できる材料であり、かつ導電体132A(導
電体132B)に適用できる材料に、半導体151に拡散させるための不純物(元素、又
はイオン)が含まれていることが好ましい。当該不純物としては、例えば、リン、ヒ素な
どのn型不純物(ドナー)を用いることができる。また、例えば、ボロン、アルミニウム
、ガリウムなどのp型不純物(アクセプタ)を用いることができる。また、このとき、場
合によっては、積層体100に対して熱処理を行ってもよい。半導体151と不純物を含
む導電体139とが接することによって、半導体151の、導電体139に接する界面、
及び界面近傍に、当該不純物が拡散され、不純物領域162A(不純物領域162B、不
純物領域162C)が形成される。
【0173】
導電体139に含まれている不純物がn型不純物(ドナー)の場合、半導体151の領
域151b、又は半導体151の導電体139との界面近傍にn型の不純物領域が形成さ
れる場合がある。一方、導電体139に含まれている不純物がp型不純物(アクセプタ)
の場合、半導体151の領域151b、又は半導体151の導電体139との界面近傍に
p型の不純物領域が形成される場合がある。これにより、半導体151の領域151b、
又は半導体151の導電体139との界面近傍にキャリアが形成されて、領域151bが
低抵抗化される場合がある。
【0174】
また、導電体139は、半導体151に含まれるシリコンとの組み合わせで、金属シリ
サイドを形成できるような材料でもよい。例えば、ニッケル、コバルト、モリブデン、タ
ングステン、チタンなどでもよい。又は、導電体139としては、導電率が高い材料でも
よい。例えば、アルミニウム、銅、銀などでもよい。または、導電体139としては、耐
熱性が高い材料でもよい。例えば、チタン、モリブデン、タングステン、タンタルなどで
もよい。
【0175】
また、このとき、熱処理を行うことで、導電体139に含まれる導電性材料と半導体1
51に含まれる成分によって、半導体151の導電体139との界面近傍に金属シリサイ
ドが形成される場合がある。この場合、金属シリサイドとして、図19(A)に化合物1
61A(化合物161B、化合物161C)を図示している。また、半導体151の、化
合物161A(化合物161B、化合物161C)との界面近傍に不純物領域162A(
不純物領域162B、不純物領域162C)が形成される場合がある。
【0176】
つまり、上述の作製方法によって、半導体151の領域151bは低抵抗領域として形
成することができ、半導体151の領域151aはチャネル形成領域として形成すること
ができる。なお、低抵抗領域である領域151bは、セルトランジスタCTrにおける第
1端子、及び/又は第2端子に相当するため、上述の作製方法によって、直列に電気的に
接続したセルトランジスタ間の電気抵抗を低くすることができる。
【0177】
導電体139の形成方法としては、被覆性の高い成膜方法を用いるのが好ましい。被膜
性の高い成膜方法としては、例えば、ALD法を用いるのが好ましい。また、例えば、C
VD法などを用いてもよい。また、別の成膜方法としては、例えば、スパッタリング法、
ゾルゲル法、電気泳動法、スプレー法などを用いることができる場合がある。
【0178】
図19(B)に示す工程では、エッチング処理などを用いて、開口部191の側面に位
置する導電体139の除去が行われている。なお、このとき、絶縁体109a(絶縁体1
09b)の導電体139との界面、及び当該界面近傍のそれぞれ一部が除去されてもよい
【0179】
次に、図20に示す工程の通り、図19(B)の残りの開口部191を埋めるように、
絶縁体106を成膜する。以上に述べた作製工程によって、図13に示した工程とは異な
る作製工程で、半導体151の領域151bに対して低抵抗領域を形成した半導体装置を
作製することができる。
【0180】
なお、図21(A)、(B)には、それぞれ図20に示す半導体装置の一点鎖線B1-
B2、一点鎖線B3-B4における上面図を示している。図20に示す半導体装置は、絶
縁体105の形成を省略した構成例となっているため、図21(A)、(B)に示す上面
図は、図15(A)(B)から絶縁体105が省略された構成となっている。
【0181】
また、例えば、本発明の一態様は、半導体151として金属酸化物を有する材料を適用
した場合、図22に示す半導体装置のように半導体151を3層構造とすることができる
図22に示す半導体装置は半導体151を3層構造とした構成となっており、図1(A
)の半導体装置を作製する過程において、図11(A)に示す工程で、半導体151とし
て半導体152A、半導体152B、半導体152Cを順に形成することによって構成す
ることができる。
【0182】
なお、図23(A)(B)には、それぞれ図22に示す半導体装置の一点鎖線B1-B
2、一点鎖線B3-B4における上面図を示している。図22に示す半導体装置は、半導
体層が外側から半導体152A、半導体152B、半導体152Cの順に成膜された3層
構造の構成例となっているため、図23(A)、(B)に示す上面図は、図15(A)(
B)に示す半導体151を3層構造とした構成となっている。
【0183】
半導体152Aは、絶縁体104と接するように設けられるのが好ましく、半導体15
2Cは、絶縁体105、及び絶縁体109aと接するように設けられるのが好ましい。こ
のとき、半導体152A及び半導体152Cは、半導体152Bに対して、相対的にエネ
ルギーギャップの広い酸化物を用いることが好ましい。ここで、エネルギーギャップの広
い酸化物を、ワイドギャップ、エネルギーギャップの狭い酸化物をナローギャップと呼ぶ
ことがある。
【0184】
半導体152A及び半導体152Cをナローギャップとし、半導体152Bをワイドギ
ャップとする場合、半導体152A及び半導体152Cの伝導帯下端のエネルギーが、半
導体152Bの伝導帯下端のエネルギーより高いことが好ましい。また、言い換えると、
半導体152A及び半導体152Cの電子親和力が、半導体152Bの電子親和力より小
さいことが好ましい。
【0185】
また、半導体152A乃至半導体152Cは、各金属原子の原子数比が異なる組み合わ
せにすることが好ましい。具体的には、半導体152A及び半導体152Cに用いる金属
酸化物において、構成元素中の元素Mの原子数比が、半導体152Bに用いる金属酸化物
における、構成元素中の元素Mの原子数比より、大きいことが好ましい。また、半導体1
52A及び半導体152Cに用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比
が、半導体152Bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大
きいことが好ましい。また、半導体152Bに用いる金属酸化物において、元素Mに対す
るInの原子数比が、半導体152A及び半導体152Cに用いる金属酸化物における、
元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。
【0186】
半導体152A及び半導体152Cには、例えばIn:Ga:Zn=1:3:4、In
:Ga:Zn=1:3:2、またはIn:Ga:Zn=1:1:1の組成およびその近傍
の組成を有する金属酸化物を用いることができる。また、半導体152Bには、例えばI
n:Ga:Zn=4:2:3から4.1、In:Ga:Zn=1:1:1、またはIn:
Ga:Zn=5:1:6の組成およびその近傍の組成を有する金属酸化物を用いることが
できる。これらの半導体152A乃至半導体152Cを上記の原子数比の関係を満たして
組み合わせることが好ましい。例えば、半導体152A及び半導体152Cを、In:G
a:Zn=1:3:4の組成およびその近傍の組成を有する金属酸化物、半導体152B
を、In:Ga:Zn=4:2:3から4.1の組成およびその近傍の組成を有する金属
酸化物とするのが好ましい。なお、上記組成は、基体上に形成された酸化物中の原子数比
、またはスパッタターゲットにおける原子数比を示す。
【0187】
また、半導体152A及び半導体152Cとしては、CAAC-OSを用いることが好
ましい。なお、CAAC-OSについては、実施の形態4で説明する。半導体152A及
び半導体152Cとして、CAAC-OSを用いる場合、c軸は、図22において、半導
体152A及び半導体152Cの形成面に対して垂直方向に向かうように配向することが
好ましい。
【0188】
ここで、半導体152A(半導体152C)と半導体152Bの接合部において、伝導
帯下端はなだらかに変化する。換言すると、半導体152A(半導体152C)と半導体
152Bの接合部における伝導帯下端は、連続的に変化または連続接合するともいうこと
ができる。このようにするためには、半導体152A(半導体152C)と半導体152
Bとの界面において形成される混合層の欠陥準位密度を低くするとよい。
【0189】
具体的には、半導体152A(半導体152C)と半導体152Bが、酸素以外に共通
の元素を有する(主成分とする)ことで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することがで
きる。例えば、半導体152BがIn-Ga-Zn酸化物の場合、半導体152A(半導
体152C)として、In-Ga-Zn酸化物、Ga-Zn酸化物、酸化ガリウムなどを
用いるとよい。これにより、半導体152A(半導体152C)と半導体152Bとの界
面における欠陥準位密度を低くすることができる。そのため、界面散乱によるキャリア伝
導への影響が小さくなり、セルトランジスタは高いオン電流を得られる場合がある。
【0190】
なお、図22に示す半導体装置は、図14(B)における半導体151を3層とした構
造であるが、2層とした構造、又は4層以上とした構造であってもよい。
【0191】
また、例えば、図14(B)に示す半導体装置では、絶縁体111が全ての絶縁体10
2の形成面上に位置する構成としたが、本発明の一態様は、セルトランジスタCTrが有
する電荷蓄積層毎に絶縁体111を分割した構成とすることができる。図24(A)では
図10(A)に示す工程の後に、レジストマスク形成とエッチング処理などを行って、
前述した凹部192A、凹部192Bの絶縁体102の形成面上のみに絶縁体111が残
るように、開口部191に含まれる絶縁体111を除去する工程を示している。これによ
り、凹部192A、凹部192Bのそれぞれに含まれる絶縁体102の形成面に絶縁体1
11a、絶縁体111bが形成される。また、別の工程として、開口部191に含まれる
絶縁体111の除去工程において、図24(B)に示すとおり、絶縁体101A(絶縁体
101B、絶縁体101C)が露出されるように、開口部191に含まれる絶縁体102
の領域も除去してもよい。図24(A)の次の工程では、図10(B)から図14(B)
までと同様の工程を行うことによって、図25に示す半導体装置を構成することができる
【0192】
なお、図26には、図25に示す半導体装置の一点鎖線B3-B4における上面図を示
している。図25に示す半導体装置は、絶縁体102を介して、絶縁体101A(絶縁体
101B、絶縁体101C)と重畳する領域において、絶縁体111が除去されている構
成となっているため、図26に示す上面図は、図15(B)に示す上面図において絶縁体
102と絶縁体104の間の絶縁体111がない構成となっている。ところで、図25
示す一点鎖線B1-B2における上面図は、図15(A)とほぼ同様の構成となる場合が
ある。
【0193】
また、例えば、本発明の一態様は、セルトランジスタCTrの信頼性を向上するためと
して、セルトランジスタCTrのゲート電極の構成を、図14(B)に示す構成から変更
してもよい。図27(A)(B)、図28(A)(B)はその半導体装置の作製方法の一
例を示している。
【0194】
図27(A)に示す工程では、図8(B)において、エッチング処理などを用いて、開
口部191の側面に含まれる導電体132A、導電体132Bの一部が除去されて、当該
側面部に凹部196A、凹部196Bが形成される。なお、凹部196A、凹部196B
は、図9(A)に示した凹部192A、凹部192Bよりも深く形成されていてもよい。
【0195】
その後の工程として、図27(B)では、図27(A)において、開口部191の側面
、及び凹部196A、凹部196Bに、半導体153が成膜される。
【0196】
半導体153としては、例えば、実施の形態4で説明する金属酸化物が含まれている材
料を適用するものとする。但し、半導体153に適用できる材料は、これに限定されない
。例えば、半導体153としては、金属酸化物以外の材料を適用できる場合がある。又は
、例えば、半導体153の代替として、導電体、絶縁体などを適用できる場合がある。
【0197】
半導体153の形成方法としては、被覆性の高い成膜方法を用いるのが好ましい。被膜
性の高い成膜方法としては、例えば、ALD法を用いるのが好ましい。また、例えば、C
VD法などを用いてもよい。また、別の成膜方法としては、例えば、スパッタリング法、
ゾルゲル法、電気泳動法、スプレー法などを用いることができる場合がある。
【0198】
次の工程では、図28(A)に示すとおり、レジストマスク形成とエッチング処理など
によって、前述した凹部196A、凹部196Bの一部に半導体153が残るように、凹
部196A、凹部196Bの残り一部の半導体153と、開口部191の側面上に含まれ
る半導体153と、が除去される。これによって、半導体153a、半導体153bが形
成される。
【0199】
この後は、図9(B)から図14(B)までと同様の工程を行うことによって、図28
(B)に示す半導体装置を構成することができる。
【0200】
なお、図29には、図28(B)に示す半導体装置の一点鎖線B1-B2における上面
図を示している。図28(B)に示す半導体装置は、図14(B)に示す半導体装置と比
較して、領域151aにおいて、導電体132A(導電体132B)と絶縁体102との
間に半導体153a(半導体153b)が含まれている構成となっているため、図29
示す上面図は、導電体132Bと絶縁体102との間に半導体153bが含まれている構
成となっている。ところで、図28(B)に示す一点鎖線B3-B4における上面図は、
図15(B)とほぼ同様の構成となる場合がある。
【0201】
半導体153a(半導体153b)は絶縁体102に接することで、絶縁体102に含
まれる水素、水などの不純物が半導体153a(半導体153b)に拡散することがある
。また、半導体153a(半導体153b)は絶縁体102に接することで、絶縁体10
2を介して、絶縁体111及び絶縁体104と重畳する領域に含まれる水素、水などの不
純物が半導体153a(半導体153b)に拡散することがある。また、半導体153a
(半導体153b)は導電体132A(導電体132B)に接することで、導電体132
A(導電体132B)に含まれる水素、水などの不純物が半導体153a(半導体153
b)に拡散することがある。つまり、半導体153a(半導体153b)は、水素、水な
どの不純物を捕集する役割を有する場合がある。これにより、半導体153a(半導体1
53b)が低抵抗化して、セルトランジスタCTrのゲート電極として機能することがで
きる。つまり、図28(B)に示す半導体装置は、半導体153a(半導体153b)に
よって、周辺の水素、水などの不純物を捕集するため、セルトランジスタCTrの信頼性
を高めることができる。
【0202】
また、例えば、本発明の一態様は、電荷蓄積層として適用している絶縁体111の代わ
りに導電体を用いてもよい。図30(A)(B)は、その作製方法の一例を示している。
図30(A)では、図9(B)において、凹部192A、凹部192Bの一部にそれぞれ
導電体138a、導電体138bが形成されている。導電体138a、及び導電体138
bの形成方法としては、開口部191、凹部192A、凹部192Bに導電体138a、
及び導電体138bとなる導電体材料を成膜し、次に、レジストマスク形成とエッチング
処理などによって、凹部192A、凹部192Bの一部にそれぞれ導電体138a、導電
体138bが残るように、当該導電体材料を除去すればよい。その後、図10(B)に示
す絶縁体104の成膜工程から図14(B)に示す絶縁体106の成膜工程までと同様の
工程を行うことで、図30(B)に示す半導体装置を構成することができる。
【0203】
導電体138a、導電体138bの形成方法としては、被覆性の高い成膜方法を用いる
のが好ましい。被膜性の高い成膜方法としては、例えば、ALD法を用いるのが好ましい
。また、例えば、CVD法などを用いてもよい。また、別の成膜方法としては、例えば、
スパッタリング法、ゾルゲル法、電気泳動法、スプレー法などを用いることができる場合
がある。
【0204】
なお、図31には、図30(B)に示す半導体装置の一点鎖線B1-B2における上面
図を示している。図30(B)に示す半導体装置は、半導体151の領域151aと重畳
する領域において、絶縁体102と絶縁体104との間に導電体138a(導電体138
b)が含まれている構成となっているため、図31に示す上面図は、絶縁体102と絶縁
体104の間の導電体138bが含まれている構成となっている。ところで、図30(B
)に示す一点鎖線B3-B4における上面図は、図26とほぼ同様の構成となる場合があ
る。
【0205】
導電体138a及び導電体138bとしては、例えば、前述した導電体132A(導電
体132B)に適用できる材料を用いることができる。但し、導電体138a及び導電体
138bに適用できる材料は、これに限定されない。導電体138a及び導電体138b
の代替として、絶縁体、半導体などを適用できる場合がある。
【0206】
<回路構成例2>
次に、回路構成例1で述べた半導体装置とは異なる、半導体装置の構成について、図3
2(A)を参照して説明する。図32(A)には、n個(nは1以上の整数である。)の
メモリセルの回路図が示されている。すなわち、図32(A)に示す回路は、メモリセル
MC[1]乃至メモリセルMC[n]のメモリセルと、それらを制御するための配線WW
L[1]乃至配線WWL[n]、配線RWL[1]乃至配線RWL[n]、配線WBL、
配線RBLを有する。なお、配線WWLは書き込みワード線として機能し、配線RWLは
読み出しワード線として機能し、配線WBLは書き込みビット線として機能し、配線RB
Lは読み出しビット線として機能する。
【0207】
それぞれのメモリセルMCは、トランジスタWTr、トランジスタRTr、容量素子C
Sを有する。図32(A)に図示しているトランジスタRTrは、バックゲートを有する
トランジスタであり、バックゲートに電位を印加することにより、トランジスタRTrの
しきい値電圧を変動することができる。なお、図32(A)に図示している配線BGLは
、それぞれメモリセルMC[1]乃至メモリセルMC[n]が有するトランジスタRTr
のバックゲートと電気的に接続されている。また、図32(A)に示す半導体装置は、配
線BGLがメモリセルMC[1]乃至メモリセルMC[n]が有するトランジスタRTr
のバックゲートのそれぞれと電気的に接続されている構成でなく、当該バックゲートに対
してそれぞれ独立に電気的に接続して、それぞれ互いに異なった電位を印加する構成とし
てもよい。
【0208】
トランジスタWTrのチャネル形成領域は、例えば、実施の形態4で説明する金属酸化
物を有することが好ましい。特に、インジウム、元素M(元素Mとしては、例えば、アル
ミニウム、ガリウム、イットリウム、錫など)、亜鉛から一、又は複数選ばれた元素を有
する金属酸化物の場合、当該金属酸化物は、ワイドギャップ半導体として機能するため、
当該金属酸化物がチャネル形成領域に含まれているトランジスタは、オフ電流が非常に低
い特性を有する。データの保持を行うトランジスタWTrとして、この特性を有するトラ
ンジスタを適用することにより、メモリセルMCに長時間データを保持することができる
。これにより、保持したデータのリフレッシュ回数を低減することができるため、半導体
装置の消費電力を低減することができる。
【0209】
また、トランジスタRTrのチャネル形成領域としては、トランジスタの電界効果移動
度が高くなる材料を用いるのが好ましい。このようなトランジスタを用いることにより、
半導体装置をより早く動作することができる。例えば、トランジスタRTrのチャネル形
成領域に含まれる材料としては、例えば、シリコン、実施の形態4で説明する金属酸化物
などの半導体材料を有することができる。
【0210】
トランジスタWTrは、書き込みトランジスタとして機能し、トランジスタRTrは読
み出しトランジスタとして機能する。トランジスタWTrのオン状態、オフ状態の切り替
えは、配線WWLに印加される電位によって行われる。容量素子CSの一方の電極の電位
は、配線RWLで制御される。容量素子CSの他方の電極は、トランジスタRTrのゲー
トに電気的に接続されている。容量素子CSの他方の電極をメモリノードと言い換えるこ
とができる。各メモリセルMCのメモリノードは、そのメモリセルMCが有するトランジ
スタWTrの第1端子に電気的に接続されている。
【0211】
また、トランジスタWTrの第2端子は、隣接するメモリセルMCのトランジスタWT
rの第1端子と直列に、電気的に接続されている。同様に、トランジスタRTrの第1端
子は、隣接するメモリセルのトランジスタRTrの第2端子と直列に、電気的に接続され
る。そして、メモリセルMC[n]が有するトランジスタWTrの第2端子は、配線WB
Lと電気的に接続され、メモリセルMC[n]が有するトランジスタRTrの第2端子は
、配線RBLと電気的に接続されている。なお、本実施の形態では、メモリセルMC[n
]が有するトランジスタRTrの第2端子と配線RBLとの接続点をノードN1と呼称し
、メモリセルMC[1]が有するトランジスタRTrの第1端子をノードN2と呼称する
。なお、ノードN1と配線RBLとの間の導通状態を制御するために、トランジスタRT
rと直列に、選択用トランジスタを接続してもよい。同様に、ノードN2と接続された配
線と、ノードN2との間の導通状態を制御するために、トランジスタRTrと直列に、選
択用トランジスタを接続してもよい。
【0212】
なお、本発明の一態様は、図32(A)に示す半導体装置に限定されない。本発明の一
態様は、図32(A)に示す半導体装置を適宜変更した回路構成とすることができる。例
えば、本発明の一態様は、図32(B)に示すとおり、トランジスタWTrにもバックゲ
ートを設けた半導体装置としてもよい。なお、図32(B)に図示している半導体装置は
図32(A)に図示している半導体装置の構成に加え、メモリセルMC[1]乃至メモ
リセルMC[n]が有するトランジスタWTrにバックゲートを設けて、当該バックゲー
トのそれぞれに配線BGLと電気的に接続した構成となっている。また、例えば、本発明
の一態様は、図32(C)に示すとおり、トランジスタRTr、及びトランジスタWTr
にバックゲートを設けない半導体装置としてもよい。
【0213】
ところで、図32(A)(B)(C)に示す半導体装置の記憶容量を更に増やしたい場
合、図32(A)(B)(C)に示す半導体装置をマトリクス状となるように並べて配置
すればよい。例えば、図32(B)に示す半導体装置をマトリクス状となるように並べて
配置した場合、その回路構成は、図33に示す構成となる。
【0214】
図33に示す半導体装置は、図32(B)に示した半導体装置を1列としてm列(mは
1以上の整数である。)並べて配置したもので、配線RWL、及び配線WWLを同じ行の
メモリセルMCと共有するように電気的に接続した構成となっている。つまり、図33
示す半導体装置は、n行m列のマトリクス状の半導体装置であり、メモリセルMC[1,
1]乃至メモリセルMC[n,m]を有する。そのため、図33に示す半導体装置は、配
線RWL[1]乃至配線RWL[n]と、配線WWL[1]乃至配線WWL[n]と、配
線RBL[1]乃至配線RBL[m]と、配線WBL[1]乃至WBL[m]と、配線B
GL[1]乃至配線BGL[m]と、によって、電気的に接続されている。具体的には、
メモリセルMC[j,i](jは1以上n以下の整数であり、iは1以上m以下の整数で
ある。)の容量素子CSの一方の電極は、配線RWL[j]と電気的に接続され、メモリ
セルMC[j,i]のトランジスタWTrのゲートは、配線WWL[j]と電気的に接続
されている。配線WBL[i]は、メモリセルMC[n,i]のトランジスタWTrの第
2端子と電気的に接続され、配線RBL[i]は、メモリセルMC[n,i]のトランジ
スタRTrの第2端子と電気的に接続されている。
【0215】
なお、図33は、メモリセルMC[1,1]、メモリセルMC[1,i]、メモリセル
MC[1,m]、メモリセルMC[j,1]、メモリセルMC[j,i]、メモリセルM
C[j,m]、メモリセルMC[n,1]、メモリセルMC[n,i]、メモリセルMC
[n,m]、配線RWL[1]、配線RWL[j]、配線RWL[n]、配線WWL[1
]、配線WWL[j]、配線WWL[n]、配線RBL[1]、配線RBL[i]、配線
RBL[m]、配線WBL[1]、配線WBL[i]、配線WBL[m]、配線BGL[
1]、配線BGL[i]、配線BGL[m]、容量素子CS、トランジスタWTr、トラ
ンジスタRTr、ノードN1、ノードN2のみ図示しており、それ以外の配線、素子、記
号、及び符号は省略している。
【0216】
また、図32(C)に示した半導体装置を1列としてm列(mは1以上の整数である。
)並べて配置したものを、図34に示す。なお、図34に示す半導体装置は、全てのメモ
リセルMCが有するそれぞれのトランジスタにバックゲートを設けていない構成となって
おり、そのため、図34に示す半導体装置は、配線BGLを有していない。なお、図34
に示す半導体装置については、図33に示す半導体装置の説明の記載を参酌する。
【0217】
<動作方法例2>
次に、図32(A)乃至(C)に示した半導体装置の動作方法の一例について説明する
。なお、以下の説明で用いられる低レベル電位、高レベル電位は、特定の電位を意味する
ものではなく、配線が異なれば、具体的な電位も異なる場合がある。例えば、配線WWL
に印加される低レベル電位、高レベル電位のそれぞれは、配線RWLに印加される低レベ
ル電位、高レベル電位と異なる電位であってもよい。
【0218】
また、本動作方法例において、図32(A)(B)に示した配線BGLには、トランジ
スタRTr、トランジスタWTrが正常に動作する範囲内の電位があらかじめ印加されて
いるものとする。そのため、図32(A)乃至(C)に示す半導体装置の動作は、それぞ
れ互いに同様に考えることができる。
【0219】
図35(A)は、半導体装置にデータを書き込む動作例を示したタイミングチャートで
あり、図35(B)は、半導体装置からデータを読み出す動作例を示したタイミングチャ
ートである。図35(A)(B)のそれぞれのタイミングチャートは、配線WWL[1]
、配線WWL[2]、配線WWL[n]、配線RWL[1]、配線RWL[2]、配線R
WL[n]、ノードN1、及びノードN2の電位の大きさの変化を示している。また、配
線WBLは、配線WBLに供給されるデータについて示している。
【0220】
図35(A)は、データD[1]乃至データD[n]のそれぞれをメモリセルMC[1
]乃至メモリセルMC[n]に書き込む例を示している。なお、データD[1]乃至デー
タD[n]は、2値、多値、アナログ値などとすることができる。そして、データD[1
]乃至データD[n]は、配線WBLから供給されるものとする。つまり、図32(A)
乃至(C)に示す半導体装置の回路構成において、データの書き込みは、メモリセルMC
[1]からメモリセルMC[n]に順次行われる。
【0221】
逆に、メモリセルMC[2]にデータを書き込んだ後に、メモリセルMC[1]にデー
タを書き込もうとすると、一度、メモリセルMC[2]に書き込まれているデータを読み
出して別の場所に保存しないと、メモリセルMC[2]に保持されているデータは、メモ
リセルMC[1]にデータを書き込む段階で失われてしまう。
【0222】
図32(A)乃至(C)に示す半導体装置の回路構成において、メモリセルMC[i]
(ここでのiは2以上n以下の整数とする。)にデータを書きこむ場合、メモリセルMC
[1]乃至メモリセルMC[i-1]に保持されているデータの書き換えを防ぐために、
配線WWL[1]乃至配線WWL[i-1]に低レベル電位を供給して、メモリセルMC
[1]乃至メモリセルMC[i-1]が有するそれぞれのトランジスタWTrをオフ状態
にする。これにより、メモリセルMC[1]乃至メモリセルMC[i-1]に保持されて
いるそれぞれのデータを保護することができる。
【0223】
また、メモリセルMC[i]にデータを書きこむ場合、データは配線WBLから供給さ
れるため、配線WWL[i]乃至配線WWL[n]に高レベル電位を供給して、メモリセ
ルMC[i]乃至メモリセルMC[n]が有するそれぞれのトランジスタWTrを十分な
オン状態にする。これにより、メモリセルMC[i]のメモリノードにデータを保持する
ことができる。
【0224】
なお、図32(A)乃至(C)に示す半導体装置の回路構成にデータを書き込む場合、
配線RBLは他の配線とは独立に制御できるので、特定の電位にする必要は無いが、例え
ば、低レベル電位とすることができる。すなわち、ノードN1の電位は、低レベル電位と
することができる。加えて、ノードN2の電位も、低レベル電位とすることができる。
【0225】
上述を踏まえた上で、図35(A)のタイミングチャートに示す動作例について説明す
る。時刻T10において、配線WWL[1]乃至配線WWL[n]、配線RWL[1]乃
至配線RWL[n]、配線WBL、ノードN1、及びノードN2のそれぞれの電位は、低
レベル電位となっている。
【0226】
時刻T11において、配線WWL[1]乃至配線WWL[n]に高レベル電位の印加が
開始される。これにより、時刻T11から時刻T12までの間において、メモリセルMC
[1]乃至メモリセルMC[n]が有するそれぞれのトランジスタWTrが十分なオン状
態となる。そして、配線WBLには、データD[1]が供給される。メモリセルMC[1
]乃至メモリセルMC[n]が有するそれぞれのトランジスタWTrは十分なオン状態と
なっているため、データD[1]は、メモリセルMC[1]のメモリノードにまで到達し
て書き込まれる。
【0227】
時刻T12において、配線WWL[1]に低レベル電位の印加が開始され、配線WWL
[2]乃至配線WWL[n]には、引き続き、高レベル電位が印加されている。これによ
り、時刻T12から時刻T13までの間において、メモリセルMC[1]が有するトラン
ジスタWTrがオフ状態となり、メモリセルMC[2]乃至メモリセルMC[n]が有す
るそれぞれのトランジスタWTrが十分なオン状態となる。そして、配線WBLには、デ
ータD[2]が供給される。メモリセルMC[2]乃至メモリセルMC[n]が有するそ
れぞれのトランジスタWTrは十分なオン状態となっているため、データD[2]は、メ
モリセルMC[2]のメモリノードにまで到達して書き込まれる。また、メモリセルMC
[1]のトランジスタWTrはオフ状態となっているため、メモリセルMC[1]に保持
されているデータD[1]は、この時刻T12から時刻T13までの書き込み動作によっ
て失われない。
【0228】
時刻T13から時刻T14までの間では、時刻T11から時刻T12までの間のメモリ
セルMC[1]へのデータD[1]の書き込み動作と、時刻T12から時刻T13までの
間のメモリセルMC[2]へのデータD[2]の書き込み動作と、のそれぞれと同様に、
メモリセルMC[3]乃至メモリセルMC[n-1]のそれぞれに順次データD[3]乃
至データD[n-1]が書き込まれる。具体的には、既にデータが書き込まれたメモリセ
ルMC[1]乃至メモリセルMC[j-1](ここでのjは3以上n-1以下の整数とす
る。)が有するトランジスタWTrをオフ状態とし、データが書き込まれていないメモリ
セルMC[j]乃至メモリセルMC[n]が有するトランジスタWTrを十分なオン状態
とし、データD[j]を配線WBLから供給して、メモリセルMC[j]のメモリノード
に書き込めばよい。そして、メモリセルMC[j]へのデータD[j]の書き込みが終了
した場合、メモリセルMC[j]が有するトランジスタWTrをオフ状態として、配線W
BLからデータD[j+1]を供給して、メモリセルMC[j+1]のメモリノードに書
き込む動作を行えばよい。特に、jがn-1のときの書き込み動作は、次に記載する、時
刻T14から時刻T15までの動作を指す。
【0229】
時刻T14において、配線WWL[1]乃至配線WWL[n-1]に低レベル電位が印
加され、配線WWL[n]には、引き続き、高レベル電位が印加されている。これにより
、時刻T14から時刻T15までの間において、メモリセルMC[1]乃至メモリセルM
C[n-1]が有するトランジスタWTrがオフ状態となり、メモリセルMC[n]が有
するトランジスタWTrが十分なオン状態となる。そして、配線WBLには、データD[
n]が供給される。メモリセルMC[n]が有するトランジスタWTrは十分なオン状態
となっているため、データD[n]は、メモリセルMC[n]のメモリノードにまで到達
して書き込まれる。また、メモリセルMC[1]乃至メモリセルMC[n-1]のトラン
ジスタWTrはオフ状態となっているため、メモリセルMC[1]乃至メモリセルMC[
n-1]のそれぞれに保持されているデータD[1]乃至データD[n-1]は、この時
刻T14から時刻T15までの間の書き込み動作によって失われることはない。
【0230】
上述の動作によって、図32(A)乃至(C)に示す半導体装置のいずれか一において
、その半導体装置の有するメモリセルMCに対してデータを書き込むことができる。
【0231】
図35(B)は、データD[1]乃至データD[n]のそれぞれをメモリセルMC[1
]乃至メモリセルMC[n]から読み出すタイミングチャートの例を示している。なお、
このとき、各メモリセルMCに保持されたデータを維持するために、トランジスタWTr
は、オフ状態であることが求められる。そのため、メモリセルMC[1]乃至メモリセル
MC[n]からデータを読み出す動作時において、配線WWL[1]乃至配線WWL[n
]の電位は低レベル電位とする。
【0232】
図32に示す半導体装置の回路構成において、特定のメモリセルMCのデータを読み出
す場合、他のメモリセルMCが有するトランジスタRTrを十分なオン状態とした上で、
当該特定のメモリセルMCが有するトランジスタRTrを飽和領域として動作させる。つ
まり、当該特定のメモリセルMCが有するトランジスタRTrのソース‐ドレイン間に流
れる電流は、ソース‐ドレイン間電圧と、当該特定のメモリセルMCに保持されているデ
ータと、に応じて決定される。
【0233】
例えば、メモリセルMC[k](ここでのkは1以上n以下の整数とする。)に保持さ
れているデータを読み出す場合を考える。このとき、メモリセルMC[k]を除いたメモ
リセルMC[1]乃至メモリセルMC[n]が有するそれぞれのトランジスタRTrを十
分なオン状態にするため、配線RWL[k]を除いた配線RWL[1]乃至配線RWL[
n]に高レベル電位が供給される。
【0234】
一方、メモリセルMC[k]が有するトランジスタRTrは、保持されているデータに
応じたオン状態にするため、配線RWL[k]は、メモリセルMC[k]に当該データを
書き込んだときの配線RWL[k]と同じ電位にする必要がある。なお、ここでは、書き
込み動作時及び読み出し動作時における配線RWL[k]の電位を低レベル電位として考
える。
【0235】
例えば、ノードN1に+3V、ノードN2に0Vの電位を与える。そして、ノードN2
をフローティングにして、その後のノードN2の電位を測定する。配線RWL[k]を除
いた配線RWL[1]乃至配線RWL[n]の電位を高レベル電位とした場合、メモリセ
ルMC[k]を除いたメモリセルMC[1]乃至メモリセルMC[n]が有するトランジ
スタRTrが十分なオン状態となる。一方、メモリセルMC[k]が有するトランジスタ
RTrの第1端子‐第2端子間の電圧は、当該トランジスタRTrのゲートの電位とノー
ドN1の電位によって定まるため、ノードN2の電位はメモリセルMC[k]のメモリノ
ードに保持されたデータに応じて決まる。
【0236】
このようにして、メモリセルMC[k]に保持されているデータを読み出すことができ
る。
【0237】
上述を踏まえた上で、図35(B)のタイミングチャートに示す動作例について説明す
る。時刻T20において、配線WWL[1]乃至配線WWL[n]、配線RWL[1]乃
至配線RWL[n]、配線WBL、ノードN1、及びノードN2のそれぞれの電位は、低
レベル電位となっている。特に、ノードN2は、フローティング状態となっている。そし
て、メモリセルMC[1]乃至メモリセルMC[n]のメモリノードには、それぞれデー
タD[1]乃至データD[n]が保持されているものとする。
【0238】
時刻T21から時刻T22までの間において、配線RWL[1]に低レベル電位の印加
が開始され、配線RWL[2]乃至配線RWL[n]に高レベル電位の印加が開始される
。これにより、時刻T21から時刻T22までの間において、メモリセルMC[2]乃至
メモリセルMC[n]が有するそれぞれのトランジスタRTrが十分なオン状態となる。
そして、メモリセルMC[1]のトランジスタRTrは、メモリセルMC[1]のメモリ
ノードに保持されているデータD[1]に応じたオン状態となる。また、配線RBLに電
位Vを供給する。これにより、ノードN1の電位はVとなり、ノードN2の電位は、
ノードN1の電位VとメモリセルMC[1]のメモリノードに保持されたデータとに応
じて決まる。ここでは、ノードN2の電位を、VD[1]とする。そして、ノードN2の
電位VD[1]を測定することによって、メモリセルMC[1]のメモリノードに保持さ
れたデータD[1]を読み出すことができる。
【0239】
時刻T22から時刻T23までの間において、配線RWL[1]乃至配線RWL[n]
に低レベル電位の印加が開始される。また、ノードN2には、低レベル電位が供給され、
その後、ノードN2はフローティング状態となる。つまり、時刻T22から時刻T23ま
での間において、配線RWL[1]乃至配線RWL[n]、ノードN2のそれぞれの電位
は、時刻T20から時刻T21までの間の状況と同じになる。なお、配線RBLには、引
き続き、電位Vを供給してもよく、又は、低レベル電位を供給してもよい。本動作例で
は、配線RBLは、時刻T21以降、電位Vが供給され続けるものとする。
【0240】
時刻T23から時刻T24までの間において、配線RWL[2]に低レベル電位が印加
され、配線RWL[1]、配線RWL[3]乃至配線RWL[n]に高レベル電位の印加
が開始される。これにより、時刻T23から時刻T24までの間において、メモリセルM
C[1]、メモリセルMC[3]乃至メモリセルMC[n]が有するそれぞれのトランジ
スタRTrが十分なオン状態となる。そして、メモリセルMC[2]のトランジスタRT
rは、メモリセルMC[2]のメモリノードに保持されているデータD[2]に応じたオ
ン状態となる。また、配線RBLには電位Vが引き続き供給されている。これにより、
ノードN2の電位は、ノードN1の電位VとメモリセルMC[2]のメモリノードに保
持されたデータとに応じて決まる。ここでは、ノードN2の電位を、VD[2]とする。
そして、ノードN2の電位VD[2]を測定することによって、メモリセルMC[2]の
メモリノードに保持されたデータD[2]を読み出すことができる。
【0241】
時刻T24から時刻T25までの間では、時刻T20から時刻T22までの間のメモリ
セルMC[1]からのデータD[1]の読み出し動作と、時刻T22から時刻T24まで
の間のメモリセルMC[2]からのデータD[2]の読み出し動作と、のそれぞれと同様
に、メモリセルMC[3]乃至メモリセルMC[n-1]のそれぞれから順次データD[
3]乃至データD[n-1]が読み出される。具体的には、メモリセルMC[j](ここ
でのjは3以上n-1以下の整数とする。)からデータD[j]を読み出す場合、ノード
N2の電位を低レベル電位として、且つノードN2をフローティング状態にした後に、配
線RWL[j]を除いた配線RWL[1]乃至配線RWL[n]に高レベル電位を供給し
て、メモリセルMC[j]を除いたメモリセルMC[1]乃至メモリセルMC[n]が有
するトランジスタRTrを十分なオン状態にし、メモリセルMC[j]が有するトランジ
スタRTrをデータD[j]に応じたオン状態にする。次に、ノードN1の電位をV
することで、ノードN2の電位は、データD[j]に応じた電位となり、この電位を測定
することで、データD[j]を読み出すことができる。なお、メモリセルMC[j]に保
持されたデータD[j]の読み出しが終わった後は、次の読み出し動作の準備として、配
線RWL[1]乃至配線RWL[n]に低レベル電位の印加を開始して、ノードN2の電
位を低レベル電位とし、その後、ノードN2はフローティング状態にする。特に、jがn
-1のとき、この準備は、時刻T25から時刻T26までの間の動作を指す。
【0242】
時刻T25から時刻T26までの間において、配線RWL[1]乃至配線RWL[n]
に低レベル電位の印加が開始される。また、ノードN2に低レベル電位の印加が開始され
、ノードN2の電位が低レベル電位になった後、ノードN2はフローティング状態となる
。つまり、時刻T25から時刻T26までの間において、配線RWL[1]乃至配線RW
L[n]、ノードN2のそれぞれの電位は、時刻T20から時刻T21までの間の状況と
同じになる。なお、配線RBLには、引き続き、電位Vを供給してもよく、又は、低レ
ベル電位を印加してもよい。本動作例では、時刻T21に、配線RBLに電位Vの印加
が開始されており、時刻T22以降は、配線RBLに電位Vが印加され続けるものとす
る。
【0243】
時刻T26において、配線RWL[n]に低レベル電位が印加され、配線RWL[1]
乃至配線RWL[n-1]には、高レベル電位が供給される。これにより、時刻T26か
ら時刻T27までの間において、メモリセルMC[1]乃至メモリセルMC[n-1]が
有するそれぞれのトランジスタRTrが十分なオン状態となる。そして、メモリセルMC
[n]のトランジスタRTrは、メモリセルMC[n]のメモリノードに保持されている
データD[n]に応じたオン状態となる。また、配線RBLには電位Vが引き続き供給
されている。これにより、ノードN2の電位は、ノードN1の電位VとメモリセルMC
[n]のメモリノードに保持されたデータとに応じて決まる。ここでは、ノードN2の電
位を、VD[n]とする。そして、ノードN2の電位VD[n]を測定することによって
、メモリセルMC[n]のメモリノードに保持されたデータD[n]を読み出すことがで
きる。
【0244】
上述の動作によって、図32(A)乃至(C)に示す半導体装置のそれぞれのメモリセ
ルMCからデータを読み出すことができる。
【0245】
<構造例と作製方法例2>
以下、上記で説明した図32乃至図34の回路構成を有する半導体装置の構造の理解を
助けるため、その作製方法について説明する。
【0246】
図36(A)(B)(C)は、図33又は図34の半導体装置を示した模式図の一例で
ある。図36(A)は当該半導体装置の斜視図を示しており、図36(B)は、図36
A)の上面図を示している。更に、図36(C)は、図36(B)の一点鎖線A1‐A2
に対応する断面図を示している。
【0247】
当該半導体装置は、配線RWLと、配線WWLと、絶縁体(図36ではハッチングを図
示していない領域)と、が積層された構造体を有する。
【0248】
加えて、当該構造体に対して、絶縁体と、配線RWLと、配線WWLと、を一括で貫通
するような開口部が形成されている。そして、配線RWL及び配線WWLが貫通された領
域ARにメモリセルMCを設けるために、当該開口部に絶縁体と、導電体と、半導体と、
が形成されている。なお、当該導電体は、メモリセルMCのトランジスタWTr、及び/
又はトランジスタRTrのソース電極、又はドレイン電極として機能し、当該半導体は、
トランジスタWTr、及び/又はトランジスタRTrのチャネル形成領域として機能する
。また、当該導電体を形成せず、当該半導体において、チャネル形成領域と低抵抗領域を
形成して、当該低抵抗領域をトランジスタWTr、及び/又はトランジスタRTrのソー
ス電極、又はドレイン電極として適用してもよい。図36(A)(B)(C)では、該開
口部に絶縁体と、導電体と、半導体と、が形成されている領域を、領域HLとして図示し
ている。特に、図36(A)において、構造体の内部に含まれる領域HLを破線で図示し
ている。なお、メモリセルMCが有するトランジスタにバックゲートが設けられている場
合、領域HLが有する当該導電体は、当該バックゲートと電気的に接続するための配線B
GLとしても機能してよい。
【0249】
つまり、図36において、図32(A)(B)(C)のいずれか一に示した半導体装置
は領域SD1に構成され、図33、又は図34に示した半導体装置は領域SD2に構成さ
れていることを示している。
【0250】
ところで、配線RWL、配線WWLが露出している領域TMは、配線RWL、配線WW
Lのそれぞれに電位を与えるための接続端子として機能する。つまり、領域TMに配線を
電気的に接続することによって、トランジスタWTr、トランジスタRTrのそれぞれの
ゲートに電位を与えることができる。
【0251】
なお、領域TMの形状は、図36に示した構成例に限定されない。本発明の一態様の半
導体装置の構成は、例えば、図36に示す領域TM上に絶縁体が形成され、当該絶縁体に
開口部が設けられ、当該開口部を埋めるように導電体PGが形成された構成としてもよい
図37(A)(B)(C))。なお、導電体PG上には、配線ERが形成されており、
これによって、配線ERと、配線RWLまたは配線WWLと、が電気的に接続される。な
お、図37(A)において、構造体の内部に含まれる導電体PGを破線で図示しており、
領域HLの破線を省略している。
【0252】
以下の作製方法例2では、領域ARに、図32乃至図34に示したメモリセルMCを形
成するための方法について説明する。
【0253】
<<作製方法例2>>
図38乃至図43は、図32(A)に示す半導体装置の作製例を説明するための断面図
であり、特に、トランジスタWTr及びトランジスタRTrのチャネル長方向の断面図を
示している。また、図38乃至図43の断面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省
いて図示している。
【0254】
図38(A)に示すように、図32(A)の半導体装置は、基板(図示しない。)の上
方に配置された絶縁体201Aと、絶縁体201A上に配置された導電体231と、導電
体231上に配置された絶縁体201Bと、絶縁体201B上に配置された導電体232
と、導電体232上に配置された絶縁体201Cと、を有する。なお、以後、これらの複
数の導電体及び複数の絶縁体を有する積層体(以後の工程によっては、これら以外の絶縁
体、導電体等も含まれる。)を、積層体200と記載する。
【0255】
なお、当該基板については、例えば、作製方法例1で説明した基板を適用することがで
きる。
【0256】
導電体231は、図32(A)に示す配線WWLとして機能し、導電体232は、図3
2(A)に示す配線RWLとして機能する。
【0257】
導電体231、導電体232としては、例えば、作製方法例1で説明した導電体132
A、導電体132Bに適用できる材料を用いることができる。加えて、導電体231、導
電体232のそれぞれは、当該材料を複数組み合わせた積層構造としてもよい。また、導
電体231、導電体232の形成方法としては、作製方法例1で説明した導電体132A
、導電体132Bの形成方法を用いることができる。
【0258】
絶縁体201A乃至絶縁体201Cとしては、例えば、作製方法例1で説明した絶縁体
101A乃至絶縁体101Cに適用できる材料を用いることができる。加えて、絶縁体2
01A乃至絶縁体201Cのそれぞれは、当該材料を複数組み合わせた積層構造としても
よい。また、絶縁体201A乃至絶縁体201Cの形成方法としては、作製方法例1で説
明した絶縁体101A乃至絶縁体101Cの形成方法を用いることができる。
【0259】
次の工程では、図38(B)に示すとおり、例えば、レジストマスク形成、エッチング
処理などによって、図38(A)に示す積層体200に対して、開口部291が形成され
る。
【0260】
図38(B)の作製工程で行われるレジストマスクの形成、エッチング処理については
、作製方法例1で説明した記載を参酌する。また、この工程以降に行われるレジストマス
クの形成、及びエッチング処理についても、同様に、作製方法例1で説明した記載を参酌
する。
【0261】
そして、図39(A)に示すとおり、エッチング処理などを用いて、開口部291の側
面に位置する導電体231の一部が除去されて、当該側面部に凹部292が形成される。
ここでは、導電体231としては、積層体200のうち、導電体231が選択的に除去さ
れるような材料(絶縁体201A乃至絶縁体201C、導電体232よりもエッチングレ
ートが高い材料)が適用されているものとする。
【0262】
次の工程では、図39(B)に示すとおり、図39(A)に示す開口部291の側面、
及び凹部292に、絶縁体202が成膜される。
【0263】
絶縁体202は、容量素子CSの1対の電極に挟まれる絶縁膜、及びトランジスタWT
rのゲート絶縁膜として機能する。
【0264】
絶縁体202としては、例えば、酸化シリコンや、酸化窒化シリコンを用いることがで
きる。また、絶縁体202としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、また
はアルミニウムおよびハフニウムを有する酸化物などを用いることができる。また、絶縁
体202としては、これらを積層した絶縁体としてもよい。
【0265】
絶縁体202の形成方法としては、被覆性の高い成膜方法を用いるのが好ましい。被膜
性の高い成膜方法としては、例えば、ALD法を用いるのが好ましい。また、例えば、C
VD法(LPCVD法、PCVD法など)などを用いてもよい。また、別の成膜方法とし
ては、例えば、スパッタリング法などを用いることができる場合がある。
【0266】
次の工程では、図40(A)に示すとおり、図39(B)に示す開口部291の側面、
及び形成されている凹部に、半導体251が成膜される。つまり、絶縁体202の形成面
に半導体251が形成される。
【0267】
半導体251としては、例えば、実施の形態4で説明する金属酸化物が含まれている材
料を適用することができる。又は、半導体251としては、例えば、シリコンが含まれて
いる材料を適用することができる。
【0268】
半導体251の形成方法としては、作製方法例1で説明した半導体151の形成方法の
記載を参酌する。
【0269】
次の工程では、図40(B)に示すとおり、図40(A)に示す開口部291の側面、
及び形成されている凹部に、絶縁体203が成膜される。つまり、半導体251の形成面
に絶縁体203が形成される。
【0270】
絶縁体203に含まれる成分としては、先に形成した半導体251との界面、及び界面
近傍において、半導体251に含まれる成分と化合物を形成する成分でないことが好まし
い。又は、仮に当該化合物が形成されたとしても、当該化合物が絶縁体であることが好ま
しい。又は、仮に当該化合物が形成されたとしても、当該化合物は、半導体251におい
て、キャリアとして寄与しない化合物であることが好ましい。
【0271】
絶縁体203としては、例えば、酸化シリコンなどを用いることができる。
【0272】
絶縁体203の形成方法としては、絶縁体202の形成方法の記載を参酌する。
【0273】
次の工程では、図41(A)に示すとおり、レジストマスク形成、エッチング処理など
によって、前述した凹部のみに絶縁体203が残るように、開口部291に含まれる絶縁
体203の一部が除去される。これによって、絶縁体203aが形成される。なお、この
とき、絶縁体202が開口部291に露出しない程度であれば、半導体251の一部が除
去されていてもよい。
【0274】
ところで、半導体251として金属酸化物を有する材料を適用している場合、形成され
ている開口部291の側面に対して、水素などの不純物を供給する処理を行ってもよい。
なお、この場合、水素などの不純物を供給する処理については、図41(B)に示す供給
処理20を水素などの不純物を供給する工程として考える。図41(B)における供給処
理20は、絶縁体203a、半導体251の領域251bに対して行っている。なお、水
素などの不純物を供給する処理については、図13に示す供給処理11の説明を参酌する
。なお、図41(B)では、半導体251に含まれる成分と、供給処理20によって供給
された不純物と、を含む化合物として、化合物261A(化合物261B)を記載してい
る。この工程を行うことにより、半導体251の領域251bを低抵抗化することができ
る。なお、ここで説明する供給処理20は、必ずしも行わなくてもよい場合がある。
【0275】
また、半導体251としてシリコンを有する材料を適用している場合、形成されている
開口部291の側面に対して、不純物を供給する処理を行ってもよい。なお、この場合、
不純物を供給する処理については、図41(B)に示す供給処理20を、不純物を供給す
る工程として考える。図41(B)では、不純物の供給処理20を半導体251の領域2
51b、及び絶縁体203aに対して行っている工程を示している。なお、供給処理20
を行っている最中は、半導体装置に対して熱処理を行うのが好ましい。なお、不純物とし
ては、例えば、リン、ヒ素などのn型不純物(ドナー)を用いることができる。また、例
えば、不純物としては、ボロン、アルミニウム、ガリウムなどのp型不純物(アクセプタ
)を用いることができる。この工程を行うことにより、半導体251の領域251bに対
して、半導体251の表面、及び表面近傍に不純物領域262A(不純物領域262B)
を形成することができ、半導体251の領域251bを低抵抗化することができる。なお
、ここで説明する供給処理20は、必ずしも行わなくてもよい。
【0276】
また、半導体251として金属酸化物、又はシリコンのどちらか一方を有する材料を適
用した場合において、半導体251の形成面に絶縁体203aが形成された領域251a
では、絶縁体203aがマスクとして不純物を遮蔽する役割を有するため、半導体251
の領域251aには不純物が供給されない。
【0277】
次の工程では、図42(A)に示すとおり、図41(B)に示す開口部291の側面に
、絶縁体204が成膜される。
【0278】
絶縁体204としては、例えば、水、水素などの不純物などの透過を抑制する機能を有
する絶縁性材料を用いることが好ましい。例えば、絶縁体204として、酸化アルミニウ
ムなどを用いることができる。ただし、絶縁体204に適用できる材料は上述に限定せず
、絶縁体204としては、例えば、水、水素などの不純物濃度が低減された膜として、作
製方法例1で説明した絶縁体101A乃至絶縁体101Cに適用できる材料を用いること
ができる。
【0279】
絶縁体204の形成方法としては、絶縁体202の形成方法の記載を参酌する。
【0280】
次の工程では、図42(B)に示すとおり、図42(A)に示す開口部291の側面に
、半導体252が成膜される。つまり、絶縁体204の形成面に半導体252が形成され
る。
【0281】
半導体252としては、例えば、シリコンが含まれる材料を用いることができる。また
、半導体252としては、実施の形態4で説明する金属酸化物などの半導体材料を用いる
ことができる。
【0282】
半導体252の形成方法としては、半導体251の形成方法の記載を参酌する。
【0283】
次の工程では、図43に示すとおり、半導体252の形成面に絶縁体205が成膜され
、残りの開口部291が埋まるように導電体233が成膜される。
【0284】
絶縁体205としては、例えば、上述した絶縁体202に適用できる材料を用いること
ができる。また、絶縁体205は、複数の絶縁体からなる積層構造の構成としてもよい。
【0285】
絶縁体205の形成方法としては、絶縁体202の形成方法の記載を参酌する。
【0286】
導電体233としては、例えば、上述した導電体231、導電体232に適用できる材
料を用いることができる。また、導電体233は、複数の導電体からなる積層構造の構成
としてもよい。
【0287】
導電体233の形成方法としては、被覆性の高い成膜方法を用いるのが好ましい。被膜
性の高い成膜方法としては、例えば、ALD法を用いるのが好ましい。また、例えば、C
VD法などを用いてもよい。また、別の成膜方法としては、例えば、スパッタリング法、
ゾルゲル法、電気泳動法、スプレー法などを用いることができる場合がある。
【0288】
ところで、図43に示す領域281において、図32(A)に示すトランジスタWTr
が構成されている。具体的には、領域281において、導電体231がトランジスタWT
rのゲート電極として機能し、2つの領域251bのそれぞれに含まれる半導体251が
トランジスタWTrのソース電極、ドレイン電極として機能し、領域251aに含まれる
半導体251がトランジスタWTrのチャネル形成領域として機能する。特に、半導体2
51として金属酸化物を含む材料を適用している場合、トランジスタWTrはOSトラン
ジスタを構成していることになる。
【0289】
また、図43に示す領域282において、図32(A)に示す容量素子CSが構成され
ている。具体的には、領域282において、導電体232は、容量素子CSの一方の電極
として機能し、領域251bの一部に含まれる半導体251は、容量素子CSの他方の電
極として機能する。
【0290】
また、図43に示す領域283において、図32(A)に示すトランジスタRTrが構
成されている。具体的には、領域283において、領域251bに含まれる半導体251
の一部がトランジスタRTrのゲート電極として機能し、半導体252がトランジスタR
Trのチャネル形成領域として機能し、導電体233がトランジスタRTrのバックゲー
ト電極として機能する。特に、半導体252として金属酸化物を含む材料を適用している
場合、トランジスタRTrはOSトランジスタを構成していることになる。
【0291】
図38(A)から図43までの工程を行うことにより、図32(A)に示した半導体装
置を作製することができる。
【0292】
図44(A)(B)(C)には、それぞれ図43に示す半導体装置の一点鎖線C1-C
2、一点鎖線C3-C4、一点鎖線C5-C6における上面図を示している。
【0293】
本発明の一態様は、図43に示した半導体装置の構成例に限定されない。本発明の一態
様は、図43に示す半導体装置を適宜変更した構成とすることができる。
【0294】
例えば、本発明の一態様は、前述したとおり、図32(C)に示すようにトランジスタ
WTr、トランジスタRTrにバックゲートが設けられていない半導体装置とすることも
できる。図32(C)に示す半導体装置を作製する場合、図32(A)の半導体装置を作
製する過程において、図42(B)の工程後において、開口部291が埋まるように絶縁
体205を成膜すればよい(図45(A)参照)。
【0295】
また、絶縁体205を複数積層して用いてもよい。例えば、図45(B)に示すように
、半導体252と接する絶縁体205Aには、酸化シリコンを用い、絶縁体205Aと接
する絶縁体205Bには、酸化アルミニウムや、酸化ハフニウムを用いるなど、このよう
に複数の絶縁体材料を組み合わせることができる。
【0296】
絶縁体205A、絶縁体205Bの形成方法としては、絶縁体202の形成方法の記載
を参酌する。
【0297】
なお、図46(A)(B)(C)には、それぞれ図45(A)に示す半導体装置の一点
鎖線C1-C2、一点鎖線C3-C4、一点鎖線C5-C6における上面図を示している
図45(A)に示す半導体装置は、図43の半導体装置と比較して導電体233を設け
ていない構成例となっているため、図46(A)(B)(C)に示す上面図は、図44
A)(B)(C)と比較して、絶縁体205の内側に導電体233を設けていない構成と
なっている。
【0298】
また、例えば、本発明の一態様の半導体装置は、一部の作製工程を変更してもよい。図
47(A)、及び図47(B)は、図41(B)とは異なる、半導体251の領域251
bに対して低抵抗領域を形成する工程を示している。
【0299】
図47(A)に示す工程は、図41(A)に示した工程の後に、開口部291の側面に
対して、導電体239を形成する工程を示している。つまり、絶縁体203a、半導体2
51の領域251bの形成面に導電体239が形成される。このとき、図19(A)、(
B)の工程と同様に、導電体239が半導体251と接することによって、半導体251
の領域251bにおいて、化合物261A(化合物261B)、又は不純物領域262A
(不純物領域262B)が形成される。つまり、半導体251の領域251bが低抵抗化
される。なお、低抵抗化については、図19(A)、(B)の説明の記載を参酌する。
【0300】
導電体239としては、半導体251が有する材料に応じて、図19(A)、(B)で
説明した導電体139に適用できる材料を用いることができる。
【0301】
上述の作製方法によって、半導体251の領域251bは低抵抗領域として形成するこ
とができ、半導体251の領域251aはチャネル形成領域として形成することができる
。なお、低抵抗領域である領域251bは、トランジスタWTrにおける第1端子、及び
/又は第2端子(トランジスタRTrのゲート)に相当するため、上述の作製方法によっ
て、直列に電気的に接続したトランジスタWTr間の電気抵抗を低くすることができる。
【0302】
導電体239の形成方法としては、被覆性の高い成膜方法を用いるのが好ましい。被膜
性の高い成膜方法としては、例えば、ALD法を用いるのが好ましい。また、例えば、C
VD法などを用いてもよい。また、別の成膜方法としては、例えば、スパッタリング法、
ゾルゲル法、電気泳動法、スプレー法などを用いることができる場合がある。
【0303】
次工程では、図47(B)に示す通り、エッチング処理などを用いて、開口部291の
側面に位置する導電体239の除去が行われている。なお、このとき、領域251aと重
畳する絶縁体203aとの界面、及び当該界面近傍のそれぞれ一部が除去されてもよい。
【0304】
以降は、図42(A)から図43までの工程を行うことによって、図41(B)とは異
なる作製工程で、半導体251の領域251bに対して低抵抗領域を形成した半導体装置
を作製することができる。
【0305】
また、図47(A)、(B)とは異なる、低抵抗領域の別の作製方法について説明する
図48(A)は、図41(A)に示した工程の後に、開口部291の側面に対して、絶
縁体207を形成する工程を示している。
【0306】
半導体251が金属酸化物を含む材料である場合、絶縁体207としては、例えば、窒
化シリコンが含まれていることが好ましい。半導体251は絶縁体207に接することで
、絶縁体207に含まれる窒素、窒化物、その他の成分などが半導体251に拡散する場
合がある。また、このとき、積層体200に対して熱処理を行ってもよいし行わなくても
よい。これにより、図48(A)において、半導体251は、絶縁体207との界面、及
び界面近傍において、絶縁体207から拡散される窒素、窒化物、その他の成分などによ
って、化合物261A(化合物261B)が形成される場合がある。これにより、半導体
251の領域251bが低抵抗化される。つまり、トランジスタWTrのソース電極又は
ドレイン電極の一方の抵抗を下げることができる場合がある。
【0307】
半導体251がシリコンを含む材料である場合、絶縁体207としては、例えば、半導
体251に拡散させるための不純物(元素、又はイオン)が含まれていることが好ましい
。当該不純物としてn型不純物(ドナー)を用いる場合、n型不純物としては、例えば、
リン、ヒ素などを用いることができる。また、当該不純物としてp型不純物(アクセプタ
)を用いる場合、p型不純物としては、例えば、ボロン、アルミニウム、ガリウムなどを
用いることができる。
【0308】
半導体251は絶縁体207に接することで、絶縁体207に含まれる不純物(元素、
又はイオン)が半導体251に拡散する場合がある。また、このとき、積層体200に対
して熱処理を行ってもよいし行わなくてもよい。つまり、半導体251の、絶縁体207
に接する界面、及び界面近傍に不純物領域が形成される場合がある。これによって、半導
体251の領域251b、又は半導体251の絶縁体207との界面近傍にキャリアが形
成されるため、領域251bが低抵抗化される場合がある。
【0309】
絶縁体207の形成方法としては、絶縁体202の形成方法の記載を参酌する。
【0310】
次工程では、開口部291の側面に絶縁体208を成膜し、その後、図42(B)から
図43までと同様の工程を行うことで、図48(B)に示す半導体装置を構成することが
できる。
【0311】
半導体252が金属酸化物を有する場合、絶縁体208は、例えば、絶縁体207に含
まれる窒素、窒化物、その他の成分が半導体252に拡散するのを防ぐための絶縁材料と
することができる。この場合、絶縁体208としては、例えば、酸化シリコン、酸化アル
ミニウムなどを用いることができる。なお、半導体252がシリコンを有する場合、絶縁
体208は形成してもよいし、形成しなくてもよい。
【0312】
絶縁体208の形成方法としては、絶縁体202の形成方法の記載を参酌する。
【0313】
なお、図49(A)(B)(C)には、それぞれ図48(B)に示す半導体装置の一点
鎖線C1-C2、一点鎖線C3-C4、一点鎖線C5-C6における上面図を示している
図48(B)に示す半導体装置は、半導体251と半導体252との間に絶縁体207
、及び絶縁体208を有する構成となっているため、図49(A)(B)(C)に示す上
面図は、図44(A)(B)(C)の絶縁体204を、絶縁体207、及び絶縁体208
の積層構造とした構成となっている。
【0314】
また、例えば、本発明の一態様は、半導体251として金属酸化物を有する材料を適用
した場合、図50に示す半導体装置のように半導体251を3層構造とすることができる
図50に示す半導体装置は半導体251を3層構造とした構成となっており、図32
A)の半導体装置を作製する過程において、図40(A)に示す工程で、半導体251と
して半導体253A、半導体253B、半導体253Cを順に形成することによって構成
することができる。
【0315】
なお、図51(A)(B)(C)には、それぞれ図50に示す半導体装置の一点鎖線C
1-C2、一点鎖線C3-C4、一点鎖線C5-C6における上面図を示している。図5
0に示す半導体装置は、絶縁体202の形成面に対して、外側から半導体253A、半導
体253B、半導体253Cの順に成膜された3層構造の構成例となっているため、図5
1(A)(B)(C)に示す上面図は、図44(A)(B)(C)に示す半導体251を
3層構造とした構成となっている。
【0316】
なお、半導体253A、半導体253B、半導体253Cについては、作製方法例1で
説明した半導体152A、半導体152B、半導体152Cの記載を参酌する。また、図
50に示した半導体装置を構成することによる効果についても、作製方法例1で説明した
図22の説明の記載を参酌する。
【0317】
また、例えば、本発明の一態様は、トランジスタWTrの信頼性を向上するためとして
、トランジスタWTrのゲート電極の構成を、図43に示す構成から変更してもよい。図
52(A)(B)、図53(A)(B)はその半導体装置の作製方法の一例を示している
【0318】
図52(A)に示す工程では、図39(B)において、エッチング処理などを用いて、
開口部291の側面に含まれる導電体231の一部が除去されて、当該側面部に凹部29
4が形成される。なお、凹部294は、図39(A)に示した凹部292よりも深く形成
されていてもよい。
【0319】
その後の工程として、図52(B)では、図52(A)において、開口部291の側面
、及び凹部294に、半導体254が成膜される。
【0320】
半導体254としては、例えば、作製方法例1で説明した半導体153に適用できる材
料を用いることができる。
【0321】
半導体254の形成方法としては、半導体251の形成方法の記載を参酌する。
【0322】
次の工程では、図53(A)に示すとおり、レジストマスク形成とエッチング処理など
によって、前述した凹部294の一部に半導体254が残るように、凹部294の残り一
部の半導体254と、開口部291の側面上に含まれる半導体254と、が除去される。
これによって、半導体254aが形成される。
【0323】
この後は、図39(B)から図43までと同様の工程を行うことによって、図53(B
)に示す半導体装置を構成することができる。なお、図53(B)に示す半導体装置を構
成することによる効果は、作製方法例1で説明した図27(A)(B)、図28(A)(
B)の説明の記載を参酌する。
【0324】
なお、図54(A)(B)(C)には、図53(B)に示す半導体装置の一点鎖線C1
-C2、一点鎖線C3-C4、一点鎖線C5-C6における上面図を示している。図53
(B)に示す半導体装置は、図43に示す半導体装置と比較して、領域251aにおいて
、導電体231と絶縁体202との間に半導体254aが含まれている構成となっている
ため、図54(C)に示す上面図は、導電体231と絶縁体202との間に半導体254
aが含まれている構成となっている。ところで、図54(A)(B)に示す一点鎖線C1
-C2、一点鎖線C3-C4における上面図は、図44(A)(B)とほぼ同様の構成と
なる場合がある。
【0325】
上述した作製方法例1、又は作製方法例2によって、多くのデータを保持できる半導体
装置を作製することができる。
【0326】
ここで、図14(B)に示す半導体装置(図1(A)の回路構成)の断面図を図2に示
すセルアレイの構造とした場合の構成例を図55に示す。また、同様に、図43に示す半
導体装置(図32(A)の回路構成)の断面図をセルアレイの構造とした場合の構成例を
図56に示す。なお、領域SD1は、メモリセルMCに相当する。図55に示す通り、配
線WLである導電体と、絶縁体と、を積層した構造体に対して、一括に開口部を設けて、
上述した作製方法例1に記載の通りに作製を行うことで、図1(A)の回路構成を実現す
ることができる。また、図56に示す通り、配線RWL又は配線WWLである導電体と、
絶縁体と、を積層した構造体に対して、一括に開口部を設けて、上述した作製方法例2に
記載の通りに作製を行うことで、図32(A)の回路構成を実現することができる。
【0327】
<周辺回路との接続例>
作製方法例1、又は作製方法例2に示した半導体装置は、その下層に読み出し回路、プ
リチャージ回路などのメモリセルアレイの周辺回路を形成してもよい。この場合、シリコ
ン基板などの上にSiトランジスタを形成して当該周辺回路を構成し、その後、作製方法
例1、又は作製方法例2で、当該周辺回路上に本発明の一態様の半導体装置を形成すれば
よい。図57(A)は、周辺回路をプレーナ型のSiトランジスタで構成して、その上層
に本発明の一態様の半導体装置を形成した断面図である。また、図58(A)は、周辺回
路をFIN型のSiトランジスタで構成して、その上層に本発明の一態様の半導体装置を
形成した断面図である。なお、図57(A)、図58(A)に示す半導体装置は、一例と
して、図14(B)の構成を適用している。
【0328】
図57(A)、図58(A)において、周辺回路を構成するSiトランジスタは、基板
1700上に形成される。素子分離層1701は、複数のSiトランジスタの間に形成さ
れる。Siトランジスタのソース及びドレインとして導電体1712が形成されている。
導電体1730は、チャネル幅方向に延びて形成しており、他のSiトランジスタ、又は
導電体1712に接続されている(図示しない)。
【0329】
基板1700としては、シリコンや炭化シリコンからなる単結晶半導体基板、多結晶半
導体基板、シリコンゲルマニウムからなる化合物半導体基板や、SOI基板などを用いる
ことができる。
【0330】
また、基板1700として、例えば、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属
基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルム、な
どを用いてもよい。また、ある基板を用いて半導体素子を形成し、その後、別の基板に半
導体素子を転置してもよい。図57(A)、図58(A)では、一例として、基板170
0に単結晶シリコンウエハを用いた例を示している。
【0331】
ここで、Siトランジスタの詳細について説明を行う。図57(A)に示すプレーナ型
のSiトランジスタは、チャネル長方向の断面図を示し、図57(B)に示すプレーナ型
のSiトランジスタは、チャネル幅方向の断面図を示している。Siトランジスタは、ウ
ェル1792に設けられたチャネル形成領域1793と、低濃度不純物領域1794及び
高濃度不純物領域1795(これらを合わせて単に不純物領域とも呼ぶ)と、該不純物領
域に接して設けられた導電性領域1796と、チャネル形成領域1793上に設けられた
ゲート絶縁膜1797と、ゲート絶縁膜1797上に設けられたゲート電極1790と、
ゲート電極1790の側面に設けられた側壁絶縁層1798、側壁絶縁層1799とを有
する。なお、導電性領域1796には、金属シリサイド等を用いてもよい。
【0332】
また、図58(A)に示すFIN型のSiトランジスタは、チャネル長方向の断面図を
示し、図58(B)に示すFIN型のSiトランジスタは、チャネル幅方向の断面図を示
している。図58(A)(B)に示すSiトランジスタは、チャネル形成領域1793が
凸形状を有し、その側面及び上面に沿ってゲート絶縁膜1797及びゲート電極1790
が設けられている。本実施の形態では、半導体基板の一部を加工して凸部を形成する場合
を示したが、SOI基板を加工して凸形状を有する半導体層を形成してもよい。
【0333】
基板1700上にSiトランジスタ、導電体1712、導電体1730などによって形
成された回路の上層には絶縁体301が形成されている。また、絶縁体301には、当該
回路と電気的に接続するための導電体311A、導電体311Bが埋め込まれるように形
成されている。ところで、セルトランジスタCTrのチャネル形成領域に金属酸化物が含
まれている場合、絶縁体301、導電体311A、導電体311Bとしては、水素などに
対するバリア性を有する材料を用いることが好ましい。これは、絶縁体301、導電体3
11A、導電体311Bの少なくともいずれか一を介して、Siトランジスタからセルト
ランジスタCTrへの水素の拡散を抑制するためである。
【0334】
絶縁体301としては、上述した絶縁体101A乃至絶縁体101Cに適用できる材料
を用いることができる。
【0335】
導電体311A、導電体311Bとしては、例えば、水素に対するバリア性を有する窒
化タンタル等を用いるとよい。また、窒化タンタルと導電性が高いタングステンを積層す
ることで、配線としての導電性を保持したまま、Siトランジスタからの水素の拡散を抑
制することができる。
【0336】
なお、図58(A)(B)に示す符号は、図57(A)(B)に示す符号と同一である
【0337】
なお、本明細書等で開示された、絶縁体、導電体、半導体などは、PVD(Physi
cal Vapor Deposition)法、CVD(Chemical Vapo
r Deposition)法により形成することができる。PVD法としては、例えば
、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、PLD(Pulsed La
ser Deposition)法などが挙げられる。また、CVD法として、プラズマ
CVD法、熱CVD法などが挙げられる。特に、熱CVD法としては、例えば、MOCV
D(Metal Organic Chemical Vapor Depositio
n)法やALD(Atomic Layer Deposition)法などが挙げられ
る。
【0338】
熱CVD法は、プラズマを使わない成膜方法のため、プラズマダメージにより欠陥が生
成されることが無いという利点を有する。
【0339】
熱CVD法は、原料ガスと酸化剤を同時にチャンバー内に送り、チャンバー内を大気圧
または減圧下とし、基板近傍または基板上で反応させて基板上に堆積させることで成膜を
行ってもよい。
【0340】
また、ALD法は、チャンバー内を大気圧または減圧下とし、反応のための原料ガスが
順次にチャンバーに導入され、そのガス導入の順序を繰り返すことで成膜を行ってもよい
。例えば、それぞれのスイッチングバルブ(高速バルブとも呼ぶ)を切り替えて2種類以
上の原料ガスを順番にチャンバーに供給し、複数種の原料ガスが混ざらないように第1の
原料ガスと同時またはその後に不活性ガス(アルゴン、或いは窒素など)などを導入し、
第2の原料ガスを導入する。なお、同時に不活性ガスを導入する場合には、不活性ガスは
キャリアガスとなり、また、第2の原料ガスの導入時にも同時に不活性ガスを導入しても
よい。また、不活性ガスを導入する代わりに真空排気によって第1の原料ガスを排出した
後、第2の原料ガスを導入してもよい。第1の原料ガスが基板の表面に吸着して第1の薄
い層を成膜し、後から導入される第2の原料ガスと反応して、第2の薄い層が第1の薄い
層上に積層されて薄膜が形成される。このガス導入順序を制御しつつ所望の厚さになるま
で複数回繰り返すことで、段差被覆性に優れた薄膜を形成することができる。薄膜の厚さ
は、ガス導入順序を繰り返す回数によって調節することができるため、精密な膜厚調節が
可能であり、微細なFETを作製する場合に適している。
【0341】
MOCVD法やALD法などの熱CVD法は、これまでに記載した実施形態に開示され
た金属膜、半導体膜、無機絶縁膜など様々な膜を形成することができ、例えば、In-G
a-Zn-O膜を成膜する場合には、トリメチルインジウム(In(CH)、トリ
メチルガリウム(Ga(CH)、及びジメチル亜鉛(Zn(CH)を用いる
。また、これらの組み合わせに限定されず、トリメチルガリウムに代えてトリエチルガリ
ウム(Ga(C)を用いることもでき、ジメチル亜鉛に代えてジエチル亜鉛(
Zn(C)を用いることもできる。
【0342】
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化ハフニウム膜を形成する場合には、溶媒
とハフニウム前駆体化合物を含む液体(ハフニウムアルコキシドや、テトラキスジメチル
アミドハフニウム(TDMAH、Hf[N(CH)などのハフニウムアミド)
を気化させた原料ガスと、酸化剤としてオゾン(O)の2種類のガスを用いる。また、
他の材料としては、テトラキス(エチルメチルアミド)ハフニウムなどがある。
【0343】
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化アルミニウム膜を形成する場合には、溶
媒とアルミニウム前駆体化合物を含む液体(トリメチルアルミニウム(TMA、Al(C
)など)を気化させた原料ガスと、酸化剤としてHOの2種類のガスを用いる
。また、他の材料としては、トリス(ジメチルアミド)アルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、アルミニウムトリス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジ
オナート)などがある。
【0344】
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化シリコン膜を形成する場合には、ヘキサ
クロロジシランを被成膜面に吸着させ、酸化性ガス(O、一酸化二窒素)のラジカルを
供給して吸着物と反応させる。
【0345】
例えば、ALDを利用する成膜装置によりタングステン膜を成膜する場合には、WF
ガスとBガスを順次繰り返し導入して初期タングステン膜を形成し、その後、WF
ガスとHガスを順次繰り返し導入してタングステン膜を形成する。なお、B
スに代えてSiHガスを用いてもよい。
【0346】
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化物半導体膜、例えばIn-Ga-Zn-
O膜を成膜する場合には、In(CHガスとOガスを順次繰り返し導入してIn
-O層を形成し、その後、Ga(CHガスとOガスを順次繰り返し導入してGa
O層を形成し、更にその後Zn(CHガスとOガスを順次繰り返し導入してZn
O層を形成する。なお、これらの層の順番はこの例に限らない。また、これらのガスを用
いてIn-Ga-O層やIn-Zn-O層、Ga-Zn-O層などの混合酸化物層を形成
しても良い。なお、Oガスに替えてAr等の不活性ガスで水をバブリングして得られた
Oガスを用いても良いが、Hを含まないOガスを用いる方が好ましい。また、In
(CHガスにかえて、In(Cガスを用いても良い。また、Ga(CH
ガスにかえて、Ga(Cガスを用いても良い。また、Zn(CH
ガスを用いても良い。
【0347】
なお、本実施の形態で説明した半導体装置のそれぞれの構成例は、互いに適宜組み合わ
せることができる。
【0348】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができ
る。
【0349】
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した半導体装置を有する記憶装置について説
明する。
【0350】
図59に記憶装置の構成の一例を示す。記憶装置2600は、周辺回路2601、及び
メモリセルアレイ2610を有する。周辺回路2601は、ローデコーダ2621、ワー
ド線ドライバ回路2622、ビット線ドライバ回路2630、出力回路2640、コント
ロールロジック回路2660を有する。
【0351】
実施の形態1で説明した図1(A)(B)、図32(A)(B)(C)に図示した半導
体装置は、メモリセルアレイ2610に適用することができる。
【0352】
ビット線ドライバ回路2630は、カラムデコーダ2631、プリチャージ回路263
2、センスアンプ2633、及び書き込み回路2634を有する。プリチャージ回路26
32は、実施の形態1で説明した配線SL、配線BL、配線RBLなど(図59に図示し
ていない)を所定の電位にプリチャージする機能を有する。センスアンプ2633は、メ
モリセルMCから読み出された電位(又は電流)をデータ信号として取得して、当該デー
タ信号を増幅する機能を有する。増幅されたデータ信号は、出力回路2640を介して、
デジタルのデータ信号RDATAとして記憶装置2600の外部に出力される。
【0353】
また、記憶装置2600には、外部から電源電圧として低電源電圧(VSS)、周辺回
路2601用の高電源電圧(VDD)、メモリセルアレイ2610用の高電源電圧(VI
L)が供給される。
【0354】
また、記憶装置2600には、制御信号(CE、WE、RE)、アドレス信号ADDR
、データ信号WDATAが外部から入力される。アドレス信号ADDRは、ローデコーダ
2621及びカラムデコーダ2631に入力され、データ信号WDATAは書き込み回路
2634に入力される。
【0355】
コントロールロジック回路2660は、外部からの入力信号(CE、WE、RE)を処
理して、ローデコーダ2621、カラムデコーダ2631の制御信号を生成する。CEは
、チップイネーブル信号であり、WEは、書き込みイネーブル信号であり、REは、読み
出しイネーブル信号である。コントロールロジック回路2660が処理する信号は、これ
に限定されるものではなく、必要に応じて、他の制御信号を入力すればよい。
【0356】
なお、上述の各回路あるいは各信号は、必要に応じて、適宜、取捨することができる。
【0357】
また、pチャネル型Siトランジスタと、後述する実施の形態の酸化物半導体(好まし
くはIn、Ga、及びZnを含む酸化物)をチャネル形成領域に含むトランジスタを用い
、記憶装置2600に適用することで、小型の記憶装置2600を提供できる。また、消
費電力低減することが可能な記憶装置2600を提供できる。また、動作速度を向上する
ことが可能な記憶装置2600を提供できる。特に、Siトランジスタはpチャネル型の
みとすることで、製造コストを低く抑えることができる。
【0358】
なお、本実施の形態の構成例は、図59の構成に限定されない。例えば、周辺回路26
01の一部、例えばプリチャージ回路2632又は/及びセンスアンプ2633をメモリ
セルアレイ2610の下層に設ける、などのように適宜構成を変更してもよい。
【0359】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができ
る。
【0360】
(実施の形態3)
本実施の形態では、上述の実施の形態で説明した半導体装置を記憶装置として電子部品
に適用する例について、図60を用いて説明する。
【0361】
図60(A)では上述の実施の形態で説明した半導体装置を記憶装置として電子部品に
適用する例について説明する。なお電子部品は、半導体パッケージ、又はIC用パッケー
ジともいう。この電子部品は、端子取り出し方向や、端子の形状に応じて、複数の規格や
名称が存在する。そこで、本実施の形態では、その一例について説明することにする。
【0362】
上記実施の形態1に示すようなトランジスタで構成される半導体装置は、組み立て工程
(後工程)を経て、プリント基板に脱着可能な部品が複数合わさることで完成する。
【0363】
後工程については、図60(A)に示す各工程を経ることで完成させることができる。
具体的には、前工程で得られる素子基板が完成(ステップSTP1)した後、基板の裏面
を研削する(ステップSTP2)。この段階で基板を薄膜化することで、前工程での基板
の反り等を低減し、部品としての小型化を図るためである。
【0364】
基板の裏面を研削して、基板を複数のチップに分離するダイシング工程を行う(ステッ
プSTP3)。そして、分離したチップを個々にピックアップしてリードフレーム上に搭
載し接合する、ダイボンディング工程を行う(ステップSTP4)。このダイボンディン
グ工程におけるチップとリードフレームとの接着は、樹脂による接着や、テープによる接
着等、適宜製品に応じて適した方法を選択する。なお、ダイボンディング工程は、インタ
ーポーザ上に搭載し接合してもよい。
【0365】
なお、本実施の形態において、基板の一方の面に素子が形成されていたとき、基板の一
方の面を表面とし、該基板の他方の面(該基板の素子が形成されていない側の面)を裏面
とする。
【0366】
次いでリードフレームのリードとチップ上の電極とを、金属の細線(ワイヤー)で電気
的に接続する、ワイヤーボンディングを行う(ステップSTP5)。金属の細線には、銀
線や金線を用いることができる。また、ワイヤーボンディングは、ボールボンディングや
、ウェッジボンディングを用いることができる。
【0367】
ワイヤーボンディングされたチップは、エポキシ樹脂等で封止を行うモールド工程が施
される(ステップSTP6)。モールド工程を行うことで電子部品の内部が樹脂で充填さ
れ、機械的な外力による内蔵される回路部やワイヤーに対するダメージを低減することが
でき、また水分や埃による特性の劣化を低減することができる。
【0368】
次いでリードフレームのリードをメッキ処理する。そしてリードを切断及び成形加工す
る(ステップSTP7)。このめっき処理によりリードの錆を防止し、後にプリント基板
に実装する際のはんだ付けをより確実に行うことができる。
【0369】
次いでパッケージの表面に印字処理(マーキング)を施す(ステップSTP8)。そし
て最終的な検査工程(ステップSTP9)を経て電子部品が完成する(ステップSTP1
0)。
【0370】
以上説明した電子部品は、上述の実施の形態で説明した半導体装置を含む構成とするこ
とができる。そのため、信頼性に優れた電子部品を実現することができる。
【0371】
また、完成した電子部品の斜視模式図を図60(B)に示す。図60(B)では、電子
部品の一例として、QFP(Quad Flat Package)の斜視模式図を示し
ている。図60(B)に示す電子部品4700は、リード4701及び回路部4703を
示している。図60(B)に示す電子部品4700は、例えばプリント基板4702に実
装される。このような電子部品4700が複数組み合わされて、それぞれがプリント基板
4702上で電気的に接続されることで電子機器の内部に搭載することができる。完成し
た回路基板4704は、電子機器等の内部に設けられる。
【0372】
なお、本発明の一態様は、上記の電子部品4700に限定せず、ステップSTP1にお
いて作製された素子基板も含まれる。また、本発明の一態様である素子基板は、ステップ
STP2の基板の裏面の研削作業まで行った素子基板も含まれる。また、本発明の一態様
である素子基板は、ステップSTP3のダイシング工程まで行った素子基板も含まれる。
例えば、図60(C)に示す半導体ウェハ4800などが該素子基板に相当する。半導体
ウェハ4800には、そのウェハ4801の上面に複数の回路部4802が形成されてい
る。なお、ウェハ4801の上面において、回路部4802の無い部分は、スペーシング
4803であり、スペーシング4803の一部はダイシング用の領域となる。
【0373】
ダイシングは、一点鎖線で示したスクライブラインSCL1及びスクライブラインSC
L2(ダイシングライン、又は切断ラインと呼ぶ場合がある)に沿って行われる。なお、
スペーシング4803は、ダイシング工程を容易に行うために、複数のスクライブライン
SCL1が平行になるように設け、複数のスクライブラインSCL2が平行になるように
設け、スクライブラインSCL1とスクライブラインSCL2が垂直になるように設ける
のが好ましい。
【0374】
ダイシング工程を行うことにより、図60(D)に示すようなチップ4800aを、半
導体ウェハ4800から切り出すことができる。チップ4800aは、ウェハ4801a
と、回路部4802と、スペーシング4803aと、を有する。なお、スペーシング48
03aは、極力小さくなるようにするのが好ましい。この場合、隣り合う回路部4802
の間のスペーシング4803の幅が、スクライブラインSCL1の切りしろと、又はスク
ライブラインSCL2の切りしろとほぼ同等の長さであればよい。
【0375】
なお、本発明の一態様の素子基板の形状は、図60(C)に図示した半導体ウェハ48
00の形状に限定されない。例えば、図60(E)に示す矩形の形状の半導体ウェハ48
10であってもよい。素子基板の形状は、素子の作製工程、及び素子を作製するための装
置に応じて、適宜変更することができる。
【0376】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができ
る。
【0377】
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態で用いたOSトランジスタのチャネル形成領域に含
まれる金属酸化物について説明を行う。
【0378】
金属酸化物は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特にインジウ
ムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、
イットリウムまたはスズなどが含まれていることが好ましい。また、ホウ素、シリコン、
チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム
、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれ
た一種、または複数種が含まれていてもよい。
【0379】
ここでは、金属酸化物が、インジウム、元素Mおよび亜鉛を有するIn-M-Zn酸化
物である場合を考える。なお、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたは
スズなどとする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素、シリコン、チタ
ン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネ
オジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウムなどがある。ただし、元素
Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。
【0380】
次に、図61(A)、図61(B)、および図61(C)を用いて、本発明に係る金属
酸化物が有するインジウム、元素Mおよび亜鉛の原子数比の好ましい範囲について説明す
る。なお、図61(A)、図61(B)、および図61(C)には、酸素の原子数比につ
いては記載しない。また、金属酸化物が有するインジウム、元素M、および亜鉛の原子数
比のそれぞれの項を[In]、[M]、および[Zn]とする。
【0381】
図61(A)、図61(B)、および図61(C)において、破線は、[In]:[M
]:[Zn]=(1+α):(1-α):1の原子数比(-1≦α≦1)となるライン、
[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1-α):2の原子数比となるライン、[
In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1-α):3の原子数比となるライン、[I
n]:[M]:[Zn]=(1+α):(1-α):4の原子数比となるライン、および
[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1-α):5の原子数比となるラインを表
す。
【0382】
また、一点鎖線は、[In]:[M]:[Zn]=5:1:βの原子数比(β≧0)と
なるライン、[In]:[M]:[Zn]=2:1:βの原子数比となるライン、[In
]:[M]:[Zn]=1:1:βの原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn
]=1:2:βの原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=1:3:βの原
子数比となるライン、および[In]:[M]:[Zn]=1:4:βの原子数比となる
ラインを表す。
【0383】
また、図61(A)、図61(B)、および図61(C)に示す、[In]:[M]:
[Zn]=0:2:1の原子数比、およびその近傍値の金属酸化物は、スピネル型の結晶
構造をとりやすい。
【0384】
また、金属酸化物中に複数の相が共存する場合がある(二相共存、三相共存など)。例
えば、原子数比が[In]:[M]:[Zn]=0:2:1の近傍値である場合、スピネ
ル型の結晶構造と層状の結晶構造との二相が共存しやすい。また、原子数比が[In]:
[M]:[Zn]=1:0:0の近傍値である場合、ビックスバイト型の結晶構造と層状
の結晶構造との二相が共存しやすい。金属酸化物中に複数の相が共存する場合、異なる結
晶構造の間において、結晶粒界が形成される場合がある。
【0385】
図61(A)に示す領域Aは、金属酸化物が有する、インジウム、元素M、および亜鉛
の原子数比の好ましい範囲の一例について示している。
【0386】
金属酸化物は、インジウムの含有率を高くすることで、金属酸化物のキャリア移動度(
電子移動度)を高くすることができる。従って、インジウムの含有率が高い金属酸化物は
インジウムの含有率が低い金属酸化物と比較してキャリア移動度が高くなる。
【0387】
一方、金属酸化物中のインジウムおよび亜鉛の含有率が低くなると、キャリア移動度が
低くなる。従って、原子数比が[In]:[M]:[Zn]=0:1:0、およびその近
傍値である場合(例えば図61(C)に示す領域C)は、絶縁性が高くなる。
【0388】
従って、本発明の一態様の金属酸化物は、キャリア移動度が高く、かつ、結晶粒界が少
ない層状構造となりやすい、図61(A)の領域Aで示される原子数比を有することが好
ましい。
【0389】
特に、図61(B)に示す領域Bでは、領域Aの中でも、CAAC(c-axis a
ligned crystalline)-OSとなりやすく、キャリア移動度も高い優
れた金属酸化物が得られる。
【0390】
CAAC-OSは、c軸配向性を有し、かつa-b面方向において複数のナノ結晶が連
結し、歪みを有した結晶構造である。なお、歪みとは、複数のナノ結晶が連結する領域に
おいて、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向き
が変化している箇所を指す。
【0391】
ナノ結晶は、六角形を基本とするが、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合
がある。また、歪みにおいて、五角形、および七角形などの格子配列を有する場合がある
。なお、CAAC-OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウ
ンダリーともいう)を確認することはできない。即ち、格子配列の歪みによって、結晶粒
界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC-OSが、a-b面方向にお
いて酸素原子の配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が
変化することなどによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
【0392】
CAAC-OSは結晶性の高い金属酸化物である。一方、CAAC-OSは、明確な結
晶粒界を確認することはできないため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりに
くいといえる。また、金属酸化物の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下
する場合があるため、CAAC-OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない金属酸化
物ともいえる。従って、CAAC-OSを有する金属酸化物は、物理的性質が安定する。
そのため、CAAC-OSを有する金属酸化物は熱に強く、信頼性が高い。
【0393】
なお、領域Bは、[In]:[M]:[Zn]=4:2:3から4.1、およびその近
傍値を含む。近傍値には、例えば、[In]:[M]:[Zn]=5:3:4が含まれる
。また、領域Bは、[In]:[M]:[Zn]=5:1:6、およびその近傍値、およ
び[In]:[M]:[Zn]=5:1:7、およびその近傍値を含む。
【0394】
なお、金属酸化物が有する性質は、原子数比によって一義的に定まらない。同じ原子数
比であっても、形成条件により、金属酸化物の性質が異なる場合がある。例えば、金属酸
化物をスパッタリング装置にて成膜する場合、ターゲットの原子数比からずれた原子数比
の膜が形成される。また、成膜時の基板温度によっては、ターゲットの[Zn]よりも、
膜の[Zn]が小さくなる場合がある。従って、図示する領域は、金属酸化物が特定の特
性を有する傾向がある原子数比を示す領域であり、領域A乃至領域Cの境界は厳密ではな
い。
【0395】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができ
る。
【0396】
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記実施の形態の半導体装置を備えることができるCPUについて
説明する。
【0397】
図62は、実施の形態1で説明した半導体装置を一部に用いたCPUの一例の構成を示
すブロック図である。
【0398】
図62に示すCPUは、基板1190上に、ALU1191(ALU:Arithme
tic logic unit、演算回路)、ALUコントローラ1192、インストラ
クションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、タイミングコントロー
ラ1195、レジスタ1196、レジスタコントローラ1197、バスインターフェース
1198(Bus I/F)、書き換え可能なROM1199、及びROMインターフェ
ース1189(ROM I/F)を有している。基板1190は、半導体基板、SOI基
板、ガラス基板などを用いる。ROM1199及びROMインターフェース1189は、
別チップに設けてもよい。もちろん、図62に示すCPUは、その構成を簡略化して示し
た一例にすぎず、実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。例えば
図62に示すCPUまたは演算回路を含む構成を一つのコアとし、当該コアを複数含み
、それぞれのコアが並列で動作するような構成、つまりGPUのような構成としてもよい
。また、CPUが内部演算回路やデータバスで扱えるビット数は、例えば8ビット、16
ビット、32ビット、64ビットなどとすることができる。
【0399】
バスインターフェース1198を介してCPUに入力された命令は、インストラクショ
ンデコーダ1193に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ1192、イン
タラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントロー
ラ1195に入力される。
【0400】
ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントロ
ーラ1197、タイミングコントローラ1195は、デコードされた命令に基づき、各種
制御を行なう。具体的にALUコントローラ1192は、ALU1191の動作を制御す
るための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ1194は、CPUのプログ
ラム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマス
ク状態から判断し、処理する。レジスタコントローラ1197は、レジスタ1196のア
ドレスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ1196の読み出しや書き込みを行なう
【0401】
また、タイミングコントローラ1195は、ALU1191、ALUコントローラ11
92、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、及び
レジスタコントローラ1197の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタ
イミングコントローラ1195は、基準クロック信号を元に、内部クロック信号を生成す
る内部クロック生成部を備えており、内部クロック信号を上記各種回路に供給する。
【0402】
図62に示すCPUでは、レジスタ1196に、メモリセルが設けられている。レジス
タ1196のメモリセルとして、先の実施の形態に示したトランジスタを用いることがで
きる。
【0403】
図62に示すCPUにおいて、レジスタコントローラ1197は、ALU1191から
の指示に従い、レジスタ1196における保持動作の選択を行う。すなわち、レジスタ1
196が有するメモリセルにおいて、フリップフロップによるデータの保持を行うか、容
量素子によるデータの保持を行うかを、選択する。フリップフロップによるデータの保持
が選択されている場合、レジスタ1196内のメモリセルへの、電源電圧の供給が行われ
る。容量素子におけるデータの保持が選択されている場合、容量素子へのデータの書き換
えが行われ、レジスタ1196内のメモリセルへの電源電圧の供給を停止することができ
る。
【0404】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができ
る。
【0405】
(実施の形態6)
上記実施の形態の記憶装置はメモリカード(例えば、SDカード)、USB(Univ
ersal Serial Bus)メモリ、SSD(Solid State Dri
ve)等の各種のリムーバブル記憶装置に適用することができる。本実施の形態では、リ
ムーバブル記憶装置の幾つかの構成例について、図63を用いて、説明する。
【0406】
図63(A)はUSBメモリの模式図である。USBメモリ5100は、筐体5101
、キャップ5102、USBコネクタ5103及び基板5104を有する。基板5104
は、筐体5101に収納されている。基板5104には、記憶装置及び該記憶装置を駆動
する回路が設けられている。例えば、基板5104には、メモリチップ5105、コント
ローラチップ5106が取り付けられている。メモリチップ5105は、実施の形態2で
説明したメモリセルアレイ2610、ワード線ドライバ回路2622、ローデコーダ26
21、センスアンプ2633、プリチャージ回路2632、カラムデコーダ2631など
が組み込まれている。コントローラチップ5106は、具体的にはプロセッサ、ワークメ
モリ、ECC回路等が組み込まれている。なお、メモリチップ5105とコントローラチ
ップ5106とのそれぞれの回路構成は、上述の記載に限定せず、適宜回路構成を変更し
てもよい。例えば、ワード線ドライバ回路2622、ローデコーダ2621、センスアン
プ2633、プリチャージ回路2632、カラムデコーダ2631をメモリチップ510
5でなく、コントローラチップ5106に組み込んだ構成としてもよい。USBコネクタ
5103が外部装置と接続するためのインターフェースとして機能する。
【0407】
図63(B)はSDカードの外観の模式図であり、図63(C)は、SDカードの内部
構造の模式図である。SDカード5110は、筐体5111、コネクタ5112及び基板
5113を有する。コネクタ5112が外部装置と接続するためのインターフェースとし
て機能する。基板5113は筐体5111に収納されている。基板5113には、記憶装
置及び記憶装置を駆動する回路が設けられている。例えば、基板5113には、メモリチ
ップ5114、コントローラチップ5115が取り付けられている。メモリチップ511
4には、実施の形態2で説明したメモリセルアレイ2610、ワード線ドライバ回路26
22、ローデコーダ2621、センスアンプ2633、プリチャージ回路2632、カラ
ムデコーダ2631などが組み込まれている。コントローラチップ5115には、プロセ
ッサ、ワークメモリ、ECC回路等が組み込まれている。なお、メモリチップ5114と
コントローラチップ5115とのそれぞれの回路構成は、上述の記載に限定せず、適宜回
路構成を変更してもよい。例えば、ワード線ドライバ回路2622、ローデコーダ262
1、センスアンプ2633、プリチャージ回路2632、カラムデコーダ2631をメモ
リチップ5114でなく、コントローラチップ5115に組み込んだ構成としてもよい。
【0408】
基板5113の裏面側にもメモリチップ5114を設けることで、SDカード5110
の容量を増やすことができる。また、無線通信機能を備えた無線チップを基板5113に
設けてもよい。これによって、外部装置とSDカード5110との間で無線通信を行うこ
とができ、メモリチップ5114のデータの読み出し、書き込みが可能となる。
【0409】
図63(D)はSSDの外観の模式図であり、図63(E)は、SSDの内部構造の模
式図である。SSD5150は、筐体5151、コネクタ5152及び基板5153を有
する。コネクタ5152が外部装置と接続するためのインターフェースとして機能する。
基板5153は筐体5151に収納されている。基板5153には、記憶装置及び記憶装
置を駆動する回路が設けられている。例えば、基板5153には、メモリチップ5154
、メモリチップ5155、コントローラチップ5156が取り付けられている。メモリチ
ップ5154には、実施の形態2で説明したメモリセルアレイ2610、ワード線ドライ
バ回路2622、ローデコーダ2621、センスアンプ2633、プリチャージ回路26
32、カラムデコーダ2631などが組み込まれている。基板5153の裏面側にもメモ
リチップ5154を設けることで、SSD5150の容量を増やすことができる。メモリ
チップ5155にはワークメモリが組み込まれている。例えば、メモリチップ5155に
は、DRAMチップを用いればよい。コントローラチップ5156には、プロセッサ、E
CC回路などが組み込まれている。なお、メモリチップ5154と、メモリチップ515
5と、コントローラチップ5115と、のそれぞれの回路構成は、上述の記載に限定せず
、適宜回路構成を変更しても良い。例えば、コントローラチップ5156にも、ワークメ
モリとして機能するメモリを設けてもよい。
【0410】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができ
る。
【0411】
(実施の形態7)
本実施の形態では、上記実施の形態の半導体装置、又は記憶装置を適用することができ
る電子機器の一例について説明する。
【0412】
<ノート型パーソナルコンピュータ>
本発明の一態様の半導体装置、又は記憶装置は、ノート型パーソナルコンピュータに備
えることができる。図64(A)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体540
1、表示部5402、キーボード5403、ポインティングデバイス5404等を有する
【0413】
<スマートウォッチ>
本発明の一態様の半導体装置、又は記憶装置は、ウェアラブル端末に備えることができ
る。図64(B)はウェアラブル端末の一種であるスマートウォッチであり、筐体590
1、表示部5902、操作ボタン5903、操作子5904、バンド5905などを有す
る。また、表示部5902に、位置入力装置としての機能が付加された表示装置を用いる
ようにしてもよい。また、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパネルを設け
ることで付加することができる。あるいは、位置入力装置としての機能は、フォトセンサ
とも呼ばれる光電変換素子を表示装置の画素部に設けることでも、付加することができる
。また、操作ボタン5903にスマートウォッチを起動する電源スイッチ、スマートウォ
ッチのアプリケーションを操作するボタン、音量調整ボタン、または表示部5902を点
灯、あるいは消灯するスイッチなどのいずれかを備えることができる。また、図64(B
)に示したスマートウォッチでは、操作ボタン5903の数を2個示しているが、スマー
トウォッチが有する操作ボタンの数は、これに限定されない。また、操作子5904は、
スマートウォッチの時刻合わせを行うリューズとして機能する。また、操作子5904は
、時刻合わせ以外に、スマートウォッチのアプリケーションを操作する入力インターフェ
ースとして、用いるようにしてもよい。なお、図64(B)に示したスマートウォッチで
は、操作子5904を有する構成となっているが、これに限定せず、操作子5904を有
さない構成であってもよい。
【0414】
<ビデオカメラ>
本発明の一態様の半導体装置、又は記憶装置は、ビデオカメラに備えることができる。
図64(C)はビデオカメラであり、第1筐体5801、第2筐体5802、表示部58
03、操作キー5804、レンズ5805、接続部5806等を有する。操作キー580
4及びレンズ5805は第1筐体5801に設けられており、表示部5803は第2筐体
5802に設けられている。そして、第1筐体5801と第2筐体5802とは、接続部
5806により接続されており、第1筐体5801と第2筐体5802の間の角度は、接
続部5806により変更が可能である。表示部5803における映像を、接続部5806
における第1筐体5801と第2筐体5802との間の角度に従って切り替える構成とし
てもよい。
【0415】
<携帯電話>
本発明の一態様の半導体装置、又は記憶装置は、携帯電話に備えることができる。図6
4(D)は、情報端末の機能を有する携帯電話であり、筐体5501、表示部5502、
マイク5503、スピーカ5504、操作ボタン5505を有する。また、表示部550
2に、位置入力装置としての機能が付加された表示装置を用いるようにしてもよい。また
、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパネルを設けることで付加することが
できる。あるいは、位置入力装置としての機能は、フォトセンサとも呼ばれる光電変換素
子を表示装置の画素部に設けることでも、付加することができる。また、操作ボタン55
05に携帯電話を起動する電源スイッチ、携帯電話のアプリケーションを操作するボタン
、音量調整ボタン、または表示部5502を点灯、あるいは消灯するスイッチなどのいず
れかを備えることができる。
【0416】
また、図64(D)に示した携帯電話では、操作ボタン5505の数を2個示している
が、携帯電話が有する操作ボタンの数は、これに限定されない。また、図示していないが
図64(D)に示した携帯電話は、フラッシュライト、または照明の用途として発光装
置を有する構成であってもよい。
【0417】
<テレビジョン装置>
本発明の一態様の半導体装置、又は記憶装置は、テレビジョン装置に適用することがで
きる。図64(E)は、テレビジョン装置を示す斜視図である。テレビジョン装置は、筐
体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、ま
たは操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度
、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、
電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定
する機能を含むもの)などを有する。本発明の一態様の記憶装置は、テレビジョン装置に
備えることができる。テレビジョン装置は、例えば、50インチ以上、または100イン
チ以上の表示部9001を組み込むことが可能である。
【0418】
<移動体>
本発明の一態様の半導体装置、又は記憶装置は、移動体である自動車の運転席周辺に適
用することもできる。
【0419】
例えば、図64(F)は、自動車の室内におけるフロントガラス周辺を表す図である。
図64(F)では、ダッシュボードに取り付けられた表示パネル5701、表示パネル5
702、表示パネル5703の他、ピラーに取り付けられた表示パネル5704を図示し
ている。
【0420】
表示パネル5701乃至表示パネル5703は、ナビゲーション情報、スピードメータ
ーやタコメーター、走行距離、給油量、ギア状態、エアコンの設定など、その他様々な情
報を提供することができる。また、表示パネルに表示される表示項目やレイアウトなどは
、ユーザの好みに合わせて適宜変更することができ、デザイン性を高めることが可能であ
る。表示パネル5701乃至表示パネル5703は、照明装置として用いることも可能で
ある。
【0421】
表示パネル5704には、車体に設けられた撮像手段からの映像を映し出すことによっ
て、ピラーで遮られた視界(死角)を補完することができる。すなわち、自動車の外側に
設けられた撮像手段からの画像を表示することによって、死角を補い、安全性を高めるこ
とができる。また、見えない部分を補完する映像を映すことによって、より自然に違和感
なく安全確認を行うことができる。表示パネル5704は、照明装置として用いることも
できる。
【0422】
本発明の一態様の半導体装置、又は記憶装置は、例えば、表示パネル5701乃至表示
パネル5704に画像を表示する際に用いられる、画像データを一時的に格納するフレー
ムメモリや、移動体が有するシステムを駆動するプログラムを保存する記憶装置などに用
いることができる。
【0423】
また、図示していないが、図64(A)、(B)、(E)、(F)に示した電子機器は
、マイク及びスピーカを有する構成であってもよい。この構成により、例えば、上述した
電子機器に音声入力機能を付することができる。
【0424】
また、図示していないが、図64(A)、(B)、(D)乃至(F)に示した電子機器
は、カメラを有する構成であってもよい。
【0425】
また、図示していないが、図64(A)乃至(F)に示した電子機器は、筐体の内部に
センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、
化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振
動、におい又は赤外線などを測定する機能を含むもの)を有する構成であってもよい。特
に、図64(D)に示す携帯電話に、ジャイロ、加速度センサなどの傾きを検出するセン
サを有する検出装置を設けることで、該携帯電話の向き(鉛直方向に対して該携帯電話が
どの向きに向いているか)を判断して、表示部5502の画面表示を、該携帯電話の向き
に応じて自動的に切り替えるようにすることができる。
【0426】
また、図示していないが、図64(A)乃至(F)に示した電子機器は、指紋、静脈、
虹彩、又は声紋など生体情報を取得する装置を有する構成であってもよい。この構成を適
用することによって、生体認証機能を有する電子機器を実現することができる。
【0427】
また、図64(A)乃至(F)に示した電子機器の表示部として、可撓性を有する基材
を用いてもよい。具体的には、該表示部は、可撓性を有する基材上にトランジスタ、容量
素子、及び表示素子などを設けた構成としてもよい。この構成を適用することによって、
図64(A)乃至(F)に示した電子機器のように平らな面を有する筐体だけでなく、曲
面を有するような筐体の電子機器を実現することができる。
【0428】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができ
る。
【0429】
(本明細書等の記載に関する付記)
以上の実施の形態における各構成の説明について、以下に付記する。
【0430】
<実施の形態で述べた本発明の一態様に関する付記>
各実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて、本発明の
一態様とすることができる。また、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場
合は、互いに構成例を適宜組み合わせることが可能である。
【0431】
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の
形態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)と、一つ若しくは複数の別の実施の形態で
述べる内容(一部の内容でもよい)との少なくとも一つの内容に対して、適用、組み合わ
せ、又は置き換えなどを行うことができる。
【0432】
なお、実施の形態の中で述べる内容とは、各々の実施の形態において、様々な図を用い
て述べる内容、又は明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。
【0433】
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)は、その図の別の部分
、その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)と、一つ若しくは複数の別の実
施の形態において述べる図(一部でもよい)との少なくとも一つの図に対して、組み合わ
せることにより、さらに多くの図を構成させることができる。
【0434】
<序数詞に関する付記>
本明細書等において、「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同
を避けるために付したものである。従って、構成要素の数を限定するものではない。また
、構成要素の順序を限定するものではない。また例えば、本明細書等の実施の形態の一に
おいて「第1」に言及された構成要素が、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲にお
いて「第2」に言及された構成要素とすることもありうる。また例えば、本明細書等の実
施の形態の一において「第1」に言及された構成要素を、他の実施の形態、あるいは特許
請求の範囲において省略することもありうる。
【0435】
<図面を説明する記載に関する付記>
実施の形態について図面を参照しながら説明している。但し、実施の形態は多くの異な
る態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなく、その形態
及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は
、実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態の発明の
構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共
通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0436】
また、本明細書等において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の
位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。構成同士の位置関係は
、各構成を描写する方向に応じて適宜変化する。そのため、配置を示す語句は、明細書等
で説明した記載に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。例えば、「
導電体の上面に位置する絶縁体」の表現では、示している図面の向きを180度回転する
ことによって、「導電体の下面に位置する絶縁体」と言い換えることができる。
【0437】
また、「上」や「下」の用語は、構成要素の位置関係が直上又は直下で、かつ、直接接
していることを限定するものではない。例えば、「絶縁層A上の電極B」の表現であれば
、絶縁層Aの上に電極Bが直接接して形成されている必要はなく、絶縁層Aと電極Bとの
間に他の構成要素を含むものを除外しない。
【0438】
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、説明の便宜上任意の大きさに示
したものである。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は明確性を期
すために模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば
、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信
号、電圧、若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
【0439】
また、図面において、斜視図などにおいて、図面の明確性を期すために、一部の構成要
素の記載を省略している場合がある。
【0440】
また、図面において、同一の要素又は同様な機能を有する要素、同一の材質の要素、あ
るいは同時に形成される要素等には同一の符号を付す場合があり、その繰り返しの説明は
省略する場合がある。
【0441】
<言い換え可能な記載に関する付記>
本明細書等において、トランジスタの接続関係を説明する際、「ソース又はドレインの
一方」(又は第1電極、又は第1端子)、「ソース又はドレインの他方」(又は第2電極
、又は第2端子)という表記を用いる。これは、トランジスタのソースとドレインは、ト
ランジスタの構造又は動作条件等によって変わるためである。なおトランジスタのソース
とドレインの呼称については、ソース(ドレイン)端子や、ソース(ドレイン)電極等、
状況に応じて適切に言い換えることができる。また、本明細書等では、ゲート以外の2つ
の端子を第1端子、第2端子と呼ぶ場合や、第3端子、第4端子と呼ぶ場合がある。なお
、本明細書等において、チャネル形成領域はチャネルが形成される領域を指し、ゲートに
電位を印加することでこの領域が形成されて、ソース‐ドレイン間に電流を流すことがで
きる。
【0442】
また、ソースやドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路
動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明
細書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとす
る。
【0443】
また、本明細書等に記載するトランジスタが2つ以上のゲートを有するとき(この構成
をデュアルゲート構造という場合がある)、それらのゲートを第1ゲート、第2ゲートと
呼ぶ場合や、フロントゲート、バックゲートと呼ぶ場合がある。特に、「フロントゲート
」という語句は、単に「ゲート」という語句に互いに言い換えることができる。また、「
バックゲート」という語句は、単に「ゲート」という語句に互いに言い換えることができ
る。なお、ボトムゲートとは、トランジスタの作製時において、チャネル形成領域よりも
先に形成される端子のことをいい、「トップゲート」とは、トランジスタの作製時におい
て、チャネル形成領域よりも後に形成される端子のことをいう。
【0444】
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に
限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり
、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「
配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
【0445】
また、本明細書等において、電圧と電位は、適宜言い換えることができる。電圧は、基
準となる電位からの電位差のことであり、例えば基準となる電位をグラウンド電位(接地
電位)とすると、電圧を電位に言い換えることができる。グラウンド電位は必ずしも0V
を意味するとは限らない。なお電位は相対的なものであり、基準となる電位によっては、
配線等に与える電位を変化させる場合がある。
【0446】
なお本明細書等において、「膜」、「層」などの語句は、場合によっては、又は、状況
に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導
電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、例えば、「絶縁膜」という
用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、場合によって
は、又は、状況に応じて、「膜」、「層」などの語句を使わずに、別の用語に入れ替える
ことが可能である。例えば、「導電層」又は「導電膜」という用語を、「導電体」という
用語に変更することが可能な場合がある。又は、例えば、「絶縁層」「絶縁膜」という用
語を、「絶縁体」という用語に変更することが可能な場合がある。
【0447】
なお本明細書等において、「配線」、「信号線」、「電源線」などの用語は、場合によ
っては、又は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「配線」と
いう用語を、「信号線」という用語に変更することが可能な場合がある。また、例えば、
「配線」という用語を、「電源線」などの用語に変更することが可能な場合がある。また
、その逆も同様で、「信号線」「電源線」などの用語を、「配線」という用語に変更する
ことが可能な場合がある。「電源線」などの用語は、「信号線」などの用語に変更するこ
とが可能な場合がある。また、その逆も同様で「信号線」などの用語は、「電源線」など
の用語に変更することが可能な場合がある。また、配線に印加されている「電位」という
用語を、場合によっては、又は、状況に応じて、「信号」などという用語に変更すること
が可能な場合がある。また、その逆も同様で、「信号」などの用語は、「電位」という用
語に変更することが可能な場合がある。
【0448】
<語句の定義に関する付記>
以下では、上記実施の形態中で言及した語句の定義について説明する。
【0449】
<<半導体の不純物について>>
半導体の不純物とは、例えば、半導体層を構成する主成分以外をいう。例えば、濃度が
0.1原子%未満の元素は不純物である。不純物が含まれることにより、例えば、半導体
にDOS(Density of States)が形成されることや、キャリア移動度
が低下することや、結晶性が低下することなどが起こる場合がある。半導体が酸化物半導
体である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、第1族元素、第2族
元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素、主成分以外の遷移金属などがあり、
特に、例えば、水素(水にも含まれる)、リチウム、ナトリウム、シリコン、ホウ素、リ
ン、炭素、窒素などがある。酸化物半導体の場合、例えば水素などの不純物の混入によっ
て酸素欠損を形成する場合がある。また、半導体がシリコン層である場合、半導体の特性
を変化させる不純物としては、例えば、酸素、水素を除く第1族元素、第2族元素、第1
3族元素、第15族元素などがある。
【0450】
<<スイッチについて>>
本明細書等において、スイッチとは、導通状態(オン状態)、又は、非導通状態(オフ
状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有するものをいう。又は、スイ
ッチとは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有するものをいう。
【0451】
一例としては、電気的スイッチ又は機械的なスイッチなどを用いることができる。つま
り、スイッチは、電流を制御できるものであればよく、特定のものに限定されない。
【0452】
電気的なスイッチの一例としては、トランジスタ(例えば、バイポーラトランジスタ、
MOSトランジスタなど)、ダイオード(例えば、PNダイオード、PINダイオード、
ショットキーダイオード、MIM(Metal Insulator Metal)ダイ
オード、MIS(Metal Insulator Semiconductor)ダイ
オード、ダイオード接続のトランジスタなど)、又はこれらを組み合わせた論理回路など
がある。
【0453】
なお、スイッチとしてトランジスタを用いる場合、トランジスタの「導通状態」とは、
トランジスタのソース電極とドレイン電極が電気的に短絡されているとみなせる状態をい
う。また、トランジスタの「非導通状態」とは、トランジスタのソース電極とドレイン電
極が電気的に遮断されているとみなせる状態をいう。なおトランジスタを単なるスイッチ
として動作させる場合には、トランジスタの極性(導電型)は特に限定されない。
【0454】
機械的なスイッチの一例としては、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)のよう
に、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術を用いたスイッチが
ある。そのスイッチは、機械的に動かすことが可能な電極を有し、その電極が動くことに
よって、導通と非導通とを制御して動作する。
【0455】
<<接続について>>
本明細書等において、XとYとが接続されている、と記載する場合は、XとYとが電気
的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接
接続されている場合とを含むものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図又は
文章に示された接続関係に限定されず、図又は文章に示された接続関係以外のものも含む
ものとする。
【0456】
ここで使用するX、Yなどは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子
、導電膜、層、など)であるとする。
【0457】
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可
能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダ
イオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に1個以上接続されること
が可能である。なお、スイッチは、オンオフが制御される機能を有している。つまり、ス
イッチは、導通状態(オン状態)、又は、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか
流さないかを制御する機能を有している。
【0458】
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可
能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号
変換回路(DA変換回路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(
電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など
)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅又は電流量などを大きく出来る
回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成
回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能であ
る。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号
がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。
【0459】
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、XとYとが電
気的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟んで接続
されている場合)と、XとYとが機能的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に
別の回路を挟んで機能的に接続されている場合)と、XとYとが直接接続されている場合
(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟まずに接続されている場合)とを含
むものとする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、単に、接
続されている、とのみ明示的に記載されている場合と同じであるとする。
【0460】
なお、例えば、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1を介して(又は
介さず)、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、
Z2を介して(又は介さず)、Yと電気的に接続されている場合や、トランジスタのソー
ス(又は第1の端子など)が、Z1の一部と直接的に接続され、Z1の別の一部がXと直
接的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2の一部と直接
的に接続され、Z2の別の一部がYと直接的に接続されている場合では、以下のように表
現することが出来る。
【0461】
例えば、「XとYとトランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第
2の端子など)とは、互いに電気的に接続されており、X、トランジスタのソース(又は
第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yの順序で電気的
に接続されている。」と表現することができる。又は、「トランジスタのソース(又は第
1の端子など)は、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子な
ど)はYと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トラ
ンジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この順序で電気的に接続されている
」と表現することができる。又は、「Xは、トランジスタのソース(又は第1の端子など
)とドレイン(又は第2の端子など)とを介して、Yと電気的に接続され、X、トランジ
スタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)
、Yは、この接続順序で設けられている」と表現することができる。これらの例と同様な
表現方法を用いて、回路構成における接続の順序について規定することにより、トランジ
スタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別し
て、技術的範囲を決定することができる。なお、これらの表現方法は、一例であり、これ
らの表現方法に限定されない。ここで、X、Y、Z1、Z2は、対象物(例えば、装置、
素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
【0462】
なお、回路図上は独立している構成要素同士が電気的に接続しているように図示されて
いる場合であっても、1つの構成要素が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も
ある。例えば配線の一部が電極としても機能する場合は、一の導電膜が、配線の機能、及
び電極の機能の両方の構成要素の機能を併せ持っている。したがって、本明細書における
電気的に接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている
場合も、その範疇に含める。
【0463】
<<平行、垂直について>>
本明細書において、「平行」とは、二つの直線が-10°以上10°以下の角度で配置
されている状態をいう。したがって、-5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「略
平行」とは、二つの直線が-30°以上30°以下の角度で配置されている状態をいう。
また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態
をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。また、「略垂直」とは、
二つの直線が60°以上120°以下の角度で配置されている状態をいう。
【符号の説明】
【0464】
MC[1] メモリセル
MC[2] メモリセル
MC[n] メモリセル
CTr セルトランジスタ
STr トランジスタ
BTr トランジスタ
SSL 配線
BSL 配線
SL 配線
BL 配線
WL[1] 配線
WL[2] 配線
WL[n] 配線
BGL 配線
MC[1,1] メモリセル
MC[j,1] メモリセル
MC[n,1] メモリセル
MC[1,i] メモリセル
MC[j,i] メモリセル
MC[n,i] メモリセル
MC[1,m] メモリセル
MC[j,m] メモリセル
MC[n,m] メモリセル
STr[1] トランジスタ
STr[i] トランジスタ
STr[m] トランジスタ
BTr[1] トランジスタ
BTr[i] トランジスタ
BTr[m] トランジスタ
SSL[1] 配線
SSL[i] 配線
SSL[m] 配線
BSL[1] 配線
BSL[i] 配線
BSL[m] 配線
SL[1] 配線
SL[i] 配線
SL[m] 配線
BL[1] 配線
BL[i] 配線
BL[m] 配線
WL[j] 配線
BGL[1] 配線
BGL[i] 配線
BGL[m] 配線
HL 領域
AR 領域
SD1 領域
SD2 領域
TM 領域
ER 配線
PG 導電体
WWL[1] 配線
WWL[2] 配線
WWL[n] 配線
RWL[1] 配線
RWL[2] 配線
RWL[n] 配線
WBL 配線
RBL 配線
WTr トランジスタ
RTr トランジスタ
CS 容量素子
N1 ノード
N2 ノード
WBL[1] 配線
WBL[i] 配線
WBL[m] 配線
RBL[1] 配線
RBL[i] 配線
RBL[m] 配線
D[1] データ
D[2] データ
D[n] データ
10 供給処理
11 供給処理
20 供給処理
100 積層体
101A 絶縁体
101B 絶縁体
101C 絶縁体
102 絶縁体
104 絶縁体
105 絶縁体
106 絶縁体
109 絶縁体
109a 絶縁体
109b 絶縁体
111 絶縁体
111a 絶縁体
111b 絶縁体
132A 導電体
132B 導電体
134 導電体
138a 導電体
138b 導電体
139 導電体
151 半導体
151a 領域
151b 領域
152A 半導体
152B 半導体
152C 半導体
153 半導体
153a 半導体
153b 半導体
161A 化合物
161B 化合物
161C 化合物
162A 不純物領域
162B 不純物領域
162C 不純物領域
181A 領域
181B 領域
191 開口部
192A 凹部
192B 凹部
196A 凹部
196B 凹部
200 積層体
201A 絶縁体
201B 絶縁体
201C 絶縁体
202 絶縁体
203 絶縁体
203a 絶縁体
204 絶縁体
205 絶縁体
205A 絶縁体
205B 絶縁体
207 絶縁体
208 絶縁体
231 導電体
232 導電体
233 導電体
239 導電体
251 半導体
251a 領域
251b 領域
252 半導体
253A 半導体
253B 半導体
253C 半導体
254 半導体
254a 半導体
261A 化合物
261B 化合物
262A 不純物領域
262B 不純物領域
281 領域
282 領域
283 領域
291 開口部
292 凹部
294 凹部
301 絶縁体
311A 導電体
311B 導電体
1189 ROMインターフェース
1190 基板
1191 ALU
1192 ALUコントローラ
1193 インストラクションデコーダ
1194 インタラプトコントローラ
1195 タイミングコントローラ
1196 レジスタ
1197 レジスタコントローラ
1198 バスインターフェース
1199 ROM
1700 基板
1701 素子分離層
1712 導電体
1730 導電体
1790 ゲート電極
1792 ウェル
1793 チャネル形成領域
1794 低濃度不純物領域
1795 高濃度不純物領域
1796 導電性領域
1797 ゲート絶縁膜
1798 側壁絶縁層
1799 側壁絶縁層
2600 記憶装置
2601 周辺回路
2610 メモリセルアレイ
2621 ローデコーダ
2622 ワード線ドライバ回路
2630 ビット線ドライバ回路
2631 カラムデコーダ
2632 プリチャージ回路
2633 センスアンプ
2634 書き込み回路
2640 出力回路
2660 コントロールロジック回路
4700 電子部品
4701 リード
4702 プリント基板
4703 回路部
4704 回路基板
4800 半導体ウェハ
4800a チップ
4801 ウェハ
4801a ウェハ
4802 回路部
4803 スペーシング
4803a スペーシング
4810 半導体ウェハ
5100 USBメモリ
5101 筐体
5102 キャップ
5103 USBコネクタ
5104 基板
5105 メモリチップ
5106 コントローラチップ
5110 SDカード
5111 筐体
5112 コネクタ
5113 基板
5114 メモリチップ
5115 コントローラチップ
5150 SSD
5151 筐体
5152 コネクタ
5153 基板
5154 メモリチップ
5155 メモリチップ
5156 コントローラチップ
5401 筐体
5402 表示部
5403 キーボード
5404 ポインティングデバイス
5501 筐体
5502 表示部
5503 マイク
5504 スピーカ
5505 操作ボタン
5701 表示パネル
5702 表示パネル
5703 表示パネル
5704 表示パネル
5801 第1筐体
5802 第2筐体
5803 表示部
5804 操作キー
5805 レンズ
5806 接続部
5901 筐体
5902 表示部
5903 操作ボタン
5904 操作子
5905 バンド
9000 筐体
9001 表示部
9003 スピーカ
9005 操作キー
9006 接続端子
9007 センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
図60
図61
図62
図63
図64