(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138357
(43)【公開日】2024-10-08
(54)【発明の名称】呼吸回路用の感知
(51)【国際特許分類】
A61M 16/10 20060101AFI20241001BHJP
A61M 16/16 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
A61M16/10 C
A61M16/16 A
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024108231
(22)【出願日】2024-07-04
(62)【分割の表示】P 2023019831の分割
【原出願日】2017-07-24
(31)【優先権主張番号】62/365,664
(32)【優先日】2016-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】513259285
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】ポー-イェン、リウ
(72)【発明者】
【氏名】ポール、ジェームズ、トンキン
(72)【発明者】
【氏名】サルマン、マンスール、ジェーブド
(72)【発明者】
【氏名】チェンジー、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター、アラン、シークアップ
(72)【発明者】
【氏名】アントン、ペトロチェンコ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】その中にガスを伝送するための管路を備える呼吸補助装置であって、管路が回路を備える呼吸補助装置用の、制御装置を提供する。
【解決手段】回路は、使用中に管路内のガスを加熱するための少なくとも1つの加熱器ワイヤ部と、管路内のガスのパラメータを監視するための少なくとも1つのセンサを備える少なくとも1つのセンサワイヤ部とを備えることができる。また、加熱器ワイヤ部へのAC電力またはAC電圧の提供を制御し、センサの選択的読み取りを制御するための制御装置も提供される。制御装置は、加熱器ワイヤ部に提供されるAC電力波形の特定の部分でまたは特定の部分の辺りでセンサを読み取るように構成することができる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸補助装置用の制御装置であって、前記呼吸補助装置がその中にガスを伝送するための管路を備え、前記管路が回路を備え、前記回路が、使用中に前記管路内のガスを加熱するための少なくとも1つの加熱器ワイヤ部と、使用中に前記管路内の前記ガスのパラメータを監視するための少なくとも1つのセンサを備える少なくとも1つのセンサワイヤ部とを備える、制御装置であり、
前記加熱器ワイヤ部へのAC電力またはAC電圧の提供を制御することと、
前記センサの選択的読み取りを制御することと
を行うように構成された制御装置であり、
前記加熱器ワイヤ部に提供される前記AC電力波形の特定の部分でまたは特定の部分の辺りで前記センサを読み取るように構成された制御装置。
【請求項2】
前記AC電力または電圧波形の前記特定の部分が、前記AC電力または電圧波形の第1のゼロ交差、好ましくは、立ち下がりゼロ交差で、第1のゼロ交差の辺りでまたは第1のゼロ交差の後に、および、前記AC電力または電圧波形の第2のゼロ交差でまたは第2のゼロ交差の前に始まり、前記第1および第2のゼロ交差が、同じタイプの連続するゼロ交差である、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
第3のゼロ交差と第4のゼロ交差との間の前記センサの前記選択的読み取りの繰返しを制御するように構成された請求項2に記載の制御装置であって、前記第2、第3および第4のゼロ交差が、同じタイプの連続するゼロ交差である、制御装置。
【請求項4】
前記AC電力または電圧波形を監視するために、モニタを備えるかまたはモニタに通信可能に結合され、前記監視されたAC電力もしくは電圧波形を示すかまたは前記監視されたAC電力もしくは電圧波形から導出される信号に少なくとも一部基づいて、前記センサをいつ選択的に読み取るかを制御する、請求項1~3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記AC電力または電圧波形のゼロ交差、好ましくは、立ち下がりゼロ交差を検出するために前記モニタを使用するように構成された、請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
ゼロ交差以外の前記AC電力または電圧波形の部分を検出するために前記モニタを使用するように構成された、請求項4に記載の制御装置。
【請求項7】
ゼロ交差ではない前記AC電力または電圧波形の前記検出された部分のタイミングに少なくとも一部基づいて、ゼロ交差のタイミングを確立するように適合された、請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記AC電力波形の1つまたは複数の既知のおよび/または検出された特性に少なくとも一部基づいて、前記AC電力または電圧波形の前記特定の部分のタイミングを少なくとも一部確立するように適合された、請求項1~7のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記AC電力または電圧波形の前記特性が、その周波数を含む、請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの加熱器ワイヤ部が、前記AC電力または電圧に接続可能な少なくとも1つの加熱器ワイヤを備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項11】
2つまたは4つの前記加熱器ワイヤを備える、請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのセンサワイヤ部が、少なくとも1つのセンサワイヤを備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項13】
2つの前記センサワイヤを備える、請求項12に記載の制御装置。
【請求項14】
前記センサワイヤの少なくとも一部分が、少なくとも前記加熱器ワイヤの対応する部分に隣接するように位置決めされる、請求項10または11に従属する、請求項12または13に記載の制御装置。
【請求項15】
前記加熱器ワイヤ部および前記センサワイヤ部が、独立回路を備える、請求項14に記載の制御装置。
【請求項16】
マルチプレクサを備えるかまたはマルチプレクサに結合される、請求項1~15のいずれか一項に記載の制御装置であって、前記マルチプレクサが、前記センサワイヤ部に結合されるかまたは前記センサワイヤ部に結合するように構成される、制御装置。
【請求項17】
前記マルチプレクサが、前記センサワイヤに結合された対応するセンサの読み取りを可能にするために、複数のセンサワイヤに結合される、請求項16に記載の制御装置。
【請求項18】
前記AC電力もしくは電圧波形の正の立ち上がりエッジでおよび/または前記AC電力もしくは電圧波形の正相の間に前記マルチプレクサをリセットするように構成された、請求項16または17に記載の制御装置。
【請求項19】
前記AC電力または電圧波形の立ち下がりエッジの間に前記センサを読み取るために前記マルチプレクサを使用するように構成された、請求項18に記載の制御装置。
【請求項20】
位相情報などの前記AC電力もしくは電圧波形に関連する情報および/または前記センサワイヤ部の前記センサに関連する情報を記憶するために、メモリを備えるかまたはメモリに通信可能に結合される、請求項1~19のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項21】
少なくとも2つのセンサを備え、前記AC電力または電圧波形の第1のゼロ交差、好ましくは、立ち下がりゼロ交差で、第1のゼロ交差の辺りでまたは第1のゼロ交差の後に、および、前記AC電力または電圧波形の第2のゼロ交差でまたは第2のゼロ交差の前に、前記センサのうちの第1のセンサの読み取りを制御するように構成された、請求項1~20のいずれか一項に記載の制御装置であって、前記第1および第2のゼロ交差が、同じタイプの連続するゼロ交差である、制御装置であり、第3のゼロ交差で、第3のゼロ交差の辺りでまたは第3のゼロ交差の後に、および、第4のゼロ交差でまたは第4のゼロ交差の前に、前記センサのうちの第2のセンサの読み取りを制御するように構成された制御装置であり、前記第1、第2、第3および第4のゼロ交差が、同じタイプの連続するゼロ交差である、制御装置。
【請求項22】
前記管路が、細長い管路を提供するために、共に接続可能な第1および第2の区分または部分を備える、請求項1~21のいずれか一項に記載の制御装置であって、前記第1および/または第2の区分の存在および/または欠如を示す信号を受信し、どの区分が存在および/または欠如しているかに応じて制御を実施するように構成された制御装置。
【請求項23】
前記第1の区分のみが存在すると判断された場合は第1のモードを取り入れる、請求項22に記載の制御装置であって、前記第1のモードが、好ましくは、成人使用者および/または用途用に適合され、第1のモードでは、前記環境条件が、前記管路の長さに沿って実質的に同じである、制御装置。
【請求項24】
その前記波形が平坦部分から全サイクルのうちの負の半サイクルに遷移するように、および/または、
その前記波形が全サイクルのうちの正の半サイクルから平坦部分に遷移するように、
前記少なくとも1つの加熱器ワイヤ部への電力の印加を制御するように構成された、請求項23に記載の制御装置。
【請求項25】
前記第2の区分が存在すると判断された場合は、前記第1の区分が、第1の加熱器ワイヤ部を備え、前記第2の区分が、第2の加熱器ワイヤ部を備える、請求項22に記載の制御装置であって、第1の期間の間の前記第1の加熱器ワイヤ部への電力の選択的印加を制御し、第2の期間の間の前記第1の加熱器ワイヤ部と前記第2の加熱器ワイヤ部の両方へのおよび/または前記第2の加熱器ワイヤ部のみへの電力の選択的印加を制御するように構成された制御装置。
【請求項26】
その前記波形が平坦部分から2つの正の半サイクルのうちの第1の正の半サイクルへのおよび/または2つの正の半サイクルに続いて平坦部分に遷移するように前記第1の加熱器ワイヤ部への、
その前記波形が平坦またはオフ部分から2つの負の半サイクルのうちの第1の負の半サイクルへのおよび/または2つの負の半サイクルに続いて平坦部分に遷移するように前記第2の加熱器ワイヤ部への、ならびに/あるいは、
その前記波形が平坦またはオフ部分から2つの負の半サイクルのうちの前記第1の負の半サイクルへのおよび/または2つの負の半サイクルに続いて平坦部分に遷移するように両方の加熱器ワイヤ部への
電力の印加を制御するように適合された、請求項25に記載の制御装置。
【請求項27】
前記AC電力または電圧の周波数を決定するように適合された、請求項1~26のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項28】
その中にガスを伝送するための管路
を備える呼吸補助装置であって、前記管路が回路を備え、前記回路が、
使用中に前記管路内のガスを加熱するための少なくとも1つの加熱器ワイヤ部と、
前記管路内の前記ガスのパラメータを監視するための少なくとも1つのセンサを備える少なくとも1つのセンサワイヤ部と、
請求項1~27のいずれか一項に記載の制御装置と
を備える、呼吸補助装置。
【請求項29】
前記少なくとも1つの加熱器ワイヤ部および/または前記少なくとも1つのセンサワイヤ部が、前記管路の第1の端部でまたは前記管路の第1の端部の最も近くで、好ましくは、前記管路の端部の20mm以内で、より好ましくは、前記管路の端部の10mm以内で、さらにより好ましくは、前記管路の端部の5mm以内で、終端し、前記端部が、使用中の前記管の患者端部である、請求項28に記載の呼吸補助装置。
【請求項30】
前記少なくとも1つの加熱器ワイヤ部および/または前記少なくとも1つのセンサワイヤ部が、印刷回路板PCBに結合される、請求項28または29に記載の呼吸補助装置。
【請求項31】
前記PCBが、前記管路を形成する壁の内側に、壁の周りにおよび/または壁の中に位置決めされる、請求項30に記載の呼吸補助装置。
【請求項32】
前記PCBが、前記管路の第2の端部にまたは第2の端部の最も近くに提供される、請求項30または31に記載の呼吸補助装置。
【請求項33】
前記センサまたは少なくとも1つの前記センサが、前記PCB上にまたは前記PCBに取り付けられる、請求項30~32のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項34】
前記加熱器ワイヤが、管路の中に、管路の周りにおよび/または前記管路を形成する壁の中に提供することによって、前記管路の長さの少なくとも一部分と関連付けられる、請求項28~33のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項35】
前記センサワイヤが、管路の中に、管路の周りにおよび/または前記管路を形成する壁の中に提供することによって、前記管路の長さの少なくとも一部分と関連付けられる、請求項28~34のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項36】
2つの前記加熱器ワイヤと、2つの前記センサワイヤとを備える、請求項28~35のいずれか一項に記載の呼吸補助装置であって、前記ワイヤが、前記管路の壁に提供されるかまたは前記管路の壁に埋め込まれ、螺旋状に巻かれて一続きの加熱器ワイヤ1、センサワイヤ1、センサワイヤ2および加熱器ワイヤ2に配列される、呼吸補助装置。
【請求項37】
請求項1~27のいずれか一項に記載の制御装置、および/または、
請求項28~36のいずれか一項に記載の呼吸補助装置
を備える呼吸用加湿システム。
【請求項38】
医療用管の加熱器ワイヤ部へのAC電力または電圧の提供を制御することと、
前記加熱器ワイヤ部に提供される前記AC電力または電圧波形の特定の部分でまたは特定の部分の辺りで、前記医療用管に提供されるか、前記医療用管に結合されるかまたは前記医療用管と別の方法で関連付けられるセンサの選択的読み取りを制御することと
を含む呼吸加湿方法。
【請求項39】
請求項1~38のいずれか一項に記載の管路として使用するための医療用管路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、加湿ガスを使用者に提供するためのシステム、装置および方法に関し、より詳細には、感知と加熱器コイルなどの1つまたは複数の要素の駆動または電力供給の両方を伴う加湿システム用の呼吸回路と共に使用するためのその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのガス加湿システムは、呼吸治療や腹腔鏡などを含めた様々な医療処置用の加熱および加湿されたガスを送給する。これらのシステムは、センサからのフィードバックを使用して、温度、湿度、および流量を制御するように構成することができる。使用者への送給時に望ましい特性を維持するために、呼吸回路は、ガス管路に関連付けられた加熱器を有することができ、ここで、加熱器は、ガスが使用者へおよび/または使用者から流れるときにガスに熱を提供する。管路加熱器は、ガスが温度および/または湿度など望ましい特性を有して使用者に到達するように、ガスに熱を提供するように制御することができる。加湿システムは、温度センサを含むことができ、加湿制御装置へのフィードバックを提供し、加湿制御装置は、管路加熱器に送られる電力を調節および/または変更して、関連の管路に沿った位置で目標温度を実現することができる。追加または代替として、例えば、ガスの流量、圧力、湿度もしくは他の特性および/または患者インターフェースもしくは管路などのシステムの1つもしくは複数の構成要素の他の特性のいずれか1つまたは複数を測定する他のセンサを提供することができる。
【0003】
幾つかの例示的な呼吸回路構成要素は、その全体を参照により本明細書に援用する、2015年3月17日出願の「MEDICAL TUBES FOR RESPIRATORY SYSTEMS」という名称のPCT出願PCT/NZ2015/050028号明細書で開示する。
【0004】
その全体を参照により本明細書に援用する、2014年11月14日出願の「ZONE HEATING FOR RESPIRATORY CIRCUITS」という名称のPCT出願PCT/NZ2013/000208号明細書は、加湿システム用の呼吸回路を開示する。より詳細には、加湿システム内のパラメータを監視し、そのパラメータに少なくとも一部基づいてその動作を調節するための構成を述べる。例えば、呼吸回路の吸気管路内のガスの温度を監視し、それに従って、吸気管路内のガスを加熱するための加熱器ワイヤに供給される電力を調節することができる。
【0005】
PCT出願PCT/NZ2013/000208号明細書で開示する幾つかの実施形態によれば、センサおよび加熱器ワイヤは、管路の一端で、カフでまたはカフの最も近くで終端する。この構成は、ガス源に管路の空気圧接続ラインを便利に提供すると同時に、加熱器およびセンサワイヤとより広い制御/電力回路との間の電気接続線を確立することができる。さらに、加熱器およびセンサワイヤは、管の長さの少なくとも一部分に沿って互いに隣接して位置決めされるものとして、および、共通の回路板に接続されるものとして開示する。この構成は、構成要素の総数を低減し、製造を簡略化することができるが、加熱器ワイヤに供給される電力は、センサワイヤに接続されたセンサからの読み取りの精度に影響を及ぼす雑音を生み出すことが分かっている。PCT/NZ2013/000208号明細書で開示する、乳児における多区域の実施形態の場合は、患者端部温度設定ポイントが40℃近くである際は、±0.3℃の領域における誤差が導入され、成人における管の実施形態の場合は、およそ±0.15℃の誤差が導入される。これらの誤差の可能ないかなる低減も、全体として、特に、その加湿の態様において、システムの性能を改善するために望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で述べるシステム、方法、およびデバイスは、革新性のある態様を有し、それらの態様のどれも、必須のものではなく、それらの望ましい属性のみを受け持つものではない。特許請求の範囲を限定することなく、有利な特徴の幾つかを以下にまとめる。
【0007】
本発明は、本明細書では、一般に、吸気肢を参照してまたは吸気肢に応用して述べる。
しかし、本発明は、吸気肢に限定されず、広い用途を有する。例えば、本発明は、呼気肢ならびに/あるいは送気処置の間にガスなどを提供および/または除去する目的のために使用される肢に応用することができる。したがって、吸気肢への言及は、単なる参照を目的とする。
【0008】
本発明の一態様によれば、呼吸補助装置用の制御装置であって、呼吸補助装置がその中にガスを伝送するための管路を備え、管路が回路を備え、回路が、使用中に管路内のガスを加熱するための少なくとも1つの加熱器ワイヤ部と、使用中に管路内のガスのパラメータを監視するための少なくとも1つのセンサを備える少なくとも1つのセンサワイヤ部とを備える、制御装置であり、
加熱器ワイヤ部へのAC電力またはAC電圧の提供を制御することと、
センサの選択的読み取りを制御することと
を行うように構成された制御装置であり、
加熱器ワイヤ部に提供されるAC電力波形の特定の部分でまたは特定の部分の辺りでセンサを読み取るように構成された制御装置が提供される。
【0009】
制御装置は、AC電力または電圧波形の前記特定の部分が、AC電力または電圧波形の第1のゼロ交差、好ましくは、立ち下がりゼロ交差で、第1のゼロ交差の辺りでまたは第1のゼロ交差の後に始まるように、および、AC電力または電圧波形の第2のゼロ交差でまたは第2のゼロ交差の前に始まるように構成することができ、第1および第2のゼロ交差は、同じタイプの連続するゼロ交差である。
【0010】
制御装置は、第3のゼロ交差と第4のゼロ交差との間のセンサの前記選択的読み取りの繰返しを制御するように構成することができ、第2、第3および第4のゼロ交差は、同じタイプの連続するゼロ交差である。
【0011】
制御装置は、AC電力または電圧波形を監視するために、モニタを備えることも、モニタに通信可能に結合することもでき、制御装置は、監視されたAC電力もしくは電圧波形を示すかまたは監視されたAC電力もしくは電圧波形から導出される信号に少なくとも一部基づいて、センサをいつ選択的に読み取るかを制御する。制御装置は、AC電力または電圧波形のゼロ交差、好ましくは、立ち下がりゼロ交差を検出するためにモニタを使用するように構成することができる。制御装置は、ゼロ交差以外のAC電力または電圧波形の部分を検出するためにモニタを使用するように構成することができる。制御装置は、ゼロ交差ではないAC電力または電圧波形の検出された部分のタイミングに少なくとも一部基づいて、ゼロ交差のタイミングを確立するように適合させることができる。
【0012】
制御装置は、AC電力波形の1つまたは複数の既知のおよび/または検出された特性に少なくとも一部基づいて、AC電力または電圧波形の特定の部分のタイミングを少なくとも一部確立するように適合させることができる。AC電力または電圧波形の前記特性は、その周波数を含むことができる。
【0013】
少なくとも1つの加熱器ワイヤ部は、前記AC電力または電圧に接続可能な少なくとも1つの加熱器ワイヤを備えることができる。前記加熱器ワイヤは、2つまたは4つ存在することができる。
【0014】
少なくとも1つのセンサワイヤ部は、少なくとも1つのセンサワイヤを備えることができる。前記センサワイヤは、2つ存在することができる。前記センサワイヤの少なくとも一部分は、少なくとも前記加熱器ワイヤの対応する部分に隣接するように位置決めすることができる。加熱器ワイヤ部およびセンサワイヤ部は、独立回路を備えることができる。
【0015】
制御装置は、マルチプレクサを備えることも、マルチプレクサに結合することもでき、マルチプレクサは、センサワイヤ部に結合されるかまたはセンサワイヤ部に結合するように構成される。マルチプレクサは、センサワイヤに結合された対応するセンサの読み取りを可能にするために、複数のセンサワイヤに結合することができる。制御装置は、AC電力もしくは電圧波形の正の立ち上がりエッジでおよび/またはAC電力もしくは電圧波形の正相の間にマルチプレクサをリセットするように構成することができる。制御装置は、AC電力または電圧波形の立ち下がりエッジの間にセンサを読み取るためにマルチプレクサを使用するように構成することができる。
【0016】
制御装置は、位相情報などのAC電力もしくは電圧波形に関連する情報および/またはセンサワイヤ部のセンサに関連する情報を記憶するために、メモリを備えることも、メモリに通信可能に結合することもできる。
【0017】
制御装置は、少なくとも2つのセンサを備えることができ、制御装置は、AC電力または電圧波形の第1のゼロ交差、好ましくは、立ち下がりゼロ交差で、第1のゼロ交差の辺りでまたは第1のゼロ交差の後に、および、AC電力または電圧波形の第2のゼロ交差でまたは第2のゼロ交差の前に、前記センサのうちの第1のセンサの読み取りを制御するように構成され、第1および第2のゼロ交差は、同じタイプの連続するゼロ交差であり、制御装置は、第3のゼロ交差で、第3のゼロ交差の辺りでまたは第3のゼロ交差の後に、および、第4のゼロ交差でまたは第4のゼロ交差の前に、前記センサのうちの第2のセンサの読み取りを制御するように構成され、第1、第2、第3および第4のゼロ交差は、同じタイプの連続するゼロ交差である。
【0018】
管路は、細長い管路を提供するために、共に接続可能な第1および第2の区分または部分を備えることができ、制御装置は、第1および/または第2の区分の存在および/または欠如を示す信号を受信し、どの区分が存在および/または欠如しているかに応じて制御を実施するように構成される。第1の区分のみが存在すると判断された場合は、制御装置は、第1のモードを取り入れることができ、第1のモードは、好ましくは、成人使用者および/または用途用に適合され、第1のモードでは、環境条件は、管路の長さに沿って実質的に同じである。制御装置は、
その波形が平坦部分から全サイクルのうちの負の半サイクルに遷移するように、および/または、
その波形が全サイクルのうちの正の半サイクルから平坦部分に遷移するように、
少なくとも1つの加熱器ワイヤ部への電力の印加を制御するように構成することができる。
第2の区分が存在すると判断された場合は、第1の区分は、第1の加熱器ワイヤ部を備えることができ、第2の区分は、第2の加熱器ワイヤ部を備え、制御装置は、第1の期間の間の第1の加熱器ワイヤ部への電力の選択的印加を制御し、第2の期間の間の第1の加熱器ワイヤ部と第2の加熱器ワイヤ部の両方へのおよび/または第2の加熱器ワイヤ部のみへの電力の選択的印加を制御するように構成することができる。
【0019】
制御装置は、
その波形が平坦部分から2つの正の半サイクルのうちの第1の正の半サイクルへのおよび/または2つの正の半サイクルに続いて平坦部分に遷移するように第1の加熱器ワイヤ部への、
その波形が平坦またはオフ部分から2つの負の半サイクルのうちの第1の負の半サイクルへのおよび/または2つの負の半サイクルに続いて平坦部分に遷移するように第2の加熱器ワイヤ部への、ならびに/あるいは、
その波形が平坦またはオフ部分から2つの負の半サイクルのうちの第1の負の半サイクルへのおよび/または2つの負の半サイクルに続いて平坦部分に遷移するように両方の加熱器ワイヤ部への
電力の印加を制御するように適合させることができる。
【0020】
制御装置は、AC電力または電圧の周波数を決定するように適合させることができる。
【0021】
本発明の別の態様によれば、
その中にガスを伝送するための管路
を備える呼吸補助装置であって、管路が回路を備え、回路が、
使用中に管路内のガスを加熱するための少なくとも1つの加熱器ワイヤ部と、
管路内のガスのパラメータを監視するための少なくとも1つのセンサを備える少なくとも1つのセンサワイヤ部と、
上記の記述のいずれか1つの制御装置と
を備える、呼吸補助装置が提供される。
【0022】
少なくとも1つの加熱器ワイヤ部および/または前記少なくとも1つのセンサワイヤ部は、管路の第1の端部でまたは管路の第1の端部の最も近くで、好ましくは、管路の端部の20mm以内で、より好ましくは、管路の端部の10mm以内で、さらにより好ましくは、管路の端部の5mm以内で、終端することができ、前記端部は、使用中の管の患者端部である。
【0023】
少なくとも1つの加熱器ワイヤ部および/または前記少なくとも1つのセンサワイヤ部は、印刷回路板PCBに結合することができる。PCBは、管路を形成する壁の内側に、壁の周りにおよび/または壁の中に位置決めすることができる。PCBは、管路の第2の端部にまたは第2の端部の最も近くに提供することができる。前記センサまたは少なくとも1つの前記センサは、PCB上にまたはPCBに取り付けることができる。
【0024】
加熱器ワイヤは、管路の中に、管路の周りにおよび/または管路を形成する壁の中に提供することによって、管路の長さの少なくとも一部分と関連付けることができる。
【0025】
センサワイヤは、管路の中に、管路の周りにおよび/または管路を形成する壁の中に提供することによって、管路の長さの少なくとも一部分と関連付けることができる。
【0026】
呼吸補助装置は、2つの前記加熱器ワイヤと、2つの前記センサワイヤとを備えることができ、ワイヤは、管路の壁に提供されるかまたは管路の壁に埋め込まれ、螺旋状に巻かれて一続きの加熱器ワイヤ1、センサワイヤ1、センサワイヤ2および加熱器ワイヤ2に配列される。
【0027】
本発明の別の態様によれば、
上記の記述のいずれか1つの制御装置、および/または、
上記の記述のいずれかの呼吸補助装置
を備える呼吸用加湿システムが提供される。
【0028】
本発明のさらなる態様によれば、
医療用管の加熱器ワイヤ部へのAC電力または電圧の提供を制御することと、
加熱器ワイヤ部に提供されるAC電力または電圧波形の特定の部分でまたは特定の部分の辺りで、医療用管に提供されるか、医療用管に結合されるかまたは医療用管と別の方法で関連付けられるセンサの選択的読み取りを制御することと
を含む呼吸加湿方法が提供される。
【0029】
上記の記述のいずれか1つにおいて言及される管路として使用するための医療用管路。
【0030】
幾つかの実施形態は、呼吸回路用の吸気肢ならびに/あるいは吸気肢を含むシステムおよび/または方法を提供する。本明細書で述べる吸気肢は、加熱および加湿されたガスが吸気肢を通じて伝送される状況で特に有用でも、適用可能でもある。幾つかの実施形態によれば、加熱および加湿されたガスは、2つの異なる環境を通過することができる。これは、例えば、乳児保育器で問題となり得る。乳児保育器内では、周囲の環境よりも温度がかなり高く、または患者にガスを送給する管路の一部分がブランケットの下にある。しかし、本明細書で開示される幾つかの実施形態は、加熱および/または加湿されたガスが患者に送給される任意の環境で使用することができ、吸気肢が2つの異なる環境を通過する用途に限定されない。
【0031】
吸気肢は、加湿ガスを輸送するように構成された管路を形成する第1の構造を備える吸気肢の第1の区分を含むことができ、吸気肢の第1の区分は、第1の加熱器ワイヤ部または回路を含む。吸気肢は、加湿ガスを輸送するように構成された管路を形成する第2の構造を備える吸気肢の第2の区分を含むことができ、第2の構造は、第1の区分の第1の構造に機械的に結合するか、そうでなければ接合または一体化して、加湿ガスのための延長された管路を形成するように構成され、吸気肢の第2の区分は、第2の加熱器ワイヤ部または回路を含む。吸気肢は、第1の加熱器ワイヤ回路を第2の加熱器ワイヤ回路に電気的に結合する接続回路を含む中間コネクタを含むことができ、中間コネクタを、吸気肢の第1の区分の患者端部および吸気肢の第2の区分のチャンバ端部に結合させて、加湿ガス用の単一の管路を形成することができる。中間コネクタは、吸気肢の内部にあるように、吸気肢の第1の区分の一部分、吸気肢の第2の区分の一部分、または吸気肢の第1の区分と第2の区分の両方の一部分によって覆うことができる。
【0032】
吸気肢は、2つの加熱モードで動作するように構成することができる。第1の加熱モードでは、電力は、中間コネクタを通過して第1の加熱器ワイヤ回路に電力を提供し、第2の加熱器ワイヤ回路には電力を提供しない。第2の加熱モードでは、電力は、中間コネクタを通過して第1の加熱器ワイヤ回路と第2の加熱器ワイヤ回路の両方に電力を提供する。例えば、中間コネクタは、電流の方向および/または電圧の極性の少なくとも一部に基づいて、異なる経路に沿って電力を送るように構成された電気構成要素を含むことができる。中間コネクタは、導電性トラックを含むことができ、導電性トラックは、第1の加熱器ワイヤ回路内の1つまたは複数のワイヤと、第2の加熱器ワイヤ回路内の1つまたは複数のワイヤとの間の短絡(例えば、介在する電気構成要素のない直接の電気接続)を提供することができる。中間コネクタは、導電性トラックを含むことができ、導電性トラックは、第1の加熱器ワイヤ回路内の1つまたは複数のワイヤを、第2の加熱器ワイヤ回路内の1つまたは複数のワイヤに電気的に結合し、ここで、導電性トラックは、例えば、限定はしないが、ダイオード、トランジスタ、コンデンサ、抵抗、論理ゲート、集積回路などの電気構成要素を含む。特定の実施形態では、中間コネクタは、第1の加熱器ワイヤ回路と第2の加熱器ワイヤ回路との両方に電気的に結合されたダイオードを含む。特定の実施形態では、吸気肢は、中間コネクタに位置決めされた第1のセンサを有する第1のセンサ部または回路をさらに備えることができる。特定の実施形態では、吸気肢は、患者端部コネクタに位置決めされた第2のセンサを有する第2のセンサ回路をさらに備え、患者端部コネクタは、吸気肢の第2の区分の患者端部に位置決めされる。吸気肢は、2つの感知モードで動作するように構成することができる。第1の感知モードでは、第1のセンサからの信号が受信され、第2のセンサからの信号は受信されない。第2の感知モードでは、第2のセンサからの信号が受信され、第1のセンサからの信号は受信されない。幾つかの実施形態では、感知は、第1のセンサと第2のセンサとの両方から並列で信号を受信することを含む。そのような実施形態では、アルゴリズムは、第1のセンサと第2のセンサとの両方から並列して受信された信号に少なくとも一部基づいて、第1のセンサによって測定されたパラメータを決定することができる。特定の実施形態では、中間コネクタは、第1のセンサ回路と第2のセンサ回路との両方に電気的に結合されたダイオードを含む。患者端部コネクタは、第2のセンサ回路用の電気接続を提供するように構成することができる。同様に、患者端部コネクタは、第2の加熱器ワイヤ回路用の電気接続を提供するように構成することもできる。センサは、温度センサ、湿度センサ、流量センサなどでよい。第1および第2のセンサは、温度、湿度、流量、酸素含有率など1つまたは複数のパラメータを測定するように構成されたセンサでよい。幾つかの実施形態では、第1および第2のセンサは、少なくとも1つの同様のパラメータ(例えば温度、湿度、流量など)を測定するように構成される。幾つかの実施形態では、3つ以上のセンサを含むことができ、中間コネクタおよび/または患者端部コネクタに位置決めすることができる。
【0033】
幾つかの実施形態は、吸気肢と、制御装置とを備える呼吸用加湿システムを提供する。
吸気肢は、第1の加熱器ワイヤ部または回路を有する第1のセグメントと、第2の加熱器ワイヤ部または回路を有する第2のセグメントと、第1の加熱器ワイヤ回路を第2の加熱器ワイヤ回路に電気的に結合するように構成されたコネクタ回路を有する中間コネクタと、第1の区分の患者端部に位置決めされた第1のセンサと、第2の区分の患者端部に位置決めされた第2のセンサとを含むことができる。制御装置は、第1のモードと第2のモードとを選択的に切り換えるように適合させることができ、第1のモードでは、制御装置は、コネクタ回路を通して第1の加熱器ワイヤ回路に電力を提供し、第2のモードでは、制御装置は、第1および第2の加熱器ワイヤ回路に電力を提供する。特定の実施形態では、呼吸用加湿システムは、一方または両方のセンサからの入力に少なくとも一部基づいてモードを切り換える。特定の実施形態では、切り換えは、温度、流量、湿度、電力、またはこれらの任意の組合せの1つまたは複数を含むパラメータに少なくとも一部基づいて行われる。パラメータは、第1のセンサ、第2のセンサ、または両方のセンサの組合せから直接導出または取得することができる。特定の実施形態では、第1および第2のモードは、電源によって提供される電流の方向または電圧の極性によって定義される。幾つかの実施形態では、呼吸用加湿システムは、3つ以上のセンサを含むことができ、これらのセンサが、吸気肢の加熱を制御するために使用される入力を提供する。
【0034】
幾つかの実施形態は、吸気肢を含むことができる二重肢回路を提供する。そのような吸気肢は、第1の加熱器ワイヤ部または回路を有する第1のセグメントと、第2の加熱器ワイヤ部または回路を有する吸気肢の第2のセグメントと、第1の加熱器ワイヤ回路を第2の加熱器ワイヤ回路に電気的に結合するように構成されたコネクタ回路を有する中間コネクタと、第1の区分の患者端部に位置決めされた第1のセンサと、第2の区分の患者端部に位置決めされた第2のセンサとを含むことができる。また、二重肢回路は、呼気加熱器ワイヤ回路を備える呼気肢を含むこともできる。二重肢システムは、吸気肢と呼気肢とに接続されたインターフェースをさらに含むことができる。二重肢システムは、第1のモードと第2のモードとを選択的に切り換えるように適合された制御装置をさらに含むことができ、第1のモードでは、制御装置は、コネクタ回路を通して第1の加熱器ワイヤ回路に電力を提供し、第2のモードでは、制御装置は、第1および第2の加熱器ワイヤ回路に電力を提供する。特定の実施形態では、呼気肢の加熱は、第1および第2の加熱器ワイヤ回路を使用する吸気肢の加熱とは別個に、呼気加熱器ワイヤ回路を使用して行われる。特定の実施形態では、呼気肢は、吸気肢の第1の区分内の第1の加熱器ワイヤ回路と並列に、および/または第1および第2の加熱器ワイヤ回路と並列に電力供給される。特定の実施形態では、呼気肢は、第1のモードのみで、第2のモードのみで、または第1のモードと第2のモードとの両方で電力供給されるように設計することができる。特定の実施形態では、インターフェースは、Yピースによって接続される。任意の適切な患者インターフェースを組み込むことができる。患者インターフェースは、広範な用語であり、当業者にとってのその通常的および慣例的な意味合いで解釈されるべきであり(すなわち、特殊な、または特化された意味合いに限定すべきではなく)、限定はしないが、マスク(気管マスク、フェースマスク、および鼻マスクなど)、カニューレ、および鼻枕を含む。
【0035】
幾つかの実施形態では、区分化された吸気肢が提供され、区分の構造は、細長い管を備える。細長い管は、長手方向軸を有する管路を少なくとも一部形成するように螺旋状に巻かれた中空体と、長手方向軸に沿って延びる内腔と、内腔を取り囲む中空壁とを備える第1の細長い部材を含むことができる。細長い管は、第1の細長い部材の隣接する一巻き同士の間に螺旋状に巻かれて接合された第2の細長い部材を含むことができ、第2の細長い部材は、細長い管の内腔の少なくとも一部分を形成する。特定の実装形態では、第1の細長い部材は、長手方向断面で、偏平な表面を有する複数の気泡体を内腔に形成する。特定の実装形態では、隣接する気泡体は、第2の細長い部材の上方の隙間によって分離される。特定の実装形態では、隣接する気泡体は、互いに直接は接続されない。特定の実装形態では、複数の気泡体が穿孔を有する。
【0036】
幾つかの実施形態では、管路と、ガス源に空気圧によって結合するために管路の一端に接続されたコネクタまたはカフと、加熱器ワイヤ部と、センサワイヤ部と、望みの目的地に向けてガスを伝送するための出口とを備える吸気肢などの医療用管路が提供される。例えば、出口は、患者インターフェースに接続するためのコネクタまたはカフを備えることができる。加熱器ワイヤ部はそれぞれ、ガスが管路を通って流れる際にガスを加熱するために、管路の長さの少なくとも一部分に伸びている1つまたは複数の加熱器ワイヤを備える。同様に、1つまたは複数のセンサワイヤは、管路の長さの少なくとも一部分に伸び、センサを制御ユニットに結合することができる。センサはいかなるポイントにも位置決めすることができるが、患者に送給されるガスの温度の正確な表示を得るために、管路の患者端部にまたは管路の患者端部の最も近くに温度センサを含めることが望ましい場合が多い。結果的に、幾つかの実施形態は、管路の全長に完全にまたは実質的に伸びる加熱器ワイヤとセンサワイヤの両方を提供する。幾つかの実施形態によれば、加熱器ワイヤ部およびセンサワイヤ部の患者端部は、共通の回路板に接続される。1つまたは複数のセンサは、回路板に取り付けて、センサワイヤ部を使用して読み取ることができる。
【0037】
幾つかの実施形態では、センサワイヤ部に含まれるかまたは結合されるセンサの選択的読み取りを可能にするために、加熱器ワイヤ部は、AC供給源に接続され、センサワイヤ部もまた、AC供給源に接続される。幾つかの実施形態によれば、AC供給源の波形を監視することおよび/または波形の既知の特性を使用してAC供給源波形の1つまたは複数のゼロ交差(好ましくは、立ち下がりゼロ交差)のタイミングを検出もしくは決定することが行われる。そのような実施形態によれば、センサは、好ましくは、ゼロ交差で、ゼロ交差の辺りでまたはゼロ交差の後に読み取られる。好ましくは、センサは、ゼロ交差の±25ms以内に、より好ましくは、±15ms以内に、より好ましくは、±10ms以内に、より好ましくは、±5ms以内に、さらにより好ましくは、約±3ms以内に、読み取られる。幾つかの現在の好ましい実施形態によれば、読み取りは、ゼロ交差の±150μsで、より好ましくは、ゼロ交差の±100μsで、さらにより好ましくは、ゼロ交差の±50μsで行われる。範囲の低減は、センサを測定するために割込みを使用することによって実現することができる。これらの範囲は、ゼロ交差の、ゼロ交差の辺りのまたはゼロ交差の後の他の基準にも適用可能であるが、簡潔にするため、繰り返すことはしていない。さらに、センサは、好ましくは、同じタイプの後続のゼロ交差(すなわち、立ち上がりまたは立ち下がり)の前で読み取られる。センサの読み取りは、好ましくは、ゼロ交差関係が維持された状態で、要望通りに繰り返すことができる。この様式でセンサの読み取りを制御することにより、センサワイヤ信号における加熱器ワイヤに印加される電力の干渉は最小であるため、センサ誤差をゼロ近くまで低減することができる。さらに、少なくとも幾つかのセンサ(例えば、サーミスタ)に印加される電圧極性を変更することにより、読み取り障害が引き起こされる。本質的には、信号を落ち着かせるまたは安定させるには少し時間がかかるため、好ましくは、感知は、ゼロ交差に直接先行する期間にわたって起こる。
【0038】
幾つかの実施形態では、第1および第2の区分を備える吸気肢などの医療用管路が提供される。2つの区分は、好ましくは、ガスが、第1の区分の第1の端部から、第1の区分の第2の端部に、次いで、第2の区分の第1の端部に、次いで、第2の区分の第2の端部に流れるように、配列および接合されるかまたは接続可能である。そのような実施形態によれば、第1の加熱器ワイヤ部は第1の区分に提供することができ、第2の加熱器ワイヤ部は第2の区分に提供することができる。第1および第2の加熱器ワイヤ部は、第1の加熱器ワイヤ部のみが起動される(すなわち、熱を生成する)第1のモードにおよび第1の加熱器ワイヤ部と第2の加熱器ワイヤ部の両方が起動される第2のモードに構成可能である。そのような構成は、以前に論じたように、異なる環境を通じて管路がガスを保育器の外側から保育器内の乳児などに伝送する場合に望ましい。例えば、AC供給源の電流が一方の方向に流れる際には第1の加熱器ワイヤ部のみに電力が供給されるように、そして、電流が他の方向に流れる際には両方の加熱器ワイヤ部に電力が供給されるように、第1の加熱器ワイヤ部と第2の加熱器ワイヤ部の中間にダイオードを提供することができる。他の回路/切り換え構成を使用することができる。幾つかの実施形態によれば、第2の区分の第2の端部(すなわち、管路の患者端部)にまたは第2の端部の最も近くに少なくとも1つのセンサを提供することができる。例えば、管路中を流れるガスの温度を測定するために、サーミスタを提供することができる。センサの読み取りを容易にするために、センサワイヤを提供することができる。幾つかの実施形態によれば、センサおよび加熱器ワイヤは、AC供給源および/または制御装置に第1の区分の第1の端部でまたは第1の端部の最も近くで接続可能である。そのような接続は、PCT/NZ2013/000208号明細書で述べるものなどのカフによって便利に行うことができる。区分が解放可能に接続可能である場合は、同様のカフコネクタを使用することができ、この場合もやはり、PCT/NZ2013/000208号明細書を参照する。以前の実施形態と同様に、センサは、加熱器およびセンサワイヤが接合される第2の区分の第2の端部でまたは第2の端部の最も近くで回路板に取り付けることができる。好ましくは、AC供給源の波形を監視することおよび/または波形の既知の特性を使用してAC供給源波形の1つまたは複数のゼロ交差(好ましくは、立ち下がりゼロ交差)のタイミングを検出もしくは決定することが行われる。そのような実施形態によれば、センサは、好ましくは、ゼロ交差で、ゼロ交差の辺りでまたはゼロ交差の後に読み取られる。さらに、センサは、好ましくは、同じタイプの後続のゼロ交差の前に読み取られる。センサの読み取りは、好ましくは、ゼロ交差関係が維持された状態で、要望通りに繰り返すことができる。この様式でセンサの読み取りを制御することにより、センサ誤差をゼロ近くまで低減することができる。
【0039】
当業者には明らかであるように、立ち下がりゼロ交差に対してタイミングを合わせた好ましいセンサの読み取りの制御は、本明細書で述べるいかなる実施形態にも適用することができる。
【0040】
実施形態は、医療用管路と関連付けられたセンサの読み取りを制御するための制御装置であって、医療用管路の電気回路に電力を供給するAC供給源のゼロ交差(好ましくは、立ち下がり)で、ゼロ交差の辺りでまたはゼロ交差の後に前記センサを読み取るように構成された制御装置をさらに提供する。好ましくは、前記読み取りは、同じタイプの前記AC供給源の次の立ち下がりゼロ交差の前に実行される。制御装置のさらなる特徴は、先行記述から導出することができる。
【0041】
実施形態は、関連のAC電源のゼロ交差(好ましくは、立ち下がり)で、ゼロ交差の辺りでまたはゼロ交差の後にセンサを読み取るように適合された呼吸補助装置および/または呼吸用加湿システムをさらに提供する。好ましくは、前記読み取りは、前記AC供給源の次のゼロ交差の前に実行される。呼吸補助装置および/または呼吸用加湿システムのさらなる特徴は、先行記述から導出することができ、実際には、前記装置および/またはシステムは、1つまたは複数のセンサの読み取りの前記制御を容易にするように適合された前記管路および/または前記制御装置を含むことができる。
【0042】
また、実施形態は、対応する方法も提供する。
【0043】
図面を通じて、参照要素間の全般的な対応関係を示すために、参照番号を繰返し使用することがある。図面は、本明細書で述べる例示的実施形態を示すために提供され、本開示の範囲を限定することは意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】患者に呼吸ガスを送給するための呼吸システムの概略図である。
【
図2】加湿ガスを使用者に送給するための例示的な呼吸用加湿システムを示す図であって、呼吸用加湿システムが呼吸回路を有し、呼吸回路が、各区分内にセンサを有する区分化された吸気肢を含む図である。
【
図3】第1および第2の区分を有する吸気肢を備える呼吸回路用の例示的なハードウェア構成を示す。
【
図4】吸気肢を備える呼吸回路用の例示的なハードウェア構成を示す。
【
図5】主電源ACサイクルと
図3および4で描写する加熱器ワイヤの加熱器ワイヤサイクルとの間の関係を示すチャートである。
【
図6】主電源の電圧波形に対するセンサの測定値を描写するチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本明細書では、吸気肢、区分化された吸気肢と多区域加熱を含む医療回路構成要素の特定の実施形態および実施例を述べる。本開示は、具体的に開示される実施形態および/または使用法、ならびにそれらの自明な修正形態および均等形態も包含することを当業者は理解されよう。したがって、本明細書で開示される本開示の範囲は、本明細書で述べる任意の特定の実施形態によっては限定されないものと意図される。
【0046】
本開示は、管路に熱を提供する文脈で、加熱器ワイヤ、加熱要素、および/または加熱器に言及する。例えば、加熱器ワイヤは、広範な用語であり、当業者にとってのその通常的および慣例的な意味合いで解釈されるべきであり(すなわち、特殊な、または特化された意味合いに限定すべきではなく)、限定はしないが、電力が提供されるときに熱を生成する加熱器ストリップおよび/または伝熱要素を含む。そのような加熱要素の例としては、導電性金属(例えば銅)、導電性ポリマー、管路の表面上に印刷された導電性インク、管路にトラックを作成するために使用される導電性材料などから形成されたワイヤを挙げられる。さらに、本開示は、ガス送給の文脈で、管路、肢、および医療用管に言及する。
例えば、管は、広範な用語であり、当業者にとってのその通常的および慣例的な意味合いで解釈されるべきであり、限定はしないが、円筒形および非円筒形の経路など様々な断面を有する経路を含む。特定の実施形態は、複合管を組み込むことがあり、複合管は、一般に、以下により詳細に述べるように2つ以上の部分または特に幾つかの実施形態では2つ以上の構成要素を備える管と定義することができる。開示される医療用管を備える区分化された肢はまた、連続、可変、またはバイレベル気道陽圧(PAP)システムなどの呼吸回路内、または他の形態の呼吸療法で使用することもできる。用語「管路」および「肢」は、管と同様のものとして解釈すべきである。
【0047】
加熱され加湿された呼吸管が、保育器(または、やけど患者のために使用される放射加温器の周りや、患者によって使用されるブランケットの下など、温度変化がある任意の領域)のために使用されるとき、呼吸管は、少なくとも2つの異なる区域を通過する。すなわち、低温区域(保育器の外部の区域など)と、高温区域(保育器の内部の区域など)とである。管がその全長に沿って加熱される場合、どの区域が感知されるか(例えばどの区域が温度センサを含むか)に応じて、区域の1つは、望ましくない、適切でない、または最適でない温度になる傾向がある。加熱器ワイヤが保育器の内部のセンサ(患者端部温度センサなど)に制御される場合、保育器の外部の区間は、温度が低くなりすぎる傾向があり、これは凝結をもたらすことがある。逆に、加熱器ワイヤが保育器の外部のセンサに制御される場合、保育器の内部の区間は、温度が高くなりすぎることがあり、これにより、熱すぎるガスが患者に供給されることがある。したがって、本開示の幾つかの実施形態では、区分化された呼吸管内の熱の制御を可能にするシステムおよび方法を述べる。ここで、各区分は、制御モジュールにフィードバックを提供する関連のセンサを有する。本明細書では、2つの区域に関して幾つかの実施形態を述べるが、そのようなシステムは、さらなる区域、区分、または領域を用いた用途に適合するように拡張することもできる。例えば、3つの温度区域を備える一実施形態では、呼吸管の区分は、区域内の3つの異なる温度センサに少なくとも一部基づいて加熱され得る。さらに、本明細書で開示される実施形態は、管に沿った中間点にあるセンサの1つまたは複数を迂回または無視して、患者端部でのパラメータに基づいて、呼吸管に送給される熱を制御することができる。さらに、本明細書で開示される実施形態は、例えば、限定はしないが、温度センサ、湿度センサ、流量センサ、酸素センサなどを含むセンサによって提供されるパラメータを使用して、呼吸管に送給される熱を制御することができる。他の実施形態は、異なる区域を異なるレベルまで加熱できるようにする一方で、より少ないセンサを使用することができる。例えば、一実施形態によれば、2つの区分が提供され、好ましくは、管の患者端部で、管の患者端部に向けてまたは管の患者端部の近くで、単一の温度センサが呼吸管と関連付けられる。
この実施形態によれば、区分は、第1の区分のみが加熱されるかまたは両方の区分が加熱されるように構成することができ、第1の区分は、好ましくは、管を通るガス流路の観点から、患者から最も遠い区分である。
【0048】
制御モジュールは、加熱温度を監視および制御することができる。制御モジュールは、本明細書で述べるコネクタアセンブリの幾つかの実施形態を使用して、第1のモードでは呼吸管の第1の区間に熱を提供し、第2のモードでは呼吸管全体に熱を供給するように構成することができる。制御モジュールは、呼吸管の第1および/または第2の区間の存在を検出することができる。これを実現するため、呼吸管の1つまたは複数の区間の存在および/または欠如を検出し、それに少なくとも一部基づいてガスの特性の制御を相応に変更することができる。本明細書で述べる幾つかの実施形態は、フライングリード、露出されたコネクタ、および/または患者端部の電気接続線を用いずに使用することができる。
用語「フライングリード」は、本明細書で使用するとき、呼吸管の外部に延びる電気接続線、呼吸管を通って内部に延びる電気接続線、および、呼吸管の一部として組み込まれた、成形された、または他の方法で形成もしくは包含された電気接続線を含む。制御モジュールは、加湿器の内部または加湿器の外部に位置させることができる。幾つかの実施形態では、制御装置は、加湿器の内部に位置されて、吸気肢の第1の区分と、吸気肢の第2の区分と、呼気肢とに関連付けられた加熱器ワイヤを制御し、また、吸気肢の第1および第2の区分および/または呼気肢に関連付けられたセンサからパラメータを読み取る。
【0049】
制御モジュールは、区分に関する温度を適応変化させることもできる。例えば、制御モジュールは、1つまたは複数の区分に関連付けられた温度センサを監視することができる。監視は、連続的でも、定期的でも、割込みもしくはイベントベースでの監視など他の方式でもよい。例えば、温度センサの監視は、アナログ/デジタル変換器からの値の読み取り、電圧または電流の決定、論理条件の感知、サーモスタットデバイスの読み取り、サーミスタ値の測定、抵抗温度検出器の測定、熱電対の電圧の測定、または温度を感知するための他の方法、例えば、限定はしないが、半導体接合センサ、赤外もしくは熱放射センサ、温度計、インジケータなどの使用に基づくものでよい。幾つかの実施形態では、温度センサは、サーミスタである。
【0050】
幾つかの実施形態では、吸気肢の第1の区分と吸気肢の第2の区分に送られる電力の比は、センサからのフィードバックに少なくとも一部基づいて、使用中に変えることができる。例えば、電力の比は、各区分が凝結を減少または防止する温度に加熱されるように変えることができる。さらなる一例として、電力の比は、熱すぎるガスが患者に提供されないように変えることができる。幾つかの実施形態では、電力の比は、センサ(例えば温度センサ、湿度センサ、酸素センサ、流量センサなど)からのフィードバックに基づいて連続的に変えることができる。電力の比は、様々な方法で変えることができる。例えば、電力の比は、電力信号の振幅(限定はしないが、電圧および/または電流を含む)、電力信号の持続時間、もしくは電力信号のデューティサイクルを変更することによって、または電力信号に対する他の適切な変更によって変えることができる。一実施形態では、電力の比は、提供される電流の大きさを変えることによって変えられる。
【0051】
幾つかの実施形態は、ガス経路の内部にあるのではなく、加熱器ワイヤをガス経路から分離すると共に外部環境から断熱する材料の内部に含まれる加熱器ワイヤを備える吸気肢を提供する。幾つかの実施形態では、加熱器ワイヤに電力を提供するためおよびセンサを読み取るために使用される回路は、外部環境に露出されないように吸気肢の内部にある。
幾つかの区分化された管の実施形態では、加熱器ワイヤは、吸気管または呼気管内に成形されて、管の相補的な区分内の加熱器ワイヤの端部が中間コネクタに接触し、したがって加熱器ワイヤが中間コネクタに電気的に結合し、ここで、中間コネクタは、加熱器ワイヤ制御および/またはセンサ読み取りのための回路を提供するように構成することができる。幾つかの実施形態では、加熱器ワイヤに印加される電源のデューティサイクルは、関連の区分に沿ってガスが流れるときにガスに送給される熱の量を変えるために修正または変更することができる。
【0052】
本明細書で述べる幾つかの実施形態は、患者または他の使用者に暖かい湿ったガスを送給するように構成された呼吸用加湿システムを提供する。ガスは、加熱器プレートを使用して加熱される液体(例えば水)を満たされた液体チャンバを通される。液体は、チャンバ内で蒸発し、その上を流れるガスと混合し、それによりガスを加熱および/または加湿する。加湿ガスは、関連付けられた1つまたは複数の加熱器ワイヤを有する吸気肢に送ることができる。加湿ガスに、所定の、望みの、適当な、または選択された熱量を提供するように、加熱器ワイヤに選択的に電力供給することができる。幾つかの実施形態では、呼吸用加湿システムは、保育器または放射加温器と共に使用することができる。吸気肢は、第1の区分が保育器の外部にあり、第2の区分が保育器の内部にあるように区分化することができる。さらに、第1の加熱器ワイヤセットを第1の区分に関連付けることができ、第2の加熱器ワイヤセットを第2の区分に関連付けることができる。加湿システムは、第1のモードでは第1の加熱器ワイヤセットに電力を供給し、第2のモードでは第2の加熱器ワイヤセットに電力を提供するように構成することができる。幾つかの実施形態では、加湿システムは、第1のモードでは第1の加熱器ワイヤセットに電力を供給し、第2のモードでは第2の加熱器ワイヤセットに電力を提供するように構成することができる。吸気肢は、各区分または一区分の端部にセンサを含み、加湿システムにフィードバックを提供することができ、このフィードバックは、区分内の加熱器ワイヤセットに送給するための電力を選択する際に使用される。幾つかの実施形態では、加湿システムは、同様に加湿システムによって選択的に制御される関連の加熱器ワイヤを有する呼気肢を含むことができる。本出願では、区分化された肢を、吸気肢を参照して述べる。しかし、説明する特徴を他の医療用管同様に、呼気肢にも適用することができる。
【0053】
呼吸用加湿システム
図1は、呼吸システム1を示し、呼吸システム1は、限定はしないが、以下の構成要素、すなわち、患者3に送給されるガスの供給を生み出すように適合された加圧ガス源2(送風器または換気装置など)と、ガスの供給を調整するように適合された加湿デバイス4と、患者インターフェース8にガスを送給するように(次いで、患者インターフェース8は患者3にガスを送給する)適合された医療用管6と、医療用管6を加湿デバイス4に接続するように適合されたコネクタ16とを含むことができる。
【0054】
本明細書で述べる患者インターフェース8は、マスク、鼻マスク、鼻カニューレ、口マスク、気管マスクまたは鼻枕を指すことができる。
【0055】
本明細書で述べる加湿デバイス4は、ガスを調整するいかなるデバイスも指すことができる。このガスの調整は、ガスの加熱および/またはガスの加湿を含むことができる。
【0056】
本明細書で述べるガスは、空気、酸素、二酸化炭素もしくはそのような任意のガスの混合物、または、患者インターフェース8によって患者3に送給することができる1つもしくは複数の薬剤もしくはエアロゾルとのそのような任意のガスの組合せを指すことができる。
【0057】
本明細書で述べる医療用管6は、管、管路、回路またはホースを指すことができる。医療用管6は、1つまたは複数のワイヤを備えることができる。1つまたは複数のワイヤは、少なくとも1つの加熱器ワイヤ、少なくとも1つのセンサワイヤおよび/または他の任意のタイプの導体を含むことができる。1つまたは複数のワイヤは、医療用管6内にあるものでもよい。1つまたは複数のワイヤは、医療用管6の内面または外面に沿って位置するものでもよい。1つまたは複数のワイヤは、医療用管6上に螺旋状に巻かれたものでも、1つまたは複数のワイヤを医療用管6の壁に埋め込むことができるように医療用管6の中に螺旋状に巻かれたものでもよい。
【0058】
医療用管6は、好ましくは、加熱される。医療用管6は、医療用管6内での凝結物の形成を低減するために、絶縁体を含むことができる。凝結物は、加熱された場合に形成され、医療用管6内の加湿ガスは、通過の間に冷却される。凝結物の形成を低減または防止するため、医療用管6を加熱することができる。この加熱は、1つまたは複数の加熱器ワイヤを含む1つまたは複数のワイヤによって提供することができる。
【0059】
医療用管6の終端部分は、医療用管6と呼吸システム1の構成要素との間に電気接続線を形成することができるように、コネクタ16で1つまたは複数のワイヤを終端するために提供することができる。コネクタ16は、医療用管6と呼吸システム1の構成要素との間に空気圧接続ラインを提供することができる。本明細書で述べる呼吸システム1の構成要素は、患者インターフェースまたは加湿デバイスを指すことができる。コネクタ16は、医療用管6と呼吸システム1の構成要素との間に電気および空気圧接続ラインの一方または両方を提供することができる。
【0060】
また、1つまたは複数のワイヤは、1つまたは複数の感知ワイヤを含むこともできる。
1つまたは複数の感知ワイヤは、温度、流量、湿度または圧力などのガス特性を感知するために使用することができる。幾つかの実施形態では、1つまたは複数の感知ワイヤは、温度を感知するために使用することができる。幾つかの実施形態では、1つまたは複数の感知ワイヤは、これらのガス特性のうちの1つまたは複数を感知するために使用することができる1つまたは複数のセンサに接続することができる。
【0061】
図2は、加湿ガスを使用者に送給するための例示的な呼吸用加湿システム100を示し、呼吸用加湿システム100は呼吸回路200を有し、呼吸回路200は、各区分内にセンサ204a、204bを有する区分化された吸気肢202を含む。区分化された吸気肢202は、図示されるように保育器208と共に使用することができ、または、吸気肢202の様々な区分に沿って異なる温度が存在する別のシステム、例えば放射加温器と共に使用することもできる。区分化された吸気肢202は、吸気肢の様々な区分202a、202bに異なるレベルの熱を提供するために使用することができ、凝結を減少または防止し、および/または使用者に送給されるガスの温度を制御する。
【0062】
呼吸用加湿システム100は、加圧ガス源102を備える。幾つかの実装形態では、加圧ガス源102は、ファンや送風器などを備える。幾つかの実装形態では、加圧ガス源102は、換気装置または他の陽圧発生デバイスを備える。加圧ガス源102は、入口104と出口106を備える。
【0063】
加圧ガス源102は、加湿ユニット108に流体(例えば、酸素、麻酔ガス、空気など)の流れを提供する。流体の流れは、加圧ガス源102の出口106から、加湿ユニット108の入口110に進む。例示される構成では、加湿ユニット108は、加圧ガス源102から独立して図示されており、加湿ユニット108の入口110が、管路112によって加圧ガス源102の出口106に接続されている。幾つかの実装形態では、加圧ガス源102と加湿ユニット108を単一のハウジングに一体化することができる。
【0064】
他のタイプの加湿ユニットを使用して、本開示で述べる特定の特徴、態様、および利点を得ることもできるが、図示される加湿ユニット108は、加湿チャンバ114と、加湿チャンバ114への入口110とを備えるパスオーバー型(pass-over)加湿器である。幾つかの実装形態では、加湿チャンバ114は本体116を備え、本体116にはベース118が取り付けられている。加湿チャンバ116内部に区室を画定することができ、区室は、ベース118を通って伝達または提供される熱によって加熱することができる液体体積を保持するように適合される。幾つかの実装形態では、ベース118は、加熱器プレート120に接触するように適合される。加熱器プレート120は、制御装置122または他の適切な構成要素によって制御することができ、それにより、液体中へ伝達される熱を変更および制御することができる。
【0065】
加湿ユニット108の制御装置122は、呼吸用加湿システム100の様々な構成要素の動作を制御することができる。図示されるシステムは、単一の制御装置122を使用するものとして示されているが、他の構成では複数の制御装置を使用することもできる。複数の制御装置は通信することができ、または個別の機能を提供することができ、したがって制御装置が通信する必要はない。幾つかの実装形態では、制御装置122は、コンピュータプログラム用のソフトウェアコードを含む関連のメモリまたは記憶媒体を備えるマイクロプロセッサ、処理装置、または論理回路を備えることがある。そのような実装形態では、制御装置122は、例えばコンピュータプログラムに含まれる命令に従って、およびまた内部もしくは外部入力に応答して、呼吸用加湿システム100の動作を制御することができる。制御装置122、または複数の制御装置の少なくとも1つを呼吸回路と共に位置させることができ、呼吸回路に取り付けられるか、または呼吸回路の一部として組み込まれる。
【0066】
加湿チャンバ114の本体116は、加湿チャンバ114の入口110を画定するポート124と、出口128を画定するポート126とを備える。加湿チャンバ114の内部に含まれる液体が加熱されるとき、液体蒸気が、入口ポート124を通して加湿チャンバ114内に導入されるガスと混合される。ガスと蒸気の混合物は、出口ポート126を通って加湿チャンバ114から出る。
【0067】
呼吸用加湿システム100は、加湿ユニット108の出口ポート126を画定する出口128に接続された吸気肢202を備える呼吸回路200を含む。吸気肢202は、加湿チャンバ114から出たガスと水蒸気の混合物を使用者に向けて搬送する。吸気肢202は、吸気肢202に沿って位置決めされた加熱要素206を含むことができ、加熱要素206は、吸気肢202に沿った凝結を減少するように構成されて、使用者に達するガスの温度の制御、ガスの湿度の維持、またはこれらの任意の組合せを行う。加熱要素206は、吸気肢202によって搬送されるガスと水蒸気の混合物の温度を上昇または維持することができる。幾つかの実装形態では、加熱要素206は、抵抗加熱器を画定するワイヤでよい。加湿チャンバ114から出たガスと水蒸気の混合物の温度を上昇または維持することによって、混合物から水蒸気が凝結されにくくなる。
【0068】
呼吸用加湿システム100は、保育器208と共に使用することができる。保育器208は、使用者のための望みの環境、例えば選択された、所定の、または望みの温度を保育器208の内部で維持するように構成することができる。したがって、保育器208の内部で、内部周囲温度は、保育器208の外部の温度とは異なることがある。したがって、保育器208は、吸気肢202に沿って異なる温度の区域を生成、画定、作成、または維持し、ここで、内部温度は、典型的には外部温度よりも高い。吸気肢202に沿って少なくとも2つの異なる温度区域を有することは、使用者へのガスの送給中に、吸気肢202に沿った凝結、高すぎる温度のガスの送給、またはそれら両方など、問題を生じることがある。
【0069】
呼吸用加湿システム100は、関連の加熱要素212を有する呼気肢210を含むことができる。幾つかの実施形態では、呼気肢210と吸気肢202は、適切な取り付け具(例えばYピース)を使用して接続することができる。幾つかの実施形態では、呼吸用加湿システム100は、放射加温器と共に使用することもでき、ブランケットの下で使用することもでき、または2つ以上の温度区域を形成する他のシステムもしくは状況で使用することもできる。本明細書で述べるシステムおよび方法は、そのようなシステムと共に使用することができ、保育器を組み込む実装形態に限定されない。
【0070】
吸気肢202は、区分202aと202bに分割することができ、ここで、第1の区分202aは、保育器208の外部にある吸気肢202の一部でよく、第2の区分202b(例えば保育器延長部)は、保育器208の内部にある吸気肢202の一部分でよい。第1の区分202aと第2の区分202bは、異なる長さでも同じ長さでもよい。幾つかの実施形態では、第2の区分202bは、第1の区分202aよりも短くてよく、特定の実装形態では、第2の区分202bは、第1の区分202aの約半分の長さでよい。第1の区分202aは、例えば、少なくとも約0.5mおよび/または約2m以下、少なくとも約0.7mおよび/または約1.8m以下、少なくとも約0.9mおよび/または約1.5m以下、または少なくとも約1mおよび/または1.2m以下の長さを有することができる。第2の区分202bは、例えば、少なくとも約0.2mおよび/または約1.5m以下、少なくとも約0.3mおよび/または約1m以下、少なくとも約0.4mおよび/または約0.8m以下、または少なくとも約0.5mおよび/または約0.7m以下の長さを有することができる。
【0071】
吸気肢の区分202a、202bは、互いに結合されて、単一のガス送給用管路を形成することができる。幾つかの実施形態では、第1の区分202aは、1つまたは複数の第1の加熱器ワイヤ206aと、1つまたは複数の第1のセンサ204aとを含むことができ、第2の区分202bなしで使用することもできる。制御装置122は、第2の区分202bが第1の区分202aに結合されていなくても、第1の加熱器ワイヤ206aを制御し、第1のセンサ204aを読み取るように構成することができる。さらに、第2の区分202bが第1の区分202aに結合されるとき、制御装置122は、それぞれの区分内の第1および第2の加熱器ワイヤ206a、206bを制御し、第1および第2のセンサ204a、204bを読み取るように構成することができる。幾つかの実施形態では、制御装置122は、第2の区分202bが取り付けられるとき、それぞれの第1および第2の加熱器ワイヤ206a、206bを制御し、それぞれの第1および第2のセンサ204a、204bを読み取るように構成することができる。また、第2の区分202bが取り付けられないときには、第1の加熱器ワイヤ206aを制御し、第1のセンサ204aを読み取るように構成することができ、制御装置122または加湿ユニット108の変更は必要ない。したがって、吸気肢202が第1の区分202aと第2の区分202bとの両方を含むか、第1の区分202aのみを含むかに関係なく、同じ制御装置122および/または加湿ユニット108を使用することができる。幾つかの実施形態では、制御装置122はさらに、制御装置122または加湿ユニット108を変更することなく、呼気肢210内の加熱器ワイヤ212を制御するように構成することができる。したがって、呼吸用加湿システム100は、第2の区分202bを取り付けた状態でも取り付けない状態でも、および/または呼気肢210を取り付けた状態でも取り付けない状態でも動作可能である。
【0072】
幾つかの実施形態では、第1の区分202aと第2の区分202bは、互いに永久的に接合されて、単一のガス送給用管路を形成する。本明細書で使用する際、「永久的に接合」は、区分202a、202bが、それらの区分を分離するのが難しいように、例えば接着剤、摩擦嵌め、オーバーモールド、機械的コネクタなどを使用することによって互いに接合されることを意味する。幾つかの実施形態では、第1の区分202aと第2の区分202bは、解放可能に結合されるように構成される。例えば、第1の区分202aは、第2の区分202bなしでガス送給のために使用することができ、または第1の区分202aと第2の区分202bを互いに結合させて、単一のガス送給用管路を形成することもできる。幾つかの実施形態では、第1の区分202aと第2の区分202bは、唯一の構成形態で互いに結合されるように構成することができる。例えば、第1の区分202aは、所定のチャンバ端部(例えば、患者への加湿ガスの流れの方向に沿ってチャンバ114または加湿ユニット108に最も近い端部)と、所定の患者端部(例えば、患者への加湿ガスの流れの方向に沿って患者に最も近い端部)とを有することができ、チャンバ端部は、チャンバ114および/または加湿ユニット108での構成要素に結合するように構成される。第2の区分202bは、所定のチャンバ端部と、所定の患者端部とを有することができ、ここで、チャンバ端部は、第1の区分202aの患者端部にのみ結合するように構成される。第1の区分202aのチャンバ端部は、第2の区分202bのいずれかの端部とは結合しないように構成することができる。同様に、第1の区分202aの患者端部は、第2の区分202bの患者端部とは結合しないように構成することができる。同様に、第2の区分202bの患者端部は、第1の区分202aのいずれかの端部とは結合しないように構成することができる。したがって、第1の区分202aと第2の区分202bは、一方向のみで結合して単一のガス送給用管路を形成するように構成することができる。
幾つかの実施形態では、第1の区分202aと第2の区分202bは、様々な構成形態で結合されるように構成することができる。例えば、第1の区分202aと第2の区分202bは、所定の患者端部および/または所定のチャンバ端部を含まないように構成することができる。別の例として、第1の区分202aと第2の区分202bは、第1の区分202aの患者端部および/またはチャンバ端部が第2の区分202bのチャンバ端部または患者端部に結合することができるように構成することができる。同様に、第1の区分202aと第2の区分202bは、第2の区分202aのチャンバ端部および/または患者端部が第2の区分202bの患者端部またはチャンバ端部に結合することができるように構成することができる。
【0073】
呼吸用加湿システム100は中間コネクタ214を含み、中間コネクタ214は、吸気肢202の第1の区分202aと第2の区分202bとの要素を電気的に結合するように構成することができる。中間コネクタ214は、第1の区分202aの加熱器ワイヤ206aを第2の区分202bの加熱器ワイヤ206bに電気的に結合して、制御装置122を用いた加熱器ワイヤ206a、206bの制御を可能にするように構成することができる。中間コネクタ214は、第2の区分202bの第2のセンサ204bを第1の区分の第1のセンサ204aに電気的に結合して、制御装置122がセンサのそれぞれの出力を取得することができるように構成することができる。中間コネクタ214は、加熱器ワイヤ206a、206bの選択的制御、および/またはセンサ204a、204bの選択的読み取りを可能にする電気構成要素を含むことができる。例えば、中間コネクタ214は、第1のモードでは第1の加熱器ワイヤ206aを通して電力を送り、第2のモードでは第1および第2の加熱器ワイヤ206a、206bを通して電力を送る電気構成要素を含むことができる。中間コネクタ214に含まれる電気構成要素としては、例えば、限定はしないが、抵抗、ダイオード、トランジスタ、リレー、整流器、スイッチ、コンデンサ、インダクタ、集積回路、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、RFIDチップ、ワイヤレス通信センサなどを挙げることができる。幾つかの実施形態では、中間コネクタ214は、外部要素から実質的に遮蔽される(例えば、吸気肢202の外部の環境からの水、微粒子、汚染物質などの1%未満しか中間コネクタ214に接触しない)ように、吸気肢202の内部に構成することができる。幾つかの実施形態では、中間コネクタ214にある電気構成要素の幾つかは、湿気への露出により生じ得る損壊を減少または防止するために、吸気肢202内部の加湿ガスから物理的に隔離されるように構成することができる。幾つかの実施形態では、中間コネクタ214は、コストを減少させるためおよび/または信頼性を高めるために、比較的安価な受動電気構成要素を含むことができる。
【0074】
吸気肢202は、吸気肢のそれぞれの区分202a、202b内にセンサ204a、204bを含むことができる。第1のセンサ204aは、保育器208の近くで、第1の区分202aの端部付近に位置決めすることができ、それにより、第1のセンサ204aから導出されるパラメータは、第2の区分202bに入る加湿ガスのパラメータに対応する。第2のセンサ204bは、第2の区分202bの端部付近に位置決めすることができ、それにより、第2のセンサ204bから導出されるパラメータは、患者または使用者に送給される加湿ガスのパラメータに対応する。センサ204a、204bの出力は、吸気肢の区分202a、202bの加熱要素206a、206bに送られる電力を制御する際に使用するためのフィードバックとして制御装置122に送信することができる。幾つかの実施形態では、センサ204a、204bの一方または両方は、温度センサ、湿度センサ、酸素センサ、流量センサなどでよい。温度センサは、例えば、限定はしないが、サーミスタ、熱電対、デジタル温度センサ、トランジスタなどを含めた任意の適切なタイプの温度センサでよい。センサによって提供される、またはセンサから導出されるパラメータは、例えば、限定はしないが、温度、湿度、酸素含有量、流量、またはこれらの任意の組合せなどを含むことができる。
【0075】
制御装置122は、加熱器ワイヤ206aおよび206bの制御、センサ204aおよび204bからのフィードバックの受信、加熱器ワイヤ206aおよび206bへの電力を制御するための論理の提供、センサ204aおよび204bからの読み取り値に応じた加熱器ワイヤ206aおよび206bの制御の調節、吸気肢202の第2の区分202bの存在の検出(例えば、第2の区分202bは、専用抵抗または識別目的で特にもしくは主に使用される他の要素など、第2の区分202bと関連付けられた識別要素を有することができるか、あるいは、第2の区分の固有の特性を使用することができる(既定の範囲内の抵抗を有するサーミスタなど))、センサ204aおよび204bからの読み取り値からのパラメータの導出などを行うように構成することができる。幾つかの実施形態では、制御装置122は、加熱器ワイヤに電力を送るように構成された電源を含む。電源は、交流電源でも直流電源でもよい。幾つかの実施形態では、制御装置122は、加熱器プレートセンサ130からの入力を受信することができる。加熱器プレートセンサ130は、加熱器プレート120の温度および/または電力使用量に関する情報を制御装置122に提供することができる。幾つかの実施形態では、制御装置122は、流量センサ132からの入力を受信することができる。任意の適切な流量センサ132を使用することができ、流量センサ132は、周囲空気と加湿チャンバ114との間、または加圧ガス源102と加湿チャンバ114との間に位置決めすることができる。図示されるシステムでは、流量センサ132は、加湿チャンバ114の入口ポート124に位置決めされる。
【0076】
第2の区分の存在の検出は、装置の制御を変更するために使用することができる。例えば、保育器内の乳児に加湿ガスを提供するように適合された制御アルゴリズムを使用することができる。したがって、適用可能な温度プロファイル、値および/または範囲を使用することができ、送給されるガスの流量および/または圧力を調節することができる。
【0077】
呼吸回路ハードウェア構成
図3は、呼吸回路200用のハードウェア構成800の例示的な図を示し、吸気肢の第1の区分202aおよび吸気肢の第2の区分202bを有し、呼気肢(図示せず)を含むかまたは呼気ガスを大気に放出することができる。ハードウェア構成800は、加熱器ワイヤHW1の配線およびセンサ204用の配線を結合するように構成された加湿器108を含むことができる。幾つかの実施形態では、センサカートリッジ802は、加熱器ワイヤHW1の配線およびセンサ204用の配線を結合するように構成することができる。加熱器ワイヤHW1は、2つのモードで制御することができる。第1のモードでは、第1の加熱器ワイヤ206aは電力を受信するが、第2の加熱器ワイヤ206bは電力を受信しない。第2のモードでは、第1および第2の加熱器ワイヤ206a、206bが電力を受信する。
【0078】
ハードウェア構成800は、パワーダイオードD1を含む中間印刷回路板(PCB)214を含むことができる。中間PCB214は、ヒートパッドを含み、ダイオードD1によって発生される熱を放散させ、センサ204に対する影響を減少させることができる。
ハードウェア構成800は、2つの加熱器ワイヤおよび1つのセンサ204を有する患者端部PCB804を含むことができ、加熱器ワイヤ206bは電気的に直接結合される。
第1の動作モードでは、加熱器ワイヤ206aおよびダイオードD1を通って電流が流れ、一方、加熱器ワイヤ206bを通っては実質的に電流が流れないように(例えば、加熱器ワイヤ206aを通る電流の1%未満しか加熱器ワイヤ206bを通って流れない)HW1に電力を提供することができる。第2の動作モードでは、加熱器ワイヤ206aおよび206bを通って電流が流れるようにHW1に電力を提供することができる。第1および第2の動作モードは、加熱器ワイヤHW1を通る電流の方向によって少なくとも一部制御することができる。
【0079】
幾つかの実施形態では、センサカートリッジ802は、加湿システム100の内部またはシステムの外部に位置させることができる。
【0080】
図4は、呼吸システム1の吸気肢6用のハードウェア構成900の例示的な図を示し、呼気肢(図示せず)を含むかまたは呼気ガスを大気に放出することができる。ハードウェア構成900は、加熱器ワイヤHW1の配線およびセンサ204用の配線を結合するように構成された加湿器4を含むことができる。幾つかの実施形態では、センサカートリッジ802は、加熱器ワイヤHW1の配線およびセンサ204用の配線を結合するように構成することができる。
【0081】
ハードウェア構成900は、2つの加熱器ワイヤおよびセンサ204を有する患者端部PCB 804を含むことができ、加熱器ワイヤ206は、電気的に直接結合される。電流が加熱器ワイヤ206を通って流れ、熱を生成するように、電力は、HW1に提供することができる。
【0082】
呼気肢が加熱される実施形態および/または1つもしくは複数の追加のセンサが提供される実施形態を含む他の構成は、創作性を発揮することなくPCT/NZ2013/00208号明細書から導出することができるが、本明細書で開示する新規のセンサ読み取り制御を実施する。
【0083】
図1~4に示されるシステムの実施形態は、加熱器プレートおよび加熱器ワイヤのオンまたはオフへの切り換えを提供する正弦波パルス幅変調(SPWM)ドライバを含むことができ、加湿チャンバの含有物を加熱するための加熱器プレートおよび加熱器ワイヤは、例えば、吸気管路の加熱器ワイヤHW1である。ドライバは、例えば、2つの100ビットパターン(1つは加熱器プレート用であり、もう1つは加熱器ワイヤ用である)を供給することができる。ビットパターンにおける各ビットは、それぞれの加熱器のオンまたはオフへの切り換えをSPWMドライバに行わせることができる。切り換えは、ゼロ電力から最大電力レベルへの突然の遷移によって引き起こされるだろう電源に対するストレスを低減するために、主電源の電圧の各立ち下がりゼロ交差で行うことができる。立ち下がりエッジまたは立ち上がりエッジの選択は、やや恣意的なものであり、重要なのは、1つの全ACサイクルごとに1度、ゼロ交差で切り換えが起こることである。したがって、加熱器は、50Hz主電源および60Hz主電源のそれぞれに対して1秒間に50回(20msごとに)または1秒間に60回(16.67msごとに)オンまたはオフに切り換えることができる。センサ(例えば、患者端部サーミスタ)測定サイクルは主電源サイクルと整合させることができるため、これは有用であり、主電源および加熱器ワイヤサイクルは既に整合されている。
【0084】
図5は、主電源ACサイクルと
図3および4で描写する加熱器ワイヤの加熱器ワイヤサイクルとの間の関係を示すチャートである。
【0085】
図6は、主電源の電圧波形に対するセンサの測定値を描写するチャートである。立ち下がりゼロ交差が主電源サイクルで起こる際は、感知ワイヤの極性を正に切り換えることを含めて、センサ読み取りに備えるために、様々なセットアップステップを講じることができる。立ち上がりゼロが主電源サイクルで起こる際は、測定を行い、感知ワイヤの極性を逆にする。立ち下がりゼロ交差および周波数は、立ち上がりゼロ交差を予測して、主電源の電圧を分析することによって検出することができる。
【0086】
結論
センサ読み取り制御および関連の構成要素を備える呼吸用加湿システムならびに方法の幾つかの例を、図を参照しながら説明してきた。これらの図は、様々なシステムおよびモジュール、ならびにそれらの間の接続を示す。様々なモジュールおよびシステムは、様々な構成で組み合わせることができ、様々なモジュールおよびシステム間の接続は、物理的または論理的リンクを表すことができる。これらの図における表現は、センサ読み取り制御の提供に関連する原理を明瞭に示すように提示されている。モジュールまたはシステムの分割に関する詳細は、個々の物理的実施形態を定めることを試みたものではなく、説明を容易にするために提供されている。例および図は、本明細書で述べる発明の範囲を例示することを意図されており、限定することは意図されていない。例えば、本明細書における原理は、呼吸用加湿器、ならびに手術用加湿器を含めた他のタイプの加湿システムに適用することができる。本明細書における原理は、呼吸用途で適用することができ、また、異なる周囲温度にさらされる複数の区分に沿ってガスの温度が制御される他のシナリオにも適用することができる。
【0087】
本明細書で使用する際、用語「処理装置」は、広範に、命令を実行するための任意の適切なデバイス、論理ブロック、モジュール、回路、または素子の組合せを表す。例えば、本明細書の制御装置は、Pentium(登録商標)プロセッサ、MIPS(登録商標)プロセッサ、PowerPC(登録商標)プロセッサ、AMD(登録商標)プロセッサ、ARM(登録商標)プロセッサ、またはALPHA(登録商標)プロセッサなど、任意の従来の汎用シングルチップまたはマルチチップマイクロプロセッサを含むことができる。
さらに、制御装置は、デジタル信号処理装置やマイクロコントローラなど、任意の従来の専用マイクロプロセッサを含むことができる。本明細書で開示する実施形態に関連して述べる様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、本明細書で述べる機能を実施するように設計された、汎用処理装置、デジタル信号処理装置(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェアコンポーネント、またはそれらの任意の組合せを用いて実装または実施することができ、あるいはメインプロセッサ内の純粋なソフトウェアでもよい。例えば、論理モジュール504は、追加のおよび/または特殊なハードウェア要素を利用しないソフトウェア実装機能ブロックでよい。制御装置は、計算デバイスの組合せ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、マイクロコントローラとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装することができる。
【0088】
データ記憶装置は、処理装置がデータを記憶および検索できるようにする電子回路を表すことができる。データ記憶装置は、外部デバイスまたはシステム、例えばディスクドライブまたはソリッドステートドライブを表すことができる。データ記憶装置はまた、高速半導体記憶装置(チップ)、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)または様々な形態の読み出し専用メモリ(ROM)を表すこともでき、これらは、通信バスまたは制御装置に直接接続される。他のタイプのデータ記憶装置は、バブルメモリおよびコアメモリを含む。データ記憶装置は、非一時的な媒体にデータを記憶するように構成された物理的ハードウェアでよい。
【0089】
本明細書では特定の実施形態および実施例を開示するが、本発明の主題は、特に開示した実施形態を超えて、他の代替実施形態および/または用途、ならびにそれらの修正形態および均等形態にまで及ぶ。したがって、本明細書に添付する特許請求の範囲または実施形態の範囲は、本明細書で述べる特定の実施形態のいずれによっても限定されない。例えば、本明細書で開示する任意の方法またはプロセスにおいて、方法またはプロセスの作用または操作は、任意の適切な順序で行うことができ、任意の特定の開示される順序に必ずしも限定されない。特定の実施形態を理解する助けとなり得るように、様々な操作を、複数の個別の操作として順に記述することがある。しかし、説明の順序は、これらの操作が順序を定められていることを示唆するものと解釈すべきではない。さらに、本明細書で述べる構造は、一体化された構成要素として、または個別の構成要素として具現化することができる。様々な実施形態を比較するために、これらの実施形態の特定の態様および利点を述べる。任意の特定の実施形態によって、そのような態様または利点が必ずしも全て実現されるわけではない。したがって、例えば、本明細書で教示される1つの利点または利点の組合せを実現または最適化し、本明細書でやはり教示または示唆されていることがある他の態様または利点を必ずしも実現はしないように、様々な実施形態を実施することができる。
【0090】
本明細書で使用する仮言的な表現、例えばとりわけ「できる」、「ことがある」、「例えば」などは、特に明記しない限り、または使用される文脈で矛盾しない限り、一般に、特定の特徴、要素、および/または状態を特定の実施形態が含み、他の実施形態は含まないことを表すものと意図される。したがって、そのような仮言的な表現は、一般に、特徴、要素、および/または状態が1つまたは複数の実施形態に必須であることを示唆するものとは意図されない。本明細書で使用する際、用語「備える」、「含む」、「有する」、またはそれらの任意の他の活用形は、非排他的な包含を網羅するものと意図される。例えば、要素の列挙を含むプロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されず、明示的には列挙されていない他の要素、またはそのようなプロセス、方法、物品、もしくは装置に固有の他の要素を含むこともある。また、用語「または」は、(その排他的な意味ではなく)その包含的な意味で使用され、したがって、例えば要素の列挙をつなぐために使用されるとき、用語「または」は、その列挙内の要素の1つ、幾つか、または全てを意味する。語句「X、Y、およびZの少なくとも1つ」などの選言的な表現は、特に明記しない限り、または使用される文脈で矛盾しない限り、一般に、要素や用語などがX、Y、またはZでよいことを表す。したがって、そのような選言的な表現は、特定の実施形態において、Xの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、およびZの少なくとも1つがそれぞれ存在する必要があることを示唆するものとは意図されていない。本明細書で使用する際、語「約」または「ほぼ」は、ある値が、指定される値の±10%以内、±5%以内、または±1%以内であることを意味することができる。
【0091】
本明細書で述べる方法およびプロセスは、1つまたは複数の汎用および/または専用コンピュータによって実行されるソフトウェアコードモジュール内で具現化され、そのようなソフトウェアコードモジュールによって一部または完全に自動化されることがある。語「モジュール」は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで具現化された論理を表し、または、例えば、CまたはC++などのプログラミング言語で書かれた、エントリポイントとエグジットポイントを有することもあるソフトウェア命令の集合を表す。ソフトウェアモジュールは、動的にリンクされたライブラリにインストールされた実行可能なプログラムにコンパイルしてリンクさせることができ、または、例えば、BASIC、Perl、もしくはPythonなどの解釈プログラミング言語で書くことができる。ソフトウェアモジュールは、他のモジュールまたはそれら自体から呼出し可能であることがあり、および/または検出されたイベントまたは中断に応答して呼び出されることもあることを理解されたい。ソフトウェア命令は、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)などのファームウェアに埋め込まれることがある。ハードウェアモジュールは、ゲートおよびフリップフロップなど接続された論理ユニットを含むことがあり、および/または、プログラマブルユニット、例えばプログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路、および/または処理装置を含むことがある。本明細書で述べるモジュールは、ソフトウェアモジュールとして実装することができるが、ハードウェアおよび/またはファームウェアで表すこともできる。さらに、幾つかの実施形態では、モジュールを個別にコンパイルすることができるが、他の実施形態では、モジュールは、個別にコンパイルされたプログラムの命令のサブセットを表すこともあり、他の論理プログラムユニットに利用可能なインターフェースを有さないこともある。
【0092】
特定の実施形態では、コードモジュールは、任意のタイプのコンピュータ可読媒体または他のコンピュータ記憶デバイスに実装および/または記憶することができる。幾つかのシステムでは、システムに入力されるデータ(および/またはメタデータ)、システムによって生成されるデータ、および/またはシステムによって使用されるデータを、リレーショナルデータベースおよび/またはフラットファイルシステムなど任意のタイプのコンピュータデータリポジトリに記憶することができる。本明細書で述べるシステム、方法、およびプロセスの任意のものが、使用者、オペレータ、他のシステム、コンポーネント、プログラムなどとの対話を可能にするように構成されたインターフェースを含むことがある。
【0093】
本明細書で述べる実施形態に多くの変更および修正を施すことができ、それらの要素は、他の許容できる実施例に含まれるものと理解すべきであることを強調しておく。そのような修正形態および変形形態は全て、本開示の範囲内に含まれ、添付の特許請求の範囲によって保護されるものと意図される。さらに、上記の開示はどれも、任意の特定の構成要素、特徴、またはプロセスステップが必須または本質的であることを示唆するものとは意図されていない。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸補助装置用の制御装置であって、前記呼吸補助装置がその中にガスを伝送するための管路を備え、前記管路が回路を備え、前記回路が、使用中に前記管路内のガスを加熱するための少なくとも1つの加熱器ワイヤ部と、使用中に前記管路内の前記ガスのパラメータを監視するための少なくとも1つのセンサを備える少なくとも1つのセンサワイヤ部とを備える、制御装置であり、
前記加熱器ワイヤ部へのAC電力またはAC電圧の提供を制御することと、
前記センサの選択的読み取りを制御することと
を行うように構成された制御装置であり、
前記加熱器ワイヤ部に提供される前記AC電力波形の特定の部分でまたは特定の部分の辺りで前記センサを読み取るように構成された制御装置。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸補助装置用の制御装置であって、
前記呼吸補助装置が、その中でガスを伝送するための管路を備え、前記管路が回路を備え、前記回路が、使用中に前記管路内のガスを加熱するための少なくとも1つの加熱器ワイヤ部と、使用中に前記管路内の前記ガスのパラメータを監視するための少なくとも2つのセンサを備えている少なくとも1つのセンサワイヤ部と、を備えているものにおいて、
前記制御装置は、
前記少なくとも1つの加熱器ワイヤ部へのAC電力波形の提供を制御することと、
前記少なくとも2つのセンサの選択的読み取りを制御することと、
を行うように構成されており、
前記制御装置は、前記加熱器ワイヤ部に供給される前記AC電力波形の特定の部分で、またはその辺りで、前記少なくとも2つのセンサを読み取るように構成され、
前記制御装置は、前記少なくとも2つのセンサの読み取りに基づいて、前記少なくとも1つの加熱器ワイヤ部への前記AC電力波形の供給を調整するように構成されている、制御装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記少なくとも2つのセンサのうちの第1のセンサの読み取りを、前記AC電力波形の第1のゼロ交差のところで、またはその辺りで、またはその後で開始し、前記AC電力波形の後続の第2のゼロ交差のところで、またはその前に終了するように制御するように構成されており、前記第1および第2のゼロ交差は、同じタイプの連続するゼロ交差であり、前記ゼロ交差の種類は、立ち上がりゼロ交差または立ち下がりゼロ交差であり、
前記制御装置は、前記少なくとも2つのセンサのうちの第2のセンサの読み取りを、前記AC電力波形の第3のゼロ交差のところで、またはその辺りで、またはその後に開始し、前記AC電力波形の第4のゼロ交差のところで、またはその前に終了するように制御するように構成され、前記第1、第2、第3および第4のゼロ交差は、同じタイプの連続するゼロ交差である、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記少なくとも2つのセンサのうちの第1のセンサの読み取りを、前記AC電力波形の第1の特定の部分のところで、またはその辺りで、またはその後に開始するように制御するとともに、前記少なくとも2つのセンサのうちの第2のセンサの読み取りを、前記AC電力波形の第2の特定の部分のところで開始するように制御するように構成され、
前記第1の特定の部分および前記第2の特定の部分は、連続する特定の部分である、請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記少なくとも1つの加熱器ワイヤ部に印加される前記AC電力波形が、平坦部分から、主AC波形の全サイクルのうちの負の半サイクルに遷移するように、前記少なくとも1つの加熱器ワイヤ部への前記AC電力波形の印加を制御するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記少なくとも1つの加熱器ワイヤ部に印加される前記AC電力波形が、主AC波形の全サイクルのうちの正の半サイクルから平坦部分に遷移するように、前記少なくとも1つの加熱器ワイヤ部への前記AC電力波形の印加を制御するように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの加熱器ワイヤ部は、第1および第2の加熱器ワイヤ部を含み、
前記制御装置は、前記第1の加熱器ワイヤ部のみへの第1の期間における前記AC電力波形の選択的印加を制御するとともに、前記第1および第2の加熱器ワイヤ部の両方または前記第2の加熱器ワイヤ部のみへの第2の期間における前記AC電力波形の選択的印加を制御するように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御装置は、前記AC電力波形が、平坦部分から、2つの正の半サイクルの主AC波形または2つの負の半サイクルの主AC波形のうちの第1の波形に遷移するように、第1の前記加熱器ワイヤ部への前記AC電力波形の印加を制御するように適合されている、請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御装置は、前記AC電力波形が、2つの正の半サイクルの主AC波形または2つの負の半サイクのル主AC波形に続いて平坦部分に遷移するように、前記第1の前記加熱器ワイヤ部への前記AC電力波形の印加を制御するように適合されている、請求項6に記載の制御装置。
【請求項9】
前記制御装置は、前記AC電力波形が、平坦部分から、2つの正の半サイクルの主AC波形または2つの負の半サイクルの主AC波形のうちの第1の波形に遷移するように、前記第2の加熱器ワイヤ部への前記AC電力波形の印加を制御するように適合されている、請求項6から8のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記制御装置は、前記AC電力波形が、2つの正の半サイクルの主AC波形または2つの負の半サイクルの主AC波形に続いて平坦部分に遷移するように、前記第2の前記加熱器ワイヤ部への前記AC電力波形の印加を制御するように適合されている、請求項6から8のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのセンサワイヤ部の少なくとも一部が、前記少なくとも1つの加熱器ワイヤ部の少なくとも対応する部分に隣接して配置されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項12】
前記制御装置は、前記少なくとも1つの加熱器ワイヤ部を通る前記AC電力波形の電流の流れ方向および/または前記少なくとも1つの加熱器ワイヤ部を通る前記AC電力波形の電圧極性を制御するように構成されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項13】
前記制御装置が、前記少なくとも2つのセンサからの信号を並列に受信するように構成されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項14】
前記管路が、追加の区分を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項15】
前記管路が第1の区分と第2の区分とを含み、前記第1の区分と前記第2の区分とが一体であるか、または機械的に結合するように構成されている、請求項14に記載の制御装置。
【請求項16】
前記第1の区分は、前記少なくとも2つのセンサのうちの少なくとも1つを含み、前記第2の区分は、前記少なくとも2つのセンサのうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の制御装置。
【請求項17】
前記少なくとも2つのセンサは、前記第1の区分および前記第2の区分の端部の近傍に配置される、請求項16に記載の制御装置。
【請求項18】
前記少なくとも2つのセンサが、前記第1および第2の区分の患者側の端部に配置されている、請求項17に記載の制御装置。
【請求項19】
前記管路は吸気肢を含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項20】
前記少なくとも2つのセンサが、温度センサ、湿度センサ、酸素センサおよび流量センサのうちの1つ以上を含む、請求項1から19のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項21】
前記制御装置はマルチプレクサを備え、前記マルチプレクサは前記少なくとも1つのセンサワイヤ部分に結合され、これにより対応する前記少なくとも2つのセンサの読み取りが可能となっている、請求項1から20のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項22】
前記少なくとも2つのセンサが、少なくとも1つの同様のパラメータを測定するように構成されている、請求項1から21のいずれか一項に記載の制御装置。
【外国語明細書】