(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138364
(43)【公開日】2024-10-08
(54)【発明の名称】ハプテン標識細胞によりキメラ抗原受容体T細胞を刺激する方法およびそのための組成物
(51)【国際特許分類】
C12N 5/10 20060101AFI20241001BHJP
C12N 5/0783 20100101ALI20241001BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20241001BHJP
C12N 15/12 20060101ALN20241001BHJP
【FI】
C12N5/10 ZNA
C12N5/0783
C12N15/62 Z
C12N5/10
C12N15/12
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024108743
(22)【出願日】2024-07-05
(62)【分割の表示】P 2021506562の分割
【原出願日】2019-08-02
(31)【優先権主張番号】62/714,928
(32)【優先日】2018-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515045617
【氏名又は名称】シアトル チルドレンズ ホスピタル ディー/ビー/エイ シアトル チルドレンズ リサーチ インスティテュート
【住所又は居所原語表記】1900 Ninth Ave. Seattle, WA 98101 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【弁理士】
【氏名又は名称】岩谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】ジェンセン,マイケル シー.
(72)【発明者】
【氏名】マッセイ,ジェイムズ エフ.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】インビボまたはインビトロでのハプテン標識細胞によるCAR T細胞の刺激方法を提供する。
【解決手段】キメラ抗原受容体(CAR)T細胞の拡大増殖を誘導する方法であって、ハプテン抗原提示細胞(H-APC)とともにCAR T細胞をインキュベートし、該H-APCに結合されたハプテンに該CAR T細胞のCARを特異的に結合させる工程を含む方法とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キメラ抗原受容体(CAR)T細胞の拡大増殖を誘導する方法であって、ハプテン抗原提示細胞(H-APC)とともにCAR T細胞をインキュベートし、該H-APCに結合されたハプテンに該CAR T細胞のCARを特異的に結合させる工程を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権および関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月6日に出願された米国仮出願第62/714928号の優先権の利益を主張するものであり、この出願は引用によりその全体が本明細書に援用される。
【0002】
電子形式の配列表
本願は、ASCIIテキストファイルとしての電子形式の配列表とともにEFS-Web経由で出願されたものである。この電子形式の配列表は、SCRI164WOSEQLIST.txtのファイル名で作成され、2019年8月2日に最終更新されたものであり、47,590バイトのサイズである。この電子形式の配列表に記載の情報は、引用によりその全体が本明細書に援用される。
【0003】
本明細書において提供する方法および組成物の実施形態のいくつかは、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞を刺激するための、ハプテン標識細胞の使用に関する。いくつかの実施形態において、CAR T細胞は、ハプテンに特異的に結合するCARを含んでいてもよい。いくつかの実施形態は、インビボまたはインビトロでのハプテン標識細胞によるCAR T細胞の刺激に関する。
【背景技術】
【0004】
キメラ抗原受容体を有するT細胞の養子細胞移入(ACT)を使用した免疫療法は、がん、腫瘍、さらには血液がんの治療において使用できることが過去に報告されている。キメラ抗原受容体(CAR)の構造には、抗原結合ドメイン、リンカー配列およびスペーサー配列、共刺激活性化ドメインならびに膜貫通領域が含まれる。CAR発現細胞は、治療を必要とする患者に由来するものであってもよく、ドナー細胞(血縁者または非血縁者)に由来するものであってもよい。CARは、細胞または腫瘍細胞上の特定のタンパク質または抗原に結合することができる。遺伝子組換えCAR T細胞を患者に注入すると、患者の体内でさらに増殖し、細胞表面に特定のタンパク質または抗原を有するがん細胞または腫瘍細胞を認識し、これらの細胞を殺傷する。
【0005】
一方、CAR T細胞が長期間にわたって効力を維持することは重要である。血液がんが退縮の最終段階に達すると、がん細胞の数が少なくなるため、抗原量が少なくなり、その結果、CAR T細胞は縮小し、その効力を失う。さらに、固形腫瘍は、腫瘍環境内において非常に高い免疫抑制性を示す。したがって、完治するためには、CAR T細胞を刺激して、残存しているがん細胞を排除する必要がある。さらに、CAR T細胞を刺激および再刺激することによって、免疫抑制性の腫瘍環境を克服することができる。
【0006】
CAR T細胞の刺激および再刺激は過去に報告されている。たとえば、CAR T細胞の刺激は、患者への注入前に、インビトロにおいて抗CD3/CD28ビーズを添加することによって行うことができる。本明細書で提供する実施形態では、インビボおよびインビトロにおいてCAR T細胞を刺激するための新しいアプローチについて述べる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書で提供する方法および組成物の実施形態のいくつかは、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞の拡大増殖を誘導する方法であって、ハプテン抗原提示細胞(H-APC)とともにCAR T細胞をインキュベートし、該H-APCに結合されたハプテンに該CAR T細胞のCARを特異的に結合させる工程を含む方法を含む。いくつかの実施形態において、前記CAR T細胞および前記H-APCは、ヒトなどの単一の対象に由来するものである。
【0008】
本明細書で提供する方法および組成物の実施形態のいくつかは、対象におけるがんを治療、抑制または緩和する方法であって、
がんの腫瘍特異的抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体(CAR)を有するCAR T細胞の有効量を対象に投与する工程;および
ハプテン抗原提示細胞(H-APC)とともに前記CAR T細胞をインキュベートし、該H-APCに結合されたハプテンに該CAR T細胞のCARを特異的に結合させることによって、該CAR T細胞の拡大増殖を誘導する工程
を含む方法を含む。
いくつかの実施形態において、前記CAR T細胞および前記H-APCは、ヒトなどの前記対象に由来するものである。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記CAR T細胞は二重特異性CARを含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記CAR T細胞は2つ以上のCARを含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記CAR T細胞は、腫瘍特異的抗原に特異的に結合することができる第1のリガンド結合ドメインと、前記ハプテンに特異的に結合することができる第2のリガンド結合ドメインとを含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、前記CAR T細胞は単一特異性CARを含む。いくつかの実施形態において、前記CARは、腫瘍特異的抗原と前記ハプテンに特異的に結合することができる単一のリガンド結合ドメインを含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記インキュベーションはインビトロで行われる。
【0014】
いくつかの実施形態において、前記インキュベーションはインビボで行われる。
【0015】
いくつかの実施形態において、前記CARは、腫瘍特異的抗原に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記腫瘍特異的抗原は、CD19、CD22、HER2、CD7、CD30、B細胞成熟抗原(BCMA)、GD2、グリピカン3、MUC1、CD70、CD33、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮成長因子バリアントIII、受容体型チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、CD123、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、CD5、ルイスY抗原、B7H3、CD20、CD43、HSP90およびIL13からなる群から選択される。
【0016】
いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、表1に記載のハプテンから選択されるか、リガンド結合ドメインが、表1に記載のハプテンに対する抗体、表2に記載の抗体および表3に記載の配列から選択される抗体の結合断片を含むか、CARが、表4に記載の1つ以上の配列を含む。いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、フルオレセイン、ウルシオール、キノン、ビオチン、ジニトロフェノールおよびこれらの誘導体から選択される。いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、フルオレセイン、ジニトロフェノールおよび/またはこれらの誘導体から選択される。
【0017】
いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、前記H-APCの細胞外表面に共有結合されている。いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、エーテルリン脂質(PLE)を介して前記H-APCに結合されている。
【0018】
いくつかの実施形態において、前記CAR T細胞は、CD4+細胞またはCD8+細胞に由来するものである。
【0019】
いくつかの実施形態において、前記CD8+細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択されるCD8+細胞傷害性Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記CD8+細胞はCD8+細胞傷害性Tリンパ球であり、該CD8+細胞傷害性Tリンパ球はセントラルメモリーT細胞であり、該セントラルメモリーT細胞は、CD45RO+、CD62L+およびCD8+である。
【0020】
いくつかの実施形態において、前記CD4+細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるCD4+ヘルパーTリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記CD4+ヘルパーリンパ球は、ナイーブCD4+T細胞であり、該ナイーブCD4+T細胞は、CD45RA+、CD62L+およびCD4+であり、かつCD45RO-である。
【0021】
いくつかの実施形態において、前記CAR T細胞は、前駆T細胞に由来するものである。いくつかの実施形態において、前記CAR T細胞は、造血幹細胞に由来するものである。
【0022】
いくつかの実施形態において、前記H-APCは、T細胞およびB細胞からなる群から選択される細胞に由来するものである。
【0023】
いくつかの実施形態において、前記対象は、家畜動物や家庭内動物などの哺乳動物である。いくつかの実施形態において、前記対象はヒトである。
【0024】
本明細書で提供する方法および組成物の実施形態のいくつかは、第1のキメラ抗原受容体(CAR)および第2のキメラ抗原受容体(CAR)をコードする1つ以上の核酸を含む組成物であって、
前記1つ以上の核酸が、第1のCARをコードする第1の配列と、第2のCARをコードする第2の配列とを含み、
第1のCARが、腫瘍抗原に特異的な第1のリガンド結合ドメイン、第1のポリペプチドスペーサー、第1の膜貫通ドメインおよび第1の細胞内シグナル伝達ドメインを含み、
第2のCARが、ハプテンに特異的な第2のリガンド結合ドメイン、第2のポリペプチドスペーサー、第2の膜貫通ドメインおよび第2の細胞内シグナル伝達ドメインを含む、
組成物を含む。
【0025】
いくつかの実施形態において、第1のリガンド結合ドメインは、CD19、CD22、HER2、CD7、CD30、B細胞成熟抗原(BCMA)、GD2、グリピカン3、MUC1、CD70、CD33、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮成長因子バリアントIII、受容体型チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、CD123、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、CD5、ルイスY抗原、B7H3、CD20、CD43、HSP90およびIL13からなる群から選択される抗原に特異的に結合する。
【0026】
いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、表1に記載のハプテンから選択されるか、リガンド結合ドメインが、表1に記載のハプテンに対する抗体、表2に記載の抗体および表3に記載の配列から選択される抗体の結合断片を含むか、CARが、表4に記載の1つ以上の配列を含む。いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、フルオレセイン、ウルシオール、キノン、ビオチン、ジニトロフェノールおよび/またはこれらの誘導体から選択される。いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、フルオレセイン、ジニトロフェノールおよび/またはこれらの誘導体から選択される。
【0027】
いくつかの実施形態において、第1のリガンド結合ドメインおよび/または第2のリガンド結合ドメインは、抗体もしくはその結合断片またはscFvを含む。いくつかの実施形態において、第2のリガンド結合ドメインは、表1に記載のハプテンに対する抗体、表2に記載の抗体および表3に記載の配列から選択される抗体の結合断片を含むか、CARが、表4に記載の1つ以上の配列を含む。
【0028】
いくつかの実施形態において、第1のポリペプチドスペーサーおよび/または第2のポリペプチドスペーサーは、1~24アミノ酸長、25~50アミノ酸長、51~75アミノ酸長、76~100アミノ酸長、101~125アミノ酸長、126~150アミノ酸長、151~175アミノ酸長、176~200アミノ酸長、201~225アミノ酸長、226~250アミノ酸長または251~275アミノ酸長である。
【0029】
いくつかの実施形態において、前記核酸はリーダー配列をさらに含む。
【0030】
いくつかの実施形態において、第1の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または第2の細胞内シグナル伝達ドメインは、CD27、CD28、4-1BB、OX40、CD30、CD40、ICOS、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2CもしくはB7-H3;またはCD83の細胞質内ドメインおよび/もしくはCD3ζの細胞質内ドメインに特異的に結合するリガンドを含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζの一部と4-1BBの一部を含む。
【0032】
いくつかの実施形態は、マーカー配列をコードする配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、前記マーカーは、EGFRt、CD19tまたはHer2tGである。
【0033】
いくつかの実施形態において、第1の膜貫通ドメインおよび/または第2の膜貫通ドメインは、CD28の膜貫通ドメインを含む。
【0034】
いくつかの実施形態において、前記1つ以上の核酸は、切断可能なリンカーをコードする配列をさらに含む。
【0035】
いくつかの実施形態において、前記リンカーはリボソームスキップ配列である。いくつかの実施形態において、前記リボソームスキップ配列は、P2A、T2A、E2AまたはF2Aである。
【0036】
本明細書で提供する方法および組成物の実施形態のいくつかは、本明細書で提供する特定の実施形態による組成物を含むベクターを含む。
【0037】
本明細書で提供する方法および組成物の実施形態のいくつかは、第1のキメラ抗原受容体(CAR)および第2のキメラ抗原受容体(CAR)をコードする1つ以上の核酸を含む組成物であって、
第1のCARをコードする第1の配列を含む第1の核酸と、第2のCARをコードする第2の配列を含む第2の核酸とを含み、
第1のCARが、腫瘍抗原に特異的な第1のリガンド結合ドメイン、第1のポリペプチドスペーサー、第1の膜貫通ドメインおよび第1の細胞内シグナル伝達ドメインを含み、
第2のCARが、ハプテンに特異的な第2のリガンド結合ドメイン、第2のポリペプチドスペーサー、第2の膜貫通ドメインおよび第2の細胞内シグナル伝達ドメインを含む、
組成物を含む。
【0038】
いくつかの実施形態において、第1のリガンド結合ドメインは、CD19、CD22、HER2、CD7、CD30、B細胞成熟抗原(BCMA)、GD2、グリピカン3、MUC1、CD70、CD33、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮成長因子バリアントIII、受容体型チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、CD123、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、CD5、ルイスY抗原、B7H3、CD20、CD43、HSP90およびIL13からなる群から選択される抗原に特異的に結合する。
【0039】
いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、表1に記載のハプテンから選択されるか、リガンド結合ドメインが、表1に記載のハプテンに対する抗体、表2に記載の抗体および表3に記載の配列から選択される抗体の結合断片を含むか、CARが、表4に記載の1つ以上の配列を含む。いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、フルオレセイン、ウルシオール、キノン、ビオチン、ジニトロフェノールおよび/またはこれらの誘導体から選択される。いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、フルオレセインもしくはジニトロフェノールおよび/またはこれらの誘導体から選択される。
【0040】
いくつかの実施形態において、第1のリガンド結合ドメインおよび/または第2のリガンド結合ドメインは、抗体もしくはその結合断片またはscFvを含む。いくつかの実施形態において、第2のリガンド結合ドメインは、表1に記載のハプテンに対する抗体、表2に記載の抗体および表3に記載の配列から選択される抗体の結合断片を含むか、CARが、表4に記載の1つ以上の配列を含む。
【0041】
いくつかの実施形態において、第1のポリペプチドスペーサーおよび/または第2のポリペプチドスペーサーは、1~24アミノ酸長、25~50アミノ酸長、51~75アミノ酸長、76~100アミノ酸長、101~125アミノ酸長、126~150アミノ酸長、151~175アミノ酸長、176~200アミノ酸長、201~225アミノ酸長、226~250アミノ酸長または251~275アミノ酸長である。
【0042】
いくつかの実施形態において、前記1つ以上の核酸は、リーダー配列をさらに含む。
【0043】
いくつかの実施形態において、第1の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または第2の細胞内シグナル伝達ドメインは、CD27、CD28、4-1BB、OX40、CD30、CD40、ICOS、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2CもしくはB7-H3;またはCD83の細胞質内ドメインおよび/もしくはCD3ζの細胞質内ドメインに特異的に結合するリガンドを含む。
【0044】
いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζの一部と4-1BBの一部を含む。
【0045】
いくつかの実施形態は、マーカー配列をコードする配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、前記マーカーは、EGFRt、CD19tまたはHer2tGである。
【0046】
いくつかの実施形態において、第1の膜貫通ドメインおよび/または第2の膜貫通ドメインは、CD28の膜貫通ドメインを含む。
【0047】
いくつかの実施形態において、前記核酸は、切断可能なリンカーをコードする配列をさらに含む。
【0048】
いくつかの実施形態において、前記リンカーはリボソームスキップ配列である。いくつかの実施形態において、前記リボソームスキップ配列は、P2A、T2A、E2AまたはF2Aである。
【0049】
本明細書で提供する方法および組成物の実施形態のいくつかは、本明細書で提供する実施形態のいずれかによる1つ以上の核酸を含む複数(2つなど)のベクターを含むか、これらのベクターを利用する。
【0050】
本明細書で提供する方法および組成物の実施形態のいくつかは、二重特異性キメラ抗原受容体(CAR)をコードする1つ以上の核酸を含む組成物であって、該1つ以上の核酸が、腫瘍抗原に特異的な第1のリガンド結合ドメイン、グリシン-セリンリンカー、ハプテンに特異的な第2のリガンド結合ドメイン、ポリペプチドスペーサー、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインをコードする配列を含むことを特徴とする組成物を含む。
【0051】
いくつかの実施形態において、第1のリガンド結合ドメインは、CD19、CD22、HER2、CD7、CD30、B細胞成熟抗原(BCMA)、GD2、グリピカン3、MUC1、CD70、CD33、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮成長因子バリアントIII、受容体型チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、CD123、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、CD5、ルイスY抗原、B7H3、CD20、CD43、HSP90およびIL13からなる群から選択される抗原に特異的に結合する。
【0052】
いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、表1に記載のハプテンから選択されるか、リガンド結合ドメインが、表1に記載のハプテンに対する抗体、表2に記載の抗体および表3に記載の配列から選択される抗体の結合断片を含むか、CARが、表4に記載の1つ以上の配列を含む。いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、フルオレセイン、ウルシオール、キノン、ビオチン、ジニトロフェノールおよび/またはこれらの誘導体から選択される。いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、フルオレセインもしくはジニトロフェノールおよび/またはこれらの誘導体から選択される。
【0053】
いくつかの実施形態において、第1のリガンド結合ドメインおよび/または第2のリガンド結合ドメインは、抗体もしくはその結合断片またはscFvを含む。いくつかの実施形態において、第2のリガンド結合ドメインは、表1に記載のハプテンに対する抗体、表2に記載の抗体および表3に記載の配列から選択される抗体の結合断片を含むか、CARが、表4に記載の1つ以上の配列を含む。
【0054】
いくつかの実施形態において、第1のポリペプチドスペーサーおよび/または第2のポリペプチドスペーサーは、1~24アミノ酸長、25~50アミノ酸長、51~75アミノ酸長、76~100アミノ酸長、101~125アミノ酸長、126~150アミノ酸長、151~175アミノ酸長、176~200アミノ酸長、201~225アミノ酸長、226~250アミノ酸長または251~275アミノ酸長である。
【0055】
いくつかの実施形態において、前記1つ以上の核酸は、リーダー配列をさらに含む。
【0056】
いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、CD27、CD28、4-1BB、OX40、CD30、CD40、ICOS、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2CもしくはB7-H3;またはCD83の細胞質内ドメインおよび/もしくはCD3ζの細胞質内ドメインに特異的に結合するリガンドを含む。いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζの一部と4-1BBの一部を含む。
【0057】
いくつかの実施形態は、マーカー配列をコードする配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、前記マーカーは、EGFRt、CD19tまたはHer2tGである。
【0058】
いくつかの実施形態において、前記膜貫通ドメインは、CD28の膜貫通ドメインを含む。
【0059】
本明細書で提供する方法および組成物の実施形態のいくつかは、本明細書で提供する実施形態のいずれかによる1つ以上の核酸を含む、二重特異性CAR発現用ベクターを含む。
【0060】
本明細書で提供する方法および組成物の実施形態のいくつかは、本明細書で提供する実施形態のいずれかによる1つ以上の核酸または本明細書で提供する実施形態のいずれかによるベクターによりコードされる二重特異性キメラ抗原受容体を含む。
【0061】
本明細書で提供する方法および組成物の実施形態のいくつかは、本明細書で提供する実施形態のいずれかによる1つ以上の核酸、本明細書の実施形態のいずれかによる1つ以上のベクター、または本明細書の実施形態のいずれかによる二重特異性キメラ抗原受容体を含む細胞を含む。
【0062】
いくつかの実施形態において、前記細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択されるCD8+細胞傷害性Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記CD8+細胞傷害性Tリンパ球は、セントラルメモリーT細胞であり、該セントラルメモリーT細胞は、CD45RO+、CD62L+およびCD8+である。
【0063】
いくつかの実施形態において、前記細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるCD4+ヘルパーTリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記細胞は、ナイーブCD4+T細胞であり、該ナイーブCD4+T細胞は、CD45RA+、CD62L+およびCD4+であり、かつCD45RO-である。
【0064】
いくつかの実施形態において、前記細胞は前駆T細胞である。いくつかの実施形態において、前記細胞は造血幹細胞である。
【0065】
本明細書で提供する方法および組成物の実施形態のいくつかは、ハプテンに特異的な第1のキメラ抗原受容体と、腫瘍抗原に特異的な第2のキメラ抗原受容体とを発現する細胞を作製する方法であって、
第1のキメラ抗原受容体および第2のキメラ抗原受容体が発現される条件下において、本明細書で提供する実施形態のいずれかによる1つ以上の核酸、または本明細書で提供する実施形態のいずれかによる1つ以上のベクターを細胞に導入する工程
を含む方法を含む。
【0066】
いくつかの実施形態において、前記細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択されるCD8+細胞傷害性Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記CD8+細胞傷害性Tリンパ球は、セントラルメモリーT細胞であり、該セントラルメモリーT細胞は、CD45RO+、CD62L+およびCD8+である。
【0067】
いくつかの実施形態において、前記細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるCD4+ヘルパーTリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記CD4+ヘルパーリンパ球は、ナイーブCD4+T細胞であり、該ナイーブCD4+T細胞は、CD45RA+、CD62L+およびCD4+であり、かつCD45RO-である。
【0068】
いくつかの実施形態において、前記細胞は前駆T細胞である。いくつかの実施形態において、前記細胞は造血幹細胞である。
【0069】
本明細書で提供する方法および組成物の実施形態のいくつかは、ハプテンと腫瘍抗原に特異的な二重特異性キメラ抗原受容体を発現する細胞を作製する方法であって、
第1のキメラ抗原受容体および第2のキメラ抗原受容体が発現される条件下において、本明細書で提供する特定の実施形態による1つ以上の核酸、または本明細書で提供する特定の実施形態による1つ以上のベクターを細胞に導入する工程
を含む方法を含む。
【0070】
いくつかの実施形態において、前記細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択されるCD8+細胞傷害性Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記CD8+細胞傷害性Tリンパ球は、セントラルメモリーT細胞であり、該セントラルメモリーT細胞は、CD45RO+、CD62L+およびCD8+である。
【0071】
いくつかの実施形態において、前記細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるCD4+ヘルパーTリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記CD4+ヘルパーリンパ球は、ナイーブCD4+T細胞であり、該ナイーブCD4+T細胞は、CD45RA+、CD62L+およびCD4+であり、かつCD45RO-である。
【0072】
いくつかの実施形態において、前記細胞は前駆T細胞である。いくつかの実施形態において、前記細胞は造血幹細胞である。
【0073】
本明細書で提供する方法および組成物の実施形態のいくつかは、がんなどの疾患を有する対象において、キメラ抗原受容体(CAR)を有するT細胞を刺激または再刺激する方法であって、
本明細書で提供する特定の実施形態のいずれかによる細胞を前記対象に提供する工程、
前記対象において前記疾患の抑制をモニターする工程;および
ハプテン抗原提示細胞(H-APC)を前記対象に提供する工程
を含み、
前記対象が、前記疾患に関連する抗原(腫瘍抗原など)に特異的な受容体を有するCAR T細胞を利用したCAR T細胞療法を施すために選択された対象であってもよい、
方法を含む。
【0074】
いくつかの実施形態において、前記H-APCは、エクスビボにおいて前記対象の健常細胞をハプテンで標識することにより作製された細胞である。
【0075】
いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、表1に記載のハプテンから選択される。
【0076】
いくつかの実施形態において、前記モニター工程および前記提供工程を繰り返し行う。
【0077】
いくつかの実施形態において、前記対象はがんを有している。いくつかの実施形態において、前記がんは固形腫瘍である。いくつかの実施形態において、ヒトなどの前記対象は、がん療法を施すために選択された対象である。いくつかの実施形態において、ヒトなどの前記対象に、化学療法または放射線療法などの併用療法を行う。
【0078】
本明細書で提供する方法および組成物の実施形態のいくつかは、エクスビボにおいて、キメラ抗原受容体(CAR)を有するT細胞を刺激または再刺激する方法であって、
本明細書で提供する特定の実施形態による細胞を提供する工程;
ハプテン抗原提示細胞(H-APC)またはハプテンを提供する工程;
前記細胞を前記H-APC細胞と混合して、活性化細胞を得る工程;および
前記活性化細胞を単離する工程
を含む方法を含む。
いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、表1に記載のハプテンから選択される。いくつかの実施形態において、前記H-APCは、表1に記載のハプテンから選択されるハプテンを含む。いくつかの実施形態において、前記活性化細胞の単離は、ハプテンとアフィニティービーズの複合体化によるアフィニティー単離を含む。いくつかの実施形態において、前記活性化細胞の単離は、EGFRt、CD19tまたはHer2tGとアフィニティービーズの複合体化によるアフィニティー単離を含む。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【
図1A】3種のキメラ抗原受容体(CAR)の概略図である。パネル(1)は、スペーサードメイン(ii)を介することによって細胞表面から所望の距離に提示された抗原認識部分(i)を有する第2世代CARを示す。このスペーサーは膜貫通ドメイン(iii)に連結されており、この膜貫通ドメインは2つのシグナル伝達ドメイン(ivおよびv)に連結されている。パネル(2)は、伸長された長いスペーサーを有するCARを示す。このCARは、パネル(i)のCARとは異なる抗原認識部分(vi)と長いスペーサードメイン(vii)を有する。パネル(3)は、連結された2つの抗原認識ドメインを含む二重特異性CARを示す。このCARは、どちらのエピトープの認識によっても活性化することができる。
【0080】
【
図1B】2種のCARを含むCAR T細胞(デュアルCAR T細胞)の概略図である。
【0081】
【
図1C】二重特異性CARを含むCAR T細胞の概略図である。二重特異性CAR T細胞は、2種のエピトープを認識することができる単一のCARを発現する。
【0082】
【
図2】治療法の実施形態の一例を示した概略図である。ハプテン抗原提示細胞(H-APC)は、健常細胞の表面にハプテンを担持させることにより作製する。次いで、作製したH-APCを患者に注入する。デュアルCAR T細胞および二重特異性CAR T細胞(
図1C)は、腫瘍細胞の認識またはH-APCを介して活性化することができる。図に示した一方のCAR(i)は、腫瘍細胞上のエピトープ(ii)を標的とするように設計されており、もう一方のCAR(iii)は、ハプテン-APC上のハプテン(iv)を認識するように組換えされている。ハプテン-APCは、健常細胞の表面にハプテンを担持させることにより作製する。次いで、ハプテン-APCを患者に再注入すると、患者の体内でハプテン-APCがCAR T細胞により認識および溶解されて、CAR T細胞を活性化することができる。ハプテン-APCがCAR T細胞により溶解されなかった場合、ハプテンが代謝されて、正常な健常細胞に戻る。いくつかの実施形態では、たとえば、ハプテン-APCの標識に使用したハプテンと同じハプテンで腫瘍細胞を標識する場合、単一の抗ハプテンCAR T細胞が使用されることには留意されたい。
【0083】
【
図3A】ハプテンとしてフルオレセインを連結したエーテルリン脂質(FL-PLE)の構造を示す。この構造は、(i)フルオレセイン部分、(ii)細胞表面からハプテンを伸長することができるスペーサーとして機能するポリエチレングリコール(PEG)部分、(iii)極性頭部部分および(iv)細胞膜に組み込まれる疎水性テール部分を含む。
【0084】
【
図3B】N-(フルオレセイン-5-チオカルバモイル)-1,2-ジヘキサデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(FL-DHPE)の構造を示す。
【0085】
【
図3C】ハプテンとしてBODIPYを含むN-(4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオニル)-1,2-ジヘキサデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(BODIPY-DHPE)の構造を示す。
【0086】
【
図4A】FL-DHPEまたは抗CD19-FITC抗体とともにCD19+Raji細胞をインキュベートした後に実施したフローサイトメトリーの結果を示す。
【0087】
【
図4B】0.5μMまたは5μMのFL-PLEとともにK562細胞をインキュベートした後に実施したフローサイトメトリーの結果を示す。
【0088】
【
図4C】5μMのFL-PLEとともに、Be2細胞、U87細胞またはdaoy細胞をインキュベートした後に実施したフローサイトメトリーの結果を示す。
【0089】
【
図5A】5μMのFL-PLEを加えてインキュベートした後にDAPIで染色したU87細胞の共焦点画像の一実施形態を示す。
【0090】
【
図5B】5μMのFL-PLEを加えてインキュベートした後に、DAPIおよびAlexa Fluor 647蛍光色素標識抗フルオレセイン抗体で染色したU87細胞の共焦点画像の一実施形態を示す。
【0091】
【
図6A】Be2細胞またはU87細胞を5μMのFL-DHPEとともにインキュベートした後、シグナルの保持を経時的に測定した結果を示す。
【0092】
【
図6B】Be2細胞またはU87細胞を5μMのFL-PLEとともにインキュベートした後、シグナルの保持を経時的に測定した結果を示す。
【0093】
【
図7A】細胞傷害性アッセイの結果を示した一連のグラフである。クロム放出アッセイを使用して、ハプテン標識細胞に対する2種の抗FL CAR T細胞(4M5.3およびFITC-E2)の溶解能を試験した。ハプテン標識細胞を作製するため、CD19+K562細胞を5μMのFL-DHPEとインキュベートするか、抗CD19-FITC抗体で染色した。TCRを介してT細胞を内因性に活性化させる陽性コントロールとして、OKT3細胞を使用した。
【0094】
【
図7B】サイトカイン放出アッセイによるサイトカインの産生を測定した結果を示す一連のグラフである。5μMのFL-DHPEまたは抗CD19-FITC抗体を加えてCD19+K562細胞をインキュベートすることにより作製したハプテン標識細胞に対して、2種の抗FL CAR T細胞(4M5.3およびFITC-E2)を試験した。
【0095】
【
図8A】0.5μMまたは5μMのFL-PLEとともにK562細胞をインキュベートした後に実施したフローサイトメトリーの結果を示す。
【0096】
【
図8B】0.5μMまたは5μMのFL-PLEとともにK562細胞をインキュベートすることによりハプテン標識細胞を作製し、このハプテン標識細胞と抗FL CAR T細胞をインキュベートすることにより行った細胞傷害性アッセイの結果を示す一連のグラフである。陰性コントロールとしてK562親細胞を使用し、陽性コントロールとしてK562+OKT3細胞を使用した。
【0097】
【
図8C】0.5μMまたは5μMのFL-PLEとともにK562細胞をインキュベートすることによりハプテン標識細胞を作製し、このハプテン標識細胞と抗FL CAR T細胞をインキュベートすることにより行ったサイトカイン放出アッセイにおけるサイトカインの産生量の測定結果を示す一連のグラフである。
【0098】
【
図9A】FREP法またはREP法のいずれで拡大培養した場合でも、抗FL CAR T細胞が類似した表現型マーカーを発現することを示したフローサイトメトリー分析の結果を示す。
【0099】
【
図9B】ウシ胎児血清(FBS)の存在下または非存在下において、5μMのFL-PLEとともにK562細胞をインキュベートした後に実施したフローサイトメトリー分析の結果を示す。
【0100】
【
図9C】FREP法またはREP法で拡大培養した抗FL CAR T細胞の細胞傷害性アッセイの結果を示した一連のグラフである。
図9Bの実験から回収した細胞を使用してアッセイを行った。
【0101】
【
図9D】FREP法またはREP法で拡大培養した抗FL CAR T細胞によるサイトカイン刺激を示した一連のグラフである。
図9Bの実験から回収した細胞を使用してアッセイを行った。
【0102】
【
図10A】CAR T細胞の標的であるハプテンとしての2,4-ジニトロフェノール[(i)に示す]に連結されたエーテルリン脂質(DNP-PLE)の構造を示した図を示す。(ii)はポリエチレングリコール(PEG)を示し、これは、細胞表面から前記標的を理想的な距離だけ離すためのスペーサーである。(iii)および(iv)に示すPLEにおいて、(iii)は、極性頭部基を示し、(iv)は、細胞膜に組み込まれるか、細胞膜に繋ぎ止められる疎水性テールである。
【0103】
【
図10B】DNP-PLEの正確な構造が示されたNMRグラフを示す。
【0104】
【
図11】
図11A~
図11Eは、細胞表面に係留されて細胞外に露出したハプテン(特にDNP-PLEを使用したDNP)を有する細胞の作製に関するデータを示す。
【0105】
【
図11A】MDA-MB-231親細胞およびAlexa Fluor 488標識抗DNP抗体のみで染色したMDA-MB-231細胞のフローサイトメトリーデータを示す。
【0106】
【
図11B】MDA-MB-231親細胞、および5μMのDNP-PLEとインキュベートし、Alexa Fluor 488標識抗DNP抗体で染色したMDA-MB-231細胞のフローサイトメトリーデータを示す。
【0107】
【
図11C】MDA-MB-231親細胞、および500nMのDNP-PLEとインキュベートし、Alexa Fluor 488標識抗DNP抗体で染色したMDA-MB-231細胞のフローサイトメトリーデータを示す。
【0108】
【
図11D】MDA-MB-231親細胞、および50nMのDNP-PLEとインキュベートし、Alexa Fluor 488標識抗DNP抗体で染色したMDA-MB-231細胞のフローサイトメトリーデータを示す。
【0109】
【0110】
【0111】
【
図12A】DNP-PLEを担持していないMDA-MB-231親細胞をAlexa Fluor 488標識抗DNP抗体で染色した共焦点画像を示す。
【0112】
【
図12B】5μMのDNP-PLEとともにインキュベートしたが、Alexa Fluor 488標識抗DNP抗体で染色していないMDA-MB-231親細胞の共焦点画像を示す。
【0113】
【
図12C】5μMのDNP-PLEとともにインキュベートし、Alexa Fluor 488標識抗DNP抗体で染色したMDA-MB-231親細胞の共焦点画像を示す。
【0114】
【
図12D】1μMのDNP-PLEとともにインキュベートし、Alexa Fluor 488標識抗DNP抗体で染色したMDA-MB-231親細胞の共焦点画像を示す。
【0115】
【
図13】
図13A~
図13Dは、細胞上に担持されたハプテンの細胞外からのアクセシビリティの確認および細胞膜にPLEが担持されたことの確認に関するデータを示す。
【0116】
【
図13A】抗DNP CARを発現させるための、長いスペーサーを有する第2世代CARカセットの概略図を示す。
【0117】
【
図13B】H9親細胞集団、アービタックス抗体で染色したH9親細胞集団、およびアービタックス抗体で染色した抗DNP CAR発現H9細胞集団を示したフローサイトメトリーデータを示す。
【0118】
【
図13C】抗DNP CAR H9細胞と共培養したMDA-MB-231の共焦点画像を示す。
【0119】
【
図13D】抗DNP CAR H9細胞と共培養した5μM DNP-PLE担持MDA-MB-231の共焦点画像を示す。
【0120】
【
図14】様々な標的細胞および非自家T-APCと共培養したCD19 CAR T細胞によるサイトカインの産生に関するデータを示したグラフを示す。
【0121】
【0122】
【
図15A】切断型CD19(CD19t)を形質導入して臨床材料から作製したCD4+/CD8+混合抗原提示細胞(T-APC)の細胞表面上のCD19tおよび切断型EGFR(EGFRt)の発現をフローサイトメトリーで検出した結果を示す。
【0123】
【
図15B】形質導入CD4+CD19 CAR T細胞および形質導入CD8+ CD19 CAR T細胞におけるEGFRtの発現をフローサイトメトリーで検出した結果を示す。
【0124】
【
図15C】形質導入CD4+ CD19 CAR T細胞および形質導入CD8+ CD19 CAR T細胞によるサイトカインの産生に関するグラフを示す。
【0125】
【0126】
【
図16A】5μMのFL-PLEの存在下または非存在下で一晩インキュベートしたK562白血病細胞のフローサイトメトリーによる蛍光の分析を示す。
【0127】
【
図16B】5μMのFL-PLEの存在下または非存在下で一晩インキュベートした初代CD8+T細胞のフローサイトメトリーによる蛍光の分析を示す。
【0128】
【
図16C】活性化された抗FL CAR T細胞によるサイトカインの産生に関するグラフを示す。
【0129】
【
図17】
図17A~
図17Dは、2人の小児患者の末梢血中におけるCAR T細胞の持続性およびCAR T細胞を刺激するためのT-APCの使用に関するデータを示す。
【0130】
【
図17A】処置後の患者の末梢血中におけるCAR T細胞集団、T-APC集団およびCD19+B細胞集団の状態に関するグラフを示す。
【0131】
【
図17B】2人目の患者の処置後の末梢血中におけるCAR T細胞集団、T-APC集団およびCD19+B細胞集団の状態に関するグラフを示す。
【0132】
【
図17C】
図17Bに示した2人目の患者において、1日目(C1.T2.D1)にフローサイトメトリーでCAR T細胞を検出した結果を示す。
【0133】
【
図17D】
図17Bに示した2人目の患者において、14日目(C1.T3.D14)にフローサイトメトリーでCAR T細胞を検出した結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0134】
用語の定義
本明細書において、「約」は、特定の値が、この値を決定するために用いられた方法に本質的に付随する誤差の変動または実験間での変動を含むことを示してもよい。
【0135】
本明細書において、「核酸」または「核酸分子」は、ポリヌクレオチドを指し、たとえば、デオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)、オリゴヌクレオチド、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により得られる断片、ならびにライゲーション、切断、エンドヌクレアーゼ作用およびエキソヌクレアーゼ作用のいずれかにより得られる断片などが挙げられる。核酸分子は、天然のヌクレオチドモノマー(DNAやRNAなど)、または天然のヌクレオチドの類似体(たとえば、天然のヌクレオチドのエナンチオマー)からなるモノマー、またはこれらの組み合わせから構成されていてもよい。修飾ヌクレオチドは、糖部分および/またはピリミジン塩基部分もしくはプリン塩基部分に修飾を有していてもよい。糖部分の修飾としては、たとえば、ハロゲン、アルキル基、アミンまたはアジド基による1つ以上のヒドロキシル基の置換が挙げられ、糖部分はエーテル化またはエステル化されていてもよい。さらに、糖部分全体が、立体構造的に類似の構造や電子的に類似の構造と置換されていてもよく、このような構造として、たとえば、アザ糖および/または炭素環式糖類似体が挙げられる。修飾塩基部分としては、アルキル化プリン、アルキル化ピリミジン、アシル化プリン、アシル化ピリミジン、およびその他の公知の複素環置換基が挙げられる。核酸モノマーは、ホスホジエステル結合またはこれと似た結合により連結することができる。ホスホジエステル結合と似た結合としては、ホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合、ホスホロセレノエート結合、ホスホロジセレノエート結合、ホスホロアニロチオエート(phosphoroanilothioate)結合、ホスホロアニリデート(phosphoranilidate)結合、ホスホロアミデート結合などが挙げられる。「核酸分子」は、「ペプチド核酸」も包含し、これは、ポリアミド主鎖に付加された天然の核酸塩基または修飾核酸塩基を含む。核酸は、一本鎖であってもよく、二本鎖であってもよい。本明細書において、「コードする」は、遺伝子、cDNA、mRNAなどのポリヌクレオチド中の特定のヌクレオチド配列が、所定のアミノ酸配列などの別の巨大分子を合成するための鋳型として機能するという特性を指す。したがって、特定の遺伝子に対応するmRNAが転写および翻訳されて、細胞またはその他の生物系においてタンパク質が産生された場合、その遺伝子はこのタンパク質をコードする。「ポリペプチドをコードする核酸配列」には、同じアミノ酸配列をコードするあらゆる縮重ヌクレオチド配列が含まれる。「特異的」または「特異性」は、結合パートナーに対するリガンドの特性、あるいはリガンドに対する結合パートナーの特性を指してもよく、たとえば、相補的形状、電荷、および疎水性結合に関与する特異性が挙げられる。結合に関与する特異性としては、立体特異性、領域選択性、および/または化学選択性が挙げられる。いくつかの実施形態において、ハプテンまたは腫瘍抗原に特異的なキメラ抗原受容体をコードする核酸を得ることが可能な、キメラ抗原受容体をコードする核酸の作製方法を提供する。
【0136】
「ベクター」または「コンストラクト」は、細胞に異種核酸を導入するために使用される核酸であり、様々な調節エレメントを含むことができることから、細胞において異種核酸を発現させることができる。ベクターとしては、プラスミド、ミニサークル、酵母および/またはウイルスゲノムが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、前記ベクターは、プラスミド、ミニサークル、ウイルスベクター、DNAまたはmRNAである。いくつかの実施形態において、前記ベクターは、レンチウイルスベクターまたはレトロウイルスベクターである。いくつかの実施形態において、前記ベクターは、レンチウイルスベクターである。
【0137】
「キメラ抗原受容体」、「CAR」または「キメラT細胞受容体」は、本明細書に照らせば、一般的な通常の意味を有し、たとえば、前記疾患または障害に関連する分子と結合する抗体配列またはその他のタンパク質配列のリガンド結合ドメインが、スペーサードメインを介して、T細胞受容体またはその他の受容体の1つ以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば共刺激ドメイン)に連結された合成設計受容体が挙げられるが、これに限定されない。キメラ受容体は、人工T細胞受容体、キメラT細胞受容体、キメラ免疫受容体、および/またはキメラ抗原受容体(CAR)と呼ぶこともできる。このようなCARは、免疫受容体を発現する細胞に任意の特異性を移植することができる遺伝子組換え受容体である。研究者によっては、キメラ抗原受容体すなわち「CAR」は、抗体または抗体断片、スペーサー、シグナル伝達ドメインおよび膜貫通領域を含むものであると理解されている。しかしながら、本明細書に記載のCARは、様々な構成要素またはドメイン(たとえばエピトープ結合領域(たとえば抗体断片、scFvまたはそれらの一部)、スペーサー、膜貫通ドメインおよび/またはシグナル伝達ドメインなど)が改変されており、これよって驚くべき効果が得られたことから、本明細書の開示全体においてCARの構成要素をそれぞれ別個のエレメントとして区別できることが多い。いくつかの実施形態において、キメラ抗原受容体のスペーサーは、CARに所望の結合特性を付与することを目的として(たとえば、スペーサーが特定のアミノ酸長となるように)選択される。次に、様々な長さのスペーサーが、たとえば細胞上などに提示された複数のCARは、CARが指向性を示す標的部分との結合力または相互作用能に関してスクリーニングされる。典型的な標的部分として、ビオチン、ジゴキシゲニン、ジニトロフェノール、緑色蛍光タンパク質(GFP)、黄色蛍光タンパク質、オレンジ色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質、遠赤外蛍光タンパク質およびフルオレセイン(たとえばフルオレセインイソチオシアネート(FITC))が挙げられるが、これらに限定されない。CARが結合または相互作用する標的部分は、膜、ビーズ、支持体(たとえばウェル)などの基材、脂質(たとえばPLE)やハプテンなどの結合剤、またはハプテン提示細胞などの細胞上に提示させることができる。CARは、細胞上のハプテン、またはがん細胞上もしくは病原体(ウイルスや細菌など)に提示された抗原に特異的であってもよい。1つのアプローチとして、所望の標的部分を含む基材または結合剤を、この標的部分に特異的なCARまたはTCRを含む複数の細胞と接触させ、CARまたはTCRを含む細胞が、該基材または結合剤上に提示された標的部分に結合した量を測定する。このような結合の評価には、標的部分に結合した細胞の染色、または蛍光の評価もしくは蛍光の消失の評価が含まれていてもよい。また、スペーサーの長さの変更などの、CARの構造に加えた変更を、同じ方法で評価することもできる。いくつかのアプローチでは、本発明の方法において、ハプテンを含む細胞を提供して、がん細胞、腫瘍細胞、標的ウイルスなどの、標的細胞上の標的部分または抗原に特異的な第2のCARまたはTCRを有するT細胞を、該ハプテン担持細胞と接触させて該T細胞を刺激する工程を実施する。
【0138】
「特異的」または「特異性」は、結合パートナーに対するリガンドの特性、あるいはリガンドに対する結合パートナーの特性を指してもよく、たとえば、相補的形状、電荷、および疎水性結合に関与する特異性が挙げられる。結合に関与する特異性としては、立体特異性、領域選択性、および/または化学選択性が挙げられる。いくつかの実施形態において、腫瘍抗原またはハプテンに特異的なキメラ抗原受容体をコードする核酸を得ることが可能な、キメラ抗原受容体をコードする核酸の作製方法を提供する。
【0139】
本明細書において、「抗原」または「Ag」は、免疫応答を引き起こす分子を指す。この免疫応答は、抗体産生もしくは特定の免疫担当細胞の活性化、またはこれらの両方に関与していてもよい。抗原は、組換え技術により作製、合成および製造することができ、生体試料から得ることもできることは容易に理解される。このような生体試料として、組織試料、腫瘍試料、細胞または体液(たとえば血液、血漿または腹水)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書において、「抗腫瘍効果」は、腫瘍体積の減少、腫瘍細胞数の減少、転移巣の数の減少、余命の延長、またはがん状態と関連した様々な生理学的症状の減少によって示される生物学的効果を指す。また、「抗腫瘍効果」は、再発の減少または再発までの時間の延長によって示すこともできる。本明細書で提供するいくつかの実施形態において、CARを有するT細胞は抗腫瘍効果を有する。
【0140】
「二重特異性キメラ抗原受容体」は、第1のリガンドに特異的な第1のドメインと、第2のリガンドに特異的な第2のドメインとからなる2つのドメインを含むCARを指す。いくつかの実施形態において、第1のリガンドはハプテンである。いくつかの実施形態において、第2のリガンドは、腫瘍に特異的なリガンドである。いくつかの実施形態において、二重特異性CARは2つのscFvドメインを含み、第1のscFvドメインは腫瘍特異的リガンドに特異的であり、第2のscFvドメインはハプテンに特異的である。
【0141】
本明細書において、「リガンド」は、別の物質と特異的に結合して複合体を形成する物質を指す。リガンドとしては、抗原上のエピトープ、受容体に結合する分子、基質、阻害物質、ホルモン、および/または活性化物質が挙げられる。本明細書において、「リガンド結合ドメイン」は、リガンドに結合する物質またはその一部を指す。リガンド結合ドメインとしては、抗体の抗原結合部分、受容体の細胞外ドメイン、および/または酵素の活性部位が挙げられる。本発明のキメラ受容体ポリペプチドに関して同定される「アミノ酸配列同一性(%)」は、候補配列中のリガンド結合ドメイン、スペーサー、膜貫通ドメインおよび/またはリンパ球活性化ドメインのそれぞれのアミノ酸残基が、参照配列中の各ドメインのアミノ酸残基と一致しているパーセンテージとして定義され、このアミノ酸配列同一性は、配列同一性(%)の最大値を算出するため、候補配列と参照配列をアラインし、必要に応じてギャップを挿入した後に算出されるものであり、保存的置換は配列同一性の一部として考慮しない。アミノ酸配列同一性(%)を決定するためのアラインメントは、当技術分野の範囲に含まれる様々な方法で行うことができ、たとえば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、ALIGN-2、Megalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの一般公開されているコンピューターソフトウェアを使用して行うことができる。当業者であれば、アラインメントを測定するのに適切なパラメータを決定することができ、このようなパラメータとしては、比較される複数の配列の全長にわたってアラインメントを最大とするのに必要な任意のアルゴリズムが挙げられる。たとえば、WU-BLAST-2コンピュータープログラム[Altschul et al., Methods in Enzymology, 266:460-480 (1996)]を用いてアミノ酸配列同一性(%)を算出するには、いくつかの検索パラメータを用いるが、それらのほとんどはデフォルト値に設定される。デフォルト値に設定されないパラメータ(すなわち調整可能なパラメータ)は、overlap span=1、overlap fraction=0.125、word threshold (T) =11およびscoring matrix=BLOSUM62に設定される。アミノ酸配列同一性(%)は、キメラ受容体の参照配列の各ポリペプチドのアミノ酸配列またはそのすべてとの間で(a)一致した同一のアミノ酸残基の数を除することによって求める。いくつかの実施形態において、CARをコードする核酸またはCARのポリペプチドをコードする核酸は、表3または表4に示す配列と配列同一性(%)を有していてもよい。
【0142】
いくつかの実施形態において、ガンマレトロウイルスベクターもしくはレンチウイルスベクターなどのウイルスベクターなどのベクターまたはCRISPR/CAS9システムを使用して、2つのCARまたは二重特異性CARを発現するように細胞を組換えることができる。CARまたは二重特異性CARを発現するようにT細胞を遺伝子操作するためのそのような技術は、当業者に公知である。いくつかの実施形態において、前記ベクターは、トランスポゾン、インテグラーゼベクターシステム、またはmRNAベクターである。
【0143】
「共刺激ドメイン」または「細胞内シグナル伝達ドメイン」は、本明細書に照らせば、一般的な通常の意味を有し、たとえば、TCR/CD3複合体のCD3ζ鎖などによって提供される一次シグナルに加えて、活性化、増殖、分化、サイトカイン分泌などの(ただしこれらに限定されない)T細胞応答を媒介するシグナルをT細胞に提供するシグナル伝達部分が挙げられるが、これに限定されない。共刺激ドメインとして、CD27、CD28、4-1BB、OX40、CD30、CD40、ICOS、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3などの分子全体、またはCD83と特異的に結合するリガンド全体、またはこれらの一部が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、共刺激ドメインは、他の細胞内メディエーターと相互作用することによって、活性化、増殖、分化および/またはサイトカイン分泌を含む細胞応答を媒介する細胞内シグナル伝達ドメインである。
【0144】
本明細書に記載の実施形態のいくつかにおいて、本発明のCARはハプテンに特異的である。本明細書に記載の実施形態のいくつかにおいて、第2のCARは、細胞または腫瘍細胞上の抗原に特異的なT細胞上に存在する。本明細書に記載の実施形態のいくつかにおいて、本発明のCARは共刺激ドメインを含む。いくつかの実施形態において、前記共刺激ドメインは、CD27、CD28、4-1BB、OX40、CD30、CD40、ICOS、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2CもしくはB7-H3;もしくはCD83に特異的に結合するリガンド;またはこれらの一部である。
【0145】
「膜貫通ドメイン」は、細胞膜二重層に存在する疎水性タンパク質領域であり、生体膜に埋め込まれるタンパク質を繋ぎ止める役割を果たす。膜貫通ドメインのトポロジーは、膜貫通型のαヘリックスであってもよいが、これに限定されない。キメラ抗原受容体を有する遺伝子組換えT細胞の作製方法の実施形態のいくつかにおいて、前記ベクターは、膜貫通ドメインをコードする配列を含む。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記膜貫通ドメインは、CD28膜貫通配列またはその断片を含み、このCD28膜貫通配列またはその断片は、10アミノ酸長、11アミノ酸長、12アミノ酸長、13アミノ酸長、14アミノ酸長、15アミノ酸長、16アミノ酸長、17アミノ酸長、18アミノ酸長、19アミノ酸長、20アミノ酸長、21アミノ酸長、22アミノ酸長、23アミノ酸長、24アミノ酸長、25アミノ酸長、26アミノ酸長、27アミノ酸長もしくは28アミノ酸長、またはこれらの長さのいずれか2つによって定義される範囲内の長さである。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、CD28膜貫通配列またはその断片は、28アミノ酸長である。いくつかの実施形態において、本発明のキメラ受容体は膜貫通ドメインを含む。該膜貫通ドメインは、前記キメラ受容体を膜に繋ぎ止める役割を果たす。
【0146】
「T細胞受容体」すなわち「TCR」は、本明細書に照らせば、一般的な通常の意味を有し、たとえば、Tリンパ球すなわちT細胞の表面に存在する分子であり、主要組織適合遺伝子複合体分子に結合した抗原断片の認識を担うが、これに限定されない。
【0147】
本明細書において、「ハプテン」は、本明細書に照らせば、一般的な通常の意味を有し、たとえば、低分子からなる結合部分が挙げられるが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、ハプテン単独では、免疫応答が誘導されなくてもよく、有意な免疫応答が誘導されなくてもよいが、担体に結合されたハプテンにより免疫応答が誘導されてもよい。いくつかの実施形態において、ハプテンは担体(たとえば細胞)に係留されていてもよい。
【0148】
いくつかの実施形態において、ハプテンは、Alexa Fluor蛍光色素であってもよく、その種類は問わない。いくつかの実施形態において、「ハプテン」は、タンパク質などの大きな担体に結合した場合にのみ免疫応答を誘導することができる小分子であれば、どのようなものであってもよく、この担体は、単独では免疫応答を誘導できないものであってもよい。いくつかの実施形態において、ハプテンは、タンパク質などの自体よりも大きな担体と組み合わせた場合に、(遊離状態または担体に結合させた状態の)該ハプテンに特異的に結合する抗体の産生を誘導することができる低分子であればどのようなものであってもよい。いくつかの実施形態において、ハプテンは、ペプチド、その他の大きな化学物質、またはアプタマーであってもよい。いくつかの実施形態において、ハプテンは、ワールド・ワイド・ウェブ上のURL:crdd.osdd.net/raghava/haptendb/からアクセス可能なハプテンのデータベースにおいて提供されているハプテンのいずれであってもよい。
【0149】
本明細書で提供する実施形態において有用なハプテンの例を表1に挙げるが、これらに限定されない。
表1:ハプテンの例
Alexa Fluor 405;Alexa Fluor 430;Alexa Fluor 500;Alexa Fluor 514;Alexa Fluor 532;Alexa Fluor 546;Alexa Fluor 555;Alexa Fluor 568;Alexa Fluor 594;Alexa Fluor 610;Alexa Fluor 633;Alexa Fluor 635;Alexa Fluor 647;Alexa Fluor 660;Alexa Fluor 680;Alexa Fluor 700;Alexa Fluor 750;Alexa Fluor 790;カスケードブルー;Alexa Fluor 488;BODIPY;塩化ダンシル;オレゴングリーン;ルシファーイエロー;ローダミン;テトラメチルローダミン;ニトロチロシン;ジゴキシゲニン;2,4-ジクロロフェノキシ酢酸;アトラジン(2-クロロ-4-(エチルアミノ)-6-(イソプロピルアミノ)-s-トリアジン);ニコチン(3-(1-メチル-2-ピロリジル)ピリジン;ブラックリーフ);モルフィン(モルヒネ;硫酸モルヒネ);2,4-ジニトロクロロベンゼン(1-クロロ-2,4-ジニトロベンゼン;DNCB;ジニトロクロロベンゼン);4-クロロ-6-(エチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2-(6-アミノヘキサンカルボン酸);構造的に関連したs-トリアジン類(修飾:H/Cl/C6, R1 = NH2-, R2 = -Cl, R3 = -NH-(CH2)5-COOH; iPr/Cl/nBu, R1 = (CH3)2-CH-NH-, R2 = -Cl, R3 = -NH-(CH2)3-(CH3));アメトリン(2-エチルアミノ-4-イソプロピルアミノ-6-メチルチオ-1,3,5-トリアジン);デエチルアトラジン(DEA)(構造的に関連したs-トリアジン類);デイソプロピルアトラジン(DIA)(構造的に関連したs-トリアジン類);デエチルデイソプロピルアトラジン(DEDIA)(構造的に関連したs-トリアジン類);デエチルデイソプロピルアトラジン(DEDIA)(構造的に関連したs-トリアジン類);ヒドロキシアトラジン(HA)(構造的に関連したs-トリアジン類);デイソプロピルヒドロキシアトラジン(DIHA)(構造的に関連したs-トリアジン類);デエチルデイソプロピルヒドロキシアトラジン(DEDIHA)(構造的に関連したs-トリアジン類);シマジン(構造的に関連したs-トリアジン類);デスメトリン(構造的に関連したs-トリアジン類);プロメトリン(構造的に関連したs-トリアジン類);2-ヒドロキシアトラジン(アトラジン誘導体);2-ヒドロキシプロパジン(構造的に関連したs-トリアジン);2-ヒドロキシシマジン;N-(4-アミン-6-ヒドロキシ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-4-アミノブタン酸(修飾:R1 = NH2, R2 = NH(CH2)3COOH, R3 = OH);スルコフロン;5-クロロ-2-{4-クロロ-2-[3-(3,4-ジクロロフェニル)ウレイド]フェノキシ}ベンゼンスルホン酸;フルコフロン(1,3-ビス(4-クロロ-α,α,α-トリフルオロ-m-トリル)尿素);アガサレシノール;セクイリンC;スギレシノール;ヒドロキシスギレシノール;ヒノキレシノール;コニフェリルアルコール;シンナミルアルコール;p-クマル酸;ケイ皮酸;p-クマル酸;ケイ皮酸;ヒノキニン;グアヤシルグリセロール-β-グアヤシルエーテル;モルヒネ-3-グルクロニド(M3G);コデイン;ノルコデイン;6-モノアセチルモルヒネ;(+)-メタンフェタミン;セフタジジム;フェノバルビタール;p-ヒドロキシフェノバルビタール;p-アミノフェノバルビタール;シクロバルビタール;3'-ケトシクロバルビタール;3'-ヒドロキシシクロバルビタール;セコバルビタール;バルビタール;メタルビタール;バルビツール酸;チオペンタール;チオバルビツール酸;プリミドン;グルテチミド;ペントバルビタール;ヘロイン;ジアセチルモルヒネ;レバロルファン;L-11-アリル-1,2,3,9,10,10a-ヘキサヒドロ-4H-10,4a-イミノエタノフェナントレン-6-オール;ペチジン(デメロール;ドランチン;メペリジン;1-メチル-4-フェニルピペリジン-4-カルボン酸エチル;イソニペカイン);メタンフェタミン;d-デスオキシエフェドリン;メセドリン;トルプロパミン;Pratalgin;Pragman;ベンゾイルエクゴニン;3-カルボキシメチルモルヒネ;コカイン;5-ベンズイミダゾールカルボン酸;ABA(4-アセチル安息香酸);デキサメタゾン;フルメタゾン;6α,9α-ジフルオロ-11β,17,21-トリヒドロキシ-16α-メチルプレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン;9α-フルオロ-11β,17,21-トリヒドロキシ-16β-メチルプレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン;9-α-フルオロプレドニゾロン;デスオキシメタゾン;トリアムシノロン;9α-フルオロ-11β,16α,17,21-テトラヒドロキシプレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン;フルオコルトロン;6α-フルオロ-11β,21-ジヒドロキシプレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン;コルチゾール;11β,17,21-トリヒドロキシプレグナ-4-エン-3,20-ジオン;プレドニゾン;17,21-ジヒドロキシプレグナ-4-エン-3,11,20-トリオン;メチルプレドニゾロン;11β,17,21-トリヒドロキシ-6α-メチルプレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン;トリアムシノロンヘキサセトニド;21-(3,3-ジメチル-1-オキソブトキシ)-9α-フルオロ-11-ヒドロキシ-16,17-[(1-メチルエチリデン)ビス(オキシ)]プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン;カルボフラン;メチルカルバミン酸2,3-ジヒドロ-2,2-ジメチル-7-ベンゾフラニル;BFNP(3-[[(2,3-ジヒドロ-2,2-ジメチル-7-ベンゾフラニルオキシ)カルボニル]アミノ]プロパン酸);カルボフラン誘導体;2,3-ジヒドロ-2,2-ジメチル-7-ベンゾフラノール;ベンジオカルブ;カルバリル;メチオカルブ;プロポクスル;アルジカルブ;メトミル;ベナラキシル;メチルN-(フェニルアセチル)-N-(2,6-キシリル)-DL-アラニナート;Bn-Ba(4-[2-(N-フェニルアセチル-N-2,6-キシリルアミノ)プロピオンアミド]酪酸);Bn-COOH(4-[2-(N-フェニルアセチル-N-2,6-キシリル-DL-アラニン);ベナラキシル誘導体;フララキシル;メタラキシル;アセトクロル;ジメタクロル;メトラクロル;2-クロロ-6'-エチル-N-(2-メトキシ-1-メチルエチル)アセト-o-トルイジド;ジエタチルエチル;ベンゾイルプロペチル;ベンゾイルプロペチル;2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸;2-クロロ-6'-エチル-N-(2-メトキシ-1-メチルエチル)アセト-o-トルイジド;ジエタチルエチル;ベンゾイルプロペチル;プロパクロル;プロパクロル;2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸;2,4,5-T;Weedone;2,4-ジクロロフェノキシ酪酸(2,4-DB);2,4-DB;ブタン酸;4-(2,4-ジクロロフェノキシ)-;Butoxone;エンブトン(Embutone);MCPA;2-メチル-4-クロロフェノキシ酢酸;メタキソン(Metaxon);ジクロルプロプ(2,4-DP);1-[(2-クロロ)フェニルスルホニル]モノアミドコハク酸;クロルスルフロン;クロルブロムロン;アミドスルフロン;クロルトルロン;イソプロツロン;ジウロン;リニュロン;O-メチル-O-(4-ニトロフェニル)-N-(4-カルボキシブチル)-ホスホラミドチオエート;パラチオンメチル;O,O-ジメチル O-4-ニトロフェニルホスホロチオエート;メタホス;Wolfatox;ジメチルパラチオン;メタシド(Metacide);パラチオンエチル;p-ニトロフェニルチオリン酸ジエチル;O,O-ジエチル O-(p-ニトロフェニル)ホスホロチオエート;フェニトロチオン;O,O-ジメチル O-4-ニトロ-m-トリルホスホロチオエート;フェンチオン、O,O-ジメチル O-4-メチルチオ-m-トリル ホスホロチオエート;ブロモホス、O-4-ブロモ-2,5-ジクロロフェニル O,O-ジメチルホスホロチオエート;クロルピリホスメチル、O,O-ジメチル O-3,5,6-トリクロロ-2-ピリジル ホスホロチオエート;酸化パラチオンメチル、パラオキソン;リン酸;O,O-ジエチル O-(4-ニトロフェニル)エステル、ダイアジノン、O,O-ジエチル O-2-イソプロピル-6-メチルピリミジン-4-イル ホスホロチオエート;アジンホスメチル;
ピリミホスメチル;O-2-ジエチルアミノ-6-メチルピリミジン-4-イル O,O-ジメチル ホスホロチオエート;メチダチオン;S-2,3-ジヒドロ-5-メトキシ-2-オキソ-1,3,4-チアジアゾール-3-イルメチル O,O-ジメチル ホスホロジチオエート;ジメチルクロロチオホスフェート;4-ニトロフェノール;p-ニトロフェノール;フェノール誘導体(ベンゼン環上の修飾:R1 = OH, R2 = NO2, R3 = H, R4 = CH2COOH, R5 = H, R6 = H);2-ニトロフェノール;o-ニトロフェノール;3-ニトロフェノール;m-ニトロフェノール;2,4-ジニトロフェノール;3,4-ジニトロフェノール;2,5-ジニトロフェノール;2,4-ジニトロ-6-メチルフェノール;2,3,6-トリニトロフェノール;2-クロロフェノール;4-クロロ-3-メチルフェノール、フェニトロキソン;3-メチル-4-ニトロフェノール;ノニルフェノール;HOM(3-[2-ヒドロキシ-5-ニトロベンジルチオ]プロピオン酸;フェノール、Delor 103;ポリ塩化ビフェニル;Delor 104;ポリ塩化ビフェニル;Delor 105、ポリ塩化ビフェニル、Delor 106;4,4'-ジクロロビフェニル、PCB類;2,4,4'-トリクロロビフェニル;PCB類、2,4'-;PCB類;2,2'-ジクロロビフェニル、PCB類;2,4,5-トリクロロビフェニル、PCB類;3,3',4,4'-テトラクロロビフェニル、PCB類;PCB類;2,2',4,4',5,5'-ヘキサクロロビフェニル;2-(5-カルボキシペンタノイルアミノ)-4,4'-ジクロロビフェニル;ビフェニル誘導体;4-クロロフェノキシ酢酸;2-クロロフェノキシ酢酸;DDT、1,1,1-トリクロロ-2,2-ビス-(p-クロロフェニル)エタン;DDE、1,1-ジクロロ-2,2-ビス(p-クロロフェニル)エチレン;p-クロロフェノール;4-クロロフェノール;m-クロロフェノール;3,4-ジクロロフェノール;3,5-ジクロロフェノール;2,3,4-トリクロロフェノール;2,3,5-トリクロロフェノール;3-メチルインドール;3-メチルインドール誘導体;4-(3-メチルインドール-5-イルオキシ)ブタン酸;4-(3-メチルインドール-5-イルオキシ)ブタン酸;3-メチルインドール誘導体;6-[n-3-メチルインドール-5-イルオキシカルボニル)アミノ]ヘキサン酸;6-[n-3-メチルインドール-5-イルオキシカルボニル)アミノ]ヘキサン酸;3-メチルインドール誘導体;2-[4-(3-メチルインドール-6-イル)ブタ-1-イルスロ]酢酸;2-[4-(3-メチルインドール-6-イル)ブタ-1-イルスロ]酢酸;3-メチルインドール誘導体;4-(3-メチルインドール-6-イル-4-オキソ)ブタン酸;4-(3-メチルインドール-6-イル-4-オキソ)ブタン酸;3-メチルインドール誘導体;6-(3-メチルインドール-7-イルオキシ)ヘキサン酸;6-(3-メチルインドール-7-イルオキシ)ヘキサン酸;インドール;インドール-3-カルボン酸;インドール誘導体であるインドール-3-酢酸;インドール-3-酢酸;インドール誘導体であるインドール-3-プロピオン酸;インドール-3-プロピオン酸;インドール誘導体であるインドール-3-カルビノール、インドール-3-カルビノール;トリプトファン;トリプタミン;5-メトキシインドール-3-カルボキシアルデヒド、5-メトキシトリプタミン;5-メトキシインドール;6-メトキシインドール;7-メトキシインドール、EB1089(セオカルシトール);EB1089(セオカルシトール)誘導体;(22E,24E)-デス-A,B-24-ホモ-26,27-ジメチル-8-[(E)-N-(2-カルボキシエチル)-カルバモイルメチリデン]-コレスタ-22,24-ジエン-25-オール;1α-25-ジヒドロキシビタミンD3;25(OH)D3、25-ヒドロキシビタミンD3、24R,25(OH)2D3;24R,25-ジヒドロキシビタミンD3;ビタミンD2、エルゴカルシフェロール;ビタミンD3;コレカルシフェロール;EB1446;EB1436;EB1445;EB1470;デエチルヒドロキシアトラジン(DEHA)(構造的に関連したs-トリアジン類);イルガロール1051;フルオレセインイソチオシアネート;FITC、メタネフリン、ノルメタネフリン;プロパジン;テルブチラジン;テルブチラジン;6-クロロ-N-(1,1-ジメチルエチル)-N'-エチル-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン;(構造的に関連したs-トリアジン類);アメトリン(2-エチルアミノ-4-イソプロピルアミノ-6-メチルチオ-1,3,5-トリアジン(修飾:iPr/SCH3/Et, R1 = (CH3)2-CH-NH-, R2 = -SCH3, R3 = -NH-CH2-CH3;イルガロール;シアナジン(修飾:R1 = Cl, R2 = NHCH2CH3, R3 = NHCCN(CH3)2);OH-テルブチラジン;テルブチラジン-2OH;ヒドロキシトリアジン(EQ-0027);デイソプロピルアトラジン(構造的に関連したs-トリアジン);デスエチルテルブチラジン(構造的に関連したs-トリアジン);デスエチル-デイソプロピルアトラジン(構造的に関連したs-トリアジン);アトラトン;テルブトリン(構造的に関連したs-トリアジン類);アトラジン誘導体(修飾:R1 = -NHCH(CH3)2, R2 = -S(CH2)2COOH, R3 = -NHC2H5);塩化シアヌル;トリフルラリン;(構造的に関連したs-トリアジン類)tBu/C4/SCH3(修飾:R1 = -NH-C-(CH3)3, R2 = -NH(CH2)3COOH, R3 = -SCH3);スルファメタジン;(構造的に関連したs-トリアジン類)6-[[[4-クロロ-6-(メチルアミノ)]-1,3,5-トリアジン-2-イル]アミノ]ヘキサン酸(修飾:Me/Cl/C6, R1 = -NHCH3, R2 = -Cl, R3 = -NH(CH2)5COOH);(構造的に関連したs-トリアジン類)プロシアジン(修飾:R1 = -Cl, R2 = -NHシクロプロピル, R3 = -NHCCN(CH3)2);(構造的に関連したs-トリアジン類);プロメトン(修飾:R1 = -OCH3, R2 = -NHCH(CH3)2, R3 = -NHCH(CH3)2);(構造的に関連したs-トリアジン類)アトラジンメルカプツール酸(AM)(修飾:R1 = -SCH2CH(NHAc)COOH, R2 = -NHCH2CH3, R3 = -NHCH(CH3)2);(構造的に関連したs-トリアジン類)、デスエチルアトラジンメルカプツール酸(デスエチルAM)(修飾:R1 = -NAcCys, R2 = -NH2, R3 = -NHCH(CH3)2);(構造的に関連したs-トリアジン類);デイソプロピルアトラジンメルカプツール酸(デイソプロピルAM)(修飾:R1 = -NAcCys, R2 = -NHCH2CH3, R3 = -NH2);(構造的に関連したs-トリアジン類);ジデアルキル化アトラジンメルカプツール酸(ジデアルキル化AM)(修飾:R1 = -NAcCys, R2 = -NH2, R3 = -NH2);(構造的に関連したs-トリアジン類);シマジンメルカプツラート(修飾:R1 = -NAcCys, R2 = -NHCH2CH3, R3 = -NHCH2CH3);(構造的に関連したs-トリアジン類)(修飾:R1 = -S(CH2)2COOH, R2 = -NHCH2CH3, R3 = -NHCH2CH3);(構造的に関連したs-トリアジン類)(修飾:R1 = -Cl, R2 = -NHCH(CH3)2, R3 = -NH(CH2)2COOH);(構造的に関連したs-トリアジン類)(修飾:R1 = -Cl, R2 = -NHCH2CH3, R3 = -NH(CH2)2COOH);(構造的に関連したs-トリアジン類);アトラジンメルカプツール酸メチルエステル(AMメチルエステル)(修飾:R1 = -NAcCysME, R2 = -NHCH2CH3, R3 = -NHCH(CH3)2);N-アセチルシステイン; S-ベンジルメルカプツール酸;(構造的に関連したs-トリアジン類);シメトリン(修飾:R1 = -SCH3, R2 = -NHCH2CH3, R3 = -NHCH2CH3);メトリブジン;4-アミノ-6-tert-ブチル-4,5-ジヒドロ-3-メチルチオ-1,2,4-トリアジン-5-オン;サルファ剤;N4-アセチルスルファメタジン(修飾:N4-アセチルスルファメタジン);サルファ剤;スルファチアゾール;スルファチアゾール;スルファメラジン;スルファメラジン;スルファキノキサリン;スルファキノキサリン;スルファクロルピリダジン;スルファクロルピリダジン;スルファピリジン;スルファジメトキシン;スルファジメトキシン;スルファメトキサゾール;スルファメトキサゾール;スルフィソキサゾール;スルフィソキサゾール;スルファメチゾール;スルファメチゾール;スルファニルアミド;スルファニルアミド;スルファグアニジン;スルファグアニジン;スルファジアジン;スルファジアジン;スルファメトキシピリジアジン;スルファメトキシピリジアジン;ペンタクロロフェノキシプロピオン酸;ペンタクロロフェノール;PCP;2,3,5,6-テトラクロロフェノール;1,2,4,5-テトラクロロベンゼン;2,4,6-トリクロロフェノール;2-メトキシ-3,5,6-トリクロロピリジン;1,3,5-トリクロロベンゼン;1,3-ジクロロベンゼン;2,4,5-トリクロロフェノール;2,6-ジクロロフェノール;3,5,6-トリクロロ-2-ピリジノキシ酢酸;3,5,6-トリクロロ-2-ピリジノール;TCP;2,4-ジクロロフェノール;2,5-ジクロロフェノール;DNC;4,4'-ジニトロカルバニリド;(構造的に関連したs-トリアジン類);ジクロロアトラジン;(構造的に関連したs-トリアジン類);ジクロロシマジン;1-((6-クロロピリジン-3-イル)メチル)イミダゾリジン-2-イミン;ピリジン誘導体;6-クロロピリジン-3-カルボン酸;ニコチン酸;ピリジン誘導体;N-((6-クロロピリジン-3-イル)メチル)-N-メチルアセトアミド;(6-クロロピリジン-3-イル)-N-メチルメタンアミン;(6-クロロピリジン-3-イル)メタノール;イミダクロプリド;1-(6-クロロ-3-ピリジルメチル)-N-ニトロイミダゾリジン-2-イリデンアミン;アセタミプリド;(E)-N1-[(6-クロロ-3-ピリジル)メチル]-N2-シアノ-N1-メチルアセトアミジン;ニテンピラム;デルタメトリン;1(R)-cis-α(S)-3-(2,2-ジブロモエテニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボン酸 シアノ(3-フェノキシフェニル)メチルエステル;DON;デオキシニバレノール;
DON誘導体;15-AcDON(15-アセチルデオキシニバレノール);DON誘導体;-AcDON(3-アセチルデオキシニバレノール);DON誘導体;3,15-DiacDON(3,15-ジアセチルデオキシニバレノール);DON誘導体;3,7,15-TriacDON(3,7,15-トリアセチルデオキシニバレノール);NIV(ニバレノール);ニバレノール;NIV誘導体;4-AcNIV(フザレノンX);フルトラニル;α,α,α-トリフルオロ-3'-イソプロポキシ-o-トルアニリド;メプロニル;メベニル;ベノダニル;24,25(OH)2D3;(24R)-24,25-ジヒドロキシビタミンD3;24S,25(OH)2D3;24S,25-ジヒドロキシビタミンD3;25R,26(OH)2D3;25R,26-ジヒドロキシビタミンD3;25S,26(OH)2D3;25S,26-ジヒドロキシビタミンD3;1,24,25(OH)3D3;1,24,25-トリヒドロキシビタミンD3;1,25-ラクトン;(23S,25R)-1,25(OH)2D3-26,23-ラクトン;24,25(OH)2-7-DHC;24,25(OH)2-7-デヒドロコレステロール;25(OH)D3-3S;25(OH)D3 3-硫酸塩;24,25(OH)2D3-ヘミグルタレート誘導体;11α-ヘミグルタリルオキシ-(24R)-24,25-ジヒドロキシビタミンD3;24,25(OH)2D3-ヘミグルタレート誘導体;(24R)-24,25-ジヒドロキシビタミンD3-3-ヘミグルタレート;24R,25(OH)2D2;24S,25(OH)2D2;25(OH)D2;1,24(OH)2D3;2,3,6-トリクロロフェノール;テトラクロロヒドロキノン;ペンタクロロアニリン;ペンタクロロベンゼン;2,3-ジニトロトルエン;,4-ジニトロトルエン;2,4,5-トリクロロニトロベンゼン;3-(3-ヒドロキシ-2,4,6-トリクロロフェニル)プロパン酸;2,3,4,6-テトラクロロフェノール;2,4,6-トリクロロアニソール;2,4,6-TCA;ペンタブロモフェノール;PBP;2,4,6-トリブロモフェノール;2,4,6-TBP;2-ブロモ-4-クロロフェノール;2-B-4-CP、2,4-ジブロモフェノール;2,4-DBP;2,6-ジブロモフェノール;2,6-DBP;4-ブロモフェノール;4-BP;フロセミド;アンピシリン;アモキシシリン;6-アミノペニシラン酸(6-APA);アズロシリン;バカンピシリン;カルベニシリン;エピシリン;クロキサシリン;ジクロキサシリン;メタンピシリン;メチシリン;モキサラクタム;オキサシリン;ペニシリンG;ベンジルペニシリン;ペニシリンV;フェノキシメチルペニシリン;フェネチシリン;ピペラシリン;チカルシリン;アンピシリン加水分解物;ペニシリンG加水分解物;3-フェノキシ安息香酸(3-PBAc);クロルピリホス;クロルピリホス誘導体;HClo1;研究用のクロルピリホスの6位の塩素を3-メルカプトプロパン酸スペーサアームで置換することにより直接合成した誘導体;クロルピリホス誘導体;HTCP(修飾体:TCP代謝物のHTCPは、HClo1のチオリン酸エステルの加水分解により調製した);ゼアチンリボシド(trans異性体);ゼアチン(trans異性体);N6-(2-イソペンテニル)-アデノシン;IPA;N6-(2-イソペンテニル)-アデニン;2-iP;ベンジルアデニン;カイネチン;モヌロン;モノリニュロン;フェヌロン;ネブロン;プロパニル;プロファム;クロロプロファム;4-クロロアニリン;メチル尿素誘導体;1-(3-カルボキシプロピル)-3-(4-クロロフェニル)-1-メチル尿素;メチル尿素誘導体;1-(5-カルボキシペンチル)-3-(4-クロロフェニル)-1-メチル尿素;メトブロムロン;センノシドB;SB;C-10とC-10'の間がエリスロ配置であるセンノシドB;センノシドA(修飾体:C-10とC-10の間がスレオ配置であるセンノシドA);レイン;エモジン;アロエエモジン;バルバロイン;1,4-ジヒドロキシアントラキノン;ラポンチシン;没食子酸;バニリン酸;コーヒー酸;ホモゲンチジン酸;エスクリン;シンナムタンニンB1;バイカリン;ナリンギン水和物;オウゴニン;オウゴニン7-O-β-グルクロニド;クルクミン;δ1-テトラヒドロカンナビノール酸;δ1-テトラヒドロカンナビノール;(±)-cis-4-アミノペルメトリン;3-(4-アミノフェノキシ)ベンジル (±)-cis-3-(2,2-ジクロロエテニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート;ペルメトリン;trans-ペルメトリン;cis-ペルメトリン;シペルメトリン;フェノトリン;レスメトリン;シフルトリン;trans-ペルメトリン酸エスフェンバレレート;フルバリネート;フェンプロパトリン;cis-ペルメトリン酸;4-フェノキシベンゾイルアルコール;ジウロン誘導体;1-(3-カルボキシプロピル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-1-メチル尿素;シデュロン;テルブチウロン;バーバン;トリフルラリン;2,6-ジニトロ-N-プロピル-N-(2-カルボキシエチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンアミン;TR-13;2-エチル-7-ニトロ-1-プロピル-5-(トリフルオロメチル)-1H-ベンズイミダゾール;ベネフィン;2,6-ジニトロ-N-ブチル-N-エチル-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンアミン;TR-2;2,6-ジニトロ-N-プロピル-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンアミン;エタルフルラリン;2,6-ジニトロ-N-エチル-N-(2-メチル-2-プロペニル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンアミン;TR-40;N-(2,6-ジニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-N-プロピルプロパンアミド;TR-15;2-エチル-4-ニトロ-6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンズイミダゾール;TR-3;2,6-ジニトロ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンアミン;TR-6;3-ニトロ-5-(トリフルオロメチル)-1,2-ベンゼンジアミン;TR-9;5-(トリフルオロメチル)-1,2,3-ベンゼントリアミン;TR-21;4-(ジプロピルアミノ)-3,5-ジニトロ安息香酸;TR-36M;3-メトキシ-2,6-ジニトロ-N,N-ジプロピル-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンアミン;オリザリン;3,5-ジニトロ-4-(ジプロピルアミノ)ベンゼンスルホンアミド;ペンジメタリン;2,6-ジニトロ-N-(1-エチルプロピル)-3,4-ジメチルベンゼンアミン;ペンタガロイルグルコース;ピレン;ピレン-1-カルボキシアルデヒド;フェナントレン;ベンゾ(a)ピレン;3,4-ベンゾピレン;アントラセン;3,4-ベンゾピレン;アセナフテン;フルオレン;クリセン;1,2-ベンズフェナントレン;ベンゾ[g,h,i]ペリレン;ベンゾ[e]ピレン;アセナフチレン;フルオランテン;ベンゾ(j,k)フルオレン;インデノ-1,2,3-cd-ピレン;1,10-(1,2-フェニレン)ピレン;ベンゾ[a]アントラセン;1,2-ベンズアントラセン;ベンゾ(k)フルオランテン;ナフタレン;ベンゾ[a]フルオランテン;ジベンゾ[ah]アントラセン;1,2,5,6-ジベンズアントラセン;2,3-ジアミノナフタレン;2,6-ジニトロアニリン;17-β-エストラジオール(ED);エストラ-1,3,5(10)-トリエン-3,17-β-ジオール;トリフルラリン誘導体;2,6-ジニトロ-4-トリフルオロメチルアニリン;トリフルラリン誘導体;N-(2,6-ジニトロ-4-トリフルオロメチルフェニル)-6-アミノヘキサン酸;トリフルラリン誘導体;N-(2,6-ジニトロ-4-トリフルオロメチルフェニル)-N-メチル-6-アミノヘキサン酸;トリフルラリン誘導体;N-(2,6-ジニトロ-4-トリフルオロメチルフェニル)-N-プロピル-6-アミノヘキサン酸;トリフルラリン誘導体;N-(2,6-ジニトロ-4-トリフルオロメチルフェニル)-6-アミノヘキサン酸メチルエステル;トリフルラリン誘導体;N-(2,6-ジニトロ-4-トリフルオロメチルフェニル)-6-アミノヘキサン酸tert-ブチルエステル;ベンフルラリン;エタールフルラリン;トリフルラリン誘導体;2,6-ジニトロ-4-トリフルオロメチルフェノール;イソプロパリン;アニリン;2-ヒドロキシベンゾトリフルオリド;N-プロピル-6-アミノヘキサン酸;N-メチル-6-アミノヘキサン酸;MHPG誘導体;D-MHPG(D-3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルグリコール);MHPG誘導体;L-MHPG(L-3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルグリコール);MHPG誘導体;DL-MHPG(DL-3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルグリコール);D-MHPGとL-MHPGの異性体混合物;MHPG誘導体;DL-MHPG-SO4(DL-3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルグリコール硫酸塩)、修飾体はD-MHPG-SO4とL-MHPG-SO4の異性体混合物を含みうる;セロトニン;5-HT;5-ヒドロキシドーパミン(5-4HDA);3,4-ジヒドロキシフェニルグリコール(DOPEG);ドーパミン;4-(2-アミノエチル)ピロカテコール;3-ヒドロキシチラミン;3,4-ジヒドロキシフェネチルアミン;L-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン;L-DOPA;バニロマンデル酸;DL-VMA;ホモバニリン酸;ノルエピネフリン;DL-NE;D-エピネフリン;D-E;3-メトキシチラミン;MTA;3-メトキシチロシン;MTyr;3,4-ジヒドロキシマンデル酸;DL-DOMA;3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸;DOPAC;L-フェニルアラニン;チラミン;p-チラミン;4-(2-アミノエチル)フェノール;
D-マンデル酸;ホモカテコール;オクトパミン;DL-オクトパミン;アジンホスエチル;S-(3,4-ジヒドロ-4-オキソベンゾ[d]-[1,2,3]-トリアジン-3-イルメチル)O,O-ジエチルホスホロジチオエート;ホスメット;O,O-ジメチル S-フタルイミドメチルホスホロジチオエート;フォルペット;N-[(トリクロロメチル)チオ]フタルイミド;テトラメトリン;(1-シクロヘキセン-1,2-ジカルボキシイミド)メチル-2,2-ジメチル-3-(2-メチルプロペニル)-シクロプロパンカルボキシラート;N-(ブロモメチル)フタルイミド;N-(クロロメチル)ベンズアジミド;6-(N-フタルイミドイルメチルチオ)ヘキサン酸(MFH);ブロマシル;5-ブロモ-3-sec-ブチル-6-メチルウラシル;ブロマシル誘導体;5-ブロモ-6-(ヒドロキシメチル)-3-(1-メチルプロピル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンオン;ブロマシル誘導体;5-ブロモ-3-(2-メチルプロピル-6-メチル-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン;ブロマシルの代謝物;ブロマシル誘導体;3-ヒドロキシ-1-メチルプロピル-6-メチル-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン(修飾体:ブロマシル代謝物);ブロマシル誘導体;6-メチル-3-(1-メチルプロピル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン(修飾体:ブロマシル代謝物);テルバシル誘導体;[5-クロロ-3-(1,1-ジメチルエチル)-6-(ヒドロキシメチル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン;テルバシル;3-tert-ブチル-5-クロロ-6-メチルウラシル;ブロマシル誘導体;エチル-5-(5-ブロモ-6-メチル-3-(1-メチルプロピル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン-1-イル)ヘキサノエート;N-1でアルキル化されたブロマシル誘導体;ブロマシル誘導体である5-(5-ブロモ-6-メチル-3-(1-メチルプロピル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン-1-イル)ヘキサン酸(修飾体:N-1でアルキル化されたブロマシル誘導体);ブロマシル誘導体;ブロモ-6-(ブロモメチル-3-(1-メチルプロピル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン(修飾体:6位のメチルが置換されたブロマシル誘導体);ブロマシル誘導体である[5-ブロモ-3-(1-メチルプロピル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン-6-イル]-2-カルボキシルプロパン酸(修飾体:6位のメチルが置換されたブロマシル誘導体);3-[5-ブロモ-3-(1-メチルプロピル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン-6-イル]プロパン酸(修飾体:6位のメチルが置換されたブロマシル誘導体);ブロマシル誘導体である5-ブロモ-1,6-ジメチル-3-(1-メチルプロピル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン;ブロマシル誘導体である5-ブロモ-1-ブチル-6-メチル-3-(1-メチルプロピル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン;ブタクロール;N-ブトキシメチル-2-クロロ-2',6'-ジエチルアセトアニリド;アミドクロール;N-[(アセチルアミノ)メチル]-2-クロロ-N-(2,6-ジエチルフェニル)アセトアミド;ナイカルバジン;4,6-ジメチル-2(1H)-ピリミジノンを有するN,N'-ビス(4-ニトロフェニル)化合物(修飾体:DNC+HDP));2-ヒドロキシ-4,6-ジメチルピリミジン;HDP;イマザリル;[1-(β-アリルオキシ-2,4-ジクロロフェネチル)イミダゾール];イマザリル誘導体;EIT-0073(イマザリル本来の-OCH2CH=CH2基の代わりに-O(CH2)5-COOH基を有する修飾体);ペンコナゾール;(RS)-1-(2,4-ジクロロ-β-プロピルフェネチル)-1H-1,2,4-トリアゾール;ヘキサコナゾール;(RS)-2-(2,4-ジクロロフェニル)-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ヘキサン-2-オール;プロピコナゾール;cis-trans-1-[2-(2,4-ジクロロフェニル)-4-プロピル-1,3-ジオキソラン-2-イルメチル]-1H-1,2,4-トリアゾール;ジクロブタゾール;(2RS,3RS)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-4,4-ジメチル-2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ペンタン-3-オール;トリフルミゾール;(E)-4-クロロ-α,α,α-トリフルオロ-N-(1-イミダゾール-1-イル-2-プロポキシエチリデン)-o-トルイジン;イマザリル誘導体;EIT-0183;イマザリル誘導体;EIT-0180;イマザリル誘導体;EIT-0111;イマザリル誘導体;EIT-0158;イマザリル誘導体;K-240;クロロタロニル;テトラクロロイソフタロニトリル(ベンゼン環上の修飾:R1 = CN, R2 = Cl, R3 = CN, R4 = Cl, R5 = Cl, R6 = Cl);クロロタロニル誘導体である2,4,5,6-テトラクロロ-3-シアノベンズアミド(ベンゼン環上の修飾:R1 = CONH2, R2 = Cl, R3 = CN, R4 = Cl, R5 = Cl, R6 = Cl);クロロタロニル誘導体である2,5,6-トリクロロ-4-ヒドロキシイソフタロニトリル(ベンゼン環上の修飾:R1 = CN, R2 = Cl, R3 = CN, R4 = OH, R5 = Cl, R6 = Cl);3-カルバミル-2,4,5-トリクロロ安息香酸(ベンゼン環上の修飾:R1 = CONH2, R2 = Cl, R3 = COOH, R4 = H, R5 = Cl, R6 = Cl);ペンタクロロニトロベンゼン(ベンゼン環上の修飾:R1 = NO2, R2 = Cl, R3 = Cl, R4 = Cl, R5 = Cl, R6 = Cl);ベンゼン六塩化物;ヘキサクロロベンゼン;BHC;リンデン(ベンゼン環上の修飾:R1 = Cl, R2 = Cl, R3 = Cl, R4 = Cl, R5 = Cl, R6 = Cl);2,4,5,6-テトラクロロフェノール(ベンゼン環上の修飾:R1 = OH, R2 = Cl, R3 = H, R4 = Cl, R5 = Cl, R6 = Cl);カルバリル誘導体;カルバミン酸エチル(修飾:R1 = OCONHCH2CH3, R3 = H);1-ナフトール;1-ナフタレンアセトアミド;-(1-ナフチル)アセトアミド;カルバリル誘導体;1-メチルカーボネート(修飾:R1 = OCOOCH3, R2 = H);カルバリル誘導体;1-エチルカーボネート(修飾:R1 = OCOOCH2CH3, R2 = H);カルバリル誘導体である2-エチルカーボネート(修飾:R1 = H, R2 = OCOOCH2CH3);カルバリル誘導体;1-エチルチオカーボネート(修飾:R1 = OCOSCH2CH3, R2 = H);カルバリル誘導体;2-エチルチオカーボネート(修飾:R1 = H, R2 = OCOSCH2CH3);ナプタラム;N-1-ナフチルフタルアミド酸;カルバリル誘導体;3-ヒドロキシカルバリル(修飾:R1 = OCONHCH3, R2 = H, R3 = OH, R4 = H, R5 = H);カルバリル誘導体である4-ヒドロキシカルバリル(修飾:R1 = OCONHCH3, R2 = H, R3 = H, R4 = OH, R5 = H);カルバリル誘導体である5-ヒドロキシカルバリル(修飾:R1 = OCONHCH3, R2 = H, R3 = H, R4 = H, R5 = OH);カルバリル誘導体;1-(5-カルボキシペンチル)-3-(1-ナフチル)尿素(修飾:R1 = NHCONH(CH2)5COOH, R2 = H);(構造的に関連したs-トリアジン類であるアジプロトリン;4-アジド-N-イソプロピル-6-メチルチオ-1,3,5-トリアジン-2-イルアミン(修飾:R1 = -SCH3, R2 = -N3, R3 = -CH(CH3)2);(構造的に関連したs-トリアジン類);2-(エチルアミノ)-4-(メチルチオ)-6-アミノトリアジン(修飾:R1 = -SCH3, R2 = -NH-C2H5, R3 = -NH2);(構造的に関連したs-トリアジン類である2-アミノ-4-(メチルチオ)-6-(イソプロピルアミノ)トリアジン(修飾:R1 = -SCH3, R2 = -NH2, R3 = -NH-CH(CH3)2);(構造的に関連したs-トリアジン類である2-アミノ-4-メトキシ-6-(イソプロピルアミノ)トリアジン(修飾:R1 = -OCH3, R2 = -NH2, R3 = -NH-CH(CH3)2);TCP誘導体(3,5,6-トリクロロ-2-ピリジノール誘導体);3-(3,5-ジクロロ-6-ヒドロキシ-2-ピリジル)チオプロパン酸;p-ニトロスクシンアニリド酸(PNA-S);PNA-S;PNA-C;p-ニトロ-cis-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸;ニトロアニリン誘導体;2-ニトロアニリン;o-ニトロアニリン;ニトロアニリン誘導体である3-ニトロアニリン;m-ニトロアニリン;ニトロアニリン誘導体である4-ニトロアニリン;p-ニトロアニリン;芳香族アルコール類;4-ニトロベンジルアルコール;芳香族アルコール類である4-ニトロフェネチルアルコール;芳香族アルコール類である2-ニトロベンジルアルコール;芳香族アルコール類;3-ニトロベンジルアルコール;尿素誘導体である1-ベンジル-3-(4-ニトロフェニル)尿素;尿素誘導体である1-(3-クロロフェニル)-3-(2-メトキシ-5-ニトロフェニル)尿素;尿素誘導体である1-(3-クロロフェニル)-3-(4-メトキシ-3-ニトロフェニル)尿素;尿素誘導体である1-(4-クロロフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)尿素;尿素誘導体である(2-フルオロフェニル)-3-(2-メトキシ-4-ニトロフェニル)尿素;1-(3-メトキシフェニル)-3-(3-ニトロフェニル)尿素;カルボフラン誘導体であるm-カルボフランフェノール;ヒドロキシカルボフラン;ケトカルボフラン;カルボスルファン;(ジブチルアミノチオ)メチルカルバミン酸2,3-ジヒドロ-2,2-ジメチルベンゾフラン-7-イル;ベンフラカルブ;N-[2,3-ジヒドロ-2,2-ジメチルベンゾフラン-7-イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ]-N-イソプロピル-β-アリニネート;フラチオカルブ;2,3-ジヒドロ-2,2-ジメチル-7-ベンゾフラニル 2,4-ジメチル-5-オキソ-6-オキサ-3-チア-2,4-ジアザデカノエート;カルボフラン誘導体;4-[[(2,3-ジヒドロ-2,2-ジメチル-7-ベンゾフラニルオキシ)カルボニル]-アミノ]ブタン酸(BFNB)(修飾:n=3, X=CH2);エンドリン;ネンドリン;(1R,4S,4aS,5S,6S,7R,8R,8aR)-1,2,3,4,10,10-ヘキサクロロ-1,4,4a,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-6,7-エポキシ-1,4,5,8-ジメタノナフタレン;ヘプタクロル;1,4,5,6,7,8,8-ヘプタクロロ-3a,4,7,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノインデン;クロルデン;1,2,4,5,6,7,8,8-オクタクロロ-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-4,7-メタノインデン;エンドスルファン(修飾体:α体とβ体の異性体混合物);エンドスルファン(修飾体:α異性体);エンドスルファン(修飾体:β異性体);エンドスルファン誘導体;エンドスルファン硫酸塩(修飾体:硫酸塩);エンドスルファン誘導体;エンドスルファンジオール;エンドスルファンのジオール代謝物;エンドスルファン誘導体;エンドスルファンエーテル(修飾体:エンドスルファンのエーテル代謝物);エンドスルファン誘導体;ヒドロキシエーテル;エンドスルファンのヒドロキシエーテル代謝物;エンドスルファン誘導体;エンドスルファンラクトン(修飾体:エンドスルファンのラクトン代謝物);アルドリン;ディルドリン;フェンバレレート異性体(修飾体:1S,2R異性体、R:Ph);フェンバレレート異性体(修飾体:1R,2S異性体、R:Ph);フェンバレレート異性体(修飾体:1R,2R異性体、R:Ph);フェンバレレート異性体(修飾体:1S,2R/S異性体、R:Ph);フェンバレレート異性体(修飾体:1R,2R/S異性体、R:Ph);フェンバレレート異性体;フェンバレレート(修飾体:1R/S,2R/S異性体、R:Ph);チアベンダゾール;2-(チアゾール-4-イル)ベンズイミダゾール;チアベンダゾール誘導体;5-ヒドロキシチアベンダゾール(修飾体:5-OH-TBZ);チアベンダゾール誘導体;5-NH2-TBZ;
チアベンダゾール誘導体;メチルベンズイミダゾールカルバメート;アルベンダゾール;メベンダゾール;フェンベンダゾール;チアベンダゾール誘導体;2-スクシンアミドチアベンダゾール;チアベンダゾール誘導体;2-スクシンアミドチアベンダゾール;カンベンダゾール;フェンバレレートハプテン類;(S)-4-クロロ-α-(1-メチルエチル)ベンゼン酢酸シアノ[3-(4-アミノフェノキシ)フェニル]メチル(4-アミノエスフェンバレレート);フェンバレレートハプテン類; 4-[3-[シアノ[(S)-2-(4-クロロフェニル)-3-メチル-1-オキソブタノキシ]メチル]]フェノキシ]ベンゼンプロパン酸ベンジル;フェンバレレートハプテン類; 3-[シアノ[(S)-2-(4-クロロフェニル)-3-メチル-1-オキソブタノキシ]メチル]]フェノキシ酢酸ベンジル;フェンバレレートハプテン類;3-[シアノ[(S)-2-(4-クロロフェニル)-3-メチル-1-オキソブタノキシ]メチル]]フェノキシ酢酸;フェンバレレートハプテン類;6-[3-[シアノ[(S)-2-(4-クロロフェニル)-3-メチル-1-オキソブタノキシ]メチル]]フェノキシ]ヘキサン酸ベンジル;フェンバレレートハプテン類;6-[3-[シアノ[(S)-2-(4-クロロフェニル)-3-メチル-1-オキソブタノキシ]メチル]]フェノキシ]ヘキサン酸(フェンバレレートハプテン類);4-[3-[シアノ[(S)-2-(4-クロロフェニル)-3-メチル-1-オキソブタノキシ]メチル]]フェノキシ]ベンゼンプロパン酸;(S)-フェンバレレート酸;(構造的に関連したs-トリアジン類);アトラジンメルカプツレート(修飾:R1 = -SCH2CH(NHCOCH3)COOH, R2 = -NHCH2CH3, R3 = -NHCH(CH3)2;フェンチオンハプテン;メチル O-[3-メチル-4-(メチルチオ)フェニル] N-(3-カルボキシプロピル)ホスホルアミドチオエート(ハプテンBと呼ばれる修飾体);フェンチオン誘導体;酸化フェンチオン;フェンチオン誘導体;酸化フェンチオン;ピリミホス-エチル;4-(メチルチオ)-m-クレゾール;クロルピリホス誘導体;クロルピリホス-オキソン;フェンクロルホス;O,O-ジメチル O-2,4,5-トリクロロフェニル ホスホロチオエート;トリクロロネート;O-エチル O-2,4,5-トリクロロフェニル エチルホスホノチオエート;ジクロフェンチオン;O-2,4-ジクロロフェニル O,O-ジエチル ホスホロチオエート;パラチオン;O,O-ジエチルO-4-ニトロフェニル ホスホロチオエート;チオホス;クロルピリホス誘導体(修飾体:AR1の合成が報告されている);クロルピリホス誘導体;O-エチル O-(3,5,6-トリクロロ-2-ピリジル) O-(3-カルボキシプロピル) ホスホロチオエート;(PO);クロルピリホス誘導体であるO-エチル O-(3,5,6-トリクロロ-2-ピリジル) N-(5-カルボキシエチル)ホスホルアミドチオエート;(PN1)(修飾体:チオホスフェート試薬のアミド結合);クロルピリホス誘導体;O-エチル O-(3,5,6-トリクロロ-2-ピリジル) N-(2-カルボキシエチル)ホスホルアミドチオエート;(PN1)(修飾体:適切なチオホスフェート試薬のアミド結合);トリアジメホン;(RS)-1-(4-クロロフェノキシ)-3,3-ジメチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オン;GR151004;(4-[[5-[3-[2-(ジメチルアミノ)エチル]]-5-ベンゾフラニル]-3-ピリジニル]アセチル]モルホリン二塩酸塩;ジフルベンズロン;1-(4-クロロフェニル)-3-(2,6-ジフルオロベンゾイル)尿素;(構造的に関連したs-トリアジン類であるSprAAT(修飾:R1 = SCH2CH2COOH, R2 = NH2, R3 = NH2);(構造的に関連したs-トリアジン類);SBeAAT(修飾:R1 = S(C6H4)COOH, R2 = NH2, R3 = NH2);(構造的に関連したs-トリアジン類);SAAT(修飾:R1 = SH, R2 = NH2, R3 = NH2);(構造的に関連したs-トリアジン類);CDAT(修飾:R1 = Cl, R2 = NH[C(O)CH3], R3 = NH2);(構造的に関連したs-トリアジン類であるCDET(修飾:R1 = Cl, R2 = NH[C(O)CH3], R3 = NH(CH2CH3);(構造的に関連したs-トリアジン類であるCDIT(修飾:R1 = Cl, R2 = NH[C(O)CH3], R3 = NH(CH(CH3)2));(構造的に関連したs-トリアジン類);CDDT(修飾:R1 = Cl, R2 = NH[C(O)CH3], R3 = NH[C(O)CH3]);(構造的に関連したs-トリアジン類であるアンメリン;OAAT(修飾:R1 = OH, R2 = NH2, R3 = NH2);(構造的に関連したs-トリアジン類であるアンメリド;OOAT(修飾:R1 = OH, R2 = OH, R3 = NH2);(構造的に関連したs-トリアジン類であるシアヌル酸;OOOT(修飾:R1 = OH, R2 = OH, R3 = OH);(構造的に関連したs-トリアジン類);メラミン;AAAT(修飾:R1 = NH2, R2 = NH2, R3 = NH2);構造的に関連したs-トリアジン類であるN-イソプロピルアンメリン;OIAT(修飾:R1 = OH, R2 = NH[CH(CH3)2], R3 = NH2);構造的に関連したs-トリアジン類であるN-エチルアンメリン;OEAT(修飾:R1 = OH, R2 = NHCH2CH3, R3 = NH2);構造的に関連したs-トリアジン類;N-エチルアンメリド;OOET(修飾:R1 = OH, R2 = OH, R3 = NHCH2CH3);構造的に関連したs-トリアジン類であるシロマジン、CyPAAT(修飾:R1 = NH(C3H5), R2 = NH2, R3 = NH2);構造的に関連したs-トリアジン類であるジアミノ-s-トリアジン;HAAT(修飾:R1 = H, R2 = NH2, R3 = NH2);PCB類;2,5,3',4'-テトラクロロビフェニル(修飾:IUPAC no.: 70);PCB類である2,4,5,3',4'-ペンタクロロビフェニル(修飾:IUPAC no.: 118);PCB類である2,2',5,5'-テトラクロロビフェニル(修飾:IUPAC no.: 52);PCB類;6-[3,3',4'-トリクロロビフェニル-4-イル)オキシ]ヘキサン酸;メトラゾン;商標名:Mykrox, Zaroxolyn;安息香酸フルフリル;DDT代謝物;DDA;パラコート;1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウムイオン;ジエチルカルバマジン;THP;2,4,6-トリフェニル-N-(4-ヒドロキシフェニル)-ピリジニウム;o-DNCP;ジニトロカルボキシフェノール;PCB類;3-クロロビフェニルオール(修飾:IUPAC No. 2);PCB類;3,4'-ジクロロビフェニル(修飾:IUPAC No. 13)、PCB類;3,5-ジクロロビフェニル(修飾:IUPAC No. 14);PCB類;3,4,5,3',4'-ペンタクロロビフェニル(修飾:IUPAC No. 126);2,3,3',4'-テトラクロロビフェニル(修飾:IUPAC No. 56);2',3,4,5-テトラクロロビフェニル(修飾:IUPAC No. 76);3,3',5,5'-テトラクロロビフェニル(修飾:IUPAC No. 80);2,4,5,2',5'-ペンタクロロビフェニル(修飾:IUPAC No. 101);2,3,3',4,4'-ペンタクロロビフェニル(修飾:IUPAC No. 105);2,3,6,3',4'-ペンタクロロビフェニル(修飾:IUPAC No. 110);3,3',4,5,5'-ペンタクロロビフェニル(修飾:IUPAC No. 127);3,4,5,3',4',5'-ヘキサクロロビフェニル(修飾:IUPAC No. 169);2,3,3',4,4',5-ヘキサクロロビフェニル(修飾:IUPAC No. 156);
3,4,3',4'-テトラブロモビフェニル;3,4,5,3',4',5'-ヘキサブロモビフェニル;2,4,5,2',4',5'-ヘキサブロモビフェニル;ジベンゾフラン類およびダイオキシン類;2,3,7,8-テトラクロロベンゾフラン;2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ダイオキシン;3,4',5-トリクロロ-4-ビフェニルオール;3,3',5,5'-テトラクロロ-4,4'-ビフェニルジオール;3,4,3',4'-テトラクロロジフェニルエーテル;1,2-ジクロロベンゼン;1,4-ジクロロベンゼン;1,2,4-トリクロロベンゼン;3,4-ジクロロアニリン;DDT代謝物;4,4'-DDT;4,4'-DDDレトロネシン;3,4-ジクロロビフェニル(修飾:IUPAC No. 12);3,4,3'-トリクロロビフェニル(修飾:IUPAC No. 35);PCB類;3,4,4'-トリクロロビフェニル(修飾:IUPAC No. 37);3,4,3',5-テトラクロロビフェニル(修飾:IUPAC No. 78);3,4,3',5'-テトラクロロビフェニル(修飾:IUPAC No. 79);3,4,4',5-テトラクロロビフェニル(修飾:IUPAC No. 81);DDT代謝物;p,p'-DDT(修飾:p,p'-ジクロロジフェニルトリクロロエタン);o,p'-DDT(修飾:o,p'-ジクロロジフェニルトリクロロエタン);p,p'-DDE(修飾:p,p'-DDE);o,p'-DDE(修飾:o,p'-);p,p'-DDD(修飾:p,p'-DDD);o,p'-DDD(修飾:o,p'-DDD);ジコホル;4,4-ジクロロ-α-(トリクロロメチル)ベンズヒドロール;シプラジン;6-クロロ-N-シクロプロピル-N'-(1-メチルエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン;構造的に関連したs-トリアジン類;ジプロペトリン;6-(エチルチオ)-N,N'-ビス(1-メチルエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン;トリエタジン;6-クロロ-N,N,N'-トリエチル-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン;6-ヒドロキシアトラジン;ヘキサジノン;3-シクロヘキシル-6-ジメチルアミノ-1-メチル-1,3,5-トリアジン-2,4(1H,3H)-ジオン;TNT;2,4,6-トリニトロトルエン;テトラコナゾール(M14360);1-[2-(2,4-ジクロロフェニル)-3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)プロピル]-1H-1,2,4-トリアゾール;DTP;2-(2,4-ジクロロフェニル)-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパノール;イマザリル;フェナリモル;(RS)-2,4'-ジクロロ-α-(ピリミジン-5-イル)ベンズヒドリルアルコール;ルパニン代謝物;(+)-ルパニン(修飾:R = H);ルパニン代謝物;(+)-13-ヒドロキシルパニン(修飾:R = OH);ルパニン代謝物;(+)-13-ヒドロキシルパニンのヘミコハク酸エステル(修飾:R = OCO-(CH2)2COOH);ルパニン代謝物;(+)-13-ヒドロキシルパニンのcis-ヘキサヒドロフタル酸エステル(修飾:R = OCOC6H10COOH);ルパニン代謝物;α-イソルパニン;ルパニン代謝物;ヒドロキシルパニン;スパルテイン;システイン;マルチフロリン;エピルピニン;(構造的に関連したs-トリアジン類);シアナジン酸(修飾:R1 = Cl, R2 = NHCH2CH3, R3 = NHCCOOH(CH3)2);構造的に関連したs-トリアジン類(修飾:R1 = Cl, R2 = NHCH2CH3, R3 = NH(CH2)3COOH);構造的に関連したs-トリアジン類(修飾:R1 = Cl, R2 = NHCH2CH3, R3 = NHCH2COOH);(構造的に関連したs-トリアジン類)(修飾:R1 = Cl, R2 = NHCH2CH3, R3 = NH(CH2)4COOH);ノルフルラゾン;4-クロロ-5-(メチルアミノ)-2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3(2H)-ピリダジノン;ノルフルラゾン誘導体;デスメチルノルフルラゾン;メトフルラゾン;クロロ-5-(ジメチルアミノ)-2-[(3-トリフルオロメチル)フェニル]-3(2H)-ピリダジノン;ピラゾン;クロリダゾン;5-アミノ-4-クロロ-2-フェニル-3(2H)-ピリダジノン(有効成分);ジクロロフェニル-ピリダゾン;(構造的に関連したs-トリアジン類であるアジドアトラジン(修飾:R1 = N3, R2 = NHCH(CH3)2, R3 = NHCH2CH3);アラクロール、2-クロロ-2',6'-ジエチル-N-メトキシメチルアセトアニリド;トリコテコロン(修飾:R1 = H, R2 = OH, R3 = H, R4 = O, R5 = H);DON誘導体;アセチル-T-2;DON誘導体;T-2テトロールテトラアセテート;クロルピリホス誘導体;モノデクロロ-CP;ブロモホス誘導体;ブロモホスメチル;ブロモホス誘導体;ブロモホスエチルジカプトン;2-クロロ-4-ニトロフェニル O,O-ジメチル ホスホロチオエート;テトラクロルビンホス;リン酸(Z)-2-クロロ-1-(2,4,5-トリクロロフェニル)ビニルジメチル;トリクロピル;3,5,6-トリクロロ-2-ピリジルオキシ酢酸;ピクロラム;4-アミノ-3,5,6-トリクロロピリジン-2-カルボン酸;ホルモノネチン;ビオカニンA;5,7-ジヒドロキシ-4'-メトキシイソフラボン(修飾:ゲニステインの4'-メチルエーテル);エクオール;(7-ヒドロキシ-3-(4'-ヒドロキシフェニル)-クロマン;2'-メトキシホルモノネチン;ダイゼイン;7-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4H-1-ベンゾピラン-4-オン;ゲニステイン;ケルセチン;3,3',4',5,7-ペンタヒドロキシフラボン;3,5,7,3',4'-ペンタヒドロキシフラボン;matheucinol;クメストロール;(構造的に関連したs-トリアジン類);ヒドロキシシマジン(修飾:R1 = OH, R2 = NHCH2CH3, R3 = NHCH2CH3);アングスチホリン;Alodan;1-メチル-4-フェニル-4-カルボエトキシピペリジン塩酸塩;ゼアラレノン;RAL;F-2トキシン;フェンプロピモルフ;(RS)-cis-4-[3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロピル]-2,6-ジメチルモルホリン;トリデモルフ;2,6-ジメチル-4-トリデシルモルホリン;2,6-ジメチルモルホリン;アモロルフィン;フェンプロピジン;(RS)-1-[3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロピル]ピペリジン;(構造的に関連したs-トリアジン類)(修飾:R1 = Cl, R2 = Cl, R3 = NHCH2CH3);(構造的に関連したs-トリアジン類)(修飾:R1 = Cl, R2 = Cl, R3 = NHCH(CH3)2);(構造的に関連したs-トリアジン類)(修飾:R1 = Cl, R2 = NHCH2CH3, R3 = NH(CH2)5COOH);(構造的に関連したs-トリアジン類)(修飾:R1 = Cl, R2 = NHCH(CH3)2, R3 = NHCH2COOH);(構造的に関連したs-トリアジン類)(修飾:R1 = Cl, R2 = NHCH(CH3)2, R3 = NH(CH2)5COOH);構造的に関連したs-トリアジン類;シアナジンアミド(修飾:R1 = Cl, R2 = NHCH2CH3, R3 = NHCCONH2(CH3)2);ヒドロキシシアナジン酸(修飾:R1 = OH, R2 = NHCH2CH3, R3 = NHCCOOH(CH3)2);デエチルシマジン(修飾:R1 = Cl, R2 = NH2, R3 = NHCH2CH3);アルベンダゾールスルホキシド;[5-(プロピルチオニル)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル]-、メチルエステル;アルベンダゾールスルホン;5(6)-アルキルベンズイミダゾール類;2-アミノ-5-(プロピルチオ)ベンズイミダゾール;5(6)-アルキルベンズイミダゾール類;2-アミノ-5-(プロピルスルホニル)ベンズイミダゾール;オキシベンダゾール;5-プロポキシベンズイミダゾール-2-メチルカルバメート;5(6)-アリールベンズイミダゾール類;フェンベンダゾールスルホン(修飾:フェンベンダゾールのスルホン代謝物);5(6)-アリールベンズイミダゾール類;4'-ヒドロキシフェンベンダゾール;5(6)-アリールベンズイミダゾール類;オクスフェンダゾール(修飾:オクスフェンダゾールはフェンベンダゾールのスルホキシド代謝物である);5(6)-アリールベンズイミダゾール類;フルベンダゾール;ベンズイミダゾール代謝物;2-アミノベンズイミダゾール;ベンズイミダゾール代謝物;5-アミノベンズイミダゾール;ベンズイミダゾール代謝物;2-アセチルベンズイミダゾール;ベンゾフェノン;ジフェニルメタノン;フェニルケトン;ジフェニルケトン;ベンゾイルベンゼン;ベンズアルデヒド;ベンズアルデヒド;4-ブロモ-2,5-ジクロロフェノール;アセフェート;O,S-ジメチル アセチルホスホルアミドチオエート;メタミドホス;O,S-ジメチル ホスホルアミドチオエート;ジクロルボス;リン酸2,2-ジクロロビニルジメチル;フェントエート;S-α-エトキシカルボニルベンジル O,O-ジメチル ホスホロジチオエート;EPN;エチル p-ニトロフェニル チオノベンゼンホスホネート;バイオレスメトリン;(1R,3R)-2,2-ジメチル-3-(2-メチルプロパ-1-エニル)シクロプロパンカルボン酸5-ベンジル-3-フリルメチル(修飾:この物質の未分離の異性体混合物のISO一般名はレスメトリンである);フルフェノクスロン;1-[4-(2-クロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリルオキシ)-2-フルオロフェニル]-3-(2,6-ジフルオロベンゾイル)尿素;アミトロール;1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルアミン;モリネート;S-エチル アゼパン-1-カルボチオエート;モリネート誘導体(修飾:S-2-カルボキシエチル ヘキサヒドロアゼピン-1-カルボチオエート);
モリネート誘導体(修飾:S-5-カルボキシペンチル ヘキサヒドロアゼピン-1-カルボチオエート)モリネート誘導体(修飾:モリネートスルホン);モリネート誘導体(修飾:S-(p-アミノベンジル) ヘキサヒドロアゼピン-1-カルボチオエート);モリネート誘導体(修飾:S-2-(p-アミノフェニル)エチル ヘキサヒドロアゼピン-1-カルボチオエート);ヘキサメチレンイミン;チオベンカルブ(Bolero);ブチレート(Sutan);EPTC(Eptam);シクロエート(Roneet);ペブレート(Tillam);ベルノラート(Vernam);アフラトキシンM1;AFM1(修飾:AFM1);アフラトキシンB1;AFB1(修飾:AFB1);アフラトキシンG1;AFG1(修飾:AFG1);アフラトキシンM2;AFM2(修飾:AFM2);アフラトキシンB2;AFB2(修飾:AFB2);アフラトキシンG2;AFG2(修飾:AFG2);アフラトキシンB2α;AFB2α(修飾:AFB2α);アフラトキシンG2α;AFG2α(修飾:AFG2α);KB-6806;6-アミノ-5-クロロ-1-イソプロピル-2-(4-メチル-1-ピペラジニル)(修飾:R1 = NH2, R2 = CH(CH3)2, R3 = CH3);KB-6806(ベンズイミダゾール)誘導体(修飾:R1 = NH2, R2 = CH2CH(CH3)2, R3 = CH3);ハプテン名:KB-6806(ベンズイミダゾール)誘導体(修飾:R1 = NH2, R2 = CH(CH2CH3)2, R3 = CH3);KB-6806(ベンズイミダゾール)誘導体(修飾:R1 = NHCOCH3, R2 = CH(CH3)2, R3 = CH3);KB-6806(ベンズイミダゾール)誘導体(修飾:R1 = H, R2 = CH(CH3)2, R3 = CH3);KB-6806(ベンズイミダゾール)誘導体(修飾:R1 = NH2, R2 = CH(CH3)2, R3 = CH3);KB-6806(ベンズイミダゾール)誘導体(修飾:R1 = NH2, R2 = CH(CH3)2, R3 = =N(→O)CH3(N-オキシド);KB-6806(ベンズイミダゾール)誘導体(修飾:R1 = NH2, R2 = CH(CH3)2, R3 = H);KB-6806(ベンズイミダゾール)誘導体(修飾:R1 = NH2, R2 = CH2CH3, R3 = CH3);Aminopraoxon;リン酸;O,O-ジエチル O-(4-アミノフェニル)エステル、メチルパラチオン;ホスホロチオ酸;O,O-ジメチル O-(4-ニトロフェニル)エステル;リン酸ジエチルフェニル;フェニルホスホン酸;O,O-ジエチルエステル;リン酸ジエチル;エチルホスホン酸;O,O-ジエチルエステル;p-ニトロフェニルリン酸;ホスホン酸;O-(4-ニトロフェニル)エステル;ホレート;ホスホロジチオ酸;O,O-ジエチル S-[(エチルチオ)メチル]エステル;エチオン;ビス(ホスホロジチオ酸);S,S'-メチレン O,O,O',O'-テトラエチルエステル;カルボフェノチオン;ホスホロジチオ酸;O,O-ジエチル S-[[(4-クロロフェニル)チオ]メチル]エステル;ジスルホトン;ホスホロジチオ酸;O,O-ジエチル S-[(2-エチルチオ)エチル]エステル;TS;N-[4-(カルボキシメチル)-2-チアゾリル)スルファニルアミド;NS;N-(4-ニトロフェニル)スルファニルアミド;スルファモキソール;スルファセタミド;DNP-SL;スピン標識されたジニトロフェニル(修飾:DNP-SLの合成はBalakrishnanら(1982)によって報告されている;式はAnglisterら(1984)の文献に記載されている);β-エクジソン;ベンズイミダゾール誘導体;5(6)-[カルボキシペンチル)チオ]-2-(メトキシカルボニル)アミノ]-ベンズイミダゾール;2-ヒドロキシビフェニル;HBP;アトラジンカプロン酸;リゾホスファチジン酸(LPA);1-アシル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスフェート;ベルベリン;パルマチン;9-アセチルベルベリン;コリダリン;コプチシン;ベルベルビン;8-オキソベルベイン;パパベリン;ベルベリン誘導体;9-O-カルボキシメチルベルベリン;フェンシクリジン;1-(1-フェニルシクロヘキシル)ピペリジン;メトキシクロル;エンドスルファン誘導体;4-オキソブタン酸、4-(4,5,6,7,8,8-ヘキサクロロ-3a,4,7,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデニル-1-オキシ);エンドスルファン誘導体;4-オキシブタン酸、4-(1,3,4,5,6,7,8-オクタクロロ-3a,4,7,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノインダニル-2-オキシ;エンドスルファン誘導体(修飾:エンドスルファンジオールのヘミスクシネート);トリアゾール誘導体;5-(3-ヒドロキシプロピル)-3-アミノ-2H-1,2,4-トリアゾール;トリアゾール誘導体;5-(3-ヒドロキシプロピル)-3-(2-ニトロフェニルスルフェニル)アミノ-2H-1,2,4-トリアゾール;トリアゾール誘導体;3-アミノ-5-[(3-スクシニルオキシ)プロピル]-2H-1,2,4-トリアゾール;トリアゾール誘導体;3-アミノ-1,2,4-トリアゾール-5-チオール;
トリアゾール誘導体;3-[(2-ニトロフェニルスルフェニル)アミノ-2H-1,2,4-トリアゾール-5-チオール;トリアゾール誘導体;2H-1,2,4-トリアゾール-5-チオール;トリアゾール誘導体;4-メチル-1,2,4-トリアゾール-3-チオール;トリアゾール誘導体;(1,2,4-トリアゾール-2-イル)酢酸;1,2,4-トリアゾール;4-ニトロフェニル4'-カルボキシメチルフェニル ホスフェート;トリアゾール誘導体;4-アミノ-1,2,4-トリアゾール;トリアゾール誘導体;3-アセトアミド-1H-1,2,4-トリアゾール;トリアゾール誘導体;3-アミノ-1,2,4-トリアゾール-5-カルボン酸半水和物;トリアゾール誘導体;2-(4-クロロフェニル)-2-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)-メチルヘキサン酸;コハク酸;イミダゾール;L-ヒスチジン;L-グルタミン酸;ペルメトリン誘導体;3-フェノキシベンジル 2,2-ジメチルシクロプロパン-1,3-ジカルボキシラート;3-フェノキシベンズアルデヒド;フルシトリネート;菊酸;2,4-ジニトロフェニル;DNP;チラムハプテン類;4-[カルボジチオエート(メチル)-アミノ]ブタン酸二ナトリウム;チラムハプテン類;5,11-ジメチル-6,10-ジチオキソ-7,9-ジチア-5,11-ジアザドデカン酸;チラムハプテン類;2-{[(ジメチルアミノ)カルボチオイル]スルファニル}エタン酸;チラムハプテン類;4-{[(ジメチルアミノ)カルボチオイル]スルファニル}ブタン酸;チラムハプテン類;6-{[(ジメチルアミノ)カルボチオイル]スルファニル}ヘキサン酸;チラムハプテン類;11-{[(ジメチルアミノ)カルボチオイル]スルファニル}ウンデカン酸;チラムハプテン類;2-{[(ジメチルアミノ)カルボチオイル]スルファニル}エタン酸;チラム;テトラメチルチウラムモノスルフィド;テトラエチルチウラムジスルフィド;ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛塩;ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩;N,N,N',N'-テトラメチルチオ尿素;ナバム;ジネブ;マネブ;エチレンチオ尿素;クロルピリホスハプテン;O,O-ジエチル O-[3,5-ジクロロ-6-[(2-カルボキシエチル)チオ]-2-ピリジル] ホスホロチオエート;2-スクシンアミドベンズイミダゾール;2-ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル;MBC;ベンズイミダゾール;2-ベンズイミダゾリル尿素;スクシンアミド;カルバミン酸エチル;尿素;N-メチル尿素;N,N'-ジメチル尿素;ブレベトキシンPbTx-3;有機リンハプテン類;O,O-ジエチル O-(5-カルボキシ-2-フルオロフェニル) ホスホロチオエート;クロルピリホスエチル;アナンダミドハプテン;N-アラキドニル-7-アミノ-6-ヒドロキシヘプタン酸;アナンダミド;アラキドン酸;ドコサテトラエノイルエタノールアミド;ジホモ-γ-リノレニルエタノールアミド;2-アラキドニルグリセロール;2-アラキドニルグリセロールエーテル;ステアロイルエタノールアミド;ヘプタデカノイルエタノールアミド;プロスタグランジンE1;3-ヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-1-オクテニル)-5-オキソシクロペンタンヘプタン酸;アルプロスタジル;PGE1;プロスタグランジンD2;PGD2;プロスタグランジンA2;PGA2;プロスタグランジンB2;PGB2;プロスタグランジンF2α;7-[3,5-ジヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-1-オクテニル)シクロペンチル]-5-ヘプテン酸;ジノプロスト;PGF2α;プロスタグランジンF1α;PGF1α;6-ケト-プロスタグランジンF1α;6-ケト-PGF1α;13,14-ジヒドロ-15-ケト-プロスタグランジンE2;13,14-ジヒドロ-15-ケト-PGE2;13,14-ジヒドロ-15-ケト-プロスタグランジンF2α;14-ジヒドロ-15-ケト-PGF2α;5α,7α-ジヒドロキシ-11-ケトテトラノルポスタン-1,16-二酸;15-ケト-PGF2α;TXB2;プロスタグランジンE2;7-[3-ヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-1-オクテニル)-5-オキソシクロペンチル]-5-ヘプテン酸;ジノプロストン;PGE2;hCG-α-(59-92)-ペプチド(34残基);パラコート誘導体;パラコートヘキサノエート(PQ-h);モノクワット;ジクワット;9,10-ジヒドロ-8a,10a-ジアゾニアフェナントレン;MPTP;1-メチル-4-フェニル-1,2,5,6-テトラヒドロピリジン;1,2-ナフトキノン;N-アセチル-S-(1,2-ジヒドロキシ-4-ナフチル)システイン;N-アセチル-S-(1,4-ジヒドロキシ-2-ナフチル)システイン;N-アセチル-S-(1,2-ジヒドロキシ-1-ヒドロキシ-1-ナフチル)システイン;2-クロロ-2',6'-ジエチルアセトアニリド(CDA)ハプテン;2-[2-クロロ-(2',6'-ジエチル)アセトアニリド]エタン酸;2-クロロ-2',6'-ジエチルアセトアニリド(CDA)ハプテン;2-[2-クロロ-(2',6'-ジエチル)アセトアニリド]ブタン酸;2-クロロ-2',6'-ジエチルアセトアニリド(CDA)ハプテン;5-(4-クロロアセトアミド-3,5-ジエチル)フェノキシペンタン酸;CDA;2-クロロ-2',6'-ジエチルアセトアニリド;HDA;2-ヒドロキシ-2',6'-ジエチルアセトアニリド;2,6-ジエチル-アニリン;ヒドロキシアラクロール;アラクロールESA;アラクロールエタンスルホン酸;イソプロツロンハプテン;3-(4-イソプロピルフェニル)-1-カルボキシプロピル-1-メチル尿素;クロロトルロン;3-(3-クロロ-p-トリル)-1,1-ジメチル尿素;メトクスロン;3-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)-1,1-ジメチル尿素;メタミトロン;4-アミノ-4,5-ジヒドロ-3-メチル-6-フェニル-1,2,4-トリアジン-5-オン;メコプロプ;(RS)-2-(4-クロロ-o-トリルオキシ)プロピオン酸;プロピザミド;3,5-ジクロロ-N-(1,1-ジメチルプロピニル)ベンズアミド;パラコートジクロリド;MCPB;4-(4-クロロ-o-トリルオキシ)酪酸;クロルトルロンハプテン;N-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-N-メチル-N-カルボキシプロピル尿素;メトスルフロン;2-[3-(4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)ウレイドスルホニル]安息香酸メチル;カプトプリルハプテン類;カプトプリル-4-(マレイミドメチル)-シクロヘキサンカルボン酸(MCC);カプトプリルハプテン類;カプトプリルジスルフィド修飾体;メルカプトエタノール-MCC;メルカプトエタノール-4-(マレイミドメチル)-シクロヘキサンカルボン酸、修飾;カプトプリルハプテン類;MCCを有さないカプトプリル;アクレアチシドA;アクレアチシドB;ソラマルジン;ソラソニン;ソラニン-S;プラプリン;ソラソジン;カシアニン;トマチン;リコペルシシン;トマチジン;3-O-β-D-グルコピラノシル-ソラソジン;O-α-L-ラムノシル-1(1→2)-3-O-β-D-グルコピラノシル-ソラソジン;3-O-β-D-ガラクトピラノシル-ソラシジン;O-β-D-グルコピラノシル-1(1→3)-3-O-β-D-ガラクトピラノシル-ソラソジン;12-ヒドロキシソラマルジン;12-ヒドロキシソラソニン;イソアングイビン;ソラベリンI;ソラベリンII;キシロシル-β-ソラマルジン;α-ソラニン;α-カコニン;ジオスシン;インドール誘導体;β-インドール酢酸;2-ブロモ-4,6-ジニトロアニリン;2-クロロ-4,6-ジニトロアニリン;テトリル;2,4,6-トリニトロフェニル-n-メチルニトラミン;ニトラミン;テトラライト;テトリル;2-アミノ-4,6-ジニトロトルエン;2,4-ジニトロアニリン;3,5-ジニトロアニリン;2-アミノ-4,6-ジニトロ安息香酸;ディスパースブルー79;N-[5-[ビス[2-(アセチルオキシ)エチル]アミノ]-2-[(2-ブロモ-4,6-ジニトロフェニル)アゾ]-4-エトキシフェニル]アセトアミド;1,3-ジニトロベンゼン;2,6-ジニトロトルエン;4-アミノ-2,6-ジニトロトルエン;1,3,5-トリニトロベンゼン;ニセルゴリン;エチルモルヒネ;7,8-ジデヒドロ-4,5-エポキシ-3-エトキシ-17-メチルモルフィナン-6-オール;ジヒドロモルヒネ;ジヒドロコデイン;ジヒドロモルフィノン;ヒドロモルフォン;ジヒドロコデイノン;ヒドロコドン;ナルトレキソン;N-シクロプロピルメチル-14-ヒドロキシジヒドロモルフィノン;デキストロメトルファン;(±)-3-メトキシ-17-メチルモルフィナン;ホマトロピン;エンドルフィン類およびその修飾誘導体(種類:β-エンドルフィン);メトエンケファリン;DALEA;D-Ala(2)-D-Leu(5)-エンケファリンアミド;ビンクリスチン;22-オキソビンカロイコブラスチン;ロイロクリスチン;VCR;LCR;OCT;22-オキサカルシトリオール;OCT-3-HG;22-オキサカルシトリオール-3-ヘミグルタレート;24(OH)OCT;24(OH)-22-オキサカルシトリオール;1,20(OH)2-ヘキサノル-D3;シネフリン;エピネフリン;4-[(1R)-1-ヒドロキシ-2-(メチルアミノ)エチル]-1,2-ベンゼンジオール;フェニレフリン;ドーパミン誘導体;6-ヒドロキシドーパミン;チラミン誘導体;3-メトキシチラミン;フェネチルアミン;ベンゼンエタナミン;PEA;m-チラミン;o-チラミン;ジメトキシフェネチルアミン;チミジングリコール一リン酸;5,6-ジヒドロキシチミジン一リン酸;チミジン一リン酸;チミジングリコール;チミングリコール;5,6-ジヒドロチミジン;チミジン;チミン;5-メチルウラシル;2,4-ジヒドロキシ-5-メチルピリミジン;AMP;アデノシン一リン酸;CMP;シチジン一リン酸;カルバマゼピン;5-カルバモイル-5H-ジベンズ[b,f]アゼピン;
ネオプテリン異性体;D-エリスロネオプテリン;ネオプテリン異性体;L-エリスロネオプテリン;ネオプテリン異性体;D-スレオネオプテリン;ビオプテリン異性体;L-エリスロビオプテリン;ビオプテリン異性体;D-エリスロビオプテリン;ビオプテリン異性体;L-スレオビオプテリン;ビオプテリン異性体;D-スレオビオプテリン;プテリン-6-カルボン酸;C7H5NiO3;プテリン;トロンボキサンB2;(5Z,9α,13E,15S)-9,11,15-トリヒドロキシトロンボキサ-5,13-ジエン-1-酸;15-ケトプロスタグランジンF2α;フモニシンB1;マクロフシン;FB1;チロリベリン;TRH;チロトロピン放出因子;チロトロピン放出ホルモン;TRF;プロチレリン;ロプレモン;チロリベリン-OH;TRH-OH;ジケトピペラジン;シクロ(H-P);TRH類似体;メチル化TRH;TRH類似体;TRH伸長ペプチド;TRH-Gly;TRH伸長ペプチド;TRH-Gly-Lys-Arg;TRH伸長ペプチド;TRH-Gly-Lys-Arg-Ala;TRH伸長ペプチド;P7(修飾:Q-H-P-G-L-R-F);TRH伸長ペプチド;P10(修飾:S-L-R-Q-H-P-G-L-R-F);TRH伸長ペプチド;Ps5(修飾:プロTRH[178-199]);TRH伸長ペプチド;TRH-Ps5(修飾:プロTRH[172-199];視床下部ペプチド;LHRH;シアノギノシンLA;シアノギノシンLB;シアノギノシンLR;シアノギノシンLY;シアノギノシンAY;シアノギノシンFR;シアノギノシンYR;Ne-アセチルリジン含有ペプチド;Gly-Lys(Ac)-e-アミノカプロン酸(Aca)-Cys;安息香酸;ベンゼンカルボン酸;フェニルギ酸;ドラシル酸;m-ヒドロキシ安息香酸;3-ヒドロキシ安息香酸;o-メトキシ安息香酸;2-メトキシ安息香酸;o-トルイル酸;2-メチル安息香酸;o-クロロ安息香酸;2-クロロ安息香酸;o-アミノ安息香酸;2-アミノ安息香酸;チオサリチル酸;2-メルカプト安息香酸;o-スルフヒドリル安息香酸;サリチルアミド;2-ヒドロキシベンズアミド;サリゲニン;サリゲノール;o-ヒドロキシベンジルアルコール;サリチルアルコール;2-シアノフェノール;2-ヒドロキシフェニル酢酸;p-ヒドロキシ安息香酸;p-アミノ安息香酸;4-アミノ安息香酸;ビタミンBx;細菌性ビタミンH1;p-トルイル酸;p-メチルアミノ安息香酸;p-クロロサリチル酸;4-クロロ-2-ヒドロキシ安息香酸;2,4-ジヒドロキシ安息香酸;β-レゾルシル酸;2,4-ジヒドロキシベンゼンカルボン酸;BRA;4-アミノサリチル酸;4-アミノ-2-ヒドロキシ安息香酸;p-アミノサリチル酸;ゲンチジン酸;2,5-ジヒドロキシ安息香酸;5-ヒドロキシサリチル酸;ピコリン酸;o-ピリジンカルボン酸;2-ピリジンカルボン酸;ピコリン酸N-オキシド;3-ヒドロキシピコリン酸;2-ヒドロキシニコチン酸;7-メチルグアニン;N2-カルボキシメチル-N7-メチルグアニン;2-(7-メチル-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-1H-プリン-2-イルアミノ)酢酸;7-メチルキサンチン;7-メチル尿酸;7-メチルアデニン;グアニン;2-アミノ-1,7-ジヒドロ-6H-プリン-6-オン;2-アミノヒポキサンチン;アデニン;6-アミノプリン;6-アミノ-1H-プリン;6-アミノ-3H-プリン;6-アミノ-9H-プリン;7-(2-カルボキシエチル)グアニン;7-CEGua;7-エチルグアニン;2-アミノ-7-エチル-1H-プリン-6(7H)-オン;7-(2,3-ジヒドロキシプロピル)グアニン;2-アミノ-7-(2,3-ジヒドロキシプロピル)-1H-プリン-6(7H)-オン;7-(2-ヒドロキシエチル)グアニン;2-アミノ-7-(2-ヒドロキシエチル)-1H-プリン-6(7H)-オン;7-(2-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エチル)-グアニン;2-アミノ-7-(2-(2-ヒドロキシエチルアミノ)エチル)-1H-プリン-6(7H)-オン;7-カルボキシメチルグアニン;2-(2-アミノ-6-オキソ-1,6-ジヒドロプリン-7-イル)酢酸;フルオレセイン;ウルシオール;キノン;ビオチン;Hisタグ;FLAGタグ;Strepタグ;Mycタグ;HAタグ;Spotタグ;および/またはNEタグ
【0150】
いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、フルオレセインまたはその誘導体を含む。
【0151】
いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、DNPまたはその誘導体を含む。
【0152】
「標的部分」は、本明細書に照らせば、一般的な通常の意味を有し、たとえば、別の化学物質または目的タンパク質の結合標的である、分子上または化学物質上の特定の基または部位が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載の実施形態のいくつかにおいて、前記標的部分はハプテンである。本明細書で提供する実施形態において有用なハプテンの例を表1に挙げる。いくつかの実施形態において、前記CARは、抗体またはその一部を含み、該抗体またはその一部は、たとえば、1つ以上の結合ドメインであるか、1つ以上のCDRを含む。本明細書で提供する実施形態において有用な抗体またはその抗原結合部分の例として、表1に挙げたハプテンに対する抗体、および表2に挙げた抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
表2:抗体の例
抗3-メチルインドール抗体;3F12;抗3-メチルインドール抗体;4A1G;抗3-メチルインドール抗体;8F2;抗3-メチルインドール抗体;8H1;抗3-メチルインドール抗体;抗フモニシンB1抗体;抗1,2-ナフトキノン抗体;抗15-アセチルデオキシニバレノール抗体;抗(2-(2,4-ジクロロフェニル)-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパノール)抗体(抗DTP抗体);抗22-オキサカルシトリオール抗体(As-1、As-2およびAs-3);抗(24,25(OH)2D3)抗体(Ab11);抗(24,25(OH)2D3)抗体(Ab3);抗(24,25(OH)2D3)抗体(Ab3-4);抗2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸抗体;抗(2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸)抗体;抗(2,4,6-トリクロロフェノール)抗体;抗(2,4,6-トリクロロフェノール)抗体;抗2,4,6-トリニトロトルエン(TNT)抗体;抗2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(MAb B5/C3;E2/B5;E2/G2;F6/C10;およびF6/E5);抗(2,4-ジクロロフェノキシ酢酸)抗体;抗2-ヒドロキシビフェニル抗体;抗(3,5,6-トリクロロ-2-ピリジノール)抗体(LIB-MC2;LIB-MC3);抗(3,5,6-トリクロロ-2-ピリジノール)抗体(LIB-MC2 MAb);抗3-アセチルデオキシニバレノール(3-AcDON)抗体;抗3-フェノキシ安息香酸(3-PBAc)抗体;抗4-ニトロフェノール抗体;抗4-ニトロフェニル4'-カルボキシメチルフェニルホスフェート抗体;抗7-(カルボキシエチル)グアニン(7-CEGua)抗体(7-meGuaに特異的な抗体群);抗7-メチルグアニン(7-MEGua)抗体;抗ABA抗体;抗アセフェート抗体(抗血清8377);抗アセチルリジン抗体(mAb AL3D5;AL11;AKL3H6;AKL5C1);抗Aculaetiside-A抗体;抗アフラトキシンM1(AFM1)抗体(mAb A1;N12;R16;FF32);抗アガサレシノール抗体;抗アガサレシノール抗体;抗アミドクロール抗体;抗アミトロール抗体(抗1a-BSA抗体);抗アンピシリン抗体(AMPI I 1D1およびAMPI II 3B5);抗アナンダミド抗体(9C11.C9C;30G8.E6C;7D2.E2b;13C2 MAb);抗アトラジン抗体;抗アトラジン抗体;抗アトラジン抗体;抗アトラジン抗体;抗アトラジン抗体;抗アトラジン抗体;抗アトラジン抗体(4063-21-1MAb細胞株mAbおよびscAb);抗アトラジン抗体(4D8 scAbおよび6C8 scAb);抗アトラジン抗体(C193);抗アトラジン抗体(ウサギ/ヒツジ);抗アトラジン抗体(K4E7);抗アトラジン抗体(MAb: AM7B2.1);抗アトラジン抗体(scAb);抗アトラジンメルカプツール酸抗体;抗(アジンホスメチル)抗体(MAb:LIB-MFH14;LIB-MFH110);抗ベナラキシル抗体;抗ベンズイミダゾールカルボン酸;抗ベンズイミダゾール抗体(Ab 587);抗ベンゾ[a]ピレン抗体;抗ベンゾ(a)ピレン抗体(10C10 MAbおよび4D5 MAb);抗(ベンゾイルフェニル尿素)抗体(主に抗ジフルベンズロン抗体);抗ベルベリン抗体;抗β-インドール酢酸抗体;抗ビオプテリン(L-エリスロ体)抗体;抗ブレベトキシンPbTx-3抗体;抗ブロマシル抗体;抗ブロモホス抗体;抗ブロモホスエチル抗体;抗ブタクロール抗体;抗カプトプリル-MCC抗体;抗カルバマゼピン(CBZ)抗体;抗カルバリル抗体;抗カルバリル抗体(LIB-CNH32;LIB-CNH33、LIB-CNH36;LIB-CNH37;LIB-CNH45;LIB-CNA38);抗カルバリル抗体(LIB/CNH-3.6 MAb);抗カルボフラン抗体(LIB-BFNB-52;LIB-BFNB-62;LIB-BFNB-67);抗カルボフラン抗体(LIB-BFNP21);抗CDA抗体;抗CDA抗体(抗2-[2-クロロ-(2,6'-ジエチル)アセトアニリド]ブタン酸);抗CDA抗体(抗2-[2-クロロ-(2',6'-ジエチル)アセトアニリド]エタン酸);抗CDA抗体(抗5-(4-クロロアセトアミド-3,5-ジエチル)フェノキシペンタン酸);抗セフタジジム抗体;抗(クロロジアミノ-s-トリアジン)抗体(抗CAAT)(PAb1-8);抗クロロタロニル抗体;抗クロルピリホス抗体;抗クロルピリホス抗体;抗クロルピリホス抗体(LIB-AR1.1 MAb;LIB-AR1.4 MAb);抗クロルピリホス抗体(LIB-C4);抗(クロルピリホス)抗体(LIB-C4 MAb);抗クロルピリホス抗体(LIB-PN1 MAb);抗クロルピリホス抗体(LIB-PN2 MAb);抗クロルピリホス抗体(LIB-PO MAb);抗クロルスルフロン抗体;抗クロルスルフロン抗体;抗クロルトルロン抗体(抗血清);抗シアノギノシンLA抗体(mAb 2B2-2;2B2-7;2B2-8;2B2-9;2B2-10;2B5-5;2B5-8;2B5-14;2B5-15;2B5-23);抗(D-3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルグリコール)抗体;抗DDA抗体;抗DDT抗体(PAbおよびMAb);抗DDT MAb(LIB1-11;LIB5-21;LIB5-25;LIB5-28;LIB5-212;LIB5-51;LIB5-52;LIB5-53);抗DEC抗体(抗ジエチルカルバマジン抗体);抗DEHA抗体;抗(Delor 103)抗体;抗デルタメトリン抗体;抗デルタメトリン抗体(Del 01~Del 12 MAbおよびPAb);抗デオキシニバレノール(DON)抗体;抗デオキシニバレノール(DON)抗体;抗デキサメタゾン抗体;抗デキサメタゾン抗体;抗ジニトロフェニル(DNP)抗体;スピン標識抗ジニトロフェニル抗体(AN01~AN12);抗ジウロン抗体(MAb: 21;60;195;202;275;481;488;520);抗D-MHPG抗体;抗DNC抗体;抗EB1089抗体;抗エクジソン抗体;抗エンドスルファン抗体;抗エンドスルファン抗体;抗エスフェンバレレート抗体(Ab7588);抗エストラジオール抗体;抗フェニトロチオン抗体(pAbおよびmAb);抗フェンプロピモルフ抗体;抗フェンチオン抗体;抗フェンチオン抗体;抗FITC抗体(B13-DEI);抗フルコフロン抗体(F2A8/1/A4B3);抗フルフェノクスロン抗体;および抗(ベンゾイルフェニル尿素)抗体;抗ホルモノネチン抗体;抗フロセミド抗体(Furo-26 MAb;Furo37 MAb;furo-72 MAb;Furo 73 MAb);抗GR151004抗体;抗hCG-α-ペプチド抗体(FA36);抗ヒドロキシアトラジン抗体(HYB-283-2);抗ヒドロキシシマジン抗体;抗イマザリル抗体(MoAb)(9C1-1-1;9C5-1-1;9C6-1-1;9C8-1-1;9C9-1-1;9C12-1-1;9C14-1-1;9C16-1-1;9C18-1-1;9C19-1-1;9E1-1;9G2-1);抗イルガロール抗体;抗イソペンテニルアデノシン抗体;抗イソプロツロン抗体;抗KB-6806抗血清;抗(+)ルパニン抗体;抗リゾホスファチジン酸(LPA)抗体;抗M3G Ab1およびAb2;抗M3G Ab1およびAb2;抗MBC抗体(抗2-スクシンアミドベンズイミダゾール抗血清);抗メタネフリン抗体;抗(+)メタンフェタミン抗体;抗メチオカルブ抗体(LIB-MXNB31;LIB-MXNB-33;LIB-MXNH14およびLIB-MXNH-15 MAb);抗メトラクロル抗体;抗メトラクロル抗体;抗メトラクロル抗体(MAb 4082-25-4);抗モリネート抗体;抗モヌロン抗体;抗モルヒネ-3-グルクロニド(E3 scFv抗体);抗モルヒネ抗体;抗モルヒネ抗体;抗モルヒネ抗体(mAb 8.2.1;33.2.9;35.4.12;39.3.9;44.4.1;76.7F.16;83.3.10;115.1.3;124.2.2;131.5.13;158.1.3;180.2.4);抗ネオプテリン(D-エリスロ型)抗体;抗ナイカルバジン抗体(Nic 6;Nic 7;Nic 8;およびNic 9);抗ニセルゴリン抗体(Nic-1;Nic-2;Nic-3 & BNA-1;BNA-3);抗ノルフルラゾン抗体;抗ノルメタネフリン抗体;抗(o-DNCP)抗体;抗P10抗体(TRH伸長ペプチド);抗パラオキソン抗体(BD1およびCE3);抗パラコート抗体;抗パラコート抗体;抗パラチオン-メチル抗体;抗PCB抗体(3,3',4,4'-テトラクロロビフェニルに対する抗体)MAb S2B1;抗ペンタクロロフェノール抗体;抗ペンタクロロフェノール抗体;抗ペンタクロロフェノール抗体;抗ペルメトリン抗体(MAb Py-1;Py-3およびPy-4);抗フェンシクリジン抗体(Mab 6B5 Fab);抗フェノバルビタール抗体;抗フェノバルビタール抗体;抗(p,p'-DDT)抗体(LIB-DDT-35およびLIB-DDT5-52);抗premethrin抗体(Ab549);抗プロポクスル抗体(LIB-PRNP15;LIB-PRNP21;LIB-PRNB21;LIB-PRNB33);抗プロスタグランジンE2抗体;抗p-チラミン抗体;抗ピレン抗体;抗レトロネシン抗体;抗レトロネシン抗体;抗サリチル酸抗体;抗センノシドA抗体(MAb 6G8);抗センノシドB抗体(MAb: 7H12;5G6;5C7);抗シマジン抗体;抗スルホンアミド抗体(抗TS);抗スルコフロン抗体(S2B5/1/C3);抗スルファメタジン抗体(21C7);抗シネフリン抗体;抗チアベンダゾール抗体(抗体300);抗チアベンダゾール抗体(抗体430および抗体448);抗チラム抗体;抗THP抗体(7Sおよび19S);抗トロンボキサンB2抗体;抗チミジングリコール一リン酸抗体(mAb 2.6F.6B.6C);抗チロリベリン(TRH)抗体;抗TNT抗体(AB1抗血清およびAB2抗血清);抗トリアジメホン抗体;抗トリアジン抗体(AM1B5.1);抗トリアジン抗体(AM5C5.3);抗トリアジン抗体(AM5D1.2);抗トリアジン抗体(AM7B2.1);抗トリアジン抗体(SA5A1.1);抗トリアジン血清(抗アメトリン);抗トリアジン血清(抗アトラジン);抗トリアジン血清(抗シマジン);抗トリアジン血清(抗シメトリン);抗トリフルラリン抗体;抗トリフルラリン抗体;抗ビンクリスチン抗体;抗ゼアラレノン抗体;抗ゼアチンリボシド抗体;E2 G2およびE4 C2;MAb K4E7由来のFab断片K411B(κ軽鎖を有するアイソタイプIgG2b);LIB-BFNP23 Mab;MAb H-7およびH-9(O,O-ジエチルOPペプチドに対するMAb);MoAb 33A7-1-1;MoAb 33B8-1-1;MoAb 33C3-1-1;MoAb 3C10-1-1およびMoAb 3E17-1-1;MoAb 45D6-5-1;MoAb 45E6-1-1;MoAb 45-1-1;MAb K4E7由来のFab断片K411B(κ軽鎖を有するアイソタイプIgG2b)の変異体(GlnL89Glu);MAb K4E7由来のFab断片K411B(κ軽鎖を有するアイソタイプIgG2b)の変異体(GlnL89Glu/ ValH37Ile/GluL3Val);MAb K4E7由来のFab断片K411B(κ軽鎖を有するアイソタイプIgG2b)の変異体(GlnL89Glu/ValH37Ile/GluL3Val);MAb K4E7由来のFab断片K411B(κ軽鎖を有するアイソタイプIgG2b)の変異体(GlnL89Glu/ ValH37Ile);MAb K4E7由来のFab断片K411B(κ軽鎖を有するアイソタイプIgG2b)の変異体(GlnL89Glu/ValH37Ile);MAb K4E7由来のFab断片K411B(κ軽鎖を有するアイソタイプIgG2b)の変異体(GluH50Gln);MAb K4E7由来のFab断片K411B(κ軽鎖を有するアイソタイプIgG2b)の変異体(GluH50X);MAb K4E7由来のFab断片K411B(κ軽鎖を有するアイソタイプIgG2b)の変異体(GlyH100aAla);MAb K4E7由来のFab断片K411B(κ軽鎖を有するアイソタイプIgG2b)の変異体(GlyH100aSer);MAb K4E7由来のFab断片K411B(κ軽鎖を有するアイソタイプIgG2b)の変異体(HisH95Phe);MAb K4E7由来のFab断片K411B(κ軽鎖を有するアイソタイプIgG2b)の変異体(HisH95Tyr);MAb K4E7由来のFab断片K411B(κ軽鎖を有するアイソタイプIgG2b)の変異体(PheL32Leu);MAb K4E7由来のFab断片K411B(κ軽鎖を有するアイソタイプIgG2b)の変異体(TrpH33Phe,Tyr,Leu);MAb K4E7由来のFab断片K411B(κ軽鎖を有するアイソタイプIgG2b)の変異体(Tryl96Phe);MAb K4E7由来のFab断片K411B(κ軽鎖を有するアイソタイプIgG2b)の変異体(TryL96Phe);MAb K4E7由来のFab断片K411B(κ軽鎖を有するアイソタイプIgG2b)の変異体(ValH37Ile);MAb K4E7由来のFab断片K411B(κ軽鎖を有するアイソタイプIgG2b)の変異体(ValH37Ile);P6A7 MAb;PNAS2 6/3 56(1)-1-5-1;PNAS2 6/3 56(1)-1-5-2;PNAS2 6/3 56(1)-1-10-4;PNAS2 6/3 56(1)-1-10-5およびPNAS2 6/3 56(1)-3-1-5;Alexa Fluor 405/カスケードブルー色素抗体;Alexa Fluor 488色素抗体;BODIPY FL色素抗体;ダンシル抗体;フルオレセイン/オレゴングリーン色素抗体;ルシファーイエロー色素抗体;テトラメチルローダミンおよびローダミンレッド色素抗体;テキサスレッドおよびテキサスレッド-X色素抗体;ビオチン抗体;ジニトロフェニル抗体および/またはニトロチロシン抗体
【0153】
本明細書において、「マーカー配列」は、目的のタンパク質を有する細胞または目的のタンパク質を選択または追跡するために使用されるタンパク質をコードする。本明細書に記載の実施形態において、フローサイトメトリーなどの実験において選択可能なマーカー配列を含んでいてもよい融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態において、マーカーは、Her2tG、CD19tまたはEGFRtである。
【0154】
本明細書において、「scFv」は、10~25個または10~約25個のアミノ酸からなる短いリンカーペプチドで連結された、免疫グロブリンの重鎖可変領域(VH)と軽鎖可変領域(VL)の融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、腫瘍細胞表面分子または細胞上に提示されたハプテンに特異的なscFvを含むCARを提供する。
【0155】
本明細書において、「リボソームスキップ配列」は、翻訳中のリボソームにリボソームスキップ配列を「スキップ」させてペプチド結合の形成を妨げ、リボソームスキップ配列の直後の領域から翻訳させるという機能を有する配列を指す。たとえば、いくつかのウイルスはリボソームスキップ配列を有することから、単一の核酸から複数のタンパク質を連続して翻訳することができ、翻訳されたタンパク質はペプチド結合によって連結されずに別個のタンパク質として得られる。本明細書において、リボソームスキップ配列は「リンカー」配列として使用される。本明細書で提供する核酸の実施形態のいくつかにおいて、本発明の核酸は、キメラ抗原受容体をコードする配列とマーカータンパク質をコードする配列との間にリボソームスキップ配列を含むことから、キメラ抗原受容体とマーカータンパク質は、ペプチド結合によって連結されずに共発現される。いくつかの実施形態において、前記リボソームスキップ配列は、P2A配列、T2A配列、E2A配列またはF2A配列である。いくつかの実施形態において、前記リボソームスキップ配列はT2A配列である。いくつかの実施形態において、2つのキメラ抗原受容体の間にリボソームスキップ配列が存在し、キメラ抗原受容体のうちの1つとマーカーの間に第2のリボソームスキップ配列が存在する。
【0156】
「ビオチン」は、本明細書に照らせば、一般的な通常の意味を有し、たとえば、水溶性ビタミンB類が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書の実施形態において、ハプテンはビオチンである。
【0157】
「フルオレセイン」は、本明細書に照らせば、一般的な通常の意味を有し、たとえば、水およびアルコールに可溶性の合成有機化合物が挙げられるが、これに限定されない。フルオレセインは、蛍光トレーサーとして様々な用途に広く使用されている。本発明のいくつかの実施形態において、フルオレセインは、脂質上の標的部分であり、キメラ抗原受容体によって認識され、キメラ抗原受容体の結合を受ける。いくつかの実施形態において、ハプテンは、フルオレセインまたはその誘導体である。いくつかの実施形態において、脂質は、リン脂質(たとえばエーテルリン脂質など)である。
【0158】
本明細書において、2,4-ジニトロフェノール(2,4-DNPまたは単にDNP)は、式HOC6H3(NO2)2で示される有機化合物であり、本明細書に照らせば、一般的な通常の意味を有する。DNPは、特に、防腐剤、非選択的な生物濃縮農薬、除草剤として使用されている。また、DNPは、硫化染料、木材用防腐剤およびピクリン酸の製造における中間体化学物質である。本発明のいくつかの実施形態において、DNPは、脂質上の標的部分であり、キメラ抗原受容体によって認識され、キメラ抗原受容体の結合を受ける。いくつかの実施形態において、ハプテンは、DNPまたはその誘導体である。いくつかの実施形態において、脂質は、リン脂質(たとえばエーテルリン脂質など)である。
【0159】
本明細書において、「脂質」は、本明細書に照らせば、一般的な通常の意味を有し、たとえば、炭素鎖、脂肪酸または脂肪酸誘導体を含む有機化合物の1種であり、通常、水には溶解しないが、疎水性溶媒または有機溶媒に混和または混合することができるものが挙げられるが、これに限定されない。脂質としては、脂肪、ワックス、脂溶性ビタミン、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、スフィンゴ脂質、セレブロシド、セラミド、またはリン脂質が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書では、極性頭部基と疎水性部分または疎水基を有していてもよい両親媒性脂質について述べている。「疎水基」すなわち疎水性部分は、本明細書に照らせば、一般的な通常の意味を有し、たとえば、水を反発し、極性を持たない傾向がある分子またはその一部が挙げられるが、これに限定されない。疎水基として、アルカンおよび油脂を挙げることができる。また、脂質として、グリセロ脂質、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、ステロール脂質、プレノール脂質、サッカロ脂質またはポリケチドを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0160】
いくつかの実施形態において、前記脂質はスフィンゴ脂質であってもよい。スフィンゴ脂質は、スフィンゴイド塩基からなる骨格を含んでいてもよく、たとえば、スフィンゴシンを含む一連の脂肪族アミノアルコールが挙げられる。R基が水素原子のみからなるスフィンゴ脂質は、セラミドである。一般的なその他のR基としては、ホスホコリン(R基がホスホコリンの場合、スフィンゴミエリンが得られる)、および様々な糖モノマーまたは糖ダイマー(R基が糖モノマーの場合はセレブロシドが得られ、R基が糖ダイマーの場合はグロボシドが得られる)が挙げられる。セレブロシドおよびグロボシドは、スフィンゴ糖脂質の総称で知られている。いくつかの実施形態において、前記脂質はスフィンゴ糖脂質である。
【0161】
本明細書によれば、前記脂質は、極性頭部基および疎水基を含む。いくつかの実施形態において、前記疎水基は、脂肪鎖などの脂肪酸を含む。いくつかの実施形態において、前記脂肪酸は、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸である。いくつかの実施形態において、前記疎水基は、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を含む。いくつかの実施形態において、前記疎水基は、ステロイドまたはコレステロールなどのテルペノイド脂質を含む。いくつかの実施形態において、前記疎水基は、前記極性頭部基と前記脂肪鎖の間にエーテル結合を含む。いくつかの実施形態において、前記脂質はエーテルリン脂質である。いくつかの実施形態において、前記極性頭部基は、コリン、ホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、ホスホエタノールアミン基、オリゴ糖残基、糖残基、フォスファチジルセリンまたはホスファチジルイノシトールを含む。いくつかの実施形態において、前記糖はグリセロールである。
【0162】
いくつかの実施形態において、前記脂質は単鎖アルキルリン脂質である。
【0163】
いくつかの実施形態において、前記脂質は、エデルホシン、ペリホシン、エルシルホスホコリンなどの、合成アルキルリン脂質構造を含む。いくつかの実施形態において、前記脂質は、リゾホスファチジルコリン、エデルホシン、エルシルホスホコリン、D-21805またはperfisoneである。このような脂質は、たとえば、van der Luiら(“A new class of anticancer alkylphospholipids uses lipid rafts as membrane gateways to induce apoptosis in lymphoma cells” Mol Cancer Ther 2007; 6(8), 2007(この文献は引用によりその全体が本明細書に援用される))によって報告されている。本明細書に記載の脂質の実施形態のいくつかにおいて、極性頭部基内のコリンはピペリジン部分と置換することができる。いくつかの実施形態において、前記脂質は、抗がん性アルキルリン脂質である。抗がん性リン脂質は、van der Luiら(“A new class of anticancer alkylphospholipids uses lipid rafts as membrane gateways to induce apoptosis in lymphoma cells” Mol Cancer Ther 2007; 6(8), 2007(この文献は引用によりその全体が本明細書に援用される))によって報告されている。
【0164】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供する脂質は、細胞膜と相互作用することを特徴とする構造上互いに関連した合成抗腫瘍剤類である。これらの合成脂質類はアルキルリン脂質であり、たとえば、van Blitterswijkら(“Anticancer mechanisms and clinical application of alkylphopholipids” Biochimica et Biophysica Acta 1831 (2013)663-674(この文献は参照によりその全体が本明細書に明示的に援用される))によって報告されている。このような合成アルキルリン脂質として、エデルホシン、ミルテホシン、ペリホシン、エルシルホスホコリンおよび/またはErufosineが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、前記脂質は、エデルホシン、ミルテホシン、ペリホシン、エルシルホスホコリンまたはErufosineである。いくつかの実施形態において、前記脂質は、リゾホスファチジルコリンの安定な類似体である。いくつかの実施形態において、前記脂質は、エデルホシンのチオエーテル結合バリアント、または1-ヘキサデシルチオ-2-メトキシメチル-rac-グリセロ-3-ホスホコリンである。いくつかの実施形態において、前記脂質は、LysoPC、エデルホシン、イルモホシン、ミルテホシン、ペリホシン、エルシルホスホコリンまたはErufosineである。
【0165】
本明細書において、「極性頭部基」は、本明細書に照らせば、一般的な通常の意味を有し、たとえば、脂質(リン脂質など)の親水基が挙げられるが、これに限定されない。「リン脂質」は、本明細書に照らせば、一般的な通常の意味を有し、たとえば、両親媒性の特性を有することから、脂質二重層を形成することができる特別な種類の脂質が挙げられるが、これに限定されない。リン脂質分子は、少なくとも1つの疎水性脂肪酸「テール」と、親水性の「頭部」すなわち「極性頭部基」を含む。本明細書の実施形態において、リン脂質またはエーテルリン脂質は極性頭部基を含む。いくつかの実施形態において、前記極性頭部基は、ホスホコリン、ピペリジン部分またはトリメチルアルセノ-エチル-ホスファート部分を含む。いくつかの実施形態において、脂質は標的部分を含み、前記CARは、該標的部分との相互作用を介して該脂質に結合する。いくつかの実施形態において、前記脂質は、極性頭部基(たとえば芳香環を含む極性頭部基)とアルキル炭素鎖を含む。いくつかの実施形態において、脂質を含む複合体を提供する。いくつかの実施形態において、前記脂質は、極性頭部基を含む。いくつかの実施形態において、前記脂質はエーテルリン脂質である。いくつかの実施形態において、前記エーテルリン脂質は、極性頭部基とアルキル炭素鎖を含む。いくつかの実施形態において、前記極性頭部基は、コリン、ホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、ホスホエタノールアミン基、オリゴ糖残基、糖残基、フォスファチジルセリンまたはホスファチジルイノシトールを含む。いくつかの実施形態において、前記極性頭部基は、ホスホコリン、ピペリジン部分またはトリメチルアルセノ-エチル-ホスファート部分を含む。いくつかの実施形態において、前記脂質はエーテルリン脂質である。いくつかの実施形態において、前記糖残基はグリセロールである。いくつかの実施形態において、前記極性頭部基は、糖類基を含む。いくつかの実施形態において、前記脂質は、マンノース含有頭部基を含む。いくつかの実施形態において、前記極性頭部基は、スフィンゴシンを含む。いくつかの実施形態において、前記極性頭部基は、グルコースを含む。いくつかの実施形態において、前記極性頭部基は、二糖類、三糖類または四糖類を含む。いくつかの実施形態において、前記脂質はグルコシルセレブロシドである。いくつかの実施形態において、前記脂質はラクトシルセラミドである。いくつかの実施形態において、前記脂質は糖脂質である。いくつかの実施形態において、前記糖脂質は、n-グルコース、n-ガラクトース、N-アセチル-n-ガラクトサミンなどの糖単位を含む。いくつかの実施形態において、前記脂質は、ステロールなどの炭化水素環を含む。
【0166】
いくつかの実施形態において、前記脂質の極性頭部基はグリセロールを含む。いくつかの実施形態において、前記脂質の極性頭部基はリン酸基を含む。いくつかの実施形態において、前記脂質の極性頭部基はコリンを含む。いくつかの実施形態において、前記脂質はホスファチジルエタノールアミンである。いくつかの実施形態において、前記脂質はホスファチジルイノシトールである。いくつかの実施形態において、前記脂質は、スフィンゴイド塩基からなる骨格を含む。いくつかの実施形態において、前記脂質は、コレステロールまたはその誘導体などのステロール脂質を含む。いくつかの実施形態において、前記脂質はサッカロ脂質を含む。いくつかの実施形態において、前記極性頭部基は、コリン、リン酸および/またはグリセロールを含む。
【0167】
いくつかの実施形態において、前記脂質は糖脂質である。いくつかの実施形態において、前記脂質は糖を含む。いくつかの実施形態において、前記脂質は、スフィンゴシンに由来するものである。いくつかの実施形態において、前記脂質は、グリセロ糖脂質またはスフィンゴ糖脂質である。
【0168】
いくつかの実施形態において、前記脂質は、疎水性分岐鎖を有するエーテル脂質である。
【0169】
本明細書において、「エーテルリン脂質」は、本明細書に照らせば、一般的な通常の意味を有し、たとえば、極性頭部基の1つ以上の炭素原子が、より一般的なエステル結合ではなく、エーテル結合を介してアルキル鎖に結合された脂質が挙げられるが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、極性頭部基はグリセロールである。
【0170】
本明細書において、「抗体」は、本明細書を鑑みれば、一般的な通常の意味を有し、免疫系において細菌やウイルスなどの異物を特定し、それらを中和する機能を有し、形質細胞によって産生されるY字型の大きなタンパク質を指してもよい。抗体タンパク質は4つのポリペプチド鎖、すなわち、ジスルフィド結合により連結された同一の重鎖2本と同一の軽鎖2本を含んでいてもよい。それぞれの重鎖および軽鎖は、免疫グロブリンドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは70~110個のアミノ酸を含むことができ、そのサイズおよび機能により様々なカテゴリーに分類される。いくつかの実施形態において、CDR領域は、抗体領域内に見出され、Kabatのナンバリングに基づくと、軽鎖は、24~34番目のアミノ酸からなるCDRL1;50~56番目のアミノ酸からなるCDRL2;および89~97番目のアミノ酸からなるCDRL3を含み、重鎖は、31~35番目のアミノ酸からなるCDRH1;50~65番目のアミノ酸からなるCDRH2;95~102番目のアミノ酸からなるCDRH3を含む。抗体中のCDR領域は容易に決定することができる。
【0171】
標的部分への結合に利用することができる抗体またはその結合断片の例としては、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、Fab、Fab2、Fab3、scFv、Bis-scFv、ミニボディ、トリアボディ、ダイアボディ、テトラボディ、VhHドメイン、V-NARドメイン、IgNAR、およびラクダIgが挙げられる。抗体の別の例として、IgG(たとえばIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)、IgM、IgE、IgD、およびIgAが挙げられる。さらに、抗体の例として、ヒト抗体、ヒト化抗体またはキメラ抗体が挙げられるが、これらに限定されない。組換え抗体の例として、NGFに特異的に結合する抗体が挙げられるが、これに限定されない。
【0172】
抗体またはその結合断片は、標的部分に特異的であってもよく、たとえば、腫瘍上またはハプテン上に存在する抗原を含んでいてもよい。本明細書で提供する実施形態において有用なハプテンの例を表1に挙げる。
【0173】
本明細書に記載のがん特異的抗体は、いずれも、たとえば腫瘍細胞などのがん細胞上の抗原に結合してもよい。標的部分と結合可能な抗体を発生させることができる特定の腫瘍細胞抗原として、たとえば、アンジオポエチン、膜貫通受容体、細胞接着分子、分化抗原群(cluster of differentiation)分子、ガングリオシド、糖タンパク質、成長因子、インテグリン、インターロイキン、Notch受容体、膜貫通糖タンパク質、腫瘍壊死因子およびチロシンキナーゼを挙げることができる。いくつかの実施形態において、腫瘍細胞抗原として、たとえば、5T4、B7-H3、炭酸脱水酵素IX、癌胎児抗原、CA-125、CD-3、CD-19、CD-20、CD-22、CD-30、CD-33、CD-38、CD-40、CD-51、CD-52、CD-56、CD-70、CD-74、CD-79b、CD-138、CD-221、CD-319、CD-326、細胞接着分子5、CTLA-4、サイトケラチンポリペプチド、細胞死受容体2、DLL4、EGFL7、EGFR、endosialin、EpCAM、FAP、FRα、フィブロネクチン、frizzled受容体、GD2、GPNMB、HER-1、HER-2、HER-3、IGF-IR、IGLF2、LOXL2、メソテリン、MS4A1、ムチン5AC、MUC1、ネクチン4、ニューロピリン、N-グリコリルGM3、PSMA、SLAMF7、TAG-72、TRAIL、TYRP1、VEGFまたはその他のがん発現抗原が挙げられる。さらに、ハプテン標的部分に結合してもよい抗体も想定される。本明細書で提供する実施形態において有用なハプテンの例を表1に挙げる。
【0174】
本明細書に記載の実施形態において、いくつかの種類の「スペーサー」を使用することが想定されている。キメラ抗原受容体のスペーサーは、ポリペプチドスペーサーを指し、このスペーサーの長さは、標的に対するキメラ抗原受容体の結合能が増加または向上するように選択される。また、脂質も、該脂質から標的部分を遠ざけるためのスペーサーを含んでいてもよく、このスペーサーは、該脂質の極性頭部基に結合されている。キメラ抗原受容体と使用するために選択されるポリペプチドスペーサーは、標的部分に対する所望の結合特性(たとえば、受容体との所望の相互作用、または受容体との所望のアビディティ)を向上させる特異的なスペーサーが同定されるようにスクリーニングしてもよい。脂質に特異的なスペーサーに関しては、脂質のスペーサーは、PEGスペーサー、ハプテンスペーサー、小さなペプチドまたはアルカン鎖を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、ハプテンスペーサーは、2個のハプテンを含み、ハプテン(2×)スペーサーと呼ばれる。いくつかの実施形態において、前記脂質は、アルカン鎖などの疎水基を含む。いくつかの実施形態において、前記アルカン鎖は、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、もしくは18個の炭素原子、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の数の炭素原子を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、前記PEGスペーサーは、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個もしくは16個のPEG分子、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の数のPEG分子を含む。
【0175】
本明細書において、「細胞傷害性Tリンパ球(CTL)」は、細胞表面上にCD8を発現するTリンパ球(たとえばCD8+T細胞)を指す。いくつかの実施形態において、このような細胞は、抗原を経験したことのある「メモリー」T細胞(TM細胞)であることが好ましい。いくつかの実施形態において、融合タンパク質を分泌させるための細胞を提供する。いくつかの実施形態において、前記細胞は、細胞傷害性Tリンパ球である。本明細書において、「セントラルメモリー」T細胞(または「TCM」)は、抗原を経験した細胞傷害性Tリンパ球(CTL)であり、ナイーブ細胞と比較して、その表面上にCD62L、CCR-7および/またはCD45ROを発現するが、CD45RAを発現していないか、CD45RAの発現が低下しているCTLを指す。いくつかの実施形態において、融合タンパク質を分泌させるための細胞を提供する。いくつかの実施形態において、前記細胞はセントラルメモリーT細胞(TCM)である。いくつかの実施形態において、セントラルメモリー細胞は、ナイーブ細胞と比較して、CD62L、CCR7、CD28、CD127、CD45RO、および/またはCD95の発現が陽性であるが、CD54RAの発現が低下していることがある。本明細書において、「エフェクターメモリー」T細胞(または「TEM」)は、抗原を経験したT細胞であり、セントラルメモリー細胞と比較して、その表面上にCD62Lを発現していないか、CD62Lの発現が低下しており、ナイーブ細胞と比較して、CD45RAを発現していないか、CD45RAの発現が低下しているT細胞を指す。いくつかの実施形態において、融合タンパク質を分泌させるための細胞を提供する。いくつかの実施形態において、前記細胞はエフェクターメモリーT細胞である。いくつかの実施形態において、エフェクターメモリー細胞は、ナイーブ細胞またはセントラルメモリー細胞と比較して、CD62Lおよび/またはCCR7の発現が陰性であり、CD28および/またはCD45RAの発現が陽性であってもよく、陰性であってもよい。
【0176】
本明細書において、「ナイーブ」T細胞は、抗原を経験していないTリンパ球であり、セントラルメモリー細胞またはエフェクターメモリー細胞と比較して、CD62Lおよび/またはCD45RAを発現しており、CD45ROを発現していないTリンパ球を指す。いくつかの実施形態において、融合タンパク質を分泌させるための細胞を提供する。いくつかの実施形態において、前記細胞はナイーブT細胞である。いくつかの実施形態において、ナイーブCD8+Tリンパ球は、ナイーブT細胞の表現型マーカーの発現によって特徴付けられ、ナイーブT細胞の表現型マーカーとしては、CD62L、CCR7、CD28、CD127、および/またはCD45RAが挙げられる。
【0177】
本明細書において、「T細胞」または「Tリンパ球」は、どのような哺乳動物から得られたものであってもよく、サル、イヌおよびヒトを含む、霊長類またはその他の生物種から得られたものであることが好ましい。いくつかの実施形態において、T細胞は、レシピエント対象と同種(同種であるが別のドナーに由来するもの)である。いくつかの実施形態において、T細胞は自家T細胞である(ドナーとレシピエントは同じである)。いくつかの実施形態において、前記T細胞は同系である(ドナーとレシピエントは異なるが、一卵性双生児である)。
【0178】
本明細書において、「前駆T細胞」は、胸腺へと遊走して、前駆T細胞となることができるリンパ球前駆細胞を指し、前駆T細胞はT細胞受容体を発現しない。すべてのT細胞は、骨髄中の造血幹細胞に由来する。造血幹細胞由来の造血前駆細胞(リンパ球系前駆細胞)は胸腺に定着して細胞分裂により拡大増殖し、未熟な胸腺細胞の大集団を作り出す。ごく初期の胸腺細胞はCD4もCD8も発現せず、したがって、ダブルネガティブ(CD4-CD8-)細胞に分類される。これらはその発達が進むにつれて、ダブルポジティブ胸腺細胞(CD4+CD8+)となり、最終的にシングルポジティブ(CD4+CD8-またはCD4-CD8+)胸腺細胞に成熟して、その後、胸腺から末梢組織に放出される。
【0179】
本明細書において、「CD8 T細胞」または「キラーT細胞」は、がん細胞、ウイルス感染細胞、または損傷した細胞を殺傷することができるTリンパ球である。CD8 T細胞は、がん細胞またはウイルスによって産生されて免疫応答を刺激することができるタンパク質、または特異的抗原を認識する。CD8 T細胞のT細胞受容体が抗原を認識すると、このCD8 T細胞は提示された抗原に結合し、細胞を破壊することができる。
【0180】
本明細書において、「セントラルメモリーT細胞(TCM)」は、抗原を経験したCTLであり、ナイーブ細胞と比較して、その表面上にCD62LまたはCCR-7、およびCD45ROを発現するが、CD45RAを発現していないか、CD45RAの発現が低下しているCTLを指す。いくつかの実施形態において、セントラルメモリー細胞は、ナイーブ細胞と比較して、CD62L、CCR7、CD28、CD127、CD45RO、および/またはCD95の発現が陽性であり、CD54RAの発現が低下している。
【0181】
本明細書において、「エフェクターメモリー」T細胞(または「TEM」)は、抗原を経験したT細胞であり、セントラルメモリー細胞と比較して、その表面上にCD62Lを発現していないか、CD62Lの発現が低下しており、ナイーブ細胞と比較して、CD45RAを発現していないか、CD45RAの発現が低下しているT細胞を指す。いくつかの実施形態において、エフェクターメモリー細胞は、ナイーブ細胞またはセントラルメモリー細胞と比較して、CD62Lおよび/またはCCR7の発現が陰性であり、CD28および/またはCD45RAの発現が陽性であってもよく、陰性であってもよい。本明細書において、「エフェクターT細胞(TE細胞)」は、抗原を経験した細胞傷害性Tリンパ球であり、セントラルメモリーT細胞またはナイーブT細胞と比較して、CD62L、CCR7、および/またはCD28を発現していないか、CD62L、CCR7、および/またはCD28の発現が低下しており、かつグランザイムBおよび/またはパーフォリンが陽性であるTリンパ球を指す。いくつかの実施形態において、融合タンパク質を分泌させるための細胞を提供する。いくつかの実施形態において、前記細胞はエフェクターT細胞である。いくつかの実施形態において、前記細胞は、セントラルメモリーT細胞またはナイーブT細胞と比較して、CD62L、CCR7および/またはCD28を発現していないか、CD62L、CCR7および/またはCD28の発現が低下しており、かつグランザイムBおよび/またはパーフォリンが陽性である。
【0182】
本明細書において、「リーダー配列」は、タンパク質を細胞表面に移行することができるシグナル配列としても知られている。CARに含まれるリーダー配列とは、CARに含まれる最初のアミノ酸配列であり、細胞表面発現を誘導するアミノ酸配列を指す。リーダー配列すなわちシグナル配列は、タンパク質の細胞表面発現に必要とされる場合がある。いくつかの実施形態において、前記リーダー配列は、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子のシグナル配列を含む。
【0183】
「ハプテン提示細胞(H-APC)」は、本明細書に照らせば、一般的な通常の意味を有し、たとえば、ハプテンで標識された細胞が挙げられるが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、ハプテンは、細胞外表面に結合されている。いくつかの実施形態において、患者の健常細胞または該患者と適合する細胞からH-APCを作製することができ、得られた細胞はハプテンで標識される。本明細書で提供する実施形態において有用なハプテンの例を表1に挙げる。たとえば、化学物質、ペプチド、アプタマー、脂質、タンパク質などのハプテンで細胞を標識する方法には様々なものがある。細胞にハプテンを担持させる方法の一例として、目的の細胞とフルオレセイン脂質を一晩インキュベートすることが含まれる。フルオレセインをハプテンとして使用することの利点の1つとして、フルオレセインの蛍光を利用できることがある。したがって、フローサイトメトリーを使用してフルオレセイン部分の蛍光を検出することによって、ハプテンの組み込みをモニターすることができる。したがって、インキュベーション後、過剰なフルオレセイン脂質を除去し、細胞画分をフローサイトメトリーで分析してハプテンの組み込みを分析し、残りの細胞を患者への注入に使用することができる。患者に注入した後、CAR T細胞の標的とならなかったH-APCは、徐々にハプテンを失い(ハプテンが代謝されて細胞表面から除去されることなどによる)、元の健常な細胞形態に戻ることから、この点でこのアプローチは安全である。いくつかの実施形態において、細胞外表面上にハプテンを発現するように細胞に形質導入することができる。いくつかの実施形態において、細胞外表面にハプテンを共有結合させることができる。いくつかの実施形態において、エーテルリン脂質などのリン脂質を介して、細胞外表面にハプテンを共有結合することができる。
【0184】
T細胞の「刺激」すなわち「活性化」は、T細胞の生存能および免疫機能を維持したまま、シグナル伝達応答(たとえば増殖)などの応答を開始するようにT細胞を誘導する方法を指す。T細胞を刺激することによって、CARを含むT細胞の応答活性が誘導されてもよい。いくつかの実施形態において、前記刺激は、抗CD3抗体および/または抗CD28抗体を含む、抗体を結合させた支持体を使用して行われる。いくつかの実施形態において、前記方法は、ビーズや粒子、またはディッシュや試験管などの基材などの、抗体を結合させた支持体を除去することをさらに含む。本明細書の実施形態で述べるように、ハプテンに特異的なCARを含むT細胞は、ハプテン抗原提示細胞(H-APC)を使用して刺激してもよく、たとえば、ハプテンを結合したビーズなどの支持体を使用してエクスビボで刺激してもよい。
【0185】
「化学療法薬」は、標準化された化学療法レジメンの一部として投与することが可能な化学物質(たとえば抗がん薬(化学療法剤))などが使用されてもよい抗がん医薬品類である。化学療法薬は、治癒を目的として投与される場合と、生存期間の延長または症状の緩和を目的として投与される場合(緩和的化学療法)とがある。化学療法は、腫瘍内科の主要なカテゴリーの1つであるホルモン療法および標的療法をさらに含んでいてもよい(がん薬物療法)。これらの化学療法は、放射線療法、外科手術、および/または温熱療法などの別のがん療法としばしば併用される。ごくわずかな症例においては、外科手術によってがんが拡散することが知られている。いくつかの実施形態において、外科的処置の前またはその後に、遺伝子組換え免疫細胞を腫瘍部位に投与する。本明細書の実施形態のいくつかにおいて、CAR T細胞療法による治療を受ける対象は、化学療法薬または抗がん薬を投与するために選択された対象である。最近になって新たに開発された抗がん薬(たとえば様々なモノクローナル抗体、そのヒト化抗体およびそれらの結合断片)のいくつかは、無差別に細胞傷害性を発揮するわけではなく、がん細胞において異常発現され、がん細胞の増殖にとって必須であるタンパク質を標的としている。このような治療法は、(古典的化学療法と区別して)標的療法と呼ばれることが多く、抗腫瘍療法レジメンにおいて従来の化学療法剤と併用されることが多い。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、このような標的抗がん療法(たとえば様々なモノクローナル抗体、そのヒト化抗体および/またはそれらの結合断片)の1種以上を投与することをさらに含んでいてもよい。
【0186】
化学療法では化学療法薬が投与されるが、1回の化学療法において1種類の薬剤を使用してもよく(単剤化学療法)、あるいは複数種の薬剤を同時に使用してもよい(併用化学療法または多剤併用化学療法)。放射線療法を併用した化学療法は、化学放射線療法と呼ばれる。光線に暴露させると細胞傷害活性を発揮する物質に変換される薬剤を使用した化学療法は、光化学療法または光線力学療法と呼ばれる。本明細書に記載の遺伝子組換え免疫細胞を投与することを含む方法の実施形態のいくつかにおいて、該方法は、がんを有する対象に前記遺伝子組換え免疫細胞または遺伝子組換えマクロファージ(GEM)を投与した後に、光化学療法または光線力学療法を該対象に投与する工程をさらに含むことができる。
【0187】
化学療法薬としては、抗体-薬物複合体(たとえば、リンカーを介して薬物に結合された抗体)、ナノ粒子(たとえば、腫瘍選択性を向上させ、低溶解性薬物の送達を補助する1~1000nmのサイズのナノ粒子であってもよい)、電気化学療法、アルキル化薬、代謝拮抗薬(たとえば、5-フルオロウラシル(5-FU)、6-メルカプトプリン(6-MP)、カペシタビン(ゼローダ(登録商標))、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン(Ara-C(登録商標))、フロクスウリジン、フルダラビン、ゲムシタビン(ジェムザール(登録商標))、ヒドロキシウレア、メトトレキサート、ペメトレキセド(アリムタ(登録商標))、ペントスタチンおよびチオグアニン)、抗腫瘍抗生物質、トポイソメラーゼ阻害薬、分裂阻害薬、コルチコステロイド類、DNAインターカレーター、またはチェックポイント阻害薬(たとえば、チェックポイントキナーゼCHK1またはCHK2)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載の方法の実施形態のいくつかにおいて、CARを含む前記遺伝子組換え免疫細胞、またはCARを含む該遺伝子組換え免疫細胞を含む組成物は、前記化合物または治療法の1種以上などの、1種以上の抗がん剤と併用投与される。いくつかの実施形態において、本発明の遺伝子組換え免疫細胞と共投与または併用投与される前記1種以上の抗がん剤は、抗体-薬物複合体、ナノ粒子、電気化学療法、アルキル化薬、代謝拮抗薬、抗腫瘍抗生物質、トポイソメラーゼ阻害薬、分裂阻害薬、コルチコステロイド類、DNAインターカレーターまたはチェックポイント阻害薬を含む。いくつかの実施形態において、前記代謝拮抗薬は、5-フルオロウラシル(5-FU)、6-メルカプトプリン(6-MP)、カペシタビン(ゼローダ(登録商標))、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン(Ara-C(登録商標))、フロクスウリジン、フルダラビン、ゲムシタビン(ジェムザール(登録商標))、ヒドロキシウレア、メトトレキサート、ペメトレキセド(アリムタ(登録商標))、ペントスタチンまたはチオグアニンを含む。
【0188】
「がん」は、本明細書に照らせば、一般的な通常の意味を有し、たとえば、体内の他の部位に浸潤または拡散することがある異常細胞の増殖を伴う疾患群が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載の方法を用いて処置することができる対象としては、がんを有すると特定または選択された対象が挙げられ、該がんとしては、大腸がん、肺がん、肝臓がん、乳がん、腎臓がん、前立腺がん、卵巣がん、皮膚がん(悪性黒色腫を含む)、骨がん、および/または脳腫瘍などが挙げられるが、これらに限定されない。がん患者の特定および/または選択は、臨床的評価または診断的評価によって行うことができる。いくつかの実施形態において、腫瘍関連抗原または腫瘍関連分子が知られており、該腫瘍としては、悪性黒色腫、乳がん、脳腫瘍、扁平上皮腫、大腸がん、白血病、骨髄腫、および/または前立腺がんなどが挙げられる。また、前記がんとして、B細胞リンパ腫、乳がん、脳腫瘍、前立腺がん、および/または白血病が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、1種以上の腫瘍形成性ポリペプチドが、腎臓がん、子宮がん、大腸がん、肺がん、肝臓がん、乳がん、腎臓がん、前立腺がん、卵巣がん、皮膚がん(悪性黒色腫を含む)、骨がん、脳腫瘍、腺癌、膵臓がん、慢性骨髄性白血病または白血病に関連している。いくつかの実施形態において、対象においてがんを治療、緩和または抑制する方法を提供する。いくつかの実施形態において、前記がんは、乳がん、卵巣がん、肺がん、膵臓がん、前立腺がん、悪性黒色腫、腎臓がん、膵臓がん、神経膠芽腫、神経芽腫、髄芽腫、肉腫、肝臓がん、大腸がん、皮膚がん(悪性黒色腫を含む)、骨がんまたは脳腫瘍である。いくつかの実施形態において、前記対象は、別のがん療法を施すために選択され、別のがん療法として、がん治療薬、放射線療法もしくは化学療法、またはがん療法に適した薬剤などが挙げられる。いくつかの実施形態において、前記薬剤は、アビラテロン、アレムツズマブ、アナストロゾール、アプレピタント、三酸化ヒ素、アテゾリズマブ、アザシチジン、ベバシズマブ、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、カバジタキセル、カペシタビン、カルボプラチン、セツキシマブ、化学療法薬の組み合わせ、シスプラチン、クリゾチニブ、シクロホスファミド、シタラビン、デノスマブ、ドセタキセル、ドキソルビシン、エリブリン、エルロチニブ、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、フィルグラスチム、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲムシタビン、イマチニブ、イミキモド、イピリムマブ、イクサベピロン、ラパチニブ、レナリドミド、レトロゾール、ロイプロリド、メスナ、メトトレキサート、ニボルマブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パロノセトロン、ペムブロリズマブ、ペメトレキセド、プレドニゾン、ラジウム223、リツキシマブ、Sipuleucel-T、ソラフェニブ、スニチニブ、タルク胸膜腔内注入用懸濁剤、タモキシフェン、テモゾロミド、テムシロリムス、サリドマイド、トラスツズマブ、ビノレルビンまたはゾレドロン酸を含む。
【0189】
「腫瘍微小環境」は、本明細書に照らせば、一般的な通常の意味を有し、たとえば、腫瘍が存在する細胞環境が挙げられるが、これに限定されない。腫瘍微小環境には、周囲血管、免疫細胞、線維芽細胞、骨髄由来の炎症性細胞、リンパ球、シグナル伝達分子および/または細胞外マトリックス(ECM)が含まれうるが、これらに限定されない。本明細書の実施形態のいくつかにおいて、CARを有するT細胞は、腫瘍環境内に投与され、H-APCを使用して刺激される。
【0190】
詳細な説明
本明細書において提供する方法および組成物の実施形態のいくつかは、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞を刺激するための、ハプテン標識細胞の使用に関する。いくつかの実施形態において、CAR T細胞は、ハプテンに特異的に結合するCARを含んでいてもよい。いくつかの実施形態は、インビボまたはインビトロでのハプテン標識細胞によるCAR T細胞の刺激に関する。
【0191】
キメラ抗原発現細胞は、悪性細胞の表面に結合したバイオマーカーに対する指向性を免疫細胞(T細胞)に付与するように組換えされた免疫細胞である。このような細胞表面の標的または抗原を利用することによって、健常組織の破壊を低減し、かつ治療中の患者の免疫系を維持することが可能な指向性のある特異的な治療が可能となる。T細胞は、細胞傷害作用を調整するだけでなく、特定の抗原に対する長期的な細胞の「記憶」を提供することができるため、獲得免疫系の重要な構成要素である。内在性T細胞の活性化には、MHC提示ペプチドとこれに対応するTCRの間の相互作用が必要とされるが、CAR T細胞は、腫瘍関連抗原(TAA)または腫瘍特異的抗原(TSA)を介して活性化するように組換えられたものである。したがって、CAR T細胞は、T細胞のシグナル伝達ドメインに融合された標的指向性ドメイン(一本鎖可変領域断片(scFv)、ペプチド、ポリペプチド、リガンド、ムテイン、スペーサーおよび/またはリンカー)を含む「生きた薬剤」と考えることができる。標的指向性ドメインがその特異的な標的を認識し、これに結合すると、CAR T細胞が活性化されて、標的細胞の殺傷が始まる。CAR T細胞療法は、CD19およびCD20を標的とした血液悪性腫瘍の治療において革新的な治療法として使用されてきた。しかしながら、CAR T細胞は、固形腫瘍に対しては効果的かつ効率的に臨床適用することができず、固形腫瘍の治療に適用するにはさらなる研究が必要とされている。本明細書で提供する実施形態は、CAR T細胞の刺激に関する。さらに、CAR T細胞を刺激することによって、インビボでの持続性や免疫抑制性の腫瘍微小環境などの、CAR T細胞のさらなる発展と成功に重要な、CAR T細胞療法が現在直面している様々な課題を解決できる可能性がある。
【0192】
本明細書の実施形態のいくつかでは、少なくとも2種のユニークなCAR(デュアルCAR)が単一の細胞で発現されるようにT細胞を形質導入、トランスフェクトまたは形質転換するが、少なくとも2種のCARのうちの一方は腫瘍標的に特異的であり、もう一方はハプテン(たとえばフルオレセイン)に特異的である。別の態様では、2つの標的指向性部分(たとえば2種のscFv)を含む単一のCAR(二重特異性CAR)が発現されるようにT細胞を形質導入、トランスフェクトまたは形質転換するが、標的指向性部分の一方は腫瘍に特異的であり、もう一方はハプテンに特異的である。しかし、腫瘍をハプテンで標識する場合は、抗ハプテンCARのみが必要とされる。デュアルCAR T細胞および二重特異性CAR T細胞は、様々な方法で作製することができ、たとえば、ウイルスベクターによる二重形質導入、両方のCARを含むウイルスベクターによる単一形質導入、非ウイルス性トランスポゾンベクターなどにより作製することができる。また、純粋なCAR T細胞集団または単離されたCAR T細胞集団を選択する方法として様々なものがある。たとえば、EGFRt、Her2tG、CD19tなどの細胞表面タグを2種使用して、各表面マーカーにより細胞をソートする。また、本明細書の実施形態のいくつかにおいて、抗ハプテンCARは、磁気ビーズなどの基材、またはハプテンで標識されたディッシュもしくは試験管を使用してソートされる。この方法のユニークな特徴として、抗ハプテンCARが患者体内の内在性エピトープを認識することはないため、抗ハプテンCARを構成的に発現させることができることが挙げられる。
【0193】
患者の健常細胞または該患者と適合する細胞からH-APC(ハプテン抗原提示細胞)を作製し、得られた細胞をエクスビボにおいてハプテンで標識することが望ましい。ハプテンの例として、フルオレセイン、ウルシオール、キノン、ビオチンが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で提供する実施形態において有用なハプテンのさらなる例を表1に挙げる。ハプテンで細胞を標識する方法には様々なものがある(たとえば、化学物質、ペプチド、アプタマー、脂質またはタンパク質で標識することができる)。たとえば、目的の細胞とフルオレセイン脂質を一晩インキュベートしてもよい。フルオレセインをハプテンとして使用することの利点の1つとして、フルオレセインの蛍光を利用できることがある。この方法によって、フローサイトメトリーを使用してフルオレセイン部分の蛍光を検出することによって、ハプテンの組み込みをモニターすることができる。したがって、インキュベーション後、過剰なフルオレセイン脂質を除去し、細胞画分をフローサイトメトリーで分析してハプテンの組み込みを分析し、残りの細胞を患者への注入に使用することができる。患者に注入した後、CAR T細胞の標的とならなかったH-APCは、徐々にハプテンを失い(ハプテンが代謝されて細胞表面から除去されることなどによる)、元の健常な細胞形態に戻ることから、この点でこのアプローチは安全である。
【0194】
患者においてCAR T細胞を刺激する必要があれば、治療のどの時点でもH-APCを投与することができる。患者においてCAR T細胞の刺激が必要となる場合の一例として、血液がんが退縮の最終段階に達すると、がん細胞の数が少なくなり、その結果、CAR T細胞が縮小し、その効力を失う場合が挙げられる。この場合、H-APCを注入して、CAR T細胞の拡大増殖および活性化を誘導することにより、がんの退縮を継続させ、望ましくは腫瘍の完全寛解を得ることができる。
【0195】
患者においてCAR T細胞の刺激が必要となる別の場合の例として、固形腫瘍の治療法が挙げられる。固形腫瘍は高い免疫抑制性を呈することが多く、H-APCを追加してCAR T細胞を刺激することにより、免疫抑制性の腫瘍環境を克服できる可能性がある。H-APCを使用したアプローチにより、インビボにおいてCAR T細胞を安全に刺激することができる。
【0196】
インビトロにおいてH-APCを使用して、CAR T細胞を刺激することもできる。特定の臨床プロトコルでは、磁気ビーズによりTCRを介してCAR T細胞を刺激してから、患者にCAR T細胞を再注入する。H-APCは、ハプテンで標識した磁気ビーズを使用して作製することができる。この場合、CAR T細胞の注入前に、H-APCによりCARを介して細胞を刺激する。
【0197】
さらに、患者に再注入する前に急速拡大培養法(REP)が所望される場合、H-APCの使用は安全な代替手段となる。標準的なREP法では、放射線照射したTM-LCLとPBMCをフィーダー細胞として使用する。REP法において、H-APCを様々な方法で代替手段として利用することができる。第1に、H-APCを患者自身の細胞から作製した場合、放射線照射工程を省くことができ、TM-LCLの培養やPBMCの単離が不要になる。第2に、別のドナーから得た放射線照射細胞からH-APCを作製することが可能である。第3に、このようなH-APCを使用したREP法は、標準的なREP法の代わりとして実験室での操作に使用することができる。これらの例から、ハプテン特異的刺激を利用してCAR T細胞を選択的に拡大増殖させるいくつかのアプローチを提供することができる。
【0198】
特に固形腫瘍の治療に関してCAR T細胞療法が直面している臨床的ハードルを超えるには、単一のCARの活性以上の補助的な支援が必要となる可能性がある。H-APCは、CAR T細胞の生着および持続性を、現在の臨床プロトコルで示されているものよりも向上させる機構を提供するものであり、免疫抑制性の固形腫瘍転移部位へのT細胞の遊走を促進する可能性がある。血液がんでは、がんの閾値が低いため、初代CAR T細胞の生着が難しい場合があるが、H-APCを使用することによって初期の活性化を促進することができる。いずれの場合も、抗ハプテンCARにより、注入されたCAR T細胞の活性化、増殖および分散が促進され、もう一方の発現されたCARにより腫瘍の除去が誘導される。この戦略は、患者への注入前にCAR T細胞をREP法で拡大培養させるというユニークな方法も提供する。
【0199】
本明細書に記載の実施形態は、固形がんと血液がんの両方においてCAR T細胞療法の治療特性を改善することを目的とする。H-APCは、インビボでCAR T細胞を刺激して免疫抑制性の腫瘍微小環境を克服し、CAR T細胞が微量のがんを見つけて根絶する能力を増強させ、または単にCAR T細胞を支援できると考えられる。H-APCは、安全に使用することができ、CAR T細胞によって溶解されなかったH-APCは、時間の経過とともにハプテンが安全に分解されて、正常な健常細胞に戻る。さらに、H-APCを用いたREP法を使用して細胞を刺激すると、細胞培養にかかるコストを抑えることができ、培養期間も短くなるという利点が得られる。
【0200】
2種のCARを組み込んだ単一のウイルスベクターを使用して細胞を作製する際に考慮すべき別のファクターとして、サイズ制限の緩和が挙げられる。本明細書に記載の実施形態のいくつかでは、別のベクターを同時に形質導入する。サイズ制限という潜在的な問題の回避を目的としたCAR T細胞の製造の代替法も本発明において想定される。
【0201】
ハプテンの毒性も考慮に入れる必要がある。しかし、当業者であれば、アッセイを実施することによって、選択したハプテン(たとえばフルオレセイン)がヒトにおいて良好な忍容性を有するか否かを確認できることを容易に理解できるであろう。ハプテンに結合させた結合成分(たとえば、脂質、タンパク質、ペプチドまたはアプタマー)の毒性も、問題になる可能性がある。この場合も、代謝されたり、生体から迅速に排除されたりする結合成分の選択が可能であるため、毒性の制御は可能である。このような化学物質の一例は、PCT/US2018/017126に記載されている(この文献は引用によりその全体が明示的に本明細書に援用される)。
【0202】
同様に、細胞表面にtROR 1を発現するようにトランスフェクトされた自家T細胞(ROR 1+T-APC)が過去に開発されている(Berger et al. 2015, Cancer Immunology Research, 3(2), 206-216)。しかしながら、Bergerによる細胞と本明細書に記載の実施形態による細胞の大きな違いは、Bergerらは、数週間から数ヶ月の期間をかけて、ROR1+T-APC製剤の形質導入、拡大増殖、培養および特性評価を行う必要があったことであり、これに付随するコストも高くついている。一方、本明細書に記載の実施形態では、細胞にハプテンを担持するだけでよく、このハプテンの担持は、非常に短い時間(たとえば数時間)で行うことができ、その後、患者に再注入することができる。また、本明細書に記載の実施形態の系において、様々な種類の細胞を使用することもできる。したがって、貴重なT細胞を使用する必要はないと考えられる。さらに、Bergerにより報告された技術は、固形腫瘍に対しては使用されていない。さらに、Bergerは、遺伝子組換えによりT-APCを作製したが、これにはかなりのコストと時間がかかる。これに対して、本明細書で提供する実施形態では、細胞外表面にハプテンを直接結合することにより、ハプテン標識細胞を迅速かつ効率的に提供することができる。したがって、本明細書の実施形態に記載の方法は、固形腫瘍に対するT細胞免疫療法の分野に革命をもたらすものであり、現時点で存在するCAR T細胞を用いた血液がん療法を大幅に改善することができる。
【0203】
CAR T細胞の拡大増殖の誘導
本明細書で提供する方法および組成物の実施形態のいくつかは、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞の拡大増殖を誘導する方法を含む。このような実施形態のいくつかにおいて、CAR T細胞の拡大増殖が誘導される条件下において、ハプテン抗原提示細胞(H-APC)とともにCAR T細胞をインキュベートする。いくつかの実施形態において、前記H-APCに結合されたハプテンに前記CAR T細胞のCARを特異的に結合させる。いくつかの実施形態は、対象におけるがんを治療、抑制または緩和する方法を含む。いくつかの実施形態において、がんの腫瘍特異的抗原に特異的に結合するCARを有するCAR T細胞の有効量を対象に投与し、ハプテン抗原提示細胞(H-APC)とともに前記CAR T細胞をインキュベートし、該H-APCに結合されたハプテンに該CAR T細胞のCARを特異的に結合させることによって、該CAR T細胞の拡大増殖を誘導する。いくつかの実施形態において、前記CAR T細胞および前記H-APCは、ヒトなどの単一の対象に由来するものである。いくつかの実施形態において、前記対象は、ヒト、家畜動物、家庭内動物などの哺乳動物である。
【0204】
いくつかの実施形態において、前記CAR T細胞は二重特異性CARを含んでいてもよい。たとえば、CARは、腫瘍特異的抗原などの標的に特異的に結合することができる第1の結合ドメインと、ハプテンに特異的に結合することができる第2の結合ドメインからなる2つの特異的結合ドメインを有していてもよい。
【0205】
いくつかの実施形態において、前記CAR T細胞は、2つ以上のCARを含んでいてもよい。たとえば、CARは、腫瘍特異的抗原などの標的に特異的に結合することができる第1の結合ドメインを含む第1のCARと、ハプテンに特異的に結合することができる第2の結合ドメインを含む第2のCARを含んでいてもよい。
【0206】
いくつかの実施形態において、前記CAR T細胞は、腫瘍特異的抗原などの標的に結合することができ、かつハプテンとも結合することができるCARを含んでいてもよい。このような実施形態のいくつかにおいて、前記標的と前記ハプテンは、前記CARが該標的の結合部分と該ハプテンの結合部分に結合することができるように、同じ結合部分または実質的に同じ結合部分を含んでいてもよい。このような実施形態のいくつかにおいて、標的およびハプテンは、本明細書で提供する腫瘍抗原であってもよい。
【0207】
本明細書で提供する実施形態において使用することができる標的抗原の例として、CD19、CD22、HER2、CD7、CD30、B細胞成熟抗原(BCMA)、GD2、グリピカン3、MUC1、CD70、CD33、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮成長因子バリアントIII、受容体型チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、CD123、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、CD5、ルイスY抗原、B7H3、CD20、CD43、HSP90および/またはIL13が挙げられる。
【0208】
本明細書で提供する実施形態において使用することができるハプテンの例として、表1に挙げたハプテンが挙げられる。いくつかの実施形態において、本明細書で提供する実施形態において有用なハプテンとして、フルオレセイン、ウルシオール、キノン、ビオチンもしくはジニトロフェノールおよび/またはこれらの誘導体が挙げられる。
【0209】
いくつかの実施形態において、細胞外表面にハプテンを共有結合させて、H-APCを作製する。いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、エーテルリン脂質(PLE)を介して前記H-APCに結合されている。
【0210】
いくつかの実施形態において、前記インキュベーションはインビトロで行ってもよい。たとえば、CAR T細胞は、CARをコードするベクターで細胞を形質導入することにより作製することができ、該形質導入細胞をH-APCとともにインキュベートすることによって、該形質導入細胞の拡大増殖を誘導することができる。いくつかの実施形態において、拡大増殖させた細胞は、ヒトなどの対象に投与することができる。いくつかの実施形態において、前記インキュベーションはインビボで行ってもよい。たとえば、CAR T細胞を対象に投与することができる。インビボにおいて該CAR T細胞の拡大増殖を誘導するH-APCを前記対象にさらに投与することもできる。
【0211】
いくつかの実施形態において、前記CAR T細胞は、CD4+細胞またはCD8+細胞に由来するものである。いくつかの実施形態において、前記CD8+細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択されるCD8+細胞傷害性Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記CD8+細胞はCD8+細胞傷害性Tリンパ球であり、該CD8+細胞傷害性Tリンパ球はセントラルメモリーT細胞であり、該セントラルメモリーT細胞は、CD45RO+、CD62L+およびCD8+である。いくつかの実施形態において、前記CD4+細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるCD4+ヘルパーTリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記CD4+ヘルパーリンパ球は、ナイーブCD4+T細胞であり、該ナイーブCD4+T細胞は、CD45RA+、CD62L+およびCD4+であり、かつCD45RO-である。いくつかの実施形態において、前記CAR T細胞は、前駆T細胞に由来するものである。いくつかの実施形態において、前記CAR T細胞は、造血幹細胞に由来するものである。
【0212】
いくつかの実施形態において、前記H-APCは、対象の健常細胞(T細胞やB細胞など)に由来するものである。
【0213】
いくつかの実施形態において、前記健常細胞は、T細胞、B細胞、単球、マクロファージ、樹状細胞、NK細胞または赤血球であってもよい。いくつかの実施形態において、前記健常細胞は、末梢血単核細胞であれば、どのようなものであってもよい。いくつかの実施形態において、前記健常細胞は、生体由来の健常細胞であれば、どのようなものであってもよい。いくつかの実施形態において、前記健常細胞は、アフェレーシス製剤に由来する細胞であれば、どのようなものであってもよい。いくつかの実施形態において、前記健常細胞は、エクスビボで標識できる細胞であれば、どのようなものであってもよい。
【0214】
いくつかの実施形態では、単一のCAR細胞をH-APCとともに使用する。いくつかの実施形態では、多量体のCARをH-APCとともに使用する。いくつかの実施形態において、たとえば、ハプテン(たとえば、ハプテン標識CD19抗体、ハプテン-PLE、ハプテン標識小分子、ハプテン標識ペプチド、ハプテン標識アプタマー、またはその他のハプテン標識腫瘍細胞)で腫瘍を標識する場合、単一の抗ハプテンCAR T細胞を使用し、同じハプテンを使用して作製したH-APCを用いて、患者の体内で抗ハプテンCAR T細胞を拡大増殖させる。いくつかの実施形態では、デュアルCAR細胞または二重特異性CAR細胞を使用することができ、この場合、一方のCAR(たとえば、CD19、CD22またはROR1)はがんを攻撃し、もう一方の抗ハプテンCARは、H-APCを介してデュアルCAR細胞または二重特異性CAR細胞を拡大増殖させるために使用される(たとえば
図2を参照されたい)。いくつかの実施形態において、この概念はさらに拡張することができ、3種以上のCARと抗ハプテンCARを細胞に担持させ(たとえば、急性リンパ性白血病(ALL)の治療用のCD19およびCD22を担持させ)、抗ハプテンCARを使用してCAR T細胞を活性化および拡大増殖させる。
【0215】
いくつかの実施形態において、CAR T細胞は非自家T細胞である。
【0216】
いくつかの実施形態において、本明細書で開示された方法を使用することにより、CARとH-APCを介して、どのような種類の細胞でも拡大増殖させることができる。たとえば、抗ハプテンCARを発現するB細胞を使用し、H-APCで刺激することにより、これらの細胞を拡大増殖させることができる。したがって、このアプローチを使用することにより、インビボにおいて、どのような種類の細胞でも拡大増殖させることができる。
【0217】
いくつかの実施形態において、CAR T細胞は、がんの治療法としてだけでなく、ウイルス感染症(たとえばHIVや肝炎など)の治療法として作製することができ、また、自己免疫疾患およびそれに付随する状態の治療法となりうるCAR T細胞として作製することもできる。
【0218】
いくつかの実施形態において、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を腫瘍/がんから回収し、CARを形質導入し、H-APCを使用してインビトロ/インビボで拡大増殖させることができる。
【0219】
CARまたは二重特異性CARをコードする核酸
いくつかの実施形態において、第1のキメラ抗原受容体および第2のキメラ抗原受容体の発現用の1つ以上の核酸を提供する。前記1つ以上の核酸は、2種のCARのペイロードサイズが収容できるように、単一のベクター内または複数のベクター内に組み込んで提供してもよい。前記1つ以上の核酸は、第1のキメラ抗原受容体をコードする第1の配列と、第2のキメラ抗原受容体をコードする第2の配列とを含んでいてもよく、第1のキメラ抗原受容体は、腫瘍抗原に特異的な第1のリガンド結合ドメイン、第1のポリペプチドスペーサー、第1の膜貫通ドメインおよび第1の細胞内シグナル伝達ドメインを含み、第2のキメラ抗原受容体は、ハプテンに特異的な第2のリガンド結合ドメイン、第2のポリペプチドスペーサー、第2の膜貫通ドメインおよび第2の細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施形態において、第1のリガンド結合ドメインは、腫瘍細胞抗原に特異的である。いくつかの実施形態において、前記腫瘍細胞抗原は、5T4、B7-H3、炭酸脱水酵素IX、癌胎児抗原、CA-125、CD-3、CD-19、CD-20、CD-22、CD-30、CD-33、CD-38、CD-40、CD-51、CD-52、CD-56、CD-70、CD-74、CD-79b、CD-138、CD-221、CD-319、CD-326、細胞接着分子5、CTLA-4、サイトケラチンポリペプチド、細胞死受容体2、DLL4、EGFL7、EGFR、endosialin、EpCAM、FAP、FRα、フィブロネクチン、frizzled受容体、GD2、GPNMB、HER-1、HER-2、HER-3、IGF-IR、IGLF2、LOXL2、メソテリン、MS4A1、ムチン5AC、MUC1、ネクチン4、ニューロピリン、N-グリコリルGM3、PSMA、SLAMF7、TAG-72、TRAIL、TYRP1またはVEGFを含む。いくつかの実施形態において、前記CARは、表1に記載のハプテンに特異的に結合することができる。いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、フルオレセイン、ウルシオール、キノン、ビオチンおよびジニトロフェノールならびに/またはこれらの誘導体から選択することができる。いくつかの実施形態において、第1のリガンド結合ドメインおよび/または第2のリガンド結合ドメインは、抗体もしくはその結合断片またはscFvを含む。いくつかの実施形態において、第2のリガンド結合ドメインは、表1に記載のハプテンに対する抗体または表2に記載の抗体などの、抗体の結合断片を含む。フルオレセインやジニトロフェノールなどのハプテンに結合可能な抗原結合ドメイン(svFcなど)のアミノ酸配列および核酸配列の例を以下の表3に示す。これらはいずれも本明細書に記載の1つ以上の実施形態に組み込むことができる。
【表1】
【0220】
いくつかの実施形態において、第1のポリペプチドスペーサーおよび/または第2のポリペプチドスペーサーは、1~24アミノ酸長、25~50アミノ酸長、51~75アミノ酸長、76~100アミノ酸長、101~125アミノ酸長、126~150アミノ酸長、151~175アミノ酸長、176~200アミノ酸長、201~225アミノ酸長、226~250アミノ酸長または251~275アミノ酸長である。いくつかの実施形態において、前記核酸はリーダー配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、第1の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または第2の細胞内シグナル伝達ドメインは、CD27、CD28、4-1BB、OX40、CD30、CD40、ICOS、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2CもしくはB7-H3;またはCD83の細胞質内ドメインおよび/もしくはCD3ζの細胞質内ドメインに特異的に結合するリガンドを含む。いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζの一部と4-1BBの一部を含む。いくつかの実施形態において、前記核酸は、マーカー配列をコードする配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、前記マーカーは、EGFRt、CD19tまたはHer2tGである。いくつかの実施形態において、第1の膜貫通ドメインおよび/または第2の膜貫通ドメインは、CD28の膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施形態において、前記核酸は、切断可能なリンカーをコードする配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、前記リンカーはリボソームスキップ配列である。いくつかの実施形態において、前記リボソームスキップ配列は、P2A、T2A、E2AまたはF2Aである。前記切断可能なリンカーは、各キメラ抗原受容体をコードする2つの配列の間に位置していてもよい。さらに、切断可能なリンカーは、前記キメラ抗原受容体の一方とマーカータンパク質をコードする配列の間において使用してもよい。いくつかの実施形態において、本明細書の実施形態のいずれかによる1つ以上の核酸を含む、1つ以上のベクターを提供する。いくつかの実施形態において、本明細書の実施形態のいずれかによる核酸または本明細書の実施形態のいずれかによるベクターによってコードされるキメラ抗原受容体を提供する。
【0221】
いくつかの実施形態において、第1のキメラ抗原受容体および第2のキメラ抗原受容体の発現用の1つ以上の核酸であって、該1つ以上の核酸が、第1のキメラ抗原受容体をコードする第1の配列を含む第1の核酸と、第2のキメラ抗原受容体をコードする第2の配列を含む第2の核酸とを含み、第1のキメラ抗原受容体が、腫瘍抗原に特異的な第1のリガンド結合ドメイン、第1のポリペプチドスペーサー、第1の膜貫通ドメインおよび第1の細胞内シグナル伝達ドメインを含み、第2のキメラ抗原受容体が、ハプテンに特異的な第2のリガンド結合ドメイン、第2のポリペプチドスペーサー、第2の膜貫通ドメインおよび第2の細胞内シグナル伝達ドメインを含むことを特徴とする核酸を提供する。いくつかの実施形態において、第1のリガンド結合ドメインは、5T4、B7-H3、炭酸脱水酵素IX、癌胎児抗原、CA-125、CD-3、CD-19、CD-20、CD-22、CD-30、CD-33、CD-38、CD-40、CD-51、CD-52、CD-56、CD-70、CD-74、CD-79b、CD-138、CD-221、CD-319、CD-326、細胞接着分子5、CTLA-4、サイトケラチンポリペプチド、細胞死受容体2、DLL4、EGFL7、EGFR、endosialin、EpCAM、FAP、FRα、フィブロネクチン、frizzled受容体、GD2、GPNMB、HER-1、HER-2、HER-3、IGF-IR、IGLF2、LOXL2、メソテリン、MS4A1、ムチン5AC、MUC1、ネクチン4、ニューロピリン、N-グリコリルGM3、PSMA、SLAMF7、TAG-72、TRAIL、TYRP1および/またはVEGFなどに特異的である。いくつかの実施形態において、前記CARは、表1に記載のハプテンに特異的に結合することができる。いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、フルオレセイン、ウルシオール、キノン、ビオチンおよびジニトロフェノールならびに/またはこれらの誘導体から選択することができる。いくつかの実施形態において、第1のリガンド結合ドメインおよび/または第2のリガンド結合ドメインは、5T4、B7-H3、炭酸脱水酵素IX、癌胎児抗原、CA-125、CD-3、CD-19、CD-20、CD-22、CD-30、CD-33、CD-38、CD-40、CD-51、CD-52、CD-56、CD-70、CD-74、CD-79b、CD-138、CD-221、CD-319、CD-326、細胞接着分子5、CTLA-4、サイトケラチンポリペプチド、細胞死受容体2、DLL4、EGFL7、EGFR、endosialin、EpCAM、FAP、FRα、フィブロネクチン、frizzled受容体、GD2、GPNMB、HER-1、HER-2、HER-3、IGF-IR、IGLF2、LOXL2、メソテリン、MS4A1、ムチン5AC、MUC1、ネクチン4、ニューロピリン、N-グリコリルGM3、PSMA、SLAMF7、TAG-72、TRAIL、TYRP1またはVEGFに特異的な抗体もしくはその結合断片またはscFvを含む。いくつかの実施形態において、第2のリガンド結合ドメインは、表1に記載のハプテンに対する抗体または表2に記載の抗体などの、抗体の結合断片を含む。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチドスペーサーおよび/または第2のポリペプチドスペーサーは、1~24アミノ酸長、25~50アミノ酸長、51~75アミノ酸長、76~100アミノ酸長、101~125アミノ酸長、126~150アミノ酸長、151~175アミノ酸長、176~200アミノ酸長、201~225アミノ酸長、226~250アミノ酸長または251~275アミノ酸長である。いくつかの実施形態において、前記核酸は、リーダー配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、第1の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または第2の細胞内シグナル伝達ドメインは、CD27、CD28、4-1BB、OX40、CD30、CD40、ICOS、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2CもしくはB7-H3;またはCD83の細胞質内ドメインおよび/もしくはCD3ζの細胞質内ドメインに特異的に結合するリガンドを含む。いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζの一部と4-1BBの一部を含む。いくつかの実施形態において、前記核酸は、マーカー配列をコードする配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、前記マーカーは、EGFRt、CD19tまたはHer2tGである。いくつかの実施形態において、第1の膜貫通ドメインおよび/または第2の膜貫通ドメインは、CD28の膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施形態において、前記核酸は、切断可能なリンカーをコードする配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、前記リンカーはリボソームスキップ配列である。いくつかの実施形態において、前記リボソームスキップ配列は、P2A、T2A、E2AまたはF2Aである。いくつかの実施形態において、本明細書の実施形態のいずれかによる核酸を含む複数のベクターを提供する。いくつかの実施形態において、本明細書の実施形態のいずれかによる核酸または本明細書の実施形態のいずれかによるベクターによってコードされるキメラ抗原受容体を提供する。
【0222】
二重特異性キメラ抗原受容体
いくつかの実施形態において、二重特異性キメラ抗原受容体の発現用の1つ以上の核酸を提供する。いくつかの実施形態において、前記核酸は、腫瘍抗原に特異的な第1のリガンド結合ドメイン、グリシン-セリンリンカー、ハプテンに特異的な第2のリガンド結合ドメイン、ポリペプチドスペーサー、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインをコードする配列を含む。いくつかの実施形態において、第1のリガンド結合ドメインは、5T4、B7-H3、炭酸脱水酵素IX、癌胎児抗原、CA-125、CD-3、CD-19、CD-20、CD-22、CD-30、CD-33、CD-38、CD-40、CD-51、CD-52、CD-56、CD-70、CD-74、CD-79b、CD-138、CD-221、CD-319、CD-326、細胞接着分子5、CTLA-4、サイトケラチンポリペプチド、細胞死受容体2、DLL4、EGFL7、EGFR、endosialin、EpCAM、FAP、FRα、フィブロネクチン、frizzled受容体、GD2、GPNMB、HER-1、HER-2、HER-3、IGF-IR、IGLF2、LOXL2、メソテリン、MS4A1、ムチン5AC、MUC1、ネクチン4、ニューロピリン、N-グリコリルGM3、PSMA、SLAMF7、TAG-72、TRAIL、TYRP1もしくはVEGF、またはがんが発現するその他の抗原に特異的である。いくつかの実施形態において、前記CARは、表1に記載のハプテンに特異的に結合することができる。いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、フルオレセイン、ウルシオール、キノン、ビオチンおよびジニトロフェノールならびに/またはこれらの誘導体から選択することができる。いくつかの実施形態において、第1のリガンド結合ドメインおよび/または第2のリガンド結合ドメインは、抗体もしくはその結合断片またはscFvを含む。いくつかの実施形態において、第2のリガンド結合ドメインは、表1に記載のハプテンに対する抗体または表2に記載の抗体などの、抗体の結合断片を含む。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチドスペーサーおよび/または第2のポリペプチドスペーサーは、1~24アミノ酸長、25~50アミノ酸長、51~75アミノ酸長、76~100アミノ酸長、101~125アミノ酸長、126~150アミノ酸長、151~175アミノ酸長、176~200アミノ酸長、201~225アミノ酸長、226~250アミノ酸長または251~275アミノ酸長である。いくつかの実施形態において、前記核酸はリーダー配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、CD27、CD28、4-1BB、OX40、CD30、CD40、ICOS、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2CもしくはB7-H3;またはCD83の細胞質内ドメインおよび/もしくはCD3ζの細胞質内ドメインに特異的に結合するリガンドを含む。いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζの一部と4-1BBの一部を含む。いくつかの実施形態において、前記核酸は、マーカー配列をコードする配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、前記マーカーは、EGFRt、CD19tまたはHer2tGである。いくつかの実施形態において、前記膜貫通ドメインは、CD28の膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の実施形態のいずれかによる1つ以上の核酸を含む、二重特異性CAR発現用の1つ以上のベクターを提供する。いくつかの実施形態において、本明細書の実施形態のいずれかによる核酸または本明細書の実施形態のいずれかによるベクターによってコードされる二重特異性キメラ抗原受容体を提供する。
【0223】
CARまたは二重特異性CARを含む細胞
いくつかの実施形態において、本明細書の実施形態のいずれかによる1つ以上の核酸、本明細書の実施形態のいずれかによる1つ以上のベクター、または本明細書の実施形態のいずれかによる二重特異性キメラ抗原受容体を含む細胞を提供する。前記1つ以上の核酸は、2種のCARのペイロードサイズが収容できるように、単一のベクター内または複数のベクター内に組み込んで提供してもよい。前記1つ以上のベクターは、本明細書において提供する別の核酸を含んでいてもよい。あるいは、前記核酸は、トランスポゾンシステムまたはインテグラーゼシステムを使用して組み込まれていてもよい。前記1つ以上の核酸は、第1のキメラ抗原受容体をコードする第1の配列と、第2のキメラ抗原受容体をコードする第2の配列とを含んでいてもよく、第1のキメラ抗原受容体は、腫瘍抗原に特異的な第1のリガンド結合ドメイン、第1のポリペプチドスペーサー、第1の膜貫通ドメインおよび第1の細胞内シグナル伝達ドメインを含み、第2のキメラ抗原受容体は、ハプテンに特異的な第2のリガンド結合ドメイン、第2のポリペプチドスペーサー、第2の膜貫通ドメインおよび第2の細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施形態において、複数の核酸であって、第1のキメラ抗原受容体をコードする第1の配列を含む第1の核酸と、第2のキメラ抗原受容体をコードする第2の配列を含む第2の核酸とを含み、第1のキメラ抗原受容体が、腫瘍抗原に特異的な第1のリガンド結合ドメイン、第1のポリペプチドスペーサー、第1の膜貫通ドメインおよび第1の細胞内シグナル伝達ドメインを含み、第2のキメラ抗原受容体が、ハプテンに特異的な第2のリガンド結合ドメイン、第2のポリペプチドスペーサー、第2の膜貫通ドメインおよび第2の細胞内シグナル伝達ドメインを含むことを特徴とする複数の核酸を提供する。いくつかの実施形態において、第1のリガンド結合ドメインは、腫瘍細胞抗原に特異的である。いくつかの実施形態において、前記抗原は、5T4、B7-H3、炭酸脱水酵素IX、癌胎児抗原、CA-125、CD-3、CD-19、CD-20、CD-22、CD-30、CD-33、CD-38、CD-40、CD-51、CD-52、CD-56、CD-70、CD-74、CD-79b、CD-138、CD-221、CD-319、CD-326、細胞接着分子5、CTLA-4、サイトケラチンポリペプチド、細胞死受容体2、DLL4、EGFL7、EGFR、endosialin、EpCAM、FAP、FRα、フィブロネクチン、frizzled受容体、GD2、GPNMB、HER-1、HER-2、HER-3、IGF-IR、IGLF2、LOXL2、メソテリン、MS4A1、ムチン5AC、MUC1、ネクチン4、ニューロピリン、N-グリコリルGM3、PSMA、SLAMF7、TAG-72、TRAIL、TYRP1またはVEGFを含む。いくつかの実施形態において、前記CARは、表1に記載のハプテンに特異的に結合することができる。いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、フルオレセイン、ウルシオール、キノン、ビオチンおよびジニトロフェノールならびに/またはこれらの誘導体から選択することができる。いくつかの実施形態において、第1のリガンド結合ドメインおよび/または第2のリガンド結合ドメインは、抗体もしくはその結合断片またはscFvを含む。いくつかの実施形態において、第2のリガンド結合ドメインは、表1に記載のハプテンに対する抗体または表2に記載の抗体などの、抗体の結合断片を含む。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチドスペーサーおよび/または第2のポリペプチドスペーサーは、1~24アミノ酸長、25~50アミノ酸長、51~75アミノ酸長、76~100アミノ酸長、101~125アミノ酸長、126~150アミノ酸長、151~175アミノ酸長、176~200アミノ酸長、201~225アミノ酸長、226~250アミノ酸長または251~275アミノ酸長である。いくつかの実施形態において、前記核酸はリーダー配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、第1の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または第2の細胞内シグナル伝達ドメインは、CD27、CD28、4-1BB、OX40、CD30、CD40、ICOS、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2CもしくはB7-H3;またはCD83の細胞質内ドメインおよび/もしくはCD3ζの細胞質内ドメインに特異的に結合するリガンドを含む。いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、CD27、CD28、4-1BB、OX40、CD30、CD40、ICOS、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2CもしくはB7-H3;またはCD83の細胞質内ドメインおよび/もしくはCD3ζの細胞質内ドメインに特異的に結合するリガンドを含む。いくつかの実施形態において、前記核酸は、マーカー配列をコードする配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、前記マーカーは、EGFRt、CD19tまたはHer2tGである。いくつかの実施形態において、第1の膜貫通ドメインおよび/または第2の膜貫通ドメインは、CD28の膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施形態において、前記核酸は、切断可能なリンカーをコードする配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、前記リンカーはリボソームスキップ配列である。いくつかの実施形態において、前記リボソームスキップ配列は、P2A、T2A、E2AまたはF2Aである。前記切断可能なリンカーは、各キメラ抗原受容体をコードする2つの配列の間に位置していてもよい。さらに、切断可能なリンカーは、前記キメラ抗原受容体の一方とマーカータンパク質をコードする配列の間において使用してもよい。いくつかの実施形態において、本明細書の実施形態のいずれかによる1つ以上の核酸を含む、二重特異性CAR発現用の1つ以上のベクターを提供する。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の核酸によってコードされる二重特異性キメラ抗原受容体は、細胞に含まれている。前記二重特異性キメラ抗原受容体をコードする前記1つ以上の核酸は、腫瘍抗原に特異的な第1のリガンド結合ドメイン、グリシン-セリンリンカー、ハプテンに特異的な第2のリガンド結合ドメイン、ポリペプチドスペーサー、膜貫通ドメインおよび/または細胞内シグナル伝達ドメインをコードする配列を含む。いくつかの実施形態において、第1のリガンド結合ドメインは、5T4、B7-H3、炭酸脱水酵素IX、癌胎児抗原、CA-125、CD-3、CD-19、CD-20、CD-22、CD-30、CD-33、CD-38、CD-40、CD-51、CD-52、CD-56、CD-70、CD-74、CD-79b、CD-138、CD-221、CD-319、CD-326、細胞接着分子5、CTLA-4、サイトケラチンポリペプチド、細胞死受容体2、DLL4、EGFL7、EGFR、endosialin、EpCAM、FAP、FRα、フィブロネクチン、frizzled受容体、GD2、GPNMB、HER-1、HER-2、HER-3、IGF-IR、IGLF2、LOXL2、メソテリン、MS4A1、ムチン5AC、MUC1、ネクチン4、ニューロピリン、N-グリコリルGM3、PSMA、SLAMF7、TAG-72、TRAIL、TYRP1もしくはVEGF、またはがん細胞上に発現される別の抗原に特異的である。いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、表1に記載のハプテンから選択される。いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、フルオレセイン、ウルシオール、キノン、ビオチンおよびジニトロフェノールならびに/またはこれらの誘導体から選択することができる。いくつかの実施形態において、第1のリガンド結合ドメインおよび/または第2のリガンド結合ドメインは、抗体もしくはその結合断片またはscFvを含む。いくつかの実施形態において、第2のリガンド結合ドメインは、表1に記載のハプテンに対する抗体または表2に記載の抗体などの、抗体の結合断片を含む。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチドスペーサーおよび/または第2のポリペプチドスペーサーは、1~24アミノ酸長、25~50アミノ酸長、51~75アミノ酸長、76~100アミノ酸長、101~125アミノ酸長、126~150アミノ酸長、151~175アミノ酸長、176~200アミノ酸長、201~225アミノ酸長、226~250アミノ酸長または251~275アミノ酸長である。いくつかの実施形態において、前記核酸はリーダー配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、CD27、CD28、4-1BB、OX40、CD30、CD40、ICOS、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2CもしくはB7-H3;またはCD83の細胞質内ドメインおよび/もしくはCD3ζの細胞質内ドメインに特異的に結合するリガンドを含む。いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζの一部と4-1BBの一部を含む。いくつかの実施形態において、前記核酸は、マーカー配列をコードする配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、前記マーカーは、EGFRt、CD19tまたはHer2tGである。いくつかの実施形態において、前記膜貫通ドメインは、CD28の膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施形態において、前記細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択されるCD8+細胞傷害性Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記CD8+細胞傷害性Tリンパ球は、セントラルメモリーT細胞であり、該セントラルメモリーT細胞は、CD45RO+、CD62L+およびCD8+である。いくつかの実施形態において、前記細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるCD4+ヘルパーTリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記細胞は、ナイーブCD4+T細胞であり、該ナイーブCD4+T細胞は、CD45RA+、CD62L+およびCD4+であり、かつCD45RO-である。いくつかの実施形態において、前記細胞は前駆T細胞である。いくつかの実施形態において、前記細胞は造血幹細胞である。
【0224】
2種のCARまたは二重特異性CARを含む細胞の作製
本明細書の実施形態において、ハプテンに特異的な第1のキメラ抗原受容体と、腫瘍抗原に特異的な第2のキメラ抗原受容体とを発現する細胞を作製する方法を提供する。いくつかの場合、前記方法は、第1のキメラ抗原受容体および第2のキメラ抗原受容体が発現される条件下において、本明細書の実施形態のいずれかによる1つ以上の核酸、または本明細書の実施形態のいずれかによる1つ以上のベクターを細胞に導入する工程を含む。いくつかの実施形態において、ハプテンと腫瘍抗原に特異的な二重特異性キメラ抗原受容体を発現する細胞を作製する方法を提供する。前記方法は、第1のキメラ抗原受容体および第2のキメラ抗原受容体が発現される条件下において、本明細書の実施形態のいずれかによる1つ以上の核酸、または本明細書の実施形態のいずれかによる1つ以上のベクターを細胞に導入する工程を含む。いくつかの実施形態において、前記細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択されるCD8+細胞傷害性Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記CD8+細胞傷害性Tリンパ球は、セントラルメモリーT細胞であり、該セントラルメモリーT細胞は、CD45RO+、CD62L+およびCD8+である。いくつかの実施形態において、前記細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるCD4+ヘルパーTリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記CD4+ヘルパーリンパ球は、ナイーブCD4+T細胞であり、該ナイーブCD4+T細胞は、CD45RA+、CD62L+およびCD4+であり、かつCD45RO-である。いくつかの実施形態において、前記細胞は前駆T細胞である。いくつかの実施形態において、前記細胞は造血幹細胞である。前記1つ以上の核酸は、第1のキメラ抗原受容体をコードする第1の配列を含む第1の核酸と、第2のキメラ抗原受容体をコードする第2の配列を含む第2の核酸とを含み、第1のキメラ抗原受容体は、腫瘍抗原に特異的な第1のリガンド結合ドメイン、第1のポリペプチドスペーサー、第1の膜貫通ドメインおよび第1の細胞内シグナル伝達ドメインを含み、第2のキメラ抗原受容体は、ハプテンに特異的な第2のリガンド結合ドメイン、第2のポリペプチドスペーサー、第2の膜貫通ドメインおよび第2の細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施形態において、第1のリガンド結合ドメインは、5T4、B7-H3、炭酸脱水酵素IX、癌胎児抗原、CA-125、CD-3、CD-19、CD-20、CD-22、CD-30、CD-33、CD-38、CD-40、CD-51、CD-52、CD-56、CD-70、CD-74、CD-79b、CD-138、CD-221、CD-319、CD-326、細胞接着分子5、CTLA-4、サイトケラチンポリペプチド、細胞死受容体2、DLL4、EGFL7、EGFR、endosialin、EpCAM、FAP、FRα、フィブロネクチン、frizzled受容体、GD2、GPNMB、HER-1、HER-2、HER-3、IGF-IR、IGLF2、LOXL2、メソテリン、MS4A1、ムチン5AC、MUC1、ネクチン4、ニューロピリン、N-グリコリルGM3、PSMA、SLAMF7、TAG-72、TRAIL、TYRP1またはVEGFに特異的である。いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、表1に記載のハプテンから選択される。いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、フルオレセイン、ウルシオール、キノン、ビオチンおよびジニトロフェノールならびに/またはこれらの誘導体から選択することができる。いくつかの実施形態において、第1のリガンド結合ドメインおよび/または第2のリガンド結合ドメインは、5T4、B7-H3、炭酸脱水酵素IX、癌胎児抗原、CA-125、CD-3、CD-19、CD-20、CD-22、CD-30、CD-33、CD-38、CD-40、CD-51、CD-52、CD-56、CD-70、CD-74、CD-79b、CD-138、CD-221、CD-319、CD-326、細胞接着分子5、CTLA-4、サイトケラチンポリペプチド、細胞死受容体2、DLL4、EGFL7、EGFR、endosialin、EpCAM、FAP、FRα、フィブロネクチン、frizzled受容体、GD2、GPNMB、HER-1、HER-2、HER-3、IGF-IR、IGLF2、LOXL2、メソテリン、MS4A1、ムチン5AC、MUC1、ネクチン4、ニューロピリン、N-グリコリルGM3、PSMA、SLAMF7、TAG-72、TRAIL、TYRP1またはVEGFに特異的な抗体もしくはその結合断片またはscFvを含む。いくつかの実施形態において、第2のリガンド結合ドメインは、表1に記載のハプテンに対する抗体または表2に記載の抗体などの、抗体の結合断片を含む。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチドスペーサーおよび/または第2のポリペプチドスペーサーは、1~24アミノ酸長、25~50アミノ酸長、51~75アミノ酸長、76~100アミノ酸長、101~125アミノ酸長、126~150アミノ酸長、151~175アミノ酸長、176~200アミノ酸長、201~225アミノ酸長、226~250アミノ酸長または251~275アミノ酸長である。いくつかの実施形態において、前記核酸は、リーダー配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、第1の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または第2の細胞内シグナル伝達ドメインは、CD27、CD28、4-1BB、OX40、CD30、CD40、ICOS、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2CもしくはB7-H3;またはCD83の細胞質内ドメインおよび/もしくはCD3ζの細胞質内ドメインに特異的に結合するリガンドを含む。いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζの一部と4-1BBの一部を含む。いくつかの実施形態において、前記核酸は、マーカー配列をコードする配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、前記マーカーは、EGFRt、CD19tまたはHer2tGである。いくつかの実施形態において、第1の膜貫通ドメインおよび/または第2の膜貫通ドメインは、CD28の膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施形態において、前記核酸は、切断可能なリンカーをコードする配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、前記リンカーはリボソームスキップ配列である。いくつかの実施形態において、前記リボソームスキップ配列は、P2A、T2A、E2AまたはF2Aである。いくつかの実施形態において、前記二重特異性キメラ抗原受容体をコードする前記核酸は、腫瘍抗原に特異的な第1のリガンド結合ドメイン、グリシン-セリンリンカー、ハプテンに特異的な第2のリガンド結合ドメイン、ポリペプチドスペーサー、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインをコードする配列を含む。いくつかの実施形態において、本明細書の実施形態のいずれかによる1つ以上の核酸を含む複数のベクターを提供する。
【0225】
Tリンパ球は、公知の技術によって回収することができ、抗体に対する親和性結合、フローサイトメトリーおよび/または免疫磁気選択などの公知の技術によって濃縮または除去することができる。濃縮工程および/または除去工程を行った後、当業者であれば容易に理解できる公知の技術またはその変法によって所望のTリンパ球をインビトロで拡大増殖させることができる。いくつかの実施形態において、前記T細胞は患者から得られた自家T細胞である。
【0226】
たとえば、所望のT細胞集団またはT細胞亜集団は、拡大培養前の最初のTリンパ球集団をインビトロの培地に添加し、次いで、非分裂末梢血単核細胞(PBMC)などのフィーダー細胞を前記培地に添加し(たとえば、添加後の細胞集団において、拡大培養前の最初の集団中のTリンパ球1個あたり、少なくとも5個、10個、20個、または40個またはそれ以上のPBMCフィーダー細胞が含まれる比率となるようにフィーダー細胞を加え)、(たとえばT細胞数を十分に拡大させることができる時間にわたって)前記培地をインキュベートすることによって拡大増殖させることができる。前記非分裂フィーダー細胞は、γ線が照射されたPBMCフィーダー細胞を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、前記PBMCの細胞分裂を防ぐため、3000~3600radのγ線を前記PBMCに照射する。いくつかの実施形態において、前記PBMCの細胞分裂を防ぐため、3000rad、3100rad、3200rad、3300rad、3400rad、3500rad、もしくは3600radのγ線、またはこれらの数値のいずれか2つを上下限とする範囲内の任意の放射線量のγ線を前記PBMCに照射する。T細胞およびフィーダー細胞を培地に添加する順序は必要に応じて入れ替えてもよい。通常、Tリンパ球の増殖に適した温度などの条件下で培養物をインキュベートすることができる。ヒトTリンパ球を増殖させるための温度は、たとえば、通常、少なくとも25℃であり、少なくとも30℃が好ましく、37℃がより好ましい。いくつかの実施形態において、ヒトTリンパ球を増殖させる際の温度は、22℃、24℃、26℃、28℃、30℃、32℃、34℃、36℃もしくは37℃、またはこれらの数値のいずれか2つを上下限とする範囲内のその他の任意の温度である。
【0227】
拡大増殖させたTリンパ球としては、ヒト腫瘍または病原体上に存在する抗原に特異的であってもよいCD8+細胞傷害性Tリンパ球(CTL)およびCD4+ヘルパーTリンパ球を挙げることができる。いくつかの実施形態において、前記細胞としては前駆T細胞が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記細胞は造血幹細胞である。
【0228】
いくつかの実施形態において、前記拡大培養方法は、EBVで形質転換された非分裂リンパ芽球様細胞(LCL)をフィーダー細胞として加えることをさらに含んでいてもよい。6000~10,000radのγ線をLCLに照射してもよい。いくつかの実施形態において、6000rad、6500rad、7000rad、7500rad、8000rad、8500rad、9000rad、9500radもしくは10,000radのγ線、またはこれら数値のいずれか2つを上下限とする範囲内の任意の放射線量のγ線を前記LCLに照射する。前記LCLフィーダー細胞は任意の適切な量で提供することができ、たとえば、LCLフィーダー細胞と拡大培養前の最初のTリンパ球の比率は少なくとも10:1であってもよい。
【0229】
いくつかの実施形態において、前記拡大培養方法は、(たとえば、少なくとも0.5ng/mlの濃度で)抗CD3抗体および/または抗CD28抗体を培地に加えることをさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、前記拡大培養方法は、IL-2および/またはIL-15を培地に加えることをさらに含んでもよい(IL-2の濃度は、たとえば、少なくとも10単位/mlである)。Tリンパ球を単離し、拡大培養を行う前または拡大培養を行った後に、細胞傷害性Tリンパ球およびヘルパーTリンパ球をそれぞれ、ナイーブT細胞亜集団、メモリーT細胞亜集団、およびエフェクターT細胞亜集団にソートすることができる。
【0230】
CD8+細胞は、標準的な方法を使用して得ることもできる。いくつかの実施形態において、CD8+細胞は、ナイーブCD8+細胞、セントラルメモリーCD8+細胞およびエフェクターメモリーCD8+細胞のそれぞれに関連する細胞表面抗原を特定することによって、これらの種類のCD8+細胞にさらにソートされる。いくつかの実施形態において、メモリーT細胞は、CD8+末梢血リンパ球のCD62L+サブセットおよびCD62L-サブセットの両方に存在する。PBMCは、抗CD8抗体および抗CD62L抗体で染色した後に、CD62L-CD8+画分およびCD62L+CD8+画分にソートされる。いくつかの実施形態において、セントラルメモリーT細胞(TCM)の表現型マーカーの発現は、CD45RO、CD62L、CCR7、CD28、CD3、および/またはCD127を含み、グランザイムBは陰性であるか、低発現を示す。いくつかの実施形態において、セントラルメモリーT細胞は、CD45RO+、CD62L+および/またはCD8+のT細胞である。いくつかの実施形態において、エフェクターT細胞(TE)は、CD62L、CCR7、CD28、および/またはCD127が陰性であり、グランザイムBおよび/またはパーフォリンが陽性である。いくつかの実施形態において、ナイーブCD8+Tリンパ球は、ナイーブT細胞の表現型マーカーの発現によって特徴付けられ、ナイーブT細胞の表現型マーカーとしては、CD62L、CCR7、CD28、CD3、CD127および/またはCD45RAが挙げられる。
【0231】
CD4+ヘルパーT細胞は、細胞表面抗原を有する細胞集団を同定することによって、ナイーブ細胞、セントラルメモリー細胞、およびエフェクター細胞にソートされる。CD4+リンパ球は、標準的な方法によって得ることができる。いくつかの実施形態において、ナイーブCD4+Tリンパ球は、CD45RO-、CD45RA+、CD62L+および/またはCD4+のT細胞である。いくつかの実施形態において、セントラルメモリーCD4+細胞は、CD62L+および/またはCD45RO+である。いくつかの実施形態において、エフェクターCD4+細胞は、CD62L-および/またはCD45RO-である。
【0232】
細胞または細胞集団が特定の細胞表面マーカーについて陽性であるかどうかは、該表面マーカーに特異的な抗体およびアイソタイプを一致させたコントロール抗体による染色を使用したフローサイトメトリーによって判定することができる。細胞集団において特定のマーカーが陰性であることは、アイソタイプコントロールと比べて特異的抗体で強く染まる細胞集団が存在しないことを指し、陽性は、アイソタイプコントロールよりも特異的抗体で均一に染まる細胞集団が存在することを指す。いくつかの実施形態において、1種以上のマーカーの発現の減少は、対照の細胞集団と比較して、平均蛍光強度の低下が1 log10であること、および/またはマーカーを発現する細胞のパーセンテージが細胞全体の少なくとも20%に低下すること、細胞全体の少なくとも25%に低下すること、細胞全体の少なくとも30%に低下すること、細胞全体の少なくとも35%に低下すること、細胞全体の少なくとも40%に低下すること、細胞全体の少なくとも45%に低下すること、細胞全体の少なくとも50%に低下すること、細胞全体の少なくとも55%に低下すること、細胞全体の少なくとも60%に低下すること、細胞全体の少なくとも65%に低下すること、細胞全体の少なくとも70%に低下すること、細胞全体の少なくとも75%に低下すること、細胞全体の少なくとも80%に低下すること、細胞全体の少なくとも85%に低下すること、細胞全体の少なくとも90%に低下すること、細胞全体の少なくとも95%に低下すること、もしくは細胞全体の少なくとも100%に低下すること、もしくは20~100%の範囲の任意のパーセンテージに低下することを指す。いくつかの実施形態において、細胞集団が1つ以上のマーカーについて陽性であることは、対照の細胞集団と比較して、マーカーを発現する細胞のパーセンテージが細胞全体の少なくとも50%であること、細胞全体の少なくとも55%であること、細胞全体の少なくとも60%であること、細胞全体の少なくとも65%であること、細胞全体の少なくとも70%であること、細胞全体の少なくとも75%であること、細胞全体の少なくとも80%であること、細胞全体の少なくとも85%であること、細胞全体の少なくとも90%であること、細胞全体の少なくとも95%であること、もしくは細胞全体の少なくとも100%であること、または50~100%の範囲の任意のパーセンテージであることを指す。
【0233】
細胞または細胞集団が特定の細胞表面マーカーについて陽性であるかどうかは、該表面マーカーに特異的な抗体およびアイソタイプを一致させたコントロール抗体による染色を使用したフローサイトメトリーによって判定することができる。細胞集団において特定のマーカーが陰性であることは、アイソタイプコントロールと比べて特異的抗体で強く染まる細胞集団が存在しないことを指し、陽性は、アイソタイプコントロールよりも特異的抗体で均一に染まる細胞集団が存在することを指す。いくつかの実施形態において、1種以上のマーカーの発現の減少は、対照の細胞集団と比較して、平均蛍光強度の低下が1 log10であること、および/またはマーカーを発現する細胞のパーセンテージが細胞全体の少なくとも20%に低下すること、細胞全体の少なくとも25%に低下すること、細胞全体の少なくとも30%に低下すること、細胞全体の少なくとも35%に低下すること、細胞全体の少なくとも40%に低下すること、細胞全体の少なくとも45%に低下すること、細胞全体の少なくとも50%に低下すること、細胞全体の少なくとも55%に低下すること、細胞全体の少なくとも60%に低下すること、細胞全体の少なくとも65%に低下すること、細胞全体の少なくとも70%に低下すること、細胞全体の少なくとも75%に低下すること、細胞全体の少なくとも80%に低下すること、細胞全体の少なくとも85%に低下すること、細胞全体の少なくとも90%に低下すること、細胞全体の少なくとも95%に低下すること、もしくは細胞全体の少なくとも100%に低下すること、もしくは20~100%の範囲の任意のパーセンテージに低下することを指す。いくつかの実施形態において、1つ以上のマーカーの発現の増加は、平均蛍光強度が増加すること、および/または細胞集団において1つのマーカーまたは所定のマーカーが陽性である細胞の数が増加することを指し、たとえば、対照の細胞集団と比較して、細胞集団におけるマーカーを発現する細胞のパーセンテージが細胞全体の少なくとも50%であること、細胞全体の少なくとも55%であること、細胞全体の少なくとも60%であること、細胞全体の少なくとも65%であること、細胞全体の少なくとも70%であること、細胞全体の少なくとも75%であること、細胞全体の少なくとも80%であること、細胞全体の少なくとも85%であること、細胞全体の少なくとも90%であること、細胞全体の少なくとも95%であること、もしくは細胞全体の少なくとも100%であること、または50~100%の範囲の任意のパーセンテージであることを指す。
【0234】
いくつかの実施形態において、抗原特異的なCD4+集団およびCD8+集団は、ナイーブTリンパ球または抗原特異的Tリンパ球を抗原で刺激することによって得ることができる。たとえば、サイトメガロウイルス抗原に対して特異的なT細胞株またはT細胞クローンは、サイトメガロウイルスに感染した対象からT細胞を単離し、インビトロにおいて同じサイトメガロウイルス抗原で該細胞を刺激することによって作製することができる。ナイーブT細胞を使用することもできる。T細胞応答を誘導するための標的として使用するための、腫瘍細胞に由来する抗原の数は特に限定されない。いくつかの実施形態において、本発明の養子細胞免疫療法用組成物は、固形腫瘍および/または血液悪性腫瘍を含む疾患または障害の治療に有用である。
【0235】
エクスビボにおいて細胞を刺激する別の方法も考えられる。ハプテンを含む細胞またはビーズに結合したハプテンを使用して、治療方法としてCAR T細胞を使用する前に該CAR T細胞を刺激することもできる。また、ハプテン結合支持体(たとえばビーズ、ウェル、またはデッシュ)に曝露させるという標準的な公知技術により作製されたハプテン担持細胞を使用して、CAR T発現細胞を刺激してもよい。
【0236】
インビボにおけるキメラ抗原受容体の刺激
がんなどの疾患を有する対象において、キメラ抗原受容体(CAR)を有するT細胞を刺激または再刺激する方法を提供する。この方法は、
本明細書で提供する実施形態のいずれかによる細胞を前記対象に提供する工程、
前記対象において前記疾患の抑制をモニターする工程;および
ハプテン抗原提示細胞(H-APC)を前記対象に提供する工程
を含み、
前記対象は、前記疾患に関連する抗原(腫瘍抗原など)に特異的な受容体を有するCAR T細胞を利用したCAR T細胞療法を施すために選択された対象であってもよい。
前記細胞は、本明細書の実施形態のいずれかによる1つ以上のベクターもしくは1つ以上の核酸、または本明細書の実施形態のいずれかによる二重特異性キメラ抗原受容体を含んでいてもよい。前記1つ以上の核酸は、2種のCARのペイロードサイズが収容できるように、単一のベクター内または複数のベクター内に組み込んで提供してもよい。前記1つ以上のベクターは、本明細書において提供する別の核酸を含んでいてもよい。あるいは、前記核酸は、トランスポゾンシステムまたはインテグラーゼシステムを使用して組み込まれていてもよい。前記核酸は、第1のキメラ抗原受容体をコードする第1の配列と、第2のキメラ抗原受容体をコードする第2の配列とを含んでいてもよく、第1のキメラ抗原受容体は、腫瘍抗原に特異的な第1のリガンド結合ドメイン、第1のポリペプチドスペーサー、第1の膜貫通ドメインおよび第1の細胞内シグナル伝達ドメインを含み、第2のキメラ抗原受容体は、ハプテンに特異的な第2のリガンド結合ドメイン、第2のポリペプチドスペーサー、第2の膜貫通ドメインおよび第2の細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施形態において、複数の核酸であって、第1のキメラ抗原受容体をコードする第1の配列を含む第1の核酸と、第2のキメラ抗原受容体をコードする第2の配列を含む第2の核酸とを含み、第1のキメラ抗原受容体が、腫瘍抗原に特異的な第1のリガンド結合ドメイン、第1のポリペプチドスペーサー、第1の膜貫通ドメインおよび第1の細胞内シグナル伝達ドメインを含み、第2のキメラ抗原受容体が、ハプテンに特異的な第2のリガンド結合ドメイン、第2のポリペプチドスペーサー、第2の膜貫通ドメインおよび第2の細胞内シグナル伝達ドメインを含むことを特徴とする複数の核酸を提供する。いくつかの実施形態において、第1のリガンド結合ドメインは、腫瘍細胞抗原に特異的である。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の核酸によってコードされる二重特異性キメラ抗原受容体は、細胞に含まれている。前記二重特異性キメラ抗原受容体をコードする前記核酸は、腫瘍抗原に特異的な第1のリガンド結合ドメイン、グリシン-セリンリンカー、ハプテンに特異的な第2のリガンド結合ドメイン、ポリペプチドスペーサー、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインをコードする配列を含む。いくつかの実施形態において、前記H-APCは、エクスビボにおいて前記対象の健常細胞をハプテンで標識することにより作製された細胞である。
【0237】
前記H-APCは、ヒトなどの患者の健常細胞または該患者と適合する細胞から作製され、エクスビボにおいて該細胞にハプテンが標識される。ハプテンの例として、フルオレセイン、ウルシオール、キノン、ビオチンが挙げられる。たとえば、化学物質、ペプチド、アプタマー、脂質、タンパク質などのハプテンで細胞を標識する方法には様々なものがある。細胞にハプテンを担持させる方法の一例として、目的の細胞とフルオレセイン脂質を一晩インキュベートすることが挙げられる。フルオレセインをハプテンとして使用することの利点の1つとして、フルオレセインの蛍光を利用できることがある。したがって、フローサイトメトリーを使用してフルオレセイン部分の蛍光を検出することによって、ハプテンの組み込みをモニターすることができる。したがって、インキュベーション後、過剰なフルオレセイン脂質を除去し、細胞画分をフローサイトメトリーで分析してハプテンの組み込みを分析し、残りの細胞を患者への注入に使用することができる。患者に注入した後、CAR T細胞の標的とならなかったH-APCは、徐々にハプテンを失い(ハプテンが代謝されて細胞表面から除去されることなどによる)、元の健常な細胞形態に戻ることから、この点でこのアプローチは安全である。ハプテンと脂質を結合させて細胞に組み込むことによって、H-APCを作製してもよい。
【0238】
いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、表1に記載のハプテンから選択される。いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、フルオレセイン、ウルシオール、キノン、ビオチンおよびジニトロフェノールならびに/またはこれらの誘導体から選択することができる。いくつかの実施形態において、前記モニター工程および前記提供工程を繰り返し行う。いくつかの実施形態において、前記対象はがんを有する対象である。いくつかの実施形態において、前記がんは固形腫瘍である。いくつかの実施形態において、前記対象は、がん療法を施すために選択された対象である。いくつかの実施形態において、前記対象に、化学療法または放射線療法などの併用療法を行う。
【0239】
エクスビボにおける細胞の刺激
いくつかの実施形態において、エクスビボにおいて、キメラ抗原受容体(CAR)を有するT細胞を刺激または再刺激する方法を提供する。いくつかの場合、この方法は、
本明細書に記載の実施形態のいずれかによる細胞を提供する工程、
ハプテン抗原提示細胞(H-APC)またはハプテンを提供する工程;
前記細胞を前記H-APC細胞と混合して、活性化細胞を得る工程;および
前記活性化細胞を単離する工程
を含む。
前記細胞は、本明細書の実施形態のいずれかによる1つ以上のベクターもしくは1つ以上の核酸、または本明細書の実施形態のいずれかによる二重特異性キメラ抗原受容体を含んでいてもよい。前記1つ以上の核酸は、2種のCARのペイロードサイズが収容できるように、単一のベクター内または複数のベクター内に組み込んで提供してもよい。前記1つ以上のベクターは、本明細書において提供する別の核酸を含んでいてもよい。あるいは、前記核酸は、トランスポゾンシステムまたはインテグラーゼシステムを使用して組み込まれていてもよい。前記1つ以上の核酸は、第1のキメラ抗原受容体をコードする第1の配列と、第2のキメラ抗原受容体をコードする第2の配列とを含んでいてもよく、第1のキメラ抗原受容体は、腫瘍抗原に特異的な第1のリガンド結合ドメイン、第1のポリペプチドスペーサー、第1の膜貫通ドメインおよび第1の細胞内シグナル伝達ドメインを含み、第2のキメラ抗原受容体は、ハプテンに特異的な第2のリガンド結合ドメイン、第2のポリペプチドスペーサー、第2の膜貫通ドメインおよび第2の細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施形態において、複数の核酸であって、第1のキメラ抗原受容体をコードする第1の配列を含む第1の核酸と、第2のキメラ抗原受容体をコードする第2の配列を含む第2の核酸とを含み、第1のキメラ抗原受容体が、腫瘍抗原に特異的な第1のリガンド結合ドメイン、第1のポリペプチドスペーサー、第1の膜貫通ドメインおよび第1の細胞内シグナル伝達ドメインを含み、第2のキメラ抗原受容体が、ハプテンに特異的な第2のリガンド結合ドメイン、第2のポリペプチドスペーサー、第2の膜貫通ドメインおよび第2の細胞内シグナル伝達ドメインを含むことを特徴とする複数の核酸を提供する。いくつかの実施形態において、第1のリガンド結合ドメインは、腫瘍細胞抗原に特異的である。いくつかの実施形態において、前記核酸によってコードされる二重特異性キメラ抗原受容体は、細胞に含まれている。前記二重特異性キメラ抗原受容体をコードする前記核酸は、腫瘍抗原に特異的な第1のリガンド結合ドメイン、グリシン-セリンリンカー、ハプテンに特異的な第2のリガンド結合ドメイン、ポリペプチドスペーサー、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインをコードする配列を含む。いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、表1に記載のハプテンから選択される。いくつかの実施形態において、H-APCは、表1に記載のハプテンから選択されるハプテンを含む。いくつかの実施形態において、前記ハプテンは、フルオレセイン、ウルシオール、キノン、ビオチンおよびジニトロフェノールならびに/またはこれらの誘導体から選択することができる。
【0240】
いくつかの実施形態において、前記活性化細胞の単離は、ハプテンとアフィニティービーズの複合体化によるアフィニティー単離を含む。いくつかの実施形態において、前記活性化細胞の単離は、EGFRt、CD19tまたはHer2tGとアフィニティービーズの複合体化によるアフィニティー単離を含む。
【0241】
いくつかの実施形態において、CARは、抗FL(FITC-E2)scFv-IgG4ヒンジ-CH2(L235D,N297Q)-CH3-CD28tm/41BB-ζ-T2A-EGFRt構造を有していてもよい。本明細書で提供する方法および組成物の実施形態において使用することができるアミノ酸配列の一例を表4に挙げる。
【表2】
【実施例0242】
実施例1-細胞表面に係留されたハプテンを有する細胞の作製
細胞膜に組み込まれるリン脂質を介して、または抗体を介して、ハプテンとしてのフルオレセイン(FL)を細胞に結合させることによりハプテン標識細胞を作製した。CD19+Raji細胞(リンパ腫細胞株)を、5μMのFL-DHPE(
図3B)とともに一晩インキュベートするか、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)で標識した抗CD19抗体とともに20分間インキュベートした。FLの存在を確認するため、細胞を洗浄し、染色し、フローサイトメトリーで分析した。いずれの方法で作製した細胞も、未処理コントロール細胞と比べて、ハプテン(FL)の存在を示す陽性シフトが示された。FL量は、抗CD19抗体で処理した細胞よりもFL-DHPEで処置した細胞の方が多かった(
図4A)。この結果から、異なる係留技術を使用したことにより、細胞表面上のハプテン量が異なることが示された。
【0243】
細胞表面へのリン脂質の組込み量を減らすことができるFBSの存在下において、0.5μMまたは5μMのFL-PLE(
図3A)とともにK562細胞(白血病細胞株)を一晩インキュベートした。細胞へのFL-PLEの組み込み量をフローサイトメトリーで分析した。検出されたFLの量は、0.5μMのFL-PLEで処理した細胞よりも、5μMのFL-PLEで処理した細胞の方が多かった(
図4B)。また、検出されたFLの量は、未処理コントロール細胞よりも、0.5μMのFL-PLEで処理した細胞の方が多かった。このように、FL-PLEの濃度を調節することで、細胞表面に担持されるFL量を様々に変えることができる。細胞表面に係留させる薬剤(FL-PLEなど)の濃度を様々に変更することによって、細胞表面上のハプテン(FLなど)の密度も様々に変えることができる。
【0244】
Be2細胞(神経芽腫細胞株)、U87細胞(神経膠芽腫細胞株)またはdaoy細胞(髄芽腫細胞株)を5μMのFL-PLEとともに一晩インキュベートし、フローサイトメトリーで分析した。FL-PLEは各細胞株に組み込まれ、U87細胞およびdoay細胞に組み込まれたFLの量は、Be2細胞よりも多かった(
図4C)。この結果から、様々な種類の細胞にFL-PLEを組み込むことができ、組み込まれるFL-PLEの量は様々に異なりうることが示された。
【0245】
実施例2-細胞表面に係留されたハプテンのアクセシビリティ
細胞上に担持されたハプテンへの細胞外からのアクセシビリティを確認するため、U87細胞を5μMのFL-PLEとともに一晩インキュベートし、共焦点顕微鏡で画像を取得して、細胞におけるFL部分の位置を確認した。細胞核をDAPIで染色した。細胞の表面全体に緑色の蛍光染色が観察された。したがって、FL-PLEは、細胞の表面全体に組み込まれていた(
図5A)。取得した画像を重ね合わせた共焦点画像を左側に示す。重ね合わせた共焦点画像の右側には、この共焦点画像を構成する各層((i)核および(ii)FL-PLE)のグレースケール画像を示す。
【0246】
細胞表面のFL部分のアクセシビリティを測定するため、FL-PLEで標識した細胞を、Alexa Fluor 647蛍光色素標識抗フルオレセイン抗体で染色した。細胞の表面全体に抗フルオレセイン抗体による染色が観察された(
図5B)。この結果から、細胞外からの結合によりFL部分がアクセス可能であることが確認できた。取得した画像を重ね合わせた共焦点画像を左側に示す。重ね合わせた共焦点画像の右側には、この共焦点画像を構成する各層((i)核、(ii)FL-PLEおよび(iii)抗フルオレセイン-Alexa Fluor 647抗体)のグレースケール画像を示す。
【0247】
実施例3-細胞表面に係留されたハプテンの保持
5μMのFL-DHPEまたは5μMのFL-PLEの存在下でBe2細胞またはU87細胞を一晩インキュベートした。細胞を洗浄して、残存のFL-DHPEまたはFL-PLEを除去し、新鮮培地中で4日間培養した。細胞をフローサイトメトリーで分析した。FL-DHPEまたはFL-PLEで処理した細胞は、少なくとも4日間にわたりFLを保持していた(
図6Aおよび
図6B)。4日後におけるFLの量は、FL-DHPEで処理した細胞よりも、FL-PLEで処理した細胞の方が多かった。この結果から、細胞表面に係留させる薬剤(リン脂質など)を様々に変えることにより、細胞表面上におけるハプテンの存在期間を変えることができることが示された。
【0248】
実施例4-細胞表面に係留されたハプテンの認識および抗ハプテンCAR T細胞の活性化
ハプテン標識細胞を作製した。CD19+K562細胞を、5μMのFL-DHPEとともに一晩インキュベートするか、FITCで標識したCD19抗体とともに20分間インキュベートした。次に、得られたハプテン標識細胞を、2種の抗FL CAR T細胞(FITC-E2 scFvまたは4M5.3 scFv)のいずれかとともにインキュベートした。Hudecek Mら(2013)に記載されている方法と実質的に同様の方法を使用して、前記CAR T細胞の細胞傷害アッセイ、サイトカイン放出アッセイおよび増殖アッセイを行った(Hudecek M, et al., (2013) Clin Cancer Res. 19:3153-64;この文献は引用によってその全体が本明細書に援用される)。
【0249】
クロム放出アッセイを使用して、ハプテン標識細胞に対する抗FL CAR T細胞の溶解能を測定した。ハプテンで標識していないコントロールK562細胞は、抗FL(FITC-E2)CAR T細胞または抗FL(4M5.3)CAR T細胞による溶解を誘導することはできなかった(
図7A、左上のパネル)。TCRを介してT細胞を活性化することができるOKT3細胞を使用した陽性コントロールでは、抗FL(FITC-E2)CAR T細胞または抗FL(4M5.3)CAR T細胞による溶解を誘導できることが示された(
図7A、右上パネル)。いずれのハプテン標識細胞も、2種の抗FL CAR T細胞のそれぞれによる溶解を誘導することができた(
図7A、下のパネル)。
【0250】
抗FL CAR T細胞により放出されたサイトカインの量を測定した。いずれのハプテン標識細胞も、抗FL(FITC-E2)CAR T細胞との接触によりIFN-γ、IL-2およびTNF-αの放出を誘導した(
図7B)。ハプテン標識細胞の誘導により放出されたIFN-γおよびTNF-αの量は、抗FL(4M5.3)CAR T細胞と接触させた場合の方が少なかった。また、FL-DHPEを使用して作製したハプテン標識細胞は、FITC標識CD19抗体を使用して作製したハプテン標識細胞よりも多量のサイトカインの放出を誘導する傾向があった。
【0251】
実施例5-細胞表面に係留されたハプテンの認識および抗ハプテンCAR T細胞の活性化
ハプテン標識細胞を作製した。0.5μMまたは5μMのFL-PLEとともにK562細胞を一晩インキュベートした。細胞へのFL-PLEの取り込みをフローサイトメトリーで分析した。得られたハプテン標識細胞を抗FL CAR T細胞とインキュベートし、ハプテン標識細胞が、抗FL CAR T細胞の特異的溶解活性およびサイトカイン放出活性を誘導する能力を測定した。
【0252】
検出されたFLの量は、0.5μMのFL-PLEで処理した細胞や未処理コントロール細胞よりも、5μMのFL-PLEで処理した細胞の方が多かった(
図8A)。また、細胞の溶解およびサイトカインの放出も、0.5μMのFL-PLEで処理した細胞や未処理コントロール細胞よりも、5μMのFL-PLEで処理した細胞の方が多かった(
図8Bおよび
図8C)。したがって、細胞表面に係留された細胞外FL部分を有するFL-PLE処理細胞は、抗FL CAR T細胞によって認識されて、該抗FL CAR T細胞を活性化することができる。抗FL CAR T細胞の活性化量は、ハプテン標識細胞の表面上のFLの量と関連していると考えられる。
【0253】
実施例6-インビトロにおける抗ハプテンCAR T細胞の拡大増殖
CD4+抗FL CAR T細胞およびCD8+抗FL CAR T細胞は、ベクターをT細胞に形質導入して作製した。18日後、放射線照射したTM-LCLおよびPBMCを使用した標準的な急速拡大培養法(REP)を使用して、形質導入細胞の初回の拡大培養を行った。拡大増殖させた細胞を、標準的なREP法またはフルオレセインを用いたREP法(FREP)に供し、2回目の拡大培養を行った。FREP法では、FL-PLEで処理したフィーダー細胞上で細胞をインキュベートした。2回目の拡大培養の14日後に、フローサイトメトリーアッセイ、特異的溶解アッセイ、およびサイトカイン放出アッセイで細胞を分析した。特異的溶解アッセイおよびサイトカイン放出アッセイでは、FL-PLEを加えてK562細胞を一晩インキュベートし、このK562細胞と拡大増殖させた抗FL CAR T細胞をインキュベートした。細胞へのFL-PLEの取り込みをフローサイトメトリーで分析した(
図9B)。
【0254】
REP法で拡大増殖させた細胞およびFREP法で拡大増殖させた細胞は、いずれも類似した表現型マーカーを発現した(
図9A)。また、FREP法を使用して拡大増殖させたCD8+抗FL CAR T細胞は、REP法を使用して拡大増殖させたCD8+抗FL CAR T細胞と実質的に同等の細胞傷害活性を有していた(
図9C)。また、FREP法を使用して拡大増殖させたCD8+抗FL CAR T細胞は、REP法を使用して拡大増殖させたCD8+抗FL CAR T細胞と実質的に同等のサイトカイン放出活性を有していた(
図9D)。さらに、FREP法を使用して拡大増殖させたCD4+抗FL CAR T細胞は、REP法を使用して拡大増殖させたCD4+抗FL CAR T細胞と実質的に同等の細胞傷害活性およびサイトカイン放出活性を有していた。したがって、ハプテン(FLなど)で標識した細胞は、CAR T細胞の拡大増殖を誘導することができ、このようにして拡大増殖したCAR T細胞は、放射線照射したTM-LCLおよびPBMCを使用して拡大培養したCAR T細胞と実質的に同等の活性を有する。
【0255】
実施例7-細胞表面に係留されて細胞外に露出したハプテン(特にDNP-PLEを使用したDNP)を有する細胞の作製
完全培地の存在下でMDA-MB-231(腺癌)細胞をDNP-PLEとともに一晩インキュベートした。細胞表面に露出したDNP分子をAlexa Fluor 488標識抗DNP抗体で細胞染色して(DNPは蛍光を持たない)、DNP-PLEの細胞への組み込みをフローサイトメトリーで分析した。
図11Aのコントロールデータに示すように、MDA-MB-231親細胞とAlexa Fluor 488標識抗DNP抗体で染色したMDA-MB-231細胞の間では、シフトはほぼ観察されなかった。MDA-MB-231細胞の表面にはDNPが露出していないため、この結果は予想どおりであった。
【0256】
MDA-MB-231親細胞を5μMのDNP-PLEとインキュベートし、Alexa Fluor 488標識抗DNP抗体で染色したところ、コントロールMDA-MB-231親細胞からのシフトがはっきりと示されたが(
図11B)、MDA-MB-231親細胞を50nMのDNP-PLEとインキュベートし、Alexa Fluor 488標識抗DNP抗体で染色すると、コントロールからのシフトは小さくなった(
図11D)。このシフトの差異は、CAR T細胞によって認識される細胞表面上に露出したDNPの量の差異を示している。この化学物質(DNP)の濃度を様々に変更することによって、細胞表面上のこのハプテン(DNP)の密度も様々に変更することができた。500nMのDNP-PLEとインキュベートしたMDA-MB-231親細胞の表面に露出されたDNPの量は、50nMのDNP-PLEとインキュベートしたMDA-MB-231親細胞の表面に露出されたDNPの量と5μMのDNP-PLEとインキュベートしたMDA-MB-231親細胞の表面に露出されたDNPの量の間であった(
図11C)。
図11A~
図11Dに示したデータのヒストグラムプロットを
図11Eに示す。
【0257】
これらのデータから、細胞表面に係留されて細胞外に露出したハプテン(特にDNP-PLEを使用したDNP)を有する細胞の作製に成功したことが示された。
【0258】
実施例8-抗DNP CARが、細胞表面に担持されたDNP-PLE上のDNPを認識する能力を有するか否かの確認
MDA-MB-231(腺癌)細胞を5μMのDNP-PLEまたは1μMのDNP-PLEとともに一晩インキュベートしてDNP-PLEを担持させるか、あるいはDNP-PLEを担持させずに一晩インキュベートした後、これらの細胞を洗浄し、共焦点顕微鏡により画像を取得して、細胞のどこにDNP-PLEが組み込まれたのかを調べた。細胞核はDAPIで染色した(i)。細胞表面はコムギ胚芽凝集素(WGA)で染色した(ii)。
図12Bで確認したように、DNPは蛍光を持たないため、DNP部分はAlexa Fluor 488標識抗DNP抗体で染色した(iii)。(iii)において、抗DNP抗体の蛍光が観察され、DNP-PLEが細胞表面全体に組み込まれていることが確認された(
図12C、
図12D)。抗体がDNP部分に結合できたことから、DNP部分が結合によりアクセス可能であることが、これらの画像から示された。
図12Cの画像は
図12Dよりも明るく、これは、細胞表面に露出したDNPの量と相関している。
図12Aは、MDA-MB-231親細胞のみのコントロール画像を示し、画像中に染色が見られないことから分かるように、抗DNP抗体は細胞に結合することができず、すなわち、細胞表面にDNPが存在しないため、抗DNP抗体によって染色できなかった。
図12A~
図12Dの左側の画像は、各図の(i)~(iv)の画像をすべて重ね合わせた共焦点画像を示す。重ね合わせた共焦点画像の右側には、この共焦点画像を構成する各層(核(i)、細胞表面(ii)およびDNP-PLE(iii))のグレースケール画像を示す。
【0259】
したがって、抗DNP CAR細胞が、細胞表面に担持されたDNP-PLE上のDNPを認識する能力を有することが確認された。
【0260】
実施例9-細胞上に担持されたハプテンの細胞外からのアクセシビリティの確認および細胞膜にPLEが担持されたことの確認
図13Aは、抗DNP CARを発現させるための、長いスペーサーを有する第2世代CARカセットの概略図を示す。このカセットには、メトトレキサートによるCAR陽性細胞の選択を可能にする二重変異ジヒドロ葉酸レダクターゼをコードする遺伝子と、CAR陽性に相関する表面マーカーであるEGFRtをコードする遺伝子が含まれている。
【0261】
図13Aに示したプラスミドをH9細胞(CD4+CD3+皮膚Tリンパ球)に形質導入し、純粋な抗DNP CAR集団をメトトレキサートで選択した。表面マーカーであるEGFRtを染色して、抗DNP CAR H9細胞の純度を測定した。細胞染色後にフローサイトメトリーで分析したところ、フローサイトメトリープロットにおいて、抗DNP CAR H9集団を示す陽性率が92%であることが示された。
【0262】
MDA-MB-231(腺癌)細胞を5μMのDNP-PLEとインキュベートしてDNP-PLEを担持させるか、DNP-PLEを担持させずにインキュベートした後、これらの細胞を洗浄し、抗DNP CARを発現させた純粋なH9細胞集団と共培養し、共焦点顕微鏡により画像を取得して、細胞表面に露出したDNPと抗DNP CARの間で認識が行われるか否かを調べた(
図13Cおよび
図13D)。この実験では2つの群を使用し、すなわち抗DNP CAR発現H9細胞と共培養したMDA-MB-231細胞(
図13C)と、5μMのDNP-PLEの担持後、抗DNP CAR発現H9細胞と共培養したMDA-MB-231細胞(
図13D)を使用した。細胞核はDAPIで染色した(i)。細胞表面はコムギ胚芽凝集素(WGA)で染色した(ii)。DNPは蛍光を持たないため、DNP部分はAlexa Fluor 488標識抗DNP抗体で染色した((iii)および(iv))。MDA-MB-231細胞とCAR H9細胞を判別するため、抗CD3抗体でCAR H9細胞を染色した(赤色)。各カラー画像の下に、この重ね合わせた共焦点画像を構成する各層(核(i)、細胞表面(ii)、DNP-PLE(iii)および抗DNP CAR発現H9細胞(iv))のグレースケール画像を示す。
図13Cは、標的とエフェクターの間で結合が起こっていないことを示している。
図13Dは、標的とエフェクターの間における相互作用を示している。
図13Cの左上の画像は、この図の(i)~(iv)の画像をすべて重ね合わせた共焦点画像を示す。
図13Dの左上の画像は、この図の(i)~(iv)の画像をすべて重ね合わせた共焦点画像を示す。これらの画像から、細胞間のシナプス形成が示され、したがって、標的細胞の表面に露出したDNPが抗DNP CARによって認識されたことが確認された。これは、
図13Dの(iv)で明確に示されており、この画像では、シナプスが標的細胞にまで伸長していることが観察される。
【0263】
したがって、細胞上に担持されたハプテンの細胞外からのアクセシビリティと、細胞膜にPLEが担持されていることが確認できた。実験データから、抗DNP CARが作製できたことと、この抗DNP抗体を使用して細胞表面上のDNPにアクセス可能であったことが示され、したがって、細胞表面に露出したDNPに抗DNP CARが結合できることが示された。
【0264】
実施例10-インビトロにおける様々な標的および非自家T-APCに対するCD19 CAR形質導入T細胞によるサイトカインの産生
CD19 CAR T細胞の活性化の誘導と特異的サイトカインの産生の間の相関性に関するデータを示す。サイトカインの産生を分析するため、純粋なCD8+CD19 CAR T細胞集団またはCD8+mock T細胞集団[これらの細胞はCD3/CD28マイクロビーズで刺激し、急速拡大培養法を実施した8日後に使用した](エフェクター)と、CD19特異的標的細胞群を2:1の比率で播種し、24時間インキュベートした。標的細胞として、K562親細胞(陰性コントロール)、K562 OKT3細胞(陽性コントロール)、K562 CD19細胞、および臨床材料から作製した、切断型CD19(CD19t)を有する非自家CD4+/CD8+混合形質導入抗原提示細胞(T-APC)(陽性標的細胞、実施例11で使用したのと同じ標的)を使用した。上清中のサイトカインの有無を分析した。BioPlexアッセイを実施して、IL-2、TNF-αおよびIFN-γの産生量を測定した。非自家CD4/CD8 T-APCを含むいずれのCD19特異的標的細胞と共培養した場合も、CD19 CAR T細胞から顕著な量のサイトカインが産生された。CD19を発現していないK562親細胞株では、サイトカインの産生は検出されなかった。この実験から、特異的サイトカインが産生されたことが示され、したがって、非自家T-APCによりCD19 CAR T細胞を活性化できることが示された。
【0265】
したがって、非自家T-APCによる活性化により、CD19 CAR形質導入T細胞からサイトカインが産生されたことが確認された。
【0266】
実施例11-インビトロにおける自家T-APCの活性化
切断型CD19(CD19t)を形質導入することにより臨床材料から作製したCD4+/CD8+混合抗原提示細胞(T-APC)を染色し、フローサイトメトリーで分析して、細胞表面におけるCD19tと切断型EGFR(EGFRt)の発現を分析した。CD19t T-APCは、CD19tの陽性率が63%であり、予想したとおり、EGFRtが発現されていないことから、CAR陰性であることが実証された(
図15A)。形質導入した自家CD4+CD19 CAR T細胞および形質導入した自家CD8+CD19 CAR T細胞を臨床材料から作製し、rhIL-2およびrhIL-15の存在下において、フィーダー細胞とT細胞の比率を7:1として、放射線照射したCD19
+フィーダー細胞(TM-LCL)で刺激しながら急速拡大培養法(REP)により拡大培養した。拡大増殖培養の7日目に、細胞を染色して、フローサイトメトリーによりEGFRtの発現を調べた。形質導入CD4+CD19 CAR T細胞および形質導入CD8+CD19 CAR T細胞はいずれも、CARの発現と相関するEGFRt発現の陽性率が99.9%であった(
図15B)。
【0267】
拡大増殖培養の7日目に、エフェクター細胞と標的細胞を2:1の比率で24時間共培養した後、バイオ・ラッド社により製造されたBio-Plexアッセイキットを使用して、CD19t T-APC(
図15A)ならびにCD4+CD19 CAR T細胞およびCD8+CD19 CAR T細胞(
図15B)の上清を評価することによりサイトカインの産生を調べた。CD4+CD19 CAR T細胞、CD8+CD19 CAR T細胞およびCD4+/CD8+CD19t T-APCは、それぞれ、CD19t T-APC、K562-CD19+細胞(CD19を発現するように改変したK562親細胞)、K562-OKT3細胞(汎用陽性コントロールとして使用できるように、アゴニストであるOKT3 scFvを発現するように改変したK562親細胞)またはK562親細胞(陰性標的細胞)と24時間共培養した。上清を回収し、サイトカインの有無の分析まで凍結保存した(
図15C)。Bio-Plexアッセイを行ったところ、CD4+CD19 CAR T細胞およびCD8+CD19 CAR T細胞は、K562 CD19+細胞、CD19t T-APCまたはK562 OKT3陽性コントロール細胞株の存在下でのみ、サイトカインを産生することができたことから、抗CD19特異的にサイトカインを産生することが示された。予想したとおり、CD4+/CD8+T-APCは、K562 OKT3細胞株の存在下でのみ、サイトカインを産生することができる。CD4+CD19 CAR T細胞またはCD8+CD19 CAR T細胞とCD19t T-APCとの共培養では、サイトカインの産生量は少ないが、この共培養により、自家CD19 CAR T細胞が有意に活性化されて、大きな臨床的成果が得られる(実施例13および
図17A~
図17D参照)。
【0268】
これらのデータから、インビトロにおいて自家T-APCを活性化できたことが示された。
【0269】
実施例12-インビトロにおける自家ハプテン-APCの活性化
5μMのFL-PLEの存在下または非存在下において、K562白血病細胞(
図16A)または初代CD8+T細胞(
図16B)を一晩インキュベートし、フローサイトメトリーで蛍光を測定した。フローサイトメトリー分析によりフルオレセイン陽性が示されたことから、ハプテンであるフルオレセインの細胞への担持に成功したことが示された。FL-PLE担持細胞が、抗FL CAR T細胞を活性化する能力をサイトカイン放出アッセイで測定した(
図16C)。自家抗FL CAR CD4+エフェクターT細胞または初代自家CD8+T細胞とFL-PLE担持細胞群を24時間共培養し、グラフに示したサイトカインの有無について上清を分析した。自家CD8+T細胞および自家抗FL CAR CD4+T細胞は、CD3/CD28マイクロビーズで刺激し、拡大培養法を2回実施した21日後に実験に使用した。抗FL CAR T細胞は、いずれのFL-PLE担持K562 細胞と共培養した場合も、FL-PLEを担持させた自家CD8+細胞(H-APC)と共培養した場合も、サイトカインを産生した。予想したとおり、FL-PLEを担持していないK562親細胞株やCAR発現を欠くCD8+T細胞との共培養では、サイトカインの産生は検出されず、陽性コントロール細胞株であるK562 OKT3+細胞(非CAR発現、TCRを介した活性化)と共培養した場合はサイトカインが産生された。サイトカインの産生量は、インビトロにおいて形質導入APC(T-APC)を使用した場合の産生量(
図15A~
図15C)と同程度であり、患者において有効であることが示された(実施例13および
図17A~
図17D参照)。
【0270】
H-APCは、(たとえば臨床試験や治療の際に)動物モデルおよび臨床での対象/患者において、インビボのT-APCと同等の有効性を示すと考えられる。
【0271】
これらのデータから、インビトロにおいて自家ハプテン-APCを活性化できたことが示された。
【0272】
実施例13-末梢血中におけるCAR T細胞の持続性
2人の小児急性リンパ性白血病(ALL)患者にT-APCを連続投与し、これらの患者の末梢血中におけるCAR T細胞の持続性を調べた。リンパ球の割合(%)(
図17A)または細胞密度(個/μl)(
図17B)で値を示す。0日目に、CD19 CAR T細胞を患者に注入し(白色の逆三角形)、CARの形質導入マーカーであるEGFRtの細胞表面染色(黒色の丸)によりCAR T細胞の持続性を縦断的にモニターした(
図17Aおよび
図17B)。ALL細胞の量は、CD19+B細胞(白色の菱形)の染色によりモニターした。0日目に、モニター用の細胞表面マーカーEGFRt(黒色の丸)を含むCD19 CAR T細胞を患者に投与した。ALL細胞は10日目までに検出不能な量にまで急速に退縮した。末梢血中のCD19
+B細胞は、10日目(C1.D10)までに検出することができなくなり、これはCAR T細胞が急速に生着したことによるものと考えられた。CAR T細胞の持続性は、10日目以降から徐々に低下した。CAR T細胞の持続性は、十分に高いレベルではなかったため、持続性を高めるために、グラフに示した時点(黒色の逆三角形)において形質導入抗原提示細胞(T-APC)を患者に連続投与した。このT-APCは、CD19表面抗原を発現するように遺伝子組換えした自家T細胞である。CAR T細胞の標的であるCD19表面タンパク質を発現する自家形質導入抗原提示T細胞(T-APC)を患者に投与した。このT-APCは、CD19+B細胞には存在しないCD3抗原を発現することから、これらの2つのCD19+集団を区別することができる。この患者には、T-APCの注入を5回行った。各回のT-APCを投与後、CAR T細胞が拡大増殖し、これによりALLの再燃が防がれた。CD19
+T-APCを経時的にモニターし(半分黒塗りの四角形)、CD3の発現によりCD19+B細胞と区別した。各回のT-APCの注入後にCD19 CAR T細胞の一時的な拡大増殖が観察され、これは長期にわたってCD19+B細胞が形成されなかったことと相関していると見られた。
図17Bに示した患者から得た末梢血を分析したマルチパラメーターフローサイトメトリーの一例では、2回目のT-APCの投与後1日目にCD19+T-APCが検出されたことが示され(
図17C)、3回目のT-APCの投与後14日目の末梢血中においてEGFR+CAR T細胞が検出されたことが示されている(
図17D)。
【0273】
これらのデータから、患者の末梢血中でCAR T細胞が生存を維持することが示された。
【0274】
本明細書で使用されている「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」、「含む(containing)」または「特徴とする(characterized by)」という用語と同義であるとともに、オープンエンドで包括的な意味であり、本明細書には記載されていないさらなる要素や工程を除外するものではない。
【0275】
前述の説明は、本発明のいくつかの方法および材料を開示するものである。本発明の方法および材料は、変更することができ、製造方法および器具も変更することができる。このような変更は、本明細書に開示された本発明の実施または本開示を考慮に入れて、当業者であれば容易に理解することができる。したがって、本発明は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されず、本発明の真の範囲および要旨において可能なあらゆる変更およびその他の態様を包含する。
【0276】
本明細書において引用された公開特許出願、非公開特許出願、特許および学術文献を含む(ただしこれらに限定されない)すべての参考文献は、引用によりその全体が本明細書に援用され、本明細書の一部を構成する。参照によって援用された文献、特許または特許出願が本明細書の開示内容と矛盾する場合、このような矛盾事項よりも本明細書の記載が採用および/または優先される。
【0277】
本発明は、以下の発明を含む。
[1]キメラ抗原受容体(CAR)T細胞の拡大増殖を誘導する方法であって、ハプテン抗原提示細胞(H-APC)とともにCAR T細胞をインキュベートし、該H-APCに結合されたハプテンに該CAR T細胞のCARを特異的に結合させる工程を含む方法。
[2]前記CAR T細胞および前記H-APCが、ヒト、家庭内動物、家畜動物などの単一の対象に由来するものである、前記[1]に記載の方法。
[3]対象におけるがんを治療、抑制または緩和する方法であって、がんの腫瘍特異的抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体(CAR)を有するCAR T細胞の有効量を、ヒト、家庭内動物、家畜動物などの対象に投与する工程;およびハプテン抗原提示細胞(H-APC)とともに前記CAR T細胞をインキュベートし、該H-APCに結合されたハプテンに該CAR T細胞のCARを特異的に結合させることによって、該CAR T細胞の拡大増殖を誘導する工程を含む方法。
[4]前記CAR T細胞および前記H-APCが、前記対象に由来するものである、前記[3]に記載の方法。
[5]前記CAR T細胞が二重特異性CARを含む、前記[1]~[4]のいずれか1項に記載の方法。
[6]前記CAR T細胞が2種以上のCARを含む、前記[1]~[5]のいずれか1項に記載の方法。
[7]前記CAR T細胞が、腫瘍特異的抗原に特異的に結合することができる第1のリガンド結合ドメインと、前記ハプテンに特異的に結合することができる第2のリガンド結合ドメインとを含む、前記[1]~[6]のいずれか1項に記載の方法。
[8]前記CAR T細胞が単一特異性CARを含む、前記[1]~[4]のいずれか1項に記載の方法。
[9]前記CARが、腫瘍特異的抗原と前記ハプテンに特異的に結合することができる単一のリガンド結合ドメインを含む、前記[8]に記載の方法。
[10]前記インキュベーションがインビトロで行われる、前記[1]~[9]のいずれか1項に記載の方法。
[11]前記インキュベーションがインビボで行われる、前記[1]~[9]のいずれか1項に記載の方法。
[12]前記CARが腫瘍特異的抗原に特異的に結合する、前記[1]~[11]のいずれか1項に記載の方法。
[13]前記腫瘍特異的抗原が、CD19、CD22、HER2、CD7、CD30、B細胞成熟抗原(BCMA)、GD2、グリピカン3、MUC1、CD70、CD33、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮成長因子バリアントIII、受容体型チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、CD123、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、CD5、ルイスY抗原、B7H3、CD20、CD43、HSP90およびIL13からなる群から選択される、前記[12]に記載の方法。
[14]前記ハプテンが、表1に記載のハプテンから選択されるか、リガンド結合ドメインが、表1に記載のハプテンに対する抗体、表2に記載の抗体および表3に記載の配列から選択される抗体の結合断片を含むか、CARが、表4に記載の1つ以上の配列を含む、前記[1]~[13]のいずれか1項に記載の方法。
[15]前記ハプテンが、フルオレセイン、ウルシオール、キノン、ビオチンおよびジニトロフェノールならびに/またはこれらの誘導体から選択される、前記[1]~[14]のいずれか1項に記載の方法。
[16]前記ハプテンが、フルオレセインおよびジニトロフェノールならびに/またはこれらの誘導体から選択される、前記[1]~[15]のいずれか1項に記載の方法。
[17]前記ハプテンが、前記H-APCの細胞外表面に共有結合されている、前記[1]~[16]のいずれか1項に記載の方法。
[18]前記ハプテンが、エーテルリン脂質(PLE)を介して前記H-APCに結合されている、前記[1]~[17]のいずれか1項に記載の方法。
[19]前記CAR T細胞が、CD4+細胞またはCD8+細胞に由来するものである、前記[1]~[18]のいずれか1項に記載の方法。
[20]前記CD8+細胞が、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択されるCD8+細胞傷害性Tリンパ球である、前記[19]に記載の方法。
[21]前記CD8+細胞が、CD8+細胞傷害性Tリンパ球であり、該CD8+細胞傷害性Tリンパ球が、セントラルメモリーT細胞であり、該セントラルメモリーT細胞が、CD45RO+、CD62L+およびCD8+である、前記[19]に記載の方法。
[22]前記CD4+細胞が、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるCD4+ヘルパーTリンパ球である、前記[19]に記載の方法。
[23]前記CD4+ヘルパーリンパ球が、ナイーブCD4+T細胞であり、該ナイーブCD4+T細胞が、CD45RA+、CD62L+およびCD4+であり、かつCD45RO-である、前記[19]に記載の方法。
[24]前記CAR T細胞が、前駆T細胞に由来するものである、前記[1]~[23]のいずれか1項に記載の方法。
[25]前記CAR T細胞が、造血幹細胞に由来するものである、前記[1]~[24]のいずれか1項に記載の方法。
[26]前記H-APCが、T細胞およびB細胞からなる群から選択される細胞に由来するものである、前記[1]~[25]のいずれか1項に記載の方法。
[27]前記対象が、ヒト、家庭内動物、家畜動物などの哺乳動物である、前記[2]~[26]のいずれか1項に記載の方法。
[28]前記対象がヒトである、前記[27]に記載の方法。
[29]第1のキメラ抗原受容体および第2のキメラ抗原受容体をコードする1つ以上の核酸を含む組成物であって、前記1つ以上の核酸が、第1のキメラ抗原受容体(CAR)をコードする第1の配列と、第2のキメラ抗原受容体(CAR)をコードする第2の配列とを含み、第1のキメラ抗原受容体が、腫瘍抗原に特異的な第1のリガンド結合ドメイン、第1のポリペプチドスペーサー、第1の膜貫通ドメインおよび第1の細胞内シグナル伝達ドメインを含み、第2のキメラ抗原受容体が、ハプテンに特異的な第2のリガンド結合ドメイン、第2のポリペプチドスペーサー、第2の膜貫通ドメインおよび第2の細胞内シグナル伝達ドメインを含む、組成物。
[30]第1のリガンド結合ドメインが、CD19、CD22、HER2、CD7、CD30、B細胞成熟抗原(BCMA)、GD2、グリピカン3、MUC1、CD70、CD33、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮成長因子バリアントIII、受容体型チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、CD123、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、CD5、ルイスY抗原、B7H3、CD20、CD43、HSP90およびIL13からなる群から選択される抗原に特異的に結合する、前記[29]に記載の組成物。
[31]前記ハプテンが、表1に記載のハプテンから選択されるか、リガンド結合ドメインが、表1に記載のハプテンに対する抗体、表2に記載の抗体および表3に記載の配列から選択される抗体の結合断片を含むか、CARが、表4に記載の1つ以上の配列を含む、前記[29]または[30]に記載の組成物。
[32]前記ハプテンが、フルオレセイン、ウルシオール、キノン、ビオチンおよびジニトロフェノールならびに/またはこれらの誘導体から選択される、前記[29]~[31]のいずれか1項に記載の組成物。
[33]前記ハプテンが、フルオレセインおよびジニトロフェノールならびに/またはこれらの誘導体から選択される、前記[29]~[32]のいずれか1項に記載の組成物。
[34]第1のリガンド結合ドメインおよび/または第2のリガンド結合ドメインが、抗体もしくはその結合断片またはscFvを含む、前記[29]~[33]のいずれか1項に記載の組成物。
[35]第2のリガンド結合ドメインが、表1に記載のハプテンに対する抗体、表2に記載の抗体および表3に記載の配列から選択される抗体の結合断片を含むか、CARが、表4に記載の1つ以上の配列を含む、前記[29]~[33]のいずれか1項に記載の組成物。
[36]第1のポリペプチドスペーサーおよび/または第2のポリペプチドスペーサーが、1~24アミノ酸長、25~50アミノ酸長、51~75アミノ酸長、76~100アミノ酸長、101~125アミノ酸長、126~150アミノ酸長、151~175アミノ酸長、176~200アミノ酸長、201~225アミノ酸長、226~250アミノ酸長または251~275アミノ酸長である、前記[29]~[35]のいずれか1項に記載の組成物。
[37]前記核酸が、リーダー配列をさらに含む、前記[29]~[36]のいずれか1項に記載の組成物。
[38]第1の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または第2の細胞内シグナル伝達ドメインが、CD27、CD28、4-1BB、OX40、CD30、CD40、ICOS、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2CもしくはB7-H3;またはCD83の細胞質内ドメインおよび/もしくはCD3ζの細胞質内ドメインに特異的に結合するリガンドを含む、前記[29]~[37]のいずれか1項に記載の組成物。
[39]前記細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3ζの一部と4-1BBの一部を含む、前記[38]に記載の組成物。
[40]マーカー配列をコードする配列をさらに含む、前記[29]~[39]のいずれか1項に記載の組成物。
[41]前記マーカーが、EGFRt、Her2tGおよびCD19tからなる群から選択される、前記[40]に記載の組成物。
[42]第1の膜貫通ドメインおよび/または第2の膜貫通ドメインが、CD28の膜貫通ドメインを含む、前記[29]~[41]のいずれか1項に記載の組成物。
[43]前記1つ以上の核酸が、切断可能なリンカーをコードする配列をさらに含む、前記[29]~[42]のいずれか1項に記載の組成物。
[44]前記リンカーが、リボソームスキップ配列である、前記[43]に記載の組成物。
[45]前記リボソームスキップ配列が、P2A配列、T2A配列、E2A配列またはF2A配列である、前記[44]に記載の組成物。
[46]前記[29]~[45]のいずれか1項に記載の組成物を含むベクター。
[47]第1のキメラ抗原受容体および第2のキメラ抗原受容体をコードする1つ以上の核酸を含む組成物であって、第1のキメラ抗原受容体(CAR)をコードする第1の配列を含む第1の核酸と、第2のキメラ抗原受容体(CAR)をコードする第2の配列を含む第2の核酸とを含み、第1のキメラ抗原受容体が、腫瘍抗原に特異的な第1のリガンド結合ドメイン、第1のポリペプチドスペーサー、第1の膜貫通ドメインおよび第1の細胞内シグナル伝達ドメインを含み、第2のキメラ抗原受容体が、ハプテンに特異的な第2のリガンド結合ドメイン、第2のポリペプチドスペーサー、第2の膜貫通ドメインおよび第2の細胞内シグナル伝達ドメインを含む、組成物。
[48]第1のリガンド結合ドメインが、CD19、CD22、HER2、CD7、CD30、B細胞成熟抗原(BCMA)、GD2、グリピカン3、MUC1、CD70、CD33、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮成長因子バリアントIII、受容体型チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、CD123、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、CD5、ルイスY抗原、B7H3、CD20、CD43、HSP90およびIL13からなる群から選択される抗原に特異的に結合する、前記[47]に記載の組成物。
[49]前記ハプテンが、表1に記載のハプテンから選択されるか、リガンド結合ドメインが、表1に記載のハプテンに対する抗体、表2に記載の抗体および表3に記載の配列から選択される抗体の結合断片を含むか、CARが、表4に記載の1つ以上の配列を含む、前記[47]または[48]に記載の組成物。
[50]前記ハプテンが、フルオレセイン、ウルシオール、キノン、ビオチンおよびジニトロフェノールならびに/またはこれらの誘導体から選択される、前記[47]または[48]に記載の組成物。
[51]前記ハプテンが、フルオレセインおよびジニトロフェノールならびに/またはこれらの誘導体から選択される、前記[47]または[48]に記載の組成物。
[52]第1のリガンド結合ドメインおよび/または第2のリガンド結合ドメインが、抗体もしくはその結合断片またはscFvを含む、前記[47]~[50]のいずれか1項に記載の組成物。
[53]第2のリガンド結合ドメインが、表1に記載のハプテンに対する抗体、表2に記載の抗体および表3に記載の配列から選択される抗体の結合断片を含むか、CARが、表4に記載の1つ以上の配列を含む、前記[47]~[51]のいずれか1項に記載の組成物。
[54]第1のポリペプチドスペーサーおよび/または第2のポリペプチドスペーサーが、1~24アミノ酸長、25~50アミノ酸長、51~75アミノ酸長、76~100アミノ酸長、101~125アミノ酸長、126~150アミノ酸長、151~175アミノ酸長、176~200アミノ酸長、201~225アミノ酸長、226~250アミノ酸長または251~275アミノ酸長である、前記[47]~[53]のいずれか1項に記載の組成物。
[55]前記1つ以上の核酸が、リーダー配列をさらに含む、前記[47]~[54]のいずれか1項に記載の組成物。
[56]第1の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または第2の細胞内シグナル伝達ドメインが、CD27、CD28、4-1BB、OX40、CD30、CD40、ICOS、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2CもしくはB7-H3;またはCD83の細胞質内ドメインおよび/もしくはCD3ζの細胞質内ドメインに特異的に結合するリガンドを含む、前記[47]~[55]のいずれか1項に記載の組成物。
[57]前記細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3ζの一部と4-1BBの一部を含む、前記[56]に記載の組成物。
[58]マーカー配列をコードする配列をさらに含む、前記[47]~[57]のいずれか1項に記載の組成物。
[59]前記マーカーが、EGFRt、Her2tGおよびCD19tからなる群から選択される、前記[58]に記載の組成物。
[60]第1の膜貫通ドメインおよび/または第2の膜貫通ドメインが、CD28の膜貫通ドメインを含む、前記[47]~[59]のいずれか1項に記載の組成物。
[61]前記核酸が、切断可能なリンカーをコードする配列をさらに含む、前記[47]~[60]のいずれか1項に記載の組成物。
[62]前記リンカーが、リボソームスキップ配列である、前記[61]に記載の組成物。
[63]前記リボソームスキップ配列が、P2A配列、T2A配列、E2A配列またはF2A配列である、前記[62]に記載の組成物。
[64]前記[47]~[63]のいずれか1項に記載の1つ以上の核酸を含む複数(2つなど)のベクター。
[65]二重特異性キメラ抗原受容体(CAR)をコードする1つ以上の核酸を含む組成物であって、前記1つ以上の核酸が、腫瘍抗原に特異的な第1のリガンド結合ドメイン、グリシン-セリンリンカー、ハプテンに特異的な第2のリガンド結合ドメイン、ポリペプチドスペーサー、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインをコードする配列を含む、組成物。
[66]第1のリガンド結合ドメインが、CD19、CD22、HER2、CD7、CD30、B細胞成熟抗原(BCMA)、GD2、グリピカン3、MUC1、CD70、CD33、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮成長因子バリアントIII、受容体型チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、CD123、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、CD5、ルイスY抗原、B7H3、CD20、CD43、HSP90およびIL13からなる群から選択される抗原に特異的に結合する、前記[65]に記載の組成物。
[67]前記ハプテンが、表1に記載のハプテンから選択されるか、リガンド結合ドメインが、表1に記載のハプテンに対する抗体、表2に記載の抗体および表3に記載の配列から選択される抗体の結合断片を含むか、CARが、表4に記載の1つ以上の配列を含む、前記[65]または[66]に記載の組成物。
[68]前記ハプテンが、フルオレセイン、ウルシオール、キノン、ビオチンおよびジニトロフェノールならびに/またはこれらの誘導体から選択される、前記[65]~[67]のいずれか1項に記載の組成物。
[69]前記ハプテンが、フルオレセインおよびジニトロフェノールならびに/またはこれらの誘導体から選択される、前記[65]~[67]のいずれか1項に記載の組成物。
[70]第1のリガンド結合ドメインおよび/または第2のリガンド結合ドメインが、抗体もしくはその結合断片またはscFvを含む、前記[65]~[68]のいずれか1項に記載の組成物。
[71]第2のリガンド結合ドメインが、表1に記載のハプテンに対する抗体、表2に記載の抗体および表3に記載の配列から選択される抗体の結合断片を含むか、CARが、表4に記載の1つ以上の配列を含む、前記[65]~[69]のいずれか1項に記載の組成物。
[72]第1のポリペプチドスペーサーおよび/または第2のポリペプチドスペーサーが、1~24アミノ酸長、25~50アミノ酸長、51~75アミノ酸長、76~100アミノ酸長、101~125アミノ酸長、126~150アミノ酸長、151~175アミノ酸長、176~200アミノ酸長、201~225アミノ酸長、226~250アミノ酸長または251~275アミノ酸長である、前記[65]~[71]のいずれか1項に記載の組成物。
[73]前記1つ以上の核酸がリーダー配列をさらに含む、前記[65]~[72]のいずれか1項に記載の組成物。
[74]前記細胞内シグナル伝達ドメインが、CD27、CD28、4-1BB、OX40、CD30、CD40、ICOS、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2CもしくはB7-H3;またはCD83の細胞質内ドメインおよび/もしくはCD3ζの細胞質内ドメインに特異的に結合するリガンドを含む、前記[65]~[73]のいずれか1項に記載の組成物。
[75]前記細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3ζの一部と4-1BBの一部を含む、前記[74]に記載の組成物。
[76]マーカー配列をコードする配列をさらに含む、前記[65]~[75]のいずれか1項に記載の組成物。
[77]前記マーカーが、EGFRt、Her2tGおよびCD19tからなる群から選択される、前記[76]に記載の組成物。
[78]前記膜貫通ドメインが、CD28の膜貫通ドメインを含む、前記[65]~[77]のいずれか1項に記載の組成物。
[79]前記[65]~[78]のいずれか1項に記載の1つ以上の核酸を含む、二重特異性CAR発現用ベクター。
[80]前記[65]~[78]のいずれか1項に記載の1つ以上の核酸または前記[79]に記載のベクターによりコードされる二重特異性キメラ抗原受容体。
[81]前記[29]~[45]、[47]~[63]および[65]~[47]のいずれか1項に記載の1つ以上の核酸、前記[46]、[64]または[79]に記載の1つ以上のベクター、または前記[80]に記載の二重特異性キメラ抗原受容体を含む細胞。
[82]ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択されるCD8+細胞傷害性Tリンパ球である、前記[81]に記載の細胞。
[83]前記CD8+細胞傷害性Tリンパ球が、セントラルメモリーT細胞であり、該セントラルメモリーT細胞が、CD45RO+、CD62L+およびCD8+である、前記[82]に記載の細胞。
[84]ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるCD4+ヘルパーTリンパ球である、前記[81]に記載の細胞。
[85]前記細胞がナイーブCD4+T細胞であり、該ナイーブCD4+T細胞が、CD45RA+、CD62L+およびCD4+であり、かつCD45RO-である、前記[84]に記載の細胞。
[86]前駆T細胞である、前記[81]に記載の細胞。
[87]前記細胞が造血幹細胞である、前記[81]に記載の方法。
[88]ハプテンに特異的な第1のキメラ抗原受容体と、腫瘍抗原に特異的な第2のキメラ抗原受容体とを発現する細胞を作製する方法であって、第1のキメラ抗原受容体および第2のキメラ抗原受容体が発現される条件下において、前記[29]~[45]および[47]~[63]のいずれか1項に記載の1つ以上の核酸、または前記[46]または[64]に記載の1つ以上のベクターを細胞に導入する工程を含む方法。
[89]前記細胞が、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択されるCD8+細胞傷害性Tリンパ球である、前記[88]に記載の方法。
[90]前記CD8+細胞傷害性Tリンパ球が、セントラルメモリーT細胞であり、該セントラルメモリーT細胞が、CD45RO+、CD62L+およびCD8+である、前記[89]に記載の方法。
[91]前記細胞が、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるCD4+ヘルパーTリンパ球である、前記[88]に記載の方法。
[92]前記CD4+ヘルパーリンパ球が、ナイーブCD4+T細胞であり、該ナイーブCD4+T細胞が、CD45RA+、CD62L+およびCD4+であり、かつCD45RO-である、前記[91]に記載の方法。
[93]前記細胞が前駆T細胞である、前記[88]に記載の方法。
[94]前記細胞が造血幹細胞である、前記[88]に記載の方法。
[95]ハプテンと腫瘍抗原に特異的な二重特異性キメラ抗原受容体を発現する細胞を作製する方法であって、第1のキメラ抗原受容体および第2のキメラ抗原受容体が発現される条件下において、前記[65]~[78]のいずれか1項に記載の1つ以上の核酸、または前記[79]に記載の1つ以上のベクターを細胞に導入する工程を含む方法。
[96]前記細胞が、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択されるCD8+細胞傷害性Tリンパ球である、前記[95]に記載の方法。
[97]前記CD8+細胞傷害性Tリンパ球が、セントラルメモリーT細胞であり、該セントラルメモリーT細胞が、CD45RO+、CD62L+およびCD8+である、前記[96]に記載の方法。
[98]前記細胞が、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるCD4+ヘルパーTリンパ球である、前記[88]に記載の方法。
[99]前記CD4+ヘルパーリンパ球が、ナイーブCD4+T細胞であり、該ナイーブCD4+T細胞が、CD45RA+、CD62L+およびCD4+であり、かつCD45RO-である、前記[91]に記載の方法。
[100]前記細胞が前駆T細胞である、前記[88]に記載の方法。
[101]前記細胞が造血幹細胞である、前記[88]に記載の方法。
[102]がんなどの疾患を有する対象において、キメラ抗原受容体(CAR)を有するT細胞を刺激または再刺激する方法であって、ヒト、家庭内動物、家畜動物などの対象に、前記[81]~[87]のいずれか1項に記載の細胞を提供する工程;前記対象において前記疾患の抑制をモニターする工程;およびハプテン抗原提示細胞(H-APC)を前記対象に提供する工程を含み、前記対象が、前記疾患に関連する抗原(腫瘍抗原など)に特異的な受容体を有するCAR T細胞を利用したCAR T細胞療法を施すために選択された対象であってもよい、方法。
[103]前記H-APCが、エクスビボにおいて前記対象の健常細胞をハプテンで標識することにより作製された細胞である、前記[102]に記載の方法。
[104]前記ハプテンが、表1に記載のハプテンから選択される、前記[102]または[103]に記載の方法。
[105]前記モニター工程および前記提供工程を繰り返し行う、前記[103]または[104]に記載の方法。
[106]前記対象が、がんを有する、前記[102]~[105]のいずれか1項に記載の方法。
[107]前記がんが固形腫瘍である、前記[106]に記載の方法。
[108]前記対象が、がん療法を施すために選択された対象である、前記[102]~[107]のいずれか1項に記載の方法。
[109]前記対象に、化学療法または放射線療法などの併用療法を行う、前記[102]~[107]のいずれか1項に記載の方法。
[110]エクスビボにおいて、キメラ抗原受容体(CAR)を有するT細胞を刺激または再刺激する方法であって、前記[81]~[87]のいずれか1項に記載の細胞を提供する工程;ハプテン抗原提示細胞(H-APC)またはハプテンを提供する工程;前記細胞を前記H-APC細胞と混合して、活性化細胞を得る工程;および前記活性化細胞を単離する工程を含む方法。
[111]前記ハプテンが、表1に記載のハプテンから選択される、前記[110]に記載の方法。
[112]前記H-APCが、表1に記載のハプテンから選択されたハプテンを含む、前記[110]に記載の方法。
[113]前記活性化細胞の単離が、ハプテンとアフィニティービーズの複合体化によるアフィニティー単離を含む、前記[110]~[112]のいずれか1項に記載の方法。
[114]前記活性化細胞の単離が、EGFRt、CD19tまたはHer2tGとアフィニティービーズの複合体化によるアフィニティー単離を含む、前記[110]~[112]のいずれか1項に記載の方法。