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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138382
(43)【公開日】2024-10-08
(54)【発明の名称】治療用圧迫装置及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/06 20060101AFI20241001BHJP
   A61H 39/04 20060101ALI20241001BHJP
   A61F 13/10 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
A61F13/06 A
A61H39/04 W
A61H39/04 R
A61F13/10 S
【審査請求】有
【請求項の数】31
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024109783
(22)【出願日】2024-07-08
(62)【分割の表示】P 2022169691の分割
【原出願日】2022-10-24
(31)【優先権主張番号】62/378,581
(32)【優先日】2016-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519059007
【氏名又は名称】サン サイエンティフィック、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィクマール、スンダラム
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィクマール、ヴィクラム
(72)【発明者】
【氏名】オズボーン、ガイ
(72)【発明者】
【氏名】ノーラン、ティモシー
(57)【要約】
【課題】肢部に圧迫を加えるための治療用圧迫装置。
【解決手段】近位端及び遠位端を有する主ラップと、近位端及び遠位端を有する副ラップとを備え、副ラップの近位端が、主ラップの遠位端に接続されており、接続されている主ラップ及び副ラップ内に少なくとも1つのブラダが形成されている、治療用圧迫装置。治療用圧迫装置は、さらに、少なくとも1つのブラダを複数の設定されたmmHg値の圧力量に膨張させることが可能な膨張源を備え、膨張源は、主ラップ上の単一の膨張ポートを介して少なくとも1つのブラダに接続され、少なくとも1つのブラダの過剰膨張を防止するように構成された密閉システムを形成している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療用圧迫装置であって、
近位端及び遠位端を有する主ラップと、
近位端及び遠位端を有する副ラップとを備え、
前記副ラップの前記近位端が、前記主ラップの前記遠位端に接続されており、接続されている前記主ラップ及び前記副ラップ内に少なくとも1つのブラダが形成されており、
前記治療用圧迫装置は、さらに、
前記少なくとも1つのブラダを複数の設定されたmmHg値の圧力量に膨張させることが可能な膨張源を備え、
前記膨張源は、前記主ラップ上の単一の膨張ポートを介して前記少なくとも1つのブラダに接続され、前記少なくとも1つのブラダの過剰膨張を防止するように構成された密閉システムを形成しており、
前記膨張源は、スイッチ及び少なくとも2つの逆止弁を含み、前記スイッチは、過剰膨張傘弁を含み、前記過剰膨張傘弁は、部分的に開くことで、前記密閉システムを選択された圧力量に維持しつつ、前記選択された圧力量を上回る過剰な圧力を解放し、前記過剰な圧力が解放されると閉じることにより、前記少なくとも1つのブラダ内の前記選択された圧力量を維持し、
前記単一の膨張ポートが、静的な膨張源及び/又は断続的な膨張源の両方に接続することにより、前記少なくとも1つのブラダが前記膨張源によって膨張されるとき、ユーザーの体の一部に静的圧縮及び/又は断続的圧縮を提供することが可能であり、前記単一の膨張ポートは、前記密閉システムの一部として単一の膨張ポート逆止弁を含み、前記単一の膨張ポート逆止弁は、前記膨張源が取り外されるときに閉じ、前記少なくとも1つのブラダ内の設定された静的圧力を維持するように形成されている、治療用圧迫装置。
【請求項2】
前記主ラップが、(a)使用時に肢部に面して配置されるように構成及び適合された内側シートと、(b)外側シートであって、前記内側シートと前記外側シートとの間に画定された前記ブラダと一緒に前記内側シートに接合された、外側シートと、を含む、請求項1に記載の治療用圧迫装置。
【請求項3】
前記膨張源が、手動ポンプ、手押しポンプ、足押しポンプ、機械式ポンプ、静的ポンプ、間欠ポンプ、可変ポンプ、自動ポンプ、電動ポンプ、電池式ポンプ、空気圧ポンプ、負圧ポンプ、吸引または真空ポンプ、パルスポンプ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の治療用圧迫装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのブラダが、前記膨張源に接続されたときに連続的な勾配圧力を可能にする1つのチャンバを有するように構成されている、請求項1に記載の治療用圧迫装置。
【請求項5】
前記スイッチは、3つの弁を備え、第1の弁、第2の弁、及び第3の弁の間を切り換え可能に構成された三路スイッチであり、前記第1の弁は、前記少なくとも1つのブラダ内で前記ブラダの膨張した状態を作り出す前記膨張源により作り出された圧力を保持することが可能であり、前記第2の弁は、前記少なくとも1つのブラダ内で前記ブラダ内の圧力レベルが前記第1の弁を用いた場合よりも高い場合に、前記少なくとも1つのブラダ内の設定された圧力量を解放することが可能な過剰膨張弁であり、前記第3の弁は、前記少なくとも1つのブラダ内の圧力を解放し、で前記ブラダの完全に収縮した状態を作り出すことが可能である、請求項1に記載の治療用圧迫装置。
【請求項6】
前記膨張源が、リアルタイム圧力測定機構を含む、請求項1に記載の治療用圧迫装置。
【請求項7】
エルボーコネクタと、第2の逆止弁と、ダストキャップとを更に備え、前記ダストキャップは、(a)前記膨張源が前記単一の膨張ポートから取り外されると、前記第2の逆止弁を密閉することにより、前記第2の逆止弁にダストが詰まるのを防止する近位部分と、(b)前記単一の膨張ポートに挿入されると、膨張した前記少なくとも1つのブラダを手動で収縮させる端部を有する遠位部分と、を備えるように構成されている、請求項1に記載の治療用圧迫装置。
【請求項8】
過剰膨張から保護するように、前記少なくとも1つのブラダに動作可能に接続された逆止弁を更に備える、請求項1に記載の治療用圧迫装置。
【請求項9】
前記逆止弁が、所定の圧力で解放するように設定されている、請求項8に記載の治療用圧迫装置。
【請求項10】
前記逆止弁が、使用者選択可能な圧力において解放するように構成されている、請求項8に記載の治療用圧迫装置。
【請求項11】
収縮のために前記少なくとも1つのブラダに動作可能に接続された通気弁を更に備える、請求項8に記載の治療用圧迫装置。
【請求項12】
面止め具、VELCRO(登録商標)、バックル、ストラップ、ボタン、スナップ、ジッパー、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも2つの締結具を更に備え、前記締結具が、下腕治療用圧迫器具や上腕治療用圧迫器具といった少なくとも2つの治療用圧迫装置を一緒に接続することができる、請求項1に記載の治療用圧迫装置。
【請求項13】
人体の脚部及び足部に圧力を加えるための治療用圧迫装置であって、
脚部ブラダ及び足部ブラダを有するラップと、
膨張によって内部に入る流体を収容する第1の膨張可能なチャンバを有する前記足部ブラダと、
膨張によって内部に入る前記流体を収容する第2の膨張可能なチャンバを有する前記脚部ブラダと、
前記脚部ブラダを前記人体の前記脚部上に固定するための第1の手段と、
前記足部ブラダを前記人体の足部上に固定するための第2の手段と、
前記足部ブラダ及び前記脚部ブラダを流体的に結合する流体導管であって、流体が、前記流体導管を通って前記足部ブラダから前記脚部ブラダに、かつ前記流体導管を通って前記脚部ブラダから前記足部ブラダに移動することができるようになっている、流体導管と、
前記足部ブラダ及び前記脚部ブラダを複数の設定された圧力量に膨張することが可能な膨張源であって、前記膨張源は、前記脚部ブラダ上の単一の膨張ポートを介して前記脚部ブラダに接続され、前記脚部ブラダの過剰膨張を防止するように構成された密閉システムを構成しており、前記膨張源は、スイッチ及び少なくとも2つの逆止弁を含み、前記スイッチは、過剰膨張傘弁を含み、前記過剰膨張傘弁は、部分的に開くことで、前記密閉システムを選択された圧力量に維持しつつ、前記選択された圧力量を上回る過剰な圧力を解放し、前記過剰な圧力が解放されると閉じることにより、前記足部ブラダ及び前記脚部ブラダ内の前記設定された圧力量を維持する膨張源と、を備え、
前記単一の膨張ポートが、静的な膨張源及び/又は断続的な膨張源の両方に接続することにより、前記脚部ブラダ及び前記足部ブラダが前記膨張源によって膨張されるとき、ユーザーの体の一部に静的圧縮及び/又は断続的圧縮を提供することが可能であり、前記単一の膨張ポートは、前記密閉システムの一部として単一の膨張ポート逆止弁を含み、前記単一の膨張ポート逆止弁は、前記膨張源が取り外されるときに閉じ、前記脚部ブラダ及び前記足部ブラダ内の設定された静的圧力を維持するように形成されている、治療用圧迫装置。
【請求項14】
前記脚部ブラダを固定するための前記第1の手段が、前記脚部ブラダを前記脚部に固定するように前記脚部の周囲に巻き付ける第1の取り付け部材である、請求項13に記載の治療用圧迫装置。
【請求項15】
前記第1の取り付け部材が、前記脚部ブラダに取り付けられた複数のストラップである、請求項14に記載の治療用圧迫装置。
【請求項16】
前記第1の取り付け部材が、前記脚部の周囲、及び前記脚部ブラダの上に巻き付ける可撓性部材であり、前記脚部ブラダが、前記脚部と前記可撓性部材との間に挟まれている、請求項14に記載の治療用圧迫装置。
【請求項17】
前記足部ブラダを固定するための前記第2の手段が、前記足部ブラダを前記足部に固定するように前記足部の周囲に巻き付ける第2の取り付け部材である、請求項13に記載の治療用圧迫装置。
【請求項18】
前記第2の取り付け部材が、前記足部ブラダに取り付けられた複数のストラップである、請求項17に記載の治療用圧迫装置。
【請求項19】
前記複数のストラップが、前記ストラップを前記足部に取り付けるための接着剤又は面止め具を有する、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記足部ブラダが、前記足部のかかとの底部に取り付けられている、請求項13に記載の治療用圧迫装置。
【請求項21】
請求項14に記載の前記第1の取り付け部材が、副空気ブラダを含み、請求項16に記載の前記可撓性部材が、前記脚部の周囲に巻き付ける包囲構成、及び開放された非巻き付け構成を有し、前記副空気ブラダが、前記包囲構成において前記可撓性部材によって支持され、前記副空気ブラダは、前記包囲構成において前記可撓性部材によって支持されたときに圧迫力を前記脚部に加えるように、半径方向の内側に向けられる圧迫力を供給する加圧状態へと膨張することが可能である、請求項14及び16を引用する請求項17に記載の治療用圧迫装置。
【請求項22】
前記流体が、空気、気体、又は液体のいずれかである、請求項13に記載の治療用圧迫装置。
【請求項23】
前記足部ブラダ及び前記脚部ブラダは、前記流体が前記足部ブラダから押し出されるときに、前記脚部ブラダが前記足部に追加の圧力を加えるように配列されている、請求項13に記載の治療用圧迫装置。
【請求項24】
前記追加の圧力が、10~20mmHgの追加の圧力である、請求項23に記載の治療用圧迫装置。
【請求項25】
前記脚部ブラダが、第1の状態で前記脚部に30~40mmHgの圧力を加え、流体が前記足部ブラダから押し出されるときに、前記脚部に50~60mmHgの圧力を加える、請求項24に記載の治療用圧迫装置。
【請求項26】
前記流体導管が、第1の端部及び第2の端部を有し、前記脚部ブラダ及び前記足部ブラダの各々が、前記流体導管の前記第1及び第2の端部のうちの一方を受容するためのノズルを有する、請求項13に記載の治療用圧迫装置。
【請求項27】
前記膨張源が、手動ポンプ、手押しポンプ、足押しポンプ、機械式ポンプ、静的ポンプ、間欠ポンプ、可変ポンプ、自動ポンプ、電動ポンプ、電池式ポンプ、空気圧ポンプ、負圧ポンプ、吸引または真空ポンプ、パルスポンプ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載の治療用圧迫装置。
【請求項28】
前記脚部ブラダ及び前記足部ブラダが、前記膨張源に接続されるときに連続的な勾配圧力を可能にする1つのチャンバを有するように構成されている、請求項13に記載の治療用圧迫装置。
【請求項29】
エルボーコネクタと、第2の逆止弁と、弁帽とを更に備え、前記弁帽が、前記脚部ブラダ及び前記足部ブラダ内の前記膨張源によって作り出された圧力を解放することができる、請求項13に記載の治療用圧迫装置。
【請求項30】
過剰膨張から保護するように、前記脚部ブラダに動作可能に接続された脚部ブラダ逆止弁を更に備え、前記脚部ブラダ逆止弁は、所定の圧力又はユーザーが選択可能な圧力で開くように設定されている、請求項13に記載の治療用圧迫装置。
【請求項31】
収縮のために前記脚部ブラダに動作可能に接続された通気弁を更に備える、請求項13に記載の治療用圧迫装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、20016年8月23日に出願された仮出願第62/378,581号からの優先権、及び同時係属出願からの優先権を主張し、このPCT出願は、2010年8月12日に出願され、かつ特許第9,033,906号として発行された「Therapeutic Compression Apparatus」と題する米国特許出願第12/855,185号の分割である米国特許出願第13/444,600号の一部継続出願であり、その内容全体が、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の背景)
本対象発明は、一般に、肢部に圧迫を加えるためのデバイスに関し、より詳細には、慢性静脈不全及びリンパ浮腫などの状態の治療と併せて個人の脚部に圧迫を加えるための治療用装置に関する。本装置は、患者の下腿及び足部などの肢部に圧迫を加えることができる装置を有するブラダ、及びブラダのための膨張手段を有するラップを含む。
【背景技術】
【0003】
通常、健康な脚筋は、例えば、脚部及び足部の深部静脈を圧搾すると、血液を心臓に戻すのを助ける。深部脚部静脈内の一方向弁は、血液の心臓へ向かう環流を維持する。しかしながら、立っている又は座っている長時間は、深部脚部静脈の壁の伸張を引き起こし得る。時間の経過に伴い、抵抗力のない個々人において、これは、静脈壁を脆弱にし、弁に損傷を与え、血液を静脈内に滞留させ、静脈の血圧を上昇させ得る。これは、慢性静脈不全(chronic venous insufficiency、CVI)として知られる状態をもたらす。
【0004】
CVIの治療は、典型的には、慢性腫脹を減少させるための圧迫ストッキング又は医療用靴下の使用を必要とする。圧迫ストッキングは、静脈を圧搾して静脈の血行を改善し、過剰な血液が後方に流れるのを防止する弾性ストッキングである。また、圧迫ストッキングは、CVIと併せて多くの場合に現れる皮膚潰瘍又は鬱血性潰瘍を治すのにも役立ち得る。また、圧迫ストッキングは、共通して、脚部に圧力を加えるための圧迫包帯も用いる。この関連で、包帯は、一定の張力が加えられ、足首において最も高い圧力を伴う段階的な圧迫を生成する。しかしながら、その技術は難しく、多くの場合、高度に熟練した介護人によって行われる。
【0005】
極めて有効な機械的圧迫デバイスもまた、CVIを治療するために開発され、例えば、米国特許第7,276,037号及び同第7,559,908号に開示されており、それらの開示全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。これらのデバイスは、手動で膨張可能な空気ブラダを担持する可撓性ラップを含み、局所化された圧力を治療部位に加えるために、個人の脚部の周囲に固定して配置されるように適合されている。このデバイスはまた、流体が充填された創傷ドレッシング材も含み、その創傷ドレッシング材は、局所化された圧力を加えるために皮膚に直接適用され、更には、創傷ドレッシング材が可撓性ラップによって包まれたときに、薬剤を静脈潰瘍に適用することができる。このデバイスは、局所化された圧迫を脚部に加えるためには有効であるが、腫脹を防止し、かつ静脈の血行を更に改善するために、局所化された圧迫を足部に加えるようには構成されていない。
【0006】
リンパ浮腫はまた、リンパ管閉塞としても知られ、局所化された流体の滞留、及び組織の腫脹の別の状態であり、易感染性リンパ系によって引き起こされる。リンパ浮腫の治療は、浮腫の重症度、及び罹患した肢部の線維症の程度に応じて変わる。リンパ浮腫に対する最も一般的な治療は、手先による圧迫リンパマッサージ、圧迫被服、又は包帯法である。弾性圧迫被服は、典型的には、浮腫低減を維持するように完璧な鬱血緩和効果のある治療に続いて、罹患した肢部上にリンパ浮腫を有する人によって着用される。
【0007】
圧迫包帯法は、また、ラッピングとも呼ばれ、いくつかの層の詰め物、及び短伸縮性包帯を疾患部に適用する必要がある。短伸縮性包帯は、長伸張性包帯(通常、捻挫を治療するのに用いられるものなど)の上に位置することが好ましく、その理由は、長伸張性包帯が、リンパ浮腫を安全に低減するのに必要となる適度な治療張力を生成することができず、実際には、止血帯効果の向上をもたらすことができないからである。活動中、運動活動又は日々の活動であろうとなかろうと、短伸縮性包帯は、それらが押し当てる反発を増大させることによって、リンパ管の圧送作用を高める。これは、リンパ液の流れを促進し、流体膨張領域を軟化させるのに役立つ。
【0008】
圧迫包帯法のように、CVI及びリンパ浮腫治療のための既知の方法は、いくつかの欠点を有する。包帯法は、時間がかかり、その有効性は、提供者の技量によって限定される。いくつかの事例では、包帯は、あまりにきつく、又はあまりにゆるく適用されることがあり、それらの意図された位置から滑ってはずれ、それらの有効性を低下させる可能性がある。これが生じると、包帯をはずし、再適用しなければならず、適用時間を更に長引かせ、かつ治療適用の一貫性を損なうことになる。
【0009】
現在の多くの圧迫治療の有効性は、現在の製品の適用によって制限されている。現在の圧迫治療は、人手によるラップ又は電気機械システムのいずれかで行われるため、それらの圧迫治療は、熟練した医療行列が適用する必要があるか、かつ/又は患者が延長された時間帯の間じっとしている必要があるかのいずれかである。ストッキング及び/又は包帯は、患者によって着用され、かつ自己管理され得るが、彼らが身に付け、経験の浅い医療専門家が一貫して有効に当てはまる問題を提起することは、非常に困難である。
【0010】
更に、CVI及びリンパ浮腫のための現在の多くの治療選択肢は、現在の既知のデバイス、装置、包帯、ストッキング、靴下等の使用を含めて、静脈性潰瘍を引き起こす。静脈性潰瘍とは、足首上部の皮膚の損傷及び消失であり、それは、脚部内の静脈に関連する問題の結果である。静脈性潰瘍は、典型的には、下腿の側部、足首の上部、及びふくらはぎの下部のいずれかで発症する。それらは、治癒することが困難であり、多くの場合、再発する。
【0011】
脚部の静脈は、筋膜に対するそれらの位置に応じて、表在系及び深部系に区分される。深部静脈は、一体となって膝窩静脈及び大腿静脈を形成し、筋膜内に位置し、脚部筋肉からの静脈還流の役割を担う。幅広の無弁洞様血管もまた、筋膜内(より具体的には、ヒラメ筋及び腓腹筋内)に位置する。この洞様血管は、脚部が安静時にあるときは、血液で満たされている。
【0012】
足部から股間まで脚部の内側に沿って延びる大伏在静脈、及び足部から膝までふくらはぎの後部において延びる小伏在静脈は、表在静脈系の主要血管である。これらの血管は、筋膜の外側に位置し、表皮及び皮下脂肪からの静脈環流の役割を担う。
【0013】
交通静脈は、深部筋膜に孔を開けるため、場合によっては、穿通枝と呼ばれ、2つの系をつなぐ。穿通枝は、脚部内の他の静脈と同様に、外側、又は表在系から深部静脈に内側へ、1つの方向のみに血液を流すことを可能にする弁を含む。
【0014】
仰臥位で横たわっている被験者の足首における静脈圧は、約10mmHgであるが、立位の場合、この静脈圧は、静水圧(測定点から心臓の右心耳までの血液の垂直柱の重量と同等である)の増加により大幅に上昇するであろう。
【0015】
歩行中、足部は背部に屈曲されるため、腓筋の収縮は、深部静脈及びヒラメ洞を圧迫し、それによってそれらから血液を空にする。足部が足底で屈曲されると、静脈内の圧力が下がり、近位側弁が閉まり、そして静脈は、表在系から穿通枝を通過する血液によって再度充填される。このサイクルの間、正常な脚部では、深部静脈の遠位側弁、及び穿通枝の弁は、放出された血液が上方の一方向のみに移動し得、心臓への環流を確実にすることになる。
【0016】
静脈系に対する閉塞又は損傷は、正常な血流に対する乱れを引き起こし、その乱れ自体が、損傷の部位及び程度に応じて多くの様々な仕方で顕在化し得る。表在系内の弁が罹患した場合、静脈還流が損なわれ、食物が静脈内に蓄積し、弁が膨らみ、静脈瘤様腫脹(異常に膨らんだ静脈)の形成をもたらし得る。
【0017】
穿通枝弁の機能が損なわれた場合、腓筋ポンプの作用により、血液が逆方向に、すなわち表在系中に流れ込む傾向があり、表在血管に損傷を与える可能性を増加させることになる。
【0018】
深部静脈の完全な又は部分的な閉塞をもたらす深部静脈血栓症の後に続いて、穿通枝弁上の腓筋ポンプにより生み出される変化のない圧力により、これらの表在血管が機能不全になり得る。これが起こる場合、表在系内の圧力に大きな上昇が生じ、毛細血管から外へ、そして周辺組織中へタンパク質及び赤血球を押し出し得る。ここで、赤血球は、分解して、皮膚の染色、すなわち、起こり得る潰瘍形成の先行指標を生じさせる赤色顔料を解放する。
【0019】
静脈脚部潰瘍は、通常、表層的であり、色は赤色である。潰瘍の周囲の皮膚は、多くの場合、前述した染色により変色している。また、機能不全となった穿通静脈弁は、果小静脈を拡張させ、足首の周囲に細かい赤色の細線として現れるようにすることもできる。この状態は、足首炎と呼ばれ、また、静脈潰瘍の兆候でもある。
【0020】
動脈は、心臓から身体のその他の部分に、酸素補給された血液を輸送する。静脈は、酸素を使い果たした血液を心臓に戻す。身体の下肢内の静脈が、血液を心臓へ戻すのに困難を生じる場合、慢性静脈不全(CVI)と呼ばれ、また慢性静脈疾患(chronic venous disease、CVD)として知られる症状が発症し、CVIは、通常、脚部の深部静脈における血液の凝血塊の結果として起こり、深部静脈血栓症(deep vein thrombosis、DVT)として知られる疾患である。また、CVIは、骨盤腫瘍及び血管奇形からも起こり、場合によっては、原因不明で起こる。人が立っていたり座っていたりしているとき、脚部の静脈内の血液は、上向きに流れる。人が歩行しているとき、腓筋、及び足部内の筋肉は、静脈を圧搾するように収縮し、血液を上方へ押し出す。血液を上方へ流し続け、かつそれが下方へ流れるのを防止するために、静脈は、一方向弁を収容する。これらの弁が損傷を受け、血液が逆方向の下方に逆流するときに、CVIが起こる。このような弁損傷は、加齢、長時間座っていること若しくは立っていること、又は加齢及び移動性低下の組み合わせの結果として起こり得る。静脈及び弁が衰弱し、血液が心臓まで適切に流れない場合、下肢内の静脈における血圧は、長期間にわたって高い状態が続き、CVIにつながる。この状態は、高齢者にはより共通しており、適切に治療がされない場合、毛細血管破裂、局所的組織炎症、内部組織損傷、静脈瘤、潰瘍、及び皮膚の表面上の開傷口につながる可能性がある。
【0021】
CVIは、静脈系の容量を減少させ、罹患した領域内のリンパ系の負担を増加させ得る。次いで、リンパ系は、より大量の水及びタンパク質を輸送し、脚部の罹患した組織内の流体負荷を低減する必要があり、リンパ浮腫、静脈瘤、及び他の下肢病変を有する患者にとって特に困難な状況である。
【0022】
上述の下肢病変を防止又は治療するのを助けるためにしばしば使用される1つの非外科的選択肢は、圧迫ストッキングの使用である。圧迫ストッキングは、脚部疲労、足首及び足部の腫脹、クモ状静脈、及び静脈瘤を防止するのを助ける。それらは、特に常習的な運動、及び脚部の下肢挙上と併用して使用される場合、脚部内の血行を改善する。圧迫ストッキングは、通常の歩行を可能にしながら、脚部上の圧力を維持する。皮膚の下の組織内における圧力を増加させることは、毛細血管からの流体の超過漏洩を低減し、毛細血管及びリンパ管による組織液の吸収を増大させる。更に、増大した圧力は、静脈の大きさを減少させ、このことにより、血液がより速く流れ、血液の貯留を防止するのを助ける。
【0023】
圧迫ストッキングの気密性は、典型的には、15~50分HGの間で変化する。所与のストッキングの気密性は、その固有の構成及びクラスによって異なる。例えば、15~20分HGの圧迫圧力を有するストッキングは、軽い圧迫ストッキングと考えられる。クラス-1のストッキングは、20~30mmHgであり、クラスIIのストッキングは、30~40mmHg、またクラスIIIのストッキングは、40~50mmHgである。
【0024】
このような圧迫ストッキングは、下腿病変の一般的に利用される非侵襲性治療であるが、圧迫ストッキングが呈示する課題は、非常に多い。緊密にフィットするストッキングを着用することは、身に付けるのに面倒であるか又は時間がかかることがあり、着用者が負傷していたり、年配であったり、又は何らかの形態の障害を有する場合には、前に居る別の人を用立てる必要があり得る。更に、ストッキングにより加えられた圧力は、気密性レベルの増減に関して任意の選択肢を選ばない場合、使用中は、概して比較的一定に留まる。圧迫ストッキングは繰り返し着用されるため、それらは、弾力性を失い、したがって時間の経過と共に気密性を失う。ひとたびこのような弾力性及び気密性が失われると、そのストッキングは、ほとんど又は全く価値がなくなり、その緩みが原因で交換される必要があり、所望の圧力を得るために新規のペアを購入する必要がある。
【0025】
医療用靴下は、脚部潰瘍の発症又は再発を防止するために、通常の形状の脚部に圧迫を加える有用でかつ利便性のある方法を代表している。しかしながら、これらのストッキングは、活発な潰瘍形成の治療での評価では限定的であり、ドレッシング材の上に適用することは困難である。このような状況では、現状では、圧迫包帯が、選択すべき治療を代表している。圧迫包帯は、肢部に圧力を加え、その圧力は、包帯張力に正比例するが、圧力が加えられる肢部の曲率半径に反比例する。したがって、この手段は、通常の割合の肢部に一定の張力で加えられた包帯が、足首において最も高い圧力で段階的な圧迫を自動的に生み出すことを意味する。この圧力は、周縁部が増加するにつれ、脚部まで徐々に低下することになる。
【0026】
容易に理解することができるように、圧迫包帯が、治療される肢部に適用されるときに、圧迫包帯に均一な張力を加えることは、煩雑かつ困難であり、よって、これは、高度に熟練した介護人によってのみ達成される。更に、ひとたび治療される肢部に固定されると、包帯が先々多層形成をもたらすときに、包帯が滑ってはずれないか、又は包帯がずれないことを確実にするように気配り及び注意をする必要があり、このことは、次々に高い圧力の局所化された領域をもたらし、患者を皮膚の壊死の直接的な危険にさらす可能性がある。
【0027】
機械的な圧迫治療もまた、提案されている。典型的な圧迫デバイスが、Dyeによる米国特許第5,031,604号に記載されている。概して第2列、第33行以下参照に記載されているように、脚部を取り囲むチャンバの配置が、提供されている。能動空気圧駆動式制御システムは、チャンバ内の圧力を制御して足首近くの脚部を圧搾し、次いで、膝に向かって上方に順次圧搾して肢部から心臓に向かって血液を移動させる。Tumeyらによる米国特許第6,488,643号の第4列、第20~59行に記述されているように、機械的に生成された圧迫レベルが、包帯法を通じて得られた同様の圧迫レベルでは記述されていない虚血性(すなわち、局所化組織貧血)を引き起こし得る。それはまた、細胞浸潤(すなわち、脚部脈動血流内の低下)も引き起こし得る。また、空気圧駆動式制御システムは、かさばり、かつ重く、治療中の患者の移動を大幅に制限する。更に、その空気圧駆動式制御システムは、壊死の原因となり得る過剰な圧力が、治療される肢部に加えられないことを確実にする機構を設けていない。これらの制限により、ほとんどの機械的圧迫デバイスが、深部静脈血栓症を呈する患者にとってそぐわないことがわかった。その結果、当業者は、肢部の静脈潰瘍又は浮腫の治療のためのこのような機械的圧迫デバイスを今日まで回避してきた。
【0028】
共有された米国公開第2004/0193084号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、静脈瘤の治療と併せて使用するためにヒトの脚部に圧力を加えるためのデバイスを開示している。このデバイスは、可撓性部材、及びヒトの脚部の周囲を固く巻き付けるように適合されている、その部材と一体化した少なくとも1つの空気ブラダチャンバを含む。空気ブラダチャンバ(複数可)と流体連通するチューブは、空気ブラダチャンバ(複数可)を加圧状態に膨張させるように動作する空気圧送機構まで延在する。可撓性部材は、好ましくは、膝関節レベルにおける開口部を含み、膝蓋骨がそこを通って突き出ることができる。更に、可撓性部材は、好ましくは、膝関節レベルの下に延在し、脚部に安定性を提供するために脚部の下部の周囲に固く巻き付けるように適合されている。デバイスの空気ブラダチャンバは、第1の寸法が、それに直交する第2の寸法よりも実質的に長いことが好ましく、その結果、空気ブラダチャンバは、垂直寸法の方向に相対的に長く、水平寸法の方向に狭いヒトの脚部の一部を覆うように配置されることができる。
【0029】
共有された米国特許第7,276,037号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、人体の先端部、例えばヒトの脚部の一部に圧迫治療を適用するための装置を開示している。このデバイスは、可撓性部材及び空気ブラダチャンバを含む。この可撓性部材は、空気ブラダ-チャンバを先端部に固定するために、先端部の周囲に巻き付けるように適合されている。空気圧送機構は、空気ブラダチャンバを加圧状態に膨張するように動作されている。1つ以上の流体充填加圧部材が設けられ、各部材は、別個であり、可撓性部材及び空気ブラダチャンバから区別され、よって、可撓性部材及び空気ブラダチャンバに対して容易に移動可能である。加圧部材(複数可)は、先端部と可撓性部材との間に動作可能に配設され、そこのそばで加圧部材は、使用中、増大する局所化された圧力を先端部に加える。空気ブラダチャンバは、第1の寸法が、それに直行する第2の寸法より実質的に長いことが好ましく、その結果、空気ブラダチャンバは、先端部の相対的に長く、かつ狭い一部を覆うように先端部に沿って長手方向に延在することができる。空気チャンバの位置は、局所的な圧力を所望の人体部分(ある特定の静脈チャネルなど)に加えるように容易に適合され得る。加圧部材(複数可)は、使用中に配置されることができ、その結果、加圧部材は、静脈潰瘍(又は他の治療部位)を覆い、治療を促進するために、増大した局所化された圧力を治療部位に加える。
【0030】
現在の既知のすべての治療装置、デバイス、包帯、ストッキング、及び靴下は、安定性、過剰圧力合併症を伴わない十分な有効圧力の維持、圧迫の維持などに関する問題を有する。更に、現在の既知のすべての治療装置、デバイス、包帯、ストッキング、及び靴下は、特に現在の治療装置及びデバイスは、圧迫又は膨張手段の1つの源に接続することができるだけであり、コネクタの汎用的な膨張ポートは、既知ではなく、それについては、患者は、治療装置又はデバイスのための膨張源及び膨張手段を変えることによって治療を変えることができる。
【0031】
現在の治療装置、デバイス、包帯、ストッキング、及び靴下に関する他の既知の問題は、熟練した介護者が、現在の治療装置及びデバイス、包帯、ストッキング、並びに靴下を作動させる必要があることである。このような熟練した介護者は、すべての患者、とりわけ、長期介護保険を有しない患者、又は熟練した在宅介護者が提供されない患者にとっては、必ずしも有効であるとは限らない。更に別の既知の問題は、治療装置及びデバイス内の設定された圧迫の漏洩であり、包帯、ストッキング、及び靴下は、結果として患者及び使用者にとって役に立たずに提供され得る効果のない治療、及び効果のない装置又はデバイスをもたらすことである。現在の治療装置及びデバイス、包帯、ストッキング及び靴下に関する更なる問題は、膨張手段又は圧迫源が、手動又は機械的又は電気的のいずれかで設定され、膨張ポート又は膨張手段が、汎用的でなく、かつ交換可能でないとい点で、融通が効かないことである。現在の治療装置及びデバイス、包帯、ストッキング及び靴下に関する更に別の問題は、膨張手段又は源が、静的又は断続的のいずれかであり、このような装置及びデバイスを治療中に再び変更することができないことである。
【0032】
本発明の装置、方法、アセンブリ、及びシステムは、既知の圧迫技術に関する多くの問題、特に現在の圧迫ラップ技術を適用することの困難さにより生じる問題を克服し得る便益及び利点を提供する。本発明は、患者を不快にさせ、それらの弾力性、すなわち時間の経過と共にそれらの有効性を消失させるような、強固に固定する治療用弾性被服を採用する既知の技術の代替方法を提供する。当業者ならば、腫脹を防止し、静脈の血行を更に改善するために、局所化された圧迫を脚部及び足部に加えるように適合及び構成され、また患者が実効的に自己管理することができる、CVI、DVT、及びリンパ浮腫を治療するための治療用圧迫デバイスを提供することが有益であることを容易に理解するであろう。
【発明の概要】
【0033】
本発明は、治療用圧迫装置を対象とする。この治療用圧迫装置は、主ラップ及び副ラップ、並びに必要に応じてスティラップを備える。主ラップは、脚部などの肢部の少なくとも第1の部分を取り囲み、そこに圧迫を加える。主ラップは、例えば脚部の膝に向かって配置するための水平近位側エッジ、例えば脚部の足首に向かって配置するための水平遠位側エッジ、及び水平近位側エッジ及び水平遠位側エッジに垂直な第1及び第2の周辺エッジを有する。副ラップは、脚部の足部などの肢部の少なくとも一部分を取り囲み、そこに圧迫を加える。スティラップは、主ラップを脚部などの肢部に固定するために、水平遠位側エッジに沿って主ラップと一体化され、スティラップは、主ラップと副ラップとの間に配置されている。
【0034】
治療用圧迫装置は、圧力を脚部などの肢部上の治療部位に加えるために、主ラップと動作可能に関連付けられた少なくとも1つのブラダを更に備え得る。主ラップは、少なくとも1つのブラダを収容するための少なくとも1つの内ポケットを含み得る。別の選択肢として、少なくとも1つのブラダは、主ラップと一体であり得る。主ラップを取り付けるための1つ以上の手段は、肢部の周囲に主ラップを固定するために、主ラップの第1及び第2の周辺エッジに沿って動作可能に関連付けられ得る。
【0035】
少なくとも1つのブラダは、少なくとも1つのブラダが充填されたときに、所定の勾配圧力プロファイルを形成するように適合及び構成され得る。少なくとも1つのブラダは、楔状ブラダ、円錐状ブラダ、円板状ブラダ、又は矩形状ブラダのうちの1つであり得る。少なくとも1つのブラダはまた、複数の流体チャンバも含み得る。治療用圧迫装置は、主ラップにより治療部位に供給された圧力の量を制御するために、少なくとも1つのブラダに結合された圧力を調節するための少なくとも1つの手段を更に備え得る。
【0036】
副ラップは、スティラップに取り付けられ得る。副ラップは、足部の足指などの肢部を包むように構成され得、かつ/又は足部のかかとを包むように構成され得る。副ラップはまた、足部の周囲に調節可能なストラップとしても構成され得る。
【0037】
治療用圧迫装置は、例えば脚部などの肢部の周囲に主ラップを固定するために、主ラップの近位側水平エッジに沿って調節可能なベルトを更に備え得る。主ラップは、複数の別個の層を含む非弾性複合材料の少なくとも一部分で形成され得る。一実施形態では、その複合材料は、内側積層層、外側フック適合性層、及び内側層と外側層との間に設けられた中間非弾性層の3つの別個の層を含み得る。複合材料はまた、例えば脚部などの肢部に主ラップの輪郭を描くための複数の縫い込まれたダーツ及びギャザーと共に設けられ得る。
【0038】
本発明はまた、圧力を肢部に提供するための圧迫装置のためのブラダアセンブリも対象としている。ブラダアセンブリは、空気ポケットを形成するように周辺エッジの周りに互いに固定された第1及び第2の可撓性壁を有する少なくとも1つのブラダと、ブラダ内に複数のチャンバを画定するように互いに第1及び第2の壁と接続する周辺エッジの所定の場所の奥に設けられた少なくとも1つのスポット溶接とを含む。少なくとも1つのスポット溶接の幾何学的配置は、少なくとも1つのブラダの圧力プロファイルを決定する。
【0039】
少なくとも1つの膨張ポートを通る空気ポケットなどのブラダを膨張させるための膨張手段は、ブラダアセンブリの第1の壁内に設けられ得る。膨張手段は、少なくとも1つの膨張ポートから取り外し可能であり得る。少なくとも1つの圧力弁は、ブラダ内の圧力の量、及びブラダ内の空気ポケットを制御するための膨張手段と動作可能に関連付けられ得る。膨張ポートは、治療用圧迫装置のブラダ内の所与の圧力を維持するように逆止弁を含む。膨張ポートは、手動ポンプ、機械式ポンプ、電動ポンプ、電池式ポンプ、静的ポンプ、間欠ポンプ、空気圧ポンプ、負圧源、及び他の変形物などの複数の膨張源及び膨張手段と接続及び受容することが可能であるように構成されている点において汎用的であり得る。
【0040】
本発明の方法は、患者によって肢部の周囲に主及び副ラップを適用すること、膨張手段を膨張ポートに挿入すること、主及び副ラップ内のブラダを膨張させること、及びCVI、DVT及び/又はリンパ浮腫を治療するために特定の圧力を維持することによって、CVI、DVT及び/又はリンパ浮腫を治療するに使用される治療用処置装置を含む。
【0041】
本発明の別の実施形態は、本発明によるアセンブリを含み、そのアセンブリは、肢部に取り付けるための可撓性部材、及び所望の加圧状態に圧送され得る空気チャンバを有する圧力機構と、別個の相対的に小さい予充填空気ブラダと、予充填空気ブラダに結合された吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材と、負圧源(吸引)と結合され、吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材と流体連通する吸引導管とを含む。好ましい実施形態では、予充填空気ブラダ、吸収性発泡体、スポンジ又はドレッシング材、及び吸引導管は、ユニットとして一緒に形成されている。
【0042】
本発明の一態様によれば、圧力機構の可撓性部材は、予充填空気ブラダ及び発泡体、スポンジ又はドレッシング材を先端部内の創傷又は潰瘍に固定するように、脚部又は腕部の周囲、及び予充填空気ブラダの上に巻き付けるように適合されている。よって、可撓性部材は、面止め具機構などの何らかの固定構造体と共に提供されている。空気圧送機構は、好ましくは、空気チャンバを加圧状態に膨張させるように、圧力機構の空気チャンバに結合される。圧力機構の空気チャンバは、好ましくは、肢部全体の周囲とは対照的に、予め画定された区域(例えば、脚部の伏在静脈)に沿って圧力を加えるように設計される。
【0043】
本発明の別の態様によれば、吸引導管は、予充填空気ブラダと、小さい空気ブラダに接着されている吸収性発泡体、スポンジ、若しくはドレッシング材とのいずれかの間に置かれ、又は予充填空気ブラダは、中央開口部を有するドーナッツとして形成され、かつ吸引導管は、その中央開口部を通って延在する。吸引導管を負圧源に結合することによって、創傷又は潰瘍からの滲出物は、発泡体、スポンジ、又はドレッシング材を通って吸引導管中に吸い込まれる。
【0044】
本発明の方法のうちの1つは、肢部状の創傷又は潰瘍の上に予充填空気ブラダ、及び発泡体、スポンジ、又はドレッシング材を配置することと、予充填空気ブラダ/吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材の上に配置された空気チャンバと共に肢部の周囲に圧力機構の可撓性部材を巻き付けることと、固定構造体を使って空気圧式圧力機構を締結することと、を含む。装置が肢部に適切に配置され、かつ貼り付けられると、空気チャンバは、好ましくは30~40mmHgまで膨張し、それによって、肢部、より具体的には、予充填空気ブラダを介して創傷に圧力を加える。吸引装置は、負圧源をオンにすることによって作動し、創傷又は潰瘍からの滲出物が、吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材を通って吸引導管中に引き込まれる。
【0045】
本発明の別の実施形態は、断続的な圧力をヒトの脚部の領域などの人体の一部分に加えるための装置を含み、この装置は、その領域の内外に血流を促進すること及び排液を高めることによって、静脈潰瘍又は創傷などの様々な状態の治癒及び治療を支援する。この装置は、足部ブラダ及び脚部ブラダを含み、各ブラダは、膨張によって入ってくる流体を収容する膨張可能なチャンバを有する。ブラダは、流体導管によって流動結合され、各ブラダは、好ましくは、人体の一部分の上にそれを配置するための手段を備え付けられている。好ましい実施形態では、足部ブラダは、足部の底部に配置され、脚部ブラダは、脚部の下部の上に配置されている。人が装置を着用しながら歩行するとき、人の足部(かかと)が、足部ブラダ上に配置された外部圧力により地面に打ち当たると、足部ブラダの一部分は、膨張し、それによって、足部ブラダから、流体導管を通って脚部ブラダへ流体を押し出し、脚部ブラダ内の圧力を上昇させる。人の足部が、標準的な歩行運動でかかとから足指まで回転すると、人の体重からの外部圧力が、足部ブラダから取り除かれ、結果として脚部ブラダの圧力が、足部ブラダの圧力よりも高くなる。こうして、流体は、流体導管を通って足部ブラダ中に戻り、次いで再びその元の状態に膨張し、その結果、足部ブラダ及び脚部ブラダの圧力が、均一化される。この工程は、人が歩行するときに繰り返され、これにより、脚部ブラダ内の圧力が断続的に増減するときに、脚部上に圧送力又は混練力を作り出し、これにより、脚部の様々な部分への血流、流体排液、治療、及び治癒を促進する。
【0046】
本発明の関連するこれら及び他の態様は、図面と併せて読まれる以下の説明からより容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
本発明が属する技術分野の当業者が、本発明の装置をどのように製造及び使用するかをより容易に理解するように、図面を参照して、それらの好ましい実施形態を、以下の本明細書に詳細に説明するであろう。
【0048】
図1】本発明による治療用圧迫装置を含む、本発明の一実施形態の斜視図であり、この治療用圧迫装置は、足部のベースにおけるスティラップ、及び膝下の調節可能なストラップの両方を有する使用者の右側脚部及び足部の周囲に巻き付けられ、その装置は、流体ブラダを固定するための主ラップの内部表面上に設けられたポケット(隠れ線で示す)を有し、このブラダは、着脱可能な空気ポンプ及び圧力計と共に設けられ、主及び副ラップが、互いから分離されている。
図2A図1の治療用圧迫装置の斜視図であり、図中、主及び副ラップは、巻き付けられていない状態で例示され、ラップの内表面が示され、副ラップが、スティラップと共に一体化されているように示されている。
図2B図1の治療用圧迫装置の斜視図であり、図中、主ラップ及び副ラップは、巻き付けられていない状態で例示され、主ラップの内面は、主ラップのポケット内にブラダを有するように示され、副ラップは、スティラップと共に一体化されているように示されている。
図3】脚部の周囲に輪郭が描かれた多数の縫い込みダーツ及びギャザーを有する本発明による主ラップの上部の外面の正面図であり、その主ラップは、主ラップの外面の大部分を示すように例示されている。
図4】本発明の主ラップの複合材料を例示する図3の線12’-12’に沿って切り取られた断面図であり、3つの別個の層を有する。
図5】本発明によるブラダの分解組立斜視図であり、そのブラダは、複数のスポット溶接、圧力計、及びブラダから分離されたように例示されてもいる空気ポンプを有する。
図6A】膨張状態における図5の膨張ブラダの側面図である。
図6B】線36’-36’に沿って切り取られた断面図であり、ブラダ内で最大限の効果が得られるように配置されたスポット溶接が、どのようにブラダの上部壁及び下部壁を接合し、所望の勾配プロファイルを形成するかを例示している。
図7】非膨張状態(左)及び膨張状態(右)にある楔状ブラダの断面図である。
図8】非膨張状態(左)及び膨張状態(右)にある円錐状ブラダの断面図である。
図9】非膨張状態(左)及び膨張状態(右)における円板状ブラダの断面図である。
図10】非膨張状態(左)及び膨張状態(右)にある矩形状ブラダの断面図である。
図11】本発明に基づいて構成された治療用圧迫装置を含む本発明の別の典型的な実施形態の上面図であり、被服の内部から見たときの、圧迫被服全体にわたって貫通孔、かかとパッド、及び足首パッドのレイアウトを示している。
図12図11の治療用圧迫装置の底面図であり、被服の外部から見たときに、内側及び外側シート内のブラダを画定する内側シートに外部シートを接続するための溶接パターンを示している。
図13図11の治療用圧迫装置の分解組立斜視図であり、外側シート、内側シート、並びに面止め具のレイアウトを示している。
図14図11の線4-4に沿って切り取られた治療用圧迫装置の詳細断面図であり、収縮状態にある脚部圧迫ブラダを例示している。
図15図11の線4-4に沿って切り取られた治療用圧迫装置の詳細断面図であり、膨張状態にある脚部圧迫ブラダを例示している。
図16】下腿上に着用された図11の治療用圧迫装置の、それぞれ、正面斜視図及び内側斜視図である。
図17】下腿上に着用された図11の治療用圧迫装置の、それぞれ、正面斜視図及び内側斜視図である。
図18図17の線8-8に沿って切り取られた治療用圧迫装置の詳細断面図であり、膨張状態にある脚部圧迫ブラダを例示している。
図19】本発明によるアセンブリを含む、本発明の別の実施形態の透視図である。
図20A】本発明による図19の圧迫機構の等角図であり、その巻き付けられていない状態にある機構を示している。
【0049】
図20B】本発明による代替の圧迫機構の等角図であり、その巻き付けられていない状態にある機構を示している。
図21A】本発明による図19の圧迫機構の別の実施形態の図であり、小伏在静脈の近くの下腿に局所化された圧力を加えるために下腿の周囲に巻き付けられることが意図され、その身体接触表面が本ページの外側に対面しながらその巻き付けられていない状態で示されている。
図21B】本発明による図19の圧迫機構の別の実施形態の図であり、大伏在静脈の近くの上腿に局所化された圧力を加えるために上腿(例えば、大腿部)の周囲に巻き付けられることが意図され、その身体接触表面が本ページの外側に対面しながらその巻き付けられていない状態で示されている。
図22】予充填空気ブラダ、吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材、並びに吸引導管を含むユニットの実施形態の透視分解組立図であり、そこでは、吸引導管が、ユニットの中央に延在している。
図23A】ユニットを適所に固定するためのストラップを有するユニットの透視斜視図である。
図23B】ユニットを適所に固定するためのストラップを有するユニットの透視斜視図である。
図24】脚部ブラダ及び足部ブラダが、流体導管によって流体接続されている、本発明の圧迫装置を含む、本発明の別の実施形態の略図である。
図25A図24の脚部ブラダの斜視図である。
図25B図25Aの脚部ブラダの上面図である。
図25C図25Aの脚部ブラダの側断面図である。
図26】足部のかかとに固定された図24の足部ブラダの別の実施形態の側面図である。
図27】足部のかかと上に配置された足部ブラダ、及び脚部の下部の周囲に配置された脚部ブラダを示す、本発明の別の実施形態の側面図である。
図28A】足部及び脚部ブラダ、流体導管、並びに流体導管に接続された一方向弁、脚部の周囲に巻き付けられた可撓性部材を示す本発明の斜視図である。
図28B】脚部と可撓性部材との間に挟まれた脚部ブラダを有する脚部の周囲に巻き付けられた図28Aの可撓性部材の部分切断斜視図である。
図29A】圧迫装置に結合可能な膨張手段又は源のための弁を含む治療用圧迫装置に係る本発明の別の実施形態の概略図である。
図29B図29Aに示した治療用圧迫装置に係る本発明の実施形態の分解組立図である。
図30A図29の圧迫装置の弁機構の拡大図である。
図30B図29の圧迫装置の弁機構の拡大図である。
図31A】治療用圧迫装置のための本発明のポンプの一実施形態である。
図31B図31Aに示した治療用圧迫装置のための本発明のポンプの実施形態の側面図である。
【0050】
図31C図31Aに示した治療用圧迫装置のための本発明のポンプの実施形態の上面図である。
図32A】治療用圧迫装置のための本発明のポンプの別の実施形態である。
図32B図32Aに示した治療用圧迫装置のための本発明のポンプの実施形態の逆止弁の拡大である。
図33】治療用圧迫装置のための本発明のポンプの別の実施形態である。
図34図33で示した治療用圧迫装置のための本発明のポンプの実施形態の内部断面図である。
図35】治療用圧迫装置のための本発明のポンプの別の実施形態の内部断面図である。
図36】治療用圧迫装置のための本発明のポンプの別の実施形態の内部断面図である。
図37】腕部治療用圧迫装置の本発明の別の実施形態である。
図38】腕部治療用圧迫装置の本発明の別の実施形態であり、2つの別個の治療用圧迫装置が、取捨選択可能なタブによって接合されている。
図39】電気式膨張機構を含む治療用圧迫装置の本発明の別の実施形態の概略図である。
図40図39に示した電気式膨張機構を含む治療用圧迫装置の本発明の一実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明の好ましい実施形態は、添付図面を参照して以下に記載され、同様の参照番号は、同じ又は類似の要素を表す。当業者であれば、本明細書で検討される装置は、脚部及び足部の圧迫療法に関するが、本発明の範囲は、これらの典型的な用途に限定されず、圧迫療法が必要とされる解剖学的部分に対してサイズ及び形状設計され得ることを理解するであろう。
【0052】
本発明は、例えば、下腿及び足部、又は腕及び手を含む先端部を含む患者の肢部への圧縮を、現在のシステムよりも単純かつより便利な方法で提供する。任意の肢部又は身体部分は、例えば足、ふくらはぎ、大腿、膝、脚、臀部、尻、腰、胴体、肋骨、肩、腕、手、指、首、頭部などのような、即時治療用圧迫装置によって圧迫されてもよい。
【0053】
本発明は、圧迫を提供し、圧迫に使用することができる非弾性結合剤及びブラダを使用して、例えば足部などの肢部の腫脹を防止するためのシステムを提供する。ブラダは、非弾性ラップ内に設けられ、供給される圧力の一貫した測定、並びに患者による安全、快適、便利、有効であり、自己への適用を可能にする仕方で圧迫を作り出す。
【0054】
値の範囲が設けられる場合、その範囲の上限値と下限値との間で明確に指示されない限り、その範囲の上限値及び下限値と、記載された範囲が本発明内に包含されている任意の他の記述値又は介在値との間で、各介在値が下限の単位の10分の1になることが理解される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、独立して、より小さい範囲に含まれてもよく、また本発明に包含され、記載された範囲内の任意の具体的に除外される限界を対象とする。記載された範囲が限界のうちの1つ又は両方を含む場合、それらの含まれる限界のいずれかを除外する範囲もまた、本発明に含まれる。
【0055】
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様又は同等の任意の方法及び材料はまた、本発明の実施又は試験に使用することもできるが、典型的な方法及び材料については、これから説明する。本明細書で言及されるすべての刊行物は、参照により本明細書に組み込まれ、その刊行物が関係上引用される方法及び/又は材料について開示及び記載する。
【0056】
本明細書、及び添付の特許請求の範囲で使用するとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでない旨を明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「刺激」への言及は、複数のそのような刺激を含み、「信号」への言及は、当業者等に既知の1つ以上の信号及びその等価物への言及を含むことになる。
【0057】
本明細書で検討される刊行物は、本出願の出願日前に、それらの開示に対してのみ提供される。本明細書には、本発明が、先行発明のおかげでそのような出版物を先行する権利を持たないことを認めるものとして解釈されるべきものは何もない。更に、提供される出版物の日付は、独立して確認される必要があり得る実際の出版物の日付と異なり得る。
【0058】
ここで図1を参照すると、本発明による治療用圧迫装置10の典型的な実施形態が例示されており、内部に、治療用圧迫装置10の主ラップ12の外側表面11が、患者の右脚部の周囲に巻き付けられた状態で示されている。この実施形態では、治療用圧迫装置10は、患者の下腿2及び足部6の圧迫を供給するように適合及び構成されている。治療用圧迫装置10は、下腿2を取り巻き、下腿2に圧迫を加えるために利用され得る主ラップ12からなる。主ラップ12は、主ラップ12の内側表面9上に設けられた関係付けられたブラダ22を有する。図1に示すように、主ラップ12は、下腿2を取り巻き、ブラダ22が耕作され、又は膨張されると、圧迫が、所望の治療位置に加えられる。特に、主ラップ12は、治療部位の局所化された圧迫の増大を可能にする非弾性材料で作製されている。治療用圧迫装置10はまた、入口若しくは膨張ポート24において取り外すことができる、恒久的又は着脱可能な圧力計28のいずれかも含む。ポンプ30は、チューブ26を通してブラダ22中に空気を手動で圧送するために設けられている。手動ポンプを凌駕する他の膨張手段が、使用されてもよい。主ラップ12、副ラップ14、及びブラダ22の追加的な特徴は、本明細書で順番に説明されるであろう。
【0059】
主ラップ12は、例えば、下腿2の周囲のラップを取り巻き、任意の数の接続構造体を使って周辺エッジ5及び7にそれを取り付けることによって、下腿2などの患者の肢部に取り付けられてもよい。図1及び2A~図2Bに例示された接続タブ32a、32b、32c、32dなどの面ファスナタブを使用して、主ラップ12の反対側の周辺エッジ5及び7を接続し、主ラップを下腿2の周囲に固定することができる。また、主ラップ12をそれ自体に締結するための面ファスナタブ、バックル、ストラップ、スナップ、又は他の既知の構造体も使用して、患者の肢部の周りに主ラップ12を取り付けてもよい。接続タブ32a、32b、32c、32dの数及び位置は、主ラップ12が、主ラップ12材料の抱き合わせ又は垂れ下がり、及び患者への不快感を起こさずに無理なく固定されるように、患者の治療部位の解剖学上の位置に基づいて選択することができる。
【0060】
この例では、主ラップ12の水平近位端1において、膝8に向かって取捨選択可能なガーター又は調節可能なベルト18が設けられて、下腿2の周囲に主ラップ12を更に固定することができる。調節可能なベルト18は、接続タブ、バックル、又は他の既知の接続構造体を使って脚部2の周囲に接続することができる。図3に示すように、主ラップ12はまた、治療される特定の肢部の周囲に主ラップ12の輪郭を描くように要所要所に配置されている多数の縫い込みダーツ50及びギャザー52とも一緒に製造されている。
【0061】
主ラップ12は、好ましくは、非弾性であり、かつ1つ以上の芯材料層を有する複合材料で作製され、その理由は、材料が非弾性であるため、主ラップ12は、堅いままであり、例えば、ブラダ22が充填され、又は膨張される場合にも伸張しないからである。図4を参照すると、主ラップ12の複合材料は、図に示すように、3つの別個の層12a、12b、及び12cを有する。内側層12aは、患者の皮膚と接触し、非弾性であり、好ましくは芯材料、非面ファスナ適合性材料で作製されている内側表面9を含む。この内側層12aの芯材料の特徴は、治療される肢部から、汗、及び他の不要な水分を取り去る。内側層12aの非面ファスナ適合性の性質は、例えば、面ファスナタブが使用される場合、主ラップ12が接続タブ32a、32b、32c、32d上には引っ掛かることがないことから、望ましい。また、患者の皮膚に対する非フッキング材料は、フッキング材料から生じ得る炎症も低減する。外側層12cは、接続タブ32a、32b、32c、32dが、肢部の周りで主ラップ12の周辺エッジに固定されるように、フック適合性である少なくとも一部分を有する。外側層12cの底面は、主ラップ12の外側表面11であり、また非弾性及び通気性も有する。内側層12aと外側層12cとの間に配置された内側層12bは、通常、通気性のある積層材料で作製される。
【0062】
図2A図2Bを参照すると、スティラップ16はまた、この例では、足部6のベースである肢部の周りの適所に主ラップ12を固定するのを助けるためにも設けられている。図1に最もよくわかるように、この実施例におけるスティラップ16は、足部2の一部分を取り巻き、足首4近くの主ラップ12のいずれかの側面上の2点で主ラップ12の水平遠位側エッジ3に接続されている。スティラップ16は、主ラップ12と副ラップ14との間に配置されている。図2A図2Bに示すように、スティラップ16は、典型的には、副ラップ14に接続され、共に一体化された弾性材料の1つの連続片である。
【0063】
治療用圧迫装置10の副ラップ14は、この例では、肢部を取り巻き、足部6は、主ラップ12のように、足部6などの肢部に圧迫を加えること、又は別の選択肢として創傷治療ドレッシング材用保護被服としての両方に利用することができる。副ラップ14は、足部6などの肢部の腫脹を防止するのに役立つ。腫脹は、それ自体の上にも、又は下腿2の圧迫の結果として生じる可能性がある。図2A図2Bに示すように、副ラップ14は、必要に応じて、スティラップ16と一緒に連続片で作製されてもよい。別の方法として、図1に示すように、副ラップ14は、主ラップ12とは独立に設けられてもよい。
【0064】
副ラップ14は、典型的には、弾性材料で形成されるが、非弾性材料、又はその2つの組み合わせで形成されてもよい。副ラップ14は、接続される材料の単一片であってもよい。別の方法として、副ラップ14はまた、図1に示すような1つ以上の面ファスナタブなどの任意の数の機械的固定デバイスによって、又はストラップ、バックル、スナップ等によって、足部6、又は別の肢部若しくは身体部分の周囲を固定され得る。この実施形態では、副ラップ14は、面ファスナタブを引き込み、そして締め付けることによって足部6に圧迫を提供し、それによって足部6の周囲に圧力を加える。
【0065】
副ラップ14は、患者の治療ニーズに応じて多くの構成を有し得る。図1に示すように、副ラップ14は、患者の足部6の足指を露出するように、開放足指としてもよい。別の方法として、副ラップ14は、閉鎖足指ブーツとして構成されてもよい。更に、副ラップ14は、図1に示すように、開放かかとを有してもよく、又はブーツ(図示せず)と同様の閉鎖かかとを有してもよい。
【0066】
主ラップ12は、治療部位の周囲に少なくとも1つのブラダ22を非弾性的に保持することによって、患者の肢部に圧迫を供給する。一実施形態では、例えば、局所化された圧力は、下腿2の伏在静脈近くで治療用圧迫装置10によって提供される。図2Bに示すように、主ラップ12は、主ラップ12と関係付けられたブラダ22をカバーする。ブラダ22内の流体は、液体、気体、又はゲルであってもよい。ブラダ22は、ブラダ22が治療用圧迫装置10内に充填されたときに、圧迫を脚部2に提供する機能を果たす。
【0067】
ブラダ22は、1つ以上のポケット20の中に挿入され得、それらのポケットは、圧迫が主として加えられるであろう場所にブラダ22を格納するための主ラップ12内に設けられている。この実施形態では、ブラダ22は、治療用圧迫装置10から取り外し可能である。別の実施形態では、ブラダ22は、主ラップ12内に恒久的に一体化され、取り外しできない(図示せず)。
【0068】
本発明によれば、ブラダ22は、所望の治療用養生療法に必要な圧力を監視、設定、及び調節するための多くの追加の特徴を有し得る。図1及び図5に示した典型的な実施形態では、ブラダ22は、圧力計28を含む。圧力計28は、マノメータなどの圧力測定器であり、これは、ブラダ22内に加えられた閉鎖圧力と、圧力計28の他方における開放圧力との間の圧力差を測定する。測定された圧力の増分は、使用される液体の密度、及び配管の直径に依存する。
【0069】
圧力計28は、膨張入口24aにおける膨張管26を通ってブラダ22に空気を圧送する流体又は空気ポンプ30と併用して動作する。ポンプ30は、ブラダ22に空気を提供するための手動ポンプ又は電子式ポンプであってもよい。また、オーバーフロー弁46が提供されてもよく、ブラダ22内から空気を解放するための一方向弁48と一緒に、ブラダ22に入ることができる空気の量を制限し、それによってブラダ22内の圧力を低下させる。図5に示すように、圧力計28及びポンプ30は、コネクタ24bにおいてブラダ22から取り外し可能に提供され得る。
【0070】
別の実施形態では、ブラダ22それ自体は、それ自体の圧力計として機能し得、その内部で、ブラダ22の膨張が、それが膨張するにつれて、ブラダ22内の圧力の量を示し、この例では、ブラダ22の圧力は、予め較正されている。別の方法として、1つ超のブラダ22を使用することができ、又は複数のチャンバを有するブラダ22を使用して、1つ以上のブラダ22又はブラダチャンバの膨張が内部圧力を示すことができる。本発明は、典型的には20~50mmHgの範囲内で、ブラダ22内の圧力を提供する。
【0071】
ブラダ22のいくつかの異なる実施形態は、本発明の治療用圧迫装置10内で使用することができる。図5は、本発明による、複数のスポット溶接36を有するブラダ22の一実施形態の斜視図を示す。このスポット溶接36は、患者の治療部位にて必要な圧迫に対して所望の勾配プロファイルに基づいて、所定のパターンでブラダ22内に最大限の効果が得られるように配置されている。図6Aは、図5に例示された膨張したブラダ22の側面図であり、ブラダ22の水平軸に対してある角度を形成する。ブラダ22は、周辺エッジ縫い目25に沿って互いに封止されている第1の側壁21及び第2の側壁23を有する。スポット溶接36は、第1の側壁21、及び第2の側壁23を互いに結合するように最大限の効果が得られるように配置されている。これらのスポット溶接36により、ブラダ22が、勾配プロファイルを変化させ、膨張時に多くの構成を取ることができる。ブラダ22内のスポット溶接36の幾何学的配置により、ブラダ22の特定の部分の膨張を増大させ、ブラダ22内に1つ以上の流体チャンバを作り出すことができ、図6Bは、線36’-36’に沿って切り取られた膨張したブラダ22の断面図である。ブラダ22が主ラップ12内で使用されるとき、図5に示すように、ブラダ22は、主ラップ12の一方の端部で、他方の端部でよりも大きく膨張し、勾配、圧迫プロファイルを作り出す。この構成は、身体内の流体運動(血液、リンパ液等)を改善するのに、圧迫が必要である場合に、特に有用である。
【0072】
図5及び図6Bに例示されたスポット溶接36を有するブラダ22に加えて、図7図10に示す他のいくつかのブラダ構成が、本発明の治療用圧迫装置10内で使用することができる。図7は、本発明による治療用圧迫装置10内で使用され得る非膨張状態38a(左)及び膨張状態38b(右)にある楔状ブラダの断面図である。楔状ブラダ38bは、膨張して主ラップ12内に配置されたとき、快適かつ効率的な勾配プロファイルを下腿2に提供する。楔状ブラダ38bは、膨張時に、図7に例示しているように、角錐形状を有する。3つの角錐側面のうちの1つは、剛性があり、所望の治療領域から離れる方向への楔状ブラダ38bの拡張を防止することができる。別の選択肢として、治療領域の最も近い側面は、主ラップ12のポケット20内に配置された剛性材料に取り付けられるか又は接続されて、所望の治療領域から離れる方向への楔状ブラダ38bの拡張を防止することができる。楔状ブラダ38bは、足首4が下腿2よりも薄いところの通常の解剖学的構造を収容することが好ましい。このため、楔状ブラダ38bが、脚部2上に配置されると、より薄い部分が膝8に向かって位置付けられ、より厚い端部は、足首4に向かって位置付けられる。図8を参照すると、円錐状ブラダ40bは、楔状ブラダ38bと同様であり、膨張時に円錐を形成する。膨張した円錐状ブラダ40bは、足首4が下腿2よりも薄いところの通常の解剖学的構造内で使用することが好ましい。
【0073】
図9を参照すると、非膨張状態42a(左)及び膨張状態42b(右)にある円板状ブラダの断面図が示されている。円板状ブラダ42bは、2つの壁から形成され、膨張時に円板又は皿形状を有する。非膨張状態44a(左)及び膨張状態44b(右)にある、図10に示す矩形状ブラダは、円板状ブラダ42bに追加された利点を提供する。また、矩形状ブラダ44bは、治療領域から離れる方向に隆起又は拡張することなく圧迫を可能にする三次元ブラダとしても知られている。矩形状ブラダ44bは、その長さ及び幅全体にわたって均一に膨張する。この均一な膨張は、図9に示す円板状ブラダ42bの中心で生じ得る隆起を低減する。矩形状ブラダ44bの壁は、弾性又は非弾性とすることができる。別の選択肢として、非弾性壁及び弾性壁の両方の組み合わせが使用されてもよい。矩形状ブラダ44bの壁の1つ以上の部分は、剛性材料で形成されてもよく、又は膨張を回避するために主ラップ12のポケット20内に配置された剛性材料に取り付けられてもよい。
【0074】
図11図13を参照すると、本発明に基づいて構成された治療用圧迫装置100の典型的な実施形態が、治療用圧迫装置100内に一体形成された圧迫ブラダ102を示している。治療用圧迫装置100は、患者の肢部の周囲を取り巻くように構成及び適合され、例えばこの例では、その肢部は、連続した外側シート108及び内側シート106から外へ形成された主若しくは主ラップ103、及び副若しくは足部ラップ104の使用を通じた下腿である。治療用圧迫装置100は、近位端部分(図11及び図12内の向きは上部)及び対抗した遠位端部分(図11及び図12内の向きは底部)を有するラップ部材であり、その部材は、患者の下腿の周囲に一致させ、ブラダ102の膨張を介して圧迫を提供するように構成及び適合されている。内側シート106及び外側シート108は、一緒にRF溶接されるように構成及び適合されたナイロン積層ポリウレタンシートから作製されている。しかしながら、溶接可能であるか、又はそれ以外の方法では気密である間に接合されるかの任意の他の好適な材料を使用することができる。連続した周辺溶接線110は、一体形成されたブラダ102の気密境界を形成する。この典型的な実施形態では、ブラダ102は、主ラップ103及び副ラップ104全体にわたって単一の連続したブラダである。しかしながら、副ラップ104は、別個に膨張可能であるか、又は一方向弁若しくは他の所望の膨張/収縮構成を介して膨張可能であるかのいずれかの独立したブラダを有し得ることが想定される。また、副ラップ104は、下腿ラップ103から異なる圧力を提供するように構成及び適合され得る。典型的な実施形態では、副ラップ104内に配置されたブラダ102は、患者の足部の下側に沿って配置されるように構成及び適合されている。副ラップ104内のブラダ102は、患者の足部の所望の部分に圧迫を提供するように、要望とおりに調節することができる。
【0075】
この実施形態では、面ファスナ124は、内側及び外側シートのエッジに沿って提供されるため、調節を容易にし、例えば、下腿及び足部などの患者の肢部の上に治療用圧迫装置100を固定する。また、治療用圧迫装置100は、ジッパー、ボタン、又は他の係る好適な手段により成形されたカフスなどの他の手段によって患者の下腿に固定され得ることが想定される。更に、面止め具124は、以下に説明される足首ストラップ122の材料と同様の材料で置き換えることができ、着心地よさを改善するためにブラダ102に溶接/縫製/取り付けが可能であることも想定される。
【0076】
この実施形態では、膨張手段は、膨張ポート112に取り付けてブラダ102を膨張させることが可能な手押しポンプであるデバイス130である。また、機械的又は自動膨張ポンプ(図示せず)は、膨張ポート112に取り付けられ、ブラダ102を膨張及び収縮させて使用者の下腿に脈動圧力を提供することが可能であることを理解されたい。ブラダ内の特定圧力を提供し、したがって患者によって使用時に圧迫を提供するように、いくつかの又は様々な膨張手段、例えば、手動ポンプ、手押しポンプ、足押しポンプ、機械式ポンプ、電動ポンプ、電池式ポンプ、静的ポンプ、間欠ポンプ、可変ポンプ、自動ポンプ、空気圧ポンプ、負圧ポンプ、吸引ポンプ若しくは真空、パルスポンプ、又は任意の他の既知若しくは先進膨張源を使用することができる。また、通気弁(図示せず)が、治療用圧迫装置100中、又は膨張手段130と一緒に組み込まれて、使用者がブラダ102を選択的に収縮させることができる。更に、逆止弁又は安全弁が、膨張手段130又はブラダ102のいずれかと一緒に組み込まれ、ひとたび最大圧力が検出されると、過剰膨張を防止する。安全弁の例は、米国特許第7,276,037号、及び米国特許第7,850,629号に記載されており、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0077】
ここで、図14図15を参照すると、内側シート106及び外側シート108内に一体化されるようにブラダ102を形成することによって、その位置及び所望の予め構成された圧迫勾配プロファイルは、コスト効率よく得ることができる。ブラダ構成のいくつかの異なる実施形態は、上述した構成などの本発明の治療用圧迫装置内で使用することができる。図11及び図12は、内部に複数のスポット溶接114を伴うブラダ102を有する治療用圧迫装置100を示す。スポット溶接114は、患者の治療部位において必要となる圧迫に対する所望の勾配プロファイルに基づいて、最大限の効果が得られるように、所定のパターンでブラダ102内に配置されている。スポット溶接114により、膨張112を介して膨張したときに、ブラダ102が、勾配プロファイルを画定することを可能にする。ブラダ102内のスポット溶接114の幾何学的配置により、ブラダ102の特定の部分の膨張を増大させ、ブラダ102内に1つ以上の流体チャンバを作り出すことができる。この構成は、圧迫が、身体内の流体運動(例えば、血液、リンパ液等)を改善するのに必要な場合に、特に有用である。更に、線形溶接線116により、患者のふくらはぎの後部に加えられる張力を増大させることによって、患者のふくらはぎの後部に沿ってより良好な圧迫を可能にする。この増大した張力は、静脈流を増大させるように、より有効なふくらはぎ圧迫を生成することができる。ふくらはぎの後部に沿って横方向に配置された線形溶接線116は、治療用圧迫装置100の膨張プロファイルを小型に保つ波状部分を作り出し、それは、患者の歩行移動性を更に高め、患者の衣類との干渉を低減することができる。別の実施形態では、副ラップ104はまた、ブラダ102なしの弾性被服から作製することもできる。
【0078】
治療用圧迫装置の位置に応じて、異なる圧力勾配が利用され得ることを理解されたい。他のブラダ圧力勾配プロファイルの例が、米国特許出願第12/911,563号、及び米国特許出願第12/855,185号に記載されており、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0079】
ここで、図16図17を参照すると、ひとたび治療用圧迫装置100が、患者の下腿の周囲に固定されると、ブラダ102は、場所を移動させるこができないため、快適さを高め、患者におけるフィット問題を低減する。患者による容易な歩行性を高めるため、典型的な実施形態では、足首クッション126が、隣接するかかとポート120に取り付けられ、つまみ点の発生を防止し、患者のアキレス腱への圧力を低減することができる。足首クッション126と組み合わせて、足首ストラップ122を使用することができる。典型的な実施形態では、足首ストラップ122は、下腿ラップ103の底部、及び副ラップ104の上部におけるつまみ点を防止する非弾性発泡体を含むことができる。足首ストラップ122を設けることに対する更なる利点は、足首ストラップ122直近のブラダ102が、患者の脚部に対してぴったりと付き、患者のかかと近くの圧迫を改善することである。足首ストラップ122は、面ファスナ124を貼り付ける前に患者の足首及び足部の周囲に巻き付けられ、好都合である。図18からわかるように、快適性を改善するため、スルーホール118は、治療用圧迫装置100全体にわたって配置され、治療用圧迫装置100が膨張した状態での着用の間、患者の脚部の周りの通気を可能にする。明確にするため、必ずしもすべてのスルーホール118が、図中の参照文字で識別されているわけではない。
【0080】
典型的な実施形態によれば、内側シート106は、第1の弾性率を有する層(図示せず)を更に含み、内側シート106は、第2の弾性率を有する。第1の弾性率は、脚部圧迫ブラダが膨張したときに、脚部の周囲に治療用圧迫装置100を巻き付けている、治療用圧迫装置100の近位側及び遠位端部分に対して横断方向の第2の弾性率よりも小さい。典型的な実施形態では、内側シート106は、使用時に下腿と直接接触するように、その内側表面上に配設された副シート(図示せず)を含む。副シートは、布地層とすることができ、この層は、脚部圧迫ブラダが膨張したときに脚部の周囲でラップ部材が丸まるように、第1の方向には弾性的であり、第2の方向には非弾性的である。
【0081】
別の典型的な実施形態では、上部脚部ストラップ128は、患者のふくらはぎの最も広い部分の上方にブラダ102の一部分を配置することによって、治療用圧迫装置100の着用適合性を改善するように構成及び適合されており、治療用圧迫装置100が、ふくらはぎ圧迫を提供する際に、治療用圧迫装置100を無効にすることになる、患者の下腿を滑り落ちるのを防止することによって、治療用圧迫装置100の安定性を提供する。
【0082】
図19を参照すると、医療用アセンブリ150を含めて示されている本発明の別の実施形態が、提供されている。この医療用アセンブリは、概して、圧迫機構A、予充填空気ブラダB、吸収性発泡体、スポンジ又はドレッシング材C、及び吸引装置Sに結合された吸引導管Dを含む。予充填空気ブラダB、吸収性発泡体、スポンジ又はドレッシング材C、及び吸引導管Dは、ユニットとして提供されてもよい。図に示すように、圧迫機構Aは、患者の脚部Lの周囲に取り巻かれ、患者の足部Fの周囲に取り巻かれ得る取捨選択可能な足部ストラップEを含む。吸引導管Dは、アセンブリ1を吸引源Sに結合するための所望の長さである。
【0083】
図20Aを参照すると、例えば人体の下腿などの患者の脚部に圧力を加えるための治療用圧迫装置200(図19の圧迫機構Aに対応する)の別の実施形態が、提供されている。治療用圧迫装置200は、好ましくは、可撓性ラップ部材212、及び1つ以上の膨張可能な空気ブラダチャンバ214(好ましくは、図に示す単一の空気チャンバ)を含む。膨張可能な空気ブラダチャンバ214は、好ましくは、それが取り囲まれていない状態で可撓性ラップ部材212に固定されている。例えば、可撓性ラップ部材212は、空気ブラダチャンバ)214と共に、2つのエラストマー材料の層を含み得、その空気ブラダチャンバは、ナイロンねじ又は他の好適な締結手段により、これらの2つの層の間に貼り付けられている。別の選択肢として、可撓性部材212は、空気ブラダチャンバ(複数可)214が取り外し可能に挿入され、その中に確実に保持されるポケットを含んでもよい。更に別の選択肢の実施形態では、空気ブラダは、部材212の内側表面に接着されるか、又は溶接されてもよい。部材212のエラストマー材料は、ナイロン、ポリウレタン、綿、又は他の好適な材料から実現されてもよい。空気ブラダチャンバ(複数可)214と流体連通しているチューブ216は、圧送球218に延在している。圧送球218は、好ましくは、ゴムで作製され、チューブ216を介して空気ブラダチャンバ(複数可)214中に空気の圧送を加減する弁220を含む。空気は、圧送球218を圧搾することによって、空気ブラダチャンバ(複数可)214中に圧送される。このようにして、空気ブラダチャンバ(複数可)214は、加圧状態に置かれる。好ましくは、圧力計222は、空気ブラダチャンバ(複数可)214に動作可能に結合され、内部の圧力レベルの視覚的表示を提供する。自動圧力安全弁223及び手動圧力安全弁224が、例えばチューブ216を介して、空気ブラダチャンバ(複数可)214に動作可能に結合されてもよい。自動圧力安全弁223は、内部圧力が特定の閾値最大圧力に到達すると、チャンバ(複数可)214内の空気を周囲環境に自動的に通気する。好ましい実施形態では、この閾値最大圧力は、30~40mmHgであり、最も好ましくは、約40mmHgである。しかしながら、それは、所望の治療に基づいて、変化させることができる。このように、チャンバ214内の圧力は、閾値最大圧力を超えることができず、それによって、過剰な圧力から生じる壊死及び他の合併症の危険を低減する。手動圧力安全弁224は、患者(又は介護人)によって手動で作動されたとき、チャンバ(複数可)214内の空気を通気し、周囲環境に通気する。このように、空気チャンバ(複数可)214の内部圧力に対する迅速かつ容易な制御を容易にする。代替の実施形態では、手動圧力安全弁224及び可能性のある自動安全弁223は、共通のパッケージ内に一体化されてもよい。
【0084】
空気チャンバ214は、第1の寸法(例えば、図20Aの垂直寸法)における長さが、それと直交する第2の寸法(例えば、図20Aの水平寸法)における長さよりも実質的に長く、その結果、空気チャンバ214は、その長さ(垂直寸法)に沿って局所的な圧力を加えるために、下腿に沿って実質的に長手方向に延在するように位置決めされることができる。このような局所的な圧力は、チャンバ214の長さに沿って実質的に一定である。例示的な実施形態では、空気チャンバ214は、それが下腿のふくらはぎに沿って伸張しているように配設され、患者の下腿の周囲を確実に巻き付けられ膨張するときに、空気チャンバ214が局所的な圧力を患者の小伏在静脈に加えるのを可能にする。しかしながら、可撓性部材212及び空気チャンバ214は、下腿の別の部分(例えば、膝の下方の脚部の一部分)に沿って配設されるように、適合され得、空気チャンバ214が、膨張時に、局所的な圧力をそのような下腿の一部分に加えるのを可能にする。
【0085】
可撓性部材212は、使用時に、足部のかかと(及び/又は他の部分)の周囲に延在するストラップ(図示せず)を含み得る。このストラップは、使用時に、可撓性部材212の上方への移動を制限する。また、そのストラップは、サスペンダフック又はスロット(図示せず)を有することができ、サスペンダフック又はスロットは、サスペンダがそれらに嵌合するのを可能にし、膝又は大腿の周囲に巻き付けるバンドにより機構210を支持する。サスペンダは、使用時に、可撓性部材212の下方への移動を制限する。これらの特徴は、その所望の位置が使用の間中維持されるように脚部の長さに沿って可撓性部材212の進行を低減する。可撓性部材212は、足部上だけでなく、ふくらはぎ、大腿、股関節、臀部、胴体、肋骨、腕、手、指、肩、首、頭部などの他の肢部若しくは身体部分の上に位置付けられてもよい。
【0086】
代替の実施形態では、可撓性部材212及び空気チャンバ214は、それらが上方脚部の一部分(例えば、大腿の一部分)に沿って配設されるように、適合され得、空気チャンバ214が、膨張時に、局所的な圧力をそのような上方脚部の一部分に加えるのを可能にする。上方脚部の治療の場合、可撓性部材212は、膝関節レベルにおいて開口部(図示せず)を画定して、膝頭(ニーサップ)がそこを通って突き出すことができる。この構成では、可撓性部材212は、膝関節レベルの下方に延在し、下腿の部分の周囲に確実に巻き付け、脚部の安定性を提供することができる。また、その可撓性部材は、サスペンダフック又はスロット(図示せず)を有することができ、サスペンダフック又はスロットは、サスペンダがそれらに嵌合するのを可能にし、使用時に、腰ベルトにより機構210を支持する。サスペンダは、使用時に、可撓性部材212の下方への進行を制限し、その結果、可撓性部材212は、その所望の位置に維持する。
【0087】
好ましくは、可撓性部材212は、複数の面止め具機構226A、226B(例えば、VELCRO(登録商標)部材)を含む。好ましい実施形態では、可撓性部材は、図20Aに示すように、4つの面止め具機構を含む。これらの複数の止め具により、可撓性部材212及び空気チャンバ(複数可)214が、ヒトの脚部の一部分の周囲を確実に巻き付けるのを可能にする。必要ならば、他の好適な締結手段を使用して、可撓性部材及び空気チャンバ(複数可)をヒトの脚部に固定することができる。例えば、可撓性部材は、その長さ寸法に沿って伸張するジッパーを有するスリーブのような形状を形成するように適合され得る。別の選択肢として、ジッパーを省略し、スリーブのような可撓性部材が、所望の位置に配設されるまで患者の脚部上を滑るようにすることができる。
【0088】
好ましくは、空気チャンバ(複数可)内の圧力は、手動安全弁224又は逆止弁の使用者操作により低減/除外され(例えば、空気チャンバ(複数可)が収縮される)、空気圧式圧迫機構は、面止め具を手動で取り外されること、及び脚部の周囲から可撓性部材212を解くことによって、脚部から取り外される。
【0089】
図20Bは、可撓性部材212、及び1つ以上の予膨張(予充填)及び気密された空気チャンバ214(好ましくは、図に示すように、単一の空気チャンバ)を含む、代替の圧迫機構210(図19の対応する圧迫機構A)を例示する。予膨張密閉空気20チャンバ214は、それが巻き付けられていない状態で可撓性部材212に固定されていることが好ましい。例えば、可撓性部材212は、空気ブラダチャンバ(複数可)214と一緒にエラストマー材料の2つの層を含み得、その空気ブラダチャンバは、ナイロンねじ又は他の好適な締結手段によってその2つの層の間に貼り付けられている。別の選択肢として、可撓性部材212は、密閉された空気チャンバ(複数可)214が、着脱可能に挿入され、内部に固定保持されるポケットを含んでもよい。更に別の代替の実施形態では、空気チャンバは、部材212の内側表面に接着又は溶接されてもよい。それに関係なく、圧力計222は、空気チャンバ(複数可)214に動作可能に結合され、内部の圧力レベルの視覚的表示を提供する。可撓性部材212は、また、面止め具機構226A、22613(例えば、VELCRO(登録商標)部材)を有する複数のストラップ225、及びストラップを受容するための複数の開口部227も含む。好ましい実施形態では、可撓性部材は、3つのストラップ225、及び3つの開口部227を含む。使用中、ストラップは、開口部を通ってねじ止めされ、面止め具機構226A及び226Bが互いに係合するように、それら自体の上に戻される。固定されたストラップを引っ張り、止め具機構を使ってそれらを貼り付けることによって、多少の圧力が、予充填チャンバに加わり得、それによって圧迫機構が適用される肢部に多少の圧力を加え得る。加えられた圧力の量は、数値的又は他の視覚的表示を有し得る圧力計222のよって読み取ることができる。
【0090】
ここで、図21Aを参照すると、空気圧式圧迫機構(図19の圧迫機構Aに対応する)の代替実施形態が示されている。圧迫機構210’は、可撓性部材212’、及び1つ以上の膨張可能な空気チャンバ214’(好ましくは、図に示すように、単一の空気ブラダ)を含む。膨張可能な空気チャンバ214’は、好ましくは、本明細書に記載したように、流体充填部材230と同様な方法でフランジ部分の周囲を加熱封止することによって、互いに結合された2つの壁から形成され得る。空気チャンバ214’は、好ましくは、にかわ付け、溶接、又は他の好適な締結手段によって可撓性部材212’の内側表面に固定されている。別の選択肢として、可撓性部材212’は、空気ブラダチャンバ(複数可)214’と共に2つのエラストマー材料の層を含み得、その空気ブラダチャンバは、ナイロンねじ又は他の好適な締結手段により、これらの2つの層の間に貼り付けられている。可撓性部材212’は、好ましくは、ナイロン、ポリウレタン、綿、又は他の好適な材料から実現されてもよい。コネクタ216A’は、好ましくは、空気ブラダチャンバ214’の底面を通って延在するポート(図示せず)を経由して空気チャンバ214’と流体連通している。コネクタ216A’は、上述した圧送球、又は膨張機構への流体接続のための膨張チューブ(図示せず)と嵌合する。自動圧力安全弁323’及び手動圧力安全弁は、好ましくは、空気ブラダチャンバ(複数可)214’の底面を通って延在する追加のポート(図示せず)を経由して空気チャンバ(複数可)214’と流体連通している。
【0091】
好ましくは、可撓性部材212’は、可撓性部材212’(及びそこに固定される空気チャンバ(複数可)214’)がヒトの脚部の一部分の周囲に確実に巻き付けられるのを可能にする複数の面止め具機構(例えば、VELCRO(登録商標)部材)を含む。図20Aの典型的な実施形態では、可撓性部材212’は、部材212’の反対側に配設されたより大きなループパネル領域226B’に面合わせする部材212’の身体接触面に配設された3つのフックボタン226A1’、226A2’、226A3’を含む。必要に応じて、他の好適な締結手段を使用して、可撓性部材212’及び空気ブラダチャンバ(複数可)214’をヒトの脚部に固定することができる。例えば、可撓性部材212’は、その長さ寸法に沿って伸張するジッパーを有するスリーブのような形状を形成するように適合され得る。別の選択肢として、ジッパーを省略し、スリーブのような可撓性部材212’が、所望の位置に配設されるまで患者の脚部上を滑るようにすることができる。可撓性部材212’はまた、部材212’の強化された可撓性を提供する切り出し(図示せず)も含んでよい。
【0092】
使用の間、空気が、圧送球(又は他の膨張機構)の作動により、空気チャンバ(複数可)214’中に圧送される。空気チャンバ214’は、第1の寸法(例えば、図21Aの垂直寸法)における長さが、それと直交する第2の寸法(例えば、図21Aの水平寸法)における長さよりも実質的に長く、その結果、空気チャンバ214’は、その長さ(垂直寸法)に沿って局所的な圧力を加えるために、脚部に沿って実質的に長手方向に延在するように位置決めされることができる。このような局所的な圧力は、チャンバ214’の長さに沿って実質的に一定である。
【0093】
図に示された典型的な実施形態では、空気チャンバ214’は、図に示すように、長さ13.00インチ(垂直寸法)、並びにその上端及び下端における幅、それぞれ、3.77インチ及び3.51インチ(水平寸法)を有する。チャンバ214’の幅は、上端及び下端から最小幅まで離れるように延在するにつれテーパ状となり、図に示すように、相対的に下端により近くに配置されている。空気チャンバ214’は、他の形状及びサイズを取ることができることを理解されるであろう。
【0094】
図21Bに示すような別の代替の実施形態では、圧迫機構210’’(図19の圧迫機構Aに対応する)の可撓性部材212’’及び空気チャンバ214’’は、それらが、上方脚部(例えば、大腿の一部分)の一部分に沿って配設されるように適合され、空気チャンバ214’’が、膨張時に、そのような上方脚部の一部分に局所的な圧力を加えるのを可能にする。機構210’’の構成要素の構造及び動作は、図21Aに関して上述した機構210’と同様であるため、そのような構成要素の記載は、説明の簡単にするため、省略する。
【0095】
図に示される典型的な実施形態では、可撓性部材212’’は、上部脚部の周囲に巻き付けられるときに、それに一致するように輪郭が描かれている。空気ブラダチャンバ214’’は、図に示すように、長さ11.75インチ、及びその下端において最大の幅6.00インチ(水平寸法)を有する。チャンバ214’’の幅は、図に示すように、下端から上端に離れるように延在するにつれ、テーパ状となる。空気チャンバ214’’は、他の形状及びサイズを取ることができることを理解されるであろう。
【0096】
図21A及び21Bの実施形態のうちのどちらかのチャンバは、図20Bを参照して上述したように、予充填及び封止され得ることを理解されるであろう。空気を受容するように配列された空気チャンバは、手動圧送球(図20Aに示すように)を使って膨張されることができ、又は空気をチャンバ中に圧送するために電池若しくはAC壁電流を使用することができる電気式空気ポンプ(図示せず)によって膨張させることができることも理解されるであろう。任意の既知の空気又は流体が、手動、機械式、電気式、電池式、又は任意の他のパワー供給ポンプ若しくは圧力発生機のどれにでも使用されてもよい。膨張手段は、患者によって使用中に圧迫を提供するようにブラダ内の特定の圧力を提供するように、手動ポンプ、手押しポンプ、足押しポンプ、機械式ポンプ、電動ポンプ、電池式ポンプ、静的ポンプ、間欠ポンプ、可変ポンプ、自動ポンプ、空気圧ポンプ、負圧ポンプ、吸引ポンプ若しくは真空、パルスポンプ、又は任意の他の既知若しくは先進膨張源とすることができる。
【0097】
圧迫機構の他の実施形態は、例えば、図19のブラダB、発泡体、スポンジ又はドレッシング材C、及び吸引導管Dの少なくとも一部分に対応するなどの封止流体充填ブラダ、吸収性発泡体、スポンジ又はドレッシング材、及び吸引導管の組み合わせなどが可能である。
【0098】
流体充填部材238は、非常に多くの方法で形成され得る。1つの構成では、流体充填部材は、好ましくは、フランジポート(図示せず)の周囲を加熱封止することによって互いに結合された2つの壁242A、242Bを含む。この2つの壁は、その間が流体で充填されるチャンバ246を画定する。チャンバ246内に保持される流体は、気体(空気など)、液体(水など)、又はゲルとすることができる。チャンバ246内の流体は、抗生物質、発育因子、吸収薬などの1つ以上の治療用薬剤と一緒に混合され得る。このような構成では、底部壁242Bは、チャンバ246内に保持されている治療用薬剤が、チャンバ246内の所望の内部圧力を維持しながら、治療部位まで移動することができるような半透性材料から実現される。このような流体はまた、治療部位の加熱及び/又は冷却治療に有用である加熱及び/又は冷却を保持するゲル剤としてもよい。
【0099】
流体充填部材238は、好ましくは、4~6インチほどの長さ、2~4インチほどの幅、及び1つのクオータ~3つのクオータインチほどの高さを有する楕円形状を有する。十分な流体は、好ましくは、部材238の壁が互いに垂れ下がって接触するのを防止するように提供されることであるが、ある程度の垂れ下がりは、許容され得る。流体充填部材238の壁は、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、又は当技術分野で既知の他のプラスチックから形成されることができ、流体充填部材238は、圧迫機構によって40mmHgがそれに加えられたときに破裂しないように十分厚い(すなわち、十分強い)ものである。流体充填部材238が、他の形状及びサイズを取り得、他の材料から作製され得ることが、理解されるであろう。
【0100】
吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材245(以下、「スポンジ」と称する)が、流体充填部材238に取り付けられる。スポンジ245は、創傷又は潰瘍からの滲出物を吸収する能力を有する。更に、スポンジは、好ましくは、創傷又は潰瘍からの滲出物を吸い上げる際に助けとなる開放気泡構造を有することである。スポンジ245は、好ましくは、流体充填部材と同様のサイズ及び形状であることである。スポンジ245は、好ましくは、スポンジ245及び流体充填部材238が互いから容易に離れられないように、流体充填部材の底部壁242Bに接着剤により固定されていることである。別の選択肢として、スポンジは、そのスポンジを剥がし、交換することができるように、接着フィルムにより流体充填部材242Bに軽く貼り付けてもよい。別の代替として、流体充填部材238は、挿入され得、要望とおりフラップへ挿入し、フラップから取り外すことができるスポンジ245のための周縁部保持フラップと一緒に提供され得る。必要に応じて、スポンジの周縁部は、封止材をスポンジ中に注入すること、又はスポンジの開放気泡構造をなくすことのいずれかによって封止することができる。スポンジの周縁部を封止することは、以下に説明するように、吸引がユニットに適用されるときに、空気がスポンジに入るのを低減するのに役立ち得る。
【0101】
ユニット230内の実施形態は、例えば、流体充填部材238とスポンジ245との間に提供される吸引導管247を含み得る。より具体的には、吸引導管247は、一連の孔251を画定する分岐された遠位端249を有するチューブとすることができる。孔251は、スポンジ245に向かって下方に向けられているため、負圧源が吸引導管247に加えられると、その負圧は、スポンジ245を介して創傷又は潰瘍に加えられ得る。その結果、滲出物は、毛管作用で吸い取られ、創傷又は潰瘍からスポンジ245を介して導管247に吸引され得る。別の実施形態では、吸引導管247の分岐された遠位端249は、ユニット230の周辺部辺りの一部のみに延在する。導管の近位端は、負圧源S(図19に示す)に再び結合されるボトル又は容器に結合することができる。別の選択肢として、導管の近位端は、ボトル又は容器、及び負圧源に結合される細長い導管(延長チューブ)に順次結合されることができる流体結合259で終端されてもよい。このように、導管は、ユニットから容易に取り外すことができるため、圧力が依然として創傷又は潰瘍に加えられている間に、患者は、歩行することができ、吸引源から離れて輸送されることができる。
【0102】
吸引導管247は、流体充填部材238とスポンジ245との間に、好ましくは接着剤(図示せず)で保持されることができ、接着剤は、導管247の遠位端249の上部及び底部に塗布され、遠位端249を、その底部上のスポンジ245に、またその上部上の流体充填部材238に固定する。別の選択肢として、吸引導管247は、流体充填部材238及び/又はスポンジ245に加熱封止又はレーザ封止されてもよい。スポンジ245が、流体充填部材238から取り外し可能である実施形態では、導管247は、好ましくは、流体充填部材238の底部にのみ接着されることである。
【0103】
予充填空気ブラダ、スポンジ、及び吸引導管(図19のブラダB、発泡体、スポンジ又はドレッシング材C、及び吸引導管Dに対応する)を組み込むユニットの別の実施形態は、以前の典型的な実施形態のユニット230’とは異なり得、すなわち、この実施形態における流体充填部材238’が、中央孔239(すなわち、それはドーナッツのような形状をしている)を画定し、吸引導管247’の遠位端249が、分岐しておらず、一連の孔を含まないが、流体充填部材238’の中央孔を通って延在し、スポンジ245’に配置された開口端部251’を有するという点においてである。好ましくは、吸引導管247’は、吸引導管247’の遠位端249’を、中央孔239を画定する流体充填部材238’の壁に固定する接着剤(図示せず)によって、中央孔239内の適所に保持されることである。別の選択肢として、吸引導管247’は、それが予充填空気ブラダ及びスポンジユニットから取り外すことができるように、摩擦又は他の手段によって適所に保持されることができる。以前の実施形態と同様に、スポンジ及び流体充填部材は、互いに強く又は弱く接着され得、又はスポンジは、スポンジを保持する流体充填部材のフランジ要素から着脱可能とすることができる。更に、スポンジは、周縁部において封止されることができる。
【0104】
予充填空気ブラダ、スポンジ、及び吸引導管(図11のブラダB、発泡体、スポンジ又はドレッシング材C、及び吸引導管Dに対応する)を含むユニットの第3の実施形態が、図22に表されている。ユニット230’’は、吸引導管247’’が、流体充填部材238’’とスポンジ245’’との間で水平に向けられ、開口端部251を有する遠位端249’’を含むことを除いて、以前の実施形態として上記で開示したユニット230及び230’と同様である。開放端部251’’は、好ましくは、ユニット230’’内の中央に配置され、下方に向けられている(すなわち、導管247’’の上部半分が、底部半分よりも更に延在している)ことである。吸引導管247’’は、流体充填部材238’’とスポンジ245’’との間に、好ましくは接着剤(図示せず)で保持されることができ、接着剤は、導管247’’の遠位端249’’の上部及び底部に塗布され、遠位端249’’を、その底部上のスポンジ245’’に、またその上部上の流体充填部材238’’に固定する。スポンジ245’’が、流体充填部材238’’から取り外し可能である実施形態では、導管247’’は、好ましくは、流体充填部材238’’の底部にのみ接着されることである。必要に応じて、スポンジ245’’は、周縁部において封止されることができる。
【0105】
本発明の一態様によれば、創傷又は潰瘍の上の適所にユニットを保持するための追加手段を有するユニット230、230’、及び230’’が、提供され得る。このため、ユニットの周辺部は、生体適合性接着剤と一緒に提供されてもよい。接着剤は、スポンジ上に提供されることができ、又は流体充填部材は、生体適合性接着剤を有するフランジ(図示せず)と一緒に提供されてもよい。別の選択肢として、並びに図23A及び23Bに示すように、ストラップ277は、ユニットを適所に保持及び固定するための手段として提供されてもよい。一実施形態では、ストラップは、同じ材料から、また流体充填部材238、238’、238’’と一緒に一体化して形成され、流体充填部材の一方の側面から延在している。ストラップは、肢部Lを取り巻くように、十分長くなるように適合されている。ストラップの端部は、ストラップを流体充填部材の他方の側面に結合するように使用される接着剤と一緒に提供される。別の選択肢として、流体充填部材は、ストラップが引き締めのために固定され得るスロット(図示せず)と一緒に提供されてもよい。別の実施形態では、ストラップは、別個に形成され、流体充填部材に取り付けられる。この場合もやはり、ストラップの端部は、ストラップを流体充填部材の他方の側面に結合させるための接着剤と一緒に提供されてもよい。別の選択肢として、流体充填部材は、別個に形成されたストラップが引き締めのために固定され得るスロット(図示せず)と一緒に提供されてもよい。
【0106】
使用中、患者又は開業医は、ユニット230、230’、230’’を選択し、創傷又は潰瘍の上にユニットスポンジ面を置くであろう。ユニットがストラップを含む場合、ユニットは、肢部上の適所に固定されることができる。別の選択肢として、ユニットが接着剤リングを含む場合、接着剤リングが好ましくは、創傷又は潰瘍と反対側の健康な皮膚上に置かれるように、ユニットが配置される。ひとたびユニットが配置されると、他の実施形態の適切な圧迫機構10、110、210、210’、210’’が、ユニット230、230’、230’’上に配置された他の実施形態の空気チャンバ14、214、214’、214’’、114と共に肢部上に取り巻かれる。所望の場合、空気チャンバは、加圧され(又は圧力がラップの固定によって加えられる)、圧力は、圧迫機構により、肢部及びユニットに加えられる。ユニットへの加圧は、特定の圧力を創傷又は潰瘍に加え、治療プロセスの助けとなる。また、所望の場合、吸引チューブ247、247’、247’’を介して、負圧源をユニットに加えることによって、吸引が、創傷又は潰瘍に適用される。スポンジが周縁部において封止される場合、滲出物を移動させるのに必要な吸引量は、少なくなる。吸引及び圧力は、一緒に又は単独で(交互に)適用することができ、又は必要に応じて、一方若しくは他方が一定に適用され、かつ他方がオン及びオフを繰り返してもよい。一緒に適用されるとき、正の機械的圧力は、圧迫機構及びユニットによって創傷又は潰瘍に加えられ、これに対して、負の空気圧力は、負圧源によりスポンジを介して創傷又は潰瘍に加えられ、それによって、滲出物を除去し、更に治療プロセスの助けとなる。更に、必要に応じて、圧力センサ(図示せず)が、ユニット230、230’、230’’と一緒に組み込まれ、電気的に吸引源Sに結合されてもよく(典型的には、ワイヤを介して、図示せず、吸引チューブ247、247’、247’’に沿って走る)、そこでは、吸引源Sは、オン/オフ制御(図示せず)を有する。このように、負圧源Sは、センサ(図示せず)により検知されると、圧迫機構及びユニットにより加えられた機械的圧力の関数としてオン及びオフされることができる。このため、圧力が所望の閾値を越える場合、吸引はオンされ得、圧力がそれ未満の場合、又はより低い閾値未満の場合、吸引はオフされ得、又は、必要に応じて、圧力が所望の閾値を越える場合、吸引はオフされ得、圧力がそれ未満の場合、又はより低い閾値未満の場合には、吸引はオンされ得る。圧力センサ(図示せず)は、流体充填部材238、238’、238’’と、スポンジ245、245’、245’’との間に、又はスポンジ内に、又は流体充填部材の表面上に配置されることができる。空気チャンバ14、114、214、214’、214’’、又は可撓性部材12、112、212、212、212’、212’’の他の実施形態、又は他の実施形態と関連付けられ得る。
【0107】
スポンジが、流体充填チャンバから分離可能である場合、スポンジは、所望の間隔で交換されることができる。分離可能でない場合は、ユニット全体が、必要に応じて、交換されることができる。ユニットが流体結合を有する場合、吸引チューブは、ユニットの交換前に取り外され得る。このユニットは、治療用圧迫装置10、100、200、300、400、及びアセンブリ310の下に配置されることができるため、負圧は、CVI、DVT及び/又はリンパ浮腫の治療のための圧迫と結合される。
【0108】
説明及び例示、並びに非限定のために、本発明の別の典型的な実施形態が、治療用圧迫装置200を含めて、図18図24に示されており、かつ、又は本発明によるそれらの態様が、図18図24に示され、概ね参照文字200によって指定されている。本発明による別の典型的な実施形態、又はそれらの態様が、図25図34に示されており、概ね参照文字300によって指定され、またアセンブリは、310により指定されている。
【0109】
図24を参照すると、断続圧力を、脚部などの人体の一部分に提供するための膨張手段を含む治療用圧迫装置300の別の実施形態が示されており、この装置は、血流及び排液を促進し、静脈潰瘍又は創傷を含む様々な状態を治療する。この実施形態では、この装置は、主ブラダ312及び副ブラダ314を利用し、各ブラダは、膨張により流入する流体を収容できる膨張可能なチャンバ312a、314aを有する。ブラダ312、314は、流体導管316によって流体結合され、流体導管は主ブラダ312及び副ブラダ314にそれぞれの端部316a、316bにおいて取り付けられ、それによって、流体が主ブラダ312及び副ブラダ314の間を前後して流れることを可能にする。以下に更に検討される好ましくて代替の実施形態において説明されるように、2つのブラダ312、314のうちの一方が断続的な収縮を起こすと、2つのブラダ312、314のうちの他方に断続的な膨張、及び圧力の増大が生じる。
【0110】
図25A図25Cを参照すると、主ブラダ312が、最もよくわかる。主ブラダ312は、下部壁320、及び下部壁320のフランジ部324上に、好ましくは治療封止により一緒に結合された上部壁322を有する。下部壁320及び上部壁322は、その間にある膨張可能なチャンバ312aを画定する。上部壁322は、フランジ部324から直角に延在し、側壁326を形成し、次いで、通常下部壁320と平行である頂部壁328を形成するように湾曲している。フランジ部分324を含む下部壁320、及び上部壁322は、可撓性であるため、下部壁320は、脚部の表面輪郭に一致するように曲げることができる。材料の下層330は、主ブラダ312の下部壁320上に任意選択で提供されている。下層330は、好ましくは、汗、膿、又は他の流体を吸収し、創傷に対してより繊細な接触表面を提供する半透過性材料(例えば、スポンジ)である。必要に応じて、接着剤フィルムが、フランジ部分324上に設けられ、主ブラダ312を脚部に固定するのに役立ち得る。
【0111】
一実施形態では、主ブラダ312は、膨張可能なチャンバ312aの内側に第1の端部318a、及び膨張可能なチャンバ312aの外側に第2の端部318bを有する上部壁322を貫通して延在するノズル又はコネクタ要素318を有する。ノズル318は、流体導管316(図24)の第1の端部316aにおいて流体導管316を受容する。ノズル318の第2の端部318bは、気密封止がノズル318と上部壁322との間に設けられる限り、別の選択肢として、膨張可能なチャンバ312aの外側ではなく、側壁326と同じ高さに配置されることができる。ノズルは、好ましくは、流体導管316がノズル318中に挿入されているときに限り、内部弁(図示せず)と一緒に設けられるが、流体導管316がノズル318から取り外された場合、その内部弁は、閉じ、流体の漏れを防止する。図25Cに示すように、ノズル318は、好ましくは、下部壁320と平行である上部壁322の側壁3326部分を貫通して延在するため、主ブラダ312が脚部上の創傷を覆うように置かれたときに、ノズル318は、脚部の表面と主に平行である方向に延在する。脚部の表面と平行であるノズル318が、脚部の表面と直交する隆起又は突出部を作り出すことを防止するという条件では、以下に更に検討するように、主ブラダ312が脚部に取り付けられるとき、ノズルは、直接ノズル318の下の脚部の領域上に追加圧力を作り出すことができる。更に、脚部の表面と平行であるノズル318を維持することは、脚部の表面と主に平行である方向に主ブラダ312との流体導管316の取り付け、すなわち被服が主ブラダ312をより容易に覆うことができる構成を容易にするであろう。
【0112】
別の実施形態では(図示せず)、主ブラダ312は、ノズル318を含まない。その代わり、流体導管316の第1の端部316aが、主ブラダ312と一体形成され、その結果、流体導管316は、主ブラダ312から切り離せない。任意選択の一方向弁68が、以下に説明しているように、提供されている。指定しなかった場合には、そのシステムは、製造工程中に加圧されるクローズドシステムであり、したがって、主ブラダ312、又は装置10の任意の他のコンポーネントが、その動作前に加圧される必要はない。
【0113】
図25A~25Cを参照すると、主ブラダ312は、主ブラダ312を脚部の下部に固定するために脚部の周囲に延在するように設計された複数のストラップ332を任意選択で装備されている。ストラップ332は、脚部の周囲に巻き付けた後に互いに重ね合わせて取り付けるVelcro部分356(図25A)を含むことができる。ストラップ332はまた、弾力のある品質を有し、それらが脚部の周囲に巻き付けられたときに、軸方向に向かう圧迫力を生み出すことができる。一実施形態では、ストラップ332が、脚部の周囲を通過した後に膨張可能なチャンバ312aを覆うように張力で巻き付けられるため、VELCRO(登録商標)部356が接続されると、ストラップ332は、膨張可能なチャンバ312aの上に連続した圧迫力を加える。他の実施形態では(図示せず)、ストラップ332は、脚部の周囲に水平に固定され、又は主ブラダ312上を交差して、主ブラダ312を脚部に固定し、外側に膨らむ膨張可能なチャンバ312aに抵抗力を与え、したがって、更に以下に検討するように、付加流体が膨張可能なチャンバ312a中に押し出されると、創傷領域上に圧力を加えることができる。
【0114】
流体主ブラダ312の下部壁320、上部壁322、及び下層330は、様々な形状でかつ様々な材料から形成されることができるが、可撓性プラスチック又はゴムが好ましく、その結果、流体主ブラダ312が、特定の輪郭、及び所与の脚部の湾曲に適応するように曲がることができる。主ブラダ312のサイズは、変化してもよく、様々なサイズが、創傷のサイズ及び位置に応じて選択されてもよい。流体主ブラダ312の上部壁322は、好ましくは、可撓性及び弾力性のあるプラスチック(例えば、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、又はポリプロピレン)などの材料から作製され、これらの材料は、形状を変え、追加流体がその内部に進入するにつれて膨張可能なチャンバ312aの容積を増大させることができる。上部壁322の材料は、圧力が膨張可能なチャンバ312a内部で増大するにつれ、圧力は、上部壁322によって吸収されず、却って壁を介して脚部に伝達されるように、非剛性である必要がある。装置10全体の一部としての主ブラダ312の動作は、以下により詳細に検討される。
【0115】
流体副ブラダ314は、図26を参照すると、最もよくわかる。副ブラダ314は、フランジ342を有する下部壁334、並びに側壁338及び頂部壁340を形成する上部壁336を有する。流体副ブラダ314は、主ブラダ312と同様に形成されてもよい。下部壁334及び上部壁336は、好ましくは、下部壁334のフランジ342上で加熱封止によって、互いに結合される。上部壁336及び下部壁334は、膨張可能なチャンバ314aを画定する。上部壁336は、フランジ342から直角に延在して側壁338を形成し、湾曲して頂部壁340を形成し、通常、上部壁は下部壁334と平行である。フランジ342を含む下部壁334、及び上部壁336が、可撓性を有するため、下部壁334は、足首の表面輪郭に一致するように曲げることができる。
【0116】
一実施形態では、図27に示すように、副ブラダ314は、かかとに一致する曲げ構成で着用されている。副ブラダ314の膨張可能なチャンバ314aのサイズ及び形状は、非常に変化する可能性があり、例として、長さ約3~6インチ、幅約1と半分~3インチ、及び膨張時の高さ約4分の1クオータ~1ハーフインチの間であるが、これに限定されない。膨張可能なチャンバ314の形状は、好ましくは、足部又はかかとの形状に一致する。材料の下層344は、副ブラダ314の下部壁334に、任意選択で設けられている。流体副ブラダ314が、それをカバーするどんな履き物もなしで着用される場合には、下層344は、かかと用追加緩衝材を設けることができ、及び/又は下部壁334よりも大きい静摩擦係数を有する滑り止め表面を設けることができる。流体副ブラダ314はまた、上げ下げして着用することができ、膨張可能なチャンバ314aは、その外側に動作可能に配設され、下層344は、かかとと直接接触してその内側に配設されている。以下に更に詳細に検討するように、副ブラダ314の主な機能が、通常の歩行運動中に流体を主ブラダ312中に圧送し、流体を主ブラダ312から逆に受容することであるため、下層330は、これらの構成のいずれかで任意選択可能である。
【0117】
一実施形態では、副ブラダ314は、膨張可能なチャンバ314aの内側の第1の端部346a、及び膨張可能なチャンバ314aの外側の第2の端部346bを有する上部壁336を貫通して延在するノズル又はコネクタ要素346を有することができる。ノズル346は、流体導管316の第2の端部316bにおいて(図24)流体導管316を受容する。ノズル346は、好ましくは、内側弁(図示せず)と共に設けられ、その内側弁は、流体導管316がノズル346に挿入されている限りでは開放され、流体導管316がノズル346から取り外されている場合には、閉止し、流体の漏洩を防止する。ノズル346は、好ましくは、下部壁334と平行である上部壁336の側壁338部分を貫通して延在するため、副ブラダ314が脚部の後部と概ね平行である上方の方向に延在するノズル346を有する構成中に曲げられる。
【0118】
別の実施形態では、副ブラダ314は、ノズル346を含まない。その代わり、流体導管316の第2の端部316bが、副ブラダ314と一体形成され、その結果、流体導管316は、副ブラダ312から切り離せない。上述のように、任意選択の一方向弁368が、以下に説明しているように、提供されている。提供されない場合には、システムは、製造工程中に加圧されるクローズドシステムであり、したがって、副ブラダ314、又は装置10の任意の他のコンポーネントが、その動作前に加圧される必要はない。
【0119】
図27に示すように、上述した曲げ構成では、副ブラダ314の膨張可能なチャンバ314aは、圧迫部分348及び接続部分350に分割されているように説明され得る。副ブラダ314は、足部のかかと(更に以下に検討されている)に取り付けられ、膨張可能なチャンバ314aの圧迫部分348は、かかとの下に直接動作可能に配設され、これに対して、接続部分350は、脚部(図27)の方向と概ね平行である方向に向けられている。圧迫部分348に垂直である接続部分350の方向に延在するノズル346を配置することは、使用者が歩行の間に圧迫部分348を踏むときにノズル346が圧迫されるのを防止する。更に、圧迫部分348に垂直である方向にノズル346を配置することは、流体導管316が脚部と平行である副ブラダ314に取り付けるのを可能にし、流体導管316が、人が歩行している間に足首又は脚部により圧迫されるのを防止する。
【0120】
副ブラダ314は、好ましくは、足部の周囲に巻き付けて流体副ブラダ314を足部の下部に固定する少なくとも2つの前方及び/又は後方のストラップ352、354を装備されている。ストラップ352、354は、好ましくは、脚部の周囲に巻き付けた後に互いに重ね合わせて取り付けるVelcro部分360を含む。前方ストラップ352は、加熱封止、接着、縫い込み、又は他の同等手段により、副ブラダ336の下部壁334又はフランジ342に取り付けられている前方フラップ358から延在している。前方ストラップ352は、前方フラップ358から離れて延在する。後方ストラップ354は、加熱封止、接着、縫い込み、又は他の同等手段により、副ブラダ314のフランジ342又は下部壁334のどちらかに直接接続している。後方ストラップ354は、副ブラダ314の後方部分から開始し、脚部の前方にある足部の上部に向かって引っ張り上げられ、足部の上部の上に巻き付けることができる。後方ストラップ354はまた、足部の上部で互いに重ね合わせて取り付けるVELCRO(登録商標)部分(図示せず)を有する。一実施形態では、前方及び後方ストラップ352、354は、足部の上部の上を張力で巻き付けられ、膨張可能なチャンバ314aがかかとに固定して配置されるときに、連続的な圧迫力が、膨張可能なチャンバ上に加えられる。後方ストラップ354は、接続部分350から上方に延在するノズル346が圧迫されるほどきつく引っ張られるべきではない。
【0121】
副ブラダの様々な実施形態は、膨張可能なチャンバ314a’及びノズル346を有する三日月形状、又は膨張可能なチャンバ314a’’及びノズル346’’を有する矩形形状を含んでもよい。副ブラダ314’及び314’’は、かかとに取り付け、その結果、各膨張可能なチャンバ314a’、314a’’の大部分が、足部のかかと及び下部の下に動作可能に配設されている。このような実施形態では、膨張可能なチャンバは、圧迫部分348及び接続部分350に分割されず、その理由は、かかとが地面を打つときに、膨張可能なチャンバの一部のほとんどが圧迫されるからである。
【0122】
すべての実施形態では、流体が歩行運動により副ブラダから押し出されるときに、主ブラダが副ブラダの流体のすべてを収容することができるように、副ブラダ内の流体の量が選択される。好ましくは、システムは、主ブラダが概ね30~40mmHgの一定の圧力を創傷部位に加えるように配列され、流体が歩行運動により副ブラダから押し出されるときに、主ブラダ内の圧力は、追加の10~20mmHgだけ増大する。より高い断続的な圧力(例えば、80mmHg)を許容することは可能であるが、最大圧力50~60mmHgが好ましい。
【0123】
図26、及び上述の他の可能な実施形態では、流体導管316は、副ブラダ314’、314’’の膨張可能なチャンバ314a’、314a’’に貼り付けられることができる。別の選択肢として、副ブラダ314’、314’’は、膨張可能なチャンバの内側の第1の端部、及び膨張可能なチャンバの外側の第2の端部を貫通して延在するノズル又はコネクタ要素346’、346’’と一緒に設けられることができる。ノズルの第2の端部は、好ましくは、ノズル346’、346’’が、立っている位置に、又は歩行運動の間に足部によって押しつぶされないように、かかとの後ろに配設されている。
【0124】
図26に示すように、副ブラダ314’’は、前方及び後方のストラップ352’’、354’’と一緒に設けられることができ、それらは、短くされ、足部(又は靴下)に直接取り付けるためにストラップ352、354の端部に配置された接着部分366と一緒に設けられている。
【0125】
流体導管316がブラダ312、314と一体形成され、恒久的に接続された本発明の実施形態では、装置10は、クローズドシステムである。このような実施形態は、ブラダ312、314の、又は使用前の流体導管316のいずれかの加圧を必要としない。逆に、装置10の製造工程の間に、流体導管316の端部316a、316bは、流体結合され、膨張可能なチャンバ312a、314aと共に気密封止を形成する。膨張可能なチャンバ312a、314aのうちの一方又は両方の加熱封止の間、タイヤシステム内に閉じ込められた流体の量が、制御される。別の選択肢として、一方向弁/ノズル368が設けられる場合には、流体導管316が恒久的にブラダ312、314に取り付けられ、治療用圧迫装置300及びアセンブリ310の加圧は、逆止弁又は安全弁などの一方向弁/ノズル368の手段により行われ得る。一方向弁/ノズル368は、空気ポンプなどの流体源に接続することによって、治療用圧迫装置300及びアセンブリ310を所望の圧力に加圧するのに使用される。ひとたび所望の圧力(それは、環境の空気圧力とすることができる)が到達されると、流体源は、一方向弁368から取り外され、閉止する。そのような実施形態では、ノズル318、346は、治療用圧迫装置300及びアセンブリ310がクローズドシステムであるため、不要である。流体は、流体導管316を介して(治療用圧迫装置300及びアセンブリ310が、以下に検討される方法で動作されるにつれ変化するブラダ312、314の各々における圧力を伴って)ブラダ312、314の間を自由に流れるが、付加流体は、装置10中には許容されない。本明細書で検討したように、装置10は、足部及び主ブラダ314、312を足部及び脚部に取り付けることによって、身体に固定されている。逆止弁又は安全弁などの一方向弁368は、別の選択肢として、流体導管316上ではなく、ブラダ312、314の膨張可能なチャンバ312a、314aのうちのいずれかの上に配置されてもよい。
【0126】
他の実施形態では、流体導管316は、主ブラダ312及び副ブラダ314のノズル318、346に取り外し可能に接続されている。このような実施形態では、流体導管の端部316a、316bは、ノズル318、346を貫通して挿入され、気密状態で主ブラダ312を副ブラダ314と流体結合することができる。流体導管316とノズル318、346との間の気密接続は、雄及び雌ねじ表面、バヨネットロック、又は当技術分野で既知の他の同等な手段によって実現することができる。ノズル318、346は、流体導管316を取り付ける前又はその後に膨張可能なチャンバ312a、314aのうちのどちらか又は両方を加圧するための二方向弁(図示せず)を収容することができる。流体導管316は、好ましくは、ゴム又はプラスチックから作製され、例として、また限定する例ではないが、1/4~1/2インチの範囲内の直径、2~12インチの範囲内の長さ、及び1/8~1/2インチの範囲内の厚さの壁を有する。この壁の厚さは、圧力が治療用圧迫装置300及びアセンブリ310の動作全体にわたって流体導管内部で変化するため、流体導管316の膨張を防止又は最小化するように推奨される(すなわち、チューブは、好ましくは、60mmHgの圧力、膨張がない場合は、それ以上の圧力に耐えることができる)。
【0127】
流体導管316がブラダ312、314に恒久的に取り付けられる実施形態では、本明細書で説明したように、治療用圧迫装置300及びアセンブリ310は、足部及び主ブラダ314、312を足部及び脚部に単純に取り付けることによって組み立てられる。追加の組み立ては、必要ではない。
【0128】
流体導管316が、ブラダ312、314に取り外し可能に接続されている実施形態では、装置は、最初に足部及び主ブラダ314、312を足部及び脚部に取り付けた後に流体導管316をノズル318、346に接続するか、又は最初に流体導管316を足部及び主ブラダ314、312を接続した後に足部及び主ブラダ314、312を足部及び脚部に接続するか、のどちらかによって組み立てられることができる。このような実施形態では、流体は、空気ポンプなどの流体源から、ノズル318、346を介して、主ブラダ312の膨張可能なチャンバ312a、又は副ブラダ314の膨張可能なチャンバ314aのいずれか(又は両方)に供給される。流体が供給されるにつれ、ブラダ(複数可)312、314は、膨張し、加圧する。流体源がノズル318、346から取り除かれると、ノズル内の弁は、各ブラダ312、314における圧力を維持するであろう。次いで、流体導管316は、2つの端部316a、316bのうちの一方において締め付けられ得、これに対して、2つの端部316a、316bのうちの他方は、ノズル318、346のうちの1つに結合される。流体導管316は、それが内部に入ると、ノズル内の弁を開放する。次いで、流体導管316の締め付けられた端部は、他方のノズルに結合され、そのノズルは、そのノズル弁を開放し、次いで装置10は、動作の準備が整う。治療用圧迫装置300及びアセンブリ310の内側で使用される流体は、空気、液体、又は、所望の流体源に応じて、所望の圧力、及び使用された特定の材料の両方の組み合わせとすることができる。
【0129】
本発明の更に別の実施形態では、主ブラダ312は、共有された米国特許第7,276,037号による1つの開示などの可撓性脚部ラップ装置370によって脚部上に配置されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。脚部ラップ装置370が、図28A図28Bに示されており、可撓性ラップ部材373に固定された膨張可能な空気ブラダチャンバ372を有する。可撓性部材373は、可撓性部材373の内側表面上に動作可能に配設された空気ブラダチャンバ372と一緒に巻き付けられた構成で脚部の周囲に巻き付けるように設計され、その結果、可撓性部材373は、脚部の大きな領域の上に圧力を加える。この実施形態では、ストラップ又は他の取り付け手段が、主ブラダ312に接続される必要がなく、その理由は、可撓性部材373が脚部上に主ブラダ312を配置すること(主ブラダ312が、膨張可能な空気ブラダチャンバ372と脚部との間に挟まれている)、及び追加圧力を脚部の他の領域に加えることの2つの機能の役割を果たしているからである。
【0130】
一実施形態では、脚部及び副ブラダ312、314の膨張可能なチャンバ312a、314aは、予充填され、その結果、それらが脚部及び足部に固定され、脚部ラップ装置370と併用して使用されるとき、脚部ラップ装置により、患者が横たわっているか又は歩行しながら足部を上げるとき(すなわち、足部が副ブラダ314を圧迫していないとき)に、主ブラダ312が、実質的に収縮するのを可能にする。そのような実施形態では、主ブラダ314から副ブラダ312に移動する流体により、副ブラダ312の膨張可能なチャンバ312aが、その最大容量の1つの約半分~3クオータに膨張することを可能にすることが好ましい。これらの実施形態では、患者が横たわっているか又は歩行しながら彼又は彼女の足部を上げる間中、脚部ラップ装置370のみが、患者の伏在静脈上に圧力を加える。副ブラダ314が、標準的な歩行運動中に圧迫されている場合、流体は、副ブラダ314から主ブラダ312に環流され、内部の圧力を増大させる。この断続的なオン及びオフ圧迫は、主ブラダ312及び脚部ラップ装置370の下にある患者の脚部上に配設された潰瘍に血行を促進するのに役立つ。
【0131】
膨張可能な空気ブラダ372は、圧力計、及び、膨張可能な空気ブラダチャンバ372に結合された自動圧力安全弁と共に任意選択で設けられ、その自動圧力安全弁は、内部圧力が閾値最大圧力に到達したときに、チャンバ372から周囲環境に空気を通気する。例えば、治療用圧迫装置300及びアセンブリ310は、いずれかの実施形態でも上述したように、脚部及び足部に取り付けられることができる。次いで、可撓性部材373は、脚部の周囲に、及び膨張可能なチャンバ312aに接触し、その上に圧力を加える空気ブラダチャンバ372を有する主ブラダ312の上に、張力で巻き付けられる(図28A及び図28B)。治療用圧迫装置300及びアセンブリ310の動作中に、膨張可能な空気ブラダ372が閾値最大値より高くなった場合、自動圧力安全弁が、チャンバ372から空気を解放し、可撓性部材373内の張力を低減する。可撓性脚部ラップ装置370は、本明細書に開示されたすべての装置10の実施形態と併用して使用されることができる。
【0132】
ひとたび治療用圧迫装置300及びアセンブリ310が、上述のように、組み立てられ、人に締結されると、治療用圧迫装置300及びアセンブリ310は、人が歩いているときも動作する。標準的なかかとが歩行の足指運動を持続する間、副ブラダ膨張可能なチャンバ314aの圧迫部分348は、かかとと地面との間で圧搾され、チャンバは、外部圧力を内部の流体出力のすべて又は大部分に強制する圧迫部分348に加える(すなわち、副ブラダ314の膨張可能なチャンバ314aの圧迫部分348は、かかとが地面を打ったときに、収縮する)。したがって、流体は、膨張可能なチャンバ314aの接続部分350を通って、流体導管316中及び経由して、主ブラダ312中に押し出される。主ブラダ312の膨張可能なチャンバ312aは、膨張して流体を収容する。膨張可能なチャンバ312aが膨張すると、膨張可能なチャンバ312aの側壁326は、主ブラダのストラップ332、及び/又は脚部ラップ装置370の可撓性部材373に対して押圧する。ストラップ332及び/又は可撓性部材373は、張力で脚部に確実に締結され、好ましくは、膨張可能なチャンバ312aの上部の上に延在し、側壁326の屈曲又は外側への反りに対する抵抗力を提供し、膨張可能なチャンバ312aの容量増大を制限する。したがって、膨張可能なチャンバ312aに流入する追加流体は、内部の圧力を増大させる。この増大した圧力は、下部壁320及び/又は下層330を介して脚部に伝達される。
【0133】
人の足部が、かかとから足指に回るとき、人の体重からの外部圧力は、かかとから取り除かれる。その時点で、主ブラダ312の流体導管316及び膨張可能なチャンバ312a内の圧力は、副ブラダ314の膨張可能なチャンバ314a内の圧力よりも高い。平衡状態にあるため、圧力は等しくなり、主ブラダ312内の流体の一部分は、流体導管316を介して副ブラダ314の膨張チャンバ314a中に環流し、副ブラダの膨張チャンバは、内部の圧力が主ブラダ312及び流体導管316の圧力に等しくなるまで、その元の状態に膨張して戻る。この工程は、人が歩行するとき、繰り返され、歩行は、主ブラダ312内の圧力が増減するときに、主ブラダ312が配置された脚部の創傷領域上に圧送力又は混練力を作り出し、これにより、脚部の様々な部分への血流、排液、治療、及び治癒を促進する。
【0134】
主ブラダ312の膨張可能なチャンバ312a内の圧力は、いくつかの要因によって、影響を及ぼされる。主ブラダ312が、脚部上に配置される前に加圧される場合、膨張可能なチャンバ312a内部の圧力は、それがストラップ332の固定前に脚部上に配置されたときに増大し、その理由は、下部壁3320が湾曲して脚部の形状に適合するにつれ、膨張可能なチャンバ312aの容量がわずかに減少するからであることに留意されたい。ストラップ332は、それらがそこに固定されているため、膨張可能なチャンバ312a上の圧力を更に増大させる。更に、流体導管316が取り外し可能である実施形態では、装置10内の圧力は、主ブラダ312及び副ブラダ314のうちの1つ若しくは両方を加圧することによって、又はより長い若しくはより広い流体導管316を使用し、このことが装置10の内部容量を増大させることによって、変化することができる。圧力はまた、ストラップ332が脚部の周囲に巻き付けられ、かつ/又は膨張可能なチャンバ312aの上に配置されている締まり具合、及びストラップ352、354が足部に巻き付けられ、かつ/又は膨張可能なチャンバ314aの上に配置されている張力の関数として変化し得る。例えば、脚部周囲のストラップ、及び/又は主ブラダ312の膨張可能なチャンバ312aの張力がより高いほど、脚部上の内側に向けられたより高い(最小の)圧迫力を生み出す。膨張可能なチャンバ312aを膨張させる装置10は、膨張可能なチャンバ312aが膨張するにつれて、脚部上に更なる圧力を生成し、ストラップからの抵抗力を受け、対応する容積が増加することなく流体を充填し続ける。
【0135】
本発明に基づいて構成された治療用圧迫装置400である、本発明の更なる別の実施形態が図29に示されおり、治療用圧迫装置400内に一体形成された圧迫ブラダ402を示す。この場合には、圧迫ブラダ402は、主及び副ラップ403、404の両方の内部の1つのブラダである。治療用圧迫装置400は、主ラップ403(ふくらはぎラップなど)及び副ラップ404(副ラップ404など)の使用を介して例えば下腿などの患者の肢部の周囲に巻き付けるように構成及び適合され、そのラップの各々は、連続した外側シート408及び内側シート406から形成される。治療用圧迫装置400は、例えば下腿などの患者の肢部の周囲に適合し、ブラダ402を介して圧迫を提供するように構成及び適合されている、近位端部(図29A及び29Bに配向されている上部)、及び反対側の遠位端部(図29A及び29Bに配向されている下部)を有するラップ部材であり、そのラップ部材は、治療用圧迫装置400内の主ブラダ、又は単一のブラダであり得る。本発明の一実施形態では、内側シート406及び外側シート408は、互いにRF溶接されるように構成及び適合されているナイロン積層ポリウレタンシートから作製されている。しかしながら、溶接可能であるか、又はそれ以外の方法では気密である間に接合されるかの任意の他の好適な材料を使用することができる。連続した周辺溶接線410は、一体形成されたブラダ402の気密境界を形成する。この典型的な実施形態では、ブラダ402は、主ラップ403及び副ラップ404全体にわたって単一の連続したブラダである。しかしながら、副ラップ404は、別個に膨張可能であるか、又は一方向弁若しくは他の所望の膨張/収縮構成を介して膨張可能であるかのいずれかの独立したブラダを有し得ることが想定される。副ラップ404はまた、主ラップ403から異なる圧力を提供するように構成及び適合され得る。典型的な実施形態では、副ラップ404内に配置されたブラダ402は、患者の足部の下側に沿って配置されるように構成及び適合される。副ラップ404内のブラダ402は、所望に応じて調節され、患者の足部の所望の部分に圧迫を提供することができる。
【0136】
面ファスナ424は、患者の下腿及び足部上の治療用圧迫装置400を容易に調節及び固定するために、内側及び外側シートのエッジに沿って設けられている。また、治療用圧迫装置400は、ジッパー、ボタン、又は他の係る好適な手段により成形されたカフスなどの他の手段によって患者の下腿に固定され得ることが想定される。更に、面止め具424は、以下に説明される足首ストラップ422の材料と同様の材料で置き換えることができ、着心地よさを改善するためにブラダ402に溶接/縫製/取り付けが可能であることも想定される。
【0137】
本発明の一実施形態では、膨張手段700は、膨張ポート500に取り付けてブラダ402を膨張させることができる手押しポンプである。また、機械的又は自動膨張ポンプ(図示せず)が、ブラダ402を膨張及び収縮させるための膨張ポート500に取り付けられ、脈動圧力を使用者の下腿に提供することが可能であることを理解されたい。ブラダ内の特定圧力を提供し、したがって患者によって使用時に圧迫を提供するように、いくつかの又は様々な膨張手段、例えば、手動ポンプ、手押しポンプ、足押しポンプ、機械式ポンプ、電動ポンプ、電池式ポンプ、静的ポンプ、間欠ポンプ、可変ポンプ、自動ポンプ、空気圧ポンプ、負圧ポンプ、吸引ポンプ若しくは真空、パルスポンプ、又は任意の他の既知若しくは先進膨張源が使用され得るが、これらに限定されない。通気弁がまた、治療用圧迫装置400中、又は膨張手段700と一緒に組み込まれて、使用者がブラダ402を選択的に収縮させることができる。更に、逆止弁又は安全弁が、膨張手段700又はブラダ402のいずれかと一緒に組み込まれ、ひとたび最大圧力が検出されると、過剰膨張を防止する。安全弁の例が、米国特許第7,276,037号及び米国特許第7,850,629号に記載されており、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。更なる例が、図30A及び30Bに示されている。
【0138】
本発明の別の実施形態では、治療用圧迫装置400は、最初にブラダ402を内側シート406及び外側シート408内に一体化して形成することによって形成され得、その位置及び所望の予め構成された圧迫勾配プロファイルが、コスト効率よく得ることができる。ブラダ構成のいくつかの異なる実施形態は、上述した構成などの本発明の治療用圧迫装置内で使用することができる。別の実施形態では、治療用圧迫装置400は、内部に複数のスポット溶接414を伴うブラダ402を有してもよい。スポット溶接414は、患者の治療部位において必要となる圧迫に対する所望の勾配プロファイルに基づいて、最大限の効果が得られるように、所定のパターンでブラダ402内に配置されることができる。スポット溶接414により、膨張ポート500を介して膨張したときに、ブラダ402が、勾配プロファイルを画定することを可能にする。ブラダ402内のスポット溶接414の幾何学的配置により、ブラダ402の特定の部分の膨張を増大させ、ブラダ402内に1つ以上の流体チャンバを作り出すことができる。この構成は、圧迫が、身体内の流体運動(例えば、血液、リンパ液等)を改善するのに必要な場合に、特に有用である。更に、線形溶接線416により、患者のふくらはぎの後部に加えられる張力を増大させることによって、患者のふくらはぎの後部に沿ってより良好な圧迫を可能にする。この増大した張力は、静脈流を増大させるように、より有効なふくらはぎ圧迫を生成することができる。ふくらはぎの後部に沿って横方向に配置された線形溶接線416は、治療用圧迫装置400の膨張プロファイルを小型に保つ波状部分を作り出し、それは、患者の歩行移動性を更に高め、患者の衣類との干渉を低減することができる。副ラップ404はまた、ブラダ402なしの弾性被服から作製することもできる。
【0139】
患者の身体部分又は肢部上に配置された治療用圧迫装置の位置に応じて、異なる圧力勾配が利用され得ることを理解されたい。他のブラダ圧力勾配プロファイルの例が、米国特許出願第12/911,563号及び米国特許出願第12/855,185号に記載されており、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0140】
ひとたび治療用圧迫装置400が、例えば下腿などの患者の肢部の周囲に固定されると、ブラダ402は、その場所から移動することができないため、快適性を高め、患者上の組織への位置調整を低減する。患者による容易な歩行性を高めるため、典型的な実施形態では、足首クッション426が、隣接するかかとポート420に取り付けられ、挟持点の発生を防止し、患者のアキレス腱への圧力を低減することができる。足首クッション426と組み合わせて、足首ストラップ422を使用することができる。典型的な実施形態では、足首ストラップ422は、下腿ラップ403の下部、及び副ラップ404の上部における挟持点を防止する非弾性発泡体を含むことができる。足首ストラップ422を設けることに対する更なる利点は、足首ストラップ422直近のブラダ402が、患者の脚部に対してぴったりと付き、患者のかかと近くの圧迫を改善することである。足首ストラップ422は、面ファスナ424を貼り付ける前に患者の足首及び足部の周囲に巻き付けられ、好都合である。快適性を改善するため、スルーホール418は、図29からわかるように、治療用圧迫装置400全体にわたって配置され、治療用圧迫装置400が膨張した状態での着用の間、患者の脚部の周りの通気を可能にする。明確にするため、必ずしもすべてのスルーホール418が、図中の参照文字で識別されているわけではない。
【0141】
典型的な実施形態によれば、内側シート406は、第1の弾性率を有する層(図示せず)を更に含み、内側シート406は、第2の弾性率を有する。第1の弾性率は、脚部圧迫ブラダが膨張したときに、脚部の周囲に治療用圧迫装置400を巻き付けている、治療用圧迫装置400の近位側及び遠位端部分に対して横断方向の第2の弾性率よりも小さい。典型的な実施形態では、内側シート406は、使用時に下腿と直接接触するように、その内側表面上に配設された副シート(図示せず)を含む。副シートは、布地層とすることができ、この層は、脚部圧迫ブラダが膨張したときに脚部の周囲でラップ部材が丸まるように、第1の方向には弾性的であり、第2の方向には非弾性的である。
【0142】
別の典型的な実施形態では、上部脚部ストラップ428は、患者のふくらはぎの最も広い部分の上方にブラダ402の一部分を配置することによって、治療用圧迫装置400の着用適合性を改善するように構成及び適合されており、治療用圧迫装置400が、ふくらはぎ圧迫を提供する際に、治療用圧迫装置400を無効にすることになる、患者の下腿を滑り落ちるのを防止することによって、治療用圧迫装置400の安定性を提供する。
【0143】
本発明の様々な実施形態の各々の場合の膨張手段又は機構は、手押しポンプ、電動ポンプ、電池式ポンプ、遠隔制御ポンプ、空気ポンプ、ガスポンプ、又は任意の他の既知の膨張手段を含んでもよい。ブラダ内の特定圧力を提供し、したがって患者によって使用時に圧迫を提供するように、いくつかの又は様々な膨張手段、例えば、手動ポンプ、手押しポンプ、足踏み式ポンプ、機械式ポンプ、電動ポンプ、電池式ポンプ、静的ポンプ、間欠ポンプ、可変ポンプ、自動ポンプ、空気圧ポンプ、負圧ポンプ、吸引ポンプ若しくは真空、パルスポンプ、又は任意の他の既知若しくは先進膨張源が、使用され得る。図30A及び30Bは、本発明で使用される様々な弁を含む。更に、膨張手段は、膨張を監視又は調節するための手段を含むことができる。この膨張手段は、圧迫装置が患者に着用されて使用中の場合、昼夜にわたって様々な期間で設定された圧力に、又は設定された時間に、ブラダが膨張及び収縮されるようなプログラミングを含むことができる。例えば、単なる例として、膨張手段は、個別の各患者に対して昼夜全体にわたって、午前9時に40mmHgに設定され、次いで、午前11時に20mmHgに収縮するように設定され、次いで午後12時に30mmHgに膨張する等のように設定されることができる。本発明の一実施形態では、ダイヤル610は、「35」、「45」、「55」、及び「65」などの圧力量の図形、又はそれぞれが、25mmHg、35mmHg、45mmHg、及び55mmHgなどの特定の圧力に対応する「A」、「B」、「C」、「D」などの字体を含む。図形に対応する具体的な所定の圧力は、無限であり、本明細書の例に限定されない。
【0144】
更に、治療用圧迫装置は、弁帽により収縮され得、又は別の実施形態では、主及び/又は副ブラダを収縮し、したがって圧力を解放するためのボタン又はスイッチを有する。主ラップ及び副ラップの両方の長さを走る1つのブラダが存在する場合の任意の実施形態では、用語「主ラップ及び/又は副ラップ」は、唯一の主ブラダ又は圧迫ブラダ(402)を意味するものとする。図31A~31C、及び35に示すように、別の実施形態では、スイッチが、複数の一体化された傘弁を有することができ、すなわち、1つの傘弁は、主及び/又は副ブラダ内の圧力を維持するように設定及び閉鎖され、これに対して、第2の傘弁は、患者が歩行している(一歩ごとにふくらはぎ上で圧力が上昇する)、又は飛行している(圧力が高度に基づいて上昇する)などの間に、圧力を解放するように、主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体の特定量を解放し、第3の傘弁は、主及び/又は副ブラダ内のすべての空気又は流体を解放し、したがってすべての圧力を解放し、治療用圧迫装置を収縮させる。例えば、単なる例として、第1の傘弁は、作動時に、この傘弁が主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体の量を維持し、したがって設定圧力、例えば45mmHgにおいて維持するように閉鎖位置に設定され、第2の傘弁は、主及び/又は副ブラダ内の圧力が45mmHgを超過する場合、主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体を解放し、圧力を45mmHgに戻し(高高度に居る場合、又は他の圧力増大の場合など)、次いで圧力を45mmHgに維持するように設定され、第3の傘弁は、患者が主及び/又は副ブラダ、並びに治療用圧迫装置を収縮させるように作動する場合、主及び/又は副ブラダ内のすべての空気又は流体を開放及び解放し、したがってすべての圧力を解放するように設定される。別の例として、ダイヤルは、(A)「歩行」では、傘弁が閉鎖位置のままにあるため、患者が歩行している間、圧力が一定の間隔で高低を何回も繰り返す間、設定された圧力量が維持され、(B)次いで、「空気」という図形では、設定された圧力量は、圧力が、設定された量又は値を越えて増大したときに、時折圧力を解放するこの傘弁によって維持され、すなわち、傘弁が作動して主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体を解放し、更に圧力を解放し、次いで閉鎖し、そして閉鎖し続け、設定された圧力量を維持し、(C)「解放」又は「収縮」では、圧力は、解放され、主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体が解放されて収縮し、この傘弁は、常に開放位置にある、などの図形を含むことができる。この実施形態では、以下を有する3つの傘弁があり、すなわち、1つは、主及び/又は副ブラダを常に開放し、完全に圧力を解放するように設定され、1つは、常に閉鎖して主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体を維持して圧力を維持するように設定され、そして3つ目は、所定の又は設定された圧力点において開放又は解放するように設定され、傘弁を参照するすべての実施形態において、傘弁はまた、スイッチ(手動又はそれ以外の方法)若しくはデジタルスイッチ、又はブラダ内の空気又は流体を開放、閉鎖、又は部分解放し、それによって内部の圧力を維持、変更、又は解放するための任意の他の既知の手段であってもよい。
【0145】
図30A及び図30Bに示す膨張手段及び弁は、空気が圧迫装置中に流れることが可能であるように圧迫装置に溶接されるエルボーコネクタ510を有する膨張ポートを含む。逆止弁又は安全弁が、エルボーコネクタ510中に挿入されている。ダストキャップ520又は弁帽は、ダストが逆止弁を詰まらせるのを防止するために含められ、逆の構成で挿入される場合、膨張したブラダが手動で収縮される。これは、ばねが装備されているため、膨張手段がブラダを膨張させ、ひとたび膨張手段が取り除かれると、ばねはブラダを封止し、その結果、圧力は、手動又は自動で減少又は収縮させるまで解放されない。逆止弁はまた、非ばね作動としてもよく、任意の他の手段によって作動してもよい。膨張手段は、球式、電動式、電池駆動式、又は電気式手段を含んでもよい。膨張手段は、図で示したダイヤル、若しくはより単純なダイヤル、又は1つの弁を含んでもよい。更なる実施形態が図31~38に示されている。
【0146】
図31A及び31B及び31Cに示す膨張手段700は、手押しポンプ700を含む。この膨張手段600は、弁ダイヤル614を含むポンプアセンブリに接続されたチューブ690を含み、この実施形態では、3つの傘弁616、並びに使用者が使用し、治療用圧迫装置10、100、200、300、又は400の様々な圧力量を見ることができるラベル612を含む。弁ダイヤル614は、弁、ベース620により手押しポンプ球700に接続されている。手押しポンプ球700は、圧搾球、又は任意の他の既知の手押しポンプ又はボールであってもよい。図31Bに示すように、これは、図31Aの断面図であり、弁ダイヤル614は、使用者が圧迫装置を過剰膨張させず、使用者自身に被害を起こさせないようにする安全コンポーネントである逆止弁630を含んでもよい。逆止弁630は、例えば、単なる例として、接着剤640などの任意の既知の手段を介して弁ベース620に結合されてもよい。弁ダイヤル614は、単なる例として、Oリング650、及びOリング650に適用されるグリース660などの潤滑油を更に含んでもよい。更に、弁ダイヤル614は、打ち込みねじ670及びワッシャ680を含んでもよい。膨張手段600は、図31Cに示すように、戻り止めばね655、及び戻り止めボール656を更に含んでよい。戻り止めばね655、及び戻り止めボール656は、可聴式「クリック」を有し、使用者が圧力が変化しているのを知るための触覚式及び可聴式な方法を提供する。
【0147】
膨張手段の別の実施形態が、図32A及び32B、33及び34に示されている。膨張手段810は、チューブ811及びダイヤル818を含む。ダイヤル818は、モノメータ型であり、指針は、球700を介する圧力に基づいて回転移動する。ダイヤル818は、使用者が圧迫装置を過剰膨張することができないように逆止弁830に接続されている。ダイヤル818は、任意の既知の継手手段を介してチューブ811及び逆止弁830に接続され、この実施形態では、単なる例として、t-コネクタ820として示されている。
【0148】
膨張手段(図示せず)の別の実施形態が、プランジャアセンブリを含む。このプランジャアセンブリは、傘弁(図31Aに示した傘弁616と同様の)を含む。傘弁は、ばね孔からの空気漏れを防止するためにスロット中に組み立てられたOリングを含む。プランジャアセンブリは、ダイヤル618又はダイヤル弁610内の緩衝圧力を制御するように、所定の高さを有する。プランジャアセンブリは、空気圧力が傘弁自体にアクセスできるようにする少なくとも1つ又は複数の緩衝用スロットを更に含む。
【0149】
図34は、膨張手段の別の実施形態の断面図であり、ダイヤル610は、傘弁910が伸張し、様々な緩衝圧力を有するようにインクリメント変化する凹部930を含む。ポインタ920が、この実施形態に含まれ、ばね荷重に抵抗し、ダイヤル610を正確な高さに押さえ付ける。圧縮ばね910は、膨張手段900内で弁保持器を上方に駆動する。ダイヤル610は、スライド940の上方に位置するポインタ920を有する。圧縮ばね910及びOリング990は、スライド940に沿って配置されている。傘弁10は、スライド940の下方で接続されている。膨張手段は、ワッシャ950及びねじ伝動960を更に含む。また、逆止弁980及び弁ベース980も示されている。球700の遠位端もまた、示されている。
【0150】
膨張手段1000の別の実施形態が、図35に示され、戻り止めボール1010及び戻り止めばね1020の下方に有するダイヤル1050を含む。戻り止めボール1010及び戻り止めばね1020は、使用者が圧力変化を知るための可聴式及び触覚式方法として動作する。挿入先端部1030は、チューブ690に結合されるように示されている。この実施形態では、3つの傘弁が、以下のように設定され得、1つは、常に開放位置にあり、主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体を解放し、したがってブラダの収縮位置に向けて圧力を解放し、第2の傘弁は、主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体を維持し、圧力を維持するように、閉鎖位置に設定されることができ、第3の傘弁は、設定された圧力量又は値にあり、圧力が増大するにつれて、傘弁は、過剰な圧力を開放及び解放することによって、傘弁は閉鎖し、設定された圧力量又は値を維持する。
【0151】
膨張手段1100の別の実施形態が、図36に示されている。ダイヤル1110は、使用者が、使用中に圧力量を視覚化するためのラベル1120を含む。ダイヤル1610は、少なくとも1つ、この実施形態では、2つ又は3つの傘弁1140として示された断面図を更に含む。この実施形態では、3つの傘弁が、以下のように設定され得、1つは、常に開放位置にあり、主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体を解放し、したがってブラダの収縮位置に向けて圧力を解放し、第2の傘弁は、主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体を維持し、圧力を維持するように、閉鎖位置に設定されることができ、第3の傘弁は、設定された圧力量又は値にあり、圧力が増大するにつれて、傘弁は、過剰な圧力を開放及び解放することによって、傘弁は閉鎖し、設定された圧力量又は値を維持する。駆動ねじ1150及びワッシャ1160が、更に含まれている。Oリング1170が含まれ、グリース1180を介して潤滑されている。弁本体1130は、任意の既知の接続又は結合手段を介して接続球700に結合され、この実施形態では、単なる例として、接着剤1190である。逆止ハウジング1220は、逆止弁及びシリコンディスク1210を含む。
【0152】
本発明の別の実施形態では、圧迫装置は、独立型の大腿部圧迫、又は様々な他の開示された実施形態の脚部及び足部圧迫装置に加えられる大腿部圧迫部であってもよい。大腿部圧迫装置は、内側層及び外側層を含む。外側層は、膨張手段に接続又は結合することができる膨張ポートを大腿部圧迫装置に結合している。内側層は、複数の締結具を含む。一実施形態では、大腿部圧迫装置は、単なる例として、患者の大腿部上での調節を容易にし、治療用圧迫装置を固定するためのエッジに沿った面ファスナを備える。大腿部圧迫装置の他の用途は、背、ふくらはぎ、腕、胃、胴、肩、及び他の身体部分上などで使用することができるため、「大腿部」圧迫装置としての指定は、患者の大腿部上でのそのような装置の使用のみに限定されない。圧迫装置はまた、ジッパー、ボタン、又は他のそのような好適な手段により成形されたカフスなどの他の手段によって患者の大腿部又は他の身体部分に固定され得ることが想定される。
【0153】
図37及び図38は、患者の腕部上に使用されるように構成されている圧迫装置を伴う本発明の更なる別の実施形態を示す。この腕部圧迫装置1300は、層1310、及び膨張手段に接続又は結合することができる膨張ポート1305を含む。外側層1310は、患者の親指1395及び指1390の周囲を締結することができる複数の締結具1324を含む。一実施形態では、大腿部圧迫装置1300は、単なる例として、患者の腕部上で調節を容易にし、治療用圧迫装置1300を固定するためのエッジに沿った面ファスナ1324を含む。腕部圧迫装置1300の他の用途は、背、肩、胴、ふくらはぎ、腕、胃、及び他の身体部分の上などで使用することができるため、「腕部」圧迫装置としての指定は、患者の腕部上でのそのような装置1300の使用のみに限定されない。圧迫装置1300はまた、ジッパー、ボタン、又は他のそのような好適な手段により成形されたカフスなどの他の手段によって患者の腕部又は他の身体部分に固定され得ることが想定される。快適性を改善するために、図38からわかるように、スルーホール1313は、圧迫装置1300全体にわたって配置され、圧迫装置1300の幅を広げた着用の間、患者の腕部、又は他の身体部分の周囲の通気を可能にする。明確にするため、必ずしもすべてのスルーホール1313が、図中の参照文字で識別されているわけではない。圧迫装置1300は、図37に示すように、患者の肘部の周囲に使用するための部分1330を含んでもよく、開口部を含んでもよい。別の実施形態では、図38に示すように、2つのより小さい圧迫装置(図29Aの装置と比較して)は、複数のタブ1405を有する患者の下腕部及び上腕部上で使用され、そのタブは、面止め具若しくはVELCRO(登録商標)、又はバックル、ストラップ、ボタン、スナップ、ジッパー、及びそれらの組み合わせなどの任意の他の既知の接続手段を介するなどして互いに接続することができる。図38に示すように、少なくとも2つの治療用圧迫装置1400は、膨張手段を接続又は結合することができ、タブ1405を介して互いに接続することができる。外側層1410は、患者の親指1495及び指の周囲に締結することができる複数の締結具1424を含む。他の構成を使用して、患者は、圧力及び圧迫を、脚、腕、手首、手、肩、腰、胴、胸等の一部に加えることができる。
【0154】
本発明の治療用圧迫装置は、様々な創傷ドレッシング材及び/又は包帯を有する道具箱内に収容することができる。創傷ドレッシング材及び/又は包帯は、より頻繁に配設されてもよく、本発明の治療用圧迫装置は、創傷ドレッシング材及び/又は包帯と併用又は組み合わせて適用される。一実施形態では、治療用圧迫装置は、皮膚に適用される創傷ドレッシング材の上方又は上に使用される。
【0155】
発明の別の実施形態は、フィードバックを伴う測定された圧迫量を適用する方法を含む。図39に示すように、圧迫ブラダAは、膨張源Cにより膨張し、圧迫ブラダAの性質は、圧迫の量が、CからAに圧送させる膨張媒体(通常は空気)の量によって決定されることである。この設計では、膨張源Cはまた、一定容積の空気を有するブラダBと結合される。圧迫ブラダAが膨張すると、それが被圧迫項目Fを圧迫するとき、ブラダBを圧搾するであろう。膨張源Cは、結合線Eからの直線圧力を読み込み、この設計におけるブラダBから境界圧力を算出することができる。膨張源Cは、較正され、ブラダBからの所望の境界圧力を適合させることによって算出されたように、圧迫ブラダAに必要な膨張媒体の量のみを提供することができる。膨張手段及び圧迫装置からのフィードバックを得ることができるように、他の構成が使用されてもよい。
【0156】
本発明の別の実施形態は、単一チャンバとの連続勾配圧迫を含む。図40に示すように、圧迫装置は、勾配圧迫だけでなく連続(最初に足部を充填し、そのように上方に向ける)圧迫を適用する膨張ブラダを含む。この実施形態では、図40に示すように、膨張デバイスAは、2箇所(吸入ポートC及び排出ポートD)のデバイスに結合される。チャネルBに直接進む空気を膨張及び提供することによって、足部ブラダ部分Eが主ブラダFより前に最初に膨張する。次いで、空気が排出ポートDから排出する。この設計では、膨張が、勾配及び連続圧迫のために断続的に結合されることができ、又は、膨張が、一定のレベルで保持され、単に勾配プロファイルのみを提供することができる。
【0157】
本発明の別の実施形態は、電気式又は他の自動化された膨張手段を含み、ブラダは、設定容積に膨張されるか、又は内部に充填されている背圧を読み取ることによって膨張する。圧力サイクル機能が含まれてもよい。更に、実施形態は、膨張手段が取り外された後も膨張がブラダ(複数可)内で維持するような膨張手段を有してもよい。そのような膨張手段は、圧迫装置自体に一体化されてもよく、又は取り外し可能であってもよい。このような膨張手段は、使用法、圧力、内科医若しくはそのような患者の治療計画の一部により推奨された特定の圧力を維持することに関して患者による順守、並びに立位時の圧力及び移動若しくは活動時の圧力、歩数計(歩数)、心拍、血圧、及び患者の任意の他の可能なモニタリングなどの他の健康データを追跡するための集積回路及び/又は無線能力を含んでもよい。得られされたフィードバックに応じて、膨張手段は、患者が手動で変更することなく圧力を増加又は減少させるようにプログラムされてもよい。更に、膨張手段は、内科医又は他の治療専門家がそのフィードバックに基づいて圧力を遠隔操作で増加又は減少させることができるように構成されてもよい。自動化された手段又は電気的手段若しくはデジタル式手段を組み合わせて手動でダイヤル若しくは膨張手段を変更するなどの他の組み合わせが、含まれてもよい。
【0158】
図示されたダイヤルは、限定されない単なる例としての非デジタル式であるが、デジタル式手段もまた、使用されてもよい。電動式ポンプ及びデジタル式ディスプレイが使用されてもよい。弁は、設定されたレート若しくは間隔で、又はモニタリング手段からのフィードバックに基づいて、圧力を変化又は修正するためのデジタル式又は電気的手段を含んでもよい。その装置は、様々なセンサ及びモニタを含んでもよい。
【0159】
使用中、治療用圧迫装置10、100、200、300、又は、400は、例えば、ふくらはぎ及び足部上の下腿などの選択された肢部上の患者、診療医、介護者のそばに置かれてもよく、又は足部ラップは、患者の足部の周囲に締結されている。足首のための開口部は、患者によって快適性のために設定される。足部から上方位置に移動させて、患者、診療医、介護者は、締結タブ(32a、32b、32c、32d、及び424等)を膝まで締結又は固定する。主ブラダ又はふくらはぎ若しくは脚部ブラダ(膝に近い)の近位端上に配置された追加のストラップが存在する場合、第1のストラップは、治療用圧迫装置がぴたりと適合するようにきつく、ただしあまりきつ過ぎないように締め付け又は固定される必要があり、副ラップ(足部に近い)の遠位端近くの第2のストラップは、治療用圧迫装置がぴたりと適合するように緩く、ただしあまりきつ過ぎないように締め付け又は固定される必要がある。次いで、患者、診療医、又は介護者は、例えば主ラップ上などの治療用圧迫装置上に配置された弁から弁帽を取り除く。次いで、患者、診療医、又は介護者は、治療、及び患者が歩き、座り、横たわり、又は車両、列車、若しくは飛行機内で旅行しているかどうかに応じて、膨張手段のダイヤル上の値の圧力量を選択する。ひとたび圧力の量又は値が、ダイヤル上で選択されると(「35」mmHgなどの所与の圧力量、又は「歩行」若しくは「空気」若しくは「移動」、又は「低」若しくは「中」若しくは「高High」等の文字など)、対応する傘弁又はスイッチが作動して、圧力が、その後維持され(閉鎖位置)、又は使用時に圧力が活動又は高度と共に変化するときに、圧力を維持するように修正される。次いで、患者、診療医又は介護者は、膨張手段の端部を治療用圧迫装置の弁の中に挿入すると、空気又は流体が増大して主及び/又は副ブラダを膨張させ、したがって所望の圧力量又は弁を達成する。この場合も、この膨張手段は、手押しポンプ、電気式ポンプ、電池式ポンプ、遠隔制御ポンプ、空気ポンプ、ガスポンプ、又は任意の他の既知の膨張手段としてもよい。ブラダ内の特定圧力を提供し、したがって患者によって使用時に圧迫を提供するように、いくつかの又は様々な膨張手段、例えば、手動ポンプ、手押しポンプ、足踏み式ポンプ、機械式ポンプ、電動ポンプ、電池式ポンプ、静的ポンプ、間欠ポンプ、可変ポンプ、自動ポンプ、空気圧ポンプ、負圧ポンプ、吸引ポンプ若しくは真空、パルスポンプ、又は任意の他の既知若しくは先進膨張源が、使用され得る。使用される膨張手段に応じて、そのような膨張手段が取り除かれることがあり、弁帽が交換されることができ、圧力は、「空気」又は「歩行」位置に留意することを除いて、減少しないであろう。使用中の任意の時点で、患者、診療医、若しくは介護者は、弁帽を挿入するか、若しくは弁帽が弁ばねを押圧することにより、主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体を解放し、圧力を減少させるかのいずれかによって、主及び/又は副ブラダを膨張させることができ、又は患者、診療医、若しくは介護者は、膨張手段を再挿入し、「収縮」又は「解放」を選択することができ、対応する傘弁は、開放位置になって主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体を解放し、収縮した状態がブラダ及び治療用圧迫装置に対して達成されるまで、圧力を減少させることができる。治療用圧迫装置は、使用時に、何回も何回も再膨張及び収縮することができる。
【0160】
本発明は、その特定の実施形態に関して例示及び説明されており、その実施形態は、本発明の原理に関する典型的及び例示的なものであり、排他的又は他の方法で実施形態を限定することを意図していない。例えば、前述の実施形態では、治療用圧迫装置が、膨張可能なブラダを有するものとして記載されているが、その治療用圧迫装置は、膨張及び/又は収縮のために構成されていない圧迫部材を(例えば、接着剤、高周波溶接等により)追加的に一体形成又は取り付けることを含んでもよい。例えば、追加の圧迫部材は、発泡体クッション、及び/又は空気、ゲル、若しくは他の流体充填非膨張可能なクッションなどの様々な任意の予成形及び/又は予充填クッション材料を使って実現されてもよく、そのような圧迫部材が一体型圧迫ブラダと組み合わせて十分な圧迫を生成されてもよい。更に、具体的な形状、サイズ、及び材料が、例示の目的で記載されているが、任意の様々な形状又はサイズを使用することができ、記載された材料は、排他的ではなく、単なる例示的なものであることを理解されたい。また、上述したように、図示されたブラダは、空気を使って膨張しているが、液体又はゲルなどの任意の他の媒体を使用することができることを理解されたい。更にまた、上述したように、ブラダは、複数の空気圧式独立型、及び/又は空気圧式結合型ブラダ部分を有するように構成されてもよく、また、様々な輪郭又は分葉を有するように構成されてもよいことを理解されたい。
【0161】
本明細書に記載された治療用圧迫装置は、圧迫療法等により治療可能な任意の好適な状態に使用することができる。例えば、本発明による治療用圧迫装置は、静脈潰瘍、CVI、DVTの治療、リンパ浮腫の治療(そこでは、それは、促進される静脈系内ではなく、リンパ系内の流体の循環である)等のための静脈系の圧迫に使用することができる。
【0162】
本明細書に記載された本発明の治療用圧迫装置は、従来技術に伴う、並びに産業及び患者の治療における多くの問題を解決する。治療用圧迫装置は、現在のデバイス及び装置によって必要とされる熟練した介護者を必要とせず又は要求せずに、患者によって患者の身体部分に適用することができる。更に、それは、過圧合併症を伴わずに十分有効な圧力を維持し、圧迫などを維持することができる。
【0163】
本発明の治療用圧迫装置は、患者が、治療装置又はデバイスのための膨張源及び膨張手段の変更を通じて治療を変更することができるように、1つ超の圧迫源又は膨張手段に接続することができるように構成された汎用膨張ポートを含む。例えば、患者は、本発明の治療用圧迫装置を使って、手動、又は機械的若しくは電気的膨張手段、又は膨張及び圧力源の間を交互にすることができる。更に、患者は、本発明の治療用圧迫装置を使用するときに、静的又は断続的な膨張と圧力の間を交互にすることができる。
【0164】
本発明の治療用圧迫装置はまた、治療装置及びデバイス、ドレッシング材、ストッキング、及び靴下内の設定圧力の漏れである課題を低減し、逆に、CVI、DVT、及び/又はリンパ浮腫、並びに他の治療に対してより効果的な治療を促進する。
【0165】
本発明は、例示的に以下の態様とすることができる。
[条項1]
治療用圧迫装置であって、
近位端及び遠位端及び主ラップを有する主ラップと、
近位端及び遠位端を有する副ラップであって、副ラップの近位端が、主ラップの遠位端に接続されている、副ラップと、
主ラップ及び/又は副ラップ内の少なくとも1つのブラダと、
主ラップ上の膨張ポートを介してブラダに接続された膨張手段であって、逆止弁を含む、膨張手段と、を備え、
膨張ポートが、様々な膨張手段に汎用的に接続可能であるように構成されている、治療用圧迫装置。
[条項2]
主ラップが、(a)使用時に肢部に面して配置されるように構成及び適合された内側シートと、(b)外側シートであって、内側シートと外側シートとの間に画定されたブラダと一緒に内側シートに接合された、外側シートと、を含む、条項1に記載の治療用圧迫装置。
[条項3]
膨張手段が、手動ポンプ、静的ポンプ、間欠ポンプ、電気式膨張ポンプ、電池式膨張ポンプ、ガソリン式膨張ポンプ、静的空気圧圧縮ポンプ、間欠空気圧ポンプ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、条項1に記載の治療用圧迫装置。
[条項4]
少なくとも1つのブラダが、膨張手段に接続されたときに連続的な勾配圧力を可能にする1つのチャンバを有するように構成されている、条項1に記載の治療用圧迫装置。
[条項5]
膨張手段が、少なくとも1つのブラダ内でブラダの膨張した状態を作り出す膨張手段により作り出された圧力を保持することを可能にし、少なくとも1つのブラダ内でブラダの部分的に収縮した状態を作り出す設定された圧力量を解放することを可能にし、少なくとも1つのブラダ内でブラダの完全に収縮した状態を作り出すようにすべての圧力を解放することを可能にするように構成された三路スイッチを含む、条項1に記載の治療用圧迫装置。
[条項6]
膨張手段が、リアルタイム圧力測定機構を含む、条項1に記載の治療用圧迫装置。
[条項7]
面コネクタと、逆止弁と、弁帽とを更に備え、弁帽が、少なくとも1つのブラダ内の膨張手段によって作り出された圧力を解放することができる、条項1に記載の治療用圧迫装置。
[条項8]
過膨張から保護するように、少なくとも1つのブラダに動作可能に接続された逆止弁を更に備える、条項1に記載の治療用圧迫装置。
[条項9]
逆止弁が、所定の圧力で開放するように設定されている、条項8に記載の治療用圧迫装置。
[条項10]
逆止弁が、使用者選択可能な圧力において開放するように構成されている、条項8に記載の治療用圧迫装置。
[条項11]
収縮のために主ブラダに動作可能に接続された通気弁を更に備える、条項8に記載の治療用圧迫装置。
[条項12]
主ラップの近位端、又は副ラップの遠位端のいずれかに接続された少なくとも2つのタブを更に備え、タブが、平面に沿って少なくとも2つの治療用圧迫装置を一緒に接続することができるように構成された接続手段を含む、条項1に記載の治療用圧迫装置。
[条項13]
治療用圧迫装置であって、
遠位端及び近位端を有する主ラップであって、少なくとも1つのブラダを含む、主ラップと、
近位端及び遠位端を有する副ラップであって、副ラップの近位端が、主ラップの遠位端に接続されている、副ラップと、
ブラダ上の膨張ポートを介してブラダに接続された膨張手段であって、膨張ポートが、逆止弁を含む、膨張手段と、
アセンブリであって、a)肢部の周囲に取り付けるための可撓性部材と、第1の減圧状態及び第2の加圧状態をとる空気チャンバであって、空気チャンバが、長さ及び幅を有し、幅が、可撓性部材の幅の半分未満である、空気チャンバと、を有する圧力機構と、b)空気チャンバの幅よりも小さい長さ及び幅を有する予充填空気ブラダと、c)予充填空気ブラダに結合された吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材と、d)吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材と流体連通し、負圧源と結合するように適合された吸引導管と、を含む、アセンブリと、を備える、治療用圧迫装置。
[条項14]
アセンブリの予充填空気ブラダ、吸収性発泡体、スポンジ若しくはドレッシング材、及び吸引導管が、吸収性発泡体、スポンジ若しくはドレッシング材と、予充填空気ブラダとの間に配置された吸引導管と共にユニットとして一緒に接着されている、条項13に記載の治療用圧迫装置。
[条項15]
アセンブリの吸引導管は、流体コネクタ内で一端が終端する、条項13に記載の治療用圧迫装置。
[条項16]
アセンブリの吸引導管は、複数の孔を有する分岐管内で一端が終端する、条項13に記載の治療用圧迫装置。
[条項17]
アセンブリの分岐管が、吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材の周辺部の周囲に少なくとも部分的に延在する、条項13に記載の治療用圧迫装置。
[条項18]
アセンブリの予充填空気ブラダが、中央開口部を画定し、吸引導管が、中央開口部中に延在する、条項13に記載の治療用圧迫装置。
[条項19]
アセンブリの予充填空気ブラダが、ストラップを有し、吸収性発泡体、スポンジ又はドレッシング材が、封止された周縁を有する、条項13に記載の治療用圧迫装置。
[条項20]
アセンブリの予充填空気ブラダが、生体適合性接着剤を設けた周辺部を有する、条項13に記載の治療用圧迫装置。
[条項21]
創傷又は潰瘍を有する肢部を治療するための方法であって、
a)アセンブリを含む治療用圧迫装置を得ることであって、アセンブリが、(i)肢部の周囲に取り付けるための可撓性部材、並びに第1の減圧状態及び第2の加圧状態をとる空気チャンバを有する圧力機構と、(ii)予充填空気ブラダと、(iii)予充填空気ブラダに結合された吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材と、(iv)吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材と流体連通する吸引導管と、を含む、得ることと、
b)吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材を、創傷又は潰瘍に適用し、予充填空気ブラダをその上に配置することと、
c)空気チャンバを予充填空気ブラダ上に配置して、肢部上に圧力機構を配置することと、
d)吸引導管を負圧源に結合させることと、
e)空気チャンバが、第2の加圧状態をとり、創傷又は潰瘍に圧力を加えるようにすることと、を含む、方法。
[条項22]
第2の加圧状態が、吸引が適用されると同時に引き起こされる、条項21に記載の方法。
[条項23]
第2の加圧状態、及び吸引の負圧源との結合が、異なる時間に得られる、条項21に記載の方法。
[条項24]
吸引は、圧力閾値に到達したときに、適用される、条項21に記載の方法。
[条項25]
予充填空気ブラダが、ストラップを有し、方法が、予充填空気ブラダを肢部にストラップで縛ることを更に含む、条項21に記載の方法。
[条項26]
圧力を人体の脚部に加えるための治療用圧迫装置であって、
膨張によって内部に入る流体を収容する第1の膨張可能なチャンバを有する足部ブラダと、
膨張によって内部に入る流体を収容する第2の膨張可能なチャンバを有する脚部ブラダと、
脚部ブラダを人体の脚部上に配置するための第1の手段と、
足部ブラダを人体の足部上に配置するための第2の手段と、
足部ブラダ及び脚部ブラダを流体的に結合する流体導管であって、流体が、流体導管を通って足部ブラダから脚部ブラダに、かつ流体導管を通って脚部ブラダから足部ブラダに移動することができるようになっている、流体導管と、
脚部ブラダ上の膨張ポートを介して脚部ブラダに接続された膨張手段であって、逆止弁を含む、膨張手段と、を備え、
膨張ポートが、様々な膨張手段に汎用的に接続可能であるように構成されている、治療用圧迫装置。
[条項27]
第1の配置手段が、脚部ブラダを脚部に固定するように脚部の周囲に巻き付ける第1の取り付け部材である、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項28]
第1の取り付け部材が、脚部ブラダに取り付けられた複数のストラップである、条項27に記載の治療用圧迫装置。
[条項29]
第1の取り付け部材が、脚部の周囲、及び脚部ブラダの上に巻き付ける可撓性部材であり、脚部ブラダが、脚部と可撓性部材との間に挟まれている、条項27に記載の治療用圧迫装置。
[条項30]
第2の配置手段が、流体足部ブラダを足部に固定するように足部の周囲に巻き付ける第2の取り付け部材である、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項31]
第2の取り付け部材が、足部ブラダに取り付けられた複数のストラップである、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項32]
複数のストラップが、ストラップを足部に取り付けるための接着剤又は面止め具を有する、条項31に記載の装置。
[条項33]
足部ブラダが、足部のかかとの底部に取り付けられている、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項34]
第1の取り付け部材が、副空気ブラダを含み、可撓性部材が、脚部の周囲に巻き付ける包囲構成、及び開放された非巻き付け構成を有し、副空気ブラダが、包囲構成において可撓性部材によって支持され、副空気ブラダは、包囲構成において可撓性部材によって支持されたときに圧迫力を脚部に加えるように、半径方向の内側に向けられる圧迫力を供給する加圧状態へと膨張することが可能である、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項35]
流体が、空気、気体、又は液体のいずれかである、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項36]
足部ブラダ及び脚部ブラダは、流体が足部ブラダから押し出されるときに、脚部ブラダが足部に追加の圧力を加えるように配列されている、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項37]
追加の圧力が、10~20mmHgの追加の圧力である、条項36に記載の治療用圧迫装置。
[条項38]
脚部ブラダが、第1の状態で脚部に30~40mmHgの圧力を加え、流体が足部ブラダから押し出されるときに、脚部に50~60mmHgの圧力を加える、条項37に記載の治療用圧迫装置。
[条項39]
流体導管が、第1の端部及び第2の端部を有し、脚部ブラダ及び足部ブラダの各々が、流体導管の第1及び第2の端部のうちの一方を受容するためのノズルを有する、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項40]
膨張手段が、手動ポンプ、静的ポンプ、間欠ポンプ、電気式膨張ポンプ、電池式膨張ポンプ、ガソリン式膨張ポンプ、静的空気圧圧縮ポンプ、間欠空気圧ポンプ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項41]
主及び副ブラダが、膨張手段に接続されるときに連続的な勾配圧力を可能にする1つのチャンバを有するように構成されている、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項42]
面コネクタと、逆止弁と、弁帽とを更に備え、弁帽が、主及び副ブラダ内の膨張手段によって作り出された圧力を解放することができる、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項43]
過膨張から保護するように、主ブラダに動作可能に接続された逆止弁を更に備える、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項44]
逆止弁が、所定の圧力で開放するように設定されている、条項43に記載の治療用圧迫装置。
[条項45]
逆止弁が、使用者選択可能な圧力において開放するように構成されている、条項43に記載の治療用圧迫装置。
[条項46]
収縮のために主ブラダに動作可能に接続された通気弁を更に備える、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項47]
圧力を人体の一部に加えるための方法であって、
足部ラップを足部の底部に、かつ脚部ラップを脚部に貼り付けることであって、足部ラップ及び脚部ラップが、流体導管によって流体的に結合されている、貼り付けることと、
足部のかかとが地面に打ち当たると、足部ラップがへこみ、流体を足部ラップから外へ流体導管を通って脚部ラップ中に強制的に押し出すことによって、脚部ラップ内の圧力を上昇させるように歩行することであって、足部のかかとが引き上げられると、足部ラップは、流体が脚部ラップから外へ流体導管を通って足部ラップ中に強制的に押し出されるにつれて膨張する、歩行することと、を含む、方法。
[条項48]
足部ラップが、足部ラップを足部に取り付けるための複数のストラップを含む、条項47に記載の方法。
[条項49]
脚部ラップが、第1のノズルを含み、足部ラップが、第2のノズルを含み、貼り付けることが、流体導管を第1及び第2のノズルに取り付けることを更に含む、条項47に記載の方法。
【0166】
本明細書に記載されているように、本開示の発明は、好ましく典型的な実施形態に関して説明されてきたが、当業者は、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、本発明に対して様々な変更及び/又は修正を行うことができることを容易に理解するであろう。本明細書では、断続的な圧力装置のいくつかの実施形態、並びに設定方法及び同じく動作方法に付いて説明及び例示されている。本発明の具体的な実施形態が説明されているが、本発明がそれらに限定されることを意図されておらず、本発明は、当技術分野が許容する範囲と同じ広さであり、明細書は同様に読み取られることを意図されている。したがって、膨張可能なブラダ及びストラップの具体的な形状及びサイズが開示されているが、他の形状、サイズ、及び取り付け手段も同様に使用することができることを理解されたい。Velcro及び接着手段は、ブラダを脚部及び足部に固定するのを助けるために開示されているが、フック、スナップ、又はラップなどの他の種類の取り付けを使用することができることを理解されたい。更に、流体導管は、嵌合ねじ部分又はバヨネットロックを使ってブラダに取り外し可能に接続されることができるが、当技術分野で既知の他の手段を使用することができることを理解されたい。したがって、当業者であれば、特許請求の範囲で主張されている趣旨及び範囲から逸脱することなく、提供された発明に対して、更なる他の修正が作成され得ることを理解されたい。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21A
図21B
図22
図23A
図23B
図24
図25A
図25B
図25C
図26
図27
図28A
図28B
図29A
図29B
図30A
図30B
図31A
図31B
図31C
図32A
図32B
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
【手続補正書】
【提出日】2024-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、20016年8月23日に出願された仮出願第62/378,581号からの優先権、及び同時係属出願からの優先権を主張し、このPCT出願は、2010年8月12日に出願され、かつ特許第9,033,906号として発行された「Therapeutic Compression Apparatus」と題する米国特許出願第12/855,185号の分割である米国特許出願第13/444,600号の一部継続出願であり、その内容全体が、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の背景)
本対象発明は、一般に、肢部に圧迫を加えるためのデバイスに関し、より詳細には、慢性静脈不全及びリンパ浮腫などの状態の治療と併せて個人の脚部に圧迫を加えるための治療用装置に関する。本装置は、患者の下腿及び足部などの肢部に圧迫を加えることができる装置を有するブラダ、及びブラダのための膨張手段を有するラップを含む。
【背景技術】
【0003】
通常、健康な脚筋は、例えば、脚部及び足部の深部静脈を圧搾すると、血液を心臓に戻すのを助ける。深部脚部静脈内の一方向弁は、血液の心臓へ向かう環流を維持する。しかしながら、立っている又は座っている長時間は、深部脚部静脈の壁の伸張を引き起こし得る。時間の経過に伴い、抵抗力のない個々人において、これは、静脈壁を脆弱にし、弁に損傷を与え、血液を静脈内に滞留させ、静脈の血圧を上昇させ得る。これは、慢性静脈不全(chronic venous insufficiency、CVI)として知られる状態をもたらす。
【0004】
CVIの治療は、典型的には、慢性腫脹を減少させるための圧迫ストッキング又は医療用靴下の使用を必要とする。圧迫ストッキングは、静脈を圧搾して静脈の血行を改善し、過剰な血液が後方に流れるのを防止する弾性ストッキングである。また、圧迫ストッキングは、CVIと併せて多くの場合に現れる皮膚潰瘍又は鬱血性潰瘍を治すのにも役立ち得る。また、圧迫ストッキングは、共通して、脚部に圧力を加えるための圧迫包帯も用いる。この関連で、包帯は、一定の張力が加えられ、足首において最も高い圧力を伴う段階的な圧迫を生成する。しかしながら、その技術は難しく、多くの場合、高度に熟練した介護人によって行われる。
【0005】
極めて有効な機械的圧迫デバイスもまた、CVIを治療するために開発され、例えば、米国特許第7,276,037号及び同第7,559,908号に開示されており、それらの開示全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。これらのデバイスは、手動で膨張可能な空気ブラダを担持する可撓性ラップを含み、局所化された圧力を治療部位に加えるために、個人の脚部の周囲に固定して配置されるように適合されている。このデバイスはまた、流体が充填された創傷ドレッシング材も含み、その創傷ドレッシング材は、局所化された圧力を加えるために皮膚に直接適用され、更には、創傷ドレッシング材が可撓性ラップによって包まれたときに、薬剤を静脈潰瘍に適用することができる。このデバイスは、局所化された圧迫を脚部に加えるためには有効であるが、腫脹を防止し、かつ静脈の血行を更に改善するために、局所化された圧迫を足部に加えるようには構成されていない。
【0006】
リンパ浮腫はまた、リンパ管閉塞としても知られ、局所化された流体の滞留、及び組織の腫脹の別の状態であり、易感染性リンパ系によって引き起こされる。リンパ浮腫の治療は、浮腫の重症度、及び罹患した肢部の線維症の程度に応じて変わる。リンパ浮腫に対する最も一般的な治療は、手先による圧迫リンパマッサージ、圧迫被服、又は包帯法である。弾性圧迫被服は、典型的には、浮腫低減を維持するように完璧な鬱血緩和効果のある治療に続いて、罹患した肢部上にリンパ浮腫を有する人によって着用される。
【0007】
圧迫包帯法は、また、ラッピングとも呼ばれ、いくつかの層の詰め物、及び短伸縮性包帯を疾患部に適用する必要がある。短伸縮性包帯は、長伸張性包帯(通常、捻挫を治療するのに用いられるものなど)の上に位置することが好ましく、その理由は、長伸張性包帯が、リンパ浮腫を安全に低減するのに必要となる適度な治療張力を生成することができず、実際には、止血帯効果の向上をもたらすことができないからである。活動中、運動活動又は日々の活動であろうとなかろうと、短伸縮性包帯は、それらが押し当てる反発を増大させることによって、リンパ管の圧送作用を高める。これは、リンパ液の流れを促進し、流体膨張領域を軟化させるのに役立つ。
【0008】
圧迫包帯法のように、CVI及びリンパ浮腫治療のための既知の方法は、いくつかの欠点を有する。包帯法は、時間がかかり、その有効性は、提供者の技量によって限定される。いくつかの事例では、包帯は、あまりにきつく、又はあまりにゆるく適用されることがあり、それらの意図された位置から滑ってはずれ、それらの有効性を低下させる可能性がある。これが生じると、包帯をはずし、再適用しなければならず、適用時間を更に長引かせ、かつ治療適用の一貫性を損なうことになる。
【0009】
現在の多くの圧迫治療の有効性は、現在の製品の適用によって制限されている。現在の圧迫治療は、人手によるラップ又は電気機械システムのいずれかで行われるため、それらの圧迫治療は、熟練した医療行列が適用する必要があるか、かつ/又は患者が延長された時間帯の間じっとしている必要があるかのいずれかである。ストッキング及び/又は包帯は、患者によって着用され、かつ自己管理され得るが、彼らが身に付け、経験の浅い医療専門家が一貫して有効に当てはまる問題を提起することは、非常に困難である。
【0010】
更に、CVI及びリンパ浮腫のための現在の多くの治療選択肢は、現在の既知のデバイス、装置、包帯、ストッキング、靴下等の使用を含めて、静脈性潰瘍を引き起こす。静脈性潰瘍とは、足首上部の皮膚の損傷及び消失であり、それは、脚部内の静脈に関連する問題の結果である。静脈性潰瘍は、典型的には、下腿の側部、足首の上部、及びふくらはぎの下部のいずれかで発症する。それらは、治癒することが困難であり、多くの場合、再発する。
【0011】
脚部の静脈は、筋膜に対するそれらの位置に応じて、表在系及び深部系に区分される。深部静脈は、一体となって膝窩静脈及び大腿静脈を形成し、筋膜内に位置し、脚部筋肉からの静脈還流の役割を担う。幅広の無弁洞様血管もまた、筋膜内(より具体的には、ヒラメ筋及び腓腹筋内)に位置する。この洞様血管は、脚部が安静時にあるときは、血液で満たされている。
【0012】
足部から股間まで脚部の内側に沿って延びる大伏在静脈、及び足部から膝までふくらはぎの後部において延びる小伏在静脈は、表在静脈系の主要血管である。これらの血管は、筋膜の外側に位置し、表皮及び皮下脂肪からの静脈環流の役割を担う。
【0013】
交通静脈は、深部筋膜に孔を開けるため、場合によっては、穿通枝と呼ばれ、2つの系をつなぐ。穿通枝は、脚部内の他の静脈と同様に、外側、又は表在系から深部静脈に内側へ、1つの方向のみに血液を流すことを可能にする弁を含む。
【0014】
仰臥位で横たわっている被験者の足首における静脈圧は、約10mmHgであるが、立位の場合、この静脈圧は、静水圧(測定点から心臓の右心耳までの血液の垂直柱の重量と同等である)の増加により大幅に上昇するであろう。
【0015】
歩行中、足部は背部に屈曲されるため、腓筋の収縮は、深部静脈及びヒラメ洞を圧迫し、それによってそれらから血液を空にする。足部が足底で屈曲されると、静脈内の圧力が下がり、近位側弁が閉まり、そして静脈は、表在系から穿通枝を通過する血液によって再度充填される。このサイクルの間、正常な脚部では、深部静脈の遠位側弁、及び穿通枝の弁は、放出された血液が上方の一方向のみに移動し得、心臓への環流を確実にすることになる。
【0016】
静脈系に対する閉塞又は損傷は、正常な血流に対する乱れを引き起こし、その乱れ自体が、損傷の部位及び程度に応じて多くの様々な仕方で顕在化し得る。表在系内の弁が罹患した場合、静脈還流が損なわれ、食物が静脈内に蓄積し、弁が膨らみ、静脈瘤様腫脹(異常に膨らんだ静脈)の形成をもたらし得る。
【0017】
穿通枝弁の機能が損なわれた場合、腓筋ポンプの作用により、血液が逆方向に、すなわち表在系中に流れ込む傾向があり、表在血管に損傷を与える可能性を増加させることになる。
【0018】
深部静脈の完全な又は部分的な閉塞をもたらす深部静脈血栓症の後に続いて、穿通枝弁上の腓筋ポンプにより生み出される変化のない圧力により、これらの表在血管が機能不全になり得る。これが起こる場合、表在系内の圧力に大きな上昇が生じ、毛細血管から外へ、そして周辺組織中へタンパク質及び赤血球を押し出し得る。ここで、赤血球は、分解して、皮膚の染色、すなわち、起こり得る潰瘍形成の先行指標を生じさせる赤色顔料を解放する。
【0019】
静脈脚部潰瘍は、通常、表層的であり、色は赤色である。潰瘍の周囲の皮膚は、多くの場合、前述した染色により変色している。また、機能不全となった穿通静脈弁は、果小静脈を拡張させ、足首の周囲に細かい赤色の細線として現れるようにすることもできる。この状態は、足首炎と呼ばれ、また、静脈潰瘍の兆候でもある。
【0020】
動脈は、心臓から身体のその他の部分に、酸素補給された血液を輸送する。静脈は、酸素を使い果たした血液を心臓に戻す。身体の下肢内の静脈が、血液を心臓へ戻すのに困難を生じる場合、慢性静脈不全(CVI)と呼ばれ、また慢性静脈疾患(chronic venous disease、CVD)として知られる症状が発症し、CVIは、通常、脚部の深部静脈における血液の凝血塊の結果として起こり、深部静脈血栓症(deep vein thrombosis、DVT)として知られる疾患である。また、CVIは、骨盤腫瘍及び血管奇形からも起こり、場合によっては、原因不明で起こる。人が立っていたり座っていたりしているとき、脚部の静脈内の血液は、上向きに流れる。人が歩行しているとき、腓筋、及び足部内の筋肉は、静脈を圧搾するように収縮し、血液を上方へ押し出す。血液を上方へ流し続け、かつそれが下方へ流れるのを防止するために、静脈は、一方向弁を収容する。これらの弁が損傷を受け、血液が逆方向の下方に逆流するときに、CVIが起こる。このような弁損傷は、加齢、長時間座っていること若しくは立っていること、又は加齢及び移動性低下の組み合わせの結果として起こり得る。静脈及び弁が衰弱し、血液が心臓まで適切に流れない場合、下肢内の静脈における血圧は、長期間にわたって高い状態が続き、CVIにつながる。この状態は、高齢者にはより共通しており、適切に治療がされない場合、毛細血管破裂、局所的組織炎症、内部組織損傷、静脈瘤、潰瘍、及び皮膚の表面上の開傷口につながる可能性がある。
【0021】
CVIは、静脈系の容量を減少させ、罹患した領域内のリンパ系の負担を増加させ得る。次いで、リンパ系は、より大量の水及びタンパク質を輸送し、脚部の罹患した組織内の流体負荷を低減する必要があり、リンパ浮腫、静脈瘤、及び他の下肢病変を有する患者にとって特に困難な状況である。
【0022】
上述の下肢病変を防止又は治療するのを助けるためにしばしば使用される1つの非外科的選択肢は、圧迫ストッキングの使用である。圧迫ストッキングは、脚部疲労、足首及び足部の腫脹、クモ状静脈、及び静脈瘤を防止するのを助ける。それらは、特に常習的な運動、及び脚部の下肢挙上と併用して使用される場合、脚部内の血行を改善する。圧迫ストッキングは、通常の歩行を可能にしながら、脚部上の圧力を維持する。皮膚の下の組織内における圧力を増加させることは、毛細血管からの流体の超過漏洩を低減し、毛細血管及びリンパ管による組織液の吸収を増大させる。更に、増大した圧力は、静脈の大きさを減少させ、このことにより、血液がより速く流れ、血液の貯留を防止するのを助ける。
【0023】
圧迫ストッキングの気密性は、典型的には、15~50分HGの間で変化する。所与のストッキングの気密性は、その固有の構成及びクラスによって異なる。例えば、15~20分HGの圧迫圧力を有するストッキングは、軽い圧迫ストッキングと考えられる。クラス-1のストッキングは、20~30mmHgであり、クラスIIのストッキングは、30~40mmHg、またクラスIIIのストッキングは、40~50mmHgである。
【0024】
このような圧迫ストッキングは、下腿病変の一般的に利用される非侵襲性治療であるが、圧迫ストッキングが呈示する課題は、非常に多い。緊密にフィットするストッキングを着用することは、身に付けるのに面倒であるか又は時間がかかることがあり、着用者が負傷していたり、年配であったり、又は何らかの形態の障害を有する場合には、前に居る別の人を用立てる必要があり得る。更に、ストッキングにより加えられた圧力は、気密性レベルの増減に関して任意の選択肢を選ばない場合、使用中は、概して比較的一定に留まる。圧迫ストッキングは繰り返し着用されるため、それらは、弾力性を失い、したがって時間の経過と共に気密性を失う。ひとたびこのような弾力性及び気密性が失われると、そのストッキングは、ほとんど又は全く価値がなくなり、その緩みが原因で交換される必要があり、所望の圧力を得るために新規のペアを購入する必要がある。
【0025】
医療用靴下は、脚部潰瘍の発症又は再発を防止するために、通常の形状の脚部に圧迫を加える有用でかつ利便性のある方法を代表している。しかしながら、これらのストッキングは、活発な潰瘍形成の治療での評価では限定的であり、ドレッシング材の上に適用することは困難である。このような状況では、現状では、圧迫包帯が、選択すべき治療を代表している。圧迫包帯は、肢部に圧力を加え、その圧力は、包帯張力に正比例するが、圧力が加えられる肢部の曲率半径に反比例する。したがって、この手段は、通常の割合の肢部に一定の張力で加えられた包帯が、足首において最も高い圧力で段階的な圧迫を自動的に生み出すことを意味する。この圧力は、周縁部が増加するにつれ、脚部まで徐々に低下することになる。
【0026】
容易に理解することができるように、圧迫包帯が、治療される肢部に適用されるときに、圧迫包帯に均一な張力を加えることは、煩雑かつ困難であり、よって、これは、高度に熟練した介護人によってのみ達成される。更に、ひとたび治療される肢部に固定されると、包帯が先々多層形成をもたらすときに、包帯が滑ってはずれないか、又は包帯がずれないことを確実にするように気配り及び注意をする必要があり、このことは、次々に高い圧力の局所化された領域をもたらし、患者を皮膚の壊死の直接的な危険にさらす可能性がある。
【0027】
機械的な圧迫治療もまた、提案されている。典型的な圧迫デバイスが、Dyeによる米国特許第5,031,604号に記載されている。概して第2列、第33行以下参照に記載されているように、脚部を取り囲むチャンバの配置が、提供されている。能動空気圧駆動式制御システムは、チャンバ内の圧力を制御して足首近くの脚部を圧搾し、次いで、膝に向かって上方に順次圧搾して肢部から心臓に向かって血液を移動させる。Tumeyらによる米国特許第6,488,643号の第4列、第20~59行に記述されているように、機械的に生成された圧迫レベルが、包帯法を通じて得られた同様の圧迫レベルでは記述されていない虚血性(すなわち、局所化組織貧血)を引き起こし得る。それはまた、細胞浸潤(すなわち、脚部脈動血流内の低下)も引き起こし得る。また、空気圧駆動式制御システムは、かさばり、かつ重く、治療中の患者の移動を大幅に制限する。更に、その空気圧駆動式制御システムは、壊死の原因となり得る過剰な圧力が、治療される肢部に加えられないことを確実にする機構を設けていない。これらの制限により、ほとんどの機械的圧迫デバイスが、深部静脈血栓症を呈する患者にとってそぐわないことがわかった。その結果、当業者は、肢部の静脈潰瘍又は浮腫の治療のためのこのような機械的圧迫デバイスを今日まで回避してきた。
【0028】
共有された米国公開第2004/0193084号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、静脈瘤の治療と併せて使用するためにヒトの脚部に圧力を加えるためのデバイスを開示している。このデバイスは、可撓性部材、及びヒトの脚部の周囲を固く巻き付けるように適合されている、その部材と一体化した少なくとも1つの空気ブラダチャンバを含む。空気ブラダチャンバ(複数可)と流体連通するチューブは、空気ブラダチャンバ(複数可)を加圧状態に膨張させるように動作する空気圧送機構まで延在する。可撓性部材は、好ましくは、膝関節レベルにおける開口部を含み、膝蓋骨がそこを通って突き出ることができる。更に、可撓性部材は、好ましくは、膝関節レベルの下に延在し、脚部に安定性を提供するために脚部の下部の周囲に固く巻き付けるように適合されている。デバイスの空気ブラダチャンバは、第1の寸法が、それに直交する第2の寸法よりも実質的に長いことが好ましく、その結果、空気ブラダチャンバは、垂直寸法の方向に相対的に長く、水平寸法の方向に狭いヒトの脚部の一部を覆うように配置されることができる。
【0029】
共有された米国特許第7,276,037号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、人体の先端部、例えばヒトの脚部の一部に圧迫治療を適用するための装置を開示している。このデバイスは、可撓性部材及び空気ブラダチャンバを含む。この可撓性部材は、空気ブラダ-チャンバを先端部に固定するために、先端部の周囲に巻き付けるように適合されている。空気圧送機構は、空気ブラダチャンバを加圧状態に膨張するように動作されている。1つ以上の流体充填加圧部材が設けられ、各部材は、別個であり、可撓性部材及び空気ブラダチャンバから区別され、よって、可撓性部材及び空気ブラダチャンバに対して容易に移動可能である。加圧部材(複数可)は、先端部と可撓性部材との間に動作可能に配設され、そこのそばで加圧部材は、使用中、増大する局所化された圧力を先端部に加える。空気ブラダチャンバは、第1の寸法が、それに直行する第2の寸法より実質的に長いことが好ましく、その結果、空気ブラダチャンバは、先端部の相対的に長く、かつ狭い一部を覆うように先端部に沿って長手方向に延在することができる。空気チャンバの位置は、局所的な圧力を所望の人体部分(ある特定の静脈チャネルなど)に加えるように容易に適合され得る。加圧部材(複数可)は、使用中に配置されることができ、その結果、加圧部材は、静脈潰瘍(又は他の治療部位)を覆い、治療を促進するために、増大した局所化された圧力を治療部位に加える。
【0030】
現在の既知のすべての治療装置、デバイス、包帯、ストッキング、及び靴下は、安定性、過剰圧力合併症を伴わない十分な有効圧力の維持、圧迫の維持などに関する問題を有する。更に、現在の既知のすべての治療装置、デバイス、包帯、ストッキング、及び靴下は、特に現在の治療装置及びデバイスは、圧迫又は膨張手段の1つの源に接続することができるだけであり、コネクタの汎用的な膨張ポートは、既知ではなく、それについては、患者は、治療装置又はデバイスのための膨張源及び膨張手段を変えることによって治療を変えることができる。
【0031】
現在の治療装置、デバイス、包帯、ストッキング、及び靴下に関する他の既知の問題は、熟練した介護者が、現在の治療装置及びデバイス、包帯、ストッキング、並びに靴下を作動させる必要があることである。このような熟練した介護者は、すべての患者、とりわけ、長期介護保険を有しない患者、又は熟練した在宅介護者が提供されない患者にとっては、必ずしも有効であるとは限らない。更に別の既知の問題は、治療装置及びデバイス内の設定された圧迫の漏洩であり、包帯、ストッキング、及び靴下は、結果として患者及び使用者にとって役に立たずに提供され得る効果のない治療、及び効果のない装置又はデバイスをもたらすことである。現在の治療装置及びデバイス、包帯、ストッキング及び靴下に関する更なる問題は、膨張手段又は圧迫源が、手動又は機械的又は電気的のいずれかで設定され、膨張ポート又は膨張手段が、汎用的でなく、かつ交換可能でないとい点で、融通が効かないことである。現在の治療装置及びデバイス、包帯、ストッキング及び靴下に関する更に別の問題は、膨張手段又は源が、静的又は断続的のいずれかであり、このような装置及びデバイスを治療中に再び変更することができないことである。
【0032】
本発明の装置、方法、アセンブリ、及びシステムは、既知の圧迫技術に関する多くの問題、特に現在の圧迫ラップ技術を適用することの困難さにより生じる問題を克服し得る便益及び利点を提供する。本発明は、患者を不快にさせ、それらの弾力性、すなわち時間の経過と共にそれらの有効性を消失させるような、強固に固定する治療用弾性被服を採用する既知の技術の代替方法を提供する。当業者ならば、腫脹を防止し、静脈の血行を更に改善するために、局所化された圧迫を脚部及び足部に加えるように適合及び構成され、また患者が実効的に自己管理することができる、CVI、DVT、及びリンパ浮腫を治療するための治療用圧迫デバイスを提供することが有益であることを容易に理解するであろう。
【発明の概要】
【0033】
本発明は、治療用圧迫装置を対象とする。この治療用圧迫装置は、主ラップ及び副ラップ、並びに必要に応じてスティラップを備える。主ラップは、脚部などの肢部の少なくとも第1の部分を取り囲み、そこに圧迫を加える。主ラップは、例えば脚部の膝に向かって配置するための水平近位側エッジ、例えば脚部の足首に向かって配置するための水平遠位側エッジ、及び水平近位側エッジ及び水平遠位側エッジに垂直な第1及び第2の周辺エッジを有する。副ラップは、脚部の足部などの肢部の少なくとも一部分を取り囲み、そこに圧迫を加える。スティラップは、主ラップを脚部などの肢部に固定するために、水平遠位側エッジに沿って主ラップと一体化され、スティラップは、主ラップと副ラップとの間に配置されている。
【0034】
治療用圧迫装置は、圧力を脚部などの肢部上の治療部位に加えるために、主ラップと動作可能に関連付けられた少なくとも1つのブラダを更に備え得る。主ラップは、少なくとも1つのブラダを収容するための少なくとも1つの内ポケットを含み得る。別の選択肢として、少なくとも1つのブラダは、主ラップと一体であり得る。主ラップを取り付けるための1つ以上の手段は、肢部の周囲に主ラップを固定するために、主ラップの第1及び第2の周辺エッジに沿って動作可能に関連付けられ得る。
【0035】
少なくとも1つのブラダは、少なくとも1つのブラダが充填されたときに、所定の勾配圧力プロファイルを形成するように適合及び構成され得る。少なくとも1つのブラダは、楔状ブラダ、円錐状ブラダ、円板状ブラダ、又は矩形状ブラダのうちの1つであり得る。少なくとも1つのブラダはまた、複数の流体チャンバも含み得る。治療用圧迫装置は、主ラップにより治療部位に供給された圧力の量を制御するために、少なくとも1つのブラダに結合された圧力を調節するための少なくとも1つの手段を更に備え得る。
【0036】
副ラップは、スティラップに取り付けられ得る。副ラップは、足部の足指などの肢部を包むように構成され得、かつ/又は足部のかかとを包むように構成され得る。副ラップはまた、足部の周囲に調節可能なストラップとしても構成され得る。
【0037】
治療用圧迫装置は、例えば脚部などの肢部の周囲に主ラップを固定するために、主ラップの近位側水平エッジに沿って調節可能なベルトを更に備え得る。主ラップは、複数の別個の層を含む非弾性複合材料の少なくとも一部分で形成され得る。一実施形態では、その複合材料は、内側積層層、外側フック適合性層、及び内側層と外側層との間に設けられた中間非弾性層の3つの別個の層を含み得る。複合材料はまた、例えば脚部などの肢部に主ラップの輪郭を描くための複数の縫い込まれたダーツ及びギャザーと共に設けられ得る。
【0038】
本発明はまた、圧力を肢部に提供するための圧迫装置のためのブラダアセンブリも対象としている。ブラダアセンブリは、空気ポケットを形成するように周辺エッジの周りに互いに固定された第1及び第2の可撓性壁を有する少なくとも1つのブラダと、ブラダ内に複数のチャンバを画定するように互いに第1及び第2の壁と接続する周辺エッジの所定の場所の奥に設けられた少なくとも1つのスポット溶接とを含む。少なくとも1つのスポット溶接の幾何学的配置は、少なくとも1つのブラダの圧力プロファイルを決定する。
【0039】
少なくとも1つの膨張ポートを通る空気ポケットなどのブラダを膨張させるための膨張手段は、ブラダアセンブリの第1の壁内に設けられ得る。膨張手段は、少なくとも1つの膨張ポートから取り外し可能であり得る。少なくとも1つの圧力弁は、ブラダ内の圧力の量、及びブラダ内の空気ポケットを制御するための膨張手段と動作可能に関連付けられ得る。膨張ポートは、治療用圧迫装置のブラダ内の所与の圧力を維持するように逆止弁を含む。膨張ポートは、手動ポンプ、機械式ポンプ、電動ポンプ、電池式ポンプ、静的ポンプ、間欠ポンプ、空気圧ポンプ、負圧源、及び他の変形物などの複数の膨張源及び膨張手段と接続及び受容することが可能であるように構成されている点において汎用的であり得る。
【0040】
本発明の方法は、患者によって肢部の周囲に主及び副ラップを適用すること、膨張手段を膨張ポートに挿入すること、主及び副ラップ内のブラダを膨張させること、及びCVI、DVT及び/又はリンパ浮腫を治療するために特定の圧力を維持することによって、CVI、DVT及び/又はリンパ浮腫を治療するに使用される治療用処置装置を含む。
【0041】
本発明の別の実施形態は、本発明によるアセンブリを含み、そのアセンブリは、肢部に取り付けるための可撓性部材、及び所望の加圧状態に圧送され得る空気チャンバを有する圧力機構と、別個の相対的に小さい予充填空気ブラダと、予充填空気ブラダに結合された吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材と、負圧源(吸引)と結合され、吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材と流体連通する吸引導管とを含む。好ましい実施形態では、予充填空気ブラダ、吸収性発泡体、スポンジ又はドレッシング材、及び吸引導管は、ユニットとして一緒に形成されている。
【0042】
本発明の一態様によれば、圧力機構の可撓性部材は、予充填空気ブラダ及び発泡体、スポンジ又はドレッシング材を先端部内の創傷又は潰瘍に固定するように、脚部又は腕部の周囲、及び予充填空気ブラダの上に巻き付けるように適合されている。よって、可撓性部材は、面止め具機構などの何らかの固定構造体と共に提供されている。空気圧送機構は、好ましくは、空気チャンバを加圧状態に膨張させるように、圧力機構の空気チャンバに結合される。圧力機構の空気チャンバは、好ましくは、肢部全体の周囲とは対照的に、予め画定された区域(例えば、脚部の伏在静脈)に沿って圧力を加えるように設計される。
【0043】
本発明の別の態様によれば、吸引導管は、予充填空気ブラダと、小さい空気ブラダに接着されている吸収性発泡体、スポンジ、若しくはドレッシング材とのいずれかの間に置かれ、又は予充填空気ブラダは、中央開口部を有するドーナッツとして形成され、かつ吸引導管は、その中央開口部を通って延在する。吸引導管を負圧源に結合することによって、創傷又は潰瘍からの滲出物は、発泡体、スポンジ、又はドレッシング材を通って吸引導管中に吸い込まれる。
【0044】
本発明の方法のうちの1つは、肢部状の創傷又は潰瘍の上に予充填空気ブラダ、及び発泡体、スポンジ、又はドレッシング材を配置することと、予充填空気ブラダ/吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材の上に配置された空気チャンバと共に肢部の周囲に圧力機構の可撓性部材を巻き付けることと、固定構造体を使って空気圧式圧力機構を締結することと、を含む。装置が肢部に適切に配置され、かつ貼り付けられると、空気チャンバは、好ましくは30~40mmHgまで膨張し、それによって、肢部、より具体的には、予充填空気ブラダを介して創傷に圧力を加える。吸引装置は、負圧源をオンにすることによって作動し、創傷又は潰瘍からの滲出物が、吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材を通って吸引導管中に引き込まれる。
【0045】
本発明の別の実施形態は、断続的な圧力をヒトの脚部の領域などの人体の一部分に加えるための装置を含み、この装置は、その領域の内外に血流を促進すること及び排液を高めることによって、静脈潰瘍又は創傷などの様々な状態の治癒及び治療を支援する。この装置は、足部ブラダ及び脚部ブラダを含み、各ブラダは、膨張によって入ってくる流体を収容する膨張可能なチャンバを有する。ブラダは、流体導管によって流動結合され、各ブラダは、好ましくは、人体の一部分の上にそれを配置するための手段を備え付けられている。好ましい実施形態では、足部ブラダは、足部の底部に配置され、脚部ブラダは、脚部の下部の上に配置されている。人が装置を着用しながら歩行するとき、人の足部(かかと)が、足部ブラダ上に配置された外部圧力により地面に打ち当たると、足部ブラダの一部分は、膨張し、それによって、足部ブラダから、流体導管を通って脚部ブラダへ流体を押し出し、脚部ブラダ内の圧力を上昇させる。人の足部が、標準的な歩行運動でかかとから足指まで回転すると、人の体重からの外部圧力が、足部ブラダから取り除かれ、結果として脚部ブラダの圧力が、足部ブラダの圧力よりも高くなる。こうして、流体は、流体導管を通って足部ブラダ中に戻り、次いで再びその元の状態に膨張し、その結果、足部ブラダ及び脚部ブラダの圧力が、均一化される。この工程は、人が歩行するときに繰り返され、これにより、脚部ブラダ内の圧力が断続的に増減するときに、脚部上に圧送力又は混練力を作り出し、これにより、脚部の様々な部分への血流、流体排液、治療、及び治癒を促進する。
【0046】
本発明の関連するこれら及び他の態様は、図面と併せて読まれる以下の説明からより容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
本発明が属する技術分野の当業者が、本発明の装置をどのように製造及び使用するかをより容易に理解するように、図面を参照して、それらの好ましい実施形態を、以下の本明細書に詳細に説明するであろう。
【0048】
図1】本発明による治療用圧迫装置を含む、本発明の一実施形態の斜視図であり、この治療用圧迫装置は、足部のベースにおけるスティラップ、及び膝下の調節可能なストラップの両方を有する使用者の右側脚部及び足部の周囲に巻き付けられ、その装置は、流体ブラダを固定するための主ラップの内部表面上に設けられたポケット(隠れ線で示す)を有し、このブラダは、着脱可能な空気ポンプ及び圧力計と共に設けられ、主及び副ラップが、互いから分離されている。
図2A図1の治療用圧迫装置の斜視図であり、図中、主及び副ラップは、巻き付けられていない状態で例示され、ラップの内表面が示され、副ラップが、スティラップと共に一体化されているように示されている。
図2B図1の治療用圧迫装置の斜視図であり、図中、主ラップ及び副ラップは、巻き付けられていない状態で例示され、主ラップの内面は、主ラップのポケット内にブラダを有するように示され、副ラップは、スティラップと共に一体化されているように示されている。
図3】脚部の周囲に輪郭が描かれた多数の縫い込みダーツ及びギャザーを有する本発明による主ラップの上部の外面の正面図であり、その主ラップは、主ラップの外面の大部分を示すように例示されている。
図4】本発明の主ラップの複合材料を例示する図3の線12’-12’に沿って切り取られた断面図であり、3つの別個の層を有する。
図5】本発明によるブラダの分解組立斜視図であり、そのブラダは、複数のスポット溶接、圧力計、及びブラダから分離されたように例示されてもいる空気ポンプを有する。
図6A】膨張状態における図5の膨張ブラダの側面図である。
図6B】線36’-36’に沿って切り取られた断面図であり、ブラダ内で最大限の効果が得られるように配置されたスポット溶接が、どのようにブラダの上部壁及び下部壁を接合し、所望の勾配プロファイルを形成するかを例示している。
図7】非膨張状態(左)及び膨張状態(右)にある楔状ブラダの断面図である。
図8】非膨張状態(左)及び膨張状態(右)にある円錐状ブラダの断面図である。
図9】非膨張状態(左)及び膨張状態(右)における円板状ブラダの断面図である。
図10】非膨張状態(左)及び膨張状態(右)にある矩形状ブラダの断面図である。
図11】本発明に基づいて構成された治療用圧迫装置を含む本発明の別の典型的な実施形態の上面図であり、被服の内部から見たときの、圧迫被服全体にわたって貫通孔、かかとパッド、及び足首パッドのレイアウトを示している。
図12図11の治療用圧迫装置の底面図であり、被服の外部から見たときに、内側及び外側シート内のブラダを画定する内側シートに外部シートを接続するための溶接パターンを示している。
図13図11の治療用圧迫装置の分解組立斜視図であり、外側シート、内側シート、並びに面止め具のレイアウトを示している。
図14図11の線4-4に沿って切り取られた治療用圧迫装置の詳細断面図であり、収縮状態にある脚部圧迫ブラダを例示している。
図15図11の線4-4に沿って切り取られた治療用圧迫装置の詳細断面図であり、膨張状態にある脚部圧迫ブラダを例示している。
図16】下腿上に着用された図11の治療用圧迫装置の、それぞれ、正面斜視図及び内側斜視図である。
図17】下腿上に着用された図11の治療用圧迫装置の、それぞれ、正面斜視図及び内側斜視図である。
図18図17の線8-8に沿って切り取られた治療用圧迫装置の詳細断面図であり、膨張状態にある脚部圧迫ブラダを例示している。
図19】本発明によるアセンブリを含む、本発明の別の実施形態の透視図である。
図20A】本発明による図19の圧迫機構の等角図であり、その巻き付けられていない状態にある機構を示している。
【0049】
図20B】本発明による代替の圧迫機構の等角図であり、その巻き付けられていない状態にある機構を示している。
図21A】本発明による図19の圧迫機構の別の実施形態の図であり、小伏在静脈の近くの下腿に局所化された圧力を加えるために下腿の周囲に巻き付けられることが意図され、その身体接触表面が本ページの外側に対面しながらその巻き付けられていない状態で示されている。
図21B】本発明による図19の圧迫機構の別の実施形態の図であり、大伏在静脈の近くの上腿に局所化された圧力を加えるために上腿(例えば、大腿部)の周囲に巻き付けられることが意図され、その身体接触表面が本ページの外側に対面しながらその巻き付けられていない状態で示されている。
図22】予充填空気ブラダ、吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材、並びに吸引導管を含むユニットの実施形態の透視分解組立図であり、そこでは、吸引導管が、ユニットの中央に延在している。
図23A】ユニットを適所に固定するためのストラップを有するユニットの透視斜視図である。
図23B】ユニットを適所に固定するためのストラップを有するユニットの透視斜視図である。
図24】脚部ブラダ及び足部ブラダが、流体導管によって流体接続されている、本発明の圧迫装置を含む、本発明の別の実施形態の略図である。
図25A図24の脚部ブラダの斜視図である。
図25B図25Aの脚部ブラダの上面図である。
図25C図25Aの脚部ブラダの側断面図である。
図26】足部のかかとに固定された図24の足部ブラダの別の実施形態の側面図である。
図27】足部のかかと上に配置された足部ブラダ、及び脚部の下部の周囲に配置された脚部ブラダを示す、本発明の別の実施形態の側面図である。
図28A】足部及び脚部ブラダ、流体導管、並びに流体導管に接続された一方向弁、脚部の周囲に巻き付けられた可撓性部材を示す本発明の斜視図である。
図28B】脚部と可撓性部材との間に挟まれた脚部ブラダを有する脚部の周囲に巻き付けられた図28Aの可撓性部材の部分切断斜視図である。
図29A】圧迫装置に結合可能な膨張手段又は源のための弁を含む治療用圧迫装置に係る本発明の別の実施形態の概略図である。
図29B図29Aに示した治療用圧迫装置に係る本発明の実施形態の分解組立図である。
図30A図29の圧迫装置の弁機構の拡大図である。
図30B図29の圧迫装置の弁機構の拡大図である。
図31A】治療用圧迫装置のための本発明のポンプの一実施形態である。
図31B図31Aに示した治療用圧迫装置のための本発明のポンプの実施形態の側面図である。
【0050】
図31C図31Aに示した治療用圧迫装置のための本発明のポンプの実施形態の上面図である。
図32A】治療用圧迫装置のための本発明のポンプの別の実施形態である。
図32B図32Aに示した治療用圧迫装置のための本発明のポンプの実施形態の逆止弁の拡大である。
図33】治療用圧迫装置のための本発明のポンプの別の実施形態である。
図34図33で示した治療用圧迫装置のための本発明のポンプの実施形態の内部断面図である。
図35】治療用圧迫装置のための本発明のポンプの別の実施形態の内部断面図である。
図36】治療用圧迫装置のための本発明のポンプの別の実施形態の内部断面図である。
図37】腕部治療用圧迫装置の本発明の別の実施形態である。
図38】腕部治療用圧迫装置の本発明の別の実施形態であり、2つの別個の治療用圧迫装置が、取捨選択可能なタブによって接合されている。
図39】電気式膨張機構を含む治療用圧迫装置の本発明の別の実施形態の概略図である。
図40図39に示した電気式膨張機構を含む治療用圧迫装置の本発明の一実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明の好ましい実施形態は、添付図面を参照して以下に記載され、同様の参照番号は、同じ又は類似の要素を表す。当業者であれば、本明細書で検討される装置は、脚部及び足部の圧迫療法に関するが、本発明の範囲は、これらの典型的な用途に限定されず、圧迫療法が必要とされる解剖学的部分に対してサイズ及び形状設計され得ることを理解するであろう。
【0052】
本発明は、例えば、下腿及び足部、又は腕及び手を含む先端部を含む患者の肢部への圧縮を、現在のシステムよりも単純かつより便利な方法で提供する。任意の肢部又は身体部分は、例えば足、ふくらはぎ、大腿、膝、脚、臀部、尻、腰、胴体、肋骨、肩、腕、手、指、首、頭部などのような、即時治療用圧迫装置によって圧迫されてもよい。
【0053】
本発明は、圧迫を提供し、圧迫に使用することができる非弾性結合剤及びブラダを使用して、例えば足部などの肢部の腫脹を防止するためのシステムを提供する。ブラダは、非弾性ラップ内に設けられ、供給される圧力の一貫した測定、並びに患者による安全、快適、便利、有効であり、自己への適用を可能にする仕方で圧迫を作り出す。
【0054】
値の範囲が設けられる場合、その範囲の上限値と下限値との間で明確に指示されない限り、その範囲の上限値及び下限値と、記載された範囲が本発明内に包含されている任意の他の記述値又は介在値との間で、各介在値が下限の単位の10分の1になることが理解される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、独立して、より小さい範囲に含まれてもよく、また本発明に包含され、記載された範囲内の任意の具体的に除外される限界を対象とする。記載された範囲が限界のうちの1つ又は両方を含む場合、それらの含まれる限界のいずれかを除外する範囲もまた、本発明に含まれる。
【0055】
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様又は同等の任意の方法及び材料はまた、本発明の実施又は試験に使用することもできるが、典型的な方法及び材料については、これから説明する。本明細書で言及されるすべての刊行物は、参照により本明細書に組み込まれ、その刊行物が関係上引用される方法及び/又は材料について開示及び記載する。
【0056】
本明細書、及び添付の特許請求の範囲で使用するとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでない旨を明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「刺激」への言及は、複数のそのような刺激を含み、「信号」への言及は、当業者等に既知の1つ以上の信号及びその等価物への言及を含むことになる。
【0057】
本明細書で検討される刊行物は、本出願の出願日前に、それらの開示に対してのみ提供される。本明細書には、本発明が、先行発明のおかげでそのような出版物を先行する権利を持たないことを認めるものとして解釈されるべきものは何もない。更に、提供される出版物の日付は、独立して確認される必要があり得る実際の出版物の日付と異なり得る。
【0058】
ここで図1を参照すると、本発明による治療用圧迫装置10の典型的な実施形態が例示されており、内部に、治療用圧迫装置10の主ラップ12の外側表面11が、患者の右脚部の周囲に巻き付けられた状態で示されている。この実施形態では、治療用圧迫装置10は、患者の下腿2及び足部6の圧迫を供給するように適合及び構成されている。治療用圧迫装置10は、下腿2を取り巻き、下腿2に圧迫を加えるために利用され得る主ラップ12からなる。主ラップ12は、主ラップ12の内側表面9上に設けられた関係付けられたブラダ22を有する。図1に示すように、主ラップ12は、下腿2を取り巻き、ブラダ22が耕作され、又は膨張されると、圧迫が、所望の治療位置に加えられる。特に、主ラップ12は、治療部位の局所化された圧迫の増大を可能にする非弾性材料で作製されている。治療用圧迫装置10はまた、入口若しくは膨張ポート24において取り外すことができる、恒久的又は着脱可能な圧力計28のいずれかも含む。ポンプ30は、チューブ26を通してブラダ22中に空気を手動で圧送するために設けられている。手動ポンプを凌駕する他の膨張手段が、使用されてもよい。主ラップ12、副ラップ14、及びブラダ22の追加的な特徴は、本明細書で順番に説明されるであろう。
【0059】
主ラップ12は、例えば、下腿2の周囲のラップを取り巻き、任意の数の接続構造体を使って周辺エッジ5及び7にそれを取り付けることによって、下腿2などの患者の肢部に取り付けられてもよい。図1及び2A~図2Bに例示された接続タブ32a、32b、32c、32dなどの面ファスナタブを使用して、主ラップ12の反対側の周辺エッジ5及び7を接続し、主ラップを下腿2の周囲に固定することができる。また、主ラップ12をそれ自体に締結するための面ファスナタブ、バックル、ストラップ、スナップ、又は他の既知の構造体も使用して、患者の肢部の周りに主ラップ12を取り付けてもよい。接続タブ32a、32b、32c、32dの数及び位置は、主ラップ12が、主ラップ12材料の抱き合わせ又は垂れ下がり、及び患者への不快感を起こさずに無理なく固定されるように、患者の治療部位の解剖学上の位置に基づいて選択することができる。
【0060】
この例では、主ラップ12の水平近位端1において、膝8に向かって取捨選択可能なガーター又は調節可能なベルト18が設けられて、下腿2の周囲に主ラップ12を更に固定することができる。調節可能なベルト18は、接続タブ、バックル、又は他の既知の接続構造体を使って脚部2の周囲に接続することができる。図3に示すように、主ラップ12はまた、治療される特定の肢部の周囲に主ラップ12の輪郭を描くように要所要所に配置されている多数の縫い込みダーツ50及びギャザー52とも一緒に製造されている。
【0061】
主ラップ12は、好ましくは、非弾性であり、かつ1つ以上の芯材料層を有する複合材料で作製され、その理由は、材料が非弾性であるため、主ラップ12は、堅いままであり、例えば、ブラダ22が充填され、又は膨張される場合にも伸張しないからである。図4を参照すると、主ラップ12の複合材料は、図に示すように、3つの別個の層12a、12b、及び12cを有する。内側層12aは、患者の皮膚と接触し、非弾性であり、好ましくは芯材料、非面ファスナ適合性材料で作製されている内側表面9を含む。この内側層12aの芯材料の特徴は、治療される肢部から、汗、及び他の不要な水分を取り去る。内側層12aの非面ファスナ適合性の性質は、例えば、面ファスナタブが使用される場合、主ラップ12が接続タブ32a、32b、32c、32d上には引っ掛かることがないことから、望ましい。また、患者の皮膚に対する非フッキング材料は、フッキング材料から生じ得る炎症も低減する。外側層12cは、接続タブ32a、32b、32c、32dが、肢部の周りで主ラップ12の周辺エッジに固定されるように、フック適合性である少なくとも一部分を有する。外側層12cの底面は、主ラップ12の外側表面11であり、また非弾性及び通気性も有する。内側層12aと外側層12cとの間に配置された内側層12bは、通常、通気性のある積層材料で作製される。
【0062】
図2A図2Bを参照すると、スティラップ16はまた、この例では、足部6のベースである肢部の周りの適所に主ラップ12を固定するのを助けるためにも設けられている。図1に最もよくわかるように、この実施例におけるスティラップ16は、足部2の一部分を取り巻き、足首4近くの主ラップ12のいずれかの側面上の2点で主ラップ12の水平遠位側エッジ3に接続されている。スティラップ16は、主ラップ12と副ラップ14との間に配置されている。図2A図2Bに示すように、スティラップ16は、典型的には、副ラップ14に接続され、共に一体化された弾性材料の1つの連続片である。
【0063】
治療用圧迫装置10の副ラップ14は、この例では、肢部を取り巻き、足部6は、主ラップ12のように、足部6などの肢部に圧迫を加えること、又は別の選択肢として創傷治療ドレッシング材用保護被服としての両方に利用することができる。副ラップ14は、足部6などの肢部の腫脹を防止するのに役立つ。腫脹は、それ自体の上にも、又は下腿2の圧迫の結果として生じる可能性がある。図2A図2Bに示すように、副ラップ14は、必要に応じて、スティラップ16と一緒に連続片で作製されてもよい。別の方法として、図1に示すように、副ラップ14は、主ラップ12とは独立に設けられてもよい。
【0064】
副ラップ14は、典型的には、弾性材料で形成されるが、非弾性材料、又はその2つの組み合わせで形成されてもよい。副ラップ14は、接続される材料の単一片であってもよい。別の方法として、副ラップ14はまた、図1に示すような1つ以上の面ファスナタブなどの任意の数の機械的固定デバイスによって、又はストラップ、バックル、スナップ等によって、足部6、又は別の肢部若しくは身体部分の周囲を固定され得る。この実施形態では、副ラップ14は、面ファスナタブを引き込み、そして締め付けることによって足部6に圧迫を提供し、それによって足部6の周囲に圧力を加える。
【0065】
副ラップ14は、患者の治療ニーズに応じて多くの構成を有し得る。図1に示すように、副ラップ14は、患者の足部6の足指を露出するように、開放足指としてもよい。別の方法として、副ラップ14は、閉鎖足指ブーツとして構成されてもよい。更に、副ラップ14は、図1に示すように、開放かかとを有してもよく、又はブーツ(図示せず)と同様の閉鎖かかとを有してもよい。
【0066】
主ラップ12は、治療部位の周囲に少なくとも1つのブラダ22を非弾性的に保持することによって、患者の肢部に圧迫を供給する。一実施形態では、例えば、局所化された圧力は、下腿2の伏在静脈近くで治療用圧迫装置10によって提供される。図2Bに示すように、主ラップ12は、主ラップ12と関係付けられたブラダ22をカバーする。ブラダ22内の流体は、液体、気体、又はゲルであってもよい。ブラダ22は、ブラダ22が治療用圧迫装置10内に充填されたときに、圧迫を脚部2に提供する機能を果たす。
【0067】
ブラダ22は、1つ以上のポケット20の中に挿入され得、それらのポケットは、圧迫が主として加えられるであろう場所にブラダ22を格納するための主ラップ12内に設けられている。この実施形態では、ブラダ22は、治療用圧迫装置10から取り外し可能である。別の実施形態では、ブラダ22は、主ラップ12内に恒久的に一体化され、取り外しできない(図示せず)。
【0068】
本発明によれば、ブラダ22は、所望の治療用養生療法に必要な圧力を監視、設定、及び調節するための多くの追加の特徴を有し得る。図1及び図5に示した典型的な実施形態では、ブラダ22は、圧力計28を含む。圧力計28は、マノメータなどの圧力測定器であり、これは、ブラダ22内に加えられた閉鎖圧力と、圧力計28の他方における開放圧力との間の圧力差を測定する。測定された圧力の増分は、使用される液体の密度、及び配管の直径に依存する。
【0069】
圧力計28は、膨張入口24aにおける膨張管26を通ってブラダ22に空気を圧送する流体又は空気ポンプ30と併用して動作する。ポンプ30は、ブラダ22に空気を提供するための手動ポンプ又は電子式ポンプであってもよい。また、オーバーフロー弁46が提供されてもよく、ブラダ22内から空気を解放するための一方向弁48と一緒に、ブラダ22に入ることができる空気の量を制限し、それによってブラダ22内の圧力を低下させる。図5に示すように、圧力計28及びポンプ30は、コネクタ24bにおいてブラダ22から取り外し可能に提供され得る。
【0070】
別の実施形態では、ブラダ22それ自体は、それ自体の圧力計として機能し得、その内部で、ブラダ22の膨張が、それが膨張するにつれて、ブラダ22内の圧力の量を示し、この例では、ブラダ22の圧力は、予め較正されている。別の方法として、1つ超のブラダ22を使用することができ、又は複数のチャンバを有するブラダ22を使用して、1つ以上のブラダ22又はブラダチャンバの膨張が内部圧力を示すことができる。本発明は、典型的には20~50mmHgの範囲内で、ブラダ22内の圧力を提供する。
【0071】
ブラダ22のいくつかの異なる実施形態は、本発明の治療用圧迫装置10内で使用することができる。図5は、本発明による、複数のスポット溶接36を有するブラダ22の一実施形態の斜視図を示す。このスポット溶接36は、患者の治療部位にて必要な圧迫に対して所望の勾配プロファイルに基づいて、所定のパターンでブラダ22内に最大限の効果が得られるように配置されている。図6Aは、図5に例示された膨張したブラダ22の側面図であり、ブラダ22の水平軸に対してある角度を形成する。ブラダ22は、周辺エッジ縫い目25に沿って互いに封止されている第1の側壁21及び第2の側壁23を有する。スポット溶接36は、第1の側壁21、及び第2の側壁23を互いに結合するように最大限の効果が得られるように配置されている。これらのスポット溶接36により、ブラダ22が、勾配プロファイルを変化させ、膨張時に多くの構成を取ることができる。ブラダ22内のスポット溶接36の幾何学的配置により、ブラダ22の特定の部分の膨張を増大させ、ブラダ22内に1つ以上の流体チャンバを作り出すことができ、図6Bは、線36’-36’に沿って切り取られた膨張したブラダ22の断面図である。ブラダ22が主ラップ12内で使用されるとき、図5に示すように、ブラダ22は、主ラップ12の一方の端部で、他方の端部でよりも大きく膨張し、勾配、圧迫プロファイルを作り出す。この構成は、身体内の流体運動(血液、リンパ液等)を改善するのに、圧迫が必要である場合に、特に有用である。
【0072】
図5及び図6Bに例示されたスポット溶接36を有するブラダ22に加えて、図7図10に示す他のいくつかのブラダ構成が、本発明の治療用圧迫装置10内で使用することができる。図7は、本発明による治療用圧迫装置10内で使用され得る非膨張状態38a(左)及び膨張状態38b(右)にある楔状ブラダの断面図である。楔状ブラダ38bは、膨張して主ラップ12内に配置されたとき、快適かつ効率的な勾配プロファイルを下腿2に提供する。楔状ブラダ38bは、膨張時に、図7に例示しているように、角錐形状を有する。3つの角錐側面のうちの1つは、剛性があり、所望の治療領域から離れる方向への楔状ブラダ38bの拡張を防止することができる。別の選択肢として、治療領域の最も近い側面は、主ラップ12のポケット20内に配置された剛性材料に取り付けられるか又は接続されて、所望の治療領域から離れる方向への楔状ブラダ38bの拡張を防止することができる。楔状ブラダ38bは、足首4が下腿2よりも薄いところの通常の解剖学的構造を収容することが好ましい。このため、楔状ブラダ38bが、脚部2上に配置されると、より薄い部分が膝8に向かって位置付けられ、より厚い端部は、足首4に向かって位置付けられる。図8を参照すると、円錐状ブラダ40bは、楔状ブラダ38bと同様であり、膨張時に円錐を形成する。膨張した円錐状ブラダ40bは、足首4が下腿2よりも薄いところの通常の解剖学的構造内で使用することが好ましい。
【0073】
図9を参照すると、非膨張状態42a(左)及び膨張状態42b(右)にある円板状ブラダの断面図が示されている。円板状ブラダ42bは、2つの壁から形成され、膨張時に円板又は皿形状を有する。非膨張状態44a(左)及び膨張状態44b(右)にある、図10に示す矩形状ブラダは、円板状ブラダ42bに追加された利点を提供する。また、矩形状ブラダ44bは、治療領域から離れる方向に隆起又は拡張することなく圧迫を可能にする三次元ブラダとしても知られている。矩形状ブラダ44bは、その長さ及び幅全体にわたって均一に膨張する。この均一な膨張は、図9に示す円板状ブラダ42bの中心で生じ得る隆起を低減する。矩形状ブラダ44bの壁は、弾性又は非弾性とすることができる。別の選択肢として、非弾性壁及び弾性壁の両方の組み合わせが使用されてもよい。矩形状ブラダ44bの壁の1つ以上の部分は、剛性材料で形成されてもよく、又は膨張を回避するために主ラップ12のポケット20内に配置された剛性材料に取り付けられてもよい。
【0074】
図11図13を参照すると、本発明に基づいて構成された治療用圧迫装置100の典型的な実施形態が、治療用圧迫装置100内に一体形成された圧迫ブラダ102を示している。治療用圧迫装置100は、患者の肢部の周囲を取り巻くように構成及び適合され、例えばこの例では、その肢部は、連続した外側シート108及び内側シート106から外へ形成された主若しくは主ラップ103、及び副若しくは足部ラップ104の使用を通じた下腿である。治療用圧迫装置100は、近位端部分(図11及び図12内の向きは上部)及び対抗した遠位端部分(図11及び図12内の向きは底部)を有するラップ部材であり、その部材は、患者の下腿の周囲に一致させ、ブラダ102の膨張を介して圧迫を提供するように構成及び適合されている。内側シート106及び外側シート108は、一緒にRF溶接されるように構成及び適合されたナイロン積層ポリウレタンシートから作製されている。しかしながら、溶接可能であるか、又はそれ以外の方法では気密である間に接合されるかの任意の他の好適な材料を使用することができる。連続した周辺溶接線110は、一体形成されたブラダ102の気密境界を形成する。この典型的な実施形態では、ブラダ102は、主ラップ103及び副ラップ104全体にわたって単一の連続したブラダである。しかしながら、副ラップ104は、別個に膨張可能であるか、又は一方向弁若しくは他の所望の膨張/収縮構成を介して膨張可能であるかのいずれかの独立したブラダを有し得ることが想定される。また、副ラップ104は、下腿ラップ103から異なる圧力を提供するように構成及び適合され得る。典型的な実施形態では、副ラップ104内に配置されたブラダ102は、患者の足部の下側に沿って配置されるように構成及び適合されている。副ラップ104内のブラダ102は、患者の足部の所望の部分に圧迫を提供するように、要望とおりに調節することができる。
【0075】
この実施形態では、面ファスナ124は、内側及び外側シートのエッジに沿って提供されるため、調節を容易にし、例えば、下腿及び足部などの患者の肢部の上に治療用圧迫装置100を固定する。また、治療用圧迫装置100は、ジッパー、ボタン、又は他の係る好適な手段により成形されたカフスなどの他の手段によって患者の下腿に固定され得ることが想定される。更に、面止め具124は、以下に説明される足首ストラップ122の材料と同様の材料で置き換えることができ、着心地よさを改善するためにブラダ102に溶接/縫製/取り付けが可能であることも想定される。
【0076】
この実施形態では、膨張手段は、膨張ポート112に取り付けてブラダ102を膨張させることが可能な手押しポンプであるデバイス130である。また、機械的又は自動膨張ポンプ(図示せず)は、膨張ポート112に取り付けられ、ブラダ102を膨張及び収縮させて使用者の下腿に脈動圧力を提供することが可能であることを理解されたい。ブラダ内の特定圧力を提供し、したがって患者によって使用時に圧迫を提供するように、いくつかの又は様々な膨張手段、例えば、手動ポンプ、手押しポンプ、足押しポンプ、機械式ポンプ、電動ポンプ、電池式ポンプ、静的ポンプ、間欠ポンプ、可変ポンプ、自動ポンプ、空気圧ポンプ、負圧ポンプ、吸引ポンプ若しくは真空、パルスポンプ、又は任意の他の既知若しくは先進膨張源を使用することができる。また、通気弁(図示せず)が、治療用圧迫装置100中、又は膨張手段130と一緒に組み込まれて、使用者がブラダ102を選択的に収縮させることができる。更に、逆止弁又は安全弁が、膨張手段130又はブラダ102のいずれかと一緒に組み込まれ、ひとたび最大圧力が検出されると、過剰膨張を防止する。安全弁の例は、米国特許第7,276,037号、及び米国特許第7,850,629号に記載されており、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0077】
ここで、図14図15を参照すると、内側シート106及び外側シート108内に一体化されるようにブラダ102を形成することによって、その位置及び所望の予め構成された圧迫勾配プロファイルは、コスト効率よく得ることができる。ブラダ構成のいくつかの異なる実施形態は、上述した構成などの本発明の治療用圧迫装置内で使用することができる。図11及び図12は、内部に複数のスポット溶接114を伴うブラダ102を有する治療用圧迫装置100を示す。スポット溶接114は、患者の治療部位において必要となる圧迫に対する所望の勾配プロファイルに基づいて、最大限の効果が得られるように、所定のパターンでブラダ102内に配置されている。スポット溶接114により、膨張112を介して膨張したときに、ブラダ102が、勾配プロファイルを画定することを可能にする。ブラダ102内のスポット溶接114の幾何学的配置により、ブラダ102の特定の部分の膨張を増大させ、ブラダ102内に1つ以上の流体チャンバを作り出すことができる。この構成は、圧迫が、身体内の流体運動(例えば、血液、リンパ液等)を改善するのに必要な場合に、特に有用である。更に、線形溶接線116により、患者のふくらはぎの後部に加えられる張力を増大させることによって、患者のふくらはぎの後部に沿ってより良好な圧迫を可能にする。この増大した張力は、静脈流を増大させるように、より有効なふくらはぎ圧迫を生成することができる。ふくらはぎの後部に沿って横方向に配置された線形溶接線116は、治療用圧迫装置100の膨張プロファイルを小型に保つ波状部分を作り出し、それは、患者の歩行移動性を更に高め、患者の衣類との干渉を低減することができる。別の実施形態では、副ラップ104はまた、ブラダ102なしの弾性被服から作製することもできる。
【0078】
治療用圧迫装置の位置に応じて、異なる圧力勾配が利用され得ることを理解されたい。他のブラダ圧力勾配プロファイルの例が、米国特許出願第12/911,563号、及び米国特許出願第12/855,185号に記載されており、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0079】
ここで、図16図17を参照すると、ひとたび治療用圧迫装置100が、患者の下腿の周囲に固定されると、ブラダ102は、場所を移動させるこができないため、快適さを高め、患者におけるフィット問題を低減する。患者による容易な歩行性を高めるため、典型的な実施形態では、足首クッション126が、隣接するかかとポート120に取り付けられ、つまみ点の発生を防止し、患者のアキレス腱への圧力を低減することができる。足首クッション126と組み合わせて、足首ストラップ122を使用することができる。典型的な実施形態では、足首ストラップ122は、下腿ラップ103の底部、及び副ラップ104の上部におけるつまみ点を防止する非弾性発泡体を含むことができる。足首ストラップ122を設けることに対する更なる利点は、足首ストラップ122直近のブラダ102が、患者の脚部に対してぴったりと付き、患者のかかと近くの圧迫を改善することである。足首ストラップ122は、面ファスナ124を貼り付ける前に患者の足首及び足部の周囲に巻き付けられ、好都合である。図18からわかるように、快適性を改善するため、スルーホール118は、治療用圧迫装置100全体にわたって配置され、治療用圧迫装置100が膨張した状態での着用の間、患者の脚部の周りの通気を可能にする。明確にするため、必ずしもすべてのスルーホール118が、図中の参照文字で識別されているわけではない。
【0080】
典型的な実施形態によれば、内側シート106は、第1の弾性率を有する層(図示せず)を更に含み、内側シート106は、第2の弾性率を有する。第1の弾性率は、脚部圧迫ブラダが膨張したときに、脚部の周囲に治療用圧迫装置100を巻き付けている、治療用圧迫装置100の近位側及び遠位端部分に対して横断方向の第2の弾性率よりも小さい。典型的な実施形態では、内側シート106は、使用時に下腿と直接接触するように、その内側表面上に配設された副シート(図示せず)を含む。副シートは、布地層とすることができ、この層は、脚部圧迫ブラダが膨張したときに脚部の周囲でラップ部材が丸まるように、第1の方向には弾性的であり、第2の方向には非弾性的である。
【0081】
別の典型的な実施形態では、上部脚部ストラップ128は、患者のふくらはぎの最も広い部分の上方にブラダ102の一部分を配置することによって、治療用圧迫装置100の着用適合性を改善するように構成及び適合されており、治療用圧迫装置100が、ふくらはぎ圧迫を提供する際に、治療用圧迫装置100を無効にすることになる、患者の下腿を滑り落ちるのを防止することによって、治療用圧迫装置100の安定性を提供する。
【0082】
図19を参照すると、医療用アセンブリ150を含めて示されている本発明の別の実施形態が、提供されている。この医療用アセンブリは、概して、圧迫機構A、予充填空気ブラダB、吸収性発泡体、スポンジ又はドレッシング材C、及び吸引装置Sに結合された吸引導管Dを含む。予充填空気ブラダB、吸収性発泡体、スポンジ又はドレッシング材C、及び吸引導管Dは、ユニットとして提供されてもよい。図に示すように、圧迫機構Aは、患者の脚部Lの周囲に取り巻かれ、患者の足部Fの周囲に取り巻かれ得る取捨選択可能な足部ストラップEを含む。吸引導管Dは、アセンブリ1を吸引源Sに結合するための所望の長さである。
【0083】
図20Aを参照すると、例えば人体の下腿などの患者の脚部に圧力を加えるための治療用圧迫装置200(図19の圧迫機構Aに対応する)の別の実施形態が、提供されている。治療用圧迫装置200は、好ましくは、可撓性ラップ部材212、及び1つ以上の膨張可能な空気ブラダチャンバ214(好ましくは、図に示す単一の空気チャンバ)を含む。膨張可能な空気ブラダチャンバ214は、好ましくは、それが取り囲まれていない状態で可撓性ラップ部材212に固定されている。例えば、可撓性ラップ部材212は、空気ブラダチャンバ)214と共に、2つのエラストマー材料の層を含み得、その空気ブラダチャンバは、ナイロンねじ又は他の好適な締結手段により、これらの2つの層の間に貼り付けられている。別の選択肢として、可撓性部材212は、空気ブラダチャンバ(複数可)214が取り外し可能に挿入され、その中に確実に保持されるポケットを含んでもよい。更に別の選択肢の実施形態では、空気ブラダは、部材212の内側表面に接着されるか、又は溶接されてもよい。部材212のエラストマー材料は、ナイロン、ポリウレタン、綿、又は他の好適な材料から実現されてもよい。空気ブラダチャンバ(複数可)214と流体連通しているチューブ216は、圧送球218に延在している。圧送球218は、好ましくは、ゴムで作製され、チューブ216を介して空気ブラダチャンバ(複数可)214中に空気の圧送を加減する弁220を含む。空気は、圧送球218を圧搾することによって、空気ブラダチャンバ(複数可)214中に圧送される。このようにして、空気ブラダチャンバ(複数可)214は、加圧状態に置かれる。好ましくは、圧力計222は、空気ブラダチャンバ(複数可)214に動作可能に結合され、内部の圧力レベルの視覚的表示を提供する。自動圧力安全弁223及び手動圧力安全弁224が、例えばチューブ216を介して、空気ブラダチャンバ(複数可)214に動作可能に結合されてもよい。自動圧力安全弁223は、内部圧力が特定の閾値最大圧力に到達すると、チャンバ(複数可)214内の空気を周囲環境に自動的に通気する。好ましい実施形態では、この閾値最大圧力は、30~40mmHgであり、最も好ましくは、約40mmHgである。しかしながら、それは、所望の治療に基づいて、変化させることができる。このように、チャンバ214内の圧力は、閾値最大圧力を超えることができず、それによって、過剰な圧力から生じる壊死及び他の合併症の危険を低減する。手動圧力安全弁224は、患者(又は介護人)によって手動で作動されたとき、チャンバ(複数可)214内の空気を通気し、周囲環境に通気する。このように、空気チャンバ(複数可)214の内部圧力に対する迅速かつ容易な制御を容易にする。代替の実施形態では、手動圧力安全弁224及び可能性のある自動安全弁223は、共通のパッケージ内に一体化されてもよい。
【0084】
空気チャンバ214は、第1の寸法(例えば、図20Aの垂直寸法)における長さが、それと直交する第2の寸法(例えば、図20Aの水平寸法)における長さよりも実質的に長く、その結果、空気チャンバ214は、その長さ(垂直寸法)に沿って局所的な圧力を加えるために、下腿に沿って実質的に長手方向に延在するように位置決めされることができる。このような局所的な圧力は、チャンバ214の長さに沿って実質的に一定である。例示的な実施形態では、空気チャンバ214は、それが下腿のふくらはぎに沿って伸張しているように配設され、患者の下腿の周囲を確実に巻き付けられ膨張するときに、空気チャンバ214が局所的な圧力を患者の小伏在静脈に加えるのを可能にする。しかしながら、可撓性部材212及び空気チャンバ214は、下腿の別の部分(例えば、膝の下方の脚部の一部分)に沿って配設されるように、適合され得、空気チャンバ214が、膨張時に、局所的な圧力をそのような下腿の一部分に加えるのを可能にする。
【0085】
可撓性部材212は、使用時に、足部のかかと(及び/又は他の部分)の周囲に延在するストラップ(図示せず)を含み得る。このストラップは、使用時に、可撓性部材212の上方への移動を制限する。また、そのストラップは、サスペンダフック又はスロット(図示せず)を有することができ、サスペンダフック又はスロットは、サスペンダがそれらに嵌合するのを可能にし、膝又は大腿の周囲に巻き付けるバンドにより機構210を支持する。サスペンダは、使用時に、可撓性部材212の下方への移動を制限する。これらの特徴は、その所望の位置が使用の間中維持されるように脚部の長さに沿って可撓性部材212の進行を低減する。可撓性部材212は、足部上だけでなく、ふくらはぎ、大腿、股関節、臀部、胴体、肋骨、腕、手、指、肩、首、頭部などの他の肢部若しくは身体部分の上に位置付けられてもよい。
【0086】
代替の実施形態では、可撓性部材212及び空気チャンバ214は、それらが上方脚部の一部分(例えば、大腿の一部分)に沿って配設されるように、適合され得、空気チャンバ214が、膨張時に、局所的な圧力をそのような上方脚部の一部分に加えるのを可能にする。上方脚部の治療の場合、可撓性部材212は、膝関節レベルにおいて開口部(図示せず)を画定して、膝頭(ニーサップ)がそこを通って突き出すことができる。この構成では、可撓性部材212は、膝関節レベルの下方に延在し、下腿の部分の周囲に確実に巻き付け、脚部の安定性を提供することができる。また、その可撓性部材は、サスペンダフック又はスロット(図示せず)を有することができ、サスペンダフック又はスロットは、サスペンダがそれらに嵌合するのを可能にし、使用時に、腰ベルトにより機構210を支持する。サスペンダは、使用時に、可撓性部材212の下方への進行を制限し、その結果、可撓性部材212は、その所望の位置に維持する。
【0087】
好ましくは、可撓性部材212は、複数の面止め具機構226A、226B(例えば、VELCRO(登録商標)部材)を含む。好ましい実施形態では、可撓性部材は、図20Aに示すように、4つの面止め具機構を含む。これらの複数の止め具により、可撓性部材212及び空気チャンバ(複数可)214が、ヒトの脚部の一部分の周囲を確実に巻き付けるのを可能にする。必要ならば、他の好適な締結手段を使用して、可撓性部材及び空気チャンバ(複数可)をヒトの脚部に固定することができる。例えば、可撓性部材は、その長さ寸法に沿って伸張するジッパーを有するスリーブのような形状を形成するように適合され得る。別の選択肢として、ジッパーを省略し、スリーブのような可撓性部材が、所望の位置に配設されるまで患者の脚部上を滑るようにすることができる。
【0088】
好ましくは、空気チャンバ(複数可)内の圧力は、手動安全弁224又は逆止弁の使用者操作により低減/除外され(例えば、空気チャンバ(複数可)が収縮される)、空気圧式圧迫機構は、面止め具を手動で取り外されること、及び脚部の周囲から可撓性部材212を解くことによって、脚部から取り外される。
【0089】
図20Bは、可撓性部材212、及び1つ以上の予膨張(予充填)及び気密された空気チャンバ214(好ましくは、図に示すように、単一の空気チャンバ)を含む、代替の圧迫機構210(図19の対応する圧迫機構A)を例示する。予膨張密閉空気20チャンバ214は、それが巻き付けられていない状態で可撓性部材212に固定されていることが好ましい。例えば、可撓性部材212は、空気ブラダチャンバ(複数可)214と一緒にエラストマー材料の2つの層を含み得、その空気ブラダチャンバは、ナイロンねじ又は他の好適な締結手段によってその2つの層の間に貼り付けられている。別の選択肢として、可撓性部材212は、密閉された空気チャンバ(複数可)214が、着脱可能に挿入され、内部に固定保持されるポケットを含んでもよい。更に別の代替の実施形態では、空気チャンバは、部材212の内側表面に接着又は溶接されてもよい。それに関係なく、圧力計222は、空気チャンバ(複数可)214に動作可能に結合され、内部の圧力レベルの視覚的表示を提供する。可撓性部材212は、また、面止め具機構226A、22613(例えば、VELCRO(登録商標)部材)を有する複数のストラップ225、及びストラップを受容するための複数の開口部227も含む。好ましい実施形態では、可撓性部材は、3つのストラップ225、及び3つの開口部227を含む。使用中、ストラップは、開口部を通ってねじ止めされ、面止め具機構226A及び226Bが互いに係合するように、それら自体の上に戻される。固定されたストラップを引っ張り、止め具機構を使ってそれらを貼り付けることによって、多少の圧力が、予充填チャンバに加わり得、それによって圧迫機構が適用される肢部に多少の圧力を加え得る。加えられた圧力の量は、数値的又は他の視覚的表示を有し得る圧力計222のよって読み取ることができる。
【0090】
ここで、図21Aを参照すると、空気圧式圧迫機構(図19の圧迫機構Aに対応する)の代替実施形態が示されている。圧迫機構210’は、可撓性部材212’、及び1つ以上の膨張可能な空気チャンバ214’(好ましくは、図に示すように、単一の空気ブラダ)を含む。膨張可能な空気チャンバ214’は、好ましくは、本明細書に記載したように、流体充填部材230と同様な方法でフランジ部分の周囲を加熱封止することによって、互いに結合された2つの壁から形成され得る。空気チャンバ214’は、好ましくは、にかわ付け、溶接、又は他の好適な締結手段によって可撓性部材212’の内側表面に固定されている。別の選択肢として、可撓性部材212’は、空気ブラダチャンバ(複数可)214’と共に2つのエラストマー材料の層を含み得、その空気ブラダチャンバは、ナイロンねじ又は他の好適な締結手段により、これらの2つの層の間に貼り付けられている。可撓性部材212’は、好ましくは、ナイロン、ポリウレタン、綿、又は他の好適な材料から実現されてもよい。コネクタ216A’は、好ましくは、空気ブラダチャンバ214’の底面を通って延在するポート(図示せず)を経由して空気チャンバ214’と流体連通している。コネクタ216A’は、上述した圧送球、又は膨張機構への流体接続のための膨張チューブ(図示せず)と嵌合する。自動圧力安全弁323’及び手動圧力安全弁は、好ましくは、空気ブラダチャンバ(複数可)214’の底面を通って延在する追加のポート(図示せず)を経由して空気チャンバ(複数可)214’と流体連通している。
【0091】
好ましくは、可撓性部材212’は、可撓性部材212’(及びそこに固定される空気チャンバ(複数可)214’)がヒトの脚部の一部分の周囲に確実に巻き付けられるのを可能にする複数の面止め具機構(例えば、VELCRO(登録商標)部材)を含む。図20Aの典型的な実施形態では、可撓性部材212’は、部材212’の反対側に配設されたより大きなループパネル領域226B’に面合わせする部材212’の身体接触面に配設された3つのフックボタン226A1’、226A2’、226A3’を含む。必要に応じて、他の好適な締結手段を使用して、可撓性部材212’及び空気ブラダチャンバ(複数可)214’をヒトの脚部に固定することができる。例えば、可撓性部材212’は、その長さ寸法に沿って伸張するジッパーを有するスリーブのような形状を形成するように適合され得る。別の選択肢として、ジッパーを省略し、スリーブのような可撓性部材212’が、所望の位置に配設されるまで患者の脚部上を滑るようにすることができる。可撓性部材212’はまた、部材212’の強化された可撓性を提供する切り出し(図示せず)も含んでよい。
【0092】
使用の間、空気が、圧送球(又は他の膨張機構)の作動により、空気チャンバ(複数可)214’中に圧送される。空気チャンバ214’は、第1の寸法(例えば、図21Aの垂直寸法)における長さが、それと直交する第2の寸法(例えば、図21Aの水平寸法)における長さよりも実質的に長く、その結果、空気チャンバ214’は、その長さ(垂直寸法)に沿って局所的な圧力を加えるために、脚部に沿って実質的に長手方向に延在するように位置決めされることができる。このような局所的な圧力は、チャンバ214’の長さに沿って実質的に一定である。
【0093】
図に示された典型的な実施形態では、空気チャンバ214’は、図に示すように、長さ13.00インチ(垂直寸法)、並びにその上端及び下端における幅、それぞれ、3.77インチ及び3.51インチ(水平寸法)を有する。チャンバ214’の幅は、上端及び下端から最小幅まで離れるように延在するにつれテーパ状となり、図に示すように、相対的に下端により近くに配置されている。空気チャンバ214’は、他の形状及びサイズを取ることができることを理解されるであろう。
【0094】
図21Bに示すような別の代替の実施形態では、圧迫機構210’’(図19の圧迫機構Aに対応する)の可撓性部材212’’及び空気チャンバ214’’は、それらが、上方脚部(例えば、大腿の一部分)の一部分に沿って配設されるように適合され、空気チャンバ214’’が、膨張時に、そのような上方脚部の一部分に局所的な圧力を加えるのを可能にする。機構210’’の構成要素の構造及び動作は、図21Aに関して上述した機構210’と同様であるため、そのような構成要素の記載は、説明の簡単にするため、省略する。
【0095】
図に示される典型的な実施形態では、可撓性部材212’’は、上部脚部の周囲に巻き付けられるときに、それに一致するように輪郭が描かれている。空気ブラダチャンバ214’’は、図に示すように、長さ11.75インチ、及びその下端において最大の幅6.00インチ(水平寸法)を有する。チャンバ214’’の幅は、図に示すように、下端から上端に離れるように延在するにつれ、テーパ状となる。空気チャンバ214’’は、他の形状及びサイズを取ることができることを理解されるであろう。
【0096】
図21A及び21Bの実施形態のうちのどちらかのチャンバは、図20Bを参照して上述したように、予充填及び封止され得ることを理解されるであろう。空気を受容するように配列された空気チャンバは、手動圧送球(図20Aに示すように)を使って膨張されることができ、又は空気をチャンバ中に圧送するために電池若しくはAC壁電流を使用することができる電気式空気ポンプ(図示せず)によって膨張させることができることも理解されるであろう。任意の既知の空気又は流体が、手動、機械式、電気式、電池式、又は任意の他のパワー供給ポンプ若しくは圧力発生機のどれにでも使用されてもよい。膨張手段は、患者によって使用中に圧迫を提供するようにブラダ内の特定の圧力を提供するように、手動ポンプ、手押しポンプ、足押しポンプ、機械式ポンプ、電動ポンプ、電池式ポンプ、静的ポンプ、間欠ポンプ、可変ポンプ、自動ポンプ、空気圧ポンプ、負圧ポンプ、吸引ポンプ若しくは真空、パルスポンプ、又は任意の他の既知若しくは先進膨張源とすることができる。
【0097】
圧迫機構の他の実施形態は、例えば、図19のブラダB、発泡体、スポンジ又はドレッシング材C、及び吸引導管Dの少なくとも一部分に対応するなどの封止流体充填ブラダ、吸収性発泡体、スポンジ又はドレッシング材、及び吸引導管の組み合わせなどが可能である。
【0098】
流体充填部材238は、非常に多くの方法で形成され得る。1つの構成では、流体充填部材は、好ましくは、フランジポート(図示せず)の周囲を加熱封止することによって互いに結合された2つの壁242A、242Bを含む。この2つの壁は、その間が流体で充填されるチャンバ246を画定する。チャンバ246内に保持される流体は、気体(空気など)、液体(水など)、又はゲルとすることができる。チャンバ246内の流体は、抗生物質、発育因子、吸収薬などの1つ以上の治療用薬剤と一緒に混合され得る。このような構成では、底部壁242Bは、チャンバ246内に保持されている治療用薬剤が、チャンバ246内の所望の内部圧力を維持しながら、治療部位まで移動することができるような半透性材料から実現される。このような流体はまた、治療部位の加熱及び/又は冷却治療に有用である加熱及び/又は冷却を保持するゲル剤としてもよい。
【0099】
流体充填部材238は、好ましくは、4~6インチほどの長さ、2~4インチほどの幅、及び1つのクオータ~3つのクオータインチほどの高さを有する楕円形状を有する。十分な流体は、好ましくは、部材238の壁が互いに垂れ下がって接触するのを防止するように提供されることであるが、ある程度の垂れ下がりは、許容され得る。流体充填部材238の壁は、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、又は当技術分野で既知の他のプラスチックから形成されることができ、流体充填部材238は、圧迫機構によって40mmHgがそれに加えられたときに破裂しないように十分厚い(すなわち、十分強い)ものである。流体充填部材238が、他の形状及びサイズを取り得、他の材料から作製され得ることが、理解されるであろう。
【0100】
吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材245(以下、「スポンジ」と称する)が、流体充填部材238に取り付けられる。スポンジ245は、創傷又は潰瘍からの滲出物を吸収する能力を有する。更に、スポンジは、好ましくは、創傷又は潰瘍からの滲出物を吸い上げる際に助けとなる開放気泡構造を有することである。スポンジ245は、好ましくは、流体充填部材と同様のサイズ及び形状であることである。スポンジ245は、好ましくは、スポンジ245及び流体充填部材238が互いから容易に離れられないように、流体充填部材の底部壁242Bに接着剤により固定されていることである。別の選択肢として、スポンジは、そのスポンジを剥がし、交換することができるように、接着フィルムにより流体充填部材242Bに軽く貼り付けてもよい。別の代替として、流体充填部材238は、挿入され得、要望とおりフラップへ挿入し、フラップから取り外すことができるスポンジ245のための周縁部保持フラップと一緒に提供され得る。必要に応じて、スポンジの周縁部は、封止材をスポンジ中に注入すること、又はスポンジの開放気泡構造をなくすことのいずれかによって封止することができる。スポンジの周縁部を封止することは、以下に説明するように、吸引がユニットに適用されるときに、空気がスポンジに入るのを低減するのに役立ち得る。
【0101】
ユニット230内の実施形態は、例えば、流体充填部材238とスポンジ245との間に提供される吸引導管247を含み得る。より具体的には、吸引導管247は、一連の孔251を画定する分岐された遠位端249を有するチューブとすることができる。孔251は、スポンジ245に向かって下方に向けられているため、負圧源が吸引導管247に加えられると、その負圧は、スポンジ245を介して創傷又は潰瘍に加えられ得る。その結果、滲出物は、毛管作用で吸い取られ、創傷又は潰瘍からスポンジ245を介して導管247に吸引され得る。別の実施形態では、吸引導管247の分岐された遠位端249は、ユニット230の周辺部辺りの一部のみに延在する。導管の近位端は、負圧源S(図19に示す)に再び結合されるボトル又は容器に結合することができる。別の選択肢として、導管の近位端は、ボトル又は容器、及び負圧源に結合される細長い導管(延長チューブ)に順次結合されることができる流体結合259で終端されてもよい。このように、導管は、ユニットから容易に取り外すことができるため、圧力が依然として創傷又は潰瘍に加えられている間に、患者は、歩行することができ、吸引源から離れて輸送されることができる。
【0102】
吸引導管247は、流体充填部材238とスポンジ245との間に、好ましくは接着剤(図示せず)で保持されることができ、接着剤は、導管247の遠位端249の上部及び底部に塗布され、遠位端249を、その底部上のスポンジ245に、またその上部上の流体充填部材238に固定する。別の選択肢として、吸引導管247は、流体充填部材238及び/又はスポンジ245に加熱封止又はレーザ封止されてもよい。スポンジ245が、流体充填部材238から取り外し可能である実施形態では、導管247は、好ましくは、流体充填部材238の底部にのみ接着されることである。
【0103】
予充填空気ブラダ、スポンジ、及び吸引導管(図19のブラダB、発泡体、スポンジ又はドレッシング材C、及び吸引導管Dに対応する)を組み込むユニットの別の実施形態は、以前の典型的な実施形態のユニット230’とは異なり得、すなわち、この実施形態における流体充填部材238’が、中央孔239(すなわち、それはドーナッツのような形状をしている)を画定し、吸引導管247’の遠位端249が、分岐しておらず、一連の孔を含まないが、流体充填部材238’の中央孔を通って延在し、スポンジ245’に配置された開口端部251’を有するという点においてである。好ましくは、吸引導管247’は、吸引導管247’の遠位端249’を、中央孔239を画定する流体充填部材238’の壁に固定する接着剤(図示せず)によって、中央孔239内の適所に保持されることである。別の選択肢として、吸引導管247’は、それが予充填空気ブラダ及びスポンジユニットから取り外すことができるように、摩擦又は他の手段によって適所に保持されることができる。以前の実施形態と同様に、スポンジ及び流体充填部材は、互いに強く又は弱く接着され得、又はスポンジは、スポンジを保持する流体充填部材のフランジ要素から着脱可能とすることができる。更に、スポンジは、周縁部において封止されることができる。
【0104】
予充填空気ブラダ、スポンジ、及び吸引導管(図11のブラダB、発泡体、スポンジ又はドレッシング材C、及び吸引導管Dに対応する)を含むユニットの第3の実施形態が、図22に表されている。ユニット230’’は、吸引導管247’’が、流体充填部材238’’とスポンジ245’’との間で水平に向けられ、開口端部251を有する遠位端249’’を含むことを除いて、以前の実施形態として上記で開示したユニット230及び230’と同様である。開放端部251’’は、好ましくは、ユニット230’’内の中央に配置され、下方に向けられている(すなわち、導管247’’の上部半分が、底部半分よりも更に延在している)ことである。吸引導管247’’は、流体充填部材238’’とスポンジ245’’との間に、好ましくは接着剤(図示せず)で保持されることができ、接着剤は、導管247’’の遠位端249’’の上部及び底部に塗布され、遠位端249’’を、その底部上のスポンジ245’’に、またその上部上の流体充填部材238’’に固定する。スポンジ245’’が、流体充填部材238’’から取り外し可能である実施形態では、導管247’’は、好ましくは、流体充填部材238’’の底部にのみ接着されることである。必要に応じて、スポンジ245’’は、周縁部において封止されることができる。
【0105】
本発明の一態様によれば、創傷又は潰瘍の上の適所にユニットを保持するための追加手段を有するユニット230、230’、及び230’’が、提供され得る。このため、ユニットの周辺部は、生体適合性接着剤と一緒に提供されてもよい。接着剤は、スポンジ上に提供されることができ、又は流体充填部材は、生体適合性接着剤を有するフランジ(図示せず)と一緒に提供されてもよい。別の選択肢として、並びに図23A及び23Bに示すように、ストラップ277は、ユニットを適所に保持及び固定するための手段として提供されてもよい。一実施形態では、ストラップは、同じ材料から、また流体充填部材238、238’、238’’と一緒に一体化して形成され、流体充填部材の一方の側面から延在している。ストラップは、肢部Lを取り巻くように、十分長くなるように適合されている。ストラップの端部は、ストラップを流体充填部材の他方の側面に結合するように使用される接着剤と一緒に提供される。別の選択肢として、流体充填部材は、ストラップが引き締めのために固定され得るスロット(図示せず)と一緒に提供されてもよい。別の実施形態では、ストラップは、別個に形成され、流体充填部材に取り付けられる。この場合もやはり、ストラップの端部は、ストラップを流体充填部材の他方の側面に結合させるための接着剤と一緒に提供されてもよい。別の選択肢として、流体充填部材は、別個に形成されたストラップが引き締めのために固定され得るスロット(図示せず)と一緒に提供されてもよい。
【0106】
使用中、患者又は開業医は、ユニット230、230’、230’’を選択し、創傷又は潰瘍の上にユニットスポンジ面を置くであろう。ユニットがストラップを含む場合、ユニットは、肢部上の適所に固定されることができる。別の選択肢として、ユニットが接着剤リングを含む場合、接着剤リングが好ましくは、創傷又は潰瘍と反対側の健康な皮膚上に置かれるように、ユニットが配置される。ひとたびユニットが配置されると、他の実施形態の適切な圧迫機構10、110、210、210’、210’’が、ユニット230、230’、230’’上に配置された他の実施形態の空気チャンバ14、214、214’、214’’、114と共に肢部上に取り巻かれる。所望の場合、空気チャンバは、加圧され(又は圧力がラップの固定によって加えられる)、圧力は、圧迫機構により、肢部及びユニットに加えられる。ユニットへの加圧は、特定の圧力を創傷又は潰瘍に加え、治療プロセスの助けとなる。また、所望の場合、吸引チューブ247、247’、247’’を介して、負圧源をユニットに加えることによって、吸引が、創傷又は潰瘍に適用される。スポンジが周縁部において封止される場合、滲出物を移動させるのに必要な吸引量は、少なくなる。吸引及び圧力は、一緒に又は単独で(交互に)適用することができ、又は必要に応じて、一方若しくは他方が一定に適用され、かつ他方がオン及びオフを繰り返してもよい。一緒に適用されるとき、正の機械的圧力は、圧迫機構及びユニットによって創傷又は潰瘍に加えられ、これに対して、負の空気圧力は、負圧源によりスポンジを介して創傷又は潰瘍に加えられ、それによって、滲出物を除去し、更に治療プロセスの助けとなる。更に、必要に応じて、圧力センサ(図示せず)が、ユニット230、230’、230’’と一緒に組み込まれ、電気的に吸引源Sに結合されてもよく(典型的には、ワイヤを介して、図示せず、吸引チューブ247、247’、247’’に沿って走る)、そこでは、吸引源Sは、オン/オフ制御(図示せず)を有する。このように、負圧源Sは、センサ(図示せず)により検知されると、圧迫機構及びユニットにより加えられた機械的圧力の関数としてオン及びオフされることができる。このため、圧力が所望の閾値を越える場合、吸引はオンされ得、圧力がそれ未満の場合、又はより低い閾値未満の場合、吸引はオフされ得、又は、必要に応じて、圧力が所望の閾値を越える場合、吸引はオフされ得、圧力がそれ未満の場合、又はより低い閾値未満の場合には、吸引はオンされ得る。圧力センサ(図示せず)は、流体充填部材238、238’、238’’と、スポンジ245、245’、245’’との間に、又はスポンジ内に、又は流体充填部材の表面上に配置されることができる。空気チャンバ14、114、214、214’、214’’、又は可撓性部材12、112、212、212、212’、212’’の他の実施形態、又は他の実施形態と関連付けられ得る。
【0107】
スポンジが、流体充填チャンバから分離可能である場合、スポンジは、所望の間隔で交換されることができる。分離可能でない場合は、ユニット全体が、必要に応じて、交換されることができる。ユニットが流体結合を有する場合、吸引チューブは、ユニットの交換前に取り外され得る。このユニットは、治療用圧迫装置10、100、200、300、400、及びアセンブリ310の下に配置されることができるため、負圧は、CVI、DVT及び/又はリンパ浮腫の治療のための圧迫と結合される。
【0108】
説明及び例示、並びに非限定のために、本発明の別の典型的な実施形態が、治療用圧迫装置200を含めて、図18図24に示されており、かつ、又は本発明によるそれらの態様が、図18図24に示され、概ね参照文字200によって指定されている。本発明による別の典型的な実施形態、又はそれらの態様が、図25図34に示されており、概ね参照文字300によって指定され、またアセンブリは、310により指定されている。
【0109】
図24を参照すると、断続圧力を、脚部などの人体の一部分に提供するための膨張手段を含む治療用圧迫装置300の別の実施形態が示されており、この装置は、血流及び排液を促進し、静脈潰瘍又は創傷を含む様々な状態を治療する。この実施形態では、この装置は、主ブラダ312及び副ブラダ314を利用し、各ブラダは、膨張により流入する流体を収容できる膨張可能なチャンバ312a、314aを有する。ブラダ312、314は、流体導管316によって流体結合され、流体導管は主ブラダ312及び副ブラダ314にそれぞれの端部316a、316bにおいて取り付けられ、それによって、流体が主ブラダ312及び副ブラダ314の間を前後して流れることを可能にする。以下に更に検討される好ましくて代替の実施形態において説明されるように、2つのブラダ312、314のうちの一方が断続的な収縮を起こすと、2つのブラダ312、314のうちの他方に断続的な膨張、及び圧力の増大が生じる。
【0110】
図25A図25Cを参照すると、主ブラダ312が、最もよくわかる。主ブラダ312は、下部壁320、及び下部壁320のフランジ部324上に、好ましくは治療封止により一緒に結合された上部壁322を有する。下部壁320及び上部壁322は、その間にある膨張可能なチャンバ312aを画定する。上部壁322は、フランジ部324から直角に延在し、側壁326を形成し、次いで、通常下部壁320と平行である頂部壁328を形成するように湾曲している。フランジ部分324を含む下部壁320、及び上部壁322は、可撓性であるため、下部壁320は、脚部の表面輪郭に一致するように曲げることができる。材料の下層330は、主ブラダ312の下部壁320上に任意選択で提供されている。下層330は、好ましくは、汗、膿、又は他の流体を吸収し、創傷に対してより繊細な接触表面を提供する半透過性材料(例えば、スポンジ)である。必要に応じて、接着剤フィルムが、フランジ部分324上に設けられ、主ブラダ312を脚部に固定するのに役立ち得る。
【0111】
一実施形態では、主ブラダ312は、膨張可能なチャンバ312aの内側に第1の端部318a、及び膨張可能なチャンバ312aの外側に第2の端部318bを有する上部壁322を貫通して延在するノズル又はコネクタ要素318を有する。ノズル318は、流体導管316(図24)の第1の端部316aにおいて流体導管316を受容する。ノズル318の第2の端部318bは、気密封止がノズル318と上部壁322との間に設けられる限り、別の選択肢として、膨張可能なチャンバ312aの外側ではなく、側壁326と同じ高さに配置されることができる。ノズルは、好ましくは、流体導管316がノズル318中に挿入されているときに限り、内部弁(図示せず)と一緒に設けられるが、流体導管316がノズル318から取り外された場合、その内部弁は、閉じ、流体の漏れを防止する。図25Cに示すように、ノズル318は、好ましくは、下部壁320と平行である上部壁322の側壁3326部分を貫通して延在するため、主ブラダ312が脚部上の創傷を覆うように置かれたときに、ノズル318は、脚部の表面と主に平行である方向に延在する。脚部の表面と平行であるノズル318が、脚部の表面と直交する隆起又は突出部を作り出すことを防止するという条件では、以下に更に検討するように、主ブラダ312が脚部に取り付けられるとき、ノズルは、直接ノズル318の下の脚部の領域上に追加圧力を作り出すことができる。更に、脚部の表面と平行であるノズル318を維持することは、脚部の表面と主に平行である方向に主ブラダ312との流体導管316の取り付け、すなわち被服が主ブラダ312をより容易に覆うことができる構成を容易にするであろう。
【0112】
別の実施形態では(図示せず)、主ブラダ312は、ノズル318を含まない。その代わり、流体導管316の第1の端部316aが、主ブラダ312と一体形成され、その結果、流体導管316は、主ブラダ312から切り離せない。任意選択の一方向弁68が、以下に説明しているように、提供されている。指定しなかった場合には、そのシステムは、製造工程中に加圧されるクローズドシステムであり、したがって、主ブラダ312、又は装置10の任意の他のコンポーネントが、その動作前に加圧される必要はない。
【0113】
図25A~25Cを参照すると、主ブラダ312は、主ブラダ312を脚部の下部に固定するために脚部の周囲に延在するように設計された複数のストラップ332を任意選択で装備されている。ストラップ332は、脚部の周囲に巻き付けた後に互いに重ね合わせて取り付けるVelcro部分356(図25A)を含むことができる。ストラップ332はまた、弾力のある品質を有し、それらが脚部の周囲に巻き付けられたときに、軸方向に向かう圧迫力を生み出すことができる。一実施形態では、ストラップ332が、脚部の周囲を通過した後に膨張可能なチャンバ312aを覆うように張力で巻き付けられるため、VELCRO(登録商標)部356が接続されると、ストラップ332は、膨張可能なチャンバ312aの上に連続した圧迫力を加える。他の実施形態では(図示せず)、ストラップ332は、脚部の周囲に水平に固定され、又は主ブラダ312上を交差して、主ブラダ312を脚部に固定し、外側に膨らむ膨張可能なチャンバ312aに抵抗力を与え、したがって、更に以下に検討するように、付加流体が膨張可能なチャンバ312a中に押し出されると、創傷領域上に圧力を加えることができる。
【0114】
流体主ブラダ312の下部壁320、上部壁322、及び下層330は、様々な形状でかつ様々な材料から形成されることができるが、可撓性プラスチック又はゴムが好ましく、その結果、流体主ブラダ312が、特定の輪郭、及び所与の脚部の湾曲に適応するように曲がることができる。主ブラダ312のサイズは、変化してもよく、様々なサイズが、創傷のサイズ及び位置に応じて選択されてもよい。流体主ブラダ312の上部壁322は、好ましくは、可撓性及び弾力性のあるプラスチック(例えば、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、又はポリプロピレン)などの材料から作製され、これらの材料は、形状を変え、追加流体がその内部に進入するにつれて膨張可能なチャンバ312aの容積を増大させることができる。上部壁322の材料は、圧力が膨張可能なチャンバ312a内部で増大するにつれ、圧力は、上部壁322によって吸収されず、却って壁を介して脚部に伝達されるように、非剛性である必要がある。装置10全体の一部としての主ブラダ312の動作は、以下により詳細に検討される。
【0115】
流体副ブラダ314は、図26を参照すると、最もよくわかる。副ブラダ314は、フランジ342を有する下部壁334、並びに側壁338及び頂部壁340を形成する上部壁336を有する。流体副ブラダ314は、主ブラダ312と同様に形成されてもよい。下部壁334及び上部壁336は、好ましくは、下部壁334のフランジ342上で加熱封止によって、互いに結合される。上部壁336及び下部壁334は、膨張可能なチャンバ314aを画定する。上部壁336は、フランジ342から直角に延在して側壁338を形成し、湾曲して頂部壁340を形成し、通常、上部壁は下部壁334と平行である。フランジ342を含む下部壁334、及び上部壁336が、可撓性を有するため、下部壁334は、足首の表面輪郭に一致するように曲げることができる。
【0116】
一実施形態では、図27に示すように、副ブラダ314は、かかとに一致する曲げ構成で着用されている。副ブラダ314の膨張可能なチャンバ314aのサイズ及び形状は、非常に変化する可能性があり、例として、長さ約3~6インチ、幅約1と半分~3インチ、及び膨張時の高さ約4分の1クオータ~1ハーフインチの間であるが、これに限定されない。膨張可能なチャンバ314の形状は、好ましくは、足部又はかかとの形状に一致する。材料の下層344は、副ブラダ314の下部壁334に、任意選択で設けられている。流体副ブラダ314が、それをカバーするどんな履き物もなしで着用される場合には、下層344は、かかと用追加緩衝材を設けることができ、及び/又は下部壁334よりも大きい静摩擦係数を有する滑り止め表面を設けることができる。流体副ブラダ314はまた、上げ下げして着用することができ、膨張可能なチャンバ314aは、その外側に動作可能に配設され、下層344は、かかとと直接接触してその内側に配設されている。以下に更に詳細に検討するように、副ブラダ314の主な機能が、通常の歩行運動中に流体を主ブラダ312中に圧送し、流体を主ブラダ312から逆に受容することであるため、下層330は、これらの構成のいずれかで任意選択可能である。
【0117】
一実施形態では、副ブラダ314は、膨張可能なチャンバ314aの内側の第1の端部346a、及び膨張可能なチャンバ314aの外側の第2の端部346bを有する上部壁336を貫通して延在するノズル又はコネクタ要素346を有することができる。ノズル346は、流体導管316の第2の端部316bにおいて(図24)流体導管316を受容する。ノズル346は、好ましくは、内側弁(図示せず)と共に設けられ、その内側弁は、流体導管316がノズル346に挿入されている限りでは開放され、流体導管316がノズル346から取り外されている場合には、閉止し、流体の漏洩を防止する。ノズル346は、好ましくは、下部壁334と平行である上部壁336の側壁338部分を貫通して延在するため、副ブラダ314が脚部の後部と概ね平行である上方の方向に延在するノズル346を有する構成中に曲げられる。
【0118】
別の実施形態では、副ブラダ314は、ノズル346を含まない。その代わり、流体導管316の第2の端部316bが、副ブラダ314と一体形成され、その結果、流体導管316は、副ブラダ312から切り離せない。上述のように、任意選択の一方向弁368が、以下に説明しているように、提供されている。提供されない場合には、システムは、製造工程中に加圧されるクローズドシステムであり、したがって、副ブラダ314、又は装置10の任意の他のコンポーネントが、その動作前に加圧される必要はない。
【0119】
図27に示すように、上述した曲げ構成では、副ブラダ314の膨張可能なチャンバ314aは、圧迫部分348及び接続部分350に分割されているように説明され得る。副ブラダ314は、足部のかかと(更に以下に検討されている)に取り付けられ、膨張可能なチャンバ314aの圧迫部分348は、かかとの下に直接動作可能に配設され、これに対して、接続部分350は、脚部(図27)の方向と概ね平行である方向に向けられている。圧迫部分348に垂直である接続部分350の方向に延在するノズル346を配置することは、使用者が歩行の間に圧迫部分348を踏むときにノズル346が圧迫されるのを防止する。更に、圧迫部分348に垂直である方向にノズル346を配置することは、流体導管316が脚部と平行である副ブラダ314に取り付けるのを可能にし、流体導管316が、人が歩行している間に足首又は脚部により圧迫されるのを防止する。
【0120】
副ブラダ314は、好ましくは、足部の周囲に巻き付けて流体副ブラダ314を足部の下部に固定する少なくとも2つの前方及び/又は後方のストラップ352、354を装備されている。ストラップ352、354は、好ましくは、脚部の周囲に巻き付けた後に互いに重ね合わせて取り付けるVelcro部分360を含む。前方ストラップ352は、加熱封止、接着、縫い込み、又は他の同等手段により、副ブラダ336の下部壁334又はフランジ342に取り付けられている前方フラップ358から延在している。前方ストラップ352は、前方フラップ358から離れて延在する。後方ストラップ354は、加熱封止、接着、縫い込み、又は他の同等手段により、副ブラダ314のフランジ342又は下部壁334のどちらかに直接接続している。後方ストラップ354は、副ブラダ314の後方部分から開始し、脚部の前方にある足部の上部に向かって引っ張り上げられ、足部の上部の上に巻き付けることができる。後方ストラップ354はまた、足部の上部で互いに重ね合わせて取り付けるVELCRO(登録商標)部分(図示せず)を有する。一実施形態では、前方及び後方ストラップ352、354は、足部の上部の上を張力で巻き付けられ、膨張可能なチャンバ314aがかかとに固定して配置されるときに、連続的な圧迫力が、膨張可能なチャンバ上に加えられる。後方ストラップ354は、接続部分350から上方に延在するノズル346が圧迫されるほどきつく引っ張られるべきではない。
【0121】
副ブラダの様々な実施形態は、膨張可能なチャンバ314a’及びノズル346を有する三日月形状、又は膨張可能なチャンバ314a’’及びノズル346’’を有する矩形形状を含んでもよい。副ブラダ314’及び314’’は、かかとに取り付け、その結果、各膨張可能なチャンバ314a’、314a’’の大部分が、足部のかかと及び下部の下に動作可能に配設されている。このような実施形態では、膨張可能なチャンバは、圧迫部分348及び接続部分350に分割されず、その理由は、かかとが地面を打つときに、膨張可能なチャンバの一部のほとんどが圧迫されるからである。
【0122】
すべての実施形態では、流体が歩行運動により副ブラダから押し出されるときに、主ブラダが副ブラダの流体のすべてを収容することができるように、副ブラダ内の流体の量が選択される。好ましくは、システムは、主ブラダが概ね30~40mmHgの一定の圧力を創傷部位に加えるように配列され、流体が歩行運動により副ブラダから押し出されるときに、主ブラダ内の圧力は、追加の10~20mmHgだけ増大する。より高い断続的な圧力(例えば、80mmHg)を許容することは可能であるが、最大圧力50~60mmHgが好ましい。
【0123】
図26、及び上述の他の可能な実施形態では、流体導管316は、副ブラダ314’、314’’の膨張可能なチャンバ314a’、314a’’に貼り付けられることができる。別の選択肢として、副ブラダ314’、314’’は、膨張可能なチャンバの内側の第1の端部、及び膨張可能なチャンバの外側の第2の端部を貫通して延在するノズル又はコネクタ要素346’、346’’と一緒に設けられることができる。ノズルの第2の端部は、好ましくは、ノズル346’、346’’が、立っている位置に、又は歩行運動の間に足部によって押しつぶされないように、かかとの後ろに配設されている。
【0124】
図26に示すように、副ブラダ314’’は、前方及び後方のストラップ352’’、354’’と一緒に設けられることができ、それらは、短くされ、足部(又は靴下)に直接取り付けるためにストラップ352、354の端部に配置された接着部分366と一緒に設けられている。
【0125】
流体導管316がブラダ312、314と一体形成され、恒久的に接続された本発明の実施形態では、装置10は、クローズドシステムである。このような実施形態は、ブラダ312、314の、又は使用前の流体導管316のいずれかの加圧を必要としない。逆に、装置10の製造工程の間に、流体導管316の端部316a、316bは、流体結合され、膨張可能なチャンバ312a、314aと共に気密封止を形成する。膨張可能なチャンバ312a、314aのうちの一方又は両方の加熱封止の間、タイヤシステム内に閉じ込められた流体の量が、制御される。別の選択肢として、一方向弁/ノズル368が設けられる場合には、流体導管316が恒久的にブラダ312、314に取り付けられ、治療用圧迫装置300及びアセンブリ310の加圧は、逆止弁又は安全弁などの一方向弁/ノズル368の手段により行われ得る。一方向弁/ノズル368は、空気ポンプなどの流体源に接続することによって、治療用圧迫装置300及びアセンブリ310を所望の圧力に加圧するのに使用される。ひとたび所望の圧力(それは、環境の空気圧力とすることができる)が到達されると、流体源は、一方向弁368から取り外され、閉止する。そのような実施形態では、ノズル318、346は、治療用圧迫装置300及びアセンブリ310がクローズドシステムであるため、不要である。流体は、流体導管316を介して(治療用圧迫装置300及びアセンブリ310が、以下に検討される方法で動作されるにつれ変化するブラダ312、314の各々における圧力を伴って)ブラダ312、314の間を自由に流れるが、付加流体は、装置10中には許容されない。本明細書で検討したように、装置10は、足部及び主ブラダ314、312を足部及び脚部に取り付けることによって、身体に固定されている。逆止弁又は安全弁などの一方向弁368は、別の選択肢として、流体導管316上ではなく、ブラダ312、314の膨張可能なチャンバ312a、314aのうちのいずれかの上に配置されてもよい。
【0126】
他の実施形態では、流体導管316は、主ブラダ312及び副ブラダ314のノズル318、346に取り外し可能に接続されている。このような実施形態では、流体導管の端部316a、316bは、ノズル318、346を貫通して挿入され、気密状態で主ブラダ312を副ブラダ314と流体結合することができる。流体導管316とノズル318、346との間の気密接続は、雄及び雌ねじ表面、バヨネットロック、又は当技術分野で既知の他の同等な手段によって実現することができる。ノズル318、346は、流体導管316を取り付ける前又はその後に膨張可能なチャンバ312a、314aのうちのどちらか又は両方を加圧するための二方向弁(図示せず)を収容することができる。流体導管316は、好ましくは、ゴム又はプラスチックから作製され、例として、また限定する例ではないが、1/4~1/2インチの範囲内の直径、2~12インチの範囲内の長さ、及び1/8~1/2インチの範囲内の厚さの壁を有する。この壁の厚さは、圧力が治療用圧迫装置300及びアセンブリ310の動作全体にわたって流体導管内部で変化するため、流体導管316の膨張を防止又は最小化するように推奨される(すなわち、チューブは、好ましくは、60mmHgの圧力、膨張がない場合は、それ以上の圧力に耐えることができる)。
【0127】
流体導管316がブラダ312、314に恒久的に取り付けられる実施形態では、本明細書で説明したように、治療用圧迫装置300及びアセンブリ310は、足部及び主ブラダ314、312を足部及び脚部に単純に取り付けることによって組み立てられる。追加の組み立ては、必要ではない。
【0128】
流体導管316が、ブラダ312、314に取り外し可能に接続されている実施形態では、装置は、最初に足部及び主ブラダ314、312を足部及び脚部に取り付けた後に流体導管316をノズル318、346に接続するか、又は最初に流体導管316を足部及び主ブラダ314、312を接続した後に足部及び主ブラダ314、312を足部及び脚部に接続するか、のどちらかによって組み立てられることができる。このような実施形態では、流体は、空気ポンプなどの流体源から、ノズル318、346を介して、主ブラダ312の膨張可能なチャンバ312a、又は副ブラダ314の膨張可能なチャンバ314aのいずれか(又は両方)に供給される。流体が供給されるにつれ、ブラダ(複数可)312、314は、膨張し、加圧する。流体源がノズル318、346から取り除かれると、ノズル内の弁は、各ブラダ312、314における圧力を維持するであろう。次いで、流体導管316は、2つの端部316a、316bのうちの一方において締め付けられ得、これに対して、2つの端部316a、316bのうちの他方は、ノズル318、346のうちの1つに結合される。流体導管316は、それが内部に入ると、ノズル内の弁を開放する。次いで、流体導管316の締め付けられた端部は、他方のノズルに結合され、そのノズルは、そのノズル弁を開放し、次いで装置10は、動作の準備が整う。治療用圧迫装置300及びアセンブリ310の内側で使用される流体は、空気、液体、又は、所望の流体源に応じて、所望の圧力、及び使用された特定の材料の両方の組み合わせとすることができる。
【0129】
本発明の更に別の実施形態では、主ブラダ312は、共有された米国特許第7,276,037号による1つの開示などの可撓性脚部ラップ装置370によって脚部上に配置されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。脚部ラップ装置370が、図28A図28Bに示されており、可撓性ラップ部材373に固定された膨張可能な空気ブラダチャンバ372を有する。可撓性部材373は、可撓性部材373の内側表面上に動作可能に配設された空気ブラダチャンバ372と一緒に巻き付けられた構成で脚部の周囲に巻き付けるように設計され、その結果、可撓性部材373は、脚部の大きな領域の上に圧力を加える。この実施形態では、ストラップ又は他の取り付け手段が、主ブラダ312に接続される必要がなく、その理由は、可撓性部材373が脚部上に主ブラダ312を配置すること(主ブラダ312が、膨張可能な空気ブラダチャンバ372と脚部との間に挟まれている)、及び追加圧力を脚部の他の領域に加えることの2つの機能の役割を果たしているからである。
【0130】
一実施形態では、脚部及び副ブラダ312、314の膨張可能なチャンバ312a、314aは、予充填され、その結果、それらが脚部及び足部に固定され、脚部ラップ装置370と併用して使用されるとき、脚部ラップ装置により、患者が横たわっているか又は歩行しながら足部を上げるとき(すなわち、足部が副ブラダ314を圧迫していないとき)に、主ブラダ312が、実質的に収縮するのを可能にする。そのような実施形態では、主ブラダ314から副ブラダ312に移動する流体により、副ブラダ312の膨張可能なチャンバ312aが、その最大容量の1つの約半分~3クオータに膨張することを可能にすることが好ましい。これらの実施形態では、患者が横たわっているか又は歩行しながら彼又は彼女の足部を上げる間中、脚部ラップ装置370のみが、患者の伏在静脈上に圧力を加える。副ブラダ314が、標準的な歩行運動中に圧迫されている場合、流体は、副ブラダ314から主ブラダ312に環流され、内部の圧力を増大させる。この断続的なオン及びオフ圧迫は、主ブラダ312及び脚部ラップ装置370の下にある患者の脚部上に配設された潰瘍に血行を促進するのに役立つ。
【0131】
膨張可能な空気ブラダ372は、圧力計、及び、膨張可能な空気ブラダチャンバ372に結合された自動圧力安全弁と共に任意選択で設けられ、その自動圧力安全弁は、内部圧力が閾値最大圧力に到達したときに、チャンバ372から周囲環境に空気を通気する。例えば、治療用圧迫装置300及びアセンブリ310は、いずれかの実施形態でも上述したように、脚部及び足部に取り付けられることができる。次いで、可撓性部材373は、脚部の周囲に、及び膨張可能なチャンバ312aに接触し、その上に圧力を加える空気ブラダチャンバ372を有する主ブラダ312の上に、張力で巻き付けられる(図28A及び図28B)。治療用圧迫装置300及びアセンブリ310の動作中に、膨張可能な空気ブラダ372が閾値最大値より高くなった場合、自動圧力安全弁が、チャンバ372から空気を解放し、可撓性部材373内の張力を低減する。可撓性脚部ラップ装置370は、本明細書に開示されたすべての装置10の実施形態と併用して使用されることができる。
【0132】
ひとたび治療用圧迫装置300及びアセンブリ310が、上述のように、組み立てられ、人に締結されると、治療用圧迫装置300及びアセンブリ310は、人が歩いているときも動作する。標準的なかかとが歩行の足指運動を持続する間、副ブラダ膨張可能なチャンバ314aの圧迫部分348は、かかとと地面との間で圧搾され、チャンバは、外部圧力を内部の流体出力のすべて又は大部分に強制する圧迫部分348に加える(すなわち、副ブラダ314の膨張可能なチャンバ314aの圧迫部分348は、かかとが地面を打ったときに、収縮する)。したがって、流体は、膨張可能なチャンバ314aの接続部分350を通って、流体導管316中及び経由して、主ブラダ312中に押し出される。主ブラダ312の膨張可能なチャンバ312aは、膨張して流体を収容する。膨張可能なチャンバ312aが膨張すると、膨張可能なチャンバ312aの側壁326は、主ブラダのストラップ332、及び/又は脚部ラップ装置370の可撓性部材373に対して押圧する。ストラップ332及び/又は可撓性部材373は、張力で脚部に確実に締結され、好ましくは、膨張可能なチャンバ312aの上部の上に延在し、側壁326の屈曲又は外側への反りに対する抵抗力を提供し、膨張可能なチャンバ312aの容量増大を制限する。したがって、膨張可能なチャンバ312aに流入する追加流体は、内部の圧力を増大させる。この増大した圧力は、下部壁320及び/又は下層330を介して脚部に伝達される。
【0133】
人の足部が、かかとから足指に回るとき、人の体重からの外部圧力は、かかとから取り除かれる。その時点で、主ブラダ312の流体導管316及び膨張可能なチャンバ312a内の圧力は、副ブラダ314の膨張可能なチャンバ314a内の圧力よりも高い。平衡状態にあるため、圧力は等しくなり、主ブラダ312内の流体の一部分は、流体導管316を介して副ブラダ314の膨張チャンバ314a中に環流し、副ブラダの膨張チャンバは、内部の圧力が主ブラダ312及び流体導管316の圧力に等しくなるまで、その元の状態に膨張して戻る。この工程は、人が歩行するとき、繰り返され、歩行は、主ブラダ312内の圧力が増減するときに、主ブラダ312が配置された脚部の創傷領域上に圧送力又は混練力を作り出し、これにより、脚部の様々な部分への血流、排液、治療、及び治癒を促進する。
【0134】
主ブラダ312の膨張可能なチャンバ312a内の圧力は、いくつかの要因によって、影響を及ぼされる。主ブラダ312が、脚部上に配置される前に加圧される場合、膨張可能なチャンバ312a内部の圧力は、それがストラップ332の固定前に脚部上に配置されたときに増大し、その理由は、下部壁3320が湾曲して脚部の形状に適合するにつれ、膨張可能なチャンバ312aの容量がわずかに減少するからであることに留意されたい。ストラップ332は、それらがそこに固定されているため、膨張可能なチャンバ312a上の圧力を更に増大させる。更に、流体導管316が取り外し可能である実施形態では、装置10内の圧力は、主ブラダ312及び副ブラダ314のうちの1つ若しくは両方を加圧することによって、又はより長い若しくはより広い流体導管316を使用し、このことが装置10の内部容量を増大させることによって、変化することができる。圧力はまた、ストラップ332が脚部の周囲に巻き付けられ、かつ/又は膨張可能なチャンバ312aの上に配置されている締まり具合、及びストラップ352、354が足部に巻き付けられ、かつ/又は膨張可能なチャンバ314aの上に配置されている張力の関数として変化し得る。例えば、脚部周囲のストラップ、及び/又は主ブラダ312の膨張可能なチャンバ312aの張力がより高いほど、脚部上の内側に向けられたより高い(最小の)圧迫力を生み出す。膨張可能なチャンバ312aを膨張させる装置10は、膨張可能なチャンバ312aが膨張するにつれて、脚部上に更なる圧力を生成し、ストラップからの抵抗力を受け、対応する容積が増加することなく流体を充填し続ける。
【0135】
本発明に基づいて構成された治療用圧迫装置400である、本発明の更なる別の実施形態が図29に示されおり、治療用圧迫装置400内に一体形成された圧迫ブラダ402を示す。この場合には、圧迫ブラダ402は、主及び副ラップ403、404の両方の内部の1つのブラダである。治療用圧迫装置400は、主ラップ403(ふくらはぎラップなど)及び副ラップ404(副ラップ404など)の使用を介して例えば下腿などの患者の肢部の周囲に巻き付けるように構成及び適合され、そのラップの各々は、連続した外側シート408及び内側シート406から形成される。治療用圧迫装置400は、例えば下腿などの患者の肢部の周囲に適合し、ブラダ402を介して圧迫を提供するように構成及び適合されている、近位端部(図29A及び29Bに配向されている上部)、及び反対側の遠位端部(図29A及び29Bに配向されている下部)を有するラップ部材であり、そのラップ部材は、治療用圧迫装置400内の主ブラダ、又は単一のブラダであり得る。本発明の一実施形態では、内側シート406及び外側シート408は、互いにRF溶接されるように構成及び適合されているナイロン積層ポリウレタンシートから作製されている。しかしながら、溶接可能であるか、又はそれ以外の方法では気密である間に接合されるかの任意の他の好適な材料を使用することができる。連続した周辺溶接線410は、一体形成されたブラダ402の気密境界を形成する。この典型的な実施形態では、ブラダ402は、主ラップ403及び副ラップ404全体にわたって単一の連続したブラダである。しかしながら、副ラップ404は、別個に膨張可能であるか、又は一方向弁若しくは他の所望の膨張/収縮構成を介して膨張可能であるかのいずれかの独立したブラダを有し得ることが想定される。副ラップ404はまた、主ラップ403から異なる圧力を提供するように構成及び適合され得る。典型的な実施形態では、副ラップ404内に配置されたブラダ402は、患者の足部の下側に沿って配置されるように構成及び適合される。副ラップ404内のブラダ402は、所望に応じて調節され、患者の足部の所望の部分に圧迫を提供することができる。
【0136】
面ファスナ424は、患者の下腿及び足部上の治療用圧迫装置400を容易に調節及び固定するために、内側及び外側シートのエッジに沿って設けられている。また、治療用圧迫装置400は、ジッパー、ボタン、又は他の係る好適な手段により成形されたカフスなどの他の手段によって患者の下腿に固定され得ることが想定される。更に、面止め具424は、以下に説明される足首ストラップ422の材料と同様の材料で置き換えることができ、着心地よさを改善するためにブラダ402に溶接/縫製/取り付けが可能であることも想定される。
【0137】
本発明の一実施形態では、膨張手段700は、膨張ポート500に取り付けてブラダ402を膨張させることができる手押しポンプである。また、機械的又は自動膨張ポンプ(図示せず)が、ブラダ402を膨張及び収縮させるための膨張ポート500に取り付けられ、脈動圧力を使用者の下腿に提供することが可能であることを理解されたい。ブラダ内の特定圧力を提供し、したがって患者によって使用時に圧迫を提供するように、いくつかの又は様々な膨張手段、例えば、手動ポンプ、手押しポンプ、足押しポンプ、機械式ポンプ、電動ポンプ、電池式ポンプ、静的ポンプ、間欠ポンプ、可変ポンプ、自動ポンプ、空気圧ポンプ、負圧ポンプ、吸引ポンプ若しくは真空、パルスポンプ、又は任意の他の既知若しくは先進膨張源が使用され得るが、これらに限定されない。通気弁がまた、治療用圧迫装置400中、又は膨張手段700と一緒に組み込まれて、使用者がブラダ402を選択的に収縮させることができる。更に、逆止弁又は安全弁が、膨張手段700又はブラダ402のいずれかと一緒に組み込まれ、ひとたび最大圧力が検出されると、過剰膨張を防止する。安全弁の例が、米国特許第7,276,037号及び米国特許第7,850,629号に記載されており、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。更なる例が、図30A及び30Bに示されている。
【0138】
本発明の別の実施形態では、治療用圧迫装置400は、最初にブラダ402を内側シート406及び外側シート408内に一体化して形成することによって形成され得、その位置及び所望の予め構成された圧迫勾配プロファイルが、コスト効率よく得ることができる。ブラダ構成のいくつかの異なる実施形態は、上述した構成などの本発明の治療用圧迫装置内で使用することができる。別の実施形態では、治療用圧迫装置400は、内部に複数のスポット溶接414を伴うブラダ402を有してもよい。スポット溶接414は、患者の治療部位において必要となる圧迫に対する所望の勾配プロファイルに基づいて、最大限の効果が得られるように、所定のパターンでブラダ402内に配置されることができる。スポット溶接414により、膨張ポート500を介して膨張したときに、ブラダ402が、勾配プロファイルを画定することを可能にする。ブラダ402内のスポット溶接414の幾何学的配置により、ブラダ402の特定の部分の膨張を増大させ、ブラダ402内に1つ以上の流体チャンバを作り出すことができる。この構成は、圧迫が、身体内の流体運動(例えば、血液、リンパ液等)を改善するのに必要な場合に、特に有用である。更に、線形溶接線416により、患者のふくらはぎの後部に加えられる張力を増大させることによって、患者のふくらはぎの後部に沿ってより良好な圧迫を可能にする。この増大した張力は、静脈流を増大させるように、より有効なふくらはぎ圧迫を生成することができる。ふくらはぎの後部に沿って横方向に配置された線形溶接線416は、治療用圧迫装置400の膨張プロファイルを小型に保つ波状部分を作り出し、それは、患者の歩行移動性を更に高め、患者の衣類との干渉を低減することができる。副ラップ404はまた、ブラダ402なしの弾性被服から作製することもできる。
【0139】
患者の身体部分又は肢部上に配置された治療用圧迫装置の位置に応じて、異なる圧力勾配が利用され得ることを理解されたい。他のブラダ圧力勾配プロファイルの例が、米国特許出願第12/911,563号及び米国特許出願第12/855,185号に記載されており、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0140】
ひとたび治療用圧迫装置400が、例えば下腿などの患者の肢部の周囲に固定されると、ブラダ402は、その場所から移動することができないため、快適性を高め、患者上の組織への位置調整を低減する。患者による容易な歩行性を高めるため、典型的な実施形態では、足首クッション426が、隣接するかかとポート420に取り付けられ、挟持点の発生を防止し、患者のアキレス腱への圧力を低減することができる。足首クッション426と組み合わせて、足首ストラップ422を使用することができる。典型的な実施形態では、足首ストラップ422は、下腿ラップ403の下部、及び副ラップ404の上部における挟持点を防止する非弾性発泡体を含むことができる。足首ストラップ422を設けることに対する更なる利点は、足首ストラップ422直近のブラダ402が、患者の脚部に対してぴったりと付き、患者のかかと近くの圧迫を改善することである。足首ストラップ422は、面ファスナ424を貼り付ける前に患者の足首及び足部の周囲に巻き付けられ、好都合である。快適性を改善するため、スルーホール418は、図29からわかるように、治療用圧迫装置400全体にわたって配置され、治療用圧迫装置400が膨張した状態での着用の間、患者の脚部の周りの通気を可能にする。明確にするため、必ずしもすべてのスルーホール418が、図中の参照文字で識別されているわけではない。
【0141】
典型的な実施形態によれば、内側シート406は、第1の弾性率を有する層(図示せず)を更に含み、内側シート406は、第2の弾性率を有する。第1の弾性率は、脚部圧迫ブラダが膨張したときに、脚部の周囲に治療用圧迫装置400を巻き付けている、治療用圧迫装置400の近位側及び遠位端部分に対して横断方向の第2の弾性率よりも小さい。典型的な実施形態では、内側シート406は、使用時に下腿と直接接触するように、その内側表面上に配設された副シート(図示せず)を含む。副シートは、布地層とすることができ、この層は、脚部圧迫ブラダが膨張したときに脚部の周囲でラップ部材が丸まるように、第1の方向には弾性的であり、第2の方向には非弾性的である。
【0142】
別の典型的な実施形態では、上部脚部ストラップ428は、患者のふくらはぎの最も広い部分の上方にブラダ402の一部分を配置することによって、治療用圧迫装置400の着用適合性を改善するように構成及び適合されており、治療用圧迫装置400が、ふくらはぎ圧迫を提供する際に、治療用圧迫装置400を無効にすることになる、患者の下腿を滑り落ちるのを防止することによって、治療用圧迫装置400の安定性を提供する。
【0143】
本発明の様々な実施形態の各々の場合の膨張手段又は機構は、手押しポンプ、電動ポンプ、電池式ポンプ、遠隔制御ポンプ、空気ポンプ、ガスポンプ、又は任意の他の既知の膨張手段を含んでもよい。ブラダ内の特定圧力を提供し、したがって患者によって使用時に圧迫を提供するように、いくつかの又は様々な膨張手段、例えば、手動ポンプ、手押しポンプ、足踏み式ポンプ、機械式ポンプ、電動ポンプ、電池式ポンプ、静的ポンプ、間欠ポンプ、可変ポンプ、自動ポンプ、空気圧ポンプ、負圧ポンプ、吸引ポンプ若しくは真空、パルスポンプ、又は任意の他の既知若しくは先進膨張源が、使用され得る。図30A及び30Bは、本発明で使用される様々な弁を含む。更に、膨張手段は、膨張を監視又は調節するための手段を含むことができる。この膨張手段は、圧迫装置が患者に着用されて使用中の場合、昼夜にわたって様々な期間で設定された圧力に、又は設定された時間に、ブラダが膨張及び収縮されるようなプログラミングを含むことができる。例えば、単なる例として、膨張手段は、個別の各患者に対して昼夜全体にわたって、午前9時に40mmHgに設定され、次いで、午前11時に20mmHgに収縮するように設定され、次いで午後12時に30mmHgに膨張する等のように設定されることができる。本発明の一実施形態では、ダイヤル610は、「35」、「45」、「55」、及び「65」などの圧力量の図形、又はそれぞれが、25mmHg、35mmHg、45mmHg、及び55mmHgなどの特定の圧力に対応する「A」、「B」、「C」、「D」などの字体を含む。図形に対応する具体的な所定の圧力は、無限であり、本明細書の例に限定されない。
【0144】
更に、治療用圧迫装置は、弁帽により収縮され得、又は別の実施形態では、主及び/又は副ブラダを収縮し、したがって圧力を解放するためのボタン又はスイッチを有する。主ラップ及び副ラップの両方の長さを走る1つのブラダが存在する場合の任意の実施形態では、用語「主ブラダ及び/又は副ブラダ」は、唯一の主ブラダ又は圧迫ブラダ(402)を意味するものとする。図31A~31C、及び35に示すように、別の実施形態では、スイッチが、複数の一体化された傘弁を有することができ、すなわち、1つの傘弁は、主及び/又は副ブラダ内の圧力を維持するように設定及び閉鎖され、これに対して、第2の傘弁は、患者が歩行している(一歩ごとにふくらはぎ上で圧力が上昇する)、又は飛行している(圧力が高度に基づいて上昇する)などの間に、圧力を解放するように、主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体の特定量を解放し、第3の傘弁は、主及び/又は副ブラダ内のすべての空気又は流体を解放し、したがってすべての圧力を解放し、治療用圧迫装置を収縮させる。例えば、単なる例として、第1の傘弁は、作動時に、この傘弁が主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体の量を維持し、したがって設定圧力、例えば45mmHgにおいて維持するように閉鎖位置に設定され、第2の傘弁は、主及び/又は副ブラダ内の圧力が45mmHgを超過する場合、主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体を解放し、圧力を45mmHgに戻し(高高度に居る場合、又は他の圧力増大の場合など)、次いで圧力を45mmHgに維持するように設定され、第3の傘弁は、患者が主及び/又は副ブラダ、並びに治療用圧迫装置を収縮させるように作動する場合、主及び/又は副ブラダ内のすべての空気又は流体を開放及び解放し、したがってすべての圧力を解放するように設定される。別の例として、ダイヤルは、(A)「歩行」では、傘弁が閉鎖位置のままにあるため、患者が歩行している間、圧力が一定の間隔で高低を何回も繰り返す間、設定された圧力量が維持され、(B)次いで、「空気」という図形では、設定された圧力量は、圧力が、設定された量又は値を越えて増大したときに、時折圧力を解放するこの傘弁によって維持され、すなわち、傘弁が作動して主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体を解放し、更に圧力を解放し、次いで閉鎖し、そして閉鎖し続け、設定された圧力量を維持し、(C)「解放」又は「収縮」では、圧力は、解放され、主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体が解放されて収縮し、この傘弁は、常に開放位置にある、などの図形を含むことができる。この実施形態では、以下を有する3つの傘弁があり、すなわち、1つは、主及び/又は副ブラダを常に開放し、完全に圧力を解放するように設定され、1つは、常に閉鎖して主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体を維持して圧力を維持するように設定され、そして3つ目は、所定の又は設定された圧力点において開放又は解放するように設定され、傘弁を参照するすべての実施形態において、傘弁はまた、スイッチ(手動又はそれ以外の方法)若しくはデジタルスイッチ、又はブラダ内の空気又は流体を開放、閉鎖、又は部分解放し、それによって内部の圧力を維持、変更、又は解放するための任意の他の既知の手段であってもよい。
【0145】
図30A及び図30Bに示す膨張手段及び弁は、空気が圧迫装置中に流れることが可能であるように圧迫装置に溶接されるエルボーコネクタ510を有する膨張ポートを含む。逆止弁又は安全弁が、エルボーコネクタ510中に挿入されている。ダストキャップ520又は弁帽は、ダストが逆止弁を詰まらせるのを防止するために含められ、逆の構成で挿入される場合、膨張したブラダが手動で収縮される。これは、ばねが装備されているため、膨張手段がブラダを膨張させ、ひとたび膨張手段が取り除かれると、ばねはブラダを封止し、その結果、圧力は、手動又は自動で減少又は収縮させるまで解放されない。逆止弁はまた、非ばね作動としてもよく、任意の他の手段によって作動してもよい。膨張手段は、球式、電動式、電池駆動式、又は電気式手段を含んでもよい。膨張手段は、図で示したダイヤル、若しくはより単純なダイヤル、又は1つの弁を含んでもよい。更なる実施形態が図31~38に示されている。
【0146】
図31A及び31B及び31Cに示す膨張手段700は、手押しポンプ700を含む。この膨張手段600は、弁ダイヤル614を含むポンプアセンブリに接続されたチューブ690を含み、この実施形態では、3つの傘弁616、並びに使用者が使用し、治療用圧迫装置10、100、200、300、又は400の様々な圧力量を見ることができるラベル612を含む。弁ダイヤル614は、弁、ベース620により手押しポンプ球700に接続されている。手押しポンプ球700は、圧搾球、又は任意の他の既知の手押しポンプ又はボールであってもよい。図31Bに示すように、これは、図31Aの断面図であり、弁ダイヤル614は、使用者が圧迫装置を過剰膨張させず、使用者自身に被害を起こさせないようにする安全コンポーネントである逆止弁630を含んでもよい。逆止弁630は、例えば、単なる例として、接着剤640などの任意の既知の手段を介して弁ベース620に結合されてもよい。弁ダイヤル614は、単なる例として、Oリング650、及びOリング650に適用されるグリース660などの潤滑油を更に含んでもよい。更に、弁ダイヤル614は、打ち込みねじ670及びワッシャ680を含んでもよい。膨張手段600は、図31Cに示すように、戻り止めばね655、及び戻り止めボール656を更に含んでよい。戻り止めばね655、及び戻り止めボール656は、可聴式「クリック」を有し、使用者が圧力が変化しているのを知るための触覚式及び可聴式な方法を提供する。
【0147】
膨張手段の別の実施形態が、図32A及び32B、33及び34に示されている。膨張手段810は、チューブ811及びダイヤル818を含む。ダイヤル818は、モノメータ型であり、指針は、球700を介する圧力に基づいて回転移動する。ダイヤル818は、使用者が圧迫装置を過剰膨張することができないように逆止弁830に接続されている。ダイヤル818は、任意の既知の継手手段を介してチューブ811及び逆止弁830に接続され、この実施形態では、単なる例として、t-コネクタ820として示されている。
【0148】
膨張手段(図示せず)の別の実施形態が、プランジャアセンブリを含む。このプランジャアセンブリは、傘弁(図31Aに示した傘弁616と同様の)を含む。傘弁は、ばね孔からの空気漏れを防止するためにスロット中に組み立てられたOリングを含む。プランジャアセンブリは、ダイヤル618又はダイヤル弁610内の緩衝圧力を制御するように、所定の高さを有する。プランジャアセンブリは、空気圧力が傘弁自体にアクセスできるようにする少なくとも1つ又は複数の緩衝用スロットを更に含む。
【0149】
図34は、膨張手段の別の実施形態の断面図であり、ダイヤル610は、傘弁910が伸張し、様々な緩衝圧力を有するようにインクリメント変化する凹部930を含む。ポインタ920が、この実施形態に含まれ、ばね荷重に抵抗し、ダイヤル610を正確な高さに押さえ付ける。圧縮ばね910は、膨張手段900内で弁保持器を上方に駆動する。ダイヤル610は、スライド940の上方に位置するポインタ920を有する。圧縮ばね910及びOリング990は、スライド940に沿って配置されている。傘弁10は、スライド940の下方で接続されている。膨張手段は、ワッシャ950及びねじ伝動960を更に含む。また、逆止弁980及び弁ベース980も示されている。球700の遠位端もまた、示されている。
【0150】
膨張手段1000の別の実施形態が、図35に示され、戻り止めボール1010及び戻り止めばね1020の下方に有するダイヤル1050を含む。戻り止めボール1010及び戻り止めばね1020は、使用者が圧力変化を知るための可聴式及び触覚式方法として動作する。挿入先端部1030は、チューブ690に結合されるように示されている。この実施形態では、3つの傘弁が、以下のように設定され得、1つは、常に開放位置にあり、主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体を解放し、したがってブラダの収縮位置に向けて圧力を解放し、第2の傘弁は、主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体を維持し、圧力を維持するように、閉鎖位置に設定されることができ、第3の傘弁は、設定された圧力量又は値にあり、圧力が増大するにつれて、傘弁は、過剰な圧力を開放及び解放することによって、傘弁は閉鎖し、設定された圧力量又は値を維持する。
【0151】
膨張手段1100の別の実施形態が、図36に示されている。ダイヤル1110は、使用者が、使用中に圧力量を視覚化するためのラベル1120を含む。ダイヤル1610は、少なくとも1つ、この実施形態では、2つ又は3つの傘弁1140として示された断面図を更に含む。この実施形態では、3つの傘弁が、以下のように設定され得、1つは、常に開放位置にあり、主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体を解放し、したがってブラダの収縮位置に向けて圧力を解放し、第2の傘弁は、主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体を維持し、圧力を維持するように、閉鎖位置に設定されることができ、第3の傘弁は、設定された圧力量又は値にあり、圧力が増大するにつれて、傘弁は、過剰な圧力を開放及び解放することによって、傘弁は閉鎖し、設定された圧力量又は値を維持する。駆動ねじ1150及びワッシャ1160が、更に含まれている。Oリング1170が含まれ、グリース1180を介して潤滑されている。弁本体1130は、任意の既知の接続又は結合手段を介して接続球700に結合され、この実施形態では、単なる例として、接着剤1190である。逆止ハウジング1220は、逆止弁及びシリコンディスク1210を含む。
【0152】
本発明の別の実施形態では、圧迫装置は、独立型の大腿部圧迫、又は様々な他の開示された実施形態の脚部及び足部圧迫装置に加えられる大腿部圧迫部であってもよい。大腿部圧迫装置は、内側層及び外側層を含む。外側層は、膨張手段に接続又は結合することができる膨張ポートを大腿部圧迫装置に結合している。内側層は、複数の締結具を含む。一実施形態では、大腿部圧迫装置は、単なる例として、患者の大腿部上での調節を容易にし、治療用圧迫装置を固定するためのエッジに沿った面ファスナを備える。大腿部圧迫装置の他の用途は、背、ふくらはぎ、腕、胃、胴、肩、及び他の身体部分上などで使用することができるため、「大腿部」圧迫装置としての指定は、患者の大腿部上でのそのような装置の使用のみに限定されない。圧迫装置はまた、ジッパー、ボタン、又は他のそのような好適な手段により成形されたカフスなどの他の手段によって患者の大腿部又は他の身体部分に固定され得ることが想定される。
【0153】
図37及び図38は、患者の腕部上に使用されるように構成されている圧迫装置を伴う本発明の更なる別の実施形態を示す。この腕部圧迫装置1300は、層1310、及び膨張手段に接続又は結合することができる膨張ポート1305を含む。外側層1310は、患者の親指1395及び指1390の周囲を締結することができる複数の締結具1324を含む。一実施形態では、大腿部圧迫装置1300は、単なる例として、患者の腕部上で調節を容易にし、治療用圧迫装置1300を固定するためのエッジに沿った面ファスナ1324を含む。腕部圧迫装置1300の他の用途は、背、肩、胴、ふくらはぎ、腕、胃、及び他の身体部分の上などで使用することができるため、「腕部」圧迫装置としての指定は、患者の腕部上でのそのような装置1300の使用のみに限定されない。圧迫装置1300はまた、ジッパー、ボタン、又は他のそのような好適な手段により成形されたカフスなどの他の手段によって患者の腕部又は他の身体部分に固定され得ることが想定される。快適性を改善するために、図38からわかるように、スルーホール1313は、圧迫装置1300全体にわたって配置され、圧迫装置1300の幅を広げた着用の間、患者の腕部、又は他の身体部分の周囲の通気を可能にする。明確にするため、必ずしもすべてのスルーホール1313が、図中の参照文字で識別されているわけではない。圧迫装置1300は、図37に示すように、患者の肘部の周囲に使用するための部分1330を含んでもよく、開口部を含んでもよい。別の実施形態では、図38に示すように、2つのより小さい圧迫装置(図29Aの装置と比較して)は、複数のタブ1405を有する患者の下腕部及び上腕部上で使用され、そのタブは、面止め具若しくはVELCRO(登録商標)、又はバックル、ストラップ、ボタン、スナップ、ジッパー、及びそれらの組み合わせなどの任意の他の既知の接続手段を介するなどして互いに接続することができる。図38に示すように、少なくとも2つの治療用圧迫装置1400は、膨張手段を接続又は結合することができ、タブ1405を介して互いに接続することができる。外側層1410は、患者の親指1495及び指の周囲に締結することができる複数の締結具1424を含む。他の構成を使用して、患者は、圧力及び圧迫を、脚、腕、手首、手、肩、腰、胴、胸等の一部に加えることができる。
【0154】
本発明の治療用圧迫装置は、様々な創傷ドレッシング材及び/又は包帯を有する道具箱内に収容することができる。創傷ドレッシング材及び/又は包帯は、より頻繁に配設されてもよく、本発明の治療用圧迫装置は、創傷ドレッシング材及び/又は包帯と併用又は組み合わせて適用される。一実施形態では、治療用圧迫装置は、皮膚に適用される創傷ドレッシング材の上方又は上に使用される。
【0155】
発明の別の実施形態は、フィードバックを伴う測定された圧迫量を適用する方法を含む。図39に示すように、圧迫ブラダAは、膨張源Cにより膨張し、圧迫ブラダAの性質は、圧迫の量が、CからAに圧送させる膨張媒体(通常は空気)の量によって決定されることである。この設計では、膨張源Cはまた、一定容積の空気を有するブラダBと結合される。圧迫ブラダAが膨張すると、それが被圧迫項目Fを圧迫するとき、ブラダBを圧搾するであろう。膨張源Cは、結合線Eからの直線圧力を読み込み、この設計におけるブラダBから境界圧力を算出することができる。膨張源Cは、較正され、ブラダBからの所望の境界圧力を適合させることによって算出されたように、圧迫ブラダAに必要な膨張媒体の量のみを提供することができる。膨張手段及び圧迫装置からのフィードバックを得ることができるように、他の構成が使用されてもよい。
【0156】
本発明の別の実施形態は、単一チャンバとの連続勾配圧迫を含む。図40に示すように、圧迫装置は、勾配圧迫だけでなく連続(最初に足部を充填し、そのように上方に向ける)圧迫を適用する膨張ブラダを含む。この実施形態では、図40に示すように、膨張デバイスAは、2箇所(吸入ポートC及び排出ポートD)のデバイスに結合される。チャネルBに直接進む空気を膨張及び提供することによって、足部ブラダ部分Eが主ブラダFより前に最初に膨張する。次いで、空気が排出ポートDから排出する。この設計では、膨張が、勾配及び連続圧迫のために断続的に結合されることができ、又は、膨張が、一定のレベルで保持され、単に勾配プロファイルのみを提供することができる。
【0157】
本発明の別の実施形態は、電気式又は他の自動化された膨張手段を含み、ブラダは、設定容積に膨張されるか、又は内部に充填されている背圧を読み取ることによって膨張する。圧力サイクル機能が含まれてもよい。更に、実施形態は、膨張手段が取り外された後も膨張がブラダ(複数可)内で維持するような膨張手段を有してもよい。そのような膨張手段は、圧迫装置自体に一体化されてもよく、又は取り外し可能であってもよい。このような膨張手段は、使用法、圧力、内科医若しくはそのような患者の治療計画の一部により推奨された特定の圧力を維持することに関して患者による順守、並びに立位時の圧力及び移動若しくは活動時の圧力、歩数計(歩数)、心拍、血圧、及び患者の任意の他の可能なモニタリングなどの他の健康データを追跡するための集積回路及び/又は無線能力を含んでもよい。得られされたフィードバックに応じて、膨張手段は、患者が手動で変更することなく圧力を増加又は減少させるようにプログラムされてもよい。更に、膨張手段は、内科医又は他の治療専門家がそのフィードバックに基づいて圧力を遠隔操作で増加又は減少させることができるように構成されてもよい。自動化された手段又は電気的手段若しくはデジタル式手段を組み合わせて手動でダイヤル若しくは膨張手段を変更するなどの他の組み合わせが、含まれてもよい。
【0158】
図示されたダイヤルは、限定されない単なる例としての非デジタル式であるが、デジタル式手段もまた、使用されてもよい。電動式ポンプ及びデジタル式ディスプレイが使用されてもよい。弁は、設定されたレート若しくは間隔で、又はモニタリング手段からのフィードバックに基づいて、圧力を変化又は修正するためのデジタル式又は電気的手段を含んでもよい。その装置は、様々なセンサ及びモニタを含んでもよい。
【0159】
使用中、治療用圧迫装置10、100、200、300、又は、400は、例えば、ふくらはぎ及び足部上の下腿などの選択された肢部上の患者、診療医、介護者のそばに置かれてもよく、又は足部ラップは、患者の足部の周囲に締結されている。足首のための開口部は、患者によって快適性のために設定される。足部から上方位置に移動させて、患者、診療医、介護者は、締結タブ(32a、32b、32c、32d、及び424等)を膝まで締結又は固定する。主ブラダ又はふくらはぎ若しくは脚部ブラダ(膝に近い)の近位端上に配置された追加のストラップが存在する場合、第1のストラップは、治療用圧迫装置がぴたりと適合するようにきつく、ただしあまりきつ過ぎないように締め付け又は固定される必要があり、副ラップ(足部に近い)の遠位端近くの第2のストラップは、治療用圧迫装置がぴたりと適合するように緩く、ただしあまりきつ過ぎないように締め付け又は固定される必要がある。次いで、患者、診療医、又は介護者は、例えば主ラップ上などの治療用圧迫装置上に配置された弁から弁帽を取り除く。次いで、患者、診療医、又は介護者は、治療、及び患者が歩き、座り、横たわり、又は車両、列車、若しくは飛行機内で旅行しているかどうかに応じて、膨張手段のダイヤル上の値の圧力量を選択する。ひとたび圧力の量又は値が、ダイヤル上で選択されると(「35」mmHgなどの所与の圧力量、又は「歩行」若しくは「空気」若しくは「移動」、又は「低」若しくは「中」若しくは「高High」等の文字など)、対応する傘弁又はスイッチが作動して、圧力が、その後維持され(閉鎖位置)、又は使用時に圧力が活動又は高度と共に変化するときに、圧力を維持するように修正される。次いで、患者、診療医又は介護者は、膨張手段の端部を治療用圧迫装置の弁の中に挿入すると、空気又は流体が増大して主及び/又は副ブラダを膨張させ、したがって所望の圧力量又は弁を達成する。この場合も、この膨張手段は、手押しポンプ、電気式ポンプ、電池式ポンプ、遠隔制御ポンプ、空気ポンプ、ガスポンプ、又は任意の他の既知の膨張手段としてもよい。ブラダ内の特定圧力を提供し、したがって患者によって使用時に圧迫を提供するように、いくつかの又は様々な膨張手段、例えば、手動ポンプ、手押しポンプ、足踏み式ポンプ、機械式ポンプ、電動ポンプ、電池式ポンプ、静的ポンプ、間欠ポンプ、可変ポンプ、自動ポンプ、空気圧ポンプ、負圧ポンプ、吸引ポンプ若しくは真空、パルスポンプ、又は任意の他の既知若しくは先進膨張源が、使用され得る。使用される膨張手段に応じて、そのような膨張手段が取り除かれることがあり、弁帽が交換されることができ、圧力は、「空気」又は「歩行」位置に留意することを除いて、減少しないであろう。使用中の任意の時点で、患者、診療医、若しくは介護者は、弁帽を挿入するか、若しくは弁帽が弁ばねを押圧することにより、主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体を解放し、圧力を減少させるかのいずれかによって、主及び/又は副ブラダを膨張させることができ、又は患者、診療医、若しくは介護者は、膨張手段を再挿入し、「収縮」又は「解放」を選択することができ、対応する傘弁は、開放位置になって主及び/又は副ブラダ内の空気又は流体を解放し、収縮した状態がブラダ及び治療用圧迫装置に対して達成されるまで、圧力を減少させることができる。治療用圧迫装置は、使用時に、何回も何回も再膨張及び収縮することができる。
【0160】
本発明は、その特定の実施形態に関して例示及び説明されており、その実施形態は、本発明の原理に関する典型的及び例示的なものであり、排他的又は他の方法で実施形態を限定することを意図していない。例えば、前述の実施形態では、治療用圧迫装置が、膨張可能なブラダを有するものとして記載されているが、その治療用圧迫装置は、膨張及び/又は収縮のために構成されていない圧迫部材を(例えば、接着剤、高周波溶接等により)追加的に一体形成又は取り付けることを含んでもよい。例えば、追加の圧迫部材は、発泡体クッション、及び/又は空気、ゲル、若しくは他の流体充填非膨張可能なクッションなどの様々な任意の予成形及び/又は予充填クッション材料を使って実現されてもよく、そのような圧迫部材が一体型圧迫ブラダと組み合わせて十分な圧迫を生成されてもよい。更に、具体的な形状、サイズ、及び材料が、例示の目的で記載されているが、任意の様々な形状又はサイズを使用することができ、記載された材料は、排他的ではなく、単なる例示的なものであることを理解されたい。また、上述したように、図示されたブラダは、空気を使って膨張しているが、液体又はゲルなどの任意の他の媒体を使用することができることを理解されたい。更にまた、上述したように、ブラダは、複数の空気圧式独立型、及び/又は空気圧式結合型ブラダ部分を有するように構成されてもよく、また、様々な輪郭又は分葉を有するように構成されてもよいことを理解されたい。
【0161】
本明細書に記載された治療用圧迫装置は、圧迫療法等により治療可能な任意の好適な状態に使用することができる。例えば、本発明による治療用圧迫装置は、静脈潰瘍、CVI、DVTの治療、リンパ浮腫の治療(そこでは、それは、促進される静脈系内ではなく、リンパ系内の流体の循環である)等のための静脈系の圧迫に使用することができる。
【0162】
本明細書に記載された本発明の治療用圧迫装置は、従来技術に伴う、並びに産業及び患者の治療における多くの問題を解決する。治療用圧迫装置は、現在のデバイス及び装置によって必要とされる熟練した介護者を必要とせず又は要求せずに、患者によって患者の身体部分に適用することができる。更に、それは、過圧合併症を伴わずに十分有効な圧力を維持し、圧迫などを維持することができる。
【0163】
本発明の治療用圧迫装置は、患者が、治療装置又はデバイスのための膨張源及び膨張手段の変更を通じて治療を変更することができるように、1つ超の圧迫源又は膨張手段に接続することができるように構成された汎用膨張ポートを含む。例えば、患者は、本発明の治療用圧迫装置を使って、手動、又は機械的若しくは電気的膨張手段、又は膨張及び圧力源の間を交互にすることができる。更に、患者は、本発明の治療用圧迫装置を使用するときに、静的又は断続的な膨張と圧力の間を交互にすることができる。
【0164】
本発明の治療用圧迫装置はまた、治療装置及びデバイス、ドレッシング材、ストッキング、及び靴下内の設定圧力の漏れである課題を低減し、逆に、CVI、DVT、及び/又はリンパ浮腫、並びに他の治療に対してより効果的な治療を促進する。
【0165】
本発明は、例示的に以下の態様とすることができる。
[条項1]
治療用圧迫装置であって、
近位端及び遠位端及び主ラップを有する主ラップと、
近位端及び遠位端を有する副ラップであって、副ラップの近位端が、主ラップの遠位端に接続されている、副ラップと、
主ラップ及び/又は副ラップ内の少なくとも1つのブラダと、
主ラップ上の膨張ポートを介してブラダに接続された膨張手段であって、逆止弁を含む、膨張手段と、を備え、
膨張ポートが、様々な膨張手段に汎用的に接続可能であるように構成されている、治療用圧迫装置。
[条項2]
主ラップが、(a)使用時に肢部に面して配置されるように構成及び適合された内側シートと、(b)外側シートであって、内側シートと外側シートとの間に画定されたブラダと一緒に内側シートに接合された、外側シートと、を含む、条項1に記載の治療用圧迫装置。
[条項3]
膨張手段が、手動ポンプ、静的ポンプ、間欠ポンプ、電気式膨張ポンプ、電池式膨張ポンプ、ガソリン式膨張ポンプ、静的空気圧圧縮ポンプ、間欠空気圧ポンプ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、条項1に記載の治療用圧迫装置。
[条項4]
少なくとも1つのブラダが、膨張手段に接続されたときに連続的な勾配圧力を可能にする1つのチャンバを有するように構成されている、条項1に記載の治療用圧迫装置。
[条項5]
膨張手段が、少なくとも1つのブラダ内でブラダの膨張した状態を作り出す膨張手段により作り出された圧力を保持することを可能にし、少なくとも1つのブラダ内でブラダの部分的に収縮した状態を作り出す設定された圧力量を解放することを可能にし、少なくとも1つのブラダ内でブラダの完全に収縮した状態を作り出すようにすべての圧力を解放することを可能にするように構成された三路スイッチを含む、条項1に記載の治療用圧迫装置。
[条項6]
膨張手段が、リアルタイム圧力測定機構を含む、条項1に記載の治療用圧迫装置。
[条項7]
面コネクタと、逆止弁と、弁帽とを更に備え、弁帽が、少なくとも1つのブラダ内の膨張手段によって作り出された圧力を解放することができる、条項1に記載の治療用圧迫装置。
[条項8]
過膨張から保護するように、少なくとも1つのブラダに動作可能に接続された逆止弁を更に備える、条項1に記載の治療用圧迫装置。
[条項9]
逆止弁が、所定の圧力で開放するように設定されている、条項8に記載の治療用圧迫装置。
[条項10]
逆止弁が、使用者選択可能な圧力において開放するように構成されている、条項8に記載の治療用圧迫装置。
[条項11]
収縮のために主ブラダに動作可能に接続された通気弁を更に備える、条項8に記載の治療用圧迫装置。
[条項12]
主ラップの近位端、又は副ラップの遠位端のいずれかに接続された少なくとも2つのタブを更に備え、タブが、平面に沿って少なくとも2つの治療用圧迫装置を一緒に接続することができるように構成された接続手段を含む、条項1に記載の治療用圧迫装置。
[条項13]
治療用圧迫装置であって、
遠位端及び近位端を有する主ラップであって、少なくとも1つのブラダを含む、主ラップと、
近位端及び遠位端を有する副ラップであって、副ラップの近位端が、主ラップの遠位端に接続されている、副ラップと、
ブラダ上の膨張ポートを介してブラダに接続された膨張手段であって、膨張ポートが、逆止弁を含む、膨張手段と、
アセンブリであって、a)肢部の周囲に取り付けるための可撓性部材と、第1の減圧状態及び第2の加圧状態をとる空気チャンバであって、空気チャンバが、長さ及び幅を有し、幅が、可撓性部材の幅の半分未満である、空気チャンバと、を有する圧力機構と、b)空気チャンバの幅よりも小さい長さ及び幅を有する予充填空気ブラダと、c)予充填空気ブラダに結合された吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材と、d)吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材と流体連通し、負圧源と結合するように適合された吸引導管と、を含む、アセンブリと、を備える、治療用圧迫装置。
[条項14]
アセンブリの予充填空気ブラダ、吸収性発泡体、スポンジ若しくはドレッシング材、及び吸引導管が、吸収性発泡体、スポンジ若しくはドレッシング材と、予充填空気ブラダとの間に配置された吸引導管と共にユニットとして一緒に接着されている、条項13に記載の治療用圧迫装置。
[条項15]
アセンブリの吸引導管は、流体コネクタ内で一端が終端する、条項13に記載の治療用圧迫装置。
[条項16]
アセンブリの吸引導管は、複数の孔を有する分岐管内で一端が終端する、条項13に記載の治療用圧迫装置。
[条項17]
アセンブリの分岐管が、吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材の周辺部の周囲に少なくとも部分的に延在する、条項13に記載の治療用圧迫装置。
[条項18]
アセンブリの予充填空気ブラダが、中央開口部を画定し、吸引導管が、中央開口部中に延在する、条項13に記載の治療用圧迫装置。
[条項19]
アセンブリの予充填空気ブラダが、ストラップを有し、吸収性発泡体、スポンジ又はドレッシング材が、封止された周縁を有する、条項13に記載の治療用圧迫装置。
[条項20]
アセンブリの予充填空気ブラダが、生体適合性接着剤を設けた周辺部を有する、条項13に記載の治療用圧迫装置。
[条項21]
創傷又は潰瘍を有する肢部を治療するための方法であって、
a)アセンブリを含む治療用圧迫装置を得ることであって、アセンブリが、(i)肢部の周囲に取り付けるための可撓性部材、並びに第1の減圧状態及び第2の加圧状態をとる空気チャンバを有する圧力機構と、(ii)予充填空気ブラダと、(iii)予充填空気ブラダに結合された吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材と、(iv)吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材と流体連通する吸引導管と、を含む、得ることと、
b)吸収性発泡体、スポンジ、又はドレッシング材を、創傷又は潰瘍に適用し、予充填空気ブラダをその上に配置することと、
c)空気チャンバを予充填空気ブラダ上に配置して、肢部上に圧力機構を配置することと、
d)吸引導管を負圧源に結合させることと、
e)空気チャンバが、第2の加圧状態をとり、創傷又は潰瘍に圧力を加えるようにすることと、を含む、方法。
[条項22]
第2の加圧状態が、吸引が適用されると同時に引き起こされる、条項21に記載の方法。
[条項23]
第2の加圧状態、及び吸引の負圧源との結合が、異なる時間に得られる、条項21に記載の方法。
[条項24]
吸引は、圧力閾値に到達したときに、適用される、条項21に記載の方法。
[条項25]
予充填空気ブラダが、ストラップを有し、方法が、予充填空気ブラダを肢部にストラップで縛ることを更に含む、条項21に記載の方法。
[条項26]
圧力を人体の脚部に加えるための治療用圧迫装置であって、
膨張によって内部に入る流体を収容する第1の膨張可能なチャンバを有する足部ブラダと、
膨張によって内部に入る流体を収容する第2の膨張可能なチャンバを有する脚部ブラダと、
脚部ブラダを人体の脚部上に配置するための第1の手段と、
足部ブラダを人体の足部上に配置するための第2の手段と、
足部ブラダ及び脚部ブラダを流体的に結合する流体導管であって、流体が、流体導管を通って足部ブラダから脚部ブラダに、かつ流体導管を通って脚部ブラダから足部ブラダに移動することができるようになっている、流体導管と、
脚部ブラダ上の膨張ポートを介して脚部ブラダに接続された膨張手段であって、逆止弁を含む、膨張手段と、を備え、
膨張ポートが、様々な膨張手段に汎用的に接続可能であるように構成されている、治療用圧迫装置。
[条項27]
第1の配置手段が、脚部ブラダを脚部に固定するように脚部の周囲に巻き付ける第1の取り付け部材である、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項28]
第1の取り付け部材が、脚部ブラダに取り付けられた複数のストラップである、条項27に記載の治療用圧迫装置。
[条項29]
第1の取り付け部材が、脚部の周囲、及び脚部ブラダの上に巻き付ける可撓性部材であり、脚部ブラダが、脚部と可撓性部材との間に挟まれている、条項27に記載の治療用圧迫装置。
[条項30]
第2の配置手段が、流体足部ブラダを足部に固定するように足部の周囲に巻き付ける第2の取り付け部材である、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項31]
第2の取り付け部材が、足部ブラダに取り付けられた複数のストラップである、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項32]
複数のストラップが、ストラップを足部に取り付けるための接着剤又は面止め具を有する、条項31に記載の装置。
[条項33]
足部ブラダが、足部のかかとの底部に取り付けられている、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項34]
第1の取り付け部材が、副空気ブラダを含み、可撓性部材が、脚部の周囲に巻き付ける包囲構成、及び開放された非巻き付け構成を有し、副空気ブラダが、包囲構成において可撓性部材によって支持され、副空気ブラダは、包囲構成において可撓性部材によって支持されたときに圧迫力を脚部に加えるように、半径方向の内側に向けられる圧迫力を供給する加圧状態へと膨張することが可能である、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項35]
流体が、空気、気体、又は液体のいずれかである、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項36]
足部ブラダ及び脚部ブラダは、流体が足部ブラダから押し出されるときに、脚部ブラダが足部に追加の圧力を加えるように配列されている、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項37]
追加の圧力が、10~20mmHgの追加の圧力である、条項36に記載の治療用圧迫装置。
[条項38]
脚部ブラダが、第1の状態で脚部に30~40mmHgの圧力を加え、流体が足部ブラダから押し出されるときに、脚部に50~60mmHgの圧力を加える、条項37に記載の治療用圧迫装置。
[条項39]
流体導管が、第1の端部及び第2の端部を有し、脚部ブラダ及び足部ブラダの各々が、流体導管の第1及び第2の端部のうちの一方を受容するためのノズルを有する、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項40]
膨張手段が、手動ポンプ、静的ポンプ、間欠ポンプ、電気式膨張ポンプ、電池式膨張ポンプ、ガソリン式膨張ポンプ、静的空気圧圧縮ポンプ、間欠空気圧ポンプ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項41]
主及び副ブラダが、膨張手段に接続されるときに連続的な勾配圧力を可能にする1つのチャンバを有するように構成されている、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項42]
面コネクタと、逆止弁と、弁帽とを更に備え、弁帽が、主及び副ブラダ内の膨張手段によって作り出された圧力を解放することができる、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項43]
過膨張から保護するように、主ブラダに動作可能に接続された逆止弁を更に備える、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項44]
逆止弁が、所定の圧力で開放するように設定されている、条項43に記載の治療用圧迫装置。
[条項45]
逆止弁が、使用者選択可能な圧力において開放するように構成されている、条項43に記載の治療用圧迫装置。
[条項46]
収縮のために主ブラダに動作可能に接続された通気弁を更に備える、条項26に記載の治療用圧迫装置。
[条項47]
圧力を人体の一部に加えるための方法であって、
足部ラップを足部の底部に、かつ脚部ラップを脚部に貼り付けることであって、足部ラップ及び脚部ラップが、流体導管によって流体的に結合されている、貼り付けることと、
足部のかかとが地面に打ち当たると、足部ラップがへこみ、流体を足部ラップから外へ流体導管を通って脚部ラップ中に強制的に押し出すことによって、脚部ラップ内の圧力を上昇させるように歩行することであって、足部のかかとが引き上げられると、足部ラップは、流体が脚部ラップから外へ流体導管を通って足部ラップ中に強制的に押し出されるにつれて膨張する、歩行することと、を含む、方法。
[条項48]
足部ラップが、足部ラップを足部に取り付けるための複数のストラップを含む、条項47に記載の方法。
[条項49]
脚部ラップが、第1のノズルを含み、足部ラップが、第2のノズルを含み、貼り付けることが、流体導管を第1及び第2のノズルに取り付けることを更に含む、条項47に記載の方法。
【0166】
本明細書に記載されているように、本開示の発明は、好ましく典型的な実施形態に関して説明されてきたが、当業者は、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、本発明に対して様々な変更及び/又は修正を行うことができることを容易に理解するであろう。本明細書では、断続的な圧力装置のいくつかの実施形態、並びに設定方法及び同じく動作方法に付いて説明及び例示されている。本発明の具体的な実施形態が説明されているが、本発明がそれらに限定されることを意図されておらず、本発明は、当技術分野が許容する範囲と同じ広さであり、明細書は同様に読み取られることを意図されている。したがって、膨張可能なブラダ及びストラップの具体的な形状及びサイズが開示されているが、他の形状、サイズ、及び取り付け手段も同様に使用することができることを理解されたい。Velcro及び接着手段は、ブラダを脚部及び足部に固定するのを助けるために開示されているが、フック、スナップ、又はラップなどの他の種類の取り付けを使用することができることを理解されたい。更に、流体導管は、嵌合ねじ部分又はバヨネットロックを使ってブラダに取り外し可能に接続されることができるが、当技術分野で既知の他の手段を使用することができることを理解されたい。したがって、当業者であれば、特許請求の範囲で主張されている趣旨及び範囲から逸脱することなく、提供された発明に対して、更なる他の修正が作成され得ることを理解されたい。