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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138424
(43)【公開日】2024-10-08
(54)【発明の名称】構成部材を移送する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/52 20060101AFI20241001BHJP
【FI】
H01L21/52 F
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024111044
(22)【出願日】2024-07-10
(62)【分割の表示】P 2022546039の分割
【原出願日】2020-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】508333169
【氏名又は名称】エーファウ・グループ・エー・タルナー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン ブルクグラーフ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】構成部材を送り側基板から受け取り側基板へ搬送する改良された方法および装置を提示することである。
【解決手段】送り側基板から受け取り側基板8へ構成部材2を移送する方法であって、方法は、少なくとも、送り側基板上で構成部材2を提供および/または作製するステップと、送り側基板の構成部材2を搬送基板4へ移送するステップと、搬送基板から受け取り側基板8へ構成部材2を移送するステップとを、上記の順序で有している。構成部材2は、接合手段6および/または剥離手段7を用いて選択的に移送可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送り側基板(1)から受け取り側基板(8)へ構成部材(2,2’,2’’)を移送する方法であって、
i)前記送り側基板(1)上で前記構成部材(2,2’,2’’)を提供および/または作製するステップ、
ii)前記送り側基板(1)の前記構成部材(2,2’,2’’)を搬送基板(4,4’)へ移送するステップ、
iii)前記搬送基板(4,4’)から前記受け取り側基板(8)へ前記構成部材(2,2’,2’’)を移送するステップ
を、特に上記の順序で有しており、
前記構成部材(2,2’,2’’)は接合手段(6)および/または剥離手段(7)を用いて選択的に移送可能である、
方法。
【請求項2】
個々の構成部材(2,2’,2’’)または複数の構成部材(2,2’,2’’)を、局所的に限定して、ステップii)および/またはステップiii)における前記移送時に、前記接合手段(6)によって、特にレーザ放射線によって固定する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
個々の構成部材(2,2’,2’’)または複数の構成部材(2,2’,2’’)を、局所的に限定して、ステップii)および/またはステップiii)における前記移送時に、前記剥離手段(7)によって解放する、少なくとも請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記選択のために、前記構成部材(2,2’,2’’)を少なくとも1回、特に電気的な検査によって機能性に関して検査する、少なくとも請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
ステップii)における前記移送時に、前記搬送基板(4,4’)は、前記送り側基板(1)上に提供されている前記構成部材(2,2’,2’’)に接触し、かつ/または圧力を加え、これによって、前記構成部材(2,2’,2’’)を前記送り側基板(1)と前記搬送基板(4,4’)との間で、特定の位置に維持する、少なくとも請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
ステップiii)における前記移送時に、前記搬送基板(4,4’)上に配置されている前記構成部材(2,2’,2’’)は、前記受け取り側基板(8)に接触し、かつ/または圧力を加え、これによって、前記構成部材(2,2’,2’’)を前記搬送基板(4,4’)と前記受け取り側基板(8)との間で維持する、少なくとも請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記送り側基板(1)および/または前記搬送基板(4,4’)および/または前記受け取り側基板(8)および/または前記構成部材(2,2’,2’’)それぞれに、剥離層および/または付着層を被着させ、前記剥離層および/または前記付着層は特に前記剥離手段(7)および/または前記接合手段(6)の作用によって、固着領域(3)における前記構成部材(2,2’,2’’)に対する、自身の固着特性を変化させる、少なくとも請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記送り側基板(1)および/または前記搬送基板(4,4’)および/または前記受け取り側基板(8)は、前記レーザ放射線に対して透過性に形成されている、少なくとも請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記搬送基板(4,4’)は固定要素(10)を有しており、前記固定要素(10)は前記移送時に前記構成部材(2,2’,2’’)を特に表面付着によって固定する、少なくとも請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記固定要素(10)はポリマー材料から形成されており、かつ/または吸盤状に形成されている、少なくとも請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
特に機械的な手段および/または空圧式の手段によって、前記搬送基板(4,4’)を前記移送時に変形させ、これによって、特に前記構成部材(2,2’,2’’)を、空間的かつ/または時間的にずらして、前記固定要素(10)から剥がす、かつ/または前記固定要素(10)によって固定する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記搬送基板(4,4’)は特に弾性的なフィルムである、少なくとも請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
請求項1から12までの少なくとも1項項記載の方法による、構成部材(2,2’,2’’)を移送する装置であって、
送り側基板(1)上で構成部材(2,2’,2’’)が作製可能でありかつ/または提供可能であり、
前記送り側基板(1)の前記構成部材(2,2’,2’’)が搬送基板(4,4’)に移送可能であり、
前記構成部材(2,2’,2’’)が前記搬送基板(4,4’)から受け取り側基板(8)に移送可能であり、
支持体基板および/または前記受け取り側基板への前記構成部材(2,2’,2’’)の前記移送が、接合手段(6)および/または剥離手段(7)によって選択的に実行可能である、
装置。
【請求項14】
請求項1から12記載の方法によって製造された発光ダイオード(LED)(9)。
【請求項15】
前記発光ダイオード(9)は、特に種々異なる送り側基板(1)によって提供された、上下に重なって配置されている複数の構成部材(2,2’,2’’)および/または相互に隣接して配置されている複数の構成部材(2,2’,2’’)から形成されている、請求項14記載の発光ダイオード(9)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に電子的な構成部材を送り側基板から受け取り側基板へ移送する方法に関する。
【0002】
従来技術は、一方の支持体基板から他方の支持体基板へ製品基板を搬送する極めて多様な方法を示している。このような支持体交換プロセスは、たとえば刊行物である国際公開第2011/120537号に詳細に記載されている。近年では、機能しうる個々の構成部材が互いに上下に積層される、または互いに隣接して配置されることがますます増えている。この際に極めて重要なのは、先行する、特に電気的な検査に合格した構成部材のみが搬送されるということである。これによって、不良な構成部材が搬送されてしまうことが排除される。
【0003】
したがって、本発明の課題は、従来技術において記載されている欠点を少なくとも部分的に排除する、特に完全に排除する方法および装置を提示することである。特に、本発明の課題は、構成部材を送り側基板から受け取り側基板へ搬送する改良された方法および装置を提示することである。本発明の別の課題は、個々の構成部材が送り側基板から受け取り側基板へ搬送される、発光ダイオードを製造するための改良された方法および装置を提示することである。本発明のさらなる課題は、不良な構成部材が受け取り側基板に搬送されないまたは特定の特性を有する構成部材のみが受け取り側基板に搬送される方法および装置を提示することである。
【0004】
上述の課題は、各独立請求項の特徴によって解決される。本発明の有利な発展形態は、各従属請求項に記載されている。明細書、特許請求の範囲および/または図面に示された少なくとも2つの特徴のすべての組み合わせも、本発明の範囲内に含まれる。記載された値の範囲においては、挙げられた境界内にある値も、境界値として開示されていると見なされるべきであり、任意の組み合わせで特許請求することができる。以降の本文では、構成部材とは、搬送されるべき対象物を意味すると理解される。構成部材は、必ずしもそれ自体で機能性を有している必要はない。
【0005】
したがって、本発明は、少なくとも、
i)送り側基板上で構成部材を提供および/または作製するステップ、
ii)送り側基板の構成部材を搬送基板へ移送するステップ、
iii)搬送基板から受け取り側基板へ構成部材を移送するステップ
を、特に上記の順序で有している、特に電子的な構成部材を送り側基板から受け取り側基板へ移送する方法に関し、これらの構成部材は接合手段および/または剥離手段を用いて選択的に移送可能である。
【0006】
移送の際に、構成部材が送り側基板に置かれていてよいまたは固定されていてよい。構成部材が送り側基板上で作製され、その作製後に、送り側基板上に配置されているということも考えられる。特に電子的な構成部材は、特に、半導体産業において使用される極めて小さい構成部材である。
【0007】
ステップii)における移送は、特に、搬送基板による構成部材の引き継ぎと理解され得る。ステップiii)における移送は、特に、受け取り側基板への構成部材の引き渡しと理解され得る。ステップii)における移送の際に、送り側基板上に配置されている構成部材を搬送基板と接触させることができる。
【0008】
構成部材が送り側基板に固定されている場合、この固定は、特に個々の構成部材に対して選択的に、搬送基板への移送の際に解除されてよい。構成部材が、同様に、特に個々の構成部材に対して選択的に、移送のために搬送基板に固定されてよい。
【0009】
受け取り側基板への構成部材の移送の際に、同様に、構成部材もしくは搬送基板が、受け取り側基板および/または受け取り側基板上に配置されている他の構成部材と接触し得る。受け取り側基板上に配置されている他の構成部材は、特に、その前に実行された方法において、この送り側基板および/または他の送り側基板から、この受け取り側基板へ移送された構成部材である。
【0010】
搬送基板における固定は、特に選択的に解除可能である。構成部材は、移送時に、受け取り側基板上に、かつ/または受け取り側基板上に配置されている他の構成部材に、特に接合手段を用いて、特にレーザによって接合される。
【0011】
個々の方法ステップの間で、特に、基板同士の位置合わせ、もしくは特に構成部材と構成部材の相応の位置との位置合わせが、特に基板上の位置合わせマークを用いて行われる。この方法では、送り側基板と受け取り側基板との間で構成部材の選択的な移送が行われることが極めて重要である。このようにして、有利には、特定のもしくは選択された構成部材のみの移送が可能になる。特に、不良な構成部材は移送され得ない、または特定の特性を有する構成部材だけが移送され得る。ここですべての構成部材が選択されてもよいが、接合手段および/または剥離手段によって、各移送時に、選択の可能性が与えられている。さらに、移送されるべき構成部材の選択は、搬送基板によって、有利には2つのステップにおいて行われてよい。
【0012】
さらに、本発明は、構成部材を移送する上記の方法による、構成部材を移送する装置に関し、ここでは送り側基板上で構成部材が作製可能でありかつ/または提供可能であり、送り側基板の構成部材が搬送基板に移送可能であり、構成部材が搬送基板から受け取り側基板に移送可能であり、支持体基板および/または受け取り側基板への構成部材の移送が、接合手段および/または剥離手段によって選択的に実行可能である。
【0013】
さらに、本発明は、構成部材を移送する上記の方法を用いて製造された発光ダイオード(LED)に関する。
【0014】
本発明の一実施の形態では、個々の構成部材または複数の構成部材が、局所的に限定されて、ステップii)および/またはステップiii)における移送時に、接合手段によって、特にレーザ放射線によって固定されることが意図されている。この方法では、移送時に構成部材がそれぞれ個々に固定可能であり、または固定解除可能であり、その結果、このようにして構成部材の選択的な移送を行うことができるということが極めて重要である。ここでは同様に、接合手段が2つ以上の構成部材に、局所的に限定されて作用することが考えられる。しかし、各構成部材を個々に、搬送基板または受け取り側基板に固定する、特に接合することが可能である。このようにして、有利には、移送時の選択が可能になる。
【0015】
本発明の別の有利な実施の形態では、個々の構成部材または複数の構成部材が、局所的に限定されて、ステップii)および/またはステップiii)における移送時に、剥離手段によって解放されることが意図されている。ここでは、構成部材の移送時に構成部材が剥離手段によって個別に解放可能であり、その結果、選択された構成部材のみが解放もしくは移送されるということが極めて重要である。したがって、同様に、移送を可能にしないことによって、不良な構成部材を移送から除外することができる。2つ以上の構成部材の局所的に限定された解放も考えられる。このようにして、有利には、移送時の選択が可能になる。
【0016】
さらに、好ましくは、接合手段もしくは剥離手段による、個々の構成部材または局所的に隣接する複数の構成部材の固定と、個々の構成部材または局所的に隣接する複数の構成部材の固定の解除とが、同時に行われる、かつ/または時間的および空間的にずらして行われる。たとえば、はじめに、引き継がれるべき構成部材が搬送基板に固定され、次いで送り側基板での固定が解除される。この結果、引き継ぎ時に構成部材がスリップすることはない。同様のことが、搬送基板から受け取り側基板への構成部材の移送時に当てはまる。
【0017】
本発明の別の有利な実施の形態では、選択のために、構成部材は少なくとも1回、特に電気的な検査によって機能性に関して検査されることが意図されている。このようにして、特に、欠陥を有していない、機能しうる構成部材を特定することができる。機能しうる構成部材は、自身に対して意図されている機能を果たすことができる。機能しうる構成部材を特定することによって、機能しうる構成部材を、送り側基板から受け取り側基板へ選択的に移送することができる。しかし、構成部材は機能しうるが、それが移送されない、ということも考えられる。なぜなら、これらの構成部材がたとえば、製造プロセスにおいて、受け取り側基板の相応の位置において必要とされる機能以外の機能を果たすからである。また、必要な機能を有する、相応の、特に機能しうる構成部材が、受け取り側基板上の相応の位置にすでに存在していることが考えられる。
【0018】
原則的には、移送前、移送中または移送後に電気的な検査を行うことができる。送り側基板上で構成部材が作製された場合、不良な構成部材を搬送基板へ移送しないようにするために、搬送基板への移送前に検査を行うことが好ましい。搬送基板への移送後に第2の検査を行うことも考えられる。特に、構成部材が意図された位置に配置されているかを検査することもできる。構成部材がスリップしている場合もしくは誤った位置に配置されている場合には、このようなケースでも、移送が阻止されてもよく、したがって、選択が行われる。
【0019】
本発明の別の有利な実施の形態では、ステップii)における移送時に、搬送基板は、送り側基板上に提供されている構成部材に接触し、かつ/または圧力を加え、これによって、構成部材が送り側基板と搬送基板との間で、特定の位置に維持されることが意図されている。このようにして、特に構成部材が送り側基板に固定されていない場合またはもはや固定されていない場合に、スリップを阻止することができ、構成部材の固定および/または固定の解除時に、相応の位置を維持することができる。さらに、このように構成部材と搬送基板とを接触させることによって、たとえば、搬送基板への接合工程が可能になる。
【0020】
本発明の別の有利な実施の形態では、ステップiii)における移送時に、搬送基板上に配置されている構成部材は、受け取り側基板に接触し、かつ/または圧力を加え、これによって、構成部材が搬送基板と受け取り側基板との間で維持されることが意図されている。このようにして、特に構成部材が搬送基板に固定されていない場合またはもはや固定されていない場合に、構成部材のスリップを阻止することができ、構成部材の固定および/または固定の解除時に、相応の位置を維持することができる。さらに、このように構成部材と受け取り側基板とを接触させることによって、たとえば、受け取り側基板への接合工程が可能になる。
【0021】
本発明の別の有利な実施の形態では、送り側基板および/または搬送基板および/または受け取り側基板および/または構成部材に、剥離層および/または付着層が被着されており、剥離層および/または付着層は特に剥離手段および/または接合手段の作用によって、固着領域における構成部材に対する、自身の固着特性を変化させることが意図されている。剥離層および付着層は、特に接合手段および/または剥離手段に反応する。したがって、たとえば、剥離層の上に固定されている構成部材を、剥離手段、特にレーザによって解放することができ、これは、剥離層がレーザによって融解され、これによって構成部材を剥がすことが可能になることによって行われる。接合手段、特にレーザの作用によって、構成部材を付着層に固着したままにするもしくは固定することができる。したがって、放射線を通す基板または基板に設けられた相応の孔と組み合わせることで、有利には、個々の構成部材を選択的に固定することができる、かつ/または固定を解除することができる。
【0022】
本発明の別の有利な実施の形態では、送り側基板および/または搬送基板および/または受け取り側基板は、レーザ放射に対して透過性に形成されていることが意図されている。これによって、レーザ放射の導入を、有利には、構成部材とは反対側を向いた、各基板の側から行うことができる。たとえば、送り側基板は、構成部材に面した側に剥離層を有しているガラスであってよい。この剥離層は、構成部材を送り側基板上に固定している。次いで、レーザ放射によって、剥離層が特に融解されるか、もしくは各構成部材の固着領域における剥離層の固着特性が低下させられ、それによって、各構成部材を剥がすことが可能になる。このような工程は、搬送基板および受け取り側基板にも準用して適用可能である。このような工程は、付着層の場合にも可能であり、この場合には、固着特性が高められるか、もしくは各構成部材が一時的にまたは永続的に接合される。基板は、たとえば孔を有していてもよく、これによって、レーザ放射に対する基板の透過性を前提条件とすることなく、レーザ放射を有利に導入することが可能になる。
【0023】
本発明の別の有利な実施の形態では、搬送基板は固定要素を有しており、固定要素は移送時に構成部材を特に表面付着によって固定することが意図されている。このような場合には、固定要素は、送り側基板上に提供されている構成部材に接触するかつ/または圧力を加える。これによって、構成部材は、搬送基板もしくは搬送基板の固定要素に固定される。固定要素が個別に駆動制御可能に構成されていてもよく、これによって、固定要素自体の選択的な引き継ぎが可能になる。このようなケースでは、移送されるべき構成部材だけが固定要素に固定される。別のケースでは、最初に、すべての構成部材が搬送基板に固定され、次いで受け取り側基板への移送時に、移送されるべき構成部材もしくは選択された構成部材だけが、駆動制御可能な固定要素によって受け取り側基板に移送されることも考えられる。このようにして、移送時の選択を、有利にかつ構成部材を保護して実行することができる。
【0024】
本発明の別の有利な実施の形態では、固定要素はポリマー材料から形成されており、かつ/または吸盤状に形成されていることが意図されている。固定要素は好ましくはプラスチックから形成されており、搬送基板の、構成部材に面する側に規則的に配置されている。特に、搬送基板は、各構成部材に対して、適した固定要素を有している。固定要素は好ましくは弾性的であり、これによって、特に固定時に、構成部材間の僅かな高さの差を補償することができる。また、柔軟かつ弾性的な搬送基板によって、高さの差の補償が支援されるもしくは可能になることも考えられる。さらに、吸盤状の形状は、これによって、追加の補助手段なしに構成部材を固定することができる表面付着作用を生ぜしめることができるため、有利である。
【0025】
本発明の別の有利な実施の形態では、特に機械的な手段および/または空圧式の手段によって、搬送基板が移送時に変形させられ、これによって、特に構成部材は、空間的かつ/または時間的にずらされて、固定要素から剥がれるかつ/または固定要素によって固定されることが意図されている。このようなケースでは、搬送基板は、好ましくはトランスファ型に配置されているもしくは取り付けられている。この変形、特に凹状または凸状の湾曲によって、移送時に、搬送基板もしくは固定要素との構成部材の接触の時点もしくは場所を調整することができる。さらに、搬送基板の変形によって、有利には、搬送基板に固定されている構成部材と、受け取り側基板および/または受け取り側基板上に配置されている他の構成部材との接触を調整することができる。有利には、受け取り側基板への移送後の構成部材の解放も調整可能である。この意味では、搬送基板は、接合手段および/または剥離手段としても理解され得る。送り側基板および/または受け取り側基板が、コントロールされて変形可能であるように構成されていることも考えられる。
【0026】
本発明の別の有利な実施の形態では、搬送基板は特に弾性的なフィルムであることが意図されている。搬送基板が弾性的なフィルムとして形成されている場合、特に、構成部材に対する穏やかな接触もしくは圧力の印加を行うことができる。さらに、このようなケースにおいて、フィルムは、より容易に変形可能である。好ましくは、特に機械的な手段および/または空圧式の手段によって、コントロールされてフィルムを変形することができるトランスファ型内にフィルムが配置されている。
【0027】
本発明の別の有利な実施の形態では、発光ダイオードは、特に種々異なる送り側基板によって提供された、上下に重なって配置されている複数の構成部材および/または相互に隣接して配置されている複数の構成部材から形成されていることが意図されている。したがって、複数の種々異なる構成部材が、受け取り側基板上に、かつ/または受け取り側基板上に配置されている他の構成部材上に移送され得る。したがって、特に、同じ機能を有する同じ電子的な構成部材のみが、各送り側基板上で作製もしくは提供される場合には、製造プロセスをよりフレキシブルに設計することができる。
【0028】
本発明の別の有利な実施の形態では、構成部材の位置が電子データ処理部(EDP)内に格納されることが意図されている。したがって、EDPは、どの構成部材がどのような順番で移送されるかを定めることができる。EDPが、受け取り側基板上のすでに移送された構成部材の現在の配置を考慮することも考えられる。さらに、EDPは、構成部材の位置を分析し、これに基づいて、個々の構成部材の固定もしくは固定の解除がより効率的に行われるように、接合手段もしくは剥離手段の駆動制御を行うことができる。特に、接合手段もしくは剥離手段は、隣接している複数の構成部材に同時に作用することができる。しかし、この際に、原則的には、個々の構成部材に影響を及ぼすことは可能なままである。
【0029】
本発明は、特に、機能しうる構成部材を、特に選択的に、送り側基板から受け取り側基板へ搬送する方法を記載する。ここで移送は、搬送基板を用いて行われる。構成部材は特に、マイクロチップ、メモリモジュール、LED、MEMS等である。相互に並んだ配向、配置または積層においてはじめて、元来の機能しうる構成部材をもたらす構成部材も考えられる。広い意味において、構成部材は、開示された文献に記載されている基板、特に、送り側基板、搬送基板および受け取り側基板よりも小さい部分を意味すると理解される。特に、構成部材は単に、特別な材料の層、特に酸化物層または窒化物層であってよい。
【0030】
本発明の別の有利な実施の形態では、機能しうる、損傷していない構成部材のみが受け取り側基板に移送されることが意図されている。この文脈において、機能しうる、損傷していない構成部材とは、電気的な検査に合格し、したがって機能する構成部材である。したがって、選択的な移送によって、機能しうる構成部材のみが送り側基板から受け取り側基板へ移送されることを保証することができる。このようにして、特に、不良に製造される製品の数を減らすことができ、より効率的な製造を行うことができる。
【0031】
本発明の別の有利な実施の形態では、接合手段および/または剥離手段はレーザであることが意図されている。レーザによって放射されるレーザ放射は大面積でかつ/または極めて点状に、基板もしくは構成部材に作用することができる。この際に、表面、特に、構成部材が固定されている、もしくは載置されているかつ/または固定されている、もしくは載置されるべき基板表面の部分領域の固着特性をレーザ放射によって変えることができる。レーザは、極めて位置特異的に作用することができるので、特に、個々の構成部材の固定または固定の解除に対してレーザは有利である。さらに、レーザ放射の導入を、特に複数のレーザによって迅速に行うことができる。さらに、検査に合格した複数の隣接する構成部材がまとめて固定される、または固定が、特に面状に作用するレーザによって同時に解除されることが考えられる。このようにして、移送を、より迅速かつより効率的に行うことができる。レーザが使用される場合、基板は、レーザ放射に対して透過性に形成されていてよい。ここでは、レーザ放射に対して透過性の材料ならびに基板における孔が考えられる。レーザ放射が、構成部材から横方向に、特に基板上に導入されてもよい。しかし、原則的に、他の物理的かつ/または化学的かつ/または機械的に作用する接合手段および剥離手段を使用することもできる。接合手段および/または剥離手段として使用されるレーザのレーザ放射は、10nm~100μm、好ましくは100nm~50μm、極めて好ましくは200nm~6μmの波長範囲における波長を有する。好ましい波長をより正確に示すことはできない。なぜなら、接合手段および剥離手段は、概して、相応の固着領域にも適合させる必要があるからである。レーザが接合手段および/または剥離手段として使用される場合、使用される波長および/または強度は特に、使用される固着領域の種類に関連する。
【0032】
構成部材を選択的に搬送することができる。同じ技術が、好ましくは、構成部材の接合および剥離のために使用される。
【0033】
構成部材
したがって、構成部材は、たとえば、次の対象物であってよい:
1.層、特に
1.1 酸化物層
1.2 窒化物層
1.3 金属層、特に
1.3.1 Cu、Ag、Au、Al、Fe、Ni、Co、Pt、W、Cr、Pb、Ti、Ta、Zn、Snから成る金属層
1.4 半導体層、特に
1.4.1 Ge、Si、α-Sn、フラーレン、B、Se、Teから成る半導体層
1.5 化合物半導体層、特に
1.5.1 GaAs、GaN、InP、InxGal-xN、InSb、InAs、GaSb、AlN、InN、Gap、BeTe、ZnO、CuInGaSe2、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、Hg(1-x)Cd(x)Te、BeSe、HgS、AlxGal-xAs、GaS、GaSe、GaTe、InS、InSe、InTe、CuInSe2、CuInS2、CuInGaS2、SiC、SiGeから成る化合物半導体層
1.6 ガラス、特に
1.6.1 サファイアガラス
2.機能しうる構成部材
2.1 機械的な構成部材、特に
2.1.1 MEMS
2.2 電子的な構成部材、特に
2.2.1 LED
2.2.2 チップ、特に
2.2.2.1 マイクロチップ
2.2.2.2 メモリチップ
【0034】
構成部材の厚さは、0μm~1000μm、好ましくは0μm~800μm、さらに好ましくは0μm~500μm、極めて好ましくは0μm~250μmであり、最も好ましくは0μm~100μmである。小型化のため、構成部材は今後、おそらく、10μmより薄くなるであろう。
【0035】
接合手段および剥離手段
本発明の本質的な特徴は、以降の文書ではまとめて手段とも称される、接合手段および剥離手段が、構成部材を基板に接合するために、もしくは構成部材を基板から剥離するために使用されるということにある。これらの手段は、概して、基板の面積全体にわたって、または極めて位置特異的に作用することができる。大面積にわたって作用する手段は、たとえば、面状放射器からの電磁放射、特に熱放射である。このとき、面状放射器は、好ましくは、少なくとも、基板の面積と同じ大きさの放射面積を有している。1つの基板の側に、このような、大面積にわたって作用する電磁放射を加えることによって、基板の片側に熱を加えることが可能になる。光学的なシステムによって幅が広げられており、作用されるべき表面に大面積で作用することができるレーザの使用も考えられるであろう。
【0036】
内部に基板が配置されているチャンバを、ある温度に加熱することも考えられる。しかしこのようなケースでは、基板は、両側で加熱されることになるだろう。
【0037】
使用される温度は、当然、構成部材および/または基板に損傷を与えない範囲にあるべきである。したがって、このような温度ができるだけ低いことが好ましい。本発明による作用が得られる温度は、1000℃未満、好ましくは500℃未満、さらに好ましくは250℃未満、極めて好ましくは100℃未満、最も好ましくは50℃未満である。
【0038】
特に好ましい実施の形態では、この手段は、特に可動の、局所的に限定されて作用する電磁的な放射器、特にレーザである。照射されるべき表面とレーザとの間の相対運動によって、局所的に所期のように調整可能な接合および/または剥離が可能になる。好ましくは、これらの手段自体は動かず、他方で、その上に1つもしくは複数の基板が固定される基板ホルダは動く。
【0039】
送り側基板
複数の構成部材を有する基板が送り側基板と称される。この基板は、搬送プロセスの開始時に存在し、受け取り側基板に搬送されるべき構成部材を提供する基板である。
【0040】
一実施の形態では、構成部材は、送り側基板上で製造されてよい、もしくは送り側基板から製造されてよい。特に、構成部材が単なる層である場合、構成部材は特別な物理的プロセスおよび/または化学的プロセスによって送り側基板上で直接的に作製されてよく、場合によってはさらなるプロセスステップによって構造化されてよい。
【0041】
別の実施の形態では、構成部材は別の箇所で製造され、送り側基板上に位置決めされており、これによって後続の搬送プロセスにおいて搬送基板によって受容される。ここでは、構成部材は、好ましくは、付着機構を介して送り側基板と結合されている。送り側基板は、好ましくは次のように構築されている。すなわち、構成部材を送り側基板に固定する付着機構を送り側基板の下側から弱めることができるように構築されている。好ましくはレーザによって、付着機構が弱められる。付着機構が弱められることによって、構成部材を、搬送基板上への後続の搬送プロセスにおいて、搬送基板に接合された後に、送り側基板から容易に除去することができる。付着機構を弱め、その後に構成部材を除去することは、剥離とも称される。特に、剥離プロセスを選択的に行うことができる。したがって、従前の、機能しうる、特に電気的な検査に合格した構成部材のみが送り側基板から剥がされることが考えられる。これによって、損傷している構成部材の搬送が阻止される。
【0042】
構成部材が送り側基板に置かれているだけであり、送り側基板と構成部材との間に特別な固定機構が作用しないことも考えられる。
【0043】
特に好ましい実施の形態では、送り側基板はガラス基板である。
【0044】
別の実施の形態では、送り側基板はウェハ、特にシリコンウェハである。
【0045】
別の実施の形態では、送り側基板はフィルムである。フィルムは、好ましくは、フィルムを固定し、かつ安定させるためにフレームに張られている。しかし、このプロセスを実行するために連続しているフィルムを有する装置を使用することも考えられる。
【0046】
極めて一般的な実施の形態では、送り側基板は、あらゆる種類の、特に平坦な表面であってよく、この表面から構成部材を取り外すことができる。たとえば、一種のテーブルの表面、機械の表面または花崗岩のスラブの表面が考えられるであろう。したがって、用語「送り側基板」は、他の2つの挙げられた基板種類、すなわち搬送基板および受け取り側基板とは対照的に、極めて広い意味で解釈されるべきである。
【0047】
搬送基板
搬送基板は、構成部材を送り側基板から受け取り側基板へ搬送するために用いられる。
【0048】
特に好ましい実施の形態では、搬送基板はフィルムである。フィルムは、好ましくは、フィルムを固定し、かつ安定させるためにフレームに張られている。しかし、このプロセスを実行するために連続しているフィルムを有する装置を使用することも考えられる。フィルムは、フィルムが弾性的かつ可撓性であるという利点を有しており、その結果、数マイクロメートルまたは数ナノメートルの高さの差がある場合でも、構成部材を、その下に位置する表面と接触させることが特に容易になる。
【0049】
好ましさが低い実施の形態では、搬送基板はガラス製である。
【0050】
極めて好ましさが低い実施の形態では、搬送基板はウェハであり、特にシリコンウェハである。
【0051】
一実施の形態では、搬送基板は、複数の固定要素を備える基板である。
【0052】
固定要素は、構成部材を固定された状態で保持するために機能する。固定要素は、
1.機械的な固定具、特に
1.1. クランプ
2.真空による固定具、特に、
2.1. 個別に制御可能な真空トラック
2.2. 互いに結合されている真空トラック
を有する、真空による固定具
3.電気による固定具、特に
3.1. 静電気による固定具
4.磁気による固定具
5.付着による固定具、特に
6.ゲルパック固定具
7.付着性の、特に駆動制御可能な表面を伴う固定具
であってよい。これらの固定要素は、特に電子的に駆動制御可能である。真空による固定具は、好ましくは、搬送基板の表面に現れる複数の真空トラックから成る。これらの真空トラックは、好ましくは、個別に制御可能である。
【0053】
固定要素は、搬送されるべき構成部材の大きさにほぼ等しい大きさを有しており、好ましくは搬送基板の表面に対称的に取り付けられている。固定要素は、好ましくは、吸盤状に構築されている。この種の搬送基板は、本発明の開示で詳細に説明されるトランスファ型に関連して使用される。
【0054】
受け取り側基板
受け取り側基板とは、特に複数の搬送基板のすべての構成部材および/または繰り返し使用される同一の搬送基板のすべての構成部材が固定される製品基板を意味すると理解される。
【0055】
複数の構成部材を、種々異なる送り側基板から、1つまたは複数の搬送基板を介して、同一の受け取り側基板へ搬送することができる。これによって、特に効率的で、とりわけ多様な構成部材の移送が可能になる。異なる機能を有する複数の構成部材が、複数の送り側基板もしくは複数の搬送基板ソースから、同一の受け取り側基板上に接合されてよい。この場合には、受け取り側基板への搬送もしくは移送とは、これらの構成部材が、すでに受け取り側基板上に配置されている構成部材、特に受け取り側基板上に接合されている構成部材に追従し得ることも意味する。
【0056】
開示された基板は、種々異なるコーティングがされ得る。特に、層は機能層であり、機能層の固着特性は外的影響によって変化し得る。これによって、構成部材を、一方の基板から他方の基板へ搬送することが可能になる。ここではとりわけ、局所的に、すなわち個々の構成部材に作用するように影響を与えることが意図されている。このような特徴は、固着特性に変化をもたらすために、特に、ウェハ全体に大面積で影響を与えるために熱が使用される従来技術とは決定的に異なっている。
【0057】
接合の種類
好ましくは、固着領域を介して、構成部材を支持体と接合するために、次の接合の種類うちの少なくとも1つが使用される:
・付着による接合、
・金属-金属接合、
・共晶接合、
・陽極接合または
・フュージョン接合
【0058】
次に、個々に列挙されたこれらの接合の種類を、それらの機能の様式に関してより詳細に説明する。
【0059】
付着による接合の場合、作用する接合手段、特にレーザが、使用される付着剤の接着特性を少なくとも改良することが考えられる。たとえば、付着剤の2つの成分の混合が、熱の導入によって行われ、接着特性が、この混合によってはじめて生じることが考えられるであろう。別の実施の形態では、付着による接合のための接合手段は、特に局所的に限定されて作用し、温度を低下させる冷却機器である。付着剤が、接着特性の決定的な原因となる分子側鎖を有することが考えられるであろう。冷却は熱の移動を減少させることができ、分子鎖は、特に自己集合によって、より顕著に平行に位置合わせされ、これは接着特性の向上を生じさせる。
【0060】
金属-金属接合の場合、接合原理は、2つの金属、特に完全に相互に混合可能な金属が、相互に接触し、接合手段、特にレーザの作用によって、圧縮および/または拡散によって、それらが相互に結合する程度まで加熱されることである。このように形成された接合は、多くの場合、特に金属間化合物相の形成時に分離が困難であるため、この接合は、特に最終的な状態のための接合、すなわち、それ以上、剥離の必要がない表面との構成部材の結合のための接合として使用されるべきである。
【0061】
共晶接合では、接合原理は、共晶を形成することができる少なくとも2つの金属が共晶温度を超えて加熱されることである。好ましくは、共晶温度が可能な限り低い金属の組み合わせが使用される。この結果、必要とされる温度上昇は僅かになる。このような共晶合金の利点は、共晶混合物が任意の頻度で融解可能であることである。したがって、融点が比較的高い金属-金属接合とは対照的に、共晶接合は、剥離工程にも適している。しかし、欠点は、共晶温度よりも高い温度で剥離工程が行われなければならないことであり、このような温度では、基板の一部を汚染し得る、無視できない量の融解物が存在している。
【0062】
陽極接合の場合、イオンの移動は、電場を適用することによって促進される。陽極接合は、主にガラス基板に対して使用される。この接合工程について、これ以上詳しくは述べない。この接合工程は当業者に知られている。
【0063】
本発明の方法にとって極めて重要な接合方法の1つは、フュージョン接合である。フュージョン接合の場合、特にクリーニングされ、プラズマで処理された、結合されるべき表面同士が、特に室温で互いに直接的に相互に接触する。これによって、予備接合が形成される。予備接合は、好ましくは温度上昇によって永久接合に移行する。そのようなメカニズムも、当業者によく知られている。フュージョン接合は、とりわけ、構成部材表面と支持体基板との間の予備接合が、構成部材を支持体基板に容易に剥離可能に、一時的に固定する迅速かつ効率的な手法であるので、本発明の方法にとって好ましい。このようなケースにおいて、支持体基板は、当然、フュージョン接合もしくは予備接合に適していなければならない。さらなる利点は、複数の構成部材を相互に直接的に、好ましくはいわゆるハイブリッド接合によって結合するために、半導体産業においてフュージョン接合が求められていることである。このような特に好ましい実施の形態は、本文書でより詳細に説明される。
【0064】
送り側基板から搬送基板への構成部材の搬送時に、構成部材を十分に良好に搬送基板に固定することができる接合方法が選択されなければならない。しかし、形成されたこのような接合は、搬送基板から受け取り側基板への構成部材の搬送時に、剥離手段によって再び十分に容易に剥離可能でなければならない。したがって、特に誤りなく、構成部材の搬送を円滑に行うことができるようにするために、接合の種類と接合手段もしくは剥離手段との正しい組み合わせが重要である。
【0065】
搬送基板は、特に好ましくは、接着層を有するフィルムまたは剛性の基板である。このようなケースでは、接着層の接着剤が自己接着性であってよく、すなわち、本発明の接合手段、たとえば接着剤によって活性化される必要はない。しかし、接着層の接着強度が、適切な接合手段の作用によって、少なくとも改良されるのは有利である。
【0066】
特定の実施の形態では、支持体に構成部材を接合するために、多層系が使用される。たとえば、剥離層(英語でrelease layer)および付着層(英語でadhesive layer)から成る層系が組み合わせられることが考えられる。剥離層は、反応層とも称され得る。なぜなら、剥離手段の作用が反応を生じさせ、これによって支持体と構成部材との間の固着性の低下がもたらされ、こうして支持体から構成部材を剥がすことが可能になるからである。剥離層と付着層との順序は任意であるが、好ましくは剥離層が支持体に被着されている。刊行物である国際公開第2017/076682号には、たとえば剥離層が、支持体基板にではなく製品基板に被着されている多層系が開示されている。本発明の開示では、固着領域のより一般的な概念の下に、このような多層系の使用がまとめられる。
【0067】
層系は、大面積で、複数の基板のうちの1つの基板および/または構成部材上に被着され得る。技術的には、遠心被覆および/または噴霧被覆等の公知のコーティング技術を使用することができるので、基板への層系の大面積での被着は比較的容易である。このような層系を基板に部分的に被着させることは可能であるが、コストの点で好ましさは低い。当然、その後の構造化を伴う層系の大面積での被着が考えられる。層系が構成部材上に被着されるべき場合、この層系は、構成部材の表面を好ましくは完全に覆う。
【0068】
搬送プロセス
本発明の第1の例示的な方法の第1のプロセスステップでは、構成部材は、送り側基板上で作製されるまたは送り側基板上に置かれる。構成部材を送り側基板上に備え付けることが可能であるまたは構成部材を送り側基板において直接的に製造することが可能である。構成部材は、特に所期のように制御されて、構成部材を送り側基板表面から容易に剥がすことができるように、特に、自身の第1の構成部材表面を介して送り側基板表面と結合されている。たとえば構成部材が単に送り側基板に置かれているだけであることによって、送り側基板と構成部材との間に結合が生じていない場合、構成部材は一層容易に、送り側基板から除去される。
【0069】
第1のプロセスの任意選択的な第2のステップでは、各個々の構成部材を、その機能性に関して検査することができる。不良な構成部材または規準に相当していない構成部材の位置は、構成部材のその後の搬送プロセスを阻止するために、コンピュータプログラムによって格納され得る。特に、このようなプロセスステップを、すでに第1のプロセスステップの前に、各構成部材に対して個別に実行することも可能である。しかし技術的には、最初に構成部材を位置決めし、次いで自動化された測定プローブによってこれらを迅速に検査することが有利であり得る。
【0070】
第1のプロセスの第3のプロセスステップでは、送り側基板に対する搬送基板の位置合わせが行われる。この位置合わせは、機械的かつ/または光学的に行われる。位置合わせは、好ましくは、送り側基板および搬送基板に設けられた位置合わせマークによって行われる。好ましくは位置合わせのために、光学的な位置合わせシステムが使用される。
【0071】
第1のプロセスの第4のプロセスステップでは、送り側基板上の、特に第1の構成部材表面の反対側に位置する構成部材の第2のプロセスの構成部材表面が、搬送基板表面と接触させられるまたは少なくとも送り側基板から搬送基板へ構成部材を移送することができるように搬送基板表面に近づけられる。特に、搬送基板および/または送り側基板が、第2の構成部材表面が搬送基板表面と接触するような程度まで局所的に変形させられることが必要であり得る。搬送基板がフィルムである場合、フィルムは局所的に極めて容易に変形可能であるため、この工程は特に容易に実行され得る。たとえば、フィルムの裏面からの小さな型による変形が考えられるであろう。この型は、特にレーザもしくはレーザ構成部材と組み合わされる。
【0072】
第1のプロセスの第5のプロセスステップでは、送り側基板上の構成部材の第2の構成部材表面と、搬送基板表面との間で接合が生じる。この接合は、好ましくは仮接合である。特に好ましい実施の形態では、各個別の構成部材の第2の構成部材表面と搬送基板表面との間の接合は、個別に、すなわち選択的に行われる。したがって、このようなプロセスステップにおいて、どの構成部材が搬送されるべきであるかに関して、すでに判断が下されてよい。特に好ましい実施の形態では、この接合は、レーザを用いて行われる。接合を形成する種々の手法は、公開されている文献において、他の箇所で、詳細に説明されている。
【0073】
第1のプロセスの第6のプロセスステップでは、送り側基板上の構成部材の第1の構成部材表面と送り側基板表面との間で剥離が行われる。
【0074】
プロセスステップ5とプロセスステップ6とが相互に交換されること、すなわち、送り側基板上の構成部材の第1の構成部材表面間の剥離プロセスが最初に行われ、その後にはじめて、構成部材の第2の構成部材表面と搬送基板との間の接合プロセスが行われることも考えられるであろう。プロセスステップ同士のこの交換は、特に両側で、構成部材を所定の位置に保持する、構成部材に作用する力によって可能になる。しかし、プロセスステップを交換する場合には、構成部材がスリップする危険性が生じる。接合プロセスと剥離プロセスとを同時に行うことも考えられるであろう。
【0075】
別の実施の形態では、接合プロセスと剥離プロセスとが同時に行われることが考えられるであろう。
【0076】
第1のプロセスの第7のプロセスステップでは、その前に備え付けが行われた搬送基板と受け取り側基板との位置合わせが行われる。この位置合わせは、機械的かつ/または光学的に行われる。好ましくは、位置合わせは、搬送基板および受け取り側基板に設けられている位置合わせマークによって行われる。位置合わせのために、好ましくは光学的な位置合わせシステムが使用される。
【0077】
第1のプロセスの第8のプロセスステップでは、搬送基板上の構成部材の第1の構成部材表面が、受け取り側基板表面または受け取り側基板上にすでに備え付けられている他の構成部材の第2の表面と接触させられる。特に、第1の構成部材表面が受け取り側基板表面もしくはその前に固定された構成部材の表面に接触する程度に、搬送基板および/または受け取り側基板を局所的に変形させることが必要な場合がある。変形のすべての利点および欠点は、構成部材が搬送基板上に受容される際の第4のステップですでに説明されており、相応に、第8のステップに対して準用して適用され得る。
【0078】
第9のプロセスステップでは、再び剥離工程および接合工程が実行される。この度の剥離工程は、搬送基板における構成部材と搬送基板との間で行われ、また構成部材は、特に同時に、受け取り側基板表面に、または受け取り側基板上にすでに備え付けられている他の構成部材の第2の表面と接合される。この際に適用される接合工程もしくは剥離工程は、本開示に記載されており、必要な各状況に応じて選択される。特に、複数の構成部材が互いに上下に積層される場合、これらの構成部材は、それらがハイブリッド表面を有する限り、フュージョン接合、好ましくはハイブリッド接合される。ハイブリッド接合によって、有利には、構成部材間に必要な導電接続が形成される。
【0079】
本発明の第2の例示的な搬送プロセスでは、搬送基板は、特に、表面付着によって構成部材を固定することができる個々の固定要素を有している。これらの固定要素は、好ましくは極めて弾性的であり、曲がることおよび伸びることが可能な、好ましくはポリマー材料から製造された物体である。固定要素は明らかに、一種の吸盤と考えられる。このような支持体を用いる場合、特に全く異なる接合および剥離手段が用いられる。
【0080】
このようなケースでは、接合手段は、特に力の印加と組み合わされた、送り側基板上の構成部材との固定要素の接触を意味すると理解される。力の印加は、押圧要素、たとえばローラによって行われてよい。
【0081】
作用する力は、0MPa~1000MPa、好ましくは0MPa~750MPa、さらに好ましくは0MPa~500MPa、極めて好ましくは0MPa~250MPa、最も好ましくは0MPa~100MPaの範囲にある。
【0082】
また、その内部で固定要素が構成部材と接触するチャンバ内の圧力を上昇させることも考えられる。これによって、固定要素は、構成部材により強く押し付けられる。
【0083】
このようなケースでは、剥離手段は、とりわけ、構成部材が受け取り側基板上に固定された後に、特に永久接合された後に、固定要素が漸次的に、特に外側から内側に向かって構成部材から剥がれる形態での搬送基板の湾曲と理解される。このような接合工程は、たとえば、第1のプロセスの接合手段を用いて、たとえばレーザを用いて、極めて良好に行われ得る。
【0084】
本発明の第2の例示的な方法では、複数の固定要素を備えた搬送基板を下面に有しているトランスファ型が使用される。このプロセスはとりわけ、単純な搬送基板よりもやや複雑にトランスファ型が構築されているという点で異なっている。これは、搬送基板の他に、好ましくはさらに別のコントロール手段を備えており、このコントロール手段は、特に搬送基板の湾曲に影響を及ぼすことができ、とりわけ、搬送基板の湾曲を制御することができる。さらに、この搬送基板は、上述した搬送基板には存在していない固定要素を有している。その後ろに位置する型を有していない、各固定要素を備える搬送基板の使用も考えられるであろう。しかしこの場合には、接合および剥離のための湾曲が、他の機械的な手段および/または空圧式の手段および/または液圧式の手段によって行われなければならず、これらの手段は、搬送基板から独立して考慮されるべきであろう。次に、第2のプロセスを詳細に説明する。
【0085】
第2のプロセスの第1のプロセスステップでは、構成部材は、送り側基板上で作製されるまたは送り側基板上に置かれる。構成部材を送り側基板上に備え付けることが可能であるまたは構成部材を送り側基板において直接的に製造することが可能である。構成部材は、特に所期のように制御されて、構成部材を送り側基板表面から容易に剥がすことができるように、自身の第1の構成部材表面を介して送り側基板表面と結合されていなければならない。たとえば構成部材が単に送り側基板に置かれているだけであることによって、送り側基板と構成部材との間に結合が生じていない場合、構成部材は一層容易に、送り側基板から除去される。しかし、不利なことに、これによって、このようなケースでは、構成部材がスリップしてしまうことがある。このスリップは、別のプロセスステップにおいて、これらの構成部材が搬送基板と接触する前および/または接触する間に生じる。
【0086】
第2のプロセスの任意選択的な第2のステップでは、個々の各構成部材を、その機能性に関して検査することができる。不良な構成部材または規準に相当していない構成部材の位置は、構成部材のその後の搬送プロセスを阻止するために、コンピュータプログラムによって格納され得る。特に、このようなステップを、すでに第1のステップの前に、各構成部材に対して個別に実行することも可能である。しかし技術的には、最初に構成部材を位置決めし、次いで自動化された測定プローブによってこれらを迅速に検査することが有利であり得る。
【0087】
第2のプロセスの第3のプロセスステップでは、搬送基板に対する送り側基板の位置合わせが行われる。搬送基板は、好ましくはトランスファ型の一部であるが、単独で使用することも可能である。第1のプロセスの搬送基板とは対照的に、搬送基板は、複数の固定要素を有している。この位置合わせは、機械的かつ/または光学的に行われる。位置合わせは、好ましくは、送り側基板および搬送基板に設けられた位置合わせマークによって行われる。好ましくは、位置合わせのために、光学的な位置合わせシステムが使用される。搬送基板は特に、搬送基板の固定要素が、搬送されるべき構成部材の上に位置するように位置決めされる。このような態様は、第1のプロセスとは異なる。
【0088】
第2のプロセスの第4のプロセスステップでは、送り側基板上の構成部材の第2の構成部材表面が、固定要素の固定要素表面と接触させられる。特に、搬送基板および/または送り側基板が、第2の構成部材表面が固定要素表面と接触する程度まで局所的に変形させられることが必要であり得る。搬送基板がフィルムである場合、フィルムは局所的に極めて容易に変形可能であるため、この工程は特に容易に実行可能である。しかし、固定要素とフィルムとの組み合わせは、フィルムが固定要素に対して過度に低い安定性を有している場合があるため、技術的に不利である。したがって、固定要素は、好ましくは、所要の安定性、特にある程度の剛性を有する搬送基板上に製造または固定される。固定要素は、好ましくはポリマー固定要素、特に吸盤状の固定要素であるので、過剰圧力を発生させることによって搬送基板を変形させることが考えられる。構成部材が真空において送り側基板から搬送基板へ移送されるべき場合、圧力を加えるために機械的な補助手段、特にローラを使用することが考えられる。しかし、特に単純な実施の形態では、単に搬送基板が送り側基板の方向へ次のような程度、移動させられる。すなわち、この移動によって、固定要素と構成部材との間の完全な接触を生じさせるために十分な圧力が形成される程度、移動させられる。
【0089】
第2のプロセスの第5のプロセスステップでは、送り側基板上の構成部材の第2の構成部材表面と、搬送基板表面との間で接合が生じる。この接合は、好ましくは仮接合である。特に好ましい実施の形態では、各個別の構成部材の第2の構成部材表面と搬送基板表面との間の接合は、個別に、すなわち選択的に行われる。したがって、このようなプロセスステップにおいて、そもそもどの構成部材が搬送されるべきであるかに関して、すでに判断が下されてよい。しかし、第2のプロセスでは、固定要素が使用されるので、固定要素自体が切り替え可能であるもしくは調整可能である場合にのみ、搬送されるべき構成部材の選択的な選択を行うことができる。電流によって自身の付着特性を変化させることができる、切り替え可能な付着性の固定要素が考えられるであろう。固定要素が吸盤状に形成されている場合には、所期の局所的な力の作用によって選択的な接合工程を生じさせることが考えられるであろう。しかし、このためには、裏面から力を加える手段が、それ自体、局所的に選択的に作用することが可能でなければならない、すなわち、これが制限された直径を有していなければならない。たとえばピンの使用が考えられるであろう。特に、トランスファ型が使用される場合、このようなピンはおそらくトランスファ型の内部に位置していなければならない。これに相応して、トランスファ型の設計が複雑になるであろう。しかし、z方向にピンを移動させることができる、小型のx-y並進ユニットをトランスファ型表面の背後に設けることが考えられるであろう。トランスファ型が省略される場合、力を加える手段は、構成部材の搬送が行われるシステムの一部であるはずである。
【0090】
第2のプロセスの第6のプロセスステップでは、送り側基板上の構成部材の第1の構成部材表面と送り側基板面との間で剥離が行われる。
【0091】
プロセスステップ5とプロセスステップ6とが相互に交換されること、すなわち、送り側基板上の構成部材の第1の構成部材表面間の剥離プロセスが最初に行われ、その後にはじめて、構成部材の第2の構成部材表面と搬送基板との間で接合プロセスが行われることも考えられるであろう。プロセスステップ同士のこの交換は、特に両側で、構成部材を所定の位置に保持する、構成部材に作用する力によって可能になる。しかし、プロセスステップを交換する場合には、構成部材がスリップする危険性が生じる。
【0092】
別の実施の形態では、接合プロセスと剥離プロセスとが同時に行われることが考えられるであろう。
【0093】
第2のプロセスの第7のプロセスステップでは、その前に備え付けが行われた搬送基板と受け取り側基板との位置合わせが行われる。この位置合わせは、機械的かつ/または光学的に行われる。好ましくは、位置合わせは、搬送基板および受け取り側基板に設けられている位置合わせマークによって行われる。位置合わせのために、好ましくは光学的な位置合わせシステムが使用される。
【0094】
第2のプロセスの第8のプロセスステップでは、搬送基板上の構成部材の第1の構成部材表面が、受け取り側基板表面または受け取り側基板上にすでに備え付けられている他の構成部材の第2の表面と接触させられる。特に、第1の構成部材表面が受け取り側基板表面に接触する程度に、搬送基板および/または受け取り側基板を局所的または全体的に変形させることが必要な場合がある。とりわけ、搬送基板の背後に配置された押圧装置による搬送基板の全体的な湾曲が考えられる。
【0095】
第9のプロセスステップは、とりわけ、剥離工程に相当する、搬送基板の固定要素からの構成部材の剥離を含んでいる。構成部材と、受け取り側基板表面もしくは受け取り側基板上にすでに備え付けられている他の構成部材の第2の表面との間の接合工程はここでも、本開示においてすでに挙げられている方式と同様に行われる。今回も、これは、フュージョン接合、好ましくはハイブリッド接合である。
【0096】
この変形のすべての利点および欠点は、構成部材が搬送基板上に受容される際の第4のステップですでに説明されており、相応に、第8のステップに対して準用して適用され得る。
【0097】
すなわち、第1のプロセスと第2のプロセスとの違いは、とりわけ、第2のプロセスでは固定要素が重要な技術的なコンポーネントとして使用されるということである。
【0098】
構成部材の位置決めもしくは配置が重要な課題である。本発明の特別な発展形態では、各構成部材の位置は自己集合プロセス自体によって確定される。このために、構成部材が位置決めされるべき表面が特別に準備されなければならない。
【0099】
自己集合の一実施の形態は、表面を付着防止層(英語でASL、anti sticking layer)でコーティングすることであり、付着防止層は、表面のうち、構成部材が位置決めされてはならない領域のみを覆う。このような領域は、以降で、ASL領域と称される。構成部材が位置決めされるべき表面の領域は、付着防止層によって覆われるべきではなく、したがって、特に付着防止層に対して相対的に高い付着性を有している。このような領域は、以降では付着領域と称される。ここで、構成部材が付着領域上に位置決めされると、構成部材が、付着領域に存在している付着性勾配によって移動するため、マイクロメートル範囲またはナノメートル範囲の位置決めエラーが自動的に修正される。付着領域自体は、好ましくは対称的であり、特に少なくとも矩形である。付着領域の対称性が高いほど、自己集合プロセスが効率的になる。
【0100】
自己集合のさらなる実施の形態は、構成部材が位置決めされるべき領域が流体でコーティングされることである。構成部材が位置決めされるべきではない残りの周囲領域は、未処理のままである。これらの領域のうちの1つの領域に構成部材が置かれると、構成部材は、生じている付着プロセスおよびエネルギ最小化プロセスによって流体の中心に引き込まれて、自己集合プロセスによって流体に対して対称的に位置決めされる。すなわち、流体が、特にマイクロメートル精度またはナノメートル精度で、極めて正確に堆積し、位置決めされるべき構成部材の接触面が流体と同じ形状を有している場合、構成部材は、好ましくは、構成部材が流体に対して対称的に静止状態になるように位置合わせされる。いわば、構成部材は流体の上に浮いている。本発明によるこのような自己集合は当然、流体が表面と構成部材との間で永続的に、または少なくとも、別の基板へ構成部材がさらに除去されるまで存在することが許される場合にのみ、意味を成す。
【0101】
多層LED
特に好ましい実施の形態では、この方法は、発光ダイオード(LED)、好ましくは白色光LED(wLED)を作製するために使用される。wLEDは、様々な様式で製造され得る。
【0102】
半導体産業において製造される白色光にはいくつかの種類がある。1つの手法は、燐光層の使用であり、これは励起放射が照射されて、より広帯域の光スペクトルを放出する(国際公開第2013/041136号)。
【0103】
白色光を生成するための別の手法は、3つの個々のLEDから成るwLEDを製造することであり、これらの3つの個々のLEDのうちの各個々のLEDは、特定の波長範囲、特に、赤色(rLED)、緑色(gLED)および青色(bLED)の波長範囲において光を放出する。これら3つの色成分を混合することによって白色光を生成することができる。3つの個々のLEDはそれぞれ、概して、種々異なる材料および製造プロセス等によって生成される。個々のLEDのそれぞれは、プロセスの助けを借りて、完全に機能するwLEDを形成するために受け取り側基板上で組み合わせることができる構成部材と見なされる。
【0104】
本発明の第1の例示的な実施の形態では、作製されるべきwLEDは、互いに並んで配置されている3つのLED(rLED、gLEDおよびbLED)から成る。
【0105】
第2の好ましい実施の形態では、作製されるべきwLEDは、互いに上下に積層された3つのLED(rLED、gLEDおよびbLED)から成る。最下のLEDおよび/または中間のLEDの光が、その上に位置する1つもしくは複数のLEDによって過度に強く吸収されないことを保証するために、LEDの大きさは、底部から頂部に向かって連続的に減少してよい。改良された第2の実施の形態では、最下のLEDは大面積であり、その上に接合されている、中間のLEDは環状であり、最上のLEDも環状であり、これは、中間のLEDよりも大きい内半径を有している。環状のLEDの形状は、矩形または円形であってよい。
【0106】
LEDは、好ましくは、その上に位置するLEDによる吸収が最小限に抑えられるように積層される。正しい順序は、概して、経験によって定められる必要があり、これはとりわけ個々のLEDの材料に関連する。
【0107】
本発明のさらなる利点、特徴および詳細は、好ましい実施例の以降の説明から、図面に基づいて明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
図1a】本発明の例示的な方法の第1のプロセスステップを示す図である。
図1b】第2のプロセスステップを示す図である。
図1c】第3のプロセスステップを示す図である。
図1d】第4のプロセスステップを示す図である。
図1e】第5のプロセスステップを示す図である。
図1f】第6のプロセスステップを示す図である。
図2】完全な備え付けが行われた、本発明の受け取り側基板を示す図である。
図3a】第1の位置におけるトランスファ型を備えた搬送基板を示す図である。
図3b】第2の位置におけるトランスファ型を示す図である。
図3c】第3の位置におけるトランスファ型を示す図である。
図4】本発明の第1の白色光ダイオード(wLED)を示す図である。
図5】本発明の第2の白色光ダイオード(wLED)を示す図である。
【0109】
図面では、同じ構成部材または同じ機能を有する構成部材は、同じ参照符号によって示されている。
【0110】
図は縮尺通りに描かれていない。特に、固着領域3は、見やすくするために極めて厚く表されている。固着領域3を誇張して表示するのは、固着領域3を生じさせるもしくは再び分解する接合手段6および剥離手段7の使用が、本発明の本質的な特徴だからである。固着領域3が見えるように表されている場合、特に固着は、固着領域3に接触する構成部材間に生じている。固着領域3が表されていない場合、このような固着は生じていないかまたは技術的に無視できる程度に僅かに生じている。固着領域3が特定の位置に示されていないことは、この位置に、固着剤、たとえば接着剤が配置されなくてよいことを意味するものではない。これは、単に、特に固着作用が剥離手段7によって変えられ、特に低減され、または完全に除去されたことによって、固着剤、特に接着剤が固着作用を有していない、または少なくとも無視できる程度の固着作用しか有していないことを意味している。
【0111】
図1aは、送り側基板1に複数の構成部材2が提供される第1のプロセスステップを示している。構成部材2は、好ましくは、このようなプロセスステップにおいてすでに固着領域3を介して送り側基板1と固定的に結合されているので、構成部材2のスリップは阻止される。構成部材2と送り側基板1との間の固定的な結合は、化学的な固着領域3および/または物理的な固着領域3によって形成される。固着領域3は、たとえば、送り側基板1と構成部材2との間の固着剤として作用する接着剤であってよい。固着領域が、送り側基板1の表面と構成部材2との間に直接的な付着力、特にファンデルワールス力が作用する、マイクロメートルまたはナノメートルの大きさの領域であることも考えられる。固着領域3が、金属合金、特にはんだであることも考えられる。固着領域3が接着フィルムであることも考えられる。一概に、構成部材2を送り側基板1に固定することができる、すべての化学的作用および/または物理的作用および/または材料および/または対象物が固着領域3に該当する。固着領域3は、図1では、常に、構成部材2と送り側基板1との間の境界においてのみ示されている。しかし、固着領域3が搬送基板表面1o全体にわたって延びていることも考えられる。特に、固着領域3は、コーティングプロセス、特に遠心被覆プロセスによって被着された層である。また、構成部材2が、相応のコーティングプロセスによって、はじめに大面積で被着され、他のプロセスステップによって相応に構造化された層、特に酸化物層または窒化物層であることが考えられる。このようなケースでは、固着領域3は、単に、境界面、層と送り側基板1との間の界面だけに相当する。すなわち、このようなケースでは、層は、直接的に送り側基板1と結合されている。当然、構成部材2が単に、相応に析出され、構造化された層系であることも考えられる。送り側基板1は、すべての図において例示的にウェハとして示されているが、原則的に、あらゆる種類の基板、特にガラス基板またはフィルムであってよい。
【0112】
図1bは、第2のプロセスステップを示しており、この第2のプロセスステップでは、搬送基板4、特に、フレーム5に張られているフィルムが、送り側基板1の構成部材2上に位置決めされ、固定される。特に、搬送基板4の裏面からの圧力印加は僅かでよい。フィルムとして形成されている搬送基板4が張られているフレーム5が、搬送基板4が予負荷され、構成部材2を押すように、送り側基板1の方向に動かされることも考えられる。特に、搬送基板4は、接触の前に、送り側基板1に対して相対的に位置合わせされていてよい。この位置合わせは、好ましくは、位置合わせマーク(図示せず)および光学的な補助手段、特に位置合わせシステム(英語でaligner(図示せず))を用いて行われる。
【0113】
図1cは、第3のプロセスステップを示しており、この第3のプロセスステップでは、接合手段6を用いた、特にレーザを用いた構成部材2の接合工程が、構成部材表面2oにわたって、構成部材2と搬送基板4との間に固着領域3が形成されるように行われる。剥離手段7を用いた、好ましくは同様にレーザを用いた剥離工程が、特に同時に、より好ましくは僅かな時間的なオフセットおよび/または距離的なオフセットを伴って行われる。このような剥離工程は、好ましくは、送り側基板1を通じて行われる。搬送基板4の側からの剥離も考えられるであろう。しかし、この場合には、剥離のための剥離手段7は、搬送基板4と構成部材2との間の固着領域3との相互作用を有してはならない。特に好ましい実施の形態では、接合工程と剥離工程とが同時に実行されるだろう。たとえば、レーザの使用も考えられるであろう。このレーザは、一方では接合手段6として作用して、構成部材2と搬送基板4との間で接合工程を実行し、他方では剥離手段7として作用して、構成部材2と送り側基板1との間で剥離工程を実行する。これに相応して、固着領域3が、構成部材2の各異なる側において、レーザ6の光子に対して異なる反応を示さなければならない。図では、例として、4つの構成部材2の接合工程もしくは剥離工程(この点に関しては図1dも参照されたい)のみが示されており、これによって搬送プロセスが、すでにこのようなプロセスステップにおいて選択的に行われ得ることが示されている。選択的な搬送プロセスの理由は、構成部材2の一部が不良であり、したがって搬送されてはならないということであろう。当然、すべての構成部材2を搬送することもできる。特に、はじめは、不良な構成部材2は送り側基板上に全く存在していないはずである。しかし、構成部材が送り側基板1上で製造される場合、構成部材2の一部が製造プロセス中に不良になる可能性がある。このようなケースでは、選択的な選択は、技術的に意味があり、必要なことであろう。
【0114】
図1dは、第4のプロセスステップを示しており、この第4のプロセスステップでは、搬送基板4が受け取り側基板8上に位置決めされ、特に受け取り側基板8に対して位置合わせされる。位置合わせは、好ましくは位置合わせマーク(図示せず)および光学的な位置合わせシステム(図示せず)を用いて行われる。
【0115】
図1eは、第5のプロセスステップを示しており、この第5のプロセスステップでは、搬送基板4の構成部材2を、受け取り側基板8の構成部材2と接触させた後、剥離手段7、特にレーザが、好ましくは搬送基板4の裏面を通じて、搬送基板4の構成部材2と搬送基板4との間で、剥離工程を実行する。特に、構成部材2間の固着領域3の形成が、接合手段6を用いて、同時に行われる。図では、例として、搬送プロセスをこのようなプロセスステップにおいても選択的に行うことが可能であることを示すために、3つの構成部材2の剥離工程のみが示されている。
【0116】
極めて好ましい実施の形態では、構成部材2は、選択的に作用する剥離手段7によって、搬送基板4からのみ剥がされる。他方で、接合手段6は、選択的な接合手段ではなく、面にわたって作用する接合手段である。たとえば、周囲領域の加熱が考えられるであろう。これは、特に、構成部材2が、金属物理的な接合プロセスまたはフュージョン接合プロセスによって互いに永久的に結合されるべき場合に意味を有し得る。
【0117】
図1fは、第6のプロセスステップを示しており、この第6のプロセスステップでは、唯一の残りの構成部材2を有している搬送基板4が外され、除去される。合計で3つの構成部材2が移送されたことが分かる。図1eに示された、接合手段6を用いた接合工程が、特に、はじめてこのようなステップにおいて実行されてもよい。ここで搬送基板4は依然として、たとえば別の受け取り側基板8に搬送され得る構成部材2を有している。
【0118】
当然、送り側基板1から受け取り側基板8へ、常に同数の構成部材2が搬送されるのが好ましい。概して、構成部材2の各構成部材層は、受け取り側基板8において常に最初に完全に備え付けられる。その後にはじめて、特に異なる機能も有し得る他の構成部材2が、他の構成部材層に構築可能であり、かつ構築されるべきである。
【0119】
したがって、図1a~図1fのプロセスステップは、常に、1つの構成部材層の多数の構成部材2の搬送だけを示している。その後、図1a~図1fのプロセスステップを任意の回数だけ繰り返すことができ、これによって他の構成部材層、概して任意の数の構成部材層が構築される。
【0120】
第2のプロセスは、明確には図示されていない。これはとりわけ、図3a~図3cに示され、説明されるトランスファ型11が、構成部材2の搬送に使用されるという特徴を有している。トランスファ型11は、構成部材2の搬送のために、他の接合手段および剥離手段と一緒に使用されてよい。特に、構成部材2の搬送は、搬送基板4’の固定要素10が、別の接合手段を使用する必要なく、構成部材2を固定することができることによって容易になる。この場合、搬送基板4’の固定要素10からの構成部材2の剥離は、好ましくは、図3bまたは図3cのいずれかによる搬送基板4’の湾曲によって行われる。しかし、ここでは、送り側基板1からの剥離工程もしくは受け取り側基板8への接合工程は、同様に、上述の接合手段および/または剥離手段(6,7)によって行われ得る。すなわち、湾曲可能な搬送基板4’および/またはトランスファ型全体が、同時に接合手段および剥離手段(6,7)を表している。
【0121】
図2は、その上に複数の構成部材群、特に白色光LED9がこの方法によって製造された、受け取り側基板8の完成品を示している。白色光LED9はここで、3つの異なる構成部材2、2’、2’’から成る。各構成部材2、2’、2’’は、固有の単色LED、すなわち極めて特有の波長範囲のための発光ダイオードである。たとえば、構成部材2は赤色光LED(rLED)、構成部材2’は緑色光LED(gLED)、構成部材2’’は青色光LED(bLED)である。したがって、単色LEDの組み合わせによって、白色光LED9を容易に製造することができる。白色光LED9のさらなる実施の形態は、他の図面および図面の説明において説明されている。
【0122】
さらなる図では、白色光LED9の特別な実施の形態が表されている。このプロセスによって、このような白色光LED9が製造される。単色LED2、2’、2’’のためのダイオードの種々異なる半導体領域は、接点と同様に表されていない。白色光LED9は、実施の形態を示すことのみを目的として表されている。
【0123】
図3aは、第1の位置におけるトランスファ型11を示している。トランスファ型11は、複数の固定要素10を有している搬送基板4’から成る。固定要素10は、固定要素表面を介して、対応する構成部材2(図示せず)を固定する。トランスファ型11は、搬送基板4’を変形することができる変形要素12を有することができる。変形要素12は、特に相応の機構によって、トランスファ型11の内部において、x-y-z方向に移動することができ、したがって、搬送基板4’を局所的に湾曲させることができるピンであってよい。このようなケースでは、変形要素12は、供給ラインとして表されており、流体、特にガスまたはガス混合物をチャンバ内に導くことができる。
【0124】
図3bは、第2の位置におけるトランスファ型11を示している。変形要素12によって、搬送基板4’は凹状に湾曲される。変形要素12が供給ラインである場合、この湾曲は、特に内部空間を真空にすることによって行われる。
【0125】
図3cは、第2の位置におけるトランスファ型11を示している。変形要素12によって、搬送基板4’は凸状に湾曲される。変形要素12が供給ラインである場合、この湾曲は、特に内部空間に過剰圧力を生じさせることによって行われる。
【0126】
図4は、単色LED2、2’、2’’から成る第1の白色光LED9を示している。単色LED2’および2’’は、ここでは環状に製造されている。最下のLED2は、大面積で形成されている。LED2’および2’’の環状の開口部は、下方の1つもしくは複数のLEDが光子を放出することを可能にする。赤色、緑色および青色の3つの波長範囲における光子の放出によって、白色光LED9を容易に製造することができる。特に、このプロセスは、LED2、2’、2’’の積層を行うために使用され得る。単色LED2、2’、2’’の環状の形状は、任意であってよく、好ましくは矩形であり、より好ましくは円形である。
【0127】
図5は、第2の白色光LED9’を示しており、ここでは、個々のLED2、2’、2’’は、大きさおよび相対的な位置において相違している。
【符号の説明】
【0128】
1 送り側基板
1o 送り側基板表面
2,2’,2’’ 構成部材
3 固着領域
4,4’ 搬送基板
5 フレーム
6 接合手段
7 剥離手段
8 受け取り側基板
9 LED
10 固定要素
10o 固定要素表面
11 固定型
12 変形要素
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図1f
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-07-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送り側基板(1)から受け取り側基板(8)へ構成部材(2,2’,2’’)を移送する方法であって、
i)前記送り側基板(1)上で前記構成部材(2,2’,2’’)を提供および/または作製するステップ、
ii)前記送り側基板(1)の前記構成部材(2,2’,2’’)を搬送基板(4,4’)へ移送するステップ、
iii)前記搬送基板(4,4’)から前記受け取り側基板(8)へ前記構成部材(2,2’,2’’)を移送するステップ
を有しており、
前記構成部材(2,2’,2’’)は接合手段(6)および/または剥離手段(7)を用いて選択的に移送可能であ
前記搬送基板(4,4’)は、静電気による固定具を有する、
方法。
【請求項2】
個々の構成部材(2,2’,2’’)または複数の構成部材(2,2’,2’’)を、局所的に限定して、ステップii)および/またはステップiii)における前記移送時に、前記接合手段(6)によって固定する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
個々の構成部材(2,2’,2’’)または複数の構成部材(2,2’,2’’)を、局所的に限定して、ステップii)および/またはステップiii)における前記移送時に、前記剥離手段(7)によって解放する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記選択のために、前記構成部材(2,2’,2’’)を少なくとも1回機能性に関して検査する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
ステップii)における前記移送時に、前記搬送基板(4,4’)は、前記送り側基板(1)上に提供されている前記構成部材(2,2’,2’’)に接触し、かつ/または圧力を加え、これによって、前記構成部材(2,2’,2’’)を前記送り側基板(1)と前記搬送基板(4,4’)との間で、特定の位置に維持する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
ステップiii)における前記移送時に、前記搬送基板(4,4’)上に配置されている前記構成部材(2,2’,2’’)は、前記受け取り側基板(8)に接触し、かつ/または圧力を加え、これによって、前記構成部材(2,2’,2’’)を前記搬送基板(4,4’)と前記受け取り側基板(8)との間で維持する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記送り側基板(1)および/または前記搬送基板(4,4’)および/または前記受け取り側基板(8)および/または前記構成部材(2,2’,2’’)それぞれに、剥離層および/または付着層を被着させ、前記剥離層および/または前記付着層は、固着領域(3)における前記構成部材(2,2’,2’’)に対する、自身の固着特性を変化させる、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記接合手段(6)は、レーザ放射線であり、
前記送り側基板(1)および/または前記搬送基板(4,4’)および/または前記受け取り側基板(8)は、前記レーザ放射線に対して透過性に形成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記搬送基板(4,4’)は固定要素(10)を有しており、前記固定要素(10)は前記移送時に前記構成部材(2,2’,2’’)を固定する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記固定要素(10)はポリマー材料から形成されており、かつ/または吸盤状に形成されている、請求項記載の方法。
【請求項11】
記搬送基板(4,4’)を前記移送時に変形させ、これによって、前記固定要素(10)から剥がす、かつ/または前記固定要素(10)によって固定する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記搬送基板(4,4’)はフィルムである、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか1項項記載の方法による、構成部材(2,2’,2’’)を移送する装置であって、
送り側基板(1)上で構成部材(2,2’,2’’)が作製可能でありかつ/または提供可能であり、
前記送り側基板(1)の前記構成部材(2,2’,2’’)が搬送基板(4,4’)に移送可能であり、
前記構成部材(2,2’,2’’)が前記搬送基板(4,4’)から受け取り側基板(8)に移送可能であり、
支持体基板および/または前記受け取り側基板への前記構成部材(2,2’,2’’)の前記移送が、接合手段(6)および/または剥離手段(7)によって選択的に実行可能である、
装置。
【請求項14】
請求項1から12までのいずれか1項記載の方法によって製造された発光ダイオード(LED)(9)。
【請求項15】
前記発光ダイオード(9)は、上下に重なって配置されている複数の構成部材(2,2’,2’’)および/または相互に隣接して配置されている複数の構成部材(2,2’,2’’)から形成されている、請求項14記載の発光ダイオード(9)。
【外国語明細書】