(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013846
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】近接検知装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20240125BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
G06F3/041 580
G06F3/041 512
G06F3/044 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116236
(22)【出願日】2022-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002941
【氏名又は名称】弁理士法人ぱるも特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿野 賢児
(57)【要約】
【課題】近接する指を検知するための十分な感度を得るため、電極の結合数を増やしていくと、近接検知距離は確保できるものの、近接検知可能な領域が狭くなるという問題がある。
【解決手段】複数の電極を有するタッチパネルの端部から電極を順次結合するとともに、あらかじめ定めた最大電極結合数となったときに、一部の電極がオーバーラップするようにあらかじめ定めた電極スライド数ずつずらしながら順次結合して結合電極とすることにより、電極の結合数を増やして感度を上げた場合でも検出範囲を狭めることなく高い分解能で近接検知が可能となるとともに、タッチパネルの端部を接触した場合と端部から少し離れた部分に指が近接した場合の区別を行うことが容易となる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知対象物の近接および接触によって静電容量が変化する複数の電極を有するタッチパネル、
前記タッチパネルの端部の電極からあらかじめ定められた方向に電極を順次増加して結合電極とするとともに、あらかじめ定めた最大電極結合数となったときに、一部の電極がオーバーラップするようにあらかじめ定めた電極スライド数ずつ電極の分離と結合を繰り返し、前記最大電極結合数を維持した状態の結合電極とする電極制御部、
前記端部の電極および前記結合電極の静電容量を検出する静電容量検出部、
前記静電容量検出部が検出した前記静電容量に基づいて、前記検知対象物の近接または接触位置を算出する位置算出部、
を備える近接検知装置。
【請求項2】
前記タッチパネルの一方の端部からあらかじめ定められた数の電極を順次結合するとともに、あらかじめ定めた前記最大電極結合数となったときに一部の電極がオーバーラップするようにあらかじめ定めた前記電極スライド数ずつ電極の分離と結合を繰り返し、前記最大電極結合数を維持した状態の結合電極とし、他方の端部に至るまでのあらかじめ定められた位置で、前記最大電極結合数の結合電極を前記電極スライド数ずつ順次分離することを特徴とする請求項1に記載の近接検知装置。
【請求項3】
前記静電容量検出部が検出した静電容量の変化の大きさを算出し、前記タッチパネルの大きさ、前記電極の大きさに応じて前記検出した静電容量の変化の大きさが一定となる前記最大電極結合数を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の近接検知装置。
【請求項4】
前記電極の結合、分離を前記電極制御部に指示するとともに、前記静電容量検出部が検出した静電容量の変化の大きさを算出し、前記位置算出部に出力する制御部を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の近接検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、近接検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル(投影容量方式)上に近接した指の位置を高い分解能で検知するために、複数の電極を、電極結合数の電極を一部の電極がオーバーラップするように任意の電極スライド数ずつずらしながら、順次結合してそれぞれ結合電極とする手段が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術において、近接する指を検知するための十分な感度を得るため、電極の結合数を増やしていくと、近接検知距離は確保できるものの、近接検知可能な領域が狭くなるという問題がある。さらに、近接と接触との相違を検知するときに、タッチパネルの端部を接触した場合と端部から少し離れた部分に指が近接した場合について、それぞれの検出値から、これら2つを区別することが困難な場合がある。
【0005】
本願は、上述のような課題を解決するためになされたもので、電極の結合数を増やして感度を上げた場合でも検出範囲を狭めることなく高い分解能で近接検知が可能となる近接検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示される近接検知装置は、検知対象物の近接および接触によって静電容量が変化する複数の電極を有するタッチパネル、タッチパネルの端部の電極からあらかじめ定められた方向に電極を順次増加して結合電極とするとともに、あらかじめ定めた最大電極結合数となったときに、一部の電極がオーバーラップするようにあらかじめ定めた電極スライド数ずつ電極の分離と結合を繰り返し、最大電極結合数を維持した状態の結合電極とする電極制御部、端部の電極および結合電極の静電容量を検出する静電容量検出部、静電容量検出部が検出した静電容量に基づいて、検知対象物の近接または接触位置を算出する位置算出部、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本願に開示される近接検知装置によれば、タッチパネルの端部から電極を順次結合するとともに、あらかじめ定めた最大電極結合数となったときに、一部の電極がオーバーラップするようにあらかじめ定めた電極スライド数ずつ順次電極を分離、結合しながら結合電極とすることにより、電極の結合数を増やして感度を上げた場合でも検出範囲を狭めることなく高い分解能で近接検知が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】比較例に係る近接検知装置のタッチパネルの電極の結合方式を説明する図である。
【
図2】比較例に係る近接検知装置のタッチパネルの電極の結合方式を説明する図である。
【
図3】比較例に係る近接検知装置のタッチパネルの電極の結合方式を説明する図である。
【
図4】比較例に係る近接検知装置の接触時と近接時の静電容量の変化の大きさの比較を示す図である。
【
図5】実施の形態1に係る近接検知装置の全体構成を示すブロック図である。
【
図6】実施の形態1に係る近接検知装置の制御部のハードウェアの一例を示す図である。
【
図7】実施の形態1に係る近接検知装置のタッチパネルの電極の結合およびスライド方式を説明する図である。
【
図8】実施の形態1に係る近接検知装置の動作を説明するフローチャートである。
【
図9】実施の形態1に係る近接検知装置のタッチパネルの電極の最大結合数を説明する図である。
【
図10】実施の形態1に係る近接検知装置の接触時と近接時の静電容量の変化の大きさの比較を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本願に係る近接検知装置の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、同一内容および相当部については同一符号を配し、その詳しい説明は省略する。
【0010】
比較例.
図1および
図2は、比較例として、近接検知装置のタッチパネル1の電極の結合方式の一例を示している。
【0011】
図1においては、タッチパネル1の端部からスキャンによる静電容量検出処理の際、電極x1からx4の4本分(電極結合数)を結合して結合電極を構成し、次の検出処理の際には、1本分(電極スライド数)の電極をスライドして、電極x2からx5の4本を結合して結合電極を構成する。次の検出処理の際は、1本分の電極をスライドして、電極x3からx6の4本を結合して結合電極を構成する。このように順次電極結合を行う。
【0012】
Y軸方向も同様に、電極y1からy3の3本分を結合して結合電極を構成し、次の検出処理の際には、1本分の電極をスライドして電極y2からy4の3本分結合して結合電極を構成する。
【0013】
このような構成により、結合電極による面積を大きくすることで静電容量の値を大きくすることができる。また、電極をスライドさせて、一部オーバーラップするように結合することで、単純に隣り合う電極同士を結合する場合に比べて、静電容量を検出する結合電極の数を増やすことができ、位置を算出する際の分解能を向上させることができる。この結果、
図1の検出領域Aに示す範囲で高い解像度で近接検出でき、結合する本数を増やすことで感度を挙げることが可能となる。
【0014】
しかし、電極の結合本数を、
図1で説明したX軸方向4本から、
図2のように、電極x1からx5の5本とし、Y軸方向の電極の結合本数を3本から、電極y1からy4の4本とすると、分解能を向上させることができる検出領域が、領域Bとなり、領域Aよりも狭くなってしまう。
【0015】
さらに、電極の結合本数が4本の場合でも、5本の場合でも、
図3中、破線で示されるタッチパネル1の端部Cに、移動対象物である指が接触した場合と、端部Cから20mm程度内側の一点鎖線で示される部分Dに指が近接した場合との区別が困難となる。
図3においては、説明の容易さの観点から、タッチパネル1内の電極の記載は省略している。
【0016】
例えば、
図4(a)は、
図3に示されたタッチパネル1において、電極の結合本数5本で、タッチパネル1のX軸方向右側および左側の端部Cに指が接触した場合の静電容量の変化の大きさ(接触検出値)を示したグラフである。
図4(b)は、タッチパネル1の両側から20mm程度内側の部分Dに指を近接させた場合の静電容量の変化の大きさ(近接検出値)を示したグラフである。横軸は結合電極を通電するスキャンの順番を、縦軸は、静電容量の変化の大きさを示す。左側の端部の検知対象物の接触時の各結合電極の静電容量の大きさの変化を系列1で表し、右側の端部の検知対象物の接触時の各結合電極の静電容量の大きさの変化を系列2で表している。本比較例の場合、
図4(a)と
図4(b)では同様の静電容量の検出結果となり、上述した領域でのタッチパネル1への指の接触と近接の区別をつけることは困難である。
【0017】
実施の形態1.
上述した比較例に対し、近接時の感度を上げるために、結合する電極数を増加しても近接を検出できる領域を減少させることのない近接検知装置の構成および動作を
図5から
図10で説明する。
【0018】
図5は、実施の形態1の近接検知装置10の全体構成を示すブロック図である。タッチパネル11のX軸方向およびY軸方向の電極x、yにそれぞれ電極制御部12および静電容量検出部13が接続される。電極制御部12は、各電極の結合、分離およびスライドを行うもので、アナログスイッチを用いてもよい。
【0019】
静電容量検出部13は、結合、分離、またはスライドされた電極の静電容量を検出する。静電容量検出部は、例えば、抵抗およびコンパレータからなり、結合電極と検知対象物(指など)との間に生じる静電容量により蓄積された電荷があらかじめ定められた電圧に達したことにより放電する充放電の繰り返し回数をカウントすることにより電荷の充放電時間を算出し、静電容量の大きさを検出してもよい。なお、これに限定されるものではなく、静電容量を計測する方法であればどのような構成および方法を用いてもよい。
【0020】
制御部14は、近接検知装置10の全体を制御し、電極の結合、分離、および結合電極のスライドを、電極制御部12に制御信号を出力することで制御し、電極あるいは結合電極を通電することにより静電容量検出部13で検出した静電容量から静電容量の変化値を算出し、位置算出部15に出力し、検知対象物の位置を算出する。制御部14と位置算出部15は別体の構成でも一体として構成されていてもよい。
【0021】
図6は、制御部14にマイコンのハードウェアが使用された場合の一例である。プロセッサ100と記憶装置200から構成され、図示していないが、記憶装置200はランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを具備する。また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクの補助記憶装置を具備してもよい。プロセッサ100は、記憶装置200から入力されたプログラムを実行することにより、電極の結合、分離、および結合電極のスライドを制御信号により電極制御部12に指示し、電極または結合電極に通電することにより静電容量検出部13で検出した静電容量から静電容量の変化の大きさを算出し、位置算出部15に出力する。この場合、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプロセッサ100にプログラムが入力される。また、プロセッサ100は、演算結果等のデータを記憶装置200の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。
【0022】
次に、このように構成された近接検知装置10の動作を、
図7を用いて説明する。
順番に電極を通電するスキャンをX軸の一方の端部の電極からP方向に開始する(
図8中、ステップS1)。まず、以下のように電極の結合数を順次増加し、静電容量を検出する(ステップS2)。
Xs0(スキャン0)=電極x1
Xs1(スキャン1)=電極x1+電極x2
Xs2(スキャン2)=電極x1+電極x2+電極x3
Xs3(スキャン3)=電極x1+電極x2+電極x3+電極x4
Xs4(スキャン4)=電極x1+電極x2+電極x3+電極x4+電極x5
本実施の形態では、通電する結合電極の増加は1本ずつとしたが、任意の本数、例えば1、3、5・・、あるいは1、2、4、5・・・などと増加させてもよい。
【0023】
結合電極の数が最大電極結合数(本実施の形態の場合、最大電極結合数=5)に達した場合(ステップS3)、最大電極結合数を維持したまま結合電極をスライドさせる(ステップS4)。すなわち、電極x1を分離し、電極x6を結合することにより、1本分(電極スライド数=1)の電極をスライドして、電極x2からx6の5本を結合した結合電極を通電する。1本分のスライド前の結合電極と比べ、電極x2からx5がオーバーラップする。次の検出処理の際は、電極x2を分離し、電極x7を結合することにより、1本分の電極をスライドして、電極x3からx7の5本を結合した結合電極を通電する。1本分のスライド前の結合電極と比べ、電極x3からx6がオーバーラップする。このように順次電極をスライドさせて最大電極結合数を維持した状態で電極の結合、分離を繰り返し行う。電極スライド数は本実施の形態では1であるが、1に限る必要はない。上述ではX軸方向で説明したが、Y軸方向も同様に電極の結合と結合電極をスライドさせることにより静電容量を検出しても良い。なお、X軸方向とY軸方向とで、結合電極の数および電極スライド数を異ならせてもよい。
【0024】
このような電極の結合により、タッチパネル11の電極の結合本数を多くしても検出範囲を狭めることなく近接検知を行うことが可能となる。ただし、端部での電極の結合数は最大電極結合数に満たないため、最大電極結合数により得られる感度にはおよばない。
【0025】
しかし、移動対象物である指の端部への接触は、近接に比べ静電容量の検出は容易であるため、近接時の感度までは必要なく、端部での結合数は少なくて構わない。
【0026】
最大電極結合数は、本実施の形態では5としたが、
図9のように、タッチパネル11のX軸一端から他端までを近接距離を一定として、検知対象物(検査棒、指など)を等間隔で近接させた静電容量の変化値をあらかじめ検出しておき、安定して検出が可能となる領域Eを得るための最大電極結合数を算出し、設定しておいてもよい。最大電極結合数は、タッチパネルの大きさ、電極の大きさなどにより変化するが、あらかじめ定められた閾値(近接検出の閾値)を超える近接検出値となる結合数であることが求められる。なお、最大電極結合数に達しない両端周辺での近接検出値にも別の閾値(接触検出の閾値)を設定し、閾値より大きい近接検出値により検知対象物である指の位置を検出する。
【0027】
図9において、近接検出値の座標前半部分と後半部分とでスキャンの特性上座標上の近接位置とスキャンデータの検出位置とのリニアリティが合わない部分、あるいは検出値の低下により近接検出の閾値および接触検出の閾値が一定値では対応できない部分があるが、それらは測定結果に応じて補正するものとする。
【0028】
電極のスキャンが、タッチパネル11の他方の端部に近づき、あらかじめ定めた最大結合数の結合電極を分離する位置(ステップS5)において、最大結合電極数の結合電極のスライドを終了し、結合電極を順次分離していく(ステップS6)。本実施の形態では以下の通り、スキャンごとに結合本数を1本ずつ分離して通電する。
Xsn‐4=電極xn‐4+電極xn‐3+電極xn‐2+電極xn‐1+電極xn
Xsn‐3=電極xn‐3+電極xn‐2+電極xn‐1+電極xn
Xsn‐2=電極xn‐2+電極xn‐1+電極xn
Xsn‐1=電極xn‐1+電極xn
Xsn=電極xn
分離が終了した時点、すなわちタッチパネル11の端部の1つの電極xnを通電してスキャンは終了する(ステップS7)。
【0029】
これにより、他方の端部でも検出範囲を狭めることなく近接検知を行うことが可能となる。また、検知対象物の接触は、近接に比べ静電容量の検出は容易であるため、近接時の感度までは必要なく、電極の結合数は少なくてよい。Y軸方向も同様に電極の結合数を増加、減少させるとともに、最大電極結合数の結合電極をスライドさせることにより、X軸方向と同様の効果を得ることができる。
【0030】
このような動作により、電極の結合とスライドを行った場合に、タッチパネル11のX軸両側の端部Cに指が接触した場合の接触検出値を示したのが
図10(a)である。横軸はスキャン時に通電する電極を、縦軸は、静電容量の変化の大きさを示す。また、
図10(b)は、タッチパネル11の両側から20mm程度内側に検知対象物を近接させた場合の近接検出値を示したものである。左側の端部の検知対象物の接触時の各結合電極の静電容量の大きさの変化を系列1で表し、右側の端部の検知対象物の接触時の各結合電極の静電容量の大きさの変化を系列2で表している。これらグラフから、接触と近接の静電容量のピーク値に差ができるため、接触と近接の区別を検出することが容易となる。
【0031】
以上のように、本実施の形態の構成および動作により、電極の結合数を増やして感度を上げた場合でも検出範囲を狭めることなく高い分解能で近接検知が可能となるとともに、タッチパネルの端部を接触した場合と端部から少し離れた部分に指が近接した場合の区別を行うことが容易となる。
【0032】
本願は、例示的な実施の形態が記載されているが、実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
【0033】
以下本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0034】
(付記1)
検知対象物の近接および接触によって静電容量が変化する複数の電極を有するタッチパネル、
前記タッチパネルの端部の電極からあらかじめ定められた方向に電極を順次増加して結合電極とするとともに、あらかじめ定めた最大電極結合数となったときに、一部の電極がオーバーラップするようにあらかじめ定めた電極スライド数ずつ電極の分離と結合を繰り返し、前記最大電極結合数を維持した状態の結合電極とする電極制御部、
前記端部の電極および前記結合電極の静電容量を検出する静電容量検出部、
前記静電容量検出部が検出した前記静電容量に基づいて、前記検知対象物の近接または接触位置を算出する位置算出部、
を備える近接検知装置。
(付記2)
前記タッチパネルの一方の端部からあらかじめ定められた数の電極を順次結合するとともに、あらかじめ定めた前記最大電極結合数となったときに一部の電極がオーバーラップするようにあらかじめ定めた前記電極スライド数ずつ電極の分離と結合を繰り返し、前記最大電極結合数を維持した状態の結合電極とし、他方の端部に至るまでのあらかじめ定められた位置で、前記最大電極結合数の結合電極を前記電極スライド数ずつ順次分離することを特徴とする付記1に記載の近接検知装置。
(付記3)
前記静電容量検出部が検出した静電容量の変化の大きさを算出し、前記タッチパネルの大きさ、前記電極の大きさに応じて前記検出した静電容量の変化の大きさが一定となる前記最大電極結合数を決定することを特徴とする付記1または2に記載の近接検知装置。
(付記4)
前記電極の結合、分離を前記電極制御部に指示するとともに、前記静電容量検出部が検出した静電容量の変化の大きさを算出し、前記位置算出部に出力する制御部を備えたことを特徴とする付記1から3のいずれか1項に記載の近接検知装置。
【符号の説明】
【0035】
10:近接検知装置、1、11:タッチパネル、12:電極制御部、13:静電容量検出部、14:制御部、15:位置算出部、100:プロセッサ、200:記憶装置