(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138472
(43)【公開日】2024-10-08
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241001BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024112139
(22)【出願日】2024-07-12
(62)【分割の表示】P 2020155493の分割
【原出願日】2020-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】井上 孝司
(57)【要約】 (修正有)
【課題】各遊技状態において最適な変動パターンを決定することができることから、遊技者の興趣を低下させるような事態を低減させることができ、これによって、遊技者の興味を向上させることができる遊技機を提供する。
【解決手段】RAMクリアスイッチにてクリア後の通常遊技状態において、抽選処理が実行された際の抽選結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンに応じて選択されるはずれ演出変動パターンと、有利状態又は特別遊技状態の終了後に移行される通常遊技状態において、抽選処理が実行された際の抽選結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンに応じて選択されるはずれ演出変動パターンとは、異なるはずれ演出変動パターンが選択可能となる。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技状態として、通常遊技状態と、有利状態と、特別遊技状態と、を含み、
遊技球が入球可能な始動口と、
前記始動口への遊技球の入球に起因する抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
前記抽選処理実行手段が実行された際の抽選結果に応じて、遊技者にとって有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、
前記始動口への遊技球の入球に起因する抽選処理が実行された際の抽選結果に対応して変動表示を開始する識別情報と、
前記識別情報の変動表示の変動パターンを選択する際に用いられる複数の変動パターン選択テーブルと、
前記変動パターンに応じた演出変動パターンで演出図柄を変動表示すると共に、各種演出動作を制御するサブ制御手段と、
前記演出変動パターンを選択する際に用いられる演出変動パターン選択テーブルと、
所定情報を記憶するRAMと、
電源投入時に前記RAMをクリア可能なRAMクリア手段と、を有し、
前記通常遊技状態から前記特典遊技を経て、前記有利状態へと移行可能とし、
前記特別遊技状態へは、前記通常遊技状態にて前記抽選処理による前記抽選結果が特典遊技を実行することを示す結果となった場合より、前記有利状態にて前記抽選処理による前記抽選結果が特典遊技を実行することを示す結果となった場合の方が移行し易くなっており、
前記有利状態の期間よりも、前記特別遊技状態の期間の方が長くなっており、
前記変動パターン選択テーブルは、
前記通常遊技状態において選択される第1変動パターン選択テーブルと、
前記有利状態又は前記特別遊技状態において選択される第2変動パターン選択テーブルと、
前記有利状態又は前記特別遊技状態の期間の最後の前記識別情報の変動表示において選択される第3変動パターン選択テーブルと、を備え、
前記サブ制御手段は、
前記RAMクリア手段にてクリア後の通常遊技状態において、前記抽選処理が実行された際の抽選結果に対応して前記識別情報の変動が開始された場合、前記第1変動パターン選択テーブルを用いて選択された変動パターンに応じて、第1演出変動パターン選択テーブルを用いて選択される演出変動パターンにて前記演出図柄を変動表示し、
前記有利状態又は前記特別遊技状態の終了後に移行する通常遊技状態において、前記抽選処理が実行された際の抽選結果に対応して識別情報の変動が開始された場合、前記第1変動パターン選択テーブルを用いて選択された変動パターンに応じて、第2演出変動パターン選択テーブルを用いて選択される演出変動パターンにて前記演出図柄を変動表示し、
前記変動パターンは、前記抽選結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンを有し、
前記有利状態又は前記特別遊技状態の期間の最後の前記識別情報の変動表示において、前記抽選処理が実行された際の抽選結果がはずれとなる場合に選択される前記はずれ変動パターンは、1のはずれ変動パターンが選択され、
前記RAMクリア手段にてクリア後の通常遊技状態において、前記抽選処理が実行された際の抽選結果がはずれとなる場合に選択される前記はずれ変動パターンに応じて選択されるはずれ演出変動パターンと、前記有利状態又は前記特別遊技状態の終了後に移行される前記通常遊技状態において、前記抽選処理が実行された際の抽選結果がはずれとなる場合に選択される前記はずれ変動パターンに応じて選択されるはずれ演出変動パターンとは、異なるはずれ演出変動パターンが選択可能となる遊技機。
【請求項2】
遊技状態として、通常遊技状態と、有利状態と、特別遊技状態と、を含み、
遊技球が入球可能な始動口と、
前記始動口への遊技球の入球に起因する抽選処理を実行する抽選処理実行手段と、
前記抽選処理実行手段が実行された際の抽選結果に応じて、遊技者にとって有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、
前記始動口への遊技球の入球に起因する抽選処理が実行された際の抽選結果に対応して変動表示を開始する識別情報と、
前記識別情報の変動表示の変動パターンを選択する際に用いられる複数の変動パターン選択テーブルと、
各種演出動作を制御するサブ制御手段と、
所定情報を記憶するRAMと、
電源投入時に前記RAMをクリア可能なRAMクリア手段と、を有し、
前記通常遊技状態から前記特典遊技を経て、前記有利状態へと移行可能とし、
前記特別遊技状態へは、前記通常遊技状態にて前記抽選処理による前記抽選結果が特典遊技を実行することを示す結果となった場合より、前記有利状態にて前記抽選処理による前記抽選結果が特典遊技を実行することを示す結果となった場合の方が移行し易くなっており、
前記有利状態の期間よりも、前記特別遊技状態の期間の方が長くなっており、
前記変動パターン選択テーブルは、
前記通常遊技状態において選択される第1変動パターン選択テーブルと、第2変動パターン選択テーブルと、
前記有利状態又は前記特別遊技状態において選択される第3変動パターン選択テーブルと、
前記有利状態又は前記特別遊技状態の期間の最後の前記識別情報の変動表示において選択される第4変動パターン選択テーブルと、を備え、
前記サブ制御手段は、
前記RAMクリア手段にてクリア後の通常遊技状態において、前記抽選処理が実行された際の抽選結果に対応して前記識別情報の変動が開始された場合、前記第1変動パターン選択テーブルを用いて選択された変動パターンに応じて前記演出図柄を変動表示し、
前記有利状態又は前記特別遊技状態の終了後に移行する通常遊技状態において、前記抽選処理が実行された際の抽選結果に対応して識別情報の変動が開始された場合、前記第2変動パターン選択テーブルを用いて選択された変動パターンに応じて前記演出図柄を変動表示し、
前記変動パターンは、前記抽選結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンを有し、
前記有利状態又は前記特別遊技状態の期間の最後の前記識別情報の変動表示において、前記抽選処理が実行された際の抽選結果がはずれとなる場合に選択される前記はずれ変動パターンは、1のはずれ変動パターンが選択され、
前記RAMクリア手段にてクリア後の通常遊技状態において、前記抽選処理が実行された際の抽選結果がはずれとなる場合に選択される前記はずれ変動パターンに応じて選択されるはずれ変動パターンと、前記有利状態又は前記特別遊技状態の終了後に移行される前記通常遊技状態において、前記抽選処理が実行された際の抽選結果がはずれとなる場合に選択される前記はずれ変動パターンとは、異なるはずれ変動パターンが選択可能となる遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機、雀球遊技機、スロット、封入された遊技球を内部で循環させる封入式パチンコ機(管理遊技機)などの遊技機に関し、より詳しくは、各遊技状態において最適な変動パターンを決定することができることから、遊技者の興趣を低下させるような事態を低減させることができ、これによって、遊技者の興味を向上させることができる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパチンコ機等の遊技機として、例えば特許文献1に記載のような遊技機が知られている。この遊技機は、通常遊技状態(低確非時短状態)から、大当たりを発生させて、RUSH状態(確変時短状態や、小当たりラッシュ状態など、遊技状態の中で一番良い遊技状態)に移行するか否かの遊技性である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような遊技機は、異なる遊技状態から移行した先の遊技状態が同じ遊技状態であれば、同じ変動パターン選択テーブルを用いて変動パターンを決定するようになっていた。そのため、従来の遊技機では、各遊技状態において最適な変動パターンを決定することができず、遊技者の興趣を低下させてしまう可能性があるという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、上記問題に鑑み、各遊技状態において最適な変動パターンを決定することができることから、遊技者の興趣を低下させるような事態を低減させることができ、これによって、遊技者の興味を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0007】
請求項1の発明に係る遊技機によれば、遊技状態として、通常遊技状態(例えば、
図6に示す通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG30)と、有利状態(例えば、
図6に示すチャレンジタイム遊技状態(低確時短遊技状態)YG36)と、特別遊技状態(例えば、
図6に示すRUSH遊技状態(低確時短遊技状態)YG32)と、を含み、
遊技球が入球可能な始動口(例えば、
図2に示す特別図柄1始動口44,
図2に示す特別図柄2始動口45)と、
前記始動口への遊技球の入球に起因する抽選処理を実行する抽選処理実行手段(例えば、
図3に示す主制御CPU600a)と、
前記抽選処理実行手段が実行された際の抽選結果に応じて、遊技者にとって有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段(例えば、
図3に示す主制御CPU600a)と、
前記始動口への遊技球の入球に起因する抽選処理が実行された際の抽選結果に対応して変動表示を開始する識別情報と、
前記識別情報の変動表示の変動パターンを選択する際に用いられる複数の変動パターン選択テーブルと、
前記変動パターンに応じた演出変動パターンで演出図柄を変動表示すると共に、各種演出動作を制御するサブ制御手段(例えば、
図3に示すサブ制御CPU800a)と、
前記演出変動パターンを選択する際に用いられる演出変動パターン選択テーブル(例えば、
図12に示す第1演出変動パターン選択テーブルENOR_TBL1、
図13に示す第2演出変動パターン選択テーブルENOR_TBL2)と、
所定情報を記憶するRAM(例えば、
図3に示す主制御RAM600c)と、
電源投入時に前記RAMをクリア可能なRAMクリア手段(例えば、
図3に示すRAMクリアスイッチ620)と、を有し、
前記通常遊技状態から前記特典遊技(例えば、
図6に示す大当たり遊技状態YG34)を経て、前記有利状態へと移行可能とし、
前記特別遊技状態へは、前記通常遊技状態にて前記抽選処理による前記抽選結果が特典遊技を実行することを示す結果となった場合より、前記有利状態にて前記抽選処理による前記抽選結果が特典遊技を実行することを示す結果となった場合の方が移行し易くなっており(例えば、
図6に示す大当たり遊技状態Y34から、時短7回のRUSH遊技状態(低確時短遊技状態)YG32へは1%、
図6に示すチャレンジタイム遊技状態(低確時短遊技状態)YG36から、RUSH遊技状態(低確時短遊技状態)YG32へは、大当たり又は小当たりに当選(
図27(d)に示す特別図柄大当たり図柄判定値テーブルSDHZ_TBLB参照))、
前記有利状態の期間よりも、前記特別遊技状態の期間の方が長くなっており(例えば、
図6に示すチャレンジタイム遊技状態(低確時短遊技状態)YG36:特
図2変動1回、
図6に示すRUSH遊技状態(低確時短遊技状態)YG32:特
図2変動7回)、
前記変動パターン選択テーブルは、
前記通常遊技状態において選択される第1変動パターン選択テーブル(例えば、
図11(a)に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1)と、
前記有利状態又は前記特別遊技状態において選択される第2変動パターン選択テーブル(例えば、
図11(a)に示すJTB_TBL,HI_TBL)と、
前記有利状態又は前記特別遊技状態の期間の最後の前記識別情報の変動表示において選択される第3変動パターン選択テーブル(例えば、
図10(b),
図11(a)に示す第3変動パターン選択テーブルLAST_TBL)と、を備え、
前記サブ制御手段は、
前記RAMクリア手段にてクリア後の通常遊技状態において、前記抽選処理が実行された際の抽選結果に対応して前記識別情報の変動が開始された場合、前記第1変動パターン選択テーブルを用いて選択された変動パターンに応じて、第1演出変動パターン選択テーブル(例えば、
図12に示す第1演出変動パターン選択テーブルENOR_TBL1)を用いて選択される演出変動パターンにて前記演出図柄を変動表示し、
前記有利状態又は前記特別遊技状態の終了後に移行する通常遊技状態において、前記抽選処理が実行された際の抽選結果に対応して識別情報の変動が開始された場合、前記第1変動パターン選択テーブルを用いて選択された変動パターンに応じて、第2演出変動パターン選択テーブル(例えば、
図13に示す第2演出変動パターン選択テーブルENOR_TBL2)を用いて選択される演出変動パターンにて前記演出図柄を変動表示し、
前記変動パターンは、前記抽選結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンを有し、
前記有利状態又は前記特別遊技状態の期間の最後の前記識別情報の変動表示において、前記抽選処理が実行された際の抽選結果がはずれとなる場合に選択される前記はずれ変動パターンは、1のはずれ変動パターンが選択され(例えば、
図10(b)に示す第3変動パターン選択テーブルLAST_TBL参照)、
前記RAMクリア手段にてクリア後の通常遊技状態において、前記抽選処理が実行された際の抽選結果がはずれとなる場合に選択される前記はずれ変動パターンに応じて選択されるはずれ演出変動パターン(例えば、
図12に示すノーマルリーチはずれ1,ノーマルリーチはずれ2,特殊モードはずれ変動,SPリーチはずれ1,SPリーチはずれ2,特殊モードはずれ変動参照)と、前記有利状態又は前記特別遊技状態の終了後に移行される前記通常遊技状態において、前記抽選処理が実行された際の抽選結果がはずれとなる場合に選択される前記はずれ変動パターンに応じて選択されるはずれ演出変動パターン(例えば、
図13に示すノーマルリーチはずれ1,ノーマルリーチはずれ2,特殊モードはずれ変動,SPリーチはずれ1,SPリーチはずれ2,特殊モードはずれ変動参照)とは、異なるはずれ演出変動パターンが選択可能となることを特徴としている。
請求項2の発明に係る遊技機によれば、遊技状態として、通常遊技状態(例えば、
図5に示す通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG20)と、有利状態(例えば、
図5に示すチャンスタイム遊技状態(低確時短遊技状態)YG24)と、特別遊技状態(例えば、
図5に示すRUSH遊技状態(高確時短遊技状態)YG22)と、を含み、
遊技球が入球可能な始動口(例えば、
図2に示す特別図柄1始動口44,
図2に示す特別図柄2始動口45)と、
前記始動口への遊技球の入球に起因する抽選処理を実行する抽選処理実行手段(例えば、
図3に示す主制御CPU600a)と、
前記抽選処理実行手段が実行された際の抽選結果に応じて、遊技者にとって有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段(例えば、
図3に示す主制御CPU600a)と、
前記始動口への遊技球の入球に起因する抽選処理が実行された際の抽選結果に対応して変動表示を開始する識別情報と、
前記識別情報の変動表示の変動パターンを選択する際に用いられる複数の変動パターン選択テーブルと、
各種演出動作を制御するサブ制御手段(例えば、
図3に示すサブ制御CPU800a)と、
所定情報を記憶するRAM(例えば、
図3に示す主制御RAM600c)と、
電源投入時に前記RAMをクリア可能なRAMクリア手段(例えば、
図3に示すRAMクリアスイッチ620)と、を有し、
前記通常遊技状態から前記特典遊技(例えば、
図5に示す大当たり遊技状態YG23)を経て、前記有利状態へと移行可能とし、
前記特別遊技状態へは、前記通常遊技状態にて前記抽選処理による前記抽選結果が特典遊技を実行することを示す結果となった場合より、前記有利状態にて前記抽選処理による前記抽選結果が特典遊技を実行することを示す結果となった場合の方が移行し易くなっており(例えば、
図5に示す大当たり遊技状態Y23から、RUSH遊技状態(高確時短遊技状態)YG22へは50%、
図5に示すチャンスタイム遊技状態(低確時短遊技状態)YG24から、RUSH遊技状態(高確時短遊技状態)YG22へは、大当たりに当選(
図28(d)に示す特別図柄大当たり図柄判定値テーブルSDHZ_TBLB1参照))、
前記有利状態の期間よりも、前記特別遊技状態の期間の方が長くなっており(例えば、
図5に示すチャンスタイム遊技状態(低確時短遊技状態)YG24:特
図2変動100回、
図5に示すRUSH遊技状態(高確時短遊技状態)YG22:特
図2変動150回)、
前記変動パターン選択テーブルは、
前記通常遊技状態において選択される第1変動パターン選択テーブル(例えば、
図7(b)に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1)と、第2変動パターン選択テーブル(例えば、
図8(a)に示す第2変動パターン選択テーブルNOR_TBL2)と、
前記有利状態又は前記特別遊技状態において選択される第3変動パターン選択テーブル(例えば、
図7(a)に示すJTB_TBL,HI_TBL)と、
前記有利状態又は前記特別遊技状態の期間の最後の前記識別情報の変動表示において選択される第4変動パターン選択テーブル(例えば、
図8(b)に示す第3変動パターン選択テーブルLAST_TBL)と、を備え、
前記サブ制御手段は、
前記RAMクリア手段にてクリア後の通常遊技状態において、前記抽選処理が実行された際の抽選結果に対応して前記識別情報の変動が開始された場合、前記第1変動パターン選択テーブルを用いて選択された変動パターンに応じて前記演出図柄を変動表示し、
前記有利状態又は前記特別遊技状態の終了後に移行する通常遊技状態において、前記抽選処理が実行された際の抽選結果に対応して識別情報の変動が開始された場合、前記第2変動パターン選択テーブルを用いて選択された変動パターンに応じて前記演出図柄を変動表示し、
前記変動パターンは、前記抽選結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンを有し、
前記有利状態又は前記特別遊技状態の期間の最後の前記識別情報の変動表示において、前記抽選処理が実行された際の抽選結果がはずれとなる場合に選択される前記はずれ変動パターンは、1のはずれ変動パターンが選択され(例えば、
図8(b)に示す第3変動パターン選択テーブルLAST_TBL参照)、
前記RAMクリア手段にてクリア後の通常遊技状態において、前記抽選処理が実行された際の抽選結果がはずれとなる場合に選択される前記はずれ変動パターンに応じて選択されるはずれ変動パターンと、前記有利状態又は前記特別遊技状態の終了後に移行される前記通常遊技状態において、前記抽選処理が実行された際の抽選結果がはずれとなる場合に選択される前記はずれ変動パターンとは、異なるはずれ変動パターンが選択可能となる(例えば、
図7(a)に示すテーブルTBL,
図7(b)に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1,
図8(a)に示す第2変動パターン選択テーブルNOR_TBL2参照)ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、各遊技状態において最適な変動パターンを決定することができることから、遊技者の興趣を低下させるような事態を低減させることができ、これによって、遊技者の興味を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る遊技機の外観を示す斜視図である。
【
図3】同実施形態に係る遊技機の制御装置を示すブロック図である。
【
図4】(a)は、1種2種タイプの遊技機においてRUSH遊技状態に移行する場合の遊技状態の遷移を説明する説明図、(b)は、V-STタイプの遊技機においてRUSH遊技状態に移行する場合の遊技状態の遷移を説明する説明図である。
【
図5】V-STタイプの遊技機においてRUSH遊技状態に移行する場合の遊技状態の
図4(b)とは異なる遷移を説明する説明図である。
【
図6】1種2種タイプの遊技機においてRUSH遊技状態に移行する場合の遊技状態の
図4(a)とは異なる遷移を説明する説明図である。
【
図7】(a)は、遊技状態に応じて参照する変動パターン選択テーブルが格納されているテーブルを示し、(b)は、V-STタイプの遊技機において、通常遊技状態(RAMクリア時)において選択される第1変動パターン選択テーブルを示す図である。
【
図8】(a)は、V-STタイプの遊技機において、通常遊技状態(時短遊技終了後)において選択される第2変動パターン選択テーブルを示し、(b)は、V-STタイプの遊技機において、時短遊技、又は、RUSH遊技状態の最終変動時に選択される第3変動パターン選択テーブルを示す図である。
【
図9】1種2種タイプの遊技機において、通常遊技状態(RAMクリア時)において選択される第1変動パターン選択テーブルを示す図である。
【
図10】(a)は、1種2種タイプの遊技機において、通常遊技状態(時短遊技終了後)において選択される第2変動パターン選択テーブルを示し、(b)は、1種2種タイプの遊技機において、時短遊技、又は、RUSH遊技状態の最終変動時に選択される第3変動パターン選択テーブルを示す図である。
【
図11】(a)は、遊技状態に応じて参照する変動パターン選択テーブルが格納されている
図7(a)とは異なるテーブルを示し、(b)は、(a)に示すテーブルにて選択される第1変動パターン選択テーブルを示す図である。
【
図12】通常遊技状態(RAMクリア時)において選択される第1演出変動パターン選択テーブルを示す図である。
【
図13】通常遊技状態(時短遊技終了後)において選択される第2演出変動パターン選択テーブルを示す図である。
【
図14】同実施形態に係る主制御のメイン処理を説明するフローチャート図である。
【
図15】
図14に示す主制御のメイン処理の続きを説明するフローチャート図である。
【
図16】
図14に示す設定切替処理を説明するフローチャート図である。
【
図17】電源異常チェック処理を説明するフローチャート図である。
【
図18】同実施形態に係る主制御のタイマ割込み処理を説明するフローチャート図である。
【
図19】
図18に示す普通図柄処理を説明するフローチャート図である。
【
図20】
図18に示す特別図柄処理を説明するフローチャート図である。
【
図21】
図20に示す始動口チェック処理1(2)を説明するフローチャート図である。
【
図22】
図20に示す特別図柄変動開始処理を説明するフローチャート図である。
【
図23】
図22に示す当たり判定処理を説明するフローチャート図である。
【
図24】
図22に示す特殊電サポ判定処理を説明するフローチャート図である。
【
図25】
図20に示す特別図柄変動中処理を説明するフローチャート図である。
【
図26】
図20に示す特別図柄確認時間中処理を説明するフローチャート図である。
【
図27】1種2種タイプの遊技機の場合であって、(a)は、普通図柄の当否抽選を実行する際に使用される普通図柄当たり判定値テーブルを示し、(b)は、特別図柄の当否抽選を実行する際に使用される特別図柄大当たり判定値テーブルを示し、(c)は、特別図柄1が当選している際に使用される特別図柄大当たり図柄判定値テーブルを示し、(d)は、特別図柄2が当選している際に使用される特別図柄大当たり図柄判定値テーブルを示し、(e)は、特別図柄の当否抽選を実行する際に使用される特別図柄小当たり判定値テーブルを示し、(f)は、特別図柄2が小当たりに当選している際に使用される特別図柄小当たり図柄判定値テーブルを示し、(g)は、特別図柄の当否抽選を実行する際に使用される特殊電サポ図柄当たり判定値テーブルを示し、(h)は、特殊電サポ図柄に当選している際に使用される特殊電サポ図柄当たり図柄判定値テーブルを示す図である。
【
図28】V-STタイプの遊技機の場合であって、(a)は、普通図柄の当否抽選を実行する際に使用される普通図柄当たり判定値テーブルを示し、(b)は、特別図柄の当否抽選を実行する際に使用される特別図柄大当たり判定値テーブルを示し、(c)は、特別図柄1が当選している際に使用される特別図柄大当たり図柄判定値テーブルを示し、(d)は、特別図柄2が当選している際に使用される特別図柄大当たり図柄判定値テーブルを示し、(e)は、特別図柄の当否抽選を実行する際に使用される特殊電サポ図柄当たり判定値テーブルを示し、(f)は、特殊電サポ図柄に当選している際に使用される特殊電サポ図柄当たり図柄判定値テーブルを示す図である。
【
図29】他の実施形態に係る特別図柄変動中処理を説明するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る遊技機の一実施形態を、パチンコ遊技機を例にして、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0011】
<パチンコ遊技機外観構成の説明>
まず、
図1~
図3を参照して、本実施形態に係るパチンコ遊技機の外観構成を説明する。
【0012】
<パチンコ遊技機前面の外観構成の説明>
【0013】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、木製の外枠2の前面に矩形状の前面枠3を開閉可能に取り付け、その前面枠3の裏面に取り付けられている遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤4が装着された構成からなる。遊技盤4は、
図2に示す遊技領域40を前面に臨ませた状態で装着され、
図1に示すようにこの遊技領域40の前側に透明ガラスを支持したガラス扉枠5が設けられている。なお、上記遊技領域40は、遊技盤4の面上に配設された球誘導レール6(
図2参照)で囲まれた領域からなるものである。
【0014】
一方、パチンコ遊技機1は、
図1に示すように、ガラス扉枠5の下側に前面操作パネル7が配設され、その前面操作パネル7には上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が一体形成されている。また、この前面操作パネル7には、球貸しボタン11及びプリペイドカード排出ボタン12(カード返却ボタン12)が設けられている。上受け皿9の上皿表面部分には、内蔵ランプ(図示せず)点灯時に遊技者が押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の演出ボタン装置13が設けられている。また、この上受け皿9には、当該上受け皿9に貯留された遊技球を下方に抜くための球抜きボタン14が設けられ、さらに、略十字キーからなる設定ボタン15が設けられている。この設定ボタン15は、遊技者による操作が可能なもので、中央部に設けられた円形の決定キー15aと、その決定キー15aの図示上側に設けられた三角形状の上キー15bと、その決定キー15aの図示左側に設けられた三角形状の左キー15cと、その決定キー15aの図示右側に設けられた三角形状の右キー15dと、その決定キー15aの図示下側に設けられた三角形状の下キー15eとで構成されている。
【0015】
一方、
図1に示すように、前面操作パネル7の右端部側には、発射ユニットを作動させるための発射ハンドル16が設けられ、前面枠3の上部両側面側及び発射ハンドル16の近傍には、BGM(Background music)あるいは効果音を発するスピーカ17が設けられている。なお、上記前面枠3の周枠には、光の装飾により演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプが配設されている。
【0016】
<遊技盤の外観構成の説明>
他方、上記遊技盤4の遊技領域40には、
図2に示すように、略中央部にLCD(Liquid Crystal Display)等からなる液晶表示装置41が配置されている。この液晶表示装置41は、表示エリアを左、中、右の3つのエリアに分割し、独立して数字やキャラクタ、文字(キャラクタの会話や歌詞テロップ等)あるいは特別図柄の変動表示が可能なものである。そしてこのような液晶表示装置41の周囲には、装飾用の上飾り42a、左飾り42b、右飾り42cが設けられており、この上飾り42a、左飾り42b、右飾り42cの背面側には可動役物装置43が配置されている。
【0017】
この可動役物装置43は、
図2に示すように、遊技の進行に伴い所定の演出動作を行う上可動役物43aと、左可動役物43bと、右可動役物43cと、左上可動役物43dと、さらに、上・左・右・左上可動役物43a~43dを、夫々、駆動する2相のステッピングモータ等のモータ(図示せず)とで構成されている。なお、これら上・左・右・左上可動役物43a~43dには、光の装飾により演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプが配置されている。
【0018】
一方、液晶表示装置41の真下には、特別図柄1始動口44が配置され、その内部には入賞球を検出する特別図柄1始動口スイッチ44a(
図3参照)が設けられている。そしてこの特別図柄1始動口スイッチ44a(
図3参照)が検出した有効入賞球数、すなわち、第1始動保留球数が所定数(例えば、4個)液晶表示装置41に表示されることとなる。なお、この第1始動保留球数は、特別図柄1始動口44へ遊技球が入賞し、特別図柄1始動口スイッチ44a(
図3参照)にて検出されると、1加算(+1)され、数字やキャラクタあるいは図柄(装飾図柄)等の特別図柄の変動表示が開始されると、1減算(-1)されるというものである。
【0019】
他方、液晶表示装置41の右下部側には、特別図柄2始動口45が配置され、その内部には入賞球を検出する特別図柄2始動口スイッチ45a(
図3参照)が設けられている。そしてこの特別図柄2始動口スイッチ45a(
図3参照)が検出した有効入賞球数、すなわち、第2始動保留球数が所定数(例えば、4個)液晶表示装置41に表示されることとなる。なお、この第2始動保留球数は、特別図柄2始動口45へ遊技球が入賞し、特別図柄2始動口スイッチ45a(
図3参照)にて検出されると、1加算(+1)され、数字やキャラクタあるいは図柄(装飾図柄)等の特別図柄の変動表示が開始されると、1減算(-1)されるというものである。
【0020】
一方、この特別図柄2始動口45は、
図2に示すように、開閉部材45bを備えており、この開閉部材45bが開放した場合に遊技球が入賞し易い状態となる。この開閉部材45bは、後述する普通図柄の抽選に当選した場合に、所定回数、所定時間開放するもので、普通電動役物ソレノイド45c(
図3参照)によって開閉動作が制御されている。なお、以下では、このような開閉部材45b及び普通電動役物ソレノイド45cを合せた装置を普通電動役物と称することがある。
【0021】
他方、特別図柄1始動口44の右側には、
図2に示すように、入賞装置46が配置されている。この入賞装置46は、後述する特別図柄の抽選に当選したとき、すなわち当たり遊技状態の際、開閉扉46aにて閉止されている図示しない大入賞口が開放するように開閉扉46aが特別電動役物ソレノイド46b(
図3参照)によって駆動制御され、遊技球が大入賞口(図示せず)に入球可能となる。なお、大入賞口(図示せず)に入球した遊技球は入賞球として大入賞口(図示せず)内部に設けられている大入賞口スイッチ46c(
図3参照)によって検出される。
【0022】
一方、特別図柄の抽選に当選していないとき、すなわち、当たり遊技状態でない場合は、特別電動役物ソレノイド46b(
図3参照)によって開閉扉46aが駆動制御され、大入賞口(図示せず)が閉止される。これにより、大入賞口(図示せず)内に遊技球が入球することができなくなる。なお、以下では、このような開閉扉46a及び特別電動役物ソレノイド46bを合せた装置を特別電動役物と称することがある。
【0023】
ところで、入賞装置46内には、従来周知の構造である振分装置47が設けられている。この振分装置47は、
図2に示すように、V領域47aと、アウト口47bとを備えており、遊技球が大入賞口(図示せず)に入球されると、その遊技球は、V領域47aか、アウト口47bかに振り分けられるようになっている。なお、振分装置47は、所定の遊技状態とならない限り、大入賞口(図示せず)に入球された遊技球を、V領域47aに振り分けず、アウト口47bに振り分けるようになっている。
【0024】
しかして、このような振分装置47は、1種2種タイプの遊技機と、V確機タイプの遊技機に設けられている。この1種2種タイプの遊技機は、特別図柄の抽選に当選して大当たり遊技状態となる1種タイプの機種と、小当たり遊技状態により大入賞口(図示せず)が開放し、大入賞口(図示せず)内に入球した遊技球が、V領域47aを通過すると大当たり遊技状態となる2種タイプの機種と、を併せ持った機種である。
【0025】
ところで、小当たり遊技状態となった際、大入賞口(図示せず)の開放は最大で1.8秒しか開放されないようになっている。そのため、大入賞口(図示せず)内に遊技球が入球されやすいように、小当たり遊技状態となった際、開閉扉46aにて大入賞口(図示せず)の開放閉止を繰り返し行うようになっている。この際、振分装置47は、遊技球が大入賞口(図示せず)に入球されると、その遊技球を、V領域47aに振り分けるようになっている。
【0026】
一方、V確機タイプの遊技機は、確率変動に移行可能な大当たりに当選(以下、「確変大当たり」という)した場合、大当たりラウンド遊技中、特定のラウンドで、振分装置47は、遊技球が大入賞口(図示せず)に入球されると、その遊技球を、V領域47aに振り分けるようになっている。そして、遊技球がV領域47aを通過すると、大当たり終了後に、確率変動遊技状態となる機種である。しかして、このように、V領域47aを遊技球が通過すると、確率変動遊技状態となるため、V確機と呼ばれている。そして、大当たり終了後の確率変動遊技状態が所定回数で終わるST機であれば、V-ST機とも呼ばれる。なお、STとは、確率変動遊技状態が所定回数の変動しか継続せず、所定回数を超えると、低確率時短なしの遊技状態となるものである。
【0027】
他方、液晶表示装置41の右上部には、
図2に示すように、ゲートからなる普通図柄始動口48が配置され、その内部には、遊技球の通過を検出する普通図柄始動口スイッチ48a(
図3参照)が設けられている。また、上記入賞装置46の右側及び上記特別図柄1始動口44の左側には、一般入賞口49が夫々配置されている。この一般入賞口49は、上記入賞装置46の右側に配置されている右上一般入賞口49aと、上記特別図柄1始動口44の左側に配置されている左上一般入賞口49bと、左中一般入賞口49cと、左下一般入賞口49dとで構成されている。そして、右上一般入賞口49aの内部には遊技球の通過を検出する右上一般入賞口スイッチ49a1(
図3参照)が設けられ、左上一般入賞口49bの内部には遊技球の通過を検出する左上一般入賞口スイッチ49b1(
図3参照)が設けられ、左中一般入賞口49cの内部には遊技球の通過を検出する左中一般入賞口スイッチ49c1(
図3参照)が設けられ、左下一般入賞口49dの内部には遊技球の通過を検出する左下一般入賞口スイッチ49d1(
図3参照)が設けられている。
【0028】
一方、特別図柄1始動口44の真下には、入賞することなく遊技領域40最下流部まで流下してきた遊技球(アウト球)が入球されるアウト口50が配置されている。なお、このアウト口50に入球した遊技球は非入賞球として内部に設けられているアウト口スイッチ50a(
図3参照)によって検出され、さらに、上述した入賞球も遊技盤4の背面側を通って最下流部まで流下することとなるため、アウト口スイッチ50a(
図3参照)によって検出されることとなる。それゆえ、アウト口スイッチ50a(
図3参照)は、排出されたアウト総数、すなわち、発射ハンドル16にて遊技領域40に発射された遊技球と同数の遊技球を検出することとなる。
【0029】
他方、上記遊技盤4の遊技領域40の右下周縁部には、7セグメントが3個並べて構成されており、そのうち2個の7セグメントが特別図柄表示装置51であり、その他の7セグメント表示装置53aは特別図柄1や特別図柄2、普通図柄の始動保留球数、遊技状態(例えば、入賞容易遊技状態等)を表示するものである。この特別図柄表示装置51は、
図2に示すように、特別図柄1表示装置51aと特別図柄2表示装置51bとで構成されており、その特別図柄1表示装置51aの左側には、1個のLEDからなる普通図柄表示装置52が設けられ、さらに、大当たり遊技のラウンド数を報知するラウンドランプ53b、右打ちを報知するための右打ち報知ランプ53cが設けられている。
【0030】
また、特別図柄1,特別図柄2に対応する識別情報を示す識別ランプ装置51Aが左飾り43b上端部側に設けられている。
【0031】
この識別ランプ装置51Aは、特別図柄1,特別図柄2が変動中、あるいは、当該特別図柄1,特別図柄2の当たりハズレの情報を遊技者に知らせるための第1,第2識別ランプ51Aa,51Abを有している。この第1識別ランプ51Aaは、特別図柄1に対応しており、第2識別ランプ51Abは、特別図柄2に対応している。そして、特別図柄1が変動中の場合、第1識別ランプ51Aaは点滅し、特別図柄1が当たりの場合、第1識別ランプ51Aaは点灯し、特別図柄1がハズレの場合、第1識別ランプ51Aaは消灯する。そしてさらに、特別図柄2が変動中の場合、第2識別ランプ51Abは点滅し、特別図柄2が当たりの場合、第2識別ランプ51Abは点灯し、特別図柄2がハズレの場合、第2識別ランプ51Abは消灯するというものである。
【0032】
なお、上記遊技盤4の遊技領域40には、図示はしないが複数の遊技釘が配置され、遊技球の落下方向変換部材としての風車54が配置されている。
【0033】
<制御装置の説明>
次に、上記のような外観構成からなるパチンコ遊技機1内に設けられる遊技の進行状況に応じて電子制御を行う制御装置を、
図3を用いて説明する。この制御装置は、
図3に示すように、遊技動作全般の制御を司る主制御基板60と、その主制御基板60からの制御コマンドに基づいて遊技球を払出す払出・発射制御基板70と、画像と光と音についての制御を行うサブ制御基板80とで主に構成されている。
【0034】
<主制御基板に関する説明>
主制御基板60は、主制御CPU600aと、一連の遊技制御手順を記述した遊技プログラム等を格納した主制御ROM600bと、作業領域やバッファメモリ等として機能する主制御RAM600cとで構成されたワンチップマイクロコンピュータ600と、低確時(当たり抽選確率が通常の低確率状態)に幾らの賞球がされたかの比率等に関する内容の表示(性能表示)、及び、遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率の設定内容の表示を兼用する7セグメントからなる計測・設定表示装置610と、RAMクリアスイッチ620と、設定キースイッチ630と、を主に搭載している。
【0035】
そして、このように構成される主制御基板60には、払出モータMを制御して遊技球を払出す払出・発射制御基板70が接続されている。そしてさらには、特別図柄1始動口44への入賞を検出する特別図柄1始動口スイッチ44aと、特別図柄2始動口45への入賞を検出する特別図柄2始動口スイッチ45aと、普通図柄始動口48の通過を検出する普通図柄始動口スイッチ48aと、一般入賞口49(右上一般入賞口49a,左上一般入賞口49b,左中一般入賞口49c,左下一般入賞口49d)への入賞を検出する右上一般入賞口スイッチ49a1,左上一般入賞口スイッチ49b1,左中一般入賞口スイッチ49c1,左下一般入賞口スイッチ49d1と、開閉扉46aによって開放又は閉止される大入賞口(図示せず)の入賞を検出する大入賞口スイッチ46cと、発射ハンドル16にて遊技領域40に発射された遊技球と同数の遊技球を検出可能なアウト口スイッチ50aとが接続されている。またさらには、開閉部材45bの動作を制御する普通電動役物ソレノイド45cと、開閉扉46aの動作を制御する特別電動役物ソレノイド46bと、振分装置47と、特別図柄1表示装置51aと、特別図柄2表示装置51bと、普通図柄表示装置52と、7セグメント表示装置53aと、ラウンドランプ53bと、右打ち報知ランプ53cと、が接続されている。
【0036】
このように構成される主制御基板60は、特別図柄1始動口スイッチ44a又は特別図柄2始動口スイッチ45aあるいは普通図柄始動口スイッチ47aからの信号を主制御CPU600aにて受信すると、遊技者に有利な遊技状態を発生させるか、あるいは、遊技者に有利な遊技状態を発生させないかの抽選を行い、その抽選結果である当否情報に応じて特別図柄の変動パターンや停止図柄あるいは普通図柄の表示内容を決定し、その決定した情報を特別図柄1表示装置51a又は特別図柄2表示装置51bあるいは普通図柄表示装置52に送信する。これにより、特別図柄1表示装置51a又は特別図柄2表示装置51bあるいは普通図柄表示装置52に抽選結果が表示されることとなる。そしてさらに、主制御基板60、すなわち、主制御CPU600aは、その決定した情報を含む演出制御コマンドDI_CMDを生成し、サブ制御基板80に送信する。なお、主制御基板60、すなわち、主制御CPU600aが、特別図柄1始動口スイッチ44a、特別図柄2始動口スイッチ45a、右上一般入賞口スイッチ49a1、左上一般入賞口スイッチ49b1、左中一般入賞口スイッチ49c1、左下一般入賞口スイッチ49d1、大入賞口スイッチ46cからの信号を受信した場合は、遊技者に幾らの遊技球を払い出すかを決定し、その決定した情報を含む払出制御コマンドPAY_CMDを払出・発射制御基板70に送信することで、払出・発射制御基板70が遊技者に遊技球を払出すこととなる。
【0037】
また、抽選を行った結果、普通図柄の抽選に当選した場合、開閉部材45bが所定回数、所定時間開放するように普通電動役物ソレノイド45cが駆動制御され、特別図柄の抽選に当選した場合、特別電動役物ソレノイド46bが大入賞口(図示せず)を開放するように制御される。
【0038】
そして、1種2種タイプの遊技機では、小当たり遊技状態となった際、開閉扉46aにて大入賞口(図示せず)の開放閉止を繰り返し行うように制御され、遊技球が大入賞口(図示せず)に入球されると、その遊技球がV領域47aに振り分けられるように、振分装置47が制御される。
【0039】
一方、V確機タイプの遊技機では、確率変動に移行可能な大当たりに当選(以下、「確変大当たり」という)した場合、大当たりラウンド遊技中、特定のラウンドで、遊技球が大入賞口(図示せず)に入球されると、その遊技球がV領域47aに振り分けられるように、振分装置47が制御される。
【0040】
他方、主制御基板60、すなわち、主制御CPU600aは、特別図柄1始動口スイッチ44a、特別図柄2始動口スイッチ45a、右上一般入賞口スイッチ49a1、左上一般入賞口スイッチ49b1、左中一般入賞口スイッチ49c1、左下一般入賞口スイッチ49d1、大入賞口スイッチ46cからの信号を受信する毎に、賞球数を計測し、アウト口スイッチ50aからの信号を受信する毎に、排出された遊技球の総数を計測する。そして、主制御基板60、すなわち、主制御CPU600aは、この計測した賞球数及び排出された遊技球の総数に基づき、低確時に幾らの賞球がされたかの比率等に関する内容(性能表示)を計測・設定表示装置610に出力する。これにより、計測・設定表示装置610に低確時に幾らの賞球がされたかの比率等に関する内容(性能表示)が表示されることとなる。
【0041】
さらに、計測・設定表示装置610は、遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率の設定内容を、例えば、「1」~「6」の6段階で表示することができるようになっている。しかして、このような設定内容を変更するにあたっては、設定キースイッチ630に専用キーを挿入し、ONされると、RAMクリアスイッチ620にて、遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率の設定内容を例えば「1」~「6」の6段階で設定変更することができるようになっている(例えば、設定「6」が、遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率が最も高く、設定「1」が、遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率が最も低くなっている)。そして、その設定変更内容は、計測・設定表示装置610に表示され、設定変更内容が確定すると、7セグメントの右下側にあるドットが点灯し、設定内容が確定したことが表示されるようになっている。
【0042】
他方、RAMクリアスイッチ620は、設定キースイッチ630に専用キーを挿入し、ONされた場合以外に、RAMクリアスイッチ620が押下されると、主制御RAM600cのメモリ領域は全てクリアされず、一部のメモリ領域のみクリアされるようになっている。
【0043】
<払出・発射制御基板に関する説明>
払出・発射制御基板70は、上記主制御基板60(主制御CPU600a)からの払出制御コマンドPAY_CMDを受信し、その受信した払出制御コマンドPAY_CMDに基づいて払出モータ信号を生成する。そして、その生成した払出モータ信号にて、払出モータMを制御し、遊技者に遊技球を払出す。そしてさらに、払出・発射制御基板70は、遊技球の払出動作を示す賞球計数信号や払出動作の異常に係るステータス信号に基づいて、遊技者の操作に応答して遊技球を発射させる動作を開始又は停止させる処理を行う。
【0044】
一方、
図1に示す発射ハンドル16の周縁部には、タッチセンサが設けられており、遊技者の手が発射ハンドル16のタッチセンサに接触すると、タッチセンサは検出信号を、
図3に示すように、払出・発射制御基板70に出力する。これを受けて、払出・発射制御基板70は、その検出信号を、主制御基板60(主制御CPU600a)に送信することとなる。そして、主制御基板60(主制御CPU600a)は、その検出信号を、演出制御コマンドDI_CMDとして、サブ制御基板80に送信することとなる。これにより、遊技者がハンドル16に触って遊技したか否かの情報を、サブ制御基板80に送信することが可能となる。
【0045】
<サブ制御基板に関する説明>
サブ制御基板80は、上記主制御基板60(主制御CPU600a)からの演出制御コマンドDI_CMDを受けて各種演出を実行制御すると共に、液晶表示装置41に表示される表示画像を制御するサブ制御CPU800aと、演出制御手順を記述した制御プログラム等が格納されているサブ制御ROM800bと、作業領域やバッファメモリ等として機能するサブ制御RAM800cとで構成されたサブワンチップマイコン800を搭載している。
【0046】
またさらに、サブ制御基板80は、所望のBGMや効果音を生成する音LSI801と、作業領域やバッファメモリ等として機能する音RAM802と、サブワンチップマイコン800の指示に基づき液晶表示装置41に表示される画像データを生成するVDP803と、動画圧縮データを伸張する作業領域と、液晶表示装置41に表示される画像データを一時的に保存するフレームバッファ領域とで構成されるDDR2SDRAM804と、静止画圧縮データと動画圧縮データのCGデータと、BGMや効果音等の音データと、が予め格納されている遊技ROM805と、が搭載されている。なお、静止画とは、いわゆるスプライト画像であって、文字等のテキストデータや背景画像、あるいは、特別図柄等、単一の画像を示すものである。また、動画とは、連続的に変化する複数枚(複数フレーム分)の静止画の集合を意味し、液晶表示装置41に複数枚の静止画が連続して描画されることで、円滑な動作が再現されるものである。
【0047】
このように構成されるサブ制御基板80には、ランプ演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプが搭載されている装飾ランプ基板90が接続され、さらに、内蔵されているランプ(図示せず)点灯時に遊技者が押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の演出ボタン装置13が接続され、BGMや効果音等を発するスピーカ17が接続されている。そしてさらに、サブ制御基板80には、遊技の進行に伴い所定の演出動作を行う可動役物装置43が接続され、特別図柄1,特別図柄2が変動中、あるいは、当該特別図柄1,特別図柄2の当たりハズレの情報を遊技者に知らせるための識別ランプ装置51Aが接続され、各種設定が可能な設定ボタン15が接続され、液晶表示装置41が接続されている。なお、言うまでもないが、この装飾ランプ基板90には、上・左・右・左上可動役物43a~43dに配置されている装飾ランプも搭載されている。
【0048】
かくして、このように構成されるサブ制御基板80は、主制御基板60(主制御CPU600a)より送信される抽選結果に基づく特別図柄変動パターン、現在の遊技状態、始動保留球数、抽選結果に基づき停止させる装飾図柄等に必要となる基本情報を含んだ演出制御コマンドDI_CMDをサブ制御CPU800aにて受信する。そして、サブ制御CPU800aは、受信した演出制御コマンドDI_CMDに対応した演出パターンを、サブ制御ROM800b内に予め格納しておいた多数の演出パターンの中から抽選により決定し、その決定した演出パターンを実行指示する制御信号をサブ制御RAM800c内に一時的に格納する。
【0049】
サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cに格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、音に関する制御信号を音LSI801に送信する。これを受けて音LSI801は、当該制御信号に対応する音データを遊技ROM805又は音RAM802より読み出し、スピーカ17に出力する。これにより、スピーカ17より上記決定された演出パターンに対応したBGMや効果音が発せられることとなる。
【0050】
またサブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cに格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、光に関する制御信号を装飾ランプ基板90に送信する。これにより、装飾ランプ基板90が、ランプ演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプを点灯又は消灯する制御を行うため、上記決定された演出パターンに対応したランプ演出が実行されることとなる。
【0051】
そしてサブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cに格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、画像に関するコマンドリストをVDP803に送信する。これにより、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように画像データを生成し、その生成した画像データを液晶表示装置41に送信することにより、上記決定された演出パターンに対応した画像が液晶表示装置41に表示されることとなる。なお、液晶表示装置41に表示される画像データは1フレーム毎に更新されるが、この1フレームの表示動作が終わったことをサブワンチップマイコン800(サブ制御CPU800a)が把握できるように、
図3に示すVSYNC(垂直同期信号)を割込み信号としてVDP803からサブ制御CPU800aに対して送信するようにしている。これにより、サブ制御CPU800aは、1フレーム分の画像データが液晶表示装置41に表示されたことを把握することができる。なお、このVSYNC割込み信号は、例えば、33ms毎に発生するようにしている。
【0052】
さらにサブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cに格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、可動役物に関する制御信号を可動役物装置43に送信する。これにより、可動役物装置43は、上記決定された演出パターンに対応した可動をすることとなる。
【0053】
<電源基板の説明>
ところで、上記説明した各基板への電源供給は、
図3に示す電源基板130より供給されている。この電源基板130は、電圧生成部1300と、電圧監視部1310と、システムリセット生成部1320とを含んで構成されている。この電圧生成部1300は、遊技店に設置された図示しない変圧トランスから供給される外部電源である交流電圧AC24Vを受けて複数種類の直流電圧を生成するもので、その生成された直流電圧は、図示はしないが各基板に供給されている。
【0054】
また、電圧監視部1310は、上記交流電圧AC24Vの電圧を監視するもので、この電圧が遮断されたり、停電が発生したりして電圧異常を検出した場合に電圧異常信号ALARMを主制御基板60に出力するものである。なお、電圧異常信号ALARMは、電圧異常時には「L」レベルの信号を出力し、正常時には「H」レベルの信号を出力する。
【0055】
また、一方、システムリセット生成部1320は、電源投入時のシステムリセット信号RSTを生成するもので、その生成されたシステムリセット信号RSTは、各基板に出力されている。
【0056】
<1種2種タイプの遊技機、V-STタイプの遊技機におけるRUSH遊技状態への移行に関する説明>
次に、1種2種タイプの遊技機、V-STタイプの遊技機におけるRUSH遊技状態への移行について、
図4を参照して具体的に説明する。
【0057】
<従来の遊技の説明>
まず、本実施形態において説明する1種2種タイプの遊技機は、
図4(a)に示すように設定されている。すなわち、特別図柄1の抽選による大当たりへの当選確率が1/199で、小当たりがなく、大当たりに当選した場合、そのうち1%が、時短遊技7回が付与され、99%が、時短遊技1回が付与される。そして、特別図柄2の抽選による大当たりへの当選確率が1/199で、小当たりへの当選確率が1/7で、大当たり、又は、小当たりに当選した場合、そのうち99%が、時短遊技7回が付与され、1%が、時短遊技255回が付与される。
【0058】
かくして、このような1種2種タイプの遊技機において、
図4(a)に示すように、遊技状態が、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG1で、主制御CPU600aにて、特別図柄1の抽選が実行され、液晶表示装置41には、特別図柄1の変動が表示される。そして、特別図柄1の抽選において、大当たりに当選すると、遊技状態YG1が、大当たり遊技状態YG2に移行する(RO1参照)。この際、99%が、時短遊技1回が付与され、1%が、時短遊技7回が付与される。時短遊技7回が付与された大当たりに当選すると、遊技状態YG2が、RUSH遊技状態(低確時短遊技状態)YG3に移行する(RO2参照)。なお、RUSH遊技状態は、遊技状態の中で一番良い遊技状態を示している。
【0059】
一方、時短遊技1回が付与された大当たりに当選すると、遊技状態YG2が、チャレンジタイム遊技状態(低確時短遊技状態)YG4に移行する(RO3参照)。この際、主制御CPU600aにて、特別図柄2の抽選が実行され、液晶表示装置41には、特別図柄2の変動が表示される。そして、時短遊技1回に加え、第2始動保留球数4個のうちで、大当たり、又は、小当たりに当選すると、遊技状態YG4が、RUSH遊技状態(低確時短遊技状態)YG3に移行することとなる(RO4参照)。なお、
図4(a)に示す遊技状態YG4の「特
図2変動(1回)+残保留4個」とは、大当たり遊技後に、特別図柄2の1変動だけ、時短遊技状態となる。この際、1変動時間が終了するまで、
図2に示す開閉部材45bが開放され、特別図柄2始動口45内に遊技球が入賞し易い状態となる。これにより、第2始動保留球が最大数(4個)保留できることとなる。そして、1変動時間が終了すると、特別図柄2始動口45内に遊技球が入賞し難い状態となり、特別図柄2始動口45内に遊技球が入球されないこととなる。これにより、時短遊技1回に加え、第2始動保留球数4個のうちで、大当たり、又は、小当たりに当選すると、遊技状態YG4が、RUSH遊技状態(低確時短遊技状態)YG3に移行することとなる(RO4参照)。
【0060】
しかして、従来の1種2種タイプの遊技機においては、RUSH遊技状態に移行するにあたって、特別図柄1の抽選において、大当たりに当選するか、或いは、大当たりに当選した後、特別図柄2の抽選において、大当たりか小当たりに当選しなければ、RUSH遊技状態に移行することができないというハードルがある。
【0061】
次いで、本実施形態において説明するV-STタイプの遊技機は、
図4(b)に示すように設定されている。すなわち、遊技状態が低確率遊技状態における特別図柄1の抽選による大当たりへの当選確率が1/319で、遊技状態が高確率遊技状態における特別図柄1の抽選による大当たりへの当選確率が1/70で、大当たりへの当選のうち、50%が、確率変動大当たりで、残り50%が、非確率変動大当たりである。そして、遊技状態が低確率遊技状態における特別図柄2の抽選による大当たりへの当選確率が1/319で、遊技状態が高確率遊技状態における特別図柄2の抽選による大当たりへの当選確率が1/70で、大当たりへの当選のうち、100%が、確率変動大当たりである。なお、ここでの確率変動大当たりとは、特定のラウンドで大入賞口に入賞した遊技球がV領域47a(
図2参照)を通過し易いように振分装置47(
図2参照)が作動する大当たりであり、非確率変動大当たりとは、特定のラウンドで大入賞口に入賞した遊技球がV領域47aを通過し難いように振分装置47が作動する大当たりである。
【0062】
かくして、このようなV-STタイプの遊技機において、
図4(b)に示すように、遊技状態YG10が、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)で、主制御CPU600aにて、特別図柄1の抽選が実行され、液晶表示装置41には、特別図柄1の変動が表示される。そして、特別図柄1の抽選において、大当たりに当選すると、遊技状態YG10が、大当たり遊技状態YG11に移行する(RO10参照)。この際、50%の確率変動大当たりに当選した場合、遊技状態YG11が、RUSH遊技状態(高確時短遊技状態)YG12に移行する(RO11参照)。
【0063】
一方、50%の非確率変動大当たりに当選した場合、遊技状態YG11が、チャンスタイム遊技状態(低確時短遊技状態)YG13に移行する(RO12参照)。この際、主制御CPU600aにて、特別図柄2の抽選が実行され、液晶表示装置41には、特別図柄2の変動が表示される。そして、所定回数(例えば、100回)の特別図柄2の変動内に、大当たりに当選すると、遊技状態YG13が、RUSH遊技状態(高確時短遊技状態)YG12に移行することとなる(RO13参照)。
【0064】
しかして、従来のV-STタイプの遊技機においては、RUSH遊技状態に移行するにあたって、特別図柄1の抽選において、大当たりに当選するか、或いは、大当たりに当選した後、特別図柄2の抽選において、大当たりに当選しなければ、RUSH遊技状態に移行することができないというハードルがある。
【0065】
<本実施形態の遊技の説明>
そこで、本実施形態においては、RUSH状態へ移行するか否かのハードルとなる特別図柄1の抽選における大当たりに当選せずとも、特別図柄2が変動する救済時短遊技を経由してRUSH遊技状態に移行するようにしている。
【0066】
すなわち、1種2種タイプの遊技機において、
図4(a)に示すように、遊技状態が、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG1で、主制御CPU600aにて、特別図柄1の抽選が実行され、所定回数(例えば、500回)はずれが実行されると、遊技者への救済として、遊技状態YG1が、救済遊技時短遊技状態(低確時短遊技状態)YG5に移行する(RO5参照)。この際、主制御CPU600aにて、特別図柄2の抽選が実行され、液晶表示装置41には、特別図柄2の変動が表示される。そして、所定回数(例えば、255回)の特別図柄2の変動内に、1/7の当選確率である小当たりに当選すると、遊技状態YG5が、RUSH遊技状態(低確時短遊技状態)YG3に移行することとなる(RO6参照)。それゆえ、救済遊技時短遊技状態(低確時短遊技状態)に移行すると、ほぼ大当たりが確定することとなる。
【0067】
一方、V-STタイプの遊技機において、
図4(b)に示すように、遊技状態が、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG10で、主制御CPU600aにて、特別図柄1の抽選が実行され、所定回数(例えば、950回)はずれが実行されると、遊技者への救済として、遊技状態YG10が、救済遊技時短遊技状態(低確時短遊技状態)YG15に移行する(RO15参照)。この際、主制御CPU600aにて、特別図柄2の抽選が実行され、液晶表示装置41には、特別図柄2の変動が表示される。そして、所定回数(例えば、1000回)の特別図柄2の変動内に、1/319の当選確率である大当たりに当選すると、遊技状態YG15が、RUSH遊技状態(高確時短遊技状態)YG12に移行することとなる(RO16参照)。それゆえ、救済遊技時短遊技状態(低確時短遊技状態)に移行すると、ほぼ大当たりが確定することとなる。
【0068】
しかして、このようにすれば、RUSH遊技状態へ移行するか否かのハードルとなる特別図柄1の抽選における大当たりに当選せずとも、特別図柄2が変動する救済時短遊技を経由してRUSH遊技状態に移行することとなるから、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0069】
さらに、従来の遊技は、大当たりを経由しているため、払出・発射制御基板70にて遊技者に遊技球が払い出されることとなる。そのため、RUSH遊技状態とならず、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)に戻ったとしても、遊技者は、再度、遊技を楽しむことができる。その一方、本実施形態の遊技であれば、救済遊技時短遊技状態(低確時短遊技状態)に移行する場合、払出・発射制御基板70にて遊技者に遊技球が払い出されることはないが、RUSH遊技状態へ移行した際、払出・発射制御基板70にて遊技者に遊技球が払い出されることとなる。そのため、従来の遊技、本実施形態の遊技、何れの場合であっても、遊技者の投資金額を抑えることができ、もって、投資額を抑えて長時間遊技を楽しむことができる。これにより、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0070】
<1種2種タイプの遊技機、V-STタイプの遊技機におけるRUSH遊技状態への移行の別実施に関する説明>
次に、1種2種タイプの遊技機、V-STタイプの遊技機におけるRUSH遊技状態への移行の別実施について、
図5~
図13を参照して具体的に説明する。
【0071】
まず、上記説明した設定と同様のV-STタイプの遊技機において説明する。
図5に示すように、遊技状態が、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG20の場合、主制御CPU600aにて、特別図柄1の抽選が実行され、液晶表示装置41には、特別図柄1の変動が表示される。この際、抽選結果に応じて、
図7(b)に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1を用いて変動パターンが決定される。具体的に説明すると、
図7(b)に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1は、
図7(a)に示すテーブルTBLを用いて選択される。このテーブルTBLは、主制御ROM600b内に格納されており、各遊技状態に対応した変動パターン選択テーブル指定コードと参照する変動パターン選択テーブルが格納されている。なお、変動パターン選択テーブル指定コードとは、プログラム上で管理している変動パターン選択テーブルを参照するためのデータである。
【0072】
具体的に説明すれば、
図7(a)に示すテーブルTBLは、電源投入時にクリアされる主制御RAM600cクリア時における通常遊技状態において、変動パターン選択テーブル指定コマンドとして「00H」が選択され、参照する変動パターン選択テーブルとしては、第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1が用いられることとなる。そして、時短遊技終了時の通常遊技状態における1~20回転目においては、変動パターン選択テーブル指定コマンドとして「01H」が選択され、参照する変動パターン選択テーブルとしては、第2変動パターン選択テーブルNOR_TBL2が用いられることとなる。なお、20回転目終了後は、参照する変動パターン選択テーブルとして、第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1が用いられることとなる。
【0073】
一方、
図7(a)に示すテーブルTBLは、時短遊技、又は、RUSH遊技状態の最終変動において、変動パターン選択テーブル指定コマンドとして「02H」が選択され、参照する変動パターン選択テーブルとしては、第3変動パターン選択テーブルLAST_TBLが用いられることとなる。さらに、時短遊技状態(1回転目~最終-1回転目)においては、変動パターン選択テーブル指定コマンドとして「03H」が選択され、参照する変動パターン選択テーブルとしては、JT_TBLが用いられることとなる。またさらに、RUSH遊技状態(1回転目~最終-1回転目)においては、変動パターン選択テーブル指定コマンドとして「04H」が選択され、参照する変動パターン選択テーブルとしては、HI_TBLが用いられることとなる。なお、JT_TBL、HI_TBLに関しては、図示せず、説明は省略することとする。
【0074】
かくして、主制御CPU600aにて、上記のようなテーブルTBLを用いて第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1が選択されると、変動パターンが決定されることとなる。具体的には、
図7(b)に示すように、特別図柄1の抽選に当選せず、はずれの場合で、第1始動保留球が「0」個の場合、図示の確率で、通常変動12秒が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ(20秒)が選択され、図示の確率で、SPリーチはずれ(50秒)が選択されることとなる。そして、第1始動保留球が「1」個の場合、図示の確率で、通常変動8秒が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ(20秒)が選択され、図示の確率で、SPリーチはずれ(50秒)が選択されることとなる。そしてさらに、第1始動保留球が「2」個の場合、図示の確率で、通常変動5秒が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ(20秒)が選択され、図示の確率で、SPリーチはずれ(50秒)が選択されることとなる。またさらに、第1始動保留球が「3」個の場合、図示の確率で、通常変動3秒が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ(20秒)が選択され、図示の確率で、SPリーチはずれ(50秒)が選択されることとなる。
【0075】
しかして、このように、リーチとならない通常はずれ変動では、第1始動保留球の数に応じて変動時間を短縮するようにしている。
【0076】
一方、
図5に示すように、遊技状態が、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG20の場合、イレギュラーで、特別図柄2始動口45内に遊技球が入球してしまった際、主制御CPU600aにて、
図7(a)に示すテーブルTBLを用いて第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1が選択されることとなる。この際、
図7(b)に示すように、特別図柄2の抽選に当選せず、はずれの場合で、第2始動保留球が「0」~「3」何れの場合においても、図示の確率で、通常変動8秒が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ(20秒)が選択されることとなる。
【0077】
しかして、このように、第2始動保留球の数に応じて変動時間を短縮せず、第2始動保留球の数に関わらず共通の変動パターン選択テーブルから決定される。
【0078】
かくして、
図7(b)に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1は、第2始動保留球の保留数に関係なく同じ振り分け値になっている。そして選択される変動パターンの種類は、特別図柄1で選択される種類よりも特別図柄2で選択される種類が少なくなっており、リーチとなる確率が特別図柄1よりも、特別図柄2の方が低くなっている。しかして、このように設定することにより、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)の場合に、特別図柄1において、第1始動保留球の保留数が少ない場合にリーチ確率を上げたり、変動時間が長いものを選択したりして、次の保留が貯まるようにしている。その一方で、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)の場合に、第2始動保留球の保留が発生するのは、イレギュラーの入賞であるため、特別図柄1のように第1始動保留球数が4個まで貯まることはほぼない。そのため、特別図柄2の変動を早めに終了させて、特別図柄1が変動する状態にするため、どの第2始動保留球の保留数になっても、同じ振り分け値となるようになっている。
【0079】
ところで、
図5に示す遊技状態が、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG20の場合、主制御CPU600aにて、特別図柄1,2の何れかの抽選が実行され、何れかが大当たりに当選した場合、主制御CPU600aにて、
図7(a)に示すテーブルTBLを用いて第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1が選択される。この際、
図7(b)に示すように、特別図柄1,2の何れかの抽選が、大当たり1に当選した場合、図示の確率で、ノーマルリーチ当たり(30秒)が選択され、図示の確率で、SPリーチ当たり(60秒)が選択され、図示の確率で、全回転変動当たり(100秒)が選択される。一方、
図7(b)に示すように、特別図柄1,2の何れかの抽選が、大当たり2に当選した場合、図示の確率で、ノーマルリーチ当たり(30秒)が選択され、図示の確率で、SPリーチ当たり(60秒)が選択される。
【0080】
一方、
図5に示す遊技状態が、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG20の場合に、1/300の確率で、特殊電サポ図柄に当選すると、遊技状態YG20が、特殊電サポ図柄当選での時短遊技(低確時短遊技)状態YG21に移行する(RO20参照)。なお、特殊電サポ図柄に当選すると、主制御CPU600aにて、
図7(a)に示すテーブルTBLを用いて第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1が選択される。この際、
図7(b)に示すように、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ+時短突入演出(25秒)が選択され、図示の確率で、SPリーチはずれ+時短突入演出(55秒)が選択される。すなわち、特殊電サポ図柄に当選すると、変動中にはずれ演出を行った後、時短突入演出を行う一連の変動パターンが選択される。なお、特殊電サポ図柄は、特殊電サポ図柄1,2が存在するが、何れも、振り分け値は共通である。
【0081】
ところで、上述した当たり、はずれの抽選は、
図7(a)に示すテーブルTBLとは異なる別のテーブルを用いて行われることとなる。
【0082】
かくして、
図5に示すように、特殊電サポ図柄当選での時短遊技(低確時短遊技)状態YG21に移行した際、所定回数(例えば、50回)の特別図柄2の変動内で、大当たりに当選すると、遊技状態YG21が、RUSH遊技状態(高確時短遊技状態)YG22に移行することとなる(RO21参照)。一方、大当たりに当選しなければ、
図5に示すように、遊技状態が、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG20に戻ることとなる(RO22参照)。なお、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)に戻った際、特別図柄2における第2始動保留球の残保留数における変動パターンの決定に関しては、
図7(b)に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1が選択されることとなる。
【0083】
他方、
図5に示すように、遊技状態が、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG20で、主制御CPU600aにて、特別図柄1の抽選が実行され、大当たりに当選すると、遊技状態YG20が、大当たり遊技状態YG23に移行する(RO23参照)。この際、50%の確率変動大当たりに当選した場合、RUSH遊技状態(高確時短遊技状態)YG22に移行する(RO24参照)。この際、主制御CPU600aにて、
図7(a)に示すテーブルTBLを用いてHI_TBLが選択される。そして、最終変動目(図示では、150回目)においては、リザルト演出と呼ばれる時短遊技中の結果表示を行う演出が実行される。具体的には、
図7(a)に示すテーブルTBLを用いて、
図8(b)に示す第3変動パターン選択テーブルLAST_TBLが選択される。この際、
図8(b)に示すように、特別図柄1,2の抽選に当選せず、はずれの場合で、第1始動保留球又は第2始動保留球が「0」~「3」個の場合、何れにおいても、図示の確率で、リザルト演出(はずれ)30秒が選択される。そして、特別図柄1,2の抽選に当選し、大当たり1,2何れの場合も、リザルト演出⇒当たり演出100秒が選択される。さらに、特別図柄1,2の抽選に当選し、小当たり1,2何れの場合も、リザルト演出⇒当たり演出100秒が選択される。またさらに、特殊電サポ図柄に当選した場合、リザルト演出(はずれ)30秒が選択される。なお、特殊電サポ図柄に当選したとしても、時短回数を再セットしないため、はずれの変動パターンが選択されるようになっている。
【0084】
かくして、
図8(b)に示す第3変動パターン選択テーブルLAST_TBLは、第2始動保留球の保留数に関係なく同じ振り分け値になっている。
【0085】
ところで、RUSH遊技状態(高確時短遊技状態)YG22において、所定回数(図示では、150回)はずれが実行されると、遊技状態が、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG20に戻ることとなる(RO25参照)。この際、特別図柄2における第2始動保留球の残保留数が最大(4個)である場合が多いため、変動時間を短縮してしまうと、第1始動保留球が貯まるまでに、第2始動保留球が全て消化されてしまい、遊技状態が客待ち状態となる可能性がある。そのため、本実施形態においては、このようなことを防ぐため、第2始動保留球の残保留それぞれの変動を、長すぎず短すぎない時間の通常変動(リーチとならない変動)が選択されやすい変動パターン選択テーブルを用いて変動パターンが選択されるようになっている。具体的には、RUSH遊技状態(高確時短遊技状態)YG22において、所定回数(図示では、150回)はずれが実行され、遊技状態が、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG20に戻ると、主制御CPU600aにて、
図7(a)に示すテーブルTBLを用いて、
図8(a)に示す第2変動パターン選択テーブルNOR_TBL2が選択される。この際、
図8(a)に示すように、特別図柄2の抽選に当選せず、はずれの場合で、第2始動保留球が「0」~「3」何れの場合においても、図示の確率で、通常変動8秒が選択され、図示の確率で、特殊モードはずれ変動(15秒)が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ(20秒)が選択されることとなる。
【0086】
一方、特別図柄2の抽選に当選し、大当たり1の場合、図示の確率で、特殊モード当たり変動(30秒)が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチ当たり(30秒)が選択され、図示の確率で、全回転変動当たり(100秒)が選択される。また、特別図柄2の抽選に当選し、大当たり2の場合、図示の確率で、特殊モード当たり変動(30秒)が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチ当たり(30秒)が選択される。
【0087】
しかして、このように、RUSH遊技状態(高確時短遊技状態)YG22において、所定回数(図示では、150回)はずれが実行され、遊技状態が、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG20に戻った際、
図7(b)に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1が選択されることなく、
図8(a)に示す第2変動パターン選択テーブルNOR_TBL2が選択されることとなる。これにより、第2始動保留球が全て消化されてしまい、遊技状態が客待ち状態となる事態を低減させることができる。また、第2変動パターン選択テーブルNOR_TBL2では、特殊モード演出が実行されるような振り分け値を設けているから、時短遊技終了後、直ちに、遊技者による遊技が終了されてしまう事態を防止することができる。
【0088】
ところで、遊技状態が、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG20の際、
図8(a)に示す第2変動パターン選択テーブルNOR_TBL2では、特別図柄1の抽選に当選せず、はずれの場合で、第1始動保留球が「0」個の場合、図示の確率で、通常変動12秒が選択され、図示の確率で、特殊モードはずれ変動(15秒)が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ(20秒)が選択されることとなる。そして、第1始動保留球が「1」個の場合、図示の確率で、通常変動8秒が選択され、図示の確率で、特殊モードはずれ変動(15秒)が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ(20秒)が選択されることとなる。そしてさらに、第1始動保留球が「2」個の場合、図示の確率で、通常変動5秒が選択され、図示の確率で、特殊モードはずれ変動(15秒)が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ(20秒)が選択されることとなる。またさらに、第1始動保留球が「3」個の場合、図示の確率で、通常変動3秒が選択され、図示の確率で、特殊モードはずれ変動(15秒)が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ(20秒)が選択されることとなる。
【0089】
一方、特別図柄1の抽選に当選し、大当たり1の場合、図示の確率で、特殊モード当たり変動(30秒)が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチ当たり(30秒)が選択され、図示の確率で、全回転変動当たり(100秒)が選択される。また、特別図柄1の抽選に当選し、大当たり2の場合、図示の確率で、特殊モード当たり変動(30秒)が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチ当たり(30秒)が選択される。
【0090】
また一方、特殊電サポ図柄に当選すると、
図8(a)に示すように、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ+時短突入演出(25秒)が選択され、図示の確率で、SPリーチはずれ+時短突入演出(55秒)が選択される。すなわち、特殊電サポ図柄に当選すると、変動中にはずれ演出を行った後、時短突入演出を行う一連の変動パターンが選択される。なお、特殊電サポ図柄は、特殊電サポ図柄1,2が存在するが、何れも、振り分け値は共通である。
【0091】
他方、
図5に示す大当たり遊技状態YG23に移行していた際、50%の非確率変動大当たりに当選した場合、遊技状態YG23が、チャンスタイム遊技状態(低確時短遊技状態)YG24に移行する(RO26参照)。この際、主制御CPU600aにて、特別図柄2の抽選が実行され、液晶表示装置41には、特別図柄2の変動が表示される。そして、所定回数(例えば、100回)の特別図柄2の変動内に、大当たりに当選すると、遊技状態YG24が、RUSH遊技状態(高確時短遊技状態)YG22に移行することとなる(RO27参照)。この際、主制御CPU600aにて、
図7(a)に示すテーブルTBLを用いてJT_TBLが選択される。そして、最終変動目(図示では、100回目)においては、リザルト演出と呼ばれる時短遊技中の結果表示を行う演出が実行される。具体的には、
図7(a)に示すテーブルTBLを用いて、
図8(b)に示す第3変動パターン選択テーブルLAST_TBLが選択される。
【0092】
ところで、チャンスタイム遊技状態(低確時短遊技状態)YG24において、所定回数(図示では、100回)はずれが実行されると、遊技状態が、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG20に戻ることとなる(RO28参照)。この際、特別図柄2における第2始動保留球の残保留数が最大(4個)である場合が多いため、変動時間を短縮してしまうと、第1始動保留球が貯まるまでに、第2始動保留球が全て消化されてしまい、遊技状態が客待ち状態となる可能性がある。そのため、本実施形態においては、このようなことを防ぐため、第2始動保留球の残保留それぞれの変動を、長すぎず短すぎない時間の通常変動(リーチとならない変動)が選択されやすい
図8(a)に示す第2変動パターン選択テーブルNOR_TBL2が選択される。
【0093】
しかして、このように、各遊技状態において、同じ遊技状態でも、適切な変動パターン選択テーブルを用いて変動パターンを決定するようにすれば、最適な変動パターンを決定することができる。これにより、遊技者の興趣を低下させるような事態を低減させることができ、もって、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0094】
次に、上記説明した設定と同様の1種2種タイプの遊技機において説明する。
図6に示すように、遊技状態が、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG30の場合、主制御CPU600aにて、特別図柄1の抽選が実行され、液晶表示装置41には、特別図柄1の変動が表示される。この際、抽選結果に応じて、
図9に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1を用いて変動パターンが決定される。具体的には、主制御CPU600aにて、
図7(a)に示すテーブルTBLを用いて第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1が選択されると、変動パターンが決定されることとなる。詳しく説明すると、
図9に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1は、特別図柄1の抽選に当選せず、はずれの場合で、第1始動保留球が「0」個の場合、図示の確率で、通常変動12秒が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ(20秒)が選択され、図示の確率で、SPリーチはずれ(50秒)が選択されることとなる。そして、第1始動保留球が「1」個の場合、図示の確率で、通常変動8秒が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ(20秒)が選択され、図示の確率で、SPリーチはずれ(50秒)が選択されることとなる。そしてさらに、第1始動保留球が「2」個の場合、図示の確率で、通常変動5秒が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ(20秒)が選択され、図示の確率で、SPリーチはずれ(50秒)が選択されることとなる。またさらに、第1始動保留球が「3」個の場合、図示の確率で、通常変動3秒が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ(20秒)が選択され、図示の確率で、SPリーチはずれ(50秒)が選択されることとなる。
【0095】
しかして、このように、リーチとならない通常はずれ変動では、第1始動保留球の数に応じて変動時間を短縮するようにしている。
【0096】
一方、
図6に示すように、遊技状態が、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG30の場合、イレギュラーで、特別図柄2始動口45内に遊技球が入球してしまった際、主制御CPU600aにて、
図7(a)に示すテーブルTBLを用いて、
図9に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1が選択される。この際、
図7(b)に示すように、特別図柄2の抽選に当選せず、はずれの場合で、第2始動保留球が「0」~「3」何れの場合においても、図示の確率で、通常変動8秒が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ(20秒)が選択されることとなる。
【0097】
しかして、このように、第2始動保留球の数に応じて変動時間を短縮せず、第2始動保留球の数に関わらず共通の変動パターン選択テーブルから決定される。
【0098】
かくして、
図9に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1は、第2始動保留球の保留数に関係なく同じ振り分け値になっている。そして選択される変動パターンの種類は、特別図柄1で選択される種類よりも特別図柄2で選択される種類が少なくなっており、リーチとなる確率が特別図柄1よりも、特別図柄2の方が低くなっている。しかして、このように設定することにより、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)の場合に、特別図柄1において、第1始動保留球の保留数が少ない場合にリーチ確率を上げたり、変動時間が長いものを選択したりして、次の保留が貯まるようにしている。その一方で、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)の場合に、第2始動保留球の保留が発生するのは、イレギュラーの入賞であるため、特別図柄1のように第1始動保留球数が4個まで貯まることはほぼない。そのため、特別図柄2の変動を早めに終了させて、特別図柄1が変動する状態にするため、どの第2始動保留球の保留数になっても、同じ振り分け値となるようにしている。
【0099】
ところで、
図6に示す遊技状態が、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG30の場合、主制御CPU600aにて、特別図柄1,2の何れかの抽選が実行され、何れかが大当たりに当選した場合、主制御CPU600aにて、
図7(a)に示すテーブルTBLを用いて、
図9に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1が選択される。この際、
図9に示すように、特別図柄1,2の何れかの抽選が、大当たり1に当選した場合、図示の確率で、ノーマルリーチ当たり(30秒)が選択され、図示の確率で、SPリーチ当たり(60秒)が選択され、図示の確率で、全回転変動当たり(100秒)が選択される。一方、
図9に示すように、特別図柄1,2の何れかの抽選が、大当たり2に当選した場合、図示の確率で、ノーマルリーチ当たり(30秒)が選択され、図示の確率で、SPリーチ当たり(60秒)が選択される。
【0100】
一方、
図6に示す遊技状態が、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG30の場合、主制御CPU600aにて、特別図柄2の抽選が実行され、小当たりに当選した場合、主制御CPU600aにて、
図7(a)に示すテーブルTBLを用いて、
図9に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1が選択される。この際、
図9に示すように、特別図柄2の抽選が実行され、小当たり1,2の何れかに当選した場合、図示の確率で、小当たり用当たり変動(50秒)が選択される。
【0101】
また一方、
図6に示す遊技状態が、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG30の場合に、1/300の確率で、特殊電サポ図柄に当選すると、遊技状態YG30が、チャレンジタイム遊技状態(低確時短遊技状態)YG31に移行する(RO30参照)。なお、特殊電サポ図柄に当選すると、主制御CPU600aにて、
図7(a)に示すテーブルTBLを用いて、
図9に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1が選択される。この際、
図9に示すように、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ+時短突入演出(25秒)が選択され、図示の確率で、SPリーチはずれ+時短突入演出(55秒)が選択される。すなわち、特殊電サポ図柄に当選すると、変動中にはずれ演出を行った後、時短突入演出を行う一連の変動パターンが選択される。なお、特殊電サポ図柄は、特殊電サポ図柄1,2が存在するが、何れも、振り分け値は共通である。
【0102】
かくして、
図6に示すように、チャレンジタイム遊技状態(低確時短遊技状態)YG31に移行した際、1回の特別図柄2の変動内で、大当たり、又は、小当たりに当選すると、遊技状態YG31が、RUSH遊技状態(高確時短遊技状態)YG32に移行することとなる(RO31参照)。このチャレンジタイム遊技状態(低確時短遊技状態)YG31において、移行演出が実行される。具体的には、主制御CPU600aにて、
図7(a)に示すテーブルTBLを用いて、
図10(b)に示す第3変動パターン選択テーブルLAST_TBLが選択される。この際、
図10(b)に示すように、特別図柄1,2の抽選に当選せず、はずれの場合で、第1始動保留球又は第2始動保留球が「0」~「3」個の場合、何れにおいても、図示の確率で、移行演出(はずれ)60秒が選択される。そして、特別図柄1,2の抽選に当選し、大当たり1,2何れの場合も、移行演出⇒当たり演出100秒が選択される。さらに、特別図柄2の抽選に当選し、小当たり1,2何れの場合も、移行演出⇒当たり演出100秒が選択される。またさらに、特殊電サポ図柄に当選した場合、移行演出(はずれ)60秒が選択される。なお、特殊電サポ図柄に当選したとしても、時短回数を再セットしないため、はずれの変動パターンが選択されるようになっている。
【0103】
かくして、
図10(b)に示す第3変動パターン選択テーブルLAST_TBLは、第2始動保留球の保留数に関係なく同じ振り分け値になっている。そして、このような第3変動パターン選択テーブルLAST_TBLを選択することにより、最終変動に対応して演出時間を長くすることができるようになっている。
【0104】
一方、大当たり、又は、小当たりに当選しなければ、
図6に示すように、遊技状態YG31が、チャレンジタイム遊技状態(低確時短遊技状態)YG33に移行する(RO32参照)。ここでは、主制御CPU600aにて、遊技状態YG31の1変動時間内に保留された第2始動保留球数4個に対する抽選が実行される。この際、第2始動保留球数4個のうちで、大当たり、又は、小当たりに当選するか否かの演出を液晶表示装置41に表示させ、遊技者に視認させるため、主制御CPU600aにて、
図7(a)に示すテーブルTBLを用いて、
図10(a)に示す第2変動パターン選択テーブルNOR_TBL2が選択される。
図10(a)に示すように、特別図柄1,2の何れの抽選にも当選せず、はずれの場合で、第1始動保留球又は第2始動保留球が「0」~「3」何れの場合においても、図示の確率で、当否あおり演出(はずれ)60秒が選択される。
【0105】
一方、特別図柄1,2の何れかが抽選に当選し、大当たり1,2何れの場合も、図示の確率で、当否あおり演出(当たり)80秒が選択され、図示の確率で、当たり当否あおり演出はずれ⇒復活当たり演出100秒が選択される。そして、特別図柄2が抽選に当選し、小当たり1,2何れの場合も、図示の確率で、当否あおり演出(当たり)80秒が選択され、図示の確率で、当たり当否あおり演出はずれ⇒復活当たり演出100秒が選択される。さらに、特殊電サポ図柄に当選した場合、はずれ演出から時短突入する変動パターンである当たり当否あおり演出はずれ+時短突入演出(80秒)が選択される。
【0106】
かくして、
図10(a)に示す第2変動パターン選択テーブルNOR_TBL2を用いて、大当たり、又は、小当たりに当選するか否かの演出を液晶表示装置41に表示させた結果、大当たり、又は、小当たりに当選しなければ、
図6に示すように、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG30に戻ることとなる(RO33参照)。なお、大当たり、又は、小当たりに当選すれば、
図6に示す遊技状態YG33が、RUSH遊技状態(高確時短遊技状態)YG32に移行することとなる。
【0107】
他方、
図6に示すように、遊技状態が、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG30で、主制御CPU600aにて、特別図柄1の抽選が実行され、大当たりに当選すると、遊技状態YG30が、大当たり遊技状態YG34に移行する(RO34参照)。この際、99%が、時短遊技1回が付与され、1%が、時短遊技7回が付与される。時短遊技7回が付与された大当たりに当選すると、遊技状態YG34が、RUSH遊技状態(低確時短遊技状態)YG32に移行する(RO35参照)。そして、主制御CPU600aにて、
図7(a)に示すテーブルTBLを用いてHI_TBLが選択される。一方、最終変動目(図示では、7回目)においては、
図10(b)に示す第3変動パターン選択テーブルLAST_TBLが選択され、移行演出が実行される。
【0108】
ところで、
図6に示すRUSH遊技状態(高確時短遊技状態)YG32において、所定回数(図示では、7回)はずれが実行されると、遊技状態YG32が、ラストチャレンジ遊技状態(低確非時短遊技状態)YG35に移行する(RO36参照)。ここでは、主制御CPU600aにて、遊技状態YG32の7変動時間内に保留された第2始動保留球数4個に対する抽選が実行される。この際、第2始動保留球数4個のうちで、大当たりに当選するか否かの演出を液晶表示装置41に表示させ、遊技者に視認させるため、主制御CPU600aにて、
図7(a)に示すテーブルTBLを用いて、
図10(a)に示す第2変動パターン選択テーブルNOR_TBL2が選択される。かくして、
図10(a)に示す第2変動パターン選択テーブルNOR_TBL2を用いて、大当たりに当選するか否かの演出を液晶表示装置41に表示させた結果、大当たりに当選しなければ、
図6に示すように、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG30に戻ることとなる(RO37参照)。
【0109】
他方、
図6に示すように、時短遊技1回が付与された大当たりに当選すると、遊技状態YG34が、チャレンジタイム遊技状態(低確時短遊技状態)YG36に移行する(RO38参照)。このチャレンジタイム遊技状態(低確時短遊技状態)YG36において、移行演出が実行される。具体的には、主制御CPU600aにて、
図7(a)に示すテーブルTBLを用いて、
図10(b)に示す第3変動パターン選択テーブルLAST_TBLが選択される。
【0110】
かくして、このチャレンジタイム遊技状態(低確時短遊技状態)YG36にて、大当たり、又は、小当たりに当選すれば、
図6に示す遊技状態YG36が、RUSH遊技状態(高確時短遊技状態)YG32に移行することとなる(RO39参照)。一方、大当たり、又は、小当たりに当選しなければ、
図6に示すように、遊技状態YG36が、チャレンジタイム遊技状態(低確時短遊技状態)YG37に移行する(RO40参照)。ここでは、主制御CPU600aにて、遊技状態YG36の1変動時間内に保留された第2始動保留球数4個に対する抽選が実行される。この際、第2始動保留球数4個のうちで、大当たり、又は、小当たりに当選するか否かの演出を液晶表示装置41に表示させ、遊技者に視認させるため、主制御CPU600aにて、
図7(a)に示すテーブルTBLを用いて、
図10(a)に示す第2変動パターン選択テーブルNOR_TBL2が選択される。
【0111】
かくして、
図10(a)に示す第2変動パターン選択テーブルNOR_TBL2を用いて、大当たり、又は、小当たりに当選するか否かの演出を液晶表示装置41に表示させた結果、大当たり、又は、小当たりに当選しなければ、
図6に示すように、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)YG30に戻ることとなる(RO41参照)。なお、大当たり、又は、小当たりに当選すれば、
図6に示す遊技状態YG37が、RUSH遊技状態(高確時短遊技状態)YG32に移行することとなる(RO42参照)。
【0112】
しかして、このように、各遊技状態において、適切な変動パターン選択テーブルを用いて変動パターンを決定するようにすれば、最適な変動パターンを決定することができる。これにより、遊技者の興趣を低下させるような事態を低減させることができ、もって、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0113】
ところで、本実施形態においては、液晶表示装置41(
図2参照)にて変動演出を行うための変動パターンとして、主制御600aにて変動パターンを決定する例を示したが、それに限らず、サブ制御CPU800aにて、変動パターンを決定するようにしても良い。具体的には、主制御ROM600b内に、
図11(a)に示すテーブルTBLAを格納しておく。このテーブルTBLAは、各遊技状態に対応した変動パターン選択テーブル指定コードと参照する変動パターン選択テーブルが格納されている。なお、変動パターン選択テーブル指定コードとは、プログラム上で管理している変動パターン選択テーブルを参照するためのデータである。
【0114】
具体的に説明すれば、
図11(a)に示すテーブルTBLAは、電源投入時にクリアされる主制御RAM600cクリア時における通常遊技状態においては、変動パターン選択テーブル指定コマンドとして「00H」が選択され、参照する変動パターン選択テーブルとしては、第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1が用いられることとなる。そして、時短遊技終了時の通常遊技状態においては、変動パターン選択テーブル指定コマンドとして「00H」が選択され、参照する変動パターン選択テーブルとしては、第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1が用いられることとなる。さらに、時短遊技、又は、RUSH遊技状態の最終変動においては、変動パターン選択テーブル指定コマンドとして「02H」が選択され、参照する変動パターン選択テーブルとしては、第3変動パターン選択テーブルLAST_TBLが用いられることとなる。そしてさらに、時短遊技状態(1回転目~最終-1回転目)においては、変動パターン選択テーブル指定コマンドとして「03H」が選択され、参照する変動パターン選択テーブルとしては、JT_TBLが用いられることとなる。またさらに、RUSH遊技状態(1回転目~最終-1回転目)においては、変動パターン選択テーブル指定コマンドとして「04H」が選択され、参照する変動パターン選択テーブルとしては、HI_TBLが用いられることとなる。
【0115】
一方、
図11(b)に示すように、第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1は、特別図柄1の抽選がはずれで、第1始動保留球が「0」個の場合、図示の確率で、通常変動12秒が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ(20秒)が選択され、図示の確率で、SPリーチはずれ(50秒)が選択されることとなる。そして、特別図柄1の抽選がはずれで、第1始動保留球が「1」個の場合、図示の確率で、通常変動8秒が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ(20秒)が選択され、図示の確率で、SPリーチはずれ(50秒)が選択されることとなる。さらに、特別図柄1の抽選がはずれで、第1始動保留球が「2」個の場合、図示の確率で、通常変動5秒が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ(20秒)が選択され、図示の確率で、SPリーチはずれ(50秒)が選択されることとなる。そしてさらに、特別図柄1の抽選がはずれで、第1始動保留球が「3」個の場合、図示の確率で、通常変動3秒が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ(20秒)が選択され、図示の確率で、SPリーチはずれ(50秒)が選択されることとなる。
【0116】
しかして、特別図柄1の抽選がはずれの場合、第1始動保留球が「0」~「3」個でそれぞれ選択される変動パターンの種類と確率が異なる個別変動パターン選択テーブルNOR_TBL1a(
図11(b)参照)が選択されることとなる。なお、選択される変動パターン選択テーブルは、第1始動保留球が「0」~「3」個それぞれで異なるものに限らず、第1始動保留球が「0」、「1」、「2~3」と区分して、選択される変動パターンの種類と確率が異なる個別の変動パターン選択テーブルとしてもよい。
【0117】
一方、
図11(b)に示すように、特別図柄2の抽選がはずれで、第2始動保留球が「0」~「3」個の何れの場合であっても、図示の確率で、通常変動8秒が選択され、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ(20秒)が選択されることとなる。
【0118】
しかして、特別図柄2の抽選がはずれの場合、第2始動保留球が「0」~「3」個、何れの場合も、共通変動パターン選択テーブルNOR_TBL1b(
図11(b)参照)が選択されることとなる。
【0119】
また一方、
図11(b)に示すように、特別図柄1,2の何れかの抽選が、大当たり1に当選した場合、図示の確率で、ノーマルリーチ当たり(30秒)が選択され、図示の確率で、SPリーチ当たり(60秒)が選択され、図示の確率で、全回転変動当たり(100秒)が選択される。一方、
図11(b)に示すように、特別図柄1,2の何れかの抽選が、大当たり2に当選した場合、図示の確率で、ノーマルリーチ当たり(30秒)が選択され、図示の確率で、SPリーチ当たり(60秒)が選択される。
【0120】
また一方、
図11(b)に示すように、特殊電サポ図柄に当選した場合、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ+時短突入演出(25秒)が選択され、図示の確率で、SPリーチはずれ+時短突入演出(55秒)が選択される。すなわち、特殊電サポ図柄に当選すると、変動中にはずれ演出を行った後、時短突入演出を行う一連の変動パターンが選択される。なお、特殊電サポ図柄は、特殊電サポ図柄1,2が存在するが、何れも、振り分け値は共通である。
【0121】
かくして、主制御CPU600aは、
図11(b)に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1を用いて変動時間を決定すると、演出制御コマンドDI_CMDをサブ制御CPU800aに送信する。これを受けて、サブ制御CPU800aは、サブ制御ROM800b内に格納されている、
図12に示す第1演出変動パターン選択テーブルENOR_TBL1、
図13に示す第2演出変動パターン選択テーブルENOR_TBL2を用いて、変動パターンを決定する。具体的には、電源投入時にクリアされる主制御RAM600cクリア時における通常遊技状態においては、サブ制御CPU800aは、サブ制御ROM800b内に格納されている
図12に示す第1演出変動パターン選択テーブルENOR_TBL1を選択する。この第1演出変動パターン選択テーブルENOR_TBL1は、
図11(b)に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1にて、通常変動12秒、通常変動8秒、通常変動5秒、通常変動3秒、通常変動1.5秒、全回転変動当たり(100秒)、ノーマルリーチはずれ+時短突入演出(25秒)、SPリーチはずれ+時短突入演出(55秒)が選択されていた場合は、サブ制御CPU800aは、選択された内容をそのまま変動パターンとして決定する。
【0122】
一方、第1演出変動パターン選択テーブルENOR_TBL1は、
図12に示すように、
図11(b)に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1にて、ノーマルリーチはずれ(20秒)が選択されていた場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ1を選択し、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ2を選択し、図示の確率で、特殊モードはずれ変動を選択することとなる。これにより、変動パターンが決定することとなる。なお、特殊モードはずれ変動の確率は0であるから、選択されないこととなる。
【0123】
また一方、第1演出変動パターン選択テーブルENOR_TBL1は、
図12に示すように、
図11(b)に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1にて、SPリーチはずれ(50秒)が選択されていた場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で、SPリーチはずれ1を選択し、図示の確率で、SPリーチはずれ2を選択し、図示の確率で、特殊モードSPはずれ変動を選択することとなる。これにより、変動パターンが決定することとなる。なお、特殊モードSPはずれ変動の確率は0であるから、選択されないこととなる。
【0124】
また一方、第1演出変動パターン選択テーブルENOR_TBL1は、
図12に示すように、
図11(b)に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1にて、ノーマルリーチ当たり(30秒)が選択されていた場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で、ノーマルリーチ当たり1を選択し、図示の確率で、ノーマルリーチ当たり2を選択し、図示の確率で、特殊モードはずれ変動を選択することとなる。これにより、変動パターンが決定することとなる。なお、特殊モードはずれ変動の確率は0であるから、選択されないこととなる。
【0125】
また一方、第1演出変動パターン選択テーブルENOR_TBL1は、
図12に示すように、
図11(b)に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1にて、SPリーチ当たり(60秒)が選択されていた場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で、SPリーチ当たり1を選択し、図示の確率で、SPリーチ当たり2を選択し、図示の確率で、特殊モードSP当たり変動を選択することとなる。これにより、変動パターンが決定することとなる。なお、特殊モードSP当たり変動の確率は0であるから、選択されないこととなる。
【0126】
しかして、このようにして、電源投入時にクリアされる主制御RAM600cクリア時における通常遊技状態における変動パターンが、サブ制御CPU800aにて決定されることとなる。
【0127】
一方、時短遊技終了後の通常遊技状態における1~20回転目において、サブ制御CPU800aは、サブ制御ROM800b内に格納されている
図13に示す第2演出変動パターン選択テーブルENOR_TBL2を選択する。この第2演出変動パターン選択テーブルENOR_TBL2は、
図11(b)に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1にて、通常変動12秒、通常変動8秒、通常変動5秒、通常変動3秒、通常変動1.5秒、全回転変動当たり(100秒)、ノーマルリーチはずれ+時短突入演出(25秒)、SPリーチはずれ+時短突入演出(55秒)が選択されていた場合は、サブ制御CPU800aは、選択された内容をそのまま変動パターンとして決定する。
【0128】
また一方、第2演出変動パターン選択テーブルENOR_TBL2は、
図13に示すように、
図11(b)に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1にて、ノーマルリーチはずれ(20秒)が選択されていた場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ1を選択し、図示の確率で、ノーマルリーチはずれ2を選択し、図示の確率で、特殊モードはずれ変動を選択することとなる。これにより、変動パターンが決定することとなる。なお、ノーマルリーチはずれ1,2の確率は0であるから、選択されないこととなる。
【0129】
また一方、第2演出変動パターン選択テーブルENOR_TBL2は、
図13に示すように、
図11(b)に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1にて、SPリーチはずれ(50秒)が選択されていた場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で、SPリーチはずれ1を選択し、図示の確率で、SPリーチはずれ2を選択し、図示の確率で、特殊モードSPはずれ変動を選択することとなる。これにより、変動パターンが決定することとなる。なお、SPリーチはずれ1,2の確率は0であるから、選択されないこととなる。
【0130】
また一方、第2演出変動パターン選択テーブルENOR_TBL2は、
図13に示すように、
図11(b)に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1にて、ノーマルリーチ当たり(30秒)が選択されていた場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で、ノーマルリーチ当たり1を選択し、図示の確率で、ノーマルリーチ当たり2を選択し、図示の確率で、特殊モードはずれ変動を選択することとなる。これにより、変動パターンが決定することとなる。なお、ノーマルリーチ当たり1,2の確率は0であるから、選択されないこととなる。
【0131】
また一方、第2演出変動パターン選択テーブルENOR_TBL2は、
図13に示すように、
図11(b)に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1にて、SPリーチ当たり(60秒)が選択されていた場合、サブ制御CPU800aは、図示の確率で、SPリーチ当たり1を選択し、図示の確率で、SPリーチ当たり2を選択し、図示の確率で、特殊モードSP当たり変動を選択することとなる。これにより、変動パターンが決定することとなる。なお、SPリーチ当たり1,2の確率は0であるから、選択されないこととなる。
【0132】
しかして、このようにして、時短遊技終了時の通常遊技状態における変動パターンが、サブ制御CPU800aにて決定されることとなる。
【0133】
かくして、このようにしても、各遊技状態において、最適な変動パターンを決定することができる。これにより、遊技者の興趣を低下させるような事態を低減させることができ、もって、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0134】
なお、
図12,
図13に示すノーマルリーチはずれ1/ノーマルリーチ当たり1は、液晶表示装置41に表示される中装飾図柄がゆっくりとスクロールして変動するノーマルリーチを示し、ノーマルリーチはずれ2/ノーマルリーチ当たり2は、液晶表示装置41に表示される中装飾図柄がコマ送りして変動するノーマルリーチを示している。そして、SPリーチはずれ1/SPリーチ当たり1と、SPリーチはずれ2/SPリーチ当たり2の違いは、登場するキャラクタの違いである。
【0135】
<主制御:プログラムの説明>
ここで、主制御基板60にて処理される主制御ROM600b(
図3参照)内に格納されているプログラムの概要を
図14~
図29を参照して説明することで、より詳しく説明することとする。
【0136】
<主制御:メイン処理の説明>
まず、パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板130(
図3参照)の電圧生成部1300にて生成された直流電圧が各制御基板に投入された旨の電源投入信号が送られ、その信号を受けて、主制御CPU600a(
図3参照)は、主制御ROM600b(
図3参照)内に格納されているプログラムを読み出し、
図14に示す主制御メイン処理を行う。この際、主制御CPU600aは、まず、最初に自らを割込み禁止状態に設定する(ステップS1)。
【0137】
次いで、主制御CPU600aは、主制御CPU600a内部のスタックポインタの値を、通常用スタック領域の最終アドレスに対応して設定するスタックポインタの設定処理を行う(ステップS2)。
【0138】
次いで、主制御CPU600aは、WDT(図示せず)をクリアし(ステップS3)、発射制御信号を出力する出力ポートをクリアする(ステップS4)。
【0139】
続いて、主制御CPU600aは、サブ制御基板80の起動待ち時間をセットし(ステップS5)、セットした待ち時間をデクリメント(-1)し(ステップS6)、WDT(図示せず)をクリアする(ステップS7)。
【0140】
次いで、主制御CPU600aは、セットした待ち時間が「0」になったか否かを確認し(ステップS8)、「0」になっていなければ(ステップS8:≠0)、ステップS7の処理に戻り、「0」になっていれば(ステップS8:=0)、ステップS9の処理に進む。
【0141】
次いで、主制御CPU600aは、電源基板130(電圧監視部1310)(
図3参照)より出力されている電圧異常信号ALARM(
図3参照)を2回取得し、その2回取得した電圧異常信号ALARMのレベルが一致するか否かを確認した上で図示しない当該主制御CPU600aの内部レジスタ内に格納し、その電圧異常信号ALARMのレベルを確認する(ステップS9)。そして電圧異常信号ALARMのレベルが「L」レベルであれば(ステップS10:YES)、ステップS9の処理に戻り、電圧異常信号ALARMのレベルが「H」レベルであれば(ステップS10:NO)、ステップS11の処理に進む。すなわち、主制御CPU600aは、電圧異常信号ALARMが正常レベル(すなわち「H」レベル)に変化するまで同一の処理を繰り返す(ステップS9~S10)。このように、電圧異常信号ALARMを2回取得することで、正確な信号を読み込むことができる。
【0142】
次いで、主制御CPU600aは、主制御RAM600cへのデータ書き込みを許可し(ステップS11)、主制御RAM600cの作業領域の初期設定を行う(ステップS12)。具体的には、電源異常確認カウンタに00Hをセットし、システム動作ステータスに01Hをセットする。
【0143】
次いで、主制御CPU600aは、サブ制御基板80に液晶表示装置41に待機画面を表示させるような処理コマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を送信する(ステップS13)。
【0144】
次いで、主制御CPU600aは、WDT(図示せず)をクリアし(ステップS14)、払出制御基板70から電源が投入された旨の信号(電源投入信号)が来たか否かを確認する(ステップS15)。電源投入信号が来ていなければ(ステップS15:OFF)、ステップS14の処理に戻り、電源投入信号が来ていれば(ステップS15:ON)、ステップS16の処理に進む。
【0145】
次いで、主制御CPU600aは、RAMクリアスイッチ620、設定キースイッチ630のレベルデータを取得し、主制御RAM600cの通常用RAM領域の作業領域に退避させる(ステップS16)。
【0146】
次いで、主制御CPU600aは、
図1に示すガラス扉枠5が開放されているか否かの扉開放信号、及び、主制御RAM600cの作業領域に退避させたRAMクリアスイッチ620の信号、並びに、設定キースイッチ630の信号を取得し(ステップS17)、全てONになっているか否かを確認する(ステップS18)。全てONになっていれば(ステップS18:YES)、主制御CPU600aは、設定切替処理を行う(ステップS19)。
【0147】
<主制御:メイン処理:設定切替処理に関する説明>
ここで、この設定切替処理について、
図16を参照して具体的に説明する。
【0148】
まず、主制御CPU600aは、サブ制御基板80に設定変更中であることを示す設定切替開始コマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を送信する(ステップS50)。
【0149】
次いで、主制御CPU600aは、バックアップフラグをクリアする(ステップS51)。なお、このバックアップフラグとは、
図17に示す電源異常チェック処理にて、停電等による電圧低下を検出した場合に、バックアップの処理が実行されたか否かを示すデータである。また、このバックアップフラグをクリアするのは、設定切替処理中に、何らかの要因で電断し、主制御RAM600cが正常にバックアップされなかった場合を、後述する
図15に示すステップS21にて検出するためである。
【0150】
次いで、主制御CPU600aは、システム動作ステータスに02Hをセットし(ステップS52)、主制御RAM600c(
図3参照)内に記憶されている遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる確率の設定値を取得し、Wレジスタにセットする(ステップS53)。具体的に説明すると、設定値が、例えば「1」~「6」である場合、プログラム上では、設定値「1」~「6」を「00H」~「05H」の値に対応させて、Wレジスタにセットすることとなる。
【0151】
次いで、主制御CPU600aは、Wレジスタにセットした値と、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる確率の設定最大値(例えば「6」に対応した「05H」)を比較する(ステップS54)。そして、主制御CPU600aは、Wレジスタにセットした値が遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率の設定最大値(例えば「6」」に対応した「05H」)よりも大きければ(ステップS55:YES)、異常値であると判断し、Wレジスタに00Hをセットする(ステップS56)。
【0152】
一方、Wレジスタにセットした値が遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率の設定最大値(例えば「6」に対応した「05H」)よりも小さければ(ステップS55:NO)、正常値であると判断し、ステップS57の処理に進む。
【0153】
次いで、主制御CPU600aは、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータに出力されるセキュリティ信号をONに設定し、そのセキュリティ信号を、ホールコンピュータに出力する(ステップS57)。
【0154】
次いで、主制御CPU600aは、LEDコモンポートに00Hをセットする(ステップS58)。
【0155】
次いで、主制御CPU600aは、Wレジスタにセットされている値をLEDデータポートに出力する(ステップS59)。
【0156】
次いで、主制御CPU600aは、設定値を表示するLEDコモンポートをONにセットする(ステップS60)。
【0157】
次いで、主制御CPU600aは、4msのウェイトがかかるように、主制御CPU600a内のレジスタに所定値をセットして、カウントダウンする処理を行う(ステップS61)。なお、この処理は、RAMクリアスイッチ620(
図3参照)、設定キースイッチ630(
図3参照)のレベルデータの変化を確認する際、前回のスイッチレベルの取得から少なくとも4msの時間をおくことで、ノイズ等のイレギュラーによるレベルデータの変化ではないことを確認するための処理である。またさらに、この後の電源異常チェック処理における電圧異常信号の変化を確認して、電源異常確認カウンタをカウントする際にも、4msの時間をおくことで、電圧異常信号の「L」レベルがノイズ等のイレギュラーによるレベルデータでないことを確認するための処理でもある。
【0158】
次いで、主制御CPU600aは、電源異常チェック処理を行う(ステップS62)。この電源異常チェック処理について、
図17を参照して具体的に説明する。
【0159】
<主制御:メイン処理:電源異常チェック処理に関する説明>
図17に示すように、主制御CPU600aは、電源基板130(電圧監視部1310)(
図3参照)より出力されている電圧異常信号ALARM(
図3参照)を2回取得し(ステップS80)、その2回取得した電圧異常信号ALARMのレベルが一致するか否かを確認する(ステップS81)。一致していれば(ステップS81:YES)、主制御CPU600aは、電圧異常信号ALARMのレベルを確認し(ステップS82)、一致していなければ(ステップS81:NO)、ステップS80の処理に戻る。
【0160】
次いで、主制御CPU600aは、電圧異常信号ALARMのレベルが「H」レベルであれば(ステップS82:OFF)、電源異常確認カウンタをクリアし(ステップS83)、電源異常チェック処理を終える。
【0161】
一方、主制御CPU600aは、電圧異常信号ALARMのレベルが「L」レベルであれば(ステップS82:ON)、電源異常確認カウンタをインクリメント(+1)し(ステップS84)、電源異常確認カウンタの値を確認する(ステップS85)。電源異常確認カウンタの値が2以上でなければ(ステップS85:NO)、電源異常チェック処理を終える。
【0162】
一方、主制御CPU600aは、電源異常確認カウンタの値が2以上であれば(ステップS85:YES)、サブ制御基板80に電源が遮断されたことを示す電断コマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を送信する(ステップS86)。
【0163】
次いで、主制御CPU600aは、システム動作ステータスの値を確認する(ステップS87)。システム動作ステータスの値が02Hであれば、設定変更処理中であると判断し(ステップS87:YES)、バックアップフラグをONにセットせず、ステップS89の処理に進む。このようにすれば、設定切替処理中に、何らかの要因で電断し、主制御RAM600cが正常にバックアップされなかった場合を、後述する
図15に示すステップS21にて検出することができる。
【0164】
一方、システム動作ステータスの値が02Hでなければ、設定変更処理中でないと判断し(ステップS87:NO)、バックアップフラグをONにセットする(ステップS88)。
【0165】
次いで、主制御CPU600aは、主制御RAM600cへのデータ書込みを禁止状態に設定する(ステップS89)と共に、全ての出力ポートの出力データをクリアし(ステップS90)。そして、タイマ割込みを禁止し(ステップS91)、無限ループ処理を繰り返し電圧が降下するのを待つ処理を行う。
【0166】
<主制御:メイン処理:設定切替処理に関する説明>
かくして、上記のような処理を経て、電源異常チェック処理(ステップS62)を終えると、主制御CPU600aは、前回と今回のRAMクリアスイッチ620のレベルデータ、並びに、設定キースイッチ630のレベルデータから、RAMクリアスイッチ620信号のスイッチエッジデータ、並びに、設定キースイッチ630信号のスイッチエッジデータを作成する(ステップS63)。なお、主制御CPU600aは、作成したエッジデータを主制御RAM600cに格納する。
【0167】
次いで、主制御CPU600aは、主制御RAM600cに格納されているエッジデータを確認し、設定キースイッチ630がONであれば(ステップS64:NO)、ステップS65の処理に進み、設定キースイッチ630がOFFであれば(ステップS64:YES)、ステップS67の処理に進む。
【0168】
次いで、主制御CPU600aは、RAMクリアスイッチ620がONであれば(ステップS65:NO)、Wレジスタの値をインクリメント(+1)し(ステップS66)、ステップS54の処理に戻る。
【0169】
一方、RAMクリアスイッチ620がOFFであれば(ステップS65:NO)、ステップS57の処理に戻る。
【0170】
かくして、設定キースイッチ630がOFFされるまで、上記処理を繰り返し行い、設定キースイッチ630がOFFされると、主制御CPU600aは、Wレジスタの値を、主制御RAM600c(
図3参照)内に記憶されている遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率の設定値(例えば「1」~「6」に対応した「00H」~「05H」)の設定値)に上書きして格納する(ステップS67)。
【0171】
次いで、主制御CPU600aは、設定確定表示をLEDデータポートに出力する(ステップS68)。
【0172】
次いで、主制御CPU600aは、サブ制御基板80に設定値を反映した設定切替終了コマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を送信する(ステップS69)。
【0173】
<主制御:メイン処理の説明>
かくして、上記のような処理を経て、
図14に示す設定切替処理(ステップS19)を終えると、主制御CPU600aは、
図15に示すステップS26の処理に進むこととなる。
【0174】
他方、主制御CPU600aは、RAMクリアスイッチ620の信号、並びに、設定キースイッチ630の信号が、全てONになっているか否かを確認し(ステップS18)、全てONになっていなければ(ステップS18:NO)、主制御CPU600aは、
図15に示すステップS20の処理を行う。
【0175】
すなわち、主制御CPU600aは、主制御RAM600c(
図3参照)内に記憶されている遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率の設定値(例えば「1」~「6」に対応した「00H」~「05H」の設定値)を取得し、設定最大値(例えば「6」に対応した「05H」)以下か否かを確認する(ステップS20)。設定最大値以下であれば(ステップS20:YES)、バックアップフラグがONにセットされているか否かを確認する(ステップS21)。
【0176】
<主制御:メイン処理:RAMエラー処理に関する説明>
設定最大値以下でないか(ステップS20:NO)、又は、バックアップフラグがONにセットされていなければ(ステップS21:NO)、主制御CPU600aは、サブ制御基板80にRAMエラーであることを示すRAMエラーコマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を送信する(ステップS22)。
【0177】
次いで、主制御CPU600aは、エラー表示をLEDデータポートに出力する(ステップS23)。
【0178】
次いで、主制御CPU600aは、電源異常チェック処理を行い(ステップS24)、ステップS23の処理に戻り、処理を繰り返すこととなる。なお、この電源異常チェック処理は、
図17に示す電源異常チェック処理と同一の処理である。
【0179】
<主制御:メイン処理の説明>
一方、バックアップフラグがONにセットされていれば(ステップS21:YES)、RAMクリアスイッチ620の信号を確認する(ステップS25)。
【0180】
<主制御:メイン処理:RAMクリア処理に関する説明>
RAMクリアスイッチ620の信号がON(ステップS25:YES)、又は、
図14に示す設定切替処理(ステップS19)を行った場合、主制御CPU600aは、主制御RAM600cの計測用RAM領域、計測用スタック領域はクリアせず、主制御RAM600cの通常用RAM領域、通常用スタック領域をクリアする(ステップS26)。この際、後述する救済回数カウンタがクリアされる(0000Hが設定される)。
【0181】
次いで、主制御CPU600aは、RAMクリア報知タイマを30秒(30s)に設定し(ステップS27)、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータに出力されるセキュリティ信号を出力するタイマを30秒(30s)に設定する(ステップS28)。
【0182】
次いで、主制御CPU600aは、主制御RAM600cの一部に、初期値設定を行い(ステップS29)、ステップS41の処理に進む。なお、この初期値設定の際、後述する救済回数カウンタに初期値が設定される。
【0183】
<主制御:メイン処理の説明>
一方、RAMクリアスイッチ620の信号がOFF(ステップS25:NO)であれば、主制御CPU600aは、
図1に示すガラス扉枠5が開放されているか否かの扉開放信号、及び、設定キースイッチ630の信号を取得し(ステップS30)、全てONになっているか否かを確認する(ステップS31)。全てONになっていなければ(ステップS31:NO)、ステップS40の処理に進む。
【0184】
<主制御:メイン処理:設定確認処理に関する説明>
一方、全てONになっていれば(ステップS31:YES)、主制御CPU600aは、サブ制御基板80に設定値を反映した設定値コマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を送信する(ステップS32)。
【0185】
次いで、主制御CPU600aは、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータに出力されるセキュリティ信号を出力するタイマを30秒(30s)に設定する(ステップS33)。
【0186】
次いで、主制御CPU600aは、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータに出力されるセキュリティ信号をONに設定し、ホールコンピュータに、上記タイマにて設定された30秒(30s)間、セキュリティ信号を出力する(ステップS34)。
【0187】
次いで、主制御CPU600aは、設定値をLEDデータポートに出力する(ステップS35)。
【0188】
次いで、主制御CPU600aは、4msのウェイトがかかるように、主制御CPU600a内のレジスタに所定値をセットして、カウントダウンする処理を行う(ステップS36)。
【0189】
次いで、主制御CPU600aは、電源異常チェック処理を行う(ステップS37)。なお、この電源異常チェック処理は、
図17に示す電源異常チェック処理と同一の処理である。
【0190】
次いで、主制御CPU600aは、前回と今回の設定キースイッチ630のレベルデータから、設定キースイッチ630信号のスイッチエッジデータを作成する(ステップS38)。なお、主制御CPU600aは、作成したエッジデータを主制御RAM600cに格納する。
【0191】
次いで、主制御CPU600aは、主制御RAM600cに格納されているエッジデータを確認し(ステップS39)、設定キースイッチ630がONであれば(ステップS39:NO)、ステップS34の処理に戻る。
【0192】
<主制御:メイン処理の説明>
一方、設定キースイッチ630がOFFであれば(ステップS39:YES)、主制御RAM600cの一部に、バックアップフラグやエラー検出タイマ等の初期値設定を行う(ステップS40)。
【0193】
次いで、主制御CPU600aは、サブ制御基板80に、RAMクリアによる電断復帰か、又は、バックアップによる電断復帰かを示すコマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を送信する(ステップS41)。なお、バックアップによる電断復帰かを示すコマンド(演出制御コマンドDI_CMD)をサブ制御基板80に送信する際、後述する救済回数カウンタの値に基づく、救済回数コマンドを演出制御コマンドDI_CMDとして、サブ制御基板80に送信することとなる。
【0194】
次いで、主制御CPU600aは、遊技状態報知情報を更新する遊技状態報知情報更新処理を行う(ステップS42)。
【0195】
次いで、主制御CPU600aは、内部機能レジスタの設定を行う(ステップS43)。具体的には、発射制御信号をONに設定し、払出制御基板70に送信する。これにより、払出制御基板70は、発射制御基板71の動作を開始させるように制御する。また、主制御CPU600aの内部に設けられている一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能等を有するCTCの設定を行う。すなわち、主制御CPU600aは、4ms毎に定期的にタイマ割込みがかかるようにCTCの時間定数レジスタを設定する。
【0196】
かくして、上記の処理までが、主制御メイン処理における初期処理となる。
【0197】
次いで、主制御CPU600aは、自身への割込みを禁止状態にセットした状態(ステップS44)で、賞球数,非入賞数を含む遊技領域40に発射された遊技球の総数等の性能を算出する賞球入賞数管理処理1の処理を行う(ステップS45)。そして、主制御CPU600aは、各種の乱数カウンタの更新処理を行った後(ステップS46)、割込み許可状態に戻して(ステップS47)、ステップS44に戻り、ステップS44~ステップS47の処理を繰り返し行うループ処理を行う。なお、このループ処理と、後述する割込み処理が定常処理となる。
【0198】
しかして、本実施形態によれば、設定変更中に、何らかの要因で電断した後、再度電源投入された際、
図14に示す設定切替処理(ステップS19)を行わなければ、ステップS22~ステップS24の処理に示すようにRAM異常となるようにし、
図14に示す設定切替処理(ステップS19)を行った場合にのみ、通常遊技状態に移行するようにしている。そしてさらに、
図16に示すステップS57に示すように、設定変更中は、時間監視することなく、設定変更中であれば、セキュリティ信号を出力し、設定変更後は、
図15に示すステップS33、ステップS34に示すように、時間監視により、所定時間、セキュリティ信号を出力するようにしている。なお、設定変更中、時間監視をしないのは、設定変更操作の時間は、操作者によってかかる時間が不定のため、時間監視をした場合、操作中にも関わらずセキュリティ信号の出力が停止するおそれがあり、また操作中であれば監視時間を延長するとの処理を入れた場合に、処理負荷が増大するためである。
【0199】
かくして、従来においては、電断によってRAMの値に異常が発生した場合、設定値など遊技に影響を及ぼす可能性があるままで、設定変更状態から再開してしまう可能性があった。しかしながら、本実施形態のような処理をすれば、遊技に影響を及ぼす可能性があるままで、遊技が再開される可能性を低減させることができる。
【0200】
また、本実施形態の処理においては、設定変更中に、何らかの要因で電断した後、再度電源投入された際、
図14に示す設定切替処理(ステップS19)を行わなければ、ステップS22~ステップS24の処理に示すようにRAM異常となるように、電源異常チェック処理において、主制御CPU600aは、出力ポートの出力データをクリアするものの、バックアップフラグをONにセットしないようにしている。なお、主制御CPU600aは、出力ポートの出力データをクリアするにあたって、設定変更時に使用される出力ポート(例えば、LEDデータポートやLEDコモンポート)の出力データをクリアすると共に、設定変更時に使用していない出力ポートの出力データもクリアするにしている。
【0201】
なお、本実施形態においては、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる確率の設定値(例えば「1」~「6」に対応した「00H」~「05H」の設定値)を6段階で変更できる例を示したが、設定値(例えば「1」に対応した「00H」の設定値)が1段階しかなくとも、部材やプログラムの共通化のため、上述したような設定変更機能を有していても良い。この際、
図16に示す設定切替処理において、ステップS66にて、Wレジスタに格納された設定値が+1されたとしても、設定最大値は「1」に対応した「00H」となり、必ず、
図16に示すステップS56にて、Wレジスタの値が「00H」になる処理を行うこととなる。これにより、設定値が複数ある場合のプログラムと同じプログラムで設定変更処理を実行することができる。しかして、このようにすれば、
図16に示すステップS67にて、主制御CPU600aが、主制御RAM600c(
図3参照)内に記憶されている設定値を上書きしても、一定の値となり変動することがない。これにより、部材やプログラムの共通化が可能となる。
【0202】
<主制御:タイマ割込み処理の説明>
次に、
図18を参照して、上述したメイン処理を中断させて、4ms毎に開始されるタイマ割込みプログラムについて説明する。
【0203】
このタイマ割込みが生じると、主制御CPU600a内のレジスタ群の内容を主制御RAM600cのスタック領域に退避させる退避処理を実行し(ステップS100)、その後、電圧異常チェック処理を実行する(ステップS101)。この電圧異常チェック処理は、
図17に示す電源異常チェック処理と同一の処理である。
【0204】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄1始動口スイッチ44a(
図3参照)と、特別図柄2始動口スイッチ45a(
図3参照)と、普通図柄始動口スイッチ47a(
図3参照)と、右上一般入賞口スイッチ48a1(
図3参照),左上一般入賞口スイッチ48b1(
図3参照),左中一般入賞口スイッチ48c1(
図3参照),左下一般入賞口スイッチ48d1(
図3参照)と、アウト口スイッチ49a(
図3参照)と、大入賞口スイッチ46c(
図3参照)を含む各種スイッチ類のON/OFF信号が入力され、主制御RAM600c内の作業領域にON/OFF信号レベルや、その立ち上がり状態が記憶される(ステップS102)。
【0205】
次いで、主制御CPU600aは、各遊技動作の時間を管理している各種タイマ(普通図柄変動タイマ、普通図柄役物タイマ等)のタイマ減算処理を行う(ステップS103)。
【0206】
次いで、主制御CPU600aは、乱数管理処理を行う(ステップS104)。具体的には、当否抽選に使用する普通図柄、特別図柄等の乱数を更新する処理を行うものである。
【0207】
次いで、主制御CPU600aは、エラー管理処理を行う(ステップS105)。なお、エラー管理処理は、遊技球の補給が停止したり、あるいは、遊技球が詰まったり、特別図柄1始動口スイッチ44a(
図3参照)、特別図柄2始動口スイッチ45a(
図3参照)、普通図柄始動口スイッチ47a(
図3参照)、右上一般入賞口スイッチ48a1(
図3参照)、左上一般入賞口スイッチ48b1(
図3参照)、左中一般入賞口スイッチ48c1(
図3参照)、左下一般入賞口スイッチ48d1(
図3参照)、アウト口スイッチ49a(
図3参照)、大入賞口スイッチ46c(
図3参照)の断線など、機器内部に異常が生じていないかの判定を行うものである。なお、何らかのエラーが発生した際、サブ制御基板80へ、そのエラーに応じたコマンド(演出制御コマンドDI_CMD)が送信されることとなる。
【0208】
次いで、主制御CPU600aは、賞球管理処理を実行する(ステップS106)。この賞球管理処理は、払出・発射制御基板70(
図3参照)に払出し動作を行わせるための払出制御コマンドPAY_CMDを出力している。
【0209】
次いで、主制御CPU600aは、普通図柄処理を実行する(ステップS107)。この普通図柄処理は、普通図柄の当否抽選を実行し、その抽選結果に基づいて普通図柄の変動パターンや普通図柄の停止表示状態を決定したりするものである。なお、この処理の詳細は後述することとする。
【0210】
次いで、主制御CPU600aは、普通電動役物管理処理を実行する(ステップS108)。この普通電動役物管理処理は、普通図柄処理(ステップS107)の抽選結果に基づき、普通電動役物開放遊技発生に必要な普通電動役物ソレノイド45c(
図3参照)の制御に関する信号が生成されるものである。なお、後述する特別図柄処理(ステップS109)にて、遊技状態が時短遊技状態か否かを示す入賞容易フラグがONとなった際、後述する特別図柄処理(ステップS109)が普通電動役物管理処理(ステップS108)以降に実行されるため、次のタイマ割込み処理から、普通電動役物開放遊技が発生することとなる。
【0211】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄処理を実行する(ステップS109)。この特別図柄処理では、特別図柄の当否抽選を実行し、その抽選の結果に基づいて特別図柄の変動パターンや特別図柄の停止表示態様を決定するものである。また、遊技状態が時短遊技状態か否かを示す入賞容易フラグ、普通図柄確変フラグの処理も行われる。さらに、入賞容易フラグがONになった状態の特別図柄の当否抽選は、次のタイマ割込み処理から行われる。またさらに、大当たりを経由して第1有利状態(例えば、
図4(a)に示すチャレンジタイム遊技状態(低確時短遊技状態)YG4、
図4(b)に示すチャンスタイム遊技状態(低確時短遊技状態)YG13)へ移行する場合は、大当たり処理が終了する際に、入賞容易フラグがON状態へと更新される。なお、特別図柄処理の詳細は後述することとする。
【0212】
次いで、主制御CPU600aは、特別電動役物管理処理を実行する(ステップS110)。この特別電動役物管理処理では、主に、大当たり抽選結果が「大当たり」、「小当たり」であった場合、その当りに対応した当り遊技を実行制御するために必要な設定処理を行うものである。この際、特別電動役物ソレノイド46b(
図3参照)の制御に関する信号も生成される。なお、大当たり抽選結果が「大当たり」、「小当たり」であった場合、それに関するコマンド(演出制御コマンドDI_CMD)がサブ制御基板80に送信される。なおまた、主制御CPU600aは、このステップS110の処理にて、大当たり処理が開始する際、又は、大当たり処理が終了する際に、後述する救済回数カウンタに初期値を設定することとなる。
【0213】
次いで、主制御CPU600aは、右打ち報知情報管理処理を行う(ステップS111)。この右打ち報知情報管理処理では、開閉部材45bが所定回数、所定時間開放する場合や、開閉扉46aが開放され大入賞口(図示せず)が開放される場合など、右打ちが有利な状況において右打ち指示報知を行う「発射位置誘導演出(右打ち報知演出)」を現出させるための処理を行う。なお、右打ち報知演出が行われる場合、この右打ち報知情報管理処理において、その右打ち報知演出に関するコマンド(演出制御コマンドDI_CMD)がサブ制御基板80に送信される。この際、
図4に示すように、大当たりを経由して時短遊技状態となり、入賞容易フラグがONとなった場合、サブ制御CPU800aは、液晶表示装置41の画面中央に、右打ち指示報知がされず、画面隅に右打ち指示が報知されるようなコマンドリストをVDP803に送信する。これにより、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように画像(映像)データを生成し、その生成した画像(映像)データを液晶表示装置41に送信することにより、液晶表示装置41には、画面中央に、右打ち指示報知がされず、画面隅に、右打ち指示報知がされることとなる。すなわち、大当たり遊技が発生した際、液晶表示装置41には、画面中央に、右打ち指示報知がされているため、大当たり遊技後に移行される時短遊技状態において、再び、液晶表示装置41の画面中央に、右打ち指示報知がされると、右打ち状態が継続していることを認識している遊技者が不快に思い、遊技者の興趣を低下させる可能性がある。
【0214】
一方、
図4に示すように、大当たりを経由せず時短遊技状態となり、入賞容易フラグがONとなった場合、サブ制御CPU800aは、液晶表示装置41の画面中央に、右打ち指示報知がされるようなコマンドリストをVDP803に送信する。これにより、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように画像(映像)データを生成し、その生成した画像(映像)データを液晶表示装置41に送信することにより、液晶表示装置41には、画面中央に、右打ち指示報知がされることとなる。すなわち、大当たりを経由しない場合、いきなり時短遊技状態となるため、遊技者に右打ち状態が始まったことをしっかりと認識してもらう必要がある。
【0215】
しかして、このように、移行遊技の相違に応じた右打ち指示報知をすることにより、遊技者に適切な遊技方法を伝えるだけでなく、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0216】
次いで、主制御CPU600aは、LED管理処理を実行する(ステップS112)。このLED管理処理では、入賞容易遊技状態LED信号が出力される。すなわち、同じタイマ割込み内である上述した特別図柄処理にて、入賞容易フラグがONされれば、主制御CPU600aの出力ポートから、入賞容易遊技状態LED信号出力として、
図2に示す7セグメント表示装置53aへ出力される。これにより、
図2に示す7セグメント表示装置53aのLEDが点灯することとなる。一方、入賞容易フラグがOFFされれば、主制御CPU600aの出力ポートから、入賞容易遊技状態LED信号が出力される。これにより、
図2に示す7セグメント表示装置53aのLEDが消灯することとなる。
【0217】
しかして、このように、同じタイマ割込み内にて、入賞容易フラグをONにし、ONされた入賞容易フラグに基づいて、入賞容易遊技状態LED信号を出力することにより、
図2に示す7セグメント表示装置53aを点灯するようにしている。そして、特別図柄処理(ステップS109)と特別電動役物管理処理(ステップS110)とLED管理処理(ステップS112)が普通電動役物管理処理(ステップS108)以降に実行されるため、次のタイマ割込み処理から、ONされた入賞容易フラグに基づいて、普通電動役物管理処理(ステップS108)にて、普通電動役物開放遊技が発生する処理を行うようにしている。これにより、先に、7セグメント表示装置53aを点灯させることにより、遊技者に時短遊技状態が開始されることを適切に報知し、その後、特別図柄2始動口45内に遊技球が入賞し易い状態にすることができるから、遊技者に有利な遊技状態に移行したことを、遊技者に認識させ易くなる。
【0218】
また、上記説明したように、同じタイマ割込み内にて、入賞容易フラグをONにし、ONされた入賞容易フラグに基づいて、入賞容易遊技状態LED信号を出力することにより、
図2に示す7セグメント表示装置53aを点灯するようにしている。そして、特別図柄処理(ステップS109)と特別電動役物管理処理(ステップS110)とLED管理処理(ステップS112)以降に実行されるため、次のタイマ割込み処理から、ONされた入賞容易フラグに基づいて、特別図柄の当否抽選を実行するようにしている。しかして、このようにすれば、型式試験で不適合になる可能性を防止することができる。すなわち、入賞容易フラグをONする処理と、7セグメント表示装置53aを点灯する処理の間に、ONされた入賞容易フラグに基づいて、特別図柄の当否抽選を実行させてしまうと、7セグメント表示装置53aで入賞容易状態であることが報知されてないも関わらず、入賞容易状態での抽選となる。そのため、報知タイミングがずれることで、型式試験で不適合になる可能性がある。それゆえ、上記説明した本実施形態のようにすれば、型式試験で不適合になる可能性を防止することができる。
【0219】
次いで、主制御CPU600aは、外部端子管理処理を実行する(ステップS113)。この外部端子管理処理では、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータに、当り遊技中、当りの発生回数、特別図柄の変動回数、入賞口への入賞球検出情報、時短遊技状態中情報、セキュリティ情報など、所定の遊技情報が出力されるものである。
【0220】
次いで、主制御CPU600aは、ソレノイド管理処理を行う(ステップS114)。この際、主制御CPU600aは、普通電動役物管理処理(ステップS108)にて生成された普通電動役物ソレノイド45c(
図3参照)の制御に関する信号を確認すると共に、特別電動役物管理処理(ステップS110)にて生成された特別電動役物ソレノイド46b(
図3参照)の制御に関する信号を確認する。そしてこの信号に基づき、普通電動役物ソレノイド45c又は特別電動役物ソレノイド46bの作動/停止が制御され、開閉部材45b(
図3参照)が開放又は閉止、あるいは、大入賞口(図示せず)が開放又は閉止するように開閉扉46a(
図2参照)が動作することとなる。
【0221】
次いで、主制御CPU600aは、使用領域外処理を行う(ステップS115)。この処理では、
図15に示すステップS45の賞球入賞数管理処理1にて算出した性能表示の値を計測・設定表示装置610(
図3参照)に表示させる処理を行う。
【0222】
次いで、主制御CPU600aは、WDT(図示せず)をクリアし(ステップS116)、割込み許可状態に戻し(ステップS117)、主制御RAM600cのスタック領域に退避させておいたレジスタの内容を復帰させタイマ割込みを終える(ステップS118)。これにより、割込み処理ルーチンからメイン処理(
図14参照)に戻ることとなる。
【0223】
<主制御:普通図柄処理の説明>
次に、
図19を参照して、上記普通図柄処理について詳細に説明する。
【0224】
図19に示すように、普通図柄処理は、先ず、ゲートからなる普通図柄始動口48(
図2参照)において、遊技球の通過を検出したか否かを確認、すなわち、普通図柄始動口48の普通図柄始動口スイッチ48a(
図3参照)の信号レベルを確認する(ステップS150)。そして遊技球の通過を検出した場合(ステップS150:YES)、主制御CPU600aは、普通図柄の始動保留球数が例えば4以上か否かを判断するため、普通図柄の始動保留球数が格納されている主制御RAM600cを確認する(ステップS151)。その際、普通図柄の始動保留球数が4未満であれば(ステップS151:≠MAX)、普通図柄の始動保留球数を1加算する(ステップS152)。その後、主制御CPU600aは、普通図柄の当否抽選に用いられる普通図柄当り判定用乱数値を普通図柄の始動保留球数が格納されている主制御RAM600cに格納した上で(ステップS153)、ステップS154の処理に進む。
【0225】
一方、ステップS150にて、遊技球の通過を検出しなかった場合(ステップS150:NO)、ステップS151にて、普通図柄の始動保留球数が4以上であると判断した場合(ステップS151:=MAX)には、ステップS152~S153の処理は行わず、ステップS154の処理に進む。
【0226】
主制御CPU600aは、ステップS154の処理に進むと、普通図柄当たり作動フラグがONに設定されているか、すなわち、普通図柄当たり作動フラグに5AHが設定されているかを確認する(ステップS154)。普通図柄当たり作動フラグに5AHが設定されていれば(ステップS154:ON)、普通図柄が当たり中であると判断し、普通図柄の表示データの更新を行った後(ステップS163)、普通図柄処理を終える。
【0227】
一方、普通図柄当たり作動フラグに5AHが設定されていなければ(ステップS154:OFF)、普通図柄の挙動を示す処理状態、すなわち、普通図柄動作ステータスフラグの値を確認する(ステップS155)。そして、普通図柄動作ステータスフラグが00Hであれば、主制御CPU600aは、普通図柄の変動開始前の状態であると判断し、ステップS156に進み、普通図柄の始動保留球数が0か否かを確認する(ステップS156)。
【0228】
主制御CPU600aは、普通図柄の始動保留球数が格納されている主制御RAM600cを確認した上で、0であると判断した場合(ステップS156:=0)は、普通図柄の表示データの更新を行った後(ステップS163)、普通図柄処理を終える。一方、0でないと判断した場合(ステップS156:≠0)は、普通図柄の始動保留球数を1減算する(ステップS157)。
【0229】
その後、主制御CPU600aは、1種2種タイプの遊技機の場合、
図27(a)に示す普通図柄当たり判定値テーブルNPP_TBL1を用いて主制御RAM600cに格納されている普通図柄の始動保留球数に対応した乱数値の当たり判定を行う。すなわち、主制御CPU600aは、下限値(図示では、4)以上で上限値(図示では、250)以下か否かを判定し、下限値以上で上限値以下であれば、普通図柄当たり判定フラグに5AHをセットし、ONにする。それ以外の場合は、普通図柄当たり判定フラグをOFFにする。
【0230】
一方、主制御CPU600aは、V-STタイプの遊技機の場合、
図28(a)に示す普通図柄当たり判定値テーブルNPP_TBL2を用いて主制御RAM600cに格納されている普通図柄の始動保留球数に対応した乱数値の当たり判定を行う。すなわち、主制御CPU600aは、遊技状態を示す普通図柄確変フラグがOFFであれば、当該乱数値が、
図28(a)に示す普通図柄当たり判定値テーブルNPP_TBL2(通常状態)の下限値(図示では、171)以上で上限値(図示では、250)以下か否かを判定し、下限値以上で上限値以下であれば、普通図柄当たり判定フラグに5AHをセットし、ONにする。それ以外の場合は、普通図柄当たり判定フラグをOFFにする。
【0231】
また一方、遊技状態を示す普通図柄確変フラグがONであれば、当該乱数値が、
図28(a)に示す普通図柄当たり判定値テーブルNPP_TBL2(確変状態)の下限値(図示では、4)以上で上限値(図示では、250)以下か否かを判定し、下限値以上で上限値以下であれば、普通図柄当たり判定フラグに5AHをセットし、ONにする。それ以外の場合は、普通図柄当たり判定フラグをOFFにセットする処理を行う(ステップS158)。
【0232】
かくして、主制御CPU600aは、上記乱数抽選処理にて決定した抽選結果に基づいて、停止図柄(普通図柄停止図柄)を決定する(ステップS159)。
【0233】
次いで、主制御CPU600aは、普通図柄の変動時間を短くする普通図柄時短フラグがONに設定されているかを確認し、ONに設定されていれば、普通図柄変動タイマにそれに応じた変動時間を設定し、OFFに設定されていれば、普通図柄変動タイマに通常の変動時間を設定する処理を行う(ステップS160)。
【0234】
次いで、主制御CPU600aは、普通図柄の始動保留球数に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されている主制御RAM600cの記憶領域をシフトする(ステップS161)。すなわち、普通図柄の始動保留球数を最大で4個保留できるとすると、普通図柄の始動保留球数4に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値を普通図柄の始動保留球数3に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されていた主制御RAM600cにシフトし、普通図柄の始動保留球数3に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値を普通図柄の始動保留球数2に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されていた主制御RAM600cにシフトし、普通図柄の始動保留球数2に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値を普通図柄の始動保留球数1に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されていた主制御RAM600cにシフトするという処理を行う。
【0235】
この処理の後、主制御CPU600aは、上記ステップS155にて用いた普通図柄動作ステータスフラグに01Hを設定し、普通図柄の始動保留球数4に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されていた主制御RAM600cに00Hを設定する処理を行う(ステップS162)。
【0236】
そして、主制御CPU600aは、上記ステップS162の処理を終えた後、普通図柄の表示データの更新を行い(ステップS163)、普通図柄処理を終える。
【0237】
他方、主制御CPU600aは、上記ステップS155にて、普通図柄の挙動を示す処理状態、すなわち、普通図柄動作ステータスフラグの値が01Hであれば、主制御CPU600aは、普通図柄が変動中であると判断し、ステップS164に進み、普通図柄変動タイマが0か否かを確認する(ステップS164)。普通図柄変動タイマが0でなければ(ステップS164:≠0)、普通図柄の表示データの更新を行い(ステップS163)、普通図柄処理を終える。そして、普通図柄変動タイマが0であれば(ステップS164:=0)、主制御CPU600aは、上記ステップS155にて用いた普通図柄動作ステータスフラグに02Hを設定し、普通図柄の当否抽選結果を一定時間維持させるために、普通図柄変動タイマに例えば約600msの時間が設定される(ステップS165)。
【0238】
主制御CPU600aは、上記ステップS165の処理を終えた後、普通図柄の表示データの更新を行い(ステップS163)、普通図柄処理を終える。
【0239】
一方、主制御CPU600aは、上記ステップS155にて、普通図柄の挙動を示す処理状態、すなわち、普通図柄動作ステータスフラグの値が02Hであれば、主制御CPU600aは、普通図柄が確認時間中(普通図柄の変動が終了して停止中)であると判断し、ステップS166に進み、普通図柄変動タイマが0か否かを確認する(ステップS166)。普通図柄変動タイマが0でなければ(ステップS166:≠0)、普通図柄の表示データの更新を行い(ステップS163)、普通図柄処理を終える。そして、普通図柄変動タイマが0であれば(ステップS166:=0)、主制御CPU600aは、上記ステップS155にて用いた普通図柄動作ステータスフラグに00Hを設定し(ステップS167)、普通図柄当たり判定フラグがONに設定(5AHが設定)されているかを確認する(ステップS168)。
【0240】
これにより、普通図柄当たり判定フラグがOFFに設定(5AHが設定されていない)されていれば(ステップS168:OFF)、主制御CPU600aは、普通図柄の表示データの更新を行い(ステップS163)、普通図柄処理を終える。そして、普通図柄当たり判定フラグがONに設定(5AHが設定)されていれば(ステップS168:ON)、主制御CPU600aは、ステップS154にて用いられる普通図柄当たり作動フラグをON(5AHを設定)に設定した(ステップS169)後、普通図柄処理を終える。
【0241】
<主制御:特別図柄処理の説明>
次に、
図20~
図26を参照して、上記特別図柄処理について詳細に説明する。
【0242】
図20に示すように、特別図柄処理は、先ず、特別図柄1始動口44(
図2参照)の特別図柄1始動口スイッチ44a(
図3参照)において、遊技球の入球(入賞球)を検出した否かを確認し(ステップS200)、さらに、特別図柄2始動口45(
図2参照)の特別図柄2始動口スイッチ45a(
図3参照)において、遊技球の入球(入賞球)を検出したか否かを確認する(ステップS201)。
【0243】
<主制御:特別図柄処理:始動口チェック処理の説明>
この処理について、
図21を用いて詳しく説明すると、主制御CPU600aは、特別図柄1始動口44又は特別図柄2始動口45に遊技球が入球(入賞)したか否かを確認、すなわち、特別図柄1始動口44の特別図柄1始動口スイッチ44a又は特別図柄2始動口45の特別図柄2始動口スイッチ45aのレベルを確認する(ステップS250)。これにより、遊技球の入球(入賞)を検出しなければ(ステップS250:NO)、特別図柄処理を終える。
【0244】
一方、遊技球の入球(入賞)を検出すれば(ステップS250:YES)、主制御CPU600aは、特別図柄の変動契機となる始動保留球数が所定数、主制御RAM600cに格納されているか否かを確認する(ステップS251)。その始動保留球数が、4未満であれば(ステップS251:≠MAX)、当該始動保留球数を1加算(+1)する(ステップS252)。
【0245】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄停止の際用いられる乱数値及び変動パターン用乱数値並びに大当たり判定用乱数値を特別図柄の変動契機となる始動保留球数が格納されている主制御RAM600cに格納する(ステップ253)。
【0246】
次いで、主制御CPU600aは、現在の遊技状態(特別図柄大当たり判定フラグがONに設定されているか否か等)を確認し、先読み禁止状態か否かを判定する(ステップS254)。そして、先読み禁止状態でなければ(ステップS254:NO)、主制御CPU600aは、上記ステップS253にて主制御RAM600cに格納した特別図柄の当否抽選に用いられる大当たり判定用乱数値を取得し(ステップS255)、さらに、図示しない始動口入賞時乱数判定テーブルを取得する(ステップS256)。
【0247】
次いで、主制御CPU600aは、上記ステップS255にて取得した大当たり判定用乱数値及びステップS256にて取得した始動口入賞時乱数判定テーブル(図示せず)を用いて、大当たり抽選を行い、さらに、上記ステップS253にて主制御RAM600cに格納した特別図柄用乱数値を用いて、大当たりの種類(ランクアップボーナス当り,通常の大当り等)を決定し、変動パターン用乱数値を用いて、
図7~
図11に示す変動パターン選択テーブルを用いて変動パターンを決定し、それに応じた特別図柄始動口入賞コマンドを生成する(ステップS257)。なお、この際、大当たり抽選だけでなく、小当たり抽選や特殊電サポ図柄の抽選も行い、上記説明した特別図柄用乱数値を用いるか、又は、特別図柄用乱数値とは別の乱数値を用いて、小当たりの種類や特殊電サポ図柄の種類を決定し、変動パターン用乱数値を用いて、変動パターンを決定し、それに応じた特別図柄始動口入賞コマンドを生成してもよい。
【0248】
次いで、主制御CPU600aは、上記生成された特別図柄始動口入賞コマンドに応じた下位バイトの始動保留加算コマンドを生成する(ステップS258)。
【0249】
一方、主制御CPU600aは、上記ステップS258の処理を終えるか、又は、上記ステップS251にて特別図柄1又は2の第1始動保留球数又は第2始動保留球数が4以上であるか(ステップS251:=MAX)、あるいは、先読み禁止状態であれば(ステップS254:YES)、増加した始動保留球数に応じた上位バイトの始動保留加算コマンドを生成する(ステップS259)。
【0250】
次いで、主制御CPU600aは、上記ステップS258にて生成した下位バイトの始動保留加算コマンドと、上記ステップS259にて生成した上位バイトの始動保留加算コマンドとを結合した上で、始動保留加算コマンド(演出制御コマンドDI_CMD)として、サブ制御基板80に送信する処理を行う(ステップS260)。
【0251】
<主制御:特別図柄処理の説明>
かくして、
図20に示すステップS200及びステップS201の処理を終えると、主制御CPU600aは、特別図柄小当たり作動フラグがONに設定されているか、すなわち、特別図柄小当たり作動フラグに5AHが設定されているかを確認する(ステップS202)。特別図柄小当たり作動フラグに5AHが設定されていれば(ステップS202:ON)、特別図柄が小当たり中であると判断し、特別図柄の表示データの更新を行った後(ステップS208)、特別図柄処理を終える。
【0252】
一方、特別図柄小当たり作動フラグに5AHが設定されていなければ(ステップS202:OFF)、特別図柄大当たり作動フラグがONに設定されているか、すなわち、特別図柄大当たり作動フラグに5AHが設定されているかを確認する(ステップS203)。特別図柄大当たり作動フラグに5AHが設定されていれば(ステップS203:ON)、特別図柄が大当たり中であると判断し、特別図柄の表示データの更新を行った後(ステップS208)、特別図柄処理を終える。
【0253】
一方、特別図柄大当たり作動フラグに5AHが設定されていなければ(ステップS203:OFF)、特別図柄の挙動を示す処理状態、すなわち、特別図柄動作ステータスフラグの値を確認する(ステップS204)。より詳しく説明すると、主制御CPU600aは、特別図柄動作ステータスフラグの値が00H又は01Hであれば、特別図柄変動待機中(特別図柄の変動が行われておらず次回の変動のための待機状態であることを示す)であると判定し、特別図柄変動開始処理を行う(ステップS205)。
【0254】
<主制御:特別図柄処理:特別図柄変動開始処理の説明>
この処理について、
図22を用いて詳しく説明すると、主制御CPU600aは、特別図柄の変動契機となる始動保留球数が0か否かを確認する(ステップS300)。すなわち、主制御CPU600aは、主制御RAM600cに格納されているか否かを確認し、始動保留球数が0であると判断した場合(ステップS300:=0)、特別図柄動作ステータスフラグの値が00Hか否かを確認する(ステップS301)。特別図柄動作ステータスフラグの値が00Hであれば(ステップS301:YES)、特別図柄変動開始処理を終了する。
【0255】
一方、特別図柄動作ステータスフラグの値が00Hでなければ(ステップS301:NO)、主制御CPU600aは、客待ちデモコマンドを演出制御コマンドDI_CMDとしてサブ制御基板80(
図3参照)に送信する(ステップS302)。
【0256】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄動作ステータスフラグに00Hをセットし(ステップS303)、特別図柄変動開始処理を終了する。
【0257】
他方、主制御CPU600aは、始動保留球数が0でないと判断した場合(ステップS300:≠0)、始動保留球数を1減算(-1)し(ステップS304)、始動保留減算コマンドを演出制御コマンドDI_CMDとして、サブ制御基板80(サブ制御CPU800a)に送信する(ステップS305)。
【0258】
次いで、主制御CPU600aは、後述する救済回数カウンタの値を確認し、救済回数コマンドを演出制御コマンドDI_CMDとして、サブ制御基板80(サブ制御CPU800a)に送信する(ステップS306)。
【0259】
次いで、主制御CPU600aは、後述する特別図柄時短回数カウンタの値を確認し、時短回数コマンドを演出制御コマンドDI_CMDとして、サブ制御基板80(サブ制御CPU800a)に送信する(ステップS307)。これを受けて、サブ制御CPU800aは、所定の時短回数以下となるまで、現在の時短回数を、液晶表示装置41に表示しないか、100回などの固定回数を液晶表示装置41に表示するような画像(映像)に関するコマンドリストをVDP803に送信する。これにより、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように画像(映像)データを生成し、その生成した画像(映像)データを液晶表示装置41に送信することにより、液晶表示装置41には、現在の時短回数が表示されないか、又は、100回などの固定回数が表示されることとなる。そして、所定の時短回数となった際、サブ制御CPU800aは、受信した時短回数情報を、液晶表示装置41に表示するような画像(映像)に関するコマンドリストをVDP803に送信する。これにより、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように画像(映像)データを生成し、その生成した画像(映像)データを液晶表示装置41に送信することにより、液晶表示装置41には、現在の時短回数が表示されることとなる。
【0260】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄停止の際用いられる乱数値及び変動パターン用乱数値並びに大当たり判定用乱数値(
図21のステップS253参照)が格納されている主制御RAM600c内の記憶領域をシフトし(ステップS308)、始動保留4に対応した特別図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されていた主制御RAM600c内の領域に0を設定する(ステップS309)。
【0261】
次いで、主制御CPU600aは、当たり判定処理を行う(ステップS310)。
【0262】
<主制御:特別図柄処理:当たり判定処理の説明>
この処理について、
図23を用いて詳しく説明すると、主制御CPU600aは、大当たり判定用乱数値(
図21のステップS253参照)が格納されている主制御RAM600cから、大当たり判定用乱数値を取得する(ステップS370)。
【0263】
次いで、主制御CPU600aは、変動する特図に応じた当たり判定テーブルのアドレス番地を取得する。すなわち、1種2種タイプの遊技機の場合、
図27(b)に示す特別図柄大当たり判定値テーブルSDH_TBL1、
図27(e)に示す特別図柄小当たり判定値テーブルSDP_TBLのアドレス番地を取得する。
【0264】
一方、V-STタイプの遊技機の場合、
図28(b)に示す特別図柄大当たり判定値テーブルSDH_TBL2のアドレス番地を取得する(ステップS371)。
【0265】
次いで、主制御CPU600aは、取得したアドレス番地を、大当たり判定を行うか、小当たり判定を行うかに合わせて、判定値が格納されたアドレス番地に変更する(ステップS372)。
【0266】
次いで、主制御CPU600aは、設定値毎に判定値が異なるかの情報を取得し(ステップS373)、取得した情報の値を確認する(ステップS374)。取得した値が「0」であれば(ステップS374:=0)、ステップS377の処理に進み、取得した値が「0」でなければ(ステップS374:≠0)、主制御CPU600aは、主制御RAM600c(
図3参照)内に記憶されている遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる確率の設定値(例えば「1」~「6」に対応した「00H」~「05H」の設定値)を取得する(ステップS375)。なお、
図27(b)に示す特別図柄大当たり判定値テーブルSDH_TBL1、及び、
図28(b)に示す特別図柄大当たり判定値テーブルSDH_TBL2では、設定値毎に判定値が異なるため、設定値毎に判定値が異なるかの情報として「1」が設定されており、
図27(e)に示す特別図柄小当たり判定値テーブルSDP_TBLでは、設定値毎に判定値が異ならないため、設定値毎に判定値が異なるかの情報として「0」が設定されている
【0267】
次いで、主制御CPU600aは、取得した設定値に応じた判定値が格納されているアドレス番地に変更する(ステップS376)。
【0268】
次いで、主制御CPU600aは、現在のアドレス番地から、判定値を取得する(ステップS377)。
【0269】
次いで、主制御CPU600aは、アドレス番地を次の判定値が格納された先頭アドレス番地に変更し(ステップS378)、取得した大当たり判定用乱数値と、取得した判定値を比較する(ステップS379)。
【0270】
次いで、主制御CPU600aは、取得した大当たり判定用乱数値が取得した判定値より小さくなければ(ステップS380:NO)、ステップS373の処理に戻り、取得した大当たり判定用乱数値が取得した判定値より小さくなるまで(ステップS380:YES)ステップS373~ステップS380の処理を繰り返す。
【0271】
次いで、主制御CPU600aは、取得した大当たり判定用乱数値が取得した判定値より小さくなれば(ステップS380:YES)、遊技状態に応じた特別図柄大当たり判定フラグ、特別図柄小当たり判定フラグを取得し(ステップS381)、当たり判定処理を終える。
【0272】
<主制御:特別図柄処理:特別図柄変動開始処理の説明>
かくして、上記のような当たり判定処理(ステップS310)を終えた後、主制御CPU600aは、特殊電サポ図柄当たり判定処理を行う(ステップS311)。なお、この処理は、小当たり図柄と兼用することなく、特殊電サポ図柄の遊技を行う場合に、大当たり判定用乱数を用いて抽選を行う処理になる。
【0273】
<主制御:特別図柄処理:特殊電サポ図柄当たり判定処理の説明>
この処理について、
図24を用いて詳しく説明すると、主制御CPU600aは、大当たり判定用乱数値(
図21のステップS253参照)が格納されている主制御RAM600cから、大当たり判定用乱数値を取得する(ステップS390)。
【0274】
次いで、主制御CPU600aは、1種2種タイプの遊技機の場合、
図27(g)に示す特殊電サポ図柄当たり判定値テーブルTDS_TBL1のアドレス番地を取得し、そして、特殊電サポ図柄に当選している場合、
図27(h)に示す特殊電サポ図柄当たり図柄判定値テーブルTDSZ_TBL1のアドレス番地を取得する。
【0275】
一方、V―STタイプの遊技機の場合、
図28(e)に示す特殊電サポ図柄当たり判定値テーブルTDS_TBL2のアドレス番地を取得し、そして、特殊電サポ図柄に当選している場合、
図28(f)に示す特殊電サポ図柄当たり図柄判定値テーブルTDSZ_TBL2のアドレス番地を取得する(ステップS391)。
【0276】
次いで、主制御CPU600aは、取得したアドレス番地を、判定値が格納されたアドレス番地に変更する(ステップS392)。
【0277】
次いで、主制御CPU600aは、現在のアドレス番地から、判定値を取得する(ステップS393)。
【0278】
次いで、主制御CPU600aは、アドレス番地を次の判定値が格納された先頭アドレス番地に変更し(ステップS394)、取得した大当たり判定用乱数値と、取得した判定値を比較する(ステップS395)。
【0279】
次いで、主制御CPU600aは、取得した大当たり判定用乱数値が取得した判定値より小さくなければ(ステップS396:NO)、ステップS393の処理に戻り、取得した大当たり判定用乱数値が取得した判定値より小さくなるまで(ステップS396:YES)ステップS393~ステップS396の処理を繰り返す。
【0280】
次いで、主制御CPU600aは、取得した大当たり判定用乱数値が取得した判定値より小さくなれば(ステップS396:YES)、特殊電サポ図柄当たり判定フラグを取得し(ステップS397)、特殊電サポ図柄当たり判定処理を終える。
【0281】
なお、特殊電サポ図柄は特別図柄1のみでしか当たらないようにしてもよい。通常遊技状態で大当りにならないことが長く続かないようにするための、補助的な当たりのためである。また、特別図柄2で抽選する遊技状態は、すでに、大当たり、又は、特殊電サポ図柄に当選している遊技状態であり、特別図柄2の抽選では、大当たりとなるか否かが、遊技者が期待する遊技状態であるためである。
【0282】
<主制御:特別図柄処理:特別図柄変動開始処理の説明>
かくして、上記のような特殊電サポ図柄当たり判定処理(ステップS311)を終えた後、主制御CPU600aは、
図21のステップS253にて主制御RAM600cに格納した特別図柄停止の際用いられる乱数値を用いて、特別図柄の停止図柄を生成する(ステップS312)。この際、1種2種タイプの遊技機の場合で、特別図柄1が大当たりに当選している場合、主制御CPU600aは、
図27(c)に示す特別図柄大当たり図柄判定値テーブルSDHZ_TBLAに基づき、時短回数を決定する。また、特別図柄2が大当たりに当選している場合、主制御CPU600aは、
図27(d)に示す特別図柄大当たり図柄判定値テーブルSDHZ_TBLBに基づき、時短回数を決定する。一方、小当たりに当選している場合、主制御CPU600aは、
図27(f)に示す特別図柄小当たり図柄判定値テーブルSDPZ_TBLに基づき、時短回数を決定する。他方、V-STタイプの遊技機の場合で、特別図柄1が大当たりに当選している場合、主制御CPU600aは、
図28(c)に示す特別図柄大当たり図柄判定値テーブルSDHZ_TBLA1に基づき、時短回数を決定し、特別図柄2が大当たりに当選している場合、
図28(d)に示す特別図柄大当たり図柄判定値テーブルSDHZ_TBLB1に基づき、時短回数を決定する。
【0283】
次いで、主制御CPU600aは、通常状態、時短状態、潜伏確変状態、確変状態等の遊技状態に移行する準備を行う(ステップS313)。なお、ここでは、大当りとなった場合に大当り後にセットされる普通図柄時短フラグと普通図柄確変フラグと特別図柄時短フラグと特別図柄確変フラグと入賞容易フラグとのうち、移行後の遊技状態に応じたフラグをONにするためのフラグデータを予め準備する。また、特別図柄時短回数カウンタに設定する時短回数と、特別図柄確変回数カウンタに設定する確変回数も準備することとなる。なお、入賞容易フラグは、遊技状態が時短遊技状態であるか否かを示すフラグである。
【0284】
次いで、主制御CPU600aは、
図21のステップS253にて主制御RAM600cに格納した変動パターン用乱数値を用いて特別図柄の変動パターンの生成を行い、その生成された特別図柄の変動パターンの変動パターンコマンドを演出制御コマンドDI_CMDとして、サブ制御基板80(サブ制御CPU800a)に送信する(ステップS314)。この際、主制御CPU600aは、上記説明したように
図5に示すV-STタイプの遊技機の場合、
図5に示す遊技状態に応じて、
図7(a)に示すテーブルTBLを用いて、
図7(b)に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1、
図8(a)に示す第2変動パターン選択テーブルNOR_TBL2、
図8(b)に示す第3変動パターン選択テーブルLAST_TBLを選択することとなる。そして、上記説明したように
図6に示す1種2種タイプの遊技機の場合、
図6に示す遊技状態に応じて、
図7(a)に示すテーブルTBLを用いて、
図9に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1、
図10(a)に示す第2変動パターン選択テーブルNOR_TBL2、
図10(b)に示す第3変動パターン選択テーブルLAST_TBLを選択することとなる。
【0285】
かくして、主制御CPU600aは、上記の変動パターン選択テーブルによって選択された変動パターンの変動パターンコマンドを演出制御コマンドDI_CMDとして、サブ制御基板80(サブ制御CPU800a)に送信する。これを受けて、サブ制御CPU800aは、液晶表示装置41に選択された変動パターンが表示されるようなコマンドリストをVDP803に送信する。これにより、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように画像(映像)データを生成し、その生成した画像(映像)データを液晶表示装置41に送信することにより、液晶表示装置41には、選択された変動パターンが表示されることとなる。
【0286】
また、サブ制御CPU800aにて、変動パターンを決定する場合、主制御CPU600aは、
図11(a)に示すテーブルTBLAを用いて、
図11(b)に示す第1変動パターン選択テーブルNOR_TBL1を選択することとなる。そして、その選択した内容を演出制御コマンドDI_CMDとして、サブ制御基板80(サブ制御CPU800a)に送信する。これを受けて、サブ制御CPU800aは、サブ制御ROM800b内に格納されている、
図12に示す第1演出変動パターン選択テーブルENOR_TBL1、
図13に示す第2演出変動パターン選択テーブルENOR_TBL2を用いて、変動パターンを決定する。そして、サブ制御CPU800aは、決定した変動パターンが液晶表示装置41に表示されるようなコマンドリストをVDP803に送信する。これにより、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように画像(映像)データを生成し、その生成した画像(映像)データを液晶表示装置41に送信することにより、液晶表示装置41には、決定した変動パターンが表示されることとなる。
【0287】
しかして、このように、各遊技状態において、適切な変動パターン選択テーブルを用いて変動パターンを決定するようにすれば、最適な変動パターンを決定することができる。これにより、遊技者の興趣を低下させるような事態を低減させることができ、もって、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0288】
なお、このステップS314にて、主制御CPU600aは、特別図柄変動タイマに変動時間を設定することとなる。
【0289】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄変動中フラグに5AHを設定し、ON状態にする(ステップS315)。
【0290】
次いで、主制御CPU600aは、液晶表示装置41に表示される特別図柄の指定を行う図柄指定コマンドを生成し(ステップS316)、その生成した図柄指定コマンドを演出制御コマンドDI_CMDとしてサブ制御基板80(サブ制御CPU800a)に送信する処理を行う(ステップS317)。
【0291】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄動作ステータスフラグに02Hを設定し(ステップS318)、特別図柄変動開始処理を終了する。
【0292】
<主制御:特別図柄処理の説明>
他方、
図20に示すように、特別図柄動作ステータスフラグの値が02Hの場合、主制御CPU600aは、特別図柄変動中(特別図柄が現在変動中であることを示す)であると判定し、特別図柄変動中処理を行う(ステップS206)。
【0293】
<主制御:特別図柄処理:特別図柄変動中処理の説明>
この処理について、
図25を用いて詳しく説明すると、主制御CPU600aは、まず、
図22のステップS314にて特別図柄変動タイマに設定された変動時間が経過したか、すなわち、0になったか否かを確認する(ステップS400)。特別図柄変動タイマが0でなければ(ステップS400:NO)、主制御CPU600aは、特別図柄変動中処理を終了する。
【0294】
一方、特別図柄変動タイマが0であれば(ステップS400:YES)、主制御CPU600aは、図柄確定コマンドを演出制御コマンドDI_CMDとしてサブ制御基板80(サブ制御CPU800a)に送信する(ステップS401)。
【0295】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄動作ステータスフラグに03Hを設定し、特別図柄変動中フラグに00Hを設定する。そしてさらに、主制御CPU600aは、特別図柄の当否抽選結果を一定時間維持するために、特別図柄変動タイマに例えば約500msの時間を設定する(ステップS402)。その後、主制御CPU600aは、特別図柄変動中処理を終了する。
【0296】
<主制御:特別図柄処理の説明>
一方、
図20に示すように、特別図柄動作ステータスフラグの値が03Hの場合、主制御CPU600aは、特別図柄確認中(特別図柄の変動が終了して停止中であることを示す)であると判定し、特別図柄確認時間中処理を行う(ステップS207)。
【0297】
<主制御:特別図柄処理:特別図柄確認時間中処理の説明>
この処理について、
図26を用いて詳しく説明すると、主制御CPU600aは、まず、
図22のステップS314にて特別図柄変動タイマに設定された変動時間が経過したか、すなわち、0になったか否かを確認する(ステップS450)。特別図柄変動タイマが0でなければ(ステップS450≠0)、主制御CPU600aは、特別図柄確認時間中処理を終了する。
【0298】
一方、特別図柄変動タイマが0であれば(ステップS450=0)、主制御CPU600aは、特別図柄動作ステータスフラグに01Hを設定し(ステップS451)、特別図柄大当たり判定フラグがONに設定されているか(5AHが設定されているか)を確認する(ステップS452)。特別図柄大当たり判定フラグがONに設定されていれば(5AHが設定されていれば)(ステップS452:YES)、特別図柄大当たり判定フラグに00Hを設定し、特別図柄大当たり作動フラグに5AHを設定し、そして普通図柄時短フラグに00Hを設定し、普通図柄確変フラグに00Hを設定し、さらに、特別図柄時短フラグに00Hを設定し、特別図柄確変フラグに00Hを設定し、入賞容易フラグに00Hを設定する。そしてさらに、後述する特別図柄時短回数カウンタに0000H、及び、特別図柄確変回数カウンタに00Hを設定する処理を行う(ステップS453)。
【0299】
次いで、主制御CPU600aは、救済回数カウンタに0000Hを設定し、救済遊技において所定回数(例えば、1000回)特別図柄のはずれ変動が実行されたことを示す救済発動フラグに0FFHを設定する(ステップS454)。その後、主制御CPU600aは、特別図柄確認時間中処理を終了する。
【0300】
他方、特別図柄大当たり判定フラグがONに設定されていなければ(5AHが設定されていなければ)(ステップS452:NO)、主制御CPU600aは、特別図柄小当たり判定フラグがONに設定されているか(5AHが設定されているか)を確認する(ステップS455)。特別図柄小当たり判定フラグがONに設定されていれば(5AHが設定されていれば)(ステップS455:YES)、特別図柄小当たり判定フラグに00Hを設定し、特別図柄小当たり作動フラグに5AHを設定する(ステップS456)。なお、この際、特殊電サポ図柄当たり判定フラグがONに設定されていれば特殊電サポ図柄判定フラグに00Hを設定し、普通図柄時短フラグと特別図柄時短フラグと入賞容易フラグをON(5AHを設定)にし、特別図柄時短回数カウンタに時短回数をセットするようにする。
【0301】
主制御CPU600aは、上記ステップS456の処理を終えた後、又は、特別図柄小当たり判定フラグがONに設定されていなければ(5AHが設定されていなければ)(ステップS455:NO)、特別図柄時短回数カウンタの値が0か否かを確認する(ステップS457)。
【0302】
特別図柄時短回数カウンタの値が0でなければ(ステップS457:NO)、特別図柄時短回数カウンタの値を1減算(-1)し(ステップS458)、主制御CPU600aは、再度、特別図柄時短回数カウンタの値が0か否かを確認する(ステップS459)。そして、特別図柄時短回数カウンタの値が0であれば(ステップS459:YES)、普通図柄時短フラグに00Hを設定すると共に、普通図柄確変フラグに00Hを設定し、さらに、入賞容易フラグに00Hを設定し、そしてさらに、普通図柄時短フラグに00Hを設定する。またさらに、救済回数カウンタに初期値を設定する(ステップS460)。
【0303】
上記ステップS460の処理を終えた後、又は、特別図柄時短回数カウンタの値が0(ステップS457:YES)、あるいは、特別図柄時短回数カウンタの値が0でなければ(ステップS459:NO)、主制御CPU600aは、特別図柄確変回数カウンタの値が0か否かを確認する(ステップS461)。特別図柄確変回数カウンタの値が0であれば(ステップS461:YES)、ステップS465の処理に移行する。
【0304】
一方、特別図柄確変回数カウンタの値が0でなければ(ステップS461:NO)、主制御CPU600aは、特別図柄確変回数カウンタの値を1減算(-1)し(ステップS462)、再度、特別図柄確変回数カウンタの値が0か否かを確認する(ステップS463)。特別図柄確変回数カウンタの値が0でなければ(ステップS463:NO)、ステップS465の処理に移行する。
【0305】
一方、特別図柄確変回数カウンタの値が0であれば(ステップS463:YES)、主制御CPU600aは、普通図柄時短フラグに00Hを設定し、普通図柄確変フラグに00Hを設定し、入賞容易フラグに00Hを設定し、特別図柄時短フラグに00Hを設定し、特別図柄確変フラグに00Hを設定する処理を行い(ステップS464)、ステップS465の処理に移行する。
【0306】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄確変フラグがON(5AHが設定)されているか否かを確認する(ステップS465)。特別図柄確変フラグがONに設定されていれば(5AHに設定されていれば)(ステップS465:YES)、主制御CPU600aは、特別図柄確認時間中処理を終える。
【0307】
一方、特別図柄確変フラグがONに設定されていなければ(5AHに設定されていなければ)(ステップS465:NO)、主制御CPU600aは、救済発動フラグがON(5AHが設定)されているか否かを確認する(ステップS466)。救済発動フラグがONに設定されていれば(5AHに設定されていれば)(ステップS466:YES)、主制御CPU600aは、特別図柄確認時間中処理を終える。
【0308】
一方、救済発動フラグがONに設定されていなければ(5AHに設定されていなければ)(ステップS466:NO)、主制御CPU600aは、救済回数カウンタの値が0か否かを確認する(ステップS467)。救済回数カウンタの値が0であれば(ステップS466:YES)、主制御CPU600aは、特別図柄確認時間中処理を終える。
【0309】
一方、救済回数カウンタの値が0でなければ(ステップS467:NO)、救済回数カウンタの値を1減算(-1)し(ステップS468)、主制御CPU600aは、再度、救済回数カウンタの値が0か否かを確認する(ステップS469)。救済回数カウンタの値が0でなければ(ステップS469:NO)、主制御CPU600aは、特別図柄確認時間中処理を終える。一方、救済回数カウンタの値が0であれば(ステップS469:YES)、主制御CPU600aは、特別図柄時短フラグをON(5AHを設定)にし、特別図柄時短回数カウンタに時短回数をセットする。さらに、主制御CPU600aは、救済発動フラグと入賞容易フラグをON(5AHを設定)にし、右打ち状態フラグをON(5AHを設定)にし(ステップS470)、特別図柄確認時間中処理を終える。
【0310】
<主制御:特別図柄処理の説明>
かくして、
図20に示す上記ステップS205、ステップS206、ステップS207のいずれかの処理を終えると、主制御CPU600aは、特別図柄の表示データの更新を行った後(ステップS208)、特別図柄処理を終える。
【0311】
ところで、本実施形態においては、救済回数カウンタを減算する例を示したが、加算するようにしても良い。この点、
図29を用いて詳しく説明する。なお、上記説明した処理と同一の処理については、同一の符号を付し、説明は省略することとする。
【0312】
<主制御:特別図柄処理:特別図柄確認時間中処理の説明(変形例)>
図29に示すように、主制御CPU600aは、特別図柄確変フラグがONに設定されていなければ(5AHに設定されていなければ)(ステップS465:NO)、救済回数カウンタの値を加算(+1)し(ステップS500)、救済回数カウンタの値が救済到達回数に到達したか否かを確認する(ステップS501)。救済到達回数に到達していれば(ステップS501:YES)、ステップS470の処理を行い、特別図柄確認時間中処理を終える。
【0313】
一方、救済到達回数に達していなければ(ステップS501:NO)、主制御CPU600aは、救済回数カウンタの値が0000Hであるか否かを確認する(ステップS502)。救済回数カウンタの値が0000Hでなければ(ステップS502:NO)、特別図柄確認時間中処理を終える。
【0314】
一方、救済回数カウンタの値が0000Hであれば(ステップS502:YES)、救済回数カウンタの値を減算(-1)し(ステップS503)、特別図柄確認時間中処理を終える。なお、ステップS503にて、救済回数カウンタの値を減算(-1)するのは、以下の理由によるものである。すなわち、特別図柄確変中でなければ、救済回数カウンタは、値を加算(+1)する。そのため、救済回数カウンタの値が救済到達回数に到達した後は、大当たりしない限り、救済回数カウンタは、2バイトの上限値であるFFFFHまでカウントし続けることとなる。それゆえ、救済回数カウンタのカウント値がFFFFHの時に加算(+1)されると、カウント値は、0000Hになるため、FFFFHに戻すために、減算(-1)する(0000H-0001H=FFFFHとなる)ようにしている。
【0315】
しかして、以上説明した本実施形態によれば、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0316】
なお、本実施形態においては、音LSI801と、VDP803と、を別々に構成する例を示したが、ワンチップとして一体化させても良い。
【0317】
また、本実施形態においては、サブワンチップマイコン800内にサブ制御CPU800aを設ける例を示したが、それに限らず、VDP803内にサブ制御CPU800aを設けるようにしても良い。
【符号の説明】
【0318】
1 パチンコ遊技機
44 特別図柄1始動口(始動口)
45 特別図柄2始動口(始動口)
600a 主制御CPU(抽選処理実行手段、特典遊技実行手段)
600c 主制御RAM(RAM)
620 RAMクリアスイッチ(RAMクリア手段)
800a サブ制御CPU(サブ制御手段)
SDHZ_TBLB 特別図柄大当たり図柄判定値テーブル
SDHZ_TBLB1 特別図柄大当たり図柄判定値テーブル
TBL,TBLA テーブル
NOR_TBL1 第1変動パターン選択テーブル
NOR_TBL2 第2変動パターン選択テーブル
LAST_TBL 第3変動パターン選択テーブル(第4変動パターン選択テーブル)
ENOR_TBL1 第1演出変動パターン選択テーブル(演出変動パターン選択テーブル)
ENOR_TBL2 第2演出変動パターン選択テーブル(演出変動パターン選択テーブル)