(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138498
(43)【公開日】2024-10-08
(54)【発明の名称】画像成分予測方法、エンコーダー、デコーダー及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04N 19/105 20140101AFI20241001BHJP
H04N 19/136 20140101ALI20241001BHJP
H04N 19/176 20140101ALI20241001BHJP
H04N 19/593 20140101ALI20241001BHJP
【FI】
H04N19/105
H04N19/136
H04N19/176
H04N19/593
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024112963
(22)【出願日】2024-07-12
(62)【分割の表示】P 2021556936の分割
【原出願日】2019-10-28
(31)【優先権主張番号】62/823,609
(32)【優先日】2019-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】マー、イェンチュオ
(72)【発明者】
【氏名】フオ、チュンイェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シューアイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ウェイ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】予測すべき画像成分の予測精度が向上し、ビデオ画像の予測効率が向上する画像成分予測方法、エンコーダー、デコーダー及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】画像成分予測方法は、現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定するステップ(S101)と、前記第1の基準ピクセルセットから選択された1つ又は複数の候補ピクセルが含まれる基準ピクセルサブセットを決定するステップ(S102)と、基準ピクセルサブセットを用いて、現在のブロックの予測すべき画像成分に対して成分間予測処理を行うために用いられる予測モデルのモデルパラメータを計算するステップ(S103)と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンコーダー又はデコーダーに適用される画像成分予測方法であって、
現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定するステップと、
前記第1の基準ピクセルセットから基準ピクセルサブセットを決定するステップであって、前記基準ピクセルサブセットには前記第1の基準ピクセルセットから選択された1つ又は複数の候補ピクセルが含まれる、ステップと、
前記基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算するステップであって、前記予測モデルが前記現在のブロックの予測すべき画像成分に対して成分間予測処理を行うために用いられる、ステップと、を含む、画像成分予測方法。
【請求項2】
前記現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定するステップは、
前記現在のブロックの外側で、前記現在のブロックの少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルを取得するステップであって、前記現在のブロックの少なくとも1つの辺には上辺、左辺、右上辺及び左下辺の少なくとも1つが含まれる、ステップと、
取得された基準ピクセルに基づいて、前記第1の基準ピクセルセットを取得するステップと、を含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定するステップは、
再構成ブロック内で、前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルを取得するステップであって、前記再構成ブロックが前記現在のブロックに隣接しかつ符号化及び再構成が完了された画像ブロックであり、前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺には下辺、右辺、又は下辺及び右辺が含まれる、ステップと、
取得された基準ピクセルに基づいて、前記第1の基準ピクセルセットを取得するステップと、を含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の基準ピクセルセットに基づいて、基準ピクセルサブセットを決定するステップは、
前記現在のブロック又は前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて、候補ピクセルの候補位置を決定するステップと、
前記第1の基準ピクセルセットから前記候補位置に対応する基準ピクセルを選択し、選択された基準ピクセルを使用して前記基準ピクセルサブセットを形成するステップと、を含むことを特徴とする
請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記現在のブロック又は前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて、候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
前記少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルに対応するピクセル位置に基づいて、前記候補位置を決定するステップを含むことを特徴とする
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記現在のブロック又は前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて、候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
前記少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルに対応する画像成分強度値に基づいて、前記候補位置を決定するステップを含むことを特徴とする
請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記現在のブロック又は前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて、候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
前記少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルに対応するピクセル位置及び画像成分強度値に基づいて、前記候補位置を決定するステップを含むことを特徴とする
請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記現在のブロック又は前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて、候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
予め設定された候補ピクセル数を決定するステップであって、前記予め設定された候補ピクセル数が前記少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルからサンプリングされたピクセルの数を表す、ステップと、
前記予め設定された候補ピクセル数と前記少なくとも1つの辺の長さに基づいて、前記候補位置を決定するステップであって、前記少なくとも1つの辺の長さが前記少なくとも1つの辺に含まれるピクセルの数に等しい、ステップと、を含むことを特徴とする
請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記現在のブロック又は前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて、候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
前記予め設定された候補ピクセル数と前記少なくとも1つの辺の長さに基づいて、第1のサンプリング間隔を計算するステップと、
前記少なくとも1つの辺から1つの基準点を決定し、前記第1のサンプリング間隔に従って前記候補位置を決定するステップと、を含むことを特徴とする
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のサンプリング間隔を計算するステップの後、前記方法は、
前記第1のサンプリング間隔を調整して、第2のサンプリング間隔を取得するステップと、
前記基準点に基づいて、前記第2のサンプリング間隔に従って前記候補位置を決定するステップと、をさらに含むことを特徴とする
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のサンプリング間隔を取得するステップの後、前記方法は、
前記基準点に基づいて、前記第1のサンプリング間隔に従って前記基準点の一側に対応する候補位置を決定し、前記第2のサンプリング間隔に従って前記基準点の他側に対応する候補位置を決定するステップをさらに含むことを特徴とする
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記現在のブロック又は前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて、候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
前記少なくとも1つの辺に対応する、予め設定されたスキップピクセル数Kを決定するステップであって、Kが1以上の正の整数である、ステップと、
前記少なくとも1つの辺の開始位置及び/又は端部位置から、K個のスキップすべきピクセルに対応する位置を決定するステップと、
前記K個のスキップすべきピクセルに対応する位置に基づいて、前記少なくとも1つの辺の開始位置及び/又は端部位置からK個のスキップすべきピクセルを連続的にスキップして、少なくとも1つの新しい辺を取得するステップと、
前記少なくとも1つの新しい辺及び前記予め設定された候補ピクセル数に基づいて、前記候補位置を決定するステップと、を含むことを特徴とする
請求項8-11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算するステップは、
前記基準ピクセルサブセットに基づいて、前記現在のブロックに対応する予測すべき画像成分の隣接ピクセル再構成値と、基準ブロックに対応する予測すべき画像成分の隣接ピクセル再構成値とを取得するステップであって、前記現在のブロックがN番目のフレームのビデオ画像に位置し、前記基準ブロックがN-1番目のフレームのビデオ画像に位置するステップと、
前記現在のブロックに対応する予測すべき画像成分の隣接ピクセル再構成値及び前記基準ブロックに対応する予測すべき画像成分の隣接ピクセル再構成値に基づいて、モデルパラメータを計算するステップと、を含むことを特徴とする
請求項1-12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算するステップの後、前記方法は、
前記モデルパラメータに基づいて、前記予測モデルを構築するステップと、
前記予測モデルにより前記現在のブロックの予測すべき画像成分に対して予測処理を行い、前記予測すべき画像成分に対応する予測値を取得するステップと、をさらに含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定するステップは、
前記現在のブロックの1つ又は複数の第1の隣接ピクセルを前記第1の基準ピクセルセットとして決定するステップであって、前記第1の隣接ピクセルが前記現在のブロックの垂直辺、前記現在のブロックの水平辺、又は前記現在のブロックの垂直辺及び水平辺に隣接するピクセルである、ステップを含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、
前記第1の隣接ピクセルが前記現在のブロックの外側にある場合、前記現在のブロックの垂直辺が前記現在のブロックの外側にある左隣接列であり、前記現在のブロックの水平辺が前記現在のブロックの外側にある上隣接行であることを決定するステップをさらに含むことを特徴とする
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、
前記第1の隣接ピクセルが前記現在のブロック内にある場合、前記現在のブロックの垂直辺が前記現在のブロック内にある右辺列であり、前記現在のブロックの水平辺が前記現在のブロック内にある下辺行であることを決定するステップをさらに含むことを特徴とする
請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記基準ピクセルサブセットを決定するステップは、
前記現在のブロックの辺で、前記候補ピクセルの候補位置を決定するステップであって、前記現在のブロックの辺が前記現在のブロックの垂直辺又は水平辺である、ステップと、
前記第1の基準ピクセルセットから前記候補位置にあるピクセルを選択し、選択されたピクセルを使用して前記基準ピクセルサブセットを形成するステップと、を含むことを特徴とする
請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
前記第1の基準ピクセルセット内のピクセルの位置に基づいて、前記候補ピクセルの候補位置を決定するステップを含むことを特徴とする
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
前記第1の基準ピクセルセット内のピクセルの画像成分強度に基づいて、前記候補ピクセルの候補位置を決定するステップを含むことを特徴とする
請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
前記第1の基準ピクセルセット内のピクセルの位置及び画像成分強度に基づいて、前記候補ピクセルの候補位置を決定するステップを含むことを特徴とする
請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
予め設定された候補ピクセル数を決定するステップであって、前記予め設定された候補ピクセル数が前記現在のブロックの辺から選択されたピクセルの数を示す、ステップと、 前記第1の予め設定されたピクセル数と前記現在のブロックの辺の長さに基づいて、前記候補ピクセルの候補位置を決定するステップであって、前記現在のブロックの辺の長さが前記第1の基準ピクセルセット内の前記現在のブロックの辺にある基準ピクセルの数に等しい、ステップと、を含むことを特徴とする
請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
前記現在のブロックの辺の長さと前記予め設定された候補ピクセル数に基づいて、第1のサンプリング間隔を計算するステップを含むことを特徴とする
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
前記第1のサンプリング間隔を調整して、第2のサンプリング間隔を取得するステップを含むことを特徴とする
請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1のサンプリング間隔を計算するステップの後、前記方法は、
前記現在のブロックの辺で基準点を決定し、前記基準点から、前記第1のサンプリング間隔に従って前記現在のブロックの辺上の候補位置を決定するステップをさらに含むことを特徴とする
請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記第1のサンプリング間隔を計算するステップの後、前記方法は、
前記現在のブロックの辺で基準点を決定し、前記第1のサンプリング間隔に従って前記基準点の両側の候補位置を決定するステップをさらに含むことを特徴とする
請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記第2のサンプリング間隔を取得するステップの後、前記方法は、
前記現在のブロックの辺で基準点を決定し、前記基準点から、前記第2のサンプリング間隔に従って前記現在のブロックの辺上の候補位置を決定するステップをさらに含むことを特徴とする
請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記第2のサンプリング間隔を取得するステップの後、前記方法は、
前記現在のブロックの辺で基準点を決定し、前記第2のサンプリング間隔に従って前記基準点の両側の候補位置を決定するステップをさらに含むことを特徴とする
請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記第2のサンプリング間隔を取得するステップの後、前記方法は、
前記現在のブロックの辺で基準点を決定し、前記第1のサンプリング間隔に従って前記基準点の一側に対応する候補位置を決定し、前記第2のサンプリング間隔に従って前記基準点の他側に対応する候補位置を決定するステップをさらに含むことを特徴とする
請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記方法は、
前記現在のブロックの辺の予め設定されたスキップピクセル数Kを決定するステップであって、Kが負でない整数である、ステップと、
前記現在のブロックの辺の端部位置から、K番目のピクセル位置を前記基準点として設定するステップとをさらに含み、
ここで、前記現在のブロックの辺の端部位置は、前記現在のブロックの辺の開始ピクセル位置又は端部ピクセル位置であることを特徴とする
請求項23-29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算するステップは、
前記基準ピクセルサブセット内の基準ピクセル、及び前記基準ピクセルセット内の基準ピクセルと同じ位置にある前記現在のブロックの基準ブロックのピクセルを用いて、予測モデルのモデルパラメータを計算するステップを含み、
ここで、前記基準ピクセルサブセット内の基準ピクセルと同じ位置にあるピクセルは、前記基準ブロックがある画像に位置する、基準ブロックとの相対位置が前記第2の基準ピクセルセット内の基準ピクセルと前記現在のブロックの間の相対位置と同じであるピクセルであることを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記予測モデルのモデルパラメータを計算するステップの後、前記方法は、
前記予測モデルと前記現在のブロックの基準ブロックに基づいて、前記現在のブロックの予測すべき画像成分の予測値を計算するステップをさらに含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記基準ブロックは、前記現在のブロックのインター予測パラメータに示される画像ブロックであることを特徴とする請求項31又は32に記載の方法。
【請求項34】
エンコーダーであって、前記エンコーダーは、第1の決定ユニットと第1の計算ユニットとを備え、
前記第1の決定ユニットは、現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定するように構成され、
前記第1の決定ユニットは、さらに前記第1の基準ピクセルセットから基準ピクセルサブセットを決定するように構成され、前記基準ピクセルサブセットには前記第1の基準ピクセルセットから選択された1つ又は複数の候補ピクセルが含まれ、
前記第1の計算ユニットは、前記基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算するように構成され、前記予測モデルが前記現在のブロックの予測すべき画像成分に対して成分間予測処理を行うために用いられる、エンコーダー。
【請求項35】
エンコーダーであって、前記エンコーダーは、第1のメモリと第1のプロセッサとを備え、
前記第1のメモリは、前記第1のプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを記憶するように構成され、
前記第1のプロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行して、請求項1-33のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、エンコーダー。
【請求項36】
デコーダーであって、前記デコーダーは、第2の決定ユニットと第2の計算ユニットとを備え、
前記第2の決定ユニットは、現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定するように構成され、
前記第2の決定ユニットは、さらに前記第1の基準ピクセルセットから基準ピクセルサブセットを決定するように構成され、前記基準ピクセルサブセットには前記第1の基準ピクセルセットから選択された1つ又は複数の候補ピクセルが含まれ、
前記第2の計算ユニットは、前記基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算するように構成され、前記予測モデルが前記現在のブロックの予測すべき画像成分に対して成分間予測処理を行うために用いられる、デコーダー。
【請求項37】
デコーダーであって、前記デコーダーは、第2のメモリと第2のプロセッサとを備え、 前記第2のメモリは、前記第2のプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを記憶するように構成され、
前記第2のプロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行して、請求項1-33のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、デコーダー。
【請求項38】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は、画像予測プログラムが記憶されており、前記画像予測プログラムが第1のプロセッサ又は第2のプロセッサに実行されると、前記第1のプロセッサ又は前記第2のプロセッサに請求項1-33のいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施例は、画像処理技術分野に関し、特に画像成分予測方法、エンコーダー、デコーダー及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオ画像の色情報が常に光源、収集デバイスの色偏差などの影響を受けるため、全体として色がある方向に移動し、これはより涼しい色、写真の黄変などの一般的な現象である。このようなビデオ画像全体の色偏差を相殺するために、現在、イルミネーション補償(IC:Illumination Compensation)技術又は局所イルミネーション補償(LIC:Local Illumination Compensation)技術がビデオ画像の色補正を行うために提案されている。
【0003】
IC技術又はLIC技術において、いずれも予測モデル構築を使用し、次に構築された予測モデルからビデオ符号化及び復号中のビデオ画像の予測値を導出する必要がある。しかしながら、予測モデルの構築中、モデルパラメータの導出に現在使用されているサンプルポイントの数が多く、計算の複雑さとメモリ帯域幅が高すぎ、同時に、これらのサンプルポイントに異常なサンプルポイントが存在する可能性があり、その結果、予測モデルの構築が不正確になる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願の実施例は、基準ピクセルセット内のピクセルの数を減らすことにより、計算の複雑さ及びメモリ帯域幅が低減されるだけでなく、予測モデルの精度が高くなり、それによって予測すべき画像成分の予測精度が高くなり、ビデオ画像の予測効率が向上する、画像成分予測方法、エンコーダー、デコーダー及び記憶媒体を提供する。
【0005】
本出願の実施例における技術的解決策は、以下のように実現されてもよい。
【0006】
第1の態様では、本出願の実施例による画像成分予測方法は、
現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定するステップと、
第1の基準ピクセルセットから基準ピクセルサブセットを決定するステップであって、基準ピクセルサブセットには第1の基準ピクセルセットから選択された1つ又は複数の候補ピクセルが含まれる、ステップと、
基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算するステップであって、予測モデルが前記現在のブロックの予測すべき画像成分に対して成分間予測処理を行うために用いられる、ステップと、を含む。
【0007】
第2の態様では、本出願の実施例によるエンコーダーは、第1の決定ユニットと第1の計算ユニットとを備え、
第1の決定ユニットは、現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定するように構成され、
第1の決定ユニットは、さらに前記第1の基準ピクセルセットから基準ピクセルサブセットを決定するように構成され、基準ピクセルサブセットには第1の基準ピクセルセットから選択された1つ又は複数の候補ピクセルが含まれ、
第1の計算ユニットは、基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算するように構成され、予測モデルが前記現在のブロックの予測すべき画像成分に対して成分間予測処理を行うために用いられる。
【0008】
第3の態様では、本出願の実施例によるエンコーダーは、第1のメモリと第1のプロセッサとを備え、
第1のメモリは、第1のプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを記憶するように構成され、
前記コンピュータプログラムを実行して、第1の態様に記載の方法を実行するように構成される。
【0009】
第4の態様では、本出願の実施例によるデコーダーは、第2の決定ユニットと第2の計算ユニットとを備え、
第2の決定ユニットは、現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定するように構成され、
第2の決定ユニットは、さらに第1の基準ピクセルセットから基準ピクセルサブセットを決定するように構成され、基準ピクセルサブセットには第1の基準ピクセルセットから選択された1つ又は複数の候補ピクセルが含まれ、
第2の計算ユニットは、基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算するように構成され、予測モデルが前記現在のブロックの予測すべき画像成分に対して成分間予測処理を行うために用いられる。
【0010】
第5の態様では、本出願の実施例によるデコーダーは、第2のメモリと第2のプロセッサとを備え、
第2のメモリは、第2のプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを記憶するように構成され、
第2のプロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行して、第1の態様に記載の方法を実行するように構成される。
【0011】
第6の態様では、本出願の実施例によるコンピュータ可読記憶媒体は、画像成分予測プログラムが記憶されており、画像成分予測プログラムが第1のプロセッサ又は第2のプロセッサに実行されると、前記第1のプロセッサ又は前記第2のプロセッサに第1の態様に記載の方法を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本出願の実施例は、画像成分予測方法、エンコーダー、デコーダー及び記憶媒体を提供する。現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定し、第1の基準ピクセルセットから基準ピクセルサブセットを決定し、基準ピクセルサブセットには前記第1の基準ピクセルセットから選択された1つ又は複数の候補ピクセルが含まれ、基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算し、予測モデルが現在のブロックの予測すべき画像成分に対して成分間予測処理を行うために用いられ、このようにして、第1の基準ピクセルセットのスクリーニング処理により、重要でない基準ピクセル又は異常な基準ピクセルを除去することができるため、第1の基準ピクセルセット内のピクセルの数が減少され、計算の複雑さとメモリ帯域幅を低減することができるだけでなく、予測モデルの精度も向上させることができ、前記予測モデルが前記モデルパラメータによって前記予測すべき画像成分の予測処理を実現するために用いられるため、予測すべき画像成分の予測精度が向上し、ビデオ画像の予測効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本出願の実施例による画像成分予測方法のフローチャートである。
【
図2A】本出願の実施例による基準ピクセル位置の構造概略図である。
【
図2B】本出願の実施例による別の基準ピクセル位置の構造概略図である。
【
図3】本出願の実施例による現在のブロックの上辺にある隣接する基準ピクセルサブセットを選択する構造概略図である。
【
図4】本出願の実施例による別の現在のブロックの上辺にある隣接する基準ピクセルサブセットを選択する構造概略図である。
【
図5】本出願の実施例による予測モデルの比較構造概略図である。
【
図6】本出願の実施例による別の画像成分予測方法のフローチャートである。
【
図7】本出願の実施例によるエンコーダーの構成構造概略図である。
【
図8】本出願の実施例によるエンコーダーの具体的なハードウェア構造概略図である。
【
図9】本出願の実施例によるデコーダーの構成構造概略図である。
【
図10】本出願の実施例によるデコーダーの具体的なハードウェア構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本出願の実施例の特徴と技術的内容をより詳しく理解することができるために、以下に図面と組み合わせて本出願の実施例の実現を詳しく説明し、添付の図面は、参照及び説明に用いられるものだけであり、本出願の実施例を限定するために用いられない。
【0015】
ビデオ画像では、一般的に第1の画像成分、第2の画像成分及び第3の画像成分を用いてコーディングブロック(CB:Coding Block)を特徴付け、ここで、これらの3つの画像成分は、それぞれ輝度成分、青色色度成分及び赤色色度成分であり、具体的には、輝度成分は、通常、記号Yで表され、青色色度成分は、通常、記号Cb又はUで表され、赤色色度成分は、通常、記号Cr又はVで表され、このように、ビデオ画像は、YCbCrフォーマットで表されてもよく、YUVフォーマットで表されてもよい。
【0016】
本出願の実施例では、第1の画像成分は、輝度成分であり、第2の画像成分は、青色色度成分であってもよく、第3の画像成分は、赤色色度成分であってもよく、しかし、本出願の実施例では具体的に限定されない。
【0017】
現在のビデオ画像又はビデオの符号化及び復号プロセスでは、成分間予測技術において予測モデルの構築を使用する必要があるだけでなく、画像成分内の予測技術においても予測モデルの構築を使用する必要がある。ここで、成分間予測技術では、主に成分間線形モデル予測(CCLM:Cross-component Linear Model Prediction)モードと多方向線形モデル予測(MDLM:Multi-Directional Linear Model Prediction)モードが含まれ、ここでのCCLMモードとMDLMモードによって構築された予測モデルは、第1の画像成分から第2の画像成分、第2の画像成分から第1の画像成分、第1の画像成分から第3の画像成分、第3の画像成分から第1の画像成分、第2の画像成分から第3の画像成分、又は、第3の画像成分から第2の画像成分などの画像成分間の予測を実現することができる。画像成分内の予測技術では、主に色度成分補償技術と、IC技術やLIC技術などの輝度成分補償技術とが含まれ、画像成分内の予測技術により構築された予測モデルは、第1の画像成分による第1の画像成分の予測、第2の画像成分による第2の画像成分の予測、又は第3の画像成分による第3の画像成分の予測などの画像成分内の予測技術を実現することができる。本出願の実施例では、以下、画像成分内の予測技術により構築された予測モデルを主に例として説明する。
【0018】
予測モデルで用いられるモデルパラメータの精度を確保するために、モデルパラメータを導出するために構成された基準ピクセルセットはより正確である必要がある。これに基づき、本出願の実施例は、画像成分予測方法を提供する。当該方法では、現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定し、第1の基準ピクセルセットから基準ピクセルサブセットを決定し、基準ピクセルサブセットには第1の基準ピクセルセットから選択された1つ又は複数の候補ピクセルが含まれ、基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算し、予測モデルが現在のブロックの予測すべき画像成分に対して成分間予測処理を行うために用いられ、このようにして、第1の基準ピクセルセットのスクリーニング処理により、重要でない基準ピクセル又は異常な基準ピクセルを除去することができるため、第1の基準ピクセルセット内のピクセルの数が減少され、計算の複雑さとメモリ帯域幅を低減することができるだけでなく、予測モデルの精度も向上させることができ、さらに予測すべき画像成分の予測精度が向上し、ビデオ画像の予測効率が向上する。
【0019】
なお、本出願の実施例の画像成分予測方法は、ビデオ符号化システムだけでなく、ビデオ復号システムに適用されてもよく、さらにはビデオ符号化システムとビデオ復号システムの両方に適用されてもよく、本出願の実施例では具体的に限定されない。また、当該方法がビデオ符号化システムに適用される場合、「現在のブロック」は、具体的には、イントラ予測における現在の符号化ブロックを指し、当該方法がビデオ復号システムに適用される場合、「現在のブロック」は、具体的には、イントラ予測における現在の復号ブロックを指す。
【0020】
以下に図面と組み合わせて本出願の各実施例を詳しく説明する。
【0021】
図1を参照すると、それは本出願の実施例による画像成分予測方法のフローチャートを示す。当該方法は、
現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定するステップS101と、
前記第1の基準ピクセルセットから基準ピクセルサブセットを決定するステップであって、前記基準ピクセルサブセットには前記第1の基準ピクセルセットから選択された1つ又は複数の候補ピクセルが含まれる、ステップS102と、
前記基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算するステップであって、前記予測モデルが前記現在のブロックの予測すべき画像成分に対して成分間予測処理を行うために用いられる、ステップS103と、を含むことができる。
【0022】
なお、ビデオ画像は、複数の画像ブロックに分割されてもよく、現在の符号化待ち画像ブロックのそれぞれは、現在のブロックと呼ばれてもよい。ここで、現在のブロックのそれぞれは、第1の画像成分、第2の画像成分及び第3の画像成分を含むことができ、現在のブロックは、ビデオ画像のうち、第1の画像成分、第2の画像成分又は第3の画像成分の予測が行われる現在のブロックである。ここで、第1の画像成分を予測モデルで予測する必要がある場合、予測すべき画像成分は、第1の画像成分であり、第2の画像成分を予測モデルで予測する必要がある場合、予測待ち待ち画像成分は、第2の画像成分であり、第3の画像成分を予測モデルで予測する必要がある場合、予測すべき画像成分は第3の画像成分である。
【0023】
なお、第1の基準ピクセルセットは、現在の関連する技術的解決策で構築された予測モデルに対応する基準ピクセルセットである。当該第1の基準ピクセルセットには、一部の重要でない基準ピクセル(例えばこれらの基準ピクセルの相関性が低い)又は一部の異常な基準ピクセルが存在する可能性があり、予測モデルの精度を確保するために、これらの基準ピクセルを除去する必要があり、これにより、基準ピクセルサブセットが得られ、基準ピクセルサブセットに基づいて、予測モデルの精度を確保することができ、これにより、予測すべき画像成分の予測効率が高くなる。
【0024】
本出願の実施例では、まず、現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定し、次に第1の基準ピクセルセットから基準ピクセルサブセットを決定し、基準ピクセルサブセットには前記第1の基準ピクセルセットから選択された1つ又は複数の候補ピクセルが含まれ、基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算し、予測モデルが現在のブロックの予測すべき画像成分に対して成分間予測処理を行うために用いられ、このようにして、第1の基準ピクセルセットのスクリーニング処理により、重要でない基準ピクセル又は異常な基準ピクセルを除去することができるため、第1の基準ピクセルセット内のピクセルの数が減少され、計算の複雑さとメモリ帯域幅を低減することができるだけでなく、予測モデルの精度も向上させることができ、さらに予測すべき画像成分の予測精度が向上し、ビデオ画像の予測効率が向上する。
【0025】
さらに、第1の基準ピクセルセットの決定については、現在のブロックの周りの隣接する基準ピクセルに基づいて取得されてもよく、再構成ブロック内の隣接する基準ピクセルに基づいて取得されてもよく、本出願の実施例では具体的に限定されず、以下にそれぞれ説明する。
【0026】
選択可能に、いくつかの実施例では、現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定する前記S101は、
前記現在のブロックの外側で、前記現在のブロックの少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルを取得するステップであって、前記現在のブロックの少なくとも1つの辺には上辺、左辺、右上辺及び左下辺の少なくとも1つが含まれる、ステップと、
取得された基準ピクセルに基づいて、前記第1の基準ピクセルセットを取得するステップと、を含むことができる。
【0027】
例示的には、
図2Aを参照すると、それは本出願の実施例による基準ピクセル位置の構造概略図を示す。
図2Aでは、基準ピクセルは、現在のブロックの周囲に位置し、即ち、現在のブロックの少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルであり、現在のブロックの少なくとも1つの辺は、現在のブロックの左辺を指すことができ、現在のブロックの上辺を指すこともでき、さらには現在のブロックの左辺及び上辺を指すことができ、本出願の実施例では具体的に限定されない。
【0028】
現在のブロックの少なくとも1つの辺が左辺及び/又は上辺である場合、現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定する前記S101は、
前記現在のブロックの少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルを取得するステップであって、前記少なくとも1つの辺には前記現在のブロックの左辺及び/又は前記現在のブロックの上辺が含まれる、ステップと、
取得された基準ピクセルに基づいて、前記第1の基準ピクセルセットを取得するステップと、を含むことができることが理解可能である。
【0029】
なお、現在のブロックの少なくとも1つの辺には現在のブロックの左辺及び/又は現在のブロックの上辺が含まれてもよく、即ち、現在のブロックの少なくとも1つの辺は、現在のブロックの上辺を指すことができ、現在のブロックの左辺を指すこともでき、さらには現在のブロックの上辺及び左辺を指すこともでき、本出願の実施例では具体的に限定されない。
【0030】
このように、左側の隣接領域と上側の隣接領域がすべて有効な領域である場合、第1の基準ピクセルセットは、現在のブロックの左辺に隣接する基準ピクセルと現在のブロックの上辺に隣接する基準ピクセルで構成されてもよく、左側の隣接領域が有効領域であるが、上側の隣接領域が無効領域である場合、第1の基準ピクセルセットは、現在のブロックの左側に隣接する基準ピクセルで構成されてもよく、左側の隣接領域が無効領域であるが、上側の隣接領域が有効領域である場合、第1の基準ピクセルセットは、現在のブロックの上辺に隣接する基準ピクセルで構成されてもよい。
【0031】
現在のブロックの少なくとも1つの辺が左辺と左下辺からなる隣接列、及び/又は上辺と右上辺からなる隣接行である場合、現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定する前記S101は、
前記現在のブロックに隣接する基準行又は基準列における基準ピクセルを取得するステップであって、前記基準行が前記現在のブロックの上辺及び右上辺に隣接する行で構成され、前記基準列が前記現在のブロックの左辺及び左下辺に隣接する列で構成されるステップと、
取得された基準ピクセルに基づいて、前記第1の基準ピクセルセットを取得するステップと、を含むことができることが理解可能である。
【0032】
なお、現在のブロックに隣接する基準行は、前記現在のブロックの上辺及び右上辺に隣接する行で構成されてもよく、現在のブロックに隣接する基準列は、前記現在のブロックの左辺及び左下辺に隣接する列で構成されてもよく、現在のブロックに隣接する基準行又は基準列は、現在のブロックの上辺に隣接する基準行を指すことができ、現在のブロックの左辺に隣接する基準列であってもよく、さらには現在のブロックの他の辺に隣接する基準行又は基準列であってもよく、本出願の実施例では具体的に限定されない。説明を容易にするために、本出願の実施例では、現在のブロックに隣接する基準行は、上辺に隣接する基準行を例として説明され、現在のブロックに隣接する基準列は、左辺に隣接する基準列を例として説明される。
【0033】
ここで、現在のブロックに隣接する基準行における基準ピクセルは、上辺及び右上辺に隣接する基準ピクセル(上辺及び右上辺に対応する隣接基準ピクセルとも呼ばれる)を含むことができ、ここで、上辺は現在のブロックの上辺を表し、右上辺は、現在のブロックの上辺が水平方向に右に広げた現在のブロックの高さと同じ辺の長さを表し、現在のブロックに隣接する基準列における基準ピクセルは、左辺及び左下辺に隣接する基準ピクセル(左辺及び左下辺に対応する隣接基準ピクセルとも呼ばれる)をさらに含むことができ、左辺が現在のブロックの左辺を表し、左下辺は、現在のブロックの左辺が垂直に下向きに広げた現在の復号ブロックの幅と同じ辺の長さを表すが、本出願の実施例では、具体的に限定されない。
【0034】
このように、左側の隣接領域と左下側の隣接領域が有効領域である場合、第1の基準ピクセルセットは、現在のブロックに隣接する基準列における基準ピクセルで構成されてもよく、上側の隣接領域と右上側の隣接領域が有効領域である場合、第1の基準ピクセルセットは、現在のブロックに隣接する基準行における基準点で構成されてもよい。
【0035】
選択可能に、いくつかの実施例では、現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定する前記S101は、
再構成ブロック内で、前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルを取得するステップであって、前記再構成ブロックが前記現在のブロックに隣接しかつ符号化及び再構成が完了された画像ブロックであり、前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺には下辺、右辺、又は下辺及び右辺が含まれる、ステップと、
取得された基準ピクセルに基づいて、前記第1の基準ピクセルセットを取得するステップと、を含むことができる。
【0036】
例示的には、
図2Bを参照すると、それは本出願の実施例による基準ピクセル位置の構造概略図を示す。
図2Bでは、基準ピクセルは、再構成ブロックの内部に位置し、即ち再構成ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルであり、再構成ブロックの少なくとも1つの辺は、再構成ブロックの右辺を指すことができ、再構成ブロックの下辺を指すこともでき、さらには再構成ブロックの右辺及び下辺を指すこともでき、本出願の実施例では具体的に限定されない。
【0037】
なお、予測モデルを構築する観点から、基準ピクセルは、「予測モデルを構築するために用いられるピクセル」と呼ばれてもよく、現在のブロックはすでに符号化かつ再構成段階にあり、この時、1つの予測モデルを構築すると、当該予測モデルは、その後の画像内の他の符号化ブロックへの使用を容易にすることができる。また、再構成ブロックの場合、再構成ブロック内の隣接する基準ピクセルを用いて第1の基準ピクセルセットを取得することができ、これは、現在のブロックの予測モデルの後続の構築に便利であり、一方では、再構成ブロックに対応する予測モデルを直接借用し、それを現在の予測モデルとして用いることができ、つまり、符号化されている現在のブロックに対して、隣接領域の再構成ブロックの関連情報は、それに対応する予測モデルを直接利用することで用いられてもよく、再構成ブロックに隣接する基準ピクセルで予測モデルを再構築する必要がない。
【0038】
さらに、第1の基準ピクセルセットが取得された後、当該第1の基準ピクセルセットには一部の重要でない基準ピクセル(例えばこれらの基準ピクセルの相関性が低い)又は一部の異常な基準ピクセルが存在する可能性があり、モデルパラメータの導出の精度を確保するために、これらの基準ピクセルを除去する必要があり、これにより、基準ピクセルサブセットが得られ、このように、基準ピクセルサブセットに基づいて、予測モデルの精度を確保することができ、これにより、処理待ち画像成分の予測効率が高くなる。
【0039】
いくつかの実施例では、前記第1の基準ピクセルセットに基づいて、基準ピクセルサブセットを決定する前記S102は、
前記現在のブロック又は前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて、候補ピクセルの候補位置を決定するステップと、
前記第1の基準ピクセルセットから前記候補位置に対応する基準ピクセルを選択し、選択された基準ピクセルを使用して前記基準ピクセルサブセットを形成するステップと、を含むことができる。
【0040】
さらに、前記現在のブロック又は前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて、候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
前記少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルに対応するピクセル位置に基づいて、前記候補位置を決定するステップを含むことができる。
【0041】
さらに、前記現在のブロック又は前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて、候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
前記少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルに対応する画像成分強度値に基づいて、前記候補位置を決定するステップを含むことができる。
【0042】
さらに、前記現在のブロック又は前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて、候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
前記少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルに対応するピクセル位置及び画像成分強度値に基づいて、前記候補位置を決定するステップを含むことができる。
【0043】
なお、画像成分強度は、輝度値、色度値などの画像成分値で表されてもよく、ここで、画像成分値が大きくほど、画像成分強度が高くなることを示している。本出願の実施例では選択された基準ピクセルは、候補ピクセルの候補位置によって選択されてもよく、ここで、候補位置は、ピクセル位置に基づいて決定されてもよく、画像成分強度値(輝度値、色度値など)に基づいて決定されてもよく、本出願の実施例では具体的に限定されない。
【0044】
なお、基準ピクセルサブセットは、第1の基準ピクセルセットに対してフィルタリング処理を行い、次に一部の基準ピクセルを選択することによって構成され、モデルパラメータは、基準ピクセルサブセットに基づいて計算され、このように、基準ピクセルサブセット内のサンプルの数が減少され、また、モデルパラメータの計算に必要なサンプルの数も減少されるため、計算の複雑さとメモリ帯域幅(又は記憶デバイス帯域幅と呼ばれる)の低減の目的を達成することができる。
【0045】
本出願の実施例では選択された一部の基準ピクセルは、基準ピクセルに対応するピクセル位置によって選択されてもよく、基準ピクセルに対応する画像成分強度値(輝度値、色度値など)に基づいて選択されてもよく、本出願の実施例では具体的に限定されないことが理解できる。ここで、基準ピクセルに対応するピクセル位置又は基準ピクセルに対応する画像成分強度値のいずれかに基づいて第1の基準ピクセルセットに対してスクリーニングして適切な基準点を選択し、さらに基準ピクセルサブセットを構成し、このように、基準ピクセルサブセットに基づいて導出されたモデルパラメータがより正確になり、これにより
、当該モデルパラメータに基づいて構築された予測モデルもより正確になることができる。
【0046】
いくつかの実施例では、前記現在のブロック又は前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて、候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
予め設定された候補ピクセル数を決定するステップであって、前記予め設定された候補ピクセル数が前記少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルからサンプリングされたピクセルの数を表す、ステップと、
前記予め設定された候補ピクセル数と前記少なくとも1つの辺の長さに基づいて、前記候補位置を決定するステップであって、前記少なくとも1つの辺の長さが前記少なくとも1つの辺に含まれるピクセルの数に等しい、ステップと、を含むことができる。
【0047】
なお、再構成ブロックの関連情報は、再構成ブロックに隣接する基準ピクセルによって予測モデルを構築することなく、それに対応する予測モデルを直接利用することで用いられてもよく、したがって、本出願の実施例では、主に現在のブロックの少なくとも1つの辺を例として、どのように候補ピクセルの候補位置を決定するかを説明する。
【0048】
なお、予め設定されたピクセル数は、予め設定されたサンプリング待ちピクセルの数、即ち基準ピクセルサブセットに含まれるピクセルの数を表す。ピクセル位置を例とすると、予め設定された候補ピクセル数が決定された後、少なくとも1つの辺の長さと予め設定された候補ピクセル数に基づいて、候補ピクセルの候補位置を計算し、次に候補位置に基づいて、第1の基準ピクセルセットから適切な基準ピクセルを選択して基準ピクセルサブセットを構成することができる。このように、基準ピクセルサブセットに基づいて計算されたモデルパラメータがより正確であるため、構築された予測モデルもより正確になり、さらに予測すべき画像成分の予測精度が高くなり、ビデオ画像の予測効率が向上する。
【0049】
さらに、候補位置の決定については、まず第1のサンプリング間隔を計算し、次に第1のサンプリング間隔に基づいて当該少なくとも1つの辺に対してサンプリング処理を行って、当該少なくとも1つの辺に対応する候補ピクセルの候補位置を決定することができる。したがって、いくつかの実施例では、前記現在のブロック又は前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて、候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
前記予め設定された候補ピクセル数と前記少なくとも1つの辺の長さに基づいて、第1のサンプリング間隔を計算するステップと、
前記少なくとも1つの辺から1つの基準点を決定し、前記第1のサンプリング間隔に従って前記候補位置を決定するステップと、を含むことができる。
【0050】
なお、基準点は、前記少なくとも1つの辺の中間点であってもよく、前記少なくとも1つの辺の中間点よりも左側の1番目の基準ピクセル位置であってもよく、前記少なくとも1つの辺の中間点よりも右側の第1の基準ピクセル位置であってもよく、さらには前記少なくとも1つの辺の他の基準ピクセル位置であってもよく、本出願の実施例では具体的に限定されない。
【0051】
具体的には、前記少なくとも1つの辺の長さに基づいて、前記少なくとも1つの辺の中間点を決定し、次に前記少なくとも1つの辺の中間点を前記基準点として用いることができる。ここで、基準点は、前記少なくとも1つの辺の中間点であってもよく、前記少なくとも1つの辺の中間点よりも左側の1番目の基準ピクセル位置であってもよく、前記少なくとも1つの辺の中間点よりも右側の第1の基準ピクセル位置であってもよく、さらには前記少なくとも1つの辺の他の基準ピクセル位置であってもよく、本出願の実施例では具体的に限定されない。
【0052】
なお、現在のブロックの少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルの重要性がそれに対応する位置に関連していることを考慮すると、基準ピクセルサブセット内の基準ピクセルが隣接する辺全体の特性を表すことができるために、当該辺の中間位置にある基準ピクセルをできるだけ選択して、重要性が低いポイント(例えば当該辺の両側のエッジの基準ピクセル)を除去する必要がある。本出願の実施例では、現在のブロックの上辺を例として説明すると、中間位置よりも右側又は左側の1番目の基準ピクセル位置を当該辺の基準点として用いることができ、現在のブロックの左辺を例として説明すると、中間位置よりも下側又は上側の1番目の基準ピクセル位置を当該辺の基準点として用いることができる。
【0053】
これ以外に、基準点が決定される前に、まず現在のブロックの1つの辺の端部位置に対応する、予め設定された数の基準ピクセルを除去し、又は当該辺に対して端部位置から予め設定されたオフセット量に従って初期オフセットを行い、オフセットされた基準ピクセル位置を開始点として新しい辺を取得し、次に新しい辺に対応する中間位置を基準点として用いることができ、それに応じて、まず現在のブロックの1つの辺の開始位置に対応する、予め設定された数の基準ピクセルを除去し、又は当該辺に対して開始位置から予め設定されたオフセット量に従って初期オフセットを行って、オフセットされた基準ピクセル位置を開始点として新しい辺を取得し、次に新しい辺に対応する中間位置を基準点として用いることができる。
【0054】
実際の適用において、現在のブロックの左辺又は上辺の長さが2の整数倍であるため、現在のブロックの左辺又は上辺の中間位置はいずれも2つの点の中間にある。
図3の例では、中間位置よりも左側の1番目のピクセルを当該辺の中間点として用いるが、
図4に示すように、本出願の実施例では中間位置よりも右側の1番目のピクセルを当該辺の中間点として用いることもできる。
図3では、中間位置よりも左側の1番目のピクセル(例えば
図3の3)を当該辺の中間点として用いるが、予め設定されたサンプルの数が2であると、選択待ち基準ピクセル位置(
図3の灰色の点の例)が1及び5であることを決定することができ、これらの基準ピクセル位置に基づいてそれらに対応する基準ピクセルを選択して基準ピクセルサブセットを形成することができる。したがって、本出願の実施例では、現在のブロックの上辺では、中間位置よりも右側の1番目のピクセルを当該辺の中間点として用いることができ、中間位置よりも左側の1番目のピクセルを当該辺の中間点として用いることもでき、本出願の実施例では具体的に限定されず、また、現在のブロックの左辺では、中間位置よりも下側の1番目のピクセルを当該辺の中間点として用いることができ、中間位置よりも上側の1番目のピクセルを当該辺の中間点として用いることもでき、本出願の実施例では具体的に限定されない。
【0055】
特別な説明以外、以下に現在のブロックの上辺を例として説明するが、本出願の実施例における画像成分予測方法は、同様に現在のブロックの左辺、さらには再構成ブロックの右辺又は再構成ブロックの下辺に適用可能であり、本出願の実施例では具体的に限定されない。
【0056】
現在のブロックの左辺又は上辺に隣接する基準ピクセルの存在性が考慮されない場合、式(1)及び式(2)に従って第2の基準ピクセルセットの構成を行うことができることが理解でき、
【数1】
【数2】
【0057】
【0058】
予め設定された候補ピクセル数と現在のブロックの1つの辺の長さに基づいて、当該辺に対応する第1のサンプリング間隔を計算することができる。また、現在のブロックの左辺又は上辺の長さがいずれも2の整数倍であるため、現在のブロックの左辺又は上辺の中間位置がいずれも2つの点の間にあり、この時、計算された中間点値は非整数であり、計算された基準ピクセル位置も非整数であり、しかしながら、現在のブロックの左辺又は上辺の長さが2の整数倍でない場合、現在のブロックの左辺又は上辺の中間位置は2点の間に存在せず、この時、計算された中間点値は整数であり、計算された基準ピクセル位置も整数であり、即ち、計算された中間点値は整数であってもよく、非整数であってもよく、それに応じて、計算された基準ピクセル位置も整数であってもよく、非整数であってもよく、本出願の実施例では具体的に限定されない。
【0059】
このように、計算された中間点値が整数である場合、それに応じて、計算された基準ピクセル位置も整数であり、この時、計算された基準ピクセル位置を候補位置として直接用いることができ、計算された中間点値が非整数である場合、それに応じて、計算された基準ピクセル位置も非整数であり、この時、切り上げと切り下げにより候補位置を決定することができる。
【0060】
さらに、いくつかの実施例では、第1のサンプリング間隔が計算された後、当該方法は、
前記第1のサンプリング間隔を調整して、第2のサンプリング間隔を取得するステップと、
前記基準点に基づいて、前記第2のサンプリング間隔に従って前記候補位置を決定するステップと、をさらに含むことができる。
【0061】
なお、第1のサンプリング間隔が計算された後、第1のサンプリング間隔を微調整し、例えば、第1のサンプリング間隔に1を加算又は減算し、これにより第2のサンプリング間隔を取得することができる。例えば、第1のサンプリング間隔が4である場合、調整後の第2のサンプリング間隔は3又は5であってもよい。本出願の実施例では、第1のサンプリング間隔の調整のために、小幅(例えば、1を加算又は減算)の調整を行うことができるが、調整幅の具体的な設定は、本出願の実施例では具体的に限定されない。
【0062】
さらに、いくつかの実施例では、第2のサンプリング間隔が取得された後、当該方法は、
前記基準点に基づいて、前記第1のサンプリング間隔に従って前記基準点の一側に対応する候補位置を決定し、前記第2のサンプリング間隔に従って前記基準点の他側に対応する候補位置を決定するステップをさらに含むことができる。
【0063】
つまり、現在のブロックの少なくとも1つの辺の基準点が決定された後、第1のサンプリング間隔又は第2のサンプリング間隔に従って均一なサンプリングを行うことができ、第1のサンプリング間隔及び第2のサンプリング間隔に従って不均一なサンプリングを行うこともでき、また、サンプリングした後に決定された候補位置は、基準点の両側に対称的に分布することができ、基準点の両側に非対称的に分布することもでき、本出願の実施例では具体的に限定されない。
【0064】
さらに、第1の基準ピクセルセットにおける現在のブロックの予測すべき画像成分との関連性が高い基準ピクセルが少なくとも1つの辺の中間位置にある基準ピクセルであるため、当該中間位置の近くの連続している予め設定されたサンプル数の基準ピクセル位置を選択待ち基準ピクセル位置として用いることができ、当該方法は、中間位置からポイントを連続的に取得するソリューションと呼ばれてもよい。具体的には、現在のブロックの上辺又は左辺に隣接する1行/1列上の基準ピクセル位置に0から番号が付けられていると仮定すると、本実施例で構成される基準ピクセルサブセット内の隣接する基準ピクセルの数及び対応する選択待ち基準ピクセル位置は表1に示される。この場合、中間位置の近くの連続している予め設定されたサンプル数の基準ピクセル位置を候補位置として用いて、基準ピクセルサブセットを構成することができる。
【0065】
【表1】
さらに、第1の基準ピクセルセットのスクリーニング処理では、少なくとも1つの辺の基準ピクセルに対してスキップ処理を行い、即ち、重要でない基準ピクセル又は異常な基準ピクセルをスキップし(削除処理と見なすこともできる)、基準ピクセルサブセットを取得することができ、これに基づいて、少なくとも1つの辺の一部の基準ピクセルがスキップされた後、第2の基準ピクセルセットを取得し、第2の基準ピクセルセットに対してフィルタリング処理を行って、基準ピクセルサブセットを取得することもできる。したがって、いくつかの実施例では、前記現在のブロック又は前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて、候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
前記少なくとも1つの辺に対応する、予め設定されたスキップピクセル数Kを決定するステップであって、Kが1以上の正の整数である、ステップと、
前記少なくとも1つの辺の開始位置及び/又は端部位置から、K個のスキップすべきピクセルに対応する位置を決定するステップと、
前記K個のスキップすべきピクセルに対応する位置に基づいて、前記少なくとも1つの辺の開始位置及び/又は端部位置から、K個のスキップすべきピクセルを連続的にスキップして、少なくとも1つの新しい辺を取得するステップと、
前記少なくとも1つの新しい辺及び前記予め設定された候補ピクセル数に基づいて、前記候補位置を決定するステップを含むことができる。
【0066】
なお、予め設定されたスキップピクセル数は、予め設定された削除待ち又はスキップすべきピクセルの数を表す。また、少なくとも1つの辺の開始位置は、現在のブロックの上辺の最も左端の位置又は現在のブロックの左辺の最上端の位置を表し、少なくとも1つの辺の端部位置は、現在のブロックの上辺の最も右端の位置又は現在のブロックの左辺の最も下端の位置を表す。
【0067】
なお、Kの値が1、2又は4などの予め設定された基準ピクセル数であってもよく、現在のブロックの辺長及びそれに対応する予め設定された割合に基づいて計算されてもよいが、実際の適用において、依然として実際の状況に応じて設定され、本出願の実施例では具体的に限定されない。ここで、現在のブロックの上辺に対応する、予め設定された割合は、第1の予め設定された割合で表されてもよく、現在のブロックの左辺に対応する予め設定された割合は、第2の予め設定された割合で表されてもよく、第1の予め設定された割合と第2の予め設定された割合の値は同じであってもよく、異なってもよく、本出願の実施例では具体的に限定されない。
【0068】
このように、少なくとも1つの辺の開始位置から開始すると仮定すると、少なくとも1つの辺が現在のブロックの上辺(現在のブロックの基準行とも呼ばれてもよい)である場合、少なくとも1つの辺の最も左端の位置からK個のスキップすべきピクセルに対応する位置を決定することができ、少なくとも1つの辺が現在のブロックの左辺(現在のブロックの基準列とも呼ばれる)である場合、少なくとも1つの辺の最も上端の位置からK個のスキップすべきピクセルに対応する位置を決定することができ、少なくとも1つの辺の端部位置から開始すると仮定すると、少なくとも1つの辺が現在のブロックの上辺である場合、少なくとも1つの辺の最も右端の位置からK個のスキップすべきピクセルに対応する位置を決定することができ、少なくとも1つの辺が現在のブロックの左辺である場合、少なくとも1つの辺の最も下端からK個のスキップすべきピクセルに対応する位置を決定することができ、実際の応用において、それは実際の状況に応じて設定され、本出願の実施例では具体的に限定しない。
【0069】
K個のスキップすべきピクセルに対応する位置が決定された後、少なくとも1つの辺の開始位置から開始すると仮定すると、少なくとも1つの辺が現在のブロックの上辺である場合、当該上辺の最も左端の位置から右へ連続しているK個のスキップすべきピクセルに対応する位置を決定し、次にこれらのK個のピクセルを連続的にスキップし、新しい上辺を取得することができ、この時、新しい上辺の長さ及び予め設定された候補ピクセル数に基づいて、当該新しい上辺に対応する候補位置を決定して、選択された候補ピクセルを使用して基準ピクセルサブセットを形成することができ、少なくとも1つの辺が現在のブロックの左辺である場合、当該左辺の最も上端の位置から下へ連続しているK個のスキップすべきピクセルに対応する位置を決定し、次にこれらのK個のスキップすべきピクセルを連続的にスキップし、新しい左辺を取得することができ、この時、新しい左辺の長さ及び予め設定された候補ピクセル数に基づいて、当該新しい左辺に対応する候補位置を決定して、選択された候補ピクセルを使用して基準ピクセルサブセットを形成することができる。又は、少なくとも1つの辺の端部位置から開始すると仮定すると、少なくとも1つの辺が現在のブロックの上辺である場合、当該上辺の最も右端の位置から左へ連続しているK個のスキップすべきピクセルに対応する位置を決定し、次にこれらのK個のピクセルを連続的にスキップし、新しい上辺を取得することができ、この時、新しい上辺の長さ及び予め設定された候補ピクセル数に基づいて、当該新しい上辺に対応する候補位置を決定して、選択された候補ピクセルを使用して基準ピクセルサブセットを形成することができ、少なくとも1つの辺が現在のブロックの左辺である場合、当該左辺の最も下端の位置から上へ連続しているK個のスキップすべきピクセルに対応する位置を決定し、次にこれらのK個のスキップすべきピクセルを連続的にスキップし、新しい左辺を取得することができ、この時、新しい左辺の長さ及び予め設定された候補ピクセル数に基づいて、当該新しい左辺に対応する候補位置を決定して、選択された候補ピクセルを使用して基準ピクセルサブセットを形成することができる。
【0070】
このように、本出願の実施例では現在のブロックに隣接する基準ピクセルで取得された第1の基準ピクセルセット内のピクセルの一部(即ち基準ピクセルサブセット)を用いて複雑なモデル(例えば非線形モデル又はマルチモデル)に対応するモデルパラメータを導出する。取得されたサブセット(即ち基準ピクセルサブセット)から重要でない基準ピクセル又は異常な基準ピクセルが除去されるため、基準ピクセルの数が少なくなり、このようにして計算の複雑さ及びメモリ帯域幅が軽減されるだけでなく、複雑なモデルの精度が向上し、これにより、処理待ち画像成分の予測精度とビデオ画像の予測効率を向上させる目的を達成することができる。
【0071】
さらに、基準ピクセルサブセットが決定された後、当該基準ピクセルサブセットに基づいて、予測モデルの構築を容易にするために、予測モデルのモデルパラメータを計算することができる。したがって、いくつかの実施例では、前記基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算する前記S103は、
前記基準ピクセルサブセットに基づいて、前記現在のブロックに対応する予測すべき画像成分の隣接ピクセル再構成値と、基準ブロックに対応する予測すべき画像成分の隣接ピクセル再構成値とを取得するステップであって、前記現在のブロックがN番目のフレームのビデオ画像に位置し、前記基準ブロックがN-1番目のフレームのビデオ画像に位置するステップと、
前記現在のブロックに対応する予測すべき画像成分の隣接ピクセル再構成値及び前記基準ブロックに対応する予測すべき画像成分の隣接ピクセル再構成値に基づいて、モデルパラメータを計算するステップと、を含むことができる。
【0072】
なお、基準ブロックと現在のブロックは、同一のフレームに位置せず、両者はインター(inter)関係に属する。ここで、基準ブロックと現在のブロックは異なるフレームのビデオ画像に位置し、かつ、基準ブロックが位置するフレームは、現在のブロックが位置するフレームの前のフレームであり、即ち、現在のブロックはN番目のフレームのビデオ画像にあり、基準ブロックはN-1番目のフレームのビデオ画像にあり、また、N番目のフレームのビデオ画像での現在のブロックの位置とN-1番目のフレームのビデオ画像での現在のブロックの位置に動きベクトル(MV:Motion Vector)がある。
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
なお、本出願の実施例における予測モデルは、線形モデルであってもよく、非線形モデルであってもよい。非線形モデルは、二次曲線などの非線形形態であってもよく、複数の線形モデルで構成される非線形形態であってもよく、ここで、マルチモデルCCLM(MMLM:Multiple Model CCLM)の成分間予測技術は、複数の線形モデルで構成された非線形形態である。
図5を参照すると、それは本出願の実施例による予測モデルの比較構造概略図を示す。
図5では、(a)は予測モデルが線形モデルであることを示し、それは第2の基準ピクセルセット内のすべての基準ピクセルから導出されたものであり、(b)は予測モデルが依然として線形モデルであることを示し、それは第2の基準ピクセルセット内の最大値と最小値から導出されたものであり、(c)は予測モデルが非線形モデルであることを示し、それは、2つの線形モデルで構成される非線形モデルの例である。特に、本出願の実施例では予測モデルが線形モデルであることを例として説明するが、本出願の実施例の画像成分予測方法は、同様に非線形モデルに適用されてもよい。
【0081】
なお、本出願の実施例における予測モデルは、輝度成分の予測処理だけでなく、色度成分の予測処理にも用いられてもよい。さらに、当該予測モデルにより、予測すべき画像成分(輝度成分又は色度成分など)の予測値の更新を実現することができるため、画像成分の予測がより正確になり、予測すべき画像成分の予測精度及びビデオ画像の予測効率を向上させる目的を達成することができる。
【0082】
さらに、いくつかの実施例では、前記基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算するステップの後、当該方法は、
前記モデルパラメータに基づいて、前記予測モデルを構築するステップと、
前記予測モデルにより前記現在のブロックの予測すべき画像成分に対して予測処理を行い、前記予測すべき画像成分に対応する予測値を取得するステップと、をさらに含むことができる。
【0083】
なお、予測モデルが構築された後、当該予測モデルに基づいて予測すべき画像成分に対して予測処理を行うことができる。基準ブロックの第1の画像成分を用いて現在のブロックの第1の画像成分を予測し、例えば、基準ブロックの輝度成分を用いて現在のブロックの輝度成分を予測して、輝度成分予測値の更新を実現することができ、一方では、基準ブロックの第2の画像成分を用いて現在のブロックの第2の画像成分を予測し、例えば基準ブロックの青色色度成分を用いて現在のブロックの青色色度成分を予測して、青色色度成分の予測値の更新を実現することができ、一方では、基準ブロックの第3の画像成分を用いて現在のブロックの第3の画像成分を予測し、例えば基準ブロックの赤色色度成分を用いて現在のブロックの赤色色度成分を予測して、赤色色度成分の予測値の更新を実現することができ、本出願の実施例では具体的に限定されない。
【0084】
本実施例は、画像成分予測方法を提供する。現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定し、第1の基準ピクセルセットから基準ピクセルサブセットを決定し、ここで、基準ピクセルサブセットには前記第1の基準ピクセルセットから選択された1つ又は複数の候補ピクセルが含まれ、基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算し、ここで、予測モデルが現在のブロックの予測すべき画像成分に対して成分間予測処理を行うために用いられ、このようにして、第1の基準ピクセルセットのスクリーニング処理により、重要でない基準ピクセル又は異常な基準ピクセルを除去することができるため、第1の基準ピクセルセット内のピクセルの数が減少され、計算の複雑さとメモリ帯域幅を低減することができるだけでなく、予測モデルの精度も向上させることができ、前記予測モデルが前記モデルパラメータによって前記予測すべき画像成分の予測処理を実現するために用いられるため、予測すべき画像成分の予測精度が向上し、ビデオ画像の予測効率が向上する。
【0085】
図6を参照すると、それは本出願の実施例による別の画像成分予測方法のフローチャートを示す。
図6に示すように、当該方法は、
前記第1の基準ピクセルセットから基準ピクセルの一部を選択して基準ピクセルサブセットを構成するステップS601と、
前記基準ピクセルサブセットに基づいて、予測モデルのモデルパラメータを計算するステップS602と、を含むことができる。
【0086】
なお、基準ピクセルサブセットは、第1の基準ピクセルセットから一部の基準ピクセルを選択することによって得られ、モデルパラメータは、基準ピクセルサブセットに基づいて計算され、このように、基準ピクセルサブセット内のサンプル数が減少され、また、モデルパラメータの計算に必要なサンプル数も減少されるため、計算の複雑さとメモリ帯域幅(又は記憶デバイス帯域幅と呼ばれる)の低減の目的を達成することができる。
【0087】
いくつかの実施例では、現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定するステップは、
前記現在のブロックの1つ又は複数の第1の隣接ピクセルを前記第1の基準ピクセルセットとして決定するステップであって、前記第1の隣接ピクセルが前記現在のブロックの垂直辺、前記現在のブロックの水平辺、又は前記現在のブロックの垂直辺及び水平辺に隣接するピクセルである、ステップを含むことができる。
【0088】
さらに、いくつかの実施例では、当該方法は、
前記第1の隣接ピクセルが前記現在のブロックの外側にある場合、前記現在のブロックの垂直辺が前記現在のブロックの外側にある左隣接列であり、前記現在のブロックの水平辺が前記現在のブロックの外側にある上隣接行であることを決定するステップをさらに含むことができる。
【0089】
さらに、いくつかの実施例では、当該方法は、
前記第1の隣接ピクセルが前記現在のブロック内にある場合、前記現在のブロックの垂直辺が前記現在のブロック内にある右辺隣接列であり、前記現在のブロックの水平辺が前記現在のブロック内にある下辺行であることを決定するステップをさらに含むことができる。
【0090】
なお、第1の隣接ピクセルが現在のブロックの外側にある場合、現在のブロックの垂直辺は現在のブロックの左辺と見なされてもよく、現在のブロックの水平辺は現在のブロックの上辺と見なされてもよく、第1の隣接ピクセルが現在のブロックにある場合、現在のブロックの垂直辺は現在のブロックの右辺と見なされてもよく、現在のブロックの水平辺は現在のブロックの下辺と見なされてもよい。
【0091】
このように、現在のブロックの1つ又は複数の第1の隣接ピクセルを取得した後、第1の基準ピクセルセットを構成することができる。当該第1の基準ピクセルセットには、一部の重要でない基準ピクセル(例えばこれらの基準ピクセルの相関性が低い)又は一部の異常な基準ピクセルが存在する可能性があるため、モデルパラメータの導出精度を確保するために、これらの基準ピクセルを除去する必要があり、これにより、基準ピクセルサブセットを取得することができる。したがって、いくつかの実施例では、基準ピクセルサブセットを決定するステップは、
現在のブロックの辺で、前記候補ピクセルの候補位置を決定するステップであって、前記現在のブロックの辺が前記現在のブロックの垂直辺水平辺である、ステップと、
前記第1の基準ピクセルセットから前記候補位置にあるピクセルを選択し、選択されたピクセルを使用して前記基準ピクセルサブセットを形成するステップと、を含むことができる。
【0092】
さらに、候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
前記第1の基準ピクセルセット内のピクセルの位置に基づいて、前記候補ピクセルの候補位置を決定するステップを含むことができる。
【0093】
さらに、候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
前記第1の基準ピクセルセット内のピクセルの画像成分強度に基づいて、前記候補ピクセルの候補位置を決定するステップを含むことができる。
【0094】
さらに、候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
前記第1の基準ピクセルセット内のピクセルの位置及び画像成分強度に基づいて、前記候補ピクセルの候補位置を決定するステップを含むことができる。
【0095】
なお、画像成分強度は、輝度値、色度値などの画像成分値で表されてもよく、ここで、画像成分値が大きくほど、画像成分強度が高くなることを示している。本出願の実施例では選択された基準ピクセルは、候補ピクセルの候補位置によって選択されてもよく、ここで、候補位置は、ピクセル位置に基づいて決定されてもよく、画像成分強度値(輝度値、色度値など)に基づいて決定されてもよく、本出願の実施例では具体的に限定されない。
【0096】
なお、基準ピクセルサブセットは、第1の基準ピクセルセットに対してフィルタリング処理を行い、次に一部の基準ピクセルを選択することによって構成され、モデルパラメータは、基準ピクセルサブセットに基づいて計算され、このように、基準ピクセルサブセット内のサンプル数が減少され、また、モデルパラメータの計算に必要なサンプル数も減少されるため、計算の複雑さとメモリ帯域幅(又は記憶デバイス帯域幅と呼ばれる)の低減の目的を達成することができる。
【0097】
本出願の実施例では選択された一部の基準ピクセルは、基準ピクセルに対応するピクセル位置に基づいて選択されてもよく、基準ピクセルに対応する画像成分強度値(輝度値、色度値など)に基づいて選択されてもよく、本出願の実施例では具体的に限定されない。ここで、基準ピクセルに対応するピクセル位置又は基準ピクセルに対応する画像成分強度値のいずれかに基づいて第1の基準ピクセルセットに対してスクリーニングして適切な基準点を選択し、さらに基準ピクセルサブセットを構成し、このように、基準ピクセルサブセットに基づいて導出されたモデルパラメータがより正確になり、それによって当該モデルパラメータに基づいて構築された予測モデルもより正確になることができる。
【0098】
いくつかの実施例では、前記候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
予め設定された候補ピクセル数を決定するステップであって、前記予め設定された候補ピクセル数が前記現在のブロックの辺上から取得されたピクセルの数を示す、ステップと、
前記第1の予め設定されたピクセル数と前記現在のブロックの辺の長さに基づいて、前記候補ピクセルの候補位置を決定するステップであって、前記現在のブロックの辺の長さが前記第1の基準ピクセルセット内の前記現在のブロックの辺にある基準ピクセルの数に等しい、ステップと、を含むことができる。
【0099】
なお、予め設定されたピクセル数は、予め設定されたサンプリング待ちピクセルの数、即ち基準ピクセルサブセットに含まれるピクセルの数を表す。ピクセル位置を例とすると、予め設定された候補ピクセル数が決定された後、少なくとも1つの辺の長さと予め設定された候補ピクセル数に基づいて、候補ピクセルの候補位置を計算し、次に候補位置に基づいて、第1の基準ピクセルセットから適切な基準ピクセルを選択して基準ピクセルサブセットを構成することができる。このように、基準ピクセルサブセットに基づいて計算されたモデルパラメータがより正確であるため、構築された予測モデルもより正確になることができ、さらに予測すべき画像成分の予測精度が高くなり、ビデオ画像の予測効率が向上する。
【0100】
さらに、候補位置の決定については、まず第1のサンプリング間隔を計算し、次に第1のサンプリング間隔に基づいて当該少なくとも1つの辺に対してサンプリング処理を行って、当該少なくとも1つの辺に対応する候補ピクセルの候補位置を決定することができる。したがって、いくつかの実施例では、前記候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
前記現在のブロックの辺の長さと前記予め設定された候補ピクセル数に基づいて、第1のサンプリング間隔を計算するステップを含むことができる。
【0101】
さらに、候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
前記第1のサンプリング間隔を調整して、第2のサンプリング間隔を取得するステップを含むことができる。
【0102】
なお、第1のサンプリング間隔が計算された後、第1のサンプリング間隔を微調整し、例えば、第1のサンプリング間隔に1を加算又は減算し、これにより第2のサンプリング間隔を取得することができる。例えば、第1のサンプリング間隔が4である場合、調整後の第2のサンプリング間隔は3又は5であってもよい。本出願の実施例では、第1のサンプリング間隔の調整のために、小幅(例えば、1を加算又は減算)の調整を行うことができるが、調整幅の具体的な設定は、本出願の実施例では具体的に限定されない。
【0103】
いくつかの実施例では、選択可能に、第1のサンプリング間隔を計算するステップの後、当該方法は、
前記現在のブロックの辺で基準点を決定し、前記基準点から、前記第1のサンプリング間隔に従って前記現在のブロックの辺上の候補位置を決定するステップをさらに含むことができる。
【0104】
さらに、第1のサンプリング間隔を計算するステップの後、当該方法は、
前記現在のブロックの辺で基準点を決定し、前記第1のサンプリング間隔に従って前記基準点の両側の候補位置を決定するステップをさらに含むことができる。
【0105】
いくつかの実施例では、選択可能に、第2のサンプリング間隔を取得するステップの後、当該方法は、
前記現在のブロックの辺で基準点を決定し、前記基準点から、前記第2のサンプリング間隔に従って前記現在のブロックの辺上の候補位置を決定するステップをさらに含むことができる。
【0106】
さらに、第2のサンプリング間隔を取得するステップの後、当該方法は、
前記現在のブロックの辺で基準点を決定し、前記第2のサンプリング間隔に従って前記基準点の両側の候補位置を決定するステップをさらに含むことができる。
【0107】
なお、基準点は、前記少なくとも1つの辺の中間点であってもよく、前記少なくとも1つの中間点よりも左側の1番目の基準ピクセル位置であってもよく、前記少なくとも1つの辺の中間点よりも右側の第1の基準ピクセル位置であってもよく、さらには前記少なくとも1つの辺の他の基準ピクセル位置であってもよく、本出願の実施例では具体的に限定されない。
【0108】
具体的には、前記少なくとも1つの辺の長さに基づいて、前記少なくとも1つの辺の中間点を決定し、次に前記少なくとも1つの辺の中間点を前記基準点として用いることができる。ここで、基準点は、前記少なくとも1つの辺の中間点であってもよく、前記少なくとも1つの中間点よりも左側の1番目の基準ピクセル位置であってもよく、前記少なくとも1つの辺の中間点よりも右側の第1の基準ピクセル位置であってもよく、さらには前記少なくとも1つの辺の他の基準ピクセル位置であってもよく、本出願の実施例では具体的に限定されない。
【0109】
さらに、いくつかの実施例では、第2のサンプリング間隔を取得するステップの後、当該方法は、
前記現在のブロックの辺で基準点を決定し、前記第1のサンプリング間隔に従って前記基準点の一側に対応する候補位置を決定し、前記第2のサンプリング間隔に従って前記基準点の他側に対応する候補位置を決定するステップをさらに含むことができる。
【0110】
つまり、現在のブロックの少なくとも1つの辺の基準点が決定された後、第1のサンプリング間隔又は第2のサンプリング間隔に従って均一なサンプリングを行うことができ、第1のサンプリング間隔及び第2のサンプリング間隔に従って不均一なサンプリングを行うこともでき、また、サンプリングした後に決定された候補位置は、基準点の両側に対称的に分布することができ、基準点の両側に非対称的に分布することもでき、本出願の実施例では具体的に限定されない。
【0111】
さらに、第1の基準ピクセルセットの選択処理では、少なくとも1つの辺の基準ピクセルに対してスキップ処理を行い、即ち、重要でない基準ピクセル又は異常な基準ピクセルをスキップ(削除処理と見なすこともできる)して、基準ピクセルサブセットを取得することができ、これに基づいて、少なくとも1つの辺の基準ピクセルの一部がスキップされた後、第2の基準ピクセルセットを取得し、第2の基準ピクセルセットに対してフィルタリング処理を行って、基準ピクセルサブセットを取得する。したがって、当該方法は、
前記現在のブロックの辺の予め設定されたスキップピクセル数Kを決定するステップであって、Kが負でない整数である、ステップと、
前記現在のブロックの辺の端部位置から、K番目のピクセル位置を前記基準点として設定するステップとをさらに含むことができ、
ここで、前記現在のブロックの辺の端部位置は前記現在のブロックの辺の開始ピクセル位置又は端部ピクセル位置である。
【0112】
なお、予め設定されたスキップピクセル数は、予め設定された削除待ち又はスキップすべきピクセルの数を表す。また、少なくとも1つの辺の開始位置は、現在のブロックの上辺の最も左端の位置又は現在のブロックの左辺の最上端の位置を表し、少なくとも1つの辺の端部位置は、現在のブロックの上辺の最も右端の位置又は現在のブロックの左辺の最も下端の位置を表す。
【0113】
なお、Kの値が1、2又は4などの予め設定された基準ピクセル数であってもよく、現在のブロックの辺長及びそれに対応する予め設定された割合に基づいて計算されてもよいが、実際の適用において、依然として実際の状況に応じて設定され、本出願の実施例では具体的に限定されない。ここで、現在のブロックの上辺に対応する予め設定された割合は、第1の予め設定された割合で表されてもよく、現在のブロックの左辺に対応する予め設定された割合は、第2の予め設定された割合で表されてもよく、第1の予め設定された割合と第2の予め設定された割合の値は同じであってもよく、異なってもよく、本出願の実施例では具体的に限定されない。
【0114】
基準ピクセルサブセットが決定された後、当該基準ピクセルサブセットに基づいて、予測モデルのモデルパラメータを計算して、予測モデルの構築を容易にすることができる。したがって、いくつかの実施例では、前記基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算するステップは、
前記基準ピクセルサブセット内の基準ピクセル、及び前記基準ピクセルセットの基準ピクセルと同じ位置にある前記現在のブロックの基準ブロックのピクセルを用いて、予測モデルのモデルパラメータを計算するステップを含むことができ、
ここで、前記基準ピクセルサブセット内の基準ピクセルと同じ位置にあるピクセルは、前記基準ブロックが位置する画像内、基準ブロックとの相対位置が前記第2の基準ピクセルセット内の基準ピクセルと前記現在のブロックの間の相対位置と同じであるピクセルである。
【0115】
さらに、予測モデルのモデルパラメータを計算するステップの後、当該方法は、
前記予測モデルと前記現在のブロックの基準ブロックに基づいて、前記現在のブロックの予測すべき画像成分の予測値を計算するステップをさらに含むことができる。
【0116】
なお、基準ブロックは、現在のブロックのインター予測パラメータに示される画像ブロックであってもよい。このように、モデルパラメータ(例えば第1のモデルパラメータ及び第2のモデルパラメータ)を計算した後、上記の式(5)に示すように、予測モデルを構築することができる。当該予測モデル及び当該現在のブロックの基準ブロックに基づいて、さらに現在のブロックの予測すべき画像成分の予測値を計算することができる。
【0117】
また、本出願の実施例では、当該画像成分予測方法がエンコーダー側に適用される場合、現在のブロックの第1の基準ピクセルセットから一部のピクセルを選択して基準ピクセルサブセットを構成し、次に当該基準ピクセルサブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算し、計算されたモデルパラメータをコードストリームに書き込むことができ、当該コードストリームはエンコーダー側からデコーダー側に送信され、それに応じて、当該画像成分予測方法がデコーダー側に適用される場合、コードストリームを解析することによって予測モデルのモデルパラメータを直接取得することができ、又はデコーダー側では、現在のブロックの第1の基準ピクセルセットから一部のピクセルを選択して基準ピクセルサブセットを構成し、次に当該基準ピクセルサブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算し、それによって予測モデルを構築し、当該予測モデルを使用して現在のブロックの少なくとも1つの画像成分に対して成分間予測処理を行うことができる。
【0118】
本実施例は、画像成分予測方法を提供する。上記の実施例の具体的な実現は詳細に説明された。上記の実施例の技術的解決策から分かるように、第1の基準ピクセルセットのスクリーニング処理により、重要でない基準ピクセル又は異常な基準ピクセルを除去することができるため、第1の基準ピクセルセット内のピクセルの数が減少され、計算の複雑さとメモリ帯域幅を低減することができるだけでなく、予測モデルの精度も向上させることができ、前記予測モデルが前記モデルパラメータによって前記予測すべき画像成分の予測処理を実現するために用いられるため、予測すべき画像成分の予測精度が向上し、ビデオ画像の予測効率が向上する。
【0119】
上記の実施例と同じ発明概念に基づいて、
図7を参照し、それは、本出願の実施例によるエンコーダー70の構成構造概略図を示す。
図7に示すように、エンコーダー70は、第1の決定ユニット701と第1の計算ユニット702とを備えることができ、ここで、 前記第1の決定ユニット701は、現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定するように構成され、
前記第1の決定ユニット701は、さらに前記第1の基準ピクセルセットから基準ピクセルサブセットを決定するように構成され、前記基準ピクセルサブセットには前記第1の基準ピクセルセットから選択された1つ又は複数の候補ピクセルが含まれ、
前記第1の計算ユニット702は、前記基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算するように構成され、前記予測モデルが前記現在のブロックの予測すべき画像成分に対して成分間予測処理を行うために用いられる。
【0120】
上記の解決策では、
図7を参照すると、エンコーダー70は、前記現在のブロックの外側で、前記現在のブロックの少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルを取得し、前記現在のブロックの少なくとも1つの辺には上辺、左辺、右上辺及び左下辺の少なくとも1つが含まれ、取得された基準ピクセルに基づいて、前記第1の基準ピクセルセットを取得するように構成される第1の取得ユニット703をさらに備えることができる。
【0121】
上記の解決策では、前記第1の取得ユニット703は、さらに再構成ブロック内で、前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルを取得し、ここで、前記再構成ブロックが前記現在のブロックに隣接しかつ符号化及び再構成が完了された画像ブロックであり、前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺には下辺、右辺、又は下辺及び右辺が含まれ、取得された基準ピクセルに基づいて、前記第1の基準ピクセルセットを取得するように構成される。
【0122】
上記の解決策では、
図7を参照すると、エンコーダー70は、第1の選択ユニット70をさらに備えることができ、ここで、
前記第1の決定ユニット701は、さらに前記現在のブロック又は前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて、候補ピクセルの候補位置を決定するように構成され、 前記第1の取得ユニット704は、前記第1の基準ピクセルセットから前記候補位置に対応する基準ピクセルを選択し、選択された基準ピクセルを使用して前記基準ピクセルサブセットを形成するように構成される。
【0123】
上記の解決策では、前記第1の決定ユニット701は、さらに前記少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルに対応するピクセル位置に基づいて、前記候補位置を決定するように構成される。
【0124】
上記の解決策では、前記第1の決定ユニット701は、さらに前記少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルに対応する画像成分強度値に基づいて、前記候補位置を決定するように構成される。
【0125】
上記の解決策では、前記第1の決定ユニット701は、さらに前記少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルに対応するピクセル位置及び画像成分強度値に基づいて、前記候補位置を決定するように構成される。
【0126】
上記の解決策では、前記第1の決定ユニット701は、さらに予め設定された候補ピクセル数を決定し、前記予め設定された候補ピクセル数が前記少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルからサンプリングされたピクセルの数を表し、前記予め設定された候補ピクセル数と前記少なくとも1つの辺の長さに基づいて、前記候補位置を決定するように構成され、前記少なくとも1つの辺の長さが前記少なくとも1つの辺に含まれるピクセルの数に等しい。
【0127】
上記の解決策では、前記第1の計算ユニット702は、さらに前記予め設定された候補ピクセル数と前記少なくとも1つの辺の長さに基づいて、第1のサンプリング間隔を計算するように構成され、
前記第1の決定ユニット701は、さらに前記少なくとも1つの辺から1つの基準点を決定し、前記第1のサンプリング間隔に従って前記候補位置を決定するように構成される。
【0128】
上記の解決策では、
図7を参照すると、エンコーダー70は、前記第1のサンプリング間隔を調整して、第2のサンプリング間隔を取得するように構成される第1の調整ユニット705をさらに備えることができ、
前記第1の決定ユニット701は、さらに前記基準点に基づき、前記第2のサンプリング間隔に従って前記候補位置を決定するように構成される。
【0129】
上記の解決策では、前記第1の決定ユニット701は、さらに前記基準点に基づいて、前記第1のサンプリング間隔に従って前記基準点の一側に対応する候補位置を決定し、前記第2のサンプリング間隔に従って前記基準点の他側に対応する候補位置を決定するように構成される。
【0130】
上記の解決策では、前記第1の決定ユニット701は、さらに前記少なくとも1つの辺に対応する、予め設定されたスキップピクセル数Kを決定し、Kが1以上の整数であり、前記少なくとも1つの辺の開始位置及び/又は端部位置からK個のスキップすべきピクセルに対応する位置を決定し、前記K個のスキップすべきピクセルに対応する位置に基づいて、前記少なくとも1つの辺の開始位置及び/又は端部位置からK個のスキップすべきピクセルを連続的にスキップし、1つの新しい辺を取得し、前記少なくとも1つの新しい辺及び前記予め設定された候補ピクセル数に基づいて、前記候補位置を決定するように構成される。
【0131】
上記の解決策では、前記第1の取得ユニット704は、さらに前記基準ピクセルサブセットに基づいて、前記現在のブロックに対応する予測すべき画像成分の隣接ピクセル再構成値と、基準ブロックに対応する予測すべき画像成分の隣接ピクセル再構成値とを取得するように構成され、前記現在のブロックがN番目のフレームのビデオ画像に位置し、前記基準ブロックがN-1番目のフレームのビデオ画像に位置し、
前記第1の計算ユニット702は、さらに前記現在のブロックに対応する予測すべき画像成分の隣接ピクセル再構成値及び前記基準ブロックに対応する予測すべき画像成分の隣接ピクセル再構成値に基づいて、モデルパラメータを計算するように構成される。
【0132】
上記の解決策では、
図7を参照すると、エンコーダー70は、さらに第1の構築ユニット706と第1の予測ユニット707とをさらに備えることができ、
前記第1の構築ユニット706は、前記モデルパラメータに基づいて、前記予測モデルを構築するように構成され、
前記第1の予測ユニット707は、前記予測モデルにより前記現在のブロックの予測すべき画像成分に対して予測処理を行い、前記予測すべき画像成分に対応する予測値を取得するように構成される。
【0133】
上記の解決策では、前記第1の決定ユニット701は、さらに前記現在のブロックの1つ又は複数の第1の隣接ピクセルを前記第1の基準ピクセルセットとして決定するように構成され、前記第1の隣接ピクセルが現在のブロックの垂直辺、現在のブロックの水平辺、又は現在のブロックの垂直辺及び水平辺に隣接するピクセルである。
【0134】
上記の解決策では、前記第1の決定ユニット701は、さらに前記第1の隣接ピクセルが前記現在のブロックの外側にある場合、前記現在のブロックの垂直辺が前記現在のブロックの外側にある左隣接列であり、前記現在のブロックの水平辺が前記現在のブロックの外側にある上隣接行であることを決定するように構成される。
【0135】
上記の解決策では、前記第1の決定ユニット701は、さらに前記第1の隣接ピクセルが前記現在のブロック内にある場合、前記現在のブロックの垂直辺が前記現在のブロック内にある右辺列であり、前記現在のブロックの水平辺が前記現在のブロック内にある下辺行であることを決定するように構成される。
【0136】
上記の解決策では、前記第1の決定ユニット701は、さらに前記現在のブロックの辺で、前記候補ピクセルの候補位置を決定し、前記現在のブロックの辺が前記現在のブロックの垂直辺又は水平辺であり、前記第1の基準ピクセルセットから前記候補位置にあるピクセルを選択し、選択されたピクセルを使用して前記基準ピクセルサブセットを形成するように構成される。
【0137】
上記の解決策では、前記第1の決定ユニット701は、さらに前記第1の基準ピクセルセット内のピクセルの位置に基づいて、前記候補ピクセルの候補位置を決定するように構成される。
【0138】
上記の解決策では、前記第1の決定ユニット701は、さらに前記第1の基準ピクセルセットのピクセルの画像成分強度に基づいて、前記候補ピクセルの候補位置を決定するように構成される。
【0139】
上記の解決策では、前記第1の決定ユニット701は、さらに前記第1の基準ピクセルセットのピクセルの位置及び画像成分強度に基づいて、前記候補ピクセルの候補位置を決定するように構成される。
【0140】
上記の解決策では、前記第1の決定ユニット701は、さらに予め設定された候補ピクセル数を決定し、前記予め設定された候補ピクセル数が前記現在のブロックの辺から選択されたピクセルの数を示し、
前記第1の予め設定されたピクセル数と前記現在のブロックの辺の長さに基づいて、前記候補ピクセルの候補位置を決定するように構成され、前記現在のブロックの辺の長さが前記第1の基準ピクセルセット内の前記現在のブロックの辺にある基準ピクセルの数に等しい。
【0141】
上記の解決策では、前記第1の計算ユニット702は、さらに前記現在のブロックの辺の長さと前記予め設定された候補ピクセル数に基づいて、第1のサンプリング間隔を計算するように構成される。
【0142】
上記の解決策では、前記第1の調整ユニット705は、前記第1のサンプリング間隔を調整して、第2のサンプリング間隔を取得するように構成される。
【0143】
上記の解決策では、前記第1の決定ユニット701は、さらに前記現在のブロックの辺で基準点を決定し、前記基準点から、前記第1のサンプリング間隔に従って前記現在のブロックの辺上の候補位置を決定するように構成される。
【0144】
上記の解決策では、前記第1の決定ユニット701は、さらに前記現在のブロックの辺で基準点を決定し、前記第1のサンプリング間隔に従って前記基準点の両側の候補位置を決定するように構成される。
【0145】
上記の解決策では、前記第1の決定ユニット701は、さらに前記現在のブロックの辺で基準点を決定し、前記基準点から、前記第2のサンプリング間隔に従って前記現在のブロックの辺上の候補位置を決定するように構成される。
【0146】
上記の解決策では、前記第1の決定ユニット701は、さらに前記現在のブロックの辺で基準点を決定し、前記第2のサンプリング間隔に従って前記基準点の両側の候補位置を決定するように構成される。
【0147】
上記の解決策では、前記第1の決定ユニット701は、さらに前記現在のブロックの辺で基準点を決定し、前記第1のサンプリング間隔に従って前記基準点の一側に対応する候補位置を決定し、前記第2のサンプリング間隔に従って前記基準点の他側に対応する候補位置を決定するように構成される。
【0148】
上記の解決策では、前記第1の決定ユニット701は、さらに前記現在のブロックの辺の予め設定されたスキップピクセル数Kを決定し、Kが負でない整数であり、前記現在のブロックの辺の端部位置から、K番目のピクセル位置を前記基準点として設定するように構成され、前記現在のブロックの辺の端部位置は前記現在のブロックの辺の開始ピクセル位置又は端部ピクセル位置である。
【0149】
上記の解決策では、前記第1の計算ユニット702は、さらに前記基準ピクセルサブセット内の基準ピクセル、及び前記基準ピクセルセットの基準ピクセルと同じ位置にある前記現在のブロックの基準ブロックのピクセルを用いて、予測モデルのモデルパラメータを計算するように構成され、前記基準ピクセルサブセット内の基準ピクセルと同じ位置にあるピクセルは、前記基準ブロックが位置する画像内、基準ブロックとの相対位置が前記第2の基準ピクセルセットの基準ピクセルと前記現在のブロックの間の相対位置と同じであるピクセルである。
【0150】
上記の解決策では、前記第1の計算ユニット702は、さらに前記予測モデルと前記現在のブロックの基準ブロックに基づいて、前記現在のブロックの予測すべき画像成分の予測値を計算するように構成される。
【0151】
上記の解決策では、前記基準ブロックは、現在のブロックのインター予測パラメータに示される画像ブロックである。
【0152】
本出願の実施例では、「ユニット」は、部分の回路、部分のプロセッサ、部分のプログラム又はソフトウェアなどであってもよいことが理解でき、当然、モジュールであってもよく、また、モジュール化されていないものであってもよい。さらに、本実施例における各コンポーネントは、1つの処理ユニットに統合されてもよく、個々のユニットは、単独で物理的に存在してもよく、2つ又は2つ以上のユニットは、1つのユニットに統合されてもよい。上記の統合されたユニットは、ハードウェアの形で実現されてもよく、ソフトウェア機能モジュールの形で実現されてもよい。
【0153】
前記統合されたユニットは、ソフトウェア機能モジュールの形で実現されて独立した製品として販売又は使用される場合、1つのコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよく、このような理解に基づき、本実施例の技術的解決策は、本質的にソフトウェア製品の形で具体化でき、又は従来技術に貢献する部分又は当該技術的解決策の全部又は一部は、ソフトウェア製品の形で具体化でき、当該コンピュータソフトウェア製品は、1つの記憶媒体に記憶され、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバー、又はネットワークデバイスなど)又はプロセッサ(processor)に本実施例に記載の方法のステップの全て又は一部を実行させるためのいくつかの命令を含む。前記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、モバイルハードディスク、読み取り専用メモリ(ROM:Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスク等のプログラムコードを記憶できる様々な媒体を含む。
【0154】
したがって、本出願の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。当該コンピュータ可読記憶媒体は、画像成分予測プログラムが記憶されており、前記画像成分予測プログラムが前記少なくとも1つのプロセッサに実行されると、上記プロセッサに上記の実施例に記載の方法のステップを実現する。
【0155】
上記エンコーダー70の構成及びコンピュータ可読記憶媒体に基づき、
図8を参照し、それが本出願の実施例によるエンコーダー70の具体的なハードウェア構造を示す。当該エンコーダー701は、第1の通信インターフェース801、第1のメモリ802及び第1のプロセッサ803を備えることができ、各コンポーネントは、第1のバスシステム804を介して結合されている。第1のバスシステム804は、これらのコンポーネント間の接続通信を実現するように構成されることが理解できる。第1のバスシステム804は、データバスに加えて、電源バス、制御バスと状態信号バスを含む。しかし、説明を明確にするために、
図8では様々なバスシステムは第1のバスシステム804としてマーキングされる。ここで、
第1の通信インターフェース801は、他の外部ネットワーク要素との情報の送受信プロセスで信号を受信及び送信するように構成され、
第1のメモリ802が第1のプロセッサ803で実行可能なコンピュータプログラムを記憶するように構成され、
第1のプロセッサ803は、前記コンピュータプログラムを実行して、
現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定するステップと、
前記第1の基準ピクセルセットから基準ピクセルサブセットを決定するステップであって、前記基準ピクセルサブセットには前記第1の基準ピクセルセットから選択された1つ又は複数の候補ピクセルが含まれる、ステップと、
前記基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算するステップであって、前記予測モデルが前記現在のブロックの予測すべき画像成分に対して成分間予測処理を行うために用いられる、ステップと、を実行するように構成される。
【0156】
本出願の実施例における第1のメモリ802は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであってもよく、又は揮発性メモリ及び不揮発性メモリの両者を含むことができることが理解できる。ここで、不揮発性記憶デバイスは、読み取り専用メモリ(ROM:Read-Only Memory)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM:Programmable ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM:Erasable PROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM:Electrically EPROM)又はフラッシュメモリであってもよい。揮発性記憶デバイスは外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)であってもよい。制限的でなく例示的な説明により、多くの形態のRAMは利用可能であり、例えばスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:Static RAM)、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM:Dynamic RAM)、同期動的ランダムアクセスメモリ(SDRAM:Synchronous DRAM)、ダブルデータレート同期動的ランダムアクセスメモリ(DDRSDRAM:Double Data Rate SDRAM)、強化型同期動的ランダムアクセスメモリ(ESDRAM:Enhanced SDRAM)、同期リンク動的ランダムアクセスメモリ(SLDRAM:ynchlink DRAM)とダイレクトラムバスランダムアクセスメモリ(DR RAM:Direct Rambus RAM)である。本出願で説明されるシステム及び方法の第1のメモリ802は、これら及び他の任意の適切なタイプのメモリを含むことを図るがこれらに限定されない。
【0157】
第1のプロセッサ803は、信号処理機能を有する集積回路チップであってもよい。実施プロセスでは、上記方法の各ステップは、第1のプロセッサ803内のハードウェアの集積論理回路又はソフトウェアの形の命令によって完了されてもよい。上記の第1のプロセッサ803は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)又は他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタ論理デバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントであってもよい。本出願の実施例において開示される各方法、ステップ及び論理ブロック図を実現又は実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよく、又は当該プロセッサはいずれかの従来のプロセッサなどであってもよい。本出願の実施例と組み合わせて開示された方法のステップはハードウェア復号プロセッサによって実行されて完了され、又は復号プロセッサにおけるハードウェア及びソフトウェアモジュールの組み合わせによって実行されて完了されるように直接具現化されてもよい。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ、プログラマブル読み取り専用メモリ又は電気的消去可能プログラマブルメモリ、レジスタなどの本分野における成熟した記憶媒体に位置してもよい。当該記憶媒体は第1のメモリ802に位置し、第1のプロセッサ803は第1のメモリ802での情報を読み取り、そのハードウェアと組み合わせて上記方法のステップを完了する。
【0158】
本出願で説明されるこれらの実施例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード又はそれらの組み合わせで実現されてもよいことが理解できる。ハードウェアで実現される場合、処理ユニットは、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、デジタル信号処理デバイス(DSPD:DSP Device)、プログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)、汎用プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本出願に記載される機能を実行するための他の電子ユニット又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。ソフトウェアで実現される場合、本出願で説明される機能を実行するためのモジュール(例えばプロセス、関数など)によって本出願で説明される技術を実現することができる。ソフトウェアコードはメモリに記憶されてプロセッサによって実行されてもよい。メモリはプロセッサ内部又はプロセッサ外部で実現されてもよい。
【0159】
選択可能に、別の実施例として、第1のプロセス803はさらに前記コンピュータプログラムを実行して、上記の実施例のいずれか1つに記載の方法を実行するように構成される。
【0160】
本実施例は、エンコーダーを提供する。当該エンコーダーは、第1の決定ユニットと第1の計算ユニットとを備えることができ、第1の決定ユニットは、現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定するように構成され、また、第1の基準ピクセルセットから基準ピクセルサブセットを決定するように構成され、基準ピクセルサブセットには前記第1の基準ピクセルセットから選択された1つ又は複数の候補ピクセルが含まれ、第1の計算ユニットは、基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算するように構成され、ここで、予測モデルは現在のブロックの予測すべき画像成分に対して成分間予測処理を行うために用いられ、このようにして、第1の基準ピクセルセットのスクリーニング処理により、重要でない基準ピクセル又は異常な基準ピクセルを除去することができるため、第1の基準ピクセルセット内のピクセルの数が減少され、計算の複雑さとメモリ帯域幅を低減することができるだけでなく、予測モデルの精度も向上させることができ、前記予測モデルが前記モデルパラメータによって前記予測すべき画像成分の予測処理を実現するために用いられるため、予測すべき画像成分の予測精度が向上し、ビデオ画像の予測効率が向上する。
【0161】
上記の実施例と同じ発明概念に基づいて、
図9を参照し、それは本出願の実施例によるデコーダー90の構成構造概略図を示す。
図9に示すように、デコーダー90は、第2の決定ユニット901と第2の計算ユニット902とを備えることができ、
前記第2の決定ユニット901は、現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定するように構成され、
前記第2の決定ユニット901は、さらに前記第1の基準ピクセルセットから基準ピクセルサブセットを決定するように構成され、前記基準ピクセルサブセットには前記第1の基準ピクセルセットから選択された1つ又は複数の候補ピクセルが含まれ、
前記第2の計算ユニット902は、前記基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算するように構成され、前記予測モデルが前記現在のブロックの予測すべき画像成分に対して成分間予測処理を行うために用いられる。
【0162】
上記の解決策では、
図9を参照すると、デコーダー90は、前記現在のブロックの外側で、前記現在のブロックの少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルを取得し、前記現在のブロックの少なくとも1つの辺には上辺、左辺、右上辺及び左下辺の少なくとも1つが含まれ、取得された基準ピクセルに基づいて、前記第1の基準ピクセルセットを取得するように構成される第2の取得ユニット903をさらに備えることができる。
【0163】
上記の解決策では、前記第2の取得ユニット903は、さらに再構成ブロック内で、前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルを取得し、ここで、前記再構成ブロックは、前記現在のブロックに隣接しかつ符号化及び再構成が完了された画像ブロックであり、前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺には下辺、右辺、又は下辺及び右辺が含まれ、取得された基準ピクセルに基づいて、前記第1の基準ピクセルセットを取得するように構成される。
【0164】
上記の解決策では、
図9を参照すると、デコーダー90は、第2の選択ユニット904をさらに備えることができ、
前記第2の決定ユニット901は、さらに前記現在のブロック又は前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて、候補ピクセルの候補位置を決定するように構成され、 前記第2の取得ユニット904は、前記第1の基準ピクセルセットから前記候補位置に対応する基準ピクセルを選択し、選択された基準ピクセルを使用して前記基準ピクセルサブセットを形成するように構成される。
【0165】
上記の解決策では、前記第2の決定ユニット901は、さらに前記少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルに対応するピクセル位置に基づいて、前記候補位置を決定するように構成される。
【0166】
上記の解決策では、前記第2の決定ユニット901は、さらに前記少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルに対応する画像成分強度値に基づいて、前記候補位置を決定するように構成される。
【0167】
上記の解決策では、前記第2の決定ユニット901は、さらに前記少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルに対応するピクセル位置及び画像成分強度値に基づいて、前記候補位置を決定するように構成される。
【0168】
上記の解決策では、前記第2の決定ユニット901は、さらに予め設定された候補ピクセル数を決定し、前記予め設定された候補ピクセル数が前記少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルからサンプリングされたピクセルの数を表し、予め設定された候補ピクセル数と前記少なくとも1つの辺の長さに基づいて、前記候補位置を決定するように構成され、前記少なくとも1つの辺の長さが前記少なくとも1つの辺に含まれるピクセルの数に等しい。
【0169】
上記の解決策では、前記第2の計算ユニット902は、さらに前記予め設定された候補ピクセル数と前記少なくとも1つの辺の長さに基づいて、第1のサンプリング間隔を計算するように構成され、
前記第2の決定ユニット901は、さらに前記少なくとも1つの辺から1つの基準点を決定し、前記第1のサンプリング間隔に従って前記候補位置を決定するように構成される。
【0170】
上記の解決策では、
図9を参照すると、デコーダー90は、前記第1のサンプリング間隔を調整して、第2のサンプリング間隔を取得するように構成される第2の調整ユニット905をさらに備えることができ、
前記第2の決定ユニット901は、さらに前記基準点に基づき、前記第2のサンプリング間隔に従って前記候補位置を決定するように構成される。
【0171】
上記の解決策では、前記第2の決定ユニット901は、さらに前記基準点に基づいて、前記第1のサンプリング間隔に従って前記基準点の一側に対応する候補位置を決定し、前記第2のサンプリング間隔に従って前記基準点の他側に対応する候補位置を決定するように構成される。
【0172】
上記の解決策では、前記第2の決定ユニット901は、さらに前記少なくとも1つの辺に対応する、予め設定されたスキップピクセル数Kを決定し、Kが1以上の整数であり、前記少なくとも1つの辺の開始位置及び/又は端部位置からK個のスキップすべきピクセルに対応する位置を決定し、前記K個のスキップすべきピクセルに対応する位置に基づいて、前記少なくとも1つの辺の開始位置及び/又は端部位置からK個のスキップすべきピクセルを連続的にスキップし、1つの新しい辺を取得し、前記少なくとも1つの新しい辺及び前記予め設定された候補ピクセル数に基づいて、前記候補位置を決定するように構成される。
【0173】
上記の解決策では、前記第2の取得ユニット904は、さらに前記基準ピクセルサブセットに基づいて、前記現在のブロックに対応する予測すべき画像成分の隣接ピクセル再構成値と、基準ブロックに対応する予測すべき画像成分の隣接ピクセル再構成値とを取得するように構成され、前記現在のブロックがN番目のフレームのビデオ画像に位置し、前記基準ブロックがN-1番目のフレームのビデオ画像に位置し、
前記第2の計算ユニット902は、さらに前記現在のブロックに対応する予測すべき画像成分の隣接ピクセル再構成値及び前記基準ブロックに対応する予測すべき画像成分の隣接ピクセル再構成値に基づいて、モデルパラメータを計算するように構成される。
【0174】
上記の解決策では、
図9を参照すると、デコーダー90は、さらに第2の構築ユニット906と第2の予測ユニット907とをさらに備えることができ、
前記第2の構築ユニット906は、前記モデルパラメータに基づいて、前記予測モデルを構築するように構成され、
前記第2の予測ユニット907は、前記予測モデルにより前記現在のブロックの予測すべき画像成分に対して予測処理を行い、前記予測すべき画像成分に対応する予測値を取得するように構成される。
【0175】
上記の解決策では、前記第2の決定ユニット901は、さらに前記現在のブロックの1つ又は複数の第1の隣接ピクセルを前記第1の基準ピクセルセットとして決定するように構成され、前記第1の隣接ピクセルが現在のブロックの垂直辺、現在のブロックの水平辺、又は現在のブロックの垂直辺及び水平辺に隣接するピクセルである。
【0176】
上記の解決策では、前記第2の決定ユニット901は、さらに前記第1の隣接ピクセルが前記現在のブロックの外側にある場合、前記現在のブロックの垂直辺が前記現在のブロックの外側にある左隣接列であり、前記現在のブロックの水平辺が前記現在のブロックの外側にある上隣接行であることを決定するように構成される。
【0177】
上記の解決策では、前記第2の決定ユニット901は、さらに前記第1の隣接ピクセルが前記現在のブロック内にある場合、前記現在のブロックの垂直辺が前記現在のブロック内にある右辺列であり、前記現在のブロックの水平辺が前記現在のブロック内にある下辺行であることを決定するように構成される。
【0178】
上記の解決策では、前記第2の決定ユニット901は、さらに前記現在のブロックの辺で、前記候補ピクセルの候補位置を決定し、前記現在のブロックの辺が前記現在のブロックの垂直辺又は水平辺であり、前記第1の基準ピクセルセットから前記候補位置にあるピクセルを選択し、選択されたピクセルを使用して前記基準ピクセルサブセットを形成するように構成される。
【0179】
上記の解決策では、前記第2の決定ユニット901は、さらに前記第1の基準ピクセルセット内のピクセルの位置に基づいて、前記候補ピクセルの候補位置を決定するように構成される。
【0180】
上記の解決策では、前記第2の決定ユニット901は、さらに前記第1の基準ピクセルセット内のピクセルの画像成分強度に基づいて、前記候補ピクセルの候補位置を決定するように構成される。
【0181】
上記の解決策では、前記第2の決定ユニット901は、さらに前記第1の基準ピクセルセット内のピクセルの位置及び画像成分強度に基づいて、前記候補ピクセルの候補位置を決定するように構成される。
【0182】
上記の解決策では、前記第2の決定ユニット901は、さらに予め設定された候補ピクセル数を決定し、前記予め設定された候補ピクセル数が前記現在のブロックの辺から選択されたピクセルの数を示し、
前記第1の予め設定されたピクセル数と前記現在のブロックの辺の長さに基づいて、前記候補ピクセルの候補位置を決定するように構成され、前記現在のブロックの辺の長さが前記第1の基準ピクセルセット内の前記現在のブロックの辺にある基準ピクセルの数に等しい。
【0183】
上記の解決策では、前記第2の計算ユニット902は、さらに前記現在のブロックの辺の長さと前記予め設定された候補ピクセル数に基づいて、第1のサンプリング間隔を計算するように構成される。
【0184】
上記の解決策では、前記第2の調整ユニット905は、前記第1のサンプリング間隔を調整して、第2のサンプリング間隔を取得するように構成される。
【0185】
上記の解決策では、前記第2の決定ユニット901は、さらに前記現在のブロックの辺で基準点を決定し、前記基準点から、前記第1のサンプリング間隔に従って前記現在のブロックの辺上の候補位置を決定するように構成される。
【0186】
上記の解決策では、前記第2の決定ユニット901は、さらに前記現在のブロックの辺で基準点を決定し、前記第1のサンプリング間隔に従って前記基準点の両側の候補位置を決定するように構成される。
【0187】
上記の解決策では、前記第2の決定ユニット901は、さらに前記現在のブロックの辺上で基準点を決定し、前記基準点から、前記第2のサンプリング間隔に従って前記現在のブロックの辺上の候補位置を決定するように構成される。
【0188】
上記の解決策では、前記第2の決定ユニット901は、さらに前記現在のブロックの辺で基準点を決定し、前記第2のサンプリング間隔に従って前記基準点の両側の候補位置を決定するように構成される。
【0189】
上記の解決策では、前記第2の決定ユニット901は、さらに前記現在のブロックの辺で基準点を決定し、前記第1のサンプリング間隔に従って前記基準点の一側に対応する候補位置を決定し、前記第2のサンプリング間隔に従って前記基準点の他側に対応する候補位置を決定するように構成される。
【0190】
上記の解決策では、前記第2の決定ユニット901は、さらに前記現在のブロックの辺の予め設定されたスキップピクセル数Kを決定し、Kが負でない整数であり、前記現在のブロックの辺の端部位置から、K番目のピクセル位置を前記基準点として設定するように構成され、前記現在のブロックの辺の端部位置は前記現在のブロックの辺の開始ピクセル位置又は端部ピクセル位置である。
【0191】
上記の解決策では、前記第2の計算ユニット902は、さらに前記基準ピクセルサブセット内の基準ピクセル、及び前記基準ピクセルセットの基準ピクセルと同じ位置にある前記現在のブロックの基準ブロックのピクセルを用いて、予測モデルのモデルパラメータを計算するように構成され、前記基準ピクセルサブセット内の基準ピクセルと同じ位置にあるピクセルは、前記基準ブロックが位置する画像内、基準ブロックとの相対位置が前記第2の基準ピクセルセット内の基準ピクセルと前記現在のブロックの間の相対位置と同じであるピクセルである。
【0192】
上記の解決策では、前記第2の計算ユニット902は、さらに前記予測モデルと前記現在のブロックの基準ブロックに基づいて、前記現在のブロックの予測すべき画像成分の予測値を計算するように構成される。
【0193】
上記の解決策では、前記基準ブロックは、現在のブロックのインター予測パラメータに示される画像ブロックである。
【0194】
本実施例では、「ユニット」は、部分の回路、部分のプロセッサ、部分のプログラム又はソフトウェアなどであってもよいことが理解でき、当然、モジュールであってもよく、また、モジュール化されていないものであってもよい。さらに、本実施例における各コンポーネントは、1つの処理ユニットに統合されてもよく、個々のユニットは、単独で物理的に存在してもよく、2つ又は2つ以上のユニットは、1つのユニットに統合されてもよい。上記の統合されたユニットは、ハードウェアの形で実現されてもよく、ソフトウェア機能モジュールの形で実現されてもよい。
【0195】
前記統合されたユニットは、ソフトウェア機能モジュールの形態で実現され且つ独立した製品として販売又は使用される時に、1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づき、本実施例はコンピュータ可読記憶媒体を提供する。当該コンピュータ可読記憶媒体は、画像成分予測プログラムが記憶されており、前記画像成分予測プログラムが第2のプロセッサに実行されると、上記第2のプロセッサに上記の実施例のいずれか1つに記載の方法を実行させる。
【0196】
上記デコーダー90の構成及びコンピュータ可読記憶媒体に基づき、
図10を参照し、それが本出願の実施例によるデコーダー90の具体的なハードウェア構造を示す。当該デコーダー90は、第2の通信インターフェース1001、第2のメモリ1002及び第2のプロセッサ1003を備えることができ、各コンポーネントは、第2のバスシステム1004を介して結合されている。第2のバスシステム1004は、これらのコンポーネント間の接続通信を実現するように構成されることが理解できる。第2のバスシステム1004は、データバスに加えて、電源バス、制御バスと状態信号バスを含む。しかし、説明を明確にするために、
図10では様々なバスシステムは、第2のバスシステム1004としてマーキングされる。ここで、
第2の通信インターフェース1001は、他の外部ネットワーク要素との情報の送受信プロセスで信号を受信及び送信するように構成され、
第2のメモリ1002は、第2のプロセッサ1003で実行可能なコンピュータプログラムを記憶するように構成され、
第2のプロセッサ1003は、前記コンピュータプログラムを実行して、
現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定するステップと、
前記第1の基準ピクセルセットから基準ピクセルサブセットを決定するステップであって、前記基準ピクセルサブセットには前記第1の基準ピクセルセットから選択された1つ又は複数の候補ピクセルが含まれる、ステップと、
前記基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算するステップであって、前記予測モデルが前記現在のブロックの予測すべき画像成分に対して成分間予測処理を行うために用いられる、ステップと、を実行するように構成される。
【0197】
選択可能に、別の実施例として、第2のプロセス1003は、さらに前記コンピュータプログラムを実行して、上記の実施例のいずれか1つに記載の方法を実行するように構成される。
【0198】
第2のメモリ1002と第1のメモリ802のハードウェア機能は類似し、第2のプロセッサ1003と第1のプロセッサ803のハードウェア機能は類似するため、ここでは説明を省略する。
【0199】
本実施例はデコーダーを提供する。当該デコーダーは、第2の決定ユニットと第2の計算ユニットとを備えることができ、第2の決定ユニットは、現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定するように構成され、また、第1の基準ピクセルセットから基準ピクセルサブセットを決定するように構成され、基準ピクセルサブセットには前記第1の基準ピクセルセットから選択された1つ又は複数の候補ピクセルが含まれ、第2の計算ユニットは、基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算するように構成され、ここで、予測モデルが現在のブロックの予測すべき画像成分に対して成分間予測処理を行うために用いられ、このようにして、第1の基準ピクセルセットのスクリーニング処理により、重要でない基準ピクセル又は異常な基準ピクセルを除去することができるため、第1の基準ピクセルセット内のピクセルの数が減少され、計算の複雑さとメモリ帯域幅を低減することができるだけでなく、予測モデルの精度も向上させることができ、前記予測モデルが前記モデルパラメータによって前記予測すべき画像成分の予測処理を実現するために用いられるため、予測すべき画像成分の予測精度が向上し、ビデオ画像の予測効率が向上する。
【0200】
なお、本出願では、用語「包括」、「包含」又はそのいかなる変形は非排他的な包含をカバーすることを図ることにより、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置はそのような要素だけでなく、明確に示されない他の要素を含み、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置固有の要素を含む。これ以上の制限がない場合、語句「1つの…を含む」によって限定された要素は、当該要素を含むプロセス、方法、物品又は装置に別の同じ要素がさらに存在することを排除するものではない。
【0201】
上記の本出願の実施例番号は説明のためだけであり、実施例の優劣を表したものではない。
【0202】
本出願によって提供されるいくつかの方法の実施例で開示される方法を衝突せずに任意に組み合わせて新しい方法の実施例を得ることができる。
【0203】
本出願によって提供されるいくつかの製品の実施例で開示される特徴を衝突せずに任意に組み合わせて新しい製品の実施例を得ることができる。
【0204】
本出願によって提供されるいくつかの方法又はデバイスの実施例で開示される特徴を衝突せずに任意に組み合わせて新しい方法の実施例又はデバイスの実施例を得ることができる。
【0205】
上記は、本出願の具体的な実施形態だけであるが、本出願の保護範囲は、これに制限されず、当業者が本出願で開示された技術範囲内で容易に想到し得る変化又は入れ替わりは、全て本出願の保護範囲以内に含まれるべきである。従って、本出願の保護範囲は前記請求項の保護範囲に準拠するべきである。
【0206】
産業上の利用可能性
本出願の実施例では、まず、現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定し、次に第1の基準ピクセルセットから基準ピクセルサブセットを決定し、基準ピクセルサブセットには前記第1の基準ピクセルセットから選択された1つ又は複数の候補ピクセルが含まれ、基準ピクセルサブセットを用いて予測モデルのモデルパラメータを計算し、予測モデルが前記現在のブロックの予測すべき画像成分に対して成分間予測処理を行うために用いられ、このようにして、第1の基準ピクセルセットのスクリーニング処理により、重要でない基準ピクセル又は異常な基準ピクセルを除去することができるため、第1の基準ピクセルセット内のピクセルの数が減少され、計算の複雑さとメモリ帯域幅を低減することができるだけでなく、予測モデルの精度も向上させることができ、前記予測モデルが前記モデルパラメータによって前記予測すべき画像成分の予測処理を実現するために用いられるため、予測すべき画像成分の予測精度が向上し、ビデオ画像の予測効率が向上する。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デコーダーに適用される画像成分予測方法であって、
現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定するステップであって、前記第1の基準ピクセルセットは再構成ブロック内に位置する、ステップと、
前記第1の基準ピクセルセットに基づいて、基準ピクセルサブセットを決定するステップであって、前記基準ピクセルサブセットには前記第1の基準ピクセルセットから選択された1つ又は複数の候補ピクセルが含まれる、ステップと、
前記基準ピクセルサブセット内の基準ピクセルに基づいて、予測モデルのモデルパラメータを計算するステップであって、前記予測モデルが前記現在のブロックの予測すべき画像成分に対して予測処理を行うために用いられる、ステップと、を含む、画像成分予測方法。
【請求項2】
前記第1の基準ピクセルセットに基づいて、基準ピクセルサブセットを決定するステップは、
前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて、候補ピクセルの候補位置を決定するステップと、
前記第1の基準ピクセルセットから前記候補位置に対応する基準ピクセルを選択して、前記基準ピクセルサブセットを取得するステップと、を含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて、候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
前記少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルに対応するピクセル位置に基づいて、前記候補位置を決定するステップ、又は
前記少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルに対応する画像成分強度値に基づいて、前記候補位置を決定するステップ、又は
前記少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルに対応するピクセル位置及び画像成分強度値に基づいて、前記候補位置を決定するステップを含むことを特徴とする
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定するステップは、
再構成ブロック内で、前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルを取得するステップであって、前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺には下辺、右辺、又は下辺及び右辺が含まれる、ステップと、
取得された基準ピクセルに基づいて、前記第1の基準ピクセルセットを取得するステップと、を含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを記憶するメモリと、
前記コンピュータプログラムを実行して、請求項1-4のいずれか一項に記載の方法を実行するプロセッサと、を備える、デコーダー。
【請求項6】
エンコーダーに適用される画像成分予測方法であって、
現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定するステップであって、前記第1の基準ピクセルセットは再構成ブロック内に位置する、ステップと、
前記第1の基準ピクセルセットに基づいて、基準ピクセルサブセットを決定するステップであって、前記基準ピクセルサブセットには前記第1の基準ピクセルセットから選択された1つ又は複数の候補ピクセルが含まれる、ステップと、
前記基準ピクセルサブセット内の基準ピクセルに基づいて、予測モデルのモデルパラメータを計算するステップであって、前記予測モデルが前記現在のブロックの予測すべき画像成分に対して予測処理を行うために用いられる、ステップと、を含む、画像成分予測方法。
【請求項7】
前記第1の基準ピクセルセットに基づいて、基準ピクセルサブセットを決定するステップは、
前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて、候補ピクセルの候補位置を決定するステップと、
前記第1の基準ピクセルセットから前記候補位置に対応する基準ピクセルを選択して、前記基準ピクセルサブセットを取得するステップと、を含むことを特徴とする
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて、候補ピクセルの候補位置を決定するステップは、
前記少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルに対応するピクセル位置に基づいて、前記候補位置を決定するステップ、又は
前記少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルに対応する画像成分強度値に基づいて、前記候補位置を決定するステップ、又は
前記少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルに対応するピクセル位置及び画像成分強度値に基づいて、前記候補位置を決定するステップを含むことを特徴とする
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記現在のブロックの予測すべき画像成分の第1の基準ピクセルセットを決定するステップは、
再構成ブロック内で、前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する基準ピクセルを取得するステップであって、前記再構成ブロックの少なくとも1つの辺には下辺、右辺、又は下辺及び右辺が含まれる、ステップと、
取得された基準ピクセルに基づいて、前記第1の基準ピクセルセットを取得するステップと、を含むことを特徴とする
請求項6に記載の方法。
【請求項10】
プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを記憶するメモリと、
前記コンピュータプログラムを実行して、請求項6-9のいずれか一項に記載の方法を実行するプロセッサと、を備える、エンコーダー。