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特開2024-138518コミュニケーション不良が生じるリスクの判定システム
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  • 特開-コミュニケーション不良が生じるリスクの判定システム 図1
  • 特開-コミュニケーション不良が生じるリスクの判定システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138518
(43)【公開日】2024-10-08
(54)【発明の名称】コミュニケーション不良が生じるリスクの判定システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/253 20200101AFI20241001BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241001BHJP
   G06F 40/279 20200101ALI20241001BHJP
【FI】
G06F40/253
G06Q50/10
G06F40/279
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024114378
(22)【出願日】2024-07-17
(62)【分割の表示】P 2021111179の分割
【原出願日】2021-07-04
(31)【優先権主張番号】P 2020116040
(32)【優先日】2020-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】320010505
【氏名又は名称】濱田 修
(74)【代理人】
【識別番号】100190300
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 修
(72)【発明者】
【氏名】濱田 修
(57)【要約】      (修正有)
【課題】意思表示において生じるコミュニケーションギャップを防止するコミュニケーション言語のリスク判定システム及びリスク判定方法を提供する。
【解決手段】文字を受送信するコンピュータ通信システムにおいて作動し、情報送信者と、情報受信者とが存在する言語を含むコミュニケーションを行うシステムにおいて、文字コミュニケーションに用いられる言語の文字列に、誤字、脱字、断片的文章、危険ワード、数量不明確や数値の幅、単位不明、間違いやすい単位を含むコミュニケーション不良が生じるリスクを有する語に該当する語のうち、1以上の語があることを判定し、それに起因するコミュニケーション上のリスクを表示し、警告する機能を有するリスク判定システムは、コミュニケーション不良が生じるリスクを有する語に該当する語を2つ以上検出した場合に、それらの語の組み合わせに起因するコミュニケーション上のリスクを表示し、警告する機能を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャット機能又はメール機能を有する文字を受送信するコンピュータ通信システムにおいて作動し、
情報送信者と、情報受信者とが存在する言語を含むコミュニケーションを行うことが可能なシステムにおいて、文字コミュニケーションに用いられる言語の文字列に、誤字、脱字、断片的文章、危険ワード、数量不明確や数値の幅、単位不明、間違いやすい単位を含むコミュニケーション不良が生じるリスクを有する語に該当する語のうち、1以上の語があることを判定し、それに起因するコミュニケーション上のリスクを表示し、警告する機能を有するリスク判定システムであって、
コミュニケーション不良が生じるリスクを有する語に該当する語を2つ以上検出した場合に、それらの語の組み合わせに起因するコミュニケーション上のリスクを表示し、警告する機能を有するリスク判定システム。
【請求項2】
情報送信者が使用する端末が情報を受信する機能を備え、情報送信者が情報受信者にもなり得るシステムにおいて、コミュニケーション不良が生じるリスクを有する語に該当する語を2つ以上検出した場合に、それらの語のうちの少なくとも1組以上の2つの語の組における語の間の文字数及び/又は語数、前記2つの語が存在する文が同一であるか否か、及び異なる場合は同一の情報送信者により送信されたメッセージ中の文であるか否か、先に用いられた語を送信した情報送信者以外の情報受信者により受信された後、その受信者により送信されたメッセージ中の文であるか否かを判定基準に加えて判定することができる、請求項1に記載のリスク判定システム。
【請求項3】
コミュニケーション不良が生じるリスクを有する語に該当するか否かを判定する際、判定を行う語の前後100文字中に含まれる語の属性と、判定を行う語の属性を比較し、判定を行う語の前後との関係を評価するためのデータベースを有する、請求項1又は2に記載のリスク判定システム。
【請求項4】
情報送信者から送信されたメッセージが情報受信者に受信されたあと、該情報受信者が情報発信者としてメッセージを送信する場合に、情報受信者が受信後、メッセージを送信するまでの時間の要素を組み合わせて判定することができる、請求項1又は2に記載のリスク判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2名以上の人間が行う言語コミュニケーションにおけるコミュニケーション言語のリスク判定システム及びリスク判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2人以上の人間の間のコミュニケーションにおいて、意図したとおりに意思が通じるとは限らない。
意思表示(例えばチャットでは、情報送信)を行う側が、意図せず、意思表示を受ける側に対して、伝えたいと思っている意思とは異なる意思を示す意思表示を発してしまうことがある。
受けた意思表示について、認識が間違っている可能性は、様々な要因から起こる。
それらの要因は、意思表示の受け手が、例えば、前提となる事実の違い、言語ないし用語の違いなどに気づかないことから起こる。
人工知能による処理一般が発展するにつれ、感情表現をコンピュータが把握、処理することも研究されているが、感情表現の前提となる感情を生じる前提となる事実が受け手により認識されないことによるコミュニケーションのギャップが生じることはあり得る。
コンピュータ処理は感情表現などのあいまいな言語を、コンピュータ処理で十分処理しきれないことがある。これは、感情表現の前提となる感情を生じる前提となる事実が、その重要性の重みづけ等と合わせて十分にコンピュータのシステムに取り込めていないからであるとも考えられる。むろん、それよりも抽象的な観念や、そもそも思考というものが身体的、体験的なものを多く含み、状況によって取り込むべき前提となる事実が無限に広がってしまうということもあるかもしれない。
まずは、感情表現を多くは含まない論理的文書(技術論文、特許明細書、ニュース、等)の方がコンピュータの処理に向いており、かつこれら用途はビジネス的に利用価値が高いため、用途をこれらに制限するか、重みづけが一定以上の要素だけを考慮して処理を行うことも考えらえれる。
また、このコミュニケーションのギャップを検出、警告することを、コンピュータの機能を人間が理解しやすいように設計し、ヒューマンインターフェースを向上して人間の理解力を補助、活用する設計により、上記問題を解決する方向性があり、AIやコンピュータ処理のブラックボックス化の問題の点でも、その方向性は有効であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-045953
【0004】
特許文献1には、類語処理装置、及びプログラムについての発明が記載され、語句の意味を把握してプログラムを処理することについて開示されている。
しかし、人間が行うコミュニケーションの実態に合わせた要素、応答時間や語句の間隔なども含めた感情を生じる前提となる事実を合わせて、管理者がコミュニケーション不良が生じるリスクを有する語を検出することについての開示は見当たらない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
人と人との間のコミュニケーションでは、意思表示に前提に気付かないコミュニケーションギャップを生じることがある。特に、異なる言語、文化間コミュニケーションで起こりやすい。斯かるコミュニケーションギャップは、異なる言語、文化のコミュニケーションに限らず、専門家と専門外の人間の言語のコミュニケーション、異なる年齢間、男女間、医者と患者等、前提となる事実の違い、言語ないし用語の違いに気づかないことが生じやすい状況ではしばしば起こり得る。
また、より限定的に、機械翻訳を通したコミュニケーションでは、機械翻訳ソフトが翻訳対象の言語の意味を把握できないため、機械翻訳ソフトが全く意味の通じない翻訳を出力してしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の本発明のコミュニケーション言語のリスク判定システムは、コミュニケーション言語に、誤字・脱字、断片的文章、危険ワード、数量不明確や数値の幅、単位不明、間違いやすい単位などを確認し、そのことによるコミュニケーションギャップの可能性をリスク要因のリスト表示などの方法により表示し、警告する。
より具体的には、本発明は、以下(1)~(5)の構成を有し得るが、これらに限定されない。
(1)チャット機能又はメール機能を有する文字を受送信するコンピュータ通信システムにおいて作動し、
情報送信者と、情報受信者とが存在する言語を含むコミュニケーションを行うことが可能なシステムにおいて、文字コミュニケーションに用いられる言語の文字列に、誤字、脱字、断片的文章、危険ワード、数量不明確や数値の幅、単位不明、間違いやすい単位を含むリスク要因が存在することにより、コミュニケーション不良が生じるリスクを有する語に該当する語のうち、1以上の語があることを判定し、それに起因するコミュニケーション上のリスクを表示し、警告する機能を有するリスク判定システム。
(2)コミュニケーション不良が生じるリスクを有する語に該当する語を2つ以上検出した場合に、それらの語の組み合わせに起因するコミュニケーション上のリスクを表示し、警告する機能を有する上記(1)に記載のリスク判定システム。
(3)情報送信者が使用する端末が情報を受信する機能を備え、情報送信者が情報受信者にもなり得るシステムにおいて、コミュニケーション不良が生じるリスクを有する語に該当する語を2つ以上検出した場合に、それらの語のうちの少なくとも1組以上の2つの語の組における語の間の文字数及び/又は語数、前記2つの語が存在する文が同一であるか否か、及び異なる場合は同一の情報送信者により送信されたメッセージ中の文であるか否か、先に用いられた語を送信した情報送信者以外の情報受信者により受信された後、その受信者により送信されたメッセージ中の文であるか否かを判定基準に加えて判定することができる、上記(1)又は(2)に記載のリスク判定システム。
(4)情報送信者から送信されたメッセージが情報受信者に受信されたあと、該情報受信者が情報発信者としてメッセージを送信する場合に、情報受信者が受信後、メッセージを送信するまでの時間を判定基準に加えて判定することができる、上記(1)~(3)のいずれか1つに記載のリスク判定システム。
(5)コミュニケーション不良が生じるリスクを有する語に該当するか否かを判定する際、判定を行う語の前後100文字中に含まれる語の属性と、判定を行う語の属性を比較し、判定を行う語の前後との関係を評価するステップを有する、上記(1)~(4)のいずれか1つに記載のリスク判定システム。
【発明の効果】
【0007】
本発明においては、言語コミュニケーションを、1)意思表示を発する者の言語が、そのまま使えることを確認して出力するもの、2)およそ言っていることがわかるが、わからない点もあるため、それらのことを反映した翻訳ないし解釈を要約して出力するもの、3)意味が分からないため、その旨を表示し、人間の手で翻訳することを手助けするシステム(翻訳者手配、必要な追加情報を求めることを、言語を含む意思表示を発した人に行うこと、それらのスケジュール管理と予算見積もりを返す)等を行うことにより、機械翻訳を効率化し、多言語で可能になってきている機械翻訳をより有効に使用できるようにする。
さらには、言語によるコミュニケーション全般について、上記1)~3)の仕訳を行い、併せてリスク情報の分類及び付与を行うことができる。
また、本発明のシステムにより、上記言語コミュニケーションにおける言語の仕分け、及びコミュニケーションリスク情報の付与を行うことにより、少なくとも誤解トラブル防止、危険感知、緊急通報の機会の検知及び提供、不正通報の機会の発見及び提供、業務効率化、記録・事後処理の効率化の少なくとも1つ以上が達成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】人と人との言語コミュニケーションを示す図
図2】コミュニケーション言語及びそれによる文章が状況により変化し得る境界により区切られた観念の集合体により形成されていることを示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態を以下例示する。本発明は、その要旨を変更しない限りにおいて、以下に限定されない。
本発明のコミュニケーション言語のリスク判定システムは、コミュニケーション言語に、誤字・脱字、断片的文章、危険ワード、数量不明確、数値幅あり、単位不明、間違いやすい単位等の要素により、コミュニケーションギャップの生じる可能性を判定する。
また、本発明は、そのためのリスク判定方法を提供する。
【0010】
人と人とのコミュニケーションにおいては、前提となる条件が意思表示を行う人と人との間で共有されていないことから生じるコミュニケーションギャップは生じ得る。(図1
図2に示されるように、コミュニケーション言語及びそれによる文章は、状況により変化し得る境界により区切られた観念の集合体により形成されている。翻訳においては、斯かる観念の集合体を別の言語で表現することになる。
観念の集合体を形成する1つ1つの観念は、たとえば日本語、英語などの言語で記述することで定義し得るものであるとしてよい。翻訳後の言語にその観念を表現する語句がない、更にはそうした観念自体文化的に有しない場合でも、その場合だけ別の言語を用いて定義することで足りる。これは、例えば、辞書である語句を定義すること、特許発明を、クレームで定義するときの方法を用い得る。これには、類語を用いた語句の置き換えのデータベースも有用である。
【0011】
本発明においては、コミュニケーションリスク情報を収集すること自体のリスクが伴う。それを回避するための方法としては、例えば、人間を媒介させる(データベースの物理的遮断、忘却)ことにより必要な分散管理を行う、AIを用いる(変数データなどとして一定程度ブラックボックス化した管理)が挙げられる。
また、解釈を機械に委ねることによるリスク回避すべきリスクもあり、それを回避するための方法としては、例えば、アドバイザーに留め、最終決定は必ず人間の確認をとるシステムにすること、法律的に有効な意思決定に用いるためには十分な確認を行い、専門家のための使用に限定することが挙げられる。
【0012】
[明細書中の用語及び定義]
本発明において、コミュニケーション言語とは、少なくとも、日本語、英語、フランス語、中国語、ロシア語、アラビア語、ドイツ語など、一定の国や地方で日常会話、論文、報道などで用いられる言語であり、自然言語といわれる範囲の言語を含む。
断片的文章とは、省略がある、造語を含むなど、通常の文法で記述されている文章ではなくても、意味を解釈ないし汲み取ることができる文章である。断片的文章の例としては、散文詩(アフォリズム)などを含む詩の文章、散文的文章、標語の文言、一定の法則性があり解釈可能な造語。例えば、「ドライブレコーダー」の略で、「ドラレコ」、「就活」、からの造語で、「終活」、等が想定され得る。
本発明のシステムにおいて、情報送信者の意思表示は、必ず文字を含む方法によってなされる。前記意思表示は、文字以外の情報送信を含んでもよいが、文字により送信される情報を打ち消すなど、大きく変化させることのないものであることが望ましい。
チャット機能とは、主として比較的短いメッセージを2者間、または3者以上の間でやり取りする機能である。チャット機能において、通信を行う2者は、2者のうちの1者が情報送信者となり、情報送信者が、2者のうちの他のもう1者である、情報受信者に対してメッセージを送信することにより、文字による通信を行う機能である。ここで、通信を行う2者は、いずれも、情報送信者及び情報受信者になることができる。また、特定の用途においては、2者以上のチャット機能において、情報受信のみになる者、情報送信者のみになるものが存在してもよい。
メール機能とは、主としてチャット機能より長いメッセージを、2者間、又は多数の者でやり取りする機能である。長いメッセージである分、1回の情報送信時に、コミュニケーションリスクを生じ得る語を検出し、リスクを低下しておくことは役立つ。
【0013】
チャット機能及びメール機能においては、情報送信者が使用する端末が情報を受信する機能を備え、情報送信者が情報受信者にもなり得るシステムにおいて、コミュニケーション不良が生じるリスクを有する語に該当する語を2つ以上検出した場合に、それらの語のうちの少なくとも1組以上の2つの語の組における語の間の文字数及び/又は語数、2つの語の組における語が存在する文と文の関係も考慮される。この場合の文と文の関係とは、2つの語が1つの同一の文中にあるか、2つの語が同一の情報送信者により送信されたメッセージ中の文であるか否か、何回のやり取りを経て出現しているか、2つの語の間の文字数、語数、及び1つの語が送信されてから、もう一方の語が入力、送信されるまでの時間が考慮されてもよい。
文字数を考慮することにより、2つの語の関係性の強さが推定できる。また、2つの語が送信されてから、もう一方の語が入力、送信されるまでの時間を考慮することにより、言外の意味、すなわち、状況や前後関係から前提とすべき解釈の存在を推定できる。例えば、当然わかるべきことを尋ねられた時に、1秒ほどで間合いを置かず、「何故そんなことを聞くの?」と返答する場合は、文字どおりの意味と解釈するのが妥当であるが、10秒考え込んでから「何故そんなことを聞くの?」と返答する場合は、例えば、聞かれた側が基本的なことを誤解している可能性を指摘されている場合や、やる気をなくしてしまっている、疲れている、等の可能性も必要に応じ考慮してもよい。
メール機能においては、本発明のリスク判定システムを、1回の送信で多くの文を含んだメッセージを送るため、送信前のスペルチェックに合わせて、コミュニケーション不良が生じるリスクを判定するため、リスクを生じ得る語を検出し、警告を出して加筆修正する機能のために用いてもよい。
【0014】
[情報伝達の状態の分類]
情報発信者の意図する伝達内容が、事実と一致し、発信された情報の文字表記も、事実と一致するときは、これを「事実と一致」の状態という
情報発信者の意図する伝達内容が、事実と一致し、発信された情報の文字表記が、事実と異なるときは、これを「誤記」という
情報発信者の意図する伝達内容が、もともと事実と異なり、それによって発信された情報の文字表記が、事実と異なるときは、これを「誤認」という。
情報発信者の意図する伝達内容が、もともと事実と異なるにもかかわらず、何らかの事情または偶然により、発信された情報の文字表記が、事実と一致する場合も理論上考えられる。本明細書において、何らかの事情により一致する場合、「事情による一致」、偶然一致する場合、「偶然の一致」ということにする。
情報発信者の意図する伝達内容が、もともと事実と異なるにもかかわらず、何らかの事情により一致する場合には、例えば、ソフトウェアによる修正機能により誤記が修正された場合や、別に文字表記を構成ないしチェックを行う者が、通常ではないプロセスを差しはさむことにより文字表記を修正した結果、事実と一致するようになっている可能性もある。
偶然の一致とは、例えば、情報発信者と情報受信者とが、双方の画像を観ながら行う通信ソフトにおいて、画像を見ながら、音声またはチャットを介して「右手を挙げています」と文字メッセージを送信しているにもかかわらず、情報発信者の意図する伝達内容が「左手を挙げている」である場合において考えられる。この場合、通信画像にミラーリング処理が行われており、情報受信者からは「右手を挙げている」ように見え、ミラーリング処理に情報送信者及び情報受信者のいずれか一方又は両方が気づいているか否かにかかわらず、「右手を挙げている」画像が映っていることを以って、情報受信者には、事実と一致したと解することが一定の妥当性を有し得る。
また、情報発信者が誤記、誤認、又は偶然の一致のいずれの状態にあるとするべきかは、情報発信者が、情報受信者の画像に、「右手を挙げている」画像が映るようにするため、ミラーリング処理の影響まで考慮して「右手を挙げています」と文字メッセージを送信しているかどうかとも関係し得る。
ここで、情報発信者が文字メッセージを送信した場合に、通信に一定のタイムラグを生じることを許容して、チェックを行う者が、通常ではないプロセスを差しはさむことにより文字表記を修正した結果、事実と一致したと解することが一定の妥当性を有し得る状態になった場合には、情報発信者にとって、事情による一致となり得る。
【0015】
この場合更に、情報発信者が事実と一致した文字メッセージを送信したにもかかわらず、チェックを行う者がミスを生じさせた結果、事実と一致したと解すべきではない状態になった場合には、「事情による不一致」と分類すべき状況も生じえる。
以上から、事実と一致、誤記、誤認、偶然の一致、事情による一致、事情による不一致、の6つのカテゴリーに状況を分類することができる。
なお、偶然に、事実と不一致になってしまうような場合は、その偶然起こった事象の内容により、誤記、誤認、事情による不一致のいずれかに分類することが考えられるため、偶然の不一致、という状況を独立して分類せずに本発明のシステムを動作させることができる。
上記6つのカテゴリーは、情報送信者と、情報受信者について別々に定められ、情報送信者が、相手を欺く意図で、2つある選択肢の反対の方のものを送信した場合に、情報送信者自体が誤認して2つある選択肢の反対の方を事実であると認識していたような場合には、その目地などによるメッセージは、情報送信者については、誤記ではなく誤認であり、情報受信者にとっては、誤認であるが偶然の一致ということになる。
【0016】
[辞書展開機能]
辞書展開機能において、本明細書中、「語」としてきた、単語や、特定の意味を有しない短い文字列は、辞書のテーブル中に登録され得る「ワード」として扱われる。
危険ワード、警告ワード、注意ワード等、システムで用いるためにシステム中のテーブルに登録されたワードは、下記の観点から展開される。展開されたワードは、同一または異なる別のテーブルに登録され、各種ワードの検索、抽出等に用いられる。
注意ワードを展開したワードが、危険ワード又は警告ワードとなる場合、その周囲ワードは、一定の基準や処理ルーチンを用いて機械的に、又は、人間の判断を介在させて、危険ワード又は警告ワードとして再分類される場合がある。
文章になっている文字列は、形態素解析によってワード(日本語の場合は、日本語の文法おける、単語)に分解される。
また、多変量解析により、1つの特定の属性を有するワード、例えば注意ワードと、特定の属性を有するもう1つのワード、例えばもう1つの注意ワードとの文字間隔、出現する分の距離及び関係、出現時間間隔等から、別の危険ワードの出現確率や、コミュニケーションリスクがあると判定される確率の傾向を分析し、人工知能(AI)により、別の危険ワードの出現確率や、コミュニケーションリスクがあると判定する処理速度を早めることの他、精度を向上させることが考えられる。その場合、多変量解析による予測は、本発明のシステムの作動とは別に、結果をデータベースに記録及び蓄積し、必要に応じ管理者が保守管理、チェックを行う方法を用いてもよい。
ワードとワードとの間に存在する文字数、または、文字数の代わり、又ははそれに加えてワード数で、ワードとワードとの間隔を測定し、上記多変量解析のパラメータの1つとすることにより、文章中出現する危険ワード、警告ワード、注意ワードなどの各属性のワードを、より詳しく判定し得る。
【0017】
辞書展開機能において、1つのある属性のワード、例えば危険ワードは、それを展開した展開ワードとともに取り扱われることにより、より現実に即したリスク判定を行うことができる。
展開ワードは、例えば、次の5つの要素から展開されたワードを含んでもよい。
要素1:音
音が似ていることで、聞き間違いや連想を生じることがある語の関係である。聞き間違いや混同を生じる、語の関係としてよい。例えば、類音(商標)は、参考文献「称呼証拠類似の判断における音韻感覚の変化」 -アルファベット商標に関する審決にみる-(須賀総夫,パテント2014 Vol 67,No.6)に記載されている。
本発明にシステムに係るデータベースに、混同を生じやすい称呼を展開して登録することで、処理速度を向上させることができる。
要素2:外観 クマ(熊)とクス、や、パンとバン等。
要素3:概念 癌と、放置すると悪化し増殖する悪い結果、等。
要素4:連想(婉曲表現含む) 赤字を出し続けることを、「出血が止まらない」と表現する場合や、「帰ってこない人」が、亡くなった人をや、退職した人を表現して使われる場合が挙げられる。
要素5:状況 状況で意味を生じる場合。例えば、難解で理解不能な言葉と解される場合、呪文、お経、ギリシャ語等。
以下、国語辞書や専門用語辞典に掲載されている語を例にとって展開例を例示する。
中学校など義務教育で使う辞書に掲載されている語を、日常語として定義して扱ってもよいが、それらの辞書でも日常ではほとんど使わない語も多く掲載されているので、リスクを判定すべきコミュニケーションを行う情報発信者及び情報受信者の語彙力、国語力、知識レベル、に応じて使い分けてもよい。
また、知っている語は、年齢、職業、男女、出身地、専門性などにもより、さらに、状況により、突然受信しても状況にそぐわないのですぐに把握できないような語も存在し得る。
それらの辞書には掲載されていないが、広辞苑などの網羅的に掲載された国語辞書に掲載されている語を高等語、難解語として扱ってもよい。
専門用語、グループ内の言葉は、各業界や、使用する者の属性により、存在する。正確な定義を与えるために特定された語もあれば、特定の属性のグループ内で用いられる隠語、流行語なども存在し、コミュニケーションリスクの要因になり得るので、これら一般的には用いられない語も、状況によってはデータベースに登録することが有益な場合もあり得る。
【0018】
(例1)がん
日常語
音 同音異義語、類音語。例:癌、雁、願
外観 「かん」と、外観から読めた場合、缶、官など。
概念 重病。鳥。自社で行う願掛け。英語の「GUN」か
ら、銃。
連想(婉曲表現含む) 増殖する悪いもの。恐ろしいもの。
状況 「贋」、として、「真」の反対語で偽物。
(例2)このは
音 同音異義語、類音語。例:木の葉、女性の名前。
外観 (特になし)
概念 軽いもの。
連想(婉曲表現含む) 軽くて無価値なもの。すぐに無くなってしまうもの。
状況 小説の最後の一葉の場面で、最後の望みとして残っている象徴的なもの。
(例3)はし
音 同音異義語、類音語。例:橋,端,橋,ファジー,はじぃ(恥ずかしい)
外観 (とくになし)
概念 かけ渡しをするもの。中央ではないもの。
連想(婉曲表現含む) 些末なもの。(重箱の端)
状況 追い詰め割れた状態。見捨てられた状態。(端に追いやられた状態)。
【0019】
(例4)ガラス転移温度
専門用語
音 同音異義語、類音語。例:ガラス点イオン度
外観 カラス転移温度からの連想
概念 ガラスの融点(ガラスが柔らかくなる点であるため)
連想 ガラスになる温度(専門用語の定義上は誤り)、透明になる温度(専門用語の定義上は誤り)
状況 (単に難しい言葉と解される場合):呪文,お経,ギリシャ語,ラテン語。
(例5)相転移
専門用語
音 同音異義語、類音語。例:争点移,焦点イ,笑点位。
外観 相転多
概念 気化,液状化,固化,大きな変化。
連想 例:がんの転移のような病状の悪化
状況 (単に難しい言葉と解される場合):呪文,難解な理論物理学用語。
【0020】
(文章例1)
このはしをわたるべからず
音 この橋をわたるべからず、この端をわたるべからず、この箸をわたるべからず(意味が通じない)
外観 ひらがなの羅列で不気味な文章
概念 昔話、一休さんのシーンで、少し素直でない文章。
連想 このは(女性名)死をわたるべからず(死んではいけない。危険なことをしてはいけない。)
状況 木の葉、死をわたるべからず。小説「最後の一葉」のシーンで、最後の一葉が散ると自分が死んでしまうという患者に、木の葉の絵を描く画家の心境をこじつけることができるかもしれないが、その「こじつけ」に共感する状況は、家族の臨終の場面のような切迫した状況であるか、少し精神的に疲れた状態であると考えられる。
【0021】
1.送信時
情報送信者が、チャットやメールで文字情報を送信する場合、そのメッセージに含まれる内容は、上記の分類では、次の6つに分類され得る。
それらは、事実と一致、誤記、誤認、偶然の一致、事情による一致、事情による不一致、の6つのカテゴリーである。
本発明のリスク判定システムは、情報送信者が一旦メッセージを作成し、本発明の判定システムでリスクを判定、評価してから送信するシステムであってもよい。
その際、通信システムの目的によっては、情報送信者のメッセージのリスクが高い場合に、メッセージの送信を取り止めたり、リスクの少ない語に置換する処理を行ったメッセージに変換して送信してもよい。
【0022】
2.受信時
情報受信者が、チャットやメールで文字情報を送信する場合も、そのメッセージに含まれる内容は、上記の分類では、次の6つに分類され得る。
それらは、事実と一致、誤記、誤認、偶然の一致、事情による一致、事情による不一致、の6つのカテゴリーとする。
しかし、受信の場合には、誤認に分類される幅が、解釈の幅として本質的に広いだけでなく、受信者により起こしやすい誤解まで含めると、更に広くなる。
しかし、この誤認、誤解を含んだ語加えて、上記辞書展開機能に展開ワードとして登録、蓄積し、データベース化することで、コミュニケーションリスクの低減機能は、さらに向上すると考えられる。
情報受信者からすれば、情報送信者からの情報が、誤記、誤認、事情による不一致のいずれであっても、事実と異なることがわかればそれでよい場合もあり、それらを区別する必要がない場合もある。一方、それらを区別しないと、情報送信者からの意図がわからず、コミュニケーションに支障が生じる場合もある。本システムを用いることで、どのような誤認、誤解の可能性があり得るかが表示されるので、両方の可能性を、情報受信者が理解、把握することが容易になる得る。
同様に、情報受信者からすれば、情報送信者からの情報が、事実と一致、偶然の一致、事情による一致のいずれであっても、事実と一致することがわかればそれでよい場合もあり、それらを区別する必要がない場合もある。一方、それらを区別しないと、情報送信者からの意図がわからず、コミュニケーションに支障が生じる場合もある。
情報受信者からすれば、情報発信者よりも、遠隔地にいるなどの理由から事実を確認することが難しいことも想定され、より多くの可能性を検討しなければならない。
この場合にも、本発明の判定システムにより、誤認(誤解ともよぶことができるもの)の可能性や、事情による一致、不一致の可能性が警告されるため、本発明のシステムは情報受信者の状況把握に役立つ除法を提供し得る。
【0023】
3.送信完了後受信前の中間データ処理時
送信完了後受信前の中間データを、今後受信されるものとして処理する場合も考えられる。
この場合、情報受信者がすでに特定されている場合と、まだ特定されていなかったり、およそ特定されているけれども、確定していなかったりする場合が考えられる。
この場合にも、情報送信者からの情報は、事実と一致、誤記、誤認、偶然の一致、事情による一致、事情による不一致、の6つのカテゴリーで分類することでデータ処理のフローを設計することが可能である。
カテゴリーのどちらに分類するかの基準は、重複するカテゴリーに分類し得るような場合、コミュニケーションリスクが生じにくいカテゴリーを安全であるという判定基準を用いて処理してもよいし、コミュニケーション不良を生じさせても、実際に安全を確保できるような判定基準を用いて処理を行ってもよい。
例えば、次のような例が考えられる。情報送信者が、体調が悪い、というような内容のメッセージを送った場合に、情報受信者のシステムでは、他の状況を考慮した上であっても、「誤認」に分類するよりは、「偶然の一致」の可能性を考慮して、再確認を一度行うような処理フローにする方が、その後、信頼関係の悪化によるコミュニケーションリスクの上昇を防ぐことができる。また、情報送信者が、「プラントから異臭がする」というメッセージを送信した場合にも、誤記、誤認として処理するよりも、一旦、事故が起こっているものとして処理した方が安全な場合もある。このような場合には、情報受信者にとって「事情による不一致」に分類される状態になって構わない。
【0024】
各属性のワードは、例えば、NGワード、危険ワード、注意ワード、危険回避ワード、等に分類できる。
本発明のリスク判定システムの用途によって、例えば、NGワードとしてメッセージ送信を止めてしまうようなワードを設定しないことも、設定することもできる。
各属性のワードの判定例としては、次のものが挙げられる。
NGワード、危険ワードの判定例
NGワードに該当:殺す
危険ワード:100ワットのエネルギー。ワットはエネルギー効率なので、ワット時の間違いかチェック必要。誤解の危険があるという意味の危険ワード。感情が乱されるという意味の危険ワードを別に扱う属性のワードとして設定することもできる。
危険回避ワード 殺す、はNGワードでも、「菌を殺す」「殺菌する」なら警告不要。ただし、人を殺菌する、と読める可能性がある場合は、やはり危険ワード、NGワードへ。
【0025】
本発明のリスク判定システムの出力する警告として、例えば、次のものが考えられる。
警告を出す方法:危険ワードに黄色で警告、NGワードに赤色で強い警告。但し、その場では警告せず後で反省するときに使用するような場合に、一部又は全部を、何が、危険ワード、NGワードか分からないようにして作動させ、適宜必要性を生じた場合にのみ表示、警告することも考えられる。
通常は、注意ワードではないが、特定の状況で事故を生じやすいなどの、別の意味で注意すべきワード等が考えられ、その場合、メッセージのやり取りの途中で、どういう意味ですか?大丈夫ですか?ところで、貴方は昨日何時間眠りましたか?等を尋ねる等。機械を運転中に、意図的又は無意識、感情的に事故を起こすようなメッセージの送信。などがこの場合に該当する。
【0026】
以下に、本発明の実施態様の具体例を例示する。本発明の実施態様は、以下に限定されない。
下記実施態様は、人と人とのコミュニケーションが行われる場所で、コミュニケーションを言語化し、コンピュータ等のシステムに取り込んで行われる。前記システムは、アプリケーションプログラムをインストールまたは内蔵した携帯端末であってもよい。具体的には、一般に流通しているチャットソフト、メールソフトに入力する文章を、入力時に情報送信者、受信時に情報受信者が、手動で本発明のリスク判定ソフトで判定、警告の検出を行ってもよく、ソフトウェアに内蔵、アドインなどされる形で、追加機能として供えられてもよい。サブスクリプション型のアプリケーションとして、使用者の判断で追加して使用することができるようにすることができ、そうすることでより多くの用途に手軽に応用できるようになるため望ましい。
【0027】
上記は、メッセージに含まれる語ごとにリスクを判定するシステムとしたが、文章中の語のうち、コンピュータが処理できない語を削除や置換することにより要約文を出力することを行うことができる。この場合、要約文出力の処理を単独で行ってもよいが、前述のメッセージに含まれる語ごとにリスクを判定する処理に併せ、追加して行うことで、より有効なリスク判定やコミュニケーションの補助を行うことができる。
一般的に、リスク判定ソフトに、
1.リスク判定システムによるリスク判定・警告がそのまま使える場合、リスク判定システムの出力結果を出力する。
「Aさんは、『・・・(リスク判定システムの出力結果)・・・』と言っています。」
2.リスク判定システムによるリスク判定・警告が一部使える場合、は、次のような出力を行う。
「Aさんは、おそらく、『・・・(リスク判定システムの出力結果)・・・』という趣旨のことを言っているようなのですが、『誤判定リスクを反映したリスク判定システムの適用限界』というところが不明です。大体『リスク判定システムによるリスク判定・警告を反映した出力』と理解しておくのが妥当だと考えられます。』
ビジネス上の妥当な解釈のアドバイス。
3.リスク判定システムによるリスク判定・警告がほとんど使えない場合は、「Aさんは、何と言っているのか不明です。」として人間に対応を委ねる。
【0028】
多言語投資アナリストレポートにおける利用
技術翻訳、投資アナリストレポート翻訳、ニュース翻訳
例えば、新興経済国の非英語言語での調査や、現地の社内文書等コンプライアンス管理に応用。
リスク判定システムによる仕訳け、ないし振り分け機能は、次のようなものである。
以下は、人工知能による学習機能、及び、それ以外のデータおよび処理ルーチンの追加により、システムが学習し、より精度の高い対応を行うことができるように発展させることができる。
1.リスク判定システムによるリスク判定・警告がそのまま使える場合、リスク判定システムの出力結果を出力する。
「Aさんは、『・・・(リスク判定システムの出力結果)・・・』と言っています。」
2.リスク判定システムによるリスク判定・警告が一部使える場合、は、次のような出力を行う。
「Aさんは、おそらく、『・・・(リスク判定システムの出力結果)・・・』という趣旨のことを言っているようなのですが、『誤判定リスクを反映したリスク判定システムの適用限界』というところが不明です。大体『リスク判定システムによるリスク判定・警告を反映した出力』と理解しておくのが妥当だと考えられます。』
ビジネス上の妥当な解釈のアドバイス。
3.リスク判定システムによるリスク判定・警告がほとんど使えない場合は、次のような出力を行う。
「Aさんは、何と言っているのか不明です。」この場合、人間の翻訳者に回す。
以上をまとめると、本発明のシステムは、リスク判定システムによるリスク判定・警告とそれが出力されている状況、及び、コミュニケーション言語のメッセージに含まれるコミュニケーションギャップの生じる要因、例えば、誤字・脱字、断片的文章、危険ワード、数量不明確、数値幅あり、単位不明、間違いやすい単位等の要素により出力する結果を変化させることができるようにする。
その変化は、段階により、機械翻訳を返す、機械要約を返す、リスクの内容を提示するインストラクション返す、追加情報求める、翻訳を人の手によるものに回すなどの段階がある。
【0029】
上記リスク判定システムを備えた翻訳ソフトを用いて、
(1) 先進国の技術翻訳、特許翻訳等:日、独、仏、中国、韓国、ポルトガル、ロシア、イタリア等の言語どうしの翻訳を行う。
(2)また、BRICs及びアジア
インド(英語)- 日本語を含む多言語
ブラジル(ポルトガル語)- 日本語を含む多言語
ロシア(ロシア語)- 日本語を含む多言語
中国- 日本語を含む多言語
タイ、ベトナム、インドネシア、ミャンマー、等- 日本語を含む多言語、及び、
(3) エマージングエコノミー
南米(スペイン語)- 日本語を含む多言語
中東(アラビア語)- 日本語を含む多言語
アフリカ(フランス語、英語)- 日本語を含む多言語
東欧(ポーランド語、チェコ語、ウクライナ語など)- 日本語を含む多言語等、機械翻訳ソフトが翻訳することができる言語に適用できる。
段階1 機械翻訳だけ + ビジネスリスク簡易チェック
段階2 日本語で機械翻訳後、英語への機械翻訳でダブルチェック
段階3 段階2の成果を、日本語または英語と、その言語がわかる人間がチェック
段階4 段階2または3の成果を、ビジネスリスク(法律面、誤解の場合の影響評価など含む)
段階5 トラブルが生じたときは、日本人、外国人の法律専門家による調整手配、解決
【0030】
医療における利用
うつ病、自閉症の要因のうち、言語のミスコミュニケーションによって起きる部分を解消。
病気の知識のない人が、受け手に誤解を与える可能性を知らずに用語を用いることに注意喚起を行う。
【0031】
セキュリティにおける利用
外国語で行われる、メールや社外への文書、社内文書などを確認し判定するために用いる。プライバシー配慮等、完全翻訳でなく要約を出力するという本発明の仕訳機能を応用した機能を備えることで現実的なものになり得る。
【0032】
事故防止の安全管理における利用
工場、事業所等のワークスペースにおけるコミュニケーション言語に、通常知られていない危険物質、危険数値等の危険ワードが言語上に含まれる場合などに警報を発する。
インターネットにおけるコンテンツアドバイザーの危険判定等のアルゴリズムを応用してもよい。
通常は危険ワードとして認識されていない語句であっても、組み合わせの語句が共時的に使用されたときに事故が起こる可能性をデータベース化し、事故の予測・防止に用いることも考えられる。
【実施例0033】
以下に、本発明のシステムの実施例として考えられるものを列挙する。本発明の応用の可能性は下記の通り多岐にわたり、当然下記には限定されない。
実施例1 多言語投資アナリストレポートにおける利用
実施例2 技術翻訳
実施例3 会食の話題に関するアドバイス
実施例4 娯楽における話題、特にカラオケにおける局の選択
実施例5 介護施設における 高齢者と、若年者でのコミュニケーションギャップの解消
実施例6 方言のある地方と、方言を知らない観光客や仕事での赴任者との会話におけるコミュニケーションギャップの解消
実施例7 オンライン飲み会による危険ワード防止
実施例8 行政窓口のオンライン対応
実施例9 企業窓口のオンライン対応。例えば、苦情受付窓口。
実施例10 宿泊予約システム
【0034】
本発明のリスク判定システムは、多くの用途に応用でき、例えば、「業界」を横軸にとり、医療、介護、化学、商業、機械、電気、レジャー、等のそれぞれの業界、「解決課題や、結果として得られる効果・利点」を縦軸にとって並べ、それぞれについて、1対1で交点を検討することにより、より多く考え得る。
例えば、縦軸のそれぞれの事項には、誤解トラブル防止、危険感知、緊急通報の機会の検出・提供、不正通報の機会の発見・提供、業務効率化、記録・事後処理等が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、コミュニケーションリスクの提供システム、例えば、多言語機械翻訳において翻訳の効率化を行うシステムを提供でき、通信やソフトウェアの分野の産業に利用可能である。
図1
図2