(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138528
(43)【公開日】2024-10-08
(54)【発明の名称】流体を再循環させる装置および方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20241001BHJP
B24B 57/02 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
H01L21/304 622E
B24B57/02
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024114677
(22)【出願日】2024-07-18
(62)【分割の表示】P 2021529385の分割
【原出願日】2019-11-26
(31)【優先権主張番号】62/774,156
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/892,847
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.iPhone
(71)【出願人】
【識別番号】512003674
【氏名又は名称】メガ・フルイド・システムズ・インク
【氏名又は名称原語表記】MEGA FLUID SYSTEMS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ロバート アイゼラー
(72)【発明者】
【氏名】コウ ムライ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル パーキンス 二世
(57)【要約】
【課題】流体を再循環させる装置および方法の提供。
【解決手段】半導体システムにおいて流体を再循環させる装置を提供する。装置は、基礎部分と、基礎部分の第1の端部に結合された入口部分と、基礎部分の第2の端部に結合されたノズルとを備える。ノズルは、ノズル基礎部分の近傍位置からノズル部分の先端の近傍位置まで延在する螺旋溝を備える。螺旋溝は、外面からノズル部分を貫通してノズル部分の内面まで延在する。半導体再循環システムにおいて装置を使用する方法も開示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条(e)項の下に2018年11月30日出願の米国特
許仮出願第62/774,156号および2019年8月28日出願の米国特許仮出願第
62/892,847号の優先権を主張し、それら仮出願はその全体が参照によって本明
細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、半導体産業において流体を再循環させる装置に関する。より具体的
には、それに限らないが、本発明は、半導体のCMPスラリ原料または同様な材料に使用
して、供給される材料のスラリ健全性への有害な影響を最小限または無しに抑えて、短時
間で高度な均一性を達成する混合を実現する装置に関する。
【背景技術】
【0003】
現在は、機械的ミキサが、55gal(200L)ドラム缶に挿入され、ドラム缶内の
固体および液体(CMP研磨スラリ)の簡単な再循環を補足し均質性を維持するために使
用されている。機械的ミキサの使用は、ミキサ内の粒子の剪断を生じることによって、ス
ラリの健全性に対し有害になることがある。したがって、必要なことは、機械的ミキサの
付加の廃止である。それに加えて、同ドラム缶に対するローラまたはタンブラによる予備
混合の廃止、および少なくとも、ドラム缶内の材料が使用を待つ間の長時間、ローラ/タ
ンブラによって安定した均質性を維持する機能の廃止である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の態様は、半導体産業において流体を再循環させる装置、および同装置を使用す
る方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において本明細書で提供されるのは、基礎部分と、基礎部分の第1の端部に結合
された入口部分と、基礎部分の第2の端部に結合されたノズル部材とを備える装置である
。
【0006】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、装置を得ることを含めて、流体を再循環さ
せる方法である。装置は、基礎部分と、入口部分と、入口部分を基礎部分に第1の端部で
接続する結合部と、基礎部分に第2の端部で結合されたノズル部材とを備える。方法は、
また、装置を再循環システムに結合することを含み得る。方法は、半導体スラリを再循環
システムに通し貯蔵ドラム缶に入れることをさらに含み得る。
【0007】
さらに別の態様では、本明細書で提供されるのは、装置を半導体再循環システムに結合
することを含む、装置を使用する方法である。装置は、基礎部分と、基礎部分の第1の端
部に結合された入口部分と、基礎部分の第2の端部に結合されたノズルとを備え、ノズル
は螺旋溝を有する。方法は、また、スラリを、装置の基礎部分に通しノズルから貯蔵容器
内に送り出すステップを含む。
【0008】
本発明のこれらならびに他の目的、特徴、および利点が、添付図面と併せ、本発明の様
々な態様の以下の詳細な説明によって明らかになるであろう。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
基礎部分と、
前記基礎部分の第1の端部に結合された入口部分と、
前記基礎部分の第2の端部に結合されたノズルと
を備える装置。
(項目2)
前記基礎部分が、
第1の部分と、
前記第1の部分に結合された第2の部分であって、前記第1の部分が第2の部分に対してある角度にある、第2の部分と
を備える、項目1に記載の装置。
(項目3)
前記第2の部分に対する前記第1の部分の前記角度が、90度~160度である、項目2に記載の装置。
(項目4)
前記基礎部分が、
前記第1の部分に第1の端部で、前記第2の部分に第2の端部で結合された接続部
をさらに備える、項目2に記載の装置。
(項目5)
前記基礎部分が、前記接続部において角度設定される、項目4に記載の装置。
(項目6)
前記入口部分が
第1の入口部分と、
第2の入口部分と、
第1の端部および第2の端部を有する入口接続部であって、前記第1の端部が前記第1の入口部分に受け入れられ、前記第2の端部が前記第2の入口部分に受け入れられて、前記第1の入口部分を前記第2の入口部分に結合する、入口接続部と
を備える、項目2に記載の装置。
(項目7)
前記第1の入口部分が、第1の端部から第2の端部へテーパする、項目6に記載の装置。
(項目8)
前記入口接続部が、前記第1の入口部分の外径および前記第2の入口部分の外径より小さい外径を有する、項目6に記載の装置。
(項目9)
前記ノズルが、
ノズル基礎部分と、
前記基礎部分の第1の端部にあるノズル入口と、
前記ノズル基礎部分の前記第1の端部と第2の端部との間で、前記ノズル基礎部分の外面から延出するノズル部分と
を備える、項目6に記載の装置。
(項目10)
前記ノズル部分が、前記第2の基礎部分から先端へ延出するにつれてテーパする、項目9に記載の装置。
(項目11)
前記ノズル部分が
前記ノズル基礎部分の近傍位置から前記ノズル部分の前記先端の近傍位置まで延在する螺旋溝
を備える、項目9に記載の装置。
(項目12)
前記螺旋溝が、外面から前記ノズル部分を貫通して前記ノズル部分の内面まで延在する、項目11に記載の装置。
(項目13)
前記第2の入口部分に第1の端部で、前記基礎部分の前記第1の部分に第2の端部で結合された結合部
をさらに備える、項目11に記載の装置。
(項目14)
前記結合部が、
第1の結合部部分と
第2の結合部部分と、
第1の端部および第2の端部を有する接続部であって、前記第1の端部が前記第1の結合部部分に受け入れられ、前記第2の端部が前記第2の結合部部分に受け入れられて、前記第1の結合部部分を前記第2の結合部部分に結合する、接続部と
を備える、項目13に記載の装置。
(項目15)
装置を使用する方法であって、
第1の装置を半導体再循環システムに結合するステップであって、前記第1の装置が、
第1の基礎部分、
前記第1の基礎部分の第1の端部に結合された第1の入口部分、および
前記第1の基礎部分の第2の端部に結合された第1のノズルであって、螺旋溝を有する第1のノズル
を備える、ステップと、
スラリを、前記第1の装置の前記第1の基礎部分に通し、前記第1のノズルから貯蔵容器内に送り出すステップと
を含む、方法。
(項目16)
前記半導体再循環システムが、
前記スラリを保持する貯蔵容器と、
流体ラインを備える再循環ループと、
前記スラリを混合するために、前記スラリを前記貯蔵容器から汲み出し、前記流体ラインおよび前記第1のノズルを通して給送し、前記貯蔵容器内に戻すためのポンプと
を備える、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記第1のノズルが、ノズル基礎部分とノズル先端との間でテーパする、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記螺旋溝が、外面から前記第1のノズルを貫通して内面まで延在する、項目15に記載の方法。
(項目19)
サンプルバルブを使用して、前記再循環ループの前記流体ラインから前記スラリの定期的サンプルを取得するステップ
をさらに含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
圧力ゲージを用いて前記流体ライン内の前記スラリの流れ圧力を監視するステップと、
ロータメータを使用して体積流量を監視するステップと
をさらに含む、項目18に記載の方法。
(項目21)
前記貯蔵容器が小出しタンクであり、前記再循環システムが前記小出しタンクに結合され、前記第1のノズルが前記小出しタンクの内部に配置される、項目16に記載の方法。
(項目22)
第2の基礎部分と、
前記第2の基礎部分の第1の端部に結合された第2の入口部分と、
前記第2の基礎部分の第2の端部に結合された第2のノズルであって、螺旋溝を有する第2のノズルと
を備える
少なくとも1つの第2の装置
を具備する、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記少なくとも1つの第2の装置が前記再循環システムに結合され、前記第2のノズルが前記小出しタンクの内部に配置され、前記第2のノズルが前記第1のノズルから半径方向に離隔して配置される、項目22に記載の方法。
(項目24)
基礎部分と、
前記基礎部分の第1の端部に結合された入口部分と、
前記基礎部分の第2の端部に結合されたノズルと
を備える装置。
(項目25)
前記基礎部分が
第1の部分と、
前記第1の部分に結合された第2の部分であって、前記第1の部分が第2の部分に対してある角度にある、第2の部分と
を備える、項目24に記載の装置。
(項目26)
前記第2の部分に対する前記第1の部分の前記角度が、90度~160度である、項目25に記載の装置。
(項目27)
前記基礎部分が、
前記第1の部分に第1の端部で、前記第2の部分に第2の端部で結合された接続部
をさらに備える、項目24から26のいずれか一項に記載の装置。
(項目28)
前記基礎部分が前記接続部で角度設定される、項目24から27のいずれか一項に記載の装置。
(項目29)
前記入口部分が
第1の入口部分と、
第2の入口部分と、
第1の端部および第2の端部を有する入口接続部であって、前記第1の端部が前記第1の入口部分に受け入れられ、前記第2の端部が前記第2の入口部分に受け入れられて、前記第1の入口部分を前記第2の入口部分に結合する、入口接続部と
を備える、項目24から28のいずれか一項に記載の装置。
(項目30)
前記第1の入口部分が、第1の端部から第2の端部へテーパする、項目24から29のいずれか一項に記載の装置。
(項目31)
前記入口接続部が、前記第1の入口部分の外径および前記第2の入口部分の外径より小さい外径を有する、項目24から30のいずれか一項に記載の装置。
(項目32)
前記ノズルが、
ノズル基礎部分と、
前記基礎部分の第1の端部にあるノズル入口と、
前記ノズル基礎部分の前記第1の端部と第2の端部との間で、前記ノズル基礎部分の外面から延出するノズル部分と
を備える、項目24から31のいずれか一項に記載の装置。
(項目33)
前記ノズル部分が、前記第2の基礎部分から先端へ延出するにつれてテーパする、項目24から32のいずれか一項に記載の装置。
(項目34)
前記ノズル部分が
前記ノズル基礎部分の近傍位置から前記ノズル部分の前記先端の近傍位置まで延在する螺旋溝
を備える、項目24から33のいずれか一項に記載の装置。
(項目35)
前記螺旋溝が、外面から前記ノズル部分を貫通して前記ノズル部分の内面まで延在する、項目24から34のいずれか一項に記載の装置。
(項目36)
前記第2の入口部分に第1の端部で、前記基礎部分の前記第1の部分に第2の端部で結合された結合部
をさらに備える、項目24から35のいずれか一項に記載の装置。
(項目37)
前記結合部が、
第1の結合部部分と、
第2の結合部部分と、
第1の端部および第2の端部を有する接続部であって、前記第1の端部が前記第1の結合部部分に受け入れられ、前記第2の端部が前記第2の結合部部分に受け入れられて、前記第1の結合部部分を前記第2の結合部部分に結合する、接続部と
を備える、項目24から36のいずれか一項に記載の装置。
(項目38)
装置を使用する方法であって、
第1の装置を半導体再循環システムに結合するステップであって、前記第1の装置が、
第1の基礎部分、
前記第1の基礎部分の第1の端部に結合された第1の入口部分、および
前記第1の基礎部分の第2の端部に結合された第1のノズルであって、螺旋溝を有する第1のノズル
を備える、ステップと、
スラリを、前記第1の装置の前記第1の基礎部分に通し、前記第1のノズルから貯蔵容器内に送り出すステップと
を含む、方法。
(項目39)
前記半導体再循環システムが、
前記スラリを保持する貯蔵容器と、
流体ラインを備える再循環ループと、
前記スラリを混合するために、前記スラリを前記貯蔵容器から汲み出し、前記流体ラインおよび前記第1のノズルを通して給送し、前記貯蔵容器内に戻すためのポンプと
を備える、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記第1のノズルが、ノズル基礎部分とノズル先端との間でテーパする、項目38または39に記載の方法。
(項目41)
前記螺旋溝が、外面から前記第1のノズルを貫通して内面まで延在する、項目38から40のいずれか一項に記載の方法。
(項目42)
サンプルバルブを使用して、前記再循環ループの前記流体ラインから前記スラリの定期的サンプルを取得するステップ
をさらに含む、項目38から41のいずれか一項に記載の方法。
(項目43)
圧力ゲージを用いて前記流体ライン内の前記スラリの流れ圧力を監視するステップと、
ロータメータを使用して体積流量を監視するステップと
をさらに含む、項目38から42のいずれか一項に記載の方法。
(項目44)
前記貯蔵容器が小出しタンクであり、前記再循環システムが前記小出しタンクに結合され、かつ、前記第1のノズルが前記小出しタンクの内部に配置される、項目38から43のいずれか一項に記載の方法。
(項目45)
第2の基礎部分と、
前記第2の基礎部分の第1の端部に結合された第2の入口部分と、
前記第2の基礎部分の第2の端部に結合された第2のノズルであって、螺旋溝を有する第2のノズルと
を備える
少なくとも1つの第2の装置
を具備する、項目38から44のいずれか一項に記載の方法。
(項目46)
前記少なくとも1つの第2の装置が前記再循環システムに結合され、前記第2のノズルが前記小出しタンクの内部に配置され、前記第2のノズルが前記第1のノズルから半径方向に離隔して配置される、項目38から45のいずれか一項に記載の方法。
【0009】
本明細書に組み込まれその一部をなす添付図面は、本発明の実施形態を例示し、本明細
書の詳細な説明と併せて、本発明の原理を説明する役割を果たす。諸図面は、単に、好ま
しい実施形態を例示するためのものであり、本発明を限定するものと解釈すべきでない。
産業界の標準的慣行に従って、様々な形体が、縮尺通りに描かれていないことに留意され
たい。実際に、様々な形体の寸法は、論点を明確にするために任意に拡大または縮小され
得る。本発明の上記ならびに他の目的、特徴、および利点が、添付図面と併せ、以下の詳
細な説明によって明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一態様による混合装置の透視図である。
【
図2】本発明の一態様による、
図1の装置の側面透視図である。
【
図3】本発明の一態様による、
図1の装置の上面透視図である。
【
図4】本発明の一態様による、
図1の装置の第1の側面図である。
【
図5】本発明の一態様による、
図1の装置の第2の側面図である。
【
図6】本発明の一態様による、
図1の装置の上面図である。
【
図7】本発明の一態様による、
図1の装置の底面図である。
【
図8】本発明の一態様による、
図1の装置の第1の端面図である。
【
図9】本発明の一態様による、
図1の装置の第2の端面図である。
【
図10】本発明の一態様による、
図8の線10-10に沿った、
図1の装置の断面図である。
【
図11】本発明の一態様による、
図10に示された装置の透視図である。
【
図12】本発明の一態様による、
図1の装置の分解組立側面図である。
【
図13】本発明の一態様による、
図1の装置の分解組立上面図である。
【
図14】本発明の一態様による、
図1の装置のノズルの透視図である。
【
図15】本発明の一態様による、
図14のノズルの第1の側面図である。
【
図16】本発明の一態様による、
図14のノズルの第2の側面図である。
【
図17】本発明の一態様による、
図14のノズルの第1の端面図である。
【
図18】本発明の一態様による、
図14のノズルの第2の端面図である。
【
図19】本発明の一態様による、
図14の装置のノズルの上面図である。
【
図20】本発明の一態様による、
図14のノズルの底面図である。
【
図21】本発明の一態様による、
図19の線21-21に沿った、
図14のノズルの断面図である。
【
図22】本発明の一態様による、
図21のノズルの透視図である。
【
図23】本発明の一態様による、装置
図1の諸部分の寸法を示す、
図4の第1の側面図である。
【
図24】本発明の一態様による、
図1の装置を備えるシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
一般的に言えば、本明細書で開示されるのは、半導体産業において流体を再循環させる
装置である。さらに、半導体産業において流体を再循環させる装置を使用する方法が開示
される。
【0012】
複数の図を通して同じまたは類似の構成要素を示すのに同じ参照番号が使用される諸図
面を参照し、特に図面1~23を参照すると、たとえば、半導体産業において流体を再循
環させる装置100の例示的実施形態が示されている。装置100は、基礎部分110、
入口部分130、結合部150、およびノズル部材180を備え得る。入口部分130は
、結合部150によって基礎部分110の第1の端部112に結合され得る。ノズル部材
180は、基礎部分110の第2の端部114に結合され得る。基礎部分110、入口部
分130、および結合部150が一体に取り付けられると、通路170が、装置100の
中を延在して形成される。基礎部分110は、第1の部分116と、第2の部分118と
、第1の部分116を第2の部分118に結合する接続部120とを備え得る。第1の部
分116は、たとえば、
図23を参照してより詳細に下記で説明するように、第2の部分
118より長くてよい。接続部120は、たとえば、第1の部分116を第2の部分11
8に対してある角度に配置するように、角度設定され得る。
【0013】
入口部分130は、第1の端部132と、結合部150に接続される第2の端部134
とを備え得る。入口部分130は、また、第1の部分136と、第2の部分138と、第
1の部分136と第2の部分138との間に配置された接続部140とを備え得る。接続
部140は、たとえば、第1の部分136の直径および第2の部分138の直径より小さ
い直径を有し得る。第1の部分136は、
図24を参照してより詳細に下記に説明される
ように、再循環システムに固定され得る。第1の部分136は、たとえば、第1の端部1
32から接続部140へテーパし得る。第2の部分138は、結合部150の一部分に受
け入れられ得る。第2の部分138は、たとえば、第2の部分138の全長に亘って一様
な直径を有し得る。図示されないが、代替実施形態では、第2の部分138は、たとえば
、第2の部分138の全長に亘って様々な直径または変化する直径を有し得る。
【0014】
結合部150は、第1の端部152と、基礎部分110の第1の部分116に結合され
る第2の端部154とを備え得る。結合部150は、また、第1の部分156と、第2の
部分158と、第1の部分156と第2の部分158との間に配置された接続部160と
を備え得る。接続部160は第1の外径を有し得、第1の部分156は第2の外径を有し
得、第2の部分158は第3の外径を有し得る。一実施形態では、第1の外径は、第3の
外径より小さくあり得、第2の外径は、第1および第3の外径より大きくあり得る。さら
に、接続部160の第1の外径は、第1の部分156および第2の部分158の内側係合
部分の内径とほぼ同じ寸法であり得る。両内側係合結合部分は、接続部160を第1の部
分156および第2の部分158の通路内に挿入することを可能にし、接続部160の通
路を第1の部分156および第2の部分158の通路と芯合わせする。第1の部分156
は、基礎部分110の第1の端部112へ結合する。第2の部分158は、基礎部分11
0の第1の部分116に第1の端部112で係合する。
【0015】
引き続き
図1~13を参照すると共に、
図14~22で最も良く分かるように、ノズル
部材180は、第1の端部182および第2の端部184を備え得る。ノズル部材180
は、また、基礎部分186、ノズル部分188、および入口194を備え得る。ノズル部
分188は、たとえば、ノズル部材180の第1の端部182と第2の端部184との間
の基礎部分186の外面から延出し得る。図示の実施形態では、ノズル部分188は、基
礎部分186の第2の端部184の近くに配置される。ノズル部分188は、たとえば、
基礎部分186から先端192へ延出するに従ってテーパする。ノズル部分188は、基
礎部分186の近傍位置からノズル部分188の先端192の近傍位置まで延在する螺旋
チャネルまたは溝190を備える。螺旋溝190は、外面からノズル部分188を貫通し
て内面まで延在する。ノズル部分180は、ノズル部分180の内部を通って延在する開
口196をさらに備え得る。ノズル部材180の第1の端部182は、基礎部分110の
第2の端部114において第2の部分118の内径に受け入れられるように寸法設定され
た外径を有し得る。第2の部分118の内径は、基礎部分110の内部通路170を開口
196の内面と整合させるようにノズル部材180の第1の端部182を受け入れる内側
係合部分を備え得る。
【0016】
図21および22に示されるように、入口194は、基礎部分186を通って延在する
開口196と連通する。開口196は、入口194を螺旋溝190へ接続して、流体がノ
ズル部材180の中を通りそこから出て行くときに混合することを可能にする。さらに、
入口194は、通路170と整合し連通して、たとえば、スラリが、入口部分130、結
合部150、基礎部分110を通り抜けノズル部材180に入ることを可能にする。ノズ
ル部分188は、たとえば、360度の、または半径方向パターンのスラリの上向き渦を
可能にする。ノズル部分188によって生成される上向き渦は、スラリを混合または再循
環することによって生じるスラリの剪断を最小限に抑えまたは無くす。ノズル部分188
によって生成される渦に加えて、基礎部分110の第1の部分116と第2の部分118
との角度もまた、スラリを混合または再循環させることによって生じるスラリの剪断を最
小限に抑えまたは無くし得る。
【0017】
次いで
図23を参照すると、装置100の諸部分の寸法が示される。上記の装置100
の説明に加えて、入口部分130の第1の部分136は、さらに、第1の係合縁部211
を有する第1の工具係合部分210を備え得る。引き続き
図23を参照して、接続部12
0は、接続部中点200を有し得る。装置100は、第1の係合縁部211と接続部中点
200との間を占める第1の長さl
1を有し得る。第1の長さl
1は、たとえば約20イン
チ~約40インチの範囲にあり得る。より具体的には、第1の長さl
1は、約22インチ
~約38インチの範囲にあり得る。いくつかの実施形態では、第1の長さは、約23イン
チ、約31インチ、約32インチ、約35インチ、または約37インチであり得る。
【0018】
引き続き
図23を参照すると、基礎部分110の第1の部分116は、第2の長さl
2
を有し得る。第2の長さl
2は、基礎部分110の第1の端部112と第1の部分116
の第2の端部215との間を占め得る。第2の長さl
2は、たとえば、約15インチ~約
35インチの範囲にあり得る。より具体的には、第2の長さl
2は、約16インチ~約3
5インチの範囲にあり得る。さらにより具体的には、第2の長さl
2は、約17インチ、
約25インチ、約26インチ、約28インチ、または約31インチであり得る。
【0019】
第1の長さl1と第2の長さl2との比(すなわちl1/l2)は、たとえば、約1.1~
約1.5の範囲であり得る。より具体的には、第1の長さl1と第2の長さl2との比(す
なわちl1/l2)は、約1.2~約1.4の範囲であり得る。さらにより具体的には、第
1の長さl1と第2の長さl2との比(すなわちl1/l2)は、約1.2、約1.3、また
は約1.4であり得る。
【0020】
図23に示されるように、接続部120は、第1の部分116と第2の部分118との
間に角度φを生じさせ得る。角度φは、たとえば、約90度~約160度の範囲であり得
る。より具体的には、角度φは、たとえば、約120度~約150度の範囲であり得る。
さらにより具体的には、角度φは、約90度、約112度、約135度、または約157
度であり得る。
【0021】
引き続き
図23を参照すると、基礎部分110の第2の部分118は、第2の工具係合
部分205を備え得る。第2の工具係合部分205は、第2の係合縁部206を備え得る
。装置100は、第2の係合縁部206と接続部中点200との間を占める第3の長さl
3を有し得る。第3の長さl
3は、たとえば、約2インチ~約4インチの範囲にあり得る。
より具体的には、第3の長さl
3は、約2インチ、約2.5インチ、約3インチ、約3.
5インチ、または約4インチであり得る。
【0022】
ノズル部分180の第2の端部184と接続部中点200との間の第4の長さl
4が、
図23に示されている。第4の長さl
4は、たとえば、約5インチ~約7インチの範囲に
あり得る。より具体的には、第4の長さl
4は、たとえば、約5インチ、約5.5インチ
、約6インチ、約6.5インチ、または約7インチであり得る。
【0023】
装置100の一部または全部の構成要素を、部分的または完全に、ペルフルオロアルコ
キシアルカン(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレン
プロピレン(FEP)、または同様な特性を有する代替材などのフルオロポリマによって
製作し得ることが考えられる。装置100の構成要素は、たとえば、全てが1つの材料の
みから製作され、それぞれが異なる材料から製作され、それぞれが材料の組み合わせから
製作され、または、それぞれが、1つの材料のみもしくは材料の組合せのどちらからも製
作され得る。
【0024】
図示されていないが、混合システムは、2つ以上の装置100を備え得る。たとえば、
混合システムは、再循環ラインの端部にそれぞれが接続された第1の装置100および第
2の装置100を備え得る。さらに別の実施形態では、混合システムは、再循環ラインの
端部に結合された装置100をいくつの数でも備え得る。混合システム内の各装置100
は、残りの装置100までの距離が同じでも異なってもよい。
【0025】
流体を再循環させる方法が、さらに開示され、装置100を得ることを含む。装置は、
基礎部分110、入口部分130、入口部分130を基礎部分110に第1の端部112
で接続する結合部150、および基礎部分110に第2のもの114で結合されたノズル
部材180を備える。方法は、また、
図24に示されるように、装置100を再循環シス
テムに結合することを含み得る。方法は、半導体スラリを再循環システムに通し貯蔵ドラ
ム缶300に入れることをさらに含み得る。
【0026】
図24に示されるように、再循環システムは、貯蔵ドラム缶300からスラリを汲み出
す再循環ループ301を備え得る。再循環システムは、再循環ループ301に沿って配置
されたポンプ320、サンプルバルブ310、ロータメータ305、圧力ゲージ315を
さらに備え得る。スラリを、ポンプ320によって貯蔵ドラム缶300から汲み出すこと
ができる。スラリは、次いで、再循環ループ301の中を流れ、装置100を通って貯蔵
ドラム缶300に戻し入れられ得る。スラリが再循環ループ301の中を流れるとき、ス
ラリの健全性および混合の完全性を、再循環ループ301内に配置されたサンプルバルブ
310を介して再循環するスラリを定期的にサンプリングすることによって確認すること
ができる。さらに、体積流量を、再循環ループ301内に配置されたロータメータ305
によって監視することができる。さらに、再循環システムの流れ圧力を、やはり再循環ル
ープ301内に配置された圧力ゲージ315によって監視することができる。図示されて
いないが、スラリの混合を増強するために、装置100が、ノズル部分180をそれぞれ
が有する多数の第2の部分118を備え得ることもさらに考えられる。
【0027】
流体を再循環させる方法は、装置100を使用して、半導体スラリの健全性を維持する
。本明細書で使用されるスラリの健全性とは、原料スラリまたは混合スラリの粒子の物理
的特性を意味する。これら物理的特性には、サイズ(すなわち200nm、500nm、
1μ、5μなど)ごとの粒子数に加えて、粒子分布(単位体積当たりの粒子の総数に対す
るそれぞれのサイズバケット内の粒子の数)、平均粒子サイズとしても知られているD5
0、最大粒子サイズ、弱凝集体の量およびタイプ、強凝集体の量およびタイプ、ならびに
その他いくつかが含まれる。殆どのエンドユーザ(CMPグループ)にとっては、実際上
、粒子サイズおよび分布が、測定するのに最も容易であり、したがって、大きい粒子、ま
たは小さ過ぎる粒子(アンダーサイズ粒子)、D50のシフト、または最大粒子サイズか
ら生じるウェーハの欠陥に関係付けるのに最も容易であることが分かる。これらは、ウェ
ーハの欠陥および収益の損失の直接的な原因と突き止められている。
【0028】
このように、装置100を使用する方法は、原料スラリ流を再循環するのに利用する既
存のエネルギー(再循環ポンプ320によって供給される)を使用してスラリを混合し、
それによって、粒子の剪断(分布を変え、微細な粒子を生成する)を減少しまたは実質的
に無くす。使用されるスラリは、市場の需要(たとえば最新のiPhoneおよびGal
axyの)に合わせて絶えず変化しているので、単位体積当たりの粒子の数は、2~3百
万/ccから5~6百万/ccに増えてきている。これらは、ときには、ナノスラリとし
ても知られている。すなわち、上記の方法は、供給業者の初期のサイズおよび分布特性を
維持するように設計されている。
【0029】
別の実施形態では、均質性を維持するために、装置100を有する再循環システムが、
たとえば円錐形底部を有する265Lなど、タンクの上部に装着され得る。タンクは、た
とえば、他のシステムにスラリを供給する「小出しタンク」でもよい。装置100は、「
小出しタンク」における場合もスラリを混合し続けることによって、スラリの均質状態の
維持を補助する。「小出しタンク」を使用するとき、装置100の第1の部分116の長
さは、タンクの寸法に基づいて変えることができる。さらに、装置100の第2の部分1
18の長さも、タンクの寸法に基づいて変えることができる。たとえば、タンクが大きけ
れば、第1の部分116および第2の部分118が長くなり得る。
【0030】
さらに別の実施形態では、少なくとも1つの装置100を有する再循環システムを、た
とえば、円錐形底部ユニットを有する少なくとも500Lタンクであり得る「小出しタン
ク」の上部に装着することができる。少なくとも1つの装置100は、「小出しタンク」
における場合もスラリを混合し続けることによって、スラリの均質状態の維持を補助する
。「小出しタンク」の上部に装着された少なくとも1つの装置100を使用する方法は、
追加のドラム缶のスラリを大きなタンクに混入して、そのタンク内を所望のレベルに維持
することを含み得る。追加のドラム缶のスラリが大きなタンクに加えられると、少なくと
も1つの装置100が、ドラム缶のスラリ間のどんな小さなばらつきでもより大きい体積
全体に拡散するように既存のスラリに新しいスラリを混合して、たとえば粒子サイズ分布
、pH、密度など、材料の大幅な変化のリスクを著しく軽減することを可能にする。いか
なるばらつきもより大きな体積全体に混和することによって、欠陥を回避し、最悪な場合
でも、再処理によってウェーハを救済することができる十分に軽度な事態にとどめること
が可能になり得る。
【0031】
より大きいタンクを使用する方法は、より大きいタンク内の混合を維持するために、タ
ンクに2つ以上の装置100を挿入することを含み得る。たとえば、500Lタンクに関
し、再循環ラインを分割し、2つの装置100に結合して2つのノズル188を設けるこ
とができる。2つのノズル188は、より大きいタンク内の混合を維持するために、たと
えば180°離隔配置してもよい。さらに、2つの装置100の長さは、たとえば、1つ
の装置100が第2の装置100より長くなるように変化させてもよい。異なる長さの2
つの装置100では、方法は、タンクが一杯のときには両方のノズル188を使用し、次
いで、タンク内のスラリのレベルが特定のレベル以下に下がったときには、2つのノズル
188の少なくとも1つへの流れを止めることを含み得る。タンク内のスラリのレベルに
基づいて、スラリが流れ通るノズル188の数を調節する能力は、ユーザがスラリの過混
合を回避し、スラリの健全性を保持することを可能にする。別の大きいタンクでは、必要
な混合を達成するために3つ以上の装置100を備え得ることも考えられる。3つ以上の
装置100を有するタンクに関し、たとえば、ノズル188は、最大効果および所望の混
合を達成するために、タンクを廻って半径方向に離隔させてもよい。3つ以上のノズル1
88を有する実施形態では、一部の装置100または全ての装置100の長さは、タンク
内のスラリのレベルに応じてノズル188を閉じることを可能にするために異なり得る。
【0032】
本明細書に使用される術語は、単に、特定の実施形態を説明するためのものであり、本
発明を限定することを意図するものではない。本明細書に使用される単数形「a」、「a
n」および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形もまた
含むものとする。用語「comprise」(および「comprises」、「com
prising」などcompriseのあらゆる形)、「have」(および「has
」、「having」などhaveのあらゆる形)、「include」(および「in
cludes」、「including」などincludeのあらゆる形)、ならびに
「contain」(および「contains」、「containing」などco
ntainのあらゆる形)は、開放型連結動詞であることをさらに理解されたい。その結
果、1つ以上のステップまたは要素を「comprises」、「has」、「incl
udes」、または「contains」する方法または装置は、それら1つ以上のステ
ップまたは要素を有するが、それら1つ以上のステップまたは要素のみを有することに限
定されない。同様に、1つ以上の特徴を「comprises」、「has」、「inc
ludes」、または「contains」する方法のステップまたは装置の要素は、そ
れら1つ以上の特徴を有するが、それら1つ以上の特徴のみを有することに限定されない
。さらに、ある態様で構成された装置または構造は、少なくともその態様で構成されるが
、言及されていない態様でも構成することができる。
【0033】
本発明が、好ましい実施形態を参照して説明されてきた。本明細書で説明された構造上
および運用上の実施形態は、同じ全般的特徴、特性、および全般的システム運用を実現す
るための複数の可能な構成の例示であることを理解されたい。上記の詳細な説明を読み理
解すれば、変更形態および代替形態が、他者にも考え付くであろう。本発明は、全てのそ
のような変更形態および代替形態を含むものと理解されるべきである。
【外国語明細書】