(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138572
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】端末装置および基地局装置
(51)【国際特許分類】
H04L 27/26 20060101AFI20241002BHJP
H04W 72/20 20230101ALI20241002BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20241002BHJP
H04J 13/14 20110101ALI20241002BHJP
【FI】
H04L27/26 200
H04W72/04 136
H04W72/04 133
H04L27/26 114
H04J13/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021135432
(22)【出願日】2021-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100157200
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 茂孝
(74)【代理人】
【識別番号】100160783
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 裕之
(72)【発明者】
【氏名】中村 理
(72)【発明者】
【氏名】留場 宏道
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA04
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
【課題】PAPRの低い参照信号を送信すること。
【解決手段】参照信号を生成する上りリンク参照信号生成部と、前記基地局装置から送信される、少なくとも割り当てサブキャリア数と帯域拡張に関する情報を含む制御情報を受信する受信部とを備え、前記上りリンク参照信号生成部は、前記割り当てサブキャリア数と帯域拡張に関する情報に基づいて算出される拡張後サブキャリア数に基づいてZadoff-Chu系列を生成し、生成されたZadoff-Chu系列を巡回拡張することで前記拡張後サブキャリア数と同数の系列長の参照信号系列を生成する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置と通信を行う端末装置であって、
参照信号を生成する上りリンク参照信号生成部と、
前記基地局装置から送信される、少なくとも割り当てサブキャリア数と、帯域拡張に関する情報と、前記上りリンク参照信号の構成タイプに関する情報を含む制御情報を受信する受信部とを備え、
前記上りリンク参照信号生成部は、少なくとも前記割り当てサブキャリア数と、前記帯域拡張に関する情報と、前記上りリンク参照信号の構成タイプに関する情報に基づいて算出される拡張後サブキャリア数に基づいてZadoff-Chu系列を生成し、生成された
Zadoff-Chu系列を巡回拡張することで前記拡張後サブキャリア数と同数の系列
長の参照信号系列を生成する、
端末装置。
【請求項2】
前記Zadoff-Chu系列の系列長は、前記拡張後サブキャリア数を超えない最大の
素数で生成される、請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記Zadoff-Chu系列の系列長は、前記拡張後サブキャリア数を超えない最大の
素数より短く、前記割り当てサブキャリア数を超えない最大の素数より長い、請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
前記Zadoff-Chu系列の系列長に関する情報は、制御情報によって前記基地局
装置から通知される、請求項3記載の端末装置。
【請求項5】
端末装置と通信を行う基地局装置であって、
少なくとも割り当てサブキャリア数と帯域拡張に関する情報を含む制御情報を生成する制御部と、
前記端末装置が送信する、前記割り当てサブキャリア数と帯域拡張に関する情報に基づいて算出される拡張後サブキャリア数に基づいて生成されたZadoff-Chu系列を、
前記拡張後サブキャリア数と同数の系列長となるように巡回拡張された上りリンク参照信号を受信する無線受信部を備える基地局装置。
【請求項6】
前記Zadoff-Chu系列の系列長は、前記拡張後サブキャリア数を超えない最大の
素数で生成される、請求項5に記載の基地局装置。
【請求項7】
前記Zadoff-Chu系列の系列長は、前記拡張後サブキャリア数を超えない最大の
素数より短く、前記割り当てサブキャリア数を超えない最大の素数より長い、請求項5に記載の基地局装置。
【請求項8】
前記Zadoff-Chu系列の系列長に関する情報は前記制御情報に含まれる、請求
項7記載の基地局装置。
【請求項9】
前記上りリンク参照信号には、第1の参照信号と、第2の参照信号とが含まれ、
前記第2の参照信号の設定される信号系列長は、前記第1の参照信号系列長より長い、請求項1に記載の端末装置。
【請求項10】
さらに第1の制御信号フィールドと第2の制御信号フィールドと、を送信し、
前記第2の制御信号フィールドの周波数スペクトルの帯域幅は、前記第1の制御信号フィールドの周波数スペクトルの帯域幅より大きい、請求項9に記載の端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置および基地局装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(Third Generation Partnership Project)で仕様化された第5世代移動通信システムの規格であるNR(New Radio)では、 NRでは14個のOFDMシンボルで
1スロットを構成しており、1スロット内に少なくとも1つの復調用参照信号(Demodulation Reference Signal; DMRS)を配置する。DMRSにZC(Zadoff-Chu)系列を用いる場合、データスペクトルの帯域幅がMサブキャリアの場合、Mを超えない最大の素数によってZC系列の系列長mを生成し、系列長mのZC系列を巡回拡張することで、長さMのDMRS系列を生成する仕様になっている。つまり系列長Mの中で同じ振幅・位相を持つ系列が複数回現れることになる。
【0003】
またNRでは、アクセス方式としてCP-OFDM(Cyclic Prefix Orthogonal Frequency Division Multiplexing)が採用されており、特にアップリンクではCP-OFDMよりDFT-S-OFDM(Discrete Fourier Transform Spread OFDM)も採用されている。これはDFT-S-OFDMがCP-OFDMよりもPAPR(Peak-to-Average Power Ratio)が低く、増幅器への負担が少ないためである。B5G(Beyond5G)の時代では、5Gの時代よりもさらに多くの機器がインターネットにつながるようになることが考えられ、より低いコストで端末を生成する必要がある。またさらに、B5Gでは5Gよりも高い周波数を用いることが検討されている。高い周波数は距離減衰も大きいため、多数のアンテナ(アンテナポートあるいはアンテナエレメント)でペンシルビームを形成し、高い電界強度を確保する必要がある。ところがアンテナ毎に増幅器を必要とするため、アンテナ数が多くなると、製造コストが上がってしまうという問題がある。つまり高周波数を用いる場合においても、増幅器のコストを下げるため、PAPRを下げることが望ましい。そこで非特許文献1では、周波数利用効率を犠牲にしてPAPRを下げる方法が提案されている。提案法では、帯域を(1+α)倍に拡張し、拡張された帯域に対してスペクトル形成を適用することでPAPRを下げることができる。帯域の拡張方法としては、送信すべき周波数スペクトルを周波数領域で巡回拡張を行うことが提案されている。
【0004】
NRでは14個のOFDMシンボルで1スロットを構成しており、1スロット内に少なくとも1つの復調用参照信号(Demodulation Reference Signal; DMRS)を配置する。DMRSにZC(Zadoff-Chu)系列を用いる場合、データスペクトルの帯域幅がMサブキャリアの場合、Mを超えない最大の素数によってZC系列の系列長mを生成し、系列長mのZC系列を巡回拡張することで、長さMのDMRS系列を生成する仕様になっている。つまり系列長Mの中で同じ振幅・位相を持つ系列が複数回現れることになる。
【0005】
非特許文献1の技術はデータ信号だけではなくDMRSにも適用することができ、適用方法が非特許文献2に記載されている。非特許文献2では、巡回拡張された系列長Mを巡回拡張によって(1+α)Mに拡張する技術を従来法として説明している。従来法では、巡回拡張された系列長Mを拡張するため、拡張されたサブキャリアとの間で、ZC系列が不連続となるところが存在するため、PAPRが高くなってしまう。そこで、巡回拡張される前の系列長mのZC系列を巡回拡張により(1+α)Mに拡張することが非特許文献2で提案されている。提案法では、従来法で見られる不連続点が存在しなくなるため、PAPRを削減することが可能となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Nokia, Nokia Shanghai Bell, 3GPP RAN Rel-18 Workshop, RWS-210076, June 2021.
【非特許文献2】I. P. Nasarre, et al., in IEEE Open Journal of the Communications Society, vol. 2, pp. 1188-1204, 2021.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献2において、帯域拡張を行う場合におけるDMRSの生成法について提案されているが、帯域が拡大されたにもかかわらず、短いZC系列を用いることになる。短い系列長を巡回拡張によって繰り返し用いた場合、長い系列長を用いた場合と比較してPAPRが高くなることが考えられる。
【0008】
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、帯域拡張を行う場合に、PAPRの低いDMRSを生成できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために本発明に係る基地局装置、端末装置および通信方法の構成は、次の通りである。
【0010】
(1)本発明の一態様は、基地局装置と通信を行う端末装置であって、参照信号を生成する上りリンク参照信号生成部と、前記基地局装置から送信される、少なくとも割り当てサブキャリア数と、帯域拡張に関する情報と、前記上りリンク参照信号の構成タイプに関する情報を含む制御情報を受信する受信部とを備え、前記上りリンク参照信号生成部は、少なくとも前記割り当てサブキャリア数と、前記帯域拡張に関する情報と、前記上りリンク参照信号の構成タイプに関する情報に基づいて算出される拡張後サブキャリア数に基づいてZadoff-Chu系列を生成し、生成されたZadoff-Chu系列を巡回拡張することで前記拡張後サブキャリア数と同数の系列長の参照信号系列を生成する。
(2)本発明の一態様は、前記Zadoff-Chu系列の系列長は、前記拡張後サブ
キャリア数を超えない最大の素数で生成される。
(3)本発明の一態様は、前記Zadoff-Chu系列の系列長は、前記拡張後サブ
キャリア数を超えない最大の素数より短く、前記割り当てサブキャリア数を超えない最大の素数より長い。
(4)本発明の一態様は、前記Zadoff-Chu系列の系列長に関する情報は、制
御情報によって前記基地局装置から通知される。
(5)本発明の一態様は、端末装置と通信を行う基地局装置であって、少なくとも割り当てサブキャリア数と帯域拡張に関する情報を含む制御情報を生成する制御部と、前記無線受信部は、前記端末装置が送信する、前記割り当てサブキャリア数と帯域拡張に関する情報に基づいて算出される拡張後サブキャリア数に基づいて生成されたZadoff-C
hu系列を、前記拡張後サブキャリア数と同数の系列長となるように巡回拡張された上りリンク参照信号を受信する
(6)本発明の一態様は、前記Zadoff-Chu系列の系列長は、前記拡張後サブ
キャリア数を超えない最大の素数で生成される。
(7)本発明の一態様は、前記Zadoff-Chu系列の系列長は、前記拡張後サブ
キャリア数を超えない最大の素数より短く、前記割り当てサブキャリア数を超えない最大の素数より長い。
(8)本発明の一態様は、前記Zadoff-Chu系列の系列長に関する情報は前記
制御情報に含まれる。
(9)本発明の一態様は、前記上りリンク参照信号には、第1の参照信号と、第2の参照信号とが含まれ、前記第2の参照信号の設定される信号系列長は、前記第1の参照信号
系列長より長い。
(10)本発明の一態様は、さらに第1の制御信号フィールドと第2の制御信号フィールドと、を送信し、前記第2の制御信号フィールドの周波数スペクトルの帯域幅は、前記第1の制御信号フィールドの周波数スペクトルの帯域幅より大きい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一又は複数の態様によれば、DMRSの時間波形のPAPRを低減させることで、安価な増幅器を用いて通信機器を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係る通信システム1の構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る基地局装置の構成例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
【
図4】割当サブキャリア数M
ZC=36の時のZC系列長を示す図である。
【
図5】帯域拡張を適用した場合のDMRS系列の従来例を示す図である。
【
図6】帯域拡張を適用した場合のDMRS系列を示す図である。
【
図7】帯域拡張を適用した場合のDMRS系列のPAPR特性を示す図である。
【
図8】帯域拡張および周波数領域フィルタリングを適用した場合のDMRS系列のイメージ図を示す図である。
【
図9】送信フレームフォーマットの一例を示す概要図である。
【
図10】オーバーヘッド抑圧を目的として、送信フレームフォーマットの一例を示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施形態に係る通信システムは、基地局装置(セル、スモールセル、サービングセル、コンポーネントキャリア、eNodeB、Home eNodeB、gNodeB)および端末装置(端末、移動端末、UE:User Equipment)を備える。該通信システムにおいて、下りリンクの場合、基地局装置は送信装置(送信点、送信アンテナ群、送信アンテナポート群、TRP(Tx/Rx Point))となり、端末装置は受信装置(受信点、受信端末、受信アンテナ群、受信アンテナポート群)となる。上りリンクの場合、基地局装置は受信装置となり、端末装置は送信装置となる。前記通信システムは、D2D(Device-to-Device、sidelink)通信にも適用可能である。その場合、送信装置も受信装置も共に端末装置になる。
【0014】
前記通信システムは、人間が介入する端末装置と基地局装置間のデータ通信に限定されるものに限定されない。つまり、MTC(Machine Type Communication)、M2M通信(Machine-to-Machine Communication)、IoT(Internet of Things)用通信、NB-IoT(Narrow Band-IoT)等(以下、MTCと呼ぶ)の人間の介入を必要としないデータ通信の形態にも、適用することができる。この場合、端末装置がMTC端末となる。前記通信システムは、上りリンク及び下りリンクにおいて、CP-OFDM(Cyclic Prefix - Orthogonal Frequency Division Multiplexing)等のマルチキャリア伝送方式を用いることができる。前記通信システムは、上りリンクにおいて、Transform precoderに関する上位層パラメータが設定された場合、Transform precodingを適用、つまりDFTを適用するDFTS-OFDM(Discrete Fourier Transform Spread - Orthogonal Frequency Division Multiplexing、SC-FDMAとも称される)等の伝送方式を用いる。なお、以下では、上りリンク及び下りリンクにおいて、OFDM伝送方式を用いた場合で説明するが、これに限らず、他の伝送方式を適用することができる。
【0015】
本実施形態における基地局装置及び端末装置は、無線事業者がサービスを提供する国や地域から使用許可(免許)が得られた、いわゆるライセンスバンド(licensed band)と呼ばれる周波数バンド、及び/又は、国や地域からの使用許可(免許)を必要としない、いわゆるアンライセンスバンド(unlicensed band)と呼ばれる周波数バンドで通信することができる。
【0016】
本実施形態において、“X/Y”は、“XまたはY”の意味を含む。本実施形態において、“X/Y”は、“XおよびY”の意味を含む。本実施形態において、“X/Y”は、“Xおよび/またはY”の意味を含む。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る通信システム1の構成例を示す図である。本実施形態における通信システム1は、基地局装置10、端末装置20を備える。カバレッジ10aは、基地局装置10が端末装置20と接続(通信)可能な範囲(通信エリア)である(セルとも呼ぶ)。なお、基地局装置10は、カバレッジ10aにおいて、複数の端末装置20を収容することができる。
【0018】
図1において、上りリンク無線通信r30は、少なくとも以下の上りリンク物理チャネルを含む。上りリンク物理チャネルは、上位層から出力された情報を送信するために使用される。
・物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)
・物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)
・物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)
【0019】
PUCCHは、上りリンク制御情報(Uplink Control Information: UCI)を送信する
ために用いられる物理チャネルである。上りリンク制御情報は、下りリンクデータに対する肯定応答(positive acknowledgement: ACK)/否定応答(Negative acknowledgement:
NACK)を含む。ここで下りリンクデータとは、Downlink transport block、 Medium Access Control Protocol Data Unit: MAC PDU、 Downlink-Shared Channel: DL-SCH、 Physical Downlink Shared Channel: PDSCH等を示す。ACK/NACKは、HARQ-ACK(Hybrid Automatic Repeat request ACKnowledgement)、HARQフィードバック、HARQ応答、または、HARQ制御情報、送達確認を示す信号とも称される。
【0020】
NRは、少なくともPUCCHフォーマット0、PUCCHフォーマット1、PUCCHフォーマット2、PUCCHフォーマット3、PUCCHフォーマット4という5つのフォーマットをサポートする。PUCCHフォーマット0およびPUCCHフォーマット2は、1または2のOFDMシンボルから構成され、それ以外のPUCCHは4~14のOFDMシンボルから構成される。またPUCCHフォーマット0およびPUCCHフォーマット1の帯域幅12サブキャリアから構成される。また、PUCCHフォーマット0では、12サブキャリアかつ1OFDMシンボル(あるいは2OFDMシンボル)のリソースエレメントで1ビット(あるいは2ビット)のACK/NACKが送信される。
【0021】
上りリンク制御情報は、初期送信のためのPUSCH(Uplink-Shared Channel: UL-SCH)リソースを要求するために用いられるスケジューリングリクエスト(Scheduling Request: SR)を含む。スケジューリングリクエストは、初期送信のためのUL-SCHリソースを要求することを示す。
【0022】
上りリンク制御情報は、下りリンクのチャネル状態情報(Channel State Information:
CSI)を含む。前記下りリンクのチャネル状態情報は、好適な空間多重数(レイヤ数)を示すランク指標(Rank Indicator: RI)、好適なプレコーダを示すプレコーディング行列指標(Precoding Matrix Indicator: PMI)、好適な伝送レートを指定するチャネル品質
指標(Channel Quality Indicator: CQI)などを含む。前記PMIは、端末装置によって
決定されるコードブックを示す。該コードブックは、物理下りリンク共有チャネルのプレコーディングに関連する。
【0023】
NRでは、上位層パラメータRI制限を設定することができる。RI制限には複数の設定パラメータが存在し、1つはタイプ1シングルパネルRI制限であり、8ビットで構成
される。ビットマップパラメータであるタイプ1シングルパネルRI制限は、ビット系列r7、…r2、r1を形成する。ここでr7、はMSB(Most Significant Bit)であり、r0、はLSB(Least Significant Bit)である。riがゼロの時(iは0、1、…7)、i+1レイヤに関連付いたプリコーダに対応するPMIとRIレポーティングは許容されない。RI制限にはタイプ1シングルパネルRI制限の他にタイプ1マルチパネルRI制限があり、4ビットで構成される。ビットマップパラメータであるタイプ1マルチパネルRI制限は、ビット系列r4、r3、r2、r1を形成する。ここでr4、はMSBであり、r0、はLSBである。riがゼロの時(iは0、1、2、3)、i+1レイヤに関連付いたプリコーダに対応するPMIとRIレポーティングは許容されない。
【0024】
前記CQIは、所定の帯域における好適な変調方式(例えば、QPSK、16QAM、64QAM、256QAMAMなど)、符号化率(coding rate)、および周波数利用効
率を指し示すインデックス(CQIインデックス)を用いることができる。端末装置は、PDSCHのトランスポートブロックがブロック誤り確率(BLER)=0.1を超えずに受信可能であろうCQIインデックスをCQIテーブルから選択する。ただし上位層シグナリングによって所定のCQIテーブルが設定された場合には、BLER=0.00001を超えずに受信可能であろうCQIインデックスをCQIテーブルから選択する。
【0025】
PUSCHは、上りリンクデータ(Uplink Transport Block、Uplink-Shared Channel:
UL-SCH)を送信するために用いられる物理チャネルであり、伝送方式としては、CP-
OFDM、もしくはDFT-S-OFDMが適用される。PUSCHは、前記上りリンクデータと共に、下りリンクデータに対するHARQ-ACKおよび/またはチャネル状態情報等の制御情報を送信するために用いられてもよい。PUSCHは、チャネル状態情報のみを送信するために用いられてもよい。PUSCHはHARQ-ACKおよびチャネル状態情報のみを送信するために用いられてもよい。
【0026】
PUSCHは、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)シグナリングを送
信するために用いられる。RRCシグナリングは、RRCメッセージ/RRC層の情報/RRC層の信号/RRC層のパラメータ/RRC情報要素とも称される。RRCシグナリングは、無線リソース制御層において処理される情報/信号である。基地局装置から送信されるRRCシグナリングは、セル内における複数の端末装置に対して共通のシグナリングであってもよい。基地局装置から送信されるRRCシグナリングは、ある端末装置に対して専用のシグナリング(dedicated signalingとも称する)であってもよい。すなわち
、ユーザ装置スペシフィック(ユーザ装置固有)な情報は、ある端末装置に対して専用のシグナリングを用いて送信される。RRCメッセージは、端末装置のUE Capabilityを含めることができる。UE Capabilityは、該端末装置がサポートする機能を示す情報である。
【0027】
PUSCHは、MAC CE(Medium Access Control Element)を送信するために用
いられる。MAC CEは、媒体アクセス制御層(Medium Access Control layer)にお
いて処理(送信)される情報/信号である。例えば、パワーヘッドルームは、MAC CEに含まれ、PUSCHを経由して報告されてもよい。すなわち、MAC CEのフィールドが、パワーヘッドルームのレベルを示すために用いられる。RRCシグナリング、および/または、MAC CEを、上位層の信号(higher layer signaling)とも称する。RRCシグナリング、および/または、MAC CEは、トランスポートブロックに含ま
れる。
【0028】
PRACHは、ランダムアクセスに用いるプリアンブルを送信するために用いられる。PRACHは、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために用いられる。PRACHは、初期コネクション確立(initial connection establishment)プロシージャ、ハンドオーバプロシージャ、コネクション再確立(connection re-establishment)プロシージ
ャ、上りリンク送信に対する同期(タイミング調整)、およびPUSCH(UL-SCH)リソースの要求を示すために用いられる。
【0029】
上りリンクの無線通信では、上りリンク物理信号として上りリンク参照信号(Uplink Reference Signal: UL RS)が用いられる。上りリンク参照信号には、復調用参照信号(Demodulation Reference Signal: DMRS)、サウンディング参照信号(Sounding Reference Signal: SRS)、位相追従信号(Phase Tracking Reference Signal: PTRS)等が含まれる。DMRSは、物理上りリンク共有チャネル/物理上りリンク制御チャネルの送信に関連する。例えば、基地局装置10は、物理上りリンク共有チャネル/物理上りリンク制御チャネルを復調するとき、伝搬路推定/伝搬路補正を行うために復調用参照信号を使用する。
【0030】
PUSCHについてトランスフォームプリコーディングが不適用されない場合(ディスエイブルな場合)、DMRS系列は疑似ランダム系列を用いて生成される。一方、PUSCHについてトランスフォームプリコーディングが適用される場合(エイブルな場合)、所定の条件以外においては、DMRS系列は低PAPR系列を用いて生成される。系列長MZC(長さ36以上)の低PAPR系列r(n)は、xq(n mod NZC)で表される。ここで、Zadoff-Chu(ZC)系列xq(m)=exp(-jπqm(m-1)/NZC)であり、NZCはNZC≦MZCとなる最大の素数で与えられる。このように、ZC系列を用いてDMRS系列を生成する場合、系列長NZCのZC系列を巡回的に繰り返して用いることにより、系列長MZCのDMRS系列を生成する。
【0031】
SRSは、物理上りリンク共有チャネル/物理上りリンク制御チャネルの送信に関連しない。基地局装置10は、上りリンクのチャネル状態を測定(CSI Measurement)するた
めにSRSを使用する。
【0032】
PTRSは、物理上りリンク共有チャネル/物理上りリンク制御チャネルの送信に関連する。基地局装置10は、位相追従のためにPTRSを使用する。
【0033】
図1において、下りリンクr31の無線通信では、少なくとも以下の下りリンク物理チャネルが用いられる。下りリンク物理チャネルは、上位層から出力された情報を送信するために使用される。
・物理報知チャネル(PBCH)
・物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)
・物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)
【0034】
PBCHは、端末装置で共通に用いられるマスターインフォメーションブロック(Master Information Block: MIB、 Broadcast Channel: BCH)を報知するために用いられる。MIBはシステム情報の1つである。例えば、MIBは、下りリンク送信帯域幅設定、システムフレーム番号(SFN:System Frame number)を含む。MIBは、PBCHが送信されるスロットの番号、サブフレームの番号、および、無線フレームの番号の少なくとも一部を指示する情報を含んでもよい。
【0035】
PDCCHは、下りリンク制御情報(Downlink Control Information: DCI)を送信す
るために用いられる。DCIはダイナミックシグナリングあるいはL1シグナリングとも称される。下りリンク制御情報は、用途に基づいた複数のフォーマット(DCIフォーマットとも称する)が定義される。1つのDCIフォーマットを構成するDCIの種類やビット数に基づいて、DCIフォーマットは定義されてもよい。各フォーマットは、用途に応じて使われる。下りリンク制御情報は、下りリンクデータ送信のための制御情報と上りリンクデータ送信のための制御情報を含む。下りリンクデータ送信のためのDCIフォーマットは、下りリンクアサインメント(または、下りリンクグラント)とも称する。上りリンクデータ送信のためのDCIフォーマットは、上りリンクグラント(または、上りリンクアサインメント)とも称する。
【0036】
1つの下りリンクアサインメントは、1つのサービングセル内の1つのPDSCHのスケジューリングに用いられる。下りリンクグラントは、該下りリンクグラントが送信されたスロットと同じスロット内のPDSCHのスケジューリングのために少なくとも用いられてもよい。下りリンクアサインメントには、PDSCHのための周波数領域リソース割り当て、時間領域リソース割り当て、PDSCHに対するMCS(Modulation and Coding Scheme)、初期送信または再送信を指示するNDI(New Data Indicator)、下りリンクにおけるHARQプロセス番号を示す情報、誤り訂正符号化時にコードワードに加えられた冗長性の量を示すRedudancy versionなどの下りリンク制御情報が含まれる。コードワードは、誤り訂正符号化後のデータである。下りリンクアサインメントはPUCCHに対する送信電力制御(TPC:Transmission Power Control)コマンド、PUSCHに対するTPCコマンドを含めてもよい。上りリンクグラントは、PUSCHを繰り返し送信する回数を示すアグリゲーションレベル(送信繰り返し回数)を含めてもよい。なお、各下りリンクデータ送信のためのDCIフォーマットには、上記情報のうち、その用途のために必要な情報(フィールド)が含まれる。
【0037】
1つの上りリンクグラントは、1つのサービングセル内の1つのPUSCHのスケジューリングを端末装置に通知するために用いられる。上りリンクグラントは、PUSCHを送信するためのリソースブロック割り当てに関する情報(リソースブロック割り当ておよびホッピングリソース割り当て)、時間領域リソース割り当て、PUSCHのMCSに関する情報(MCS/Redundancy version)、DMRSポートに関する情報、PUSCHの再送に関する情報、PUSCHに対するTPCコマンド、下りリンクのチャネル状態情報(Channel State Information: CSI)要求(CSI request)、など上りリンク制御情報を含む。上りリンクグラントは、上りリンクにおけるHARQプロセス番号を示す情報、リダンダンシーバージョンを示す情報、PUCCHに対する送信電力制御(TPC:Transmission Power Control)コマンド、PUSCHに対するTPCコマンドを含めてもよい。なお、各上りリンクデータ送信のためのDCIフォーマットには、上記情報のうち、その用途のために必要な情報(フィールド)が含まれる。
【0038】
DMRSシンボルを送信するOFDMシンボル番号(ポジション)は、イントラ周波数ホッピングが適用されず、PUSCHマッピングタイプAの場合、スロットの初めのOFDMシンボルとそのスロットでスケジュールされたPUSCHリソースの最後のOFDMシンボルの間のシグナリングされた期間によって与えられる。イントラ周波数ホッピングが適用されず、PUSCHマッピングタイプBの場合、DMRSシンボルを送信するOFDMシンボル番号(ポジション)は、スケジュールされたPUSCHリソース期間によって与えられる。イントラ周波数ホッピングが適用される場合、ホップあたりの期間で与えられる。PUSCHマッピングタイプAに関して、先頭のDMRSのポジションを示す上位層パラメータが2である場合のみ、追加のDMRS数を示す上位層パラメータが3の場合がサポートされる。またPUSCHマッピングタイプAに関して、4シンボル期間は、先頭のDMRSのポジションを示す上位層パラメータが2である場合のみ適用可能である。
【0039】
PDCCHは、下りリンク制御情報に巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check: CRC)を付加して生成される。PDCCHにおいて、CRCパリティビットは、所定の識別子を用いてスクランブル(排他的論理和演算、マスクとも呼ぶ)される。パリティビットは、C-RNTI(Cell-Radio Network Temporary Identifier)、CS(Configured Scheduling)-RNTI、Temporary C-RNTI、P(Paging)-RNTI、SI(System Information)-RNTI、またはRA(Random Access)-RNTI、SP-CSI(Semi-Persistent Channel State-Information)-RNTI、MCS-C-RNTIでスクランブルされる。C-RNTIおよびCS-RNTIは、セル内において端末装置を識別するための識別子である。Temporary C-RNTIは、コンテンションベースランダムアクセス手順(contention based random access procedure)中に、ランダムアクセスプリアンブルを送信した端末装置を識別するための識別子である。C-RNTIおよびTemporary C-RNTIは、単一のサブフレームにおけるPDSCH送信またはPUSCH送信を制御するために用いられる。CS-RNTIは、PDSCHまたはPUSCHのリソースを周期的に割り当てるために用いられる。ここでCS-RNTIでスクランブリングされたPDCCH(DCIフォーマット)は、CSタイプ2をアクティベートあるいはディアクティベートするために用いられる。一方、CSタイプ1ではCS-RNTIでスクランブリングされたPDCCHに含まれる制御情報(MCSや無線リソース割当等)は、CSに関する上位層パラメータに含め、該上位層パラメータによってCSのアクティベート(設定)を行う。P-RNTIは、ページングメッセージ(Paging Channel: PCH)を送信するために用いられる。SI-RNTIは、SIBを送信するために用いられる。RA-RNTIは、ランダムアクセスレスポンス(ランダムアクセスプロシジャーにおけるメッセージ2)を送信するために用いられる。SP-CSI-RNTIは、準静的なCSIレポーティングのために用いられる。MCS-C-RNTIは、低いスペクトル効率のMCSテーブルを選択する際に用いられる。
【0040】
PDSCHは、下りリンクデータ(下りリンクトランスポートブロック、DL-SCH)を送信するために用いられる。PDSCHは、システムインフォメーションメッセージ(System Information Block: SIBとも称する。)を送信するために用いられる。SIBの一部又は全部は、RRCメッセージに含めることができる。
【0041】
PDSCHは、RRCシグナリングを送信するために用いられる。基地局装置から送信されるRRCシグナリングは、セル内における複数の端末装置に対して共通(セル固有)であってもよい。すなわち、そのセル内のユーザ装置共通な情報は、セル固有のRRCシグナリングを使用して送信される。基地局装置から送信されるRRCシグナリングは、ある端末装置に対して専用のメッセージ(dedicated signalingとも称する)であってもよ
い。すなわち、ユーザ装置スペシフィック(ユーザ装置固有)な情報は、ある端末装置に対して専用のメッセージを使用して送信される。
【0042】
PDSCHは、MAC CEを送信するために用いられる。RRCシグナリングおよび/またはMAC CEを、上位層の信号(higher layer signaling)とも称する。PMCHは、マルチキャストデータ(Multicast Channel: MCH)を送信するために用いられる。
【0043】
図1の下りリンクの無線通信では、下りリンク物理信号として同期信号(Synchronization signal: SS)、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal: DL RS)が用いられる。下りリンク物理信号は、上位層から出力された情報を送信するためには使用されないが、物理層によって使用される。
【0044】
同期信号は、端末装置が、下りリンクの周波数領域および時間領域の同期を取るために用いられる。下りリンク参照信号は、端末装置が、下りリンク物理チャネルの伝搬路推定
/伝搬路補正を行なうために用いられる。例えば、下りリンク参照信号は、PBCH、PDSCH、PDCCHを復調するために用いられる。下りリンク参照信号は、端末装置が、下りリンクのチャネル状態の測定(CSI measurement)するために用いることもできる。
【0045】
下りリンク物理チャネルおよび下りリンク物理信号を総称して、下りリンク信号とも称する。また、上りリンク物理チャネルおよび上りリンク物理信号を総称して、上りリンク信号とも称する。また、下りリンク物理チャネルおよび上りリンク物理チャネルを総称して、物理チャネルとも称する。また、下りリンク物理信号および上りリンク物理信号を総称して、物理信号とも称する。
【0046】
BCH、UL-SCHおよびDL-SCHは、トランスポートチャネルである。MAC層で用いられるチャネルを、トランスポートチャネルと称する。MAC層で用いられるトランスポートチャネルの単位を、トランスポートブロック(TB:Transport Block)、
または、MAC PDU(Protocol Data Unit)とも称する。トランスポートブロックは、MAC層が物理層に渡す(deliverする)データの単位である。物理層において、トランスポートブロックはコードワードにマップされ、コードワード毎に符号化処理などが行なわれる。
【0047】
図2は、本実施形態に係る基地局装置10の構成の概略ブロック図である。基地局装置10は、上位層処理部(上位層処理ステップ)102、制御部(制御ステップ)104、送信部(送信ステップ)106、送信アンテナ108、受信アンテナ110、受信部(受信ステップ)112を含んで構成される。送信部106は、上位層処理部102から入力される論理チャネルに応じて、物理下りリンクチャネルを生成する。送信部106は、符号化部(符号化ステップ)1060、変調部(変調ステップ)1062、下りリンク制御信号生成部(下りリンク制御信号生成ステップ)1064、下りリンク参照信号生成部(下りリンク参照信号生成ステップ)1066、多重部(多重ステップ)1068、および無線送信部(無線送信ステップ)1070を含んで構成される。受信部112は、物理上りリンクチャネルを検出し(復調、復号など)、その内容を上位層処理部102に入力する。受信部112は、無線受信部(無線受信ステップ)1120、伝搬路推定部(伝搬路推定ステップ)1122、多重分離部(多重分離ステップ)1124、等化部(等化ステップ)1126、復調部(復調ステップ)1128、復号部(復号ステップ)1130を含んで構成される。
【0048】
上位層処理部102は、媒体アクセス制御(Medium Access Control: MAC)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層などの物理層より上位層の処理を行なう。上位層処理部102は、送信部106および受信部112の制御を行なうために必要な情報を生成し、制御部104に出力する。上位層処理部102は、下りリンクデータ(DL-SCHなど)、システム情報(MIB、 SIB)などを
送信部106に出力する。なお、DMRS構成情報はRRC等の上位レイヤによる通知ではなく、システム情報(MIBあるいはSIB)によって端末装置に通知してもよい。
【0049】
上位層処理部102は、ブロードキャストするシステム情報(MIB、又はSIBの一部)を生成、又は上位ノードから取得する。上位層処理部102は、BCH/DL-SCHとして、前記ブロードキャストするシステム情報を送信部106に出力する。前記MIBは、送信部106において、PBCHに配置される。前記SIBは、送信部106において、PDSCHに配置される。上位層処理部102は、端末装置固有のシステム情報(SIB)を
生成し、又は上位の―度から取得する。該SIBは、送信部106において、PDSCHに配置される。
【0050】
上位層処理部102は、各端末装置のための各種RNTIを設定する。前記RNTIは、PDCCH、PDSCHなどの暗号化(スクランブリング)に用いられる。上位層処理部102は、前記RNTIを、制御部104/送信部106/受信部112に出力する。
【0051】
上位層処理部102は、PDSCHに配置される下りリンクデータ(トランスポートブロック、DL-SCH)、端末装置固有のシステムインフォメーション(System Information Block: SIB)、RRCメッセージ、MAC CE、DMRS構成情報がSIBやMIBの
ようなシステム情報や、DCIで通知されない場合はDMRS構成情報などを生成、又は上位ノードから取得し、送信部106に出力する。上位層処理部102は、端末装置20の各種設定情報の管理をする。なお、無線リソース制御の機能の一部は、MACレイヤや物理レイヤで行われてもよい。
【0052】
上位層処理部102は、端末装置がサポートする機能(UE capability)等、端末装置
に関する情報を端末装置20(受信部112を介して)から受信する。端末装置20は、自身の機能を基地局装置10に上位層の信号(RRCシグナリング)で送信する。端末装置に関する情報は、その端末装置が所定の機能をサポートするかどうかを示す情報、または、その端末装置が所定の機能に対する導入およびテストの完了を示す情報を含む。所定の機能をサポートするかどうかは、所定の機能に対する導入およびテストを完了しているかどうかを含む。
【0053】
端末装置が所定の機能をサポートする場合、その端末装置はその所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信する。端末装置が所定の機能をサポートしない場合、その端末装置はその所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信しないようにしてよい。すなわち、その所定の機能をサポートするかどうかは、その所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信するかどうかによって通知される。なお、所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)は、1または0の1ビットを用いて通知してもよい。
【0054】
上位層処理部102は、受信部112から復号後の上りリンクデータ(CRCも含む)からDL-SCHを取得する。上位層処理部102は、端末装置が送信した前記上りリンクデータに対して誤り検出を行う。例えば、該誤り検出はMAC層で行われる。
【0055】
制御部104は、上位層処理部102/受信部112から入力された各種設定情報に基づいて、送信部106および受信部112の制御を行なう。制御部104は、上位層処理部102/受信部112から入力された設定情報に基づいて、下りリンク制御情報(DCI)を生成し、送信部106に出力する。例えば制御部104は、上位層処理部102/受信部112から入力されたDMRSに関する設定情報(DMRS構成1であるかDMRS構成2であるか)を考慮して、DMRSの周波数配置(DMRS構成1の場合は偶数サブキャリアあるいは奇数サブキャリア、DMRS構成2の場合は第0~第2のセットのいずれか)を設定し、DCIを生成する。
【0056】
制御部104は、伝搬路推定部1122で測定されたチャネル品質情報(CSI Measurement結果)を考慮して、PUSCHのMCSを決定する。制御部104は、前記PUSCHのMCSに対応するMCSインデックスを決定する。制御部104は、決定したMCSインデックスをアップリンクグラントに含める。
【0057】
送信部106は、上位層処理部102/制御部104から入力された信号に従って、PBCH、PDCCH、PDSCHおよび下りリンク参照信号などを生成する。符号化部1060は、上位層処理部102から入力されたBCH、DL-SCHなどを、予め定められた/上位層処理部102が決定した符号化方式を用いて、ブロック符号、畳み込み符号、ターボ符号、ポーラ符号化、LDPC符号などによる符号化(リピティションを含む)を行なう。符号化部1060は、制御部104から入力された符号化率に基づいて、符号化ビットをパンクチャリングする。変調部1062は、符号化部1060から入力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の予め定められた/制御部104から入力された変調方式(変調オーダー)でデータ変調する。該変調オーダーは、制御部104で選択された前記MCSインデックスに基づく。
【0058】
下りリンク制御信号生成部1064は、制御部104から入力されたDCIに対してCRCを付加する。下りリンク制御信号生成部1064は、前記CRCに対して、RNTIを用いて暗号化(スクランブリング)を行う。さらに、下りリンク制御信号生成部1064は、前記CRCが付加されたDCIに対してQPSK変調を行い、PDCCHを生成する。下りリンク参照信号生成部1066は、端末装置が既知の系列を下りリンク参照信号として生成する。前記既知の系列は、基地局装置10を識別するための物理セル識別子などの基に予め定められた規則で求まる。
【0059】
多重部1068は、PDCCH/下りリンク参照信号/変調部1062から入力される各チャネルの変調シンボルを多重する。つまり、多重部1068は、PDCCH/下りリンク参照信号を各チャネルの変調シンボルをリソースエレメントにマッピングする。マッピングするリソースエレメントは、前記制御部104から入力される下りリンクスケジューリングによって制御される。リソースエレメントは、1つのOFDMシンボルと1つのサブキャリアからなる物理リソースの最小単位である。なお、複数のリソースエレメントによってリソースブロック(RB)が構成され、RBを最小単位としてスケジューリングが適用される。なお、MIMO伝送を行う場合、送信部106は符号化部1060および変調部1062をレイヤ数具備する。この場合、上位層処理部102は、各レイヤのトランスポートブロック毎にMCSを設定する。
【0060】
無線送信部1070は、多重された変調シンボルなどを逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)してOFDMシンボルを生成する。無線送信部1070は、前記OFDMシンボルにサイクリックプレフィックス(cyclic prefix: CP)を付加
してベースバンドのディジタル信号を生成する。さらに、無線送信部1070は、前記ディジタル信号をアナログ信号に変換し、フィルタリングにより余分な周波数成分を除去し、搬送周波数にアップコンバートし、電力増幅し、送信アンテナ108に出力して送信する。
【0061】
受信部112は、制御部104の指示に従って、受信アンテナ110を介して端末装置20からの受信信号を検出(分離、復調、復号)し、復号したデータを上位層処理部102/制御部104に入力する。無線受信部1120は、受信アンテナ110を介して受信された上りリンクの信号を、ダウンコンバートによりベースバンド信号に変換し、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信された信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。無線受信部1120は、変換したディジタル信号からCPに相当する部分を除去する。無線受信部1120は、CPを除去した信号に対して高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform: FFT)を行い、周波数領域の信号を抽出する。前記周波数領域の信号は、多重分離部1124に出力される。
【0062】
多重分離部1124は、制御部104から入力される上りリンクのスケジューリングの情報(上りリンクデータチャネル割当て情報など)に基づいて、無線受信部1120から入力された信号をPUSCH、PUCCH及上りリンク参照信号などの信号に分離する。前記分離された上りリンク参照信号は、伝搬路推定部1122に入力される。前記分離さ
れたPUSCH、PUCCHは、等化部1126に出力する。
【0063】
伝搬路推定部1122は、上りリンク参照信号を用いて、周波数応答(または遅延プロファイル)を推定する。復調用に伝搬路推定された周波数応答結果は、等化部1126へ入力される。伝搬路推定部1122は、上りリンク参照信号を用いて、上りリンクのチャネル状況の測定(RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、RSSI(Received Signal Strength Indicator)の測定)を行う。上りリンクのチャネル状況の測定は、PUSCHのためのMCSの決定などに用いられる。
【0064】
等化部1126は、伝搬路推定部1122より入力された周波数応答より伝搬路での影響を補償する処理を行う。補償の方法としては、MMSE重みやMRC重みを乗算する方法や、MLDを適用する方法等、既存のいかなる伝搬路補償も適用することができる。復調部1128は、予め決められている/制御部104から指示される変調方式の情報に基づき、復調処理を行う。
【0065】
復号部1130は、予め決められている符号化率/制御部104から指示される符号化率の情報に基づいて、前記復調部の出力信号に対して復号処理を行う。復号部1130は、復号後のデータ(UL-SCHなど)を上位層処理部102に入力する。
【0066】
図3は、本実施形態における端末装置20の構成を示す概略ブロック図である。端末装置20は、上位層処理部(上位層処理ステップ)202、制御部(制御ステップ)204、送信部(送信ステップ)206、送信アンテナ208、受信アンテナ210および受信部(受信ステップ)212を含んで構成される。
【0067】
上位層処理部202は、媒体アクセス制御(MAC)層、パケットデータ統合プロトコル(PDCP)層、無線リンク制御(RLC)層、無線リソース制御(RRC)層の処理を行なう。上位層処理部202は、自端末装置の各種設定情報の管理をする。上位層処理部202は、自端末装置がサポートしている端末装置の機能を示す情報(UE Capability
)を、送信部206を介して、基地局装置10へ通知する。上位層処理部202は、UE CapabilityをRRCシグナリングで通知する。
【0068】
上位層処理部202は、DL-SCH、BCHなどの復号後のデータを受信部212から取得する。上位層処理部202は、前記DL-SCHの誤り検出結果から、HARQ-ACKを生成する。上位層処理部202は、SRを生成する。上位層処理部202は、HARQ-ACK/SR/CSI(CQIレポートを含む)を含むUCIを生成する。また上位層処理部202は、DMRS構成情報が上位レイヤによって通知されている場合、DMRS構成に関する情報を制御部204に入力する。上位層処理部202は、前記UCIやUL-SCHを送信部206に入力する。なお、上位層処理部202の機能の一部は、制御部204に含めてもよい。
【0069】
制御部204は、受信部212を介して受信した下りリンク制御情報(DCI)を解釈する。制御部204は、上りリンク送信のためのDCIから取得したPUSCHのスケジューリング/MCSインデックス/TPC(Transmission Power Control)などに従って、送信部206を制御する。制御部204は、下りリンク送信のためのDCIから取得したPDSCHのスケジューリング/MCSインデックスなどに従って、受信部212を制御する。さらに制御部204は、下りリンク送信のためのDCIに含まれるDMRSの周波数配置(ポート番号)に関する情報と、上位層処理部202から入力されるDMRS構成情報にしたがって、DMRSの周波数配置を特定する。
【0070】
送信部206は、符号化部(符号化ステップ)2060、変調部(変調ステップ)20
62、上りリンク参照信号生成部(上りリンク参照信号生成ステップ)2064、上りリンク制御信号生成部(上りリンク制御信号生成ステップ)2066、多重部(多重ステップ)2068、無線送信部(無線送信ステップ)2070を含んで構成される。
【0071】
符号化部2060は、制御部204の制御に従って(MCSインデックスに基づいて算出される符号化率に従って)、上位層処理部202から入力された上りリンクデータ(UL-SCH)を畳み込み符号化、LDPC符号化、ポーラ符号化、ターボ符号化等の符号化を行う。
【0072】
変調部2062は、BPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の制御部204から指示された変調方式/チャネル毎に予め定められた変調方式で、符号化部2060から入力された符号化ビットを変調する(PUSCHのための変調シンボルを生成する)。
【0073】
上りリンク参照信号生成部2064は、制御部204の指示に従って、基地局装置10を識別するための物理セル識別子(physical cell identity: PCI、Cell IDなどと称される)、上りリンク参照信号を配置する帯域幅、サイクリックシフト、DMRSシーケンスの生成に対するパラメータの値、さらに周波数配置などを基に、予め定められた規則(式)で求まる系列を生成する。
【0074】
上りリンク制御信号生成部2066は、制御部204の指示に従って、UCIを符号化、BPSK/QPSK変調を行い、PUCCHのための変調シンボルを生成する。
【0075】
Rel-15の周波数ホッピングに関する上位層パラメータ(frequencyHopping)が設定されている場合において、その値としてはモード1あるいはモード2が設定可能である。モード2はスロット間ホッピングであり、複数のスロットを用いて送信する場合において、スロットごとに周波数を変えて送信するモードである。一方、モード1はスロット内ホッピングであり、1つまたは複数のスロットを用いて送信する場合において、スロットを前半と後半に分割し、前半と後半で周波数を変えて送信するモードである。周波数ホッピングにおける周波数割り当てとしては、DCIやRRCによって通知された周波数領域の無線リソース割り当ては第1のホップに適用し、第2のホップの周波数割り当ては、第1のホップで用いる無線リソースに対して、周波数ホッピング量に関する上位層パラメータ(frequencyHoppingOffset)で設定される値だけシフトした無線リソースを割り当てる。
【0076】
多重部2068は、制御部204からの上りリンクスケジューリング情報(RRCメッセージに含まれる上りリンクのためのCS(Configured Scheduling)における送信間隔、
DCIに含まれる周波数領域および時間領域リソース割り当てなど)に従って、PUSCHのための変調シンボル、PUCCHのための変調シンボル、上りリンク参照信号を送信アンテナポート(DMRSポート)毎に多重する(つまり、各信号はリソースエレメントにマップされる)。
【0077】
ここで、CS(configured scheduling、コンフィギュアドグラントスケジューリング
)に関する説明を行う。ダイナミックグラントなしの伝送には2種類ある。1つは、RR
Cによって与えられ、configured grantとして保存されるconfigured grantタイプ1であ
り、1つは、PDCCHによって与えられ、configured grantアクティベーションあるいはデ
アクティベーションを示すL1シグナリングに基づいたconfigured grantとして保存およびクリアされるconfigured grantタイプ2である。タイプ1とタイプ2はサービングセル毎かつBWP毎にRRCで設定される。複数の設定は、異なるサービングセルにおいてのみ同時にアクティブになり得る。タイプ2に関して、アクティベーションとデアクティベーションは、サービングセル間で独立である。同じサービングセルに関して、MACエンティティはタイプ1あるいはタイプ2のどちらかで設定される。タイプ1が設定された時、RRCは次のパラメータを設定する。
・cs-RNTI: 再送のためのCS-RNTI
・periodicity: configured grantタイプ1の周期
・timeDomainOffset: 時間領域におけるSFN=0に関するリソースのオフセット
・timeDomainAllocation: パラメータstartSymbolAndLengthを含む、時間領域におけるconfigured grantの配置
・nrofHARQ-Processes: HARQプロセスの数
また、タイプ2が設定された時、RRCは次のパラメータを設定する。
・cs-RNTI: アクティベーション、デアクティベーション、再送のためのCS-RNT
I
・periodicity: configured grantタイプ2の周期
・nrofHARQ-Processes: HARQプロセスの数
つまりConfiguredGrantConfigは、2つの方式にしたがって、ダイナミックグラントなしでアップリンク伝送を設定するために用いられる。実際のアップリンクグラントは、Configured Grantタイプ1では、RRC経由で設定され、Configured Grantタイプ2では、CS-RNTIで処理されたPDCCH経由で与えられる。
【0078】
上述したように、送信信号の時間波形のPAPRを抑えることで、安価な増幅器を用いることができる。DFT-S-OFDMはDFTプリコーディングを適用することでCP-OFDMと比較して大幅にPAPRを削減できる。DFT-S-OFDMでは、系列長Mのシンボル系列に対してMポイントのDFTプリコーディングを適用し、得られたMポイントの周波数スペクトルをNc(M<Nc)ポイントのいずれかにマッピングし、マッピングが行われなかったポイント(サブキャリア)にはゼロを入れる。その後、Nc(M<Nc)ポイントのIFFTを適用することで時間領域信号を得る。この時、マッピングを行ったMポイントに隣接するサブキャリアはゼロ(ヌルサブキャリア)となる。このように、スペクトルが周波数領域で急に振幅がなくなることは、周波数領域矩形フィルタを乗算していることになる。周波数領域での矩形フィルタの乗算は、時間領域でのSinc関数の畳み込み演算と等価である。つまり矩形フィルタの帯域幅が狭い場合、Sinc関数の畳み込み演算による時間領域信号のPAPRの増加を引き起こすことになる。矩形フィルタの影響を抑えるため、ナイキストフィルタのような滑らかな形状のフィルタを適用することが考えられる。周波数領域でナイキストフィルタを乗算すると、信号の一部が消滅してしまい、伝送特性が劣化してしまう。そこで非特許文献1では、周波数スペクトルを周波数領域で巡回的に拡張した後で、フィルタを乗算している。フィルタを乗算することでスペクトルの一部が消滅してしまうが、削られたスペクトルは拡張されたサブキャリアで送信されることになるため、帯域拡張および周波数領域フィルタリングを適用しない場合と同一の電力でデータ信号を送信することができる。帯域拡張を適用しない場合と比較して広い帯域を用いる必要があるものの、PAPRを低減することができる。
【0079】
上述の帯域拡張および周波数領域フィルタリングは、データ信号だけではなく、DMRSにも適用可能である。なおDMRSを例に説明を行うが、SRS(Sounding RS)や同
期信号、PUCCH等の制御信号等、DMRS以外の上りリンク参照信号やその他の信号にも適用可能である。上述したように、NRにおいて、PUSCHについてトランスフォームプリコーディングが適用される場合(エイブルな場合)、所定の条件以外においては、DMRS系列は上りリンク参照信号生成部において、低PAPR系列を用いて生成される。低PAPR系列は、割当サブキャリア数をM
ZC、m=0、1、2、・・・、M
ZC-1として、ZC系列x
q(m)=exp(-jπqm(m-1)/N
ZC)を巡回拡張することで生成される。なお、ここで、割当サブキャリア数は、割り当て帯域全体ではなく、割り当て帯域全体のうち、振幅がゼロではないサブキャリア数を示す。例えば、DMRS構成タイプ1の場合、割り当て帯域全体のうち、偶数あるいは奇数のサブキャリアのみでエネルギー(振幅)を持つスペクトルが送信されるため、割り当て帯域全体のサブキャリア数は2M
ZCであり、非ゼロの割当サブキャリア数はM
ZCとなる。割り当て帯域全体のサブキャリア数およびDMRS構成タイプは、基地局装置が送信する制御情報として送信される。ただし、DMRS構成タイプは予めシステムで設定される場合もある。サブキャリア数がM
ZCの場合、N
ZCはN
ZC≦M
ZCを満たす最大の素数で与えられる。
図4にM
ZC=36の時の例を示す。M
ZC=36の場合、N
ZC=31となるため、x
q(0)~x
q(30)の系列長31の系列を基準とし、x
q(0)~x
q(30)にx
q(0)~x
q(4)の系列を巡回的に拡張することで、系列長36のDMRS系列を得る。このように、ZC系列を用いてDMRS系列を生成する場合、系列長N
ZCのZC系列を巡回的に繰り返して用いることにより、系列長M
ZCのDMRS系列を生成する。非特許文献2によると、DMRSに帯域拡張および周波数領域フィルタリングを適用する場合、長さN
ZCのZC系列を巡回拡張して得られる長さM
ZCのDMRS系列に対して、巡回拡張を適用することで長さ(1+α)M
ZCのDMRS系列を得る。以降、αを帯域拡張率と呼ぶ。
図5(a)に例を示す。図は、M
ZC=36、N
ZC=31、α=0.22…の場合の例である。NRでのDMRS生成法と同様、帯域拡張前のM
ZC=36の長さのDMRS系列x
q(0)、x
q(1)、…、x
q(30)、x
q(0)、x
q(1)、…、x
q(4)を生成する。その後、M
ZC=36の長さのDMRS系列を巡回拡張することで、(1+α)M
ZC=44のDMRS系列x
q(0)、x
q(1)、…、x
q(4)、x
q(0)、x
q(1)、…、x
q(30)、x
q(0)、x
q(1)、…、x
q(4)、x
q(0)、x
q(1)、x
q(2)、x
q(3)を生成する。得られた長さ(1+α)M
ZCのDMRS系列に対して周波数領域フィルタリングを適用することで、DMRSにも帯域拡張および周波数領域フィルタリングを適用することができる。しかしながら、
図5(a)に示すように、系列の中に巡回的にならない箇所、つまり不連続となる点が存在するようになる。
図5(a)では拡張帯域と拡張前の帯域の間であるx
q(4)とx
q(0)の間が巡回的ではない点であり、2か所存在している。巡回的にならない箇所が系列に含まれると元々のZC系列が持つ低PAPRの特徴が損なわれ、時間波形のPAPRが高くなる。そこで非特許文献2では、長さN
ZCのZC系列に対して、巡回拡張を適用することで長さ(1+α)M
ZCのDMRS系列を生成する。非特許文献2における提案を
図5(b)に示す。
図5(b)では、M
ZC=36から算出されるN
ZC=31に基づいてZC系列x
q(0)、x
q(1)、…、x
q(30)を生成し、そのZC系列に対して巡回拡張を適用することで、(1+α)M
ZC=44の長さを持つDMRS系列x
q(27)、x
q(28)、x
q(29)、x
q(30)、x
q(0)、x
q(1)、・・・、x
q(29)、x
q(30)、x
q(0)、x
q(1)、…、x
q(8)を生成する。非特許文献2に示されるようにDMRSを生成することで、系列長(1+α)M
ZCのDMRS系列中で不連続となる点(系列がZC系列の巡回拡張とならない点)が存在しなくなるため、PAPRを低減することができる。
【0080】
しかしながら非特許文献2で提案されている手法は、M
ZCに基づいてN
ZCの系列長のZC系列を生成し、生成されたZC系列を巡回的に用いることで長さ(1+α)M
ZCの系列を生成する。したがって、(1+α)M
ZCの系列長の中でZC系列が繰り返し用いられることになるため、PAPRを効率的に低減することができない。例えば
図5(b)では、x
q(27)、x
q(28)、x
q(29)、x
q(30)、x
q(0)、x
q(1)、・・・、x
q(8)が周波数領域で2回現れている。本実施形態では、割当サブキャリア数と帯域拡張率から算出される拡張後のサブキャリア数(拡張後サブキャリア数)に基づいて、可能な限り長いZC系列を生成することでPAPRを低減する。つまり、拡張後の帯域幅(1+α)M
ZCに基づいてZC系列を生成する。非特許文献2では、拡張前の帯域幅M
ZCに基づいて、M
ZCを超えない最大の素数であるN
ZCの系列長を持つZC系列を生成したのに対し、本実施形態では、拡張後の帯域幅(1+α)M
ZCに基づいて、(1+α)M
ZCを超えない最大の素数であるW
ZC(N
ZC≦W
ZC≦(1+α)M
ZC)の系列長を持つZC系列を生成する。これにより、拡張後の帯域幅の範囲で最も長い系列のZC系列を用いてDMRSを生成することができる。
図6に本実施形態における例を示す。
図6ではM
ZC=36、α=0.22…から、(1+α)M
ZC=44を算出し、44を超えない最大の素数であるW
ZC=43によってZC系列x
q(0)、x
q(1)、・・・、x
q(41)、x
q(42)を生成する。生成された長さ43のZC系列に対して巡回拡張を適用することで、長さ44のDMRS系列x
q(0)、x
q(1)、・・・、x
q(41)、x
q(42)、x
q(0)を生成する。このように帯域拡張後の帯域幅によってZC系列を生成することで、複数回送信されるZC系列の要素の数を削減することができる。
図6では、x
q(0)のみが2回送信され、他の要素は1度のみ送信されることになり、PAPRを低減できる可能性がある。
図7に計算機シミュレーション結果を示す。図はα=0.24、M
ZC=600、DMRS構成タイプ1である。各ZC系列のパラメータqは等確率で選択されるものとし、CCDF(相補累積分布関数)を取得した。DMRS構成タイプ1は奇数または偶数番目のサブキャリアのみにZC系列を配置し、ZCを配置しないサブキャリアはゼロ(ヌルキャリア)とする構成タイプである。
図7より非特許文献2での提案は、帯域拡張および周波数領域フィルタリングを適用しないNRのDMRSと比較して、DMRSのPAPRを削減できることが分かる。本実施形態の発明も、非特許文献2での提案と同様、帯域拡張および周波数領域フィルタリングを適用しないNRのDMRSと比較して、DMRSのPAPRを削減できることが分かる。また本実施形態の発明と、非特許文献2での提案を比較した場合、最も低いPAPR系列が得られるのは本実施形態の発明であることが分かる。このように、発明は、非特許文献2での提案よりも低いPAPRを示す系列を多く設定することができる。
【0081】
上記のようにDMRSを生成するには、端末装置で帯域拡張率αを設定する必要がある。帯域拡張率αは基地局装置から上位レイヤあるいはダイナミックシグナリングによって制御情報として通知される。帯域拡張率αは量子化され、量子化された複数の候補のうち一つが通知されるとしてもよい。なお、帯域拡張率αは予め決められており、上位レイヤあるいはダイナミックシグナリングによって帯域拡張の適用/不適用が通知されるとしてもよい。この場合、基地局装置より通知される無線リソース割り当ては、MZCが通知されるとしてもよいし、帯域拡張後の(1+α)MZCが通知されるとしてもよい。また帯域拡張率αは上記のように直接的に基地局装置から端末装置に通知するのではなく、リソース割り当てを示すパラメータMZCと帯域拡張幅Mexをそれぞれ通知するとしてもよい。帯域拡張率α=Mex/MZCであるため、リソース割り当てを示すパラメータMZCと帯域拡張幅Mexが通知されれば、通信環境によって適切な帯域拡張率αを設定することができる。ここで、帯域拡張幅Mexはリソースブロック単位で設定されるとしてもよい。また、帯域拡張率αが量子化された値である場合、計算される値は切り上げ、切り下げ、四捨五入を適用することで、所定のリソースブロック内のみに処理を限定するとしてもよい。なお、上記ではリソースブロックを基準としてαを設定することを前提としたが、帯域拡張をリソースブロック単位とせず、サブキャリア単位で拡張してもよい。また、ミリ波やテラヘルツ波のような高い周波数ではセル間干渉が問題とはならない可能性がある。そこで、ZC生成を素数の系列長ではなく奇数で生成するとしてもよい。
【0082】
ZC系列は系列を適切に選択すれば、QPSKやπ/2シフトBPSK(π/2-BPSK) 等のデータ信号よりPAPRが低くなる。したがって、データ信号とDMRSで
同一の帯域拡張率αを設定する必要はなく、データ信号に対する帯域拡張よりも狭い帯域で、データ信号と同等以下のPAPRを実現できる可能性がある。例えば、データ信号用の帯域拡張率αとは別に、DMRS用の帯域拡張率αDMRSが基地局装置から端末装置に、上位レイヤあるいはダイナミックシグナリングによって通知されてもよい。また周波数領域フィルタリング(スペクトル形成とも呼ぶ)としてはどのようなものを用いてもよいが、一般的にはナイキストフィルタとして、レイズドコサインフィルタが用いられる。送信フィルタ、伝搬路、受信フィルタでナイキスト条件を満たすため、送信側、受信側でそれぞれルートレイズドコサインフィルタを適用し、系全体でナイキストフィルタを形成
するとしてもよい。
【0083】
無線送信部2070は、多重された信号をIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)して、OFDMシンボルを生成する。無線送信部2070は、前記OFDMシンボルにCPを付加し、ベースバンドのディジタル信号を生成する。さらに、無線送信部2070は、前記ベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、余分な周波数成分を除去し、アップコンバートにより搬送周波数に変換し、電力増幅し、送信アンテナ208を介して基地局装置10に送信する。
【0084】
受信部212は、無線受信部(無線受信ステップ)2120、多重分離部(多重分離ステップ)2122、伝搬路推定部(伝搬路推定ステップ)2144、等化部(等化ステップ)2126、復調部(復調ステップ)2128、復号部(復号ステップ)2130を含んで構成される。
【0085】
無線受信部2120は、受信アンテナ210を介して受信した下りリンク信号を、ダウンコンバートによりベースバンド信号に変換し、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信した信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。無線受信部2120は、変換したディジタル信号からCPに相当する部分を除去し、CPを除去した信号に対してFFTを行い、周波数領域の信号を抽出する。
【0086】
多重分離部2122は、前記抽出した周波数領域の信号を下りリンク参照信号、PDCCH、PDSCH、PBCHに分離する。伝搬路推定部2124は、下りリンク参照信号(DM-RSなど)を用いて、周波数応答(または遅延プロファイル)を推定する。復調用に伝搬路推定された周波数応答結果は、等化部1126へ入力される。伝搬路推定部2124は、下りリンク参照信号(CSI-RSなど)を用いて、上りリンクのチャネル状況の測定(RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、RSSI(Received Signal Strength Indicator)、SINR(Signal to Interference plus Noise power Ratio)の測定)を行う。下りリンクのチャネル状況の測定は、PUSCHのためのMCSの決定などに用いられる。下りリンクのチャネル状況の測定結果は、CQIインデックスの決定などに用いられる。
【0087】
等化部2126は、伝搬路推定部2124より入力された周波数応答よりMMSE規範に基づく等化重みを生成する。等化部2126は、多重分離部2122からの入力信号(PUCCH、PDSCH、PBCHなど)に該等化重みを乗算する。復調部2128は、予め決められている/制御部204から指示される変調オーダーの情報に基づき、復調処理を行う。
【0088】
復号部2130は、予め決められている符号化率/制御部204から指示される符号化率の情報に基づいて、前記復調部2128の出力信号に対して復号処理を行う。復号部2130は、復号後のデータ(DL-SCHなど)を上位層処理部202に入力する。
(第1の実施形態の変形例)
【0089】
第一の実施形態において、拡張された帯域幅に基づいてZC系列を生成する方法について説明を行った。しかしながら、周波数領域フィルタリングを適用するため、スペクトルの一部が削られ送信されることになり、PAPRが増加してしまうことがある。本実施形態では、帯域拡張を行う場合のZC系列の生成法について説明を行う。
【0090】
図8に帯域拡張および周波数領域フィルタリングを適用した場合のイメージ図を示す。
図8(a)は非特許文献2での提案であり、
図8(b)は第1の実施形態での発明である
。図からわかるように、周波数領域フィルタリングを適用することで、スペクトルのエネルギーが削られることが分かる。例えば、
図8(b)ではx
q(0)、x
q(1)、x
q(2)、x
q(41)、x
q(42)のエネルギーがかなり削られて送信されることが分かる。第1の実施形態で説明したように(1+α)M
ZCに基づいてZC系列をした場合
、系列の一部が削除され、結果としてPAPRが上がってしまう。一方、
図8の中心(1-α)M
ZCのスペクトルについてはスペクトルのエネルギーが削減されて送信されることはない。そこで、(1-α)M
ZCを超えない最大の素数L
ZC(L
ZC≦N
ZC)によって系列長L
ZCのZC系列を生成し、得られた系列長L
ZCを巡回拡張することで、系列長(1+α)M
ZCのDMRS系列を生成することが考えられる。しかしながら、系列長が短いZC系列を周波数領域で繰り返し配置すると、時間波形のPAPRが増加するという問題がある。つまり、帯域拡張および周波数領域フィルタリングを適用する場合のZC系列の生成基準には適切な値がある。しかしながら
図7に示すように、系列長が長くなるとPAPRが低い系列数も多くなるが、PAPRが高い系列数も多くなるため、基地局装置がPAPRの低い系列を多く必要とするか、さらにPAPRの低い系列を選択できるように制御可能かによって、適切なZC系列の生成法が異なる。つまり、基地局装置がPAPRの低い系列を多く必要とし、さらにPAPRの低い系列を選択できるように制御可能な場合、長い系列のZC系列を生成すべきであり、基地局装置がPAPRの低い系列を多く必要としない、あるいはPAPRの低い系列を選択する制御が不可能場合、短い系列のZC系列を生成すべきである。このように周辺セルの通信状況や、基地局装置の運用によって適切なZC系列の生成法が異なるため、帯域拡張および周波数領域フィルタリングを適用する場合、別途ZC系列の生成基準を通知することが望ましい。そこで、無線リソースとともに、ZC系列の生成基準に関する情報を通知するとしてもよい。例えば、生成するZC系列そのものを通知してもよいし、1リソースブロックに含まれるサブキャリア数を例えば12とし、生成すべき系列長を超える最小のリソースブロック数を通知するとしてもよい。
【0091】
なお、上記ではリソースブロックを基準としたが、リソースブロックを基準とせず、周波数領域フィルタリングを適用してもよい。つまり、帯域拡張前のリソースブロック数が基地局装置から端末装置に通知されるが、周波数領域フィルタリング後の信号の帯域幅は、必ずしもリソースブロック(例えば12サブキャリア)の整数倍に一致させずに形成してもよい。あるいは、帯域拡張後のリソースブロック数が基地局装置から端末装置に通知され場合、周波数領域フィルタリング前の信号の帯域幅を、必ずしもリソースブロック(例えば12サブキャリア)の整数倍に一致させなくてもよい。ただし、リソースブロックの整数ではない帯域幅についての情報はシステムで予め規定されているか、上位レイヤ等の制御情報によって通知される。
(第1の実施形態の別例)
【0092】
第1の実施形態および第2の実施形態では、3GPPの仕様(NR)に基づいて説明を行ったが、NR以外の通信規格についても適用可能である。例えば、IEEE802.11adではシングルキャリア伝送が採用されており、シングルキャリア伝送の帯域拡張に適用可能である。また上記ではDFT-S-OFDM等のシングルキャリア伝送を対象に説明を行ったが、OFDM等のマルチキャリア伝送にも適用可能である。さらに、Clustered DFT-S-OFDMのようなシングルキャリアスペクトルにも適用可能であるが、マルチキャリア伝送も含め、帯域拡張はスペクトルを連続配置する場合に限定してもよい。
【0093】
図9は本実施形態に係る送信フレームフォーマットの一例を示す概要図である。
図9に示すように、本実施形態に係る基地局装置(および端末装置)は、レガシーショートトレーニングフィールド(L-STF)と、レガシーチャネル推定フィールド(L-CEF、第1の参照信号)とレガシーヘッダフィールド(L-Header)と、ヘッダフィールド
(Header)と、ショートトレーニングフィールド(STF)と、チャネル推定フィールド(CEF、第2の参照信号)と、データフィールド(DATA)と、トレーニング系列フィールド(TRN)と、を少なくとも備えるフレームを送信することができる。ここで、L-STFと、L-CEFと、L-Headerは後方互換性を保つためのフィールドであり、本実施形態が適用される通信システムがサポートする後方仕様の無線装置が把握可能なフィールドである。また、CEFは本実施形態が適用される通信システムがサポートするチャネル推定用のフィールドである。
【0094】
本実施形態に係る基地局装置(および端末装置)は、CEFに対して、第1の実施形態および第2の実施形態において前述してきたような、周波数スペクトルを周波数領域で巡回的に拡張した後で、フィルタを乗算する通信方法を設定することができる。なお、本実施形態に係る基地局装置(および端末装置)は、L-CEFとCEFと、に異なる信号系列を適用することができる。例えば、本実施形態に係る基地局装置(および端末装置)は、L-CEFに対して、0と1から構成されるビット系列に対して、pi/2シフトBPSK変調を適用することで得られる系列を設定する一方で、CEFに対して、ZC系列を設定することが可能である。
【0095】
本実施形態に係る基地局装置(および端末装置)は、自装置が制御するベーシックサービスセット(BSS)に属する無線装置に対して、上述した周波数スペクトルを周波数領域で巡回的に拡張した後で、フィルタを乗算する通信方法を設定したフレームを送信するか否かを示す情報を、ビーコンフレーム等によって報知することができる。また、端末装置は、あるBSSへの接続を企図した場合に、自装置が周波数スペクトルを周波数領域で巡回的に拡張した後で、フィルタを乗算する通信方法を設定したフレームを受信可能であるか否かを示す情報を含むフレームを送信することができる。
【0096】
本実施形態に係る基地局装置(および端末装置)は、CEFに対しては、周波数スペクトルを周波数領域で巡回的に拡張した後で、フィルタを乗算する通信方法を設定することで、CEFのPAPRを低減することが可能である。一方で、L-CEFに対しては、本実施形態が適用される通信システムがサポートする後方仕様の無線装置が把握可能である必要があるため、周波数スペクトルを周波数領域で巡回的に拡張した後で、フィルタを乗算する通信方法を設定しない。このことは、本実施形態に係る基地局装置(および端末装置)は、L-CEFとCEFとで、異なる周波数帯域幅の信号を送信することができることを示している。また、このことは本実施形態に係る基地局装置(および端末装置)は、L-CEFとCEFとで、異なる長さの信号系列を設定することができることを示している。これは、L-CEFに対して、周波数スペクトルを周波数領域で巡回的に拡張した後で、フィルタを乗算する通信方法を設定した場合、後方仕様の無線装置は、従来のL-CEFより周波数スペクトルが拡張されていることを把握できず、また、周波数スペクトルに対して、フィルタが乗算されていることを把握できないから、後方仕様の無線装置がL-CEFに基づいて復号するレガシーヘッダの受信品質が低下してしまうためである。
【0097】
また、本実施形態に係る基地局装置(および端末装置)は、ヘッダフィールドに関しては、L-CEFに基づいて復調することが想定される。そのため、本実施形態に係る基地局装置(および端末装置)は、ヘッダフィールドに対して、周波数スペクトルを周波数領域で巡回的に拡張した後で、フィルタを乗算する通信方法を設定しないことができる。
【0098】
また、本実施形態に係る基地局装置(および端末装置)は、フレーム送信を引き起こすフレーム(例えば、トリガーフレーム)に基づいてフレーム送信を行なう場合、該フレーム送信を引き起こすフレームに記載された情報に基づいて、送信するフレームに周波数スペクトルを周波数領域で巡回的に拡張した後で、フィルタを乗算する通信方法を設定するか否かを決定することができる。また、本実施形態に係る基地局装置(および端末装置)
は、送信するフレームのフレームタイプに基づいて、送信するフレームに周波数スペクトルを周波数領域で巡回的に拡張した後で、フィルタを乗算する通信方法を設定するか否かを決定することができる。
【0099】
なお、CEFとL-CEFとで、周波数スペクトルの帯域幅が異なる場合、本実施形態に係る基地局装置(および端末装置)は、L-CEFの送信に対して、CEFを送信する際に適用するスペクトルマスクを設定することができる。これは、L-CEFに限定されず、本実施形態に係る基地局装置(および端末装置)は、送信するフィールドの周波数スペクトルの帯域幅が異なる場合、最も帯域幅が広いフィールドに適用されるスペクトルマスクを用いて、フレームを送信することができる。
【0100】
また、本実施形態に係る基地局装置(および端末装置)は、
図10に示すようにオーバーヘッド抑圧を目的として、ヘッダフィールドとDATAを連結させるフレームアグリゲーションに基づいて、フレームを送信することができる。この場合、2つ以降のヘッダフィールド10008に関しては、CEF10006に基づいて復調することが可能であるから、周波数領域で巡回的に拡張した後で、フィルタを乗算する通信方法を設定することが可能である。つまり、本実施形態に係る基地局装置(および端末装置)は、フレームアグリゲーションを適用する場合、1つめのヘッダ10004(第1の制御信号フィールド)と、2つめのヘッダ10008(第2の制御信号フィールド)と、に異なる通信方法を設定することが可能である。具体的には、本実施形態に係る基地局装置(および端末装置)は、第1の制御信号フィールドの周波数スペクトルの帯域幅は、L-CEFと同じとする一方で、第2の制御信号フィールドの周波数スペクトルの帯域幅は、CEFと同じとすることが可能である。
【0101】
なお、本実施形態に係る基地局装置(および端末装置)は、L-CEFに対して、チャネル推定用信号の周波数スペクトルを周波数領域で巡回的に拡張した後で、フィルタを乗算する通信方法を設定することも可能である。この場合、本実施形態に係る基地局装置(および端末装置)は、L-CEFの信号スペクトルに対してだけではなく、本実施形態が適用される通信システムがサポートする後方仕様の無線装置が把握可能な他のフィールド(例えば、レガシーショートトレーニングフィールド、レガシーヘッダフィールド、レガシーポーション)にも設定することができる。しかし、前述したように、L-CEFに対して、チャネル推定用信号の周波数スペクトルを周波数領域で巡回的に拡張した後で、フィルタを乗算する通信方法が設定された場合、レガシーヘッダの受信品質が低下してしまう。そのため、本実施形態に係る基地局装置(および端末装置)は、後方仕様の無線装置がL-CEFに基づいて復号するレガシーヘッダの受信品質を低下させないために、L-CEFおよびレガシーヘッダに適用するフィルタのロールオフファクタαを、CEFに適用するフィルタのそれより小さくすることができる。
【0102】
本発明に関わる装置で動作するプログラムは、本発明に関わる上述した実施形態の機能を実現するように、Central Processing Unit(CPU)等を制御してコンピュータを機能させるプログラムであっても良い。プログラムあるいはプログラムによって取り扱われる情報は、処理時に一時的にRandom Access Memory(RAM)などの揮発性メモリに読み込まれ、あるいはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリやHard Disk Drive(HDD)に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0103】
なお、上述した実施形態における装置の一部、をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、実施形態の機能を実現するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録しても良い。この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。ここでいう「コンピュー
タシステム」とは、装置に内蔵されたコンピュータシステムであって、オペレーティングシステムや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」とは、半導体記録媒体、光記録媒体、磁気記録媒体等のいずれであっても良い。
【0104】
さらに「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0105】
また、上述した実施形態に用いた装置の各機能ブロック、または諸特徴は、電気回路、すなわち典型的には集積回路あるいは複数の集積回路で実装または実行され得る。本明細書で述べられた機能を実行するように設計された電気回路は、汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものを含んでよい。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいし、従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであっても良い。前述した電気回路は、ディジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよい。また、半導体技術の進歩により現在の集積回路に代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0106】
なお、本願発明は上述の実施形態に限定されるものではない。実施形態では、装置の一例を記載したが、本願発明は、これに限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などの端末装置もしくは通信装置に適用出来る。
【0107】
以上、この発明の実施形態に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は、基地局装置、端末装置および通信方法に用いて好適である。
【符号の説明】
【0109】
10 基地局装置
20 端末装置
10a 基地局装置10が端末装置と接続可能な範囲
102 上位層処理部
104 制御部
106 送信部
108 送信アンテナ
110 受信アンテナ
112 受信部
1060 符号化部
1062 変調部
1064 下りリンク制御信号生成部
1066 下りリンク参照信号生成部
1068 多重部
1070 無線送信部
1120 無線受信部
1122 伝搬路推定部
1124 多重分離部
1126 等化部
1128 復調部
1130 復号部
202 上位層処理部
204 制御部
206 送信部
208 送信アンテナ
210 受信アンテナ
212 受信部
2060 符号化部
2062 変調部
2064 上りリンク参照信号生成部
2066 上りリンク制御信号生成部
2068 多重部
2070 無線送信部
2120 無線受信部
2122 多重分離部
2124 伝搬路推定部
2126 等化部
2128 復調部
2130 復号部