(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138612
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】眼科装置及び眼科処理方法及び眼科処理プログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 3/14 20060101AFI20241002BHJP
A61B 3/135 20060101ALN20241002BHJP
【FI】
A61B3/14
A61B3/135
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049167
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100107010
【弁理士】
【氏名又は名称】橋爪 健
(72)【発明者】
【氏名】本田 成
(72)【発明者】
【氏名】櫻田 浩樹
(72)【発明者】
【氏名】渥實 智海
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA01
4C316AA24
4C316AA25
4C316FB21
4C316FB26
4C316FZ01
(57)【要約】
【課題】 前眼部画像を加工して新生血管についての定量的な血管測定値(測定情報)を算出すること。
【解決手段】 演算部は、S401で取得した前眼部の画像から、S402で、血管位置を抽出して血管情報を生成する。S403において、演算部は、血管情報から、瞳孔中心と新生血管の先端距離、角膜と新生血管の割合、新生血管の長さと面積、新生血管の本数のいずれかひとつ又は複数の測定情報を算出する。演算部は表示部に解析結果を表示する。血管位置を修正する場合は、操作部で修正してS403に戻る。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検眼の前眼部の画像を撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像した前記前眼部の画像を表示する表示部と、
前記撮像部および前記表示部を操作するための操作部と、
前記操作部からの指示を前記撮像部および前記表示部に伝達し動作制御し、前眼部の画像から血管位置を表す血管情報を生成し、血管情報から、瞳孔中心と新生血管の先端距離を表す第1測定情報を算出する第1測定処理、角膜と新生血管の割合を表す第2測定情報を算出する第2測定処理、新生血管の長さと面積を表す第3測定情報を算出する第3測定処理、新生血管の本数を表す第4測定情報を算出する第4測定処理を実行する演算部と、
を備え、
前記演算部は、前記操作部から選択された第1測定情報乃至第4測定情報のうちひとつ又は複数の任意の測定情報を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする眼科装置。
【請求項2】
前記血管測定処理において、前記演算部は、
(i)血管位置と瞳孔位置を算出し、それぞれの血管の画素と瞳孔の中心画素の距離が最小である瞳孔の中心に一番近い血管情報を選択し、瞳孔の中心と選択した血管情報のから瞳孔中心と新生血管の先端距離を表す第1測定情報を算出する前記第1測定処理、
(ii)血管情報から求めた画素数と、角膜を検出して求めた角膜の画素数との割合により、角膜内の新生血管の割合を表す第2測定情報を算出する前記第2測定処理、
(iii)血管情報から求めた画素数から、新生血管の長さと面積を表す第3測定情報を算出する前記第3測定処理、及び、
(iv)血管情報の本数により新生血管の本数を表す第4測定情報を算出する前記第4測定処理、
を実行することを特徴とする請求項1に記載された眼科装置。
【請求項3】
前記演算部は、前記操作部から選択された前記第1測定処理乃至前記第4測定処理のうちのいずれかひとつ又は複数の測定処理を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載された眼科装置。
【請求項4】
前記表示部に表示された画像に対して、前記操作部により修正された血管情報の位置に従い、前記演算部が、前記第1測定処理乃至前記第4測定処理のいずれかひとつ又は複数の測定処理を再度実行することを特徴とする請求項1又は2に記載された眼科装置。
【請求項5】
前記演算部が、血管情報から、太い血管を強調した第1画像、中心に近い血管を強調した第2画像、前回血管情報との差分を表す第3画像、血管を強調した第4画像のいずれかひとつ又は複数の画像を作成する血管強調処理を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載された眼科装置。
【請求項6】
前記血管強調処理において、前記演算部は、
(i)血管情報をもとに、血管の厚みを画像から求め、太い血管を強調した第1画像を生成する第1画像処理、
(ii)瞳孔の中心座標を求め、血管情報と瞳孔の中心座標から、血管の画素と瞳孔の中心画素との距離を求め、瞳孔の中心に近い血管を強調した第2画像を生成する第2画像処理、及び、
(iii)前記記憶部に予め記憶された前回の撮影画像から作成した血管情報又は前記記憶部に予め記憶された前回の撮影画像の血管情報と、今回の血管情報との差分である第3画像を生成する第3画像処理、及び、
(iv)血管情報をもとに、血管を強調した第4画像を生成する第4画像処理、
のいずれかひとつ又は複数の画像処理を実行することを特徴とする請求項5に記載された眼科装置。
【請求項7】
前記演算部は、前記操作部から選択されたひとつ又は複数の第1測定情報乃至第4測定情報を生成するための前記第1測定処理乃至前記第4測定処理のいずれかひとつ又は複数だけを実行することを特徴とする請求項1又は2に記載された眼科装置。
【請求項8】
被検眼の前眼部の画像を撮像する撮像部と、前記撮像部が撮像した前記前眼部の画像を表示する表示部と、前記撮像部および前記表示部を操作するための操作部と、前記操作部からの指示を前記撮像部および前記表示部に伝達し動作制御するための演算部とを備えた眼科装置における眼科処理方法であって、
前記演算部は、取得した前眼部画像から血管位置を表す血管情報を生成し、
前記演算部は、血管情報から、瞳孔中心と新生血管の先端距離を表す第1測定情報、角膜と新生血管の割合を表す第2測定情報、新生血管の長さと面積を表す第3測定情報、及び、新生血管の本数を表す第4測定情報を算出する血管測定処理を実行し、
前記演算部は、前記操作部から選択された第1乃至第4測定情報のうちひとつ又は複数の任意の測定情報を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする眼科処理方法。
【請求項9】
被検眼の前眼部の画像を撮像する撮像部と、前記撮像部が撮像した前記前眼部の画像を表示する表示部と、前記撮像部および前記表示部を操作するための操作部と、前記操作部からの指示を前記撮像部および前記表示部に伝達し動作制御するための演算部とを備えた眼科装置における眼科処理プログラムであって、
前記演算部が、取得した前眼部画像から血管位置を表す血管情報を生成するステップと、
前記演算部が、血管情報から、瞳孔中心と新生血管の先端距離を表す第1測定情報、角膜と新生血管の割合を表す第2測定情報、新生血管の長さと面積を表す第3測定情報、及び、新生血管の本数を表す第4測定情報を算出する血管測定処理を実行するステップと、
前記演算部が、前記操作部から選択された第1乃至第4測定情報のうちひとつ又は複数の任意の測定情報を前記表示部に表示させる及び/又は記憶部に記憶する及び/又は外部に出力するステップ、
をコンピュータに実行させるための眼科処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼科装置及び眼科処理方法及び眼科処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、「前眼部画像上で充血度合いを調べる対象領域を設定する領域設定ステップと、対象領域から血管と見なされる領域を画像処理により抽出する領域抽出ステップと、血管と見なされる領域についてのフラクタル次元解析を行い充血度合いの指標を求めるステップと、をコンピュータに実行させる」ことにより「被検者眼の充血の度合いを精度良く評価することができる充血度算出プログラム及び充血度算出方法、並びに充血度算出装置」(要約参照)が記載されている。
また、特許文献2には、「PC1のCPU2は、前眼部画像の処理範囲Rに含まれ1又はそれ以上の画素を持つ第1領域j1と、その第1領域j1を囲み処理範囲Rよりも小さな第2領域j2と、を有する判定領域Jを設定する(S4)。・・・(中略)・・・CPU2は、第1領域j1の輝度情報と第2領域j2の輝度情報とを用いて第1領域j1が血管部分bvであるか否かを、判定領域の位置毎に判定する(S5)」こと等により「被検眼画像の場所による明るさのばらつきに拘わらず、血管の有無を適正に判定する」(要約参照)ようにした画像処理装置および画像処理プログラムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-72446号公報
【特許文献2】特開2015-100591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、医師がスリットランプ(細隙灯顕微鏡)を用い、被検眼の前眼部を観察した際に虹彩輪部もしくは角膜への新生血管の侵入を判断し診療している。また、従来は、肉眼ないし画像(例、カラー画像)による観察であり、診断者の熟練度に依存していた。また、従来の角膜の虹彩輪部もしくは角膜の観察では、治療中や治療後の経過観察においても、通常定性的な観察であった。したがって、被験者の新生血管を強調した画像を表示すること、また、被検者毎の新生血管の長さ、面積を測定した治療前後の定量的な比較がむずかしかった。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、前眼部画像を加工して新生血管についての定量的な血管測定値(測定情報)を算出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の解決手段によると、
被検眼の前眼部の画像を撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像した前記前眼部の画像を表示する表示部と、
前記撮像部および前記表示部を操作するための操作部と、
前記操作部からの指示を前記撮像部および前記表示部に伝達し動作制御し、前眼部の画像から血管位置を表す血管情報を生成し、血管情報から、瞳孔中心と新生血管の先端距離を表す第1測定情報を算出する第1測定処理、角膜と新生血管の割合を表す第2測定情報を算出する第2測定処理、新生血管の長さと面積を表す第3測定情報を算出する第3測定処理、新生血管の本数を表す第4測定情報を算出する第4測定処理を実行する演算部と、
を備え、
前記演算部は、前記操作部から選択された第1測定情報乃至第4測定情報のうちひとつ又は複数の任意の測定情報を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする眼科装置である。
【0007】
本発明の第2の解決手段によると、
被検眼の前眼部の画像を撮像する撮像部と、前記撮像部が撮像した前記前眼部の画像を表示する表示部と、前記撮像部および前記表示部を操作するための操作部と、前記操作部からの指示を前記撮像部および前記表示部に伝達し動作制御するための演算部とを備えた眼科装置における眼科処理方法であって、
前記演算部は、取得した前眼部画像から血管位置を表す血管情報を生成し、
前記演算部は、血管情報から、瞳孔中心と新生血管の先端距離を表す第1測定情報、角膜と新生血管の割合を表す第2測定情報、新生血管の長さと面積を表す第3測定情報、及び、新生血管の本数を表す第4測定情報を算出する血管測定処理を実行し、
前記演算部は、前記操作部から選択された第1乃至第4測定情報のうちひとつ又は複数の任意の測定情報を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする眼科処理方法である。
【0008】
本発明の第3の解決手段によると、
被検眼の前眼部の画像を撮像する撮像部と、前記撮像部が撮像した前記前眼部の画像を表示する表示部と、前記撮像部および前記表示部を操作するための操作部と、前記操作部からの指示を前記撮像部および前記表示部に伝達し動作制御するための演算部とを備えた眼科装置における眼科処理プログラムであって、
前記演算部が、取得した前眼部画像から血管位置を表す血管情報を生成するステップと、
前記演算部が、血管情報から、瞳孔中心と新生血管の先端距離を表す第1測定情報、角膜と新生血管の割合を表す第2測定情報、新生血管の長さと面積を表す第3測定情報、及び、新生血管の本数を表す第4測定情報を算出する血管測定処理を実行するステップと、
前記演算部が、前記操作部から選択された第1乃至第4測定情報のうちひとつ又は複数の任意の測定情報を前記表示部に表示させる及び/又は記憶部に記憶する及び/又は外部に出力するステップ、
をコンピュータに実行させるための眼科処理プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、前眼部画像を加工して新生血管についての定量的な血管測定値(測定情報)を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】記憶部に記憶されるデータの構造についての説明図。
【
図3】第1の実施の形態の眼科装置の動作を表すフローチャート。
【
図4】眼科装置の血管強調処理についてのフローチャート(A)及び説明図(B)。
【
図5】眼科装置の血管測定処理についてのフローチャート(A)及び説明図(B)。
【
図6】第2の実施の形態の眼科装置の動作を表すフローチャート。
【
図7】第3の実施の形態の眼科装置の動作を表すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明に係る細隙灯顕微鏡の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この明細書に記載された文献の記載内容を、以下の実施形態の内容として適宜援用することが可能である。
【0012】
A.概要
本実施の形態では、医師の熟練度に依存せずに新生血管の発生有無の判断に役立たせることが期待される。また、新生血管の強調画像を得る実施の形態(血管強調処理)では、前眼部画像を加工して新生血管を強調した画像を生成することができ、また、前眼部観察における虹彩輪部周辺の新生血管の視覚化をすることができる。また、新生血管の測定をする実施の形態(血管測定処理)では、前眼部画像を加工して新生血管についての定量的な血管測定値(測定情報)を算出することができ、また、前眼部観察における虹彩輪部周辺の新生血管の測定をすることができ、治療の効果量を定量的に確認することができる。
本発明及び/又は本実施の形態は、細隙灯顕微鏡の他、各種の眼科装置により撮影された前眼部画像に適用することができる。血管強調処理及び血管測定処理の詳細については、後述する。また、本発明及び/又は本実施の形態は、被検眼を撮影したカラー画像に限らず白黒・グレースケールの画像を用いることもできる。
【0013】
血管強調処理について説明する。
通常取得したカラー前眼部画像および強調画像を例に説明する。ここでは、一例として、通常のスリットランプ使用にて取得したカラー画像で説明しているが、これに限らず、眼科装置により撮影された適宜の画像を用いてもよい。
血管強調処理では、眼科装置により撮影・取得された前眼部画像を加工して、血管を強調した画像を生成する。血管強調処理としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
・太い血管を強調した画像を生成する、
・中心に近い血管を強調した画像を生成する、
・前回データとの差分画像を生成する、
・血管の強調画像を生成する。
【0014】
血管測定処理について説明する。
通常取得したカラー前眼部画像および測定イメージを例に説明する。ここでは、一例として、通常のスリットランプ使用にて取得したカラー画像で説明しているが、これに限らず、眼科装置により撮影された適宜の画像を用いてもよい。
血管測定処理では、眼科装置により撮影・取得された前眼部画像を表示して、血管を測定する。血管測定処理としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
・瞳孔中心と新生血管の先端距離を算出する、
・角膜内の新生血管の割合を算出する、
・新生血管の長さと面積を算出する、
・新生血管の本数を算出する。
【0015】
B.眼科装置の構成
図1に、眼科装置のブロック構成図を示す。
本実施の形態の眼科装置1は、操作部H-01、演算部H-02、記憶部H-03、撮像部H-04、表示部H-05を備える。操作部H-01は予め入力された被検眼の前眼部等の画像を撮像する指令を演算部H-02に伝達する。演算部H-02は、操作部H-01からの、被検眼の前眼部等の画像を撮像する指令を受け、撮像部H-04に被検眼の前眼部等の画像を撮像するように動作させる。撮像部H-04が撮像した被検眼の前眼部等の画像を演算部H-02は表示部H-05に表示させ、記憶部H-03に記憶させる。他にも、外部の装置又は回線等に出力するインタフェースを備えても良い。
【0016】
図2に、記憶部に記憶されるデータの構造についての説明図を示す。
図2(A)では、記憶部H-03は、第1テーブル(データの構造1)と第2テーブル(データの構造2)を含む。第1テーブルには、患者IDに対応して、患者情報(例、名前、生年月日等)、撮影した枚数分の撮影IDが記憶される。第2テーブルには、撮影IDに対応して、撮影日時、撮影画像、撮影条件(例、どの部位(角膜、水晶体)、固視、眼とカメラの距離等の条件)、血管情報(血管位置)、強調画像、差分画像、測定情報が記憶される。
図2(B)は、第1のテーブルと第2のテーブルを合成してひとつのテーブル(データの構造)にしたものである。
なお、血管情報(血管位置)、強調画像、差分画像、測定情報の項目を省略し、各処理においてこれら情報を記憶せずに必要に応じて、求めるようにしてもよい。
【0017】
C.第1の実施の形態の眼科装置の動作
図3は、第1の実施の形態の眼科装置の動作を表すフローチャートである。
以下各ステップの処理について説明する。
・S101
操作者により操作部H-01から入力された患者IDにより、演算部H-02は、登録されている前眼部の画像(例、カラー画像)を患者IDに従い記憶部H-03から取得する。または撮像部H-04で撮影された前眼部画像(例、カラー画像)を取得する。撮影された画像は、記憶部H-03で保存される。このとき、患者IDに対応して、患者情報、撮影ID、撮影日時、及び/又は、撮影条件等のいずれかひとつ又は複数を含む情報を記憶しても良い。
【0018】
・S102
演算部H-02は、エッジ抽出や、特開2015-100519号公報(特許文献2)等の公知又は周知の適宜の抽出方法で血管位置を抽出することで、血管情報を生成する。ここで、血管情報とは、画像上に血管がどこにあるのかという情報のこと(血管がどこの画素にあるか)である。演算部H-02は、患者IDに対応して血管情報を記憶部H-03に記憶してもよい。以後、演算部H-02は、血管位置(血管情報)を用いて解析することができる。
【0019】
・S103
血管強調処理(詳細は後述)では、S102で抽出された血管情報から、血管を強調するようにして画像(強調画像)(例えば、後述のS201,S202,S204による各種画像)を作成する。また、演算部H-02は、記憶部H-03を参照して、患者IDより撮影画像を読み出し、前回の撮影された画像との差分画像(例えば、後述のS203による画像)を作成することができる。
【0020】
・S104
血管測定処理(詳細は後述)では、演算部H-02は、S102で抽出された血管情報から、瞳孔中心と新生血管の先端の距離、角膜と新生血管の割合、新生血管の本数、新生血管の長さ・面積、等のいずれかひとつ又は複数を適宜算出する(例えば、後述のS301、S302、S303、S304による各種測定情報)。
なお、S103で作成されたひとつ又は複数の強調画像を用いてS104の処理を実行してもよい。
【0021】
・S105
演算部H-02は、S103及び/又はS104で解析された結果を、表示部H-05で表示する。また、S103及び/又はS104で解析された結果(画像、測定情報)のうち、演算部H-02は、操作者が操作部H-01で出力させたい解析された結果をひとつ又は複数任意に選択し、表示部H-05で表示するようにしてもよい。或いは、演算部H-02は、記憶部H-03に、操作部H-01で選択された解析された結果や設定等を保存してもよい。また、操作者が操作部H-01で解析された結果を任意にレイアウト変更することができる。演算部H-02は、S103とS104の両方の結果を表示すること、S103の結果を表示してS104の結果を表示させないこと、S104の結果を表示してS103の画像を表示させないこと、S103の差分画像と撮影した画像を近くに配置すること、など適宜の表示方法で表示するようにしても良い。また、S103で生成した画像を撮影した画像にオバーレイしてもよい。
なお、演算部H-02は、S103及び/又はS104で解析された結果から、例えば、予め定められた閾値を超えた場合は、「要指導」等の注意を表示したり、指導内容(例えば、角膜内皮細胞数を撮影するように)等を表示したりするようにしてもよい。ここで、閾値は、例えば、パラメーター(表面の新生血管割合(本数、面積や長さなど))をユーザー等が任意に決めることができる。
【0022】
・S106
操作者が血管位置を修正したい場合は、例えば、表示画面等からドラッグするなどの手法により、操作部H-01で血管位置を手動で修正し、S103の処理に戻ることができる。
【0023】
なお、S103に含まれる各種の強調画像を生成する処理、S104に含まれる各種の測定情報を算出する処理の内ひとつ又は複数の適宜の処理だけをフローチャートに含めるようにしても良い。また、S103の処理で生成される画像、S104の処理で生成される測定情報のうち、演算部H-02は、操作者が操作部H-01で出力させたい画像・測定情報をひとつ又は複数任意に選択し、表示部H-05で表示するようにしてもよい。また、演算部H-02は、その選択された画像・測定情報に対応するひとつ又は複数の任意の処理だけを実行してもよい。また、S103の処理で生成される画像、S104の処理で生成される測定情報のうち、操作者が操作部H-01で出力させたい画像や測定情報をひとつ又は複数任意に選択し、演算部H-02は、その選択された画像や測定情報に対応するひとつ又は複数の任意の処理だけを実行し、表示部H-05で表示するようにしてもよい。或いは、記憶部H-03に選択された画像・測定情報又は処理の設定を保存すること等により、得たい画像・測定情報だけを得るようにしてもよい。操作者により操作部H-01から所望の画像・測定情報を選択する処理は、例えば、S105やS101の前後や適宜のタイミング・ステップで行うことができる。
【0024】
<血管強調処理>
図4は、眼科装置の血管強調処理についてのフローチャート(A)及び説明図(B)である。このフローチャートは、S103の詳細処理を表す。
以下、
図4(A)に従い血管強調処理の各ステップの処理について説明する。
・S201
演算部H-02は、太い血管を強調した画像(第1画像)を生成する(第1画像処理)。
例えば、演算部H-02は、S102で得られた血管位置(血管情報)をもとに、血管の垂直厚みを画像から求める。また、演算部H-02は、S102で得られた血管位置(血管情報)をもとに、勾配方向を求め、勾配方向から血管の垂直方向が求まり、垂直方向から画像上での血管の厚みを算出することもできる。なお、
図4(B)に示したように、血管の方向と勾配方向は垂直になる。勾配方向の算出は、一般的な方法として、例えば、Sobelフィルターを画像の横方向と画像の縦方向に掛けて、それぞれの画素に対して角度を算出できる。
また、演算部H-02は、眼とカメラの位置から光学倍率が決定し、実際の血管の厚みを算出することができる。演算部H-02は、求めた血管の厚みが太いところを赤等、細いところを青等にした画像(太い血管を強調した画像)を生成する。色合に関しては、操作者が任意で決定することができる。
【0025】
・S202
演算部H-02は、中心に近い血管を強調した画像を(第2画像)を生成する(第2画像処理)。
例えば、演算部H-02は、瞳孔の中心位置(座標)を求める。瞳孔の中心の求め方(眼底のアライメントと同じ)としては、公知又は周知の適宜の方法を採用することができる。例えば、瞳孔を検出するには、閾値で二値化をおこない、円形度から検出する方法、又は、円検出や楕円検出から検出する方法等を用いることができる。そして、瞳孔の重心座標を中心座標(中心位置)とする。
演算部H-02は、S102で得られた血管位置(血管情報)と瞳孔の中心座標から、それぞれ画像上の距離を求める。ここで、血管位置とは、画像上に血管がどこにあるのかという情報(血管がどこの画素にあるか)であり、ここでいう距離とは、例えば、血管があるすべての画素と瞳孔の中心画素との距離である。演算部H-02は、眼とカメラの位置から光学倍率が決定し、実際の距離が算出することができる。演算部H-02は、距離が近い血管は赤色等、遠い血管は青色等とした画像(中心に近い血管を強調した画像)を生成する。色合に関しては、操作者が任意で決定することができる。
【0026】
・S203
演算部H-02は、前回データとの差分画像(第3画像)を生成する(第3画像処理)。
例えば、演算部H-02は、記憶部H-03から患者IDに従い前回の撮影画像を取得する。演算部H-02は、得られた前回の撮影画像に対して、S102と同様の血管の抽出処理を実施して血管位置(血管情報)を作成する。一方、データに解析された強調画像を記憶部H-03に保存している場合は、S102の処理をする必要はなく、演算部H-02は、記憶部から患者IDに対応する強調画像を読み出して用いてもよい。なお、実装の観点から、一般に画像の保存は記憶部H-03の容量を考慮して、毎度S102の処理をしてもよい。
演算部H-02は、前回の撮影画像と今回の撮影画像の位置を合わせるため、S202と同様に瞳孔検出をして中心座標を一致させるように画像を移動させる。例えば、自動撮影されているため、ほぼ同じ位置で撮影されている場合は、中心座標の一致処理はしなくてもよい。なお、より精度よく位置合わせをするに、複数点の特徴量(瞳孔中心、目頭、目尻など)を抽出したり、SIFTなどの特徴量を算出したり、アフィン変換などの変換処理で位置合わせしてもよい。眼底のモザイク処理と同様な処理を利用しても良い。ここでSIFT(Scale-Invariant Feature Transform)とは、画像の特徴点検出・特徴量記述を行うアルゴリズムで、注目点の周りの勾配方向強度を表したものをいう。
演算部H-02は、今回入力した血管位置(血管情報)と前回の血管位置(血管情報)との差分を計算し、違いがある箇所を赤色等として画像(前回データとの差分画像)を生成する。色合に関しては、操作者が任意で決定することができる。また、差分をとる対象は操作者が決定することができる。例えば、データ構造中のひとつ又は複数の各パラメーターを選択することにより、適宜対象とする画像を決定しても良いし、さらに他の患者のデータやデータサンプルを用いてもよい。これに限らず操作者は対象を決定することができる。
【0027】
・S204
演算部H-02は、血管の強調画像(第4画像)を生成する(第4画像処理)。
例えば、演算部H-02は、S102で得られた血管位置(血管情報)をもとに、血管の色合を赤等に変更した画像を生成する。色合に関しては、操作者が任意で決定することができる
【0028】
S201,S202,S203,S204の処理の順番は問わない。または、S201,S202,S203,S204の処理の内ひとつ又は複数処理だけをフローチャートに含めるようにしても良い。また、S201,S202,S203,S204の処理で生成される画像のうち、演算部H-02は、操作者が操作部H-01で出力させたい画像をひとつ又は複数任意に選択し、表示部H-05で表示するようにしてもよい。また、演算部H-02は、その選択された画像に対応するひとつ又は複数の任意の処理だけを実行してもよい。或いは、記憶部H-03に選択された画像又は処理の設定を保存すること等により、得たい画像だけを得るようにしてもよい。操作者により操作部H-01から所望の画像を選択する処理は、例えば、S204の後やS201の前や適宜のタイミング・ステップで行うことができる。なお、上述では、色分けで強調する例を示したが、これに限らず線の太さや種類(点線、破線、一点鎖線等)などで表しても良い。
【0029】
<血管測定処理>
図5は、眼科装置の血管測定処理についてのフローチャート(A)及び説明図(B)である。このフローチャートは、S104の詳細処理を表す。
以下、
図5(A)に従い血管測定処理の各ステップの処理について説明する。
・S301
演算部H-02は、瞳孔中心と新生血管の先端距離(第1測定情報)を算出する(第1測定処理)。
例えば、演算部H-02は、血管位置と瞳孔位置を算出する。同行位置の算出としては、例えば、S202と同様に、演算部H-02は、瞳孔の中心位置(座標)を求める。瞳孔の中心の求め方(眼底のアライメントと同じ)としては、公知又は周知の適宜の方法を採用することができる。例えば、瞳孔を検出するには、閾値で二値化をおこない、円形度から検出する方法、又は、円検出や楕円検出から検出する方法等を用いることができる。そして、瞳孔の重心座標を中心座標(中心位置)とする。演算部H-02は、求めた瞳孔位置と、S102で得られた血管位置(血管情報)をもとに、瞳孔の中心に一番近い血管位置を選択する。ここで、血管位置とは、画像上に血管がどこにあるのかという情報(血管がどこの画素にあるか)であり、一番近いとは、それぞれの血管すべての画素と瞳孔の中心画素の距離が最小であるということである。演算部H-02は、瞳孔の中心とさきほど選択した血管位置の距離を求め、瞳孔の半径と差分をとることで画像上の長さを算出する。演算部H-02は、眼とカメラの位置から光学倍率が決定し、実際の長さ(瞳孔中心と新生血管の先端距離)を算出することができる。
【0030】
・S302
演算部H-02は、角膜内の新生血管の割合(第2測定情報)を算出する(第2測定処理)。
例えば、演算部H-02は、S102で得られた血管位置(血管情報)をもとに、血管位置(血管情報)の画素数を数える。ここで、カウントした数が血管の面積に相当する。また、演算部H-02は、角膜を検出し、同様に角膜の画素数を数える。角膜の検出としては、例えば、S202と同様に、演算部H-02は、角膜(瞳孔)の中心位置(座標)を求める。角膜の中心の求め方(眼底のアライメントと同じ)としては、公知又は周知の適宜の方法を採用することができる。例えば、角膜を検出するには、閾値で二値化をおこない、円形度から検出する方法、又は、円検出や楕円検出から検出する方法等を用いることができる。そして、角膜の重心座標を中心座標(中心位置)とする。演算部H-02は、求めた角膜の面積と血管の面積を用いて、角膜内の角膜と新生血管との割合(角膜内の新生血管の割合)を算出する。
【0031】
・S303
演算部H-02は、新生血管の長さと面積(第3測定情報)を算出する(第3測定処理)。
例えば、演算部H-02は、血管面積を求める。例えば、S302と同様に、演算部H-02は、S102で得られた血管位置(血管情報)をもとに、血管位置(血管情報)の画素数を数える。ここで、カウントした数が血管の面積に相当する。演算部H-02は、眼とカメラの位置から光学倍率が決定し、実際の血管の面積を算出することができる。演算部H-02は、S102で得られた血管位置(血管情報)をもとに、例えば非極大値の抑制処理などの細線化処理を行い、血管の長さを算出する。演算部H-02は、眼とカメラの位置から光学倍率が決定し、実際の血管の長さを算出することができる。
図5(B)に表した非極大値の抑制処理の説明図においては、上図の血管について、中図のような輝度分布が測定された場合、輝度の極大値を細線化した例が下図に表される。
【0032】
・S304
演算部H-02は、新生血管の本数(第4測定情報)を算出する(第4測定処理)。
例えば、演算部H-02は、S102で得られた血管位置(血管情報)をもとに、ラベリング処理を実施し、ラベリングした結果の数が本数となる。なお、交差した血管がある場合は、交点の数又は勾配方向をみて、本数を判断するようにしても良い。
【0033】
S301,S302,S303,S304の処理の順番は問わない。または、S301,S302,S303,S304の処理の内ひとつ又は複数処理だけをフローチャートに含めるようにしても良い。また、S301,S302,S303,S304の処理で計算される測定情報のうち、演算部H-02は、操作者が操作部H-01で出力させたい画像をひとつ又は複数任意に選択し、表示部H-05で表示するようにしてもよい。また、演算部H-02は、その選択された測定情報に対応するひとつ又は複数の任意の処理だけを実行してもよい。或いは、記憶部H-03に選択された画像又は処理の設定を保存すること等により、得たい測定情報だけを得るようにしてもよい。操作者により操作部H-01から所望の測定情報を選択する処理は、例えば、S304の後やS301の前や適宜のタイミング・ステップで行うことができる。
【0034】
D.第2の実施の形態の眼科装置の動作
図6は、第2の実施の形態の眼科装置の動作を表すフローチャートである。
このフローチャートは、第1の実施の形態と比べると、概略、血管測定処理(S104)を実行し、血管強調処理(S103)は実行しないものであり、他は同様である。
以下各ステップの処理について説明する。
・S401
S101と同様に、演算部H-02は、前眼部の画像を取得する。
操作者により操作部H-01から入力された患者IDにより、演算部H-02は、登録されている前眼部の画像(例、カラー画像)を患者IDに従い記憶部H-03から取得をする。または撮像部H-04で撮影された前眼部画像(例、カラー画像)を取得する。撮影された画像は、記憶部H-03で保存される。このとき、患者IDに対応して、患者情報、撮影ID、撮影日時、及び/又は、撮影条件等のいずれかひとつ又は複数を含む情報を記憶しても良い。
【0035】
・S402
S102と同様に、演算部H-02は、血管位置を抽出して血管情報を生成する。
演算部H-02は、エッジ抽出や、特開2015-100519号公報(特許文献2)等の公知又は周知の適宜の抽出方法で血管位置を抽出することで、血管情報を生成する。ここで、血管情報とは、画像上に血管がどこにあるのかという情報のこと(血管がどこの画素にあるか)である。ここでは血管位置がわかればよい。演算部H-02は、患者IDに対応して血管情報を記憶部H-03に記憶してもよい。以後、演算部H-02は、血管位置(血管情報)を用いて解析をすることができる。
【0036】
・S403
S104及び
図5の眼科装置の血管測定処理についてのフローチャートによる処理と同様に、演算部H-02は、入力画像の血管測定処理を実行する。
血管測定処理(詳細は前述)では、演算部H-02は、S402で抽出された血管情報から、瞳孔中心と新生血管の先端の距離、角膜と新生血管の割合、新生血管の本数、新生血管の長さ・面積、等のいずれかひとつ又は複数を適宜算出する(例えば、S301、S302、S303、S304による各種測定情報)。
【0037】
・S404
S105と同様に、演算部H-02は、解析結果を表示する。
演算部H-02は、S403で解析された結果を、表示部H-05で表示する。また、S403の処理で生成される測定情報のうち、演算部H-02は、操作者が操作部H-01で出力させたい測定情報をひとつ又は複数任意に選択し、表示部H-05で表示するようにしてもよい。或いは、演算部H-02は、記憶部H-03に、操作部H-01で選択された測定情報又は処理の設定等を保存してもよい。また、操作者が操作部H-01で解析された結果を任意にレイアウト変更することができる。演算部H-02は、適宜の表示方法で表示するようにしても良い。
なお、演算部H-02は、S403で解析された結果から、例えば、予め定められた閾値を超えた場合は、「要指導」等の注意を表示したり、指導内容(例えば、角膜内皮細胞数を撮影するように)等を表示したりするようにしてもよい。ここで、閾値は、例えば、パラメーター(表面の新生血管割合(本数、面積や長さなど))をユーザー等が任意に決めることができる。
【0038】
・S405
S106と同様に、演算部H-02は、操作者が血管位置を修正したい場合は、操作部H-01で血管位置を修正し、このフローチャートではS403に戻る。
操作者が血管位置を修正したい場合は、例えば、表示画面等からドラッグするなどの手法により、操作部H-01で血管位置を手動で修正し、S403の処理に戻ることができる。
【0039】
なお、S403に含まれる各種の測定情報を算出する処理の内ひとつ又は複数の適宜の処理だけをフローチャートに含めるようにしても良い。また、S403の処理で生成される測定情報のうち、演算部H-02は、操作者が操作部H-01で出力させたい測定情報をひとつ又は複数任意に選択し、表示部H-05で表示するようにしてもよい。また、演算部H-02は、その選択された測定情報に対応するひとつ又は複数の任意の処理だけを実行してもよい。また、S403の処理で生成される測定情報のうち、操作者が操作部H-01で出力させたい測定情報をひとつ又は複数任意に選択し、演算部H-02は、その選択された測定情報に対応するひとつ又は複数の任意の処理だけを実行し、表示部H-05で表示するようにしてもよい。或いは、記憶部H-03に選択された測定情報又は処理の設定を保存すること等により、得たい測定情報だけを得るようにしてもよい。操作者により操作部H-01から所望の測定情報や測定情報の算出処理を選択する処理は、例えば、S404やS401の前後や適宜のタイミング・ステップで行うことができる。
【0040】
E.第3の実施の形態の眼科装置の動作
図7は、第3の実施の形態の眼科装置の動作を表すフローチャートである。
このフローチャートは、第1の実施の形態と比べると、血管強調処理と血管測定処理の順序を入れ替えたものである。
以下各ステップの処理について説明する。
・S501
S101と同様
・S502
S102と同様
【0041】
・S503
S104及び
図5の眼科装置の血管測定処理についてのフローチャートによる処理と同様
・S504
S103及び
図4の眼科装置の血管強調処理についてのフローチャートによる処理と同様
・S505
S105と同様
・S506
S106と同様に、操作者が血管位置を修正したい場合は、操作部H-01で血管位置を修正し、ここではS503に戻る。
【0042】
なお、S504に含まれる各種の強調画像を生成する処理、S503に含まれる各種の測定情報を算出する処理の内ひとつ又は複数の適宜の処理だけをフローチャートに含めるようにしても良い。また、S504の処理で生成される画像、S503の処理で生成される測定情報のうち、演算部H-02は、操作者が操作部H-01で出力させたい画像・測定情報をひとつ又は複数任意に選択し、表示部H-05で表示するようにしてもよい。また、演算部H-02は、その選択された画像・測定情報に対応するひとつ又は複数の任意の処理だけを実行してもよい。また、S504の処理で生成される画像、S503の処理で生成される測定情報のうち、操作者が操作部H-01で出力させたい画像や測定情報をひとつ又は複数任意に選択し、演算部H-02は、その選択された画像や測定情報に対応するひとつ又は複数の任意の処理だけを実行し、表示部H-05で表示するようにしてもよい。或いは、記憶部H-03に選択された画像・測定情報又は処理の設定を保存すること等により、得たい画像・測定情報だけを得るようにしてもよい。操作者により操作部H-01から所望の画像・測定情報を選択する処理は、例えば、S505やS501の前後や適宜のタイミング・ステップで行うことができる。
【0043】
F.付記
本発明の眼科処理方法又は眼科処理の装置・システムは、その各手順をコンピュータに実行させるための眼科処理プログラム、眼科処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、眼科処理プログラムを含みコンピュータの内部メモリにロード可能なプログラム製品、そのプログラムを含むサーバ等のコンピュータ、等により提供されることができる。
【符号の説明】
【0044】
1 眼科検査装置
H-01 操作部
H-02 演算部
H-03 記憶部
H-04 撮像部
H-05 表示部