(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138619
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】基材、及び乗物用内装材
(51)【国際特許分類】
B29C 67/20 20060101AFI20241002BHJP
B60R 13/02 20060101ALI20241002BHJP
B29C 44/00 20060101ALI20241002BHJP
B29C 45/00 20060101ALI20241002BHJP
B29C 44/06 20060101ALI20241002BHJP
B29C 45/56 20060101ALI20241002BHJP
C08J 9/04 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
B29C67/20
B60R13/02 B
B29C44/00 D
B29C45/00
B29C44/06
B29C45/56
C08J9/04 CES
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049183
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石塚 将智
【テーマコード(参考)】
3D023
4F074
4F206
4F214
【Fターム(参考)】
3D023BA01
3D023BB08
3D023BC01
3D023BD03
3D023BE21
3D023BE22
3D023BE31
4F074AA24
4F074BA03
4F074CA26
4F074CC04X
4F074CC04Y
4F074CC22X
4F074DA03
4F074DA08
4F074DA20
4F074DA35
4F074DA59
4F206AA11
4F206AB02
4F206AH23
4F206AR12
4F206JA04
4F206JF04
4F206JL02
4F206JM05
4F206JN25
4F206JQ83
4F214AA11
4F214AB02
4F214AG02
4F214AH23
4F214AR12
4F214UA08
4F214UB01
4F214UC03
4F214UL25
(57)【要約】
【課題】伸び易い基材、及び乗物用内装材を提供する。
【解決手段】発泡性樹脂を含んだ基材100であって、発泡性樹脂が発泡してなる複数の気泡Bを含んだ発泡層10と、発泡層10の表裏面側に配され、発泡性樹脂が未発泡の状態である未発泡層11,12と、を備え、気泡Bは、その最大内径が0.33mm以下である、基材100。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡性樹脂を含んだ基材であって、
前記発泡性樹脂が発泡してなる複数の気泡を含んだ発泡層と、
前記発泡層の表裏面側に配され、前記発泡性樹脂が未発泡の状態である未発泡層と、を備え、
前記気泡は、その最大内径が0.33mm以下である、基材。
【請求項2】
前記気泡は、その最大内径が0.1mm以上である、請求項1に記載の基材。
【請求項3】
前記発泡層において、単位面積当たりの前記気泡の個数は、1.55個/mm2以上である、請求項1または請求項2に記載の基材。
【請求項4】
前記発泡層において、前記複数の気泡のうち円形度が0.5以上である気泡の、単位面積当たりの個数は、1.55個/mm2以上である、請求項3に記載の基材。
【請求項5】
前記発泡層の表面側に配された第1未発泡層と、前記発泡層の裏面側に配された第2未発泡層とを足した合計の厚みは、当該基材の厚みの15%以上である、請求項1または請求項2に記載の基材。
【請求項6】
前記未発泡層は、前記発泡層において厚み方向における最も外側に位置する気泡よりも外側の部分とされる、請求項1または請求項2に記載の基材。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の基材により構成され、
前記未発泡層は、
前記発泡層の乗物室内側に配された第1未発泡層と、
前記発泡層の乗物室外側に配され、前記第1未発泡層よりも厚みが薄い第2未発泡層と、を含む、乗物用内装材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基材、及び乗物用内装材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基材として、特許文献1に記載の技術が知られている。具体的に、特許文献1には、化学発泡剤を含むポリプロピレン系樹脂が発泡した発泡層と、この発泡層を挟み、基材の表裏面層となる非発泡層と、を備える基材(射出発泡樹脂成形品)が開示されている。この基材について、発泡層の中央に位置する気泡(発泡セル)の大きさは、最大内径が0.5mm以上であることが好ましい、とのことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の構成において、破断することを防ぐために、伸び易い基材の提供が望まれる。また、より軽量化した基材の提供が望まれる。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成された技術であって、伸び易い基材、及び乗物用内装材を提供することを目的の一つとする。また、軽量化が可能な基材、及び乗物用内装材を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、発泡性樹脂を含んだ基材であって、前記発泡性樹脂が発泡してなる複数の気泡を含んだ発泡層と、前記発泡層の表裏面側に配され、前記発泡性樹脂が未発泡の状態である未発泡層と、を備え、前記気泡は、その最大内径が0.33mm以下である、基材とされる。
【0007】
上記構成において、前記気泡は、その最大内径が0.1mm以上であってもよい。
【0008】
上記構成では、前記発泡層において、単位面積当たりの前記気泡の個数は、1.55個/mm2以上であってもよい。
【0009】
上記構成では、前記発泡層において、前記複数の気泡のうち円形度が0.5以上である気泡の、単位面積当たりの個数は、1.55個/mm2以上であってもよい。
【0010】
上記構成において、前記発泡層の表面側に配された第1未発泡層と、前記発泡層の裏面側に配された第2未発泡層とを足した合計の厚みは、当該基材の厚みの15%以上であってもよい。
【0011】
上記構成において、前記未発泡層は、前記発泡層において厚み方向における最も外側に位置する気泡よりも外側の部分とされていてもよい。
【0012】
また、本開示は、上記の基材により構成され、前記未発泡層は、前記発泡層の乗物室内側に配された第1未発泡層と、前記発泡層の乗物室外側に配され、前記第1未発泡層よりも厚みが薄い第2未発泡層と、を含む、乗物用内装材である。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、伸び易い基材、及び乗物用内装材の提供が可能となる。また、軽量化が可能な基材、及び乗物用内装材の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態>
本開示の実施形態を
図1から
図3によって説明する。本実施形態では、基材100と、基材100により構成される自動車のドアトリム(乗物用内装材)101について説明する。尚、
図1及び
図2において、下側(裏面側)を車室外側(乗物室外側)とし、上側(表面側)を車室内側(乗物室内側)とする。また、基材100における上下方向を、厚み方向と呼ぶことがある。
【0016】
図1に示すように、基材100は、発泡性樹脂を含んだ板状体とされ、これが所定形状に成形されることで、ドアトリム101(
図3参照)を構成している。発泡性樹脂の材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂と発泡剤とを混合した混合体を採用することができる。発泡剤としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム等の無機系発泡剤や、N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン-3,3’-ジスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド類、p-トルエンスルホニルセミカルバジド等の有機系発泡剤を採用することができる。
【0017】
基材100は、発泡性樹脂が発泡してなる複数の気泡Bを含んだ発泡層10と、発泡層10の表裏面側に配され、発泡性樹脂が未発泡の状態である未発泡層11,12と、を備える。複数の気泡Bの間の部分は、上記ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂からなる壁部Cとされる。未発泡層11,12は、スキン層と呼ばれることもある。
【0018】
図2に示すように、発泡層10において、未発泡層11,12の近傍には、発泡剤が未発泡の部分と発泡して気泡が生じた部分とが混じった境界部13が存在する。本実施形態では、未発泡層11,12は、発泡層10において厚み方向における最も外側に位置する気泡B1よりも厚み方向における外側の部分とする。具体的に、
図1及び
図2に示すように、その気泡B1の外側面に接する線であって、基材100の板面方向(左右方向)に平行な線を境界線L1,L2とした場合に、未発泡層11,12は、境界線L1,L2よりも厚み方向における外側の部分とする。発泡層10は、境界線L1,L2よりも厚み方向における内側の部分とする。
【0019】
未発泡層11,12は、発泡層10の車室内側(表面側)に配された第1未発泡層11と、発泡層10の車室外側(裏面側)に配された第2未発泡層12と、を含む。第2未発泡層12の厚みT12は、第1未発泡層11の厚みT11よりも薄い。具体的に、第2未発泡層12の厚みT12は、第1未発泡層11の厚みT11に対し、40%以上でもよく、45%以上でもよく、50%以上でもよく、80%以下でもよく、75%以下でもよく、70%以下でもよく、65%以下でもよい。第1未発泡層11の厚みT11と、第2未発泡層12の厚みT12とを足した合計の厚み(T11+T12)は、基材100全体の厚み(T10+T11+T12)に対し、15%以上でもよく、18%以上でもよく、20%以上でもよく、30%以下でもよく、26%以下でもよく、23%未満でもよい。
【0020】
発泡層10には、その最大内径が所定範囲内である、気泡Bが複数含まれる。気泡Bの最大内径とは、任意の気泡Bにおいて、その直径(内径)が最も大きくなる値のことである。この気泡Bの最大内径は、0.33mm以下でもよく、0.27mm以下でもよく、0.21mm以下でもよく、0.18mm以下でもよい。また、気泡Bの最大内径は、0.10mm以上でもよく、0.12mm以上でもよく、0.14mm以上でもよい。
【0021】
発泡層10において、単位面積当たりの気泡Bの個数は、1.55個/mm2以上でもよく、2.00個/mm2以上でもよく、3.00個/mm2以上でもよく、3.50個/mm2以上でもよく、10.00個/mm2以下でもよい。尚、この単位面積当たりの気泡Bの個数の算出に際して、基材100において任意の断面の単位面積あたりに含まれる複数の気泡のうち、円形度が0.5以上である気泡の個数をカウントする。
【0022】
図3に示すように、基材100は、自動車(乗物)のドア1において、板金であるドアパネル102に対し車室内側から取り付けられるドアトリム101を構成する。ドアトリム101は、基材100を所定形状に成形してなるものとされる。このドアトリム101は、第1未発泡層11が、ドアパネル102に対して反対側となる車室内側(図の右下側)に指向し、第2未発泡層12が、ドアパネル102に対向する車室外側(図の左上側)に指向するように、ドアパネル102に対し取り付けられている。
【0023】
続いて、本実施形態の効果について説明する。本実施形態では、発泡性樹脂を含んだ基材100であって、発泡性樹脂が発泡してなる複数の気泡Bを含んだ発泡層10と、発泡層10の表裏面側に配され、発泡性樹脂が未発泡の状態である未発泡層11,12と、を備え、気泡Bは、その最大内径が0.33mm以下である、基材100を示した。
【0024】
このような基材100によると、発泡層10において、過度に大きい気泡が含まれていたり、気泡同士が繋がって歪な形をなした空隙が含まれていたりする構造となることを防ぐことができる。すなわち、気泡Bの最大内径が0.33mmを超えると、気泡B周りの壁部C(セル)が薄くなることやその壁部Cの分岐に乏しい構造となることで、その壁部Cに力が集中し易くなるが、気泡Bの最大内径が0.33mm以下とすれば、気泡B周りの壁部Cが厚くなることやその壁部Cが分岐に富んだ構造となることで、力が分散され易くなる。これにより、基材100に力が加わった場合に、気泡B周りの壁部Cが伸びることができる(伸びる余裕がある)構造となるので、伸び易く、破断し難い基材100とすることができる。
【0025】
気泡Bは、その最大内径が0.1mm以上である。
【0026】
このような構成によると、発泡層10において発泡性樹脂が好適に発泡した構造となり、軽量化した基材100とすることができる。
【0027】
発泡層10において、単位面積当たりの気泡Bの個数は、1.55個/mm2以上である。
【0028】
このような構成によると、発泡層10において気泡Bが緻密に含まれることで、伸び易く、軽量化した基材100とすることができる。
【0029】
発泡層10において、複数の気泡のうち円形度が0.5以上である気泡Bの、単位面積当たりの個数は、1.55個/mm2以上である。
【0030】
例えば基材100の厚み方向に長い形をなした気泡は、厚み方向へ伸びる余裕が少ないため、基材100に力が加わった場合に、その気泡周りの壁部が破断し易い。しかしながら、上記のような構成によると、発泡層10において、真円に近い気泡Bが緻密に含まれることで、一層伸び易く、軽量化した基材とすることができる。
【0031】
発泡層10の表面側に配された第1未発泡層11と、発泡層10の裏面側に配された第2未発泡層12とを足した合計の厚みは、当該基材100の厚みの15%以上である。
【0032】
このような基材100によると、未発泡層11,12においても伸び易い構造とすることができる。また、基材100の剛性を高めることができる。
【0033】
未発泡層11,12は、発泡層10において厚み方向における最も外側に位置する気泡Bよりも外側の部分とされる。
【0034】
このような構成によると、厚み方向において気泡Bが含まれていない層が未発泡層11,12として構成された基材100とすることができる。
【0035】
また、本実施形態では、基材100により構成され、未発泡層11,12は、発泡層10の乗物室内側に配された第1未発泡層11と、発泡層10の乗物室外側に配され、第1未発泡層11よりも厚みが薄い第2未発泡層12と、を含む、乗物用内装材101を示した。
【0036】
このような構成によると、第1未発泡層11では伸び易く破断し難いものとし、第2未発泡層12では軽量化を実現可能な乗物用内装材101とすることができる。例えば乗物が衝突し、乗員が乗物用内装材101に当たった場合に、乗員から加わる力を第1未発泡層11で好適に受けることができる。
【実施例0037】
以下、実施例に基づいて本技術を詳細に説明する。なお、本技術はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0038】
<実施例1>
上型と下型とからなる一対の成形型の間の空間(成形空間)に、発泡性樹脂を射出して充満させた。発泡性樹脂としては、熱可塑性樹脂としてのポリプロピレン樹脂と、発泡剤としての炭酸水素ナトリウムとが混合した混合体を用いた。成形空間に発泡性樹脂を充満させた後に、上型を下型から僅かに離間させて成形空間を広げ(この工程を、コアバックと呼ぶ)、発泡性樹脂の発泡を促した。この状態を一定時間保持して発泡性樹脂を硬化させ、硬化後の成形体を一対の成形型から取り出すことにより、実施例1の基材を得た。
【0039】
<実施例2から実施例5、比較例1及び比較例2>
実施例1と同様の工程において、コアバックの程度、成形空間に発泡性樹脂が充満した後の成形型の温度や保持時間を適宜変更して実行することで、実施例2から実施例5、比較例1及び比較例2の基材を得た。
【0040】
[基材の厚み等の計測]
上記実施例及び比較例に係る基材を切断し、その断面を撮像して得られた画像をコンピューターによって解析した。この解析により、基材の厚み、発泡層の表面側(車室内側)に配された第1未発泡層の厚み、発泡層の裏面側(車室外側)に配された第2未発泡層の厚み、気泡の最大内径、及び、単位面積当たりの気泡の個数(単位は「個/45mm
2」とする)を計測した。未発泡層の厚みとしては、
図1及び
図2に示す境界線L1,L2よりも厚み方向における外側の部分を計測した。気泡の最大内径の計測、及び単位面積当たりの気泡の個数のカウントにおいては、その対象となる気泡の円形度が0.5以上のものに限定して行った。また、第1未発泡層の厚みと第2未発泡層の厚みを合計することで、未発泡層の合計の厚みを算出した。また、第2未発泡層の厚みを第1未発泡層の厚みで除した値を百分率で表すことで、第1未発泡層に対する第2未発泡層の厚みの割合を算出した。また、未発泡層の合計の厚みを基材全体の厚みで除した値を百分率で表すことで、基材に対する未発泡層の厚みの割合を算出した。結果を、表1に示す。
【0041】
[引張試験による評価]
実施例1から実施例5、比較例1及び比較例2の基材について、JIS K 7161に準拠して、引張試験を行った。これにより、基材の降伏応力、及び歪み量を計測した。結果を、表1に示す。
【0042】
【0043】
気泡の最大内径が0.33mm以下の基材(実施例1から5)は、気泡の最大内径が0.34mmの基材(比較例1,2)に比して歪み量が大きく、いずれも歪み量が20mm以上となっている。単位面積当たりの気泡の個数が70個/45mm2(1.55個/mm2)以上の基材(実施例1から5)は、単位面積当たりの気泡の個数が70個/45mm2未満の基材(比較例1,2)に比して歪み量が大きく、いずれも歪み量が20mm以上となっている。第1未発泡層に対する第2未発泡層の厚みの割合が70%以下の基材(実施例1から5)は、その割合が70%を超える基材(比較例1,2)に比して歪み量が大きく、いずれも歪み量が20mm以上となっている。気泡の最大内径が小さくなるほど、単位面積当たりの気泡の個数が多くなるほど、又は、第1未発泡層に対する第2未発泡層の厚みの割合が小さくなるほど、基材の歪み量が大きくなっている。
【0044】
実施例2,3,5の基材は、比較例1,2の基材に比して降伏応力が高い。基材の厚みに対する未発泡層の厚みの割合が25%以上の基材(実施例3)は、その割合が25%未満の基材(実施例1,2,4,5、及び比較例1,2)に比して降伏応力が高い。
【0045】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されず、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0046】
(1)上記実施形態以外にも、各未発泡層の厚みは適宜変更可能である。例えば、第1未発泡層は、第2未発泡層と等しい厚みでもよく、第2未発泡層よりも薄くてもよい。
【0047】
(2)単位面積当たりの気泡の個数をカウントする際の、気泡の円形度の下限値は適宜変更可能である。例えば、単位面積当たりの気泡の個数をカウントする際には、円形度が0.6以上の気泡をカウントしてもよく、円形度が0.7以上の気泡をカウントしてもよい。
【0048】
(3)基材には、最大内径が0.1未満の気泡が含まれていてもよい。
【0049】
(4)引張試験を行う際の規格は適宜変更可能である。例えば、JIS K 7113に準拠して、引張試験を行ってもよい。
【0050】
(5)上記実施形態で例示した基材、及び乗物用内装材としては、自動車のドアトリムを説明したが、他にも、サイドトリム、クォータートリム、又はピラーガーニッシュ等の内装材にも適用できる。また、上記実施形態で例示した基材、及び乗物用内装材としては、自動車用(車両用)に限定されず、種々の乗物において提供されてもよい。例えば、地上の乗物としての列車や遊戯用車両、飛行用乗物としての飛行機やヘリコプター、海上や海中用乗物としての船舶や潜水艇などの乗物についても上記基材、及び乗物用内装材を適用することができる。