(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138637
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】画像処理方法、観察方法、基板処理方法および基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20241002BHJP
【FI】
H01L21/66 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049226
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】菱谷 大輔
【テーマコード(参考)】
4M106
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106DH03
4M106DH12
4M106DH31
4M106DJ13
4M106DJ14
4M106DJ19
(57)【要約】
【課題】基板周縁部を撮像した画像から、特に背景が明るく撮像された場合であっても基板のエッジ位置を正確に求める。
【解決手段】この発明に係る画像処理方法、観察方法、基板処理方法および基板処理装置は、基板の周縁部を撮像した画像のうち基板の表面に対応する基板領域から背景に対応する背景領域へ向かう方向に見て輝度値が有意に増大し始める変化開始位置を検出し、変化開始位置から背景領域に向かって、所定のオフセット値に相当する距離だけシフトした位置を、エッジ位置として特定する。輝度値に対して予め設定された閾値に基づいて変化開始位置を検出し、閾値は、露出を異ならせて撮像された複数の画像における正規化輝度プロファイルが実質的に一致する領域と一致しない領域との境界における正規化輝度値に相当する値である。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面を含む周縁部と前記表面より高輝度の背景とを互いに隣接して含み撮像された画像から、前記基板のエッジ位置を特定するための画像処理方法であって、
前記画像のうち前記基板の表面に対応する基板領域から前記背景に対応する背景領域へ向かう方向に見て輝度値が有意に増大し始める変化開始位置を検出する工程と、
前記変化開始位置から前記背景領域に向かって、所定のオフセット値に相当する距離だけシフトした位置を、前記エッジ位置として特定する工程と
を備え、
前記変化開始位置を検出する工程では、輝度値に対して予め設定された閾値に基づき前記変化開始位置を検出し、
前記閾値は、露出を異ならせて撮像された複数の前記画像のそれぞれにおいて定義される、前記画像内での位置と当該位置での輝度値を前記露出の大きさで正規化した正規化輝度値との対応関係を表す正規化輝度プロファイルが実質的に一致する領域と一致しない領域との境界における前記正規化輝度値に相当する値である、画像処理方法。
【請求項2】
前記閾値は、前記背景領域から前記基板領域へ向かう方向に前記正規化輝度プロファイルを微分したときの微分値が、複数の前記画像間で、最も大きいピークよりも前記基板領域側で最初に一致するときの位置に対応する前記正規化輝度値に相当する値である、請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項3】
前記オフセット値は、前記背景領域の明るさが飽和しない条件で撮像された前記画像においてエッジ検出処理により検出された前記エッジ位置と、当該画像中の前記境界に対応する位置との距離に相当する値である、請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項4】
前記エッジ検出処理では、前記正規化輝度プロファイルを微分したときの微分値における最も大きいピークを挟み、かつ前記微分値が予め設定された仮閾値と等しい2つの位置の中間位置を前記エッジ位置とする、請求項3に記載の画像処理方法。
【請求項5】
基板処理装置により処理される基板の周縁部を観察する観察方法であって、
前記基板の表面を含む前記周縁部に照明光を入射させるとともに前記周縁部を撮像して、前記周縁部と前記表面より高輝度の背景とを互いに隣接して含む画像を取得する工程と、
前記画像のうち前記基板の表面に対応する基板領域から前記背景に対応する背景領域へ向かう方向に見て輝度値が有意に増大し始める変化開始位置を検出する工程と、
前記変化開始位置から前記背景領域に向かって、所定のオフセット値に相当する距離だけシフトした位置を、前記エッジ位置として特定する工程と
を備え、
前記変化開始位置を検出する工程では、輝度値に対して予め設定された閾値に基づき前記変化開始位置を検出し、
前記閾値は、露出を異ならせて撮像された複数の前記画像のそれぞれにおいて定義される、前記画像内での位置と当該位置での輝度値を前記露出の大きさで正規化した正規化輝度値との対応関係を表す正規化輝度プロファイルが実質的に一致する領域と一致しない領域との境界における前記正規化輝度値に相当する値である、観察方法。
【請求項6】
前記閾値および前記オフセット値を決定するための予備処理工程を備え、
前記予備処理工程では、
露出の大きさを互いに異ならせて前記周縁部を複数回撮像して複数の予備画像を取得し、
前記複数の予備画像のそれぞれから検出される前記変化開始位置が一致する前記閾値を決定し、
前記複数の予備画像のうち前記背景領域の明るさが飽和しない条件で撮像された画像に基づき、エッジ検出処理により前記エッジ位置を検出し、当該画像において検出された前記エッジ位置と前記変化開始位置との距離を前記オフセット値として決定する、請求項5に記載の観察方法。
【請求項7】
前記複数の予備画像それぞれについて、前記背景領域から前記基板領域へ向かう方向に前記正規化輝度プロファイルを微分した正規化微分プロファイルを求め、複数の前記予備画像間で、微分値が最も大きいピークよりも前記基板領域側で最初に一致するときの位置に対応する前記正規化輝度値を前記閾値とする、請求項6に記載の観察方法。
【請求項8】
円板状の前記基板を、その主面に垂直かつ中心を通る回転軸まわりに回転させながら、互いに異なる複数の時刻に前記撮像を行って複数の前記画像を取得し、
複数の前記画像の各々について前記エッジ位置の特定を行う、請求項5ないし7のいずれかに記載の観察方法。
【請求項9】
複数の前記画像の各々について、当該画像を構成する画素の輝度値を前記基板の周方向に積算し、その積算値に基づき前記基板の径方向に沿った単一の輝度プロファイルを求め、前記輝度プロファイルと前記閾値とに基づき前記変化開始位置を検出する、請求項8に記載の観察方法。
【請求項10】
基板に対し所定の処理を実行する工程と、
前記処理の開始前、実行中および終了後の少なくともいずれかにおいて、前記基板の表面を含む周縁部に照明光を入射させるとともに前記周縁部を撮像して、前記周縁部と前記表面より高輝度の背景とを互いに隣接して含む画像を取得する工程と、
前記画像のうち前記基板の表面に対応する基板領域から前記背景に対応する背景領域へ向かう方向に見て輝度値が有意に増大し始める変化開始位置を検出する工程と、
前記変化開始位置から前記背景領域に向かって、所定のオフセット値に相当する距離だけシフトした位置を、前記エッジ位置として特定する工程と
を備え、
前記変化開始位置を検出する工程では、輝度値に対して予め設定された閾値に基づき前記変化開始位置を検出し、
前記閾値は、露出を異ならせて撮像された複数の前記画像のそれぞれにおいて定義される、前記画像内での位置と当該位置での輝度値を前記露出の大きさで正規化した正規化輝度値との対応関係を表す正規化輝度プロファイルが実質的に一致する領域と一致しない領域との境界における前記正規化輝度値に相当する値である、基板処理方法。
【請求項11】
基板に対し所定の処理を実行する処理部と、
前記基板の表面を含む前記周縁部に照明光を入射させるとともに前記周縁部を撮像して、前記周縁部と前記表面より高輝度の背景とを互いに隣接して含む画像を取得する撮像部と、
前記画像に基づき前記基板のエッジ位置を検出する画像処理部と
を備え、
前記画像処理部は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像処理方法を実行して前記エッジ位置を検出する、基板処理装置。
【請求項12】
前記照明光が拡散光である、請求項11に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体ウエハなどの基板の周縁部を撮像して観察する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハなどの被撮像物の周縁部に対して種々の処理を施す処理システムが知られている。このような基板処理システムでは、例えば処理状態を監視するために、処理される基板を照明しCCDカメラ等の撮像手段によって撮像することが行われる。基板の周縁部の形状としては様々であるが、例えば研磨加工により表面を傾斜面とした、いわゆるベベル部が設けられたものがある。
【0003】
このような基板のベベル部における仕上がり状態を観察する目的にも、上記のような撮像手段と、撮像により得られた画像に対する画像処理技術とを組み合わせて適用することが可能である。例えば特許文献1には、表面に複数の皮膜が積層されたウエハ(基板)のベベル部を含む周縁部が、撮像および画像処理によって評価される基板処理装置が開示されている。この技術においては、画像から各皮膜のエッジ位置を検出し、ベベル部において皮膜が適切に除去されているか否かが評価される。
【0004】
またこの技術では、ウエハの偏心状態を算出するために、ウエハの周縁部を撮像した画像からウエハのエッジ位置が検出される。エッジ検出は、ウエハの周方向に並ぶピクセル群において所定値以上のコントラスト比を有する、つまり輝度が急激に変わる位置を検出することにより行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-144102号公報(例えば、段落0157)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術におけるエッジ検出は、基板の偏心状態を求めるという目的においては有効に機能するものである。一方で、基板の周縁部をより詳細に観察するという目的には必ずしも十分なものとは言えない。その理由は以下の通りである。例えば半導体等の基板においては濃色のものが多い。これに起因して画像中で基板は比較的暗く映るため、表面状態を観察可能なコントラストを有する画像を取得するためには、撮像の感度を高く、また十分な光量で照明する必要がある。つまり、撮像における露出を高くする必要がある。
【0007】
このような撮像条件での撮像で、特に基板以外の背景部分の方が基板よりも高輝度になる場合には、撮像において背景部分の明るさが飽和する、いわゆる白飛びによって、画像における背景部分の輝度は必ずしも実際の明るさを表さない。そのため、コントラスト比に着目したエッジ検出により基板のエッジと背景部分とを識別しようとする従来技術では、後述するように、検出されるエッジ位置が実際の基板のエッジよりも基板の内側にずれる傾向があるという問題がある。
【0008】
偏心量を算出するという目的は、回転する基板の異なる位相角に対して同じエッジ検出処理を適用することで達成可能であり、正確なエッジ位置を求めることを要しない。すなわち、本来のエッジ位置とは異なる結果を返すような検出方法であっても、そのずれが基板の全周において同等であれば偏心量は求められる。このため、上記従来技術では上記した問題が考慮されておらず、またこの問題には対応することができない。
【0009】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、基板周縁部を撮像した画像から、特に背景が明るく撮像された場合であっても基板のエッジ位置を正確に求めることのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の一の態様は、基板の表面を含む周縁部と前記表面より高輝度の背景とを互いに隣接して含み撮像された画像から、前記基板のエッジ位置を特定するための画像処理方法であって、前記画像のうち前記基板の表面に対応する基板領域から前記背景に対応する背景領域へ向かう方向に見て輝度値が有意に増大し始める変化開始位置を検出する工程と、前記変化開始位置から前記背景領域に向かって、所定のオフセット値に相当する距離だけシフトした位置を、前記エッジ位置として特定する工程とを備えている。ここで、前記変化開始位置を検出する工程では、輝度値に対して予め設定された閾値に基づき前記変化開始位置を検出する。この閾値は、露出を異ならせて撮像された複数の前記画像のそれぞれにおいて定義される、前記画像内での位置と当該位置での輝度値を前記露出の大きさで正規化した正規化輝度値との対応関係を表す輝度プロファイルが実質的に一致する領域と一致しない領域との境界における前記正規化輝度値に相当する値である。
【0011】
本発明において、画像が「周縁部と背景とを互いに隣接して含む」とは、撮像された画像内で、基板の周縁部に対応する領域と背景に対応する領域とが互いに隣接し両者の間に境界を形成した状態にあることを意味しており、実空間における位置関係を示すものではない。このように構成された発明では、基板表面を良好に撮像するという目的の下に取得された画像において、背景領域では明るさが飽和し白飛びが発生している可能性がある一方、基板の表面に対応する基板領域では明るさは飽和していないとの前提で、画像処理を行う。すなわち、画像を背景領域から基板領域に向かって見たとき、基板のエッジの近傍で高輝度から低輝度への急激な輝度変化が現れると想定される。
【0012】
背景領域で白飛びが生じていなければ、高輝度から低輝度へ遷移する位置を基板のエッジの位置と推定してよいと考えられる。一方、詳しくは後述するが、背景領域で白飛びが生じ、飽和レベル以上の輝度の情報が失われている場合には、高輝度から低輝度に変化し始める位置が、本来の位置よりも基板内部側に現れることになる。つまり、高輝度から低輝度へ変化し始める位置は、撮像時の露出の大きさに依存する。
【0013】
これに対して、基板の内側から背景側を見たときの輝度変化においては、低輝度から高輝度へ変化する変化開始位置では白飛びの影響はないと考えられる。つまり、この変化開始位置については、白飛びの影響を受けることなく検出することが可能である。また、輝度レベルは単純に露出の大きさに比例するから、変化開始位置については露出の大きさによらず同等の精度で検出可能である。
【0014】
より具体的には、次のような考え方を適用することができる。露出を異ならせて撮像された複数の画像のそれぞれで、位置ごとの輝度値を露出の大きさで正規化した正規化輝度値と位置との対応関係を表す正規化輝度プロファイルを考える。基板のエッジから内側に離れた位置にある基板領域では、露出の大きさで正規化された輝度プロファイルはほぼ一致するはずである。一方、背景領域に近づき輝度が上昇し始めると、撮像時の露出の大きさにより白飛びの影響が異なるため、輝度プロファイル間で差異が生じてくる。
【0015】
このことから、正規化輝度プロファイルが露出の大きさによらず一致する領域とそうでない領域との境界を変化開始位置とみなすことができる。すなわち、この位置における正規化輝度値に相当する値を閾値として用いることで、変化開始位置を露出の大きさに関わりなく精度よく検出することが可能となる。
【0016】
ただし、この変化開始位置は基板のエッジ位置を表しておらず、実際のエッジ位置はこれより背景領域側に所定の距離だけ寄った位置にあるはずである。そして、この距離は露出の大きさによって変化しないから、この距離に相当する値をオフセット値として予め定めておき、任意の露出で撮像された画像から求められた変化開始位置を起点として、オフセット値分だけ背景領域側に寄った位置を基板のエッジ位置とみなすことで、エッジ位置を精度よく求めることが可能である。
【0017】
なお、この発明においては「露出の大きさで正規化された輝度値」という概念が用いられているが、これは発明の原理を説明するための仮想的な概念であり、発明の実施に当たり「輝度値を露出の大きさで正規化する」演算プロセスが実際に実行されることを要するものではない。すなわち、上記原理のように画像から取得された輝度プロファイルを露出の大きさで正規化し、それに基づき露出の大きさによらず同一値となる閾値を決定する方法と、例えば露出の大きさに応じてスケーリングすることを前提に、正規化されない輝度プロファイルに基づき閾値を決定する方法とは、技術的には等価である。
【0018】
特に、既に決定された閾値およびオフセット値を利用してエッジ位置を特定する処理において、例えば撮像時の露出の大きさに応じて閾値をスケーリングして適用するようにする場合には、この段階で「正規化」の概念は必要ではない。
【0019】
また、この発明に係る画像処理方法と同様の方法は、基板処理装置により処理される基板の周縁部を観察する観察方法および基板処理方法にも適用可能である。さらに、基板を処理する処理部を備える基板処理装置においても、基板の周縁部を撮像する撮像部と、上記画像処理方法を実行する画像処理部とをさらに備えることで、上記した発明と同様の効果を得ることが可能である。これらの場合、基板を観察するための撮像条件を設定するに当たり、背景における白飛びの問題を考慮する必要がないので、設定における自由度がより高くなり、画像品質の良好な撮像条件を選択し使用することができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、背景の明るさに影響を受けない基板内の変化開始位置を検出し、その位置からオフセット値に相当する距離だけシフトした位置を基板のエッジ位置としている。オフセット値は変化開始位置からエッジ位置までの距離を表し、背景の明るさに対し不変である。したがって、特に背景が明るく撮像された場合であっても、基板のエッジ位置を正確に求めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係る基板処理装置の一実施形態を示す図である。
【
図2】基板処理装置の構成を概略的に示す図である。
【
図3】基板処理装置の一部を上方から見た平面図である。
【
図4】撮像対象となる基板の周縁部の形状を例示する図である。
【
図5】基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図7】上面撮像に寄与する光の進み方を模式的に示す図である。
【
図8】側面撮像に寄与する光の進み方を模式的に示す図である。
【
図9】撮像部により撮像される基板の周縁部の画像を模式的に示す図である。
【
図10】エッジ検出における問題を説明するための図である。
【
図11】露出の大きさと輝度プロファイルとの関係を示す図である。
【
図12】輝度プロファイルに基づくエッジ検出処理の考え方を例示する図である。
【
図13】第1の方法によるエッジ検出処理の具体的な処理を説明する図である。
【
図14】白飛びが生じる場合の輝度プロファイルを例示する図である。
【
図15】この実施形態におけるエッジ位置検出処理の原理を示す図である。
【
図16】閾値とオフセット値とを決定する処理を示すフローチャートである。
【
図17】基板のエッジ位置を特定する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は本発明に係る基板処理装置の一実施形態を装備する基板処理システムを示す図である。基板処理システム200は、例えば半導体ウエハなどの円板状の基板Sに対して処理を施す基板処理部210と、この基板処理部210に結合されたインデクサ部220とを備えている。インデクサ部220は、基板Sを収容するための容器C(複数の基板Sを密閉した状態で収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)、SMIF(Standard
Mechanical Interface)ポッド、OC(Open Cassette)など)を複数個保持することができる容器保持部221と、この容器保持部221に保持された容器Cにアクセスして、未処理の基板Sを容器Cから取り出したり、処理済みの基板Sを容器Cに収納したりするためのインデクサロボット222を備えている。各容器Cには、複数枚の基板Sがほぼ水平な姿勢で収容されている。
【0023】
本明細書では、基板Sの両主面のうちパターンが形成されているパターン形成面(一方主面)を「表面」と称し、その反対側のパターンが形成されていない他方主面を「裏面」と称する。また、下方に向けられた面を「下面」と称し、上方に向けられた面を「上面」と称する。また、本明細書において「パターン形成面」とは、基板において、任意の領域に凹凸パターンが形成されている面を意味する。
【0024】
インデクサロボット222は、装置筐体に固定されたベース部222aと、ベース部222aに対し鉛直軸まわりに回動可能に設けられた多関節アーム222bと、多関節アーム222bの先端に取り付けられたハンド222cとを備える。ハンド222cはその上面に基板Sを載置して保持することができる構造となっている。このような多関節アームおよび基板保持用のハンドを有するインデクサロボットは公知であるので詳しい説明を省略する。
【0025】
基板処理部210は、平面視においてほぼ中央に配置された基板搬送ロボット211と、この基板搬送ロボット211を取り囲むように配置された複数の処理ユニット1とを備えている。具体的には、基板搬送ロボット211が配置された空間に面して複数の処理ユニット1が配置されている。処理ユニット1の主要構成は処理チャンバ100の内部に設置されている。これらの処理ユニット1に対して基板搬送ロボット211は適時アクセスして基板Sを受け渡す。一方、各処理ユニット1は基板Sに対して所定の処理を実行する。本実施形態では、これらの処理ユニット1の一つが本発明に係る基板処理装置に相当している。
【0026】
図2は基板処理装置の構成を概略的に示す図である。
図3は基板処理装置の一部を上方から見た平面図である。
図4は撮像対象となる基板の周縁部の形状を例示する図である。
図5は
図2および
図3に示す基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
図2、
図3および以下に参照する各図では、理解容易のため、各部の寸法や数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。また、各図には方向関係を明確にするため、Z軸を鉛直方向とし、XY平面を水平面とする座標系を適宜付している。
【0027】
基板処理装置(処理ユニット)1は、回転機構2、飛散防止機構3、処理機構4、周縁加熱機構5および撮像機構6を備えている。これら各部2~6は、処理チャンバ100の内部空間101に収容された状態で、装置全体を制御する制御ユニット9と電気的に接続されている。そして、各部2~6は、制御ユニット9からの指示に応じて動作する。
【0028】
制御ユニット9としては、例えば、一般的なコンピュータと同様のものを採用できる。すなわち、制御ユニット9においては、プログラムに記述された手順に従って演算処理部91としてのCPUが演算処理を行うことにより、基板処理装置1の各部を制御する。これによって、基板処理装置1は、処理チャンバ内で基板Sの上面の周縁部に処理液を供給してベベルエッチング処理を実行する。なお、制御ユニット9の詳しい構成および動作については、後で詳述する。また、本実施形態では、各基板処理装置1に対して制御ユニット9を設けているが、1台の制御ユニットにより複数の基板処理装置1を制御するように構成してもよい。また、基板処理システム200全体を制御する制御ユニット(図示省略)により基板処理装置1を制御するように構成してもよい。
【0029】
回転機構2は、基板Sを、その表面を上方に向けた状態で、略水平姿勢に保持しつつ回転方向AR1(
図3)に回転させる。回転機構2は、基板Sの主面中心を通る鉛直な回転軸AXまわりに回転させる。回転機構2は、基板Sより小さい円板状の部材であるスピンチャック21を備えている。スピンチャック21は、その上面が略水平となり、その中心軸が回転軸AXに一致するように設けられている。スピンチャック21の下面には、回転軸部22が連結されている。回転軸部22は、その軸線を回転軸AXと一致させた状態で、鉛直方向に延設されている。また、回転軸部22には、回転駆動部(例えば、モータ)23が接続されている。回転駆動部23は、制御ユニット9からの回転指令に応じて回転軸部22をその軸線周りに回転駆動する。したがって、スピンチャック21は、回転軸部22とともに回転軸AXまわりに回転可能である。回転駆動部23と回転軸部22とは、スピンチャック21を回転軸AX中心に回転させる機能を担っている。
【0030】
スピンチャック21の中央部には、図示省略の貫通孔が設けられており、回転軸部22の内部空間と連通している。内部空間には、バルブ(図示省略)が介装された配管を介してポンプ24(
図5)が接続されている。ポンプ24およびバルブは、制御ユニット9に電気的に接続されており、制御ユニット9からの指令に応じて動作する。これによって、負圧と正圧とが選択的にスピンチャック21に付与される。例えば基板Sがスピンチャック21の上面に略水平姿勢で置かれた状態でポンプ24が負圧をスピンチャック21に付与すると、スピンチャック21は基板Sを下方から吸着保持する。一方、ポンプ24が正圧をスピンチャック21に付与すると、基板Sはスピンチャック21の上面から取り外し可能となる。また、ポンプ24の吸引を停止すると、スピンチャック21の上面上で基板Sは水平移動可能となる。
【0031】
飛散防止機構3は、
図3に示すように、スピンチャック21に保持された基板Sの外周を囲むように設けられた概略筒状のカップ31と、カップ31の外周部の下方に設けられた液受け部32とを有している。制御ユニット9からの制御指令に応じてガード駆動部33(
図5)が作動することで、カップ31が昇降する。カップ31が下方位置に位置決めされると、
図2に示すように、カップ31の上端部はスピンチャック21に保持された基板Sの周縁部Ssよりも下方に位置する。逆に、カップ31が上方位置に位置決めされると、カップ31の上端部は基板Sの周縁部Ssよりも上方に位置する。
【0032】
カップ31が下方位置にあるときには、
図2に示すように、スピンチャック21に保持される基板Sがカップ31外に露出した状態になっている。このため、例えばスピンチャック21への基板Sの搬入および搬出時にカップ31が障害となることが防止される。
【0033】
一方、カップ31が上方位置にあるときには、カップ31の内周面はスピンチャック21に保持される基板Sの外周を取り囲む。これにより、後述するベベルエッチング処理時に基板Sの周縁部Ssから振り切られる処理液の液滴が処理チャンバ100内に飛散するのを防止することができる。また、処理液を確実に回収することが可能となる。すなわち、基板Sが回転することで基板Sの周縁部Ssから振り切られる処理液の液滴はカップ31の内周面に付着して下方へ流下し、カップ31の下方に配置された液受け部32により集められて回収される。
【0034】
処理機構4は、ベース41と、回動支軸42と、アーム43と、処理液ノズル44とを有している。ベース41は処理チャンバ100に固定されている。このベース41に対し、回動支軸42が回動自在に設けられている。回動支軸42からアーム43が水平に伸びており、その先端に処理液ノズル44が取り付けられている。回動支軸42が制御ユニット9からの制御指令に応じて回動することによりアーム43が揺動し、アーム43先端の処理液ノズル44が、基板Sの上方から側方へ退避した退避位置と、基板Sの周縁部上方の処理位置との間を移動する。
図3において2点鎖線により示されるノズル44は退避位置にある状態を、実線により示されるノズル44は処理位置にある状態を、それぞれ示している。
【0035】
処理液ノズル44は処理液供給部45(
図5)に接続されている。そして、制御ユニット9からの供給指令に応じて処理液供給部45が処理液を処理液ノズル44に向けて供給すると、処理液ノズル44から処理開始位置Psに向けて処理液が吐出される。この処理開始位置Psは、基板Sの周縁部Ssが移動する経路上の1点である。したがって、処理液ノズル44が処理液を吐出しつつスピンチャック21が回転することで、基板Sの周縁部Ssの各部は処理開始位置Psを通過する間に処理液の供給を受ける。その結果、基板Sの周縁部Ss全体に対し、処理液によるベベルエッチング処理が実行される。
【0036】
周縁加熱機構5は環状のヒーター51を備えている。ヒーター51は、基板Sの下面周縁部に沿って基板Sの周方向に延在された発熱体を内蔵している。このヒーター51に対して制御ユニット9から加熱指令が与えられると、発熱体から放出される熱によって基板Sの周縁部Ssが下方から加熱される。それによって、周縁部Ssの温度がベベルエッチング処理に適した値に昇温される。
【0037】
撮像機構6は、ベース6Aと、回動支軸6Bと、アーム6Cと、ヘッド駆動部6Dと、光源6Eと、撮像部6Fと、ヘッド部6Gと、を有している。ベース6Aは処理チャンバ100に固定されている。このベース6Aに対し、回動支軸6Bが回動自在に設けられている。回動支軸6Bからアーム6Cが水平に伸びており、その先端にヘッド部6Gが取り付けられている。そして、アーム6Cを駆動するヘッド駆動部6D(
図5)に対して制御ユニット9から制御指令が与えられると、当該指令に応じてヘッド駆動部6Dは
図3中の1点鎖線で示すようにアーム6Cを揺動する。これによって、アーム6C先端に取り付けられたヘッド部6Gが、基板Sの上方から側方へ退避した退避位置P1と、基板Sの周縁部Ssを撮像する撮像位置P2との間で往復移動する。
図3において実線により示されるヘッド部6Gは退避位置にある状態を、一点鎖線により示されるヘッド部6Gは撮像位置にある状態を、それぞれ示している。撮像位置P2では、ヘッド部6Gは基板Sの(-Y)側端部に近接して配置される。
【0038】
図3に示すように、撮像位置P2からX方向に離間した離間位置P3に光源6Eおよび撮像部6Fが設けられている。この離間位置P3は、基板Sやカップ31などのベベルエッチング処理を行う各部(回転機構2、飛散防止機構3、処理機構4、周縁加熱機構5)から離間している。光源6Eは、カップ31の外側から撮像位置P2に向けて照明光L1を照射する。このとき、カップ31は下方位置に位置決めされるとともに、ヘッド部6Gが撮像位置P2に位置決めされており、照明光L1がヘッド部6Gに入射する。この照明光L1はヘッド部6Gで拡散反射される。こうして発生する拡散光で基板Sの周縁部Ssは照明される。そして、基板Sの周縁部Ssで反射された反射光L2がさらにヘッド部6Gで反射される。反射光L2はヘッド部6Gから離間位置P3に向けて導光され、撮像部6Fに入射される。これによって、撮像部6Fは基板Sの周縁部Ssの像を取得し、その画像データを制御ユニット9に送る。
【0039】
ここで、本実施形態において撮像対象となる基板Sの周縁部Ssについて、
図4を参照して説明する。
図4に示すように、半導体ウエハなどの基板Sでは、その周縁部に傾斜面を有するベベル部が形成されたものがある。ここでいう「ベベル部」とは、基板Sの周縁部Ssのうち、基板Sが水平姿勢にあるときに表面が水平面に対し傾いた状態にある領域の全体を指すものとする。
【0040】
ベベル部の断面形状および寸法については、図に点線で示す最大寸法Dmaxと破線で示す最小寸法Dminとが標準規格として規定され、これらの間に収まっている限りにおいては比較的高い自由度が与えられているのが一般的である。ベベル部の断面は、
図4に示すように傾きの異なる複数の面で構成されるケースが多いが、湾曲面で構成されるケースもある。
【0041】
以下において必要な場合には、基板Sの周縁部Ssのうち基板Sの上面と同一平面である部分を「A面」と称して符号Saを付し、基板Sの端面を「C面」と称して符号Scを付す。そして、A面SaとC面Scとを接続する傾斜面を「B面」と称し符号Sbを付す。また、基板Sの下面と同一平面である部分を「E面」と称して符号Seを付し、C面ScとE面Seとを接続する傾斜面を「D面」と称し符号Sdを付す。本明細書における「周縁部Ss」は、これらの各面を包括的に含む概念である。
【0042】
上記したように、ヘッド部6Gは、光源6Eからの照明光L1を受けて拡散光を発生させ、当該拡散光により基板Sの周縁部Ssを照明する拡散照明機能と、周縁部Ssで反射された反射光L2を撮像部6Fに導くガイド機能とを兼ね備えている。以下、ヘッド部6Gの構成および動作を
図6ないし
図9を参照しつつ説明する。
【0043】
図6は撮像機構のヘッド部を示す斜視図である。より具体的には、
図6(a)はヘッド部6Gが撮像位置P2に配置された状態を表す図であり、これから基板Sを取り除いた状態を表すのが
図6(b)である。ヘッド部6Gは、拡散面610を有する拡散照明部61と、それぞれ拡散面611で囲まれた3枚のミラー部材62a~62cで構成されるガイド部62と、拡散照明部61を保持する保持部63とを有している。
図6では、拡散照明部61との区別のために、保持部63に該当する領域にドットを付している。
【0044】
拡散照明部61は、白色の樹脂、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン:polytetrafluoroethylene)で構成されている。拡散照明部61は、YZ平面に略平行なプレート形状を有しており、(+Y)方向側の端部に切欠部611が形成されている。この切欠部611は、(+X)方向側から見てU字を時計方向に90゜回転させた形状を有している。
【0045】
拡散照明部61では、切欠部611に沿って傾斜面610が設けられている。傾斜面610は、上下方向および(-Y)方向から切欠部611を取り囲むように設けられ、切欠部611に近づくにしたがって(-X)方向に傾斜するように仕上げられたテーパー面である。その表面は入射光を拡散反射させるように仕上げられており、後述するように、照明光を拡散反射させて基板Sの周縁部Ssに入射させる拡散面610として機能する。
【0046】
拡散面610に取り囲まれるように、ミラー部材62a~62cが取り付けられている。より具体的には、拡散面610のうち、切欠部611の鉛直上方に当たる位置には第1のミラー部材62aが、切欠部611の(-Y)側には第2のミラー部材62bが、切欠部611の鉛直下方に当たる位置には第3のミラー部材62cが、それぞれ取り付けられている。なお、本実施形態では、耐薬性や耐熱性などを考慮して、ミラー部材62a~62cはSi(シリコン)で構成されている。
【0047】
一方、保持部63は、薬液および熱に対する耐性の高い樹脂、例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン:polyetheretherketone)で構成され、外形が概ね拡散照明部61と同等に形成されたプレート状部材である。保持部63は、拡散照明部61の背面、つまり(-X)側主面に結合されてバックアップ部材として機能する。また、保持部63はアーム6Cに結合されている。したがって、アーム6Cの揺動により、拡散照明部61と保持部63とが一体的に、退避位置P1と撮像位置P2との間を移動する。
【0048】
図6(a)に示すように、ヘッド部6Gが撮像位置P2にあり、かつ基板Sがスピンチャック21により保持されているとき、基板Sの周縁部Ssが切欠部611の間に入り込む位置関係となる。切欠部611を(+X)側から(-X)方向に見たとき、第1のミラー部材62aには、基板周縁部Ssのうち上方から見たときに見える部分、つまりA面SaおよびB面Sbの像が映り込む。同様に、第2のミラー部材62bには、基板周縁部Ssのうち側方から見たときに見える部分、つまりB面Sb、C面ScおよびD面Sdの像が映り込む。また、第3のミラー部材62cには、基板周縁部Ssのうち下方から見たときに見える部分、つまりD面SdおよびE面Seの像が映り込む。
【0049】
詳しくは後述するが、撮像部6Fは、(+X)側から3つのミラー部材62a~62cの全てを見込むように設定された撮像視野で撮像を行う。これにより、ミラー部材62a~62cのそれぞれに映り込んだ基板Sの像が1つの画像内に取り込まれる。すなわち、撮像部6Fは、基板SsのA面Sa、B面Sb、C面Sc、D面Sd、E面Seの全てを1つの画像に一括して撮像することができる。基板Sの回転に伴い複数回撮像を行うことで、周縁部Ssのうち周方向に沿って互いに位置の異なる複数の領域の画像を取得することができる。
【0050】
以下の説明では、第1のミラー部材62aに映り込んだ基板SのA面SaおよびB面Sbの像を撮像することを「上面撮像」と称する。また、第2のミラー部材62bに映り込んだ基板SのB面Sb、C面ScおよびD面Sdの像を撮像することを「側面撮像」と称する。また、第3のミラー部材62cに映り込んだ基板SのD面SdおよびE面Seの像を撮像することを「下面撮像」と称する。
【0051】
図7は上面撮像に寄与する光の進み方を模式的に示す図である。より具体的には、
図7(a)はヘッド部6Gに入射し反射される光の進路を示す斜視図であり、
図7(b)はその垂直切断面における断面図である。
図7(a)および
図7(b)に実線矢印で示すように、基板Sの上面側に沿って(-X)方向に進む照明光L1aは、ヘッド部6Gの拡散面610に入射する。拡散面610のうち特に切欠部611の上方に位置する上方拡散面61aに入射し拡散反射された光が種々の方向から基板Sの上面に入射することで、基板周縁部Ssが照明される。
【0052】
点線矢印で示すように、基板Sで反射された反射光は種々の方向へ進み得るが、このうちミラー部材62aに入射し、かつミラー部材62aで反射されて(+X)方向に進む光L2aが、その光路上に配置された撮像部6Fに入射する。この光を受光することで、基板Sの上面側から見た周縁部Ssを撮像する「上面撮像」が実現される。
【0053】
図7(b)に示すように、基板Sの下面側でも上面側と同様の現象が生じる。すなわち、ヘッド部6Gは上下対称な構造を有しており、基板Sの下面側に沿って(-X)方向に進む照明光L1cは、拡散面610のうち特に切欠部611の下方に位置する下方拡散面61cに入射し拡散反射されて、基板Sの下面を照明する。このとき基板Sおよびミラー部材62cで反射され(+X)方向へ向かう反射光L2cを受光することで、基板Sの下面側から見た周縁部Ssを撮像する「下面撮像」が実現される。
【0054】
図8は側面撮像に寄与する光の進み方を模式的に示す図である。より具体的には、
図8(a)はヘッド部6Gに入射し反射される光の進路を示す斜視図であり、
図8(b)はその水平切断面における断面図である。
図8(a)および
図8(b)に実線矢印で示すように、基板Sの側方を(-X)方向に進む照明光L1bは、ヘッド部6Gの拡散面610に入射し、そのうち特に切欠部611の側方に位置する側方拡散面61bで拡散反射される。この光が種々の方向から基板Sの側面に入射することで、基板周縁部Ssが照明される。
【0055】
そして、点線矢印で示される基板Sからの反射光のうち、ミラー部材62bで反射されて(+X)方向に進む光L2bが、その光路上に配置された撮像部6Fに入射する。これにより、基板Sの側方から見た周縁部Ssを撮像する「側面撮像」が実現される。
【0056】
撮像部6Fは、物体側テレセントリックレンズで構成される観察レンズ系6Faと、CMOSカメラ6Fbとを有している。したがって、上記反射光のうち観察レンズ系6Faの光軸に平行な光線L2(L2a,L2b,L2c)のみがCMOSカメラ6Fbのセンサ面に入射され、基板Sの周縁部Ssおよび隣接領域の像がセンサ面上に結像される。こうして撮像部6Fは基板Sの周縁部Ssおよび隣接領域を撮像し、例えば
図9に示す、上面画像領域Ma、側面画像領域Mbおよび下面画像領域Mcを含む画像Imを取得する。そして、その画像を示す画像データを撮像部6Fは制御ユニット9に送信する。
【0057】
図9は撮像部により撮像される基板の周縁部の画像を模式的に示す図である。
図9(a)はヘッド部6Gおよび基板Sを(+X)側から(-X)方向に見た模式図であり、破線で囲まれた領域FVが撮像部6Fの撮像視野を表している。このように、撮像部6Fの撮像視野FVは、ヘッド部6Gのうちミラー部材62a~62cを含むように設定されている。
【0058】
図9(b)は撮像視野FV内の各ミラー部材62a~62cに映る基板Sの像を模式的に示している。
図9(b)に示すように、第1のミラー部材62aには、基板Sの周縁部SsのうちA面SaとB面Sbとの像が映る。また、第2のミラー部材62bには、基板Sの周縁部SsのうちB面Sb、C面ScおよびD面Sdの像が映る。また、第3のミラー部材62cには、基板Sの周縁部SsのうちD面SdとE面Seとの像が映る。撮像部6Fはこれらの像を一括して同時に撮像し1つの画像を取得する。1つの画像に含まれる各面Sa~Seは同時に撮像されたものであり、基板Sにおける周方向の位置が実質的に互いに同一であるという関係にある。
【0059】
図9(c)は撮像により実際に得られる画像を模式化したものである。上記した構成の撮像機構6では、光源6Eからの照明光を拡散面610で拡散させることで基板Sを照明し、基板Sからの反射光の一部を受光することで撮像を行っている。このため、照明光量および受光光量はいずれも十分とは言えない。このような状況で良好に撮像を行うためにカメラの感度を高くする必要があり、その結果、ヘッド部6Gの詳細な構造は、いわゆる白飛びによって画像にはほとんど反映されなくなる。
【0060】
そのため、
図9(c)に示すように、実際に得られる画像Imは、切欠部611に相当しその内部に非合焦状態で映る基板Sの側面の像を含む暗い領域Mdと、上方から見た基板Sの周縁部Ssの像に対応する上面画像領域Maと、側方から見た基板Sの周縁部Ssの像に対応する側面画像領域Mbと、下方から見た基板Sの周縁部Ssの像に対応する下面画像領域Mcとを含んだものとなる。
【0061】
これらの各領域を含む画像Imを解析することで、周方向における基板Sの周縁部の形状やエッチング状況などを示す情報を取得することができる。そして、これらの情報から、スピンチャック21に載置された基板Sの回転軸AXに対する偏心量、基板Sの反り量やベベルエッチング結果(エッチング幅)などを検査することができる。
【0062】
そこで、上記のように構成された撮像機構6を装備する基板処理装置1では、制御ユニット9が、装置各部を制御し、(A)ベベルエッチング処理前の基板検査、(B)アライメント処理、(C)アライメント処理後のベベルエッチング処理および(D)ベベルエッチング処理後の基板検査を実行する。この制御ユニット9は、
図5に示すように、各種演算処理を行う演算処理部91、基本プログラムや画像データを記憶する記憶部92および各種情報を表示するとともに操作者からの入力を受け付ける入力表示部93を有している。
【0063】
そして、制御ユニット9においては、プログラムに記述された手順にしたがって主制御部としての演算処理部(CPU)91が演算処理を行うことにより、基板処理装置1の各部を以下のように制御する。すなわち、演算処理部91は、
図5に示すように、ヘッド部6Gの位置決めを行う位置決め制御部911、全周縁画像を取得する全周縁画像取得部912、ベベルエッチング処理前の全周縁画像から基板Sの偏心量を導出する偏心量導出部913、ベベルエッチング処理前の全周縁画像から基板Sの反り量を導出する反り量導出部914、ベベルエッチング処理後の全周縁画像からエッチング幅を導出するエッチング幅導出部915、および全周縁画像を画像処理して得られる残渣強調画像から残渣を分析する残渣分析部916として機能する。
【0064】
なお、
図5中の符号7は上記偏心量だけ基板Sを移動させて回転軸AXに対する基板Sの偏心を補正する偏心補正機構である。偏心補正機構については、従来周知のものを使用することができるため、ここでは偏心補正機構7の詳しい構成については説明を省略する。
【0065】
ここまで説明してきたように、この実施形態では、基板Sの周縁部Ssがヘッド部6Gの切欠部611に挿入された状態で、撮像部6Fが周縁部Ssを撮像する。基板Sは一定速度で回転しており、基板Sが1周する間、撮像部6Fが定期的に撮像を行い、各時刻で撮像された画像を合成することによって、基板Sの全周分に対応する周縁部Ssの画像、つまり全周縁画像を取得することが可能である。
【0066】
撮像される画像Imには、周縁部Ssを上方から見た画像に対応する上面画像領域Ma、側方から見た画像に対応する側面画像領域Mb、下方から見た画像に対応する下面画像領域Mcを含んでいる。したがって、全周縁画像は、基板Sの全周分について、周縁部Ssを上方、側方および下方からそれぞれ見たときの基板Sの状態を表す情報を含んでいる。この全周縁画像を適宜の画像処理技術を用いて解析することで、周縁部Ssの外観検査を行うことができる。
【0067】
以下では、こうして得られる画像から、基板Sのエッジ位置を特定する方法について説明する。例えば検査を目的として基板Sの周縁部Ssを観察する場合、画像における基板Sのエッジ位置を正しく検出することが求められるケースがある。この実施形態では、画像Imに含まれる領域のうち上面画像領域Maおよび下面画像領域Mcに基板Sの表面と背景との境界が現れている。したがって、これらのいずれかの領域から基板Sと背景との境界を抽出することで、基板Sのエッジ位置を特定できると期待される。
【0068】
一般的なエッジ検出処理としては、画像内で輝度が急激に変化する部分を検出し、その部分を基板と背景との境界とみなす方法がある。しかしながら、次に説明するように、この方法は本実施形態では必ずしも適切なものではない。なお、以下では画像Imのうち上面画像領域Maからエッジ位置を特定する場合を例に挙げて説明する。ただし、下面画像領域Mcを対象とする場合も考え方は同じである。
【0069】
図10はエッジ検出における問題を説明するための図である。
図10(a)は先に示した
図9(a)と基本的に同じものである。基板Sの上面撮像に寄与する光の進路については
図7(b)の断面図に示す通りであるが、このときの断面図は、基板Sの断面を含む、つまり
図10(a)におけるA-A線断面図に相当するものである。先に説明した通り、上面撮像では照明光L1aがヘッド部6Gの拡散面61aで反射されて基板Sの上面を拡散照明し、そのうち基板Sおよびミラー部材62aで反射され(+X)方向に進む光が撮像部6Fに入射し基板Sの上面の像を形成する。
【0070】
一方、
図10(b)は
図10(a)のB-B線断面図であり、切欠部611内のうち基板Sが存在しない領域での光の進路を示すものである。この場合、拡散面610で拡散反射された照明光は基板Sによる遮蔽を受けない。このため、
図10(b)に実線矢印で示すように、拡散面61aで拡散反射された光L1aの一部はミラー部材62cで反射されて(+X)方向に進んで反射光L2aとして撮像部6Fに入射し、拡散面61cで拡散反射された光L1cの一部はミラー部材62aで反射されて(+X)方向に進んで反射光L1aとして撮像部6Fに入射する。
【0071】
つまり、基板Sのエッジよりも外側、すなわち(-Y)側の領域では、ミラー部材62aには拡散面61cの像が映っており、この像が撮像部6Fにより基板Sの「背景」として撮像される。拡散面61cは高い反射率を有する一方、基板Sの表面の反射率はより低いから、
図9(c)に示したように、上面画像領域Maのうち基板Sの上面に相当する部分は暗く、基板Sのエッジより外側の背景に相当する領域はより明るくなる。つまり、上面画像領域Maには、比較的低輝度の基板Sの表面の像と、これより高輝度の背景とが含まれている。
【0072】
このように暗い基板Sの表面を詳細に観察するためには、露出を大きくして撮像を行う必要がある。露出を大きくする方法としては、照明光量を大きくする、撮像部6Fにおける感度を高くする、露光時間を長くする、またはこれらを適宜組み合わせることが考えられる。その結果として、背景部分の明るさが飽和して正しい輝度情報が失われる、いわゆる白飛びが画像に発生することがある。
【0073】
周縁部Ssを含む基板Sの表面を観察する目的においては、背景の白飛びは問題とならない。しかしながら、基板Sのエッジ位置を検出するという目的においては、この現象は一般的なエッジ検出処理における誤差要因となる。
【0074】
図11は露出の大きさと輝度プロファイルとの関係を示す図である。
図11(a)に点線で囲んだように、基板SのエッジEsを含み該エッジEsに垂直な帯状領域Rを撮像する場合について考える。背景側から基板S側に向かう方向、すなわち(+Y)方向に沿って、画像の輝度Iと位置Pとの対応関係を示す輝度プロファイルを取ると、
図11(b)にグラフとして示すように、画像のうち背景に相当する背景領域で高輝度、基板Sに相当する基板領域で低輝度となり、その境界付近の遷移領域で急激な輝度変化が現れる。
【0075】
ここで、撮像時の露出の大きさ(以下、単に「露出」ということがある)Eを変えると、それに比例して輝度Iも大きくなる。すなわち、輝度プロファイルを、露出Eを媒介変数とする位置Pの関数F(P,E)により表すとすると、異なる大きさの露出E1,E2,E3(E1>E2>E3)に対して、次式:
F(P,E1)=(E1/E2)・F(P,E2)
=(E1/E3)・F(P,E3) … (式1)
の関係が成立する。
【0076】
図11(c)は輝度プロファイルの微分値Dと位置Pとの関係を示すグラフである。なお、背景側から基板側へ向かう方向を考えるとき、画像の輝度は高輝度から低輝度へ変化するため、微分値は負の値となるが、ここでは図を見やすくするために微分値の符号を反転させている。このことを図では「-(輝度微分値)」と表現している。以下の図においても同様である。上記とは逆に基板領域から背景領域へ向かう(-Y)方向に微分すれば、微分値は
図11(c)に示すように正の値を取る。
【0077】
微分波形では、短い範囲で輝度が大きく変化するエッジEsの近傍で、急峻なピークが現れる。露出Eに比例して輝度Iは増加し、したがって輝度プロファイルを微分したときのピーク高さは変化するが、ピーク位置は変化しない。このため、このような輝度変化の大きさに着目したエッジ検出処理は、露出Eの影響を受けないと一応考えられる。
【0078】
図12は輝度プロファイルに基づくエッジ検出処理の考えかたを例示する図である。このように輝度Iが急激に変化し、微分波形に急峻なピークが現れる輝度プロファイルから基板SのエッジEsの位置を検出する代表的な方法としては、以下のようなものがある。例えば第1の方法として、
図12(a)に示す輝度プロファイルにおいて、変化前の輝度から変化後の輝度までの差の50%に当たる位置P1をエッジ位置とする方法が考えられる。また第2の方法として、輝度プロファイルを微分することで得られる
図12(b)に示す微分プロファイルにおいて、微分値が予め定められた閾値Dthとなる位置P2をエッジ位置とする方法が考えられる。さらに第3の方法として、微分プロファイルにおけるピーク位置P3をエッジ位置とする方法が考えられる。
【0079】
図13は第1の方法によるエッジ検出処理のより具体的な処理を説明する図である。第1の方法の考え方を用いて、より具体的には次のようにしてエッジ位置とみなす位置Pcを特定することができる。
図13(a)に示すように、微分プロファイルにおける微分値に対して、十分に小さい適宜の閾値Dth1を予め設定しておき、微分プロファイルにおいてピークを挟み微分値が閾値Dth1を取る2つの位置Pa,Pbを求める。そして、
図13(b)に示すように、元の輝度プロファイルにおいて位置Pa,Pbに対応する輝度値Ia,Ibを求め、それらの中間の輝度値Icを取る位置Pcを、エッジ位置とすることができる。
【0080】
上記した各方法を相互に比較した場合、位置P1と位置P3とは極めて近いが厳密に同じとは限らない。また、特に輝度変化が狭い範囲で生じ微分プロファイルにおけるピークが急峻である場合には、これらの位置P1ないしP3は極めて近接したものとなる。上記のように、露出Eが異なる場合でもピーク位置が変化するだけであるので、原理的にはこれらのいずれの方法を用いる場合であっても概ね同等のエッジ位置検出結果が得られると期待される。
【0081】
しかしながら、実際の画像では、観察対象である基板領域で十分な明るさを確保することを優先した結果として背景領域で白飛びが生じている可能性があり、その場合には上記原理がそのまま適用できない。その理由は以下の通りである。
【0082】
図14は白飛びが生じる場合の輝度プロファイルを例示する図である。
図11(b)と同様の輝度プロファイルを、明るさが飽和輝度Isatで飽和する撮像系に適用すると、
図14(a)に示すように、本来は飽和輝度Isatより高輝度となる領域は全て輝度Isatで表され、この領域では正確な輝度情報が失われる。一方で、飽和輝度Isat以下の輝度情報は保存されるため、元の輝度が高いほど、つまり露出Eが大きいほど、輝度が低下し始める位置は基板領域側、つまり図において右側へシフトすることになる。
【0083】
そうすると、
図14(b)に示すように、微分プロファイルにおけるピーク位置も基板領域側へシフトする。このため、上記した第1ないし第3の方法のいずれによっても、検出されるエッジ位置は露出Eの影響を受けることになる。具体的には、背景領域で白飛びが発生するような撮像条件では、露出Eが大きいほどエッジ位置の検出結果は基板領域側へずれる。したがって、上記の方法では精度よくエッジ位置を求めることができない。
【0084】
この実施形態におけるエッジ位置検出処理は、このような問題に対応すべく考案されたものである。以下では、この実施形態におけるエッジ位置検出処理の原理および具体的な処理内容について説明する。
【0085】
図15はこの実施形態におけるエッジ位置検出処理の原理を示す図である。白飛びが生じるか否かを問わず、画像から得られた輝度Iの値を露出の大きさEで正規化し、正規化された輝度Inが位置Pに対して示す輝度プロファイル(以下、「正規化輝度プロファイル」という)を考える。背景領域の明るさが飽和しない条件であれば、露出の大きさEが異なっていても正規化輝度プロファイルは完全に一致するはずである。
【0086】
一方、露出が大きく背景領域の明るさが飽和する場合の正規化輝度プロファイルは、
図15(a)に示すように、基板領域では異なる露出Eに対して単一の曲線を示すのに対して、遷移領域から背景領域に向かうにつれて差異が生じる。具体的には、露出Eが大きいほど、飽和によりコントラストが小さくなっているため背景領域における正規化輝度Inは小さくなる。
【0087】
これらを微分すると、
図15(b)に示すように、遷移領域に現れる微分値Dnのピークの位置は露出Eによって異なるが、遷移領域から基板領域にかけては正規化輝度プロファイルが一致しており、したがって微分プロファイルも一致する。言い換えれば、基板領域側から背景領域側に向けて正規化輝度プロファイル(または正規化微分プロファイル)を見た場合には、露光Eごとのプロファイルが互いに一致する当初の状態から有意な差異が生じ始める位置Pdについては、露光Eによらず一意に定めることができる。
【0088】
この位置Pdは、基板領域側から背景領域側に向けて輝度変化を見たときに、基板Sの表面に対応する比較的暗い領域から背景領域に向けて明るさが有意に増大し始める位置であるともいえる。この意味において、以下ではこの位置Pdを「変化開始位置」と称することとする。なお、基板Sの表面に形成されたパターンにより、また周縁部SsにおけるA面SaとB面Sbとの間の表面状態の違いにより、基板領域内でも輝度の変化が生じることがあり得る。このような輝度変化と、基板領域から背景領域への遷移に伴う輝度変化との区別は、後述する閾値Dth1を設定する際に、基板Sの表面状態に応じた調整を行うことで対応可能である。
【0089】
この変化開始位置Pdは、基板領域側から背景領域側に向けて輝度変化を見たときに
明らかに基板S表面上の位置であり、そのエッジEsの位置とは異なる。ただし、明るさの飽和がなく背景領域の輝度情報が維持されている露出E=E3の正規化輝度プロファイルからは、前記した第1ないし第3の方法のいずれかによりエッジEsの位置Peを検出することが可能である。以下では、エッジ検出処理として第1の方法(
図13)が用いられるものとするが、他の方法が用いられてもよい。
【0090】
エッジEsの位置Peは原理的に撮像時の露出Eによって変わるものではなく、また上記したように変化開始位置Pdも、正規化輝度プロファイルまたはその微分プロファイルから露出Eによらず一意に定めることが可能である。したがって、エッジ位置Peと変化開始位置Pdとの距離Doは、露出Eによらず一定である。つまり、変化開始位置Pdから距離Doだけ背景領域側にオフセットした位置がエッジ位置Peである、という関係は露出Eによらず成立する。
【0091】
このことから、白飛びのない画像を用いてエッジ位置Peと変化開始位置Pdとの距離Doを予め求めオフセット値として保存しておけば、他の画像においても、変化開始位置Pdを求め、その位置から距離Doだけ背景領域側へオフセットした位置を特定し、その位置をエッジ位置Esとみなすことができる。このことは背景領域における白飛びの有無に関わらず成立する。
【0092】
変化開始位置Pdの検出は、以下のようにして行うことができる。事前の実験により、露出Eの異なる複数の撮像条件で基板Sを撮像しておき、
図15(a)に示すように、それらの正規化輝度プロファイルが一致する領域と相違する領域との境界を特定し、その位置を変化開始位置Pdとして求めておく。こうして求められた変化開始位置Pdにおける正規化輝度値Ithを閾値として、実際の撮像で得られた画像における正規化輝度値が閾値と一致する位置を見出すことにより、当該画像における変化開始位置Pdを特定することができる。
【0093】
なお、計算上の露出Eを一定にしたとしても、照明や基板表面の明るさのばらつきにより、実測で得られる正規化輝度プロファイルはグラフにおいて上下方向に変動することがあり得る。この影響を排除するためには、
図15(b)に示すように、正規化微分プロファイルにおける一致点から変化開始位置Pdを見出す方が有効である。すなわち、予め露出Eの異なる複数の画像を取得し、その各々から求められた正規化微分プロファイルにおいて、ピーク位置よりも基板領域側で、互いの微分値が一致する位置を変化開始位置Pdとして、これに対応する微分値Dth2を閾値として保存しておく。
【0094】
そして、実際に基板Sを撮像して得られた画像から変化開始位置Pdを検出する際には、正規化微分プロファイルにおいてピーク位置よりも基板領域側で微分値が閾値Dth2となる位置を見出せば、この位置を変化開始位置Pdとすることができる。
【0095】
以上より、この実施形態のエッジ検出処理では、基板Sを撮像した画像Imのうち上面画像領域Maに対し画像処理を実行し、輝度Iと位置Pとの関係を示す輝度プロファイルから変化開始位置Pdを検出する。そして、変化開始位置Pdから背景領域側へ、予め求められたオフセット値Doだけシフトした位置を基板Sのエッジ位置Peとする。こうすることにより、露出Eの大きさによらず、また背景領域における白飛びの有無によらず、基板SのエッジEsの位置を精度よく求めることができる。
【0096】
図16は閾値とオフセット値とを決定するための処理を示すフローチャートである。また
図17はこれらの値を用いて基板のエッジ位置を特定するための処理を示すフローチャートである。これらの処理は、演算処理部91が予め用意された制御プログラムを実行し装置各部に所定の動作を行わせることにより実現される。なお、本明細書で「画像」というとき、広義には撮像部6Fにより取得される画像Im(
図9(c))を指すが、ここで処理の対象となるのはそのうち上面画像領域Maのみである。そのため、特に説明が必要な場合を除き、以下ではこの上面画像領域Maを指す語として「画像」を用いるものとする。
【0097】
閾値とオフセット値とは以下のような予備処理によって決定される。まず、露出Eを互いに異ならせた複数の撮像条件で撮像部6Fが基板Sの周縁部Ssを撮像し、複数の画像を予備画像として取得する(ステップS101)。演算処理部91は、そのうち背景領域の明るさが飽和していない1つの画像から微分プロファイルを導出する(ステップS102)。
【0098】
画像には、基板Sの径方向および周方向それぞれに複数の画素が含まれる。そこで、周方向に並ぶ画素の輝度値を積算し(必要に応じ正規化し)て一次元のデータ列とすることが好ましい。こうすることで、画像データを単一の輝度プロファイルに集約することができ、しかも画像ノイズの影響を低減することができる。こうして得られた輝度プロファイルを径方向の位置Pに関し微分することで微分プロファイルが求められる。
【0099】
円板状の基板SのエッジEsは、厳密には画像内で円弧となっている。このため、周方向への積算に際しては、径方向への位置補正を伴うことが望ましい。ただし、周方向の撮像範囲に対して基板Sの直径が十分に大きい場合には、1つの画像内におけるエッジEsの形状は実質的にほぼ直線とみなすことが可能である。
【0100】
そして、
図13に示すように、得られた微分プロファイルに対し適宜の閾値Dth1を設定し、微分値が閾値Dth1でありピークを挟む2点Pa,Pbを特定する(ステップS103)。そして、輝度プロファイルにおけるこれら2点Pa,Pbの輝度値Ia,Ibから、その中間値を取る位置Pcを特定し、その位置をエッジ位置Peとする(ステップS104)。なお、これは基板SのエッジEsの検出に先に挙げた第1の方法を適用した事例であるが、飽和していない輝度プロファイルからのエッジ検出の方法はこれに限定されず、例えば前記の第2または第3の方法が適用されてもよい。
【0101】
各画素の輝度値を表すデータ列は径方向に離散的であるから、輝度プロファイルおよび微分プロファイルにおいては上記した条件に合致する位置に対応するデータが存在しない場合があり得る。そのような場合には、当該位置を挟む少なくとも2つのデータを用いた内挿補間により、位置およびそれに対応する微分値(または輝度値)を特定することが可能である。このことは、以下に説明する処理においても同様である。
【0102】
次に、露出Eの異なる複数の予備画像からそれぞれの正規化微分プロファイルを導出する(ステップS105)。具体的には、予備画像の各々について、上記と同様に画像内で周方向に並ぶ画素の輝度値を積算し、露出Eの大きさに比例する係数で正規化することにより、基板Sの径方向の各位置Pにおける正規化輝度値を表す正規化輝度プロファイルが画像ごとに得られる。これを位置Pで微分することにより、正規化微分プロファイルが得られる。正規化のための係数については、予め定めておいてもよく、また基板領域等、複数画像中で明るさが飽和していない同一点から検出される輝度値の比に基づいて算出してもよい。
【0103】
こうして求められた正規化微分プロファイルから、露光Eに対して不変の変化開始位置Pdが特定される(ステップS106)。具体的には、正規化微分プロファイルにおいてピークを探索し、最大のピークよりも基板領域側で各画像の微分値が最初に一致する位置を、変化開始位置Pdとすることができる。また原理通りに、正規化微分プロファイルを基板領域側から背景領域側に向けて、画像間で値が相違し始める位置を探索する方法でもよい。
【0104】
そして、変化開始位置Pdにおける微分値を、閾値Dth2として記憶部92に記憶しておく(ステップS107)。また、変化開始位置Pdと、先に飽和していない予備画像から求められたエッジ位置Peとの距離を、オフセット値Doとして記憶部92に記憶しておく(ステップS108)。このようにして閾値Dth2およびオフセット値Doが求められる。なお、ステップS102~S104の処理と、ステップS105~S107の処理とは互いに独立しているので、これらの実行順序は上記と逆でもよく、また可能であれば並列的に実行されてもよい。
【0105】
基板Sの観察を行う際にエッジ位置Peを特定する方法について、
図17(a)を参照して説明する。最初に、撮像部6Fが基板Sの周縁部Ssを撮像し、画像Imを取得する(ステップS201)。こうして得られた画像Imのうち上面画像領域Maに対して、演算処理部91が以下の処理を実行する。
【0106】
撮像された画像と撮像時の露出Eの大きさとから、正規化微分プロファイルが導出される(ステップS202)。正規化微分プロファイルの算出方法は上記した通りである。次に、得られた正規化微分プロファイルに基づき、ピークよりも基板領域側で微分値が閾値Dth2である位置を探索し、この位置が変化開始位置Pdとして特定される(ステップS203)。そして、この変化開始位置Pdから背景領域側へオフセット値Doだけシフトした位置が、基板SのエッジEsの位置Peとして特定される(ステップS204)。得られた結果は、画像の明るさが背景領域で飽和しているか否かに関わらず、同等の精度を有している。
【0107】
図17(b)はエッジ位置Peを特定する他の方法を示している。基板Sの周縁部Ssを撮像して画像を取得する処理(ステップS301)、および、閾値Dth2に基づき変化開始位置Pdを特定しオフセット値Doを用いてエッジ位置Peを特定する処理(ステップS304ないしS305)については、上記と同じ考え方に基づいている。
【0108】
一方、上記の方法では正規化された輝度プロファイルを微分した正規化微分プロファイルを用いて変化開始位置Pdを特定するのに対し、この別法では、正規化しない輝度プロファイルを微分して得られる微分プロファイルと、露出Eに応じてスケーリングされた閾値Dth2とを用いて変化開始位置Pdが特定される(ステップS303,S304)。より具体的には、閾値Dth2に対し、露出Eに比例する係数を乗じた値を閾値として、微分値がこの閾値と一致する微分プロファイル上の位置が変化開始位置Pdとされる。このようにすれば、画素ごとの輝度値に対し正規化を行うという演算が不要となり、演算コストは低くなる。一方、得られる結果は、これらのいずれの方法によっても技術的には等価である。
【0109】
基板Sを一定速度で回転させながら定期的に撮像を行い、その都度得られる画像の各々に対して上記処理を実行するようにすれば、基板Sの全周について、そのエッジEsの位置Peを特定することが可能になる。こうして画像内における基板Sのエッジ位置Peが精度よく特定されることで、基板周縁部Ssの観察および検査を効率よく行うことができる。
【0110】
例えば、偏心量導出部913が基板Sの偏心量を求める際、画像間でのエッジ位置Peの変動量を、偏心量を表す情報として利用することが可能である。また例えば、全周縁画像取得部912が各画像を合成して周縁部Ssの全周分の画像を作成する際には、周方向に隣り合う画像間で互いのエッジ位置Peが揃うように合成することで、径方向における位置を揃えつつ画像の合成を行うことが可能となる。
【0111】
また例えば、エッチング幅導出部915がベベル部のエッチング幅を導出する際には、エッジ位置Peから起算したエッチング幅を精度よく求めることが可能となる。さらに、例えば検査により検出される欠陥の位置を、エッジ位置Peを基準として表すことが可能になる。
【0112】
以上のように、この実施形態では、背景が高輝度となる画像において、画像の明るさが飽和し白飛びが発生している場合に、従来のエッジ検出方法では正しい結果が得られないという問題に対応するため、露出Eの大きさに影響されずに検出可能な基板S内の変化開始位置Pdを特定し、その位置から、予め求めたオフセット値Doだけ背景側へシフトした位置を、エッジ位置Peとするようにしている。
【0113】
オフセット値Doは、白飛びのない撮像条件で取得された予備画像において検出される基板SのエッジEsの位置と、変化開始位置Pdとの距離に相当する値として予め求められたものである。この距離は露出Eの大きさによらず、また白飛びの有無に関わらず一定であるから、この方法を用いることで、エッジ位置Peを白飛びの有無によらず精度よく求めることが可能である。その結果として、この実施形態では、観察の対象ではない背景領域については白飛びの発生が許容されるため、この問題を考慮することなく、基板Sの表面を良好に観察するという目的に特化して撮像条件を設定することが可能となる。したがって、撮像条件の設定における自由度がより高く、画像品質の良好な撮像条件を選択し撮像に使用することができる。これにより、基板Sの観察を効率よく行うことが可能となる。
【0114】
なお、「白飛びが発生しない撮像条件」については、閾値Dth2およびオフセット値Doを求める予備処理における撮像時にのみ実現されればよく、このような条件については、照明光の明るさや基板Sの表面状態、撮像部6Fにおける感度等を勘案して、あるいは予備実験によって、予め定めておくことが可能である。
【0115】
閾値Dth2およびオフセット値Doについては、より正確を期すためには基板ごとに設定されることが望ましいが、少なくとも観察対象の基板Sの表面状態が同等であれば、設定値をそれらに共通して適用することが可能である。したがって、これらの設定については、例えば同一ロットの複数基板を処理する前や、基板の種類が変更される前等に、当該基板またはそれと同等の表面状態の基板を用いて実行されることが好ましい。
【0116】
以上説明したように、上記実施形態では、基板処理装置1、特に回転機構2、処理機構4および周縁加熱機構5が、本発明の「処理部」として機能している。また、撮像機構6、特に撮像部6Fが本発明の「撮像部」として機能している。また、制御部9、特に演算処理部91が本発明の「画像処理部」として機能している。
【0117】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば実施形態では、基板Sの周縁部Ssを上方、側方および下方から見たときの像を1つの撮像視野に含ませて撮像している。しかしながら、本発明に係るエッジ位置の算出処理は、少なくとも基板の上面および下面の少なくとも一方をその背景とともに含む画像があれば実行可能であり、例えば上面のみが撮像されてもよい。
【0118】
また、上記実施形態の閾値およびオフセット値を求めるプロセスならびに画像からエッジ位置を特定する処理に、輝度プロファイルを微分した微分プロファイルを用いている。しかしながら、微分プロファイルを用いるのは輝度の変化を強調することで処理の精度を高めるためであって、本発明の技術思想は原理的には微分プロファイルを用いなくても実施可能である。すなわち、元の輝度プロファイル(または正規化輝度プロファイル)からエッジ位置Peや変化開始位置Pdを特定することができるのであれば、微分プロファイルの考え方を導入する必要はない。
【0119】
また、上記実施形態の説明では、閾値Dth2およびオフセット値Doを求めるための予備処理において、予備画像は背景の明るさが飽和しているものを含んでいる。しかしながら、複数の予備画像については、露出Eの大きさが互いに異なり、かつ少なくとも1つの予備画像が飽和していないことを要するものの、明るさが飽和するものを含むことを必要としない。
【0120】
また、上記実施形態では、撮像部6Fの観察レンズ系は、物体側テレセントリックレンズで構成しているが、撮像部6Fの観察レンズ系の構成はこれに限られるものではない。撮像部6Fの観察レンズ系は、他のレンズで構成されてもよい。
【0121】
また、拡散照明部61の拡散面610(61a~61c)の構成は限定されない。例えば、拡散照明部61または保持部63の少なくとも一部が金属材料から構成される場合、拡散面61a~61cは、金属材料の表面にショットブラスト加工が施されたものでもよい。
【0122】
また、ミラー部材62a~62cについても、Si(シリコン)に限定されるものではない。すなわち、処理液に対する耐薬性および処理温度に対する耐熱性を有する材料であれば、他の材料を用いてもよい。ミラー部材62a~62cは、例えば、耐薬性および耐熱性を有する材料の表面に金属材料が蒸着される構成でもよい。また、ミラー部材62a~62cは、耐薬性および耐熱性が要求されない環境下で使用される場合、構成材料は限定されない。ミラー部材62a~62cは、耐薬性および耐熱性を有しない材料から構成されてもよい。ミラー部材62a~62cは、例えば、耐薬性および耐熱性を有しない材料の表面に金属材料が蒸着される構成でもよい。
【0123】
また、上記実施形態では、基板Sの周縁部Ssをベベルエッチングする基板処理装置1に本発明を適用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、基板の周縁部を観察するために撮像を行う技術全般に適用可能である。例えば、撮像された画像に基づいて基板を検査する検査技術などについても、本発明を適用可能である。また、本発明に係る撮像装置に相当する撮像機構6と検査装置は、例えば、塗布膜が形成された基板Sの周縁部に塗布膜の除去液を供給して、基板Sの周縁部の塗布膜を除去する基板処理装置にも適用可能である。
【0124】
また、上記実施形態の基板処理装置1は、基板を処理するための処理部と、基板の周縁部を撮像するための撮像部とを備えるものであるが、基板に対する処理を実行する装置と、観察のために基板を撮像する装置とが別体として構成されている場合にも、後者における画像処理として本発明を適用することが可能である。
【0125】
以上、特定の実施形態を例示して説明してきたように、本発明に係る画像処理方法、観察方法および基板処理方法において、閾値は、背景領域から基板領域へ向かう方向に輝度正規化プロファイルを微分したときの微分値が複数の画像間で最も大きいピークよりも基板領域側で最初に一致するときの位置に対応する正規化輝度値に相当する値とすることができる。このような構成によれば、変化開始位置を露出の大きさに影響されることなく的確に特定することが可能となる。
【0126】
また例えば、オフセット値は、背景領域の明るさが飽和しない条件で撮像された画像においてエッジ検出処理により検出されたエッジ位置と、当該画像中の境界に対応する位置との距離に相当する値として求められてもよい。この距離は明るさが飽和するか否かによらず不変であるから、白飛びにより単なるエッジ検出処理ではエッジ位置が検出できない場合でも、エッジ位置を確実に特定することができる。
【0127】
この場合において、エッジ検出処理としては、正規化輝度プロファイルを微分したときの微分値における最も大きいピークを挟み、かつ微分値が予め設定された仮閾値と等しい2つの位置の中間位置をエッジ位置とする方法を採用することができる。このような構成によれば、高輝度の背景領域からより低輝度の基板領域に遷移するエッジを精度よく求めることが可能となる。
【0128】
また、この発明に係る観察方法および基板処理方法においては、閾値およびオフセット値を決定するための予備処理工程を備えてもよい。この場合、予備処理工程では、露出の大きさを互いに異ならせて周縁部を複数回撮像して複数の予備画像を取得し、複数の予備画像のそれぞれから検出される変化開始位置が一致する閾値を決定し、複数の予備画像のうち背景領域の明るさが飽和しない条件で撮像された画像に基づき、エッジ検出処理によりエッジ位置を検出し、当該画像において検出されたエッジ位置と変化開始位置との距離をオフセット値とすることができる。
【0129】
このような構成によれば、予備処理工程を事前に実行することで、閾値とオフセット値とを適切に設定することができ、その上で実際の画像に対するエッジ検出処理を行うことで、白飛びの有無によらず露出の大きさに影響されないエッジ位置検出が可能となる。
【0130】
この場合、例えば複数の予備画像それぞれについて、背景領域から基板領域へ向かう方向に正規化輝度プロファイルを微分した正規化微分プロファイルを求め、複数の予備画像間で、微分値が最も大きいピークよりも基板領域側で最初に一致するときの位置に対応する正規化輝度値を閾値とすることができる。微分プロファイルを求めて輝度の変化を強調することで、より精度よく閾値を決定することができる。
【0131】
また例えば、本発明に係る観察方法および基板処理方法は、円板状の基板をその主面に垂直かつ中心を通る回転軸まわりに回転させながら、互いに異なる複数の時刻に撮像を行って複数の画像を取得し、複数の画像の各々についてエッジ位置の特定を行うように構成されてもよい。このような構成によれば、円板状の基板の全周分について、エッジ位置を精度よく特定することが可能である。そして、これにより、エッジ位置を基準とした基板の観察や検査等を効率よく行うことが可能となる。
【0132】
この場合さらに、複数の画像の各々について、当該画像を構成する画素の輝度値を基板の周方向に積算し、その積算値に基づき基板の径方向に沿った単一の輝度プロファイルを求め、輝度プロファイルと閾値とに基づき変化開始位置を検出するように構成されてもよい。このような構成によれば、周方向に幅を持つ、つまり複数の画素が並ぶ画像であっても単一の輝度プロファイルにより表すことが可能となる。また、画像ノイズ等による不規則で細かい輝度変動を相殺することができる。
【0133】
また、本発明に係る撮像において、照明光は拡散光であってもよい。このような構成によれば、照明光の一部が撮像部に直接入射することで背景領域が基板領域よりも高輝度となりがちである。これにより背景領域が白飛びを生じていても、本発明に係るエッジ位置検出は有効に機能し、基板のエッジ位置を精度よく求めることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0134】
この発明は、基板、特に半導体ウエハなどの円形基板の周縁部を撮像し観察する用途に適用することが可能であり、特に基板のエッジ位置を特定する必要がある用途に好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0135】
1 基板処理装置
2 回転機構
4 処理機構(処理部)
6 撮像機構
6E 光源
6F 撮像部
6G ヘッド部
62a~62c ミラー部材
91 演算処理部(画像処理部)
S 基板
Ss 周縁部