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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138664
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】システム、プログラム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20241002BHJP
   H01L 21/324 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
H01L21/324 Z
H01L21/324 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049255
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】村松 潤哉
(72)【発明者】
【氏名】臼井 正則
(72)【発明者】
【氏名】森 朋彦
(72)【発明者】
【氏名】桑原 誠
(72)【発明者】
【氏名】岡地 涼輔
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従来よりも高い拡張性を担保可能なシステム、プログラム及び方法を提供する。
【解決手段】システム100は、被処理物クラス(半導体ウェハクラス)と、処理装置クラス(アニール装置クラス)と、インタフェースとを含む。インタフェースは、被処理物クラスと処理装置クラスとの間に介在するように設計される。インタフェースは、被処理物クラス及び処理装置クラスの少なくとも一方から、物理現象に対応する変数の情報である変数情報を受け取るように定義される。インタフェースは、被処理物クラスから受け取った変数情報を処理装置クラスに出力するように定義される。インタフェースは、処理装置クラスから受け取った変数情報を被処理物クラスに出力するように定義される。インタフェースは、被処理物クラスと処理装置クラスとの間で共通する振る舞いを物理現象に基づいて抽象化したクラスとして定義される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
被処理物クラスと、処理装置クラスと、インタフェースとを含み、
前記被処理物クラスは、被処理物の属性及び振る舞いに応じたクラスとして定義され、
前記処理装置クラスは、前記被処理物を処理する処理装置の属性及び振る舞いに応じたクラスとして定義され、
前記インタフェースは、前記被処理物クラスと前記処理装置クラスとの間に介在するように設計され、
前記インタフェースは、前記被処理物クラス及び前記処理装置クラスの少なくとも一方から、物理現象に対応する変数の情報である変数情報を受け取るように定義され、
前記インタフェースは、前記被処理物クラスから受け取った前記変数情報を前記処理装置クラスに出力するように定義され、
前記インタフェースは、前記処理装置クラスから受け取った前記変数情報を前記被処理物クラスに出力するように定義され、
前記インタフェースは、前記被処理物クラスと前記処理装置クラスとの間で共通する振る舞いを前記物理現象に基づいて抽象化したクラスとして定義される、
システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記被処理物クラス及び前記処理装置クラスは、複数の概念レベルに応じたクラスとしてそれぞれ定義される、
システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記変数情報は、前記被処理物における物理現象の程度を示す情報である、
システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記変数情報は、前記被処理物の接触部分における物理現象の程度を示す情報である、
システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記被処理物及び前記処理装置は、半導体の生産ラインに関するものである、
システム。
【請求項6】
プログラムであって、
第1定義ステップと、第2定義ステップと、第3定義ステップとをコンピュータに実行させ、
前記第1定義ステップでは、被処理物の属性及び振る舞いに応じたクラスとして被処理物クラスを定義し、
前記第2定義ステップでは、前記被処理物を処理する処理装置の属性及び振る舞いに応じたクラスとして処理装置クラスを定義し、
前記第3定義ステップでは、前記被処理物クラスと前記処理装置クラスとの間に介在するようにインタフェースを設計し、
前記第3定義ステップでは、前記被処理物クラス及び前記処理装置クラスの少なくとも一方から、物理現象に対応する変数の情報である変数情報を受け取るように前記インタフェースを定義し、
前記第3定義ステップでは、前記被処理物クラスから受け取った前記変数情報を前記処理装置クラスに出力するように前記インタフェースを定義し、
前記第3定義ステップでは、前記処理装置クラスから受け取った前記変数情報を前記被処理物クラスに出力するように前記インタフェースを定義し、
前記第3定義ステップでは、前記被処理物クラスと前記処理装置クラスとの間で共通する振る舞いを前記物理現象に基づいて抽象化したクラスとして前記インタフェースを定義する、
プログラム。
【請求項7】
方法であって、
第1定義ステップと、第2定義ステップと、第3定義ステップとを備え、
前記第1定義ステップでは、被処理物の属性及び振る舞いに応じたクラスとして被処理物クラスを定義し、
前記第2定義ステップでは、前記被処理物を処理する処理装置の属性及び振る舞いに応じたクラスとして処理装置クラスを定義し、
前記第3定義ステップでは、前記被処理物クラスと前記処理装置クラスとの間に介在するようにインタフェースを設計し、
前記第3定義ステップでは、前記被処理物クラス及び前記処理装置クラスの少なくとも一方から、物理現象に対応する変数の情報である変数情報を受け取るように前記インタフェースを定義し、
前記第3定義ステップでは、前記被処理物クラスから受け取った前記変数情報を前記処理装置クラスに出力するように前記インタフェースを定義し、
前記第3定義ステップでは、前記処理装置クラスから受け取った前記変数情報を前記被処理物クラスに出力するように前記インタフェースを定義し、
前記第3定義ステップでは、前記被処理物クラスと前記処理装置クラスとの間で共通する振る舞いを前記物理現象に基づいて抽象化したクラスとして前記インタフェースを定義する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、プログラム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、製品情報管理システムが開示されている。
【0003】
この製品情報管理システムは、構成関連情報と製造関連情報とをそれぞれ同種の管理対象に決定し、それら管理対象全体を管理対象相互の関連を抽出して複数のクラスCL1,2,3・・・に分類することによってオブジェクトモデルを作成する。このモデルの下では、各情報が他の情報との関連と共にメモリに格納されるから、他の情報の変更に伴ってそのメモリの内容を変更することも不要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09-267239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたシステムでは、新規な被処理物や新規な処理装置等を使用する場合には、クラス間の関係性を変更しなければならず、拡張性に乏しいという問題があった。
【0006】
本発明では上記事情を鑑み、従来よりも高い拡張性を担保可能なシステム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、システムが提供される。このシステムは、被処理物クラスと、処理装置クラスと、インタフェースとを含む。被処理物クラスは、被処理物の属性及び振る舞いに応じたクラスとして定義される。処理装置クラスは、被処理物を処理する処理装置の属性及び振る舞いに応じたクラスとして定義される。インタフェースは、被処理物クラスと処理装置クラスとの間に介在するように設計される。インタフェースは、被処理物クラス及び処理装置クラスの少なくとも一方から、物理現象に対応する変数の情報である変数情報を受け取るように定義される。インタフェースは、被処理物クラスから受け取った変数情報を処理装置クラスに出力するように定義される。インタフェースは、処理装置クラスから受け取った変数情報を被処理物クラスに出力するように定義される。インタフェースは、被処理物クラスと処理装置クラスとの間で共通する振る舞いを物理現象に基づいて抽象化したクラスとして定義される。
【0008】
このような態様によれば、従来よりも高い拡張性を担保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】システム100のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】システム100のソフトウェアを表す構成図である。
図3】システム100を構築する際の処理の手順を示す図である。
図4】半導体ウェハに関連するクラスの表現例を示す図である。
図5】アニール装置に関連するクラスの表現例を示す図である。
図6】インタフェース400をクラスとして表現する際の手順例を示す図である。
図7】インタフェース400をクラスとして表現する際の手順例を示す図である。
図8】インタフェース400をクラスとして表現する際の手順例を示す図である。
図9】インタフェース400をクラスとして表現する際の別の手順例を示す図である。
図10】インタフェース400をクラスとして表現する際の別の手順例を示す図である。
図11】インタフェース400をクラスとして表現する際の別の手順例を示す図である。
図12】インタフェース400をクラスとして表現する際の別の手順例を示す図である。
図13】システム100をモデル化した一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0012】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.構成
第1節では、システム100の構成について説明する。
【0015】
図1は、システム100のハードウェア構成を示すブロック図である。システム100は、制御部110と、記憶部120と、表示部130と、入力部140と、通信部150とを有し、これらの構成要素がシステム100の内部において通信バス160を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。ここで、システム100に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。
【0016】
制御部110は、システム100に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部110は、例えば、不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部110は、記憶部120に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、システム100に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部120に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部110によって具体的に実現されることで、制御部110に含まれる各機能部として実行されうる。なお、制御部110は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部110を有するように実施してもよい。またそれらの組み合わせであってもよい。
【0017】
記憶部120は、システム100の情報処理に必要な様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部110によって実行されるシステム100に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組み合わせであってもよい。
【0018】
表示部130は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、システム100の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。
【0019】
入力部140は、タッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部140は、ユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力は、命令信号として、通信バス160を介して制御部110に転送される。そして、制御部110は、必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0020】
通信部150は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、5G/LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。
【0021】
図2は、システム100のソフトウェアを表す構成図である。システム100は、半導体ウェハクラス200(被処理物クラス)と、アニール装置クラス300(処理装置クラス)と、インタフェース400とを含む。半導体ウェハクラス200、アニール装置クラス300及びインタフェース400は、ソフトウェアで扱う事柄について、属性及び振る舞いをまとめて1つのオブジェクトとして捉えるために、当該オブジェクトを設計するためのクラスとして定義される概念である。
【0022】
すなわち、半導体ウェハクラス200は、半導体ウェハ(被処理物)の属性及び振る舞いに応じたクラスとして定義される。また、アニール装置クラス300は、半導体ウェハを処理するアニール装置(処理装置)の属性及び振る舞いに応じたクラスとして定義される。さらに、インタフェース400は、半導体ウェハクラス200(被処理物クラス)とアニール装置クラス300(処理装置クラス)との間に介在するように設計される。
【0023】
本実施形態では、被処理物及び処理装置は、半導体の生産ラインに関するものとして説明する。このような態様によれば、種々の条件を扱う半導体の生産ラインにおいて、システム100を好適に用いることができる。
【0024】
半導体ウェハクラス200、アニール装置クラス300及びインタフェース400は、記憶部120に格納されている。制御部110は、半導体ウェハクラス200、アニール装置クラス300及びインタフェース400を記憶部120から読み出し、制御処理を実行することで、生産ラインにおける一部のデータの変化により、他のデータがどのように影響するかを表現することができる。
【0025】
2.システム100の構築
第2節では、システム100を構築する処理について説明する。
【0026】
図3は、システム100を構築する際の処理の手順を示す図である。システム100は、次の方法によって構築される。この方法は、第1定義ステップと、第2定義ステップと、第3定義ステップとを備える。第1定義ステップでは、被処理物の属性及び振る舞いに応じたクラスとして被処理物クラスを定義する。第2定義ステップでは、被処理物を処理する処理装置の属性及び振る舞いに応じたクラスとして処理装置クラスを定義する。第3定義ステップでは、被処理物クラスと処理装置クラスとの間に介在するようにインタフェースを設計する。第3定義ステップでは、被処理物クラス及び処理装置クラスの少なくとも一方から、物理現象に対応する変数の情報である変数情報を受け取るようにインタフェースを定義する。第3定義ステップでは、被処理物クラスから受け取った変数情報を処理装置クラスに出力するようにインタフェースを定義する。第3定義ステップでは、処理装置クラスから受け取った変数情報を被処理物クラスに出力するようにインタフェースを定義する。第3定義ステップでは、被処理物クラスと処理装置クラスとの間で共通する振る舞いを物理現象に基づいて抽象化したクラスとしてインタフェースを定義する。この方法は、コンピュータにより実行されてもよい。
【0027】
まず、第1定義ステップでは、半導体ウェハクラス200が定義される(アクティビティA100)。アクティビティA100では、例えば、次の2段階の情報処理が実行される。(1)入力部140は、半導体ウェハクラス200に関する情報の入力を受け付ける。(2)制御部110は、半導体ウェハクラス200に関する情報を記憶部120に格納させる。
【0028】
続いて、第2定義ステップでは、アニール装置クラス300が定義される(アクティビティA200)。アクティビティA200では、例えば、次の2段階の情報処理が実行される。(1)入力部140は、アニール装置クラス300に関する情報の入力を受け付ける。(2)制御部110は、アニール装置クラス300に関する情報を記憶部120に格納させる。
【0029】
続いて、第3定義ステップでは、インタフェース400が定義される(アクティビティA300)。アクティビティA300では、例えば、次の2段階の情報処理が実行される。(1)入力部140は、インタフェース400に関する情報の入力を受け付ける。(2)制御部110は、インタフェース400に関する情報を記憶部120に格納させる。
【0030】
続いて、システム100がモデル化される(アクティビティA400)。アクティビティA400では、例えば、次の3段階の情報処理が実行される。(1)制御部110は、記憶部120に格納された、半導体ウェハクラス200、アニール装置クラス300及びインタフェース400を読み出す。(2)入力部140は、システム100のモデル化に関する情報の入力を受け付ける。(3)制御部110は、モデル化処理を実行し、システム100をモデル化する。
【0031】
なお、アクティビティA100からA300は、同時に実行されてもよいし、任意の順で実行されてもよい。
【0032】
3.クラスの表現例
第3節では、各クラスの表現例について説明する。
【0033】
3-1.半導体ウェハクラス200
図4は、半導体ウェハに関連するクラスの表現例を示す図である。ここで、クラスは、四角上部及び四角下部から構成される。四角上部には、そのクラスの名称が記載されている。四角下部には、そのクラスの振る舞い(例えば、扱えるデータの型、内部で実施される演算、保持する定数等)が記載されている。
【0034】
図4に示すように、半導体ウェハに関連するクラスは、例えば5段階の概念レベルに分けられる。ここでは、MOS(Metal-Oxide Semiconductor)キャパシタチップを例に挙げて説明する。MOSキャパシタチップは、金属、絶縁膜及び半導体の3種の構造からなる。MOSキャパシタチップのクラス(概念レベル3)においては、その構成要素が何であるのかを具体的には定義せず、MOSキャパシタチップ自体を抽象化して定義される。
【0035】
また、MOSキャパシタチップの構成要素として、金属、絶縁膜、半導体のクラスが定義される(概念レベル4)。概念レベル4のクラスにおいても具体的な材料は定義せず、あくまでも金属であること、絶縁膜であること、半導体であること、を抽象化してクラスとしてまとめられている。
【0036】
さらに、金属、絶縁膜、半導体をより特化したクラスとして、材料のクラスが定義される(概念レベル5)。概念レベル5のクラスにおいては、材料が何であるのか(SiやSiCなど)を定義する。
【0037】
また、半導体デバイスは、半導体ウェハの上に構造が作られ、それがチップにダイシングされて個別のデバイスになる。したがって、図4では、ウェハクラス(概念レベル1)と、ウェハクラスの構成要素であるチップクラス(概念レベル2)とが定義されている。そして、チップクラスの特化したクラスとして、具体的にMOSキャパシタチップクラス(概念レベル3)が定義される、という関係が表現されている。
【0038】
このような表現をすることで、ウェハ上のどの場所のどのような大きさのチップが存在するかを独立して表現可能であるとともに、チップの中身がMOSキャパシタからIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やPNダイオードに変わったとしても、チップ以下の特化したクラスを追加するだけで他のクラスの関係を崩すことなく再利用が可能である。
【0039】
このように、半導体ウェハクラス200(被処理物クラス)は、複数の概念レベルに応じたクラスとして定義される。このような態様によれば、半導体ウェハ(被処理物)の取り得る状態を細かく表現することができる。
【0040】
3-2.アニール装置クラス300
図5は、アニール装置に関連するクラスの表現例を示す図である。
【0041】
図5に示すように、アニール装置に関連するクラスは、例えば3段階の概念レベルに分けられる。アニール装置のクラス(概念レベル2)においては、アニール装置を具体的には定義せず、アニール装置自体を抽象化して定義される。
【0042】
また、アニール装置の種類として、A社製のアニール装置、B社製のアニール装置のクラスが定義される(概念レベル3)。概念レベル3のクラスにおいては、アニール装置の熱処理の方式、使用する熱源の種類、使用するガスの種類等を定義する。
【0043】
さらに、アニール装置と同じ概念レベルとして、ALD装置のクラスが定義される(概念レベル2)。アニール装置とALD装置とを抽象化すると、ガス熱処理装置として表現可能である。したがって、アニール装置及びALD装置の上位概念として、ガス熱処理装置のクラスが定義される(概念レベル1)。
【0044】
このように、アニール装置クラス300(処理装置クラス)は、複数の概念レベルに応じたクラスとして定義される。このような態様によれば、アニール装置(処理装置)の取り得る状態を細かく表現することができる。
【0045】
3-3.インタフェース400
図6図8は、インタフェース400をクラスとして表現する際の手順例を示す図である。図6図8では、半導体ウェハの酸化膜をアニール装置で作成する過程において、表現したい物理現象である「酸化膜厚の変化」に対する一次変数(変数情報)を受け取るインタフェース400を設定する場合について説明する。ここで、変数情報は、半導体ウェハ(被処理物)における物理現象の程度を示す情報であり、図6図8での説明においては、半導体ウェハ付近の空間温度の時間変化のことを示す。
【0046】
まず、図6に示すように、アニール装置の温度出力を用いて半導体ウェハの酸化膜厚の変化を記述するために必要な振る舞いを洗い出す。この振る舞いには、次の4つが存在する。(1)アニール装置内のセンサにおいて、温度に相当するセンサ電圧の時間変化を取得する。(2)センサ電圧の時間変化を、センサ位置での温度の時間変化に変換する。(3)センサ位置での温度の時間変化から、生産物である半導体ウェハ付近の空間温度の時間変化を推定する。(4)半導体ウェハ付近の空間温度の時間変化を用いて、半導体ウェハ上に作成される酸化膜厚を推定する。
【0047】
続いて、図7に示すように、生産物である半導体ウェハクラス200で実装するべき振る舞いを割り当てる。半導体ウェハ上の酸化膜厚に直接影響を与える(酸化膜厚変化の一次変数)振る舞いは、(1)~(4)のうち(4)である。したがって、ここでは(4)の振る舞いが半導体ウェハクラス200に、(1)~(3)の振る舞いがアニール装置クラス300に割り当てられる。
【0048】
続いて、図8に示すように、半導体ウェハクラス200に割り当てられた振る舞いのために必要な一次変数(半導体ウェハ付近の空間温度の時間変化)を受け取るインタフェース400を設定し、それを半導体ウェハクラス200に実装する。
【0049】
このような態様によれば、インタフェースを容易に定義することができる。
【0050】
図9図12は、インタフェース400をクラスとして表現する際の別の手順例を示す図である。図9図12では、生産物である半導体ウェハが物理的に接触している空間や点の状態を説明する変数に対する一次変数(変数情報)を受け取るインタフェース400を設定する場合について説明する。ここで、変数情報は、半導体ウェハ(被処理物)の接触部分における物理現象の程度を示す情報であり、図9図12での説明においては、半導体ウェハ付近の空間温度の時間変化のことを示す。
【0051】
まず、図9に示すように、半導体ウェハクラス200と、半導体ウェハが物理的に接している空間や点のクラスとを定義する。当該空間や点のクラスとしては、半導体ウェハに接している付近の空間のクラス(以下「空間クラス」ともいう。)が該当する。
【0052】
続いて、図10に示すように、空間クラスにおける状態を説明する変数を抽出する。当該状態を説明する変数は、半導体ウェハ付近の空間における温度の時間変化である。
【0053】
続いて、図11に示すように、抽出した変数を受け取るインタフェース400を設定し、半導体ウェハクラス200に実装する。インタフェース400は、半導体ウェハ付近の温度の時間変化を持つ空間クラスの実態であるインスタンスとして受け取ってもよいし、半導体ウェハ付近の温度の時間変化を数値として受け取ってもよい。
【0054】
続いて、図12に示すように、ここまでで定義したインタフェース400と実装方法とに基づいて、関係するクラスの詳細を設計する。今回の例では、半導体ウェハクラス200内に空間温度の時間変化を受け取る振る舞い、及び、当該振る舞いに基づいて半導体ウェハ上で作成される酸化膜厚を推定する振る舞いが記述される。
【0055】
このような態様によれば、インタフェースを容易に定義することができる。
【0056】
以上のように、上記何れの方法においても、最終的に設計されるインタフェース400は同一となる。このように、インタフェース400は、半導体ウェハクラス200(被処理物クラス)とアニール装置クラス300(処理装置クラス)との間で共通する振る舞いを物理現象に基づいて抽象化したクラスとして定義される。
【0057】
このような態様によれば、従来よりも高い拡張性を担保したシステムを提供することができる。
【0058】
4.システム100のモデル化
図13は、システム100をモデル化した一例を示す図である。
【0059】
インタフェース410、インタフェース420、インタフェース430及びインタフェース440は、上記インタフェース400の具体例を示す。このうち、システム100に含まれるインタフェース400は、インタフェース420及びインタフェース430である。第4節では、説明の便宜のため、インタフェース410及びインタフェース440についても説明する。
【0060】
インタフェース410、インタフェース420、インタフェース430及びインタフェース440は、後述するように、アニール装置クラス310(被処理物クラス)及び半導体ウェハクラス210(処理装置クラス)の少なくとも一方から、物理現象に対応する変数の情報である変数情報を受け取るように定義される。
【0061】
インタフェース410は、アニール装置クラス310に実装されている。アニール装置クラス310は、サブクラスである装置Aクラス320及び装置Bクラス330により、対応する具体的な振る舞いを実現している。インタフェース410は、プロセスの入力を受け取るように定義されている。
【0062】
インタフェース420は、アニール装置クラス310に実装されている。インタフェース420は、アニール装置変数情報311を出力するように定義されている。アニール装置変数情報311は、サブクラスである装置A変数情報321及び装置B変数情報331により、対応する具体的な振る舞いを実現している。
【0063】
インタフェース430は、インタフェース420から出力されたアニール装置変数情報311を受け取るように定義されている。インタフェース430は、半導体ウェハクラス210に実装されている。半導体ウェハクラス210は、IGBT構造クラス220及びMOSFET構造クラス230を構成要素としている。
【0064】
インタフェース440は、半導体ウェハクラス210に実装されている。インタフェース440は、受け取ったアニール装置変数情報311を測定装置に出力するように定義されている。
【0065】
このように、インタフェース400は、アニール装置クラス300(処理装置クラス)から受け取ったアニール装置変数情報311(変数情報)を半導体ウェハクラス210(被処理物クラス)に出力するように定義される。また、インタフェース400は、半導体ウェハクラス210(被処理物クラス)から受け取った変数情報をアニール装置クラス300(処理装置クラス)に出力するように定義されてもよい。
【0066】
5.作用
第5節では、システム100の作用について説明する。
【0067】
MOSキャパシタの生産工程を例に説明する。MOSキャパシタの生産工程では、洗浄された半導体ウェハに対し、SiOの酸化膜を成膜し、アニール処理の後に酸化膜上に金属の表面電極を載せる。MOSキャパシタの生産工程では、酸化膜の厚みや金属膜の厚み、最終的なキャパシタとしての電気特性(CV特性)などがデータとして取得される。また、酸化膜の成膜やアニール処理における処理条件に関わるデータも存在する。これらのデータは、アニール装置(処理装置)の振る舞いを介して半導体ウェハ上に何らかの作用を与え、最終的なMOSキャパシタの構造や電気特性に影響を与える。
【0068】
すなわち、生産工程の各所に存在するデータは、注目する生産物(MOSキャパシタ)に対して何らかの関係を有している。したがって、これらのデータがどこで定義され、何に直接的又は間接的に影響を与えているかを定義することにより、ある生産工程における一部のデータの変化において、それに連なるデータへの影響度合いを表現することができる。
【0069】
MOSキャパシタの生産工程に関わる実際の生産物、材料、装置、素材などのモノは、構造や材料定数、振る舞いなどで関連性や共通項を持っている。それらはクラスと呼ばれる概念でまとめることが可能であり、クラス間は汎化、特化、集約、関連など実際の状態に応じて紐付けることが可能である。
【0070】
そこで、本実施形態では、システム100をモデル化することで、生産工程における被処理物の品質、処理装置による振る舞い、被処理物及び処理装置の状態を表現することができる。
【0071】
本実施形態によれば、生産ラインにおいて、新規な被処理物、新規な処理装置等を使用する場合であっても、より少ない変更でシステムを維持することができる。すなわち、従来よりも高い拡張性を担保したシステムを提供することができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0073】
6.変形例
本実施形態の態様は、プログラムであってもよい。このプログラムは、第1定義ステップと、第2定義ステップと、第3定義ステップとをコンピュータに実行させる。第1定義ステップでは、被処理物の属性及び振る舞いに応じたクラスとして被処理物クラスを定義する。第2定義ステップでは、被処理物を処理する処理装置の属性及び振る舞いに応じたクラスとして処理装置クラスを定義する。第3定義ステップでは、被処理物クラスと処理装置クラスとの間に介在するようにインタフェースを設計する。第3定義ステップでは、被処理物クラス及び処理装置クラスの少なくとも一方から、物理現象に対応する変数の情報である変数情報を受け取るようにインタフェースを定義する。第3定義ステップでは、被処理物クラスから受け取った変数情報を処理装置クラスに出力するようにインタフェースを定義する。第3定義ステップでは、処理装置クラスから受け取った変数情報を被処理物クラスに出力するようにインタフェースを定義する。第3定義ステップでは、被処理物クラスと処理装置クラスとの間で共通する振る舞いを物理現象に基づいて抽象化したクラスとしてインタフェースを定義する。
【0074】
制御部110は、各種データ及び各種情報について記憶部120に書き出し処理(記憶処理)及び読み出し処理をしているが、これに限られず、例えば、制御部110内のレジスタやキャッシュメモリ等を使用して、各アクティビティの情報処理を実行してもよい。
【0075】
本実施形態では、半導体の生産ラインに関する処理装置として、アニール装置を一例として説明したが、これに限られることはない。半導体の生産ラインには、アニール装置以外にも他の処理装置が存在する(例えば、洗浄装置、エッチング装置、ダイシング装置等)。したがって、本実施形態の態様は、半導体ウェハとアニール装置との関係性に限られることはなく、他の被処理物と他の処理装置との関係性についても適用可能である。
【0076】
本実施形態の第2節では、アニール処理を一例として説明したが、他の処理や複数の処理をモデル化する際には、第2節で説明するアクティビティを繰り返せばよい。
【0077】
本実施形態の第3-1節では、被処理物クラスとして、半導体ウェハクラス200を一例として説明したが、これに限られることはない。被処理物クラスは、被処理物の属性及び振る舞いに応じたクラスとして定義されればよく、半導体ウェハ以外の被処理物に関するクラスについても適用可能である。
【0078】
本実施形態の第3-2節では、処理装置クラスとして、アニール装置クラス300を一例として説明したが、これに限られることはない。処理装置クラスは、処理装置の属性及び振る舞いに応じたクラスとして定義されればよく、アニール装置以外の処理装置に関するクラスについても適用可能である。
【0079】
本実施形態の第3-3節では、インタフェース400は、半導体ウェハクラス200とアニール装置クラス300との間に介在するように設計されるものとして説明したが、これに限られることはない。インタフェースは、被処理物クラスと処理装置クラスとの間に介在されるように設計されればよく、半導体ウェハクラス200以外の被処理物クラスとアニール装置クラス300以外の処理装置クラスとの間についても適用可能である。
【0080】
本実施形態の第3-3節では、アニール装置クラス300において、変数情報を出力する責任のみを持たせ、半導体ウェハクラス200において、当該変数情報に基づいて処理を実行する責任を持たせることを設定する手順について説明したが、これに限られることはない。例えば、半導体ウェハクラス200において、変数情報を出力する責任のみを持たせ、アニール装置クラス300において、当該変数情報に基づいて処理を実行する責任を持たせてもよい。
【0081】
本実施形態の第4節では、モデル化されたシステム100として、半導体ウェハクラス210、アニール装置クラス310、及び各インタフェースの構成を例示したが、これに限られることはない。システム100は、被処理物クラス、処理装置クラス、及びインタフェースを含めばよく、第4節において例示した構成以外の構成についても適用可能である。
【0082】
7.その他
次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0083】
(1)システムであって、被処理物クラスと、処理装置クラスと、インタフェースとを含み、前記被処理物クラスは、被処理物の属性及び振る舞いに応じたクラスとして定義され、前記処理装置クラスは、前記被処理物を処理する処理装置の属性及び振る舞いに応じたクラスとして定義され、前記インタフェースは、前記被処理物クラスと前記処理装置クラスとの間に介在するように設計され、前記インタフェースは、前記被処理物クラス及び前記処理装置クラスの少なくとも一方から、物理現象に対応する変数の情報である変数情報を受け取るように定義され、前記インタフェースは、前記被処理物クラスから受け取った前記変数情報を前記処理装置クラスに出力するように定義され、前記インタフェースは、前記処理装置クラスから受け取った前記変数情報を前記被処理物クラスに出力するように定義され、前記インタフェースは、前記被処理物クラスと前記処理装置クラスとの間で共通する振る舞いを前記物理現象に基づいて抽象化したクラスとして定義される、システム。
【0084】
このような態様によれば、従来よりも高い拡張性を担保したシステムを提供することができる。
【0085】
(2)上記(1)に記載のシステムにおいて、前記被処理物クラス及び前記処理装置クラスは、複数の概念レベルに応じたクラスとしてそれぞれ定義される、システム。
【0086】
このような態様によれば、被処理物及び処理装置の取り得る状態を細かく表現することができる。
【0087】
(3)上記(1)又は(2)に記載のシステムにおいて、前記変数情報は、前記被処理物における物理現象の程度を示す情報である、システム。
【0088】
このような態様によれば、インタフェースを容易に定義することができる。
【0089】
(4)上記(1)又は(2)に記載のシステムにおいて、前記変数情報は、前記被処理物の接触部分における物理現象の程度を示す情報である、システム。
【0090】
このような態様によれば、インタフェースを容易に定義することができる。
【0091】
(5)上記(1)から(4)までの何れか1つに記載のシステムにおいて、前記被処理物及び前記処理装置は、半導体の生産ラインに関するものである、システム。
【0092】
このような態様によれば、種々の条件を扱う半導体の生産ラインにおいて好適に用いることができる。
【0093】
(6)プログラムであって、第1定義ステップと、第2定義ステップと、第3定義ステップとをコンピュータに実行させ、前記第1定義ステップでは、被処理物の属性及び振る舞いに応じたクラスとして被処理物クラスを定義し、前記第2定義ステップでは、前記被処理物を処理する処理装置の属性及び振る舞いに応じたクラスとして処理装置クラスを定義し、前記第3定義ステップでは、前記被処理物クラスと前記処理装置クラスとの間に介在するようにインタフェースを設計し、前記第3定義ステップでは、前記被処理物クラス及び前記処理装置クラスの少なくとも一方から、物理現象に対応する変数の情報である変数情報を受け取るように前記インタフェースを定義し、前記第3定義ステップでは、前記被処理物クラスから受け取った前記変数情報を前記処理装置クラスに出力するように前記インタフェースを定義し、前記第3定義ステップでは、前記処理装置クラスから受け取った前記変数情報を前記被処理物クラスに出力するように前記インタフェースを定義し、前記第3定義ステップでは、前記被処理物クラスと前記処理装置クラスとの間で共通する振る舞いを前記物理現象に基づいて抽象化したクラスとして前記インタフェースを定義する、プログラム。
【0094】
このような態様によれば、従来よりも高い拡張性を担保したシステムを提供することができる。
【0095】
(7)方法であって、第1定義ステップと、第2定義ステップと、第3定義ステップとを備え、前記第1定義ステップでは、被処理物の属性及び振る舞いに応じたクラスとして被処理物クラスを定義し、前記第2定義ステップでは、前記被処理物を処理する処理装置の属性及び振る舞いに応じたクラスとして処理装置クラスを定義し、前記第3定義ステップでは、前記被処理物クラスと前記処理装置クラスとの間に介在するようにインタフェースを設計し、前記第3定義ステップでは、前記被処理物クラス及び前記処理装置クラスの少なくとも一方から、物理現象に対応する変数の情報である変数情報を受け取るように前記インタフェースを定義し、前記第3定義ステップでは、前記被処理物クラスから受け取った前記変数情報を前記処理装置クラスに出力するように前記インタフェースを定義し、前記第3定義ステップでは、前記処理装置クラスから受け取った前記変数情報を前記被処理物クラスに出力するように前記インタフェースを定義し、前記第3定義ステップでは、前記被処理物クラスと前記処理装置クラスとの間で共通する振る舞いを前記物理現象に基づいて抽象化したクラスとして前記インタフェースを定義する、方法。
【0096】
このような態様によれば、従来よりも高い拡張性を担保したシステムを提供することができる。
もちろん、この限りではない。
【符号の説明】
【0097】
100 :システム
110 :制御部
120 :記憶部
130 :表示部
140 :入力部
150 :通信部
160 :通信バス
200 :半導体ウェハクラス
210 :半導体ウェハクラス
220 :IGBT構造クラス
230 :構造クラス
300 :アニール装置クラス
310 :アニール装置クラス
311 :アニール装置変数情報
320 :装置Aクラス
321 :装置A変数情報
330 :装置Bクラス
331 :装置B変数情報
400 :インタフェース
410 :インタフェース
420 :インタフェース
430 :インタフェース
440 :インタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13