IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社の特許一覧

特開2024-138675情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム
<>
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図1
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図2
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図3
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図4
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図5
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図6
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図7
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図8
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図9
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図10
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図11
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図12
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図13
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図14
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図15
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図16
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図17
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図18
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図19
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図20
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138675
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04847 20220101AFI20241002BHJP
   G06F 3/0346 20130101ALI20241002BHJP
【FI】
G06F3/04847
G06F3/0346 422
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049271
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平井 敦士
【テーマコード(参考)】
5B087
5E555
【Fターム(参考)】
5B087AA09
5B087AD04
5B087CC01
5B087CC33
5B087DD03
5E555AA06
5E555AA23
5E555AA24
5E555AA25
5E555BA01
5E555BA19
5E555BA87
5E555BB01
5E555BB19
5E555BC17
5E555CA42
5E555CB07
5E555CB08
5E555CB40
5E555CB47
5E555CC05
5E555DA01
5E555DB22
5E555DB57
5E555DC05
5E555DC11
5E555DC13
5E555DC84
5E555DD06
5E555DD07
5E555EA07
5E555EA09
5E555EA14
5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザにとって操作しやすい仮想操作領域を設定する。
【解決手段】本開示の一態様に係る情報処理装置では、画像取得部、設定部、検出部、操作部及び変更部を備える。画像取得部は、操作者となるユーザを撮像した画像を撮像部から取得する。設定部は、前記撮像部の撮像範囲内に、機器への操作を受け付ける仮想操作領域を設定する。検出部は、前記画像に基づいてユーザの手を検出する。操作部は、前記ユーザの手が前記仮想操作領域で検出された場合、当該手の移動方向に応じて前記機器を操作する。変更部は、前記ユーザの手の位置が前記仮想操作領域の内部から前記仮想操作領域の外部に移動した場合、当該手の位置に追従して前記仮想操作領域の位置を変更する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者となるユーザを撮像した画像を撮像部から取得する画像取得部と、
前記撮像部の撮像範囲内に、機器への操作を受け付ける仮想操作領域を設定する設定部と、
前記画像に基づいてユーザの手を検出する検出部と、
前記ユーザの手が前記仮想操作領域で検出された場合、当該手の移動方向に応じて前記機器を操作する操作部と、
前記ユーザの手の位置が前記仮想操作領域の内部から前記仮想操作領域の外部に移動した場合、当該手の位置に追従して前記仮想操作領域の位置を変更する変更部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記ユーザの手を一方向に移動させるスワイプ操作を検出し、
前記変更部は、前記スワイプ操作により前記ユーザの手が前記仮想操作領域の内部から前記仮想操作領域の外部に移動した場合、当該手の位置に追従して前記仮想操作領域の位置を変更する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記仮想操作領域は、前記操作が行われる方向の一端を示す操作最小位置と、他端を示す操作最大位置とで規定され、
前記変更部は、前記仮想操作領域の大きさを維持したまま、前記ユーザの手の位置に追従して、当該手の移動方向に対応する前記操作最小位置又は前記操作最大位置を変更する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記変更部は、前記スワイプ操作に対応するシーク操作において検出された前記手に基づいて、前記仮想操作領域を変更する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
複数の機器が隣接して配置される場合、
前記変更部は、前記シーク操作において、前記複数の機器のうち、前記ユーザが最初に操作した機器の操作を優先して、前記仮想操作領域を変更する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記操作最小位置及び前記操作最大位置は、絶対座標、あるいは、前記機器を基準とする相対座標のうち、少なくとも1つから設定される、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記仮想操作領域は、2次元又は3次元の領域である、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記検出部は、前記ユーザの指先の操作方向を検出し、
前記変更部は、前記操作方向が前記機器に向いており、かつ、前記指先が前記仮想操作領域の内部から前記仮想操作領域の外部に移動した場合、前記仮想操作領域を変更する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記変更部は、前記仮想操作領域を変更後、前記手の動きに対応するリリース操作に基づいて、前記仮想操作領域を変更前に戻す、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記設定部は、前記撮像部の撮像範囲内に、仮想操作領域を包含する操作検出可能領域を設定し、
前記変更部は、前記操作検出可能領域内で、前記仮想操作領域の位置を変更する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記設定部は、前記機器と、前記ユーザと、の位置関係に基づいて、前記仮想操作領域を設定し、
前記仮想操作領域は、前記ユーザに近いほど小さくなる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
撮像部と、情報処理装置と、表示部とを備える情報処理システムであって、
前記撮像部は、操作者となるユーザを撮像し、
前記情報処理システムは、
前記撮像部が撮像した画像を取得する画像取得部と、
前記撮像部の撮像範囲内に、前記表示部への操作を受け付ける仮想操作領域を設定する設定部と、
前記画像に基づいて前記ユーザの手を検出する検出部と、
前記ユーザの手が前記仮想操作領域で検出された場合、当該手の移動方向に応じて前記表示部を操作する操作部と、
前記ユーザの手の位置が前記仮想操作領域の内部から前記仮想操作領域の外部に移動した場合、当該手の位置に追従して前記仮想操作領域の位置を変更する変更部と、
を備える情報処理システム。
【請求項13】
情報処理装置で実行する情報処理方法であって、
操作者となるユーザを撮像した画像を撮像部から取得する画像取得ステップと、
前記撮像部の撮像範囲内に、機器への操作を受け付ける仮想操作領域を設定する設定ステップと、
前記画像に基づいてユーザの手を検出する検出ステップと、
前記ユーザの手が前記仮想操作領域で検出された場合、当該手の移動方向に応じて前記機器を操作する操作ステップと、
前記ユーザの手の位置が前記仮想操作領域の内部から前記仮想操作領域の外部に移動した場合、当該手の位置に追従して前記仮想操作領域の位置を変更する変更ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータに、
操作者となるユーザを撮像した画像を撮像部から取得する画像取得ステップと、
前記撮像部の撮像範囲内に、機器への操作を受け付ける仮想操作領域を設定する設定ステップと、
前記画像に基づいてユーザの手を検出する検出ステップと、
前記ユーザの手が前記仮想操作領域で検出された場合、当該手の移動方向に応じて前記機器を操作する操作ステップと、
前記ユーザの手の位置が前記仮想操作領域の内部から前記仮想操作領域の外部に移動した場合、当該手の位置に追従して前記仮想操作領域の位置を変更する変更ステップと、
を実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な機器において、ユーザの手の動きを検出し、検出した手の動きに応じて動作制御するものがある(例えば、特許文献1参照)。例えば、操作機器等の操作対象について、ユーザが操作機器に直接触れることなく、ユーザの手の動きに応じて操作機器で表示している内容を変更するものが存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-27218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような技術において、ユーザの選択操作等を特定するため、手の動きを検出可能な領域を設定することが考えられる。手の動きを検出可能な領域を、以下、仮想操作領域ともいう。このような仮想操作領域は、例えば、操作機器の正面側の空間に所定の大きさの仮想操作領域を設定することで、ユーザは仮想操作領域内のみ操作機器を操作することが可能となり、操作可能領域外では操作機器を操作することが不可となる。そのため、ユーザにとって操作しやすいように仮想操作領域を設定されることが望まれる。
【0005】
本開示は、ユーザにとって操作しやすい仮想操作領域を設定することができる情報処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る情報処理装置では、画像取得部、設定部、検出部、操作部及び変更部を備える。画像取得部は、操作者となるユーザを撮像した画像を撮像部から取得する。設定部は、前記撮像部の撮像範囲内に、機器への操作を受け付ける仮想操作領域を設定する。検出部は、前記画像に基づいてユーザの手を検出する。操作部は、前記ユーザの手が前記仮想操作領域で検出された場合、当該手の移動方向に応じて前記機器を操作する。変更部は、前記ユーザの手の位置が前記仮想操作領域を超えた場合、当該手の位置に追従して前記仮想操作領域の位置を変更する。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る情報処理装置によれば、ユーザにとって操作しやすい仮想操作領域を設定することができることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、情報処理装置の一例を示す模式図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る仮想操作領域の一例を説明するための図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る仮想操作領域の一例を説明するための図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る仮想操作領域の一例を説明するための図である。
図6図6は、第1実施形態に係る制御装置1の処理手順を示すフローチャートである。
図7図7は、変形例1に係る仮想操作領域の一例を説明するための図である。
図8図8は、変形例2に係る仮想操作領域の一例を説明するための図である。
図9図9は、変形例2に係る仮想操作領域の一例を説明するための図である。
図10図10は、変形例2に係る仮想操作領域の一例を説明するための図である。
図11図11は、変形例3に係る仮想操作領域の一例を説明するための図である。
図12図12は、変形例3に係る仮想操作領域の一例を説明するための図である。
図13図13は、変形例3に係る仮想操作領域の一例を説明するための図である。
図14図14は、変形例3に係る仮想操作領域の一例を説明するための図である。
図15図15は、変形例4に係る仮想操作領域の一例を説明するための図である。
図16図16は、変形例4に係る仮想操作領域の一例を説明するための図である。
図17図17は、変形例5に係る仮想操作領域の一例を説明するための図である。
図18図18は、変形例6に係る仮想操作領域の一例を説明するための図である。
図19図19は、変形例6に係る仮想操作領域の一例を説明するための図である。
図20図20は、変形例7に係る仮想操作領域の一例を説明するための図である。
図21図21は、変形例8に係る仮想操作領域の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る情報処理装置の実施形態について説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る情報処理装置について説明する前に、ユーザの手の動きに基づいて動作する装置について説明する。
【0011】
図1に、ユーザの手の動きに基づいて動作する情報処理装置の例を示す。情報処理装置は、センサ500及び操作機器600を有する。センサ500は、例えば、カメラである。センサ500は、操作者となるユーザURを撮像する。ユーザURは、腕を有する。ここで、腕は、上腕、前腕だけでなく手も含む。手は、指先72も含む。操作機器600は、例えば表示装置である。情報処理装置は、ユーザURの指先72の位置に基づいて、操作機器600が表示するデータを制御する。
【0012】
また、情報処理装置には、機器(例えば、操作機器600)への操作を受け付けるための仮想操作領域AR100と、ユーザURの指先72の動きを検出可能な領域である検出有効領域AR200とが設定されている。検出有効領域AR200は、センサ500のセンシング範囲内に設定され、例えば、操作機器600の表示面の前方に設定される。センサ500がカメラである場合、センシング範囲のことを、撮像範囲と呼ぶことがある。仮想操作領域AR100は、検出有効領域AR200に包含され、例えば図1に示すように、操作機器600の表示面と平行な平面として設定される。
【0013】
図1の構成において、指先72が仮想操作領域AR100よりも操作機器600に近い範囲に入ると、情報処理装置は、操作機器600に対する操作指示がなされたと判断して、当該操作指示に基づく処理を実行し、実行結果を操作機器600へ表示する。
【0014】
なお、図1及び以下に説明する操作機器600に係る図面において、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸は、それぞれ、操作機器600の左右方向、上下方向、前後方向を意味する。また、以下の説明において、単に、X方向、Y方向又はZ方向と記載した場合には、それぞれの軸方向を意味し、逆向きの2方向を含むものとする。
【0015】
また、X軸の正の方向と特定した場合には左側から右側への一方向であり、Y軸の正の方向と特定した場合には下側から上側への一方向であり、Z軸の正の方向と特定した場合には前側から後ろ側への一方向である。X軸の負の方向と特定した場合には右側から左側への一方向であり、Y軸の負の方向と特定した場合には上側から下側への一方向であり、Z軸の負の方向と特定した場合には後ろ側から前側への一方向である。
【0016】
図2は、第1の実施形態に係る情報処理装置である制御装置1を含む情報システムの概要構成を示す図である。第1の実施形態に係る情報処理装置は、センサ500、操作機器600及び制御装置1を備える。
【0017】
センサ500は、例えば、カメラ装置である。センサ500は、一例として、可視光カメラである。センサ500は、ユーザURを撮像した画像を制御装置1へ出力する。センサ50は、撮像部の一例である。センサ500は、継続して撮像処理を実行して、画像を制御装置1へ出力する。操作機器600は、各種データを表示する表示部である。操作機器600は、機器の一例である。操作機器600は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置である。なお、操作機器600は、1台であるとする。
【0018】
制御装置1は、センサ500を介して検出したユーザURの指先72の動きに応じて、操作機器600に表示しているデータの処理を実行する。
【0019】
制御装置1は、制御部10及び記憶部30を備える。制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)として構成され、制御装置1の各部の動作を統括的に制御する。本実施形態に係る制御装置1は、図示しないROM、RAMを有する。ROMは、各種プログラムを記憶する。RAMは、CPUによってプログラムを実行する際の作業領域である。
【0020】
CPUは、RAMを作業領域として用いて、ROMに記憶されるプログラムを実行することにより、図2に示すように、画像取得部11、検出部12、座標演算部13、設定部14、判定部15、変更部16、操作部17及び表示出力部18を実現する。このことを、制御装置1が、画像取得部11、検出部12、座標演算部13、設定部14、判定部15、変更部16、操作部17及び表示出力部18を備える、と言い換えてもよい。画像取得部11、検出部12、座標演算部13、設定部14、判定部15、変更部16、操作部17及び表示出力部18が、異なるハードウェアによって実現されてもよい。
【0021】
記憶部30は、各種情報を記憶する。記憶部30は、メモリ又はストレージのような、情報(言い換えるとデータ)を記憶するためのハードウェアにより実現される。具体的に、記憶部30は、座標情報31、検出有効領域情報32、移動量情報33、仮想操作領域情報34及び機器操作量情報35を記憶する。
【0022】
座標情報31は、センサ500の設置位置の3D座標、センサ500の取付角度の情報、操作機器600の位置の3D座標等である。検出有効領域情報32は、検出有効領域の設定に係る座標情報である。検出有効領域は、上述した検出有効領域AR200に対応するものであり、ユーザURの指先72の位置や動きを検出することが可能な領域である。検出有効領域は、後述する最小検出有効位置と最大検出有効位置とを規定するための情報を含む。
【0023】
移動量情報33は、ユーザURの指先72が移動した移動量を示す情報である。仮想操作領域情報34は、仮想操作領域の設定に係る座標情報である。仮想操作領域は、上述した仮想操作領域AR100対応するものであり、ユーザURの指先72による操作を受け付けるための領域である。仮想操作領域は、後述する操作が行われる方向の一端を示す操作最小位置と他端を示す操作最大位置とを規定するための情報を含む。
【0024】
機器操作量情報35は、ユーザURの指先72が移動した移動量に対応する操作機器600の操作を示す情報である。操作機器600の操作とは、例えば、操作機器600におけるスライド操作である。以下、スライド操作のことをスワイプ操作とも呼ぶ。機器操作量情報35は、例えば、操作機器600がディスプレイである場合、ディスプレイに表示された動画を検出した指先72がシーク操作し、それに対応する移動量を含む情報である。
【0025】
ここで、座標情報31、検出有効領域情報32、移動量情報33、仮想操作領域情報34及び機器操作量情報35における座標系は、絶対座標である。なお、座標系は絶対座標に限定されない。例えば、座標系は、操作機器600を基準とする、相対座標でも良い。言い換えると、座標系は、ユーザURと、操作機器600との位置関係に基づく、相対座標でも良い。
【0026】
画像取得部11は、操作者となるユーザURを撮像した画像をセンサ500から取得する。検出部12は、ユーザURが撮像されている画像に基づいて、ユーザURの手を検出する。例えば、検出部12は、ユーザの手を一方向に移動させるスワイプ操作を検出する。
【0027】
座標演算部13は、ユーザURの指先72の3次元座標を算出する。設定部14は、センサ500の撮像範囲内に、操作機器600への操作を受け付ける仮想操作領域を設定する。
【0028】
判定部15は、座標演算部13により算出された3次元座標が仮想操作領域内に含まれるかを判定する。また、判定部15は、ユーザURによるシーク操作が継続しているかを判定する。さらに、判定部15は、3次元座標が仮想操作領域外である場合、3次元座標が操作最大位置を上回るかを判定する。
【0029】
変更部16は、ユーザの手の位置が仮想操作領域の内部から仮想操作領域の外部に移動した場合、当該手の位置に追従して仮想操作領域の位置を変更する。例えば、変更部16は、スワイプ操作によりユーザURの手が仮想操作領域の内部から仮想操作領域の外部に移動した場合、当該手の位置に追従して仮想操作領域の位置を変更する。また、例えば、変更部16は、仮想操作領域の大きさを維持したまま、ユーザの手の位置に追従して、当該手の移動方向に対応する操作最小位置又は操作最大位置を変更する。
【0030】
さらに、例えば、変更部16は、スワイプ操作や当該スワイプ操作に対応するシーク操作で検出される手の位置に応じて、仮想操作領域の設定位置を変更する。例えば、変更部16は、仮想操作領域における操作最大位置を、シーク操作を行う指先72の位置に追従して変更する。また、例えば、変更部16は、仮想操作領域における操作最小位置を、シーク操作を行う指先72の位置に追従して変更する。
【0031】
操作部17は、ユーザURの手が仮想操作領域で検出された場合、当該手の移動方向に応じて操作機器600を操作する。具体的には、操作部17は、ユーザURの指先72が移動した移動量を示す移動量情報33と、仮想操作領域情報34と、の位置関係を紐づけ、紐づけた結果から機器操作量情報35を参照し、操作機器600を操作する。
【0032】
例えば、操作部17は、ユーザURによるシーク操作が行われた場合、シーク操作における移動量と、仮想操作領域における指先72の位置と、の位置関係を紐づけ、紐づけた結果から機器操作量情報35を参照し、操作機器600を操作する。表示出力部18は、処理内容を実行した結果を操作機器600へ表示させる。
【0033】
ここで、図3から図5を用いて、変更部16が仮想操作領域を変更する動作例について説明する。図3から図5は、仮想操作領域の変更動作を説明するための図である。図3から図5では、操作機器600の表示面に表示された映像に対する操作を行う場合を想定している。ここで600は操作機器600の表示面に映像が表示される例を説明するが、操作機器600の表示面に画像が表示されてもよい。
【0034】
ここで、最小検出有効位置311は、検出有効領域の水平方向の一端に対応する位置である。図3に示される例において、最小検出有効位置311は、検出有効領域の水平方向の左端に対応する位置である。最大検出有効位置312は、検出有効領域の水平方向の他端に対応する位置である。図3に示される例において、最大検出有効位置312は、検出有効領域の水平方向の右端に対応する位置である。
【0035】
また、操作最小位置331は、仮想操作領域の水平方向の一端に対応する位置である。図3に示される例において、操作最小位置331は、仮想操作領域の水平方向の左端に対応する位置である。操作最大位置332は、仮想操作領域の水平方向の他端に対応する位置である。図3に示される例において、操作最大位置332は、仮想操作領域の水平方向の右端に対応する位置である。
【0036】
なお、図3に示す、操作最小位置331及び操作最大位置332は、初期状態の仮想操作領域における操作最小位置331及び操作最大位置332であるとする。
【0037】
図3において、例えば表示面に表示された映像を先に進めるため、指先72により左方から右方にかけてスワイプ操作が行われたとする。図3に示される例において、スワイプ操作は映像に対するシーク操作に対応する。ここで、ユーザURの指先72の位置320が、操作最大位置332よりも右側に移動すると(図4参照)、判定部15は、シーク操作が継続している状態で、指先72が操作最大位置を超過したと判定する。
【0038】
この場合、変更部16は、指先72の移動に追従して、仮想操作領域の設定位置を変更する。具体的には、変更部16は、指先72が移動により仮想操作領域の操作最大位置332よりも右側に位置する場合、その指先72の位置に追従して操作最大位置332を移動させることで、仮想操作領域の設定位置を変更する。
【0039】
図5は、仮想操作領域の設定位置を変更した後の状態を示す図である。図5に示すように、変更部16は、仮想操作領域の大きさを維持したまま、指先72に追従して仮想操作領域の設定位置を変更する。仮想操作領域が変更されたことで、ユーザURは、操作機器600を操作することができる。例えば、ユーザURは、操作機器600をシーク操作することができる。
【0040】
なお、指先72が移動により仮想操作領域の操作最小位置331よりも左側に移動した場合は、変更部16は、指先72の位置に追従して操作最小位置331を移動させることで、仮想操作領域の設定位置を変更する。つまり、変更部16は、シーク操作等の一方向への連続操作が行われた場合、指先72の位置に追従して仮想操作領域を移動させる。
【0041】
続いて、図6を用いて、第1実施形態に係る制御装置1の処理手順を説明する。図6は、第1実施形態に係る制御装置1の処理手順を示すフローチャートである。なお、制御装置1は、事前に仮想操作領域を設定しているものとし、本処理は、シーク動作に関する制御処理の流れについて説明する。
【0042】
まず、画像取得部11は、センサ500からユーザURを撮像した画像を取得する(ステップS61)。続いて、検出部12は、画像取得部11が取得した画像に基づいて、ユーザURの指先72を検出する(ステップS62)。続いて、座標演算部13は、ユーザURの指先72の3次元座標を算出する(ステップS63)。
【0043】
続いて、判定部15は、座標演算部13により算出された3次元座標が仮想操作領域内に含まれるかを判定する(ステップS64)。ここで、判定部15が、3次元座標が仮想操作領域外であると判定すると(ステップS64:No)、制御装置1の処理は、ステップS61へ進む。他方で、判定部15が、3次元座標が仮想操作領域内に含まれると判定する(ステップS64:Yes)と、制御装置1の処理は、ステップS65に進む。
【0044】
ステップS65において、操作部17は、ユーザURの指先72と、仮想操作領域と、の位置関係に基づいて、操作機器600の操作を受け付ける(ステップS65)。なお、本処理では、操作部17は、シーク位置を変更するシーク操作を受け付けたものとする。
【0045】
続いて、判定部15は、ユーザURによるシーク操作が継続しているかを判定する(ステップS66)。ここで、判定部15が、シーク操作が継続していないと判定した場合(ステップS66:No)、制御装置1の処理は、ステップS61に進む。他方で、判定部15が、シーク操作が継続していると判定した場合(ステップS66:Yes)、制御装置1の処理は、ステップS67に進む。
【0046】
ステップS67において、判定部15は、座標演算部13により変換された3次元座標の位置、つまりシーク操作を行う指先72の位置が仮想操作領域内に含まれるかを判定する(ステップS67)。ここで、判定部15が、3次元座標が仮想操作領域内に含まれると判定する(ステップS67:Yes)と、制御装置1の処理は、ステップS65に進む。他方、判定部15が、3次元座標が仮想操作領域外であると判定した場合(ステップS67:No)、制御装置1の処理は、ステップS68へ進む。
【0047】
ステップS68において、判定部15は、3次元座標が操作最大位置を上回るかを判定する(ステップS68)。ここで、判定部15が、3次元座標が操作最大位置を上回ると判定する(ステップS68:Yes)と、制御装置1の処理は、ステップS69へ進む。他方で、判定部15が、3次元座標が操作最大位置を下回ると判定する(ステップS68:No)と、制御装置1の処理は、ステップS70へ進む。
【0048】
ステップS69において、変更部16は、仮想操作領域における操作最大位置を、シーク操作に対応する指先72の位置に変更する(ステップS69)。ステップS70において、変更部16は、仮想操作領域における操作最小位置を、シーク操作に対応する指先72の位置に変更する(ステップS70)。ステップS69あるいはステップS70の処理が終了すると、ステップS61へ進み、本処理は、制御装置1が実行される間、継続して処理が行われる。
【0049】
以上説明したように、本開示の一態様に係る制御装置1は、操作者となるユーザURを撮像した画像に基づいて、ユーザURの手を検出する。また、制御装置1は、センサ500の撮像範囲内に、操作機器600への操作を受け付ける仮想操作領域を設定する。さらに、制御装置1は、ユーザの手が仮想操作領域で検出された場合、当該手の移動方向に応じて操作機器600を操作し、ユーザの手の位置が仮想操作領域の内部から仮想操作領域の外部に移動した場合、当該手の位置に追従して仮想操作領域の位置を変更する。
【0050】
これにより、制御装置1は、例えば、ユーザURの指先72が仮想操作領域の内部から仮想操作領域の外部に移動した場合でも、指先72に追従して仮想操作領域の位置を変更することで、ユーザURは、初期の仮想操作領域に戻ることなく、継続した操作をすることができる。また、シーク動作の場合、動画の最終フレームから戻したい場合に、初期の仮想操作領域に戻ることなく、継続した操作をすることができる。
【0051】
なお、上述した実施形態は、上述した各装置が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。
【0052】
上述した実施形態では、操作機器600が1台である形態について説明した。変形例1では、操作機器600が複数存在する形態について説明する。
【0053】
(変形例1)
例えば、操作機器600が複数存在する場合、それぞれの操作機器600に対して、ユーザURの指先72を検出する必要がある。しかしながら、シーク操作は連続的な操作であるため、ユーザURの指先72がどのような状態であるかを検出する必要がある。そこで、変形例1に係る制御装置1は、シーク操作において、複数の機器のうち、ユーザURが最初に操作した機器の操作を優先して、仮想操作領域を変更する。
【0054】
ここで、図7を用いて、変形例1に係る変更部16が仮想操作領域を変更する動作例について説明する。図7は、仮想操作領域の変更動作を説明するための図である。
【0055】
図7には、複数の操作機器600と、ユーザURの指先72の位置320と、操作機器601の仮想操作領域に含まれる、操作最小位置331と、操作最大位置332と、を示す。図7では、複数の操作機器600として、操作機器601と操作機器602とが例示される。操作機器601及び操作機器602は、隣接した状態である。図7は、指先72が、操作機器601のシーク操作をしている状態を示す。
【0056】
図7において、例えば、表示面に表示された映像を先に進めるため、指先72により左方から右方にかけてスワイプ操作が行われたとする。ここで、スワイプ操作は映像のシーク操作に対応する。指先72は、操作機器601の仮想操作領域外に存在し、隣接する操作機器602の仮想操作領域内に存在する。具体的には、指先72は、操作最大位置332よりも右側に存在する。図7において、ユーザURは、操作機器601のシーク操作をしている。つまり、操作機器602の仮想操作領域内に指先72が存在しているが、ユーザURは操作機器602をシーク操作している状態ではない。
【0057】
そこで、ユーザURの指先72の位置320が、操作最大位置332よりも右側に移動すると(図7参照)、判定部15は、シーク操作が継続している状態で、操作最大位置を超過したと判定する。そして、変更部16は、シーク操作において、複数の操作機器600のうち、ユーザURが最初に操作した操作機器601の操作を優先して、仮想操作領域を変更する。
【0058】
具体的には、判定部15が、シーク操作が継続し、シーク操作に対応する指先72の位置が最初に操作した操作機器601の仮想操作領域外であると判定されると、変更部16は、ユーザURが最初に操作した操作機器601の操作を優先して、仮想操作領域を変更する。
【0059】
これにより、制御装置1は、例えば、複数の操作機器600が存在する場合でも、最初に操作した操作機器600の操作について継続した操作をすることができる。
【0060】
(変形例2)
上述した実施形態では、操作機器600におけるシーク操作について説明した。但し、操作内容はシーク操作に限るものではない。そこで、変形例2では、操作機器600の表示面における輝度調整操作における仮想操作領域を変更する内容について、図8図9及び図10を用いて説明する。
【0061】
図8から図10は、仮想操作領域を説明するための図である。図8から図10には、操作機器600と、ユーザURの指先72の位置320と、仮想操作領域に含まれる、操作最小位置331と、操作最大位置332と、を示す。本変形例において、指先72が操作最小位置331に位置するとき、操作機器600の表示面の輝度が最小となり、指先72が操作最大位置332に位置するとき、操作機器600の表示面の輝度が最大となる。
【0062】
図8から図10において、指先72は、X軸上において、スワイプ操作を行っている状態を示す。例えば、図8から図10において、スワイプ操作は、輝度調整操作に対応する。図8は、初期状態の仮想操作領域を示す。図9は、ユーザURの指先72を検出後、指先72が仮想操作領域の内部から仮想操作領域の外部に移動した状態の仮想操作領域を示す。図10は、変更後の仮想操作領域を示す。
【0063】
図8において、指先72は、仮想操作領域内に存在する。図9において、指先72は、仮想操作領域外に存在する。図9の場合、ユーザURは、仮想操作領域外に指先72が存在するため、操作機器600を輝度調整操作することができない。そこで、変更部16は、指先72が仮想操作領域の内部から仮想操作領域の外部に移動した場合、仮想操作領域を変更する。
【0064】
図10は、変更部16が仮想操作領域を変更した状態であり、具体的には、変更部16は、仮想操作領域に含む、操作最大位置332を変更した状態である。仮想操作領域が変更されたことで、ユーザURは、操作機器600を輝度調整操作することができる。
【0065】
(変形例3)
上述した実施形態では、指先72による一方向の操作として、水平方向のシーク操作等について説明した。しかしながら、指先72による操作方向は水平方向に限るものではなく、垂直方向(言い換えると、上下方向)であってもよい。
【0066】
そこで、変形例3では、上下方向の操作例として、操作機器600における画角調整操作における仮想操作領域を変更する動作例について、図11図12図13及び図14を用いて説明する。図11から図14は、仮想操作領域の変更動作を説明するための図である。図11から図14では、操作機器600の表示面に表示された画角調整に対する操作を行う場合を想定している。なお、画角とは、例えば、操作機器600の上下方向の位置や角度である。
【0067】
ここで、操作最小位置333は、仮想操作領域の垂直方向の一端に対応する位置である。図11に示される例において、操作最小位置333は、仮想操作領域の垂直方向の下端に対応する位置である。操作最大位置334は、仮想操作領域の垂直方向の他端に対応する位置である。図11に示される例において、操作最大位置334は、仮想操作領域の垂直方向の上端に対応する位置である。なお、図11に示す、操作最小位置333及び操作最大位置334は、初期状態の仮想操作領域における操作最小位置333及び操作最大位置334であるとする。
【0068】
図11において、例えば表示面に表示された画角を下げるため、指先72により上方から下方にかけてスワイプ操作が行われたとする。ここで、スワイプ操作はここで、ユーザURの指先72の位置320が、操作最小位置333よりも下側に移動すると(図12参照)、判定部15は、シーク操作が継続している状態で、操作最小位置を超過したと判定する。
【0069】
この場合、変更部16は、指先72の移動に追従して、仮想操作領域の設定位置を変更する。具体的には、変更部16は、指先72が移動により仮想操作領域の操作最小位置333よりも下側に位置する場合、その指先72の位置に追従して操作最小位置333を移動させることで、仮想操作領域の設定位置を変更する。
【0070】
図13及び図14は、仮想操作領域の設定位置を変更した後の状態を示す図である。図13及び図14に示すように、変更部16は、仮想操作領域の大きさを維持したまま、指先72に追従して仮想操作領域の設定位置を変更する。仮想操作領域が変更されたことで、ユーザURは、操作機器600を操作することができる。つまり、ユーザURは、操作機器600をシーク操作することができる。
【0071】
図13の指先72の位置と図14の指先72の位置を比較すると、図14の指先72の位置が、Y軸の正の方向に位置する。その結果、図14における操作機器600の画角は、図13における操作機器600の画角より高い位置となる。
【0072】
なお、指先72が移動により仮想操作領域の操作最大位置334よりも上側に位置する場合は、変更部16は、指先72の位置に追従して操作最大位置334を移動させることで、仮想操作領域の設定位置を変更する。つまり、変更部16は、シーク操作等の一方向への連続操作が行われた場合、指先72の位置に追従して仮想操作領域を移動させる。これにより、仮想操作領域が変更されたことで、ユーザURは、操作機器600を画角調整操作することができる。
【0073】
(変形例4)
上述した実施形態では、仮想操作領域を平面状の領域とした例を説明した。しかしながら、仮想操作領域は平面(つまり2次元の領域)に限るものではなく、奥行きを持つ3次元の領域としてもよい。そこで、変形例4に係る制御装置1では、仮想操作領域を3次元領域とした場合の動作例について、図15及び図16を用いて説明する。図15及び図16は、仮想操作領域を説明するための図である。
【0074】
図15及び図16には、操作機器600と、ユーザURの指先72の位置320と、仮想操作領域337と、仮想操作領域337に含まれる、X軸上における、操作最小位置331と、操作最大位置332と、を示す。
【0075】
変形例4に係る仮想操作領域337は、操作機器600の表示面と平行な平面とともに、奥行き方向に広がりを有する3次元の領域(以下、3次元領域と呼ぶ)である。仮想操作領域337は、例えば、直方体状の3次元領域として設定される。仮想操作領域337は、例えば、操作最小位置331と、操作最大位置332と、Y軸方向の操作最小位置と、Y軸方向の操作最大位置と、Z軸方向の操作最小位置と、Z軸方向の操作最大位置と、を含む。Y軸方向の操作最小位置と、Y軸方向の操作最大位置と、Z軸方向の操作最小位置と、Z軸方向の操作最大位置とは、例えばユーザが任意に設定可能である。図15及び図16において、指先72は、X軸上において、スワイプ操作を行っている状態を示す。
【0076】
図15において、指先72は、仮想操作領域337内に存在する。図16において、仮想操作領域337外に存在する。この状態は、ユーザURは、操作機器600を操作していないと考えられる。
【0077】
そこで、設定部14は、所定の閾値から形成される3次元領域を仮想操作領域337として設定し、判定部15は、座標演算部13により変換された3次元座標が仮想操作領域337内に存在するかを判定する。そして、変更部16は、判定部15により、3次元座標が仮想操作領域337外に存在すると判定されると、仮想操作領域337を変更しない。
【0078】
これにより、制御装置1は、ユーザURの意図しない操作による仮想操作領域337の変更を抑制することができる。ユーザURの意図しない操作とは、例えば、ユーザURが操作をする意思はないにもかかわらず、ユーザURの指先72が仮想操作領域337に入ってしまい、操作機器600が操作されてしまうことである。
【0079】
(変形例5)
上述した実施形態では、仮想操作領域で指先72が検出された場合、その指先72の動作を操作として受け付ける形態を説明した。この場合、ユーザが意図せず仮想操作領域で手を動かしたりすると、その動作を操作機器600に対する操作として受け付けることになる。そこで、変形例5では、指先72の操作方向を検出することで、ユーザURの意図しない操作に対応する内容について説明する。
【0080】
変形例5に係る制御装置1は、ユーザURの指先72の操作方向を検出し、検出した指先72の操作方向に基づいて、仮想操作領域を変更する。ここで、指先72の操作方向とは、仮想操作領域あるいは検出有効領域における指先72の向き等の姿勢を意味する。具体的には、制御装置1は、ユーザURの指先72の操作方向を検出し、操作方向が操作機器600に向いており、かつ、指先72が仮想操作領域の内部から仮想操作領域の外部に移動した場合、仮想操作領域を変更する。
【0081】
ここで、図17を用いて、変形例5に係る変更部16が仮想操作領域を変更する内容について説明する。図17は、仮想操作領域を説明するための図である。図17には、操作機器600と、ユーザURの指先72の位置320と、仮想操作領域に含まれる、操作最小位置331と、操作最大位置332と、を示す。図17において、指先72は、操作機器600のシーク操作をしている状態である。
【0082】
図17において、指先72は、仮想操作領域外に存在する。また、指先72の操作方向は、操作機器600に向いていない。図17において、ユーザURの指先72は、操作機器600の仮想操作領域内に存在していても、指先72の操作方向は、操作機器602を向いている状態ではない。この状態は、ユーザURは、操作機器600を操作していないと考えられる。
【0083】
そこで、検出部12は、指先72の操作方向を検出し、変更部16は、検出した操作方向が操作機器600に向いており、かつ、指先72が仮想操作領域の内部から仮想操作領域の外部に移動した場合、仮想操作領域を変更する。図17においては、変更部16は、検出した操作方向が操作機器600に向いていないため、指先72が仮想操作領域の内部から仮想操作領域の外部に移動した場合でも、仮想操作領域を変更しない。
【0084】
これにより、制御装置1は、例えば、ユーザURの意図しない操作による仮想操作領域の変更を抑制することができる。
【0085】
(変形例6)
続いて、変形例6に係る制御装置1について説明する。変形例6に係る制御装置1では、変更された仮想操作領域を変更前に戻す形態について、図18及び図19を用いて説明する。図18及び図19は、仮想操作領域を説明するための図である。
【0086】
図18及び図19には、操作機器600と、仮想操作領域に含まれる、操作最小位置331と、操作最大位置332と、を示す。また、図18には、ユーザURの指先72の位置320を示す。図18において、指先72は、X軸上において、スワイプ操作を行っている状態を示す。図18は、変更後の仮想操作領域を示す。図19は、変更された仮想操作領域が変更前の仮想操作領域に戻った状態を示す。
【0087】
図19において、ユーザURが指先72を仮想操作領域内からリリース操作を行っている状態である。リリース操作とは、操作機器600の操作を終了した操作である。そのため、ユーザURの指先72は、仮想操作領域内に存在しない。そこで、変更部16は、仮想操作領域を変更後、指先72の動きに対応するリリース操作に基づいて、仮想操作領域を変更前に戻す。これにより、制御装置1は、仮想操作領域内を初期状態に戻すことができる。
【0088】
(変形例7)
続いて、変形例7に係る制御装置1について説明する。変形例7に係る制御装置1では、ユーザURの指先72が検出有効領域の内部から検出有効領域の外部に移動した場合に、仮想操作領域を変更する形態について、図20を用いて説明する。図20は、仮想操作領域を説明するための図である。
【0089】
図20には、操作機器600と、検出有効領域に含まれる、最小検出有効位置311と、最大検出有効位置312と、仮想操作領域に含まれる、操作最小位置331と、操作最大位置332と、を示す。また、図20には、ユーザURの指先72の位置320を示す。
【0090】
図20に示すように、例えば、ユーザURの指先72が仮想操作領域の内部から仮想操作領域の操作最大位置332を超え、かつ、同一方向の検出有効領域の内部から最大検出有効位置312を超えた場合、変更部16は、操作最大位置332を最大検出有効位置312として変更しても良い。
【0091】
また、ユーザURの指先72が仮想操作領域の内部から仮想操作領域の操作最小位置331を超え、かつ、同一方向の検出有効領域の内部から最小検出有効位置311を超えた場合、変更部16は、操作最小位置331を最小検出有効位置311として変更しても良い。これは、仮に仮想操作領域について、検出有効領域を超えて領域を設定したとしても、指先72を検出することができないためである。
【0092】
つまり、設定部14は、センサ500の撮像範囲内に、仮想操作領域を包含する操作検出可能領域を設定する。そして、変更部16は、操作検出可能領域内で、仮想操作領域の位置を変更する。これにより、制御装置1は、ユーザURの指先72が検出有効領域の内部から検出有効領域の外部に移動した場合でも、仮想操作領域を変更することができる。
【0093】
さらに、図20において、ユーザURが指先72を仮想操作領域内からリリース操作を行った場合、変更部16は、仮想操作領域を変更後、指先72の動きに対応するリリース操作に基づいて、仮想操作領域を変更前に戻してもよい。これにより、制御装置1は、仮想操作領域内を初期状態に戻すことができる。
【0094】
(変形例8)
続いて、変形例8に係る制御装置1について説明する。変形例8に係る制御装置1では、操作機器600と、ユーザURと、の位置関係に基づいて、仮想操作領域を設定する形態について、図21を用いて説明する。図21は、仮想操作領域を説明するための図である。
【0095】
図21には、操作機器600と、ユーザURの指先721の位置321と、ユーザURの指先722の位置322と、検出有効領域に含まれる、最小検出有効位置311と、最大検出有効位置312と、仮想操作領域に含まれる、操作最小位置331と、操作最大位置332と、を示す。図21において、指先72は、X軸上において、スワイプ操作を行っている状態を示す。
【0096】
設定部14は、操作機器600と、ユーザURと、の位置関係に基づいて、仮想操作領域を設定し、仮想操作領域は、ユーザURに近いほど小さくなる。例えば、図21に示す仮想操作領域は、ユーザに近いほど小さくなる。言い換えると、図21に示す仮想操作領域において、操作最小位置331と操作最大位置332の間の距離は、ユーザに近いほど小さくなる。
【0097】
図21の場合、Z軸方向によって、仮想操作領域や、検出有効領域の大きさや倍率を変更する。また、図21の場合、ユーザURに近いほど、検出有効領域に対して、仮想操作領域は小さくなる。したがって、Y軸上において、同じ位置にある指先721と指先722に存在しても、変更部16は、指先721の操作に対して、仮想操作領域を変更せず、指先722の操作に対して、仮想操作領域を変更する。
【0098】
これにより、制御装置1は、ユーザURの視覚と、指先の操作が一致させ、ユーザURにとって直感的に操作しやすいように仮想操作領域を設定することができる。
【0099】
(変形例9)
機器操作量情報35は、動画操作に関する情報に限定されない。例えば、機器操作量情報35は、車両に搭載された電子ミラーにおける、輝度調整や画面位置調整を含んでも良い。また、例えば、機器操作量情報35は、車両における、エアコン操作、音量操作、照明操作等を含んでも良い。
【0100】
さらに、例えば、機器操作量情報35は、車両の外部/内部に搭載されたカメラの撮像角度の調整、360度カメラの操作、カメラの拡大/拡縮に関する調整、フォーカス調整、絞り値(F値)の設定、シャッタースピードの調整、ISO感度の設定等を含んでも良い。また、例えば、機器操作量情報35は、Webページ等を表示したディスプレイにおいて、上下左右スライド操作や、拡大/拡縮に関する操作等を含んでも良い。
【0101】
(変形例10)
センサ500は、可視光カメラに限らず、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ又はRGBカメラであっても良い。また、センサ500は、カメラ装置に限定されず、TOF(Time of Flight)センサ、赤外線センサであっても良い。
【0102】
(変形例11)
検出部12は、操作者となるユーザを撮像した画像に基づいてユーザの手及び指先を検出したが、これに限定されない。例えば、検出部12は、ユーザの手のひらや腕を検出しても良い。
【0103】
以上、本開示の実施形態を説明したが、上述の実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら新規な実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。さらに、異なる実施形態及び変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【0104】
また、上述した実施の形態における「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・アッセンブリ」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されても良い。
【0105】
上記各実施形態では、本開示はハードウェアを用いて構成する例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
【0106】
また、上記各実施形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。集積回路は、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックを制御し、入力端子と出力端子を備えても良い。これらは個別に1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0107】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサ及びメモリを用いて実現しても良い。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、LSI内部の回路セルの接続又は設定を再構成可能なリコンフィギュラブル プロセッサ(Reconfigurable Processor)を利用しても良い。
【0108】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術により、LSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックを集積化しても良い。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0109】
また、本明細書に記載された実施形態における効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があっても良い。
【0110】
(付記)
以上の実施の形態の記載により、下記の技術が開示される。
(技術1)
操作者となるユーザを撮像した画像を撮像部から取得する画像取得部と、
前記撮像部の撮像範囲内に、機器への操作を受け付ける仮想操作領域を設定する設定部と、
前記画像に基づいてユーザの手を検出する検出部と、
前記ユーザの手が前記仮想操作領域で検出された場合、当該手の移動方向に応じて前記機器を操作する操作部と、
前記ユーザの手の位置が前記仮想操作領域の内部から前記仮想操作領域の外部に移動した場合、当該手の位置に追従して前記仮想操作領域の位置を変更する変更部と、
を備える情報処理装置。
(技術2)
前記検出部は、前記ユーザの手を一方向に移動させるスワイプ操作を検出し、
前記変更部は、前記スワイプ操作により前記ユーザの手が前記仮想操作領域の内部から前記仮想操作領域の外部に移動した場合、当該手の位置に追従して前記仮想操作領域の位置を変更する、
上記技術1に記載の情報処理装置。
(技術3)
前記仮想操作領域は、前記操作が行われる方向の一端を示す操作最小位置と、他端を示す操作最大位置とで規定され、
前記変更部は、前記仮想操作領域の大きさを維持したまま、前記ユーザの手の位置に追従して、当該手の移動方向に対応する前記操作最小位置又は前記操作最大位置を変更する、
上記技術1又は上記技術2に記載の情報処理装置。
(技術4)
前記変更部は、前記スワイプ操作に対応するシーク操作において検出された前記手に基づいて、前記仮想操作領域を変更する、
上記技術2に記載の情報処理装置。
(技術5)
複数の機器が隣接して配置される場合、
前記変更部は、前記シーク操作において、前記複数の機器のうち、前記ユーザが最初に操作した機器の操作を優先して、前記仮想操作領域を変更する、
上記技術4に記載の情報処理装置。
(技術6)
前記操作最小位置及び前記操作最大位置は、絶対座標、あるいは、前記機器を基準とする相対座標のうち、少なくとも1つから設定される、
上記技術3に記載の情報処理装置。
(技術7)
前記仮想操作領域は、2次元又は3次元の領域である、
上記技術3に記載の情報処理装置。
(技術8)
前記検出部は、前記ユーザの指先の操作方向を検出し、
前記変更部は、前記操作方向が前記機器に向いており、かつ、前記指先が前記仮想操作領域の内部から前記仮想操作領域の外部に移動した場合、前記仮想操作領域を変更する、
上記技術1から上記技術7のいずれか1つの技術に記載の情報処理装置。
(技術9)
前記変更部は、前記仮想操作領域を変更後、前記手の動きに対応するリリース操作に基づいて、前記仮想操作領域を変更前に戻す、
上記技術1から上記技術8のいずれか1つの技術に記載の情報処理装置。
(技術10)
前記設定部は、前記撮像部の撮像範囲内に、仮想操作領域を包含する操作検出可能領域を設定し、
前記変更部は、前記操作検出可能領域内で、前記仮想操作領域の位置を変更する、
上記技術1から上記技術9のいずれか1つの技術に記載の情報処理装置。
(技術11)
前記設定部は、前記機器と、前記ユーザと、の位置関係に基づいて、前記仮想操作領域を設定し、
前記仮想操作領域は、前記ユーザに近いほど小さくなる、
上記技術1から上記技術10のいずれか1つの技術に記載の情報処理装置。
(技術12)
撮像部と、情報処理装置と、表示部とを備える情報処理システムであって、
前記撮像部は、操作者となるユーザを撮像し、
前記情報処理システムは、
前記撮像部が撮像した画像を取得する画像取得部と、
前記撮像部の撮像範囲内に、前記表示部への操作を受け付ける仮想操作領域を設定する設定部と、
前記画像に基づいて前記ユーザの手を検出する検出部と、
前記ユーザの手が前記仮想操作領域で検出された場合、当該手の移動方向に応じて前記表示部を操作する操作部と、
前記ユーザの手の位置が前記仮想操作領域の内部から前記仮想操作領域の外部に移動した場合、当該手の位置に追従して前記仮想操作領域の位置を変更する変更部と、
を備える情報処理システム。
(技術13)
情報処理装置で実行する情報処理方法であって、
操作者となるユーザを撮像した画像を撮像部から取得する画像取得ステップと、
前記撮像部の撮像範囲内に、機器への操作を受け付ける仮想操作領域を設定する設定ステップと、
前記画像に基づいてユーザの手を検出する検出ステップと、
前記ユーザの手が前記仮想操作領域で検出された場合、当該手の移動方向に応じて前記機器を操作する操作ステップと、
前記ユーザの手の位置が前記仮想操作領域の内部から前記仮想操作領域の外部に移動した場合、当該手の位置に追従して前記仮想操作領域の位置を変更する変更ステップと、
を含む情報処理方法。
(技術14)
コンピュータに、
操作者となるユーザを撮像した画像を撮像部から取得する画像取得ステップと、
前記撮像部の撮像範囲内に、機器への操作を受け付ける仮想操作領域を設定する設定ステップと、
前記画像に基づいてユーザの手を検出する検出ステップと、
前記ユーザの手が前記仮想操作領域で検出された場合、当該手の移動方向に応じて前記機器を操作する操作ステップと、
前記ユーザの手の位置が前記仮想操作領域の内部から前記仮想操作領域の外部に移動した場合、当該手の位置に追従して前記仮想操作領域の位置を変更する変更ステップと、
を実行させる情報処理プログラム。
【符号の説明】
【0111】
1 制御装置
10 制御部
11 画像取得部
12 検出部
13 座標演算部
14 設定部
15 判定部
16 変更部
17 操作部
18 表示出力部
30 記憶部
500 センサ
600 操作機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21