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  • 特開-ガスバリア積層体及び包装袋 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138698
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】ガスバリア積層体及び包装袋
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/10 20060101AFI20241002BHJP
   B32B 27/40 20060101ALI20241002BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
B32B27/10
B32B27/40
B65D65/40 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049308
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(72)【発明者】
【氏名】石井 里佳
(72)【発明者】
【氏名】神永 純一
(72)【発明者】
【氏名】小島 裕美子
(72)【発明者】
【氏名】越山 良樹
(72)【発明者】
【氏名】若林 寛之
【テーマコード(参考)】
3E086
4F100
【Fターム(参考)】
3E086AD01
3E086BA04
3E086BA13
3E086BA14
3E086BA15
3E086BB02
3E086CA01
3E086CA28
4F100AB10C
4F100AK01B
4F100AK01D
4F100AK03D
4F100AK51B
4F100BA03
4F100BA04
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10C
4F100BA10D
4F100DG10A
4F100EH46
4F100EH66
4F100EJ86
4F100GB15
4F100JD02
4F100JD04
4F100JL04A
4F100YY00A
4F100YY00B
4F100YY00C
(57)【要約】
【課題】紙を使用したガスバリア積層体であって、経時による水蒸気バリア性の低下が抑制されるガスバリア積層体を提供すること。
【解決手段】紙基材と、第1樹脂層と、蒸着層と、をこの順で備えるガスバリア積層体であって、紙基材の40℃20%RH環境下での寸法に対する40℃90%RH環境下での寸法の、CD方向の寸法変化率が1%以下である、ガスバリア積層体。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙基材と、第1樹脂層と、蒸着層と、をこの順で備えるガスバリア積層体であって、
前記紙基材の40℃20%RH環境下での寸法に対する40℃90%RH環境下での寸法の、CD方向の寸法変化率が1%以下である、ガスバリア積層体。
【請求項2】
前記寸法変化率が0.7%以下である、請求項1に記載のガスバリア積層体。
【請求項3】
前記第1樹脂層が、ポリウレタン系樹脂を含む、請求項1又は2に記載のガスバリア積層体。
【請求項4】
前記第1樹脂層の厚さが、0.3~10μmである、請求項1又は2に記載のガスバリア積層体。
【請求項5】
前記蒸着層上にさらに第2樹脂層を備える、請求項1又は2に記載のガスバリア積層体。
【請求項6】
前記第2樹脂層が、ポリオレフィン系樹脂を含む、請求項5に記載のガスバリア積層体。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のガスバリア積層体を含む包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスバリア積層体及び包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
食品、飲料、医薬品及び化学品等の多くの分野では、それぞれの内容物に応じた包装材が使用されている。包装材は、内容物の変質の原因となる水蒸気等の透過防止性(ガスバリア性)が求められる。
【0003】
近年、海洋プラスチックごみ問題等に端を発する環境意識の高まりから、脱プラスチックの機運が高まっている。プラスチック材料の使用量削減の観点から、種々の分野において、プラスチック材料の代わりに、紙を使用することが検討されている。例えば下記特許文献1では、特定のパラメータを有する紙基材を用いることで、ヒートシール紙の耐衝撃性及び加工性を向上することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-188241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、紙製の包装材において高いガスバリア性を実現するためには、紙基材にガスバリア層として蒸着層を設けた、ガスバリア性の積層体を用いることが考えられる。しかしながら、従来の紙基材を用いたガスバリア積層体の場合、経時によりガスバリア層にクラックが生じ、そのガスバリア性、特に水蒸気バリア性が低下する虞があることが分かった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、紙を使用したガスバリア積層体であって、経時による水蒸気バリア性の低下が抑制されるガスバリア積層体、及びこれを含む包装袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明は、例えば以下の[1]~[7]に関する。
[1]
紙基材と、第1樹脂層と、蒸着層と、をこの順で備えるガスバリア積層体であって、
前記紙基材の40℃20%RH環境下での寸法に対する40℃90%RH環境下での寸法の、CD方向の寸法変化率が1%以下である、ガスバリア積層体。
[2]
前記寸法変化率が0.7%以下である、[1]に記載のガスバリア積層体。
[3]
前記第1樹脂層が、ポリウレタン系樹脂を含む、[1]又は[2]に記載のガスバリア積層体。
[4]
前記第1樹脂層の厚さが、0.3~10μmである、[1]~[3]のいずれか一に記載のガスバリア積層体。
[5]
前記蒸着層上にさらに第2樹脂層を備える、[1]~[4]のいずれか一に記載のガスバリア積層体。
[6]
前記第2樹脂層が、ポリオレフィン系樹脂を含む、[5]に記載のガスバリア積層体。
[7]
[1]~[6]のいずれか一に記載のガスバリア積層体を含む包装袋。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、紙を使用したガスバリア積層体であって、経時による水蒸気バリア性の低下が抑制されるガスバリア積層体、及びこれを含む包装袋を提供することができる。
上記ガスバリア積層体は紙を使用しているため、プラスチック材料の使用量削減にも寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係るガスバリア積層体を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、場合により図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0011】
<ガスバリア積層体>
図1は、一実施形態に係るガスバリア積層体を示す模式断面図である。一実施形態に係るガスバリア積層体10は、紙基材1と、第1樹脂層2と、蒸着層3と、をこの順に備える。また、同図に示されるように、ガスバリア積層体10は、蒸着層3上にさらに第2樹脂層4を備えていてもよい。
【0012】
ガスバリア積層体10の厚さは、20μm以上であってよく、30μm以上であってよく、40μm以上であってよく、150μm以下であってよく、100μm以下であってよく、70μm以下であってよい。ガスバリア積層体10の厚さが上記範囲内であると、ガスバリア積層体10は、より良好な水蒸気バリア性を得ることができる。
【0013】
[紙基材]
寸法変化の大きいCD方向(Cross Direction)の寸法変化率は、経時による水蒸気バリア性の低下を抑制する観点において重要である。すなわち、紙基材1の40℃20%RH環境下での寸法に対する40℃90%RH環境下での寸法の、CD方向の寸法変化率は、1%以下であるが、0.9%以下であってよく、0.7%以下であってよく、0.6%以下であってよい。上記寸法変化率の下限値は特に限定されないが、0%以上であってよく、0.1%以上であってよい。
このような紙基材1を用いることで、ガスバリア積層体の経時による水蒸気バリア性の低下が抑制される。
【0014】
上記効果が奏される理由について、本発明者らは以下のように推察する。
蒸着層3には、蒸着層3の形成時に生じ得る微小な欠陥だけでなく、搬送傷やロール状に巻かれた時の裏面移りによる傷等に起因した微小なクラック又は欠陥が少なからず存在すると考えられる。紙基材1の上記寸法変化率が1%を超えると、これらの微小なクラック又は欠陥に起因する大きなクラック(例えば、CD方向が短辺、MD方向が長辺でアスペクト比(MD/CD)が10以上、長辺の長さ3μm以上のクラック)が発生し易い。これにより水蒸気バリア性が低下することとなる。これに対し、上記寸法変化率が1%以下であることで、蒸着層3における微小なクラック又は欠陥が大きくなることを抑制でき、良好な水蒸気バリア性を得ることができる。
【0015】
一方、MD方向(Machine Direction)はCD方向に比してその寸法変化が極めて小さいことから、MD方向の寸法変化率は、経時による水蒸気バリア性の低下を抑制する観点においては、特段規定することを要しない。ただし、紙基材1の40℃20%RH環境下での寸法に対する40℃90%RH環境下での寸法の、MD方向の寸法変化率は、例えば0.15%以下であってよい。
【0016】
紙基材1の、40℃20%RH環境下での寸法に対する40℃90%RH環境下での寸法の、MD方向及びCD方向の寸法変化率は、以下の方法で測定された値である。
(寸法変化率測定方法)
紙基材を所定のサイズ(例えば、紙基材のMD方向又はCD方向の長さ150mm×幅20mm)に切り出して測定用のサンプルとする。このサンプルを40℃20%RHの恒温恒湿槽に24時間放置した後、恒温恒湿槽内でサンプルの長さを測長する。
同サンプルを40℃90%RHの恒温恒湿槽に24時間放置した後、恒温恒湿槽内でサンプルの長さを測長する。
サンプルの40℃20%RH環境下での寸法に対する40℃90%RH環境下での寸法の寸法変化率(%)を、以下の式により算出する。
{(40℃90%RH下での長さ-40℃20%RH下での長さ)/40℃20%RH下での長さ}×100
【0017】
紙基材1の寸法変化率は、例えば、紙基材を構成する繊維の繊維長、紙基材の密度、コート層中の填料の含有量、紙基材の坪量、紙基材の化学変性度(例えば硫酸紙における硫酸溶液での処理の程度)等を変化させることによって調整することができる。
【0018】
紙基材のMD方向及びCD方向は、例えば以下のようにして判別することができる。
紙基材がロール紙である場合、長尺の搬送方向がMD方向であり、MD方向に対して垂直な方向がCD方向である。紙基材において、パルプ繊維はMD方向に配向する傾向があるため、上記のとおりMD方向よりもCD方向の方が、紙基材の寸法変化が大きい傾向がある。また、ガスバリア積層体のMD方向及びCD方向は、それぞれ紙基材のMD方向及びCD方向と同一方向であり、ガスバリア積層体においても、MD方向よりもCD方向の方が、寸法変化が大きい傾向がある。そのため、紙基材及びガスバリア積層体のMD方向及びCD方向は、紙基材における繊維の配向方向や、紙基材又はガスバリア積層体の方向による寸法変化率の違いにより判別することができる。判別方法の一例としては、直径5cm程度の円形に切り出した紙基材又はガスバリア積層体を水に2分間程度浮かべ、それらがカールした時のカールの軸方向をMD方向と判断することができる。
【0019】
紙基材1としては、特に限定されないが、上記寸法変化率を1%以下にできるものを選択して用いることができる。紙基材1は、植物由来のパルプを主成分としている紙であってよい。紙基材1の具体例としては、上質紙、特殊上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、模造紙、クラフト紙、硫酸紙、及びグラシン紙等が挙げられる。
紙基材1の坪量は、20g/m以上であってよく、30g/m以上であってよく、500g/m以下であってよく、100g/m以下であってよい。
【0020】
紙基材1には、紙基材1の少なくとも第1樹脂層2と接する側にコート層が設けてあってもよい。紙基材1がコート層を備える場合、紙基材1は少なくとも紙層とコート層とを備えていてよい。コート層は、紙基材1の両方の表面に設けられていてもよい。コート層を設けることで、紙に第1樹脂層2が染み込むことを防ぐことができるほか、紙の凹凸を埋める目止めの役割を果たすこともでき、第1樹脂層2を欠陥なく均一に形成し易くなる。また、紙基材1の寸法変化を抑え易くなる。
コート層は、例えば、バインダー樹脂として、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、などの各種共重合体、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、パラフィン(WAX)等を、填料としてクレー、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、マイカ等を含んでいてもよい。コート層は、少なくとも填料としてクレーを含有するクレーコート層であってもよい。
【0021】
紙基材1がコート層を備える場合、コート層の厚さは、1.5μm以上15μm以下であってよい。コート層の厚さは、1.8μm以上であってもよく、3μm以上であってもよく、5μm以上であってもよく、6μm以上であってもよい。コート層の厚さは、12μm以下であってもよく10μm以下であってもよい。コート層の厚さが上記範囲内であると、紙基材1の寸法変化を抑え易い。
【0022】
紙基材1の厚さは、20μm以上であってよく、30μm以上であってよく、40μm以上であってよく、100μm以下であってよく、80μmであってよく、60μmであってよい。紙基材1の厚さが上記範囲内であると、ガスバリア積層体10は、より良好な水蒸気バリア性を得ることができる。
【0023】
紙基材1の厚さに占めるコート層の厚さの割合は、3~25%であってよく、5~20%であってよい。この割合が上記範囲内であると、紙基材1の寸法変化を抑え易い。
【0024】
紙基材1の繊維の平均繊維長は、100μm以上2000μm以下であってよい。紙基材1の繊維の平均繊維長は、200μm以上であってもよく、400μm以上であってもよく、500μm以上であってもよい。紙基材1の繊維の平均繊維長は、1500μm以下であってもよく、1300μm以下であってもよく、1100μm以下であってもよく、1000μm以下であってもよい。
【0025】
紙基材1の繊維の平均繊維長を上記下限以上とすることで、繊維同士が絡み合い易く、紙基材が膨潤した場合の寸法変化を抑え易い。また、包装材として適した強度の紙力が維持され易い。
紙基材1の繊維の平均繊維長を上記上限以下とすることで、紙基材が膨潤した場合の繊維の長さ変化の絶対値が小さくなり易く、紙基材の寸法変化を抑え易い。
【0026】
紙基材1の繊維の平均繊維径は特に制限されないが、1μm以上200μm以下であってよく、5μm以上150μm以下であってもよく、5μm以上100μm以下であってもよい。
【0027】
紙基材1の繊維の平均繊維長及び平均繊維径は、任意に選択された30本の繊維の繊維長及び繊維径の平均値であり、以下の方法で測定される。
(平均繊維長及び平均繊維径測定方法)
所定のサイズにカットした紙(紙基材)を0.6%水酸化ナトリウム水溶液200mlに漬け、50℃環境下で、スターラーを用いて24時間攪拌して、繊維を離解させる。
離解した繊維を含む溶液をスポイトでスライドガラス上に滴下して、自然乾燥させる。
顕微鏡でスライドガラス上の30本の繊維の繊維長及び繊維径を計測し、その平均値から平均繊維長及び平均繊維径を算出する。
【0028】
紙基材1の密度は、0.9g/cm以上1.5g/cm以下であってよい。紙基材1の密度は、0.95g/cm以上であってもよく、1.0g/cm以上であってもよく、1.1g/cm以上であってもよい。紙基材1の密度は、1.4g/cm以下であってもよく、1.3g/cm以下であってもよく、1.2g/cm以下であってもよい。
紙基材1の密度を0.9g/cm以上とすることで、紙基材1の寸法変化を抑え易く、また表面が平滑になるため第1樹脂層2及び蒸着層3の平滑性を高めることができる。その結果、ガスバリア積層体10はより良好な水蒸気バリア性を得ることができる。また、紙基材1の密度を1.5g/cm以下とすることで、紙基材1の繊維間に適度な空隙を形成することができ、紙基材1に加わる応力を緩和することができる。その結果、蒸着層3のクラック又は欠陥が大きくなることを抑制することができ、ガスバリア積層体10はより良好な水蒸気バリア性を得ることができる。
紙基材1の密度は、JIS P8118に準拠して測定された値である。
【0029】
紙の重量は、ガスバリア積層体全体を基準として、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。紙の重量がガスバリア積層体全体を基準として、50質量%以上であれば、プラスチック材料の使用量を十分に削減することができ、ガスバリア積層体全体として紙製であるということができるとともに、リサイクル性に優れる。
【0030】
[第1樹脂層]
第1樹脂層2は、紙基材1の表面上に設けられ、紙基材1と後述する蒸着層3との間の密着性向上や、ガスバリア積層体のガスバリア性の向上のために設けられるものである。第1樹脂層は、アンカーコート層とも呼ばれる。
第1樹脂層2は、ポリウレタン系樹脂を含んでいてよい。ポリウレタン系樹脂は濡れ性が良いため塗工安定性に優れ、紙基材1と蒸着層3の密着性が良好になる。また第1樹脂層2の表面平滑性が良好になることで、緻密な蒸着層3が形成され易く、水蒸気バリア性がより良好になる。さらにポリウレタン系樹脂を含む層は、例えばポリオレフィン系樹脂を含む層等に比べて剛性が高いため、紙基材1の寸法変化に追随し難い。そのため、蒸着層3におけるクラック又は欠陥が大きくなることを抑制し易く、良好な水蒸気バリア性を得ることができる。
ポリウレタン系樹脂として水蒸気バリア性を有するものを用いることで、更なるガスバリア性向上が期待できる。
【0031】
ポリウレタン系樹脂は、水蒸気バリア性の観点からメタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位及び水添メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位のうち少なくとも一方を含有することが好ましい。ポリウレタン系樹脂がこのような構成単位を含有することで、水素結合及びキシリレン基同士のスタッキング効果によって高い凝集力を発現するため、水蒸気バリア性に一層優れる傾向がある。
ポリウレタン系樹脂を含む第1樹脂層2を形成する際に用いる塗液としては、塗工性の観点から、ディスパージョンやエマルジョンのように水中にポリウレタン系樹脂が分散された塗液が好ましい。このような塗液としては、例えば、三井化学社製のタケラックWPBが挙げられる。
【0032】
第1樹脂層2には、上記ポリウレタン系樹脂以外の他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、ポリオレフィン、シランカップリング剤、有機チタネート、ポリアクリル酸、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレア、ポリアミド、ポリイミド、メラミン、フェノール等が挙げられる。
【0033】
第1樹脂層2における上記ポリウレタン系樹脂の含有量は、例えば、50質量%以上であってよく、70質量%以上であってよく、90質量%以上であってよく、100質量%であってよい。ポリウレタン系樹脂の含有量が50質量%以上であれば、ポリウレタン系樹脂を用いることによる上記作用効果を享受し易い。
【0034】
ポリウレタン系樹脂の剛性は、ポリウレタン系樹脂を含む層のナノインデンテーション法での硬さを測定する事により評価できる。
ナノインデンテーション法により測定されるポリウレタン系樹脂を含む層の硬さは、0.2GPa以上であってよく、0.3GPa以上であってよい。硬さの上限は特に限定されないが、1.0GPa以下であってよい。
【0035】
(測定方法)
ナノインデンテーション法とは、目的の測定対象に対して準静的な押し込み試験を行い、試料の機械特性を取得する測定法である。測定装置としては、ブルカージャパン株式会社製のHysitron TI-Premier(商品名)を用いることができる。圧子としては、ブルカージャパン株式会社製のバーコビッチ型ダイヤモンド圧子を用いることができる。
【0036】
測定用の試料としては、ナノインデンテーション法による測定(断面に対する測定)が適切に行えるものであれば特に制限されず、例えば、ポリウレタン系樹脂を含む層を備える積層体を用いることができる。そのような積層体としては、例えば紙基材及び第1樹脂層(ポリウレタン系樹脂を含む層)を備えるもの、或いは紙基材、第1樹脂層及び第2樹脂層を備えるものが挙げられる。
【0037】
ナノインデンテーション法による測定は、まず、ダイヤモンド圧子にて試料断面上を走査することで試料の形状像を取得し、所望層の測定位置を指定する。その後、常温(25℃)において変位制御モードにて、押し込み速度80nm/秒にて深さ80nmまで押し込みを行った後、最大深さにて1秒間保持後、80nm/秒の速度にて除荷する。
硬さの算出にあたり、予め標準試料となる溶融石英を用いて、圧子と試料の接触深さと接触投影面積の関係を校正する。その後、除荷時の最大荷重に対して60~95%領域の除荷曲線をOliver-Pharr法にて解析し、硬さを算出する。
試料は短冊型又はくさび型にカミソリで裁断され、樹脂に包埋される。包埋用樹脂としては東亜合成製のD-800光硬化樹脂を用い、包埋後に光照射にて硬化する。硬化後のサンプル包埋樹脂をAFM試料ホルダー用インサートで固定し、常温(25℃)においてガラスナイフでトリミングと試料の断面切削をおこない、鏡面になるまでダイヤモンドナイフで断面切削を実施する(切削スピード1.0mm/s、切削膜厚200nm設定)。断面出しした試料は、AFM試料ホルダー用インサートで固定した状態でナノインデンテーション法による測定に用いる。断面切削装置としては、ライカ社製のウルトラミクロトームEM UC7を用いることができる。また、切削向きは、試料の層界面に対し平行な方向とする。
【0038】
第1樹脂層2の厚さは、例えば、0.3μm以上であってよく、0.5μm以上であってよく、1μm以上であってよく、2μm以上であってよく、10μm以下であってよく、5μm以下であってよい。第1樹脂層2の厚さが0.5μm以上であれば、上述した紙基材1の凹凸を効率的に埋めることができ、後述する蒸着層3を均一に積層させることができる。また、紙基材1の寸法変化に追随し難い層とすることができる。第1樹脂層2の厚さが20μm以下であれば、コストを抑えつつ蒸着層3を均一に積層させることができる。
【0039】
第1樹脂層2の塗液に含まれる溶媒としては、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、n-ペンチルアルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチルが挙げられる。これらの溶媒は一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、特性の観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、水が好ましい。また環境の観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、水が好ましい。
【0040】
第1樹脂層2を設ける方法としては、紙基材1上に上述したポリウレタン系樹脂及び溶媒を含む塗液を塗布し、乾燥させることで得ることができる。塗液中におけるポリウレタン系樹脂の平均粒子径は、接触面積を小さくしてブロッキングを抑制する観点から大きい方がよい。特に限定されるものではないが、ポリウレタン系樹脂の平均粒子径は、1nm以上であってよく、0.1μm以上であってよく、1μm以下、0.7μm以下、0.5μm以下であってよい。
【0041】
[蒸着層]
蒸着層3としては、金属蒸着層及び無機酸化物蒸着層が挙げられる。蒸着層3としては、アルミニウムを含むものであってもよく、酸化アルミニウム(AlO)、酸化ケイ素(SiO)等を含むものであってもよい。
【0042】
蒸着層3の厚さは、使用用途によって適宜設定すればよいが、10nm以上であってよく、30nm以上であってよく、300nm以下であってよく、100nm以下であってよい。蒸着層3の厚さを10nm以上とすることで蒸着層3の連続性を十分なものとし易く、300nm以下とすることでカールやクラックの発生を十分に抑制でき、十分なガスバリア性能及び可撓性を達成し易い。また、蒸着層3の厚さを30nm以上100nm以下とすることで、蒸着層3がより割れにくくなり、水蒸気バリア性をより得易い。
【0043】
蒸着層3は、真空成膜手段によって形成することが、水蒸気及び酸素ガスバリア性能や膜均一性の観点から好ましい。成膜手段には、真空蒸着法、スパッタリング法、化学的気相成長法(CVD法)などの公知の方法があるが、成膜速度が速く生産性が高いことから真空蒸着法が好ましい。また真空蒸着法の中でも、特に電子ビーム加熱による成膜手段は、成膜速度を照射面積や電子ビーム電流などで制御しやすいことや蒸着材料への昇温降温が短時間で行えることから好ましい。
【0044】
[第2樹脂層]
第2樹脂層4は、蒸着層3の表面上に、蒸着層3に接するように設けられる。第2樹脂層は、オーバーコート層とも呼ばれる。第2樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂を含んでいてよく、極性基を有するポリオレフィン系樹脂を含んでいてよい。
【0045】
極性基を有するポリオレフィン系樹脂は、カルボキシ基、カルボキシ基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有していてもよい。
【0046】
ポリオレフィン系樹脂としては、エチレンやプロピレンが挙げられる。極性基を有するポリオレフィン系樹脂としては、エチレンやプロピレンに、不飽和カルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸等カルボキシ基を有する不飽和化合物、或いはそれらを塩基性化合物で中和した塩)や、不飽和カルボン酸エステルを共重合したものなどを用いてもよく、その他、エチレンやプロピレンに酢酸ビニル、エポキシ系化合物、塩素系化合物、ウレタン系化合物、ポリアミド系化合物等を共重合したものなどを用いてもよい。
【0047】
極性基を有するポリオレフィン系樹脂として、具体的には、アクリル酸エステルと無水マレイン酸との共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-グリシジルメタクリレート共重合体等が挙げられる。
極性基を有するポリオレフィン系樹脂を含む第2樹脂層4を形成する際に用いる塗液としては、塗工性の観点から、ディスパージョンやエマルジョンのように水中に極性基を有するポリオレフィン系樹脂が分散された塗液が好ましい。このような塗液としては、例えば、三井化学社製のケミパールS500が挙げられる。
【0048】
極性基を有するポリオレフィン系樹脂を含ませることで、第2樹脂層4の柔軟性が向上し、屈曲後(折り曲げ後)に蒸着層3の割れを抑制することができるとともに、ポリオレフィン系樹脂が有する極性基により第2樹脂層4と蒸着層3との密着性が向上する。さらに、極性基を有するポリオレフィン系樹脂を含ませることで、第2樹脂層4がポリオレフィン系樹脂の結晶性による緻密な層となり、水蒸気バリア性が発現する。また、第2樹脂層4は、上記極性基を有するポリオレフィン系樹脂を含むことで、ヒートシール層としての役割も兼ねることができるため、ヒートシール層を別途設けなくともよい。
【0049】
第2樹脂層4は、上記極性基を有するポリオレフィン系樹脂以外に他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、シランカップリング剤、有機チタネート、ポリアクリル酸、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリウレア、ポリアミド、極性基を有しないポリオレフィン、ポリイミド、メラミン、フェノール等が挙げられる。
【0050】
第2樹脂層4における極性基を有するポリオレフィン系樹脂の含有量は、例えば、50質量%以上であってよく、70質量%以上であってよく、90質量%以上であってよく、100質量%であってよい。極性基を有するポリオレフィン系樹脂の含有量が50質量%以上であれば、極性基を有するポリオレフィン系樹脂を用いることによる上記作用効果を享受し易い。
【0051】
第2樹脂層4の厚さは、例えば、0.05μm以上であってよく、0.5μm以上であってよく、1μm以上であってよく、2μm以上であってよく、20μm以下であってよく、10μm以下であってよく、5μm以下であってよい。第2樹脂層4の厚さが0.05μm以上であれば、上述したヒートシール層としての役割を十分に発揮することができる。また、第2樹脂層4の厚さが20μm以下であれば、コストを抑えつつ蒸着層3との密着性や水蒸気バリア性を十分に発揮することができる。また、第2樹脂層4の厚さを2μm以上10μm以下とすることで、蒸着層3がより割れ難くなり、水蒸気バリア性をより得易い。
【0052】
第2樹脂層4の塗液に含まれる溶媒としては、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、n-ペンチルアルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチルが挙げられる。これらの溶媒は一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、特性の観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、水が好ましい。また環境の観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、水が好ましい。
【0053】
第2樹脂層4を設ける方法としては、蒸着層3上に上述した極性基を有するポリオレフィン系樹脂及び溶媒を含む塗液を塗布し、乾燥させることで得ることができる。極性基を有するポリオレフィン系樹脂の融点は、70℃以上又は80℃以上が好ましく、160℃以下又は120℃以下がより好ましい。極性基を有するポリオレフィン系樹脂の融点が低ければヒートシール時の立ち上がり温度を低くできるメリットがある。極性基を有するポリオレフィン系樹脂の融点が高いと高温環境下においてブロッキングする虞がある。なお、極性基を有するポリオレフィンの平均粒子径は、接触面積を小さくしてブロッキングを抑制する観点から大きい方がよい。特に限定されるものではないが、極性基を有するポリオレフィン系樹脂の平均粒子径は1nm以上であってよく、0.1μm以上であってよく、1μm以下、0.7μm以下、0.5μm以下であってよい。
【0054】
<包装袋>
包装袋は上記ガスバリア積層体を含む。包装袋は、上記ガスバリア積層体を製袋してなるものである。包装袋の一例としては、ガゼット袋、ピロー袋、三方シール袋、スタンディングパウチ等が挙げられる。
【0055】
包装袋は、内容物として、食品、医薬品等の内容物を収容することができる。特に食品として、菓子等を収容するのに適している。本実施形態に係る包装袋は、上記ガスバリア積層体を含むため、経時により水蒸気バリア性が低下し難い包装袋であると言える。
【実施例0056】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0057】
<紙基材の準備>
・富士加工社製、商品名:特コーモS、厚さ47μm、坪量52.3g/m、平均繊維長885.8μm、クレーコート層有り。
・大王製紙社製、商品名:リューオーコート、厚さ50μm、坪量55g/m、平均繊維長824.1μm、クレーコート層有り。
・仙鶴社(Xianhe Co.,Ltd.)製の塗布包装紙、厚さ55μm、坪量60g/m、平均繊維長877.6μm、クレーコート層有り。
・UPM社製、商品名:Asend、厚さ60μm、坪量65g/m、平均繊維長1040.2μm、クレーコート層有り。
・UPM社製、商品名:Brilliant Duo、厚さ55μm、坪量60g/m、平均繊維長1471.8μm、クレーコート層有り。
【0058】
<ガスバリア積層体の作製>
(実施例1~4)
表1に示す紙基材の表面上に、ポリウレタン系樹脂を含む水分散液(三井化学社製のタケラックXWPB-LJ4)をバーコーターで塗工(wet塗布量15g/m、固形分濃度20質量%)し、オーブンで乾燥させ、第1樹脂層(厚さ3μm、ナノインデンテーション法により測定された硬さ:0.36GPa)を形成した。
形成した第1樹脂層の上に真空蒸着法にてAl蒸着を施し、Al蒸着層(厚さ50nm)を形成した。これによりガスバリア積層体を得た。
【0059】
(実施例5)
蒸着層を真空蒸着法にて形成したアルミナ蒸着層(厚さ30nm)に代えたこと以外は、実施例1と同様にしてガスバリア積層体を得た。
【0060】
(実施例6)
蒸着層を真空蒸着法にて形成したシリカ蒸着層(厚さ30nm)に代えたこと以外は、実施例1と同様にしてガスバリア積層体を得た。
【0061】
(実施例7~10)
表1に示す紙基材の表面上に、ポリウレタン系樹脂を含む水分散液(三井化学社製のタケラックXWPB-LJ4)をバーコーターで塗工(wet塗布量15g/m、固形分濃度20質量%)し、オーブンで乾燥させ、第1樹脂層(厚さ3μm、ナノインデンテーション法により測定された硬さ:0.36GPa)を形成した。
形成した第1樹脂層の上に真空蒸着法にてAl蒸着を施し、Al蒸着層(厚さ50nm)を形成した。
形成したAl蒸着層上にカルボキシ基の塩を含むポリオレフィンの水分散液(三井化学社製のケミパールS500)をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、第2樹脂層(厚さ3μm)を形成した。これによりガスバリア積層体を得た。
【0062】
(比較例1~4)
紙基材を表2に示すように変更したこと以外は、それぞれ実施例1、5~7と同様にしてガスバリア積層体を得た。
【0063】
<寸法変化率の測定>
各紙基材を、CD方向の長さ150mm×幅20mmのサイズに切り出し、測定用のサンプルとした。このサンプルを40℃20%RHの恒温恒湿槽に24時間放置した後、恒温恒湿槽内でガラススケールを用いてサンプルのCD方向の長さを測長した。
同サンプルを40℃90%RHの恒温恒湿槽に24時間放置した後、恒温恒湿槽内でガラススケールを用いてサンプルのCD方向の長さを測長した。
サンプルの40℃20%RH環境下での寸法に対する40℃90%RH環境下での寸法のCD方向の寸法変化率(%)を、以下の式により算出した。
{(40℃90%RH下での長さ-40℃20%RH下での長さ)/40℃20%RH下での長さ}×100
同様の作業を、MD方向の長さ150mm×幅20mmのサイズに切り出したサンプルについても行った。結果を表1及び2に示す。
【0064】
<水蒸気透過度の測定>
経時による水蒸気透過度の変化を観察するため、以下の2条件にてガスバリア積層体の水蒸気透過度(g/m・day)を測定した。結果を表1及び2に示す。
条件1:各例で得られたガスバリア積層体を23℃50%RHの恒温恒湿槽に24時間放置した後、ガスバリア積層体の水蒸気透過度をMOCON法で測定した。
条件2:各例で得られたガスバリア積層体を40℃90%RHの恒温恒湿槽に24時間放置した後、ガスバリア積層体の水蒸気透過度をMOCON法で測定した。
(MOCON法測定条件)
測定装置:MOCON社製、PERMATRAN3/34G
温湿度:40℃60%RH
コンディショニング:60分
測定時間:30分
測定回数:5回(5回測定後のデータを採用)
【0065】
<クラック観察>
上記「水蒸気透過度の測定」において、条件2で水蒸気透過度を測定したサンプルの水蒸気測定領域を、光学顕微鏡(ケイエスオリンパス社製 BX51 (倍率5倍))を用いて最大光量の透過光で観察した。そして、ランダムに観察した10箇所において以下の基準に従いクラックの有無を判断し、クラックが観察された箇所の数を記録した。結果を表1及び2に示す。
基準:CD方向が短辺、MD方向が長辺でアスペクト比(MD/CD)が10以上、長辺の長さ3μm以上の透過光漏れが3個以上観察された場合、その観察箇所はクラック有りと判断した。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
表1及び表2に示されるとおり、本発明に相当する実施例のガスバリア積層体では、比較例のガスバリア積層体に比して、経時(加速試験)による水蒸気バリア性の低下が有意に抑制されていた。本発明のガスバリア積層体は、長期にわたり内容物の劣化を抑えることができるものであると言える。
【符号の説明】
【0069】
1…紙基材、2…第1樹脂層、3…蒸着層、4…第2樹脂層、10…ガスバリア積層体。
図1