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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138730
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】配線基板及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20241002BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALN20241002BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALN20241002BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 348A
G02F1/1368
G02F1/1333
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049373
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森永 潤一
(72)【発明者】
【氏名】紙谷 晋吾
(72)【発明者】
【氏名】吉野 光
【テーマコード(参考)】
2H189
2H192
5C094
【Fターム(参考)】
2H189DA06
2H189DA43
2H189LA28
2H189LA31
2H192AA24
2H192BB13
2H192BB53
2H192BC31
2H192CC32
2H192CC33
2H192EA22
2H192EA67
2H192GA03
2H192GB33
2H192JA33
5C094AA21
5C094BA03
5C094BA27
5C094BA43
5C094BA75
5C094DA13
5C094DA15
5C094DB01
5C094EA04
5C094EA07
(57)【要約】
【課題】信号の鈍りを緩和する。
【解決手段】配線基板21は、第1配線26と、第1配線26と交差する第2配線27と、を備え、第1配線26は、第1導電膜からなる下層配線部26Aと、第1導電膜に対して第1絶縁膜34を介して上層側に配される第2導電膜からなる上層配線部26Bと、からなり、第1絶縁膜34のうち、下層配線部26Aと上層配線部26Bとの双方と重畳する位置には、下層配線部26Aと上層配線部26Bとを接続する第1コンタクトホールCH3が設けられ、第2配線27は、第2導電膜に対して第2絶縁膜35,36を介して上層側に配される第3導電膜からなり、第2絶縁膜35,36は、第1絶縁膜34よりも膜厚が大きい。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1配線と、
前記第1配線と交差する第2配線と、を備え、
前記第1配線は、第1導電膜からなる下層配線部と、前記第1導電膜に対して第1絶縁膜を介して上層側に配される第2導電膜からなる上層配線部と、からなり、
前記第1絶縁膜のうち、前記下層配線部と前記上層配線部との双方と重畳する位置には、前記下層配線部と前記上層配線部とを接続する第1コンタクトホールが設けられ、
前記第2配線は、前記第2導電膜に対して第2絶縁膜を介して上層側に配される第3導電膜からなり、
前記第2絶縁膜は、前記第1絶縁膜よりも膜厚が大きい配線基板。
【請求項2】
画素電極と、
前記第1配線、前記第2配線及び前記画素電極に接続されるスイッチング素子と、
前記画素電極に対して重畳して配される共通電極と、を備え、
前記共通電極は、前記第2配線に沿って延在する第1開口部と、前記第1開口部によって分割される第1電極部及び第2電極部と、を有しており、
前記第1開口部は、前記画素電極の一部と重畳して配される請求項1記載の配線基板。
【請求項3】
前記第3導電膜のうちの前記第2配線とは別の部分からなり、前記第1配線と交差する第3配線を備え、
前記画素電極は、前記第1配線に沿う長手状をなしていて長手方向についての途中に屈曲部を有しており、
前記共通電極は、前記第3導電膜に対して第3絶縁膜を介して上層側に配される第1透明電極膜と、前記第1透明電極膜に対して第4絶縁膜を介して上層側に配される第2透明電極膜と、のうちの一方の透明電極膜からなり、
前記画素電極は、前記第1透明電極膜と前記第2透明電極膜とのうちの他方の透明電極膜からなり、
前記第3配線は、前記屈曲部に対して重畳して配され、
少なくとも前記第3絶縁膜のうちの前記共通電極及び前記第3配線の双方と重畳する位置には、前記共通電極と前記第3配線とを接続する第2コンタクトホールが設けられる請求項2記載の配線基板。
【請求項4】
前記第3配線は、前記第1配線と交差する第3配線本体と、前記第3配線本体から分岐し、前記共通電極及び前記第1配線の一部ずつと重畳して配される第1分岐部と、を有しており、
前記第2コンタクトホールは、前記第1分岐部と重畳して配される請求項3記載の配線基板。
【請求項5】
前記共通電極は、前記第1開口部が前記第3配線と重畳して設けられる請求項3または請求項4記載の配線基板。
【請求項6】
前記第3導電膜のうちの前記第2配線及び前記第3配線とは別の部分からなり、前記第1配線と交差する第4配線を備え、
前記共通電極は、前記第4配線に沿って延在して前記第1電極部を第3電極部と第4電極部とに分割する第2開口部を有しており、
前記第4配線は、前記第1配線と交差して前記第2開口部と重畳して配される第4配線本体と、前記第4配線本体から分岐して前記第3電極部と重畳して配される第2分岐部と、前記第4配線本体から分岐して前記第4電極部と重畳して配される第3分岐部と、を有しており、
少なくとも前記第3絶縁膜には、前記第3電極部及び前記第2分岐部の双方と重畳する位置に前記第3電極部と前記第2分岐部とを接続する第3コンタクトホールと、前記第4電極部及び前記第3分岐部の双方と重畳する位置に前記第4電極部と前記第3分岐部とを接続する第4コンタクトホールと、が設けられる請求項5記載の配線基板。
【請求項7】
前記画素電極は、前記第2透明電極膜からなり、前記屈曲部を挟むよう配されて前記屈曲部に連なる第5電極部及び第6電極部を有しており、
前記第5電極部には、前記第1配線に沿って延在する第3開口部が設けられ、
前記第6電極部には、前記第1配線に沿って延在していて前記第3開口部と交差する関係の第4開口部が設けられ、
前記屈曲部は、前記第3配線に沿って延在していて前記第3開口部及び前記第4開口部の双方と交差する関係の第7電極部を有する請求項3または請求項4記載の配線基板。
【請求項8】
前記第7電極部には、前記第5電極部に連なる第8電極部と、前記第6電極部に連なる第9電極部と、が含まれ、
前記屈曲部は、前記第3配線と交差していて前記第8電極部と前記第9電極部とを繋ぐ繋ぎ部を有する請求項7記載の配線基板。
【請求項9】
前記画素電極は、前記第2透明電極膜からなり、前記屈曲部を挟むよう配されて前記屈曲部に連なる第5電極部及び第6電極部を有しており、
前記屈曲部、前記第5電極部及び前記第6電極部には、前記第1配線に沿って延在する第5開口部が連続的に設けられており、
前記屈曲部は、前記第3配線と直交する関係とされる請求項3または請求項4記載の配線基板。
【請求項10】
前記第1配線に沿って間隔を空けて並ぶ複数の画素電極と、
前記第1配線、前記第2配線及び前記画素電極に接続されるスイッチング素子と、
複数の前記画素電極に対して重畳して配される共通電極と、を備え、
複数の前記画素電極は、いずれも前記第1配線に沿う長手状をなしており、
前記第2配線は、いずれかの前記画素電極の中央部と重畳して配され、
前記スイッチング素子は、前記画素電極の前記中央部に接続され、
前記共通電極は、前記第2配線に沿って延在する第6開口部と、前記第6開口部によって分割される第10電極部及び第11電極部と、を有しており、
前記第6開口部は、隣り合う2つの前記画素電極の間に位置して配される請求項1記載の配線基板。
【請求項11】
前記画素電極は、前記中央部を挟むよう配されて前記中央部に連なる第12電極部及び第13電極部を有しており、
前記中央部は、前記第12電極部及び前記第13電極部よりも幅狭とされる請求項10記載の配線基板。
【請求項12】
2つの前記第1配線と、
前記第2配線に沿って間隔を空けて並ぶ複数の画素電極と、
前記第1配線、前記第2配線及び前記画素電極に接続されるスイッチング素子と、
複数の前記画素電極に対して重畳して配される共通電極と、を備え、
複数の前記画素電極は、いずれも前記第2配線に沿う長手状をなしており、
2つの前記第1配線は、隣り合う2つの前記画素電極の間に位置して間隔を空けて配される請求項1記載の配線基板。
【請求項13】
画素電極と、
前記第1配線、前記第2配線及び前記画素電極に接続されるスイッチング素子と、を備え、
前記第2配線、前記スイッチング素子及び前記画素電極は、前記第1配線に沿って並んで配されており、
前記第1コンタクトホールは、前記第2配線と重畳して配される請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項10、請求項11または請求項12のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項14】
前記第1絶縁膜は、無機絶縁材料からなり、前記第2絶縁膜は、有機絶縁材料からなる請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項10、請求項11または請求項12のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項15】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項10、請求項11または請求項12のいずれか1項に記載の配線基板と、
前記配線基板と対向状に配される対向基板と、を備える表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、配線基板及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配線基板を備える表示装置の一例として下記特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載された表示装置は、液晶層と、長手状をなしていて長手方向についての途中に屈曲部を有する画素電極と、画素電極に対して絶縁膜を介して重畳する共通電極と、画素電極の短手方向に沿って延在し且つ画素電極の屈曲部に対して絶縁膜を介して重畳していて共通電極に電気的に接続される配線と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/0272011号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1に記載された表示装置には、画素電極に接続されたTFTを駆動するためのゲート配線やTFTに画像信号を供給するためのソース配線が設けられている。ここで、例えばゲート配線の長さが極端に長い場合には、ゲート配線の配線抵抗が高くなり、結果としてゲート配線により伝送される走査信号に鈍りが生じるおそれがある。また、ゲート配線とソース配線との間に生じる寄生容量に起因してゲート配線の負荷が高くなり、結果としてゲート配線により伝送される走査信号に鈍りが生じるおそれがあった。
【0005】
本明細書に記載の技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、信号の鈍りを緩和することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本明細書に記載の技術に関わる配線基板は、第1配線と、前記第1配線と交差する第2配線と、を備え、前記第1配線は、第1導電膜からなる下層配線部と、前記第1導電膜に対して第1絶縁膜を介して上層側に配される第2導電膜からなる上層配線部と、からなり、前記第1絶縁膜のうち、前記下層配線部と前記上層配線部との双方と重畳する位置には、前記下層配線部と前記上層配線部とを接続する第1コンタクトホールが設けられ、前記第2配線は、前記第2導電膜に対して第2絶縁膜を介して上層側に配される第3導電膜からなり、前記第2絶縁膜は、前記第1絶縁膜よりも膜厚が大きい。
【0007】
(2)また、上記配線基板は、上記(1)に加え、画素電極と、前記第1配線、前記第2配線及び前記画素電極に接続されるスイッチング素子と、前記画素電極に対して重畳して配される共通電極と、を備え、前記共通電極は、前記第2配線に沿って延在する第1開口部と、前記第1開口部によって分割される第1電極部及び第2電極部と、を有しており、前記第1開口部は、前記画素電極の一部と重畳して配されてもよい。
【0008】
(3)また、上記配線基板は、上記(2)に加え、前記第3導電膜のうちの前記第2配線とは別の部分からなり、前記第1配線と交差する第3配線を備え、前記画素電極は、前記第1配線に沿う長手状をなしていて長手方向についての途中に屈曲部を有しており、前記共通電極は、前記第3導電膜に対して第3絶縁膜を介して上層側に配される第1透明電極膜と、前記第1透明電極膜に対して第4絶縁膜を介して上層側に配される第2透明電極膜と、のうちの一方の透明電極膜からなり、前記画素電極は、前記第1透明電極膜と前記第2透明電極膜とのうちの他方の透明電極膜からなり、前記第3配線は、前記屈曲部に対して重畳して配され、少なくとも前記第3絶縁膜のうちの前記共通電極及び前記第3配線の双方と重畳する位置には、前記共通電極と前記第3配線とを接続する第2コンタクトホールが設けられてもよい。
【0009】
(4)また、上記配線基板は、上記(3)に加え、前記第3配線は、前記第1配線と交差する第3配線本体と、前記第3配線本体から分岐し、前記共通電極及び前記第1配線の一部ずつと重畳して配される第1分岐部と、を有しており、前記第2コンタクトホールは、前記第1分岐部と重畳して配されてもよい。
【0010】
(5)また、上記配線基板は、上記(3)または上記(4)に加え、前記共通電極は、前記第1開口部が前記第3配線と重畳して設けられてもよい。
【0011】
(6)また、上記配線基板は、上記(5)に加え、前記第3導電膜のうちの前記第2配線及び前記第3配線とは別の部分からなり、前記第1配線と交差する第4配線を備え、前記共通電極は、前記第4配線に沿って延在して前記第1電極部を第3電極部と第4電極部とに分割する第2開口部を有しており、前記第4配線は、前記第1配線と交差して前記第2開口部と重畳して配される第4配線本体と、前記第4配線本体から分岐して前記第3電極部と重畳して配される第2分岐部と、前記第4配線本体から分岐して前記第4電極部と重畳して配される第3分岐部と、を有しており、少なくとも前記第3絶縁膜には、前記第3電極部及び前記第2分岐部の双方と重畳する位置に前記第3電極部と前記第2分岐部とを接続する第3コンタクトホールと、前記第4電極部及び前記第3分岐部の双方と重畳する位置に前記第4電極部と前記第3分岐部とを接続する第4コンタクトホールと、が設けられてもよい。
【0012】
(7)また、上記配線基板は、上記(3)から上記(6)のいずれかに加え、前記画素電極は、前記第2透明電極膜からなり、前記屈曲部を挟むよう配されて前記屈曲部に連なる第5電極部及び第6電極部を有しており、前記第5電極部には、前記第1配線に沿って延在する第3開口部が設けられ、前記第6電極部には、前記第1配線に沿って延在していて前記第3開口部と交差する関係の第4開口部が設けられ、前記屈曲部は、前記第3配線に沿って延在していて前記第3開口部及び前記第4開口部の双方と交差する関係の第7電極部を有してもよい。
【0013】
(8)また、上記配線基板は、上記(7)に加え、前記第7電極部には、前記第5電極部に連なる第8電極部と、前記第6電極部に連なる第9電極部と、が含まれ、前記屈曲部は、前記第3配線と交差していて前記第8電極部と前記第9電極部とを繋ぐ繋ぎ部を有してもよい。
【0014】
(9)また、上記配線基板は、上記(3)から上記(8)のいずれかに加え、前記画素電極は、前記第2透明電極膜からなり、前記屈曲部を挟むよう配されて前記屈曲部に連なる第5電極部及び第6電極部を有しており、前記屈曲部、前記第5電極部及び前記第6電極部には、前記第1配線に沿って延在する第5開口部が連続的に設けられており、前記屈曲部は、前記第3配線と直交する関係とされてもよい。
【0015】
(10)また、上記配線基板は、上記(1)に加え、前記第1配線に沿って間隔を空けて並ぶ複数の画素電極と、前記第1配線、前記第2配線及び前記画素電極に接続されるスイッチング素子と、複数の前記画素電極に対して重畳して配される共通電極と、を備え、複数の前記画素電極は、いずれも前記第1配線に沿う長手状をなしており、前記第2配線は、いずれかの前記画素電極の中央部と重畳して配され、前記スイッチング素子は、前記画素電極の前記中央部に接続され、前記共通電極は、前記第2配線に沿って延在する第6開口部と、前記第6開口部によって分割される第10電極部及び第11電極部と、を有しており、前記第6開口部は、隣り合う2つの前記画素電極の間に位置して配されてもよい。
【0016】
(11)また、上記配線基板は、上記(10)に加え、前記画素電極は、前記中央部を挟むよう配されて前記中央部に連なる第12電極部及び第13電極部を有しており、前記中央部は、前記第12電極部及び前記第13電極部よりも幅狭とされてもよい。
【0017】
(12)また、上記配線基板は、上記(1)に加え、2つの前記第1配線と、前記第2配線に沿って間隔を空けて並ぶ複数の画素電極と、前記第1配線、前記第2配線及び前記画素電極に接続されるスイッチング素子と、複数の前記画素電極に対して重畳して配される共通電極と、を備え、複数の前記画素電極は、いずれも前記第2配線に沿う長手状をなしており、2つの前記第1配線は、隣り合う2つの前記画素電極の間に位置して間隔を空けて配されてもよい。
【0018】
(13)また、上記配線基板は、上記(1)から上記(12)のいずれかに加え、画素電極と、前記第1配線、前記第2配線及び前記画素電極に接続されるスイッチング素子と、を備え、前記第2配線、前記スイッチング素子及び前記画素電極は、前記第1配線に沿って並んで配されており、前記第1コンタクトホールは、前記第2配線と重畳して配されてもよい。
【0019】
(14)また、上記配線基板は、上記(1)から上記(13)のいずれかに加え、前記第1絶縁膜は、無機絶縁材料からなり、前記第2絶縁膜は、有機絶縁材料からなってもよい。
【0020】
(15)本明細書に記載の技術に関わる表示装置は、上記(1)から上記(14)のいずれかに記載の配線基板と、前記配線基板と対向状に配される対向基板と、を備える。
【発明の効果】
【0021】
本明細書に記載の技術によれば、信号の鈍りを緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態1に係る液晶パネルの平面図
図2】実施形態1に係る液晶パネルの表示領域における画素配列を示す平面図
図3】実施形態1に係る液晶パネルにおける図2のiii-iii線断面図
図4】実施形態1に係る液晶パネルを構成するアレイ基板における図2のiv-iv線断面図
図5】実施形態1に係る液晶パネルの表示領域における画素配列を示す平面図であり、第1金属膜及び第2金属膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図6】実施形態1に係る液晶パネルにおける図2のvi-vi線断面図
図7】実施形態1に係る液晶パネルの表示領域における画素配列を示す平面図であり、第3金属膜及び第2透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図8】実施形態1に係る液晶パネルの表示領域における画素配列を示す平面図であり、第1透明電極膜を網掛け状にして示す平面図
図9】実施形態1に係る液晶パネルにおける図2のix-ix線断面図
図10】実施形態2に係る液晶パネルの表示領域における画素配列を示す平面図
図11】実施形態2に係る液晶パネルにおける図10のxi-xi線断面図
図12】実施形態3に係るドライバとタッチ電極とタッチ配線及び接続配線との関係を概略的に示す平面図
図13】実施形態3に係る液晶パネルの表示領域における画素配列を示す平面図であり、第3金属膜及び第2透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図14】実施形態3に係る液晶パネルの表示領域における画素配列を示す平面図であり、第1透明電極膜を網掛け状にして示す平面図
図15】実施形態3に係るアレイ基板における図13のxv-xv線断面図
図16】実施形態3に係るアレイ基板における図13のxvi-xvi線断面図
図17】実施形態4に係る液晶パネルの表示領域における画素電極の屈曲部付近を示す平面図であり、第2透明電極膜を網掛け状にして示す平面図
図18】実施形態5に係る液晶パネルの表示領域における画素電極の屈曲部付近を示す平面図であり、第2透明電極膜を網掛け状にして示す平面図
図19】実施形態6に係る液晶パネルの表示領域における画素電極の屈曲部付近を示す平面図であり、第2透明電極膜を網掛け状にして示す平面図
図20】実施形態7に係る液晶パネルの表示領域における画素電極の屈曲部付近を示す平面図であり、第2透明電極膜を網掛け状にして示す平面図
図21】実施形態8に係る液晶パネルの表示領域における画素配列を示す平面図であり、第3金属膜及び第2透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図22】実施形態8に係る液晶パネルの表示領域における画素配列を示す平面図であり、第1透明電極膜を網掛け状にして示す平面図
図23】実施形態9に係る液晶パネルの表示領域における画素配列を示す平面図
図24】実施形態9に係る液晶パネルの表示領域における画素配列を示す平面図であり、第3金属膜及び第2透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図25】実施形態9に係る液晶パネルの表示領域における画素配列を示す平面図であり、第1金属膜及び第2金属膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図26】実施形態9に係る液晶パネルに備わるTFTとゲート配線、ソース配線及び画素電極との接続態様と、あるフレーム期間において画素電極に供給される画像信号の極性と、を模式的に示す回路図
図27】実施形態9に係る液晶パネルの表示領域における画素配列を示す平面図であり、第1透明電極膜を網掛け状にして示す平面図
図28】実施形態10に係る液晶パネルに備わるTFTとゲート配線、ソース配線及び画素電極との接続態様と、あるフレーム期間において画素電極に供給される画像信号の極性と、を模式的に示す回路図
図29】他の実施形態(8)に係る液晶パネルに備わるTFTとゲート配線、ソース配線及び画素電極との接続態様と、あるフレーム期間において画素電極に供給される画像信号の極性と、を模式的に示す回路図
図30】他の実施形態(9)に係る液晶パネルに備わるTFTとゲート配線、ソース配線及び画素電極との接続態様と、あるフレーム期間において画素電極に供給される画像信号の極性と、を模式的に示す回路図
図31】他の実施形態(10)に係る液晶パネルに備わるTFTとゲート配線、ソース配線及び画素電極との接続態様と、あるフレーム期間において画素電極に供給される画像信号の極性と、を模式的に示す回路図
【発明を実施するための形態】
【0023】
<実施形態1>
実施形態1を図1から図9によって説明する。本実施形態では、画像表示機能及びタッチパネル機能(位置入力機能、位置検出機能)を備える液晶パネル(表示装置)10について例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。また、図3図6及び図9の上側を表側とし、同図下側を裏側とする。
【0024】
図1を用いて液晶パネル10の概略的な平面構成について説明する。液晶パネル10は、図1に示すように、全体として平面形状が横長の略方形状とされる。この液晶パネル10は、その短辺方向がY軸方向と、長辺方向がX軸方向と、板厚方向(各基板20,21の主面の法線方向)がZ軸方向と、それぞれ一致している。本実施形態では、X軸方向が「第1方向」であり、Y軸方向が「第1方向と交差する第2方向」である。液晶パネル10は、例えば車載用の液晶表示装置などに用いることが可能である。車載用の液晶表示装置は、例えばインスツルメンツパネル、マルチファンクションディスプレイ、インフォテインメントシステムなどに用いられ、横長形状であることが一般的である。液晶パネル10における短辺寸法に対する長辺寸法の比率は、液晶表示装置の用途に応じて変動する。例えば車載用の液晶表示装置の長さが、助手席前から運転席前に至るまで車幅に近い値になる場合には、上記した比率が極めて高い値となる。液晶パネル10は、自身の裏側に配されたバックライト装置(照明装置)から照射される照明光を利用して画像を表示することが可能とされる。バックライト装置は、液晶パネル10に対して裏側(背面側)に配置され、例えば光源(例えばLEDなど)や光源からの光に光学作用を付与することで面状の光に変換する光学部材などを有する。
【0025】
液晶パネル10は、図1に示すように、画面の中央側部分が、画像が表示される表示領域(図1において一点鎖線により囲った範囲)AAとされる。これに対し、液晶パネル10の画面における表示領域AAを取り囲む額縁状(枠状)の外周側部分が、画像が表示されない非表示領域NAAとされる。液晶パネル10は、一対の基板20,21を貼り合わせてなる。一対の基板20,21のうち表側(正面側)の基板が対向基板20とされ、裏側(背面側)の基板がアレイ基板(配線基板)21とされる。対向基板20及びアレイ基板21は、いずれもガラス基板の内面側に各種の膜が積層形成されてなる。なお、両基板20,21の外面側には、それぞれ偏光板が貼り付けられている。
【0026】
アレイ基板21は、図1に示すように、対向基板20に対してY軸方向に沿って側方に突き出す突き出し部21Aを有する。この突き出し部21Aには、次述する表示機能やタッチパネル機能に係る各種信号を供給するためのドライバ(信号供給部)11及びフレキシブル基板12が実装されている。ドライバ11は、アレイ基板21の突き出し部21Aに対してCOG(Chip On Glass)実装されている。ドライバ11は、内部に駆動回路を有するLSIチップからなり、フレキシブル基板12によって伝送される各種信号を処理する。ドライバ11は、アレイ基板21において表示領域AAに対してY軸方向に間隔を空けて並んで配されている。フレキシブル基板12は、絶縁性及び可撓性を有する合成樹脂材料(例えばポリイミド系樹脂等)からなる基材上に多数本の配線パターンを形成した構成とされる。フレキシブル基板12は、一端側部分がアレイ基板21に、他端側部分が外部のコントロール基板(信号供給源)に、それぞれ接続されている。コントロール基板から供給される各種信号は、フレキシブル基板12を介して液晶パネル10に伝送される。また、アレイ基板21の非表示領域NAAには、表示領域AAをX軸方向に両側から挟み込む形で一対のゲート回路部13が設けられている。ゲート回路部13は、後述するゲート配線26に走査信号を供給する。ゲート回路部13は、アレイ基板21にモノリシックに設けられている。
【0027】
本実施形態に係る液晶パネル10は、画像を表示する表示機能と、表示される画像に基づいて使用者が入力する位置(入力位置)を検出するタッチパネル機能と、を併有している。液晶パネル10には、タッチパネル機能を発揮するためのタッチパネルパターンが一体化(インセル化)されている。タッチパネルパターンは、いわゆる投影型静電容量方式とされ、その検出方式が自己容量方式とされる。タッチパネルパターンは、図1に示すように、液晶パネル10の主面内においてマトリクス状に並んで配される複数のタッチ電極(位置検出電極)30から構成されている。タッチ電極30は、液晶パネル10の表示領域AAに配されている。従って、液晶パネル10の表示領域AAは、入力位置を検出可能なタッチ領域(位置入力領域)とほぼ一致している。なお、非表示領域NAAは、入力位置を検出不能な非タッチ領域(非位置入力領域)とほぼ一致している。液晶パネル10の表示領域AAに表示された画像に基づいて、使用者が、導電体である使用者の指や使用者によって操作されるタッチペンなどの位置入力体を、液晶パネル10の表面(表示面)に近づけると、その位置入力体とタッチ電極30との間で静電容量が形成される。これにより、位置入力体の近くにあるタッチ電極30にて検出される静電容量には、位置入力体が近づくのに伴って変化が生じ、位置入力体から遠くにあるタッチ電極30の静電容量とは異なるものとなる。この静電容量の相違に基づいて、後述する検出回路は、入力位置を検出することが可能である。
【0028】
上記したタッチ電極30は、図1に示すように、アレイ基板21に備わる共通電極25により構成されている。共通電極25は、表示領域AAのほぼ全域にわたって配されている。共通電極25は、略格子状をなす仕切開口部(仕切スリット)25Aを有しており、仕切開口部25Aによって複数のタッチ電極30に分割されている。仕切開口部25Aは、概ねY軸方向に沿って共通電極25の全長にわたって縦断していてX軸方向について隣り合うタッチ電極30の間を仕切る第1仕切開口部25A1と、X軸方向に沿って共通電極25の全長にわたって横断していてY軸方向について隣り合うタッチ電極30の間を仕切る第2仕切開口部25A2と、からなる。第1仕切開口部25A1は、X軸方向についてタッチ電極30分の間隔を空けて複数が並んで配されている。第2仕切開口部25A2は、Y軸方向についてタッチ電極30分の間隔を空けて複数が並んで配されている。仕切開口部25Aによって仕切られるタッチ電極30は、表示領域AAにおいてY軸方向及びX軸方向に沿って複数ずつがそれぞれ間隔を空けて並んで配されている。タッチ電極30は、平面に視て略方形状をなしており、一辺の寸法が数mm程度とされる。タッチ電極30は、平面に視た大きさが後述する画素よりも遙かに大きくなっており、X軸方向及びY軸方向に複数(数十~数百程度)ずつの画素に跨る範囲に配置されている。
【0029】
複数のタッチ電極30には、図1に示すように、液晶パネル10に設けられた複数のタッチ配線(第3配線、位置検出配線)31が選択的に接続されている。タッチ配線31は、Y軸方向に沿って一列に並ぶ全てのタッチ電極30を横切る形で、Y軸方向に沿って延在する。タッチ配線31のY軸方向の一端側部分が、非表示領域NAAにてドライバ11に対して接続されている。タッチ配線31は、表示領域AAにてY軸方向に沿って並ぶ複数のタッチ電極30のうちの特定のタッチ電極30に対して接続されている。タッチ配線31は、接続対象のタッチ電極30よりもドライバ11側(図1の下側)とは反対側(図1の上側)に延伸されて、ドライバ11と逆側(図1の上側)の非表示領域NAAに配置された、図示しない検査回路や静電気対策素子等と接続される。なお、タッチ配線31の設置数によっては、1つのタッチ電極30に1本のみのタッチ配線31を接続してもよいが、1つのタッチ電極30に複数のタッチ配線31を接続してもよい。また、1つのタッチ電極30に接続するタッチ配線31の本数は、タッチ電極30の位置に応じて異なっていてもよい。その場合は、例えばドライバ11から遠いタッチ電極30に接続されるタッチ配線31の数を、ドライバ11に近いタッチ電極30に接続されるタッチ配線31の数よりも多くするのが好ましいが、必ずしもその限りではない。なお、図1では、タッチ電極30に対するタッチ配線31の接続箇所(第3配線コンタクトホールCH5)を黒丸にて図示している。さらにタッチ配線31は、検出回路と接続されている。検出回路は、ドライバ11に備えられてもよいが、フレキシブル基板12を介して液晶パネル10の外部に備えられてもよい。タッチ配線31の詳しい構成については、後に改めて説明する。
【0030】
タッチ配線31には、図1に示すように、ドライバ11から、画像表示機能に係る共通電位信号と、タッチパネル機能に係るタッチ信号(位置検出信号)と、が時分割して供給される。ドライバ11からタッチ配線31に共通電位信号が供給されるタイミングが表示期間である。ドライバ11からタッチ配線31にタッチ信号が供給されるタイミングがセンシング期間(位置検出期間)である。この共通電位信号は、同じタイミング(表示期間)で全てのタッチ配線31に伝送されることで、全てのタッチ電極30が共通電位信号に基づく基準電位となって共通電極25として機能する。
【0031】
液晶パネル10を構成するアレイ基板21及び対向基板20における表示領域AAの構成について図2を参照しつつ説明する。図2には、2列分の画素配列が図示されている。アレイ基板21の表示領域AAにおける内面側には、図2に示すように、TFT(スイッチング素子、薄膜トランジスタ)23及び画素電極24が設けられている。TFT23及び画素電極24は、複数ずつX軸方向及びY軸方向に沿って間隔を空けて並んでマトリクス状(行列状)に設けられている。これらTFT23及び画素電極24の周りには、互いに直交(交差)するゲート配線(第1配線、走査配線)26及びソース配線(第2配線、信号配線、データ配線)27が配設されている。ゲート配線26は、ジグザグ状に繰り返し屈曲されつつも概ねX軸方向に沿って延在し、表示領域AAを横断する。ゲート配線26は、複数がY軸方向に間隔を空けて並んで配される。ソース配線27は、Y軸方向に沿って概ね真っ直ぐに延在し、表示領域AAを縦断する。ソース配線27は、複数がX軸方向に間隔を空けて並んで配される。TFT23は、ゲート配線26とソース配線27とが交差する部位(交差部位)に隣接して配されている。画素電極24は、ゲート配線26とソース配線27との交差部位との間にX軸方向についてTFT23を挟む配置とされる。TFT23には、隣接する配置とされるゲート配線26、ソース配線27及び画素電極24がそれぞれ接続されている。TFT23は、ゲート配線26により伝送される走査信号に基づいて駆動され、その駆動に伴ってソース配線27により伝送される画像信号に基づく電位に画素電極24を充電することができる。
【0032】
画素電極24は、図2に示すように、平面に視て横長の長手状とされており、長手方向がX軸方向と一致し、短手方向がY軸方向と一致している。画素電極24における短手寸法に対する長手寸法の比率は3である。短手方向(Y軸方向)について隣り合う画素電極24の間にゲート配線26が介在するのに対し、長手方向(X軸方向)について隣り合う画素電極24の間にソース配線27及びTFT23が介在している。ゲート配線26の配列間隔は、画素電極24の短手寸法と同程度であり、ソース配線27の配列間隔は、画素電極24の長手寸法と同程度である。従って、仮に画素電極を縦長形状とした場合に比べると、ソース配線27の配列間隔が、画素電極24の短手寸法を長手寸法にて除した比率(例えば約1/3)程度となり、それに伴ってX軸方向についての単位長さ当たりのソース配線27の設置数が上記と同様の比率(例えば約1/3)程度となる。なお、仮に画素電極を縦長形状とした場合に比べると、ゲート配線26の配列間隔が、画素電極24の長手寸法を短手寸法にて除した比率(例えば約3)程度となり、それに伴ってX軸方向についての単位長さ当たりのゲート配線26の設置数が上記と同様の比率(例えば約3)程度となる。これにより、ソース配線27の設置数を削減することができるので、ソース配線27に供給される画像信号の数が削減される。
【0033】
なお、対向基板20側には、図2では二点鎖線にて図示される遮光部29及びスペーサ32が形成されている。遮光部29は、隣り合う画素電極24の間を仕切るよう平面形状が略格子状であり、平面に視て画素電極24の大部分と重畳する位置に画素開口部29Aを有している。この画素開口部29Aにより画素電極24の透過光を液晶パネル10の外部へ出光させることが可能とされる。遮光部29は、アレイ基板21側の少なくともTFT23、ゲート配線26、ソース配線27及びタッチ配線31と平面に視て重畳する配置とされる。スペーサ32は、一対の基板20,21の間の間隔を保持するためのものである。スペーサ32は、平面形状が略円形とされる。スペーサ32は、アレイ基板21に備わるゲート配線26とソース配線27との交差部位付近に配される。なお、スペーサ32は、セル厚み(アレイ基板21と対向基板20との距離、すなわち、液晶層22の厚さ)と同等の高さをもち、セル厚みを均等に保持する機能をもつメインスペーサと、セル外部から荷重がかかった際に支える機能をもつメインスペーサよりも一定量高さの小さいサブスペーサがある。図2ではスペーサ32がサブスペーサである例を示しているが、スペーサ32がメインスペーサであっても良い。
【0034】
図3を用いて液晶パネル10の断面構成を説明する。液晶パネル10は、図3に示すように、一対の基板20,21間に配されて電界印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶分子を含む液晶層(媒質層)22を有している。液晶パネル10を構成する対向基板20の内面側における表示領域AAには、青色(B)、緑色(G)及び赤色(R)を呈する3色のカラーフィルタ28が設けられている。互いに異なる色を呈する複数のカラーフィルタ28は、ソース配線27の延在方向(Y軸方向)に隣り合うよう並んで配される。互いに異なる色を呈する複数のカラーフィルタ28は、ゲート配線26の延在方向(概ねX軸方向)に沿って延在している。このように、互いに異なる色を呈する複数のカラーフィルタ28は、全体として横縞のストライプ状に配列されている。これらのカラーフィルタ28は、アレイ基板21側の各画素電極24と平面に視て重畳する配置とされている。互いに重畳するカラーフィルタ28と画素電極24とが表示単位である画素を構成する。互いに異なる色を呈する複数のカラーフィルタ28は、その境界(色境界)がゲート配線26と重畳する配置とされる。また、カラーフィルタ28の上層側(液晶層22側)には、平坦化のために対向基板20のほぼ全域にわたってベタ状に配されるオーバーコート膜33が設けられている。なお、両基板20,21のうち、液晶層22に接する最内面(最上層)には、液晶層22に含まれる液晶分子を配向させるための配向膜がそれぞれ形成されている。
【0035】
ここで、アレイ基板21の内面側に積層形成された各種の膜について図3及び図4を参照しつつ説明する。図4は、アレイ基板21におけるTFT23付近の断面図である。アレイ基板21には、図3及び図4に示すように、下層側(ガラス基板側)から順に第1金属膜(第1導電膜)、ゲート絶縁膜(第1絶縁膜)34、半導体膜、第2金属膜(第2導電膜)、第1層間絶縁膜(第2絶縁膜)35、平坦化膜(第2絶縁膜)36、第3金属膜(第3導電膜)、第2層間絶縁膜(第3絶縁膜)37、第1透明電極膜、第3層間絶縁膜(第4絶縁膜)38、第2透明電極膜が積層形成されている。第1金属膜、第2金属膜及び第3金属膜は、それぞれ銅、チタン、アルミニウム、モリブデン、タングステンなどの中から選択される1種類の金属材料からなる単層膜または異なる種類の金属材料からなる積層膜や合金とされることで導電性及び遮光性を有している。第1金属膜は、ゲート配線26の一部、TFT23のゲート電極23Aなどを構成する。第2金属膜は、ゲート配線26の一部、TFT23のソース電極23B及びドレイン電極23Cなどを構成する。第3金属膜は、ソース配線27、タッチ配線31などを構成する。半導体膜は、材料として例えば酸化物半導体、アモルファスシリコン等の半導体材料を用いた薄膜からなり、TFT23において半導体部23Dなどを構成する。第1透明電極膜及び第2透明電極膜は、透明電極材料(例えばITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)など)からなる。第1透明電極膜は、共通電極25(タッチ電極30)などを構成する。第2透明電極膜は、画素電極24などを構成する。
【0036】
ゲート絶縁膜34、第1層間絶縁膜35、第2層間絶縁膜37及び第3層間絶縁膜38は、それぞれ窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiO)等の無機絶縁材料からなる。無機絶縁材料からなるゲート絶縁膜34、第1層間絶縁膜35、第2層間絶縁膜37及び第3層間絶縁膜38の膜厚は、例えば200nm~700nm程度とされる。平坦化膜36は、例えばPMMA(アクリル樹脂)などの有機絶縁材料からなり、その膜厚が無機絶縁材料からなる他の絶縁膜34,35,37,38よりも大きい。有機絶縁材料からなる平坦化膜36の膜厚は、例えば1μm~3μm程度とされ、無機絶縁材料からなるゲート絶縁膜34、第1層間絶縁膜35、第2層間絶縁膜37及び第3層間絶縁膜38の膜厚よりも桁違いに大きい。この平坦化膜36によりアレイ基板21の表面が平坦化される。ゲート絶縁膜34は、下層側の第1金属膜と、上層側の半導体膜及び第2金属膜と、を絶縁状態に保つ。第1層間絶縁膜35及び平坦化膜36は、下層側の半導体膜及び第2金属膜と、上層側の第3金属膜と、を絶縁状態に保つ。第2層間絶縁膜37は、下層側の第3金属膜と、上層側の第1透明電極膜と、を絶縁状態に保つ。第3層間絶縁膜38は、下層側の第1透明電極膜と、上層側の第2透明電極膜と、を絶縁状態に保つ。
【0037】
図4及び図5を用いてTFT23の構成について詳しく説明する。図5には、図2と同じ範囲の画素配列が図示されており、図5では、アレイ基板21に備わる第1金属膜及び第2金属膜をそれぞれ異なる網掛け状にして図示する。TFT23は、図4及び図5に示すように、第1金属膜からなるゲート電極23Aを有する。ゲート電極23Aは、ゲート配線26から分岐してなる。詳しくは、ゲート電極23Aは、ゲート配線26の一部を、Y軸方向に沿って接続対象となる画素電極24側に向けて突出させてなり、平面に視て略方形状をなす。ゲート電極23Aには、ゲート配線26に伝送される走査信号が供給される。TFT23は、第2金属膜からなるソース電極23Bを有する。ソース電極23Bは、X軸方向に沿って延在し、一方の端部がソース配線27と重畳して配され、他方の端部が次述する半導体部23Dと重畳して配される。ソース配線27は、ソース電極23Bと重畳する部分が、他の部分よりも幅広とされており、当該幅広部分がソース電極23Bに接続されている。
【0038】
TFT23は、図4及び図5に示すように、第2金属膜からなるドレイン電極23Cを有する。ドレイン電極23Cは、Y軸方向に沿って延在する部分の両端部がX軸方向に沿って同じ側(図5の左側)に延出しており、全体の平面形状が門形をなしている。ドレイン電極23Cのうち、X軸方向に沿って延出する一方の端部は、ソース電極23Bとの間にX軸方向について間隔を空けた位置にて半導体部23Dと重畳して配される。ドレイン電極23Cのうち、X軸方向に沿って延出する他方の端部は、画素電極24の一部及び中間電極39の双方と重畳して配される。中間電極39は、Z軸方向について、第2金属膜からなるドレイン電極23Cと、第2透明電極膜からなる画素電極24と、の中間に位置する第3金属膜からなる。中間電極39は、ドレイン電極23Cのうちの一方の端部よりも一回り大きい方形状の平面形状とされる。第1層間絶縁膜35及び平坦化膜36のうち、ドレイン電極23C及び中間電極39の双方と重畳する位置には、第1画素コンタクトホールCH1が開口形成されている。中間電極39は、第1画素コンタクトホールCH1を通してドレイン電極23Cに接続されている。第2層間絶縁膜37及び第3層間絶縁膜38のうち、中間電極39及び画素電極24の双方と重畳する位置には、第2画素コンタクトホールCH2が開口形成されている。画素電極24は、第2画素コンタクトホールCH2を通して中間電極39に接続されている。このように、画素電極24は、中間電極39を介してドレイン電極23Cに接続されている。
【0039】
TFT23は、図4及び図5に示すように、半導体膜からなる半導体部23Dを有する。半導体部23Dは、平面に視てX軸方向に沿って延在する横長の方形状をなしている。半導体部23Dのうち、一方の端部がソース電極23Bに接続され、他方の端部がドレイン電極23Cに接続されている。半導体部23Dは、ゲート電極23Aに対してゲート絶縁膜34を介して重畳して配されている。そして、ゲート電極23Aに供給される走査信号に基づいてTFT23がオン状態にされると、ソース配線27からソース電極23Bに供給される画像信号は半導体部23Dを介してドレイン電極23Cへと供給され、その結果、画素電極24が画像信号に基づく電位に充電されるようになっている。
【0040】
本実施形態に係るゲート配線26は、図5及び図6に示すように、第1金属膜からなる下層配線部26Aと、第2金属膜からなる上層配線部26Bと、の積層構造とされる。図6は、アレイ基板21をゲート配線26に沿って切断した断面図である。下層配線部26A及び上層配線部26Bは、互いに重畳するとともに並行していて、ジグザグ状に繰り返し屈曲されつつも概ねX軸方向に沿って延在している。下層配線部26Aは、部分的にY軸方向に沿って突き出すゲート電極23Aを有する。ゲート電極23Aは、上層配線部26Bとは非重畳の配置とされる。ゲート絶縁膜34のうち、下層配線部26Aと上層配線部26Bとの双方と重畳する位置には、第1配線コンタクトホール(第1コンタクトホール)CH3が設けられている。上層配線部26Bは、第1配線コンタクトホールCH3を通して下層配線部26Aに接続されている。第1配線コンタクトホールCH3は、TFT23の半導体部23Dにおける中央部に対してY軸方向について間隔を空けた位置に配されている。第1配線コンタクトホールCH3は、X軸方向について画素1つ分程度の間隔を空けた位置に複数が並んで配されている。1つのゲート配線26に対して重畳配置される第1配線コンタクトホールCH3の設置数は、X軸方向に沿って並ぶ画素(TFT23、画素電極24)の並び数と等しい。以上のように、本実施形態に係るゲート配線26は、ゲート絶縁膜34の第1配線コンタクトホールCH3を通して相互に接続される下層配線部26Aと上層配線部26Bとの積層構造とされているから、仮に第1金属膜のみからなる単層構造とされる場合に比べると、配線抵抗が低減される。これにより、ゲート配線26により伝送される走査信号に鈍りが生じ難くなる。
【0041】
その上で、本実施形態に係るソース配線27は、図6及び図7に示すように、第3金属膜(第3導電膜)からなる。図7には、図2と同じ範囲の画素配列が図示されており、図7では、アレイ基板21に備わる第3金属膜及び第2透明電極膜をそれぞれ異なる網掛け状にして図示する。互いに交差するソース配線27とゲート配線26を構成する上層配線部26Bとの間には、第1層間絶縁膜35及び平坦化膜36が介在している。この第1層間絶縁膜35及び平坦化膜36によってゲート配線26とソース配線27とが絶縁状態に保たれている。これら第1層間絶縁膜35及び平坦化膜36の膜厚の合計は、マイクロメートルオーダーであり、ナノメートルオーダーとされるゲート絶縁膜34の膜厚よりも桁違いに大きい。従って、仮に、ゲート配線26とソース配線27との間にゲート絶縁膜34の膜厚と同じ膜厚の絶縁膜が介在する場合に比べると、ゲート配線26とソース配線27との間に生じ得る寄生容量が軽減される。また、平坦化膜36としては、ゲート絶縁膜34として用いられる無機絶縁材料の比誘電率(例えば比誘電率4~8)よりも小さい比誘電率(例えば比誘電率3~4)の有機絶縁材料を用いることができる。これにより、ゲート配線26の負荷が軽減され、ゲート配線26により伝送される走査信号に鈍りが生じ難くなる。
【0042】
以上のように、本実施形態によれば、ゲート配線26により伝送される走査信号に鈍りが生じ難くなっているので、画素電極24を横長形状とするのに伴って、ゲート配線26の設置数が、画素電極を縦長形状とした場合との比較で、3倍程度となり、1本のゲート配線26に走査信号が供給される時間(TFT23の書き込み時間)が1/3程度となる場合であっても、TFT23を適切に駆動させ、画素電極24を適切に充電することができる。それ以外にも、例えば、液晶パネル10が極端な横長形状とされるのに伴って、ゲート配線26の長さが極端に長くなり、ゲート配線26の配線抵抗が高くなることが懸念される場合に好適である。
【0043】
本実施形態では、ソース配線27が第3金属膜からなるので、TFT23のソース電極23Bとの接続構造が次のようになっている。すなわち、第2金属膜からなるソース電極23Bと、第3金属膜からなるソース配線27と、の重畳部位の間に介在する第1層間絶縁膜35及び平坦化膜36には、図4に示すように、第2配線コンタクトホールCH4が設けられている。第2配線コンタクトホールCH4は、ソース電極23Bにおける一方の端部と、ソース配線27の幅広部分と、の双方と重畳する位置に配されている。ソース配線27は、第2配線コンタクトホールCH4を通してソース電極23Bに接続されている。
【0044】
図3図4及び図7を用いて画素電極24の詳しい構成について説明する。画素電極24は、図7に示すように、平面形状が横長形状の画素電極本体24Aを有する。画素電極本体24Aは、その長手方向について途中で屈曲している。詳しくは、画素電極本体24Aは、長手側の両側縁がX軸方向に対して僅かに傾斜するとともにほぼ中央位置にて一度屈曲されていて浅い逆V字型をなしている。画素電極本体24Aは、X軸方向に対して傾いた第1斜め方向に沿って延在する第1画素電極部24A1と、X軸方向に対して傾き且つ第1斜め方向に対して交差する第2斜め方向に沿って延在する第2画素電極部24A2と、第1画素電極部24A1と第2画素電極部24A2との間に挟まれる屈曲部24A3と、を含む。上記した第1斜め方向は、図7において左下から右上へ向かう方向である。上記した第2斜め方向は、図7において左上から右下へ向かう方向である。屈曲部24A3は、平面に視て逆V字型をなしており、タッチ配線31に対して傾く関係とされる。屈曲部24A3は、画素電極本体24Aのうちの長手方向についての中央部である。画素電極本体24Aには、図3及び図7に示すように、長手側の側縁に沿って延在する複数(図7では4本)のスリット24A4が形成されている。スリット24A4は、第1画素電極部24A1、第2画素電極部24A2及び屈曲部24A3にわたって連続的に設けられている。なお、スリット24A4の具体的な設置本数や形状や形成範囲などは、図示以外にも適宜に変更可能である。例えば、図7に示す屈曲部24A3は、第1斜め方向及び第2斜め方向と異なる方向に沿って延在する逆V字型の部分を備えているが、第1斜め方向及び第2斜め方向と異なる方向に沿って延在する部分を備えずに、第1斜め方向及び第2斜め方向と同じ方向に沿って延在する逆V字型にも変更可能である。
【0045】
画素電極24は、図7に示すように、画素電極本体24AからX軸方向に沿って片側に突出するコンタクト部24Bを有する。コンタクト部24Bは、第1画素電極部24A1から図7の左向きに突出し、ドレイン電極23Cの他方の端部及び中間電極39に対して重畳して配されている。コンタクト部24Bは、平面に視て方形状をなしている。コンタクト部24Bは、図4に示すように、中間電極39を介してドレイン電極23Cの他方の端部に接続される。複数の画素電極24は、図3に示すように、共通電極25に対して第3層間絶縁膜38を介して上層側に重畳して配されている。このような構成の画素電極24が充電されると、画素電極24と重畳する共通電極25との間に電位差が生じる。すると、画素電極24におけるスリット24A4の開口縁と共通電極25との間には、アレイ基板21の主面に沿う成分に加えて、アレイ基板21の主面に対する法線方向の成分を含むフリンジ電界(斜め電界)が生じる。このフリンジ電界を利用することで液晶層22に含まれる液晶分子の配向状態を制御することができる。つまり、本実施形態に係る液晶パネル10は、動作モードがFFS(Fringe Field Switching)モードとされている。
【0046】
図6及び図7を用いてタッチ配線31について説明する。タッチ配線31は、図7に示すように、画素電極24の画素電極本体24Aのうちの屈曲部24A3に対して重畳して配されている。つまり、タッチ配線31は、画素電極本体24Aの中央部をその短手方向に沿って横切る形で配されている。複数ずつのタッチ配線31及びソース配線27は、間に画素電極24の長手寸法の半分程度の間隔を空けてX軸方向について交互に繰り返し並ぶ配列とされる。詳しくは、タッチ配線31と、タッチ配線31に対して図7の左側に位置するソース配線27と、の間には、第1画素電極部24A1及びTFT23が挟まれている。タッチ配線31と、タッチ配線31に対して図7の右側に位置するソース配線27と、の間には、第2画素電極部24A2が挟まれている。
【0047】
タッチ配線31は、図7に示すように、Y軸方向に沿って延在するタッチ配線本体(第3配線本体)31Aと、タッチ配線本体31Aから分岐する第1分岐部31Bと、を有する。タッチ配線本体31Aは、画素電極本体24A及びゲート配線26に対して交差する関係とされる。第1分岐部31Bは、タッチ配線本体31Aのうち、所定のゲート配線26と交差する部位から当該ゲート配線26に沿って延出するよう分岐されている。第1分岐部31Bは、1つのタッチ配線本体31AにおいてY軸方向について間隔を空けた位置に複数が設けられている。第1分岐部31Bは、図6に示すように、タッチ電極30(共通電極25)及びゲート配線26の一部ずつと重畳して配されている。詳しくは、第1分岐部31Bは、ゲート配線26を構成する上層配線部26Bに対して第1層間絶縁膜35及び平坦化膜36を介して上層側に重畳配置され、タッチ電極30に対して第2層間絶縁膜37を介して下層側に重畳配置されている。第1分岐部31Bとタッチ電極30との間に介在する第2層間絶縁膜37には、第3配線コンタクトホール(第2コンタクトホール)CH5が設けられている。第3配線コンタクトホールCH5は、第2層間絶縁膜37のうち、タッチ電極30とタッチ配線31の第1分岐部31Bとの双方と重畳する位置に配されている。タッチ電極30は、第3配線コンタクトホールCH5を通して第1分岐部31Bに接続されている。
【0048】
このようにすれば、タッチ電極30は、第3配線コンタクトホールCH5を通して接続されるタッチ配線31により供給される信号に基づく電位とされる。ここで、長手状をなす画素電極24の屈曲部24A3付近では、共通電極25との間に生じる電界に乱れが生じ易いため、それに起因して表示に不具合が生じ易い傾向にある。その点、屈曲部24A3には、タッチ配線31が第2層間絶縁膜37及び第3層間絶縁膜38を介して重畳して配されているので、屈曲部24A3付近において表示に不具合が生じた場合でも、タッチ配線31によって光を遮ることが可能とされる。これにより、表示品位を良好に保つことができる。また、タッチ配線本体31Aから分岐する第1分岐部31Bが、ゲート配線26の一部と重畳して配されているので、仮に第1分岐部及び第3配線コンタクトホールを画素電極24の一部と重畳させた場合に比べると、第3配線コンタクトホールCH5に起因して表示に不具合が生じた場合でも、ゲート配線26によって光を遮ることが可能とされる。これにより、表示品位を良好に保つことができる。
【0049】
図8及び図9を用いて共通電極25(タッチ電極30)について説明する。図8には、図2と同じ範囲の画素配列が図示されており、図8では、アレイ基板21に備わる第1透明電極膜を網掛け状にして図示する。なお、図8には、4つのタッチ電極30が図示されている。図9は、アレイ基板21のうちタッチ配線31付近の断面図である。共通電極25に設けられる仕切開口部25Aに含まれる第1仕切開口部25A1は、図8及び図9に示すように、複数のタッチ配線31のうちの特定のタッチ配線31(X軸方向について隣り合うタッチ電極30の間に介在する配置のタッチ配線31)と重畳して配されている。また、仕切開口部25Aに含まれる第2仕切開口部25A2は、複数のゲート配線26のうちの特定のゲート配線26(Y軸方向について隣り合うタッチ電極30の間に介在する配置のゲート配線26)と重畳して配されている。以下では、共通電極25に複数備わる第1仕切開口部25A1のうち、図8に示される第1仕切開口部25A1を「第1開口部40」とする。また、第1開口部40に対して図8の左側に位置するタッチ電極30を「第1電極部41」とし、第1開口部40に対して図8の右側に位置するタッチ電極30を「第2電極部42」とする。
【0050】
第1開口部40は、図8及び図9に示すように、ソース配線27及びタッチ配線31の延在方向であるY軸方向に沿って延在し、共通電極25を、第1電極部41と第2電極部42とに分割する。第1開口部40は、画素電極24の画素電極本体24Aのうちの屈曲部24A3と重畳して配されており、ソース配線27とは非重畳の関係とされる。このように、第1開口部40が全てのソース配線27に対して非重畳となる配置とされているので、仮に第1開口部が複数のソース配線27のうちの特定のソース配線27に対して重畳し、残りのソース配線27とは非重畳となるよう配される場合に比べると、複数のソース配線27と共通電極25との間に生じる寄生容量を均等化することができる。これにより、ソース配線27により伝送される画像信号に基づいて充電される画素電極24の電位が安定したものとなる。また、第1開口部40は、タッチ配線31と重畳して配されている。ここで、共通電極25の第1開口部40付近では、重畳する画素電極24との間に生じる電界に乱れが生じやすいため、それに起因して表示に不具合が生じ易い傾向にある。その点、第1開口部40が、タッチ配線31に対して重畳して配されており、表示期間においてはタッチ配線31に共通電位信号が供給されているので、電界の乱れを抑制できる。また、第1開口部40付近において表示に不具合が生じた場合でも、タッチ配線31によって光を遮ることが可能とされる。これにより、表示品位を良好に保つことができる。
【0051】
また、共通電極25には、図8に示すように、TFT23の一部(第1画素コンタクトホールCH1及び第2画素コンタクトホールCH2付近)と重畳するTFT開口25Bが形成されている。TFT開口25Bは、共通電極25のうち、複数のTFT23のそれぞれと重畳する位置に複数が形成されている。複数のTFT開口25Bは、共通電極25においてX軸方向及びY軸方向に間隔を空けてマトリクス状に並んで配される。共通電極25は、TFT開口25Bによって画素電極24との短絡が避けられている。また、共通電極25には、複数のタッチ配線31のうち、第1開口部40とは非重畳となる配置のタッチ配線31と重畳する配線開口25Cが形成されている。配線開口25Cは、第1開口部40と同様に、ソース配線27及びタッチ配線31の延在方向(Y軸方向)に沿って延在する細長い(縦長の)スリット状をなしている。配線開口25Cは、第1開口部40と同様に、画素電極24の画素電極本体24Aのうちの屈曲部24A3やゲート配線26を横切る。配線開口25Cは、1つのタッチ電極30において複数がY軸方向について間隔を空けて配されており、当該タッチ電極30を左右に分断することがない。タッチ電極30のうち、Y軸方向について隣り合う配線開口25Cの間に残される部分は、例えば特定のゲート配線26と重畳する配置とされてもよい。
【0052】
また、タッチ配線31には、図7に示すように、タッチ配線本体31Aから分岐する遮蔽部31Cを有する。遮蔽部31Cは、タッチ配線本体31Aのうち、第2仕切開口部25A2と重畳するゲート配線26と交差する部位から当該ゲート配線26に沿って延出するよう分岐されている。遮蔽部31Cは、タッチ配線本体31Aから図7に示す左右両側にそれぞれ一対が延出しており、全体として画素電極24の長手側の側縁に倣って浅い逆V字型をなしている。遮蔽部31Cは、第2仕切開口部25A2と重畳するとともに、ゲート配線26の一部と重畳して配されている。このようにすれば、ゲート配線26と、タッチ電極30のうち第2仕切開口部25A2に臨む縁部と、の間に生じる電界、及び、第2仕切開口部25A2を介してゲート配線26と画素電極25との間に生じる電界を遮蔽部31Cによって好適に遮蔽することができる。これにより、上記した電界に起因する表示品位の劣化が抑制される。また、遮蔽部31Cがゲート配線26に対して重畳することで、遮蔽部31Cに起因して開口率(透過光量)が低下するのが避けられている。
【0053】
また、対向基板20に備わる遮光部29は、図2に示すように、TFT23、ゲート配線26、ソース配線27及びタッチ配線31のそれぞれと重畳するよう設けられている。つまり、遮光部29は、画素電極24の画素電極本体24Aのうちの屈曲部24A3と重畳するとともに、共通電極25の仕切開口部25Aと重畳する。このようにすれば、共通電極25の仕切開口部25A(第1開口部40を含む)付近や画素電極24の画素電極本体24Aのうちの屈曲部24A3付近において、画素電極24と共通電極25との間に生じる電界に局所的な乱れが生じた場合でも、それに起因して生じる表示不良が遮光部29によって視認され難くなる。また、遮光部29の画素開口部29Aは、画素電極24の画素電極本体24Aのうちの第1画素電極部24A1及び第2画素電極部24A2に対して選択的に重畳する配置とされる。
【0054】
以上説明したように本実施形態のアレイ基板(配線基板)21は、ゲート配線(第1配線)26と、ゲート配線26と交差するソース配線(第2配線)27と、を備え、ゲート配線26は、第1金属膜(第1導電膜)からなる下層配線部26Aと、第1金属膜に対してゲート絶縁膜(第1絶縁膜)34を介して上層側に配される第2金属膜(第2導電膜)からなる上層配線部26Bと、からなり、ゲート絶縁膜34のうち、下層配線部26Aと上層配線部26Bとの双方と重畳する位置には、下層配線部26Aと上層配線部26Bとを接続する第1配線コンタクトホール(第1コンタクトホール)CH3が設けられ、ソース配線27は、第2金属膜に対して第2絶縁膜である第1層間絶縁膜35及び平坦化膜36を介して上層側に配される第3金属膜(第3導電膜)からなり、第2絶縁膜である第1層間絶縁膜35及び平坦化膜36は、ゲート絶縁膜34よりも膜厚が大きい。
【0055】
ゲート配線26は、ゲート絶縁膜34の第1配線コンタクトホールCH3を通して相互に接続される下層配線部26Aと上層配線部26Bとの積層構造とされているから、仮に単層構造とされる場合に比べると、配線抵抗が低減される。これにより、ゲート配線26により伝送される信号に鈍りが生じ難くなる。互いに交差するゲート配線26及びソース配線27は、間に介在する第2絶縁膜である第1層間絶縁膜35及び平坦化膜36によって絶縁状態に保たれる。この第2絶縁膜である第1層間絶縁膜35及び平坦化膜36の膜厚がゲート絶縁膜34の膜厚よりも大きいので、仮に第2絶縁膜の膜厚をゲート絶縁膜34の膜厚と同じとした場合に比べると、ゲート配線26とソース配線27との間に生じ得る寄生容量が軽減される。これにより、ゲート配線26の負荷が軽減され、ゲート配線26により伝送される信号に鈍りが生じ難くなる。
【0056】
また、画素電極24と、ゲート配線26、ソース配線27及び画素電極24に接続されるTFT(スイッチング素子)23と、画素電極24に対して重畳して配される共通電極25と、を備え、共通電極25は、ソース配線27に沿って延在する第1開口部40と、第1開口部40によって分割される第1電極部41及び第2電極部42と、を有しており、第1開口部40は、画素電極24の一部と重畳して配される。ゲート配線26により伝送される信号に基づいてTFT23が駆動されると、画素電極24は、ソース配線27により伝送される信号に基づく電位に充電される。共通電極25の第1開口部40は、画素電極24の一部と重畳して配されていて、ソース配線27とは非重畳の関係とされる。このようにすれば、ソース配線27が複数備わる場合において、複数のソース配線27と共通電極25との間に生じる寄生容量を均等化することができる。これにより、ソース配線27により伝送される信号に基づいて充電される画素電極24の電位が安定したものとなる。
【0057】
また、第3金属膜のうちのソース配線27とは別の部分からなり、ゲート配線26と交差するタッチ配線(第3配線)31を備え、画素電極24は、ゲート配線26に沿う長手状をなしていて長手方向についての途中に屈曲部24A3を有しており、共通電極25は、第3金属膜に対して第2層間絶縁膜(第3絶縁膜)37を介して上層側に配される第1透明電極膜と、第1透明電極膜に対して第3層間絶縁膜(第4絶縁膜)38を介して上層側に配される第2透明電極膜と、のうちの一方の透明電極膜である第1透明電極膜からなり、画素電極24は、第1透明電極膜と第2透明電極膜とのうちの他方の透明電極膜である第2透明電極膜からなり、タッチ配線31は、屈曲部24A3に対して重畳して配され、少なくとも第2層間絶縁膜37のうちの共通電極25及びタッチ配線31の双方と重畳する位置には、共通電極25とタッチ配線31とを接続する第3配線コンタクトホール(第2コンタクトホール)CH5が設けられる。共通電極25は、第3配線コンタクトホールCH5を通して接続されるタッチ配線31により供給される信号に基づく電位とされる。ここで、長手状をなす画素電極24の屈曲部24A3付近では、共通電極25との間に生じる電界に乱れが生じ易いため、それに起因して表示に不具合が生じ易い傾向にある。その点、屈曲部24A3には、タッチ配線31が少なくとも第2層間絶縁膜37を介して重畳して配されているので、屈曲部24A3付近において表示に不具合が生じた場合でも、タッチ配線31によって光を遮ることが可能とされる。これにより、表示品位を良好に保つことができる。
【0058】
また、タッチ配線31は、ゲート配線26と交差するタッチ配線本体(第3配線本体)31Aと、タッチ配線本体31Aから分岐し、共通電極25及びゲート配線26の一部ずつと重畳して配される第1分岐部31Bと、を有しており、第3配線コンタクトホールCH5は、第1分岐部31Bと重畳して配される。第1分岐部31Bが第3配線コンタクトホールCH5を通して共通電極25に接続されることで、タッチ配線31により伝送される信号が共通電極25に供給される。タッチ配線本体31Aから分岐する第1分岐部31Bが、共通電極25及びゲート配線26の一部ずつと重畳して配されているので、仮に第1分岐部及び第3配線コンタクトホールを画素電極24の一部と重畳させた場合に比べると、第3配線コンタクトホールCH5に起因して表示に不具合が生じた場合でも、ゲート配線26によって光を遮ることが可能とされる。これにより、表示品位を良好に保つことができる。
【0059】
また、共通電極25は、第1開口部40がタッチ配線31と重畳して設けられる。共通電極25の第1開口部40付近では、重畳する画素電極24との間に生じる電界に乱れが生じやすいため、それに起因して表示に不具合が生じ易い傾向にある。その点、第1開口部40が、タッチ配線31に対して重畳して配されており、表示期間においてはタッチ配線31に共通電位信号が供給されているので、電界の乱れを抑制できる。また、第1開口部40付近において表示に不具合が生じた場合でも、タッチ配線31によって光を遮ることが可能とされる。これにより、表示品位を良好に保つことができる。
【0060】
また、ゲート絶縁膜34は、無機絶縁材料からなり、第2絶縁膜である平坦化膜36は、有機絶縁材料からなる。有機絶縁材料からなる第2絶縁膜である平坦化膜36の膜厚は、無機絶縁材料からなるゲート絶縁膜34の膜厚よりも遙かに大きくなる。また、平坦化膜36としては、ゲート絶縁膜34として用いられる無機絶縁材料の比誘電率(例えば比誘電率4~8)よりも小さい比誘電率(例えば比誘電率3~4)の有機絶縁材料を用いることができる。これにより、ゲート配線26とソース配線27との間に生じ得る寄生容量がより軽減されるので、ゲート配線26により伝送される信号により鈍りが生じ難くなる。
【0061】
また、本実施形態に係る液晶パネル(表示装置)10は、上記記載のアレイ基板21と、アレイ基板21と対向状に配される対向基板20と、を備える。このような構成の液晶パネル10によれば、ゲート配線26により伝送される信号に鈍りが生じ難くなっているので、優れた表示品位が得られる。
【0062】
<実施形態2>
実施形態2を図10または図11よって説明する。この実施形態2では、第1配線コンタクトホールCH103の配置を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0063】
本実施形態に係る第1配線コンタクトホールCH103は、図10及び図11に示すように、ソース配線127と重畳して配される。図10には、図2と同じ範囲の画素配列が図示されている。図11には、図6と同じ位置の断面構成が図示されている。詳しくは、第1配線コンタクトホールCH103は、ゲート配線126の一部と重畳すればよく、ゲート配線126の形成範囲内において一定の配置自由度を有する。本実施形態では、ゲート配線126の延在方向であるX軸方向に沿って並ぶソース配線127、TFT123及び画素電極124のうち、ソース配線127と重畳する位置に第1配線コンタクトホールCH103が配置されている。このようにすれば、上記した実施形態1のように第1配線コンタクトホールCH3がソース配線127とは非重畳でTFT123に対して隣り合う配置とされる場合に比べると、第1配線コンタクトホールCH103とTFT123との間の距離が大きくなる。ここで、第1配線コンタクトホールCH3が配置される部分において、下層配線部26Aと上層配線部26Bとの接続面積を大きくするために、下層配線部26Aと上層配線部26Bの幅を太くする場合がある。例えば、図2において、下層配線部26Aと上層配線部26Bは、第1配線コンタクトホールCH3が配置される部分において、図2の下側に突出するように拡幅している。この拡幅部分とTFT23の一部(例えばTFT23のドレイン電極23C)との距離が小さい場合、短絡が生じやすくなるが、本実施形態では、第1配線コンタクトホールCH103と通して接続される下層配線部126Aと上層配線部126Bとの接続部位がTFT123に短絡する事態が生じ難くなる。なお、本実施形態のTFT123のドレイン電極123Cの平面形状は、上記した実施形態1のドレイン電極23Cとは異なっている。具体的には、上記した実施形態1のドレイン電極23Cの全体の平面形状は門形であったが、本実施形態のドレイン電極123CはL字型の平面形状である。本実施形態のようなドレイン電極123Cの平面形状の場合、上記した実施形態1のドレイン電極23Cに比べて、ゲート電極123Aとドレイン電極123Cとの寄生容量が大きくなる懸念がある反面、開口率を大きくすることができる。また、本実施形態では、表示領域AA内のスペーサを配置されない部分の例を示しているが、上記した実施形態1と同様にスペーサが配置されていてもよい。
【0064】
以上説明したように本実施形態によれば、画素電極124と、ゲート配線126、ソース配線127及び画素電極124に接続されるTFT123と、を備え、ソース配線127、TFT123及び画素電極124は、ゲート配線126に沿って並んで配されており、第1配線コンタクトホールCH103は、ソース配線127と重畳して配される。ゲート配線126により伝送される信号に基づいてTFT123が駆動されると、画素電極124は、ソース配線127により伝送される信号に基づく電位に充電される。ゲート配線126に沿って並ぶソース配線127、TFT123及び画素電極124のうちのソース配線127と重畳する位置に第1配線コンタクトホールCH103が配されているから、仮に第1配線コンタクトホールがソース配線127とは非重畳でTFT123に対して隣り合う配置とされる場合に比べると、第1配線コンタクトホールCH103とTFT123との間の距離が大きくなる。これにより、第1配線コンタクトホールCH103と通して接続される下層配線部126Aと上層配線部126Bとの接続部位がTFT123に短絡する事態が生じ難くなる。
【0065】
<実施形態3>
実施形態3を図12から図16によって説明する。この実施形態3では、上記した実施形態2に、接続配線43を追加した場合を示す。なお、上記した実施形態2と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0066】
本実施形態に係るアレイ基板221には、図12に示すように、タッチ電極230に接続される接続配線(第4配線)43が設けられている。図12には、ドライバ211、タッチ電極230、タッチ配線231及び接続配線43が模式的に図示されている。接続配線43は、タッチ配線231と同様に、Y軸方向に沿って延在し、Y軸方向についての形成範囲が、接続対象のタッチ電極230の同形成範囲に限られている。接続配線43には、接続対象のタッチ電極230と重畳して配される第1接続配線43αと、第1仕切開口部225A1と重畳して配される第2接続配線43βと、が含まれる。いずれの接続配線43においても、接続対象のタッチ電極230に対して複数箇所で接続されている。なお、図12では、タッチ電極230に対する接続配線43の接続箇所(後述する第3配線コンタクトホールCH6及び第4配線コンタクトホールCH7)を黒丸にて図示している。このような接続配線43によってタッチ電極230の抵抗分布が低減される。本実施形態のタッチ配線231は、接続対象のタッチ電極230よりもドライバ211側(図12の下側)とは反対側(図12の上側)に非配置とされ、タッチ電極230と重畳する第1接続配線43αは、タッチ配線231に対してY軸方向にドライバ211側とは反対側に間隔を空けて配されている。つまり、第1接続配線43αは、タッチ配線231と同列に位置する。第1接続配線43αは、タッチ配線231が非配置とされるスペースを利用して配置されている、と言える。タッチ電極230に対して重畳配置される第1接続配線43αの数は、ドライバ211から遠いタッチ電極230が、ドライバ211に近いタッチ電極230よりも多い。
【0067】
接続配線43は、図13に示すように、タッチ配線231と同様に、第3金属膜からなり、画素電極224及びゲート配線226と交差して配されている。図13には、3列分の画素配列が図示されており、図13では、アレイ基板221に備わる第3金属膜及び第2透明電極膜をそれぞれ異なる網掛け状にして図示する。詳しくは、接続配線43は、Y軸方向に沿って延在する接続配線本体(第4配線本体)43Aと、接続配線本体43Aから分岐して図13の左側に延出する第2分岐部43Bと、接続配線本体43Aから分岐して図13の右側に延出する第3分岐部43Cと、を有する。接続配線本体43Aは、画素電極224の画素電極本体224Aのうちの屈曲部224A3を横切るよう配されている。第2分岐部43Bは、接続配線本体43Aのうち、所定のゲート配線226と交差する部位から当該ゲート配線226に沿って延出するよう分岐されている。第2分岐部43Bは、タッチ電極230(共通電極225)及びゲート配線226の一部ずつと重畳して配されている。第3分岐部43Cは、接続配線本体43Aのうち、第2分岐部43Bが重畳するゲート配線226とは異なるゲート配線226と交差する部位から当該ゲート配線226に沿って延出するよう分岐されている。第3分岐部43Cは、タッチ電極230(共通電極225)及びゲート配線226の一部ずつと重畳して配されている。本実施形態に係るタッチ配線231は、接続配線43に備わる第2分岐部43B及び第3分岐部43Cと同様に、図13の左右にそれぞれ延出する2つの第1分岐部231Bを有している。
【0068】
共通電極225に設けられる配線開口225Cは、図14に示すように、タッチ配線231と重畳する位置に加えて、ソース配線227及び第1接続配線43αのそれぞれに対して重畳する位置にも配されている。図14には、図13と同じ範囲の画素配列が図示されており、図14では、アレイ基板221に備わる第1透明電極膜を網掛け状にして図示する。配線開口225Cには、タッチ配線231と重畳する第1配線開口225C1と、ソース配線227と重畳する第2配線開口225C2と、第1接続配線43αと重畳する第3配線開口225C3と、が含まれる。第2配線開口225C2は、Y軸方向について第1配線コンタクトホールCH203からソース電極223Bに至るまでの範囲に設けられている。このような形成範囲とされる第2配線開口225C2は、複数がY軸方向について間隔を空けて配されており、タッチ電極230を左右に分断することがない。共通電極225に第2配線開口225C2が設けられることで、ソース配線227と共通電極225との間に生じ得る寄生容量が低減される。特に、ソース配線227と共通電極225との間に介在する第2層間絶縁膜237の膜厚が薄くなる場合に好適である。
【0069】
これに対し、第1配線開口225C1及び第3配線開口225C3は、図14に示すように、いずれもタッチ電極230においてY軸方向について全長にわたって設けられている。従って、タッチ電極230は、第1配線開口225C1及び第3配線開口225C3によって複数に分割されている。以下では、共通電極225に複数備わる第1仕切開口部225A1のうち、図14に示される第1仕切開口部225A1を「第1開口部240」とし、第1開口部240に対して図14の左側に位置するタッチ電極230を「第1電極部241」とし、図14の右側に位置するタッチ電極230を「第2電極部242」とする。本実施形態では、第1開口部240には、タッチ配線231ではなく、第2接続配線43βが重畳して配されている、また、共通電極225に複数備わる配線開口225Cのうち、図14におけるX軸方向についての中央付近に位置する第3配線開口225C3を、第1接続配線43αの大部分(後述する接続配線本体43A)と重畳する「第2開口部44」とする。また、第1電極部241のうち、第2開口部44に対して図14の左側に位置する部分を「第3電極部45」とし、図14の右側に位置する部分を「第4電極部46」とする。本実施形態では、共通電極25には、第1電極部241と第2電極部242とを分割する第1開口部240に加えて、第1電極部241を構成する第3電極部45と第4電極部46とを分割する第2開口部44が設けられているから、仮に第2開口部が非形成の場合に比べると、第1開口部240が目立って視認される事態が生じ難くなる。これにより、表示品位を良好に保つことができる。
【0070】
第1接続配線43αに備わる接続配線本体43Aは、図13及び図15に示すように、第2開口部44と重畳して配されている。図15には、第1接続配線43αとタッチ電極230との接続箇所に係る断面構成が図示されている。第1接続配線43αに備わる第2分岐部43Bは、第3電極部45と重畳して配されている。第1接続配線43αに備わる第3分岐部43Cは、第4電極部46と重畳して配されている。第2分岐部43Bと第3電極部45との間に介在する第2層間絶縁膜237には、第4配線コンタクトホール(第3コンタクトホール)CH6が設けられている。第4配線コンタクトホールCH6は、第2層間絶縁膜237のうち、第2分岐部43Bと第3電極部45との双方と重畳する位置に配されている。第3電極部45は、第4配線コンタクトホールCH6を通して第2分岐部43Bに接続されている。第3分岐部43Cと第4電極部46との間に介在する第2層間絶縁膜237には、第5配線コンタクトホール(第4コンタクトホール)CH7が設けられている。第5配線コンタクトホールCH7は、第2層間絶縁膜237のうち、第3分岐部43Cと第4電極部46との双方と重畳する位置に配されている。第4電極部46は、第5配線コンタクトホールCH7を通して第3分岐部43Cに接続されている。以上のように、第1電極部41を構成する第3電極部45及び第4電極部46は、第4配線コンタクトホールCH6及び第5配線コンタクトホールCH7を通して接続される接続配線43によって短絡される。これにより、第3電極部45と第4電極部46とを同電位に保つことができ、第1電極部241における抵抗分布を低減させることができる。なお、タッチ配線231に備わる2つの第1分岐部231Bは、上記した第2分岐部43B及び第3分岐部43Cと同様の構成であり、接続対象のタッチ電極230に対してそれぞれ接続されている。
【0071】
第2接続配線43βに備わる接続配線本体43Aは、図14及び図16に示すように、第1開口部240と重畳して配されている。図16には、第2接続配線43βとタッチ電極230との接続箇所に係る断面構成が図示されている。第2接続配線43βに備わる第2分岐部43Bは、第1電極部241と重畳して配されている。第2接続配線43βに備わる第3分岐部43Cは、第2電極部242と重畳して配されている。第2分岐部43Bと第1電極部241との間に介在する第2層間絶縁膜237には、第6配線コンタクトホールCH8が設けられている。第6配線コンタクトホールCH8は、第2層間絶縁膜237のうち、第2分岐部43Bと第1電極部241との双方と重畳する位置に配されている。第1電極部241は、第6配線コンタクトホールCH8を通して第2分岐部43Bに接続されている。この第2接続配線43βによって第1電極部241における抵抗分布を低減させることができる。一方、第2層間絶縁膜237のうち、第3分岐部43Cと第2電極部242との双方と重畳する位置には、コンタクトホールが非形成とされる。これにより、それぞれ異なるタッチ電極230を構成する第1電極部241と第2電極部242とが短絡するのが防がれる。
【0072】
以上説明したように本実施形態によれば、第3金属膜のうちのソース配線227及びタッチ配線231とは別の部分からなり、ゲート配線226と交差する接続配線(第4配線)43を備え、共通電極225は、接続配線43に沿って延在して第1電極部241を第3電極部45と第4電極部46とに分割する第2開口部44を有しており、接続配線43は、ゲート配線226と交差して第2開口部44と重畳して配される接続配線本体(第4配線本体)43Aと、接続配線本体43Aから分岐して第3電極部45と重畳して配される第2分岐部43Bと、接続配線本体43Aから分岐して第4電極部46と重畳して配される第3分岐部43Cと、を有しており、少なくとも第2層間絶縁膜237には、第3電極部45及び第2分岐部43Bの双方と重畳する位置に第3電極部45と第2分岐部43Bとを接続する第4配線コンタクトホール(第3コンタクトホール)CH6と、第4電極部46及び第3分岐部43Cの双方と重畳する位置に第4電極部46と第3分岐部43Cとを接続する第5配線コンタクトホール(第4コンタクトホール)CH7と、が設けられる。第1電極部41を構成する第3電極部45及び第4電極部46は、第4配線コンタクトホールCH6及び第5配線コンタクトホールCH7を通して接続される接続配線43によって短絡される。これにより、第3電極部45と第4電極部46とを同電位に保つことができ、抵抗分布を低減させることができる。共通電極25には、第1電極部241と第2電極部242とを分割する第1開口部240に加えて、第1電極部241を構成する第3電極部45と第4電極部46とを分割する第2開口部44が設けられているから、仮に第2開口部が非形成の場合に比べると、第1開口部240が目立って視認される事態が生じ難くなる。これにより、表示品位を良好に保つことができる。
【0073】
<実施形態4>
実施形態4を図17によって説明する。この実施形態4では、上記した実施形態2から画素電極324の構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態2と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0074】
本実施形態に係る画素電極324の画素電極本体324Aは、図17に示すように、屈曲部324A3によってスリット324A4が2つに分割されている。図17には、画素電極324の屈曲部324A3付近が図示されており、図17では、アレイ基板321に備わる第2透明電極膜を網掛け状にして図示する。詳しくは、画素電極324を構成する屈曲部324A3は、タッチ配線331の延在方向であるY軸方向に沿って延在する第3画素電極部(第7電極部)49を有する。第3画素電極部49は、縦長の帯状をなしている。第3画素電極部49は、第1画素電極部(第5電極部)324A1と第2画素電極部(第6電極部)324A2との双方に連ねられている。第3画素電極部49は、第1仕切開口部325A1または配線開口25C(図10参照)と重畳して配される。第3画素電極部49によってスリット324A4は、第1画素電極部324A1に設けられる第3開口部47と、第2画素電極部324A2に設けられる第4開口部48と、に分割されている。第3開口部47及び第4開口部48は、いずれもゲート配線326に沿って延在するものの、互いに交差する関係とされる。第3画素電極部49は、第3開口部47及び第4開口部48の双方と交差する関係とされる。
【0075】
このような構成によれば、画素電極324が充電されると、第1画素電極部324A1及び第2画素電極部324A2のうち、ゲート配線326に沿って延在する第3開口部47及び第4開口部48の縁部付近には、共通電極325との間に電界が生じる。ここで、上記した実施形態2のように、スリット24A4が単一とされていると、画素電極24と共通電極25との間に生じる電界が、屈曲部24A3を中心として広範囲にわたって乱れることが懸念される(図10を参照)。その点、屈曲部324A3は、タッチ配線331に沿って延在していて第3開口部47及び第4開口部48の双方と交差する関係の第3画素電極部49を有しているので、上記のような電界の乱れを狭い範囲に留めることができる。これにより、表示品位を良好に保つことができる。
【0076】
以上説明したように本実施形態によれば、画素電極324は、第2透明電極膜からなり、屈曲部324A3を挟むよう配されて屈曲部324A3に連なる第1画素電極部(第5電極部)324A1及び第2画素電極部(第6電極部)324A2を有しており、第1画素電極部324A1には、ゲート配線326に沿って延在する第3開口部47が設けられ、第2画素電極部324A2には、ゲート配線326に沿って延在していて第3開口部47と交差する関係の第4開口部48が設けられ、屈曲部324A3は、タッチ配線331に沿って延在していて第3開口部47及び第4開口部48の双方と交差する関係の第3画素電極部(第7電極部)49を有する。第1画素電極部324A1及び第2画素電極部324A2のうち、ゲート配線326に沿って延在する第3開口部47及び第4開口部48の縁部付近には、共通電極325との間に電界が生じる。仮に、屈曲部に第3開口部47及び第4開口部48に連通する開口が設けられていると、共通電極との間に生じる電界が、屈曲部を中心として広範囲にわたって乱れることが懸念される。その点、屈曲部324A3は、タッチ配線331に沿って延在していて第3開口部47及び第4開口部48の双方と交差する関係の第3画素電極部49を有しているので、上記のような電界の乱れを狭い範囲に留めることができる。これにより、表示品位を良好に保つことができる。
【0077】
<実施形態5>
実施形態5を図18によって説明する。この実施形態5では、上記した実施形態4から画素電極424の構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態4と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0078】
本実施形態に係る画素電極424は、図18に示すように、屈曲部424A3を構成する第3画素電極部449が、第4画素電極部(第8電極部)50と、第5画素電極部(第9電極部)51と、によって構成される。図18には、画素電極424の屈曲部424A3付近が図示されており、図18では、アレイ基板421に備わる第2透明電極膜を網掛け状にして図示する。第4画素電極部50及び第5画素電極部51は、いずれもY軸方向に沿って延在していて、縦長の帯状をなしている。第4画素電極部50と第5画素電極部51とは、X軸方向について間隔を空けた位置に配されている。第4画素電極部50及び第5画素電極部51は、それぞれの大部分が、第1仕切開口部425A1または配線開口25C(図10参照)と重畳して配される。第4画素電極部50は、第1画素電極部424A1に連ねられている。第5画素電極部51は、第2画素電極部424A2に連ねられている。屈曲部424A3は、互いに間隔を空けて配される第4画素電極部50と第5画素電極部51とを繋ぐ繋ぎ部52を有する。繋ぎ部52は、X軸方向に沿って延在していて、ソース配線127(図10参照)やタッチ配線431と交差する関係とされる。繋ぎ部52は、第1仕切開口部425A1または配線開口25Cと重畳して配される。繋ぎ部52は、Y軸方向について間隔を空けた位置に2つ設けられている。このように、第3画素電極部449を構成する第4画素電極部50と第5画素電極部51とを繋ぐ繋ぎ部52は、タッチ配線431に対して重畳する関係となる。上記した実施形態4のように、第3画素電極部を単一構造物とした場合に比べると、タッチ配線431に対する画素電極424の重畳面積を小さくすることができる。これにより、タッチ配線431と画素電極424との間に生じ得る寄生容量を低減することができる。
【0079】
以上説明したように本実施形態によれば、第3画素電極部449には、第1画素電極部424A1に連なる第4画素電極部(第8電極部)50と、第2画素電極部424A2に連なる第5画素電極部(第9電極部)51と、が含まれ、屈曲部424A3は、タッチ配線431と交差していて第4画素電極部50と第5画素電極部51とを繋ぐ繋ぎ部52を有する。第3画素電極部449を構成する第4画素電極部50と第5画素電極部51とを繋ぐ繋ぎ部52は、タッチ配線431に対して重畳する関係となる。仮に、タッチ配線431に沿って延在する第3画素電極部を単一構造物として第1画素電極部と第2画素電極部との双方に連ねた場合に比べると、タッチ配線431に対する画素電極424の重畳面積を小さくすることができる。これにより、タッチ配線431と画素電極424との間に生じ得る寄生容量を低減することができる。
【0080】
<実施形態6>
実施形態6を図19によって説明する。この実施形態6では、上記した実施形態5から画素電極524の構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態5と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0081】
本実施形態に係る画素電極524は、図19に示すように、第4画素電極部550及び第5画素電極部551が第1仕切開口部525A1または配線開口25C(図10参照)とは非重畳となるよう配される。図19には、画素電極524の屈曲部524A3付近が図示されており、図19では、アレイ基板521に備わる第2透明電極膜を網掛け状にして図示する。詳しくは、第4画素電極部550及び第5画素電極部551は、第1仕切開口部525A1または配線開口25Cの幅寸法よりも大きい間隔を空けて配されている。繋ぎ部552の長さ寸法は、第1仕切開口部525A1または配線開口25Cの幅寸法よりも大きい。繋ぎ部552は、第1仕切開口部525A1または配線開口25Cを全幅にわたって横切っている。このような構成によれば、上記した実施形態5との比較において、タッチ配線531と画素電極524との重畳面積を小さくすることができる。これにより、タッチ配線531と画素電極524との間に生じ得る寄生容量を低減することができる。
【0082】
<実施形態7>
実施形態7を図20によって説明する。この実施形態7では、上記した実施形態2から画素電極624の構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態2と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0083】
本実施形態に係る画素電極624は、図20に示すように、屈曲部624A3がタッチ配線631と直交する関係とされる。図20には、画素電極624の屈曲部624A3付近が図示されており、図20では、アレイ基板621に備わる第2透明電極膜を網掛け状にして図示する。屈曲部624A3は、X軸方向に沿って延在する横ストライプ状をなしている。このように、屈曲部624A3は、タッチ配線631と直交する関係とされているから、上記した実施形態2のように屈曲部がタッチ配線に対して傾く関係とされる場合に比べると、タッチ配線631との重畳面積を小さくすることができる。これにより、タッチ配線631と画素電極624との間に生じ得る寄生容量を低減することができる。また、本実施形態では、スリット(第5開口部)624A4は、実施形態2と同様に、第1画素電極部624A1、第2画素電極部624A2及び屈曲部624A3にわたって連続的に設けられている。
【0084】
以上説明したように本実施形態によれば、画素電極624は、第2透明電極膜からなり、屈曲部624A3を挟むよう配されて屈曲部624A3に連なる第1画素電極部624A1及び第2画素電極部624A2を有しており、屈曲部624A3、第1画素電極部624A1及び第2画素電極部624A2には、ゲート配線626に沿って延在するスリット(第5開口部)624A4が連続的に設けられており、屈曲部624A3は、タッチ配線631と直交する関係とされる。屈曲部624A3、第1画素電極部624A1及び第2画素電極部624A2のうち、ゲート配線626に沿って延在するスリット624A4の縁部付近には、共通電極625との間に電界が生じる。屈曲部624A3は、タッチ配線631と直交する関係とされているから、仮に屈曲部がタッチ配線631に対して傾く関係とされる場合に比べると、タッチ配線631との重畳面積を小さくすることができる。これにより、タッチ配線631と画素電極624との間に生じ得る寄生容量を低減することができる。
【0085】
<実施形態8>
実施形態8を図21または図22によって説明する。この実施形態8では、上記した実施形態2から画素電極724の配置及び構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態2と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0086】
本実施形態に係る画素電極724は、図21に示すように、長手方向についての中央部53が、ソース配線727と重畳して配されている。図21には、2列分の画素配列が図示されており、図21では、アレイ基板721に備わる第3金属膜及び第2透明電極膜をそれぞれ異なる網掛け状にして図示する。詳しくは、画素電極724は、ソース配線727に対して図21の左側に配される第1画素電極部(第12電極部)724A1と、ソース配線727に対して図21の右側に配される第2画素電極部(第13電極部)724A2と、第1画素電極部724A1に連なる中央部53と、中央部53及び第2画素電極部724A2に連なるコンタクト部724Bと、を有する。TFT723のソース電極723Bは、中央部53に対してY軸方向について隣り合う位置に配されている。TFT723の半導体部723Dは、中央部53に対して平面に視て斜向かいの位置に配されている。TFT723及びソース配線727は、X軸方向について第1画素電極部724A1と第2画素電極部724A2との間に挟まれている。また、スリット724A4は、第1画素電極部724A1に設けられる部分と、第2画素電極部724A2に設けられる部分と、に分割されている。
【0087】
中央部53は、図21に示すように、X軸方向に沿って延在する帯状をなしており、ソース配線727に対して直交する関係とされる。X軸方向に沿って延在する中央部53は、一方の端部がコンタクト部724Bに、他方の端部が第1画素電極部724A1に、それぞれ連ねられている。中央部53は、Y軸方向について間隔を空けた位置に2つ並んで配されている。2つの中央部53における各幅寸法(Y軸方向についての寸法)の合計は、第1画素電極部724A1の幅寸法や第2画素電極部724A2の幅寸法よりも小さい。つまり、中央部53は、第1画素電極部724A1及び第2画素電極部724A2のいずれよりも幅狭とされる。このようにすれば、仮に、中央部が第1画素電極部724A1及び第2画素電極部724A2と同一幅とされる場合に比べると、ソース配線727と画素電極724の中央部53との間に生じ得る寄生容量を低減することができる。
【0088】
タッチ配線731は、図21に示すように、X軸方向について隣り合う2つの画素電極724の間に位置して配されている。詳しくは、タッチ配線731は、一方の画素電極724の第2画素電極部724A2と、他方の画素電極724の第1画素電極部724A1と、の間に挟まれる配置とされる。このタッチ配線731は、図22に示すように、共通電極725に備わる第1仕切開口部725A1と重畳する配置とされる。図22には、図21と同じ範囲の画素配列が図示されており、図22では、アレイ基板721に備わる第1透明電極膜を網掛け状にして図示する。以下では、共通電極725に複数備わる第1仕切開口部725A1のうち、図22に示される第1仕切開口部725A1を「第6開口部54」とする。また、第6開口部54に対して図22の左側に位置するタッチ電極730を「第10電極部55」とし、第6開口部54に対して図22の右側に位置するタッチ電極730を「第11電極部56」とする。第6開口部54は、ソース配線727及びタッチ配線731の延在方向であるY軸方向に沿って延在し、共通電極725を、第10電極部55と第11電極部56とに分割する。第6開口部54は、タッチ配線731と重畳して配され、X軸方向について隣り合う2つの画素電極724の間に位置して配されている。従って、第6開口部54は、ソース配線727及びTFT723とは非重畳の関係とされる。このようにすれば、仮に上記した実施形態1のように、ソース配線27及びTFT23が隣り合う2つの画素電極24の間に位置して配される場合(図8を参照)に比べると、タッチ配線731と画素電極724との重畳面積を小さくすることができ、タッチ配線731と画素電極724との間に生じ得る寄生容量を低減することができる。
【0089】
以上説明したように本実施形態によれば、ゲート配線726に沿って間隔を空けて並ぶ複数の画素電極724と、ゲート配線726、ソース配線727及び画素電極724に接続されるTFT723と、複数の画素電極724に対して重畳して配される共通電極725と、を備え、複数の画素電極724は、いずれもゲート配線726に沿う長手状をなしており、ソース配線727は、いずれかの画素電極724の中央部53と重畳して配され、TFT723は、画素電極724の中央部53に接続され、共通電極725は、ソース配線727に沿って延在する第6開口部54と、第6開口部54によって分割される第10電極部55及び第11電極部56と、を有しており、第6開口部54は、隣り合う2つの画素電極724の間に位置して配される。ゲート配線726により伝送される信号に基づいてTFT723が駆動されると、画素電極724は、ソース配線727により伝送される信号に基づく電位に充電される。共通電極725の第6開口部54は、隣り合う2つの画素電極724の間に位置して配されていて、ソース配線727及びTFT723とは非重畳の関係とされる。このようにすれば、仮にソース配線及びTFTが隣り合う2つの画素電極724の間に位置して配される場合に比べると、タッチ配線731と画素電極724との重畳面積を小さくすることができる。これにより、タッチ配線731と画素電極724との間に生じ得る寄生容量を低減することができる。
【0090】
また、画素電極724は、中央部53を挟むよう配されて中央部53に連なる第1画素電極部(第12電極部)724A1及び第2画素電極部(第13電極部)724A2を有しており、中央部53は、第1画素電極部724A1及び第2画素電極部724A2よりも幅狭とされる。このようにすれば、仮に、中央部が第1画素電極部724A1及び第2画素電極部724A2と同一幅とされる場合に比べると、ソース配線727と画素電極724の中央部53との間に生じ得る寄生容量を低減することができる。
【0091】
<実施形態9>
実施形態9を図23から図27によって説明する。この実施形態9では、上記した実施形態1から画素配列などを変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0092】
本実施形態に係る画素電極824は、図23及び図24に示すように、平面に視て縦長の長手状とされており、長手方向がY軸方向と一致し、短手方向がX軸方向と一致している。図23及び図24には、4列分の画素配列が図示されている。図24では、アレイ基板821に備わる第3金属膜及び第2透明電極膜をそれぞれ異なる網掛け状にして図示する。短手方向(X軸方向)について隣り合う画素電極824の間にソース配線827またはタッチ配線831が介在するのに対し、長手方向(Y軸方向)について隣り合う画素電極824の間にゲート配線826及びTFT823が介在している。画素電極824を構成する画素電極本体824Aは、平面形状が縦長形状とされ、その長手方向について途中で屈曲している。画素電極本体824Aのうち、長手方向についての中央部が屈曲部824A3とされる。このように、本実施形態に係る画素電極本体824Aは、上記した実施形態1に記載した画素電極24(図7を参照)を、平面に視て反時計周り方向に90度回転させたような平面形状とされる。
【0093】
ソース配線827は、図23及び図24に示すように、画素電極824の長手側の側縁に沿ってジグザグ状に繰り返し屈曲されつつも概ねY軸方向に沿って延在する。ソース配線827は、X軸方向について間に2つの画素電極824を挟むよう間隔を空けて複数が並んで配されている。従って、ソース配線827の設置数は、画素電極824におけるX軸方向についての並び数の半分程度となっている。タッチ配線831は、X軸方向について並ぶ2つのソース配線827の間に挟まれる2つの画素電極824の間に挟まれるよう配されている。従って、X軸方向に沿って並ぶ画素電極824の間のそれぞれ空けられる各領域には、ソース配線827とタッチ配線831とが交互に繰り返し並んで配されている。タッチ配線831におけるX軸方向についての並び数は、ソース配線827の同じ並び数と一致する。タッチ配線831は、ソース配線827と同様に、画素電極824の長手側の側縁に沿ってジグザグ状に繰り返し屈曲されつつも概ねY軸方向に沿って延在する。
【0094】
ゲート配線826は、図23及び図25に示すように、途中で線幅を増減させつつX軸方向に沿って概ね真っ直ぐに延在する。図25には、図24と同じ範囲の画素配列が図示されており、図25では、アレイ基板821に備わる第1金属膜及び第2金属膜をそれぞれ異なる網掛け状にして図示する。ゲート配線826のうちの幅広部分がゲート電極823Aなどを構成する。ゲート配線826は、Y軸方向について隣り合う画素電極824の間に2つずつ続けて並ぶよう配されている。従って、ゲート配線826の設置数は、画素電極824におけるY軸方向についての並び数の2倍となっている。2つ続けて並ぶゲート配線826は、その間にY軸方向について所定の間隔を空けて配されている。
【0095】
TFT823は、図23及び図24に示すように、Y軸方向に沿って並ぶ2つの画素電極824の間に挟まれた領域において、X軸方向に沿って複数が並んで配されている。X軸方向についてのTFT823の並び数は、X軸方向についての画素電極824の並び数と一致する。複数の画素電極824には、コンタクト部824Bがタッチ配線831を横切らずに隣接するTFT823に接続される一方の画素電極824と、コンタクト部824Bがタッチ配線831を横切って隣の列に位置するTFT823に接続される他方の画素電極824と、が含まれる。一方の画素電極824は、自身が属する列に配されるTFT823に接続されている。他方の画素電極824は、自身が属する列に対してタッチ配線831を挟んで隣り合う列に配されるTFT823に接続されている。スペーサ832は、隣接するTFT823の間であって、タッチ配線831と重畳する位置に配置される。この位置は、第1画素コンタクトホールや第2配線コンタクトホールが配置されていないため、平坦性が高いことから、一対の基板の間隔を保持するのに好適である。また、この位置には、遮光部829が形成されており、スペーサ832に起因する配向不良が表示に及ぼす影響を抑制できる。なお、図23等に示すスペーサ832には、メインスペーサとサブスペーサとが含まれる。具体的には、平面形状が略円形のスペーサ832がサブスペーサであり、円弧部を含む横長の平面形状を有するスペーサ832がメインスペーサである。
【0096】
ここで、TFT823とゲート配線826及びソース配線827との接続態様に関して、図26を参照しつつ説明する。図26には、TFT823とゲート配線826、ソース配線827及び画素電極824との接続態様と、あるフレーム期間において画素電極824に供給される画像信号の極性と、が模式的に示されている。図26では、複数のゲート配線826をナンバリングし、上端から数えて1番目のゲート配線826を「G1」とし、2番目のゲート配線826を「G2」としており、8番目のゲート配線826である「G8」までを図示している。「G1」と「G2」との間に挟まれる画素電極824の行を「第1行」と言い、「G3」と「G4」との間に挟まれる画素電極824の行を「第2行」と言い、「G5」と「G6」との間に挟まれる画素電極824の行を「第3行」と言い、「G7」と「G8」との間に挟まれる画素電極824の行を「第4行」と言う。図26では、複数のソース配線827をナンバリングし、左端から数えて1番目のソース配線827を「S1」とし、2番目のソース配線827を「S2」としており、3番目のソース配線827である「S3」までを図示している。「S1」の右側に位置する画素電極824の列を「第1列」と言い、「S2」の左側に位置する画素電極824の列を「第2列」と言い、「S2」の右側に位置する画素電極824の列を「第3列」と言い、「S3」の左側に位置する画素電極824の列を「第4列」と言い、「S3」の右側に位置する画素電極824の列を「第5列」と言う。また、図26には、タッチ配線831についても図示している。図26には、あるフレーム期間(フレーム期間とは、ここでは、ゲート配線826「G1」に接続されるTFT823がオン状態になったあと、ゲート配線826「G2」、「G3」に接続されるTFT823が順次オン状態になり、再び、ゲート配線826「G1」に接続されるTFT823がオン状態になるまでの期間とする)において、左端から数えて奇数番目のソース配線827(「S1」,「S3」)に正極性の画像信号が供給され、左端から数えて偶数番目のソース配線827(「S2」)に負極性の画像信号が供給された場合における画素電極824に供給される画像信号の極性が「+」,「-」の符号によって示されている。なお、あるフレーム期間の次のフレーム期間においては、左端から数えて奇数番目のソース配線827(「S1」,「S3」)に負極性の画像信号が供給され、左端から数えて偶数番目のソース配線827(「S2」)に正極性の画像信号が供給され、各画素電極824に供給される画像信号の極性は、図26に記載される「+」,「-」の符号によって示されているものとは逆になる。さらに、あるフレーム期間の次の次のフレーム期間においては、各画素電極824に供給される画像信号の極性は、図26の記載と同じであり、以降、この繰り返しとなる。ここで、各ソース配線827に供給される画像信号は、あるフレーム期間において極性が反転することがない。このような構成は、各ソース配線827に供給される画像信号があるフレーム期間において反転するようにTFT823等を接続した構成と比べると、各ソース配線827に供給される画像信号の振幅を小さくすることができるため、消費電流を小さくでき、また、画像信号の鈍りを低減することができる。
【0097】
図26に示されるように、上記した一方の画素電極824(コンタクト部824Bがタッチ配線831を横切らない画素電極824)と他方の画素電極824(コンタクト部824Bがタッチ配線831を横切る画素電極824)とは、平面に視て千鳥状に配列されている。つまり、X軸方向について隣り合う2つの画素電極824には、一方の画素電極824と他方の画素電極824とが含まれ、Y軸方向について隣り合う2つの画素電極824には、一方の画素電極824と他方の画素電極824とが含まれる。ある行において第(2n-1)列及び第(2n)列に属する2つの画素電極824に接続される2つのTFT823は、同じソース配線827に接続されている。なお、「n」は自然数である。従って、ある行において第(2n-1)列及び第(2n)列に属する2つの画素電極824には、あるフレーム期間において同じ極性の画像信号が供給される。これに対し、ある行において第(2n)列及び第(2n+1)列に属する2つの画素電極824に接続される2つのTFT823は、極性が異なる画像信号を伝送する2つのソース配線827にそれぞれ接続されている。従って、ある行において第(2n)列及び第(2n+1)列に属する2つの画素電極824には、あるフレーム期間において逆極性の画像信号が供給される。ある列において第(2n-1)行及び第(2n)行に属する2つの画素電極824に接続される2つのTFT823は、極性が異なる画像信号を伝送する2つのソース配線827にそれぞれ接続されている。従って、ある列において第(2n-1)行及び第(2n)行に属する2つの画素電極824には、あるフレーム期間において逆極性の画像信号が供給される。ある列において第(2n)行及び第(2n+1)行に属する2つの画素電極824に接続される2つのTFT823は、極性が異なる画像信号を伝送する2つのソース配線827にそれぞれ接続されている。従って、ある列において第(2n)行及び第(2n+1)行に属する2つの画素電極824には、あるフレーム期間において逆極性の画像信号が供給される。
【0098】
以上のように、図26によれば、第(2n-1)列及び第(2n)列に属する2つの画素電極824を1つの画素組とした場合、X軸方向について隣り合う2つの画素組では、極性が反転しており、Y軸方向について隣り合う2つの画素組では、極性が反転している。つまり、横並びの2つの画素単位で千鳥状に極性が反転している。このように、画素電極824単位または複数の画素電極824単位で、各画素電極824に供給される画像信号の極性が千鳥状になるような画素配列とした場合、仮に、画像信号や共通電位信号にばらつきが生じたとしても、線状の輝度不良が視認され難い。本実施形態では、仮に、隣り合う2つの画素電極の間に位置して1つのゲート配線が配される場合に比べると、ゲート配線826の設置数が2倍とされており、それに伴って1つのゲート配線826によってTFT823をオン状態にする信号が伝送される時間が1/2となっている。このように、TFT823が駆動される時間が短くなると、ゲート配線826により伝送される信号に鈍りが生じた場合に、画素電極824が十分に充電されなくなることが懸念される。その点、ゲート配線826が下層配線部826Aと上層配線部826Bとの積層構造とされることで、ゲート配線826の配線抵抗が低減されるのに加え、ゲート配線826とソース配線827との間にゲート絶縁膜よりも膜厚が大きい第1層間絶縁膜及び平坦化膜が介在することで、ゲート配線826により伝送される信号に鈍りが生じ難くなっている。これにより、TFT823が駆動される時間が短くなっても、画素電極824を十分に充電することができる。
【0099】
また、共通電極825には、図27に示すように、仕切開口部25A(図1を参照)に加えて、TFT開口825B及び配線開口825Cが設けられている。図27には、図24と同じ範囲の画素配列が図示されており、図27では、アレイ基板821に備わる第1透明電極膜を網掛け状にして図示する。本実施形態では、配線開口825Cは、タッチ配線831の一部と重畳する範囲に設けられている。配線開口825Cは、Y軸方向について間隔を空けて並んで配されている。
【0100】
以上説明したように本実施形態によれば、2つのゲート配線826と、ソース配線827に沿って間隔を空けて並ぶ複数の画素電極824と、ゲート配線826、ソース配線827及び画素電極824に接続されるTFT823と、複数の画素電極824に対して重畳して配される共通電極825と、を備え、複数の画素電極824は、いずれもソース配線827に沿う長手状をなしており、2つのゲート配線826は、隣り合う2つの画素電極824の間に位置して間隔を空けて配される。ゲート配線826により伝送される信号に基づいてTFT823が駆動されると、画素電極824は、ソース配線827により伝送される信号に基づく電位に充電される。ゲート配線826は、隣り合う2つの画素電極824の間に位置して2つが間隔を空けて配されているから、仮に、隣り合う2つの画素電極の間に位置して1つのゲート配線が配される場合に比べると、ゲート配線826の設置数が2倍とされ、それによって1つのゲート配線826によってTFT823をオン状態にする信号が伝送される時間が1/2となる。このように、TFT823が駆動される時間が短くなると、ゲート配線826により伝送される信号に鈍りが生じた場合に、画素電極824が十分に充電されなくなることが懸念される。その点、ゲート配線826が下層配線部826Aと上層配線部826Bとの積層構造とされることで、ゲート配線826の配線抵抗が低減されるのに加え、ゲート配線826とソース配線827との間にゲート絶縁膜よりも膜厚が大きい第2絶縁膜である第1層間絶縁膜及び平坦化膜が介在することで、ゲート配線826により伝送される信号に鈍りが生じ難くなっている。これにより、TFT823が駆動される時間が短くなっても、画素電極824を十分に充電することができる。
【0101】
<実施形態10>
実施形態10を図28によって説明する。この実施形態10では、上記した実施形態9からTFT923とゲート配線926及びソース配線927との接続態様を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態9と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0102】
本実施形態に係るTFT923とゲート配線926及びソース配線927との接続態様は、図28に示される通りである。図28には、TFT923とゲート配線926、ソース配線927及び画素電極924との接続態様と、あるフレーム期間において画素電極924に供給される画像信号の極性と、が模式的に示されている。図28での「G1」,「S1」,「+」,「-」の各表記は、実施形態9にて説明した通りであり、図26での各表記と同様である。本実施形態では、全ての画素電極924に備わるコンタクト部924Bがタッチ配線931を横切らずに隣接するTFT923に接続されている。つまり、全ての画素電極924は、いずれも自身が属する列に配されるTFT923に接続されている。
【0103】
詳しくは、全ての行において第(2n-1)列及び第(2n)列に属する2つの画素電極924に接続される2つのTFT923は、同じソース配線927に接続されている。なお、「n」は自然数である。従って、全ての行において第(2n-1)列及び第(2n)列に属する2つの画素電極924は、同じ極性となる。これに対し、全ての行において第(2n)列及び第(2n+1)列に属する2つの画素電極924に接続される2つのTFT923は、極性が異なる画像信号を伝送する2つのソース配線927にそれぞれ接続されている。従って、全ての行において第(2n)列及び第(2n+1)列に属する2つの画素電極924は、逆極性となる。以上のように、図28によれば、横並びの2列の画素単位で極性が反転している。本実施形態によれば、上記した実施形態9と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0104】
<他の実施形態>
本明細書が開示する技術は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されず、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
【0105】
(1)Y軸方向に沿って延在する配線として、タッチ配線31,231,331,431,531,631,731,831,931及び接続配線43以外にも、いずれのタッチ電極30,230,730とも非接続とされるダミータッチ配線を追加することも可能である。ダミータッチ配線は、タッチ配線31,231,331,431,531,631,731,831,931及び接続配線43がいずれも非配置とされる領域が存在する場合にその領域を利用して配置される。ダミータッチ配線の構成は、タッチ電極30,230,730に対して接続されない点を除いては、タッチ配線31,231,331,431,531,631,731,831,931の構成と同様である。ダミータッチ配線によって、タッチ配線31,231,331,431,531,631,731,831,931及び接続配線43が配置とされる領域と、タッチ配線31,231,331,431,531,631,731,831,931及び接続配線43がいずれも非配置とされる領域と、の間に生じ得る透過光量の差が緩和される。
【0106】
(2)実施形態1,2,4~10に記載した構成において、実施形態3にて説明した接続配線43を追加することも可能である。
【0107】
(3)共通電極25,225,325,625,725,825の第1仕切開口部25A1,225A1,325A1,425A1,525A1,725A1と重畳する配置となるのは、タッチ配線31,231,331,431,531,631,731,831,931に限らず、実施形態3にて説明した接続配線43でもよい。また、上記した(1)に記載したダミータッチ配線が第1仕切開口部25A1,225A1,325A1,425A1,525A1,725A1と重畳して配されてもよい。
【0108】
(4)アレイ基板21,221,321,421,521,621,721,821には、第1層間絶縁膜35が非形成であってもよい。その場合でも、ゲート配線26,126,226,326,626,726,826,826-1,826-3,926とソース配線27,127,227,427,727,827,827-1,827-2,827-3,927との間に介在する平坦化膜36の膜厚は、ゲート絶縁膜34の膜厚よりも十分に大きい。
【0109】
(5)液晶パネル10は、主面が湾曲した湾曲液晶パネルであってもよい。湾曲液晶パネルの湾曲軸の軸線方向をY軸方向(異なる色を呈するカラーフィルタの並び方向)と一致させ、湾曲軸と直交する湾曲方向をX軸方向(カラーフィルタの延在方向)と一致させることができる。このようにすれば、湾曲液晶パネルの製造過程において、対向基板20とアレイ基板21,221,321,421,521,621,721,821とを貼り合わせて得た液晶パネルを湾曲させたとき、対向基板20とアレイ基板21,221,321,421,521,621,721,821との間にX軸方向について位置ずれが生じ得るものの、その位置ずれに起因して異なる色を呈する画素間で混色が生じ難くなる。
【0110】
(6)画素電極24,124,224,324,424,524,624,724,824の平面形状は、各図面での図示以外にも適宜に変更可能である。例えば、画素電極24,124,224,324,424,524,624,724の平面形状を、実施形態1~8において各図面に図示した画素電極24,124,224,324,424,524,624,724を上下に反転させた平面形状としてもよい。また、画素電極824の平面形状を、実施形態9において各図面に図示した画素電極824を左右に反転させた平面形状としてもよい。
【0111】
(7)画素電極24,124,224,324,424,524,624,724,824,824-1,824-2,824-3,924が第1透明電極膜により構成され、共通電極25,225,325,625,725,825が第2透明電極膜により構成されてもよい。その場合、共通電極25,225,325,625,725,825に配向制御のためのスリットを形成するのが好ましい。
【0112】
(8)実施形態9,10に記載の構成において、各画素電極823,924に接続した各TFT823,923をどのゲート配線826,926やソース配線827,927に接続するか、は、適宜に変更可能である。例えば、実施形態9の変形例として図29に示される接続態様を採ることが可能である。具体的には、図29に示すように、第(2n)行に属する各画素電極824-1のうち、第(4n-3)列に属する各画素電極824-1には、上端から数えて(4n)番目のゲート配線826-1に接続されたTFT823-1が接続され、第(4n-2)列に属する各画素電極824-1には、上端から数えて(4n-1)番目のゲート配線826-1に接続されたTFT823-1が接続され、第(4n-1)列に属する各画素電極824-1には、上端から数えて(4n-1)番目のゲート配線826-1に接続されたTFT823-1が接続され、第(4n)列に属する各画素電極824-1には、上端から数えて(4n)番目のゲート配線826-1に接続されたTFT823-1が接続されている。なお、「n」は自然数である。また、各ソース配線827-1に供給される画像信号は、あるフレーム期間において極性が反転することがなく、フレーム毎に極性が反転する。図29に示される接続態様であっても、実施形態9と同様に、横並びの2つの画素単位で千鳥状に極性を反転させることができる。
【0113】
(9)上記した(8)以外にも、実施形態9の変形例として図30に示されるような接続態様を採ることも可能である。具体的には、図30に示すように、第(4n-2)行に属する各画素電極824-2には、左端から数えて奇数番目のソース配線827-2に接続されたTFT823-2が接続され、第(4n-1)行に属する各画素電極824-2には、左端から数えて偶数番目のソース配線827-2に接続されたTFT823-2が接続されている。また、各ソース配線827-2に供給される画像信号は、あるフレーム期間において極性が反転することがなく、フレーム毎に極性が反転する。このようにすれば、第(4n-3)行と第(4n-2)行とに属する各画素電極824-2には、左端から数えて奇数番目のソース配線827-2に伝送される画像信号が供給され、第(4n-1)行と第(4n)行とに属する各画素電極824-2には、左端から数えて偶数番目のソース配線827-2に伝送される画像信号が供給される。従って、図30に示される接続態様によれば、第(2m-1)行の第(2n-1)列及び第(2n)列に属する2つの画素電極824-2と、第(2m)行の第(2n-1)列及び第(2n)列に属する2つの画素電極824-2と、の4つの画素電極824-2を1つの画素組とした場合に、2×2の画素単位で千鳥状に極性を反転させることができる。このような構成は、画素サイズが小さい場合(例えば画素の短辺方向についての長さが35μm以下の場合)に好適である。なお、「n」、「m」はいずれも自然数である。
【0114】
(10)上記した(9)の変形例として、図31に示されるような接続態様を採ることも可能である。以下、上記した(9)との相違点を中心に説明する。具体的には、図31に示すように、第(4n-1)行に属する各画素電極824-3のうち、第(4n-3)列に属する各画素電極824-3には、上端から数えて(8n-2)番目のゲート配線826-3に接続されたTFT823-3が接続され、第(4n-2)列に属する各画素電極824-3には、上端から数えて(8n-3)番目のゲート配線826-3に接続されたTFT823-3が接続され、第(4n-1)列に属する各画素電極824-3には、上端から数えて(8n-3)番目のゲート配線826-3に接続されたTFT823-3が接続され、第(4n)列に属する各画素電極824-3には、上端から数えて(8n-2)番目のゲート配線826-3に接続されたTFT823-3が接続されている。また、第(4n)行に属する各画素電極824-3のうち、第(4n-3)列に属する各画素電極824-3には、上端から数えて(8n)番目のゲート配線826-3に接続されたTFT823-3が接続され、第(4n-2)列に属する各画素電極824-3には、上端から数えて(8n-1)番目のゲート配線826-3に接続されたTFT823-3が接続され、第(4n-1)列に属する各画素電極824-3には、上端から数えて(8n-1)番目のゲート配線826-3に接続されたTFT823-3が接続され、第(4n)列に属する各画素電極824-3には、上端から数えて(8n)番目のゲート配線826-3に接続されたTFT823-3が接続されている。なお、「n」は自然数である。また、各ソース配線827-3に供給される画像信号は、あるフレーム期間において極性が反転することがなく、フレーム毎に極性が反転する。このようにすれば、上記した(9)と同様に、縦横に2つずつ並ぶ4つの画素単位で千鳥状に極性を反転させることができる。このような構成は、画素サイズが小さい場合(例えば画素の短辺方向についての長さが35μm以下の場合)に好適である。
【0115】
(11)ゲート回路部13を省略することも可能である。その場合、アレイ基板21,221,321,421,521,621,721,821にゲート回路部13と同様の機能を有するゲートドライバを実装するようにしても構わない。また、ゲート回路部13をアレイ基板21,221,321,421,521,621,721,821における片側の辺部のみに設けることも可能である。
【0116】
(12)半導体部23D,723Dを構成する半導体膜の材料は、ポリシリコン(LTPS)等でもよい。
【0117】
(13)タッチパネルパターンは、自己容量方式以外にも相互容量方式であってもよい。
【0118】
(14)TFT23,123,723,823,823-1,823-2,823-3,923の構成は、図面にて示したボトムゲート型以外にも、トップゲート型、ダブルゲート型等でもよい。
【0119】
(15)カラーフィルタ28及び遮光部29は、アレイ基板21,221,321,421,521,621,721,821に設けられてもよい。その場合、画素電極24,124,224,324,424,524,624,724,824,824-1,824-2,824-3,924及びカラーフィルタ28が共にアレイ基板21,221,321,421,521,621,721,821に設けられることになり、対向基板20には、画素の構成要素が設けられない。
【0120】
(16)カラーフィルタの色数は、4色以上でもよい。追加するカラーフィルタは、黄色の波長領域(約570nm~約600nm)に含まれる黄色光を出射可能な黄色カラーフィルタや全波長領域の光を出射可能な透明カラーフィルタ等であってもよい。
【0121】
(17)液晶パネル10の平面形状は、縦長の長方形、正方形、円形、半円形、長円形、楕円形、台形などであってもよい。
【0122】
(18)液晶パネル10は、透過型以外にも反射型や半透過型であってもよい。
【0123】
(19)液晶パネル10以外の種類の表示パネル(有機EL(Electro Luminescence)表示パネルなど)やEPD(マイクロカプセル型電気泳動方式のディスプレイパネル)であってもよい。
【0124】
(20)液晶パネル10は、タッチパネル機能を備えなくてもよい。その場合、複数のタッチ配線31,231,331,431,531,631,731,831,931は、専ら共通電位信号を伝送する複数の共通配線となる。共通電極25,225,325,625,725,825は、複数の共通配線に接続されて共通電位とされ、タッチ電極30,230,730としては機能しない。
【符号の説明】
【0125】
10…液晶パネル(表示パネル)、20…対向基板、21,221,321,421,521,621,721,821…アレイ基板(配線基板)、23,123,723,823,823-1,823-2,823-3…TFT(スイッチング素子)、24,124,224,324,424,524,624,724,824,824-1,824-2,824-3,924…画素電極、24A3,224A3,324A3,424A3,524A3,624A3,824A3…屈曲部、25,225,325,625,725,825…共通電極、26,126,226,326,626,726,826,826-1,826-3,926…ゲート配線(第1配線)、26A,126A,826A…下層配線部、26B,126B,826B…上層配線部、27,127,227,427,727,827,827-1,827-2,827-3,927…ソース配線(第2配線)、31,231,331,431,531,631,731,831,931…タッチ配線(第3配線)、31A…タッチ配線本体(第3配線本体)、31B,231B…第1分岐部、34…ゲート絶縁膜(第1絶縁膜)、35…第1層間絶縁膜(第2絶縁膜)、36…平坦化膜(第2絶縁膜)、37,237…第2層間絶縁膜(第3絶縁膜)、38…第3層間絶縁膜(第4絶縁膜)、40,240…第1開口部、41,241…第1電極部、42,242…第2電極部、43…接続配線(第4配線)、43A…接続配線本体(第4配線本体)、43B…第2分岐部、43C…第3分岐部、44…第2開口部、45…第3電極部、46…第4電極部、47…第3開口部、48…第4開口部、49,449…第3画素電極部(第7電極部)、50,550…第4画素電極部(第8電極部)、51,551…第5画素電極部(第9電極部)、52,552…繋ぎ部、53…中央部、54…第6開口部、55…第10電極部、56…第11電極部、324A1…第1画素電極部(第5電極部)、324A2…第2画素電極部(第6電極部)、624A4…スリット(第5開口部)、724A1…第1画素電極部(第12電極部)、724A2…第2画素電極部(第13電極部)、CH3,CH103,CH203…第1配線コンタクトホール(第1コンタクトホール)、CH5…第3配線コンタクトホール(第2コンタクトホール)、CH6…第4配線コンタクトホール(第3コンタクトホール)、CH7…第5配線コンタクトホール(第4コンタクトホール)
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