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  • 特開-表示装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138734
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20241002BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20241002BHJP
   H05K 9/00 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G09F9/00 309A
G09F9/00 336F
G09F9/00 348A
G02F1/1333
H05K9/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049379
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(72)【発明者】
【氏名】古田 慧
【テーマコード(参考)】
2H189
5E321
5G435
【Fターム(参考)】
2H189AA53
2H189AA54
2H189AA55
2H189AA59
2H189AA60
2H189AA64
2H189AA68
2H189AA70
2H189AA72
2H189AA78
2H189AA79
2H189AA90
2H189AA91
2H189HA10
2H189HA11
2H189HA12
2H189LA02
2H189LA07
2H189LA20
2H189LA28
2H189LA30
2H189MA08
5E321AA04
5E321BB53
5E321CC30
5E321GG01
5E321GH10
5G435AA07
5G435AA14
5G435AA18
5G435BB05
5G435BB12
5G435EE05
5G435EE25
5G435EE32
5G435GG32
5G435GG34
5G435GG43
5G435HH05
5G435HH12
5G435KK02
5G435LL07
5G435LL17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】いわゆる額縁部を狭く構成でき、しかもシールド板によってフレキシブル配線板を効果的に保護することができる表示装置を提供する。
【解決手段】バックライトユニット12を保持する導電性金属材料で形成されたホルダ13に配線開口部13dと、さらに後方に延びる接地延長部13eが形成されており、ホルダ13の背部13cよりも後方でシールド板28が接地延長部13eに接触している。配線開口部13dから後方に延びるフレキシブル配線板25は、背部13cよりも後方でシールド板28の下方対向部28aよりも装置内方の空間A内を通過し、回路基板21に接続されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な前面パネルと、前記前面パネルの後方に位置する表示モジュールと、前記表示モジュールよりも後方に位置する回路基板と、前記表示モジュールを構成する表示セルから前記回路基板に延びるフレキシブル配線板と、を有する表示装置において、
前記表示モジュールの構成部品の少なくとも一部を保持する導電性のホルダを有し、前記ホルダに、後方に向く背部と、前記背部よりもさらに後方に延びる接地延長部とが形成され、前記接地延長部よりも装置内方に位置するシールド板が前記接地延長部に接触しており、
前記フレキシブル配線板は、前記ホルダの前記背部よりも後方で前記シールド板よりも装置内方に形成された空間を通過して前記回路基板に固定されている、ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記空間内に延びるフレキシブル配線板は、その全長にわたって、前記ホルダまたは前記シールド板と対向している請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記空間内で、前記フレキシブル配線板の一部が前記ホルダの前記背部に固定されている請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記ホルダの前記背部に絶縁材料層が設けられ、フレキシブル配線板の一部が前記絶縁材料層に接着されている請求項3記載の表示装置。
【請求項5】
前記ホルダに配線開口部が形成されており、前記フレキシブル配線板は、前記配線開口部内を通過して前記空間に延びている請求項1ないし4のいずれかに記載の表示装置。
【請求項6】
前記接地延長部は、前記配線開口部から後方へ連続している請求項5記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示モジュールは、前記前面パネルの背部に固定された前記表示セルである液晶表示セルと、前記ホルダに保持されたバックライトユニットと、を有している請求項1記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示領域の周囲部分であるいわゆる額縁部の幅を狭くでき、表示モジュールを構成する表示セルとその後方に位置する回路基板を接続するフレキシブル配線板に対する、シールド板の保護機能を高めることができる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用あるいは他の用途で使用される表示装置は、表示領域を広く確保し且つ優れたデザインとするために、フラットな表面の中央部分に画面を表示する動作領域を形成し、動作領域と表示装置の縁部との間のいわゆる額縁部を狭い構造とすることが好まれている。また、表示セルとその後方に位置する回路基板とを接続するフレキシブル配線板への静電気の影響を低減するために、シールド板を設けることが好ましい構造とされている。
【0003】
特許文献1に記載された電子機器では、意匠パネルに支持されたタッチパネルが前面に現われ、タッチパネルの後方に、LCDホルダに保持されたLCDが配置されている。LCDの後方に設けられた基板とタッチパネルとがFPCで接続されているが、このFPCは、LCDの下側の額縁部において、意匠パネルの切欠きの上およびLCDホルダの切欠きの下を通過している。また、額縁部では、FPCの下側にシールド板が設けられている。シールド板は、意匠パネルとLCDホルダとの間に挟まれて、LCDホルダに接触して導通状態となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-62016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された電子機器は、LCDの下側のいわゆる額縁部に、意匠パネルとLCDホルダおよびFPCさらにはシールド板と、多くの部材が配置されているため、額縁部の上下幅寸法を狭くすることが難しい。また、FPCが、金属で形成された意匠パネルとLCDホルダとに挟まれた構造であるため、組み立て作業などにおいて、FPCが意匠パネルとLCDホルダに擦れて、配線の絶縁層が損傷するおそれもある。
【0006】
また、シールド板はLCDの下側にのみ位置し、シールド板がLCDよりも後方の空間に延びていないため、LCDの後方の前記空間内に延び出るFPCのほとんどの部分がシールド板に保護できなくなっている。そのため、FPCに静電気が放電するESD障害を受けやすく、EMC性能も低下しやすい。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、いわゆる額縁部を狭く構成でき、しかもシールド板によってフレキシブル配線板を効果的に保護することができる表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、透明な前面パネルと、前記前面パネルの後方に位置する表示モジュールと、前記表示モジュールよりも後方に位置する回路基板と、前記表示モジュールを構成する表示セルから前記回路基板に延びるフレキシブル配線板と、を有する表示装置において、
前記表示モジュールの構成部品の少なくとも一部を保持する導電性のホルダを有し、前記ホルダに、後方に向く背部と、前記背部よりもさらに後方に延びる接地延長部とが形成され、前記接地延長部よりも装置内方に位置するシールド板が前記接地延長部に接触しており、
前記フレキシブル配線板は、前記ホルダの前記背部よりも後方で前記シールド板よりも装置内方に形成された空間を通過して前記回路基板に固定されている、ことを特徴とするものである。
【0009】
本発明の表示装置は、前記空間内に延びるフレキシブル配線板が、その全長にわたって、前記ホルダまたは前記シールド板と対向していることが好ましい。
【0010】
本発明の表示装置は、前記空間内で、前記フレキシブル配線板の一部が前記ホルダの前記背部に固定されているものとして構成できる。
【0011】
本発明の表示装置は、例えば、前記ホルダの前記背部に絶縁材料層が設けられ、フレキシブル配線板の一部が前記絶縁材料層に接着されているものである。
【0012】
本発明の表示装置は、前記ホルダに配線開口部が形成されており、前記フレキシブル配線板が、前記配線開口部内を通過して前記空間に延びているものが好ましい。さらに、前記接地延長部は、前記配線開口部から後方へ連続していることが好ましい。
【0013】
本発明の表示装置は、例えば前記表示モジュールが、前記前面パネルの背部に固定された前記表示セルである液晶表示セルと、前記ホルダに保持されたバックライトユニットと、を有しているものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、シールド板が、表示モジュールよりも後方位置で接地延長部に接触しており、いわゆる額縁部にシールド板が介在しない構造とすることができるため、額縁部を狭くして、表示セルの動作領域を広く確保することが可能になる。額縁部を通過するフレキシブル配線板が、シールド板に導通するホルダの一部で保護され、さらにホルダよりも後方に延びたフレキシブル配線板がシールド板で保護されるため、フレキシブル配線板を静電気や外部ノイズから保護しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態の車載装置の表示装置を前方から見た斜視図、
図2図1に示される表示装置をII-II線で切断した箇所を側方およびやや後方から見た部分断面図、
図3図2の部分断面図に示される構成部品を分解して示す部分分解断面図、
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に、本発明の実施形態の表示装置1が示されている。表示装置1は車載用であり、自動車の車内のインストルメントパネルやダッシュボードなどに設置される。ただし、本発明の表示装置は車載用に限られず、携帯用、家庭用、事務用など各種表示装置として使用することができる。
【0017】
表示装置1は、Z1-Z2方向が前後方向であり、Z1方向が前方でZ2方向が後方である。車載用の表示装置1は、Z1方向が車室内の搭乗者に向けられる。Y1-Y2方向は上下方向であり、Y1方向が上方でY2方向が下方である。X1-X2方向は左右方向である。
【0018】
表示装置1はケース2を有している。図2に示されるように、ケース2は後方ケース3と前方ケース4とが組み合わされて構成されている。後方ケース3は、金属材料を使用してダイキャスト成型されまたは合成樹脂材料を使用して射出成型されたものであり、表示装置1の後方に向く背部と、上下左右方向の側部とを覆っている。前方ケース4は、金属材料を使用してダイキャスト成型されまたは合成樹脂材料による射出成型されたものであり、枠形状である。枠形状の前方ケース4で囲まれた領域が、ケース2の前方開口部2aである。
【0019】
前記ケース2の前方開口部2aに前面パネル5が位置している。前面パネル5は透明パネルであり、ガラス板またはアクリル系などの合成樹脂板である。図2図3に示されるように、前面パネル5の後方(Z2方向)に向く背面にタッチセンサ6が貼られている。タッチセンサ6は、透明フィルムに透明電極が形成されたものであり、タッチセンサ6によって、前面パネル5の前面に接近しまたは触れた指の座標位置が検知される。
【0020】
ケース2の前方開口部2aでは、前面パネル5の後方に表示モジュール10が設置されている。表示モジュール10は、表示セルである液晶表示セル11とその後方に位置するバックライトユニット12およびバックライトユニット12を保持するホルダ13を有している。液晶表示セル11は、タッチセンサ6の背面に貼られている。前面パネル5とタッチパネル6および液晶表示セル11は光学接着剤を介して互いに接合されている。ホルダ13は導電性の金属材料を使用してダイキャスト成型されたものであり、その枠部前面13aに液晶表示セル11の背面が接着されて固定されている。
【0021】
図1に示されるように、前面パネル5の前方(Z1方向)に向く前面は平坦面(フラット面)であり、表示装置1を前方から見たときの外観のほとんどが前面パネル5で占められている。前面パネル5が占める領域のうちの背部に液晶表示セル11の動作領域15が位置している範囲が表示領域となる。液晶表示セル11が動作していないときは、前方から見たときの前面パネル5は全体が暗色の同一色であり、液晶表示セル11が駆動されると動作領域15に対応する表示領域に画像が表示される。表示装置1の下方では、動作領域15の下縁とケース2の下縁との間の幅寸法Wの領域が額縁部である。表示装置1の上方にも額縁部が設けられ、左右両側部にも額縁部が設けられている。図1に示される表示装置1のデザインでは、上下の額縁部が狭いことが、表示領域を広く確保できる点で好ましく、デザイン上も好ましい。
【0022】
ホルダ13には前方へ開放された保持凹部13bが形成されており、保持凹部13b内にバックライトユニット12が固定されている。バックライトユニット12は、アクリル系樹脂材料などで形成された導光板12aと、導光板12aの側面に対向する複数のLEDなどの光源12bとを有している。バックライトユニット12は、液晶表示セル11の後方に間隔を空けて対向している。図2図3に示されるように、ホルダ13は後方(Z2方向)に向く背部13cを有している。ホルダ13の下部に配線開口部13dが形成されている。配線開口部13dは、左右方向(X1-X2方向)に細長く前後方向(Z1-Z2方向)に貫通した配線穴である。配線開口部13dよりも下側では、ホルダ13の背部13cから後方へ一体に延びる接地延長部13eが設けられている。接地延長部13eは、配線開口部13dの下内面から後方へ向けて連続して形成されている。
【0023】
図2に示されるように、後方ケース3の内部に回路基板21が配置されている。ホルダ13は、背部13cから後方に延びる支持突部を有しており、回路基板21が支持突部の後端部に固定されている。回路基板21には複数の電子部品22が実装されており、後方に向く面にコネクタ23が固定されている。液晶表示セル11の電極部に、フレキシブル配線板(FPC)25の前端部25aの導電部が接合されている。フレキシブル配線板25の後部は折り畳まれてプラグ部25bとなっており、プラグ部25bがコネクタ23に差し込まれ、プラグ部25bの導電部がコネクタ23内の端子と導通している。液晶表示セル11に含まれている各画素の機能部は、フレキシブル配線板25を介して回路基板21において電子部品22で構成されたドライブ回路に接続されている。また、タッチパネル6の電極もフレキシブル配線板25を介して回路基板21の電子部品22で構成される検知回路に接続されてる。
【0024】
図2図3に示されるように、ホルダ13の配線開口部13dの上内面からホルダ13の背部13cにかけて絶縁材料層16が設けられている。絶縁材料層16は合成樹脂層であり、いわゆるインサート成形法によってホルダ13に固着されている。液晶表示セル11から後方へ延びるフレキシブル配線板25は、ホルダ13の配線開口部13d内に挿入されてホルダ13の背部13cよりも後方へ引き出され、上向きに湾曲させられて、フレキシブル配線板25の一部が絶縁材料層16の後方に向く背部16aに接着されている。表示モジュール10が組み立てられたときに、フレキシブル配線板25がホルダ13に固定されているため、フレキシブル配線板25が下方へ垂れたり曲がるのを防ぐことができ、表示モジュール10をケース2に組み付けやすくなる。なお、絶縁材料層16を設けずに、フレキシブル配線板25をホルダ13の背部13cに直接に接着してもよいが、絶縁材料層16を設けることで、導電性の金属材料で形成されたホルダ13とフレキシブル配線板25の配線部との絶縁を確実に行うことができる。また、ホルダ13の配線開口部13dと背部13cとの境界角部にフレキシブル配線板25が直接に当たって擦れるのを防止できる。
【0025】
図2図3に示されるように、後方ケース3の内部にシールド板28が設けられている。シールド板28は、銅板やメッキ鋼板などの導電率の高い金属板で形成されている。シールド板28には、回路基板21およびコネクタ23に後方から対向して垂直に延びる後方対向部28bと、ホルダ13の後方でフレキシブル配線板25に下側から対向して水平に延びる下方対向部28aとが、折り曲げられて形成されている。下方対向部28aの前端部には下側に突状に形成された接触部28cが形成されており、ホルダ13の背部13cよりも後方において、接触部28cが接地延長部13eに装置内側から接触している。接触部28cは、下方対向部28aを構成する金属板の弾性によって、接地延長部13eの上面に弾圧されている。シールド板28の後方対向部28bと下方対向部28aは、共にフレキシブル配線板25よりも左右方向(X1-X2方向)の幅寸法が広くなっており、後方対向部28bと下方対向部28aの左右両側部は、フレキシブル配線板25の左右縁部よりもさらに左右方向にはみ出している。
【0026】
図2に示されるように、ケース2の内部では、ホルダ13の背部13cよりも後方(Z2方向)で、ホルダ13の接地延長部13eおよびシールド板28の下方対向部28aよりも上方(装置内方)に空間Aが形成されており、ホルダ13の配線開口部13d内を通過して後方に延びるフレキシブル配線板25は、この空間Aを通過して回路基板21に固定されたコネクタ23に接続されている。
【0027】
表示装置1は、ホルダ13に接地延長部13eが形成され、この接地延長部13eに、シールド板28の下方対向部28aが装置内方から接触している。この構造では、表示モジュール10の縁部までシールド板を延ばさなくてもホルダ13を接地電位にでき、ホルダ13が電気的に浮遊状態となるのを防止できる。すわわち、図2に示す幅寸法Wの額縁部において奥行き寸法Lの範囲にシールド板を配置する必要がない。そのため、額縁部の構造を簡素化でき、幅寸法Wを狭くしやすくなっている。また、フレキシブル配線板25が配線開口部13d内を通過しており、額縁部においてフレキシブル配線板25がシールド板などの金属板のエッジなどに擦れることがないため、組み立て作業などにおいて、フレキシブル配線板25が損傷するのを防止しやすい。
【0028】
表示装置1は、接地延長部13eがシールド板28に接続されてホルダ13が接地電位となっている。帯電した操作者の指が前面パネル5の表面に接触して前面パネル5が帯電し装置内方への放電が生じることがあったとしても、その電荷がホルダ13で受けられてシールド板28に導かれるため、フレキシブル配線板25が放電の影響を受けにくくなっている。特に、フレキシブル配線板25はホルダ13の配線開口部13dの内部を通過し、フレキシブル配線板25がシールドで囲まれた状態となっているため、フレキシブル配線板25が静電気の影響を受けにくくなる。
【0029】
ホルダ13の背部13cよりも後方の空間Aにおいては、フレキシブル配線板25の下側に接地延長部13eとシールド板28の下方対向部28aが対向し、フレキシブル配線板25とコネクタ23との接続部の後方にシールド板28の後方対向部28bが対向している。ホルダ13の枠部前面13aよりも後方では、その全長にわたって、フレキシブル配線板25にホルダ13の一部またはシールド板28が対向している。そのため、複数の方向からの静電気による放電を受けたとしても、フレキシブル配線板25を保護することができ、ESD(Electro-Static Discharge)障害の影響を受けにくい。
【0030】
図2に示されるように、フレキシブル配線板25は、ホルダ13の背部13cよりも後方でシールド板28の下方対向部28aよりも上方の空間Aに配線され、フレキシブル配線板25は、接地延長部13eおよび下方対向部28aよりも装置内方へ離れるように上方に向けて湾曲した形状で絶縁材料層16の背部16aに接着されている。シールド板28の縁部や角部にアンテナ作用による電界が集中することがあったとしても、空間Aにおいて、フレキシブル配線板25がシールド板28から離れているため、前記電界によるノイズがフレキシブル配線板25に到達しずらくなり、EMC(Electromagnetic Compatibility)性能も高く維持できるようになる。
【0031】
なお、フレキシブル配線板25が表示装置1の上方(Y1方向)の額縁部から後方に延びている場合には、図2図3を上下逆にした構造となる。また表示装置1の左右いずれかの額縁部にてフレキシブル配線板25が後方に延びている構造においても本発明を実施できる。
【0032】
本発明の表示モジュールは液晶表示セル11を使用したものに限られず、表示セルとして例えばエレクトロルミネッセンスセルを使用した装置にも実施することができる。この場合、ホルダ13はエレクトロルミネッセンスセルを保持する構造となる。
【符号の説明】
【0033】
1 表示装置
2 ケース
5 前面パネル
10 表示モジュール
11 液晶表示セル
12 バックライトユニット
13 ホルダ
13c 背部
13d 配線開口部
13e 接地延長部
16 絶縁材料層
21 回路基板
23 コネクタ
25 フレキシブル配線板
28 シールド板
A 空間
図1
図2
図3