(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138745
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置、システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20241002BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049405
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】516009748
【氏名又は名称】株式会社Gozal
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼谷 元悠
(72)【発明者】
【氏名】黒瀬 瑛之
(72)【発明者】
【氏名】羽野 さやか
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA08
5L049AA08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】外部の事業者が運営する給与計算サービス等と連携することにより、柔軟な給与計算支援サービスを提供するプログラム、方法、情報処理装置及びシステムを提供する。
【解決手段】方法は、従業員の人事情報を取得する人事取得ステップと、取得した従業員の人事情報に基づき、従業員の人事情報の変動を特定する人事変動特定ステップと、特定した人事情報の変動と、所定条件とを比較することにより、従業員のうち所定の従業員について給与計算に影響を与える人事情報の変動を特定する給与変動特定ステップと、特定した人事情報の変動に応じて、所定の従業員について給与額を算定し、外部の事業者が運営する給与計算システムへ、人事情報を出力することなく、算定した給与額を出力する第1出力ステップと、所定の従業員の人事情報のうち少なくとも給与計算の際に算定の基礎となる人事情報を、給与計算システムへ出力する第2出力ステップと、を含む。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プロセッサが、
1または複数の従業員の人事情報を取得する人事取得ステップと、
前記人事取得ステップにおいて取得した前記1または複数の従業員の人事情報に基づき、前記1または複数の従業員の人事情報の変動を特定する人事変動特定ステップと、
前記人事変動特定ステップにおいて特定した前記人事情報の変動と、所定条件とを比較することにより、前記1または複数の従業員のうち所定の従業員について給与計算に影響を与える前記人事情報の変動を特定する給与変動特定ステップと、
前記給与変動特定ステップにおいて特定した前記人事情報の変動に応じて、
前記所定の従業員について給与額を算定し、外部の事業者が運営する給与計算システムへ、前記人事情報を出力することなく、前記算定した給与額を出力する第1出力ステップと、
前記所定の従業員の前記人事情報のうち少なくとも給与計算の際に算定の基礎となる人事情報を、前記給与計算システムへ出力する第2出力ステップと、
の少なくともいずれか1つを実行する、
プログラム。
【請求項2】
前記給与変動特定ステップにおいて特定された前記人事情報の変動に基づき前記所定の従業員について算定された給与額をユーザに提示する給与提示ステップと、
前記給与提示ステップにおいて提示された前記給与額に応じて、前記所定の従業員の給与額を前記ユーザから受け付ける給与受付ステップと、
を実行し、
前記第1出力ステップは、前記給与受付ステップにおいて受け付けた前記給与額を前記給与計算システムへ出力するステップである、
請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記第2出力ステップは、前記所定の従業員について算定された給与額を出力することなく、給与計算の際に算定の基礎となる前記人事情報を、前記給与計算システムへ出力するステップである、
請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
前記人事取得ステップは、外部の事業者が運営する人事情報管理システムから定期的に前記1または複数の従業員の人事情報を取得するステップである、
請求項1記載のプログラム。
【請求項5】
前記プロセッサが、
前記給与変動特定ステップにおいて特定した前記人事情報の変動に基づき、前記所定の従業員の人事情報を前記給与計算システムへ反映する手順を示す情報を提示する反映手順提示ステップと、
を実行し、
前記第2出力ステップは、前記反映手順提示ステップにおいて提示された前記手順に従い、ユーザからの入力操作を受け付け、当該入力操作に応じて前記給与計算の際に算定の基礎となる人事情報を、前記給与計算システムへ出力するステップである、
請求項1記載のプログラム。
【請求項6】
前記第2出力ステップは、ユーザからの入力操作を受け付けることなく、前記給与計算の際に算定の基礎となる人事情報を、前記給与計算システムへ出力するステップである、
請求項1記載のプログラム。
【請求項7】
前記第2出力ステップは、前記給与計算の際に算定の基礎となる人事情報を、予め設定されたタイミングで、前記給与計算システムへ出力するステップである、
請求項5記載のプログラム。
【請求項8】
前記プロセッサが、
前記給与変動特定ステップにおいて特定された前記所定の従業員の人事情報の変動に基づき、前記所定の従業員の人事情報の変動に関する情報を含む連絡票を起票する連絡票起票ステップと、
を実行する、
請求項1記載のプログラム。
【請求項9】
前記プロセッサが、
前記所定の従業員について、前記連絡票起票ステップにおいて起票された前記連絡票と、人事情報の変動に基づく給与額の変動を示す情報と、を関連付けてユーザに提示する連絡票提示ステップと、
を実行する、
請求項8記載のプログラム。
【請求項10】
前記連絡票提示ステップは、前記所定の従業員について、前記連絡票起票ステップにおいて起票された前記連絡票と、変動後の人事情報に基づき算定された変動後給与額と、変動前の人事情報に基づき算定された変動前給与額と、を関連付けて前記ユーザに提示するステップである、
請求項9記載のプログラム。
【請求項11】
前記連絡票提示ステップにおいて提示される前記連絡票は、前記人事情報の変動前後の所定期間内に起票された連絡票である、
請求項9記載のプログラム。
【請求項12】
前記コンピュータは、外部の事業者が運営する給与計算システムおよび外部の事業者が運営する人事情報管理システムと連携することにより、給与計算支援に関するプラットフォームサービスを提供する、
請求項1記載のプログラム。
【請求項13】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、前記プロセッサが、請求項1から請求項12のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する方法。
【請求項14】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、前記制御部が、請求項1から請求項12のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する情報処理装置。
【請求項15】
請求項1から請求項12のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する手段を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
クラウド上で社員の出勤状況等に応じて給与計算したり社員の人事情報を管理する技術が知られている。
特許文献1には、事象発生から支給日までのずれをなるべく少なくする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが複数の給与計算サービスや人事情報管理サービスと契約している場合において、当該サービスごとに記憶されている社員の情報を柔軟に管理することができていないという課題がある。
そこで、本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、外部の事業者が運営する給与計算サービス等と連携することにより、柔軟な給与計算支援サービスを提供する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プロセッサが、1または複数の従業員の人事情報を取得する人事取得ステップと、人事取得ステップにおいて取得した1または複数の従業員の人事情報に基づき、1または複数の従業員の人事情報の変動を特定する人事変動特定ステップと、人事変動特定ステップにおいて特定した人事情報の変動と、所定条件とを比較することにより、1または複数の従業員のうち所定の従業員について給与計算に影響を与える人事情報の変動を特定する給与変動特定ステップと、給与変動特定ステップにおいて特定した人事情報の変動に応じて、所定の従業員について給与額を算定し、外部の事業者が運営する給与計算システムへ、人事情報を出力することなく、算定した給与額を出力する第1出力ステップと、所定の従業員の人事情報のうち少なくとも給与計算の際に算定の基礎となる人事情報を、給与計算システムへ出力する第2出力ステップと、の少なくともいずれか1つを実行する、プログラム。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、外部の事業者が運営する給与計算サービス等と連携することにより、柔軟な給与計算支援サービスを提供する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】システム1の機能構成を示すブロック図である。
【
図2】サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】ユーザ端末20の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】ユーザテーブル1012のデータ構造を示す図である。
【
図5】グループテーブル1013のデータ構造を示す図である。
【
図6】従業員テーブル1014のデータ構造を示す図である。
【
図7】人事情報テーブル1015のデータ構造を示す図である。
【
図8】連絡票テーブル1016のデータ構造を示す図である。
【
図9】情報収集処理の動作を示すフローチャートである。
【
図10】情報出力処理の動作を示すフローチャートである。
【
図11】トリガー作成処理におけるトリガー作成画面の画面例である。
【
図12】連絡票一覧提示処理における連絡票一覧提示画面の画面例である。
【
図13】連絡票提示処理における連絡票提示画面の画面例である。
【
図14】従業員提示処理における従業員提示画面の画面例である。
【
図15】コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0009】
<システム1の構成>
本開示におけるシステム1は、企業、官公庁等における社員等(以下、従業員)の給与計算を支援するための給与計算支援サービスを提供する情報処理システムである。
システム1は、ネットワークNを介して接続された、サーバ10、ユーザ端末20、給与計算システム30、人事情報管理システム40の情報処理装置を備える。
図1は、システム1の機能構成を示すブロック図である。
図2は、サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
図3は、ユーザ端末20の機能構成を示すブロック図である。
【0010】
各情報処理装置は演算装置と記憶装置とを備えたコンピュータにより構成されている。コンピュータの基本ハードウェア構成および、当該ハードウェア構成により実現されるコンピュータの基本機能構成は後述する。サーバ10、ユーザ端末20、給与計算システム30、人事情報管理システム40のそれぞれについて、後述するコンピュータの基本ハードウェア構成およびコンピュータの基本機能構成と重複する説明は省略する。
【0011】
<サーバ10の構成>
サーバ10は、給与計算支援サービスを提供する情報処理装置である。本開示においては、サーバ10は、外部の事業者が運営する給与計算システム、人事労務管理サービス等の外部サービスと情報通信を行うことにより、ユーザに対して従業員の給与計算を支援する情報処理サービスを提供する。
なお、本開示におけるユーザは、企業等の経理部署等に所属し従業員の給与計算等の業務に従事する社員、その他、複数の顧問先企業の従業員の給与計算等の業務に従事する税理士、会計士、社会保険労務士、税理士事務所、会計士事務所、社会保険労務士事務所に所属する事務員等が含まれる。
サーバ10は、記憶部101、制御部104を備える。
【0012】
<サーバ10の記憶部101の構成>
サーバ10の記憶部101は、アプリケーションプログラム1011、ユーザテーブル1012、グループテーブル1013、従業員テーブル1014、人事情報テーブル1015、連絡票テーブル1016を備える。
【0013】
アプリケーションプログラム1011は、サーバ10の制御部104を各機能ユニットとして機能させるためのプログラムである。
アプリケーションプログラム1011は、ウェブブラウザアプリケーションなどのアプリケーションを含む。
【0014】
ユーザテーブル1012は、サービスを利用する会員ユーザ(以下、ユーザ)の情報を記憶し管理するテーブルである。ユーザは、サービスの利用登録を行うことで、当該ユーザの情報がユーザテーブル1012の新しいレコードに記憶される。これにより、ユーザは本開示にかかるサービスを利用できるようになる。
ユーザテーブル1012は、ユーザIDを主キーとして、ユーザID、ユーザ名、グループIDのカラムを有するテーブルである。
図4は、ユーザテーブル1012のデータ構造を示す図である。
【0015】
ユーザIDは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を記憶する項目である。ユーザ識別情報は、ユーザごとにユニークな値が設定されている項目である。
ユーザ名は、ユーザの氏名を記憶する項目である。ユーザ名は、氏名ではなく、ニックネームなど任意の文字列を設定しても良い。
グループIDは、ユーザが本開示にかかる情報処理サービスにおける処理対象となるグループのグループ識別情報を記憶する項目である。具体的に、1のユーザに対して1また複数の企業(グループ)を割り当てることができる。
【0016】
グループテーブル1013は、グループに関する情報(グループ情報)を記憶し管理するためのテーブルである。グループは、会社等の法人を主に対象としており、その他、官公庁、地方自治体、非営利法人、社団法人、財団法人、宗教法人等、従業員等に対して給与支払いを行う任意の組織を含む。
グループテーブル1013は、グループIDを主キーとして、グループID、グループ名、トリガー情報のカラムを有するテーブルである。
図5は、グループテーブル1013のデータ構造を示す図である。
【0017】
グループIDは、グループを識別するためのグループ識別情報を記憶する項目である。グループ識別情報は、グループ情報ごとにユニークな値が設定されている項目である。
グループ名は、グループの名称を記憶する項目である。具体的に、グループ名には法人名等が記憶される。
トリガー情報は、グループ識別情報に基づき特定されるグループにおいて、人事情報の変動内容と、当該人事情報の変動内容に応じて実行される処理の内容を関連付けて記憶する情報である。トリガー情報は、検知対象となる人事情報の変動内容を規定するための検知内容、人事情報の変動内容に応じた給与計算ルール、連絡票を起票する際の起票情報を少なくとも含む。
【0018】
給与計算ルールは、グループ識別情報に基づき特定されるグループにおいて従業員に対して支払う給与を計算するための給与計算規則を記憶する項目である。給与計算規則は、企業の給与体系に応じて定められる。
本開示において従業員に支払われる給与は次の項目を含む。
「基本給」従業員の役割や職務に応じて決定される給与の基本額である。
「手当」業務内容や勤務時間などに応じて支払われる追加給与です。例えば、残業手当、深夜勤務手当、家族手当などがある。
「賞与」企業の業績や従業員の成績などに応じて支払われる一時金である。
従業員に支払われる給与は次の項目に基づき給与計算規則等の給与計算ルールに従い計算することができる。
「役職、職位、等級」従業員の役職(課長、室長、部長)や職位、等級。
「勤務評定」従業員の勤務成績。勤務評定により、従業員の能力や成果、努力などを客観的に評価し、その結果を基に昇給や昇進などの処遇を決定する。
「勤務時間」勤務時間や残業時間など。
「勤務年数」なお、トリガー情報に記憶される項目は給与額の計算式である必要は必ずしもなく、文章により規定される給与規定(賃金規定)が記憶されるものとしても良い。
【0019】
起票情報は、連絡票を起票するタイミングである起票時期、連絡票を分類するための種別情報である起票カテゴリ(入社、退職、休職等)、連絡票に記載されるメッセージ文章である起票内容を含む。
【0020】
従業員テーブル1014は、従業員に関する情報(従業員情報)を記憶し管理するためのテーブルである。
従業員テーブル1014は、従業員IDを主キーとして、従業員ID、グループID、氏名のカラムを有するテーブルである。
図6は、従業員テーブル1014のデータ構造を示す図である。
【0021】
従業員IDは、従業員を識別するための従業員識別情報を記憶する項目である。従業員識別情報は、従業員情報ごとにユニークな値が設定されている項目である。
グループIDは、グループを識別するためのグループ識別情報を記憶する項目である。
氏名は、従業員の氏名を記憶する項目である。
【0022】
人事情報テーブル1015は、人事に関する情報(人事情報)を記憶し管理するためのテーブルである。
人事情報テーブル1015は、人事情報IDを主キーとして、人事情報ID、従業員ID、人事情報、日時のカラムを有するテーブルである。
図7は、人事情報テーブル1015のデータ構造を示す図である。
【0023】
人事情報IDは、人事情報を識別するための人事情報識別情報を記憶する項目である。人事情報識別情報は、人事情報ごとにユニークな値が設定されている項目である。
従業員IDは、従業員を識別するための従業員識別情報を記憶する項目である。
人事情報は、従業員識別情報に基づき特定される従業員の人事情報を記憶する項目である。
人事情報は、企業が管理する従業員に関する情報を含む。具体的には次の項目を含む。
「基本情報」氏名、住所、年齢、性別、生年月日、連絡先など。
「経歴情報」入社日、退職日、所属部署、役職、昇進履歴、異動履歴、転勤履歴など。
「能力情報」学歴、資格、スキル、実績、評価など。
「労務情報」勤務時間、勤務状況、休暇履歴、残業時間、福利厚生など。
「健康情報」健康診断結果、病歴、アレルギー、障害、医療保険など。
日時は、人事情報テーブル1015に新たにレコードが記憶されたり更新された際の記憶日時を記憶する項目である。
【0024】
連絡票テーブル1016は、従業員の人事情報の変動に関する情報を含む連絡票に関する情報(連絡票情報)を記憶し管理するためのテーブルである。
連絡票テーブル1016は、連絡票IDを主キーとして、連絡票ID、従業員ID、連絡票データ、人事情報ID、日時のカラムを有するテーブルである。
図8は、連絡票テーブル1016のデータ構造を示す図である。
【0025】
連絡票IDは、連絡票を識別するための連絡票識別情報を記憶する項目である。
従業員IDは、従業員を識別するための従業員識別情報を記憶する項目である。
連絡票データは、連絡票の内容に関する情報を記憶する項目である。
連絡票データは、起票時期、起票カテゴリ、起票内容に関する情報を含む。
人事情報IDは、連絡票識別により特定される連絡票に関連付けられた人事情報を特定するための人事情報識別情報を記憶する項目である。
日時は、連絡票テーブル1016に新たにレコードが記憶されたり更新された際の記憶日時を記憶する項目である。
【0026】
<サーバ10の制御部104の構成>
サーバ10の制御部104は、ユーザ登録制御部1041、収集部1042、出力部1043を備える。制御部104は、記憶部101に記憶されたアプリケーションプログラム1011を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0027】
ユーザ登録制御部1041は、本開示に係るサービスの利用を希望するユーザの情報をユーザテーブル1012に記憶する処理を行う。
ユーザテーブル1012に記憶される情報は、ユーザが任意の情報処理端末からサービス提供者が運営するウェブページなどを開き、所定の入力フォームに情報を入力しサーバ10へ送信する。ユーザ登録制御部1041は、受信した情報をユーザテーブル1012の新しいレコードに記憶し、ユーザ登録が完了する。これにより、ユーザテーブル1012に記憶されたユーザはサービスを利用することができるようになる。
ユーザ登録制御部1041によるユーザ情報のユーザテーブル1012への登録に先立ち、サービス提供者は所定の審査を行いユーザによるサービス利用可否を制限しても良い。
ユーザIDは、ユーザを識別できる任意の文字列または数字で良く、ユーザが希望する任意の文字列または数字、もしくはユーザ登録制御部1041が自動的に任意の文字列または数字を設定しても良い。
【0028】
収集部1042は、情報収集処理を実行する。詳細は後述する。
【0029】
出力部1043は、情報出力処理を実行する。詳細は後述する。
【0030】
<ユーザ端末20の構成>
ユーザ端末20は、サービスを利用するユーザが操作する情報処理装置である。ユーザ端末20は、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯端末でもよいし、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよい。また、HMD(Head Mount Display)、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。
ユーザ端末20は、記憶部201、制御部204、入力装置206、出力装置208を備える。
【0031】
<ユーザ端末20の記憶部201の構成>
ユーザ端末20の記憶部201は、ユーザID2011、アプリケーションプログラム2012を備える。
【0032】
ユーザID2011はユーザのアカウントIDである。ユーザは、ユーザ端末20からユーザID2011を、サーバ10へ送信する。サーバ10は、ユーザID2011に基づきユーザを識別し、本開示にかかるサービスをユーザに対して提供する。なお、ユーザID2011には、ユーザ端末20を利用しているユーザを識別するにあたりサーバ10から一時的に付与されるセッションIDなどの情報を含む。
【0033】
アプリケーションプログラム2012は、記憶部201に予め記憶されていても良いし、通信IFを介してサービス提供者が運営するウェブサーバ等からダウンロードする構成としても良い。
アプリケーションプログラム2012は、ウェブブラウザアプリケーションなどのアプリケーションを含む。
アプリケーションプログラム2012は、ユーザ端末20に記憶されているウェブブラウザアプリケーション上で実行されるJavaScript(登録商標)などのインタープリター型プログラミング言語を含む。
【0034】
<ユーザ端末20の制御部204の構成>
ユーザ端末20の制御部204は、入力制御部2041、出力制御部2042を備える。制御部204は、記憶部201に記憶されたアプリケーションプログラム2012を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0035】
<ユーザ端末20の入力装置206の構成>
ユーザ端末20の入力装置206は、カメラ2061、マイク2062、位置情報センサ2063、モーションセンサ2064、キーボード2065を備える。
【0036】
<ユーザ端末20の出力装置208の構成>
ユーザ端末20の出力装置208は、ディスプレイ2081、スピーカ2082を備える。
【0037】
<給与計算システム30の構成>
給与計算システム30は、企業が従業員に支払う給与を計算するためのシステムである。従業員の職位、等級、基本給、出勤時間、残業時間、有給休暇などの情報を給与計算システム30に入力することで、給与や社会保険料、税金などを自動的に計算することができる。
給与計算システム30は、従業員の人事情報(職位、等級、給与テーブル等に基づき定まる基本給等)を管理するための機能に加えて、次のような機能を備える。なお、給与計算システム30は、必ずしもすべての機能を備えている必要はなく、少なくとも従業員の人事情報に基づき、当該従業員の給与を計算および記憶する機能を備えているものであれば構わない。
「勤怠管理機能」従業員の出勤・退勤時間や休暇情報を記録する機能である。これにより、出勤日数や残業時間などを自動的に集計できる。
「給与計算機能」従業員の基本給や残業代、手当などを自動的に計算する機能である。また、社会保険料や税金なども自動的に計算できる。
「明細書作成機能」給与明細書を自動的に作成する機能である。従業員ごとに個別に給与明細書を作成できる。
「データ管理機能」従業員の情報や給与計算に関するデータを管理する機能である。従業員の雇用契約書や履歴書などの情報も管理できる。
【0038】
給与計算システム30は、クラウド上で提供されるクラウド型給与計算システムを一例として説明する。クラウド型給与計算システムにおいては、従業員等は自身のスマートフォン、PC等からインターネットを介して給与計算システムにアクセスし、給与計算サービスの提供を受けることができる。給与計算システム30には、例えば、人事労務freee、マネーフォワードクラウド給与、ジョブカン給与計算、給与奉行クラウド等がある。
なお、給与計算システム30は、オンプレミス(自社保有のサーバ、ネットワーク機器、ソフトウェアなどの情報インフラを用いてシステムを運用する形態)で提供される給与計算システムでも構わない。また、本開示にかかるサーバ10は、複数の給与計算システム30と接続されていても良い。
【0039】
<人事情報管理システム40の構成>
人事情報管理システム40は、企業が従業員の情報を効率的に管理するためのシステムである。人事情報管理システム40を利用することにより、企業が抱える人事業務の負担を軽減し、業務の効率化を図ることができる。本開示における人事情報管理システム40は、ERP型人事システム、人事評価・タレントマネジメントシステム、労務管理システムを含む。
人事情報管理システム40は、次のような機能を備える。なお、人事情報管理システム40は、必ずしもすべての機能を備えている必要はなく、少なくとも従業員の人事情報を記憶し、管理する機能を備えていれば良い。
「情報管理機能」従業員の基本情報を管理する機能である。これにより、従業員の氏名や生年月日、雇用形態、所属部署などの情報を登録・更新・削除することができる。
「人事評価機能」従業員の評価や昇進・昇給の決定を行う機能である。評価ポイントの設定や評価結果の管理などを行うことができる。
「研修管理機能」従業員の研修計画の立案や研修実績の管理を行う機能である。研修計画の作成や研修申請の承認などを行うことができる。
「組織分析機能」企業の組織構造や従業員の配置などを分析する機能である。組織図の作成や人員配置の最適化、労働力需要予測などを行うことができる。
【0040】
人事情報管理システム40は、クラウド上で提供されるクラウド型人事情報管理システムを一例として説明する。クラウド型人事情報管理システムにおいては、従業員等は自身のスマートフォン、PC等からインターネットを介して人事情報管理システムにアクセスし、人事情報管理サービスの提供を受けることができる。人事情報管理システム40には、例えば、OBIC7、カオナビ、タレントパレット、HRBrain、人事労務freee、マネーフォワードクラウド人事管理、SmartHR、jinjer労務等がある。
なお、人事情報管理システム40は、オンプレミス(自社保有のサーバ、ネットワーク機器、ソフトウェアなどの情報インフラを用いてシステムを運用する形態)で提供される人事情報管理システムでも構わない。また、本開示にかかるサーバ10は、複数の人事情報管理システム40と接続されていても良い。
【0041】
給与計算システム30には人事情報管理機能を備えるシステムもあり、そのようなシステムも給与計算システム30に含むものとしても良い。人事情報管理システム40には給与計算機能を備えるシステムもあり、そのようなシステムも人事情報管理システム40に含むものとしても良い。つまり、給与計算システム30と人事情報管理システム40は同一のシステムであっても構わない。そのような場合においても本開示の発明は給与計算支援サービスを提供することができる。
【0042】
<システム1の動作>
以下、システム1の各処理について説明する。
図9は、情報収集処理の動作を示すフローチャートである。
図10は、情報出力処理の動作を示すフローチャートである。
図11は、トリガー作成処理におけるトリガー作成画面の画面例である。
図12は、連絡票一覧提示処理における連絡票一覧提示画面の画面例である。
図13は、連絡票提示処理における連絡票提示画面の画面例である。
図14は、従業員提示処理における従業員提示画面の画面例である。
【0043】
<情報収集処理>
情報収集処理は、外部の事業者が運営する人事情報管理システム40から人事情報を収集するための処理である
【0044】
<情報収集処理の概要>
情報収集処理は、人事情報管理システム40から人事情報を収集し、収集した人事情報に基づき従業員の人事情報の変動を特定し、人事情報の変動を条件と比較し、比較結果に応じて連絡票を起票する一連の処理である。
【0045】
<情報収集処理の詳細>
以下に、情報収集処理の詳細を説明する。
【0046】
ステップS101において、サーバ10の収集部1042は、1または複数の従業員の人事情報を取得する人事取得ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の収集部1042は、不図示のテーブル等に記憶されている人事情報管理システム40の人事情報を取得するためのAPI(Application Programming Interface)エンドポイントに人事情報を取得するためのリクエストを送信する。リクエストは、ユーザテーブル1012に記憶されているユーザID、当該ユーザのグループID、当該ユーザの人事情報管理システム40におけるパスワード等の情報を含んでも良い。リクエストは、人事情報管理システム40に記憶されているグループIDに基づき特定される会社等のグループに所属する従業員の人事情報を取得するための情報を含む。
人事情報管理システム40は、リクエストに対するレスポンスとして人事情報をサーバ10へ送信する。サーバ10は、人事情報管理システム40から人事情報を受信し、受け付ける。
【0047】
サーバ10の収集部1042は、人事情報管理システム40が提供する人事情報管理サービスのウェブサイトから人事情報をロボットによりスクレイピング(ウェブページのHTMLコード、JavaScript(登録商標)等のコードを解析して必要な情報を取得)することにより、人事情報を取得し、受け付ける。
【0048】
ユーザは、人事情報管理システム40が提供する人事情報管理サービスの所定のウェブサイトからCSV、テキストファイル等の人事情報をダウンロードする。ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、ダウンロードしたCSV、テキストファイル等の人事情報をアップロードする構成としても良い。この場合、サーバ10の収集部1042は、ユーザによりアップロードされたCSV、テキストファイルから人事情報を取得し、受け付けることができる。
【0049】
ステップS101において、人事取得ステップは、外部の事業者が運営する人事情報管理システムから定期的に1または複数の従業員の人事情報を取得するステップを実行する。
具体的に、サーバ10の収集部1042は、定期的に人事情報管理システム40から人事情報の収集を行う。例えば、サーバ10の収集部1042は、人事情報取得ステップを毎日、毎週同じ曜日、毎月同じ日の所定の時間に人事情報取得ステップを実行しても良い。
【0050】
ステップS101において、サーバ10の収集部1042は、ユーザによる入力操作に応じて、情報収集処理を実行しても良い。この場合、ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、情報収集処理の実行を要求するリクエストをサーバ10へ送信する。サーバ10の収集部1042は、ユーザ端末20から受信したリクエストに応じて情報収集処理を実行する。
【0051】
サーバ10の収集部1042は、ユーザのユーザIDに基づき、当該ユーザまたはグループテーブル1013において規定されるユーザが関連付けられたグループに関連付けられた複数の人事情報管理システム40のそれぞれに対して、情報収集処理を実行するものとしても良い。例えば、ユーザが複数の企業(グループ)の給与計算業務を担当している場合において、当該複数の企業がそれぞれ異なる複数の人事情報管理システム40と契約している場合には、当該異なる複数の人事情報管理システム40に対して情報収集処理を実行する。
【0052】
サーバ10の収集部1042は、取得した人事情報に含まれる従業員ID、従業員IDにより特定される従業員ごとの人事情報、取得日時を、人事情報テーブル1015の新たなレコードの従業員ID、人事情報、日時の項目に記憶する。なお、従業員IDにより特定される従業員が従業員テーブル1014に記憶されていない場合には、従業員テーブル1014の新たなレコードの従業員ID、グループID、氏名の項目に新たに従業員の従業員情報を記憶する。
【0053】
ステップS102において、サーバ10の収集部1042は、人事取得ステップにおいて取得した1または複数の従業員の人事情報に基づき、1または複数の従業員の人事情報の変動を特定する人事変動特定ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の収集部1042は、ステップS101において取得した従業員の人事情報ごとに、従業員IDに基づき人事情報テーブル1015の従業員IDの項目を検索し過去に取得した人事情報を取得する。サーバ10の収集部1042は、最新の人事情報と、過去の人事情報とを比較することにより人事情報の変動を特定する。具体的に、所属部署、役職、休職、勤務状況等のそれぞれの項目の変動を特定する。
例えば、人事情報の変動には次のようなものがある。
・部署異動
・通勤経路の変更
・給与改定
・産休の開始
・正社員から契約社員への変更
・契約内容の変更
・傷病休職の開始
【0054】
<トリガー作成処理>
ステップS103において、ユーザは、給与計算ルールを含むトリガー情報を作成し、サーバ10の記憶部101に記憶する。トリガー情報は、人事情報の変動内容と、当該人事情報の変動内容に応じて実行される処理の内容を関連付けて記憶するものである。トリガー作成処理は、情報収集処理において実行される必要は必ずしもなく、ユーザは任意のタイミングでトリガー作成処理を実行し、トリガー情報を入力、編集することができる。
ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、ウェブブラウザ等にトリガー作成処理を実行するためのページ(トリガー作成処理ページ)のURLを入力し、トリガー作成処理ページを開く。ユーザ端末20の制御部204は、トリガー作成処理ページを開くためのリクエストを、サーバ10へ送信する。サーバ10の収集部1042は、受信したリクエストに基づき、トリガー作成処理ページを生成しユーザ端末20へ送信する。ユーザ端末20の制御部204は、受信したトリガー作成処理ページをユーザ端末20のディスプレイ2081に表示する。
【0055】
図11は、トリガー作成処理におけるトリガー作成画面の画面例である。ユーザ端末20のディスプレイ2081には、トリガー作成ページD1が表示される。トリガー作成ページD1は、トリガー作成画面D10を含む。トリガー作成画面D10は、トリガー情報の名称であるトリガー名D101、トリガー情報を管理するためのタグD102、検知対象となる人事情報の変動内容を規定するための検知内容D103、人事情報の変動内容に応じた給与計算ルールの入力欄である給与計算D104、人事情報の変動内容を人事情報管理システム40に反映するための設定の入力欄であるマスタ更新D105、その他、連絡票を起票する際の起票内容を設定するための入力欄である起票情報D106を含む。
起票情報D106は、連絡票を起票するタイミングである起票時期、連絡票を分類するための種別情報である起票カテゴリ(入社、退職、休職等)、連絡票に記載されるメッセージ文章である起票内容に関する入力欄を含む。
【0056】
ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、検知内容D103の内容を編集することができる。具体的に、検知内容D103には、入社時期(月途中入社の場合)、通勤経路の変更等を具体的に入力することができる。これにより、例えば出勤日数の変動等を検知することができる。
ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、給与計算D104の内容を編集することができる。具体的に、給与計算D104には、検知内容D103により検知される人事情報の変動に応じた給与計算式の内容を入力する。
ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、マスタ更新D105の内容を編集することができる。具体的に、検知される人事情報の変動を、どの人事情報管理システム40の、どの項目にいつ反映するのか内容を入力する。
【0057】
ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、トリガー作成画面D10に入力された入力情報をサーバ10へ送信する。サーバ10の収集部1042は、受信した入力情報を、グループテーブル1013において当該トリガー情報が適用対象となるグループのグループIDに基づき特定されるレコードのトリガー情報の項目に記憶する。つまり、トリガー情報は、適用対象となる企業(グループ)ごとに設定することができる。なお、トリガー情報はユーザごとに設定するものとしても良い。
【0058】
ステップS104において、サーバ10の収集部1042は、人事変動特定ステップにおいて特定した人事情報の変動と、所定条件とを比較することにより、1または複数の従業員のうち所定の従業員について給与計算に影響を与える人事情報の変動を特定する給与変動特定ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の収集部1042は、従業員IDに基づき従業員テーブル1014の従業員IDの項目を検索し、グループIDを取得する。サーバ10の収集部1042は、取得したグループIDに基づきグループテーブル1013のグループIDの項目を検索し、給与計算ルールを含むトリガー情報を取得する。
サーバ10の収集部1042は、ステップS102において特定した人事情報の変動に対して、トリガー情報に含まれる給与計算ルールを適用することにより、特定した人事情報の変動が給与計算に影響を与えるか否かを判定する。具体的に、変動前の人事情報に対して給与計算ルールに基づき算定された給与額と、変動後の人事情報に対して給与計算ルールに基づき算定された給与額とを比較し、給与額が変動している場合には、人事情報の変動が給与計算に影響を与えると判定する。なお、給与額の変動の特定は、サーバ10の収集部1042により自動的に行っても良いし、人事情報の変動をユーザに対して提示し、当該提示された人事情報の変動に対してユーザからの入力操作を受け付けることにより給与額の変動を特定しても良い。
【0059】
なお、サーバ10の収集部1042は、トリガー情報に基づき給与計算に影響を与える人事情報の変動以外の人事情報の変動を特定しても構わない。トリガー情報の検知内容D103に従い、人にの人事情報の変動を検知し、特定しても良い。
【0060】
ステップS105において、サーバ10の収集部1042は、給与変動特定ステップにおいて特定された所定の従業員の人事情報の変動に基づき、所定の従業員の人事情報の変動に関する情報を含む連絡票を起票する連絡票起票ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の収集部1042は、ステップS104において特定したトリガー情報の起票情報に含まれる起票時期、起票カテゴリ、起票内容に応じて、連絡票データを生成し、ステップS102において特定した従業員の従業員ID、連絡票ID、ステップS103およびステップS104において特定した当該従業員に関連付けられた人事情報IDをそれぞれ、連絡票テーブル1016の新たなレコードの従業員ID、連絡票データ、人事情報IDの項目に記憶する。これにより、人事情報の変動に従い新たな連絡票が起票される。
【0061】
なお、連絡票の起票はサーバ10の収集部1042により自動的に実行される必要は必ずしもない。例えば、ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、サーバ10が提供する連絡票を起票するためのページ(連絡票起票ページ)を開く。サーバ10の収集部1042は、ステップS104において特定したトリガー情報の起票情報に含まれる起票時期、起票カテゴリ、起票内容に応じて、連絡票データ(候補連絡票データ)を生成し、ユーザ端末20へ送信する。ユーザ端末20の制御部204は、受信した候補連絡票データをユーザ端末20のディスプレイ2081に表示することにより提示する。
ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、候補連絡票データを編集することができる。ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、連絡票に含まれる起票時期、起票カテゴリ、起票内容等の情報を入力および編集することができる。ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、送信ボタンを押下することにより入力および編集した候補連絡票データをサーバ10へ送信する。サーバ10の収集部1042は、受信した候補連絡票データを、連絡票テーブル1016の新たなレコードの連絡票データの項目に記憶する。この場合、従業員ID、人事情報IDを関連付けて記憶する。これにより、人事情報の変動に従い新たな連絡票が起票される。
【0062】
<情報出力処理>
情報出力処理は、外部の事業者が運営する給与計算システム30、人事情報管理システム40に給与額、人事情報を出力するための処理である
【0063】
<情報出力処理の概要>
情報出力処理は、ユーザから給与計算システムへのアクセスを受け付け、ユーザに対して連絡票を一覧して提示し、選択操作を受け付けた連絡票をユーザに対して給与額の変動と共に提示し、給与額を給与計算システム30に出力し、人事情報を人事情報管理システム40に出力する一連の処理である。
【0064】
<情報出力処理の詳細>
以下に、情報出力処理の詳細を説明する。
【0065】
<連絡票一覧提示処理>
ステップS301において、ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、ウェブブラウザ等に連絡票一覧提示処理を実行するためのページ(連絡票一覧提示処理ページ)のURLを入力し、連絡票一覧提示処理ページを開く。ユーザ端末20の制御部204は、連絡票一覧提示処理ページを開くためのユーザID2011を含むリクエストを、サーバ10へ送信する。
【0066】
ステップS302において、サーバ10の出力部1043は、受信したリクエストに含まれるユーザID2011に基づき、ユーザテーブル1012のユーザIDの項目を検索し、グループIDを取得する。サーバ10の出力部1043は、グループIDに基づき従業員テーブル1014のグループIDの項目を検索し、従業員IDを取得する。サーバ10の出力部1043は、グループIDに基づきグループテーブル1013のグループIDの項目を検索し、トリガー情報を取得する。
サーバ10の出力部1043は、取得した従業員IDに基づき連絡票テーブル1016の従業員IDの項目を検索し従業員ごとの連絡票情報を取得する。これにより、ユーザは、自身が担当するグループに所属する従業員の連絡票情報を取得することができる。サーバ10の出力部1043は、取得した複数の連絡票情報に基づき、連絡票一覧提示処理ページを生成しユーザ端末20へ送信する。ユーザ端末20の制御部204は、受信した連絡票一覧提示処理ページをユーザ端末20のディスプレイ2081に表示する。
【0067】
図12は、連絡票一覧提示処理における連絡票一覧提示画面の画面例である。ユーザ端末20のディスプレイ2081には、連絡票一覧提示ページD3が表示される。連絡票一覧提示ページD3は、連絡票一覧提示画面D30を含む。連絡票一覧提示画面D30は、連絡票D301、D302、D303・・・を含む。連絡票D301は、連絡票情報に含まれる従業員IDに基づき従業員テーブル1014等の従業員IDの項目を参照することにより特定される社員番号D3011、氏名D3012を含む。連絡票D301は、連絡票情報に含まれる連絡票データに基づき特定される給与額の変動の適用対象となる給与支給月に関する対象給与D3013、起票カテゴリD3014、起票内容D3015、トリガー情報を特定するためのトリガー識別情報D3016、担当者氏名D3017を含む。
【0068】
ステップS303において、ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、連絡票一覧提示画面D30に含まれる連絡票D301、D302、D303・・・を選択する。ユーザ端末20は、選択された連絡票D301に基づき特定される連絡票IDをサーバ10へ送信する。サーバ10の出力部1043は、受信した連絡票IDに基づき、連絡票テーブル1016の連絡票IDの項目を検索し、従業員ID、連絡票データ、人事情報IDを含む連絡票情報を取得する。サーバ10の出力部1043は、取得した人事情報IDに基づき、人事情報テーブル1015の人事情報IDを検索することにより、人事情報を取得する。人事情報は、1の従業員に対して、人事情報の変動前後にかかる2以上の人事情報を含む。
【0069】
<連絡票提示処理>
ステップS304において、サーバ10の出力部1043は、取得した連絡票情報に基づき、連絡票提示処理ページを生成しユーザ端末20へ送信する。ユーザ端末20の制御部204は、受信した連絡票提示処理ページをユーザ端末20のディスプレイ2081に表示する。
図13は、連絡票提示処理における連絡票提示画面の画面例である。ユーザ端末20のディスプレイ2081には、連絡票提示ページD5が表示される。連絡票提示ページD5は、連絡票提示画面D50を含む。連絡票提示画面D50は、連絡票情報に含まれる従業員IDに基づき従業員テーブル1014等の従業員IDの項目を参照することにより特定される社員番号、氏名からなる対象者D501、連絡票情報に含まれる連絡票データに基づき特定される給与額の変動の適用対象となる給与支給月に関する対象給与D502、取得した人事情報の変動前後にかかる2以上の人事情報のそれぞれに対して、変動前後にかかる人事情報に対して給与計算ルールを適用することにより算定される従業員の給与額である、変動前給与D503、変動後給与D504、起票カテゴリD505、起票内容に関する説明文書D506、変動前後にかかる2以上の人事情報D507、給与反映ボタンD511、人事反映ボタンD512、編集ボタンD521を含む。
ユーザは、連絡票提示画面D50を確認することにより、対象者D501にかかる従業員について、対象給与D502の時期において、変動前給与D503から変動後給与D504に給与額が変動することを確認することができる。また、給与算定の根拠については、説明文書D506を参照することにより確認することができる。
ユーザは、編集ボタンD521を押下することにより連絡票情報を編集するための連絡票情報編集画面を表示させることができる。ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、連絡票提示画面D50に含まれる連絡票情報を入力および編集することができる。
【0070】
<従業員提示処理>
ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、連絡票一覧提示画面D30の社員番号D3011、氏名D3012を選択することにより、従業員ごとの給与額、人事情報の変動、連絡票を提示するための従業員提示処理ページを表示するための従業員IDを含むリクエストをサーバ10へ送信する。
サーバ10の出力部1043は、従業員IDに基づき、従業員テーブル1014の従業員IDの項目を検索し、従業員情報を取得する。サーバ10の出力部1043は、従業員IDに基づき、人事情報テーブル1015の人事情報IDの項目を検索し、人事情報を取得する。サーバ10の出力部1043は、人事情報IDに基づき、連絡票テーブル1016の人事情報IDの項目を検索し、連絡票情報を取得する。
サーバ10の出力部1043は、従業員情報、人事情報、連絡表情報に基づき従業員提示処理ページを生成しユーザ端末20へ送信する。ユーザ端末20の制御部204は、受信した従業員提示処理ページをユーザ端末20のディスプレイ2081に表示する。
図14は、従業員提示処理における従業員提示画面の画面例である。ユーザ端末20のディスプレイ2081には、従業員提示ページD6が表示される。従業員提示ページD6は、従業員提示画面D60を含む。従業員提示画面D60は、従業員IDにより特定される所定の従業員にかかる、人事情報D601、連絡票情報D602、人事情報に基づき算定される給与D603を含む。なお、給与D603は、外部の給与計算システム30から取得した所定の従業員に対して支払われた給与額の実績額を提示する構成としても良い。
ユーザは、給与D603に一覧表示された従業員のうち、所定の従業員を選択することにより当該選択された従業員に関連付けられた人事情報、連絡票情報を、それぞれ、人事情報D601、連絡票情報D602により提示を受けることができる。
人事情報D601は、変動前後にかかる2以上の人事情報D6011、D6012を対比可能な態様で提示する。また、人事情報D601は、人事情報の変動に伴い変動する、変動前後の給与D6021、D6022を対比可能な態様で提示する。これにより、ユーザは、所定の従業員について、人事情報の変動を、変動内容とともに対比して一目で確認することができるとともに、人事情報の変動に伴う給与額の変動も一目で確認することができる。
【0071】
ステップS304において、サーバ10の出力部1043は、給与変動特定ステップにおいて特定された人事情報の変動に基づき所定の従業員について算定された給与額をユーザに提示する給与提示ステップを実行する。
サーバ10の出力部1043は、所定の従業員について、連絡票起票ステップにおいて起票された連絡票と、人事情報の変動に基づく給与額の変動を示す情報と、を関連付けてユーザに提示する連絡票提示ステップを実行する。連絡票提示ステップは、所定の従業員について、連絡票起票ステップにおいて起票された連絡票と、変動後の人事情報に基づき算定された変動後給与額と、変動前の人事情報に基づき算定された変動前給与額と、を関連付けてユーザに提示するステップを実行する。
具体的に、連絡票提示画面D50においては、対象者D501にかかる従業員の変動前給与D503、変動後給与D504がユーザに対して提示される。また、連絡票提示画面D50においては、変動前給与D503、変動後給与D504が連絡票情報に含まれる起票内容の説明文書D506とともに連絡票情報と関連付けられた態様でユーザに対して提示される。
同様に、従業員提示画面D60においては、従業員の変動前給与D6021、変動後給与D6022がユーザに対して提示される。また、従業員提示画面D60においては、変動前後の給与D6021、D6022が連絡票情報D602とともに連絡票情報と関連付けられた態様でユーザに対して提示される。
【0072】
なお、変動後給与D504の算定および提示は必ずしも必要ではない。例えば、人事情報の変動の内容によっては、サーバ10の出力部1043は、必ずしも変動後給与D504を自動的に計算できない場合がある。また、サーバ10の出力部1043により算定された変動後給与D504の金額が誤っている場合が想定される。そのような場合は、変動後給与D504の入力値は空欄(ブランク)の状態でユーザに対して提示しても良い。
【0073】
ステップS305において、サーバ10の出力部1043は、給与提示ステップにおいて提示された給与額に応じて、所定の従業員の給与額をユーザから受け付ける給与受付ステップを実行する。
具体的に、ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、変動後給与D504の入力値を編集可能な構成としても良い。また、変動後給与D504に対して、修正後の給与額を入力するための入力欄(確定給与額の入力欄)を別途用意し、ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、当該入力欄に給与額の確定値を入力する構成としても良い。なお、確定給与額の入力欄は、従業員提示画面D60に設けても良い。
これにより、所定の社員について人事情報の変動が生じた場合において、ユーザは給与額の提示を受けることが出来るとともに、ユーザが入力した正確な給与額を外部の給与計算システムへ確実に反映させることができる。
【0074】
ステップS305において、サーバ10の出力部1043は、給与変動特定ステップにおいて特定した人事情報の変動に基づき、所定の従業員の人事情報を給与計算システムへ反映する手順を示す情報を提示する反映手順提示ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の出力部1043は、連絡票提示画面D50、従業員提示画面D60に、人事情報D507、人事情報D601、人事情報D6012(少なくとも変動後の人事情報)を、外部の給与計算システム30へ反映する際の操作手順を示す説明文書を含めても良い。具体的に、操作手順を示す説明文書は、ボタンやページ遷移、情報の入力操作等の、ユーザによる人事情報の入力を支援する情報を含む。
これにより、ユーザは、本開示にかかる情報処理システムから提案された反映手順に従って、ユーザ端末20の入力装置206に対する入力操作を行うことにより、所定の社員の人事情報の変動を外部の給与計算システムへ出力し、反映させることができる。
【0075】
ステップS306において、給与変動特定ステップにおいて特定した人事情報の変動に応じて、所定の従業員について給与額を算定し、外部の事業者が運営する給与計算システムへ、人事情報を出力することなく、算定した給与額を出力する第1出力ステップと、所定の従業員の人事情報のうち少なくとも給与計算の際に算定の基礎となる人事情報を、給与計算システムへ出力する第2出力ステップと、の少なくともいずれか1つを実行する。
なお、サーバ10の出力部1043は、第1出力ステップおよび第2出力ステップの両方を実行するものとしても、いずれか1つを選択的に実行する構成としても良い。
【0076】
ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、給与反映ボタンD511を押下する。ユーザ端末20の制御部204は、従業員ID、変動後給与D504を含む、給与額を給与計算システム30へ反映させるためのリクエストをサーバ10へ送信する。サーバ10の出力部1043は、リクエストを受信すると、従業員ID、変動後給与D504を含む従業員の給与を更新するためのリクエストを給与計算システム30へ送信する。給与計算システム30は、従業員IDに基づき特定される従業員の給与を更新する。これにより、給与計算システム30において従業員へ支払われる給与額が更新される。
このとき、サーバ10の出力部1043は、人事情報D507を給与計算システム30へは送信しない。これにより、給与計算システム30において記憶されている人事情報は更新されない。
これにより、所定の社員について人事情報の変動が生じた場合において、徴収等の一時的な給与額の変動については、外部の給与計算システムに記憶された人事情報を変更することなく給与額のみを変更することができる。
【0077】
ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、人事反映ボタンD512を押下する。ユーザ端末20の制御部204は、従業員ID、人事情報D507(少なくとも変動後の人事情報)を含む、人事情報を給与計算システム30へ反映させるためのリクエストをサーバ10へ送信する。サーバ10の出力部1043は、リクエストを受信すると、従業員ID、人事情報D507を含む従業員の人事情報を更新するためのリクエストを給与計算システム30へ送信する。給与計算システム30は、従業員IDに基づき特定される従業員の人事情報を更新する。これにより、給与計算システム30において従業員の人事情報が更新される。
これにより、所定の社員の給与額について、次月以降も継続的に影響を与える人事情報の変動については、算定の基礎となる人事情報を外部の給与計算システムへ反映させることができる。外部の給与計算システムにおける人事情報の変更を抑制しつつ、柔軟な給与計算支援サービスを提供することができる。
【0078】
第1出力ステップは、給与受付ステップにおいて受け付けた給与額を給与計算システムへ出力するステップを実行する。
具体的に、ステップS305において、ユーザが変動後給与D504の入力値を編集した場合において、サーバ10の出力部1043は、第1出力ステップにおいては、変動後給与D504の金額を外部の給与計算システム30に出力することにより反映させることができる。
これにより、所定の社員について人事情報の変動が生じた場合において、ユーザは給与額の提示を受けることが出来るとともに、ユーザが入力した正確な給与額を外部の給与計算システム30へ確実に反映させることができる。
【0079】
第2出力ステップは、所定の従業員について算定された給与額を出力することなく、給与計算の際に算定の基礎となる人事情報を、給与計算システムへ出力するステップを実行する。
具体的に、サーバ10の出力部1043は、第2出力ステップにおいては、外部の給与計算システム30に対して変動後給与D504を出力することなく、人事情報D507を含む従業員の人事情報を更新するためのリクエストを給与計算システム30へ送信する構成としても良い。
これにより、次月以降も継続的に影響を与える人事情報の変動に基づく給与計算は、外部の給与計算システムに任せることができる。これにより、柔軟な給与計算支援サービスを提供することができる。
【0080】
第2出力ステップは、ユーザからの入力操作を受け付けることなく、給与計算の際に算定の基礎となる人事情報を、給与計算システムへ出力するステップを実行する。
具体的に、第2出力ステップにおいては、サーバ10の出力部1043は、ユーザからの入力操作を受け付けることなく、人事情報D507を含む従業員の人事情報を更新するためのリクエストを自動的に給与計算システム30へ送信する構成としても良い。例えば、ステップS105における連絡票の起案と同時または起案後の任意のタイミングで自動的に、従業員の人事情報を更新するためのリクエストを給与計算システム30へ送信しても良い。
これにより、ユーザは、入力操作を行うことなく、人事情報の変動を外部の給与計算システムへ出力することにより反映させることができる。
【0081】
ステップS306において、第2出力ステップは、反映手順提示ステップにおいて提示された手順に従い、ユーザからの入力操作を受け付け、入力操作に応じて給与計算の際に算定の基礎となる人事情報を、給与計算システムへ出力するステップを実行する。
具体的に、ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206によりウェブブラウザアプリケーションを操作することにより、給与計算システム30が提供する給与計算サービスのウェブサイトを開く。ユーザは、ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示された、人事情報を外部の給与計算システム30へ反映する際の操作手順を示す説明文書に従い、ユーザ端末20の入力装置206を操作する。ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、手作業により人事情報D507、人事情報D601、人事情報D6012(少なくとも変動後の最新の人事情報)を、外部の給与計算システム30へ反映させることができる。
これにより、ユーザは、本開示にかかる情報処理システムから提案された反映手順に従って入力操作を行うことにより、所定の社員の人事情報の変動を外部の給与計算システムへ反映させることができる。
【0082】
ステップS306において、第2出力ステップは、給与計算の際に算定の基礎となる人事情報を、予め設定されたタイミングで、給与計算システムへ出力するステップを実行する。
具体的に、第1出力ステップおよび第2出力ステップにおいて、サーバ10の出力部1043は、給与計算システム30に対する算定した給与額の出力、および、従業員の人事情報を出力するタイミングを、任意のタイミング(日時)に設定することができる。
例えば、ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、第1出力ステップおよび第2出力ステップの出力タイミングを所定の月日に設定することができる。例えば、給与計算の締め日が毎月15日である場合において、当月の給与額(例えば、25日に支給される)へ反映させたい場合には15日以前の任意の日時を選択し、次月の給与額へ反映させたい場合には16日以降の任意の日時を選択する。また、当月、翌月の給与額に限られず、翌々月以降の給与計算へ反映させたい場合についても適用可能である。
サーバ10の出力部1043は、設定された出力タイミングに応じて、給与額または人事情報を給与計算システム30へ出力し、反映させることができる。
【0083】
ステップS307において、サーバ10の出力部1043は、変動後給与D504、人事情報D507を、他の給与計算システム30、人事情報管理システム40、および、その他の人事情報管理システム40等に送信しても良い。ユーザは、給与計算、給与支払い業務を複数の外部の情報処理システムと契約して業務を行っている場合がある。そのような場合において、サーバ10の出力部1043は、人事情報の変動、給与額の変動を他の外部の情報処理システムと同期(更新)させる処理を実行する。
外部システム連携処理は、連絡票においてトリガー作成処理におけるマスタ更新D105により編集された情報に応じて実行される構成としても良い。
これにより、ユーザが契約している給与計算システム30、人事情報管理システム40において、給与額、人事情報の内容を最新の状態に維持することができる。
【0084】
<コンピュータの基本ハードウェア構成>
図15は、コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ90は、プロセッサ901、主記憶装置902、補助記憶装置903、通信IF991(インタフェース、Interface)を少なくとも備える。これらは通信バス921により相互に電気的に接続される。
【0085】
プロセッサ901とは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。プロセッサ901は、演算装置、レジスタ、周辺回路等から構成される。
【0086】
主記憶装置902とは、プログラム、及びプログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0087】
補助記憶装置903とは、データ及びプログラムを保存するための記憶装置である。例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0088】
通信IF991とは、有線又は無線の通信規格を用いて、他のコンピュータとネットワークを介して通信するための信号を入出力するためのインタフェースである。
ネットワークは、インターネット、LAN、無線基地局等によって構築される各種移動通信システム等で構成される。例えば、ネットワークには、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が含まれる。無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z-Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。有線で接続する場合は、ネットワークには、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により直接接続するものも含む。
【0089】
なお、各ハードウェア構成の全部または一部を複数のコンピュータ90に分散して設け、ネットワークを介して相互に接続することによりコンピュータ90を仮想的に実現することができる。このように、コンピュータ90は、単一の筐体、ケースに収納されたコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0090】
<コンピュータ90の基本機能構成>
コンピュータ90の基本ハードウェア構成(
図15)により実現されるコンピュータの機能構成を説明する。コンピュータは、制御部、記憶部、通信部の機能ユニットを少なくとも備える。
【0091】
なお、コンピュータ90が備える機能ユニットは、それぞれの機能ユニットの全部または一部を、ネットワークで相互に接続された複数のコンピュータ90に分散して設けても実現することができる。コンピュータ90は、単一のコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0092】
制御部は、プロセッサ901が補助記憶装置903に記憶された各種プログラムを読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って処理を実行することにより実現される。制御部は、プログラムの種類に応じて様々な情報処理を行う機能ユニットを実現することができる。これにより、コンピュータは情報処理を行う情報処理装置として実現される。
【0093】
記憶部は、主記憶装置902、補助記憶装置903により実現される。記憶部は、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶する。また、プロセッサ901は、プログラムに従って記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置902または補助記憶装置903に確保することができる。また、制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、記憶部に記憶されたデータの追加、更新、削除処理を実行させることができる。
【0094】
データベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のテーブル、マスタと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をテーブル、マスタ、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、テーブル、マスタ同士の関係を設定し、関連づけることができる。
通常、各テーブル、各マスタにはレコードを一意に特定するための主キーとなるカラムが設定されるが、カラムへの主キーの設定は必須ではない。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、記憶部に記憶された特定のテーブル、マスタにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
また、記憶部に、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶させることにより、本開示にかかる情報処理装置、情報処理システムが製造されたものとして捉えることができる。
【0095】
なお、本開示におけるデータベース、マスタは、情報が構造的に規定された任意のデータ構造体(リスト、辞書、連想配列、オブジェクトなど)を含み得る。データ構造体には、データと、任意のプログラミング言語により記述された関数、クラス、メソッドなどを組み合わせることにより、データ構造体と見なし得るデータも含むものとする。
【0096】
通信部は、通信IF991により実現される。通信部は、ネットワークを介して他のコンピュータ90と通信を行う機能を実現する。通信部は、他のコンピュータ90から送信された情報を受信し、制御部へ入力することができる。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、受信した情報に対する情報処理を実行させることができる。また、通信部は、制御部から出力された情報を他のコンピュータ90へ送信することができる。
【0097】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0098】
(付記1)
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プロセッサが、1または複数の従業員の人事情報を取得する人事取得ステップ(S101)と、人事取得ステップにおいて取得した1または複数の従業員の人事情報に基づき、1または複数の従業員の人事情報の変動を特定する人事変動特定ステップ(S102)と、人事変動特定ステップにおいて特定した人事情報の変動と、所定条件とを比較することにより、1または複数の従業員のうち所定の従業員について給与計算に影響を与える人事情報の変動を特定する給与変動特定ステップ(S104)と、給与変動特定ステップにおいて特定した人事情報の変動に応じて、所定の従業員について給与額を算定し、外部の事業者が運営する給与計算システムへ、人事情報を出力することなく、算定した給与額を出力する第1出力ステップ(S306)と、所定の従業員の人事情報のうち少なくとも給与計算の際に算定の基礎となる人事情報を、給与計算システムへ出力する第2出力ステップ(S306)と、の少なくともいずれか1つを実行する、プログラム。
これにより、所定の社員について人事情報の変動が生じた場合において、徴収等の一時的な給与額の変動については、外部の給与計算システムに記憶された人事情報を変更することなく給与額のみを変更することができる。また、所定の社員の給与額について、次月以降も継続的に影響を与える人事情報の変動については、算定の基礎となる人事情報を外部の給与計算システムへ反映させることができる。
外部の給与計算システムにおける人事情報の変更を抑制しつつ、柔軟な給与計算支援サービスを提供することができる。
【0099】
(付記2)
給与変動特定ステップにおいて特定された人事情報の変動に基づき所定の従業員について算定された給与額をユーザに提示する給与提示ステップ(304)と、給与提示ステップにおいて提示された給与額に応じて、所定の従業員の給与額をユーザから受け付ける給与受付ステップ(S305)と、を実行し、第1出力ステップ(S306)は、給与受付ステップにおいて受け付けた給与額を給与計算システムへ出力するステップである、付記1記載のプログラム。
これにより、所定の社員について人事情報の変動が生じた場合において、ユーザは給与額の提示を受けることが出来るとともに、ユーザが入力した正確な給与額を外部の給与計算システムへ確実に反映させることができる。
【0100】
(付記3)
第2出力ステップ(S306)は、所定の従業員について算定された給与額を出力することなく、給与計算の際に算定の基礎となる人事情報を、給与計算システムへ出力するステップである、付記1記載のプログラム。
これにより、次月以降も継続的に影響を与える人事情報の変動に基づく給与計算は、外部の給与計算システムに任せることができる。
これにより、柔軟な給与計算支援サービスを提供することができる。
【0101】
(付記4)
人事取得ステップ(S101)は、外部の事業者が運営する人事情報管理システムから定期的に1または複数の従業員の人事情報を取得するステップである、付記1記載のプログラム。
これにより、外部の人事情報管理システムに記憶されている人事情報マスタの更新内容に応じて、社員の人事情報の変動を自動的に特定することができる。外部の人事情報管理システムに記憶されている社員情報と連携させることができる。
【0102】
(付記5)
プロセッサが、給与変動特定ステップにおいて特定した人事情報の変動に基づき、所定の従業員の人事情報を給与計算システムへ反映する手順を示す情報を提示する反映手順提示ステップ(S305)と、を実行し、第2出力ステップ(S306)は、反映手順提示ステップにおいて提示された手順に従い、ユーザからの入力操作を受け付け、当該入力操作に応じて給与計算の際に算定の基礎となる人事情報を、給与計算システムへ出力するステップである、付記1記載のプログラム。
これにより、ユーザは、本開示にかかる情報処理システムから提案された反映手順に従って入力操作を行うことにより、所定の社員の人事情報の変動を外部の給与計算システムへ反映させることができる。
【0103】
(付記6)
第2出力ステップ(S306)は、ユーザからの入力操作を受け付けることなく、給与計算の際に算定の基礎となる人事情報を、給与計算システムへ出力するステップである、付記1記載のプログラム。
これにより、ユーザは、入力操作を行うことなく、人事情報の変動を外部の給与計算システムへ反映させることができる。
【0104】
(付記7)
第2出力ステップ(S306)は、給与計算の際に算定の基礎となる人事情報を、予め設定されたタイミングで、給与計算システムへ出力するステップである、付記5記載のプログラム。
これにより、給与計算の算定期間、算定基準日等に基づき、人事情報の変動を所定のタイミングで給与計算システムへ反映させることができる。社内規則等により、人事情報の変動の給与額への反映日等が定まっている場合において、当該反映日に人事情報の変動を給与計算システムへ反映させることができる。
【0105】
(付記8)
プロセッサが、給与変動特定ステップにおいて特定された所定の従業員の人事情報の変動に基づき、所定の従業員の人事情報の変動に関する情報を含む連絡票を起票する連絡票起票ステップ(S105)と、を実行する、付記1記載のプログラム。
これにより、社員の人事情報の変動に伴い、社員の人事情報の変動に関する情報を含む連絡票が起票される。ユーザは、連絡票の内容を確認し、外部の給与計算システム、外部の人事情報管理システム等や、管轄官庁等に対して、当該社員の人事情報の変動に伴い必要な手続きを行うことができる。
【0106】
(付記9)
プロセッサが、所定の従業員について、連絡票起票ステップにおいて起票された連絡票と、人事情報の変動に基づく給与額の変動を示す情報と、を関連付けてユーザに提示する連絡票提示ステップ(S304)と、を実行する、付記8記載のプログラム。
これにより、ユーザは、社員の人事情報と、当該人事情報の変動に伴う前後の給与額の変動の関係性を一目で確認することができる。
【0107】
(付記10)
連絡票提示ステップ(S304)は、所定の従業員について、連絡票起票ステップにおいて起票された連絡票と、変動後の人事情報に基づき算定された変動後給与額と、変動前の人事情報に基づき算定された変動前給与額と、を関連付けてユーザに提示するステップである、付記9記載のプログラム。
これにより、ユーザは、社員の人事情報と、当該人事情報の変動に伴う前後の給与額の変動の関係性を一目で確認することができる。
【0108】
(付記11)
連絡票提示ステップにおいて提示される連絡票は、人事情報の変動前後の所定期間内に起票された連絡票である、付記9記載のプログラム。
これにより、所定のユーザに関連づけられた多数の連絡票がある場合においても、ユーザは、給与計算に影響を与えうる少数の連絡票のみを確認することができる。
【0109】
(付記12)
コンピュータは、外部の事業者が運営する給与計算システムおよび外部の事業者が運営する人事情報管理システムと連携することにより、給与計算支援に関するプラットフォームサービスを提供する、付記1記載のプログラム。
これにより、外部の給与計算システム、人事情報管理システムと連携した、給与計算支援に関するプラットフォームサービスをユーザに対して提供することができる。
【0110】
(付記13)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、プロセッサが、付記1から付記12のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する方法。
これにより、所定の社員について人事情報の変動が生じた場合において、徴収等の一時的な給与額の変動については、外部の給与計算システムに記憶された人事情報を変更することなく給与額のみを変更することができる。
【0111】
(付記14)
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、制御部が、付記1から付記12のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する情報処理装置。
これにより、所定の社員について人事情報の変動が生じた場合において、徴収等の一時的な給与額の変動については、外部の給与計算システムに記憶された人事情報を変更することなく給与額のみを変更することができる。
【0112】
(付記15)
付記1から付記12のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する手段を備えるシステム。
これにより、所定の社員について人事情報の変動が生じた場合において、徴収等の一時的な給与額の変動については、外部の給与計算システムに記憶された人事情報を変更することなく給与額のみを変更することができる。
【符号の説明】
【0113】
1 システム、10 サーバ、101 記憶部、104 制御部、106 入力装置、108 出力装置、20 ユーザ端末、201 記憶部、204 制御部、206 入力装置、208 出力装置、30 給与計算システム、301 記憶部、304 制御部、306 入力装置、308 出力装置、40 人事情報管理システム、401 記憶部、404 制御部、406 入力装置、408 出力装置