(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138753
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】紛失防止システム
(51)【国際特許分類】
G08B 21/24 20060101AFI20241002BHJP
G08B 23/00 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
G08B21/24
G08B23/00 520D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049419
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】洲上 真帆
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
5C086AA21
5C086BA17
5C086CA21
5C086CA25
5C086FA06
5C087AA37
5C087DD33
5C087EE14
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG66
5C087GG84
(57)【要約】
【課題】ワイヤレスイヤホンの紛失を防止すること。
【解決手段】紛失防止システム1は、ペアリングされた左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rを有するワイヤレスイヤホン10と電子機器30とを備える。ワイヤレスイヤホン10は、音声出力制御部と、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rに配置された加速度センサから加速度データを取得する加速度取得部と、加速度データを電子機器30に送信する通信部とを有する。電子機器30は、位置情報取得部42と、加速度データに基づいて、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかが落下したか否かを判定する判定部45と、落下したと判定された場合、位置情報と加速度データとに基づいて、落下位置を推定する推定部46と、推定結果を左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかに送信する通信部31とを有する。音声出力制御部は、推定結果を左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかから出力する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信可能に相互に登録された一対の左イヤホンおよび右イヤホンを有するイヤホンと、前記イヤホンのユーザが携帯する電子機器とを備え、前記イヤホンの紛失を防止する紛失防止システムであって、
前記イヤホンは、
音声出力を制御する音声出力制御部と、
前記左イヤホンおよび前記右イヤホンに配置された加速度センサから、前記左イヤホンおよび前記右イヤホンのそれぞれに加わる加速度データを取得する加速度取得部と、
前記電子機器とデータを通信し、前記加速度取得部によって取得された前記加速度データを前記電子機器に送信する通信部と、を有し、
前記電子機器は、
現在地の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記イヤホンの前記加速度取得部によって取得された前記加速度データに基づいて、前記左イヤホンおよび前記右イヤホンの少なくともどちらかが前記ユーザの耳部から落下したか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記左イヤホンおよび前記右イヤホンの少なくともどちらかが前記ユーザの耳部から落下したと判定された場合、前記位置情報取得部によって取得された位置情報と、前記左イヤホンおよび前記右イヤホンの少なくともどちらかの前記加速度取得部によって取得された前記加速度データとに基づいて、落下位置を推定する推定部と、
前記イヤホンとデータを通信し、前記推定部の推定結果を前記左イヤホンおよび前記右イヤホンの少なくともどちらかに送信する通信部と、を有し、
前記イヤホンの前記音声出力制御部は、前記推定部の推定結果を前記左イヤホンおよび前記右イヤホンの少なくともどちらかから出力する、
紛失防止システム。
【請求項2】
前記推定部は、前記加速度データから、前記左イヤホンおよび前記右イヤホンの少なくともどちらかが落下後に転がった方向を推定する、
請求項1に記載の紛失防止システム。
【請求項3】
前記推定部は、前記左イヤホンおよび前記右イヤホンの少なくともどちらかの落下が判定された前後の期間の前記加速度データの変化に基づいて、前記落下位置が硬い場所であるか、柔らかい場所であるかを推定する、
請求項1または2に記載の紛失防止システム。
【請求項4】
前記電子機器は、
前記推定部の推定結果に基づいて、前記左イヤホンおよび前記右イヤホンの少なくともどちらかの落下が検出された場合、前記イヤホンの落下を前記ユーザに通知する出力制御部、
を備える、請求項1に記載の紛失防止システム。
【請求項5】
前記出力制御部は、現在地の周辺の地図情報とともに、前記左イヤホンおよび前記右イヤホンの少なくともどちらかの落下位置を出力する、
請求項4に記載の紛失防止システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紛失防止システムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報通信端末の落下を示す加速度を検知したときに、音又は光による警報を発する情報通信端末が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ワイヤレスイヤホンが使用中に落下した場合、ワイヤレスイヤホンが小型で軽量であるため、落下地点から転がり紛失することがある。特許文献1に記載の技術のように、落下を通知されたとしても、ワイヤレスイヤホンの場合、見失う可能性が高く、目視で見つけることに時間を要したり、見つけることが難しかったりする。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ワイヤレスイヤホンの紛失を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る紛失防止システムは、通信可能に相互に登録された一対の左イヤホンおよび右イヤホンを有するイヤホンと、前記イヤホンのユーザが携帯する電子機器とを備え、前記イヤホンの紛失を防止する紛失防止システムであって、前記イヤホンは、音声出力を制御する音声出力制御部と、前記左イヤホンおよび前記右イヤホンに配置された加速度センサから、前記左イヤホンおよび前記右イヤホンのそれぞれに加わる加速度データを取得する加速度取得部と、前記電子機器とデータを通信し、前記加速度取得部によって取得された前記加速度データを前記電子機器に送信する通信部と、を有し、前記電子機器は、現在地の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記イヤホンの前記加速度取得部によって取得された前記加速度データに基づいて、前記左イヤホンおよび前記右イヤホンの少なくともどちらかが前記ユーザの耳部から落下したか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記左イヤホンおよび前記右イヤホンの少なくともどちらかが前記ユーザの耳部から落下したと判定された場合、前記位置情報取得部によって取得された位置情報と、前記左イヤホンおよび前記右イヤホンの少なくともどちらかの前記加速度取得部によって取得された前記加速度データとに基づいて、落下位置を推定する推定部と、前記イヤホンとデータを通信し、前記推定部の推定結果を前記左イヤホンおよび前記右イヤホンの少なくともどちらかに送信する通信部と、を有し、前記イヤホンの前記音声出力制御部は、前記推定部の推定結果を前記左イヤホンおよび前記右イヤホンの少なくともどちらかから出力する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ワイヤレスイヤホンの紛失を防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る紛失防止システムの構成例を示す概略図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る左イヤホンの構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る右イヤホンの構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る電子機器の構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、イヤホン落下時の加速度の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る電子機器の制御装置の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。本実施形態では、イヤホンやヘッドホンなどの耳元で音声出力する機器を総称して「イヤホン」と表現し、特に実施形態としてワイヤレスイヤホンに適用したものを説明する。本発明に係るワイヤレスイヤホン10の紛失防止システム1の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
[実施形態]
(紛失防止システム)
図1は、実施形態に係る紛失防止システムの構成例を示す概略図である。紛失防止システム1は、ユーザが耳部に装着したワイヤレスイヤホン10の紛失を防止するためのシステムである。紛失防止システム1は、ユーザが耳部に装着したワイヤレスイヤホン10と、ユーザが携帯する電子機器30とを備える。紛失防止システム1は、ワイヤレスイヤホン10の落下を検出した場合、ワイヤレスイヤホン10が落下したことを音声で出力する。
【0011】
ワイヤレスイヤホン10の落下とは、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかの落下である。
【0012】
(イヤホン)
ワイヤレスイヤホン10は、左右分離型のワイヤレス式のイヤホンである。ワイヤレスイヤホン10は、左イヤホン10Lと右イヤホン10Rとを有する。左イヤホン10Lと右イヤホン10Rとは、一対として通信可能に登録されている。左イヤホン10Lと右イヤホン10Rとは、例えばBluetooth(登録商標)接続によってペアリングされている。以下の説明において、左イヤホン10Lと右イヤホン10Rとの区別を要しない場合、ワイヤレスイヤホン10として説明する。
【0013】
ワイヤレスイヤホン10の加速度取得部は、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rに配置された3軸センサ13L、3軸センサ13Rから、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rのそれぞれに加わる加速度データを取得する。
【0014】
ワイヤレスイヤホン10の音声出力制御部は、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rからの音声出力を制御する。ワイヤレスイヤホン10の音声出力制御部は、落下位置の推定結果を左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかから出力する。
【0015】
本実施形態では、ワイヤレスイヤホン10が有する加速度取得部および音声出力制御部の機能は、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rに分離して実装されている。言い換えると、左イヤホン10Lの加速度取得部および音声出力制御部、および、右イヤホン10Rの加速度取得部および音声出力制御部によって、ワイヤレスイヤホン10の加速度取得部および音声出力制御部の機能が実装されている。
【0016】
本実施形態では、ワイヤレスイヤホン10は、左イヤホン10Lが、ユーザが携帯する電子機器30と通信可能な親機であり、右イヤホン10Rが左イヤホン10Lと通信可能な子機であるものとして説明するが、これに限定されない。ワイヤレスイヤホン10は、右イヤホン10Rが親機であり、左イヤホン10Lが子機であってもよく、この場合、左イヤホン10Lと右イヤホン10Rとの構成が以下の説明とは逆になる。
【0017】
(左イヤホン)
図2を用いて、左イヤホン10Lについて説明する。
図2は、実施形態に係る左イヤホンの構成例を示すブロック図である。左イヤホン10Lは、左耳用のイヤホンである。左イヤホン10Lは、電子機器30から音楽データを取得する。左イヤホン10Lは、音楽データの左チャンネルデータをスピーカ16Lから出力する。左イヤホン10Lは、音楽データの右チャンネルデータを右イヤホン10Rへ出力する。左イヤホン10Lは、右イヤホン10Rから右イヤホン10Rの加速度データを取得する。左イヤホン10Lは、左イヤホン10Lの加速度データと右イヤホン10Rの加速度データとを電子機器30へ送信する。左イヤホン10Lは、通信部11Lと、左右用通信部12Lと、3軸センサ(加速度センサ)13Lと、スピーカ16Lと、制御部(音声出力制御装置)20Lとを有する。
【0018】
通信部11Lは、通信ユニットである。通信部11Lは、電子機器30とデータを通信可能に接続する。本実施形態では、通信部11Lは、電子機器30から、音楽データを含むデータを受信し、加速度データを送信する。通信部11Lは、例えば、Bluetooth、または、NFMI(Near-Field Magnetic Induction)を含む近距離無線通信や近距離電磁誘導が可能である。本実施形態では、通信部11Lは、電子機器30と、Bluetooth接続によってペアリング可能である。
【0019】
左右用通信部12Lは、通信ユニットである。左右用通信部12Lは、右イヤホン10Rとデータを送信可能に接続する。本実施形態では、左右用通信部12Lは、電子機器30から受信した音楽データのうち、右チャンネルデータを右イヤホン10Rへ送信する。本実施形態では、左右用通信部12Lは、右イヤホン10Rの加速度データを右イヤホン10Rから受信する。本実施形態では、左右用通信部12Lは、電子機器30の判定部45の判定結果から、左イヤホン10Lのみ落下した場合、電子機器30の判定部45の判定結果および推定部46の推定結果を右イヤホン10Rへ送信する。左右用通信部12Lは、例えば、Bluetoothを含む近距離無線通信が可能である。通信部11Lは、右イヤホン10Rと、Bluetooth接続によってペアリング可能である。
【0020】
3軸センサ13Lは、左イヤホン10Lに加わる加速度データを取得する。より詳しくは、3軸センサ13Lは、左イヤホン10Lの姿勢、左イヤホン10Lにおける振動および衝撃を検出する加速度センサである。3軸センサ13Lは、例えば、左イヤホン10Lの姿勢、左イヤホン10Lが落下してから静止するまでの振動および衝撃を検出する。3軸センサ13Lは、取得した加速度データを加速度取得部23Lへ出力する。加速度データは、X軸方向の加速度データとY軸方向の加速度データとZ軸方向の加速度データとを含む。
【0021】
スピーカ16Lは、左耳において視聴させる音声を出力する。スピーカ16Lは、音声出力制御部27Lにおいて、音楽データの左チャンネルデータをD/A変換して得られた電気信号を音に変換して出力する。
【0022】
スピーカ16Lは、例えば、ワイヤレスイヤホン10が落下したこと、落下後に転がった方向などを音声で出力する。スピーカ16Lは、例えば、落下後の推定位置を音声で出力してもよい。
【0023】
(左イヤホンの制御部)
制御部20Lは、左イヤホン10Lからの音声の出力を制御する。制御部20Lは、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置である。制御部20Lは、図示しない記憶部に記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。制御部20Lには図示しない内部メモリが含まれ、データの一時記憶などに用いられる。制御部20Lは、通信制御部21Lと、左右用通信制御部22Lと、加速度取得部23Lと、音声出力制御部27Lとを有する。
【0024】
通信制御部21Lは、通信部11Lを制御することで、電子機器30と無線通信を行う。本実施形態では、通信制御部21Lは、電子機器30へ加速度データを送信する。本実施形態では、通信制御部21Lは、電子機器30から、電子機器30の判定部45の判定結果および推定部46の推定結果を受信する。
【0025】
左右用通信制御部22Lは、左右用通信部12Lを制御することで、右イヤホン10Rと無線通信を行う。
【0026】
加速度取得部23Lは、3軸センサ13Lから左イヤホン10Lに加わる加速度データを取得する。加速度取得部23Lは、左イヤホン10Lの姿勢、左イヤホン10Lにおける振動および衝撃を示す加速度データを取得する。加速度取得部23Lは、例えば、左イヤホン10Lの姿勢、左イヤホン10Lが落下してから静止するまでの振動および衝撃を示す加速度データを取得する。
【0027】
音声出力制御部27Lは、左イヤホン10Lからの音声の出力を制御する。より詳しくは、音声出力制御部27Lは、左イヤホン10Lにおいて、音楽データを音として出力する制御を行う。音声出力制御部27Lは、音楽データの左チャンネルデータをD/A変換して増幅した信号をスピーカ16Lから出力させる。
【0028】
音声出力制御部27Lは、電子機器30から取得した判定部45の判定結果に基づいて、ワイヤレスイヤホン10の落下が検出された場合、ワイヤレスイヤホン10が落下したことを音声でスピーカ16Lから出力するよう制御する。より詳しくは、音声出力制御部27Lは、右イヤホン10Rのみ落下が検出された場合、右イヤホン10Rが落下したことを音声でスピーカ16Lから出力するよう制御する。音声出力制御部27Lは、電子機器30から取得した推定部46の推定結果に基づいて、ワイヤレスイヤホン10の落下位置を音声でスピーカ16Lから出力するよう制御する。より詳しくは、音声出力制御部27Lは、電子機器30から取得した推定部46の推定結果に基づいて、右イヤホン10Rの落下位置を音声でスピーカ16Lから出力するよう制御する。
【0029】
(右イヤホン)
図3を用いて、右イヤホン10Rについて説明する。
図3は、実施形態に係る右イヤホンの構成例を示すブロック図である。右イヤホン10Rは、右耳用のイヤホンである。右イヤホン10Rは、左イヤホン10Lから音楽データの右チャンネルデータを取得して出力する。右イヤホン10Rは、右イヤホン10Rの加速度データを左イヤホン10Lへ送信する。右イヤホン10Rは、左右用通信部12Rと、3軸センサ(加速度センサ)13Rと、スピーカ16Rと、制御部(音声出力制御装置)20Rとを有する。
【0030】
左右用通信部12Rは、通信ユニットである。左右用通信部12Rは、左イヤホン10Lとデータを通信可能に接続する。本実施形態では、左右用通信部12Rは、左イヤホン10Lから音楽データの右チャンネルデータを受信する。本実施形態では、左右用通信部12Rは、加速度取得部23Rによって取得された右イヤホン10Rの加速度データを左イヤホン10Lへ送信する。左右用通信部12Rは、例えば、Bluetoothを含む近距離無線通信が可能である。左右用通信部12Rは、左イヤホン10Lと、Bluetooth接続によってペアリング可能である。
【0031】
3軸センサ13Rは、右イヤホン10Rに加わる加速度データを取得する。より詳しくは、3軸センサ13Rは、左イヤホン10Lの姿勢、右イヤホン10Rにおける振動および衝撃を検出する加速度センサである。3軸センサ13Rは、例えば、右イヤホン10Rの姿勢、右イヤホン10Rが落下してから静止するまでの振動および衝撃を検出する。3軸センサ13Rは、取得した加速度データを加速度取得部23Rへ出力する。加速度データは、X軸方向の加速度データとY軸方向の加速度データとZ軸方向の加速度データとを含む。
【0032】
スピーカ16Rは、右耳において視聴させる音声を出力する。スピーカ16Rは、音声出力制御部27Rにおいて、左右用通信部12Rを介して、左イヤホン10Lから受信した音楽データの右チャンネルデータをD/A変換して得られた電気信号を音に変換して出力する。
【0033】
スピーカ16Rは、例えば、ワイヤレスイヤホン10が落下したこと、落下後に転がった方向などを音声で出力する。スピーカ16Rは、例えば、落下後の推定位置を音声で出力してもよい。
【0034】
(右イヤホンの制御部)
制御部20Rは、例えば、CPUなどで構成された演算処理装置である。制御部20Rは、図示しない記憶部に記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。制御部20Rには図示しない内部メモリが含まれ、データの一時記憶などに用いられる。制御部20Rは、左右用通信制御部22Rと、加速度取得部23Rと、音声出力制御部27Rとを有する。本実施形態では、制御部20Rの各部は、制御部20Lの各部と同様の機能を有する。
【0035】
左右用通信制御部22Rは、左右用通信部12Rを制御することで、左イヤホン10Lと無線通信を行う。
【0036】
加速度取得部23Rは、3軸センサ13Rから左イヤホン10Lに加わる加速度データを取得する。加速度取得部23Rは、右イヤホン10Rの姿勢、右イヤホン10Rにおける振動および衝撃を示す加速度データを取得する。加速度取得部23Rは、例えば、右イヤホン10Rの姿勢、右イヤホン10Rが落下してから静止するまでの振動および衝撃を示す加速度データを取得する。
【0037】
音声出力制御部27Rは、右イヤホン10Rからの音声の出力を制御する。より詳しくは、音声出力制御部27Rは、右イヤホン10Rにおいて、音楽データを音として出力する制御を行う。音声出力制御部27Rは、左右用通信部12Rを介して、左イヤホン10Lから受信した音楽データの右チャンネルデータをD/A変換して増幅した信号をスピーカ16Rから出力させる。
【0038】
音声出力制御部27Rは、電子機器30から取得した判定部45の判定結果に基づいて、ワイヤレスイヤホン10の落下が検出された場合、ワイヤレスイヤホン10が落下したことを音声でスピーカ16Rから出力するよう制御する。より詳しくは、音声出力制御部27Rは、左イヤホン10Lのみ落下が検出された場合、左イヤホン10Lが落下したことを音声でスピーカ16Rから出力するよう制御する。音声出力制御部27Rは、電子機器30から取得した推定部46の推定結果に基づいて、ワイヤレスイヤホン10の落下位置を音声でスピーカ16Rから出力するよう制御する。より詳しくは、音声出力制御部27Rは、電子機器30から取得した推定部46の推定結果に基づいて、左イヤホン10Lの落下位置を音声でスピーカ16Rから出力するよう制御する。
【0039】
(電子機器)
電子機器30は、ワイヤレスイヤホン10のユーザが携帯する、スマートフォン、ウェアラブル端末などの携帯用電子機器である。電子機器30は、通信部31と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部32と、地図情報記憶部33と、出力部39と、制御装置40とを有する。
【0040】
通信部31は、通信ユニットである。通信部31は、ワイヤレスイヤホン10とデータを通信可能に接続する。本実施形態では、通信部31は、ワイヤレスイヤホン10へ音楽データおよびを送信し、加速度データを受信する。通信部31は、ワイヤレスイヤホン10へ判定部45の判定結果と推定部46の推定結果とを送信する。通信部31は、例えば、Bluetooth、または、NFMIを含む近距離無線通信や近距離電磁誘導が可能である。本実施形態では、通信部31は、ワイヤレスイヤホン10と、Bluetooth接続によってペアリング可能である。
【0041】
GNSS受信部32は、GNSS衛星からのGNSS信号を受信するGNSS受信機などで構成される。GNSS受信部32は、受信したGNSS信号を位置情報取得部42に出力する。
【0042】
地図情報記憶部33は、地図情報を記憶する。地図情報記憶部33は、記憶している地図情報を地図情報取得部43へ出力する。地図情報記憶部33は、図示しない通信部などによる通信機能を介して地図情報を取得する外部サーバ等の記憶装置であってもよい。
【0043】
出力部39は、判定部45の判定結果に基づいて、ワイヤレスイヤホン10の落下が検出された場合、ワイヤレスイヤホン10が落下したことを音声または映像で出力する。より詳しくは、出力部39は、判定部45の判定結果に基づいて、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかの落下が検出された場合、ワイヤレスイヤホン10が落下したことを音声または映像で出力する。出力部39は、推定部46の推定結果に基づいて、現在地の周辺の地図情報とともに、ワイヤレスイヤホン10の落下位置を音声または映像で出力する。より詳しくは、出力部39は、推定部46の推定結果に基づいて、現在地の周辺の地図情報とともに、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかの落下位置を音声または映像で出力する。本実施形態では、出力部39は、スピーカ391と、表示部392とを備える。
【0044】
スピーカ391は、音声を出力する。スピーカ391は、音声出力制御部491からの音声信号に基づいて音声を出力する。スピーカ391は、例えば、ワイヤレスイヤホン10が落下したこと、落下後に転がった方向などを音声で出力する。より詳しくは、スピーカ391は、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかが落下したこと、落下後に転がった方向などを音声で出力する。スピーカ391は、例えば、落下後の推定位置を音声で出力してもよい。
【0045】
表示部392は、映像を表示する。表示部392は、表示制御部492からの映像信号に基づいて映像を表示する。表示部392は、例えば、ワイヤレスイヤホン10が落下したこと、落下後に転がった方向などを映像で表示する。より詳しくは、表示部392は、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかが落下したこと、落下後に転がった方向などを映像で表示する。表示部392は、例えば、落下後の推定位置を周辺の地図とともに映像で表示してもよい。
【0046】
(電子機器の制御部)
制御装置40は、例えば、CPUなどで構成された演算処理装置である。制御装置40は、図示しない記憶部に記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。制御装置40は、通信制御部41と、位置情報取得部42と、地図情報取得部43と、判定部45と、推定部46と、出力制御部49とを備える。制御装置40には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは制御装置40におけるデータの一時記憶などに用いられる。
【0047】
通信制御部41は、通信部31を制御することで、ワイヤレスイヤホン10と無線通信を行う。本実施形態では、通信制御部41は、ワイヤレスイヤホン10から加速度データを受信する。本実施形態では、通信制御部41は、判定部45の判定結果および推定部46の推定結果をワイヤレスイヤホン10へ送信する。
【0048】
位置情報取得部42は、電子機器30の現在地を示す位置情報を取得する。本実施形態では、位置情報取得部42は、GNSS受信部32が取得した電波の信号に基づいて、電子機器30の位置情報を取得する。位置情報取得部42は、取得した位置情報を判定部44へ出力する。
【0049】
地図情報取得部23は、地図情報記憶部13から地図情報を取得する。地図情報取得部23は、取得した地図情報を走行路判定部24へ出力する。
【0050】
判定部45は、ワイヤレスイヤホン10から取得した加速度データに基づいて、ワイヤレスイヤホン10の左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかがユーザの耳部から落下したか否かを判定する。ワイヤレスイヤホン10が耳部から脱落して地面などに衝突するまでに自由落下の衝突G値が発生する。判定部45は、例えば、加速度データから、ワイヤレスイヤホン10が自由落下していることを示す場合、ワイヤレスイヤホン10がユーザの耳部から落下したと判定する。判定部45は、例えば、Z軸方向の加速度データが、数秒間以内にワイヤレスイヤホン10が1m以上低くなったことを示す場合、ワイヤレスイヤホン10がユーザの耳部から落下したと判定する。
【0051】
判定部45は、左イヤホン10Lの加速度データに基づいて、左イヤホン10Lがユーザの左耳から落下したか否かを判定する。判定部45は、右イヤホン10Rの加速度データに基づいて、右イヤホン10Rがユーザの右耳から落下したか否かを判定する。判定部45は、ワイヤレスイヤホン10の左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rのどちらかがユーザの耳部から落下したと判定する場合、ワイヤレスイヤホン10がユーザの耳部から落下したと判定する。
【0052】
判定部45は、ワイヤレスイヤホン10の片耳のみが落下することを想定して、次のように落下を判定してもよい。判定部45は、例えば、左イヤホン10Lの加速度データと、右イヤホン10Rの加速度データとを比較して、X軸方向の加速度データ、Y軸方向の加速度データ、Z軸方向の加速度データの少なくともいずれかの差異が閾値より大きくなった場合、左イヤホン10Lまたは右イヤホン10Rが落下したと判定してもよい。
【0053】
推定部46は、判定部45によってワイヤレスイヤホン10がユーザの耳部から落下したと判定された場合、位置情報取得部42によって取得された位置情報と、ワイヤレスイヤホン10から取得した加速度データとに基づいて、落下位置を推定する。本実施形態では、推定部46は、加速度データから、ワイヤレスイヤホン10の左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかが落下後に転がった方向を推定する。
【0054】
推定部46は、左イヤホン10Lが落下したと判定された場合、位置情報と、左イヤホン10Lの加速度データとに基づいて、左イヤホン10Lの落下位置を推定する。推定部46は、右イヤホン10Rが落下したと判定された場合、位置情報と、右イヤホン10Rの加速度データとに基づいて、右イヤホン10Rの落下位置を推定する。以下の推定部46の説明では、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rを区別して説明することを要しないので、ワイヤレスイヤホン10として記載する。ワイヤレスイヤホン10を左イヤホン10Lと読み替えることにより、左イヤホン10Lの落下位置の推定が説明される。ワイヤレスイヤホン10を右イヤホン10Rと読み替えることにより、右イヤホン10Rの落下位置の推定が説明される。
【0055】
より詳しくは、推定部46は、判定部45によって、ワイヤレスイヤホン10が落下するより前の加速度データから、ユーザの耳部に装着されている状態におけるワイヤレスイヤホン10の姿勢である基準姿勢を推定する。推定部46は、判定部45によって、ワイヤレスイヤホン10が落下したと判定された時点を、落下の開始時点とする。推定部46は、加速度データから、自由落下後に衝突閾値以上の加速度が検出された場合、ワイヤレスイヤホン10が地面などに衝突したと判定し、この時点を衝突時点とする。推定部46は、自由落下の加速度データと、落下の開始時点から衝突時点までの時間と、自由落下開始時点の位置情報とに基づいて、ワイヤレスイヤホン10が地面に衝突した位置を推定する。推定部46は、衝突時点より後の加速度データの変動から、地面に衝突した後のワイヤレスイヤホン10の移動の有無を推定する。推定部46は、衝突時点より後の加速度データの変動から、地面に衝突した後のワイヤレスイヤホン10の移動方向を推定する。推定部46は、衝突時点より後の加速度データの変動が終息した時点を、停止時点とする。推定部46は、衝突時点より後の加速度データと、衝突時点から停止時点までの時間とに基づいて、ワイヤレスイヤホン10が停止した位置を、落下位置として推定する。
【0056】
図5は、ワイヤレスイヤホン10の落下時の加速度の一例を示す図である。
図5に示す例では、落下の開始時点をT1とし、衝突G値(衝突時の衝撃値)が検出された衝突時点をT3とする。落下の開始時点T1から加速度の変動が終息するまでの期間を作用時間とする。
【0057】
本実施形態では、推定部46は、ワイヤレスイヤホン10の落下が判定された前後の期間の加速度データの変化に基づいて、落下位置が硬い場所であるか、柔らかい場所であるかを推定できる。衝突地点の状態により衝突G値が異なる。例えば、衝突地点がアスファルトなどの固い地点である場合、衝突時点で高い衝突G値を示した後に、G値が収束するような波形になる。例えば、衝突地点が草むらなどの反発性のない柔らかい地点である場合、衝突時点より後のG値の変動が小さい。
【0058】
出力制御部49は、判定部45の判定結果に基づいて、ワイヤレスイヤホン10の左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかの落下が検出された場合、ワイヤレスイヤホン10の左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかが落下したことをユーザに音声または映像で出力するよう制御する。出力制御部49は、推定部46の推定結果に基づいて、現在地の周辺の地図情報とともに、ワイヤレスイヤホン10の左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかの落下位置を音声または映像で出力するよう制御してもよい。出力制御部49は、さらに、ワイヤレスイヤホン10の左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかが落下後に転がった方向を音声または映像で出力するよう制御してもよい。出力制御部49は、音声出力制御部491と、表示制御部492とを備える。
【0059】
音声出力制御部491は、スピーカ391からの音声の出力を制御する。音声出力制御部491は、スピーカ391に対して音声信号を出力する。音声出力制御部491は、判定部45の判定結果に基づいて、ワイヤレスイヤホン10の左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかの落下が検出された場合、ワイヤレスイヤホン10の左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかが落下したことを音声でスピーカ391から出力するよう制御する。音声出力制御部491は、推定部46の推定結果に基づいて、ワイヤレスイヤホン10の左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかの落下位置を音声でスピーカ391から出力するよう制御する。音声出力制御部491は、さらに、ワイヤレスイヤホン10の左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかが落下後に転がった方向を音声でスピーカ391から出力するよう制御してもよい。
【0060】
表示制御部492は、表示部392における映像の表示を制御する。表示制御部492は、判定部45の判定結果に基づいて、ワイヤレスイヤホン10の左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかの落下が検出された場合、ワイヤレスイヤホン10の左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかが落下したことを映像で表示部392に表示するよう制御する。表示制御部492は、推定部46の推定結果に基づいて、現在地の周辺の地図情報とともに、ワイヤレスイヤホン10の左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかの落下位置を映像で表示部392に表示するよう制御してもよい。表示制御部492は、さらに、地図情報に、ワイヤレスイヤホン10の左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかが落下後に転がった方向を矢印などの図形の映像で出力するよう制御してもよい。
【0061】
(紛失防止方法)
次に、
図6を用いて、紛失防止システム1における情報処理について説明する。
図6は、実施形態に係る電子機器の制御装置の流れを示すフローチャートである。
【0062】
まず、ワイヤレスイヤホン10における処理について説明する。ワイヤレスイヤホン10の電源がONされている間、左イヤホン10Lの3軸センサ13Lおよび右イヤホン10Rの3軸センサ13Rによって、左右の加速度データが取得される。加速度取得部23Lによって取得された加速度データと、加速度取得部23Rによって取得された加速度データとは、電子機器30へリアルタイムで送信される。
【0063】
制御装置40は、ワイヤレスイヤホン10から加速度データを取得する(ステップS101)。より詳しくは、制御装置40は、通信制御部41によって、通信部31を介して、ワイヤレスイヤホン10から、左イヤホン10Lの3軸センサ13Lおよび右イヤホン10Rの3軸センサ13Rの加速度データを取得する。制御装置40は、ステップS102に進む。
【0064】
制御装置40は、ワイヤレスイヤホン10が落下したか否かを判定する(ステップS102)。より詳しくは、制御装置40は、判定部45によって、ワイヤレスイヤホン10から取得した加速度データに基づいて、ワイヤレスイヤホン10がユーザの耳部から落下したか否かを判定する。制御装置40は、判定部45によって、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかがユーザの耳部から落下したと判定する場合、ワイヤレスイヤホン10が落下したと判定する。制御装置40は、判定部45によって、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rのどちらもユーザの耳部から落下したと判定しない場合、ワイヤレスイヤホン10が落下したと判定しない。制御装置40は、ワイヤレスイヤホン10が落下したと判定する場合(ステップS102でYes)、ステップS103へ進む。制御装置40は、ワイヤレスイヤホン10が落下したと判定しない場合(ステップS102でNo)、ステップS106へ進む。
【0065】
ワイヤレスイヤホン10が落下したと判定する場合(ステップS102でYes)、制御装置40は、位置情報を取得する(ステップS103)。より詳しくは、制御装置40は、位置情報取得部42によって、電子機器30の現在地を示す位置情報を取得する。制御装置40は、ステップS104へ進む。
【0066】
制御装置40は、落下位置を推定する(ステップS104)。より詳しくは、制御装置40は、推定部46によって、位置情報取得部42によって取得された位置情報と、ワイヤレスイヤホン10から取得した加速度データとに基づいて、落下位置を推定する。ステップS102において、左イヤホン10Lが落下したと判定された場合、制御装置40は、推定部46によって、位置情報と、左イヤホン10Lの3軸センサ13Lの加速度データとに基づいて、左イヤホン10Lの落下位置を推定する。ステップS102において、右イヤホン10Rが落下したと判定された場合、制御装置40は、推定部46によって、位置情報と、右イヤホン10Rの3軸センサ13Rの加速度データとに基づいて、右イヤホン10Rの落下位置を推定する。制御装置40は、ステップS105へ進む。
【0067】
制御装置40は、落下を通知する(ステップS105)。より詳しくは、制御装置40は、通信制御部41は、判定部45の判定結果および推定部46の推定結果をワイヤレスイヤホン10へ送信する。さらに、制御装置40は、電子機器30から落下を通知してもよい。制御装置40は、音声出力制御部491によって、ワイヤレスイヤホン10の落下が検出された場合、ワイヤレスイヤホン10が落下したことを音声でスピーカ391から出力するよう制御してもよい。制御装置40は、音声出力制御部491によって、推定部46の推定結果に基づいて、ワイヤレスイヤホン10の落下位置を音声でスピーカ391から出力するよう制御してもよい。制御装置40は、表示制御部492によって、判定部45の判定結果に基づいて、ワイヤレスイヤホン10の落下が検出された場合、ワイヤレスイヤホン10が落下したことを映像で表示部392に表示するよう制御してもよい。制御装置40は、表示制御部492によって、推定部46の推定結果に基づいて、現在地の周辺の地図情報とともに、ワイヤレスイヤホン10の落下位置を映像で表示部392に表示するよう制御してもよい。制御装置40は、ステップS106へ進む。
【0068】
制御装置40は、終了するか否かを判定する(ステップS106)。制御装置40は、ワイヤレスイヤホン10の電源がOFFされた時などに、終了すると判定する。制御装置40は、終了すると判定する場合(ステップS106でYes)、このフローチャートの処理を終了する。制御装置40は、終了すると判定しない場合(ステップS106でNo)、ステップS101の処理を再度実行する。
【0069】
ステップS105の実行後、ワイヤレスイヤホン10は、通信制御部21Lによって、通信部11Lを介して、電子機器30から、判定部45の判定結果および推定部46の推定結果を受信する。
【0070】
そして、ワイヤレスイヤホン10は、右イヤホン10Rのみ落下が検出された場合、左イヤホン10Lの音声出力制御部27Lによって、右イヤホン10Rが落下したことを音声でスピーカ16Lから出力するよう制御する。左イヤホン10Lの音声出力制御部27Lによって、右イヤホン10Rの落下位置を音声でスピーカ16Lから出力するよう制御する。
【0071】
ワイヤレスイヤホン10は、左イヤホン10Lのみ落下が検出された場合、右イヤホン10Rの音声出力制御部27Rによって、左イヤホン10Lが落下したことを音声でスピーカ16Rから出力するよう制御する。右イヤホン10Rの音声出力制御部27Rによって、左イヤホン10Lの落下位置を音声でスピーカ16Rから出力するよう制御する。
【0072】
このようにして、ワイヤレスイヤホン10の左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかがユーザの耳部から落下した場合、位置情報と、ワイヤレスイヤホン10の加速度データとに基づいて、落下位置を推定してユーザに通知する。
【0073】
(効果)
上述したように、本実施形態では、ワイヤレスイヤホン10がユーザの耳部から落下したと判定された場合、位置情報と、ワイヤレスイヤホン10の加速度データとに基づいて、落下位置を推定する。本実施形態では、落下位置の推定結果をワイヤレスイヤホン10に送信する。本実施形態では、ワイヤレスイヤホン10は、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rのうち、落下していない方から、落下位置の推定結果を出力できる。本実施形態によれば、落下した左イヤホン10Lまたは右イヤホン10Rを見失っても、残った右イヤホン10Rまたは左イヤホン10Lから通知された落下位置を参考にして、ユーザが落下した左イヤホン10Lまたは右イヤホン10Rを発見しやすくできる。このように、本実施形態によれば、ワイヤレスイヤホン10の紛失を防止することができる。
【0074】
本実施形態では、加速度データから、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかが落下後に転がった方向を推定することができる。本実施形態によれば、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかの落下位置をより正確に推定できる。
【0075】
本実施形態では、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかの落下が推定された前後の期間の加速度データの変化に基づいて、落下位置が硬い場所であるか、柔らかい場所であるかを推定できる。本実施形態によれば、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかの落下位置をより正確に推定できる。
【0076】
本実施形態では、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかの落下が検出された場合、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかの落下をユーザに通知することができる。本実施形態によれば、すぐに通知されることにより、ユーザが左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかを発見しやすくできる。
【0077】
本実施形態では、現在地の周辺の地図情報とともに、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらの落下位置を出力する。本実施形態によれば、地図を確認することにより、ユーザが左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの少なくともどちらかを発見しやすくできる。
【0078】
図示した紛失防止システムの各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0079】
紛失防止システムの構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0080】
上記に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記に記載した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【0081】
[変形例]
上記では、ワイヤレスイヤホン10は、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rのうち、落下していない方から、落下位置の推定結果を出力するものとして説明したが、これに限定されない。ワイヤレスイヤホン10は、常に、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rの両方から、落下位置の推定結果を出力してもよい。
【0082】
ワイヤレスイヤホン10が通話機能、または、ノイズキャンセリング機能を有しているなどして、左イヤホン10Lおよび右イヤホン10Rがマイクロフォン(収音部)を備えている場合、推定部46は、さらに、収音した音声データを使用して、落下位置を推定してもよい。推定部46は、音声データを解析して、例えば、ワイヤレスイヤホン10が転がるような高い音が認識された場合、落下位置がコンクリートなどの硬い場所であると推定する。推定部46は、音声データを解析して、例えば、草が擦れ合うような音が認識された場合、落下位置が草むらなどであると推定する。推定部46は、音声データを解析して、例えば、途中で聞こえる音が変わった場合、転がっている場所の性状が変わったと推定する。
【符号の説明】
【0083】
10 ワイヤレスイヤホン
10L 左イヤホン
10R 右イヤホン
11L 通信部
12L 左右用通信部
12R 左右用通信部
13L 3軸センサ(加速度センサ)
13R 3軸センサ(加速度センサ)
16L スピーカ
16R スピーカ
20L 制御部(音声出力制御装置)
20R 制御部(音声出力制御装置)
21L 通信制御部
22L 左右用通信制御部
22R 左右用通信制御部
23L 加速度取得部
23R 加速度取得部
27L 音声出力制御部
27R 音声出力制御部
30 電子機器
31 通信部
32 GNSS受信部
33 地図情報記憶部
39 出力部
391 スピーカ
392 表示部
40 制御装置(制御装置)
41 通信制御部
42 位置情報取得部
43 地図情報取得部
45 判定部
46 推定部
49 出力制御部
491 音声出力制御部
492 表示制御部