(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138791
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】動画配信システム及び動画配信プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/258 20110101AFI20241002BHJP
H04N 21/238 20110101ALI20241002BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20241002BHJP
G06F 3/0482 20130101ALI20241002BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20241002BHJP
【FI】
H04N21/258
H04N21/238
G06F3/14 330A
G06F3/0482
G06F3/04842
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049476
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】523111153
【氏名又は名称】小池 伶佳
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小池 伶佳
【テーマコード(参考)】
5B069
5C164
5E555
【Fターム(参考)】
5B069DD16
5C164FA06
5C164GA05
5C164MA02S
5C164MB44S
5C164SB08S
5C164SB26P
5C164SC11P
5C164TA08S
5C164UD44S
5C164YA11
5E555AA04
5E555AA09
5E555BA04
5E555BA87
5E555BB04
5E555BC17
5E555DB57
5E555DC07
5E555DC18
5E555EA08
5E555FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザの利便性を向上させた動画配信システム及び動画配信プログラムを提供する。
【解決手段】動画配信システムにおいて、サーバ装置は、一の物品が、第1表示機能要素11によって表示させた、クライアント端末の出力インターフェース32に表示されている複数の物品が掲載されている物品リストから、入力インターフェース31を通じて指定された場合、一の物品に関する動画を出力インターフェース32において再生される動画として選択するまたは出力インターフェース32において再生されるか又は再生されている動画の再生位置を一の物品に関する再生位置に遷移させる第2表示機能要素12を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力インターフェースに表示されている複数の物品が掲載されている物品リストから一の物品が入力インターフェースを通じて指定された場合、前記一の物品に関する動画を前記出力インターフェースにおいて再生される動画として選択するまたは前記出力インターフェースにおいて再生される若しくは再生されている動画の再生位置を前記一の物品に関する再生位置に遷移させる表示機能要素を備えている
動画配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の動画配信システムにおいて、
前記物品リストの中から前記入力インターフェースを通じて指定された一または複数の物品がお気に入り物品としてデータベースに登録され、前記出力インターフェースに表示されている前記お気に入り物品のリストから一のお気に入り物品が入力インターフェースを通じて指定された場合、前記表示機能要素が、前記一のお気に入り物品に関する動画を前記出力インターフェースにおいて再生されるお気に入り動画として選択するまたは前記出力インターフェースにおいて再生されている動画の再生位置を前記一のお気に入り物品に関するチャプターであるお気に入りチャプターに遷移させる
動画配信システム。
【請求項3】
請求項2に記載の動画配信システムにおいて、
前記出力インターフェースに表示されている前記お気に入りチャプターのリストから前記入力インターフェースを通じて一のお気に入りチャプターが指定された場合、前記表示機能要素が、前記出力インターフェースにおいて再生されている動画の再生位置を前記一のお気に入りチャプターに遷移させるまたは前記一のお気に入りチャプターを前記出力インターフェースにおいて再生させる
動画配信システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載の動画配信システムにおいて、
前記出力インターフェースに表示されている前記お気に入り動画のリストから前記入力インターフェースを通じて一のお気に入り動画が指定された場合、前記表示機能要素が、前記一のお気に入り動画を前記出力インターフェースにおいて再生させる
動画配信システム。
【請求項5】
請求項1に記載の動画配信システムにおいて、
前記動画が、一の者が自身または他の者にメイクを施している様子を示すメイク動画であり、前記物品が、前記メイク動画において前記一の者が利用しているメイク用商材である
動画配信システム。
【請求項6】
出力インターフェースに表示されている複数のチャプターが掲載されているチャプターリストから一のチャプターが入力インターフェースを通じて指定された場合、前記一のチャプターに関する動画を前記出力インターフェースにおいて再生される動画として選択するまたは前記出力インターフェースにおいて再生される若しくは再生されている動画の再生位置を前記一のチャプターに関する再生位置に遷移させる表示機能要素を備えている
動画配信システム。
【請求項7】
出力インターフェースに表示されている複数の物品が掲載されている物品リストから一の物品が入力インターフェースを通じて指定された場合、前記一の物品に関する動画を前記出力インターフェースにおいて再生される動画として選択するまたは前記出力インターフェースにおいて再生される若しくは再生されている動画の再生位置を前記一の物品に関する再生位置に遷移させる表示手段、として機能させる動画配信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画配信システム及び動画配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット上で動画が配信されるプラットフォームが次々に登場している。その中で、視聴者数の獲得および視聴者の利便性を向上するため、多様な動画配信システム及び動画配信プログラムが考案されてきた。
【0003】
そこで従来は、複数の料理工程を収録した動画の動画配信システムが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した動画配信システムは、複数の作業工程が収録された動画のうち、所望の工程(チャプター)を視聴したい場合において、ユーザ自らシークバーのスライダーを左右に移動させて所望の工程が映し出された再生位置にスライダーを調整する必要がある。また、動画内でどのような道具、素材などの物品を用いるかが不明であり、かつ、所望の物品が用いられている映像を視聴したい場合に、ユーザ自らシークバーのスライダーを左右に移動させながら映像を確認する必要があった。そのため、複数の物品に関する動画を視聴している視聴者(ユーザ)にとって特に不便であった。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、ユーザの利便性を向上させた動画配信システム及び動画配信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の動画配信システムは、
出力インターフェースに表示されている複数の物品が掲載されている物品リストから一の物品が入力インターフェースを通じて指定された場合、前記一の物品に関する動画を前記出力インターフェースにおいて再生される動画として選択するまたは前記出力インターフェースにおいて再生される若しくは再生されている動画の再生位置を前記一の物品に関する再生位置に遷移させる表示機能要素を備えている。
【0008】
当該構成の動画配信システムによれば、出力インターフェースに表示されている複数の物品が掲載されている物品リストから一の物品が入力インターフェースを通じてユーザにより指定された場合、当該一の物品に関する動画が出力インターフェースにおいて再生され、または、出力インターフェースにおいて再生されている動画の再生位置が当該一の物品に関する再生位置に遷移する。すなわち、ユーザは、入力インターフェースを通じて物品リストから任意の物品を指定することにより、当該物品に関連性がある動画または再生位置(例えば、当該物品が映り込んでいる動画または再生位置、あるいは、当該物品が話題にされている動画または再生位置)を出力インターフェースにおいて再生させて、視聴することができる。このため、ユーザが関心を抱く物品に関する動画または再生位置に接する利便性の向上が図られる。
【0009】
本発明の動画配信システムにおいて、
前記物品リストの中から前記入力インターフェースを通じて指定された一または複数の物品がお気に入り物品としてデータベースに登録され、前記出力インターフェースに表示されている前記お気に入り物品のリストから一のお気に入り物品が入力インターフェースを通じて指定された場合、前記表示機能要素が、前記一のお気に入り物品に関する動画を前記出力インターフェースにおいて再生されるお気に入り動画として選択するまたは前記出力インターフェースにおいて再生されている動画の再生位置を前記一のお気に入り物品に関するチャプターであるお気に入りチャプターに遷移させることが好ましい。
【0010】
当該構成の動画配信システムによれば、出力インターフェースに表示されたお気に入り物品のリストから一のお気に入り物品が入力インターフェースを通じてユーザにより指定されることにより、当該お気に入り物品に関連する動画(お気に入り動画)および/またはチャプター(お気に入りチャプター)が出力インターフェースにおいて再生される。このため、ユーザによりお気に入り物品としてデータベースに登録された物品に関する動画またはチャプターに当該ユーザが接する利便性の向上が図られる。
【0011】
本発明の動画配信システムにおいて、
前記出力インターフェースに表示されている前記お気に入りチャプターのリストから前記入力インターフェースを通じて一のお気に入りチャプターが指定された場合、前記表示機能要素が、前記出力インターフェースにおいて再生されている動画の再生位置を前記一のお気に入りチャプターに遷移させるまたは前記一のお気に入りチャプターを前記出力インターフェースにおいて再生させることが好ましい。
【0012】
当該構成の動画配信システムによれば、ユーザが関心を抱く物品に関する動画のチャプター(お気に入りチャプター)に接する利便性の向上が図られる。
【0013】
本発明の動画配信システムにおいて、
前記出力インターフェースに表示されている前記お気に入り動画のリストから前記入力インターフェースを通じて一のお気に入り動画が指定された場合、前記表示機能要素が、前記一のお気に入り動画を前記出力インターフェースにおいて再生させることが好ましい。
【0014】
当該構成の動画配信システムによれば、ユーザが関心を抱く物品に関する動画(お気に入り動画)に接する利便性の向上が図られる。
【0015】
本発明の動画配信システムにおいて、
前記動画が、一の者が自身または他の者にメイクを施している様子を示すメイク動画であり、前記物品が、前記メイク動画において前記一の者が利用しているメイク用商材であることが好ましい。
【0016】
当該構成の動画配信システムによれば、ユーザが関心を抱くメイク用商材に関するメイク動画または再生位置に接する利便性の向上が図られる。
【0017】
本発明の動画配信システムは、
出力インターフェースに表示されている複数のチャプターが掲載されているチャプターリストから一のチャプターが入力インターフェースを通じて指定された場合、前記一のチャプターに関する動画を前記出力インターフェースにおいて再生される動画として選択するまたは前記出力インターフェースにおいて再生される若しくは再生されている動画の再生位置を前記一のチャプターに関する再生位置に遷移させる表示機能要素を備えている。
【0018】
当該構成の動画配信システムによれば、出力インターフェースに表示されている複数のチャプターが掲載されているチャプターリストから一のチャプターが入力インターフェースを通じてユーザにより指定された場合、当該一のチャプターに関する動画が出力インターフェースにおいて再生され、または、出力インターフェースにおいて再生されている動画の再生位置が当該一のチャプターに関する再生位置に遷移する。すなわち、ユーザは、入力インターフェースを通じてチャプターリストから任意のチャプターを指定することにより、当該チャプターに関連性がある動画または再生位置の映像を出力インターフェースにおいて再生させて視聴することができる。このため、ユーザが関心を抱くチャプターに関する動画または再生位置に接する利便性の向上が図られる。
【0019】
本発明の動画配信プログラムは、
出力インターフェースに表示されている複数の商材が掲載されている商材リストから一の商材が入力インターフェースを通じて指定された場合、前記一の商材に関する動画を前記出力インターフェースにおいて再生される動画として選択するまたは前記出力インターフェースにおいて再生される若しくは再生されている動画の再生位置を前記一の商材に関する再生位置に遷移させる表示手段、として機能させる。
【0020】
当該構成の動画配信プログラムによれば、出力インターフェースに表示されている複数の物品が掲載されている物品リストから一の物品が入力インターフェースを通じてユーザにより指定された場合、当該一の物品に関する動画が出力インターフェースにおいて再生され、または、出力インターフェースにおいて再生されている動画の再生位置が当該一の物品に関する再生位置に遷移する。すなわち、ユーザは、入力インターフェースを通じて物品リストから任意の物品を指定することにより、当該物品に関連性がある動画または再生位置(例えば、当該物品が映り込んでいる動画または再生位置、あるいは、当該物品が話題にされている動画または再生位置)を出力インターフェースにおいて再生させて視聴することができる。このため、ユーザが関心を抱く物品に関する動画または再生位置に接する利便性の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態としての動画配信システムの構成に関する説明図。
【
図2】本発明の一実施形態としての動画配信システムの機能に関する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(構成)
図1に示されている本発明の一実施形態としての動画配信システムは、複数のクライアント端末3及び一または複数のコンテンツサーバ2のそれぞれとネットワークを介して相互通信可能なサーバ装置1により構成されている。なお、サーバ装置1内にコンテンツサーバ2が構成されていてもよい。サーバ装置1は、データベース10と、制御装置100と、を備えている。制御装置100は、第1表示機能要素11と、第2表示機能要素12と、登録機能要素13と、を備えている。
【0023】
データベース10は、物品のお気に入りリストなどを記憶保持する。データベース10は、サーバ装置1とは別個のデータベースサーバにより構成されてもよい。制御装置100およびその構成要素である各機能要素は、演算処理装置(CPU、プロセッサコアなど)および記憶装置(ROM、RAMなど)により構成されている。演算処理装置は、必要なソフトウェア(プログラム)およびデータを記憶装置から読み取り、当該データを対象として当該ソフトウェアにしたがった指定の演算処理を実行するように構成されている。当該指定の演算処理の詳細については後述する。
【0024】
ここでいう物品とは、商取引の対象になる商品(商材)及び商取引の対象とはならないが一定の価値を有する美術品または歴史的遺産などをいう。商材としては、例えば、メイク道具、調理器具、工具及び食材などをいう。
【0025】
第1表示機能要素11は、後述するクライアント端末3の出力インターフェース32に、動画コンテンツ及び動画コンテンツ内で用いられている複数の物品を一覧で表示した物品リスト、及び、
図6に示されているような物品の総括名称を検索した結果、表示される物品検索結果60などを表示させるように構成されている。
【0026】
第2表示機能要素12は、クライアント端末3の出力インターフェース32において再生されるまたは再生されている動画コンテンツの表示を所定の再生位置(動画コンテンツの再生開始時点からの経過時間)に遷移させるように構成されている。なお、第2表示機能要素12は、クライアント端末3の出力インターフェース32において再生される所定の動画コンテンツを選択するように構成されてもよい。
【0027】
コンテンツサーバ2は、通信装置20と、コンテンツ動画記憶装置21と、コンテンツ情報記憶装置22と、を備えている。コンテンツサーバ2は、通信装置20により、サーバ装置1とのデータのやり取りを行う。コンテンツ動画記憶装置21には、複数の動画コンテンツが記憶されており、サーバ装置1の求めに応じて、通信装置20を介して、動画コンテンツをサーバ装置1へ送信する。
【0028】
コンテンツ情報記憶装置22には、
図4に示されているように、動画IDと、物品IDと、チャプターIDと、再生位置情報とが関連付けて記憶されており、サーバ装置1からの要求に応じて、通信装置20を介して、動画コンテンツの情報をサーバ装置1へ送信する。動画IDは、コンテンツ動画記憶装置21に記憶された各動画コンテンツに割り当てられた識別子である。物品IDは、各動画コンテンツ内で用いられる物品に割り当てられた識別子である。チャプターIDは、動画コンテンツ内の作業工程を工程毎に分割したチャプターに割り当てられた識別子である。チャプターとは、例えば、動画コンテンツがメイク動画である場合には、メイク工程を下地工程、眉工程、目工程などメイクの各種作業工程毎に分割したものである。なお、本実施形態では、
図4に示されているように、一のテーブル(表)に動画IDと、物品IDと、チャプターIDと、再生位置情報とが関連付けられて記憶されているが、これらは複数のテーブルに分割されて記憶されていてもよい。また、動画ID、物品ID、チャプターID、再生位置情報の全てのデータが記憶されていなくてもよい。
【0029】
再生位置情報とは、動画コンテンツ内で指定物品が最初に表示される再生位置の情報であり、物品ID及びチャプターIDと関連付けられている。なお、本実施形態では、再生位置情報を指定物品が最初に表示される再生位置としたが、再生位置情報は、指定物品が用いられるチャプターの開始位置であってもよいし、指定物品自体が表示されなくとも文字または音声で指定物品が紹介されたタイミングなどであってもよい。
【0030】
クライアント端末3は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどの通信端末装置により構成されている。クライアント端末3は、記憶装置30、入力インターフェース31と、出力インターフェース32と、演算処理装置33と、を備えている。
【0031】
記憶装置30は、演算処理装置33による演算処理結果などを記憶保持するように構成されている。入力インターフェース31は、タッチパネル式のディスプレイおよびマイクロフォンにより構成され、ユーザの接触式操作または発話による非接触操作を可能とする。出力インターフェース32は、ディスプレイ装置および音声出力装置(スピーカ)により構成され、コンテンツサーバ2に保存された動画コンテンツなどの映像の表示及び音声を出力する。入力インターフェース31は操作ボタンなどにより構成されていてもよい。
【0032】
演算処理装置33は、記憶装置30を構成するメモリの指定領域からソフトウェアおよびデータを必要に応じて読み取った上で、当該データを対象として当該ソフトウェアにしたがった指定の演算処理を実行する情報処理部(CPU)および必要に応じて通信機器、記憶装置(当該メモリ)などにより構成されている。
【0033】
(機能)
図2を用いて、ユーザがクライアント端末3で、所定の者が自身にフェイスメイクを施す様子を映した動画コンテンツを視聴中に、ユーザが一のメイク用商材を指定したときの動作フローの一実施形態を説明する。
図3に示すように、クライアント端末3の入力インターフェース31及び出力インターフェース32であるタッチパネル式のディスプレイには、動画コンテンツが再生される表示画面40と、チャプター41と、物品リスト42と、が表示されている。チャプター41は、動画コンテンツ内のメイク工程を工程毎(スキンケア、下地工程、眉工程、目工程など)に分割したものである。物品リスト42は、動画コンテンツ内で用いられるメイク用商材が掲載された一覧であり、物品画像42Aと、物品名42Bと、指定領域42Cと、お気に入り登録領域42Dと、検索領域42Eと、を有する。
【0034】
クライアント端末3は、ユーザが指定領域42Cにて、指定したメイク用商材(指定物品)を認識する(
図2/STEP302)。クライアント端末3は、表示画面40に再生されている動画コンテンツの動画IDと、指定物品の物品IDと、クライアント端末3の識別子とをサーバ装置1に送信する(
図2/STEP304)。サーバ装置1は、クライアント端末3から送信された動画IDと、物品IDと、クライアント端末3を識別するクライアントIDおよび/またはユーザを識別するユーザIDとを受信する(
図2/STEP102)。サーバ装置1は、受信した動画IDと物品IDをコンテンツサーバ2に送信する(
図2/STEP104)。コンテンツサーバ2は、サーバ装置1から送信された動画IDと、物品IDとを受信する(
図2/STEP202)。コンテンツサーバ2は、受信した動画ID及び物品IDをコンテンツ情報記憶装置22に記憶されたコンテンツ情報22A(
図4参照)と照会して、動画ID及び物品IDに対応した再生位置情報を特定する(
図2/STEP204)。
【0035】
コンテンツサーバ2は、当該再生位置情報をサーバ装置1に送信する(
図2/STEP206)。サーバ装置1は、コンテンツサーバ2から送信された再生位置情報を受信する(
図2/STEP106)。サーバ装置1は、信号生成要素17にて、受信した再生位置情報を動画コンテンツの再生位置を所定の位置に移動させる再生位置移動信号に変換する(
図2/STEP108)。サーバ装置1は、当該再生位置移動信号を該当するクライアントIDおよび/またはユーザIDにより識別されるクライアント端末3に送信する(
図2/STEP110)。クライアント端末3は、サーバ装置1からの再生位置移動信号を受信する(
図2/STEP306)。クライアント端末3の表示画面40に表示されている動画コンテンツの再生位置が、受信した再生位置移動信号に従って、遷移させられる(
図2/STEP308)。
【0036】
よって、ユーザは、入力インターフェース31を通じて物品リスト42から任意の物品を指定することにより、当該物品に関連性がある再生位置の映像を出力インターフェース32において再生させて視聴することができる。このため、ユーザが関心を抱く物品に関する再生位置に接する利便性の向上が図られる。
【0037】
(本発明の他の実施形態)
なお、本実施形態では、物品リスト42は、動画コンテンツ内で用いられるメイク用商材が掲載された一覧であったが、物品リスト42に掲載される物品は、動画コンテンツ内で用いられる物品に限られない。例えば、出力インターフェース32に表示される物品リスト42には、当該出力インターフェース32において再生される動画コンテンツ(または再生予定の一または複数の動画コンテンツ(動画リストに掲載されている))に関連する物品のほか、当該動画コンテンツに関連する物品とカテゴリーが同一または類似の物品が含まれていてもよい。
【0038】
ユーザにより、動画コンテンツ内で用いられていない物品が指定された場合、
図2のSTEP204において、動画ID及び物品IDに対応する再生位置情報が特定できないことになる。そのため、コンテンツサーバ2は、物品IDに基づいて、一または複数の動画IDを選定し、当該動画IDと物品IDに対応する再生位置情報を特定する。そして、コンテンツサーバ2は、選定された動画ID、及び、特定された再生位置情報をサーバ装置1に送信する。クライアント端末3から受信した動画IDとは異なる動画IDをコンテンツサーバ2から受信したサーバ装置1は、コンテンツサーバ2から受信した動画IDを動画再生信号に、再生位置情報を再生位置移動信号に変換する。サーバ装置1は、動画再生信号と再生位置移動信号をクライアント端末3に送信する。動画再生信号と再生位置移動信号を受信したクライアント端末3の表示画面40には、当該動画再生信号に基づいた動画コンテンツが再生され、再生された動画コンテンツの再生位置は当該再生位置移動信号に基づいて遷移させられる。
【0039】
コンテンツサーバ2は、物品IDに基づいて、一または複数の動画IDを選定し、当該選定された動画IDをサーバ装置1に送信してもよい。この場合、クライアント端末3から受信した動画IDとは異なる動画IDをコンテンツサーバ2から受信したサーバ装置1は、コンテンツサーバ2から受信した動画IDを動画再生信号に変換し、動画再生信号をクライアント端末3に送信する。動画再生信号を受信したクライアント端末3の表示画面40には、当該動画再生信号に基づいた一または複数の動画コンテンツが再生される。複数の動画が再生される場合、当該複数の動画の再生順は定まっていてもよい。当該複数の動画のリストが表示画面40に表示され、当該リストから入力インターフェース31を通じてユーザにより選択された一の動画が表示画面40において再生されてもよい。
【0040】
本実施形態では、サーバ装置1とコンテンツサーバ2を別体で構成したが、サーバ装置1とコンテンツサーバ2が一体として構成されてもよい。つまり、サーバ装置1内に動画コンテンツが記憶されており、コンテンツサーバ2で実施されるSTEP202~STEP206の機能がサーバ装置1内で実行されてもよい。
【0041】
本実施形態では、STEP108において、サーバ装置1が再生位置情報を再生位置移動信号に変換させて、該再生位置移動信号をSTEP110において、クライアント端末3に送信したが、サーバ装置1はコンテンツサーバ2から受信した再生位置情報をそのままクライアント端末3に送信してもよい。この場合に、クライアント端末3は、受信した再生位置情報に基づいて、表示画面40に表示されている動画コンテンツの再生位置を遷移させる。
【0042】
本実施形態では、クライアント端末3は、STEP102~STEP110において、サーバ装置1から再生位置情報を取得したが、クライアント端末3はコンテンツサーバ2から再生位置信号または再生位置情報を取得してもよい。
【0043】
本実施形態では、任意の物品を指定することにより、当該物品に関連性がある再生位置に移動させる構成としたが、任意のチャプターを指定することにより、当該チャプターの開始位置に再生位置を移動させる構成としてもよい。このため、ユーザの所望のチャプターから動画コンテンツを再生させることができ、ユーザが関心を抱くチャプターに接する利便性を向上させることができる。
【0044】
本実施形態では、動画コンテンツがフェイスメイクである場合について説明したが、フェイスメイクに限定されず、ヘアメイクまたはボディーメイクなどであってもよい。また、物品に関する動画コンテンツであれば、料理動画および工作動画などの作業動画であってもよく、時計および車などの物品の紹介動画であってもよい。
【0045】
料理動画の場合には、調理器具、食材、調味料などが物品に該当する。例えば、ユーザは、所持している調理器具または購入を検討している調理器具を指定することにより、当該調理器具に関連性がある映像を出力インターフェース32において再生させることができる。このため、ユーザが関心を抱く調理器具に関する再生位置に接する利便性の向上が図られる。
【0046】
また、料理動画の場合には、食材を切る、食材を焼く、料理を皿に盛り付けるなどの料理工程がチャプターに該当する。そのため、ユーザの所望の料理工程から動画コンテンツを再生させることができ、ユーザが関心を抱くチャプターに接する利便性を向上させることができる。
【0047】
次に、複数の時計を紹介する紹介動画である場合には、各時計が物品に該当する。そのため、ユーザは、購入を検討している時計を指定することにより、当該時計に関連性がある映像を出力インターフェース32において再生させることができる。
【0048】
また、時計の紹介動画の場合には、時計のブランドの紹介、時計の機能の紹介、時計の材質の紹介などの各工程がチャプターに該当する。そのため、ユーザの所望の紹介内容から動画コンテンツを再生させることができ、ユーザが関心を抱くチャプターに接する利便性を向上させることができる。
【0049】
本実施形態では、コンテンツサーバ2のコンテンツ情報記憶装置22に再生位置情報が記憶されている場合について説明したが、コンテンツサーバ2には、再生位置情報が記憶されておらず、サーバ装置1で動画解析を行うことにより、再生位置情報が取得されてもよい。
【0050】
詳細には、動画コンテンツ内で表示された文字情報および/または動画コンテンツ内で出力された音声情報を取得し、当該文字情報および/または音声情報をインターネット情報と照会することにより、物品を特定する。そのことにより、
図4に示すような、動画IDと、物品IDと、再生位置情報とが関連付けられたコンテンツ情報が得られる。そのため、
図2のSTEP108における再生位置移動信号は、サーバ装置1で得られた当該再生位置情報を変換することで得ることもできる。よって、動画コンテンツ内で用いられている物品の情報が特定されていない動画コンテンツであっても、物品の指定のみで再生位置の調整を行うことを可能にすることができる。
【0051】
また、本実施形態では、ユーザは物品リスト42の指定領域42Cを指定することで動画コンテンツの再生位置が移動されたが、ユーザが物品リスト42の物品画像42Aまたは物品名42Bが指定することにより動画コンテンツの再生位置が移動させられてもよい。また、物品リスト42には、物品画像42A、物品名42B、指定領域42C、お気に入り登録領域42D、検索領域42Eの他に、物品の紹介ページまたは物品購入ページに移行するURL(Uniform Resource Locator)などが設けてもよい。
【0052】
ユーザは、好みの物品を見つけた場合には、お気に入り登録領域42Dを指定することで、お気に入り物品リストを作成することができる。詳細には、ユーザにより一の物品のお気に入り登録領域42Dが指定された場合には、一の物品の物品IDとユーザID(クライアント端末3の識別子)がサーバ装置1に送信される。そして、当該物品IDとユーザIDを受信したサーバ装置1は、データベース10にユーザID毎にリスト化されたお気に入り物品リストとして物品IDを登録する。
【0053】
サーバ装置1のデータベース10に登録されたお気に入り物品リストは、クライアント端末3の入力インターフェース31からの要求に応じて、クライアント端末3に送信される。お気に入り物品リストを受信したクライアント端末3は出力インターフェース32に、お気に入り物品リストを表示させる。そして、ユーザにより、出力インターフェース32に表示されたお気に入り物品リストから一の物品が指定された場合には、第2表示機能要素12が、出力インターフェース32において再生されている動画コンテンツの再生位置を指定された一の物品に関するお気に入りチャプターに遷移させる。なお、出力インターフェース32において再生されている動画コンテンツ内に指定された一の物品に関するお気に入りチャプターが存在しない場合には、第2表示機能要素12が、指定された一の物品に関するお気に入り動画コンテンツを選択し、出力インターフェース32に再生させる。
【0054】
このため、ユーザによりお気に入り物品としてデータベースに登録された物品に関する動画またはチャプターに当該ユーザが接する利便性の向上が図られる。
【0055】
サーバ装置1は、データベース10に記憶されたお気に入り物品リストに基づいて、お気に入りチャプターリストを作成し、データベース10に記憶させる。詳細には、お気に入りチャプターリストは、お気に入り物品リストに登録された物品の物品IDをコンテンツサーバ2に記憶されたコンテンツ情報(
図4参照)に照会することで得られるチャプターIDのリストである。つまり、お気に入りチャプターリストに登録されたチャプターは、お気に入り物品リストに登録された物品に対応するチャプターである。
【0056】
データベース10に記憶されたお気に入りチャプターリストは、クライアント端末3の入力インターフェース31からの要求に応じて、クライアント端末3に送信される。お気に入りチャプターリストを受信したクライアント端末3は出力インターフェース32に、お気に入りチャプターリストを表示させる。そして、ユーザにより、出力インターフェース32に表示されたお気に入りチャプターリストの一のチャプターが指定された場合には、第2表示機能要素12が、出力インターフェース32において再生されている動画コンテンツの再生位置を指定された一のチャプターに遷移させる。なお、出力インターフェース32において再生されている動画コンテンツ内に指定された一のチャプターが存在しない場合には、第2表示機能要素12が、指定された一のチャプターを出力インターフェース32に再生させる。このため、ユーザが関心を抱く物品に関する動画のチャプター(お気に入りチャプター)に接する利便性の向上が図られる。
【0057】
サーバ装置1は、データベース10に記憶されたお気に入り物品リストに基づいて、お気に入り動画リストを作成し、データベース10に記憶させる。詳細には、お気に入り動画リストは、お気に入り物品リストに登録された物品の物品IDをコンテンツサーバ2に記憶されたコンテンツ情報(
図4参照)に照会することで得られる動画IDのリストである。つまり、お気に入り動画チャプターリストに登録された動画コンテンツは、お気に入り物品リストに登録された物品に対応する動画コンテンツである。
【0058】
データベース10に記憶されたお気に入り動画リストは、クライアント端末3の入力インターフェース31からの要求に応じて、クライアント端末3に送信される。お気に入り動画リストを受信したクライアント端末3は出力インターフェース32に、お気に入り動画リストを表示させる。そして、ユーザにより、出力インターフェース32に表示されたお気に入り動画リストの一のチャプターが指定された場合には、第2表示機能要素12が、指定された一の動画コンテンツを出力インターフェース32に再生させる。このため、ユーザが関心を抱く物品に関する動画(お気に入り動画)に接する利便性の向上が図られる。
【0059】
ユーザは、好みのメイク用商材を見つけた場合には、検索領域42Eを指定して、当該メイク用商材を用いた複数の動画コンテンツを検索することができる。検索領域42Eが指定された場合に、クライアント端末3の出力インターフェース32には、
図5に示されているように、指定されたメイク用商材が用いられる動画コンテンツの動画検索結果50が表示される。動画検索結果50には、物品名51と、物品画像52と、物品情報53と、動画コンテンツ一覧54と、が表示される。なお、本実施形態雄では、動画コンテンツ一覧54に、複数の動画コンテンツを一覧表示させたが、指定されたメイク用商材が用いられるチャプターを一覧表示してもよい。
【0060】
物品情報53とは、物品の製造元、物品の用途、容量、効果、使用方法など物品に関連する情報である。動画コンテンツ一覧54は、動画コンテンツのサムネイル画像54Aと、動画コンテンツのタイトル54Bと、お気に入り登録領域54Cと、を有する。
【0061】
ユーザは、動画コンテンツのサムネイル画像54Aまたは動画コンテンツのタイトル54Bを指定することにより、各動画コンテンツの再生を行うことができる。また、お気に入り登録領域54Cを指定することで、ユーザの指定した動画コンテンツをお気に入り動画リストに登録することができる。このため、ユーザの好みのメイク物品に関する動画コンテンツを効率的に検索することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0062】
サーバ装置1のデータベース10に登録されるお気に入り物品リストは、物品検索結果60に掲載された物品リストから登録されてもよい。
図6に示されているように、物品検索結果60は、物品の総括名称で検索した場合の検索結果の一覧である。物品検索結果60には、物品名61、物品画像62、お気に入り登録領域63と、が表示される。お気に入り登録領域63が指定されることにより、データベース10のお気に入り物品リストに登録することができる。
【0063】
ネットワークにおける任意の一または複数の装置またはノードから、当該ネットワークを通じてプログラムまたは当該プログラムによって実現される機能がクライアント端末3に対して提供されてもよい。ここでいうプログラムとは、前述したサーバ装置1、コンテンツサーバ2、クライアント端末3の機能を発揮させるものである。また、ここでいうプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに、前述した機能をクライアント端末3にすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0064】
また、当該プログラムは、クライアント端末3に読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをクライアント端末3に読み込ませ、実行することにより前述した機能の一部または全部を実現させてもよい。ここでいう記録媒体とは、CD-ROM、USBフラッシュドライブ、SDメモリーカード、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)等の可搬媒体、クライアント端末3に内蔵されるHDD、SSDまたは一定期間記録を保持する揮発性メモリ等の記憶装置のことをいう。
【0065】
本発明の動画配信システムの収益構造について説明する。本発明の動画配信システムの収益は主に有料会員費、広告費、情報提供費の3つに分けられる。有料会員費は、本発明の動画配信システムを所定の会員にのみ利用可能にすることで、月額または年額の会員費用を得るものである。そのため、安定的な収益を得ることができる。
【0066】
広告費とは、
図3、
図5、
図6に示すような出力インターフェース32に物品に関連するバナー広告などを表示することで得られる物品の宣伝広告費用である。本発明の動画配信システムの利用者の増加に伴い、大きな収益を得ることができる。
【0067】
情報提供費とは、本発明の動画配信システムの利用状況から各物品の注目度、人気度などをまとめた情報を物品のメーカー、商社、販売店などに提供することで得られる費用である。ここで、利用状況とは、各物品の指定回数、各物品の検索回数、各物品のお気に入りユーザ数、または、各物品に関する動画コンテンツの再生維持率などである。本発明の動画配信システムの利用者の増加に伴い、より有益な情報が得られることになり、より大きな収益を得ることができる。
【0068】
以上、説明したように、本発明によれば、ユーザの利便性が向上した動画配信システム及び動画配信プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 サーバ装置
2 コンテンツサーバ
3 クライアント端末
10 データベース
11 第1表示機能要素
12 第2表示機能要素
13 登録機能要素
20 通信装置
21 コンテンツ動画記憶装置
22 コンテンツ情報記憶装置
30 記憶装置
31 入力インターフェース
32 出力インターフェース
33 演算処理装置
40 表示画面
41 チャプター
42 物品リスト
50 動画検索結果
51 物品名
52 物品画像
53 物品情報
54 動画コンテンツ一覧
60 物品検索結果
61 物品名
62 物品画像
63 お気に入り登録領域
100 制御装置