(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138835
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】位置調整装置及びプロジェクションシステム
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20241002BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20241002BHJP
G03B 21/16 20060101ALI20241002BHJP
G02B 7/00 20210101ALI20241002BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
G03B21/14 E
G03B21/00 D
G03B21/16
G02B7/00 B
H04N5/74 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049539
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】戸塚 貴大
【テーマコード(参考)】
2H043
2K203
5C058
【Fターム(参考)】
2H043AB05
2H043AB08
2H043AB31
2H043AB32
2H043AB37
2K203FA23
2K203FA34
2K203FA93
2K203FA96
2K203FB03
2K203GB23
2K203GB30
2K203HA13
2K203HB22
2K203KA04
2K203KA07
2K203KA93
2K203LA06
2K203LA12
2K203LA26
2K203LA27
2K203LA33
2K203MA12
2K203MA38
2K203MA40
5C058BA35
5C058EA03
(57)【要約】
【課題】画像投射ユニットを交換できる位置調整装置及びプロジェクションシステムを提供する。
【解決手段】位置調整装置は、第1プロジェクターが配置される第1空間、及び、第2プロジェクターが配置される第2空間を有するハウジングと、第1プロジェクターが載置され、第1回転軸を中心に回転可能にハウジングに支持される第1回転台と、第2プロジェクターが載置され、第1回転軸と平行な第2回転軸を中心に回転可能にハウジングに支持される第2回転台と、を備え、ハウジングは、第1プロジェクターから投射される第1画像光が通過する第1開口部と、第2プロジェクターから投射される第2画像光が通過する第2開口部と、を有し、第1回転台の回転方向と第2回転台の回転方向とは、互いに逆方向であり、第1回転台の回転と第2回転台の回転とは、互いに連動し、第1回転台及び第2回転台は、ハウジングに対して交換可能に構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プロジェクターが配置される第1空間、及び、第2プロジェクターが配置される第2空間を有するハウジングと、
前記第1プロジェクターが載置され、第1回転軸を中心に回転可能に前記ハウジングに支持される第1回転台と、
前記第2プロジェクターが載置され、前記第1回転軸と平行な第2回転軸を中心に回転可能に前記ハウジングに支持される第2回転台と、を備え、
前記ハウジングは、
前記第1プロジェクターから投射される第1画像光が通過する第1開口部と、
前記第2プロジェクターから投射される第2画像光が通過する第2開口部と、を有し、
前記第1回転台の回転方向と前記第2回転台の回転方向とは、互いに逆方向であり、
前記第1回転台の回転と前記第2回転台の回転とは、互いに連動し、
前記第1回転台及び前記第2回転台は、前記ハウジングに対して交換可能に構成されている、ことを特徴とする位置調整装置。
【請求項2】
請求項1に記載の位置調整装置において、
前記第1プロジェクターと前記第1回転台とを固定する第1固定具及び第2固定具を更に備え、
前記第1回転台は、
前記第1固定具によって前記第1プロジェクターが固定される第1固定部と、
前記第2固定具によって前記第1プロジェクターが固定される第2固定部と、を有し、
前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記第1プロジェクターが固定された前記第1回転台を前記第1回転軸に沿って見て、前記第1プロジェクターにおいて前記第1画像光を投射する投射光学装置の光軸と前記第1回転軸とが重なる位置に配置されている、ことを特徴とする位置調整装置。
【請求項3】
請求項1に記載の位置調整装置において、
前記第1プロジェクターと前記第1回転台とを固定する第1固定具及び第2固定具を更に備え、
前記第1回転台は、
前記第1固定具によって前記第1プロジェクターが固定される第1固定部と、
前記第2固定具によって前記第1プロジェクターが固定される第2固定部と、を有し、
前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記第1プロジェクターが固定された前記第1回転台を前記第1回転軸に沿って見て、前記第1回転軸が、前記第1プロジェクターにおいて複数の光変調素子から出射された光を合成する光合成素子と重なる位置に配置されている、ことを特徴とする位置調整装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の位置調整装置において、
前記ハウジングは、
前記ハウジングの天面側から、前記第1プロジェクター及び前記第1回転台と、前記第2プロジェクター及び前記第2回転台と、を取り出し可能に構成されている、ことを特徴とする位置調整装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の位置調整装置において、
前記第1回転台の回転方向と前記第1回転軸に沿う方向とにおいて前記第1回転台を固定する第1固定部材と、
前記第2回転台の回転方向と前記第2回転軸に沿う方向とにおいて前記第2回転台を固定する第2固定部材と、を更に備える、ことを特徴とする位置調整装置。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の位置調整装置において、
前記ハウジングは、前記第1空間と前記第2空間とを区画する区画壁を有する、ことを特徴とする位置調整装置。
【請求項7】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の位置調整装置において、
前記ハウジングは、
前記第1空間と前記ハウジングの外部とを連通し、前記ハウジングの外部の気体を前記第1空間内に導入する第1導入口と、
前記第1空間と前記ハウジングの外部とを連通し、前記第1空間内の気体を前記ハウジングの外部に排出する第1排出口と、
前記第2空間と前記ハウジングの外部とを連通し、前記ハウジングの外部の気体を前記第2空間内に導入する第2導入口と、
前記第2空間と前記ハウジングの外部とを連通し、前記第2空間内の気体を前記ハウジングの外部に排出する第2排出口と、を有する、ことを特徴とする位置調整装置。
【請求項8】
請求項7に記載の位置調整装置において、
前記第1排出口は、前記ハウジングの天面において前記第2空間側の位置に設けられ、
前記ハウジングは、前記第1開口部と前記第2開口部との間に配置され、前記第1空間内の気体を前記第1排出口に導く案内壁を有する、ことを特徴とする位置調整装置。
【請求項9】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の位置調整装置において、
前記第1開口部及び前記第2開口部のそれぞれは、1つの開口部における一部の領域であることを特徴とする位置調整装置。
【請求項10】
第1画像光を投射する第1プロジェクターと、
第2画像光を投射する第2プロジェクターと、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の位置調整装置と、を備える、ことを特徴とするプロジェクションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、位置調整装置及びプロジェクションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筐体と、筐体の前面に設けられた透過形の投影スクリーンと、複数の画像投射ユニットとを備える液晶ディスプレイマルチ投影装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載の液晶ディスプレイマルチ投影装置は、画像投影レンズユニットが一体的に装着された画像投射ユニットを複数備える。画像投射ユニットは、姿勢制御機構を内蔵し、姿勢制御機構は、2軸姿勢制御機構と4軸姿勢制御機構とを備える。
2軸姿勢制御機構は、画像投影レンズユニットの上下方向及び左右方向の位置合わせを行う。4軸姿勢制御機構は、Z軸調整ツマミに対するユーザーの操作に応じて、投影スクリーンに投影された画像の大きさを変化させる他、他の調整ツマミに対するユーザーの操作に応じて、投影された画像の左右の大きさ、及び、上下の大きさを変化させる。
各画像投射ユニットの画像投影レンズユニットを操作して、投影スクリーンに投影された画像の位置及び大きさを調整することによって、投影スクリーンに各画像投射ユニットから投射された画像が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の液晶ディスプレイマルチ投影装置では、2軸姿勢制御機構及び4軸姿勢制御機構を含む姿勢制御機構が画像投射ユニットに内蔵されている。このため、他機種の画像投射ユニットを交換した場合に、画像投射ユニットのサイズ、画像投影レンズユニットの位置、或いは、画像投影レンズユニットによる画像の投射角度等が変化して、ユーザーが所望する投射画像を投影スクリーンに表示できない可能性がある。このため、画像投射ユニットを交換できる構成が要望されてきた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1態様に係る位置調整装置は、第1プロジェクターが配置される第1空間、及び、第2プロジェクターが配置される第2空間を有するハウジングと、前記第1プロジェクターが載置され、第1回転軸を中心に回転可能に前記ハウジングに支持される第1回転台と、前記第2プロジェクターが載置され、前記第1回転軸と平行な第2回転軸を中心に回転可能に前記ハウジングに支持される第2回転台と、を備え、前記ハウジングは、前記第1プロジェクターから投射される第1画像光が通過する第1開口部と、前記第2プロジェクターから投射される第2画像光が通過する第2開口部と、を有し、前記第1回転台の回転方向と前記第2回転台の回転方向とは、互いに逆方向であり、前記第1回転台の回転と前記第2回転台の回転とは、互いに連動し、前記第1回転台及び前記第2回転台は、前記ハウジングに対して交換可能に構成されている。
【0006】
本開示の第2態様に係るプロジェクションシステムは、第1画像光を投射する第1プロジェクターと、第2画像光を投射する第2プロジェクターと、上記第1態様に係る位置調整装置と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係るプロジェクションシステムを示す平面図。
【
図2】一実施形態に係るプロジェクターの構成を示す模式図。
【
図3】一実施形態に係るプロジェクションシステムを示す斜視図。
【
図4】一実施形態に係るプロジェクションシステムを示す斜視図。
【
図5】一実施形態に係るXZ平面に沿う位置調整装置の断面を示す図。
【
図6】一実施形態に係るYZ平面に沿う位置調整装置の断面を示す図
【
図7】一実施形態に係るプロジェクター及び回転台を取り外した状態の位置調整装置の内部を示す平面図。
【
図8】一実施形態に係る第1支持部に支持される第1回転台と第2支持部に支持される第2回転台とを示す斜視図。
【
図9】一実施形態に係る第1回転台及び第2回転台を示す斜視図。
【
図10】一実施形態に係る第1プロジェクターが載置された第1回転台を示す平面図。
【
図11】一実施形態に係る第1プロジェクターが載置された第1回転台を示す底面図。
【
図12】一実施形態に係る操作レバーをスライドさせたときの各プロジェクターの回転状態を示す図。
【
図13】一実施形態に係る操作レバーをスライドさせたときの各プロジェクターの回転状態を示す図。
【
図14】一実施形態に係る他の機種のプロジェクターと回転台とを示す斜視図。
【
図15】一実施形態に係る他の機種のプロジェクターと回転台とを示す底面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の一実施形態について図面に基づいて説明する。
[プロジェクションシステムの構成]
図1は、位置調整装置3の天板451を取り外した状態のプロジェクションシステム1を示す平面図である。
本実施形態に係るプロジェクションシステム1は、
図1に示すように、2つのプロジェクター2と、2つのプロジェクター2を収容する位置調整装置3と、を備える。プロジェクションシステム1は、スクリーン等の被投射面に各プロジェクター2から投射された画像光によって、例えば一つの連続した画像を被投射面に投射できる他、互いに離間した2つの画像を被投射面に投射可能である。
以下、プロジェクションシステム1の各構成について説明する。
【0009】
[プロジェクターの構成]
図2は、プロジェクター2の構成を示す模式図である。
プロジェクター2は、
図2に示すように、外装筐体21、画像投射装置22及び冷却装置29を備える。この他、図示を省略するが、プロジェクター2は、プロジェクター2の動作を制御する制御装置、及び、プロジェクター2を構成する電子部品に電力を供給する電源装置を備える。
【0010】
[外装筐体の構成]
外装筐体21は、プロジェクター2の外装を構成し、画像投射装置22及び冷却装置29を収容する。外装筐体21は、正面211、背面212、右側面213及び左側面214を有する他、
図2では図示しない天面及び底面を有する。正面211と背面212とは、互いに反対側となる面であり、右側面213と左側面214とは、互いに反対側となる面であり、天面と底面とは、互いに反対側となる面である。
【0011】
正面211は、投射口2111及び排気口2112を有する。
投射口2111は、画像投射装置22の投射光学装置28によって投射された画像光が通過する開口部である。
排気口2112は、正面211において左側面214側の部分に設けられている。排気口2112は、外装筐体21の内部を流通した気体を外装筐体21の外部に排出する。
右側面213は、吸気口2131を有する。吸気口2131は、外装筐体21の外部の気体を冷却気体として外装筐体21の内部に導入する。
図示を省略するが、底面には、天面を下方に向けた吊り下げ状態にてプロジェクター2を支持する金具が固定される複数のねじ穴が設けられている。
【0012】
[画像投射装置の構成]
画像投射装置22は、制御装置から入力される画像情報に応じた画像光を形成し、形成された画像光を投射する。画像投射装置22は、光源装置23、均一化光学系24、色分離光学系25、リレー光学系26、画像形成装置27及び投射光学装置28を備え、これらは、画像投射装置22に設定された光軸Ax上に配置される。
【0013】
光源装置23は、均一化光学系24に照明光を出射する。光源装置23の構成としては、例えば、励起光である青色光を出射する固体光源と、固体光源から出射された青色光のうちの少なくとも一部を、緑色光及び赤色光を含む蛍光に変換する波長変換素子と、を有する構成を例示できる。なお、光源装置23の他の構成としては、超高圧水銀ランプ等の光源ランプを有する構成、或いは、青色光、緑色光及び赤色光を個別に出射する発光素子を有する構成を例示できる。
均一化光学系24は、光源装置23から出射された光を均一化する。均一化された光は、色分離光学系25及びリレー光学系26を経て、後述する光変調素子273の変調領域を照明する。均一化光学系24は、2つのレンズアレイ241,242、偏光変換素子243及び重畳レンズ244を備える。
色分離光学系25は、均一化光学系24から入射される光を赤、緑及び青の各色光に分離する。色分離光学系25は、2つのダイクロイックミラー251,252と、ダイクロイックミラー251によって分離された青色光を反射させる反射ミラー253と、を備える。
【0014】
リレー光学系26は、他の色光の光路よりも長い赤色光の光路に設けられ、赤色光の損失を抑制する。リレー光学系26は、入射側レンズ261、リレーレンズ263、反射ミラー262,264を備える。本実施形態では、リレー光学系26に赤色光を導くこととした。しかしながら、これに限らず、例えば他の色光より光路が長い色光を青色光とし、青色光をリレー光学系26に導く構成としてもよい。
【0015】
画像形成装置27は、入射される赤、緑及び青の各色光を変調し、変調された各色光を合成して、画像光を形成する。画像形成装置27は、入射される色光に応じて設けられる3つのフィールドレンズ271と、3つの入射側偏光板272と、3つの光変調素子273と、3つの出射側偏光板274と、1つの光合成素子275と、を有する。
【0016】
光変調素子273は、光源装置23から出射された光を、制御装置から入力する画像信号に基づいて変調する。具体的に、光変調素子273は、入射側偏光板272から入射する色光を、制御装置から入力する画像信号に応じて変調し、変調された色光を出射する。3つの光変調素子273は、赤色光用の光変調素子273R、緑色光用の光変調素子273G、及び、青色光用の光変調素子273Bを含む。本実施形態では、光変調素子273は、光入射面と光出射面とが異なる透過型液晶パネルによって構成され、入射側偏光板272、光変調素子273及び出射側偏光板274によって液晶ライトバルブが構成される。
【0017】
光合成素子275は、光変調素子273B,273G,273Rによって変調された3つの色光を合成して、画像光を形成する。光合成素子275によって形成された画像光は、投射光学装置28に入射する。本実施形態では、光合成素子275は、略直方体状のクロスダイクロイックプリズムによって構成されているが、複数のダイクロイックミラーによって構成されていてもよい。
【0018】
投射光学装置28は、画像形成装置27から入射する画像光をスクリーン等の被投射面に投射する。投射光学装置28は、例えば、図示しない複数のレンズと、複数のレンズを収容する鏡筒と、を備える組レンズとすることができる。
【0019】
[冷却装置の構成]
冷却装置29は、プロジェクター2の冷却対象を冷却する。冷却装置29は、吸気ファン291、ダクト292及び排気ファン293を有する。
吸気ファン291は、外装筐体21の内部において吸気口2131と対向する位置に設けられている。吸気ファン291は、吸気口2131を介して外装筐体21の外部の気体を吸引して、冷却気体として外装筐体21の内部に導入する。吸気ファン291は、吸引した冷却気体を例えば光変調素子273に送出する。
ダクト292は、光源装置23と排気ファン293とを接続する。ダクト292内には、光源装置23を冷却した冷却気体が流通する。
排気ファン293は、外装筐体21の内部において排気口2112と対向する位置に設けられている。排気ファン293は、ダクト292を流通した冷却気体、及び、外装筐体21内を流通した冷却気体を吸引する。排気ファン293は、吸引した冷却気体を、排気口2112を介して外装筐体21の外部、すなわち、プロジェクター2の外部に排出する。
【0020】
このようなプロジェクター2は、
図1に示したように、位置調整装置3内に2つ設けられる。2つのプロジェクター2のうち、一方のプロジェクター2は、後述する第1回転台6Aに固定されて、位置調整装置3内の第1空間SP1に配置される第1プロジェクター2Aである。2つのプロジェクター2のうち、他方のプロジェクター2は、後述する第2回転台6Bに固定されて、位置調整装置3内の第2空間SP2に配置される第2プロジェクター2Bである。
第1プロジェクター2Aは、第1画像光PL1を投射し、第2プロジェクター2Bは、第2画像光PL2を投射する。
【0021】
[位置調整装置の構成]
図3は、正面側から見たプロジェクションシステム1を示す斜視図であり、
図4は、背面側から見たプロジェクションシステム1を示す斜視図である。
位置調整装置3は、2つのプロジェクター2を支持する。位置調整装置3は、被投射面に対するプロジェクター2A,2Bの向きを調節することによって、各プロジェクター2A,2Bによる画像光の投射方向を調整し、これにより、各画像光によって被投射面に表示される画像の大きさを調整する。
位置調整装置3は、
図1、
図3及び
図4に示すように、ハウジング4を備える他、
図1に示すように、2つの回転台6と、1つの操作レバー7と、を備える。2つの回転台6のうち、一方の回転台6は、第1プロジェクター2Aが載置される第1回転台6Aであり、他方の回転台6は、第2プロジェクター2Bが載置される第2回転台6Bである。
【0022】
[ハウジングの構成]
ハウジング4は、2つの回転台6と操作レバー7とを内部に収容する箱状筐体である。ハウジング4は、
図1に示すように、正面41、背面42、右側面43、左側面44を有する他、
図4に示す天面45と、
図3に示す底面46と、を有し、略直方体形状に構成されている。
以下の説明では、互いに直交する三方向を+X方向、+Y方向及び+Z方向とする。+Z方向を背面42から正面41に向かう方向とし、+X方向を右側面43から左側面44に向かう方向とし、+Y方向を底面46から天面45に向かう方向とする。図示を省略するが、+X方向とは反対方向を-X方向とし、+Y方向とは反対方向を-Y方向とし、+Z方向とは反対方向を-Z方向とする。+X方向に沿う方向をX軸とし、+Y方向に沿う軸をY軸とし、+Z方向に沿う軸をZ軸とする。
正面41と背面42とは、Z軸において互いに反対側の面であり、右側面43と左側面44とは、X軸において互いに反対側の面であり、天面45と底面46とは、Y軸において互いに反対側の面である。
【0023】
図3に示すように、正面41は、案内壁411、第1開口部412及び第2開口部413を有する。
案内壁411は、X軸における正面41の略中央に設けられた略T字状部材であり、案内壁411の一部は、ハウジング4内に突出している。すなわち、案内壁411は、ハウジング4の外部に露出する平板部4111と、平板部4111における-Z方向の面から後述する第1排出口452よりも-Z方向に突出した案内部4112と、を有する。
案内壁411は、ハウジング4内の第1空間SP1に配置された第1プロジェクター2Aの排気口2112から排出された冷却気体を、後述する第1排出口452に導く。
【0024】
第1開口部412は、案内壁411に対して-X方向に設けられている。第1開口部412は、第1画像光PL1が通過する開口部である。
第2開口部413は、案内壁411に対して+X方向に設けられている。第2開口部413は、第2画像光PL2が通過する開口部である。
【0025】
右側面43は、第1導入口431を有する。第1導入口431は、ハウジング4内の第1空間SP1とハウジング4の外部とを連通する。第1導入口431は、ハウジング4の外部の気体を第1空間SP1内に導入する。
底面46は、4つの脚部461を有する。4つの脚部461のそれぞれは、矩形状の底面46における隅部に設けられている。4つの脚部461のうち、正面41側に配置された2つの脚部461、又は、背面42側に配置された2つの脚部461は、位置調整装置3が配置される設置面からの寸法を調節可能な脚部であってもよい。
【0026】
図4に示すように、背面42は、把手421、第1背面部422及び第2背面部423により構成される。
把手421は、X軸における背面42の略中央に設けられている。
第1背面部422は、把手421に対して-X方向に配置されている。第1背面部422は、ハウジング4に対して着脱可能であり、第1背面部422をハウジング4から取り外すことによって、後述する操作レバー7が背面42側に露出する。
第2背面部423は、把手421に対して+X方向に配置されている。第2背面部423は、第2導入口424を有する。すなわち、ハウジング4は、第2導入口424を有する。第2背面部423も、ハウジング4に対して着脱可能である。
第2導入口424は、第2背面部423において、把手421側の位置に設けられている。第2導入口424は、ハウジング4内の第2空間SP2とハウジング4の外部とを連通する。第2導入口424は、ハウジング4の外部の気体を第2空間SP2内に導入する。
【0027】
左側面44は、第2排出口441を有する。第2排出口441は、左側面44における+Y方向かつ+Z方向に設けられている。第2排出口441は、第2空間SP2とハウジング4の外部とを連通し、第2空間SP2内の気体をハウジング4の外部に排出する。すなわち、第2排出口441は、第2空間SP2内に配置された第2プロジェクター2Bの排気口2112から排出された冷却気体をハウジング4の外部に排出する。
【0028】
天面45は、ハウジング4に対して着脱可能に設けられた天板451により構成されている。天面45は、天板451に設けられた第1排出口452及び凹部453を有する。
第1排出口452は、天面45における+Z方向の部分に設けられている。詳述すると、第1排出口452は、第1空間SP1及び第2空間SP2を覆うハウジング4の天面45において第2空間SP2側の位置に設けられている。第1排出口452は、第1空間SP1とハウジング4の外部とを連通し、第1空間SP1内の気体をハウジング4の外部に排出する。すなわち、第1排出口452は、第1空間SP1内に配置された第1プロジェクター2Aの排気口2112から排出された冷却気体をハウジング4の外部に排出する。上記のように、第1プロジェクター2Aから排出された冷却気体の少なくとも一部は、案内壁411によって第1排出口452に案内される。
【0029】
図5は、XY平面に沿う位置調整装置3の断面を示す図であり、
図6は、YZ平面に沿う位置調整装置3の断面を示す図である。
天板451は、
図5及び
図6に示すように、区画壁4511を有する。すなわち、ハウジング4は、区画壁4511を有する。
区画壁4511は、
図5に示すように、第1プロジェクター2A及び第1回転台6Aが配置される第1空間SP1と、第2プロジェクター2B及び第2回転台6Bが配置される第2空間SP2とを区画する。
図6に示すように、区画壁4511における-Y方向の端部は、底面46の内面に接触していない。このため、後述する操作レバー7は、第1空間SP1及び第2空間SP2に跨って配置可能であり、Z軸に沿ってスライド可能である。
【0030】
[位置調整装置の内部構成]
図7は、+Y方向から見た位置調整装置3の内部を示す平面図である。詳述すると、
図7は、プロジェクター2A,2B及び回転台6A,6Bを取り外した状態の位置調整装置3の内部を示す平面図である。
底面46の内面46Aには、
図7に示すように、第1支持部47、第1固定部材48、第2支持部49、第2固定部材50及びスライドレール51が設けられている。すなわち、ハウジング4は、内面46Aに設けられた第1支持部47、第1固定部材48、第2支持部49、第2固定部材50及びスライドレール51を備える。
なお、底面46の内面46Aとは、ハウジング4の内面のうち、底面46とは反対側の内面46Aを指す。
【0031】
第1支持部47及び第1固定部材48は、内面46Aにおいて-X方向の領域に配置される。換言すると、第1支持部47及び第1固定部材48は、ハウジング4内の空間のうち、-X方向の第1空間SP1に設けられている。
第2支持部49及び第2固定部材50は、内面46Aにおいて+X方向の領域に配置される。換言すると、第2支持部49及び第2固定部材50は、ハウジング4内の空間のうち、+X方向の第2空間SP2に設けられている。
【0032】
第1支持部47は、第1回転台6Aを支持し、第2支持部49は、第2回転台6Bを支持する。第1支持部47は、第1円筒支持部471と、3つの第1固定部472と、3つの第1回転支持部473と、を備える。同様に、第2支持部49は、第2円筒支持部491と、3つの第2固定部492と、3つの第2回転支持部493と、を備える。
【0033】
図8は、第1支持部47に支持される第1回転台6Aと、第2支持部49に支持される第2回転台6Bと、を示す斜視図である。
第1円筒支持部471及び第2円筒支持部491のそれぞれは、
図7及び
図8に示すように、内面46Aから円筒状に突出している。第1円筒支持部471は、第1回転台6Aの後述する円筒部61に挿入され、第2円筒支持部491は、第2回転台6Bの後述する円筒部61に挿入される。
Y軸と平行で、かつ、+Y方向から見て第1円筒支持部471の中心を通る軸が、第1回転台6Aの第1回転軸Rx1である。Y軸と平行で、かつ、+Y方向から見て第2円筒支持部491の中心を通る軸が、第2回転台6Bの第2回転軸Rx2である。このように、第1回転軸Rx1と第2回転軸Rx2とは互いに平行である。なお、第1回転軸Rx1と第2回転軸Rx2とが互いに平行であるとは、互いに略平行である場合を含む。
【0034】
3つの第1固定部472のそれぞれは、
図7及び
図8に示すように、第1回転軸Rx1を中心とする周方向の位置に設けられている。各第1固定部472は、
図8に示すように、第1回転台6Aを+Y方向から挿通する二段ねじSCが挿入されるねじ穴である。
3つの第2固定部492のそれぞれは、
図7及び
図8に示すように、第2回転軸Rx2を中心とする周方向の位置に設けられている。各第1固定部472は、
図8に示すように、第2回転台6Bを+Y方向から挿通する二段ねじSCを固定する。
なお、3つの第1固定部472は、第1回転軸Rx1からの距離が互いに同じでなくてもよく、3つの第2固定部492は、第2回転軸Rx2からの距離が互いに同じでなくてもよい。
【0035】
3つの第1回転支持部473のそれぞれは、
図7及び
図8に示すように、第1回転軸Rx1を中心とする周方向の位置に設けられている。各第1回転支持部473は、第1回転軸Rx1を中心として回転可能に第1回転台6Aを-Y方向から支持する。
3つの第2回転支持部493のそれぞれは、第2回転軸Rx2を中心とする周方向の位置に設けられている。各第2回転支持部493は、第2回転軸Rx2を中心として回転可能に第2回転台6Bを-Y方向から支持する。
本実施形態では、第1回転支持部473及び第2回転支持部493は、フリーボールベアリングによって構成されている。しかしながら、これに限らず、第1回転支持部473及び第2回転支持部493の構成は、他の構成でもよく、回転支持部473,493は無くてもよい。
また、3つの第1回転支持部473は、第1回転軸Rx1からの距離が互いに同じでなくてもよく、3つの第2回転支持部493は、第2回転軸Rx2からの距離が互いに同じでなくてもよい。
【0036】
第1固定部材48は、第1回転台6Aを内面46Aに向かって押圧して、第1回転台6Aの回転方向と第1回転軸Rx1に沿う方向とにおいて第1回転台6Aを固定する。第1固定部材48は、第1回転軸Rx1を中心とする第1回転台6Aの回転を規制する他、第1回転軸Rx1に沿う±Y方向への第1回転台6Aの揺動を規制する。
第2固定部材50は、第2回転台6Bを内面46Aに向かって押圧して、第2回転台6Bの回転方向と第2回転軸Rx2に沿う方向とにおいて第2回転台6Bを固定する。第2固定部材50は、第2回転軸Rx2を中心とする第2回転台6Bの回転を規制する他、第2回転軸Rx2に沿う±Y方向への第2回転台6Bの揺動を規制する。
本実施形態では、第1固定部材48及び第2固定部材50は、トグルダウンクランプにより構成されている。しかしながら、これに限らず、固定部材48,50の構成は、他の構成でもよく、固定部材48,50は無くてもよい。
【0037】
スライドレール51は、X軸における内面46Aの略中央にZ軸に沿って配置されている。スライドレール51は、後述する操作レバー7をZ軸に沿ってスライド可能に支持する他、Z軸に沿う操作レバー7のスライドを案内する。本実施形態では、操作レバー7のスライドを案内する構成として、スライドレール51を設けたが、これに限らず、スライドレール51に代えて、操作レバー7と係合する溝がZ軸に沿って内面46Aに設けられていてもよい。
【0038】
[第1回転台の構成]
図9は、-Y方向から見た第1回転台6A及び第2回転台6Bを示す斜視図である。
図10は、第1プロジェクター2Aが載置された第1回転台6Aを+Y方向から見た平面図であり、
図11は、第1プロジェクター2Aが載置された第1回転台6Aを-Y方向から見た底面図である。
第1回転台6Aは、第1回転軸Rx1を中心に回転可能にハウジング4の第1支持部47に支持される。第1回転台6Aは、
図9及び
図11に示すように、円筒部61を有する他、
図9~
図11に示すように、ガイド溝62、係合突起63及び固定部64を有する。
【0039】
円筒部61は、
図9及び
図11に示すように、第1回転台6Aにおける-Y方向の面の略中央から-Y方向に突出している。円筒部61は、第1回転台6Aが第1支持部47に配置されるときに、第1円筒支持部471を覆うように配置される。換言すると、第1円筒支持部471は、円筒部61の内部に挿入される。第1回転台6Aの第1回転軸Rx1は、-Y方向から見て円筒部61の略中央を通り、かつ、Y軸に沿う軸である。
円筒部61は、
図9に示すように、複数の凸部611を有する。複数の凸部611は、円筒部61の先端縁から-Y方向に突出した部分であり、円筒部61の先端縁において等間隔に3つ設けられている。複数の凸部611は、第1回転台6Aが第1支持部47に配置されたときに内面46Aに接触して、第1回転台6Aの摺動抵抗を低減する。
【0040】
ガイド溝62は、
図9~
図11に示すように、第1回転軸Rx1を中心とする同心円に沿って形成された円弧状の開口であり、第1回転台6Aに3つ設けられている。ガイド溝62には、二段ねじSCが+Y方向から挿入される。第1回転台6Aが第1支持部47に配置された状態にて、二段ねじSCが、3つの第1固定部472のうち対応する第1固定部472に固定されることによって、第1回転台6Aは、第1回転軸Rx1を中心に回転可能に第1支持部47に支持される。
このようにして、第1回転台6Aが第1支持部47に支持されたときには、第1支持部47の各第1回転支持部473は、第1回転台6Aにおける-Y方向の面に接触する。
【0041】
係合突起63は、第1回転台6Aにおける+X方向の端部と、-X方向の端部とのそれぞれに設けられている。すなわち、2つの係合突起63は、+X方向に設けられる第1係合突起63Aと、-X方向に設けられる第2係合突起63Bと、を含む。
第1回転台6Aでは、第1係合突起63Aが操作レバー7の後述する第1連結部711に+Y方向から挿入される。これにより、第1回転台6Aと操作レバー7とが連結される。
【0042】
固定部64は、第1回転台6Aに3つ設けられている。3つの固定部64のうちの1つは、第1固定部に相当し、他の1つは、第2固定部に相当する。
固定部64は、第1回転台6Aにおける+Y方向の面に載置された第1プロジェクター2Aに-Y方向から挿入される固定具FTが挿通する孔部である。すなわち、位置調整装置3は、固定部64に応じて設けられて、第1プロジェクター2Aと第1回転台6Aとを固定する3つの固定具FTを備える。3つの固定具FTのうちの1つは、第1固定具に相当し、他の1つは、第2固定具に相当する。
本実施形態では、固定具FTはねじであり、固定具FTが-Y方向から固定部64を挿通して、第1プロジェクター2Aの底面に設けられたねじ穴に挿入されることによって、第1回転台6Aと第1プロジェクター2Aとが一体化される。
なお、第1プロジェクター2Aの底面に設けられたねじ穴は、第1プロジェクター2Aを吊り下げ状態にて支持する金具に第1プロジェクター2Aを固定する固定具が固定されるねじ穴である。すなわち、本実施形態では、第1プロジェクター2Aを支持する金具の固定用のねじ穴と、第1プロジェクター2Aと一体化される第1回転台6Aの固定用のねじ穴とは、兼用される。
【0043】
[第2回転台の構成]
第2回転台6Bは、第1回転軸Rx1と平行な第2回転軸Rx2を中心に回転可能に第2支持部49に支持される。第2回転台6Bは、
図9に示すように、第1回転台6Aの円筒部61、ガイド溝62、係合突起63及び固定部64と同じ円筒部61、ガイド溝62、係合突起63及び固定部64を有する。すなわち、第1回転台6Aと第2回転台6Bとは、同じ構成を備える。
なお、第2回転台6Bでは、円筒部61には、第2支持部49の第2円筒支持部491が-Y方向から挿入され、ガイド溝62には、第2支持部49の第2固定部492に挿入される二段ねじSCが+Y方向から挿通する。
また、第2回転台6Bでは、係合突起63のうち、-X方向の第2係合突起63Bが、操作レバー7の後述する第2連結部712と連結され、固定部64は、第2回転台6Bを第2プロジェクター2Bに固定する固定具FTが挿通する。第2回転台6Bの固定部64は、第2固定部に相当する。
【0044】
[操作レバーの構成]
操作レバー7は、
図7に示すように、スライドレール51と連結され、Z軸に沿ってスライド可能に内面46Aに設けられる。操作レバー7は、連結部71及び把持部72を備える。
連結部71は、X軸に沿って延在し、スライドレール51と連結される。すなわち、連結部71は、連結部71と交差する±Z方向にスライド可能に内面46Aに設けられている。連結部71は、第1回転台6A及び第2回転台6Bと連結される。詳述すると、連結部71は、第1回転台6Aと連結される第1連結部711と、第2回転台6Bと連結される第2連結部712と、を含む。
第1連結部711は、連結部71における-X方向の部分に設けられ、第2連結部712は、連結部71における+X方向の部分に設けられている。本実施形態では、各連結部711,712は、X軸に沿って延在するスリットであり、第1連結部711には、第1回転台6Aの第1係合突起63Aが挿入され、第2連結部712には、第2回転台6Bの第2係合突起63Bが挿入される。
把持部72は、ユーザーによって把持される把手であり、連結部71に設けられている。把持部72は、連結部71から+Y方向に突設されている。
【0045】
図12は、操作レバー7を-Z方向にスライドさせたときの第1回転台6A及び第2回転台6Bの回転状態を示す図である。すなわち、
図12は、操作レバー7を-Z方向にスライドさせたときの第1プロジェクター2A及び第2プロジェクター2Bの回転状態を示す図である。
操作レバー7を-Z方向にスライドさせると、第1連結部711にて連結された第1回転台6Aは、+Y方向から見て時計回りに回転し、第2連結部712にて連結された第2回転台6Bは、+Y方向から見て時計回りに回転する。
この場合、第1画像光PL1の投射方向と第2画像光PL2の投射方向とが互いに近接するため、被投射面ではX軸の寸法が比較的小さい画像が表示される。
【0046】
図13は、操作レバー7を+Z方向にスライドさせたときの第1回転台6A及び第2回転台6Bの回転状態を示す図である。すなわち、
図13は、操作レバー7を+Z方向にスライドさせたときの第1プロジェクター2A及び第2プロジェクター2Bの回転状態を示す図である。
一方、操作レバー7を+Z方向にスライドさせると、第1連結部711にて連結された第1回転台6Aは、+Y方向から見て反時計回りに回転し、第2連結部712にて連結された第2回転台6Bは、+Y方向から見て時計回りに回転する。
この場合、第1画像光PL1の投射方向と第2画像光PL2の投射方向とが互いに離間するため、被投射面ではX軸の寸法が比較的大きな画像が表示される。
このように、操作レバー7をZ軸に沿ってスライドさせることによって、第1回転台6A及び第2回転台6Bを、互いに反対方向に同期して回転させることができ、被投射面における画像の大きさを容易に調節できる。
【0047】
ここで、第1回転台6Aの第1回転軸Rx1は、第2回転台6Bの第2回転軸Rx2と平行であるだけでなく、
図10に示すように、第1プロジェクター2Aの投射光学装置28の光軸Ax1と第1プロジェクター2Aの内部にて交差する位置に設定されている。すなわち、第1回転軸Rx1は、第1回転台6Aを第1回転軸Rx1に沿って見て、第1プロジェクター2Aの投射光学装置28の光軸Ax1上に配置され、当該光軸Ax1と重なる。詳述すると、第1回転軸Rx1は、第1回転台6Aを第1回転軸Rx1に沿って見て、第1プロジェクター2Aの光合成素子275と重なる位置に設定されている。
図示を省略するが、第2回転台6Bの第2回転軸Rx2も同様に、第2プロジェクター2Bの投射光学装置28の光軸Ax1と第2プロジェクター2Bの内部にて交差する位置に設定されている。すなわち、第2回転軸Rx2は、第2回転台6Bを第2回転軸Rx2に沿って見て、第2プロジェクター2Bの投射光学装置28の光軸Ax1上に配置され、当該光軸Ax1と重なる。詳述すると、第2回転軸Rx2は、第2回転台6Bを第2回転軸Rx2に沿って見て、第2プロジェクター2Bの光合成素子275と重なる位置に設定されている。
このため、第1回転台6Aと第2回転台6Bとを同じ角度回転させた場合に、被投射面における第1画像光PL1の投射位置の移動量と、被投射面における第2画像光PL2の投射位置の移動量とを略一致させることができる。従って、被投射面において第1画像光及び第2画像光によって形成される画像の大きさを調節しやすくすることができる。
【0048】
図14は、他の機種のプロジェクター2Cとプロジェクター2Cに対応する回転台8とを示す斜視図である。
図15は、回転台8を-Y方向から見た図である。
ここで、回転台6に固定されるプロジェクター2の機種は、固定部64の配置によって決定される。換言すると、回転台6と一体化されるプロジェクターとして上記とは異なる機種のプロジェクターが採用される場合には、当該プロジェクターに対応する回転台が採用される。
例えば、プロジェクター2及び回転台6に代えて、
図14に示すプロジェクター2C及び回転台8を、位置調整装置3のハウジング4に設置可能である。回転台8は、回転台6と同様の形状を有し、
図15に示すように、回転台6と同じ円筒部61、ガイド溝62、係合突起63及び固定部64を有する。しかしながら、回転台8における3つの固定部64の位置は、回転台6における3つの固定部64の位置とは異なる。これは、回転台8における所定の位置にプロジェクター2Cを配置して固定するためである。
【0049】
詳述すると、回転台6,8では、回転台の回転軸が当該回転台と一体化されるプロジェクターの投射光学装置28の光軸とプロジェクター内にて交差するときのプロジェクターの底面に設けられた金具固定用のねじ穴に合わせて、固定具FTが挿通する複数の固定部64の位置が規定されている。
本実施形態に係る第1回転台6Aでは、
図10に示すように、第1回転台6Aの第1回転軸Rx1が第1プロジェクター2Aの投射光学装置28の光軸Ax1上であって、光合成素子275と重なるときの第1プロジェクター2Aの底面に設けられた金具固定用のねじ穴に合わせて、複数の固定部64の位置が規定されている。第2回転台6B及び回転台8も同様である。
このため、複数の固定部64にて第1回転台6Aに第1プロジェクター2Aが固定されると、第1回転台6Aの第1回転軸Rx1に沿って見て、第1回転軸Rx1は、第1プロジェクター2Aの投射光学装置28の光軸Ax1と重なり、第1プロジェクター2Aの光合成素子275と重なる。第2回転台6B及び第2プロジェクター2Bも同様である。また、複数の固定部64にて回転台8にプロジェクター2Cが固定されると、回転台8の回転軸に沿って見て、回転台8の回転軸は、プロジェクター2Cの投射光学装置28の光軸Ax1と重なり、プロジェクター2Cの光合成素子275と重なる。
このように回転台6,8が構成され、位置調整装置3に採用される2つの回転台に同じ機種のプロジェクターが採用されることによって、上記のように、互いに反対方向に同じ角度回転台を回転させたときに、各プロジェクター2から投射される画像光の被投射面における移動距離を同じ距離とすることができる。
【0050】
なお、第1プロジェクター2A及び第2プロジェクター2Bのうち、少なくとも一方のプロジェクターを交換する場合には、二段ねじSCを取り外すことによって、交換対象のプロジェクター及び回転台を、第1支持部47又は第2支持部49から取り外すことができる。この際、二段ねじSCの脱離方向は+Y方向であり、交換対象のプロジェクター及び回転台の取外し方向は+Y方向である。また、天面45を構成する天板451は、+Y方向に脱離可能である。
このため、天板451をハウジング4から取り外した状態にて、二段ねじSCと、交換対象のプロジェクターが載置された回転台とを、+Y方向からアクセスして取り外すことができる。従って、プロジェクターの交換作業を容易に実施できる。
【0051】
[実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクションシステム1は、以下の効果を奏する。
プロジェクションシステム1は、第1画像光PL1を投射する第1プロジェクター2Aと、第2画像光PL2を投射する第2プロジェクター2Bと、位置調整装置3と、を備える。
【0052】
位置調整装置3は、ハウジング4、第1回転台6A及び第2回転台6Bを備える。
ハウジング4は、第1プロジェクター2Aが配置される第1空間SP1、及び、第2プロジェクター2Bが配置される第2空間SP2を有する。
第1回転台6Aには、第1プロジェクター2Aが載置される。第1回転台6Aは、第1回転軸Rx1を中心に回転可能にハウジング4に支持される。
第2回転台6Bには、第2プロジェクター2Bが載置される。第2回転台6Bは、第1回転軸Rx1と平行な第2回転軸Rx2を中心に回転可能にハウジング4に支持される。
ハウジング4は、第1プロジェクター2Aから投射される第1画像光PL1が通過する第1開口部412と、第2プロジェクター2Bから投射される第2画像光PL2が通過する第2開口部413と、を有する。
操作レバー7が操作されたときの第1回転台6Aの回転方向と第2回転台6Bの回転方向とは、互いに逆方向であり、第1回転台6Aの回転と第2回転台6Bの回転とは、互いに連動する。
第1回転台6A及び第2回転台6Bは、ハウジング4に対して交換可能に構成されている。
【0053】
このような構成によれば、第1プロジェクター2Aが載置される第1回転台6Aと、第2プロジェクター2Bが載置される第2回転台6Bとが、連動して互いに反対方向に回転することによって、各プロジェクター2A,2Bから投射される画像光PL1,PL2の投射位置を、個別に調整する必要がない。従って、各プロジェクター2A,2Bから投射されて被投射面に表示される画像の表示位置を容易に調整できるので、表示位置の調整作業を簡略化できる。更に、表示画面のサイズを容易に調節可能なプロジェクションシステムを構成できる。
また、第1回転台6A及び第2回転台6Bを交換することによって、異なる機種のプロジェクターを第1プロジェクター2A及び第2プロジェクター2Bとして位置調整装置3に配置できる。
【0054】
位置調整装置3では、第1プロジェクター2Aと第1回転台6Aとを固定する複数の固定具FTを備える。複数の固定具FTのうち、1つの固定具FTは第1固定具に相当し、他の1つの固定具FTは第2固定具に相当する。
第1回転台6Aは、固定具FTによって第1プロジェクター2Aが固定される複数の固定部64を有する。複数の固定部64のうち、1つの固定部64は第1固定部に相当し、他の1つの固定部64は第2固定部に相当する。
各固定部64は、第1回転台6Aを第1回転軸Rx1に沿って見て、第1プロジェクター2Aにおいて第1画像光PL1を投射する投射光学装置28の光軸Ax1と第1回転軸Rx1とが重なる位置に配置されている。すなわち、各固定部64は、第1回転台6Aを+Y方向から見て、第1プロジェクター2Aの投射光学装置28の光軸Ax1と第1回転軸Rx1とが重なる位置に配置されている。
第2回転台6Bの固定部64及び固定具FTについても同様である。
【0055】
このような構成によれば、第1回転台6Aと第2回転台6Bとを同じ角度回転させた場合に、被投射面における第1画像光PL1の投射位置の移動量と、被投射面における第2画像光PL2の投射位置の移動量とを揃えやすくすることができる。従って、被投射面において第1画像光PL1及び第2画像光PL2によって形成される画像の大きさを調節しやすくすることができる。
【0056】
位置調整装置3は、第1プロジェクター2Aと第1回転台6Aとを固定する複数の固定具FTを備える。複数の固定具FTのうち、1つの固定具FTは第1固定具に相当し、他の1つの固定具FTは第2固定具に相当する。
第1回転台6Aは、固定具FTによって第1プロジェクターが固定される複数の固定部64を有する。複数の固定部64のうち、1つの固定部64は第1固定部に相当し、他の1つの固定部64は第2固定部に相当する。
各固定部64は、第1プロジェクター2Aが固定された第1回転台6Aを第1回転軸Rx1に沿って見て、第1回転軸Rx1が、第1プロジェクター2Aにおいて複数の光変調素子273から出射された光を合成する光合成素子275と重なる位置に配置されている。すなわち、各固定部64は、第1回転台6Aを+Y方向から見て、第1回転軸Rx1が光合成素子275と重なる位置に配置されている。
第2回転台6Bの固定部64及び固定具FTについても同様である。
【0057】
このような構成によれば、第1回転台6Aと第2回転台6Bとを同じ角度回転させた場合に、被投射面における第1画像光PL1の投射位置の移動量と、被投射面における第2画像光PL2の投射位置の移動量とを略一致させることができる。従って、被投射面において第1画像光PL1及び第2画像光PL2によって形成される画像の大きさを調節しやすくすることができる。
【0058】
位置調整装置3は、ユーザーによってスライド可能に設けられた操作レバー7を備える。操作レバー7は、第1回転台6Aと第2回転台6Bとを連動して回転させる。
このような構成によれば、操作レバー7を操作することによって、第1回転台6Aと第2回転台6Bとを連動して互いに反対方向に回転させることができる他、第1回転台6Aの回転角及び第2回転台6Bの回転角を揃えやすくすることができる。従って、各画像光に係る画像の表示位置を容易に調整できる。
【0059】
位置調整装置3では、操作レバー7は、連結部71及び把持部72を有する。
連結部71は、第1回転台6A及び第2回転台6Bと連結される。連結部71は、連結部71と交差する±Z方向にスライド可能にハウジング4に設けられている。連結部71には、把持部72が設けられている。把持部72は、ユーザーによって把持される部分である。
このような構成によれば、ユーザーは、把持部72を把持して操作レバー7をスライドさせることによって、第1回転台6A及び第2回転台6Bを同時に連動して回転させることができる。従って、第1回転台6A及び第2回転台6Bを容易に回転させることができ、ひいては、各画像光に係る画像の表示位置を容易に調整できる。
【0060】
位置調整装置3では、第1背面部422をハウジング4から取り外すことによって、操作レバー7は、ハウジング4において第1開口部412及び第2開口部413が設けられた正面41とは反対側の背面42から操作可能に配置されている。
このような構成によれば、被投射面に投射される第1画像光PL1及び第2画像光PL2をユーザーが遮ることなく、操作レバー7を操作できる。これにより、被投射面において第1画像光PL1及び第2画像光PL2のそれぞれの投射位置を確認しながら、操作レバー7を操作して、各画像光の投射位置を調整できる。従って、各画像光に係る画像の表示位置を容易に調整できる。
【0061】
位置調整装置3では、ハウジング4は、ハウジング4の天面45側から、第1プロジェクター2A及び第1回転台6Aと、第2プロジェクター2B及び第2回転台6Bと、を取り出し可能に構成されている。すなわち、ハウジング4の天面45を構成する天板451は、ハウジング4に対して着脱可能であり、各回転台6A,6Bをハウジング4に取り付ける二段ねじSCは、天面45側である+Y方向からハウジング4の各固定部472,492に挿入される。
このような構成によれば、第1プロジェクター2Aが配置された第1回転台6A、及び、第2プロジェクター2Bが配置された第2回転台6Bを、ハウジング4に対して着脱しやすくすることができる。従って、プロジェクター2A,2B及び回転台6A,6Bの交換作業を実施しやすくすることができる。
【0062】
位置調整装置3において、第1固定部材48及び第2固定部材50を備える。
第1固定部材48は、第1回転台6Aの回転方向と第1回転軸Rx1に沿う方向とにおいて第1回転台6Aを固定する。
第2固定部材50は、第2回転台6Bの回転方向と第2回転軸Rx2に沿う方向とにおいて第2回転台6Bを固定する。
このような構成によれば、位置調整後の第1回転台6A及び第2回転台6Bを固定できるので、各プロジェクター2A,2Bの位置を固定でき、ひいては、被投射面における画像の投射位置を固定できる。
【0063】
位置調整装置3では、ハウジング4は、第1空間SP1と第2空間SP2とを区画する区画壁4511を有する。
このような構成によれば、第1空間SP1及び第2空間SP2のうち、一方の空間に配置されるプロジェクター2の熱が他方の空間に配置されるプロジェクター2に影響を及ぼすことを抑制できる。
【0064】
位置調整装置3では、ハウジング4は、第1導入口431、第1排出口452、第2導入口424及び第2排出口441を有する。
第1導入口431は、第1空間SP1とハウジング4の外部とを連通し、ハウジング4の外部の気体を第1空間SP1内に導入する。第1排出口452は、第1空間SP1とハウジング4の外部とを連通し、第1空間SP1内の気体をハウジング4の外部に排出する。
第2導入口424は、第2空間SP2とハウジング4の外部とを連通し、ハウジング4の外部の気体を第2空間SP2内に導入する。第2排出口441は、第2空間SP2とハウジング4の外部とを連通し、第2空間SP2内の気体をハウジング4の外部に排出する。
【0065】
このような構成によれば、第1プロジェクター2Aが配置される第1空間SP1を流通する気体の流通系と、第2プロジェクター2Bが配置される第2空間SP2を流通する気体の流通系とを、互いに独立させることができる。このため、第1空間SP1及び第2空間SP2のうち、一方の空間を流通する気体に、他方の空間を流通する気体の熱が影響を及ぼすことを抑制できる。従って、各プロジェクター2A,2Bを効率よく冷却できる。
【0066】
位置調整装置3では、第1排出口452は、ハウジング4の天面45において第2空間SP2側の位置に設けられている。ハウジング4は、第1開口部412と第2開口部413との間に配置され、第1空間SP1内の気体を第1排出口452に導く案内壁411を有する。
このような構成によれば、例えば第1プロジェクター2Aからの排出気体が第2空間SP2側に向かう場合でも、案内壁411によって排出気体を第1排出口452に導くことができる。従って、第1プロジェクター2Aの排出気体が、第2空間SP2に流通して、第2空間SP2に配置される第2プロジェクター2Bに影響を及ぼすことを抑制できる。
【0067】
[実施形態の変形]
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形及び改良等は、本開示に含まれるものである。
上記実施形態では、位置調整装置3では、案内壁411によって、第1開口部412及び第2開口部413はX軸において分離されているとした。しかしながら、これに限らず、第1開口部412及び第2開口部413は、連続した1つの開口部であってもよい。すなわち、第1開口部412及び第2開口部413は、1つの開口部における一部の領域であってもよい。
このような構成によれば、第1開口部412及び第2開口部413を区分する案内壁411等の部材を設ける必要が無い。従って、ハウジング4の構成、ひいては、位置調整装置3の構成を簡略化できる。
なお、第1開口部412及び第2開口部413が1つの開口部における一部の領域である場合、案内壁411は無くてもよい。一方、第1開口部412及び第2開口部413を分離させることなく、プロジェクター2からの排出気体を案内できれば、案内壁はハウジング4に設けられていてもよい。
【0068】
上記実施形態では、位置調整装置3は、第1回転台6Aを固定する第1固定部材48と、第2回転台6Bを固定する第2固定部材50と、を備えるとした。これに対し、位置調整装置3は、第1固定部材48及び第2固定部材50に代えて、或いは、第1固定部材48及び第2固定部材50に加えて、Z軸に沿ってスライド可能な操作レバー7を固定する固定部材を備えていてもよい。詳述すると、位置調整装置3は、操作レバー7のスライド方向において操作レバー7を固定する固定部材を備えていてもよい。
このような構成によれば、操作レバー7の位置を固定できるので、操作レバー7によって回転される第1回転台6A及び第2回転台6Bを固定できる。従って、各プロジェクター2A,2Bの位置を固定でき、ひいては、被投射面における画像の投射位置を固定できる。
【0069】
上記実施形態では、第1回転台6Aの第1回転軸Rx1は、第1回転台6Aに載置される第1プロジェクター2Aの投射光学装置28の光軸Ax1に交差し、かつ、Y軸と平行な軸であるとした。詳述すると、第1回転軸Rx1は、第1回転軸Rx1に沿って見て、第1プロジェクター2Aの光合成素子275と重なる位置に設定されているとした。
しかしながら、これに限らず、第1回転軸Rx1に沿って見て、第1回転軸Rx1は、投射光学装置28の光軸Ax1と重ならなくてもよく、光合成素子275と重ならなくてもよい。また、第1回転軸Rx1が光軸Ax1と重なる場合でも、第1回転軸Rx1は、光軸Ax1と完全に重ならなくてもよい。すなわち、第1回転軸Rx1に沿って見て、第1回転軸Rx1は、見掛け上、光軸Ax1と重なる位置に設定されていてもよい。
また、第1回転軸Rx1に沿って見て、第1回転軸Rx1は、光合成素子275と重ならなくてもよく、光合成素子275と重なる場合でも、投射光学装置28の光軸Ax1と重ならなくてもよい。
第2回転軸Rx2も同様である。
【0070】
上記実施形態では、回転台6,8が備える固定部64は、プロジェクター2に固定されるねじである固定具FTが挿通する孔部であるとした。しかしながら、これに限らず、プロジェクター2を固定できれば、固定部64の構成は、上記に限定されない。
また、固定部64は、回転台6,8に載置されたプロジェクター2を任意の位置で固定可能な構成としてもよい。
【0071】
上記実施形態では、第1回転台6Aの回転と第2回転台6Bの回転とを連動させる操作レバー7を備えるとした。しかしながら、これに限らず、例えば、ダイヤルと、ダイヤルに対する回転操作に応じて回転する第1ギアと、第1ギアに噛合する第2ギアとを備える構成としてもよい。この場合、第1ギア及び第2ギアのうち、一方のギアが第1回転台6Aと噛合し、他方のギアが第2回転台6Bと噛合することによって、ダイヤルの回転操作に応じて、各回転台6A,6Bを連動して互いに反対方向に回転させることができる。
【0072】
上記実施形態では、操作レバー7は、第1背面部422をハウジング4から取り外すことによって、背面42から操作可能であるとした。しかしながら、これに限らず、操作レバー7は、第2背面部423をハウジング4から取り外すことによって、背面42から操作可能としてもよい。
また、操作レバー7を操作可能な方向は、背面42側に限らず、正面41側又は天面45側であってもよく、他の方向であってもよい。
【0073】
上記実施形態では、ハウジング4内の空間を第1空間SP1と第2空間SP2とに区画する区画壁4511を有するとした。しかしながら、これに限らず、区画壁4511は無くてもよい。また、区画壁4511は、天板451以外の構成に設けられていてもよい。更に、天板451は設けられていなくてもよく、天面45は、第1空間SP1及び第2空間SP2を+Y方向にて覆わなくてもよい。
上記実施形態では、ハウジング4は、第1空間SP1内の気体を第1排出口452に導く案内壁411を備えるとした。しかしながら、これに限らず、案内壁411は無くてもよい。また、案内壁は、正面41に設けられなくてもよく、ハウジング4内に配置されていてもよい。
【0074】
上記実施形態では、ハウジング4は、第1プロジェクター2Aが載置される第1回転台6Aと、第2プロジェクター2Bが載置される第2回転台6Bとを、天面45側から取り出し可能に構成されているとした。しかしながら、これに限らず、ハウジング4は、各プロジェクター2A,2B及び各回転台6A,6Bを他の方向に取り出し可能に構成されていてもよい。例えば、ハウジング4は、各プロジェクター2A,2B及び各回転台6A,6Bを背面42側から取り出し可能に構成されていてもよい。
【0075】
上記実施形態では、第1空間SP1に対して第1導入口431及び第1排出口452が設けられ、第2空間SP2に対して第2導入口424及び第2排出口441が設けられるとした。しかしながら、これに限らず、ハウジング4の外部の気体をハウジング4の内部に導入する導入口の数及び配置は、適宜変更可能であり、ハウジング4の内部の気体をハウジング4の外部に排出する排出口の数及び配置は、適宜変更可能である。例えば、ハウジング4に1つの導入口が設けられている場合には、導入口から導入した気体を第1空間SP1と第2空間SP2とに分流してもよい。また例えば、ハウジング4に1つの排出口が設けられている場合には、第1空間SP1内の気体と第2空間SP2内の気体とを合流させて、排出口を介してハウジング4の外部に排出してもよい。
【0076】
上記実施形態では、プロジェクター2は、3つの光変調素子273B,273G,273Rを備えるとした。しかしながら、これに限らず、2つ以下、あるいは、4つ以上の光変調素子273を備えるプロジェクターにも、本開示を適用可能である。
上記実施形態では、画像投射装置22は、
図2に示したように、略L字状の光路を備えるものとした。しかしながら、これに限らず、画像投射装置22は、例えば略U字形状の光路を備えるものであってもよい。
【0077】
上記実施形態では、光変調素子273は、光入射面と光出射面とが異なる透過型液晶パネルによって構成されているが、光入射面と光出射面とが同一となる反射型液晶パネルによって構成されていてもよい。また、光変調素子273は、入射光束を変調して画像情報に応じた画像を形成可能な光変調素子であれば、マイクロミラーを用いたデバイス、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用したものなど、液晶以外の光変調素子を採用してもよい。
【0078】
[本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
[付記1]
第1プロジェクターが配置される第1空間、及び、第2プロジェクターが配置される第2空間を有するハウジングと、
前記第1プロジェクターが載置され、第1回転軸を中心に回転可能に前記ハウジングに支持される第1回転台と、
前記第2プロジェクターが載置され、前記第1回転軸と平行な第2回転軸を中心に回転可能に前記ハウジングに支持される第2回転台と、を備え、
前記ハウジングは、
前記第1プロジェクターから投射される第1画像光が通過する第1開口部と、
前記第2プロジェクターから投射される第2画像光が通過する第2開口部と、を有し、
前記第1回転台の回転方向と前記第2回転台の回転方向とは、互いに逆方向であり、
前記第1回転台の回転と前記第2回転台の回転とは、互いに連動し、
前記第1回転台及び前記第2回転台は、前記ハウジングに対して交換可能に構成されている、ことを特徴とする位置調整装置。
【0079】
このような構成によれば、第1プロジェクターが載置される第1回転台と、第2プロジェクターが載置される第2回転台とが、連動して互いに反対方向に回転することによって、各プロジェクターから投射される画像光の投射位置を、個別に調整する必要がない。従って、各プロジェクターから投射されて被投射面に表示される画像の表示位置を容易に調整できるので、表示位置の調整作業を簡略化できる。
また、第1回転台及び第2回転台を交換することによって、異なる機種のプロジェクターを第1プロジェクター及び第2プロジェクターとして位置調整装置に配置できる。
【0080】
[付記2]
付記1に記載の位置調整装置において、
前記第1プロジェクターと前記第1回転台とを固定する第1固定具及び第2固定具を更に備え、
前記第1回転台は、
前記第1固定具によって前記第1プロジェクターが固定される第1固定部と、
前記第2固定具によって前記第1プロジェクターが固定される第2固定部と、を有し、
前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記第1プロジェクターが固定された前記第1回転台を前記第1回転軸に沿って見て、前記第1プロジェクターにおいて前記第1画像光を投射する投射光学装置の光軸と前記第1回転軸とが重なる位置に配置されている、ことを特徴とする位置調整装置。
【0081】
このような構成によれば、第1回転台と第2回転台とを同じ角度回転させた場合に、被投射面における第1画像光の投射位置の移動量と、被投射面における第2画像光の投射位置の移動量とを揃えやすくすることができる。従って、被投射面において第1画像光及び第2画像光によって形成される画像の大きさを調節しやすくすることができる。
【0082】
[付記3]
付記1に記載の位置調整装置において、
前記第1プロジェクターと前記第1回転台とを固定する第1固定具及び第2固定具を更に備え、
前記第1回転台は、
前記第1固定具によって前記第1プロジェクターが固定される第1固定部と、
前記第2固定具によって前記第1プロジェクターが固定される第2固定部と、を有し、
前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記第1プロジェクターが固定された前記第1回転台を前記第1回転軸に沿って見て、前記第1回転軸が、前記第1プロジェクターにおいて複数の光変調素子から出射された光を合成する光合成素子と重なる位置に配置されている、ことを特徴とする位置調整装置。
【0083】
このような構成によれば、第1回転台と第2回転台とを同じ角度回転させた場合に、被投射面における第1画像光の投射位置の移動量と、被投射面における第2画像光の投射位置の移動量とを略一致させることができる。従って、被投射面において第1画像光及び第2画像光によって形成される画像の大きさを調節しやすくすることができる。
【0084】
[付記4]
付記1から付記3のいずれか1つに記載の位置調整装置において、
前記ハウジングは、
前記ハウジングの天面側から、前記第1プロジェクター及び前記第1回転台と、前記第2プロジェクター及び前記第2回転台と、を取り出し可能に構成されている、ことを特徴とする位置調整装置。
このような構成によれば、第1プロジェクターが配置された第1回転台、及び、第2プロジェクターが配置された第2回転台を、ハウジングに対して着脱しやすくすることができる。従って、プロジェクター及び回転台の交換作業を実施しやすくすることができる。
【0085】
[付記5]
付記1から付記4のいずれか1つに記載の位置調整装置において、
前記第1回転台の回転方向と前記第1回転軸に沿う方向とにおいて前記第1回転台を固定する第1固定部材と、
前記第2回転台の回転方向と前記第2回転軸に沿う方向とにおいて前記第2回転台を固定する第2固定部材と、を更に備える、ことを特徴とする位置調整装置。
このような構成によれば、位置調整後の第1回転台及び第2回転台を固定できるので、各プロジェクターの位置を固定でき、ひいては、被投射面における画像の投射位置を固定できる。
【0086】
[付記6]
付記1から付記5のいずれか1つに記載の位置調整装置において、
前記ハウジングは、前記第1空間と前記第2空間とを区画する区画壁を有する、ことを特徴とする位置調整装置。
このような構成によれば、第1空間及び第2空間のうち、一方の空間に配置されるプロジェクターの熱が他方の空間に配置されるプロジェクターに影響を及ぼすことを抑制できる。
【0087】
[付記7]
付記1から付記6のいずれか1つに記載の位置調整装置において、
前記ハウジングは、
前記第1空間と前記ハウジングの外部とを連通し、前記ハウジングの外部の気体を前記第1空間内に導入する第1導入口と、
前記第1空間と前記ハウジングの外部とを連通し、前記第1空間内の気体を前記ハウジングの外部に排出する第1排出口と、
前記第2空間と前記ハウジングの外部とを連通し、前記ハウジングの外部の気体を前記第2空間内に導入する第2導入口と、
前記第2空間と前記ハウジングの外部とを連通し、前記第2空間内の気体を前記ハウジングの外部に排出する第2排出口と、を有する、ことを特徴とする位置調整装置。
【0088】
このような構成によれば、第1プロジェクターが配置される第1空間を流通する気体の流通系と、第2プロジェクターが配置される第2空間を流通する気体の流通系とを、互いに独立させることができる。このため、第1空間及び第2空間のうち、一方の空間を流通する気体に、他方の空間を流通する気体の熱が影響を及ぼすことを抑制できる。従って、各プロジェクターを効率よく冷却できる。
【0089】
[付記8]
付記7に記載の位置調整装置において、
前記第1排出口は、前記ハウジングの天面において前記第2空間側の位置に設けられ、
前記ハウジングは、前記第1開口部と前記第2開口部との間に配置され、前記第1空間内の気体を前記第1排出口に導く案内壁を有する、ことを特徴とする位置調整装置。
このような構成によれば、例えば第1プロジェクターからの排出気体が第2空間側に向かう場合でも、案内壁によって排出気体を第1排出口に導くことができる。従って、第1プロジェクターの排出気体が、第2空間に流通して、第2空間に配置される第2プロジェクターに影響を及ぼすことを抑制できる。
【0090】
[付記9]
付記1から付記8のいずれか1つに記載の位置調整装置において、
前記第1開口部及び前記第2開口部のそれぞれは、1つの開口部における一部の領域であることを特徴とする位置調整装置。
このような構成によれば、第1開口部及び第2開口部を区分する部材を設ける必要が無いので、ハウジングの構成、ひいては、位置調整装置の構成を簡略化できる。
【0091】
[付記10]
第1画像光を投射する第1プロジェクターと、
第2画像光を投射する第2プロジェクターと、
付記1から付記9のいずれか1つに記載の位置調整装置と、を備える、ことを特徴とするプロジェクションシステム。
このような構成によれば、上記した位置調整装置と同様の効果を奏することができる他、表示画面のサイズを容易に調節可能なプロジェクションシステムを構成できる。
【符号の説明】
【0092】
1…プロジェクションシステム、2…プロジェクター、2A…第1プロジェクター、2B…第2プロジェクター、273…光変調素子、275…光合成素子、28…投射光学装置、3…位置調整装置、4…ハウジング、41…正面、411…案内壁、412…第1開口部、413…第2開口部、42…背面、424…第2導入口、43…右側面、431…第1導入口、44…左側面、441…第2排出口、45…天面、451…天板、4511…区画壁、452…第1排出口、46…底面、47…第1支持部、48…第1固定部材、49…第2支持部、50…第2固定部材、51…スライドレール、6,8…回転台、6A…第1回転台、6B…第2回転台、61…円筒部、62…ガイド溝、63…係合突起、64…固定部(第1固定具、第2固定部)、7…操作レバー、71…連結部、711…第1連結部、712…第2連結部、72…把持部、FT…固定具(第1固定具、第2固定具)、PL1…画像光、PL2…画像光、SC…二段ねじ。