(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138838
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】電子機器、及びケーブル保護具
(51)【国際特許分類】
B41J 29/13 20060101AFI20241002BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20241002BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20241002BHJP
H05K 7/00 20060101ALI20241002BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
B41J29/13
G03G15/00 680
B41J2/01 301
H05K7/00 L
H04N1/00 519
H04N1/00 567Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049542
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】樋口 雄亮
(72)【発明者】
【氏名】酒井 洋平
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
2H171
4E352
5C062
【Fターム(参考)】
2C056EA23
2C056FA10
2C056FA13
2C056HA60
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061BB02
2C061CD07
2C061CD12
2C061CD13
2H171FA01
2H171FA05
2H171GA03
2H171HA23
2H171MA03
2H171MA20
4E352AA01
4E352BB02
4E352BB04
4E352BB06
4E352CC22
4E352CC52
4E352CC53
4E352DD11
4E352DR02
4E352DR25
4E352DR27
4E352DR40
4E352GG20
4E352GG25
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB22
5C062AB32
5C062AB33
5C062AD02
5C062AD06
5C062BA01
(57)【要約】
【課題】ケーブル保護具を備えると、電子機器が大型化する虞がある。
【解決手段】電子機器10は、装置本体11と、装置本体11に対して開く開状態及び閉じる閉状態に変位可能に設けられる扉16と、装置本体11と扉16との間に設けられるケーブル37と、ケーブル37を保護するケーブル保護具40と、を備え、ケーブル保護具40は、基部部材41と、基部部材41に対してスライド可能に設けられる可動部材51と、を備え、扉16が閉状態から開状態に変位するとき、可動部材51は、基部部材41に対してスライドすることで、基部部材41から延び出る長さが長くなる。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体に対して開く開状態及び閉じる閉状態に変位可能に設けられる開閉部材と、
前記装置本体と前記開閉部材との間に設けられるケーブルと、
前記ケーブルを保護するケーブル保護具と、を備え、
前記ケーブル保護具は、基部部材と、前記基部部材に対してスライド可能に設けられる可動部材と、を有し、
前記開閉部材が前記閉状態から前記開状態に変位するとき、前記可動部材は、前記基部部材に対してスライドすることで、前記基部部材から延び出る長さが長くなる、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記可動部材は、前記装置本体のフレームに対して係止可能な係止部を備える、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1に記載の電子機器において、
前記開閉部材に設けられ、前記ケーブルが挿通される開口部を有するフレームと、
前記開口部に設けられ、前記ケーブルが前記開口部に接することを防ぐ接触防止部材と、
を備え、
前記基部部材は、前記接触防止部材により前記フレームに対して取り付けられる、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1に記載の電子機器において、
前記開閉部材は、所定の部材を覆うカバーを備え、
前記基部部材は、前記カバーと、前記開閉部材のフレームと、の間に位置する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項1に記載の電子機器において、
前記基部部材は、前記可動部材の一面と対向する第1面及び他面と対向する第2面を有する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項5に記載の電子機器において、
前記ケーブル保護具は、
前記第1面に設けられ、前記開閉部材のフレームに締結される締結部と、
前記第1面と対向する前記第2面に設けられ、前記可動部材が取り付けられる取り付け部と、
を有する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の電子機器において、
前記開閉部材は、前記開状態と前記閉状態との間で回動可能であり、
前記可動部材は、前記開閉部材の回転中心に向かって凸状に屈曲する屈曲部を有する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の電子機器において、
前記装置本体は、
媒体を搬送経路に沿って搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送される前記媒体に対して記録する記録部と、を備え、
前記開閉部材は、前記搬送経路を外部に露呈させる前記開状態と、前記搬送経路を閉じる前記閉状態とに変位可能である、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
装置本体と前記装置本体に対して開く開状態及び閉じる閉状態に変位可能な開閉部材との間に設けられるケーブルを、保護するケーブル保護具であって、
基部部材と、前記基部部材に対してスライド可能に設けられる可動部材と、を備え、
前記開閉部材が前記閉状態から前記開状態に変位するとき、前記可動部材は、前記基部部材に対してスライドすることで、前記基部部材から延び出る長さが長くなる、
ことを特徴とするケーブル保護具。
【請求項10】
請求項9に記載のケーブル保護具であって、
前記基部部材は前記開閉部材に取り付けられ、
前記可動部材は、先端が前記装置本体に取り付けられる先端部と、前記先端部に続く進出部と、を有し、
前記進出部は、前記可動部材が前記基部部材に対してスライドすることで、前記基部部材の外郭内に位置するオーバーラップ位置と、前記基部部材から進出する進出位置との間を移動する、
ことを特徴とするケーブル保護具。
【請求項11】
請求項10に記載のケーブル保護具であって、
前記可動部材は、可撓性を有する板状部材であり、前記ケーブルのうち前記開閉部材が前記開状態にあるときに露呈する側を、前記先端部と前記進出部とによって覆う、
ことを特徴とするケーブル保護具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器、及びケーブル保護具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、原稿台を備え、原稿台上にセットされた原稿を読み取って印刷する装置本体と、装置本体に取り付けられ、原稿台上に原稿を給紙する原稿送り装置と、を備える画像形成装置が開示されている。画像形成装置は、電子機器の一例である。また、装置本体と原稿送り装置との間にわたるケーブルが、ケーブル保護チューブ内に挿通されていることが開示されている。ケーブル保護チューブは、ケーブルを外部から目視できないように保護する。ケーブル保護チューブは、ケーブル保護具の一例である。また、ケーブル保護チューブは、装置本体または原稿送り装置のいずれか一方に固定され、且つ他方に対してスライド可能に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の画像形成装置では、ケーブル保護チューブを挿通するための空間を装置本体及び原稿送り装置のいずれかに設ける必要があり、装置が大型化する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
電子機器は、装置本体と、前記装置本体に対して開く開状態及び閉じる閉状態に変位可能に設けられる開閉部材と、前記装置本体と前記開閉部材との間に設けられるケーブルと、前記ケーブルを保護するケーブル保護具と、を備え、前記ケーブル保護具は、基部部材と、前記基部部材に対してスライド可能に設けられる可動部材と、を有し、前記開閉部材が前記閉状態から前記開状態に変位するとき、前記可動部材は、前記基部部材に対してスライドすることで、前記基部部材から延び出る長さが長くなる。
【0006】
ケーブル保護具は、装置本体と前記装置本体に対して開く開状態及び閉じる閉状態に変位可能な開閉部材との間に設けられるケーブルを、保護するケーブル保護具であって、基部部材と、前記基部部材に対してスライド可能に設けられる可動部材と、を備え、前記開閉部材が前記閉状態から前記開状態に変位するとき、前記可動部材は、前記基部部材に対してスライドすることで、前記基部部材から延び出る長さが長くなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の一実施形態としての電子機器の斜視図。
【
図10】扉が開状態にある電子機器のケーブル保護具周辺を示す部分斜視図。
【
図11】扉が開状態にある電子機器のケーブル保護具周辺を示す部分斜視図。
【
図12】扉が開状態にある電子機器のケーブル保護具を取り除いた状態を示す部分斜視図。
【
図13】扉が開状態にある電子機器のケーブル保護具周辺を示す部分斜視図。
【
図14】扉が閉状態にある電子機器のケーブル保護具周辺を示す部分断面図。
【
図15】扉が開状態にある電子機器のケーブル保護具周辺を示す部分断面図。
【
図16】ケーブル保護具の他の実施形態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示を実施形態に基づいて説明する。電子機器10は、例えば、用紙等の媒体Mに液体の一例であるインクを吐出して記録するインクジェット式プリンターである。インクジェット式プリンターは、媒体Mに対して記録する記録装置の一例である。また、電子機器10は、例えば、複合機である。電子機器10は、スキャン機能、コピー機能および印刷機能を含む複数の機能を有する。尚、電子機器10は、ファクシミリ機能を備えてもよい。
【0009】
各図において同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。なお、本明細書において、「同じ」、「同一」、「同時」とは、完全に同じであることを指すのみではない。「同じ」、「同一」、「同時」とは、考慮して同じである場合、部材の製造ばらつきを考慮して同じである場合、および、機能を損なわない範囲で同じである場合を含むものとする。よって、例えば、「両者の寸法が同じである」とは、測定誤差、部材の製造ばらつきを考慮し、両者の寸法差が、一方の寸法の±10パーセント以内、さらに好ましくは±5パーセント以内、特に好ましくは±3パーセント以内であることを指す。
【0010】
各図では、電子機器10は、水平な設置面に置かれているものとする。電子機器10の設置面に直交するZ軸のうち、設置面に対して電子機器10側を+Z方向側、反対側を-Z方向側とし、Z軸と直交する2つの軸をそれぞれX軸、Y軸とする。また、X軸、Y軸、Z軸のそれぞれと平行な方向を、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向という。X軸方向とは、+X方向と-X方向との両方向を含む。Y軸方向とは、+Y方向と-Y方向との両方向を含む。Z軸方向とは、+Z方向と-Z方向との両方向を含む。
【0011】
X軸方向は、電子機器10を正面から見たときの奥行方向である。また、X軸方向は、媒体Mの幅方向である。また、X軸は、後述する記録部20の幅方向である。また、電子機器10の正面とは、ユーザーが電子機器10に対して指示を与えるために操作される操作部14が位置する側の面である。
【0012】
1.実施形態1
図1に示すように、電子機器10は、例えば、複合機である。電子機器10は、直方体状をなす装置本体11を備える。電子機器10は、装置本体11により構成される印刷部12と、印刷部12の上部に配置される画像読取部13とを備える。装置本体11は、媒体Mを搬送する搬送経路T(
図2参照)を有する。
【0013】
画像読取部13は、原稿Dの画像を読み取り可能に構成される。画像読取部13は、原稿Dを読み取る読取部13Aと、読取部13Aの上側に配置される自動原稿給送部13Bとを備える。自動原稿給送部13Bは、原稿トレイ13Cに載置された原稿Dを、読取部13Aへ給送する。読取部13Aは原稿Dを読み取り、読み取り後の原稿Dを排出トレイ13Dへ排出する。また、読取部13Aは、原稿台カバーを兼ねる自動原稿給送部13Bを開けると露出する原稿台上にセットされた原稿Dを読み取るフラットベッド式の読取機能も有する。
【0014】
電子機器10は、装置本体11に操作部14を有する。操作部14は、タッチパネルよりなる表示部14Aを有する。ユーザーは、表示部14Aをタッチ操作することで、電子機器10に指示を与えることが可能である。なお、操作部14は、操作ボタンを有する構成でもよい。
【0015】
電子機器10は、複数の媒体Mを収容可能なカセット15を備える。カセット15は、1段または複数段、例えば4段備えられる。カセット15は、装置本体11の下部にX軸方向のスライドにより着脱可能な状態で挿着されている。複数のカセット15には、例えば、サイズまたは種類の異なる媒体Mが収容される。カセット15は、ユーザーが引き出し操作する際に指を引っ掛けることが可能な把手15Aを有する。
【0016】
電子機器10は、装置本体11の-Y方向側の側面に、扉16と、複数の蓋17と、を備える。扉16は、搬送経路T(
図2参照)を外部に露呈させる開状態(
図3参照)と、搬送経路Tを閉じる閉状態(
図1参照)との間で開閉可能である。扉16は、開状態と閉状態との間で回動可能に、装置本体11に対して取り付けられる。扉16は、Z軸に沿う回動軸112(
図10参照)の軸心を回転中心にして回動する。扉16は、装置本体11に対して開く開状態と、閉じる閉状態とに変位可能に設けられる開閉部材の一例である。
【0017】
扉16、及び蓋17は、ユーザーが開閉操作するための把手16A,17Aを有する。扉16は、媒体Mを載置可能な給送トレイ16Tを備える。給送トレイ16Tは、扉16に対して開閉可能に取り付けられている。給送トレイ16Tは、ユーザーが開閉操作するための把手16Bを有する。
【0018】
図1、
図2に示すように、電子機器10は、装置本体11に、媒体Mに記録する記録部20を有する。記録部20は、例えば、カセット15から給送される媒体Mおよび給送トレイ16Tから給送される媒体Mに記録する。装置本体11内には、液体の一例であるインクを収容する液体収容部98(
図2参照)が収容されている。記録部20は、液体収容部98から供給されるインク等の液体を用いて媒体Mに記録する。
【0019】
電子機器10は、装置本体11と画像読取部13との間に、排出部19を備える。排出部19はその底部を構成する排出トレイ19Aを備える。排出トレイ19Aは、板状に形成された部材であり、排出された媒体Mが載置される載置面19Bを有する。排出トレイ19Aは、記録後の媒体Mが排出される排出方向の下流側が上流側よりも高くなる向きに所定角度で傾斜している。また、排出トレイ19Aは、Z方向において、記録部20の+Z方向となる位置に配置される。
【0020】
図2に示すように、電子機器10は、記録部20によって記録される媒体Mが搬送される搬送経路Tを備える。尚、
図2では、電子機器10の各構成部を簡略化して示している。媒体Mは、
図2に破線で示す搬送経路Tを通って搬送される。搬送経路Tは、主搬送路T1、搬送路T2,T3,T4,T6、及び反転路T5により構成される。Y-Z面に示すA-B座標系は、直交座標系である。A方向はX軸方向と交差する方向である。A方向は、搬送経路Tのうち記録部20が有する記録ヘッド20Hと対向する領域における媒体Mの搬送方向である。A方向の上流に向かう方向を-A方向、下流に向かう方向を+A方向と称する。
【0021】
本実施形態において、A方向は、+A方向が-A方向よりも+Z方向に位置するように傾いた方向とされる。具体的には水平方向に対して50°~70°の範囲で傾斜し、より具体的には概ね60°傾斜している。このように、記録部20による記録が行われる記録位置PH4では、媒体Mの搬送方向が、水平方向およびZ軸方向の両方向と交差する傾斜した方向である。
【0022】
主搬送路T1には、外部装置から延びる搬送路T6と、装置本体11に設けられた給送トレイ16Tから延びる搬送路T2とが合流している。主搬送路T1は、センサーSE4と対向する領域で湾曲部を形成し、この湾曲部より下流の領域ではA方向に延びている。主搬送路T1における搬送ユニット25よりも下流には、排出部19に向かう搬送路T3および搬送路T4と、媒体Mの表裏を反転させる反転路T5とが設けられる。排出部19には、搬送路T4に合わせて、不図示の排出板が設けられる。
【0023】
尚、反転路T5は、両面記録が行われるとき、第1記録面の記録を終えた媒体Mが第2記録面の記録が行われる前に搬入される経路である。この反転路T5で媒体Mは反転し、第1記録面の記録時と同様に再び主搬送路T1を通って対向位置に送られることで第2記録面への記録が行われる。
【0024】
搬送経路Tに沿う位置には、媒体Mを搬送経路Tに沿って搬送する搬送部24が設けられる。搬送部24は、複数のカセット15に収容される媒体Mを搬送する複数のピックアップローラー21、複数の搬送ローラー対22,23,26、搬送ユニット25、及び複数のフラップ27を含む。また、主搬送路T1に沿う位置には、媒体MのX方向の幅を検出するセンサーSE4と、前述の搬送ユニット25とが配置される。
【0025】
搬送ユニット25は、媒体Mのうち記録部20と対向する対向位置にある部分を支持すると共に媒体Mを搬送する。フラップ27は、媒体Mが搬送される経路を切り替える機能を有する。ピックアップローラー21は、給送モーター(不図示)により駆動される。また、搬送ローラー対22,23,26及び搬送ユニット25は、1つ又は複数の搬送モーター(不図示)により駆動される。
【0026】
搬送ユニット25は、搬送中の媒体Mを支持する。搬送ユニット25は、2つのプーリー25Aと、2つのプーリー25Aに巻き掛けられた無端状の搬送ベルト25Bと、を有する。媒体Mは、搬送ベルト25Bのベルト面に吸着されつつ、記録部20と対向する位置を搬送される。搬送ベルト25Bに媒体Mを吸着させる方式としては、エアー吸引方式や静電吸着方式等を採用できる。このように、搬送ベルト25Bは、媒体Mを吸着しつつ支持している。搬送ユニット25は、記録部20とB方向に対向配置される。
【0027】
尚、搬送経路Tの一部、及び搬送経路Tの一部に沿って媒体Mを搬送する搬送部24は、扉16に設けられる。例えば、扉16には、
図10、
図11に示すように、反転路T5を構成する経路形成部材31、搬送ローラー対26、及び搬送ローラー対26を駆動する駆動機構32、各種検出器(不図示)等が配置される。駆動機構32には、歯車列33、及び駆動モーター34が含まれる。扉16に設けられる反転路T5における回動軸112側の側面には、歯車列33を覆うカバー39が設けられる。歯車列33は、所定の部材の一例である。
【0028】
図14、
図15に示すように、駆動モーター34(
図11参照)及び各種検出器は、ケーブル37、中継部材114、及びケーブル115を介して、装置本体11側の回路基板91(
図2参照)と電気的に接続される。ケーブル37は、装置本体11に設けられる中継部材114と、扉16に設けられる駆動モーター34、及び各種検出器との間を接続する。
【0029】
また、
図12、
図14に示すように、扉16のフレーム161には、ケーブル37を通す貫通穴を有する接触防止部材38が取り付けられる。接触防止部材38は、ケーブル37が挿通されるフレーム161の開口部に嵌め込まれることで、フレーム161に固定される。接触防止部材38が嵌め込まれたフレーム161の開口部にケーブル37を挿通することで、ケーブル37が開口部の端面に接触することが防止される。また、
図3、
図10、及び
図11と、
図12との比較から明らかなように、ケーブル37のうち扉16が開状態にあるときに露呈する側には、後述するケーブル保護具40が設けられる。
【0030】
図2に示すように、記録部20は、インクを吐出する記録ヘッド20Hを有する。記録部20は、搬送ユニット25と対向する方向であるB方向に移動する。本実施形態の記録部20は、水平面に対して所定角度だけ傾くB方向に往復移動する。B方向は、記録部20が搬送ユニット25に対し進退するときの移動方向である。B方向における記録ヘッド20Hが主搬送路T1に近づく方向を+B方向、主搬送路T1から離れる方向を-B方向と称する。-B方向は、記録ヘッド20Hが搬送ユニット25から離れる方向に沿って斜め上に向かう方向である。
【0031】
B方向は、記録部20を変位させる方向であり、高さ方向であるZ方向の成分を含む方向である。本実施形態において、B方向は、-B方向が+B方向よりも+Z方向に位置するように傾いた方向とされ、A方向とは直交している。また、B方向はX軸方向と交差する方向である。
【0032】
記録部20は、
図2に二点鎖線で示す退避位置PH1と、
図2に実線で示す記録位置PH4との間で移動可能に構成される。記録部20は、B方向に移動することで、少なくとも退避位置PH1と記録位置PH4を含む複数の位置に移動可能である。尚、記録部20の移動方向は、水平に対して所定の角度をなす方向に限らず、水平方向またはZ軸方向であってもよい。
【0033】
記録部20は、記録位置PH4にある状態で、記録ヘッド20Hが、搬送ユニット25に支持された部分の媒体Mに対してインク等の液体を吐出する。これにより、記録部20は、搬送部24によって搬送される媒体Mに画像等の情報を記録する。記録部20は、インク等の液体を吐出する記録ヘッド20Hが媒体Mの幅方向であるX軸方向の全域をカバーするように構成されたラインヘッドである。
【0034】
記録部20は、媒体Mの幅方向であるX軸方向への移動を伴わないで媒体Mの幅方向の全域に記録が可能なライン記録方式で記録する。X軸方向は、媒体Mの幅方向の一例であり、記録部20の幅方向の一例である。但し、記録部20は、これに限られず、キャリッジに搭載されてX軸方向に移動しながらインク等の液体を吐出するシリアル記録方式のものでもよい。
【0035】
また、電子機器10は、装置本体11内に、回路基板91を備える。回路基板91には、電子機器10の各部の動作を制御する制御部95が設けられる。制御部95は、CPU96(Central Processing Unit 96)と、メモリー97とを有する。CPU96は、メモリー97に記憶される各種プログラムを実行することができ、例えば、各種の判断や各種の命令等を行なうことができる。
【0036】
メモリー97には、各種プログラムが記憶されている。各種プログラムには、例えば、媒体Mを搬送するプログラム、記録部20による媒体Mへの記録を行うプログラム、表示部14Aに電子機器10の状態を表示するための表示方法に関するプログラム等が含まれる。また、メモリー97には、媒体Mが搬送経路Tに搬送される回数等の各種カウンター値が記憶されている。
【0037】
制御部95は、電子機器10の全体を制御する。例えば、制御部95は、記録ヘッド20Hを制御することで、記録ヘッド20Hからインク等の液体を吐出する吐出制御を行う。また、例えば、制御部95は、給送モーターを制御してピックアップローラー21を回転させることで、カセット15内に収容された媒体Mを1枚ずつ給送する。
【0038】
また、例えば、制御部95は、搬送モーターを制御して、搬送ローラー対22,23,26及び搬送ユニット25を駆動させることで、カセット15から給送された媒体Mを搬送経路Tに沿って搬送する搬送制御を行う。また、例えば、制御部95は、画像読取部13を制御することで、読取部13Aにより原稿Dの画像を読み取る。また、例えば、制御部95は、操作部14の表示部14Aに、電子機器10の状態に関する情報を表示させる報知を行う。
【0039】
また、電子機器10は、ケーブル37を保護するケーブル保護具40を備える。
図3、
図10、及び
図11と、
図12との比較から明らかなように、ケーブル保護具40は、ケーブル37のうち扉16が開状態にあるときに露呈する側に設けられる。ケーブル保護具40は、基部部材41と、可動部材51と、により構成される。可動部材51は、基部部材41に対してスライド可能に設けられる。
【0040】
図14、
図15に示すように、基部部材41は、扉16のフレーム161に取り付けられる。可動部材51は、装置本体11のフレーム111に対して係止される。扉16が閉状態にあるとき、可動部材51は、基部部材41によって、
図4に示すオーバーラップ位置P1に保持される。
【0041】
扉16が閉状態(
図14参照)から開状態(
図15参照)に変位するとき、可動部材51は、
図4に示すオーバーラップ位置P1から黒塗りの矢印で示す進出方向にスライドし、
図5に示す進出位置P2に変位する。扉16が開状態から閉状態に変位するとき、可動部材51は、進出位置P2から
図5に示す白塗りの矢印の方向にスライドし、オーバーラップ位置P1に変位する。
【0042】
図4から
図7に示すように、基部部材41は、可撓性を有する薄板を折り曲げることで、形成される。基部部材41を形成する薄板としては、薄板状のPET(Polyethylene terephthalate)、PP(Polypropylene)、PI(Polyimide)等の樹脂材料、ステンレス鋼板等が採用できる。
【0043】
基部部材41は、折り曲げることで、部位411,412,413に区画される。部位411は、基部部材41の内側面である第1面45を有する。部位412は、部位411と部位413との間をつなぐ。部位413は、部位411と対向する。部位413は、基部部材41の内側面であって、第1面45と対向する第2面46を有する。
【0044】
図7に示すように、部位411には、扉16のフレーム161に締結される締結部42が設けられる。締結部42は、第1面45を含め、部位411を貫通する矩形の貫通穴である。
図14に示すように、フレーム161と接触防止部材38との間に締結部42が設けられる第1面45を挟んだ状態で、接触防止部材38をフレーム161に嵌め込むことで、基部部材41がフレーム161に固定される。換言すると、基部部材41は、接触防止部材38によりフレーム161に対して取り付けられる。尚、
図7では、説明のため、部位412の一部及び部位413を削除している。
【0045】
また、
図6に示すように、部位413には、可動部材51が取り付けられる取り付け部43,44が設けられる。取り付け部43,44は、第2面46を含め、部位413を貫通する矩形の貫通穴である。
図4に示すように、部位413の外側面側から、可動部材51の先端部511が取り付け部44に差し込まれる。また、
図5に示すように、部位413の外側面側から、可動部材51の後端部513の端が取り付け部43に差し込まれる。
【0046】
これにより、可動部材51は、
図4に示すオーバーラップ位置P1と、
図5に示す進出位置P2と、の間を、基部部材41に対してスライド可能に設けられる。また、
図4、
図5、
図14、
図15に示すように、可動部材51のうち取り付け部43,44に差し込まれた部分は、第1面45と第2面46との間に位置する。換言すると、基部部材41は、可動部材51の一面と対向する第1面45及び他面と対向する第2面46を有する。
【0047】
図8に示すように、可動部材51は、先端部511、先端部511に続く進出部512、及び進出部512に続く後端部513に区画される。先端部511と進出部512とは、屈曲部514により区画される。
【0048】
図5に示すように、可動部材51が進出位置P2に位置するとき、先端部511の後端部513側に続く部分のうち、進出部512は、基部部材41の部位413から進出方向に進出している部位である。一方、可動部材51が進出位置P2に位置するとき、先端部511の後端部513側に続く部分のうち、後端部513は、部位413の外郭内に位置する。
【0049】
また、
図4に示すように、可動部材51がオーバーラップ位置P1に位置するとき、先端部511の後端部513側に続く部分は、部位413の外郭内に位置する。よって、可動部材51がオーバーラップ位置P1と進出位置P2との間に位置するとき、後端部513は、部位413の外郭内に位置する。尚、可動部材51がオーバーラップ位置P1に位置するとき、進出部512は、部位413の外郭内に位置する。
【0050】
可動部材51は、可撓性を有する薄板を屈曲部514において折り曲げることで、形成される。これにより、
図9に示すように、可動部材51の屈曲部514において先端部511と進出部512とがなす角の角度が大きくなる態様に、可動部材51を撓ませることが可能である。可動部材51を形成する薄板としては、薄板状のPET(Polyethylene terephthalate)、PP(Polypropylene)、PI(Polyimide)等の樹脂材料、ステンレス鋼板等が採用できる。
【0051】
図8に示すように、先端部511には、装置本体11のフレーム111に対して係止可能な係止部52が設けられる。係止部52は、フレーム111に設けられる係合穴113(
図13から
図15参照)に挿入される挿入部分と、挿入部分に対して先端部511の先端側に続いて設けられる係止爪とにより構成される。係止爪は、可動部材51の進出方向と交差する可動部材51の幅方向において、挿入部分より外側に突出する形状を有する。フレーム111の係合穴113に係止部52の挿入部分が挿入されると、係止部52の係止爪がフレーム111に引っ掛かり、可動部材51の先端部511側がフレーム111に係止される。
【0052】
図8に示すように、後端部513には、規制部53が設けられる。規制部53は、後端部513のうち取り付け部43に差し込まれる摺動部分の進出部512側に、続いて設けられる。規制部53は、可動部材51の幅方向において、摺動部分より外側に突出する形状を有する。
【0053】
図4に示すように、規制部53が取り付け部43の輪郭を画定する部位413の外側面と接触することにより、オーバーラップ位置P1における摺動部分の差し込まれる長さが規定される。
図5に示すように、規制部53が取り付け部44の輪郭を画定する部位413の外側面と接触することにより、進出位置P2における進出部512が基部部材41から進出する長さが規定される。また、規制部53が取り付け部44の輪郭を画定する部位413の外側面と接触することにより、可動部材51が基部部材41から外れることが規制される。
【0054】
図14、
図15に示すように、扉16が閉状態から開状態に変位するとき、可動部材51が基部部材41に対してスライドする。これにより、可動部材51は、オーバーラップ位置P1から進出位置P2に変位する。そして、可動部材51は、ケーブル37のうち扉16が開状態にあるときに露呈する側を、先端部511と進出部512とによって覆う。また、進出部512が基部部材41から進出方向に進出することで、基部部材41から延び出る可動部材51の長さが長くなる。
【0055】
換言すると、扉16が閉状態にあるときに基部部材41から延び出る可動部材51の長さは、扉16が開状態にあるときに基部部材41から延び出る可動部材51の長さより短い。従って、扉16が閉状態にあるときにケーブル保護具40が占有するスペースは、扉16が開状態にあるときにケーブル保護具40が占有するスペースと比較して小さい。
【0056】
また、
図14、
図15に示すように、装置本体11と扉16との間に配置されるケーブル保護具40を、Z軸に沿う方向から見るとする。このとき、基部部材41は、カバー39と、扉16のフレーム161と、の間に位置する。また、このとき、可動部材51の屈曲部514は、回動軸112側に向かって凸状に屈曲している。換言すると、ケーブル保護具40が装置本体11と扉16との間に配置されるとき、可動部材51は、扉16の回転中心に向かって凸状に屈曲する屈曲部514を有する。
【0057】
尚、可動部材51の屈曲部514において先端部511と進出部512とがなす角の角度は、扉16が回動軸112の軸心を回転中心にして開状態から閉状態に開く角度より小さく設定されている。また、可動部材51は可撓性を有している。このため、扉16が開状態にあるときの
図15に示す態様の可動部材51には、扉16が閉状態にあるときの
図14に示す可動部材51の態様に変位しようとする力が発生する。これにより、ケーブル保護具40は、扉16が閉状態にあるときの先端部511が畳まれた態様と、扉16が開状態にあるときのケーブル37を保護する態様との間をスムーズに変位することができる。
【0058】
以上述べたように、実施形態1に係る電子機器10、及びケーブル保護具40によれば、以下の効果を得ることができる。
【0059】
電子機器10は、装置本体11と、装置本体11に対して開く開状態及び閉じる閉状態に変位可能に設けられる扉16と、を備える。また、電子機器10は、装置本体11と扉16との間に設けられるケーブル37と、ケーブル37を保護するケーブル保護具40と、を備える。また、ケーブル保護具40は、基部部材41と、基部部材41に対してスライド可能に設けられる可動部材51と、を有する。そして、扉16が閉状態から開状態に変位するとき、可動部材51は、基部部材41に対してスライドすることで、基部部材41から延び出る長さが長くなる。これによれば、ケーブル保護具40は、基部部材41に対してスライド可能な可動部材51を備えることによって、ケーブル保護具40自体の大型化を抑えることができる。よって、ケーブル保護具40を備える電子機器10は、電子機器10自体の大型化を抑えることができる。
【0060】
可動部材51は、装置本体11のフレーム111に対して係止可能な係止部52を備える。これによれば、可動部材51がフレーム111に対してねじ止め等の締結構造によって取り付けられる構成と比較して、電子機器10が小型化できる。
【0061】
電子機器10は、扉16に設けられ、ケーブル37が挿通される開口部を有するフレーム161と、開口部に設けられ、ケーブル37が開口部に接することを防ぐ接触防止部材38と、を備える。そして、基部部材41は、接触防止部材38によりフレーム161に対して取り付けられる。これによれば、接触防止部材38が設けられることで、ケーブル37がフレーム161に接触することを抑制できる。加えて、接触防止部材38により基部部材41が取り付けられるので、電子機器10を構成する部品点数の低減、専用の締結部材分のスペースの削減が可能となる。よって、電子機器10が小型化できる。
【0062】
扉16は、所定の部材を覆うカバー39を備え、基部部材41は、カバー39と、扉16のフレーム161と、の間に位置する。これによれば、基部部材41が変位等により位置ずれした場合に、カバー39が基部部材41の部位413に接触することで、基部部材41の変位を規制できる。これにより、基部部材41の変位等による位置ずれを規制するための規制部材を別途設ける必要がなくなるので、電子機器10を構成する部品点数の低減、規制部材分のスペースの削減が可能となる。よって、電子機器10が小型化できる。
【0063】
基部部材41は、可動部材51の一面と対向する第1面45及び他面と対向する第2面46を有する。これによれば、可動部材51が基部部材41に対して滑らかにスライドすることができる。
【0064】
ケーブル保護具40は、第1面45に設けられ、扉16のフレーム161に締結される締結部42を有する。また、ケーブル保護具40は、第1面45と対向する第2面46に設けられ、可動部材51が取り付けられる取り付け部43,44を有する。これによれば、締結部42と取り付け部43,44とが互いに異なる面に設けられるので、締結部42と取り付け部43,44とが一面に設けられる構成と比較して幅方向でケーブル保護具40が小型化できる。
【0065】
扉16は、開状態と閉状態との間で回動可能であり、可動部材51は、扉16の回転中心に向かって凸状に屈曲する屈曲部514を有する。これによれば、扉16が開閉した際に可動部材51が浮き上がることや不規則に変位することにより発生しうる騒音を抑制できる。
【0066】
装置本体11は、媒体Mを搬送経路Tに沿って搬送する搬送部24と、搬送部24によって搬送される媒体Mに対して記録する記録部20と、を備える。そして、扉16は、搬送経路Tを外部に露呈させる開状態と、搬送経路Tを閉じる閉状態とに変位可能である。これによれば、電子機器10は、上述の効果を有する記録装置を実現することができる。
【0067】
ケーブル保護具40は、装置本体11と装置本体11に対して開く開状態及び閉じる閉状態に変位可能な扉16との間に設けられるケーブル37を、保護する。ケーブル保護具40は、基部部材41と、基部部材41に対してスライド可能に設けられる可動部材51と、を備える。そして、扉16が閉状態から開状態に変位するとき、可動部材51は、基部部材41に対してスライドすることで、基部部材41から延び出る長さが長くなる。これによれば、ケーブル保護具40は、基部部材41に対してスライド可能な可動部材51を備えることによって、ケーブル保護具40自体の大型化を抑えることができる。
【0068】
基部部材41は扉16に取り付けられる。また、可動部材51は、先端が装置本体11に取り付けられる先端部511と、先端部511に続く進出部512と、を有する。そして、進出部512は、可動部材51が基部部材41に対してスライドすることで、基部部材41の外郭内に位置するオーバーラップ位置P1と、基部部材41から進出する進出位置P2との間を移動する。これによれば、オーバーラップ位置P1において、可動部材51が基部部材41と重なるので、ケーブル保護具40は、ケーブル保護具40自体の小型化を実現しやすい。
【0069】
可動部材51は、可撓性を有する板状部材である。また、可動部材51は、ケーブル37のうち扉16が開状態にあるときに露呈する側を、先端部511と進出部512とによって覆う。これによれば、扉16が開状態にあるときに、ケーブル保護具40は、ケーブル37を外部から目視できないように保護することができる。また、扉16が閉状態にあるときに、ケーブル保護具40は、ケーブル保護具40自体の小型化を実現しやすい。
【0070】
本開示の上記実施形態に係る電子機器10、及びケーブル保護具40は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本開示の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。また、上記実施形態及び以下に説明する他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。以下、他の実施形態について説明する。
【0071】
上記実施形態において、基部部材41は、扉16のフレーム161に取り付けられなくてもよい。また、可動部材51は、装置本体11のフレーム111に係止されなくてもよい。例えば、基部部材41が装置本体11のフレーム111に取り付けられてもよい。この場合、可動部材51の先端部511が扉16のフレーム161に取り付けられてもよい。あるいは、この場合、可動部材51の先端部511がカバー39に取り付けられてもよい。
【0072】
上記実施形態において、基部部材41は、第2面46を有する部位413を備えなくてもよい。この場合、
図16に示すように、基部部材41は、部位412に、取り付け部43を有してもよい。また、この場合、可動部材51は、後端部513のうち可動部材51の後端となる端に、規制部53を備えてもよい。そして、部位412の内側面側から、可動部材51の後端部513が取り付け部43に差し込まれる。これにより、可動部材51は、基部部材41に対してスライド可能に取り付けられる。そして、規制部53が取り付け部43の輪郭を画定する部位412の外側面と接触することにより、進出部512が基部部材41から進出する長さが規定される。また、規制部53が取り付け部43の輪郭を画定する部位412の外側面と接触することにより、可動部材51が基部部材41から外れることが規制される。
【0073】
上記実施形態において、基部部材41は、可撓性を有さなくてもよい。例えば、基部部材41は、樹脂材料の射出成形により形成されてもよい。また、例えば、基部部材41は、鉄、アルミ合金等の金属材料の鋳造により形成されてもよい。これらの場合、基部部材41は、可動部材51が進出する進出方向側が開口する箱形状であってもよい。
【0074】
上記実施形態において、可動部材51は、可動部材51が進出方向に伸縮可能であってもよい。この場合、可動部材51は、先端部511に、山折りと谷折りの繰り返し構造である蛇腹形状を有してもよい。
【0075】
上記実施形態において、扉16に配置される駆動モーター34及び各種検出器は、ケーブル37、中継部材114、及びケーブル115を介して、装置本体11側の回路基板91と電気的に接続されなくてもよい。例えば、駆動モーター34及び各種検出器は、ケーブル37によって、直接、装置本体11側の回路基板91と電気的に接続されてもよい。この場合、中継部材114、及びケーブル115はなくてもよい。
【0076】
上記実施形態において、扉16は、駆動モーター34及び各種検出器が電気的に接続される中継基板を備えてもよい。この場合、駆動モーター34及び各種検出器は、中継基板と電気的に接続されるケーブル37、中継部材114、及びケーブル115を介して、装置本体11側の回路基板91と電気的に接続される。
【0077】
上記実施形態において、扉16に、検出器は配置されていなくてもよい。この場合、駆動モーター34が、ケーブル37、中継部材114、及びケーブル115を介して、装置本体11側の回路基板91と電気的に接続される。
【符号の説明】
【0078】
10…電子機器、11…装置本体、12…印刷部、13…画像読取部、13A…読取部、13B…自動原稿給送部、13C…原稿トレイ、13D…排出トレイ、14…操作部、14A…表示部、15…カセット、15A,16A,16B,17A…把手、16…扉、16T…給送トレイ、17…蓋、19…排出部、19A…排出トレイ、19B…載置面、20…記録部、20H…記録ヘッド、21…ピックアップローラー、22,23,26…搬送ローラー対、24…搬送部、25…搬送ユニット、25A…プーリー、25B…搬送ベルト、27…フラップ、31…経路形成部材、32…駆動機構、33…歯車列、34…駆動モーター、37…ケーブル、38…接触防止部材、39…カバー、40…ケーブル保護具、41…基部部材、42…締結部、43,44…取り付け部、45…第1面、46…第2面、51…可動部材、52…係止部、53…規制部、91…回路基板、95…制御部、96…CPU、97…メモリー、98…液体収容部、111…フレーム、112…回動軸、113…係合穴、114…中継部材、115…ケーブル、161…フレーム、411,412,413…部位、511…先端部、512…進出部、513…後端部、514…屈曲部、P1…オーバーラップ位置、P2…進出位置、PH1…退避位置、PH4…記録位置、SE4…センサー、M…媒体、T…搬送経路、T1…主搬送路、T2,T3,T4,T6…搬送路、T5…反転路。