(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138839
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】表示システム、プログラム、及び制御装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/74 20060101AFI20241002BHJP
G09G 5/10 20060101ALI20241002BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20241002BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20241002BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20241002BHJP
H05B 47/155 20200101ALI20241002BHJP
H05B 47/105 20200101ALI20241002BHJP
【FI】
H04N5/74 D
G09G5/10 B
G09G5/00 510A
G03B21/14 Z
G03B21/00 D
H05B47/155
H05B47/105
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049543
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】西郷 学
【テーマコード(参考)】
2K203
3K273
5C058
5C182
【Fターム(参考)】
2K203FA22
2K203FA34
2K203FA44
2K203FA75
2K203FA76
2K203FA82
2K203FB05
2K203GB44
2K203GB62
2K203KA60
2K203KA83
2K203KA95
2K203MA02
2K203MA40
3K273PA09
3K273QA07
3K273QA11
3K273RA02
3K273RA04
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA62
3K273UA16
3K273UA22
5C058AA18
5C058BA35
5C058EA02
5C058EA33
5C182AA04
5C182AA13
5C182AB03
5C182AC03
5C182BA25
5C182BA44
5C182BA76
5C182BC22
5C182BC25
5C182BC26
5C182CA02
5C182CB03
(57)【要約】
【課題】第1照明装置、及び第2照明装置の明るさを確保しつつ、プロジェクターの投射画像の視認性を向上できる。
【解決手段】表示システム1は、第1照明装置200A、第2照明装置200E、及びプロジェクター100を制御する制御装置400と、を含み、制御装置400は、第1照明装置200Aが配置される第1位置P1を示す第1位置情報JP1、第2照明装置200Eが配置される第2位置P2を示す第2位置情報JP2、プロジェクター100が投射画像PMを投射する所定位置PCを示す所定位置情報JPC、第1照明装置200Aの光量の最大値を示す第1最大光量MC1、第2照明装置200Eの光量の最大値を示す第2最大光量MC2、及び調光レベルVLに基づいて、プロジェクター100のコントラスト補正の程度を示す補正値CVを決定すること、を実行する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井の第1位置に配置される第1照明装置と、
前記天井の前記第1位置と異なる第2位置に配置される第2照明装置と、
前記天井の前記第1位置、及び前記第2位置と異なる特定位置に配置され、少なくとも前記第1照明装置からの光の一部が入射する床面、又は壁面の所定位置に画像を投射するプロジェクターと、
前記第1照明装置、前記第2照明装置、及び前記プロジェクターを制御する制御装置と、を含み、
前記制御装置は、
前記第1位置を示す第1位置情報と、前記第2位置を示す第2位置情報と、前記所定位置を示す所定位置情報と、を取得することと、
前記第1照明装置の光量の最大値を示す第1最大光量と、前記第2照明装置の光量の最大値を示す第2最大光量と、を受け付けることと、
前記第1照明装置の光量、及び前記第2照明装置の光量を調整する調光レベルを受け付けることと、
前記第1位置情報、前記第2位置情報、前記所定位置情報、前記第1最大光量、前記第2最大光量、及び前記調光レベルに基づいて、前記プロジェクターのコントラスト補正の程度を示す補正値を決定することと、
を実行する、表示システム。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記第1位置情報と前記所定位置情報とに基づいて、前記第1位置と前記所定位置の間の距離である第1距離と、前記第1照明装置から照射された光が前記所定位置に入射する角度である第1入射角と、を算出することと、
前記第2位置情報と前記所定位置情報とに基づいて、前記第2位置と前記所定位置の間の距離である第2距離と、前記第2照明装置から照射された光が前記所定位置に入射する角度である第2入射角と、を算出することと、
前記第1最大光量と前記調光レベルとに基づいて、前記第1照明装置の光量である第1光量を算出することと、
前記第2最大光量と前記調光レベルとに基づいて、前記第2照明装置の光量である第2光量を算出することと、
前記第1距離、前記第1入射角、及び前記第1光量に基づいて、前記第1照明装置から照射された光が前記所定位置に投射された前記画像の見え易さに与える影響度合いを示す第1影響度を算出することと、
前記第2距離、前記第2入射角、及び前記第2光量に基づいて、前記第2照明装置から照射された光が前記所定位置に投射された前記画像の見え易さに与える影響度合いを示す第2影響度を算出することと、
を更に実行し、
前記補正値を決定することは、
前記第1影響度、及び前記第2影響度に基づいて、前記補正値を決定すること、
を含む、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記補正値を決定することは、
前記第1影響度、及び前記第2影響度に基づいて、前記第1照明装置から照射された光、及び前記第2照明装置から照射された光が、前記所定位置に投射された前記画像の見え易さに与える影響度合いを示す照明影響度を算出することと、
前記照明影響度に基づいて、前記補正値を決定することと、を含む、
請求項2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記照明影響度は、上限値を有し、
前記制御装置は、
前記照明影響度が前記上限値よりも大きい場合に、前記照明影響度が前記上限値以下になるように、前記第1光量、及び前記第2光量の少なくとも一方を低減すること、
を更に実行する、
請求項3に記載の表示システム。
【請求項5】
前記第2距離は前記第1距離より大きく、且つ、前記第2入射角は前記第1入射角より小さい場合に、
前記制御装置は、
少なくとも前記第1光量を低減することによって、前記照明影響度を前記上限値以下にする、
請求項4に記載の表示システム。
【請求項6】
前記第1位置、及び前記第2位置と異なる第3位置に配置された第3照明装置を備え、
前記制御装置は、
前記第3位置と前記所定位置の間の距離である第3距離が前記第1距離と略一致し、前記第3照明装置から照射された光が前記所定位置に入射する角度である第3入射角が前記第1入射角と略一致し、且つ、前記第3照明装置の光量の最大値を示す第3最大光量は、前記第1最大光量と略一致する場合に、
前記第1照明装置と前記第3照明装置とを第1グループとして設定し、
前記第3照明装置の光量である第3光量を、前記第1光量と一致するように制御すること、
を更に実行する、請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項7】
前記第1位置、前記第2位置、及び前記第3位置と異なる第4位置に配置された第4照明装置を備え、
前記制御装置は、
前記第4位置と前記所定位置の間の距離である第4距離が前記第2距離と略一致し、前記第4照明装置から照射された光が前記所定位置に入射する角度である第4入射角が前記第2入射角と略一致し、且つ、前記第4照明装置の光量の最大値を示す第4最大光量は、前記第2最大光量と略一致する場合に、
前記第2照明装置と前記第4照明装置とを前記第1グループとは異なる第2グループとして設定し、
前記第4照明装置の光量である第4光量を、前記第2光量と一致するように制御すること、
を更に実行する、請求項6に記載の表示システム。
【請求項8】
前記制御装置は、
前記第1グループに対する優先度と、前記第2グループに対する優先度とを受け付けることと、
前記第2グループに対する優先度が前記第1グループに対する優先度よりも高い場合に、前記第2グループに含まれる照明装置の光量を、前記第1グループに含まれる照明装置の光量よりも大きくすることと、
を更に実行する、請求項7に記載の表示システム。
【請求項9】
天井の第1位置に配置される第1照明装置と、前記天井の前記第1位置と異なる第2位置に配置される第2照明装置と、前記天井の前記第1位置、及び前記第2位置と異なる特定位置に配置され、少なくとも前記第1照明装置からの光の一部が入射する床面、又は壁面の所定位置に画像を投射するプロジェクターと、を制御するプログラムであって、
前記第1位置を示す第1位置情報と、前記第2位置を示す第2位置情報と、前記所定位置を示す所定位置情報と、を取得することと、
前記第1照明装置の光量の最大値を示す第1最大光量と、前記第2照明装置の光量の最大値を示す第2最大光量と、を受け付けることと、
前記第1照明装置の光量、及び前記第2照明装置の光量を調整する調光レベルを受け付けることと、
前記第1位置情報、前記第2位置情報、前記所定位置情報、前記第1最大光量、前記第2最大光量、及び前記調光レベルに基づいて、前記プロジェクターのコントラスト補正の程度を示す補正値を決定することと、
をプロセッサーに実行させる、プログラム。
【請求項10】
天井の第1位置に配置される第1照明装置と、前記天井の前記第1位置と異なる第2位置に配置される第2照明装置と、前記天井の前記第1位置、及び前記第2位置と異なる特定位置に配置され、少なくとも前記第1照明装置からの光の一部が入射する床面、又は壁面の所定位置に画像を投射するプロジェクターと、を制御する制御装置であって、
少なくとも1つのプロセッサーを含み、
前記少なくとも1つのプロセッサーは、
前記第1位置を示す第1位置情報と、前記第2位置を示す第2位置情報と、前記所定位置を示す所定位置情報と、を取得することと、
前記第1照明装置の光量の最大値を示す第1最大光量と、前記第2照明装置の光量の最大値を示す第2最大光量と、を受け付けることと、
前記第1照明装置の光量、及び前記第2照明装置の光量を調整する調光レベルを受け付けることと、
前記第1位置情報、前記第2位置情報、前記所定位置情報、前記第1最大光量、前記第2最大光量、及び前記調光レベルに基づいて、前記プロジェクターのコントラスト補正の程度を示す補正値を決定することと、
を実行する、制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システム、プログラム、及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、照明装置と、プロジェクターと、が同一空間に設置されている場合に、プロジェクターによって投影された映像のセンシング結果に基づいて、照明装置の明るさ、及び色温度を制御する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術では、複数の照明装置の各々がプロジェクターのセンシング結果に基づいて明るさ、及び色温度を調整するため、プロジェクターの投射画像の視認性を向上できる。しかしながら、照明装置が暗く設定されてしまい、空間内での明るさが不足してしまう場合がある。その結果、照明装置の明るさを確保しつつ、プロジェクターの投射画像の視認性を向上させることが困難な場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、天井の第1位置に配置される第1照明装置と、前記天井の前記第1位置と異なる第2位置に配置される第2照明装置と、前記天井の前記第1位置、及び前記第2位置と異なる特定位置に配置され、少なくとも前記第1照明装置からの光の一部が入射する床面、又は壁面の所定位置に画像を投射するプロジェクターと、前記第1照明装置、前記第2照明装置、及び前記プロジェクターを制御する制御装置と、を含み、前記制御装置は、前記第1位置を示す第1位置情報と、前記第2位置を示す第2位置情報と、前記所定位置を示す所定位置情報と、を取得することと、前記第1照明装置の光量の最大値を示す第1最大光量と、前記第2照明装置の光量の最大値を示す第2最大光量と、を受け付けることと、前記第1照明装置の光量、及び前記第2照明装置の光量を調整する調光レベルを受け付けることと、前記第1位置情報、前記第2位置情報、前記所定位置情報、前記第1最大光量、前記第2最大光量、及び前記調光レベルに基づいて、前記プロジェクターのコントラスト補正の程度を示す補正値を決定することと、を実行する、表示システムである。
【0006】
本開示の他の一態様は、天井の第1位置に配置される第1照明装置と、前記天井の前記第1位置と異なる第2位置に配置される第2照明装置と、前記天井の前記第1位置、及び前記第2位置と異なる特定位置に配置され、少なくとも前記第1照明装置からの光の一部が入射する床面、又は壁面の所定位置に画像を投射するプロジェクターと、を制御するプログラムであって、前記第1位置を示す第1位置情報と、前記第2位置を示す第2位置情報と、前記所定位置を示す所定位置情報と、を取得することと、前記第1照明装置の光量の最大値を示す第1最大光量と、前記第2照明装置の光量の最大値を示す第2最大光量と、を受け付けることと、前記第1照明装置の光量、及び前記第2照明装置の光量を調整する調光レベルを受け付けることと、前記第1位置情報、前記第2位置情報、前記所定位置情報、前記第1最大光量、前記第2最大光量、及び前記調光レベルに基づいて、前記プロジェクターのコントラスト補正の程度を示す補正値を決定することと、をプロセッサーに実行させる、プログラムである。
【0007】
本開示の更に別の一態様は、天井の第1位置に配置される第1照明装置と、前記天井の前記第1位置と異なる第2位置に配置される第2照明装置と、前記天井の前記第1位置、及び前記第2位置と異なる特定位置に配置され、少なくとも前記第1照明装置からの光の一部が入射する床面、又は壁面の所定位置に画像を投射するプロジェクターと、を制御する制御装置であって、少なくとも1つのプロセッサーを含み、前記少なくとも1つのプロセッサーは、前記第1位置を示す第1位置情報と、前記第2位置を示す第2位置情報と、前記所定位置を示す所定位置情報と、を取得することと、前記第1照明装置の光量の最大値を示す第1最大光量と、前記第2照明装置の光量の最大値を示す第2最大光量と、を受け付けることと、前記第1照明装置の光量、及び前記第2照明装置の光量を調整する調光レベルを受け付けることと、前記第1位置情報、前記第2位置情報、前記所定位置情報、前記第1最大光量、前記第2最大光量、及び前記調光レベルに基づいて、前記プロジェクターのコントラスト補正の程度を示す補正値を決定することと、を実行する、制御装置である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る表示システムの構成の一例を示す図。
【
図2】プロジェクター、及び照明装置の配置の一例を示す平面図。
【
図4】プロジェクター、及び照明装置の配置の一例を示す側面図。
【
図6】本実施形態に係る制御装置の構成の一例を示す図。
【
図8】照明影響度と、コントラスト補正の補正値との関係の一例を示すグラフ。
【
図9】調光レベルと、照明影響度との関係の一例を示すグラフ。
【
図10】制御装置の処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る表示システム1の構成の一例を示す図である。表示システム1は、プロジェクター100と、照明装置200と、調光装置300と、制御装置400と、を備える。制御装置400は、ネットワークNWを介して、プロジェクター100、照明装置200、及び調光装置300と通信可能に構成される。
本実施形態では、ネットワークNWは、例えば、LAN(Local Area Network)であるが、これに限定されない。ネットワークNWは、例えば、WAN(Wide Area Network)でもよい。また、ネットワークNWは、例えば、インターネットでもよい。
【0010】
プロジェクター100は、天井CLの特定位置PPに配置され、画像光PLを、例えば、床面FLに投射する。また、プロジェクター100は、床面FLの所定位置PCに投射画像PMを表示するように、画像光PLを投射する。所定位置PCは、床面FLに表示される投射画像PMの中心位置を示す。
本実施形態では、プロジェクター100が、床面FLに投射画像PMを表示する場合について説明するが、これに限定されない。プロジェクター100が、側壁等の壁面に投射画像PMを表示してもよい。
投射画像PMは、「画像」の一例に対応する。
【0011】
照明装置200は、天井CLに配置され、照明光を床面FLに向けて照射する。照明装置200は、第1照明装置200Aと、第2照明装置200Eと、第3照明装置200Bと、第4照明装置200Fと、を含む。
第1照明装置200Aと、第3照明装置200Bとは、第1グループGR1に含まれる。第2照明装置200Eと、第4照明装置200Fとは、第2グループGR2に含まれる。
第1グループGR1、及び第2グループGR2については、
図2、及び
図4を参照して更に説明する。
【0012】
第1照明装置200Aは、天井CLの第1位置P1に配置される。また、第1照明装置200Aの光量の最大値は第1最大光量MC1である。第2照明装置200Eは、天井CLの第2位置P2に配置される。第2位置P2は、第1位置P1と異なる。また、第2照明装置200Eの光量の最大値は第2最大光量MC2である。第3照明装置200Bは、天井CLの第3位置P3に配置される。第3位置P3は、第1位置P1、及び第2位置P2と異なる。また、第3照明装置200Bの光量の最大値は第3最大光量MC3である。第4照明装置200Fは、天井CLの第4位置P4に配置される。第4位置P4は、第1位置P1、第2位置P2、及び第3位置P3と異なる。また、第4照明装置200Fの光量の最大値は第4最大光量MC4である。
本実施形態では、第1最大光量MC1、第2最大光量MC2、第3最大光量MC3、及び第4最大光量MC4は、互いに同一である。
第1位置P1~第4位置P4については、
図2を参照して更に説明する。
【0013】
調光装置300は、ユーザーからの操作を受け付けて、操作に応じて、照明装置200の光量を調整する調光レベルVLを設定する。調光レベルVLは、例えば、「0」~「1」の値に設定される。調光レベルVLが「0」に設定された場合には、照明装置200は消灯される。調光レベルVLが「1」に設定された場合には、照明装置200は最大光量で照明光を床面FLに向けて照射する。
調光装置300は、調光レベルVLを調整する度に、調光レベルVLを制御装置400へ送信する。
【0014】
制御装置400は、例えばパーソナルコンピューター等で構成される。また、制御装置400は、第1照明装置200Aから、第1位置P1を示す第1位置情報JP1、及び第1最大光量MC1を取得する。また、制御装置400は、第2照明装置200Eから、第2位置P2を示す第2位置情報JP2、及び第2最大光量MC2を取得する。また、制御装置400は、第3照明装置200Bから、第3位置P3を示す第3位置情報JP3、及び第3最大光量MC3を取得する。また、制御装置400は、第4照明装置200Fから、第4位置P4を示す第4位置情報JP4、及び第4最大光量MC4を取得する。
制御装置400は、第1位置P1、第2位置P2、特定位置PP、第1最大光量MC1、第2最大光量MC2、及び調光レベルVLに基づき、プロジェクター100のコントラスト補正の程度を示す補正値CVを決定する。そして、制御装置400は、補正値CVをプロジェクター100へ送信する。プロジェクター100は、補正値CVに基づき、投射画像PMのコントラスト補正を実行する。
【0015】
本実施形態では、制御装置400は、プロジェクター100、照明装置200、及び調光装置300と、Ethernet(登録商標)ケーブル等によって有線通信可能に接続されるが、Wi-Fi(登録商標)等によって無線通信可能に接続されてもよい。
本実施形態では、制御装置400が、パーソナルコンピューターで構成されるが、制御装置400が、タブレット端末、又はスマートフォン等で構成されてもよい。
【0016】
次に、
図2を参照して、プロジェクター100、及び照明装置200の配置について説明する。
図2は、プロジェクター100、及び照明装置200の配置の一例を示す平面図である。
図2に示すように、本実施形態では、照明装置200は、プロジェクター100の周囲に、プロジェクター100が配置される特定位置PPを中心とする円周上に配置される。
【0017】
第1グループGR1を構成する照明装置200は、特定位置PPを中心として半径HAの円周上に配置される。第1グループGR1は、第1照明装置200Aと、第3照明装置200Bと、照明装置200Cと、照明装置200Dとで構成される。第1グループGR1を構成する4台の照明装置200の各々は、互いに90度をなすように配置される。
第2グループGR2を構成する照明装置200は、特定位置PPを中心として半径HEの円周上に配置される。半径HEは、例えば、半径HAの2倍である。第2グループGR2は、第2照明装置200Eと、第4照明装置200Fと、照明装置200Gと、照明装置200H、照明装置200Iと、照明装置200Jと、照明装置200Kと、照明装置200Lと、で構成される。第2グループGR2を構成する8台の照明装置200の各々は、互いに45度をなすように配置される。
【0018】
また、
図2に示すように、特定位置PPを原点としてX軸、及びY軸が設定される。X軸は、図の左右方向に延び、Y軸は、図の上下方向に延びる。X軸の正方向は、右方向を示し、Y軸の正方向は、上方向を示す。プロジェクター100の位置、及び照明装置200の位置は、X座標、及びY座標で表される。
例えば、プロジェクター100の位置である特定位置PPは、(0,0)で表される。また、例えば、第1照明装置200Aの位置である第1位置P1は、(-HA,0)で表される。第2照明装置200Eの位置である第2位置P2は、(-HE,0)で表される。また、第3照明装置200Bの位置である第3位置P3は、(HA,0)で表される。第4照明装置200Fの位置である第4位置P4は、(HE,0)で表される。
【0019】
次に、
図3を参照して、照明装置200の配光特性について説明する。
図3は、照明装置200の配光特性の一例を示すグラフである。
図3の横軸は、角度φであり、縦軸は光度である。本実施形態では、照明装置200は、天井CLに配置され、床面FLを照射する。照明装置200は、照明装置200の配置された位置の真下の床面FLに向けて配置される。角度φは、真下方向とのなす角度である。
【0020】
図3のグラフG1に示すように、照明装置200の光量は、角度φが「0度」において最大値LMとなり、角度φが大きい程、小さくなる。例えば、角度φが角度φNにおいて、照明装置200の光量は、最大値LMの1/100の光量である光量LNとなる。本実施形態では、便宜上、角度φNを照明装置200の広がり角とする。角度φNは、約55度である。
図3のグラフG1は、配光関数FH(φ)で表される。換言すれば、配光関数FH(φ)は、
図3に示す配光特性を示す。配光関数FH(φ)については、
図6を参照して更に説明する。
【0021】
次に、
図4を参照して、プロジェクター100、及び照明装置200の配置について説明する。
図4は、プロジェクター100、及び照明装置200の配置の一例を示す側面図である。
図4に示すように、プロジェクター100は、天井CLに配置され、画像光PLを床面FLに向けて投射することによって、投射画像PMを床面FLに表示する。
【0022】
プロジェクター100の左側には、第1照明装置200Aと、第2照明装置200Eと、が配置される。第1照明装置200Aの中心位置と、プロジェクター100の中心位置との距離は、半径HAの値と一致する。第2照明装置200Eの中心位置と、プロジェクター100の中心位置との距離は、半径HEの値と一致する。半径HEは、例えば、半径HAの2倍である。
プロジェクター100の右側には、第3照明装置200Bと、第4照明装置200Fと、が配置される。第3照明装置200Bの中心位置と、プロジェクター100の中心位置との距離は、半径HAの値と一致する。第4照明装置200Fの中心位置と、プロジェクター100の中心位置との距離は、半径HEの値と一致する。
【0023】
第1距離LAは、第1照明装置200Aの中心位置と、所定位置PCとを結ぶ線分の長さである。第1距離LAを示す線分は、第1照明装置200Aの中心位置と、所定位置PCとを結ぶ線分である。所定位置PCは、投射画像PMの中心位置である。第2距離LEは、第2照明装置200Eの中心位置と、所定位置PCとを結ぶ線分の長さである。第2距離LEを示す線分は、第2照明装置200Eの中心位置と、所定位置PCとを結ぶ線分である。
第1入射角θAは、第1照明装置200Aから照射された光が所定位置PCに入射する角度である。すなわち、第1入射角θAは、プロジェクター100の中心位置を通り、鉛直方向に延びる一点鎖線と、第1距離LAを示す線分とのなす角である。また、第1入射角θAは、第1照明装置200Aの中心位置を通り、鉛直方向に延びる一点鎖線と、第1距離LAを示す線分とのなす角と一致する。
第2入射角θEは、第2照明装置200Eから照射された光が所定位置PCに入射する角度である。すなわち、第2入射角θEは、プロジェクター100の中心位置を通り、鉛直方向に延びる一点鎖線と、第2距離LEを示す線分とのなす角である。また、第2入射角θEは、第2照明装置200Eの中心位置を通り、鉛直方向に延びる一点鎖線と、第2距離LEを示す線分とのなす角と一致する。
【0024】
また、第3入射角θBは、第1入射角θAと一致する。第3入射角θBは、第3照明装置200Bから照射された光が所定位置PCに入射する角度である。
また、第4入射角θFは、第2入射角θEと一致する。第4入射角θFは、第4照明装置200Fから照射された光が所定位置PCに入射する角度である。
【0025】
また、
図4に、角度φNを示している。角度φNは、約55度である。
図3を参照して説明したように、角度φが角度φNにおいて、照明装置200の光量は、最大値LMの1/100の光量である光量LNとなる。
【0026】
次に、
図5を参照して、プロジェクター100の構成について説明する。
図5は、本実施形態に係るプロジェクター100の構成の一例を示す図である。
図5に示すように、プロジェクター100は、投射部110と、投射部110を駆動する駆動部120とを備える。投射部110は、光学的な画像の形成を行い、床面FLに画像光PLを投射する。なお、本実施形態では、投射部110は、投射画像PMに対応する画像光PLを床面FLに投射する。
投射部110は、光源部111、光変調装置112及び投射光学系113を備える。駆動部120は、光源駆動部121及び光変調装置駆動部122を備える。
【0027】
光源部111は、光源111Aを備える。光源111Aは、例えば、LED(Light Emitting Diode)、レーザー光源等の固体光源である。
本実施形態では、光源部111の光源111Aが固体光源である場合について説明するが、これに限定されない。光源部111の光源111Aが、ハロゲンランプ、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ等のランプ光源でもよい。
【0028】
また、光源部111は、光源111Aが発した光を光変調装置112に導くリフレクター、及び補助リフレクターを備えてもよい。更に、光源部111は、投射光の光学特性を高めるためのレンズ群、偏光板、又は光源が発した光の光量を光変調装置112に至る経路上で低減させる調光素子等を備えてもよい。
光源駆動部121は、内部バス107に接続され、同じく内部バス107に接続された第1制御部150の指示に従って、光源部111の光源111Aを点灯、及び消灯させ、光源の出力を制御する。
【0029】
光変調装置112は、例えば、R、G及びBの三原色に対応した3枚の液晶パネル115を備える。Rは赤色を示し、Gは緑色を示し、Bは青色を示す。すなわち、光変調装置112は、R色光に対応する液晶パネル115と、G色光に対応する液晶パネル115と、B色光に対応する液晶パネル115とを備える。
光源部111が発する光はRGBの3色の色光に分離され、それぞれ対応する液晶パネル115に入射される。3枚の液晶パネル115の各々は、透過型の液晶パネルであり、透過する光を変調して第1画像光を生成する。各液晶パネル115を通過して変調された第1画像光は、クロスダイクロイックプリズム等の合成光学系によって合成され、投射光学系113に射出される。
本実施形態では、光変調装置112が光変調素子として透過型の液晶パネル115を備える場合について説明するが、これに限定されない。光変調素子は反射型の液晶パネルでもよいし、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirror Device)でもよい。
【0030】
光変調装置112は、光変調装置駆動部122によって駆動される。光変調装置駆動部122は、画像処理部145に接続される。
光変調装置駆動部122には、画像処理部145からR,G,Bの各原色に対応する画像データが入力される。光変調装置駆動部122は、入力された画像データを液晶パネル115の動作に適したデータ信号に変換する。光変調装置駆動部122は、変換したデータ信号に基づいて、各液晶パネル115の各画素に電圧を印加し、各液晶パネル115に画像を描画する。
【0031】
投射光学系113は、入射された画像光PLを床面FL上に結像させる投射レンズ、ミラー等を備える。また、投射光学系113は、床面FLに投射される画像を拡大又は縮小させるズーム機構、フォーカスの調整を行うフォーカス調整機構、及び、画像光PLの投射方向を調整するレンズシフト機構等を備える。
【0032】
プロジェクター100は、操作部131、リモコン受光部133、入力インターフェース135、記憶部137、第1通信インターフェース141、フレームメモリー143、画像処理部145、及び第1制御部150を更に備える。入力インターフェース135、記憶部137、第1通信インターフェース141、画像処理部145、及び第1制御部150は、内部バス107を介して互いにデータ通信可能に接続される。
【0033】
操作部131は、プロジェクター100の筐体表面に設けられた各種のボタンやスイッチを備え、これらのボタンやスイッチの操作に対応した操作信号を生成して、入力インターフェース135に出力する。入力インターフェース135は、操作部131から入力された操作信号を第1制御部150に出力する回路を備える。
【0034】
リモコン受光部133は、リモコン5から送信される赤外線信号を受光し、受光した赤外線信号をデコードして操作信号を生成する。リモコン受光部133は、生成した操作信号を入力インターフェース135に出力する。入力インターフェース135は、リモコン受光部133から入力された操作信号を第1制御部150に出力する回路を備える。
【0035】
記憶部137は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気的記録装置、又は、フラッシュメモリー、SSD(Solid State Drive)等の半導体記憶素子を用いた記憶装置である。記憶部137は、第1制御部150が実行するプログラム、第1制御部150が処理したデータ、及び画像データ等を記憶する。
【0036】
第1通信インターフェース141は、制御装置400とEthernet(登録商標)規格に従って通信を実行する通信インターフェースである。第1通信インターフェース141は、Ethernet(登録商標)ケーブルを接続するコネクター、及びコネクターを伝送される信号を処理するインターフェース回路を備える。第1通信インターフェース141は、コネクター及びインターフェース回路を有するインターフェース基板であり、第1制御部150の第1プロセッサー150A等が実装されるメイン基板に接続される。或いは、第1通信インターフェース141を構成するコネクター及びインターフェース回路が、第1制御部150のメイン基板に実装される。第1通信インターフェース141は、制御装置400から画像データ等を受信する。
【0037】
第1制御部150は、第1メモリー150B及び第1プロセッサー150Aを備える。
第1メモリー150Bは、第1プロセッサー150Aが実行するプログラムやデータを不揮発的に記憶する記憶装置である。第1メモリー150Bは、磁気的記憶装置、フラッシュROM(Read Only Memory)等の半導体記憶素子、或いはその他の種類の不揮発性記憶装置によって構成される。また、第1メモリー150Bは、第1プロセッサー150Aのワークエリアを構成するRAM(Random Access Memory)を含んでもよい。第1メモリー150Bは、第1制御部150によって処理されるデータ、及び第1プロセッサー150Aが実行する第1制御プログラム等を記憶する。
【0038】
第1制御部150は、制御装置400からの指示に従って、投射画像PMに対して、補正値CVに対応するコントラスト補正を施す。第1制御部150は、補正値CVを制御装置400から受信する。
コントラスト補正については、
図7を参照して説明する。
【0039】
第1プロセッサー150Aは、単一のプロセッサーで構成されてもよいし、複数のプロセッサーが第1プロセッサー150Aとして機能する構成であってもよい。第1プロセッサー150Aは、第1制御プログラムPG1を実行してプロジェクター100の各部を制御する。例えば、第1プロセッサー150Aは、操作部131及びリモコン5によって受け付けた操作に対応した画像処理の実行指示と、この画像処理に用いるパラメーターとを画像処理部145に出力する。パラメーターには、例えば、床面FLに投射する画像の幾何的な歪みを補正するための幾何補正パラメーター等が含まれる。また、第1プロセッサー150Aは、光源駆動部121を制御して光源部111の点灯と消灯とを制御し、また光源部111の出力、すなわち光量を調整する。
【0040】
第1プロセッサー150Aは、第1メモリー150Bの一部または全部、及び、その他の回路と統合されたSoC(System on Chip)で構成されてもよい。また、第1プロセッサー150Aは、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の演算処理を実行するDSP(Digital Signal Processor)との組合せにより構成してもよい。第1プロセッサー150Aの機能の全てを、ハードウェアに実装した構成としてもよく、プログラマブルデバイスを用いて構成してもよい。
【0041】
画像処理部145、及びフレームメモリー143は、例えば、集積回路によって構成することができる。集積回路は、LSI(Large-Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)を含む。PLDには、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)が含まれる。また、集積回路の構成の一部にアナログ回路が含まれていてもよく、プロセッサーと集積回路との組み合わせであってもよい。プロセッサーと集積回路との組み合わせは、マイクロコントローラー(MCU)、SoC(System-on-a-chip)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。
【0042】
画像処理部145は、第1通信インターフェース141から入力された画像データをフレームメモリー143に展開する。フレームメモリー143は、複数のバンクを備える。各バンクは、1フレーム分の画像データを書き込み可能な記憶容量を有する。フレームメモリー143は、例えば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)によって構成される。
【0043】
画像処理部145は、フレームメモリー143に展開した画像データに対して、例えば、解像度変換処理、又はリサイズ処理、歪曲収差の補正、形状補正処理、デジタルズーム処理、画像の色合いや輝度の調整等の画像処理を行う。
また、画像処理部145は、垂直同期信号の入力フレーム周波数を描画周波数に変換した垂直同期信号を生成する。生成した垂直同期信号を出力同期信号という。画像処理部145は、生成した出力同期信号を光変調装置駆動部122に出力する。
【0044】
次に、
図6を参照して、制御装置400の構成について説明する。
図6は、本実施形態に係る制御装置400の構成の一例を示す図である。
図6に示すように、制御装置400は、第2制御部410、第2操作機構420、第2表示機構430、及び第2通信インターフェース440を備える。第2制御部410は、第2プロセッサー410A、及び第2メモリー410Bを備える。第2制御部410は、制御装置400の各部の動作を制御する。
また、第2制御部410には、第2操作機構420、第2表示機構430、及び第2通信インターフェース440が接続される。
【0045】
第2操作機構420は、例えば、マウス、キーボード等が接続され、ユーザーからの操作を受け付ける。ユーザーは、例えば、制御装置400の操作者である。そして、第2操作機構420は、受け付けた操作に対応する操作信号を生成し、生成した操作信号を第2制御部410へ出力する。
第2表示機構430は、LCD(Liquid Crystal Display)等を備え、第2制御部410からの指示に従って、種々の画像をLCDに表示する。
第2通信インターフェース440は、コネクター及びインターフェース回路を備え、第2制御部410に接続される。本実施形態では、第2通信インターフェース440は、例えば、Ethernet(登録商標)規格に則って、プロジェクター100、照明装置200、及び調光装置300と通信するためのインターフェースである。
【0046】
第2プロセッサー410Aは、CPU、DSP、マイコン等で構成される。第2プロセッサー410Aは、複数のプロセッサーにより構成されてもよいし、単一のプロセッサーで構成されてもよい。
第2プロセッサー410Aが、後述する各部の機能を実現するようにプログラムされたハードウェアであってもよい。すなわち、第2プロセッサー410Aは、第2制御プログラムPG2をハードウェア回路として搭載した構成であってもよい。この場合には、例えば、第2プロセッサー410Aは、ASIC、FPGA等で構成される。
以下の説明では、第2プロセッサー410Aが第2制御プログラムPG2を実行することによって、第2制御部410の各種の機能を実現する場合について説明する。
第2プロセッサー410Aは、「プロセッサー」の一例に対応する。
【0047】
第2メモリー410Bは、第2プロセッサー410Aが実行するプログラムや、第2プロセッサー410Aにより処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。第2メモリー410Bは、第2プロセッサー410Aが実行する第2制御プログラムPG2、及び、制御装置400の動作に関する各種の画像データ、設定データ等を記憶する。
第2メモリー410Bは、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。第2メモリー410Bは、不揮発性記憶領域として、例えば、ROM、HDD、SSD等を備えてもよい。また、第2メモリー410Bは、揮発性記憶領域を備え、第2プロセッサー410Aが実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶するワークエリアを構成してもよい。第2メモリー410Bは、揮発性記憶領域として、例えば、RAM等を備えてもよい。
【0048】
また、
図6に示すように、第2制御部410は、取得部411と、受付部412と、算出部413と、決定部414と、第2通信制御部415と、第2情報記憶部416と、を備える。これらの各部は、例えば、第2プロセッサー410Aが第2制御プログラムPG2を実行することによって、ソフトウェアとハードウェアとの協働により実現される。
第2制御プログラムPG2は、「プログラム」の一例に対応する。
【0049】
本実施形態では、制御装置400が、取得部411、受付部412、算出部413、決定部414、第2通信制御部415、及び第2情報記憶部416、を備える場合について説明するが、これに限定されない。例えば、図略のサーバー装置が、取得部411、受付部412、算出部413、決定部414、第2通信制御部415、及び第2情報記憶部416、を備えてもよい。
例えば、サーバー装置のプロセッサーが、制御プログラムを実行することによって、取得部411、受付部412、算出部413、決定部414、及び第2通信制御部415、として機能してもよい。また、サーバー装置のプロセッサーが、制御プログラムを実行することによって、サーバー装置のメモリーを、第2情報記憶部416、として機能させてもよい。この場合には、サーバー装置が「制御装置」の一例に対応する。
この場合には、サーバー装置の制御プログラムは、「プログラム」の一例に対応する。
【0050】
第2情報記憶部416は、第1位置情報JP1、第2位置情報JP2、所定位置情報JPC、及び特定位置情報JPPを記憶する。第1位置情報JP1は、第1照明装置200Aが配置される第1位置P1を示す。第2位置情報JP2は、第2照明装置200Eが配置される第2位置P2を示す。所定位置情報JPCは、プロジェクター100が投射画像PMを投射する床面FLの位置である所定位置PCを示す。特定位置情報JPPは、プロジェクター100が配置される特定位置PPを示す。第1位置情報JP1、第2位置情報JP2、所定位置情報JPC、及び特定位置情報JPPは、取得部411によって取得され、取得部411によって第2情報記憶部416に記憶される。
また、第2情報記憶部416は、第3位置情報JP3、及び第4位置情報JP4を記憶する。第3位置情報JP3は、第3照明装置200Bが配置される第3位置P3を示す。第4位置情報JP4は、第4照明装置200Fが配置される第4位置P4を示す。第3位置情報JP3、及び第4位置情報JP4は、取得部411によって取得され、取得部411によって第2情報記憶部416に記憶される。
【0051】
また、第2情報記憶部416は、第1最大光量MC1、及び第2最大光量MC2を記憶する。第1最大光量MC1、及び第2最大光量MC2は、受付部412によって受け付けられ、受付部412によって第2情報記憶部416に記憶される。
また、第2情報記憶部416は、第3最大光量MC3、及び第4最大光量MC4を記憶する。第3最大光量MC3、及び第4最大光量MC4は、受付部412によって受け付けられ、受付部412によって第2情報記憶部416に記憶される。
本実施形態では、第1最大光量MC1、第2最大光量MC2、第3最大光量MC3、及び第4最大光量MC4の各々の値は、互いに一致する。
また、第2情報記憶部416は、調光レベルVLを記憶する。調光レベルVLは、受付部412によって受け付けられ、受付部412によって第2情報記憶部416に記憶される。
【0052】
取得部411は、第1位置情報JP1、第2位置情報JP2、所定位置情報JPC、及び特定位置情報JPPを取得する。特定位置情報JPPは、プロジェクター100が配置される特定位置PPを示す。所定位置情報JPCは、プロジェクター100が投射画像PMを投射する床面FLの位置である所定位置PCを示す。第1位置情報JP1は、第1照明装置200Aが配置される第1位置P1を示す。第2位置情報JP2は、第2照明装置200Eが配置される第2位置P2を示す。
また、取得部411は、第3位置情報JP3、及び第4位置情報JP4を取得する。第3位置情報JP3は、第3照明装置200Bが配置される第3位置P3を示す。第4位置情報JP4は、第4照明装置200Fが配置される第4位置P4を示す。
また、
図2を参照して説明したように、特定位置PP、第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3、及び第4位置P4の各々は、X座標、及びY座標で表される。
取得部411は、例えば、第2操作機構420に対するユーザーの操作を受け付け、受け付けた操作に応じて、第1位置情報JP1、第2位置情報JP2、第3位置情報JP3、第4位置情報JP4、及び特定位置情報JPPを取得する。また、取得部411は、第1位置情報JP1、第2位置情報JP2、第3位置情報JP3、第4位置情報JP4、及び特定位置情報JPPを、第2情報記憶部416に記憶させる。
【0053】
受付部412は、第1最大光量MC1、第2最大光量MC2、第3最大光量MC3、及び第4最大光量MC4を受け付ける。第1最大光量MC1は、第1照明装置200Aの光量の最大値を示す。換言すれば、例えば、調光装置300によって調光レベルVLが「1」に設定された場合に、第1照明装置200Aは、第1最大光量MC1の光量を出力する。第2最大光量MC2は、第2照明装置200Eの光量の最大値を示す。第3最大光量MC3は、第3照明装置200Bの光量の最大値を示す。第4最大光量MC4は、第4照明装置200Fの光量の最大値を示す。
受付部412は、例えば、第2操作機構420に対するユーザーの操作を受け付け、受け付けた操作に応じて、第1最大光量MC1、第2最大光量MC2、第3最大光量MC3、及び第4最大光量MC4を受け付ける。受付部412は、第1最大光量MC1、第2最大光量MC2、第3最大光量MC3、及び第4最大光量MC4を、第2情報記憶部416に記憶させる。
【0054】
また、受付部412は、調光装置300から調光レベルVLを受け付ける。受付部412は、例えば、調光装置300と通信することによって、調光装置300から調光レベルVLを受け付ける。
【0055】
また、受付部412は、第1グループGR1に対する優先度である第1優先度PR1と、第2グループPR2に対する優先度である第2優先度PR2と、を受け付ける。
算出部413は、例えば、第2優先度PR2が第1優先度PR1よりも高い場合に、第2グループGR2に含まれる照明装置200の光量を、第1グループGR1に含まれる照明装置200の光量よりも大きくする。
【0056】
算出部413は、第1位置P1と所定位置PCとに基づいて、第1距離LAと第1入射角θAとを算出する。第1距離LAは、
図4に示すように、第1位置P1と所定位置PCの間の距離である。第1入射角θAは、
図4に示すように、第1照明装置200Aから照射された光が所定位置PCに入射する角度である。
【0057】
また、算出部413は、第2位置P2と所定位置PCとに基づいて、第2距離LEと第2入射角θEとを算出する。第2距離LEは、
図4に示すように、第2位置P2と所定位置PCの間の距離である。第2入射角θEは、
図4に示すように、第2照明装置200Eから照射された光が所定位置PCに入射する角度である。
【0058】
また、算出部413は、第1最大光量MC1と調光レベルVLとに基づいて、第1光量CAを算出する。第1光量CAは、第1照明装置200Aの光量である。第1光量CAは、次の式(1)によって算出される。
CA=MC1×F1(VL) (1)
なお、第1関数F1(VL)は、調光レベルVLの関数である。第1関数F1(VL)は、第1グループGR1に含まれる照明装置200の光量を決定する関数である。
また、算出部413は、第2最大光量MC2と調光レベルVLとに基づいて、第2光量CEを算出する。第2光量CEは、第2照明装置200Eの光量である。第2光量CEは、次の式(2)によって算出される。
CE=MC2×F2(VL) (2)
なお、第2関数F2(VL)は、調光レベルVLの関数である。第2関数F2(VL)は、第2グループGR2に含まれる照明装置200の光量を決定する関数である。
本実施形態では、第1関数F1(VL)、及び第2関数F2(VL)は、調光レベルVLに比例する関数である。
【0059】
また、算出部413は、第3最大光量MC3と調光レベルVLとに基づいて、第3光量CBを算出する。第3光量CBは、第3照明装置200Bの光量である。第3光量CBは、次の式(3)によって算出される。
CB=MC3×F1(VL) (3)
また、算出部413は、第4最大光量MC4と調光レベルVLとに基づいて、第4光量CFを算出する。第4光量CFは、第4照明装置200Fの光量である。第4光量CFは、次の式(4)によって算出される。
CF=MC4×F2(VL) (4)
【0060】
また、算出部413は、第2優先度PR2が第1優先度PR1よりも高い場合に、第2グループGR2に含まれる照明装置200の光量を、第1グループGR1に含まれる照明装置200の光量よりも大きくする。換言すれば、算出部413は、第2グループGR2に含まれる照明装置200の光量が、第1グループGR1に含まれる照明装置200の光量よりも大きくなるように、第1関数F1(VL)、及び第2関数F2(VL)を設定する。
【0061】
また、算出部413は、第1距離LA、第1入射角θA、及び第1光量CAに基づいて、第1影響度DAを算出する。第1影響度DAは、第1照明装置200Aから照射された光が所定位置PCに投射された投射画像PMの見え易さに与える影響度合いを示す。第1影響度DAは、次の式(5)によって算出される。
DA=CA×COS(θA)×FH(θA)/LA
2 (5)
ここで、配光関数FH(θA)は、
図3に示す照明装置200の配光特性を示す。なお、第1距離LA、及び第1入射角θAは、第1照明装置200Aの位置、及び天井CLと床面FLとの距離に基づいて算出される。したがって、式(5)の右辺の[COS(θA)×FH(θA)/LA
2]は、定数である。
換言すれば、第1影響度DAは、第1光量CAに比例する関数である。
【0062】
また、算出部413は、第2距離LE、第2入射角θE、及び第2光量CEに基づいて、第2影響度DEを算出する。第2影響度DEは、第2照明装置200Eから照射された光が所定位置PCに投射された投射画像PMの見え易さに与える影響度合いを示す。第2影響度DEは、次の式(6)によって算出される。
DE=CE×COS(θE)×FH(θE)/LE
2 (6)
ここで、配光関数FH(θE)は、
図3に示す照明装置200の配光特性を示す。なお、第2距離LE、及び第2入射角θEは、第2照明装置200Eの位置、及び天井CLと床面FLとの距離LPに基づいて算出される。したがって、式(6)の右辺の[COS(θE)×FH(θE)/LE
2]は、定数である。
換言すれば、第2影響度DEは、第2光量CEに比例する関数である。
【0063】
また、算出部413は、第1影響度DA、及び第2影響度DEに基づいて、照明影響度DTを算出する。照明影響度DTは、第1照明装置200Aから照射された光、及び第2照明装置200Eから照射された光が、所定位置PCに投射された投射画像PMの見え易さに与える影響度合いを示す。照明影響度DTは、次の式(7)で求められる。
DT=DA×α+DE×β (7)
係数α、及び係数βは、台数に基づき決定される重みである。係数α、及び係数βの各々は、下記に示すようにして決定される。
【0064】
本実施形態では、
図2を参照して説明したように、照明装置200は、第1グループGR1を構成する4台の照明装置200と、第2グループGR2を構成する8台の照明装置200と、で構成される。また、第1グループGR1を構成する4台の照明装置200の各々は、第1照明装置200Aから照射された光と同様の影響を投射画像PMの見え易さに与える。また、第2グループGR2を構成する8台の照明装置200の各々は、第2照明装置200Eから照射された光と同様の影響を投射画像PMの見え易さに与える。
したがって、本実施形態では、12台の照明装置200の照明影響度DTは、次の式(8)で求められる。
DT=DA×4+DE×8 (8)
【0065】
すなわち、式(8)は、次の式(9)と記載できる。
DT=DG1+DG2 (9)
ここで、第1グループ影響度DG1は、第1グループGR1を構成する4台の照明装置200から照射された光が所定位置PCに投射された投射画像PMの見え易さに与える影響度合いを示す。第2グループ影響度DG2は、第2グループGR2を構成する8台の照明装置200から照射された光が所定位置PCに投射された投射画像PMの見え易さに与える影響度合いを示す。
第1グループ影響度DG1、及び第2グループ影響度DG2については、
図9を参照して更に説明する。
【0066】
決定部414は、第1位置情報JP1、第2位置情報JP2、所定位置情報JPC、第1最大光量MC1、第2最大光量MC2、及び調光レベルVLに基づいて、プロジェクター100のコントラスト補正の程度を示す補正値CVを決定する。
決定部414は、例えば、第1影響度DA、及び第2影響度DEに基づいて、補正値CVを決定する。
また、決定部414は、例えば、照明影響度DTに基づいて、補正値CVを決定する。
【0067】
なお、
図8-
図9を参照して説明するように、算出部413が算出した照明影響度DTが、最大影響度DTAよりも大きい場合には、決定部414は、照明影響度DTが最大影響度DTAになるように、第1影響度DA、及び第2影響度DEを低減する。最大影響度DTAは、照明影響度DTの上限値である。最大影響度DTAは、最大補正値CVMに対応する。最大補正値CVMは、補正値CVの上限値である。補正値CVが最大補正値CVMよりも大きい場合には、投射画像PMを適正に補正できない。換言すれば、決定部414は、照明影響度DTが最大影響度DTAよりも大きい場合には、照明影響度DTが最大影響度DTAになるように、第1光量CA、及び第2光量CEを低減する。
【0068】
また、決定部414は、補正値CVをプロジェクター100へ送信し、プロジェクター100に対して、補正値CVに対応するコントラスト補正を実行させる。
ここで、補正値CVの決定方法について説明する。補正値CVは、評価者による主観評価によって、最も適正な補正値CVが決定される。
例えば、第1影響度DA、及び第2影響度DEに基づいて、補正値CVを決定する場合には、第1影響度DA、及び第2影響度DEの各々の値の組み合わせに応じて、評価者による主観評価によって、最も適正な補正値CVを決定する。
【0069】
また、決定部414は、第1グループGR1を構成する4台の照明装置200に対して、第1光量CAを送信し、4台の照明装置200の各々に対して第1光量CAを出力させる。また、決定部414は、第2グループGR2を構成する8台の照明装置200に対して、第2光量CEを送信し、8台の照明装置200の各々に対して第2光量CEを出力させる。
プロジェクター100のコントラスト補正の方法については、
図7を参照して説明する。
【0070】
第2通信制御部415は、調光装置300から調光レベルVLを受信する。
また、第2通信制御部415は、プロジェクター100に対して、補正値CVを送信する。また、第2通信制御部415は、第1グループGR1を構成する4台の照明装置200に対して、第1光量CAを送信する。また、第2通信制御部415は、第2グループGR2を構成する8台の照明装置200に対して、第2光量CEを送信する。
【0071】
次に、
図7を参照して、プロジェクター100のコントラスト補正について説明する。
図7は、コントラスト補正の一例を示すグラフである。
図7の横軸は、入力画像PIの輝度値Yinを示し、
図7の縦軸は、投射画像PMの輝度値Youtを示す。入力画像PIは、コントラスト補正を行う前の投射画像PMに対応する。輝度値Yin、及び輝度値Youtの各々は、例えば、最小値が「0」であり、最大値が「1024」である。
輝度値Yinは、入力画像PIを構成する画素の輝度値であり、輝度値Youtは、投射画像PMを構成する画素の輝度値である。
【0072】
図7に示すように、コントラスト補正の補正値CVが「0」である場合には、グラフG21に示すように、輝度値Youtは、輝度値Yinと一致する。
本実施形態では、コントラスト補正は、例えば、入力画像PIの主に低輝度~中輝度の輝度値を増大する補正である。
【0073】
図7に示すように、コントラスト補正の補正値CVが増加する程、グラフG22~グラフG25に示すように、輝度値Yinに対応する画素の輝度値Youtを増加する。グラフG22は、補正値CVが「0.3」である場合における、入力画像PIの輝度値Yinと、投射画像PMの輝度値Youtとの関係を示す。グラフG23は、補正値CVが「0.6」である場合における、入力画像PIの輝度値Yinと、投射画像PMの輝度値Youtとの関係を示す。グラフG24は、補正値CVが「1.0」である場合における、入力画像PIの輝度値Yinと、投射画像PMの輝度値Youtとの関係を示す。グラフG25は、補正値CVが「1.3」である場合における、入力画像PIの輝度値Yinと、投射画像PMの輝度値Youtとの関係を示す。
【0074】
本実施形態では、補正値CVの最大値である最大補正値CVMは、例えば、「1.0」である。補正値CVが最大補正値CVMよりも大きい「1.3」である場合には、
図7のグラフG25に示すように、入力画像PIを構成する画素の輝度値Yinが、「700」以上である場合には、投射画像PMを構成する画素の輝度値Youtは、「1024」で飽和する。よって、補正値CVが「1.3」である場合には、入力画像PIを構成する画素のうち、輝度値Yinが、「700」以上の画素は、投射画像PMにおいて、輝度値Youtが全て「1024」となってしまうため、投射画像PMの一部は、入力画像PIと対応しない。したがって、補正値CVとして「1.3」を使用することができない。
【0075】
また、
図7に示すように、プロジェクター100は、補正値CVが増加する程、輝度値Yinに対応する画素の輝度値Youtを増加するように補正する。よって、補正値CVを増加することによって、プロジェクター100は、照明装置200からの照明光の影響を受け難い投射画像PMを床面FLに表示できる。
【0076】
次に、
図8を参照して、照明影響度DTと、コントラスト補正の補正値CVとの関係について説明する。
図8は、照明影響度DTと、コントラスト補正の補正値CVとの関係の一例を示すグラフである。
図8の横軸は、照明影響度DTを示し、
図8の横軸は、補正値CVを示す。
図8のグラフG3に示すように、本実施形態では、補正値CVは、例えば、照明影響度DTに比例する。最大補正値CVMは、最大影響度DTAに対応する。最大補正値CVMは、コントラスト補正の補正値CVの最大値である。最大補正値CVMは、例えば、「1.0」である。最大影響度DTAは、照明影響度DTの最大値である。
【0077】
図6を参照して説明したように、第1位置情報JP1、第2位置情報JP2、所定位置情報JPC、第1最大光量MC1、第2最大光量MC2、及び調光レベルVLに基づいて、決定部414が決定した補正値CVが、最大補正値CVMよりも大きい場合には、決定部414は、以下の処理を実行する。
すなわち、決定部414は、補正値CVが最大補正値CVMと一致するように、照明影響度DTを低減する。具体的には、決定部414は、補正値CVが最大補正値CVMと一致するように、第1光量CA、及び第2光量CEを調整する。第1光量CAは、第1グループGR1を構成する4台の照明装置200の各々が出力する光量である。第2光量CEは、第2グループGR2を構成する8台の照明装置200の各々が出力する光量である。
【0078】
上述のようにして、決定部414は、最大補正値CVM以下となるように補正値CVを決定するため、最大補正値CVMよりも大きい補正値CVに決定部414が決定することはない。そこで、グラフG31に示すように、最大補正値CVMよりも大きい補正値CVに対応するグラフ3を破線で示している。
【0079】
次に、
図9を参照して、調光レベルVLと、照明影響度DTとの関係について説明する。
図9は、調光レベルVLと、照明影響度DTと関係の一例を示すグラフである。
図9の横軸は、調光レベルVLを示し、
図9の縦軸は、照明影響度DTを示す。
グラフG41は、第1グループ影響度DG1と調光レベルVLとの関係を示す。グラフG42は、第2グループ影響度DG2と調光レベルVLとの関係を示す。グラフG43は、照明影響度DTと調光レベルVLとの関係を示す。
【0080】
第1グループ影響度DG1は、第1グループGR1を構成する4台の照明装置200から照射された光が所定位置PCに投射された投射画像PMの見え易さに与える影響度合いを示す。第2グループ影響度DG2は、第2グループGR2を構成する8台の照明装置200から照射された光が所定位置PCに投射された投射画像PMの見え易さに与える影響度合いを示す。照明影響度DTは、照明装置200から照射された光が、所定位置PCに投射された投射画像PMの見え易さに与える影響度合いを示す。
図6を参照して式(9)を用いて説明したように、照明影響度DTは、第1グループ影響度DG1と、第2グループ影響度DG2との和である。
【0081】
調光レベルVLが、特定調光レベルVLA以下においては、グラフG41に示すように、第1グループ影響度DG1は、調光レベルVLに比例する。また、調光レベルVLが、特定調光レベルVLA以下においては、グラフG42に示すように、第2グループ影響度DG2は、調光レベルVLに比例する。その結果、調光レベルVLが、特定調光レベルVLA以下においては、グラフG43に示すように、照明影響度DTは、調光レベルVLに比例する。
換言すれば、
図6を参照して説明したように、算出部413が第1影響度DA、及び第2影響度DEを算出し、第1影響度DA、及び第2影響度DEに基づいて、照明影響度DTを算出する場合には、照明影響度DTは、調光レベルVLに比例する。
特定調光レベルVLAは、最大影響度DTAに対応する。すなわち、調光レベルVLが特定調光レベルVLAである場合に、照明影響度DTは、最大影響度DTAと一致する。
【0082】
また、
図6を参照して説明したように、算出部413が算出した照明影響度DTが、最大影響度DTAよりも大きい場合には、決定部414は、照明影響度DTが最大影響度DTAになるように、第1影響度DA、及び第2影響度DEを低減する。換言すれば、算出部413が算出した照明影響度DTが、最大影響度DTAよりも大きい場合には、決定部414は、照明影響度DTが最大影響度DTAになるように、第1グループ影響度DG1、及び第2グループ影響度DG2を低減する。
【0083】
例えば、調光レベルVLが、特定調光レベルVLAよりも大きい調光レベルVLBである場合には、算出部413が算出した照明影響度DTは、最大影響度DTAよりも大きい照明影響度DTBになる。
この場合には、決定部414は、グラフG41に示すように、第1グループ影響度DG1を第1調整量ΔDT1だけ低減する。換言すれば、決定部414は、第1グループ影響度DG1を第1調整量ΔDT1だけ低減するように、第1グループGR1に含まれる照明装置200の第1光量CAを低減する。
また、決定部414は、グラフG42に示すように、第2グループ影響度DG2を第2調整量ΔDT2だけ低減する。換言すれば、決定部414は、第2グループ影響度DG2を第2調整量ΔDT2だけ低減するように、第2グループGR2に含まれる照明装置200の第2光量CEを低減する。
その結果、グラフG43に示すように、調光レベルVLが調光レベルVLBである場合に、決定部414は、照明影響度DTを、合計調整量ΔDTAだけ低減して、最大影響度DTAに一致させることができる。
【0084】
次に、
図10を参照して、制御装置400の第2制御部410の処理について説明する。
図10は、制御装置400の第2制御部410の処理の一例を示すフローチャートである。
図10に示すように、まず、ステップS101において、取得部411は、位置情報JPを取得する。位置情報JPは、第1位置情報JP1、第2位置情報JP2、及び特定位置情報JPPを含む。第1位置情報JP1は、第1照明装置200Aが配置される第1位置P1を示す。第2位置情報JP2は、第2照明装置200Eが配置される第2位置P2を示す。特定位置情報JPPは、プロジェクター100が配置される特定位置PPを示す。
次に、ステップS103において、受付部412は、最大光量MCを受け付ける。最大光量MCは、第1最大光量MC1、及び第2最大光量MC2、を含む。第1最大光量MC1は、第1照明装置200Aの光量の最大値を示す。第2最大光量MC2は、第2照明装置200Eの光量の最大値を示す。
【0085】
次に、ステップS105において、受付部412は、調光装置300から調光レベルVLを受け付ける。
次に、ステップS107において、算出部413は、距離L、及び入射角θを算出する。距離Lは、第1距離LA、及び第2距離LEを含む。入射角θは、第1入射角θA、及び第2入射角θEを含む。第1距離LAは、第1位置P1と所定位置PCの間の距離である。第2距離LEは、第2位置P2と所定位置PCの間の距離である。第1入射角θAは、第1照明装置200Aから照射された光が所定位置PCに入射する角度である。第2入射角θEは、第2照明装置200Eから照射された光が所定位置PCに入射する角度である。
次に、ステップS109において、算出部413は、第1光量CA、及び第2光量CEを算出する。第1光量CAは、第1照明装置200Aの光量である。第2光量CEは、第2照明装置200Eの光量である。
【0086】
次に、ステップS111において、算出部413は、第1影響度DA、及び第2影響度DEを算出する。第1影響度DAは、第1照明装置200Aから照射された光が所定位置PCに投射された投射画像PMの見え易さに与える影響度合いを示す。第2影響度DEは、第2照明装置200Eから照射された光が所定位置PCに投射された投射画像PMの見え易さに与える影響度合いを示す。
次に、ステップS113において、算出部413は、照明影響度DTを算出する。照明影響度DTは、照明装置200から照射された光が、所定位置PCに投射された投射画像PMの見え易さに与える影響度合いを示す。照明装置200は、例えば、第1グループGR1を構成する4台の照明装置200と、第2グループGR2を構成する8台の照明装置200と、で構成される。第1照明装置200A、及び第3照明装置200Bは、第1グループGR1に含まれる。第2照明装置200E、及び第4照明装置200Fは、第2グループGR2に含まれる。
【0087】
次に、ステップS115において、決定部414は、照明影響度DTが、照明影響度DTの上限値である最大影響度DTA以下であるか否かを判定する。
照明影響度DTが、最大影響度DTA以下であると決定部414が判定した場合(ステップS115;YES)には、処理がステップS121へ進む。照明影響度DTが、最大影響度DTAより大であると決定部414が判定した場合(ステップS115;NO)には、処理がステップS117へ進む。
そして、ステップS117において、決定部414は、照明影響度DTが最大影響度DTAと一致するように、第1光量CA、及び第2光量CEを低減する。
次に、ステップS119において、決定部414は、補正値CVを、補正値CVの上限値である最大補正値CVMに決定する。その後、処理がステップS123へ進む。
【0088】
ステップS115でYESの場合には、ステップS121において、決定部414は、照明影響度DTに基づいて、補正値CVを決定する。補正値CVは、プロジェクター100のコントラスト補正の程度を示す。
次に、ステップS123において、決定部414は、補正値CVをプロジェクター100へ送信し、プロジェクター100に対して、補正値CVに対応するコントラスト補正を実行させる。その後、処理が終了する。
【0089】
[本実施形態及び作用効果]
以上、
図1~
図10を参照して説明したように、本実施形態に係る表示システム1は、天井CLの第1位置P1に配置される第1照明装置200Aと、天井CLの第1位置P1と異なる第2位置P2に配置される第2照明装置200Eと、天井CLの第1位置P1、及び第2位置P2と異なる特定位置PPに配置され、少なくとも第1照明装置200Aからの光の一部が入射する床面FLの所定位置PCに投射画像PMを投射するプロジェクター100と、第1照明装置200A、第2照明装置200E、及びプロジェクター100を制御する制御装置400と、を含み、制御装置400は、第1位置P1を示す第1位置情報JP1と、第2位置P2を示す第2位置情報JP2と、所定位置PCを示す所定位置情報JPCと、を取得することと、第1照明装置200Aの光量の最大値を示す第1最大光量MC1と、第2照明装置200Eの光量の最大値を示す第2最大光量MC2と、を受け付けることと、第1照明装置200Aの光量、及び第2照明装置200Eの光量を調整する調光レベルVLを受け付けることと、第1位置情報JP1、第2位置情報JP2、所定位置情報JPC、第1最大光量MC1、第2最大光量MC2、及び調光レベルVLに基づいて、プロジェクター100のコントラスト補正の程度を示す補正値CVを決定することと、を実行する。
【0090】
すなわち、第1位置情報JP1、第2位置情報JP2、所定位置情報JPC、第1最大光量MC1、第2最大光量MC2、及び調光レベルVLに基づいて、プロジェクター100のコントラスト補正の程度を示す補正値CVを決定する。
よって、適正な補正値CVを決定できる。したがって、第1照明装置200A、及び第2照明装置200Eの明るさを確保しつつ、プロジェクター100の投射画像PMの視認性を向上できる。
【0091】
また、上記表示システム1において、制御装置400は、第1位置情報JP1と所定位置情報JPCとに基づいて、第1位置P1と所定位置PCの間の距離である第1距離LAと、第1照明装置か200Aら照射された光が所定位置PCに入射する角度である第1入射角θAとを算出することと、第2位置情報JP2と所定位置情報JPCとに基づいて、第2位置P2と所定位置PCの間の距離である第2距離LEと、第2照明装置200Eから照射された光が所定位置PCに入射する角度である第2入射角θEとを算出することと、第1最大光量MC1と調光レベルVLとに基づいて、第1照明装置200Aの光量である第1光量CAを算出することと、第2最大光量MC2と調光レベルVLとに基づいて、第2照明装置200Eの光量である第2光量CEを算出することと、第1距離LA、第1入射角θA、及び第1光量CAに基づいて、第1照明装置200Aから照射された光が所定位置PCに投射された投射画像PMの見え易さに与える影響度合いを示す第1影響度DAを算出することと、第2距離LE、第2入射角θE、及び第2光量CEに基づいて、第2照明装置200Eから照射された光が所定位置PCに投射された投射画像PMの見え易さに与える影響度合いを示す第2影響度DEを算出することと、を更に実行し、補正値CVを決定することは、第1影響度DA、及び第2影響度DEに基づいて、補正値CVを決定すること、を含む。
よって、第1影響度DA、及び第2影響度DEに基づいて、補正値CVを決定するため、適正な補正値CVを決定できる。したがって、第1照明装置200A、及び第2照明装置200Eの明るさを確保しつつ、プロジェクター100の投射画像PMの視認性を向上できる。
【0092】
また、上記表示システム1において、補正値CVを決定することは、第1影響度DA、及び第2影響度DEに基づいて、第1照明装置200Aから照射された光、及び第2照明装置200Eから照射された光が、所定位置PCに投射された投射画像PMの見え易さに与える影響度合いを示す照明影響度DTを算出することと、照明影響度DTに基づいて、補正値CVを決定することと、を含む。
よって、照明影響度DTに基づいて、補正値CVを決定するため、適正な補正値CVを決定できる。したがって、第1照明装置200A、及び第2照明装置200Eの明るさを確保しつつ、プロジェクター100の投射画像PMの視認性を向上できる。
【0093】
また、上記表示システム1において、照明影響度DTは、上限値として最大影響度DTAを有し、制御装置400は、照明影響度DTが最大影響度DTAよりも大きい場合に、照明影響度DTが最大影響度DTA以下になるように、第1光量CA、及び第2光量CEの少なくとも一方を低減すること、を更に実行する。
よって、照明影響度DTが最大影響度DTA以下になるように、第1光量CA、及び第2光量CEの少なくとも一方を低減するため、第1照明装置200A、及び第2照明装置200Eの明るさを適正に制御できる。したがって、第1照明装置200A、及び第2照明装置200Eの明るさを確保しつつ、プロジェクター100の投射画像PMの視認性を向上できる。
【0094】
また、上記表示システム1において、第2距離LEは第1距離LAより大きく、且つ、第2入射角θEは第1入射角θAより小さい場合に、制御装置400は、少なくとも第1光量CAを低減することによって、照明影響度DTを最大影響度DTA以下にする。
すなわち、第2距離LEは第1距離LAより大きく、且つ、第2入射角θEは第1入射角θAより小さい場合には、第1影響度DAは、第2影響度DEよりも大きい。よって、少なくとも第1光量CAを低減することによって、照明影響度DTを最大影響度DTA以下にするため、第1照明装置200A、及び第2照明装置200Eの明るさを適正に制御できる。したがって、第1照明装置200A、及び第2照明装置200Eの明るさを確保しつつ、プロジェクター100の投射画像PMの視認性を向上できる。
【0095】
また、上記表示システム1において、第1位置P1、及び第2位置P2と異なる第3位置P3に配置された第3照明装置200Bを備え、制御装置400は、第3位置P3と所定位置PCの間の距離である第3距離LBが第1距離LAと略一致し、第3照明装置200Bから照射された光が所定位置PCに入射する角度である第3入射角θBが第1入射角θAと略一致し、且つ、第3照明装置200Bの光量の最大値を示す第3最大光量MC3は、第1最大光量MC1と略一致する場合に、第1照明装置200Aと第3照明装置200Bとを第1グループGR1として設定し、第3照明装置200Bの光量である第3光量CBを、第1光量CAと一致するように制御すること、を更に実行する。
すなわち、第1照明装置200Aと第3照明装置200Bとが、第1グループGR1に含まれる場合に、第3光量CBを、第1光量CAと一致するように制御する。したがって、第3照明装置200Bの明るさを容易に且つ適正に制御できる。
【0096】
また、上記表示システム1において、第1位置P1、第2位置P2、及び第3位置P3と異なる第4位置P4に配置された第4照明装置200Fを備え、制御装置400は、第4位置P4と所定位置PCの間の距離である第4距離LFが第2距離LEと略一致し、第4照明装置200Fから照射された光が所定位置PCに入射する角度である第4入射角θFが第2入射角θEと略一致し、且つ、第4照明装置200Fの光量の最大値を示す第4最大光量MC4は、第2最大光量MC2と略一致する場合に、第2照明装置200Eと第4照明装置200Fとを第1グループGR1とは異なる第2グループGR2として設定し、第4照明装置200Fの光量である第4光量CFを、第2光量CEと一致するように制御すること、を更に実行する。
すなわち、第2照明装置200Eと第4照明装置200Fとが、第2グループGR2に含まれる場合に、第4光量CFを、第2光量CEと一致するように制御する。したがって、第4照明装置200Fの明るさを容易に且つ適正に制御できる。
【0097】
また、上記表示システム1において、制御装置400は、第1グループGR1に対する優先度である第1優先度PR1と、第2グループGR2に対する優先度である第2優先度PR2とを受け付けることと、第2優先度PR2が第1優先度PR1よりも高い場合に、第2グループGR2に含まれる照明装置200の光量を、第1グループGR1に含まれる照明装置200の光量よりも大きくすることと、を更に実行する。
すなわち、第2優先度PR2が第1優先度PR1よりも高い場合に、第2グループGR2に含まれる照明装置200の光量を、第1グループGR1に含まれる照明装置200の光量よりも大きくする。したがって、第1優先度PR1及び第2優先度PR2を適正に設定することによって、第1グループGR1に含まれる照明装置200の光量、及び第2グループGR2に含まれる照明装置200の光量を適正に制御できる。
【0098】
本実施形態に係る第2制御プログラムPG2は、天井CLの第1位置P1に配置される第1照明装置200Aと、天井CLの第1位置P1と異なる第2位置P2に配置される第2照明装置200Eと、天井CLの第1位置P1、及び第2位置P2と異なる特定位置PPに配置され、少なくとも第1照明装置200Aからの光の一部が入射する床面FLの所定位置PCに投射画像PMを投射するプロジェクター100と、を制御する第2制御プログラムPG2であって、第1位置P1を示す第1位置情報JP1と、第2位置P2を示す第2位置情報JP2と、所定位置PCを示す所定位置情報JPCと、を取得することと、第1照明装置200Aの光量の最大値を示す第1最大光量MC1と、第2照明装置200Eの光量の最大値を示す第2最大光量MC2と、を受け付けることと、第1照明装置200Aの光量、及び第2照明装置200Eの光量を調整する調光レベルVLを受け付けることと、第1位置情報JP1、第2位置情報JP2、所定位置情報JPC、第1最大光量MC1、第2最大光量MC2、及び調光レベルVLに基づいて、プロジェクター100のコントラスト補正の程度を示す補正値CVを決定することと、を第2プロセッサー410Aに実行させる。
したがって、本実施形態に係る第2制御プログラムPG2は、本実施形態に係る表示システム1と同様の効果を奏することができる。
【0099】
本実施形態に係る制御装置400は、天井CLの第1位置P1に配置される第1照明装置200Aと、天井CLの第1位置P1と異なる第2位置P2に配置される第2照明装置200Eと、天井CLの第1位置P1、及び第2位置P2と異なる特定位置PPに配置され、少なくとも第1照明装置200Aからの光の一部が入射する床面FLの所定位置PCに投射画像PMを投射するプロジェクター100と、を制御する制御装置400であって、第2プロセッサー410Aを備え、第2プロセッサー410Aは、第1位置P1を示す第1位置情報JP1と、第2位置P2を示す第2位置情報JP2と、所定位置PCを示す所定位置情報JPCと、を取得することと、第1照明装置200Aの光量の最大値を示す第1最大光量MC1と、第2照明装置200Eの光量の最大値を示す第2最大光量MC2と、を受け付けることと、第1照明装置200Aの光量、及び第2照明装置200Eの光量を調整する調光レベルVLを受け付けることと、第1位置情報JP1、第2位置情報JP2、所定位置情報JPC、第1最大光量MC1、第2最大光量MC2、及び調光レベルVLに基づいて、プロジェクター100のコントラスト補正の程度を示す補正値CVを決定することと、を実行する。
したがって、本実施形態に係る制御装置400は、本実施形態に係る表示システム1と同様の効果を奏することができる。
【0100】
[他の実施形態]
上述した本実施形態は、好適な実施の形態である。ただし、上述の本実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形実施が可能である。
【0101】
本実施形態では、制御装置400がパーソナルコンピューターで構成される場合について説明したが、これに限定されない。制御装置400が、例えば、タブレット端末、又はスマートフォン等で構成されてもよい。また、制御装置400が、例えば、サーバー装置であってもよい。
【0102】
本実施形態では、プロジェクター100が床面FLに投射画像PMを投射する場合について説明するが、これに限定されない。プロジェクター100が、例えば、壁面に投射画像PMを投射してもよい。
【0103】
本実施形態では、プロジェクター100が投射画像PMの輝度を補正することによってコントラスト補正を行う場合について説明したが、これに限定されない。例えば、プロジェクター100が投射画像PMのエッジ強調処理を行うことによって、コントラスト補正を行ってもよい。
【0104】
本実施形態では、第1グループGR1が、4台の照明装置200で構成される場合について説明したが、これに限定されない。第1グループGR1が、2台以上の照明装置200で構成されればよい。例えば、第1グループGR1が、2台又は3台の照明装置200で構成されてもよい。また、例えば、第1グループGR1が、5台以上の照明装置200で構成されてもよい。
【0105】
本実施形態では、第2グループGR2が、8台の照明装置200で構成される場合について説明したが、これに限定されない。第2グループGR2が、2台以上の照明装置200で構成されればよい。例えば、第2グループGR2が、2台~7台のいずれかの台数の照明装置200で構成されてもよい。また、例えば、第2グループGR1が、9台以上の照明装置200で構成されてもよい。
【0106】
本実施形態では、照明装置200が、第1グループGR1に含まれる照明装置200と、第2グループGR2に含まれる照明装置200と、で構成される場合について説明するが、これに限定されない。照明装置200が、例えば、第3グループに含まれる照明装置200を含んでもよい。照明装置200が、例えば、第3グループに含まれる照明装置200と、第4グループに含まれる照明装置200と、を含んでもよい。
【0107】
また、
図6に示す各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも可能である。また、上記実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、制御装置400の各部の具体的な細部構成についても、趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0108】
また、
図10に示すフローチャートの処理単位は、制御装置400の第2制御部410の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。
図10のフローチャートに示す処理単位の分割の仕方や名称によって制限されることはなく、処理内容に応じて、更に多くの処理単位に分割することもできるし、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。また、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
【0109】
また、表示システム1は、制御装置400が備える第2プロセッサー410Aに、表示システム1に対応した第2制御プログラムPG2を実行させることで実現できる。また、第2制御プログラムPG2は、コンピューターで読み取り可能に記録した記録媒体に記録しておくことも可能である。
記録媒体としては、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu-ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリー、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、記録媒体は、制御装置400が備える内部記憶装置であるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。
第2制御プログラムPG2をサーバー装置等に記憶させておき、サーバー装置から制御装置400に、第2制御プログラムPG2をダウンロードすることで、表示システム1を実現することもできる。
【0110】
[付記]
以下、本開示のまとめを付記する。
(付記1)天井の第1位置に配置される第1照明装置と、前記天井の前記第1位置と異なる第2位置に配置される第2照明装置と、前記天井の前記第1位置、及び前記第2位置と異なる特定位置に配置され、少なくとも前記第1照明装置からの光の一部が入射する床面、又は壁面の所定位置に画像を投射するプロジェクターと、前記第1照明装置、前記第2照明装置、及び前記プロジェクターを制御する制御装置と、を含み、前記制御装置は、前記第1位置を示す第1位置情報と、前記第2位置を示す第2位置情報と、前記所定位置を示す所定位置情報と、を取得することと、前記第1照明装置の光量の最大値を示す第1最大光量と、前記第2照明装置の光量の最大値を示す第2最大光量と、を受け付けることと、前記第1照明装置の光量、及び前記第2照明装置の光量を調整する調光レベルを受け付けることと、前記第1位置情報、前記第2位置情報、前記所定位置情報、前記第1最大光量、前記第2最大光量、及び前記調光レベルに基づいて、前記プロジェクターのコントラスト補正の程度を示す補正値を決定することと、を実行する、表示システム。
【0111】
これにより、第1位置情報、第2位置情報、所定位置情報、第1最大光量、第2最大光量、及び調光レベルに基づいて、プロジェクターのコントラスト補正の程度を示す補正値を決定する。
よって、適正な補正値を決定できる。したがって、第1照明装置、及び第2照明装置の明るさを確保しつつ、プロジェクターの視認性を向上できる。
【0112】
(付記2)前記制御装置は、前記第1位置情報と前記所定位置情報とに基づいて、前記第1位置と前記所定位置の間の距離である第1距離と、前記第1照明装置から照射された光が前記所定位置に入射する角度である第1入射角と、を算出することと、前記第2位置情報と前記所定位置情報とに基づいて、前記第2位置と前記所定位置の間の距離である第2距離と、前記第2照明装置から照射された光が前記所定位置に入射する角度である第2入射角と、を算出することと、前記第1最大光量と前記調光レベルとに基づいて、前記第1照明装置の光量である第1光量を算出することと、前記第2最大光量と前記調光レベルとに基づいて、前記第2照明装置の光量である第2光量を算出することと、前記第1距離、前記第1入射角、及び前記第1光量に基づいて、前記第1照明装置から照射された光が前記所定位置に投射された前記画像の見え易さに与える影響度合いを示す第1影響度を算出することと、前記第2距離、前記第2入射角、及び前記第2光量に基づいて、前記第2照明装置から照射された光が前記所定位置に投射された前記画像の見え易さに与える影響度合いを示す第2影響度を算出することと、を更に実行し、前記補正値を決定することは、前記第1影響度、及び前記第2影響度に基づいて、前記補正値を決定すること、を含む、付記1に記載の表示システム。
【0113】
これにより、第1影響度、及び第2影響度に基づいて、補正値を決定するため、適正な補正値を決定できる。したがって、第1照明装置、及び第2照明装置の明るさを確保しつつ、プロジェクターの視認性を向上できる。
【0114】
(付記3)前記補正値を決定することは、前記第1影響度、及び前記第2影響度に基づいて、前記第1照明装置から照射された光、及び前記第2照明装置から照射された光が、前記所定位置に投射された前記画像の見え易さに与える影響度合いを示す照明影響度を算出することと、前記照明影響度に基づいて、前記補正値を決定することと、を含む、付記2に記載の表示システム。
【0115】
これにより、照明影響度に基づいて、補正値を決定するため、適正な補正値を決定できる。したがって、第1照明装置、及び第2照明装置の明るさを確保しつつ、プロジェクターの視認性を向上できる。
【0116】
(付記4)前記照明影響度は、上限値を有し、前記制御装置は、前記照明影響度が前記上限値よりも大きい場合に、前記照明影響度が前記上限値以下になるように、前記第1光量、及び前記第2光量の少なくとも一方を低減すること、を更に実行する、付記1から付記3のいずれか1つに記載の表示システム。
【0117】
これにより、照明影響度が最大影響度以下になるように、第1光量、及び第2光量の少なくとも一方を低減するため、第1照明装置、及び第2照明装置の明るさを適正に制御できる。したがって、第1照明装置、及び第2照明装置の明るさを確保しつつ、プロジェクターの視認性を向上できる。
【0118】
(付記5)前記第2距離は前記第1距離より大きく、且つ、前記第2入射角は前記第1入射角より小さい場合に、前記制御装置は、少なくとも前記第1光量を低減することによって、前記照明影響度を前記上限値以下にする、付記1から付記4のいずれか1つに記載の表示システム。
【0119】
これにより、第2距離は第1距離より大きく、且つ、第2入射角は第1入射角より小さい場合には、第1影響度は、第2影響度よりも大きい。よって、少なくとも第1光量を低減することによって、照明影響度を最大影響度以下にするため、第1照明装置、及び第2照明装置の明るさを適正に制御できる。したがって、第1照明装置、及び第2照明装置の明るさを確保しつつ、プロジェクターの視認性を向上できる。
【0120】
(付記6)前記第1位置、及び前記第2位置と異なる第3位置に配置された第3照明装置を備え、前記制御装置は、前記第3位置と前記所定位置の間の距離である第3距離が前記第1距離と略一致し、前記第3照明装置から照射された光が前記所定位置に入射する角度である第3入射角が前記第1入射角と略一致し、且つ、前記第3照明装置の光量の最大値を示す第3最大光量は、前記第1最大光量と略一致する場合に、前記第1照明装置と前記第3照明装置とを第1グループとして設定し、前記第3照明装置の光量である第3光量を、前記第1光量と一致するように制御すること、を更に実行する、付記1から付記5のいずれか1つに記載の表示システム。
【0121】
これにより、第1照明装置と第3照明装置とが、第1グループに含まれる場合に、第3光量を、第1光量と一致するように制御する。したがって、第3照明装置の明るさを容易に且つ適正に制御できる。
【0122】
(付記7)前記第1位置、前記第2位置、及び前記第3位置と異なる第4位置に配置された第4照明装置を備え、前記制御装置は、前記第4位置と前記所定位置の間の距離である第4距離が前記第2距離と略一致し、前記第4照明装置から照射された光が前記所定位置に入射する角度である第4入射角が前記第2入射角と略一致し、且つ、前記第4照明装置の光量の最大値を示す第4最大光量は、前記第2最大光量と略一致する場合に、前記第2照明装置と前記第4照明装置とを前記第1グループとは異なる第2グループとして設定し、前記第4照明装置の光量である第4光量を、前記第2光量と一致するように制御すること、を更に実行する、付記6に記載の表示システム。
【0123】
これにより、第2照明装置と第4照明装置とが、第2グループに含まれる場合に、第4光量を、第2光量と一致するように制御する。したがって、第4照明装置の明るさを容易に且つ適正に制御できる。
【0124】
(付記8)前記制御装置は、前記第1グループに対する優先度と、前記第2グループに対する優先度とを受け付けることと、前記第2グループに対する優先度が前記第1グループに対する優先度よりも高い場合に、前記第2グループに含まれる照明装置の光量を、前記第1グループに含まれる照明装置の光量よりも大きくすることと、を更に実行する、付記7に記載の表示システム。
【0125】
これにより、第2優先度が第1優先度よりも高い場合に、第2グループに含まれる照明装置の光量を、第1グループに含まれる照明装置の光量よりも大きくする。したがって、第1優先度、及び第2優先度を適正に設定することによって、第1グループに含まれる照明装置の光量、及び第2グループに含まれる照明装置の光量を適正に制御できる。
【0126】
(付記9)天井の第1位置に配置される第1照明装置と、前記天井の前記第1位置と異なる第2位置に配置される第2照明装置と、前記天井の前記第1位置、及び前記第2位置と異なる特定位置に配置され、少なくとも前記第1照明装置からの光の一部が入射する床面、又は壁面の所定位置に画像を投射するプロジェクターと、を制御するプログラムであって、前記第1位置を示す第1位置情報と、前記第2位置を示す第2位置情報と、前記所定位置を示す所定位置情報と、を取得することと、前記第1照明装置の光量の最大値を示す第1最大光量と、前記第2照明装置の光量の最大値を示す第2最大光量と、を受け付けることと、前記第1照明装置の光量、及び前記第2照明装置の光量を調整する調光レベルを受け付けることと、前記第1位置情報、前記第2位置情報、前記所定位置情報、前記第1最大光量、前記第2最大光量、及び前記調光レベルに基づいて、前記プロジェクターのコントラスト補正の程度を示す補正値を決定することと、をプロセッサーに実行させる、プログラム。
【0127】
これにより、付記9に記載のプログラムは、付記1に記載の表示システムと同様の効果を奏する。
【0128】
(付記10)天井の第1位置に配置される第1照明装置と、前記天井の前記第1位置と異なる第2位置に配置される第2照明装置と、前記天井の前記第1位置、及び前記第2位置と異なる特定位置に配置され、少なくとも前記第1照明装置からの光の一部が入射する床面、又は壁面の所定位置に画像を投射するプロジェクターと、を制御する制御装置であって、少なくとも1つのプロセッサーを含み、前記少なくとも1つのプロセッサーは、前記第1位置を示す第1位置情報と、前記第2位置を示す第2位置情報と、前記所定位置を示す所定位置情報と、を取得することと、前記第1照明装置の光量の最大値を示す第1最大光量と、前記第2照明装置の光量の最大値を示す第2最大光量と、を受け付けることと、前記第1照明装置の光量、及び前記第2照明装置の光量を調整する調光レベルを受け付けることと、前記第1位置情報、前記第2位置情報、前記所定位置情報、前記第1最大光量、前記第2最大光量、及び前記調光レベルに基づいて、前記プロジェクターのコントラスト補正の程度を示す補正値を決定することと、を実行する、制御装置。
【0129】
これにより、付記10に記載の制御装置は、付記1に記載の表示システムと同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0130】
1…表示システム、100…プロジェクター、110…投射部、111…光源部、141…第1通信インターフェース、200、200A-200L…照明装置、200A…第1照明装置、200B…第3照明装置、200E…第2照明装置、200F…第4照明装置、300…調光装置、400…制御装置、410…第2制御部、410A…第2プロセッサー(プロセッサー)、410B…第2メモリー、411…取得部、412…受付部、413…算出部、414…決定部、415…第2通信制御部、416…第2情報記憶部、420…第2操作機構、430…第2表示機構、440…第2通信インターフェース、CA…第1光量、CB…第3光量、CE…第2光量、CF…第4光量、CL…天井、CV…補正値、CVM…最大補正値、DA…第1影響度、DE…第2影響度、DG1…第1グループ影響度、DG2…第2グループ影響度、DT…照明影響度、DTA…最大影響度、FL…床面、GR1…第1グループ、GR2…第2グループ、JP1…第1位置情報、JP2…第2位置情報、JP3…第3位置情報、JP4…第4位置情報、JPC…所定位置情報、JPP…特定位置情報、LA…第1距離、LB…第3距離、LE…第2距離、LF…第4距離、MC1…第1最大光量、MC2…第2最大光量、MC3…第3最大光量、MC4…第4最大光量、P1…第1位置、P2…第2位置、P3…第3位置、P4…第4位置、PC…所定位置、PG2…第2制御プログラム(プログラム)、PM…投射画像(画像)、PP…特定位置、PR1…第1優先度、PR2…第2優先度、VL…調光レベル、θA…第1入射角、θB…第3入射角、θE…第2入射角、θF…第4入射角。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
また、算出部413は、第1距離LA、第1入射角θA、及び第1光量CAに基づいて
、第1影響度DAを算出する。第1影響度DAは、第1照明装置200Aから照射された
光が所定位置PCに投射された投射画像PMの見え易さに与える影響度合いを示す。第1
影響度DAは、次の式(5)によって算出される。
DA=CA×COS(θA)×FH(θA)/LA2 (5)
ここで、配光関数FH(θA)は、
図3に示す照明装置200の配光特性を示す。なお
、第1距離LA、及び第1入射角θAは、第1照明装置200Aの位置、及び天井CLと
床面FLとの距離
LPに基づいて算出される。したがって、式(5)の右辺の[COS(
θA)×FH(θA)/LA2]は、定数である。
換言すれば、第1影響度DAは、第1光量CAに比例する関数である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0063】
また、算出部413は、第1影響度DA、及び第2影響度DEに基づいて、照明影響度
DTを算出する。照明影響度DTは、第1照明装置200Aから照射された光、及び第2
照明装置200Eから照射された光が、所定位置PCに投射された投射画像PMの見え易
さに与える影響度合いを示す。照明影響度DTは、次の式(7)で求められる。
DT=DA×α+DE×β (7)
係数α、及び係数βは、照明装置200の台数に基づき決定される重みである。係数α
、及び係数βの各々は、下記に示すようにして決定される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0076】
次に、
図8を参照して、照明影響度DTと、コントラスト補正の補正値CVとの関係に
ついて説明する。
図8は、照明影響度DTと、コントラスト補正の補正値CVとの関係の
一例を示すグラフである。
図8の横軸は、照明影響度DTを示し、
図8の
縦軸は、補正値
CVを示す。
図8のグラフG3に示すように、本実施形態では、補正値CVは、例えば、照明影響度
DTに比例する。最大補正値CVMは、最大影響度DTAに対応する。最大補正値CVM
は、コントラスト補正の補正値CVの最大値である。最大補正値CVMは、例えば、「1
.0」である。最大影響度DTAは、照明影響度DTの最大値である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
上述のようにして、決定部414は、最大補正値CVM以下となるように補正値CVを
決定するため、最大補正値CVMよりも大きい補正値CVに決定部414が決定すること
はない。そこで、グラフG31に示すように、最大補正値CVMよりも大きい補正値CV
に対応するグラフG3を破線で示している。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】