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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138850
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/46 20060101AFI20241002BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20241002BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
H02J3/46
H02J3/38 110
H02J3/38 130
H02J3/32
H02J3/38 180
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049560
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】509264132
【氏名又は名称】株式会社やまびこ
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】住川 泰志
(72)【発明者】
【氏名】荒川 拓也
(72)【発明者】
【氏名】佐名田 祐介
【テーマコード(参考)】
5G066
【Fターム(参考)】
5G066AA02
5G066HA15
5G066HB02
5G066HB06
5G066HB09
5G066JA05
5G066JA07
5G066KA06
(57)【要約】
【課題】電力供給システムにおいて、状況に応じて適切に燃料式発電機の動作管理を行うことで、使用電力のコストを抑えながら必要な時に燃料式発電機による電力供給を行うことができる。
【解決手段】電力供給システムは、太陽光発電器と燃料式発電機を含む複数の電力源と蓄電池を備え、電力系統に連携するか又は独立運転で特定負荷に電力を供給するシステムであって、入力情報に基づいて、複数の電力源の出力と蓄電池の充放電を制御すると共に、電力系統との連携か独立運転かの切り替えを制御する電力制御装置を備え、電力制御装置は、太陽光発電器の発電量予測と特定負荷の使用電力予測から燃料式発電機の動作管理を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電器と燃料式発電機を含む複数の電力源と蓄電池を備え、電力系統に連携するか又は独立運転で特定負荷に電力を供給する電力供給システムであって、
入力情報に基づいて、前記複数の電力源の出力と前記蓄電池の充放電を制御すると共に、電力系統との連携か独立運転かの切り替えを制御する電力制御装置を備え、
前記電力制御装置は、
前記太陽光発電器の発電量予測と前記特定負荷の使用電力予測から前記燃料式発電機の動作管理を行うことを特徴とする電力供給システム。
【請求項2】
前記電力制御装置は、
前記太陽光発電器の発電量モニタと発電量予測に基づいて、
前記太陽光発電器が出力する電力を第1優先、前記蓄電池の放電による電力を第2優先、前記燃料式発電機が出力する電力を第3優先として、前記特定負荷に電力供給する動作モードを特定することを特徴とする請求項1記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記電力制御装置は、
前記燃料式発電機の予測稼働時間と前記燃料式発電機の残燃料に基づいて、前記燃料式発電機の燃料を自動発注する機能を有することを特徴とする請求項1記載の電力供給システム。
【請求項4】
前記電力制御装置は、
前記燃料式発電機の運転停止可能期間をメンテナンス設定日とすることを特徴とする請求項1記載の電力供給システム。
【請求項5】
前記電力制御装置は、
前記蓄電池の充放電可否を判断して、
前記蓄電池の充電が可能な場合に、前記複数の電力源の余剰電力を前記蓄電池に充電する前記動作モードを特定し、
前記蓄電池の放電が可能な場合に、前記蓄電池から放電される出力を前記特定負荷に供給する前記動作モードを特定する、ことを特徴とする請求項2記載の電力供給システム。
【請求項6】
前記電力制御装置は、
前記太陽光発電器に余剰電力が生じると予測される場合には、前記蓄電池の蓄電率を抑制することを特徴とする請求項5記載の電力供給システム。
【請求項7】
前記電力制御装置は、
前記電力系統に連携する場合に、
系統電力のピークカットが必要であり、前記太陽光発電器の発電量予測が不十分で且つ前記蓄電池の放電が不可と判断される場合に、前記燃料式発電機から出力される電力で系統電力のピークカットを行う、ことを特徴とする請求項5記載の電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光発電と蓄電池を用いた電力供給システムが知られている。この電力供給システムは、蓄電池の劣化を抑制するように蓄電池の充放電を制御する電力制御装置を備えている(下記特許文献1参照)。この従来技術は、電力制御装置の制御部が、天気予報のデータを基に制御対象の日に太陽光発電がおこなわれるか否かを判定し、この判定結果と時間帯ごとの消費電力量を基に、蓄電池の蓄電量をより少なくする制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-196231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の電力供給システムは、電力系統に連携することで、太陽光発電の電力と蓄電池の放電による電力で、電力系統のピークカットを実現することができる。この場合、太陽光発電の発電量が十分である時間帯或いは蓄電池の蓄電量が十分である状態と電力系統の消費電力ピークが重なることが必要になり、ピークカットを実現できる状況が制限されてしまう問題がある。
【0005】
また、前述した従来の電力供給システムは、電力系統の電力から切り離した独立運転で、必要な特定負荷に電力供給を行うことができる。この場合も、太陽光発電の発電量や蓄電池の蓄電量が十分である状態と特定負荷の稼働タイミングが合えばよいが、合わない場合には、特定負荷に対して適切な電力供給ができない事態が生じうる。
【0006】
これに対しては、ガソリン、軽油、ガス、水素などを燃料とする、燃料式発電機(燃料電池を含む)の発電を追加することで、太陽光発電の発電量や蓄電池の蓄電量が不十分な場合であっても、電力系統のピークカット等や独立運転時の適切な電力供給を行うことができるようになる。しかしながら、燃料式発電機を用いる場合には、燃料の供給やメンテナンスなどの管理を怠ると、必要なタイミングで燃料式発電機を発電させることができないことになり、効果的にピークカットなどに活用することができなかったり、独立運転時に適切な電力供給を行うことができなかったりする問題が生じる。
【0007】
本発明は、このような事情に対処するために提案されたものである。すなわち、太陽光発電器と燃料式発電機を含む複数の電力源と蓄電池を備え、電力系統に連携するか又は独立運転で特定負荷に電力を供給する電力供給システムにおいて、状況に応じて適切に燃料式発電機の動作管理を行うことで、使用電力のコストを抑えながら必要な時に燃料式発電機による電力供給を行うことができるようにすること、などが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するために、本発明は、以下の構成を具備するものである。
太陽光発電器と燃料式発電機を含む複数の電力源と蓄電池を備え、電力系統に連携するか又は独立運転で特定負荷に電力を供給する電力供給システムであって、入力情報に基づいて、前記複数の電力源の出力と前記蓄電池の充放電を制御すると共に、電力系統との連携か独立運転かの切り替えを制御する電力制御装置を備え、前記電力制御装置は、前記太陽光発電器の発電量予測と前記特定負荷の使用電力予測から前記燃料式発電機の動作管理を行うことを特徴とする電力供給システム。
【発明の効果】
【0009】
このような特徴を有する本発明によると、太陽光発電器と燃料式発電機を含む複数の電力源と蓄電池を備え、電力系統に連携するか又は独立運転で特定負荷に電力を供給する電力供給システムにおいて、状況に応じて適切に燃料式発電機の動作管理を行うことで、使用電力コストを抑えながら必要な時に燃料式発電機による電力供給を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る電力供給システムの説明図。
図2】本発明の実施形態に係る電力供給システムの電力制御装置における制御部の機能を示す説明図。
図3】電力制御装置による系統連携時の動作モード特定フローを示した説明図。
図4】電力制御装置による独立運転時の動作モード特定フローを示した説明図。
図5】動作モード1(系統連携時)の動作状態を示した説明図。
図6】動作モード2(系統連携時)の動作状態を示した説明図。
図7】動作モード3(系統連携時)の動作状態を示した説明図。
図8】動作モード4(系統連携時)の動作状態を示した説明図。
図9】動作モード5(系統連携時)の動作状態を示した説明図。
図10】動作モード6(系統連携時)の動作状態を示した説明図。
図11】動作モード7(系統連携時)の動作状態を示した説明図。
図12】動作モード8(系統連携時)の動作状態を示した説明図。
図13】動作モード9(系統連携時)の動作状態を示した説明図。
図14】動作モード10(系統連携時)の動作状態を示した説明図。
図15】動作モード11(系統連携時)の動作状態を示した説明図。
図16】動作モード12と動作モード14(系統連携時)の動作状態を示した説明図。
図17】動作モード13(系統連携時)の動作状態を示した説明図。
図18】動作モード15(独立運転時)の動作状態を示した説明図。
図19】動作モード16(独立運転時)の動作状態を示した説明図。
図20】動作モード17(独立運転時)の動作状態を示した説明図。
図21】動作モード18(独立運転時)の動作状態を示した説明図。
図22】動作モード19(独立運転時)の動作状態を示した説明図。
図23】動作モード20(独立運転時)の動作状態を示した説明図。
図24】動作モード21(独立運転時)の動作状態を示した説明図。
図25】動作モード22(独立運転時)の動作状態を示した説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0012】
図1に示すように、電力供給システム1(以下、システム1)は、複数の電力源として、太陽光発電器3と燃料式発電機4を含んでおり、これら複数の電力源からの電力と蓄電池2が放電する電力を、選択的に、電力系統100に連携するか又は電力系統100と切り離した独立運転で特定負荷101に供給する。以下、電力系統100に連携している状態を系統連携時、独立運転している状態を独立運転時という。なお、ここでの特定負荷101は、電力供給システム1からの電力を優先的に供給するために、電力系統100の電力を受け取る一般的な負荷102から選択された負荷である。電力系統100との連携時には、電力供給システム1から出力される電力は、優先的に特定負荷101に供給され、余剰電力がある場合は特定負荷101とは別の負荷102に供給される。
【0013】
システム1の構成を説明する。複数の電力源の一つである太陽光発電器3は、複数の太陽光パネルを接続することで太陽光が照射しているときに所定の直流電力(例えば、120kW、最大750V)を出力する。
【0014】
複数の電力源の他の一つである燃料式発電機4は、ガソリン、軽油、ガス、水素などを燃料とする発電機(燃料電池を含む)であり、一例としては、ディーゼルエンジン発電機、ガソリンエンジン発電機、ガスタービン発電機、水素を燃料とする燃料電池(例えば、固体高分子形燃料電池、リン酸形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池など)などである。図1に示す例では、所定出力(例えば、三相440V)の三相交流電力(例えば、80kW)を出力するもの例示している。燃料式発電機4は、単体の燃料式発電機4であってもよいし、複数台を並列接続したものであってもよい。
【0015】
蓄電池2は、前述した複数の電力源の余剰電力と系統連携時の電力系統100からの電力(例えば、電力料金が安価な夜間電力)を充電することで、所定の蓄電量(例えば、約120kWh)を蓄電することができ、必要時に放電することで所定の直流電力を出力する。
【0016】
システム1は、電力制御装置5を備えている。電力制御装置5は、前述した複数の電力源が出力する電力を制御し、蓄電池2の充放電を制御すると共に、電力系統100との連携又は独立運転を切り替えるために、電力変換部10と、連携・独立切替部20と、これらを制御する制御部30を備えている。ここで、電力変換部10は、以下に説明するように、交流直流変換部11、直流電圧変換部12、充放電変換部13、出力変換部14、動作モード特定部15を有する。
【0017】
なお、図1に示した例では、複数の電力源である太陽光発電器3と燃料式発電機4と蓄電池2をそれぞれ電力制御装置5に接続しているが、燃料式発電機4からの電力を整流器にて全波整流した後、直接太陽光発電器3の出力端子側に加えるか、或いは、燃料式発電機4からの電力を整流器で全波整流した後、充放電変換部13を介することなく直接蓄電池2の出力端子側に加えるようにしても、図1と同様のシステムとすることができる。
【0018】
交流直流変換部11は、交流電力を出力する燃料式発電機4を用いる場合に設けられ、燃料式発電機4の交流電力を定電圧の直流電力に変換して出力する。また、交流直流変換部11は整流器を含む。直流電圧変換部12は、天気状況に応じて変化する太陽光発電器3の出力を一定の直流電圧に変換する。充放電変換部13は、太陽光発電器3からの電力や燃料式発電機4からの電力或いは系統連携時の電力系統100からの電力を蓄電池2に充電するか、蓄電池2に蓄電された電力を放電して直流電力を出力するかの変換を行う。
【0019】
出力変換部14は、動作モード特定部15を経由して出力される直流電力を、特定負荷101に対応した電力(定電圧交流電力)に変換して出力する。また、出力変換部14は、系統連携時に、電力系統100からの交流電力を受け取って、特定負荷101に対応した電力(定電圧交流電力)に変換して出力する。更に、出力変換部14は、系統連携時に、電力系統100からの交流電力を直流電力に変換する。変換された直流電力は、動作モード特定部15を介して充放電変換部13に出力され、蓄電池2に充電される。
【0020】
動作モード特定部15は、制御部30の制御によって特定された動作モードに応じて、電力の供給先を設定する。動作モード特定部15の具体的な特定は、後述する各動作モードの説明に合わせて詳細に説明する。
【0021】
連携・独立切替部20は、出力変換部14と電力系統100とを繋ぐ電力供給経路を接続又は切り離すスイッチング機能を有する。電力供給経路を接続することで、システム1は電力系統100との連携状態になり、電力供給経路を切り離すことで、システム1は独立運転を行う。
【0022】
電力変換部10と連携・独立切替部20を制御する制御部30は、情報処理部31と情報記憶部32と情報入力部33を備えており、情報入力部33に入力される情報(データ)と情報記憶部32に記憶された情報(データ)に基づいて、情報処理部31が演算処理を行い、その処理結果に応じて、電力変換部10と連携・独立切替部20の制御を行う。
【0023】
情報入力部33に入力される情報は、リアルタイムで設定時間毎に入力される。入力される情報(入力情報)を例示すると、各種の計測器110からの計測情報、ネットワーク120を介して入力される外部情報、太陽光発電器3の発電量モニタ情報、燃料式発電機4の管理情報、蓄電池2の管理情報、系統連携時の系統電力監視情報、特定負荷101及び負荷102の使用電力情報などである。特に、前述した外部情報は、太陽光発電器3の発電量を予測するための気象情報(天気予報)を含む。
【0024】
制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサや電気回路で演算処理部31を構成し、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリにより情報記憶部32を構成することができ、既知の入力インタフェースによって情報入力部33を構成することができる。また、制御部30が実行する動作の一部又は全部を、ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(field-programmable gate array)やGPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェアにより実現することもできる。そして、制御部30の情報記憶部32は、内部のメモリに外部記憶装置を連携させてデータベースを構築することができると共に、ネットワーク120を介した外部のデータベースと連携することができる。
【0025】
制御部30は、情報処理部31が実行するプログラムによって、図2に示すように、基本電力制御部30A、太陽光発電量モニタ部30B、太陽光発電量予測部30C、系統電力監視部30D、特定負荷使用電力予測部30E、燃料式発電機管理部30F、蓄電池管理部30G、上位電力制御部30Hとして機能する。
【0026】
基本電力制御部30Aは、連携・独立切替部20の切り替えを行って、電力系統100との連携を行うか独立運転するかの選択を行うと共に、複数の電力源と蓄電池2から出力される電力のうち、より安価な電力使用を実現できるように、優先順位を設定して、後述する動作モードを実行する。
【0027】
ここでの優先順位は、太陽光発電器3が出力する電力を第1優先にし、蓄電池2が放電する電力を第2優先にし、第3優先としては、系統連携時は、燃料式発電機4の稼働コストと電力系統100の電力使用料金とを比較し、より安価な方を優先する。独立運転の場合は、燃料式発電機4を稼働して出力する電力を第3優先とする。
【0028】
そして、基本電力制御部30Aの動作モードによると、それぞれの状況で余剰電力が発生した場合には、余剰電力を蓄電池2への充電が可能な場合は蓄電池2へ充電し、充電ができない場合(充電限度を超えている場合や蓄電池2のみから出力する場合など)には、余剰電力は特定負荷101とは別の負荷102で消費する。
【0029】
太陽光発電量モニタ部30Bは、太陽光発電器3から情報入力部33に入力される発電量情報によって、太陽光発電器3の発電量を定期的にモニタリングし、逐次、太陽光発電器3が発電中であるか否かの判断を行う。
【0030】
太陽光発電量予測部30Cは、太陽光発電量モニタ部30Bによりモニタリングされて情報記憶部32に蓄積された、太陽光発電器3の過去の発電量データと、情報入力部33に入力された計測情報(環境情報)や外部情報(天気予報情報など)によって、太陽光発電器3が出力する今後の発電量を予測し、今後の所定タイミングでの発電量が十分か否かの判断を行う。
【0031】
太陽光発電量予測部30Cの具体的な予測工程の一例を示す。第1工程として、ネットワーク120からシステム1の設置場所に近い地点天気予報の情報を取得する。第2工程として、計測器110からシステム1内の環境情報を取得し、システム1の設置場所の実際の天気を把握する。第3工程として、太陽光発電量モニタ部30Bにより当日の太陽光発電量を取得し、太陽光発電器3の現在の発電量を把握する。第4工程として、第1~第3工程で取得した情報をデータベース化する。
【0032】
次に、第1予測として、太陽光発電量予測プログラムを用い、取得した地点天気予報の情報に基づいて発電量1を予測する。更に、第2予測として、第4工程で構築したデータベースと取得した地点天気予報から発電量2を予測する。そして、データベースの蓄積量に基づいて、発電量1と発電量2の重み付を行い、最終的な予測発電量を算出する。
【0033】
これによると、地点天気予報は、システム1の設置場所の天気を直接予報するものでは無いが、地点天気予報とシステム1の設置地点の環境情報から把握する実際の天気とその時にモニタリングされた発電量をデータベース化することで、地点天気予報から予測される発電量をシステム1の設置場所の天気に対応した発電量に近づけることができる。また、データベースの構築量を増やすことで、システム1の設置場所における太陽光発電器3の発電量の予測精度を高めることができる。
【0034】
系統電力監視部30Dは、系統連携時に、電力系統100からシステム1に供給される電力(系統電力使用量)を監視し、系統電力使用量が設定された契約電力(例えば、500kW)を超えそうな状況か否かの判断で、ピークカットの要否を判断する。
【0035】
特定負荷使用電力予測部30Eは、特定負荷101の過去の使用電力を、季節情報や時刻情報や環境情報更にはその他の外部情報と伴にデータベース化し、そのデータベースに基づいて、未来の特定負荷使用電力量を予測する。
【0036】
燃料式発電機管理部30Fは、太陽光発電量予測と特定負荷使用電力予測と前述した優先順位を考慮して、燃料式発電機4の稼働予測を行い、その稼働予測に基づいて、燃料供給のタイミングやメンテンナンスのタイミングを設定する。そして、これらの設定により、後述する上位電力制御部30Hが、燃料の自動発注サービスの実施や、メンテナンス時におけるシステム1を停止させない電力供給管理を行う。
【0037】
蓄電池管理部30Gは、蓄電池2の充放電可否を判断する。また、蓄電池管理部30Gは、蓄電池2の耐久性や安全性を確保することを前提にしつつ、太陽光発電量予測と特定負荷使用電力予測と前述した優先順位を考慮し、太陽光発電器3が出力する安価な電力の余剰電力を極力無駄にしないで蓄電池2に充電できるように、また、各電力源の喪失時におけるシステム1の運転可能時間を最大化できるように、蓄電池2の充放電管理を行う。
【0038】
上記の各部の機能によって、システム1の動作モードは、系統連携時には、図3に示すように、動作モード1~14が設定され、独立運転時には、図4に示すように、動作モード15~22が設定される。各動作モードにおける動作モード特定部15の状態を図5図25に示す。図5図17に示すように、系統連携時の動作モード1~動作モード14では、連携・独立切替部20の切替スイッチ20Aが閉状態になっている。また、図18図25に示すように、独立運転時の動作モード15~動作モード22では、連携・独立切替部20の切替スイッチ20Aが開状態になっている。
【0039】
図3に示すように、系統連携時の動作モード1は、太陽光発電量モニタ部30Bが太陽光発電中(ステップS01:YES)と判断し、系統電力監視部30Dがピークカット必要(ステップS02:YES)と判断し、太陽光発電量予測部30Cが太陽光発電量十分(ステップS03:YES)と判断し、蓄電池管理部30Gが蓄電池充電可能(ステップS04:YES)と判断した場合に実行される。
【0040】
図5に示すように、動作モード1では、太陽光発電器3から出力される電力が、直流電圧変換部12を介して出力変換部14に供給されることで、系統電力を契約電力(例えば、500kW)以下にピークカットしつつ、余剰電力が充放電変換部13に供給されて蓄電池2に充電される。
【0041】
図3に示すように、系統連携時の動作モード2は、太陽光発電量モニタ部30Bが太陽光発電中(ステップS01:YES)と判断し、系統電力監視部30Dがピークカット必要(ステップS02:YES)と判断し、太陽光発電量予測部30Cが太陽光発電量十分(ステップS03:YES)と判断し、蓄電池管理部30Gが蓄電池充電不可能(ステップS04:NO、例えば、蓄電池満充電)と判断した場合に実行される。
【0042】
図6に示すように、動作モード2では、太陽光発電器3から出力される電力が、直流電圧変換部12を介して出力変換部14に供給されることで、系統電力をピークカットし、余剰電力は、特定負荷101とは別の負荷102で消費する。
【0043】
図3に示すように、系統連携時の動作モード3は、太陽光発電量モニタ部30Bが太陽光発電中(ステップS01:YES)と判断し、系統電力監視部30Dがピークカット必要(ステップS02:YES)と判断し、太陽光発電量予測部30Cが太陽光発電量不十分(ステップS03:NO)と判断し、蓄電池管理部30Gが蓄電池放電可能(ステップS05:YES)と判断した場合に実行される。
【0044】
図7に示すように、動作モード3では、太陽光発電器3から出力される電力が、第1優先で、直流電圧変換部12を介して出力変換部14に供給され、第2優先で、蓄電池2から放電される電力が充放電変換部13を介して出力変換部14に供給される。これにより、太陽光発電器3からの電力と蓄電池2が放電する電力で系統電力をピークカットする。
【0045】
図3に示すように、系統連携時の動作モード4は、太陽光発電量モニタ部30Bが太陽光発電中(ステップS01:YES)と判断し、系統電力監視部30Dがピークカット必要(ステップS02:YES)と判断し、太陽光発電量予測部30Cが太陽光発電量不十分(ステップS03:NO)と判断し、蓄電池管理部30Gが蓄電池放電不可能(ステップS05:NO)と判断すると共に蓄電池充電可能(ステップS06:YES)と判断した場合に実行される。
【0046】
図8に示すように、動作モード4では、太陽光発電器3から出力される電力が、第1優先で、直流電圧変換部12を介して出力変換部14に供給され、第2優先で、燃料式発電機4から出力される電力が出力変換部14に供給される。これにより、太陽光発電器3からの電力と燃料式発電機4からの電力で系統電力をピークカットしつつ、余剰電力が充放電変換部13に供給されて蓄電池2に充電される。
【0047】
図3に示すように、系統連携時の動作モード5は、太陽光発電量モニタ部30Bが太陽光発電中(ステップS01:YES)と判断し、系統電力監視部30Dがピークカット必要(ステップS02:YES)と判断し、太陽光発電量予測部30Cが太陽光発電量不十分(ステップS03:NO)と判断し、蓄電池管理部30Gが蓄電池放電不可能(ステップS05:NO)と判断すると共に蓄電池充電不可能(ステップS06:NO)と判断した場合に実行される。
【0048】
図9に示すように、動作モード5では、太陽光発電器3から出力される電力が、第1優先で、直流電圧変換部12を介して出力変換部14に供給され、第2優先で、燃料式発電機4から出力される電力が交流直流変換部11を介して出力変換部14に供給される。これにより、太陽光発電器3からの電力と燃料式発電機4からの電力で系統電力をピークカットする。
【0049】
図3に示すように、系統連携時の動作モード6は、太陽光発電量モニタ部30Bが太陽光発電中(ステップS01:YES)と判断し、系統電力監視部30Dがピークカット不要(ステップS02:NO)と判断し、蓄電池管理部30Gが蓄電池充電可能(ステップS07:YES)と判断した場合に実行される。
【0050】
図10に示すように、動作モード6では、ピークカットの必要性が無いので、太陽光発電器3から出力される電力は、第1優先で、充放電変換部13に供給されて蓄電池2に充電される。そして、第2優先で、太陽光発電器3から出力される電力が出力変換部14に供給される。
【0051】
図3に示すように、系統連携時の動作モード7は、太陽光発電量モニタ部30Bが太陽光発電中(ステップS01:YES)と判断し、系統電力監視部30Dがピークカット不要(ステップS02:NO)と判断し、蓄電池管理部30Gが蓄電池充電不可能(ステップS07:NO)と判断した場合に実行される。
【0052】
図11に示すように、動作モード7では、太陽光発電器3から出力される電力は出力変換部14に供給されるが、系統電力と太陽光発電器3の電力を特定負荷101とその他の負荷102に供給し、余剰電力が生じた場合は負荷102で消費する。
【0053】
図3に示すように、系統連携時の動作モード8は、太陽光発電量モニタ部30Bが太陽光発電していない(ステップS01:NO)と判断し、夜間電力が使用できない場合(ステップS10:NO)であって、系統電力監視部30Dがピークカット必要(ステップS20:YES)と判断し、蓄電池管理部30Gが蓄電池放電可能(ステップS21:YES)と判断した場合に実行される。
【0054】
図12に示すように、動作モード8では、蓄電池2から放電される電力が充放電変換部13を介して出力変換部14に供給される。これにより、蓄電池2が放電する電力で系統電力をピークカットする。
【0055】
図3に示すように、系統連携時の動作モード9は、太陽光発電量モニタ部30Bが太陽光発電していない(ステップS01:NO)と判断し、夜間電力が使用できない場合(ステップS10:NO)であって、系統電力監視部30Dがピークカット必要(ステップS20:YES)と判断し、蓄電池管理部30Gが蓄電池放電不可能(ステップS21:NO)と判断すると共に蓄電池充電可能(ステップS22:YES)と判断した場合に実行される。
【0056】
図13に示すように、動作モード9では、燃料式発電機4から出力される電力が交流直流変換部11を介して出力変換部14に供給される。これにより、燃料式発電機4からの電力で系統電力をピークカットし、余剰電力が充放電変換部13に供給されて蓄電池2に充電される。
【0057】
図3に示すように、系統連携時の動作モード10は、太陽光発電量モニタ部30Bが太陽光発電していない(ステップS01:NO)と判断し、夜間電力が使用できない場合(ステップS10:NO)であって、系統電力監視部30Dがピークカット必要(ステップS20:YES)と判断し、蓄電池管理部30Gが蓄電池放電不可能(ステップS21:NO)と判断すると共に蓄電池充電不可能(ステップS22:NO)と判断した場合に実行される。
【0058】
図14に示すように、動作モード10では、燃料式発電機4から出力される電力が交流直流変換部11を介して出力変換部14に供給される。これにより、燃料式発電機4からの電力で系統電力をピークカットする。
【0059】
図3に示すように、系統連携時の動作モード11は、太陽光発電量モニタ部30Bが太陽光発電していない(ステップS01:NO)と判断し、夜間電力が使用できない場合(ステップS10:NO)であって、系統電力監視部30Dがピークカット不要(ステップS20:NO)と判断し、蓄電池管理部30Gが蓄電池放電可能(ステップS23:YES)と判断した場合に実行される。
【0060】
図15に示すように、動作モード11では、蓄電池2から放電される電力が充放電変換部13を介して出力変換部14に供給され、蓄電池2が放電する電力が特定負荷101に供給される。
【0061】
図3に示すように、系統連携時の動作モード12は、太陽光発電量モニタ部30Bが太陽光発電していない(ステップS01:NO)と判断し、夜間電力が使用できない場合(ステップS10:NO)であって、系統電力監視部30Dがピークカット不要(ステップS20:NO)と判断し、蓄電池管理部30Gが蓄電池放電不可能(ステップS23:NO)と判断した場合に実行される。
【0062】
図16に示すように、動作モード12では、複数の電力源(太陽光発電器3と燃料式発電機4)からの電力及び蓄電池2から放電される電力が使用できない状況であるから、システム1は停止状態になる。
【0063】
図3に示すように、系統連携時の動作モード13は、太陽光発電量モニタ部30Bが太陽光発電していない(ステップS01:NO)と判断し、夜間電力が使用できる場合(ステップS10:YES)であって、蓄電池管理部30Gが蓄電池充電可能(ステップS11:YES)と判断した場合に実行される。図17に示すように、動作モード13では、系統電力の安価な夜間電力を利用して蓄電池2を充電する。
【0064】
図3に示すように、系統連携時の動作モード14は、太陽光発電量モニタ部30Bが太陽光発電していない(ステップS01:NO)と判断し、夜間電力が使用できる場合(ステップS10:YES)であって、蓄電池管理部30Gが蓄電池充電不可能(ステップS11:NO)と判断した場合に実行される。動作モード14では、夜間電力を特定負荷101と負荷102で使用し、システム1は、図16に示すように、停止状態になる。
【0065】
図4に示すように、独立運転時の動作モード15は、太陽光発電量モニタ部30Bが太陽光発電中(ステップS30:YES)と判断し、太陽光発電量予測部30Cが太陽光発電量十分(ステップS31:YES)と判断し、蓄電池管理部30Gが蓄電池充電可能(ステップS32:YES)と判断した場合に実行される。
【0066】
図18に示すように、動作モード15では、太陽光発電器3から出力される電力が、直流電圧変換部12を介して出力変換部14に供給されることで、特定負荷101に電力が供給され、余剰電力が充放電変換部13に供給されて蓄電池2に充電される。
【0067】
図4に示すように、独立運転時の動作モード16は、太陽光発電量モニタ部30Bが太陽光発電中(ステップS30:YES)と判断し、太陽光発電量予測部30Cが太陽光発電量十分(ステップS31:YES)と判断し、蓄電池管理部30Gが蓄電池充電不可能(ステップS32:NO)と判断した場合に実行される。
【0068】
図19に示すように、動作モード16では、太陽光発電器3から出力される電力が、直流電圧変換部12を介して出力変換部14に供給されることで、特定負荷101に電力が供給される。
【0069】
図4に示すように、独立運転時の動作モード17は、太陽光発電量モニタ部30Bが太陽光発電中(ステップS30:YES)と判断し、太陽光発電量予測部30Cが太陽光発電量不十分(ステップS31:NO)と判断し、蓄電池管理部30Gが蓄電池放電可能(ステップS40:YES)と判断した場合に実行される。
【0070】
図20に示すように、動作モード17では、第1優先で、太陽光発電器3から出力される電力が、直流電圧変換部12を介して出力変換部14に供給され、第2優先で、蓄電池2から放電される電力が充放電変換部13を介して出力変換部14に供給されることで、特定負荷101に電力が供給される。
【0071】
図4に示すように、独立運転時の動作モード18は、太陽光発電量モニタ部30Bが太陽光発電中(ステップS30:YES)と判断し、太陽光発電量予測部30Cが太陽光発電量不十分(ステップS31:NO)と判断し、蓄電池管理部30Gが蓄電池放電不可能(ステップS40:NO)と判断すると共に蓄電池充電可能(ステップS41:YES)と判断した場合に実行される。
【0072】
図21に示すように、動作モード18では、第1優先で、太陽光発電器3から出力される電力が、直流電圧変換部12を介して出力変換部14に供給され、第2優先で、燃料式発電機4から出力される電力が交流直流変換部11を介して出力変換部14に供給されて、特定負荷101に電力が供給される。そして、余剰電力が、充放電変換部13を介して蓄電池2に充電される。
【0073】
図4に示すように、独立運転時の動作モード19は、太陽光発電量モニタ部30Bが太陽光発電中(ステップS30:YES)と判断し、太陽光発電量予測部30Cが太陽光発電量不十分(ステップS31:NO)と判断し、蓄電池管理部30Gが蓄電池放電不可能(ステップS40:NO)と判断すると共に蓄電池充電不可能(ステップS41:NO)と判断した場合に実行される。
【0074】
図22に示すように、動作モード19では、第1優先で、太陽光発電器3から出力される電力が、直流電圧変換部12を介して出力変換部14に供給され、第2優先で、燃料式発電機4から出力される電力が交流直流変換部11を介して出力変換部14に供給されて、特定負荷101に電力が供給される。
【0075】
図4に示すように、独立運転時の動作モード20は、太陽光発電量モニタ部30Bが太陽光発電していない(ステップS30:NO)と判断し、蓄電池管理部30Gが蓄電池放電可能(ステップS50:YES)と判断した場合に実行される。
【0076】
図23に示すように、動作モード20では、蓄電池2から放電される電力が充放電変換部13を介して出力変換部14に供給され、蓄電池2が放電する電力が特定負荷101に供給される。
【0077】
図4に示すように、独立運転時の動作モード21は、太陽光発電量モニタ部30Bが太陽光発電していない(ステップS30:NO)と判断し、蓄電池管理部30Gが蓄電池放電不可能(ステップS50:NO)と判断すると共に蓄電池充電可能(ステップS51:YES)と判断した場合に実行される。
【0078】
図24に示すように、動作モード21では、燃料式発電機4から出力される電力が交流直流変換部11を介して出力変換部14に供給されて、特定負荷101に電力が供給され、余剰電力が、充放電変換部13を介して蓄電池2に充電される。
【0079】
図4に示すように、独立運転時の動作モード22は、太陽光発電量モニタ部30Bが太陽光発電していない(ステップS30:NO)と判断し、蓄電池管理部30Gが蓄電池放電不可能(ステップS50:NO)と判断すると共に蓄電池充電不可能(ステップS51:NO)と判断した場合に実行される。
【0080】
図25に示すように、動作モード22では、燃料式発電機4から出力される電力が交流直流変換部11を介して出力変換部14に供給されて、特定負荷101に電力が供給される。
【0081】
制御部30の上位電力制御部30Hは、前述した動作モードの何れかを実行するに際して、太陽光発電量予測部30Cによる太陽光発電量予測と特定負荷使用電力予測部30Eによる特定負荷使用電力の予測に、燃料式発電機管理部30Fによる燃料消費予測(燃料式発電機4の稼働予測)と蓄電池管理部30Gによる蓄電池2の充電率変化予測を加えて、燃料式発電機4に対する燃料の自動発注機能を実現する。
【0082】
燃料の自動発注機能は、より具体的には、燃料式発電機管理部30Fが予測した燃料式発電機4の稼働予測時間から燃料消費量を求め、現時点での燃料式発電機4の残燃料と燃料消費量から残燃料を所定の閾値以下にする日数を計算して、燃料補充日(給油日)を予測する。そして、燃料補充日に対する設定日(例えば、2日)前に、ネットワーク120を介して燃料の自動発注を実施する。この際の設定日(2日)は、自動発注してから実際に燃料が補充されるのに必要な日数である。また、予測した燃料補充日に対して、実際の燃料枯渇が早まった場合であっても、システム1の電力供給が継続されるように、予測した燃料補充日の数日前(例えば、1日前)から蓄電池2の出力のみで電力供給できるように、蓄電池管理部30Gによる蓄電池2の充放電管理を実施する。
【0083】
また、制御部30の上位電力制御部30Hは、燃料式発電機管理部30Fと各部の機能を用いて、燃料式発電機4に対するメンテナンス管理を実施し、メンテナンス時においてシステム1が停止しない制御を行う。ここでは、太陽光発電量予測部30Cの発電量予測を利用して、メンテナンス設定日における燃料式発電機4の運転停止可能期間を求め、これを管理者に告知(表示)する。そして、メンテナンス設定日の前日(前夜)には、蓄電池管理部30Gにより蓄電池2を満充電にして、メンテナンス開始まで蓄電池2の放電を禁止する。
【0084】
制御部30の上位電力制御部30Hは、蓄電池管理部30Gと各部の機能を用いて、蓄電池2の効率的な運用を行う。ここでは、太陽光発電量予測部30Cによって翌日の太陽光発電量を予測すると共に、特定負荷使用電力予測部30Eによって翌日以降の特定負荷101の使用電力量を予測し、翌日の太陽光発電量に余剰電力が生じると予測される場合は、その余剰電力を確実に蓄電池2に充電できるように、蓄電池2の充電率を管理する。具体的には、系統連携時に夜間の系統電力を蓄電池2に充電する場合には、太陽光発電量に余剰電力が生じると予測される場合は、その余剰電力が確実に蓄電池2に充電できる充電率を求めて、夜間系統電力による充電量を設定する。
【0085】
制御部30の上位電力制御部30Hは、蓄電池管理部30Gと各部の機能を用いて、蓄電池2のメンテナンス管理を実施する。ここでは、太陽光発電量予測部30Cの発電量予測を利用し、メンテナンス設定日において、蓄電池2の放電停止可能期間を求め、これを管理者に告知(表示)する。蓄電池2の放電停止可能期間が短い場合には、太陽光発電量予測部30Cにより太陽光発電量が最も高い期間を選択して、メンテナンスの日程調整を行う。メンテナンスの実施日には、蓄電池2の放電停止可能期間を管理者に告知(表示)する。
【0086】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0087】
1:電力供給システム(システム),2:蓄電池,3:太陽光発電器,
4:燃料式発電機,5:電力制御装置,
10:電力変換部,
11:交流直流変換部,12:直流電圧変換部,13:充放電変換部,
14:出力変換部,15:動作モード特定部,
20:連携・独立切替部,30:制御部,
30A:基本電力制御部,30B:太陽光発電量モニタ部,
30C:太陽光発電量予測部,30D:系統電力監視部,
30E:特定負荷使用電力予測部,30F:燃料式発電機管理部,
30G:蓄電池管理部,30H:上位電力制御部,
31:情報処理部,32:情報記憶部,33:情報入力部,
100:電力系統,101:特定負荷,102:負荷,
110:計測器,120:ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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