(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138887
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】タスク通知システムおよびタスク通知方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0631 20230101AFI20241002BHJP
【FI】
G06Q10/0631
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049601
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103090
【弁理士】
【氏名又は名称】岩壁 冬樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124501
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 誠人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大雅
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA09
5L049AA09
(57)【要約】
【課題】仕様変更に限定せずに、プロジェクトに変更が生じた場合に、リスクの大きいタスクを特定できるタスク通知システムを提供する。
【解決手段】リスク算出手段74gは、タスクの規模、タスクと第1プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い、タスクの第1プロジェクトへの影響度、および、第1プロジェクトの予定全体工数からの現在状況の乖離度に基づいて、第1プロジェクトへのタスクのリスクを算出する。また、リスク算出手段74gは、タスクの規模、タスクと第2プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い、タスクの第2プロジェクトへの影響度、および、第2プロジェクトの予定全体工数からの現在状況の乖離度に基づいて、第2プロジェクトへのタスクのリスクを算出する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タスクの規模、前記タスクと第1プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い、前記タスクの前記第1プロジェクトへの影響度、および、前記第1プロジェクトの予定全体工数からの現在状況の乖離度に基づいて、前記第1プロジェクトへの前記タスクのリスクを算出し、
前記タスクの規模、前記タスクと第2プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い、前記タスクの前記第2プロジェクトへの影響度、および、前記第2プロジェクトの予定全体工数からの現在状況の乖離度に基づいて、前記第2プロジェクトへの前記タスクのリスクを算出するリスク算出手段と、
前記第1プロジェクトのタスクの中で、リスクの大きい順に所定数のタスクを選択し、選択したタスクおよびそのリスクを、予め定められた前記第1プロジェクトの関係者の端末に通知し、前記第2プロジェクトのタスクの中で、リスクの大きい順に所定数のタスクを選択し、選択したタスクおよびそのリスクを、予め定められた前記第2プロジェクトの関係者の端末に通知する通知手段とを備える
ことを特徴とするタスク通知システム。
【請求項2】
前記リスク算出手段は、
{(前記タスクの規模*前記タスクと前記第1プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い)+前記第1プロジェクトへの影響度}=Pとしたときに、P*(前記第1プロジェクトの乖離度)+Pを計算することによって、前記第1プロジェクトへの前記タスクのリスクを算出し、
{(前記タスクの規模*前記タスクと前記第2プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い)+前記第2プロジェクトへの影響度}=Qとしたときに、Q*(前記第2プロジェクトの乖離度)+Qを計算することによって、前記第2プロジェクトへの前記タスクのリスクを算出する
請求項1に記載のタスク通知システム。
【請求項3】
各タスクの規模を算出するタスク定量評価手段を備える
請求項1または請求項2に記載のタスク通知システム。
【請求項4】
前記第1プロジェクトの乖離度と、前記第2プロジェクトの乖離度を算出する乖離度算出手段と、
前記タスクと前記第1プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い、および、前記タスクと前記第2プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合いを算出するタスク-プロジェクト間関連度算出手段と、
前記タスクの前記第1プロジェクトへの影響度、および、前記タスクの前記第2プロジェクトへの影響度を算出する影響度算出手段とを備える
請求項3に記載のタスク通知システム。
【請求項5】
コンピュータが、
タスクの規模、前記タスクと第1プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い、前記タスクの前記第1プロジェクトへの影響度、および、前記第1プロジェクトの予定全体工数からの現在状況の乖離度に基づいて、前記第1プロジェクトへの前記タスクのリスクを算出し、
前記タスクの規模、前記タスクと第2プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い、前記タスクの前記第2プロジェクトへの影響度、および、前記第2プロジェクトの予定全体工数からの現在状況の乖離度に基づいて、前記第2プロジェクトへの前記タスクのリスクを算出し、
前記第1プロジェクトのタスクの中で、リスクの大きい順に所定数のタスクを選択し、選択したタスクおよびそのリスクを、予め定められた前記第1プロジェクトの関係者の端末に通知し、前記第2プロジェクトのタスクの中で、リスクの大きい順に所定数のタスクを選択し、選択したタスクおよびそのリスクを、予め定められた前記第2プロジェクトの関係者の端末に通知する
ことを特徴とするタスク通知方法。
【請求項6】
前記コンピュータが、
リスクを算出するときに、
{(前記タスクの規模*前記タスクと前記第1プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い)+前記第1プロジェクトへの影響度}=Pとしたときに、P*(前記第1プロジェクトの乖離度)+Pを計算することによって、前記第1プロジェクトへの前記タスクのリスクを算出し、
{(前記タスクの規模*前記タスクと前記第2プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い)+前記第2プロジェクトへの影響度}=Qとしたときに、Q*(前記第2プロジェクトの乖離度)+Qを計算することによって、前記第2プロジェクトへの前記タスクのリスクを算出する
請求項5に記載のタスク通知方法。
【請求項7】
コンピュータに、
タスクの規模、前記タスクと第1プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い、前記タスクの前記第1プロジェクトへの影響度、および、前記第1プロジェクトの予定全体工数からの現在状況の乖離度に基づいて、前記第1プロジェクトへの前記タスクのリスクを算出し、
前記タスクの規模、前記タスクと第2プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い、前記タスクの前記第2プロジェクトへの影響度、および、前記第2プロジェクトの予定全体工数からの現在状況の乖離度に基づいて、前記第2プロジェクトへの前記タスクのリスクを算出するリスク算出処理、および、
前記第1プロジェクトのタスクの中で、リスクの大きい順に所定数のタスクを選択し、選択したタスクおよびそのリスクを、予め定められた前記第1プロジェクトの関係者の端末に通知し、前記第2プロジェクトのタスクの中で、リスクの大きい順に所定数のタスクを選択し、選択したタスクおよびそのリスクを、予め定められた前記第2プロジェクトの関係者の端末に通知する通知処理
を実行させるためのタスク通知プログラム。
【請求項8】
前記コンピュータに、
前記リスク算出処理で、
{(前記タスクの規模*前記タスクと前記第1プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い)+前記第1プロジェクトへの影響度}=Pとしたときに、P*(前記第1プロジェクトの乖離度)+Pを計算することによって、前記第1プロジェクトへの前記タスクのリスクを算出させ、
{(前記タスクの規模*前記タスクと前記第2プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い)+前記第2プロジェクトへの影響度}=Qとしたときに、Q*(前記第2プロジェクトの乖離度)+Qを計算することによって、前記第2プロジェクトへの前記タスクのリスクを算出させる
請求項7に記載のタスク通知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクトに変更が生じた場合にプロジェクト関係者にタスクを通知するタスク通知システム、タスク通知方法およびタスク通知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクトを開始する際、また、プロジェクト進行最中において、タスクを取捨選択することは必要不可欠な作業である。例えば、プロジェクトメンバに欠員が生じた際に、各プロジェクトにおいて、想定していたタスクのうち、どのタスクから優先的に処理していくかを考える必要がある。
【0003】
どのタスクを取捨選択するのかを、例えば、PMBOK(Project Management Body of Knowledge)のリスク分析手法である発生確率・影響度マトリクスを用いて決定することがある。しかし、発生確率や影響度は、プロジェクトで共通の指標ではなく、プロジェクト毎にリスクの発生確率や影響度を定義する必要がある。そして、人(例えば、プロジェクトマネージャ)が、過去のノウハウをもとに、リスクの発生確率や影響度の程度を決定する。そのため、リスクの発生確率や影響度の程度は、人毎に異なり、タスクの取捨選択を客観的に行うことは難しい。
【0004】
特許文献1には、プロジェクトの仕様変更を行うことによるリスクを算出する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の技術では、プロジェクトの仕様変更を行う際に生じるリスクしか算出しない。そのため、仕様変更以外の変更に応じたリスクは算出できない。
【0007】
仕様変更に限定せずに、プロジェクトに変更が生じた場合に、リスクの大きいタスクを特定できることが好ましい。ここでいうリスクは、各プロジェクトの納期や予算に関するリスクである。
【0008】
そこで、本発明は、仕様変更に限定せずに、プロジェクトに変更が生じた場合に、リスクの大きいタスクを特定できるタスク通知システム、タスク通知方法およびタスク通知プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるタスク通知システムは、タスクの規模、タスクと第1プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い、タスクの第1プロジェクトへの影響度、および、第1プロジェクトの予定全体工数からの現在状況の乖離度に基づいて、第1プロジェクトへのタスクのリスクを算出し、タスクの規模、タスクと第2プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い、タスクの第2プロジェクトへの影響度、および、第2プロジェクトの予定全体工数からの現在状況の乖離度に基づいて、第2プロジェクトへのタスクのリスクを算出するリスク算出手段と、第1プロジェクトのタスクの中で、リスクの大きい順に所定数のタスクを選択し、選択したタスクおよびそのリスクを、予め定められた第1プロジェクトの関係者の端末に通知し、第2プロジェクトのタスクの中で、リスクの大きい順に所定数のタスクを選択し、選択したタスクおよびそのリスクを、予め定められた第2プロジェクトの関係者の端末に通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明によるタスク通知方法は、コンピュータが、タスクの規模、タスクと第1プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い、タスクの第1プロジェクトへの影響度、および、第1プロジェクトの予定全体工数からの現在状況の乖離度に基づいて、第1プロジェクトへのタスクのリスクを算出し、タスクの規模、タスクと第2プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い、タスクの第2プロジェクトへの影響度、および、第2プロジェクトの予定全体工数からの現在状況の乖離度に基づいて、第2プロジェクトへのタスクのリスクを算出し、第1プロジェクトのタスクの中で、リスクの大きい順に所定数のタスクを選択し、選択したタスクおよびそのリスクを、予め定められた第1プロジェクトの関係者の端末に通知し、第2プロジェクトのタスクの中で、リスクの大きい順に所定数のタスクを選択し、選択したタスクおよびそのリスクを、予め定められた第2プロジェクトの関係者の端末に通知することを特徴とする。
【0011】
本発明によるタスク通知プログラムは、コンピュータに、タスクの規模、タスクと第1プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い、タスクの第1プロジェクトへの影響度、および、第1プロジェクトの予定全体工数からの現在状況の乖離度に基づいて、第1プロジェクトへのタスクのリスクを算出し、タスクの規模、タスクと第2プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い、タスクの第2プロジェクトへの影響度、および、第2プロジェクトの予定全体工数からの現在状況の乖離度に基づいて、第2プロジェクトへのタスクのリスクを算出するリスク算出処理、および、第1プロジェクトのタスクの中で、リスクの大きい順に所定数のタスクを選択し、選択したタスクおよびそのリスクを、予め定められた第1プロジェクトの関係者の端末に通知し、第2プロジェクトのタスクの中で、リスクの大きい順に所定数のタスクを選択し、選択したタスクおよびそのリスクを、予め定められた第2プロジェクトの関係者の端末に通知する通知処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、仕様変更に限定せずに、プロジェクトに変更が生じた場合に、リスクの大きいタスクを特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態のタスク通知システムの構成例を示すブロック図である。
【
図3】プロジェクトA-プロジェクトB間関連度の例を示す模式図である。
【
図5】タスク-プロジェクトA間関連度、および、タスク-プロジェクトB間関連度の例を示す模式図である。
【
図6】タスクのプロジェクトAへの影響度、および、タスクのプロジェクトBへの影響度の例を示す模式図である。
【
図7】プロジェクトAへのタスクのリスク、および、プロジェクトBへのタスクのリスクを示す模式図である。
【
図8】本発明の実施形態の処理経過の例を示すフローチャートである。
【
図9】本発明のタスク通知システムに係るコンピュータの構成例を示す概略ブロック図である。
【
図10】本発明のタスク通知システムの概要を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態のタスク通知システムの構成例を示すブロック図である。本実施形態のタスク通知システムは、入力部11と、入力情報補間部13と、制御部14と、記憶部15と、通知部16と、出力部17とを備える。
【0016】
また、制御部14は、タスク検索部14aと、乖離度算出部14bと、プロジェクト間関連度算出部14cと、タスク定量評価部14dと、タスク-プロジェクト間関連度算出部14eと、影響度算出部14fと、リスク算出部14gとを備える。
【0017】
記憶部15は、例えば、制御部14が生成する種々の情報等を記憶する記憶装置である。
【0018】
入力部11には、取捨選択の候補のタスク、もしくは、プロジェクトの現在状況、対象のプロジェクトAの名称、および、影響する可能性があるプロジェクトBの名称が入力される入力インタフェース(例えば、キーボード等)である。以下、プロジェクトの現在状況をプロジェクトのステータスと記す場合がある。また、プロジェクトAを、第1プロジェクトと称してもよく、プロジェクトBを第2プロジェクトと称してもよい。なお、取捨選択の候補のタスクは、プロジェクトAのタスクである。
【0019】
本実施形態では、入力部11に、プロジェクトの現在状況、対象のプロジェクトAの名称、および、影響する可能性があるプロジェクトBの名称が入力される場合を例にして説明する。具体的には、本実施形態では、プロジェクトA、プロジェクトBに属しているプロジェクトメンバSが急遽12月1日から1月1日の1カ月の間、仕事に来られなくなった場合を想定する。この場合、入力部11に、プロジェクトAの名称、プロジェクトBの名称が入力され、また、プロジェクトのステータスとして「プロジェクトメンバSが急遽12月1日から1月1日の1カ月の間、仕事に来られなくなった」という情報が入力される。
【0020】
入力情報補間部13は、統計処理を用いて関連語の抽出を行うシソーラス(類語辞典)を構築する機能や、入力情報の文章をコンピュータが意味から判断するセマンティック技術を用いて、入力部11に入力された情報を補間する。
【0021】
本例では、入力情報補間部13は、シソーラスを構築する機能を活用して、プロジェクトAの正式名称、および、プロジェクトBの正式名称を抽出する。また、入力情報補間部13は、入力された「プロジェクトメンバSが急遽12月1日から1月1日の1カ月の間、仕事に来られなくなった」という情報から、「プロジェクトメンバS」、「12月1日から1月1日の間」、「仕事に来られなくなった」という情報を抽出する。入力情報補間部13は、セマンティック技術やシソーラスを構築する機能を活用して、「仕事に来られなくなった」という情報から「欠員」、「工数が-30h(メンバが一人欠員したときの全体の工数の1か月あたりの減り)」等の情報を補間する。そして、入力情報補間部13は、「仕事に来られなくなった」、「欠員」、「工数が-30h(メンバが一人欠員したときの全体の工数の1か月あたりの減り)」という情報を、ステータスID「10001」で統合する。
【0022】
タスク検索部14aは、入力情報およびその入力情報に補間された情報に基づいて、タスクを検索する。タスク検索部14aは、プロジェクトAのタスクとプロジェクトBのタスクの両方を検索する。
【0023】
タスク検索部14aは、共有ファイルサーバ内の文書から各タスク情報記載の文書およびタスクの記載箇所を検索する。本例では、タスク検索部14aは、プロジェクトAの正式名称およびプロジェクトBの正式名称から、プロジェクトAのデータ群、および、プロジェクトBのデータ群を特定する。なお、各プロジェクトのデータ群は、予め記憶部15に格納されている。また、タスク検索部14aは、ステータスID「10001」から、WBS(Work Breakdown Structure)、計画表を検索し、そのWBS、計画表から、12月1日から1月1日の間の記載がある箇所を検索する。そして、本例では、タスク検索部14aは、その箇所に記載された「保守マニュアルの作成」、「総合テスト結果報告書作成」、「詳細設計書の変更管理」という各タスクを検索したものする。
【0024】
なお、タスク通知システムは、どのデータがプロジェクトAのデータであるか、どのデータがプロジェクトBのデータであるか、どのタスクがプロジェクトAのタスクであるか等を判断する必要がある。このような判断を可能にするために、文書は、例えば、クラスタリングによって事前に分類されている。文書は、文書とクラスとの関係性を学習させた学習器によって、事前に分類されていてもよい。
【0025】
乖離度算出部14bは、プロジェクトAおよびプロジェクトBに関して、プロジェクトの予定全体工数からの現在状況の乖離度を算出する。例えば、プロジェクトメンバに欠員が出た場合、乖離度はより大きい数値で算出される。
【0026】
図2は、乖離度の例を示す模式図である。例えば、
図2に示す予定全体工数、1カ月当たりのプロジェクトメンバSの予定工数、プロジェクトメンバの役割は、例えば、事前に記憶部15に格納されている。本例では、重みは2.0~5.0の範囲の値であるものとする。重みの値は、プロジェクトメンバSの役割に応じて定められる。プロジェクトメンバSの役割が新人の場合、重みは2.0であるものとする(
図2参照)。
【0027】
本例では、プロジェクトメンバSが欠員となった場合、プロジェクトAでは、200hのうち10hが失われることになるため、10/200=0.05の割合だけ、予定全体工数よりずれることになる。プロジェクトBでは、100hのうち10hが失われることになるため、10/100=0.1の割合だけ、予定全体工数よりずれることになる。乖離度算出部14bは、上記の割合に、重みを乗算した結果を乖離度として算出する。すなわち、プロジェクトAの乖離度は、0.05*2.0=0.1であり、プロジェクトBの乖離度は、0.1*2.0=0.2である。
【0028】
乖離度算出部14bは、算出した乖離度を含む
図2に例示する情報を、記憶部15に格納する。
【0029】
プロジェクト間関連度算出部14cは、プロジェクトAとプロジェクトBが互いに影響を及ぼす度合いであるプロジェクト間関連度を算出する。以下、プロジェクト間関連度を、プロジェクトA-プロジェクトB間関連度と記す場合がある。
【0030】
図3は、プロジェクトA-プロジェクトB間関連度の例を示す模式図である。プロジェクト間関連度算出部14cは、プロジェクトAにおける文書と、プロジェクトBにおける文書を、工程毎(換言すればドキュメントID毎)にグループ分けし、同じ工程の文書同士を、「文書記載内容」、「全体期間」、「主要部署」および「顧客情報」の観点で比較し、評点を求め、評点小計を求める。
図3に示す例では、プロジェクト間関連度算出部14cは、プロジェクトAにおける文書と、プロジェクトBにおける文書を、ドキュメントID11001から11023にグループ分けする。そして、プロジェクト間関連度算出部14cは、プロジェクトAのドキュメントID11001の文書と、プロジェクトBのドキュメントID11001の文書とを、「文書記載内容」、「全体期間」、「主要部署」および「顧客情報」の観点で比較し、評点を定め、評点小計を求める。プロジェクト間関連度算出部14cは、他のドキュメントIDに関しても同様の処理を行う。
【0031】
プロジェクト間関連度算出部14cは、「文書記載内容」に関しては、プロジェクトAの文書の内容と、プロジェクトBの文書の内容とが類似しているほど、評点を高く定める。本例では、「文書記載内容」の評点は、0~15の範囲の値として定められるものとする。
【0032】
プロジェクト間関連度算出部14cは、「全体期間」に関しては、プロジェクトAの文書の作成に必要な期間と、プロジェクトBの文書の作成に必要な期間とを比較し、重複している期間が長いほど、評点を高く定める。
【0033】
「主要部署」に関しては、プロジェクトAの主要部署とプロジェクトBの主要部署との関係性が近いほど、高い評点が定められる。主要部署が一致する場合には、最も高い評点となる。
【0034】
「顧客情報」に関しては、プロジェクトAの顧客情報とプロジェクトBの顧客情報との関係性が近いほど、高い評点が定められる。顧客情報が一致する場合には、最も高い評点となる。
【0035】
本例では、「主要部署」および「顧客情報」の評点は、事前に定められているものとする。
【0036】
また、本例では、「全体期間」、「主要部署」および「顧客情報」の評点は、0~5の範囲の値として定められるものとする。従って、評点小計の上限値は、15+5+5+5=30である。
【0037】
プロジェクト間関連度算出部14cは、ドキュメントID毎に、「評点小計の上限値」に対する「評点小計」の割合を算出し、その割合をプロジェクト間関連度(プロジェクトA-プロジェクトB間関連度)と定める。例えば、ドキュメントID11001の場合、評点小計が23であるのでは、プロジェクト間関連度算出部14cは、(23/30)*100=76.7%を、プロジェクトA-プロジェクトB間関連度として算出する。他のドキュメントIDに関しても、同様に、プロジェクトA-プロジェクトB間関連度が算出される。
【0038】
プロジェクト間関連度算出部14cは、算出したプロジェクトA-プロジェクトB間関連度を含む
図3に例示する情報を記憶部15に格納する。
【0039】
タスク定量評価部14dは、タスク検索部14aによって検索されたタスク「保守マニュアルの作成」、「総合テスト結果報告書作成」、「詳細設計書の変更管理」から、前述のセマンティック技術を用いて「保守マニュアル」、「総合テスト結果報告書」、「詳細設計書」、「詳細設計書の変更履歴」の各ドキュメントを検索する。そして、タスク定量評価部14dは、そのドキュメントから定まるタスク毎に、「情報量」、「累積編集時間」、「顧客情報」、「協力部署」、「重要性」の観点から、それぞれの評点を求め、その評点計を、タスクの規模として算出する。
図4は、タスクの規模の例を示す模式図である。
【0040】
ドキュメントの情報量が多いほど「情報量」の評点は高く定められる。ドキュメントの累積編集時間が長いほど「累積編集時間」の評点は高く定められる。ドキュメントに対応する顧客情報の情報量が多いほど「顧客情報」の評点は高く定められる。ドキュメントに対応する協力部署の情報量が多いほど「協力部署」の評点は高く定められる。また、ドキュメントの重要性が高いほど「重要性」の評点は高く定められる。例えば、ドキュメントが客先提出ドキュメントである場合には、「重要性」の評点は高く定められる。
【0041】
本例では、「情報量」、「累積編集時間」、「顧客情報」、「協力部署」、「重要性」の評点は、0~5の範囲の値として定められるものとする。
【0042】
タスク定量評価部14dは、タスク毎に、「情報量」、「累積編集時間」、「顧客情報」、「協力部署」、「重要性」それぞれの評点を定め、その評点計を、タスクの規模として算出する。例えば、ドキュメントID11023の保守マニュアルの作成というタスクに関しては、タスクの規模を4+4+5+4+5=22として算出する。本例では、タスクの規模の最大値は25である。
【0043】
なお、「詳細設計書」に関しては変更を管理するものであるので、変更履歴が生じた時点以降の情報が、評点の評価の対象となる。
【0044】
タスク定量評価部14dは、算出したタスクの規模を含む
図4に例示する情報を記憶部15に格納する。
【0045】
タスク-プロジェクト間関連度算出部14eは、タスクとプロジェクトAが互いに影響を及ぼす度合い、および、タスクとプロジェクトBが互いに影響を及ぼす度合いを算出する。以下、タスクとプロジェクトAが互いに影響を及ぼす度合いを、タスク-プロジェクトA間関連度と記し、タスクとプロジェクトBが互いに影響を及ぼす度合いを、タスク-プロジェクトB間関連度と記す場合がある。
図5は、タスク-プロジェクトA間関連度、および、タスク-プロジェクトB間関連度の例を示す模式図である。
【0046】
本例では、タスク-プロジェクト間関連度算出部14eは、「保守マニュアルの作成」、「総合テスト結果報告書作成」、「詳細設計書の変更管理」というタスクとプロジェクトAが互いに影響を及ぼす度合いを算出する。また、タスク-プロジェクト間関連度算出部14eは、これらのタスクとプロジェクトBが互いに影響を及ぼす度合いを算出する。
【0047】
タスク-プロジェクト間関連度算出部14eは、タスクの規模の最大値に対するタスクの規模の割合を、タスク-プロジェクトA間関連度として算出する。前述のように、本例では、タスクの規模の最大値は25である。従って、ドキュメントIDが11023の場合、タスク-プロジェクト間関連度算出部14eは、タスク-プロジェクトA間関連度として、(22/25)*100=88.0%を算出する。タスク-プロジェクト間関連度算出部14eは、他のタスクに関しても同様に、タスク-プロジェクトA間関連度を算出する。
【0048】
また、タスク-プロジェクト間関連度算出部14eは、タスク-プロジェクトA間関連度と、プロジェクトA-プロジェクトB間関連度との積を、タスク-プロジェクトB間関連度として算出する。例えば、キュメントIDが11023の場合、プロジェクトA-プロジェクトB間関連度は、80%=0.8である。従って、タスク-プロジェクト間関連度算出部14eは、タスク-プロジェクトB間関連度を、88.0%*0.8=70.4%として算出する(
図5参照)。タスク-プロジェクト間関連度算出部14eは、他のタスクに関しても同様に、タスク-プロジェクトB間関連度を算出する。
【0049】
プロジェクトAとプロジェクトBで共通したタスク、ドキュメントがない場合には、タスク-プロジェクト間関連度算出部14eは、タスクの規模の合計値(
図5に示す例では72)に基づいて得られたタスク-プロジェクトA間関連度(
図5に示す例では72%)を用いて、タスク-プロジェクトB間関連度を算出する。仮に、ドキュメントID11023がプロジェクトAにはあり、プロジェクトBにはないとする。この場合、タスク-プロジェクト間関連度算出部14eは、タスク-プロジェクトA間関連度として72.0%を用いてタスク-プロジェクトB間関連度を算出する。
【0050】
また、あるドキュメントと関連性のあるドキュメントが存在する場合には、タスク-プロジェクト間関連度算出部14eは、そのドキュメントに対応するプロジェクトA-プロジェクトB間関連度を用いてもよい。本例では、ドキュメントID12003の「詳細設計書 変更履歴」が、プロジェクトAにはあるが、プロジェクトBにはないとする。また、ドキュメントID11003の「詳細設計書」は、ドキュメントID12003の「詳細設計書 変更履歴」との関連性が強いと判断されたとする。この場合、タスク-プロジェクト間関連度算出部14eは、ドキュメントID12003に対応するタスク-プロジェクトB間関連度を算出する際に、ドキュメントID11003に対応するプロジェクトA-プロジェクトB間関連度を用いる(
図5参照)。
【0051】
タスク-プロジェクト間関連度算出部14eは、タスク-プロジェクトA間関連度、および、タスク-プロジェクトB間関連度を含む
図5に例示する情報を記憶部15に格納する。
【0052】
影響度算出部14fは、タスクのプロジェクトAへの影響度、および、タスクのプロジェクトBへの影響度を算出する。
図6は、タスクのプロジェクトAへの影響度、および、タスクのプロジェクトBへの影響度の例を示す模式図である。
【0053】
影響度算出部14fは、プロジェクト全体における各タスクの作業時間の占める割合である「作業工数比率」、ユーザ入力時点からプロジェクトが完了するまでの期間である「期間」、「プロジェクトA全体の規模」、各タスクによって影響を受けた結果、想定される損益である「損益」に対して、それぞれ評点を付与する。本例では、「作業工数比率」、「期間」、「プロジェクトA全体の規模」および「損益」の評点は、0~5の範囲の値として定められるものとする。従って、評点計の上限値は、5+5+5+5=20である。
【0054】
「作業工数比率」の例として、例えば、「保守マニュアル作成はプロジェクトA全体において、7%の作業時間を占める」という内容等が挙げられる。影響度算出部14fは、このような内容に応じて、「作業工数比率」の評点を定める。
【0055】
「期間」の例として、「ユーザ入力時点からプロジェクトが完了するまでの期間の全期間に対する比率が15%である」という内容等が挙げられる。影響度算出部14fは、このような内容に応じて、「期間」の評点を定める。
【0056】
「プロジェクトA全体の規模」の例として、例えば、「プロジェクトA全体の規模が10人月である」という内容等が挙げられる。影響度算出部14fは、このような内容に応じて、「プロジェクトA全体の規模」の評点を定める。
【0057】
「損益」の例として、例えば、「保守マニュアルが期日までに作成できない場合、約1000万円の損失」という内容等が挙げられる。影響度算出部14fは、このような内容に応じて、「損益」の評点を定める。
【0058】
影響度算出部14fは、「作業工数比率」、「期間」、「プロジェクトA全体の規模」および「損益」の評点計を算出し、その評点計をタスクのプロジェクトAへの影響度とする。例えば、ドキュメントIDが11023の場合、4+4+5+4=17を、プロジェクトAへの影響度ととして算出する。影響度算出部14fは、他のタスクに関しても、同様に、プロジェクトAへの影響度を算出する。
【0059】
また、影響度算出部14fは、タスクのプロジェクトAへの影響度と、プロジェクトA-プロジェクトB間関連度との積を、タスクのプロジェクトBへの影響度として算出する。例えば、ドキュメントIDが11023の場合、プロジェクトAへの影響度は、上記のように「17」である。また、この場合、プロジェクトA-プロジェクトB間関連度は、80%=0.8である(
図6において図示略)。従って、ドキュメントIDが11023の場合、影響度算出部14fは、タスクのプロジェクトBへの影響度を、17*0.8=13.6として算出する。影響度算出部14fは、他のタスクに関しても、同様に、プロジェクトBへの影響度を算出する。
【0060】
影響度算出部14fは、タスクのプロジェクトAへの影響度、および、タスクのプロジェクトBへの影響度を含む
図6に例示する情報を、記憶部15に格納する。
【0061】
リスク算出部14gは、プロジェクトAへのタスクのリスク、および、プロジェクトBへのタスクのリスクを算出する。
【0062】
リスク算出部14gは、タスクの規模、タスク-プロジェクトA間関連度(タスクとプロジェクトAが互いに影響を及ぼす度合い)、プロジェクトAへの影響度、および、プロジェクトAの乖離度に基づいて、プロジェクトAへのタスクのリスクを算出する。
【0063】
また、リスク算出部14gは、タスクの規模、タスク-プロジェクトB間関連度(タスクとプロジェクトBが互いに影響を及ぼす度合い)、プロジェクトBへの影響度、および、プロジェクトBの乖離度に基づいて、プロジェクトBへのタスクのリスクを算出する。
【0064】
図7は、プロジェクトAへのタスクのリスク(タスクがプロジェクトAに与えるリスク)、および、プロジェクトBへのタスクのリスク(タスクがプロジェクトBに与えるリスク)を示す模式図である。
図7を参照して、より具体的に、説明する。
【0065】
まず、プロジェクトAへのタスクのリスクについて、説明する。リスク算出部14gは、乖離度を加味しないプロジェクトAへのリスク(Pとする。)を、P={(タスクの規模*タスク-プロジェクトA間関連度)+プロジェクトAへの影響度}の計算によって求める。
図7に示すドキュメントID11023の例では、P=22*0.88+17=36.4となる。リスク算出部14gは、Pを算出した後、P*(プロジェクトAの乖離度)+Pの計算によって、最終的なリスク(乖離度を加味したリスク)を算出する。
図7に示すドキュメントID11023の例では、36.4*0.1+36.4=40.00となる。リスク算出部14gは、他のタスクに関しても同様に、プロジェクトAへの最終的なリスクを算出する。
【0066】
次に、プロジェクトBへのタスクのリスクについて、説明する。リスク算出部14gは、乖離度を加味しないプロジェクトBへのリスク(Qとする。)を、Q={(タスクの規模*タスク-プロジェクトB間関連度)+プロジェクトBへの影響度}の計算によって求める。
図7に示すドキュメントID11023の例では、Q=(22*0.704)+(13.6)=29.1となる。リスク算出部14gは、Qを算出した後、Q*(プロジェクトBの乖離度)+Qの計算によって、最終的なリスク(乖離度を加味したリスク)を算出する。
図7に示すドキュメントID11023の例では、29.1*0.2+29.1=34.91となる。リスク算出部14gは、他のタスクに関しても同様に、プロジェクトBへの最終的なリスクを算出する。
【0067】
リスク算出部14gは、プロジェクトAへのタスクのリスク、および、プロジェクトBへのタスクのリスクを含む
図7に示す情報を、記憶部15に格納する。
【0068】
通知部16は、プロジェクトAのタスクの中で、リスクの大きい順に所定数(例えば、5個)のタスクを選択し、選択したタスクおよびそのリスクを、予め定められたプロジェクトAの関係者の端末に通知する。通知部16は、プロジェクトAのタスクの中でリスクが最も大きいタスクおよびそのリスクを、予め定められたプロジェクトAの関係者の端末に通知してもよい。これは、上記の所定数が1である場合に該当する。同様に、通知部16は、プロジェクトBのタスクの中で、リスクの大きい順に所定数(例えば、5個)のタスクを選択し、選択したタスクおよびそのリスクを、予め定められたプロジェクトBの関係者の端末に通知する。通知部16は、プロジェクトBのタスクの中でリスクが最も大きいタスクおよびそのリスクを、予め定められたプロジェクトBの関係者の端末に通知してもよい。これは、上記の所定数が1である場合に該当する。
【0069】
本例では、「プロジェクトメンバSが急遽12月1日から1月1日の1カ月の間、仕事に来られなくなった」等の情報の入力に対して、通知部16は、「詳細設計書の変更履歴作成」というタスクおよびそのリスク18.44(
図7参照)を、予め定められたプロジェクトAの関係者の端末に通知する。同様に、通知部16は、「詳細設計書の変更履歴作成」というタスクおよびそのリスク9.94(
図7参照)を、予め定められたプロジェクトBの関係者の端末に通知する。プロジェクトAの関係者の端末に通知するタスクと、プロジェクトBの関係者の端末に通知するタスクとが異なることがあってもよい。
【0070】
出力部17は、通知部16が予め定められたプロジェクトAの関係者の端末および予め定められたプロジェクトBの関係者の端末に通知した内容を、例えば、入力部11に入力された情報とともに、ディスプレイ装置(図示略)に表示する。
【0071】
通知部16は、例えば、タスク通知プログラムに従って動作するコンピュータのCPU(Central Processing Unit )、および、そのコンピュータの通信インタフェースによって実現される。この場合、CPUが、コンピュータのプログラム記憶装置等のプログラム記録媒体からタスク通知プログラムを読み込み、そのプログラムに従って、通信インタフェースを用いて、通知部16として動作すればよい。
【0072】
また、入力情報補間部13、制御部14および出力部17は、例えば、タスク通知プログラムに従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。この場合、CPUが上記のように、コンピュータのプログラム記憶装置等のプログラム記録媒体からタスク通知プログラムを読み込み、そのプログラムに従って、入力情報補間部13、制御部14および出力部17として動作すればよい。
【0073】
記憶部15は、例えば、コンピュータが備える記憶装置によって実現される。
【0074】
次に、処理経過について説明する。
図8は、本発明の実施形態の処理経過の例を示すフローチャートである。既に説明した事項については、詳細な説明を省略する。
【0075】
情報が入力されると、入力情報補間部13が、入力された情報を補間する(ステップS1)。
【0076】
次に、タスク検索部14aが、タスクを検索する(ステップS2)。
【0077】
次に、乖離度算出部14bが、プロジェクトA、プロジェクトBの乖離度をそれぞれ算出する(ステップS3)。
【0078】
次に、プロジェクト間関連度算出部14cが、プロジェクトA-プロジェクトB間関連度を算出する(ステップS4)。
【0079】
次に、タスク定量評価部14dが、各タスクの規模を算出する(ステップS5)。
【0080】
次に、タスク-プロジェクト間関連度算出部14eが、タスク-プロジェクトA間関連度、および、タスク-プロジェクトB間関連度を算出する(ステップS6)。
【0081】
次に、影響度算出部14fが、タスクのプロジェクトAへの影響度、および、タスクのプロジェクトBへの影響度を算出する(ステップS7)。
【0082】
次に、リスク算出部14gが、プロジェクトAへのタスクのリスク、および、プロジェクトBへのタスクのリスクを算出する(ステップS8)。
【0083】
次に、通知部16が、プロジェクト毎に、リスクの大きい順に所定数のタスクを選択し、選択したタスクおよびそのリスクを、関係者の端末に通知する(ステップS9)。
【0084】
次に、出力部17が、ステップS9で通知した内容をディスプレイ装置(図示略)に表示する(ステップS10)。
【0085】
本実施形態のタスク通知システムによれば、仕様変更に限定せずに、プロジェクトに変更が生じた場合に、リスクの大きいタスクを特定できる。
【0086】
また、プロジェクトAおよびプロジェクトBへのリスクが大きい作業を、ユーザが定量的に把握することができる。
【0087】
また、仕様変更に限定せずに、プロジェクトに変更が生じた場合に、プロジェクトへのリスクを算出することができる。
【0088】
また、プロジェクトAのタスクがプロジェクトBに及ぼすリスクを客観的に算出することができる。
【0089】
また、プロジェクトの変更が急遽起こったとしても、取りやめるアクションを迅速に導き出すことができる。
【0090】
また、プロジェクトAとプロジェクトBの関連度をユーザが定量的に把握することができる。
【0091】
図9は、本発明のタスク通知システムに係るコンピュータの構成例を示す概略ブロック図である。コンピュータ2000は、CPU2001と、主記憶装置2002と、補助記憶装置2003と、インタフェース2004と、入力インタフェース2005と、通信インタフェース2006とを備える。
【0092】
本発明の実施形態のタスク通知システムは、例えば、コンピュータ2000によって実現される。タスク通知システムの動作は、プログラム(タスク通知プログラム)の形式で補助記憶装置2003に記憶されている。CPU2001は、そのプログラムを補助記憶装置2003から読み出し、そのプログラムを主記憶装置2002に展開し、そのプログラムに従って、上記の実施形態で説明した処理を実行する。
【0093】
補助記憶装置2003は、一時的でない有形の媒体の例である。一時的でない有形の媒体の他の例として、インタフェース2004を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory )、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory )、半導体メモリ等が挙げられる。
【0094】
次に、本発明の概要について説明する。
図10は、本発明のタスク通知システムの概要を示すブロック図である。本発明のタスク通知システムは、リスク算出手段74gと、通知手段76とを備える。
【0095】
リスク算出手段74g(例えば、リスク算出部14g)は、タスクの規模、タスクと第1プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い、タスクの第1プロジェクトへの影響度、および、第1プロジェクトの予定全体工数からの現在状況の乖離度に基づいて、第1プロジェクトへのタスクのリスクを算出し、タスクの規模、タスクと第2プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い、タスクの第2プロジェクトへの影響度、および、第2プロジェクトの予定全体工数からの現在状況の乖離度に基づいて、第2プロジェクトへのタスクのリスクを算出する。
【0096】
通知手段76(例えば、通知部16)は、第1プロジェクトのタスクの中で、リスクの大きい順に所定数のタスクを選択し、選択したタスクおよびそのリスクを、予め定められた第1プロジェクトの関係者の端末に通知し、第2プロジェクトのタスクの中で、リスクの大きい順に所定数のタスクを選択し、選択したタスクおよびそのリスクを、予め定められた第2プロジェクトの関係者の端末に通知する。
【0097】
そのような構成によって、仕様変更に限定せずに、プロジェクトに変更が生じた場合に、リスクの大きいタスクを特定できる。
【0098】
また、リスク算出手段74gは、
{(タスクの規模*タスクと第1プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い)+第1プロジェクトへの影響度}=Pとしたときに、P*(第1プロジェクトの乖離度)+Pを計算することによって、第1プロジェクトへのタスクのリスクを算出し、
{(タスクの規模*タスクと第2プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い)+第2プロジェクトへの影響度}=Qとしたときに、Q*(第2プロジェクトの乖離度)+Qを計算することによって、第2プロジェクトへのタスクのリスクを算出してもよい。
【0099】
また、各タスクの規模を算出するタスク定量評価手段(例えば、タスク定量評価部14d)を備えていてもよい。
【0100】
また、第1プロジェクトの乖離度と、第2プロジェクトの乖離度を算出する乖離度算出手段(例えば、乖離度算出部14b)と、タスクと第1プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合い、および、タスクと第2プロジェクトが互いに影響を及ぼす度合いを算出するタスク-プロジェクト間関連度算出手段(例えば、タスク-プロジェクト間関連度算出部14e)と、タスクの第1プロジェクトへの影響度、および、タスクの第2プロジェクトへの影響度を算出する影響度算出手段(例えば、影響度算出部14f)とを備えていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、プロジェクトに変更が生じた場合にプロジェクト関係者にタスクを通知するタスク通知システムに好適に適用される。
【符号の説明】
【0102】
11 入力部
13 入力情報補間部
14 制御部
14a タスク検索部
14b 乖離度算出部
14c プロジェクト間関連度算出部
14d タスク定量評価部
14e タスク-プロジェクト間関連度算出部
14f 影響度算出部
14g リスク算出部
15 記憶部
16 通知部
17 出力部