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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138896
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】検出装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/70 20230101AFI20241002BHJP
   G06V 10/141 20220101ALI20241002BHJP
   G06V 20/69 20220101ALI20241002BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20241002BHJP
   G06V 40/145 20220101ALI20241002BHJP
   G06V 40/13 20220101ALI20241002BHJP
   H04N 23/54 20230101ALI20241002BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20241002BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
H04N25/70
G06V10/141
G06V20/69
G06T7/00 630
G06V40/145
G06V40/13
H04N23/54
H01L27/146 C
C12M1/34 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049613
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 薫
(72)【発明者】
【氏名】藤沢 晃彦
(72)【発明者】
【氏名】安部 大智
【テーマコード(参考)】
4B029
4M118
5C024
5C122
5L096
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029BB01
4B029BB02
4B029FA01
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA05
4M118CA05
4M118CB06
4M118CB14
4M118CB20
4M118FB03
4M118FB09
4M118FB13
4M118FB16
4M118FB24
4M118HA25
4M118HA26
4M118HA27
5C024AX02
5C024CX43
5C024GX03
5C024GY31
5C122DA13
5C122FC06
5C122HB01
5C122HB02
5L096AA02
5L096AA03
5L096AA06
5L096BA08
5L096CA04
5L096CA17
5L096DA02
5L096FA14
5L096FA15
(57)【要約】
【課題】検出精度を向上させることが可能な検出装置を提供する。
【解決手段】検出装置は、面状に配置された複数の光検出素子を含む面状検出デバイスと、複数の光検出素子に対応して設けられた複数の点光源と、複数の点光源と複数の光検出素子との間に配置された光指向性制御素子と、複数の光検出素子と電気的に接続された検出回路と、を有し、複数の点光源の各々は、少なくとも1つの光検出素子と対応し、光量設定モードにおいて、複数の点光源は異なる光量で点灯し、複数の光検出素子は異なる光量に対応する複数のセンサ値を出力し、検出された複数のセンサ値とあらかじめ設定された目標センサ値とを比較して、複数の点光源の検出用の光量を設定し、検出モードにおいて、複数の点光源は設定された検出用の光量で点灯し、複数の光検出素子は設定された検出用の光量に対応するセンサ値を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
面状に配置された複数の光検出素子を含む面状検出デバイスと、
前記複数の光検出素子に対応して設けられた複数の点光源と、
前記複数の点光源と前記複数の光検出素子との間に配置された光指向性制御素子と、
前記複数の光検出素子と電気的に接続された検出回路と、を有し、
前記複数の点光源の各々は、少なくとも1つの前記光検出素子と対応し、
光量設定モードにおいて、前記複数の点光源は異なる光量で点灯し、前記複数の光検出素子は異なる光量に対応する複数のセンサ値を出力し、検出された複数の前記センサ値とあらかじめ設定された目標センサ値とを比較して、前記複数の点光源の検出用の光量を設定し、
検出モードにおいて、前記複数の点光源は設定された前記検出用の光量で点灯し、前記複数の光検出素子は設定された前記検出用の光量に対応するセンサ値を出力する
検出装置。
【請求項2】
前記複数の点光源の光量を設定する光量設定回路を有し、
前記光量設定回路は、前記異なる光量に対応する複数のセンサ値のうち、前記目標センサ値に最も近い第1センサ値を選択し、前記第1センサ値に対応する前記点光源の光量を、前記複数の点光源の前記検出用の光量に設定する
請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記複数の点光源の光量を設定する光量設定回路を有し、
前記光量設定回路は、
前記異なる光量に対応する複数のセンサ値のうち、前記目標センサ値に近い第1センサ値及び第2センサ値を選択し、
前記目標センサ値は、前記第1センサ値と前記第2センサ値との間の値であり、
前記目標センサ値と前記第1センサ値との差と、前記目標センサ値と前記第2センサ値との差とが等しい場合には、前記第1センサ値に対応する前記点光源の第1光量と、前記第2センサ値に対応する前記点光源の第2光量との平均値を、前記複数の点光源の前記検出用の光量に設定する
請求項1に記載の検出装置。
【請求項4】
前記面状検出デバイス、前記光指向性制御素子、複数の被検出体を搭載するための透光性の搭載基板、前記複数の点光源の順に配置されている
請求項1に記載の検出装置。
【請求項5】
前記検出回路は、前記複数の光検出素子からの前記センサ値を検出できる検出範囲を有し、
前記目標センサ値は、前記検出範囲の上限値に対し90%以上100%以下の範囲で設定される
請求項1に記載の検出装置。
【請求項6】
前記面状検出デバイスの測定開始時に、前記光量設定モードを実行し、
前記光量設定モードにおいて設定された前記検出用の光量を格納する記憶回路を有し、 前記検出モードにおいて、設定された前記検出用の光量で前記複数の点光源を同時に点灯させる
請求項1に記載の検出装置。
【請求項7】
前記複数の光検出素子は、複数のフォトダイオードである
請求項1に記載の検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、固体撮像素子と、この固体撮像素子の撮像面の上部に保持された培養容器と、この培養容器に収容された細胞と細胞の生育のための培地と、この培養容器内に光を照射するための発光素子とを含むバイオセンサについて開示されている。特許文献1のバイオセンサでは、発光素子から照射された光は、培養容器内の培地及び複数の細胞(被検出体)を透過して固体撮像素子に入射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-261737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような検出装置において、光源は検出素子の特性に応じた光量を照射することが要求される。また、被検出体、培養容器及び培地を透過して検出素子に照射される光量は、被検出体、培養容器及び培地の種類や状況(厚さ、濁度等)に応じて異なる。このため、検出素子の検出範囲とは異なる光量が照射され検出精度が低下する可能性がある。
【0005】
本発明は、検出精度を向上させることが可能な検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の検出装置は、面状に配置された複数の光検出素子を含む面状検出デバイスと、前記複数の光検出素子に対応して設けられた複数の点光源と、前記複数の点光源と前記複数の光検出素子との間に配置された光指向性制御素子と、前記複数の光検出素子と電気的に接続された検出回路と、を有し、前記複数の点光源の各々は、少なくとも1つの前記光検出素子と対応し、光量設定モードにおいて、前記複数の点光源は異なる光量で点灯し、前記複数の光検出素子は異なる光量に対応する複数のセンサ値を出力し、検出された複数の前記センサ値とあらかじめ設定された目標センサ値とを比較して、前記複数の点光源の検出用の光量を設定し、検出モードにおいて、前記複数の点光源は設定された前記検出用の光量で点灯し、前記複数の光検出素子は設定された前記検出用の光量に対応するセンサ値を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る検出装置を模式的に示す断面図である。
図2図2は、実施形態に係る検出装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る検出制御回路の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、センサ画素を示す回路図である。
図5図5は、実施形態に係るセンサ画素を模式的に示す平面図である。
図6図6は、図5のVI-VI’断面図である。
図7図7は、被検出体、搭載基板及び培地と、センサ値との関係を模式的に説明するための説明図である。
図8図8は、比較例に係る検出装置の、被検出体、搭載基板及び培地と、センサ値との関係を模式的に説明するための説明図である。
図9図9は、実施形態に係る検出装置の、光量設定モード及び検出モードを示すフローチャート図である。
図10図10は、実施形態に係る検出装置の、複数の発光素子の光量調整用の点灯パターンを模式的に示す説明図である。
図11図11は、複数のフォトダイオードと、複数の発光素子との配置関係を模式的に示す平面図である。
図12図12は、異なる光量で点灯した複数の発光素子と、複数のフォトダイオードのセンサ値との関係を説明するための説明図である。
図13図13は、第1変形例に係る検出装置の、異なる光量で点灯した複数の発光素子と、複数のフォトダイオードのセンサ値との関係を説明するための説明図である。
図14図14は、第2変形例に係る検出装置の、異なる光量で点灯した複数の発光素子と、複数のフォトダイオードのセンサ値との関係を説明するための説明図である。
図15図15は、第3変形例に係る検出装置の、複数の発光素子の構成例を模式的に示す平面図である。
図16図16は、第3変形例に係る検出装置の動作例を説明するためのタイミング波形図である。
図17図17は、第4変形例に係る検出装置の、複数の発光素子の光量調整用の点灯パターンを模式的に示す説明図である。
図18図18は、第5変形例に係る検出装置の、複数の発光素子の光量調整用の点灯パターンを模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、本開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本開示と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
本明細書及び特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0010】
(実施形態)
図1は、実施形態に係る検出装置を模式的に示す断面図である。図1に示すように、検出装置1は、光学センサ10と、光フィルタ層50と、被検出体100を搭載するための搭載基板101及びカバー部材103と、光源装置80と、を含む。光学センサ10の上に、光フィルタ層50、搭載基板101及びカバー部材103(被検出体100)、光源装置80の順に配置されている。
【0011】
被検出体100は、例えば細菌等の微小対象物である。検出装置1は、細菌等の微小対象物を検出するバイオセンサである。搭載基板101は、例えばガラス等で形成された透光性の板状部材である。複数の被検出体100は、搭載基板101の上に培地102とともに搭載される。また、搭載基板101の上側には、複数の被検出体100を覆うカバー部材103が設けられる。搭載基板101及びカバー部材103は、例えばシャーレである。検出対象の被検出体100は、搭載基板101の上に搭載され、光学センサ10と光源装置80との間に配置される。
【0012】
なお、被検出体100は、細菌に限定されず、細胞等の他の微小対象物であってもよい。また、検出装置1はバイオセンサに限定されず、例えば、指紋を検出する指紋検出装置や、静脈などの血管パターンを検出する静脈検出装置として構成されてもよい。この場合、被検出体100は、指、手のひら、手首等の生体であってもよい。
【0013】
光学センサ10は、面状に配置された複数のフォトダイオード30(光検出素子)を含む面状検出デバイスである。光学センサ10の詳細な構成については、図2及び図5、6にて後述する。
【0014】
光フィルタ層50は、複数の発光素子82(光源装置80)と複数のフォトダイオード30(光学センサ10)との間に配置された光指向性制御素子である。より具体的には、光フィルタ層50は、光学センサ10の複数のフォトダイオード30と、搭載基板101との間に設けられる。また、光フィルタ層50は、光学センサ10の複数のフォトダイオード30と対向して配置される。光フィルタ層50は、発光素子82から照射された光Lのうち、光学センサ10に垂直な方向に進行する成分をフォトダイオード30に向けて透過させる光学素子である。光フィルタ層50は、コリメートアパーチャ、あるいは、コリメータとも呼ばれる。
【0015】
光源装置80は、光源基板81と、複数の発光素子82と、を含む。複数の発光素子82は、光学センサ10の複数のフォトダイオード30に対応して設けられた点光源である。複数の発光素子82は、光源基板81に設けられ、光学センサ10の複数のフォトダイオード30と対向して配置される。複数の発光素子82は、それぞれ例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)で構成される。
【0016】
発光素子82から出射された光Lは、搭載基板101、培地102、カバー部材103及び光フィルタ層50を透過して、光学センサ10の複数のフォトダイオード30に向けて照射される。被検出体100と重なる領域と、被検出体100と重ならない領域とで、複数のフォトダイオード30に照射される光量が異なる。これにより、光学センサ10は、被検出体100を撮像できる。
【0017】
本実施形態では、点光源として複数の発光素子82が所定ピッチで配置される。このため、面光源を設けた場合に比べ、光Lの方向のばらつきが抑制されるので、良好に撮像できる。隣接する発光素子82から照射された光Lの干渉を抑制するように、複数の発光素子82の配置ピッチが設定される。さらに、光フィルタ層50により視野角制限された光Lが光学センサ10に照射されており、光学センサ10での受光面積を確保するように、複数のフォトダイオード30の配置ピッチが設定される。
【0018】
図2は、実施形態に係る検出装置の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、検出装置1は、さらに、光学センサ10及び光源装置80を制御するホストIC70を有する。光学センサ10は、アレイ基板2と、アレイ基板2に形成された複数のセンサ画素3(フォトダイオード30)と、ゲート線駆動回路15A、15Bと、信号線駆動回路16Aと、検出制御回路11と、を有する。
【0019】
アレイ基板2は、基板21を基体として形成される。また、複数のセンサ画素3は、それぞれフォトダイオード30、複数のトランジスタ、各種配線を有して構成される。フォトダイオード30が形成されたアレイ基板2は、所定の検出領域ごとにセンサを駆動する駆動回路基板であり、バックプレーン又はアクティブマトリクス基板とも呼ばれる。
【0020】
基板21は、検出領域AAと、周辺領域GAとを有する。検出領域AAは、複数のセンサ画素3(複数のフォトダイオード30)が設けられた領域である。周辺領域GAは、検出領域AAの外周と、基板21の外縁部との間の領域であり、複数のセンサ画素3が設けられない領域である。ゲート線駆動回路15A、15B、信号線駆動回路16A及び検出制御回路11は、周辺領域GAに設けられる。
【0021】
複数のセンサ画素3は、それぞれ、センサ素子としてフォトダイオード30を有する光センサである。フォトダイオード30は、それぞれに照射される光に応じた電気信号を出力する。より具体的には、フォトダイオード30は、PIN(Positive Intrinsic Negative)フォトダイオードや有機半導体を用いたOPD(Organic Photodiode)である。複数のセンサ画素3(複数のフォトダイオード30)は、検出領域AAにマトリクス状に配列される。
【0022】
検出制御回路11は、ゲート線駆動回路15A、15B及び信号線駆動回路16Aにそれぞれ制御信号Sa、Sb、Scを供給し、これらの動作を制御する回路である。具体的には、ゲート線駆動回路15A、15Bは、制御信号Sa、Sbに基づいてゲート駆動信号をセンサゲート線GLS(図4参照)に出力する。信号線駆動回路16Aは、制御信号Scに基づいて選択されたセンサ信号線SLSと検出制御回路11とを電気的に接続する。また、検出制御回路11は、複数のフォトダイオード30からの検出信号Vdetの信号処理を行う信号処理回路を備える。
【0023】
複数のセンサ画素3が有するフォトダイオード30は、ゲート線駆動回路15A、15Bから供給されるゲート駆動信号に従って検出を行う。複数のフォトダイオード30は、それぞれに照射される光に応じた電気信号を、検出信号Vdetとして信号線駆動回路16Aに出力する。検出制御回路11(検出回路)は、複数のフォトダイオード30と電気的に接続される。検出制御回路11は、複数のフォトダイオード30からの検出信号Vdetの信号処理を行い、検出信号Vdetに基づくセンサ値SoをホストIC70に出力する。これにより、検出装置1は、被検出体100に関する情報を検出する。
【0024】
図3は、実施形態に係る検出制御回路の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、検出制御回路11は、検出信号振幅調整回路41、A/D変換回路42、信号処理回路43及び検出タイミング制御回路44を有する。検出制御回路11は、検出タイミング制御回路44は、ホストIC70(図2参照)から供給される制御信号に基づいて、検出信号振幅調整回路41、A/D変換回路42及び信号処理回路43が同期して動作するように制御する。
【0025】
検出信号振幅調整回路41は、フォトダイオード30から出力された検出信号Vdetの振幅を調整する回路であり、例えば増幅器を含み構成される。A/D変換回路42は、検出信号振幅調整回路41から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。信号処理回路43は、A/D変換回路42からのデジタル信号の信号処理を行い、センサ値SoをホストIC70へ送信する回路である。
【0026】
図2に戻って、光源装置80は、光源基板81と、光源基板81に形成された複数の発光素子82と、ゲート線駆動回路15C、15Dと、信号線駆動回路16Bと、発光素子制御回路12と、を有する。
【0027】
複数の発光素子82は、光源基板81の検出領域AAと重なる領域にマトリクス状に配列される。光源基板81は、複数の発光素子85ごとにオン(点灯状態)と、オフ(非点灯状態)とを切り替えて駆動する駆動回路基板である。
【0028】
発光素子制御回路12は、ゲート線駆動回路15C、15D、信号線駆動回路16Bにそれぞれ制御信号Sd、Se、Sfを供給し、これらの動作を制御する回路である。具体的には、ゲート線駆動回路15C、15Dは、制御信号Sd、Seに基づいて駆動信号をゲート線(図示しない)に出力し、所定行の発光素子82を選択する。信号線駆動回路16Bは、制御信号Sfに基づいて選択された信号線(図示しない)に発光素子制御信号を供給する。これにより、光源装置80は、複数の発光素子82ごとに異なる光量で点灯させることができる。また、光源装置80は、複数の発光素子82ごとに点灯(オン)と非点灯(オフ)とを切り替えることができる。
【0029】
なお、光源装置80の光源基板81は、いわゆるアクティブマトリクス基板であるが、これに限定されない。複数の発光素子82のオンオフ制御はどのような方法でもよく、例えば、発光素子制御回路12は、複数の発光素子82をそれぞれ個別に制御してもよい。
【0030】
ホストIC70は、光学センサ10及び光源装置80を制御して、複数の発光素子82の検出用の光量を設定する光量設定モードと、被検出体100の検出を行う検出モードと、を実行する。ホストIC70は、光量設定モードにおいて、複数の発光素子82を異なる光量で点灯させ、複数のフォトダイオード30は異なる光量に対応する複数のセンサ値Soを出力する。そして、ホストIC70は、検出された複数のセンサ値Soとあらかじめ設定された目標センサ値So-tとを比較して、複数の発光素子82の検出用の光量を設定する。またホストIC70は、検出モードにおいて、複数の発光素子82を設定された検出用の光量で点灯させ、複数のフォトダイオード30は設定された検出用の光量に対応するセンサ値Soを出力する。
【0031】
ホストIC70は、光学センサ10側の制御回路として、センサ値記憶回路71と、センサ値演算回路72と、光量設定回路73と、目標値記憶回路79と、を有する。センサ値記憶回路71は、光学センサ10の検出制御回路11から出力されたセンサ値Soを記憶する。センサ値演算回路72は、フォトダイオード30のセンサ値Soについて所定の演算処理を行う。例えば、センサ値演算回路72は、1つの発光素子82に対応する複数のフォトダイオード30からのセンサ値Soについて平均値を演算する。
【0032】
光量設定回路73は、光量設定モードにおいて、複数のフォトダイオード30で検出されたセンサ値Soと、目標値記憶回路79から取得したあらかじめ設定された目標センサ値So-tとを比較して、複数の発光素子82の検出用の光量を設定する。目標値記憶回路79は、あらかじめ設定された目標センサ値So-tを記憶する。光量設定回路73による複数の発光素子82の検出用の光量の設定方法、及び、目標値記憶回路79に格納された目標センサ値So-tの詳細については、図7以降で後述する。
【0033】
ホストIC70は、光源装置80側の制御回路として、点灯パターン生成回路74及び点灯パターン記憶回路75と、を有する。点灯パターン記憶回路75は、光量設定モードでの複数の発光素子82の各々の光量の情報を記憶する。また、点灯パターン記憶回路75は、光量設定回路73から取得した検出用の光量の情報に基づいて検出モードでの複数の発光素子82の各々の光量の情報を記憶する。点灯パターン記憶回路75は、必要に応じて、複数の発光素子82のオン(点灯状態)、オフ(非点灯状態)の配置パターンについて記憶する。
【0034】
点灯パターン生成回路74は、点灯パターン記憶回路75の光量の情報の情報に基づいて、各種制御信号を生成する。そして、点灯パターン生成回路74は、光量設定モード及び検出モードのそれぞれで、複数の発光素子85の光量の情報を含む発光素子制御信号を、発光素子制御回路12に出力する。
【0035】
ホストIC70は、さらに画像生成回路76を有する。画像生成回路76は、検出モードにおいて、複数のフォトダイオード30から出力されたセンサ値Soに基づいて、被検出体100の画像を生成する。画像生成回路76で用いられるセンサ値Soは、光量設定モードで設定された検出用の光量に応じて複数のフォトダイオード30から出力されたものである。
【0036】
なお、図示は省略するが、ホストIC70は、検出制御回路11と発光素子制御回路12とを同期して制御する制御回路を有する。すなわち、ホストIC70からの制御信号に基づいて、光源装置80側の複数の発光素子82の光量の切り替えと、光学センサ10側の複数のフォトダイオード30の検出とが同期して制御される。なお、光学センサ10は2つのゲート線駆動回路15A、15Bを有しているが、1つのゲート線駆動回路を有していてもよい。光源装置80は2つのゲート線駆動回路15C、15Dを有しているが、1つのゲート線駆動回路を有していてもよい。
【0037】
次に、光学センサ10の構成例について説明する。図4は、センサ画素を示す回路図である。図4に示すように、センサ画素3は、フォトダイオード30と、容量素子Caと、第1トランジスタTrSと、を含む。第1トランジスタTrSは、フォトダイオード30に対応して設けられる。第1トランジスタTrSは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFT(Thin Film Transistor)で構成されている。第1トランジスタTrSのゲートはセンサゲート線GLSに接続される。第1トランジスタTrSのソースはセンサ信号線SLSに接続される。第1トランジスタTrSのドレインは、フォトダイオード30のアノード及び容量素子Caに接続される。
【0038】
フォトダイオード30のカソードには、検出制御回路11から電源電位SVSが供給される。また、容量素子Caには、検出制御回路11から、容量素子Caの初期電位となる基準電位VR1が供給される。
【0039】
センサ画素3に光が照射されると、フォトダイオード30には光量に応じた電流が流れ、これにより容量素子Caに電荷が蓄積される。第1トランジスタTrSがオンになると、容量素子Caに蓄積された電荷に応じて、センサ信号線SLSに電流が流れる。センサ信号線SLSは、信号線駆動回路16Aを介して検出制御回路11に接続される。これにより、検出装置1の光学センサ10は、センサ画素3ごとに、フォトダイオード30に照射される光の光量に応じた信号を検出できる。
【0040】
なお、第1トランジスタTrSは、n型TFTに限定されず、p型TFTで構成されてもよい。また、図4に示すセンサ画素3の画素回路はあくまで一例であり、センサ画素3には、1つのフォトダイオード30に対応して、複数のトランジスタが設けられていてもよい。
【0041】
次に、光学センサ10の詳細な構成について説明する。図5は、実施形態に係るセンサ画素を模式的に示す平面図である。
【0042】
なお、以下の説明において、第1方向Dxは、基板21(図6参照)と平行な面内の一方向である。第2方向Dyは、基板21と平行な面内の一方向であり、第1方向Dxと直交する方向である。なお、第2方向Dyは、第1方向Dxと直交しないで交差してもよい。第3方向Dzは、第1方向Dx及び第2方向Dyと直交する方向であり、基板21の主面の法線方向である。また、「平面視」とは、基板21と垂直な方向から見た場合の位置関係をいう。
【0043】
図5に示すように、センサ画素3は、センサゲート線GLSと、センサ信号線SLSとで囲まれた領域である。本実施形態では、センサゲート線GLSは、第1センサゲート線GLAと第2センサゲート線GLBとを含む。第1センサゲート線GLAは、第2センサゲート線GLBと重なって設けられる。第1センサゲート線GLAと第2センサゲート線GLBとは、絶縁層22c、22d(図6参照)を介して異なる層に設けられている。第1センサゲート線GLAと第2センサゲート線GLBとは、任意の箇所で電気的に接続され、同じ電位を有するゲート駆動信号が供給される。第1センサゲート線GLA及び第2センサゲート線GLBの少なくとも一方が、ゲート線駆動回路15A、15Bに接続される。なお、図5では、第1センサゲート線GLAと第2センサゲート線GLBとは異なる幅を有しているが、同じ幅であってもよい。
【0044】
フォトダイオード30は、センサゲート線GLSと、センサ信号線SLSとで囲まれた領域に設けられる。上部電極34及び下部電極35は、フォトダイオード30のそれぞれに対応して設けられる。フォトダイオード30は、例えば、PINフォトダイオードである。下部電極35は、例えば、フォトダイオード30のアノード電極である。上部電極34は、例えば、フォトダイオード30のカソード電極である。
【0045】
上部電極34は、接続配線36を介して電源信号線Lvsと接続される。電源信号線Lvsは、電源電位SVSをフォトダイオード30に供給する配線である。本実施形態では、電源信号線Lvsは、センサ信号線SLSと重なって第2方向Dyに延在する。第2方向Dyに配列された複数のセンサ画素3は、共通の電源信号線Lvsに接続される。このような構成により、センサ画素3の開口を大きくすることができる。下部電極35、フォトダイオード30及び上部電極34は、平面視で略四角形状である。ただし、これに限定されず、下部電極35、フォトダイオード30及び上部電極34の形状は適宜変更できる。
【0046】
第1トランジスタTrSは、センサゲート線GLSとセンサ信号線SLSとの交差部の近傍に設けられる。第1トランジスタTrSは、半導体層61、ソース電極62、ドレイン電極63、第1ゲート電極64A及び第2ゲート電極64Bを含む。
【0047】
半導体層61は、酸化物半導体である。より好ましくは、半導体層61は、酸化物半導体のうち透明アモルファス酸化物半導体(TAOS:Transparent Amorphous Oxide Semiconductor)である。第1トランジスタTrSに酸化物半導体を用いることにより、第1トランジスタTrSのリーク電流を抑制できる。すなわち、第1トランジスタTrSは、非選択のセンサ画素3からのリーク電流を低減できる。このため、光学センサ10は、S/N比を向上させることができる。ただし、半導体層61は、これに限定されず、微結晶酸化物半導体、アモルファス酸化物半導体、ポリシリコン、低温ポリシリコン(LTPS:Low Temperature Polycrystalline Silicone)等であってもよい。
【0048】
半導体層61は、第1方向Dxに沿って設けられ、平面視で第1ゲート電極64A及び第2ゲート電極64Bと交差する。第1ゲート電極64A及び第2ゲート電極64Bは、それぞれ第1センサゲート線GLA及び第2センサゲート線GLBから分岐して設けられる。言い換えると、第1センサゲート線GLA及び第2センサゲート線GLBのうち、半導体層61と重なる部分が第1ゲート電極64A及び第2ゲート電極64Bとして機能する。第1ゲート電極64A及び第2ゲート電極64Bは、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)又はこれらの合金が用いられる。また、半導体層61の、第1ゲート電極64A及び第2ゲート電極64Bと重なる部分にチャネル領域が形成される。
【0049】
半導体層61の一端は、コンタクトホールH1を介してソース電極62と接続される。半導体層61の他端は、コンタクトホールH2を介してドレイン電極63と接続される。センサ信号線SLSのうち、半導体層61と重なる部分がソース電極62である。また、第3導電層67のうち、半導体層61と重なる部分がドレイン電極63として機能する。第3導電層67はコンタクトホールH3を介して下部電極35と接続される。このような構成により、第1トランジスタTrSは、フォトダイオード30とセンサ信号線SLSとの間の接続と遮断とを切り換え可能になっている。
【0050】
次に光学センサ10の層構成について説明する。図6は、図5のVI-VI’断面図である。
【0051】
なお、光学センサ10を含む検出装置1の説明において、基板21の表面に垂直な方向(第3方向Dz)において、基板21からフォトダイオード30に向かう方向を「上側」又は「上」とする。フォトダイオード30から基板21に向かう方向を「下側」又は「下」とする。
【0052】
図6に示すように、基板21は絶縁基板であり、例えば、石英、無アルカリガラス等のガラス基板が用いられる。基板21の一方の面に、第1トランジスタTrS、各種配線(センサゲート線GLS及びセンサ信号線SLS)及び絶縁層が設けられてアレイ基板2が形成される。複数のフォトダイオード30は、アレイ基板2の上、すなわち、基板21の一方の面側に配列される。なお、基板21は、ポリイミド等の樹脂で構成された樹脂基板又は樹脂フィルムであってもよい。
【0053】
絶縁層22a、22bは、基板21の上に設けられる。絶縁層22a、22b、22c、22d、22e、22f、22gは、無機絶縁膜であり、例えば、酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)等である。また、各無機絶縁層は、単層に限定されず積層膜であってもよい。
【0054】
第1ゲート電極64Aは、絶縁層22bの上に設けられる。絶縁層22cは、第1ゲート電極64Aを覆って絶縁層22bの上に設けられる。半導体層61、第1導電層65及び第2導電層66は、絶縁層22cの上に設けられる。第1導電層65は、半導体層61のうちソース電極62と接続される端部を覆って設けられる。第2導電層66は、半導体層61のうちドレイン電極63と接続される端部を覆って設けられる。
【0055】
絶縁層22dは、半導体層61、第1導電層65及び第2導電層66を覆って絶縁層22cの上に設けられる。第2ゲート電極64Bは、絶縁層22dの上に設けられる。半導体層61は、基板21に垂直な方向において、第1ゲート電極64Aと第2ゲート電極64Bとの間に設けられる。つまり、第1トランジスタTrSは、いわゆるデュアルゲート構造である。ただし、第1トランジスタTrSは、第1ゲート電極64Aが設けられ、第2ゲート電極64Bが設けられないボトムゲート構造でもよく、第1ゲート電極64Aが設けられず、第2ゲート電極64Bのみが設けられるトップゲート構造でもよい。
【0056】
絶縁層22eは、第2ゲート電極64Bを覆って絶縁層22dの上に設けられる。ソース電極62(センサ信号線SLS)及びドレイン電極63(第3導電層67)は、絶縁層22eの上に設けられる。本実施形態では、ドレイン電極63は、絶縁層22d、22eを介して半導体層61の上に設けられた第3導電層67である。ソース電極62は、コンタクトホールH1及び第1導電層65を介して半導体層61と電気的に接続される。ドレイン電極63は、コンタクトホールH2及び第2導電層66を介して半導体層61と電気的に接続される。
【0057】
第3導電層67は、平面視で、フォトダイオード30と重なる領域に設けられる。第3導電層67は、半導体層61、第1ゲート電極64A及び第2ゲート電極64Bの上側にも設けられる。つまり、第3導電層67は、基板21に垂直な方向において、第2ゲート電極64Bと下部電極35との間に設けられる。これにより、第3導電層67は、第1トランジスタTrSを保護する保護層としての機能を有する。
【0058】
第2導電層66は、半導体層61と重ならない領域において、第3導電層67と対向して延在する。また、半導体層61と重ならない領域において、絶縁層22dの上に第4導電層68が設けられる。第4導電層68は、第2導電層66と第3導電層67との間に設けられる。これにより、第2導電層66と第4導電層68との間に容量が形成され、第3導電層67と第4導電層68との間に容量が形成される。第2導電層66、第3導電層67及び第4導電層68により形成される容量は、図4に示す容量素子Caの容量である。
【0059】
第1有機絶縁層23aは、ソース電極62(センサ信号線SLS)及びドレイン電極63(第3導電層67)を覆って、絶縁層22eの上に設けられる。第1有機絶縁層23aは、第1トランジスタTrSや、各種導電層で形成される凹凸を平坦化する平坦化層である。
【0060】
次に、フォトダイオード30の断面構成について説明する。フォトダイオード30は、アレイ基板2の第1有機絶縁層23aの上に、下部電極35、フォトダイオード30、上部電極34の順に積層される。
【0061】
下部電極35は、第1有機絶縁層23aの上に設けられ、コンタクトホールH3を介して第3導電層67と電気的に接続される。下部電極35は、フォトダイオード30のアノードであり、検出信号Vdetを読み出すための電極である。下部電極35は、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)等の金属材料が用いられる。又は、下部電極35は、これらの金属材料が複数積層された積層膜であってもよい。下部電極35は、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)等の透光性を有する導電材料であってもよい。
【0062】
フォトダイオード30は、半導体層としてi型半導体層31、n型半導体層32及びp型半導体層33を含む。i型半導体層31、n型半導体層32及びp型半導体層33は、例えばアモルファスシリコン(a-Si)で形成される。図6では、基板21の表面に垂直な方向において、p型半導体層33、i型半導体層31及びn型半導体層32の順に積層されている。ただし、反対の構成、つまり、n型半導体層32、i型半導体層31及びp型半導体層33の順に積層されていてもよい。また各半導体層は、有機半導体からなる光電変換素子であってもよい。
【0063】
n型半導体層32は、a-Siに不純物がドープされてn+領域を形成する。p型半導体層33は、a-Siに不純物がドープされてp+領域を形成する。i型半導体層31は、例えば、ノンドープの真性半導体であり、n型半導体層32及びp型半導体層33よりも低い導電性を有する。
【0064】
上部電極34は、フォトダイオード30のカソードであり、電源電位SVSを光電変換層に供給するための電極である。上部電極34は、例えばITO等の透光性導電層であり、フォトダイオード30ごとに複数設けられる。
【0065】
第1有機絶縁層23aの上に絶縁層22f及び絶縁層22gが設けられている。絶縁層22fは、上部電極34の周縁部を覆い、上部電極34と重なる位置に開口が設けられている。接続配線36は、上部電極34のうち、絶縁層22fが設けられていない部分で上部電極34と接続される。絶縁層22gは、上部電極34及び接続配線36を覆って絶縁層22fの上に設けられる。絶縁層22gの上に平坦化層である第2有機絶縁層23bが設けられる。また、有機半導体のフォトダイオード30の場合には、さらにその上に絶縁層22hが設けられる場合がある。
【0066】
次に、本実施形態の検出装置1の検出方法の一例について説明する。図7は、被検出体、搭載基板及び培地と、センサ値との関係を模式的に説明するための説明図である。図8は、比較例に係る検出装置の、被検出体、搭載基板及び培地と、センサ値との関係を模式的に説明するための説明図である。
【0067】
図7及び図8に示す最大センサ値So-maxは、検出制御回路11(図3参照)の検出範囲の上限値に対応するセンサ値Soである。また、最小センサ値So-minは、検出制御回路11の検出範囲の下限値に対応するセンサ値Soである。検出制御回路11の検出範囲はフォトダイオード30から出力される電荷(センサ値So)を検出できる検出範囲である。
【0068】
図7左図に示すように、被検出体100が培地102にない初期状態で、複数の発光素子82から照射された光Lは培地102及び搭載基板101を透過してフォトダイオード30に入射する。フォトダイオード30は、照射された光量に応じたセンサ値So-aを出力する。初期状態でのセンサ値So-aは、最小センサ値So-minと最大センサ値So-maxとの間にある。
【0069】
図7右図に示すように、初期状態から所定時間が経過すると、培地102で被検出体100(例えば、細菌)が成長する。フォトダイオード30に入射する光量は、培地102の濁度(光の透過率)、及び、被検出体100の有無に応じて異なる。被検出体100と重なる領域で、フォトダイオード30に入射する光量は、被検出体100と重ならない領域に比べて減少する。被検出体100に対応する位置のフォトダイオード30は、センサ値So-b、So-c、So-dを出力する。被検出体100に対応するセンサ値So-b、So-c、So-dは、初期状態でのセンサ値So-aよりも小さく、かつ、最小センサ値So-minと最大センサ値So-maxとの間にある。
【0070】
図8左図に示すように、比較例に係る検出装置では、図7に示す実施形態に係る検出装置に比べて複数の発光素子82から照射された光Lの光量が小さい。この場合、初期状態で、フォトダイオード30から出力されるセンサ値So-eは、最小センサ値So-minと最大センサ値So-maxとの間で、図7に示したセンサ値So-aよりも小さい値となる。
【0071】
図8右図に示すように、初期状態から所定時間が経過すると、比較例に係る検出装置では、被検出体100と重なる領域で、フォトダイオード30に入射する光量は、被検出体100と重ならない領域に比べて小さくなる。被検出体100に対応する位置のフォトダイオード30からのセンサ値Soは、検出制御回路11の検出範囲の下限値よりも小さくなる。このため、被検出体100に対応する位置のフォトダイオード30から出力され、検出制御回路11で信号処理されたセンサ値So-fは、最小センサ値So-minと一致する。
【0072】
このように、複数の発光素子82から照射される光Lの光量が、初期状態では検出可能な範囲であっても、被検出体100、培地102等の状態に応じて被検出体100を精度よく検出できない可能性がある。言い換えると、図7に示すように、被検出体100、培地102等の状態が変化した場合であっても、センサ値So-b、So-c、So-dが最小センサ値So-minと最大センサ値So-maxとの間に位置するように、複数の発光素子82から照射される光Lの光量を適切に設定する必要がある。
【0073】
次に、図9から図14を参照して、被検出体100の検出を行う検出モードにおいて、複数の発光素子82から照射される光Lの光量(以下、「検出用の光量」と表す)の設定方法について説明する。
【0074】
図9は、実施形態に係る検出装置の、光量設定モード及び検出モードを示すフローチャート図である。図9に示すように実施形態に係る検出装置1は、光量設定モード(ステップST1からステップST5)と、検出モード(ステップST6からステップST9)と、を有する。
【0075】
ホストIC70は、光学センサ10の測定開始時に、図7に示す初期状態で光量設定モードを実行する。ホストIC70は、光源装置80に制御信号を供給して、光量調整用の点灯パターンで複数の発光素子82を点灯させる(ステップST1)。
【0076】
図10は、実施形態に係る検出装置の、複数の発光素子の光量調整用の点灯パターンを模式的に示す説明図である。図10に示すように、複数の発光素子82は、光源基板81上にマトリクス状に配置される。光量調整用の点灯パターンにおいて、複数の発光素子82は異なる光量で点灯する。図10左上に位置する発光素子82-1の光量が最も小さく、1行目に配列された発光素子82-1、82-2、・・・、82-6の順に光量が大きくなる。2行目に配列された発光素子82-7から発光素子82-12は、1行目の発光素子82よりも光量が大きくなる。3行目に配列された発光素子82-13から発光素子82-18は、2行目の発光素子82よりも光量が大きくなる。このように、マトリクス状に配置された発光素子82の光量は順次異なっており、発光素子82の発光素子番号nが大きくなるほど光量が大きくなる。最終行の発光素子82において、図10右下に位置する最終行の発光素子82-nの光量が最も大きくなる。
【0077】
複数の発光素子82の光量調整用の点灯パターンは、点灯パターン記憶回路75(図2参照)にあらかじめ格納されている。点灯パターン生成回路74は、点灯パターン記憶回路75から光量調整用の点灯パターンの情報を受け取って、複数の発光素子82の各々の光量に応じた発光素子制御信号を生成し、光源装置80に出力する。
【0078】
なお、図10に示す複数の発光素子82の数、配置ピッチ、及び、光量調整用の点灯パターンはあくまで一例であり適宜変更することができる。
【0079】
次にホストIC70は、光学センサ10の検出を実行する(ステップST2)。具体的には、異なる光量で点灯した複数の発光素子82からの光Lは、初期状態の培地102及び搭載基板101を透過して光学センサ10の複数のフォトダイオード30に入射する。複数のフォトダイオード30は、異なる光量に対応する複数のセンサ値Soを出力する。
【0080】
図11は、複数のフォトダイオードと、複数の発光素子との配置関係を模式的に示す平面図である。図11に示すように、1つの発光素子82と重なる領域に、複数のフォトダイオード30が設けられる。複数の発光素子82-1、82-2、82-7、82-8の各々に、フォトダイオードグループ30G-1、30G-2、30G-7、30G-8が配置される。図11に示す例では、1つの発光素子82と重なる領域に、9個のフォトダイオード30を含むフォトダイオードグループ30Gが配置される。
【0081】
なお、図11はあくまで一例であり、1つの発光素子82と重なって少なくとも1つのフォトダイオード30が設けられていればよい。フォトダイオードグループ30Gに含まれるフォトダイオード30の数は8個以下でもよく10個以上でもよい。
【0082】
次にホストIC70は、光学センサ10から複数のセンサ値Soを受け取って、発光素子82ごとに対応する複数のセンサ値Soの平均値を算出する(ステップST3)。図11に示す例では、異なる光量で点灯した発光素子82-1、82-2、82-7、82-8の各々に対応してフォトダイオードグループ30G-1、30G-2、30G-7、30G-8が配置される。センサ値演算回路72は、フォトダイオードグループ30G-1、30G-2、30G-7、30G-8ごとに、すなわち異なる光量で点灯した発光素子82ごとに、複数のセンサ値Soの平均値を算出する。例えば、センサ値演算回路72は、フォトダイオードグループ30G-1において、9つのフォトダイオード30から出力されたセンサ値Soの平均値を演算する。
【0083】
次にホストIC70の光量設定回路73(図2参照)は、算出された複数のセンサ値Soと目標センサ値So-tと、を比較する。図12は、異なる光量で点灯した複数の発光素子と、複数のフォトダイオードのセンサ値との関係を説明するための説明図である。なお、図12において、複数の発光素子82のそれぞれに対応するセンサ値Soは、上述したフォトダイオードグループ30Gに含まれる複数のフォトダイオード30のセンサ値Soの平均値とする。
【0084】
光量設定回路73(図2参照)は、異なる光量で点灯した複数の発光素子82ごとの複数のセンサ値Soを、センサ値演算回路72から受け取る。また、光量設定回路73は、あらかじめ設定された目標センサ値So-tを目標値記憶回路79から受け取る。そして、光量設定回路73は、異なる光量で点灯した複数の発光素子82ごとの複数のセンサ値Soと、目標センサ値So-tとを比較する(ステップST4)。
【0085】
ここで、目標センサ値So-tは、図7に示す初期状態でのセンサ値So-aに対応する値であり、最大センサ値So-maxに対し90%以上100%以下の範囲であらかじめ設定される。目標センサ値So-tを最大センサ値So-maxに近い値に設定することで、所定時間経過後において、被検出体100に対応するセンサ値So-b、So-c、So-dは、最小センサ値So-min以上の値を維持できる。
【0086】
図12に示すように、複数の発光素子82-1から82-nまで発光素子番号nが大きいほど、すなわち、複数の発光素子82の光量が大きいほど、初期状態でのセンサ値Soが大きくなる。図12に示す例では、複数の発光素子82のうち、発光素子82-(n-4)に対応する複数のフォトダイオード30のセンサ値So-1が目標センサ値So-tに最も近い。また、複数の発光素子82-(n-3)に対応する複数のフォトダイオード30のセンサ値So-2が目標センサ値So-tに2番目に近い。センサ値So-1と目標センサ値So-tとの差ΔSo-1は、センサ値So-2と目標センサ値So-tとの差ΔSo-2よりも小さい。
【0087】
図9に戻って、光量設定回路73(図2参照)は、異なる光量に対応する複数のセンサ値Soのうち、目標センサ値So-tに最も近いセンサ値So-1(第1センサ値)を選択する。そして、光量設定回路73は、センサ値So-1に対応する発光素子82-(n-4)の光量を、検出用の光量に設定する(ステップST5)。設定された検出用の光量に関する情報は、点灯パターン記憶回路75に格納される。
【0088】
次にホストIC70は、設定された検出用の光量に基づいて検出モードを実行する。検出モードにおいて、光源装置80は、設定された検出用の光量で複数の発光素子82を点灯させる(ステップST6)。点灯パターン生成回路74は、点灯パターン記憶回路75から検出用の光量に関する情報を受け取って、複数の発光素子82の各々に対して、検出用の光量に応じた発光素子制御信号を生成し、光源装置80に出力する。これにより、検出モードにおいて、複数の発光素子82は検出用の光量で同時に点灯する。
【0089】
光学センサ10は、複数のフォトダイオード30の検出を実行する(ステップST7)。光学センサ10のゲート線駆動回路15Bは、ホストIC70からの制御信号に基づいて、1行目のセンサゲート線GLS-1から最終行のセンサゲート線GLS-mまで順次走査する。これにより、光学センサ10は検出領域AAの複数のフォトダイオード30を全面スキャンする。
【0090】
複数のフォトダイオード30は、設定された検出用の光量の光Lに応じたセンサ値Soを出力する。より詳細には、検出用の光量で点灯した複数の発光素子82からの光Lは、培地102及び被検出体100に照射される。複数のフォトダイオード30には被検出体100の有無、あるいは、培地102の濁度に応じた光量の光が入射する。これにより、複数のフォトダイオード30は、被検出体100の有無、あるいは、培地102の濁度に応じて異なるセンサ値Soを出力する。
【0091】
画像生成回路76(図2参照)は、複数のフォトダイオード30からのセンサ値Soに基づいて画像を生成する(ステップST8)。
【0092】
以上のように、本実施形態の検出装置1は、光量設定モードと検出モードとを有する。光量設定モードにおいて、複数の発光素子82は異なる光量で点灯し、複数のフォトダイオード30は異なる光量に対応する複数のセンサ値Soを出力する。ホストIC70は、検出された複数のセンサ値Soとあらかじめ設定された目標センサ値So-tとを比較して、複数の発光素子82の検出用の光量を設定する。
【0093】
これにより、初期状態でのセンサ値Soが目標センサ値So-t(最大センサ値So-maxの90%以上100%以下)に近い値となるように、複数の発光素子82の検出用の光量が適切に設定される。この結果、時間の経過に伴って被検出体100、培地102等の状態が変化した場合であっても、被検出体100に対応するセンサ値So(図7に示すセンサ値So-b、So-c、So-d参照)が最小センサ値So-minと最大センサ値So-maxとの間に位置することとなる。したがって、検出装置1は、検出精度を向上させることが可能である。
【0094】
(第1変形例)
図13は、第1変形例に係る検出装置の、異なる光量で点灯した複数の発光素子と、複数のフォトダイオードのセンサ値との関係を説明するための説明図である。第1変形例に係る検出装置1において、複数の発光素子82の光量調整用の点灯パターン及び光量は、図10に示す例と同様である。ただし、第1変形例では、初期状態での培地102(図7参照)の濁度が上述した実施形態に比べて高い。言い換えると、第1変形例では、初期状態で培地102を透過して複数のフォトダイオード30に入射する光量が小さくなる。
【0095】
図13に示すように、第1変形例では、図12に示す例に比べて複数の発光素子82に対応する複数のフォトダイオード30のセンサ値Soが小さい。第1変形例では、複数の発光素子82のうち、発光素子82-(n-2)に対応する複数のフォトダイオード30のセンサ値So-1が目標センサ値So-tに最も近い。また、複数の発光素子82-(n-1)に対応する複数のフォトダイオード30のセンサ値So-2が目標センサ値So-tに2番目に近い。
【0096】
第1変形例では、光量設定回路73は、センサ値So-1に対応する発光素子82-(n-2)の光量を、検出用の光量に設定する。第1変形例で設定された検出用の光量は、上述した実施形態で設定された検出用の光量よりも大きくなる。このように、第1変形例に係る検出装置1は、初期状態での培地102等の状態に応じて、適切に検出用の光量を設定できる。
【0097】
(第2変形例)
図14は、第2変形例に係る検出装置の、異なる光量で点灯した複数の発光素子と、複数のフォトダイオードのセンサ値との関係を説明するための説明図である。図14に示すように第2変形例では、複数の発光素子82のうち、発光素子82-(n-4)に対応する複数のフォトダイオード30のセンサ値So-1、及び、発光素子82-(n-3)に対応する複数のフォトダイオード30のセンサ値So-2が目標センサ値So-tに最も近い。目標センサ値So-tは、センサ値So-1とセンサ値So-2との間の値である。センサ値So-1と目標センサ値So-tとの差ΔSo-1は、センサ値So-2と目標センサ値So-tとの差ΔSo-2と等しい。
【0098】
光量設定回路73(図2参照)は、異なる光量に対応する複数のセンサ値Soのうち、目標センサ値So-tに最も近いセンサ値So-1(第1センサ値)及びセンサ値So-2(第2センサ値)を選択する。そして、光量設定回路73は、差ΔSo-1と差ΔSo-2とが等しい場合には、センサ値So-1に対応する発光素子82-(n-4)の光量(第1光量)と、センサ値So-2に対応する発光素子82-(n-3)の光量(第2光量)との平均値を、検出用の光量に設定する。
【0099】
このように、第2変形例に係る検出装置1は、目標センサ値So-tに最も近い2つのセンサ値So-1、So-2を選択して、センサ値So-1に対応する第1光量以上、センサ値So-2に対応する第2光量以下の範囲で、検出用の光量を設定してもよい。
【0100】
(第3変形例)
図15は、第3変形例に係る検出装置の、複数の発光素子の構成例を模式的に示す平面図である。図15に示すように、第3変形例に係る光源装置80Aにおいて、複数の発光素子82は、発光素子82-R、82-G、82-Bを含む。発光素子82-Rは赤色の光を照射する。発光素子82-Gは緑色の光を照射する。発光素子82-Bは青色の光を照射する。発光素子82-R、82-G、82-Bは、この順で並んで配置される。ただし、これに限定されず、発光素子82-R、82-G、82-Bの配置は適宜変更できる。また、複数の発光素子82は、4色以上で構成されていてもよい。
【0101】
図16は、第3変形例に係る検出装置の動作例を説明するためのタイミング波形図である。図16に示すように、検出装置1は、光量設定期間T1にて、上述した光量設定モードを実行する。第1期間T11では、異なる光量で赤色の発光素子82-Rを点灯させ、赤色の光に応じたセンサ値Soと目標センサ値So-tとに基づいて、赤色の発光素子82-Rの検出用の光量を設定する。同様に、第2期間T12では、異なる光量で緑色の発光素子82-Gを点灯させ、緑色の光に応じたセンサ値Soと目標センサ値So-tとに基づいて、緑色の発光素子82-Gの検出用の光量を設定する。第3期間T13では、異なる光量で青色の発光素子82-Bを点灯させ、青色の光に応じたセンサ値Soと目標センサ値So-tとに基づいて、青色の発光素子82-Bの検出用の光量を設定する。
【0102】
検出装置1は、光量設定期間T1の後に、検出期間T2にて上述した検出モードを実行する。第4期間T21では、設定された検出用の光量で赤色の発光素子82-Rを点灯させ、光学センサ10の複数のフォトダイオード30は、検出用の光量に応じたセンサ値So(R)を出力する。センサ値So(R)は、赤色の光に対応するセンサ値である。
【0103】
同様に、第5期間T22では、設定された検出用の光量で緑色の発光素子82-Gを点灯させ、光学センサ10の複数のフォトダイオード30は、検出用の光量に応じたセンサ値So(G)を出力する。センサ値So(G)は、緑色の光に対応するセンサ値である。第6期間T23では、設定された検出用の光量で青色の発光素子82-Bを点灯させ、光学センサ10の複数のフォトダイオード30は、検出用の光量に応じたセンサ値So(B)を出力する。センサ値So(B)は、青色の光に対応するセンサ値である。
【0104】
画像生成回路76(図2参照)は、複数のフォトダイオード30からのセンサ値So(R)、So(G)、So(B)に基づいてカラー画像を生成する。
【0105】
(第4変形例)
図17は、第4変形例に係る検出装置の、複数の発光素子の光量調整用の点灯パターンを模式的に示す説明図である。図10で示した光量調整用の点灯パターンでは、全ての発光素子82の光量を異ならせる例について説明した。ただし、これに限定されず、要求される検出精度、光量の分解能、発光素子82の数等に応じて、光量調整用の点灯パターンは適宜変更することができる。
【0106】
図17に示すように、第4変形例では、光源装置80は、複数の発光素子82を含む発光素子グループ82G-1、82G-2を有する。光源装置80は、光量設定モードにおいて、発光素子グループ82G-1、82G-2のそれぞれで複数の発光素子82の光量を異ならせている。発光素子グループ82G-1と、発光素子グループ82G-2とは、第2方向Dyで隣り合って配置される。発光素子グループ82G-1、82G-2は、それぞれ3行6列、18個の発光素子82を含む。
【0107】
発光素子グループ82G-1では、発光素子82-1から発光素子82-18まで、発光素子番号nが大きくなるにしたがって光量が大きくなる。発光素子グループ82G-2では、発光素子82-19から発光素子82-nまで、発光素子番号nが大きくなるにしたがって光量が大きくなる。
【0108】
第4変形例では、検出用の光量を設定する際に、図10に比べて隣接する発光素子番号nでの光量の差が大きくなるものの、発光素子グループ82G-1、82G-2の領域ごとに検出用の光量を設定することができる。
【0109】
(第5変形例)
図18は、第5変形例に係る検出装置の、複数の発光素子の光量調整用の点灯パターンを模式的に示す説明図である。図18に示すように、第5変形例では、光源装置80は、複数の発光素子82を含む発光素子グループ82G-1、82G-2、82G-3、82G-4を有する。光源装置80は、光量設定モードにおいて、発光素子グループ82G-1、82G-2、82G-3、82G-4のそれぞれで複数の発光素子82の光量を異ならせている。
【0110】
発光素子グループ82G-1と発光素子グループ82G-2とは、第1方向Dxで隣り合って配置される。発光素子グループ82G-3と発光素子グループ82G-4とは、第1方向Dxで隣り合って配置される。発光素子グループ82G-1と発光素子グループ82G-3とは、第2方向Dyで隣り合って配置される。発光素子グループ82G-2と発光素子グループ82G-4とは、第2方向Dyで隣り合って配置される。発光素子グループ82G-1、82G-2、82G-3、82G-4は、それぞれ3行3列、9個の発光素子82を含む。
【0111】
第5変形例では、発光素子グループ82G-1、82G-2、82G-3、82G-4の領域ごとに検出用の光量を設定することができる。
【0112】
なお、発光素子グループ82Gの数、及び、発光素子グループ82Gに含まれる発光素子82の数は適宜変更することができる。図10、17、18に示す光量調整用の点灯パターンでは、いずれも左上から右下に向かって光量が大きくなる例を示したが、あくまで一例であり、これに限定されない。光量調整用の点灯パターンにおいて、異なる光量のパターンはどのように配置してもよい。
【0113】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。上述した各実施形態及び各変形例の要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0114】
1 検出装置
2 アレイ基板
3 センサ画素
10 光学センサ
11 検出制御回路
12 発光素子制御回路
21 基板
30 フォトダイオード
50 光フィルタ層
70 ホストIC
71 センサ値記憶回路
72 センサ値演算回路
73 光量設定回路
76 画像生成回路
80 光源装置
81 光源基板
82 発光素子
82G、82G-1、82G-2、82G-3、82G-4 発光素子グループ
100 被検出体
101 搭載基板
102 培地
103 カバー部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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