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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138979
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】部品供給装置および部品供給方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20241002BHJP
【FI】
H05K13/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049722
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】長澤 陽介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 啓之
(72)【発明者】
【氏名】松岡 聡
(72)【発明者】
【氏名】長江 和男
(72)【発明者】
【氏名】今福 茂樹
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353BB05
5E353HH13
5E353HH34
5E353JJ08
5E353NN02
5E353PP01
5E353PP02
5E353QQ06
5E353QQ22
(57)【要約】
【課題】コストアップを抑制しながら加工機能を増やすことができる部品供給装置および部品供給方法を提供すること。
【解決手段】部品供給装置は、リード付きの部品をテープ本体に保持したテーピング部品連を搬送経路に沿って搬送方向に搬送し、ピックアップ位置に部品を送るテープ送り部と、ピックアップ位置において部品のリードを切断するリード切断部と、リードが切断された後のテープ本体を切断するテープ切断部と、を備え、リード切断部とテープ切断部は、一体的に構成される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リード付きの部品をテープ本体に保持したテーピング部品連を搬送経路に沿って搬送方向に搬送し、ピックアップ位置に部品を送るテープ送り部と、
前記ピックアップ位置において部品のリードを切断するリード切断部と、
リードが切断された後のテープ本体を切断するテープ切断部と、を備え、
前記リード切断部と前記テープ切断部は、一体的に構成される、
部品供給装置。
【請求項2】
前記リード切断部と前記テープ切断部を駆動する共通の駆動源をさらに備える、請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記リード切断部は、リードに係合可能な第1刃先部を有する第1可動ガイドと、前記第1可動ガイドに対して部品を挟んで対向する位置に設けられる第1固定ガイドとを有し、
前記テープ切断部は、テープ本体に係合可能な第2刃先部を有する第2可動ガイドと、前記第2可動ガイドに対してテープ本体を挟んで対向する位置に設けられる第2固定ガイドとを有し、
前記第1可動ガイドと前記第2可動ガイドが、一体的に構成される、請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項4】
前記第1可動ガイドと前記第2可動ガイドは、前記搬送方向に沿って延びる共通の回転軸を中心として回転駆動される、請求項3に記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記第1刃先部は前記搬送方向に沿って延び、前記第2刃先部は前記搬送方向に交差する方向に沿って延びる、請求項3に記載の部品供給装置。
【請求項6】
前記搬送方向における前記第1刃先部と前記第2刃先部の距離は、テーピング部品連における部品同士のピッチよりも短い、請求項3に記載の部品供給装置。
【請求項7】
前記第1可動ガイドと前記第2可動ガイドが退避位置にあるときに、前記第2可動ガイドと前記第2固定ガイドの隙間は、前記第1可動ガイドと前記第1固定ガイドの隙間よりも狭い、請求項3に記載の部品供給装置。
【請求項8】
前記第1刃先部の動作範囲の上方にカバー部材を設けた、請求項3に記載の部品供給装置。
【請求項9】
前記カバー部材は、前記ピックアップ位置における部品のボディの下方に配置される、請求項8に記載の部品供給装置。
【請求項10】
前記カバー部材は、固定的に設けられる、請求項8に記載の部品供給装置。
【請求項11】
前記カバー部材は、前記リード切断部と一体的に移動する可動カバーと、前記可動カバーを部品のリードに向けて付勢する付勢部とを有し、
前記可動カバーは、部品のリードから離れた退避位置と、部品のリードに接触する動作位置との間を移動する、請求項8に記載の部品供給装置。
【請求項12】
前記テープ切断部によって切断されたテープ本体を案内する使用済みテープ案内部をさらに備え、
前記使用済みテープ案内部のテープ案内通路の横幅は、前記搬送経路の横幅よりも広い、請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項13】
前記テープ案内通路の横幅は、切断されたテープ本体および当該テープ本体に残っているリードを含む高さ方向の全長よりも長い、請求項12に記載の部品供給装置。
【請求項14】
前記搬送方向に沿って見たときに、前記使用済みテープ案内部の横幅の中心は、前記搬送経路の横幅の中心に対してずれた位置にある、請求項12に記載の部品供給装置。
【請求項15】
テープ送り部によって、リード付きの部品をテープ本体に保持したテーピング部品連を搬送経路に沿って搬送方向に搬送し、ピックアップ位置に部品を送るステップと、
リード切断部によって、前記ピックアップ位置において部品のリードを切断するステップと、
前記リード切断部と一体的に構成されたテープ切断部によって、リードが切断された後のテープ本体を切断するステップと、を含む、
部品供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リード付き部品を供給する部品供給装置および部品供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラジアル部品等のリード付き部品は、部品供給装置によって装着ヘッドに供給される(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の部品供給装置は、搬送経路の途中で部品のリードを折り曲げるリード折り曲げ装置と、リード折り曲げ装置よりも下流側の供給位置で部品のリードを切断するリードカッタ装置とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-96146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、リードを折り曲げる機能や切断する機能のように加工機能を付加しようとすると、当該機能のための構成を追加する必要があり、コストアップしやすいという課題がある。
【0006】
従って、本開示の目的は、前記課題を解決することにあって、コストアップを抑制しながら加工機能を増やすことができる部品供給装置および部品供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本開示の部品供給装置は、リード付きの部品をテープ本体に保持したテーピング部品連を搬送経路に沿って搬送方向に搬送し、ピックアップ位置に部品を送るテープ送り部と、前記ピックアップ位置において部品のリードを切断するリード切断部と、リードが切断された後のテープ本体を切断するテープ切断部と、を備え、前記リード切断部と前記テープ切断部は、一体的に構成される。
【0008】
また、本開示の部品供給方法は、テープ送り部によって、リード付きの部品をテープ本体に保持したテーピング部品連を搬送経路に沿って搬送方向に搬送し、ピックアップ位置に部品を送るステップと、リード切断部によって、前記ピックアップ位置において部品のリードを切断するステップと、前記リード切断部と一体的に構成されたテープ切断部によって、リードが切断された後のテープ本体を切断するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、コストアップを抑制しながら加工機能を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態の部品供給装置が装填された部品装着装置の主要な構成を示す平面図
図2】実施形態の部品装着装置の主要な構成を示す側面図
図3】実施形態の部品供給装置で取り扱われるテーピング部品連の外観斜視図
図4】実施形態の部品供給装置の斜視図
図5】実施形態のピックアップ位置の周辺を拡大して示す斜視図
図6】実施形態のピックアップ位置の周辺を拡大して示す斜視図
図7A】実施形態のリード切断部およびテープ切断部の動作を説明するための拡大斜視図(退避位置)
図7B】実施形態のリード切断部およびテープ切断部の動作を説明するための拡大斜視図(動作位置)
図8A】実施形態のリード切断部およびテープ切断部の動作を説明するための正面図(退避位置)
図8B】実施形態のリード切断部およびテープ切断部の動作を説明するための正面図(動作位置)
図9A】実施形態のリード切断部およびテープ切断部の動作を説明するための拡大平面図(退避位置)
図9B】実施形態のリード切断部およびテープ切断部の動作を説明するための拡大平面図(動作位置)
図10】実施形態のリード切断部、テープ切断部および使用済みテープ案内部に関する寸法関係を説明するための拡大平面図
図11】実施形態の部品供給装置を含む部品装着装置の制御系を示すブロック図
図12】実施形態の部品装着装置による部品供給方法および部品装着方法の処理を示すフローチャート
図13A】変形例に係るカバー部材の周辺構成を概略的に示す正面図(退避位置)
図13B】変形例に係るカバー部材の周辺構成を概略的に示す正面図(動作位置)
図13C】変形例に係るカバー部材の周辺構成を概略的に示す正面図(動作位置)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の第1態様によれば、リード付きの部品をテープ本体に保持したテーピング部品連を搬送経路に沿って搬送方向に搬送し、ピックアップ位置に部品を送るテープ送り部と、前記ピックアップ位置において部品のリードを切断するリード切断部と、リードが切断された後のテープ本体を切断するテープ切断部と、を備え、前記リード切断部と前記テープ切断部は、一体的に構成される、部品供給装置を提供する。
【0012】
本開示の第2態様によれば、前記リード切断部と前記テープ切断部を駆動する共通の駆動源をさらに備える、第1態様に記載の部品供給装置を提供する。
【0013】
本開示の第3態様によれば、前記リード切断部は、リードに係合可能な第1刃先部を有する第1可動ガイドと、前記第1可動ガイドに対して部品を挟んで対向する位置に設けられる第1固定ガイドとを有し、前記テープ切断部は、テープ本体に係合可能な第2刃先部を有する第2可動ガイドと、前記第2可動ガイドに対してテープ本体を挟んで対向する位置に設けられる第2固定ガイドとを有し、前記第1可動ガイドと前記第2可動ガイドが、一体的に構成される、第1態様又は第2態様に記載の部品供給装置を提供する。
【0014】
本開示の第4態様によれば、前記第1可動ガイドと前記第2可動ガイドは、前記搬送方向に沿って延びる共通の回転軸を中心として回転駆動される、第3態様に記載の部品供給装置を提供する。
【0015】
本開示の第5態様によれば、前記第1刃先部は前記搬送方向に沿って延び、前記第2刃先部は前記搬送方向に交差する方向に沿って延びる、第3態様又は第4態様に記載の部品供給装置を提供する。
【0016】
本開示の第6態様によれば、前記搬送方向における前記第1刃先部と前記第2刃先部の距離は、テーピング部品連における部品同士のピッチよりも短い、第3態様から第5態様のいずれか1つに記載の部品供給装置を提供する。
【0017】
本開示の第7態様によれば、前記第1可動ガイドと前記第2可動ガイドが退避位置にあるときに、前記第2可動ガイドと前記第2固定ガイドの隙間は、前記第1可動ガイドと前記第1固定ガイドの隙間よりも狭い、第3態様から第6態様のいずれか1つに記載の部品供給装置を提供する。
【0018】
本開示の第8態様によれば、前記第1刃先部の動作範囲の上方にカバー部材を設けた、第3態様から第7態様のいずれか1つに記載の部品供給装置を提供する。
【0019】
本開示の第9態様によれば、前記カバー部材は、前記ピックアップ位置における部品のボディの下方に配置される、第8態様に記載の部品供給装置を提供する。
【0020】
本開示の第10態様によれば、前記カバー部材は、固定的に設けられる、第8態様又は第9態様に記載の部品供給装置を提供する。
【0021】
本開示の第11態様によれば、前記カバー部材は、前記リード切断部と一体的に移動する可動カバーと、前記可動カバーを部品のリードに向けて付勢する付勢部とを有し、前記可動カバーは、部品のリードから離れた退避位置と、部品のリードに接触する動作位置との間を移動する、第8態様から第10態様のいずれか1つに記載の部品供給装置を提供する。
【0022】
本開示の第12態様によれば、前記テープ切断部によって切断されたテープ本体を案内する使用済みテープ案内部をさらに備え、前記使用済みテープ案内部のテープ案内通路の横幅は、前記搬送経路の横幅よりも広い、第1態様から第11態様のいずれか1つに記載の部品供給装置を提供する。
【0023】
本開示の第13態様によれば、前記テープ案内通路の横幅は、切断されたテープ本体および当該テープ本体に残っているリードを含む高さ方向の全長よりも長い、第12態様に記載の部品供給装置を提供する。
【0024】
本開示の第14態様によれば、前記搬送方向に沿って見たときに、前記使用済みテープ案内部の横幅の中心は、前記搬送経路の横幅の中心に対してずれた位置にある、第12態様又は第13態様に記載の部品供給装置を提供する。
【0025】
本開示の第15態様によれば、テープ送り部によって、リード付きの部品をテープ本体に保持したテーピング部品連を搬送経路に沿って搬送方向に搬送し、ピックアップ位置に部品を送るステップと、リード切断部によって、前記ピックアップ位置において部品のリードを切断するステップと、前記リード切断部と一体的に構成されたテープ切断部によって、リードが切断された後のテープ本体を切断するステップと、を含む、部品供給方法を提供する。
【0026】
以下、本開示に係る部品供給装置および部品供給方法の例示的な実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が本開示に含まれる。
【0027】
(実施形態)
本開示の実施形態にかかる部品供給装置5が装填された部品装着装置1の主要な構成を平面図として図1に示す。また、部品装着装置1の主要な構成を側面図として図2に示す。
【0028】
図1において、基台1aの中央には、基板搬送装置2が設置されている。基板搬送装置2は、上流側から搬入された基板3をX方向へ搬送し、装着ヘッド10による装着作業位置に位置決めして保持する。基板搬送装置2は、部品装着作業が完了した基板3をX方向下流側に搬出する。基板搬送装置2は、基板3を搬送する搬送装置としての機能と、基板3を位置決めして保持する基板保持装置としての機能を有する。基板搬送装置2の両側方(Y方向)には、それぞれ部品供給部4が設置されている。
【0029】
ここで、X方向およびY方向は、水平面内で互いに直交する2軸方向である。X方向(図1における左右方向)は、基板搬送方向を示し、Y方向は、部品供給部4の外側から基板搬送装置2に向かう方向(部品供給方向)を示す。Z方向は、X方向およびY方向に直交する方向であり、部品装着装置1が水平面上に設置された場合の上下方向である。
【0030】
部品供給部4には、複数の部品供給装置5がX方向に並列に装備されている。部品供給装置5は、リード付きの部品(リード型部品)として、例えば複数のラジアルリード型部品のリードをテープ本体にて保持したテーピング部品連を、部品供給部4の外側から基板搬送装置2に向かう方向(Y方向)にピッチ送りして、ピックアップ位置5aに部品を供給する装置である。ここで、ピックアップ位置5aとは、テーピング部品連の搬送経路において装着ヘッド10が部品をピックアップする位置であり、部品供給装置5から装着ヘッド10へ部品を供給する「供給位置」である。
【0031】
図1に示すように、基台1a上面のX方向の一端には、リニア駆動機構を備えたY軸ビーム8がY方向に沿って設置されている。Y軸ビーム8には、同様にリニア駆動機構を備えた2つのX軸ビーム9がそれぞれY方向に移動自在に結合されている。それぞれのX軸ビーム9には、装着ヘッド10がX方向に移動自在に装備されている。装着ヘッド10は、複数の部品保持ユニット11(ここでは3つ)を備えている。Y軸ビーム8およびX軸ビーム9は、装着ヘッド10を水平方向(X方向、Y方向)に移動させるヘッド移動機構12を構成する。
【0032】
図2に示すように、部品供給装置5は、部品供給装置5が備えるフィーダ側接続部5bと基台1aが備える装置側接続部1bを接続した状態で基台1aに装備される。フィーダ側接続部5bと装置側接続部1bを接続することにより、部品供給装置5が部品装着装置1と電気的に接続される。各部品保持ユニット11の下端には、部品供給装置5によって供給される部品を挟んで保持する部品保持部11aが設けられている。
【0033】
(部品装着動作)
部品装着動作では、装着ヘッド10は、ヘッド移動機構12により部品供給装置5の上方に移動し、部品供給装置5のピックアップ位置5aに供給された部品31を部品保持部11aにより保持してピックアップする(矢印a)。部品31を保持した装着ヘッド10は、ヘッド移動機構12により基板搬送装置2の装着作業位置に保持された基板3の上方に移動し、基板3に形成された貫通孔3aに部品31のリードを挿入して基板3に装着する(矢印b)。
【0034】
図1に示すように、部品供給部4と基板搬送装置2との間には、部品認識カメラ13が設置されている。部品供給装置5から部品31を取り出した装着ヘッド10が部品認識カメラ13の上方を移動する際に、部品認識カメラ13は装着ヘッド10に保持された部品31を撮像して認識する。装着ヘッド10が取り付けられた結合プレート10aには、X軸ビーム9の下面側に位置して、装着ヘッド10と一体的に移動する基板認識カメラ14が設けられている。
【0035】
装着ヘッド10が移動することにより、基板認識カメラ14は基板搬送装置2に位置決めされた基板3の上方に移動して、基板3に設けられた基板マーク(図示せず)を撮像して基板3の位置を認識する。また、基板認識カメラ14は、基板3に形成された貫通孔3aを撮像して貫通孔3aの位置を認識する。装着ヘッド10による部品31の基板3への部品装着動作では、部品認識カメラ13による部品の認識結果と、基板認識カメラ14による基板3と貫通孔3aの認識結果とを加味して装着位置の補正が行われる。
【0036】
(テーピング部品連)
部品供給装置5にて取り扱われるテーピング部品連30の外観斜視図を図3に示す。
【0037】
図3に示すように、テーピング部品連30は、リード型部品として、例えば複数のラジアルリード型部品31をテープ本体34にて保持した部品連結体である。ラジアルリード型部品31(以降、単に「部品31」、「ラジアル部品31」と称する場合もある)は、電子部品としての機能部分であるボディ32と、ボディ32から一方向、例えば下方に延びる接続端子である2本のリード33とを備える。複数の部品31は、リード33を下向きとした同じ姿勢、かつ均等なピッチPに配列された状態にて、リード33の下端側がテープ本体34にて保持されている。テープ本体34は部品31の配列方向に沿って延びており、一定の間隔にて送り孔34aが設けられている。この送り孔34aは、部品供給装置5が備えるテープ送り部の送り爪に係合されて、テーピング部品連30の送り動作に用いられる。
【0038】
リード型部品としてはボディから延びるリードを有する部品であればよく、本実施形態では、リード型部品がラジアルリード型部品である場合を例として説明している。また、テーピング部品連には複数のリード型部品が保持されている場合を例として説明しているが、テーピング部品連には少なくとも1つのリード型部品が保持されていればよい。
【0039】
(部品供給装置)
部品供給装置5の全体斜視図を図4に示す。図4では、部品供給装置5の内部構成が理解しやすいように、外装カバーなどの外装部材を取り外した状態で内部構造を示している。また、エア配管や電気配線などの詳細構造についてはその図示を省略している。
【0040】
図4に示すように、部品供給装置5は、Y方向前方側(+Y方向側)を部品装着装置1の装着作業位置側として、部品装着装置1の部品供給部4(図示せず)に脱着可能に装備される。
【0041】
図4に示す部品供給装置5は、フィーダ本体部51を備える。
【0042】
フィーダ本体部51は、テーピング部品連30を搬送方向Y1(Y方向前方側)に向けてピッチ送りし、ピックアップ位置5aにテーピング部品連30の部品31を順次供給する機能を有する。テーピング部品連30は、図示しない収容部につづら折り状態やリール状態で収容されており、フィーダ本体部51に供給される。
【0043】
フィーダ本体部51は、テープ送り部60と、リード切断部70と、テープ切断部80と、使用済みテープ案内部90とを備える。
【0044】
フィーダ本体部51の上部には、テーピング部品連30の搬送経路53がY方向に沿うように設けられており、搬送経路53のY方向前方側(搬送方向Y1の下流側)端にピックアップ位置5aが位置している。
【0045】
テープ送り部60は、テープ送り機構61と、テープ送り機構61を駆動させるテープ送り駆動源62とを備える。テープ送り機構61としては、公知の様々な機構を採用してもよい。本実施形態では、テープ送り機構61は、例えば、テーピング部品連30のテープ本体34に設けられた複数の送り孔34aに係合する送り爪(図示せず)と、この送り爪を進退駆動させる駆動機構(図示せず)とを備える。なお、このような駆動機構は複数の部品にて構成されてもよく、例えばカム・カムフォロアの機構を採用してもよい。
【0046】
テープ送り駆動源62はエアシリンダで構成されており、テープ送り機構61の駆動機構と連結されている。エアシリンダが駆動されることにより、テープ送り駆動源62が駆動機構を駆動して、送り爪が進退駆動されることにより、搬送経路53に沿ってテーピング部品連30の送り動作が行われる。なお、搬送経路53に対して送り爪が進行方向に移動する際に送り爪と送り孔34aとが係合された状態にあり、送り爪が後退方向に移動する際に両者の係合が解除された状態となる。
【0047】
リード切断部70は、ピックアップ位置5aにおいて部品31のリード33を切断するための部材・機構である。ピックアップ位置5aで部品31のリード33を切断することで、リード33の長さを所望の長さに調節した状態で装着ヘッド10に部品31を供給できる。
【0048】
テープ切断部80は、リード切断部70によってリード33が切断された後の使用済みのテープ本体34をテーピング部品連30から切断するための部材・機構である。使用済みのテープ本体34を切断することで、テープ本体34の廃棄が容易になるとともに、テープ詰まりを抑制してエラーの発生率を低減することができる。
【0049】
使用済みテープ案内部90は、テープ切断部80が切断した使用済みのテープ本体34をフィーダ本体部51の外部へ案内するための部材である。これにより、使用済みのテープ本体34の廃棄が容易になりテープ詰まりを抑制できる。
【0050】
図4に示すように、リード切断部70はピックアップ位置5aに設けられ、テープ切断部80はリード切断部70の下流側に設けられ、使用済みテープ案内部90はテープ切断部80の下流側に設けられる。
【0051】
本実施形態の部品供給装置5は、リード切断部70およびテープ切断部80を駆動するための共通の駆動部として、切断用駆動源71と、切断用駆動機構72とを備える。
【0052】
切断用駆動源71は、リード切断部70とテープ切断部80を共通して駆動するための駆動源であり、例えばエアシリンダで構成される。切断用駆動源71は、切断用駆動機構72に接続される。
【0053】
切断用駆動機構72は、リード切断部70とテープ切断部80のそれぞれの可動部を移動させるための機構であり、各可動部に連結されている。切断用駆動機構72は、例えばカム・カムフォロアの機構で構成されるが、リード切断部70とテープ切断部80をそれぞれ駆動可能であれば、任意の構成を用いてもよい。
【0054】
本実施形態の部品供給装置5では、リード切断部70とテープ切断部80を共通の駆動部で駆動することで、コストアップを抑制しながら加工機能を増やすことができる。
【0055】
以下、リード切断部70、テープ切断部80および使用済みテープ案内部90の詳細な構成について、図5図10を用いて説明する。
【0056】
図5図6はそれぞれ、ピックアップ位置5aの周辺を拡大して示す斜視図である。図7A図7Bはそれぞれ、リード切断部70およびテープ切断部80のそれぞれの動作を説明するための拡大斜視図であり、図8A図8Bはそれぞれ、同動作を説明するための正面図であり、図9A図9Bはそれぞれ、同動作を説明するための拡大平面図である。図10は、リード切断部70、テープ切断部80および使用済みテープ案内部90に関する寸法関係を説明するための平面図である。
【0057】
図5図6に示すように、本実施形態の部品供給装置5では、リード切断部70とテープ切断部80が一体的に構成されている。特に、リード切断部70とテープ切断部80のそれぞれの可動部(可動ガイド73、81)が一体的に構成されており、図7A図8A図9Aに示す退避位置と、図7B図8B図9Bに示す動作位置との間を一体的に往復移動する。
【0058】
図5図6では、リード切断部70とテープ切断部80が退避位置にある状態を示す。図5図10では、ピックアップ位置5aにある部品31を適宜、「部品31A」と表記し、ピップアップ位置5aの1つ前の部品31を適宜、「部品31B」と表記する。
【0059】
図5図6に示すように、リード切断部70は、第1可動ガイド73と、第1固定ガイド74とを備える。
【0060】
第1可動ガイド73は、リード切断部70の可動部であり、前述した切断用駆動源71と切断用駆動機構72によって駆動される。本実施形態の第1可動ガイド73は、部品31の搬送方向Y1に沿って伸びる回転軸Axを中心として回転方向Rに沿って回転駆動される。切断用駆動源71の直線駆動力が、切断用駆動機構72を介して回転駆動力に変換して伝達される。
【0061】
第1固定ガイド74は、リード切断部70の固定部であり、第1可動ガイド73に対して搬送経路53および部品31Aを挟んで対向する位置に設けられる。第1固定ガイド74には移動機能がなく、フィーダ本体部51に固定的に設けられる。
【0062】
テープ切断部80は、第2可動ガイド81と、第2固定ガイド82とを備える。
【0063】
第2可動ガイド81は、テープ切断部80の可動部であり、前述した切断用駆動源71と切断用駆動機構72によって駆動される。本実施形態の第2可動ガイド81は、第1可動ガイド73と共通の回転軸Axを中心として回転方向Rに回転駆動される。
【0064】
第2固定ガイド82は、テープ切断部80の固定部であり、第2可動ガイド81に対して搬送経路53およびテープ本体34を挟んで対向する位置に設けられる。第2固定ガイド82には移動機能がなく、フィーダ本体部51に固定的に設けられる。
【0065】
上述した第1可動ガイド73と第2可動ガイド81は一体的に構成されており、図7A図8A図9Aに示すように退避位置に向かって第1回転方向R1に一体的に移動し、図7B図8B図9Bに示すように動作位置に向かって第2回転方向R2に一体的に移動する。
【0066】
第1可動ガイド73と第2可動ガイド81は共通の回転軸Axを中心として一体的に回転するため、回転軸Axからの距離に応じた回転量(移動量)は同じである。
【0067】
第1固定ガイド74は、第1可動ガイド73と一体的ではなく独立して設けられ、第2固定ガイド82は、第2可動ガイド81と一体的ではなく独立して設けられる。
【0068】
図5図6に示すように、部品供給装置5はさらに、連結ブロック100と、カバー部材102とを備える。
【0069】
連結ブロック100は、第1可動ガイド73と第2可動ガイド81を一体的に連結するためのブロックである。連結ブロック100は、1つ又は複数のブロックで構成されてもよい。
【0070】
図5図6に示すカバー部材102は、リード切断部70における第1可動ガイド73と第1固定ガイド74の隙間をカバーするための部材である。簡略化のために、図7A図10ではカバー部材102の図示を省略している。カバー部材102は、ピックアップ位置5aにおいて第1可動ガイド73の刃先部75(図7A等)の移動範囲の上方に設けられる。カバー部材102を設けることで、第1可動ガイド73と第1固定ガイド74の隙間に人の指等が入りにくくして安全性を向上させることができる。
【0071】
本実施形態のカバー部材102は、フィーダ本体部51に固定的に設けられ、ピックアップ位置5aにおいて部品31Aのボディ32の下方に配置される。部品31Aのボディ32は、カバー部材102と第1固定ガイド74によって両側から支持され、ピックアップ位置5aにおける部品31Aの転倒が防止される。
【0072】
図5図6に示すように、使用済みテープ案内部90は、使用済みのテープ本体34Aを受けるようにテープ切断部80の下流側に設けられる。使用済みテープ案内部90は、リード切断部70とテープ切断部80の動作に干渉しない位置でフィーダ本体部51に固定されている。使用済みテープ案内部90は、着脱可能であってもよい。
【0073】
図7A図8A図9A等に示すように、第1可動ガイド73は刃先部75を有し、第1固定ガイド74は刃先部76を有する。刃先部75、76はそれぞれ、部品31Aのリード33を切断するための鋭利な形状を有する部分である。
【0074】
図7A図8A図9Aに示す退避位置では、刃先部75、76同士は、搬送方向Y1に交差する方向(X方向)に間隔を空けて隙間を形成する。図7B図8B図9Bに示す動作位置では、刃先部75、76同士は高さ方向(Z方向)にわずかに間隔を空けた状態で、第1可動ガイド73と第1固定ガイド74が高さ方向に重なる位置まで、第1可動ガイド73の刃先部75が第1固定ガイド74の内側へ進入する。これにより、部品31Aのリード33を挟んで切断することができる。
【0075】
図7A図8A図9A等に示すように、第2可動ガイド81は刃先部84を有し、第2固定ガイド82は刃先部85を有する。刃先部84、85はそれぞれ、テーピング部品連30からテープ本体34を切断するための鋭利な形状を有する部分である。
【0076】
図7A図8A図9Aに示す退避位置では、刃先部84、85同士は、搬送方向Y1に交差する方向(X方向)に間隔を空けて隙間を形成する。図7B図8B図9Bに示す動作位置では、刃先部84、85同士は搬送方向Y1にわずかに間隔を空けた状態で、第2可動ガイド81と第2固定ガイド82が搬送方向Y1に重なる位置まで、第2可動ガイド81の刃先部84が第2固定ガイド82の内側へ進入する。これにより、テープ本体34を挟んで切断することができる。
【0077】
刃先部75、76および刃先部84、85の仕様は、切断対象であるリード33やテープ本体34の形状・寸法の違いに応じて異なっている。
【0078】
具体的には、刃先部75、76が延びる方向と、刃先部84、85が延びる方向は異なる。刃先部75、76はそれぞれ、搬送方向Y1に離れた2本のリード33を切断するように搬送方向Y1に沿って延びている。刃先部84、85はそれぞれ、切断対象であるテープ本体34の高さ方向(Z方向)に沿って延びており、刃先部75、76が延びる方向と交差する。
【0079】
切断が必要な領域については、リード33よりもテープ本体34の方が広いため、図7A図7Bに示すように、テープ本体34を切断するための刃先部84、85の厚みの方が、リード33を切断するための刃先部75、76の厚みよりも相対的に大きくなっている。
【0080】
切断領域の広いテープ本体34を切断するために、図7B図8B図9Bに示す動作位置において、刃先部75よりも刃先部84の方がより奥側(固定ガイド側)に進入するように構成している。そのために、図7A図8A図9Aに示す退避位置において、第2可動ガイド81と第2固定ガイド82の隙間の距離を、第1可動ガイド73と第1固定ガイド74の隙間の距離よりも小さくしている。このような距離設定によれば、第1可動ガイド73と第2可動ガイド81の移動量が同じ場合等に、刃先部84の進入量を刃先部75の進入量よりも相対的に大きくすることができ、切断領域の広いテープ本体34の切断精度を向上させることができる。
【0081】
第1可動ガイド73と第1固定ガイド74の隙間が相対的に広くなることに応じて、図5図6に示したように、第1可動ガイド73の刃先部75の動作範囲の上方にカバー部材102を設けている。これにより、当該隙間に人の指等が入りにくくして安全性を向上させることができる。なお、第2可動ガイド81と第2固定ガイド82の隙間は相対的に小さいため、当該隙間をカバーするためのカバー部材は設けていない。
【0082】
図7A図8Aに示すように、第2固定ガイド82は、第2可動ガイド81と接触する側の面に凹部83を有する。第2可動ガイド81と第2固定ガイド82の重なり領域が相対的に大きいため、凹部83を設けることで第2可動ガイド81と第2固定ガイド82の表面同士の摩擦抵抗を減らし、テープ本体34の切断精度を向上させることができる。
【0083】
図8A図8Bに示すように、使用済みテープ案内部90は、ガイド底壁92と、一対のガイド側壁94とを有する。ガイド底壁92およびガイド側壁94は、使用済みのテープ本体34Aおよびリード33A(図8B)をフィーダ本体部51の外部に案内するための壁部である。ガイド底壁92と一対のガイド側壁94によってテープ案内通路96が形成される。
【0084】
ガイド底壁92は、使用済みのテープ本体34Aおよびリード33Aを自重でスライドさせるように斜め下方に傾斜している。本実施形態のガイド底壁92とガイド側壁94はバフ研磨等の手段で研磨されており、テープ本体34Aのスライド移動を促進する。
【0085】
テープ案内通路96の横幅は、テープ本体34Aとリード33Aを収容するのに十分な幅に設定されている。テープ案内通路96に到達したテープ本体34Aおよびリード33Aはガイド底壁92の上で自立することができず、横に倒れて、自重でスライド移動していく。これにより、テープ案内通路96におけるテープ詰まりが抑制される。
【0086】
図8Aに示すように、搬送方向Y1に沿って見たときに、使用済みテープ案内部90の横幅の中心C1は、搬送経路53の横幅の中心C2に対してずれた位置にある。このような配置によれば、搬送経路53から排出される使用済みのテープ本体34Aが倒れる方向を一方向に制御しやすくなる。
【0087】
特に本実施形態では、中心C1は中心C2に対して可動ガイド側(矢印X1)にずれている。これにより、図8Bに示すように、テープ本体34Aが固定側(矢印X2)、リード33Aが可動側(矢印X1)に配置された状態となりやすく、使用済みテープの排出を促進できる。
【0088】
次に、図10を用いて寸法関係について説明する。
【0089】
図10に示す退避位置において、刃先部75と刃先部76の間の隙間は、長さD1である。刃先部84と刃先部85の間の隙間は、長さD2である。本実施形態では、D1>D2である。これにより、可動ガイド73、81の移動量が同じ構成において、刃先部84の進入量を刃先部75の進入量よりも相対的に大きくして、切断領域の広いテープ本体34の切断精度を向上させることができる。
【0090】
搬送方向Y1に沿った長さとして、刃先部75と刃先部84の間の距離は、長さD3である。本実施形態では、D3>P(図3)である。テーピング部品連30における部品31同士のピッチPよりも長さD3を短くすることで、リード33の切断位置とテープ本体34の切断位置を近付けることができる。これにより、部品供給装置5を小型化できる。
【0091】
使用済みのテープ本体34Aとリード33Aを合わせた高さ方向の全長は、長さD4である。使用済みテープ案内部90におけるテープ案内通路96の横幅は、長さD5である。本実施形態では、D5>D4である。使用済みテープ案内部90の横幅を長くとることで、使用済みのテープ本体34Aおよびリード33Aを倒れやすくして、テープ詰まりを抑制することができる。
【0092】
また本実施形態では、搬送経路53の横幅は長さD6であり、D5>D4>D6である。
【0093】
図11は、部品供給装置5を含む部品装着装置1の制御系を示すブロック図である。
【0094】
図11に示すように、部品装着装置1には、部品装着装置1が備えるそれぞれの装置の動作制御を行って部品装着動作を制御する部品装着制御装置103が備えられている。部品装着制御装置103は、記憶部等に記憶された部品実装プログラム、動作シーケンス、実装される部品情報、基板情報などに基づいてそれぞれの装置の動作を制御する機能を有する。部品供給装置5には、テープ送り部60、リード切断部70、およびテープ切断部80の動作を制御するフィーダ制御装置104が備えられている。フィーダ制御装置104は、テープ送り部60を駆動するためのテープ送り駆動源62と、リード切断部70およびテープ切断部80を駆動するための切断用駆動源71に接続されている。
【0095】
部品装着制御装置103とフィーダ制御装置104とは電気的に接続されており、部品装着制御装置103からの制御信号等がフィーダ制御装置104に入力され、入力された制御信号に基づいてフィーダ制御装置104による制御が行われる。また、部品供給装置5のそれぞれの装置からの動作情報がフィーダ制御装置104に入力され、フィーダ制御装置104から部品装着制御装置103へ動作情報が出力される。
【0096】
上記構成を有する部品装着装置1において、部品供給装置5から装着ヘッド10に部品31を供給して基板3に装着する方法について、図12に示すフローチャートを用いて説明する。
【0097】
まず、部品装着装置1において、基板搬送装置2の装着作業位置に基板3が搬入されると、基板3に対する部品31の装着動作に関連付けられたシーケンスまたは部品情報に基づいて、部品装着制御装置103からフィーダ制御装置104に対して部品供給信号が出力される。この部品供給信号は、複数の部品供給装置5の中で装着されるべき仕様の部品31を収容している部品供給装置5のフィーダ制御装置104に対して出力される。
【0098】
図12に示すように、フィーダ制御装置104では、部品供給動作を実施するか否かが判断される(S1)。
【0099】
部品装着制御装置103からの部品供給信号が入力されない場合には、部品供給動作を行わないものとして(S1でNO)、処理を終了させるか、あるいは待機状態となる。一方、部品供給信号が入力された場合には、部品供給動作を行うものとして(S1でYES)、テープ送り部60によりテーピング部品連30の送り動作を行う(S2)。
【0100】
ステップS2では、テープ送り駆動源62にエアを供給することで、テープ送り機構61が駆動されて、テーピング部品連30が搬送経路53に沿って送られる。テーピング部品連30の送り動作により、搬送経路53におけるピックアップ位置5aに1個の部品31Aが位置された状態となる。
【0101】
次に、装着ヘッド10で部品31Aのボディ32を保持した状態で、リード切断部70による部品31のリード切断動作(S3)と、テープ切断部80によるテープ本体34のテープ切断動作(S4)とが、同じタイミングで実行される。
【0102】
ステップS3、S4では、切断用駆動源71にエアを供給することで、切断用駆動機構72が駆動されて、リード切断部70の第1可動ガイド73とテープ切断部80の第2可動ガイド81が一体的に駆動される。図7A図8A図9Aに示す退避位置にある可動ガイド73、81が、図7B図8B図9Bに示すように第2回転方向R2に回転駆動することで、第1可動ガイド73と第1固定ガイド74が部品31のリード33を切断し(S3)、第2可動ガイド81と第2固定ガイド82がテープ本体34を切断する(S4)。
【0103】
その後、切断用駆動源71へのエアの供給方向を切り替えることで、動作位置にある可動ガイド73、81は、図7A図8A図9Aに示すように第1回転方向R1に回転駆動されて退避位置に戻る。
【0104】
ステップS4で切断された使用済みのテープ本体34Aは、使用済みテープ案内部90によってフィーダ本体部51の外部に排出されて廃棄される。使用済みテープ案内部90は動力を使用するものではなく、テープ本体34Aおよびリード33Aの自重でスライド移動させるものであり、動力を使用する場合に比べてコストアップを抑制することができる。
【0105】
その後、ピックアップ位置5aに位置しているリード33が切断された部品31Aが装着ヘッド10によりピックアップされて、装着ヘッド10への部品供給が行われる(S5)。
【0106】
その後、フィーダ制御装置104において、次の部品供給を行うかどうかが判断され(S1)、部品供給を行う場合(S1でYES)には、ステップS2~S5の動作が順次実行される。一方、部品供給を行わない場合(S1でNO)には、処理を終了させるか、あるいは待機状態となる。
【0107】
図12に示す処理を実行することで、部品供給装置5による部品31の供給動作と、装着ヘッド10による部品31のピックアップ動作および基板3への部品31の装着動作を連続的に実行して、テーピング部品連30に含まれる部品31を基板3に順次挿入していくことができる。
【0108】
上記の構成および機能を有する部品供給装置5によれば、リード切断部70とテープ切断部80を設けて複数の加工機能を実装するとともに、リード切断部70の第1可動ガイド73とテープ切断部80の第2可動ガイド81を一体的に構成することで、駆動部を共通化する等、コストアップを抑制することができる。
【0109】
(作用・効果)
上述したように、本実施形態の部品供給装置5は、リード付きの部品31をテープ本体34に保持したテーピング部品連30を搬送経路53に沿って搬送方向Y1に搬送し、ピックアップ位置5aに部品31Aを送るテープ送り部60と、ピックアップ位置5aにおいて部品31Aのリード33を切断するリード切断部70と、リード33が切断された後のテープ本体34Aを切断するテープ切断部80と、を備え、リード切断部70とテープ切断部80は、一体的に構成される。
【0110】
このような構成によれば、リード切断部70とテープ切断部80を一体的に構成することで、リード切断部70とテープ切断部80を同時に駆動したり、共通の切断用駆動源71で駆動させる等、コストアップを抑制しながら、加工機能を増やすことができる。
【0111】
また、実施形態の部品供給装置5は、リード切断部70とテープ切断部80を駆動する共通の切断用駆動源71(駆動源)をさらに備える。このような構成によれば、コストアップを抑制することができる。
【0112】
また、実施形態の部品供給装置5では、リード切断部70は、リード33に係合可能な刃先部75(第1刃先部)を有する第1可動ガイド73と、第1可動ガイド73に対して部品31Aを挟んで対向する位置に設けられる第1固定ガイド74とを有し、テープ切断部80は、テープ本体34に係合可能な刃先部84(第2刃先部)を有する第2可動ガイド81と、第2可動ガイド81に対してテープ本体34を挟んで対向する位置に設けられる第2固定ガイド82とを有し、第1可動ガイド73と第2可動ガイド81が、一体的に構成される。このような構成によれば、必要な部分は一体的に構成しつつ、他の部分は別体で構成することが可能となる。
【0113】
また、実施形態の部品供給装置5では、第1可動ガイド73と第2可動ガイド81は、搬送方向Y1に沿って延びる共通の回転軸Axを中心として回転駆動される。このような構成によれば、異なる切断対象であるリード33とテープ本体34を切断する動作を一体的に実行しやすくなる。
【0114】
また、実施形態の部品供給装置5では、刃先部75(第1刃先部)は搬送方向Y1に沿って延びており、刃先部84(第2刃先部)は搬送方向Y1に交差する方向に沿って延びる。このような構成によれば、切断対象であるリード33とテープ本体34の位置や向きに応じて、刃先部75と刃先部84がそれぞれ延びる方向を適切な方向に設定することができる。
【0115】
また、実施形態の部品供給装置5では、搬送方向Y1における刃先部75(第1刃先部)と刃先部84(第2刃先部)の距離(長さD3)は、テーピング部品連30における部品31同士のピッチPよりも短い。このような構成によれば、リード33とテープ本体34を近い位置で切断することができ、一体的に切断する動作を実行しやすくなる。
【0116】
また、実施形態の部品供給装置5では、第1可動ガイド73と第2可動ガイド81が退避位置にあるときに、第2可動ガイド81と第2固定ガイド82の隙間(長さD2)は、第1可動ガイド73と第1固定ガイド74の隙間(長さD1)よりも狭い。このような構成によれば、第2可動ガイド81をより奥側に押し込みやすくなり、切断範囲の広いテープ本体34をより精度良く切断することができる。
【0117】
また、実施形態の部品供給装置5では、刃先部75(第1刃先部)の動作範囲の上方にカバー部材102を設けている。このような構成によれば、第1可動ガイド73と第1固定ガイド74の隙間に人の指等が入るスペースを少なくして安全性を向上させることができる。
【0118】
また、実施形態の部品供給装置5では、カバー部材102は、ピックアップ位置5aにおける部品31Aのボディ32の下方に配置される。このような構成によれば、カバー部材102によって部品31Aの転倒を抑制することができる。
【0119】
また、実施形態の部品供給装置5では、カバー部材102は、固定的に設けられる。このような構成によれば、コストアップを抑制することができる。
【0120】
また、実施形態の部品供給装置5では、テープ切断部80によって切断されたテープ本体34を案内する使用済みテープ案内部90をさらに備え、使用済みテープ案内部90のテープ案内通路96の横幅(長さD5)は、搬送経路53の横幅(長さD6)よりも広い。このような構成によれば、使用済みテープの詰まりを抑制することができる。
【0121】
また、実施形態の部品供給装置5では、テープ案内通路96の横幅(長さD5)は、切断されたテープ本体34Aおよび当該テープ本体34Aに残っているリード33Aを含む高さ方向の全長(長さD4)よりも長い。このような構成によれば、使用済みテープ案内部90において使用済みのテープを横に倒しやすく、テープ詰まりを抑制することができる。
【0122】
また、実施形態の部品供給装置5では、搬送方向Y1に沿って見たときに、使用済みテープ案内部90の横幅の中心C1は、搬送経路53の横幅の中心C2に対してずれた位置にある。このような構成によれば、使用済みのテープ本体34Aが倒れる方向を一方向に制御しやすくなり、テープ詰まりを抑制することができる。
【0123】
上述したように、本実施形態の部品供給方法は、テープ送り部60によって、リード付きの部品31をテープ本体34に保持したテーピング部品連30を搬送経路53に沿って搬送方向Y1に搬送し、ピックアップ位置5aに部品31Aを送るステップ(S2)と、リード切断部70によって、ピックアップ位置5aにおいて部品31Aのリード33を切断するステップ(S3)と、リード切断部70と一体的に構成されたテープ切断部80によって、リード33が切断された後のテープ本体34Aを切断するステップ(S4)と、を含む。
【0124】
このような方法によれば、コストアップを抑制しながら加工機能を増やすことができる。
【0125】
以上、上述の実施形態を挙げて本開示を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されない。例えば、本実施形態では、リード付きの部品31がラジアル部品である場合について説明したが、このような場合に限らず例えば、アキシャル部品等、他の種類のリード付き部品であってもよい。
【0126】
また実施形態では、カバー部材102が固定式である場合について説明したが、このような場合に限らず例えば、可動式であってもよい。可動式のカバー部材の例について、図13A図13Cを用いて説明する。
【0127】
図13A図13Cは、変形例に係るカバー部材200の周辺構成を概略的に示す正面図である。
【0128】
図13A図13Cに示すように、第1可動ガイド73には、可動式のカバー部材200が取り付けられている。カバー部材200は、可動カバー201と、付勢部202とを備える。可動カバー201は、スライド方向Aに沿って相対的にスライド可能な状態で第1可動ガイド73に取り付けられる部材である。可動カバー201は、部品31Aのリード33に係合可能な先端部204を有する。付勢部202は、カバー部材200を部品31Aのリード33に向けて付勢する部材(例えばバネ)であり、カバー部材200に対して付勢力Fを作用させる。
【0129】
図13Aに示す退避位置から第1可動ガイド73が駆動されて部品31Aのリード33に近付く方向に回転すると、図13Bに示すように、可動カバー201の先端部204が部品31のリード33に当接する。可動カバー201の先端部204が部品31のリード33に接触した状態を保ったまま、可動カバー201は付勢力Fとは逆向きの方向に相対的にスライド移動する。
【0130】
第1可動ガイド73の先端部である刃先部75が部品31のリード33に当接して押し込まれると、図13Cに示すように部品31Aのリード33が切断され、使用済みのテープ本体34A(図示せず)とリード33Aが生じる。
【0131】
上記構成によれば、可動式(シャッター式)のカバー部材200を用いることで、可動カバー201の先端部204を部品31Aのリード33に当接させた状態で、第1可動ガイド73によるリード33の切断動作を行うことができる。これにより、リード33を位置決め・保持しながら切断することができ、リード33の切断動作をより精度良く実行することができる。
【0132】
変形例に係る部品供給装置によれば、カバー部材200は、リード切断部70の第1可動ガイド73と一体的に移動する可動カバー201と、可動カバー201を部品31Aのリード33に向けて付勢する付勢部202とを有し、可動カバー201は、部品31Aのリード33から離れた退避位置(図13A)と、部品31Aのリード33に接触する動作位置(図13B図13C)との間を移動する。
【0133】
上記構成によれば、カバー部材200を可動式(シャッター式)にすることで、安全性を向上させながら、リード33の切断動作をより精度良く実行することができる。
【0134】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本開示は、リード付きの部品を供給する部品供給装置および部品供給方法であれば適用可能である。
【符号の説明】
【0136】
1 部品装着装置
2 基板搬送機構
3 基板
4 部品供給部
5 部品供給装置
5a ピックアップ位置
30 テーピング部品連
31、31A 部品
32 ボディ
33 リード
34 テープ本体
53 搬送経路
60 テープ送り部
70 リード切断部
80 テープ切断部
Y1 搬送方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C