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特開2024-139017電極、二次電池、電池パック、及び車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139017
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】電極、二次電池、電池パック、及び車両
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/1391 20100101AFI20241002BHJP
   H01M 4/485 20100101ALI20241002BHJP
   H01M 4/62 20060101ALI20241002BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20241002BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20241002BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20241002BHJP
【FI】
H01M4/1391
H01M4/485
H01M4/62 Z
H01M50/296
H01M50/284
H01M50/249
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049783
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】100111121
【弁理士】
【氏名又は名称】原 拓実
(74)【代理人】
【識別番号】100200148
【弁理士】
【氏名又は名称】今野 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100139538
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 航介
(74)【代理人】
【識別番号】100200115
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 元勇
(74)【代理人】
【識別番号】100200137
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 良介
(72)【発明者】
【氏名】杉崎 知子
(72)【発明者】
【氏名】休石 紘史
(72)【発明者】
【氏名】草間 知枝
(72)【発明者】
【氏名】笹川 哲也
【テーマコード(参考)】
5H040
5H050
【Fターム(参考)】
5H040AA36
5H040AS07
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY08
5H040DD08
5H050AA05
5H050AA07
5H050BA17
5H050CA01
5H050CA02
5H050CA05
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB03
5H050DA03
5H050DA10
5H050EA08
5H050FA09
5H050FA16
5H050HA02
5H050HA04
5H050HA05
5H050HA06
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、高温サイクル性能に優れた電極、二次電池、電池パック、及び車両を提供することである。
【解決手段】実施形態によると、電極が提供される。電極は、活物質含有層を含む。活物質含有層は、活物質及び炭素繊維を含む。活物質は、チタン含有複合酸化物を含む。活物質含有層は、水銀圧入法による対数微分細孔容積分布曲線において、最大対数微分細孔容積を示すピークを示す。ピークの細孔径PDは、0.1μmより大きく、0.3μm以下である。
他の実施形態によると、この二次電池は、正極と、負極と、電解質とを備える。正極及び負極の少なくとも一方は、実施形態に係る電極である。
他の実施形態によると、電池パックが提供される。この電池パックは、実施形態に係る二次電池を具備する。
他の実施形態によると、車両が提供される。この車両は、実施形態に係る電池パックを具備する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チタン含有複合酸化物を含む活物質及び炭素繊維を含む活物質含有層を含み、
前記活物質含有層は、水銀圧入法による対数微分細孔容積分布曲線において、最大対数微分細孔容積を示すピークを示し、
前記ピークの細孔径PDは、0.1μmより大きく0.3μm以下である電極。
【請求項2】
前記水銀圧入法による前記活物質含有層の全細孔表面積TAと前記ピークの細孔径PDとの関係が下記式(1)で表される、請求項1に記載の電極。
TA=a×PD+b (1)
ここで、式中aは、a=-17、bは7≦b≦10.6である。
【請求項3】
前記水銀圧入法による前記活物質含有層の全細孔表面積TAは、4m/g以上である、請求項2に記載の電極。
【請求項4】
前記水銀圧入法による前記活物質含有層の全細孔容積TVは、0.15mL/g以下である、請求項1乃至3の何れか1項に記載の電極。
【請求項5】
前記水銀圧入法による前記活物質含有層のメディアン径MDから、前記ピークの細孔径PDを差し引いた値MD-PDが、-0.02μm以上0.02μm以下である請求項1乃至3の何れか1項に記載の電極。
【請求項6】
前記チタン含有複合酸化物は、ATiMNb2-y7±z(0≦x≦5、0≦y≦0.5、-0.3≦z≦0.3、MはTi及びNb以外の少なくとも一種類の金属元素、AはLi及びNaの少なくとも一方)、Li2+aNaTi14(0≦a≦6)、及びLiTiO(0≦x≦1)からなる群より選ばれる一般式で表される少なくとも1つの化合物を含む、請求項1乃至3の何れか1項に記載の電極。
【請求項7】
前記炭素繊維の長さ方向に対して垂直な断面の直径は、1nm以上200nm以下である請求項1乃至3の何れか1項に記載の電極。
【請求項8】
前記炭素繊維の長さは、5μm以上50μm以下である、請求項1乃至3の何れか1項に記載の電極。
【請求項9】
正極と、負極と、電解質とを備え、
前記正極及び前記負極の少なくとも一方は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の電極である二次電池。
【請求項10】
請求項9に記載の二次電池を具備する電池パック。
【請求項11】
外部端子と、
保護回路と、
を具備する請求項10に記載の電池パック。
【請求項12】
複数の前記二次電池を具備し、
前記二次電池が、直列、並列、又は直列及び並列を組み合わせて電気的に接続されている、請求項10又は11に記載の電池パック。
【請求項13】
請求項10又は11に記載の電池パックを搭載した車両。
【請求項14】
前記車両の運動エネルギーを回生エネルギーに変換する機構を含む請求項13に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電極、二次電池、電池パック、及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
非水電解質二次電池などのリチウムイオン二次電池は、正極及び負極の間をリチウムイオンが移動することにより充放電を行う充電式の電池である。正極及び負極は、リチウムイオンを含む非水電解質を保持する。非水電解質二次電池は、小型電子機器用電源としての利用に加え、車載用途や定置用途など中大型電源としての利用も期待されており、高温サイクル性能の向上が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021―44221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、高温サイクル性能に優れた電極、二次電池、電池パック、及び車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によると、電極が提供される。電極は、活物質含有層を含む。活物質含有層は、活物質及び炭素繊維を含む。活物質は、チタン含有複合酸化物を含む。活物質含有層は、水銀圧入法による対数微分細孔容積分布曲線において、最大対数微分細孔容積を示すピークを示す。ピークの細孔径PDは、0.1μmより大きく、0.3μm以下である。
【0006】
他の実施形態によると、この二次電池は、正極と、負極と、電解質とを備える。正極及び負極の少なくとも一方は、実施形態に係る電極である。
【0007】
他の実施形態によると、電池パックが提供される。この電池パックは、実施形態に係る二次電池を具備する。
【0008】
他の実施形態によると、車両が提供される。この車両は、実施形態に係る電池パックを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】電極の活物質含有層の一例。
図2】活物質含有層の水銀圧入法による対数微分細孔容積分布曲線の一例。
図3】二次電池の一例。
図4図3に示す二次電池のA部を拡大した断面図。
図5】二次電池の他の例を模式的に示す部分切欠斜視図。
図6図5に示す二次電池のB部を拡大した断面図。
図7】組電池の一例を概略的に示す斜視図。
図8】電池パックの一例を概略的に示す分解斜視図。
図9】電池パックの電気回路の一例を示すブロック図。
図10】車両の一例を概略的に示す部分透過図。
図11】車両における電気系統に関する制御システムの一例を概略的に示した図。
図12】ピーク細孔径PDと全細孔容積TAとの関係。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
本実施形態によると、電極が提供される。電極は、活物質含有層を含む。活物質含有層は、活物質及び炭素繊維を含む。活物質は、チタン含有複合酸化物を含む。
【0011】
実施形態に係る電極の活物質含有層において、活物質及び炭素繊維は混合されている。そして、炭素繊維は、粒状炭素と比較して長距離にわたる導電パスを形成できる。それゆえ、実施形態に係る電極の活物質含有層は、活物質の体積変化が生じた場合にあっても、活物質間の導電パスが破壊されにくい。
【0012】
また、実施形態に係る電極は、最大高さを示すピークの細孔径PD、すなわち、モード径が、電解質を保持するのに十分な大きさで、かつ、ピークの半値全幅が比較的小さい活物質含有層を備えている。従って、この活物質含有層は、電解質を保持するのに十分な大きさの細孔が比較的均一に分布した細孔分布を有していると言える。ゆえに、この活物質含有層においては、電解質が均一に保持されると言える。
【0013】
以上のことから、実施形態に係る電極は、高温環境下においても、優れたサイクル性能を実現できる。以下、本明細書中では、高温環境下におけるサイクル性能を「高温サイクル性能」と表現することがある。
【0014】
図1は、実施形態に係る電極の活物質含有層の一例を示す模式図である。図1に示す活物質含有層は、活物質粒子50と、炭素繊維51と、粒状炭素52とを含む。活物質粒子50及び粒状炭素52は、細長いひも状の炭素繊維51と接している。炭素繊維51及び粒状炭素52は、導電パスを形成する。粒状炭素52は、活物質粒子50間に存在する。炭素繊維51は、距離の離れた活物質粒子50の間に存在することができる。活物質粒子50及び粒状炭素52のそれぞれの間の隙間には、図示しない電解質が含浸され得る。なお、粒状炭素52は省略してもよい。図1に示す活物質含有層においては、粒状炭素52を省略した場合にあっても、炭素繊維51による導電パスが維持される。
【0015】
図2は、実施形態に係る電極の活物質含有層の水銀圧入法による対数微分細孔容積分布曲線の一例を示すグラフである。図2のグラフにおいて、縦軸は対数微分細孔容積であり、横軸は細孔径である。本実施形態に係る電極の活物質含有層は、水銀圧入法による対数微分細孔容積分布曲線において、最大対数微分細孔容積を示すピークを示す。ピークの細孔径PDは、0.1μmより大きく0.3μm以下である。ピークの細孔径PD、すなわちモード径は、活物質含有層内に設けられた複数の細孔のうち、最も存在比が高い細孔径の大きさである。PDがこの範囲内にあると、活物質含有層内に、十分な電解質を保持することができる。PDが十分に大きいとき、高温条件下においても電解液が電極に含侵しやすく、高温サイクル時の液枯れを抑制可能である。一方、PDが大きすぎると、電極の強度が弱くなり、サイクル性能が低下する。従って、PDは、0.1μmより大きく0.3μm以下であることが好ましい。活物質含有層の対数微分細孔容積分布曲線は、後述する方法により得られたものである。図2に示すグラフは、後述する実施例1に係るものである。図2のグラフにおいて、PDは0.12μmである。
【0016】
ピークの半値全幅は、0.1μm以下である。ピークの半値全幅が小さいことは、活物質含有層内に設けられた細孔の大きさがそろっていることを示す。活物質含有層内に設けられた細孔の大きさがそろっていると、活物質含有層内に電解質が均一に保持され、活物質と電解質との反応が均一に生じ易くなる。ピークの半値全幅の下限値は特にないが、一例によると、0.01μm以上である。ピークの半値全幅は、0.06μm以下であることが好ましく、0.05μm以下であることがより好ましい。図2のグラフにおいて、半値全幅は0.04μmである。
【0017】
水銀圧入法による活物質含有層の対数微分細孔容積分布曲線及び積算細孔容積分布曲線は、例えば、以下の方法により得られる。先ず、電極が二次電池内に含まれている場合には、二次電池を放電状態にした後、これを解体して電極を取り出す。この解体は、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行う。放電状態とは、電池の充電率が0%になるまで放電した状態をいう。取り出した電極を溶媒で洗浄し、その後、乾燥させる。溶媒には、例えば、エチルメチルカーボネートを用いる。乾燥後の電極を切断して、複数の試験片を得る。試験片の大きさは、例えば、短辺が1.25cm、長辺が2.5cmの短冊状とする。
【0018】
次に、複数の試験片を測定装置の測定セルに設置して、試験片の細孔内に水銀を侵入させる。試験片の数は、例えば、16枚以上32枚以下とする。測定セルとしては、例えば、ステム容積が0.4ccである大片用5ccセルを用いる。測定装置としては、例えば、島津オートポア9520(Autopore 9520 model manufactured by Shimadzu corporation)を用いる。測定に際しては、例えば、初期圧を7kPaとし、終止圧を414MPaとする。7kPaは、1.0psia(ポンド毎平方インチ絶対圧力:pound per square inch absolute)に相当し、直径がおよそ180μmの細孔に相当する。また、414MPaは、およそ6psiaに相当し、直径がおよそ0.003μmの細孔に相当する。水銀接触角は130degreesとし、水銀表面張力は485dynes/cmとする。得られたデータを処理することにより、活物質含有層の対数微分細孔容積分布曲線、積算細孔容積分布曲線、全細孔表面積、及び全細孔容積を得ることができる。
【0019】
水銀圧入法による活物質含有層の全細孔表面積TAは、4m/g以上であることが好ましい。TAが大きいと、活物質含有層内に微細な細孔が複数設けられていると言える。TAの大きさに上限値は特にないが、一例によると、8m/g以下である。TAは、5m/g以上であることが好ましく、6m/g以上であることがより好ましい。
【0020】
水銀圧入法による活物質含有層の全細孔容積TVは、0.15mL/g以下であることが好ましい。TVが小さいと、活物質含有層内に空隙が少ないと言える。このような活物質含有層を備えた電極を用いると、二次電池のエネルギー密度を高められる。一方、活物質含有層が保持する電解質の量を増やすという点からは、TVは、0.04mL/g以上であることが好ましい。エネルギー密度が高く、かつ、十分な電解質を保持できるという点で、TVは、0.05mL/g以上0.15mL/g以下であることがより好ましい。
【0021】
水銀圧入法による活物質含有層のメディアン径MDから、ピークの細孔径PDを差し引いた値MD-PDは、―0.02μm以上0.02μm以下であることが好ましい。活物質含有層のMDは、水銀圧入法による活物質含有層の積算細孔容積分布曲線において、積算容積が50%であるときの細孔径である。値MD-PDがこの範囲内にあると、PDとMDとがほぼ等しいと言える。このような活物質含有層は、細孔径の大きさがよりそろっていると言える。値MD-PDは、―0.01μm以上0.01μm以下であることがより好ましい。
【0022】
水銀圧入法による活物質含有層の全細孔表面積TAとピークの細孔径PDとの関係は、下記式(1)で表されることが好ましい。
TA=a×PD+b (1)
ここで、式中aは、a=-17であり、式中bは、7≦b≦10.6である。TAとPDとの関係がこの範囲内に含まれる活物質含有層は、副反応による劣化を起こしにくい。TAが大きいほど電極の電解液保持性が高まるため、高温サイクル時の液枯れが起こりにくいが、TAの大きさが閾値以上となると、ガス発生などを伴う副反応が生じてしまい、サイクル性能が低下することがある。PDが小さくなるほど、細孔数が増えるため、TAの閾値は大きくなる。このように、PDとTAには負の相関があるため、aは負の値となる。式(1)中に用いられるbは、8≦b≦10.6であることがより好ましい。
【0023】
実施形態に係る電極は、正極として用いることも、負極として用いることもできるが、負極として用いることが好ましい。
【0024】
以下に、実施形態に係る電極の詳細について説明する。
【0025】
電極は、活物質含有層と、集電体とを含み得る。活物質含有層は、集電体の少なくとも一方の面に支持される。活物質含有層は、集電体の片方の面に支持されていてもよく、両方の面に支持されていてもよい。活物質含有層は、活物質、及び繊維炭素に加えて、粒状炭素及び結着剤を更に含んでいてもよい。
【0026】
活物質は、チタン含有複合酸化物を含む。チタン含有複合酸化物は、ATiMNb2-y7±z(0≦x≦5、0≦y≦0.5、-0.3≦z≦0.3、MはTi及びNb以外の少なくとも一種類の金属元素、AはLi及びNaの少なくとも一方)、Li2+aNaTi14(0≦a≦6)、及びLiTiO(0≦x≦1)からなる群より選ばれる一般式で表される少なくとも1つの化合物を含むことが好ましい。
【0027】
また、チタン含有複合酸化物は、ラムスデライト構造を有するチタン酸リチウム(例えばLi2+yTi、0≦y≦3)、スピネル構造を有するチタン酸リチウム(例えば、Li4+xTi12、0≦x≦3)、単斜晶型二酸化チタン(TiO)、アナターゼ型二酸化チタン、ルチル型二酸化チタン、ホランダイト型チタン複合酸化物、直方晶型(orthorhombic)チタン複合酸化物、及び単斜晶型ニオブチタン複合酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物を含んでいてもよい。
【0028】
上記直方晶型チタン含有複合酸化物の例として、Li2+aM(I)2-bTi6-cM(II)dO14+σで表される化合物が挙げられる。ここで、M(I)は、Sr,Ba,Ca,Mg,Na,Cs,Rb及びKからなる群より選択される少なくとも1つである。M(II)はZr,Sn,V,Nb,Ta,Mo,W,Y,Fe,Co,Cr,Mn,Ni,及びAlからなる群より選択される少なくとも1つである。組成式中のそれぞれの添字は、0≦a≦6、0≦b<2、0≦c<6、0≦d<6、-0.5≦σ≦0.5である。直方晶型チタン含有複合酸化物の具体例として、Li2+aNaTi14(0≦a≦6)が挙げられる。
【0029】
上記単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の例として、LiTi1-yM1Nb2-zM27+δで表される化合物が挙げられる。ここで、M1は、Zr,Si,及びSnからなる群より選択される少なくとも1つである。M2は、V,Ta,及びBiからなる群より選択される少なくとも1つである。組成式中のそれぞれの添字は、0≦x≦5、0≦y<1、0≦z<2、-0.3≦δ≦0.3である。単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の具体例として、LiNbTiO(0≦x≦5)が挙げられ 単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の他の例として、LiTi1-yM3y+zNb2-zO7-δで表される化合物が挙げられる。ここで、M3は、Mg,Fe,Ni,Co,W,Ta,及びMoより選択される少なくとも1つである。組成式中のそれぞれの添字は、0≦x<5、0≦y<1、0≦z<2、-0.3≦δ≦0.3である。
【0030】
炭素繊維及び粒状炭素は、集電性能を高め、且つ、活物質と集電体との接触抵抗を抑えるための導電剤として配合される。
【0031】
炭素繊維は、長さ方向の長さL1と、長さ方向に対して垂直な断面の直径、すなわち、太さS1との比L1/S1が50以上の繊維状の炭素である。比L1/S1は、150以上10000以下であることが好ましい。炭素繊維の長さ方向に対して垂直な断面の直径、即ち太さは、1nm以上200nm以下(0.001μm以上0.2μm以下)であることが好ましい。炭素繊維の長さは、5μm以上50μm以下であることが好ましい。炭素繊維の例には、気相成長カーボン繊維(Vapor Grown Carbon Fiber;VGCF)が挙げられる。気相成長カーボン繊維の例には、カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube:CNT)、及びカーボンナノファイバー(Carbon Nanofiber:CNF)が挙げられる。これらの1つを炭素繊維として用いてもよく、或いは、2つ以上を組み合わせて炭素繊維として用いてもよい。
【0032】
活物質含有層において、100質量部の活物質に対する、炭素繊維の配合量は、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。炭素繊維の量が多いと、活物質含有層の電子導電性を高めることができる。一方、炭素繊維の量が過剰に多いと、エネルギー密度が低下するおそれがある。
【0033】
粒状炭素は、長軸の長さL2と、短軸の長さS2との比L2/S2が50より低い粒状の炭素である。粒状炭素には、鱗片状カーボンも含まれる。粒状炭素の例には、アセチレンブラックなどのカーボンブラック及び黒鉛のような炭素質物が含まれる。これらの1つを粒状炭素として用いてもよく、或いは、2つ以上を組み合わせて粒状炭素として用いてもよい。
【0034】
活物質含有層において、100質量部の活物質に対する、粒状炭素の配合量は、0質量部以上10質量部以下であることが好ましく、1質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。粒状炭素の量が多いと、活物質含有層の電子導電性を高めることができる。一方、粒状繊維の量が過剰に多いと、エネルギー密度が低下するおそれがある。
【0035】
結着剤は、分散された活物質の間隙を埋め、また、活物質と負極集電体を結着させるために配合される。結着剤の例には、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoro ethylene;PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride;PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリアクリル酸化合物、イミド化合物、カルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose;CMC)、及びCMCの塩が含まれる。これらの1つを結着剤として用いてもよく、或いは、2つ以上を組み合わせて結着剤として用いてもよい。
【0036】
活物質含有層において、100質量部の活物質に対する、結着剤の配合量は、0質量部以上10質量部以下であることが好ましく、1質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。結着剤の量が多いと、活物質含有層と集電体との結着性が十分となり、優れたサイクル性能を期待できる。一方、結着剤の量が過剰に多いと、エネルギー密度が低下するおそれがある。
【0037】
集電体は、活物質にリチウム(Li)が挿入及び脱離される電位において電気化学的に安定である材料が用いられる。例えば、集電体は、銅、ニッケル、ステンレス又はアルミニウム、或いは、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、及びSiから選択される一以上の元素を含むアルミニウム合金から作られることが好ましい。集電体の厚さは、5μm以上20μm以下であることが好ましい。このような厚さを有する集電体は、電極の強度と軽量化のバランスをとることができる。
【0038】
また、集電体は、その表面に活物質含有層が形成されていない部分を含むことができる。この部分は、集電タブとして働くことができる。
【0039】
活物質含有層の密度は、2.3g/cm以上3g/cm以下であることが好ましく、2.5g/cm以上2.8g/cm以下であることがより好ましい。
【0040】
次に、実施形態に係る電極の製造方法について説明する。
【0041】
先ず、炭素繊維と結着材と純水とを混合して、プラネタリミキサーを用いて撹拌した。ここで用いた結着材を第1結着材とする。溶媒としては、純水の他に、例えば、N-メチル―2-ピロリドン等を用いてもよい。撹拌速度は例えば10rpm以上60rpm以下とし、撹拌時間は5分以上2時間以下とする。その後、この混合物に活物質、粒状炭素を加えてさらにプラネタリミキサーを用いて撹拌する。撹拌の際には、撹拌速度を40rpmとし、撹拌時間を30分とした。更にビーズミルで撹拌処理を行った。ビーズミルでさらに撹拌処理を行うことにより、混合物の分散性が向上する。ビーズミルとしては、例えば、アイメックス株式会社製連続式横型レディーミルRMH-03を用いる。ビーズミルの流量は、例えば、10mL/min以上50mL/minとする。ビーズミルの回転速度は500rpm以上2500rpm以下とする。その後、第2結着材を加えてプラネタリミキサーを用いて撹拌し分散スラリーを調製した。
【0042】
次に、この分散スラリーを集電体の片面又は両面に塗布し、塗膜を乾燥させて活物質含有層と集電体の積層体を得た。この積層体にプレス処理を施すことにより、電極を得ることができる。
【0043】
以上説明した第1実施形態に係る電極は、活物質、及び炭素繊維を含む活物質含有層を備え、水銀圧入法による活物質含有層の対数微分細孔容積分布曲線において、最大対数微分細孔容積を示すピークの細孔径PDは、0.1μmより大きく0.3μm以下である。ピークの半値全幅は、0.1μm以下である。この電極を用いると、60℃以上の高温環境下においても、サイクル性能に優れた二次電池を実現できる。この二次電池は、特に70℃以上の高温環境下におけるサイクル性能に優れている。
【0044】
(第2の実施形態)
第2の実施形態によると、負極と、正極と、電解質とを含む二次電池が提供される。負極及び正極の少なくとも一方は、第1の実施形態に係る電極である。負極又は正極の一方が第1の実施形態に係る電極である場合、対向電極は、第1の実施形態とは異なる構成を備えていてもよい。
【0045】
第2実施形態に係る二次電池は、正極と負極との間に配されたセパレータを更に具備することもできる。負極、正極及びセパレータは、電極群を構成することができる。電解質は、電極群に保持され得る。
【0046】
また、第2の実施形態に係る二次電池は、電極群及び電解質を収容する外装部材を更に具備することができる。
【0047】
さらに、第2の実施形態に係る二次電池は、負極に電気的に接続された負極端子及び正極に電気的に接続された正極端子を更に具備することができる。
【0048】
第2の実施形態に係る二次電池は、例えばリチウムイオン二次電池であり得る。また、二次電池は、非水電解質を含んだ非水電解質二次電池を含む。
【0049】
図3は、第2の実施形態に係る二次電池の一例を概略的に示す断面図である。図4は、図3に示す二次電池のA部を拡大した断面図である。
【0050】
図3及び図4に示す二次電池100は、図3及び図4に示す袋状外装部材2と、図3に示す電極群1と、図示しない電解質とを具備する。電極群1及び電解質は、袋状外装部材2内に収納されている。電解質(図示しない)は、電極群1に保持されている。
【0051】
袋状外装部材2は、2つの樹脂層とこれらの間に介在した金属層とを含むラミネートフィルムからなる。
【0052】
図3に示すように、電極群1は、扁平状の捲回型電極群である。扁平状で捲回型である電極群1は、図4に示すように、負極3と、セパレータ4と、正極5とを含む。セパレータ4は、負極3と正極5との間に介在している。
【0053】
負極3は、負極集電体3aと負極活物質含有層3bとを含む。負極3のうち、捲回型の電極群1の最外殻に位置する部分は、図4に示すように負極集電体3aの内面側のみに負極活物質含有層3bが形成されている。負極3におけるその他の部分では、負極集電体3aの両面に負極活物質含有層3bが形成されている。
【0054】
正極5は、正極集電体5aと、その両面に形成された正極活物質含有層5bとを含んでいる。
【0055】
図3に示すように、負極端子6及び正極端子7は、捲回型の電極群1の外周端近傍に位置している。この負極端子6は、負極集電体3aの最外殻に位置する部分に接続されている。また、正極端子7は、正極集電体5aの最外殻に位置する部分に接続されている。これらの負極端子6及び正極端子7は、袋状外装部材2の開口部から外部に延出されている。袋状外装部材2の内面には、熱可塑性樹脂層が設置されており、これが熱融着されていることにより、開口部が閉じられている。
【0056】
第2の実施形態に係る二次電池は、図3及び図4に示す構成の二次電池に限らず、例えば図5及び図6に示す構成の電池であってもよい。
【0057】
図5は、第2の実施形態に係る二次電池の他の例を模式的に示す部分切欠斜視図である。図6は、図5に示す二次電池のB部を拡大した断面図である。
【0058】
図5及び図6に示す二次電池100は、図5及び図6に示す電極群1と、図5に示す外装部材2と、図示しない電解質とを具備する。電極群1及び電解質は、外装部材2内に収納されている。電解質は、電極群1に保持されている。
【0059】
外装部材2は、2つの樹脂層とこれらの間に介在した金属層とを含むラミネートフィルムからなる。
【0060】
電極群1は、図6に示すように、積層型の電極群である。積層型の電極群1は、負極3と正極5とをその間にセパレータ4を介在させながら交互に積層した構造を有している。
【0061】
電極群1は、複数の負極3を含んでいる。複数の負極3は、それぞれが、負極集電体3aと、負極集電体3aの両面に担持された負極活物質含有層3bとを備えている。また、電極群1は、複数の正極5を含んでいる。複数の正極5は、それぞれが、正極集電体5aと、正極集電体5aの両面に担持された正極活物質含有層5bとを備えている。
【0062】
各負極3の負極集電体3aは、その一辺において、いずれの表面にも負極活物質含有層3bが担持されていない部分3cを含む。この部分3cは、負極集電タブとして働く。図6に示すように、負極集電タブとして働く部分3cは、正極5と重なっていない。また、複数の負極集電タブ(部分3c)は、帯状の負極端子6に電気的に接続されている。帯状の負極端子6の先端は、外装部材2の外部に引き出されている。
【0063】
また、図示しないが、各正極5の正極集電体5aは、その一辺において、いずれの表面にも正極活物質含有層5bが担持されていない部分を含む。この部分は、正極集電タブとして働く。正極集電タブは、負極集電タブ(部分3c)と同様に、負極3と重なっていない。また、正極集電タブは、負極集電タブ(部分3c)に対し電極群1の反対側に位置する。正極集電タブは、帯状の正極端子7に電気的に接続されている。帯状の正極端子7の先端は、負極端子6とは反対側に位置し、外装部材2の外部に引き出されている。
【0064】
以下、対向電極、電解質、セパレータ、外装部材、負極端子及び正極端子について詳細に説明する。
【0065】
1)対向電極
対向電極は、活物質含有層と、集電体とを含み得る。活物質含有層は、集電体の片方の面に支持されていてもよく、両方の面に支持されていてもよい。活物質含有層は、活物質、導電剤、及び結着剤を含み得る。活物質含有層は、繊維炭素を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。対向電極は、実施形態に係る電極が正極である場合には負極であり、実施形態に係る電極が負極である場合には正極である。対向電極は、正極であることが好ましい。ここでは、対向電極が正極であるとして説明する。
【0066】
正極活物質としては、例えば、酸化物又は硫化物を用いることができる。正極は、正極活物質として、1種類の化合物を単独で含んでいてもよく、或いは2種類以上の化合物を組み合わせて含んでいてもよい。酸化物及び硫化物の例には、Li又はLiイオンを挿入及び脱離させることができる化合物を挙げることができる。
【0067】
このような化合物としては、例えば、二酸化マンガン(MnO)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、リチウムマンガン複合酸化物(例えばLiMn又はLiMnO;0<x≦1)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLiNiO;0<x≦1)、リチウムコバルト複合酸化物(例えばLiCoO;0<x≦1)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLiNi1-yCo;0<x≦1、0<y<1)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLiMnCo1-y;0<x≦1、0<y<1)、スピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物(例えばLiMn2-yNi;0<x≦1、0<y<2)、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物(例えばLiFePO;0<x≦1、LiFe1-yMnPO;0<x≦1、0<y<1、LiCoPO;0<x≦1)、硫酸鉄(Fe(SO)、バナジウム酸化物(例えばV)、及び、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1-y-zCoMn;0<x≦1、0<y<1、0<z<1、y+z<1)が含まれる。
【0068】
上記のうち、正極活物質としてより好ましい化合物の例には、スピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(例えばLiMn;0<x≦1)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLiNiO;0<x≦1)、リチウムコバルト複合酸化物(例えばLiCoO;0<x≦1)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLiNi1-yCo;0<x≦1、0<y<1)、スピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物(例えばLiMn2-yNi;0<x≦1、0<y<2)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLiMnCo1-y;0<x≦1、0<y<1)、リチウムリン酸鉄(例えばLiFePO;0<x≦1)、及び、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1-y-zCoMn;0<x≦1、0<y<1、0<z<1、y+z<1)が含まれる。これらの化合物を正極活物質に用いると、正極電位を高めることができる。
【0069】
電池の電解質として常温溶融塩を用いる場合、リチウムリン酸鉄、LiVPOF(0≦x≦1)、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、又はこれらの混合物を含む正極活物質を用いることが好ましい。これらの化合物は常温溶融塩との反応性が低いため、サイクル寿命を向上させることができる。常温溶融塩の詳細については、後述する。
【0070】
正極活物質の一次粒径は、100nm以上1μm以下であることが好ましい。一次粒径が100nm以上の正極活物質は、工業生産上の取り扱いが容易である。一次粒径が1μm以下の正極活物質は、リチウムイオンの固体内拡散をスムーズに進行させることが可能である。
【0071】
正極活物質の比表面積は、0.1m/g以上10m/g以下であることが好ましい。0.1m/g以上の比表面積を有する正極活物質は、Liイオンの吸蔵・放出サイトを十分に確保できる。10m/g以下の比表面積を有する正極活物質は、工業生産の上で取り扱い易く、かつ良好な充放電サイクル性能を確保できる。
【0072】
結着剤は、分散された正極活物質の間隙を埋め、また、正極活物質と正極集電体とを結着させるために配合される。結着剤の例には、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoro ethylene;PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride;PVdF)、フッ素系ゴム、ポリアクリル酸化合物、イミド化合物、カルボキシメチルセルロース(carboxy methyl cellulose;CMC)、及びCMCの塩が含まれる。これらの1つを結着剤として用いてもよく、或いは、2つ以上を組み合わせて結着剤として用いてもよい。
【0073】
導電剤は、集電性能を高め、且つ、正極活物質と正極集電体との接触抵抗を抑えるために配合される。導電剤の例には、気相成長カーボン繊維(Vapor Grown Carbon Fiber;VGCF)、アセチレンブラックなどのカーボンブラック及び黒鉛のような炭素質物が含まれる。これらの1つを導電剤として用いてもよく、或いは、2つ以上を組み合わせて導電剤として用いてもよい。また、導電剤を省略することもできる。
【0074】
正極活物質含有層において、正極活物質及び結着剤は、それぞれ、80質量%以上98質量%以下、及び2質量%以上20質量%以下の割合で配合することが好ましい。
【0075】
結着剤の量を2質量%以上にすることにより、十分な電極強度が得られる。また、結着剤は、絶縁体として機能し得る。そのため、結着剤の量を20質量%以下にすると、電極に含まれる絶縁体の量が減るため、内部抵抗を減少できる。
【0076】
導電剤を加える場合には、正極活物質、結着剤及び導電剤は、それぞれ、77質量%以上95質量%以下、2質量%以上20質量%以下、及び3質量%以上15質量%以下の割合で配合することが好ましい。
【0077】
導電剤の量を3質量%以上にすることにより、上述した効果を発揮することができる。また、導電剤の量を15質量%以下にすることにより、電解質と接触する導電剤の割合を低くすることができる。この割合が低いと、高温保存下において、電解質の分解を低減することができる。
【0078】
正極集電体は、アルミニウム箔、又は、Mg、Ti、Zn、Ni、Cr、Mn、Fe、Cu及びSiから選択される一以上の元素を含むアルミニウム合金箔であることが好ましい。
【0079】
アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔の厚さは、5μm以上20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましい。アルミニウム箔の純度は99質量%以上であることが好ましい。アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔に含まれる鉄、銅、ニッケル、及びクロムなどの遷移金属の含有量は、1質量%以下であることが好ましい。
【0080】
また、正極集電体は、その表面に正極活物質含有層が形成されていない部分を含むことができる。この部分は、正極集電タブとして働くことができる。
【0081】
電極は、例えば次の方法により作製することができる。まず、活物質、導電剤及び結着剤を溶媒に懸濁してスラリーを調製する。このスラリーを、集電体の片面又は両面に塗布する。次いで、塗布したスラリーを乾燥させて、活物質含有層と集電体との積層体を得る。その後、この積層体にプレスを施す。このようにして、電極を作製する。
混合して、混合物を得る。次いで、この混合物をペレット状に成形する。次いで、これらのペレットを集電体上に配置することにより、電極を得ることができる。
【0082】
2)電解質
電解質としては、例えば液状非水電解質又はゲル状非水電解質を用いることができる。液状非水電解質は、溶質としての電解質塩を有機溶媒に溶解することにより調製される。電解質塩の濃度は、0.5mol/L以上2.5 mol/L以下であることが好ましい。
【0083】
電解質塩の例には、過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、及びビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム(LiN(CFSO)のようなリチウム塩、及び、これらの混合物が含まれる。電解質塩は、高電位でも酸化し難いものであることが好ましく、LiPFが最も好ましい。
【0084】
有機溶媒の例には、プロピレンカーボネート(propylene carbonate;PC)、エチレンカーボネート(ethylene carbonate;EC)、ビニレンカーボネート(vinylene carbonate;VC)のような環状カーボネート;ジエチルカーボネート(diethyl carbonate;DEC)、ジメチルカーボネート(dimethyl carbonate;DMC)、メチルエチルカーボネート(methyl ethyl carbonate;MEC)のような鎖状カーボネート;テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran;THF)、2メチルテトラヒドロフラン(2-methyl tetrahydrofuran;2MeTHF)、ジオキソラン(dioxolane;DOX)のような環状エーテル;ジメトキシエタン(dimethoxy ethane;DME)、ジエトキシエタン(diethoxy ethane;DEE)のような鎖状エーテル;γ-ブチロラクトン(γ-butyrolactone;GBL)、アセトニトリル(acetonitrile;AN)、及びスルホラン(sulfolane;SL)が含まれる。これらの有機溶媒は、単独で、又は混合溶媒として用いることができる。
【0085】
ゲル状非水電解質は、液状非水電解質と高分子材料とを複合化することにより調製される。高分子材料の例には、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride;PVdF)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile;PAN)、ポリエチレンオキサイド(polyethylene oxide;PEO)、又はこれらの混合物が含まれる。
【0086】
或いは、非水電解質としては、液状非水電解質及びゲル状非水電解質の他に、リチウムイオンを含有した常温溶融塩(イオン性融体)、高分子固体電解質、及び無機固体電解質等を用いてもよい。
【0087】
常温溶融塩(イオン性融体)は、有機物カチオンとアニオンとの組合せからなる有機塩の内、常温(15℃以上25℃以下)で液体として存在し得る化合物を指す。常温溶融塩には、単体で液体として存在する常温溶融塩、電解質塩と混合させることで液体となる常温溶融塩、有機溶媒に溶解させることで液体となる常温溶融塩、又はこれらの混合物が含まれる。一般に、二次電池に用いられる常温溶融塩の融点は、25℃以下である。また、有機物カチオンは、一般に4級アンモニウム骨格を有する。
【0088】
高分子固体電解質は、電解質塩を高分子材料に溶解し、固体化することによって調製される。
【0089】
3)セパレータ
セパレータは、例えば、ポリエチレン(polyethylene;PE)、ポリプロピレン(polypropylene;PP)、セルロース、若しくはポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride;PVdF)を含む多孔質フィルム、又は合成樹脂製不織布から形成される。安全性の観点からは、ポリエチレン又はポリプロピレンから形成された多孔質フィルムを用いることが好ましい。これらの多孔質フィルムは、一定温度において溶融し、電流を遮断することが可能なためである。
【0090】
4)外装部材
外装部材としては、例えば、ラミネートフィルムからなる容器、又は金属製容器を用いることができる。
【0091】
ラミネートフィルムの厚さは、例えば、0.5mm以下であり、好ましくは、0.2mm以下である。
【0092】
ラミネートフィルムとしては、複数の樹脂層とこれらの樹脂層間に介在した金属層とを含む多層フィルムが用いられる。樹脂層は、例えば、ポリプロピレン(polypropylene;PP)、ポリエチレン(polyethylene;PE)、ナイロン、及びポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)等の高分子材料を含んでいる。金属層は、軽量化のためにアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔からなることが好ましい。ラミネートフィルムは、熱融着によりシールを行うことにより、外装部材の形状に成形され得る。
【0093】
金属製容器の壁の厚さは、例えば、1mm以下であり、より好ましくは0.5mm以下であり、更に好ましくは、0.2mm以下である。
【0094】
金属製容器は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金等から作られる。アルミニウム合金は、マグネシウム、亜鉛、及びケイ素等の元素を含むことが好ましい。アルミニウム合金は、鉄、銅、ニッケル、及びクロム等の遷移金属を含む場合、その含有量は100質量ppm以下であることが好ましい。
【0095】
外装部材の形状は、特に限定されない。外装部材の形状は、例えば、扁平型(薄型)、角型、円筒型、コイン型、又はボタン型等であってもよい。外装部材は、電池寸法や電池の用途に応じて適宜選択することができる。
【0096】
5)負極端子
負極端子は、上述の負極活物質のLi吸蔵放出電位において電気化学的に安定であり、かつ導電性を有する材料から形成することができる。具体的には、負極端子の材料としては、銅、ニッケル、ステンレス若しくはアルミニウム、又は、Mg,Ti,Zn,Mn,Fe,Cu,及びSiからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含むアルミニウム合金が挙げられる。負極端子の材料としては、アルミニウム又はアルミニウム合金を用いることが好ましい。負極端子は、負極集電体との接触抵抗を低減するために、負極集電体と同様の材料からなることが好ましい。
【0097】
6)正極端子
正極端子は、リチウムの酸化還元電位に対し3V以上4.5V以下の電位範囲(vs.Li/Li+)において電気的に安定であり、且つ導電性を有する材料から形成することができる。正極端子の材料としては、アルミニウム、或いは、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu及びSiからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含むアルミニウム合金が挙げられる。正極端子は、正極集電体との接触抵抗を低減するために、正極集電体と同様の材料から形成されることが好ましい。
【0098】
次に、第2の実施形態に係る二次電池について、図面を参照しながらより具体的に説明する。
【0099】
第2の実施形態に係る二次電池は、第1の実施形態に係る電極を含んでいる。そのため、第2の実施形態に係る二次電池は、高温サイクル性能に優れる。
【0100】
(第3の実施形態)
第3の実施形態によると、組電池が提供される。第3の実施形態に係る組電池は、第2の実施形態に係る二次電池を複数個具備している。第3の実施形態に係る組電池において、各単電池は、電気的に直列若しくは並列に接続して配置してもよく、又は直列接続及び並列接続を組み合わせて配置してもよい。
【0101】
図7は、第3の実施形態に係る組電池の一例を概略的に示す斜視図である。図7に示す組電池200は、5つの単電池100a~100eと、4つのバスバー21と、正極側リード22と、負極側リード23とを具備している。5つの単電池100a~100eのそれぞれは、第2の実施形態に係る二次電池である。
【0102】
バスバー21は、例えば、1つの単電池100aの負極端子6と、隣に位置する単電池100bの正極端子7とを接続している。このようにして、5つの単電池100は、4つのバスバー21により直列に接続されている。すなわち、図7の組電池200は、5直列の組電池である。例を図示しないが、電気的に並列に接続されている複数の単電池を含む組電池では、例えば、複数の負極端子同士がバスバーにより接続されるとともに複数の正極端子同士がバスバーにより接続されることで、複数の単電池が電気的に接続され得る。
【0103】
5つの単電池100a~100eのうち少なくとも1つの電池の正極端子7は、外部接続用の正極側リード22に電気的に接続されている。また、5つの単電池100a~100eうち少なくとも1つの電池の負極端子6は、外部接続用の負極側リード23に電気的に接続されている。
【0104】
第3の実施形態に係る組電池は、第2の実施形態に係る二次電池を具備する。したがって、第3の実施形態に係る組電池は、高温サイクル性能に優れる。
【0105】
(第4の実施形態)
第4の実施形態によると、電池パックが提供される。この電池パックは、第3の実施形態に係る組電池を具備している。この電池パックは、第3の実施形態に係る組電池の代わりに、単一の第2の実施形態に係る二次電池を具備していてもよい。
【0106】
図8は、第4の実施形態に係る電池パックの一例を概略的に示す分解斜視図である。図9は、図8に示す電池パックの電気回路の一例を示すブロック図である。図8及び図9に示す電池パック300は、収容容器31と、蓋32と、保護シート33と、組電池200と、プリント配線基板34と、配線35と、図示しない絶縁板とを備えている。
【0107】
図8に示す収容容器31は、長方形の底面を有する有底角型容器である。収容容器31は、保護シート33と、組電池200と、プリント配線基板34と、配線35とを収容可能に構成されている。蓋32は、矩形型の形状を有する。蓋32は、収容容器31を覆うことにより、上記組電池200等を収容する。収容容器31及び蓋32には、図示していないが、外部機器等へと接続するための開口部又は接続端子等が設けられている。
【0108】
組電池200は、複数の単電池100と、正極側リード22と、負極側リード23と、粘着テープ24とを備えている。
【0109】
複数の単電池100の少なくとも1つは、第2の実施形態に係る二次電池である。複数の単電池100の各々は、図9に示すように電気的に直列に接続されている。複数の単電池100は、電気的に並列に接続されていてもよく、直列接続及び並列接続を組み合わせて接続されていてもよい。複数の単電池100を並列接続すると、直列接続した場合と比較して、電池容量が増大する。
【0110】
粘着テープ24は、複数の単電池100を締結している。粘着テープ24の代わりに、熱収縮テープを用いて複数の単電池100を固定してもよい。この場合、組電池200の両側面に保護シート33を配置し、熱収縮テープを周回させた後、熱収縮テープを熱収縮させて複数の単電池100を結束させる。
【0111】
正極側リード22の一端は、組電池200に接続されている。正極側リード22の一端は、1以上の単電池100の正極と電気的に接続されている。負極側リード23の一端は、組電池200に接続されている。負極側リード23の一端は、1以上の単電池100の負極と電気的に接続されている。
【0112】
プリント配線基板34は、正極側コネクタ342と、負極側コネクタ343と、サーミスタ345と、保護回路346と、配線342a及び343aと、通電用の外部端子350と、プラス側配線(正側配線)348aと、マイナス側配線(負側配線)348bとを備えている。プリント配線基板34の一方の主面は、組電池200の一側面と向き合っている。プリント配線基板34と組電池200との間には、図示しない絶縁板が介在している。
【0113】
正極側コネクタ342に、正極側リード22の他端22aが電気的に接続されている。負極側コネクタ343に、負極側リード23の他端23aが電気的に接続されている。
【0114】
サーミスタ345は、プリント配線基板34の一方の主面に固定されている。サーミスタ345は、単電池100の各々の温度を検出し、その検出信号を保護回路346に送信する。 通電用の外部端子350は、プリント配線基板34の他方の主面に固定されている。通電用の外部端子350は、電池パック300の外部に存在する機器と電気的に接続されている。通電用の外部端子350は、正側端子352と負側端子353とを含む。通電用の外部端子350は、外部に二次電池からの電流を出力するため、及び/又は二次電池に外部からの電流を入力するためのものである。言い換えれば、電池パックを電源として使用する際、電流が通電用の外部端子を通して外部に供給される。また、電池パックを充電する際、充電電流(自動車などの動力の回生エネルギーを含む)は通電用の外部端子を通して電池パックに供給される。
【0115】
保護回路346は、プリント配線基板34の他方の主面に固定されている。保護回路346は、プラス側配線348aを介して正側端子352と接続されている。保護回路346は、マイナス側配線348bを介して負側端子353と接続されている。また、保護回路346は、配線342aを介して正極側コネクタ342に電気的に接続されている。保護回路346は、配線343aを介して負極側コネクタ343に電気的に接続されている。更に、保護回路346は、複数の単電池100の各々と配線35を介して電気的に接続されている。 保護シート33は、収容容器31の長辺方向の両方の内側面と、組電池200を介してプリント配線基板34と向き合う短辺方向の内側面とに配置されている。保護シート33は、例えば、樹脂又はゴムからなる。
【0116】
保護回路346は、複数の単電池100の充放電を制御する。また、保護回路346は、サーミスタ345から送信される検出信号、又は、個々の単電池100若しくは組電池200から送信される検出信号に基づいて、保護回路346と外部機器への通電用の外部端子350(正側端子352、負側端子353)との電気的な接続を遮断する。保護回路346は、電池パックを電源として使用する装置(例えば、電子機器、自動車等)に含まれる回路を、電池パックの保護回路として使用してもよい。
【0117】
サーミスタ345から送信される検出信号としては、例えば、単電池100の温度が所定の温度以上であることを検出した信号を挙げることができる。個々の単電池100若しくは組電池200から送信される検出信号としては、例えば、単電池100の過充電、過放電及び過電流を検出した信号を挙げることができる。個々の単電池100について過充電等を検出する場合、電池電圧を検出してもよく、正極電位又は負極電位を検出してもよい。後者の場合、参照極として用いるリチウム電極を個々の単電池100に挿入する。
【0118】
なお、保護回路346としては、電池パック300を電源として使用する装置(例えば、電子機器、自動車等)に含まれる回路を用いてもよい。
【0119】
また、この電池パック300は、上述したように通電用の外部端子350を備えている。したがって、この電池パック300は、通電用の外部端子350を介して、組電池200からの電流を外部機器に出力するとともに、外部機器からの電流を、組電池200に入力することができる。言い換えると、電池パック300を電源として使用する際には、組電池200からの電流が、通電用の外部端子350を通して外部機器に供給される。また、電池パック300を充電する際には、外部機器からの充電電流が、通電用の外部端子350を通して電池パック300に供給される。この電池パック300を車載用電池として用いた場合、外部機器からの充電電流として、車両の動力の回生エネルギーを用いることができる。
【0120】
なお、電池パック300は、複数の組電池200を備えていてもよい。この場合、複数の組電池200は、直列に接続されてもよく、並列に接続されてもよく、直列接続及び並列接続を組み合わせて接続されてもよい。また、プリント配線基板34及び配線35は省略してもよい。この場合、正極側リード22及び負極側リード23を通電用の外部端子の正側端子と負側端子としてそれぞれ用いてもよい。
【0121】
このような電池パックは、例えば高温環境下において大電流を取り出したときにサイクル性能が優れていることが要求される用途に用いられる。この電池パックは、具体的には、例えば、定置用電池、各種車両の車載用電池として用いられる。この電池パックは、車載用電池として特に好適に用いられる。
【0122】
第4の実施形態に係る電池パックは、第2の実施形態に係る二次電池又は第3の実施形態に係る組電池を備えている。したがって、第4の実施形態に係る電池パックは、高温サイクル性能に優れる。
【0123】
(第5の実施形態)
第5の実施形態によると、車両が提供される。この車両は、第4の実施形態に係る電池パックを搭載している。第5の実施形態に係る車両の例としては、例えば、二輪乃至四輪のハイブリッド電気自動車、二輪乃至四輪の電気自動車、アシスト自転車、及び鉄道用車両が挙げられる。
【0124】
図10は、実施形態に係る車両の一例を概略的に示す部分透過図である。図10に示す車両400は、車両本体40と、第4の実施形態に係る電池パック300とを含んでいる。図10に示す例では、車両400は、四輪の自動車である。この車両400は、複数の電池パック300を搭載してもよい。この場合、電池パック300が含む電池(例えば、単電池または組電池)は、直列に接続されてもよく、並列に接続されてもよく、直列接続及び並列接続を組み合わせて接続されてもよい。
【0125】
図10では、電池パック300が車両本体40の前方に位置するエンジンルーム内に搭載されている例を図示しているが、電池パック300の搭載位置は、特には限定されない。例えば、電池パックを自動車に搭載する場合、電池パックは、車両本体40のエンジンルーム、車体後方又は座席の下に搭載することができる。
【0126】
この電池パック300は、車両400の電源として用いることができる。また、この電池パック300は、車両400の動力の回生エネルギーを回収することができる。
【0127】
第5の実施形態に係る車両は、複数の電池パック300を搭載してもよい。この場合、それぞれの電池パック300が含む電池同士は、電気的に直列に接続されてもよく、電気的に並列に接続されてもよく、又は直列接続及び並列接続を組み合わせて電気的に接続されてもよい。例えば、各電池パック300が組電池を含む場合は、組電池同士が電気的に直列に接続されてもよく、又は電気的に並列に接続されてもよく、直列接続及び並列接続を組み合わせて電気的に接続されてもよい。或いは、各電池パック300が単一の電池を含む場合は、それぞれの電池同士が電気的に直列に接続されてもよく、電気的に並列に接続されてもよく、又は直列接続及び並列接続を組み合わせて電気的に接続されてもよい。
【0128】
図11は、実施形態に係る車両における電気系統に関する制御システムの一例を概略的に示した図である。図11に示す車両400は、電気自動車である。車両400は、車両本体40と、車両用電源41と、車両用電源41の上位の制御装置である車両ECU(ECU:Electric Control Unit;電気制御装置)42と、外部端子(外部電源に接続するための端子)43と、インバータ44と、駆動モータ45とを備えている。車両400は、車両用電源41を、例えばエンジンルーム、自動車の車体後方又は座席の下に搭載している。なお、図11に示す車両400では、車両用電源41の搭載箇所については概略的に示している。
【0129】
車両用電源41は、複数(例えば3つ)の電池パック300a、300b及び300cと、電池管理装置(BMU:Battery Management Unit)411と、通信バス412とを備えている。
【0130】
電池パック300aは、組電池200aと組電池監視装置301a(例えば、VTM:Voltage Temperature Monitoring)とを備えている。電池パック300bは、組電池200bと組電池監視装置301bとを備えている。電池パック300cは、組電池200cと組電池監視装置301cとを備えている。電池パック300a~300cは、前述の電池パック300と同様の電池パックであり、組電池200a~200cは、前述の組電池200と同様の組電池である。組電池200a~200cは、電気的に直列に接続されている。電池パック300a、300b、及び300cは、それぞれ独立して取り外すことが可能であり、別の電池パック300と交換することができる。
【0131】
組電池200a~200cのそれぞれは、直列に接続された複数の単電池を備えている。複数の単電池の少なくとも1つは、第2の実施形態に係る二次電池である。組電池200a~200cは、それぞれ、正極端子413及び負極端子414を通じて充放電を行う。
【0132】
電池管理装置411は、組電池監視装置301a~301cとの間で通信を行い、車両用電源41に含まれる組電池200a~200cに含まれる単電池100のそれぞれについて電圧及び温度などに関する情報を収集する。これにより、電池管理装置411は、車両用電源41の保全に関する情報を収集する。
【0133】
電池管理装置411と組電池監視装置301a~301cとは、通信バス412を介して接続されている。通信バス412では、1組の通信線が複数のノード(電池管理装置411と1つ以上の組電池監視装置301a~301cと)で共有されている。通信バス412は、例えばCAN(Control Area Network)規格に基づいて構成された通信バスである。
【0134】
組電池監視装置301a~301cは、電池管理装置411からの通信による指令に基づいて、組電池200a~200cを構成する個々の単電池の電圧及び温度を計測する。ただし、温度は1つの組電池につき数箇所だけで測定することができ、全ての単電池の温度を測定しなくてもよい。
【0135】
車両用電源41は、正極端子413と負極端子414との間の電気的な接続の有無を切り替える電磁接触器(例えば図11に示すスイッチ装置415)を有することもできる。スイッチ装置415は、組電池200a~200cへの充電が行われるときにオンになるプリチャージスイッチ(図示せず)、及び、組電池200a~200cからの出力が負荷へ供給されるときにオンになるメインスイッチ(図示せず)を含んでいる。プリチャージスイッチ及びメインスイッチのそれぞれは、スイッチ素子の近傍に配置されたコイルに供給される信号によりオン又はオフに切り替わるリレー回路(図示せず)を備えている。スイッチ装置415等の電磁接触器は、電池管理装置411又は車両400全体の動作を制御する車両ECU42からの制御信号に基づいて、制御される。
【0136】
インバータ44は、入力された直流電圧を、モータ駆動用の3相の交流(AC)の高電圧に変換する。インバータ44の3相の出力端子は、駆動モータ45の各3相の入力端子に接続されている。インバータ44は、電池管理装置411又は車両全体の動作を制御するための車両ECU42からの制御信号に基づいて、制御される。インバータ44が制御されることにより、インバータ44からの出力電圧が調整される。
【0137】
駆動モータ45は、インバータ44から供給される電力により回転する。駆動モータ45の回転によって発生する駆動力は、例えば差動ギアユニットを介して車軸および駆動輪Wに伝達される。
【0138】
第5の実施形態に係る車両において、電池パックは、例えば、車両の動力の回生エネルギーを回収するものである。車両は、この車両の運動エネルギーを回生エネルギーに変換する機構(Regenerator:再生器)を含んでいてもよい。回生ブレーキ機構は、車両400を制動した際に駆動モータ45を回転させ、運動エネルギーを電気エネルギーとしての回生エネルギーに変換する。回生ブレーキ機構で回収した回生エネルギーは、インバータ44に入力され、直流電流に変換される。変換された直流電流は、車両用電源41に入力される。
【0139】
車両用電源41の負極端子414には、接続ラインL1の一方の端子が接続されている。接続ラインL1の他方の端子は、インバータ44の負極入力端子417に接続されている。接続ラインL1には、負極端子414と負極入力端子417との間に電池管理装置411内の電流検出部(電流検出回路)416が設けられている。
【0140】
車両用電源41の正極端子413には、接続ラインL2の一方の端子が、接続されている。接続ラインL2の他方の端子は、インバータ44の正極入力端子418に接続されている。接続ラインL2には、正極端子413と正極入力端子418との間にスイッチ装置415が設けられている。
【0141】
外部端子43は、電池管理装置411に接続されている。外部端子43は、例えば、外部電源に接続することができる。
【0142】
車両ECU42は、運転者などの操作入力に応答して電池管理装置411を含む他の管理装置及び制御装置とともに車両用電源41、スイッチ装置415、及びインバータ44等を協調制御する。車両ECU42等の協調制御によって、車両用電源41からの電力の出力及び車両用電源41の充電等が制御され、車両400全体の管理が行われる。電池管理装置411と車両ECU42との間では、通信線により、車両用電源41の残容量など、車両用電源41の保全に関するデータ転送が行われる。
【0143】
第5の実施形態に係る車両は、第4の実施形態に係る電池パックを搭載している。したがって、第5の実施形態に係る車両は、走行距離及び走行性能に優れる。
【実施例0144】
(実施例1)
先ず、炭素繊維と第1結着剤と純水とを混合して、プラネタリミキサーを用いて撹拌した。炭素繊維としては、長さ方向に対して垂直な断面の直径、すなわち太さにおいて平均太さS1が0.1μmであり、平均長さL1が20μmであるカーボンナノチューブを用いた。以下、この炭素繊維を第1炭素繊維とする。炭素繊維と第1結着剤と純水との混合物に、活物質と粒状炭素を加えてプラネタリミキサー及びビーズミルを用いて撹拌した。撹拌の際には、プラネタリミキサーの撹拌速度を40rpmとし、撹拌時間を60分とした。ビーズミルの流量は、30mL/min、回転速度は2000rpmとした。活物質としては、平均粒径が1μmであるニオブチタン複合酸化物(NbTiO)の粒子を用いた。以下、この活物質をNTOとする。粒状炭素としては、平均粒径が0.2μmのアセチレンブラックを用いた。以下、この粒状炭素をABとする。その後、第2結着材を加えてプラネタリミキサーを用いて撹拌し分散スラリーを調製した。撹拌の際には、撹拌速度を50rpmとし、撹拌時間を30分とした。第2結着剤としては、スチレンブタジエンゴムを用いた。以下、この結着剤をSBRとする。
【0145】
分散スラリーにおいて、100質量部の活物質に対する炭素繊維、粒状炭素、第1結着剤、第2結着剤の量は、それぞれ、2質量部、2質量部、1質量部、及び1質量部であった。
【0146】
次に、分散スラリーを集電体の片面または両面に塗布し、塗膜を乾燥させて活物質含有層と集電体の積層体を得た。
【0147】
集電体としては、厚さ12μmのアルミニウム合金箔を用いた。この積層体にプレス処理を施して、電極を得た。プレス処理時には、ロールプレス機を用いて所望の膜密度になるように圧力を調整し、プレス処理を実施した。本実施例において、活物質含有層の密度は2.6g/cmとなるようにプレスした。
【0148】
(実施例2)
プレス条件を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で電極を作製した。活物質含有層の密度は、2.7g/cmとなるようにプレスした。
【0149】
(実施例3)
プレス条件を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で電極を作製した。活物質含有層の密度は、2.55g/cmとなるようにプレスした。
【0150】
(実施例4)
ビーズミルの回転速度を変更したことと、プレス条件を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で電極を作製した。ビーズミルの回転速度は700rpmとした。活物質含有層の密度は、2.75g/cmとなるようにプレスした。
【0151】
(実施例5)
ビーズミルの回転速度を変更したことと、プレス条件を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で電極を作製した。ビーズミルの回転速度は1200rpmとした。活物質含有層の密度は、2.55g/cmとなるようにプレスした。
【0152】
(実施例6)
粒状炭素ABの配合量を変更したことと、ビーズミルの回転速度を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で電極を作製した。ビーズミルの回転速度は700rpmとした。分散スラリーにおいて、100質量部の活物質に対する炭素繊維、粒状炭素、第1結着剤、及び第2結着剤の量は、それぞれ、2質量部、4質量部、1質量部、及び1質量部であった。
【0153】
(実施例7)
粒状炭素ABの配合量を変更したことと、ビーズミルの回転速度を変更したことと、プレス条件を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で電極を作製した。ビーズミルの回転速度は1200rpmとした。活物質含有層の密度は、2.75g/cmとなるようにプレスした。分散スラリーにおいて、100質量部の活物質に対する炭素繊維、粒状炭素、第1結着剤、及び第2結着剤の量は、それぞれ、2質量部、4質量部、1質量部、及び1質量部であった。
【0154】
(実施例8)
炭素繊維の種類を変更したことと、プレス条件を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で電極を作製した。炭素繊維としては、長さ方向に対して垂直な断面の直径、すなわち太さにおいて平均太さS1が0.005μmであり、平均長さL1が50μmであるカーボンナノチューブを用いた。以下、この炭素繊維を第2炭素繊維とする。活物質含有層の密度は、2.75g/cmとなるようにプレスした。
【0155】
(実施例9)
プレス条件を変更したこと以外は、実施例8と同様の方法で電極を作製した。活物質含有層の密度は、2.8g/cmとなるようにプレスした。
【0156】
(実施例10)
ビーズミルの回転速度を変更したことと、プレス条件を変更したこと以外は、実施例8と同様の方法で電極を作製した。ビーズミルの回転速度は1200rpmとした。活物質含有層の密度は、2.7g/cmとなるようにプレスした。
【0157】
(実施例11)
粒状炭素ABの配合量を変更したことと、プレス条件を変更したこと以外は、実施例8と同様の方法で電極を作製した。活物質含有層の密度は、2.6g/cmとなるようにプレスした。分散スラリーにおいて、100質量部の活物質に対する炭素繊維、粒状炭素、第1結着剤、及び第2結着剤の量は、それぞれ、2質量部、1質量部、1質量部、及び1質量部であった。
【0158】
(実施例12)
活物質の種類を変更したことと、粒状炭素ABの配合量を変更したことと、ビーズミルの回転速度を変更したことと、プレス条件を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で電極を作製した。活物質としては、平均粒径が5μmのナトリウム含有ニオブチタン複合化合物(LiNa1.5Ti5.5Nb0.514)の粒子を用いた。以下、この活物質をLNTという。ビーズミルの回転速度は700rpmとした。活物質含有層の密度は、2.5g/cmとなるようにプレスした。分散スラリーにおいて、100質量部の活物質に対する炭素繊維、粒状炭素、第1結着剤、及び第2結着剤の量は、それぞれ、2質量部、1質量部、1質量部、及び1質量部であった。
【0159】
(実施例13)
活物質の種類を変更したことと、炭素繊維の種類を変更したことと、ビーズミルの回転速度を変更したことと、プレス条件を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で電極を作製した。活物質としては、LNTを用いた。炭素繊維としては、第2炭素繊維を用いた。ビーズミルの回転速度は1200rpmとした。活物質含有層の密度は、2.7g/cmとなるようにプレスした。
【0160】
(実施例14)
活物質の種類を変更したことと、粒状炭素ABの配合量を変更したことと、ビーズミルの回転速度を変更したことと、プレス条件を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で電極を作製した。活物質としては、平均粒径が3μmのチタン複合酸化物(LiTi12)の粒子を用いた。以下、この活物質をLTOという。ビーズミルの回転速度は700rpmとした。活物質含有層の密度は、2.3g/cmとなるようにプレスした。分散スラリーにおいて、100質量部の活物質に対する炭素繊維、粒状炭素、第1結着剤、及び第2結着剤の量は、それぞれ、2質量部、4質量部、1質量部、及び1質量部であった。
【0161】
(比較例1)
粒状炭素ABの配合量を変更したことと、プレス条件を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で電極を作製した。活物質含有層の密度は、2.9g/cmとなるようにプレスした。分散スラリーにおいて、100質量部の活物質に対する炭素繊維、粒状炭素、第1結着剤、及び第2結着剤の量は、それぞれ、2質量部、4質量部、1質量部、及び1質量部であった。
【0162】
(比較例2)
炭素繊維の部数を0としたことと、ビーズミルの回転速度を変更したことと、プレス条件を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で電極を作製した。ビーズミルの回転速度は、2200rpmとした。活物質含有層の密度は、2.8g/cmとなるようにプレスした。分散スラリーにおいて、100質量部の活物質に対する炭素繊維、粒状炭素、第1結着剤、及び第2結着剤の量は、それぞれ、0質量部、2質量部、1質量部、及び1質量部であった。
【0163】
(比較例3)
炭素繊維の種類を変更したことと、粒状炭素ABの配合量を変更したことと、ビーズミルの回転速度を変更したことと、プレス条件を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で電極を作製した。炭素繊維としては、第2炭素繊維を用いた。ビーズミルの回転速度は、2200rpmとした。活物質含有層の密度は、2.8g/cmとなるようにプレスした。分散スラリーにおいて、100質量部の活物質に対する炭素繊維、粒状炭素、第1結着剤、及び第2結着剤の量は、それぞれ、2質量部、4質量部、1質量部、及び1質量部であった。
【0164】
(比較例4)
活物質の種類を変更したことと、プレス条件を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で電極を作製した。活物質としては、LNTを用いた。活物質含有層の密度は、2.7g/cmとなるようにプレスした。
【0165】
(比較例5)
活物質の種類を変更したことと、炭素繊維の種類を変更したことと、粒状炭素ABの配合量を変更したことと、プレス条件を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で電極を作製した。活物質としては、LTOを用いた。炭素繊維としては、第2炭素繊維を用いた。活物質含有層の密度は、2.8g/cmとなるようにプレスした。分散スラリーにおいて、100質量部の活物質に対する炭素繊維、粒状炭素、第1結着剤、及び第2結着剤の量は、それぞれ、2質量部、1質量部、1質量部、及び1質量部であった。
【0166】
(対数微分細孔容積分布曲線の測定)
上述した方法で、実施例1~14及び比較例1~5で作成した電極の対数微分細孔容積分布曲線を測定した。
【0167】
(サイクル性能評価)
3極式ガラスセルを用いて、サイクル性能を評価した。70℃の環境下で、1Cの電流密度で、SOCが100%に達するまで電池を充電した。その後、1Cの電流密度で、SOCが0%になるまで放電して、放電容量を測定した。この充放電を1サイクルとして、1回目の放電容量に対する放電容量維持率が80%となるまで繰り返し充放電を行った。この結果を表3に示す。
【0168】
実施例1~14及び比較例1~5に係る電極の製造方法について下記の表1~表2にまとめる。
【0169】
【表1】
【0170】
表1において、「活物質」という見出しの下方の列において、「組成」と表記した列には、活物質の組成を記載している。また、「炭素繊維」という見出しの下方の列において、「種類」、「太さS1」、「長さL1」、「L1/S1」、及び「配合量(質量部)」と表記した列には、炭素繊維の種類、平均太さS、平均長さL、平均太さSに対する平均長さLの比、及び100質量部の活物質に対する配合量をそれぞれ記載している。また、「粒状炭素」という見出しの下方の列において、「種類」、及び「配合量」と表記した列には、粒状炭素の種類、及び100質量部の活物質に対する配合量をそれぞれ記載している。
【0171】
【表2】
【0172】
表2において、「回転速度」と表記した列には、炭素繊維、第1結着剤、純水、活物質、及び粒状炭素を撹拌した際のビーズミルの回転速度を記載している。また、「密度」と表記した列には、ロールプレス機を用いて活物質含有層と集電体の積層体をプレスした際の活物質含有層の密度を表記している。
【0173】
実施例1~14及び比較例1~5に係る電極及びこれらの電極を用いた二次電池の性能について下記の表3及び図12にまとめる。
【0174】
【表3】
【0175】
表3において、「電極」という見出しの下方の列において、「細孔表面積TA」、「ピーク細孔径PD」、「メディアン径MD」、「MD-PD」、及び「半値全幅」と表記した列には、水銀圧入法で得られた電極の全細孔表面積TA、ピークの細孔径PD、メディアン径MD、メディアン径MDからピークの細孔径PDを差し引いた値MD-PD、及びピークの半値全幅をそれぞれ記載している。また、「電池」という見出しの下方の列において、「サイクル数比」と表記した列には、各実施例または各比較例の二次電池のサイクル数の実施例1のサイクル数に対する比を記載している。ここで、サイクル数とは、70℃の条件下において、1サイクル目の放電容量に対する放電容量維持率が80%になった際のサイクル数である。
【0176】
図12は、ピーク細孔径PDと全細孔容積TAとの関係を示すグラフである。実施例1~15に関するプロットを黒丸で、比較例1~5に関するプロットを白丸で示す。また、図中にPD=0.1、TA=-17×PD+10.6((1)式において、a=-17、b=10.6)、TA=-17×PD+8((1)式において、a=-17、b=8)、及びTA=-17×PD+7((1)式において、a=-17、b=7)に対応する点線を記入した。
【0177】
実施例1~14と比較例1~5との対比から明らかなように、ピークの細孔径PDが0.1μmより大きく0.3μm以下の範囲内にプロットがある電極は、この範囲外の電極と比較して、高温サイクル性能に優れている。さらに、TA=-17×PD+10.6、TA=-17×PD+7、PD=0.1、及びPD=0.3で囲われた範囲(図12における薄色ハッチング部および濃色ハッチング部)内にプロットがある電極の多くは、範囲外の電極と比較して高温サイクル性能が高い。さらに、TA=-17×PD+10.6、TA=-17×PD+8、PD=0.1、及びPD=0.3で囲われた範囲(図12における濃色ハッチング部)内にプロットがある電極の多くは、範囲外の電極と比較して高温サイクル性能がより高い。
【0178】
以上説明した少なくとも一つの実施形態に係る電極は、活物質、及び炭素繊維を含む活物質含有層を備え、水銀圧入法による活物質含有層の対数微分細孔容積分布曲線において、最大対数微分細孔容積を示すピークの細孔径PDは、0.1μmより大きく0.3μm以下であり、ピークの半値全幅は、0.06μm以下である。この電極を用いると、高温サイクル性能に優れた二次電池を実現できる。
【0179】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0180】
1…電極群、2…外装部材、3…負極、3a…負極集電体、3b…負極活物質含有層、3c…負極集電タブ、4…セパレータ、5…正極、5a…正極集電体、5b…正極活物質、6…負極端子、7…正極端子、21…バスバー、22…正極側リード、22a…他端、23…負極側リード、23a…他端、24…粘着テープ、31…収容容器、32…蓋、33…保護シート、34…プリント配線基板、35…配線、40…車両本体、41…車両用電源、42…電気制御装置、43…外部端子、44…インバータ、45…駆動モータ、50…活物質粒子、51…炭素繊維、52…粒状炭素、100…二次電池、200…組電池、200a…組電池、200b…組電池、200c…組電池、300…電池パック、300a…電池パック、300b…電池パック、300c…電池パック、301a…組電池監視装置、301b…組電池監視装置、301c…組電池監視装置、342…正極側コネクタ、343…負極側コネクタ、345…サーミスタ、344…保護回路、342a…配線、343a…配線、350…通電用の外部端子、352…正側端子、353…負側端子、348a…プラス側配線、348b…マイナス側配線、400…車両、411…電池管理装置、412…通信バス、413…正極端子、414…負極端子、415…スイッチ装置、416…電流検出部、417…負極入力端子、418…正極入力端子、L1…接続ライン、L2…接続ライン、W…駆動輪。
図1
図2
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図5
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図12