(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139025
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】会議システム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20241002BHJP
H04N 7/15 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
G06Q10/10 310
H04N7/15
H04N7/15 120
H04N7/15 150
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049795
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117651
【弁理士】
【氏名又は名称】高垣 泰志
(72)【発明者】
【氏名】山本 憲三
【テーマコード(参考)】
5C164
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164UB88S
5C164VA07P
5C164VA13P
5C164VA23P
5L010AA12
5L049AA12
(57)【要約】
【課題】会議の進行中に会議資料の中から重要ページを自動で特定し、参加者自らが重要ページを探し出す手間を省くことを可能にする。
【解決手段】複数の情報処理端末3が通信可能に接続された会議システム1は、複数のページから成る会議資料15を複数の情報処理端末3のそれぞれに出力して表示させる表示制御部21と、会議の進行に伴う進行状況情報16を収集し、進行状況情報16に基づいて会議資料15のうちから重要ページを特定する重要ページ特定部23と、重要ページを含む出力データを情報処理端末3へ出力する出力部26と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報処理端末が通信可能に接続された会議システムであって、
複数のページから成る会議資料を前記複数の情報処理端末のそれぞれに出力して表示させる表示制御部と、
会議の進行に伴う進行状況情報を収集し、前記進行状況情報に基づいて前記会議資料のうちから重要ページを特定する重要ページ特定部と、
前記重要ページを含む出力データを前記情報処理端末へ出力する出力部と、
を備えることを特徴とする会議システム。
【請求項2】
前記出力部は、前記情報処理端末から前記重要ページの出力指示を受信した場合に、前記出力データを出力することを特徴とする請求項1に記載の会議システム。
【請求項3】
前記重要ページを管理する重要ページ管理部と、
前記情報処理端末からの指示に基づいて前記重要ページの追加又は削除を行う重要ページ編集部と、
を更に備え、
前記重要ページ管理部は、前記情報処理端末ごとに、前記重要ページを管理することを特徴とする請求項1に記載の会議システム。
【請求項4】
前記出力部は、前記複数の情報処理端末のうちの一の情報処理端末から前記重要ページの出力指示を受信した場合、前記重要ページ管理部において管理されている前記一の情報処理端末の前記重要ページを読み出して前記出力データを生成し、前記一の情報処理端末へ出力することを特徴とする請求項3に記載の会議システム。
【請求項5】
前記重要ページ特定部は、会議の進行に応じて前記進行状況情報を逐次更新することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の会議システム。
【請求項6】
前記重要ページ特定部は、会議の進行に応じて、前記複数のページのそれぞれに対する評価値を算出し、前記評価値を前記進行状況情報に記録することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の会議システム。
【請求項7】
前記重要ページ特定部は、前記複数のページのそれぞれについて算出された前記評価値の高い順に前記重要ページを特定することを特徴とする請求項6に記載の会議システム。
【請求項8】
前記重要ページ特定部は、前記表示制御部によって現在表示されているページの前記評価値を、現在表示されていないページの前記評価値よりも高い値に算出することを特徴とする請求項7に記載の会議システム。
【請求項9】
前記重要ページ特定部は、前記表示制御部による表示時間の長いページの前記評価値を、表示時間の短いページの前記評価値よりも高い値に算出することを特徴とする請求項7に記載の会議システム。
【請求項10】
前記重要ページ特定部は、前記表示制御部によって一のページが表示されているときの参加者の発言量に応じて当該一のページの前記評価値を算出することを特徴とする請求項7に記載の会議システム。
【請求項11】
前記重要ページ特定部は、前記表示制御部によって一のページが表示されているときの発言者の人数に応じて当該一のページの前記評価値を算出することを特徴とする請求項7に記載の会議システム。
【請求項12】
前記重要ページ特定部は、前記表示制御部によって一のページが表示されているときの発言者の声の大きさに応じて当該一のページの前記評価値を算出することを特徴とする請求項7に記載の会議システム。
【請求項13】
前記重要ページ特定部は、前記表示制御部によって一のページが表示されているときの発言者の役職に応じて当該一のページの前記評価値を算出することを特徴とする請求項7に記載の会議システム。
【請求項14】
前記重要ページ特定部は、前記表示制御部によって一のページが表示されているときの発言者の発言内容に応じて当該一のページの前記評価値を算出することを特徴とする請求項7に記載の会議システム。
【請求項15】
前記出力部は、前記重要ページのみを含む前記出力データを生成し、前記情報処理端末へ出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の会議システム。
【請求項16】
前記出力部は、前記複数のページを含む前記出力データを生成し、前記出力データに含まれる前記重要ページに識別情報を付加することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の会議システム。
【請求項17】
前記出力部は、前記出力データを前記情報処理端末へ出力するとき、前記情報処理端末に前記重要ページを他のページと区別した印刷を行わせることを特徴とする請求項16に記載の会議システム。
【請求項18】
前記出力部は、前記出力データを、前記情報処理端末において編集可能なデータとして出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の会議システム。
【請求項19】
複数の情報処理端末が通信可能に接続された会議システムの制御方法であって、
複数のページから成る会議資料を前記複数の情報処理端末のそれぞれに出力して表示させる表示ステップと、
会議の進行に伴う進行状況情報を収集し、前記進行状況情報に基づいて前記会議資料のうちから重要ページを特定する特定ステップと、
前記重要ページを含む出力データを前記情報処理端末へ出力する出力ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議システム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスなどにおいてWEB会議を行う機会が増えている。WEB会議では、サーバー経由で会議資料が各参加者の情報処理端末に提供される。WEB会議の参加者は、自身の情報処理端末に表示される会議資料を見ながら会議を行うことができる。
【0003】
従来、上記のような会議システムにおいて、参加者の音声を認識してテキスト情報に変換し、現在表示中のページ内においてテキスト情報が示す領域を特定し、特定した領域を強調表示するものが提案されている(例えば特許文献1)。この従来技術によれば、発言者の発言内容に応じて現在表示中であるページの一部が強調表示されるため、他の参加者は現在表示中であるページのどの部分についての発言であるかを容易に特定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、WEB会議の参加者は、会議中又は会議後に会議資料を印刷し、その資料に手書きメモなどを残しておきたいことがある。例えば、会議中であれば、他の参加者の説明を聞きながら資料に手書きでメモを取っていくことにより、内容が整理しやすくなったり、アイデア等の考えが浮かびやすくなったりする。また、会議後であれば、次の会議に備えて備忘録を残しておくことができる。
【0006】
しかし、会議資料が例えば100ページを超える膨大な資料である場合、実際の会議において説明の対象となるポイント部分は数ページ程度であることが多い。その場合、会議資料に含まれる全てのページを印刷すると、ページ数が多いため、資料内のどこに重要ページが存在するのかを探し出すのに手間がかかる。特に、会議の進行中にメモを取る必要性を感じて会議資料を印刷した場合、印刷に時間がかかる上、印刷後に膨大なページ数の中から重要ページを探し出さなければならず、手書きメモが間に合わずに会議が進行してしまうという問題がある。
【0007】
また、印刷された会議資料内のどこに重要ページが存在するのかを探し出すのに手間がかかる点は、会議後に印刷する場合であっても同様である。
【0008】
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、会議の進行中に会議資料の中から重要ページを自動で特定することにより、参加者自ら重要ページを探し出す手間を省くことを可能にする会議システム及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、複数の情報処理端末が通信可能に接続された会議システムであって、複数のページから成る会議資料を前記複数の情報処理端末のそれぞれに出力して表示させる表示制御部と、会議の進行に伴う進行状況情報を収集し、前記進行状況情報に基づいて前記会議資料のうちから重要ページを特定する重要ページ特定部と、前記重要ページを含む出力データを前記情報処理端末へ出力する出力部と、を備えることを特徴とする構成である。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1の会議システムにおいて、前記出力部は、前記情報処理端末から前記重要ページの出力指示を受信した場合に、前記出力データを出力することを特徴とする構成である。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1の会議システムにおいて、前記重要ページを管理する重要ページ管理部と、前記情報処理端末からの指示に基づいて前記重要ページの追加又は削除を行う重要ページ編集部と、を更に備え、前記重要ページ管理部は、前記情報処理端末ごとに、前記重要ページを管理することを特徴とする構成である。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項3の会議システムにおいて、前記出力部は、前記複数の情報処理端末のうちの一の情報処理端末から前記重要ページの出力指示を受信した場合、前記重要ページ管理部において管理されている前記一の情報処理端末の前記重要ページを読み出して前記出力データを生成し、前記一の情報処理端末へ出力することを特徴とする構成である。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかの会議システムにおいて、前記重要ページ特定部は、会議の進行に応じて前記進行状況情報を逐次更新することを特徴とする構成である。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかの会議システムにおいて、前記重要ページ特定部は、会議の進行に応じて、前記複数のページのそれぞれに対する評価値を算出し、前記評価値を前記進行状況情報に記録することを特徴とする構成である。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項6の会議システムにおいて、前記重要ページ特定部は、前記複数のページのそれぞれについて算出された前記評価値の高い順に前記重要ページを特定することを特徴とする構成である。
【0016】
請求項8に係る発明は、請求項7の会議システムにおいて、前記重要ページ特定部は、前記表示制御部によって現在表示されているページの前記評価値を、現在表示されていないページの前記評価値よりも高い値に算出することを特徴とする構成である。
【0017】
請求項9に係る発明は、請求項7の会議システムにおいて、前記重要ページ特定部は、前記表示制御部による表示時間の長いページの前記評価値を、表示時間の短いページの前記評価値よりも高い値に算出することを特徴とする構成である。;
【0018】
請求項10に係る発明は、請求項7の会議システムにおいて、前記重要ページ特定部は、前記表示制御部によって一のページが表示されているときの参加者の発言量に応じて当該一のページの前記評価値を算出することを特徴とする構成である。
【0019】
請求項11に係る発明は、請求項7の会議システムにおいて、前記重要ページ特定部は、前記表示制御部によって一のページが表示されているときの発言者の人数に応じて当該一のページの前記評価値を算出することを特徴とする構成である。
【0020】
請求項12に係る発明は、請求項7の会議システムにおいて、前記重要ページ特定部は、前記表示制御部によって一のページが表示されているときの発言者の声の大きさに応じて当該一のページの前記評価値を算出することを特徴とする構成である。
【0021】
請求項13に係る発明は、請求項7の会議システムにおいて、前記重要ページ特定部は、前記表示制御部によって一のページが表示されているときの発言者の役職に応じて当該一のページの前記評価値を算出することを特徴とする構成である。
【0022】
請求項14に係る発明は、請求項7の会議システムにおいて、前記重要ページ特定部は、前記表示制御部によって一のページが表示されているときの発言者の発言内容に応じて当該一のページの前記評価値を算出することを特徴とする構成である。
【0023】
請求項15に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかの会議システムにおいて、前記出力部は、前記重要ページのみを含む前記出力データを生成し、前記情報処理端末へ出力することを特徴とする構成である。
【0024】
請求項16に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかの会議システムにおいて、前記出力部は、前記複数のページを含む前記出力データを生成し、前記出力データに含まれる前記重要ページに識別情報を付加することを特徴とする構成である。
【0025】
請求項17に係る発明は、請求項16の会議システムにおいて、前記出力部は、前記出力データを前記情報処理端末へ出力するとき、前記情報処理端末に前記重要ページを他のページと区別した印刷を行わせることを特徴とする構成である。
【0026】
請求項18に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかの会議システムにおいて、前記出力部は、前記出力データを、前記情報処理端末において編集可能なデータとして出力することを特徴とする構成である。
【0027】
請求項19に係る発明は、複数の情報処理端末が通信可能に接続された会議システムの制御方法であって、複数のページから成る会議資料を前記複数の情報処理端末のそれぞれに出力して表示させる表示ステップと、会議の進行に伴う進行状況情報を収集し、前記進行状況情報に基づいて前記会議資料のうちから重要ページを特定する特定ステップと、前記重要ページを含む出力データを前記情報処理端末へ出力する出力ステップと、を有することを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、会議の進行中に会議資料の中から重要ページを自動で特定することができるため、参加者自ら重要ページを探し出す手間を省くことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図2】会議支援装置のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】表示制御部によって生成される会議画面の一例を示す図である。
【
図6】出力部によって生成される出力データの例を示す図である。
【
図7】出力部によって生成される出力データの例を示す図である。
【
図8】会議支援装置における処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態における会議システム1の構成例を示す図である。この会議システム1は、会議支援装置2と、複数の情報処理端末3a,3b,3cとがネットワーク4を介して相互に通信可能に接続された構成である。また、会議システム1は、ネットワーク4に接続される画像形成装置5を備えている。尚、ネットワーク4は、LAN(Local Area Network)やインターネットを含む通信ネットワークである。
【0032】
会議支援装置2は、複数のユーザーA,B,Cが参加して行われるWEB会議を支援する会議支援サーバーである。この会議支援装置2は、WEBサーバーとしての機能を備えている。本実施形態の会議支援装置2には、WEB会議の参加者であるユーザーA,B,Cが使用する情報処理端末3a,3b,3cが接続される。会議支援装置2は、ユーザーA,B,Cが使用する情報処理端末3a,3b,3cに会議資料を表示する会議画面を提供し、各情報処理端末3a,3b,3cにおいて会議画面を表示させる。また、会議支援装置2は、各情報処理端末3a,3b,3cからユーザーA,B,Cが発した音声の音声情報を取得し、各情報処理端末3a,3b,3cに音声情報を提供する。各情報処理端末3a,3b,3cは、会議支援装置2から提供される音声情報に基づき他のユーザーが発した音声を出力する。尚、以下においては、複数の情報処理端末3a,3b,3cを区別しないときには、それらを総称して情報処理端末3と称す。
【0033】
情報処理端末3は、例えばパーソナルコンピュータやタブレット端末、スマートフォンなどによって構成される。情報処理端末3は、カラー液晶ディスプレイなどで構成される表示部と、キーボードやマウス、タッチパネルキーなどで構成さえっる操作部とを備えている。また、情報処理端末3は、カメラと、マイクと、スピーカーとを備えている。情報処理端末3は、有線又は無線でネットワーク4に接続し、会議支援装置2と通信を行うことが可能である。例えば、情報処理端末3は、WEBブラウザを搭載しており、そのWEBブラウザの機能によって会議支援装置2に接続し、会議支援装置2と通信する。
【0034】
複数の情報処理端末3a,3b,3cは、それぞれ同じ場所に設置されていても良いし、異なる場所に設置されていても良い。例えば、ユーザーA,B,Cが在宅でリモートワークを行っている場合、各情報処理端末3a,3b,3cはそれぞれ異なる場所からネットワーク4に接続し、会議支援装置2にアクセする。
【0035】
画像形成装置5は、複合機やプリンタなどで構成される。画像形成装置5は、ネットワーク4を介して印刷ジョブを受信すると、印刷ジョブに含まれる画像データに基づき、印刷用紙などのシートに画像を形成して出力する。
図1では、1つの画像形成装置5を示している。しかし、会議システム1は、複数の画像形成装置5を備えていても構わない。例えば、画像形成装置5は、ユーザーA,B,CがWEB会議に参加する場所のそれぞれに設置されていても良い。
【0036】
図2は、会議支援装置2のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。会議支援装置2は、そのハードウェア構成として、制御部10と、記憶部11と、通信インタフェース12とを備えている。制御部10は、プロセッサとメモリとを備えており、プロセッサがメモリに記憶されているプログラムを実行することにより、後述するWEB会議を支援するための機能を動作させる。記憶部11は、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などで構成される記憶デバイスである。通信インタフェース12は、会議支援装置2をネットワーク4に接続して通信を行うためのインタフェースである。
【0037】
記憶部11には、会議情報14と、会議資料15と、進行状況情報16と、重要ページ管理情報17とが記憶される。
【0038】
会議情報14は、WEB会議を開催する日時や参加者などの情報が予め登録された情報である。例えば、会議情報14には、WEB会議に参加するユーザーA,B,Cに関する情報が登録される。ユーザーA,B,Cに関する情報には、ユーザーA,B,Cの役職に関する情報が含まれる。
【0039】
会議資料15は、WEB会議において使用される資料に関する情報であり、例えばドキュメントや画像などを含む電子データで構成される。会議資料15は、複数ページから成る資料である。会議資料15のページ数は任意であるが、100ページを超えるような膨大な資料であっても構わない。
【0040】
進行状況情報16は、WEB会議が開始された後に制御部10によって収集される会議の進行状況を記録した情報である。この進行状況情報16は、会議の進行に応じて逐次更新される。進行状況情報16は、複数ページから成る会議資料15のうちから重要ページを特定する際に参照される情報である。尚、進行状況情報16の詳細については後述する。
【0041】
重要ページ管理情報17は、会議資料15に含まれる複数ページの中から、重要ページであると特定したページを管理するための情報である。重要ページ管理情報17には、WEB会議に参加するユーザーA,B,Cごとに重要ページが記録される。尚、重要ページ管理情報17の詳細については後述する。
【0042】
制御部10は、プロセッサがプログラムを実行することにより、ログイン制御部19及び会議支援部20として機能する。
【0043】
ログイン制御部19は、情報処理端末3からのアクセスを検知すると、情報処理端末3にログイン画面を表示させ、ユーザーによるログイン情報の入力操作を受け付ける。ログイン制御部19は、情報処理端末3から受信するログイン情報に基づいてユーザー認証を行い、会議情報14に登録されているWEB会議の参加者であるか否かを判定する。その結果、WEB会議の参加者である場合、ログイン制御部19は、会議情報14に登録されているWEB会議への参加を許可し、WEB会議が開始されるまでの間、待機画面を情報処理端末3に表示させる。
【0044】
各ユーザーA,B,Cは、自身の情報処理端末3を使用して会議支援装置2にアクセスし、自身のログイン情報を入力することにより、会議支援装置2にログインできる。情報処理端末3は、WEB会議が開始されるまでの間、会議支援装置2から提供される待機画面を表示する。
【0045】
会議支援部20は、会議情報14に登録されている会議開始時刻になったタイミング、又は、WEB会議の参加者であるユーザーA,B,Cのいずれかによって会議開始が指示されたタイミングで機能する。会議支援部20は、表示制御部21と、音声処理部22と、重要ページ特定部23と、重要ページ管理部24と、重要ページ編集部25と、出力部26とを備えている。
【0046】
表示制御部21は、ユーザーA,B,Cの情報処理端末3に対して会議画面を出力し、会議画面を各情報処理端末3に表示させる。表示制御部21は、記憶部11から会議資料15を読み出し、複数ページの資料の中から表示対象のページを画面中央に配置した会議画面を生成し、その会議画面をユーザーA,B,Cの情報処理端末3に送信する。
【0047】
図3は、表示制御部21によって生成される会議画面G1の一例を示す図である。会議支援装置2によってWEB会議が開始されると、各情報処理端末3には、
図3に示すような会議画面G1が表示される。
【0048】
会議画面G1は、画面中央に表示対象である1ページ分の会議資料を表示する資料表示領域R1を有する。この資料表示領域R1に表示されるページは、表示制御部21によって現在表示されているページである。つまり、WEB会議の進行中において、ユーザーA,B,Cの注目の対象となるページが資料表示領域R1に表示される。
【0049】
また、会議画面G1は、資料表示領域R1の左側に、会議資料15に含まれる各ページのサムネイル画像31を配列して表示するページ表示領域R2を有する。ページ表示領域R2には、複数ページ分のサムネイル画像31を表示可能となっており、資料表示領域R1に表示されているページのサムネイル画像31には、現在表示中であることを示す強調表示32が施される。例えば
図3では、サムネイル画像31の周囲に所定色の枠を付与することにより強調表示32が施されている。例えば、会議資料15のページ数が膨大であるとき、ページ表示領域R2に全てのページのサムネイル画像31を表示することができない。そのため、ページ表示領域R2の右側にはスクロールバー34が表示される。ユーザーA,B,Cは、そのスクロールバー34を上下方向に操作することにより、ページ表示領域R2に表示されるサムネイル画像31のページ位置を変更することができる。また、ページ表示領域R2に表示される各ページのサムネイル画像31には、重要ページと特定された場合に重要ページマーク33が付与される。
図3では、19ページと21ページに重要ページマーク33が付与されており、他のページには付与されていない。そのため、ユーザーA,B,Cは、ページ表示領域R2を見れば、19ページと21ページが重要ページと識別されていることを認識することができる。
【0050】
また、会議画面G1は、資料表示領域R1の右側に、WEB会議に参加しているユーザーA,B,Cの撮影画像35を表示する参加者表示欄R3を有する。例えば、ユーザーA,B,Cのいずれかが発言すると、その発言ユーザーに対応する撮影画像35がハイライト表示され、他の発言していないユーザーと区別可能な表示態様となる。これにより、各ユーザーA,B,Cは、会議中に誰が発言しているかを把握することができる。
【0051】
更に、会議画面G1は、資料表示領域R1の下部に、編集ボタン38と、出力ボタン39とを有している。編集ボタン38及び出力ボタン39はいずれもユーザーA,B,Cが操作可能なボタンである。
【0052】
編集ボタン38は、会議支援装置2によって自動的に特定された重要ページをユーザーA,B,Cが編集するためのボタンである。例えば、ユーザーA,B,Cのいずれかのユーザーによって編集ボタン38が操作されると、そのユーザーの情報処理端末3には、重要ページの追加又は削除を行うための編集画面が表示される。ユーザーは、その編集画面に対する操作を行うことで、重要ページを追加したり、削除したりすることができる。このような編集操作は、ユーザーごとに行われる。そのため、ユーザーによる重要ページの編集操作が行われると、その編集結果は当該ユーザーにのみ反映され、他のユーザーには反映されない。したがって、会議資料15中の重要ページは、ユーザーごとに管理される。
【0053】
出力ボタン39は、会議資料15の出力を指示するボタンである。例えば、ユーザーA,B,Cのいずれかのユーザーによって出力ボタン39が操作されると、会議支援装置2は、そのユーザーの情報処理端末3に、重要ページを含む出力データを出力する。出力ボタン39は、WEB会議の進行中に操作されることがある。その場合、会議支援装置2は、出力ボタン39が操作された時点で特定されている重要ページを含む出力データを生成し、その出力データを情報処理端末3へ送信する。
【0054】
表示制御部21は、上記のような会議画面G1を情報処理端末3に表示しているとき、ユーザーA,B,Cのいずれかからページ更新の指示を受信すると、資料表示領域R1に表示しているページを、ユーザーによって指定されたページに更新する。表示制御部21は、資料表示領域R1に1ページ分の会議資料を表示するとき、そのページ番号を重要ページ特定部23へ通知する。
【0055】
音声処理部22は、各情報処理端末3から受信するユーザーA,B,Cの音声情報を、音声情報の送信元とは異なる情報処理端末3へ配信することにより、WEB会議の参加者による会話を支援する。音声処理部22は、音声情報を受信すると、その音声を発したユーザー及びユーザーの役職を特定し、重要ページ特定部23へ通知する。また、音声処理部22は、音声情報に基づき声の大きさ(音量レベル)を測定し、その測定結果を重要ページ特定部23へ通知する。また、音声処理部22は、音声情報に基づいてユーザーの発言量(音声が継続する時間)を測定し、その測定結果を重要ページ特定部23へ通知する。更に、音声処理部22は、音声認識機能を有しており、ユーザーが「Nページを説明します。」(Nは任意の数)などのページ番号を指し示す発言を行った場合にそれを検知し、重要ページ特定部23にそのページ番号を通知する。
【0056】
重要ページ特定部23は、表示制御部21及び音声処理部22のそれぞれからの通知に基づいて会議の進行状況を進行状況情報16に記録し、進行状況情報16に基づいて会議資料15のうちから重要ページを自動的に特定する。
【0057】
図4は、進行状況情報16の一例を示す図である。
図4では、会議資料15のページ数が100ページである場合の進行状況情報16を例示している。進行状況情報16は、各ページに対し、会議の進行に応じた評価値を記録した情報である。各ページの評価値は、現在表示中、表示時間、発言量、声の大きさ、役職、及び、ページ番号発言といった複数の項目に基づいて算出される。尚、これら複数の項目の初期値はいずれも「0」である。
【0058】
例えば、現在表示中の項目は、会議画面G1において資料表示領域R1に表示されているページに「1」が記録され、表示されていないページには「0」が記録される項目である。つまり、会議資料15に含まれる複数のページにおいて、現在表示中の項目は、資料表示領域R1に表示されているページのみが「1」となり、他のページは全て「0」となる。重要ページ特定部23は、表示制御部21によってページが更新される都度、資料表示領域R1に表示されているページ番号が通知される。そのため、重要ページ特定部23は、表示制御部21からの通知によって現在表示中のページを特定し、そのページに対応する現在表示中の項目に「1」を記録する。これにより、重要ページ特定部23は、表示制御部21によって現在表示されているページの評価値を、現在表示されていないページの評価値よりも高い値に算出することができるようになる。
【0059】
表示時間の項目は、そのページが資料表示領域R1に表示されているときの表示時間が記録される項目である。例えば、重要ページ特定部23は、表示制御部21からの通知によって現在表示中のページを特定すると、表示時間のカウントを開始し、そのページに対応する表示時間の項目にカウント値を記録していく。したがって、表示時間の項目は、資料表示領域R1における表示状態が継続すると、それに伴い逐次更新される。これにより、重要ページ特定部23は、表示制御部21による表示時間の長いページの評価値を、表示時間の短いページの評価値よりも高い値に算出することができるようになる。
【0060】
発言量の項目は、そのページが資料表示領域R1に表示されているときの発言量が記録される項目である。例えば、重要ページ特定部23は、そのページが資料表示領域R1に表示されているときに、音声処理部22から通知される発言量に基づき、そのページに対応する項目に発言量を示す時間を記録する。これにより、重要ページ特定部23は、表示制御部21によって一のページが表示されているときの参加者の発言量に応じて当該一のページの評価値を算出することができるようになる。
【0061】
声の大きさの項目は、そのページが資料表示領域R1に表示されているときの声の大きさが記録される項目である。例えば、重要ページ特定部23は、そのページが資料表示領域R1に表示されているときに、音声処理部22から通知される声の大きさに基づき、そのページに対応する項目に声の大きさを記録する。これにより、重要ページ特定部23は、表示制御部21によって一のページが表示されているときの発言者の声の大きさに応じて当該一のページの評価値を算出することができるようになる。
【0062】
役職の項目は、そのページが資料表示領域R1に表示されているときに発言したユーザーの役職が記録される項目である。例えば、重要ページ特定部23は、そのページが資料表示領域R1に表示されているときに音声処理部22から通知される発言者の役職を解析し、部長以上の役職であれば、そのページに対応する項目に「1」を記録する。発言者の役職が部長未満である場合、重要ページ特定部23は、そのページに対応する項目に「0」を記録する。これにより、重要ページ特定部23は、表示制御部21によって一のページが表示されているときの発言者の役職に応じて当該一のページの評価値を算出することができるようになる。
【0063】
ページ番号発言の項目は、ユーザーによってページ番号を指し示す発言が行われた場合に、そのページに対応する項目に発言回数が記録される項目である。例えば、重要ページ特定部23は、音声処理部22からページ番号の通知を受けると、そのページ番号に対応する項目の値に1を加算する。これにより、重要ページ特定部23は、表示制御部21によって一のページが表示されているときの発言者の発言内容に応じて当該一のページの評価値を算出することができるようになる。
【0064】
重要ページ特定部23は、会議の進行中に表示制御部21及び音声処理部22から取得する情報に基づき、
図4に示す進行状況情報16を逐次更新していく。したがって、進行状況情報16は、会議の進行状況がリアルタイムに記録された情報である。
【0065】
また
図4に示すように、各項目には、重み付け係数が予め設定されている。例えば現在表示中の項目には重み付け係数「100」が設定されており、役職の項目には重み付け係数「50」が設定されている。また、ページ番号発言の項目には重み付け係数「20」が設定されている。更に、表示時間、発言量、及び、声の大きさの項目にはそれぞれ重み付け係数「1」が設定されている。
【0066】
重要ページ特定部23は、会議の進行中に進行状況情報16を逐次更新すると共に、各ページの評価値を算出する。例えば、重要ページ特定部23は、各ページについて、複数の項目のそれぞれに記録された値と重み付け係数とを乗算した値を加算することにより、評価値を算出する。例えば
図4の場合、1ページ目と2ページ目の評価値が「49」と算出され、3ページ目の評価値が「98」と算出される。また、19ページ目の評価値が「470」、20ページ目の評価値が「86」、21ページ目の評価値が「620」とそれぞれ算出される。尚、22ページ目以降は、WEB会議において未だ資料表示領域R1に表示されていないため、評価値は「0」となる。
【0067】
重要ページ特定部23は、上記のようにして算出される各ページの評価値に基づき、複数ページから成る会議資料15の中の重要ページを特定する。例えば、重要ページ特定部23は、評価値の高いページから順に所定枚数のページを重要ページとして特定する。この場合の所定枚数は、例えば会議資料15に含まれる全ページ数の10%又は20%といった値で予め設定される。ただし、重要ページとして特定されるページ数が多くなることを抑えるため、所定枚数に上限値を設定しておくことが好ましい。この場合の上限値は例えば20枚程度に設定される。
【0068】
また、重要ページ特定部23は、評価値が所定の閾値以上であるページを全て重要ページとして特定するものであっても構わない。この場合、評価値が閾値以上となるページ数が多くなることがある。そのため、重要ページとして特定されるページ数が多くなることを抑えるため、重要ページとして所定枚数以上のページ数が特定された場合には、閾値をそれ以前の値よりも高い値に変更して再度重要ページを特定する処理を行うようにしても良い。
【0069】
進行状況情報16は、会議の進行中に逐次更新される。これに伴い、各ページの評価値も会議の進行中に逐次更新される。また、重要ページ特定部23は、会議の進行中に、重要ページを特定する処理を繰り返し実行する。そのため、会議資料15の中から重要ページとして特定されるページは、会議の進行に応じて逐次変化していくことになる。重要ページ特定部23は、重要ページを特定すると、その重要ページを重要ページ管理部24へ通知する。
【0070】
重要ページ管理部24は、重要ページ管理情報17にユーザーごとの重要ページを記録して管理する。
図5は、重要ページ管理情報17の一例を示す図である。重要ページ管理情報17は、会議資料15に含まれる各ページが重要ページであるか否かをユーザーごとに記録した情報である。重要ページ管理情報17では、重要ページである場合に「YES」が記録されており、非重要ページである場合に「NO」が記録されている。重要ページ管理部24は、重要ページ特定部23から通知に基づき、重要ページ管理情報17に重要ページを記録する。会議の進行中、重要ページ特定部23によって特定される重要ページは逐次変化する。重要ページ管理部24は、会議の進行中に重要ページが変化すると、その変化に応じて重要ページ管理情報17を更新する。
【0071】
表示制御部21は、重要ページ管理情報17を逐次読み出し、ページ表示領域R2に表示している各ページのサムネイル画像31に重要ページマーク33を付与する。したがって、ページ表示領域R2に表示されるサムネイル画像31の重要ページマーク33は、会議の進行に応じて変化することがある。
【0072】
重要ページ編集部25は、ユーザーA,B,Cのいずれかが編集ボタン38を操作した場合に機能する。重要ページ編集部25は、ユーザーの操作に基づき、重要ページの追加又は削除を行うことを重要ページ管理部24に指示する。このとき、重要ページ編集部25は、重要ページの編集操作を行ったユーザーを重要ページ管理部24へ通知する。
【0073】
重要ページ管理部24は、重要ページ編集部25から重要ページの追加又は削除の指示を受け取ると、その指示に基づき、指定されたユーザーの重要ページ管理情報17を更新する。
図5では、ユーザーCによって19ページ目が重要ページから削除され、3ページ目と20ページ目とが重要ページとして追加された例を示している。重要ページ管理部24は、ユーザーの編集操作によって、重要ページとして追加されたページ又は重要ページから削除されたページを、その後の会議の進行によって変化させないように管理する。すなわち、重要ページ管理部24は、会議の進行中にユーザーによって重要ページとして追加されたページを、その後の会議の進行状況にかかわらず、必ず重要ページとして出力できるように管理する。また、重要ページ管理部24は、会議の進行中にユーザーによって重要ページから削除されたページを、その後の会議の進行状況にかかわらず、重要ページとして出力されないように管理する。
【0074】
重要ページの編集操作は、各ユーザーA,B,Cが自由に行うことができる。そのため、重要ページ管理部24は、重要ページ管理情報17においてユーザーごとに重要ページを記録して管理することにより、各ユーザーの意図を反映させた状態で重要ページを管理することができる。
【0075】
出力部26は、ユーザーA,B,Cのいずれかが出力ボタン39を操作した場合に機能する。例えば、ユーザーA,B,Cは、会議の進行中又は終了後に、会議資料に手書きメモなどを残しておきたい場合に出力ボタン39を操作する。情報処理端末3は、ユーザーによって出力ボタン39が操作されると、会議支援装置2に対して出力指示を送信する。出力部26は、その出力指示を受信すると、出力指示の送信元である情報処理端末3を特定すると共に、出力ボタン39を操作したユーザーを特定する。そして出力部26は、特定したユーザーに対応する重要ページを重要ページ管理部24に問い合わせる。重要ページ管理部24は、出力部26からの問い合わせに対し、出力ボタン39を操作したユーザーに対応する重要ページを通知する。出力部26は、記憶部11から会議資料15を読み出し、重要ページ管理部24からの通知に基づき、少なくとも重要ページを含む出力データを生成し、その出力データを出力指示の送信元である情報処理端末3へ出力する。
【0076】
図6は、出力部26によって生成される出力データ40の例を示す図である。例えば出力部26は、
図6(a)に示すように、会議資料15から重要ページだけを抽出し、重要ページのみを含む出力データ40を生成しても良い。この場合、会議資料15が例えば100ページを超えるような膨大な資料であっても、出力データ40には重要ページだけが含まれる。そのため、ユーザーは、会議資料15よりも少ない重要ページの中から必要なページを探し出せば良く、効率的に必要なページを見つけ出すことができる。それ故、会議の進行中であっても、ユーザーは、直ぐに手書きメモを取り始めることが可能である。
【0077】
また、出力部26は、会議資料15に含まれる全てのページを含む出力データ40を生成するようにしても構わない。ただし、この場合、出力部26は、例えば
図6(b)に示すように、重要ページから成る重要ページ群41と、非重要ページから成る非重要ページ群42とを区別可能な出力データ40を生成することが好ましい。重要ページ群41と非重要ページ群42とを区別可能な出力データ40を生成することにより、ユーザーは、重要ページ群41の中から必要なページを探し出せば良く、効率的に必要なページを見つけ出すことができる。それ故、会議の進行中であっても、ユーザーは、直ぐに手書きメモを取り始めることが可能である。
【0078】
また、出力部26は、
図6(b)に示す出力態様に代えて、
図7に示す出力態様を採用しても良い。すなわち、出力部26は、
図7に示すように、複数ページから成る会議資料15のページ順序をそのまま保持しつつ、重要ページには重要ページであることを示す識別情報43を付加することによって出力データ40を生成する。重要ページに識別情報43が付加されているため、ユーザーは、識別情報43が付加されている重要ページの中から必要なページを探し出せば良く、効率的に必要なページを見つけ出すことができる。それ故、会議の進行中であっても、ユーザーは、直ぐに手書きメモを取り始めることが可能である。
【0079】
また、出力部26は、
図6(b)又は
図7に示したように重要ページを他のページと区別した出力データ40を生成するとき、情報処理端末3に、重要ページを他のページと区別した印刷を行わせることが可能なデータを生成しても良い。例えば、
図7に示す出力態様の場合、識別情報43をプリンタドライバが認識可能な情報として重要ページに付加するようにしても良い。これにより、情報処理端末3においてプリンタドライバが起動し、出力データ40に基づく印刷ジョブを画像形成装置5へ送信するとき、重要ページと他のページとを別のトレイに排出させることが可能となる。
【0080】
また、出力部26は、出力データ40を、情報処理端末3において編集可能なデータとして出力しても良い。情報処理端末3において編集可能なデータとしては、例えばPDFファイルなどが挙げられる。出力データ40を、情報処理端末3において編集可能なデータとして出力することにより、ユーザーは、出力データ40を印刷することなく、情報処理端末3に表示させた状態で重要ページに手書きメモなどを加えていくことができる。
【0081】
次に、会議支援装置2における処理手順について説明する。
図8は、会議支援装置2における処理手順の一例を示すフローチャートである。会議支援装置2は、この処理を開始すると、ユーザーログイン処理を行う(ステップS10)。ユーザーログイン処理は、情報処理端末3からのアクセスがあった場合に、ユーザーによるログイン情報の入力操作を受け付け、ユーザー認証を行う処理である。ユーザー認証に成功すると、会議支援装置2は、ユーザーのWEB会議への参加を許可する。
【0082】
会議支援装置2は、WEB会議が開始されたか否かを判断し(ステップS11)、WEB会議が開始されると(ステップS11)、会議資料15を読み出し(ステップS12)、表示対象ページを選択する(ステップS13)。会議開始直後のタイミングでは、会議資料15の1ページ目が表示対象ページとして選択される。そして会議支援装置2は、表示対象ページを資料表示領域R1に表示した会議画面G1を各情報処理端末3に送信して表示させる(ステップS14)。
【0083】
会議が開始すると、会議支援装置2は、進行状況情報16を収集し(ステップS15)、会議資料15の中から重要ページを特定する重要ページ特定処理を実行する(ステップS16)。このステップS15~S16の処理は、会議の進行中に繰り返し行われる処理である。そのため、会議の進行に応じて、会議資料15の中から特定される重要ページが逐次更新される。
【0084】
会議支援装置2は、ユーザーによる重要ページの編集操作があったか否かを判断する(ステップS17)。編集操作があった場合(ステップS17でYES)、会議支援装置2は、ユーザーを特定し(ステップS18)、重要ページ編集処理を実行する(ステップS19)。これにより、重要ページの変種操作を行ったユーザーの重要ページ管理情報17が更新される。尚、ユーザーによる重要ページの編集操作がなかった場合(ステップS17でNO)、ステップS18,S19の処理はスキップする。
【0085】
会議支援装置2は、ユーザーによる会議資料15の出力指示があったか否かを判断する(ステップS20)。出力指示があった場合(ステップS20でYES)、会議支援装置2は、ユーザーを特定し(ステップS21)、少なくとも重要ページを含む出力データ40を生成して出力処理を実行する(ステップS22)。このとき、会議支援装置2は、
図6(a)、
図6(b)、
図7に示した出力態様のうち、ユーザーによって指定された出力態様で出力データ40を出力する。これにより、少なくとも重要ページを含む出力データ40が情報処理端末3に送信され、ユーザーは、重要ページに手書きメモなどを取っていくことができる。尚、ユーザーによる出力指示がなかった場合(ステップS20でNO)、ステップS21,S22の処理はスキップする。
【0086】
次に、会議支援装置2は、ユーザーによる表示ページの変更指示があったかどうかを判断する(ステップS23)。表示ページの変更指示があった場合(ステップS23でYES)、会議支援装置2による処理は、ステップS13に戻り、上述した処理を繰り返す。表示ページの変更指示がなかった場合(ステップS23でNO)、会議支援装置2は、WEB会議が終了したか否かを判断する(ステップS24)。WEB会議が終了していない場合(ステップS24でNO)、会議支援装置2による処理は、ステップS15に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0087】
一方、WEB会議が終了する場合(ステップS24でYES)、会議支援装置2は、ユーザーによる会議資料15の出力指示があったか否かを判断する(ステップS25)。出力指示があった場合(ステップS25でYES)、会議支援装置2は、ユーザーを特定し(ステップS26)、少なくとも重要ページを含む出力データ40を生成して出力処理を実行する(ステップS27)。このとき、会議支援装置2は、
図6(a)、
図6(b)、
図7に示した出力態様のうち、ユーザーによって指定された出力態様で出力データ40を出力する。これにより、少なくとも重要ページを含む出力データ40が情報処理端末3に送信され、ユーザーは、会議終了後、重要ページに手書きメモなどを取っておくことができる。尚、ユーザーによる出力指示がなかった場合(ステップS25でNO)、ステップS26,S27の処理はスキップし、全ての処理が終了する。
【0088】
以上のように本実施形態の会議システム1は、複数のページから成る会議資料15を複数の情報処理端末3のそれぞれに出力して表示させる表示制御部21と、会議の進行に伴う進行状況情報16を収集し、進行状況情報16に基づいて会議資料15のうちから重要ページを特定する重要ページ特定部23と、重要ページを含む出力データ40を情報処理端末3へ出力する出力部28と、を備える構成である。このような構成によれば、会議の進行中に会議資料15の中から重要ページが自動で特定されるため、会議に参加するユーザー自らが重要ページを探し出す手間を省くことができるようになる。
【0089】
以上、本発明に関する好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0090】
例えば上記実施形態では、進行状況情報16における各ページの評価値が、現在表示中、表示時間、発言量、声の大きさ、役職、及び、ページ番号発言といった複数の項目に基づいて算出される例を説明した。しかし、これに限れられるものではなく、各ページの評価値は、上記複数の項目のうちの少なくとも1つの項目に基づいて算出されるものであっても構わない。
【0091】
また、会議支援装置2は、上述した項目以外に、例えば発言者の人数に応じて評価値を算出するようにしても構わない。すなわち、重要ページ特定部23は、表示制御部21によって一のページが表示されているときの発言者の人数に応じて当該一のページの評価値を算出するのである。具体的には、重要ページ特定部23は、表示制御部21によって一のページが表示されているとき、発言者の人数をカウントし、そのカウント値を進行状況情報16に記録すれば良い。発言者の人数が多いページは、重要ページである可能性が高いため、より一層正確に重要ページを特定することができるようになる。
【0092】
また、上記実施形態では、会議支援装置2がユーザーによる出力指示を検知すると、そのユーザーの情報処理端末3に出力データ40を送信する場合を例示した。しかし、これに限られるものでもない。例えば、会議支援装置2は、出力指示を行ったユーザーの近傍に設置されている画像形成装置5に出力データ40を送信し、画像形成装置5に重要ページを印刷させるような構成であっても構わない。
【符号の説明】
【0093】
1 会議システム
2 会議支援装置
3(3a,3b,3c) 情報処理端末
15 会議資料
16 進行状況情報
17 重要ページ管理情報
20 会議支援部
21 表示制御部
22 音声処理部
23 重要ページ特定部
24 重要ページ管理部
25 重要ページ編集部
26 出力部
G1 会議画面