(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139031
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】シャッター
(51)【国際特許分類】
E06B 9/42 20060101AFI20241002BHJP
【FI】
E06B9/42 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049805
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 敦也
(72)【発明者】
【氏名】岩田 潤一
(72)【発明者】
【氏名】山本 理史
(57)【要約】
【課題】シャッターケース内で、ケーブル及びケーブル同士の結線部の水濡れ防止とケーブル及びケーブル同士の結線部のシャッターカーテンとの干渉防止とを簡単に行う。
【解決手段】シャッター1は、シャッターカーテンと、シャッターカーテンを巻き取る軸体40と、軸体40の側方に位置する側板部30を含み、軸体40及び軸体40に巻き取られたシャッターカーテンを収容するシャッターケース2と、シャッターケース2に取り付けられて軸体40を支持する支持材50を備える。支持材50は、シャッターケース2の側板部30との間にケーブル60、63及びケーブル60、63同士の結線部64を収容する収容スペースK2を形成し、かつ、ケーブル60、63及びケーブル60、63同士の結線部64を収容スペースK2の外部と内部とに通過させる通過孔56を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャッターカーテンと、前記シャッターカーテンを巻き取る軸体と、前記軸体の側方に位置する側板部を含み、前記軸体及び前記軸体に巻き取られたシャッターカーテンを収容するシャッターケースと、前記シャッターケースに取り付けられて前記軸体を支持する支持材と、を備えたシャッターであって、
前記支持材は、前記シャッターケースの前記側板部との間にケーブル及びケーブル同士の結線部を収容する収容スペースを形成し、かつ、前記ケーブル及び前記ケーブル同士の結線部を前記収容スペースの外部と内部とに通過させる通過孔を有するシャッター。
【請求項2】
請求項1に記載されたシャッターにおいて、
前記支持材は、前記軸体と前記収容スペースの間で延びる前記ケーブルを挿通させる挿通孔を有するシャッター。
【請求項3】
請求項2に記載されたシャッターにおいて、
前記挿通孔は、前記軸体に巻き取られたシャッターカーテンよりも前記軸体の軸心側の位置に配置されるシャッター。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載されたシャッターにおいて、
前記通過孔は、前記軸体に巻き取られたシャッターカーテンよりも前記軸体の軸心側の位置に配置されて、前記軸体と前記収容スペースの間で延びる前記ケーブルを挿通させる挿通部を有するシャッター。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載されたシャッターにおいて、
前記通過孔は、前記支持材に形成された長孔であるシャッター。
【請求項6】
請求項5に記載されたシャッターにおいて、
前記支持材は、前記軸体を受ける受け部を有し、
前記通過孔は、前記支持材の前記受け部側に位置する一端部と前記支持材の外縁部側に位置する他端部の間で延びるシャッター。
【請求項7】
請求項1ないし3のいずれかに記載されたシャッターにおいて、
前記支持材は、前記シャッターケースとの間に、前記ケーブル及び前記ケーブル同士の結線部を前記収容スペースの外部と内部とに通過させる通過部を形成し、
前記通過孔は、前記通過部に向かって開放されて前記通過部に連続するシャッター。
【請求項8】
請求項7に記載されたシャッターにおいて、
前記支持材は、前記シャッターケースの内部における前記軸体に巻き取られたシャッターカーテンよりも外側となる箇所に前記通過部を形成するシャッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッターカーテンを巻き取る軸体を備えたシャッターに関する。
【背景技術】
【0002】
電動式のシャッターでは、軸体がシャッターケースの内部に設けられて、軸体に巻き取られたシャッターカーテンがシャッターケースの内部に収容される。また、モータにより駆動されて、軸体へのシャッターカーテンの巻き取りと軸体からのシャッターカーテンの繰り出しとが行われる。シャッターケース内には、軸体から延びる各種のケーブル(例えば、モータに接続するケーブル)が配置されるとともに、ケーブル同士の結線部が配置される。このようなケーブル及びケーブル同士の結線部については、シャッターの正常な動作を維持するため、水濡れ及びシャッターカーテンとの干渉を回避しつつ、シャッターケース内に設けることが求められる。これに対し、従来、3つのカバーを用いて、ケーブル等を保護する電動シャッターが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された従来の電動シャッターの3つのカバーは、フレームの側板に固定されて、ケーブル等を覆う。しかしながら、従来の電動シャッターでは、巻付軸及びシャッターカーテンの側方の狭いスペースでカバーを固定する必要があり、カバーの固定作業に手間がかかる。また、ケーブル等をカバーの内部に収容する作業も行い難い。そのため、従来の電動シャッターについては、作業性の観点から、改良の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、シャッターのシャッターケース内で、ケーブル及びケーブル同士の結線部の水濡れ防止とケーブル及びケーブル同士の結線部のシャッターカーテンとの干渉防止とを簡単に行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
シャッターカーテンと、前記シャッターカーテンを巻き取る軸体と、前記軸体の側方に位置する側板部を含み、前記軸体及び前記軸体に巻き取られたシャッターカーテンを収容するシャッターケースと、前記シャッターケースに取り付けられて前記軸体を支持する支持材と、を備えたシャッターであって、
前記支持材は、前記シャッターケースの前記側板部との間にケーブル及びケーブル同士の結線部を収容する収容スペースを形成し、かつ、前記ケーブル及び前記ケーブル同士の結線部を前記収容スペースの外部と内部とに通過させる通過孔を有するシャッターである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シャッターのシャッターケース内で、ケーブル及びケーブル同士の結線部の水濡れ防止とケーブル及びケーブル同士の結線部のシャッターカーテンとの干渉防止とを簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態のシャッターを示す正面図である。
【
図2】本実施形態の建具に設けられたシャッターを示す縦断面部である。
【
図3】本実施形態の建具及びシャッターを分解して示す斜視図である。
【
図4】
図1に示す本実施形態のシャッターの上部を拡大して示す正面図である。
【
図5】本実施形態のシャッターの軸体、支持材、及び、シャッターケースの側板部を示す斜視図である。
【
図6】本実施形態のシャッターの支持材を左右方向における軸体側からみた図である。
【
図7】本実施形態のシャッターの支持材とシャッターケースの側板部を左右方向における軸体側からみた図である。
【
図8】本実施形態のシャッターの支持材の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のシャッターの一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のシャッターは、電動式のシャッター装置(電動シャッター)であり、電気を動力として電力により駆動される。以下では、スライド式の障子を備えた建具を例にとり、建具に設けられた建物用(建具用)のシャッターについて説明する。シャッター及び建具は、建物の外壁で、建物の室内(屋内)と室外(屋外)の間に設置される。
【0010】
図1は、本実施形態のシャッター1を示す正面図であり、閉じた状態のシャッター1を室外側からみて示している。
図示のように、シャッター1は、建具の上部に設置されるシャッターケース2と、建具の室外側で移動可能(昇降可能)なシャッターカーテン3と、一対のガイドレール4を備えている。シャッターケース2は、箱状のケーシング(シャッターボックス)である。シャッターカーテン3は、上下方向Rに移動して開閉する。
【0011】
なお、建物に設置したシャッター1を正面からみたときに、上下となる方向が上下方向Rであり、左右となる方向が左右方向Sである。
図1では、上下方向Rは鉛直方向であり、左右方向Sは水平方向である。室内外方向は、建物に設置したシャッター1における室内外方向(屋内外方向)である。また、室内外方向は、建物に設置したシャッター1を正面からみたときに、前後となる方向(奥行方向)であり、
図1では、左右方向Sに直交する水平方向である。このように、シャッター1に関する方向は、建物に設置した状態での方向で特定する。また、シャッター1に関して室内側、室外側とは、建物に設置した状態での室内側、室外側である。
【0012】
シャッターカーテン3は、互いに回動可能に連結された複数のスラット3Aと、下端部に設けられた座板3Bを有している。複数のスラット3Aは、それぞれ左右方向Sに延び、上下方向Rに順に並べて、互いに平行に配置されている。座板3Bは、最下部のスラット3Aの下側に配置されて、最下部のスラット3Aに回動可能に取り付けられている。シャッターカーテン3は、左右のガイドレール4に移動可能に連結されて、左右のガイドレール4の間で上下方向Rに移動する。ガイドレール4は、シャッターカーテン3の左右の側部に連結されている。
【0013】
シャッターカーテン3は、シャッターケース2の内部と外部とに向かって移動するとともに、上下方向Rに移動して開閉(昇降)する。ガイドレール4は、シャッターカーテン3の開閉時(昇降時)に、シャッターカーテン3の左右の側部を上下方向Rにガイドする。シャッターカーテン3を閉めるときに、シャッターカーテン3は、シャッターケース2から繰り出されて、下方に移動する。また、シャッターカーテン3を開けるときには、シャッターカーテン3は、シャッターケース2に向かって巻き上げられて、上方に移動し、シャッターケース2の内部に収容される。
【0014】
図2は、本実施形態の建具5に設けられたシャッター1を示す縦断面部であり、建物6の外壁6Aに設置された建具5及びシャッター1を上下方向Rと室内外方向Tを含む面で切断して示している。
図3は、本実施形態の建具5及びシャッター1を分解して示す斜視図である。
図示のように、建具5は、建物6の開口部に設置される開閉可能な窓(開閉窓)である。また、建具5は、引き違い窓であり、スライド式の2つの障子5A、5B(第1障子5A、第2障子5B)及び1つの網戸5Cと、障子5A、5B及び網戸5Cを囲む枠体10を備えている。
【0015】
障子5A、5Bは、スライドにより移動するパネル状の可動障子(パネル体)であり、枠体10の開口部11に移動可能(スライド可能)に配置されている。障子5A、5Bは、枠体10の開口部11内で、左右方向Sにスライドして引き違い状に移動する。引き違い障子である障子5A、5Bのそれぞれの移動により、枠体10の開口部11が開閉される。第1障子5Aは、室内側に位置する室内側障子であり、第2障子5Bは、室外側に位置する室外側障子である。網戸5Cは、障子5A、5Bの室外側で、左右方向Sにスライドして移動する。
【0016】
枠体10は、方形状の開口枠(窓枠)であり、建物6の方形状の開口部に設置される。また、枠体10は、互いに組み合わされた4つの枠12~14(上枠12、下枠13、一対の縦枠14)を有し、4つの枠12~14により、方形状の開口部11を形成している。枠12~14は、枠体10を構成する枠構成材であり、例えば、押出成形により形成された金属製(例えば、アルミニウム合金製)の形材からなる。上枠12と下枠13は、枠体10の上下の横枠であり、左右方向S(横方向)に延びる。一対の縦枠14は、枠体10の左右の側枠であり、上下方向R(縦方向)に延びる。上枠12、下枠13、及び、左右の縦枠14が接続されて、枠12~14が枠組みされている。
【0017】
一対の縦枠14が上枠12よりも上方に突出して、上面板15が一対の縦枠14の上端部に架け渡されている。上面板15は、上枠12から上方に離隔して配置されて、一対の縦枠14の上端部に取り付けられ、上枠12と上下方向Rにおいて相対する。枠体10の上枠12の上側には、シャッターケース2を収容する収容部16が区画されている。収容部16は、上枠12、一対の縦枠14の上枠12よりも上側の部分、及び、上面板15により囲まれた空所部であり、枠体10の開口部11の上側に位置している。
【0018】
シャッターケース2は、収容部16に室外側から収容されて、収容部16内に取り付けられ、枠体10の上部(枠体10の開口部11の上側)に設置される。ガイドレール4は、一対の縦枠14の上枠12よりも下側の部分に取り付けられて、シャッターケース2の下方に位置し、上枠12から下枠13まで縦枠14の長手方向(上下方向R)に延びる。左右のガイドレール4は、それぞれ縦枠14の室外側に配置されて、シャッターカーテン3を縦枠14の長手方向にガイドする。
【0019】
シャッターケース2は、室内側の背面板20と、一対の側板部30と、側板部30に取り付けられた側部カバー21と、室外側の正面板22を有している。背面板20は、シャッターケース2における室内側の背面に位置し、正面板22は、シャッターケース2における室外側の正面に位置している。背面板20と正面板22は、一対の側板部30の間に位置し、室内外方向Tにおいて、シャッターケース2内のスペースを挟んで相対する。一対の側板部30は、シャッターケース2における左右の側部であり、左右方向Sにおいて、シャッターケース2内のスペースを挟んで相対する。
【0020】
側板部30は、側面板31を有している。一対の側板部30の側面板31は、シャッターケース2における左右の側面に位置し、左右方向Sにおいて、シャッターケース2内のスペースを挟んで相対する。一対の側板部30及び側面板31は、背面板20から室外側に突出して、背面板20と正面板22の間に位置している。側板部30及び側面板31は、収容部16内で縦枠14に沿って配置されて、枠体10(収容部16)から室外側に突出している。側部カバー21は、シャッターケース2の左右の側方で、側板部30の枠体10から突出する部分を覆う。
【0021】
正面板22は、着脱可能(又は開閉可能)な点検板であり、側板部30の室外側に位置して、シャッターケース2の左右の側板部30に着脱可能に取り付けられている。正面板22は、上面板15から上枠12の室外側の位置まで配置され、正面板22の下端部は、上枠12から室外側に離隔して配置されている。シャッターカーテン3は、正面板22の下端部と上枠12の間の箇所を上下方向Rに通過して、シャッターケース2の内部と外部とに向かって移動する。
【0022】
図4は、
図1に示す本実施形態のシャッター1の上部を拡大して示す正面図であり、シャッターケース2の内部構造を透視して鎖線で示している。
図示のように、シャッター1は、シャッターケース2の内部に収容された軸体40、支持材50、及び、支持軸23を備えている。軸体40は、シャッターカーテン3を駆動する駆動軸であり、筒状の巻取軸41とモータ42を有している。巻取軸41は、軸心回りの両方向に回転可能な軸体40の本体(回転軸)であり、中空形状に形成されている。軸体40の軸心は、軸体40の回転する部分である巻取軸41の回転中心であり、軸体40及び軸体40の軸心は、シャッターケース2内で左右方向Sに延びる。軸体40の軸心方向は、軸体40の軸心が延びる方向(左右方向S)であり、軸体40及び巻取軸41の回転中心線の延びる方向に一致する。
【0023】
モータ42は、巻取軸41を駆動する電動式の駆動部(電動モータ)であり、電気を動力として稼働する。モータ42の少なくとも一部(一部又は全体)が巻取軸41の内部に収容され、巻取軸41の内部で、モータ42の出力軸(図示せず)が巻取軸41に連結されている。モータ42は、巻取軸41を回転させる回転力を発生して、回転力を巻取軸41に伝達する。モータ42は、回転力により、巻取軸41を回転駆動して、巻取軸41を軸心回りの一方向と他方向とに回転させる。
【0024】
シャッターカーテン3の最上部のスラット3Aが軸体40(ここでは、巻取軸41)に取り付けられて、シャッターカーテン3が軸体40に連結されている。シャッターカーテン3は、軸体40により駆動されて、軸体40に巻き取られるともに、軸体40から繰り出される。
【0025】
シャッターカーテン3を閉めるときに、軸体40の巻取軸41は、モータ42により、軸心回りの一方向に回転(
図2では、反時計回りに回転)して、シャッターカーテン3を繰り出す。シャッターカーテン3は、巻取軸41及び軸体40から下方に向かって繰り出されて展開し、シャッターケース2から下方に移動する。シャッターカーテン3を開けるときには、巻取軸41は、モータ42により、軸心回りの他方向に回転(
図2では、時計回りに回転)して、シャッターカーテン3を巻き取る。シャッターカーテン3は、シャッターケース2に向かって上方に移動して、巻取軸41及び軸体40の周りに繰り出し可能に巻き取られる。
【0026】
シャッターケース2は、軸体40を覆う背面板20、正面板22、及び、左右の側板部30を含み、軸体40及び軸体40に巻き取られたシャッターカーテン3を収容する。側板部30は、軸体40が接続される接続部であり、軸体40の左右方向S(軸体40の軸心方向)における側方に位置する。シャッターケース2内で、軸体40、シャッターカーテン3、支持材50、及び、支持軸23は、左右方向Sにおいて、左右の側板部30の間に配置され、室内外方向Tにおいて、背面板20と正面板22の間に配置される。また、支持材50と支持軸23は、軸体40の左右方向Sにおける側方に位置している。
【0027】
支持材50は、軸体40をシャッターケース2に接続する接続材であり、左右の側板部30のうちの一方の側板部30に取り付けられている。モータ42は、巻取軸41の一端部寄りの箇所に収容されて、巻取軸41の一端部を回転可能に支持する。モータ42が支持材50に取り付けられて、軸体40(軸体40の軸心方向の一端部)が支持材50に取り付けられる。モータ42及び軸体40は、支持材50を介して、側板部30及びシャッターケース2に接続されて、支持材50により支持される。
【0028】
支持軸23は、軸体40をシャッターケース2に接続する接続軸であり、左右の側板部30のうちの他方の側板部30に取り付けられている。巻取軸41の他端部が支持軸23に取り付けられて、軸体40(軸体40の軸心方向の他端部)が支持軸23に取り付けられる。巻取軸41及び軸体40は、支持軸23を介して、側板部30及びシャッターケース2に接続されて、支持軸23により支持される。また、支持軸23は、巻取軸41の他端部を回転可能に支持する。
【0029】
シャッターケース2内で、支持材50は、左右方向Sにおいて、一方の側板部30(ここでは、側面板31)の軸体40側に位置して、側板部30と軸体40の間に配置される。支持材50は、板状の区画材(支持板)であり、シャッターケース2内のスペースをシャッターカーテンスペースK1と収容スペースK2とに区画する。収容スペースK2は、一方の側板部30と支持材50の間に形成された空間であり、シャッターカーテンスペースK1は、他方の側板部30と支持材50の間に形成された空間である。また、シャッターカーテンスペースK1は、シャッターケース2内のメインスペースであり、軸体40、軸体40に巻き取られたシャッターカーテン3、及び、支持軸23を収容する。シャッターカーテン3は、シャッターカーテンスペースK1の内部と外部とに向かって移動する。
【0030】
収容スペースK2は、シャッターケース2内のサブスペースであり、少なくともケーブル及びケーブル同士の結線部を収容する。ケーブルは、シャッターケース2内に配置されるシャッター1の各種のケーブル(例えば、電源用のケーブル(電源ケーブル)、通信用のケーブル(通信ケーブル)、操作用のケーブル(操作ケーブル))であり、ケーブル同士の結線部は、複数のケーブルを結んだ部分である。ケーブルは、結線部で、コネクタにより、又は、直接に結ばれて接続(結線)される。収容スペースK2内のケーブル及びケーブル同士の結線部は、シャッターケース2内で、軸体40(軸体40のモータ42が位置する一端部)及び支持材50の側方に配置される。
【0031】
このように、シャッターケース2内で、支持材50は、シャッターケース2の側板部30との間にケーブル及びケーブル同士の結線部を収容する収容スペースK2を形成する。その状態で、支持材50は、シャッターケース2に取り付けられて、軸体40を支持する。また、支持材50は、左右方向Sにおいて、シャッターカーテンスペースK1と収容スペースK2の間に位置するとともに、軸体40及びシャッターカーテン3の側方に位置して、軸体40及びシャッターカーテン3の側方に収容スペースK2を区画する。ケーブルは、軸体40と収容スペースK2の間で延び、収容スペースK2に収容される。収容スペースK2と、収容スペースK2内のケーブル及びケーブル同士の結線部は、支持材50により、シャッターカーテンスペースK1、軸体40、及び、シャッターカーテン3から隔てられる。
【0032】
図5は、本実施形態のシャッター1の軸体40、支持材50、及び、シャッターケース2の側板部30を示す斜視図であり、軸体40の一端部側の部分を示している。
図6は、本実施形態のシャッター1の支持材50を左右方向Sにおける軸体40側からみた図である。
図7は、本実施形態のシャッター1の支持材50とシャッターケース2の側板部30を左右方向Sにおける軸体40側からみた図であり、シャッター1の収容スペースK2に収容される構成の一部を鎖線で示している。
図7では、軸体40のモータ42を模式的に支持材50に重ねて示している。
【0033】
図示のように、シャッターケース2の側板部30は、側面板31と、側面板31の外縁部に沿って形成された周壁部32と、支持材50が固定される被固定部33を有している。側面板31は、左右方向Sにおいて、支持材50との間に収容スペースK2を挟んで、支持材50と相対する。周壁部32は、側面板31から左右方向Sに突出して、支持材50及び収容スペースK2の周囲に配置され、支持材50及び収容スペースK2の全体又は一部を囲む。ここでは、周壁部32は、支持材50及び収容スペースK2の室外側には設けられずに、支持材50及び収容スペースK2の室内側、上側、及び、下側に設けられて、支持材50及び収容スペースK2を室内側、上側、及び、下側において囲む。支持材50は、側板部30の周壁部32の内側に配置される。被固定部33は、周壁部32における下側の部分から下側に突出し、側面板31、周壁部32、及び、軸体40の下側に位置している。
【0034】
支持材50は、収容スペースK2を区画する板状の隔壁部51と、軸体40を受ける受け部52と、シャッターケース2に固定される固定部53と、ケーブル用の挿通孔54、55と、ケーブル及び結線部用の通過孔56と、通過部K3を形成する形成部57を有している。隔壁部51は、軸体40と収容スペースK2の間、及び、シャッターカーテンスペースK1と収容スペースK2の間に位置している。受け部52は、隔壁部51に固定されて、隔壁部51から軸体40に向かって突出している。軸体40(ここでは、モータ42)は、受け部52に固定されて、支持材50に取り付けられ、受け部52に支持されている。固定部53は、隔壁部51、受け部52、及び、軸体40の下側に位置し、側板部30の被固定部33に室外側から当接して、ネジ(図示せず)により、側板部30の被固定部33に固定されている。これにより、支持材50は、側板部30及びシャッターケース2に取り付けられる。
【0035】
支持材50の2つの挿通孔54、55(第1挿通孔54、第2挿通孔55)は、支持材50の隔壁部51に形成され、隔壁部51を左右方向Sに貫通して、支持材50の左右の両側(シャッターカーテンスペースK1と収容スペースK2)に開放されている。挿通孔54、55は、支持材50の受け部52の近傍に設けられて、受け部52と近接する。ここでは、第1挿通孔54は、第2挿通孔55よりも室内側に位置する室内側挿通孔であり、第2挿通孔55よりも小さく形成されて、受け部52の室内側に位置している。第2挿通孔55は、第1挿通孔54よりも室外側に位置する室外側挿通孔であり、受け部52の室外側における斜め上側に位置している。
【0036】
挿通孔54、55は、軸体40と収容スペースK2の間で延びるケーブル60~62(第1ケーブル60、第2ケーブル61、第3ケーブル62)を挿通させる。第1ケーブル60は、第1挿通孔54を挿通し、第2ケーブル61と第3ケーブル62は、第2挿通孔55を挿通する。ケーブル60~62は、軸体40に接続されて、軸体40から軸体40の外部に向かって延び、挿通孔54、55を左右方向Sに挿通する。また、ケーブル60~62は、軸体40から挿通孔54を挿通して収容スペースK2まで延び、収容スペースK2に収容される。
【0037】
支持材50、軸体40、及び、シャッターカーテン3を側方から軸体40の軸心方向(左右方向S)でみたときに、挿通孔54、55は、軸体40に巻き取られたシャッターカーテン3の全体及び最内側(1周目)のシャッターカーテン3に対して軸体40の軸心側(回転中心線側)に位置する。即ち、軸体40の軸心方向に直交する方向における位置をみたときに、挿通孔54、55は、軸体40に巻き取られたシャッターカーテン3よりも軸体40の軸心側の位置に配置される。シャッターカーテン3は、挿通孔54、55及び挿通孔54、55内のケーブル60~62よりも軸体40の軸心から離れた位置で、軸体40に巻き取られ、軸体40から繰り出される。
【0038】
第1ケーブル60は、軸体40のモータ42に接続された電源ケーブルであり、第4ケーブル63と接続される。第4ケーブル63は、シャッター1の外部の電源に接続された電源ケーブルであり、電源とシャッターケース2の間で延びる。また、第4ケーブル63は、シャッターケース2における室内側の箇所の上部(ここでは、背面板20の上部)を貫通して、シャッターケース2の内部に配置される。第1ケーブル60と第4ケーブル63は、コネクタである結線部64で互いに結ばれて接続され、モータ42と電源の間で延びる。
【0039】
第2ケーブル61は、軸体40のモータ42に接続された通信ケーブルであり、収容スペースK2に収容された通信装置65に接続されて、モータ42と通信装置65の間で延びる。第3ケーブル62は、シャッター1を操作する操作ケーブルであり、軸体40から第2挿通孔55及び収容スペースK2を通過してシャッターケース2の下方まで延びる。ここでは、第3ケーブル62は、非常開放ケーブルである。非常時には、第3ケーブル62によりシャッター1を操作することで、シャッターカーテン3の手動での開放が可能となる。
【0040】
挿通孔54、55は、通過孔56とは別の孔であり、通過孔56とは繋がらずに、通過孔56から離隔して形成されている。通過孔56は、ケーブル及びケーブル同士の結線部を収容スペースK2の外部と内部とに通過させる。通過孔56は、支持材50の隔壁部51に形成され、隔壁部51を左右方向Sに貫通して、支持材50の左右の両側(シャッターカーテンスペースK1と収容スペースK2)に開放されている。ここでは、通過孔56は、支持材50に形成された長孔であり、支持材50の受け部52と支持材50の外縁部の間に位置している。長孔である通過孔56の長手方向は、通過孔56が延びる方向(長さ方向)であり、通過孔56の短手方向(幅方向)と直交する。また、通過孔56の一端部と他端部は、通過孔56の長手方向における一方側の端部と他方側の端部である。
【0041】
通過孔56の長手方向において、通過孔56の一端部と他端部は、それぞれ室外側に位置する室外側端部と室内側に位置する室内側端部である。通過孔56の一端部は、支持材50の受け部52側に位置し、通過孔56の他端部は、支持材50の外縁部側に位置している。通過孔56は、一端部と他端部の間で直線的に延びる。ここでは、通過孔56の他端部は、支持材50の外縁部である形成部57側に位置し、第1挿通孔54は、通過孔56の一端部と受け部52の間に位置している。通過孔56は、第1挿通孔54と形成部57の間に形成されて、第1挿通孔54と形成部57の間で延びる。また、通過孔56の一端部は、支持材50内で閉塞する閉塞端部であり、通過孔56の他端部は、形成部57において開口する開口端部(開放端部)である。通過孔56は、他端部で、支持材50の外方に向かって開放されている。
【0042】
支持材50の形成部57は、空所である通過部K3を形成する通過部形成部(空所形成部)である。支持材50は、形成部57により、シャッターケース2との間に、ケーブル及びケーブル同士の結線部を収容スペースK2の外部と内部とに通過させる通過部K3を形成する。通過部K3は、支持材50の形成部57とシャッターケース2の間に形成される空所であり、支持材50の左右の両側(シャッターカーテンスペースK1と収容スペースK2)に開放されている。また、通過部K3は、支持材50の通過孔56とシャッターケース2の間にも形成されている。通過孔56の一端部は、形成部57及び通過部K3から離隔し、通過孔56の他端部は、通過部K3に向かって開放されている。通過孔56は、他端部において、通過部K3に向かって開放されて、通過部K3に繋がり、通過部K3に連続している。
【0043】
支持材50、軸体40、シャッターカーテン3、及び、シャッターケース2を側方から軸体40の軸心方向(左右方向S)でみたときに、通過部K3は、シャッターケース2の内部で、軸体40に巻き取られたシャッターカーテン3の全体及び最外側のシャッターカーテン3に対して外側となる箇所(軸体40の軸心から離れた箇所)に形成される。即ち、支持材50は、形成部57により、軸体40の軸心方向に直交する方向において、シャッターケース2の内部における軸体40に巻き取られたシャッターカーテン3よりも外側となる箇所に通過部K3を形成する。軸体40に巻き取られたシャッターカーテン3は、完全に開いた状態で軸体40に巻き取られて軸体40の周囲に位置するシャッターカーテン3である。シャッターカーテン3は、通過部K3よりも軸体40の軸心側の位置で、軸体40に巻き取られ、軸体40から繰り出される。
【0044】
ここでは、通過部K3は、支持材50の形成部57と側板部30の周壁部32の間、及び、支持材50の通過孔56と側板部30の周壁部32の間に形成される。また、形成部57は、支持材50の室内側の部分の上部に形成された切り欠き部である。支持材50は、形成部57により、シャッターケース2の内部における室内側の箇所の上部に通過部K3を形成する。支持材50の通過孔56は、室内外方向Tに対して傾斜して延びるとともに、受け部52側(第1挿通孔54側)の一端部から室内側の形成部57及び通過部K3に向かって斜め上方に延びる。
【0045】
通過孔56及び通過部K3を通過するケーブルは、2つのケーブル60、63(第1ケーブル60、第4ケーブル63)であり、通過孔56及び通過部K3を通過するケーブル同士の結線部は、2つのケーブル60、63同士の結線部64である。2つのケーブル60、63のうち、第1ケーブル60は、軸体40から第1挿通孔54を挿通して収容スペースK2に収容され、第4ケーブル63は、シャッターケース2の外部と内部の間で延びる。通過孔56及び通過部K3は、第1ケーブル60を収容スペースK2の内部から外部に向かって通過させるとともに、収容スペースK2の外部で接続されたケーブル60、63及びケーブル60、63同士の結線部64を収容スペースK2の外部から内部に向かって通過させる。
【0046】
ケーブル60、63同士を接続する前に、軸体40から延びる第1ケーブル60は、軸体40から第1挿通孔54を挿通して収容スペースK2に入れられ、収容スペースK2から通過孔56(又は、通過孔56及び通過部K3)を通過して、収容スペースK2の外部(ここでは、シャッターカーテンスペースK1)に引き出される。第1ケーブル60は、軸体40から第1挿通孔54、収容スペースK2、及び、通過孔56を順に通過してシャッターカーテンスペースK1まで延びる。また、第4ケーブル63は、シャッターケース2内で、シャッターカーテンスペースK1に配置される。第1ケーブル60と第4ケーブル63は、シャッターカーテンスペースK1において、結線部64で互いに結ばれて接続される。続いて、ケーブル60、63及び結線部64は、シャッターカーテンスペースK1から通過孔56及び通過部K3を通過して収容スペースK2に入れられ、収容スペースK2に収容される。
【0047】
以上説明したシャッター1では、シャッターケース2内でのケーブル60~63の配線作業の作業性を向上させることができる。また、シャッターカーテン3の軸体40への巻き取りに伴い、シャッターケース2内で、シャッターカーテン3に付着した水が飛んだときでも、水を支持材50(隔壁部51)により遮ることができる。これにより、収容スペースK2に収容されたケーブル60~63及び結線部64に水がかかるのを妨げることができる。支持材50により、収容スペースK2内のケーブル60~63及び結線部64をシャッターカーテン3から保護することもできる。従って、ケーブル60~63及び結線部64の水濡れ防止とケーブル60~63及び結線部64のシャッターカーテン3との干渉防止とを簡単に行うことができる。支持材50のみにより、ケーブル60~63及び結線部64を保護できるため、シャッター1の部品数が増加するのを抑制することもできる。
【0048】
支持材50の挿通孔54、55により、軸体40から延びるケーブル60~62を収容スペースK2に容易に収容することができる。また、挿通孔54、55は、軸体40に巻き取られたシャッターカーテン3よりも軸体40の軸心側の位置に配置される。これにより、軸体40と収容スペースK2の間で挿通孔54、55を挿通するケーブル60~62がシャッターカーテン3に接触するのを抑制することができる。
【0049】
支持材50の通過孔56を長孔にすることで、ケーブル60、63及び結線部64が通過孔56を通過して収容スペースK2の内部から外部にはみ出すのを抑制することができる。そのため、ケーブル60、63及び結線部64の通過孔56の通過を容易にしつつ、ケーブル60、63及び結線部64をシャッターカーテン3から安定して保護することができる。また、通過孔56は、支持材50の受け部52側に位置する一端部と支持材50の外縁部側に位置する他端部の間で延びる。従って、軸体40から延びる第1ケーブル60を軸体40に近い位置で通過孔56を通過させることができ、結線部64を支持材50の受け部52と外縁部の間で通過孔56を通過させることができる。これにより、ケーブル60、63及び結線部64を収容スペースK2に容易に収容することができる。
【0050】
支持材50により通過部K3を形成することで、ケーブル60、63を収容スペースK2の外部で容易に接続できるとともに、ケーブル60、63及び結線部64を通過孔56及び通過部K3から収容スペースK2に容易に収容することができる。そのため、ケーブル60、63を接続する作業、及び、ケーブル60、63及び結線部64を収容スペースK2に収容する作業の作業性を向上させることができる。通過部K3は、シャッターケース2の内部における軸体40に巻き取られたシャッターカーテン3よりも外側となる箇所に形成される。そのため、シャッターケース2の内部で、ケーブル60、63を容易に接続して、ケーブル60、63及び結線部64を通過孔56及び通過部K3から収容スペースK2に向かって簡単に通過させることができる。
【0051】
なお、支持材50の通過孔56は、室外側から室内側に向かって斜め上方に延びる。これに対し、通過孔56を他の方向に延びるように形成してもよい。また、通過孔56は、直線的以外の態様で延びていてもよく、例えば、湾曲して延びていてもよい。通過孔56は、長孔以外の孔であってもよい。支持材50は、1つの通過孔56のみを有していてもよく、複数の通過孔56を有していてもよい。1つのケーブルのみを1つの通過孔56を通過させてもよく、複数のケーブルを1つの通過孔56を通過させてもよい。
【0052】
支持材50は、1つの挿通孔のみを有していてもよく、複数の挿通孔を有していてもよい。また、1つのケーブルのみを1つの挿通孔に挿通させてもよく、複数のケーブルを1つの挿通孔に挿通させてもよい。通過部K3は、シャッターケース2の内部における室内側の箇所の上部以外の部分に形成してもよい。建具5は、引き違い窓以外の建具であってもよく、本発明は、建具用のシャッター1に限定されず、種々のシャッターに適用することができる。
【0053】
図8は、本実施形態のシャッター1の支持材50の他の例を示す図であり、
図6と同様に、支持材50を左右方向Sにおける軸体40側からみて示している。
図示のように、ここでは、支持材50は、
図6に示す支持材50と同様に、隔壁部51、受け部52、固定部53、第2挿通孔55、及び、通過孔56を有している。しかしながら、支持材50は、
図6に示す支持材50とは相違して、第1挿通孔54と形成部57を有しておらず、通過部K3を形成しない。
【0054】
支持材50の通過孔56は、軸体40と収容スペースK2の間で延びる第1ケーブル60を挿通させる挿通部56Aを有している。第1ケーブル60は、通過孔56の挿通部56Aを左右方向Sに挿通する。挿通部56Aは、通過孔56の受け部52側に位置する一端部であり、支持材50の受け部52の室内側に位置している。第1ケーブル60は、軸体40から挿通部56Aを挿通して収容スペースK2まで延び、収容スペースK2に収容される。軸体40の軸心方向に直交する方向における位置をみたときに、挿通部56Aは、軸体40に巻き取られたシャッターカーテン3よりも軸体40の軸心側の位置に配置される。シャッターカーテン3は、挿通部56A及び挿通部56A内の第1ケーブル60よりも軸体40の軸心から離れた位置で、軸体40に巻き取られ、軸体40から繰り出される。
【0055】
通過孔56の挿通部56Aは、受け部52の近傍に設けられて、受け部52と近接する。通過孔56の他端部は、支持材50の外縁部側に位置し、支持材50の外縁部において開口する。通過孔56は、支持材50の受け部52と外縁部の間に形成されて、支持材50の受け部52と外縁部の間で延びる。通過孔56は、受け部52側の挿通部56Aから室内側に向かって斜め上方に延びる。
【0056】
ケーブル60、63同士を接続する前に、シャッターケース2内で、ケーブル60、63は、収容スペースK2の外部(ここでは、シャッターカーテンスペースK1)に配置される。その状態で、第1ケーブル60は、軸体40からシャッターカーテンスペースK1に向かって延び、ケーブル60、63は、通過孔56のシャッターカーテンスペースK1側の位置に配置される。第1ケーブル60と第4ケーブル63は、シャッターカーテンスペースK1において、結線部64で互いに結ばれて接続される。続いて、ケーブル60、63及び結線部64は、シャッターカーテンスペースK1から通過孔56を通過して収容スペースK2に入れられ、収容スペースK2に収容される。また、第1ケーブル60は、軸体40と収容スペースK2の間で、通過孔56の挿通部56Aを挿通する。
【0057】
支持材50の通過孔56に挿通部56Aを設けることで、軸体40と収容スペースK2の間で挿通部56Aを挿通する第1ケーブル60がシャッターカーテン3に接触するのを抑制することができる。なお、
図8に示す支持材50に、
図6に示す支持材50の形成部57を設けてもよい。これに対し、通過孔56の他端部を支持材50内で閉塞させてもよい。このように、通過孔56は、支持材50の外方に向かって開放された孔でもよく、支持材50内で閉塞した孔でもよい。
【0058】
以上のとおり、本実施形態では、以下の(1)~(8)に記載されたシャッターを開示している。
【0059】
(1) シャッターカーテンと、前記シャッターカーテンを巻き取る軸体と、前記軸体の側方に位置する側板部を含み、前記軸体及び前記軸体に巻き取られたシャッターカーテンを収容するシャッターケースと、前記シャッターケースに取り付けられて前記軸体を支持する支持材と、を備えたシャッターであって、
前記支持材は、前記シャッターケースの前記側板部との間にケーブル及びケーブル同士の結線部を収容する収容スペースを形成し、かつ、前記ケーブル及び前記ケーブル同士の結線部を前記収容スペースの外部と内部とに通過させる通過孔を有するシャッター。
(1)に記載されたシャッターでは、シャッターのシャッターケース内で、ケーブル及びケーブル同士の結線部の水濡れ防止とケーブル及びケーブル同士の結線部のシャッターカーテンとの干渉防止とを簡単に行うことができる。
【0060】
(2) (1)に記載されたシャッターにおいて、
前記支持材は、前記軸体と前記収容スペースの間で延びる前記ケーブルを挿通させる挿通孔を有するシャッター。
(2)に記載されたシャッターでは、軸体から延びるケーブルを収容スペースに容易に収容することができる。
【0061】
(3) (2)に記載されたシャッターにおいて、
前記挿通孔は、前記軸体に巻き取られたシャッターカーテンよりも前記軸体の軸心側の位置に配置されるシャッター。
(3)に記載されたシャッターでは、軸体と収容スペースの間で挿通孔を挿通するケーブルがシャッターカーテンに接触するのを抑制することができる。
【0062】
(4) (1)ないし(3)のいずれかに記載されたシャッターにおいて、
前記通過孔は、前記軸体に巻き取られたシャッターカーテンよりも前記軸体の軸心側の位置に配置されて、前記軸体と前記収容スペースの間で延びる前記ケーブルを挿通させる挿通部を有するシャッター。
(4)に記載されたシャッターでは、軸体と収容スペースの間で通過孔の挿通部を挿通するケーブルがシャッターカーテンに接触するのを抑制することができる。
【0063】
(5) (1)ないし(4)のいずれかに記載されたシャッターにおいて、
前記通過孔は、前記支持材に形成された長孔であるシャッター。
(5)に記載されたシャッターでは、ケーブル及びケーブル同士の結線部の通過孔の通過を容易にしつつ、ケーブル及びケーブル同士の結線部をシャッターカーテンから安定して保護することができる。
【0064】
(6) (5)に記載されたシャッターにおいて、
前記支持材は、前記軸体を受ける受け部を有し、
前記通過孔は、前記支持材の前記受け部側に位置する一端部と前記支持材の外縁部側に位置する他端部の間で延びるシャッター。
(6)に記載されたシャッターでは、軸体から延びるケーブルを軸体に近い位置で通過孔を通過させることができ、ケーブル同士の結線部を支持材の受け部と外縁部の間で通過孔を通過させることができる。これにより、ケーブル及びケーブル同士の結線部を収容スペースに容易に収容することができる。
【0065】
(7) (1)ないし(6)のいずれかに記載されたシャッターにおいて、
前記支持材は、前記シャッターケースとの間に、前記ケーブル及び前記ケーブル同士の結線部を前記収容スペースの外部と内部とに通過させる通過部を形成し、
前記通過孔は、前記通過部に向かって開放されて前記通過部に連続するシャッター。
(7)に記載されたシャッターでは、ケーブルを収容スペースの外部で容易に接続できるとともに、ケーブル及びケーブル同士の結線部を通過孔及び通過部から収容スペースに容易に収容することができる。
【0066】
(8) (7)に記載されたシャッターにおいて、
前記支持材は、前記シャッターケースの内部における前記軸体に巻き取られたシャッターカーテンよりも外側となる箇所に前記通過部を形成するシャッター。
(8)に記載されたシャッターでは、シャッターケースの内部で、ケーブルを容易に接続して、ケーブル及びケーブル同士の結線部を通過孔及び通過部から収容スペースに向かって簡単に通過させることができる。
【符号の説明】
【0067】
1・・・シャッター、2・・・シャッターケース、3・・・シャッターカーテン、3A・・・スラット、3B・・・座板、4・・・ガイドレール、5・・・建具、5A・・・第1障子、5B・・・第2障子、5C・・・網戸、6・・・建物、6A・・・外壁、10・・・枠体、11・・・開口部、12・・・上枠、13・・・下枠、14・・・縦枠、15・・・上面板、16・・・収容部、20・・・背面板、21・・・側部カバー、22・・・正面板、23・・・支持軸、30・・・側板部、31・・・側面板、32・・・周壁部、33・・・被固定部、40・・・軸体、41・・・巻取軸、42・・・モータ、50・・・支持材、51・・・隔壁部、52・・・受け部、53・・・固定部、54・・・第1挿通孔、55・・・第2挿通孔、56・・・通過孔、56A・・・挿通部、57・・・形成部、60・・・第1ケーブル、61・・・第2ケーブル、62・・・第3ケーブル、63・・・第4ケーブル、64・・・結線部、65・・・通信装置、K1・・・シャッターカーテンスペース、K2・・・収容スペース、K3・・・通過部、R・・・上下方向、S・・・左右方向、T・・・室内外方向。