(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139032
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】シャッター
(51)【国際特許分類】
E06B 9/42 20060101AFI20241002BHJP
【FI】
E06B9/42 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049806
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 敦也
(72)【発明者】
【氏名】岩田 潤一
(72)【発明者】
【氏名】山本 理史
(57)【要約】
【課題】シャッターカーテンの軸体への巻き取りと軸体からの繰り出しに伴い、軸体を支持する支持材が回転するのを簡単に防止する。
【解決手段】シャッター1は、シャッターカーテンと、シャッターカーテンを巻き取る軸体と、軸体の側方に位置する側板部30を含み、軸体及び軸体に巻き取られたシャッターカーテンを収容するシャッターケース2と、シャッターケース2に取り付けられて軸体を支持する支持材50を備える。側板部30は、支持材50を受ける受け部34を有する。支持材50は、受け部34に拘束されて、軸体の軸心回りの両方向への支持材50の回転を止める回転止め部54を有する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャッターカーテンと、前記シャッターカーテンを巻き取る軸体と、前記軸体の側方に位置する側板部を含み、前記軸体及び前記軸体に巻き取られたシャッターカーテンを収容するシャッターケースと、前記シャッターケースに取り付けられて前記軸体を支持する支持材と、を備えたシャッターであって、
前記側板部は、前記支持材を受ける受け部を有し、
前記支持材は、前記受け部に拘束されて、前記軸体の軸心回りの両方向への前記支持材の回転を止める回転止め部を有するシャッター。
【請求項2】
請求項1に記載されたシャッターにおいて、
前記受け部は、受け突部であり、
前記回転止め部は、前記受け突部に接触して、前記受け突部により保持される回転止め突部であるシャッター。
【請求項3】
請求項1に記載されたシャッターにおいて、
前記受け部は、受け突部、又は、受け孔部であり、
前記回転止め部は、前記受け突部が嵌る回転止め孔部、又は、前記受け孔部に嵌る回転止め突部であるシャッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッターカーテンを巻き取る軸体を備えたシャッターに関する。
【背景技術】
【0002】
電動式のシャッターでは、軸体がシャッターケースの内部に設けられて、軸体に巻き取られたシャッターカーテンがシャッターケースの内部に収容される。また、モータにより駆動されて、軸体へのシャッターカーテンの巻き取りと軸体からのシャッターカーテンの繰り出しとが行われる。シャッターケース内では、支持材がネジによりシャッターケースに固定されて、軸体が支持材により支持される。ところが、シャッターカーテンの軸体への巻き取りと軸体からの繰り出しに伴い、回転力が支持材に繰り返し伝達されて、支持材の固定用のネジが緩むことが懸念される。そのため、シャッターにおいては、支持材の回転を防止することが求められる。これに対し、従来、シートシャッターを巻き取る巻き取りドラムを第1の支持プレートに取り付け、第1の支持プレートを防振ゴムにより押える巻き取り装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された従来の巻き取り装置では、防振ゴムを第1の支持プレートと第1の取付ブラケットの間に介在させて、第1の支持プレートを第1の取付ブラケットに取り付ける。また、防振ゴムは、第1の取付ブラケットの支持部にボルトにより固定されるとともに、第1の支持プレートの水平部にナットにより固定される。このように、従来の巻き取り装置では、第1の支持プレートを第1の取付ブラケットに取り付ける構造が複雑であり、第1の支持プレートを第1の取付ブラケットに取り付ける作業に手間もかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、シャッターカーテンの軸体への巻き取りと軸体からの繰り出しに伴い、軸体を支持する支持材が回転するのを簡単に防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
シャッターカーテンと、前記シャッターカーテンを巻き取る軸体と、前記軸体の側方に位置する側板部を含み、前記軸体及び前記軸体に巻き取られたシャッターカーテンを収容するシャッターケースと、前記シャッターケースに取り付けられて前記軸体を支持する支持材と、を備えたシャッターであって、
前記側板部は、前記支持材を受ける受け部を有し、
前記支持材は、前記受け部に拘束されて、前記軸体の軸心回りの両方向への前記支持材の回転を止める回転止め部を有するシャッターである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シャッターカーテンの軸体への巻き取りと軸体からの繰り出しに伴い、軸体を支持する支持材が回転するのを簡単に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態のシャッターを示す正面図である。
【
図2】第1実施形態の建具に設けられたシャッターを示す縦断面部である。
【
図3】第1実施形態の建具及びシャッターを分解して示す斜視図である。
【
図4】
図1に示す第1実施形態のシャッターの上部を拡大して示す正面図である。
【
図5】第1実施形態のシャッターの軸体、支持材、及び、シャッターケースの側板部を示す斜視図である。
【
図6】第1実施形態のシャッターの支持材を示す斜視図である。
【
図7】第1実施形態のシャッターの支持材とシャッターケースの側板部を示す斜視図である。
【
図8】第1実施形態のシャッターの支持材とシャッターケースの側板部を左右方向における軸体側からみた図である。
【
図9】
図8のX1-X1線で切断した第1実施形態のシャッターの支持材とシャッターケースの側板部を示す断面図である。
【
図10】第2実施形態のシャッターの支持材を示す斜視図である。
【
図11】第2実施形態のシャッターの支持材とシャッターケースの側板部を左右方向における軸体側からみた図である。
【
図12】
図11のX2-X2線で切断した第2実施形態のシャッターの支持材とシャッターケースの側板部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のシャッターの一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のシャッターは、電動式のシャッター装置(電動シャッター)であり、電気を動力として電力により駆動される。以下では、スライド式の障子を備えた建具を例にとり、建具に設けられた建物用(建具用)のシャッターについて説明する。シャッター及び建具は、建物の外壁で、建物の室内(屋内)と室外(屋外)の間に設置される。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のシャッター1を示す正面図であり、閉じた状態のシャッター1を室外側からみて示している。
図示のように、シャッター1は、建具の上部に設置されるシャッターケース2と、建具の室外側で移動可能(昇降可能)なシャッターカーテン3と、一対のガイドレール4を備えている。シャッターケース2は、箱状のケーシング(シャッターボックス)である。シャッターカーテン3は、上下方向Rに移動して開閉する。
【0011】
なお、建物に設置したシャッター1を正面からみたときに、上下となる方向が上下方向Rであり、左右となる方向が左右方向Sである。
図1では、上下方向Rは鉛直方向であり、左右方向Sは水平方向である。室内外方向は、建物に設置したシャッター1における室内外方向(屋内外方向)である。また、室内外方向は、建物に設置したシャッター1を正面からみたときに、前後となる方向(奥行方向)であり、
図1では、左右方向Sに直交する水平方向である。このように、シャッター1に関する方向は、建物に設置した状態での方向で特定する。また、シャッター1に関して室内側、室外側とは、建物に設置した状態での室内側、室外側である。
【0012】
シャッターカーテン3は、互いに回動可能に連結された複数のスラット3Aと、下端部に設けられた座板3Bを有している。複数のスラット3Aは、それぞれ左右方向Sに延び、上下方向Rに順に並べて、互いに平行に配置されている。座板3Bは、最下部のスラット3Aの下側に配置されて、最下部のスラット3Aに回動可能に取り付けられている。シャッターカーテン3は、左右のガイドレール4に移動可能に連結されて、左右のガイドレール4の間で上下方向Rに移動する。ガイドレール4は、シャッターカーテン3の左右の側部に連結されている。
【0013】
シャッターカーテン3は、シャッターケース2の内部と外部とに向かって移動するとともに、上下方向Rに移動して開閉(昇降)する。ガイドレール4は、シャッターカーテン3の開閉時(昇降時)に、シャッターカーテン3の左右の側部を上下方向Rにガイドする。シャッターカーテン3を閉めるときに、シャッターカーテン3は、シャッターケース2から繰り出されて、下方に移動する。また、シャッターカーテン3を開けるときには、シャッターカーテン3は、シャッターケース2に向かって巻き上げられて、上方に移動し、シャッターケース2の内部に収容される。
【0014】
図2は、第1実施形態の建具5に設けられたシャッター1を示す縦断面部であり、建物6の外壁6Aに設置された建具5及びシャッター1を上下方向Rと室内外方向Tを含む面で切断して示している。
図3は、第1実施形態の建具5及びシャッター1を分解して示す斜視図である。
図示のように、建具5は、建物6の開口部に設置される開閉可能な窓(開閉窓)である。また、建具5は、引き違い窓であり、スライド式の2つの障子5A、5B(第1障子5A、第2障子5B)及び1つの網戸5Cと、障子5A、5B及び網戸5Cを囲む枠体10を備えている。
【0015】
障子5A、5Bは、スライドにより移動するパネル状の可動障子(パネル体)であり、枠体10の開口部11に移動可能(スライド可能)に配置されている。障子5A、5Bは、枠体10の開口部11内で、左右方向Sにスライドして引き違い状に移動する。引き違い障子である障子5A、5Bのそれぞれの移動により、枠体10の開口部11が開閉される。第1障子5Aは、室内側に位置する室内側障子であり、第2障子5Bは、室外側に位置する室外側障子である。網戸5Cは、障子5A、5Bの室外側で、左右方向Sにスライドして移動する。
【0016】
枠体10は、方形状の開口枠(窓枠)であり、建物6の方形状の開口部に設置される。また、枠体10は、互いに組み合わされた4つの枠12~14(上枠12、下枠13、一対の縦枠14)を有し、4つの枠12~14により、方形状の開口部11を形成している。枠12~14は、枠体10を構成する枠構成材であり、例えば、押出成形により形成された金属製(例えば、アルミニウム合金製)の形材からなる。上枠12と下枠13は、枠体10の上下の横枠であり、左右方向S(横方向)に延びる。一対の縦枠14は、枠体10の左右の側枠であり、上下方向R(縦方向)に延びる。上枠12、下枠13、及び、左右の縦枠14が接続されて、枠12~14が枠組みされている。
【0017】
一対の縦枠14が上枠12よりも上方に突出して、上面板15が一対の縦枠14の上端部に架け渡されている。上面板15は、上枠12から上方に離隔して配置されて、一対の縦枠14の上端部に取り付けられ、上枠12と上下方向Rにおいて相対する。枠体10の上枠12の上側には、シャッターケース2を収容する収容部16が区画されている。収容部16は、上枠12、一対の縦枠14の上枠12よりも上側の部分、及び、上面板15により囲まれた空所部であり、枠体10の開口部11の上側に位置している。
【0018】
シャッターケース2は、収容部16に室外側から収容されて、収容部16内に取り付けられ、枠体10の上部(枠体10の開口部11の上側)に設置される。ガイドレール4は、一対の縦枠14の上枠12よりも下側の部分に取り付けられて、シャッターケース2の下方に位置し、上枠12から下枠13まで縦枠14の長手方向(上下方向R)に延びる。左右のガイドレール4は、それぞれ縦枠14の室外側に配置されて、シャッターカーテン3を縦枠14の長手方向にガイドする。
【0019】
シャッターケース2は、室内側の背面板20と、一対の側板部30と、側板部30に取り付けられた側部カバー21と、室外側の正面板22を有している。背面板20は、シャッターケース2における室内側の背面に位置し、正面板22は、シャッターケース2における室外側の正面に位置している。背面板20と正面板22は、一対の側板部30の間に位置し、室内外方向Tにおいて、シャッターケース2内のスペースを挟んで相対する。一対の側板部30は、シャッターケース2における左右の側部であり、左右方向Sにおいて、シャッターケース2内のスペースを挟んで相対する。
【0020】
側板部30は、側面板31を有している。一対の側板部30の側面板31は、シャッターケース2における左右の側面に位置し、左右方向Sにおいて、シャッターケース2内のスペースを挟んで相対する。一対の側板部30及び側面板31は、背面板20から室外側に突出して、背面板20と正面板22の間に位置している。側板部30及び側面板31は、収容部16内で縦枠14に沿って配置されて、枠体10(収容部16)から室外側に突出している。側部カバー21は、シャッターケース2の左右の側方で、側板部30の枠体10から突出する部分を覆う。
【0021】
正面板22は、着脱可能(又は開閉可能)な点検板であり、側板部30の室外側に位置して、シャッターケース2の左右の側板部30に着脱可能に取り付けられている。正面板22は、上面板15から上枠12の室外側の位置まで配置され、正面板22の下端部は、上枠12から室外側に離隔して配置されている。シャッターカーテン3は、正面板22の下端部と上枠12の間の箇所を上下方向Rに通過して、シャッターケース2の内部と外部とに向かって移動する。
【0022】
図4は、
図1に示す第1実施形態のシャッター1の上部を拡大して示す正面図であり、シャッターケース2の内部構造を透視して鎖線で示している。
図示のように、シャッター1は、シャッターケース2の内部に収容された軸体40、支持材50、及び、支持軸23を備えている。軸体40は、シャッターカーテン3を駆動する駆動軸であり、筒状の巻取軸41とモータ42を有している。巻取軸41は、軸心回りの両方向に回転可能な軸体40の本体(回転軸)であり、中空形状に形成されている。軸体40の軸心は、軸体40の回転する部分である巻取軸41の回転中心であり、軸体40及び軸体40の軸心は、シャッターケース2内で左右方向Sに延びる。軸体40の軸心方向は、軸体40の軸心が延びる方向(左右方向S)であり、軸体40及び巻取軸41の回転中心線の延びる方向に一致する。
【0023】
モータ42は、巻取軸41を駆動する電動式の駆動部(電動モータ)であり、電気を動力として稼働する。モータ42の少なくとも一部(一部又は全体)が巻取軸41の内部に収容され、巻取軸41の内部で、モータ42の出力軸(図示せず)が巻取軸41に連結されている。モータ42は、巻取軸41を回転させる回転力を発生して、回転力を巻取軸41に伝達する。モータ42は、回転力により、巻取軸41を回転駆動して、巻取軸41を軸心回りの一方向と他方向とに回転させる。
【0024】
シャッターカーテン3の最上部のスラット3Aが軸体40(ここでは、巻取軸41)に取り付けられて、シャッターカーテン3が軸体40に連結されている。シャッターカーテン3は、軸体40により駆動されて、軸体40に巻き取られるともに、軸体40から繰り出される。
【0025】
シャッターカーテン3を閉めるときに、軸体40の巻取軸41は、モータ42により、軸心回りの一方向に回転(
図2では、反時計回りに回転)して、シャッターカーテン3を繰り出す。シャッターカーテン3は、巻取軸41及び軸体40から下方に向かって繰り出されて展開し、シャッターケース2から下方に移動する。シャッターカーテン3を開けるときには、巻取軸41は、モータ42により、軸心回りの他方向に回転(
図2では、時計回りに回転)して、シャッターカーテン3を巻き取る。シャッターカーテン3は、シャッターケース2に向かって上方に移動して、巻取軸41及び軸体40の周りに繰り出し可能に巻き取られる。
【0026】
シャッターケース2は、軸体40を覆う背面板20、正面板22、及び、左右の側板部30を含み、軸体40及び軸体40に巻き取られたシャッターカーテン3を収容する。側板部30は、軸体40が接続される接続部であり、軸体40の左右方向S(軸体40の軸心方向)における側方に位置する。シャッターケース2内で、軸体40、シャッターカーテン3、支持材50、及び、支持軸23は、左右方向Sにおいて、左右の側板部30の間に配置され、室内外方向Tにおいて、背面板20と正面板22の間に配置される。また、支持材50と支持軸23は、軸体40の左右方向Sにおける側方に位置している。
【0027】
支持材50は、軸体40をシャッターケース2に接続する接続材であり、左右の側板部30のうちの一方の側板部30に取り付けられている。モータ42は、巻取軸41の一端部寄りの箇所に収容されて、巻取軸41の一端部を回転可能に支持する。モータ42が支持材50に取り付けられて、軸体40(軸体40の軸心方向の一端部)が支持材50に取り付けられる。モータ42及び軸体40は、支持材50を介して、側板部30及びシャッターケース2に接続されて、支持材50により支持される。
【0028】
支持軸23は、軸体40をシャッターケース2に接続する接続軸であり、左右の側板部30のうちの他方の側板部30に取り付けられている。巻取軸41の他端部が支持軸23に取り付けられて、軸体40(軸体40の軸心方向の他端部)が支持軸23に取り付けられる。巻取軸41及び軸体40は、支持軸23を介して、側板部30及びシャッターケース2に接続されて、支持軸23により支持される。また、支持軸23は、巻取軸41の他端部を回転可能に支持する。
【0029】
シャッターケース2内で、支持材50は、左右方向Sにおいて、一方の側板部30(ここでは、側面板31)の軸体40側に位置して、軸体40と側板部30の間に配置される。支持材50は、板状の区画材(支持板)であり、シャッターケース2内のスペースをシャッターカーテンスペースK1と側方スペースK2とに区画する。側方スペースK2は、一方の側板部30と支持材50の間に形成された空間であり、シャッターカーテンスペースK1は、他方の側板部30と支持材50の間に形成された空間である。また、シャッターカーテンスペースK1は、シャッターケース2内のメインスペースであり、軸体40、軸体40に巻き取られたシャッターカーテン3、及び、支持軸23を収容する。シャッターカーテン3は、シャッターカーテンスペースK1の内部と外部とに向かって移動する。
【0030】
側方スペースK2は、シャッターケース2内のサブスペースであり、軸体40(軸体40のモータ42が位置する一端部)及び支持材50の側方に形成される。シャッターケース2内で、支持材50は、シャッターケース2の側板部30との間に側方スペースK2を形成した状態で、シャッターケース2に取り付けられて、軸体40を支持する。また、支持材50は、左右方向Sにおいて、シャッターカーテンスペースK1と側方スペースK2の間に位置するとともに、軸体40及びシャッターカーテン3の側方に位置して、軸体40及びシャッターカーテン3の側方に側方スペースK2を区画する。側方スペースK2は、支持材50により、シャッターカーテンスペースK1、軸体40、及び、シャッターカーテン3から隔てられる。
【0031】
図5は、第1実施形態のシャッター1の軸体40、支持材50、及び、シャッターケース2の側板部30を示す斜視図であり、軸体40の一端部側の部分を示している。
図6は、第1実施形態のシャッター1の支持材50を示す斜視図であり、支持材50を
図5とは異なる方向からみて示している。
図7は、第1実施形態のシャッター1の支持材50とシャッターケース2の側板部30を示す斜視図であり、支持材50と側板部30を
図5と同じ方向からみて示している。
【0032】
図示のように、シャッターケース2の側板部30は、側面板31と、側面板31の外縁部に沿って形成された周壁部32と、支持材50が固定される被固定部33と、支持材50を受ける受け部34(
図7参照)を有している。側面板31は、左右方向Sにおいて、支持材50との間に側方スペースK2を挟んで、支持材50と相対する。周壁部32は、側面板31から左右方向Sに突出して、支持材50及び側方スペースK2の周囲に配置され、支持材50及び側方スペースK2の全体又は一部を囲む。
【0033】
ここでは、周壁部32は、支持材50及び側方スペースK2の室外側には設けられずに、支持材50及び側方スペースK2の室内側、上側、及び、下側に設けられて、支持材50及び側方スペースK2を室内側、上側、及び、下側において囲む。支持材50は、側板部30の周壁部32の内側に配置される。被固定部33は、周壁部32における下側の部分から下側に突出し、側面板31、周壁部32、及び、軸体40の下側に位置している。受け部34は、側面板31の切り起こし加工により、板状に形成されている。受け部34は、側面板31から左右方向Sに突出して、周壁部32の内側に設けられている。
【0034】
支持材50は、板状の隔壁部51と、軸体40を受ける軸体受け52と、シャッターケース2に固定される固定部53と、支持材50の回転を阻止する回転止め部54(
図6参照)を有している。隔壁部51は、シャッターカーテンスペースK1と側方スペースK2の間に位置して、シャッターカーテンスペースK1と側方スペースK2を区画している。また、隔壁部51は、軸体40と側板部30の側面板31の間に位置して、側面板31との間に側方スペースK2を挟んで、側面板31と相対する。隔壁部51と側面板31は、左右方向Sに離隔して配置されて、互いの間に側方スペースK2を形成している。
【0035】
軸体受け52は、隔壁部51に固定されて、隔壁部51から軸体40に向かって突出している。軸体40(ここでは、モータ42)は、軸体受け52に固定されて、支持材50に取り付けられ、軸体受け52に支持されている。固定部53は、隔壁部51、軸体受け52、及び、軸体40の下側に位置し、側板部30の被固定部33に室外側から当接して、ネジ(図示せず)により、側板部30の被固定部33に固定されている。これにより、支持材50は、側板部30及びシャッターケース2に取り付けられる。回転止め部54は、隔壁部51の切り起こし加工により、板状に形成されている。回転止め部54は、隔壁部51から左右方向Sに突出して、支持材50の外縁部と軸体受け52の間に設けられている。
【0036】
図8は、第1実施形態のシャッター1の支持材50とシャッターケース2の側板部30を左右方向Sにおける軸体40側からみた図である。
図9は、
図8のX1-X1線で切断した第1実施形態のシャッター1の支持材50とシャッターケース2の側板部30を示す断面図であり、支持材50と側板部30を室内外方向Tと左右方向Sを含む面で切断して示している。
【0037】
図示のように、側板部30の受け部34と支持材50の回転止め部54は、互いに接触する突部であり、支持材50と側板部30の間、及び、側方スペースK2に配置される。ここでは、支持材50と側板部30の間は、支持材50の隔壁部51と側板部30の側面板31の間である。回転止め部54は、受け部34に接触して、受け部34に受けられる。その状態で、受け部34により、軸体40の軸心回りの両方向への回転止め部54の移動(回転)が規制される。回転止め部54は、受け部34に拘束されて、軸体40の軸心回りの両方向への支持材50の回転を止める。回転止め部54及び支持材50は、受け部34に回転不能に拘束されて保持される。
【0038】
側板部30の受け部34と支持材50の回転止め部54は、室内外方向Tにおいて、支持材50の軸体受け52よりも室内側に設けられて、支持材50の外縁部と軸体受け52の間の位置に配置されている。受け部34は、支持材50に向かって突出する突部(受け突部)であり、側板部30の側面板31から支持材50の隔壁部51に向かって突出している。受け部34は、支持材50の隔壁部51まで到達せず、支持材50の隔壁部51から離隔して配置されている。回転止め部54は、側板部30に向かって突出する突部(回転止め突部)であり、支持材50の隔壁部51から側板部30の側面板31に向かって突出している。回転止め部54は、側板部30の側面板31まで到達せず、側板部30の側面板31から離隔して配置されている。
【0039】
側板部30の受け部34は、支持材50の回転止め部54に対し、軸体40の軸心側の位置に配置されている。ここでは、受け部34は、回転止め部54の室外側に位置し、回転止め部54は、受け部34の室内側に位置している。支持材50と側板部30の間で、回転止め突部である回転止め部54は、受け突部である受け部34に接触して、受け部34により保持される。回転止め部54と受け部34は、板状の突片であり、軸体40の軸心方向に直交する方向において、重ね合わせて配置されている。回転止め部54は、受け部34に移動不能に受けられて、受け部34に係止される。また、回転止め部54及び支持材50が受け部34に拘束されて、受け部34により、回転止め部54の移動及び支持材50の回転が規制される。
【0040】
以上説明したシャッター1では、支持材50の回転止め部54を側板部30の受け部34に拘束して、シャッターカーテン3の軸体40への巻き取りとシャッターカーテン3の軸体40からの繰り出しに伴い、支持材50が回転するのを簡単に防止することができる。これにより、支持材50の固定用のネジに緩みが生じるのを抑制することができる。また、支持材50がシャッターケース2から外れるのを防止することができる。支持材50をシャッターケース2に取り付ける作業の作業性を向上させることもできる。回転止め部54(回転止め突部)を受け部34(受け突部)に接触させることで、支持材50の回転を簡単に防止することができる。
【0041】
なお、ここでは、支持材50に1つの回転止め部54を設け、側板部30に1つの受け部34を設けている。これに対し、支持材50に複数の回転止め部54を設け、側板部30に、それぞれ回転止め部54を拘束する複数の受け部34を設けてもよい。1つの回転止め部54を2つの受け部34の間に挟んで、回転止め部54を受け部34に拘束してもよく、1つの受け部34を2つの回転止め部54の間に挟んで、回転止め部54を受け部34に拘束してもよい。
【0042】
支持材50の回転止め部54は、側板部30の受け部34に対し、軸体40の軸心側の位置に配置されていてもよい。そのため、受け部34を回転止め部54の室内側に位置させ、回転止め部54を受け部34の室外側に位置させてもよい。また、切り起こし加工において、受け部34と回転止め部54のそれぞれを切り起こす方向は、いずれの方向であってもよい。回転止め部54と受け部34は、突片に限定されず、他の突部(例えば、突起、隔壁部51と側面板31に取り付けられた突部材)であってもよい。建具5は、引き違い窓以外の建具であってもよく、本発明は、建具用のシャッター1に限定されず、種々のシャッターに適用することができる。
【0043】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のシャッター1について説明する。第2実施形態のシャッター1では、第1実施形態のシャッター1と同じ事項の説明は省略し、第1実施形態のシャッター1と相違する事項について主に説明する。また、第2実施形態のシャッター1に関し、第1実施形態のシャッター1の構成に相当する構成には、第1実施形態のシャッター1の構成と同じ名称と符合を用いる。
【0044】
図10は、第2実施形態のシャッター1の支持材50を示す斜視図であり、
図6と同様に、支持材50を示している。
図11は、第2実施形態のシャッター1の支持材50とシャッターケース2の側板部30を左右方向Sにおける軸体40側からみた図である。
図12は、
図11のX2-X2線で切断した第2実施形態のシャッター1の支持材50とシャッターケース2の側板部30を示す断面図であり、支持材50と側板部30を室内外方向Tと左右方向Sを含む面で切断して示している。
【0045】
図示のように、側板部30の受け部34と支持材50の回転止め部54のうちの一方は、孔部であり、側板部30の受け部34と支持材50の回転止め部54のうちの他方は、孔部に嵌る突部である。ここでは、受け部34は、支持材50に向かって突出する突部(受け突部)であり、回転止め部54は、側板部30に向かって開放された孔部(回転止め孔部)である。回転止め部54は、支持材50の隔壁部51に形成され、隔壁部51を左右方向Sに貫通して、支持材50の左右の両側(シャッターカーテンスペースK1と側方スペースK2)に開放されている。また、回転止め部54は、長孔部であり、支持材50の軸体受け52から支持材50の外縁部側に離隔して形成されている。
【0046】
受け突部である受け部34は、回転止め孔部である回転止め部54を左右方向Sに挿通して、回転止め部54内に配置される。その状態で、受け部34は、回転止め部54の内面に接触して、回転止め部54に嵌る。これにより、受け部34と回転止め部54は、互いに嵌合する。また、回転止め部54は、受け部34に接触し、受け部34に係止されて、受け部34により保持される。
【0047】
これに対し、回転止め部54は、側板部30に向かって突出する突部(回転止め突部)であってもよい。この場合には、受け部34は、支持材50に向かって開放された孔部(受け孔部)である。受け部34は、側板部30の側面板31に形成され、側面板31を左右方向Sに貫通して、側面板31の左右の両側に開放される。また、受け部34は、長孔部であり、側板部30の外縁部及び周壁部32から離隔して形成される。
【0048】
回転止め突部である回転止め部54は、受け孔部である受け部34を左右方向Sに挿通して、受け部34内に配置される。その状態で、回転止め部54は、受け部34の内面に接触して、受け部34に嵌る。これにより、受け部34と回転止め部54は、互いに嵌合する。また、回転止め部54は、受け部34に接触し、受け部34に係止されて、受け部34により保持される。
【0049】
このように、第2実施形態のシャッター1では、側板部30の受け部34は、受け突部、又は、受け孔部であり、支持材50の回転止め部54は、受け突部が嵌る回転止め孔部、又は、受け孔部に嵌る回転止め突部である。これにより、支持材50の回転を安定して防止することができる。なお、受け孔部は、長孔部に限定されず、回転止め突部が嵌る他の形状の孔部であってもよい。また、回転止め孔部は、長孔部に限定されず、受け突部が嵌る他の形状の孔部であってもよい。
【0050】
以上のとおり、本実施形態では、以下の(1)~(3)に記載されたシャッターを開示している。
【0051】
(1) シャッターカーテンと、前記シャッターカーテンを巻き取る軸体と、前記軸体の側方に位置する側板部を含み、前記軸体及び前記軸体に巻き取られたシャッターカーテンを収容するシャッターケースと、前記シャッターケースに取り付けられて前記軸体を支持する支持材と、を備えたシャッターであって、
前記側板部は、前記支持材を受ける受け部を有し、
前記支持材は、前記受け部に拘束されて、前記軸体の軸心回りの両方向への前記支持材の回転を止める回転止め部を有するシャッター。
(1)に記載されたシャッターでは、シャッターカーテンの軸体への巻き取りと軸体からの繰り出しに伴い、軸体を支持する支持材が回転するのを簡単に防止することができる。
【0052】
(2) (1)に記載されたシャッターにおいて、
前記受け部は、受け突部であり、
前記回転止め部は、前記受け突部に接触して、前記受け突部により保持される回転止め突部であるシャッター。
(2)に記載されたシャッターでは、回転止め突部を受け突部に接触させることで、支持材の回転を簡単に防止することができる。
【0053】
(3) (1)に記載されたシャッターにおいて、
前記受け部は、受け突部、又は、受け孔部であり、
前記回転止め部は、前記受け突部が嵌る回転止め孔部、又は、前記受け孔部に嵌る回転止め突部であるシャッター。
(3)に記載されたシャッターでは、支持材の回転を安定して防止することができる。
【符号の説明】
【0054】
1・・・シャッター、2・・・シャッターケース、3・・・シャッターカーテン、3A・・・スラット、3B・・・座板、4・・・ガイドレール、5・・・建具、5A・・・第1障子、5B・・・第2障子、5C・・・網戸、6・・・建物、6A・・・外壁、10・・・枠体、11・・・開口部、12・・・上枠、13・・・下枠、14・・・縦枠、15・・・上面板、16・・・収容部、20・・・背面板、21・・・側部カバー、22・・・正面板、23・・・支持軸、30・・・側板部、31・・・側面板、32・・・周壁部、33・・・被固定部、34・・・受け部、40・・・軸体、41・・・巻取軸、42・・・モータ、50・・・支持材、51・・・隔壁部、52・・・軸体受け、53・・・固定部、54・・・回転止め部、K1・・・シャッターカーテンスペース、K2・・・側方スペース、R・・・上下方向、S・・・左右方向、T・・・室内外方向。